本明細書に開示されるように、驚くべきことに、トリテルペン酸と中性トリテルペノイド化合物の組み合わせは、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)及び血管性認知症(VD)から選択される病態の治療に高い活性を示すことが見出された。
驚くべきことに、トリテルペン酸と中性トリテルペノイド化合物の組み合わせは、多系統萎縮症(MSA)、進行性核上性麻痺(PSP)並びにタウオパチーの病態及び疾患から選択される病態の治療に高い活性を示すことが見出された。
トリテルペン酸と中性テルペノイド化合物の特定の組み合わせは、驚くほど強化された治療効果を示す。
定義
本明細書で使用する用語「複数」は、1以上、好ましくは2以上を指す。本明細書で使用する用語「相乗」は、付加的なもの以上を意味する。
本明細書で使用する用語「酸−塩基抽出」は、酸性有機成分(典型的には、有機カルボン酸)及び非酸性有機成分を含有する有機溶媒溶液を、1種以上の塩基性水溶液(複数可)で処理/抽出する手順を指す。その結果、酸性有機成分は、脱プロトン化され、したがって、それらの対応する脱プロトン化イオン性塩形態(典型的には、有機陰イオン性カルボキシレート)に変換され、その結果、前記塩基性水溶液に溶解する。非酸性有機成分は、脱プロトン化されず、したがって、元の有機溶液相に留まる。脱プロトン化酸はまた、特にマルチグラム量が抽出される場合は、中間油層及び/又はエマルジョン層を形成することができる。油層及び/又はエマルジョン層(存在する場合)と共に、酸性成分の脱プロトン化塩形態を含有する塩基性水溶液は、酸性化され、酸性有機成分のプロトン化酸形態を改良する。これらのプロトン化酸形態(酸性画分)は、酸性化合物の性質に応じて、いくつかの方法で酸性化水溶液から除去することができる。酸性溶液からの酸性画分を除去するための1つのオプションは、適切な有機溶媒に再抽出することによるものである。上記のとおり、以下の実施例1A及び1Bは、酸−塩基抽出の非限定的な例を説明する。酸性化水溶液中の酸性化合物の溶解性及び物理的形態に応じて(例えば、酸性画分が、典型的には、分離/沈殿した固体を含む場合)、酸性画分を酸性水溶液の濾過により分離することができる。
上述したように、塩基性水溶液(複数可)で抽出した後に残っている元の有機溶液相は、非酸性有機成分を含有する。マスティックガムの場合、これらの非酸性成分は中性トリテルペノイドからなり、混合物は中性画分と呼ばれる。以下の実施例1A及び1Bは、マスティックガムからの特定の酸性画分及び特定の中性画分の分離のための特定の(しかし非限定的な)方法を説明する。
分離された酸性画分及び中性画分から、個々のトリテルペン酸及び中性トリテルペノイドを、カラムクロマトグラフィー及びHPLCなどの当技術分野で公知の方法を用いて分離することができる。本出願の導入に示したいくつかの参考文献は、マスティックガムからのトリテルペン酸及び中性トリテルペノイドの分離方法の例を含有する。
酸−塩基抽出のための塩基性水溶液の使用の代わりに、イオン交換樹脂の塩基性形態も同様に使用することができる。これらの場合では、イオン交換樹脂との接触時に、酸性有機成分(酸性画分−典型的には、有機カルボン酸)は、樹脂によりそれらの脱プロトン化陰イオン形態(典型的には、有機陰イオン性カルボキシレート)に捕捉される。その後、該樹脂は、初期溶液から除去され、非酸性成分が残る。その後、酸性成分(酸性画分)は、適切な酸性溶液で樹脂を処理することにより樹脂から放出される。酸−塩基抽出のためのイオン交換樹脂の使用は、特にプロセスのスケールアップに適しており、(半)連続抽出プロセスの開発に使用することができる。
上記の酸−塩基抽出及び他の変形の例は、多くのテキスト及び他の刊行物に見出すことができ、当業者には常識であると考えられる。有用なテキストの例としては、「フォーゲルの実用的な有機化学の教科書(Vogel’s Textbook of Practical Organic Chemistry)」、第5版、1989、(162〜163ページ)が挙げられる。
本明細書で使用する用語「純度」は、調製物中の特定の化学化合物の含有量を指し、調製物中の他の化学化合物に対する特定の化学化合物の重量ベース当たりの重量百分率として表される。
本明細書で使用する「テルペン化合物」は、頭から尾の方向で、イソプレン単位(CH2C(CH3)CHCH2)を有するイソプレン含有炭化水素を指す。一般に、テルペン炭化水素は、分子式(C5H8)nを有し、それぞれ1、2、3、4、6及び8個のイソプレン単位を有するヘミテルペン(C5)、モノテルペン(C10)、セスキテルペン(C15)、ジテルペン(C20)、トリテルペン(C30)、及びテトラテルペン(C40)を含む。テルペンはさらに、非環式又は環式として分類することができる。
本明細書で使用する「テルペノイド」及び「テルペノイド化合物」は、イソプレン単位に加えて、少なくとも1個の酸素原子を含有するテルペン関連化合物を互換的に指し、したがって、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、エーテル類、限定されないがエステル類などのそのカルボン酸誘導体などを含む。テルペノイドは、テルペンと同様に炭素原子の数に応じて細分化され、したがって、それぞれ1、2、3、4、6及び8個のイソプレン単位を有するヘミテルペノイド(C5)、モノテルペノイド(C10)、セスキテルペノイド(C15)、ジテルペノイド(C20)、トリテルペノイド(C30)、及びテトラテルペノイド(C40)を含む。テルペノイド骨格は、フラグメント、一般的にはメチル基の消失又はシフトによるイソプレン単位の厳密な加算性が異なり得る。モノテルペノイドの例としては、樟脳、オイゲノール、メントール及びボルネオールが挙げられる。ジテルペノイドの例としては、フィトール、レチノール及びタキソールが挙げられる。トリテルペノイドの例としては、ベツリン酸及びラノステロールが挙げられる。テルペノイドは、非環式であるか、又は1以上の環構造を含有することができる。トリテルペノイドは、非環式であるか、又は1以上の環構造を含有することができる。環は、炭素原子のみを含有することができ、あるいは炭素原子の他に1個以上の酸素原子を含有することができる。一般的な環サイズは、3員環〜10員環の範囲にある。少なくとも20員環までのより大きな環サイズが可能である。1個以上の環及び1個以上の環サイズが、単一のトリテルペノイド中に存在し得る。トリテルペノイドが1個以上の環を含有する場合に、環は、存在し、1個以上の非環式結合により分離することができる。あるいは、環はアニール型、架橋型、スピロ型又はこれらの型のいずれかの組み合わせの連結を介して直接連結することができる。多重のアニール型、縮合型、架橋型、又はスピロ型の環系が可能である。単独及び多重のアニール型環、架橋型環、縮合型環、スピロ型環の組み合わせが可能である。同じトリテルペノイド中で分離された環と連結された環の組み合わせが可能である。
本明細書で使用する「テルペン酸」は、少なくとも1個のカルボン酸官能基(COOH)を含有するテルペノイド化合物を指す。テルペン酸はさらに、1以上の他の酸素含有官能基、例えば、限定されないが、ヒドロキシル、ケト、アルデヒド、エーテル(環状及び非環状)、エステル(環状及び非環状)を含有することができる。それらはまた、1個以上のC=C二重結合を含有することができ、各二重結合は、他のC=C結合から独立して、シス、トランス、E型、Z型、並びに一置換、二置換、三置換又は四置換(ビニルH置換基を意味しない)の二重結合であり得る。カルボン酸基は、プロトン化形態(COOH)又は脱プロトン化陰イオン形態(COO−)で存在し得る。
本明細書で使用する「トリテルペン酸」は、少なくとも1個のカルボン酸基を含有するトリテルペノイド化合物を指す。トリテルペン酸はさらに、1以上の他の酸素含有官能基、例えば、限定されないが、ヒドロキシル、ケト、アルデヒド、エーテル(環状及び非環状)並びにエステル(環状及び非環状)を含有することができる。それらはまた、1以上のC=C二重結合を含有することができ、各二重結合は、他のC=C結合から独立して、シス型、トランス型、E型又はZ型、並びに一置換、二置換、三置換又は四置換(ビニルH置換基を意味しない)の二重結合であり得る。カルボン酸基は、プロトン化形態(COOH)又は脱プロトン化陰イオン形態(COO−)で存在し得る。
本明細書で使用する「中性テルペノイド」は、カルボン酸基を欠くテルペノイド化合物を指す。中性トリテルペノイドは、1以上の他の酸素含有官能基、例えば、限定されないが、ヒドロキシル、ケト、アルデヒド、エーテル(環状及び非環状)並びにエステル(環状及び非環状)を含有することができる。それらはまた、1以上のC=C二重結合を含有することができ、各二重結合は、他のC=C結合から独立して、シス型、トランス型、E型又はZ型、並びに一置換、二置換、三置換又は四置換(ビニルH置換基を意味しない)の二重結合であり得る。
本明細書で使用する「中性トリテルペノイド」は、カルボン酸基を欠くトリテルペノイド化合物を指す。中性トリテルペノイドは、1以上の他の酸素含有官能基、例えば、限定されないが、ヒドロキシル、ケト、アルデヒド、エーテル(環状及び非環状)並びにエステル(環状及び非環状)を含有することができる。それらはまた、1以上のC=C二重結合を含有することができ、各二重結合は、他のC=C結合から独立して、シス型、トランス型、E型又はZ型、並びに一置換、二置換、三置換又は四置換(ビニルH置換基を意味しない)の二重結合であり得る。
本明細書で使用する「テルペン酸のオリゴマー形態」は、モノマー単位が同じテルペン酸又は異なるテルペン酸のいずれかであり、任意の可能な配置で結合され、限定されないが、C−C結合、エステル基若しくはエーテル基などの任意の可能な結合又は官能基を介して一方から他方に連結されているオリゴマーテルペノイド酸を指す。
本明細書で使用する「トリテルペン酸のオリゴマー形態」は、モノマー単位が同じトリテルペン酸又は異なるトリテルペン酸のいずれかであり、任意の可能な配置で結合され、限定されないが、C−C結合、エステル基若しくはエーテル基などの任意の可能な結合又は官能基を介して一方から他方に連結されているオリゴマートリテルペノイド酸を指す。
本明細書で使用する用語「マスティック」、「マスティック樹脂」、「ガムマスティック」及び「マスティックガム」は、ウルシ科に分類される任意の樹木からの抽出液として得られる植物樹脂(オレオレジンとしても知られる)を指すために互換的に使用される。ピスタシア属、最も顕著なPistacia lentiscus L.及び、特に、P.lentiscus L.cv.Chia(ギリシャ島のキオスで栽培される)の栽培品種の木が、収率の高いガムマスティックとして知られている。他の品種には、P.lentiscus L.var.emarginata Engl.,及びP.lentiscus L.var.latifolia Cossが含まれる。さらなるピスタシアの種には、例えば、P.atlantica、P.palestina、P.saportae、P.terebinthus、P.vera及びP.integerrimaが含まれる。
本明細書で使用する用語「マスチカジエノン酸(masticadienoic acid)」、「マスチカジエノン酸(masticadienonic acid)」、「マスチカジエノン(masticadienoic)」及び「マスチカジエノン(masticadienonic)」は、互換的に使用することができる。
頻繁に記述され、本出願において言及される化合物の分子構造に対して明確性を提供するために、本出願において使用される名称及び頭字語を有する構造のリストを以下に示す。
マスチカジエノン酸は24−Z−マスチカジエノン酸を指し、本出願で使用される頭字語MDAはこの化合物を指す。24−Z−マスチカジエノン酸の化学構造は以下の通りである:
24−Z−マスチカジエノン酸(MDA)
本明細書で使用する用語「イソマスチカジエノン酸(isomasticadienoic acid)」、「イソマスチカジエノン酸(isomasticadienonic acid)」、「イソマスチカジエノン(isomasticadienoic)」及び「イソマスチカジエノン(isomasticadienonic)」は、互換的に使用することができる。
イソマスチカジエノン酸は24−Z−イソマスチカジエノン酸を指し、本出願で使用される頭字語IMDAはこの化合物を指す。24−Z−イソマスチカジエノン酸の化学構造は以下の通りである:
24−Z−イソマスチカジエノン酸(IMDA)
オレアノン酸(OLN)は、以下の分子構造を有する:
オレアノン酸(OLN)
モロン酸(MO)は、以下の分子構造を有する:
モロン酸(MA)
24−Z−マスチカジエノール酸(MLA)は以下の構造を有し、3−ヒドロキシル基はβ−配置を有する:
MLA
24−Z−エピマスチカジエノール酸(エピ−MLA)は以下の構造を有し、3−ヒドロキシル基はα−配置を有する:
エピ−MLA
24−Z−イソマスチカジエノール酸(IMLA)は以下の構造を有し、3−ヒドロキシル基はβ−配置を有する:
IMLA
24−Z−エピ−イソマスチカジエノール酸(エピ−IMLA)は以下の構造を有し、3−ヒドロキシル基はβ−配置を有する:
エピ−IMLA
24−Z−3−O−アセチル−マスチカジエノール酸(3−OAc−MLA)は、以下の分子構造を有する:
24−Z−3−O−アセチル−マスチカジエノール酸
24−Z−3−O−アセチル−エピマスチカジエノール酸(3−OAc−エピ−MLA)は、以下の分子構造を有する:
24−Z−3−O−アセチル−エピマスチカジエノール酸
24−Z−3−O−アセチル−イソマスチカジエノール酸(3−OAc−IMLA)は、以下の分子構造を有する:
24−Z−3−O−アセチル−イソマスチカジエノール酸
24−Z−3−O−アセチル−エピイソマスチカジエノール酸(3−OAc−エピ−IMLA)は、以下の分子構造を有する:
24−Z−3−O−アセチル−エピイソマスチカジエノール酸
本開示の文脈において、「24−Z」が任意の上記の化合物名から省略される場合に、言及されるのはこの特定の24−Z異性体であることは理解されたい。
用語「NF−1」は、スキームIに記載の構造を有する、中性のトリテルペノイド化合物(8R)−3−β,8−ジヒドロキシポリポダ−13E,17E,21−トリエン(ミルハノールCとも呼ばれる)を対象とする:
スキームI
NF−1
用語「NF−2」は、スキームIIに記載の構造を有する中性トリテルペノイド化合物((8R)−3−オキソ−8−ヒドロキシポリポダ−13E,17E,21−トリエンを対象とする:
スキームII
NF−2
用語「NF−3」は、スキームIIIに記載の構造を有する中性トリテルペノイド化合物オレアノンアルデヒドを対象とする:
スキームIII
NF−3
用語「NF−4」は、スキームIVに記載の構造を有する中性トリテルペノイド化合物チルカロル(ユーホール(Euphol)のC−20エピマー)を対象とする:
スキームIV
NF−4
用語「NF−A」は、スキームVに記載の構造を有する中性トリテルペノイド化合物28−ヒドロキシルプ−20(29)−エン−3−オン(ベツロンとも呼ばれる)を対象とする:
スキームV
NF−A
用語「NF−B」は、スキームVIに記載の構造を有する中性トリテルペノイド化合物28−ヒドロキシ−β−アミロン(オレアノンアルコールとも呼ばれる)を対象とする:
スキームVI
NF−B
用語「NF−P」は、スキームVIIに記載の構造を有する中性トリテルペノイド化合物20−ヒドロキシダンマラ−24−エン−3−オン(ジプテロカルポールとも呼ばれる)を対象とする:
スキームVII
NF−P,20−ヒドロキシダンマラ−24−エン−3−オン(NF−P;ジプテロカルポール)
マスティックガム中性画分から分離された追加の中性トリテルペノイドは、以下のものである:
名称:3−β−20−ジヒドロキシルパン
名称:3−β−ヒドロキシ−13−α−マラバリカ−14(26),17E,21−トリエン
名称:3−オキソ−マラバリカ−14(26),17E,21−トリエン
名称:イソマスチカジエンジオール
名称:エピ−イソマスチカジエンジオール
名称:マスチカジエンジオール
名称:エピ−マスチカジエンジオール
名称:イソマスチカジエノン酸アルデヒド
名称:マスチカジエノン酸アルデヒド
名称:β−アミリン
β−アミリン
名称:β−アミロン
β−アミロン
名称:ゲルマニコール
ゲルマニコール
名称:28−ノル−β−アミリン
28−ノル−β−アミリン
名称:28−ノル−β−アミロン
28−ノル−β−アミロン
名称:3−オキソ−28−ノルルプ−20(29)−エン(28−ノル−ベツロン)
名称:3−オキソ−28ノル−17−ヒドロキシ−20(29)−エン(28−ノル−17−ヒドロキシベツロン)
本明細書で使用する用語「精油」は、植物の葉、茎、花若しくは小枝、又は同じ化学的属性を有する合成化合物由来の揮発油を指す。精油は、通常、植物の匂い又は香味を保有する。各植物精油又はその誘導体は、天然源から抽出するか、又は合成することができる。化学精油は、一般的に、トリテルペン及びトリテルペノイドと比較して分子量が低いモノテルペンとセスキテルペンの混合物又はそのようなテルペノイドの対応する混合物を主要な構成要素として含有する。特に、この基は、アルコール若しくはアルデヒド部分を含む飽和及び不飽和の非環式モノテルペン又はセスキテルペン、少なくとも1個の酸素化置換基又は側鎖を含有するベンゼノイド芳香族化合物、又は、一般に、1以上の酸素化置換基を保有する6員環を有するモノ炭素環テルペンを含む。マスティック樹脂は、そのような化合物を約2〜4%含有する。本明細書で使用する「精油」は、さらに、ラセミ混合物、鏡像異性体、ジアステレオマー、水和物、塩、溶媒和物、代謝産物、類似体、及び同族体を含むそれらの誘導体を含む。
本明細書で使用する「実質的に含まない」は、本発明による調製物又は医薬組成物が、一般的に、記載の物質を約5%未満含有することを意味する。例えば、約3%未満、1%未満、0.5%未満、0.1%未満。
本明細書で使用する用語「から本質的になる」は、特定の病態を治療する製剤又は方法における唯一の活性医薬成分が、特定の実施形態又は特許請求の範囲において具体的に列挙した治療成分であることを意味する。例えば、賦形剤及び/又は滑剤などの他の成分の存在は、除外されない。追加の他の薬学的活性剤の存在も、後者が前記病態に対して実際に影響を及ぼさない限り、除外されない。
本明細書で使用する「治療有効量」は、実質的に、所望の治療効果を誘発するか、促進するか又はもたらす医薬成分の量を指す。
本明細書で使用する「薬学的に許容される担体」は、共に製剤化される医薬成分の送達及び/又は薬物動態学的特性を増強するために使用されるが、それ自身の治療効果を有しておらず、対象における任意の望ましくない若しくは有害な作用又は有害な反応も誘発しないか、又は引き起こさない希釈剤又はビヒクルを指す。
本明細書で使用する「薬学的に許容される疎水性担体」は、組成物が溶解若しくは懸濁された疎水性の非極性希釈剤又はビヒクルを指す。
本明細書で使用する「タウオパチー」は、グリア原線維又は神経原線維の濃縮体中の、いわゆるタウタンパク質の病理学的凝集に関連する神経変性疾患の一群である。正常状態でのタウタンパク質は、高度に可溶性であり、微小管関連タンパク質(MAP)のクラスに属する。これらの濃縮体(「対になったらせん状フィラメント」としても知られる)は、凝集を不溶性形態にするタウタンパク質の過剰リン酸化を介して形成される。タウオパチーは、原発性及び二次的なタウオパチーの2つのグループに分けることができる。原発性タウオパチーの非限定的な例としては、原発性加齢性関連タウオパチー(PART、神経原線維濃縮体優勢の老人性認知症;ボクサー痴呆(慢性外傷性脳症);進行性核上麻痺(PSP);大脳皮質基底核変性症;第17染色体に関連する前頭側頭型認知症及びパーキンソニズム;ピック病;神経節腫;神経節細胞腫;髄膜血管腫症;脳炎後パーキンソニズム;亜急性硬化性全脳炎としても知られる)が挙げられる。
本明細書で使用するアルファ−シヌクレイノパチー(シヌクレイノパチー)は、ニューロン、神経線維又はグリア細胞中のアルファ−シヌクレインタンパク質の凝集体の異常な蓄積によって特徴付けられる神経変性疾患である。
パーキンソン病(PD)は、黒質緻密部(SNc)におけるドーパミン作動性(DA)ニューロンの進行性喪失によって特徴付けられる衰弱性神経変性疾患であり、線条体、一次投射領域、及び基底核の線条体外核における顕著なドーパミン(DA)枯渇につながる。PDは、動作緩慢、振戦、硬直、及び姿勢の不安定性の特徴的な臨床症候群を有する。これらの臨床的特徴の一部又は全てを有することができる異なる障害が多数あり、臨床症候群は、「パーキンソニズム」と呼ばれる。パーキンソニズムが顕著な部分である障害は、「パーキンソニズム障害」と呼ばれる。PDは、パーキンソニズム障害のホストの一つである。変性パーキンソニズム障害は、遺伝性又は孤発性であり得るが、全ては、脆弱性ニューロンの選択的集団におけるニューロン喪失によって特徴付けられる。全ての変性パーキンソニズム障害の共通因子は、被殻へ突出する黒質のドーパミン作動性ニューロン(すなわち、ドーパミン作動性黒質線条体経路)の喪失である。パーキンソン・プラス症候群には、多系統萎縮症(MSA)、進行性核上性麻痺(PSP)、パーキンソニズム−認知症−筋萎縮性側索硬化症複合症、大脳皮質基底核神経節変性症(CBD)及びレヴィー小体型認知症(DLB)などが含まれる。
本明細書で使用する用語「約」は、本明細書に記載の数値を参照して、記載値±10%と理解されるべきである。
トリテルペン酸及び中性トリテルペノイドを含む組成物
いくつかの実施形態において、本発明は、特定のトリテルペン酸及び中性トリテルペノイドを含むか、又はそれらからなる組成物を提供し、これらの組成物は、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)及び/又は血管性認知症(VD)の治療に予想外の相乗治療効果を有することが示されている。
いくつかの実施形態において、本発明は、特定のトリテルペン酸及び中性トリテルペノイドを含むか、又はそれらからなる組成物を提供し、これらの組成物は、多系統萎縮症(MSA)及び進行性核上性麻痺(PSP)などの関連病態の治療に予想外の相乗治療効果を有することが示されている。
いくつかの実施形態において、本発明は、特定のトリテルペン酸及び中性トリテルペノイドを含むか、又はそれらからなる組成物を提供し、これらの組成物は、タウオパチーの疾患及び病態の治療に予想外の相乗治療効果を有することが示されている。
トリテルペン酸及び中性トリテルペノイド化合物は、例えば、マスティックガムなどの植物源から得ることができるか、又は化学合成反応の生成物であり得る。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸及び中性トリテルペノイドのいずれか1種は、生化学反応の生成物又は微生物によって生成される生成物であり得る。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸及び中性トリテルペノイドのいずれか1種は、発酵プロセスの生成物であり得る。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸及び中性トリテルペノイドのいずれか1種は、化学合成と生化学反応の組み合わせによって生成することができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸及び中性トリテルペノイドのいずれか1種は、化学合成と発酵プロセスの組み合わせによって生成することができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸及び中性トリテルペノイドのいずれか1種は、上記のオプションのうちのいずれかの組み合わせによって生成することができる。生化学反応又は微生物プロセスの場合には、生化学剤及び微生物剤は、天然に存在する薬剤であり得るか、又は天然に存在しない改変剤であり得る。これらの薬剤の改変は、例えば、遺伝子工学などの現代の生化学的方法を用いて達成することができる。天然に存在しない前記生化学剤及び微生物剤は、合成生物学の方法を使用して作製することもできる。
本発明は、トリテルペン酸(複数可)及び中性トリテルペノイド(複数可)を含む開示される医薬組成物の予想外の生物学的及び薬学的特性に関する。トリテルペン酸(複数可)及び中性トリテルペノイド(複数可)の組み合わせは、トリテルペン酸のみ又は中性トリテルペノイドのみを使用することによって得ることができない全体的な薬学的活性をもたらす。
いくつかの実施形態において、該組成物は、一部が化学的に合成され、一部が植物源に由来する化合物の組み合わせに対応し得る。
いくつかの実施形態において、該組成物は、各化合物が、独立して、植物源に由来するか、又は上記の化学合成、生化学反応、又は微生物プロセス(例えば、発酵)の生成物であり得る化合物の組み合わせに対応し得る。
いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に詳述するように、治療活性を有する少なくとも1種のトリテルペン酸及び少なくとも1種の中性トリテルペノイドを含むか、又はそれらからなる組み合わせを含む組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、治療活性を有する少なくとも1種のトリテルペン酸及び少なくとも1種の中性トリテルペノイドを含む組み合わせ、並びに薬学的に許容される担体を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態において、少なくとも1種のトリテルペン酸、少なくとも1種の中性トリテルペノイド及び薬学的に許容される担体を含む組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、マスチカジエノン酸(MDA)、イソマスチカジエノン酸(IMDA)、マスチカジエノール酸(MLA)、イソマスチカジエノール酸(IMLA)、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルエピマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸、3−O−アセチルエピイソマスチカジエノール酸、オレアノン酸(OA)及びモロン酸(MA)、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1種から選択することができる。各可能性は別々の実施形態である。
いくつかの実施形態において、MDAが該トリテルペン酸の1種である場合、MDAは、トリテルペン酸の総重量の約2〜80%を含むことができる。いくつかの実施形態において、MDAは、トリテルペン酸の総重量の約10〜70%を含むことができる。いくつかの実施形態において、MDAは、トリテルペン酸の総重量の約15〜60%を含むことができる。いくつかの実施形態において、MDAは、トリテルペン酸の総重量の約20〜50%を含むことができる。いくつかの実施形態において、MDAは、トリテルペン酸の総重量の約20〜40%を含むことができる。いくつかの実施形態において、MDAは、トリテルペン酸の総重量の約40〜50%を含むことができる。いくつかの実施形態において、MDAは、トリテルペン酸の総重量の約50%を含むことができる。
いくつかの実施形態において、IMDAが該トリテルペン酸の1種である場合、IMDAは、トリテルペン酸の総重量の約2〜80%を含むことができる。いくつかの実施形態において、IMDAは、トリテルペン酸の総重量の約10〜70%を含むことができる。いくつかの実施形態において、IMDAは、トリテルペン酸の総重量の約15〜60%を含むことができる。いくつかの実施形態において、IMDAは、トリテルペン酸の総重量の約20〜50%を含むことができる。いくつかの実施形態において、IMDAは、トリテルペン酸の総重量の約20〜40%を含むことができる。いくつかの実施形態において、IMDAは、トリテルペン酸の総重量の約40〜50%を含むことができる。いくつかの実施形態において、IMDAは、トリテルペン酸の総重量の約50%を含むことができる。
いくつかの実施形態において、MLAが該トリテルペン酸の1種である場合、MLAは、トリテルペン酸の総重量の約0〜80%を含むことができる。いくつかの実施形態において、MLAは、トリテルペン酸の総重量の約0〜70%を含むことができる。いくつかの実施形態において、MLAは、トリテルペン酸の総重量の約0〜25%を含むことができる。いくつかの実施形態において、MLAは、トリテルペン酸の総重量の約0〜15%を含むことができる。いくつかの実施形態において、MLAは、トリテルペン酸の総重量の約8%を含むことができる。
いくつかの実施形態において、IMLAが該トリテルペン酸の1種である場合、IMLAは、トリテルペン酸の総重量の約0〜80%を含むことができる。いくつかの実施形態において、IMLAは、トリテルペン酸の総重量の約0〜70%を含むことができる。いくつかの実施形態において、IMLAは、トリテルペン酸の総重量の約0〜25%を含むことができる。いくつかの実施形態において、IMLAは、トリテルペン酸の総重量の約0〜15%を含むことができる。いくつかの実施形態において、IMLAは、トリテルペン酸の総重量の約8%を含むことができる。
いくつかの実施形態において、MAが該トリテルペン酸の1種である場合、MAは、トリテルペン酸の総重量の約0〜80%を含むことができる。いくつかの実施形態において、MAは、トリテルペン酸の総重量の約0〜70%を含むことができる。いくつかの実施形態において、MAは、トリテルペン酸の総重量の約0〜40%を含むことができる。いくつかの実施形態において、MAは、トリテルペン酸の総重量の約0〜30%を含むことができる。いくつかの実施形態において、MAは、トリテルペン酸の総重量の約5〜20%を含むことができる。いくつかの実施形態において、MAは、トリテルペン酸の総重量の約12〜15%を含むことができる。
いくつかの実施形態において、OAが該トリテルペン酸の1種である場合、OAは、トリテルペン酸の総重量の約0〜80%を含むことができる。いくつかの実施形態において、OAは、トリテルペン酸の総重量の約0〜70%を含むことができる。いくつかの実施形態において、OAは、トリテルペン酸の総重量の約0〜50%を含むことができる。いくつかの実施形態において、OAは、トリテルペン酸の総重量の約5〜35%を含むことができる。いくつかの実施形態において、OAは、トリテルペン酸の総重量の約10〜25%を含むことができる。いくつかの実施形態において、MAは、トリテルペン酸の総重量の約18〜20%を含むことができる。
いくつかの実施形態において、3−O−アセチルマスチカジエノール酸が該トリテルペン酸の1種である場合、3−O−アセチルマスチカジエノール酸は、トリテルペン酸の総重量の約0〜80%を含むことができる。いくつかの実施形態において、3−O−アセチルマスチカジエノール酸は、トリテルペン酸の総重量の約0〜70%を含むことができる。いくつかの実施形態において、3−O−アセチルマスチカジエノール酸は、トリテルペン酸の総重量の約0〜25%を含むことができる。いくつかの実施形態において、3−O−アセチルマスチカジエノール酸は、トリテルペン酸の総重量の約0〜15%を含むことができる。いくつかの実施形態において、3−O−アセチルマスチカジエノール酸は、トリテルペン酸の総重量の約4〜7%を含むことができる。
いくつかの実施形態において、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸が該トリテルペン酸の1種である場合、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸は、トリテルペン酸の総重量の約0〜80%を含むことができる。いくつかの実施形態において、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸は、トリテルペン酸の総重量の約0〜70%を含むことができる。いくつかの実施形態において、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸は、トリテルペン酸の総重量の約0〜25%を含むことができる。いくつかの実施形態において、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸は、トリテルペン酸の総重量の約0〜15%を含むことができる。いくつかの実施形態において、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸は、トリテルペン酸の総重量の約4〜7%を含むことができる。
いくつかの実施形態において、3−O−アセチル−エピマスチカジエノール酸が該トリテルペン酸の1種である場合、3−O−アセチルマスチカジエノール酸は、トリテルペン酸の総重量の約0〜80%を含むことができる。いくつかの実施形態において、3−O−アセチルエピマスチカジエノール酸は、トリテルペン酸の総重量の約0〜70%を含むことができる。いくつかの実施形態において、3−O−アセチルマスチカジエノール酸は、トリテルペン酸の総重量の約0〜25%を含むことができる。いくつかの実施形態において、3−O−アセチルエピマスチカジエノール酸は、トリテルペン酸の総重量の約0〜15%を含むことができる。いくつかの実施形態において、3−O−アセチルエピマスチカジエノール酸は、トリテルペン酸の総重量の約4〜7%を含むことができる。
いくつかの実施形態において、3−O−アセチルエピイソマスチカジエノール酸が該トリテルペン酸の1種である場合、3−O−アセチルエピイソマスチカジエノール酸は、トリテルペン酸の総重量の約0〜80%を含むことができる。いくつかの実施形態において、3−O−アセチルエピイソマスチカジエノール酸は、トリテルペン酸の総重量の約0〜70%を含むことができる。いくつかの実施形態において、3−O−アセチルエピイソマスチカジエノール酸は、トリテルペン酸の総重量の約0〜25%を含むことができる。いくつかの実施形態において、3−O−アセチルエピイソマスチカジエノール酸は、トリテルペン酸の総重量の約0〜15%を含むことができる。いくつかの実施形態において、3−O−アセチルエピマスチカジエノール酸は、トリテルペン酸の総重量の約4〜7%を含むことができる。
いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、(8R)−3−β,8−ジヒドロキシポリポダ−13E,17E,21−トリエン(8−ジヒドロキシポリポダ−13E,17E,21−トリエン;NF−1)、(8R)−3−オキソ−8−ヒドロキシポリポダ−13E,17E,21−トリエン(NF−2)、オレアノンアルデヒド(NF−3)、チルカロル(NF−4)、28−ヒドロキシルプ−20(29)−エン−3−オン(NF−A)、28−ヒドロキシ−β−アミロン(NF−B)、20−ヒドロキシダマール−24−エン−3−オン(NF−P)、3−β−ヒドロキシ−13−α−マラバリカ−14(26),17E,21−トリエン、20−ヒドロキシ−ルパン−3−オン、28−ノル−17−ヒドロキシルペン−3−オン、28−オキソ−ルペン−3−オン、28−ノル−β−アミロン、イソマスチカジエノン酸アルデヒド、イソマスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28−オキソ−β−アミリン)、3−β−20−ジヒドロキシルパン、マスチカジエノン酸アルデヒド、3−オキソ−マラバリカ−14(26),17E,21−トリエン、β−アミロン、β−アミリン、ゲルマニコール、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1種から選択することができる。各可能性は別々の実施形態である。
いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、(8R)−3−β,8−ジヒドロキシポリポダ−13E,17E,21−トリエン(8−ジヒドロキシポリポダ−13E,17E,21−トリエン;NF−1)、(8R)−3−オキソ−8−ヒドロキシポリポダ−13E,17E,21−トリエン(NF−2)、オレアノンアルデヒド(NF−3)、チルカロル(NF−4)、28−ヒドロキシルプ−20(29)−エン−3−オン(NF−A)、28−ヒドロキシ−β−アミロン(NF−B)、20−ヒドロキシダマール−24−エン−3−オン(NF−P)、3−β−ヒドロキシ−13−α−マラバリカ−14(26),17E,21−トリエン、20−ヒドロキシ−ルパン−3−オン、28−ノル−17−ヒドロキシルペン−3−オン、28−オキソ−ルペン−3−オン、28−ノル−β−アミロン、イソマスチカジエノン酸アルデヒド、イソマスチカジエンジオール、マスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28−オキソ−β−アミリン)、3−β−20−ジヒドロキシルパン、マスチカジエノン酸アルデヒド、3−オキソ−マラバリカ−14(26),17E,21−トリエン、β−アミロン、β−アミリン、ゲルマニコール、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1種から選択することができる。各可能性は別々の実施形態である。
いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、(8R)−3−β,8−ジヒドロキシポリポダ−13E,17E,21−トリエン(8−ジヒドロキシポリポダ−13E,17E,21−トリエン;NF−1)、(8R)−3−オキソ−8−ヒドロキシポリポダ−13E,17E,21−トリエン(NF−2)、オレアノンアルデヒド(NF−3)、チルカロル(NF−4)、28−ヒドロキシルプ−20(29)−エン−3−オン(NF−A)、28−ヒドロキシ−β−アミロン(NF−B)、3−β−ヒドロキシ−13−α−マラバリカ−14(26),17E,21−トリエン、20−ヒドロキシ−ルパン−3−オン、28−ノル−17−ヒドロキシルペン−3−オン、28−オキソ−ルペン−3−オン、28−ノル−β−アミロン、イソマスチカジエノン酸アルデヒド、イソマスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28−オキソ−β−アミリン)、3−β−20−ジヒドロキシルパン、マスチカジエノン酸アルデヒド、3−オキソ−マラバリカ−14(26),17E,21−トリエン、β−アミロン、β−アミリン、ゲルマニコール、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1種から選択することができる。各可能性は別々の実施形態である。
いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、(8R)−3−β,8−ジヒドロキシポリポダ−13E,17E,21−トリエン(8−ジヒドロキシポリポダ−13E,17E,21−トリエン;NF−1)、(8R)−3−オキソ−8−ヒドロキシポリポダ−13E,17E,21−トリエン(NF−2)、オレアノンアルデヒド(NF−3)、チルカロル(NF−4)、28−ヒドロキシルプ−20(29)−エン−3−オン(NF−A)、28−ヒドロキシ−β−アミロン(NF−B)、3−β−ヒドロキシ−13−α−マラバリカ−14(26),17E,21−トリエン、20−ヒドロキシ−ルパン−3−オン、28−ノル−17−ヒドロキシルペン−3−オン、28−オキソ−ルペン−3−オン、28−ノル−β−アミロン、イソマスチカジエノン酸アルデヒド、イソマスチカジエンジオール、マスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28−オキソ−β−アミリン)、3−β−20−ジヒドロキシルパン、マスチカジエノン酸アルデヒド、3−オキソ−マラバリカ−14(26),17E,21−トリエン、β−アミロン、β−アミリン、ゲルマニコール、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1種から選択することができる。各可能性は別々の実施形態である。
いくつかの実施形態において、NF−1が該中性トリテルペノイドの1種である場合、中性トリテルペノイドの総量に対するNF−1の量は、約0%〜約80%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量に対するNF−1の量は、約0%〜約50%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量に対するNF−1の量は、約5%〜約25%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量に対するNF−1の量は、約9%〜約13%の範囲であり得る。
いくつかの実施形態において、NF−2が該中性トリテルペノイドの1種である場合、中性トリテルペノイドの総量に対するNF−2の量は、約0%〜約80%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量に対するNF−2の量は、約0%〜約50%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量に対するNF−2の量は、約5%〜約25%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量に対するNF−2の量は、約9%〜約13%の範囲であり得る。
いくつかの実施形態において、NF−3が該中性トリテルペノイドの1種である場合、中性トリテルペノイドの総量に対するNF−3の量は、約0%〜約80%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量に対するNF−3の量は、約0%〜約50%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量に対するNF−3の量は、約5%〜約25%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量に対するNF−3の量は、約9%〜約13%の範囲であり得る。
いくつかの実施形態において、NF−4が該中性トリテルペノイドの1種である場合、中性トリテルペノイドの総量に対するNF−4の量は、約0%〜約80%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量に対するNF−4の量は、約0%〜約50%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量に対するNF−4の量は、約5%〜約25%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量に対するNF−4の量は、約9%〜約13%の範囲であり得る。
いくつかの実施形態において、NF−Pが該中性トリテルペノイドの1種である場合、中性トリテルペノイドの総量に対するNF−Pの量は、約0%〜約50%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量に対するNF−Pの量は、約0%〜約25%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量に対するNF−Pの量は、約0%〜約7%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量に対するNF−Pの量は、約6%〜約7%の範囲であり得る。
いくつかの実施形態において、NF−Aが該中性トリテルペノイドの1種である場合、中性トリテルペノイドの総量に対するNF−Aの量は、約0%〜約25%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量に対するNF−Aの量は、約0%〜約15%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量に対するNF−Aの量は、約0%〜約6%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量に対するNF−Aの量は、約4%〜約6%の範囲であり得る。
いくつかの実施形態において、NF−Bが該中性トリテルペノイドの1種である場合、中性トリテルペノイドの総量に対するNF−Bの量は、約0%〜約25%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量に対するNF−Bの量は、約0%〜約15%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量に対するNF−Bの量は、約0%〜約6%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、中性トリテルペノイドの総量に対するNF−Bの量は、約4%〜約6%の範囲であり得る。
いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、該組成物の全有効成分の約1%〜約80%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、該組成物の全有効成分の約10%〜約80%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、該組成物の全有効成分の約20%〜約80%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、該組成物の全有効成分の約30%〜約70%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、該組成物の全有効成分の約35%〜約65%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、該組成物の全有効成分の約40%〜約60%を含むことができる。
いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、全組成物の約0.01%〜約80%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、全組成物の約0.01%〜約50%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、全組成物の約0.01%〜約10%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、全組成物の約0.1%〜約10%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、全組成物の約0.5%〜約4%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、全組成物の約1%〜約3.5%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、全組成物の約1.5%〜約3%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、全組成物の約1.75%〜約2.75%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、全組成物の約2%〜約2.5%を含むことができる。
いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、該組成物の全有効成分の約1%〜約80%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、該組成物の全有効成分の約10%〜約80%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、該組成物の全有効成分の約20%〜約80%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、該組成物の全有効成分の約30%〜約70%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、該組成物の全有効成分の約35%〜約65%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、該組成物の全有効成分の約40%〜約60%を含むことができる。
いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、全組成物の約0.01%〜約80%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、全組成物の約0.01%〜約50%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、全組成物の約0.01%〜約10%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、全組成物の約0.1%〜約10%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、全組成物の約0.5%〜約4%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、全組成物の約1%〜約3.5%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、全組成物の約1.5%〜約3%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、全組成物の約1.75%〜約2.75%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、全組成物の約2%〜約2.5%を含むことができる。
いくつかの実施形態において、該組み合わせは、トリテルペン酸としてMDA及びIMDAのうちの少なくとも1種、並びに中性トリテルペノイドとしてNF−1及びNF−2のうちの少なくとも1種を含む。
いくつかの実施形態において、該組み合わせは、トリテルペン酸としてMDA及びIMDAのうちの少なくとも1種、並びに中性トリテルペノイドとしてNF−1及びNF−2のうちの少なくとも1種を含むことができる。
いくつかの実施形態において、該組み合わせは、トリテルペン酸として少なくともMDA及び中性トリテルペノイドとして少なくともNF−1を含むことができる。
いくつかの実施形態において、該組み合わせは、トリテルペン酸として少なくともMDA及び中性トリテルペノイドとして少なくともNF−2を含むことができる。
いくつかの実施形態において、該組み合わせは、トリテルペン酸として少なくともIMDA及び中性トリテルペノイドとして少なくともNF−1を含むことができる。
いくつかの実施形態において、該組み合わせは、トリテルペン酸として少なくともIMDA及び中性トリテルペノイドとして少なくともNF−2を含むことができる。
いくつかの実施形態において、該組み合わせは、トリテルペン酸として少なくともMDA及びIMDA並びに中性トリテルペノイドとして少なくともNF−1及びNF−2を含むことができる。
いくつかの実施形態において、該組み合わせは、トリテルペン酸として少なくともMDA及びIMDA並びに中性トリテルペノイドとして少なくともNF−1、NF−2、NF−3及びNF−4を含むことができる。いくつかの実施形態において、該組み合わせは、トリテルペン酸として少なくともMDA及びIMDA並びに中性トリテルペノイドとして少なくともNF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A、NF−B、NF−Pを含むことができる。いくつかの実施形態において、該組み合わせは、トリテルペン酸として少なくともMDA及びIMDA並びに中性トリテルペノイドとして少なくともNF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A、及びNF−Bを含むことができる。いくつかの実施形態において、該組み合わせは、トリテルペン酸として少なくともMDA、MLA、IMDA及びIMLA並びに中性トリテルペノイドとして少なくともNF−1、NF−2、NF−3及びNF−4を含むことができる。いくつかの実施形態において、該組み合わせは、トリテルペン酸として少なくともMDA、MLA、IMDA及びIMLA並びに中性トリテルペノイドとして少なくともNF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A、NF−B及びNF−Pを含むことができる。いくつかの実施形態において、該組み合わせは、トリテルペン酸として少なくともMDA、MLA、IMDA及びIMLA並びに中性トリテルペノイドとして少なくともNF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A及びNF−Bを含むことができる。そのような組成物は、予想外に相乗効果を示し、それによって、該化合物の組み合わせは、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)及び/又は血管性認知症(VD)などの病態の治療に顕著に改善された治療効果を示す。
いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、少なくともNF−1及び少なくとも1種の追加の中性トリテルペノイドを含む。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、少なくともNF−2及び少なくとも1種の追加の中性トリテルペノイドを含む。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、少なくともNF−1、NF−2及び少なくとも1種の追加の中性トリテルペノイドを含む。いくつかの実施形態において、該追加の中性トリテルペノイドは、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A、NF−B及びNF−Pからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、該追加の中性トリテルペノイドは、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A及びNF−Bからなる群から選択される。各可能性は別々の実施形態である。いくつかの実施形態において、該追加の中性トリテルペノイドは、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A、NF−B、及びNF−Pからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、該追加の中性トリテルペノイドは、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A及びNF−Bからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、該追加の中性トリテルペノイドは、NF−1、NF−3、NF−4、NF−A、NF−B及びNF−Pからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、該追加の中性トリテルペノイドは、NF−1、NF−3、NF−4、NF−A及びNF−Bからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、該追加の中性トリテルペノイドは、NF−3、NF−4、NF−A、NF−B及びNF−Pからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、該追加の中性トリテルペノイドは、NF−3、NF−4、NF−A及びNF−Bからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、該追加の中性トリテルペノイドは、NF−3及びチルカロルNF−4から選択される。これらの化合物のいくつかの様々な組み合わせは、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)及び/又は血管性認知症(VD)の治療に予想外の相乗効果を示す。これらの化合物のいくつかの様々な組み合わせは、多系統萎縮症(MSA)及び進行性核上性麻痺(PSP)などの病態の治療に予想外の相乗効果を示す。これらの化合物のいくつかの様々な組み合わせは、様々なタウオパチーの疾患及び病態の治療に予想外の相乗効果を示す。
いくつかの実施形態において、トリテルペン酸としてMDA及びIMDAのうちの少なくとも1種並びに中性トリテルペノイドとしてNF−1及びNF−2のうちの少なくとも1種を含む組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A、NF−B及びNF−Pのうちの少なくとも1種に加えて、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルエピマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸、3−O−アセチルエピイソマスチカジエノール酸、OA及びMAのうちの少なくとも1種を含む組成物が提供される。各可能性は本発明の別々の実施形態である。
いくつかの実施形態において、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A及びNF−Bのうちの少なくとも1種に加えて、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルエピマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸、3−O−アセチルエピイソマスチカジエノール酸、OA及びMAのうちの少なくとも1種を含む組成物が提供される。各可能性は本発明の別々の実施形態である。
いくつかの実施形態において、該組成物は、NF−1、NF−2、NF−3及びNF−4のうちの少なくとも1種に加えて、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸、OA及びMAのうちの少なくとも1種を含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、NF−1、NF−2、NF−3及びNF−4のうちの少なくとも1種に加えて、MDA及びIMDAのうちの少なくとも1種を含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A、NF−B及びNF−Pのうちの少なくとも1種に加えて、MDA及びIMDAのうちの少なくとも1種を含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A及びNF−Bのうちの少なくとも1種に加えて、MDA及びIMDAのうちの少なくとも1種を含む。いくつかの実施形態において、該組成物はさらに、薬学的に許容される担体を含むことができる。各可能性は本発明の別々の実施形態である。
いくつかの実施形態において、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルエピマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸、3−O−アセチルエピイソマスチカジエノール酸、OA及びMAのうちの少なくとも1種に加えて、NF−1及びNF−2のうちの少なくとも1種;並びにNF−3、NF−4、NF−A、NF−B及びNF−Pのうちの少なくとも1種を含む組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルエピマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸、3−O−アセチルエピイソマスチカジエノール酸、OA及びMAのうちの少なくとも1種に加えて、NF−1及びNF−2のうちの少なくとも1種;並びにNF−3、NF−4、NF−A及びNF−Bのうちの少なくとも1種を含む組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、NF−1、NF−2を含み、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルエピマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸、3−O−アセチルエピイソマスチカジエノール酸のうちの少なくとも1種;OA、MA、並びにNF−3、NF−4、NF−A、NF−B及びNF−Pのうちの少なくとも1種を含む組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、NF−1、NF−2を含み、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルエピマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸、3−O−アセチルエピイソマスチカジエノール酸のうちの少なくとも1種;OA、MA、並びにNF−3、NF−4、NF−A及びNF−Bのうちの少なくとも1種を含む組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸、OA及びMAのうちの少なくとも1種、並びにNF−3及びNF−4のうちの少なくとも1種に加えて、NF−1及びNF−2のうちの少なくとも1種を含む組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、マスチカジエノン酸MDA、IMDA、MLA、IMLA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸、OA及びMAのうちの少なくとも1種、並びにNF−3及びNF−4のうちの少なくとも1種に加えて、NF−1及びNF−2を含む組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、MDA、IMDA、MLA及びIMLAのうちの少なくとも1種、並びにNF−3、NF−4、NF−A、NF−B及びNF−Pのうちの少なくとも1種に加えて、NF−1及びNF−2のうちの少なくとも1種を含む組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、MDA、IMDA、MLA及びIMLAのうちの少なくとも1種、並びにNF−3、NF−4、NF−A及びNF−Bのうちの少なくとも1種に加えて、NF−1及びNF−2のうちの少なくとも1種を含む組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、MDA、IMDA、MLA及びIMLAのうちの少なくとも1種、並びにNF−3、NF−4、NF−A、NF−B及びNF−Pのうちの少なくとも1種に加えて、NF−1及びNF−2を含む組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、MDA、IMDA、MLA及びIMLAのうちの少なくとも1種、並びにNF−3、NF−4、NF−A及びNF−Bのうちの少なくとも1種に加えて、NF−1及びNF−2を含む組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、マスチカジエノン酸MDA及びIMDAのうちの少なくとも1種に加えて、NF−1及びNF−2のうちの少なくとも1種;並びにNF−3及びNF−4のうちの少なくとも1種を含む組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、MDA及びIMDAのうちの少なくとも1種に加えて、NF−1及びNF−2;並びにNF−3及びNF−4のうちの少なくとも1種を含む組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸、OA及びMAのうちの少なくとも1種、並びにNF−3、NF−4、NF−A、NF−B及びNF−Pのうちの少なくとも1種に加えて、NF−1及びNF−2のうちの少なくとも1種を含む組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸、OA及びMAのうちの少なくとも1種、並びにNF−3、NF−4、NF−A及びNF−Bのうちの少なくとも1種に加えて、NF−1及びNF−2のうちの少なくとも1種を含む組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸、OA及びMAのうちの少なくとも1種、並びにNF−3、NF−4、NF−A、NF−B及びNF−Pのうちの少なくとも1種に加えて、NF−1及びNF−2を含む組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸、OA及びMAのうちの少なくとも1種、並びにNF−3、NF−4、NF−A及びNF−Bのうちの少なくとも1種に加えて、NF−1及びNF−2を含む組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、マスチカジエノン酸MDA及びIMDAのうちの少なくとも1種に加えて、NF−1及びNF−2のうちの少なくとも1種;並びにNF−3、NF−4、NF−A、NF−B及びNF−Pのうちの少なくとも1種を含む組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、マスチカジエノン酸MDA及びIMDAのうちの少なくとも1種に加えて、NF−1及びNF−2のうちの少なくとも1種;並びにNF−3、NF−4、NF−A及びNF−Bのうちの少なくとも1種を含む組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、MDA及びIMDAのうちの少なくとも1種並びにNF−3、NF−4、NF−A、NF−B及びNF−Pのうちの少なくとも1種に加えて、NF−1及びNF−2を含む組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、MDA及びIMDAのうちの少なくとも1種並びにNF−3、NF−4、NF−A及びNF−Bのうちの少なくとも1種に加えて、NF−1及びNF−2を含む組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、MDA及びIMDAのうちの少なくとも1種に加えて、NF−1及びNF−2を含む組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、該組成物は、15以下のトリテルペノイドを含むことができる。いくつかの実施形態において、該組成物は、14以下のトリテルペノイドを含むことができる。いくつかの実施形態において、該組成物は、13以下のトリテルペノイドを含むことができる。いくつかの実施形態において、該組成物は、12以下のトリテルペノイドを含むことができる。いくつかの実施形態において、該組成物は、11以下のトリテルペノイドを含むことができる。いくつかの実施形態において、該組成物は、10以下トリテルペノイドを含むことができる。いくつかの実施形態において、該組成物は、多くて9以下トリテルペノイドを含むことができる。いくつかの実施形態において、該組成物は、8以下のトリテルペノイドを含むことができる。いくつかの実施形態において、該組成物は、7以下のトリテルペノイドを含むことができる。いくつかの実施形態において、該組成物は、6以下のトリテルペノイドを含むことができる。
