JP2018528037A - 移動性向上車椅子 - Google Patents

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ワン,ホォンウ
チュン,チョン−シウ
カンディオッティ,ホルヘ,ルイス
グリンドル,ギャレット,ジー.
パールマン,ジョナサン,エル.
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Abstract

フレームと、前記フレームに取付けられたシートと、前記フレームの第1の側における第1の前輪、及び、前記フレームの第2の側における第2の前輪と、前記フレームの前記第1の側における第1の後輪、及び、前記フレームの前記第2の側における第2の後輪と、前記第1の前輪と前記第1の後輪との間に位置している、前記フレームの前記第1の側における第1の駆動輪、及び、前記第2の前輪と前記第2の後輪との間に位置している、前記フレームの前記第2の側における第2の駆動輪と、前記フレームに対する前記第1の前輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第2の前輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第1の後輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第2の後輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第1の駆動輪の垂直位置及び前記フレームに対する前記第2の駆動輪の垂直位置を、独立して制御するためのアクチュエータと、を含んでいる車椅子。【選択図】図4

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2015年9月25日に出願された米国仮特許出願第62/232,550号の利益を主張するものであり、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
以下の情報は、以下に開示される技術及びそのような技術が通常使用され得る環境についての読者の理解を補助するために提供される。本明細書において使用される用語は、本明細書にて別途明記されない限り、特定の狭い解釈に限定されることは意図されていない。本明細書において説明される参考文献は、それらの技術又は背景の理解を容易にし得る。本明細書において引用される全ての参考文献の開示は、参照により組み込まれる。
電動車椅子(EPW)は、脊髄損傷、脳性麻痺、筋萎縮性側索硬化症又は筋ジストロフィーと診断される人々のように、上肢運動及び/又は下肢運動が制限又は不可能な人々にとって不可欠な移動デバイスである。多くの使用者は、EPWを屋内で使用するだけでなく、仕事、医者の予約、食料品店又は友人の家へ行く際に、屋外でも使用する。残念なことに、EPW使用者は、屋外環境に乗り出す際に、不慣れな状況や障害に遭遇することがあり、使用者はそれによって動けなくなったり車椅子を転倒させたりして、重傷や死に至ることがある。そのような状況には、平坦でない地形、急勾配(走行勾配)、滑りやすい面、横断勾配及び縁石や段差のような建築上の障壁が含まれ得る。
EPW使用者の数は、ベビーブーム世代人口の高齢化及び軍人の負傷による結果として増加すると予想される。現在のEPW使用者は33万人と推定されており、車椅子の安全性を高める必要性がますます重要になってきている。最も一般的な事故は、牽引力が失われることや、動けなくなること、又は安定性が失われることによって生じることが報告されている。多くのEPW使用者は、転倒や転落、そしてそれに関連する怪我を経験したことがある。
したがって、屋外及び/又は屋内環境において危険な状況又は障害に遭遇した際に、ユーザの安全性を高める特徴を備えたEPWを開発することが望ましい。
一態様では、車椅子は、フレームと、前記フレームに取付けられたシート又はシートシステムと、前記フレームの第1の側における第1の前輪、及び、前記フレームの第2の側における第2の前輪と、前記フレームの前記第1の側における第1の後輪、及び、前記フレームの前記第2の側における第2の後輪と、前記第1の前輪と前記第1の後輪との間に位置している、前記フレームの前記第1の側における第1の駆動輪、及び、前記第2の前輪と前記第2の後輪との間に位置している、前記フレームの前記第2の側における第2の駆動輪と、前記フレームに対する前記第1の前輪の垂直位置を制御するために前記第1の前輪と動作的に接続された第1の前輪アクチュエータと、前記フレームに対する前記第2の前輪の垂直位置を制御するために前記第2の前輪と動作的に接続された第2の前輪アクチュエータと、前記フレームに対する前記第1の後輪の垂直位置を制御するために前記第1の後輪と動作的に接続された第1の後輪アクチュエータと、前記フレームに対する前記第2の後輪の垂直位置を制御するために前記第2の後輪と動作的に接続された第2の後輪アクチュエータと、前記フレームに対する前記第1の駆動輪の垂直位置を制御するために前記第1の駆動輪と動作的に接続された第1の駆動輪アクチュエータと、前記フレームに対する前記第2の駆動輪の垂直位置を制御するために前記第2の駆動輪と動作的に接続された第2の駆動輪アクチュエータとを含んでいる。前記第1の前輪アクチュエータ、前記第2の前輪アクチュエータ、前記第1の後輪アクチュエータ、前記第2の後輪アクチュエータ、前記第1の駆動輪アクチュエータ及び前記第2の駆動輪アクチュエータのそれぞれは、前記フレームに対する前記第1の前輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第2の前輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第1の後輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第2の後輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第1の駆動輪の垂直位置及び前記フレームに対する前記第2の駆動輪の垂直位置を、独立して制御するように動作可能である。
前記車椅子は、前記フレームに対する前記第1の駆動輪の長手方向位置を独立して制御するために前記第1の駆動輪と動作的に接続された第1の長手方向駆動輪アクチュエータと、前記フレームに対する前記第2の駆動輪の長手方向位置を独立して制御するために前記第2の駆動輪と動作的に接続された第2の長手方向駆動輪アクチュエータとをさらに含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、前記車椅子は、前記第1の前輪アクチュエータ、前記第2の前輪アクチュエータ、前記第1の後輪アクチュエータ、前記第2の後輪アクチュエータ、前記第1の駆動輪アクチュエータ、前記第2の駆動輪アクチュエータ、前記第1の長手方向駆動輪アクチュエータ及び前記第2の長手方向駆動輪アクチュエータと動作的に接続された制御システムをさらに含んでいる。前記車椅子は、例えば、前記制御システムと動作的に接続されたセンサシステムをさらに含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、前記センサシステムは、(重力に対する)前記シートの向きを測定するセンサを含んでおり、前記制御システムは、(重力に対する)前記シートの向きを所望の範囲に維持するように、前記フレームに対する前記第1の前輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第2の前輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第1の後輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第2の後輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第1の駆動輪の垂直位置及び前記フレームに対する前記第2の駆動輪の垂直位置のうち少なくとも1つを、独立して制御するように動作可能である。
前記制御システムは、例えば、前記シートの向きを所望の範囲に維持するように、前記フレームに対する前記第1の前輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第2の前輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第1の後輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第2の後輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第1の駆動輪の垂直位置及び前記フレームに対する前記第2の駆動輪の垂直位置のうち複数を、独立して制御するように動作可能であってもよい。前記制御システムは、例えば、前記車椅子が下り勾配、上り勾配、横断勾配又は平坦でない地形のうち少なくとも1つを進行している際に、前記シートの向きを所望の範囲に維持するように動作可能であってもよい。いくつかの実施形態では、前記制御システムは、前記車椅子が縁石、段差の変化又は8インチまでの高さ変化を上り下りしている際に、前記シートの向きを前記所望の範囲内に維持するように動作可能である。前記シートの向きは、例えば、複数の段差の変化(又は階段)を上る又は下りる際に維持されてもよい。
いくつかの実施形態では、前記制御システムは、前記車椅子のクロール運動を行わせるように動作可能であり、前記車椅子を経路に沿って引っ張るようにして、前記第1の駆動輪の垂直位置及び前記第1の駆動輪の長手方向位置が変更されると共に前記第2の駆動輪の垂直位置及び前記第1の駆動輪の長手方向位置が変更される。前記制御システムは、例えば、重力に対する前記シートの向きを変化させて側圧逃しを行うために、前記第1の前輪アクチュエータ、前記第2の前輪アクチュエータ、前記第1の後輪アクチュエータ、前記第2の後輪アクチュエータ、前記第1の駆動輪アクチュエータ及び前記第2の駆動輪アクチュエータのうち1つ以上を作動させるように動作可能であってもよい。前記制御システムは、例えば、前記車椅子の地上高を変化させるために、前記第1の前輪アクチュエータ、前記第2の前輪アクチュエータ、前記第1の後輪アクチュエータ、前記第2の後輪アクチュエータ、前記第1の駆動輪アクチュエータ及び前記第2の駆動輪アクチュエータのうち1つ以上を作動させるように動作可能であってもよい。いくつかの実施形態では、前記制御システムは、本体全体の振動を制御するように動作可能である。
いくつかの実施形態では、前記シートは、前記フレームに対して固定されるか、前記フレームに対して動き得ないように取付けられ、重力に対する前記シートの向きの変化は、重力に対する前記フレームの向きを変化させることによって達成される。他の実施形態では、前記シートは、前記フレームに対して動き得るように接続され、重力に対する前記シートの向きの変化は、前記フレームに対する前記シートの向きの変化及び重力に対する前記フレームの向きの変化のうち少なくとも一方によって達成される。前記シートは、例えば、重力に対する傾斜の前方/後方角度、重力に対する傾斜の側方角度及び前記フレームに対する前記シートの高さのうち少なくとも1つを調節するために、アクチュエータシステムを介して前記フレームに動作的に接続されていてもよい。
