JP2018536846A - バイオマーカ信号を個人化するための方法およびこれを使用した医療処置 - Google Patents

バイオマーカ信号を個人化するための方法およびこれを使用した医療処置 Download PDF

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Abstract

本発明は、被験者または被験者のグループにおけるバイオマーカデータからの信号の検出を増強する方法に関する。

Description

本発明は、概して、バイオマーカ信号を個人化するための方法、およびこれを使用した医療処置に関する。より具体的には、本発明は、被験者または被験者のグループにおけるバイオマーカデータからの信号の検出を増強する方法に関する。
生物学的マーカは、疾患を特徴付け、これに作用するために、医療においてますます使用されている。これらは、疾患の診断、予後診断および治療において決断を下す手助けとして医師が使用することのできる実験室検体のような、体液または組織のような生体サンプルにて測定される分子をしばしば表す。
バイオマーカの性能は、主として、(1)その感度および(2)その特異度により特徴付けられる。診断バイオマーカに対し、感度は、患者が本当に疾患を有する場合にこの疾患を検出するその能力に対応する。診断バイオマーカに対し、特異度は、被験者が疾患を有さず、且つ偽陽性を与えること無く、正しく決定するその能力に対応する。ある疾患の罹患率が既知である場合または推定され得る場合、陽性適中率(PPV)および陰性適中率(NPV)が、ベイズ定理を使用してバイオマーカの性能を表現するための他の関連した統計情報を表す。バイオマーカが、臨床実験室によって生体試料中で測定された定量的な値である場合、基準範囲がしばしば使用されて、これらの基準範囲外にある値を有する健康状態を疾患の指標として特徴付ける。基準範囲は、通常、健康な被験者の95%を含む区間によって表される。その場合、このバイオマーカの特異度は、意図的に95%に等しく、これは、定義により約5%の健康な被験者が基準区間から外れる観察結果を有することを意味する。
階層化は、母集団のサブグループに対する基準範囲の導出を可能にする方法である。例えば、性別に従った階層化は、異種因子"性別"を考慮に入れて、男性に対するものと女性に対するものとで、異なる95%基準範囲を導出する。例えば、女性のヘモグロビンは、16g/L男性よりも少ないことが知られている。従って、女性に対する基準範囲は、通常、男性に対するものよりも16g/L小さい。
階層化は、母集団から分集団へ移ることを可能にする単純な方法である。サブグループ基準範囲の導出は、バイオマーカの個人適合化における第1の段階を表す。統計的観点から、階層化は被験者間生物学的変動の除去を可能にする。
遺伝学およびゲノミクスの両方における最近の進歩は、単一の個人に対する遺伝子情報およびゲノム情報へのアクセスを容易にしてきた。この情報は、バイオマーカ信号を個人化するためにもまた使用され得る。遺伝子とタンパク質または代謝産物のような生体分子との間の生物学的経路が知られている場合、および、後者のタンパク質および代謝産物がバイオマーカとして使用される場合、遺伝子および/またはその転写についての情報が、この遺伝子および/または転写を示す被験者のグループに特異的な基準範囲を導出するために使用され得る。統計的観点から、表現型バイオマーカ信号を階層化すべく遺伝子型についての情報を使用することは、被験者間変動を除去するための別の方法を表す。この方法は、具体的に、タンパク質コード遺伝子の存在に依存することが知られている表現型生体分子にとって、例えば、フェーズIおよびII代謝および排泄に関連付けられる代謝産物の全てのファミリにとって興味深い。実際、遺伝子特異的または転写特異的な基準範囲は、単一の個人の遺伝子型またはゲノムに従って定義され得る。個人化医療が遺伝子型および/または表現型の差異に従った適切な治療の選択を可能にするのと同様に、同じ情報が、バイオマーカ信号を個人化し、その一般的な性能を改善するために使用され得る。
被験者間変動を除去し、その結果、真の個人基準範囲を導出するための究極の方法は、一連のベースライン値が単一の個人に対して測定される長期的な手法である。疾患のバイオマーカの場合、被験者が健康状態にある場合に得られたベースライン値が個人基準として使用され得る。言い換えると、被験者が自分自身の基準として使用され、年齢および性別、並びに任意の遺伝特性のようなあらゆる異種因子がベースライン値を通じて本質的に明示される。例えば、基準変化値(RCV)と呼ばれるこの方法は、全てが変動係数(CV)として与えられる、被験者内および被験者間の生物学的変動並びに解析的不確定要素についての何らかの予備的知見を使用して、ある個人からの一連の結果における差の有意性を評価する。RCVはクリニックにおいてますます使用されている方法であるものの、これは、平均値の百分率で与えられるCVによって根底にある変動の原因が良好に表されなくてはならないということのような、多くの一般的なバイオマーカにとって論証できない、いくつかの仮定を立てている。
本明細書に提示される方法は、階層化、遺伝子情報およびゲノム情報に基づく個人化、および、上述のような単一の個人において測定された一連の値に基づく個人化の全ての方法を組み合わせること、従って、一般化することにおける、バイオマーカ信号の真の個人化を可能にする。この方法は、(1)定性的である、例えば、生体液または組織中の生体分子の有無、(2)離散的である、例えば、X線診断により得られた医用画像において得られる情報を集約するいくつかの離散的な値を取り得るバイオマーカ、または、(3)生体液または組織中で測定された実験室値の結果として連続的であるということに関わらず、あらゆるバイオマーカ値に対して適用され得る。
興味深いことに、本発明のこの方法は、異種因子、生物学的経路、個人の遺伝子情報またはゲノム情報、および/または、以前の個人バイオマーカ値に関する完全な知見を必要としない。この方法は、被験者についての部分的な知見および情報によって最善の決断を下す。最後に、生物学的経路または代謝経路に関連付けられることが知られている表現型バイオマーカに対しては、ある個人について、特に表現型バイオマーカのいくつかの観察結果がこの個人に対して得られるや否や、遺伝子型またはゲノムについての情報は必要とされなくなる。後者が可能となるのは、個人遺伝子型または個人ゲノムが、結果から原因(通常の、原因から結果ではなく)の関係に従う表現型バイオマーカ値から、ベイズ推論を使用して推論され得るからである。臨床実験室において日常的に測定される最も一般的なバイオマーカが表現型バイオマーカであるので、表現型からの遺伝的推論のこの特性は、特に興味深い。
ベイジアンネットワークの地理的表現である。Mは平均、SDは標準偏差、Bはバイオマーカ、GTは遺伝子型、Gは性別、Aは年齢を表す。 55歳の男性患者に対するヘモグロビン濃度の個人化された基準範囲を示す。実線は99%基準範囲を表す。破線は実際の結果を表す。 33人の健康な被験者に対してCO−再呼吸法により測定されたヘモグロビン質量との間の関係を体重の関数として示す。これらの点は、6ヶ月の期間にわたって測定された9つの値の平均を表し、バーは標準偏差を表す(X軸は体重、Y軸はヘモグロビン質量)。線形回帰:Hb質量[g]=11×体重[kg]+50、R2=0.61。 測定された血漿量の変化対血漿量のマーカの変化を表す(R2=0.75)。 挿入図Aは、8つのバイオマーカにおける個人変動から推定される、血漿量に関連付けられたZスコアを示す。次に、本明細書にて示される方法を使用して推定された血漿量シフトのZスコア(実線)を、血漿量シフトの測定から計算されたZスコア(破線)と比較した。挿入図Bは、血漿量シフトにおいて推定されたそれぞれと関連付けられた信頼水準を示す。挿入図Cは、ヘモグロビンの値(実線)を示す。破線は、この方法によって得られたが、血漿量に対する補正は行われていない個人基準区間の上限および下限を示す。点線は、この方法によって得られ、血漿量に対する補正が成されている個人基準区間の上限および下限を示す。
本発明は、被験者または被験者のグループにおけるバイオマーカデータからの信号の検出を増強する方法に関する。この方法は、
i)被験者または被験者のグループから、1または複数のマーカMのゼロ、1または複数の値を測定する段階と、
ii)段階i)における1または複数のマーカに対して測定されたゼロ、1または複数の値にアダプティブベイジアンモデルを適用し、被験者または被験者のグループにおける各マーカMに対する期待値の個人分布を導出する段階と、
iii)個人分布から、各マーカMに対する所与の特異度水準についてのいくつかの個人基準Zスコアおよび個人基準範囲を導出する段階と、
iv)被験者または被験者のグループにおける1または複数のマーカMに対して、1または複数の追加の値を測定する段階と、
v)1または複数の測定値を、1または複数の個人基準Zスコアおよび個人基準範囲と比較する段階と
を備え、
