以下、本発明の様々な実施形態及びその1以上の実施例を詳細に説明する。各実施例は、本発明を説明するために提示されたものであり、本発明を限定するものではない。実際、本発明において、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、本発明の様々な変更形態及び変形形態が可能であることは、当業者にとって明らかであろう。例えば、ある実施形態の一部として例示または説明された特徴を、別の実施形態において用いて、さらなる別の実施形態を創出することもできる。したがって、本発明は、添付された特許請求の範囲及びその均等物の範囲に含まれる限り、そのような変更形態及び変形形態を包含することを意図している。
さらに、構成要素の特定の命名、用語の大文字化、属性、データ構造、またはその他のプログラミングもしくは構造的特徴は必須または重要ではなく、本発明またはその特徴を具現化するメカニズムは、上記とは異なる名前、フォーマット、またはプロトコルを有するものであってよい。また、本明細書で記載する様々な構成要素間の特定の機能区分は単なる一例であって、必須ではない。単一の構成要素により実施される機能は複数の構成要素により実施してもよいし、またはその逆に、複数の構成要素により実施される機能は単一の構成要素により実施してもよい。
図1は、本開示の例示的な実施形態による、患者の身体に形成されたストーマ内に挿入するためのオストミー器具の斜視図であり、オストミー器具の留置機構が挿入形態をとった状態を示す。図2は、図1のオストミー器具の留置機構が留置形態をとった状態を示す。図1及び図2に示すように、オストミー器具100は、軸方向Aを画定し、遠位端部102及び近位端部104を有する。遠位端部102は、軸方向Aに沿って、近位端部104から離間している。
オストミー器具100は、遠位端部102及び近位端部104間に軸方向Aに沿って延在するチューブ106を含む。チューブ106は、ストーマを通じて排泄物または排出物(例えば、尿、便、粘液)を排出するための通路を画定する(詳細については後述する)。いくつかの実施形態では、チューブ106は、近位端部104から遠位端部102に向かって先細状に形成されている。このような実施形態では、チューブ106は、近位端部104において第1の直径110を有し、遠位端部102において第2の直径112を有し、チューブ106の直径が近位端部104から遠位端部102にかけて減少するように、第1の直径110は第2の直径112よりも大きい。他の実施形態では、第2の直径112は第1の直径110とは異なるが、チューブ106は、近位端部104から遠位端部102に向かって先細状に形成されていない。例えば、第2の直径112は第1の直径110よりも大きいか、あるいは、チューブ106は、該チューブ106に沿った近位端部104及び遠位端部102間の1以上の位置において、より小さいまたはより大きい直径を有する。さらに別の実施形態では、チューブ106は、近位端部104から遠位端部102にかけて一定の直径を有する。さらに、様々な実施形態では、チューブ106は、固いまたはフレキシブル、完全にまたは部分的に圧潰可能、拡張可能、非拡張可能、または部分的に拡張可能、柔軟なまたは硬い、あるいはそれらの任意の適切な組み合わせを有し得る。さらに、チューブ106は、例えばチューブ106を通じて排泄物を排出するためにチューブ106の内径及び/または断面積をできるだけ大きくすることができるように、比較的薄い壁部を有し得る。チューブ106は、他の構成も有し得る。
図1及び図2を依然として参照して、オストミー器具100の図示した実施形態では、チューブ106は、近位端部104の近傍に接続部分114を画定する。接続部分114は、チューブ106の内面118に形成され周方向に沿って延在する溝部116を有する。詳細については後述するが、溝部116は、排泄物収集バッグまたはパウチ(排泄物パウチ)をオストミー器具100に接続するために、排泄物パウチの突出部を受容可能に構成されている。また、溝部116は、排泄物がチューブ1060を通って排泄物パウチ及びオストミー器具間の接続部分114から漏出することなく移動することができるように、接続部分114を密封可能に構成されている。他の実施形態では、接続部分114は、排泄物パウチまたは他の装置をオストミー器具100に対して機械的にまたは他の方法で固定するまたは取り付けるための他の構成を有し得る。
いくつかの実施形態では、オストミー器具100は、チューブ106により画定された通路108の近位端部104を選択的に密封するための取り外し可能なキャップ119を含み得る。キャップ119は、例えば排泄物パウチがオストミー器具100に取り付けられていないときに通路108を密封するための任意の適切な構造を有し得る。例えば、一実施形態では、キャップ119は、通路108を閉じるまたは密封するためにチューブ106の接続部分114と結合可能に構成され得る。特定の実施形態では、キャップ119は、キャップ119及びチューブ106間に流体密封シールを形成するべく溝部116内に嵌合可能な突出部を含み得る。例示的な実施形態では、図3及び図4に示すように、キャップ119は、通路108を密封するためにチューブ106内に嵌合可能に構成された吸収性プラグであり得る。図示したキャップ119は、キャップ119をチューブ106内に挿入するとき、またはキャップ119をチューブ106から抜去するときに、患者または他のユーザがキャップ119を把持するのを助けるための把持部分121を含む。加えて、いくつかの実施形態では、例えば排泄物パウチがオストミー器具100に取り付けられていないときに通路108を密封するためにすぐに利用できるように、キャップ119はオストミー器具100に繋留され得る。キャップ119が、チューブ106の近位端部104から排泄物が排出されるのを防止するべく通路108を密封するまたは閉じるための他の構成も有し得ることは、当業者であれば容易に理解できるであろう。
留置機構120が、チューブ106の遠位端部102の近傍に配置される。図示のように、留置機構120は、挿入形態(図1)及び留置形態(図2)をとることができる。図示した実施形態では、留置機構120は、例えば米国ジョージア州アルファレッタ所在のハリヤード・ヘルス社(Halyard Health)製のMicrocuff(登録商標)バルーンなどの膨張可能なバルーンまたはカフである。このような膨張可能バルーンまたはカフは、通路の壁部に対する効果的なシールを形成し、通路の壁部でのバルーンの周囲からの漏出を減少させることが分かっている。このような実施形態では、バルーンは、挿入形態をとるときには収縮させられ、留置形態をとるときには膨張させられる。また、バルーンを膨張させるための膨張バルブ122及び膨張ライン124が設けられ得る。図1及び図2に示すように、膨張バルブ122は、オストミー器具100の近位端部104に設けられたフランジまたはバリア126に配置され得る。当然ながら、膨張バルブ122及び膨張ライン124の他の構成を用いてもよく、例えば、膨張ライン124はチューブ106内に組み込んでもよい。また、例えばフレキシブルなダイアフラムまたは他の機械的な留置・密封手段などの他の留置機構120を用いてもよいことは、当業者であれば容易に理解できるであろう。
図1及び図2を引き続き参照して、バリア126は、オストミー器具100の近位端部104に近位面128を有する。図示のように、バリア126は、略円形の形状を有し、周方向Cを画定する。より詳細には、図1及び図2に示すように、バリア126は、バリア126の周縁部132が軸方向Aに沿って近位端部104から遠位端部102に向かって離間するような略ドーム状の形状を有する。バリア126は、近位面128から、軸方向Aに沿って近位面128から離間した周縁部132にかけて滑らかに遷移している。バリア126は、周方向Cに沿って複数のベント部130をさらに有する。なお、一実施形態では、バリア126は、少なくとも1つのベント部130を有する。さらに別の実施形態では、ベント部130は省略され得る。
好ましくは、バリア126は、バリア126の真下の領域へのアクセスを提供するためにフレキシブルさを有する。すなわち、フレキシブルなバリア126は、バリア126によって覆われている領域にアクセスすることができるように、例えば軸方向Aに沿って遠位端部102から離間する方向に曲げるかまたは丸めることができるように構成され得る。いくつかの実施形態では、バリア126は、バリア126を曲げることを可能にするエラストマー性材料から作製され得る。バリア126は、他の適切な材料から作製してもよく、適切な実施形態では、バリア126は非フレキシブルであり得る。
オストミー器具100はまた、通路108内に配置されたバルブ134を含み得る。バルブ134は、排泄物が通路108に沿ってのチューブ106を通じて移動することを選択的に許可する。詳細については後述するが、バルブ134は、排泄物収集パウチがオストミー器具100に接続されたときには、チューブ106を通じた排泄物の移動を許可するが、オストミー器具100に排泄物収集パウチが接続されていないときには、チューブ106を通じた排泄物の移動は禁止する。例示的な実施形態では、バルブ134は、バルブ134の第1の面136がオストミー器具100の近位端部104に面し、バルブ134の第2の面138がオストミー器具100の遠位端部102に面するように通路108内に配置される。オストミー器具100は、バルブ134の第2の面138での圧力を表示するための圧力ゲージ140をさらに含み得る。より具体的には、圧力ゲージ140は、バルブ134の上流側の通路108内の圧力変化を表示することができる。遠位端部102に面して配置された第2の面138が、バルブ134の上流側である。一例として、バルブ134の上流側の通路108での圧力増加は、バルブ134の裏側(上流側)に、除去または排出する必要がある排泄物が存在することを示し得る。圧力ゲージ140は、他の状態も示し得る。一実施形態では、圧力ゲージ140は、膨張バルブ122またはその近傍に配置される。なお、圧力ゲージ140は、他の位置に配置してもよい。バルブ134及び圧力ゲージ140の他の構成を用いてもよい。オストミー器具100のいくつかの実施形態では、バルブ134及び圧力ゲージ140の代わりに、同様の構成要素が使用され得る。さらに別の実施形態では、バルブ134及び/または圧力ゲージ140は、省略され得る。
図5は、本開示の例示的な実施形態による、患者の身体に形成されたストーマを通じて排出される排泄物を収集するための排泄物収集装置200の斜視図である。排泄物収集装置200は、ネック部分204及び容器部分を有する排泄物バッグまたは排泄物パウチ202と、管状部分210及びフランジ部分212を有するコネクタ208とを含む。排泄物パウチ202は、患者の身体に形成されたストーマを通じて排出される排泄物を収集する。
排泄物収集装置200はまた、排泄物収集装置を支持体に取り付けるための取り付け機構214を含み得る。例えば、本明細書において詳細に説明するように、排泄物収集装置200は、取り付け機構214を使用して、とりわけ排泄物収集装置200が排泄物で満たされたときに排泄物収集装置200の重量を支持するのを助ける支持体(例えば、患者が着ている衣服、または患者の身体におけるストーマから離間した健康な部分)に取り付けられる。図示のように、取り付け機構214は、任意の適切な固定具または固定機構を使用して排泄物パウチ202(例えば容器部分206)の外面216に結合され得る。加えて、取り付け機構214は、排泄物収集装置200を支持体に取り付けるための任意の適切な機構であり得る。例えば、取り付け機構214は、伸縮可能な弾性ループ、フック・アンド・ループ型ファスナ、接着剤、または排泄物収集装置200を支持体に取り付けるための任意の適切な機構であり得る。
説明目的のために、図5では、コネクタ208が排泄物パウチ202に取り付けられているのを示すために、排泄物パウチ202の一部が除去されている。より詳細には、コネクタ208のフランジ部分212は、排泄物パウチ202に、コネクタ208のフランジ部分212と排泄物パウチ202との間で流体密封シールが形成されるように取り付けられる。すなわち、排泄物パウチ202及びコネクタ208は、排泄物パウチ202とコネクタ208との結合位置で流体が漏出しないように互いに結合される。いくつかの実施形態では、排泄物パウチ202及びコネクタ208は、互いに対して、機械的または熱的に結合され得る。さらに別の実施形態では、適切な接着剤を使用して、排泄物パウチ202及びコネクタ208は互いに結合され得る。任意の他の手段を用いて、排泄物パウチ202及びコネクタ208間に流体密封シールが形成されるように排泄物パウチ202をコネクタ208に結合させてもよい。
図5を引き続き参照して、図示した実施形態は、所定のネック長さLNだけ互いに離間した第1の端部218及び第2の端部220を有する排泄物パウチ202のネック部分204を示す。図示のように、コネクタ208は、排泄物パウチ202のネック部分204の第1の端部218に取り付けられる。容器部分206は、ネック部分204の第2の端部220に、容器部分206がコネクタ208からネック部分204の長さLNだけ離間するように画定される。さらに、ネック部分204は所定のネック幅WNを有し、容器部分206は所定の容器幅WCを有する。図示した実施形態では、容器部分206の容器幅WCはネック部分204のネック幅WNよりも大きいが、他の実施形態では、容器幅WCがネック幅WNと等しいか、またはネック幅WNが容器幅WCよりも大きい。また、図5に示すように、ネック部分204は、排泄物パウチ202の右側222に画定される。あるいは、ネック部分204は、ネック部分204及び容器部分206が互いに対して中心に位置合わせされるように(例えば、ネック部分204の中心線が容器部分206の中心線と整列するように)画定される。あるいは、ネック部分204は、排泄物パウチ202の左側224に画定される。
特に、コネクタ208を関して、管状部分210は、接続部分226を画定する。コネクタ208の接続部分226は、管状部分210の外面230に形成され周方向に沿って延在する突出部228を有する。概して上述したように、排泄物パウチ202をオストミー器具100に接続するとともにその接続部分を密封するために、溝部116は、コネクタ208の突出部228を受容可能に構成され得る。したがって、排泄物パウチ202がオストミー器具100に密封的に接続されたとき、排泄物が、排泄物収集装置200のコネクタ208とオストミー器具100のチューブ106との間の接続部分から漏出することなく、チューブ106を通って排泄物パウチ202へ移動することが可能となる。図示した実施形態では、オストミー器具100の接続部分114、及び排泄物収集装置200の接続部分226は、機械式の接続アセンブリであり、溝部116が接続アセンブリのメス部分を構成し、突出部228が接続アセンブリのオス部分を構成するように構成される。別の実施形態では、オストミー器具100の接続部分114が接続アセンブリのオス部分を構成し、排泄物収集装置200の接続部分226が接続アセンブリのメス部分を構成するように構成され得る。当然ながら、上述したように、オストミー器具100の接続部分114及び排泄物収集装置200の接続部分226は、排泄物パウチ202をオストミー器具100または他の器具に対して機械的にまたは他の方法で固定するまたは取り付けるための他の構成を有し得る。