別の態様では、方法は、フレームと、前記フレームに取付けられたシートと、前記フレームの第1の側における第1の前輪、及び、前記フレームの第2の側における第2の前輪と、前記フレームの前記第1の側における第1の後輪、及び、前記フレームの前記第2の側における第2の後輪と、前記第1の前輪と前記第1の後輪との間に位置している、前記フレームの前記第1の側における第1の駆動輪、及び、前記第2の前輪と前記第2の後輪との間に位置している、前記フレームの前記第2の側における第2の駆動輪と、前記フレームに対する前記第1の前輪の垂直位置を制御するために前記第1の前輪と動作的に接続された第1の前輪アクチュエータと、前記フレームに対する前記第2の前輪の垂直位置を制御するために前記第2の前輪と動作的に接続された第2の前輪アクチュエータと、前記フレームに対する前記第1の後輪の垂直位置を制御するために前記第1の後輪と動作的に接続された第1の後輪アクチュエータと、前記フレームに対する前記第2の後輪の垂直位置を制御するために前記第2の後輪と動作的に接続された第2の後輪アクチュエータと、前記フレームに対する前記第1の駆動輪の垂直位置を制御するために前記第1の駆動輪と動作的に接続された第1の駆動輪アクチュエータと、前記フレームに対する前記第2の駆動輪の垂直位置を制御するために前記第2の駆動輪と動作的に接続された第2の駆動輪アクチュエータとを含んだ車椅子を提供するステップを含んでいる。前記方法は、前記第1の前輪アクチュエータ、前記第2の前輪アクチュエータ、前記第1の後輪アクチュエータ、前記第2の後輪アクチュエータ、前記第1の駆動輪アクチュエータ及び前記第2の駆動輪アクチュエータのそれぞれを、前記フレームに対する前記第1の前輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第2の前輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第1の後輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第2の後輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第1の駆動輪の垂直位置及び前記フレームに対する前記第2の駆動輪の垂直位置を、独立して制御するように動作させるステップをさらに含んでいる。
前記方法は、例えば、前記フレームに対する前記第1の駆動輪の長手方向位置を独立して制御するために前記第1の駆動輪と動作的に接続された第1の長手方向駆動輪アクチュエータを動作させるステップと、前記フレームに対する前記第2の駆動輪の長手方向位置を独立して制御するために前記第2の駆動輪と動作的に接続された第2の長手方向駆動輪アクチュエータを動作させるステップとをさらに含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、前記方法は、前記第1の前輪アクチュエータ、前記第2の前輪アクチュエータ、前記第1の後輪アクチュエータ、前記第2の後輪アクチュエータ、前記第1の駆動輪アクチュエータ、前記第2の駆動輪アクチュエータ、第1の長手方向駆動輪アクチュエータ及び第2の長手方向駆動輪アクチュエータと動作的に接続された制御システムを提供するステップをさらに含んでいる。前記方法は、例えば、前記制御システムと動作的に接続されたセンサシステムを提供するステップをさらに含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、前記方法は、いくつかの実施形態では、前記方法は、前記センサシステムによって、(重力に対する)前記シートの向きを測定するステップと、前記制御システムによって、(重力に対する)前記シートの向きを所望の範囲に維持するように、前記フレームに対する前記第1の前輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第2の前輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第1の後輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第2の後輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第1の駆動輪の垂直位置及び前記フレームに対する前記第2の駆動輪の垂直位置のうち少なくとも1つを、独立して制御するステップとをさらに含んでいる。前記方法は、例えば、前記シートの向きを所望の範囲に維持するように、前記フレームに対する前記第1の前輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第2の前輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第1の後輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第2の後輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第1の駆動輪の垂直位置及び前記フレームに対する前記第2の駆動輪の垂直位置のうち複数を、独立して制御するように前記制御システムを使用するステップをさらに含んでいてもよい。前記方法は、例えば、前記車椅子が下り勾配、上り勾配、横断勾配又は平坦でない地形のうち少なくとも1つを進行している際に、前記シートの向きを所望の範囲に維持するステップを含んでいてもよい。前記方法は、例えば、前記車椅子が縁石、段差の変化又は8インチまでの高さ変化を上り下りしている際に、前記シートの向きを前記所望の範囲内に維持するステップを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、前記方法は、前記車椅子のクロール運動を行わせるように前記制御システムを動作させるステップをさらに含んでおり、このとき、前記車椅子を経路に沿って引っ張るようにして、前記第1の駆動輪の垂直位置及び前記第1の駆動輪の長手方向位置が変更されると共に前記第2の駆動輪の垂直位置及び前記第2の駆動輪の長手方向位置が変更される。前記方法は、例えば、前記シートの向きを変化させて側圧逃しを行うために、前記第1の前輪アクチュエータ、前記第2の前輪アクチュエータ、前記第1の後輪アクチュエータ、前記第2の後輪アクチュエータ、前記第1の駆動輪アクチュエータ及び前記第2の駆動輪アクチュエータのうち1つ以上を作動させるように前記制御システムを動作させるステップをさらに含んでいてもよい。前記方法は、例えば、前記車椅子の地上高を変化させるために、前記第1の前輪アクチュエータ、前記第2の前輪アクチュエータ、前記第1の後輪アクチュエータ、前記第2の後輪アクチュエータ、前記第1の駆動輪アクチュエータ及び前記第2の駆動輪アクチュエータのうち1つ以上を作動させるように前記制御システムを動作させるステップをさらに含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、前記方法は、本体全体の振動を制御するように前記制御システムを動作させるステップをさらに含んでいる。
上述したように、前記シートは、例えば、前記フレームに対して動き得ないように取付けられ、重力に対する前記シートの向きの変化は、重力に対する前記フレームの向きを変化させることによって達成されてもよい。他の実施形態では、前記シートは、前記フレームに対して動き得るように取付けられ、重力に対する前記シートの向きの変化は、前記フレームに対する前記シートの向きの変化及び重力に対する前記フレームの向きの変化のうち少なくとも一方によって達成される。
さらなる態様では、車椅子は、フレームと、前記フレームに取付けられたシートと、前記フレームの第1の側における第1の前輪、及び、前記フレームの第2の側における第2の前輪と、前記フレームの前記第1の側における第1の後輪、及び、前記フレームの前記第2の側における第2の後輪と、前記第1の前輪と前記第1の後輪との間に位置している、前記フレームの前記第1の側における第1の駆動輪、及び、前記第2の前輪と前記第2の後輪との間に位置している、前記フレームの前記第2の側における第2の駆動輪と、前記フレームに対する前記第1の駆動輪の長手方向位置を制御するために前記第1の駆動輪と動作的に接続された第1の長手方向駆動輪アクチュエータ、及び、前記フレームに対する前記第1の駆動輪の前記長手方向位置の前記第1の長手方向駆動輪アクチュエータによる制御とは独立して、前記フレームに対する前記第2の駆動輪の前記長手方向位置を制御するために前記第2の駆動輪と動作的に接続された第2の長手方向駆動輪アクチュエータとを含んでいる。いくつかの実施形態では、前記第1の長手方向駆動輪アクチュエータは、前記フレームに対する前記第2の駆動輪の前記長手方向位置の前記第2の長手方向駆動輪アクチュエータによる制御とは独立して、前記フレームに対する前記第1の駆動輪の前記長手方向位置を制御する。いくつかの実施形態では、前記車椅子は、前記フレームに対する前記第1の駆動輪の垂直位置を制御するために前記第1の駆動輪と動作的に接続された第1の駆動輪アクチュエータと、前記フレームに対する前記第2の駆動輪の垂直位置を制御するために前記第2の駆動輪と動作的に接続された第2の駆動輪アクチュエータとをさらに含んでいる。
本発明のデバイス、システム及び方法は、その特質及び付随する利点と共に、以下の詳細な説明を添付の図面と併せて考慮することにより最もよく認識及び理解されるであろう。
図1Aは、実施形態の車椅子の側面図を示す。 図1Bは、図1Aの車椅子の別の側面図であって、図1Aの側面図とは反対側の側面図を示す。 図1Cは、図1Aの車椅子の背面図を示す。 図1Dは、図1Aの車椅子の正面図を示す。 図1Eは、図1Aの車椅子のシステムの一部の実施形態を概略的に示す。該システムは、制御システム、センサシステム及びその様々なアクチュエータを含んでいる。 図1Fは、図1Aの車椅子の電子機器システムの実施形態を概略的に示す。 図1Gは、種々異なるスレッド及びアプリケーションに対するマスタースレーブ方式を組み込んだ制御方法の実施形態についての、概略的な高水準表現を示す。 図2Aは、図1Aの車椅子の背面斜視図を示す。 図2Bは、図1Aの車椅子の別の背面斜視図を示す。 図2Cは、図1Aの車椅子の正面斜視図を示す。 図2Dは、図1Aの車椅子の別の正面斜視図を示す。 図2Eは、図1Aの車椅子の別の正面斜視図を示す。ここで、前輪キャスターのアクチュエータは、空気圧アクチュエータ及びばねを含んでいる。 図2Fは、図1Aの車椅子の別の正面斜視図を示す。ここで、前輪キャスターのアクチュエータは、空気圧アクチュエータ及びばねを含んでいる。 図3は、図1Aの車椅子の分解斜視図又は分解組立斜視図を示す。ここでは、シート又はシートシステムは、車椅子のフレームアセンブリから分解されている。 図4は、図1Aの車椅子の別の分解斜視図又は分解組立斜視図を示す。 図5は、図1Aの車椅子のフレームアセンブリの一部の拡大斜視図である。 図6Aは、図1Aの車椅子のメインフレーム部品の正面斜視図を示す。 図6Bは、図1Aの車椅子のメインフレーム部品の背面斜視図を示す。 図7は、図1Aの車椅子のメインフレーム部品の分解図又は分解組立図を示す。 図8Aは、駆動輪が第1位置又は前輪駆動位置にある、図1Aの車椅子の側面図を示す。 図8Bは、駆動輪が第2位置又は中輪駆動位置にある、図1Aの車椅子の側面図を示す。 図8Cは、駆動輪が第3位置又は後輪駆動位置にある、図1Aの車椅子の側面図を示す。 図8Dは、左駆動輪が最前方位置にあり、右駆動輪が最後方位置にある、図1Aの車椅子の上面図を示す。 