1または複数の個人基準Zスコアおよび範囲からの1または複数の測定値の偏差は、被験者または被験者のグループにおける生物学的または生理的な状態または変動を示す。
被験者の血漿量変動を決定する方法もまた提供される。この方法は、
i)被験者から得られた全血サンプルおよび/または血清サンプルにおける1または複数のマーカMの値を測定する段階であって、1または複数のマーカは、ヘモグロビン濃度(HbC)、トランスフェリン、クレアチニン、血小板、低比重リポタンパク(LDL)、アルブミン、総タンパク、カルシウム、コレステロール、トリグリセリド、チロキシン、白血球、血小板クリット(PCT)、好中球、および単球を含む群から選択される、測定する段階と、
ii)段階i)における1または複数のマーカに対して測定された値にアダプティブベイジアンモデルを適用し、各マーカMに対する個人Zスコアを導出する段階と、
iii)各マーカMに対する個人Zスコアから、血漿量に関連付けられたZスコアを導出する段階と、
iv)血漿量に関連付けられたZスコアを、1または複数の予め選択された基準Zスコアと比較する段階と
を備え、
1または複数の予め選択された基準Zスコアに対するZスコアの偏差は、血漿量変動を示す。
本発明の方法は、被験者または被験者のグループにおけるバイオマーカデータからの信号の検出を増強する方法に関する。この方法は、
i)被験者または被験者のグループから、1または複数のマーカMのゼロ、1または複数の値を測定する段階と、
ii)段階i)における1または複数のマーカに対して測定されたゼロ、1または複数の値にアダプティブベイジアンモデルを適用し、被験者または被験者のグループにおける各マーカMに対する期待値の個人分布を導出する段階と、
iii)個人分布から、各マーカMに対する所与の特異度水準についてのいくつかの個人基準Zスコアおよび個人基準範囲を導出する段階と、
iv)被験者または被験者のグループにおける1または複数のマーカMに対して、1または複数の追加の値を測定する段階と、
v)1または複数の測定値を、1または複数の個人基準Zスコアおよび個人基準範囲と比較する段階と
を備え、
1または複数の個人基準Zスコアおよび範囲からの1または複数の測定値の偏差は、被験者または被験者のグループにおける生物学的または生理的な状態または変動を示す。
この方法は、ベイズ統計学に依拠するものであり、所与の被験者に対する新たな情報が利用可能な場合に、ベイズ推論手法を使用して適応する。この方法は、包括的であり、あらゆる種類のバイオマーカデータをモデル化するために、そしてその結果、ある個人、複数の被験者のグループ、または、母集団に対して決断を下すために適用され得る。
この方法は、所与のバイオマーカに関連付けられる変動をモデル化するノードの2つの必須な層を含むベイジアンネットワークとみなされ得る。任意選択層が追加され得る。この変動は、生物学的および解析的なもののような、あらゆる発生源によるものであり得る。これらの変動並びにこれらの変動に関連付けられるハイパーパラメータをモデル化する確率分布関数が、それぞれのノードに関連付けられる。その最も単純な形態において、ベイジアンネットワークは、3つのノードから成る。すなわち、単一の被験者におけるバイオマーカの値を表すノードB、並びに、それぞれが個人平均Mおよびこれらの値の個人標準偏差(SD)を表す2つのノードである。そのようなネットワークは、これらのバイオマーカ値が目的の集団内で正規分布することを仮定している。グラフ表現が図1のAに示される。ノードSDに関連付けられた確率分布関数が固有値に縮退する場合、共通の被験者内変動がさらに仮定され得る。反対に、SDに関連付けられた非縮退分布は、全ての被験者が被験者内変動を示してよいことを仮定する。Mに関連付けられる確率分布は正規であることもまた仮定され得る。その場合、その標準偏差は被験者間変動をモデル化する。
所与の集団において、所与のバイオマーカの変動中に存在する知見が与えられると、あらゆる種類の分布が仮定され得る。分布がパラメトリックである場合、第2の層はこの分布のパラメータをモデル化する。例えば、被験者内および被験者間変動が、バイオマーカの大パネルに対する生物学的変動の以下のデータベース(https://www.westgard.com/biodatabase1.htmを参照のこと)に与えられるもののようなCVとして与えられる場合、CVは定義によりSD/Mに等しいので、追加ノード「CV」が、ノードMおよびSDへリンクしてネットワークに追加され得る。代替的に、被験者内および被験者間変動のいずれか、または両方のログ正規性が仮定され得る。
この方法は十分に一般的であるので、所与のバイオマーカに関連付けられた解析的および生物学的変動を解きほぐすことのモデル化を可能にする。例えば、生物学的な被験者内変動が正規分布によって良く表されることが既知である一方で、解析的不確定要素が全誤差を表すCVとして与えられる場合または試験−再試験実験から推定される場合、バイオマーカ値の測定に関連付けられた解析的不確定要素は生物学的変動の上にあるので、第1の層が生物学的変動をモデル化し、第2の層が解析的不確定要素をモデル化する。言い換えると、これらの方法は、誤差のモデル化においてしばしば成される限定的仮定である平均値に関連付けられる解析的不確定要素だけでなく、あるバイオマーカの真値が生物学的自然変動に起因して平均とは異なる場合の解析的不確定要素の影響もまたモデル化することができる。
図1のBに示されるように、バイオマーカ値に対する異種因子の影響をモデル化すべく、その他の任意選択ノードが、最上層に追加され得る。その例として、性別、年齢、民族性、および体重を含む。例えば、遺伝学的多様性が所与の生体化合物の代謝に影響を及ぼすことが知られている場合、このモデル化は、あるバイオマーカに関連付けられた生物学的経路に存在する知見もまた統合し得る。言い換えると、ベイジアンネットワークは、所与の遺伝子型とその対応する表現型との間に存在する関連性をモデル化することができる。例えば、疾患のバイオマーカとして使用される多くの生体化合物のフェーズIIでの代謝は、スルファターゼおよびグルクロニダーゼのようないくつかの酵素の活性に強く依存することが知られている。そのバイオマーカの値に対するそれらの影響が定性的および定量的の両方でモデル化され得るや否や、これらの酵素に関連付けられたあらゆる遺伝学的多様性が、このネットワークに含まれ得る。例えば、尿中で測定されたステロイドホルモンの濃度は、UGT2B17およびUGT2B7のような遺伝子の挿入または欠失に依存する。特に、テストステロンの主代謝産物であるテストステロングルクロニドの濃度は、単一欠失を示す被験者または欠失を全く示さない被験者においてよりも、UGT2B17に二重欠失を示す被験者において約10倍低い。その例において、Mに関連付けられた確率分布関数は、二分されたノードUGT2B17に依存するようにでき、UGT2B17は「欠失」または「挿入」のいずれかであり、UGT2B17が「挿入」である場合に、「欠失」である場合よりも分布の平均値は10倍である。
一態様において、このモデル化は、単一の個人に対する所与のバイオマーカの期待値を、そのバイオマーカに対する異種因子の影響に関する予備的知見、並びに、そのバイオマーカに関連付けられた様々な種類の変動に関する予備的知見に基づいて予測するために使用され得る。個人に関するあらゆる情報が、次に、ネットワークにおける、および標準的なベイズ推論手法を使用して更新された全確率分布関数における証拠として追加され得る。例えば、その個人が男性であることが既知である場合、母集団から男性集団へと変化する分布関数によって階層化が実行され得る。同様に、バイオマーカのあらゆる測定値が、ベイジアンネットワークにおける証拠として追加され得る。
本発明の別の態様は、単一の個人におけるバイオマーカ値を、その個人に関する利用可能な情報を最大限に活用する基準範囲の導出によって長期的にフォローアップすることより成る。健康な被験者の集団に対する確率分布が与えられる場合、そのバイオマーカの所与の特異度を仮定して基準範囲が得られる。例えば、従来の基準範囲は、正常の健康な被験者の95%がこの区間内に収まる値を有するものと仮定する。例えば、このバイオマーカが診断であり、且つ問題であると知られている過剰診断である場合、99%または99.9%のような、より高い特異度水準が選択され得る。この柔軟性によって、この方法は、過剰診断に対処するのに特に適したものとなる。確率分布は、バイオマーカ値の測定前にそれらが与えられるという意味で予報的である。例えば、実験室試験の一部として新たな観察結果が得られた場合、測定値が特定の区間内に収まるかどうかがチェックされ得る。健康な被験者の集団に対して確率分布が与えられる場合、この区間から外れるあらゆる値は、正常な生理的状態の結果と一致しない。疾患のバイオマーカに対し、この情報は、疾患の診断、予後診断および治療における改善された決断を下すために、医師によって使用され得る。
