本開示の原理の理解を促進するために、これより、図面に示される実施態様を参照し、特定の用語を使用して、これを説明する。それにもかかわらず、本開示の範囲の限定が意図されないことが理解される。記載されるデバイス、機器、方法への任意の代替及び更なる変更並びに本開示の原理の任意の更なる応用は、本開示が関連する分野の当業者が通常、思い付くものとして完全に意図される。特に、一実施態様に関して説明される特徴、構成要素、及び/又はステップが、本開示の他の実施態様に関して説明される特徴、構成要素、及び/又はステップと組み合わせ得ることが完全に意図される。
本開示は、術前計画資料を生成し、術前計画資料に注釈を付けて、注釈対術前計画資料を形成し、外科処置中、その生成された術前計画資料を使用するシステム、方法、及びデバイスに関する。特に、本開示は、表示デバイスを使用して、医師又は他の医療専門家等であるユーザにより、外科処置中、呼び出すことができるデジタル形式で術前計画資料を準備する方法、装置、及びシステムを記載する。
術前計画資料は、様々な形態のデータを含み得る。特に、術前計画資料は、例えば、患者の生体構造及び/又は生理構造の1つ又は複数の側面を表現又は反映する生体医療情報であり得る。例えば、データは、光学コヒーレンストモグラフィ(OCT)撮像データ、マルチスペクトル撮像データ、超音波撮像データ、眼底撮像データ、又は患者を治療する過程で取得し得るか、若しくは患者の治療に当たり有用であることが分かっている任意の他の撮像データ若しくは他のタイプのデータを含み得る。
術前計画資料は、デジタルデータの形態であり得る。例えば、計画資料の大半は、撮像データの形態であり得るが、計画資料の範囲はそのように限定されない。むしろ、計画資料は、医療検査データ又は医師が外科処置の準備において有用であると判断し得る他の情報を含み得る。さらに、本明細書で提供される例は主に、眼科にフォーカスされるが、本開示の範囲は、任意の医学分野及び/又は任意の形態の外科又は患者治療に適用可能である。したがって、他のタイプの医療処置も本開示の範囲内である。
図1は、外科処置の術前計画を含め、外科処置の実行に使用し得る例としてのシステム100を示す。システム100は、外科デバイス102、コンピュータ104、及びサーバ106を含み得る。外科デバイス102、コンピュータ104、及びサービサ106は、ネットワーク108を介して結合し得る。
コンピュータ104は、任意の通信リンクを使用して、外科デバイス102又はネットワーク108と接続又は通信するように動作可能な任意の計算デバイスであり得る。例えば、コンピュータ104は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、モバイル計算デバイス、タブレット計算デバイス、又は任意の他のタイプのコンピュータデバイスを含み得る。幾つかの場合、コンピュータ104は、システム100に関連する任意の適切なデータを受信、送信、処理、及び記憶するように動作可能な電子計算デバイスを含み得る。ネットワーク108に通信可能に結合される任意の数のコンピュータ104があり得ることが理解される。コンピュータ104は、ディスプレイ111上にGUI110を含むか、又は実行することもできる。
GUI110は、医療専門家等のユーザが、アプリケーション又は他のシステム情報の表示等の任意の適する目的で、コンピュータ104又はシステム100と対話できるようにするよう動作可能なグラフィカルユーザインターフェースを含み得る。例えば、GUI110は、外科処置前、計画資料を外科医に提供することを含め、医療処置に関連する情報を提供することができる。例えば、GUI110は、ユーザが外科処置前にレビューすることを望み得る様々なタイプの撮像データを表示し、ユーザが、注釈を撮像データに追加し、注釈を変更し、又は削除できるようにするよう動作可能であることができる。より一般には、GUI110は、ユーザが、例えば、注釈の追加、変更、又は術前計画資料からの削除等により、任意のタイプの計画資料に注釈を付けられるようにするよう動作可能であることもできる。GUI110は、ユーザが、外科処置中等、続けて使用するために注釈付き術前計画資料を保存できるようにする動作可能性を提供することもできる。
