実施の形態1.
本実施形態1の液晶表示装置に用いられる液晶パネル10の構成について図1〜図6を用いて説明する。図1および図2は、液晶パネル全体の構成の断面図と平面図をそれぞれ示しており、図1は、図2におけるA−B断面線における断面図に対応する。また、図3および図4は、発明の主要部となるカラーフィルタ基板上に設けられるブラックマトリクスの遮光パターンと色材パターンを示す詳細説明図であり、図3(a)および図3(b)は、ブラックマトリクスの遮光パターンと色材パターンのそれぞれの平面配置を示す平面図、図4(a)および図4(b)は、図3(b)におけるX1−X2断面線、X3−X4断面線のそれぞれにおける断面図に対応する。また、図5(a)および図5(b)は、カラーフィルタ基板側のブラックマトリクスとアレイ基板側の各パターンの位置関係を示すための斜視図である。更に、図6および図7は、アレイ基板側の具体的な各パターンの平面配置と、これらアレイ基板側の各パターンとカラーフィルタ基板上に設けられるブラックマトリクスの遮光パターンと色材パターンの平面配置の位置関係を示す平面図を示している。
なお、図は模式的なものであり、示された構成要素の正確な大きさなどを反映するものではない。特に、CF基板とアレイ基板間に配置される構成については、説明の便宜上、双方の基板の厚みに比べて、基板間の距離や基板面に垂直方向の長さなどを誇張して図示している。また、図面が煩雑とならないよう、発明の主要部以外の省略や構成の一部簡略化などを適宜行っている。以下の図においても同様とする。更に、以下の図においては、図中、既出の図において説明したものと同一の構成要素には同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
ここでは、一例として、液晶の動作モードがTN(Twisted Nematic)モードで、スイッチング素子に薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を用いた液晶パネルに本発明を適用した場合について説明する。
また、この液晶パネル10は、TFTなどのスイッチング素子と画素電極がアレイ状に配列するアレイ基板であるTFTアレイ基板(以下、アレイ基板)110と、このアレイ基板110と対向配置される対向基板であるカラーフィルタ基板(CF基板)120と、表示領域100に対応する領域を囲うように配置され、CF基板120とアレイ基板110との間の間隙を密封するシールパターン133を備えている。また、このシールパターン133により密封され、CF基板120とアレイ基板110との間の間隙の少なくとも表示領域100に対応する領域に液晶層130が挟持されている。よって、シールパターン133は、表示領域100に対応する領域の外側を額縁状に囲うように配置される額縁領域101に形成されることになる。
また、アレイ基板110およびCF基板120の外形は何れも矩形となっており、アレイ基板110の外形の方が、CF基板120の外形よりも大きく、CF基板120の外形端面より一部突出する突出部を有して重ね合わせ配置されている。
なお、図2の平面図では、CF基板120の下に配置されるアレイ基板110の構成を図示するために、図中左上の一部のみCF基板120を図示し、それ以外の領域では、CF基板120の図示を省略してアレイ基板110の構成を図示している。実際の構成としては、CF基板120は、シールパターン133により囲まれる領域の外側の図中破線で示される領域まで設けられている。
また、図中では、表示領域100となる矩形領域を点線で囲み、額縁領域101との境界としている。なお、ここで使用した額縁領域101については、液晶パネル10のアレイ基板110上、CF基板120上、或いは両基板間に挟まれる領域において、表示領域100外側に位置する表示領域100を取り囲む額縁状の領域、即ち表示領域100を除く全ての領域のことを意味し、表示領域100についても、液晶パネル10のアレイ基板110上、CF基板120上、或いは両基板間に挟まれる領域の全てにおいて使用することとし、本明細書中においては全て同様の意味にて使用する。
更にアレイ基板110とCF基板120間には、基板間に所定の一定距離の間隙を形成し保持する柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134sが表示領域100内に多数配置される。このシールパターン133により密封され、柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134sにより保持されたCF基板120とアレイ基板110との間の間隙の少なくとも表示領域100に対応する領域に液晶層140が挟持されている。なお、基板間に所定の一定距離の間隙を形成し保持する柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134sについては、本発明の特徴的な構成であることから、別途詳細に説明を行う。
上述のアレイ基板110は、透明基板であるガラス基板111の一方の面に液晶を配向させる配向膜112、配向膜112の下部に設けられ液晶を駆動する電圧を印加する画素電極113、画素電極113に電圧を供給するスイッチング素子であるTFT114、TFT114を覆う絶縁膜115、TFT114に信号を供給する配線である複数のゲート配線117およびソース配線118、ゲート配線117と並行して配置され共通電位が印加される共通配線119、TFT114に供給される信号を外部から受け入れる端子116、端子116から入力された信号をCF基板120側へ伝達するためのトランスファ電極(図示省略)、端子116から入力された信号をゲート配線117およびソース配線118やトランスファ電極へ伝達する周辺配線(図示省略)などを有している。
また、TFT114については、アレイ基板110上の表示領域100において、それぞれ縦横に複数本配列して設けられるゲート配線117とソース配線118の各交差部近傍に設けられる。画素電極113については、ゲート配線117とソース配線118により囲まれる各画素領域内にマトリクス状に配列して形成される。また、端子116、トランスファ電極、周辺配線については、額縁領域101に形成される。また、ガラス基板111の他方の面には偏光板131を有している。
更に、TFT114の詳細な構成としては、図5(b)に示されるとおり、ゲート配線117上に、ゲート絶縁膜として機能する絶縁膜115を介して形成され、チャネルとして機能する半導体層114cと、その上に配置され、半導体層114cに接続されるソース電極114sおよびドレイン電極114dより構成されている。つまり、ボトムゲート型のTFTである。なお、TFT114を構成するゲート電極114gは、ゲート配線117が兼ねていることになり、TFT114の形成領域内にゲート電極114gを図示しているとおり、ゲート電極114gは、実質的には、ゲート配線117のうち、半導体層114cと重なる一部のみがゲート電極114gとして機能することになる。
また、チャネルとして機能する半導体層114cは、ここでは、非単結晶シリコン膜のうち、アモルファスシリコン膜を半導体材料として選択している。また、半導体層114cは、ゲート電極を兼ねるゲート配線117の形成領域内に平面的に重なって配置されていることとなり、ゲート配線117が遮光性の金属層で設けられることによって、ガラス基板111側からの直接光に対して、遮光されることになる。なお、TFT114のドレイン電極114dには画素電極113が接続される。
一方、上述のCF基板120は、透明基板である厚み0.7mm程度の一般的なガラスよりなるガラス基板121の一方の面に液晶を配向させる配向膜122、配向膜122の下部に配置され、TFT基板110上の画素電極113との間に電界を生じ液晶を駆動する共通電極123、共通電極123下部に設けられるカラーフィルタとして機能する色材パターン(ここでは、三原色である赤(R)、緑(G)、青(B)として、それぞれ、124R、124G、124Bを付している)および色材パターン124R〜124B間を遮光するため、或いは表示領域100に対応する領域外側に配置される額縁領域101を遮光するために設けられる遮光層であるブラックマトリクス(Black Matrix:BM)125などを有しており、CF基板120のガラス基板121の他方の面、すなわち、色材パターン124R〜124B、BM125などの設けられる面と反対側の面には偏光板132を有している。
色材パターン124R〜124Bとしては、樹脂中に顔料などを分散させた色材層が選択でき、赤、緑、青などの特定の波長範囲の光を選択的に透過するフィルタとして機能し、例えば、図2の平面図に示す様に、これら異なる色の色材層が規則的に配列して構成される(図中では、赤(R)の色材パターン124R、緑(G)の色材パターン124G、青(B)の色材パターン124Bに対応して、引き出し線で符号を付したもの以外も含め、それぞれ、R、G、Bの記号を付している。)。また、BM125については、樹脂中に黒色顔料などを分散させてなる、いわゆる樹脂BMを用いても良いし、ある程度の反射防止機能を有した酸化Cr膜が表面に設けられた金属Crよりなる、いわゆるCr−BMを用いても良いが、本実施の形態1では、樹脂BMからなるBM125を選択した。なお、BM125の平面的な配置や、色材パターン124R〜124Bの平面的な配置が、本発明の特徴的な構成であることから、以下で別途詳細説明を行なうとして、ここでは詳細説明を省略することとする。
また、図中においては、CF基板120表面に形成される配向膜122について、主に表示領域100内の柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134sの形成部分以外の領域に形成された状態で図示されているが、柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134sの形成後に配向膜122とする配向膜材料は塗布されることから、柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134sの表面にも配向膜材料は塗布されていることになる。然しながら、柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134sの表面に形成される配向膜材料自体は比較的薄く形成されることや、柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134sの表面では配向処理された配向膜としての実質的な機能を有さないことから、配向膜122としての図示を省略している。