排泄物収集装置200は、臭気、濡れた染み(wet spots)、炎症、または他の望ましくない状態を制御するための1以上の構成要素を含み得る。例えば、排泄物パウチ202の内面231は、液体が排泄物パウチ202に染み込むことや、患者の身体や患者が着ている衣服などに濡れた染みが形成されることを防止するのに役立つ液体不透過性フィルム層232を有し得る。それに加えてまたはその代わりに、排泄物パウチ202が1種類以上の気体を選択的に透過させる材料または組成物でコーティングされるか、または該材料または組成物が排泄物パウチ202を構成する材料に組み込まれる。例えば、上記のコーティングは、例えば排泄物パウチ202が比較的目立たないようにするべく排泄物パウチ202が膨張したり膨れ上がったりするのを防止するために、空気が排泄物パウチ202を通過することを可能にする。しかしながら、空気の通過を可能にする一方で、上記のコーティングは、排泄物パウチ202内に収集された排泄物の臭気が排泄物パウチ202の外部に漏出するのを防止するために、硫黄ガスの通過を阻害する。また、排泄物収集装置200の望ましくない状態を防止するために、他のコーティングやフィルムなどを用いてもよい。
さらに、図示した例示的な実施形態では、排泄物パウチ202は、例えばスパンボンド/メルトブローン/スパンボンド(SMS)材料などの不織材料を含む。より詳細には、排泄物パウチ202の外面216は、排泄物収集装置200が、排泄物パウチ202の材料の他の好ましい性質を損なうことなく、例えば排泄物収集装置200が患者の皮膚と接触したときの患者の快適性を向上させることができる柔らかいシェル構造を有するように、SMS材料から作製され得る。不織材料は、そのバリア性、経済性、及び一定品質により、排泄物パウチ202の作製に特に適している。不織材料は、これに限定しないが、例えば空気集積法、湿式堆積法、ハイドロエンタングリング法、スパンボンディング法、メルトブローイング法、ステープルファイバ・カーディングアンドボンディング法、または溶液紡糸法などの様々な方法を用いて作製され得る。ファイバ自体は、これに限定しないが、例えばセルロース、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、ポリオレフィン、または他の様々な材料などの、様々な天然材料または合成材料から作製され得る。ファイバは、一般的に3インチ未満の比較的短い繊維長のファイバか、あるいは、スパンボンディング法またはメルトブローイング法により作製したファイバなどのよりも長いかまたは実質的により連続的なファイバであり得る。
いくつかの実施形態では、例えば、スパンボンド/メルトブローン積層材料、またはスパンボンド/メルトブローン/スパンボンド積層材料などの積層材料が、排泄物パウチ202に強度及びバリア性の両方を付与するために選択される。スパンボンド/メルトブローン/スパンボンド積層材は、3つの別個の層を互いに積層させることにより作製される。これらの3つの別個の層を作製する方法は、Brockらによる米国特許第4、041、203号明細書に記載されており、その全体はこの参照により本明細書に組み込まれる。上記米国特許の材料は、スパンボンド層/メルトブローン層/スパンボンド層の3層積層体であり、それらの頭文字を繋げて一般的に「SMS」と称される。SMSのうちの2つの層は、押し出されたポリオレフィンファイバ、またはフィラメントをランダムなパターンで堆積させた後に互いに結合させることにより作製されたスパンボンド層である。SMSの内側層のメルトブローン層も、一般的にスパンボンド層のファイバよりも小径の押し出されたポリオレフィンファイバから作製される。この結果、メルトブローン層は、その微細ファイバ構造に起因して、高いバリア性を提供する(例えば、気体が繊維を通過するのを許可するが、液体の通過は阻害する)。逆に、外側の2つのスパンボンド層は、積層体全体における強度がより高い部分を提供する。したがって、図示した実施形態のように、SMS材料は、排泄物パウチ202の少なくとも外側層またはシェル構造の使用に特に好適である。
図6−図10を参照して、オストミー器具100及び/または排泄物収集装置200の使用方法、並びに、患者の身体から排泄物を収集するための排泄物収集システムを説明する。概して、排泄物収集システム300は、患者Pの身体20に形成されたストーマ10を通じて排出される排泄物を収集するためのオストミー器具100及び排泄物収集装置200を備える。より詳細には、排泄物収集システム300では、排泄物収集装置200のコネクタ208は、ストーマ10内に配置されたオストミー器具100と結合するように構成される。コネクタ208は、身体20からの排泄物の収集を容易にするために、排泄物収集装置200をオストミー器具100に接続する。
図6は、本開示の例示的な実施形態による、患者Pの身体20に形成されたストーマ10内にオストミー器具100を挿入する様子を示す概略図である。図示のように、一般的なオストミー手術では、患者Pの下部胃腸(GI)下部胃腸器官22の一部は、患者の腹壁24(図7)を通じて患者の身体20の外部に引き出され、身体20の外面26(すなわち、表皮または皮膚)上に載置される。身体20の外部に引き出された部分は、下部胃腸器官22(図7)の外部部分28と称される。外部部分28は、ストーマ10とともに、ストーマ部位を画定する。図6に示すように、オストミー器具100をストーマ10内に挿入するために、オストミー器具100は、その遠位端部102がストーマ部位12に向けて配向され、留置機構120は挿入形態をとる。
図7は、ストーマ10内に挿入されたオストミー器具100を示す図であり、留置機構120が挿入形態をとった状態を示す。また、図8はストーマ10内に挿入されたオストミー器具100を示す図であり、留置機構120が留置形態をとった状態を示す。図示のように、オストミー器具100がストーマ10内に挿入されたときは、チューブ106はストーマ10内に位置し、バリア126は下部胃腸器官22の外部部分28に隣接して位置する。バリア126の周縁部132は、身体20の外面26に対向して載置される。上述したように、例えば外部部分28、外面26、及び/またはバリア126の下面を清浄するために、外部部分28及び/またはバリア126の真下の外面26にアクセスするべくバリア126を身体20の外面26から離間する方向に引っ張って曲げることができるように、バリア126はフレキシブルさを有し得る。さらに、空気が外部部分28及び/または外面26に向かって流れるのを可能にするために、ベント部130がバリア126に形成され得る。これにより、例えば、感染、炎症、または他の望ましくない状態の原因となる水分が身体20の表面に蓄積するのを防止することができる。
図8を特に参照して、図示した実施形態では、留置機構120は、ストーマ10内にオストミー器具100を留置するために膨張させることができる膨張可能バルーンまたはカフである。より具体的には、膨張バルブ122及び膨張ライン124を通じてバルーン120内に流体(例えば、空気または生理食塩水)を導入することにより、バルーン120を膨張させることができる。膨張時には、すなわち留置形態をとったときには、バルーン120は、下部胃腸器官22及び/またはストーマ10の壁部30と接触して効果的なシールを形成し、これにより、壁部30におけるバルーンの周囲からの漏出を減少させる。加えて、膨張したバルーン120(すなわち、留置機構120が留置形態をとったとき)が患者Pの腹壁24と当接することにより、オストミー器具100をストーマ10及び下部胃腸器官22の天然通路内の適所に保持するとともに、排泄物がオストミー器具100からのみ排出され、下部胃腸器官22の外部部分28と接触しないように下部胃腸器官22の天然通路を密封する。
図9を参照すると、本開示の例示的な実施形態による、排泄物収集装置200をオストミー器具100に接続するためにオストミー器具100に排泄物収集装置200を取り付ける様子が概略的に示されている。図示のように、排泄物収集装置200をオストミー器具100に取り付けるために、排泄物収集装置200のコネクタ208は、オストミー器具100の近位端部104に向けて配向される。さらに図示するように、オストミー器具100は、上述したようにして、患者Pの身体20に形成されたストーマ10内に挿入されている。
図10は、本開示の例示的な実施形態による、患者Pの下部胃腸器官22からストーマ10を通じて排出される排泄物を収集するために組み立てられた排泄物収集システム300の断面図を示す。図示のように、排泄物収集システム300は、オストミー器具100と、排泄物収集装置200とを備える(さらなる詳細については後述する)。排泄物収集装置200は、オストミー器具100の接続部分114及び排泄物収集装置200の接続部分226を介して、オストミー器具100に接続される。オストミー器具100及び排泄物収集装置200が互いに接続されたときには、排泄物パウチ202の外面216におけるコネクタ208のフランジ部分212に隣接する部分は、バリア126の近位面128の近傍に位置する。
この例示的な実施形態でさらに図示するように、コネクタ208の管状部分210は、オストミー器具100の近位端部104でチューブ106の内径111内に嵌合可能なサイズに形成された外径234を有する。コネクタ208の接続部分226の突出部228は、チューブ106の接続部分114の溝部116内に嵌合し、これにより、オストミー器具100及び排泄物収集装置200は互いに密封的に接続される。一般的に、突出部228は溝部116内にスナップ嵌合され、このスナップ嵌合を介してオストミー器具100及び排泄物収集装置200が互いに接続される。例えば締まり嵌合などの、オストミー器具100を排泄物収集装置200(またはオストミー器具100及び排泄物収集装置200間に配置される別の装置)に接続するための他の手段を用いてもよい。
さらに、適切な実施形態では、オストミー器具100及び排泄物収集装置200は、排泄物収集システム300が実質的に単一の構成要素を構成するように、互いに結合され得る。一例としては、排泄物パウチ202は、オストミー器具100のバリア126またはチューブ106に、密封的に接続、結合、または取り付けられる。したがって、排泄物収集システム300は、ストーマ10内に配置された構成要素(例えばチューブ106)が排泄物パウチ202とともに廃棄されるように、単回使用用に構成され得る。また、当業者であれば想到可能な排泄物収集システム300の他の構成を用いてもよい。
図10に図示した実施形態では、排泄物パウチ202のネック部分204は、オストミー器具100と容器部分206との間の接続部として構成されている。すなわち、オストミー器具100のチューブ106を介して下部胃腸器官22から排出された排泄物は、排泄物収集装置200のコネクタ208及びネック部分204をその順に通過して、容器部分206に導入されて収集される。より詳細には、ネック部分204は、容器部分206を支持する位置、及び患者Pのための適切なサイズの排泄物パウチ202の選択において、ある程度のフレキシブルさを可能にする。例えば、排泄物収集装置200の取り付け機構214を患者のベルトや患者のズボンのウエストに取り付けることができるように、ネック部分204の長さLNは、取り付け機構214が患者のウエストライン(腰線)に位置するように選択され得る。他の実施形態では、ネック部分204の長さLNは、容器部分206が患者の腰のくびれた部分で支持されるように選択され得る。このように、ネック部分204の長さLNは患者毎に異なっていてもよく、例えば、身長がより高い患者は、身長がより低い患者よりも長い長さLNを必要とする。あるいは、患者毎に、ストーマ10は異なる位置に形成され得る。したがって、ネック部分204は、容器部分206をストーマ部位12から離間した位置で支持することを可能にする。また、ネック部分204は、様々な可変要素に基づいて選択され得る。
図面及び上記の説明から容易に理解できるように、患者Pの身体20から排泄物を収集するための排泄物収集システム300を組み立てるためには、まず、患者Pの身体20にストーマ10を形成する必要がある。なお、ストーマ10は、既存のストーマであってもよいし(すなわち、患者Pは、排泄物収集システム300を使用する前に他の排泄物収集用システムを使用していた)、または排泄物収集システム300とともに使用するために新たに形成してもよい。上述したように、ストーマ10及びストーマ部位12は、下部胃腸器官22の一部を、腹壁24を通じて身体20の外面26まで引き出すことにより形成され、その引き出された部分が、下部胃腸器官22の外部部分28となる。次に、留置機構120が挿入形態をとった状態でオストミー器具100をストーマ10内に挿入する。続いて、留置機構120を展開して留置形態にし(例えば、バルーンを膨張させることにより)、これにより、ストーマ10内にオストミー器具100を留置する。留置形態をとったときには、オストミー器具100の遠位端部102は、下部胃腸器官22から排出される排泄物を受け取るために下部胃腸器官22に位置される。その後、排泄物は、オストミー器具100のチューブ106により形成された通路108を通って下部胃腸器官22から排出される。ただし、例えば排泄物収集装置200がオストミー器具100に接続されるまでの間は、バルブ134によって排泄物の移動を阻害する。
排泄物収集装置200をオストミー器具100に接続するために、オストミー器具100の近位端部104において、コネクタ208の管状部分210がチューブ106内に挿入される。コネクタ208の接続部分226がチューブ106の接続部分114と結合または係合することにより、排泄物収集装置200がオストミー器具100に接続される。取り付け機構214が、排泄物収集装置200を支持するための支持体に取り付けられる。その後、バルブ134は開かれ、排泄物の排泄物収集装置200への移動を可能にする。排泄物は、コネクタ208の管状部分210、及び排泄物パウチ202のネック部分204をその順に通って、排泄物パウチ202の容器部分206へ移動する。容器部分206が満杯になったとき、または排泄物の移動が停止したときに、コネクタ208をチューブ106から取り外して、排泄物パウチ202を空にしたり廃棄したりすることができる。必要に応じて、ストーマ部位12、外面26、及び/またはバリア126を清浄するために、オストミー器具100のバリア126は、身体20の外面26から離間する方向に曲げるかまたは丸めるか、または他の方法で曲げられる。
図11は、本開示の別の例示的な実施形態による、患者の身体に形成されたストーマに挿入するためのオストミー器具1100の斜視図である。図11に示すオストミー器具1100は、いくつかの特徴はオストミー器具100の特徴と同様であるが、他の特徴は、オストミー器具100の特徴と異なるか、または異なるように構成され得ることを理解されたい。例えば、オストミー器具100とは異なり、オストミー器具1100は、排泄物がオストミー器具1100のチューブではなくストーマを通って移動する望ましくない事態を防止するためにストーマを密封する密封機構を含む。
より詳細には、オストミー器具1100は、軸方向Aを画定し、遠位端部1102及び近位端部1104を有する。遠位端部1102は、軸方向Aに沿って、近位端部1104から離間している。オストミー器具1100は、遠位端部1102及び近位端部1104間で軸方向Aに沿って延在するチューブ1106を含む。チューブ1106は、ストーマを通じて排泄物または排出物を排出するための通路1108を画定する(詳細については後述する)。チューブ1106は、長さLT(図13)及び外径DT(図11)を有する。いくつかの実施形態では、チューブ1106は、遠位端部1102及び近位端部1104の一方から他方に向かって先細状に形成されるか、長さLTに沿って変化する外径DTを有するか、あるいは、遠位端部1102または近位端部1104の一方から他方にかけて一定の外径DTを有する。さらに、チューブ1106は、固いまたはフレキシブル、完全にまたは部分的に圧潰可能、拡張可能、非拡張可能、または部分的に拡張可能、柔軟なまたは硬い、あるいはそれらの任意の適切な組み合わせを有し得る。さらに、チューブ1106は、例えば、チューブ106を通じて排泄物を排出するためにチューブ1106の内径及び/または断面積をできるだけ大きくすることができるように、比較的薄い壁部を有し得る。チューブ1106は、他の構成も有し得る。
