JP2018528091A - 暗号化光学セキュリティ装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、光学セキュリティシステムに関しており、このシステムは、パターン化された異方性光学特性を有する光学素子を備え、情報が上記光学素子の上記パターンに符号化され暗号化される。上記システムは更に、パターン化された偏光子を備え、上記偏光子において、上記パターンは上記光学素子に記憶された上記情報が暗号の復号化をされ得るようなものである。

Description

本発明は、配向パターンに符号化及び暗号化された情報を有する異方性光学特性を持つ光学素子と、情報を暗号復号化し且つ符号復号化するための別の偏光子とを含む光学セキュリティ装置に関する。
パターン化された異方特性を有する光学素子は、例えば局所的に異なる光軸方向を有する重合又は架橋された液晶を含む層を含む光学素子として公知である。そのような層は、例えば架橋性の液晶材料を局所的に異なる配向方向を示す配向層の上に塗布することによって調製される。液晶材料は、下部の配向層の局所的な配向方向を選び、そして次に配向を固定するように架橋される。
局所的に異なる配向方向を有する配向層は、光の偏光に敏感な材料の層が直線偏光に曝されるところの光配向技術によって容易に作成され得る。パターン化された配向は、光配向層の異なる領域の露光のために光の偏光方向を変えることによって達成される。詳細な方法及び適切な材料は、例えば、国際公開第2009/112206号に記載されている。
国際出願公開(WO 98/52077)は、パターン化された異方性層を有する高度な光学セキュリティ装置を開示しており、情報内容は、光学素子と分析器との間で共有されている。例えば、パターン化された光学リターダは、画像の一部を表し、一方、残りの画像は偏光子内の配向パターンに符号化される。偏光子がパターン化されたリターダの上方又は下方に正確に配置されている場合にのみ、完全な画像が見えるようになる。所望の位置からの偏光子の何等かの平行移動及び/又は回転に対しては、完全な情報はもはや見ることができない。完全な情報内容の1部分は偏光子に記憶されているので、そのような符号化された偏光子は、所望の情報を視覚化するためにのみ使用することができる。そのような装置は、したがって、各設計又は画像が完全な情報を復元するために異なる偏光子を必要とするので、非常に高度のセキュリティアプリケーションに主として使用される。
セキュリティ用途に関する多くの光学的効果が知られているけれども、偽造防止のための光学的セキュリティ要素における新規な特徴に対する一定の必要性が依然として存在する。
したがって、本発明の目的は、高度のセキュリティを提供する、独自の特徴を有する光学セキュリティ装置又はシステムを提供することである。更なる目的は、そのような装置を製造するための方法を提供することである。
本発明の第1の態様によると、光学セキュリティシステムであって、
− パターン化された異方性光学特性を有する光学素子と、ここで情報が上記光学素子の上記パターンで符号化されかつ暗号化される、及び
− 上記光学素子に組み込まれた上記情報が、上記光学素子の第1の位置及び第2の位置で暗号の復号化及び符号の復号化をされ得るように、上記光学素子の同じ側の上記両方の位置に配設され得るパターン化された偏光子と、
を含む、上記光学セキュリティシステムが提供される。
上記光学素子と上記偏光子は、同じ基板上に配置し得る。好ましくは、上記基板は紙幣である。
上記パターン化された偏光子は、直線偏光子又は円偏光子であってもよい。本発明による好ましい円偏光子は、直線偏光子及び配向パターンを有する1/4波長リターダを含む。本発明による好ましい直線偏光子は、好ましくは液晶材料中に埋め込まれた配向二色性染料を含む。上記直線偏光子は、配向パターンを有する直線偏光子及び半波長リターダによっても得ることができる。
上記光学素子内の上記情報の暗号化は、上記偏光子内の上記パターンを規定するために適用される暗号化マップに基づく。上記暗号化マップは上記情報の一部が組み込まれていないので、上記同じパターン化された偏光子は、異なる情報を有する光学素子を暗号の復号化に用い得る。
本発明の文脈において、暗号化マップとは、暗号化アルゴリズムの幾何学的割り当てを意味する。同じ暗号化マップを使用して、上記光学素子内の配向パターンを暗号化し、上記偏光子内に上記パターンを規定する。
暗号化アルゴリズムとは、上記光学素子及び上記偏光子に適用されるべき変換の種類を意味する。上記光学素子と上記対応する偏光子についてのアルゴリズムは、互いに異なり得る。好ましくは、上記アルゴリズムは、上記光学素子及び上記対応する偏光子に対して適用される。
暗号化スキームという用語は、上記暗号化マップ及び上記関連する暗号化アルゴリズムを含む暗号化の記述を指すために使用される。
情報の符号化及び復号化という用語は、可視情報の光学素子の配向パターンへの変換、及びその逆のことを指す。例えば、観察時に暗く見える光学素子内の領域は第1の異方性方向を有し、明るく見える領域は第2の異方性方向を有する。グレーレベルを符号化するために、中間の異方性の方向を調整することができる。異方性光学素子における情報の符号化及び復号化は、局所的に異なる配向方向を有する架橋又は重合した液晶材料の層のような、当該技術分野において既知の方法及び材料を使用する。このような光学素子は、標準のパターン化されていない直線又は円偏光子を使用して観察することができる。このような要素とは対照的に、本発明による装置において用いられる上記光学素子内の上記パターンは、追加的に暗号化され、それは非パターン化の直線又は円偏光子内の元の情報を暴露するのを防止する。
本発明による暗号化スキームは、上記パターン(これ以降、元のパターンと呼ばれる)に適用され、上記暗号化スキームは、パターン化された異方性光学素子の状態において情報を符号化し、そこから非パターン化の直線又は円偏光子を用いた観察によって上記情報が現わされ得る。上記元のパターンは、光学素子の製造中に、例えば配向層に適用され、後に暗号化スキームに従って変更されてもよい。しかし、光学素子内でのパターン生成は、暗号化されたパターンから開始することが好ましい。パターンの暗号化は、例えば、暗号化スキームを上記元のパターンに適用することによって得られる配向パターンを計算することによって、コンピュータソフトウェアによって行うことができる。この場合、上記元のパターンは光学素子の如何なる部分にも決して適用されないが、理論的な中間構造体としてのみ使用されている。
本発明によれば、光学素子内のパターンを暗号化するために使用される暗号化マップは、偏光子におけるパターンを規定するためにも使用される。したがって、暗号化マップは、光学素子と関連するパターン化された偏光子との間のリンクを形成する。
上記パターンによって符号化された情報は隠され、偏光子で観察された場合にのみ可視であるので、上記元のパターンを有する異方性光学材料のパターン化の技術の状態は、既に高度のセキュリティを構成する。本発明による暗号化は、情報の復元には暗号鍵を備えている偏光子を必要とするので、セキュリティレベルを追加的に高める。
異方性光学特性は、光学吸収又は複屈折を指し得る。この特性は、UV光、可視光及び赤外光をカバーする範囲内の任意の波長であり得る。
異方性光学特性が上記光学吸収である場合、光学素子は直線偏光子として働き、上記パターンは異なる偏光方向を有する領域を含む。高度の偏光は通常は必要でない。
異方性光学特性が上記複屈折である場合、上記パターンは光学軸の異なる配向方向を有する領域を含む。
本発明による光学セキュリティシステムは、上記光吸収のパターンと上記複屈折のパターンとの両方を有する光学素子を含み得る。
本発明による光学セキュリティシステムにおいて符号化され且つ暗号化された情報は、人間の観察者によって視覚化され認識されることができる。上記パターン化された異方性光学素子に記憶された情報の暗号の復号化及び符号復号化は、例えば、上記パターン化された異方性光学素子に対して上記パターン化された偏光子を配置及び/又は移動させることによって、そして得られた光学情報を電子的に記録又は表示することによって機械によって行われる。電子システムはまた、真正性の自動検証のために、暗号の復号化且つ符号の復号化された情報の光学的外観を参照画像と比較し得る。
本発明は、添付の図面によって更に説明される。図面は単なる例であり、本発明を理解するのを助けるが、決して本発明の範囲を限定するものではない。
図1のa)は、光情報について符号化し且つ本発明の方法によって更に暗号化され得る例示的な配向パターンを示す。図1のb)は、関連する暗号化アルゴリズムに従って、a)のパターンに適用され得る一般的な暗号化マップを示す。 暗号化マップ及び暗号化アルゴリズムを使用した単純な画像の符号化及び暗号化を説明するものであり、光学素子は反射で動作されるパターン化リターダを含む。 図2と同じ暗号化マップ及び暗号化アルゴリズムを使用する別の画像の符号化及び暗号化を説明するものであり、光学素子は反射で動作するパターン化リターダを含む。 、図2と同じ画像及び同じ暗号化マップの符号化及び暗号化を説明するが、パターン化された偏光子を含む光学素子を有する別の暗号化アルゴリズムを説明する。 周期的な変調を伴う暗号化マップの実施例を示す。 パターン化されたリターダの1実施例を示しており、リターダの上方又は下方に配設されたパターン化された偏光子を特定の方向にシフトさせることによって、正及び負のコントラストで画像を観察することができる。 リターダの上方又は下方に配置された対応するパターン化された偏光子をある方向に沿った4つの異なる位置にシフトすることによって、好ましいスキームで暗号化されたパターン化されたリターダの様々な外観を示す。 パターン化されたリターダの上方にパターン化された偏光子をシフトすることによる、動く印象の創出を表示している、ここで、リターダと偏光子の両方が本発明による好ましい暗号化スキームを用いて暗号化され、そして暗号化されていないパターン化されたリターダが2以上の配向方向を有している。 暗号化マップの1実施例を示しており、関連する暗号化アルゴリズムを有する非パターン化偏光子に適用された場合に、パターン化された偏光子をもたらし、偏光方向は、異なる領域で垂直方向に沿って異なる周波数で変化する。 