5.発明の詳細な説明
別途定義されていない限り、本明細書において使用されている全ての技術的及び科学的用語は、当業者によって一般的に理解されているのと同じ意味を有する。全ての特許、出願、公開されている出願及び他の公開公報は、全体が参照により組み込まれる。本明細書において1つの用語に複数の定義が存在する事象においては、別途記述されていない限り、このセクションでの定義が優先される。
5.1
定義本明細書に記載されている開示の理解を容易にするために、多数の用語を以下に定義する。
用語「対象」または「患者」は、限定されないが、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラットまたはマウスを含めた哺乳類を含めた動物を指す。用語「対象」及び「患者」は、例えば、哺乳類対象、例えば、ヒト対象に関して本明細書において互換的に使用される。
本明細書において使用されているとき、別途特定されていない限り、用語「処置する(treat)」、「処置する(treating)」及び「処置(treatment)」は、疾患もしくは障害、または当該疾患もしくは障害に関連する1以上の症状の根絶または改善を指す。ある特定の実施形態において、上記用語は、疾患または障害を有する患者への1以上の予防または治療剤の投与から得られる、かかる疾患または障害の拡大または悪化の最小化を指す。いくつかの実施形態において、上記用語は、特定の疾患の症状の発現後に、他のさらなる活性剤を用いてまたは用いずに、本明細書において提供される化合物を投与することを指す。
本明細書において使用されているとき、別途特定されていない限り、用語「防止する(prevent)」、「防止する(preventing)」及び「防止(prevention)」は、疾患もしくは障害、またはこれらの1以上の症状の発現、再発もしくは拡大の防止を指す。ある特定の実施形態において、上記用語は、特に、本明細書において付与されている疾患または障害のリスクのある患者に、症状の発現の前に、他のさらなる活性化合物を用いてまたは用いずに、本明細書において提供される化合物によって処置することまたはこれを投与することを指す。上記用語は、特定の疾患の症状の阻害または低減を包含する。特に疾患の家族歴を有する患者は、ある特定の実施形態において防止レジメンの候補である。また、症状の再発歴を有する患者も、防止に関して潜在的な候補である。この点において、用語「防止(prevention)」は、用語「予防処置(prophylactic treatment)」と互換的に使用されてよい。
本明細書において使用されているとき、別途特定されていない限り、用語「管理する(manage)」、「管理する(managing)」及び「管理(management)」は、疾患もしくは障害、またはこれらの1以上の症状の進行、拡大もしくは悪化の防止または遅延を指す。多くの場合、患者が予防及び/または治療剤から得る有益な効果は、疾患または障害の治癒を結果として生じない。この点において、用語「管理する(managing)」は、疾患の再発を防止もしくは最小化する試みにおいて特定の疾患に罹患した患者を処置すること、または寛解期にある時間を長くすることを包含する。
用語「副作用」は、当該分野における通常かつ一般的な意味に従って使用され、本明細書において使用されているとき、本明細書に記載されている化合物または組成物による処置から得られる、本明細書に記載されている疾患の処置、防止、管理、または改善に関連する特定の状態を指すことができる。1つのかかる副作用は、好中球減少の発現である。好中球減少は、骨髄への損傷から結果として生じ得、好中球産生及び/または成熟の阻害、排除、または途絶を(直接または間接的に)引き起こすあらゆる状態を指す。
疾患の改善は、完全なまたは部分的な応答として特徴付けられ得る。「完全な応答」は、いずれかの以前の異常なX線検査、骨髄、及び脳脊髄液(CSF)または異常なモノクローナルタンパク質測定の正規化による臨床的に検出可能な疾患が存在しないことを指す。「部分的な応答」は、新たな病変の非存在下で全ての測定可能な腫瘍組織量(すなわち、対象に存在する悪性細胞の数、または測定された腫瘍塊の量もしくは異常なモノクローナルタンパク質の量)の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%の減少を指す。用語「処置(treatment)」は、完全な応答及び部分的な応答の両方を企図する。
用語「難治性または耐性」は、対象または哺乳類が、徹底的な処置の後でさえも、その体内に残存がん細胞を有している状況を指す。
用語「薬剤耐性」は、疾患が1または複数の薬剤の処置に応答しない状態を指す。薬剤耐性は、疾患が1もしくは複数の薬剤にこれまで応答してないことを意味する内因性、または、疾患が以前に応答した1もしくは複数の薬剤に応答することを中断することを意味する獲得性のいずれかであり得る。ある特定の実施形態において、薬剤耐性は、内因性である。ある特定の実施形態において、薬剤耐性は獲得性である。
用語「再発した」は、治療後にがんの寛解を有した対象または哺乳類において、がん細胞が再び現れている状況を指す。
「サイクリング療法」は、本明細書に記載されている投与期間及び本明細書に記載されている休止期間を含むレジメンまたは治療を指す。
用語「投与期間」は、本明細書において使用されているとき、本明細書に記載されている化合物または組成物が対象に連続的または能動的に投与されている期間を指す。
用語「休止期間」は、本明細書において使用されているとき、対象に、本明細書に記載されている化合物または組成物が投与されていない(例えば処置の中止)、多くの場合には投与期間後の期間を指す。ある特定の実施形態において、「休止期間」は、単一剤が対象に投与されていないまたは特定の化合物を使用した処置が中止されている期間を指す。かかる実施形態において、第2治療剤(例えば、先の投与期間において投与された化合物または組成物とは異なる剤)が、対象に投与され得る。
用語「QD」は、1日1回用量の投与を指す。
用語「決定する(determining)」、「測定する(measuring)」、「評価する(evaluating)」、「アセスメントする(assessing)」及び「アッセイする(assaying)」は、本明細書において使用されているとき、いずれの測定形態も概して指し、要素が存在するか否かを決定することを含む。これらの用語は、量的及び/または質的決定の両方を含む。アセスメントする(assessing)は、相対的であっても絶対的であってもよい。「存在をアセスメントする(assessing)」は、存在する何かの量を決定すること、ならびにそれが存在するか否かを決定することを含み得る。
本明細書において使用されているとき、別途特定されていない限り、化合物の「治療有効量」は、疾患もしくは障害の処置もしくは管理において治療的利益を付与する、またはかかる疾患もしくは障害に関連する1以上の症状を遅らせるもしくは最小にするのに十分な量である。化合物の治療有効量は、疾患または障害の処置または管理において治療的利益を付与する単独または他の治療と組み合わせた治療剤の量を意味する。用語「治療有効量」は、治療全体を改良する、疾患もしくは障害の症状もしくは原因を低減もしくは回避する、または別の治療剤の治療有効性を向上させる量を包含し得る。
本明細書において使用されているとき、別途特定されていない限り、化合物の「予防的有効量」は、疾患もしくは障害を防止する、またはその再発を防止するのに十分な量である。化合物の予防的有効量は、疾患の防止において予防的利益を付与する単独または他の治療と組み合わせた治療剤の量を意味する。用語「予防的有効量」は、予防全体を改良する、または別の予防剤の予防有効性を向上させる量を包含し得る。
本明細書において使用されているとき、別途示されていない限り、用語「薬学的に許容可能な塩」として、限定されないが、本明細書において提供される化合物に存在し得る酸性基の塩が挙げられる。ある特定の酸性条件下で、上記化合物は、種々の無機及び有機酸との様々な塩を形成することができる。かかる塩基性化合物の薬学的に許容可能な塩を調製するのに使用され得る酸は、塩、例えば、限定されないが、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、酒石酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストル酸塩、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアニサニル酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、ヒドロキシナフトエ酸塩、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩(メシル酸塩)、硫酸メチル、ムスケート、ナプシル酸塩、硝酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トリエチオジド、及びパモ酸塩を含めた薬理学的に許容可能なアニオンを形成するものである。
本明細書において使用されているとき、別途示されていない限り、用語「水和物」は、非共有結合分子間力によって結合している化学量論または非化学量論量の水をさらに含む、本明細書において提供される化合物またはその塩を意味する。水和物は、結晶性または非結晶性であり得る。
本明細書において使用されているとき、別途示されていない限り、用語「溶媒和物」は、本明細書において提供される化合物への1以上の溶媒分子の会合から形成される溶媒和物を意味する。用語「溶媒和物」は、水和物(例えば、一水和物、二水和物、三水和物、四水和物など)を含む。溶媒和物は、結晶性または非結晶性であり得る。
本明細書において使用されているとき、別途特定されていない限り、用語「立体異性体」は、全ての、鏡像異性的に/立体異性的に純粋なかつ鏡像異性的に/立体異性的に富化された、本明細書において提供される化合物を包含する。
本明細書において使用されているとき、別途示されていない限り、用語「立体異性的に純粋な」または「鏡像異性的に純粋な」は、化合物が、一方の立体異性体を含み、その対の立体異性体または鏡像異性体を実質的に含まないことを意味する。例えば、化合物は、当該化合物が、80%、90%または95%以上の一方の立体異性体と、20%、10%または5%以下のその対の立体異性体とを含有するとき、立体異性的にまたは鏡像異性的に純粋である。ある特定の場合において、本明細書において提供される化合物は、当該化合物が、特定のキラル中心について約80%以上のee(鏡像異性体過剰率)、好ましくは90%以上のee、より好ましくは特定のキラル中心について95%のeeであるとき、キラル中心に対して光学活性である、または立体異性的に/鏡像異性的に純粋である(すなわち、実質的にR体または実質的にS体)とされる。
本明細書において使用されているとき、別途示されていない限り、用語「立体異性的に富化された」または「鏡像異性的に富化された」は、ラセミ混合物ならびに本明細書において提供される化合物の立体異性体の他の混合物(例えば、R/S=30/70、35/65、40/60、45/55、55/45、60/40、65/35及び70/30)を包含する。
用語「薬学的に許容可能な担体」、「薬学的に許容可能な賦形剤」、「生理学的に許容可能な担体」、または「生理学的に許容可能な賦形剤」は、薬学的に許容可能な材料、組成物、あるいはビヒクル、例えば、液体もしくは固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、または封入材料を指す。一実施形態において、各構成要素は、合理的なベネフィット/リスク比に見合って、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、免疫原性、または他の問題もしくは合併症を伴うことなく、医薬製剤の他の成分と相溶性であり、かつ、ヒト及び動物の組織または器官と接触して使用するのに好適であるという意味で「薬学的に許容可能」である。Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st Edition;Lippincott Williams & Wilkins:Philadelphia,PA,2005;Handbook of Pharmaceutical Excipients,5th Edition;Rowe et al.,Eds.,The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association:2005;and Handbook of Pharmaceutical Additives,3rd Edition;Ash and Ash Eds.,Gower Publishing Company:2007;Pharmaceutical Preformulation and Formulation,Gibson Ed.,CRC Press LLC:Boca Raton,FL,2004)を参照されたい。
用語「約」または「およそ」は、部分的には値がどのように測定または決定されているかに応じて、当業者によって決定される特定の値についての許容可能な誤差を意味する。ある特定の実施形態において、用語「約」または「およそ」は、1、2、3、または4の標準偏差内を意味する。ある特定の実施形態において、用語「約」または「およそ」は、所与の値または範囲の50%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%または0.05%以内を意味する。
5.2化合物
本明細書において提供される方法に好適な化合物は、式I:
の構造を有する3−(5−アミノ−2−メチル−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−ピペリジン−2,6−ジオン、あるいはその鏡像異性体もしくは鏡像異性体の混合物;またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、もしくは多形体(化合物1)である。
化合物1は、本明細書において提供される実施例に記載されている方法にしたがって、または開示内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,635,700号に記載されているように調製され得る。上記化合物はまた、本明細書における教示に基づいて当業者に明らかな他の方法にしたがって合成されてもよい。
ある特定の実施形態において、化合物1は、固体である。ある特定の実施形態において、化合物1は、水和されている。ある特定の実施形態において、化合物1は、溶媒和されている。ある特定の実施形態において、化合物1は、無水物である。ある特定の実施形態において、化合物1は、非吸湿性である。
ある特定の実施形態において、化合物1は、無定形である。ある特定の実施形態において、化合物1は、結晶性である。ある特定の実施形態において、固体化合物1は、全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,802,685号に記載されている結晶形態である。
固体形態の化合物1は、米国特許第8,802,685号の開示に記載されている方法にしたがって調製され得る。固体形態はまた、当業者に明らかな他の方法にしたがっても調製され得る。
ある特定の実施形態において、化合物1は、3−(5−アミノ−2−メチル−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンの塩酸塩、あるいはその鏡像異性体もしくは鏡像異性体の混合物;またはその薬学的に許容可能な溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、もしくは多形体である。ある特定の実施形態において、塩酸塩は、固体である。ある特定の実施形態において、塩酸塩は、無水物である。ある特定の実施形態において、塩酸塩は、非吸湿性である。ある特定の実施形態において、塩酸塩は、無定形である。ある特定の実施形態において、塩酸塩は、結晶性である。ある特定の実施形態において、塩酸塩は、結晶形態Aである。