図11に示した実施形態では、チューブ1106は、近位端部1104において接続部分1114を画定する。接続部分1114は、内面1118に形成され周方向に沿って延在する突出部またはリブ1116を有する。突出部1116は、排泄物収集パウチをオストミー器具1100に接続するとともに、接続部分1114を密封するために、排泄物収集パウチの溝部内に受容されるように構成されている。これにより、排泄物が、排泄物パウチとオストミー器具100との間の接続部分で漏出することなく、チューブ1106を通じて排泄物パウチに移動することが可能となる。他の実施形態では、接続部分1114が溝部を有し、排泄物収集パウチが、排泄物収集パウチをオストミー器具1100に接続するために接続部分1114の溝部内に受容される突出部またはリブを有するように構成してもよいことを理解されたい。接続部分1114は、排泄物パウチまたは他の装置をオストミー器具1100に対して機械的にまたは他の方法で固定するまたは取り付けるための他の構成も有し得る。さらに、図11に示すように、接続部分1114は、排泄物パウチまたは他の装置がオストミー器具1100に接続されていないときに、排泄物及び気体が接続部分1114を通過するのを防止するシールまたはバルブ1115を含み得る。シールまたはバルブ1115は、排泄物収集装置がオストミー器具1100に接続されているときには開く、図示したような受動フラップバルブであり得る。なお、シールまたはバルブ1115は、他の構成も有し得る。
図11に示すように、接続部分1114は、接続部分1114の外径DCの周りに把持面1117を有する。把持面1117は、例えばユーザが排泄物収集装置をオストミー器具1100の接続部分1114に接続するときに、患者Pなどのユーザが接続部分1114を把持するのを助けることができる複数のリッジ部1119を含み得る。
留置機構1120は、チューブ1106の遠位端部1102の近傍に配置され得る。留置機構1120は、挿入形態及び留置形態(図11)をとることができる。図示した実施形態では、留置機構1120は、上述したMicrocuff(登録商標)バルーンなどの膨張可能バルーンまたはカフである。このような実施形態では、図1、図2、図6−図10を参照して説明した留置機構120と同様に、バルーンは、挿入形態をとるときには収縮させられ、留置形態をとるときには膨張させられる。いくつかの実施形態では、留置バルーンは、チューブ1106の外径DTよりも約1.5倍ないし約4倍大きい膨張直径DRBを有する。特定の実施形態では、留置バルーンの膨張直径DRBは、チューブ1106の外径DTの約2倍ないし約3倍の大きさを有する。
また、バルーンを膨張させるための膨張バルブ1122及び膨張ライン1124が設けられ得る。図11及び図13に示すように、膨張ライン1124は、ストーマ10を通じて留置バルーンから患者Pの身体20の外部まで延在しており、膨張バルブ1122は、患者Pの身体20の外部に配置されている。当然ながら、膨張バルブ1122及び膨張ライン1124の他の構成も用いてもよく、例えば、膨張ライン1124はチューブ1106内に組み込んでもよいし、膨張バルブ1122は接続部分1114またはその近傍に配置してもよい。また、例えばチューブ1106の遠位端部1102またはその近傍に配置したフレキシブルなダイアフラムまたは他の機械的な留置・密封手段などの他の留置機構120を用いてもよいことは、当業者であれば容易に理解できるであろう。
図11にさらに示すように、オストミー器具1100はまた、密封機構1150を含む。密封機構1150は、挿入形態及び密封形態をとることができる。図11では、密封機構1150が密封形態をとった状態が示されている。さらに、密封機構1150は、チューブ1106の近位端部1104と遠位端部1102との間で、チューブ1106の長さLTの少なくとも一部分LSに沿って軸方向に延在している。図11に示すように、密封機構1150は、チューブ1106の長さ方向において、留置機構1120よりもより長く延在している。すなわち、オストミー器具1100は、チューブ1106の広範囲の軸方向長さに沿って密封機構1150を含むことができ、密封機構1150の長さLSは、チューブ1106の長さLTの大部分(例えば、チューブ長さLTの全てまたはほぼ全て)であり得る。チューブ1106は、留置機構1120がチューブ1106の長さLTにわたってほとんどまたは全く延在しないように、チューブ1106の遠位端部1102に留置機構1120を含み得る。
さらに、図示した実施形態では、密封機構1150は、挿入形態をとるときには収縮させられ、密封形態をとるときには膨張させられる、図1−図2及び図6−図10を参照して説明した留置機構120と同様の膨張可能バルーンまたはカフである。例えば、密封機構1150の膨張可能バルーンまたはカフは、上述したMicrocuff(登録商標)バルーンであり得る。より詳細には、密封機構1150を構成する膨張可能バルーンまたはカフは、薄膜状に形成され、薄壁・高容量・低圧型カフとなるように設計され得る。いくつかの実施形態では、自由に展開された状態の薄壁・高容量・低圧型カフの直径は、オストミー器具1100が挿入されるストーマの直径を大幅に超える。他の実施形態では、密封バルーンは、チューブ1106の外径DTの約1.1倍ないし約2倍の大きさの膨張直径DSBを有する。また、特定の実施形態では、密封バルーンは、チューブ1106の外径DTの約1.2倍ないし約1.5倍の大きさの膨張直径DSBを有する。高容積・低圧型カフがストーマを密封するのに使用される場合、低容積・高圧型カフバルーンではよく見られる組織を傷つける可能性がある圧力下でのカフ膜の膨張は実質的に起こらない。むしろ、カフバルーンで測定された気圧がストーマを形成する組織に貫壁的に伝達される圧力に大きく一致することが間違いない場合には、ストーマを閉塞するためのカフ膜の展開は、意図的に生成されたバルーン膜の折り畳みをもたらし、かん流に適合する充填圧を可能にする。高容量バルーンのさらなる詳細については、バルーン壁を折り畳まれた状態で気管壁に当接させることができるように壁厚が非常に薄い特大バルーンを教示する、例えば米国特許第6、802、317号及び第6、526、977号に記載されている。折り畳まれた部分は非常に小さいため、分泌物または排出物は折り畳まれた部分を通過することができず、例えば通路1108に沿って移動し、チューブ1106の近位端部1104の開口から出ることとなる。
留置機構1120が留置バルーンである実施形態と同様に、密封機構1150が密封バルーンである実施形態では、密封バルーンを膨張させるための膨張バルブ1152及び膨張ライン1154が設けられ得る。図11及び図13に示すように、膨張ライン1154は、密封バルーン1150から患者Pの体外に位置する膨張バルブ1152まで延在する。すなわち、膨張ライン1154は、ストーマ10を通って、密封バルーン1150及びチューブ1106間に延在する。留置バルーン1120の膨張ライン1124は、密封機構1150とチューブ1106との間で、患者Pの体外に位置する膨張バルブ1122まで延びてもよい。さらに、膨張バルブ1152及び膨張ライン1154の他の構成を用いてもよく、例えば、膨張ライン1154はチューブ1160内に組み込んでもよいし、膨張バルブ1152は、接続部分1114またはその近傍に配置してもよい。他の実施形態では、留置機構1120及び密封機構1150の両方を膨張させるための単一の膨張ライン及び膨張バルブが設けられ得る。このような実施形態では、留置バルーン及び密封バルーンのそれぞれを同一の圧力で膨張させることができる。また、例えばストーマ10内にチューブ1106をその長さLSに沿って留置及び密封するためのフレキシブルなダイアフラムまたは他の機械的な手段などの膨張可能な密封バルーン以外の他の密封機構1150を用いてもよい。
上述したように、オストミー器具1100の近位端部1104に画定された接続部分1114は、排泄物収集装置のコネクタを受容し、これにより、排泄物が移動するための通路1108が排泄物収集装置まで延長される。例示的な排泄物収集装置200は、図5、図9及び図10を参照して上述した通りである。図12は、本開示の別の例示的な実施形態による、患者の身体に形成されたストーマを通じて排出される排泄物を収集するための排泄物収集装置の斜視図である。以下に説明する例示的な排泄物収集装置1200は、いくつかの特徴は排泄物収集装置200の特徴と同様であるが、他の特徴は、排泄物収集装置200の特徴と異なるか、または異なるように構成され得る。例えば、図12に示すように、排泄物収集装置1200は、排泄物バッグまたは排泄物パウチ1202と、導管1204と、管状部分1210及び固定部分1212を有するコネクタ1208とを含む。排泄物パウチ202と同様に、排泄物パウチ1202は、患者の身体に形成されたストーマを通じて排出される排泄物を収集する。
排泄物収集装置1200はまた、排泄物収集装置1200を支持体に取り付けるための1以上の取り付け機構1214を含み得る。例えば、排泄物収集装置1200は、取り付け機構1214を使用して、とりわけ排泄物収集装置1200が排泄物で満たされたときに排泄物収集装置1200の重量を支持するのを助ける支持体または支持構造体(例えば、患者が着ている衣服、または患者の身体におけるストーマから離間した健康な部分)に取り付けられる。図示のように、取り付け機構1214は、任意の適切な固定具または固定機構を使用して、例えば排泄物パウチ1202の長さLWに沿って互いに間隔を隔てて、排泄物パウチ1202の外面1216に結合され得る。加えて、取り付け機構1214は、排泄物収集装置1200を支持体に取り付けるための任意の適切な機構であり得る。例えば、取り付け機構1214のそれぞれは、伸縮可能な弾性ループ、フック・アンド・ループ型ファスナ、接着剤、成形プラスチッククリップ、排泄物パウチ1202内に設けられたループ、または排泄物収集装置1200を支持体に取り付けるための任意の適切な機構であり得る。いくつかの実施形態、例えば、取り付け機構1214がプラスチッククリップ及び排泄物パウチ1202内に設けられたループを含む図12に示した実施形態では、様々な取り付け機構1214を用いることができる。すなわち、各取り付け機構1214が、互いに同じタイプである必要はない。
図12にさらに示すように、導管1204は、コネクタ1208から排泄物パウチ1202まで延在する。排泄物パウチ1202は、導管1204を受容するための開口を有し、導管1204は、導管1204及び排泄物パウチ間に流体密封シールが形成されるように排泄物パウチ1202内に受容される。すなわち、排泄物パウチ1202及び導管1204は、排泄物パウチ1202と導管1204との間の取り付け位置で流体が漏出しないように互いに結合される。いくつかの実施形態では、排泄物パウチ1202及び導管1204は、互いに対して、機械的または熱的に結合され得る。さらに別の実施形態では、適切な接着剤を使用して、排泄物パウチ1202及び導管1204は互いに結合され得る。好適な実施形態では、導管1204は、例えば患者が排泄物パウチ1202を廃棄した後に導管1204を再使用することができるように、排泄物パウチ1202内に取り外し可能に受容される。任意の他の手段を用いて、導管1204及び排泄物パウチ1202間に流体密封シールが形成されるように導管1204を排泄物パウチ1202に取り付けてもよい。
さらに、排泄物収集装置1200をオストミー器具1100に結合させるために、排泄物収集装置1200のコネクタ1208が導管1204に取り付けられる。より詳細には、導管1204は、所定長さだけ互いに離間した第1の端部1218及び第2の端部1220を有する。コネクタ1208は、コネクタ1208の固定部分1212において、導管1204の第1の端部1218に固定される。コネクタ1208は、導管1204に対して、機械的、熱的、または他の方法によって結合され得る。導管1204の第2の端部1220は、排泄物収集装置1200を前側Fから見たときに排泄物パウチ1202の右側1222の位置で排泄物パウチ1202内に受容される。排泄物収集装置1200の後側Bは、図12に示されている。あるいは、導管1204は、導管1204が排泄物パウチ1202に対して中心に位置合わせされるように(例えば、導管1204の中心線が排泄物パウチ1202の中心線と整列するように)、排泄物パウチ1202内に受容される。または、導管1204は、排泄物パウチ1202の左側面1224において、排泄物パウチ1202内に受容される。
特にコネクタ1208に関しては、管状部分1210は、接続部分1226を画定する。接続部分1226は、接続部分1226の外面1230に形成され周方向に沿って延在する溝部1228を有する。概して上述したように、オストミー器具1100の突出部1116は、排泄物収集装置1200の排泄物パウチ1202をオストミー器具1100に接続するとともに、排泄物パウチ1202とオストミー器具1100との間の接続部分を密封するために、コネクタ1208の溝部1228内に受容されるように構成され得る。これにより、排泄物パウチ1202はオストミー器具1100に対して密封的に接続され、排泄物が、排泄物収集装置1200のコネクタ1208とオストミー器具1100のチューブ1106との接続部分から漏出することなく、チューブ1106を通って排泄物パウチ1202へ移動することが可能となる。オストミー器具1100の接続部分1114、及び排泄物収集装置1200の接続部分1226は、機械式の接続アセンブリであり、突出部1116が接続アセンブリのオス部分を構成し、溝部1228が接続アセンブリのメス部分を構成するように構成される。別の実施形態では、オストミー器具1100の接続部分1114が接続アセンブリのメス部分を構成し、排泄物収集装置1200の接続部分1226が接続アセンブリのオス部分を構成するように構成され得る。当然ながら、上述したように、オストミー器具1100の接続部分1114及び排泄物収集装置1200の及び接続部分1226は、排泄物パウチ1202をオストミー器具1100または他の器具に対して機械的にまたは他の方法で固定するまたは取り付けるための他の構成を有し得る。
排泄物収集装置1200は、臭気、濡れた染み、炎症、または、排泄物収集装置1200が排泄物を受け取ったときに発生し得る他の望ましくない状態を制御するための1以上の構成要素を含み得る。例えば、図5に示した排泄物パウチ202と同様に、排泄物パウチ1202は、液体が排泄物パウチ1202に染み込むのを防止するための液体不透過性フィルム層を有し得る。あるいは、排泄物パウチ1202は、排泄物パウチ1202が膨張したり臭気を発したりしないように、1種類以上の気体を選択的に透過させる材料または組成物でコーティングされるか、または該材料または組成物が排泄物パウチ202を構成する材料に組み込まれる。当然ながら、排泄物収集装置1200の望ましくない状態を防止するために、他のコーティングやフィルムなどを用いてもよい。加えて、排泄物パウチ1202は、患者の快適性を向上させるだけでなく排泄物パウチ1202に対して強度及びバリア性を付与し得る、例えばSMS材料などの不織材料から作製してもよい。不織材料及びSMS材料の詳細は、排泄物パウチ202に関して上述した通りであり、上述した内容は、排泄物パウチ1202に使用されるSMSなどの不織材料にも適用可能である。
