JP2018535032A - 注射デバイス - Google Patents

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Abstract

本発明は、注射デバイスに関する。この注射デバイスは、キャップと、一端に針を有するシリンジを保持するための本体とを含む。キャップは、本体に取り外し可能に取り付けられ、前記針を覆うためのニードルシールドを含む。注射デバイスは、本体とキャップの一部分を離れるように付勢するために本体とキャップの前記一部分との間に配された注射デバイスの境界面における気体圧力を増加させるように適用された構成をさらに含む。

Description

本発明は、注射デバイスに関する。
自動注射器などの注射デバイスは、患者の注射部位に薬剤を投薬するために当技術分野で知られている。そのような注射デバイスは、通常、本体とキャップとを含む。本体内には、針シリンジが位置する。キャップは、針シリンジの針を保護するために、本体に取り外し可能に取り付けられる。薬剤を投薬するために、キャップが最初に本体から取り外され、針を露出させる。次いで、針が、薬剤を投薬するために、注射部位において患者の身体に挿入される。
注射デバイスの輸送および収納中、キャップが誤って本体から取り外されないことを保証するために、キャップが十分な力で本体上に保持されることが重要である。このことは、針が滅菌状態を保ち、鋭利な針が負傷を引き起こすことも防止することを保証する。しかしながら、キャップと本体を一緒に保持するために必要とされる力は、特に患者が高齢者または虚弱な場合、注射の前に患者が意図的にキャップを本体から取り外すことを困難にすることがある。
本発明の目的は、改善された注射デバイスを提供することである。
本発明によれば、注射デバイスであって:一端に針を有するシリンジを保持するための本体と;この本体に取り外し可能に取り付けられるキャップであって、前記針を覆うためのニードルシールドを含むキャップと;本体とキャップの一部分を離れるように付勢するために本体とキャップの前記一部分との間に配置された注射デバイスの境界面における気体圧力を増加させるように適用された構成とを含む注射デバイスが提供される。
患者は、本体からのキャップの取り外しを容易にするようにキャップの前記一部分を本体から離れるように付勢するために気体圧力を増加させるように適用された前記構成を動作することができる。
一実施形態では、境界面は、キャップが本体に取り付けられるとき本体とキャップの前記一部分との間に配置されるチャンバを含む。キャップが本体に取り付けられ、シリンジが本体内に受けられるとき、チャンバは、前記シリンジとキャップの前記一部分との間に配置される。したがって、患者は、本体とキャップの前記部分が離れるように付勢されるように、チャンバ内の気体圧力を増加させるように前記構成を動作することができる。
一実施形態では、境界面は、キャップの表面と本体またはシリンジの表面との間に配置される。これらの表面は、対向する表面である。チャンバは、これらの表面の間に配置される。
ニードルシールドは、キャップの前記部分を含む。したがって、ニードルシールドは、境界面における気体圧力が増加されるとき、本体から離れるように付勢される。
一実施形態では、気体圧力を増加させるように適用された構成は、境界面と選択的に流体連通するように構成された圧縮ガス源を含む。したがって、圧縮ガス源が境界面と流体連通するとき、キャップの前記部分は、本体からのキャップの簡単な取り外しを容易にするために本体から離れるように付勢される。
圧縮ガス源は、本体またはキャップ内に配置される。これによって、注射器デバイス(injector device)の携帯性が改善される。一実施形態では、圧縮ガス源は、フィルタを介して境界面と選択的に流体連通する。フィルタは、境界面に流れる気体から汚染物質を除去する。一実施形態では、注射デバイスは、圧縮ガス源を境界面と流体連通させるように動作可能な弁を含む。
圧縮ガス源は、1つまたはそれ以上の導管によって境界面と選択的に流体連通する。一実施形態では、第1の導管は、本体内に設けられ、圧縮ガス源に流体連結され、第2の導管は、キャップ内に設けられ、境界面に流体連結される。第1および第2の導管は、キャップが本体に取り付けられるとき、流体連結される。第1および第2の導管は、キャップが本体から取り外されるとき、分離される。
一実施形態では、注射器デバイスは、キャップを受けるための凹部を備えるハウジングを有するベース部(base station)をさらに含む。圧縮ガス源は、ベース部内に配置される。注射器デバイスは、好都合には、注射の前にベース部内に保持される。ベース部は、キャップが凹部内に受けられるとき、境界面が圧縮ガス源と選択的に流体連通するように構成される。
一実施形態では、ベース部は、キャップがハウジングの凹部内に受けられ、気体圧力を増加させるように適用された構成がキャップの前記一部分を本体から離れるように付勢するときキャップが入るように構成されたキャップ収集空間を含む。これによって、キャップの簡単な収集が可能になる。キャップが収集空間に入った後、キャップは、使用者が取り外すまで、収集空間内に保たれる。代替的に、キャップが収集空間に入った後、キャップは、使用者が収集するためにベース部から排出される。
気体圧力を増加させるように適用された構成は、境界面と流体連通し、境界面における気体圧力を増加させるために圧縮可能である空間を含む。したがって、患者は、本体とキャップの前記部分を離れるように付勢するために圧縮ガスの供給を必要とすることなく、境界面における気体圧力を手動で増加させることが可能である。空間は、キャップ内に配置される。
一実施形態では、キャップの少なくとも一部は、空間を圧縮するように変形可能である。したがって、患者は、キャップの前記部分を本体から離れるように付勢するためにキャップの前記一部を変形することが可能である。一代替実施形態では、本体の少なくとも一部は、空間を圧縮するように変形可能である。さらに別の実施形態では、注射デバイスはベース部をさらに含み、ベース部の少なくとも一部は、空間を圧縮するように変形可能である。
一代替実施形態では、キャップは、空間を圧縮するように本体に対して摺動可能であるアクチュエータを含む。したがって、患者は、キャップの前記部分を本体から離れるように付勢するために、本体に対してアクチュエータを摺動させることが可能である。アクチュエータは、ニードルシールド内に摺動可能に受けられるエンドキャップを含む。代替的に、本体は、摺動可能なアクチュエータを含む。アクチュエータは、環状の周囲壁を含む。端壁は、周囲壁の端部に設けられ、患者が端壁に対して力を及ぼし、本体に対してアクチュエータを摺動させることが可能であるように配置される。
一実施形態では、本体に対してアクチュエータを摺動させ、空間を圧縮するようにアクチュエータに対して及ぼされる力により、より大きな力が及ぼされ、本体とキャップの前記部分を離れるように付勢するように構成される。これによって、キャップを本体から取り外すために患者によって及ぼされなければならない力が減少する。
注射デバイスは、一端に針を有し、本体内に受けられるシリンジを含む。ニードルシールは、シリンジと摩擦係合する。シリンジは、薬剤を含む。
一実施形態では、注射デバイスは自動注射器である。
本発明によれば、注射デバイスの本体からキャップを取り外す方法であって、本体とキャップの部分を離れるように付勢するために本体とキャップの前記部分との間に配置された注射デバイスの境界面における気体圧力を増加させることを含む方法も提供される。注射デバイスは、先に説明された注射デバイスの機能のうちの1つまたはそれ以上を含む。
本発明のこれらおよび他の態様は、以下に記載の実施形態から明らかであり、これを参照して説明することになる。
本発明の実施形態について、以下、単に例として、添付の図面を参照して述べる。