化合物1の塩酸塩及びその固体形態は、米国特許第8,802,685号の開示に記載されている方法にしたがって調製され得る。塩酸塩その固体形態はまた、当業者に明らかな他の方法にしたがっても調製され得る。
本明細書において提供される化合物1は、1つのキラル中心を含有し、鏡像異性体の混合物、例えば、ラセミ混合物として存在し得る。この開示は、立体異性的に純粋な形態のかかる化合物の使用、ならびにこれらの形態の混合物の使用を包含する。例えば、等量または非等量の、本明細書において提供される化合物1の鏡像異性体を含む混合物が、本明細書に開示されている方法及び組成物において使用されてよい。これらの異性体は、キラルカラムまたはキラル分割剤などの標準技術を使用して不斉合成または分割されてよい。例えば、Jacques,J.,et al.,Enantiomers,Racemates and Resolutions(Wiley−Interscience,New York,1981);Wilen,S.H.,et al.,Tetrahedron 33:2725(1977);Eliel,E.L.,Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw−Hill,NY,1962);及びWilen,S.H.,Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p.268(E.L.Eliel,Ed.,Univ.of Notre Dame Press,Notre Dame,IN,1972)を参照されたい。
表示されている構造と名称が付与された構造との間に差異があるときには、表示されている構造により重きが置かれるべきであることに注意すべきである。また、構造または構造の一部の立体化学が例えば太線または点線で示されていないとき、当該構造または当該構造の一部は、当該構造の全ての立体異性体を包含すると解釈されるべきである。
5.3サイクリング療法
本明細書に記載されている化合物は、本明細書に記載されている方法と併せて、必要とする患者に周期的に投与され得る。サイクリング療法は、ある期間の活性剤の投与(投与期間)、続いてある期間の休止(休止期間)、及びこの逐次的投与の繰り返しを含む。サイクリング療法は、治療の1以上への耐性の発生を低減し、治療の1つの副作用を回避もしくは低減し、及び/または処置の有効性を改良し得る。このように、ある特定の場合において、本明細書に記載されているサイクリング療法は、本明細書に記載されている化合物または組成物(例えば、化合物1またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、立体異性体、互変異性体もしくはラセミ混合物)の投与に関連する副作用を低減する。
別の態様において、サイクリング療法は、5日間の投与期間、続いて2日の休止期間を含む。さらに別の態様において、サイクリング療法は、延長された投与期間、続いて7日の休止期間を含む。「延長された投与期間」は、本明細書において使用されているとき、7日以上にわたる化合物1の継続的な毎日の投与(例えば、QD)を指す。ある特定の実施形態において、延長された投与期間は、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、または21日間の化合物1の継続的な毎日の投与を含む。ある特定の実施形態において、延長された投与期間は、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、または21日間の化合物1の継続的な毎日の投与を含む。一実施形態において、継続的な投与は、7日間である。一実施形態において、継続的な投与は、8日間である。一実施形態において、継続的な投与は、9日間である。一実施形態において、継続的な投与は、10日間である。一実施形態において、継続的な投与は、11日間である。一実施形態において、継続的な投与は、12日間である。一実施形態において、継続的な投与は、13日間である。一実施形態において、継続的な投与は、14日間である。一実施形態において、継続的な投与は、15日間である。一実施形態において、継続的な投与は、16日間である。一実施形態において、継続的な投与は、17日間である。一実施形態において、継続的な投与は、18日間である。一実施形態において、継続的な投与は、19日間である。一実施形態において、継続的な投与は、20日間である。一実施形態において、継続的な投与は、21日間である。
別の実施形態において、サイクリング療法は、少なくとも継続して7日の投与の投与期間を含む。投与期間は、投与期間が本明細書に記載されている少なくとも1以上のサイクルで繰り返される、21日間であり得る。
本明細書に記載されているサイクリング療法は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8以上のサイクルで繰り返され得る。ある特定の場合において、本明細書に記載されているサイクリング療法は、1〜約24サイクル、約2〜約16サイクル、または約2〜約4サイクルを含む。ある特定の場合において、サイクリング療法は、当該サイクル数に限定されず、治療は、病気の進行まで継続される。サイクルは、ある特定の場合において、本明細書に記載されている投与期間及び/または休止期間の継続期間を変動させることを含み得る。
一態様において、サイクリング療法は、本明細書に記載されている化合物1を5日間の投与期間、続いて2日の休止期間で投与することを含む(例えば、5/7サイクリング療法)。一実施形態において、5/7サイクリング療法は、約2〜約16サイクルで繰り返される。一実施形態において、5/7サイクリング療法は、2、3、または4サイクルで繰り返される。5/7サイクリング療法における化合物1の投薬量は、本明細書に記載されている。一実施形態において、5/7サイクリング療法は、化合物1を、約0.1mg〜約20mg、約0.1mg〜約15mg、約0.1mg〜約10mg、約1mg〜約7mg、約1mg〜約5mg、約1mg〜約4mg、または約1mg〜約3mgの投薬量で投与することを含む。
一実施形態において、5/7サイクリング療法は、化合物1を約1mg、2mg、3mg、4mgまたは5mgで投与することを含む。
ある特定の実施形態において、5/7サイクリング療法で投与される化合物の量は、本明細書に記載されている延長された投与期間において投与される量よりも多い。いずれの特定の理論によっても拘束されないが、より高い投薬量の投与が、患者にとってより耐容性であり得、短縮された投与期間でさらなる有効性を結果として生じ得る。
他の実施形態において、本明細書に記載されている5/7サイクリング療法において投与される化合物の量は、本明細書に記載されている延長された投与期間において投与される量よりも少ない。かかる低下された量の投与は、本明細書に記載されているいずれのサイクル数でも、また、特に1、3、5、7、または10サイクルを超えるサイクル数でも実施され得る。ある特定の実施形態において、より低量で化合物を投与することにより、化合物への耐性の発生の観察を減少させることが可能である。
別の態様において、本明細書に記載されている化合物1を、本明細書に記載されている延長された投与期間、続いて7日の休止期間で投与することを含むサイクリング療法である。一実施形態において、延長された投与期間は、本明細書に記載されている化合物1を、継続する21日間にわたって毎日投与することを含む。一実施形態において、サイクリング療法は、3、4、5、6、7、8、9以上のサイクルにわたって連続して繰り返される延長された投与期間を含む。
一実施形態において、本明細書に記載されている延長された投与期間を含むサイクリング療法は、約0.1mg〜約20mg、約0.1mg〜約15mg、約0.1mg〜約10mg、約1mg〜約7mg、約1mg〜約5mg、約1mg〜約4mg、または約1mg〜約3mgの投薬量での毎日の化合物1の投与を含む。
一実施形態において、本明細書に記載されている延長された投与期間を含むサイクリング療法において投与される化合物の量は、3または4mgである。一実施形態において、本明細書に記載されている延長された投与期間を含むサイクリング療法において投与される化合物の量は、約3mg〜約4mgである。
なお別の態様において、サイクリング療法は、本明細書に記載されているサイクリング療法の1以上を含む。そのため、一実施形態において、サイクリング療法は、上記に記載されている少なくとも1の5/7サイクルと、延長された投与期間を含む少なくとも1のサイクリング療法とを含む。化合物1は、かかるサイクリング療法において全ての投与期間にわたって同じ量で投与され得、本明細書に記載されているように投与され得る。代替的には、一実施形態において、化合物は、投与期間(例えば、5日の投与期間及び本明細書に記載されている延長された投与期間)の間で異なる用量にて投与される。1つのかかる実施形態において、化合物1は、本明細書に記載されているように、第1投与期間よりも第2投与期間においてより低量で投与される。化合物1は、本明細書に記載されているような投薬及び投薬量にしたがって投与され得る。
上記に記載されているように変動する長さの投与期間を含む周期的療法は、本明細書に記載されている、いずれの順序で、また、いずれのサイクル数で独立して投与されてもよい。そのため、一実施形態において、化合物1のサイクリング療法は、本明細書に記載されている少なくとも1、2、3、4、5、6以上の5/7サイクリング療法と、本明細書に記載されている延長された投与期間を含む1、2、3、4、5、6以上のサイクリング療法とを含み、ここで、上記の2つの療法は、いずれの組み合わせ(例えば、2の5/7サイクリング療法、続いて延長された投与期間を含む1のサイクリング療法)で投与されてもよい。
いくつかの実施形態において、ある特定の用量の、本明細書に記載されている化合物または組成物は、本明細書に記載されている細胞の集団の好中球への分化を低減または遮断し得る。ある特定の実施形態において、サイクルにおける休止期間の導入は、患者における好中球の成熟(または増加)を可能にする。
一実施形態において、がんの処置、防止、管理、及び/または改善を、それを必要とする対象に有効量の化合物1を投与することにより、かかる処置、防止、管理、または改善に関連する本明細書に記載されている副作用を低減しながら行う方法であって、上記化合物が、(a)5日間の投与期間、続いて2日間の休止期間、または(b)本明細書に記載されている21日間の延長された投与期間、続いて7日間の休止期間を含むサイクリング療法において上記対象に投与され、サイクリング療法が、少なくとも1サイクルの期間にわたって患者に投与される、上記方法を本明細書において提供する。
5.4投薬量
患者に投与される化合物1の用量は、医療関係者の判断に供され得る。化合物1の用量は、因子、例えば:処置、防止、または管理される具体的な症状;患者の年齢及び状態;ならびに使用される第2活性剤があればその量に応じて変動する。概して、化合物1は、患者において約0.005mg/kg(患者の体重)〜約10mg/kg(患者の体重)の用量で1日に1〜4回以上投与され得るが、上記投薬量は、患者の年齢、体重及び医学的状態、ならびに投与のタイプに応じて適宜変動してよい。一実施形態において、用量は、約0.01mg/kg(患者の体重)〜約5mg/kg(患者の体重)、約0.05mg/kg(患者の体重)〜約1mg/kg(患者の体重)、約0.1mg/kg(患者の体重)〜約0.75mg/kg(患者の体重)または約0.25mg/kg(患者の体重)〜約0.5mg/kg(患者の体重)である。一実施形態において、用量は、約0.01mg/kg(患者の体重)〜約5mg/kg(患者の体重)である。一実施形態において、用量は、約0.05mg/kg(患者の体重)〜約1mg/kg(患者の体重)である。一実施形態において、用量は、約、0.1mg/kg(患者の体重)〜約0.75mg/kg(患者の体重)である。一実施形態において、用量は、約0.25mg/kg(患者の体重)〜約0.5mg/kg(患者の体重)である。
一実施形態において、単回用量は、1日につき与えられる。いずれの所与の場合においても、投与される化合物1の量は、活性成分の溶解度、使用される製剤、投与経路、及び患者の耐容性などの因子に依る。結果として、ある特定の実施形態において、2以上の用量の、本明細書に記載されている化合物または組成物が、本明細書に記載されているように対象に投与され得る。一実施形態において、局所濃度の適用は、細胞内曝露または約0.01〜10μMの濃度を与える。
ある特定の実施形態において、化合物1は、約0.1mg〜約50mg/日の量で使用され、従来の方式で(例えば、処置、防止もしくは管理期間の各日に同じ量が投与される)、サイクルにおいて(例えば、1週間オン、1週間オフ、設定の日数オン、設定の日数オフ)、または処置、防止、もしくは管理の過程にわたって増加もしくは減少する量で調整され得る。他の実施形態において、用量は、約0.1mg〜約30mg、約0.1mg〜約25mg、約0.1mg〜約20mg、約0.1mg〜約15mg、約0.1mg〜約10mg、約0.1mg〜約7mg、約1mg〜約15mg、約1mg〜約10mg、または約1mg〜約7mgであり得る。他の実施形態において、用量は、約1mg〜約5mg、約1mg〜約4mg、約2mg〜約6mg、約2mg〜約5mg、または約2mg〜約4mgであり得る。
他の実施形態において、用量は、約0.1mg〜約30mgであり得る。他の実施形態において、用量は、約0.1mg〜約25mgであり得る。他の実施形態において、用量は、約0.1mg〜約20mgであり得る。他の実施形態において、用量は、約0.1mg〜約15mgであり得る。他の実施形態において、用量は、約0.1mg〜約10mgであり得る。他の実施形態において、用量は、約0.1mg〜約7mgであり得る。他の実施形態において、用量は、約1mg〜約15mgであり得る。他の実施形態において、用量は、約1mg〜約10mgであり得る。他の実施形態において、用量は、約1mg〜約7mgであり得る。他の実施形態において、用量は、約1mg〜約5mgであり得る。他の実施形態において、用量は、約1mg〜約4mgであり得る。他の実施形態において、用量は、約2mg〜約6mgであり得る。他の実施形態において、用量は、約2mg〜約5mgであり得る。他の実施形態において、用量は、約2mg〜約4mgであり得る。他の実施形態において、用量は、約3mg〜約7mgであり得る。他の実施形態において、用量は、約4mg〜約7mgであり得る。他の実施形態において、用量は、約3mg〜約5mgであり得る。他の実施形態において、用量は、約4mg〜約5mgであり得る。他の実施形態において、用量は、約5mg〜約6mgであり得る。他の実施形態において、用量は、約5mg〜約7mgであり得る。他の実施形態において、用量は、約3mg〜約4mgであり得る。