更に、この液晶パネル10は、後述する製造フロー(製造方法)に関する説明部分において別途詳細に説明を行うが、この一対の基板であるアレイ基板110およびCF基板120の何れか一方の基板表面に液晶が複数の液滴として配置された後に両方の基板間に挟まれることによりシールパターン133により囲まれる領域内に封止されて形成される滴下注入(ODF:One Drop Filling)方式により製造される。
従って、シールパターン133は、閉ループ形状であり真空注入方式で製造される液晶パネルのように液晶を注入するための開口部である注入口は形成されておらず、別途注入口を封止するための封止材も設けられていないといった構造的な特徴を備えている。また、シールパターン133の材質は、導電性粒子を混在させた光硬化型シール剤(光硬化型樹脂)によりなる。
更にトランスファ電極と共通電極123は、シールパターン133中に混在される導電性粒子により電気的に接続されており、端子116から入力された信号が共通電極123に伝達される。導電性粒子としては、弾性変形可能なものが導通の安定の点で好ましく、例えば、表面に金メッキがされた球形の樹脂を用いると良い。この他に、液晶パネル10は、駆動信号を発生する制御基板135、制御基板135を端子116に電気的に接続するFFC(Flexible Flat Cable)136などを備えている。
更に、液晶パネル10の表示面の反対側には、光源となるバックライトユニット(図示せず)がアレイ基板110に対向して配置されており、更に、液晶パネル10とバックライトユニット間には光の偏光状態や指向性などを制御する光学シートが配置されている。なお、本実施の形態1では、バックライトユニットとして、本発明の効果がより発揮されるように、光源として、少なくともLEDを用い、より望ましくは高輝度タイプのLEDを用いた高輝度タイプのバックライトユニットを用いることとした。高輝度タイプのバックライトユニットの具体的な輝度については、最大輝度として、20000cd/m2以上の範囲を有することが望ましい。液晶パネル10は、これら部材と共に表示面となる表示領域100におけるCF基板120の外側の部分が開放された筐体(図示せず)の中に収納され、本実施の形態1の液晶表示装置は構成される。
続いて、本発明での特徴的な構成の1つであるCF基板120上に設けられるBM125の遮光パターンと色材パターン124R〜124Bの詳細な平面配置について図3の平面図を用い、適宜、図4の断面図或いは図5の斜視図を参照しながら説明を行う。なお、先に説明したとおり、図5(a)および図5(b)は、CF基板120側のBMの遮光パターンとアレイ基板110側の各パターンの位置関係を示すための斜視図であるが、対向配置されるアレイ基板110とCF基板120において、図5(a)に図示されるCF基板120は、裏面側(アレイ基板110との反対向面側)から見た斜視図であり、図5(b)に図示されるアレイ基板110は、表面側(CF基板120との対向面側)から見た斜視図である。よって、基本的には、それぞれ図示される位置関係のまま、互いに対向配置されるものであり、図5(a)に図示される柱状スペーサ134mと図5(b)に図示される柱状スペーサ134mは同じ位置を示していることになる。
先ず、図3(a)を用いて、CF基板120上に設けられるBM125の遮光パターンの平面配置について説明を行なう。なお、図3(a)は、CF基板120上に設けられるBM125の遮光パターンの平面配置を示した平面図であるが、CF基板120と対向配置、つまり、平面的に重なって配置されるアレイ基板110上に設けられるTFT114の位置、特に半導体層114cの位置を点線で示している。
本実施の形態1のBM125は、図3(a)において示されるとおり、各画素の画素電極113に対応して配置される開口部が設けられ、格子状の遮光パターンよりなる。また、図5(a)および図5(b)に示すとおり、格子状の遮光パターンよりなるBM125は、アレイ基板110上に設けられるゲート配線117の延在方向に沿って設けられる部分となるゲート側遮光パターン125GTとソース配線118の延在方向に沿って設けられる部分となるソース側遮光パターンが互いに交差して格子状の遮光パターンが構成される。より詳細には、BM125は、ゲート配線117の形成領域に重なって配置されるゲート側遮光パターン125GTを格子状のパターンの一部において含むこと、つまり、BM125は、その一部においてゲート側遮光パターン125GTを備えている。更に、BM125は、ソース配線118の形成領域に重なって配置されるソース側遮光パターンも備えることにより格子状の遮光パターンを構成することになる。なお、ソース側遮光パターンについては、アレイ基板110側にソース配線118の形成領域に沿って遮光層を配置することで代用することも可能であり、適宜、省略することも可能であり、その場合には、BM125は格子状の遮光パターンではなく、ゲート側遮光パターン125GTのみによるストライプ状の遮光パターンとなる。
また、図3(a)にTFT114の半導体層114cの形成領域が点線で示されているが、BM125を構成するゲート側遮光パターン125GTがゲート配線117の形成領域に重なって配置されること、TFT114の半導体層114cがゲート配線117の形成領域内に配置されることから明らかなとおり、TFT114の半導体層114cは、ゲート側遮光パターン125GTの形成領域内に重なって配置されることになる。
続いて、図3(b)を用いて、CF基板120上に設けられる色材パターン124R〜124Bの平面配置について説明する。なお、色材パターン124R〜124Bについては、先に平面配置について説明を行なったBM125上に設けられるが、BM125の遮光パターンの平面配置と色材パターン124R〜124Bの平面配置の位置関係については、図3(b)において、BM125のパターン外形に対応する開口部の外形位置を点線で示していることから確認可能であり、逆に図3(a)においても、色材パターン124R〜124Bの外形位置を点線で示しており、そちらからも確認可能である。
本実施の形態1の色材パターン124R〜124Bについては、図3(b)において示されるとおり、先ず、色材パターン124Rおよび色材パターン124Gについては、一般的なストライプ状の色材パターンと同様にソース配線118の延在方向に沿って少なくとも画素電極113と重なって設けられるストライプ状に連続する色材パターンとしている。なお、色材パターン124Rおよび色材パターン124Gは、画素電極113に対応して配置されるBM125に設けられた開口部を少なくとも覆う領域に設けられることになる。一方、色材パターン124Bについては、一般的なストライプ状の色材パターンよりなる色材パターン124Rおよび色材パターン124Gと異なる格子状の連続パターン形状を有している。
具体的には、色材パターン124Bは、色材パターン124Rおよび色材パターン124Gと同様のソース配線118の延在方向に沿って少なくとも画素電極113と重なって設けられるストライプ状に連続する青色の色材パターンよりなるソース延在色材パターン124Bsをベースとして有するとともに、本発明の特徴的な構成として、先に説明したBM125におけるゲート側遮光パターン125GTの表面を覆って延在して設けられる青色の色材パターンよりなるゲート延在色材パターン124Bgを有している。なお、ソース延在色材パターン124Bsは、画素電極113に対応して配置されるBM125に設けられた開口部を少なくとも覆う領域に設けられることになる。また、ゲート延在色材パターン124Bgは、ゲート配線117の延在方向に沿って延在して配置されることから、このソース延在色材パターン124Bsとゲート延在色材パターン124Bgとは、互いに交差して設けられ、ソース延在色材パターン124Bsとゲート延在色材パターン124Bgが一体化されてなる格子状の連続パターンを構成している。つまり、色材パターン124Bは、ゲート側遮光パターン125GTの表面を覆って延在して設けられる連続パターンよりなるゲート延在色材パターン124Bgを備えるとともに、ソース配線118の延在方向に沿って少なくとも画素電極113と重なって設けられる連続パターンよりなるソース延在色材パターン124Bsを備え、当該ゲート延在色材パターン124Bgとソース延在色材パターン124Bsとが交差して設けられた格子状の連続パターンよりなることになる。
なお、色材パターン124Bにおけるゲート延在色材パターン124Bgは、ストライプ状に設けられる色材パターン124Rおよび色材パターン124Gと、交差するとともに重なって設けられ、それぞれの交差部においては、図3(b)の平面図および図4(a)の断面図にて図示されるとおり、ゲート延在色材パターン124Bg上を覆うように、色材パターン124Rおよび色材パターン124Gが重なって配置されている。つまり、ゲート側遮光パターン125GTの表面において、色材パターン124Rの配置される赤色の画素列では、青色の色材パターン124B(124Bg)と色材パターン124Rとが積層された積層膜により、色材パターン124Gの配置される緑色の画素列では、青色の色材パターン124B(124Bg)と緑色の色材パターン124Gとが積層された積層膜により、それぞれBM125(ゲート側遮光パターン125GT)表面が覆われることになる。一方、色材パターン124Bの配置される青色の画素列では、青色の色材パターン124Bの単層膜により、BM125(ゲート側遮光パターン125GT)表面が覆われることになる。
