JP2019002235A - 樹脂製フレームおよび建具 - Google Patents
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Abstract
Description
前述した熱変形は、樹脂製の押縁に限らず樹脂製の框や枠などの各種の樹脂製フレームにも生じ得る。
本発明の樹脂製フレームによれば、環境温度、日射等によって樹脂製フレームが昇温して樹脂基材が熱伸びしようとしても、繊維強化樹脂材によって前記熱伸びを抑制することができる。一方、樹脂製フレームが降温して樹脂基材が熱収縮しようとしても、繊維強化樹脂材によって前記熱収縮を抑制することができる。このように、繊維強化樹脂材によって樹脂基材の熱変形を抑制することができる。
このような構成によれば、PVCによって構成される樹脂基材は、およそ70℃〜80℃で軟化して弾性率が低下する特性を示す。これに対して、繊維強化樹脂材は、およそ70℃〜80℃以上の温度となっても、軟化およびヤング率の低下がほぼ生じることなく元の特性が維持される。このため、環境温度、日射等によって樹脂製フレームが温度変化しても、繊維強化樹脂材によって樹脂製フレームの熱変形を抑制することができる。
このような構成によれば、基材ホローに繊維強化樹脂材を収めることで、繊維強化樹脂材が外部に露出することがなくなるので、樹脂基材の色や質感等を適宜設定するだけで建具の外観と簡単にあわせることができる。
このような構成によれば、繊維強化樹脂材の外面が樹脂基材に結合しているので、樹脂基材および繊維強化樹脂材との結合強度を高めることができる。
このような構成によれば、繊維強化樹脂材を基材ホローに充填する場合と比べ、繊維強化樹脂材にホローが形成される分だけ、繊維強化樹脂材を構成する材料量を減らすことができる。また、前述したように繊維強化樹脂材にホローを形成しても、繊維強化樹脂材の外面が樹脂基材に結合された状態は維持することができる。
このような構成によれば、枠や框に係合可能な樹脂製押縁を構成でき、繊維強化樹脂材が基材ホローに配置されることで、基材本体片部だけではなく係合部の長手方向における熱変形をも直接に抑制することができる。また、係合部にも繊維強化樹脂材があるので、係合部が昇温して軟化しても繊維強化樹脂材によって係合部の係合状態を保ち得る。
また、前記構成された樹脂製押縁が建具に取り付けられた場合に樹脂製押縁が温度変化しても、樹脂製押縁と建具の枠や框等のフレームとの位置関係にズレが生じることを低減することができる。
このような構成によれば、繊維強化樹脂材が基材本体片部の幅方向における両縁部にわたって配置されているので、基材本体片部の長手方向における熱変形を繊維強化樹脂材によって均一に抑えることができ、基材本体片部の曲げ変形を抑制することができる。
このような構成によれば、係合部が建具の枠や框等のフレームに係合される際に基材本体片部がその長手方向に対して曲げ変形され、この曲げ変形は繊維強化樹脂材にある程度抑制されることとなるが、本発明では繊維強化樹脂材が板状に形成されているので、繊維強化樹脂材によって基材本体片部の曲げ変形が過度に抑制されることなく、樹脂製フレームを建具に簡単に取り付けることができる。
このような構成によれば、樹脂基材の厚さ方向や、幅方向にわたって繊維強化樹脂材を配置する場合と比べて、繊維強化樹脂材を構成する材料量を減らすことができる。
本発明の建具によれば、前述した本発明の樹脂製フレームの作用効果を発揮することができる建具を構成することができる。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1,2において、第1実施形態に係る建具である嵌め殺し窓1は、上枠21、下枠22および左右の縦枠23によって枠組みされた樹脂製の窓枠2(フレーム)と、窓枠2内に固定されたガラスパネル等の面材3とを備えている。上枠21、下枠22および左右の縦枠23は、枠本体25と、樹脂製押縁10(樹脂製フレーム)とをそれぞれ備えている。上枠21、下枠22および左右の縦枠23の枠本体25は、それぞれ同一断面形状の樹脂押出形材によって形成されている。枠本体25は、面材3の室内面に対向した室内見付け片部251(見付け片部)と、室内見付け片部251に連続した見込み片部252とを有している。室内見付け片部251には、面材3の室内面に当接するガスケットが装着されている。見込み片部252の室外側端部には、面材3の室外面を押える樹脂製押縁10が係合する係合溝26が形成されている。