特定の実施形態において、用量は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20mgである。特定の実施形態において、用量は、約1mgである。特定の実施形態において、用量は、約2mgである。特定の実施形態において、用量は、約3mgである。特定の実施形態において、用量は、約4mgである。特定の実施形態において、用量は、約5mgである。特定の実施形態において、用量は、約6mgである。特定の実施形態において、用量は、約7mgである。特定の実施形態において、用量は、約8mgである。特定の実施形態において、用量は、約9mgである。特定の実施形態において、用量は、約10mgである。特定の実施形態において、用量は、約11mgである。特定の実施形態において、用量は、約12mgである。特定の実施形態において、用量は、約13mgである。特定の実施形態において、用量は、約14mgである。特定の実施形態において、用量は、約15mgである。特定の実施形態において、用量は、約16である。特定の実施形態において、用量は、約17mgである。特定の実施形態において、用量は、約18mgである。特定の実施形態において、用量は、約19mgである。特定の実施形態において、用量は、約20mgである。他の特定の実施形態において、用量は、約2、3、4、または5mgである。別の実施形態において、用量は、約3、4または5mgである。本明細書に記載されているように、ある特定の場合において、処置時間にわたって投薬量を調節して有効性を最大にすることが有益であり得る。そのため、ある特定の実施形態において、第1投与期間において与えられる用量に、第2投与期間において付与される減少用量が続く。ある特定の実施形態において、第2またはその後の投与期間において付与される用量は、第1投与期間において付与される用量より10%、20%、25%、30%、40%または50%低い。別の実施形態において、投薬量は、本明細書に記載されている量及び投薬量にしたがって投与期間自体の範囲内で変動する。本明細書に記載されている全ての用量は、本明細書に記載されているようなエキソビボでの細胞との接触に同じように適用可能である。
ある特定の実施形態において、投薬量は、疾患または障害の処置の際に使用されるサイクリング療法によって決定される。一実施形態において、必要とされる患者に投与される化合物1の量は、投与期間がより短いとき、より多くなる(例えば、約1mg以上)。
別の実施形態において、必要とされる患者に投与される化合物1の量は、投与期間がより長いとき(例えば、本明細書に記載されている延長された投与期間)、より多くなる(例えば、約1mg以上)。
なお別の実施形態において、必要とされる患者に投与される化合物1の量は、投与期間がより短いとき、より少なくなる(例えば、約1mg未満)。
さらに別の実施形態において、必要とされる患者に投与される化合物1の量は、投与期間がより長いとき(例えば、本明細書に記載されている延長された投与期間)、より少なくなる(例えば、約1mg未満)。
5.5処置、防止及び管理の方法
一実施形態において、がんの処置または防止を、患者に、本明細書において提供される化合物、例えば、化合物1、またはその鏡像異性体もしくは鏡像異性体の混合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、もしくは多形体を、5日間の投与期間、続いて2日の休止期間、または21日間の投与期間、続いて7日の休止期間を含むサイクリング療法において投与することによって、かかる処置、防止、管理、または改善に関連する副作用を低減しながら行う方法を本明細書において提供する。一実施形態において、がんの処置または防止を、上記の化合物を、患者に、例えば、5日間の投与期間、続いて2日の休止期間、または21日間の投与期間、続いて7日の休止期間を含むサイクリング療法において投与することによって、かかる処置、防止、管理、または改善に関連する副作用を低減しながら行う方法での使用のための、上記の化合物1、またはその鏡像異性体もしくは鏡像異性体の混合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、もしくは多形体を本明細書において提供する。
本明細書において使用されているとき、用語「がん」として、限定されないが、固形腫瘍及び血液由来腫瘍が挙げられる。用語「がん」は、限定されないが、膀胱、骨、血液、脳、乳房、頸部、胸部、結腸、子宮内膜、食道、眼、頭部、腎臓、肝臓、リンパ節、肺、口、首部、卵巣、膵臓、前立腺、直腸、胃、精巣、咽喉及び子宮のがんを含めた、皮膚組織、器官、血液、及び血管の疾患を指す。具体的ながんとして、限定されないが、進行悪性腫瘍、アミロイドーシス、神経芽腫、髄膜腫、血管血管腫、多発性脳腫瘍、多形神経膠芽腫、膠芽細胞腫、脳幹グリオーマ、予後不良の悪性脳腫瘍、悪性グリオーマ、再発性悪性グリオーマ、未分化星細胞腫、未分化希突起グリオーマ、神経内分泌腫瘍、直腸腺がん、デュークスC&D結腸直腸がん、切除不能結腸直腸がん腫、転移性肝細胞がん腫、カポジ肉腫、核型急性骨髄芽球性白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、皮膚B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、低悪性度濾胞性リンパ腫、悪性黒色腫、悪性中皮腫、悪性胸膜滲出中皮腫症候群、腹膜がん腫、漿液性乳頭状がん腫、婦人科系肉腫、軟部組織肉腫、強皮症、皮膚血管炎、ランゲルハンス細胞組織球増加症、平滑筋肉腫、進行性骨化性線維異形成症、ホルモン難治性前立腺がん、切除ハイリスク軟部組織肉腫軟部組織肉腫、切除不能肝細胞がん腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、くすぶり型骨髄腫、無痛性型骨髄腫、卵管がん、アンドロゲン非依存性前立腺がん、アンドロゲン依存性のステージIV非転移性前立腺がん、ホルモン非感受性前立腺がん、化学療法非感受性前立腺がん、乳頭甲状腺がん腫、濾胞性甲状腺がん腫、甲状腺髄様がん腫、及び平滑筋腫が挙げられる。
ある特定の実施形態において、がんは、固形腫瘍である。ある特定の実施形態において、固形腫瘍は、転移性である。ある特定の実施形態において、固形腫瘍は、薬剤耐性である。ある特定の実施形態において、固形腫瘍は、肝細胞がん腫、前立腺がん、卵巣がん、または膠芽細胞腫である。
ある特定の実施形態において、がんは、血液感染性腫瘍である。ある特定の実施形態において、血液感染性腫瘍は、転移性である。ある特定の実施形態において、血液感染性腫瘍は、薬剤耐性である。ある特定の実施形態において、がんは、骨髄腫またはリンパ腫である。
別の実施形態において、リンパ腫の処置、防止または管理を、患者に、本明細書において提供される化合物、例えば、化合物1、またはその鏡像異性体もしくは鏡像異性体の混合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、もしくは多形体を、5日間の投与期間、続いて2日の休止期間、または21日間の投与期間、続いて7日の休止期間を含むサイクリング療法において投与することによって、かかる処置、防止、管理、または改善に関連する副作用を低減しながら行う方法を本明細書において提供する。ある特定の実施形態において、リンパ腫は、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、AIDS関連リンパ腫、未分化大細胞細胞リンパ腫、血管免疫芽球性リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、バーキット様リンパ腫、小型非開裂細胞性リンパ腫、腸症型T細胞リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、鼻腔T細胞リンパ腫、小児リンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫、活性化B細胞リンパ腫、皮膚B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞中心リンパ腫、形質転換リンパ腫、中間分化のリンパ球性リンパ腫、中間型リンパ球性リンパ腫(ILL)、びまん性低分化型リンパ球性リンパ腫(PDL)、中心細胞性リンパ腫、びまん性核切れ込み小細胞型リンパ腫(DSCCL)、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)、皮膚T細胞リンパ腫、処置関連T細胞リンパ腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、ならびにマントルゾーンリンパ腫及び低悪性度濾胞性リンパ腫から選択される。
別の実施形態において、非ホジキンリンパ腫の処置または管理を、患者に、本明細書において提供される化合物を、5日間の投与期間、続いて2日の休止期間、または21日間の投与期間、続いて7日の休止期間を含むサイクリング療法において投与することにより、かかる処置、防止、管理、または改善に関連する副作用を低減しながら行う方法を本明細書において提供する。
いくつかの実施形態において、限定されないが、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を含めた非ホジキンリンパ腫(NHL)の処置または管理を、患者に、本明細書において提供される化合物を、5日間の投与期間、続いて2日の休止期間、または21日間の投与期間、続いて7日の休止期間を含むサイクリング療法において投与することにより、かかる処置、防止、管理、または改善に関連する副作用を低減しながら行う方法を本明細書において提供する。いくつかの実施形態において、DLBCLは、難治性または再発型である。
一実施形態において、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫は、活性化B細胞(ABC)表現型のものである。
一実施形態において、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫は、胚芽中心B細胞(GCB)表現型のものである。
一実施形態において、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫は、未分類の起始細胞のものである。
いくつかの実施形態において、マントル細胞リンパ腫(MCL)の処置または管理を、患者に、本明細書において提供される化合物を、5日間の投与期間、続いて2日の休止期間、または21日間の投与期間、続いて7日の休止期間を含むサイクリング療法において投与することにより、かかる処置、防止、管理、または改善に関連する副作用を低減しながら行う方法を本明細書において提供する。
また、問題の状態について以前に処置されたが標準治療に非応答性である患者、及び以前に処置されていない患者を処置する方法も本明細書において提供する。本発明はまた、いくらかの疾患または障害が、ある特定の年齢群により一般的であるが、患者の年齢に関わらず患者を処置する方法も包含する。本発明は、問題の疾患または状態を処置する試みにおいて手術を受けた患者、ならびに受けていない患者を処置する方法をさらに包含する。リンパ腫を有する患者は、均一でない臨床兆候及び変動する臨床結果を有するため、患者に与えられる処置は、その予後に応じて変動してよい。熟練した臨床医は、過度の実験を伴わずに、リンパ腫を有する個々の患者を処置するのに有効に使用され得る具体的な二次薬剤、手術のタイプ及び非薬剤系標準治療のタイプを容易に決定することができる。
ある特定の実施形態において、本明細書において提供される方法の1つによって処置される患者は、化合物1の投与の前に抗がん治療によって処置されていない。ある特定の実施形態において、本明細書において提供される方法の1つによって処置される患者は、化合物1の投与の前に抗がん治療によって処置されている。ある特定の実施形態において、本明細書において提供される方法の1つによって処置される患者は、抗がん治療への薬剤耐性を発症していない。
本明細書において提供される方法は、いくらかの疾患または障害が、ある特定の年齢群により一般的であるが、患者の年齢に関わらず患者を処置することを包含する。問題の疾患または状態を処置する試みにおいて手術を受けた患者、ならびに受けていない患者を処置するための方法をさらに本明細書において提供する。
処置される疾患及び対象の状態に応じて、化合物1は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹膜内、静脈内、CIV、嚢内注入もしくは注射、皮下注入、または移植)、吸入、経鼻、膣内、直腸、舌下、または局所(例えば、経皮もしくは局部)投与経路によって投与されてよい。化合物1は、単独で、または各投与経路に適切な、薬学的に許容可能な賦形剤、担体、アジュバント及びビヒクルと共に好適な投薬量単位で製剤化されてよい。
一実施形態において、化合物1は、経口投与される。別の実施形態において、化合物1は、非経口投与される。なお別の実施形態において、化合物1は、静脈内投与される。
化合物1は、単回用量、例えば、単回ボーラス注入、または経口錠剤もしくは丸薬などとして;あるいは経時的に、例えば、経時的に連続注射または経時的に分割ボーラス用量などで送達され得る。化合物は、例えば、患者が安定な疾患もしくは退行を経験するまで、または患者が疾患の進行もしくは許容不可能な毒性を経験するまで、必要に応じて繰り返し投与され得る。例えば、固形腫瘍の安定な疾患は、測定可能な病変の垂直直径が最後の測定から25%以上増加していないことを概して意味する。Response Evaluation Criteria in Solid Tumors(RECIST) Guidelines,Journal of the National Cancer Institute 92(3):205−216(2000)。安定な疾患またはその欠失は、当該分野において公知の方法、例えば、患者の症状の評価、身体検査、X線、CAT、PET、またはMRIスキャンを使用して撮像された腫瘍の視覚化、及び他の一般的に認められている評価様式によって決定される。
5.5.1第2活性剤との組み合わせ療法
化合物1はまた、本明細書に記載されている、リンパ腫を含めたがんの処置及び/または防止において有用な他の治療剤と組み合わされ得、または組み合わせて使用され得る。
一実施形態において、リンパ腫を処置、防止、または管理する方法であって、患者に、化合物1を、1以上の第2活性剤と組み合わせて、また、任意選択的に、放射線治療、輸血、または手術と組み合わせて投与することを含む、上記方法を本明細書において提供する。第2活性剤の例は、本明細書において開示されている。
本明細書において使用されているとき、用語「組み合わせて」は、1を超える治療(例えば、1以上の予防及び/または治療剤)の使用を含む。しかし、用語「組み合わせて」の使用は、治療(例えば、予防及び/または治療剤)が疾患または障害を有する患者に投与される順序を制限しない。第1治療(例えば、予防または治療剤、例えば、本明細書において提供される化合物)は、対象への第2治療(例えば、予防または治療剤)の投与の前(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間前)に、同時に、または後(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間後)に投与され得る。3剤併用も本明細書において企図される。
患者への化合物1及び1以上の第2活性剤の投与は、同じまたは異なる投与経路によって同時にまたは逐次的に行われ得る。特定の活性剤に用いられる特定の投与経路の適合性は、活性剤自体(例えば、血流に入る前に分解することなく経口で投与され得るかどうか)及び処置されるがんに依る。
化合物1の投与経路は、第2治療の投与経路と無関係である。一実施形態において、化合物1は、経口投与される。別の実施形態において、化合物1は、静脈内投与される。そのため、これらの実施形態によると、化合物1は、経口投与され、第2治療は、経口で、非経口、腹膜内、静脈内、動脈内、経皮、舌下、筋肉内、直腸、経頬、鼻腔内、リポソーム、吸入を介して、膣内、眼内、カテーテルもしくはステントによる局部送達を介して、皮下、脂肪内、関節内、髄腔内、または遅延放出剤形で投与され得る。一実施形態において、化合物1及び第2治療は、経口でまたはIVで同じ投与様式によって投与される。別の実施形態において、化合物1は、一方の投与様式で、例えば、IVによって投与されるが、第2剤(抗がん剤)は、別の投与様式、例えば、経口で投与される。
一実施形態において、第2活性剤は、約1〜約1000mg、約5〜約500mg、約10〜約350mg、または約50〜約200mgの量で1日1回または2回静脈内または皮下投与される。第2活性剤の具体的な量は、使用される具体的な剤、処置または管理される疾患のタイプ、疾患の重篤度及びステージ、ならびに患者に同時に投与される本明細書において提供される化合物1の量及びいずれかの任意選択的なさらなる活性剤に依る。