図13を参照して、患者の身体から排泄物を収集するための排泄物収集システムが示されている。概して、排泄物収集システム1300は、患者Pの身体20に形成されたストーマ10を通じて排出される排泄物を収集するために、オストミー器具1100及び排泄物収集装置1200を備える。ストーマ10を形成するための一般的なオストミー手術は、図6及び図7を参照して上述した通りである。図13は、上述したようにして形成されたストーマ10を介して患者Pの下部胃腸器官22から排泄物を収集するように配置された排泄物収集システム1300の概略図である。図13に示すように、オストミー器具1100は、オストミー器具1100の遠位端部1102が下部胃腸器官22またはその内部に配置されるようにストーマ10内に挿入される。オストミー器具1100をストーマ10に挿入するときには、留置機構1120は、留置機構1120の外径がチューブ1106の外径DTと略一致する挿入形態をとるか、または留置機構1120の外径がチューブ1106の外径DTよりも小さい形態をとることを理解されたい。
図13にさらに示すように、オストミー器具1100がストーマ10内に挿入されたときには、チューブ1106はストーマ10内に配置され、接続部分1114は下部胃腸器官22の外部部分28に隣接して配置される。図示した実施形態では、留置機構1120は、ストーマ10内にオストミー器具1100を留置するために膨張させることができる膨張可能バルーンまたはカフである。より具体的には、この留置バルーン1120は、膨張バルブ1122及び膨張ライン1124を通じてバルーン1120内に流体(例えば、空気または生理食塩水)を導入することにより膨張させることができる。膨張時には、すなわち膨張直径DRBまで膨張して留置形態をとったときには、留置バルーン1120は、下部胃腸器官22及び/またはストーマ10の壁部30と接触して効果的なシールを形成し、これにより、壁部30及び/またはストーマ10におけるバルーンの周囲からの漏出を減少させる。留置形態をとったときは、留置機構1120は、ストーマ10の直径DSTよりも大きい直径まで拡張する。例えば、図13に示す実施形態では、留置バルーン1120の膨張直径DRBは、ストーマの直径DSTよりも大きい。上述したように、いくつかの実施形態では、膨張直径DRBは、ストーマの直径DSTの約2倍ないし約3倍であり得る。加えて、膨張した留置バルーン1120(すなわち、留置機構1120が留置形態をとったとき)が患者Pの腹壁24に当接することにより、オストミー器具100をストーマ10及び下部胃腸器官22の天然通路内の適所に保持するとともに、排泄物がオストミー器具100からのみ排出され、下部胃腸器官22の外部部分28と接触しないように下部胃腸器官22の天然通路を密封する。
さらに、密封機構1150は、排泄物がオストミー器具1100からのみ排泄物パウチ1202内に排出されるようにストーマ10を密封するのを助けるために展開され得る。図13に示す例示的な実施形態では、密封機構1150は、上述したような膨張可能バルーンまたはカフである。膨張可能バルーン1150が膨張することにより、オストミー器具1100がストーマ10内に留置される。より詳細には、例示的な密封バルーン1150は、膨張バルブ1152及び膨張ライン1154を通じて密封バルーン1150内に流体(例えば、空気または生理食塩水など)を導入することにより膨張させることができる。膨張時には、すなわち膨張直径DSBまで膨張して留置形態をとったときには、密封バルーン1150は、密封バルーン1150がストーマ10と接触して効果的なシールを形成するようにストーマ10の表面14に当接して膨張し、これにより、密封バルーンの周囲からの漏出を減少させる。上述したように、密封バルーン1150の膨張直径DSBは、チューブ1106の直径DTよりも大きく、いくつかの実施形態では、膨張直径DSBは、チューブの直径DTの約1.2倍ないし約1.5倍であり得る。さらに、上述したように、密封バルーン1150は、ストーマ10を形成する組織に対して過大な圧力を加えることなく、ストーマ10を効果的に密封することができる薄壁・高容量・低圧型カフであり得る。加えて、図13に示すように、密封機構1150は、留置機構1120よりも長い長さで、チューブ1106に沿って延在している。すなわち、密封機構1150は、留置機構1120よりも長い軸方向長さを有する。
図13にさらに示すように、排泄物収集装置1200は、オストミー器具1100の接続部分1114及び排泄物収集装置1200の接続部分1226を介して、オストミー器具1100に接続される。より詳細には、オストミー器具1100の接続部分1114の突出部1116は、排泄物収集装置1200の接続部分1226の溝部1228内に受容され、これによって、オストミー器具1100及び排泄物収集装置1200が互いに結合されるとともに、排泄物が下部胃腸器官22から排泄物パウチ1202へ移動するための通路が形成される。
この例示的な実施形態でさらに図示するように、コネクタ1208の管状部分1210は、オストミー器具1100の近位端部1104においてチューブ1106の内径1110内に嵌合可能なサイズに形成された外径1234を有する。オストミー器具1100及び排泄物収集装置1200の接続機構により、オストミー器具1100及び排泄物収集装置1200は互いに密封的に接続される。一般的に、突出部1116は溝部1228内にスナップ嵌合され、このスナップ嵌合を介してオストミー器具1100及び排泄物収集装置1200が互いに接続される。さらに説明すると、例えば締まり嵌合などの、オストミー器具1100を排泄物収集装置1200(またはオストミー器具100及び排泄物収集装置200間に配置される別の装置)に接続するための他の手段を用いてもよい。
さらに、適切な実施形態では、オストミー器具1100及び排泄物収集装置1200は、排泄物収集システム1300が実質的に単一部材として構成されるように、互いに結合され得る。一例としては、排泄物収集装置1200のコネクタ1208が、オストミー器具1100の接続部分1114またはチューブ1106に、密封的に接続、結合、または取り付けられる。したがって、排泄物収集システム1300は、ストーマ10内に配置された構成要素(例えばチューブ1106)を排泄物パウチ1202とともに使い捨てすることができるように、単回使用用に構成され得る。当然ながら、排泄物収集システム1300が単一部材として構成されていない場合でも、排泄物収集システム1300のオストミー器具1100及び排泄物収集装置1200は単回使用用に構成してもよい。また、当業者であれば想到可能な排泄物収集システム1300の他の構成を用いてもよい。
図13に図示した実施形態では、導管1204は、オストミー器具1100と排泄物パウチ1202との間の接続部として構成されている。すなわち、オストミー器具1100のチューブ1106を介して下部胃腸器官22から排出された排泄物は、排泄物収集装置1200のコネクタ1208及び導管1204をその順に通過して、排泄物パウチ1202に導入されて収集される。より詳細には、導管1204は、排泄物パウチ1202を支持する位置、及び患者Pのための適切なサイズの排泄物パウチ1202の選択において、ある程度のフレキシブルさを可能にする。例えば、取り付け機構1214を患者のベルトや患者のズボンのウエストに取り付けることができるように、導管1204の長さは、取り付け機構1214が患者のウエストイン(腰線)に位置するように選択され得る。他の実施形態では、導管1204の長さは、排泄物パウチ1202が患者の腰のくびれた部分で支持されるように選択され得る。このように、導管1204の長さは患者毎に異なっていてもよく、例えば、身長がより高い患者は、身長がより低い患者よりも長い導管1204を必要とする。あるいは、患者毎に、ストーマ10は異なる位置に形成され得る。さらに別の実施形態では、ストーマ部位12と排泄物パウチ1202との間の距離を変更するために、排泄物パウチ1202に挿入される導管1204の長さを調節してもよい。例えば、患者に応じて、または患者Pにより選択された排泄物パウチ1202を支持する位置に応じて、導管1204は排泄物パウチ1202内により深く挿入される(例えば、患者Pは、ある期間では、排泄物パウチ1202をベルトに装着し、別の期間では、排泄物パウチ1202を患者の腰のくびれた部分に装着する)。いずれの場合でも、導管1204は、排泄物パウチ1202をストーマ部位12から離間した位置で支持することを可能にする。また、導管1204の構成は、様々な可変要素に基づいて選択され得る。
図13及び上記の説明から容易に理解できるように、患者Pの身体20から排泄物を収集するための排泄物収集システム1300を組み立てるためには、まず、患者Pの身体20にストーマ10を形成する必要がある。なお、ストーマ10は、既存のストーマであってもよいし(すなわち、患者Pは、排泄物収集システム1300を使用する前に他の排泄物収集用システムを使用していた)、排泄物収集システム1300とともに使用するために新たに形成してもよい。上述したように、ストーマ10及びストーマ部位12は、下部胃腸器官22の一部を、腹壁24を通じて身体20の外面26まで引き出すことにより形成され、その引き出された部分が、下部胃腸器官22の外部部分28となる。次に、留置機構1120挿入形態をとった状態でオストミー器具1100をストーマ10内に挿入する。続いて、留置機構1120を展開して留置形態にし(例えば、留置バルーンを膨張させることにより)、これにより、ストーマ10内にオストミー器具100を留置する。留置形態をとったときは、オストミー器具1100の遠位端部1102は、下部胃腸器官22から排泄物を受け取るために、下部胃腸器官22に配置される。また、密封機構1150を展開して密封形態にし(例えば、密封バルーンを膨張させることにより)、これにより、排泄物がチューブ1106ではなくストーマを通って移動しないようにストーマ10を密封する。その後、排泄物は、オストミー器具1100のチューブ1106により形成された通路1108を通って下部胃腸器官22から排出される。ただし、例えば排泄物収集装置1200がオストミー器具1100に接続されるまでの間は、シールまたはバルブ115、またはオストミー器具100に関して説明したバルブ134と同様のチューブ1106内に配置された別のバルブによって排泄物の移動を阻害する。
排泄物収集装置1200をオストミー器具1100に接続するために、オストミー器具1100の近位端部1104において、コネクタ1208の管状部分1210がチューブ1106内に挿入される。コネクタ1208の接続部分1226がチューブ1106の接続部分1114と結合または係合することにより、排泄物収集装置1200がオストミー器具1100に接続される。取り付け機構1214が、排泄物収集装置1200を支持するための支持部に取り付けられる。取り付け機構1214は、コネクタ1208がチューブ1106内に挿入される前に、支持体に取り付けてもよい。その後、排泄物は、チューブ1106、コネクタ1208、導管1204をその順に通って、排泄物パウチ1202へ移動する。排泄物パウチ1202が満杯になったとき、または排泄物の移動が停止したときに、コネクタ1208をチューブ1106から取り外して、排泄物パウチ1202を空にしたり廃棄したりすることができる。
図14及び15を参照すると、本開示の別の例示的な実施形態による、患者の身体に形成されたストーマに挿入するためのオストミー器具が示されている。上述したオストミー器具100及び1100と同様に、オストミー器具1400は、軸方向Aを画定し、遠位端部1402及び近位端部1404を有する。遠位端部1402は、軸方向Aに沿って、近位端部1404から離間している。
オストミー器具1400は、遠位端部1402及び近位端部1404間で軸方向Aに沿って延在するチューブ1406を含む。チューブ1406は、患者Pの身体20内に形成されたストーマ10(図16)を通じて排泄物または排出物を排出するための通路1408を画定する。チューブ1406は、長さLT及び外径DTを有する。オストミー器具100及び1100に関して説明したように、いくつかの実施形態では、チューブ1406は、遠位端部1402及び近位端部1404の一方から他方に向かって先細状に形成されるか、または長さLTに沿って変化する外径DTを有する。他の実施形態では、チューブ1406は、近位端部1404から遠位端部1402にかけて一定の外径DTを有する。チューブ1406は、固いまたはフレキシブル、完全にまたは部分的に圧潰可能、拡張可能、非拡張可能、または部分的に拡張可能、柔軟なまたは硬い、あるいはそれらの任意の適切な組み合わせを有し得る。さらに、チューブ1406は、例えばチューブ1406を通じて排泄物を排出するためにチューブ1406の内径及び/または断面積をできるだけ大きくすることができるように、比較的薄い壁部を有し得る。チューブ1406は、他の構成も有し得る。
チューブ1406は、近位端部1404において接続部分1414を画定する。接続部分1414は、排泄物収集装置をオストミー器具1400に接続するための1以上の構成要素を有する。例えば、接続部分1414は、ストーマ内に配置するためのオストミー器具の他の実施形態に関して説明した接続部分114、1114と同様に、接続部分1414の内面1418に形成され周方向に沿って延在する溝部または突出部若しくはリブを有する。接続部分1414の1以上の構成要素は、排泄物が排泄物パウチとオストミー器具1400との間の接続部分で漏出することなく、チューブ1406を通って排泄物パウチに移動することができるように、排泄物収集装置の排泄物パウチをオストミー器具1400に接続するとともに接続部分を密封する。接続部分1414は、排泄物パウチまたは他の装置をオストミー器具1400に対して機械的にまたは他の方法で固定するまたは取り付けるための任意の適切な構成を有し得る。さらに、オストミー器具1100に関して説明したように、オストミー器具1400の接続部分1414は、排泄物パウチまたは他の装置がオストミー器具1400に接続されていないときに排泄物及び気体が接続部分1414を通過するのを防止するための、シールまたはバルブ1115と同様のシールまたはバルブを有し得る。シールまたはバルブは、排泄物収集装置がオストミー器具1400に接続されているときには開き、オストミー器具1400に排泄物収集装置または他の装置が接続されていないときには閉じた状態を保つように構成され得る。あるいは、オストミー器具100に関して上述したバルブ134のようなバルブをチューブ1406内に配置し、該バルブによってチューブを通る排泄物の流れを制御するようにしてもよい。
図14及び図15を参照すると、オストミー器具1400の近位端部1404は、近位面1428を画定するフランジまたはバリア1426を含み得る。図示のように、バリア1426は、略円形の形状を有し、周方向Cを画定する。また、一連のクリップまたは保持構造体1425が、近位面1428に周方向に沿って設けられ得る。保持構造体1425は、図14及び図15に示すように、バリア1426の周方向に等間隔で配置される。あるいは、他の実施形態では、1つの保持構造体1425または少数の保持構造体1425のみが、近位面1428の或る領域に配置され得る。いくつかの実施形態では、保持構造体1425は、患者の体内に配置されたバルーンを膨張させるための膨張ラインを保持するように構成される(詳細については後述する)。他の実施形態では、保持構造体1425は、オストミー器具1400またはオストミー器具1400に取り付けられた排泄物収集デバイスの他の構成要素を保持するように構成され、上記構成要素がオストミー器具1400から突出したりオストミー器具1400の使用を妨げたりするのを防止する。