ここで、図1,2に示すX,Y,Z軸方向は互いに直交しており、X軸方向は左右の縦枠23の見付け方向に沿っており、Y軸方向は上枠21および下枠22の見付け方向に沿っており、Z軸方向は嵌め殺し窓1の見込み方向に沿っている。また、図3に示すL,W,T軸方向は互いに直交しており、L軸方向は樹脂製押縁10の長さ方向であり、W軸方向は樹脂製押縁10の幅方向であり、T軸方向は樹脂製押縁10の厚さ方向である。
各樹脂製押縁10は、図3に示すように、PVC(ポリ塩化ビニル Polyvinyl chloride)によって構成される可撓性を有した樹脂基材11と、繊維材料としてガラス繊維(グラスファイバー Glass fiber)を含むPBT(ポリブチレンテレフタレート Polybutylene terephthalate)によって構成される繊維強化樹脂材15(GF−PBT)との二層が共押出成形されている。
基材本体片部12は、基材表片部123と、基材表片部123に対してT軸方向に間隔を隔てて位置する基材裏片部124とを有しており、基材表片部123および基材裏片部124は、これらに対してW軸方向における両縁側に位置する両縁部121,122によってつながれている。基材表片部123および基材裏片部124は、T軸方向において表側に向かって凸状に湾曲して形成されている。基材表片部123および基材裏片部124の厚さ寸法は、本実施形態では互いに略同寸法である。基材表片部123、基材裏片部124および両縁部121,122によって基材ホロー125が形成されている。
面材押え部13は、基材本体片部12の縁部121からT軸方向において基材表片部123から基材裏片部124に向かって延出しており(図3の紙面右方に延出しており)、その延出端部から軟質樹脂製の当接片部131,132が更に延出している。当接片部131,132は、樹脂基材11を構成するPVCよりも軟質の軟質樹脂によって形成されており、面材3の室外面に押し当てられて弾性変形し、樹脂製押縁10および面材3間をシールする。また、基材表片部123の表面から面材押え部13の表面にわたって保護材等によってコーティングされている。
係合部14は、基材本体片部12の縁部122における基材裏片部124側寄りの部分からW軸方向に延出している(図3の紙面下方に延出している)。係合部14には、係合溝26において枠本体25に掛かる掛け突部141,142が形成されている。
繊維強化樹脂材15の長さ方向、幅方向および厚さ方向は、基材本体片部12の長さ方向、幅方向および厚さ方向に沿っている。繊維強化樹脂材15の厚さ寸法は、W軸方向に沿って一定の寸法とされている。繊維強化樹脂材15のW軸方向における中央位置は、基材本体片部12のW軸方向における中央位置と同位置とされている。このため、基材本体片部12の前記中央位置に対してW軸方向における一方側に位置する繊維強化樹脂材15の断面積と、他方側に位置する繊維強化樹脂材15の断面積とは互いに等しくなっている。
この繊維強化樹脂材15では、ガラス繊維が20〜55重量%となり、PBTが45〜80重量%となる重量比とされている。また、本実施形態では、繊維強化樹脂材15の樹脂製押縁10に対する断面積比は21%以上、例えば22.4%とされるが、これに限られず、樹脂製押縁10の熱変形を抑制可能な範囲な断面積比に設定される。
以上の繊維強化樹脂材15の線膨張率は、樹脂基材11の線膨張率よりも小さい。また、繊維強化樹脂材15のヤング率は、樹脂基材11のヤング率よりも大きい。
図4は、窓枠2の縦枠23の枠本体25に係合した樹脂製押縁10の長手方向における上端部分を模式的に示している。
仮に樹脂製押縁10が繊維強化樹脂材15を備えていない場合には、樹脂製押縁10が日射等を受けて20℃程度の常温から昇温されると、樹脂製押縁10の上端101(一端)が図4(A)に実線で示す位置から二点鎖線で示す位置まで熱伸びしようとするが、この熱伸びが上枠21によって規制されるので樹脂製押縁10が長手方向に圧縮される。続いて、樹脂製押縁10が70℃〜80℃程度まで昇温されると軟化し、ヤング率が低下して熱収縮が生じ、樹脂製押縁10の上端101は、図4(B)に二点鎖線で示す位置まで移動し、上枠21との間に隙間が形成されてしまう。その後、樹脂製押縁10が70℃〜80℃程度に達した後に降温されると熱収縮を更に生じ、樹脂製押縁10の上端101は、図4(C)に二点鎖線で示す位置まで移動し、上枠21との間の隙間が拡大してしまう。
これに対し、第1実施形態に係る嵌め殺し窓1における樹脂製押縁10は、樹脂基材11に繊維強化樹脂材15が結合されているので、樹脂製押縁10の上端101が図4(A)から図4(B)に二点鎖線で示す位置に移動することを抑制し、上端101は実線で示す位置に留められる。これにより、上端101および上枠21間に隙間が形成されることがない。