図8Eは、左駆動輪が最前方位置にあり、右駆動輪が最後方位置にある、図1Aの車椅子の左側面図を示す。 図8Fは、左駆動輪が最前方位置にあり、右駆動輪が最後方位置にある、図1Aの車椅子の左側面図を示す。 図9は、図1Aの車椅子を上向きに傾斜する走行勾配上に示すと共に、シートの向きを所望の範囲に維持するために車輪の垂直位置に対して行われる調整を示す。 図10は、図1Aの車椅子を下向きに傾斜する走行勾配上に示すと共に、シートの向きを所望の範囲に維持するために車輪の垂直位置に対して行われる調整を示す。 図11は、図1Aの車椅子を横断勾配上に示すと共に、シートの向きを所望の範囲に維持するために車輪の垂直位置に対して行われる調整を示す。 図12Aは、上られる縁石に接近している図1Aの車椅子の側面図を示す。このとき、使用者は、縁石登りアプリケーション又は機能を起動させる。 図12Bは、駆動輪及び後輪キャスター上の空気圧アクチュエータによって最も高い位置まで上昇させられている、図1Aの車椅子の側面図を示す。 図12Cは、縁石に接近し、駆動輪が縁石と接触するようになる、図1Aの車椅子及び側面図を示す。 図12Dは、前輪キャスターに関連するアクチュエータによって前輪キャスターが縁石上まで下降させられている、図1Aの車椅子の側面図を示す。 図12Eは、図12Dの位置から前方に駆動されると同時に、駆動輪に関連するアクチュエータによって駆動輪を持ち上げている、図1Aの車椅子の側面図を示す。 図12Fは、駆動輪が縁石上に位置するまで駆動輪がさらに持ち上げられている、図1Aの車椅子の側面図を示す。 図12Gは、後輪キャスターが縁石に接触するまで図1Aの車椅子が前方に駆動されると共に、前輪キャスターを縁石と接触した状態から持ち上げている際の、図1Aの車椅子の側面図を示す。 図12Hは、図1Aの車椅子が図12Gの位置から前方に駆動されると同時に、後輪キャスターに関連するアクチュエータによって、後輪キャスターが縁石上にくるまで後輪キャスターを持ち上げている際の、図1Aの車椅子の側面図を示す。 図12Iは、縁石登りアプリケーション又は機能が完了した後の図1Aの車椅子の側面図を示す。このとき、使用者は、縁石登りアプリケーションを終了して、通常の運転を再開してもよい。 図13Aは、下りることになる縁石に接近している図1Aの車椅子の側面図を示す。このとき、使用者は、縁石登りアプリケーション又は機能を起動させる。 図13Bは、駆動輪及び後輪キャスター上の空気圧アクチュエータによって最も低い位置まで上昇させられている、図1Aの車椅子の側面図を示す。 図13Cは、縁石に接近している図1Aの車椅子及び縁石の上に延びている前輪キャスターの側面図を示す。 図13Dは、前輪キャスターが地面と接触するまで下降させられている、図1Aの車椅子の側面図を示す。 図13Eは、図13Dの位置から前方に駆動されると同時に、駆動輪に関連するアクチュエータによって駆動輪を下降させている、図1Aの車椅子の側面図を示す。 図13Fは、駆動輪が地面に接触するまで/低い方の高さまで駆動輪がさらに下降させられている、図1Aの車椅子の側面図を示す。 図13Gは、前方に駆動される図1Aの車椅子の側面図を示す。ここで、駆動輪は、それらの最も前方の位置から最も後方の位置へと動かされる(これにより、フレームを前方に動かすと共に、縁石の上部とは後輪キャスターを介して接触し続けている)。 図13Hは、後輪キャスターが縁石に接触しなくなるまで図1Aの車椅子が図13Gの位置から前方に駆動される際の、図1Aの車椅子の側面図を示す。 図13Iは、フレームが最低地上高まで下降させられて、6つの車輪の全てが地面と接触している、図1Aの車椅子の側面図を示す。 図13Jは、駆動輪が最も前方の位置に動かされ、前輪キャスターが地面から持ち上げられている、図1Aの車椅子の側面図を示す。これは、図13Aに示されているものと同じ構成である。 図14Aは、屋外の構成(該構成では、車椅子の地上高は5インチであった)で平坦でない地形に接近している、図1Aの車椅子の斜視図を示す。 図14Bは、図14Aの車椅子の構成の左側面図を示す。 図14Cは、図14Aの車椅子の構成の右側面図を示す。 図15Aは、左側の駆動輪が平坦でない地形の外形を相殺する又は該外形に沿うように上方へと移動している、図1Aの車椅子の斜視図を示す。 図15Bは、図15Aの車椅子の構成の左側面図を示す。 図15Cは、図15Aの車椅子の構成の右側面図を示す。 図16Aは、車椅子が前方に移動し続けてその右側の平坦でない地形に接近しており、左側の平坦でない地形上を進行した後に左側の駆動輪が元の位置に戻り、右の駆動輪と左の後輪キャスターは、平坦でない地形の外形を相殺する又は該外形に沿うように上方へと移動している、図1Aの車椅子の斜視図を示す。 図16Bは、図16Aの車椅子の構成の左側面図を示す。 図16Cは、図16Aの車椅子の構成の右側面図を示す。 図17Aは、右の後輪キャスターが平坦でない地形に接触すると、車椅子は前方に移動し続けて、右の後輪キャスターが平坦でない地形を相殺するように上方へと移動すると共に、右の駆動前輪と左の後輪キャスターとが元の位置に戻る、図1Aの車椅子の斜視図を示す。 図17Bは、図17Aの車椅子の構成の左側面図を示す。 図17Cは、図17Aの車椅子の構成の右側面図を示す。 図18Aは、駆動輪が泥、砂、砂利、氷等の中で滑るために車椅子が動くことができない図1Aの車椅子であって、駆動輪が最も前方の位置にある図1Aの車椅子の側面図を示す。 図18Bは、前輪キャスターが地面に接触するまで延ばされると共に、両駆動輪がそれらの最も後方の位置に動かされて、それによりフレームが前方に動かされる、図1Aの車椅子の側面図を示す。 図18Cは、フレーム及び駆動輪を地面から持ち上げて、前輪及び後輪キャスターが延ばされる、図1Aの車椅子の側面図を示す。 図18Dは、駆動輪が最も前方の位置に動かされる図1Aの車椅子の側面図を示す。 図18Eは、フレーム及び駆動輪が地面に接触するまで下降し、このプロセスが車椅子及びその使用者が動けるようになるまで繰り返される、図1Aの車椅子の側面図を示す。 図19Aは、階段の上り下りプロセスを実行する図1Aの車椅子の側面図を示す。 図19Bは、階段の上り下りプロセスを実行する図1Aの車椅子の側面図を示す。 図19Cは、階段の上り下りプロセスを実行する図1Aの車椅子の側面図を示す。 図19Dは、階段の上り下りプロセスを実行する図1Aの車椅子の側面図を示す。 図19Eは、階段の上り下りプロセスを実行する図1Aの車椅子の側面図を示す。 図19Fは、階段の上り下りプロセスを実行する図1Aの車椅子の側面図を示す。 図19Gは、階段の上り下りプロセスを実行する図1Aの車椅子の側面図を示す。 図19Hは、階段の上り下りプロセスを実行する図1Aの車椅子の側面図を示す。 図19Iは、階段の上り下りプロセスを実行する図1Aの車椅子の側面図を示す。 図19Jは、階段の上り下りプロセスを実行する図1Aの車椅子の側面図を示す。 図19Kは、階段の上り下りプロセスを実行する図1Aの車椅子の側面図を示す。 図19Lは、階段の上り下りプロセスを実行する図1Aの車椅子の側面図を示す。 図19Mは、階段の上り下りプロセスを実行する図1Aの車椅子の側面図を示す。 図19Nは、階段の上り下りプロセスを実行する図1Aの車椅子の側面図を示す。 図19Oは、階段の上り下りプロセスを実行する図1Aの車椅子の側面図を示す。 図20Aは、前輪/前輪キャスターの枢動アームが延長当接部/部材、停止部/部材又は足部/部材を含んでおり、前輪キャスターが上昇位置にある、車椅子の実施形態を示す。 図20Bは、前輪キャスターが回転位置にある、図20Aの車椅子を示す。 図20Cは、車椅子が位置している地形/表面に前輪キャスターの枢動アームの延長当接部が接触又は当接することによって車椅子の前後の動きに対して抵抗を与える又はその動きを防止するために、前輪キャスターが下向き位置又は停止位置にある、図20Aの車椅子を示す。 図21は、本願の自己水平化アルゴリズムの実施形態にて使用されるパラメータについての記述指標を含む、本願の車椅子の実施形態を示す。
本願の図面中に全体的に記載及び図示されるような実施形態の構成要素は、記載される代表的な実施形態に加えて、広く様々な異なる構成で配置及び設計されてもよいことが容易に理解されるであろう。したがって、以下に示す代表的な実施形態についてのより詳細な説明は、図面中に図示されるように、特許請求の範囲に記載されるような実施形態の範囲を限定することを意図したものではなく、代表的な実施形態の単なる例示である。
本明細書を通じての「一実施形態」又は「実施形態」(あるいは同様のもの)に対する参照は、その実施形態に関して記載される特定の特徴、構造又は特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通じて「一実施形態では」又は「実施形態で」あるいは同等の語句が様々な箇所に現れたとしても、それらが必ずしも全て同じ実施形態を示すとは限らない。
さらに、記載の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において任意の適切な方法にて組み合わせることができる。以下の説明では、実施形態が完全に理解されるように、多くの特定の詳細が提供される。しかしながら、当業者であれば、1つ以上の特定の詳細、又は他の方法、構成要素、材料等を用いることなく、様々な実施形態が実施可能であることを認識するであろう。他の例では、公知の構造、材料又は動作については、理解の妨げにならないように示されていないか、詳細には記載されない。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形“a""an"及び"the"は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数に対する言及を含む。したがって、例えば、「アクチュエータ(an actuator)」に対する言及には、複数のそのようなアクチュエータ及びその当業者に既知の均等物等が含まれ、「該アクチュエータ(the actuator)」に対する言及は、1つ又は複数のそのようなアクチュエータ及びその当業者に既知の均等物等が含まれる。本明細書における値の範囲についての詳述は、範囲内に含まれる個々の値を個別に参照する簡略な方法として用いられることを単に意図したものである。本明細書中にて他に示されない限り、個々の値及び中間の範囲は、本明細書中で個別に記載されているかのように明細書中に組み込まれる。本明細書中に記載される全ての方法は、本明細書中で他に示されない限り、又は、文中において明らかに逆のことが示されていない限り、任意の適切な順序で実施され得る。
本明細書にて使用される用語「電子回路」又は「回路(circuitry,circuit)」は、以下に限定されないが、(1つ又は複数の)機能又は動作を実行するためのハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はそれぞれの組み合わせを含んでいる。例えば、所望の特徴又は必要性に基づいて、回路は、ソフトウェア制御マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)のような個別ロジック、又は他のプログラムされるロジックデバイスを含むことができる。また、回路は、ソフトウェアとして完全に具現化されてもよい。本明細書にて使用される場合、用語「回路」は、「ロジック」と同義であるとみなされる。本明細書にて使用される用語「ロジック」は、以下に限定されないが、(1つ以上の)機能若しくは動作を実行するための、又は、他のコンポーネントからの機能又はアクションを起こすためのハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はそれぞれの組み合わせを含んでいる。例えば、所望の用途又は必要性に基づいて、ロジックは、ソフトウェア制御マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)のような個別ロジック、又は他のプログラムされたロジックデバイスを含んでいてもよい。また、ロジックは、ソフトウェアとして完全に具現化されてもよい。