次に、測定値は、ベイジアンネットワークにおける確かな証拠として入れられ得る。この新たな証拠により、ベイズ推論を使用して事前分布が事後分布へと移り、その結果、次の試験に対して使用され得る新たな基準区間を発生させる。そのプロセスの間、いくつかの被験者間変動が除去され、事後分布は、個人に対してより特異的になり、集団に対してはより特異的でなくなる。第1の試験に対し、初期基準範囲は集団基準範囲である。ベイジアンネットワーク中の異種因子の包含は、必然的に、階層化された基準範囲をもたらす。同じ個人に対して測定された値が確かな証拠として順々に追加されるや否や、集団基準範囲は、適応的に個人基準範囲へと移る。図2は、5度にわたって試験を受けた、55歳の男性被験者に対するヘモグロビン濃度(Hgb)の例を示す。すなわち、Hgb=[137 142 139 137 127]である。最後の値は、この年齢の男性に対して定義される基準範囲内には残っているものの、この被験者の基準区間の小さい方の値よりも小さく、従って、99%もの高い特異度に対しては、この被験者にとって変則的に小さい。この例は、この方法が、従来の基準範囲の使用と比較して、感度および特異度の両方における改善を可能にすることを示している。特に、バイオマーカの個人基準範囲の導出によって、被験者間生物学的変動よりも著しく小さな被験者内生物学的変動を示すバイオマーカにより生体信号を検出するための劇的な改善をすることができる。
例えば、血清中クレアチニンが最も一般に使用される腎機能障害のバイオマーカであるにも関わらず、母集団に基づく基準範囲から血清中クレアチニンが外れるよりも前に、完全な腎機能の60%までが失われ得る。血清中クレアチニンは、被験者内変動よりも著しく大きい被験者間変動を示す(被験者内CVi=5.95、被験者間CVg=14.7)。これは、性別、年齢、および筋肉量による大きな異種性によって説明される。この方法の適用は、腎機能障害に関連付けられる信号の検出を著しく改善する個人基準範囲の導出により、血清中クレアチニンデータの個人化を可能にする。例えば、ステージ2または3の慢性腎疾患を有する50人の患者の集団において、糸球体ろ過率およびクリアランス率の直接的測定から得られるような、腎機能の[10−50]%の損失は、血清中クレアチニンの従来の基準範囲(性別に従って階層化された基準範囲、すなわち、女性に対しては[45−90]umol/L、男性に対しては[60−110]umol/L)を使用すると7人の患者だけに検出され、これに対し、性別、年齢、1つの健康なベースライン、および99%の特異度に関する知見によってベイジアンネットワークを使用すると、この損失は38人の患者において検出される。この方法の改善された感度は、腎機能障害の早期発見に対して特に興味深い。腎機能障害がより早く診断および治療されることにより、残りの健康なネフロンを保ち、その後に透析が必要となることを防ぐ可能性がより大きくなるので、早期発見は重要である。
別の態様において、この方法は、例えば、肝疾患および、より具体的には肝線維症を診断およびモニタリングするための肝臓のバイオマーカに適用される。非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)は、脂肪肝の原因の1つであり、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)へと進行しかねない。現在の主な肝機能のバイオマーカ、すなわち、ALT、AST、ALT/AST、Fib−4、ビリルビン、GGTは、全て、被験者内変動よりも著しく大きい被験者間生物学的変動を示す。これは、肝疾患の指標としてのそれらの使用を複雑にする。実際、標準的な肝臓パネルにおける小さいが重要な変化は、それらが母集団に基づく基準区間内で頻繁に観察されるので、検出が難しい。肝臓に関連付けられる症状は何も無いものの、高脂血症および高血圧を示すのでNASHを発症するリスクが高いと考えられる42歳の男性被験者が、8年の期間に9度ASTに対する試験を受け、その値は17、13、17、16、20、22、18、24、28U/Lであった。ASTに対し、母集団に基づく基準範囲は、男性の場合は[8−40]U/Lである。つまり、この患者が、基準範囲外の値は決して何も示さなかったことを意味する。この方法の適用は、母集団に基づく基準範囲に近い、[10−38]U/Lという初期の階層化された基準範囲をもたらす。4度の試験後、ベイジアンネットワークにより得られるような個人化された基準区間は、99%の特異度に対して[9−25]U/Lである。最後から2番目の観察結果は24U/Lであり、個人基準範囲の上限に非常に近かった。これに対し、最後の値は28U/Lであり、個人基準範囲の上限値よりも著しく大きかった。この最後の値は通常の基準範囲よりも著しく低いものであったが、この方法の適用は、この結果が、99%の特異度に対する正常な生理的状態の結果ではあり得ないことを示している。この情報は、肝生検のような追加の分析を実行するために、医師によって使用され得る。
疾患のバイオマーカの大多数は、被験者間生物学的変動よりも小さな被験者内生物学的変動を示す。例えば、血中にて測定されたバイオマーカの90%まで、データベースhttps://www.westgard.com/biodatabase1.htmに列挙される血清および血漿が、被験者間生物学的変動よりも小さな被験者内生物学的変動を示す。これによって、本明細書に記載される方法により導出されるような個人基準範囲の使用は、大抵の疾患のバイオマーカに対して、生体信号の検出のための従来の基準範囲の使用よりも著しい改善をもたらす。被験者間変動よりも小さな被験者内変動は、この方法を適用するためにバイオマーカに必要な特性というわけではないことに留意すべきである。この方法は、無視できない被験者間変動を示す全てのバイオマーカに対する信号を改善する。しかしながら、この方法によって達成され得る改善は、調査されるバイオマーカの被験者間変動と被験者内変動との間の比に関連付けられる。
本発明の別の態様は、臨床試験において、生体信号の改善された検出を提供する。バイオマーカは、臨床試験において複数の機能を有する。すなわち、従来の疾患の指標に加えて、バイオマーカは、治療の安全性および有効性のマーカのような、薬物治療に対する反応の指標としてもまた使用される。バイオマーカは、対応する薬物の効果的な使用に関する情報を提供するためのコンパニオン診断になることもまたできる。
非常に大多数の臨床試験が、登録するため、並びに薬物治療前、薬物治療の間、および薬物治療後に収集されるバイオマーカの組を用いて試験の進行する過程で収集される情報を使用する。例えば、ある被験者が、一組のバイオマーカに対して与えられる仕様に基づいて、ある試験にしばしば登録される。スクリーニングプロセスの間に得られるバイオマーカ値は、次に、しばしば個人のベースライン値としてこの試験にて使用される。このベースライン値に対し、患者が治療されている場合に測定される同じバイオマーカの新たな組が突き合せられ得る。
このフレームワークにより、この方法は、臨床試験における生体信号の検出を改善するために特に適したものと成る。
第1に、この方法は、試験の間に得られたバイオマーカデータを評価して、投与依存試験において投与量を減少させることのように、薬剤誘発性信号およびそれに対する作用の早期発見を改善するために使用され得る。例えば、この方法は、初期段階の試験の欠陥の2つの重要な原因を表す、肝機能および腎機能に対する安全性についての潜在的な懸念を検出するために、初期段階の試験において使用され得る。フェーズIにおいて薬剤誘発性の安全性信号を見逃すことは、より多くの登録された患者によって薬物効果の検出が容易になる後のフェーズにおいて、重要な費用につながりかねない。初期段階においては検出されないが、後の段階で検出される安全性信号は、臨床試験欠陥の重要な理由である。
第2に、この方法は、与えられた目標に達するために試験に登録する患者の数を減少させるために使用され得る。サンプルサイズ計算は、しばしば、バイオマーカの変動の成分に関する予備的知見を無視する。試験に登録された各被験者に対する個人基準範囲の導出と共にベイジアンネットワークにおいてこの情報を使用することは、小さな薬剤誘発性の変化の検出を容易にし、その結果、従来の基準範囲が使用された場合と同じ統計的検定力に達するために必要な患者を減らす。疾患を有する患者における多くのバイオマーカの変動の成分が利用しにくいことに起因して、バイオマーカの変動に関する事前情報が容易に利用可能ではない場合、変動のこれらの成分が、プレスクリーニング、スクリーニング、および分散を分析するための標準的な方法を使用して薬物治療の前に得られたベースライン値の組から最初に推定されるべきである。次に、これらのグループ推定が、真の個人基準範囲を導出すべく、ベイジアンネットワークのパラメータとして導入される。例えば、糖化ヘモグロビン(HbA1c)は、それ以前の数週間または数ヶ月にわたる平均血糖濃度に比例するので、糖尿病の診断および管理における今日のゴールドスタンダードを表す。この方法は、フェーズIII試験におけるHbA1cの減少の検出を改善するため、代替的に、同じ統計的検定力に対する与えられた目標に達するために必要な患者の数を減少させるべく使用され得る。表1(例1)は、検定力99%および有意水準0.05のためのバランス1:1設計またはアンバランス2:1設計のいずれかによる、HbA1cにおける0.1%の減少を検出するのに必要な被験者の数を示す。生体信号を評価するための3つの方法が比較される。すなわち、(1)スチューデントT検定に基づいた従来のサンプルサイズ計算、(2)共変量としての一組のスクリーニング値による共分散の分析、および(3)本明細書に示される方法である。対照被験者の数の重要な低減、つまり、1:1および7:1設計に対応する1075から150への低減、または、2:1から11:1設計に対応する790から139への低減が、ベイズ法によって達成される。