続いて、本発明での特徴的な構成の1つである柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134sについて図1或いは図4の断面図を用いて説明を行う。なお、CF基板120およびアレイ基板110の表面には実際には配向膜122および配向膜112が形成されており、更に、CF基板120の表面には共通電極123も設けられるが、ここでは、特に柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134sと各色材パターン124R〜124B或いはBM125の遮光パターンとの配置関係、平面的な配置関係を説明するだけであることから、図4(a)および図4(b)においては、説明の便宜上により図示を省略している。
まず、本実施の形態1の柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134sについては、高温時の下膨れ不良、低温時の発泡不良の2つの不良を防止することと、表示面に対する外的衝撃に対する耐性を確保することを両立するために、相対的に高さの高いスペーサと相対的に高さの低いスペーサの異なる2種類の柱状スペーサ形態を混在して備えるデュアルスペーサ構造を用いている。なお、ここで言う高さとは、CF基板120の表面からの突起として設けられる柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134sの突起先端部のガラス基板121の表面からの高さとして、以下説明を行うこととする。従って、図1或いは図4の断面図に示されるとおり、CF基板120表面において、柱状スペーサ134mが相対的に高さの高いスペーサとなるデュアルスペーサ構造のメインスペーサとなり、柱状スペーサ134sが相対的に高さの低いスペーサとなるサブスペーサとなる。
具体的には、図1或いは図4の断面図においては、液晶パネル10のアレイ基板110とCF基板120の表面に、特に外圧などが印加されない状態、つまり、基板間隔が所定値(セルギャップ値)の状態を示しているものとするが、メインスペーサ部を示す図1或いは図4(a)中の柱状スペーサ134mについては、アレイ基板110とCF基板120に当接した状態であり、更に、図示は省略するが、アレイ基板110とCF基板120の表面に外圧などが印加されることによって、基板間隔が上記の所定値(セルギャップ値)より狭くなった場合にも、柱状スペーサ134mは、アレイ基板110とCF基板120に当接されることとなる。つまり、柱状スペーサ134mは、常時、アレイ基板110とCF基板120に当接して、基板間隔をセルギャップ値に保持することとなる。つまり、デュアルスペーサ構造におけるメインスペーサとして機能する。
一方、特に外圧などが印加されない状態であるサブスペーサ部を示す図1或いは図4(b)中の柱状スペーサ134sについては、アレイ基板110には当接されていないが、アレイ基板110とCF基板120の表面に外圧などが印加されることによって、基板間隔が上記のセルギャップ値より狭くなった場合には、アレイ基板110に当接して、ある程度の範囲に基板間隔を保持する。つまり、デュアルスペーサ構造におけるサブスペーサとして機能する。
また、本実施の形態1のメインスペーサとして機能する柱状スペーサ134mについては、図3(a)の平面図に示されるとおり、ストライプ状の赤色の色材パターン124Rと、格子状の連続パターンよりなる青色の色材パターン124B(特にゲート延在色材パターン124Bgの部分)の交差部分に配置している。一方、サブスペーサとして機能する柱状スペーサ134sについては、格子状の連続パターンよりなる青色の色材パターン124Bにおける格子点部分、つまり、ゲート延在色材パターン124Bgとソース延在色材パターン124Bsとの交差部分に配置している。その結果、図4(a)の断面図にも示されるとおり、柱状スペーサ134mは、CF基板120のゲート側遮光パターン125GTの設けられる表面において赤色の色材パターン124Rと青色の色材パターン124B(124Bg)とが積層された積層膜を介して配置される。一方、柱状スペーサ134sは、CF基板120のゲート側遮光パターン125GTの設けられる表面において青色の色材パターン124B(124Bg)の単層膜を介して配置される。
従って、柱状スペーサ134mと柱状スペーサ134sのそれぞれが設けられるCF基板120上におけるガラス基板121の基板面からの高さは異なっており、柱状スペーサ134mのほうが、赤色の色材パターン124Rの厚み分、柱状スペーサ134sと比べて、高い位置に設けられることになる。以上のことから、本実施の形態1では、柱状スペーサ134mと柱状スペーサ134sを構成する柱状樹脂層に厚みの差を特に設けなくとも、柱状スペーサ134mと柱状スペーサ134sについて、相対的に高さの高いスペーサと相対的に高さの低いスペーサの異なる2種類の柱状スペーサとし、デュアルスペーサ構造を設けることができる。そこで、本実施の形態1の柱状スペーサ134mと柱状スペーサ134sについて同じ厚みの柱状樹脂層を共通部材として構成している。なお、ここで言う同じ厚みという意味は、実際には樹脂層を塗布形成した際には、レベリング(表面平坦化)作用が生じ、柱状スペーサ134mを構成する柱状樹脂層が柱状スペーサ134sを構成する柱状樹脂層よりも多少薄く形成され、正確には同じ厚みとならない場合が多いが、その程度の差は無視したうえで、同じ厚みと解釈するものとする。
また、メインスペーサである柱状スペーサ134mと、サブスペーサである柱状スペーサ134sの配置密度、更に両者の比率としては、柱状スペーサ134mの比率を柱状スペーサ134sの比率に比べて少ない割合に配置することが望ましい。従って、本実施の形態1では、一例として、図1或いは図3の平面図に示すとおり、柱状スペーサ134sについては、格子状の連続パターンよりなる青色の色材パターン124Bにおける全ての格子点部分に配置していることから、3画素あたり1ヶ所の画素の割合で配置されることとなる。一方、柱状スペーサ134mについては、ストライプ状の赤色の色材パターン124Rと、格子状の連続パターンよりなる青色の色材パターン124B(特にゲート延在色材パターン124Bgの部分)の交差部分のうち、2行おきに配置したことから、6画素あたり1ヶ所の画素の割合で配置されている。
なお、ここでは、メインスペーサとして機能する柱状スペーサ134mをストライプ状の赤色の色材パターン124Rと青色の色材パターン124Bの交差部分に設ける例について説明を行ったが、メインスペーサとして機能する柱状スペーサ134mをストライプ状の緑色の色材パターン124Gと青色の色材パターン124Bの交差部分に設けるように変更しても良い。つまり、ストライプ状の緑色の色材パターン124Gと青色の色材パターン124Bの交差部分についても、柱状スペーサ134sの設けられる青色の色材パターン124Bにおける格子点部分と比べて、高い位置に設けられることになるので、柱状スペーサ134mをストライプ状の緑色の色材パターン124Gと青色の色材パターン124Bの交差部分に設けることで、実施の形態1の場合と同様に、柱状スペーサ134mと柱状スペーサ134sを構成する柱状樹脂層に厚みの差を特に設けなくとも、柱状スペーサ134mと柱状スペーサ134sについて、相対的に高さの高いスペーサと相対的に高さの低いスペーサの異なる2種類の柱状スペーサとし、デュアルスペーサ構造を設けることができる。
続いて、図6および図7を用いて、アレイ基板110側の具体的な各パターンの平面配置とCF基板120上に設けられるBM125の遮光パターンと色材パターン124R〜124Bの平面配置の位置関係について説明を行う。なお、全体的な位置関係については、図3から図5を用いて説明したとおりであるが、ここでは、アレイ基板110側における詳細なパターン配置まで説明を加える。
例えば、図3および図4を用いた説明においては、主要な構成として、ゲート配線117と、ゲート配線117に交差して配置されるソース配線に対応して、BM125が格子状の遮光パターンとして配置されることを説明したが、より詳細なアレイ基板110側の各パターンとしては、本実施の形態1のアレイ基板110においては、図1、図5、および図6に示すとおり、ゲート配線117と並行して、遮光パターンよりなる共通配線119が設けられる。
共通配線119は、共通電位が印加され、画素電極113と重なり部を有して容量を形成することで、当該容量に画素電極に所定の電位を保持することに寄与する。通常、ゲート配線117と共通配線119は同層で同一材料により共通のパターニング工程で設けられることと、ゲート配線117とは異なる電位が印加されることから、ショートを起さないように、ゲート配線117と共通配線119は図6に示されるとおり隙間を空けて配置される。また、図1および図5においては図示省略していたが、共通配線119は、図6に示すとおり、その一部に画素電極113の外周に沿って画素電極113と重なる方向に分岐して延在する共通配線枝部119bが設けられることで、上記説明の容量を形成する面積を確保している。また、何れも遮光パターンからなる共通配線119と、この共通配線枝部119bと、更に、画素電極113の外周に沿って延在して画素電極113と重なって設けられるドレイン電極114dとにより、画素電極113の外周を囲うことで、アレイ基板110側の開口領域(透過領域)を設定している。
このように遮光パターンからなる共通配線119が設けられる構成の場合において、本実施の形態1のBM125の格子状の遮光パターンの詳細な配置としては、図7(a)にBM125の遮光パターンの配置を示しているとおり、ゲート配線117の形成領域に重なって配置されるゲート側遮光パターン125GTについて、ゲート配線117の形成領域に加えて、共通配線119の形成領域、および、ゲート配線117と共通配線119間に設けられる隙間部も含めた領域に重なって設けている。つまり、ゲート側遮光パターン125GTは、ゲート配線117の形成領域から共通配線119の形成領域に跨って配置されている。更に、ゲート側遮光パターン125GTは、画素電極113と重なって設けられて開口領域(透過領域)を設定する遮光パターンとなるドレイン電極114dの形成領域まで跨って配置される。また、ソース配線118に沿った方向に設けられるBM125のソース側遮光パターンは、ソース配線118の形成領域と、ソース配線118と共通配線119から延在する共通配線枝部119bの間の隙間部と、上記共通配線枝部119bの一部に重なって設けられる。
