JP2018534946A - キメラ転写後調節要素 - Google Patents

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Abstract

本開示は、細胞においてタンパク質を発現させるために有用なキメラ転写後調節要素(PRE)およびベクターに関する。PREは、複数の異なる天然型PRE配列から選択された、アルファ、ベータ、および、任意でガンマサブエレメントを含み、それらの天然型の対応物より強力であることが判明した。

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、米国特許法第119条(e)に基づき、参照によって内容が本明細書に組み込まれる、2015年10月27日に出願された米国仮特許出願第62/246,841号の利益を主張するものである。
遺伝子配列の転写(すなわち、mRNAの生成)は、多くの異なるレベルで制御される。転写開始部位またはプロモーターは、複数の異なる強度を有し、所与の遺伝子の転写の開始の頻度は、エンハンサー配列によって増加させることもできる。転写中の一時停止は、転写の速度、ひいては、所与の期間内に生産される転写産物の量に影響を及ぼし得る。また、mRNA前駆体のスプライシング、ポリアデニル化および切断の速度は、転写単位によって生産されるmRNAの量に影響を及ぼし得る。更に、mRNA分子内の配列は、核から細胞質へのmRNAの輸送、および、mRNAのターンオーバーの速度(すなわち、細胞質内安定性)を調節し得る。
細胞質内蓄積およびmRNAの安定性を調節する、mRNA分子内の特定の配列が同定され、転写後調節(PRE)要素と称される。PRE配列は、ヒトB型肝炎ウイルス(HPRE)のゲノム、および、ウッドチャック肝炎ウイルス(WPRE)のゲノムの中において同定された。例えば、Donello et al. (1998) J. Virology 72:5085−5092を参照されたい。
インビトロにおけるポリペプチド(例えば、治療用抗体、成長因子)の発現は、医薬品業界にとって重要であり、タンパク質発現を最大化する方法が必要とされている。
本開示は、安定性および発現効率が改善された発現構築物を生成するのに有用なキメラPRE配列を提供する。一実施形態において、(a)SEQ ID NO:14の核酸配列、または、SEQ ID NO:14と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列から成る第1フラグメントと、(b)SEQ ID NO:3の核酸配列、または、SEQ ID NO:3と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列から成る第2フラグメントとを備えるポリヌクレオチドが提供される。
いくつかの態様において、第1フラグメントは、第2フラグメントから20ヌクレオチドより遠く離れていない。いくつかの態様において、第1フラグメントは、第2フラグメントから15、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1ヌクレオチドより遠く離れていない。
いくつかの態様において、ポリヌクレオチドは、転写後調節要素(PRE)のガンマサブエレメントから成る第3フラグメントを更に含む。いくつかの態様において、ガンマサブエレメントは、SEQ ID NO:7、12、16もしくは20の核酸配列、または、SEQ ID NO:7、12、16もしくは20と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列を含む。いくつかの態様において、ガンマサブエレメントは、SEQ ID NO:7の核酸配列、または、SEQ ID NO:7と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列を含む。いくつかの態様において、ガンマサブエレメントは、SEQ ID NO:16の核酸配列、または、SEQ ID NO:16と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列を含む。
いくつかの態様において、第1フラグメントは、第3フラグメントと第2フラグメントとの間にある。いくつかの態様において、第3フラグメントは、第1フラグメントから20ヌクレオチドより遠く離れていないか、または、代替的に、第1フラグメントから15、10、9、8、7、6、5、4、3、2もしくは1ヌクレオチドより遠く離れていない。
いくつかの態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:7、14および3を連続的に含む。いくつかの態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:26の核酸配列を含む。いくつかの態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:25の核酸配列を含む。
また、一実施形態において、(a)SEQ ID NO:7の核酸配列、または、SEQ ID NO:7と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列から成る第1フラグメントと、(b)転写後調節要素(PRE)のアルファサブエレメントから成る第2フラグメントと、(c)SEQ ID NO:3の核酸配列、または、SEQ ID NO:3と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列から成る第3フラグメントとを備えるポリヌクレオチドが提供される。
いくつかの態様において、アルファサブエレメントは、SEQ ID NO:2、5、9、14もしくは18の核酸配列、または、SEQ ID NO:2、5、9、14もしくは18と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列を含む。いくつかの態様において、アルファサブエレメントは、SEQ ID NO:2の核酸配列、または、SEQ ID NO:2と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列を含む。いくつかの態様において、第2フラグメントは、第1フラグメントと第3フラグメントとの間にあり、各フラグメントは、隣接するフラグメントから20ヌクレオチドより遠く離れていないか、または、代替的に、隣接するフラグメントから15、10、9、8、7、6、5、4、3、2もしくは1ヌクレオチドより遠く離れていない。
更に別の実施形態において、本開示は、(a)SEQ ID NO:5、9もしくは18の核酸配列、または、SEQ ID NO:5、9もしくは18と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列から成る第1フラグメントと、(b)SEQ ID NO:3の核酸配列、または、SEQ ID NO:3と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列から成る第2フラグメントとを備えるポリヌクレオチドを提供する。いくつかの態様において、ポリヌクレオチドは、(c)転写後調節要素(PRE)のガンマサブエレメントから成る第3フラグメントを更に含む。
また、一実施形態において、本開示のポリヌクレオチドおよびタンパク質コード配列を備えるポリヌクレオチド構築物が提供される。
