JP2018529417A - 非侵襲的血圧モニタリングデバイス及び方法 - Google Patents

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Abstract

本開示は、血圧測定のためのデバイス及び方法に関しており、このデバイス12は、少なくとも1つの供給ライン32を介して、被検者の測定部位16を加圧するように構成された装着可能なカフ14を供給するように構成された加圧ユニット30と、直接的な又は間接的な仕方でカフ圧力p2を検出する圧力検出ユニット40と、制御部50とを備える。制御部50は、所望の膨張率(又は圧力)に基づいて、ターゲット膨張フロー信号を出力するように構成されたフィードフォワードコントローラ64と、ターゲット膨張率(又は圧力)と実際の膨張率(又は圧力)との間の誤差を最小化するように構成されたフィードバックコントローラ62と、を備えており、フィードフォワードコントローラ64の出力とフィードバックコントローラ62の出力とは、加圧ユニット30を駆動するために結合される。制御部50は、さらに、規定された加圧方式に従い加圧ユニット30によってカフ圧力p2が上昇させられるとき、膨張の間に圧力検出ユニット40によって検出されたカフ圧力p2に基づいて、血圧の値を計算するように構成された血圧決定ユニット100を備える。

Description

本開示は、バイタルサイン検出の分野に関し、詳しくは、血圧検出の分野に関する。さらに詳しくは、本開示は、少なくともいくつかの態様では、NIBPとも称される非侵襲的な血圧測定方法の改良に関する。さらに詳しくは、本開示は、カフが膨張する間に血圧を測定するのに適した血圧測定デバイスと、そのような血圧測定デバイスのための制御方法とに関する。一般に、非侵襲的な血圧検出は、被検者の身体に対して不快な手段を適用することを必要とせずに、動脈圧を仲介的な仕方で検出する方法及びそのように検出するためのアプローチとして、称され得る。
侵襲的な血圧測定とは異なり、非侵襲的な血圧測定は、人体の血圧を間接的に測定する方法である。最も確立されている非侵襲的な血圧測定方法は、膨張可能なカフが四肢の周囲に配置されることを要求し、この場合に、このカフにおける圧力が、血圧を推測するように変更される。一般に、それぞれのデバイスは、血圧計と称される。血圧計のうちには、血圧を決定する2つのカテゴリが存在する。
非侵襲的血圧検出のための第1の方法は、いわゆる聴診ベースの方法である。聴診測定は、カフ圧力が変更される期間の間に動脈音を聴くことに基づく。これらの音は、コロトコフ音と称されるが、その理由は、コロトコフが、これらの音を血圧にリンクさせた最初の人間だったからである。音は、典型的には、上腕動脈に配置されている聴診器を用いて、測定される。第1に、カフは、動脈における血流がブロックされるまで膨張されるが、これは、コロトコフ音の不存在によって観察されることが可能である。そして、カフの空気が抜かれる。(通常は、医療スタッフである)ユーザが、コロトコフ音の変化を聴くことによって、血圧を決定することができる。第1の音の発生時の圧力は、通常、収縮期血圧と称される。さらに空気が抜ける間に、音がより大きくなり、それより後では、振幅が減少する。最後の音が存在する圧力は、通常、拡張期血圧と称される。
非侵襲的な血圧検出のための第2の方法は、いわゆるオシロメトリック法である。この方法では、収縮期血圧の値と拡張期血圧の値とが、血圧カフにおける圧力振動の振幅に依存する。これらの圧力振動の振幅は、異なるカフ圧力で測定されるが、収縮期血圧の値と拡張期血圧の値とは、通常、圧力振動が圧力振動の最大値のある割合であるカフ圧力として、計算される。従来は、カフ圧力を、カフを膨張させることによって血流を最初にブロックすることにより、変化させている。次に、カフの空気をゆっくりと抜いていき、その間に、振動の振幅が測定される。現在は、電子式の自動血圧測定デバイスのほとんどが、臨床現場と家庭とにおいて広く用いられてきたオシロメトリック法に基づいて、血圧を測定している。
米国特許出願公開第2014/0309541A1号は、オシロメトリック法による血圧測定デバイスを開示しており、この血圧測定デバイスは、血圧測定領域に装着されると、このカフにおける流体の圧力で測定領域の動脈に加圧するカフと、カフ内部の圧力を上昇させる圧電ポンプと、カフ内部の圧力を低下させる収縮ユニットと、カフ内部の圧力であるカフ圧力を検出する圧力検出ユニットと、制御ユニットと、を備える。そして、この制御ユニットは、圧電ポンプに加えられる電圧の振幅と周波数とを決定し、決定ユニットによって決定された振幅と周波数とにおける電圧が圧電ポンプに加えられるような制御を行い、カフ圧力が圧電ポンプによって上昇される膨張の間に検出されたカフ圧力に基づいて血圧の値を計算するように、構成される。結果的に、米国特許出願公開第2014/0309541A1号には、血圧を駆動させるように膨張段階を分析するように構成された血圧測定デバイスの記載がある。
従来、オシロメトリック法による血圧測定方法は、血圧を示す信号を決定するように圧力が徐々に低下させられる測定の収縮段階を用いる。オシロメトリック法による血圧測定は、基本的に、収縮期血圧及び拡張期血圧などの特徴的な血圧の値を、測定された値と典型的にはデバイスに依存する経験的パラメータとから間接的な仕方で導くように、構成される。
収縮段階に基づく測定は十分に確立されたものであるが、同時に、ある程度不快なものであり、その理由は、被検者(又は患者)が、ある長さの時間の間、比較的高いカフ圧力に触れることになるからである。さらに、収縮段階が用いられるために、第1に、そこから収縮手順の始動が開始する規定された最大圧力レベルが、達成される必要がある。したがって、患者は、血圧測定自体のために基本的に要求されるよりも高い最大カフ圧力に触れることになる。さらに、カフの膨張にはいくらかの時間を要するし、また、収縮方式にも、相当な長さの時間を要するので、これらが、患者(又は被検者)の不快さをさらに増加させる。
膨張段階ベースの血圧測定は、不快さを軽減させる可能性があり、その理由は、収縮部分ではなくてカフ圧力の膨張部分が用いられるために、血圧測定がより短時間で終了するからである。いったん膨張段階において関心対象である圧力範囲が通過されてしまえば、全体的な測定時間を短縮し、圧力に基づく不快さを軽減するように、圧力の緩和が開始されることが可能である。
しかし、膨張ベースの非侵襲的な血圧測定方法及びデバイスの領域においても、改善の余地が存在する。一般に、適切な膨張率(膨張率は、カフ率とも称される)は、測定時間と精度との間のトレードオフに基づいて、規定される必要がある。一般的な制約として、要求される精度での所望の血圧を示す値の計算を可能にするためには、十分な数の振動が検出されなければならない。測定手順自体は、実際の被検者(患者)と、圧力カフのタイプと、ポンプのタイプと、圧力カフとそれぞれの加圧ユニット(たとえば、ポンプ)とを接続するフローコンジット(たとえば、空気管)のタイプ及び長さとに、強く依存する。結果的に、膨張段階の制御が、全体的なシステムの精度と安定性とにとって、決定的であり、大きな重要性を有する。
米国特許出願第2014/257116A1号という特許文献には、流体をカフに出力するためのポンプを制御する膨張制御ユニットを含むことによって、カフにおける圧力が駆動電圧に従ってターゲット膨張速度で上昇させられる、電子血圧計の記載がある。この電子血圧計は、さらに、膨張プロセスの間のターゲット膨張速度を変動させるターゲット変更ユニットを備えていることで、膨張プロセスの間に測定される駆動電圧は、ポンプが出力することが可能な範囲に対応する電圧の範囲内に留まる。
別の血圧計が、米国特許出願第2014/316290A1号に開示されており、この出願公開では、調整ユニットが、流体をカフに供給するために圧電バイブレータを用いる圧電ポンプを制御することによって、カフにおける圧力を調整し、駆動制御ユニットが、調整ユニットに対して駆動制御を実行することによって、カフ圧力を徐々に変更する。駆動制御ユニットは、圧力検出ユニットから入力されるカフ圧力に基づいてカフ圧力が上昇させられる実際の速度と現在の膨張速度ターゲットとの間の差に基づく電圧によって、圧電ポンプに関するフィードバック制御を行うことにより、カフ圧力が調整される速度が、膨張速度ターゲットに達する。
米国特許出願第2012/323128A1号は、非侵襲的な血圧測定装置のカフを膨張させるためのデバイスに関しており、この出願公開では、カフの膨張速度が、先行する時点におけるカフの測定された実際の圧力値と、カフのターゲット圧力値と、先行する膨張速度パラメータとに基づいて効果的に調整される。
特開2006−129920は、圧力制御方法と、電子血圧計のパルス波識別方法とを記載しているが、この出願公開では、カフ圧力が、最初に、所定の圧力値まで急速に上昇させられ、その後で、急速な加圧が、低速な加圧にシフトされる。フィードバック制御された加圧手段は、低速の加圧速度が、計算された平均加圧速度とターゲット加圧速度との差に基づいて、所定のターゲット加圧速度となるように、制御を行う。
最後に、米国特許出願第2015/230718A1号は、患者の血圧を決定するためのシステムを開示している。このシステムは、センサによって決定された1つ又は複数の血行力学的パラメータに基づき、患者の血圧を、感知、測定、検出、モニタ、計算、及び/又はそれ以外の方法で決定するように構成されたコントローラを含む。このコントローラは、また、ターゲット膨張圧力に向かうように、又は、カフをターゲット膨張圧力の周辺に維持するように、カフの膨張を制御することもできる。
さらに、測定システムの制御は、血圧を示す所望の圧力振動のレベルアウトを回避するように、繊細な仕方で実行されるべきである。しかし、測定システムの制御は、測定手順の不所望な歪み及び/又は不所望な停止を回避するように、十分に堅牢な仕方で実行されるべきである。さらに、異なるシステムパラメータ及び/又は測定条件が、考慮されることになる。
