JP2019005077A - 口腔関連圧力表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】口腔関連圧力を医療従事者だけでなく、実際に訓練している者に視覚的に分かり易く表示できるようにして訓練に対するモチベーションを更に高める。
【解決手段】口腔関連圧力測定装置から出力される口腔関連圧力に関する信号を処理して口腔関連圧力の経時的な変化を示す波形100を生成する。波形100を表示部13に表示させる。
【選択図】図9

Description

本発明は、舌圧、舌下筋圧、口唇圧、頬圧力などの口腔関連圧力の測定を行うために使用する口腔関連圧力測定具に接続されて口腔関連圧力を表示する口腔関連圧力表示装置に関し、特に、口腔関連圧力の変化を時間の経過と共に表示する技術分野に属する。
近年、高齢者のQOL(Quality of Life)の向上のために摂食・嚥下機能の維持・回復が求められており、その機能の解明が必要になってきている。摂食・嚥下機能には舌の動きが深く関与しており、食塊の形成および咽頭への送り込みには所定の舌圧が必要となる。このため、舌圧の測定とその解析は重要な意味を持つ。また、舌圧だけでなく、舌下筋圧、口唇圧、頬圧力などの口腔関連圧力の測定も同様に重要な意味を持っており、これら口腔関連圧力の被測定者としては高齢者以外にも、患者、要介護高齢者、障がい者等も対象となる。
口腔関連圧力の測定方法としては、口腔内に挿入するバルーンに押圧力を加えることによって上記圧力を測定可能にする、いわゆるバルーン式プローブを用いる方法が知られている(特許文献1〜3参照)。特許文献1〜3に開示された口腔関連圧力測定装置では、口腔内に挿入されたバルーンを被測定者が舌で押圧すると、バルーンと連通した圧力検知部においてバルーン内の空気圧変化が検出される。この空気圧変化を電気信号に変換することで舌圧を測定することができる。
特開2001−275994号公報 特開2012−75733号公報 特開2013−135728号公報
ところで、摂食・嚥下機能が低下した者に対して訓練を行ってその機能の低下を抑制又は回復させることが行われることがあるが、成果が目に見える形で現れなければ、訓練に対するモチベーションが低下し、ひいては、摂食・嚥下機能の低下を抑制又は回復させることが困難になる。
そこで、特許文献1〜3の口腔関連圧力測定装置を使用することが考えられる。これら特許文献に開示されている口腔関連圧力測定装置は表示部を備えているので、その表示部に例えば口腔関連圧力の実測値等を表示することで、訓練の成果が数値として見え、これにより、モチベーションを維持することができると考えられる。また、口腔関連圧力を数値で見ることができるので、医療従事者はその数値に基づいて舌の筋力等を具体的に得ることができるという利点もある。
しかしながら、訓練している者が口腔関連圧力を数値で見たとしても、それは単なる数字の羅列に過ぎないので、訓練の成果が出ているのか否か、医療従事者の説明が無ければ判断できず、訓練の成果を直接的な実感として得にくい。このことは訓練に対するモチベーションの低下に繋がるおそれがあり、表示の形態について更なる工夫が求められている。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、口腔関連圧力を医療従事者だけでなく、実際に訓練している者に視覚的に分かり易く表示できるようにして訓練に対するモチベーションを更に高めることにある。
上記目的を達成するために、本発明では、口腔関連圧力の変化を時間の経過と共に表示できるようにした。
第1の発明は、口腔関連圧力を測定する口腔関連圧力測定装置に接続され、該口腔関連圧力測定装置で測定された口腔関連圧力を表示する口腔関連圧力表示装置において、上記口腔関連圧力測定装置から出力される口腔関連圧力に関する信号を受信する受信部と、上記受信部で受信した口腔関連圧力に関する信号に基づいて口腔関連圧力の経時的な変化を得る処理を行う信号処理部と、上記信号処理部で得られた口腔関連圧力の経時的な変化を示す波形を生成する表示画像生成部と、上記表示画像生成部で生成された波形を表示する表示部とを備えていることを特徴とする。
この構成によれば、被測定者が口腔関連圧力測定装置を使用して自分の口腔関連圧力を測定すると、口腔関連圧力測定装置から出力される口腔関連圧力に関する信号が受信部で受信される。信号処理部では、受信部で受信された口腔関連圧力に関する信号に基づいて口腔関連圧力の経時的な変化が得られ、この口腔関連圧力の経時的な変化を示す波形が表示画像生成部で生成される。そして、表示画像生成部で生成された波形が表示部に表示される。