本発明による、2つの画像を符号化する装置のパターン化されたリターダを示しており、異なる位置での変位偏光子を用いて観察すると、図10.2〜10.5に示されるような外観を有する。 図10.1に示された装置において、ある位置での変位偏光子を用いて観察するときの外観を示す。 図10.1に示された装置において、ある位置での変位偏光子を用いて観察するときの外観を示す。 図10.1に示された装置において、ある位置での変位偏光子を用いて観察するときの外観を示す。 図10.1に示された装置において、ある位置での変位偏光子を用いて観察するときの外観を示す。 画像ユニットの異なる形状及び配置を示す。 画像ユニットの異なる形状及び配置を示す。 画像ユニットの異なる形状及び配置を示す。 画像ユニットの異なる形状及び配置を示す。 画像ユニットの異なる形状及び配置を示す。 画像ユニットの異なる形状及び配置を示す。 六角形の画像ユニットのマトリックスへ2つの画像を割り当てることを示す。 六角形の画像ユニットのマトリックスへ2つの画像を割り当てることを示す。 六角形の画像ユニットのマトリックスへ2つの画像を割り当てることを示す。 六角形の画像ユニットのマトリックスへ2つの画像を割り当てることを示す。 六角形の画像ユニットのマトリックスへ2つの画像を割り当てることを示す。 本発明による光学セキュリティシステムのパターン化されたリターダを示しており、リターダの上方の変位偏光子をシフトさせると、画像が異なるサイズで現れる。 本発明による光学セキュリティシステムのパターン化されたリターダを示しており、リターダの上方の変位偏光子をシフトさせると、画像が異なるサイズで現れる。 本発明による光学セキュリティシステムのパターン化されたリターダを示しており、リターダの上方の変位偏光子をシフトさせると、画像が異なるサイズで現れる。 本発明による光学セキュリティシステムのパターン化されたリターダを示しており、リターダの上方の変位偏光子をシフトさせると、画像が異なるサイズで現れる。 本発明による光学セキュリティシステムのパターン化されたリターダを示しており、リターダの上方に配設された変位偏光子を1方向に動かすと、第1及び第2の画像ならびに関連するネガ画像が現れる。 本発明による光学セキュリティシステムのパターン化されたリターダを示しており、リターダの上方に配設された変位偏光子を1方向に動かすと、第1及び第2の画像ならびに関連するネガ画像が現れる。 本発明による光学セキュリティシステムのパターン化されたリターダを示しており、リターダの上方に配設された変位偏光子を1方向に動かすと、第1及び第2の画像ならびに関連するネガ画像が現れる。 本発明による光学セキュリティシステムのパターン化されたリターダを示しており、リターダの上方に配設された変位偏光子を1方向に動かすと、第1及び第2の画像ならびに関連するネガ画像が現れる。
暗号化マップの個々の領域は、任意の形状、例えば、多角形、好ましくは正多角形、を持つことができ、特に2次、長方形、台形、三角形、六角形又は波の形であり得る。しかし、個々の領域の形は、如何なる対称性、例えば図1のb)の暗号化マップにおける領域、をも有する必要はない。
元のパターンのパターンユニットと暗号化マップのパターンユニットの形状は同一である必要はない。暗号化マップにおけるパターンユニットの平均面積は、元のパターンにおけるパターンユニットの平均面積より小さくても大きくてもよく、又は同一であってもよい。暗号化マップ内の個々の領域の幅及び長さは、1μmから数cm(センチメートル)の範囲内であり得る。長さは、暗号化マップ内の個々の領域内で可能な最も長い距離を意味する。次に幅は、長さ方向に垂直な方向における領域内の最長距離を意味する。好ましくは、暗号化マップ内の領域の幅は、10μm〜5cm、より好ましくは100μm〜2cm、最も好ましくは0.5mm〜5mmである。
図1の一般的な実施例において、図1のa)におけるパターンは例示的な元のパターンを示しており、矢印はパターンの異なる領域における配向方向を示し、例えば、パターン化されたリターダ層の光軸方向又はパターン化された偏光子における偏光方向を指している。図1のb)は、暗号化マップを示し、番号1〜4は、暗号化されるべき要素の対応領域に適用されるべき暗号化アルゴリズムを指す。光学素子の元のパターンに適用されるべき暗号化アルゴリズム及び偏光子におけるパターンを確定するための暗号化アルゴリズムは、互いに異なり得る。しかし同じ暗号化アルゴリズムが、元のパターンに且つ偏光子におけるパターンを画定するために、適用されることが好ましい。
暗号化アルゴリズムは、元のパターンにおける配向方向又は偏光子における配向方向が対応する領域においてそれによって変更されなければならない角度である。1実施例として、図1のa)の元のパターンに投影されると考えられる場合の図1のb)のマップの領域のアルゴリズム1〜4は、以下のように定義され得る:図1のb)の領域1に対応する図1のa)における領域について、配向方向は15°回転されなければならない;領域2に対応する領域において、配向方向は30°回転されなければならない;領域3に対応する領域については配向方向は45°回転され、領域4に対応する領域においては、配向方向は60°回転されなければならない。同様に、偏光子におけるパターンの定義のためのアルゴリズムは、例えば:領域1、2、3、4に対応する偏光子領域において、配向方向はそれぞれ45°、60°、75°及び90°でなければならない。上述されたように、同じ暗号化アルゴリズムが元のパターンと偏光子とについて使用されることが好ましい。この場合に、偏光子におけるパターンの定義のためのアルゴリズムは、領域1、2、3、4に対応する偏光子領域において、配向方向はそれぞれ15°、30°、45°及び60°でなければならない。或る特定の角度の代わりに、暗号化アルゴリズムはまた、角度の連続的な変化を記述できる。例えば、矩形ストライプ内のアルゴリズムは、0°から90°までのストライプの短方向に沿った連続的な角度の変化であってもよい。上記の角度は単なる例である。どのような他の角度も同様に可能である。
図1のb)におけるような変調マップに関しては、パターン化された光学素子及びパターン化されたリターダについて適合しかつ光学素子に記憶された情報を観察するための丁度1つの位置がある。本発明によれば、パターン化された偏光子は、パターン化された光学素子上のパターン化された偏光子の少なくとも2つの位置に対して暗号の復号化が行われるようなものである。これは、例えば、図1のb)のような複雑な暗号化マップであっても、暗号化マップを偏光子へ2回又は数回、適用することによって達成することができ、その結果、パターン化された偏光子は光学素子の暗号化パターンと異なる位置で一致する。本発明の好ましい実施態様において、パターン化された偏光子は、例えば、暗号化マップを特定の方向に数回繰り返すことによって達成することができる周期的な変調を含む。パターン化された偏光子上の変調された領域のサイズは、光学素子内の暗号化パターンよりも更に大きくてもよい。これは、例えば、パターン化された偏光子をパターン化された光学素子の上に配置することを可能にし、記憶された情報を暗号復号化するために、両方の素子の内蔵された暗号化マップのパターンが互いに一致するまで、そしてある方向に沿ってそれをシフトさせる。
本発明の好ましい実施態様においては、暗号化マップ自体が周期的構造を含む。図5は、原理の理解を助けるためにいくつかの実施例を示しているが、適用され得る多くの他の周期的構造がある。図5の暗号化マップ50は、暗号化アルゴリズム1及び2を参照する2種類の領域を有するストライプを含む。暗号化マップ51は、2種類の暗号化アルゴリズムをまた参照する斜めの縞模様を有する。暗号化マップ52は、3種類の暗号化アルゴリズムを参照する周期的な波の形状の領域を有する。明らかに、周期的な配置においても、それぞれが異なる暗号化アルゴリズムを参照する多数の領域を有することが可能である。別の実施例として、暗号化マップ53内の領域はアークの形状である。本発明の好ましい実施態様において、暗号化マップは、2つ以上の方向における周期的構造を含む。例えば、暗号化マップ54は、水平方向及び垂直方向における周期的構造を有する。図5の例示的な構造は、暗号化マップ内の周期的構造の数と種類を決して制限しない。それよりもむしろ、任意の数の構造が可能である。
暗号化マップにおける周期的構造の利点は、光学素子に符号化及び暗号化された情報が暗号の復号化及び符号復号化され得るように、光学素子及びパターン化された偏光子における適用された暗号化マップが一致することができる、1つ又は複数の方向に沿って多くの位置が存在することである。
好ましくは、暗号化スキームは、パターン化された偏光子が、光学素子の上方又は下方に配設されたときに、回転することなく第1の位置から第2の位置へシフトされ得るようなものであり、その結果、光学素子のパターンに記憶された画像が、第1の位置で暗号の復号化をされて第1の外観を提供し、そして暗号化された画像は第2の位置で復号化されて第2の外観を提供する。異なる外観は、異なるコントラスト及び/又は色を指し得る。好ましくは第2の位置において、画像は、第1の位置の画像の外観と比べて逆のコントラストで現れる。
最も簡単なケースにおいて、暗号化マップは2つの領域のみを有する。例えば、画像の上半分を第1の暗号化アルゴリズムに従って暗号化し、画像の下半分を第2の暗号化アルゴリズムに従って暗号化し得る。この場合に、上述したように、暗号化マップを偏光子に2回又は数回、適用するのが有利であり、偏光子がパターン化された光学素子上の第2の位置に配設される場合、画像の一部のみが暗号及び符号の復号化をされる。
