JP2019003332A - 空中映像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】空中映像表示素子2と非接触の入力検知部4とを備えた構成で、物体Fが空中の実像Rの表示画面を通り抜けたとしても、その物体Fの空中映像表示素子2への接触のリスクを十分に低減し、接触による不都合が生じる可能性を十分に低減する。【解決手段】空中映像表示装置1は、平板状の空中映像表示素子2と、入力検知部4と、侵入検知部5と、警告部6とを備える。空中映像表示素子2は、一方の面2a側に配置される像源3の実像Rを、他方の面2b側の空中に結像させて表示する。入力検知部4は、実像Rの表示画面において物体Fによって指定される入力位置を、物体Fと非接触で検知する。侵入検知部5は、空中映像表示素子2と実像Rの表示位置との間に設定される基準位置T0よりも空中映像表示素子2側への物体Fの侵入を検知する。警告部6は、侵入検知部5にて物体Fの侵入を検知したときに、警告を行う。【選択図】図1
Description
本発明は、像源(例えば表示器の表示画像)の実像を空中に結像させる空中映像表示素子と、実像の表示画面において、物体(例えば指)によって指定される入力位置を、物体と非接触で検知する入力検知部とを備えた空中映像表示装置に関するものである。
従来から、像源の実像を空中に結像させる空中映像表示素子が種々提案されている(例えば特許文献1、2参照)。空中映像表示素子を用いて、空中映像表示素子と観察者の目との間の空中に実像を結像させることにより、あたかも空中に映像や物体が浮遊しているかのような表示を行うことができる。このような空中映像表示素子と、非接触入力センサ(入力検知部)とを組み合わせ、空中映像表示素子によって空中に結像された実像の表示画面において指等によって指定された入力位置を、非接触入力センサによって検知することにより、観察者が、空中映像表示素子に触れることなく、所定の操作や入力が可能な空中映像表示装置(非接触入出力端末)を実現することができる。
ここで、特許文献1では、上記非接触入力センサとしてカメラを用い、カメラでの撮影によって取得した画像から、手指の形状を認識して指先の座標データを取得している。また、特許文献2では、上記非接触入力センサとして光学式の位置入力手段を用いている。上記位置入力手段は、実像の表示画面を囲む枠体に、投光素子と受光素子とを対向して配置するとともに、投光素子と受光素子との対を所定間隔で多数配置することによって構成されている。枠体内に結像された実像中のどこかに指を置くと、任意の投光素子から任意の受光素子に向かう光が指で遮蔽され、これによって指を置いた位置が検知される。
例えばキッチンでの調理においては、材料を包丁で切ったり、水で洗ったりするなどして、調理者の手が汚れたり、濡れたりする。また、例えば病院での手術中においては、手術を行う医師は、自身の衛生を保つ必要があり、外部機器と直接手(手袋)が触れないようにする必要がある。このように手が汚れる作業中や、手術中において、タッチパネルに対して接触操作を行うと、接触面が汚れて表示映像が見にくくなる、接触面の清掃が必要になる、故障(誤動作を含む)が生じる、接触による感染が生じる、などの不都合が生じる。空中映像表示素子と非接触入力センサとを備えた従来の構成は、空中の表示画像に対して非接触での操作や入力が可能であるため、接触操作による上記の不都合を低減でき、手が汚れる作業等を行う場合に非常に有効であるとも考えられる。
しかし、空中映像表示素子と非接触入力センサとを備えた構成でも、例えば、空中の表示画面に対して手(または指)で入力を行うときに、手が表示画面を通り抜けて、その奥にある空中映像表示素子に接触する場合がある。この場合、やはり、接触面が汚れて表示映像が見にくくなる、接触面の清掃が必要になる、故障(例えば空中映像表示素子の破損)が生じる、接触による感染が生じる、などの不都合が生じる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、空中映像表示素子と非接触の入力検知部とを備えた構成で、物体(例えば手や指)が空中の実像の表示画面を通り抜けたとしても、その物体の空中映像表示素子への接触のリスクを十分に低減でき、これによって接触による不都合が生じる可能性を十分に低減できる空中映像表示装置を提供することにある。
本発明の一側面に係る空中映像表示装置は、一方の面側に配置される像源の実像を、他方の面側の空中に結像させて表示する平板状の空中映像表示素子と、前記実像の表示画面において物体によって指定される入力位置を、前記物体と非接触で検知する入力検知部とを備えた空中映像表示装置であって、前記空中映像表示素子と前記実像の表示位置との間に設定される基準位置よりも前記空中映像表示素子側への前記物体の侵入を検知する侵入検知部と、前記侵入検知部にて前記物体の侵入を検知したときに、警告を行う警告部とを備えている。
前記侵入検知部は、発光部および受光部を有し、前記発光部が発した光の前記物体による遮蔽の有無を、前記受光部での受光状態に基づいて検知することにより、前記物体の侵入を検知してもよい。
前記発光部および前記受光部は、前記空中映像表示素子と前記基準位置との間に位置していてもよい。
前記入力検知部は、前記侵入検知部を兼ねており、前記物体の位置検知に基づいて前記物体の侵入を検知してもよい。
前記空中映像表示装置は、前記空中映像表示素子に対して前記像源とは反対側に位置する投光部および受光部を備え、前記投光部は、前記平板状の空中映像表示素子に垂直な任意の断面内で、前記空中映像表示素子に対して垂直な方向に線状の光、または前記方向に走査された光を前記受光部に向けて出射し、前記侵入検知部は、前記投光部および前記受光部を有し、前記投光部から出射されて、前記基準位置に対して前記空中映像表示素子側を通る光の前記受光部での受光状態に基づいて、前記物体の侵入を検知し、前記入力検知部は、前記投光部および前記受光部を有し、前記投光部から出射されて、前記基準位置に対して前記空中映像表示素子とは反対側を通る光の前記受光部での受光状態に基づいて、前記物体によって指定される前記入力位置を検知してもよい。