いくつかの実施形態において、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A、NF−B及びNF−Pのうちの少なくとも1種に加えて、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルエピマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸、3−O−アセチルエピイソマスチカジエノール酸のうちの少なくとも1種;OA及びMAを含む組み合わせが提供される。各可能性は本発明の別々の実施形態である。いくつかの実施形態において、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A及びNF−Bのうちの少なくとも1種に加えて、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルエピマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸、3−O−アセチルエピイソマスチカジエノール酸のうちの少なくとも1種;OA及びMAを含む組み合わせが提供される。各可能性は本発明の別々の実施形態である。いくつかの実施形態において、該組み合わせは、NF−1、NF−2、NF−3及びNF−4のうちの少なくとも1種に加えて、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸、OA及びMAのうちの少なくとも1種を含む。いくつかの実施形態において、該組み合わせは、NF−1、NF−2、NF−3及びNF−4の少なくとも1種に加えて、MDA及びIMDAのうちの少なくとも1種を含む。いくつかの実施形態において、該組み合わせは、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A、NF−B及びNF−Pのうちの少なくとも1種に加えて、MDA及びIMDAのうちの少なくとも1種を含む。いくつかの実施形態において、該組み合わせは、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A及びNF−Bのうちの少なくとも1種に加えて、MDA及びIMDAのうちの少なくとも1種を含む。いくつかの実施形態において、該組み合わせはさらに、薬学的に許容される担体を含むことができる。
いくつかの実施形態において、該組成物はさらに、3−β−ヒドロキシ−13−α−マラバリカ−14(26),17E,21−トリエン、20−ヒドロキシ−ルパン−3−オン、28−ノル−17−ヒドロキシルペン−3−オン、28−オキソ−ルペン−3−オン、28−ノル−β−アミロン、イソマスチカジエノン酸アルデヒド、イソマスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28−オキソ−β−アミリン)、3−β−20−ジヒドロキシルパン、マスチカジエノン酸アルデヒド、3−オキソ−マラバリカ−14(26),17E,21−トリエンからなる群から選択される少なくとも1種の中性トリテルペノイドを含む。各可能性は本発明の別々の実施形態である。
いくつかの実施形態において、該組成物はさらに、3−β−ヒドロキシ−13−α−マラバリカ−14(26),17E,21−トリエン、20−ヒドロキシ−ルパン−3−オン、28−ノル−17−ヒドロキシルペン−3−オン、28−オキソ−ルペン−3−オン、28−ノル−β−アミロン、イソマスチカジエノン酸アルデヒド、イソマスチカジエンジオール、マスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28−オキソ−β−アミリン)、3−β−20−ジヒドロキシルパン、マスチカジエノン酸アルデヒド、3−オキソ−マラバリカ−14(26),17E,21−トリエンからなる群から選択される少なくとも1種の中性トリテルペノイドを含む。各可能性は本発明の別々の実施形態である。
いくつかの実施形態において、2種以上のトリテルペン酸を含む組成物において、そのような組成物中に存在する場合、IMDA及びMDAは、約1:1w/wの比で存在する。
いくつかの実施形態において、2種以上のトリテルペン酸を含む組成物において、そのような組成物中に存在する場合、MDA、IMDA、MLA、IMLAは、それぞれ約1:1:0.2:0.2(5:5:1:1)w/wの比で存在する。
いくつかの実施形態において、そのような組成物中に存在する場合、IMDA、MDA、NF−1、NF−2、NF−3及びNF−4は、それぞれ約1:1:0.5:0.5:0.5:0.33(6:6:3:3:3:2)w/wの比で存在する。
いくつかの実施形態において、そのような組成物中に存在する場合、IMDA、MDA、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−P、NF−A、及びNF−Bは、それぞれ約1:1:0.5:0.5:0.5:0.33:0.33:0.25:0.25(12:12:6:6:6:4:4:3:3)w/wの比で存在する。
いくつかの実施形態において、そのような組成物中に存在する場合、IMDA、MDA、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A、及びNF−Bは、それぞれ約1:1:0.5:0.5:0.5:0.33:0.25:0.25(12:12:6:6:6:4:4:3:3)w/wの比で存在する。
いくつかの実施形態において、そのような組成物中に存在する場合、IMDA、MDA、NF−1及びNF−2は、それぞれ約1:1:0.5:0.5(2:2:1:1)w/wの比で存在する。
いくつかの実施形態において、そのような組成物中に存在する場合、IMDA、MDA、OA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチル−イソマスチカジエノール酸、NF−1及びNF−2は、それぞれ約2:2:0.75:0.75:1.5:1:1:1:0.67w/wの比で存在する。
いくつかの実施形態において、そのような組成物中に存在する場合、NF−1、NF−2、NF−3及びNF−4は、それぞれ約1:1:1:0.67(3:3:3:2)w/wの比で存在する。
いくつかの実施形態において、そのような組成物中に存在する場合、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−P、NF−A、及びNF−Bは、それぞれ約1:1:1:0.67:0.67:0.5:0.5(6:6:6:4:4:3:3)の比で存在する。
いくつかの実施形態において、そのような組成物中に存在する場合、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A、及びNF−Bは、それぞれ約1:1:1:0.67:0.5:0.5(6:6:6:4:4:3:3)の比で存在する。
いくつかの実施形態において、該組成物はさらに、β−アミロン、β−アミリン及びゲルマニコールからなる群から選択される少なくとも1種の中性トリテルペノイドを含む。各可能性は本発明の別々の実施形態である。
いくつかの実施形態において、該組成物はさらに、オレアノール酸、ウルソン酸及びウルソール酸からなる群から選択される少なくとも1種のトリテルペン酸を含むことができる。各可能性は本発明の別々の実施形態である。
いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸(複数可)は、植物源から得ることができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸のうちのいずれか1種は、植物源から得ることができる。いくつかの実施形態において、少なくとも1種のトリテルペン酸は、植物源から得ることができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイド(複数可)は、植物源から得ることができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドのうちのいずれか1種は、植物源から得ることができる。いくつかの実施形態において、少なくとも1種の中性トリテルペノイドは、植物源から得ることができる。いくつかの実施形態において、該植物源は、マスティックガムを含むことができる。
いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸及び/又は中性トリテルペノイドのうちのいずれか1種は、天然源から分離され得るか、又は化学合成の生成物であり得る。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸及び/又は中性トリテルペノイドは、天然源から分離され得るか、又は化学合成の生成物であり得る。
いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸及び中性トリテルペノイドのうちのいずれか1種は、生化学反応の生成物又は微生物によって生成される生成物であり得る。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸及び中性トリテルペノイドのうちのいずれか1種は、発酵プロセスの生成物であり得る。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸及び中性トリテルペノイドのうちのいずれか1種は、化学合成と生化学反応の組み合わせによって生成することができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸及び中性トリテルペノイドのうちのいずれか1種は、化学合成と発酵プロセスの組み合わせによって生成することができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸及び中性トリテルペノイドのうちのいずれか1種は、上記のオプションのいずれかの組み合わせによって生成することができる。生化学反応又は微生物プロセスの場合には、生化学剤及び微生物剤は、天然に存在する薬剤であるか、又は天然に存在しない改変剤であり得る。これらの薬剤の改変は、例えば、遺伝子工学などの現代の生化学的方法を用いて達成することができる。天然に存在しない前記生化学剤及び微生物剤は、合成生物学の方法を使用して作製することもできる。
いくつかの実施形態において、天然源から得ることは、天然源から分離すること含むことができる。いくつかの実施形態において、該天然源からの分離は、個々の化合物(複数可)又は化合物のグループ(複数可)としての分離を含むことができる。いくつかの実施形態において、該天然源は、樹脂、ガム、葉、枝、根、花、種子、芽、樹皮、ナッツ及び根からなる群から選択される植物材料を含むことができる。各可能性は別々の実施形態である。いくつかの実施形態において、該天然源は、少なくとも1種の植物から抽出された樹脂を含むことができる。いくつかの実施形態において、該天然源は、マスティックガムを含むことができる。
いくつかの実施形態において、該天然源は、少なくとも1種の植物を含むことができる。いくつかの実施形態において、該植物は、ウルシ科に分類することができる。いくつかの実施形態において、該植物は、カイノキ属(複数可)及び/又はSchinus属に分類される少なくとも1種の植物を含むことができる。いくつかの実施形態において、カイノキ属は、P.lentiscus、P.lentiscus Latifolia Coss、P.lentiscus var.Chia、P.atlantica、P.palestina、P.saportae、P.terebinthus、P.vera、P.integerrima、及びP.lentiscus Lからなる群から選択される種を含むことができる。各可能性は別々の実施形態である。いくつかの実施形態において、カイノキ属は、Pistacia lentiscus L.種を含むことができる。いくつかの実施形態において、Schinusは、コショウボク(S.molle)種を含むことができる。いくつかの実施形態において、カイノキ属は、Pistacia Lentiscus var.Chia種を含むことができる。
いくつかの実施形態において、該トリテルペノイドは、
(a)マスティックガムを極性有機溶媒で処理する工程;
(b)前記極性有機溶媒に可溶性画分を分離する工程;
(c)必要に応じて、前記極性有機溶媒を除去する工程;
(d)工程(b)又は(c)で得られた可溶性画分を非極性有機溶媒で処理する工程;
(e)前記非極性有機溶媒中の可溶性画分を分離する工程;
(f)必要に応じて、前記非極性有機溶媒を除去する工程;
(g)工程(f)で得られた画分を第1の有機溶媒に溶解する工程;
(h)中性トリテルペノイドを含有する第1の有機溶液に加えて、脱プロトン化塩形態のトリテルペン酸及び中間油相又はエマルジョン相を含有する塩基性水性画分を得るために、工程(g)又は(e)で得られた溶液を塩基性水溶液で処理する工程;
(i)第1の有機溶液から前記塩基性水性画分及び中間油相/エマルジョン相を分離する工程;
(j)工程(i)で得られた塩基性水性画分及びエマルジョンを酸で酸性化する工程;
(k)工程(j)で得られた酸性画分を第2の有機溶媒で抽出する工程;
(l)必要に応じて、工程(k)で得られた有機画分と乾燥剤とを接触させる工程;
(m)工程(j)、(k)又は(l)のいずれかで得られた画分から第2の有機溶媒、乾燥剤及び/又は過剰の酸を除去することで、分離された酸性画分を提供する工程;
(n)工程(i)から第1の有機溶液を取得し、必要に応じて、それと乾燥剤とを接触させる工程;並びに
(o)第1の有機溶媒及び乾燥剤を除去することで、分離された中性画分を提供する工程、
のうちの1以上を含むか、又はそれらからなるプロセスによって得ることができる。
個々のトリテルペン酸は、工程(m)で得られた分離酸性画分からクロマトグラフィー分離によって得ることができる。個々の中性トリテルペノイドは、工程(o)で得られた分離中性画分からクロマトグラフィー分離によって得ることができる。
次いで、所望の医薬組成物を得るために、個々に得られたトリテルペン酸及び中性トリテルペノイドは、必要に応じて混合することができる。
いくつかの実施形態において、少なくとも1種のトリテルペン酸と少なくとも1種の中性トリテルペノイドの組み合わせ、及び薬学的に許容される担体を含む組成物であって、該トリテルペン酸がMDA、IMDA又はその両方から選択され、該中性トリテルペノイドがNF−1、NF−2、又はその両方から選択される組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、該組成物はMDAを含む。いくつかの実施形態において、該組成物はIMDAを含む。いくつかの実施形態において、該組成物はMDA及びIMDAを含む。
いくつかの実施形態において、該組成物はさらに、少なくとも1種の追加のトリテルペン酸を含む。いくつかの実施形態において、該追加のトリテルペン酸は、MLA、IMLA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルエピマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸、3−O−アセチルエピイソマスチカジエノール酸、OA、MA及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、該組成物は、少なくとも2種の追加のトリテルペン酸を含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、少なくとも3種の追加のトリテルペン酸を含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、少なくとも4種の追加のトリテルペン酸を含む。
いくつかの実施形態において、該組成物はさらに、少なくとも1種の追加の中性トリテルペノイドを含む。いくつかの実施形態において、該追加の中性トリテルペノイドは、NF−3、NF−4、NF−A、NF−B、NF−P及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、該組成物は、少なくとも2種の追加の中性トリテルペノイドを含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、少なくとも3種の追加の中性トリテルペノイドを含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、少なくとも4種の追加の中性トリテルペノイドを含む。
いくつかの実施形態において、該組成物はさらに、少なくとも1種の追加の中性トリテルペノイドを含む。いくつかの実施形態において、該追加の中性トリテルペノイドは、NF−3、NF−4、NF−A、NF−B、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、該組成物はさらに、NF−Pを含む。いくつかの実施形態において、該追加の中性トリテルペノイドのうちの少なくとも1種は、NF−3、NF−4又はその両方から選択される。
いくつかの実施形態において、本発明は、薬学的有効成分としてMDA、IMDA、NF−1、NF−2、NF−3及びNF−4、並びに薬学的に許容される担体から本質的になる医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、薬学的有効成分としてMDA、IMDA、MLA、IMLA、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A、NF−B及びNF−P;並びに薬学的に許容される担体から本質的になる医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、薬学的有効成分としてMDA、IMDA、MLA、IMLA、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A及びNF−B;並びに薬学的に許容される担体から本質的になる医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、薬学的有効成分としてMDA、IMDA、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A、NF−B及びNF−P;並びに薬学的に許容される担体から本質的になる医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、薬学的有効成分としてMDA、IMDA、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A及びNF−B;並びに薬学的に許容される担体から本質的になる医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、薬学的有効成分としてMA、OA、MDA、IMDA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸、MLA、IMLA、NF−1、NF−2、NF−3及びNF−4;並びに薬学的に許容される担体から本質的になる医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、薬学的有効成分としてMA、OA、MDA、IMDA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸、MLA、IMLA、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A、NF−B及びNF−P;並びに薬学的に許容される担体から本質的になる医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、薬学的有効成分としてMA、OA、MDA、IMDA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸、MLA、IMLA、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A及びNF−B;並びに薬学的に許容される担体から本質的になる医薬組成物を提供される。いくつかの実施形態において、MA、OA、MDA、IMDA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A及びNF−B;並びに薬学的に許容される担体から本質的になる薬学的有効成分を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態において、MA、OA、MDA、IMDA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸、NF−1、NF−2、NF−3及びNF−4;並びに薬学的に許容される担体から本質的になる薬学的有効成分を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態において、OA、MDA、IMDA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A及びNF−B;並びに薬学的に許容される担体から本質的になる薬学的有効成分を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態において、OA、MDA、IMDA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸、NF−1、NF−2、NF−3及びNF−4;並びに薬学的に許容される担体から本質的になる薬学的有効成分を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態において、MDA、IMDA、NF−1、NF−2;並びに薬学的に許容される担体から本質的になる薬学的有効成分を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態において、唯一の薬学的有効成分としてMDA、IMDA、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A及びNF−B;並びに薬学的に許容される担体から本質的になる薬学的有効成分を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態において、唯一の薬学的有効成分としてMDA、IMDA、NF−1、NF−2、NF−3及びNF−4;並びに薬学的に許容される担体から本質的になる薬学的有効成分を含む医薬組成物が提供される。いくつかの実施形態において、唯一の薬学的有効成分としてMDA、IMDA、NF−1及びNF−2;並びに薬学的に許容される担体から本質的になる薬学的有効成分を含む医薬組成物が提供される。
トリテルペン酸、中性トリテルペノイド、追加のトリテルペン酸及び/又は追加の中性トリテルペノイドのうちのいずれか1種は、マスティックガムなどの天然源から分離することができるか、又は化学合成の生成物であり得る。
いくつかの実施形態において、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルエピマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸、3−O−アセチルエピイソマスチカジエノール酸、OA、MA、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A、NF−B)、及びNF−Pのうちのいずれか1種は、化学合成の生成物であり得る。いくつかの実施形態において、少なくとも1種のトリテルペン酸のうちのいずれか1種及び少なくとも1種の中性トリテルペノイドは、化学合成の生成物であり得る。
いくつかの実施形態において、MDA、IMDA、MLA、IMLA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルエピマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸、3−O−アセチルエピイソマスチカジエノール酸、OA、MA、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A及びNF−Bのうちのいずれか1種は、化学合成の生成物であり得る。いくつかの実施形態において、少なくとも1種のトリテルペン酸及び少なくとも1種の中性トリテルペノイドのうちのいずれか1種は、化学合成の生成物であり得る。
本発明の組成物を得るのに有用な植物種には、限定されないが、カイノキ属のものが含まれる。カイノキ属の有用種には、限定されないが、P.lentiscus、P.lentiscus latifolius Coss.、P.lentiscus var.Chia、P.atlantica、P.palestina、P.saportae、P.terebinthus、P.vera及びP.integerrimaが含まれる。
トリテルペン酸及び中性トリテルペノイドの正確な化学構造を決定する分析方法には、核磁気共鳴(例えば、1H−NMR及び13C−NMR)、様々な質量分析法(例えば、MALDI−TOF)、HPLC、液体クロマトグラフィー−質量分析法(LC−MS;LC−MS/MS、UV−VIS分光法、IR及びFT−IR分析法)などの組み合わせ法並びに当技術分野で周知の他の方法が含まれる。
いくつかの実施形態において、該組成物には、少なくとも1種のトリテルペン酸及び少なくとも1種の中性トリテルペノイドが含まれる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、マスチカジエノン酸(MDA)、イソマスチカジエノン酸(IMDA)、マスチカジエノール酸(MLA)、イソマスチカジエノール酸(IMLA)、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルエピマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸、3−O−アセチルエピイソマスチカジエノール酸、オレアノン酸(OA)、モロン酸(MA)、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、8−ジヒドロキシポリポダ−13E,17E,21−トリエン(NF−1)、(8R)−3−オキソ−8−ヒドロキシポリポダ−13E,17E,21−トリエン(NF−2)、オレアノンアルデヒド(NF−3)、チルカロル(NF−4)、28−ヒドロキシルプ−20(29)−エン−3−オン(NF−A)、28−ヒドロキシ−β−アミロン(NF−B)、20−ヒドロキシダマール−24−エン−3−オン(NF−P)又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
いくつかの実施形態において、該組成物には、少なくとも1種のトリテルペン酸及び少なくとも1種の中性トリテルペノイドが含まれる。いくつかの実施形態において、該少なくとも1種のトリテルペン酸は、マスチカジエノン酸(MDA)、イソマスチカジエノン酸(IMDA)、マスチカジエノール酸(MLA)、イソマスチカジエノール酸(IMLA)、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルエピマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸、3−O−アセチルエピイソマスチカジエノール酸、オレアノン酸(OA)、モロン酸(MA)、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、8−ジヒドロキシポリポダ−13E,17E,21−トリエン(NF−1)、(8R)−3−オキソ−8−ヒドロキシポリポダ−13E,17E,21−トリエン(NF−2)、オレアノンアルデヒド(NF−3)、チルカロル(NF−4)、28−ヒドロキシルプ−20(29)−エン−3−オン(NF−A)、28−ヒドロキシ−β−アミロン(NF−B)又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
いくつかの実施形態において、該少なくとも1種のトリテルペン酸は、マスチカジエノン酸(MDA)であるか、又はそれからなる。いくつかの実施形態において、該少なくとも1種のトリテルペン酸は、イソマスチカジエノン酸(IMDA)であるか、又はそれからなる。いくつかの実施形態において、該少なくとも1種のトリテルペン酸は、マスチカジエノン酸(MDA)及びイソマスチカジエノン酸(IMDA)からなり得る。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、少なくともマスチカジエノン酸(MDA)及びイソマスチカジエノン酸(IMDA)を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、少なくともマスチカジエノン酸(MDA)、イソマスチカジエノン酸(IMDA)、マスチカジエノール酸(MLA)及びイソマスチカジエノール酸(IMLA)を含むことができる。
いくつかの実施形態において、該少なくとも1種の中性トリテルペノイドは、NF−1であるか、又はそれからなる。いくつかの実施形態において、該少なくとも1種の中性トリテルペノイドは、NF−2であるか、又はそれからなる。いくつかの実施形態において、該少なくとも1種の中性トリテルペノイドは、NF−1及びNF−2からなり得る。いくつかの実施形態において、該少なくとも1種の中性トリテルペノイドは、少なくともNF−1及びNF−2を含むことができる。いくつかの実施形態において、該少なくとも1種の中性トリテルペノイドは、少なくともNF−1、NF−2、NF−3及びNF−4を含むことができる。いくつかの実施形態において、該少なくとも1種の中性トリテルペノイドは、少なくともNF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A及びNF−Bを含むことができる。いくつかの実施形態において、該少なくとも1種の中性トリテルペノイドは、少なくともNF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A、NF−B及びNF−Pを含むことができる。
いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、少なくともマスチカジエノン酸(MDA)及びイソマスチカジエノン酸(IMDA)を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、少なくともマスチカジエノン酸(MDA)、イソマスチカジエノン酸(IMDA)、マスチカジエノール酸(MLA)及びイソマスチカジエノール酸(IMLA)を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、少なくともマスチカジエノン酸(MDA)、イソマスチカジエノン酸(IMDA)、3−O−アセチルマスチカジエノール酸(3−OAc−MLA)及び3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸(3−OAc−IMLA)を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、少なくともマスチカジエノン酸(MDA)、イソマスチカジエノン酸(IMDA)、3−O−アセチルエピマスチカジエノール酸(3−OAc−エピ−MLA)及び3−O−アセチルエピイソマスチカジエノール酸(3−OAc−エピ−IMLA)を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、少なくともマスチカジエノン酸(MDA)、イソマスチカジエノン酸(IMDA)、3−O−アセチルマスチカジエノール酸(3−OAc−MLA)、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸(3−OAc−IMLA)、3−O−アセチルエピマスチカジエノール酸(3−OAc−エピ−MLA)及び3−O−アセチルエピイソマスチカジエノール酸(3−OAc−エピ−IMLA)を含むことができる。いくつかの実施形態において、中性トリテルペノイドは、少なくともNF−1及びNF−2を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、少なくともNF−1、NF−2、NF−3及びNF−4を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、少なくともNF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A及びNF−Bを含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、少なくともNF−1、NF−2及びNF−4を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、少なくともNF−2、NF−3及びNF−4を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、少なくともNF−1、NF−2及びNF−3を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、少なくともNF−1、NF−3及びNF−4を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、少なくともNF−1及びNF−3を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、少なくともNF−1及びNF−4を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、少なくともNF−2及びNF−3を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、少なくともNF−2及びNF−4を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、少なくともNF−1、NF−2、NF−A及びNF−Bを含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、少なくともNF−1、NF−A及びNF−Bを含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、少なくともNF−2、NF−A及びNF−Bを含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、少なくともNF−1及びNF−Aを含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、少なくともNF−2及びNF−Aを含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、少なくともNF−1及びNF−Bを含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、少なくともNF−2及びNF−Bを含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、少なくともNF−1、NF−2及びNF−Aを含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、少なくともNF−1、NF−2及びNF−Bを含むことができる。
いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、7以下の中性トリテルペノイドから本質的になる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、6以下の中性トリテルペノイドから本質的になる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、5以下の中性トリテルペノイドから本質的になる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、4以下の中性トリテルペノイドから本質的になる。
いくつかの実施形態において、該追加の中性トリテルペノイドは、6以下の中性トリテルペノイドから本質的になる。いくつかの実施形態において、該追加的な中性トリテルペノイドは、5以下の中性トリテルペノイドから本質的になる。いくつかの実施形態において、該追加的な中性トリテルペノイドは、4以下の中性トリテルペノイドから本質的になる。いくつかの実施形態において、該追加的な中性トリテルペノイドは、3以下の中性トリテルペノイドから本質的になる。いくつかの実施形態において、該追加的な中性トリテルペノイド2以下の中性トリテルペノイドから本質的になる。
いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、8以下のトリテルペン酸から本質的になる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、7以下のトリテルペン酸から本質的になる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、6以下のトリテルペン酸から本質的になる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、5以下のトリテルペン酸から本質的になる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、4以下のトリテルペン酸から本質的になる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、3以下のトリテルペン酸から本質的になる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、2以下のトリテルペン酸から本質的になる。
いくつかの実施形態において、該組成物は、15以下のトリテルペノイドから本質的になる。いくつかの実施形態において、該組成物は、14以下のトリテルペノイドから本質的になる。いくつかの実施形態において、該組成物は、13以下のトリテルペノイドから本質的になる。いくつかの実施形態において、該組成物は、12以下のトリテルペノイドから本質的になる。いくつかの実施形態において、該組成物は、11以下のトリテルペノイドから本質的になる。いくつかの実施形態において、該組成物は、10以下のトリテルペノイドから本質的になる。いくつかの実施形態において、該組成物は、9以下のトリテルペノイドから本質的になる。いくつかの実施形態において、該組成物は、8以下のトリテルペノイドから本質的になる。いくつかの実施形態において、該組成物は、7以下のトリテルペノイドから本質的になる。いくつかの実施形態において、該組成物は、6以下のトリテルペノイドから本質的になる。
本明細書に開示される組成物は、化合物の組み合わせが、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)及び/又は血管性認知症(VD)の治療で著しく改善された治療効果を示すことにより、予想外にも相乗効果を発揮する。このような化合物の組み合わせは、さらに、多系統萎縮症(MSA)及び進行性核上性麻痺(PSP)並びにタウオパチーの疾患及び病態の治療において予想外の相乗効果を示す。
いくつかの実施形態において、該組成物は、MDA、IMDA、MLA、IMLA、OA、MA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルエピマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸及び3−O−アセチルエピイソマスチカジエノール酸から選択される少なくとも2種のトリテルペン酸を含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、MDA、IMDA、MLA、IMLA、OA、MA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸及び3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸から選択される少なくとも2種のトリテルペン酸を含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、MDA、IMDA、MLA及びIMLAから選択される少なくとも2種のトリテルペン酸を含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、MDA、IMDA、及びMLAから選択される少なくとも2種のトリテルペン酸を含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、MDA、IMDA及びIMLAから選択される少なくとも2種のトリテルペン酸を含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、少なくともMDA及びIMDAを含む。
いくつかの実施形態において、該組成物は、MDA、IMDA、MLA、IMLA、OA、MA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルエピマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸及び3−O−アセチルエピイソマスチカジエノール酸から選択される少なくとも3種のトリテルペン酸を含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、MDA、IMDA、MLA、IMLA、OA、MA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸及び3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸から選択される少なくとも3種のトリテルペン酸を含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、MDA、IMDA、MLA及びIMLAから選択される少なくとも3種のトリテルペン酸を含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、少なくともMDA、IMDA、及びMLAを含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、少なくともMDA、IMDA及びIMLAを含む。
いくつかの実施形態において、該組成物は、MDA、IMDA、MLA、IMLA、OA、MA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸、3−O−アセチルエピマスチカジエノール酸、3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸及び3−O−アセチルエピイソマスチカジエノール酸から選択される少なくとも4種のトリテルペン酸を含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、MDA、IMDA、MLA、IMLA、OA、MA、3−O−アセチルマスチカジエノール酸及び3−O−アセチルイソマスチカジエノール酸から選択される少なくとも4種のトリテルペン酸を含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、少なくともMDA、IMDA、MLA及びIMLAを含む。
いくつかの実施形態において、該組成物は、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A、NF−B、NF−P、3−β−ヒドロキシ−13−α−マラバリカ−14(26),17E,21−トリエン、20−ヒドロキシ−ルパン−3−オン、28−ノル−17−ヒドロキシルペン−3−オン、28−オキソ−ルペン−3−オン、28−ノル−β−アミロン、イソマスチカジエノン酸アルデヒド、イソマスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28−オキソ−β−アミリン)、3−β−20−ジヒドロキシルパン、マスチカジエノン酸アルデヒド、3−オキソ−マラバリカ−14(26),17E,21−トリエン、β−アミロン、β−アミリン及びゲルマニコールから選択される少なくとも2種の中性トリテルペノイドを含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A、NF−B、3−β−ヒドロキシ−13−α−マラバリカ−14(26),17E,21−トリエン、20−ヒドロキシ−ルパン−3−オン、28−ノル−17−ヒドロキシルペン−3−オン、28−オキソ−ルペン−3−オン、28−ノル−β−アミロン、イソマスチカジエノン酸アルデヒド、イソマスチカジエンジオール、マスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28−オキソ−β−アミリン)、3−β−20−ジヒドロキシルパン、マスチカジエノン酸アルデヒド、3−オキソ−マラバリカ−14(26),17E,21−トリエン、β−アミロン、β−アミリン及びゲルマニコールから選択される少なくとも2種の中性トリテルペノイドを含む。各可能性は別々の実施形態である。いくつかの実施形態において、該組成物は、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A、NF−B及びNF−Pから選択される少なくとも2種の中性トリテルペノイドを含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A及びNF−Bから選択される少なくとも2種の中性トリテルペノイドを含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、NF−1、NF−2、NF−3及びNF−4から選択される少なくとも2種の中性トリテルペノイドを含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、NF−1、NF−2及びNF−3から選択される少なくとも2種の中性トリテルペノイドを含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、NF−1、NF−2及びNF−4から選択される少なくとも2種の中性トリテルペノイドを含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、少なくともNF−1及びNF−2を含む。
いくつかの実施形態において、該組成物は、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A、NF−B、NF−P、3−β−ヒドロキシ−13−α−マラバリカ−14(26),17E,21−トリエン、20−ヒドロキシ−ルパン−3−オン、28−ノル−17−ヒドロキシルペン−3−オン、28−オキソ−ルペン−3−オン、28−ノル−β−アミロン、イソマスチカジエノン酸アルデヒド、イソマスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28−オキソ−β−アミリン)、3−β−20−ジヒドロキシルパン、マスチカジエノン酸アルデヒド、3−オキソ−マラバリカ−14(26),17E,21−トリエン、β−アミロン、β−アミリン及びゲルマニコールから選択される少なくとも3種の中性トリテルペノイドを含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A、NF−B、3−β−ヒドロキシ−13−α−マラバリカ−14(26),17E,21−トリエン、20−ヒドロキシ−ルパン−3−オン、28−ノル−17−ヒドロキシルペン−3−オン、28−オキソ−ルペン−3−オン、28−ノル−β−アミロン、イソマスチカジエノン酸アルデヒド、イソマスチカジエンジオール、マスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28−オキソ−β−アミリン)、3−β−20−ジヒドロキシルパン、マスチカジエノン酸アルデヒド、3−オキソ−マラバリカ−14(26),17E,21−トリエン、β−アミロン、β−アミリン及びゲルマニコールから選択される少なくとも3種の中性トリテルペノイドを含む。各可能性は別々の実施形態である。いくつかの実施形態において、該組成物は、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A、NF−B及びNF−Pから選択される少なくとも3種の中性トリテルペノイドを含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A及びNF−Bから選択される少なくとも3種の中性トリテルペノイドを含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、NF−1、NF−2、NF−3及びNF−4から選択される少なくとも3種の中性トリテルペノイドを含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、少なくともNF−1、NF−2及びNF−3を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、少なくともNF−1、NF−2及びNF−4を含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、少なくともNF−1、NF−3及びNF−4を含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、少なくともNF−3、NF−3及びNF−4を含む。
いくつかの実施形態において、該組成物は、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A、NF−B、NF−P、3−β−ヒドロキシ−13−α−マラバリカ−14(26),17E,21−トリエン、20−ヒドロキシ−ルパン−3−オン、28−ノル−17−ヒドロキシルペン−3−オン、28−オキソ−ルペン−3−オン、28−ノル−β−アミロン、イソマスチカジエノン酸アルデヒド、イソマスチカジエンジオール、マスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28−オキソ−β−アミリン)、3−β−20−ジヒドロキシルパン、マスチカジエノン酸アルデヒド、3−オキソ−マラバリカ−14(26),17E,21−トリエン、β−アミロン、β−アミリン及びゲルマニコールから選択される少なくとも4種の中性トリテルペノイドを含む。各可能性は別々の実施形態である。いくつかの実施形態において、該組成物は、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A、NF−B、3−β−ヒドロキシ−13−α−マラバリカ−14(26),17E,21−トリエン、20−ヒドロキシ−ルパン−3−オン、28−ノル−17−ヒドロキシルペン−3−オン、28−オキソ−ルペン−3−オン、28−ノル−β−アミロン、イソマスチカジエノン酸アルデヒド、イソマスチカジエンジオール、マスチカジエンジオール、オレアノールアルデヒド(28−オキソ−β−アミリン)、3−β−20−ジヒドロキシルパン、マスチカジエノン酸アルデヒド、3−オキソ−マラバリカ−14(26),17E,21−トリエン、β−アミロン、β−アミリン及びゲルマニコールから選択される少なくとも4種の中性トリテルペノイドを含む。各可能性は別々の実施形態である。いくつかの実施形態において、該組成物は、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A及びNF−Bから選択される少なくとも4種の中性トリテルペノイドを含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、NF−1、NF−2、NF−3、NF−4、NF−A、NF−B及びNF−Pから選択される少なくとも4種の中性トリテルペノイドを含む。いくつかの実施形態において、該組成物は、少なくともNF−1、NF−2、NF−3及びNF−4を含む。
いくつかの実施形態において、トリテルペン酸と中性トリテルペノイドの組み合わせは、精油を実質的に含まない場合がある。
いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、該組成物の全有効成分の約1%〜約80%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、該組成物の全有効成分の約10%〜約80%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、該組成物の全有効成分の約20%〜約80%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、該組成物の全有効成分の約30%〜約70%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、該組成物の全有効成分の約35%〜約65%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、該組成物の全有効成分の約40%〜約60%を含むことができる。
いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、全組成物の約0.01%〜約80%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、全組成物の約0.01%〜約50%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、全組成物の約0.01%〜約10%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、全組成物の約0.1%〜約10%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、全組成物の約0.5%〜約4%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、全組成物の約0.1%〜約0.5%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、全組成物の約0.1%〜約1.0%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、全組成物の約0.1%〜約2%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、全組成物の約1%〜約3.5%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、全組成物の約1.5%〜約3%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、全組成物の約1.75%〜約2.75%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該トリテルペン酸は、全組成物の約2%〜約2.5%を含むことができる。
いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、該組成物の全有効成分の約1%〜約80%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、該組成物の全有効成分の約10%〜約80%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、該組成物の全有効成分の約20%〜約80%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、該組成物の全有効成分の約30%〜約70%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、該組成物の全有効成分の約35%〜約65%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、該組成物の全有効成分の約40%〜約60%を含むことができる。
いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、全組成物の約0.01%〜約80%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、全組成物の約0.01%〜約50%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、全組成物の約0.01%〜約10%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、全組成物の約0.1%〜約10%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、全組成物の約0.5%〜約4%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、全組成物の約0.1%〜約0.5%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、全組成物の約0.1%〜約1.0%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、全組成物の約0.1%〜約2%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、全組成物の約1%〜約3.5%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、全組成物の約1.5%〜約3%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、全組成物の約1.75%〜約2.75%を含むことができる。いくつかの実施形態において、該中性トリテルペノイドは、全組成物の約2%〜約2.5%を含むことができる。
いくつかの実施形態において、本発明で使用するための組成物は、本明細書に記載の治療有効量の少なくとも1種のトリテルペン酸及び少なくとも1種の中性トリテルペノイド、並びに薬学的に許容される担体を含む。いくつかの実施形態において、該担体は疎水性である。
いくつかの実施形態において、該薬学的に許容される担体は、疎水性担体を含むことができる。いくつかの実施形態において、該疎水性担体は、少なくとも1種の油を含むことができる。いくつかの実施形態において、該油は、鉱油、植物油及びそれらの組み合わせからなる群から選択することができる。いくつかの実施形態において、該植物油は、綿実油、オリーブ油、アーモンド油、カノーラ油、ヤシ油、トウモロコシ油、ブドウ種子油、ピーナッツ油、サフラン油、ゴマ油、大豆油、及びそれらの組み合わせからなる群から選択することができる。いくつかの実施形態において、該植物油は、「NF」(国民医薬品)グレードの生成物、又は「USF」(米国薬局方)グレードの生成物のいずれかとして入手することができる市販品である。いくつかの実施形態において、該鉱物油は、軽質鉱油であり得る。いくつかの実施形態において、該疎水性担体は、少なくとも1種のワックスを含むことができる。いくつかの実施形態において、該疎水性担体は、少なくとも1種の油と少なくとも1種のワックスの組み合わせを含むことができる。
用語「鉱油」は、石油の蒸留から得られる無色透明、ほぼ無臭、及び無味の液体を指す。鉱油は、白色油、白色鉱物油、流動ワセリン、流動パラフィン又は白色パラフィン油とも呼ばれ得る。いくつかの実施形態において、該鉱油は、「NF」(国民医薬品集)グレードの生成物又は「USP」(米国薬局方)グレードの生成物のいずれかとして得ることができる市販品の軽鉱油である。本発明で使用するための鉱油は、芳香族化合物及び他の不飽和化合物を含まないことが好ましい。
薬学的に許容される担体は、代替的に又は加えて、油代替品を含むことができる。油代替品には、少なくとも10個の炭素原子を有するアルカン(例えば、イソヘキサデカン)、安息香酸エステル類、脂肪族エステル、面皰を生じない(noncomodogenic)エステル、揮発性シリコーン化合物(例えば、シクロメチコン)、及び揮発性シリコーン代替物が含まれる。安息香酸エステルの例としては、C12〜C15のアルキルベンゾエート、イソステアリルベンゾエート、2−エチルヘキシルベンゾエート、ジプロピレングリコールベンゾエート、オクチルドデシルベンゾエート、ステアリルベンゾエート、及びベヘニルベンゾエートが挙げられる。脂肪族エステルの例としては、C12〜C15のアルキルオクトノエート(octonoate)及びジオクチルマレエートが挙げられる。面皰を生じないエステルの例としては、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、ジイソステアリルダイマージリノール酸、プロピオン酸アラキジル、及びイソノナン酸イソトリデシルが挙げられる。
シクロメチコンは、スプレーディスペンサーからの吐出に適する組成物の作製を補助するために担体中に含めることができる蒸発シリコーンである。
該疎水性担体はさらに、少なくとも1種のワックスを含むことができる。ワックスには、例えば、蜜蝋、植物ワックス、サトウキビワックス、鉱物ワックス、及び合成ワックスが含まれる。植物ワックスには、例えば、カルナバ、キャンデリラ、オウリキュリー及びホホバワックスが含まれる。鉱物ワックスには、例えば、パラフィンワックス、亜炭ワックス、マイクロクリスタリンワックス及びオゾケライトが含まれる。合成ワックスには、例えば、ポリエチレンワックスが含まれる。
トリテルペン酸と中性トリテルペノイドの異なる組み合わせの様々な製剤及びその調製を、本明細書に開示する。本発明の医薬組成物は、その意図した目的を達成する任意の手段によって投与することができる。例えば、投与は、例えば、皮下、静脈内、筋肉内、皮内、腹腔内、動脈内、子宮内、尿道内、心臓内、脳内、脳室内、腎内、肝内、腱内、骨内、鞘内、経皮、膣、直腸、吸入、鼻腔内、眼、耳及び頬側の投与経路などの、例えば、経口、非経口、局所、経皮経路によるものであり得る。
該投与は、加えて、例えば、経皮的にそれらの送達を補助するために、エレクトロポレーション、又は超音波処理などの技術又は手段を含むことができる。使用することができる他の技術には、例えば、高周波の又は加圧式スプレー塗布が含まれる。
投与される投薬量は、対象の年齢、健康状態、及び体重、併用治療の使用、もしあれば、治療の頻度、及び所望の効果の性質に依存し得る。任意の単位剤形における本発明のトリテルペノイド量は、治療上有効な量を含み、レシピエント対象、投与の経路及び頻度に依存して変化し得る。
いくつかの実施形態において、MAが該組成物中の成分の1種である場合、全組成物のうちのMAの量は、約0%〜約15%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのMAの量は、約0%〜約7.5%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのMAの量は、約0%〜約2.5%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのMAの量は、約0%〜約1%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのMAの量は、約0%〜約0.3%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのMAの量は、約0.3%であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するMAの量は、約0%〜約50%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するMAの量は、約0%〜約25%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するMAの量は、約0%〜約8%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するMAの量は、約6%〜約8%の範囲であり得る。
いくつかの実施形態において、OAが該組成物中の成分の1種である場合、全組成物のうちのOAの量は、約0%〜約25%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのOAの量は、約0%〜約10%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのOAの量は、約0%〜約5%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのOAの量は、約0%〜約1%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのOAの量は、約0%〜約0.5%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのOAの量は、約0.5%であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するOAの量は、約0%〜約50%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するOAの量は、約0%〜約25%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するOAの量は、約0%〜約11%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するOAの量は、約9%〜約11%の範囲であり得る。
いくつかの実施形態において、MDAが該組成物中の成分の1種である場合、全組成物のうちのMDAの量は、約0%〜約25%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのMDAの量は、約0%〜約10%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのMDAの量は、約0%〜約5%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのMDAの量は、約0%〜約2.5%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのMDAの量は、約0.5%〜約1%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するMDAの量は、約0%〜約50%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するMDAの量は、約5%〜約35%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するMDAの量は、約10%〜約26%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するMDAの量は、約20%〜約26%の範囲であり得る。
いくつかの実施形態において、IMDAが該組成物中の成分の1種である場合、全組成物のうちのIMDAの量は、約0%〜約25%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのIMDAの量は、約0%〜約10%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのIMDAの量は、約0%〜約5%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのIMDAの量は、約0%〜約2.5%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのIMDAの量は、約0.6%〜約1%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するIMDAの量は、約0%〜約50%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するIMDAの量は、約5%〜約35%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するIMDAの量は、約12%〜約26%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するIMDAの量は、約20%〜約26%の範囲であり得る。