第3に、この方法は、薬物治療に対する良いレスポンダーを母集団から選択するために臨床試験において使用され得る。適切な患者に対して適切な薬物を見出すことは、個人化医療にとって重要である。しかしながら、薬物の安全性および有効性を評価する一連のフェーズに基づいた薬物開発の今日のフレームワークは、生物学的データに基づいて薬物に対する良いレスポンダーを見出すための強い制約を示す。バイオマーカに関する治療の安全性および有効性の個人基準範囲の導出は、フェーズ0、I、II、III、またはIVに対する一般性を損なうことなく、薬剤誘発性効果の評価の個人化を可能にし、その結果、その薬物に応答する患者および応答しない患者の分集団の選択を可能にする。
第4に、この方法は、コンパニオン診断マーカの発見および検証を容易にするために使用され得る。個人化医療の出現と、それに関連付けられた個人に合わせた治療薬に対する要求は、薬物開発の費用を増加させてきた。コンパニオン診断の開発にとって重要なことは、遺伝子型であっても表現型であっても、患者のグループに関する生物学的特性、または、理想的には個人レベルでの生物学的特性を見出す可能性である。この方法は、最初に、臨床試験の一部として得られた個人化されたバイオマーカデータに基づいてレスポンダーおよびノンレスポンダーのグループを定義するために使用され得る。次に、コンパニオン診断の機能を果たすことのできる遺伝子型または表現型バイオマーカを識別するために、ゲノム規模での、またはフェノム規模での関連研究が、これら2つの被験者のグループに対して適用され得る。
別の態様は、単一個人における表現型バイオマーカの測定から遺伝学的多様性を推論することに関する。例えば、コード遺伝子の有無は、関連するタンパク質およびその他の代謝産物の生成に対して重要な因果関係を有し得る。後者のタンパク質および代謝産物の測定された濃度は、遺伝子の有無の事後確率分布を返すべく、因果関係を示す方向に反するために使用される、この方法および推論手法における確かな証拠として入力される。例えば、遺伝子UGT2B17をタンパク質グルクロニダーゼへリンクさせ、次に、タンパク質をグルクロニド代謝産物へリンクさせる尿中テストステロンのグルクロニド代謝産物の濃度をベイジアンネットワークへ導入することは、遺伝子UGT2B17の有無の決定を可能にする。言い換えると、この方法は、この遺伝子に関連付けられた表現型バイオマーカの測定から、所与の個人に関する遺伝特性の知見を得ることを可能にする。遺伝情報が、測定されるというよりもむしろ推論される。個人の遺伝特性に関する知見は、次に、遺伝特性に関連付けられる被験者間変動が除去された個人基準範囲の導出を可能にする。
本発明の方法の一態様は、被験者の血漿量変動を決定する方法に関し、以下の段階を含む。
i)この被験者から得られた全血サンプルおよび/または血清サンプルにおける1または複数のマーカMの値を測定する段階であって、この1または複数のマーカは、ヘモグロビン濃度(HbC)、トランスフェリン、クレアチニン、血小板、低比重リポタンパク(LDL)、アルブミン、総タンパク、カルシウム、コレステロール、トリグリセリド、チロキシン、白血球、血小板クリット(PCT)、好中球、および単球を含む群から選択される、測定する段階。
ii)段階i)における1または複数のマーカに対して測定された値にアダプティブベイジアンモデルを適用し、各マーカMに対する個人Zスコアを導出する段階。
iii)各マーカMに対するこの個人Zスコアから、血漿量に関連付けられたZスコアを導出する段階。
iv)血漿量に関連付けられたこのZスコアを、1または複数の予め選択された基準Zスコアと比較する段階。
ここで、1または複数の予め選択された基準Zスコアに対するこのZスコアの偏差は、血漿量変動を示す。
血液の液体成分である血漿量は、数えきれないほどの生理的プロセスにおいて重要な役割を果たし、多くの臨床決定にとって重要な変数である。慢性腎疾患(CKD)を有する患者の透析は、血管内液を規定量除去することに基づいている。集中治療患者または心不全患者は、彼らの健康転帰を改善するために、厳密な液のモニタリングを必要とする。しかしながら、血漿量を正確に測定するための実用的に適用可能な方法はまだ無い。大抵の直接的な試験は、指示薬希釈法に頼っており、方法として面倒であり、従って臨床診療には実行不可能である。これらの理由により、血漿量は、長期的に評価されるヘマトクリットおよびヘモグロビンの濃度のような濃度に基づく血液測定を使用して、大抵は間接的に推定され、これらの変数における変化が、血漿量のシフトに起因する。そのような方法は、明らかな欠点を有しており、出血を伴う集中治療患者、腎性貧血を有し得る透析患者などにおけるもののような、赤血球量が安定なことが保証されておらず、変化し得るような状況においては、限られた有用性だけしかない。
赤血球から成る血液の成分である赤血球容積は、体内組織へ酸素を搬送する主な手段である。全血球計算の一部として得られる濃度に基づく血液測定は、変更された赤血球造血の指標として使用される。例えば、WHOは、貧血を定義するためにヘモグロビンの濃度(HbC)に対するいくつかの閾値を特定してきた。これは、赤血球量の真の減少というよりもむしろ、高血漿量のためにHbCが低くなり得るという事実を無視している。この偽性貧血は、腎臓疾患を有する患者において、アスリートにおける有酸素運動への適応として、集中治療における計画的な低血圧麻酔において、などの場合に観察される。赤血球量の測定は、放射性マーカまたは一酸化炭素(CO)の体内への注入後に実行され得るものの、これらの方法は、日常の臨床診療においては実行不可能である。単純な血液検査から赤血球量または容積の確固たる推定を提供する方法、または、赤血球造血刺激剤の投与量を決めるために使用され得る少なくとも実質的な目標を提供する方法は、今日でもまだ欠如している。
血漿量および赤血球容積の両方を推定するための実用的な方法の欠如は、例えば、慢性腎疾患(CKD)患者のような、腎不全を患っている患者をモニタリングするためには特に問題である。これは、腎臓の2つの主な機能、すなわち、体液をバランスすることおよびエリスロポエチンの生成を通じて赤血球造血を制御することに関連する。透析(過剰水を除去するため)および組換えエリスロポエチン(rEPO)による治療(貧血と戦うため)は、CKD管理の2つの主な柱である。不運なことに、濃度に基づく血液測定における増加からでは、その原因が赤血球容積の増加(例えば、患者がrEPO治療に対して良好に応答する)であったのか、または、血漿量の減少(例えば、液が十分に除去されない)であったのかを知ることは可能ではない。これらの変数における減少についても同じことが当てはまる。
また、赤血球容積および/または血漿量の増加は、血圧を増加させ、その結果、心臓発作および脳卒中のような合併症のリスクを増加させるだろう。実際、透析によって液が十分に除去されず、所与のヘモグロビン濃度の目標を満たすためのより高投与量のrEPOによってしばしば不正確に補われることを伴う血漿量の不十分なモニタリングは、血液量の著しい増加につながり、CKDを有する患者における高血圧およびそれに続く死の主な理由である。
様々な状況における臨床意思決定を改善するためには、赤血球容積および血漿量の両方における変化を推定するための信頼できる方法が必要である。集中治療患者における体液管理は改善されることができるだろうし、透析およびrEPO治療を受けている患者の血液像における真の赤血球容積および血漿量成分が推定されることができ、それによりその人の管理を改善するだろう。本明細書に示される方法は、望ましくない被験者間変動をアダプティブベイジアンモデルによって除去した後、一組の濃度に基づく変数における経時的な変化の一貫性に基づいて、単純な血液検査から赤血球容積、血漿量および血液量のマーカを導出することを可能にする。赤血球量および血漿量の直接的な測定は、日常的な臨床診療には面倒であり実行不可能であるものの、本明細書では、この手法を検証するための基準の方法として使用された。最終産物は、患者の体液バランスおよび赤血球造血をモニタリングするために、臨床状況において単純な血液検査から容易に得ることのできる、赤血球容積および血漿量の両方のマーカである。
上述のような方法は、概して、以下の段階を含む。
段階1.1から1.3は、初期の測定および/または計算から成り、段階2.1から2.6に1つの適用が記載されるこの方法の使用を支援するためのものである。段階1.1から1.3は、この方法の適用に対して事前情報を収集するための好ましい手法を表すものであるが、この方法は、段階1.1から1.3の間に部分的な情報だけが集められる場合も依然として適用可能である。特に、赤血球容積、血漿量および血液量の基準目標が、集団基準に基づく従来の推定方法を使用して、この分野の専門知識を持つ人によって設定され得る。