本明細書にて使用される用語「プロセッサ」は、以下に限定されないが、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、中央処理装置(CPU)及びデジタル信号プロセッサ(DSP)のような、実質的に任意の数のプロセッサシステム又はスタンドアロンプロセッサのうちの1つ以上を、任意の組み合わせで含んでいる。プロセッサは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラマブル読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ(EPROM)、クロック、デコーダ、メモリコントローラ又は割り込みコントローラ等のような、プロセッサの動作をサポートする様々な他の回路に関連付けられてもよい。これらのサポート回路は、プロセッサ又はそれに関連付けられた電子パッケージングの内部又は外部にあってもよい。サポート回路は、プロセッサと動作的に通信している。サポート回路は、ブロック図又は他の図面において、プロセッサから必ずしも分離して示されていない。
本明細書にて使用される用語「ソフトウェア」は、以下に限定されないが、コンピュータ又は他の電子デバイスに対して機能、動作を実行させる又は所望の通りに振る舞わせるための、1つ以上のコンピュータ読み出し可能又は実行可能な命令を含んでいる。該命令は、ルーチン、アルゴリズム、モジュール又はプログラムのような様々な形態で具現化されてもよく、これらには、動的にリンクされたライブラリから分離されたアプリケーション又はコードが含まれる。また、ソフトウェアは、スタンドアロンプログラム、ファンクションコール、サーブレット、アプレット、メモリに格納された命令、オペレーティングシステムの一部又は他のタイプの実行可能な命令のような様々な形態で実装されてもよい。当業者であれば、ソフトウェアの形態が、例えば、所望のアプリケーションの要件、該アプリケーションが動作する環境又は設計者/プログラマーの要望等に依存することが理解されよう。
いくつかの実施形態では、移動性が向上した車椅子は、使用者の安全性を高める高度なアプリケーション又は機能を提供する。本発明の移動性が向上した車椅子のアプリケーション又は機能は、例えば、急勾配(走行勾配)及び/又は横断勾配を進行する際にシートシステムの位置を維持するための自己水平化機能を含んでおり、それによって、EPWの安定性、(例えば、滑りやすい面上を)走行する際に車椅子の進行方向がコースから外れることを防止する牽引力制御、及び、使用者が縁石又は他の高さ変化(例えば、代表的な実施形態では、縁石、段差の変化又は8インチまでの高さ変化(弧状又は曲線状の高さ変化を含む))を安全に上る又は下りることを可能にする縁石登り/降りを向上させる。本明細書にて使用される場合、表面又は経路の「走行勾配」は、経路に沿った進行方向を基準とした勾配(すなわち、上り坂又は下り坂)である。本明細書にて使用される場合、「横断勾配」は、走行勾配に垂直な表面又は経路の勾配又は傾斜である。
EPWの利用者は、該利用者を可能な限り安全にかつ単独で希望の場所まで運送する移動デバイスに大きく依存している。残念なことに、使用者が、泥、砂、雪及び/又は砂利のような危険な地形や、縁石、急勾配、横断勾配のような建築上の障壁に遭遇する場合がある。本発明者らの研究によれば、車椅子のタイプ間の性能の違いが最も大きくなる状況は、泥、砂利、横断勾配であった。泥については、中輪駆動(MWD)車椅子使用者及び後輪駆動(RWD)車椅子使用者の約70%が泥を避けたのに対して、前輪駆動(FWD)使用者は33%しか避けなかった。MWD及びRWD車椅子と比較した際のFWD車椅子の設計は、この車椅子使用者間における違いを説明し得る。FWD車椅子の場合、大型の駆動輪が前部にあり、前輪キャスターが泥を掘り下げてしまう可能性を低減又は排除する。同様の観察は、砂利の場合にも行われ得る。しかしながら、砂利を避けることについては、MWD使用者とRWD使用者との違いがはるかに大きいことが判明した。この点について、RWD車椅子使用者の54%が砂利を避けたのに対し、MWD車椅子使用者は31%、FWD車椅子利用者は17%であった。異なる車椅子のタイプ間の違いは、例えば、RWD車とMWD車椅子との間の重量分布の違いのために生じている可能性がある。RWD車椅子の重量は典型的には前方寄りになり、キャスターが砂利を掘り下げてしまう可能性がある。しかしながら、MWD車椅子の場合、重量は中心寄りになる。横断勾配の場合には、RWD使用者は、FWD使用者(50%)及びMWD使用者(62%)と比較して、横断勾配を避ける傾向が最も低かった(31%)。MWD車椅子は主に屋内で使用するために設計されていることから、MWD使用者は屋外を走行する際により大きな困難を伴うため、このような結果が生じている可能性がある。
ある1つの研究に参加した車椅子使用者の50%以上が、以下に示す状況が困難であったことを表明した:平坦でない地形、砂利、急勾配の上り走行、泥及び濡れた草。さらに、参加者の50%が避けた走行状況には、泥、柔らかい砂、氷、車輪の1つが地面から離れた走行、雨及び横断勾配が含まれていた。
代表的な移動性向上ロボット車椅子10(移動性向上ロボット又はMEBotと称されることがある)は、例えば上述のような車椅子使用者からのフィードバックに基づいて設計された。いくつかの高度な、例えば、車椅子10の屋外移動性能を改善するアプリケーション又は機能には、選択可能な駆動輪位置、自己水平化、縁石登り及び牽引力制御が含まれる。また、移動性能を改善することに加えて、車椅子10のいくつかの機能は安定性をも高めて、重傷や死に至る車椅子の転倒及び/又は転落のおそれを最小限に抑える。
車椅子10は、例えば図1A〜図2Dに示される実施形態では、6つの車輪を含んでいる。この点において、車椅子10は、2つの前輪キャスター又はキャスター20a及び20b、2つの後輪キャスター又はキャスター40a及び40b、並びに、2つの駆動輪60a及び60bを含む。駆動輪60a,60bは、前輪キャスター20a、20bと後輪キャスター40a、40bとの間に配置されている。前輪キャスター20a,20b、後輪キャスター40a,40b及び駆動輪60a,60bのそれぞれは、それらのための関連するアクチュエータシステムによって独立して制御可能である。アクチュエータシステムは、例えば、作動技術において知られているように、電気式、電気機械式、空気圧式、油圧式等であってもよい。本明細書にて使用される場合、用語「アクチュエータ」、「アクチュエータシステム」及び同様のものは、機構又はシステムを動かす及び/又はその動きを制御するように動作可能な部品又は要素を指す。アクチュエータシステムは、車輪を持ち上げ又は降ろして、それにより、例えばベースの高さを増減させたり、車椅子10を前後方向及び横方向に均一の高さにしたりすることができる。さらに、車輪又はキャスターのそれぞれの垂直位置を独立して制御することができるため、車輪/キャスターは、車椅子10のシートの向き/位置を制御しつつ地形に沿うことができる。例えば、シートの向き/位置は、車椅子10が平坦でない地形を通過している間に、スペース内に固定された又は実質的に固定された状態に維持され得る。本明細書にて使用される用語「垂直位置」は、図2Cに示すように、車椅子10の垂直軸Vに関連する位置又は該垂直軸Vの方向における位置を示す。用語「高さ」は、車椅子10に関して使用される場合、垂直軸Vの方向における位置を示す。動力駆動輪60a,60bの水平位置又は長手方向位置はまた、例えば障害物の乗り越え、地形の追跡及びクロール機能の実施を補助するために(すなわち、椅子を引っ張るように垂直及び水平動力輪の位置を使用して)、独立して制御されてもよい。用語「水平位置」又は「長手方向位置」は、図2Cに示すように、車椅子10の長手方向軸Lに関連する位置又は該長手方向軸Lの方向における位置を示す。用語「前方」及び「後方」、長手方向軸Iの方向における方向を示し、前方及び類似の用語は、車椅子10に着座した使用者の向きによって定義される車椅子10の前部に向かう方向を示す。
図示の実施形態では、前輪キャスター20a,20b、後輪キャスター40a,40b及び駆動輪60a,60bは、ベース又はメインフレーム部品、フレーム又はベース100に動作的に接続されている。前輪キャスターは、枢動アーム23a及び23bを介して、メインフレーム構成要素100にそれぞれ枢動可能に取付けられている。後輪キャスターは、枢動アーム43a及び43bを介して、メインフレーム構成要素100にそれぞれ枢動可能に取付けられている。駆動輪60a及び60bは、枢動アーム63a及び63bを介して、フレームにそれぞれ取付けられている(例えば、図1A及び図1Bを参照)。シートアセンブリ200は、バックレスト210、シート220、アームレスト230及びレッグレスト240を含んでおり、メインフレーム構成要素100の上部に取付けられている。制御システムインタフェース300は、例えば、ジョイスティック310及び/又は様々な他のコントローラ(例えば、ボタン等)を含んでおり、アームレスト240の一方に取付けられている。制御システムインタフェース300は、制御システム350(例えば、図1Eを参照)と動作的に接続されており、この制御システム350は、例えば、メモリシステム352と動作的に接続されたマイクロコントローラのような1つ以上のコンピュータ/プロセッサを含むプロセッサシステム351を含んでいてもよい。酸素システム500のための取付けシステム又はコネクタシステム520(例えば、図1A参照)は、例えば、シートアセンブリ200のバックレスト210の後方側に設けられていてもよい。
図1Fは、車椅子10用の電子機器の一実施形態についての概略図を示している。図1Fにおいて、DIOはデジタル入出力を表し、AIOはアナログ入出力を表し、POTは電位差計を表し、6−DOF IMUは6自由度の慣性測定ユニットを表し、PWMはパルス幅変調を表し、PSFは動力シート機能を表し、B/FMLは前/後の左側中輪、B/FMRは前/後の右側中輪を表す。図1Fにおいて、dsPICは、アリゾナ州チャンドラーのMicrochip Technology社から入手可能なデジタル信号コントローラを示す。EXB/Cobraは、オレゴン州テュアラティンのVersaLogic社から入手可能な組み込みボードコンピュータを表す。
