本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、玉を遊技領域130に打ち込んで遊技されるパチンコ遊技機(遊技機)1に関する例である。この内容について、図1〜図3を用いて説明する。
本例のパチンコ遊技機1は、当否抽選に当選したときに大当たり状態を発生させる遊技機である。このパチンコ遊技機1では、通常入賞部110への玉の入賞(始動入賞)を契機とした当否抽選で当選すると、大当たり状態が発生して第1可変入賞部111が開放状態となる。大当たり状態では、第1可変入賞部111への始動入賞に由来する第2可変入賞部112の開放状態、第2可変入賞部112への始動入賞に由来する第3可変入賞部113の開放状態が、入れ替わり連続的に発生する。
図1のごとく、パチンコ遊技機1は、図示しない台枠に取り付けられた開閉扉13を有し、その内側の遊技盤面に略円形状の遊技領域130を有している。遊技領域130の下部右側にはスピーカ131が配置され、遊技領域130の下側には玉供給皿135が遊技者側に張り出すように設けられている。玉供給皿135の右下には、玉供給皿135の玉を遊技領域130に向けて発射するための操作ハンドル15が立設され、玉供給皿135の下側には下皿137が設けられている。玉供給皿135は、入賞に応じて払い出された賞球や、貸玉等を受け入れるための受け皿である。玉供給皿135の玉は、図示しない供給通路を経由して発射装置341(図3参照。)に供給される。
開閉扉13は、パチンコ遊技機1に対面して左側に位置するヒンジ133を介して回動可能な状態で台枠に固定されている。開閉扉13には、遊技領域130に対応する略円形状の透明窓139が設けられ、透明窓139の両外側には装飾ランプ部132等が配置されている。
遊技領域130は、遊技媒体であるパチンコ玉が流下する領域である。遊技領域130のほぼ中央には、通常入賞部110への玉の入賞を契機とする図柄変動を表示する表示装置19が配置されている。表示装置19の下側には、通常入賞部110が配置され、さらにその下側の遊技領域130の最下部には、入賞することなく流下した玉を回収するためのアウト孔138が開口している。なお、通常入賞部110への玉の入賞が発生したときの玉の払出数は3個である。
表示装置19には、玉の流下方向を制御する枠が設けられている。この枠は、遊技者側から見て表示装置19の左側に打ち込まれた玉の一部を通常入賞部110に到達させる一方、表示装置19の右側に打ち込まれた玉が通常入賞部110に到達しないように玉の流下方向を制御する。したがって、パチンコ遊技機1では、表示装置19の右側を狙って玉を発射する右打を行った場合、通常入賞部110に玉が入賞する可能性がない。
遊技者側から見て表示装置19の右側には、上方から下方に向かって、第1可変入賞部111、第2可変入賞部112、及び第3可変入賞部113が上下三段で配置されている。さらに、第1〜第3可変入賞部111〜113の下側、表示装置19の右下に当たる領域には、玉通過部の一例をなす上流側の特別スルー12、特別スルー12の下流側に設けられ玉が入賞可能な特別入賞部17、玉の流下方向において特別スルー12と特別入賞部17との間に設けられた排出用可変入賞部114が配置されている。
第1〜第3可変入賞部111〜113は、全て、開閉動作を行う可動羽根が設けられた電動役物(電動チューリップ)である。各可変入賞部111〜113の真上には、釘が1本ずつ配置され、可動羽根が閉じているときの玉の入賞経路を遮断している。そのため、第1〜第3可変入賞部111〜113は、可動羽根が閉じているときには、可変入賞部に玉が入賞することがない。可動羽根が開いたときに開放状態となって(実線で示す状態)、可変入賞部に玉が入賞可能になる。
第1及び第2可変入賞部111、112は、4個入賞又は30秒経過で閉鎖状態に切り替わる。第3可変入賞部113は、7個入賞又は30秒経過で閉鎖状態に切り替わる。なお、第1、第2、第3可変入賞部111、112、113への玉の入賞が発生したときの玉の払出数は、それぞれ、15個、10個、7個となっている。
表示装置19の右下の遊技領域130では、図1及び図2のごとく、特別スルー12を起点として末広がりの傘状に釘が配置されて障害釘群120が形成されている。そして、この障害釘群120がなす傘状の釘配置の内側に、上記の排出用可変入賞部114と特別入賞部17とが配置されている。特別スルー12は、障害釘群120の最上段の2本の釘の隙間の真上に当たる位置に配置されている。
特別スルー12は、遊技領域130に設けられ、玉が通過可能であり、通過した玉を遊技領域130から排出することなく下流側に流下させる玉通過部である。特別スルー12への玉の通過は、排出用可変入賞部114の開放動作のための図柄変動の契機に設定されている。特別入賞部17は、第2可変入賞部112の開放動作のための図柄変動の契機となる入賞部である。
障害釘群120を構成する釘は、特別スルー12を通過した玉が外側に流出しないように規制すると共に、障害釘群120の外側から内側に玉が流入しないように玉の流れを規制する。つまり障害釘群120によって、特別スルー12を通過しないと特別入賞部17に入賞できない構成になっている。
排出用可変入賞部114は、到達した玉を特別入賞部17に入賞可能に流下させる入賞許容状態と、到達した玉を前記遊技領域130から排出する入賞抑制状態と、に切り替わる入賞頻度切替部の一例をなす役物である。排出用可変入賞部114は、開放動作を行う可動羽根114Tを備え、流入した玉を遊技領域130の外に排出させるように構成されている。