一実施形態において、第2活性剤は、巨大分子(例えば、タンパク質)または小分子(例えば、合成無機、有機金属、もしくは有機分子)である。
巨大分子活性剤の例として、限定されないが、造血成長因子、サイトカイン、ならびにモノクローナル及びポリクローナル抗体が挙げられる。ある特定の実施形態において、巨大分子活性剤は、生体分子、例えば天然または人工的に作られたタンパク質である。この開示において特に有用であるタンパク質として、インビトロまたはインビボでの造血前駆体細胞及び免疫学的に活性な生成細胞の生存及び/または増殖を刺激するタンパク質が挙げられる。その他のものは、インビトロまたはインビボで細胞における徹底した赤血球前駆細胞の分割及び分化を刺激する。特定のタンパク質として、限定されないが:インターロイキン、例えばIL−2(組み換えIL−II(「rIL2])及びカナリア痘IL−2を含む)、IL−10、IL−12、及びIL−18;インターフェロン、例えばインターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ−2b、インターフェロンアルファ−n1、インターフェロンアルファ−n3、インターフェロンベータ−Ia、及びインターフェロンガンマ−Ib;GM−CF及びGM−CSF;ならびにEPOが挙げられる。
本開示の方法及び組成物において使用され得る特定のタンパク質として、限定されないが:商品名NEUPOGEN(登録商標)(Amgen,Thousand Oaks,CA)で米国において販売されているfilgrastim;商品名LEUKINE(登録商標)(Immunex、Seattle、WA)で米国において販売されているsargramostim;及び商品名EPGEN(登録商標)(Amgen,Thousand Oaks,CA)で米国において販売されている組み換えEPOが挙げられる。
ActRII受容体の阻害剤またはアクチビン−ActRII阻害剤は、本明細書において提供される方法及び組成物において使用されてよい。ActRII受容体は、ActRIIA阻害剤及びActRIIB阻害剤を含む。ActRII受容体の阻害剤は、ActRIIのアクチビン結合ドメインを含むポリペプチドであり得る。ある特定の実施形態において、ポリペプチドを含むアクチビン結合ドメインは、抗体のFc部分(すなわち、ActRII受容体のポリペプチドを含むアクチビン結合ドメイン及び抗体のFc部分を含むコンジュゲート)に連結される。ある特定の実施形態において、アクチビン結合ドメインは、リンカー、例えば、ペプチドリンカーを介して抗体のFc部分に連結される。アクチビンまたはActRIIA結合に関して選択されるかかる非抗体タンパク質、ならびにその設計及び選択のための方法の例は、それぞれ、全体が参照により本明細書に組み込まれるWO/2002/088171、WO/2006/055689、WO/2002/032925、WO/2005/037989、US2003/0133939、及びUS2005/0238646において見出される。
GM−CSFの組み換え及び変異型は、米国特許第5,391,485号;同第5,393,870号;及び同第5,229,496号に記載されているように調製され得;それぞれの開示内容は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。G−CSFの組み換え及び変異型は、米国特許第4,810,643号;同第4,999,291号;同第5,528,823号;及び同第5,580,755号に記載されているように調製され得;それぞれの開示内容は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
この開示は、ネイティブ、天然、及び組み換えタンパク質の使用を包含する。本開示は、天然タンパク質の変異体及び誘導体(例えば、修飾形態)であって、これらがベースとするタンパク質の薬理活性の少なくともいくらかをインビボで示す上記変異体及び誘導体(例えば、修飾形態)をさらに包含する。変異体の例として、限定されないが、タンパク質であって、かかるタンパク質の天然形態における対応する残基と異なる1以上のアミノ酸残基を有するかかるタンパク質が挙げられる。また、用語「変異体」には、天然形態(例えば、非グリコシル化形態)に通常存在する炭水化物部位を欠失しているタンパク質が包含される。誘導体の例として、限定されないが、ペグ化誘導体及び融合タンパク質、例えば、タンパク質または対象のタンパク質の活性部分にIgG1またはIgG3を融合することによって形成されるタンパク質が挙げられる。例えば、Penichet,M.L.and Morrison,S.L.,J.Immunol.Methods 248:91−101(2001)を参照されたい。
本明細書において提供される化合物1と併用され得る抗体は、モノクローナル及びポリクローナル抗体を含む。抗体の例として、限定されないが、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))、リツキシマブ(RITUXAN(登録商標))、ベバシズマブ(AVASTIN(商標))、ペルツズマブ(OMNITARG(商標))、トシツモマブ(BEXXAR(登録商標))、エドレコロマブ(PANOREX(登録商標))、パニツムマブ及びG250が挙げられる。本明細書において提供される化合物1はまた、抗TNF−α抗体と組み合わされても、これと組み合わせて使用されてもよい。
巨大分子活性剤は、抗がんワクチンの形態で投与されてよい。例えば、サイトカイン、例えばIL−2、SCF、CXCl4(血小板因子4)、G−CSF、及びGM−CSFを分泌するまたはその分泌を引き起こすワクチンは、本開示の方法、医薬組成物、及びキットにおいて使用され得る。例えば、Emens,L.A.,et al.,Curr.Opinion Mol.Ther.3(1):77−84(2001)を参照されたい。
小分子である第2活性剤もまた、本明細書において提供される化合物1の投与に関連する副作用を軽減するのに使用され得る。しかし、いくつかの巨大分子と同様に、多くが、化合物1と共に(例えば、前、後または同時に)投与されるとき、相乗効果を付与することが可能であるとされている。小分子の第2活性剤の例として、限定されないが、抗がん剤、抗生物質、免疫抑制剤、及びステロイドが挙げられる。
抗がん剤の例として、限定されないが:アブラキサン;ace−11;アシビシン;アクラルビシン;塩酸アコダゾール;アクロニン;アドセレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン;酢酸アメタントロン;アムルビシン;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;塩酸ビサントレン;ジメシル酸ビスナフィド;ビゼレシン;硫酸ブレオマイシン;ブレキナールナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチマー;カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン;カルゼレシン;セデフィンゴール;セレコキシブ(COX−2阻害剤);クロラムブシル;シロレマイシン;シスプラチン;クラドリビン;メシル酸クリスナトール;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン;デキソルマプラチン;デザグアニン;メシル酸デザグアニン;ジアジコン;ドセタキセル;ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;デュアゾマイシン;エダトレキセート;塩酸エフロルニチン;エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロメート;エピプロピジン;塩酸エピルビシン;エルブロゾール;塩酸エソルビシン;エストラムスチン;リン酸エストラムスチンナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン;塩酸ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロシタビン;ホスキドン;ホストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;ハーセプチン;ヒドロキシ尿素;塩酸イダルビシン;イホスファミド;イルモホシン;イプロプラチン;イリノテカン;塩酸イリノテカン;酢酸ランレオチド;ラパチニブ;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;塩酸リアロゾール;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;塩酸ロソキサントロン;マソプロコール;メイタンシン;塩酸メクロレタミン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン;ミトギリン;ミトマルシン;マイトマイシン;ミトスペル;ミトタン;塩酸ミトキサントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;パクリタキセル;ペガスパルガーゼ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;塩酸プロカルバジン;ピューロマイシン;塩酸ピューロマイシン;ピラゾフリン;リボプリン;ロミデプシン;サフィンゴール;塩酸サフィンゴール;セムスチン;シムトラゼン;スパルホセートナトリウム;スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;幹細胞処置、例えばPDA−001;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;タリソマイシン;テコガランナトリウム;タキソテール;テガフール;塩酸テロキサントロン;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシリビン;トリメトレキセート;グルクロン酸トリメトレキセート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;塩酸ビンブラスチン;塩酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシネート;硫酸ビンロイロシン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;及び塩酸ゾルビシンが挙げられる。
他の抗がん剤として、限定されないが:20−エピ−1,25ジヒドロキシビタミンD3;5−エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドセレシン;アルデスロイキン;ALL−TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アムバムスチン;アミドクス;アミホスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド;血管新生阻害剤;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリクス;抗背方化形態形成タンパク質−1;抗アンドロゲン、前立腺がん腫;抗エストロゲン薬;アンチネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;グリシン酸アフィディコリン;アポトーシス遺伝子モジュレータ;アポトーシス調節因子;アプリン酸;ara−CDP−DL−PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;ベータラクタム誘導体;ベータ−アレチン;ベタクラマイシンB;ベツリニン酸;b−FGF阻害剤;ビカルタミド;ビスアントレン;ビスアジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテンA;ビゼレシン;ブレフレート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシイミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カペシタビン;カルボキサミド−アミノ−トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN700;軟骨由来阻害剤;カルゼレシン;カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリクス;クロリン(chlorlns);クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;cis−ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似体;コナゲニン;クラムベスシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシンA;シクロペンタントラキノン;シクロプラタム;シペマイシン;シタラビンオクホスフェート;細胞溶解因子;サイトスタチン;ダクリキシマブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメタゾン;デキシホスファミド;デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジコン;ジデムニンB;ジドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ−5−アザシチジン;ジヒドロタキソール、9−;ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドセタキセル;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドキソルビシン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルホシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフール;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;塩酸フルオロダウノルニシン;ホルフェニメクス;ホルメスタン;ホストリエシン;ホテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリクス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット;イマチニブ(例えば、GLEEVEC(登録商標))、イミキモド;免疫刺激ペプチド;インスリン様成長因子−1受容体阻害剤;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール4−;イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;三酢酸ラメラリン−N;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトールスタチン;レトロゾール;白血病阻害因子;白血球アルファインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;ロイプロレリン;レバミソール;リアロゾール;直鎖ポリアミン類似体;親油性二糖ペプチド;親油性白金化合物;リソクリンアミド7;ロバプラチン;ロムブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロキソリビン;ラルトテカン;ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