図7は、制御システム350のいくつかの要素及びそれらのための区画を示す。図示の実施形態では、第1の後部電子機器ボックス又は区画110は、フレーム部品100に取付けられており、サーボドライバ112(例えば、カリフォルニア州カマリロのAMCすなわちAdvance Motion Controls社から入手可能)を包含している。このサーボドライバ112は、駆動輪60a及び60bのハブモータ61a及び61b(例えば、図1Dを参照)に与えられる電圧を、例えばパルス幅変調信号すなわちPWM信号を用いて制御するために使用される。直角駆動列を備えた(1つ又は複数の)標準的なモータもまた、駆動輪60a及び60bに動力を供給するために使用され得る。第2の後部電子機器ボックス又は区画120は、フレーム部品100に取付けられており、制御システム350のプロセッサシステム351とセンサシステム370のセンサとの間の通信のための電力線分配システム及びセンサインタフェースボード122を包含している。いくつかの実施形態では、センサシステム370のセンサは、空気圧用の4つの位置センサ及び4つの圧力センサ、前輪キャスター用の2つの位置センサ、4つのエンコーダ(2つは各駆動輪60a、60bの各速度測定用、2つは各駆動輪60a、60bの水平位置測定用)、3つの追加のアナログ信号、及び、プロセッサシステム351とサーボドライバ112との間のインタフェースを含んでいる。電力線分配システムは、バッテリーパック130のバッテリーからドライバ112、電子機器システム及び中継基板ボックスに電力を供給する。後部電子機器ボックス110及び120に加えて、電子機器システムは、コンピュータボックス351a(図1Eに概略的に図示される)と、中継基板ボックス(図示しない)と、空気圧マニホールド130と、制御システムインタフェースシステム300とをさらに含んでいる。この制御システムインタフェースシステム300は、例えば、ジョイスティックインタフェース310と、グラフィカルインタフェース320とを含んでいる。いくつかの実施形態では、コンピュータボックス351aは、電子機器ボックスの残りの部分及び車椅子10のアプリケーション/機能を制御するプログラム可能なマイクロコントローラ(例えば、上述のDsPIC(登録商標)デジタル信号コントローラ)を含んでいる。制御システムインタフェース/ジョイスティックインタフェース300は、コンピュータボックス351aに入力信号を提供することによって、ドライバ112を用いて駆動輪60a、60bの速度及び加速度を制御し、空気圧マニホールド130を通じて後輪キャスター40a、40b及び駆動輪60a、60bに関連する空気圧の垂直運動を調整し、前輪キャスター20a、20bの高さを制御して、シート機能の移動を制御し(例えば、シート220の傾斜の(重力の向きに対する)前方/後方角度、シート220の傾斜の側方角度及び/又はバックレスト210のリクライニングの角度、並びに、レッグレスト240の位置を、図1Aに概略的に示されているアクチュエータシステム260における1つ以上のアクチュエータによって制御し)、中継基板ボックスを通じて駆動輪60a,60bの水平移動を制御する。加えて、コンピュータボックス351aは、例えば任意の信号エラーを補償するために、センサインタフェースボード122からフィードバック信号を受信する。患者の健康のためのシート機能及びその調節は、例えば、米国特許出願公開第2015/0209207号において論じられており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
グラフィカルユーザインタフェース320は、例えば、モード又は機能(例えば、縁石を登る、地形に沿う、方向制御、牽引力制御、クロールモード、走行モード、シート機能、階段を登る等)を表示及び変更するために使用されてもよい。最大速度、最大加速度、位置範囲、角度範囲のような使用者に固有のパラメータ設定が設定され得る。アプリケーションソフトウェアは、メモリシステム352に記憶され、プロセッサシステム351によって実行され、以下に示す事項のためのリアルタイム制御を含むことができる:方向制御、縁石、牽引力制御、地面反力の最適化、重量シフト、障害物検出/乗り越え、階段、シート機能、標準走行等。いくつかの実施形態では、メモリシステム325に格納され、プロセッサシステム351によって実行可能な連携ソフトウェアには、アプリケーションの競合解消、優先順位の設定及び複数の時間スケール制御(例えば、障害物を乗り越えながらの走行又は向きを維持しながらの走行)の管理に対するリアルタイム制御が含まれる。基本的なシステム状態制御には、例えば、センサ、増幅器、モータ、空気圧及び他の基本システムの状態を記録することが含まれる。安全モード制御には、例えば、センサ、アクチュエータ又は他の基本制御要素の損失の結果としての性能の低下又は安全性の悪化に対する応答が含まれる。インタフェースは、データの記録、ソフトウェアの更新、使用者設定の維持等を行うため、例えば、スマートフォン、タブレット、インターネット接続等のために提供されてもよい。
図1Gは、種々異なるスレッド及びアプリケーションに対するマスタースレーブ方式を組み込んだ制御方法の実施形態についての、概略的な高水準表現を示す。図1Gの実施形態では、マスターは、任意の障害又はエラーをチェックし、それによって車椅子100の内外の安全を確保するために、各アプリケーションを監視している。図1Gの制御方法は、例えば、図1Eの制御システムインタフェース300によって実施されてもよい。
いくつかの実施形態では、車椅子10の駆動輪の位置は、車椅子10をFWD、MWD又はRWDのEPW(それぞれ図8A、8B及び8C参照)として構成するように、使用者によって選択可能である。これらの種々異なる構成は、車椅子10の操縦性及び走行ダイナミクスに影響を及ぼす。さらに、駆動輪の位置は、車椅子10の安定性及び車椅子10の重心に対する操作の容易性にも影響を及ぼし得る。図示の代表的な実施形態では、駆動輪20a及び20bは、例えば、図8Bにおいて図示されている中輪の位置から7インチ前方及び後方に位置していてもよい。当業者には明らかなように、駆動輪60a、60の駆動範囲は、工学的原理に基づく実施可能な変更によって、7インチより小さく又は大きくされていてもよい。駆動輪の位置は、使用者の好み及び/又は使用者が走行している地形/障害物のタイプに基づいて、制御システムインタフェース300を介して使用者により選択されてもよい。したがって、図示の代表的な実施形態では、駆動輪60a及び60bは、前輪駆動EPWの構成から後輪駆動EPWの構成にまで、合計14インチ動くことができる。図示の実施形態では、駆動輪60a,60bの水平方向又は長手方向の動きは、ラック・ピニオン機構を駆動するウォームギヤモータ64a及び64bを使用して提供される。ラック66bは、例えば、図3及び図5に示されている。駆動輪60a及び60bは、一組の線形軸受レールに沿って案内される。線形軸受レール68b及び69bは、例えば図5に図示されている。車椅子10の両側におけるウォームギヤモータ及びラック・ピニオン機構は、図示の実施形態では同一である。いくつかの実施形態では、駆動輪60a及び60bのそれぞれは、独立して前方又は後方に動くことができる。
一般的に、MWD位置は、駆動輪60a及び60bが車椅子10の中心に配置される結果、典型的には最も高い操縦性を有している。そのような駆動輪60a及び60bの中央配置では、車椅子自身の車輪前後間隔の範囲内で360度回転することが可能になる。しかしながら、いずれかの前輪キャスター20a若しくは20b又はいずれかの後輪キャスター40a若しくは40bが横方向の力を受けると、車椅子10はコースから外れる可能性がある。2番目に操作が容易な構成は、FWD構成である。FWD構成では、車椅子10は、障害物を登る際又は荒れた地形の上を進む際に、径のより大きい駆動輪60a及び60bが最初に障害物に接触するため、より良好に機能し得る。しかしながら、駆動輪60a及び60bは、その重心が椅子の後方にあるため、平坦でない地形上を走行する際又は高速で走行する際には操縦が困難である。RWD構成は、高速時に最も安定かつ制御が簡易である傾向があるが、MWD又はFWD構成における操縦性が不足している場合がある。
このようにして、各構成は、それぞれ特定の状況下において、改善された牽引力及び操縦性を提供することができる。さらに、車椅子10が砂又は砂利のなか走行する際に駆動輪60a及び60bの両方に対する牽引力を失うと、駆動輪60a及び60bの牽引力を回復できるまで、尺取り(クロール)運動によって、車椅子は前方又は後方にクロールすることができる。そのような尺取り又はクロール運動は、各駆動輪60a及び60bの位置が垂直及び水平方向/長手方向の両方で独立して調整可能であるため、行うことができる。この操作モードにより、車椅子10は、駆動輪60a及び60bを持ち上げて長手方向に移動させて、それにより障害物(例えば、経路中の岩)を乗り越えることができる。例えば、駆動輪60a,60bが空転又はグリップを失う滑りやすい(例えば、氷で覆われていたり、ぬかるみのような)又は不安定な(例えば、砂)表面上において車椅子10が動けなくなった際に、クロールによって牽引力を最大にする。いくつかの実施形態では、クロールは、全ての車輪の垂直方向の動きと、駆動輪60a,60bの水平方向の動きとを使用する。
上述のように、前輪キャスター20a,20b、後輪キャスター40a,40b及び駆動輪60a,60bのそれぞれの垂直位置は、独立して制御可能である。図8D〜図8Fに示すように、駆動輪60a,60bの長手方向位置は、独立して制御可能である。図9〜図11に示すように、前輪キャスター20a,20b、後輪キャスター40a,40b及び駆動輪60a,60bの垂直位置の調整は、車椅子10の自己水平化を行うために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、ここでの自己水平化アプリケーション(例えば、メモリシステム352内に格納されたソフトウェアにおいて少なくとも部分的に具現化されてもよい)は、フレーム100の「ゼロ角度位置」を検出するために較正を行う。ゼロ角度位置は、車椅子10が平坦な地面上にあると共に各車輪が平坦な地面上に載置された状態で同じベースレベルにある際における位置又はフレーム100と定義される。較正の後に、センサシステム370のセンサ(図1Eに概略的に表される)は、車椅子10が表面上を走行する際に、フレーム100のピッチ及びロール角を検出する。センサシステム370は、例えば、1つ以上の位置センサ、1つ以上の圧力センサ、1つ以上の慣性測定ユニット等を含んでいてもよい(例えば、図1F参照)。それぞれの駆動輪60a及び60bと動作的に接続された空気圧アクチュエータ62a及び62b、並びに、それぞれの後輪キャスター40a及び40b上にある空気圧アクチュエータ42a及び42bは、車椅子10が走行している表面の勾配角に基づいて収縮又は伸長する。例えば、図9に示すように車椅子10が丘を登るとするならば、後輪キャスター40a及び40bは、例えば、上り斜面及び水平フレーム100(及びこれに接続されたシート220)によって生じる角度を相殺するように、空気圧アクチュエータ42a及び42bによって伸長される。図10は、例えば、下り坂勾配によって水平フレーム100(及びこれに接続されたシート220)に生じる角度を相殺するために、後部キャスター40a及び40bを空気圧アクチュエータ42a及び42bによって収縮することを示す。別の例では、車椅子10が、勾配が右から左へと(図11に示すように)高くなる勾配面を横切って走行している際に、右側の駆動輪60a及び後輪キャスター40bが伸長すると共に左側の駆動輪60b及び後輪キャスター60bが収縮してもよく、それによって傾斜を相殺する。この(1つ又は複数の)自己水平化アプリケーション又は機能によって、下り勾配、上り勾配、横断勾配又は平坦でない地形を走行する際の、車椅子10の安定性並びに使用者の快適性及び安全性が増加する。車椅子10の前輪キャスター20a,20b、後輪キャスター40a,40b及び駆動輪60a,60bのそれぞれは、(駆動輪60a、60b及び後部キャスター40a,40bのそれぞれの場合には)関連する空気圧アクチュエータ42a,42b及び62a,62bによって、並びに、(前輪キャスター20a,20bの場合には)電動アクチュエータ22a,22bによって、上下に動かされる能力を有する。