また、一実施形態において、(a)SEQ ID NO:14の核酸配列、または、SEQ ID NO:14と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列から成る第1フラグメントと、(b)SEQ ID NO:3の核酸配列、または、SEQ ID NO:3と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列から成る第2フラグメントと、(c)タンパク質コード配列とを備えるポリヌクレオチド構築物が提供される。
更に、一実施形態において、(a)SEQ ID NO:7の核酸配列、または、SEQ ID NO:7と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列から成る第1フラグメントと、(b)転写後調節要素(PRE)のアルファサブエレメントから成る第2フラグメントと、(c)SEQ ID NO:3の核酸配列、または、SEQ ID NO:3と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列から成る第3フラグメントと、(d)タンパク質コード配列とを備えるポリヌクレオチド構築物が更に提供される。
更に、一実施形態において、(a)SEQ ID NO:5、9もしくは18の核酸配列、または、SEQ ID NO:5、9もしくは18と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列から成る第1フラグメントと、(b)SEQ ID NO:3の核酸配列、または、SEQ ID NO:3と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列から成る第2フラグメントと、(c)タンパク質コード配列とを備えるポリヌクレオチド構築物が更に提供される。
これらの実施形態のいずれかの一態様において、タンパク質コード配列は、第1フラグメントと第2フラグメントとの間に位置する。一態様において、構築物は、3'‐UTRを更に含む。一態様において、3'‐UTRは第1フラグメントと第2フラグメントとの間に位置する。一態様において、構築物は、ポリ(A)配列を更に含む。
また、一実施形態において、本開示のポリヌクレオチド構築物を含む細胞が提供される。
様々なαサブエレメントの多重整列を示す。
様々なβサブエレメントの多重整列を示す。
様々なγサブエレメントの多重整列を示す。
PRE要素の試験に使用されるプラスミド(pCT2.1)の概略図を示す。異なる複数のPREをリツキシマブ軽鎖コード配列とBGHポリアデニル化シグナルとの間のBamHI部位にクローニングした。
いくつかのPRE構築物の2つのアッセイ(2日目および4日目)における力価(μg/mL)を示す。
多くのPRE構築物の発現量の相対的な倍率変化(fold change)を示す(棒線:試験1、試験2、平均)。
示された多くのPRE構築物の発現量の相対的な倍率変化を示す。 示された多くのPRE構築物の発現量の相対的な倍率変化を示す。
2日目における構築物pCT2.52の強度をWPRE(pCT2.0)および対照であるpCT2.1と比較している。 4日目における構築物pCT2.52の強度をWPRE(pCT2.0)および対照であるpCT2.1と比較している。
示されている構築物の各々についての一過性発現量の相対的な倍率変化を示す。 示されている構築物の各々についての一過性発現量の相対的な倍率変化を示す。
[1.定義]
すべての数字の表示、例えば、pH、温度、時間、濃度および分子量(範囲を含む)は、0.1の変化量で+または−に変動する近似値である。常に明示的に記述されるわけではないが、すべての数字の表示には、「約」という用語が先行することを理解されたい。常に明示的に記述されるわけではないが、本明細書に記載される試薬は例に過ぎず、そのような試薬の同等物は当技術分野において周知であることも理解されたい。
文脈上の別段の明確な記載がある場合を除き、明細書および請求項において使用される単数形「a」、「an」、「the」は、複数のものに対する言及を含む。例えば、「ポリヌクレオチド」という用語は、複数のポリヌクレオチド(それらの混合物を含む)を含む。
「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」という用語は、交換可能に使用され、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドまたはその類似体のいずれかである、任意の長さの高分子形のヌクレオチドを指す。ポリヌクレオチドは、メチル化ヌクレオチドおよびヌクレオチド類似体などの修飾されたヌクレオチドを含み得る。ヌクレオチド構造への修飾は、もしある場合、ポリヌクレオチドの構築の前または後に付与することができる。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド成分によって割り込まれ得る。ポリヌクレオチドは重合後、標識部分への連結などにより、更に修飾され得る。また、この用語は、二本鎖および一本鎖の分子両方を指す。別段の記載がある場合、または、必要である場合を除き、本開示の任意の実施形態のポリヌクレオチドは、二本鎖形と、二本鎖形を形成することが知られている、または、予想される、2つの相補的な一本鎖形の各々とを含む。
[2.キメラ転写後調節要素(PRE)]
DNAウイルスである、ヒトB型肝炎ウイルス(HBV)などのヘパドナウイルス科は、イントロンを含まないヘパドナウイルスゲノム由来の表面抗原転写産物の細胞質内蓄積を促す、転写後調節要素(PRE)と名付けられたRNA核外輸送要素を含む。同様の、より強力な三成分PREがウッドチャック肝炎ウイルス(WHV)に存在し、WHV PREまたはWPREとして知られている。同様に、ヒトB型肝炎ウイルスPREは、HPREと呼ばれている。WPREは、多種多様なウイルスベクターからの導入遺伝子発現を増加させる。一般的に、PRE配列は、一過性遺伝子発現を増進するのに有用である。
一部のPRE配列(例えばHPRE)は、2つの個別かつ連結されたサブエレメントである、αサブエレメント(PREα)およびβサブエレメント(PREβ)を含み(従って二成分)、一方、他の配列(例えばWPRE)は、追加のサブエレメントであるγサブエレメント(PREγ)を含む(従って「三成分」)。これらのサブエレメントの各々は、複数の種に跨って非常に良く保存されている。図1〜3における、整列された複数の配列を参照されたい。
PRE配列がどのように遺伝子発現に影響を及ぼすかについての機構は、完全に分かっているわけではない。Donello et al.は、「HPREαおよびHPREβの順序を切り替えられることは、サブエレメントがモジュールであること、ひいては、サブエレメントが細胞RNA結合タンパク質の別個の結合部位を表している可能性がもっとも高いことを示唆している」と説明している(Donello et al., J Virol. 1998 Jun; 72(6): 5085‐5092 at 5085)。Donelloは更に、「三成分WPREが二成分HBVPREより著しく強い活性を示すことは、転写後調節効果(posttranscriptional effect)の強度は、RNAにおけるサブエレメントの数によって決定されることを実証している」(同出典)ことを発見した。従って、この研究は、任意の個別のサブエレメントの有効性ではなく、むしろ、サブエレメントの数が、PRE配列の強度を決定するための主な因子であることを示唆している。
