JP2019002767A - 電流センサ - Google Patents

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貴幸 八田
Takayuki Hatta
貴幸 八田
泰丈 廣田
Yasutake Hirota
泰丈 廣田
文史郎 津田
Bunshiro Tsuda
文史郎 津田
岩本 正美
Masami Iwamoto
正美 岩本
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Abstract

【課題】従来よりも広いレベル範囲を精度よく検出できる電流センサを提供する。【解決手段】センサ素子2は、2つのコア部材10と、励磁信号Iacの信号源100に接続される励磁コイル20と、励磁信号Iacを励磁コイル20それぞれに供給するための励磁経路30と、コア部材10に発生した磁束に応じた検出信号Icが流れる検出コイル40と、2つの検出コイル40同士を接続する差動検出経路50と、を備えている。検出装置3は、一方の検出コイル40において差動検出経路50に接続されていない側の経路を流れる信号を直流信号成分と交流信号成分とに分離する成分分離部60と、交流信号成分の信号レベルがしきい値未満となるように直流信号成分の信号レベルを制御する電流帰還制御部70と、直流信号成分の信号レベルを被検出電流Imに対応する信号レベルとして出力する信号出力部80と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、被検出電流を検出するための電流センサに関する。
従来、リング状のコア部材に励磁コイルおよび検出コイルを巻回した電流センサでは、検出コイル側で検出される信号レベルが、コア部材のリング状領域を貫通する被検出信号の信号レベルにより変化するため、その変化に基づいて被検出電流を特定(検出)することが一般的である(特許文献1参照)。
特開平10−010161号
しかし、上述した構成の電流センサは、励磁信号によりコア部材に発生する正弦波の磁束を被検出電流により歪ませ、その変化に応じた信号レベルを被検出電流の信号レベルとして特定する構成となっているが、センサとしての直線性の維持される領域がコア部材の磁気的な飽和領域付近にあるため、その付近に対応する狭いレベル範囲でしか信号レベルを検出できず、また、ヒステリシスの影響もあり必ずしも精度よく検出できない。
本願発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、従来よりも広いレベル範囲を精度よく検出できる電流センサを提供することである。
上記課題を解決するため第1局面(請求項1)としては、それぞれリング状に形成され、該リングを貫通する方向に沿って被検出電流が流れるように重ねて配置される2つのコア部材からなるセンサ素子と、前記センサ素子からの出力に基づき前記被検出電流の信号レベルを検出する検出装置と、を備える電流センサである。
この局面のうち、前記センサ素子においては、前記コア部材それぞれに巻回され、基本波成分からなる励磁信号の信号源に接続される励磁コイルと、同じく前記コア部材それぞれに巻回され、前記コア部材に発生した磁束に応じた検出信号が流れる検出コイルと、を備え、励磁経路が、前記信号源および前記励磁コイルそれぞれを接続することで、前記信号源からの励磁信号により前記コア部材に発生する磁束を該コア部材同士で同相または逆相とするとともに、差動検出経路が、2つの前記検出コイル同士を接続することで、前記検出コイルそれぞれに流れる検出信号を該検出信号に含まれる基本波成分が相殺される極性関係で合流させており、さらに、前記コア部材は、外部磁場に応じて外部磁場「0」を頂点に透磁率が減少するとともに、該透磁率μの変化を「外部磁場H−透磁率μ」の座標系に示した場合における曲線の曲率が外部磁場の絶対値に応じて大きくなる、といった特性を有する部材により形成され、前記励磁コイルに励磁信号が流れている状態で前記被検出電流が流れると、該被検出電流の信号レベルに応じて発生する外部磁場に応じた透磁率μとなり、該透磁率μに応じた高調波の磁束を、励磁信号により発生する前記基本波成分の磁束に重畳させる、ように構成されている。