いくつかの実施形態では、アクチュエータ22a及び22bは、(例えば、図20A〜図20C及び図21に示すような)空気圧アクチュエータであった。図2E及び図2Fに示すように、前輪キャスター40a,40bのアクチュエータは、例えば、空気圧アクチュエータ22a’,22b’及びガススプリング23a’,23b’もまた含んでいてよい。車椅子10の前輪キャスター20a,20b、後輪キャスター40a,40b及び駆動輪60a,60bの垂直位置を独立して制御することにより、車椅子10が勾配又は平坦でない地形で運転されている間に、車椅子10は、シートシステム200の同じ位置/向きを維持することによって、その重心を変化させることが可能になる。多くの代表的な実施形態では、車椅子10が自己水平化を実行可能な最大勾配及び横断勾配は、それぞれ16.84°及び20.31°である。当業者は、これらの最大勾配及び/又は横断勾配が、工学的原理を使用して、容易に修正できることを理解するであろう。センサシステム370のセンサは、シートシステム200の位置を監視してもよい。前輪キャスター20a,20b、後輪キャスター40a,40b及び駆動輪60a,60bのそれぞれは、地形の角度を相殺すると共にシートシステム200の位置を維持するように上方又は下方に動くことができ、それにより安定性が向上する。上述したように、車椅子10は、約20.31°までの横断勾配及び約16.84までの勾配についてのシートシステム200(すなわち、シートシステム200)の位置を維持することができ、それによってのシート220の表面の自動及び/又は手動での自己水平化を提供する。いくつかの代表的な実施形態では、シートの向きは、最大18度の走行勾配及び/又は最大20度の横断勾配にわたって(又は、車輪の垂直動作の範囲にわたって)、横方向及び長手方向において、+/−5、+/−2.5又は±1度の水平(すなわち、重力場の方向に対して垂直)範囲内に維持される。車椅子10の自己水平化のためのアルゴリズムの例は、例えば、以下に記載される。
車椅子のサスペンションの制御は、本体振動全体を軽減又は改良するためにも使用され得る。この点において、アクチュエータの剛性は、シートシステム200の3D加速度及び3D角加速度を最小にするように制御されてもよい。3D加速度及び3D角加速度を制御するアルゴリズムは、例えば、上述のような自己水平化(即ち、方位又は姿勢制御)に類似していてもよいが、制御変数はデカルト位置及び角度位置の代わりに線形加速度及び角加速度となる。
多くのEPWは、縁石を登ることができず、具体的には、(例えば高さ8インチまでの)大きな縁石を登ることができない。車椅子10の場合、縁石(段差の変化)登りアプリケーション又は機能(例えば、メモリシステム352内に格納され、プロセッサシステム351によって実行可能なソフトウェアにおける少なくとも部分的な実施形態であってもよい)は、車椅子10の前輪キャスター20a,20b、後輪キャスター40a,40b及び駆動輪60a,60bのそれぞれの垂直移動、並びに、駆動輪60a,60bの水平方向又は長手方向の動きを使用する。縁石登りアプリケーションが起動されると、車椅子10は、例えば、(例えば高さ8インチまでの)縁石を登るためのステップのシーケンスを自動的に実行してもよい。この縁石登りアプリケーションによって、使用者が縁石に乗り上げる又は縁石から降りることを望む場所の近くではカーブカットが利用できない場合に、カーブカットを探す必要がなくなる。さらに、この代替的な走行アプリケーション又は機能によって、車椅子が高さ8インチまでの環境障壁を乗り越えることが可能になる。
順方向の縁石登りシーケンスを、図12A〜図12Iに示す。車椅子10は、例えば、前方又は後方のいずれかに走行している間に、縁石を上り下りすることができる。これは、使用者が望んでいるか状況が必要としているかを問わない。例えば、人は、道路を渡るために縁石から下りて前方へ走行したが、車が接近してきていることに気づいて、該縁石の上へと後退又は逆戻りすることがある。図12A〜図12Iでは、符号が密集して混乱することを防ぐため、車椅子10の全要素にまでは符号を付していない。車椅子10の使用者が道路を安全に渡り、縁石700に登って、交通の通路から抜け出すために、これらの全プロセスは、推定30秒で完了され得る。該シーケンスについては、括弧内に記載される各動作における時間の推定値と併せて、以下でさらに詳細に説明する。図12Aに示すように、使用者は、縁石700に接近して、縁石登りアプリケーションを起動する(0秒)。図12Bに示すように、車椅子10は、上述のように、駆動輪60a,60b及び後輪キャスター40a,40bと動作的に接続された空気圧アクチュエータによって、最高位置(8インチ)まで上昇する(1秒)。図12Cに示すように、車椅子10は、駆動輪60a,60bが縁石700と接触するまで縁石700に接近する(4秒)。次に、車椅子10は、図12Dに示すように、アクチュエータ22a,22bによって前輪キャスター20a,20bを縁石700上へと下降させる(6秒)。図12Eに示すように、車椅子10は前方に走行し、それと同時に駆動輪60a,60bを空気圧アクチュエータ62a,62bによって持ち上げる(10秒)。車椅子10は、図12Fに示すように、駆動輪60a,60bが縁石700の頂部に来るまで駆動輪60a,60bを持ち上げ続ける(12秒)。車椅子10は、図12Gに示すように、前輪キャスター20a,20bもまた持ち上げつつ、後輪キャスター40a,40bが縁石700に接触するまで前方に走行する(15秒間)。図12Hに示すように、車椅子10は、前方に走行すると同時に、後輪キャスター42a,42bが縁石700の頂部に来るまで後輪キャスター40a,40bを空気圧アクチュエータ42a,42bによって持ち上げる(18秒)。図12Iに示すように、車椅子10は縁石700を登り切り、使用者は通常の走行を再開するために縁石登りアプリケーションを終了させてもよい(22秒)。
図13A〜図13Jは、車椅子10によって段差又は縁石を下りている状態を示す。図13Aでは、車椅子10は、下りることになる縁石に接近し、使用者は、縁石登りアプリケーション又は機能を起動する。図13Bでは、車椅子10は、駆動輪及び後輪キャスター上のアクチュエータによって、その最も低い位置まで上昇する。図13Cでは、車椅子10は縁石に接近し、前輪キャスターは縁石の上に延びている。図13Dでは、車椅子10の前輪キャスターは、地面と接触するまで下降させられる。図13Eは、図13Dの位置から前方に駆動されると同時に、駆動輪に関連するアクチュエータによって該駆動輪を下降させている、車椅子10の側面図を示す。図13Fでは、駆動輪が地面に接触するまで/低い方の高さまで駆動輪がさらに下降させられている。図13Gは、前方に駆動される車椅子10の側面図を示し、ここで、駆動輪はそれらの最も前方の位置から最も後方の位置へと動かされる。これにより、フレームは、縁石の上部との接触が後輪キャスターによって維持されている間に、前方に向かう。図13Hでは、車椅子10は、後輪キャスターが縁石に接触しなくなるまで、図13Gの位置から前方に駆動される。図13Iでは、フレームが最低地上高まで下降させられて、6つの車輪の全てが地面と接触している。図13Jは、駆動輪が最も前方の位置に動かされ、前輪キャスターが地面から持ち上げられている、車椅子10の側面図を示す。これは、図13Aに示されているものと同じ構成である。
図14A〜図17Cは、平坦でない地形上を進行している車椅子10を示す。図14A〜図14Cでは、車椅子10は、屋外の構成にて平坦でない地形に接近しており、車椅子10のフレームの地上高は約5インチである。図15A〜図15Cでは、車椅子10の左側の駆動輪は、平坦でない地形の外形を相殺する又は該外形に沿うように上方へと移動している。図16A〜図16Cでは、車椅子10は前方に移動し続けて、その右側の平坦でない地形に接近している。左の駆動輪は、左側の平坦でない地形を進行した後に元の位置に戻り、右の駆動輪と左の後輪キャスターは、平坦でない地形の外形を相殺する又は該外形に沿うように上方へと移動している。図17A〜図17Cでは、右の後輪キャスターが平坦でない地形に接触すると、車椅子は前方に移動し続ける。右の後輪キャスターは、平坦でない地形を相殺するように上方へと移動し、右の駆動前輪と左の後輪キャスターとが元の位置に戻る。
図18Aから図18Dは、車椅子10の動作のクロールモード又は尺取りモードを示す。図18Aは、駆動輪が泥、砂、砂利、氷等の中で滑るために車椅子が動けない車椅子10であって、駆動輪が最も前方の位置にある車椅子10を示す。図18Bは、前輪キャスターが地面に接触するまで延ばされると共に、両駆動輪がそれらの最も後方の位置に動かされる。その結果、フレームが前方に動かされる。図18Cは、フレーム及び駆動輪を地面から持ち上げるように、前輪及び後輪キャスターが延ばされている様子を示す。図18Dは、駆動輪が地面から持ち上げられている間に最も前方の位置に動かされる様子を示す。図18Eは、フレーム及び駆動輪が図18Dの位置から地面に接触するまで下降する様子を示す。図18A〜図18Eの動作又はプロセスは、車椅子及びその使用者が動けるようになるまで繰り返されてもよい。
階段の上り下りプロセス、アルゴリズム又はルーチンの実施形態は、図19A〜図19Oに関連して示される。図19Aは、後輪駆動又は後退位置において階段に接近している車椅子10を示す。図19Bでは、車椅子10は、前輪キャスター20a,20b及び駆動輪60a,60bを下方へと延ばして、それによりフレーム100をその最も高い位置まで上昇させる。図19Cでは、車椅子10は、駆動輪60a,60bが第1の段に接触するまで後退する。図19Dは、車椅子19が前輪キャスター20a,20bを持ち上げると同時に、シートシステム200を背後方向又は後方へと同時に傾斜させている様子を示す。図19Eでは、車椅子10は、駆動輪60a,60bを前方位置まで移動させ、フレーム100の底部を第1段及び第2段上に寄り掛からせ、その間、前輪キャスター20a,20bは地面と接触し続けている。次に、車椅子10は、図19Fに示すように、駆動輪60a,60bを持ち上げる。続いて、車椅子10は、図19Gに示すように、駆動輪60a,60bを第1段上部にて動かす。続いて、図19Hに示すように、車椅子10は、駆動輪20a,20bを延ばして、それによりフレーム100を持ち上げ、その間、前輪キャスター60a,60bは地面と接触し続けている。続いて、車椅子10は、図19Iに示すように、駆動輪60a,60bをその前方の位置に移動させ、フレーム100の底部を第2段及び第3段上に寄り掛からせる。次に、車椅子10は、図19Jに示すように、駆動輪60a,60bを持ち上げ、駆動輪60a,60bを第2段上部にて動かす。続いて、車椅子10は、駆動輪60a,60bを延ばして、それによりフレーム100を持ち上げると同時に、後輪キャスターを階段頂上部に接触するまで延ばす(図19K)。次に、車椅子10は、駆動輪60a,60bを持ち上げ、その間に後輪キャスター40a,40bもまた持ち上げて、それによりフレーム100を階段頂上部に接触させる(図19L)。続いて、図19Mに示すように、車椅子10は、駆動輪60a,60bを最も高い位置まで持ち上げる。この位置から、車椅子10は、駆動輪60a,60bを最も後方の位置へと動かし、その間、フレーム100は、階段頂上部と接触し続けている。(図19N)。その後、図19Oに示すように、車椅子100は、駆動輪60a,60bを最も前方の位置へと動かし、シートシステム200を前方へと傾け、それにより階段登りプロセスを完了する。いくつかの実施形態では、下りプロセスは、例えば、上述の上りプロセスを逆行させたものであってもよい。