一方、本実施の形態1の色材パターン124R〜124Bの詳細な配置としては、図7(b)に色材パターン124R〜124Bの配置を示しているとおり、先ず、色材パターン124Rおよび色材パターン124Gについては、ソース配線118の延在方向に沿って少なくとも画素電極113と重なって設けられるストライプ状に連続する色材パターンとなっており、色材パターン124Bについては、格子状の連続パターン形状を有している。この点は、図3(b)を用いて説明したとおりである。特に、図7(b)に示した色材パターン124Bでは、図7(b)において説明したとおり、ゲート側遮光パターン125GTが、ゲート配線117の形成領域から共通配線119の形成領域およびドレイン電極114dの形成領域に跨って配置されているのに対応して、ゲート側遮光パターン125GTの表面を覆って設けられるゲート延在色材パターン124Bgについても、同様に、ゲート配線117の形成領域のみならず、ゲート配線117の形成領域から共通配線119の形成領域およびドレイン電極114dの形成領域に跨って配置されることになる。
なお、ゲート延在色材パターン124Bgの形成領域としては、本実施の形態1では、ゲート側遮光パターン125GT表面からの反射光を全面的に遮断するためにゲート側遮光パターン125GTの形成領域、つまり、ゲート配線117の形成領域のみならず共通配線119の形成領域およびドレイン電極114dの形成領域までの殆ど全体に渡って配置した例について説明したが、少なくともTFT114の形成領域および各TFT114間の領域に対応するゲート配線117の形成領域の全体に重なる領域を、ゲート延在色材パターン124Bgが形成される領域、つまり、ゲート延在色材パターン124Bgがゲート側遮光パターン125GTの表面を覆う領域とすることで、本発明の基本的な効果については充分に得ることができる。
また、ゲート延在色材パターン124Bgが、少なくともTFT114の形成領域におけるゲート側遮光パターン125GTの表面を覆い形成されることに加えて、ゲート側遮光パターン125GTの表面を覆って延在して設けられる連続パターンよりなることで、TFT114と対向する領域におけるゲート側遮光パターン125GT表面からの反射光を抑えることに加えて、各TFT114間の領域におけるゲート側遮光パターン125GT表面からの反射光についても抑えることができる点で、本発明の最低限の効果が得ることができることになる。
<液晶表示装置の製造フロー>
本発明に係る実施の形態1の液晶表示装置の製造方法として、上記のような構成の液晶パネルを有する液晶表示装置の製造フローを、図8に示すフローチャートを用いて説明する。通常、液晶パネルは最終形状よりも大きなマザー基板から、液晶パネルを1枚或いは複数枚切り出して(多面取りとも呼ばれる)製造される。図8におけるステップS1〜S8(S9途中まで)のプロセスは、マザー基板の状態でのプロセスである。
まず、基板準備工程においてマザーアレイ基板およびマザーCF基板に対して配線などの形成が行われる。すなわち、マザーアレイ基板においては、図2から図4に示したゲート配線117、ソース配線118、TFT114および画素電極113などを作り込む工程を行うが、これらの作り込みは一般的な液晶パネルにおけるアレイ基板の製造方法と同様であるので、製造方法に関する詳細な説明は省略する。
一方、マザーCF基板においては、図1、図3、或いは図4に示したBM125、色材パターン124R〜124B、デュアルスペーサ構造の柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134sなどを作り込む工程を行うが、これらの作り込みは一般的な液晶パネルにおけるCF基板の製造方法と同様であるので、製造方法に関する詳細な説明は省略する。例えば、BM125は、先に説明のとおり、樹脂BMを選択したことから、一般的な樹脂中に黒色顔料などを分散させた樹脂BMをパターニングして形成するプロセスを選択すれば良く、金属CrをベースとしたCr−BMからなるBM125を用いる場合にも、表層に酸化Cr膜を有した金属Cr膜との積層膜をパターニングして形成する一般的なプロセスを選択すれば良い。また、特に本発明の特徴的な構成となるゲート延在色材パターン124Bg或いは格子状の連続パターン形状を有した色材パターン124Bについても、パターン設計(マスク設計)を変更するのみで、一般的な色材パターンのパターニングプロセスを用いて製造することができる。但し、特に、本実施の形態1の色材パターン124Bは、格子状の連続パターン形状を有していることで、このパターニングプロセス時において、通常のストライプ状の色材パターンを形成するのに比べて、製造歩留りを低下することなく、逆に、より高い製造歩留りで製造することができる。
また、異なる高さに設けられる柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134sの形成プロセスとしては、本実施の形態1の場合においては、公知の異なる高さのデュアルスペーサ構造の形成方法であるハーフトーンマスク(或いはグレートーンマスク、その他、中間調露光マスクなどと言われる)技術を利用する必要がなく、BM125、色材パターン124R〜124Bを形成したマザーCF基板上に単純に樹脂層を塗布形成した後に、先に説明した柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134sの形成位置に当該樹脂層が残るようにパターニングすれば良いことになる。
なお、以降で説明する本発明の変形例などでは、柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134sについて、異なる厚みの柱状樹脂層により構成する例もあるが、その場合には、公知の異なる高さのデュアルスペーサ構造の形成方法であるハーフトーンマスク(或いはグレートーンマスク、その他、中間調露光マスクなどと言われる)技術を利用して形成することができる。
以上のとおり、マザーアレイ基板およびマザーCF基板を準備した後、まず、ステップS1の基板洗浄工程において、以上のように準備されたマザーアレイ基板およびマザーCF基板に対して、基板を洗浄する基板洗浄工程を行う。次に、ステップS1の配向膜材料塗布工程において、マザーアレイ基板およびマザーCF基板の片側表面に、配向膜材料の塗布形成を行う。この工程ではマザーアレイ基板およびマザーCF基板の互いに向かい合う主面に、例えば、フレキソ印刷法により有機材で構成される配向膜材料を転写塗布し、ホットプレートなどにより焼成処理し乾燥させる工程を含んでいる。
次に、ステップS3の配向処理工程において、配向膜材料に対して、例えばラビング処理を行い、配向膜材料表面を配向処理して配向膜112および配向膜122を形成する。なお、マザーCF基板上に形成された柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134s上は配向膜122により覆われる。なお、先にも説明のとおり、柱状スペーサ134mの表面に塗布形成される配向膜122は、その他、平坦部に形成される配向膜122の厚みに比べて薄いことから、柱状スペーサ134mあるいは柱状スペーサ134sの表面に塗布された配向膜122は図示などを省略している。
次に、ステップS4のシール剤塗布工程において、シールディスペンサ装置を用いて、マザーアレイ基板或いはマザーCF基板の主面に、シール剤をペーストとしてディスペンサノズルより吐出して塗布する。シール剤は、液晶パネルの表示領域を囲うように塗布され、シールパターン133を形成する。次に、ステップS5の液晶滴下工程において、シールパターン133が形成された方の基板のシールパターン133で囲まれた領域内に液晶材料を滴下する。
次に、ステップS6の真空貼り合わせ工程において、マザーアレイ基板とマザーCF基板とを真空状態で貼り合わせてマザーセル基板を形成する。次に、ステップS7のUV(紫外線)照射工程でマザーセル基板に紫外線を照射し、シール剤を仮硬化させる。その後、ステップS8において加熱によりアフターキュアを行い、シール剤を完全に硬化させて、硬化したシールパターン133を得る。
次に、ステップS9のセル分断工程において、マザーセル基板をスクライブラインに沿って切断し、個々の液晶セルに分断する。以上のように分断された個々の液晶セルに対して、ステップS10の偏光板貼り付け工程、ステップS11の制御基板実装工程などを実行し、一連の製造工程が完了し、図1および図2のとおり、液晶パネル10が完成する。
更に、液晶パネル10の反視認側となるアレイ基板110の裏面側に位相差板などの光学フィルムを介して、バックライトユニットを配設し、樹脂や金属などよりなるフレーム(筐体)内に、液晶パネル10およびこれら周辺部材を適宜収納し、最終的な本発明を適用した液晶表示装置が完成する。なお、本実施の形態1では、先に説明のとおり、バックライトユニットとして、少なくともLEDを用い、より望ましくは高輝度タイプのLEDを用いた高輝度タイプのバックライトユニットを組み合わせる。
以上のように製造された液晶表示装置は次のように動作する。例えば、外部回路である制御基板135から画像信号や制御信号などの電気信号が入力されると、画素電極113および共通電極123に駆動電圧が加わり、駆動電圧に合わせて液晶の分子の方向が変わる。その結果、各画素の光透過率が制御される。そして、バックライトユニットの発する光がアレイ基板110、液晶層130およびCF基板120を介することで、外部へ各画素の光透過率に応じて透過或いは遮断されることにより、液晶パネル10の表示領域100にカラー画像などが表示される。
続いて、本実施の形態1の液晶表示装置における作用および効果について説明を行う。先ず、本実施の形態1の液晶表示装置においては、前提技術として、ゲート配線117に重なってTFT114および半導体層114cが配置され、ゲート配線117の一部をTFT114のゲート電極114gが兼ねる構成を備えていることから、遮光領域となるゲート電極114gおよびゲート配線117の形成領域の面積を減らし、画素内なおいて、表示に寄与する透過領域(開口領域)の占める割合を増やすことに対応する高開口率化が可能である。