前記像源、前記空中映像表示素子および前記実像の表示画面は、互いに平行であってもよい。
前記警告部は、前記像源の位置に配置される表示器を含み、前記表示器は、警告情報を表示し、その実像を前記空中映像表示素子によって空中に表示させることにより、警告を行ってもよい。
前記表示器は、前記警告情報以外の表示情報の少なくとも一部を、前記警告情報に置き換えて、または前記警告情報と重ねて表示してもよい。
前記警告情報は、警告に関する映像および文章の少なくとも一方を含んでいてもよい。
前記警告部は、音または音声を出力することによって警告を行う音声出力部を含んでいてもよい。
前記警告部は、光を発することによって警告を行う光源を含んでいてもよい。
前記警告部は、超音波を前記物体に伝達することによって警告を行う超音波発生装置を含んでいてもよい。
前記空中映像表示装置は、前記空中映像表示素子を収容する筐体をさらに備え、前記筐体は、前記空中映像表示素子と前記実像の表示位置との間に透明部を有していてもよい。
前記筐体は、前記平板状の空中映像表示素子を立てた状態で収容していてもよい。
上記の構成によれば、空中映像表示素子と非接触の入力検知部とを備えた構成において、物体が実像の表示画面を通り抜け、基準位置よりも空中映像表示素子側に侵入したときに、侵入検知部がそれを検知し、警告部が警告を行う。これにより、実像Rの観察者(実像Rの表示画面に対して物体によって入力を行う者)に対して、物体が空中映像表示素子に接触する可能性があることを察知させ、物体の空中映像表示素子側への侵入を停止させることができる。したがって、物体が実像の表示画面を通り抜けたとしても、その物体の空中映像表示素子への接触のリスクを十分に低減することができ、接触によって不都合(接触面の汚染等)が生じる可能性を十分に低減することができる。
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本発明は、以下の内容に限定されるわけではない。
〔空中映像表示素子の構成〕
図1は、本実施形態の空中映像表示装置1の概略の構成を示す説明図である。空中映像表示装置1は、平板状の空中映像表示素子2と、像源3とを備え、像源3からの光を空中映像表示素子2で反射させて、空中映像表示素子2に対して像源3とは反対側の空中に集めることにより、上記空中に像源3の実像Rを結像させる。言い換えると、空中映像表示装置1は、空中映像表示素子2の一方の面2a側に配置される像源3の実像Rを、他方の面2b側の空中に結像させて映像として表示する。ここで、まず、空中映像表示素子2の構成について説明する。
図1は、本実施形態の空中映像表示装置1の概略の構成を示す説明図である。空中映像表示装置1は、平板状の空中映像表示素子2と、像源3とを備え、像源3からの光を空中映像表示素子2で反射させて、空中映像表示素子2に対して像源3とは反対側の空中に集めることにより、上記空中に像源3の実像Rを結像させる。言い換えると、空中映像表示装置1は、空中映像表示素子2の一方の面2a側に配置される像源3の実像Rを、他方の面2b側の空中に結像させて映像として表示する。ここで、まず、空中映像表示素子2の構成について説明する。
図2は、本実施形態の空中映像表示素子2の概略の構成を模式的に示す斜視図である。空中映像表示素子2は、2枚の光学プレート20・30を貼り合わせて構成されている。一方の光学プレート20は、光学プレート20・30の積層方向(例えばZ方向)に垂直な面内で互いに垂直な2方向のうちの一方向(例えばX方向)に、接着層を介して複数のミラー素子21を並べることによって形成されている。ミラー素子21は、透明部材21aを有している。透明部材21aは、例えばガラスからなる直方体状の透明基板(透明体)であり、Y方向に延びている。そして、透明部材21aにおいて、対向する2面(例えばYZ面に沿った2面)のうちの少なくとも一方の面に、アルミニウムなどの金属膜の蒸着によってミラー21bが形成されている。
他方の光学プレート30は、上記2方向のうちの他の方向(例えばY方向)に、接着層を介して複数のミラー素子31を並べることによって形成されている。ミラー素子31は、透明部材31aを有している。透明部材31aは、例えばガラスからなる直方体状の透明基板(透明体)であり、X方向に延びている。そして、透明部材31aにおいて、対向する2面(例えばZX面に沿った2面)のうちの少なくとも一方の面に、アルミニウムなどの金属膜の蒸着によってミラー31bが形成されている。
上記のようにX方向に複数のミラー素子21を並べて配置した光学プレート20と、上記のようにY方向に複数のミラー素子31を並べて配置した光学プレート30とをZ方向に積層することにより、光学プレート20のミラー21bと光学プレート30のミラー31bとは、平面視で(Z軸方向から見て)互いに直交する位置関係となる。このような構成の空中映像表示素子2を用いることにより、空中に映像を結像させることができる。以下、その結像原理について簡単に説明する。
図3は、2次元(ZX平面内)での実像の結像原理を示している。点光源Pから発せられた複数の光線は、Z軸に平行な反射面(ミラー21b)でそれぞれ反射され、X軸に対して点光源Pとは反対側の位置P’(点光源PとX軸に対して対称な位置)に集光する。これにより、位置P’にて、点光源Pの実像が結像される。