したがって、それぞれの非侵襲的な方法及びデバイスにおいて実施される非侵襲的な血圧測定への改善されたアプローチを求めることが、本開示の目的である。詳しくは、膨張段階ベースの非侵襲的な血圧測定のための改善された方法及びデバイスが、提示される。
さらに詳しくは、精度及び堅牢性の両方の問題に対処する膨張ベースの血液測定手順のための改善された膨張戦略を提供することが、本開示の目的である。さらに、本開示による方法及びデバイスは、好ましくは、短時間での被検者の血圧測定を可能にする。好ましくは、モニタリング対象となる被検者に対する不快さを、モニタリングの精度を犠牲にすることなく、さらに減少させることが可能である。
さらに詳しくは、所望の信号を正確で十分に堅牢な仕方で追跡し処理するように信号制御回路における改善を実現させる、オシロメトリック法による血圧モニタリングのためのデバイス及び対応する方法を提供することが、有利であろう。
これらの目的は、請求項1の血圧測定デバイスと、請求項13の血圧測定方法と、請求項15のコンピュータプログラムとによって、解決される。一般に、本開示は、膨張ベースの血圧モニタリングデバイス及び方法における膨張段階に対して普遍的に適用可能な制御フレームワークを提供することを試みている。
より一般的には、本開示のいくつかの態様によると、従来技術による膨張ベースの血圧測定アプローチに内在する少なくともいくつかの短所が対処され、緩和される。さらに、少なくとも本開示のいくつかの態様では、膨張ベースのオシロメトリック法による血圧測定デバイス及び方法における信号処理に対する別のアプローチが、提示される。
本開示の第1の態様によると、血圧測定デバイスが提示され、このデバイスは、少なくとも1つの供給ラインを介して、被検者の測定部位を加圧するように構成された装着可能なカフを供給するように構成された(たとえば、ポンプなどの)加圧ユニットと、直接的な又は間接的な仕方でカフ圧力pを検出する圧力検出ユニットと、制御部とを備える。前記制御部は、所望の膨張率と所望の圧力とで構成されるグループから選択された所望の値に基づいて、ターゲット膨張フロー信号を出力するように構成されたフィードフォワードコントローラと、所望の値と所望の値に対する実際の測定された信号との間の誤差を最小化するように構成されたフィードバックコントローラと、を備えており、フィードフォワードコントローラの出力とフィードバックコントローラの出力とは、加圧ユニットを駆動するために結合され、前記制御部は、さらに、規定された加圧方式に従い加圧ユニットによってカフ圧力pが上昇させられるとき、膨張の間に圧力検出ユニットによって検出されたカフ圧力pに基づいて、血圧の値を計算するように構成された血圧決定ユニットを備える。
フィードフォワードコントローラは、所望の値と加圧方式の基礎にあるモデルとに基づいて、ターゲット膨張フロー信号を出力するように構成されている。すなわち、フィードフォワードコントローラは、血圧モニタリングシステムと特に加圧方式との反応とは独立に、所定の仕方で、ターゲット膨張フロー信号に応答する。その意味で、フィードフォワードコントローラは、フィードフォワード制御は誤差に基づかないので、実際の測定された膨張フロー信号(すなわち、測定された膨張率又は膨張された圧力)に応答してその出力を調整することはない。
他方で、フィードバックコントローラは、制御されるシステムに関する知識を有しておらず、ターゲット膨張フロー信号と実際の測定された信号との間の誤差信号に対し、前記誤差を最小化するように、反応するように構成されている。換言すると、フィードバックコントローラは、血圧モニタリングシステムのモデルに、特に、加圧方式のモデルに、基づいていない。
すなわち、フィードバック制御は誤差に基づいているのに対して、フィードフォワード制御は対照的にモデルに基づいており、その場合、制御されるプロセスに関するアプリオリの知識が要求される。
本開示の第1の態様は、フィードフォワードコントローラが制御作業の大半を行い得る、という洞察に基づく。フィードフォワード制御は、それ自体が、安定的且つ高速であり、測定された膨張率(又は圧力)に依存しないため、関心対象となる圧力振動を削除することなく、膨張率(又は圧力)の高速で安定的な変化が取得されることが可能である。膨張プロセスをモニタリングするときに検出可能である潜在的な膨張率(又は圧力)の残りのずれ(所望の膨張率又は圧力との比較における)は、フィードバックコントローラによって、大部分が補償され得る。しかし、フィードフォワードコントローラが、制御手順において、主要な役割を演じることにより、フィードバックコントローラのための残りの作業負荷は、比較的低くなる。ある実施形態では、フィードバックコントローラは、(カフコンプライアンスの観点から見て)潜在的に最悪の場合のシナリオに適応し得るのであって、それが、結果的には、(安定性、精度、応答性及び要求される測定時間の観点から見て)適切に均衡のとれた全体的な制御パフォーマンスを生じさせる。
本開示は、膨張プロセスの制御に、焦点を合わせている。上述されたように、膨張段階は、膨張率が制御可能であるならば、血圧測定のために用いられることが可能である。血圧測定自体に関しては、それぞれのアプローチとデバイスとが、当業者には広く知られているのであるが、また、上で引用された米国特許出願公開第2014/0309541A1号を参照されたい。
好ましくは、上述されたデバイスは、カフも含む血圧測定システムの一部を形成する。より一般的なコンテキストでは、カフという用語は、クランプユニットと称される場合があり得る。ほとんどのカフは身体の四肢の周囲に巻き付けされるように構成されているが、クランプのようなシステムも想定され得る。
本開示の少なくともいくつかの実施形態によると、膨張ベースのNIBP測定のための圧力率制御への新規なアプローチが、提示される。したがって、膨張制御は、安定的であり、高速のトラッキングを提供し、広範囲のシステムに対して、カフの振動をレベルアウトすることがない。ある実施形態では、膨張速度を(脈拍数が測定されるときに)脈拍数と関係付けることが可能であるにより、広範囲の異なる患者に対して、可能な限り高速な仕方で、正確な膨張ベースのNIBP測定を保証することが可能になる。
血圧測定デバイスのある実施形態では、フィードフォワードコントローラは、所望の膨張率dp/dt又は所望のカフ圧力pに基づいて、設定された膨張フローIcuffを連続的な又は擬似連続的な仕方で出力するように構成された連続的な又は擬似連続的なフィードフォワードコントローラである。この場合、フィードバックコントローラは、フィードフォワードコントローラを補完するように、所望の膨張率dp/dtと実際の膨張率との間における、又は、所望のカフ圧力pと実際のカフ圧力との間における、残りのずれを制御するように構成されており、フィードフォワードコントローラとフィードバックコントローラとの結合された出力は、加圧ユニットに送られる膨張フロー設定信号に変換される。
血圧測定デバイスのさらなる実施形態では、両方のコントローラの更新速度は、少なくとも10Hzである。よって、制御は、基本的に、連続又は擬似連続であり、結果的に生じるカフ振動信号は、コントローラに起因するいずれの不連続性によっても混乱を受けることはない。さらに、フィードバックコントローラは、低速なフィードバックコントローラであり、その場合、フィードバックコントローラの(1つ又は複数の)利得は、(セットポイントと比較して)低周波のずれだけが訂正され、血圧を示す振動性の圧力信号はレベルアウトされることがないように選択させる。
血圧測定デバイスのさらなる実施形態では、加圧方式の基礎にあるモデルは、測定部位に取り付けられると加圧ユニットとカフとに関係する基準空気圧回路に基づいてモデル化された空気圧フロー回路と、加圧ユニットとカフとの間にありモデル化された基準ライン抵抗Rtubeに対応する供給ラインとを備える。
血圧測定デバイスのある実施形態では、加圧ユニットはポンプであり、フィードフォワードフローは、以下の方程式に従って、測定部位に取り付けられたカフのコンプライアンスに基づく。
Figure 2018529417
ここで、pは、デバイスにおける管の前の圧力を表し、pは、(管の背後の)カフ圧力を表し、Icuffは、加圧ユニットによって生成される膨張フローを表し、dp/dtは、カフの膨張率を表し、Vpumpは、ポンプに対する(たとえば、電圧信号又は電流/電力信号などの)入力制御信号を表し、Rtubeは、ライン抵抗を表し、Ccuffは、カフコンプライアンスを表す。本明細書で用いられる場合には、コンプライアンスという用語は、基本的に、測定部位に取り付けられたときのカフの圧縮可能性と関係しており、したがって、また、それぞれの身体の四肢(たとえば、上腕部)の圧縮可能性が、カフがそこに取り付けられ膨張されるときのコンプライアンス値に反映される。カフの弾性率(Ecuff)は、カフコンプライアンスの逆数1/Ccuffであることに注意してほしい。さらに、tは、初期条件を示す。上で示されたように、カフコンプライアンスは、加圧されたときのカフの測定部位との相互作用を含む結合されたカフ及び四肢のコンプライアンスとも称される場合があり得る。典型的には、カフは、患者の上腕に取り付けられる。
さらなる改善では、制御部が、膨張フローIcuffをカフに適応させることによって、膨張率dp/dt又はカフ圧力pの少なくとも一方を、間接的な仕方で制御するように構成され、この場合に、デバイスの圧力pが膨張の間に測定され、カフコンプライアンスCcuffとラインコンプライアンスRtubeとは、上述の方程式に従って、測定の開始時に少なくとも1回、決定される。たとえば、デバイス圧力pだけがそれぞれのセンサを用いて実際に直接的に測定され、他方で、カフ圧力pは測定されないような実施形態が提供されることがあり得る。しかし、デバイス圧力pとカフ圧力dとの間の規定された関係は、たとえば、方程式(4)に示されているように、想定される。結果的に、上述の方程式から導かれることが可能であるように、カフ圧力p又はカフ圧力率dp/dtは、カフコンプライアンスCcuffとライン抵抗Rtubeとが知られていて、デバイス圧力pが測定されるときには、フローをカフに適応させることによって、制御されることが可能である。