しかしながら、驚くべきことに、および、意外なことに、本開示の実験は、個別のサブエレメントの各々の強度が、PRE配列の全体的な強度を決定する上で重要な役割を果たすことを示している。更に、サブエレメントのある特定の組み合わせは、他のものより効果的であり得る。従って、複数の異なるPRE配列に由来するサブエレメントの特定の組み合わせを有するキメラPREが提供され、これらの組み合わせを含む構築物の安定性および/または発現量を増加させる上で驚くほど高い活性を有する。
WPREおよびHPREに加えて、他のPRE配列が、コウモリ(BPRE)、ジリス(GSPRE)、ホッキョクジリス(ASPRE)、アヒル(DPRE)、チンパンジー(CPRE)およびウーリーモンキー(WMPRE)から発見されている。PRE配列は、典型的には、高度に保存されている(表1を参照されたい)。
[表1:WPREとの配列同一性]
下の表2は、天然型PRE配列およびキメラPRE配列を含む、複数の異なるPRE配列の相対的な活性をまとめている。
[表2:PRE配列の相対的な活性]
表2から分かるように、GSPRE由来のαサブエレメント、HPRE由来のβサブエレメント、および、WPRE由来のγサブエレメントは、それらの種類の中で、より活性が高いサブエレメントである。更に、以下の組み合わせは優れた活性を示す。
(1)GSPREのαサブエレメント、HPREのβサブエレメント、任意でHPREのγサブエレメント、(2)WPREのγサブエレメント、HPREのβサブエレメント、(3)WPRE、BPREまたはASPREのαサブエレメント、HPREのβサブエレメント、任意でγサブエレメント。
従って、本開示の一実施形態によれば、GSPREのαサブエレメント(GSPREα)およびHPREのβサブエレメント(HPREβ)、任意でγサブエレメントを含むキメラPREが提供され、それらの各々は、生物学的同等物で置き換えることができる。
本明細書において使用される、基準ポリヌクレオチドの「生物学的同等物」とは、基準ポリヌクレオチドに対して特定の配列同一性を有する、または、限定的なヌクレオチドの追加、削除および/または置換によって基準ポリヌクレオチドから修飾された、核酸配列を指す。一実施形態において、特定の配列同一性は、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または、代替的に、99%である。一実施形態において、生物学的同等物は、1、2、3、4、または、代替的に5つより多くないヌクレオチドの追加、削除、置換、または、それらの組み合わせによって基準ポリヌクレオチドから修飾されたものである。
この組み合わせの任意のγサブエレメントは、いずれかのPREに由来する任意のγサブエレメント、または、その生物学的同等物であり得る。一態様において、γサブエレメントは、WPRE、GSPRE、BPREまたはASPREに由来する。一態様において、γサブエレメントは、WPREまたはGSPREに由来する。一態様において、γサブエレメントはWPREγである。
別の実施形態において、キメラPREは、WPREに由来するγサブエレメント(WPREγ)、任意のPREに由来するαサブエレメント、HPREに由来するβサブエレメント(HPREβ)を含み、それらの各々は、生物学的同等物と置き換えることができる。いくつかの態様において、αサブエレメントは、GSPRE、HPRE、WPRE、BPREもしくはASPREに由来するか、または、そのようなαサブエレメントの生物学的同等物である。
別の実施形態において、キメラPREは、WPRE、BPREまたはASPREのαサブエレメント、および、HPREのβサブエレメント(HPREβ)、任意で、γサブエレメントを含む。一態様において、αサブエレメントはWPREに由来する。一態様において、αサブエレメントはBPREに由来する。一態様において、αサブエレメントはASPREに由来する。一態様において、γサブエレメントはWPREに由来する。一態様において、γサブエレメントはGSPREに由来する。
キメラPREがαサブエレメントおよびβサブエレメントのみを有するとき、いくつかの態様において、αサブエレメントは、βサブエレメントと同一の方向であり、その下流にある。いくつかの態様において、αサブエレメントは、βサブエレメントと同一の方向であり、その上流にある。いくつかの態様において、αサブエレメントは、βサブエレメントと比べて反対の方向であり、その上流にある。いくつかの態様において、αサブエレメントは、βサブエレメントと比べて反対の方向であり、その下流にある。
キメラPREが3つのサブエレメントを全部有するとき、いくつかの態様において、3つのサブエレメントは全部、同一の方向である。一態様において、サブエレメントの順序は、上流から下流の順に、γ‐α‐β、γ‐β‐α、α‐β‐γ、β‐α‐γ、α‐γ‐βまたは、β‐γ‐αである。一態様において、上記の順序のいずれかにおいて、αサブエレメントのみが逆方向である。一態様において、上記の順序のいずれかにおいて、βサブエレメントのみが逆方向である。一態様において、上記の順序のいずれかにおいて、γサブエレメントのみが逆方向である。
上記の実施形態のいずれかにおいて、任意で、追加的なαサブエレメント、βサブエレメント、および/または、γサブエレメントが任意で存在し得て、これらは、自身の種類のサブエレメントに隣接して配置されてよく、または、異なる種類のサブエレメントによって隔てられてもよい。
いくつかの態様において、2つの隣接するサブエレメントの間に異なる転写調節要素が挿入され得る。例えば、5'‐UTRもしくは3'‐UTRが、αサブエレメントとβサブエレメントとの間に、または、γ‐サブエレメントとαサブエレメントとの間に挿入され得る。
上の構成の各々において、各サブエレメントの間、または、サブエレメントと隣接UTRとの間の距離は調整できる。一態様において、任意の隣接するサブエレメントの間の距離は、50ヌクレオチドより大きくない。一態様において、任意の隣接するサブエレメントの間の距離は、40、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1ヌクレオチドより大きくない。一態様において、任意の隣接するサブエレメントの間の距離は、少なくとも1、2、3、4、5または10ヌクレオチドである。
更に、本開示のキメラPREのサブエレメントの各々は、互いに隣接している必要はなく、発現構築物の他の要素の隣に配置され得ることが想定される。例えば、αサブエレメントおよびβサブエレメントは、目的遺伝子または3'‐UTRに隣接し得る。一態様において、αサブエレメントは、プロモーターと目的遺伝子との間にあり、βサブエレメントは、目的遺伝子と3'‐UTRとの間、または、3'‐UTRの後にある。別の態様において、βサブエレメントは、プロモーターと目的遺伝子との間にあり、αサブエレメントは、目的遺伝子と3'‐UTRとの間、または、3'‐UTRの後にある。一態様において、αサブエレメントおよびβサブエレメントの両方は、プロモーターと目的遺伝子との間、または、目的遺伝子と3'‐UTRとの間にある。γサブエレメントが使用されるとき、上記の位置のいずれかに配置され得て、プロモーターの前、プロモーターと目的遺伝子との間、目的遺伝子と3'‐UTRとの間、または、3'‐UTRの後であり得る。