図2は、符号化/暗号化及び復号化/暗号復号化の原理の簡単な例を示す。以下の説明のために、光学素子は好ましくは、反射体の上の1/4波長に対応する位相差を有するパターン化されたリターダ層を含むと仮定する。図2のa)は、パターン化されたリターダの形態での情報として記憶されることが望ましい画像10を示す。図2のa)の暗号化マップ20は、図5の暗号化マップ54の切り抜きに対応し、これは2方向の周期的構造を有する。暗号化マップ20内の数字は、光学素子及び偏光子について使用される暗号化アルゴリズムを指す。非パターン化直線偏光子を介して観察されたときに、画像10を再現するリターダパターンは、例えば図2のb)のパターン30のように見えるので元のパターンである。画像10の白色領域は、配向方向31によって符号化され、黒色領域は、配向方向32によって符号化される。反射体上に元のパターンを含むパターン化された1/4波長リターダの技術の状態に対しては、非パターン化直線偏光子40を偏光方向が方向31に平行であるようにリターダの上方に配設するとき、画像10の再生である画像11が観察される。光学原理は、上から入射しそして偏光子40を通過する光は、偏光子40に示された方向に平行に直線的に偏光される。光の偏光方向が配向方向31に平行であるので、偏光された光は、リターダの対応する領域に影響されない。次いで、偏光された光は、リターダの下方の反射器で反射され、偏光状態に影響を与えることなく、再びリターダを通過する。したがって、これらの領域における反射光の偏光状態は変化せず、それ故に偏光子を通過させることができ、これがこれらの領域が明るく見える理由である。一方、配向方向32のリターダ領域において、入射偏光の偏光方向は、光軸方向32に対して45°の角度をなす。1/4波長リターダの下方の反射器での反射のために、光はリターダを2回通過し、したがって有効なリターデーションは2分の1波長板のそれである。したがって、偏光子側でリターダから出るときの反射光の偏光方向は、偏光子40の偏光方向に対して90°であり、したがって遮蔽される。これにより配向方向32を有する領域は暗く見える。勿論、パターン化されたリターダ30又は偏光子40のいずれかを45°回転させた場合、配向方向31及び32を有する領域の機能は交換され、画像は逆のコントラストで観察される。
図2のc)において、配向パターン35は、画像10の符号化され暗号化された表現であり、暗号化マップ20及び関連するアルゴリズムを含む暗号化スキームを図2のb)のパターン30に適用した結果である。暗号化アルゴリズムについては、暗号化マップ20内の数字0は配向方向に変化がないことを意味し、そして数字1は配向方向を45°変化させることを意味すると想定されている。このアルゴリズムの故に、配向方向が、領域36(そこは元のパターンにおいては明るい状態について符号化された)の方向に垂直である領域37が存在する。しかし、2つの直交する方向は偏光で区別できず、ひいては、あたかも領域37における配向方向が領域36の配向方向と平行であるかのように、光学的外観は同じである。光学素子に対するのと同じ暗号化スキームが、非パターン化偏光子40に適用され、それは、図2のc)に示されたように、パターン化された偏光子41をもたらす。暗号化マップ20の領域22における数字0の故に、パターン化された偏光子41の偏光方向43は、偏光子40の偏光方向と同じであり、一方、領域42における偏光方向は、暗号化マップ20の領域21における数字1に従って、偏光子40に対して45°だけ変化される。配向パターン35が配向パターン30とは非常に異なるけれども、パターン化された偏光子41がパターン35を有するリターダの上方に配置されている場合には、図2のb)と同じ画像が観察される。
しかし、画像10は、悪いパターン又はパターンの無い偏光子を用いて、パターン化されたリターダ35から再生することはできない。例えば、パターン化されたリターダ35が非パターン化偏光子40で観察される場合に、画像10とは全く異なる画像12が現れる。
暗号化マップ20及び図5のより一般的な暗号化マップ54及び線パターンに適用された図2の実施例における関連する暗号化アルゴリズムのタイプは、本発明の好ましい1変更態様であり、得られるリターダのパターン35が、非パターン化偏光子40を通って観察されるとき、パターン化された偏光子41を通した観察と比較して90°回転された線パターンを生成する。これは追加的なセキュリティの特徴を提供する。なぜならパターン化された偏光子41を通して観察されたとき、垂直線が現れ、一方、非パターン化偏光子を通して観察された場合に、水平線が現れるか、又はその逆も同様であるからである。好ましくは、偏光子が、パターン化された領域及び非パターン化領域を提供する分析器として用いられる場合に、分析器の1つの位置について水平線を、分析器の別の位置について垂直線を観察することが可能である。
図2の実施例の暗号化スキームは、パターン化された偏光子41が、パターン化された光学素子35に記憶された情報を暗号復号化し及び符号復号化するために第2の位置及び別の位置に配設される得るようなものである。更に、パターン化された偏光子は、光学素子のパターンに記憶された画像が第1の外観で現れるように、パターン化された光学素子上の第1の位置に配置され、そして該パターン化された偏光子は、画像の暗号復号化が第2の外観を与えるように、回転なしに第2の位置にシフトされ得る。第2の位置における画像は、第1の位置において現れた画像と比較して逆のコントラストで現れる。
パターン化された光学素子35及びパターン化された偏光子41の両方においてパターンユニットの数が少ないために、リターダパターンの少なくとも3分の1は、偏光子41を第2の位置にシフトするときに、偏光子41によって被覆されない。これを避けるために、偏光子のパターンは、暗号化マップ又は少なくともその1部分を2回適用することによって、拡張され得る。そのような修正されたパターン化された偏光子44が、図2のe)に示されている。それは、2つの追加の行と列(両方とも偏光方向の市松模様を延長する)によってパターン化された偏光子41とは異なる。パターン化された偏光子44がパターン化された光学素子35の上に中心に置かれた場合に、図2のf)に示されたように画像11が再び現れる。パターン化された偏光子44内に示された領域9は、パターン化された光学素子の位置を指すけれども、領域9内の矢印は、パターン化された偏光子の偏光方向を依然として指している。
図2のg)は、パターン化された偏光子が、偏光子の下の矢印によって示されるように、パターンの1つの列だけ右にシフトされるときの状況を示している。図2のf)と比較して、光学素子の領域9内の各領域において、パターン化された偏光子の偏光方向は45°変化する。したがって、暗号化された画像は、コントラスト反転線パターン8として現れる。
偏光子が図2のf)の位置から出発して、図2のh)のパターン化された偏光子の右側の矢印によって示されるように、1行だけ下にシフトされる場合にも同じことが生じる。したがって、パターン化された偏光子を1行上又は下に、又は1列だけ左又は右にシフトすることによって、コントラスト反転画像11に対応する画像8が現れる。もし偏光子が2列又は2行だけシフトされると、又は図2のi)に示されたように、例えば1行下1列右にシフトされると、正のコントラストを有する画像11が再び現れる。
明らかに、パターン化された偏光子をシフトすることによって、正及び負のコントラスト画像の間の切り替えが実現され得る。図2のb)に関連して上述したように、元のパターンを有する光学素子30について、正及び負のコントラスト画像の間での切り替えが、一軸偏光子40を45°回転させることにより達成され得る。したがって、上述された暗号化スキームで、偏光子を回転させることなく正負の切り替え効果を達成することが可能である。
本発明による光学セキュリティシステムの一部分としてのパターン化された偏光子は、偏光子をパターン化された光学素子に相対的にシフトさせることによって、符号化された画像の変化の外観が、このアプリケーションの文脈において「変位偏光子」と呼ばれる特性を有している。
変位偏光子を使用するセキュリティシステムは、ネガ画像を観察するためにパターン化された異方性素子の上で分析器を回転させることができないようなアプリケーションに特に有用である。本発明の好ましい実施態様において、異方性のパターン化された光学素子と、変位偏光子として使用することができるパターン化された偏光子は、同じ基板(例えば紙幣)上の異なる位置に配置される。光学素子と偏光子とを重ねるために基板を折り畳むことができ、次に記憶された情報のポジ画像及びネガ画像を見るために、素子を互いに少しずらすことが可能である。本発明の別の好ましい実施態様においては、異方性のパターン化された光学素子と、変位偏光子として使用することができるパターン化された偏光子は、小冊子(例えばパスポート)の連続ページにある。
図3の実施例は、図3のa)に示されるように、異なる画像13を用いるが、図2のそれと同じ暗号化スキーム(それは暗号化マップ20及び関連する暗号化アルゴリズムを含む)を用いる。したがって、パターン化された偏光子41は、図2の実施例のものと同一である。光学素子については、リターデーションは、原理的に任意の値を有し、素子は透過又は反射で動作することができるが、以下の説明のために、光学素子は再び、反射体上にパターン化された1/4波長板を含むと仮定される。図3のb)は、元のパターン38を示し、それは、非パターン化偏光子40でそれぞれのリターダが観察されたときに、画像14(それは所望の画像13と同一である)を出現させる。本発明による暗号化されたパターン化リターダ39(図3のc)に示されている)は、図2の実施例について述べられたように暗号化マップ及び関連する暗号化アルゴリズムを適用することから得られる。パターン化されたリターダ39の上方の正しい位置に配設されたパターン化された偏光子41で観察されたときに、画像14が見られ、それは再び所望の画像13と同一である。図3のd)に示されるように、パターン化されたリターダ39が非パターン化偏光子40で観察される場合に、画像15が見られ、それはパターン39を有するリターダにおいて符号化され暗号化された画像13とは全体的に異なる。したがって、セキュリティレベルは増加する。なぜなら、適切なパターン化された偏光子が観察のために用いられる場合に、従来の符号化されたパターン38(それは標準の非パターン化偏光子で見られ得る)の技術状態とは反対に、パターン化されたリターダ39から正しい情報を出現させることのみが可能であるからである。
図2の実施例について上述されたように、拡張された偏光子44は、暗号復号化及び符号復号化に用い得る。偏光子を1行又は1列だけシフトさせることにより、画像の外観は、そのコントラストを反転させることによって変化する。したがって、図3の実施例で用いられるパターン化された偏光子はまた、変位偏光子である。