;溶解性ペプチド;メイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリライシン阻害剤;マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチム;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシン類似体;ミトナフィド;マイトトキシン線維芽細胞成長因子−サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;エルビタックス、ヒト絨毛性ゴナドトロピン;モノホスホリル脂質A+マイコバクテリア細胞壁sk;モピダモール;マスタード抗がん剤;マイカペルオキシドB;マイコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン;N−アセチルジナリン;N−置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチプ;ナロキソンペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシンネリドロン酸;ニルタミド;ニサマイシン;酸化窒素モジュレータ;ニトロキシド抗酸化剤;ニトルリン;オブリメルセン(GENASENSE(登録商標));O6−ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン誘導物質;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パクリタキセル;パクリタキセル類似体;パクリタキセル誘導体;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペガスパルガーゼ;ペルデシン;ポリ硫酸ペントサンナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロンペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;酢酸フェニル;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニル;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノーゲン活性化因子阻害剤;白金錯体;白金化合物;白金−トリアミン錯体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルビス−アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;プロテインAベースの免疫モジュレータ;タンパク質キナーゼC阻害剤;タンパク質キナーゼC阻害剤、微細藻類;タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレンコンジュゲート;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras−GAP阻害剤;脱メチル化レテリプチン;レニウムRe186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム;RIIレチナミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロキニメックス;ルビギノンB1;ルボキシル;サフィンゴール;サイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi1模倣薬;セムスチン;老化由来阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害剤;シゾフィラン;ソブゾキサン;ナトリウムボロカプテート;フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルホス酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンギスタチン1;スクアラミン;スチピアミド;ストロメリシン阻害剤;スルフィノシン;過剰活性型血管作用性腸ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ;スラミン;スワインソニン;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリリウム;テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブラスチン;チオコラリン;トロンボポイエチン;トロンボポイエチン模倣薬;チマルファシン;チモポイエチン受容体アゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;スズエチルエチオプルプリン;チラパザミン;二塩化チタノセン;トプセンチン;トレミフェン;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキセート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害剤;チルホスチン;UBC阻害剤;ウベニメクス;尿生殖洞由来成長阻害因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB;ベラレソル;ベラミン;ベルジン;ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;ビタキシン;ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;及びジノスタチンスチマラマーが挙げられる。
ある特定の実施形態において、第2活性剤は、オブリメルセン(GENASENSE(登録商標))、GM−CSF、G−CSF、SCF、EPO、ダラツムマブ、SAR650984及びMOR03087を含めた抗CD38抗体、リツキシマブ、オビヌツズマブ、トシツモマブ、131Iトシツモマブ、90Yイブリツモマブ、111Iイブリツモマブ、オファツムマブ、及びこれらの混合物を含めた抗CD20抗体、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標))、クロラムブシル、ベンダムスチン(Treanda(登録商標))及びイホスファミド(Ifex(登録商標))を含めたアルキル化剤;プレドニゾン及びデキサメタゾン(Decadron(登録商標))を含めたコルチコステロイド;シスプラチン、カルボプラチン、及びオキサリプラチンを含めた白金薬剤;フルダラビン(Fludara(登録商標))、ペントスタチン(Nipent(登録商標))及びクラドリビン(2−CdA、Leustatin(登録商標))を含めたプリン類似体;シタラビン(ara−C)、ゲムシタビン(Gemzar(登録商標))、メトトレキサート及びプララトレキサート(palatrexate)(Folotyn(登録商標))を含めた代謝拮抗物質;ならびにビンクリスチン(Oncovin(登録商標))、ドキソルビシン(Adriamycin(登録商標))、ミトキサントロン、エトポシド(VP−16)及びブレオマイシンを含めた他の抗がん剤、またはこれらの組み合わせである。
ある特定の実施形態において、第2活性剤は、オブリメルセン、GM−CSF、G−CSF、SCF、EPO、リツキシマブ、オビヌツズマブ、トシツモマブ、131Iトシツモマブ、90Yイブリツモマブ、111Iイブリツモマブ、オファツムマブ、ブレンツキシマブベドチン、ネララビン、シクロホスファミド、クロラムブシル、ベンダムスチン、カルムスチン、イホスファミド、プレドニゾン、デキサメタゾン、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、フルダラビン、ペントスタチン、クラドリビン、シタラビン、ゲムシタビン、メトトレキサート、プララタレキサート、ビンクリスチン、塩酸ビンブラスチン、ドキソルビシン、ミトキサントロン、エトポシド、ベリノスタット、ボルテゾミブ、デニロイキンジフチトクス、イブルチニブ、イデラリシブ、イントロンA、組換えインターフェロンアルファ−2b、ロミデプシン、レナリドマイド、塩酸メクロレタミン、プレリキサフォル、ボリノスタット、及びブレオマイシン、またはこれらの組み合わせから選択される。
ある特定の実施形態において、第2活性剤は、エロツズマブ、ラスパテルセプト(ACE−536)またはソタテルセプト(以前のACE−011)である。
一実施形態において、第2剤は、抗CD38抗体である。一実施形態において、抗CD38抗体は、ダラツムマブ、SAR650984またはMOR03087である。
ある特定の実施形態において、第2活性剤は、オビヌツズマブ(Gazyva(登録商標))、リツキシマブ、イブリツモマブ(Zevalin(登録商標))、チウキセタン、トシツモマブ、オファツムマブ(Arzerra(登録商標))(Genmab)、AME−133v(Applied Molecular Evolutionによる)、オクレリズマブ、TRU−015(Trubionによる)、及びIMMU−106(ベルツズマブ)から選択される抗CD20抗体である。
ある特定の実施形態において、第2活性剤は、エピジェネティック薬である。例示的なエピジェネティック薬として、DNA脱メチル化剤、例えば5−アザシチジン及びデシタビン、ならびにヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤、例えば、ボリノスタット及びバルプロ酸が挙げられる。
ある特定の実施形態において、第2活性剤は、BTK阻害剤イブルチニブ(PCI−32765、イブルチニブの名称で販売されている)である。
ある特定の実施形態において、第2活性剤は、プロテアソーム阻害剤MLN9708、イキサゾミブ、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、サリノスポラミドA NPI−0052、ONX0912、(PR047またはオプロゾミブ)、CEP18770及びエポキソミシンである。
ある特定の実施形態において、第2活性剤は、VEGFR2阻害剤カボザンチニブである。
ある特定の実施形態において、第2活性剤は、選択的BCL−2阻害剤ベネトクラクスである。
ある特定の実施形態において、第2活性剤は、ラスパテルセプト(ACE−536)及びソタテルセプト(以前のACE−011)から選択される。
ある特定の実施形態において、第2活性剤は、リツキシマブ、オクレリズマブ、GA−101及びウブリツキシマブから選択される抗CD20抗体である。
ある特定の実施形態において、第2活性剤は、抗CD22抗体CTLA4−Ig(アバタセプト)、抗IL−6(トシリズマブ)、エプラツズマブ、抗TNF(エタネルセプト、ゴリムマブ、アダリムマブ、セルトリズマブ)、抗IL−17、抗BAFF)もしくは抗BLyS(ベリムマブ、及びタバルマブ)、抗APRILまたはアタシセプトである。
ある特定の実施形態において、第2活性剤は、ランブロリズマブ、(MK−3475)、BMS−936559、アテゾリズマブ、ペムブロリズマブ(Keytruda)、Medi7436、ニボルマブ(BMS−936558、MDX−1106、ONO−4538)またはピディリズマブ(MDV9300)である。
ある特定の実施形態において、化合物1は、シクロホスファミド、塩酸ドキソルビシン、塩酸ビンクリスチン、及びプレドニゾンと組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態において、化合物1は、シクロホスファミド、塩酸ビンクリスチン、塩酸プロカルバジン及びプレドニゾンと組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態において、化合物1は、シクロホスファミド、塩酸ビンクリスチン及びプレドニゾンと組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態において、化合物1は、エトポシド、シクロホスファミド、塩酸ビンクリスチン、塩酸ドキソルビシン及びプレドニゾンと組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態において、化合物1は、シクロホスファミド、塩酸ビンクリスチン、塩酸ドキソルビシン及びデキサメタゾンと組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態において、化合物1は、イホスファミド、カルボプラチン及びエトポシドと組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態において、化合物1は、リツキシマブ、シクロホスファミド、塩酸ドキソルビシン、塩酸ビンクリスチン、及びプレドニゾンと組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態において、化合物1は、リツキシマブ、シクロホスファミド、塩酸ビンクリスチン及びプレドニゾンと組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態において、化合物1は、リツキシマブ、エトポシド、プレドニゾン、塩酸ビンクリスチン、シクロホスファミド及び塩酸ドキソルビシンと組み合わせて投与される。
ある特定の実施形態において、GM−CSF、G−CSF、SCFまたはEPOは、約1〜約750mg/m2/日、約25〜約500mg/m2/日、約50〜約250mg/m2/日、または約50〜約200mg/m2/日の範囲の量で4または6週間サイクルにおいて約5日間皮下投与される。ある特定の実施形態において、GM−CSFは、約60〜約500mcg/m2の量で2時間にわたって静脈内、または約5〜約12mcg/m2/日の量で皮下投与されてよい。ある特定の実施形態において、G−CSFは、約1mcg/kg/日の量で最初に皮下投与されてよく、合計顆粒球数の上昇に応じて調整され得る。G−CSFの維持量は、約300(より小さな患者において)または480mcgの量で皮下投与されてよい。ある特定の実施形態において、EPOは、1週当たり3回、10,000ユニットの量で皮下投与されてよい。
ある特定の実施形態において、化合物1は、ABT−737(Abbott Laboratories)及び/またはオバトクラックス(GX15−070)と組み合わせて、リンパ腫を有する患者に投与される。
ある特定の実施形態において、化合物1は、単独で、または第2活性成分、例えばビンブラスチン)もしくはフルダラビンと組み合わせて、限定されないが、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、皮膚B細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫または再発性もしくは難治性低悪性度濾胞性リンパ腫を含めた種々のタイプのリンパ腫を有する患者に投与される。
また、患者に安全かつ効率的に投与され得る抗がん薬または剤の投薬量を増加させる方法であって、患者(例えば、ヒト)に化合物1を投与することを含む、上記方法も本明細書において包含される。この方法によって利益を得ることができる患者は、リンパ腫を処置するための抗がん剤に関連する副作用に苦しみやすい患者である。化合物1の投与は、さもなければ抗がん薬の量を制限するような重篤度を有する副作用を軽減または低減する。
一実施形態において、化合物1は、患者への抗がん薬の投与に関連する副作用の発生の前、間または後に、約1〜約15mg、約1〜約10mg、または約2〜約10mgの範囲の量で毎日経口投与される。ある特定の実施形態において、化合物1は、具体的な剤、例えばヘパリン、アスピリン、ワルファリン、またはG−CSFと組み合わせて投与されて、抗がん剤に関連する副作用、例えば、限定されないが好中球減少または血小板減少症を回避する。