また、前記検出装置においては、前記差動検出経路にて接続された前記検出コイルのうち、一方の検出コイルにおいて前記差動検出経路に接続されていない側の経路を流れる信
号における交流信号成分につき、該信号成分の信号レベルが所定のしきい値未満となるように、該経路を流れる信号における直流信号成分の信号レベルを制御し、該信号レベルに応じて前記検出コイルが発生させる磁束にて、前記被検出電流の信号レベルに応じて発生する外部磁場を相殺させ、該相殺させている状況における前記直流信号成分の信号レベルを、前記被検出電流に対応する信号レベルとして検出する、ように構成されている。
この局面における電流センサによれば、コア部材には、被検出電流の電流レベルに応じた磁束が重畳的に発生するが、コア部材そのものの特性によって、外部磁場H=0を頂点として透磁率μが減少していくとともに、この外部磁場Hと透磁率μで規定されるμ−H曲線の曲率が外部磁場Hにおける絶対値の大きさに応じて大きくなっていく、という傾向を示すことになる。
この傾向を、x軸に磁場Hをとり、y軸に磁化Mの微分値としての透磁率μをとったμ−H座標でみると、二次曲線上における任意の位置でx軸に沿って振幅が変化する励磁信号に対し、y軸に沿って振幅が変化する検出コイルからの出力信号に、二次曲線の「曲がり具合」に応じた高調波の成分が重畳されることとなるが、励磁信号の振幅中心が二次曲線上にあることから、磁場H=0付近から飽和磁化に対応する磁場Hs付近までの広範囲にわたって、磁場Hに応じた固有の高調波成分が出力信号に重畳されることとなる。
つまり、上記局面では、飽和磁化に対応する磁場Hs付近の極狭い範囲だけでなく、磁場H=0付近から磁場Hs付近までの広範囲にわたって、被検出信号の信号レベルを特定(検出)することができる。
さらに、上記局面では、検出コイル側に流れる交流信号成分の信号レベルがしきい値未満となるよう、直流信号成分が電流帰還制御されることにより、被検出電流によって発生する磁束を相殺する直流信号成分が被検出電流の電流レベルに対応するものとして特定されることになる。
検出コイル側に流れる交流信号成分は、被検出信号の信号レベルに応じて発生する高調波を主とする信号成分であるため、これをしきい値以下にするということは、被検出信号が仮想的に僅かしか流れていない状況を創り出しつつ、この状況の創出に必要な直流信号成分を元の被検出信号の信号レベルに対応するものにしたことを意味している。
コア部材などに用いられる磁性材料は、磁界と磁束との関係が磁界の大きさに応じて磁気的に飽和すると、直線的な比例関係から徐々に歪んで非直線的なものとなることから、通常、コア部材を有する電流センサでは、直線的な比例関係で歪みの少ない領域を超える磁界が発生しないよう動作させる必要がある。
しかし、上記局面のように、被検出信号が僅かにしか流れていない状況を創出できれば、被検出信号と上記直流信号成分との差分にあたる信号成分に応じた僅かな磁界しか発生しないことになるため、被検出信号の信号レベルに拘らず、直線的な比例関係で歪みの少ない領域内での動作を可能とし、これにより、従来よりも電流センサとしての検出精度を高くすることができる。
この局面では、以下のような第2局面(請求項2)のようにするとよい。
上記局面のうち、前記検出装置においては、前記差動検出経路にて接続された前記検出コイルのうち、一方の検出コイルにおいて前記差動検出経路に接続されていない側の経路を流れる信号における直流信号成分の信号レベルを制御し、該信号レベルに応じて前記検出コイルが発生させる磁束にて、前記被検出電流の信号レベルに応じて発生する外部磁場を相殺させ、前記コア部材の透磁率μをそのように外部磁場が相殺された状態における透
磁率μとし、該透磁率μに応じた高調波の磁束の発生を抑えることによって、該経路を流れる信号における交流信号成分の信号レベルを所定のしきい値未満とする帰還制御部と、前記差動検出経路にて接続された前記検出コイルのうち、一方の検出コイルにおいて前記差動検出経路に接続されていない側の経路を流れる信号における直流信号成分につき、該信号成分の信号レベルを、前記被検出電流に対応する信号レベルとして出力する信号出力部と、を備えている。
さらに、この局面においては、以下のような第3局面(請求項3)のようにするとよい。