この排出用可変入賞部114は、可動羽根114Tが開放動作を行うと(図2中、実線で示す状態)、遊技領域130の外に玉が排出される排出状態になる。排出用可変入賞部114が排出状態のときは、特別入賞部17を覆うように位置する左側の可動羽根114Tの先端と障害釘群120との隙間が玉1個分より狭くなる。そのため、特別入賞部17に向かう玉が全て排出用可変入賞部114に流入し、特別入賞部17への玉の入賞が発生しなくなる(入賞抑制状態)。一方、可動羽根114Tが閉鎖状態(同図中、点線で示す状態)になると、特別入賞部17への玉の入賞が発生しやすくなる(入賞許容状態)。
表示装置19は、枠199の内側に液晶表示部190が配置された表示装置である。表示装置19は、通常入賞部110への玉の入賞を契機とした当否抽選、すなわち第1可変入賞部111の開閉抽選の結果を報知するための図柄変動を実行する図柄表示手段としての機能を有している。表示装置19では、この当否抽選の結果を報知するための3桁の数字図柄(1〜9の図柄)が液晶表示部190の表示画面に表示される。
液晶表示部190の下側に当たる表示装置19の枠199の前面には、4個のLEDが水平方向に配列された保留表示部192が配置されている。保留表示部192は、通常入賞部110への玉の入賞を契機とした図柄変動の保留数の表示部である。保留表示部192は、LEDの点灯個数により図柄変動の保留数を表示する。
遊技領域130の左下には、第2可変入賞部112、第3可変入賞部113、及び排出用可変入賞部114の各可動羽根を開くか否かの開閉抽選の結果及び保留数を表示する抽選表示エリア32が設けられている。第2可変入賞部112、第3可変入賞部113、及び排出用可変入賞部114に対応して、図柄変動を実行する図柄表示部326A〜C、及び図柄変動の保留数を表示する保留表示部327A〜Cが配置されている。
図柄表示部326A〜Cは、いずれも、1個のLEDにより構成されている。図柄表示部326A〜Cは、図柄変動中にLEDを点滅させ、その後、点灯により開放動作を実行する旨を報知する。保留数の表示部である保留表示部327A〜Cは、保留上限数に一致する個数のLEDにより構成されており、そのLEDの点灯個数により保留数を表示する。なお、第2及び第3可変入賞部112、113の保留上限数は4つであるので、対応する保留表示部327A・Bには各4個のLEDが配置されている。排出用可変入賞部114の保留上限数は1つであるので、対応する保留表示部327CにはLEDが1個配置されている。
次に、パチンコ遊技機1の電気的な構成について、図3を参照して説明する。パチンコ遊技機1は、主回路20を中心として構成されている。主回路20に対しては、玉の払出手段である払出装置331を制御する払出制御回路33、玉の発射装置341を制御する発射制御回路34、遊技演出を制御する演出制御回路35、液晶表示部190を制御する表示制御回路36、入賞玉あるいは通過玉の検出センサ311〜316、可変入賞部111〜114の開放状態を切り替えるソレノイド321〜324、図柄表示部326A〜C、保留表示部327A〜C、電源回路391等が電気的に接続されている。
演出制御回路35には、スピーカ131を駆動するアンプ351や装飾ランプ部132等が電気的に接続されているほか、液晶表示部190の表示を制御する表示制御回路36が通信可能に接続されている。
入賞玉あるいは通過玉の検出センサとしては、第1〜第3可変入賞部111〜113への入賞玉を検出する第1〜第3可変入賞センサ311〜313、通常入賞部110への入賞玉を検出する通常入賞センサ314、特別入賞部17への入賞玉を検出する特別入賞センサ315、特別スルー12の通過玉を検出する特別スルーセンサ316等がある。開放状態を切り替えるソレノイドとしては、第1〜第3可変入賞部111〜113の可動羽根を駆動する第1〜第3電チューソレノイド321〜323、排出用可変入賞部114の可動羽根を駆動する排出用電チューソレノイド324等がある。
払出制御回路33は、通常入賞部110や第1〜第3可変入賞部111〜113等への玉の入賞が発生したとき、払出装置331を制御し、所定数の玉の払出を実行する。
発射制御回路34は、操作ハンドル15の操作量に応じて玉の発射装置341を制御することで、玉の打ち出し強さをコントロールする。
図3の主回路20は、CPU(Central Processing Unit)21、記憶素子であるROM(Read Only Memory)22・RAM(Random Access Memory)24、所定範囲の乱数を発生する乱数発生部27、可変入賞部111〜114の開閉抽選のための抽選用乱数を抽出する乱数抽出部26、及び入出力インタフェースをなすI/O(Input/Output)25等を備えている。
ROM22は、CPU21に実行させる各種の処理プログラムを記憶しているほか、図示しない抽選テーブルを記憶している。抽選テーブルとしては、可変入賞部の開閉抽選に適用される開閉抽選テーブルが、第1〜第3可変入賞部111〜113及び排出用可変入賞部114についてそれぞれ用意されている。各開閉抽選テーブルでは、乱数抽出部26が抽出した抽選用乱数を照合する乱数として、各可変入賞部の開放動作に対応する乱数が規定されている。