(1.1)赤血球容積、血漿量および血液量に対する生理的目標を定義すること。
(1.1.1)赤血球容積、血漿量および血液量の良好に制御されたバランスを被験者が示すことが既知である場合、(これに限られるものではないが)指示薬希釈法、例えば、CO−再呼吸法によるヘモグロビン質量(HbM)と血中のヘモグロビン濃度(HbC)および平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)との合同測定のような、赤血球容積、血漿量および/または血液量を評価することの可能な基準アドホック方法を使用して、赤血球容積、血漿量および血液量に対する生理的目標が次の式を使用して定義され得る。
赤血球容積(L)=HbM(g)÷(MCHC(g/dL)×10)
血液量(L)=HbM(g)÷(HbC(g/dL)×10÷0.91)
血漿量(L)=血液量(L)−赤血球容積(L)
(1.1.2)基準解析方法を使用しても赤血球容積、血漿量および血液量の目標が達成され得ない場合、妥当な目標が、体重、除脂肪体重、身長、年齢、および性別のような身体測定の特性から計算されるか、または公表されている集団基準に基づいて推定されるかのいずれかであるべきである。例えば、体重1キロ当たりの血液量の通常の推定平均は、60−80ml/kgである。同様に、ヘモグロビン質量の目標は、除脂肪体重1キロ当たりのヘモグロビン質量の通常の推定平均に基づいて定義され得る。MCHCに対する集団平均33g/dlが与えられれば、または、上記の式を使用して被験者に特異的なMCHCの値が利用可能であれば、HbMに対する後者の目標は、赤血球容積に対する目標においてさらに導出され得る。代替的に、身体測定の特性、以前の試験結果および病歴を含む、被験者について得られる任意の情報に基づいて、この分野の専門知識を持つ人により、適切な目標が定義され得る。
(1.2)赤血球容積、血漿量および血液量の良好に制御されたバランスを患者が示すことが既知である場合、HbC、トランスフェリン、クレアチニン、血小板、低比重リポタンパク(LDL)、アルブミンおよび総タンパク、並びに、任意でカルシウム、コレステロール、トリグリセリド、チロキシン、白血球、血小板クリット、好中球および単球を含む非限定的な群から選択された1または複数のマーカが、被験者から採取された2つの血液サンプル、好ましくは全血EDTAサンプルおよび血清サンプルにおいて測定される。これら2つの血液サンプルは、好ましくは、異なる時刻において、好ましくは少なくとも5日間離れて採取されるべきである。代替的に、1または複数のマーカの解析パネルが、HbC、トランスフェリン、クレアチニン、血小板、LDL、アルブミン、総タンパク、およびカルシウムを含む非限定的な群から選択される。
(1.3)これら全てのマーカの個人の期待分布、および、もし利用可能であればHgC、赤血球容積、血漿量および血液量が、本明細書に記載されるアダプティブベイジアンモデルを使用して計算される。このアダプティブベイジアンモデルは、生体液中で測定された任意のマーカの個人分布、その結果、所与の特異度水準(例えば99%)における個人基準範囲の導出を可能とする階層的ベイジアンネットワークから成る。
(2.1)全血サンプル、血漿サンプルおよび/または血清サンプル、好ましくは全血EDTAサンプルおよび血清サンプルを含む血液サンプルが被験者から採取される。複数の生物学的変数から成る組、好ましくは、段階1.2において与えられた8つのマーカの組が、MCHCと共に測定される。血漿量のこれらのマーカは、好ましくは、全血に対して実行された全血球計算によって血清中で測定される。血液中の任意の濃度に基づくマーカをモニタリングするために、採取されたサンプルに対して任意の追加試験が実行され得る。(以下の段階2.5.3および2.5.4を参照のこと。)
(2.2)各マーカについてのZスコアを導出するために、血漿量のマーカの組に対してアダプティブベイジアンモデルが適用される。これらのZスコアは、個人平均に対する個人変動を表す。このプロセスは、個人間の変動を除去するために重要であり、血漿量の変化に関連付けられる変動を強調する。
好ましくは、各マーカMiに対する個人Zスコアは、
によって決定される。ここで、ME(i,j)は被験者jについての個人平均であり、VAR(i,j)は被験者jについての個人分散であり、Miは時刻iにおける1つのマーカの値を表す。
(2.3)次に、血漿量に伴う各マーカの既知の変動から、並びに、全てのZスコアの間の一貫性から導出された重み関数を使用して、複数の個人Zスコアが結合される。Zスコアとして与えられる転帰は、血漿量の変動の推定値である。
この段階は以下を含む。
−全バイオマーカのZスコアの合計にそれぞれのマーカの係数を掛けたものとして計算される血漿量に関連付けられたZスコアの第1推定値(Z(Mi)推定値)を確立する段階。
−各観察結果Miに関連付けられる変動の残差(R)を
として決定する段階。
−これらのマーカの変動における残差の正規確率分布として計算される各マーカMにおける変動の間の一貫性に関連付けられた重み関数を確立する段階。
−Zスコアの推定値(Z(Mi)推定値)を重み関数によって重み付けすることにより、血漿量に関連付けられたZスコアを計算する段階。
各マーカにおける変動の間の一貫性に関連付けられた重み関数は、これらのマーカの変動における残差の正規確率分布として計算される。血漿量シフトに関連付けられる第2の、そして最後の推定Zスコアは、残差から算出された重み関数によってこの計算がさらに重み付けされていることを除いては、上記と同様に、すなわち、各バイオマーカに対して算出されたZスコアの合計にそのマーカの係数を掛けたものとして計算される。
1または複数のマーカが、HbC、トランスフェリン、クレアチニン、血小板、低比重リポタンパク(LDL)、アルブミンおよび総タンパク、並びに、任意でカルシウム、コレステロール、トリグリセリド、チロキシン、白血球、血小板クリット、好中球および単球を含む群から選択される場合、それぞれのマーカの係数は、好ましくは、ヘモグロビンC(HbC)に対しては約0.30、トランスフェリンに対しては約0.23、クレアチニンに対しては約0.23、血小板に対しては約0.25、低比重リポタンパク(LDL)に対しては約0.13、アルブミンに対しては約0.25、総タンパクに対しては約0.31、カルシウムに対しては約0.20、コレステロールに対しては約0.12、トリグリセリドに対しては約0.064、チロキシンに対しては約0.082、白血球に対しては約0.48、血小板クリット(PCT)に対しては約0.28、好中球に対しては約0.19、および単球に対しては約0.39である。
1または複数のマーカが、ヘモグロビン濃度(HbC)、トランスフェリン、クレアチニン、血小板、低比重リポタンパク(LDL)、アルブミン、総タンパクおよびカルシウムを含む群から選択される場合、それぞれのマーカの係数は、好ましくは、ヘモグロビンC(HbC)に対しては約0.43、トランスフェリンに対しては約0.32、クレアチニンに対しては約0.33、血小板に対しては約0.33、低比重リポタンパク(LDL)に対しては約0.20、アルブミンに対しては約0.38、総タンパクに対しては約0.47、およびカルシウムに対しては約0.31である。
本明細書で使用される「約」という用語は、その値付近の±10%で定義される範囲を示す。
これらのマーカは互いに相関しているので、それらが8個のマーカを含む群から選択される場合か、または15個のマーカを含む群から選択される場合かにより、それらの係数はそれぞれ異なる。
通常、ゼロよりも大きなZスコアは血液希釈を意味し、約2.3よりも大きな値は強い血液希釈を示す。約ゼロより小さな値は血液濃縮を意味し、約−2.3よりも小さな値は強い血液濃縮を示す。(99%の特異度に対する。その他の特異度水準が選択され得る。)
好ましくは、信頼水準がZスコアに関連付けられる。この信頼水準は、重み関数の合計の指数関数に等しい。この信頼水準は、0と1の間で正規化され、これにより、0に近い値は低い信頼性を有するのに対し、1に近い値は高い信頼性を有する。血漿量シフトに関連付けられるZスコアを計算するために使用される分散が、この信頼水準によって最後に重み付けされる。
代替的に、血漿量シフトに関連付けられたZスコアは、スケーリング係数を使用して初期のマーカを補正するためにさらに使用され得る。血漿量シフトの8個のマーカを使用するバージョンに対しては、補正は、トランスフェリン、アルブミン、カルシウム、クレアチニン、総タンパク、血小板、低比重リポタンパク、およびヘモグロビンに対し、それぞれ、Zスコアに1.34、1.57、1.27、1.33、1.91、1.30、0.85、1.78を掛けたものに等しい。15個のマーカを使用するバージョンに対しては、補正は以下のスケーリング係数を有する。すなわち、トランスフェリン、アルブミン、カルシウム、クレアチニン、総タンパク、血小板、低比重リポタンパク、ヘモグロビン、コレステロール、トリグリセリド、チロキシン、白血球、血小板クリット、好中球、および単球に対し、それぞれ、0.72、0.79、0.62、0.71、0.98、0.80、0.39、0.96、0.33、0.20、0.25、1.57、0.89、0.62である。これらのマーカは互いに相関しているので、それらが8個のマーカを含む群から選択される場合か、または15個のマーカを含む群から選択される場合かにより、それらのスケーリング係数はそれぞれ異なる。