たとえば、ライン抵抗Rtubeは、規定されたフローステップを適用することによって、そして、デバイス圧力pの検出に基づいて結果的に得られるデバイス圧力ステップを決定することによって、決定される。
血圧測定デバイスのさらなる例示的な改善では、測定部位におけるカフコンプライアンスCcuffは、圧力に依存し、この場合に、カフコンプライアンスCcuffは、カフ圧力率dp/dtに応じて、線形又は非線形の少なくとも一方としてモデル化される。単純化という理由により、コンプライアンス検出の基礎にある圧力率は、デバイス圧力率dp/dtであって、カフ圧力率ではないが、その理由は、これらの率は、一定のフローの場合には、ほとんど等しいからである。
或いは、この例示的な改良では、カフコンプライアンスCcuffは、カフの圧力pに応じて、線形又は非線形の少なくとも一方であるようにモデル化される。
さらなる例示的な実施形態では、ある初期圧力における当初のカフコンプライアンスCcuffは、当初の膨張フローの値と当初の圧力レートの値とに基づいて決定されるのであるが、ここで、測定の残りの間のカフコンプライアンスCcuffは、当初のカフコンプライアンスと、デバイス圧力pの連続的又は擬似連続的検出と、コンプライアンスモデルとに基づいて決定される。
さらなる実施形態では、コンプライアンスを測定するのに用いられる膨張フローの値は、ポンプフローモデルに基づくフローの値である。
例であるが、別の例示的な実施形態では、カフタイプに依存するコンプライアンス推定モデルが用いられるが、この場合、コンプライアンスモデルは、カフタイプに基づく。
血圧測定デバイスのさらなる例示的な実施形態では、フィードフォワードコントローラとフィードバックコントローラとからの結合されたフローの値が、ポンプ電圧に変換されるのであるが、この場合に、カフへの実際のフローが測定され、フローフィードバックコントローラは、結果的に得られるポンプ電圧Vpumpが、リクエストされたフローを結果的に生じさせることを保証する。この実施形態によると、フロー測定ユニットによって行われる実際のフローの測定が要求される。
血圧測定デバイスのさらに別の例示的な実施形態では、フィードフォワードコントローラとフィードバックコントローラとからの結合されたフローの値が、膨張フローIcuffとデバイス圧力pとをポンプ電圧に関係付けるポンプフローモデルによって、ポンプ電圧Vpumpに変換される。このフローモデルは、基本的に、コントローラの出力とポンプの実際のフロー出力との間の関係を線形化する。ポンプフローモデルは、また、デバイス圧力とポンプへの電圧とが知られている場合に、膨張フローIcuffの決定を可能にする。フローと圧力と加えられた電圧との間の関係は、基本的に非線形であり、ポンプのタイプに依存する。
本発明の別の態様によると、血圧測定システムが提供され、この血圧測定システムは、本明細書で論じられる少なくとも1つの実施形態による血圧測定システムと、それに接続されており血圧と関係する測定のために被検者の測定部位を加圧するように構成されたカフ又はクランプユニットとを実施する。
本発明の別の態様によると、血圧測定方法が提示され、この方法は、
被検者の測定部位を加圧するように構成された装着可能なカフを取り付けるステップと、
少なくとも1つの供給ラインを介してカフに加圧された流体を供給するように構成された(たとえば、ポンプなどの)加圧ユニットを動作させるステップと、
直接的な又は間接的な仕方でカフ圧力pを検出及びモニタするステップと、
カフの膨張を制御するステップと、
を有する。そして、カフの膨張を制御する前記ステップは、
所望の膨張率と所望の圧力とで構成されるグループから選択された所望の値に基づいてターゲット膨張フロー信号を規定することを有する、要求された膨張フローIcuffをフィードフォワードコントローラによって、設定するサブステップと、
所望の値と前記所望の値に対する実際の測定された信号との間の誤差を最小化することを有する、所望の値をフィードバックコントローラによって制御するサブステップと、
を有しており、フィードフォワードコントローラの出力とフィードバックコントローラの出力とは、加圧ユニットを駆動するために結合され、カフの膨張を制御する前記ステップは、さらに、
カフ圧力pが、規定された加圧方式に従い、加圧ユニットにより上昇させられるとき、膨張の間に、検出されたカフ圧力pに基づいて、血圧の値を決定するサブステップ、
を有する。
この方法に従い、血圧測定システムが、高速であるが正確でもある様態で、適切に駆動される。さらに、血圧測定手順が、より迅速な仕方で、達成され得る。
上述の方法の例示的な改善によると、
規定されたフローのステップによって、加圧ユニットをイネーブルする、特に、始動させるステップと、
適用されたフローステップに応答して、加圧ユニット又はカフにおいて圧力ステップを検出するステップと、
圧力ステップと加えられたフローステップとに基づいて、ライン抵抗Rtubeを計算するステップと、
規定されたフローの値と圧力レートの値とに基づいて、当初のカフコンプライアンスCcuffの値を決定するステップと、
検出されたカフコンプライアンスCcuffの値に基づいて、実際のカフタイプを識別するステップと、
コンプライアンス推定モデルと現在進行中のカフ圧力検出とに基づいて、カフコンプライアンスCcuffをトラッキングするステップと、
所望の膨張率dp/dt又は圧力pが設定されているフィードフォワードコントローラの制御の下で、カフを膨張させるステップと、
所望の膨張率dp/dt(又は圧力p)と実際の膨張率(又は圧力)との間の検出されたずれに基づいて膨張フローIcuffを適応させるために、フィードバックコントローラによるフィードバック制御を適用するステップと、
膨張の段階で観測されたカフ圧力pに基づいて、血圧を計算するステップと、
が提供される。
本発明のさらに別の態様では、本明細書で論じられる血圧測定デバイスに含まれるコンピュータ又はプロセッサで実行されると、そのコンピュータ又はプロセッサに、本明細書で論じられる方法のステップを実行させるためのプログラムコード手段を含む、コンピュータプログラムが提供される。
プログラムコード(又は、ロジック)は、コンピュータなどのコンピューティングマシンによる実行のために、1つ又は複数の非一時的で有形的な媒体において、エンコードされることが可能である。いくつかの例示的な実施形態では、プログラムコードが、ネットワークを経由し、別のデバイス又はデータ処理システムから永続的なメモリユニット又はストレージに、コンピュータ可読な信号媒体を通じて、システム内部で用いられるために、ダウンロードされる。たとえば、サーバのデータ処理システムにおけるコンピュータ可読なメモリユニット又はストレージ媒体に記憶されているプログラムコードは、ネットワークを経由して、サーバからシステムにダウンロードされる。プログラムコードを提供するデータ処理デバイスは、サーバコンピュータ、クライアントコンピュータ、又はプログラムコードを記憶し送信することができる何らかの他のデバイスである。
本明細書で用いられる場合に、「コンピュータ」という用語は、多種多様な処理デバイスを意味する。換言すると、相当な計算能力を有するモバイルデバイスも、標準的な「コンピュータ」よりも少ない処理動力資源を提供するのであるが、コンピューティングデバイスと称されることが可能である。指摘するまでもないが、そのような「コンピュータ」は、医療用のデバイス及び/又はシステムの一部であり得る。さらに、「コンピュータ」という用語は、クラウド環境で提供される計算能力を含むか又はそれを使用することができる分散型のコンピューティングデバイスを意味することもあり得る。「コンピュータ」という用語は、一般に、データを処理することが可能な医療技術デバイス、フィットネス機器デバイス、及びモニタデバイスにも関連し得る。
本開示の好適実施形態は、従属請求項において規定されている。特許請求の範囲に記載の方法と特許請求の範囲に記載のコンピュータプログラムとは、特許請求の範囲に記載のシステム及び従属するシステムの請求項に規定されたものと同様な好適実施形態を有し得ることが理解されるべきである。
本発明の以上の及びそれ以外の態様は、以下で説明される実施形態を参照することから明らかになり、それらの実施形態を用いて明瞭になる。以下では図面を簡単に説明するが、各図は、次の通りである。
血圧モニタリングデバイスを含む血圧モニタリングシステムの簡略化された概略図である。 血圧モニタリングシステムのための例示的な測定環境の図解である。 血圧モニタリングシステムを動作させるモデルがそれに基づいて確立される回路の簡略化された概略表現図である。 デバイス圧力曲線と対応するカフ圧力曲線とを含む、時間経過に伴う例示的な圧力曲線を図解する図である。 異なるカフタイプに対する、圧力変化に伴う例示的なコンプライアンス曲線を図解する図である。 異なる駆動電圧の値に対する、圧力変化に伴う例示的なポンプ流率曲線を図解する図である。 血圧モニタリングデバイスの制御部において実施される線形化ユニットの機能の簡略化された概略ブロック図である。 膨張ベースの血圧モニタリングのために、妥当な信号の例示的な曲線を図解するいくつかの同期図である。 本開示による血圧モニタリング方法のある実施形態のいくつかのステップを表す例証のためのブロック図である。 本開示による血圧モニタリング方法の別の実施形態のいくつかのステップを表す例証のためのブロック図である。