バリア1426は、例えばバリアによって覆われたバリアの真下の領域へのアクセスを提供するべく、バリアを患者の身体から離間する方向に曲げるかまたは丸めることができるように、上述したバリア126のようにフレキシブルさを有し得る。そのため、いくつかの実施形態では、バリア1426は、バリア1426を曲げることを可能にするエラストマー性材料から作製される。なお、バリア1426は、他の適切な材料から作製してもよく、適切な実施形態では、バリア1426は、非フレキシブルであり得る。例えば、バリア1426は、オストミー器具1400に接続された排泄物収集装置を支持するために、比較的剛性を有し得る。
図14及び図15を参照すると、オストミー器具1400はまた、上述した密封機構1150と同様の密封機構1450を含む。密封機構1450は、挿入形態及び密封形態をとることができる。図14及び図15では、密封機構1450が密封形態をとった状態が示されている。さらに、図15に最も明瞭に示すように、密封機構1450は、チューブ1406の近位端部1404と遠位端部1402との間で、チューブ1406の長さLTの少なくとも一部分LSに沿って軸方向に延在している。図示した実施形態では、密封機構1450はチューブ1406の全長LTの大部分にわたって延在しており、オストミー器具1400は、チューブ1406の広範囲の軸方向長さに沿って密封機構1450を含んでいる。
さらに、図示した実施形態では、密封機構1450は、挿入形態をとるときには収縮させられ、密封形態をとるときには膨張させられる、膨張可能バルーンまたはカフである。例示的な実施形態では、密封機構1450の膨張可能バルーンまたはカフは、密封機構1150に関して説明したようなMicrocuff(登録商標)バルーンである。より詳細には、上述したように、密封機構1450を構成する膨張可能バルーンまたはカフは、薄膜状に形成され、薄壁・高容量・低圧型カフとなるように設計され得る。いくつかの実施形態では、自由に展開された状態の薄壁・高容量・低圧型カフの直径は、オストミー器具1400が挿入されるストーマの直径を大幅に超える。他の実施形態では、密封バルーン1450は、チューブ1406の外径DTの約1.1倍ないし約2倍の大きさの膨張直径DSBを有する。また、特定の実施形態では、密封バルーン1450は、チューブ1406の外径DTの約1.2倍ないし約1.5倍の大きさの膨張直径DSBを有する。薄壁・高容量・低圧型バルーンまたはカフの詳細は、上述した通りである。
密封機構1450が密封バルーンである実施形態では、密封バルーンを膨張させるための膨張バルブ1452及び膨張ライン1454が設けられ得る。図14及び図15に示すように、膨張ライン1454は、ストーマ10を通って、密封バルーンからオストミー器具1400のバリア1426に配置された膨張バルブ1452まで延在し得る。より具体的には、ポート1456が密封バルーン1450内に配置され、膨張ライン1454は、膨張バルブ1452からポート1456まで延在し、流体を密封バルーン1450に送達してバルーンを膨張させる。例えば膨張ライン1454をバリア1426に対して比較的平坦に保つために、膨張ライン1454におけるストーマ10の外側に位置する部分(外側部分)の所定長さが、1以上の保持構造体1425によって保持される。例えば、膨張ライン1454の外側部分の所定長さを保持構造体1425によって保持することにより、膨張ライン1454が、例えば患者が着ている衣服に引っ掛かって引っ張られ、ストーマ10内に挿入されたオストミー器具1400を患者の体外に向けて引っ張ったり、オストミー器具1400をストーマ10から引き出したりするのを防止することができる。当然ながら、膨張バルブ1452及び膨張ライン1454の他の構成を用いてもよく、例えば、膨張ライン1454はチューブ1406内に組み込んでもよい。また、例えばストーマ10内にチューブ1406をその長さLSに沿って留置及び密封するためのフレキシブルなダイアフラムまたは他の機械的な手段などの膨張可能な密封バルーン以外の他の密封機構1450を用いてもよいことは、当業者であれば容易に理解できるであろう。
上述したように、オストミー器具1400の近位端部1404に画定された接続部分1414は、排泄物収集装置のコネクタを受容し、これにより、排泄物が移動するための通路1408が排泄物収集装置まで延長される。例示的な排泄物収集装置200及び1200は、図5、図9、図10、図12、及び図13を参照して上述した通りである。図16は、本開示の別の例示的な実施形態による排泄物収集システムの概略図である。図16に示すように、例示的な排泄物収集システム1600は、上述したようにして形成され得るストーマ10を介して患者Pの下部胃腸器官22から排泄物を収集するために配置される。より詳細には、オストミー器具1400は、その遠位端部1402が下部胃腸器官22またはその内部に配置されるように、ストーマ10内に挿入される。図示した実施形態では、排泄物収集装置1200がオストミー器具1400に接続されている。他の実施形態では、排泄物収集装置200がオストミー器具1400に接続され得る。排泄物収集装置1200は、オストミー器具1400の接続部分1414及び排泄物収集装置1200の接続部分1226を介して、オストミー器具1400に接続される。例えば、オストミー器具1400の接続部分1414は、排泄物収集装置1200の接続部分1226の溝部1228内に受容可能な突出部またはリブを含み、これらによってオストミー器具1400及び排泄物収集装置1200は互いに結合され、排泄物が下部胃腸器官22から排泄物パウチ1202へ移動するための通路が形成される。オストミー器具1400と排泄物収集装置1200との接続機構は、例えば、スナップ嵌合、締まり嵌合、またはオストミー器具1400及び排泄物収集装置1200間の他の適切な接続を介して、オストミー器具1400と排泄物収集装置1200とを密封的に接続する。図16は、患者Pの下部胃腸器官22からストーマ10を通じて排出される排泄物を収集するために組み立てられた排泄物収集システム1600を示す。
オストミー器具1400をストーマ10内に挿入するときには、密封機構1450は、密封機構1450の外径がチューブ1406の外径DTと略一致する挿入形態をとるか、または密封機構1450の外径がチューブ1406の外径DTよりも小さい形態をとることを理解されたい。オストミー器具1400がストーマ10内に挿入されたときには、チューブ1406はストーマ10内に配置され、接続部分1414は下部胃腸器官22の外部部分28に隣接して配置される。図16に示した実施形態では、密封機構1450は膨張可能バルーンまたはカフであり、膨張可能バルーンまたはカフが膨張することにより、ストーマ10内にオストミー器具1400を留置するとともに、例えば排泄物がオストミー器具1400のみを通って排泄物パウチ1202内に排出されるように、チューブ1406の周囲から排泄物が漏出しないようにストーマ10を密封する。より具体的には、流体(例えば、空気または生理食塩水)を、膨張バルブ1452及び膨張ライン1454を通じて密封バルーン1450に導入することにより、密封バルーン1450を膨張させることができる。膨張時には、すなわち膨張直径DSBまで膨張して密封形態をとったときには、密封バルーン1450は、ストーマ10と当接して効果的なシールを形成すべくストーマ10の表面14に当接して膨張し、これにより、密封バルーン1450の周囲からの漏出を減少させる。上述したように、密封バルーン1450の膨張直径DSBは、チューブ1406の外径DTよりも大きく、いくつかの実施形態では、膨張直径DSBは、チューブの外径DTの約1.2倍ないし約1.5倍であり得る。さらに、上述したように、密封バルーン1450は、ストーマ10を形成する組織に対して過大な圧力を加えることなく、ストーマ10を効果的に密封することができる、薄壁・高容量・低圧型カフであり得る。加えて、図16に示すように、密封機構1450は、チューブ1406の全長の大部分にわたって延在している。したがって、密封機構1450は、上述した留置機構120、1120と比較して、より長い軸方向長さを有し得る。
さらに、適切な実施形態では、オストミー器具1400及び排泄物収集装置1200は、排泄物収集システム1600が実質的に単一部材として構成されるように、互いに結合され得る。一例としては、排泄物収集装置1200のコネクタ1208が、オストミー器具1400のチューブ1406の接続部分1414に、密封的に接続、結合、または取り付けられる。したがって、排泄物収集システム1600は、ストーマ10内に配置された構成要素(例えばチューブ1406)を排泄物パウチ1202とともに使い捨てすることができるように、単回使用用に構成され得る。当然ながら、排泄物収集システム1600が単一部材として構成されていない場合でも、排泄物収集システム1600の構成要素は、単回使用用に構成してもよい。また、当業者であれば想到可能な排泄物収集システム1600の他の構成を用いてもよい。
図13に図示した実施形態と同様に、図16の実施形態では、導管1204は、オストミー器具1400と排泄物パウチ1202との間の接続部として構成されている。すなわち、オストミー器具1400のチューブ1406を介して下部胃腸器官22から排出された排泄物は、排泄物収集装置1200のコネクタ1208及び導管1204をその順に通過して、排泄物パウチ1202内に導入されて収集される。図13に関して詳細に説明したように、導管1204は、排泄物パウチ1202を支持する位置、及び患者Pのための適切なサイズの排泄物パウチ1202の選択において、ある程度のフレキシブルさを可能にする。より詳細には、導管1204は、排泄物パウチ1202をストーマ部位12から離間した位置で支持することを可能にする。また、導管1204の構成は、上述したような様々な可変要素に基づいて選択され得る。
患者Pの身体20から排泄物を収集するための排泄物収集システム1600を組み立てるためには、まず、患者Pの身体20にストーマ10を形成する必要がある。なお、ストーマ10は、既存のストーマであってもよいし(すなわち、患者Pは、排泄物収集システム1600を使用する前に他の排泄物収集用システムを使用していた)。あるいは、ストーマ10は、排泄物収集システム1300とともに使用するために新たに形成してもよい。上述したように、ストーマ10及びストーマ部位12は、下部胃腸器官22の一部を、腹壁24を通じて身体20の外面26まで引き出すことにより形成され、その引き出された部分が、下部胃腸器官22の外部部分28となる。次に、密封機構1450が挿入形態をとった状態でオストミー器具1400をストーマ10に挿入する。続いて、密封機構1450を展開して密封形態にし(例えば、密封バルーンを膨張させることにより)、これにより、排泄物がチューブ1406ではなくストーマを通って移動しないようにストーマ10を密封する。オストミー器具1400がストーマ10内に配置され、密封機構1450によって留置されたときには、オストミー器具1400の遠位端部1402は、下部胃腸器官22から排泄物を受け取るために下部胃腸器官22に配置される。その後、排泄物は、オストミー器具1400のチューブ1406により形成された通路1408を通って下部胃腸器官22から排出される。ただし、例えば排泄物収集装置1200がオストミー器具1400に接続されるまでの間は、近位端部1404に設けられたシールまたはバルブ(例えば、シールまたはバルブ1115)、あるいは、チューブ1406内に設けられた別のバルブ(例えば、バルブ134)によって排泄物の移動を阻害する。
排泄物収集装置1200をオストミー器具1400に接続するために、オストミー器具1400の近位端部1404において、コネクタ1208の管状部分1210がチューブ1406内に挿入される。コネクタ1208の接続部分1226がチューブ1406の接続部分1414と結合または係合することにより、排泄物収集装置1200がオストミー器具1400に接続される。取り付け機構1214が、排泄物収集装置1200を支持するための支持部に取り付けられる。取り付け機構1214は、コネクタ1208がチューブ1406内に挿入される前に、支持体に取り付けてもよい。その後、排泄物は、チューブ1406、コネクタ1208の管状部分1210、導管1204をその順に通って、排泄物パウチ1202へ移動する。排泄物パウチ1202が満杯になったとき、または排泄物の移動が停止したときに、コネクタ1208をチューブ1406から取り外して、排泄物パウチ1202を空にしたり廃棄したりすることができる。上述したように、排泄物収集装置1200以外にも、排泄物収集装置200または本明細書中で説明した別の適切な排泄物収集装置を、ストーマ10から排泄物を収集するためにオストミー器具1400に接続してもよい。
図17を参照すると、本開示の別の例示的な実施形態によるオストミー器具1400が示されている。図17に示すように、オストミー器具1400のバルブ1452は、バリア1426に、図14及び図15に示した膨張バルブ1452よりもルーズに配置されている。したがって、密封機構1450を膨張させるための膨張バルブ1452は、患者の身体から排泄物を収集するためにオストミー器具1400に取り付けられる排泄物収集装置の構造に対してより容易に適合することができる。すなわち、図17に示した膨張バルブ1452は、図14及び図15に示した膨張バルブ1452よりも、排泄物収集装置に対してより容易に配置することができる。したがって、図17に示したオストミー器具1400は、いくつかの排泄物収集装置とともに使用する場合には、図14及び図15に示したオストミー器具1400よりも好適であり得る。
図18を参照すると、本開示の別の例示的な実施形態による、患者の体内に形成されたストーマを通じて排出される排泄物を収集するための排泄物収集装置の斜視図が示されている。図18を参照して説明する排泄物収集装置1800は、上述した排泄物収集装置200及び1200と共通する構成要素をいくつか有する。しかしながら、排泄物収集装置1800は、上述した排泄物収集装置における同様の構成要素とは異なる構成要素または異なるように構成された構成要素をいくつか有する。
図18に示すように、排泄物収集装置1800は、排泄物バッグまたは排泄物パウチ1802と、遷移ダクト1804と、コネクタ1808とを含む。排泄物パウチ1802は、患者の身体に形成されたストーマを通じて患者の身体から排出される排泄物を収集する。より詳細には、コネクタ1808は、排泄物収集装置1800をストーマ内に受容されたオストミー器具(例えば、上述のオストミー器具1400)に結合させるために、排泄物パウチ1802に取り付けられている。排泄物収集装置1800は、排泄物がオストミー器具を通って排泄物収集装置1800に移動して排泄物パウチ1802内に収集されるようにオストミー器具に結合される。排泄物収集装置1800はまた、排泄物収集装置1200を、例えば患者の衣類、または患者の身体におけるストーマから離間した健康な部分などの支持体に取り付けるための1以上の取り付け機構(図示せず)を含み得る。支持体は、とりわけ排泄物収集装置1800が排泄物で満たされたときに、排泄物収集装置1800の重量を支持するのを助けることができる。排泄物収集装置の他の実施形態に関して説明したように、取り付け機構は、任意の適切な固定具または固定機構を使用して排泄物パウチ1802の外面1816に結合され得る。また、取り付け機構は、排泄物収集装置1800を適切な支持体に取り付けるための任意の適切な機構、または複数の任意の適切な機構の組み合わせであり得る。