いくつかの実施形態において、MLAが該組成物中の成分の1種である場合、全組成物のうちのMLAの量は、約0%〜約10%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのMLAの量は、約0%〜約3%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのMLAの量は、約0%〜約1%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのMLAの量は、約0%〜約0.5%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのMLAの量は、約0%〜約0.2%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのMLAの量は、約0.2%であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するMLAの量は、約0%〜約25%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するMLAの量は、約0%〜約15%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するMLAの量は、約0%〜約4%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するMLAの量は、約4%であり得る。
いくつかの実施形態において、IMLAが該組成物中の成分の1種である場合、全組成物のうちのIMLAの量は、約0%〜約10%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのIMLAの量は、約0%〜約3%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのIMLAの量は、約0%〜約1%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのIMLAの量は、約0%〜約0.5%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのIMLAの量は、約0%〜約0.2%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのIMLAの量は、約0.2%であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するIMLAの量は、約0%〜約25%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するIMLAの量は、約0%〜約15%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するIMLAの量は、約0%〜約4%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するIMLAの量は、約4%であり得る。
いくつかの実施形態において、3−OAc−MLAが該組成物中の成分の1種である場合、全組成物のうちの3−OAc−MLAの量は、約0%〜約15%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちの3−OAc−MLAの量は、約0%〜約5%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちの3−OAc−MLAの量は、約0%〜約3%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちの3−OAc−MLAの量は、約0%〜約1%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちの3−OAc−MLAの量は、約0%〜約0.2%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちの3−OAc−MLAの量は、約0.2%であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対する3−OAc−MLAの量は、約0%〜約25%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対する3−OAc−MLAの量は、約0%〜約15%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対する3−OAc−MLAの量は、約0%〜約10%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対する3−OAc−MLAの量は、約0%〜約5%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対する3−OAc−MLAの量は、約3%であり得る。
いくつかの実施形態において、3−OAc−IMLAが該組成物中の成分の1種である場合、全組成物のうちの3−OAc−IMLAの量は、約0%〜約15%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちの3−OAc−IMLAの量は、約0%〜約5%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちの3−OAc−IMLAの量は、約0%〜約3%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちの3−OAc−IMLAの量は、約0%〜約1%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちの3−OAc−IMLAの量は、約0%〜約0.2%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちの3−OAc−IMLAの量は、約0.2%であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対する3−OAc−IMLAの量は、約0%〜約25%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対する3−OAc−IMLAの量は、約0%〜約15%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対する3−OAc−IMLAの量は、約0%〜約10%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対する3−OAc−IMLAの量は、約0%〜約5%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対する3−OAc−IMLAの量は、約3%であり得る。
いくつかの実施形態において、3−OAc−エピ−MLAが該組成物中の成分の1種である場合、全組成物のうちの3−OAc−エピ−MLAの量は、約0%〜約15%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちの3−OAc−エピ−MLAの量は、約0%〜約5%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちの3−OAc−エピ−MLAの量は、約0%〜約3%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちの3−OAc−エピ−MLAの量は、約0%〜約1%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちの3−OAc−エピ−MLAの量は、約0%〜約0.2%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちの3−OAc−エピ−MLAの量は、約0.2%であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対する3−OAc−エピ−MLAの量は、約0%〜約25%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対する3−OAc−エピ−MLAの量は、約0%〜約15%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対する3−OAc−エピ−MLAの量は、約0%〜約10%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対する3−OAc−エピ−MLAの量は、約0%〜約5%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対する3−OAc−エピ−MLAの量は、約3%であり得る。
いくつかの実施形態において、3−OAc−エピ−IMLAが該組成物中の成分の1種である場合、全組成物のうちの3−OAc−エピ−IMLAの量は、約0%〜約15%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちの3−OAc−エピ−IMLAの量は、約0%〜約5%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちの3−OAc−エピ−IMLAの量は、約0%〜約3%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちの3−OAc−エピ−IMLAの量は、約0%〜約1%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちの3−OAc−エピ−IMLAの量は、約0%〜約0.2%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちの3−OAc−エピ−IMLAの量は、約0.2%であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対する3−OAc−エピ−IMLAの量は、約0%〜約25%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対する3−OAc−エピ−IMLAの量は、約0%〜約15%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対する3−OAc−エピ−IMLAの量は、約0%〜約10%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対する3−OAc−エピ−IMLAの量は、約0%〜約5%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対する3−OAc−エピ−IMLAの量は、約3%であり得る。
いくつかの実施形態において、マスチカジエノン酸(MDA)の量は、約0.05%〜約20%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、イソマスチカジエノン酸(IMDA)の量は、約0.05%〜約20%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、オレアノン酸(OA)の量は、約0.05%〜約20%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、マスチカジエノン酸(MDA)の量は、約0.1%〜約10%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、イソマスチカジエノン酸(IMDA)の量は、約0.1%〜約10%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、オレアノン酸(OA)の量は、約0.1%〜約10%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、マスチカジエノン酸(MDA)の量は、約0.5%〜約12%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、イソマスチカジエノン酸(IMDA)の量は、約0.5%〜約12%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、オレアノン酸(OA)の量は、約0.5%〜約12%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、マスチカジエノン酸(MDA)の量は、約0.5%〜約15%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、イソマスチカジエノン酸(IMDA)の量は、約0.5%〜約15%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、オレアノン酸(OA)の量は、約0.5%〜約15%の範囲であり得る。
いくつかの実施形態において、NF−1が該組成物中の成分の1種である場合、全組成物のうちのNF−1の量は、約0%〜約25%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのNF−1の量は、約0%〜約10%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのNF−1の量は、約0%〜約5%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのNF−1の量は、約0%〜約1%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのNF−1の量は、約0.5%であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するNF−1の量は、約0%〜約50%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するNF−1の量は、約5%〜約25%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するNF−1の量は、約9%〜約13%の範囲であり得る。
いくつかの実施形態において、NF−2が該組成物中の成分の1種である場合、全組成物のうちのNF−2の量は、約0%〜約25%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのNF−2の量は、約0%〜約10%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのNF−2の量は、約0%〜約5%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのNF−2の量は、約0%〜約1%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのNF−2の量は、約0.5%であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するNF−2の量は、約0%〜約50%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するNF−2の量は、約5%〜約25%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するNF−2の量は、約9%〜約13%の範囲であり得る。
いくつかの実施形態において、NF−3が該組成物中の成分の1種である場合、全組成物のうちのNF−3の量は、約0%〜約25%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのNF−3の量は、約0%〜約10%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのNF−3の量は、約0%〜約5%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのNF−3の量は、約0%〜約1%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのNF−3の量は、約0.5%であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するNF−3の量は、約0%〜約50%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するNF−3の量は、約5%〜約25%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するNF−3の量は、約9%〜約13%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するNF−3の量は、約10〜12%の範囲であり得る。
いくつかの実施形態において、NF−4が該成物中の成分の1種である場合、全組成物のうちのNF−4の量は、約0%〜約25%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのNF−4の量は、約0%〜約10%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのNF−4の量は、約0%〜約5%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのNF−4の量は、約0%〜約1%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのNF−4の量は、約0.33%であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するNF−4の量は、約0%〜約50%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するNF−4の量は、約2.5%〜約25%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するNF−4の量は、約6%〜約9%の範囲であり得る。
いくつかの実施形態において、NF−Pが該組成物中の成分の1種である場合、全組成物のうちのNF−Pの量は、約0%〜約15%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのNF−Pの量は、約0%〜約7.5%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのNF−Pの量は、約0%〜約2.5%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのNF−Pの量は、約0%〜約1%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのNF−Pの量は、約0%〜約0.33%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのNF−Pの量は、約0.33%であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するNF−Pの量は、約0%〜約50%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するNF−Pの量は、約0%〜約25%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するNF−Pの量は、約0%〜約7%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するNF−Pの量は、約6%〜約7%の範囲であり得る。
いくつかの実施形態において、NF−Aが該組成物中の成分の1種である場合、全組成物のうちのNF−Aの量は、約0%〜約10%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのNF−Aの量は、約0%〜約3%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのNF−Aの量は、約0%〜約1%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのNF−Aの量は、約0%〜約0.5%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのNF−Aの量は、約0%〜約0.25%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのNF−Aの量は、約0.25%であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するNF−Aの量は、約0%〜約25%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するNF−Aの量は、約0%〜約15%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するNF−Aの量は、約0%〜約6%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するNF−Aの量は、約4%〜約6%の範囲であり得る。
いくつかの実施形態において、NF−Bが該組成物中の成分の1種である場合、全組成物のうちのNF−Bの量は、約0%〜約10%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのNF−Bの量は、約0%〜約3%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのNF−Bの量は、約0%〜約1%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのNF−Bの量は、約0%〜約0.5%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのNF−Bの量は、約0%〜約0.25%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、全組成物のうちのNF−Bの量は、約0.25%であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するNF−Bの量は、約0%〜約25%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するNF−Bの量は、約0%〜約15%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するNF−Bの量は、約0%〜約6%の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、トリテルペノイドの総量に対するNF−Bの量は、約4%〜約6%の範囲であり得る。
いくつかの実施形態において、該薬学的に許容される担体は、疎水性担体を含むことができる。いくつかの実施形態において、該疎水性担体は、少なくとも1種の油を含むことができる。いくつかの実施形態において、該油は、鉱油、植物油及びそれらの組み合わせからなる群から選択することができる。いくつかの実施形態において、該植物油は、綿実油、オリーブ油、アーモンド油、カノーラ油、ヤシ油、トウモロコシ油、ブドウ種子油、ピーナッツ油、サフラン油、ゴマ油、大豆油、及びそれらの組み合わせからなる群から選択することができる。いくつかの実施形態において、該鉱物油は軽質鉱油であり得る。いくつかの実施形態において、該疎水性担体は、少なくとも1種のワックスを含むことができる。いくつかの実施形態において、該疎水性担体は、少なくとも1種の油と少なくとも1種のワックスの組み合わせを含むことができる。
いくつかの実施形態において、該薬学的に許容される担体は、リン脂質であり得る。
いくつかの実施形態において、該組成物は、医薬組成物である。いくつかの実施形態において、該組成物は、非経口、経皮、経口及び局所からなる群から選択される経路による投与に適する形態であり得る。
いくつかの実施形態において、該組成物は、局所投与に適する形態であり得る。いくつかの実施形態において、該組成物は、経口投与に適する形態であり得る。いくつかの実施形態において、該組成物は非経口投与に適する形態である。いくつかの実施形態において、該組成物は、注射による投与に適する形態であり得る。いくつかの実施形態において、該組成物は、皮下、静脈内、筋肉内、皮内、腹腔内、動脈内、脳内、脳室内、骨内及び髄腔内からなる群から選択される経路による投与のための非経口製剤である。
いくつかの実施形態において、該組成物は、皮下経路による投与のための非経口製剤であり得る。
いくつかの実施形態において、該組成物は、筋肉内経路による投与のための非経口製剤であり得る。
様々な実施形態において、該組成物は、経皮、膣、直腸、吸入、鼻腔内、眼、耳及び頬側からなる群から選択される経路による投与用に製剤化することができる。
いくつかの実施形態において、該医薬組成物は、カプセル、錠剤、リポソーム、座薬、懸濁液、軟膏、クリーム、ローション、溶液、エマルジョン、フィルム、セメント、粉末、接着剤、エアゾール及びスプレーからなる群から選択される形態であり得る。いくつかの実施形態において、該カプセルは、硬ゼラチンカプセル及び軟ゼラチンカプセルからなる群から選択することができる。いくつかの実施形態において、該エマルジョンは、ナノエマルジョン又はマイクロエマルジョンである。
いくつかの実施形態において、該製剤は、包接複合体、ナノエマルジョン、マイクロエマルジョン、粉末、脂質ラフト、脂質微粒子、デンドリマー及びリポソームのうちの少なくとも1種を含むことができる。いくつかの実施形態において、該包接複合体は、少なくとも1種のシクロデキストリンを含むことができる。いくつかの実施形態において、少なくとも1種のシクロデキストリンは、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを含むことができる。いくつかの実施形態において、ナノエマルジョンは、800nm未満の平均粒径を有する液滴を含むことができる。いくつかの実施形態において、該液滴は、500nm未満の平均粒径を有する液滴を含むことができる。いくつかの実施形態において、該液滴は、200nm未満の平均粒径を有する液滴を含むことができる。いくつかの実施形態において、該粉末は、噴霧乾燥粉末を含むことができる。いくつかの実施形態において、該リポソームは、多重膜小胞を含むことができる。いくつかの実施形態において、該マイクロエマルジョンは、非イオン性界面活性剤を含むことができる。いくつかの実施形態において、該非イオン性界面活性剤は、ポリオキシルヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)、ポロキサマー、ビタミンE誘導体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンステアリン酸、又は飽和ポリグリコール化グリセリド、又はそれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
いくつかの実施形態において、該組成物は、コーティングの形態で製品上に配置することができる。いくつかの実施形態において、該製品は、該組成物が容器内に配置することができる容器を含むことができる。いくつかの実施形態において、該製品は、布地物品、おむつ、創傷包帯、医療装置、針又は複数の針、微小針又は複数の微小針、注入装置及びスプレーディスペンサーからなる群から選択することができる。いくつかの実施形態において、該製品は、複数の微小針を含むことができる。いくつかの実施形態において、該医療装置は、人工関節、人工臓器又はその構成要素、弁、カテーテル、チューブ、ステント、人工膜、ペースメーカ、センサー、内視鏡、撮像装置、ポンプ、ワイヤ及びインプラントからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、該インプラントは、心臓インプラント、蝸牛インプラント、角膜インプラント、頭蓋インプラント、歯科インプラント、顎顔面インプラント、臓器インプラント、整形外科用インプラント、血管インプラント、関節インプラント及び乳房インプラントからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、該組成物は、エレクトロポレーション、超音波処理、高周波、加圧スプレー及びそれらの組み合わせからなる群から選択される手段による投与に適切であり得る。
本発明の医薬組成物は、それ自体当業者に知られている方法で、例えば、従来の混合、顆粒化、糖衣錠生成、ソフトゲルカプセル封入、溶解、抽出、又は凍結乾燥プロセスによって製造することができる。経口使用のための医薬組成物は、固体及び半固体賦形剤並びに適切な防腐剤、及び/又は抗酸化剤と活性化合物を組み合わせることによって得ることができる。必要に応じて、得られた混合物を粉砕し、処理することができる。必要であれば、得られた顆粒の混合物は、錠剤、ソフトゲル、カプセル、又は糖衣錠コアを得るために、適切な助剤を添加した後に使用することができる。
適切な賦形剤は、特に、糖類、例えば、ラクトース又はスクロース、マンニトール又はソルビトールなどの充填剤;セルロース調製物及び/又はリン酸カルシウム、例えば、リン酸三カルシウム又はリン酸水素カルシウム;並びに、例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び/又はポリビニルピロリドンを用いるデンプンペーストなどの結合剤である。所望であれば、上記のデンプン、またカルボキシメチル−デンプン、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、又はアルギン酸若しくはアルギン酸ナトリウムなどのその塩などの崩壊剤を添加してよい。補助剤は、ステアリン酸マグネシウム又はステアリン酸カルシウム、及び/又はポリエチレングリコールなどの流動調節剤及び滑剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸又はその塩である。糖衣錠コアは、所望であれば、胃液に耐性のある適切なコーティング剤と共に提供される。この目的のために、濃縮糖溶液を使用することができ、必要に応じて、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液及び適切な有機溶媒又は溶媒混合物を含有することができる。胃液に耐性のあるコーティング剤を生成するために、アセチルセルロースフタレート又はヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートなどの適切なセルロース調製物の溶液が使用される。例えば、識別のため、又は活性化合物の投与の組み合わせを特徴付けるために、染料又は顔料を、錠剤又は糖衣錠コーティングに添加してよい。
経口使用のための他の医薬組成物には、ゼラチンで作られたプッシュフィットカプセル、並びにゼラチン及びグリセロール又はソルビトールなどの可塑剤で作られた軟質密閉カプセルが含まれる。
非経口投与のための製剤には、必要に応じて、活性化合物の懸濁液及び微粒子分散液が含まれる。いくつかの実施形態において、油性の注射用懸濁液を投与することができる。適切な親油性溶媒又はビヒクルには、脂肪油、例えば、ゴマ油、又は合成脂肪酸エステル、例えば、オレイン酸エチル、トリグリセリド、ポリエチレングリコール−400、クレモフォール、又はシクロデキストリンが含まれる。注射用懸濁液は、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、及び/又はデキストランを含む、懸濁液の粘性を高める物質を含有してよい。必要に応じて、該懸濁液はまた、安定剤を含有してよい。
医薬組成物はまた、有効成分を含むリポソームを用いて調製することができる。当技術分野で知られているように、リポソームは、一般的に、リン脂質又は他の脂質物質から誘導される。リポソームは、水性媒体中に分散しているモノ又はマルチラメラ水和液晶によって形成される。リポソームを形成できる任意の非毒性の、生理学的に許容され、代謝可能な脂質を使用することができる。一般に、好ましい脂質は、天然及び合成の両方のリン脂質及びホスファチジルコリン(レシチン)である。例えば、Prescott,Ed.、細胞生物学の方法(Methods in Cell Biology)、XIV巻、Academic Press、ニューヨーク州ニューヨーク(1976)及び米国特許第7,048,943号に開示されているように、リポソームを形成する方法は、当技術分野で知られている。
局所投与のための製剤には、軟膏が含まれる。適切な担体には、植物油又は鉱油、白色ワセリン、分岐鎖の脂肪又は油、動物性脂肪及びワックスが含まれる。好ましい担体は、有効成分が可溶性であるものである。安定剤、湿潤剤及び酸化防止剤はまた、所望であれば、同様に、色又は香りを付与する薬剤を含むことができる。軟膏は、例えば、アーモンド油などの植物油中の有効成分の溶液を暖かい軟パラフィンと混合し、その混合物を冷却することによって製剤化することができる。
該医薬組成物は、製剤を経口、非経口又は局所的な使用を容易にするために、水中油型エマルジョン又はマイクロエマルジョンを含むことができる。そのようなエマルジョン/マイクロエマルジョンは、一般的に、脂質、界面活性剤、必要に応じて、保湿剤、及び水を含む。適切な脂質には、水中油型エマルジョン/マイクロエマルジョン、例えば、脂肪酸グリセリドのエステルを作るのに有用であることが一般的に知られるものが含まれる。適切な界面活性剤には、脂質がエマルジョン中の油成分として使用される水中油型エマルジョン/マイクロエマルジョンを作るのに有用であることが一般的に知られるものが含まれる。例えば、エトキシル化ヒマシ油、リン脂質、及びエチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマーなどの非イオン性界面活性剤が好ましい場合がある。適切な湿潤剤には、使用される場合、例えば、プロピレングリコール又はポリエチレングリコールが含まれる。
該医薬組成物は、カラギーナン、キサンタンガム、カラヤガム、アカシアガム、ローカストビーンガム、グアーガムなどのゲル形成ポリマーから形成されたヒドロゲルなどのゲルの形態で製剤化することができる。ヒドロゲルは、有効成分を含む水中油型エマルジョンと組み合わせることができる。
該医薬組成物は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)又はリン酸カルシウムを含むものなどのセメントの形態で製剤化することができる。いくつかの実施形態において、該医薬組成物は、粉末の形態で製剤化することができる。