第1可変入賞部111用の開閉抽選テーブルは、通常入賞部110への玉の入賞を契機として実行される開閉抽選(大当たりの当否抽選)に利用される。この第1可変入賞部111用の開閉抽選テーブルでは、当選である開放動作の確率が1/67となるように開放動作に対応する乱数が規定されている。第2可変入賞部112、第3可変入賞部113及び排出用可変入賞部114用の開閉抽選テーブルは、それぞれ、第1可変入賞部111、第2可変入賞部112、あるいは特別スルー12への玉の入賞あるいは通過を契機として実行される開閉抽選に利用される。これらの抽選テーブルでは、開放動作の確率が100%となるように開放動作に対応する乱数が規定されている。
RAM24は、CPU21のワークエリアや一時書き込みに利用される読み書き可能な記憶素子である。RAM24の記憶エリアには、保留エリア241及び読出エリア245の記憶領域が割り当てられている。保留エリア241は、図柄変動の保留である抽選用乱数を記憶するためのエリアである。保留エリア241から読み出された保留は、読出エリア245に格納される。なお、保留エリア241及び読出エリア245では、第1〜第3可変入賞部111〜113、及び排出用可変入賞部114に対応するエリアがそれぞれ設けられている。
ここで、第2可変入賞部112、第3可変入賞部113及び排出用可変入賞部114用の開閉抽選テーブルでは、開放動作の確率が上記の通り100%となっている。そのため、第2可変入賞部112、第3可変入賞部113及び排出用可変入賞部114に対応する図柄変動が実行されたときには、必ず開放動作が実行される。したがって、第2可変入賞部112、第3可変入賞部113及び排出用可変入賞部114の開閉抽選のために保留エリア241に記憶される図柄変動の保留については、開放動作の保留と換言できる。
主回路20は、ROM22から読み出したプログラムをCPU21に実行させることにより、以下の(1)〜(5)の各手段としての機能を実現している。
(1)抽選手段:通常入賞部110等に玉が入賞した場合に所定の開閉抽選(当否抽選)を行う手段。抽選手段は、抽選用乱数を抽出することにより開閉抽選を実行する。なお、上記の通り、通常入賞部110に玉が入賞した場合の開閉抽選が大当たりの当否抽選となっている。
(2)入賞部制御手段:開閉抽選(当否抽選)で開放動作が当選した場合に、第1〜第3可変入賞部111〜113等のうちの対応する可変入賞部を閉鎖状態から開放状態に切り替える手段。
(3)通常特典付与手段:第1〜第3可変入賞部111〜113等に玉が入賞した場合に遊技者に特典を付与する手段。
(4)特別特典付与手段:特別入賞部17に玉が入賞した場合に、遊技者に特典を付与する手段。この特別特典付与手段が付与する特典は、上記のごとく第2可変入賞部112の開放動作の保留を1つ追加するという特典である。この特典が有効に付与されると、大当たり状態の発生中において第2可変入賞部112の開放状態の発生回数が多くなり、第2可変入賞部112への始動入賞に由来する第3可変入賞部113の開放状態の発生回数も多くなる。
(5)流下方向制御手段:特別スルー(玉通過部)12を玉が通過した場合に、第1〜第3可変入賞部111〜113がいずれも閉鎖状態であれば、排出用可変入賞部(入賞頻度切替部)114を前記入賞抑制状態にすることでその玉が特別入賞部17に入賞することを抑制する一方、第1〜第3可変入賞部111〜113のいずれかが開放状態であれば、排出用可変入賞部114を前記入賞許容状態にする手段。
以上のような構成のパチンコ遊技機1では、大当たり状態が発生していないときには遊技者側から見て表示装置19の左側の領域に玉を打ち込む左打が推奨される。通常入賞部110に玉が入賞すると、抽選用乱数が抽出されて大当たりの当否抽選(第1可変入賞部111の開閉抽選)が実行される。この当否抽選の結果は、液晶表示部190による30秒〜1分に亘る図柄変動を経て、停止表示された図柄の組み合わせにより報知される。大当たりに当選すると、例えば777や333などの大当たり図柄の停止表示により大当たりの当選が報知され、大当たり状態が開始される。
以下、このように大当たり状態を発生させるパチンコ遊技機1について、(A)特別入賞部17への玉の入賞を考慮しない基本的な大当たり状態の流れ、(B)特別入賞部17に玉が入賞したときの動作、の内容について説明する。
(A)基本的な大当たり状態の流れ
パチンコ遊技機1の遊技では、大当たり当選の報知と共に大当たり状態が開始され、まず第1可変入賞部111が開放動作により開放状態に切り替わる。第1〜第3可変入賞部111〜113が順次、開放状態に切り替わる大当たり状態では、遊技者側から見て表示装置19の右側の領域に向けて玉を打ち込む右打で遊技を行う必要がある。
開放状態の第1可変入賞部111に玉が入賞すると、通常特典付与手段としての主回路20により玉15個の払出という特典が遊技者に付与されると共に、第2可変入賞部112の開閉抽選のための抽選用乱数が抽出されて保留されるという特典が付与される。上記の通り、第2可変入賞部112の開閉抽選では、開放動作の確率が100%となっている。したがって、第1可変入賞部111に入賞した玉の個数分、第2可変入賞部112の開放動作が保留される。なお、この保留上限数は4つであり、最大4回の開放動作が保留される。
開放状態の第1可変入賞部111は、4個入賞あるいは30秒の経過に応じて閉鎖状態に切り替わる。右打により表示装置19の右側に玉を打ち込めば、最大入賞数である4個玉が入賞して第1可変入賞部111が閉鎖状態に切り替わる可能性が高い。多くの場合、第1可変入賞部111が閉鎖状態に切り替わるときには、第2可変入賞部112の開放動作が4回保留された状態となる。