以下では、本発明の主な態様と洞察とが、例証され、さらに、膨張ベースのNIBP方法及びデバイスの例示的な実施形態を参照して、明確化される。以下の例示的な実施形態及び説明は制限的な意味で解釈されてはならない、ということが注意されるべきである。むしろ、当業者であれば、本明細書に開示されているプロセスのステップだけでなく、それぞれの特定の実施形態とコンポーネントとを、本開示の一般的概念に到達するように、容易に伝達し拡張することができる。
本開示に従って血圧モニタリングデバイス12を実施する血圧モニタリングシステム10の簡略化された概略的なブロック表現を図解している図1を、参照する。システム10は、さらに、被検者18の測定部位16(図2に、例示的に図解されている)に、特にその身体の四肢20に、取り付けられるカフ又はクランプユニット14を備える。典型的には、カフ14は、被検者の上腕に取り付けられる。
再び、図1を参照する。例示的な従来型の膨張ベースのNIBPデバイスの一般的構造と一般的特徴とに関しては、カフの膨張段階で血圧を測定するように動作されるオシロメトリック法による血圧測定デバイスを開示している米国特許出願公開第2014/0309541A1を参照する。
デバイス10は、少なくとも1つのポンプ又はポンプユニットを備え得る加圧ユニット30を備える。加圧ユニット30は、既に膨張段階において血圧を検出することを可能にするカフ14の規定された膨張方式を可能にするように、駆動される。加圧ユニット30は、それぞれの管を含むライン構成を経由して、特に、少なくとも1つの供給ライン32を経由して、カフ14に接続される、又は、接続可能である。
典型的には、加圧ユニット30は、カフ14を膨張させるために、供給ライン32を経由してカフ14に圧縮空気を出力し、被検者の四肢20における測定部位16を加圧するように、構成される。さらなる(内部及び外部の)フローライン34が、たとえば、加圧ユニット30を、排気(又はリリーフ)弁36に、そして、少なくとも1つの圧力決定ユニット40に接続するために、提供される。排気弁36は、規定された仕方で、カフ14を収縮させるように構成される。例証の目的で図1に示されている流体ラインは、特定の物理的なラインの設定構成と必ずしも対応するとは限らない。
少なくとも1つの決定ユニット40は、圧力センサを備えており、デバイス圧力44と関係する(そして、カフ圧力46と非明示的に関係する)圧力信号42を出力するように構成される。長期的には、圧力変化が生じないときには、デバイス圧力pとカフ圧力pとが、基本的に、相互に対応する。しかし、カフ14の膨張を所望の正確な仕方で制御するためには、デバイス圧力pとカフ圧力pとの間の少なくとも時間的なずれが、考慮されなければならない。デバイス圧力pとカフ圧力pとのための例示的な測定点が、図1に、参照番号44(デバイス圧力p)と46(カフ圧力p)とによって、それぞれ示されている。
さらに、本開示の一般的なコンテキストの範囲内にあるいくつかの例示的なシステム10では、両方のエンティティが分離されることが可能になるように、カフ14とデバイス10との間に、インタフェースが提供される。さらに、本明細書において後で論じられるが、異なる形状の供給ライン32も含む、異なるタイプの加圧ユニット30及び/又はカフ14が、組み合わされる場合もあり得る。
システム10は、さらに、カフ14の所望の仕方での膨張を制御するための制御部50を備える。これは、加圧ユニット30を、規定されたターゲット膨張率(又はターゲット圧力)にカフ14において達するように動作させることによって、主に、達成される。この目的で、現在の膨張率(dp/dtであるが、下記を参照のこと)など現在の値を計算するように構成されたレート計算機56が、提供される。入力値として、圧力信号42が、レート計算機56に供給される。たとえば膨張率を表す信号58である、計算された信号が、フィードバックコントローラ62とフィードフォワードコントローラ64とを実施する膨張コントローラ60に、送られる。レート計算機56によって計算された膨張率58(又は、圧力42)は、フィードバックコントローラ62のための入力フィードバック信号68として機能する。さらに、ターゲット信号70(膨張率又は圧力ターゲット)が、それぞれのトラッキングと調整とを可能にするフィードバックコントローラ62に供給される。
同じターゲット信号70が、フィードフォワードコントローラ64に対しても、用いられることがあり得る。追加的なパラメータ74が、基礎となるフィードフォワード制御方式を基本的に表すフィードフォワードコントローラに供給される場合もあり得る。特に、これらの追加的パラメータ74は、カフコンプライアンス値とおそらくは管抵抗値とで構成される。本開示の例示的な実施形態によると、フィードフォワードコントローラ64が、制御プロセスにおいて、主要な役割を演じる。さらに、フィードバックコントローラ62が、フィードフォワードモデルによって予測されることが基本的に不可能である残りの信号ずれを補償するために、提供される。
フィードバックコントローラ62とフィードフォワードコントローラ64とのそれぞれの出力制御信号は、信号78と信号80とであり、すなわち、(出力)フィードバック信号78と(出力)フィードフォワード信号80とであり、これらが、加圧ユニット30のための要求されるフロー信号を、基本的に規定する。フィードバック信号78とフィードフォワード信号80とは、参照番号82において結合され、最終的に加圧ユニット30に供給される結合されている要求されたフロー信号84を、共に形成する。
さらに、結合されている制御されたフロー信号84又はオープンループフロー88のいずれかを選択するスイッチ87が、提供されることがあり得る。このための主な適用は、システム設定のためのパラメータが決定される必要がある測定手順の当初の段階において、発見されることが可能である。スイッチの位置とオープンループフローの値とは、ステートプロセッサ94によって設定されるのであるが、ステートプロセッサ94は、血圧デバイスが動作している状態に応じて、システム設定をイネーブル/ディセーブルする。たとえば、抵抗Rtube及び/又はコンプライアンスCcuffの決定の間に、規定されたターゲット膨張率dp/dtに基づくフローではなく、規定されたフローIpumpが、適用されなければならない。スイッチ87は、それに従って、動作され得る。
さらに、加圧ユニット30の動作を容易にし、制御するために、要求されたフロー84を加圧ユニット30のための全体的な駆動信号52に変換するフローからポンプ電圧へのコンバータ90が提供される場合があり得る。駆動信号52は、たとえば、加圧ユニット30を駆動するための電圧信号であり得る。
本開示の少なくともいくつかの実施形態によると、フローからポンプ電圧へのコンバータは、所望のフロー84と実際のフロー39との間の差を最小化するフローフィードバックループで構成される。実際のフロー39を測定するために、フロー信号測定センサ35が、膨張ラインに配置される。
別の実施形態では、フローから電圧へのコンバータ90は、ポンプの伝達関数をキャンセルし、(要求されるフローと実際のフローとの関係を線形にすることによって)要求されるフローがポンプによって生成されることをこのようにして保証する線形化ユニットで、構成される。線形化ユニットは、基本的に、逆ポンプ関数を実行する。ポンプ30が電圧をフロー値に非線形な仕方で変換する場合には、リニアライザは、全体的な伝達関数が線形になるように、所望のフローをポンプ電圧に変換する。加圧ユニット(すなわち、ポンプ)の線形化によって、あるフロー値が、あるコントローラ出力において保証されることが可能になる(すなわち、線形化が存在しない場合には、ある電圧レベルのポンプ入力が、大きさが半分である入力電圧の2倍の大きさの出力フローを、結果的に生じない場合があり得る)。ポンプの前に線形化ユニットが存在することで、2倍の大きさの信号(フロー)が結果的に2倍の大きさの出力フローを生じさせるように、制御信号(フロー)が電圧に変換されることを保証できる。この線形な挙動はコントローラにとって有益であり、それは、コントローラの最適な方式で用いられることができる。線形化ユニットを使用する場合、フローセンサ35を省くことができる。
別の実施形態では、フローフィードバックコントローラとリニアライザとは、組み合わされた仕方で実施され、それにより、膨張制御パフォーマンスがさらに改善され得る。最終的に、デバイス10は、カフ14が測定部位16に取り付けられる膨張プロセスの間に関心対象である所望の信号を処理し計算するように構成された血圧検出ユニット100を備える。
一般に、本明細書で参照される処理ユニット及び制御ユニット(たとえば、図1の例示的なエンティティ50、56、60、62、64、90)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアとして実施されることがあり得る。さらに、これらのエンティティの特定のいくつかの特徴及び機能は、他の制御エンティティによっても実現され提供される場合があり得る。本明細書において論じられる例示的な実施形態は、本来が、例証の目的のために提供されているのであって、本開示の射程の限度を定めるために提供されているのではない。結果的に、本明細書に記載された例示的な特徴及び機能は、一般的な処理エンティティ及び/又は分散型の要素によって提供される場合があり得る。
以上で、本発明によるシステム及びデバイスに関する一般的なレイアウトを例証したので、以上で論じられたモデルベースのアプローチが、以下では、さらに例証され説明される。
本開示の関連する態様は、基本的な要素における対応する膨張ベースのNIBPシステムをモデル化し、測定の初期において(又は、工場での較正で)これらの要素の値を識別し、システムを線形化して、識別された要素に基づいて特定のフィードフォワード制御を適用する、という主要な思想に基づく。さらに、システム要素が知られているときには、膨張制御の大部分はフィードフォワード制御によって行われることが可能であるということが仮定されるが、その理由は、システムの特徴が知られており、モデルに記述されているからである。