一方、この構成は、半導体層114cおよびTFT114の両側に隣接してゲート配線117の形成領域と、それに対向配置されるBM125が配置される構造となり、本来は、TFT114と対向する位置のBM125表面以外に、互いに隣接する画素のTFT114間(つまり、互いに隣接するTFT114間)に位置するゲート配線117と対向する位置のBM125表面で反射される反射光もTFT114の半導体層114cに入射し易い構造となる。特にゲート配線117に重なってTFT114を配置する構成の場合、本実施の形態1のとおり、ゲート配線117の延在方向とTFT114のチャネル幅方向が基本的には一致して設けられることから、図5(b)や図6に示されるとおり、半導体層114cの上部に互いに対向配置される一対の遮光パターンよりなるソース電極114sとドレイン電極114d間に設けられる隙間の延在方向とゲート配線117の延在方向GD(図6中に方向を矢印で示している)が一致する関係となり、上記説明の互いに隣接して配置されるTFT114間に重なるBM125表面からの反射光が半導体層114cに入り込み易い構造になる。
しかしながら、本実施の形態1の構成では、この互いに隣接するTFT114間に位置するゲート配線117と対向する位置のBM125表面も含めて、全て、ゲート配線117と対向する位置のBM125となるゲート側遮光パターン125GTの表面を覆って延在して設けられる連続パターンからなるゲート延在色材パターン124Bgが設けられることから、これら互いに隣接するTFT114間に位置するゲート側遮光パターン125GTの表面からの反射光について有効に遮断され、半導体層114cへの入射光が防がれていることになる。なお、上記説明した際におけるゲート配線117の延在方向GDについては、ゲート配線117が完全な直線形状でない場合も有り得ることから、1本のゲート配線117に沿って配列する各画素の配列方向をゲート配線117の延在方向GDと読み替えても良い。
また、ゲート側遮光パターン125GTの表面を覆い設けられるゲート延在色材パターン124Bgとして、色材パターン124R〜124Bのうちで、最も透過率の低い青色の色材パターン124Bの一部からなるゲート延在色材パターン124Bgが選択されていることで、より効果的に半導体層114cへの入射光を遮断することができる。つまり、本実施の形態1におけるTFT114の半導体層114cの材料として用いているアモルファスシリコン膜は、光が入射されることにより生ずるリーク電流について、当該入射光の波長に対する依存性が比較的少ないことから、上記のとおり、透過率の大小がリーク電流の大きさに影響し、上記のとおり、青色の色材パターン124Bの一部からなるゲート延在色材パターン124Bgを選択することが有効となる。なお、ゲート側遮光パターン125GTの表面を覆い設けられる色材パターンについて、特定色として、青色の色材パターン124Bを選択することが有効となる同等の作用については、半導体層114cの材料が、アモルファスシリコン膜以外に、例えば、多結晶シリコンや微結晶シリコンなどの非単結晶シリコンを用いた場合に共通して得られることになる。
また、本実施の形態1の液晶表示装置では、各色材パターン124R〜124Bを構成する色材パターンについて、ゲート側遮光パターン125GTの表面を覆い設けられるゲート延在色材パターン124Bgも含めて、ストライプ状の連続パターンおよび格子状の連続パターンの何れかの形状により設けられることから、先に説明を行なった各色材パターン124R〜124Bを形成する際のパターニングプロセス時において、TFT114の形成領域などの画素領域の一部程度の比較的狭い領域(比較的小さい面積)の孤立パターンを含む色材パターンを形成するのに比べて、製造歩留りを低下することなく、高い製造歩留りで製造することができる。つまり、製造コストの増加を抑えることができる。
また、本実施の形態1の液晶表示装置では、柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134sの配置について、本発明における色材パターン124R〜124Bの特徴的な平面配置を利用し、特に、CF基板120上におけるガラス基板121の基板面からの高さの異なる位置に、それぞれを配置することにより、ハーフトーンプロセスなどの特殊な製造方法を用いることなく、比較的容易に低コストにて、広い温度範囲で使用しても高い信頼性が得られるデュアルスペーサ構造を有した液晶表示装置を得ることができる。
続いて、実施の形態1の液晶表示装置における色材パターン124R〜124Bについて、特に本発明の特徴的な構成となるゲート側遮光パターン125GTの表面を覆って延在して設けられる連続パターン或いは格子状の連続パターン形状を有した色材パターンについて、青色の色材パターン124Bに加えて、他の色となる緑色の色材パターン124Gや赤色の色材パターン124Rについても同様のゲート側遮光パターン125GTの表面を覆って設けられる色材パターンとした変形例2例について、図9を用いて説明を行う。なお、説明は実施の形態1との変更部分についてのみ行なうこととする。そこで、図9は、実施の形態1との主な変更部分となるゲート側遮光パターン125GTの表面を覆って設けられる色材パターンと柱状スペーサの配置について説明する断面図であって、実施の形態1の図3(b)に示されるX1−X2断面線における断面図となる図4(a)に対応し、図9(a)は1例目の変形例、図9(b)は2例目の変形例、それぞれにおける断面図である。
先ず、1例目の変形例について、図9(a)を用いて説明する。図9(a)に示す変形例においては、実施の形態1の液晶表示装置における色材パターン124R〜124Bについて、図示されるとおり、色材パターン124Bがゲート側遮光パターン125GTの表面を覆って延在して設けられる青色の色材パターンよりなるゲート延在色材パターン124Bgを備える点は実施の形態1と同じであるが、色材パターン124Gについてもゲート側遮光パターン125GTの表面を覆って延在して設けられる緑色の色材パターンよりなるゲート延在色材パターン124Ggを備えるよう変更されている。つまり、本変形例では、ゲート側遮光パターン125GTの形成領域の全体に渡る表面を覆って、色材パターン124Bと色材パターン124Gの2色の色材パターンによる2層の色材パターンからなる積層膜が設けられることになる。
なお、図示は省略しているが、色材パターン124Bは、ソース配線118の延在方向に沿って少なくとも画素電極113と重なって設けられる連続パターンよりなるソース延在色材パターン124Bsを備え、当該ゲート延在色材パターン124Bgとソース延在色材パターン124Bsとが交差して設けられた格子状の連続パターンよりなる点は実施の形態1と同じであり、本変形例では、色材パターン124Gについても色材パターン124Bと同様に格子状の連続パターンよりなる。また、色材パターン124Rについては、実施の形態1と変更なく、ソース配線118の延在方向に沿って少なくとも画素電極113と重なって設けられるストライプ状に連続する色材パターンとしており、図示されるとおり、ゲート側遮光パターン125GT上において、色材パターン124B(ゲート延在色材パターン124Bg)および色材パターン124G(ゲート延在色材パターン124Gg)と交差し、これらの上に重なって設けられる。
また、図示されるとおり、柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134sの配置としては、メインスペーサとして機能する柱状スペーサ134mをストライプ状の赤色の色材パターン124Rと色材パターン124B(ゲート延在色材パターン124Bg)および色材パターン124G(ゲート延在色材パターン124Gg)との交差部分(具体的には赤色の画素列)に配置し、サブスペーサとして機能する柱状スペーサ134sを赤色の色材パターン124Rが設けられず、色材パターン124B(ゲート延在色材パターン124Bg)および色材パターン124G(ゲート延在色材パターン124Gg)の積層膜が設けられる他の色(赤色以外の色)の画素列(具体的には、例えば、青の画素列)に配置している。また、実施の形態1と同様に、柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134sについて同じ厚みの柱状樹脂層を共通部材として構成している。
上記説明の変形例の液晶表示装置においては、実施の形態1の液晶表示装置と同様に、互いに隣接するTFT114間に位置するゲート配線117と対向する位置のBM125表面も含めて、全て、ゲート配線117と対向する位置のBM125となるゲート側遮光パターン125GTの表面を覆って延在して設けられる連続パターンからなるゲート延在色材パターン124Bgが設けられること、また、最も透過率の低い青色の色材パターン124Bの一部からなるゲート延在色材パターン124Bgが設けられるといった特徴は有していることから、これら互いに隣接するTFT114間に位置するゲート側遮光パターン125GTの表面からの反射光について有効に遮断され、半導体層114cへの入射光について、より効果的に遮断することができるといった実施の形態1の液晶表示装置で得られる効果と同様の効果を得ることができる。
また、本変形例では、ゲート側遮光パターン125GTの表面は、青色の色材パターン124Bに覆われるとともに、緑色の色材パターン124Gにも覆われる。緑色の色材パターン124Gは、青色の色材パターン124Bを透過する青色の波長帯域の光について、殆ど透過しない透過特性を有すること、逆に言えば、青色の色材パターン124Bは、緑色の色材パターン124Gを透過する緑色の波長帯域の光について、殆ど透過しない透過特性を有することから、緑色の色材パターン124Gと青色の色材パターン124Bの積層膜に覆われたゲート側遮光パターン125GTの表面での反射光は殆ど生じない。つまり、実施の形態1と比べて、より反射率が抑制されることになる。
また、実施の形態1の液晶表示装置と同様に、柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134sについて、同じ厚みの柱状樹脂層を共通部材として構成し、デュアルスペーサ構造を構成しており、色材パターン124R〜124Bの特徴的な平面配置を利用し、特に、CF基板120上におけるガラス基板121の基板面からの高さの異なる位置に、それぞれを配置することにより、ハーフトーンプロセスなどの特殊な製造方法を用いることなく、比較的容易に低コストにて、広い温度範囲で使用しても高い信頼性が得られるデュアルスペーサ構造を有した液晶表示装置を得ることができるといった実施の形態1の液晶表示装置で得られる効果と同様の効果を得ることができる。