表示部に表示された波形を見ることで、口腔関連圧力の大きさ、口腔関連圧力の変化速度等を視覚で把握することが可能になるので、数値に比べて訓練の成果を直接的な実感として得られ易くなる。
上記口腔関連圧力とは、例えば口唇や舌の筋力、頬の筋力等を挙げることができるが、これらに限られるものではなく、口腔に関連する各種圧力を含むことができる。また、上記被測定者は、高齢者のみならず、患者、要介護高齢者、障がい者等も含まれる。
第2の発明は、第1の発明において、上記表示画像生成部は、口腔関連圧力の現在圧を示す現在圧指示線を、口腔関連圧力の増減方向と直交する方向に延びるように生成するように構成され、上記表示部は、上記表示画像生成部で生成された現在圧指示線を上記波形と共に表示するように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、口腔関連圧力の現在圧が波形とは異なる形態、つまり、口腔関連圧力の増減方向と直交する方向に延びる直線で表示部に表示されるので、被測定者が口腔関連圧力の現在圧を把握し易くなる。
第3の発明は、第1または2の発明において、口腔関連圧力の目標圧を入力する入力部を備え、上記表示画像生成部は、上記入力部で入力された口腔関連圧力の目標圧を示す目標圧指示線を、口腔関連圧力の増減方向と直交する方向に延びるように生成するように構成され、上記表示部は、上記表示画像生成部で生成された目標圧指示線を上記波形と共に表示するように構成されていることを特徴とする。
すなわち、口腔関連圧力の目標圧は被測定者毎または訓練期間等により異なっており、この口腔関連圧力の目標圧を入力部によって入力することが可能になる。入力された口腔関連圧力の目標圧は波形とは異なる形態、つまり、口腔関連圧力の増減方向と直交する方向に延びる直線で表示部に表示されるので、被測定者が口腔関連圧力の目標圧を現在の圧力と比較し易くなる。
第4の発明は、第1から3のいずれか1つの発明において、上記表示画像生成部は、測定期間中における口腔関連圧力の最大圧を示す最大圧指示線を、該最大圧が更新されるまで、口腔関連圧力の増減方向と直交する方向に延びるように生成し続けるように構成され、上記表示部は、上記表示画像生成部で生成された最大圧指示線を上記波形と共に表示するように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、1人の被測定者の測定期間中における口腔関連圧力の最大圧が波形とは異なる形態、つまり、口腔関連圧力の増減方向と直交する方向に延びる直線で表示部に表示されるので、被測定者が口腔関連圧力の最大圧と現在の圧力との差を把握し易くなる。
第5の発明は、第4の発明において、上記表示画像生成部は、上記測定期間中における現在の口腔関連圧力が上記測定期間中における過去の最大圧を更新すると、上記最大圧指示線を生成し直すことを特徴とする。
この構成によれば、被測定者が測定期間中における最新の最大圧を把握し易くなる。
第6の発明は、第1から5のいずれか1つの発明において、上記表示画像生成部は、上記信号処理部で得られた口腔関連圧力を示す棒グラフを生成するように構成され、上記表示部は、上記表示画像生成部で生成された棒グラフを上記波形と共に表示するように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、口腔関連圧力を波形だけでなく、棒グラフとしても表示されるので、被測定者が口腔関連圧力の現在圧を把握し易くなる。
第7の発明は、第1から6のいずれか1つの発明において、上記表示画像生成部は、第1の測定期間中における口腔関連圧力の経時的な変化を示す第1波形と、上記第1の測定期間が経過した後の第2の測定期間中における口腔関連圧力の経時的な変化を示す第2波形とを少なくとも生成可能に構成され、上記表示部は、上記表示画像生成部で生成された上記第1波形と上記第2波形とを同時に表示可能に構成されていることを特徴とする。
すなわち、同じ被測定者が口腔関連圧力を何度も繰り返して測定する場合があり、この場合には第1の測定期間と第2の測定期間とが少なくとも存在することになる。本発明では、第1の測定期間及び第2の測定期間でそれぞれ測定された口腔関連圧力の経時的な変化が第1波形及び第2波形として表示部に同時に表示されるので、容易に比較することが可能になる。
第1の発明によれば、口腔関連圧力の変化を波形で表示することができるので、口腔関連圧力を医療従事者だけでなく、実際に訓練している者に視覚的に分かり易くすることができ、訓練に対するモチベーションを更に高めることができる。