第1可変入賞部111が閉鎖状態に切り替わった後、第2可変入賞部112の開放動作の保留が1個読み出されて消化され、第2可変入賞部112用の図柄表示部326AのLEDが点滅する図柄変動が開始される。一律約5秒に亘るこの図柄変動時間を経過すると、図柄表示部326AのLEDが点灯し第2可変入賞部112が開放動作により開放状態に切り替わる。
開放状態の第2可変入賞部112に玉が入賞すると、通常特典付与手段としての主回路20により玉10個の払出という特典が遊技者に付与されると共に、第3可変入賞部113の開閉抽選のための抽選用乱数が抽出されて保留されるという特典が付与される。上記の通り、第3可変入賞部113の開閉抽選では、開放動作の確率が100%となっている。したがって、第2可変入賞部112に入賞した玉の個数分、第3可変入賞部113の開放動作が保留される。なお、この保留上限数は4つであり、最大4回の開放動作が保留される。
開放状態の第2可変入賞部112は、4個入賞あるいは30秒の経過に応じて閉鎖状態に切り替わる。右打により表示装置19の右側に玉を打ち込めば、最大入賞数である4個玉が入賞して第2可変入賞部112が閉鎖状態に切り替わる可能性が高い。多くの場合、第2可変入賞部112が閉鎖状態に切り替わるときには、第3可変入賞部113の開放動作が4回保留された状態となる。
第2可変入賞部112が閉鎖状態に切り替わった後、第2可変入賞部112及び第3可変入賞部113の開放動作の保留がそれぞれ1個読み出されて消化され、第2、第3可変入賞部112、113用の図柄表示部326A・BのLEDが点滅する図柄変動がほぼ同時に開始される。
ここで、パチンコ遊技機1では、第2可変入賞部112の開閉抽選の結果を表す図柄表示部326Aの図柄変動時間が一律約5秒である一方、第3可変入賞部113の開閉抽選の結果を表す図柄表示部326Bの図柄変動時間は一律1秒となっている。また、第3可変入賞部113が開放状態のときは第2可変入賞部112用の図柄変動が中断され、図柄変動時間の経過時間のカウントから除外される。そのため、例えば第2可変入賞部112用の図柄変動が開始されてから終了するまでの実際の経過時間は、上記の一律約5秒よりも長い時間となる。
パチンコ遊技機1では、第2可変入賞部112用の図柄表示部326Aによる一律約5秒の図柄変動時間と、第3可変入賞部113用の図柄表示部326Bによる一律1秒の図柄変動時間と、の関係に基づき、可変入賞部が開放状態に切り替わる回数や順番が定まってくる。具体的には、第2可変入賞部112用の図柄表示部326Aによる一律約5秒の図柄変動が終了するまでの間に、第3可変入賞部113用の図柄表示部326Bによる一律1秒の図柄変動を4回実行できる関係になっている。つまり、第2可変入賞部112用の図柄変動の時間が、第3可変入賞部用の図柄変動の時間よりも長くなるように設定されている。それ故、第2可変入賞部112用の図柄表示部326Aによる一律約5秒の図柄変動中に、第3可変入賞部113の開放状態への切替が4回繰り返し実行される。
そのため、第2可変入賞部112の開放状態において最大4つ保留される第3可変入賞部113の開放動作は、第2可変入賞部112用の図柄表示部326Aによる次回の図柄変動中に全て消化可能である。したがって、パチンコ遊技機1の大当たり状態では、第2可変入賞部112の開放状態が終了した後、第3可変入賞部113の開放状態が4回繰り返し実行され、新たな第2可変入賞部112の開放状態が発生するという順番で可変入賞部が入れ替わり開放状態に切り替わる。以下、この流れについて説明する。
上記の通り第2可変入賞部112が開放状態から閉鎖状態に切り替わって図柄表示部326A・BのLEDが点滅する図柄変動がほぼ同時に開始された後、1秒経過すると、第3可変入賞部113の開閉抽選の結果を表す図柄表示部326Bの図柄変動が先に終了して点灯状態となる。これを契機として第3可変入賞部113が開放状態に切り替わると共に、第2可変入賞部112用の図柄表示部326Aの図柄変動が中断される。なお、このときの第2可変入賞部112用の図柄変動の経過時間は1秒となっている。
開放状態の第3可変入賞部113には、右打により表示装置19の右側に打ち込まれた玉が順次入賞できる。通常特典付与手段としての主回路20は、第3可変入賞部113に玉が入賞した場合に玉7個の払出という特典を遊技者に付与する。第3可変入賞部113は、7個入賞あるいは30秒の経過に応じて閉鎖状態に切り替わる。第3可変入賞部113が閉鎖状態に切り替わると、第3可変入賞部113の開放動作の保留が1個読み出されて消化され、第3可変入賞部113用の図柄表示部326Bで新たな図柄変動が開始されると共に、上記のように1秒経過の時点で中断された第2可変入賞部112用の図柄表示部326Aによる図柄変動が再開される。
その後、1秒経過すると、第3可変入賞部113の開閉抽選の結果を表す図柄表示部326Bの図柄変動が先に終了して点灯状態となり第3可変入賞部113が開放状態となる。このとき、第2可変入賞部112用の図柄表示部326Aの図柄変動が、第3可変入賞部113の開放状態への切替と共に再度、中断される。なお、このときの第2可変入賞部112用の図柄変動の経過時間は通算で2秒となる。
第3可変入賞部113の開放動作の保留を読み出して第3可変入賞部113が開放状態に切り替わるパターンが4回繰り返し発生すると、第3可変入賞部113の開放動作の保留が全て消化される。このとき、第2可変入賞部112用の図柄表示部326Aによる図柄変動の経過時間は通算で4秒に到達している。第3可変入賞部113の4回目の開放状態が終了した後、さらに1秒経過すれば、第2可変入賞部112用の図柄表示部326Aの図柄変動が終了して、第2可変入賞部112が開放状態に切り替わる。そして、この第2可変入賞部112の新たな開放状態では、第3可変入賞部113の開放動作が新たに最大4つ保留される。