HPRE、WPRE、GSPRE、BPREおよびASPREの配列、ならびに、修飾されたバージョンを有するそれらの個別のサブエレメントが、下の表3に示されている。一般的に、αサブエレメントのヌクレオチドは下線付きであり、βサブエレメントのヌクレオチドは太線であり、γサブエレメントのヌクレオチドはイタリックである。
[表3:天然型のHPRE、WPRE、GSPRE、BPREおよびASPRE、ならびに、天然型または修飾された個別のサブエレメントの配列]
上の表における配列のSEQ ID NO:が下の表4にまとめられている。
[表4:SEQ ID NO:のまとめ]
試験された一部のキメラPRE配列の配列が下の表5に示されている。
[表5:キメラPREの配列]
下の表6は、一部の追加のPRE配列およびそれらのサブエレメントの配列を示す。これらは、本開示のキメラPREを生成するために使用され得る。
[表6:追加の天然型PREの配列]
[3.ポリヌクレオチド構築物/ベクター]
本開示の任意のキメラPREを含むポリヌクレオチド構築物(またはベクター)も提供される。ベクターは、真核細胞(例えば哺乳類細胞)において組み換えポリペプチドを発現するのに有用である。ベクターは、1または複数の目的遺伝子(GOI)をコードする配列を含み得る。本開示の目的のために、目的遺伝子は、導入遺伝子とも呼ばれる。
転写および転写後調節配列、 ならびに、任意で翻訳調節配列は、ベクターにおいて目的遺伝子と関連付けられ得る(すなわち、作動可能に連結される)。転写調節配列は、例えば、プロモーター、エンハンサーおよびポリアデニル化シグナルを含む。転写後調節配列は、例えば、イントロンおよびPREを含む。翻訳調節配列は、例えば、リボソーム結合部位(例えば、コザック配列)を含む。
特定の実施形態において、異種配列の挿入を促進するために、「ポリリンカー」としても知られているマルチクローニングサイト(MCS)がベクター内に存在する。例えば、MCSは、導入遺伝子配列の挿入を促すために、プロモーターとポリアデニル化シグナルとの間に配置され得る。導入遺伝子配列を含むベクターにおいて、プロモーター、導入遺伝子配列およびポリアデニル化シグナルを含むベクターの部分は、「発現カセット」と称される。
真核細胞において活性のあるプロモーターは、当技術分野において周知である。例示的な真核生物プロモーターは、例えば、SV40早期プロモーター、SV40後期プロモーター、サイトメガロウイルス主要最初期(MIE)プロモーター、EF1‐アルファ(翻訳伸長因子‐1αサブユニット)プロモーター、Ubc(ユビキチンC)プロモーター、PGK(ホスホグリセリン酸キナーゼ)プロモーター、アクチンプロモーターなどを含む。また、Boshart et al., GenBank Accession No.K03104、Uetsuki et al. (1989) J. Biol. Chem. 264:5791−5798、Schorpp et al. (1996) Nucleic Acids Res. 24:1787−1788、Hamaguchi et al. (2000) J. Virology 74:10778−10784; Dreos et al. (2013) Nucleic Acids Res. 41(D1):D157−D164、および、2014年7月16日にアクセスされた、真核生物プロモーターのデータベース(http://epd.vital−it.ch)も参照されたい。
また、エンハンサーがベクター上に含まれ得る。非限定的な例には、CMVプロモーターおよびイントロンA配列の中のものが含まれる。過去に、5個の胚性幹細胞(ESC)転写因子(Oct4、Sox2、Nanog、Klf4、Esrrb)がスーパーエンハンサーを占有することが示され、ESCの制御に貢献する多くの追加の転写因子がある。6個の追加の転写因子(Nr5a2、Prdm14、Tcfcp2l1、Smad3、Stat3、Tcf3)は、典型的なエンハンサーおよびスーパーエンハンサーの両方を占有し、これらはすべて、スーパーエンハンサーにおいて多く存在する。これらのいずれか、または、更に当技術分野において周知のものが本明細書において使用され得る。
真核細胞において活性のあるポリアデニル化シグナルが当技術分野において周知であり、これらに限定されないが、SV40ポリアデニル化シグナル、ウシ成長ホルモン(BGH)ポリアデニル化シグナル、および、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺伝子ポリアデニル化シグナルが含まれる。ポリアデニル化シグナルは、mRNA前駆体の3'末端切断、切断部位におけるmRNA前駆体のポリアデニル化、および、ポリアデニル化シグナルの下流における転写の終了を指令する。一般的に、ポリアデニル化シグナルにはコア配列AAUAAAが存在する。また、Cole et al.(1985)Mol. Cell. Biol. 5:2104−2113を参照されたい。
本明細書において開示されるベクターにおいて使用され得る例示的なイントロンには、βグロブリンイントロン、および、「イントロンA」としても知られている、ヒト/マウス/ラット/他の種のサイトメガロウイルス主要最初期(MIE)遺伝子の第1イントロンが含まれる。
本開示のベクターに含まれ得る更なる転写後調節要素には、これらに限定されないが、CMV MIEの5'‐未翻訳領域、ヒトHsp70遺伝子、血管内皮成長因子(VEGF)遺伝子のSP163配列、および、アデノウイルス後期mRNAに関連付けられた三成分リーダー配列が含まれる。例えば、Mariati et al.(2010) Protein Expression and Purification 69:9−15を参照されたい。
更なる実施形態において、本明細書において開示されるベクターは、足場付着領域(SAR)としても知られているマトリックス付着領域(MAR)を含む。MAR(クロマチンを開く)およびSAR配列は、特に、隣接配列のクロマチン構造(インスレーター)を隔離するように働く。従って、異種配列がしばしば染色体上に組み込まれる安定形質転換細胞において、MARまたはSAR配列は、抑制クロマチン構造(例えば、ヘテロクロマチン)を有する細胞ゲノムの領域に組み込まれた導入遺伝子の転写の抑制を防止し得る。従って、1または複数のMARまたはSAR配列をベクター内に含めることによって、安定形質転換細胞において、ベクターからの導入遺伝子の発現が促され得る。
例示的なMARおよびSAR要素は、インターフェロンベータ遺伝子、ニワトリリゾチーム遺伝子、インターフェロンアルファ‐2遺伝子、X29遺伝子MARおよびS4 MARに由来するものを含む。MARまたはSAR配列は、ベクター内の任意の位置に配置され得る。特定の実施形態において、MARおよび/またはSAR要素は、目的遺伝子の(転写的な意味で)上流にある発現カセット内に配置され得る。