第2の発明によれば、口腔関連圧力の現在圧を示す現在圧指示線を、口腔関連圧力の増減方向と直交する方向に延びるように表示することができるので、被測定者が口腔関連圧力の現在圧を短時間で把握し易くなり、訓練に対するモチベーションをより一層高めることができる。
第3の発明によれば、口腔関連圧力の目標圧を示す目標圧指示線を口腔関連圧力の増減方向と直交する方向に延びるように表示することができるので、被測定者が口腔関連圧力の現在圧と目標圧とを短時間で比較し易くなり、訓練に対するモチベーションをより一層高めることができる。
第4の発明によれば、測定期間中における口腔関連圧力の最大圧を示す最大圧指示線を口腔関連圧力の増減方向と直交する方向に延びるように表示することができるので、被測定者が口腔関連圧力の最大圧と現在の圧力との差を短時間で把握し易くなり、訓練に対するモチベーションをより一層高めることができる。
第5の発明によれば、被測定者が測定期間中における最新の最大圧を把握し易くなるので、訓練に対するモチベーションをより一層高めることができる。
第6の発明によれば、口腔関連圧力を示す棒グラフを波形と共に表示することができるので、被測定者が口腔関連圧力の現在圧を短時間で把握し易くなり、訓練に対するモチベーションをより一層高めることができる。
第7の発明によれば、第1の測定期間及び第2の測定期間でそれぞれ測定された口腔関連圧力の経時的な変化を第1波形及び第2波形として表示部に同時に表示できるので、第1波形及び第2波形を容易に比較することができる。
実施形態に係る口腔関連圧力表示装置の概略構成図である。 実施形態に係る口腔関連圧力表示装置のブロック図である。 測定画面を示す図である。 ポート設定画面を示す図である。 目標圧設定画面を示す図である。 目標圧設定画面の別の例を示す図である。 測定画面を示す図である。 測定を開始した状態を示す図7相当図である。 測定を開始して時間が経過した状態を示す図7相当図である。 最大圧が目標圧を超えた場合を示す図7相当図である。 最大圧が目標圧を超え、さらに時間が経過した状態を示す図7相当図である。 2回目の測定波形を1回目の測定波形と同時に表示した場合を示す図7相当図である。 目標圧を変更して測定した場合を示す図7相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る口腔関連圧力表示装置1の概略構成図であり、図2は、本発明の実施形態に係る口腔関連圧力表示装置1のブロック図である。口腔関連圧力表示装置1は、口腔関連圧力を測定する口腔関連圧力測定装置2に接続され、該口腔関連圧力測定装置2で測定された口腔関連圧力を表示するためのものであり、例えば各種医療機関、リハビリセンター、高齢者施設等で使用することができる。上記口腔関連圧力とは、例えば口唇や舌の筋力、頬の筋力等によって物を押圧する力を挙げることができるが、これらに限られるものではなく、口腔に関連する各種押圧力を含むことができる。また、口腔関連圧力の被測定者は、高齢者のみならず、患者、要介護高齢者、障がい者等も含まれ、健常者が被測定者となってもよい。
(口腔関連圧力測定装置2の構成)
口腔関連圧力測定装置2は、例えば特開2012−75733号公報等に開示された口腔関連圧力測定装置を使用することができる。この口腔関連圧力測定装置2は、測定器具3と、接続ホース4と、測定装置本体5とを備えている。測定器具3は、弾性材からなるバルーン3aと、バルーン3aに気密状に接続されて該バルーン3aの内部に連通する硬質樹脂からなる管部3bとを有している。管部3bには、接続ホース4の一端部が気密状に接続されている。
図2に示すように、測定装置本体5は、圧力検出部5aと送信部5bと図示しないが電源となる電池等も備えている。圧力検出部5aは周知の圧力センサで構成されている。この圧力検出部5aに接続ホース4の他端部が接続されている。従って、バルーン3aを例えば口腔内に配置して舌で押し潰すと、そのバルーン3a内の圧力変化が、管部3b及び接続ホース4を介して圧力検出部5aに伝わり、圧力検出部5aによってバルーン3a内の圧力を検出することができる。この圧力検出部5aによって検出されたバルーン3a内の圧力は、舌による押圧力が大きければ大きいほど高くなり、また口唇でバルーン3aを押し潰した場合には口唇による押圧力が大きければ大きいほど高くなる。よって、圧力検出部5aによって検出されたバルーン3a内の圧力は口腔関連圧力である。この圧力検出部5aは、1秒間に2回以上(500ms毎)、圧力を検出することができるものであり、従って略リアルタイムに口腔関連圧力を測定することができるように構成されている。尚、圧力検出部5aによる圧力の検出頻度は、任意に設定することができる。