その後、第2可変入賞部112が閉鎖状態に切り替わった後、第2可変入賞部112の開放動作のための次回の図柄変動の継続中に、第3可変入賞部113が最大4回開放状態に切り替わる。このように第2可変入賞部112の開放状態に続いて第3可変入賞部113が最大4回開放状態に切り替わるパターンは、第2可変入賞部112の開放動作の保留が消化されるまで最大4回、繰り返し実行される。そして、第2可変入賞部112及び第3可変入賞部113の開放動作の保留が全て消化されると、大当たり状態の終了となる。
本例のパチンコ遊技機1では、各可変入賞部用の図柄変動が並行して実行され、図柄変動が終了した図柄表示部に対応する可変入賞部が入れ替わり開放状態となる。このパチンコ遊技機1では、いずれかの可変入賞部が開放状態のとき、全ての図柄変動を中断させることで、いずれか2つ以上の可変入賞部が同時に開放状態にならないように構成されている。
以上のように、入賞部制御手段としての主回路20は、大当たりの当否抽選での当選に応じて第1可変入賞部111用の図柄変動を実行し、この図柄変動が終了すると第1可変入賞部111を閉鎖状態から開放状態に切り替える。また、第1可変入賞部111への玉の入賞に応じて第2可変入賞部112用の図柄変動を実行し、この図柄変動が終了すると第2可変入賞部112を閉鎖状態から開放状態に切り替える。さらに、第2可変入賞部112への玉の入賞に応じて第3可変入賞部113用の図柄変動を実行し、この図柄変動が終了すると第3可変入賞部113を閉鎖状態から開放状態に切り替える。
大当たりの報知の後、各可変入賞部の開放状態で最大入賞数を獲得できれば、開放状態の可変入賞部が、第1可変入賞部 → 第2可変入賞部(1回目) → 第3可変入賞部×4回 → 第2可変入賞部(2回目) → 第3可変入賞部×4回 → 第2可変入賞部(3回目) →第3可変入賞部×4回 → 第2可変入賞部(4回目) → 第3可変入賞部×4回、という順番で順次、入れ替わる。パチンコ遊技機1では、このように可変入賞部の開放状態が入れ替わり発生する一連の流れが大当たり状態となっている。
なお、第3可変入賞部113用の図柄変動は1秒であるので、第3可変入賞部113の開放動作が4回繰り返されるときの開放状態のインターバルは約1秒となる。また、第2可変入賞部112用の図柄変動は5秒であるので、第3可変入賞部113用の図柄変動が4回繰り返し実行された後の残りの図柄変動時間は約1秒となる。したがって、上記のごとく第3可変入賞部113の開放動作が4回繰り返された後、第2可変入賞部112用の図柄変動の終了に応じて開放状態に切り替わるまでの時間が約1秒となる。このように、大当たり状態下でいずれかの可変入賞部が閉鎖してから次の可変入賞部が開放するまでのインターバルは約1秒となっている。
ここで、上記のごとく、第1可変入賞部111の開放動作の上限保留数は4個となっている。そのため、第1可変入賞部111が開放状態から閉鎖状態に切り替わったときに第1可変入賞部111の開放動作の保留が1つ以上有れば、第2可変入賞部112の開放動作の保留の読み出しと同時に、第1可変入賞部111の開放動作の保留が読み出され、これにより、第2可変入賞部112用の図柄変動の開始の際、第1可変入賞部111用の図柄変動が同時に開始される。この第1可変入賞部111用の図柄変動は、第2可変入賞部112あるいは第3可変入賞部113が開放状態に切り替わる毎の中断を繰り返しながら、進行する。
上記の通り、第1可変入賞部111用の図柄変動時間(中断時間を除く)は最短30秒であり、第2可変入賞部112用の5秒の図柄変動4回分の時間よりも長くなっている。したがって、上記のように、第1可変入賞部111が開放状態から閉鎖状態に切り替わった後、第2可変入賞部112用の図柄変動と同時に開始した第1可変入賞部111用の図柄変動は、第2可変入賞部112の開放状態が4回繰り返した後、終了する。大当たり状態の発生中に開放状態の可変入賞部が順次、入れ替わる上記の順番において、第2可変入賞部112の4回目の開放状態が終了し、第3可変入賞部113が4回開放状態を繰り返した後、第1可変入賞部111用の図柄変動が終了する。
(B)特別入賞部に玉が入賞したときの動作
特別スルー12を玉が通過した場合、排出用可変入賞部114の開放動作のための図柄変動が実行される。この図柄変動時間としては、特別スルー12を通過した玉が排出用可変入賞部114に到達するまでの平均時間よりも短い時間である0.1秒が設定されている。上記の通り、排出用可変入賞部114の開閉抽選では、開放動作の確率が100%となっている。したがって、この0.1秒間の図柄変動が終了すれば、排出用可変入賞部114用の図柄表示部326Cが点灯して排出用可変入賞部114が2秒間に亘って開放状態に切り替わる。
排出用可変入賞部114の開放状態は、上記の通り、流入した玉がそのまま遊技領域130外に排出される前記排出状態である。この排出状態では、特別スルー12を通過した玉が排出用可変入賞部114に流入して排出されるため、特別入賞部17への玉の入賞が発生しにくい前記入賞抑制状態となる。
特別スルー12を通過した玉が排出用可変入賞部114に到達するよりも先に、この排出用可変入賞部114が排出状態となるか否かは発生中の遊技状態に応じて異なる。以下、特別スルー12を玉が通過したときの動作について、(B−1)通常状態の場合と、(B−2)大当たり状態の場合と、に分けて順番に説明する。
(B−1)通常状態の場合