キャップが注射デバイスの本体に取り付けられた、本発明を実施する自動注射器の概略側面図である。 キャップが本体から取り外された、図1Aの自動注射器の概略側面図である。 アクチュエータが第1の位置にある、本発明の第1の実施形態による自動注射器の一部の概略断側面図である。 アクチュエータが第2の位置にある、図2の自動注射器の一部の概略断側面図である。 アクチュエータが第3の位置にある、図2の自動注射器の一部の概略断側面図である。 キャップが自動注射器の本体に取り付けられ、弁が閉状態である、本発明の第2の実施形態による自動注射器の一部の概略断側面図である。 図5の自動注射器の本体の一部の概略断側面図である。 キャップが本体に取り付けられ、弁が開状態である、図5の自動注射器の概略断側面図である。 キャップが本体から取り外されている、図5の自動注射器の概略断側面図である。 キャップが自動注射器の本体に取り付けられ、弁が閉状態である、本発明の第3の実施形態による自動注射器の一部の概略断側面図である。 キャップが本体に取り付けられ、弁が開状態である、図9の自動注射器の概略断側面図である。 キャップが本体から取り外されている、図9の自動注射器の概略断側面図である。 自動注射器のキャップおよび本体がベース部から離隔されている、本発明の第4の実施形態による自動注射器の一部の概略断側面図である。 自動注射器のキャップおよび本体がベース部の凹部内に受けられ、弁が閉状態である、図12の自動注射器の概略断側面図である。 自動注射器のキャップおよび本体がベース部の凹部内に受けられ、弁が開状態である、図12の自動注射器の概略断側面図である。 自動注射器のキャップおよび本体がベース部の凹部内に受けられ、キャップが本体から分離される、図12の自動注射器の概略断側面図である。 自動注射器のキャップおよび本体がベース部の凹部から取り外され、キャップが本体から分離される、図12の自動注射器の概略断側面図である。
薬物送達デバイスは、本明細書に記載のように、薬剤を患者に注射するように構成される。たとえば、送達は、皮下であっても、筋肉内であっても、静脈内であってもよい。そのようなデバイスは、患者または看護師もしくは医師などの介護者によって動作され、さまざまなタイプの安全シリンジ、ペン型注射器、または自動注射器を含むことができる。デバイスは、使用前に封止されたアンプルを穿孔することを必要とするカートリッジベースのシステムを含むことができる。これらのさまざまなデバイスを用いて送達される薬剤の量は、約0.5mlから約2mlの範囲に及ぶことがある。さらに別のデバイスは、「大」量の薬剤(通常、約2mlから約10ml)を送達するためにある期間(たとえば、約5、15、30、60、または120分)にわたって患者の皮膚に付着するように構成された大容積デバイス(「LVD」)またはパッチポンプを含むことができる。
特定の薬剤と組み合わせて、本記載のデバイスはまた、必要とされる仕様内で動作するためにカスタマイズされる。たとえば、デバイスは、特定の期間(たとえば、自動注射器の場合は約3から約20秒、LVDの場合は約10分から約60分)内で薬剤を注射するようにカスタマイズされる。他の仕様は、低いレベルもしくは最小レベルの不快感、または人的要因、貯蔵寿命、満期、生体適合性、環境についての考慮事項などに関連する特定の条件を含む。そのような変形形態は、たとえば、約3cPから約50cPの粘度の範囲に及ぶ薬物などのさまざまな要因により、生じることがある。したがって、薬物送達デバイスは、約25から約31ゲージのサイズの範囲に及ぶ中空針を含むことが多い。一般的なサイズは、27および29ゲージである。
本明細書に記載の送達デバイスは、1つまたはそれ以上の自動化された機能も含むことができる。たとえば、針の挿入、薬剤の注射、および針の後退のうちの1つまたはそれ以上が自動化可能である。1つまたはそれ以上の自動化ステップのためのエネルギーは、1つまたはそれ以上のエネルギー源によって提供可能である。エネルギー源は、たとえば、機械的エネルギー、空気エネルギー、化学エネルギー、または電気エネルギーを含む。たとえば、機械的エネルギー源は、ばね、てこ、エラストマー、またはエネルギーを貯蔵もしくは解放するための他の機械的機構を含む。1つまたはそれ以上のエネルギー源は、単一のデバイスへと連結可能である。デバイスは、ギア、弁、またはエネルギーをデバイスの1つもしくはそれ以上の構成要素の動きへと変換するための他の機構をさらに含むことができる。
自動注射器の1つまたはそれ以上の自動化された機能は各々、起動機構を介して起動される。そのような起動機構は、ボタン、レバー、ニードルスリーブ、または他の起動構成要素のうちの1つまたはそれ以上を含む。自動化された機能の起動は、1ステッププロセスまたは複数ステッププロセスである。すなわち、使用者は、自動化された機能を引き起こすために、1つまたはそれ以上の起動構成要素を起動することを必要とすることがある。たとえば、1ステッププロセスでは、使用者は、薬剤の注射を引き起こすために、本体に対してニードルスリーブを押し下げる。他のデバイスが、自動化された機能の複数ステップ起動を必要とすることがある。たとえば、使用者は、注射を引き起こすために、ボタンを押し下げ、ニードルシールドを後退させることが必要とされる。
さらに、1つの自動化された機能の起動が、1つまたはそれ以上のその後の自動化された機能を起動し、それによって、起動シーケンスを形成することができる。たとえば、第1の自動化された機能を起動すると、針の挿入、薬剤の注射、および針の後退のうちの少なくとも2つを起動することができる。デバイスによっては、1つまたはそれ以上の自動化された機能が行われるように、ステップの特定のシーケンスをも必要とする。他のデバイスは、独立したステップのシーケンスとともに動作する。
いくつかの送達デバイスは、安全シリンジ、ペン型注射器、または自動注射器の1つまたはそれ以上の機能を含むことができる。たとえば、送達デバイスは、薬剤を自動的に注射するように構成された機械的エネルギー源(通常、自動注射器において見られる)と、用量設定機構(通常、ペン型注射器において見られる)とを含む。
本開示のいくつかの実施形態によれば、例示的な薬物送達デバイス10が図1Aおよび図1Bに示されている。デバイス10は、上記で説明されたように、薬剤を患者の身体に注射するように構成される。デバイス10はハウジング11を含み、ハウジング11は、通常、注射されることになる薬剤を含むリザーバ(たとえば、シリンジ)と、送達プロセスの1つまたはそれ以上のステップを容易にするために必要とされる構成要素とを含む。デバイス10は、ハウジング11に着脱可能に取り付け可能なキャップアセンブリ12も含むことができる。通常、使用者は、デバイス10を動作可能にする前に、キャップ12をハウジング11から取り外ししなければならない。
図示のように、ハウジング11は、実質的に円筒状であり、長手方向軸A−Aに沿って実質的に一定の直径を有する。ハウジング11は、遠位領域Dと、近位領域Pとを有する。用語「遠位」は、注射の部位に比較的近い場所を指し、用語「近位」は、注射部位から比較的離れた場所を指す。
デバイス10は、ハウジング11に対するスリーブ19の動きを可能にするために、ハウジング11に連結されたニードルスリーブ19も含むことができる。たとえば、スリーブ19は、長手方向軸A−Aと平行な長手方向に動くことができる。具体的には、近位方向のスリーブ19が動くと、針17がハウジング11の遠位領域Dから延びることができる。
針17の挿入は、いくつかの機構を介して行われる。たとえば、針17は、ハウジング11に対して固定的に位置し、最初は、拡張されたニードルスリーブ19内に位置する。スリーブ19の遠位端を患者の身体に当て、ハウジング11を遠位方向に動かすことによるスリーブ19の近位運動によって、針17の遠位端があらわになる。そのような相対運動によって、針17の遠位端が患者の身体へと延びることができる。そのような挿入は、患者がスリーブ19に対してハウジング11を手で動かすことによって針17が手動で挿入されるので、「手動」挿入と呼ばれる。
挿入の別の形態は、「自動化された」ものであり、それによって、針17は、ハウジング11に対して動く。そのような挿入は、スリーブ19の動きによって、またはたとえばボタン13などの別の起動の形態によってトリガすることができる。図1Aおよび図1Bに示すように、ボタン13は、ハウジング11の近位端に位置する。しかしながら、他の実施形態では、ボタン13は、ハウジング11のある側面上に位置する。