図4は、3次元空間(XYZ座標系)での光線の反射を模式的に示している。3次元空間では、点光源Oから発せられた光線Aを、ZX平面内の光線a1と、YZ平面内の光線a2とに分解し、図3に倣って、それぞれの光線a1・a2のZX平面内またはYZ平面内での反射を考えることで、光線AのZ軸との交点を求めることができる。つまり、ZX平面内の光線a1は、YZ面に平行な反射面(ミラー21b)で反射された後、Z軸に向かい、YZ平面内の光線a2は、ZX面に平行な反射面(ミラー31b)で反射された後、Z軸に向かう。これらの光線a1・a2は、Z軸上の1点、つまり、点O’で交わる。したがって、光線a1・a2の合成からなる光線Aは、ミラー21bおよびミラー31bにて計2回反射した後、Z軸上の点O’に向かうことになる。
図5は、3次元空間において、点光源Oから発せられた複数の光線が、別々の反射面を介して1点に集光する様子を模式的に示している。点光源Oから発せられた複数の光線は、図4と同様にして、YZ面に平行な反射面(ミラー21b)およびZX面に平行な反射面(ミラー31b)で反射され、Z軸上の同じ点O’に集光する。これにより、点O’にて、点光源Oの実像が結像される。
なお、平面視で交差するように配置される各反射面での計2回反射を利用して空中に映像を結像させる方式のことを、コーナーミラー方式と呼ぶことがある。本実施形態の空中映像表示素子もコーナーミラー方式を採用しているが、コーナーミラー方式の空中映像表示素子は、一方の面側に配置される像源の実像を他方の面側の空間位置に結像させる結像素子等(マイクロミラーアレイ、リフレクタアレイ、光学結像装置、反射型面対称結像素子群などを含む)と言い換えることも可能である。
なお、本実施形態では、2枚の光学プレート20・30を積層して空中映像表示素子2を構成しているが、1枚の光学プレートにおいて、互いに直交する反射面を2次元的に配置して空中映像表示素子2を構成してもよい。
〔空中映像表示装置の構成〕
次に、図1に戻り、空中映像表示装置1において、空中映像表示素子2以外の構成について説明する。図1で示した像源3としては、例えば液晶表示装置などの表示器3aに表示される2次元の画像を考えることができるが、3次元の観察対象物であってもよい。後者の場合、像源3から空中映像表示素子2に向かう光は、観察対象物そのものが発光する光であってもよいし、観察対象物に光が当たったときに周囲に散乱される光(散乱光)であってもよい。また、表示器3aは、液晶表示装置単体であってもよいし、プロジェクタとスクリーンとの組み合わせであってもよい。
次に、図1に戻り、空中映像表示装置1において、空中映像表示素子2以外の構成について説明する。図1で示した像源3としては、例えば液晶表示装置などの表示器3aに表示される2次元の画像を考えることができるが、3次元の観察対象物であってもよい。後者の場合、像源3から空中映像表示素子2に向かう光は、観察対象物そのものが発光する光であってもよいし、観察対象物に光が当たったときに周囲に散乱される光(散乱光)であってもよい。また、表示器3aは、液晶表示装置単体であってもよいし、プロジェクタとスクリーンとの組み合わせであってもよい。
また、像源3は、発光するボタン(例えばLED(発光ダイオード))を複数並べて構成されていてもよい。この場合、複数の安価なLEDを並べるだけで像源3が構成されるため、液晶表示装置を用いて像源3を形成する(画像を表示させる)構成に比べて、空中映像表示装置1のコストを低減することができる。
空中映像表示装置1は、空中映像表示素子2および像源3に加えて、入力検知部4と、侵入検知部5と、警告部6とを備えている。なお、以下での説明において、実像Rの表示画面とは、実像Rが実際に空中に表示(結像)されたときの表示領域(例えば矩形の領域)を指し、実像Rの表示位置とは、表示画面の空中での位置を指すものとする。
入力検知部4は、空中に結像される実像Rの表示画面において、実像Rの観察者が物体Fによって入力を行うときに、その物体Fによって指定される入力位置を、物体Fと非接触で検知する。なお、物体Fとしては、例えば実像Rの観察者の手や指のほか、観察者が手に持つスタイラスペンなどを想定することができる。このような入力検知部4は、例えば、マイクロソフト社のKinect(登録商標)など、公知の非接触入力デバイスを用いることができる。
ここで、Kinect(登録商標)には、Light Coding方式(パターン照射方式とも呼ばれる)が採用されたセンサと、TOF(Time of Flight)方式が採用されたセンサとの2種類がある。前者のセンサは、赤外線パターンを投光するIRプロジェクタと、投光された赤外線パターンを読み取るIRカメラとを備えており、物体に投光した赤外線パターンをIRカメラで撮影し、(工場出荷時にキャリブレーションしておいた)パラメータを用いて、三角測量により画像上の各点のデプス(位置)を算出する。
すなわち、Light Coding方式では、「キャリブレーション(準備)」と「テスト(実際の撮影)」との2段階で位置検知が行われる。「キャリブレーション」では、既知のパターンについて「パターン中の各点がどれだけ移動(シフト)すると、デプスがどれだけ変化するか」というパラメータを、単純で正確な物体(平面や立方体など)を撮影することによって予め求めておく。そして、「テスト」では、撮影した画像の各点が既知パターンのどの位置に相当するかを画像処理(テンプレートマッチングなど)によって求め、あとは「キャリブレーション」で求めておいたパラメータから、その画素のデプスを計算する。
一方、後者のセンサ(TOF方式のセンサ)は、パルス変調された赤外線を投光するプロジェクタと、赤外線カメラとを備えており、物体に投光した赤外線が反射して戻ってくる時間を計測し、上記時間と赤外線の移動速度とから、物体の各点までの距離(位置情報)を得る。
また、入力検知部4としては、この他にも、レーザーカーテンによって入力位置を非接触で検知するセンサを用いることもできる。なお、レーザーカーテンを利用する場合、入力検知部4と侵入検知部5とを同時に(一体的に)構成することができるが、この例については後述する。その他、詳細な説明は省略するが、リープモーション社のLEAP MOTION(登録商標)コントローラや、ネオノード社のAirBar(商品名)も、入力検知部4として用いることができる。