(2.4)血液採取の時点での血漿量は、推定されたZスコアおよび信頼水準と共に適応モデルによって返される期待平均値から推定される。段階1.1で与えられた式を使用して、実際のHbCおよびMCHC試験結果と共に、ヘモグロビン質量、赤血球容積および血液量の推定値をさらに得ることができる。
(2.5.1)推定された血漿量は、段階1.1から1.3にて定義されたもののような血漿量の目標に基づいて、血漿量への介入を特定するために使用され得る。血液希釈の場合、これは、血液透析、腹膜透析、血液ろ過、およびそれらの組合せを含む、血液から過剰な水分を除去することを目的とした任意の方法を含む。
血液濃縮の場合、これは、任意の血液量補充療法のような、体液バランスを補充することを目的とした任意の方法を含む。
(2.5.2)推定された赤血球量、および対応するヘモグロビン質量(HgB)は、段階1.1から1.3において定義されたもののような、赤血球量およびHgBの目標に基づいて、赤血球量への介入を特定するために使用され得る。高過ぎる赤血球量および/またはHgMによって引き起こされる真性赤血球増加症の場合、これは、過剰な赤血球を血液から除去することを目的とする任意の方法を含む。低過ぎる赤血球量および/またはHgBによって引き起こされる真性貧血の場合、これは、輸血および類似の方法による直接的なものか、または、任意の赤血球造血刺激剤の使用を通じた間接的なものかのいずれかによって、赤血球量を正常な水準まで増加させることを目的とする任意の方法を含む。
(2.5.3)推定された血液量は、段階1.1から1.3において定義されたもののような、血液量の目標に基づいて血液量を正常化させることを目的とする介入を特定するために使用され得る。血液量が高過ぎる場合、これは採血を含む。血液量が低過ぎる場合、輸血または赤血球造血刺激剤の適用を含む。
(2.5.4)推定された血漿量は、濃度として返される血漿または血清中で実行された任意の解析試験を正規化するために使用され得る。血液濃縮は、試験での誤った高い値につながり、血液希釈は誤った低い値につながる。どちらの場合も、影響を受けた値は、医療状態のような別の原因を間違って示唆しかねない。血中の血漿量シフトに対するこの正規化は、尿中の比重による補正と類似している。この正規化は、好ましくは、個人分布および測定値の基準範囲を決定するためにアダプティブベイジアンモデルを適用した後に実行される。代替的に、Zスコアが、例えば、段階2.4で与えられた期待される血漿量水準に対して28%の増加に対応する血液濃縮を示す場合、測定値を1.28で割ることにより、濃度に基づくマーカの解析結果が補正され得る。
(2.6)赤血球容積、血漿量および血液量の経時的な連続モニタリングのために、並びに、血漿量の変動に対する補正を含むことを目的とした、血漿または血清中で測定された任意の濃度に基づくマーカの連続モニタリングのために、段階2.1から2.5を繰り返すことができる。このプロセスは、好ましくは、アダプティブベイジアンモデルのような、マーカの個人内の変動を考慮する統計的方法を使用して実行される。血漿量に対する補正は、血漿量シフトに対して補正された個人基準範囲を返すべく、血漿量シフトによって引き起こされる変動の一部を除去するための統計的モデルに統合される。
従って、本発明は、本発明の方法を実行するためのデバイスのような装置もまた想定する。本発明のこの方法は、コンピュータ、スマートフォン、タブレットまたはインターネットサーバのようなマイクロプロセッサを有する任意のデバイスにおいて動作することができ、遺伝学的多様性がバイオマーカ値から推論される最も複雑な状況に対してさえも、結果が瞬間的に返される。
例1
[アルゴリズム]
バイオマーカの被験者間変動と被験者内変動が正規分布によって良好に表されることが既知であるような特殊な場合、単純なアルゴリズムを使用してこの方法は適用され得る。その手順およびアルゴリズムが表2に与えられる。そうでない場合、この方法を実行するためにベイズ推論手法が必要である。
表2に記載される方法は、フェーズIII臨床試験に参加した貧血患者における新たな薬物治療の効果を評価するために適用される。この患者は48歳の女性であり、95g/dLというプレスクリーニング値に基づいて試験に登録されている。治療の前には、93g/Lという第2スクリーニング値が得られている。試験の間、この患者は6度試験され、その値は96、101、98、107、109g/dLである。
母平均POP_MEは、貧血患者のグループに対し、男性では106g/L、女性では90g/Lである。被験者間分散は65g2/L2であり、被験者内では17g2/L2である。第1の観察結果に対する期待値の予測分布は正規であり、平均PRE_ME=90および分散PRED_VAR=65+17=82である。99%特異度を仮定すると、基準区間の最小値(0.5パーセンタイル)は90−2.58×sqrt(82)=67に等しく、基準区間の最大値(99.5パーセンタイル)は90+2.58×sqrt(82)=113に等しい。第1の観察結果RES(1)=95は、区間[67−113]g/L内に収まる。
RES(1)=95g/Lを用いて、第2の観察結果に対する期待値の予測分布が計算され得る。
A=65
B=90
X1=1/(1/65+1/17)=13.5
X2=13.5×90/65+13.5×95/17=94.1
PRED_ME=94.1
PRED_VAR=13.5+17=30.5
最小値は94.1−2.58×sqrt(30.5)=80に等しく、最大値は94.1+2.58×sqrt(30.5)=108に等しい。第2の観察結果RES(2)=94g/Lは、区間[80−108]g/L内に収まる。
RES(2)=93g/Lを用いて、新たな反復が以下を与える。
A=13.5
B=94.1
X1=1/(1/13.5+1/17)=7.5
X2=7.5×94.1/13.5+7.5×93/17=93.3
PRED_ME=93.3
PRED_VAR=7.5+17=24.5
最小値は93.3−2.58×sqrt(24.5)=81となり、最大値は93.3−2.58×sqrt(24.5)=106となる。個人化された基準区間は、この患者に対しては[81−106]g/Lであり、薬物の投与前に得られていた。この区間外の任意の値は、特異度99%に対するHgbの正規変動の仮定と一致しない。ここで、最後の2つの値の107および109g/Lは、個人化された基準区間の上限よりも著しく大きい。これは、この薬物がこの患者に対して効果的であったことを示唆する。
この方法は、治療後の個人基準範囲を定義すべく、治療の間に得られた値に対し、さらに反復して適用され得る。代替的に、治療の間に得られた個人基準範囲は、用量漸増試験において薬物の投与量を変化させるためのような適応設計の場合、試験の間に、十分な情報を得た上での決断を下すために使用され得る。
例2
[方法]
25−53歳の33人の健康な被験者が、6ヶ月にわたってモニタリングされた。研究の始めに、CO−再呼吸法を使用して、全被験者のヘモグロビン質量(HbM)が決定された。毎月、血清サンプル(10mLのBD血清バキュテイナ)および全血サンプル(4mLのBD K2 EDTAバキュテイナ)が採取された。血液採取に続いて、参加者達は、HbMの測定のために同じCO−再呼吸法を実行した(Schmidt W,Prommer N. The optimised CO−rebreathing method: a new tool to determine total haemoglobin mass routinely. Eur J Appl Physiol. 2005 Dec;95(5−6):486−95)。毎月の測定の間の時間は、最小で9日、最大で56日と少し変動した。被験者達の体重もまたモニタリングされた。6ヶ月目において、最後の静脈血液採取およびCO−再呼吸操作(その前の5ヶ月のように実行された)が完了した後、33人の被験者達は、血漿量の急な最大増加を促進するように設計された運動負荷を実行した。この運動負荷は、標準的な実験室条件下における、サイクルエルゴメータでの30分の最大ステップテストを含んでいた。運動直後、および運動の1時間後の静脈血が採取された。