血圧測定システムのための例示的なモデルを図解している図3を参照する。指摘するまでもなく、さらなる別のモデルも用いられることが可能であり、そのうちのいくつかは、測定デバイス及びシステムに関するより詳細な表現を提供することさえあり得る。図3には、NIBPシステムのコンポーネントが、集中素子として記載されている。ポンプは、フロー(又は圧力)ソースによって、表されている。管又は流体ラインの構成は、(ライン)抵抗によって、表されている。さらに、取り付けられている状態にあるカフは、測定部位に取り付けられると、コンプライアンスによって表される。全体として、例示的なモデルが、参照番号104によって、指定されている。参照番号106、108は、大気圧を示す。
結果的に、NIBPシステム10のモデルは、以下の少数の主要なシステム要素を用いて、確立される。ポンプ(又は、加圧ユニット)が提供されており、カフを膨張させ、カフ圧力を上昇させるように構成されている。ポンプは、フローソース(又は圧力ソース)によって、モデル化される。現在の例では、関連する量は、出力されるフロー率Ipumpである。フローラインの構成は、又は、簡潔に表現すると、ポンプをカフに接続する管が、提供される。現在の例では、関連する量は、(ラインの)抵抗Rtubeである。(たとえば腕部など、身体の四肢における)測定部位と協働してそこに適用される圧力を上昇させるように構成されたカフが、提供される。圧力の上昇は、カフ体積の関数として、生じ得る。現在の例では、関連する量は、コンプライアンスCcuffである。カフの弾性率(Ecuff)は、カフコンプライアンスの逆数である1/Ccuffであることに注意してほしい。
上記のモデル104が与えられると、モデル化されたシステム10は、以下の方程式に基づいて、記述され解析されることができる。
初期条件p(t)を伴うカフ圧力pと、デバイス圧力pと、ポンプフローIcuffと、(カフ)膨張率dp/dtとの間の関係は、次のように記述されることが可能である。
Figure 2018529417
ほとんどのNIBPシステムにおいて、圧力pは、実際には、センサ(図1のユニット40を参照のこと)を用いて測定されるのに対し、他方で、pは、直接的な仕方では測定されないのが典型的である、ということに注意しておくことには価値があろう。しかし、pとpとの間の関係は、pは間接的な仕方で検出されることが可能であると、仮定される。上記の方程式は、コンプライアンスCcuffと抵抗Rtubeとが知られていて、デバイス圧力pが測定されるときには、カフ圧力p又はカフ膨張率dp/dtは、最終的に、ポンプフローIcuffをカフに適応させることによって制御され得ることを示している。
制御理論の用語では、連立方程式(1)〜(5)は、−1/(Rtube・Ccuff)におけるシステムの極を表すように、処理され再構成され得る。フィードバックだけを組み込んでいるコントローラが用いられる場合、このコントローラ(たとえば、比例積分微分制御すなわちPID制御)の利得は、システムがセットポイントを迅速にトラッキングし、異なるRtube及びCcuffの値に対して安定的であるように、選択されなければならないが、その理由は、血圧測定システムは、異なるカフ及び管と共に機能することができなければならないからである。カフコンプライアンスと管抵抗との範囲が大きいために、あるフィードバック制御の利得設定が、あるRtube及びCcuffに対しては高速で安定的なシステムを結果的に生じさせることがあり得るが、RtubeとCcuffとの別の組合せに対しては、結果的に、非安定的な挙動が生じる、又は、ターゲット値への到達が低速になることもあり得る。さらに、時間経過に伴う変動(カフコンプライアンスは、圧力変動に対して一定ではない)も、存在する。これらの問題とは別に、圧力振動は、レベルアウトされるはずはなく、十分に低速な制御を要求することになる。一方では、結果的にシステムの高速な反応を生じさせ得る大きな制御利得が要求されるが、他方では、異なるカフと管とのために安定的なシステムを有するために、そして、圧力振動をキャンセルアウトしないために、小さな制御利得も必要とされる。
結果的には、本明細書で論じられているように、フィードフォワード制御とフィードバック制御とが組み合わされた制御に基づく制御戦略は、実際に用いるには、有益なアプローチである。
本開示の少なくともいくつかの実施形態によると、以下の洞察が適用可能である。一般に、連続的な又は擬似連続的(すなわち、サンプリング及び処理レートが、少なくとも10Hz)なフィードフォワード制御が、上で提示された方程式(1)〜(5)を考慮して、適用され得る。よって、要求されるフローは、所望の圧力率又は圧力プロファイルに基づいて、計算される。これは、所望の率又は圧力のためのフィードバックループを提供することを必要とせずに、達成可能である。ある例示的な実施形態では、フローは所望の膨張率に依存すると仮定される。すなわち、次の関係が成立する。
要求されるフロー[mL/s]=カフコンプライアンス[mL/mmHg]・所望の膨張率[mmHg/s]
フィードフォワード制御の利点は、それが、本質的に安定的であるということである。フィードフォワード法の別の利点は、カフ振動が制御によって抑制されないことであるが、この理由は、ポンプ出力は、実際の圧力又は率に基づいているのではなく、コンプライアンスの値と設定された点の率又は圧力にだけ基づくためである。フィードフォワード法は、基本的に、カフコンプライアンス(及び可能性のある抵抗)が知られているか若しくは検出可能であり、又は、少なくとも近似的に決定されることが可能であることを要求し、さらに、要求されるフローがポンプによって作られ得ることを要求する。
現実では、Rtube、Ccuffの測定は必ずしも完全ではなく、また、(むしろ簡略化された)モデルも完全ではない(たとえば、単純化、寄生要素などに起因して)ため、結果的に生じる率又は圧力が、所望の率/圧力を完全に反映することはない。しかし、所望の圧力又は率のプロファイルの主要な部分(たとえば、80%〜90%)が、達成されることは可能である。残りの10%〜20%の部分は、追加的な補完的(補助的)制御によって、補償されることが可能である。
たとえば、最悪のシナリオ(すなわち、最悪の場合のRtube、Ccuffの組合せ)の場合でも安定的な制御を提供するように構成されたフィードバックコントローラが、提供され得る。これは、たとえば、上で示したようなP、I及びDの組合せによって、達成されることが可能である。このコントローラの動作は、最悪の場合のシナリオにも備えて構成されているために、相当に低速な場合もあり得る。しかし、制御速度は、フィードフォワードコントローラによって、既に保証されており、その結果として、全体としては、迅速でほとんど正確なフィードフォワード率又は圧力が得られるのであり、これが、ターゲット値を得るために、ゆっくりと改善され更新される場合があり得る。
さらに、調整可能な制御利得を備えたフィードバックコントローラ(たとえば、P、I及びDの組合せ)が提供され得るのであって、ここで、制御利得の調整は、安定性及びトラッキングの要件が特定のシステムに対して満たされるように、実際のRCの組合せに基づく。たとえば、制御利得は、RtubeとCcuffとの組合せ(たとえば、G=Gfixed+k・Rtube・Ccuff)に比例するように選択され得る。この方法は、カフの振動が制御によって抑制されないことを非明示的にも保証しておらず、このことは、比例係数を保存的に選択することによって、対処されなければならない。
ある例示的な実施形態では、積分制御(I−制御)だけを実施するフィードバックコントローラが、フィードバック部に用いられるが、この場合に、積分項の設定は、最悪の場合のRtube及びCcuffパラメータに基づく。この例示的な実施形態によると、P−制御とD−制御とは回避されるのであるが、その理由は、これらの項は、所望の血圧を表す信号振動に悪影響を与える可能性があるからである。これらの振動を制御によって抑制する又はレベルオフすることは、回避されるべきである。
上述された制御戦略を適用するためには、Rtube及びCcuffパラメータが知られている必要がある。それらは、以下の例示的なアプローチによって、識別されることが可能である。
管の抵抗Rtubeは、知られているフローステップをシステムに適用することによって、識別され得る(図4も、参照のこと)。カフ圧力(p、標準的なNIBPシステムでは通常は利用可能でない)は、フローの積分によって、上昇する。デバイス圧力pは、同じ速度で上昇するが、フローステップの時点では、圧力におけるステップが観察されることが可能である。このステップは、基本的に、抵抗を通過するフローに比例する(Δp=Icuff・Rtube)。したがって、管(又はライン)抵抗は、以下のように計算されることが可能である。すなわち、Rtube=Δp/Icuff・Δpは、フローステップが適用される直前の圧力とフローステップの直後の圧力との圧力差によって、決定されることが可能である。
フローステップは、複数の仕方で、そして、いくつかの時点において、なされることが可能であることは、注意しておく価値がある。さらに、フローは、(センサを用いて)測定されることが可能であり、又は、(モデルを用いて)推定されることが可能である。ある実施形態では、フローステップは、フローから電圧へのコンバータ90によって、ポンプ電圧に変換されるオープンループフロー88を要求することによって、なされる。別の実施形態では、フローステップは、ある長さの時間の間、排気弁36を開放することによって、なされる。ある実施形態では、フローは、ポンプ電圧Vpumpと圧力pとの関数として、モデル化され得る。フローステップ自体は、カフが収縮状態にあり好ましくは1回ベースで膨張が開始するNIBP測定の開始時に、適用され得る。さらに、フローステップ自体は、好ましくは1回ベースでフローを停止させる負のステップとして、膨張の終了時に適用され得る。さらに、別の場合には、フローステップが、反復的に適用されることもあり得る。結果的には、より正確な測定のための平均的な管抵抗値が、決定されることが可能である。Rtubeが圧力の変化によってほぼ一定であることには注意しておく価値がある。さらに、Rtube及びCcuffの組合せとは別に、カフ圧力pの決定のためには、Rtubeも、基本的に、知られていることが必要であるが、その理由は、たとえば、収縮期の血圧と拡張期の血圧とが、デバイス圧力pの関数ではなく、カフ圧力pの関数として、決定されていることが必要だからである。