侵入検知部5は、空中映像表示素子2と実像Rの表示位置との間に設定される基準位置T0よりも空中映像表示素子2側への物体Fの侵入(空中映像表示素子2への近接)を検知する光学式センサである。上記の基準位置T0は、空中映像表示素子2と実像Rの表示位置との間であればどの位置に設定されてもよいが、空中映像表示素子2に近すぎると、物体Fが基準位置T0を超えたときに、その後すぐに空中映像表示素子2または筐体7に接触する可能性がある。逆に、基準位置T0が実像Rの表示位置に近すぎると、物体Fが実像Rの表示画面を通り抜けたときに、その後すぐに基準位置T0を超えて侵入が検知される場合がある。このため、実像Rの表示画面に対して物体Fによって入力を行うときの通り抜け方向の許容幅(マージン)が狭くなり、物体Fによる入力を精度よく行う(物体Fが表示画面から突き出ないようにする)ことが実像Rの観察者に要求される。したがって、基準位置T0は、空中映像表示素子2または筐体7への物体Fの接触を確実に回避する観点と、物体Fによる入力の許容幅を確保する観点とから、空中映像表示素子2と実像Rの表示位置との間で適切に設定されればよい。
上記の侵入検知部5は、例えば発光部5aおよび受光部5bで構成可能である。発光部5aは、例えば複数のLEDを並べて構成され、受光部5bは、例えば複数のフォトダイオードを並べて構成される。発光部5aおよび受光部5bは、空中映像表示素子2と基準位置T0との間(特に筐体7と基準位置T0との間)に設けられており、空中映像表示素子2から実像Rの表示位置(結像位置)に向かう光に対して互いに反対側に位置している。このように発光部5aおよび受光部5bを配置することにより、発光部5aと受光部5bとの間に物体Fの侵入検知領域Sが形成される。上記侵入検知部5の構成では、発光部5aが発した光の物体Fによる遮蔽の有無を、受光部5bでの受光状態に基づいて検知することができ、これによって、侵入検知領域Sへの物体Fの侵入、つまり、基準位置T0よりも空中映像表示素子2側への物体Fの侵入を検知することができる。
なお、平板状の空中映像表示素子2に垂直な方向において、発光部5aおよび受光部5bの設置位置および幅を調整することにより、侵入検知領域Sの幅を調整でき、これによって、空中映像表示素子2と実像Rの表示位置との間で基準位置T0を調整することができる。なお、図1では、発光部5aに対して受光部5bを相対的に上方に位置させているが、これらの位置関係は逆であってもよい。
警告部6は、侵入検知部5にて物体Fの侵入を検知したときに、警告を行う。このような警告部6は、音声出力部としてのスピーカー6a、光を発することによって警告を行う光源6b(例えばLED)、超音波を物体Fに伝達することによって警告を行う超音波発生装置6cの少なくともいずれかを含んで構成することができる。超音波発生装置6cは、超音波振動子を格子状に多数並べた超音波振動子アレイから、空中の任意の位置に焦点を結ぶように超音波を発生させる装置である。
空中映像表示装置1において、像源2、空中映像表示素子3、入力検知部4および警告部6は、筐体7内に収容されており、侵入検知部5は、筐体7の外部に設けられている。なお、入力検知部4は、筐体7の外部に設けられていてもよい。筐体7は、空中映像表示素子2と実像Rの表示位置との間に透明部7aを有しており、これによって、像源3からの光を、空中映像表示素子2および透明部7aを介して実像Rの表示位置に導き、空中に実像Rを表示させることができる。
なお、筐体7は、その全体が透明であっても勿論構わないが、筐体7の内部での散乱光やゴースト光を吸収するために、筐体7における透明部7a以外の部分の内面は、黒色であることが望ましい。また、上記の透明部7aの代わりに開口部を筐体7に設け、像源3からの光を、空中映像表示素子2および開口部を介して実像Rの表示位置に導く構成としてもよい。
上記の構成において、像源3からの光は、空中映像表示素子2によって像源3とは反対側の空中に導かれ、これによって像源3の実像Rが空中に結像される。結像された実像Rの表示画面において、実像Rの観察者が物体F(例えば指)によって入力位置を指定したとき、その入力位置は入力検知部4によって非接触で検知される。このとき、物体Fが実像Rの表示画面を通り抜け、さらに空中映像表示素子2と実像Rの表示位置との間の基準位置T0を超えて侵入検知領域Sに侵入すると、侵入検知部5がそれを検知し、警告部6が警告を行う。
例えば、警告部6がスピーカー6aを含む場合、スピーカー6aから、「ピー」というような音、または「近づきすぎです」などの音声が出力される。また、警告部6が光源6bを含む場合、光源6bが点灯する。さらに、警告部6が超音波発生装置6cを含む場合、超音波発生装置6cが物体Fに向けて超音波を出力する。いずれの警告方法によっても、実像Rの観察者に対して、物体Fの空中映像表示素子2(筐体7に透明部7aが存在せず開口部がある場合)または筐体7(透明部7aが存在する場合)への接触の可能性があることを察知させることができ、これによって、物体Fの侵入(空中映像表示素子2側への移動)を停止させることができる。
以上のように、侵入検知部5による侵入検知および警告部6による警告により、実像Rの表示画面を通り抜けた物体Fが空中映像表示素子2または筐体7に接触する前に、物体Fの侵入を停止させることができる。したがって、物体Fの空中映像表示素子2または筐体7への接触のリスクを十分に低減することができ、接触によって不都合が生じる可能性を十分に低減することができる。例えば、空中映像表示素子2または筐体7において、物体Fとの接触面が汚れて実像Rが見にくくなる、接触面の清掃が必要になる、空中映像表示素子2が破損する(筐体7に透明部7aが存在しない場合)、接触によって物体Fが感染する、滅菌されていない物体Fとの接触によって空中映像表示素子2または筐体7の接触面が汚染される、などの不都合が生じる可能性を十分に低減することができる。