特定の実施形態において、本明細書において開示されているベクターは、真核細胞において機能する選択マーカー(すなわち、真核選択マーカー)をコードするヌクレオチド配列を含むので、適切な選択が適用されたとき、選択マーカーを含まない細胞は、死ぬか、または、選択マーカーを含む細胞より明らかにゆっくりと増殖する。真核細胞において機能する例示的な選択マーカーは、グルタミンシンセターゼ(GS)遺伝子であり、選択は、グルタミンを含まない培地において細胞を培養することによって適用されるか、または、L‐メチオニンスルホキシイミンを用いて選択されるか、または、その両方である。真核細胞において機能する別の例示的な選択マーカーは、ネオマイシン(neo)に対する抵抗性をコードする遺伝子であり、選択は、ネオマイシン、ゲンタマイシンまたはG418を含む培地において細胞を培養することによって適用される。追加の選択マーカーには、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFRとも称され、メトトレキサートに対する抵抗性を付与する)、ピューロマイシン‐N‐アセチルトランスフェラーゼ(ピューロマイシンに対する抵抗性を提供する)、および、ハイグロマイシンキナーゼ(ハイグロマイシンBに対する抵抗性を提供する)が含まれる。真核細胞において機能する更なる追加の選択マーカーが当技術分野において周知である。
上記の1または複数の選択マーカーをコードする配列は、プロモーターおよびポリアデニル化シグナルに作動可能に連結されている。上記のように、真核細胞において機能するプロモーターおよびポリアデニル化シグナルは、当技術分野において周知である。
特定の実施形態において、本明細書において開示されるベクターは、2またはより多くの発現カセットを含み得る。例えば、一方が抗体重鎖をコードし、他方が抗体軽鎖をコードする2つの発現カセットを含むベクターが、機能的な抗体分子の生成のために使用され得る。
また、本明細書において開示されるベクターは、原核細胞において機能する複製起点(すなわち、原核複製起点)を含む。原核細胞において機能する複製起点が当技術分野において周知であり、これらに限定されないが、大腸菌のoriC起点と、例えばpSC101起点、pBR322起点(rep)およびpUC起点などのプラスミド起点と、ウイルス(すなわちバクテリオファージ)複製起点とを含む。原核複製起点を同定するための方法が、例えば、Sernova & Gelfand (2008) Brief. Bioinformatics 9(5):376−391において提供されている。
また、本明細書において開示されるベクターは、原核細胞において機能する選択マーカー(すなわち原核選択マーカー)を含む。原核細胞において機能する選択マーカーが当技術分野において周知であり、例えば、アンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコールまたはテトラサイクリンのいずれか1つに対する抵抗性を付与するポリペプチドをコードする配列を含む。アンピシリン(および他のベータラクタム系抗生物質)に対する抵抗性を付与するポリペプチドの例は、ベータラクタマーゼ(bla)酵素である。カナマイシン抵抗性は、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子の活性によってもたらされ得て、クロラムフェニコール抵抗性は、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼによってもたらされ得る。
例示的な導入遺伝子には、任意の組み換えタンパク質、または、例えば、ホルモン(例えば成長ホルモンなど)エリスロポエチン、抗体、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体(例えば、リツキシマブ)、抗体複合体、融合タンパク質(例えば、IgG‐融合タンパク質)、インターロイキン、CDタンパク質、MHCタンパク質、酵素および凝固因子が含まれる。抗体重鎖および抗体軽鎖は、別個のベクターから、または、2つの発現カセットを含む同一のベクターから発現され得る。
一実施形態において、本開示のポリヌクレオチドまたはベクターは、本開示のPRE配列に加えて、以下の要素のうちの1または複数、または、全部を含む。(a)下流UTRの逆相補鎖(RC−dUTR)下流配列(例えばウイルス配列由来)、(b)プロモーター(例えばウイルスのプロモーター)、(c)未翻訳領域(UTR)上流配列(例えばウイルス配列由来)、(d)イントロンA(例えばEFIアルファイントロン、または、ウイルス配列由来)、(e)UTR下流配列(例えば、ウイルスの3'‐UTR)。
一実施形態において、本開示のポリヌクレオチドまたはベクターは、本開示のPRE配列に加えて、(b)および(c)、(b)および(d)、(b)および(e)、(a)および(b)、(c)および(d)、(c)および(e)、または、(d)および(e)など、そのような要素のうちの少なくとも2つを含む。
一実施形態において、本開示のポリヌクレオチドまたはベクターは、本開示のPRE配列に加えて、(b)および(c)および(d)、(b)および(c)および(e)、(b)および(d)および(e)、(a)および(b)および(c)、(a)および(b)および(d)、(a)および(b)および(e)、(a)および(c)および(e)、(a)および(c)および(d)、(a)および(d)および(e)など、そのような要素のうちの少なくとも3つを含む。
一実施形態において、本開示のポリヌクレオチドまたはベクターは、本開示のPRE配列に加えて、(a)および(b)および(c)および(d)、(a)および(b)および(c)および(e)、(a)および(b)および(d)および(e)、(a)および(c)および(d)および(e)、(b)および(c)および(d)および(e)など、そのような要素のうちの少なくとも4つを含む。
上記の実施形態のいずれかにおいて、ポリアデニル化シグナルが任意で含まれ得る。
PRE配列は、ベクターにおける任意の位置に配置され得るが、目的遺伝子と同一の方向であることが好ましい。一態様において、PRE配列は、目的遺伝子の上流にある。別の態様において、PRE配列は、目的遺伝子の下流にある。一態様において、PRE配列は、目的遺伝子とポリアデニル化シグナルとの間に位置する。別の態様において、PRE配列は、ポリアデニル化シグナルの下流にある。一態様において、PRE配列は、目的遺伝子と3'‐UTRとの間に位置する。別の態様において、PRE配列は3'‐UTRの下流にある。
[4.細胞および細胞培養]
本開示は、細胞において組み換えポリペプチドを発現するための方法を提供する。方法は、本明細書に記載されているようなベクターを細胞内に導入する段階と、ベクターが一過的にまたは安定的に細胞内に維持される条件下で細胞を培養する段階とを備える。細胞は、CRISP/Cas9を用いた特異的挿入によって生成された安定的な細胞株などの、原核性または真核性の細胞であり得る。組み換えポリペプチドの発現に使用できる培養真核細胞は、当技術分野において周知である。そのような細胞には、真菌細胞(例えば酵母)、昆虫細胞、植物細胞および哺乳類細胞が含まれる。従って、本開示は、本明細書に記載されているようなベクターを含む細胞を提供する。
例示的な酵母細胞には、これらに限定されないが、トリコデルマ・エスピー(Trichoderma sp.)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、シゾサッカロミケス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombae)、および、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)が含まれる。例示的な昆虫細胞株には、これらに限定されないが、Sf9、Sf21、および、ドロソフィラS2(Drosophila S2)細胞が含まれる。例示的な植物細胞には、これらに限定されないが、アラビドプシス(Arabidopsis)細胞およびタバコBY2細胞が含まれる。