第3局面においては、前記差動検出経路にて接続された前記検出コイルのうち、一方の検出コイルにおいて前記差動検出経路に接続されていない側の経路を流れる信号を、直流信号成分と交流信号成分とに分離する成分分離部、を備えている。
そして、前記帰還制御部は、前記成分分離部により分離された交流信号成分の信号レベルが所定のしきい値未満となるように、該成分分離部により分離された直流信号成分の信号レベルを制御して、前記信号出力部は、前記成分分離部により分離された直流信号成分の信号レベルを、前記被検出電流に対応する信号レベルとして出力する。
電流センサの全体構成を示すブロック図 コア部材の有する特性を示すグラフ(外部磁場Hに対する磁化Mの変化で規定されるM−H曲線) コア部材の有する特性を示すグラフ(外部磁場Hに対する磁化Mの変化で規定されるM−H曲線;図2Aにおける低磁場域を拡大したもの) コア部材の有する特性を示すグラフ(外部磁場Hと透磁率μで規定されるμ−H曲線) コア部材の有する特性を示すグラフ(外部磁場Hと透磁率μで規定されるμ−H曲線;図2Cにおける低磁場域を拡大したもの) コア部材への各コイルの巻回された状態を示す図(1) コア部材への各コイルの巻回された状態を示す図(2)気平衡ありの場合との対比)
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
本実施形態に係る電流センサ1は、図1に示すように、それぞれリング状に形成され、このリングを貫通する方向に沿って被検出電流Imが流れるように配置される2つのコア部材10からなるセンサ素子2と、センサ素子2からの出力に基づき被検出電流Imの信号レベルを検出する検出装置3と、を備えている。
センサ素子2は、コア部材10それぞれに巻回され、基本波成分からなる励磁信号Iacの信号源100に接続される励磁コイル20と、信号源100から供給される励磁信号Iacを励磁コイル20それぞれに供給するための励磁経路30と、コア部材10それぞれに巻回され、コア部材10に発生した磁束に応じた検出信号Icが流れる検出コイル40と、2つの検出コイル40同士を接続する差動検出経路50と、を備えている。
検出装置3は、差動検出経路50にて接続された検出コイル40のうち、一方の検出コイル40において差動検出経路50に接続されていない側の経路を流れる信号を、直流信号成分と交流信号成分とに分離する成分分離部60と、成分分離部60により分離された交流信号成分の信号レベルが所定のしきい値未満となるように、成分分離部60により分離された直流信号成分の信号レベルを制御する電流帰還制御部70と、成分分離部60に
より分離された直流信号成分の信号レベルを、被検出電流Imに対応する信号レベルとして出力する信号出力部80と、を備えている。
この検出装置3では、まず、差動検出経路50にて接続された検出コイル40のうち、一方の検出コイル40において差動検出経路50に接続されていない側の経路を流れる信号における交流信号成分につき、この信号成分の信号レベルが所定のしきい値未満となるように、同経路を流れる信号における直流信号成分の信号レベルを制御する。そして、この信号レベルに応じて検出コイル40が発生させる磁束にて、被検出電流の信号レベルに応じて発生する外部磁場を相殺させ、該相殺させている状況における前記直流信号成分の信号レベルを、被検出電流に対応する信号レベルとして検出する。
コア部材10は、図2A,2Bに示すように、外部磁場に応じて外部磁場「0」を頂点に透磁率(図2A,2Bでは、磁化Mの磁場Hによる微分値χiとして表現)が減少するとともに、この透磁率μの変化を「外部磁場H−透磁率μ」の座標系に示して場合における曲線の曲率が外部磁場Hの絶対値に応じて大きくなる、といった特性を有する部材により形成されている。このコア部材10は、励磁コイル20に励磁信号Iacが流れている状態で被検出電流Imが流れると、被検出電流Imの信号レベルに応じて発生する外部磁場に応じた透磁率μとなり、この透磁率μに応じた高調波の磁束を、励磁信号Iacにより発生する基本波成分の磁束に重畳させる。