他の手動または自動化された機能は、薬物の注射、または針の後退、または両方を含む。注射は、薬剤をシリンジ18から針17に通過させるために、栓すなわちピストン14がシリンジ18内の近位の場所からシリンジ18内のより遠位の場所に動かされるプロセスである。いくつかの実施形態では、デバイス10が起動される前、駆動ばね(図示せず)は圧縮下にある。駆動ばねの近位端は、ハウジング11の近位領域P内に固定可能であり、駆動ばねの遠位端は、ピストン14の近位表面に圧縮力を加えるように構成可能である。起動に続いて、駆動ばね内に貯蔵されたエネルギーの少なくとも一部は、ピストン14の近位表面に加えられる。この圧縮力は、ピストン14を遠位方向に動かすようにピストン14に対して作用することができる。そのような遠位運動は、シリンジ18内の液体薬剤を圧縮し、その液体薬剤を針17から押し出すように作用する。
注射に続いて、針17は、スリーブ19またはハウジング11内で後退可能である。使用者がデバイス10を患者の身体から取り外すので、スリーブ19が遠位方向に動くとき、後退が行われる。これが行われるのは、針17がハウジング11に対して依然として固定的に位置するからである。スリーブ19の遠位端が針17の遠位端を越えて動き、針17が覆われると、スリーブ19をロックすることができる。そのようなロッキングは、ハウジング11に対するスリーブ19の近位運動をロックすることを含む。
別の形態の針の後退は、針17がハウジング11に対して動かされる場合に行われる。そのような動きは、ハウジング11内のシリンジ18がハウジング11に対して近位方向に動かされる場合に行われる。この近位運動は、遠位領域D内に位置する後退ばね(図示せず)を使用することによって達成可能である。圧縮された後退ばねは、起動されると、シリンジ18を近位方向に動かすのに十分な力をシリンジ18に供給することができる。十分な後退に続いて、針17とハウジング11との相対運動を、ロッキング機構でロックすることができる。さらに、ボタン13またはデバイス10の他の構成要素を、必要に応じてロックすることができる。
次に図2から図4を参照すると、本発明の第1の実施形態による注射デバイス20の一部が示されている。注射デバイス20は、上記で図1Aおよび図1Bに関して説明された自動注射器10に類似した機能を有する自動注射器20の形をとり、同じ機能は同じ参照番号を保有する。違いは、上記で説明された自動注射器10のキャップ12が省略され、代替キャップ21に置き換えられているということである。
本発明の第1の実施形態の自動注射器20のキャップ21は、ニードルシールド22と、アクチュエータ23とを含む。ニードルシールド22は、ハウジング24と、内側シース25とを含む。内側シース25は、ハウジング24内で固定的に固設される。内側シース25は円筒状の凹部25Aを含む。凹部25Aは、シリンジ18の端部部分18Aを受けるように構成され、したがって、針17は内側シース25によって保護される。内側シース25とシリンジ18の端部部分18Aとの摩擦は、ニードルシールド22を、針17を覆う所定の位置に保持するのに十分である。
ニードルシールド22のハウジング24は、ニードルシールド22の遠位端22Aから近位端22Bまでニードルシールド22を貫通する環状の凹部26を含む。
アクチュエータ23は、円筒状の周囲壁27および端壁28を含むエンドキャップ23の形をとる。エンドキャップ23の周囲壁27は、環状の凹部26内に摺動可能に受けられる。エンドキャップ23は、ニードルシールド22と同心状に位置合わせされる。エンドキャップ23とニードルシールド22の近位端22Bとの間に配置された環状の凹部26の部分は、空間29を含む。
エンドキャップ23の周囲壁27は、ニードルシールド22のハウジング24内の環状の凹部26に類似した断面形状を有し、したがって、周囲壁27は、環状の凹部26内にぴったりと嵌合して、ニードルシールド22の周囲端22Aに空間29を封止する。
ニードルシールド22の近位端22Bは、環状凹部26を横断して環状凹部26の両側にあるハウジング24の部分を連結する支持ストラット(図示せず)を含む。エンドキャップ23の周囲壁27は、前記ストラットを摺動可能に受けるスロット(図示せず)を含む。別の実施形態(図示せず)では、ニードルシールド22の遠位端22Aは支持ストラットを含む。代替的に、支持ストラットは、ニードルシールド22の遠位端と近位端22A、22Bの間に設置される。
本体11は、開いた遠位端11Aと、この開いた遠位端11Aの近くに配置された環状リップ11Bとを含む。環状リップ11Bは、径方向内側に延び、シリンジ18に対して封止される。
キャップ21は、最初は、シリンジ18の端部部分18Aが内側シース25の凹部25A内に受けられ、ニードルシールド22の近位端22Bが本体11のリップ11Bに隣接するように、本体11に取り付けられる(図2に示されるように)。したがって、針17は、針17を滅菌状態に保ち、針17が患者の負傷を引き起こすのを防止するために、ニードルシールド22によって覆われる。キャップ21が最初に本体11に取り付けられるとき、エンドキャップ23は、エンドキャップ23の端壁28がニードルシールド22の遠位端22Aからギャップ31によって軸方向に離隔される第1の位置にある(図2に示されるように)。場合により、エンドキャップ23は、ニードルシールド22に対するエンドキャップ23の軸方向運動を防止するように構成されたロックによって第1の位置に保持される。本体11からキャップ21を取り外すために、使用者は、最初に、エンドキャップ23が第1の位置から離れるように動き可能であるように、ロックをロック解除する。このロックは、たとえば、差込みピン連結を含む。差込みピン連結は、ロックをロック解除するために解放される。ロックは、代替的に、エンドキャップ23とニードルシールド22との間にねじ山を含む。したがって、エンドキャップ23は、最初にニードルシールド22に対してねじられ、ロックをロック解除する。
本体11のリップ11Bおよびニードルシールド22の近位端22Bにおけるニードルシールド22の一部分は、キャップ21と本体11との境界面30を含む。より具体的には、リップ11Bの遠位を向く表面およびニードルシールド22の近位端22Bにおけるその対向する面は、キャップ21と本体11との前記境界面30を含む。
境界面30が大気から封止されるようにキャップ21が本体11に取り付けられるとき、ニードルシールド22のハウジング24の周囲は、本体11の周囲壁と封止係合する。
キャップ21が本体11に取り付けられ、エンドキャップ23が第1の位置から本体11に向かって軸方向に(図2および図3に示される矢印「F」の方向に)動かされるとき、エンドキャップ23の周囲壁27は、ハウジング24の環状凹部26内で摺動して、ニードルシールド22内の空間29の体積を減少させる。これによって、空間29内の空気が圧縮され、したがって、空間29内の空気圧力が増加される。
ニードルシールド22内の空間29は、境界面30と流体連通する。したがって、エンドキャップ23が本体11に向かって軸方向に動かされて空間29内の空気圧力を増加させると、境界面30における空気圧力も増加する。境界面30における空気圧力の増加によって、ニードルシールド22と本体11が離れるように付勢されるように、本体11のリップ11Bに対して力が及ぼされる。
エンドキャップ23の端壁28は、空気がニードルシールド22の遠位端22Aとエンドキャップ23の端壁28との間のギャップ31から流れ出すことを可能にするアパーチャ28Aを含む。これによって、ギャップ31内の空気圧力が大気と等しくなり、ニードルシールド22に対するエンドキャップ23の動きを容易にすることが可能になる。
薬剤を注射するために、キャップ21は、最初に、本体11から取り外され、針17を露出させる。本体11からのキャップ21の取り外しは、患者が、本体11に向かって軸方向にエンドキャップ23を付勢するようにエンドキャップ23に対して(図2および図3における矢印「F」の方向に)力を及ぼすことによって達成される。これによって、エンドキャップ23がニードルシールド22に対して摺動し、したがって、エンドキャップ23が、第1の位置(図2に示される)から第2の位置(図3に示される)に動く。