別の実施形態において、リンパ腫を処置、防止及び/または管理する方法であって、限定されないが、手術、免疫療法、生物学的療法、放射線治療、またはリンパ腫を処置、防止もしくは管理するのに現在使用されている他の非薬剤ベースの治療を含めた従来の治療と併せて(例えば前に、間に、または後に)化合物1を投与することを含む、上記方法が本明細書において包含される。本明細書において提供される化合物及び従来の治療の組み合わされた使用は、ある特定の患者において予想外に効果的である特有の処置レジメンを付与し得る。理論によって限定されないが、化合物1は、従来の治療と同時に与えられるとき、付加的または相乗効果を付与し得るとされている。
本明細書においてどこかで考察されているように、限定されないが、手術、化学療法、放射線治療、ホルモン療法、生物学的療法及び免疫療法を含めた従来の治療に関連する悪いまたは望ましくない効果を低減、処置及び/または防止する方法が本明細書において包含される。化合物1及び他の活性成分は、従来の治療に関連する副作用の発生の前、間または後に、患者に投与され得る。
一実施形態において、化合物1は、単独で、または、従来の治療の使用の前、間もしくは後に、本明細書において開示されている第2活性剤と組み合わせて、約0.1〜約50mg、約1〜約10mg、または約2〜約5mgの範囲の量で経口投与され得る。
5.5.2移植治療による使用
本明細書において提供される化合物1は、移植片対宿主病(GVHD)のリスクを低減するのに使用され得る。そのため、がんを処置、防止及び/または管理する方法であって、移植治療と併せて化合物1を投与することを含む、上記方法が本明細書において包含される。
当業者が知っているように、リンパ腫の処置は、多くの場合、疾患のステージ及びメカニズムをベースとする。例えば、不可避の白血病性形質転換は、がんのある特定のステージにおいて発生するため、末梢血液幹細胞、造血幹細胞調製物または骨髄の移植が必要である場合がある。本明細書において提供される化合物1及び移植治療の組み合わされた使用は、特有の、予想されない相乗効果を付与する。特に、化合物1は、患者において移植治療と同時に与えられるとき付加的または相乗効果を付与し得る免疫調節活性を示す。
化合物1は、移植治療と組み合わせて作動して、移植の侵襲的手技及びGVHDのリスクに関連する合併症を低減することができる。患者(例えば、ヒト)に化合物1を臍帯血、胎盤血、末梢血液幹細胞、造血幹細胞調製、または骨髄の移植の前、間または後に投与することを含む、リンパ腫を処置、防止及び/または管理する方法が本明細書において包含される。本明細書において提供される方法における使用に好適な幹細胞のいくつかの例は、米国特許第7,498,171号に開示されており、その開示内容は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
一実施形態において、化合物1は、自己末梢血前駆細胞の移植の前、間または後にNHL(例えば、DLBCL)を有する患者に投与される。
別の実施形態において、化合物1は、幹細胞移植後にNHL(例えば、DLBCL)を有する患者に投与される。
5.6医薬組成物及び剤形
一実施形態において、化合物1を含む医薬組成物及び剤形が本明細書において提供される。別の実施形態において、医薬組成物及び剤形は、1以上の賦形剤をさらに含む。
ある特定の実施形態において、本明細書において提供される医薬組成物及び剤形は、1以上のさらなる活性成分も含む。結果として、本明細書において提供される医薬組成物及び剤形は、化合物1及び第2活性剤を含む。任意選択的な第2のまたはさらなる活性成分の例は、本明細書において開示されている(例えば、セクション5.5.1を参照されたい)。
本明細書において提供される単一ユニット剤形は、患者への経口、粘膜(例えば、経鼻、舌下、膣内、頬、もしくは直腸)、非経口(例えば、皮下、静脈内、ボーラス注入、筋肉内、もしくは動脈内)、局所(例えば、点眼薬もしくは他の眼科用調製物)、経皮、または経皮投与に好適である。剤形の例として、限定されないが:錠剤;カプレット;カプセル、例えば軟弾性ゼラチンカプセル;カシェ;トローチ;ロゼンジ;分散液;坐剤;粉末;エアロゾル(例えば、鼻腔スプレーまたは吸入具);ゲル;懸濁液(例えば、水性または非水性液体懸濁液、水中油エマルジョン、または油中水の液体エマルジョン)、液剤、及びエリキシルを含めた、患者への経口または粘膜投与に好適な液体剤形;患者への非経口投与に好適な液体剤形;局所投与に好適な点眼薬または他の眼科用調製物;及び患者への非経口投与に好適な液体剤形に再構成され得る無菌固体(例えば、結晶性またはアモルファス固体)が挙げられる。
本明細書において提供される剤形の組成、形状及び種類は、使用に応じて変動してよい。例えば、疾患の急性処置に使用される剤形は、同じ疾患の慢性処置に使用される剤形よりも、活性成分の1以上をより多量で含有していてよい。同様に、非経口剤形は、同じ疾患を処置するのに使用される経口剤形よりも、活性成分の1以上をより少量で含有していてよい。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th ed.,Mack Publishing,Easton PA(1990)を参照されたい。
特定の賦形剤が本明細書において提供される医薬組成物または剤形への組み込みに好適であるか否かは、限定されないが、投与経路を含めた様々な因子に依る。例えば、経口剤形、例えば錠剤は、非経口剤形における使用に適さない賦形剤を含有していてよい。特定の賦形剤の適合性は、剤形における具体的な活性成分に依っていてもよい。例えば、いくらかの活性成分の分解は、いくらかの賦形剤、例えば、ラクトースによって、または水に曝露されたときに加速され得る。第1級または第2級アミンを含む活性成分は、かかる加速された分解に特に影響されやすい。結果として、ラクトースを含有する場合は僅かに含有する医薬組成物及び剤形が本明細書において包含される。本明細書において使用されているとき、用語「ラクトース不含」は、ラクトースが存在する場合には、存在するラクトースの量が、活性成分の分解速度を実質的に増加させるのに不十分であることを意味する。
本明細書において提供されるラクトース不含組成物は、例えば、U.S.Pharmacopeia(USP)25−NF20(2002)に列挙されている賦形剤を含み得る。ある特定の実施形態において、ラクトース不含組成物は、薬学的に相溶性及び薬学的に許容可能な量で活性成分、結合剤/充填剤及び潤滑剤を含む。ある特定の実施形態において、ラクトース不含剤形は、活性成分、微結晶性セルロース、プレゼラチン化デンプン、及びステアリン酸マグネシウムを含む。
水がいくらかの化合物の分解を容易にする可能性があるため、活性成分を含む無水医薬組成物及び剤形が本明細書においてさらに包含される。例えば、水の添加(例えば、5%)は、特性、例えば保存可能期間または製剤の安定性を経時的に決定するために、長期保存を促進する手段として医薬分野において広く承認されている。例えば、Jens T.Carstensen,Drug Stability:Principles & Practice,2d.Ed.,Marcel Dekker,NY,NY,1995,pp.379−80を参照されたい。実際には、水及び熱は、いくらかの化合物の分解を加速する。そのため、製剤への水の影響は、製剤の製造、取り扱い、パッケージング、保存、発送、及び使用の際に、水分及び/または湿気に一般的に遭遇するため、非常に重要であり得る。
本明細書において提供される無水医薬組成物及び剤形は、無水または低水分含有成分及び低水分または低湿度条件を使用して調製され得る。ラクトースと、第1級または第2級アミンを含む少なくとも1の活性成分とを含む医薬組成物及び剤形は、製造、パッケージング、及び/または保存の際の水分及び/または湿気との実質的な接触が予期されるとき、好ましくは無水である。
無水医薬組成物は、その無水の性質が維持されるように調製及び保存されるべきである。したがって、ある特定の実施形態において、無水の組成物であって、好適な処方キットに含まれ得るように、水への曝露を防止するように材料を使用してパッケージングされている上記組成物が、本明細書において提供される。好適なパッケージングの例として、限定されないが、密封ホイル、プラスチック、単位用量容器(例えば、バイアル)、ブリスターパック、及びストリップパックが挙げられる。
活性成分が分解する速度を低減する1以上の化合物を含む医薬組成物及び剤形が本明細書において包含される。本明細書において「安定剤」と称されているかかる化合物は、限定されないが、酸化防止剤、例えばアスコルビン酸、pH緩衝剤、または塩緩衝剤を含む。
賦形剤の量及び種類と同様に、剤形における活性成分の量及び具体的な種類は、因子、例えば、限定されないが、患者に投与されるべき経路に応じて異なっていてよい。ある特定の実施形態において、本明細書において提供される剤形は、約0.10〜約50mg、約0.10〜約20mg、約0.10〜約15mg、約0.10〜約10mg、約0.10〜約5mg、または約1〜約5mgの範囲の量で化合物1を含む。ある特定の実施形態において、本明細書において提供される剤形は、約0.1、約1、約2、約5、約7.5、約10、約12.5、約15、約17.5、約20、約25mg、約30mg、約40mgまたは約50mgの量で化合物1を含む。
5.6.1経口剤形
ある特定の実施形態において、経口投与に好適な、本明細書において提供される医薬組成物は、個別の剤形として製剤化され、その例として、限定されないが、錠剤(例えば、チュアブル錠)、カプレット、カプセル、及び液体(例えば、フレーバーシロップ)が挙げられる。かかる剤形は、所定の量の活性成分を含有し、薬学のいくらかの公知の方法によって調製されてよい。Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th ed.,Mack Publishing,Easton PA(1990)を概して参照されたい。本明細書において提供される方法における使用のための例示的な経口剤形は、2015年8月27日に提出された米国仮特許所出願第62/210、923号、及び米国特許所出願公開第2015/0196562号に記載されており、これらの各々の開示内容は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
ある特定の実施形態において、本明細書において提供される経口剤形は、従来の薬学的配合技術にしたがって少なくとも1の賦形剤との密な混合において活性成分を合わせることによって調製される。賦形剤は、投与に望ましい調製形態に応じて広範な形態を取ることができる。例えば、経口液体またはエアロゾル剤形における使用に好適な賦形剤として、限定されないが、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、保存料、及び着色剤が挙げられる。固体経口剤形(例えば、粉末、錠剤、カプセル、及びカプレット)における使用に好適な賦形剤として、限定されないが、デンプン、糖、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、及び崩壊剤が挙げられる。
投与の容易さのため、錠剤及びカプセルは、最も有利な経口投薬単位形態を表し、この場合、固体賦形剤が用いられる。所望により、錠剤は、標準の水性または非水性技術によってコーティングされ得る。かかる剤形は、薬学のいくらかの公知の方法によって調製されてよい。ある特定の実施形態において、医薬組成物及び剤形は、活性成分を、液体担体、微細に分割された固体担体、またはその両方と均一かつ密に混合し、次いで、必要に応じて、生成物を所望の提示物に形作ることによって調製される。
ある特定の実施形態において、錠剤は、圧縮または成形によって調製される。ある特定の実施形態において、圧縮錠剤は、自動流動形態で、活性成分、例えば、賦形剤と任意選択的に混合された粉末または顆粒を好適な機械において圧縮することによって調製される。ある特定の実施形態において、成形錠剤は、湿潤された粉末状の化合物と不活性な液体希釈剤との混合物を好適な機械において成形することによって作製される。
本明細書において提供される経口剤形において使用され得る賦形剤の例として、限定されないが、結合剤、充填剤、崩壊剤、及び潤滑剤が挙げられる。本明細書において提供される医薬組成物及び剤形における使用に好適な結合剤として、限定されないが、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、または他のデンプン、ゼラチン、天然及び合成ガム、例えばアカシア、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギネート、粉末状のトラガカントゴム、グアーガム、セルロース及びその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、プレゼラチン化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、(例えば、番号2208、2906、2910)、微結晶性セルロース、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
微結晶性セルロースの好適な形態として、限定されないが、AVICEL−PH−101、AVICEL−PH−103AVICEL RC−581、AVICEL−PH−105(FMC Corporation,American Viscose Division,Avicel Sales,Marcus Hook,PA)、及びこれらの混合物が挙げられる。具体的な結合剤は、微結晶性セルロースとナトリウムカルボキシメチルセルロース(例えば、AVICEL RC−581)との混合物である。好適な無水のまたは低水分賦形剤または添加剤として、AVICEL−PH−103(商標)及びStarch1500LMが挙げられる。
本明細書において提供される医薬組成物及び剤形における使用に好適な充填剤の例として、限定されないが、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒または粉末)、微結晶性セルロース、粉末状セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、プレゼラチン化デンプン、及びこれらの混合物が挙げられる。ある特定の実施形態において、本明細書において提供される医薬組成物結合剤または充填剤は、医薬組成物または剤形の約50〜約99重量%で存在する。
崩壊剤は、本明細書において提供される組成物において使用されて、錠剤に、水性環境に曝露されたときに崩壊する能力を付与する。多すぎる崩壊剤を含有する錠剤は、保存において崩壊する場合があるが、少なすぎる崩壊剤を含有するものは、所望の速度でまたは所望の条件下で崩壊しない場合がある。そのため、多すぎず少なすぎず、活性成分の放出を有害に改変しない十分量の崩壊剤が、本明細書において提供される固体の経口剤形を形成するのに使用されるべきである。使用される崩壊剤の量は、製剤のタイプに基づいて変動する。ある特定の実施形態において、本明細書において提供される医薬組成物は、約0.5〜約15重量%または約1〜約5重量%の崩壊剤を含む。
本明細書において提供される医薬組成物及び剤形における使用に好適な崩壊剤として、限定されないが、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、グリコール酸デンプンナトリウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、他のデンプン、プレゼラチン化デンプン、他のデンプン、クレイ、他のアルギン、他のセルロース、ガム、及びこれらの混合物が挙げられる。