通常状態の場合、第1〜第3可変入賞部111〜113がいずれも開放状態に切り替わっていないため、特別スルー12の玉通過に応じて排出用可変入賞部114用の図柄表示部326Cによる0.1秒の図柄変動が直ちに実行される。この図柄変動は、特別スルー12を通過した玉が排出用可変入賞部114に到達する前に終了し、これにより排出用可変入賞部114が排出状態(入賞抑制状態)に切り替わる。このため、特別スルー12を通過した玉は排出用可変入賞部114に流入して遊技領域130から排出され、特別入賞部17に玉が入賞できない。
つまり、流下方向制御手段としての主回路20は、第1〜第3可変入賞部111〜113がいずれも閉鎖状態である状況において特別スルー(玉通過部)12を玉が通過した場合、その玉が排出用可変入賞部(入賞頻度切替部)114に到達するまでの時間よりも短い時間が経過するまでに、排出用可変入賞部114を入賞許容状態から入賞抑制状態に切り替える。そのため、特別スルー12を通過した玉は、特別入賞部17に入賞できない。
(B−2)大当たり状態の場合
一方、大当たり状態において第1〜第3可変入賞部111〜113のいずれかが開放状態になっている場合、特別スルー12を玉が通過したとき、排出用可変入賞部114の開放動作のための図柄表示部326Cの図柄変動を直ちに開始できない。それ故、特別スルー12の通過玉が排出用可変入賞部14に到達するまでの間に排出用可変入賞部114用の図柄変動が終了せず、開放動作が実行されない。排出用可変入賞部114は、入賞抑制状態である排出状態に切り替わらず、特別入賞部17に玉が入賞可能な入賞許容状態に維持される。その後、特別スルー12を玉が通過したときに開放状態であった可変入賞部が閉鎖状態に切り替わり、第1〜第3可変入賞部111〜113が全て閉鎖状態となった後、排出用可変入賞部114用の図柄変動が開始される。この図柄変動は0.1秒であるため、直ちに終了し、これにより排出用可変入賞部114が排出状態となる。
上記の通り、大当たり状態下で第1〜第3可変入賞部111〜113のいずれかが開放状態の場合、特別スルー12を通過した玉は、入賞許容状態の排出用可変入賞部114に到達した後、遊技領域130から排出されることなく特別入賞部17側に流下できる。その玉が特別入賞部17に入賞すれば、入賞に応じて第2可変入賞部112の開放動作の保留が1個増加する。大当たり状態の発生中に第2可変入賞部112の開放動作の保留が1個増えれば、第2可変入賞部112の開放状態を契機として、第3可変入賞部113が最大4回開放状態に切り替わるパターンが1回追加して実行される。
つまり、特別入賞部17に玉が入賞する毎に、第2可変入賞部112の開放状態に続いて第3可変入賞部113が最大4回開放状態に切り替わるというパターンを1回ずつ追加でき、大当たり状態下の出玉数を上乗せで増加できる。このように特別特典付与手段としての主回路20は、特別入賞部17に玉が入賞した場合に、入賞部制御手段としての主回路20の制御により第2可変入賞部112が閉鎖状態から開放状態に切り替わるという特典を遊技者に付与する。
なお、大当たり状態の発生中であっても、第1〜第3可変入賞部111〜113が全て閉鎖状態で、図柄変動が実行されているタイミングがある。このようなタイミングで特別スルー12を玉が通過した場合には、直ちに0.1秒の排出用可変入賞部114用の図柄変動が開始される。この排出用可変入賞部114用の図柄変動が、他の可変入賞部用の図柄変動よりも先に終了すれば、排出用可変入賞部114が排出状態に切り替わる。この排出用可変入賞部114用の図柄変動は、特別スルー12を通過した玉が排出用可変入賞部114に到達するよりも前に終了する。そのため、特別スルー12の通過玉は、排出状態の排出用可変入賞部114に流入し、特別入賞部17には入賞できない。このように排出用可変入賞部114が排出状態のときは、他の可変入賞部111〜113用の図柄変動が中断された状態となる。そして、その図柄変動は排出用可変入賞部114が排出状態から入賞許容状態に切り替わったときに再開されることになる。
また、第2可変入賞部112の開放動作の保留上限数は4つとなっている。そのため、保留数が4つのときに特別入賞部17へ玉が入賞しても保留が追加されずキャンセルされ、上記の特別特典付与手段による特典の付与が行われない。つまり、第2可変入賞部112の開放動作の保留が上限の状態で特別入賞部17に玉が入賞した場合には、玉の払出1個が行われるのみになる。
以上のように、パチンコ遊技機1では、大当たり状態下で開放状態に切り替わる第1〜第3可変入賞部111〜113に加えて、玉通過部をなす特別スルー12、入賞頻度切替部をなす排出用可変入賞部114、及び特別入賞部17が玉の流下経路上に並べて設けられている。通常状態では、特別スルー12の玉通過に応じて排出用可変入賞部114が開放状態(排出状態、入賞抑制状態)に切り替わり、特別スルー12の通過玉がそのまま遊技領域130外に排出されるため特別入賞部17には入賞しない。一方、大当たり状態で第1〜第3可変入賞部111〜113のいずれかが開放していれば、特別スルー12を玉が通過しても排出用可変入賞部114の開放状態への切替が抑制され、特別スルー12を通過した玉が特別入賞部17に入賞し得る(入賞許容状態)。
つまり、パチンコ遊技機1によれば、大当たりの当否抽選に当選した場合には特別入賞部17に玉が入賞でき、当選していない場合に特別入賞部17に玉が入賞することを抑制できる。これにより、パチンコ遊技機1では、特別入賞部17への玉の入賞頻度を変化させることが可能になっている。この結果、常に特別入賞部17に玉が入賞する構成に比べて、特別入賞部17に玉が入賞した際に遊技者に付与する特典を大きくできる。