エンドキャップ23が第1の位置から第2の位置に動かされると、ニードルシールド22内の空間29の体積が減少され、したがって、空間29内およびキャップ21と本体11との境界面30における空気圧力が増加される。境界面30における増加した空気圧力は、本体11とニードルシールド22を軸方向に離れるように付勢するように本体11のリップ11Bに対して力を及ぼし、したがって、チャンバ32が、リップ11Bとニードルシールド22との境界面30において形成される(図3に示されるように)。
キャップ21を本体11から取り外すために、患者は、エンドキャップ23を本体11に向かって軸方向に引き続き付勢する。これによって、エンドキャップ23がニードルシールド22に対して摺動し、したがって、空間29の体積がさらに減少される。したがって、空間29内および境界面30におけるチャンバ32内の空気圧力が、ニードルシールド22の近位端22Bおよび本体11のリップ11Bに対して力を及ぼすように増加され、したがって、ニードルシールド22および本体11がさらに離れるように付勢される。ニードルシールド22が本体11から分離され、エンドキャップ23が第3の位置(図4に示される)に動かされるまで、使用者が本体11に向かってエンドキャップ23を押すにつれて、ニードルシールド22は、引き続き本体11から離れるように動き、第3の位置では、エンドキャップ23の周囲壁27がニードルシールド22の近位端22Bから突き出す。
針17は、本体11に対して固定される。したがって、患者が第1の位置から第3の位置にエンドキャップ23を付勢することにより、ニードルシールド22が本体11から離れるように付勢されると、ニードルシールド22は、針17から離れるように軸方向に動き、したがって、内側シース25は、シリンジ18の端部部分18Aから取り外される。シリンジ18の端部部分18Aが、内側シース25内の凹部25Aから完全に取り外されると、キャップ21と本体11との摩擦が減少され、したがって、キャップ21は、針17を露出させるために、単にエンドキャップ23を本体11から離れるように引っ張るだけで、本体11から容易に取り外し可能である。次いで、本体11の開いた遠位端11Aが患者の注射部位に押し付けられ、投薬ボタン(図示せず)が、注射部位に薬剤を投薬するために押される。
自動注射器20は、患者がエンドキャップ23に対して及ぼし、エンドキャップ23を第1の位置から本体11に向かって軸方向に付勢する力により、ニードルシールド22に比べてより大きな力が本体11に対して及ぼされ、本体11とニードルシールド22を離れるように付勢するように構成される。これによって、本体11からのキャップ21の取り外しが容易になる。これは、チャンバ32(図3に示される)を形成するためにニードルシールド22が本体11のリップ11Bから離隔されるとき、空気を圧縮するように空間29内の空気に対して作用するエンドキャップ23の周囲壁27の端の表面積が、空間29内の空気と同じ圧力である境界面30における空気によって作用される本体11の表面積よりも小さいように、境界面30に対して空間29を必要な大きさにすることによって達成される。したがって、ニードルシールド22が本体11のリップ11Bから離隔されるとき、第1の距離だけ本体11に向かってエンドキャップ23が軸方向運動すると、第1の距離よりも短い第2の距離だけ本体11から離れるようにニードルシールド22が軸方向運動する。一実施形態では、エンドキャップ23の摺動方向に見たとき、エンドキャップ23の周囲壁27の断面積は、リップ11Bの断面積よりも小さい。
ニードルシールド22を本体11から分離するための本体11に対するエンドキャップ23の押す動きは、特に患者が高齢者または虚弱である場合、患者にとって、引っ張る動きまたはねじる動きよりも実行しやすい。
上記で説明された実施形態では、空間29は空気を含むが、代替実施形態(図示せず)では、空間は別の気体を含む。好ましくは、気体は、低い圧縮性を有する。好ましくは、気体は、無毒および/または不活性である。気体は、たとえば、二酸化炭素、アルゴン、またはヘリウムである。
上記で説明された実施形態では、自動注射器20は、空間29内の空気圧力が増加されるように空間29の体積を減少させるためにニードルシールド22に対して摺動可能であるアクチュエータ23を含む。したがって、境界面30における圧力が増加される。境界面30に対して作用する力は、空間29内の圧力と境界面30の面積の積であり、そのため、空間29内の圧力が増加されると、本体11とニードルシールド22は、離れるように付勢される。したがって、ニードルシールド22とアクチュエータ23は、境界面30における気体圧力を増加させるように適用された構成をともに形成する。しかしながら、一代替実施形態(図示せず)では、摺動するアクチュエータは省略され、境界面30における気体圧力を増加させるように適用された代替構成によって置き換えられる。そのような一実施形態(図示せず)では、キャップは、変形可能な空間を画成する空洞を有する可撓性エンドキャップを含む。変形可能な空間は、境界面と流体連通し、キャップが本体に取り付けられるとき、大気から封止される。可撓性エンドキャップは、境界面における空気圧力が増加されるように、変形可能な空間の体積を減少させるために患者によって圧搾され、ニードルシールドを本体から離れるように軸方向に付勢させる。そのような別の実施形態(図示せず)では、本体は、変形可能な空間を画成する空洞を有する可撓性部分を含む。変形可能な空間は、境界面と流体連通し、キャップが本体に取り付けられるとき大気から封止される。本体の可撓性部分は、ニードルシールドが本体から離れるように軸方向に付勢されるように、境界面における圧力を増加させるために圧搾される。
上記で説明された実施形態では、ニードルシールド22の近位端22Bは、エンドキャップ23が第1の位置にあるとき、本体11のリップ11Bに当接する。しかしながら、一代替実施形態(図示せず)では、ニードルシールドの近位端は、小さいチャンバがニードルシールドとリップとの間に配置されるように、エンドキャップが第1の位置にあるとき、リップから軸方向に離隔される。エンドキャップが第1の位置から第2の位置に動かされるとき、小さいチャンバ内の気体圧力は、ニードルシールドが本体から離れるように付勢されるように増加される。
次に図5から図8を参照すると、本発明の第2の実施形態による注射デバイス40の一部が示されている。注射デバイス40は、上記で図1Aおよび図1Bに関して説明された自動注射器10に類似した機能を有する自動注射器40の形をとり、同じ機能は同じ参照番号を保有する。違いは、上記で説明された自動注射器10のキャップ12が省略され、代替キャップ41に置き換えられているということである。
本発明の第2の実施形態の自動注射器40のキャップ41は、ニードルシールド42を含む。ニードルシールド42は、ハウジング44と、内側シース45とを含む。内側シース45は、ハウジング44内で固定的に固設される。内側シース45は円筒状の凹部45Aを含む。
本体11は、外側ケーシング46と、外側ケーシング46内に配置された内側スリーブ47とを含む。内側スリーブ47は、外側ケーシング46に対して固定される。ニードルシールド42は、キャップ41が本体11に取り付けられると内側スリーブ47の開いた周囲端47A内に受けられ、したがって、シリンジ18の端部部分18Aは、内側シース45の凹部45A内に受けられる(図5に示すように)。したがって、針17は、内側シース45によって保護される。ハウジング44と内側スリーブ47との、および内側シース45とシリンジ18の端部部分18Aとの摩擦は、ニードルシールド42を、針17を覆う所定の位置に保持するのに十分である。
内側スリーブ47は、シリンジ18に対して封止するように内側スリーブ47の周囲壁から径方向内側に延びるリップ47Bを含む。
自動注射器40は、キャップ41が本体11に取り付けられるときキャップ41と本体11との間に配置される境界面48を含む。境界面48は、凹部45Aの遠位端においてシリンジ18の端部部分18Aと内側シース45の内表面45Bとの間で内側シース45の凹部45A内に配置されるチャンバ49を含む。シリンジ18の端部部分18Aの周囲は、キャップ41が、チャンバ49が大気から封止されるように本体11に取り付けられるとき、内側シース45に対して封止する。チャンバ49内の気体は、最初は、大気圧である。代替的に、チャンバ49内の気体は、最初は、大気圧を下回るまたはそれを上回る圧力である。