一般に、GUI110は、システム100により受信され、システム100により提供され、又はシステム100内で通信される情報の効率的でユーザフレンドリな提示をユーザに提供し得る。GUI110は、例えば、ユーザにより操作可能なインタラクティブフィールド、プルダウンリスト、及びボタン等を有する複数のカスタマイズ可能なフレーム又はビューを含み得る。GUI110は、複数のポータル又はダッシュボードを提示することもできる。幾つかの場合、GUI110は、システム100において情報を処理し、結果をユーザに効率的に提示する一般ウェブブラウザ、アプリケーションインターフェース、又はタッチスクリーンを含み得る。GUI110は、アプリケーション(より詳細に後述するアプリケーション122等)又は他のシステムサービスの様々な特徴を表示し、及び/又は様々な特徴と対話するカスタム又はカスタマイズ可能なインターフェースを含み得る。したがって、GUI110は、任意のグラフィカルユーザインターフェースを意図する。
サーバ106は、メモリ118及びプロセッサ120を含み得る。サーバ106は、システム100に関連するデータを受信、送信、処理、及び記憶するように動作可能であり得る。一般に、図1は、本開示の範囲内で、サーバの単なる一例を提供する。サーバ106は一般に、任意の適する処理デバイスを包含することが意図される。例えば、図2は、システム100内に含め得る例としてのサーバ106を示すが、システム100は、他のタイプのサーバを使用して実施することもできる。更に他の実施態様では、システム100はサーバを含まなくてもよい。
ディスプレイ111は、情報をユーザに表示する。幾つかの場合、ディスプレイ111は、モニタ(液晶ディスプレイ、プラズマ画面、又は陰極線管(CRT)等)又は術前計画データ及び注釈付き術前計画データ等の情報を視覚的に表示する任意の他の視覚表示デバイスであり得る。幾つかの場合、ディスプレイ111は、ディスプレイ及び入力デバイスの両方として動作し得る。例えば、ディスプレイ111は、ディスプレイへのユーザ又は他の接触がシステム100への入力を生成するタッチセンシティブディスプレイであり得る。ディスプレイ111は、グラフィカルユーザインターフェース又はアプリケーションインターフェース(まとめて「GUI110」と呼ぶ)を介して、ユーザに情報を提示し得る。幾つかの場合、ディスプレイ111は、三次元(「3D」)ビューイングシステム、ヘッドアップディスプレイ、又は画像を表示するように動作可能な他のビューイングデバイスであり得る。
サーバ106は、例えば、ブレードサーバ、汎用パーソナルコンピュータ(PC)、Macintosh、ワークステーション、Unixベースコンピュータ、又は任意の他の適するデバイス等の任意のコンピュータ又は処理デバイスであり得る。換言すれば、本開示は、汎用コンピュータ以外のコンピュータ及び従来のオペレーティングシステムなしのコンピュータを意図する。サーバ106は、Linux、UNIX、Windowsサーバ、又は任意の他の適するオペレーティングシステムを含め、任意のオペレーティングシステムを実行するように構成可能であり得る。一実施形態によれば、サーバ106は、ウェブサーバ及び/又はメールサーバを含んでもよく、又は通信可能に結合することもできる。