全ての血液サンプルが、採取から1時間以内に分析された。または等分された。全血球計算分析が、Sysmex XT 2000i分析装置(神戸、日本)を使用して、三重反復で実行された。この研究においては、以下の27のインデックス、血小板(PLT)、ヘモグロビン濃度(HbC)、白血球(WBC)、赤血球(RBC)、ヘマトクリット(HCT)、平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球ヘモグロビン(MCH)、平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)、赤血球分布幅標準偏差(RDW_SD)、赤血球分布幅変動係数(RDW_CV)、血小板分布幅(PDW)、平均血小板容積(MPV)、大型血小板比率(P_LCR)、血小板クリット(PCT)、好中球(NEUT)、単球(MONO)、好酸球(EO)、好塩基球(BASO)、リンパ球(LYMPH)、網赤血球数(RET)、網赤血球百分率(%RET)、低蛍光網赤血球(LFR)、中蛍光網赤血球(MFR)、高蛍光網赤血球(HFR)、未熟網赤血球分画(IRF)、網赤血球ヘモグロビン含量(RET_He)、赤血球ヘモグロビン含量(RBC_He)が使用された。
血清サンプルが、4℃、1500rpmにて10分間沈降され、−80℃にてアリコートが保管された。全ての血清サンプルが、Dimension Integrated Chemistry System(Siemens、ドイツ)を用いてバッチ分析でランダムに分析された。生物学的変動が低いことが既知である、以下の18の化学変数、トランスフェリン、アラニンアミノトランスフェラーゼ、アルブミン、アルカリホスファターゼ、カルシウム、塩化物、ナトリウム、クレアチニン、遊離チロキシン(FT4)、トリヨードチロニン(T3)、チロキシン(T4)、総タンパク、マグネシウム、カリウム、コレステロール、HDL、LDL、およびトリグリセリドが分析された。
赤血球容積、血漿量および血液量は次のように計算された。
赤血球容積=HbM(g)÷MCHC×100
血液量=HbM(g)×100÷HbC÷0.91
血漿量=血液量−赤血球容積
33人の被験者に対する48の血液変数の9度の採取により、全部で14,256の測定値をもたらした。
全てのデータがMatlabバージョン8.3を用いて分析された。被験者をグループ変数としての分散分析が48全てのバイオマーカに対して実行され、分散の被験者内および被験者間成分を導出した。被験者間成分を除去するために、アダプティブベイジアンモデルが全ての変数に適用された。このモデルの使用は、血漿量シフトに相関のある変動を示すバイオマーカを見出すため、並びに、各バイオマーカに対して同じスケールで血漿量シフトの効果を与えるための鍵である。Zスコア形式論が選択され、各Zの値は、適応モデルによって算出された期待平均値からの標準偏差の数に対応する。次に、全てのバイオマーカ間での血漿量変動における一貫性をチェックするために、個人に合わせたバイオマーカデータに対して主成分分析が使用された。血漿量変動に対して補正されたバイオマーカの個人に合わせた値を導出するために、適応モデルの多変数バージョンが最後に開発された。オーバーフィッティングを制限するため、および、新たな被験者に対するこのモデルの良好な一般化を保証するため、一被験者抜き交差検証手順(leave−one−subject−out cross−validation procedure)が使用された。
[結果]
図3は、全33被験者について、体重に対してプロットされたヘモグロビン質量の値を示す(R2=0.61)。平均、分散の被験者間および被験者内成分が、全48変数について表1に示される。急な運動負荷後に得られたデータは、バイオマーカの正常な変動を表さないので、分散の分析から除外された。次に、計算された分散の成分をパラメータとして、アダプティブベイジアンモデルが全ての変数に適用された。同じ被験者に由来するデータから導出されたパラメータの使用を防ぐため、一被験者抜き交差検証手順が使用された。適応モデルの適用は、望ましくない被験者間変動の除去を可能にし、血漿量シフトによって引き起こされる信号の検出を大幅に容易にすることを可能にする。
これら18の血清に基づくバイオマーカが選択された。何故ならば、小さな被験者内変動を示すから、並びに、それぞれ脂質パネル、甲状腺パネルの一部として自動的に提案されているトリグリセリドおよび遊離チロキシンを除いて、今日の自動化された分析器によって提案される大抵の化学パネルにおいて利用可能だからである。2つの後者のバイオマーカ並びにALTを除いて、その他15のバイオマーカの全てが、被験者間変動よりも小さな被験者内変動を示す。これら15のバイオマーカの全ては、ALPをさらに除いて、10%よりも低い個人内変動係数を示す。適応モデルの出力は、個人の期待平均値にわたる変動を表すべく、Zスコア空間に与えられた。ここでは共通の被験者内分散が仮定された。この仮定は、健康な被験者に対しては有効であり、疾患を有する患者へのこのモデルの使用を妨げない。
驚くことではないが、塩類(Na、塩化物、カルシウム、マグネシウム)は、総タンパクおよびアルブミンと共に、最も安定したプロファイルを示した。しかしながら、良好な安定性だけが、血漿量との相関を示すためにバイオマーカが満たすべき基準なわけではない。血漿量に対して適応モデルを適用した後に見出されるZスコアの複数の値と、全ての血清に基づくバイオマーカについて算出されたZスコアとの間で、線形回帰分析が実行された。この回帰分析は、急な運動負荷に続いて得られた値の有る場合と無い場合とで実行された(得られたp値については表1を参照のこと)。運動負荷データが考慮される場合、明らかな例外の塩化物、FT4およびT3を除いて、18個の血清に基づくバイオマーカの全てが、血漿量との有意な相関を示した。運動負荷データが除外された場合、HDL、ALT、ALP、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、およびクレアチニンは、血漿量に対する有意な相関をもはや示さない。
同じ手順が、全血球計算から得られた全てのバイオマーカに対して適用された。驚くことではないが、HbCは、低い被験者内変動並びに血漿量に対する強い相関を示した。
小さな変動と血漿量に対する有意な相関の両方を示す18個の変数の様々な組合せに対して主成分分析が実行された。その目標は、単一の変数における変化または互いに相関する変数のサブセットにおける変化に対して確固たるマーカを見出しながら、血漿量の分散の最大量を説明することである。例えば、HctはHgbおよびRBCに強く相関する。これら3つの全てが変数の組中に選択された場合、血漿量と比較して、赤血球量の増加に対して過度の重みが与えられるだろう。
これらの基準に基づいて、複数のバイオマーカの2つの組が見出された。すなわち、HbC、トランスフェリン、クレアチニン、カルシウム、血小板、LDL、アルブミン、および総タンパクを含む8個のバイオマーカの一組、並びに、上記の8つに加えて、コレステロール、トリグリセリド、T4、WBC、PCT、NEUT、MONOを含む15個のバイオマーカの一組である。分散の第1の成分は、第1および第2のバイオマーカの組それぞれについて、血漿量の変動のそれぞれ68%および69%を説明することができた。どちらの場合も、分散の第1の成分において最大に寄与するマーカは総タンパクであった。図4は、測定された血漿量の変化(x軸)と血漿量のマーカにおける相対的変化(y軸)との間の関係を示す。急な運動負荷の後に見出された値は左下に見られ、血漿量における正常な毎日の変動の5−7標準偏差まで、血漿量の減少を伴う。
提案されるマルチパラメータの手法は、含まれるバイオマーカの数と共に特異度が増すという大きな利点を示す。つまり、血漿量に相関する独立したバイオマーカの数がより大きくなると、血漿量に対する特異度がより良好になる。そのような状況において、このモデルの信頼性が評価され得る。例えば、8つのバイオマーカのうちの7つがZスコアの増加を示すものの、最後のものが激しい減少、例えば、免疫システムの問題によって引き起こされる血小板の低下を示す場合、この不一致が考慮され得て、血小板数の寄与に起因する低い重み付けが血漿量のマーカの算出に含まれる。重み関数は、PCAの残差に対して適用される正規確率密度関数として決定されている。信頼水準は、0と1の間で正規化されたこの重み関数の合計の指数関数となる。
[考察]
血清中で測定された一組の濃度に基づく変数における被験者内変動から開発された血漿量のマーカは、血漿量の変動のうちの3分の2を上回る部分を説明する。興味深いことに、典型的なヘモグロビン濃度の測定と共に血漿量のマーカを導出することは、ヘモグロビン質量の変動を推定することを可能にする。言い換えると、赤血球容積および血漿量の両方のマーカは、体液バランスおよび赤血球造血の両方をモニタリングするための単純な血液検査から容易に導出され得る。この方法は、CKDを有する患者の血液透析治療、大きな手術および貧血の治療と管理を受けている患者の輸液療法のためを含む、赤血球容積と血漿量との間の厳密なバランスが必要とされる全ての領域に適用され得る。
例3
ある男性患者が7ヶ月の期間に8度試験された。試験番号7は、血漿量の大きな減少を誘起するようにプログラムされた激しい運動セッションの数分後に実行された。8つのマーカであるトランスフェリン、アルブミン、カルシウム、クレアチニン、総タンパク、血小板、低比重リポタンパク、およびヘモグロビンが、各試験に対して採取された血清サンプル中で測定された。