図4の実施例において、パターン化された光学素子の異方性光学特性は、吸収(例えば光の可視領域における)である。この場合、本発明によるセキュリティシステムは、パターン化された偏光子を有する光学素子と、分析器としてパターン化された偏光子とを含む。以下の説明のために、要素は透過で動作させられると仮定され、つまりこれは、セキュリティシステムが光の入口の反対側から観察されることを意味する。隠れた情報を観察するために、観察者から見た分析器の位置は、光学素子の後方又は光学素子と観察者の間であってもよい。光学素子はもちろん、反射体が観察者によって見られるように光学素子の後ろにある場合に、反射においても動作する。上の実施例のように、画像は、配向パターンの形態で異方性光学素子内に符号化されかつ暗号化され、偏光子は、情報を暗号の復号化をするためにパターンを有している。図4のa)の画像10及び暗号化マップの両方は、図2のa)の実施例のものと同じである。
異方性吸収光学素子における元のパターン(それは、非パターン化直線偏光子40で分析されるとき、画像10と同一の画像11を再生する)は、例えば、偏光方向46及び47を有するパターン45(それらは互いに対して90度に配向されている)を有する。このような技術の状態の要素の作用原理は、図2及び3の実施例のパターン化されたリターダの作用原理とは異なる。画像10の白領域は、配向方向46によって符号化され、そして黒領域は配向方向47によって符号化される。非パターン化直線偏光子40が配向方向46に平行な偏光方向を有するパターン化された素子45の前又は後ろに配置されるとき、画像11(それは画像10と同一である)が観察される。
観察者とパターン化された異方性層との間に非パターン化偏光子40が配置され、且つ観察者によって見られるように非パターン化光がパターン化された異方性層の背後から入射される場合に、光は、局所的に異なる偏光方向46及び47を有するパターン化された素子45を通過する際に、直線偏光される。素子45の領域46における偏光方向が、非パターン化偏光子40の偏光方向と同じである故に、領域46を通過する光はまた、偏光子40を通過することができ、ひいてはそれらの領域は明るくなる。他方、素子45の領域47を通過する光は、偏光子40の偏光方向に対して直角に偏光され、ひいては偏光子40によって遮蔽され、これがなぜ領域47が暗く現れるかの理由である。
本発明によれば、暗号化スキームは、光学素子と非パターン化偏光子40の両方に適用される。図4のa)における暗号化マップ20は、図2及び図3の実施例におけるものと同じであるが、暗号化アルゴリズムは異なる。この実施例に適用された暗号化アルゴリズムは、暗号化マップ20内の数字0で示された領域22において配向を維持し、数字1で示される領域において配向を90°回転させることである。図4のc)は、光学素子の暗号化パターン48とパターン化された偏光子49のそれを示しており、それは上記の動作からもたらされる。偏光子49をパターン48で素子の前又は後ろに配設するとき、画像11が再び現れる。一方、暗号化されたパターン48が非パターン化偏光子40で観察されたときに、図4のd)の画像12が現れる。図2のパターン化されたリターダの実施例と同様に、画像12は、垂直線を有する記憶された画像10と反対に水平線を示す。したがって、非パターン化偏光子で正しい情報を再現することはできない。
パターン化された偏光子49は、図2のe)のパターン化された偏光子44と類似的に、追加の行及び/又は列によって拡張され得る。次いで、観察された画像を負のコントラストを有する画像に変換するように、パターン化された偏光子を1行又は1列だけシフトさせることも可能である。したがって、パターン化された偏光子は、変位偏光子でもある。
図6は、周期的な暗号化マップを使用する暗号化スキームの1実施例を示す。図6のa)の画像17は、反射体の表面にパターン化された1/4波長リターダを含む光学素子内に符号化され暗号化される予定である。反射体は、少なくとも部分的に反射するとき光の偏光状態を維持する性質を有している。反射体は、例えば金属層を含み得る。図6のa)の周期的暗号化マップ25は、暗号化アルゴリズム0及び1を参照する交互のストライプを繰り返すことを含んでいる。図6のb)は、リターダの元のパターン34を示し、それは、非パターン化偏光子40で観察されたときに、所望の画像17と同じである4画像18を現す。パターンにおける配向方向は、0°又は45°のいずれかであるが、例え2つの異なる角度が約45°異なることが好ましくとも、どのような他の角度も可能である。反射体上のパターン34を有する従来のリターダの状態は代替的に、異なる方向に45°に配向(例えば図6のc)に示すように)された非パターン化偏光子で観察され得る。観察される情報は依然として同じであるが、輝度レベルが反転する。図6のb)において暗く見える領域は、図6のc)において明るく見え、その逆も同じである。明らかに、パターン化されたリターダに記憶されることを望まれた画像17は、図6のc)のコントラスト反転画像16として現れる。これは、記憶された画像が隠され、偏光子で観察されたときにのみ可視になるという特徴に加えて、配向パターンを含むリターダの周知のセキュリティ機能である。したがって、このような素子を検証するために、直線偏光子は、パターン化されたリターダを含む光学素子の上に保持され、45°回転される。保存された画像は、偏光子と光学素子との間の角度に応じて、ポジ及びネガの画像として現れる。しかし、例えば、光学素子と偏光子が同じ基材上に配置されている場合(例えば紙幣)や、冊子の連続したページ上に配置されている場合(例えばパスポート)など偏光子を自由に回転させることができないという用途がある。基板を曲げることによって偏光子は、記憶された情報を観察するために光学素子と重なる位置に運ばれ得る。光学素子及び偏光子のサイズ及び位置に依存するが、偏光子の45°の回転は、基板の破壊なしには不可能であろう。
本発明による図6のd)のパターン33は、暗号化マップ25を含む暗号化スキームを適用することからの結果である。適用された暗号化アルゴリズムによると、暗号化マップにおける数字0を指すストライプに幾何学的に対応するこれらストライプにおいては、配向は変えられなかったが、一方、暗号化マップにおける数字1を指すストライプに対応するこれらストライプにおいては、配向は45°回転された。
同じ暗号化スキームが、非パターン化偏光子40に適用され、それは、ストライプ状の配向パターンを有する偏光子をもたらす。以下の説明では、追加のストライプが偏光子の頂部に描かれており、これはやはり本発明によるものである。もしもパターン化された偏光子60がパターン33を有するリターダの上方に配置され、図6のd)の同じ水平線に沿って引かれたストライプが重なり合うと、画像18が再び観察される。パターン化された偏光子が2つのストライプだけ上下にシフトすると、光学素子のパターンを覆うために十分なストライプが偏光子において利用可能である限り、観察される画像は同じになる。
一方、パターン化された偏光子60が、図6のe)に示されるように1つのストライプの幅だけ上下にシフトされる場合、図6のc)について上で説明したように、45°回転させた非パターン化偏光子で観察した場合、元のパターンを有するリターダについて観察されるものと同じである画像16が観察される。したがって、本発明による周期的な暗号化マップは、パターン化された異方性光学素子及びパターン化された偏光子を含むセキュリティシステムを生成するために使用され得、それは、記憶された情報のポジ画像とネガ画像との間で切り替えるために、相互にシフトされ得る。これは、ネガ画像を観察するためにパターン化された異方性素子の上で分析器を回転させることができない用途に特に有用である。したがって、このようなセキュリティシステムのためのパターン化された偏光子はまた、変位偏光子である。本発明の好ましい実施態様において、異方性のパターン化された光学素子及びパターン化された偏光子(両者共に周期的な暗号化マップで暗号化されている)は、紙幣のように同じ基板上の異なる位置に置かれる。次に、光学素子と偏光子とを重ねるために基板を折り畳むことができ、そして次に記憶された情報のポジ及びネガ画像を見るために、素子を互いに少しずらすことが可能である。本発明の別の好ましい実施態様において、異方性のパターン化された光学素子及びパターン化された偏光子(両者共に周期的な暗号化マップで暗号化されている)は、ブックレット(例えばパスポート)の連続したページ上に存在する。偏光子を光学素子の上に配設するために十分な自由度を提供するために、偏光子内のパターンの総面積は、光学素子内のパターンかされた全領域よりも大きくてもよい。例えば、パターン化された偏光子は、光学素子に適用された暗号化マップ内のストライプの数よりも多くのストライプを有し得る。明らかに、これは、例えば、2回目に暗号化マップの全体又は一部を偏光子に適用することによって達成され得る。
図7は、本発明による別の実施例であり、図7のa)における暗号化マップ62の個別の領域は同じ形状を有するが、4つの異なる領域は4つの異なる暗号化アルゴリズムを参照する。この実施例において、数字0から3は、以下の暗号化アルゴリズムを指示しており、それらはパターン化された異方性光学素子と偏光子の両方に適用されたものである:0は変化なしとして規定され、1は22.5°の回転を意味し、2は回転45°の回転を意味し、3は67.5°の回転を意味する。ストライプの代わりに、個々の領域は上記のように他の形状を有し得る。夫々の暗号化マップ領域が同じ形状である結果として、暗号化スキームに従ってパターン化された偏光子は、4つの異なる、同じスキームに従って暗号化されたパターン化された異方性光学素子に対して適切に規定された位置にシフトされ得る。以下に示されるように、4つの異なる位置についての画像の外観は、パターン化された異方性光学素子の同じタイプの外観と同一であり、4つの異なる位置(即ち、0°、22.5°、45°及び67.5°)に回転された非パターン化偏光子で分析したときに、同じ情報は符号化されるが、暗号化はされない。本発明による光学セキュリティシステムの一部としてのパターン化された偏光子であって、対応的に暗号化された異方性光学素子を分析するためにこの特性を有するものは、変位偏光子でもある。