メモリ118は、任意のメモリ又はデータベースモジュールを含み得、限定ではなく、磁気媒体、光学媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、リムーバブル媒体、又は任意の他の適するローカル若しくはリモートメモリ構成要素を含む揮発性メモリ又は不揮発性メモリの形態をとり得る。示されるメモリ118は、特に、術前計画アプリケーション122を含み得る。アプリケーション122は、ユーザが本明細書に記載のデータタイプの1つ又は複数等の術前計画資料を呼び出し、術前計画資料を操作及び/又は注釈付け、例えば、外科処置中、後で呼び出すために注釈付き術前計画資料を記憶できるようにするよう動作可能であり得る。幾つかの実施態様では、アプリケーション122は、単一のアプリケーションであり得る。他の場合、アプリケーション122は、注釈付き術前計画資料の機能を含むアプリケーションの集まりを指し得る。さらに、アプリケーション122はメモリ118に配置されるか、又はメモリ118の一部を形成するものとして示されているが、アプリケーション122がメモリ118と別個であってもよく、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせを含み得ることは本開示の範囲内である。
メモリ118は、他のタイプのデータを記憶し得る。例えば、メモリ118は、アプリケーション122により利用することができるデータを含むこともできる。幾つかの場合、術前計画資料、注釈付き術前計画資料、又は両方をメモリ118に記憶することもできる。他の場合、術前計画資料、注釈付き術前計画資料、両方の幾つか若しくは全て、又はいずれか若しくは両方の幾つかの部分は、メモリ118からリモートに記憶し得る。例えば、術前計画資料又は注釈付き術前計画資料の全て又は一部は、コンピュータ104のメモリ、外科デバイス102のメモリ、又はネットワーク108に接続される幾つかの他のデバイスに記憶し得る。さらに、幾つかの場合、術前計画資料又は注釈付き術前計画資料は、コンピュータ104、サーバ106、外科デバイス102、又はネットワーク108に接続される任意の認可デバイスのいずれかからアクセス可能であり得る。
メモリ118は、環境及び/又はアプリケーション記述データ、1つ又は複数のアプリケーションのアプリケーションデータ及び仮想プライベートネットワーク(VPN)アプリケーション又はサービス、ファイアウォールポリシー、セキュリティ又はアクセスログ、プリント又は他のリポートファイル、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)ファイル又はテンプレート、関連又は非関連ソフトウェアアプリケーション又はサブシステムに関わるデータ等の他のタイプのデータを含むこともできる。したがって、メモリ118は、1つ又は複数のアプリケーションからのローカルデータリポジトリ等のデータのリポジトリと見なすこともできる。
プロセッサ120は、命令を実行し、データを操作して、システム100の動作、例えば計算及び論理演算を実行し、例えば、中央演算処理装置(CPU)、ブレード、特定用途向け集積回路(ASIC)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)であり得る。図1は、単一のプロセッサ120を示すが、特定のニーズに従って複数のプロセッサを使用し得、プロセッサ120への言及は、妥当な場合、複数のプロセッサを含むことが意味される。例えば、プロセッサ120は、システム100の様々な構成要素からのデータから情報を受信するように構成し得、受信データを処理し、それに応答して、システム100の構成要素の1つ又は複数にデータを送信し得る。例えば、プロセッサ120は、外科デバイス102及びコンピュータ104並びにシステム100に含まれ得る他の構成要素にデータを送信及び/又はからデータを受信し得る。プロセッサ120は、アプリケーション122を実行して、術前計画資料の注釈付けを実行し、術前計画資料及び注釈付き術前計画資料等のデータを受信し、システム100の部分に送信し得る。
コンピュータ104及び外科デバイス102は、本明細書に記載されるメモリ118及びプロセッサ120と同様のメモリ及びプロセッサを含むこともできる。したがって、サーバ106のプロセス120に関して上で説明した機能の1つ若しくは複数又は全ては、コンピュータ104、外科デバイス102、又はネットワーク108に接続される任意の認可デバイスにより全体的又は部分的に実行し得る。さらに、本開示の幾つかの実施態様は、図1に示されるシステム100等のシステムを利用し得るが、本開示の範囲はそのように限定されない。むしろ、幾つかの場合、外科デバイス102及びコンピュータ104と同様のコンピュータは、サーバ106等のサーバから独立して使用し得る。