なお、図9(a)に示す変形例においては、青色の色材パターン124Bと緑色の色材パターン124Gの2色の色材パターンにより、ゲート側遮光パターン125GTの表面を覆って延在して設けられる色材パターンを配置した例について説明したが、青色の色材パターン124Bと赤色の色材パターン124Rの2色の色材パターンにより、ゲート側遮光パターン125GTの表面を覆って延在して設けられる色材パターンを配置しても良く、上記変形例と同様の効果を得ることができる。特に、赤色の色材パターン124Rは、青色の色材パターン124Bを透過する青色の波長帯域の光について、より以上に殆ど透過しない透過特性を有すること、逆に言えば、青色の色材パターン124Bは、赤色の色材パターン124Rを透過する赤色の波長帯域の光について、より以上に殆ど透過しない透過特性を有することから、上記変形例と比べて、より反射率が抑制されることになる。
続いて、2例目の変形例について、図9(b)を用いて説明する。図9(b)に示す変形例においては、実施の形態1の液晶表示装置における色材パターン124R〜124Bについて、図示されるとおり、色材パターン124Bがゲート側遮光パターン125GTの表面を覆って延在して設けられる青色の色材パターンよりなるゲート延在色材パターン124Bgを備える点は実施の形態1或いは先に説明を行なった1例目の変形例と同じであるが、色材パターン124Gおよび色材パターン124Rについても、ゲート側遮光パターン125GTの表面を覆って延在して設けられる緑色の色材パターンよりなるゲート延在色材パターン124Ggおよびゲート延在色材パターン124Rgを備えるよう変更されている。つまり、本変形例では、ゲート側遮光パターン125GTの形成領域の全体に渡る表面を覆って、色材パターン124Bと色材パターン124Gと色材パターン124Rの3色全ての色材パターンによる3層の色材パターンからなる積層膜が設けられることになる。
なお、図示は省略しているが、色材パターン124Bは、ソース配線118の延在方向に沿って少なくとも画素電極113と重なって設けられる連続パターンよりなるソース延在色材パターン124Bsを備え、当該ゲート延在色材パターン124Bgとソース延在色材パターン124Bsとが交差して設けられた格子状の連続パターンよりなる点は実施の形態1と同じであり、本変形例では、色材パターン124Gおよび色材パターンRについても色材パターン124Bと同様に格子状の連続パターンよりなる。つまり、青色、緑色、赤色の3色の色材パターン124R〜124Bが、全て、格子状の連続パターンよりなることになる。
また、図示されるとおり、柱状スペーサの配置としては、実施の形態1や上記説明した1例目の変形例と同様に、それぞれ、赤色の画素列と、青色の画素列に配置しているものの、本変形例の場合、特に、CF基板120上において、メインスペーサとして機能する柱状スペーサ134mおよびサブスペーサとして機能する柱状スペーサ134ssを配置することとなるゲート側遮光パターン125GT上において、全体的に3色の色材パターン124R〜124Bからなる積層膜が設けられ、ガラス基板121の基板面からの高さに差が無いことから、実施の形態1や上記説明した1例目の変形例のように、ガラス基板121の基板面からの高さの差を利用して、柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134ssの高さの差を形成することができない。
従って、本変形例では、図示されるとおり、柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134ssについて、単純に互いに異なる厚みの柱状樹脂層を用いて、柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134ssの高さの差を形成し、デュアルスペーサ構造としている。なお、本変形例の柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134ssの形成方法については、先にも例示したとおり、公知の異なる高さのデュアルスペーサ構造の形成方法であるハーフトーンマスク(或いはグレートーンマスク、その他、中間調露光マスクなどと言われる)技術を利用して形成すれば良い。
上記説明の2例目の変形例の液晶表示装置においては、実施の形態1の液晶表示装置と同様に、互いに隣接するTFT114間に位置するゲート配線117と対向する位置のBM125表面も含めて、全て、ゲート配線117と対向する位置のBM125となるゲート側遮光パターン125GTの表面を覆って延在して設けられる連続パターンからなるゲート延在色材パターン124Bgが設けられること、また、最も透過率の低い青色の色材パターン124Bの一部からなるゲート延在色材パターン124Bgが設けられるといった特徴は有していることから、これら互いに隣接するTFT114間に位置するゲート側遮光パターン125GTの表面からの反射光について有効に遮断され、半導体層114cへの入射光について、より効果的に遮断することができるといった実施の形態1の液晶表示装置で得られる効果と同様の効果を得ることができる。
また、本変形例では、ゲート側遮光パターン125GTの表面は、青色の色材パターン124Bに覆われるとともに、緑色の色材パターン124Gおよび赤色の色材パターン124Rにも覆われる。これら青色の色材パターン124B、緑色の色材パターン124G、および赤色の色材パターン124Rは、透過光について、互いに異なる波長特性を有することから、これら3色の色材パターン124R〜124Bからなる積層膜を介すると、殆ど全ての波長帯域の光について透過することができないことになる。従って、3色の色材パターン124R〜124Bからなる積層膜に覆われたゲート側遮光パターン125GTの表面での反射光は殆ど生じない。つまり、実施の形態1や上記説明した各変形例と比べて、より反射率が抑制されることになる。
また、青色、緑色、赤色の3色の色材パターン124R〜124Bが、全て、格子状の連続パターンよりなることから、全ての色材パターン124R〜124Bにおいて、それらのパターニングプロセス時において、通常のストライプ状の色材パターンを形成するのに比べて、製造歩留りを低下することなく、逆に、より高い製造歩留りで製造することができる。
続いて、実施の形態1の液晶表示装置におけるTFT114のチャネルとして機能する半導体層114cについて、半導体材料として、酸化物半導体を用いた酸化物半導体層114coxをチャネルとして備えたTFT(酸化物半導体TFT)114oxに変更するとともに、特に本発明の特徴的な構成となるゲート側遮光パターン125GTの表面を覆って延在して設けられる連続パターン或いは格子状の連続パターン形状を有した特定色の色材パターンについて、青色の色材パターン124Bではなく、他の色となる緑色の色材パターン124Gや赤色の色材パターン124Rを、当該ゲート側遮光パターン125GTの表面を覆って設けられる特定色の色材パターンとした3例目の実施の形態1の変形例について、図10を用いて説明を行う。
図10に示す3例目の変形例においては、液晶表示装置における能動素子が酸化物半導体を用いた酸化物半導体層114coxをチャネルとして備えた酸化物半導体TFT114oxに変更されていることに加えて、実施の形態1の液晶表示装置における色材パターン124R〜124Bについて、図示されるとおり、ある特定色となる1色の色材パターンについて、ゲート側遮光パターン125GTの表面を覆って延在して設けられる色材パターンよりなるゲート延在色材パターン124Ggを備える点は実施の形態1と同じであるが、そのゲート側遮光パターン125GTの表面を覆って延在して設けられる色材パターンが、実施の形態1のように青色の色材パターン124Bではなく、緑色の色材パターン124Gよりなるゲート延在色材パターン124Ggであることが変更されている。また、逆に、色材パターン124Bについては、色材パターン124Rとともに、一般的なストライプ状の色材パターンと同様にソース配線118の延在方向に沿って少なくとも画素電極113と重なって設けられるストライプ状に連続する色材パターンとしている。
なお、図示されるとおり、色材パターン124Gは、ソース配線118の延在方向に沿って少なくとも画素電極113と重なって設けられる連続パターンよりなるソース延在色材パターン124Gsを備え、当該ゲート延在色材パターン124Ggとソース延在色材パターン124Gsとが交差して設けられた格子状の連続パターンよりなる。また、柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134sの配置としては、柱状スペーサ134mをストライプ状の青色の色材パターン124Bと、格子状の連続パターンよりなる緑色の色材パターン124G(特にゲート延在色材パターン124Ggの部分)の交差部分に配置している。一方、サブスペーサとして機能する柱状スペーサ134sについては格子状の連続パターンよりなる緑色の色材パターン124Gにおける格子点部分に配置している。また、実施の形態1と同様に、これら柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134sについて、同じ厚みの柱状樹脂層を共通部材として構成し、デュアルスペーサ構造を構成している。