(1)第1実施形態では、樹脂製押縁10が昇温して樹脂基材11が熱伸びしようとしても、樹脂基材11よりも線膨張率が小さく且つヤング率が大きい繊維強化樹脂材15によって熱伸びを抑制することができる。一方、樹脂製押縁10が降温して樹脂基材11が熱収縮しようとしても、繊維強化樹脂材15によって前記熱収縮を抑制することができる。このように、繊維強化樹脂材15によって樹脂基材11の熱変形を抑制することができる。このため、樹脂製押縁10が嵌め殺し窓1に取り付けられた場合に樹脂製押縁10が温度変化しても、各樹脂製押縁10と上枠21、下枠22および左右の縦枠23との長手方向における位置関係にズレが生じることを低減することができる。
(2)PVCによって構成される樹脂基材11は、およそ70℃〜80℃で軟化して弾性率が低下する特性を示すのに対して、繊維強化樹脂材15は、およそ70℃〜80℃以上の温度となっても、軟化およびヤング率の低下がほぼ生じることなく元の特性が維持される。このため、樹脂製押縁10が70℃〜80℃まで昇温し、この温度から降温しても、特性がほぼ変化しない繊維強化樹脂材15によって樹脂基材11の熱変形を抑制することができる。
(3)基材ホロー125に繊維強化樹脂材15が収められているので、繊維強化樹脂材15が外部に露出することがない。このため、樹脂基材11の色や質感等を適宜設定するだけで窓枠2の色や質感等といった外観と簡単にあわせることができる。
(4)繊維強化樹脂材15の外面全体が樹脂基材11に結合しているので、例えば板状の繊維強化樹脂材15の片面(一部)だけが樹脂基材11に結合している場合と比べて、樹脂基材11および繊維強化樹脂材15との結合強度を高めることができる。
(5)繊維強化樹脂材15が基材本体片部12の幅方向における両縁部121,122にわたって配置されているので、基材本体片部12の長手方向における熱変形を繊維強化樹脂材15によって均一に抑えることができ、基材本体片部12の曲げ変形を抑制することができる。
(6)係合部14が枠本体25の係合溝26に係合される際に基材本体片部12がその長手方向に対して曲げ変形され、この曲げ変形は繊維強化樹脂材15にある程度抑制されることとなる。第1実施形態では、繊維強化樹脂材15が板状に形成されているので、繊維強化樹脂材15によって基材本体片部12の曲げ変形が過度に抑制されることなく、樹脂製押縁10を窓枠2に簡単に取り付けることができる。
以下、本発明の第2実施形態に係る嵌め殺し窓1について図5を参照して説明する。
第2実施形態に係る嵌め殺し窓1は、第1実施形態に係る嵌め殺し窓1と概略同様に構成されているが、樹脂製押縁10に代えて樹脂製押縁10Aを備えている。
樹脂製押縁10Aは、樹脂基材11Aと、繊維強化樹脂材15Aとを備えている。
樹脂基材11Aは、図3に示す樹脂基材11と概略同様であるが、基材本体片部12から係合部14にわたって基材ホロー125Aが形成されている。
繊維強化樹脂材15Aは、図3に示す繊維強化樹脂材15と概略同様であるが、基材ホロー125Aに充填されており、このため、係合部14の内部に結合した延設部分151を有している。
このように構成された樹脂製押縁10Aを備えているため、基材本体片部12だけではなく係合部14の長手方向における熱変形をも直接に抑制することができる。また、係合部14にも繊維強化樹脂材15Aがあるので、係合部14が昇温して軟化しても繊維強化樹脂材15Aによって係合部14の係合状態を保ち得る。
以下、本発明の第3実施形態に係る嵌め殺し窓1について図6を参照して説明する。
第3実施形態に係る嵌め殺し窓1は、第1実施形態に係る嵌め殺し窓1と概略同様に構成されているが、樹脂製押縁10に代えて樹脂製押縁10Bを備えている。
樹脂製押縁10Bは、樹脂製押縁10と比べてT軸方向における厚さ寸法が大きく形成された樹脂基材11Bと、樹脂基材11Bの基材ホロー125に配置された繊維強化樹脂材15Bとを備えている。樹脂基材11Bの面材押え部13には軟質樹脂製の当接片部133が係合されている。また、樹脂基材11Bの係合部14は、樹脂基材11Bの基材本体片部12の厚さ方向における中間位置から延出している。この樹脂基材11Bの基材ホロー125は、樹脂製押縁10の基材ホロー125よりもT軸方向における寸法が大きくなっており、その分だけ体積も増している。
繊維強化樹脂材15Bの外面全体は、樹脂基材11Bの内面全体に結合しており、繊維強化樹脂材15Bの内部にホロー152が形成されている。