図18に示すように、遷移ダクト1804は、排泄物パウチ1802内で、コネクタ1808から排泄物パウチ1802の底側部分1801に向かって延在する。すなわち、遷移ダクト1804は、排泄物パウチ1802内に封入され、第1の開口端部1818から第2の開口端部1820まで延在する。遷移ダクト1804の第2の開口端部1820は、排泄物パウチ1802に排泄物が底側部分から上側部分に向かって充填されるように、排泄物を排泄物パウチ1802の底側部分1801に導くために、排泄物パウチ1802の底側部分1801に向けて配向される。遷移ダクト1804は、一般的に、第1の開口端部1818及び第2の開口端部1820を有するスリーブとして構成され得る。遷移ダクト1804は、例えば排泄物パウチ1802が遷移ダクト1804を支持する及び/または排泄物パウチ1802が遷移ダクト1804を特定の位置または向きに保持するように、排泄物パウチ1802の内面に結合され得る。いくつかの実施形態では、遷移ダクト1804は、遷移ダクト1804が膨張したり、排泄物パウチ1802の内面から離間する方向に曲がったりすることができるように、フレキシブルさを有する。例えば、遷移ダクト1804は、排泄物が遷移ダクトを通って移動しないときには収縮して排泄物パウチの内面に接触し、排泄物が遷移ダクトを通って移動するときには、膨張したり、排泄物パウチの内面から離間する方向に曲がったりすることができるように、フィルムまたはフィルム様材料から形成され得る。したがって、遷移ダクト1804は、遷移ダクトを通って移動する排泄物に対してほとんど力を加えず、排泄物は、排泄物を遷移ダクト1804に向けて移動させる圧力によって遷移ダクトを通じて移動する。
コネクタ1808を特に参照すると、コネクタ1808は、患者の身体に形成されたストーマ内に配置されたオストミー器具(例えば、オストミー器具1400)に接続するための1以上の構成要素、または排泄物収集装置とオストミー器具とを接続するのを助ける接続構成要素を含む。上述したように、オストミー器具1400の接続部分1414は、接続部分1414の内面1418に形成され周方向に沿って延在する溝部または突出部またはリブを有し得る。排泄物収集装置1800のコネクタ1808は、排泄物がオストミー器具から排泄物パウチへオストミー器具及び排泄物パウチ間の接続部分で漏出することなく移動することができるように、排泄物パウチ1802を患者の身体に形成されたストーマ内に配置されたオストミー器具に接続するとともにその接続部分を密封する1以上の構成要素を含む。例示的な実施形態では、排泄物収集装置1800は、オストミー器具1400の接続部分1414に接続される。上述したように、接続部分1414は、排泄物パウチまたは他の装置をオストミー器具1400に対して機械的にまたは他の方法で固定するまたは取り付けるための任意の適切な構成を有し得る。図18に示すように、コネクタ1808は、オストミー器具1400の接続部分1414に形成された溝部と係合可能な突出部またはリブ1828を有する。あるいは、コネクタ1808の突出部1828は、接続要素1900に形成された溝部と係合可能であり得る(詳細については後述する)。コネクタ1808、及びオストミー器具1400の接続部分1414または接続要素1900は、一般的に機械式の接続アセンブリであり、コネクタ1808の突出部1828が接続アセンブリのオス部分を構成し、オストミー器具1400の接続部分1414または接続要素1900の溝部が接続アセンブリのメス部分を構成する。他の実施形態では、オストミー器具1400の接続部分1414または接続要素1900が接続アセンブリのオス部分を構成し、排泄物収集装置1800のコネクタ1808が接続アセンブリのメス部分を構成し得る。当然ながら、上述したように、オストミー器具1400の接続部分1414または接続要素1900、同様にコネクタ1808は、患者の身体から排泄物を受け取るために排泄物パウチ1802をオストミー器具1400または他の器具に対して機械的にまたは他の方法で固定するまたは取り付けるための他の構成を有し得る。
他の排泄物収集装置に関して上述したように、排泄物収集装置1800は、臭気、濡れた染み、刺激、または排泄物収集装置1800が排泄物を受け取ったときに発生し得る他の望ましくない状態を制御するための1以上の構成要素を含み得る。例えば、他の排泄物パウチに関して上述したように、排泄物パウチ1802は、液体が排泄物パウチ1802に染み込むのを防止するための液体不透過性フィルム層を有し得る。あるいは、排泄物パウチ1802は、排泄物パウチ1802が膨張したり臭気を発したりしないように、1種類以上の気体を選択的に透過させる材料または組成物でコーティングされるか、または該材料または組成物が排泄物パウチ1802を構成する材料に組み込まれ得る。当然ながら、排泄物収集装置1800の望ましくない状態を防止するために、他のコーティングやフィルムなどを用いてもよい。加えて、排泄物パウチ1802は、患者の快適性を向上させるだけでなく排泄物パウチ1202に対して強度及びバリア性を付与し得る、例えばSMS材料などの不織材料から作製してもよい。不織材料及びSMS材料の詳細は、他の排泄物パウチに関して上述した通りであり、上述した内容は、排泄物パウチ1802に使用されるSMSなどの不織材料にも適用可能である。
図19を参照して、本開示の例示的な実施形態による、患者Pの身体20に形成されたストーマ10内に配置されたオストミー器具1400と組み合わされた接続要素1900が示されている。図19に示すように、オストミー器具1400の密封機構1450は、ストーマ10を密封し、かつストーマ10内にオストミー器具1400を留置するために展開されている。より詳細には、図示した実施形態では、密封機構1450は膨張可能な密封バルーンである。密封バルーンは膨張形態をとっており、これによって、ストーマ10を密封するとともにストーマ10内にオストミー器具1400を留置する。
接続要素1900は、患者Pの身体20から離間する方向に突出する接続部分1902を含む。断面図で示しているが、図20に示すようにコネクタ1808が接続要素1900に接続することができるように、図示した接続部分1902が、排泄物収集装置1800のコネクタ1808の円形形状に適合する略円形の形状を有することを理解されたい。より具体的には、図示した実施形態では、接続部分1902は円形壁部として構成されており、その外面1906に形成され周方向に沿って延在する溝部1904を有する。上述したように、コネクタ1808は、排泄物収集装置1800を接続要素1900に接続するために溝部1904と係合可能な突出部1828を有する。さらに、突出部1828は溝部1904と係合して排泄物収集装置1800及び接続要素1900間の接続部分を密封し、排泄物がオストミー器具1400のチューブ1406から排泄物パウチ1802へコネクタ1808及び接続部分1902間の接続部分で漏出することなく流れることができるようにする。例えば、スナップ嵌合または締まり嵌合が、排泄物収集装置1800と接続要素1900との間で使用され得る。また、上述したように、コネクタ1808または接続要素1900が、2つの構成要素から形成された接続アセンブリのオス部分を含み、他の構成要素が接続アセンブリのメス部分を含むようにしてもよいことを理解されたい。
図19を引き続き参照して、接続要素1900はまた、バリア1908を含む。バリア1908は、接続部分1902から離間する方向または外側に向かって延在する。なお、バリア1908は、接続部分1902から内側に向かって延在してもよい。すなわち、バリア1908はオストミー器具1400が突出する開口を有するか、または接続部分1902がそのような開口部を有し得る。バリア1908がオストミー器具1400の外側部分が突出する開口部を有する実施形態では、図19に示すように、バリア1908の一部は、オストミー器具1400のバリア1426と患者Pの外面26との間、すなわちバリア1426と患者の皮膚との間に配置され得る。いずれにしても、バリア1908は、バリア1908が患者Pの外面または皮膚26に対向して配置されるように、接続部分1902から外側に向かって延びる。したがって、バリア1908は、接続要素1900に接続された排泄物収集装置を支持するのを助ける。例えば、バリア1908は、排泄物収集装置の重量がストーマ部位12に集中しないように、接続要素1900に接続された排泄物収集装置の重量を分配する。バリア1908は他の役割も果たすことができ、例えば、使用済みの排泄物パウチを未使用の排泄物パウチと交換するときにストーマ部位12を清潔に保つのを助ける。
接続要素1900は、患者Pの身体20またはオストミー器具1400に固定してもよい。例えば、接続要素1900は、医療用テープなどの適切な接着剤を使用して患者Pに固定され得る。他の実施形態では、接続要素1900は、適切な機械的機構または他の機構、例えば、排泄物収集装置1800及び接続要素1900により構成される上述した接続アセンブリと同様の、接続要素1900及びオストミー器具1400により構成される接続アセンブリなどによってオストミー器具1400に固定され得る。接続要素1900を固定するための他の適切な機構を使用してもよい。
図20を参照すると、患者の身体から排泄物を収集するための排泄物収集システムが示されている。概して、排泄物収集システム2000は、患者Pの身体20に形成されたストーマ10を通じて排出される排泄物を収集するために、オストミー器具1400と、排泄物収集装置1800と、接続要素1900とを備える。より詳細には、排泄物収集システム2000では、排泄物収集装置1800のコネクタ1808が接続要素1900と結合することにより、排泄物パウチ1802はストーマ10内に配置されたオストミー器具1400のチューブ1406と連通し、これによって、身体20からの排泄物の収集が容易になる。
一般的なオストミー手術は上述した通りである。図20は、ストーマ10を通じて患者Pの下部胃腸器官22から排泄物を収集するために配置された排泄物収集システム2000の概略図を示す。図20に示すように、オストミー器具1400は、オストミー器具1400の遠位端部1402が下部胃腸器官22またはその内部に配置されるように、ストーマ10内に挿入される。オストミー器具1400をストーマ10に挿入するときには、密封機構1450は、密封機構1450の外径がチューブ1406の外径DTと略一致する挿入形態をとることを理解されたい。
図20にさらに示すように、密封機構1450は、排泄物がオストミー器具1400のみを通って排泄物パウチ1802へ移動するようにストーマ10を密封するのを助けるために展開され得る。図20に示す例示的な実施形態では、密封機構1450は、例えば薄壁・高容量・低圧型カフなどの膨張可能なバルーンまたはカフであり、図16に示した排泄物収集システム1600に関して上述したようにストーマ10内で展開させることができる。さらに、排泄物収集装置1800は、接続要素1900を介して、オストミー器具1400に接続される。より詳細には、コネクタ1808の突出部1828が接続要素1900の溝部1904内に受容されることにより、遷移ダクト1804の第1の開口端部1818がチューブ1406の近位端部1404に位置決めされ、これにより、排泄物FWが下部胃腸器官22から排泄物パウチ1802へ流れるための通路が形成される。上述したように、コネクタ1808の突出部1828は、排泄物収集装置1800及び接続要素1900がスナップ嵌合を介して互いに接続されるように、かつ接続部分での排泄物の漏出を防止するために排泄物収集装置1800が接続要素1900に対して密封的に接続されるように、溝部1904内にスナップ嵌合され得る。
図20に示すように、遷移ダクト1804は、排泄物FWの流れを排泄物パウチ1802の底側部分1801へ導く。すなわち、オストミー器具1400のチューブ1406を介して下部胃腸器官22から排出された排泄物は、第1の開口端部1818から遷移ダクト1804内に入り、第2の開放端部182から排泄物パウチ1802の内部1803に排出される。このようにして、排泄物CWは、排泄物パウチ1802内に収集され、排泄物パウチ1802の底側部分1801から上側部分に向かって順に充填される。
上記の説明及び図20から容易に理解できるように、患者Pの身体20から排泄物を収集するための排泄物収集システム2000を組み立てるためには、まず、患者Pの身体20にストーマ10を形成する必要がある。なお、ストーマ10は、既存のストーマであってもよいし(すなわち、患者Pは、排泄物収集システム2000を使用する前に他の排泄物収集用システムを使用していた)、排泄物収集システム2000とともに使用するために新たに形成してもよい。上述したように、ストーマ10及びストーマ部位12は、下部胃腸器官22の一部を、腹壁24を通じて身体20の外面26まで引き出すことにより形成され、その引き出された部分が、下部胃腸器官22の外部部分28となる。次に、オストミー器具1400の遠位端部1402が下部胃腸器官22に配置されるように、留置機構1120が挿入形態をとった状態でオストミー器具1400をストーマ10内に挿入する。続いて、留置機構1120を展開して密封形態にし(例えば、密封バルーンを膨張させることにより)、これにより、排泄物がチューブ1406ではなくストーマを通って移動しないようにストーマ10を密封する。密封機構1450はまた、ストーマ10内にオストミー器具1400を留置するのを助ける。その後、排泄物は、オストミー器具1400のチューブ1406により形成された通路1408を通って下部胃腸器官22から排出される。ただし、例えば排泄物収集装置がオストミー器具1400に接続されるまでの間は、シールまたはバルブ(例えば、シールまたはバルブ1115)、またはオストミー器具100に関して説明したバルブ134と同様のバルブによって排泄物の移動を阻害する。
排泄物収集装置1800をオストミー器具1400に接続するために、接続要素1900が、オストミー器具1400のバリア1426に配置される。いくつかの実施形態では、接続要素1900は、例えばバリア1426の一部が接続要素1900のバリア1908と重なるように、オストミー器具1400がストーマ10内に挿入される前に、接続要素1900の開口部がストーマ部位12を取り囲むように配置される。他の実施形態では、接続要素1900は、オストミー器具1400がストーマ内に挿入された後に配置される。排泄物収集装置1800のコネクタ1808が接続要素1900の接続部分1902と結合または係合することにより排泄物収集装置1800は接続要素1900に接続され、これにより、排泄物パウチ1802がチューブ1406に連通される。排泄物収集装置1800に取り付け機構が設けられた場合には、取り付け機構は、排泄物収集装置1800を支持するために支持部に取り付けられる。取り付け機構は、コネクタ1808が接続要素1900に接続される前または後に、支持体に取り付けられる。その後、排泄物は、チューブ1406及び遷移ダクト1804をその順に通って、排泄物パウチ1802の底側部分1801へ移動する。排泄物パウチ1802が満杯になったとき、または排泄物の移動が停止したときに、コネクタ1808をチューブ1406から取り外して、排泄物パウチ1802を空にしたり廃棄したりすることができる。