また、侵入検知部5は、発光部5aおよび受光部5bを有し、発光部5aが発した光の物体Fによる遮蔽の有無を、受光部5bでの受光状態に基づいて検知することにより、物体Fの侵入を検知する。このような光学的な検知方法により、物体Fの侵入を容易に検知することができる。
また、発光部5aおよび受光部5bは、空中映像表示素子2と基準位置T0との間に位置している。これにより、基準位置T0よりも空中映像表示素子2側への物体Fの侵入を確実に検知することができる。
また、警告部6は、スピーカー6a、光源6b、超音波発生装置6cの少なくともいずれかを含んでいる。スピーカー6aから音または音声を発して警告を行うことにより、その警告を実像Rの観察者に聴覚的な刺激として与えることができる。また、光源6bを点灯して警告を行うことにより、その警告を実像Rの観察者に視覚的な刺激として与えることができる。さらに、超音波発生装置6cから超音波を発生させることにより、物体Fの位置に音響放射圧と呼ばれる圧力が生じ、この圧力によって物体Fに触覚的な刺激を与えることができる。いずれの警告の手法でも、実像Rの観察者に対して、物体Fが空中映像表示素子2または筐体7に接触する可能性があることを確実に認識させることができる。
また、空中映像表示装置1において、空中映像表示素子2を収容する筐体7が、空中映像表示素子2と実像Rの表示位置との間に透明部7aを有している場合、侵入検知部5による侵入検知および警告部6の警告により、物体Fが透明部7aに接触する前に、物体Fの透明部7a側への侵入を停止させることができる。したがって、物体Fの透明部7aへの接触のリスクを十分に低減することができ、接触によって透明部7aの接触面が汚れて実像Rが見にくくなる、接触面の清掃が必要になる、透明部7aが破損する、透明部7aとの接触によって物体Fが感染する、などの不都合が生じる可能性を十分に低減することができる。
なお、筐体7が透明部7aを有する場合、筐体7の内部に収容された空中映像表示素子2が外部に露出しないため(物体Fの侵入側に透明部7aが位置するため)、物体Fが空中映像表示素子2に直接接触することはほとんどない。したがって、筐体7が透明部7aを有する構成では、透明部7aがない構成(例えば筐体7に開口部を設ける構成)に比べて、物体Fの空中映像表示素子2への接触のリスクをさらに低減して、空中映像表示素子2への接触による不都合が生じる可能性をさらに低減できると言える。
また、本実施形態では、図1のように、筐体7は、平板状の空中映像表示素子2を立てた状態で収容している。なお、「平板状の空中映像表示素子2を立てた状態」とは、空中映像表示素子2の像源3側の面2aおよび実像R側の面2bが両方とも、筐体7で水平に位置する底面7bに対して垂直な方向(底面7bに対して90°)となるように、空中映像表示素子2が位置する場合のみならず、面2a・2bが底面7bに対して所定の角度範囲(例えば60°以上90°未満)で傾くように空中映像表示素子2が位置する場合も含まれるものとする。なお、上記のように筐体7内で空中映像表示素子2が位置する空中映像表示装置1の構成を、以下では、縦型とも称する。
縦型の構成では、実像Rの観察者から見て手前から奥に向かって、実像Rの表示画面、空中映像表示素子2、像源3が順に並び、しかも、実像Rの表示画面の直下に空間だけが存在する。つまり、実像Rの表示画面の直下に空中映像表示装置1の構成部材が何ら存在しないレイアウトとなる。したがって、実像Rの観察者が、水等によって手が濡れる作業中に実像Rの表示画面に対して入力を行い、そのときに、濡れた手から水が下方に滴り落ちたとしても、実像Rの表示画面の直下に空中映像表示装置1の構成部材が何らないため、手から落下した水があたって空中映像表示装置1が故障する(例えば物体Fの入力位置の検知や物体Fの侵入検知領域Sへの侵入検知ができなくなる)などの心配がほとんどない。よって、縦型の空中映像表示装置1は、実像Rの観察者が、手が濡れる作業中に実像Rの表示画面に対して入力を行う使用形態において非常に有効である。
〔警告の他の例〕
警告部6は、像源3の位置に配置される表示器3aを含んでいてもよい。この場合、表示器3aは、警告情報を表示し、その実像Rを空中映像表示素子2によって空中に表示させることにより、警告を行ってもよい。なお、表示器3a以外の警告部6(スピーカー6a、光源6b、超音波発生装置6c)は、音声出力、光源点灯、超音波の少なくともいずれかによる警告を、表示器3aによる警告表示と同時に行ってもよい。
警告部6は、像源3の位置に配置される表示器3aを含んでいてもよい。この場合、表示器3aは、警告情報を表示し、その実像Rを空中映像表示素子2によって空中に表示させることにより、警告を行ってもよい。なお、表示器3a以外の警告部6(スピーカー6a、光源6b、超音波発生装置6c)は、音声出力、光源点灯、超音波の少なくともいずれかによる警告を、表示器3aによる警告表示と同時に行ってもよい。
例えば、図6および図7は、警告部6としての表示器3aが、警告情報D2と、その警告情報D2以外の表示情報D1とを同時に表示し、これを空中映像表示素子2によって実像Rとして空中に表示したときの表示画面の例を示しており、図6は、表示情報D1の一部を警告情報D2に置き換えて表示した場合を示し、図7は、表示情報D1に警告情報D2を重ねて表示した場合を示している。いずれの場合も、警告情報D2の表示により、実像Rの観察者に対して、物体Fが空中映像表示素子2に接触する可能性があることを認識させて、物体Fの空中映像表示素子2側への侵入停止を適切に促すことができる。
図8は、警告部6としての表示器3aが、表示情報D1の全てを警告情報D2に置き換えて表示した場合の、実像Rの表示画面を示している。警告情報D2の単独表示により、警告情報D2が強調されるため、実像Rの観察者に対して、物体Fが空中映像表示素子2に接触する可能性があることを確実に認識させることができ、物体Fの空中映像表示素子2側への侵入停止を確実に促すことができる。