このコア部材10を構成する部材としては、例えば、本願出願人による特願2010-215871 号に記載のように、使用時の磁場環境に応じた粒径の超常磁性粒子が含有された磁性部材を採用することが考えられる。この磁性部材であれば、磁気ヒステリシス(B−H曲線の面積で規定されるエネルギー損失)が生じないため、センサとしての精度維持に好適であることはもちろん、透磁率μが急峻かつ直線的に変化する磁場H=0付近の領域を利用することで、それ以外で透磁率μの変化が比較的緩やか、かつ、非直線的な領域を利用するよりも、センサとして広い検出レンジを高精度で実現することができる。
なお、上述した透磁率μは、下記の式1のように、外部磁場Hに対する磁化Mの変化で規定されるM−H曲線(図2C,2D参照)の傾き(つまり磁化Mの磁場Hによる微分値)に基づいて表現された値である。本実施形態においては、コア部材10を構成する磁性部材として透磁率μの比較的小さい値のもの(具体的には、透磁率μ=5程度のもの)が用いられている。
Figure 2019002767
励磁経路30は、信号源100から供給される励磁信号Iacを励磁コイル20それぞれに供給するための経路であり、この励磁信号Iacによりコア部材10に発生する磁束
が、コア部材10同士で同相または逆相となるように、信号源100および励磁コイル20それぞれを接続している。
差動検出経路50は、検出コイル40それぞれに流れる検出信号Icが、この検出信号Icに含まれる基本波成分を相殺させる極性関係で合流するように、2つの検出コイル40同士を接続している。ここでいう「基本波成分を相殺させる極性関係」とは、励磁信号Iacによる磁束がコア部材10同士で同相になっている場合であれば、検出コイル40それぞれに流れる検出信号Icが逆相で合流するような接続状態であり、励磁信号Iacによる磁束がコア部材10同士で逆相になっている場合であれば、検出コイル40それぞれに流れる検出信号Icが同相で合流するような接続状態である。
成分分離部60は、本実施形態において、一方の検出コイル40において差動検出経路50に接続されていない側の経路から電流帰還制御部70に至る経路に直列接続されたコンデンサ61を有する構成とされている。そして、この成分分離部60は、コンデンサ61が直列接続された経路と、このコンデンサ61よりも上流側(検出コイル40側)で分岐された経路と、を有し、前者の経路へ交流信号成分が流れる一方、後者の経路から被検出電流に比例した帰還電流を発生する直流信号成分が流れることとなる。
ここで、上述した励磁経路30および差動検出経路50による各コイルの接続関係は、検出コイル40それぞれに流れる検出信号Icが、この検出信号Icに含まれる基本波成分を相殺させる極性関係で合流するような関係となっていればよい。具体的な例としては、例えば、図3Aに示すように、2つの励磁コイル20をそれぞれに励磁信号Iacが逆相で流れるよう励磁経路30で接続するとともに、2つの検出コイル40をそれぞれに検出信号ICが同相で流れるよう差動検出経路50で接続する構成とすることが考えられる。また、図3Bに示すように、2つの励磁コイル20をそれぞれに励磁信号Iacが同相で流れるよう励磁経路30で接続するとともに、2つの検出コイル40をそれぞれに検出信号ICが逆相で流れるよう差動検出経路50で接続する構成とすることも考えられる。
電流帰還制御部70は、成分分離部60により分離された直流信号成分(被検出電流Imに対応して発生する成分であり、成分分離部60に入力される成分のうちの直流電圧相当の成分)の信号レベルを制御し、この信号レベルに応じて検出コイル40にて発生する磁束にて、被検出電流Imの信号レベルに応じて発生する外部磁場を相殺させる。こうして、コア部材10の透磁率μをそのように外部磁場が相殺された状態における透磁率μとし、透磁率μに応じた高調波の磁束の発生を抑えることで、成分分離部60により分離された交流信号成分の信号レベルを所定のしきい値未満とする。なお、本実施形態においては、この交流信号成分を、後述する帰還率にて、直流信号成分の信号レベルが電流帰還制御されるように構成されている。
ここで、電流帰還制御部70は、被検出電流Imの極性に応じた極性の外部磁場を相殺させるために、成分分離部60により分離された直流信号成分の信号レベルが大きくなる方向に制御する場合もあれば、小さくなる方向に制御する場合もある。そのため、この制御の方向を出力端子71側でチェックすることにより、被検出電流Imの極性を間接的に特定することも可能である。