したがって、幾つかの実施態様では、術前計画資料の呼び出し、術前計画資料の注釈付け、注釈付き術前計画資料の記憶、及び注釈付き術前計画資料の呼び出しは、外科デバイス102で全体的に実行し得る。他の場合、コンピュータ104等のコンピュータは、外科デバイス102に直接又はネットワーク108等のネットワークを介して結合し得る。コンピュータ104を使用して、術前計画資料を呼び出し、術前計画資料を注釈付け、術前計画資料を保存し、注釈付け術前計画資料を呼び出し得る。次に、外科デバイス102を使用して、外科処置中、注釈付き術前計画資料を呼び出し得る。更に他の場合、外科デバイス102を使用して、術前計画資料の呼び出し、術前計画資料の注釈付け、術前計画資料の保存、注釈付き術前計画資料の呼び出し、又はそれらの組み合わせを行い得る。
更に他の実施態様では、術前計画資料は、ネットワーク108に接続される1つ又は複数のデバイスにより作成及び/又は変更し得る。さらに、外科デバイス102は、1つ又は複数のタイプの術前計画資料を生成し、その術前計画資料の全て又は一部を外科デバイス102のメモリ、コンピュータ104のメモリ、又はサーバ106のメモリ118に記憶するように動作可能であり得る。
幾つかの場合、外科デバイス102は、ディスプレイ124、入力デバイス128、及び視覚化デバイス130を含み得る。ディスプレイ124は、情報をユーザに表示する。ディスプレイ124はディスプレイ111と同様であり得、情報を視覚的に表示するモニタであり得る。幾つかの場合、ディスプレイ124は、ディスプレイ及び入力デバイスの両方として動作し得る。例えば、ディスプレイ124は、ディスプレイへのユーザ又は他の接触がシステム100への入力を生成するタッチセンシティブディスプレイであり得る。さらに、外科デバイス102は、ディスプレイ124でGUI126を実行又は表示し得る。GUI126はGUI110と同様であり得る。
外科処置中、外科医等のユーザは、ディスプレイ124を利用して、術前計画資料、注釈付き術前計画資料、又は両方を閲覧し、対話し得る。例えば、ディスプレイ124がタッチスクリーンディスプレイである場合、外科医は、ディスプレイ124上の1つ又は複数の位置に触れることで、GUI126と対話することにより、注釈付き術前計画資料を呼び出し表示し得る。他の場合、外科医は、入力デバイス128を使用して、術前計画資料又は注釈付き術前計画資料を呼び出し、対話し得る。幾つかの場合、入力デバイス128は、マウス、ジョイスティック、又はキーパッドであり得る。他の場合、入力デバイス128は、外科医の足により表現されるフットスイッチであり得る。
入力デバイス128はマウス、ジョイスティック、キーパッド、又はフットスイッチであるものとして説明されるが、本開示の範囲はそのように限定されない。むしろ、入力デバイス128は、入力を外科デバイス102に提供し、及び/又は外科デバイス102からフィードバックを受信するように動作可能な任意の入力デバイスであり得る。例えば、入力デバイス128は、つまみ、ダイアル、ボタン、タッチスクリーン若しくは任意の他のタッチセンシティブデバイス、又は任意の他のタイプの入力デバイスであってもよい。
視覚化デバイス130は、顕微鏡であり得、手術部位のリアルタイム画像(「リアルタイム外科的画像」)を取得するのに使用し得る。例えば、視覚化デバイス130は、角膜を通して網膜の画像及び目の水晶体の画像を取得するように動作可能であり得る。外科医は、接眼レンズ132を介して網膜画像を見得る。他の場合、網膜(又は他の手術部位)のリアルタイム外科的画像は、ディスプレイ124に表示し得る。他の場合、接眼レンズ132及びディスプレイ124は両方とも、網膜又は他の手術部位のリアルタイム外科的画像を表示し得る。