図5挿入図のAは、8つのバイオマーカにおける個人変動から推定される血漿量に関連付けられたZスコアを示す。次に、本明細書にて示される方法を使用して推定された血漿量シフトのZスコア(実線)を、血漿量シフトの測定から計算されたZスコア(破線)と比較した。
ヘモグロビン質量を測定し、その結果、この方法が比較される真の血漿量シフトの基準を提供するために、CO−再呼吸法が使用された。
図5挿入図のBは、血漿量シフトにおいてそれぞれ推定されたものに関連付けられた信頼水準を示す。
図5挿入図のCは、ヘモグロビンの値(実線)を示す。破線は、この方法によって得られたが、血漿量に対する補正は行われていない個人基準区間の上限および下限を示す。点線は、この方法によって得られ、血漿量に対する補正が成されている個人基準区間の上限および下限を示す。

Claims (22)

  1. 被験者または被験者のグループにおけるバイオマーカデータからの信号の前記検出を増強する方法であって、
    i)前記被験者または被験者のグループから、1または複数のマーカMのゼロ、1または複数の値を測定する段階と、
    ii)段階i)における前記1または複数のマーカに対して測定された前記ゼロ、1または複数の値にアダプティブベイジアンモデルを適用し、前記被験者または被験者のグループにおける各マーカMに対する期待値の個人分布を導出する段階と、
    iii)前記個人分布から、各マーカMに対する所与の特異度水準についてのいくつかの個人基準Zスコアおよび個人基準範囲を導出する段階と、
    iv)前記被験者または被験者のグループにおける1または複数のマーカMに対して、1または複数の追加の値を測定する段階と、
    v)前記1または複数の測定値を、前記1または複数の個人基準Zスコアおよび個人基準範囲と比較する段階と
    を備え、
    前記1または複数の個人基準Zスコアおよび範囲からの前記1または複数の測定値の偏差は、前記被験者または被験者のグループにおける生物学的または生理的な状態または変動を示す、方法。
  2. 被験者の血漿量変動を決定する方法であって、
    i)前記被験者から得られた全血サンプルおよび/または血清サンプルにおける1または複数のマーカMの値を測定する段階であって、前記1または複数のマーカは、ヘモグロビン濃度(HbC)、トランスフェリン、クレアチニン、血小板、低比重リポタンパク(LDL)、アルブミン、総タンパク、カルシウム、コレステロール、トリグリセリド、チロキシン、白血球、血小板クリット(PCT)、好中球、および単球を含む群から選択される、測定する段階と、
    ii)段階i)における前記1または複数のマーカに対して測定された前記値にアダプティブベイジアンモデルを適用し、各マーカMに対する個人Zスコアを導出する段階と、
    iii)各マーカMに対する前記個人Zスコアから、血漿量に関連付けられたZスコアを導出する段階と、
    iv)血漿量に関連付けられた前記Zスコアを、1または複数の基準範囲と比較する段階と
    を備え、
    1または複数の基準範囲に対する前記Zスコアの偏差は、血漿量変動を示す、方法。
  3. 各マーカに対する前記個人Zスコアは、個人平均に対する個人変動を表す、請求項2に記載の方法。
  4. 1または複数のマーカMの値を測定する段階i)は、異なる時刻において数回実行される、請求項2に記載の方法。
  5. 各マーカMiに対する前記個人Zスコアは
    により決定され、
    ME(i,j)は被験者jに対する前記個人平均であり、VAR(i,j)は被験者jに対する前記個人分散であり、Miは時刻iにおける前記マーカのうちの1つの前記値を表す、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 段階iii)は、
    全バイオマーカの前記Zスコアの前記合計に前記それぞれのマーカの係数を掛けたものとして計算される血漿量に関連付けられた前記Zスコアの第1推定値(Z(Mi)推定値)を確立する段階と、
    各観察結果Miに関連付けられた前記変動の前記残差(R)を
    として決定する段階と、
    前記マーカの前記変動における前記残差の前記正規確率分布として計算される各マーカMにおける前記変動の間の前記一貫性に関連付けられた重み関数を確立する段階と、
    前記重み関数によって前記Zスコアの前記推定値(Z(Mi)推定値)を重み付けすることにより、血漿量に関連付けられた前記Zスコアを計算する段階と
    を有する、請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記それぞれのマーカの係数は、好ましくは、ヘモグロビンC(HbC)に対しては約0.30、トランスフェリンに対しては約0.23、クレアチニンに対しては約0.23、血小板に対しては約0.25、低比重リポタンパク(LDL)に対しては約0.13、アルブミンに対しては約0.25、総タンパクに対しては約0.31、カルシウムに対しては約0.20、コレステロールに対しては約0.12、トリグリセリドに対しては約0.064、チロキシンに対しては約0.082、白血球に対しては約0.48、血小板クリット(PCT)に対しては約0.28、好中球に対しては約0.19、および単球に対しては約0.39である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記1または複数のマーカは、ヘモグロビン濃度(HbC)、トランスフェリン、クレアチニン、血小板、低比重リポタンパク(LDL)、アルブミン、総タンパク、カルシウムを含む群から選択され、前記それぞれのマーカの係数は、好ましくは、ヘモグロビンC(HbC)に対しては0.43、トランスフェリンに対しては0.32、クレアチニンに対しては0.33、血小板に対しては0.33、低比重リポタンパク(LDL)に対しては0.20、アルブミンに対しては0.38、総タンパクに対しては0.47、およびカルシウムに対しては0.31である、請求項6に記載の方法。
  9. ゼロよりも大きなZスコアは血液希釈を示し、
    2.3よりも大きなZスコアは強い血液希釈を示し、
    ゼロよりも小さなZスコアは血液濃縮を示し、
    −2.3よりも小さなZスコアは強い血液濃縮を示す、
    請求項2から請求項8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記基準範囲は、基準曲線およびデータ、健康な患者または以前に治療された患者に対するZスコアおよび測定を含む群から選択される、請求項2に記載の方法。
  11. 前記ヘモグロビン質量、前記赤血球容積および/または血液量を決定する段階をさらに備える、請求項2から請求項10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記ヘモグロビン質量(HbM)は、前記CO−再呼吸法によって決定される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記赤血球容積および血液量は、次の式
    赤血球容積(L)=HbM(g)÷(MCHC(g/dL)×10)
    血液量(L)=HbM(g)÷(HbC(g/dL)×10÷0.91)
    を使用して、前記血液サンプルにおける、前記ヘモグロビン質量(HbM)、前記ヘモグロビン濃度(HbC)、および前記平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)の合同測定により決定される、請求項11に記載の方法。
  14. 血漿量の前記変動に信頼水準が関連付けられる、請求項2から請求項13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記信頼水準は、前記重み関数の前記合計の前記指数関数に等しい、請求項14に記載の方法。
  16. 血漿量に関連付けられた前記Zスコアを計算するために使用される前記分散が、前記信頼水準によって重み付けされる、請求項14または請求項15に記載の方法。
  17. 被験者の体液バランスおよび赤血球造血をモニタリングするための、請求項2から請求項16に記載の方法の使用。
  18. 前記被験者は腎不全を有する被験者である、請求項17に記載の使用。
  19. 腎不全を有する前記被験者は、CKD、大きな手術および貧血の治療と管理を受けている患者における輸液療法を含む群から選択される、請求項18に記載の使用。
  20. 請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の方法を実行するための装置。
  21. 前記装置は、マイクロプロセッサを有するデバイスである、請求項20に記載の装置。
  22. 前記デバイスは、コンピュータ、スマートフォン、タブレットまたはインターネットサーバである、請求項21に記載の装置。
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