図7のa)の画像61は、異方性光学素子内に符号化及び暗号化されるべき情報の1例として使用され、それは反射体の頂部にパターン化された1/4波長リターダを含む。図7のb)は、リターダの元のパターン63を示し、それは0度の偏光方向を有する非パターン化偏光子40で観察された場合に、画像66を出現させ、それは所望の画像61と同一である。パターンの配向方向は、0°又は45°いずれかである。角度についての基準方向として、図面内の垂直軸が選択されている。
偏光子が22.5°だけ回転されると(図7のc))、偏光方向は、パターン化された異方性光学素子の両方の種類の領域の光軸方向に対して22.5°であり、したがって、これらの領域の間に光学的に差はない。したがって、パターンはこの偏光方向に対しては見えない。同様の状況は、偏光方向が67.5°(図示せず)の場合にもあり、光学素子は灰色の領域として現れるが、パターンは認識できない。偏光方向が45°である場合には、図6に関して上述した例のように、画像は負のコントラストで現れる(図7のd))。
本発明による図7のe)のパターン65は、暗号化マップ62を含む暗号化スキームを適用することによって得られる。数字0が回転しないことを意味するので、配向は図の第1行において変更されなかった。第2、第3、及び第4の行の配向は、仮定された暗号化マップ及び関連するアルゴリズムに従って、それぞれ22.5°45°及び67.5°だけ変更された。パターン65は、配向方向が0°、22.5°、45°、67.5°、90°及び112.5°の領域を含むので、かなり複雑に見える。しかし、偏光子による観察の目的のために、いくつかの配向方向は他と同等である。なぜなら、配向方向の90°の回転が素子の平面に対して垂直方向から観察される限り、外観に影響を及ぼさないからである。したがって、90°の方向を0°に、112.5°の方向を22.5°に置き換えることによってパターンを単純化できる。よって、簡単化されたパターンは、4つの方向、すなわち0°、22.5°、45°及び67.5°のみを含む。
同じ暗号化スキームが、暗号化されていない偏光子40に適用されており、その結果、4つの異なる偏光方向を有するストライプ状の配向パターンを有する偏光子64をもたらす。偏光方向を90°回転させても光学素子の外観は変化しないので、パターン内の0°と90°の方向は同等である。したがって、ストライプからストライプへの配向の角度の差は同一である。
偏光子を異なる位置に移動させるときに、光学素子の全領域をカバーするために、偏光子のパターンは2回適用される。隣接するストライプの配向方向の角度差は依然として22.5°である。好ましくは、偏光子は、1方向に沿って段階的に変化する偏光方向を有するパターンを有し、各段階の角度差は同一である。パターンは勿論また、数回適用され得、そのことがパターンを周期的にする。パターン化された偏光子64がパターン65を有するリターダの上方に配置される場合、図7のe)の同じ水平線に沿って引かれたストライプが重なり、次に画像66は、図7のb)の非パターン化偏光子で観察されたパターン63として観測される。
パターン化された偏光子64が1のストライプの幅だけ下にシフトされた場合、図7のf)に示されるように、パターン化された異方性光学素子の各領域における光軸方向は、対応する偏光子ストライプの偏光方向と22.5°又は67.5°の角度を成す。したがって、状況は、図7のc)に関して説明されたものと同様であり、したがってパターン65を含む光学素子の全領域は、一様に灰色に見える。したがってこの偏光子の位置では情報は見えない。
パターン化された偏光子64が、図7のg)に示されたように1のストライプの追加の幅だけ下にシフトされる場合に、画像68が観察され、これは、図7のd)について上で説明されたように45°回転された非パターン化偏光子で観察されたとき、元のパターンを有するリターダについて観察されるものと同じである。
パターン化された偏光子64が、図7のh)に示されたように、1のストライプの更なる幅だけ下にシフトされた場合に、状況は図7のf)のものと同様であり、したがって、パターン65を含む光学素子の全領域は、一様に灰色として現れる。したがって、情報はこの偏光子の位置に対しては見えない。
上述されたように、パターン65を有するパターン化された異方性光学素子上方のパターン化された偏光子64の4つの異なる位置についての情報の出現は、0°、22.5°、45°又は67.5°の偏光方向を有する暗号化されていないパターン63を有するリターダ上に保持された非パターン化偏光子によって観測されるものと対応する。上記の定義によると、したがってそれは変位偏光子である。マップ62のストライプ数及び対応する暗号化アルゴリズムを更に増やすことによって、結果として得られる変位偏光子は、したがって追加の位置にシフトされ、それらの各々は、原パターン63が非パターン化観偏光子40で異なる回転角度で観察される場合のものに対応する外観を導く。
暗号化マップ内の異なるストライプの数は、関連するパターン化された偏光の隣接するストライプ間の角度差がほんの数度であるように、非常に多くてもよい。隣接するストライプ間の角度差が小さいほど、対応する光学素子の上に変位偏光子をシフトさせるときに外観がより滑らかになる。
好ましい暗号化スキームにおいて、アルゴリズムは、パターン化された異方性光学素子及び偏光子に適用されるとき、配向方向が連続的に変化するようなものである。距離当たりの角度変化が一定である場合に、対応するパターン化された異方性光学素子及びパターン化された偏光子は、暗号化されていない元のパターンを有する異方性光学素子の上に非パターン化偏光子を回転させる場合と同様に、それらを互いに対してシフトさせることによって同様の機能及び外観を有する。これは、暗号化されていないパターン化された異方性光学素子の上の標準的な偏光子を回転させることに関する本発明による偏光子をシフトすることによって同じ効果を達成することを可能にする。これは、光学素子と変位偏光子が同じ基板、例えば紙幣、上にある場合に、標準偏光子の回転がほとんど不可能なので特に有用である。
実際に、離散的な配向方向を有する多数の領域によって連続的な変化をシミュレートすることは、より容易であり得る。好ましくは、暗号化スキームは、得られる変位偏光子の隣接する領域の偏光方向が、5°以下、より好ましくは2°以下、最も好ましくは1°以下だけ異なるようなものである。好ましくは、パターンの方向の変化は、1つのストライプから隣接するストライプまで同一である。上述したように、暗号化マップのユニット領域は、パターン化された異方性光学素子に対して変位偏光子をシフトさせることが可能であれば、ストライプ以外の領域を有していてもよい。暗号化の結果は、互いに一致する。
本発明の好ましい1実施態様において、光学セキュリティシステムは、第1の軸に沿って同じ寸法を有し且つ様々な暗号化アルゴリズムを参照し且つ該第1の軸に沿って周期的に配設されている複数のゾーンが存在する暗号化マップに基づく暗号化スキームを使用して暗号化された、パターン化された異方性光学特性及びパターン化偏光子を有する光学素子を含む。周期的ゾーンに関連する暗号化アルゴリズムは、好ましくは、或る角度(それは第1の軸に沿って実質的に同じ角度だけゾーンごとに増加する)だけ配向方向の変更を指示する。暗号化マップの周期的に配置されたゾーンは、他の暗号化アルゴリズムを参照する領域によって互いに分離されていてもよい。偏光子を光学素子の上に配置するのに十分な自由度を提供するために、偏光子におけるパターンの総面積は、光学素子における全パターン領域よりも大きくてもよい。例えば、パターン化された偏光子は、光学素子に適用された暗号化マップ内のストライプの数より多くのストライプを有し得る。明らかにこれは、例えば、暗号化マップの全体又は一部を偏光子に2回適用することによって達成することができる。周期性の故に、パターン化された異方性光学素子及びパターン化された偏光子は、第1の軸に沿って異なる位置に互いに対してシフトされることができ、これは、異なる角度でパターン化された異方性光学素子の上の非パターン化偏光子を回転させることと類似である。したがって、パターン化された偏光子は、上記定義による変位偏光子である。これは、ネガ画像を観察するためにパターン化された異方性要素の上で分析器を回転させることができない用途に特に有用である。好ましくは、異方性のパターン化された光学素子及び変位偏光子は、同じ基板(例えば紙幣)上の異なる位置に置かれる。パターン化された異方性光学素子と偏光子とを重ねるために基板を折り畳むこと、そして次に、異なる外観で記憶された情報を見るためにこれらの素子を互いにわずかにシフトすることが可能である。異方性のパターン化された光学素子及び変位偏光子は、小冊子(例えばパスポート)の連続ページ上にあってもよい。次に、異なる外観の観察のために、2つのページを互いに反対にシフトすることが可能であり、一方、2つのページ互いに反対に回転させることは困難である。
本発明の別の実施例によれば、動きの印象は、対応して暗号化された異方性光学素子に相対的に変位偏光子を移動させることによって創り出し得る。図6及び図7による実施例におけるように、対応する暗号化されていない異方性光学素子の観察中に、非パターン化偏光子を回転させることによって同じ効果が達成され得る。以下の説明では、異方性光学素子は、反射体の上にパターン化された1/4波長リターダを含むと仮定される。1実施例として選択された図8のa)の元のパターン71は、標準偏光子40で観察されるとき、光学素子の中央に垂直の黒線を有する画像72を表す。黒線が現れるが、これは偏光方向が光学素子の配向パターンの対応する領域において光軸方向に対して45°である故である。偏光子が22.5°だけ左に回転されると、偏光方向は、元のパターンの第2列及び第4列の光軸方向に対して45°になる。したがって、第2列及び第4列は黒色の線として現れる。偏光子が更に22.5°だけ左に回転されると、偏光方向は、元のパターンの最初と最後の列の光軸方向に対して45°になる。したがって、最初と最後の列は黒線で現れる。
図8のb)の暗号化マップ62及び暗号化アルゴリズムは、上記の実施例と同じである。パターン71に適用されると、暗号化されたパターン76(図8のb))が生じる。元のパターン71において明白である線パターンは、もはや暗号化されたパターン76からとは思われない。
暗号化スキームを適用することから得られるパターンを含むところのパターン化された偏光子64は、図7に関して記載されたものと同じである。図8のc)の同じ水平線に沿って引かれたストライプが重なり合うように、パターン化された偏光子64がパターン76を有するリターダ上に配置される場合に、図8のa)における非パターン化偏光子40で観察されたパターン71を有する光学素子のように、画像72が観察される。