組み換えポリペプチドの発現に有用な培養哺乳類細胞株には、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ヒト胎児由来腎臓(HEK)細胞、ウイルス性形質転換HEK細胞(例えばHEK293細胞)、NS0細胞、SP20細胞、CV‐1細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、3T3細胞、Jurkat細胞、HeLa細胞、COS細胞、PERC.6細胞、CAP(登録商標)細胞、CAP‐T(登録商標)細胞(後者の2つの細胞株は、ドイツ、ケルンのCevec Pharmaceuticalsによって市販されている)が含まれる。また、CHO細胞の多くの派生物、例えば、CHO−DXB11、CHO−DG−44、CHO−K1、CHO−Sなど、または、CHO−M、CK1 SV CHO、CHOZNなどの操作されたCHO細胞が利用可能である。また、哺乳類初代細胞を使用できる。
特定の実施形態において、細胞は無血清培地において培養される。例えば、患者に投与するための治療用タンパク質を製造するために、無血清培地において発現細胞を増殖させる必要がある。更なる実施形態において、細胞は、ポリペプチド発現に使用される前に、無血清培地における増殖のために事前に適応された。
本明細書に記載されているようなベクターは、当技術分野において周知である方法を使用して、上記の細胞のいずれかに導入することができる。そのような方法には、これらに限定されないが、ポリエチレングリコール(PEG)媒介法、電気穿孔、バイオリスティックデリバリ(すなわち、微粒子射出)、プロトプラスト融合、DEAEデキストラン媒介法、リン酸カルシウム共沈が含まれる。また、Sambrook et al.の「Molecular Cloning: A Laboratory Manual」、Third Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2001、ならびに、Ausubel et al.の「Current Protocols in Molecular Biology」、John Wiley & Sons, New York, 1987、および、定期的最新情報を参照されたい。
細胞培養のための標準的方法は、当技術分野において周知である。例えば、R.I. Freshneyの「Culture of Animal Cells: A Manual of Basic Technique」、Fifth Edition, Wiley, New York, 2005を参照されたい。
[例]
本開示は、以下の例を参照することによって更に理解されるが、これらの例は本発明の単なる例示に過ぎないものとする。本発明の範囲は、例示されている実施形態によって限定されない。これらの実施形態は、発明の一態様の説明に過ぎないものとする。機能的に同等である任意の方法は、本発明の範囲内にある。本明細書に記載のものに加えて、本発明の様々な修正形態が、上記の説明および付属図面から、当業者にとって明らかとなるであろう。そのような修正形態は、添付の特許請求の範囲に属する。
[例1:PRE配列を試験するためのベクター]
この例において、抗CD20抗体リツキシマブの軽鎖をコードする配列を含むベクター(pCT2.1)を使用して、トランスフェクションされた細胞におけるmRNA量に対する複数の異なるPRE配列の影響を試験した。
pCT2.1ベクターの概略図を図4に示す。軽鎖遺伝子の上流において、ベクターは、ヒトサイトメガロウイルスの主要最初期(MIE)プロモーター、5'未翻訳領域およびイントロンAを含む。軽鎖遺伝子の下流において、ベクターは、ウシ成長ホルモン(BGH)ポリアデニル化シグナルを含む。また、ベクターは、原核生物の複製起点(ori)、および、原核細胞における選択のためのマーカー(bla)、ならびに、真核生物の選択カセットを含む。真核生物の選択カセットは、SV40早期プロモーターおよびSV40早期ポリアデニル化シグナルの転写制御下にある選択可能マーカー(GS/puro/DHFR/Neo)を含む。
[例2:PRE機能を試験するためのアッセイシステム]
軽鎖発現量に対する、複数の異なるPRE、修飾されたPRE、および、ハイブリッドPREの影響は、軽鎖濃度の測定前に電気穿孔によって、リツキシマブ軽鎖を発現する、PREを含むプラスミドをCHO細胞の中に導入することによって試験された。試験された各PREについて、PREの配列が化学的に合成され、次に、軽鎖配列とBGHポリアデニル化シグナルとの間に位置するpCT2.1ベクターにおけるBamHI部位に挿入された(図4を参照されたい)。
これらの実験のために、CHOK1細胞が無血清培地に適応され、電気穿孔を使用してトランスフェクションされた。各トランスフェクションについて、Gene Pulser IIエレクトロポレーター(BioRad,カリフォルニア州ハーキュリーズ)を使用し、製造元によって推奨される条件を使用して、pMax GFPプラスミドをPRE試験ベクターと共に(各プラスミドの比率は1:10)トランスフェクションさせた。
電気穿孔の後、細胞をT25フラスコまたは6ウェルプレート無血清培地(Gibco/Life Technologies、ニューヨーク州グランドアイランド)へ移した。37℃で24時間培養後、ViCellカウンタ(Beckman Coulter、インディアナ州インディアナポリス)を使用して生細胞密度(VCD)および細胞生存率を決定した。24時間後、AccuriC6 Reader(Becton Dickinson、ニュージャージー州フランクリンレイクス)を使用してGFP発現を測定し、リツキシマブ軽鎖の濃度を決定するためにサンプルを保存した。
リツキシマブ軽鎖の濃度は、トランスフェクションの24時間後および48時間後にサンドイッチELISAによって決定された。ELISAのために、プレートをヤギ・ポリクローナル抗ヒトIgG捕捉抗体(Jackson ImmunoResearch、ペンシルベニア州ウェストグローブ)でコーティングした。ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)標識ヤギ・モノクローナル抗ヒトカッパ軽鎖Cat.No.AP502P(Millipore)を検出抗体として使用した。ペルオキシダーゼ活性を測定するために、o‐フェニレンジアミン(OPD)が基質として使用され、BMG POLARStarマイクロプレートリーダー(MTX Lab Systems、バージニア州ヴィーナ)を用いて480nmにおける吸光度が測定された。
[例3:PRE配列の比較]
表3に示されている多くの異なるPRE配列を試験するために、例2に記載のアッセイシステムを使用した。試験PRE配列は、リツキシマブ軽鎖配列とBGHポリアデニル化部位との間に位置するBamHI部位で、pCT2.1ベクター(上の例1)内に挿入された。
プラスミドの各々は、例2に記載されているように、電気穿孔によって、浮遊培養された無血清培地適応CHOK1細胞にトランスフェクションされ、トランスフェクションの24時間後および48時間後の両方に、リツキシマブ軽鎖の濃度が測定された。ELISAアッセイから得られた抗体濃度をGFPの平均蛍光強度で割ることによって、異なるサンプル間で軽鎖発現を標準化され、標準化された軽鎖発現量が測定された。