自動注射器40は、チャンバ49内の気体圧力を増加させるように適用された構成をさらに含む。この構成は、加圧気体源50と、第1および第2の導管51、52と、弁53と、アクチュエータ54とを含む。加圧気体源50は、本体11内に配置された気体キャニスタ50(図8に示される)の形をとる。気体キャニスタ50は、大気圧を上回る、空気または二酸化炭素などの気体を含む。
第1の導管51は、気体キャニスタ50と流体連通し、内側スリーブ47のリップ47Bまで延びる。第2の導管52は、キャップ41が本体11に取り付けられるとき、第1の導管51と流体連通するように第1の導管51内に受けられる。第2の導管52は、チャンバ49と流体連通する。
アクチュエータ54は、閉状態(図5に示される)から開状態(図7に示される)に弁53を付勢するために患者によって押されるように構成される。弁53は、閉状態へと付勢される。弁53が閉状態であるとき、弁53は、気体キャニスタ50内の気体が第1の導管51を通って第2の導管52に流れるのを防止する。
キャップ41を本体11から取り外すために、患者は、弁53を開状態に付勢するためにアクチュエータ54を押す。弁53が開状態であるとき、気体キャニスタ50内の加圧気体は、チャンバ49内の気体圧力が増加されるように、第1および第2の導管51、52を通ってチャンバ49へと流れることが可能になる。境界面48における増加した気体圧力は、キャップ41が本体11から分離される(図8に示されるように)まで、本体11およびニードルシールド42を軸方向に離れるように動かすように、シリンジ18の端部部分18Aに対して、および内側シース45の内表面45Bに対して力を及ぼす。キャップ41が本体11から分離されるとき、第1および第2の導管51、52が分離される。
本発明の第2の実施形態の自動注射器40の構成は、患者が本体11からキャップ41を容易に取り外すことを可能にする。この理由は、弁53を開状態へと付勢するようにアクチュエータ54を押すために必要とされる力が、本体11からキャップ41を分離するために、本体11に取り付けられる所定の位置にキャップ41を保持する摩擦を克服するためにキャップ41に対して及ぼされなければならない力よりも小さいからである。
フィルタ55は、第1および第2の導管51、52間の流体連結部に配置される。フィルタ55は、弁53が開状態であるとき、気体キャニスタ50から供給される気体から汚染物質を取り除く。したがって、気体キャニスタ50からの気体がチャンバ49に入るとき、針17は滅菌したままである。一代替実施形態(図示せず)では、フィルタは省略され、代わりに、滅菌した気体源が気体キャニスタ内に収納される。
次に図9から図11を参照すると、本発明の第3の実施形態による注射デバイス60の一部が示されている。注射デバイス60は、上記で図5から図8に関して説明された本発明の第2の実施形態の自動注射器40に類似した機能を有する自動注射器60の形をとり、同じ機能は同じ参照番号を保有する。違いは、自動注射器60が、代替キャップ61と、本体11とキャップ61との間の代替境界面68とを有することである。
本発明の第3の実施形態の自動注射器60のキャップ61は、ニードルシールド62を含む。ニードルシールド62は、ハウジング64と、内側シース65とを含む。内側シース65は、ハウジング64内で固定的に固設される。内側シース65は、円筒状の凹部65Aを含む。
本体11は、外側ケーシング46と、外側ケーシング46内に配置された内側スリーブ47とを含む。内側スリーブ47は、外側ケーシング46に対して固定される。ニードルシールド62は、キャップ61が本体11に取り付けられると内側スリーブ47の開いた周囲端47A内に受けられ、したがって、シリンジ18の端部部分18Aは、内側シース65の凹部65A内に受けられる(図9に示されるように)。したがって、針17は、内側シース65によって保護される。ハウジング64と内側スリーブ47との、および内側シース65とシリンジ18の端部部分18Aとの摩擦は、ニードルシールド62を、針17を覆う所定の位置に保持するのに十分である。
内側スリーブ47は、シリンジ18に対して封止するように内側スリーブ47の周囲壁から径方向内側に延びるリップ47Bを含む。
境界面68は、ニードルシールド62の近位端62Aと内側スリーブ47のリップ47Bとの間に配置されるチャンバ69を含む。チャンバ69を大気から封止するためにキャップ61が本体11に取り付けられるとき、ニードルシールド62のハウジング64の周囲は、内側スリーブ47の内側表面に対して封止する。そのうえ、シリンジ18の端部部分18Aは、針17をチャンバ69から封止するために内側シース65に対して封止する。したがって、チャンバ69内の気体は、針17を汚染することが防止される。チャンバ69は、最初は、大気圧である。代替的に、チャンバ69内の気体は、最初は、大気圧を下回るまたはそれを上回る圧力である。
自動注射器60は、チャンバ69内の気体圧力を増加させるように適用された構成をさらに含む。この構成は、加圧気体源(図示せず)と、第1の導管71と、弁73と、アクチュエータ74とを含む。本発明の第2の実施形態の自動注射器40と同様に、第3の実施形態の自動注射器60の加圧気体源は、本体11内に配置された気体キャニスタ(図示せず)の形をとる。
第1の導管71は、本体11内に配置される。第1の導管71は、気体キャニスタと流体連通し、内側スリーブ47のリップ47Bまで延びる。
アクチュエータ74は、閉状態(図9に示される)から開状態(図10に示される)に弁73を付勢するために患者によって押されるように構成される。弁73は、閉状態へと付勢される。弁73が閉状態であるとき、弁73は、気体キャニスタ50内の気体が第1の導管71を通って気体キャニスタからチャンバ69に流れるのを防止する。
キャップ61を本体11から取り外すために、患者は、弁73を開状態に付勢するためにアクチュエータ74を押す。弁73が開状態であるとき、第1の導管71は、気体キャニスタ内の加圧気体が第1の導管71を通ってチャンバ69へと流れ込んでチャンバ69内の気体圧力を増加させるように、気体キャニスタをチャンバ69と流体的に連通させることが可能である。境界面68における増加した気体圧力は、キャップ61が本体11から分離される(図11に示されるように)まで、本体11およびニードルシールド62を軸方向に離れるように動かすように、ニードルシールド62の近位端62Aおよび内側スリーブ47のリップ47Bに対して力を及ぼす。したがって、本発明の第2の実施形態の自動注射器40と同様に、本発明の第3の実施形態の自動注射器60は、本体11からのキャップ61の簡単な取り外しを可能にする。
次に図12から図16を参照すると、本発明の第4の実施形態による注射デバイス80が示されている。注射デバイス80は、上記で図9から図11に関して説明された本発明の第3の実施形態の自動注射器60に類似した機能を有する自動注射器80の形をとり、同じ機能は同じ参照番号を保有する。違いは、第4の実施形態の自動注射器80が代替キャップ81を有し、ベース部83をさらに含むことである。
本発明の第4の実施形態の自動注射器80のキャップ81は、ニードルシールド82を含む。ニードルシールド82は、ハウジング84と、内側シース85とを含む。内側シース85は、ハウジング84内で固定的に固設される。内側シース85は、円筒状の凹部85Aを含む。
本体11は、外側ケーシング46と、外側ケーシング46内に配置された内側スリーブ47とを含む。内側スリーブ47は、外側ケーシング46に対して固定される。ニードルシールド82は、キャップ81が本体11に取り付けられると内側スリーブ47の開いた周囲端47A内に受けられ、したがって、シリンジ18の端部部分18Aは、内側シース85の凹部85A内に受けられる(図12および図13に示されるように)。したがって、針17は、内側シース85によって保護される。ハウジング84と内側スリーブ47との、および内側シース85とシリンジ18の端部部分18Aとの摩擦は、ニードルシールド82を、針17を覆う所定の位置に保持するのに十分である。