なお、以上のゲート側遮光パターン125GTの表面を覆い設けられる特定色の色材パターンにおける特定色として選択する色の変更は、酸化物半導体TFT114oxが酸化物半導体を用いた酸化物半導体層114coxをチャネルとして備えていることに伴う変更点となる。つまり、酸化物半導体層114coxの材料として用いている酸化物半導体材料は、光が入射されることにより生ずるTFTのリーク電流について、当該入射光の波長に対する依存性がある。具体的には、特に青色の波長帯域の光が入射された場合にリーク電流が大きくなる傾向を有している。よって、酸化物半導体TFT114oxを用いる場合においては、実施の形態1のようにゲート側遮光パターン125GTの表面を覆い設けられるゲート延在色材パターン124Bgとして、青色の色材パターン124Bの一部からなるゲート延在色材パターン124Bgを選択することは、リーク電流を低減する点において望ましい構成ではない。つまり、青色の色材パターン124Bは、青色の光を透過するフィルタ特性を有していることから、酸化物半導体TFT114oxにおいてリーク電流を増大する青色の波長帯域の光を遮光するのに適さないことになる。
以上のことから、本変形例においては、酸化物半導体TFT114oxを用いる場合において、酸化物半導体層114coxに入射された場合に顕著なリーク電流を生ずることが懸念される青色の波長帯域の光を効果的に遮光するのに好適な緑色の色材パターンを特定色の色材パターンとして選択し、緑色の色材パターン124Gの一部によりゲート側遮光パターン125GTの表面を覆って設けられるゲート延在色材パターン124Ggを構成している。
上記説明の3例目の変形例の液晶表示装置においては、実施の形態1の液晶表示装置と同様に、互いに隣接するTFT114間に位置するゲート配線117と対向する位置のBM125表面も含めて、全て、ゲート配線117と対向する位置のBM125となるゲート側遮光パターン125GTの表面を覆って延在して設けられる連続パターンからなるゲート延在色材パターン124Ggが設けられること、また、酸化物半導体TFT114oxを用いる場合において、より好適となる緑色の色材パターン124Gの一部からなるゲート延在色材パターン124Ggが設けられるといった特徴を有していることから、これら互いに隣接するTFT114間に位置するゲート側遮光パターン125GTの表面からの反射光について、特に酸化物半導体層114coxに入射された場合に顕著なリーク電流を生ずることから有害となる青色の波長帯域の光をより効果的に遮断することができるといった効果を得ることができる。
また、実施の形態1の液晶表示装置と同様に、柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134sについて、同じ厚みの柱状樹脂層を共通部材として構成し、デュアルスペーサ構造を構成しており、色材パターン124R〜124Bの特徴的な平面配置を利用し、特に、CF基板120上におけるガラス基板121の基板面からの高さの異なる位置に、それぞれを配置することにより、ハーフトーンプロセスなどの特殊な製造方法を用いることなく、比較的容易に低コストにて、広い温度範囲で使用しても高い信頼性が得られるデュアルスペーサ構造を有した液晶表示装置を得ることができるといった実施の形態1の液晶表示装置で得られる効果と同様の効果を得ることができる。
なお、上記説明の3例目の変形例においては、特に酸化物半導体層114coxに入射された場合に有害となる青色の波長帯域の光を効果的に遮光するのに好適な緑色の色材パターンを選択し、緑色の色材パターン124Gの一部によりゲート側遮光パターン125GTの表面を覆って設けられるゲート延在色材パターン124Ggを構成した例について説明を行ったが、同様に青色の波長帯域の光を効果的に遮光するのに好適な赤色の色材パターンを選択し、赤色の色材パターン124Rの一部によりゲート側遮光パターン125GTの表面を覆うように変更しても良く、上記3例目の変形例と同様の効果を得ることができる。
実施の形態2.
続いて、先に説明を行った実施の形態1の液晶表示装置より、色材パターン124R〜124Bのうち、特に色材パターン124Rおよび色材パターン124Gの平面パターン配置についての変更と、それに伴う柱状スペーサの構成についての変更とを行った実施の形態2の液晶表示装置について、図11を用いて説明を行う。以下、実施の形態1との変更部を重点的に説明することとする。
ここで、図11(a)は、実施の形態1との主な変更部分となる色材パターン124Rおよび色材パターン124Gの平面パターン配置について説明する平面図である。図11(b)は、実施の形態1との別の主な変更部分となるゲート側遮光パターン125GTの表面を覆って設けられる色材パターンと柱状スペーサの配置について説明する断面図であって、図11(a)に示されるX1−X2断面線における断面図である。また、それぞれ、実施の形態1の図3(b)の平面図と、図3(b)に示されるX1−X2断面線における断面図となる図4(a)に対応する。
本実施の形態2においては、図11(a)に示されるとおり、CF基板120上において、格子状の遮光パターンよりなるBM125が設けられ、特に、色材パターン124Bが、アレイ基板110上に設けられるゲート配線117の延在方向に沿って設けられるBM125の部分となるゲート側遮光パターン125GTの表面を覆って延在して設けられる青色の色材パターンよりなるゲート延在色材パターン124Bgを備えるとともに、ソース配線118の延在方向に沿って少なくとも画素電極113と重なって設けられる連続パターンよりなるソース延在色材パターン124Bsを備え、当該ゲート延在色材パターン124Bgとソース延在色材パターン124Bsとが交差して設けられた格子状の連続パターンよりなる点は、実施の形態1と同じである。
一方、色材パターン124Rおよび色材パターン124Gについては、図11(a)に示されるとおり、実施の形態1のようにストライプ状に設けられるのではなく、ソース配線118の延在方向に沿って少なくとも画素電極113と重なって設けられ、互いに分離して設けられる複数の孤立パターンにより設けられている。また、色材パターン124Rおよび色材パターン124Gの各孤立パターンは、各画素における画素電極113に対応して配置されるBM125に設けられた開口部とその周辺部までを覆う領域に設けられることになり、更に、ゲート側遮光パターン125GT上において互いに分離し、色材パターン124Bと重なることなく、特にゲート延在色材パターン124Bgと重なることなく設けられる。
また、柱状スペーサの配置としては、図11(a)に示されるとおり、実施の形態1や上記説明した1例目の変形例と同様に、それぞれ、メインスペーサとして機能する柱状スペーサ134mを赤色の画素列に配置し、サブスペーサとして機能する柱状スペーサ134ssを青色の画素列に配置している。一方、本実施の形態2の場合、図11(a)および図11(b)の両者より明らかなとおり、ゲート側遮光パターン125GT上において、ゲート延在色材パターン124Bgのみが設けられ、色材パターン124Rおよび色材パターン124Gについてはゲート側遮光パターン125GT上に設けられてない。特に、柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134ssを配置することとなるCF基板120上において、具体的には、ゲート側遮光パターン125GT上において、色材パターン124Bの単層膜の色材パターンが設けられ、ガラス基板121の基板面からの高さに差が無いことから、実施の形態1や上記説明した1例目の変形例のように、ガラス基板121の基板面からの高さの差を利用して、柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134ssの高さの差を形成することができない。
従って、本実施の形態2では、図11(b)の断面図に示されるとおり、柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134ssについて、実施の形態1の2例目の変形例の図9(b)の柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134ssと同様に単純に互いに異なる厚みの柱状樹脂層を用いて、柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134ssの高さの差を形成し、デュアルスペーサ構造としている。なお、本実施の形態2の柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134ssの形成方法については、実施の形態1の2例目の変形例を説明する際に例示したとおり、公知の異なる高さのデュアルスペーサ構造の形成方法であるハーフトーンマスク(或いはグレートーンマスク、その他、中間調露光マスクなどと言われる)技術を利用して形成すれば良い。
上記説明の実施の形態2の液晶表示装置においては、実施の形態1の液晶表示装置と同様に、互いに隣接するTFT114間に位置するゲート配線117と対向する位置のBM125表面も含めて、全て、ゲート配線117と対向する位置のBM125となるゲート側遮光パターン125GTの表面を覆って延在して設けられる連続パターンからなるゲート延在色材パターン124Bgが設けられること、また、最も透過率の低い青色の色材パターン124Bの一部からなるゲート延在色材パターン124Bgが設けられるといった特徴は有していることから、これら互いに隣接するTFT114間に位置するゲート側遮光パターン125GTの表面からの反射光について有効に遮断され、半導体層114cへの入射光について、より効果的に遮断することができること、或いは、各色材パターン124R〜124Bを形成する際のパターニングプロセス時において高い製造歩留りで製造することができ、製造コストの増加を抑えることができるといった実施の形態1の液晶表示装置で得られる効果と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態2の液晶表示装置では、ゲート側遮光パターン125GTの表面を覆い設けられるゲート延在色材パターン124Bgも含めて、各色材パターン124R〜124Bを構成する色材パターンについて互いに重なることなく設けられることから、CF基板120の表面において、色材パターン124R〜124Bの部分的な重なりや積層などによって生ずる比較的大きい段差が形成されることがなく、平坦性が高くなる。その結果、製造時におけるCF基板120側の配向膜122を形成する際に行われるラビング処理などの配向処理が、段差を起因とする引き摺りムラなどを生ずることなく比較的均一に行えることから、当該配向ムラを起因とする表示ムラを抑制することができる。
実施の形態3.