このように、警告部6としての表示器3aは、警告情報D2以外の表示情報D1の少なくとも一部を、警告情報D2に置き換えて、または警告情報D2と重ねて表示する。このように、実像Rの観察者が物体Fによる入力作業を行っている画面上で警告が行われるため、その画面を見て入力作業を行っている実像Rの観察者に対して、警告を確実に伝えることができる。
また、図8の例では、実像Rとして表示される警告情報D2に、警告に関する映像D2−1(例えば注意マーク)および文章D2−2が含まれている。これにより、実像Rの観察者に対して警告を確実に認識させることができる。なお、警告情報D2は、映像D2−1および文章D2−2のいずれか一方のみであってもよい。
なお、表示器3aでの警告表示の手法は、上記の例に限定されるわけではない。例えば、全ての表示を消す、表示情報の背景や色を変える、表示情報を点滅させる、警告情報を点滅させる、などの手法によって警告表示を行ってもよい。
なお、以上で説明した警告部6による警告は、段階的に行われてもよい。例えば、物体Fの空中映像表示素子2側への侵入に度合い応じて(空中映像表示素子2に物体Fが近づくにつれて)、警告音を大きくする、光源の点灯輝度を上げる、警告表示を大きくする、超音波の出力強度を上げるなど、警告の態様を変化させてもよい。
〔空中映像表示装置1の他の構成〕
図9は、空中映像表示装置1の他の構成を示す説明図である。空中映像表示装置1において、筐体7は、平板状の空中映像表示素子2を横にした状態で収容していてもよい。なお、「平板状の空中映像表示素子2を横にした状態」とは、空中映像表示素子2の像源3側の面2aおよび実像R側の面2bが両方とも、筐体7で水平に位置する底面7bに対して平行な方向(底面7bに対して0°)となるように、空中映像表示素子2が位置する場合のみならず、面2a・2bが底面7bに対して所定の角度範囲(例えば0°よりも大きく45°未満)で傾くように空中映像表示素子2が位置する場合も含まれるものとする。なお、上記のように筐体7内で空中映像表示素子2が位置する空中映像表示装置1の構成を、以下では、横型とも称する。
図9は、空中映像表示装置1の他の構成を示す説明図である。空中映像表示装置1において、筐体7は、平板状の空中映像表示素子2を横にした状態で収容していてもよい。なお、「平板状の空中映像表示素子2を横にした状態」とは、空中映像表示素子2の像源3側の面2aおよび実像R側の面2bが両方とも、筐体7で水平に位置する底面7bに対して平行な方向(底面7bに対して0°)となるように、空中映像表示素子2が位置する場合のみならず、面2a・2bが底面7bに対して所定の角度範囲(例えば0°よりも大きく45°未満)で傾くように空中映像表示素子2が位置する場合も含まれるものとする。なお、上記のように筐体7内で空中映像表示素子2が位置する空中映像表示装置1の構成を、以下では、横型とも称する。
横型の構成では、実像Rの表示画面の直下に筐体7が位置するレイアウトとなるが、実像Rの表示画面に対して入力を行う観察者が、手から水等が落下する心配のない作業者である場合には、水等の落下によって空中映像表示装置1が故障する心配がないため、有効である。
図10は、空中映像表示装置1のさらに他の構成を示す説明図である。上記した入力検知部4は、侵入検知部5を兼ねていてもよい。そして、入力検知部4は、物体Fの位置検知に基づいて、基準位置T0よりも空中映像表示素子2側への物体Fの侵入を検知してもよい。入力検知部4は、上述したKinect(登録商標)等の採用により、物体Fの位置を3次元的に検知することができる。したがって、基準位置T0の3次元空間での位置(座標)が予めわかっていれば、その基準位置T0と、検知した物体Fの位置とに基づいて、物体Fが基準位置T0よりも空中映像表示素子2側に侵入したか否かを検知することができる。このように、入力検知部4が侵入検知部5を兼ねる場合、これらを別々に設ける図1の構成に比べて、部品点数が少なくなり、構成が簡素化されるため、空中映像表示装置1の製造コストを低減することができる。
〔レーザーカーテンを利用した構成〕
図11は、空中映像表示装置1のさらに他の構成を示す説明図である。なお、以下での説明の便宜上、方向を以下のように定義しておく。まず、平板状の空中映像表示素子2に対して垂直な方向をz方向とする。そして、z方向に垂直な面内で互いに垂直な2方向のうちの一方をx方向とし、他方をy方向とする。図11では、x方向を水平方向に対応させ、y方向を鉛直方向に対応させている。
図11は、空中映像表示装置1のさらに他の構成を示す説明図である。なお、以下での説明の便宜上、方向を以下のように定義しておく。まず、平板状の空中映像表示素子2に対して垂直な方向をz方向とする。そして、z方向に垂直な面内で互いに垂直な2方向のうちの一方をx方向とし、他方をy方向とする。図11では、x方向を水平方向に対応させ、y方向を鉛直方向に対応させている。
図11の空中映像表示装置1では、空中映像表示素子2の像源3側の面2aおよび実像R側の面2bが両方とも、水平な底面7b(zx面)に対して90°となるように、筐体7内で空中映像表示素子2を立てて収容している。空中映像表示装置1の像源3、平板状の空中映像表示素子2および実像Rの表示画面は、互いに平行となっている。
上記空中映像表示装置1は、空中映像表示素子2に対して像源3とは反対側に位置する投光部8aおよび受光部8bを備えている。投光部8aおよび受光部8bは、空中映像表示素子2から実像Rの表示位置(結像位置)に向かう光に対して互いに反対側に位置している。また、投光部8aは、平板状の空中映像表示素子2に垂直な任意の断面内で(例えばyz面内で)、空中映像表示素子2に対して垂直な方向(z方向)に線状の光、または上記方向に走査された光を受光部8bに向けて出射する。このように、上記線状の光または走査光を出射する投光部8aと、その光を受光する受光部8bとを用いることにより、これらの投光部8aおよび受光部8bを、侵入検知部5として機能させることもできるし、入力検知部4として機能させることもできる。