圧力検出部5aから出力される信号としては、例えば、圧力をその大きさに対応した電圧値に変換した信号とすることができる。送信部5bは、圧力検出部5aから出力される電圧値を搬送波等に乗せて送信するように構成されている。送信部5bから送信される信号は、口腔関連圧力に関する信号である。この送信部5bは、周知のアルゴリズムで作動するものであり、圧力検出部5aで検出された口腔関連圧力に関する信号を略リアルタイムに送信するように構成されている。
口腔関連圧力測定装置2の構成は特に限定されるものではなく、口腔関連圧力を測定することができる装置であれば、上述した構造の装置以外の装置を使用することもできる。
(口腔関連圧力表示装置1の構成)
口腔関連圧力表示装置1は、制御部10と、キーボード11及びマウス12からなる入力部と、表示部13とを備えている。制御部10は、受信部10aと、信号処理部10bと、表示画像生成部10cと、記憶部10dとを有している。受信部10aは、口腔関連圧力測定装置2の送信部5bから送信された信号、即ち、口腔関連圧力に関する信号を受信するものである。信号処理部10bは、受信部10aで受信した口腔関連圧力に関する信号に基づいて口腔関連圧力の経時的な変化を得る処理を行う。つまり、口腔関連圧力に関する信号に基づいて上記圧力検出部5aで出力された電圧値を信号処理部10bで得ることができる。表示画像生成部10cは、詳細は後述するが、信号処理部10bで得られた口腔関連圧力の経時的な変化を示す波形(図8に符号100で示す)、現在圧指示線(図9に符号200で示す)、目標圧指示線(図8に符号300で示す)、最大圧指示線(図9に符号400で示す)、棒グラフ(図8に符号500で示す)等を生成するように構成されている。
記憶部10dは、制御部10の内部に設けられていてもよいし、外部に設けられていてもよい。記憶部10dは、読み書き可能な記憶媒体を有する記憶装置であり、例えば各種メモリ、ハードディスク等で構成することができる。
制御部10は、マイクロコンピュータ等のハードウェアで構成することもできるし、ソフトウェアで構成することもできる。例えば、制御部10は、中央演算処理装置、ROM及びRAM等からなる記憶装置等を有するパーソナルコンピュータで構成可能であり、パーソナルコンピュータで構成することにより汎用性を高めることができる。この場合、記憶装置に所定のプログラムを予め記憶させておき、このプログラムに従って中央演算処理装置を作動させることで、上記受信部10aと、信号処理部10bと、表示画像生成部10cと、記憶部10dとを構成することができ、後述する各処理を受信部10a、信号処理部10b、表示画像生成部10c及び記憶部10dに行わせることができる。
キーボード11及びマウス12は、従来から周知のパーソナルコンピュータ用の入力デバイスとして使用されているものである。キーボード11及びマウス12に替えて、又はキーボード11及びマウス12に追加して音声入力装置、タッチパネル入力装置、ダブレット型端末等を入力部として設けることができる。
表示部13は、例えばパーソナルコンピュータ用ディスプレイ等で構成することができるが、専用のモニタであってもよいし、プロジェクタによる投影型であってもよい。ノート型パーソナルコンピュータの場合、表示部13と制御部10とキーボード11とが一体化されることになる。また、表示部13、制御部10及びキーボード11は別体であってもよい。表示部13は、表示画像生成部10cから出力された画像信号を受信することで、表示画像生成部10cで生成された画像、即ち、口腔関連圧力の経時的な変化を示す波形100、現在圧指示線200、目標圧指示線300、最大圧指示線400、棒グラフ500等を表示するように構成されている。
表示画像生成部10cは、図3に示すような画面を生成する。図3に示す画面は測定画面20である。測定画面20は、口腔関連圧力を測定する前に各種設定を行うことが可能なインターフェース画面となっており、各種設定を行った後は口腔関連圧力の経時的な変化を示す波形等を表示することが可能に構成されている。
測定画面20について詳しく説明する。測定画面20は大きく上側と下側とに分けることができる。測定画面20の上側には、被測定者の氏名を入力可能な氏名入力領域21と、データ保存ボタン22と、画像保存ボタン23と、目標圧設定表示領域24と、現在圧表示領域25と、最大圧表示領域26と、測定開始ボタン27と、測定終了ボタン28とが設けられている。データ保存ボタン22、画像保存ボタン23、測定開始ボタン27及び測定終了ボタン28は物理的なボタンではなく、表示部13の画面に表示される仮想的なボタンであり、例えばマウス12で操作可能なポインタを、操作したいボタン上に置いてマウス12をクリック操作することで仮想的に押動することができる。データ保存ボタン22、画像保存ボタン23、測定開始ボタン27及び測定終了ボタン28の操作方法はマウス12に限られるものではなく、タッチパネル等の入力デバイスによる操作であってもよい。