このように本例のパチンコ遊技機1は、特別入賞部17への玉の入賞頻度を変化させることで遊技の興趣が向上された優れた遊技性の遊技機である。
パチンコ遊技機1では、第1〜第3可変入賞部111〜113がいずれも閉鎖状態である状況において玉通過部をなす特別スルー12を玉が通過した場合、その玉が到達するまでに、入賞頻度切替部をなす排出用可変入賞部114が入賞抑制状態に切り替わる。そのため、特別スルー12を通過した玉が特別入賞部17に到達することを抑制できる。
また、パチンコ遊技機1は、可変入賞部として、第1可変入賞部111と、第2可変入賞部112と、第3可変入賞部113と、を備えている。このパチンコ遊技機1の遊技では、通常入賞部110への玉の入賞を契機とした大当たりの当否抽選に当選したときに第1可変入賞部111が閉鎖状態から開放状態に切り替わる。また、第1可変入賞部111に玉が入賞したときに第2可変入賞部112が閉鎖状態から開放状態に切り替わり、第2可変入賞部112に玉が入賞したときに第3可変入賞部113が閉鎖状態から開放状態に切り替わる。パチンコ遊技機1では、このような構成を採用することで、大当たり状態の発生中に、第1可変入賞部111、第2可変入賞部112、第3可変入賞部113が順次、開放状態に切り替わるという連続性があって変化に富む遊技性が実現されている。
このパチンコ遊技機1では、特別入賞部17に玉が入賞すると第2可変入賞部112が開放状態となり、第2可変入賞部112に玉を入賞できる。そして、第2可変入賞部112に玉を入賞させることで、その後、第3可変入賞部113を開放状態に切り替えできる。このように、パチンコ遊技機1では、特別入賞部17への玉の入賞に応じて、第3可変入賞部113等に入賞する玉数を増やすことができる。特別入賞部17に玉を入賞できれば大当たりの当否抽選に当選した後に付与される特典が多くなるため、パチンコ遊技機1の遊技では、大当たり状態の発生中に特別入賞部17に玉が入賞するか否かに対する遊技者の注目度が高くなっている。
本例の構成に代えて、あるいは加えて以下のような構成を採用することも良い。また、以下の各構成を適宜組み合わせて採用することも良い。
例示した遊技機とは異なる遊技機に適用しても良い。例えば、玉が封入されており、得点を消費して玉を発射する封入式パチンコ遊技機や、大当たり状態が終了した後に大当たり当選になる確率が高くなる高確率状態が発生するパチンコ遊技機に適用しても良い。
また、当選確率や、各入賞部に玉が入賞した場合に払い出す玉の数、各入賞部の閉鎖条件(閉鎖状態への切替までの時間や閉鎖状態への切替までの玉の入賞個数)を適宜変更しても良い。また、可変入賞部に玉が入賞した場合の特典として、玉の払出を例示しているが、抽選の実行や遊技者に有利な特別遊技状態の発生等、特典の内容を変更することも可能である。
各入賞部の位置を適宜変更しても良い。例えば、大当たり状態においても玉が左側の遊技領域130を流下するように遊技を行う配置にしても良い。具体的には、第1〜第3可変入賞部111〜113や、特別スルー12や排出用可変入賞部114を通常状態と同じ流下経路で玉が到達可能な配置にしても良い。また、可変入賞部として第1〜第3可変入賞部111〜113を設ける構成を例示したが、可変入賞部の数を1個、2個、又は4個以上にしても良い。
開放状態と閉鎖状態との態様を変更しても良い。例えば開放状態においては、玉が乗ることが可能な誘導体が後方から遊技領域130に向かって突出し、その突出した誘導体に乗った玉が入賞するように誘導する構成等が考えられる。
また、玉通過部として特別スルー12を例示したが、玉通過部の構成を任意に変更しても良く、例えば排出用可変入賞部114の上流に設けた所定の領域を玉通過部とする構成が考えられる。例示したパチンコ遊技機1では、末広がりの傘状に釘が配置された障害釘群120のうち、最上段の2本の釘の隙間の真上に玉通過部の一例をなす特別スルー12を配置している。特別スルー12を廃止し、障害釘群120の最上段の2本の釘の隙間に玉を検知するセンサを設けることも良い。この場合には、所定の領域の一例をなすこの釘間の隙間が玉通過部となる。
入賞頻度切替部として、本例では排出用可変入賞部114を例示したが、かかる構成に限定されない。例えば磁力や風力によって玉の流下方向を切り替えることで、特別入賞部17への玉の入賞を許容する入賞許容状態と入賞を抑制する入賞抑制状態とに切り替える構成等が考えられる。つまり、入賞頻度切替部としては、玉が入賞可能であり入賞した玉を遊技領域130から排出する構成である排出用可変入賞部114に代えてあるいは加えて、到達した玉を特別入賞部17とは異なる方向に流下させて入賞抑制状態に切り替わる構成であっても良い。また、入賞抑制状態において完全に玉が特別入賞部17に入賞できなくする必要はなく、入賞許容状態よりも玉が入賞しにくい構成であれば良い。
なお、パチンコ遊技機1では、第1〜第3可変入賞部111〜113のいずれかが開放状態であれば、特別スルー12を玉が通過したとき、流下方向制御手段としての主回路20が排出用可変入賞部114を入賞許容状態にする。本例では、「入賞許容状態にする」構成として、第1〜第3可変入賞部111〜113のいずれかが開放状態の場合、特別スルー12への玉の通過に応じた排出用可変入賞部114用の図柄変動の開始を遅らせることで排出状態(入賞抑制状態)に切り替えるタイミングを遅延させる構成を例示している。この構成に限定されず、「入賞許容状態にする」構成としては、例えば、第1〜第3可変入賞部111〜113のいずれかが開放状態のときに特別スルー12を玉が通過しても排出用可変入賞部114の開放動作を保留せずに入賞許容状態を維持する構成であっても良い。