この構成では、検出コイル40からの出力信号における直流信号成分より電流帰還制御しており、帰還制御のための専用のコイルを必要としていない。これは、コア部材10を形成する部材の透磁率μが極めて小さいことで、検出コイル40からの出力信号に重畳される高調波成分の信号レベルを、センサ全体の動作に影響を与えない程度に小さくできているからである。
信号出力部80は、被検出電流Imに対応する信号レベルを出力する構成であればよく、例えば、成分分離部60から分離された経路中に素子を設け、この素子に流れる信号を、被検出電流Imに対応する信号レベルとして出力する構成としたり、成分分離部60から分離された経路に流れる電流値そのものを検知する電流センサを設けた構成としたりすることが考えられる。本実施形態では、成分分離部60により分離された直流信号成分の流れる経路に直列接続された抵抗器81を設け、この抵抗器81の両端に発生する電圧値Vcを、被検出電流Iacに対応する信号レベルとして出力する構成としている。
なお、成分分離部60から分離された経路を流れる直流信号成分は、電流帰還制御部70の帰還制御によって、被検出電流Imの極性に応じた極性の信号成分となっているため、その直流信号成分の極性を出力端子83側でチェックすることにより、被検出電流Imに対応する信号レベルを極性とともに特定することも可能である。
(2)作用,効果
上述した電流センサ1によれば、コア部材10には、被検出信号Imの信号レベルに応じた磁束が重畳的に発生するが、コア部材10そのものの特性によって、外部磁場H=0を頂点として透磁率μが減少していくとともに、この外部磁場Hと透磁率μで規定されるμ−H曲線の曲率が外部磁場Hにおける絶対値の大きさに応じて大きくなっていく、という傾向を示すことになる。
この傾向を、x軸に磁場Hをとり、y軸に磁化Mの微分値としての透磁率μをとったμ−H座標でみると、二次曲線上における任意の位置でx軸に沿って振幅が変化する励磁信号に対し、y軸に沿って振幅が変化する検出コイル40からの出力信号に、二次曲線の「曲がり具合」に応じた高調波の成分が重畳されることとなるが、励磁信号の振幅中心が二次曲線上にあることから、磁場H=0付近から飽和磁化に対応する磁場Hs付近までの広範囲にわたって、磁場Hに応じた固有の高調波成分が出力信号に重畳されることとなる。
つまり、上記構成では、飽和磁化に対応する磁場Hs付近の極狭い範囲だけでなく、磁場H=0付近から磁場Hs付近までの広範囲にわたって、被検出信号Imの信号レベルを特定(検出)することができる。
さらに、上記構成では、検出コイル40側に流れる交流信号成分の信号レベルがしきい値未満となるよう、直流信号成分により電流帰還制御されることにより、この交流信号成分(励磁信号の差動検出成分の高調波成分、または、被検出電流によって発生する磁束)を相殺する直流信号成分が被検出信号の信号レベルに対応するものとして特定されることになる。
検出コイル40側に流れる交流信号成分は、被検出信号の信号レベルに応じて発生する高調波を主とする信号成分であるため、これをしきい値以下にするということは、被検出信号が仮想的に僅かしか流れていない状況を創り出しつつ、この状況の創出に必要な直流信号成分を元の被検出信号の信号レベルに対応するものにしたことを意味する。
コア部材10などに用いられる磁性材料は、磁界と磁束との関係が磁界の大きさに応じて磁気的に飽和すると、直線的な比例関係から徐々に歪んで非直線的なものとなることから、通常、コア部材10を有する電流センサでは、直線的な比例関係で歪みの少ない領域を超える磁界が発生しないよう動作させる必要がある。
しかし、上記構成のように、被検出信号が僅かにしか流れていない状況を創出できれば、被検出信号Imと上記直流信号成分との差分にあたる信号成分に応じた僅かな磁界しか発生しないことになるため、被検出信号の信号レベルに拘らず、直線的な比例関係で歪みの少ない領域内での動作を可能とし、これにより、従来よりも電流センサとしての検出精
度を高くすることができる。
また、上記実施形態によれば、直流信号成分により抵抗器81の両端に発生する電圧値を、被検出電流Imに対応する信号レベルとして特定することができる。