図20A〜図20Cは、上り/登り及び/又は下り動作を容易にするために横揺れ防止又は停止機構が使用される、別の実施形態の車椅子100’を示す。所定の状況では、上り/下りシーケンスの安全性を高めるため、例えば図19C〜図19Dに示すように、前輪キャスター/前輪20a,20が特定の位置(例えば、それらの最も低い位置)まで下降した際に、車椅子100の動きに対して抵抗を与える又は該動きを止めることが望ましいことがある。前輪キャスター又は前輪20a,20bは、例えば、制動技術分野において既知の作動可能な制動機構を含んでいてもよい。図20A〜20Cの実施形態では、枢動アーム23a,23b(図20A〜20Cの側面図には、枢動アーム23bのみが示されている)は、延在する当接部/部材、停止部/部材又は足部/部材23aa,23bbを含んでいる。当接部材23aa,23bbは、前輪キャスター20a,20bの半径範囲を超えて延在している。前輪キャスター20a,20bが上昇位置(例えば、図20A参照)にある間、当接部材23aa,23bbは、例えば、車椅子100が前輪駆動動作モードにある際には、転倒防止部材として作用してもよい。当接部材23aa,23bbは、例えば、車椅子100の重心があまりにも前方へと動いた場合に、車椅子100が前方に転倒することを防止してもよい。前輪キャスター20a,20bが回転位置(例えば、図20B参照)にある際には、前輪キャスター20a,20bは典型的な前輪キャスターとして動作し、それにより車椅子100が動けるようになる。この構成は、例えば、車椅子が中/後輪駆動運転モードにある場合に使用されてもよく、階段及び/又は縁石の上り又は下りシーケンス中に使用されてもよい。前輪キャスター20a,20bが下方位置又は停止位置(図20C)にある際には、当接部材23aa,23bbは、車椅子100が位置している地形/面と接触/当接することによって「停止具」又は「足」として作用し、車椅子100の前方/後方への動きに対する抵抗を与える又は該動きを防止する。この構成は、例えば、階段上り下りシーケンスの間に使用されてもよい。
濡れた面、氷で覆われた面又は雪が積もった面のような表面の状態により、EPWでは駆動輪の1つが滑る(牽引力を失う)ことがあり、その結果、EPWがコースから外れることになる。このようにしてコースから外れると、使用者は、所望の経路又は歩道から外れてしまう可能性があり、それにより車椅子から転倒又は転落して、結果的に重傷を負うことがある。この問題に対処するために、車椅子10の牽引力制御特性又は機能は、駆動輪60a,60bの任意の滑りを感知して滑っている車輪の速度を自動的に下げ、それにより使用者が所望の移動経路を維持するようにして、動けなくなる及び/又は転倒する危険性を低下させる。さらに、車椅子10の前輪キャスター20a,20b、後輪キャスター40a,40b及び/又は駆動輪60a,60bの重量分布は、活動性及び地形に応じて牽引力及び運転性能を最大にするように調整/最適化され得る。車椅子10の前輪キャスター20a,20b、後輪キャスター40a,40b及び駆動輪60a,60bは、フィードバック制御により独立して動かされ得ることから、シートシステム200に対する衝撃、振動及び位置ずれ、またそれによる使用者に対する衝撃、振動及び位置ずれを最小限にするために、地面に沿うサスペンション及びアクティブサスペンションについて使用され得る。
いくつかの実施形態では、牽引力制御は、(1つ又は複数の)駆動輪60a及び/又は60bの角加速度を(例えば、エンコーダを使用して)検知し、該角加速度を、基準コントローラから予期される角加速度又は車輪キャスターの角加速度と比較することによって達成される。(1つ又は複数の)駆動輪60a及び/又は60bの角加速度が所望の角加速度(キャスター又は基準コントローラのいずれかから測定される)より高い閾値を超える場合には、角速度、加速度又はトルクが低減され得る。このような低減が十分でなければ、駆動輪60a及び/又は60bに対する地面反力は、使用者及び車椅子10の重心を再配置することによって、増加又は最大化される。車椅子10の重心は、例えば、シートシステム200を傾けること、駆動輪60a及び/若しくは60bを前方若しくは後方に動かすこと、又は、1つ以上の車輪/キャスターの垂直位置を変更することによって、調整されてもよい。各車輪又はキャスターにおける地面力は、車椅子10の重心制御を支援するために測定されてもよい。
上述のように、重量分布制御及び牽引力の最適化等は、例えば、少なくとも部分的に、各車輪における地面反力及びアクチュエータ位置を感知すると共に、人/車椅子システム200の位置及び向きを調節し、それによって所望の目的を達成してもよい。例えば、堅いが滑りやすい表面(例えば、氷)上では、重量は、駆動輪にわたって最大化されてもよい。しかしながら、不安定な表面(例えば、砂や砂利)上では、重量は、6つの車輪全てにわたって均等に分配されてもよい。より複雑な状況では、車輪が障害物(例えば、石又は隆起)、柔らかいスポット又は穴(例えば、窪み穴)に遭遇した際には、地面反力及びアクチュエータ位置の組み合わせを使用して、それにより重量分布をシフトさせることができる。カメラ、レーザー、又はレーザー検出若しくは測距(LADAR)、あるいは他のセンサは、安全でない状況になる前に予測及び対応をするために使用され得る。
車椅子10の独立して制御される前輪キャスター20a,20b、後輪キャスター40a,40b及び駆動輪60a,60bにより、車椅子10の地上高が調整可能であってもよい。屋内使用については、例えば、車椅子10がより低い地上高にある通常のオフィスデスクの下で走行できるように地上高が調整され得る。屋外を進行する際には、荒い地形や障害物上を走行するために、より高い地上高が使用され得る。
車椅子10はまた、圧迫潰瘍を防止するために側圧逃がしを行う機能を提供して、使用者の快適性を向上させてもよい。これに関し、車椅子10の左右の高さは、車椅子10の前輪キャスター20a,20b、後輪キャスター車40a,40b及び駆動輪60a,60bの垂直位置を調整することにより、上述のように調節可能であってもよい。車椅子10の前輪キャスター20a,20b、後輪キャスター40a,40b及び駆動輪60a,60bは、例えば、側圧を生じさせるシートシステム200の向きを定期的に変更するように調整されてもよい。
車椅子10の高度なアプリケーション又は機能は、独立して及び/又は併せて、車椅子10の使用者が多くの障害及び懸念される状況を克服できるようにする。濡れた草、雪、氷又は雨のような表面上で滑ることについては、例えば、泥、柔らかい砂又は砂利の中で動けなくなることを防ぐために使用可能な牽引力制御アプリケーションによって対処される。さらに、選択可能な駆動輪の位置決めは、使用者が動けなくなった場合に、それらが牽引力を回復するために駆動輪60a,60bを再配置させることによって、用いられてもよい。さらに、安定性を失うこと及び転倒することについての重要な懸念は、使用者が上り、下り又は横断して走行する平坦でない地形又は勾配に基づいてシートシステム200及び車椅子10の重心を自動的に調整する自己水平化アプリケーション又は機能によって対処される。縁石登りアプリケーション又は機能は、車椅子10の安定性及び使用者の安全性を保つように自動的に実行される一連のステップを通じて高い縁石を上る又は該縁石から下りる際に転倒する懸念にさらに対処する。車椅子10の高度なアプリケーション及び機能の開発は、例えば屋外環境において、EPW使用者が遭遇する危険な運転状況及び懸念に対処する。車椅子10を使用することは、使用者に安全感、独立感及び生活の質の向上を提供する。
本発明の車椅子10のような車椅子の場合には、重力及び/又はシートの高さに対する静的なシートの向きの制御は、上述のような車椅子10の前輪キャスター20a,20b、後輪キャスター40a,40b及び駆動輪60a,60bの垂直方向の制御を介したメインフレーム部品100の向き及び高さの調節によって達成され得る。本発明の車椅子において、メインフレーム部品100の向きによる静的なシートの向きの制御は、シート機能アクチュエータ260による静的なシートの向きの制御に加えて又は該制御に代えて行われ得る。後方の傾き(シートのベースの角度)は、前輪キャスター20a,20b及び後輪キャスター40a,40bに対する駆動輪60a,60bの相対的な高さを使用することによって制御され得る。前輪駆動モードでは、駆動輪60a,60bが後輪キャスター40a,40bに対して上昇し、後輪駆動モードでは、前輪キャスター20a,20bが駆動輪60a,60bよりも高く上昇している。前方の傾きの場合には、車輪の高さは逆になる。さらに、起立移動及び枢動移動のような移動を支援するため、該ベースは、本発明の前輪/後輪キャスターと駆動輪との動きの組み合わせを用いて、前方に上昇及び傾くシーケンスを操作してもよい。
シートの上昇は、目線の高さで会話を行う、移動を容易にする又はより高い領域に届かせる等のために行われるが、これは本発明の車椅子の駆動輪及びキャスターを上昇させることによって達成され得る。シートの横方向の傾きは、体位の変形への対応又は痛みの緩和のために使用されることがある。横方向の傾きは、左側及び右側の車輪の高さを互いに対して変更することにより達成され得る。
いくつかの実施形態では、車椅子10及び本発明の他の車椅子のシート220は、メインフレーム部品100に固定されていてもよい(すなわち、メインフレーム部品100に対して動かせなくてもよい)。従来の動力シート機能における少なくともいくつかの機能は、拡張された移動性と共に、上述のようにして達成されてもよい。この点に関し、メインフレーム部品100は、シート220を前後に傾けるため、シート220を横方向に傾けるため及びシート220の高さを調節するために使用されてもよい。そのような実施形態では、アクチュエータシステム206における1つ以上のアクチュエータは、バックレスト210のリクライニング角度を制御するためにバックレスト210と動作的に接続されていると共に、レッグレスト240の位置を制御するためにレッグレスト240と動作的に接続されている。ある程度の動力シート機能をメインフレーム部品100に移動させると、例えば、シートがメインフレーム部品に移動可能に取り付けられている動力式着座機能を有する現在において利用可能な車椅子のいくつかと比較して複雑さが下がると共に重量が低減された車椅子になる。そのような車椅子では、シートは、アクチュエータを介してメインフレーム部品又はベースに移動可能に取付けられており、それによって、前方/後方の傾きの調節、横方向の傾きの調節及びシートの高さの調節が達成される。本発明の車椅子の他の実施形態では、シートは、アクチュエータを介してメインフレーム部品又はベースに移動可能に取付けられおり、それによって、前方/後方の傾きの調節、横方向の傾きの調節及びシートの高さの調節が達成されると共に、メインフレーム部品100の向き及び/又は高さの調節によって提供される調節能力が該シートに付加される。前輪キャスター20a,20b、後輪キャスター40a,40b及び駆動輪60a,60bを調整することによるメインフレーム部品100の向き及び/又は高さの調整に加えて典型的な動力シート機能を提供することは、上述のような階段の上り/下りのような所定の状況において有益であり得る。
自己水平化アルゴリズム