表7は、例において試験されたPREのサブエレメント構造を示す。
[表7:例において試験されたPRE(「‐」は、サブエレメントが無いことを示す)]
*変異サブエレメント
図5は、トランスフェクションの2日後および4日後に、多くのPRE構築物を比較した結果を示す。構築物2.0(WPRE)および2.8(GSPRE)は、同様の効力を有する。しかしながら、GSPREにおけるγサブエレメントがWPREのγサブエレメントと置き換えられたとき、融合構築物(2.4)は、WPREまたはGSPREのいずれかより33%強力であった。このことは、WPREのγサブエレメントがGSPREより強く、一方、GSPREの他のサブエレメント(例えば、αサブエレメント)がWPREより強い可能性があることを実証している。
BPRE(2.9)は、3つの要素を全部含んでいるが、それでもBPREはWPREより遥かに弱い。このことは、三成分である(すなわち、3つのサブエレメントを全部含む)からといってPRE要素が強力になるわけではないことを示唆している。むしろ、その強度の大部分は、各個別のサブエレメントの強度に依存する。同様に、二成分構築物2.5は、三成分構築物2.8、2.9および2.10より強い。
上記の発見に基づき、この例では、構築物2.21(BPREのγサブエレメントを削除し、そのβサブエレメントをHPREのものと置き換えた)、2.22(αサブエレメントに点変異を導入した)、2.23(GSPREのβサブエレメントをHPREのものと置き換えた)、および、2.24(2.23のγおよびαサブエレメントの各々に点変異がある)を更に設計した。
比較を図6に示す。構築物2.21、2.5、2.6および2.7は、任意のγサブエレメントが欠如したPREであるが、それでもすべて、γサブエレメントを含むWPREと同じくらい良いか、または、より優れている。従って、この実験から、PRE要素の強度がサブエレメントの数より、各サブエレメントの強度に依存することが更に確認された。
これらのPRE構築物は再度、8回繰り返して試験された。その結果は、図7Aおよび図7Bに示されている。BPREαおよびHPREβ(2.21)の組み合わせは、発現量がもっとも高いものの1つであり、発現量が72%増加した。しかしながら、α(2.22)における点変異は、発現量を19%だけ増加させる構築物をもたらす。更に、2.21のαサブエレメントをノックアウトすると、構築物の有効性が26%になる。このことは、BPREαサブエレメントの重要性を示唆している。
GSPREのβサブエレメントをHPREのβサブエレメントで置き換えたもの(2.23)は、発現量が46.6%増加し、一方、WPREガンマ置換(2.4)では、発現量が33%増加した。従って、HPREのβサブエレメントは、WPREのγサブエレメントより強力である。
従来は、「転写後調節効果の強度は、RNAにおけるサブエレメントの数によって決定される」(Donello et al., J Virol. 1998 Jun; 72(6): 5085‐5092 at 5085)と考えられていた。しかしながら、本実験はここで、BPREのアルファ、HPREのベータ、および、WPREのガンマ要素の各々を、それぞれの分子の機能におけるもっとも重要な部分として示している(2.21および2.22、2.23および2.8、2.4および2.8)。従って、従来の理解とは対照的に、本研究は、PREの強度はサブエレメントの数に依存せず、各サブエレメントの強度に依存することを示している。
図8Aおよび図8Bは、構築物2.52を2.0および2.1と比較する、2つの実験の集計データを示している。4日目において、pCT2.52(WPREガンマ+GSPREアルファ+HPREベータ)は、2.0(WPRE)より2倍強い。また、pCT2.0(WPRE)は、発現量が最高に到達した後に発現量が一定に留まるので、対照に対する優位性を次第に失うが(図8Bにおける4日目を図8Aにおける2日目と比較)、一方、新しく設計されたキメラpCT2.52PREは、対照と併せて発現量が増加し続けたことに留意することも興味深い。
PRE構築物は全部、8回反復して再度試験され、最終データは、上の表2に示されている。
[例4:天然型PREと他の調節要素との間の相互作用]
この実験では、PREと他の調節要素との間の関係を試験した。下の表8に列挙された構築物は、示されているプロモーターまたは他の調節要素を含んでいる。更に、構築物2.52、2.53および2.54は、2.52について表2に示されているようなPREサブエレメントを含む。これらには、WPREのγサブエレメント、GSPREのαサブエレメント、HPREのβサブエレメントが含まれる。構築物2.0、2.36、2.39および2.50は、天然型WPRE(すなわち、全部WPREに由来するγ、α、βサブエレメント)を含み、構築物2.1、2.32、2.37および2.51は、任意のPRE要素を含まない。
[表8:例において試験された構築物(「‐」は、要素が欠如していることを示す)]
図9Aは、RC−dUTR、U−UTR、イントロンAおよび/またはd−UTRが構築物から除去されたとき、構築物2.52(すなわち、WPREのγサブエレメント、GSPREのαサブエレメント、HPREのβサブエレメント)のキメラPREの有効性が減少したことを示す。驚くべきことに、そのような除去は、WPREについて顕著な負の影響を示さなかった(図9Bにおける構築物2.0、2.32、2.37、2.50を比較)。対照として、PRE要素が使用されなかったとき、これらの更なる調節要素の除去は、負の影響を与えた(図9Bの左半分を参照)。
従って、この実験は、天然型WPRE要素が、更なる調節要素、RC−dUTR、U−UTR、イントロンAまたはd−UTRのうちの1または複数の存在による恩恵を受けなかったことを示唆する。天然型WPRE、および、これらの調節要素のうちの1または複数は、冗長な機能を有し得ると考えられる。また、これらの調節要素のうちの1または複数と天然型WPRE要素との間の他の種類の相互作用もあり得る。そのような非生産的相互作用が、試験されたキメラPRE要素では観察されなかったことも、そのようなキメラPRE要素の予想外の利点を更に強調する。
本発明は、上記の実施形態と併せて説明されたが、上記の説明は例に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではなく説明することを意図していることを理解されたい。本発明の範囲における、他の態様、利点および修正形態は、本発明に関連する当業者にとって明らかであろう。

Claims (26)

  1. (a)SEQ ID NO:14の核酸配列、または、SEQ ID NO:14と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列から成る第1フラグメントと、
    (b)SEQ ID NO:3の核酸配列、または、SEQ ID NO:3と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列から成る第2フラグメントと
    を備えるポリヌクレオチド。
  2. 前記第1フラグメントは、前記第2フラグメントから20ヌクレオチドより遠く離れていない、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