本明細書において提供される医薬組成物及び剤形における使用に好適な潤滑剤として、限定されないが、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱物油、軽質鉱物油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、硬化植物油(例えば、落花生油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及びダイズ油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天、及びこれらの混合物が挙げられる。さらなる潤滑剤として、限定されないが、サイロイドシリカゲル(AEROSIL200,W.R.Grace Co.,Baltimore,MD)、合成シリカの凝結エアロゾル(Degussa Co.of Plano,TX)、CAB−O−SIL(pyrogenic silicon dioxide,Cabot Co.of Boston,MA)、及びこれらの混合物が挙げられる。ある特定の実施形態において、潤滑剤は、使用される場合、これらが組み入れられる医薬組成物または剤形の約1重量%未満の量で使用される。
ある特定の実施形態において、化合物1は、化合物1を組成物の合計重量の約0.5〜約5重量%の量で、結合剤または充填剤を組成物の合計重量の約90〜98重量%の量で含むカプセルの形態の経口剤形で投与され、ここで、上記結合剤または充填剤は、ラクトース及び潤滑剤ではない。
一実施形態において、化合物1の経口剤形は、化合物1を組成物の合計重量の約0.5〜約3重量%の量で、結合剤または充填剤を組成物の合計重量の約90〜96重量%の量で含むカプセルの形態であり、上記結合剤または充填剤は、ラクトース、ケイ化微結晶性セルロース、またはその混合物である。一実施形態において、化合物1の経口剤形は、重量が約50mgであり、0.5mg効力の3−(5−アミノ−2−メチル−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンを付与する量での化合物1;及び薬学的に許容可能な担体または賦形剤を含む。一実施形態において、化合物1の経口剤形は、重量が約100mgであり、1mg効力の3−(5−アミノ−2−メチル−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンを付与する量での化合物1;及び薬学的に許容可能な担体または賦形剤を含む。一実施形態において、化合物1の経口剤形は、重量が約300mgであり、3mg効力の3−(5−アミノ−2−メチル−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンの化合物1を付与する量での化合物1;及び薬学的に許容可能な担体または賦形剤を含む。
別の態様において、経口剤形は、重量が約100mgであり、0.5mgの化合物1を付与する量の化合物1と、潤滑剤を含む薬学的に許容可能な担体または賦形剤とを含む。別の態様において、経口剤形は、重量が約100mgであり、1mgの化合物1を付与する量の化合物1と;潤滑剤を含む薬学的に許容可能な担体または賦形剤とを含む。なお別には、経口剤形は、重量が約120mgであり、3mgの化合物1を付与する量の化合物1と、潤滑剤を含む薬学的に許容可能な担体または賦形剤とを含む。さらに別の態様において、経口剤形は、重量が約200mgであり、2mgの化合物1を付与する量の化合物1と、潤滑剤を含む薬学的に許容可能な担体または賦形剤とを含む。別の態様において、経口剤形は、重量が約140mgであり、3.5mgの化合物1を付与する量の化合物1と;潤滑剤を含む薬学的に許容可能な担体または賦形剤とを含む。別の態様において、経口剤形は、重量が約160mgであり、4mgの化合物1を付与する量の化合物1と、;潤滑剤を含む薬学的に許容可能な担体または賦形剤とを含む。なお別の態様において、経口剤形は、重量が約200mgであり、5mgの化合物1を付与する量の化合物1と、潤滑剤を含む薬学的に許容可能な担体または賦形剤とを含む。
さらに別の態様において、経口剤形は、0.5、1、2、3、3.5、4、または5mgの化合物1を付与する量での化合物1と、潤滑剤を含む薬学的に許容可能な担体または賦形剤とを含む。
5.6.2遅延放出剤形
ある特定の実施形態において、本明細書において提供される活性成分は、制御放出手段によってまたは送達デバイスによって投与される。例として、限定されないが、米国特許第:3,845,770号;同第3,916,899号;同第3,536,809号;同第3,598,123号;同第4,008,719号、同第5,674,533号、同第5,059,595号、同第5,591,767号、同第5,120,548号、同第5,073,543号、同第5,639,476号、同第5,354,556号、及び同第5,733,566号に記載されているものが挙げられ、これらの特許のそれぞれは、全体が参照により本明細書に組み込まれる。ある特定の実施形態において、かかる剤形は、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、ゲル、透析膜、浸透系、多層コーティング、微粒子、リポソーム、ミクロスフェア、またはこれらの組み合わせを使用して1以上の活性成分の遅延または制御放出を付与し、変動割合で所望の放出プロファイルを付与するのに使用される。限定されないが、制御放出に適した錠剤、カプセル、ジェルキャップ、及びカプレットを含めた、経口投与に好適な単一単位剤形が、本明細書において包含される。
全ての制御放出医薬製品は、非制御の対応部分によって達成されるものよりも薬剤治療を改良するという共通の目的を有する。理想的には、医療処置において任意選択的に設計される制御放出調製物の使用は、最小量の時間で治癒または制御状態に用いられる最小限の薬剤物質によって特徴付けられる。制御放出製剤の利益として、薬剤の活性の拡大、投薬頻度の低減、及び患者のコンプライアンスの増大が挙げられる。また、制御放出製剤は、作用の発現の時間または他の特徴、例えば薬剤の血液レベルに影響するように使用され得、そのため、副作用(例えば、悪い影響)の発生に影響し得る。
大部分の制御放出製剤は、所望の治療効果を迅速に生じる量の薬剤(活性成分)を最初に放出し、他の量の薬剤を徐々にかつ連続的に放出して、延長された期間にわたってこのレベルの治療または予防効果を維持するように設計される。体内においてこの一定レベルの薬剤を維持するために、薬剤は、体から代謝及び分泌される量の薬剤を置き換える速度で剤形から放出されなければならない。活性成分の制御放出は、限定されないが、pH、温度、酵素、水、または他の生理条件または化合物を含めた種々の条件によって刺激され得る。
5.6.3非経口剤形
非経口剤形は、限定されないが、皮下、静脈内(ボーラス注入を含む)、筋肉内、動脈内を含めた種々の経路によって患者に投与され得る。これらの投与は、汚染物質に対する患者の自然防衛を典型的にはバイパスするため、非経口剤形は、患者への投与の前に好ましくは無菌または無菌にされ得る。非経口剤形の例として、限定されないが、注入準備ができている液剤、注入用に薬学的に許容可能なビヒクルに溶解または懸濁される準備ができている乾燥生成物、注入準備ができている懸濁液、及びエマルジョンが挙げられる。
本明細書において提供される非経口剤形を付与するのに使用され得るいくらかの好適なビヒクルとして、限定されないが:Injection USP用の水;水性ビヒクル、例えば、限定されないが、塩化ナトリウム注射、リンガー液、デキストロース注射、デキストロース及び塩化ナトリウム注射、ならびに乳酸リンガー液;水混和性ビヒクル、例えば、限定されないが、エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコール;ならびに非水性ビヒクル、例えば、限定されないが、トウモロコシ油、綿実油、落花生油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、及び安息香酸ベンジルが挙げられる。
本明細書において開示されている活性成分の1以上の溶解度を増加させる化合物もまた、本明細書において提供される非経口剤形に組み込まれ得る。例えば、シクロデキストリン及びその誘導体は、本明細書において提供される化合物、例えば、化合物1、またはその鏡像異性体もしくは鏡像異性体の混合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、もしくは多形体の溶解度を増加させるのに使用され得る。例えば、米国特許第5,134,127号を参照されたい。その開示内容は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
5.6.4局所及び粘膜剤形
本明細書において提供される局所及び粘膜剤形として、限定されないが、スプレー、エアロゾル、液剤、エマルジョン、懸濁液、点眼薬もしくは他の眼科用調製物、または当業者に公知の他の形態が挙げられる。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,16th and 18th eds.,Mack Publishing,Easton PA(1980 & 1990);及びIntroduction to Pharmaceutical Dosage Forms,4th ed.,Lea & Febiger,Philadelphia(1985)を参照されたい。口腔内の粘膜組織を処置するのに好適な剤形は、洗口液または経口ゲルとして製剤化され得る。
本明細書において包含される局所及び粘膜剤形を付与するのに使用され得る好適な賦形剤(例えば、担体及び希釈剤)ならびに他の材料は、所与の医薬組成物または剤形が適用される具体的な組織に依る。この事実を念頭に置いて、ある特定の実施形態において、賦形剤として、限定されないが、非毒性かつ薬学的に許容可能な液剤、エマルジョンまたはゲルを形成するための、水、アセトン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、鉱物油、及びこれらの混合物が挙げられる。湿潤剤または保湿剤もまた、所望により医薬組成物及び剤形に添加されてもよい。かかる成分のさらなる例は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,16th and 18th eds.,Mack Publishing,Easton PA(1980 & 1990)に見出され得る。
医薬組成物または剤形のpHもまた、1以上の活性成分の送達を改善するのに調整されてもよい。同様に、溶媒担体の極性、そのイオン強度または張性が、送達を改良するように調整され得る。化合物、例えばステアレートもまた、医薬組成物または剤形に添加されて、送達を改良するように1以上の活性成分の親水性または親油性を有利に改変することもできる。この点において、ステアレートは、製剤用の脂質ビヒクルとして、乳化剤または界面活性剤として、また、送達向上または浸透向上剤として機能し得る。活性成分の異なる塩、水和物または溶媒和物が、得られる組成物の特性をさらに調整するのに使用され得る。
5.6.5キット
ある特定の実施形態において、本明細書において提供される活性成分は、同時にまたは同じ投与経路によっては患者に投与されない。そのため、医師によって使用されるとき、患者への適切量の活性成分の投与を簡素化することができるキットが本明細書において包含される。
ある特定の実施形態において、本明細書において提供されるキットは、本明細書において提供される化合物、例えば、化合物1、またはその鏡像異性体もしくは鏡像異性体の混合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、共結晶、クラスレート、もしくは多形体の剤形を含む。ある特定の実施形態において、本明細書において提供されるキットは、さらなる活性成分、例えばオブリメルセン(GENASENSE(登録商標))、GM−CSF、G−CSF、SCF、EPO、リツキシマブ、オビヌツズマブ、トシツモマブ、131Iトシツモマブ、90Yイブリツモマブ、111Iイブリツモマブ、オファツムマブ、及びこれらの混合物を含めた抗CD20抗体、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標))、クロラムブシル、ベンダムスチン(Treanda(登録商標))及びイホスファミド(Ifex(登録商標))を含めたアルキル化剤;プレドニゾン及びデキサメタゾン(Decadron(登録商標))を含めたコルチコステロイド;シスプラチン、カルボプラチン、及びオキサリプラチンを含めた白金薬剤;フルダラビン(Fludara(登録商標))、ペントスタチン(Nipent(登録商標))及びクラドリビン(2−CdA、Leustatin(登録商標))を含めたプリン類似体;シタラビン(ara−C)、ゲムシタビン(Gemzar(登録商標))、メトトレキサート及びプララトレキサート(palatrexate)(Folotyn(登録商標))を含めた代謝拮抗物質;ならびにビンクリスチン(Oncovin(登録商標))、ドキソルビシン(Adriamycin(登録商標))、ミトキサントロン、エトポシド(VP−16)及びブレオマイシンを含めた他の抗がん剤、またはこれらの組み合わせをさらに含む。さらなる活性成分の例として、限定されないが、本明細書において開示されているものが挙げられる。
ある特定の実施形態において、本明細書において提供されるキットは、活性成分を投与するのに使用されるデバイスをさらに含む。かかるデバイスの例として、限定されないが、シリンジ、ドリップバッグ、パッチ及び吸入具が挙げられる。
ある特定の実施形態において、本明細書において提供されるキットは、移植用の細胞または血液、ならびに1以上の活性成分を投与するのに使用され得る薬学的に許容可能なビヒクルをさらに含む。例えば、活性成分が、非経口投与用に再構成されなければならない固体形態で付与されるとき、キットは、非経口投与に好適な粒子状物不含無菌溶液を形成するように活性成分が溶解され得る好適なビヒクルの密閉容器を含み得る。薬学的に許容可能なビヒクルの例として、限定されないが:Injection USP用の水;水性ビヒクル、例えば、限定されないが、塩化ナトリウム注射、リンガー液、デキストロース注射、デキストロース及び塩化ナトリウム注射、ならびに乳酸リンガー液;水混和性ビヒクル、例えば、限定されないが、エチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコール;ならびに非水性ビヒクル、例えば、限定されないが、トウモロコシ油、綿実油、落花生油、ゴマ油、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、及び安息香酸ベンジルが挙げられる。
6.実施例
本発明のある特定の実施形態を以下の非限定例によって示す。
6.1実施例1
3−(5−アミノ−2−メチル−4−オキソ−4h−キナゾリン−3−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンの調製
ステップ1:水酸化カリウム(16.1g、286mmol)の水(500mL)溶液に、3−ニトロフタルイミド(25.0g、130mmol)を少しずつ0℃で添加した。懸濁液を0℃で3時間撹拌し、次いで30℃で3時間加熱した。溶液にHCl(100mL、6N)を添加した。得られた懸濁液を0℃まで1時間冷却した。懸濁液をろ過し、冷水(2×10mL)で洗浄して、3−ニトロ−フタルアミド酸を白色固体として得た(24.6g、90%収率):1H NMR (DMSO−d6) δ 7.69 (brs, 1H, NHH), 7.74 (t, J = 8 Hz, 1H, Ar), 7.92 (dd, J = 1, 8 Hz, 1H, Ar), 8.13 (dd, J = 1, 8 Hz, 1H, Ar), 8.15 (brs, 1H, NHH), 13.59 (s, 1H, OH);13C NMR (DMSO−d6) δ 125.33, 129.15, 130.25, 132.54, 136.72, 147.03, 165.90, 167.31.