図8のd)に示されたように、パターン化偏光子64が1つのストライプの幅だけ下にシフトされた場合に、観察される画像73は、第2の列及び第4の列内に2つの黒線を含み、一方、第1の列、中央の列、及び最後の列は灰色で表示される。
図8のe)に示されたように、パターン化された偏光子64が1つのストライプのもう1つ別の幅だけ下にシフトされた場合に、第1の列及び最後の列に2つの黒線を含む画像74が観察され、一方、第2及び第4の列は灰色に、そして第3の列は明るく表示される。
図8のf)に示されたように、パターン化された偏光子64が1つのストライプのもう1つ別の幅だけシフトされた場合、黒線を含まない画像75が観察される。第1の列、中央の列、及び最後の列は灰色で表示されるが、第2及び第4の列は明るく表示される。1つのストライプの幅だけ偏光子を更にシフトすることによって、画像72が再び現れる。画像の系列は、偏光子のパターンが2回以上繰り返される場合に、偏光子を更に動かすことによって繰り返される。そうでなければ、偏光子パターンは、もはや光学素子の全領域を被覆しない。
パターン化された偏光子を段階的に下方に動かすことによって、画像73の黒線は2本の黒線に分割され、それらの内の一方は左側に移動し、他方は右側に移動するように見える。もしパターン化された偏光子が反対方向に動かされると、黒線はそれに対応して反対方向に移動し、素子の外側から中央に移動するように見えるだろう。上述のように、暗号化マップ内の異なる領域の数は、隣接領域の偏光方向の角度差を減らすために、増加させることができ、極端な場合には配向の連続的変化でさえもあり得る。これは、線の滑らかな動きの印象をもたらす。上述のように、元のパターンを含む光学素子を、標準的な偏光子(それは左又は右にそれぞれ回転させられる)で観察することによって、同じ動きの印象が実現され得る。
他方、暗号化された光学素子と偏光子とで光学的効果を達成することが可能であり、それは標準的な偏光子及びパターン化された異方性光学素子では達成できない。図6〜図8に関する上記の実施例は、ストライプ方向に沿った変化を有していない暗号化マップのユニット要素としてのストライプに基づいている。しかし、ストライプ方向にも暗号アルゴリズムの変形を導入することにより、特に、変位偏光子を暗号化された光学素子に相対的に移動させることによって、新規な光学効果が生成され得る。更に、異なる暗号化スキームを光学素子及び偏光子の異なる領域に適用することが可能である。
図9のa)は、3つの列を含む暗号化マップ80の簡単な実施例を示している。各列は、均一な寸法を有するストライプに細分されるが、垂直方向に沿ったストライプの寸法は、異なる列においては異なっている。図中の参照符号は、図7及び8における暗号化マップ62に関して使用されたのと同じ暗号化アルゴリズムを指す。図9のb)は、上記の暗号化スキームに従って作られたパターン化された偏光子81を示す。明らかに、垂直方向に沿った偏光方向は、中央及び右側の列よりも左側の列においてより頻繁にひいてはより速く変化する。パターンが周期的に変化すると、左側の列における頻度は、中央の列の頻度よりも高い。例えば、図8の実施例のように、回転している、非パターン化偏光子で観察したときに、元のパターンが、動く印象を生成する異方性光学素子に対して選択された場合、上記の暗号化スキームを用いる対応する暗号化パターンを有し、上記のパターン化された偏光子で観察される素子も、素子と偏光子を互いにシフトさせることによって動く印象を創り出す。しかし、動きの速度は、暗号化マップ80に対応する3つの列内で異なる。その効果は、勿論或る期間内のステップ数が増えるほど、より顕著になりより滑らかになる。
本発明の好ましい実施態様において、符号化された情報を含む異方性光学素子及び偏光子に適用される1以上の暗号化スキームがあり、2つ以上の領域が存在し、そこでは配向方向が単調に、かつ周期的にではあるが異なる周波数で変化する。これらの領域の少なくとも1つにおいて、1つの期間内の配向変化を伴うステップ数は、好ましくは3より大きく、より好ましくは7より大きく、最も好ましくは15より大きい。好ましくは配向方向は、上記領域の少なくとも1つにおいて連続的に変化する。
他方、回転する非パターン化偏光子で、異方性光学素子を観察する場合に、偏光方向の角度変化の速度は、光学素子内の観察される任意の領域について同じであり、したがって、本発明によるシステムに関して記載されたような、異なる動きの速度の印象を実現することは不可能である。
パターン化された偏光子81は、上述のように、単一の暗号化マップ80を適用した結果であると考えてもよく、又は、例えば3つの暗号化マップ(それらの各々はマップ80の列の1つを備える)を適用した結果として考えてもよい。パターン化された異方性光学素子及び対応するパターン化された偏光子は、異なる位置で異なる暗号化スキームを用いて暗号化されていてもよい。例えば、マップ80の3つの列は、光学素子及び偏光子の異なる位置に適用される別々のマップであってもよい。
本発明による光学セキュリティシステムの以下の実施例において、得られるパターン化された偏光子が変位偏光子である暗号化スキームが用いられる。実施例の間の違いは、元のパターン(それは或る情報を符号化する)である。これらの実施例は、対応して暗号化された光学素子を変位偏光子で分析することによって達成され得る多目的の光学効果を実証している。
実施例の光学セキュリティシステムで達成可能な光学効果の説明のために、パターン化された異方性光学素子は、反射体の上にある1/4波長リターダであると仮定する。また、元のパターンを有する、暗号化されていない異方性光学素子の説明のために、パターン化された異方性光学素子は、反射体の上にある1/4波長リターダであると仮定される。勿論、異方性光学素子はまた、いかなる遅延を有するリターダであってもよく、反射器上にあってもなくてもよい。反射器がない場合、光学素子は透過で動作することができる。異方性光学素子はまた、パターン化された偏光子であり得る。
これらの実施例の第1によれば、元のパターンは、マルチ情報について符号化する。その結果、該パターンを含む異方性光学素子に対して、異なる方向に配向された非パターン化偏光子を用いて該光学素子を観察するときに、該異なる情報は最適に見えるようになる。
以下において、「画像」という用語は、任意の種類の光学的情報、例えば、写真、マイクロテキストを含むテキスト、数字、絵画、バーコード、記号、文字、イラスト及びグラフィックス、を表している。好ましくは、画像は写真、好ましくは顔の、テキストの、数字の又はグラフィックスの写真を表す。
2つの異なる画像を有する実施例が、図10.1〜10.5に示される。図10.1は、元のパターン90の実施例であって、第1及び第2の画像について符号化するものを示す。第1の画像は、第1の配向方向を有する領域93と、第2の配向方向を有する背景領域92とを含むパターン91によって表される文字「A」である。領域92及び93における配向方向は、例えば互いに45°の角度をなす。例えば、領域93における配向方向は0°であり、領域92における配向方向は、基準方向(それは垂直方向であり得る)に関して45°である。第2の画像94は、領域96及び背景領域95を含むパターン94によって表される文字「B」である。領域95及び96における配向方向は、45°の角度だけ回転する。例えば、領域95における配向方向は、22.5°であり、領域96における配向方向は、上記基準方向に対して67.5°である。第1の画像に関連するパターン91の配向方向は、第2の画像に関連するパターン94の配向方向に対して22.5°回転される。上で仮定された角度は、単なる例であり、2つの画像のみが符号化されるべきである限りは好ましいが、多くの他の角度も同様に作用する。
光学素子の上に配置された標準的な非パターン化偏光子を回転させることによって元のパターンを有するリターダが観察される場合に、符号化された画像は、図10.2から10.5に示されたように、偏光子の異なる角度で順次現れる。図10.2は、非パターン化偏光子が、第1の方向(第1の画像98が最適に見える)に配向された偏光方向を有する光学素子の上に保持されている場合の、装置の外観97を示す。観察者は、明るい背景に暗い文字「A」を見るが、この場合、これは正のコントラストと考えられる。偏光子を回転させることによって、第2の画像99が、図10.3に示されたように、偏光子の第2の配向方向において最適に見えるようになる。観察者は、明るい背景に暗い文字「B」が見え、したがって、それは正のコントラストで現れる。偏光子を更に回転させることによって、第1の画像は再び最適に見えるようになるが、負のコントラストである。観察者は、図10.4に示されたように、暗い背景に明るい文字「A」を見る。同様に、偏光子が更に回転されると、第2の画像が、図10.5に示されたように負のコントラストで再び現れる。
「最適に見える」という用語は、画像が最大のコントラストで現れることを意味する。好ましくは、リターダ内のパターンは、第1の画像が最適に見えるときには第2の画像は全く見えないか又はほとんど見えず、そして第2の画像が最適に見えるときには第1の画像が全く見えないか又はほとんど見えないようなものである。
本発明によれば、暗号化スキームが上記の元のパターン及び非パターン化偏光子に適用され、暗号化スキームは、得られるパターン化された偏光子が少なくとも4つの位置を有する変位偏光子として使用され得るように設計されている場合に、図10.2〜10.5に示されたような正と負のコントラストを有する第1画像と第2画像の上記の外観は、暗号化されたパターンを含むリターダの上方に変位偏光子を配置し且つシフトさせることによって現わされる。したがって、2つの異なる画像(正及び負のコントラストを有する両方)は、変位偏光子を1方向にシフトさせることによって、現わされ得る。