さらに、視覚化デバイス130の接眼レンズ132及びディスプレイ124を使用して、注釈付き術前計画資料を表示し得る。ユーザは、接眼レンズ132及びディスプレイ124の一方又は両方を選択して、注釈付き術前計画資料を表示し得る。さらに、接眼レンズ132、ディスプレイ124、又は両方を使用して、網膜のリアルタイム画像等のリアルタイム外科的画像及び注釈付き術前計画資料の両方を表示し得る。
幾つかの場合、別個のディスプレイ134を提供し得る。別個のディスプレイ134は、外科デバイス102に含まれてもよく、又は他の場合、別個のディスプレイ134は、外科デバイス102とは別個であってもよい。第2のディスプレイ134は、ディスプレイ111及び124と同様であり得る。ディスプレイ134は、注釈付き術前計画資料又はリアルタイム外科的画像の一方を表示するように動作可能であり得、一方、ディスプレイ124は、リアルタイム外科的画像又は注釈付き術前計画資料の他方を表示するように動作可能であり得る。しかし、ディスプレイ124、第2のディスプレイ134、又は接眼レンズ132のいずれかは、術前計画資料、注釈付き術前計画資料、リアルタイム外科的画像、他の情報、又はそれらの任意の組み合わせの任意のものを同時に表示するように動作可能であり得る。
結果として、ユーザは、外科処置の行程中、リアルタイム外科的画像及び注釈付き術前計画資料を同時にレビューすることが可能である。これにより、ユーザは、現在表示されているリアルタイム画像を注釈付き術前計画資料と比較し、外科処置中、手術前に作られた注釈を利用することができる。結果として、ユーザは、外科処置を実行しながら、術前画像、データ、及びその分析等の情報に頼ることが可能である。ユーザの記憶のみに頼る必要性を回避し、ユーザの記憶は、例えば、外科処置の目標の全てに対処することに失敗することに繋がり、患者にとって害を生じさせ得るエラーに繋がり、及び/又は外科処置の持続時間を長時間化させ得る。したがって、記憶された術前計画資料及びそれに対して行われた術前注釈を呼び出すことが可能なことにより、患者への損傷が回避又は実質的に低減され、先の外科処置中に欠落した項目に対処するために必要であり得る続く外科処置を回避し得る。
本開示の更なる利点は、例えば、外科医が、例えば手術室の無菌環境内で、先に注釈付けられた術前計画資料を呼び出し得ることである。特に、ユーザは、1つ又は複数の表示デバイスを介して注釈付き術前計画資料をデジタル的に呼び出し、それにより、無菌環境の完全性を損なわずに注釈付き資料の利点を獲得することが可能であり、その理由は、電子形式の注釈付き術前計画資料は汚染リスクを呈さないためである。
本明細書に説明されるように、ユーザは、例えば、任意の所望の場所で術前計画資料に注釈を付け、後に、患者へのリスクなしで、無菌環境内でそれらの資料を電子的に自在に呼び出すことが可能である。さらに、注釈付き術前計画資料は、ユーザが本発明を用いなければ忘れていた可能性がある情報を提供し得、それにより、潜在性を有するよりよい治療結果を生み出す。
図2は、網膜202の例としての術前画像200を示す。術前画像200は術前計画資料を形成し得る。網膜202の術前画像200は、網膜撮像デバイスを介して取得し、デジタル画像として記憶し得る。術前画像200は、例えば、コンピュータ104等のコンピュータを使用して、外科医により呼び出し得る。モバイル通信デバイス、タブレット計算デバイス、ラップトップコンピュータ、又は他のポータブル若しくは静止デバイス等の他のデバイスを使用して、術前画像200を呼び出し得る。術前画像200の視覚的又は他のタイプの分析(例えば、任意の適する又は所望の数値分析)に基づいて、外科医は、デジタル注釈を術前画像200に追加し得る。注釈は、テキスト、記号、色、オーディオクリップ、ビデオクリップ、又は任意の他のタイプの表記の形態であり得る。さらに、異なるタイプの注釈を組み合わせてもよい。アプリケーション122等の単一のアプリケーションを利用して、1つ又は複数のタイプの注釈を術前計画資料に追加し得る。他の場合、複数のアプリケーションを利用して、術前計画資料に注釈を追加し得る。