カフ(及びアーム)コンプライアンスCcuffは、フローを圧力率で除算することによって推定されることが可能であり、上述の方程式(3)を参照してほしい。単純化のために、フローがほぼ一定のとき、すなわち、実際にはフローをイネーブル/ディセーブルするステップの時点を除く任意のときである段階では、(基本的に入手可能でない)カフ圧力pの代わりに、ポンプにおける圧力率pが、用いられることが可能である。さらに、測定されたフロー又はモデル化されたフローが、コンプライアンスを決定するために、用いられることが可能である。フロー測定の場合には、それぞれのフロー測定センサ35が、要求される。
カフ(及びアーム)コンプライアンスCcuffは、圧力変化に伴い、一定ではない場合がある。たとえば、圧力との逆線形的な又は逆対数的な関係が、生じうる。ある例示的な実施形態では、コンプライアンス値が、膨張の間に反復的な測定を行うことによって、定期的に更新される。
別の例示的な実施形態では、(a)カフ(及びアーム)コンプライアンスCcuffのための(1つ又は複数の)モデルが用いられるが、図5も参照のこと。このモデルによると、コンプライアンスCcuffは、カフ圧力pに依存する。どのコンプライアンスが現時点でシステムに存在するか(たとえば、図5に示されているように、CA又はCB)を決定する1回のコンプライアンス測定が、行われ得る。コンプライアンス値もまた、カフタイプを識別するために、用いられることが可能である。膨張の間に、現在のコンプライアンス値Ccuffが、測定された圧力pと、1回の測定されたコンプライアンスと、モデルとの関数として、更新される。
いくつかの実施形態を実施することが可能である。個別的な曲線が、別々のカフのために、モデル化されることが可能である。別の例示的な実施形態では、単一のパラメータの関数が、すべてのカフについて、圧力とコンプライアンスとの間の関係を記述する。結果的に、個別的なコンプライアンスモデルが要求されるのではなく、たとえば、特定のカフ(又は、カフタイプ)の異なる包囲条件に起因する小さな個別的なコンプライアンスの差を説明することができる、1組の連続的なモデルが、提供され得る。
例示的なカフコンプライアンスモデルは、以下のように確立される。
コンプライアンス[mL/mmHg]=1/(KElastance[1/mL]・圧力[mmHg])
ここで、KElastance[1/mL]=率[mmHg/s]/(フロー[mL/s]・圧力[mmHg])である。
圧力と、圧力率と、コンプライアンスとの1回の測定が、定数KElastanceを決定することができる。測定の残りでは、識別されたモデルが用いられることが可能であるが、その理由は、KElastanceが、既に決定されているからである。圧力は基本的に連続的に測定されるため、コンプライアンス値は、コンプライアンスが識別された時点から連続的に計算されることが可能である。モデルアプローチの利点は、コンプライアンスの測定が1回だけ行われるため、コンプライアンス値において、どんな圧力振動も有しないことである。
適切に機能するシステムを有するためには、コントローラによって要求されたフロー(基本的には、Ipumpに対応するが、上述の方程式(5)を参照のこと)が、ポンプによって、ある精度で、運ばれなければならない。これを保証するために、異なる複数の実施が、用いられることがあり得る。
ある実施形態では、フローIcuffは、システムのどこかに配置された、ただし好ましくはポンプの直後に配置された、フローセンサを用いて、測定され得る。要求された(セットポイント)フローと測定されたフローとの差を最小化するフローフィードバックコントローラが、実施される。ある実施形態では、フィードバックコントローラは、PIDコントローラである。
別の実施形態では、ポンプからのあるフローIcuffが、加えられた電圧Vpumpとポンプにおける圧力pとの関数としてフローをモデル化し、このポンプの伝達関数をキャンセルアウトするリニアライザブロックを挿入することによって、保証されるのであるが、図6すなわちフロー=f(電圧,圧力)及び図7も参照すること。図6では、フローは、流率を意味する記号Iによって、示されている。さらに、チャートaは、電圧aを表し、他方で、チャートbは、電圧bを表す。一般に、フローは、この開示では、文字Iによって示される。ポンプフローモデルは、あるポンプタイプに対して1回で決定されることが可能である。強化されたフローモデルでは、それぞれの個別的なポンプ関数が、(たとえば、工場での較正を経由して)識別されることが可能である。たとえば、ルックアップテーブル又は多項式モデルなど、異なるポンプタイプを識別する異なるモデルタイプが、適切な場合に応じて、用いられ得る。図6のチャートにおいて示されているように、ほとんどのポンプタイプに対して、フロー、圧力と、加えられる(駆動)電圧との間の関係は、基本的に、一定ではないか、又は、非線形であり、ここで、ポンプがコントローラの出力に比例するフローを出力する場合には、ポンプからのあるフロー値が保証されるだけである。線形化ユニット(図7を参照のこと)を挿入することによって、ポンプの非線形性が補償され得る。線形化ユニットを挿入することによって、コントローラの出力が、ポンプを駆動するための電圧値に対応するではなく、フロー値に対応するのであるが、その理由は、線形化ユニットが、要求されたフローを電圧に変換するからである。図7は、膨張コントローラ60と加圧ユニット30とに結合された線形化ユニット90の例示的な実施形態を図解しているが(図7に示されていない)、図1も参照のこと。線形化ユニット90は、膨張コントローラ60によって提供された入力値とポンプ又は加圧ユニット30の結果的な出力フローとの間に、基本的に線形な関係が確立されるように、制御信号を調整するように構成される。
システムの線形化は、フィードフォワード制御とフィードバック制御との両者にとって、有益である。両方のコントローラに対し、それは、要求されるフローが実際にポンプによって生成されることを保証する。フィードフォワード制御にとっては、非線形性は、要求される(ターゲットである)フロー出力と実際のフロー出力との間の不一致を、結果的に生じさせ得る。フィードバック制御理論は、線形アクチュエータにとってだけ有効である。非線形性は、したがって、最適なものとは大きく相違する制御パフォーマンスを、生じさせることになる可能性がある。よって、加圧ユニット30の出力は、線形化ユニット90の挿入に起因して、基本的に線形であり、すなわち、出力されるフローは、基本的に、コントローラの出力に比例する。
線形な伝達関数を結果的に生じさせる線形ユニット90の処理動作が、図7の概略的なブロック90、122及び124によって図解されており、ここで、ブロック90は、リニアライザであり、ブロック122は、ポンプの伝達関数を表し、ブロック124は、リニアライザとポンプとが組み合わせられた伝達関数である。ほとんどのポンプは、基本的に非線形であるフロー/圧力/入力電圧の関係(Ipump、p及びVpumpの間の関係)を有しているが、図7のブロック90及び122を参照してほしい。非線形な伝達関数は、膨張コントローラ60と実際の加圧ユニット30との間に線形化ユニット90を挿入することによって、平坦化させることが可能である。線形化ユニット90は、ポンプの非線形性を線形化するために、ポンプ関数を示し、ポンプ関数の逆数関係を適用するように、構成される。線形化ユニット90を適用することによって、ポンプのフロー出力は、線形化ユニット90の入力に対して線形となるが、図7のブロック124を参照してほしい(すなわち、伝達関数の全体=一定であって、結果的に、線形である要求されたフローと実際のフローとの関係を生じさせる)。したがって、膨張コントローラ60は、いまでは、加圧ユニット30への単なる駆動電圧値ではなくて、いわば、直接的なターゲットフロー値を出力する。結果的に得られる伝達関数は、ブロック124に図解されているが、これは、図7に示されているような(逆)伝達関数に従った線形化ユニット90の動作の結果として、例証の目的で示されている。
特に、図1及び図8を参照して、例示的な実施形態とその動作とが、さらなる詳細が与えられる。この実施形態によると、上で論じられた要素と態様とのいくつかが、単一の膨張ベースの血圧測定デバイスと対応する方法とにおいて、実施される。この実施形態は、線形化ユニットに組み込まれており、1回の工場での較正に関係し得る(デバイス)圧力pとポンプ電圧Vpumpとの関数として確立されているポンプフローモデルを含む。結果的に、フローIcuffが、測定された圧力pとリクエストされたポンプ電圧Vpumpとの関数として、測定される。この実施形態では、フロー制御自体は基本的にオープンループであること、すなわち、厳密なフローを測定し、それを正確な値に調整する直接的なフィードバックループは存在しないということに、注意しておく価値がある。制御される変数は、膨張率である。圧力pの直接的な制御は、行われない。フィードバックコントローラとしては、積分のみのフィードバックコントローラ(I−コントローラ)が用いられ、利得の設定は、(最悪の場合のシナリオを含めて)予想可能などのようなカフと管との組合せに対しても基本的に安定的であるように選択される。