画像の情報内容は、画像ユニットに分割され得る。第1、第2、又は追加の画像に割り当てられた画像ユニットは、次にそれらが或る領域を共有するように分布させられ得る。このようにして、部分的又は全体的に重なり合うように、異なる画像を実質的に同じ位置に配置することが可能である。画像ユニットは、多角形、好ましくは正多角形又は円などの任意の形状を有し得る。好ましい形状は、二次、矩形、台形、三角形、六角形及び円形である。図11.1は、六角形に分割された領域を示し、該領域は、第1又は第2の画像の情報内容のいずれかに割り当てられる。例示的な割り当ては、六角形内の番号1及び2によって示され、番号1は第1の画像を指し、数字2は第2の画像を指す。図11.2は、六角形に分割された領域の例を示しており、六角形の画像ユニットは3つの画像の情報内容の間で共有されている。代表的な割り当ては、六角形内の番号1、2及び3によって示されている。図11.3は、それぞれ第1及び第2の画像の情報内容に割り当てられた四角形の例を示す。図11.4においては、交互のストライプがそれぞれ第1及び第2の画像に割り当てられている。異なる画像の情報内容に対応する画像ユニットは、様々な仕方で、例えば図11.4のような交互の線内に配置されえ、又は図11.3のような行、及び/又は列の中に、又はより複雑な分布の中に配置され得る。
異なる画像の情報内容に関連する画像ユニットは、サイズ、形状及び数が異なる場合があり得る。例えば図11の実施例のように、円形領域が、第1の画像の情報コンテンツを符号化するために用いられ得、円形領域の間の領域が、第2の画像の情報コンテンツを符号化するために用いられ得る。別の実施例が図11.6に示されている。ここでは、台形状ユニットが第1の画像の情報内容に割り当てられ、三角形状ユニットが第2の画像の情報内容に割り当てられている。異なる画像の画像ユニットを含む領域では、異なる画像の情報内容を符号化する画像ユニットの総面積は、例えば、図11.6の台形ユニット及び三角形状ユニットの総面積などは、異なっていてもよい。これは、異なる画像の光学的コントラストを制御することを可能にし、したがって光学的印象のバランスを取ることを可能にする。例えば、1つの画像が非常に弱く現れる一方で、別の画像がはるかに高いコントラストで現れ、したがって支配的であるというようなことが可能である。多くのアプリケーションについて、個々の画像に割り当てられた画像ユニットの総面積はほぼ同じである。個々の画像に割り当てられた画像ユニットの総面積が均等に釣り合っていない場合、最大なもの総面積の最小なものの総領域に対する比が1.3:1以上、より好ましくは1.6:1又はより高く、最も好ましくは2:1以上である。
変位偏光子を使用する別の実施例において、第1の画像としての文字「A」と第2の画像としての文字「B」とは、変位偏光子をシフトすることによって、互いに独立にリターダの同じ位置に出現させられ得る。元のパターンをパターン化する方法が、図12.1〜図12.5に示されている。この実施例において、領域100は、第1の画像又は第2の画像に割り当てられる六角形の画像ユニットに分割され、六角形101の内側の第1の画像については番号1によって指示され、また六角形102の内側の第2の画像については番号2によって指示される。図12.1は、六角形マトリックス100の領域内の文字「A」の所望の形状及び位置103を示す。図12.2は、六角形マトリックス100の領域内の文字「B」の所望の形状及び位置104を示す。図12.3は、第1の画像に割り当てられたこれら六角形ユニットにおける元のパターンを示し、第2の画像に割り当てられた六角形は、数字2で示されている。図12.3の実施例において、文字「A」の形状103と重なる画像ユニットのこれらの部分は、第1の配向方向106を有し、一方、非重複領域は、第2の配向方向105を有している。図12.3の実施例において、第1及び第2の方向は、お互いに約45°の角度をなすと仮定されている。文字「A」と部分的に重複する六角形ユニットは、均一な配向方向(例えば、重複領域又は非重複領域のより大きい方によって決定される)を有し得る。より良好な画像分解能のために、画像ユニットを重複領域及び非重複領域に分割し、そして図12.3の図面において異なるハッチング方向によって示されている(例えば六角形107)ように、対応する配向方向を施与することは好ましい。
同様に、図12.4は、第2の画像に割り当てられる六角形ユニットの元のパターンを示し、一方、第1の画像に割り当てられた六角形は、数字1によって示されている。文字「B」の形状104と重なる画像ユニットの部分は、第3の配向方向109を有し、非重複領域は、第4の配向方向108を有する。図12.4の実施例において、第3及び第4の方向が互いに約45°の角度をなすと仮定されている。文字「B」と部分的に重複するところの六角形ユニットに関しては、領域が重複部分と非重複部分とに分割され、対応する配向方向が対応するハッチング方向によって図12.4の図面に示されている。第3の配向方向109は、好ましくは第1の配向方向106に関して約22.5°又は−22.5°の角度で配向されている。第4の配向方向108は、好ましくは第2の配向方向105に関して22.5°又は−22.5°の角度で配向されている。
図12.3及び図12.4における所望の文字A及びBの輪郭は、パターン化の概念を説明するためにのみ示されており、画像ユニットを重複部分と非重複部分とに細分化することにより生じる境界を除いてパターンの一部分を形成しない。
図12.5は、図12.3及び12.4によるパターン化から得られる完全な元のパターンを示す。文字Aと文字Bとの形状は、重複部分と非重複部分に細分化された画像ユニット内の異なる配向方向の領域間の境界を除いてこれ以上は示されていない。
非パターン化偏光子が、図12.5の元のパターンを有するリターダの上方に保持される場合に、文字「A」は第1の偏光方向に対して最適に見え、文字「B」は偏光子の第2の偏光方向に対して最適に見える。両方の文字はリターダのほぼ同じ位置に表示される。文字の領域内及び背景内の光軸方向の故に、両方の文字が、偏光子の配向に応じて、ポジ画像及びネガ画像として現れる。
本発明によれば、暗号化スキームが上記元のパターン及び非パターン化偏光子に適用され、かつ該暗号化スキームが、得られたパターン化された偏光子が少なくとも4つの位置を有する変位偏光子として使用されるように設計されている場合に、正及び負のコントラストを有する文字「A」及び「B」の上記外観は、暗号化されたパターンを含むリターダの上方に変位偏光子を配設しシフトさせることによって現わされる。したがって、2つの異なる画像(正及び負のコントラスト有する両方)は、偏光子を1方向に沿ってシフトさせることによってほぼ同じ位置に出現させられ得る。
変位偏光子を使用する本発明の好ましい実施態様において、第2の画像は、第1の画像の少なくとも1部分をスケーリングすることによって構成することができる少なくとも部分を含み、第1の画像及び第2の画像の領域が重なり得る。好ましくは、重複領域は、第1、第2、又はそれ以上の画像の一部が上述したように異なる画像ユニットに割り当てられ得るように画像ユニットに分割される。スケーリングの中心は、画像の内側又は外側であってもよい。この場合に、第2の画像は、第1の画像の関連部分の拡大又は縮小画像として現れる。好ましくは、パターンは、変位偏光子が暗号化された画像のパターンを含むリターダの上方の第3の又は追加の位置にシフトされたときに現れる第3又はそれ以上の画像を符号化する。第1、第2、第3、第4又はそれ以上の数の画像は、変位偏光子をシフトさせるときの関連画像の出現順序に対応するものでなければならない。第2の画像のように、第3の画像又は追加の画像は、、第1の画像の少なくとも一部を拡大縮小することによって構成することができる少なくとも部分(そこでは第1及び第3の画像及び任意選択的な追加画像の領域が重なる)を含む。第2、第3、及び任意選択的に付加的な画像の構築のための拡大縮小の中心は、好ましくは互いに一致する。第2、第3及び任意選択的に付加的な画像の構築の拡大縮小のファクタは、互いに異なっている。好ましくは、拡大縮小の係数は、画像の系列と共に単調に増加又は減少する。暗号化されたリターダ上の変位偏光子を動かすときに観察者によって感じられた光学的効果は、それぞれ画像をズームイン又はズームアウトする効果である。
図13は、上述のような暗号化パターンを含むリターダの1実施例を示し、それは、変位偏光子をリターダの上方に配置して、1方向に沿って4つの異なる位置にシフトすると、ズーミング効果を与える。本実施例において、暗号化スキームは、元のパターンと非パターン化偏光子に適用されており、上記暗号化スキームは、得られたパターン化された偏光子が少なくとも4つの位置を有する変位偏光子として使用され得るように設計されている。リターダ115は、第1の画像116を含み、それは、図13.1に示された変位偏光子の第1の位置に対して最適に見える。第1の画像は、第1のサイズを有する数字10である。元のパターンにおいて、画像は第1の配向方向によって符号化される。図13.1はまた、その輪郭によって第2の画像117、第3の画像118、及び第4の画像119を示す。第1、第2、第3及び第4の画像は、部分的に互いに重なり合っている。好ましくは、重複領域内の画像は、画像ユニットに分割され、個々の画像の部分は上記のように異なる画像ユニットに割り当てられ得る。第2、第3、及び第4の画像のそれぞれは、画像のサイズが画像の順に大きくなるように、第1の画像とは異なる倍率で構成されている。スケーリングの中心は、第1の画像の中心と一致するが、上述のような何らかの別の位置にあってもよい。第1、第2、第3、及び第4の画像は、異なるオリエンテーション方向を有する領域によって元のパターンで符号化される。数字10の外側の領域は、複屈折であってもなくてもよい。変位偏光子の第1の位置については、画像116が最適に視認可能であるのに対して、画像117、118及び119は、第1の画像116と比較してより低いコントラストでしか見えないか又は全く見えない。偏光子を第2の位置に移動させることによって、図13.2に示されたように、画像117が最適に見えるようになる。変位偏光子を第3の位置にシフトすることによって、第3の画像118が最適に見え(図13.3)、第4の画像119が変位偏光子の第4の位置で最適に見えるようになる(図13.4)。変位偏光子をシフトすることによって、4つの画像が順次可視になり、偏光子がシフトされる方向に応じてズームイン又はズームアウトの印象を与える。