データ保存ボタン22、画像保存ボタン23、測定開始ボタン27及び測定終了ボタン28の操作状態は、表示画像生成部10cが検出する。測定開始ボタン27が押されたことを表示画像生成部10cが検出すると、表示画像生成部10cは、図6に示すように、氏名入力及び目標圧入力用ポップアップ画面33を生成して表示部13に表示させる。氏名入力及び目標圧入力用ポップアップ画面33は、被測定者の氏名を入力することができるとともに、目標圧を入力することができるように構成されている。被測定者の氏名はキーボード11で入力可能であり、目標圧はマウス12で入力可能である。目標圧の単位はkPaである。
表示画像生成部10cは、氏名入力及び目標圧入力用ポップアップ画面33の「測定開始へ」ボタンが押されたことを検出すると、氏名入力及び目標圧入力用ポップアップ画面33を閉じて、図3に示す測定画面20の氏名入力領域21に、目標圧入力用ポップアップ画面33で入力された氏名を表示するとともに、目標圧設定表示領域24に、目標圧入力用ポップアップ画面33で入力された目標圧を表示する。
目標圧設定表示領域24では、上向きの三角マークや下向きの三角マークをクリック操作可能に構成されている。目標圧設定表示領域24の三角マークが操作されたことを表示画像生成部10cが検出すると、目標圧を変更する。また、目標圧は、図5に示すように測定画面20の上部に設けられた設定メニューから「目標圧設定」メニューを選択することによっても変更、ないし入力することができる。これも表示画像生成部10cが操作を検出して目標圧の変更を行う。以下に説明する処理も表示画像生成部10cが操作を検出して行う。
例えば、図4に示すように、測定画面20の上部に設けられた「設定」メニューからは、COMポート設定を行うことができる。図4には、口腔関連圧力測定装置2がどのCOMポートに接続されているかを選択するための画面を示しており、口腔関連圧力測定装置2が接続されているCOMポートを測定開始前に選択すれば選択結果が記憶され、以後、COMポートの選択操作は不要になる。
データ保存ボタン22は、測定結果を保存するためのボタンである。口腔関連圧力の測定が終了した後にデータ保存ボタン22をクリック操作することで、受信部10aによる受信が終了処理され、これまで測定された口腔関連圧力が記憶部10dに記憶される。このとき、氏名や測定日時等も口腔関連圧力の測定結果と関連付けて記憶部10dに記憶することができる。
また、後述するように、口腔関連圧力の経時的な変化を示す波形100、現在圧指示線200、目標圧指示線300、最大圧指示線400、棒グラフ500等が生成されて表示部13に表示されるのであるが、この表示された画面そのものを保存したい場合には、画像保存ボタン23をクリック操作することで、画面がイメージとして記憶部10dに記憶(保存)される。
現在圧表示領域25には、口腔関連圧力の現在圧が表示される。口腔関連圧力の変化が略リアルタイムで反映されて数値によって現在圧表示領域25に表示される。また、最大圧表示領域26には、測定期間中における口腔関連圧力の最大値が表示される。測定期間中、最大値が更新されれば、更新後の最大値が数値で最大圧表示領域26に表示される。ある最大値が測定期間中に更新されなければ、その最大値が継続して最大圧表示領域26に表示されたままになる。現在圧及び最大圧の単位はkPaである。
測定終了ボタン28は、口腔関連圧力の測定を終了するときに操作するためのボタンである。この測定終了ボタン28を押すと、測定画面20が閉じられる。
測定画面20における目標圧設定表示領域24よりも下側には、棒グラフ表示領域30と、波形表示領域31とが設けられている。棒グラフ表示領域30は、測定画面20の左側において上下方向に長く形成されている。棒グラフ表示領域30には、目盛が上下方向に間隔をあけて設けられている。棒グラフ表示領域30の目盛の単位はkPsであり、口腔関連圧力(バルーン3a内の圧力)である。棒グラフ表示領域30の上へ行くほど口腔関連圧力が高くなるような表示形態とされている。棒グラフ表示領域30の下端は0kPsであり、上端は50kPsとされているが、これら数値は被測定者に応じて変更することも可能であり、また数値を無くして相対評価のみ可能にしてもよい。