いくつかの実施形態において、本発明は、それを必要とする対象におけるアルツハイマー病(AD)を治療する治療用途及び方法であって、少なくとも1種のトリテルペン酸と少なくとも1種の中性トリテルペノイドの組み合わせを含む治療有効量の組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、それを必要とする対象におけるパーキンソン病(PD)を治療する治療用途及び方法であって、少なくとも1種のトリテルペン酸と少なくとも1種の中性トリテルペノイドの組み合わせを含む治療有効量の組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、それを必要とする対象における血管性認知症(VD)を治療する治療用途及び方法であって、少なくとも1種のトリテルペン酸と少なくとも1種の中性トリテルペノイドの組み合わせを含む治療有効量の組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、それを必要とする対象におけるパーキンソン・プラス症候群を治療する治療用途及び方法であって、少なくとも1種のトリテルペン酸と少なくとも1種の中性トリテルペノイドの組み合わせを含む治療有効量の組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、それを必要とする対象におけるパーキンソニズムを治療する治療用途及び方法であって、少なくとも1種のトリテルペン酸と少なくとも1種の中性トリテルペノイドの組み合わせを含む治療有効量の組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、それを必要とする対象における多系統萎縮症(MSA)を治療する治療用途及び方法であって、少なくとも1種のトリテルペン酸と少なくとも1種の中性トリテルペノイドの組み合わせを含む治療有効量の組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、それを必要とする対象における進行性核上性麻痺(PSP)を治療する治療用途及び方法であって、少なくとも1種のトリテルペン酸と少なくとも1種の中性トリテルペノイドの組み合わせを含む治療有効量の組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、それを必要とする対象におけるタウオパチーの疾患及び病態を治療する治療用途及び方法であって、少なくとも1種のトリテルペン酸と少なくとも1種の中性トリテルペノイドの組み合わせを含む治療有効量の組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、それを必要とする対象における原発性加齢タウオパチー(PART)を治療する治療用途及び方法であって、少なくとも1種のトリテルペン酸と少なくとも1種の中性トリテルペノイドの組み合わせを含む治療有効量の組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、それを必要とする対象におけるピック病を治療する治療用途及び方法であって、少なくとも1種のトリテルペン酸と少なくとも1種の中性トリテルペノイドの組み合わせを含む治療有効量の組成物を対象に投与することを含む方法を提供する。
該組成物を投与する工程は、経口、局所、非経口及び経皮を含む任意の許容される経路を含むことができ、例えば、非経口投与は、静脈内、筋肉内、皮下、皮内、腹腔内、動脈内、子宮内、尿道内、心臓内、脳内、脳室内、腎臓内、肝臓内、腱内、骨内、鞘内、経皮、膣、直腸、吸入、鼻腔内、眼、耳及び頬側の投与経路を含む。
いくつかの実施形態において、本方法は、対象への医療装置の移植前後に行うことができる。いくつかの実施形態において、本方法は、病態の影響/結果を治療するために、対象への医療装置の移植前後に行うことができる。医療装置には、人工関節、人工臓器又はその構成要素、弁、カテーテル、チューブ、ステント、人工膜、ペースメーカ、センサー、内視鏡、撮像装置、ポンプ、ワイヤ及びインプラントが含まれるが、これらに限定されない。インプラントには、心臓インプラント、蝸牛インプラント、角膜インプラント、頭蓋インプラント、歯科インプラント、顎顔面インプラント、臓器インプラント、整形外科用インプラント、血管インプラント、関節インプラント及び乳房インプラントが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、該医療装置は、特定の場合において、対象の自己細胞を含み得る臓器インプラントである。
いくつかの実施形態において、該接触工程は、エレクトロポレーション、超音波処理、高周波、加圧スプレー及びそれらの組み合わせからなる群から選択される手段を含む。
いくつかの実施形態において、該接触工程は、間質液と組成物との間の接触の確立を含む。間質液と組成物との間の接触は、針、微小針、又は複数の針若しくは微小針を含む装置で真皮を穿孔し、かつ/又は裂くことによって達成することができる。そのような針又は微小針は、好ましくは、非中空であり、例えば、櫛又はブラシ状の装置上に複数で作られてよい。
本発明の方法は、ヒト及び非ヒト哺乳類における適用に適している。
本発明の方法は、本明細書に記載の組み合わせを含む組成物を組み込む製品の使用を包含することができる。
以下の実施例は、本発明の特定の実施形態をより完全に説明するために提示される。しかし、それらは、決して、本発明の広い範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。当業者なら、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に開示される原理の多くの変形及び変更を考案することができる。
実施例
マスティックガムからのトリテルペン酸及び中性トリテルペノイドの分離:
本出願に開示される組成物の多くは、個々のトリテルペン酸(複数可)及び中性トリテルペン(複数可)を一緒に混合することによって調製される。これらの個々のトリテルペン酸(複数可)及び中性トリテルペノイドは、マスティックガムなどの天然源から抽出されるか、又は化学合成の生成物であり得る。これらの個々の化合物の実際の源は、これらの個々の化合物を用いて調製される調製医薬組成物の特性に影響を及ぼさない。したがって、いくつかの個々のトリテルペン酸及び個々の中性トリテルペンの分離並びに合成のために下記の手順が唯一の限定される実施例であること、及び当業者が、これらの個々の化合物を得るために、異なる分離手順及び合成手順を使用することができることを理解されたい。
本発明は、トリテルペン酸(複数可)及び中性トリテルペノイド(複数可)を含む開示される医薬組成物の予想外の生物学的及び薬学的特性に関する。トリテルペン酸(複数可)及び中性トリテルペノイド(複数可)の組み合わせは、トリテルペン酸のみ又は中性トリテルペノイドのみを使用することによって得ることができない全体的な薬学的活性をもたらす。
実施例1A−マスティックガムの分離された酸性画分の調製
50グラム量のマスティックガムに、無水エタノール(800ML)を添加し、混合物を24時間放置した。この混合物を、150rpmで30分間振盪し、2時間放置した。得られたエタノール溶液を3Lの丸底フラスコの中にデカントして、不溶性物質を分けた。この不溶性物質に新鮮なエタノール400MLを添加し、混合物を再び150rpmで30分間振盪し、30分間放置した。得られたエタノール溶液をデカントし、第1のエタノール溶液に添加した。この工程を、200MLの無水エタノールを使用してもう一度繰り返した。これにより、1.4Lのエタノール溶液が得られた。エタノールを、ロータリーエバポレーターを用いて蒸発させ、n−ヘキサン(1.2L)を残留物質に添加し、混合物を4時間、150rpmで振盪した。次いで、これを4時間放置し、ヘキサン溶液を3Lの三角フラスコにデカントし、不溶性物質を分けた。残りの不溶性物質に、800MLの新鮮なヘキサンを添加し、混合物を150rpmで6時間振盪し、12時間放置した。このヘキサン溶液を、最初の1.2Lのヘキサン溶液を含有する3Lの三角フラスコにデカントして入れた。このヘキサンをクリーンな3Lの丸底フラスコ中で蒸発させ、約30グラムの抽出物を得た(収率は、典型的には、使用したマスティックガムの古さ及び粒径に応じて50〜70%の範囲である)。
その後、得られた抽出物質を、ジエチルエーテル(500ML)に溶解し、5%炭酸ナトリウム水溶液(100MLで4回)で抽出し、塩基性水層と油/エマルジョン層を、注意深くジエチルエーテル層から分離した。次いで、このジエチルエーテル層を、さらに0.4Nの水酸化ナトリウム水溶液(100MLで3回)で抽出し、塩基性水層と油/エマルジョン層を再び注意深くジエチルエーテル層から分離した。(この残りのジエチルエーテル層を、ジエチルエーテル層番号Iと呼び、本明細書において以下の実施例1Bで使用する)。(油/エマルジョン層を含む)2つの塩基性水性抽出物を、10%塩酸水溶液をゆっくり添加することによってpH1〜2まで別々に酸性化し、その後、新鮮なジエチルエーテル(200MLで3回)で抽出した。このようにして得られたエーテル画分を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過した後、ロータリーエバポレーターを用いてジエチルエーテルを除去した。この手順により、白色固体としてマスティックガムの分離された酸性画分を約15グラム得て、これは、エタノール/ヘキサン抽出後に得られた中間体抽出物に基づいて約50%の収率に相当した。本明細書で上述したマスティックガムから得られたこの特定の分離酸性画分を、「酸性混合物1」と呼ぶ。
最初の50グラムのマスティックガムに基づくと、この酸性画分の収率は約30%である。マスティックガムからのこの特定の酸性画分の典型的な収率は、約25%〜約35%の範囲である。いずれかの理論又は機構に束縛されることなく、収率のこれらの変動は、マスティックガムの組成物中の自然の(例えば、季節的な)変動が原因で発生し得、また、マスティックガムの古さ及び保管条件によって影響を受ける可能性がある。
実施例1B:マスティックガムの中性画分の分離
実施例1Aで得られたジエチルエーテル層番号1を、クリーンな分液漏斗に移し、水(200ML)及びブライン(150ML)で洗浄した。次いで、それを無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。硫酸ナトリウムを濾過により除去し、ジエチルエーテルを、ロータリーエバポレーターを用いて蒸発させた。これにより、白色からオフホワイトの粘着性固体として分離された中性画分約15グラムが得られた(35〜40℃超では、非常に粘稠な液体になる)。これは、実施例1Aに示したエタノール/ヘキサン抽出後に得られた抽出物に基づくと、約50%の収率である。本明細書に記載のマスティックガムから得られたこの特定の分離中性画分を、「中性混合物1」と呼ぶ。最初の50グラムのマスティックガムに基づくと、この中性画分(「中性混合物1」)の収率は、約30%である。マスティックガムからのこの中性画分の典型的な収率は、約25〜約35%の範囲である。
本明細書に記載のこの特定の酸−塩基性抽出物の質量バランスは、エタノール/ヘキサン抽出手順の後に得られた中間体抽出物に基づくと、典型的には90%超、多くの場合、95%超である。したがって、分離中性画分(「中性混合物1」)に対する分離酸性画分(「酸性混合物1」)の比率は、通常、1:1に近い(かつ、ほぼ常に0.8:1.2〜1.2:0.8の範囲内である)。
分離酸性画分及び分離中性画分からの個々のトリテルペン酸並びに中性トリテルペノイドの分離は、当業者に公知の標準的なカラムクロマトグラフィー及びHPLCの方法を用いて達成することができる。
他の抽出プロトコルを用いて、トリテルペン酸及び/又は中性トリテルペノイドの分離のために後で使用することができる適切な植物材料からの異なる分離酸性画分及び分離中性画分を得ることができることは理解されたく、かつ当業者には明らかである。
実施例2−トリテルペン酸及びいくつかの中性トリテルペノイドの合成
合成A:オレアノン酸の調製
オレアノン酸を、オレアノール酸から3つの工程で得た。
オレアノール酸を、最初に、ジメチルホルムアミド(DMF)中のヨウ化メチル及び炭酸カリウムで処理することにより対応するメチルエステルに変換した。オレアノール酸メチルエステルのオレアノン酸メチルエステルへの酸化を、ジクロロメタン(DCM)中のデス・マーチンペルヨージナン試薬を用いて行った。THF水溶液中の水酸化リチウムでのオレアノン酸メチルエステルの加水分解は、所望のオレアノン酸の酸性化時に生じた。
オレアノン酸メチルエステル:オレアノール酸(3.66g、1.0当量)をDMF(20.0容量)に溶解した。K2CO3(3.3g、3.0当量)を添加し、混合物を10分間撹拌し、次いで、ヨウ化メチル(0.75ml、1.5当量)を添加した。反応混合を、室温で一晩行った(TLC上での完全変換)。K2CO3を反応混合物から濾過して取り除き、反応物を氷水に注いだ。白色固体を濾過して取り除き、水で洗浄し、減圧下で乾燥させて、所望の生成物(3.62g、96.0%)を得た。
メチルエステルの加水分解:乾燥DMF(30ml)中のオレアノン酸メチルエステル(1.0g)に乾燥LiCl(200mg)を添加し、混合物を6時間、50℃、窒素下で撹拌した。室温まで冷却する際に、この反応混合物を、5%のNa2C03溶液(20ml)の添加によりクエンチし、一晩撹拌した。次いで、3%HCl水溶液を、pH=2になるまで添加し、混合物をジエチルエーテル(50mlで3回)で抽出した。合わせたエーテル層を、0.5%HClで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。ジエチルエーテルを蒸発させ、白色固体(0.73g)としてオレアノン酸を得た。
合成B:NF−A(ベツロン)の調製
NF−Aを、2つの工程でベツリン−28−アセテートから合成した。
最初に、3−ヒドロキシル基を、ジクロロメタン中のPCCで対応するケトンに酸化した。この後に、C−28アセテート基の加水分解が続き、所望のNF−A(ベツロン)を得た。
酸化工程:28−アセチルベツリン(3.2g、1.0当量)をDCM(40.0容量)に溶解した。混合物を氷浴で冷却し、次いで、PCC(2.13g、1.5当量)を添加した。反応混合物を室温まで温め、一晩撹拌した。混合物をシリカゲル上で濃縮し、ヘキサン:EtOAc(95:5→90:10→85:15)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、所望の生成物を白色粉末(2.85〜3.15g、80.0〜99%)として得た。
アセテートの加水分解:出発材料(1.14g、1.0当量)をTHF:H2O(2:1、40.0容量)の混合物に溶解し、次いで、LiOH一水和物(0.57g、10.0当量)を添加した。反応を、室温で3日間行った。THFを蒸発させた。混合物をEtOAcで抽出し(3回)、有機層を合わせ、MgSO4上で乾燥させ、次いで、減圧下で濃縮した。粗生成物を、9:1のヘキサン:EtOAcで溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色粉末(80%)を得た。回収した出発材料をもう一度加水分解し、総収量1.04g(91.0%)を得た。
合成C:NF−Bの調製(オレアノンアルコール;28−ヒドロキシ−β−アミロン)
NF−Bを、3つの段階でオレアノン酸メチルエステルから合成した。
最初に、オレアノン酸メチルエステル(上記の合成A参照)の3−オキソ基を、溶媒としてトルエンを用いる標準的なディーン・スタークセットアップを使用し、エチレングリコール及び触媒のp−TosOH(p−トルエンスルホン酸)を用いて、対応するアセタールに変換した。次に、メチルエステル基を、THF中の水素化アルミニウムリチウムを用いて、対応するアルコールに還元した。アセトン中の希釈したHCl水溶液でのアセタールの加水分解により、所望のNF−B(オレアノンアルコール)を得た。
アセタール形成:オレアノン酸メチルエステル(1.4g、1.0当量)をトルエン(20.0容量)に溶解し、次いで、TsOH(0.006g、0.01当量)及びエチレングリコール(0.46g、2.5当量)を添加した。反応は、ディーンスタークコンデンサーの下で3時間還流した。TLCは、出発材料の完全な変換を示した。反応物を室温まで冷却し、NaHCO3飽和溶液でクエンチし、次いで、EtOAcでの抽出を行った(3回)。有機層を水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮した。粗生成物を灰色固体として得て、さらに精製することなく次の工程で使用した(1.42g)。
エステルの還元:LAH(0.86g、2.5当量)を無水THF(20.0容量)に懸濁し、0℃まで冷却した。出発材料(3.85g、1.0当量)を無水THF(25.0容量)に溶解し、懸濁液に滴加した。添加後、混合物を室温まで温め、2時間撹拌した(TLC上での完全変換)。反応混合物を、「1−2−3方法」によりクエンチした。得られたスラリーを、セライトを通して濾過した。濾液を濃縮し、さらに精製することなく次の工程で使用した(3.5g)。
「1−2−3方法」:
1.H2Oを反応混合物に添加する。LAHの量(g)と同量(mL)の水
2.混合物に15%のNaOHを添加する。LAHの量(g)の2倍の量(mL)の15%のNaOH
3.H2Oを混合物に添加する。LAHの量(g)の3倍の量(mL)の水
アセタール加水分解:出発材料(3.5g、1.0当量)を、アセトン(12.0容量)及び1MのHCl(10.0容量)の混合物に懸濁した。反応混合物を3時間還流した(TLC上での完全変換)。反応混合物を、NaHCO3飽和溶液でpH8までクエンチし、EtOAcで抽出し(3回)、MgSO4上で乾燥させ、濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーを介して精製し、ヘキサン:EtOAc(98:2→95:5→93:7)で溶出し、MeOHで粉砕した(1gの粗生成物/5mLのMeOH)。沈殿物を濾過して取り除き、真空乾燥させて、白色固体(2.63g)として所望の生成物を得た。
合成D及びE:オレアノールアルコールの調製(別名エリトロジオール;28−ヒドロキシ−β−アミリン)及びNF−3(オレアノンアルデヒド)
オレアノールアルコール(別名エリトロジオール)は、THF中の水素化アルミニウムリチウムでのオレアノール酸メチルエステル(合成A参照)の還元により、最も容易に合成されることが判明した(オレアノール酸の直接還元によりこの化合物を調製する試みでは、反応時間を延長した後、大過剰の水素化アルミニウムリチウムを使用しても、収率が非常に低かった)。
その後、オレアノンアルデヒド(NF−3)を、デス・マーチンペルヨージナン試薬を用いて酸化することによりオレアノールアルコールから合成した。
28−ヒドロキシ−β−アミリン(エリトロジオール):LAH(1.2g、3.0当量)を、無水THF(10.0容量)に懸濁し、0℃まで冷却した。出発材料(5.0g、1.0当量)を無水THF(15.0容量)に溶解し、懸濁液に滴加した。添加後、混合物を室温に到達させ、さらに2時間撹拌した(TLC上での完全変換)。反応を、「1−2−3方法」(合成C参照)によりクエンチした。得られたスラリーを、セライトを通して濾過した。濾液を濃縮し、粗生成物をさらに精製することなく次の工程に使用した(4.60g)。
オレアノンアルデヒド(NF−3):28−ヒドロキシ−β−アミリン(2.8g、1.0当量)を、DCM(20.0容量)に溶解し、次いで、DMP(5.36g、2.0当量)を添加した。反応を1時間行った。粗生成物を、シリカゲル上で濃縮し、ヘキサン、次いで、ヘキサン:EtOAc(99:1→9:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色の固体(0.60g)としてオレアノンアルデヒドを得た。
合成F:マスチカジエノン酸アルデヒドの調製
マスチカジエノン酸アルデヒドを、3つの工程でマスチカジエノン酸から調製した。マスチカジエノン酸のメチルエステルを、ジエチルエーテル中のジアゾメタンを使用して、又はジクロロメタン(DCM)/メタノール中のトリメチルシリルジアゾメタンを用いることによって調製した。水素化リチウムアルミニウムでのメチルエステルの還元により、マスチカジエンジオールが得られた。次いで、このジオールを、デス・マーチンペルヨージナン試薬による酸化によって、マスチカジエノン酸アルデヒドに変換した。
マスチカジエノン酸メチルエステル:MDA(1g、1.0当量)をDCM(10.0mL)及びMeOH(10.0ml)の混合物に溶解し、DCM中のTMSジアゾメタンの2M溶液(4.4ml、4.0当量)を30分以内に滴加した。溶液の色は淡黄色に変わり、反応混合物を30分間撹拌した。反応の進行をTLC上で監視(4:1のヘキサン:EA、pAA染色溶液で可視化)した。
黄色がかった色が消失するまで、数滴のAcOHの添加により反応をクエンチした。混合物を濃縮し、EAに溶解し、飽和NaHCO3及び飽和ブラインで洗浄した。有機層を乾燥させ、濃縮し、所望のMDA−メチルエステル(1.02g)を得た。生成物をさらに精製することなく次の工程で使用した。
マスチカジエンジオール:LAH(0.21g、10.0当量)を無水THF(20.0容量)に懸濁し、0℃まで冷却した。MDA(0.25g、1.0当量)を無水THF(25.0容量)に溶解し、15分以内に懸濁液に滴加した。添加後、混合物を室温まで温め、2時間撹拌した(TLC上での完全変換)。反応混合物を、「1−2−3方法」によりクエンチした。得られたスラリーを、セライトを通してろ過した。濾液を濃縮し、適切な溶離剤混合物(DCM:MeOH)で溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製し、マスチカジエンジオール(110mg)を得た。2.5gスケールでの同じ反応により、1.7gの生成物を得た。主生成物としての3−β異性体と共に、異性体の混合物が得られた(α/β比は約5:1)。これらの異性体を、分取HPLCによりさらに分離することができる。
マスチカジエノン酸アルデヒド:マスチカジエンジオール(0.45g、1.0当量)をDCM(20.0容量)に溶解し、次いで、DMP(0.95g、2.2当量)を添加した。反応は2時間行った。粗生成物をシリカゲル上で濃縮し、ヘキサン、次いで、ヘキサン:EtOAc(99:1→9:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固体(0.3g)として所望の生成物を得た。
合成G:イソマスチカジエノン酸アルデヒドの調製
イソマスチカジエノン酸アルデヒドを、上記合成Eでマスチカジエノン酸アルデヒドに使用するのと同じ反応の順番を使用して、イソマスチカジエノン酸から合成した。
イソマスチカジエノン酸メチルエステル:IMDA(1g、1.0当量)をDCM(10.0ml)及びMeOH(10.0ml)の混合物に溶解し、TMSジアゾメタンの2M溶液(4.4ml、4.0当量)を30分以内に滴加した。溶液の色は淡黄色に変わり、反応混合物を30分間撹拌した。反応の進行を、TLC上で監視(4:1のヘキサン:EA、pAA染色溶液で可視化)した。
黄色がかった色が消失するまで、数滴のAcOHの添加により反応をクエンチした。混合物を、濃縮し、EAに溶解し、飽和NaHCO3及び飽和ブラインで洗浄した。有機層を乾燥させ、濃縮し、所望のIMDAメチルエステル(1.02g)を得た。生成物をさらに精製することなく次の工程で使用した。
イソマスチカジエンジオール:LAH(0.21g、10.0当量)を無水THF(20.0容量)に懸濁し、0℃まで冷却した。MDA(0.25g、1.0当量)を無水THF(25.0容量)に溶解し、15分以内に懸濁液に滴加した。添加後、混合物を室温まで温め、2時間撹拌した(TLC上での完全変換)。反応混合物を、「1−2−3方法」によりクエンチした。得られたスラリーを、セライトを通してろ過した。濾液を濃縮し、適切な溶離剤混合物(DCM:MeOH)で溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製し、イソマスチカジエンジオール(0.16g、65.0%)を得た。2.5gスケールでの同じ反応により、1.55gの生成物(61%)を得た。主生成物としての3−β異性体と共に、異性体の混合物が得られた(α/β比は約5:1)。これらの異性体を、分取HPLCによりさらに分離することができる。
イソマスチカジエノン酸アルデヒド:イソマスチカジエンジオール(0.45g、1.0当量)をDCM(20.0容量)に溶解し、次いで、DMP(0.95g、2.2当量)を添加した。反応を2時間行った。粗生成物をシリカゲル上で濃縮し、ヘキサン、次いで、ヘキサン:EtOAc(99:1→9:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固体(0.4g)として所望の生成物を得た。
合成H:NF−2((8R)−3−オキソ−8−ヒドロキシポリポダ−13E,17E,21−トリエン)の調製
NF−2を、デス・マーチンペルヨージナン試薬を用いて、ケトンへの第2級ヒドロキシル基の酸化により、NF−1から調製した。
NF−2((8R)−3−オキソ−8−ヒドロキシポリポダ−13E,17E,21−トリエン):NF−1(0.90g、1.0当量)をDCM(20.0容量)に溶解し、次いで、DMP(1.90g、2.2当量)を添加した。反応を2時間行った。粗生成物をシリカゲル上で濃縮し、ヘキサン、次いで、ヘキサン:EtOAc(9:1→3:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固体(0.72g)として所望の生成物を得た。
この反応に適する他の酸化方法は、スワーン酸化、DCM中のクロロクロム酸ピリジニウム及びオッペナウアー酸化である。
合成I:β−アミリンの調製
β−アミリンを、オレアノール酸から5つの工程で調製した。
最初に、3−ヒドロキシル基を、TES−トリフラート(TES=トリエチルシリル)を用いてTESエーテルとして保護した。この後に、水素化アルミニウムリチウムを用いた対応するアルコールへのメチルエステルの還元が続き、モノ保護ジオールを得た。遊離ヒドロキシル基を、PCC(クロロクロム酸ピリジニウム)を用いてアルデヒドに酸化した。アルデヒド基を、3工程のワンポットシーケンスでβ−アミリンに変換した。最初の工程は、トシルヒドラジドの形成であった。溶媒系を変更する際に、水素化ホウ素ナトリウムを用いて還流することによりヒドラジドを還元し、同時に、TES保護基を除去して、所望のβ−アミリンを直接形成させた。
オレアノール酸メチルエステル:
オレアノール酸(5.0g、1.0当量)をDMF(20.0容量)に溶解した。K2CO3(4.54g、3.0当量)を添加し、混合物を5〜10分間撹拌し、次いで、CH3I(2.0当量)を添加した。反応混合を、室温で一晩行った(TLC上での完全変換)。K2CO3を反応混合物から濾過して取り除きし、反応物を氷水に注いだ。白色固体を濾過して取り除き、水で洗浄し、減圧下で乾燥させた。粗生成物を、いかなる精製をすることなく次の工程で使用した(5.1g)。
3−ヒドロキシル基のTES保護:
オレアノール酸メチルエステル(5.1g、1.0当量)を、TEA(9.9ml、6.6当量)を含有するDCM(20.0容量)に溶解した。混合物を15分間撹拌し、TESOTf(8.0ml、3.3当量)を滴加した。完了するまで、反応混合物を室温で一晩撹拌した(TLC 4:1のヘキサン:EA)。この混合物を1MのHClで希釈し、DCMで抽出した(2回)。合わせた有機層を乾燥させ、濃縮した。粗混合物を、カラムクロマトグラフィーにより精製し(98:2のヘキサン:EA)、白色固体(6.6g)として所望の生成物を得た。
エステルの還元:
LAH(1.29g、2.5当量)を無水THF(20.0容量)に懸濁し、0℃まで冷却した。出発材料(6.61g、1.0当量)を無水THF(25.0容量)に溶解し、懸濁液に滴加した。添加後、混合物を室温まで温め、2時間撹拌した(TLC上での完全変換)。反応を「1−2−3法」によりクエンチした(合成C参照)。得られたスラリーを、セライトを通して濾過した。濾液を濃縮し、さらに精製することなく次の工程に使用した(4.55g)。
アルコール酸化:
モノ保護ジオール(1.0g、1.0当量)をDCM(20.0容量)に溶解し、0℃まで冷却した。それにPCC(0.58g、1.5当量)を添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。反応の進行をTLC上で監視した(9:1のヘキサン:EA)。反応物をSiO2上で濃縮し、ヘキサン:EAで溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製し、純粋な生成物(0.76g)を得た。
β−アミリンへのTES−アルデヒド中間体のワンポット変換(ヒドラジド形成;還元;TES切断):
出発材料(0.62g、1.0当量)をEtOH(26.0容量)に懸濁し、p−トルエンスルホニルヒドラジド(0.25g、1.2当量)を添加し、混合物を一晩還流した。反応の進行をTLC上で監視した(7:3のヘキサン:EA)。EtOHを濃縮し、残留物をTHF(33.0容量)及び水(5.0容量)及びNaBH4(0.42g、10.0当量)に溶解した。反応を、一晩室温で継続し、次いで、2時間、還流した。反応物を冷却し、水とEAの間に分配し、層を分離し、水層をEAで2回抽出した。合わせた有機層を乾燥させ、濃縮し、粗残留物を得た。粗反応混合物を、ヘキサン:EAで溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固体(100mg)としてβ−アミリンを得た。
合成J:β−アミロンの調製
β−アミロンを、クロロクロム酸ピリジニウム(PCC)を用いて対応するケトンへのヒドロキシル基の酸化によりβ−アミリンから調製した。他の適切な方法は、デス・マーチン試薬又はスワーン酸化である。
PCC酸化による場合:β−アミリン(100mg、1.0当量)をDCM(20.0容量)に溶解し、0℃まで冷却した。それにPCC(76mg、1.5当量)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。反応の進行をTLC上で監視した(6:1のヘキサン:EA)。反応をSiO2上で濃縮し、ヘキサン:EA(60:1→20:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製し、純粋な生成物(63mg)を得た。
デス・マーチン試薬による場合:出発材料(100mg、1.0当量)をDCM(20.0容量)に溶解し、次いで、DMP(0.95g、2.2当量)を添加した。反応を2時間行った。粗生成物をシリカゲル上で濃縮し、純粋な生成物を得るためにヘキサン:EA(60:1→20:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色の固体(0.67g)として所望の生成物を得た。
合成K:28−オキソ−ルペン−3−オンの調製
28−オキソ−ルペン−3−オンを、デス・マーチンペルヨージナンを用いた対応するアルデヒドへの28−ヒドロキシル基の酸化により、NF−A(ベツロン、合成B参照)から合成した。
出発材料(1.0g、1.0当量)をDCM(20.0容量)に溶解し、次いで、DMP(2.20g、2.2当量)を添加した。反応を2時間行った。粗生成物をシリカゲル上で濃縮し、ヘキサン、次いで、ヘキサン:EtOAc(99:1→9:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製し、白色固体(0.74g)として所望の生成物を得た。
この反応に適する他の酸化方法は、スワーン酸化、DCM中のクロロクロム酸ピリジニウムである。
合成L:オレアノールアルデヒドの調製
オレアノールアルデヒドを、β−アミリンの合成Iからのモノ保護ジオール中間体から2つの工程で調製した。
遊離ヒドロキシル基を、PCC又はデス・マーチンペルヨージナンを用いて対応するアルデヒドに酸化した。この後に、THF水溶液中のTBAFでTES基を除去し、所望のオレアノールアルデヒドを得た。
PCC酸化による場合:モノ保護ジオール(1.0g、1.0当量)をDCM(20.0容量)に溶解し、0℃まで冷却した。それにPCC(0.58g、1.5当量)を添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。反応の進行をTLC上で監視した(9:1のヘキサン:EA)。反応をSiO2上で濃縮し、ヘキサン:EAで溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製し、純粋な生成物(0.76g)を得た。
デス・マーチン酸化による場合:モノ保護ジオール(1.0g、1.0当量)をDCM(20.0倍容量)に溶解し、次いで、DMP(2.20g、2.2当量)を添加した。反応を2時間行った。反応の進行をTLC上で監視した(9:1のヘキサン:EA)。反応混合物をSiO2上で濃縮し、ヘキサン:EAで溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製し、純粋な生成物(0.69g)を得た。
TES基の除去:(150mg、1.0当量)をTHF(15.0容量)に溶解し、0℃まで冷却した。それにTBAF(113mg、2.0当量)を添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。反応の進行をTLC上で監視した(4:1のヘキサン:EA)。反応物をSiO2上で濃縮し、ヘキサン:EA(9:1→6:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーにより精製し、純粋な生成物(86mg)を得た。
本出願に見られるいくつかのトリテルペノイドの合成のためのいくつかの適切な参考文献は、
D.BartonらのJ.Chem.Soc.1956,4150
V.DomingoらのJ.Org.Chem.74,6151,2009
V.DomingoらのOrg.Biomol.Chem.11,559,2013.
J.JusticiaらのEur.J.Org.Chem.10,1778,2004.