内側スリーブ47は、シリンジ18に対して封止するように内側スリーブ47の周囲壁から径方向内側に延びるリップ47Bを含む。
自動注射器80は、キャップ81が本体11に取り付けられるときキャップ81と本体11との間に配置される境界面88を含む。境界面88は、ニードルシールド82の近位端82Aと内側スリーブ47のリップ47Bとの間に配置されるチャンバ89を含む。キャップ81が本体11に取り付けられるとき、ニードルシールド82のハウジング84の周囲は、内側スリーブ47の内側表面に対して封止する。そのうえ、シリンジ18の端部部分18Aは、針17をチャンバ89から封止するために内側シース85に対して封止する。
気体入口90が、本体11の周囲壁の中に設けられる。気体入口90は、チャンバ89と流体連通して、気体が本体11の周囲壁を通ってチャンバ89へと流れ込むことを可能にする。フィルタ95が、気体入口90を通って気体チャンバ89へと流れ込む汚染物質をフィルタ除去するために、気体入口90の中に設けられる。
ベース部83はハウジング87を含み、凹部87Aがハウジング87内にある。凹部87Aは、キャップ81および本体11の周囲端11Aを受けるように構成される。
自動注射器80は、チャンバ89内の気体圧力を増加させるように適用された構成をさらに含む。この構成は、加圧気体源91と、第1の導管92と、弁93と、アクチュエータ94とを含む。加圧気体源91は、ベース部83のハウジング87内に配置され、加圧気体を含む気体キャニスタ91の形をとる。
第1の導管92は、ベース部83のハウジング87内に配置される。第1の導管92は、気体キャニスタ91と流体連通し、ハウジング87内の凹部87Aを取り囲む壁87Bを貫通する。したがって、第1の導管92は、気体キャニスタ91をハウジング87内の凹部87Aと流体連通させる。
アクチュエータ94は、閉状態(図12および図13に示される)から開状態(図14に示される)に弁93を付勢するために患者によって押されるように構成される。弁93は、閉状態へと付勢される。弁93が閉状態であるとき、弁93は、気体キャニスタ91内の気体が第1の導管92を通って気体キャニスタ91からベース部83のハウジング87内の凹部87Aに流れるのを防止する。
キャップ81を本体11から取り外すために、患者は、最初に、自動注射器80のキャップ81および本体11の周囲端11Aをハウジング87の凹部87A内に位置する(図12に示されるように)。これによって、本体11の周囲壁内の気体入口90が、チャンバ89が気体入口90を介して第1の導管92と流体連通するように、第1の導管92と位置合わせされる。
次いで、患者が、弁93を開状態に付勢するためにアクチュエータ94を押す。弁93が開状態であるとき、第1の導管92は、気体キャニスタ91内の加圧気体が第1の導管92を通ってチャンバ89へと流れ込んでチャンバ89内の気体圧力を増加させるように、気体キャニスタ91をチャンバ89と流体的に連通させることが可能である。境界面88における増加した気体圧力は、キャップ81が本体11から分離される(図15に示されるように)まで、本体11およびニードルシールド82を軸方向に離れるように動かすように、ニードルシールド82の近位端82Aおよび内側スリーブ47のリップ47Bに対して力を及ぼす。したがって、本発明の第3の実施形態の自動注射器60と同様に、本発明の第4の実施形態の自動注射器80は、本体11からのキャップ81の簡単な取り外しを可能にする。
キャップ81が本体11から取り外されると、患者は、ベース部83のハウジング87内の凹部87Aから本体11を取り外す(図16に示されるように)。次いで、本体11の開いた遠位端11Aが患者の注射部位に押し付けられ、投薬ボタン(図示せず)が、注射部位に薬剤を投薬するために押される。
ベース部83は、ハウジング87内の凹部87Aからベース部83の周囲まで延びるチャネル96の形をとるキャップ収集空間96を含む。チャネル96は、弁93が、キャップ81を自動注射器80の本体11から離れるように動かすために開状態に付勢されるとき、キャップ81が、本体11およびキャップ81に対して作用するチャンバ89内の加圧気体の力によってチャネル96に押し込まれるように配置される。キャップ81は、チャネル96を通って動いてベース部83から出され、キャップ81は、患者が収集および処分可能である。一実施形態では、チャネル96は、キャップ81が本体11から取り外されるとキャップ81が側壁から出される(図16に示されるように)ように、ハウジング87内の凹部87Aの底部から下方向に湾曲して、ハウジング87の側壁まで延びる。
一代替実施形態(図示せず)では、キャップ収集空間は、代わりに、ベース部のハウジングの内部に収集チャンバを含む。収集チャンバは、ハウジング内の凹部から延び、キャップを本体から取り外すために弁が開状態に付勢されるとキャップが収集チャンバへと動くように構成される。取り外されたキャップは、その後使用者によって処分されるまで、収集チャンバ内に収納される。そのような一実施形態では、収集チャンバは、複数の取り外されたキャップを収納するのに十分に大きい。
上記で説明された実施形態では、加圧気体源91は、気体キャニスタの形をとる。しかしながら、一代替実施形態(図示せず)では、注射デバイスは、代わりに、変形可能な空間を形成する空洞を画成する可撓性部分を含む。変形可能な空間は、たとえば導管によって、境界面と流体連通し、キャップが本体に取り付けられるとき大気から封止される。可撓性部分は、ニードルシールドと本体が離れるように付勢されるように、境界面における圧力を増加させるために圧搾される。可撓性部分は、キャップ、本体、またはベース部の一部を形成することができる。さらに別の実施形態(図示せず)では、注射デバイスは、代わりに、境界面と流体連通する空間を圧縮するように使用者によって動作可能なアクチュエータを含む。したがって、使用者がアクチュエータを動作させるとき、空間内の圧力が増加されて、ニードルシールドと本体を離れるように付勢する。アクチュエータは、キャップ、本体、またはベース部に摺動可能に連結される。
上記で説明された実施形態では、キャップ21、41、61、81と本体11は両方とも、略円筒状である。しかしながら、円筒状以外の形状であるキャップと本体とを有する注射デバイスが本発明の範囲に含まれることを意図することを理解されたい。たとえば、キャップおよび本体は、断面を見たとき、代わりに、矩形、卵形、方形、五角形、または六角形の形状を有する。
本明細書で使用する用語「薬物」または「薬剤」は、1つまたはそれ以上の薬学的に活性な化合物を説明するために本明細書において使用される。以下に説明されるように、薬物または薬剤は、1つまたはそれ以上の疾患を処置するための、さまざまなタイプの製剤の少なくとも1つの低分子もしくは高分子、またはその組み合わせを含むことができる。例示的な薬学的に活性な化合物は、低分子;ポリペプチド、ペプチド、およびタンパク質(たとえばホルモン、成長因子、抗体、抗体フラグメント、および酵素);炭水化物および多糖類;ならびに核酸、二本鎖または一本鎖DNA(裸およびcDNAを含む)、RNA、アンチセンスDNAおよびRNAなどのアンチセンス核酸、低分子干渉RNA(siRNA)、リボザイム、遺伝子、およびオリゴヌクレオチドを含むことができる。核酸は、ベクター、プラスミド、またはリポソームなどの分子送達システムに組み込むことができる。これらの薬物の1つまたはそれ以上の混合物もまた、企図される。
用語「薬物送達デバイス」は、薬物をヒトまたは動物の体内に投薬するように構成されたあらゆるタイプのデバイスまたはシステムを包含するものである。限定されることなく、薬物送達デバイスは、注射デバイス(たとえばシリンジ、ペン型注射器、自動注射器、大容量デバイス、ポンプ、かん流システム、または眼内、皮下、筋肉内、もしくは血管内送達にあわせて構成された他のデバイス)、皮膚パッチ(たとえば、浸透圧性、化学的、マイクロニードル)、吸入器(たとえば鼻用または肺用)、埋め込み(たとえば、コーティングされたステント、カプセル)、または胃腸管用の供給システムとすることができる。ここに説明される薬物は、針、たとえば小ゲージ針を含む注射デバイスで特に有用であることができる。