図12は、投光部8aおよび受光部8bの詳細な構成、および平板状の空中映像表示素子2に垂直な任意の断面内での光の光路を示す説明図である。投光部8aは、半導体レーザ11と、ポリゴンミラー12と、反射ミラー13と、コリメータレンズ(Fθレンズ)14とを備えている。受光部8bは、受光レンズ21と、受光素子22(例えばCCD(Charge Coupled Device)などの固体撮像素子)と、エッジ検出部23(例えばエッジ検出回路)と、判断部24(例えばCPUなどの演算処理部)とを備えている。なお、判断部24は、受光部8bの外部にあってもよい。
半導体レーザ11から出射されたレーザ光は、回転するポリゴンミラー12の一側面で反射され、反射ミラー13で反射された後、コリメータレンズ14に入射する。このとき、ポリゴンミラー12が回転しているため、半導体レーザ11から出射されたレーザ光は、ポリゴンミラー12および反射ミラー13を介して、一方向(z方向)に走査されながらコリメータレンズ14に入射し、コリメータレンズ14を透過して受光部8bに導かれる。なお、上記のように走査された光のことを、レーザーカーテンと呼ぶ。
ここで、投光部8aと受光部8bとの間に物体Fが存在していると、コリメータレンズ14を透過したレーザ光の一部は物体Fで遮蔽され、残りは物体Fで遮蔽されずに、受光レンズ21を介して受光素子22に入射する。受光素子22では、物体Fの大きさや位置に応じて各画素での光の受光状態が変化し、受光素子22からは上記受光状態に応じた検出信号がエッジ検出部23に送られる。エッジ検出部23では、エッジ検出フィルタ等を用いた公知のエッジ検出処理により、レーザ光の走査方向(z方向)における物体Fのエッジが検出される。判断部24では、エッジ検出部23にて検出された物体Fのエッジの位置に基づき、レーザ光の走査方向における物体Fの大きさおよび位置を判断することが可能となる。
したがって、空中映像表示素子2に対して垂直なz方向がレーザ光の走査方向と対応している上記の構成では、投光部8aから出射されて、基準位置T0に対して空中映像表示素子2側を通るレーザ光の受光部8bでの受光状態に基づいて、(基準位置T0に対して空中映像表示素子2側の侵入検知領域Sへの)物体Fの侵入を検知することができる。また、投光部8aから出射されて、基準位置T0に対して空中映像表示素子2とは反対側を通るレーザ光の受光部8bでの受光状態に基づいて、(基準位置T0に対して空中映像表示素子2とは反対側の入力検知領域Vでの)物体Fによる入力位置を検知することができる。
以上のことから、図11の空中映像表示装置1では、侵入検知部5は、投光部8aおよび受光部8bを有し、投光部8aから出射されて、基準位置T0に対して空中映像表示素子2側を通る光の受光部8bでの受光状態に基づいて、物体Fの侵入を検知すると言うことができる。また、入力検知部4は、投光部8aおよび受光部8bを有し、投光部8aから出射されて、基準位置T0に対して空中映像表示素子2とは反対側を通る光の受光部8bでの受光状態に基づいて、物体Fによる入力位置を検知すると言うことができる。
このように、レーザーカーテンを利用することにより、同じ投光部8aおよび受光部8bを用いて物体Fの侵入検知と入力位置の検知とを行うことができる。つまり、空中映像表示装置1の簡素な構成で、物体Fの侵入検知と入力位置の検知とを両方行うことができる。
特に、像源3、平板状の空中映像表示素子2および実像Rの表示画面は、互いに平行である(筐体7内で像源3および空中映像表示素子2の位置が平行に設定されている)。この場合、図11に示すように、平板状の空中映像表示素子2に沿った方向(y方向)に投光部8aから受光部8bに向けて光を出射させる構成で、実像Rの表示画面を含む入力検知領域Vの幅(空中映像表示素子2に垂直なz方向の入力位置の検知幅)を、例えば空中映像表示素子2に対して実像Rの表示画面が45°程度傾いた構成に比べて狭くすることができ、その分、投光部8aおよび受光部8bの小型化が可能となる。
なお、ここでは、投光部8aが一方向に光を走査して出射する構成としているが、上記一方向に線状の光源を用い、上記線状の光源から出射される、上記一方向に線状の光を用いても、上記と同様に、同じ投光部8aおよび受光部8bを用いた構成で、侵入検知および入力検知を両方行うことができる。
なお、発光部8aおよび受光部8bは、x方向の各位置で、上記と同様の侵入検知および入力検知を行うために、x方向に複数並んで構成されていてもよい。さらに、発光部8aおよび受光部8bは、y方向の各位置で、上記と同様の侵入検知および入力検知を行うために、y方向にも複数並んで構成されていてもよい。
なお、投光部8aは、ポリゴンミラー12および反射ミラー13の代わりに、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーを用いて構成されてもよい。MEMSミラーを用いることにより、光源(半導体レーザ11)からの入射光を2次元的に走査して面状の光として受光部8bに導くことができ、物体Fの侵入位置および物体Fによる入力位置を2次元的に検知することが可能となる。
また、投光部8aは、半導体レーザ11の代わりに、他の光源(例えばLED)を用いて光を走査し、出射する構成であってもよい。
本発明は、例えば、像源の実像を空中に表示するとともに、表示された実像に対する物体の入力位置を検知する空中映像表示装置に利用可能である。
1 空中映像表示装置
2 空中映像表示素子
3 像源
3a 表示器(警告部)
4 入力検知部
5 侵入検知部
5a 発光部
5b 受光部
6 警告部
6a スピーカー(警告部、音声出力部)
6b 光源(警告部)
6c 超音波発生装置(警告部)
7 筐体
7a 透明部