図21を参照すると、本開示の別の例示的な実施形態による、患者の身体に形成されたストーマに挿入するためのオストミー器具2100が示されている。上述したオストミー器具100、1100、及び1400と同様に、オストミー器具2100は、軸方向Aを画定し、遠位端部2102と近位端部2104(図23)との間で軸方向Aに沿って延在するチューブ2106を含む。図23に示すように、チューブ2106は、排泄物または排出物が患者Pの身体20に形成されたストーマ10を通って移動するための通路2108を画定する。チューブ2106は、長さLT及び外径DTを有する。他のオストミー器具に関して説明したように、チューブ2106は、遠位端部2102及び近位端部2104の一方から他方に向かって先細状に形成されるか、長さLTに沿って変化する外径DTを有するか、または遠位端部2102及び近位端部2104にかけて一定の外径DTを有する。さらに、チューブ2106は、固いまたはフレキシブル、完全にまたは部分的に圧潰可能、拡張可能、非拡張可能、または部分的に拡張可能、柔軟なまたは硬い、あるいはそれらの任意の適切な組み合わせを有し得る。さらに、チューブ2106は、例えばチューブ2106を通じて排泄物を排出するためにチューブ2106の内径及び/または断面積をできるだけ大きくすることができるように、比較的薄い壁厚を有し得る。チューブ2106は、他の構成も有し得る。
図21に示すように、オストミー器具2100は、チューブ2106の近位端部2104にフランジまたはバリア2126を含む。図23に示すように、バリア2126は、ストーマ部位12において患者Pの下部胃腸器官22の外部部分28を覆うように配置され得る。バリア2126は、例えば、オストミー器具2100の外側部分を安定化させる、さらなる挿入に対する外側停止部を提供することによってオストミー器具2100が適切な深さに挿入されることを確実にする、及び/またはストーマ部位12を保護する役割を果し得る。図21に示すように、バリア2126は、複数のアーム、例えば、アーム2126a、2126b、2126c、2126dを含み得る。各アームは、適切な接着剤または他の固定機構を用いて患者Pの身体20に固定され得る。あるいは、バリア2126は、オストミー器具100のバリア126またはオストミー器具1400のバリア1426と同様に構成され得る。なお、バリア2126は、他の構成を用いてもよい。
図21に示した実施形態では、オストミー器具2100は、密封機構2150を含む。本明細書中で説明した他の密封機構と同様に、密封機構2150は、挿入形態及び密封形態をとることができる。図21では、密封機構2150が密封形態をとった状態が示されている。さらに、密封機構2150は、チューブ2106の近位端部2104と遠位端部2102との間で、チューブ2106の長さLTの少なくとも一部分LSに沿って軸方向に延在している。図示した実施形態では、密封機構2150はチューブ2106の長さLTの大部分にわたって延在しており、オストミー器具2100は、チューブ2106の広範囲な軸方向長さに沿って密封機構2150を含んでいる。さらに、図示して実施形態では、密封機構2150は、挿入形態をとるときには収縮させられ、密封形態をとるときには膨張させられる、膨張可能バルーンまたはカフである。例えば、密封バルーン2150は、上述した密封バルーン1150、1450と実質的に同様のものであり得る。例えば、密封バルーン2150は、密封バルーン1150、1450に関して説明した範囲の膨張直径を有するMicrocuff(登録商標)バルーンなどの薄壁・高容量・低圧型カフであり得る。例えば、密封バルーン2150は、チューブ2106の外径DTの約1.1倍ないし約2倍の大きさの膨張直径DSBを有する。また、特定の実施形態では、密封バルーン2150は、チューブ2106の外径DTの約1.2倍ないし約1.5倍の大きさの膨張直径DSBを有する。当然ながら、密封機構2150は、他の構成も有し得る。
密封機構2150が密封バルーンである実施形態では、密封バルーンを膨張させるための膨張バルブ2152及び膨張ライン2154が設けられ得る。図21及び図23に示すように、膨張ライン1454は、ストーマ10を通って、密封バルーン2150から患者Pの身体20の外部に位置する膨張バルブ2152まで延在し得る。膨張ライン2154の所定長さが、ストーマ10の外側、すなわち患者の身体の外部に配置される。これにより、膨張バルブ2152を、密封バルーン2150を膨張させるための適切な位置に配置するとともに、オストミー器具2100に接続された排泄物収集装置と接触しないようにすることが可能となる。膨張ライン2154の他の構成を用いてもよく、例えば、膨張ライン2454はチューブ2406内に組み込んでもよい。また、例えばストーマ10内にチューブ2406をその長さLSに沿って留置及び密封するためのフレキシブルなダイアフラムまたは他の機械的な手段などの膨張可能な密封バルーン以外の他の密封機構2150を用いてもよいことは、当業者であれば容易に理解できるであろう。
加えて、オストミー器具2100は、一体化された遷移ダクト1804を含む。図18に関して説明したように、いくつかの実施形態では、遷移ダクト1804は、排泄物収集装置1800の排泄物パウチ1802と一体化されており、排泄物パウチ1802内でコネクタ1808から排泄物パウチ1802の底側部分1801に向かって延在している。図21に示すオストミー器具2100の実施形態では、遷移ダクト1804は、遷移ダクト1804がチューブ2106の近位端部2104から遷移ダクト1804の第2の開口端部1820まで延びるようにチューブ2106と一体化されている。すなわち、遷移ダクト1804の第1の開口端部1818は、チューブ2106により画定された通路2108が遷移ダクト1804を通って延びるように、チューブ2106と一体的に形成されるか、またはチューブ2106に結合されている。いくつかの実施形態では、遷移ダクト1804は、遷移ダクト1804が膨張したり曲がったりすることができるように、フレキシブルさを有する。例えば、遷移ダクト1804は、排泄物が遷移ダクトを通って移動しないときにはその全体が収縮し、排泄物が遷移ダクトを通って移動するときには、膨張したり、排泄物パウチの内面から離間する方向に曲がったりすることができるように、フィルムまたはフィルム様材料から形成され得る。したがって、オストミー器具2100の遷移ダクト1804は、遷移ダクトを通って移動する排泄物に対してほとんど力を加えず、排泄物は、排泄物を遷移ダクト1804に向けて移動させる圧力によって遷移ダクトを通じて移動する。
図22は、図18に示した上記の排泄物収集装置1800の別の実施形態を示す。排泄物収集装置1800に関して上述したように、図22に示す排泄物収集装置1800の実施形態は、排泄物バッグまたは排泄物パウチ1802と、患者の身体から排出された排泄物を収集するために排泄物パウチ1802を患者の身体に形成されたストーマ内に挿入されたオストミー器具に接続するコネクタ1808とを含む。図18に示した実施形態とは異なり、図22に示す排泄物収集装置1800の実施形態は、遷移ダクト1804を含まない。その代わりに、コネクタ1808は、ストーマ内に配置されたオストミー器具から排泄物パウチ1802へ排泄物が移動するための開口部1805を有する。その他の点は、排泄物収集装置1800は、図18に示した上記の排泄物収集装置1800と実質的に同様であり、排泄物収集装置1800について説明した内容は、図22に示す実施形態にも適用される。
図23を参照して、本開示の例示的な実施形態による、患者Pの身体20に形成されたストーマ10内に配置されたオストミー器具2100と組み合わされた接続要素1900が示されている。オストミー器具2100の密封機構2150は、ストーマ10を密封し、かつストーマ10内にオストミー器具1400を留置するために展開されている。より詳細には、図示した実施形態では、密封機構2150は、膨張可能な密封バルーンである。密封バルーンは、は膨張形態をとっており、これによって、ストーマ10を密封するとともにストーマ10内にオストミー器具1400を留置する。図23にさらに示すように、接続要素1900は、図19に示した上記の接続要素1900と実質的に同様である。したがって、図23に示すように、接続要素1900は、円形の接続部分1902と、その外面1906に形成された溝部1904とを有している。溝部1904は、排泄物収集装置1800の突出部またはリブ1828を受容可能に構成されている。接続要素1900のバリア1908は、接続部分1902の外側に向かって延びており、接続部分1902の内側に向かっても若干延びている。図23に示す実施形態では、バリア1908は、オストミー器具2100のバリア2126を覆うように配置され、バリア1908とバリア2126とが重なる位置では、オストミー器具2100のバリア2126は、患者Pの外面または皮膚26と、接続要素1900のバリア1908との間に配置される。
図24を参照すると、患者の身体から排泄物を収集するための排泄物収集システムが示されている。概して、排泄物収集システム2400は、患者Pの身体20に形成されたストーマ10を通じて排出される排泄物を収集するために、オストミー器具2100と、図22に示した排泄物収集装置1800と、接続要素1900とを備える。より詳細には、排泄物収集システム2400では、オストミー器具2100の遷移ダクト1804が、排泄物収集装置1800の排泄物パウチ1802内に受容される。そして、身体20から排泄物を収集するべく排泄物パウチ1802を配置するために、排泄物収集装置1800のコネクタ1808が接続要素1900に結合される。
一般的なオストミー手術は上述した通りである。図24は、ストーマ10を通じて患者Pの下部胃腸器官22から排泄物を収集するために配置された排泄物収集システム2400の概略図である。図24に示すように、オストミー器具2100は、オストミー器具2100の遠位端部2102が下部胃腸器官22またはその内部に配置されるように、ストーマ10内に挿入される。オストミー器具2100をストーマ10に挿入するときには、密封機構2150は、密封機構2150の外径がチューブ2106の外径DTと略一致する挿入形態をとることを理解されたい。
図24にさらに示すように、密封機構2150は、排泄物がオストミー器具2100のみを通って排泄物パウチ1802へ移動するようにストーマ10を密封するのを助けるため展開され得る。図24に示す例示的な実施形態では、密封機構2150は、例えば薄壁・高容量・低圧型カフなどの膨張可能なバルーンまたはカフであり、図16に示した排泄物収集システム1600に関して上述したようにストーマ10内で展開させることができる。さらに、排泄物収集装置1800は、接続要素1900を介して、オストミー器具2100に接続される。より詳細には、オストミー器具2100の遷移ダクト1804が排泄物パウチ1802内に受容された状態で、コネクタ1808の突出部1828が接続要素1900の溝部1904内に受容されることにより、排泄物FWが下部胃腸器官22から排泄物パウチ1802へ流れるための通路が形成される。上述したように、コネクタ1808の突出部1828は、排泄物収集装置1800及び接続要素1900がスナップ嵌合を介して互いに接続されるように、かつ接続部分での排泄物の漏出を防止するために排泄物収集装置1800が接続要素1900に対して密封的に接続されるように、溝部1904内にスナップ嵌合され得る。
図24に示すように、オストミー器具2100の一体的な遷移ダクト1804は、排泄物収集装置1800の排泄物パウチ1802内に受容される。遷移ダクト1804の第2の開口端部1820は、排泄物パウチ1802に排泄物が底側部分から上側部分に向かって充填されるように、排泄物の流れを排泄物パウチ1802の底側部分1801に導くために、排泄物パウチ1802の底側部分1801に向けて配向される。すなわち、下部胃腸器官22からオストミー器具2100のチューブ2106内に排出された排泄物は、オストミー器具2100の遷移ダクト1804に導入される。そして、遷移ダクト1804に導入された排泄物は、遷移ダクト1804の第2の開口端部1820から、排泄物パウチ1802の内部1803に排出される。このようにして、排泄物CWは、排泄物パウチ1802に収集され、排泄物パウチ1802の底側部分1801から上側部分に向かって順に充填される。
上記の説明及び図24から容易に理解できるように、患者Pの身体20から排泄物を収集するための排泄物収集システム2400を組み立てるためには、まず、患者の身体20にストーマ10を形成する必要がある。なお、ストーマ10は、既存のストーマであってもよいし(すなわち、患者Pは、排泄物収集システム2400を使用する前に他の排泄物収集用システムを使用していた)、排泄物収集システム2400とともに使用するために新たに形成してもよい。上述したように、ストーマ10及びストーマ部位12は、下部胃腸器官22の一部を、腹壁24を通じて身体20の外面26まで引き出すことにより形成され、その引き出された部分が、下部胃腸器官22の外部部分28となる。次に、オストミー器具2100の遠位端部2102が下部胃腸器官22に配置されるように、留置機構1120が挿入形態をとった状態でオストミー器具2100をストーマ10内に挿入する。続いて、留置機構1120を展開して密封形態にし(例えば、密封バルーンを膨張させることにより)、これにより、排泄物がチューブ2106ではなくストーマを通って移動しないようにストーマ10を密封する。密封機構2150はまた、ストーマ10内にオストミー器具2100を留置するのを助ける。その後、排泄物は、オストミー器具2100のチューブ2106により形成された通路2108を通って下部胃腸器官22から排出される。いくつかの実施形態では、オストミー器具2100は、例えば排泄物収集装置がオストミー器具2100に接続されるまでの間、排泄物の移動を阻害するために、オストミー器具100に関して説明したバルブ134と同様のバルブを含み得る。
排泄物収集装置1800をオストミー器具2100に接続するために、接続要素1900が、オストミー器具2100のバリア2126に配置される。いくつかの実施形態では、接続要素1900は、例えばバリア2126の一部が接続要素1900のバリア1908と重なるように、オストミー器具2100がストーマ10内に挿入される前に、接続要素1900の開口部がストーマ部位12を取り囲むように配置される。例えば図23及び図24に示した実施形態などの他の実施形態では、接続要素1900は、オストミー器具2100がストーマ内に挿入された後に配置される。遷移ダクト1804は排泄物パウチ1802内に配置され、排泄物収集装置1800のコネクタ1808が接続要素1900の接続部分1902と結合または係合することにより排泄物収集装置1800は接続要素1900に接続され、これにより、排泄物パウチ1802がオストミー器具2100のチューブ2106及び遷移ダクト1804と連通する。排泄物収集装置1800に取り付け機構が設けられた場合には、取り付け機構は、排泄物収集装置1800を支持するために支持部に取り付けられる。取り付け機構は、コネクタ1808が接続要素1900に接続される前または後に、支持体に取り付けられる。その後、排泄物は、チューブ2106及び遷移ダクト1804をその順に通って、排泄物パウチ1802の底側部分1801へ移動する。排泄物パウチ1802が満杯になったとき、または排泄物の移動が停止したときに、コネクタ1808をチューブ2106から取り外して、排泄物パウチ1802を空にしたり廃棄したりすることができる。
図25−図27を参照すると、本開示の別の例示的な実施形態による排泄物収集システムの様々な図が示されている。図25−図27に示すように、例示的な排泄物収集システム2500は、図1−24を参照して概して上述した実施形態と同様に、患者の身体に形成されたストーマ内に挿入するためのオストミー器具と、排泄物収集装置とを備える。しかし、排泄物収集システム2500のオストミー器具及び排泄物収集装置は互いに一体化された単一の構成要素である。すなわち、オストミー器具は排泄物収集装置と一体化されており、排泄物収集システム2500は、単一構成要素として構成されている。