  3. (c)転写後調節要素(PRE)のガンマサブエレメントから成る第3フラグメントを更に含む、請求項1に記載のポリヌクレオチド。
  4. 前記ガンマサブエレメントは、SEQ ID NO:7、12、16もしくは20の核酸配列、または、SEQ ID NO:7、12、16もしくは20と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列を含む、請求項3に記載のポリヌクレオチド。
  5. 前記ガンマサブエレメントは、SEQ ID NO:7の核酸配列、または、SEQ ID NO:7と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列を含む、請求項3に記載のポリヌクレオチド。
  6. 前記ガンマサブエレメントは、SEQ ID NO:16の核酸配列、または、SEQ ID NO:16と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列を含む、請求項3に記載のポリヌクレオチド。
  7. 前記第1フラグメントは、前記第3フラグメントと前記第2フラグメントとの間にある、請求項3から6のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
  8. 前記第3フラグメントは、前記第1フラグメントから20ヌクレオチドより遠く離れていない、請求項7に記載のポリヌクレオチド。
  9. SEQ ID NO:7、14および3を連続的に備える、請求項5に記載のポリヌクレオチド。
  10. SEQ ID NO:26の核酸配列を備える、請求項9に記載のポリヌクレオチド。
  11. SEQ ID NO:25の核酸配列を備える、請求項6に記載のポリヌクレオチド。
  12. (a)SEQ ID NO:7の核酸配列、または、SEQ ID NO:7と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列から成る第1フラグメントと、
    (b)転写後調節要素(PRE)のアルファサブエレメントから成る第2フラグメントと、
    (c)SEQ ID NO:3の核酸配列、または、SEQ ID NO:3と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列から成る第3フラグメントと
    を備えるポリヌクレオチド。
  13. 前記アルファサブエレメントは、SEQ ID NO:2、5、9、14もしくは18の核酸配列、または、SEQ ID NO:2、5、9、14もしくは18と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列を含む、請求項12に記載のポリヌクレオチド。
  14. 前記アルファサブエレメントは、SEQ ID NO:2の核酸配列、または、SEQ ID NO:2と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列を含む、請求項12に記載のポリヌクレオチド。
  15. 前記第2フラグメントは、前記第1フラグメントと前記第3フラグメントとの間にあり、各フラグメントは、隣接するフラグメントから20ヌクレオチドより遠く離れていない、請求項12から14のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド。
  16. (a)SEQ ID NO:5、9もしくは18の核酸配列、または、SEQ ID NO:5、9もしくは18と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列から成る第1フラグメントと、
    (b)SEQ ID NO:3の核酸配列、または、SEQ ID NO:3と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列から成る第2フラグメントと
    を備えるポリヌクレオチド。
  17. (c)転写後調節要素(PRE)のガンマサブエレメントから成る第3フラグメントを更に含む、請求項16に記載のポリヌクレオチド。
  18. 請求項1から17のいずれか一項のポリヌクレオチド、および、タンパク質コード配列を備えるポリヌクレオチド構築物。
  19. (a)SEQ ID NO:14の核酸配列、または、SEQ ID NO:14と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列から成る第1フラグメントと、
    (b)SEQ ID NO:3の核酸配列、または、SEQ ID NO:3と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列から成る第2フラグメントと、
    (c)タンパク質コード配列と
    を備えるポリヌクレオチド構築物。
  20. (a)SEQ ID NO:7の核酸配列、または、SEQ ID NO:7と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列から成る第1フラグメントと、
    (b)転写後調節要素(PRE)のアルファサブエレメントから成る第2フラグメントと、
    (c)SEQ ID NO:3の核酸配列、または、SEQ ID NO:3と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列から成る第3フラグメントと、
    (d)タンパク質コード配列と
    を備えるポリヌクレオチド構築物。
  21. (a)SEQ ID NO:5、9もしくは18の核酸配列、または、SEQ ID NO:5、9もしくは18と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列から成る第1フラグメントと、
    (b)SEQ ID NO:3の核酸配列、または、SEQ ID NO:3と少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列から成る第2フラグメントと、
    (c)タンパク質コード配列と
    を備えるポリヌクレオチド構築物。
  22. 前記タンパク質コード配列は、前記第1フラグメントと前記第2フラグメントとの間に位置する、請求項19から21のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド構築物。
  23. 3'‐UTRを更に備える、請求項19から22のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド構築物。
  24. 前記3'‐UTRは、前記第1フラグメントと前記第2フラグメントとの間に位置する、請求項23に記載のポリヌクレオチド構築物。
  25. ポリ(A)配列を更に備える、請求項18から24のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド構築物。
  26. 請求項18から25のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド構築物を含む細胞。
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