ステップ2:3−ニトロ−フタルアミド酸(24.6g、117mmol)及び水酸化カリウム(6.56g、117mmol)の水(118mL)中の混合物に、臭化物(6mL)、水酸化カリウム(13.2g、234mmol)の水(240mL)中の混合物を0℃で添加し、続いて水酸化カリウム(19.8g、351mmol)の水(350mL)溶液を添加した。0℃にて5分後、混合物を、100℃の油浴において1時間加熱した。反応溶液を室温において、次いで、氷水浴において30分間冷却した。混合物にHCl(240mL、2N)の溶液を0℃で滴加し、得られた混合物を1時間保った。懸濁液をろ過し、水(5mL)で洗浄して2−アミノ−6−ニトロ−安息香酸を黄色固体として得た(15.6g、73%収率):HPLC:Waters Symmetry C18、5μm、3.9×150mm、1mL/分、240nm、CH3CN/0.1%H3PO4、5分間で5%から95%、5.83分(85%):1H NMR(DMSO−d6) δ 6.90(dd, J = 1, 8 Hz, 1H, Ar), 7.01(dd, J = 1, 9 Hz, 1H, Ar), 7.31(t, J = 8 Hz, 1H, Ar), 8.5−9.5(brs, 3H, OH, NH2);13C NMR(DMSO−d6) δ 105.58, 110.14, 120.07, 131.74, 149.80, 151.36, 166.30;LCMS:MH=183。
ステップ3:2−アミノ−6−ニトロ−安息香酸(1.5g、8.2mmol)の無水酢酸(15mL)中の混合物を電子レンジにおいて200℃で30分間加熱した。混合物をろ過し、酢酸エチル(20mL)で洗浄した。濾液を真空濃縮した。固体をエーテル(20mL)中で2時間撹拌した。懸濁液をろ過し、エーテル(20mL)で洗浄し、2−メチル−5−ニトロ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オンを淡褐色固体として得た(1.4g、85%収率):HPLC:Waters Symmetry C18、5μm、3.9×150mm、1mL/分、240nm、CH3CN/0.1% H3PO4、5分で5%から95%、5.36分(92%);1H NMR(DMSO−d6) δ 2.42(s, 3H, CH3), 7.79(dd, J = 1, 8 Hz, 1H, Ar), 7.93(dd, J = 1, 8 Hz, 1H, Ar), 8.06(t, J = 8 Hz, 1H, Ar);13C NMR(DMSO−d6) δ 20.87, 107.79, 121.54, 128.87, 137.19, 147.12, 148.46, 155.18, 161.78;LCMS:MH=207。
ステップ4:それぞれ5−ニトロ−2−メチル−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン(0.60g、2.91mmol)及び3−アミノ−ピペリジン−2,6−ジオン塩化水素(0.48g、2.91mmol)のピリジン(15mL)懸濁液を含む2つのバイアルを、電子レンジにおいて170℃で10分間加熱した。懸濁液をろ過し、ピリジン(5mL)で洗浄した。濾液を真空濃縮した。得られた混合物を、HCl(30mL、1N)、酢酸エチル(15mL)及びエーテル(15mL)中で2時間撹拌した。懸濁液をろ過し、水(30mL)及び酢酸エチル(30mL)で洗浄して暗褐色固体を得、これをメタノール(50mL)と共に室温で一晩撹拌した。懸濁液をろ過し、メタノールで洗浄して、3−(2−メチル−5−ニトロ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンを黒色固体として得た(490mg、27%収率)。固体を、さらに精製することなく次のステップにおいて使用した。
ステップ5:3−(2−メチル−5−ニトロ−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−ピペリジン−2,6−ジオン(250mg)及びPd(OH)2担持炭素(110mg)のDMF(40mL)中の混合物を水素(50psi)下で12時間振とうした。懸濁液をCeliteのパッドを通してろ過し、DMF(10mL)で洗浄した。濾液を真空濃縮し、得られた油をフラッシュカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、メタノール/塩化メチレン)によって精製して、3−(5−アミノ−2−メチル−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−ピペリジン−2,6−ジオンを白色固体として得た(156mg、69%収率):HPLC:Waters Symmetry C18、5μm、3.9×150mm、1mL/分、240nm、10/90 CH3CN/0.1%H3PO4、3.52分(99.9%);mp:293−295℃;1H NMR(DMSO−d6) δ 2.10−2.17(m, 1H, CHH), 2.53(s, 3H, CH3), 2.59−2.69(m, 2H, CH2), 2.76−2.89(m, 1H, CHH), 5.14(dd, J = 6, 11 Hz, 1H, NCH), 6.56(d, J = 8 Hz, 1H, Ar), 6.59(d, J = 8 Hz, 1H, Ar), 7.02(s, 2H, NH2), 7.36(t, J = 8 Hz, 1H, Ar), 10.98(s, 1H, NH);13C NMR(DMSO−d6) δ 20.98, 23.14, 30.52, 55.92, 104.15, 110.48, 111.37, 134.92, 148.17, 150.55, 153.62, 162.59, 169.65, 172.57;LCMS: MH = 287;分析計算値:C14H14N4O3+0.3H2O:C、57.65;H、5.05;N、19.21。実測値:C、57.50;H、4.73;N、19.00。
6.2実施例2:インビトロ骨髄分化アッセイ
ヒトCD34+骨髄細胞を、幹細胞因子、Fms様チロシンキナーゼ3リガンド(Flt3L)及び顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)播種し、その後、6日間、培地+G−CSFとした。
化合物1(0.5mM)を、連続的に、または7日のうち5日(5/7日)のスケジュールで添加した。14日後、骨髄成熟ステージをCD34、CD33、及びCD11bフローサイトメトリーによって測定した。
図1において実証されているように、化合物1への連続曝露は、可逆的な骨髄成熟停止、及びビヒクルと比較して90%の成熟好中球の減少をもたらした。5/7日での化合物1への曝露は、たった50%の成熟好中球の減少しか結果として生じなかった。
このように、インビトロ髄質分化アッセイでは、恐らくはIkaros分解に起因する、化合物1による骨髄成熟停止が、2日の休薬期間で部分的にバイパスされ得る。
6.3実施例3:臨床研究
化合物1の耐容性及び臨床活性を、再発性または難治性DLBCLAを有する患者において間欠スケジュールで評価した。
重要な試験対象患者基準は以下を含んだ:
○びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)またはマントル細胞リンパ腫(MCL)(NHL−1について)及びDLBCL(DLBCL−2について)の文書化された診断、
○標準治療が進行しているまたはこれに耐えることができない、
○0〜2のECOG一般状態、
○ヘモグロビン≧9.0g/dL、
○ANC≧1.5×109/L、及び
○血小板≧60×109/L。
重要な排除基準は以下を含んだ:
○症候性CNS転移、
○末梢神経障害グレード≧2、及び
○心臓機能障害または臨床的に有意な心臓疾患
投薬量:化合物1を、疾患の進行または不耐容性まで3の異なる間欠スケジュールで経口投与した:
1.以前の経験に基づいて、患者に、28日サイクルの1〜21日目に1日1回4mgの化合物1を与えた(21/28日)
2.実施例2に記載したインビトロ髄質分化アッセイの結果に基づいて、患者に、7日サイクルの1〜5日目に連続的に4mgの化合物1を与えた(5/7日)、または
3.実施例2に記載したインビトロ髄質分化アッセイの結果に基づいて、患者に、7日サイクルの1〜5日目に連続的に5mgの化合物1を与えた(5/7日)。
有害事象(AE)をNCI CTCAE v4.0によってグレード化し、応答を、NHLに関するInternational Workshop基準を使用して調査員アセスメントした。
サンプル分析
○Aiolosを、サイクル1の1日目に、0時間(投薬前)、ならびに投薬後1.5及び5時間で採取した全血サンプルにおいてフローサイトメトリーによって測定した
○アーカイバルまたはスクリーニングのホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織を、Bond−Max自動スライド染色機(Leica Microsystems,Buffalo Grove,IL)においてMYC及びBCL2発現6に関して染色した
○病理学レビューを、DLBCLの領域を同定するためのヘマトキシリン及びエオシン染色スライドにおいて実施した
○RNA抽出及びNanoString nCounter Analysis Systemリンパ腫細分類試験(Seattle,WA)を、針生検及び切除生検サンプルにおいて7先に報告されているように実施した
○リンパ球表現型検査では、全血を、投薬前(ベースライン)、ならびに、サイクル1の15日目、サイクル1の22日目、サイクル2の15日目、及びサイクル2の22日目の投薬後1.5時間で採取した。
メモリーT細胞(CD3+/CD4+/CD8/CD45RA−/CD45RO+及びCD3+/CD4+/CD8/CD45RA−/CD45RO+)をフローサイトメトリーによって測定した。
患者特性及び安全プロファイル
・患者25人をNHL−1において登録し、そのうち、23人の有効性が評価可能であった
・これらの評価可能な患者の中で、22人がDLBCLを有し、1人がMCLを有した
・患者29人をDLBCL−2において登録し、そのうち、23人の有効性が評価可能であった
以下の表1は患者特性及び安全プロファイルを与える。
ASCT、自己幹細胞移植;CR、完全な応答;DLBCL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、ECOG、米国東海岸癌臨床試験グループ;PD、進行性疾患、リツキシマブ+シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン;SD、安定な疾患。
用量制限毒性:
21/28dコホートにおいて4mgの化合物で処置した患者(n=3)は、サイクル1の間、用量制限毒性(DLT)を経験しなかった(表2を参照されたい)。全ての3人の患者は、しかし、グレード4の好中球減少に起因して、その後の用量の低減が必要であった。そのため、この用量レベルを、21/28日スケジュールでの非耐容用量(NTD)とした。
5/7日スケジュールでのNTDは、5mgであった(表2を参照されたい)。
4mgの5/7日スケジュールでの化合物1のMTDを、この研究について選択した。
21人の患者をDLBCL−2拡大研究において登録している。19のDLT−評価可能な患者においてDLTが報告されなかった
以下の表2において用量制限毒性をまとめる:
DLT、用量制限毒性;qd.1日1回。
有害事象(AE):
4mgを5/7日で与えた患者において、最も一般的なAEは、発熱(57%)、好中球減少(52%)、ならびに無力症及び便秘であった(それぞれ29%)(表3を参照されたい)。3人の患者(14%)が、重篤な処置関連AE:首部痛、肺炎、及び肺炎(それぞれ5%);を経験した。処置関連AEは、3人の患者(14%)において研究中止を結果としてもたらした。以下の表3にAEをまとめる。
用量変更、中断及び曝露を表4にまとめ、以下に説明する。
・用量変更:4mgの5/7日群における29%の患者が≧1の用量の低減を経験し、14%が、AEに起因して処置を中止した
・相対用量強度の中央値は、4mgの5/7日コホートでは97.5%であった(表4を参照されたい)
・3mgの化合物1で毎日連続的に処置した患者(n=25)の中で、相対用量強度の中央値は78.6%であった。
図2において実証されているように、好中球減少の重篤度は、5/7日スケジュールにおいて軽減された。
有効性評価可能集団における21/28及び5/7の処置への応答を図3に付与する。応答した患者の数を棒内に示す。
・3mgの28/28dコホート(n=22)において、全奏効率(ORR)は27%であった(2の完全な応答[CR]、4の部分的な応答[PR])。
・4mgの5/7日のDLBCL−2コホート(n=17)において、ORRは39%であった(2CR、5PR)。
・4mgの21/28dのDLBCL−2コホートにおける3人の患者の中では応答が無かった。
・5mgの5/7日のDLBCL−2コホート(n=3)において、ORRは100%であった(1CR、2PR)。
図4は、用量レベルによる、ベースラインからのSPDの変化を示す。
図5において実証されているように、化合物1によるAiolosの分解は、5/7日対毎日投与スケジュールで比較可能である。サイクル1の1、10、及び22日目における投薬後5時間で測定したときの、ベースラインに対する末梢T細胞中のAiolosレベルの変化の中央値は、それぞれ、−47%、−28%、及び−47%であった(図5を参照されたい)。これらの結果は、Aiolos分解が5/7日の処置サイクルを通して起こり、毎日投与に匹敵することを示している。用量依存性Aiolos分解は、3、4、または5mgの用量において観察されなかった。
図6において実証されているように、化合物1は、5/7日スケジュールにおいて記憶エフェクタT細胞集団を増加させる。末梢血液における、サイクル1の22日目の、ベースラインからのヘルパー記憶T細胞及び細胞毒性記憶T細胞の増加の中央値は、それぞれ75%及び266%であった。
腫瘍サイズの50%低減によって決定される化合物1への応答が、MYC/BCL2陽性及び陰性疾患の両方において観察された(表5、図7Aを参照されたい)。化合物1は、MYC/BCL2二重発現体及び非発現体の両方において活性である。MYC/BCL2陽性及び陰性集団における応答速度は、それぞれ、30%及び23%であった。
腫瘍サイズの50%低減によって決定される化合物1への応答が、活性化B細胞(ABC)、胚芽中心B細胞(GCB)、及び未分類のDLBCLにおいて観察された(表5、図7Bを参照されたい)。化合物1は、ABC、GCB、及び未分類の起始細胞において活性である。ABC、GCB、及び未分類の集団における応答速度は、それぞれ、40%、32%、及び25%であった。
間欠投与の臨床検査により、5/7日スケジュールが、好中球減少関連の用量低減を軽減し、また、再発/難治性DLBCL患者における臨床活性を改善する場合があることが確認された。この研究は、化合物1が起始細胞において独立して活性を有することを実証している。また、化合物1の免疫調節効果は、5/7日スケジュールにおいて維持される。
上記の実施例は、特許請求の範囲の実施形態をどのように実施及び使用するかの完全な開示及び記載を当業者に与えるために提供されており、本明細書において開示されていることの範囲を限定するものではない。当業者に明らかである変更は、以下の特許請求の範囲の範囲内にあることが意図される。この明細書において列挙されている全ての公開公報、特許、及び特許出願は、あたかも、それぞれのかかる公開公報、特許、及び特許出願が、参照により本明細書に組み込まれることが具体的かつ個々に示されているかのごとく、参照により本明細書に組み込まれる。