図25を参照すると、例示的な排泄物収集システム2500の後方斜視図が示されている。図示のように、排泄物収集システム2500は、上述した排泄物パウチ202、1202、1802と同様の排泄物収集バッグまたはパウチ2502を備えている。例えば、他の排泄物バッグまたはパウチに関して詳細に説明したように、排泄物バッグまたはパウチ2502は、SMS材料などの不織布材料から作製され得る。また、排泄物バッグまたはパウチ2502は、臭気、濡れた染み、炎症、または、排泄物パウチ2502が排泄物を受け取ったときに発生し得る他の望ましくない状態を制御するために、例えば液体不透過性フィルム及び/またはコーティングなどの1以上の層またはコーティングを含み得る。図25にさらに示すように、排泄物収集システム2500は、軸方向Aを画定するチューブ2506を含む。チューブ2506は、遠位端部2503と近位端部2504との間で延在している。排泄物パウチ2502は、チューブ2506の近位端部2504で、チューブ2506に一体的に接続されている。すなわち、排泄物収集パウチ2502は、パウチ2502がチューブ2506と分離できないように、チューブ2506と一体的に形成されている。図25に示すように、チューブ2506は、排泄物パウチ2502の後側Bから延びている。
チューブ2506は、排泄物または排出物が患者Pの身体20に形成されたストーマ10(図27)を通って移動するための通路2508を画定する。チューブ2506は、長さLT及び外径DTを有する。他のオストミー器具に関して説明したように、チューブ2506は、近位端部2504及び遠位端部2503の一方から他方に向かって先細状に形成されるか、チューブ2506の長さLTに沿って変化する外径DTを有するか、または近位端部2504及び遠位端部2503にかけて一定の外径DTを有する。チューブ2506は、固いまたはフレキシブル、完全にまたは部分的に圧潰可能、拡張可能、非拡張可能、または部分的に拡張可能、柔軟なまたは硬い、あるいはそれらの任意の適切な組み合わせを有し得る。さらに、チューブ2506は、例えばチューブ2506を通じて排泄物を排出するためにチューブの内径及び/または断面積をできるだけ大きくすることができるように、比較的薄い壁厚を有し得る。チューブ2506は、他の構成も有し得る。
図25に示すように、バリア2510が、チューブ2506の近位端部2504に設けられている。排泄物パウチ2502は、バリア2510と一体的に接続され、単一の構成要素からなる排泄物収集システム2500を形成する。さらに、排泄物収集システム2500は、密封機構2550を含む。密封機構2550は、挿入形態と密封形態をとることができる。図25及び図26では、密封機構2550が密封形態をとった状態が示されている。さらに、図25に最も明瞭に示すように、密封機構2550は、チューブ2506の近位端部2504と遠位端部2503との間で、チューブ2506の長さLTの少なくとも一部分LSに沿って軸方向に延在している。図示した実施形態では、密封機構2550はチューブ2506の全長LTの大部分にわたって延在しており、排泄物収集システム2500は、チューブ2506の広範囲の軸方向長さに沿って密封機構1450を含んでいる。
加えて、図示した実施形態では、密封機構2550は、上述した膨張可能な密封機構と同様に、挿入形態をとるときには収縮させられ、密封形態をとるときには膨張させられる、膨張可能バルーンまたはカフである。膨張可能な密封バルーン2550の例示的な実施形態では、密封バルーンはMicrocuff(登録商標)バルーンである。より詳細には、上述したように、密封機構2550を構成する膨張可能バルーンまたはカフは、薄膜状に形成され、薄壁・高容量・低圧型カフとなるように設計され得る。いくつかの実施形態では、自由に展開された状態の薄壁・高容量・低圧型カフの直径は、オストミー器具1400が挿入されるストーマの直径を大幅に超える。他の実施形態では、密封バルーン2550は、チューブ2506の外径DTの約1.1倍ないし約2倍の大きさの膨張直径DSBを有する。また、特定の実施形態では、密封バルーン2550は、チューブ2506の外径DTの約1.2倍ないし約1.5倍の大きさの膨張直径DSBを有する。薄壁・高容量・低圧型バルーンまたはカフの詳細は、上述した通りである。
密封機構2550が密封バルーンである実施形態では、密封バルーンを膨張させるための膨張バルブ2552及び膨張ライン2554が設けられ得る。図25及び図26に示すように、膨張ライン2554は、密封バルーン2550及びチューブ2506間のストーマ10を通って、排泄物パウチ2502の前側Fに配置された膨張バルブ2552まで延在し得る。また、膨張バルブ2552及び膨張ライン2554の他の構成を用いてもよく、例えば、膨張ライン2554はチューブ2506内に組み込んでもよい。また、例えばストーマ10内にチューブ2506をその長さLSに沿って留置及び密封するためのフレキシブルなダイアフラムまたは他の機械的な手段などの膨張可能な密封バルーン以外の他の密封機構2550を用いてもよいことは、当業者であれば容易に理解できるであろう。さらに、いくつかの実施形態では、排泄物収集システム2500は、上述した留置機構120、1120と同様の留置機構をチューブ2506の遠位端部2503に含み得る。留置機構は、密封機構2550に加えて、または密封機構2550の代わりに含まれ得る。
図25及び図26を参照して、排泄物収集システム2500は、排泄物収集システム2500を支持体に取り付けるための1以上の取り付け機構2514を含み得る。このような取り付け機構は、他の排泄物収集装置に関して説明した。例えば、排泄物収集システム2500は、取り付け機構2514を使用して、とりわけ排泄物収集システム2500が排泄物で満たされたときに排泄物収集システム2500の重量を支持するのを助ける支持体または支持構造体(例えば、患者が着ている衣服、または患者の身体におけるストーマから離間した健康な部分)に取り付けられる。図示のように、取り付け機構1214は、任意の適切な固定具または固定機構を使用して、例えば排泄物パウチ1202の長さLWに沿って互いに間隔を隔てて、排泄物パウチ2502の外面2516に結合され得る。取り付け機構2514は、任意の適切な固定具または固定機構を使用して、排泄物パウチ2502の外面2516に結合され得る。または、取り付け機構2514は、排泄物パウチ2502の端部2520に組み込まれ得る。例えば、排泄物パウチ2502は、排泄物パウチ2502の第1の端部2518またはその近傍でチューブ2506に一体的に接続され得る。また、例えば排泄物パウチ2502をストーマから離間した位置で支持するために、取り付け機構2514は、排泄物パウチ2502の第1の端部2518の反対側の第2の端部2520に配置され得る。取り付け機構2514は、排泄物収集システム2500を支持体に取り付けるための任意の適切な機構であり得る。例えば、取り付け機構2514のそれぞれは、伸縮可能な弾性ループ、フック・アンド・ループ型ファスナ、接着剤、成形プラスチッククリップ、排泄物パウチ2502内に設けられたループ、または排泄物収集システム2500を支持体に取り付けるための任意の適切な機構であり得る。いくつかの実施形態では、複数の取り付け機構2514が使用され、取り付け機構2514のそれぞれは、互いに同一の種類または互いに異なる種類の取り付け機構であり得る。
図27を参照すると、患者の身体に形成されたストーマ内に配置された排泄物収集システム2500の部分断面図が示されている。図27に示すように、例示的な排泄物収集システム2500は、上述したようにして形成され得るストーマ10を介して患者Pの下部胃腸器官22から排泄物を収集するために配置される。より詳細には、排泄物収集システム2500のチューブ2506は、チューブ2506の遠位端部2503が下部胃腸器官22またはその内部に配置されるように、ストーマ10に挿入される。チューブ2506の近位端部2504に設けられたバリア2510は、患者の身体20の外面26を覆うように配置される。例えば、バリア2510は、下部胃腸器官22の外部部分28を覆うように配置され得る。これにより、チューブ2506に一体的に取り付けられた排泄物パウチ2502は、下部胃腸器官22からチューブ2506を通じて排出される排泄物の流れを受け取る位置に配置される。
排泄物収集システム2500をストーマ10内に挿入するときには、密封機構2550は、密封機構2550の外径がチューブ2506の外径DTと略一致する挿入形態をとるか、または密封機構2550の外径がチューブ2506の外径DTよりも小さい形態をとることを理解されたい。排泄物収集システム2500がストーマ10内に挿入されチューブ2506がストーマ10内に配置されると、密封機構2550は展開され、図27に示すような密封形態をとる。図示した実施形態では、密封機構2550は膨張可能バルーンまたはカフであり、膨張可能バルーンまたはカフが膨張することにより、ストーマ10内に排泄物収集システム2500を留置し、かつ、例えば排泄物がチューブ2506のみを通って排泄物パウチ2502へ移動するように、チューブ2506の周囲から排泄物が漏出しないようにストーマ10を密封する。より具体的には、流体(例えば、空気または生理食塩水)を、膨張バルブ2552及び膨張ライン2554を通じて密封バルーン2550に導入することにより、密封バルーン2550を膨張させることができる。膨張時、すなわち密封形態をとり膨張直径DSBまで膨張させられたときには、密封バルーン2550は、密封バルーン2550がストーマ10と接触して効果的なシールを形成するようにストーマ10の表面14に当接して膨張し、これにより、密封バルーン2550の周囲からの漏出を減少させる。上述したように、密封バルーン2550の膨張直径DSBは、チューブ2506の外径DTよりも大きく、いくつかの実施形態では、膨張直径DSBは、チューブの外径DTの約1.2倍ないし約1.5倍であり得る。さらに、上述したように、密封バルーン2550は、ストーマ10を形成する組織に対して過大な圧力を加えることなく、ストーマ10を効果的に密封することができる薄壁・高容量・低圧型カフであり得る。加えて、図25に示すように、密封機構2550は、チューブ2506の全長の大部分にわたって延在している。したがって、密封機構2550は、例えば上述した留置機構120、1120と比べて、より長い軸方向長さLSを有し得る。
図27の例示的な実施形態では、排泄物パウチ2502の第2の端部2520に設けられた取り付け機構2514は、患者のベルトに巻き付けられる材料片である。これにより、患者のベルト及びパンツ、あるいは排泄物パウチ2502が取り付けられる患者の身体によって排泄物パウチ2502が支持される。他の実施形態では、概して上述したように、異なる及び/または追加的な取り付け機構2514が用いられ得る。取り付け機構2514は、排泄物パウチ2502を支持する位置に関して、ある程度のフレキシブルさを可能にする。好ましいことに、取り付け機構2514及び排泄物パウチ2502のこの構成は、例えばストーマ10の炎症及び磨耗を最小限に抑えるために、排泄物パウチ2502をストーマ部位12から離間した位置で支持することを可能にする。
患者Pの身体20から排泄物を収集するための排泄物収集システム2500を配置するためには、まず、身体20にストーマ10を形成する必要がある。なお、ストーマ10は、既存のストーマであってもよいし(すなわち、患者Pは、排泄物収集システム2500を使用する前に他の排泄物収集用システムを使用していた)。あるいは、ストーマ10は、排泄物収集システム2500とともに使用するために新たに形成してもよい。上述したように、ストーマ10及びストーマ部位12は、下部胃腸器官22の一部を、腹壁24を通じて身体20の外面26に引き出すことにより形成され、その引き出された部分が、下部胃腸器官22の外部部分28となる。次に、密封機構2550が挿入形態をとった状態で、チューブ2506をストーマ10に挿入する。上述したように、排泄物収集システム2500のいくつかの実施形態は、留置機構をさらに含み得る。留置機構は、チューブ2506がストーマ10内に挿入されるときには、挿入形態をとる。続いて、密封機構2550を展開して密封形態にし(例えば、密封バルーンを膨張させることにより)、密封機構2550をその配置し、これにより、排泄物がチューブ2506ではなくストーマを通って移動しないようにストーマ10を密封する。排泄物収集システム2500がストーマ10内に配置され、密封機構2550によって留置されたときには、チューブ2506の遠位端部2503は、下部胃腸器官22から排泄物を受け取るために下部胃腸器官22に配置される。その後、排泄物は、排泄物収集システム2500のチューブ2506により形成された通路2508を通って下部胃腸器官22から排出される。いくつかの実施形態では、排泄物収集システム2500は、所定の条件を満たすまで、または排泄物がチューブ2506を通って排泄物パウチ2502へ移動するのを許可するようにユーザまたは患者が選択するまで、排泄物の移動を阻害するために、近位端部1404に設けられたシールまたはバルブ(例えば、シールまたはバルブ1115)、あるいは、チューブ1406内に設けられた別のバルブ(例えば、バルブ134)を含み得る。すなわち、排泄物は、排泄物パウチ2502へ自由に流れることはできず、排泄物の移動は、排泄物収集システム2500内の1以上のバルブにより制御される。
図27に示すように、チューブ2506がストーマ10内に配置され、密封機構2550が密封形態に展開されると、排泄物は、チューブ2506を通って排泄物パウチ2502へ移動することができる。排泄物パウチ2502が満杯になったとき、または排泄物の移動が停止したときに、密封機構2550を挿入形態に戻し(例えば、密封バルーンから流体を排出して密封バルーンを収縮させて)、チューブ2506を取り出し、排泄物パウチ1802を空にしたり廃棄したりすることができる。
オストミー器具100は排泄物収集装置200とともに使用されるものとして説明し、オストミー器具1100は排泄物収集装置1200とともに使用されるものとして説明し、オストミー器具1400は排泄物収集装置1200とともに使用されるものとして説明したが、好適な実施形態では、オストミー器具は他の排泄物収集装置とともに使用してもよい(その逆も同様である{ばあい})。例えば、いくつかの実施形態では、オストミー器具100は、排泄物収集装置1200とともに使用され得る。さらに、例えば、或るオストミー器具または排泄物収集装置に関して説明した教示は、他のオストミー器具または排泄物収集装置にも適用され得る。一例として、排泄物収集装置1200に関して説明した教示は、排泄物収集装置200にも適用され得る。さらに、他のオストミー器具及び排泄物収集装置は、例えばオストミー器具2100の一体的な遷移ダクト及びチューブや、単一構成要素からなる排泄物収集システム2500に関して説明したように、単一のユニットとして組み合わせてもよい。すなわち、本明細書中で説明した実施形態は単なる一例であり、或る実施形態の教示は、本明細書中で説明した別の実施形態や、当業者が想到可能な他の実施形態にも適用可能である。
本明細書は、実施例を用いて、最良の実施の形態(ベストモード)を含む本発明の内容を開示し、かつ本発明を当業者が実施(任意の装置またはシステムの作製及び使用、並びに記載内容に組み入れられたあらゆる方法の実施を含む)することを可能にしている。本発明の特許される技術範囲は、特許請求の範囲の請求項の記載によって特定され、当業者が想到可能な他の実施形態もそれに含まれ得る。そのような他の実施形態は、各請求項の文言と異なっていない構成要素を含む場合、またはそれらが各請求項の文言とは実質的には異ならない均等な構成要素を含む場合、それらの請求項の特定する技術範囲内にあるものとする。