波形表示領域31は、棒グラフ表示領域30の右側に隣接するように配置されており、左右方向に長く形成されている。波形表示領域31の上端と棒グラフ表示領域30の上端は同じ高さに位置しており、また、波形表示領域31の下端と棒グラフ表示領域30の下端も同じ高さに位置している。よって、棒グラフ表示領域30の上下寸法と波形表示領域31の上下寸法とは同じである。
また、波形表示領域31にも棒グラフ表示領域30と同様な目盛が設けられており、波形表示領域31の目盛(縦軸の目盛)と、棒グラフ表示領域30の目盛とは同じスケールになっている。波形表示領域31の横軸の目盛は時間(秒)である。波形表示領域31の横軸のスケールは変更することが可能である。図3では、波形表示領域31の横軸を0〜30秒としているが、これを縮めることや伸ばすことができる。波形表示領域31及び棒グラフ表示領域30の圧力増減方向は上下方向となっている。
例えば図9に示すように、波形表示領域31には、口腔関連圧力の経時的な変化を示す波形100、現在圧指示線200、目標圧指示線300、最大圧指示線400が表示される。まず、口腔関連圧力の経時的な変化を示す波形100について説明する。口腔関連圧力は、人間の口腔関連の筋肉の力によって発生するものなので、時間の経過に従って変化する圧力である。このため、信号処理部10bで得られた口腔関連圧力の大きさは、通常、時々刻々と変化している。この口腔関連圧力の変化を、表示画像生成部10cが、横軸を時間、縦軸を圧力として、波形表示領域31に表示可能な波形にする。波形は、時間の経過に従って伸びていくので、図8等に示すように測定開始時点の圧力は波形表示領域31の左端に示し、その後、時間の経過に伴って波形表示領域31の右側に波形が伸びるように表示される(図9、図10等参照)。
現在圧指示線200は、表示画像生成部10cが生成する。現在圧指示線200は、口腔関連圧力の現在圧を示す直線であり、口腔関連圧力の増減方向と直交する方向に延びている。すなわち、表示画像生成部10cは、口腔関連圧力の現在圧を信号処理部10bから順次得ており、最新の圧力が現在圧であるとする。現在圧指示線200は、波形表示領域31の縦軸における現在圧の値を通り、かつ、左右方向に延びる直線である。波形表示領域31の縦軸方向が口腔関連圧力の増減方向であり、口腔関連圧力の増減方向と直交する方向とは、縦軸方向と直交する方向、即ち、横軸方向であることから、波形表示領域31の左右方向になる。現在圧指示線200を棒グラフ表示領域30まで延長して、棒グラフ表示領域30にも現在圧指示線を表示させることができる。また、現在圧指示線200は、波形表示領域31にのみ表示させてもよい。さらに、現在圧指示線200は、波形表示領域31の左右方向両端部まで延びていてもよいし、波形表示領域31の左右方向中間部のみに生成してもよい。現在圧指示線200は、口腔関連圧力の経時的な変化を示す波形と共に表示部13に表示される。
また、表示画像生成部10cは、信号処理部10bで得られた口腔関連圧力を示す棒グラフ500を生成するように構成されている。上述したように、信号処理部10bから得た最新の圧力を現在圧とすることができるので、棒グラフ表示領域30には、0から現在圧の値まで、背景色とは異なる色に着色された棒グラフ500が表示される。表示部13には、表示画像生成部10cで生成された棒グラフ500を口腔関連圧力の経時的な変化を示す波形100と共に表示する。
図7等に示す目標圧指示線300は、キーボード11やマウス12等で入力された口腔関連圧力の目標圧を示す直線であり、表示画像生成部10cにおいて、口腔関連圧力の増減方向と直交する方向、即ち、波形表示領域31の左右方向に延びるように生成される。目標圧指示線300を棒グラフ表示領域30まで延長して、棒グラフ表示領域30にも目標圧指示線を表示させることができる。また、目標圧指示線300は、波形表示領域31にのみ表示させてもよい。さらに、目標圧指示線300は、波形表示領域31の左右方向両端部まで延びていてもよいし、波形表示領域31の左右方向中間部のみに生成してもよい。目標圧指示線300は、口腔関連圧力の経時的な変化を示す波形100と共に表示部13に表示される。
図9等に示す最大圧指示線400は、測定期間中における口腔関連圧力の最大圧を示す直線であり、表示画像生成部10cにおいて、口腔関連圧力の増減方向と直交する方向、即ち、波形表示領域31の左右方向に延びるように生成される。測定期間中、最大値が更新されれば、更新後の最大値を示す直線が波形表示領域31に表示される。ある最大値が測定期間中に更新されなければ、更新されるまで、表示画像生成部10cが更新前の最大値を示す直線を生成し続けるので、更新される前の最大値を示す最大圧指示線400が波形表示領域31に表示されたままになる。最大圧指示線400は、口腔関連圧力の経時的な変化を示す波形100と共に表示部13に表示される。