である。
実施例3−医薬組成物及び製剤の調製
表1に示す医薬組成物を、必要量のトリテルペン酸(複数可)及び中性トリテルペノイド(複数可)を混合し、適切な溶媒(例えば、ジエチルエーテル)に溶解し、その後、必要量の薬学的に許容される担体を添加することによって調製した。次いで、均質な透明溶液が得られるまで、混合物を振盪又は攪拌し、適切な溶媒(例えば、ジエチルエーテル)を、真空(例えば、回転蒸発器)を用いて除去した。これにより、所望の薬学的組成物を得た。
表1Aは、溶媒としてジエチルエーテルを、薬学的に許容される担体として医薬等級(NFグレード)の綿実油(約900ppmのBHTで安定化した)を用いて調製した医薬組成物を示す。
上記のように調製した3−OAc−MLA、3−OAc−IMLA、3−Ac−エピ−MLA及び3−OAc−エピ−IMLAを含有する追加の製剤を、表1Bに示す。
実施例4−ラットtMCAO脳卒中モデルにおける中性トリテルペノイド及びトリテルペン酸の組み合わせの相乗効果
中大脳動脈閉塞(MCAO)モデルは、ラットにおける脳卒中のための信頼性の高いモデルであり、ヒトの病態を模倣している。一般的には、局所虚血は限局性脳梗塞をもたらし、ラットにおける中大脳動脈閉塞(MCAO)によって誘発される。MCAの閉塞はニューロン喪失による感覚運動皮質の損傷につながるが、このダメージのレベルは、梗塞サイズの組織学的評価及び様々な行動試験によって評価することができる。
一過性中大脳動脈(tMCAO)閉塞を、R.Schmid−Elsaesserら、Stroke.1998;29(10):2162−2170に記載の方法に従って行った。本明細書に記載の実験については、動物を、ケタミン/キシラジン溶液を使用して麻酔する。次いで、動物の首を剃り、首の皮膚で正中切開を行い、下部組織をざっくりと切断する。右総頸動脈(CCA)を正中頚部切開により露出させ、周囲の神経及び筋膜から−その分岐から頭蓋底まで慎重に切断した。次いで、ECA(外頸動脈)の後頭動脈枝を分離し、これらの枝を切断し、凝固させた。ECAを、さらに遠位方向に切断し、末端舌及び上顎動脈枝と共に凝固させ、次いで、分割した。ICA(内頸動脈動脈)を、分離し、隣接する迷走神経から注意深く切り離し、翼口蓋動脈を、5−0ナイロン縫合糸でその起点近くを結紮した。次に、結集させたECA断端の周りに4−0絹縫合糸をゆるく結び、4cm長の4−0モノフィラメントナイロン縫合糸(挿入前に、縫合糸の先端を火炎で平滑末端化し、縫合糸をポリリジンでコーティングした)を、近位ECAを通してICAに、それからウィリス動脈輪に挿入し、効果的にMCAを閉塞した。手術創を閉じ、動物をケージに戻し、麻酔から回復させた。閉塞後2時間の時点でラットを再麻酔し、再灌流を可能にするためにモノフィラメントを取り除き、手術創を閉じ、ラットをケージに戻した。
閉塞後2時間の再灌流直前に、「除外基準についてのニューロスコア(Chen J.ら Stroke.2001;32(4):1005−1011)」を用いて、動物の神経学的評価を行った。10以上の全体的なスコアを有する動物のみを研究に含めた。
再灌流直後、脳卒中誘発後3時間の時点で、皮下注射により組成物A、B、C、D、E及びFでラットを処置した。この実験を、以下に指定した合計68匹のラットに行った。
前肢及び後肢置き直し試験
前肢置き直し試験については、審査官が、卓上近くでラットを保持し、ウィスカ、視覚、触覚、又は固有受容刺激に応じて卓上に前肢を置き直すラットの能力をスコア化する。同様に、後肢置き直し試験については、審査官が、触覚及び固有受容刺激に応じて卓上に後肢を置き直すラットの能力を評価する。感覚入力の各モードについて別々のサブスコアを得て、合計スコアを得るために加えた(前肢置き直し試験については:0=正常、12=最大障害;後肢置き直し試験については:0=正常;6=最大障害)。スコアをハーフポイント単位で与える(下記参照)。典型的には、脳卒中後の最初の月の間に、四肢置き直し行動がゆっくりと着実に回復する。
前肢置き直し試験(0〜12):
ウィスカでの置き直し(0〜2);
視覚での置き直し(前方(0〜2)、横(0〜2))
触覚での置き直し(背側(0〜2)、外側(0〜2))
固有受容での置き直し(0〜2)
(a)手術前、(b)脳卒中誘発後15日目及び(c)脳卒中誘発後58日目に、評価を行った。58日目と15日目の間の前肢置き直し試験における差異(p<0.01)を図1に示す。グループA、B、C、E及びFにおける差異の高い値は、プラセボグループDと比較したトリテルペノイド処置グループにおいて顕著な治癒及び脳卒中後の神経機能の回復を示した。
神経学的スコア化(ニューロスコア):
(a)手術前、(b)脳卒中誘発後15日目及び(c)脳卒中後58日目に、改変した神経学的評価スケール(mNRS)、又はニューロスコアを行った。58日目と15日目の間のニューロスコアの差異(p<0.01)を図2に示す。グループA、B、C、E及びFにおける差異の高い値は、プラセボグループDと比較したトリテルペノイド処置グループにおいて顕著な治癒及び脳卒中後の神経機能の回復を示した。
tMCAO脳卒中モデルで使用した組成物
「酸性混合物1」は、実施例1Aに従って調製されるマスティックガムの分離酸性画分を意味する。「酸性混合物1」は、主な化合物として以下のものを含有する:
MA:モロン酸(12〜15%)
OA:オレアノン酸(18〜20%)
MDA:24−Z−マスチカジエノン酸(20〜22%)
IMDA:24−Z−イソマスチカジエノン酸(22〜26%)
3−β−OAc−24−Z−マスチカジエノール酸(4〜7%)
3−β−OAc−24−Z−イソマスチカジエノール酸(4〜7%)。
「酸性混合物1」は、さらに、少量、典型的には、5%未満のいくつかの他のトリテルペン酸を含有する。「酸性混合物1」が含有し得る可能性あるトリテルペン酸は、
MLA:3−β−マスチカジエノール酸
IMLA:3−β−イソマスチカジエノール酸
ジヒドロマスチカジエノン酸
ジヒドロイソマスチカジエノン酸
である。
「酸性混合物2」は%(重量/重量)で以下の化合物を含有する:
MA:モロン酸(15%)
OA:オレアノン酸(15%)
MDA:24−Z−マスチカジエノン酸(25%)
IMDA:24−Z−イソマスチカジエノン酸(30%)
3−β−OAc−24−Z−マスチカジエノール酸(8%)
3−β−OAc−24−Z−イソマスチカジエノール酸(7%)
表2において、「酸性混合物1(2.5%)」は、綿実油中の、実施例1Aで分離した酸性画分の2.5%(w/w)の製剤を意味する。同様に、「酸性混合物2(2.5%)」は、上記で定義した「酸性混合物2」の2.5%(w/w)の製剤を意味する。
「中性混合物1」は、実施例1A、Bに従って調製した中性画分である。
「中性混合物2」は以下の中性トリテルペノイドを含有する:
NF−1:(8R)−3−β,8−ジヒドロキシポリポダ−13E,17E,21−トリエン
NF−2:(8R)−3−オキソ−8−ヒドロキシポリポダ−13E,17E,21−トリエン
NF−3:オレアノンアルデヒド
NF−4:チルカロル
NF−P:ジプテロカルポール(20−ヒドロキシダンマラ−24−エン−3−オン)
NF−A:(ベツロン)、28−ヒドロキシルプ−20(29)−エン−3−オン
NF−B:オレアノンアルコール;(28−ヒドロキシ−β−アミロン)
3−β−ヒドロキシ−13−α−マラバリカ−14(26),17E,21−トリエン
20−ヒドロキシ−ルパン−3−オン
28−ノル−17−ヒドロキシルペン−3−オン
28−オキソ−ルペン−3−オン
28−ノル−β−アミロン
イソマスチカジエノン酸アルデヒド
イソマスチカジエンジオール
マスチカジエンジオール
オレアノールアルデヒド(28−オキソ−β−アミリン)
3−β−20−ジヒドロキシルパン
マスチカジエノン酸アルデヒド
3−オキソ−マラバリカ−14(26),17E,21−トリエン
β−アミロン
β−アミリン
ゲルマニコール
tMCAOモデルに使用する異なる組成物中の各化合物/画分の濃度(綿実油中)を、表2に示す。表3は、グループあたりの動物の数及び投与を示す。
異なるグループのラットには、25μLの指定した試験品を週2回皮下注射した。最初の注射を、脳卒中誘発後3時間の時点で施した。本明細書で使用する用語「製剤X」は、本明細書及び表2に記載のグループXに含まれるラットに投与される製剤を指し、Xは、A、B、C、D、E又はFである。
結果及び結論
グループA〜Fに含まれるラットを、再灌流直後に始める週2回の皮下注射により、少なくとも1種のトリテルペン酸と少なくとも1種の中性トリテルペノイドの組み合わせを含む組成物A、B、C、E及びF、又はプラセボ組成物Dで58日間処置した。研究の間、神経及び体性感覚機能を、行動試験のケージの中で監視した。
神経学的機能のいくつかの自発的な脳卒中の回復を、脳卒中誘発後58日間の経過観察期間中に観察した。少なくとも1種のトリテルペン酸と少なくとも1種の中性トリテルペノイドの組み合わせを含む全ての試験組成物を、プラセボグループ(グループD)と比較して向上した神経機能の回復を示した。テルペノイド化合物の組み合わせを含む組成物の効果を比較した場合、組成物A及びCは、組成物B、E及びFと比較してより強い効果を示した(図1)。
感覚運動機能はまた、少なくとも1種のトリテルペン酸及び少なくとも1種の中性トリテルペノイドを含む組成物の各1種での処置後に改善された。組成物Aでの処置は、プラセボ(グループD)(図2)と比較して最大の差を示した。プラセボ処置グループDと比較して向上した感覚運動機能の改善が、組成物B、C、E及びFについても観察されたが、該改善は、組成物F及びCについてより顕著であった。予想外にも、少なくとも1種のトリテルペン酸及び少なくとも1種の中性トリテルペノイドを含む異なる組成物の投与による観察された処置効果は、時間と共に増し、手術後58日に向かってより顕著であった。
一般的なラットの健康は、それらの全てが同じ割合で体重が増加し、それらの間に有意差はなかったので、全てのグループで同一であった。
これらの知見を考慮して、本発明に開示されるような分子の様々な組み合わせの組成物は、脳卒中の治療に有効であり、脳卒中を患った対象のダメージを受けた運動機能を回復させ、体性感覚欠損を改善する可能性を有すると結論付けることができる。
実施例5−グルタミン酸誘発性神経毒性モデル
虚血性又は出血性脳卒中、外傷性脳損傷(TBI)及び他の脳損傷は、患者が受ける可能性がある最も壊滅的な事象の1つである。それらは、原因が異なるにもかかわらず、免疫抑制、フリーラジカル媒介毒性、脳/ニューロンのダメージ、感染症、サイトカイン媒介性細胞傷害、炎症及びグリア細胞の活性化を含む同じ複雑な病態生理の周囲で癒合するように思われる。これら全ては、認知及び/又は身体欠陥をもたらす。
異なる脳ダメージ後の興奮性神経毒性は、主に、過剰なグルタミン酸の放出と、その後のCa2+の過剰な流入から生じ、主に、N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)グルタミン酸受容体によって媒介される。グルタミン酸の放出は、興奮毒性を誘発し、虚血、炎症、てんかん、及び神経変性疾患を含む多数の神経疾患の病態生理に寄与している。
グルタミン酸興奮毒性は、広い範囲の神経障害におけるニューロン死の重要なメカニズムである。十分に確立されたモデルを用いて、本発明の組成物の潜在的な神経保護効果を評価するために、皮質ニューロンの初代培養物におけるグルタミン酸誘発性興奮毒性を実行した。
実験手順
使用した組成物
表1A、エントリー番号25、本明細書では「組み合わせA」と呼ぶ。
表1A、エントリー番号31、本明細書では「組み合わせB」と呼ぶ。
表1Aから抜粋:
細胞培養
皮質を、E19のスプラーグ・ドーリーラットの胚から採取した。組織を、酵素的及び機械的に解離し、均質な細胞懸濁液を得、200μLのニューロン用培地に、4枚の96ウェルプレートのウェルあたり20000個で細胞を播種した。
グルタミン酸誘発神経毒性:
200μLの成長培地に初代皮質ニューロンを播種後6日目(DIV6)に、核酸の非存在下で非蛍光性であり、DNAに結合すると強い蛍光を示す、細胞不透過性及び高親和性の核酸染色色素である細胞溶解プローブを含有する培地90μLと成長培地の半分を交換することによって、ニューロン上に試験化合物を塗布した。次いで、油中の20倍濃縮化合物10μLをこれらの細胞に添加した。タイムラプス画像取得を、処理中の習得開始ができなかったコンピュータネットワーク問題後の最初の処理後20時間の時点で開始した。その時点から実験の終わりまで、ニューロン培養の時間経過画像(4時間毎に1枚の画像)を位相コントラスト及び細胞溶解監視のための蛍光で取得した。これを、それぞれ各試験化合物及び対照を含む4枚の異なるプレートで並行して行った。
播種後9日目(DIV9)に、成長培地の半分を、細胞溶解プローブを含有する90μLの培地と交換し、6日目に調製した同じ20倍濃縮化合物10μLを細胞に添加した。DIV10に、前処理したプレートの半分(2プレート)を100μΜのグルタミン酸/10μΜのグリシンで処理し、10μLの21倍濃縮グルタミン酸溶液を添加することにより興奮毒性を誘発した。1枚のグルタミン酸処理プレート及びグルタミン酸処理をしていないプレートに、さらに、同じスケジュールに従ってDIV11及びDIV14に試験化合物での処理を行った(細胞上に10μLの濃縮化合物を添加した培地の半分の交換)。細胞を、最終処理後24時間のDIV15まで経過観察した。実験の終了時に、細胞溶解プローブが全ての細胞を標識するように、全ての培養物を透過処理して、全細胞計数を可能にした。経時的な細胞溶解を総細胞数に対して有理化し、経時的に溶解細胞の割合を得た。全ての実験を、同じ実験セッションで3回実施した。
処理プロトコル:
試験化合物を、2つの処理スケジュールを用いて試験した:
グルタミン酸処理前96及び24時間の時点での2回の前処理
グルタミン酸処理を行わないが、他のプレートのグルタミン酸処理前96及び24時間の時点での2回の前処理
アッセイのエンドポイント/分析
DIV6〜DIV15の経時的(速度論的)な細胞溶解ニューロンの割合。監視期間が非常に長い時、場合によって、毒性処理が培養物表面からの死細胞剥離を誘発することができるので、細胞透過処理後の終了時に測定したこの期間中の最大細胞溶解は100%を超えた。この場合においては、監視中に達した最大値(最後の100%細胞溶解値よりも高い)を100%とみなした。初代培養物では、経時的な自発的ニューロン喪失がある。最初のデータポイントを0%の細胞溶解とみなしたため、監視期間中に現れた唯一の細胞死は均一性のためとみなした。
特異的なグルタミン酸効果の評価のために、いくつかの表現は、以前の細胞溶解事象の干渉なしに、グルタミン酸の効果を特異的に評価するために、新たな0%細胞溶解としてグルタミン酸適用前のデータポイントを使用する。固定した時点のグラフも動態解析から抽出し、細胞溶解動態曲線下面積(AUC)を、72時間の時点から動態解析の終わりまで計算した。
結果:
図3A〜図3Bに示す通り、組み合わせAは、0.025〜0.5%の用量依存的にグルタミン酸の興奮毒性作用を効果的に減少させた(図3A〜B)。
図4A〜図Bに示す通り、組み合わせBは、0.05〜0.5%のグルタミン酸興奮毒性作用における用量依存的減少を示した。
結論:
両方の組み合わせについて0.025%(組み合わせAの場合)及び0.05%(組み合わせBの場合)の間の濃度から0.5%の濃度までの組み合わせA又は組み合わせBの投与によって、100μΜのグルタミン酸によって誘発される興奮毒性傷害を、部分的に、有意に回復させることができた。
実施例6−タウ過剰リン酸化アッセイ−アルツハイマー病のためのインビトロモデル
認知症は、思考力、記憶力、又は判断力、並びに行動能力の喪失を意味する進行性の認知機能の悪化によって特徴付けられる。様々な障害及び要因が、認知症の発症に寄与している。アルツハイマー病(AD)、前頭側頭型障害、及びレヴィー小体認知症などの神経変性障害は、ニューロン及び脳機能の進行性かつ不可逆的な喪失をもたらす。いくつかの認知症では、タウと呼ばれるタンパク質が、過剰リン酸化されて、脳内の神経細胞内で凝集し、細胞死を引き起こすことが示された。タウの蓄積に関連する障害はタウオパチーと呼ばれ、オカダ酸(OKA)は、培養細胞においてタウのリン酸化を増加させることが示されたので、一般的に、動物モデルにおいてタウオパチーを誘発するために使用される。キナーゼ阻害剤と組み合わせてOKAを使用すると、特定の残基のリン酸化に関与する化合物を特定するためのインビトロの薬理学的モデルが確立される。アルツハイマー病などのタウ関連認知症において、様々な組み合わせ及び製剤の治療効果を決定するために、タウの過剰リン酸化のモデルを、成熟ラット皮質ニューロン上でオカダ酸(OKA)によって誘発した。
実験手順及び処理スケジュール
使用した組成物:
表1A、エントリー番号25、本明細書では「組み合わせA」と呼ぶ。
表1A、エントリー番号31、本明細書では「組み合わせB」と呼ぶ。
表1Aから抜粋:
細胞培養
皮質を、E19のスプラーグ・ドーリーラットの胚から採取した。組織を、酵素的及び機械的に解離し、均質な細胞懸濁液を得、細胞を96ウェルプレートに播種した。
実験手順
インビトロでの9日後、24時間の処理用ウェルについて、20倍濃縮化合物又はビヒクル10μLをニューロンに添加した。3mMのLiClを陽性対照として加えた。24時間後、10nMのOAを、11倍濃縮液(媒体200μLに20μL)としてウェルに添加した。24時間前処理しなかったウェルには、試験化合物又はビヒクルを、OKA添加の直前に添加した(調製した20倍濃縮用量反応から10μL)。細胞インキュベーター中でのOKA処理の3時間後に、培地の半分を捨て、100μLの2%パラホルムアルデヒドを固定用のウェルに添加した。次いで、細胞を、ニューロン(MAP2標識)及びホスホ−タウ(ホスホ−PHF−タウ pSer202+Thr205抗体(AT8))の二重免疫蛍光標識のために処理した。核をPBS中10μMのヘキスト33342を使用して標識した。
アッセイのエンドポイント/分析
各実験条件についての高リン酸化タウ強度を有するニューロンの割合。この割合を、ニューロンにおいて有意なタウ過剰リン酸化が考慮される上記の閾値を用いて計算する。この閾値を、Fluofarma’s CytoSurferソフトウェアの細胞散布図(サイトメトリー分析)によって、細胞上の陰性と陽性のニューロン集団間で、未処理条件とオカダ酸処理条件を比較することによって設定する。
結果:図5Aに示す通り、試験製剤(組み合わせA)は、オカダ酸処理前の24時間の前処理として適用した0.25及び0.5%の濃度の有意な効果と共に、タウ過剰リン酸化を用量依存的に減少させることが示されている。図5Bに示す通り、試験製剤(組み合わせB)は、オカダ酸処理前の24時間の前処理として適用した0.25及び0.5%の濃度の有意な効果と共に、タウ過剰リン酸化を用量依存的に減少させた。
実施例7−アルツハイマー病のためのインビボモデル
認知症は、思考力、記憶力、又は判断力、並びに行動能力の喪失を意味する進行性の認知機能の悪化によって特徴付けられる。アルツハイマー病(AD)は認知症の主要な原因であるが、血管性認知症、レヴィー小体型認知症、前頭側頭型認知症なども記憶障害につながる。特定の特性を有する記憶喪失の信頼できる動物モデルは、動物を所定の脳損傷又は特定の神経毒の頭蓋内注入に供することにより、複数の方法で確立されている。記憶障害を有するアルツハイマー病の老齢ラットモデルは、病理学的特徴及びADに共通の複雑な動作を示すため、老化及び認知機能低下の天然モデルとなり、神経保護、学習、及び記憶の機構を標的にする治験治療を試験するのに有用な選択物である。
ADに見られる認知行動症状に非常に敏感である多くのげっ歯類の行動のタスクが開発されており、これらのテストは、臨床診断ツールとして広く使用されている。
別個の記憶過程を評価するために設計した多くのタスクの中で、ラットにおける社会的認識タスクは、社会的認知のドメインで短期ワーキングメモリの形態、薬理学的薬剤又は老化5などの生理病理学的状態によるその変形を評価する機会を提供する。ヒトにおける社会的認知は明らかに非常に重要であり、その欠陥は、例えば、老化及びアルツハイマー型認知症の間に、患者及びその環境に劇的な影響を与える場合が多い。執行機能における機能障害も、統合失調症、AD及びパーキンソン病などの神経精神障害で一般的に観察される認知障害である。認知機能の低下及びADは、人間集団内で老化と密接に関連している。記憶障害を有する老齢ラット及びマウスは、ADに共通の病理学的特徴及び複雑な行動を示し、伝統的なモデルへ洞察に満ちた代替手段を提供する。老化は、認知能力の進行性の低下によって特徴付けられ、部分的に海馬の構造的及び機能的変化に起因する。認知機能の低下及びADは、人間集団内で老化と密接に関連している。記憶障害を有するADのための老齢ラットモデルは、ADに共通の病理学的特徴及び複雑な行動を示し、したがって、老化及び認知機能低下の天然モデルを提供し、神経保護、学習、及び記憶の機構を標的にする治験治療を試験するのに有用な選択物である。本研究では、該製剤を、老齢ラットにおける社会的認識及び遅延交替試験(Social Recognition and Delayed Alternation Test)を使用して、潜在的な認知促進活性について試験した。
実験手順
老齢ラットにおける遅延交替試験(習得)−本実験プロトコルは、Porsoltら(Drug Dev.Res.,35,214−229,1995)に記載のプロトコルと類似している。
給餌スケジュール−遅延交替実験を開始する5日前に、実験中に使用する食糧剥奪スケジュールに慣らすために、動物の食糧へのアクセスを制限した(一日あたり15g)。この食糧剥奪スケジュールを実験中継続した。最後の動物を試験した後に、動物をホームケージで15gの食糧を配給した。レバープレスの開始前に、この新しい食糧に慣らすために、いくつかの45mgの食糧ペレット(遅延交替物で使用されるもの)も動物に与えた。
遅延交替実験−この実験には、2つの連続相:レバープレスの習得(シングルレバー);及び遅延交替の習得(2つのレバー)が含まれる。
レバープレスの習得
このフェーズの目的は、食糧ペレットの報酬を受け取るために、レバーをプレスするように動物を訓練することである。強化の固定比率(FR1)スケジュールに従って、実験チャンバーで2週間にわたって(週5日)、動物に約10回のレバープレス習得セッションを受けさせる。強化は、各レバープレス後に送達される食糧ペレット(45mg)からなる。動物に、最初に、右又は左レバーのいずれかの応答で食糧ペレットが送達されるレバープレス習得セッションを受けさせる。これらのレバーは、セッションの開始時にチャンバー内に挿入され、セッションの終了時に引き抜かれる。次いで、その後に、左又は右のレバーが5秒ごとに擬似ランダムに提示されるいくつかのセッションを動物に受けさせる。レバーにおける応答が、レバーの引き戻し及び食糧ペレットの送達をもたらす。動物が30秒以内にレバーを押さなかった場合は、レバーは、強化なしに引き戻され、それから5秒後に、新しいレバー提示が続いた。セッションの開始時に、家に光が灯され、セッションの終了時に消える。セッションは、30分後に、又は動物が50回レバーに応答した後に終了する。このフェーズの終わりに、動物の80〜100%が、レバープレス応答を習得する(すなわち、動物は最後のセッション中に少なくとも20回応答した)。学習に失敗した動物を実験から排除する。何匹かの動物が、着実にレバープレス行動の確立に近づいた場合に、グループあたり少なくとも12匹の動物を有することを目的として、追加訓練を与える。
遅延交替の習得(薬物試験)
レバープレス習得後に、2週連続にわたり(週5日)、動物を10回の遅延交替セッションに供した。各セッションは10秒間隔で、36回の試験からなる。各試験は、動物に最初に1つのレバー(左又は右)を提示することからなる。動物がレバーの上を押した時に、動物に食糧ペレットが与えられ、レバーが引き戻されて、2.5秒後に両方のレバーが提示される。動物は、食糧報酬が得られることが以前に提示されたレバーと反対側のレバーを押すことを学ぶ必要がある(非見本合わせ)。動物が、20秒以内に1つ又は2つのレバー提示に応答しない場合、このレバー(複数可)は、食糧強化なしに引き戻され、次の試験が10秒後に始まる。セッションの開始時に、家に光が灯され、セッションの終了時に消える。セッションは、動物が36回の試験を完了した後に、又は30分が経過した後に終了する。