薬物または薬剤は、薬物送達デバイスで使用するように適用された主要パッケージまたは「薬物容器」内に含むことができる。薬物容器は、たとえば、カートリッジ、シリンジ、リザーバ、または1つまたはそれ以上の薬学的に活性な化合物の保存(たとえば短期または長期保存)に適したチャンバを提供するように構成された他の容器とすることができる。たとえば、一部の場合、チャンバは、少なくとも1日(たとえば1日から少なくとも30日まで)の間薬物を保存するように設計することができる。一部の場合、チャンバは、約1カ月から約2年の間薬物を保存するように設計することができる。保存は、室温(たとえば約20℃)または冷蔵温度(たとえば約−4℃から約4℃まで)で行うことができる。一部の場合、薬物容器は、薬物製剤の2つまたはそれ以上の成分(たとえば薬物および希釈剤、または2つの異なるタイプの薬物)を別々に、各チャンバに1つずつ保存するように構成された二重チャンバカートリッジとすることができ、またはこれを含むことができる。そのような場合、二重チャンバカートリッジの2つのチャンバは、ヒトまたは動物の体内に投薬する前、および/または投薬中に薬物または薬剤の2つまたはそれ以上の成分間で混合することを可能にするように構成することができる。たとえば、2つのチャンバは、これらが(たとえば2つのチャンバ間の導管によって)互いに流体連通し、所望の場合、投薬の前にユーザによって2つの成分を混合することを可能にするように構成することができる。代替的に、またはこれに加えて、2つのチャンバは、成分がヒトまたは動物の体内に投薬されているときに混合することを可能にするように構成することができる。
本明細書において説明される薬物送達デバイスおよび薬物は、数多くの異なるタイプの障害の処置および/または予防に使用することができる。例示的な障害は、たとえば、糖尿病、または糖尿病性網膜症などの糖尿病に伴う合併症、深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症を含む。さらなる例示的な障害は、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、がん、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症および/または関節リウマチである。
糖尿病または糖尿病に伴う合併症の処置および/または予防のための例示的な薬物は、インスリン、たとえばヒトインスリン、またはヒトインスリン類似体もしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、GLP−1類似体もしくはGLP−1受容体アゴニスト、またはその類似体もしくは誘導体、ジペプチジルペプチダーゼ−4(DPP4)阻害剤、または薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物、またはそれらの任意の混合物を含む。本明細書において使用される用語「誘導体」は、元の物質と構造的に十分同様のものであり、それによって同様の機能または活性(たとえば治療効果性)を有することができる任意の物質を指す。
例示的なインスリン類似体は、Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン(インスリングラルギン);Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28),Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;B28位におけるプロリンがAsp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置き換えられており、B29位において、LysがProで置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリンおよびDes(B30)ヒトインスリンである。
例示的なインスリン誘導体は、たとえば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、およびB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。例示的なGLP−1、GLP−1類似体およびGLP−1受容体アゴニストは、たとえば:リキシセナチド(Lixisenatide)/AVE0010/ZP10/リキスミア(Lyxumia)、エキセナチド(Exenatide)/エクセンディン−4(Exendin−4)/バイエッタ(Byetta)/ビデュリオン(Bydureon)/ITCA650/AC−2993(アメリカドクトカゲの唾液腺によって産生される39アミノ酸ペプチド)、リラグルチド(Liraglutide)/ビクトザ(Victoza)、セマグルチド(Semaglutide)、タスポグルチド(Taspoglutide)、シンクリア(Syncria)/アルビグルチド(Albiglutide)、デュラグルチド(Dulaglutide)、rエクセンディン−4、CJC−1134−PC、PB−1023、TTP−054、ラングレナチド(Langlenatide)/HM−11260C、CM−3、GLP−1エリゲン、ORMD−0901、NN−9924、NN−9926、NN−9927、ノデキセン(Nodexen)、ビアドール(Viador)−GLP−1、CVX−096、ZYOG−1、ZYD−1、GSK−2374697、DA−3091、MAR−701、MAR709、ZP−2929、ZP−3022、TT−401、BHM−034、MOD−6030、CAM−2036、DA−15864、ARI−2651、ARI−2255、エキセナチド(Exenatide)−XTENおよびグルカゴン−Xtenである。
例示的なオリゴヌクレオチドは、たとえば:家族性高コレステロール血症の処置のためのコレステロール低下アンチセンス治療薬である、ミポメルセン(mipomersen)/キナムロ(Kynamro)である。
例示的なDPP4阻害剤は、ビルダグリプチン(Vildagliptin)、シタグリプチン(Sitagliptin)、デナグリプチン(Denagliptin)、サキサグリプチン(Saxagliptin)、ベルベリン(Berberine)である。
例示的なホルモンは、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、およびゴセレリンなどの、脳下垂体ホルモンまたは視床下部ホルモンまたは調節性活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニストを含む。
例示的な多糖類は、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、もしくは超低分子量ヘパリン、またはそれらの誘導体、または上述の多糖類の硫酸化形態、たとえば、ポリ硫酸化形態、および/または、薬学的に許容されるそれらの塩を含む。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウムがある。ヒアルロン酸誘導体の例としては、HylanG−F20/Synvisc、ヒアルロン酸ナトリウムがある。
本明細書において使用する用語「抗体」は、免疫グロブリン分子またはその抗原結合部分を指す。免疫グロブリン分子の抗原結合部分の例は、抗原を結合する能力を保持するF(ab)およびF(ab’)フラグメントを含む。抗体は、ポリクローナル、モノクローナル、組換え型、キメラ型、非免疫型またはヒト化、完全ヒト型、非ヒト型(たとえばマウス)、または一本鎖抗体とすることができる。いくつかの実施形態では、抗体はエフェクター機能を有し、補体を固定することができる。いくつかの実施形態では、抗体は、Fc受容体と結合する能力が低く、または結合することはできない。たとえば、抗体は、アイソタイプもしくはサブタイプ、抗体フラグメントまたは変異体とすることができ、Fc受容体との結合を支持せず、たとえば、これは、突然変異したまたは欠失したFc受容体結合領域を有する。