注釈は、リマインダー、外科メモ、解剖学的若しくは生理学的識別子、疾病識別子、外科戦略注記を提供し得、又は外科処置中、注目する必要がある手術部位の態様を識別し得る。より一般には、ユーザは、外科医が外科処置の行程中に有用であることを見出し得る画像の態様に関連するか否かに関係なく、任意の所望の注釈を追加し得る。図2に示す術前計画資料の例は、画像データの形態であるが、これは単に例として提供される。上記で説明したように、術前計画資料は、医師又は他の医療専門家が外科処置への準備として有用であると判断し得る形態のデータ又は情報であり得る。
幾つかの場合、術前画像は、外科処置の単一の態様にフォーカスし得る。しかし、本開示の範囲はそのように限定されない。むしろ、術前画像は、複数の目的が互いに関連するか否かに関係なく、任意の数の目的で注釈付け得る。図2に示される術前画像200は、外科処置の単一の態様に向け得る幾つかの注釈を含む。
例としての術前画像200は、コメント注釈204により示されるように、外科処置中、外科医が切開する幾つかの位置を識別する。これらの位置は、注釈206、208及び210により識別される。これらの注釈はそれぞれ、関連する識別子212及びコメント214を含み得る。注釈206は、関連するコメント214内のテキスト「強い固着」により示されるように、強い固着を有する網膜位置を識別し得る。注釈208は網膜位置を識別し得る。しかし、注釈208は、関連するコメントを含まない。注釈210は、関連するコメント214内にテキスト「拡散固着」も含む。注釈付き術前画像200は、外科処置中、外科医により利用し得る術前計画資料を形成する。
図2は、関連する識別子及び/又はコメントを有する又は有さない複数の注釈を有する例としての術前画像200を示すが、本開示はそのように限定されない。むしろ、術前画像は、既に説明した注釈とはタイプが異なり得る他の注釈を含み得る。例えば、幾つかの場合、注釈は、オーディオ注釈、ビデオ注釈、又は任意の他のタイプの注釈を含み得る。異なるタイプの注釈は、別個の画像で別個に使用されてもよく、又は任意の所望の様式で一緒に組み合わせてもよい。さらに、術前画像は、任意の所望の注釈を含み得る。例えば、ユーザは、患者の状態、処置の態様の想起に当たりユーザを支援し得、又はより一般には任意の所望の様式でユーザを支援し得る任意のタイプの注釈を使用し得る。
図3は、術前計画資料を捕捉又は生成し、注釈付け、利用する方法例の例としてのフローチャート300である。302において、術前計画資料が捕捉される。術前計画資料は、術前画像の形態であり得る。上記で説明したように、術前画像は、例えば、顕微鏡を通して撮影されたデジタル画像、OCT画像、又は他のタイプの画像の形態の写真データ等の任意のタイプのデータであり得る。さらに、幾つかの場合、画像は、異なるタイプの画像データの組み合わせであり得る。さらに、術前計画資料は非画像データであってもよく、又は非画像データを含んでもよい。
304において、術前計画資料は記憶される。上記で説明したように、術前計画資料は、サーバ(例えば、サーバ106)等のリモートデータベース、コンピュータ104等のローカル若しくはリモート計算デバイス、又は外科デバイス102等の外科デバイスに全体的又は部分的に記憶し得る。
306において、記憶された術前計画資料を記憶ロケーションから呼び出し得る。記憶された術前計画資料は、記憶された術前計画資料にアクセスを有する任意のデバイスで呼び出し得る。例えば、幾つかの場合、ユーザ(医師又は他の医療専門家等)は、ユーザが、例えば、術前計画資料に快適に注釈付けることができる、医師のオフィス内のコンピュータ等の都合のよい場所に配置されたコンピュータから、記憶された術前計画資料を呼び出し得る。しかし、術前計画資料は、記憶された術前計画資料にアクセスを有する任意の所望のデバイス上の任意の所望のロケーションにおいて呼び出し得る。