分析した行動パラメータは、選択応答時間であった。選択応答時間は、各2個のレバー提示までの応答時間であり、セッションごとに動物あたりの平均値として表される。
統計解析
遅延交替習得中に得られたデータを、各セッションでの対応のないスチューデントt検定を使用して、老齢対照と若い対照を比較することによって分析する。遅延交替習得中に得られたデータを、各セッションで測定を反復する二元配置分散分析(群及びセッションを因子として用いる)を用いて、試験物質処置群と老齢対照を比較することによって分析する。分析の後に、有意なグループ又は相互作用効果がある場合に、各セッションにおける一方向分散分析が続き、グループ効果が有意である時に、ダネットのt検定によって完了する。
老齢ラットにおける社会的認識試験
加齢性記憶障害に対する薬物の促進効果を検出する方法は、Lemaireら(Psychopharmacology,115,435−440,1994)によって記載されたものに従う。実験を、実験用成体ラットごとに1つの試験ケージで、おがくずを含有する不慣れなオープン試験ケージ(46.5×26.5×18.5cm)を用いて行った。成体ラットを、少なくとも5分間、試験ケージに慣らした。その後、不慣れな幼若ラットを、5分間、成体ラットと共に試験ケージに入れた。この第1の接触(C1)後に、幼若ラットを除去し、成体ラットを居住ケージに戻した。成体ラットを同じ試験ケージに戻した30分後、5分の試験セッションの間、もう一度、同じ幼若ラット(馴染みのある)を試験ケージに入れた。ラットが各接触で幼若ラットの調査(嗅ぐ動作、毛づくろい、なめる動作、密接に後を追う動作)に費やす時間を記録した。認識指数(=C2/C1)も計算した。このような条件下では、C2での社会的調査行動期間中の減少によって示されるように、成熟した成体ラットは、通常、馴染みのあるものとして幼若ラットを認識する。C2での社会的調査行動期間中での減少の欠如によって示されるように、老齢ラットは、通常、このタスクで記憶喪失を示した。データを、対応のあるスチューデントt検定を使用して、各グループについて、第1の接触と第2の接触時の社会的調査期間を比較することによって分析した。データを、対応のないスチューデントt検定を使用して、生体対照と老齢対照を比較することによって分析した。データを、有意な効果がある場合に、一方向ANOVAの後に、ダネットのt検定を用いて老齢対照と試験物質処理群を比較することによって分析した。
薬物試験手順
実験の開始時に、グループごとに15匹のラットを含める。組み合わせA、B及びCを、遅延交替実験前の10週間と社会認識試験の終わりまで(すなわち、合計13週)、週に2回皮下投与する1回の用量で評価した。行動試験(社会的認知、レバープレス段階及び遅延交替習得)中は、試験後に投与する。本実験には、ビヒクルを投与する老齢対照及び成体/若い対照グループが含まれる。
結果
遅延交替試験:
10週間にわたって週2回皮下投与する組み合わせAは、一般的に、セッション6で選択応答時間を有意に(p<0.05)減少させた(図6)。10週間にわたって週2回皮下投与する組み合わせBも、選択応答時間を減少させる顕著な傾向を示したが、統計的有意性に達しなかった。
社会的認識実験
12週間にわたって週2回皮下投与する組み合わせAは、第1の接触(−39%、p<0.05)と比較して、第2の接触時に馴染みの幼若ラットの調査期間を有意に減少させた。組み合わせBは、第1の接触(−21%、p=0.0675)と比較して、第2接触時に馴染み幼若ラットの調査期間を減少させる傾向を示した(図7)。組み合わせAとBの両方は、老齢対照と比較して、有意に変更されなかった認識指数を減少させる一般的な傾向を示す(A:0.64対0.95、NS;B:0.69対0.95、NS)(図8)。
結論
結果は、老齢ラットにおける組み合わせAとBの繰り返し皮下投与が、遅延交替試験での加齢による処理速度低下に対して有益な効果を有することを示す。加えて、これらの結果は、ラットの社会的認識試験での加齢関連低下に対して、12週間、週2回皮下投与した組み合わせA及び組み合わせBが有益な効果を提示することを示唆する。したがって、まとめると、これらの結果により、アルツハイマーモデルにおいて試験組成物の有益な効果が示された。
実施例8−中脳初代培養物及びTH陽性ニューロンにおける6−OHDA誘発毒性に対する試験製剤の効果
パーキンソン病(PD)は、黒質緻密部(SNc)におけるドーパミン作動性(DA)ニューロンの進行性喪失によって特徴付けられる衰弱性神経変性疾患であり、線条体、一次投射領域、及び基底核の線条体外核における顕著なドーパミン(DA)枯渇につながる。チロシンヒドロキシラーゼ(TH)は、DAの生合成における律速段階であるL−ジヒドロキシフェニルアラニン(L−DOPA)の形成の触媒であるので、該疾患は、線条体のTH不全症候群とみなすことができる。DAの水疱ストレージがα−シヌクレインプロトフィブリル又は酸化ストレスのいずれかの存在によって変更された時に、通常、PDに関連する問題が増える。
神経毒誘発性PDモデルは、PDにおけるニューロン変性のメカニズムを理解するために広く使用されている。6−ヒドロキシドーパミン(6−OHDA)は、選択的カテコールアミン神経毒であり、PDモデルを作製するために、インビボとインビトロの両方の研究で広く使用されている。
本研究を、2つの異なるモデルで試験製剤の効果を調べるために設計した。本研究の最初の部分では、中脳初代培養物の6−OHDAへの曝露を、細胞生存率及び神経TH発現を調べるためのモデル系として使用した。研究の第2部では、パーキンソン病のラットモデルを、神経毒6−OHDAの片側線条体内注入によって誘発した。この注入は、注入した側にDAニューロン喪失を生じさせるが、反対側のDAニューロンは温存する。
このモデルを使用して、ラット脳における運動機能及びTH発現に対する様々な製剤の効果を評価した。
片側の6−OHDA誘発性線条体ドーパミン枯渇に関連する四肢感覚障害を解明するために、いくつかの行動試験を開発するか、又は他の神経学的障害モデルから適応させ、ドーパミン作動性変性の程度と相関させる。患肢機能を、完全な四肢の機能と比較することによって、日々の感度及び評価の再現性を増加させることができる。
実験手順:
使用した組成物
表1A、エントリー番号25、本明細書では「組み合わせA」と呼ぶ。
表1A、エントリー番号31、本明細書では「組み合わせB」と呼ぶ。
表1A、エントリー番号34、本明細書では「組み合わせC」と呼ぶ。
表1Aから抜粋:
細胞培養−6−ヒドロキシドーパミンで処理したE14ラット胚からのラット中脳ニューロンの初代培養
中脳を、E14のスプラーグ・ドーリーラットの胚から採取した。組織を、酵素的及び機械的に解離して、均質な細胞懸濁液を得、100μLの血清含有ニューロン培地に、96ウェルプレートのウェルあたり100000個で細胞を播種した。
6−OHDA誘発性神経毒性
150μLの培地に中脳ニューロンを播種した後、3時間後に、油中の20倍濃縮化合物10μLを、成長培地中10μΜの6−OHDA(40μLの成長培地中5倍濃縮)と共に添加することによって、ニューロンを試験化合物で処理した。72時間後、培地を除去し、蛍光細胞溶解マーカー含有培地を添加して、培養物中の全体的な細胞溶解を測定した。次いで、ドーパミン作動性ニューロンの計数及びドーパミン作動性ニューロンの神経突起長の評価のために、細胞を固定し、チロシンヒドロキシラーゼ(TH)特異的な抗体で免疫学的に標識した。画像を、Pathway855プラットフォームを使用して、10倍の対物レンズで、ウェルあたり9枚の画像を取得し、Metamorphソフトウェアの神経突起伸長モジュールを用いて分析した。全ての実験を、同じ実験セッションで、3連で実施した。
試験製剤(組み合わせ)
試験組み合わせ用量反応物を、最初の処理日に、連続希釈によって20倍(20×)最終試験濃度で、ビヒクル(綿実油)で調製した。処理のために、10μLの各濃縮溶液又はビヒクルを、190μLのニューロン成長培地に加えた。綿実油中の新たに調製した用量反応物からの試験製剤を、6−OHDAの添加直前に添加した。
最終濃度:
組み合わせA:0.025%、0.005%、0.025%、0.05%、0.25%、0.5%、1%
組み合わせB:0.025%、0.005%、0.025%、0.05%、0.25%、0.5%、1%
組み合わせC:0.025%、0.005%、0.025%、0.05%、0.25%、0.5%、1%
エンドポイント:
エンドポイント時のウェルあたりの細胞溶解細胞数及びTH陽性ニューロンの数。結果を、平均+/−標準偏差(SD)として示す。2つの平均値を比較するためにスチューデントt検定又は一方向ANOVAを用い、その後に、ビヒクル処理群と複数の平均値を比較するためにダネット多重比較検定を用いて統計分析を行った。
結果
組み合わせA
図9Aに示す通り、組み合わせAは、0.005、0.025、0.05及び0.25%で、6−OH DA処理の72時間後に細胞溶解細胞数を有意に減少させた。
図9Bに示す通り、TH陽性ニューロン数は、6−OH DA処理ウェルと比較して0.25、0.5及び1%増加した。
組み合わせB
図10Aに示す通り、組み合わせBは、0.0025、0.005及び0.025%で、6−OH DA処理の72時間後に細胞溶解細胞数を有意に減少させた。
図10Bに示す通り、TH陽性ニューロン数は、6−OH DA処理ウェルと比較して0.005及び1%増加した。
組み合わせC
図11Aに示す通り、組み合わせCは、0.025%で、6−OH DA処理の72時間後に細胞溶解細胞数を有意に減少させた。
図11Bに示す通り、TH陽性ニューロン数は、6−OH DA処理ウェルと比較して0.025、0.05、0.25、0.5及び1%増加した。
結論
インビトロモデルにおける6−OHDA誘発性神経変性を用いて、組み合わせA、組み合わせB及び組み合わせCの潜在的な保護効果を評価した。組み合わせA、組み合わせB及び組み合わせCは、処理の72時間後に中脳ニューロンの細胞死を低下させ、ドーパミン作動性ニューロンの数を増加させたことから、保護剤としての役割を果たすことが示された。
実施例9−ラットの6−OHDA誘発性パーキンソン病(PD)モデルにおける試験した組み合わせの治療効果
パーキンソン病のラットモデルを、神経毒6−ヒドロキシドーパミン(6−OHDA)の片側線条体内注入によって誘発した。この注入は、注入した側にドーパミン作動性(DA)ニューロン喪失を生じさせるが、反対側のDAニューロンは温存する。
実験手順:
使用した組成物:
表1A、エントリー番号25、本明細書では「組み合わせA」と呼ぶ。
表1A、エントリー番号34、本明細書では「組み合わせC」と呼ぶ。
表1Aから抜粋:
疾患誘発:
動物を、ケタミン(10%;0.1ml/体重1kg)及びキシラジン(2%;0.01ml/kg)を用いて麻酔する。次いで、動物を、0.02%アスコルビン酸中の20mg/mlの濃度で、2μLの6−OHDAを右線条体に定位的に注入する。病変調整を、mm単位のブレグマ及び硬膜に応じて設定する:L−3.5mm;AP−1mm;DV−5.5mm。注入(注入速度:2μl/5分)後、注射針を、逆流を避けるために、さらに1分間放置し、その後、ゆっくりと引き抜く。
足置き直し試験(シリンダー試験)
この試験は、円筒形エンクロージャの壁に対して身体を支持するために、ラットのそれぞれの前肢の使用を評価する。本試験は、動物が生得的に、後肢で立ち、囲んだ壁に対して傾くことによって新しい環境を探索しようとすることを利用する。この試験を実行するために、ラットを個々にガラスシリンダ(直径21cm、高さ34cm)に入れ、壁探査を3分間記録する。記録前には、シリンダーに馴化させていない。壁探査を、無傷の足(R)と障害のある足(L)との間の比で表し、計算する。無傷の足(R)の値+障害のある足(L)の値+両方の足(B)の値に対する無傷の足(R)+両方の前肢の1/2(1/2B)の比を計算した。足置き直し試験を、ベースラインデータを取得するために1日目に行い、6−OHDAの注入後7日目に再び試験を行い、0.6以上の比を有する動物を本研究に含めた。研究の17、24、30、43、57及び70日目に、足置き直し試験での能力について動物を再試験した。
組織学的分析−チロシンヒドロキシラーゼ(TH)
研究の終わりに、全動物を、左心室を介して生理食塩水/ヘパリンで灌流し、次いで、4%ホルマリンで灌流する。臓器を、24〜48時間、4%ホルマリンを含有するバイアルに収集する。次いで、組織を、パラフィン包埋し、線条体領域及び黒質(SNpc)領域から4μm切片を切り出し、IHC染色には抗チロシンヒドロキシラーゼ(TH)抗体を用い、IHF染色には抗α−シヌクレイン及び抗グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)を用いた。
結果:
足置き直し試験
各検査日に、当日から7日目まで(X日〜7日)の比の平均差を計算した。ビヒクルで処置した動物は、研究中に差が増加した。差の比の増加は、30日目から70日目の研究の終わりまで有意に高いことが見出されため、疾患の時間依存的進行の指標となる。組み合わせA及びCでの処理は、一般的に、ビヒクルグループと比較して、全ての時点で、7日目からのより低い差の平均値を示した。この差は、組み合わせAについて43及び57日目に統計的有意性に達した。組み合わせCの差は、24日〜70日にビヒクルの差より有意により低かった(それぞれ、図12A及び12B)。これは、組み合わせA及びCが疾患進行を有意に減少させることができることを示唆する。
組織学的分析−チロシンヒドロキシラーゼ(TH):
6−OHDAで処置した動物のSNpcにおけるTH陽性細胞の分析により、左半球に対して右半球でTH−IR(免疫応答)細胞数が統計学的に有意に低下し、6−OHDAの顕著な効果が示された。加えて、TH−IR細胞の統計学的に有意な低下は、未処置動物の右半球と比較してビヒクルグループの右半球で見出された(図13A)。ビヒクルグループと比較して、組み合わせC処置グループの右半球でTH陽性細胞の数の統計学的に有意な増加が見出された(17.05±8.16対0.48±0.48,p<0.05;T−TEST)。ビヒクルグループと比較して、右半球のSNpcにおけるTH−IR細胞数の増加傾向が、組み合わせAで処置した動物で見出された(グループA対ビヒクルについて、17.1±9.1対0.48±0.48、それぞれ、p=0.055;t検定)(図13B)。
結論:
6−OHDAの投与後7日目に開始する組み合わせA及びCでの処置は、足置き直し試験を用いて測定した障害のある前肢の可動性を向上させた。興味深いことに、組み合わせA及びCで処置した動物の平均比率が、ビヒクルグループの漸進的変化と比較して、研究中、比較的7日目までほとんど変化しなかったことは、疾患進行を示す。抗TH抗体を用いた脳の組織学的分析により、無傷の左半球に対する6−OHDA注入右半球のSNpcのTH−IR細胞数の低下によって示される通り、該モデルの妥当性が示された。また、右半球の大部分の未染色線条体と比較して、左半球のTH陽性染色線条体も、注射部位において6−OHDAのダメージの程度を強調する。組み合わせCは、ビヒクルグループと比較して、右半球においてTH染色の統計学的に有意な増加を示した。組み合わせAは、SNpc内のTH−IR細胞数及び6−OHDA注入右半球の線条体におけるTH陽性領域を増加させる明らかな活性の傾向を示した。
実施例10−血管性認知症−ラットモデルにおける慢性脳低灌流(血管性認知症)の神経変性作用の回復における様々な組成物の効果
脳病変を、認知機能に影響を与えることができる両方の総頸動脈の永久閉塞によってラット脳に実験的に誘発することができる。このモデルは、血管性認知症に似ており、実験的な手法は、大脳皮質や海馬の血流を数ヶ月間、最大で40〜80%減少させ、特定の学習障害を誘発する。したがって、このモデルを用いて、血管性認知症の病変によって引き起こされる欠陥の回復において、本発明の組成物の有効性を研究する。
総数40匹の動物を4つのグループに無作為化する:未処置シャム対照グループ、ビヒクル対照グループ及び本発明の異なる組成物を有する2つのグループ(1グループあたり10〜15匹の動物)。これらを、未処置シャム対照グループ、ビヒクル対照及び2つの処置グループの4つのグループに無作為化する。各組成物(綿実油中)又はビヒクルの10マイクロリットルを、血管性認知症の誘発後14日目に最初の投与を行い、等しい間隔で週2回皮下投与する。
モリス水迷路(MWM)試験は、海馬の機能に敏感である。水迷路タスクを行い、以前に記載した方法を用いて、2つのCCA関連学習障害を評価する(Watanabeら,Cilostazol Stroke.2006;37(6):1539−1545)。深さ20cmまで水で満たした直径160cmの円形のプールに、円形の透明なアクリルプラットホームを準備し、上部表面を水面下3cmにする。ラットを壁に向かって離し、プラットフォームに脱出するのにかかる時間を逃避潜時として記録する。試験を、CCA閉塞前の3日目、並びにCCA閉塞後14、35、56、84及び112日目に行う。訓練日に、1日あたり6つの訓練試験を、2分のトライアル間隔で行う。動物を、プール内の6つのスタート位置のうちの1つに配置する。各訓練トライアルで、隠したプラットフォーム上に脱出するのに必要な時間及びパスの長さを記録する。6回の訓練トライアルの結果を、単一の代表値を得るために平均化し、平均値を最終的な統計分析のために使用する。プラットフォームを発見した動物を、30秒間プラットフォーム上に放置する。90秒以内にプラットフォームを見つけることができない動物は、トライアルの終わりに30秒間プラットフォームにそっと導く。
本発明の組成物で処置した様々な動物グループ、ビヒクル処置した動物及びシャム対照動物の能力を、プラットフォームの位置にいる頻度、プラットフォーム領域で費やした時間;プラットフォームを見つける潜時;ゾーン1の位置にいる頻度;明るい部分で費やした時間;プラットフォームを見つける潜時;及び速度について試験する。
VDモデルで試験した組成物の実施例
「酸性混合物1」は、実施例1Aに従って調製されるマスティックガムの分離酸性画分を意味する。「酸性混合物1」は、主な化合物として以下のものを含有する:
MA:モロン酸(12〜15%)
OA:オレアノン酸(18〜20%)
MDA:24−Z−マスチカジエノン酸(20〜22%)
IMDA:24−Z−イソマスチカジエノン酸(22〜26%)
3−β−OAc−24−Z−マスチカジエノール酸(4〜7%)
3−β−OAc−24−Z−イソマスチカジエノール酸(4〜7%)。
「酸性混合物1」は、さらに、少量、典型的には、5%未満のいくつかの他のトリテルペン酸を含有する。「酸性混合物1」が含有し得る可能性あるトリテルペン酸は、
MLA:3−β−マスチカジエノール酸
IMLA:3−β−イソマスチカジエノール酸
ジヒドロマスチカジエノン酸
ジヒドロイソマスチカジエノン酸
である。
「酸性混合物2」は%(重量/重量)で以下の化合物を含有する:
MA:モロン酸(15%)
OA:オレアノン酸(15%)
MDA:24−Z−マスチカジエノン酸(25%)
IMDA:24−Z−イソマスチカジエノン酸(30%)
3−β−OAc−24−Z−マスチカジエノール酸(8%)
3−β−OAc−24−Z−イソマスチカジエノール酸(7%)
表4において、「酸性混合物1(2.5%)」は、綿実油中の、実施例1Aで分離した酸性画分の2.5%(w/w)の製剤を意味する。同様に、「酸性混合物2(2.5%)」は、上記で定義した「酸性混合物2」の2.5%(w/w)の製剤を意味する。
「中性混合物1」は、実施例1A、Bに従って調製した中性画分である。
「中性混合物2」は以下の中性トリテルペノイドを含有する:
NF−1:(8R)−3−β,8−ジヒドロキシポリポダ−13E,17E,21−トリエン
NF−2:(8R)−3−オキソ−8−ヒドロキシポリポダ−13E,17E,21−トリエン
NF−3:オレアノンアルデヒド
NF−4:チルカロル
NF−P:ジプテロカルポール(20−ヒドロキシダンマラ−24−エン−3−オン)
NF−A:(ベツロン)、28−ヒドロキシルプ−20(29)−エン−3−オン
NF−B:オレアノンアルコール;(28−ヒドロキシ−β−アミロン)
3−β−ヒドロキシ−13−α−マラバリカ−14(26),17E,21−トリエン
20−ヒドロキシ−ルパン−3−オン
28−ノル−17−ヒドロキシルペン−3−オン
28−オキソ−ルペン−3−オン
28−ノル−β−アミロン
イソマスチカジエノン酸アルデヒド
イソマスチカジエンジオール
マスチカジエンジオール
オレアノールアルデヒド(28−オキソ−β−アミリン)
3−β−20−ジヒドロキシルパン
マスチカジエノン酸アルデヒド
3−オキソ−マラバリカ−14(26),17E,21−トリエン
β−アミロン
β−アミリン
ゲルマニコール
異なる組成物中の各化合物/画分の濃度(綿実油中)を表4に示す。
表4
実施例11−実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)、ヒト多発性硬化症のモデル(MS)
実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)は、ヒト多発性硬化症(MS)研究の良好なモデルである。EAEは、モルモットMBPでのメスのルイスラットの免疫により誘発される。これはEAEの急性モデルである。ルイスラットを、後足のサブプランター領域での皮下注射によりフロイントアジュバント中のミエリン塩基性タンパク質(MBP)で免疫化する。臨床症状の発症は約10日目に始まり、14日目までに尾の緊張の喪失(「尾の引きずり」)及び後肢の麻痺が生じる。ピーク期間は、典型的には14/15日ごろで、それ以後に、動物は回復し始める。
実験計画:
後肢麻痺の発症に対する試験組成物の効果を試験するための「予防的処置」として、ラットに予防接種の日に試験組成物での処置を始める。麻痺からの回復に対する試験品の効果を試験するために、EAEの最初の臨床徴候の発症時に処置を開始してもよい。
ラットに、皮下投与経路を介して週2回投与する。8匹のラットを、総数48匹の動物についてグループのそれぞれ(上記の表4のように、ビヒクルグループ、処置グループ)に割り当てる。動物を、体重減少及び臨床症状について毎日観察する。血液サンプルを、血清調製及びさらなる調査のために採取する。本研究は、完了までに約21日かかる。
試薬:
結核菌H37Ra(MT),Difco,Code 231141
不完全フロイントアジュバント(IFA),Difco
凍結乾燥したモルモット脊髄ホモジネート(MBP)、シグマ(M2295)
脳炎惹起性エマルジョンの調製
IFAを、4mg/mlまでMTで濃縮する。
MT粉末を、乳棒及び乳鉢を用いて破砕する。
凍結乾燥したMBPを、秤量し、0.5mg/mlになるようにPBSに懸濁する。
MBPの0.5mg/mlのホモジネートを、等量のCFA(4mg/mLのMT)と混合する。
EAE誘発:
IFAを、4mg/mlまでMTで濃縮する。MT粉末を乳棒及び乳鉢を用いて粉砕する。凍結乾燥したMBPを秤量し、0.5mg/mLになるようにPBSに懸濁する。MBPの0.5mg/mlのホモジネートを、等量のCFA(4mg/mLのMT)と混合し、ルアーロックに連結した2つのシリンジ内で乳化する。
ラットを麻酔し、エマルジョンを、各ラットに0.2mlの量で、BT中で皮下注射する。ラットを、EAEの臨床徴候についてスコア化し、免疫(p.i.)後21日まで1日おきに秤量した。徴候を下記のようにスコア化する。
エマルジョンを、各ラットに0.2mlの量で、BT中で皮下注射する。
試験項目ROA及び用量:
後肢麻痺の発症に対する試験組成物の効果を試験するための「予防的処置」として、ラットに予防接種の日に試験組成物での処置を始める。
体重:体重を、投薬の日に、全研究中週2回記録する。
臨床徴候:臨床徴候を全研究中週2回記録する。
血液試料:本研究の終わりに最後の採血を行い、血液試料を、完全麻酔下で眼窩洞から(可能な限り)、必要に応じて心臓からも採取する。血液を凝固させるために、少なくとも1時間室温で保つ。その後、血液を1790gで、10分間室温で遠心分離する(遠心分離番号060については4000RPM)。研究プロトコルに従って、血清(上清)を、適切なピペットを用いて血液細胞から分離し、印をつけたエッペンドルフに移す。血清を、スポンサーに送る前に、冷蔵庫(−70℃)で保存する。
組織採取:
屠殺後、動物を解剖する。脳及び坐骨神経を各動物から採取し、さらなる組織病理学的評価のために4%PFAにすぐに入れる。