用語「フラグメント」または「抗体フラグメント」は、全長抗体ポリペプチドを含まないが、抗原と結合することができる全長抗体ポリペプチドの少なくとも一部分を依然として含む、抗体ポリペプチド分子(たとえば、抗体重鎖および/または軽鎖ポリペプチド)由来のポリペプチドを指す。抗体フラグメントは、全長抗体ポリペププチドの切断された部分を含むことができるが、この用語はそのような切断されたフラグメントに限定されない。本発明に有用である抗体フラグメントは、たとえば、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、scFv(一本鎖Fv)フラグメント、直鎖抗体、二重特異性、三重特異性、および多重特異性抗体(たとえば、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ)などの単一特異性または多重特異性抗体フラグメント、ミニボディ、キレート組換え抗体、トリボディまたはバイボディ、イントラボディ、ナノボディ、小モジュラー免疫薬(SMIP)、結合ドメイン免疫グロブリン融合タンパク質、ラクダ化抗体、およびVHH含有抗体を含む。抗原結合抗体フラグメントのさらなる例は、当技術分野で知られている。
用語「相補性決定領域」または「CDR」は、特異的抗原認識を仲介する役割を主に担う重鎖および軽鎖両方のポリペプチドの可変領域内の短いポリペプチド配列を指す。用語「フレームワーク領域」は、CDR配列ではなく、CDR配列の正しい位置決めを維持して抗原結合を可能にする役割を主に担う重鎖および軽鎖両方のポリペプチドの可変領域内のアミノ酸配列を指す。フレームワーク領域自体は、通常、当技術分野で知られているように、抗原結合に直接的に関与しないが、特定の抗体のフレームワーク領域内の特定の残基が、抗原結合に直接的に関与することができ、またはCDR内の1つまたはそれ以上のアミノ酸が抗原と相互作用する能力に影響を与えることができる。
例示的な抗体は、アンチPCSK−9mAb(たとえばアリロクマブ(Alirocumab))、アンチIL−6mAb(たとえばサリルマブ(Sarilumab))、およびアンチIL−4mAb(たとえばデュピルマブ(Dupilumab))である。
本明細書において説明される化合物は、(a)化合物または薬学的に許容されるその塩、および(b)薬学的に許容される担体を含む医薬製剤において使用することができる。化合物はまた、1つまたはそれ以上の他の医薬品有効成分を含む医薬製剤、または存在する化合物またはその薬学的に許容される塩が唯一の有効成分である医薬製剤において使用することもできる。したがって、本開示の医薬製剤は、本明細書において説明される化合物および薬学的に許容される担体を混合することによって作られる任意の製剤を包含する。
本明細書において説明される任意の薬物の薬学的に許容される塩もまた、薬物送達デバイスにおける使用に企図される。薬学的に許容される塩は、たとえば酸付加塩および塩基性塩である。酸付加塩は、たとえば、HClまたはHBr塩である。塩基性塩は、たとえば、アルカリもしくはアルカリ土類金属、たとえばNa+、もしくはK+、もしくはCa2+、またはアンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)(式中、R1からR4は互いに独立して:水素、場合により置換されたC1〜C6−アルキル基、場合により置換されたC2〜C6−アルケニル基、場合により置換されたC6〜C10−アリル基、または場合により置換されたC6〜C10−ヘテロアリール基を意味する)から選択されるカチオンを有する塩である。薬学的に許容される塩のさらなる例は、当業者に知られている。
薬学的に許容される溶媒和物は、たとえば、水和物またはメタノラート(methanolate)またはエタノラート(ethanolate)などのアルカノラート(alkanolate)である。
当業者は、本明細書に記載の物質、配合物、装置、方法、システム、および実施形態のさまざまな構成要素の修正(追加および/または除去)が、そのような修正およびそのあらゆる均等物を包含する本発明の全範囲および趣旨から逸脱することなく、なされることを理解するであろう。

Claims (15)

  1. 注射デバイスであって:
    一端に針を有するシリンジを保持するための本体と;
    該本体に取り外し可能に取り付けられるキャップであって、前記針を覆うためのニードルシールドを含むキャップと;
    本体とキャップの一部分を離れるように付勢するために本体とキャップの前記一部分との間に配置された注射デバイスの境界面における気体圧力を増加させるように適用された構成と
    を含む前記注射デバイス。
  2. 境界面は、キャップが本体に取り付けられるとき本体とキャップの前記一部分との間に配置されるチャンバを含む、請求項1に記載の注射デバイス。
  3. キャップが本体に取り付けられ、シリンジが本体内に受けられるとき、チャンバは前記シリンジとキャップの前記一部分との間に配置される、請求項2に記載の注射デバイス。
  4. ニードルシールドはキャップの前記一部分を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の注射デバイス。
  5. 気体圧力を増加させるように適用された構成は、境界面と選択的に流体連通するように構成された圧縮ガス源を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の注射デバイス。
  6. キャップを受けるための凹部を備えるハウジングを有するベース部をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の注射デバイス。
  7. ベース部は、キャップがハウジングの凹部内に受けられ、気体圧力を増加させるように適用された構成がキャップの前記一部分を本体から離れるように付勢するときキャップが入るように構成されたキャップ収集空間を含む、請求項6に記載の注射デバイス。
  8. 気体圧力を増加させるように適用された構成は、境界面と流体連通し、境界面における気体圧力を増加させるために圧縮可能である空間を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の注射デバイス。
  9. 空間は、本体またはキャップのうちの一方の中に配置され、本体またはキャップのうちの前記一方の少なくとも一部は、空間を圧縮するように変形可能である、請求項8に記載の注射デバイス。
  10. 空間は、本体またはキャップのうちの一方の中に配置され、本体またはキャップのうちの前記一方は、空間を圧縮するように本体またはキャップのうちの他方に対して摺動可能であるアクチュエータを含む、請求項8に記載の注射デバイス。
  11. 本体に対してアクチュエータを摺動させ、空間を圧縮するようにアクチュエータに対して及ぼされる力により、より大きな力が及ぼされ、本体とキャップの前記一部分を離れるように付勢するように構成される、請求項10に記載の注射デバイス。
  12. 一端に針を有し、本体内で受けられるシリンジを含み、ニードルシールドは、シリンジと摩擦係合する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の注射デバイス。
  13. 一端に針を有するシリンジを含み、ここで、該シリンジは薬剤を含む、請求項1〜12
    のいずれか1項に記載の注射デバイス。
  14. 注射デバイスは自動注射器である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の注射デバイス。
  15. 注射デバイスの本体からキャップを取り外す方法であって、
    本体とキャップの一部分を離れるように付勢するために本体とキャップの前記一部分との間に配置された注射デバイスの境界面における気体圧力を増加させること
    を含む前記方法。
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