表示画像生成部10cは、測定期間中における現在の口腔関連圧力が同じ測定期間中における過去の最大圧を更新すると、最大圧指示線400を生成し直すように構成されている。
また、1人の被測定者が口腔関連圧力を複数回測定することがある。この場合、測定期間が2以上存在することになり、図12に示すように、表示画像生成部10cは、第1の測定期間中における口腔関連圧力の経時的な変化を示す第1波形100と、第1の測定期間が経過した後の第2の測定期間中における口腔関連圧力の経時的な変化を示す第2波形101とを少なくとも生成する(図12参照)。そして、表示部13は、表示画像生成部10cで生成された第1波形100と第2波形101とを同時に表示可能に構成されている。測定期間は3以上であってもよく、この場合、第3波形や第4波形が生成されて表示部13に表示可能である。複数の波形を表示する場合、判別し易いように、波形毎に色や線種(例えば実線、破線、鎖線等)を変えることができる。第1の測定期間と第2の測定期間とは長さが異なっていてもよいし、同じであってもよい。
次に、実際の測定時について説明する。図7に示す測定画面20は、目標圧の設定が終了した状態を示している。この例では目標圧が30.0kPaである場合を示している。目標圧は、目標圧設定表示領域24に数値で表示されるとともに、波形表示領域31及び棒グラフ表示領域30に、目標圧指示線300として表示される。目標圧指示線300には、目標圧指示線300であることが分かるように、「目標圧」と記載された目印が付されている。
その後、被測定者が口腔関連圧力測定装置2のバルーン3aを口腔内に挿入して押し潰すと、口腔関連圧力測定装置2から出力された口腔関連圧力に関する信号が口腔関連圧力表示装置1に出力され、口腔関連圧力表示装置1の受信部10aで受信される。受信部10aで受信した口腔関連圧力に関する信号に基づいて、信号処理部10bが口腔関連圧力の経時的な変化を得る。信号処理部10bで得られた口腔関連圧力の経時的な変化を示す波形100が表示画像生成部10cで生成されて図8〜図11に示すように、口腔関連圧力の経時的な変化を示す波形が表示部13に表示される。この口腔関連圧力は、現在圧指示線200でも表示される。
図8は測定開始から間もない時を示しており、口腔関連圧力が上昇する途中にあるので、最大値が更新され続けている。図9に示すように、測定開始から時間が更に経過して波形100が途中から下降する形状になると、その波形100の頂点(最も上に位置する点)が測定期間中の最大値になるので、その頂点を通る直線が最大圧指示線400となって表示部13に表示され続ける。
図10に示すように、その後、波形100が再び上昇方向に伸びていき、図9に示した最大値を更新すると、最大圧指示線400が上昇していくことになる。上昇中の最大値指示線400は、現在値指示線200と共通化される。
そして、図11に示すように、口腔関連圧力が低下していくと、波形100の頂点を通る直線が最大圧指示線400となって表示部13に表示され続ける。
以上のようにして1回目の測定が終了すると、測定終了ボタン28をクリック操作する。これにより、測定結果が保存される。そして、2回目の測定を開始すると、図12に示すように1回目の測定時の波形100を表示した状態で、2回目の測定の波形101が表示される。
また、図13に示すように目標圧を変更することもできる。目標圧指示線や現在圧指示線を省略することもできる。
(実施形態の作用効果)
以上説明したように、この実施形態に係る口腔関連圧力表示装置1によれば、被測定者が口腔関連圧力測定装置2を使用して自分の口腔関連圧力を測定すると、口腔関連圧力測定装置2から出力される口腔関連圧力に関する信号を処理して口腔関連圧力の経時的な変化を得て、この口腔関連圧力の経時的な変化を示す波形100を表示部13に表示することができる。この表示部13に表示された波形100を見ることで、口腔関連圧力の大きさ、口腔関連圧力の変化速度等を視覚で把握することが可能になるので、数値に比べて訓練の成果を直接的な実感として得られ易くなる。よって、訓練に対するモチベーションを更に高めることができる。
また、表示部13には、口腔関連圧力の現在圧が波形100とは異なる形態、つまり、口腔関連圧力の増減方向と直交する方向に延びる直線からなる現在圧指示線200を表示できるので、被測定者が口腔関連圧力の現在圧を把握し易くなる。