例示的な測定シーケンスは、図8に図解されている。図8は、フローIcuff(記号Iによって示されている)、ポンプ電圧Vpump(記号Vによって示されている)、圧力(p又はp)、及び膨張率(dp/dt又はdp/dt)を図解するいくつかのチャートを示している。フローは、セクションa)において、時間経過と共にプロットされている。ポンプ電圧は、セクションb)において、時間経過と共にプロットされている。圧力は、セクションc)において、時間経過と共にプロットされている。膨張率は、セクションd)において、時間経過と共にプロットされている。したがって、セクションa)は、(組み合わされた)膨張コントローラ60によって出力された要求されていたフローを図解しているので、図1を参照してほしい。セクションb)は、実際のポンプ電圧を図解している。セクションc)は、測定されたカフ圧力を図解している。セクションd)は、測定された膨張率を図解している。
測定手順におけるいくつかの特徴的な段階及び/又はイベントが、図8のチャートにおいて、I、II、III、IV、及びV(Va、Vb、及びVcを含む)によって、示されている。
例示的な手順によると、以下のシーケンスが適用され得る。
I.ポンプ30が、フローにおけるあるステップによってイネーブルされる。高いフロー値が、要求される。
II.結果的に生じる抵抗(Rtube)が、観察される圧力における誘導されたステップと、要求されたフローの値Icuffとに基づいて、測定される。
III.圧力がある値に達すると、専用のフロープロファイルが、(圧力に依存する)カフコンプライアンスCcuffの1点を測定するために、適用される。これは、要求されたフロー値Icuffを測定された膨張率dp/dtによって除算することによって、達成される。
IV.測定されたコンプライアンス点Ccuffは、どのカフコンプライアンス14(及び、どのカフタイプ)がシステム10において実際に用いられるのかを識別する。測定シーケンスの残りの間には、圧力pが測定され、コンプライアンスモデル(これは、圧力pに依存する)が、識別されたカフタイプに対するコンプライアンスCcuff(圧力に依存する)を取得するために、用いられる。
V.カフ14の膨張が開始され、所望の率dp/dtが要求される。膨張コントローラ60が、特に、そのうちのフィードフォワードコントローラ64が、膨張率dp/dtを制御する。所望の率dp/dtは、固定された率である場合があるし、又は、測定される患者18の脈拍数に基づく場合もある。所望のターゲット率dp/dtは、チャートd)において、破線によって示されている。
Va.要求されたフローは、コンプライアンスCcuff(及び、抵抗Rtube)の値に基づく。これは、フィードフォワード値だけであるから、所望の率と比較すると、小さな誤差が残っている可能性がある。
Vb.所望の膨張率と実際の膨張率dp/dtとの間の誤差を積分してターゲット値に近づくように膨張率を低速で補正する低速の積分フィードバックコントローラ62が提供される。
Vc.I−コントローラ62は、比較的低速であるために、圧力p(及び、膨張率dp/dt)における振動を除去することはない。
指摘するまでもなく、上述の例示的な測定シーケンスは、限定的な意味で解釈されてはならない。
本開示による方法のある実施形態を例示する、簡略化されたブロック図を図解している図9を、参照する。最初に、ステップS10では、本開示の一般的なコンテキストの範囲に含まれる血圧モニタリングシステムが、提供される。さらに、装着可能なカフが、被検者の測定部位に取り付けられる。
次の(包括的な)ステップS12は、本明細書で論じられる制御アプローチの少なくともいくつかによる、システムの加圧ユニット、特にポンプの動作に関係する。一般に、加圧ユニットは、少なくとも1つの供給ラインを介して、カフに、加圧された流体を供給するように構成される。特に、ステップS12は、カフの膨張を制御することを含む。
ステップS12は、例示的に、(サブ)ステップS14及びS16を含む。ステップS14は、フィードフォワードコントローラを用いたフィードフォワード制御に関係する。ステップS16は、たとえばI−コントローラであるフィードバックコントローラを用いた補完的なフィードバック制御に関係する。I−コントローラは、積分セクションを実装する。さらなるタイプのフィードバックコントローラが想定されることも、あり得る。
膨張制御は、ステップS14において、フィードフォワードコントローラにより、要求される膨張フローIcuffを設定することを含む。実際の膨張フローに関する補完的なフィードバック制御が、ステップS16において、フィードバックコントローラによって行われることもある。ステップS12では、フィードフォワードコントローラの出力とフィードバックコントローラの出力とが、加圧ユニットを駆動するために、基本的に結合される。好ましくは、フィードフォワードコントローラがそれに基づいて動作されるモデルは、特に、補助的なフィードバック制御は小さな残りの信号ずれの部分にだけ用いられるというように、十分に正確である。
さらなるステップS18は、直接的な又は間接的な仕方で、カフ圧力pの検出と関係する。さらに、カフ圧力pは、時間経過に伴い、連続的な又は擬似連続的な仕方で、モニタされる。ステップS18において得られるカフ圧力信号は、また、ステップS16において実行されるフィードバック制御のための(フィードバック)入力信号としても、用いられ得る。
ステップS12、S14、S16及びS20の少なくともいくつかは、基本的に並列的な又は同期した仕方で、実行される。さらに、この方法によるステップは、反復的な(一定の又は擬似的に一定の)仕方で、実行される。
さらに、ステップS20では、血圧の値は、カフ圧力pが加圧ユニットによって規定された加圧方式に従って上昇させられるとき、膨張の間に検出されたカフ圧力pに基づいて、処理され計算される。
さらに、本開示による方法のある実施形態の例示である簡略化されたブロック図を図解している図10を、参照する。図10に図解されている方法は、図9に提示されている一般的な方法の例示的でより詳細な実施形態と考えることができる。図10は、完全な測定サイクルを説明している。図10は、システムとデバイスとの動作に焦点を合わせている。したがって、カフの取り付け、システムの初期化などは、図10に記載がない。さらに、図10は、図1に図解されているデバイス12を動作させる例示的な方法を図解しているのであるが、これに対して、対応する測定シーケンスの信号チャートは、図8に図解されている。
ステップS50では、ポンプが、あるステップによってイネーブルされる。ポンプの動作が、開始される。たとえば、高いフロー値Icuffが、要求される。続くステップS52では、基本的にカフ圧力pに対応し得るデバイス圧力pの検出が開始される。ステップS50及びS52は、基本的に、ほぼ同じ時刻に開始する。さらなるステップS54では、抵抗Rtubeが、S50の要求されるフローステップを反映する圧力におけるステップを観察することによって、導かれる。
さらなるステップS56では、圧力pが規定された閾値に到達すると、明確なフロープロファイルが、圧力に依存するカフコンプライアンスCcuffの少なくとも1つの対応する値を測定するために、適用される。これは、要求されたフローIcuffを、検出された膨張率dp/dtによって除算することにより、達成される。
さらなるステップS58では、コンプライアンスCcuffを表す測定された値に基づいて、実際のカフタイプが識別される。カフの識別されたタイプに基づき、カフコンプライアンスCcuffを圧力pの関数として記述するコンプライアンスモデルが、得られる。よって、圧力pが測定され、それに続き、カフコンプライアンスCcuffが、ステップS60において、残りの測定手順の間、トラッキングされることが可能である。
さらなるステップS62では、結果として、カフの規定された膨張が、血圧測定自体を始動させるために、開始される。カフの膨張は、フィードフォワードコントローラの制御の下で、実行される。ターゲットとして、膨張率が要求され、処理される。
さらに、システム及び/又はモデルベースのフィードフォワード制御アプローチにおいて残りの誤差が、ターゲット膨張率と現在の膨張率との間のずれを生じさせると仮定して、さらなるステップS64では、制御作用においてある役割を演じるフィードバック制御も、実行される。フィードバック制御は、基本的に、改善されたターゲットトラッキングと誤差補償とを可能にする。しかし、本開示によると、フィードバック制御は、本来、支配的なフィードフォワード制御に追加される、補完的な制御とみなされる。好ましくは、フィードバックコントローラは、比較的低速の積分フィードバックコントローラであり、その理由は、この積分コントローラが、相当に低速な応答性を示し、フィードバック制御は、圧力pにおける振動(及び、dp/dtに等しい膨張率dp/dt)をレベルオフすることがないからである。
最終的に、ステップS66では、関心対象の信号が、特に、検出された圧力pに基づいてカフの膨張段階で検出される血圧を示す信号が、検出され、計算される。このようにして、測定手順が、カフを収縮させることに基づく標準的なNIBP測定よりも高速に、達成される。
本発明が、図面において図解され、上記の説明で詳細に説明されたが、これらの図解及び説明は、例証的又は例示的なものとみなされるべきであって、制限的なものとみなされるものではなく、本発明は、開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態に対する他の変形例は、当業者によって、図面、本開示、及び添付の特許請求の範囲を検討することにより、特許請求の範囲に記載の発明を実現させる際に、理解され、現実化されることが可能である。