変位偏光子を用いる本発明の別の好ましい実施態様において、第2の画像は、第1の画像の少なくとも部分を鏡映変換することによって構成することができる少なくとも部分を含む。鏡映線は、任意の位置にあり得、そして任意の方向を有し得る。更に、第2の画像は、第1の画像に対してシフトされてもよい。したがって、たとえ鏡映線が第1の画像の領域外にある場合であっても、第2の画像は第1の画像と完全に又は部分的に重なり得る。好ましくは、重複領域は、画像ユニットに分割され、第1、第2、又は追加の画像の部分は上述のように異なる画像ユニットに割り当てられ得る。図14は、本発明による光学素子120の1実施例を示しており、図14.2の第2の画像122は、図14.1の第1の画像121の鏡像であり、そして第1及び第2の画像の両方が、変位偏光子の異なる位置に対して同じ位置に現れる。この実施例において、暗号化スキームが、元のパターンと非パターン化偏光子とに適用されており、上記暗号化スキームは、得られたパターン化された偏光子が少なくとも4つの位置を有する変位偏光子として使用され得るように設計されている。変位偏光子を一方向に動かすことによって、観察者は画像と鏡像との間を切り替えることができる。更に、変位偏光子を追加の位置に動かすと、画像及び鏡像の両方が、図14.3及び図14.4のネガ画像123、124として現れる。同じ位置に画像と鏡像が重なり合っていると、その鏡像に画像が移行するという驚くべき効果がある。もちろん、リターダ内のどこか他の場所に鏡像を配置することも可能である。
誤解を避けるために、光学素子、パターン化された偏光子、及び観察された画像のいずれかの図面における異なる配向の領域を囲むフレームは、異なる領域を示すためだけのものであり、実際の装置においてそれ自体は見えない。
本発明によるセキュリティシステムに使用することができる光学素子は、透過又は反射で動作させることができる。透過におけるパターン化されたリターダの観察のために、リターダに入射する光は偏光されなければならず、リターダを通過した光は偏光子で分析されなければならない。本発明によるパターン化された偏光子は、光学素子のどちらの側にも適用することができ、したがって、偏光を提供するための偏光子として又は分析器として働くことができる。
本発明によるセキュリティシステムの一部としての光学素子は、好ましくは、観察に望ましい側とは反対の側に反射器を含む。
パターン化された配向を有するリターダ又は偏光子の製造のための公知の技術、方法及び材料がある。例えば、リターダ又は偏光子は、局所的に異なる光軸方向を有する重合又は架橋された液晶を含む層を含み得る。そのような層は、例えば、局所的に異なる配向方向を示す配向層の上に架橋性液晶材料を塗布することによって調製される。液晶材料は、下にある配向層の局部的な配向方向を採用し、配向を固定するために架橋される。このような光学素子の調製に関しては、参照により本明細書に組み込まれる国際出願公開(WO09112206)が参照される。
本発明によるセキュリティシステムに用いられるパターン化された偏光子は、直線偏光子又は円偏光子であってもよい。本発明による好ましい円偏光子は、直線偏光子、及び1の配向パターンを有する1/4波長リターダを含む。本発明による好ましい直線偏光子は、配向した二色性染料であって、好ましくは液晶材料中に埋め込まれたものを含む。そのような要素の調製方法は、当該技術分野において公知であり、国際出願公開(WO09112206)を参照して上に記載されたものと同様であり得る。
本発明の第2の態様によると、本発明によるセキュリティシステムにおいて用いられる光学素子における情報の符号化及び暗号化のための方法が提供される。この方法は、
− リターダ又は偏光子についての配向パターンの形態における光学情報を符号化するところの元のパターンを設計すること、
− 暗号化マップ及び関連するアルゴリズムを含む暗号化スキームを、上記符号化された情報を更に暗号化するために上記元のパターンに適用すること、
− 上記光情報を暗号化するために用いられたような同じ又は別の暗号化アルゴリズムと共に、上記暗号化マップを用いて、非パターン化の直線又は円偏光子に適用されるべきパターンを設計すること、
を包含する。
この方法は、光学素子用のリターダ又は偏光子における暗号化された元のパターンを作成する工程と、上述の設計されたパターンを有するパターン化された直線又は円偏光子を更に生成する工程によって拡張することができる。
円偏光子がパターン化されなければならない場合に、好ましくは上記円偏光子は、直線偏光子及び1/4波長リターダからなり、パターンは上記リターダで生成される。
配向パターンとして元のパターンを有するパターン化されたリターダ又は偏光子に関しては、非パターン化偏光子で観察されたときに、符号化された情報が見える。

Claims (17)

  1. 光学セキュリティシステムであって、
    − パターン化された異方性光学特性を有する光学素子(35、39、48、33)と、ここで情報が前記光学素子の前記パターンで符号化されかつ暗号化される、及び
    − 前記光学素子に組み込まれた前記情報が、前記光学素子の第1の位置及び第2の位置で暗号の復号化及び符号の復号化をされ得るように、前記光学素子の同じ側の前記両方の位置に配設され得るパターン化された偏光子(41、49、60)と、
    を含む、
    上記光学セキュリティシステム。
  2. 前記暗号化は、暗号化マップ(20、25)及び関連する暗号化アルゴリズムに基づいており、同一の前記暗号化マップが、前記情報を前記光学素子内に符号化するところの前記パターンを暗号化するために、及び前記パターン化された偏光子の前記パターンを規定するために用いられる、
    請求項1に記載の光学セキュリティシステム。
  3. 前記暗号化マップは、暗号化されるべき前記情報の1部分を含まない、
    請求項2に記載の光学セキュリティシステム。
  4. 前記パターン化された偏光子は、回転なしで前記第1の位置から前記第2の位置にシフトすることができ、その結果、前記光学素子の前記パターンに記憶された前記画像は前記第1の位置で暗号の復号化をされて第1の外観を提供し、そして前記暗号化された画像は前記第2の位置で暗号の復号化をされて第2の外観を提供する、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学セキュリティシステム。
  5. 前記パターン化された偏光子の前記第2の位置で暗号の復号化をされた前記画像は、前記第1の位置で前記暗号の復号化をされた画像と比較して逆のコントラストで現れる、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学セキュリティシステム。
  6. 前記パターン化された偏光子は、周期的変調を含む、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学セキュリティシステム。
  7. 前記光学素子の前記パターン化された異方性光学特性は、前記複屈折性(35、39、33)を指し、前記パターンは、前記光軸の異なる方向を有する領域を含む、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学セキュリティシステム。
  8. 前記光学素子の前記パターン化された異方性光学特性は、前記素子を直線偏光子として機能させる前記光学吸収(48)を指し、前記パターンは、様々な偏光方向を有する領域を含む、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学セキュリティシステム。
  9. 前記適用された暗号化マップ(20、50、51、52、53、25)は周期的構造を含む、
    請求項2〜8のいずれか1項に記載の光学セキュリティシステム。
  10. 前記適用された暗号化マップ(20)は2方向における周期的構造を含む、
    請求項9に記載の光学セキュリティシステム。
  11. 前記適用された暗号化アルゴリズムは、前記暗号化マップの少なくとも1つの領域に関して、角度の連続的な変化を記述している、
    請求項2〜10のいずれか1項に記載の光学セキュリティシステム。
  12. 前記適用された暗号化マップ(50、51、25)は、矩形のストライプを含む、
    請求項2〜11のいずれか1項に記載の光学セキュリティシステム。
  13. 前記光学素子及び前記偏光子は、同一の基板上に配置されている、
    請求項1〜12のいずれか1項に記載の光学セキュリティシステム。
  14. 前記基板は銀行券である、
    請求項13に記載の光学セキュリティシステム。
  15. 光学素子の上方又は下方に配置されたパターン化された偏光子を第1の位置から第2の位置へシフトさせることによって請求項1〜14のいずれか1項に記載のセキュリティシステムの光学素子を分析する方法であって、
    前記複数の位置は、前記光学素子に組み込まれた情報が暗号の復号化をされ且つ符号の復号化をされ得るように両位置において選択される、
    上記方法。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載のセキュリティシステムにおいて使用される光学素子内の情報を符号化及び暗号化する方法であって、
    − 光学情報をリターダ又は偏光子のための配向パターンの形態に符号化するところの元のパターン(30、38、45、34)を設計すること、
    − 暗号化マップ(20、50、51、52、53、25)及び関連するアルゴリズムを含む暗号化スキームを、前記符号化された情報を更に暗号化するために前記元のパターンに適用すること、
    − 前記光情報を暗号化するために用いられたような同じ又は別の暗号化アルゴリズムと共に、前記暗号化マップを用いて、非パターン化の直線偏光子又は円偏光子に適用されるべきパターン(41、49、60)を設計すること、
    を包含する、上記方法。
  17. 追加の工程として、
    − 光学素子としてのリターダ又は偏光子が、前記暗号化された元のパターンを有するように製作されること、
    − パターン化された直線偏光子又は円偏光子が、非パターン化の直線偏光子又は円偏光子に適用されるように設計された前記パターンを有するように作られること、
    を包含する、請求項16に記載の方法。
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