また、口腔関連圧力の目標圧は被測定者毎または訓練期間等により異なっており、この口腔関連圧力の目標圧をキーボード11やマウス12によって入力することができる。入力された口腔関連圧力の目標圧は波形とは異なる形態、つまり、口腔関連圧力の増減方向と直交する方向に延びる直線からなる目標圧指示線300で表示部13に表示できるので、被測定者が口腔関連圧力の目標圧を現在の圧力と比較し易くなる。
また、測定期間中における口腔関連圧力の最大圧を示す最大圧指示線400を口腔関連圧力の増減方向と直交する方向に延びるように表示することができるので、被測定者が口腔関連圧力の最大圧と現在の圧力との差を短時間で把握し易くなる。
また、口腔関連圧力を示す棒グラフ500を波形100と共に表示部13に表示することができるので、被測定者が口腔関連圧力の現在圧を短時間で把握し易くなる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明に係る口腔関連圧力表示装置は、例えば、舌圧、舌下筋圧、口唇圧、頬圧力などの口腔関連圧力の測定を行う際に使用することができる。

Claims (7)

  1. 口腔関連圧力を測定する口腔関連圧力測定装置に接続され、該口腔関連圧力測定装置で測定された口腔関連圧力を表示する口腔関連圧力表示装置において、
    上記口腔関連圧力測定装置から出力される口腔関連圧力に関する信号を受信する受信部と、
    上記受信部で受信した口腔関連圧力に関する信号に基づいて口腔関連圧力の経時的な変化を得る処理を行う信号処理部と、
    上記信号処理部で得られた口腔関連圧力の経時的な変化を示す波形を生成する表示画像生成部と、
    上記表示画像生成部で生成された波形を表示する表示部とを備えていることを特徴とする口腔関連圧力表示装置。
  2. 請求項1に記載の口腔関連圧力表示装置において、
    上記表示画像生成部は、口腔関連圧力の現在圧を示す現在圧指示線を、口腔関連圧力の増減方向と直交する方向に延びるように生成するように構成され、
    上記表示部は、上記表示画像生成部で生成された現在圧指示線を上記波形と共に表示するように構成されていることを特徴とする口腔関連圧力表示装置。
  3. 請求項1または2に記載の口腔関連圧力表示装置において、
    口腔関連圧力の目標圧を入力する入力部を備え、
    上記表示画像生成部は、上記入力部で入力された口腔関連圧力の目標圧を示す目標圧指示線を、口腔関連圧力の増減方向と直交する方向に延びるように生成するように構成され、
    上記表示部は、上記表示画像生成部で生成された目標圧指示線を上記波形と共に表示するように構成されていることを特徴とする口腔関連圧力表示装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の口腔関連圧力表示装置において、
    上記表示画像生成部は、測定期間中における口腔関連圧力の最大圧を示す最大圧指示線を、該最大圧が更新されるまで、口腔関連圧力の増減方向と直交する方向に延びるように生成し続けるように構成され、
    上記表示部は、上記表示画像生成部で生成された最大圧指示線を上記波形と共に表示するように構成されていることを特徴とする口腔関連圧力表示装置。
  5. 請求項4に記載の口腔関連圧力表示装置において、
    上記表示画像生成部は、上記測定期間中における現在の口腔関連圧力が上記測定期間中における過去の最大圧を更新すると、上記最大圧指示線を生成し直すことを特徴とする口腔関連圧力表示装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1つに記載の口腔関連圧力表示装置において、
    上記表示画像生成部は、上記信号処理部で得られた口腔関連圧力を示す棒グラフを生成するように構成され、
    上記表示部は、上記表示画像生成部で生成された棒グラフを上記波形と共に表示するように構成されていることを特徴とする口腔関連圧力表示装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1つに記載の口腔関連圧力表示装置において、
    上記表示画像生成部は、第1の測定期間中における口腔関連圧力の経時的な変化を示す第1波形と、上記第1の測定期間が経過した後の第2の測定期間中における口腔関連圧力の経時的な変化を示す第2波形とを少なくとも生成可能に構成され、
    上記表示部は、上記表示画像生成部で生成された上記第1波形と上記第2波形とを同時に表示可能に構成されていることを特徴とする口腔関連圧力表示装置。
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