8a 投光部(入力検知部、侵入検知部)
8b 受光部(入力検知部、侵入検知部)
F 物体
R 実像
T0 基準位置
2 空中映像表示素子
3 像源
3a 表示器(警告部)
4 入力検知部
5 侵入検知部
5a 発光部
5b 受光部
6 警告部
6a スピーカー(警告部、音声出力部)
6b 光源(警告部)
6c 超音波発生装置(警告部)
7 筐体
7a 透明部
8a 投光部(入力検知部、侵入検知部)
8b 受光部(入力検知部、侵入検知部)
F 物体
R 実像
T0 基準位置
Claims (14)
- 一方の面側に配置される像源の実像を、他方の面側の空中に結像させて表示する平板状の空中映像表示素子と、
前記実像の表示画面において物体によって指定される入力位置を、前記物体と非接触で検知する入力検知部とを備えた空中映像表示装置であって、
前記空中映像表示素子と前記実像の表示位置との間に設定される基準位置よりも前記空中映像表示素子側への前記物体の侵入を検知する侵入検知部と、
前記侵入検知部にて前記物体の侵入を検知したときに、警告を行う警告部とを備えていることを特徴とする空中映像表示装置。 - 前記侵入検知部は、発光部および受光部を有し、前記発光部が発した光の前記物体による遮蔽の有無を、前記受光部での受光状態に基づいて検知することにより、前記物体の侵入を検知することを特徴とする請求項1に記載の空中映像表示装置。
- 前記発光部および前記受光部は、前記空中映像表示素子と前記基準位置との間に位置していることを特徴とする請求項2に記載の空中映像表示装置。
- 前記入力検知部は、前記侵入検知部を兼ねており、前記物体の位置検知に基づいて前記物体の侵入を検知することを特徴とする請求項1に記載の空中映像表示装置。
- 前記空中映像表示素子に対して前記像源とは反対側に位置する投光部および受光部を備え、
前記投光部は、前記平板状の空中映像表示素子に垂直な任意の断面内で、前記空中映像表示素子に対して垂直な方向に線状の光、または前記方向に走査された光を前記受光部に向けて出射し、
前記侵入検知部は、前記投光部および前記受光部を有し、前記投光部から出射されて、前記基準位置に対して前記空中映像表示素子側を通る光の前記受光部での受光状態に基づいて、前記物体の侵入を検知し、
前記入力検知部は、前記投光部および前記受光部を有し、前記投光部から出射されて、前記基準位置に対して前記空中映像表示素子とは反対側を通る光の前記受光部での受光状態に基づいて、前記物体によって指定される前記入力位置を検知することを特徴とする請求項1に記載の空中映像表示装置。 - 前記像源、前記空中映像表示素子および前記実像の表示画面は、互いに平行であることを特徴とする請求項5に記載の空中映像表示装置。
- 前記警告部は、前記像源の位置に配置される表示器を含み、
前記表示器は、警告情報を表示し、その実像を前記空中映像表示素子によって空中に表示させることにより、警告を行うことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の空中映像表示装置。 - 前記表示器は、前記警告情報以外の表示情報の少なくとも一部を、前記警告情報に置き換えて、または前記警告情報と重ねて表示することを特徴とする請求項7に記載の空中映像表示装置。
- 前記警告情報は、警告に関する映像および文章の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項7または8に記載の空中映像表示装置。
- 前記警告部は、音または音声を出力することによって警告を行う音声出力部を含むことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の空中映像表示装置。
- 前記警告部は、光を発することによって警告を行う光源を含むことを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の空中映像表示装置。
- 前記警告部は、超音波を前記物体に伝達することによって警告を行う超音波発生装置を含むことを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の空中映像表示装置。
- 前記空中映像表示素子を収容する筐体をさらに備え、
前記筐体は、前記空中映像表示素子と前記実像の表示位置との間に透明部を有していることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の空中映像表示装置。 - 前記筐体は、前記平板状の空中映像表示素子を立てた状態で収容することを特徴とする請求項13に記載の空中映像表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017116030A JP2019003332A (ja) | 2017-06-13 | 2017-06-13 | 空中映像表示装置 |
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JP2017116030A Pending JP2019003332A (ja) | 2017-06-13 | 2017-06-13 | 空中映像表示装置 |
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JP (1) | JP2019003332A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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2017
- 2017-06-13 JP JP2017116030A patent/JP2019003332A/ja active Pending
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