このように構成された樹脂製押縁10Bを備えているため、繊維強化樹脂材15を基材ホロー125に充填する場合と比べ、繊維強化樹脂材15Bにホロー152が形成される分だけ、繊維強化樹脂材15Bを構成する材料量を減らすことができ、樹脂基材11Bの長手方向における熱変形の抑制力を低く設定することができる。また、前述したように繊維強化樹脂材15Bにホロー152を形成しても、繊維強化樹脂材15Bの外面全体が樹脂基材11Bに結合された状態は維持することができる。
なお、第3実施形態では、樹脂基材11Bを備えているが、これに限らず、樹脂基材11,11Aなどを備えていてもよい。
図7,8に示すように、繊維強化樹脂材15C(15D)はガラス繊維等の繊維材料を含む少なくとも二つの板状の樹脂材153,154(155,156)によって構成されていてもよく、この場合には、樹脂基材11,11A,11Bの厚さ方向や、幅方向にわたって繊維強化樹脂材を配置する場合と比べて、繊維強化樹脂材15C(15D)を構成する材料量を減らすことができる。
以下、本発明の第4実施形態に係る嵌め殺し窓1について図7を参照して説明する。
第4実施形態に係る嵌め殺し窓1は、第1実施形態に係る嵌め殺し窓1と概略同様に構成されているが、樹脂製押縁10に代えて樹脂製押縁10Cを備えている。
樹脂製押縁10Cは、前述した樹脂基材11Bと、ガラス繊維を含む二つの板状の樹脂材153,154によって構成される繊維強化樹脂材15Cとを備えている。
樹脂材153は、樹脂基材11Bを構成する基材表片部123の内面に結合されており、樹脂材154は、樹脂基材11Bを行使する基材裏片部124の内面に結合されている。これら樹脂材153,154は、T軸方向に沿った樹脂基材11Bの厚さ方向において互いに間隔を隔てて並設されている。
このように構成された樹脂製押縁10Cを備えているため、繊維強化樹脂材15Cを構成する二つの樹脂材153,154の相互変位が拘束されることがない。このため、各樹脂製押縁10Cが各枠本体25の係合溝26に係合される際に曲げ変形されるが、この曲げ変形に対する繊維強化樹脂材15Cによる抑制を低くすることができ、樹脂製押縁10Cを窓枠2に簡単に取り付けることができる。
なお、第4実施形態では、樹脂基材11Bを備えているが、これに限らず、樹脂基材11,11Aなどを備えていてもよい。また、樹脂材153,154はそれぞれ一片で構成されているが、各一片で連続して構成されていなくても樹脂基材11Bの熱変形を十分に抑制できる場合には複数片で構成されていてもよい。
第5実施形態に係る嵌め殺し窓1は、第1実施形態に係る嵌め殺し窓1と概略同様に構成されているが、樹脂製押縁10に代えて樹脂製押縁10Dを備えている。
樹脂製押縁10Dは、前述した樹脂基材11Bと、ガラス繊維を含む二つの板状の樹脂材155,156によって構成される繊維強化樹脂材15Dとを備えている。
樹脂材155は、樹脂基材11Bの幅方向における一方の縁部121側の内面に結合されており、樹脂材156は、樹脂基材11Bの幅方向における他方の縁部122側に結合されている。これら樹脂材155,156はW軸方向において間隔を隔てて互いに対向して配置されている。
このように構成された樹脂製押縁10Dを備えているため、基材ホロー125にガラス繊維を含んだPBTなどを充填するなどして、樹脂基材11Bの幅方向にわたって繊維強化樹脂材が配置される場合と比べて、繊維強化樹脂材15Dを構成する材料量を減らすことができると共に、樹脂材155によって樹脂基材11Bの縁部121側の長手方向における熱変形を抑制し、かつ、樹脂材156によって樹脂基材11Bの縁部122側の長手方向における熱変形を抑制することで、樹脂基材11Bの全体の長手方向における熱変形を効率よく抑制することができる。
なお、第5実施形態では、樹脂基材11Bを備えているが、これに限らず、樹脂基材11,11Aなどを備えていてもよい。また、樹脂材155,156はそれぞれ一片で構成されているが、各一片で連続して構成されていなくても樹脂基材11Bの熱変形を十分に抑制できる場合には複数片で構成されていてもよい。
本発明は、以上の実施形態で説明した構成のものに限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形例は、本発明に含まれる。
例えば、前記各実施形態では、基材ホロー125,125Aに繊維強化樹脂材15,15A〜15Dがそれぞれ配置されているが、これに限らず、繊維強化樹脂材15,15A〜15Dは樹脂基材11,11A,11Bの裏面などの外面に結合されていてもよい。