特許請求の範囲において、「備える(comprising)」という用語は、他の要素又はステップを排除せず、不定冠詞「a」又は「an」は、複数を排除しない。単一の要素又はそれ以外のユニットが、特許請求の範囲に記載された複数の項目の機能を満たすこともあり得る。ある手段が相互に異なる従属請求項に記載されていても、その事実だけで、それらの手段を組み合わせても有利に用いられることはあり得ない、ということは示していない。
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと共に供給される又は他のハードウェアの一部として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体などの、適切な媒体に記憶される/そのような媒体に載せて配布され得るが、インターネット又はその他の有線若しくは無線通信システムを経由するなど、その他の形式で配信される場合もあり得る。
特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も、射程を限定するものとして解釈されるべきではない。

Claims (15)

  1. 少なくとも1つの供給ラインを介して、被検者の測定部位を加圧する装着可能なカフを供給する加圧ユニットと、
    直接的な又は間接的な仕方でカフ圧力(p)を検出する圧力検出ユニットと、
    制御部とを備え、
    前記制御部は、所望の膨張率と所望の圧力とで構成されるグループから選択された所望の値に基づいて、ターゲット膨張フロー信号を出力するフィードフォワードコントローラと、
    前記所望の値と前記所望の値に対する実際の測定された信号との間の誤差を最小化するフィードバックコントローラと、を備えており、
    前記フィードフォワードコントローラの出力と前記フィードバックコントローラの出力とは、前記加圧ユニットを駆動するために結合され、
    前記制御部は、さらに、規定された加圧方式に従い前記加圧ユニットによって前記カフ圧力(p)が上昇させられるとき、膨張の間に前記圧力検出ユニットによって検出された前記カフ圧力(p)に基づいて、血圧の値を計算する血圧決定ユニットを備える、
    血圧測定デバイス。
  2. 前記フィードフォワードコントローラは、所望のカフ圧力(p)又は所望の膨張率(dp/dt)に基づいて、設定された膨張フロー(Icuff)を連続的な又は擬似連続的な仕方で出力する連続的な又は擬似連続的なフィードフォワードコントローラであり、前記フィードバックコントローラは、前記フィードフォワードコントローラを補完するように、前記所望のカフ圧力(p)又は前記所望の膨張率(dp/dt)の残りのずれを制御し、前記フィードフォワードコントローラと前記フィードバックコントローラとの結合された出力は、前記加圧ユニットに送られる膨張フロー設定信号に変換される、請求項1に記載の血圧測定デバイス。
  3. 前記フィードフォワードコントローラ及び前記フィードバックコントローラの更新速度は、少なくとも10Hzであり、前記フィードバックコントローラは、低速な前記フィードバックコントローラであり、前記フィードバックコントローラの利得は、血圧を示す振動性の圧力信号が通過することを可能にする範囲で選択される、請求項2に記載の血圧測定デバイス。
  4. 前記加圧方式の基礎にあるモデルは、前記測定部位に取り付けられると前記加圧ユニットと前記カフとに関係する基準空気圧回路に基づいてモデル化された空気圧フロー回路と、前記加圧ユニットと前記カフとの間にありモデル化された基準ライン抵抗(Rtube)に対応する供給ラインとを備える、請求項1に記載の血圧測定デバイス。
  5. 前記加圧ユニットはポンプであり、フィードフォワードフローは、以下の方程式のフローモデルに従って、前記測定部位に取り付けられた前記カフのコンプライアンスに基づき、
    Figure 2018529417
    はデバイス圧力を表し、pはカフ圧力を表し、Icuffは前記加圧ユニットによって生成される膨張フローを表し、dp/dtは膨張率を表し、Vpumpは前記ポンプに対する入力制御信号を表し、Rtubeはライン抵抗を表し、Ccuffはカフコンプライアンスを表す、
    請求項1に記載の血圧測定デバイス。
  6. 前記制御部が、前記膨張フロー(Icuff)を前記カフに適応させることによって、前記膨張率(dp/dt)又は前記カフ圧力(p)の少なくとも一方を、間接的な仕方で制御し、前記デバイス圧力(p)が膨張の間に測定され、カフコンプライアンス(Ccuff)とラインコンプライアンス(Rtube)とは、前記方程式に従って、前記測定の開始時に少なくとも1回、決定される、請求項5に記載の血圧測定デバイス。
  7. 前記測定部位における前記カフコンプライアンス(Ccuff)は圧力に依存し、前記カフコンプライアンス(Ccuff)は、前記カフ圧力(p)に応じて、線形又は非線形の少なくとも一方としてモデル化される、請求項6に記載の血圧測定デバイス。
  8. 初期圧力における当初のカフコンプライアンス(Ccuff)は、当初の膨張フローの値と当初の圧力レートの値とに基づいて決定され、前記測定の残りの間の前記カフコンプライアンス(Ccuff)は、前記当初のカフコンプライアンスと、前記デバイス圧力(p)の連続的又は擬似連続的検出と、コンプライアンスモデルとに基づいて決定される、請求項7に記載の血圧測定デバイス。
  9. 前記コンプライアンスを測定するのに用いられる前記膨張フローの値は、ポンプフローモデルに基づくフローの値である、請求項8に記載の血圧測定デバイス。
  10. 前記ライン抵抗(Rtube)は、規定されたフローステップを適用することによって、そして、結果的に得られるデバイス圧力ステップを決定することによって、決定される、請求項7に記載の血圧測定デバイス。
  11. 前記フィードフォワードコントローラと前記フィードバックコントローラとからの結合されたフローの値が、ポンプ電圧に変換され、前記カフへの実際のフローが測定され、フローフィードバックコントローラは、結果的に得られるポンプ電圧(Vpump)が、リクエストされたフローを結果的に生じさせることを保証する、請求項7に記載の血圧測定デバイス。
  12. 前記フィードフォワードコントローラと前記フィードバックコントローラとからの結合されたフローの値が、前記膨張フロー(Icuff)と前記カフ圧力(p)とをポンプ電圧に関係付けるポンプフローモデルによって、前記フィードフォワードコントローラと前記フィードバックコントローラとの出力が実際に出力されるポンプフローと線形関係になるように、ポンプ電圧(Vpump)に変換される、請求項7に記載の血圧測定デバイス。
  13. 被検者の測定部位を加圧する装着可能なカフを取り付けるステップと、
    少なくとも1つの供給ラインを介して前記カフに加圧された流体を供給する加圧ユニットを動作させるステップと、
    直接的な又は間接的な仕方でカフ圧力(p)を検出及びモニタするステップと、
    前記カフの膨張を制御するステップと、
    を有し、前記カフの膨張を制御する前記ステップは、
    所望の膨張率と所望の圧力とで構成されるグループから選択された所望の値に基づいてターゲット膨張フロー信号を出力することを有する、要求された膨張フロー(Icuff)をフィードフォワードコントローラによって、設定するサブステップと、
    前記所望の値と前記所望の値に対する実際の測定された信号との間の誤差を最小化することを有する、実際の膨張フローをフィードバックコントローラによって制御するサブステップと、
    を有し、
    前記フィードフォワードコントローラの出力と前記フィードバックコントローラの出力とは、前記加圧ユニットを駆動するために結合され、
    前記カフの膨張を制御する前記ステップは、さらに、
    前記カフ圧力(p)が、規定された加圧方式に従い、前記加圧ユニットにより上昇させられるとき、膨張の間に、検出されたカフ圧力(p)に基づいて、血圧の値を決定するサブステップ、
    を有する、血圧測定方法。
  14. 規定されたフローのステップによって、ターゲット膨張フローの値を設定することを含む、前記加圧ユニットをイネーブルするステップと、
    適用されたフローステップに応答して、前記加圧ユニット又は前記カフにおいて圧力ステップを検出するステップと、
    前記圧力ステップと前記ターゲット膨張フローの値とに基づいて、ライン抵抗(Rtube)を計算するステップと、
    規定されたフローの値と圧力レートの値とに基づいて、当初のカフコンプライアンス(Ccuff)の値を決定するステップと、
    検出されたカフコンプライアンス(Ccuff)の値に基づいて、実際のカフタイプを識別するステップと、
    前記実際のカフタイプに割り当てられているコンプライアンス推定モデルと現在進行中のカフ圧力検出とに基づいて、カフコンプライアンス(Ccuff)をトラッキングするステップと、
    所望の膨張率(dp/dt)が前記フィードフォワードコントローラによって設定されている前記フィードフォワードコントローラの制御の下で、前記カフを膨張させるステップと、
    前記所望の膨張率(dp/dt)と実際の膨張率との間の検出されたずれに基づいて前記膨張フロー(Icuff)を適応させるために、前記フィードバックコントローラによるフィードバック制御を適用するステップと、
    膨張の段階で観測されたカフ圧力(p)に基づいて、血圧を計算するステップと、
    を含む、請求項13に記載の方法。
  15. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の血圧測定デバイスに含まれるコンピュータ又はプロセッサで実行されると、前記コンピュータ又は前記プロセッサに、請求項13又は14に記載の方法のステップを実行させるためのプログラムコード手段を含む、コンピュータプログラム。
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