本例では、特別スルー12の通過玉が発生したときに第1〜第3可変入賞部111〜113が閉鎖状態であれば、排出用可変入賞部114を開放状態(入賞抑制状態)に切り替えることで通過玉が特別入賞部17に入賞することを抑制する構成を例示している。この構成に限定されず、例えば、特別スルー12を玉が通過していない状態では排出用可変入賞部114が開放状態であり、特別スルー12を玉が通過した場合に第1〜第3可変入賞部111〜113のいずれかが開放状態であれば、排出用可変入賞部114が閉鎖状態に切り替わる構成等が考えられる。この構成においては、第1〜第3可変入賞部111〜113が閉鎖状態のときに特別スルー12を玉が通過した場合、排出用可変入賞部114が開放状態を維持することになる。つまり「入賞抑制状態にする」ための態様には、入賞許容状態から入賞抑制状態に切り替える態様だけでなく、入賞抑制状態をそのまま維持する態様が含まれている。
第1〜第3可変入賞部111〜113に玉が入賞するように右打で遊技を行っている場合、通常入賞部110に玉が入賞する可能性が低くなり、第1可変入賞部111を開放状態にするか否かの抽選が行われにくい構成を例示したが、この構成に限定されるものではない。例えば、大当たり状態において遊技を行っている場合に、玉が入賞可能な通常入賞部110とは別に入賞部を設け、この入賞部に玉が入賞した場合に、第1可変入賞部111を開放状態にするか否かの抽選を実行する構成を採用しても良い。この構成を採用したとき、少なくとも通常状態においては、通常入賞部110よりも別に設けた入賞部の方が玉が入賞しにくいか、あるいは抽選に当選しにくい構成を採用すると良い。
通常状態と大当たり状態とで、玉の流下方向を変化させた方が遊技者に有利な構成を例示したが、通常状態と大当たり状態とで玉の流下方向を変化させなくとも、遊技者に有利度合が変わらない、又はさほど変わらない構成にしても良い。
特別入賞部17に玉が入賞した場合、特典として第2可変入賞部112の開放動作の保留を1個追加する構成にしたが、特別入賞部17に玉が入賞した場合の特典を変更しても良い。例えば、特別入賞部17に玉が入賞した場合、第1可変入賞部111を開放させるか否かの抽選を実行する構成(つまり、第1可変入賞部111の開閉抽選の保留を追加する構成)や、第1可変入賞部111を開放させる構成(例えば、特別入賞部17に玉が入賞すると100%抽選に当選する構成や、抽選を行うことなく第1可変入賞部111を開放させる構成)等が考えられる。また、特別入賞部17に玉が入賞した場合に特別特典付与手段である主回路20が付与する特典として、入賞部制御手段としての主回路20の制御により第3可変入賞部113が閉鎖状態から開放状態に切り替わるという特典を設定しても良い。この場合には、特別入賞部17に玉が入賞したときに第3可変入賞部113の開放動作の保留を追加できる。さらに、特別入賞部17に玉が入賞した場合、玉の払出を実行するのみの構成を採用しても良い。いずれの場合であっても、大当たり状態において特別入賞部17に玉が入賞することで遊技者の有利度が高くなり、特典を付与していることに該当する。
排出用可変入賞部114と特別入賞部17との間に、玉の流下方向を切り替える役物を設けても良い。例えばこのような役物としては、内部に入った玉の流下方向を切り替えると共に、2個など複数の玉が同時に内部に到達した場合には特別入賞部17側に玉を流下し易くする一方、1個の玉のみ内部に到達した場合には特別入賞部17とは異なる方向に玉を流下し易くする構成等が考えられる。この構成を採用すれば、通常状態において排出用可変入賞部114に玉が流入しない状況が偶発的に発生し、特別入賞部17に向けてその玉が流下してしまった場合であっても、その玉が特別入賞部17へ入賞する可能性を抑制できる。つまり、入賞頻度切替部と特別入賞部17との間の釘や役物の配置に応じて特別入賞部17への入賞率を適宜変更することも良い。
複数の玉が同時に内部に到達した場合に特別入賞部17に玉が流下し易い構成としては、例えば、玉を1つのみ貯留できる第1貯留部と第2貯留部とを外周に設けた回転円板を利用する構成がある。第1貯留部は、特別入賞部17に玉を流下させる貯留部であり、第2貯留部は、特別入賞部17に玉を流下させない貯留部である。この回転円板では、貯留部が所定の回転位置に到達する毎に玉を1つずつ貯留部に受け取ることができる。2つの玉がこの回転円板に同時に到達したときには、第1及び第2の貯留部の一方が所定の回転位置に到達したときに1つ目の玉を貯留でき、その後、回転円板がさらに回転して他方の貯留部が所定の回転位置に到達すると2つ目の玉を貯留できる。したがって、2つ以上の玉が回転円板に到達すれば、特別入賞部17に玉を流下させる第1貯留部に必ず玉が貯留されることになり、特別入賞部17への玉の流下が発生し易くなる。なお、3つ以上の玉が回転円板に到達した場合には、玉2つが第1及び第2の貯留部に貯留された後で回転円板から排出されていずれかの貯留部に空きができ、その空きの貯留部が所定の回転位置に来るまで3つ目以降の玉が待機することになる。
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更、あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。