308において、術前計画資料に注釈が付される。例えば、ユーザは、外科処置を実行するに当たりユーザを支援し得る情報を術前計画資料に追加し得る。幾つかの場合、ユーザは、テキスト、グラフィックス、オーディオ、又は任意の他のタイプの注釈を術前計画資料に追加し得る。注釈は、外科処置の実行を支援する1つ又は複数の態様を理解するに当たりユーザを支援し得る。例えば、注釈は、患者の状態の1つ又は複数の態様、手術部位の態様、組織の状態、実行する処置の態様、外科処置をどこで及び/又はいかに開始するか、又は外科処置を実行するに当たりユーザが有用であることを見出し得る任意の他のタイプのデータを理解するに当たり、ユーザを支援し得る。ユーザにより追加される注釈は、外科処置の実行前、ユーザが記憶しなければならない情報量が注釈により減るという点で有利である。したがって、注釈は、ユーザが患者又は手術の態様を素早く想起するように情報を明示的に組み込めるようにすることにより、外科処置中に生じ得る損傷のリスクを低減する。これは、推量又はユーザが記憶した又は記憶しようとした情報の損失を低減する。注釈内に含まれる情報及び即座に呼び出し可能なことに起因して、外科処置の持続時間を低減し得る。さらに、提供される情報は、外科処置を取り巻く環境の全体性のよりよい認識を提供し、よりより治療及び患者のよりよい結果に繋がり得る。
310において、注釈付き術前計画資料が記憶される。上記で説明したように、注釈付き術前計画資料は、サーバ(例えば、サーバ106)等にリモートに、ユーザコンピュータ(コンピュータ104に対応し得る)にローカルに、又は外科デバイス102等の外科デバイスに全体的又は部分的に記憶し得る。注釈付き術前計画資料の記憶は続けて、随時呼び出し得る。
312において、注釈付き術前計画資料が呼び出される。例えば、注釈付き術前計画資料は、手術室の無菌ゾーンの内部に存在する表示デバイスで呼び出し得る。さらに、注釈付き術前計画資料は、ユーザの思いのまま即座に呼び出し得る。
注釈付き術前計画資料は、外科デバイスとは別個の、モニタ等の表示デバイスに表示する。他の場合、注釈付き術前計画資料は、視覚化デバイスの表示パネル又は接眼レンズを含め、外科デバイスの表示デバイスに表示し得る。したがって、術前計画資料は、外科環境の無菌性を損なわずに、無菌外科環境に電子的に導入し得る。
さらに、ユーザは、ユーザの足を使用して、注釈付き術前計画資料を呼び出し得る。例えば、外科デバイスへの入力がフットスイッチである場合(例えば、外科デバイス102の入力デバイス128がフットスイッチである場合等)、ユーザは、フットスイッチを表現して、注釈付き術前計画資料を呼び出し得、ユーザが、外科処置の継続等の他のタスクのためにユーザの両手を自由にしておけるようにする。
ユーザは、ディスプレイと組み合わせてフットスイッチを使用し得る。例えば、医師は、フットスイッチを使用して、ディスプレイに提供されるGUI等のユーザインターフェースをナビゲートし得る。これにより、ユーザは、注釈付き術前計画資料を呼び出しながら、同時に、例えば、ユーザの両手を患者への外科処置の実行に捧げることができる。
図3は、術前計画資料を取得、準備、及び利用する方法の一実施態様を示すが、他の方法は、より少数、追加の、及び/又は異なる配置の動作を含み得る。例えば、方法例は、術前計画資料が捕捉された後、術前計画資料を先に記憶し呼び出すことなく、術前計画資料に注釈を付け、注釈を変更し、又は術前計画資料から注釈を削除することを含み得る。また、幾つかの場合、術前計画資料は、外科処置前又は外科処置後、任意の回数、呼び出し、注釈付け、記憶し得る。また、幾つかの場合、術前計画資料は、先に注釈付けられたか否かに関係なく、外科処置中に呼び出し、外科処置中に注釈付け得る。
本開示は多くの例を提供するが、本開示の範囲はそのように限定されない。むしろ、光範囲の変形、変更、及び置換が上記開示において意図される。本開示の範囲から逸脱せずに、そのような変形を上記に行い得ることが理解される。