1…電流センサ、2…センサ素子、3…検出装置、10…コア部材、20…励磁コイル、30…励磁経路、40…検出コイル、50…差動検出経路、60…成分分離部、61…コンデンサ、70…電流帰還制御部、80…信号出力部、81…抵抗器、100…信号源。

Claims (3)

  1. それぞれリング状に形成され、該リングを貫通する方向に沿って被検出電流が流れるように配置される2つのコア部材からなるセンサ素子と、前記センサ素子からの出力に基づき前記被検出電流の信号レベルを検出する検出装置と、を備える電流センサであり、
    前記センサ素子においては、
    前記コア部材それぞれに巻回され、基本波成分からなる励磁信号の信号源に接続される励磁コイルと、同じく前記コア部材それぞれに巻回され、前記コア部材に発生した磁束に応じた検出信号が流れる検出コイルと、を備え、
    励磁経路が、前記信号源および前記励磁コイルそれぞれを接続することで、前記信号源からの励磁信号により前記コア部材に発生する磁束を該コア部材同士で同相または逆相とするとともに、差動検出経路が、2つの前記検出コイル同士を接続することで、前記検出コイルそれぞれに流れる検出信号を該検出信号に含まれる基本波成分が相殺される極性関係で合流させており、
    さらに、前記コア部材は、外部磁場に応じて外部磁場「0」を頂点に透磁率が減少するとともに、該透磁率μの変化を「外部磁場H−透磁率μ」の座標系に示した場合における曲線の曲率が外部磁場の絶対値に応じて大きくなる、といった特性を有する部材により形成され、前記励磁コイルに励磁信号が流れている状態で前記被検出電流が流れると、該被検出電流の信号レベルに応じて発生する外部磁場に応じた透磁率μとなり、該透磁率μに応じた高調波の磁束を、励磁信号により発生する前記基本波成分の磁束に重畳させる、ように構成されており、
    前記検出装置においては、
    前記差動検出経路にて接続された前記検出コイルのうち、一方の検出コイルにおいて前記差動検出経路に接続されていない側の経路を流れる信号における交流信号成分につき、該信号成分の信号レベルが所定のしきい値未満となるように、該経路を流れる信号における直流信号成分の信号レベルを制御し、該信号レベルに応じて前記検出コイルが発生させる磁束にて、前記被検出電流の信号レベルに応じて発生する外部磁場を相殺させ、該相殺させている状況における前記直流信号成分の信号レベルを、前記被検出電流に対応する信号レベルとして検出する、ように構成されている
    ことを特徴とする電流センサ。
  2. 前記検出装置においては、
    前記差動検出経路にて接続された前記検出コイルのうち、一方の検出コイルにおいて前記差動検出経路に接続されていない側の経路を流れる信号における直流信号成分の信号レベルを制御し、該信号レベルに応じて前記検出コイルが発生させる磁束にて、前記被検出電流の信号レベルに応じて発生する外部磁場を相殺させ、前記コア部材の透磁率μをそのように外部磁場が相殺された状態における透磁率μとし、該透磁率μに応じた高調波の磁束の発生を抑えることによって、該経路を流れる信号における交流信号成分の信号レベルを所定のしきい値未満とする帰還制御部と、
    前記差動検出経路にて接続された前記検出コイルのうち、一方の検出コイルにおいて前記差動検出経路に接続されていない側の経路を流れる信号における直流信号成分につき、該信号成分の信号レベルを、前記被検出電流に対応する信号レベルとして出力する信号出力部と、を備えている
    ことを特徴とする請求項1に記載の電流センサ。
  3. 前記差動検出経路にて接続された前記検出コイルのうち、一方の検出コイルにおいて前記差動検出経路に接続されていない側の経路を流れる信号を、直流信号成分と交流信号成分とに分離する成分分離部、を備えており、
    前記帰還制御部は、前記成分分離部により分離された交流信号成分の信号レベルが所定のしきい値未満となるように、該成分分離部により分離された直流信号成分の信号レベル
    を制御して、
    前記信号出力部は、前記成分分離部により分離された直流信号成分の信号レベルを、前記被検出電流に対応する信号レベルとして出力する
    ことを特徴とする請求項2に記載の電流センサ。
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