続いて、先に説明を行った実施の形態2の液晶表示装置より、色材パターン124R〜124Bのうち、特に色材パターン124Bの平面パターン配置についての変更を行った実施の形態3の液晶表示装置について、図12を用いて説明を行う。以下、実施の形態2との変更部或いは実施の形態1との変更部を重点的に説明することとする。
ここで、図12(a)は、実施の形態2との主な変更部分となる色材パターン124Bの平面パターン配置、或いは、実施の形態1との主な変更部分となる色材パターン124Rおよび色材パターン124Gの平面パターン配置について説明する平面図である。図12(b)は、実施の形態2に対しては共通部分、一方、実施の形態1に対しては変更部分となるゲート側遮光パターン125GTの表面を覆って設けられる色材パターンと柱状スペーサの配置について説明する断面図であって、図12(a)に示されるX1−X2断面線における断面図である。また、それぞれ、実施の形態2の図11(a)の平面図と、図11(a)に示されるX1−X2断面線における断面図となる図11(b)に、或いは、実施の形態1の図3(b)の平面図と、図3(b)に示されるX1−X2断面線における断面図となる図4(a)に対応する。
本実施の形態3においては、図12(a)に示されるとおり、CF基板120上において、格子状の遮光パターンよりなるBM125が設けられ、特に、色材パターン124Bが、アレイ基板110上に設けられるゲート配線117の延在方向に沿って設けられるBM125の部分となるゲート側遮光パターン125GTの表面を覆って延在して設けられる青色の色材パターンよりなるゲート延在色材パターン124Bgを備える点、更に、ソース配線118の延在方向に沿って少なくとも画素電極113と重なって設けられるソース延在色材パターン124Bsを備える点については、実施の形態1と同じである。
但し、本実施の形態3の色材パターン124Bについては、特にソース配線118の延在方向に沿って設けられるソース延在色材パターン124Bsについて、ソース配線118の延在方向に沿って少なくとも画素電極113と重なって設けられ、互いに分離して設けられる複数の孤立パターンにより設けられる点が異なっている。また、ソース延在色材パターン124Bsを構成する各孤立パターンは、各画素における画素電極113に対応して配置されるBM125に設けられた開口部とその周辺部までを覆う領域に設けられることになり、更に、ゲート側遮光パターン125GT上において互いに分離し、色材パターン124Bの他の一部となるゲート延在色材パターン124Bgと重なることなく設けられる。
一方、色材パターン124Rおよび色材パターン124Gについては、図12(a)に示されるとおり、実施の形態2における色材パターン124Rおよび色材パターン124Gと同様に、ソース配線118の延在方向に沿って少なくとも画素電極113と重なって設けられ、互いに分離して設けられる複数の孤立パターンにより設けられる。更に、ゲート側遮光パターン125GT上において互いに分離し、色材パターン124Bと重なることなく、特にゲート延在色材パターン124Bgと重なることなく設けられる点においては、実施の形態2における色材パターン124Rおよび色材パターン124Gと同様であり、本実施の形態3における色材パターン124Bのソース延在色材パターン124Bsを構成する各孤立パターンと同様である。
本実施の形態3の色材パターン124R〜124Bは、以上のとおりの平面配置を有することから、図12(a)の平面図からも明らかなとおり、色材パターン124Bのゲート延在色材パターン124Bgに対して、色材パターン124Rおよび色材パターン124Gを構成するソース配線118の延在方向に沿って配列される各孤立パターンと、色材パターン124Bのソース延在色材パターン124Bsを構成するソース配線118の延在方向に沿って配列される各孤立パターンとが互いに重なることなく配置され、更に、色材パターン124R〜124Bが備える各孤立パターン間についても互いに重なることなく配置される。つまり、全ての色材パターン124R〜124Bを構成する色材パターンが互いに重なることなく配置される。
また、柱状スペーサの配置としては、図12(a)に示されるとおり、上記説明した実施の形態1や実施の形態2と同様に、それぞれ、メインスペーサとして機能する柱状スペーサ134mを赤色の画素列に配置し、サブスペーサとして機能する柱状スペーサ134ssを青色の画素列に配置している。また、図12(a)および図12(b)の両者より明らかなとおり、ゲート側遮光パターン125GT上において、ゲート延在色材パターン124Bgのみが設けられ、色材パターン124Rおよび色材パターン124Gについてはゲート側遮光パターン125GT上に設けられてない。特に、柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134ssを配置することとなるCF基板120上において、具体的には、ゲート側遮光パターン125GT上において、色材パターン124Bの単層膜の色材パターンが設けられ、ガラス基板121の基板面からの高さに差が無い点は、実施の形態2と同様である。
従って、本実施の形態3においても、図12(b)の断面図に示されるとおり、柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134ssについて、実施の形態2と同様に単純に互いに異なる厚みの柱状樹脂層を用いて、柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134ssの高さの差を形成し、デュアルスペーサ構造としている。なお、柱状スペーサ134mおよび柱状スペーサ134ssの形成方法についても、実施の形態2と同様で良いことから説明を省略する。
上記説明の実施の形態3の液晶表示装置においては、実施の形態1の液晶表示装置と同様に、互いに隣接するTFT114間に位置するゲート配線117と対向する位置のBM125表面も含めて、全て、ゲート配線117と対向する位置のBM125となるゲート側遮光パターン125GTの表面を覆って延在して設けられる連続パターンからなるゲート延在色材パターン124Bgが設けられること、また、最も透過率の低い青色の色材パターン124Bの一部からなるゲート延在色材パターン124Bgが設けられるといった特徴は有していることから、これら互いに隣接するTFT114間に位置するゲート側遮光パターン125GTの表面からの反射光について有効に遮断され、半導体層114cへの入射光について、より効果的に遮断することができること、或いは、各色材パターン124R〜124Bを形成する際のパターニングプロセス時において高い製造歩留りで製造することができ、製造コストの増加を抑えることができるといった実施の形態1或いは実施の形態2の液晶表示装置で得られる効果と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態3の液晶表示装置では、ゲート側遮光パターン125GTの表面を覆い設けられるゲート延在色材パターン124Bgも含めて、各色材パターン124R〜124Bを構成する色材パターンについて互いに重なることなく設けられることから、CF基板120の表面において、色材パターン124R〜124Bの部分的な重なりや積層などによって生ずる比較的大きい段差が形成されることがなく、平坦性が高くなる点においては、実施の形態2の液晶表示装置と同様である。その結果、実施の形態2と同様に、製造時におけるCF基板120側の配向膜122を形成する際に行われるラビング処理などの配向処理が、段差を起因とする引き摺りムラなどを生ずることなく比較的均一に行えることから、当該配向ムラを起因とする表示ムラを抑制することができる。
更に、本実施の形態3の液晶表示装置では、色材パターン124Bを構成し、ソース配線118の延在方向に沿って設けられるソース延在色材パターン124Bsが、孤立パターンよりなることから、色材パターン124Rおよび色材パターン124Gを構成するソース配線118の延在方向に沿って配列される各孤立パターンと、色材パターン124Bのソース延在色材パターン124Bsを構成するソース配線118の延在方向に沿って配列される各孤立パターンとが同様の平面配置を有していることになる。つまり、CF基板120の表示領域100の全域において、色材パターン124R〜124Bでの各色材パターン間で色の違い(透過色の違い)があるものの、表面凹凸形状が決まるパターン配置に関しては、3画素単位での繰り返しパターン配置ではなく、1画素単位(或いは、3色が繰り返す色列単位)での繰り返しパターン配置となる。従って、CF基板120の表示領域100の全域に渡って、色列ごとでの配向処理に違いが生じず、配向処理を均一化することができ、より高いレベルで配向ムラを起因とする表示ムラを抑制することができる。その結果、表示領域100内における表示に統一感が得られることになる。
以上説明を行なった実施の形態1〜実施の形態3およびその変形例或いは変形を示唆した構成を有した液晶表示装置は、特に、自動車などの乗り物のフロントガラスに液晶パネルを介した映像を投影するヘッドアップディスプレイタイプの液晶表示装置に組み合わせることが望ましい。つまり、当該ヘッドアップディスプレイタイプの液晶表示装置では、高輝度タイプのバックライトユニットが用いられることから、本願発明のTFTへ光が入射されることを効果的に抑えた構成が好適に機能し、ヘッドアップディスプレイタイプの液晶表示装置において、より顕著となるTFTへ光が入射されることに伴う、表示品位の低下を改善することが可能となる。
なお、本発明は上記説明を行った実施の形態1〜実施の形態3およびその変形例或いは変形を示唆した構成に限られたものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、一部構成について適宜公知の構成に変更することが可能である。また、上記説明を行った実施の形態1〜実施の形態3およびその変形例或いは変形を示唆したそれぞれの構成は、矛盾を生じない範囲で互いに組み合わせて適用することができ、それぞれの構成により生ずるそれぞれの効果や複合効果を得ることができる。