前記各実施形態では、樹脂製押縁10,10A〜10Dは、外押縁とされているが、内押縁とされていてもよい。
前記各実施形態では、樹脂基材11,11A,11BはPVCによって構成されているが、他の樹脂材料によって構成されていてもよく、この場合、繊維強化樹脂材15,15A〜15Dは、ガラス繊維を含んだPBTによって構成されていなくても、前記樹脂基材の長手方向における熱変形を抑制できるように、当該樹脂基材よりも線膨張率が小さく且つヤング率が大きい繊維強化樹脂材料によって構成されていてもよい。また、繊維強化樹脂材15,15A〜15Dは、ガラス繊維に代えてカーボン繊維を含んでいてよい。
前記各実施形態では、樹脂製押縁10,10A〜10Dは、樹脂基材11,11A,11Bと繊維強化樹脂材15,15A〜15Dとが共押出されて二層に形成されているが、繊維強化樹脂材15,15A〜15Dが樹脂基材11,11A,11Bから剥れることのない結合強度を保てるのであれば接着結合や機械的結合によって結合されていてもよい。また、繊維強化樹脂材によって樹脂基材の熱変形を抑制可能であれば二層とされていなくてもよい。
前記各実施形態では、嵌め殺し窓1を建具として説明したが、このほか、樹脂製押縁10、10A〜10Dを用いる建具であれば、開き系、スライド系の窓やドア、戸であってもよい。
前記各実施形態では、樹脂製フレームとして樹脂製押縁10,10A〜10Dを説明したが、このほか、各種の建具の枠や框等が、樹脂基材と繊維強化樹脂材とを備えた樹脂製フレームとされてもよい。
Claims (10)
- 樹脂基材と、前記樹脂基材に結合した繊維強化樹脂材とを備えており、
前記繊維強化樹脂材の線膨張率は前記樹脂基材よりも小さく、
前記繊維強化樹脂材のヤング率は前記樹脂基材よりも大きい
ことを特徴とする樹脂製フレーム。 - 請求項1に記載の樹脂製フレームにおいて、
前記樹脂基材は、PVCによって構成されており、
前記繊維強化樹脂材は、ガラス繊維を含んだPBTによって構成されている
ことを特徴とする樹脂製フレーム。 - 請求項1または請求項2に記載の樹脂製フレームにおいて、
前記樹脂基材には、その長手方向に沿った基材ホローが形成されており、
前記基材ホローに前記繊維強化樹脂材が配置されている
ことを特徴とする樹脂製フレーム。 - 請求項3に記載の樹脂製フレームにおいて、
前記繊維強化樹脂材の外面は前記樹脂基材に結合している
ことを特徴とする樹脂製フレーム。 - 請求項4に記載の樹脂製フレームにおいて、
前記繊維強化樹脂材にはホローが形成されている
ことを特徴とする樹脂製フレーム。 - 請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の樹脂製フレームにおいて、
前記樹脂基材は、長尺の基材本体片部と、前記基材本体片部の幅方向における一方の縁部に連続した面材押え部と、前記基材本体片部の幅方向における他方の縁部に連続した係合部とを有しており、
前記基材ホローは、前記基材本体片部から前記係合部にわたって形成されており、
前記繊維強化樹脂材は、前記基材本体片部から前記係合部にわたって前記基材ホローに配置されている
ことを特徴とする樹脂製フレーム。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の樹脂製フレームにおいて、
前記樹脂基材は、長尺の基材本体片部と、前記基材本体片部の幅方向における一方の縁部に連続した面材押え部と、前記基材本体片部の幅方向における他方の縁部に連続した係合部とを有しており、
前記繊維強化樹脂材は、少なくとも前記基材本体片部の幅方向における一方の縁部から他方の縁部まで連続して配置されている
ことを特徴とする樹脂製フレーム。 - 請求項7に記載の樹脂製フレームにおいて、
前記繊維強化樹脂材は、前記基材本体片部の長手方向に沿って板状に形成されている
ことを特徴とする樹脂製フレーム。 - 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の樹脂製フレームにおいて、
前記繊維強化樹脂材は、繊維材料を含む少なくとも二つの樹脂材によって構成されている
ことを特徴とする樹脂製フレーム。 - フレームと、前記フレーム内に配置された面材とを備えており、
前記フレームは、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の樹脂製フレームを有している
ことを特徴とする建具。
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