上述したように、アルゴリズムの実施形態は、本発明の車椅子のシートを、車椅子が遭遇し得る勾配上にて維持するために開発されたものである。アルゴリズムは、ピッチ及びロール限界内にフレームを保つために、例えば空気圧アクチュエータ及び枢動連結部を用いて、4つ(又はそれ以上)の独立して移動可能な車輪の動きを制御する。
車椅子使用者の安全性及び独立性を増進するために、本発明の車椅子は、例えば斜面及び横断勾配を縦走する、縁石を登る、階段を登る及び牽引力制御する際に、自己水平化機能を実行してもよい。
2つの駆動輪60a,60b及び2つの後輪キャスター40a又は40bは、例えば、上述のように駆動輪60a,60b及び後輪キャスター40a又は40bを独立して上り下りさせることを可能にする複動アクチュエータ(それぞれ、62a,62b及び42a,42b)によって動かされる枢動結合部又は結合アームに取り付けられてもよい。また上述のように、センサシステム370は、例えば加速度計と方位を測定するジャイロスコープとを組み込んでいる慣性測定ユニット(IMU)と、空気圧アクチュエータの場合において各空気圧シリンダーのストローク延長部分を測定する位置センサとを含んでいてもよい。
関連するアクチュエータの変位から車輪の位置を知るために、各車輪の機械系についての幾何学モデルを作成した。駆動輪60a,60b及び後輪キャスター/車輪40a,40bについては、関連するアクチュエータの動きによって、各車輪が取付けられているアームの角度が車椅子フレーム上の基準線に対して変化することがわかる。
図21を参照すると、駆動輪アーム63bとアーム63bが枢動する点から水平に延びる線との間の角度dwaは、アクチュエータ62bの変位から一連の三角法の関係を通じて計算され得る。主枢動点(mx,mz)に対する駆動輪60bが地面と接触する位置(dwx,dwz)(ここで、maは(枢動点と駆動輪60bの軸との間における)駆動輪腕63bの長さである)は、単に以下のように与えられる。
(dwx,dwz)=(mx+ma*cos dwa,mz−ma*sin dwa)
各後輪キャスターの位置は、同様の方法でアクチュエータのストロークに関連付けられ得る。
多くの実施形態では、自己水平化が初期化される際に、4つのアクチュエータ(左前、右前、左後ろ、右後ろ)が車椅子の地上高の中間点に設定される。駆動輪60a,60b及び後輪キャスター40a,40bについての最小及び最大の地上高は同じでないため、中間点は最小値の大きい方及び最大値の小さい方から計算されてもよい。この地上高は、自己水平化アルゴリズムのためにz軸上で0として定義されてもよい。
x軸における車輪の位置が計算され得ると共に、0は、この中間地上高において駆動輪と後輪キャスターとの中間点として定義され得る。y軸の車輪の位置はアクチュエータの位置によって変化せず、この軸に沿ったゼロ位置は車椅子の中心線に対応する。
行列currentMは、上記の座標系における各車輪の座標を与える。変換行列との適合性のために、currentM行列は4x4に展開され、以下のように最後の行は1で占められる。
Figure 2018528037
変換行列は、IMUセンサから測定されたピッチφ(ファイ)とロールθ(シータ)の入力を取って、それにより現在の車輪位置において回転を実行する。変換行列はまた、新たな車輪位置をフレームの底部に対して参照させる変換(中間地上高midzの減算)を実行する。
Figure 2018528037
回転行列とcurrentMとの積によって、フレームレベルを保持するために望まれる車輪位置が得られる。フレームの底面に対する各車輪の垂直位置であるZ値は、線形化された方程式に与えられ、それによって各アクチュエータにおける対応する変位が得られる。これらの位置は、続いて、より低レベルの制御システムへと伝達され、それによって空気圧アクチュエータを動かす。
各アクチュエータの現在の位置及び幾何モデルに基づいて、各車輪の実際の位置は、X軸、Y軸及びZ軸内にて計算され得る。車椅子の任意の3つの車輪によって決定される平面のピッチ及びロール角は、それらの車輪のうち任意の1つから他の2つまでのベクトルの外積(例えば、左後輪キャスターから右駆動輪までのベクトルと、左後輪キャスターから左駆動輪までのベクトルとの外積)を取ることによって計算され得る。
幾何学モデルの現在の位置はまた、車輪位置行列currentMを更新するためにも使用される。しかしながら、各車輪のZ値を元の座標系に戻すには、中間地上高を各車輪のZ値に加える必要がある。
車椅子シートが所望の位置に達した際に、IMUセンサはピッチ方向とロール方向の両方でゼロを読み取る。水平度における任意のずれ(モデルの線形化における誤差、X方向における車輪の動きを考慮しない変換行列によって生じる誤差、又は、車椅子が遭遇する勾配における変化のいずれに起因しようとも)は、IMUセンサにゼロでない値を登録させることになる。この値が所定の閾値よりも大きい場合には、自己水平化アルゴリズムは、ピッチ及びロールの両方がそれぞれの閾値を下回るまで反復されることになる。車輪位置行列currentMは、機械的連結部における幾何学的形状の結果として生じる車輪のX位置の変化を含むため、これらのX方向の変化は、他に考慮されない限り、ゆっくりと変化する角度にわたり自己水平化性能には影響を及ぼさないとされる。
前述の説明及び添付の図面は、現時点におけるいくつかの代表的な実施形態を提示している。当然ながら、様々な修正、追加及び代替設計は、前述の教示に照らして、添付の特許請求の範囲によって示される本発明の範囲から逸脱することなく、当業者にとって明らかになるであろう。このことは、前述の説明ではなく、以下の特許請求の範囲によって示唆されている。特許請求の範囲と均等である意味及び範囲内に属する全ての変更及び変形は、それらの範囲内に包含されることになる。

Claims (33)

  1. フレームと、
    前記フレームに取付けられたシートと、
    前記フレームの第1の側における第1の前輪、及び、前記フレームの第2の側における第2の前輪と、
    前記フレームの前記第1の側における第1の後輪、及び、前記フレームの前記第2の側における第2の後輪と、
    前記第1の前輪と前記第1の後輪との間に位置している、前記フレームの前記第1の側における第1の駆動輪、及び、前記第2の前輪と前記第2の後輪との間に位置している、前記フレームの前記第2の側における第2の駆動輪と、
    前記フレームに対する前記第1の前輪の垂直位置を制御するために前記第1の前輪と動作的に接続された第1の前輪アクチュエータと、
    前記フレームに対する前記第2の前輪の垂直位置を制御するために前記第2の前輪と動作的に接続された第2の前輪アクチュエータと、
    前記フレームに対する前記第1の後輪の垂直位置を制御するために前記第1の後輪と動作的に接続された第1の後輪アクチュエータと、
    前記フレームに対する前記第2の後輪の垂直位置を制御するために前記第2の後輪と動作的に接続された第2の後輪アクチュエータと、
    前記フレームに対する前記第1の駆動輪の垂直位置を制御するために前記第1の駆動輪と動作的に接続された第1の駆動輪アクチュエータと、
    前記フレームに対する前記第2の駆動輪の垂直位置を制御するために前記第2の駆動輪と動作的に接続された第2の駆動輪アクチュエータと、
    を備えた車椅子であって、
    前記第1の前輪アクチュエータ、前記第2の前輪アクチュエータ、前記第1の後輪アクチュエータ、前記第2の後輪アクチュエータ、前記第1の駆動輪アクチュエータ及び前記第2の駆動輪アクチュエータのそれぞれは、前記フレームに対する前記第1の前輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第2の前輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第1の後輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第2の後輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第1の駆動輪の垂直位置及び前記フレームに対する前記第2の駆動輪の垂直位置を、独立して制御するように動作可能である、車椅子。
  2. 前記フレームに対する前記第1の駆動輪の長手方向位置を独立して制御するために前記第1の駆動輪と動作的に接続された第1の長手方向駆動輪アクチュエータと、前記フレームに対する前記第2の駆動輪の長手方向位置を独立して制御するために前記第2の駆動輪と動作的に接続された第2の長手方向駆動輪アクチュエータとをさらに備えている、請求項1に記載の車椅子。
  3. 前記第1の前輪アクチュエータ、前記第2の前輪アクチュエータ、前記第1の後輪アクチュエータ、前記第2の後輪アクチュエータ、前記第1の駆動輪アクチュエータ、前記第2の駆動輪アクチュエータ、前記第1の長手方向駆動輪アクチュエータ及び前記第2の長手方向駆動輪アクチュエータと動作的に接続された制御システムをさらに備えている、請求項2に記載の車椅子。
  4. 前記制御システムと動作的に接続されたセンサシステムをさらに備えている、請求項3に記載の車椅子。
  5. 前記センサシステムは、重力に対する前記シートの向きを測定するセンサを備えており、前記制御システムは、重力に対する前記シートの向きを所望の範囲に維持するように、前記フレームに対する前記第1の前輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第2の前輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第1の後輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第2の後輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第1の駆動輪の垂直位置及び前記フレームに対する前記第2の駆動輪の垂直位置のうち少なくとも1つを、独立して制御するように動作可能である、請求項4に記載の車椅子。
  6. 前記制御システムは、重力に対する前記シートの向きを所望の範囲に維持するように、前記フレームに対する前記第1の前輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第2の前輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第1の後輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第2の後輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第1の駆動輪の垂直位置及び前記フレームに対する前記第2の駆動輪の垂直位置のうち複数を、独立して制御するように動作可能である、請求項5に記載の車椅子。
  7. 前記制御システムは、前記車椅子が下り勾配、上り勾配、横断勾配又は平坦でない地形のうち少なくとも1つを進行している際に、重力に対する前記シートの向きを所望の範囲に維持するように動作可能である、請求項6に記載の車椅子。
  8. 前記制御システムは、前記車椅子が縁石、段差の変化又は8インチまでの高さ変化を上り下りしている際に、重力に対する前記シートの向きを前記所望の範囲内に維持するように動作可能である、請求項7に記載の車椅子。
  9. 前記制御システムは、前記車椅子のクロール運動を行わせるように動作可能であり、前記車椅子を経路に沿って引っ張るようにして、前記第1の駆動輪の垂直位置及び前記第1の駆動輪の長手方向位置が変更されると共に前記第2の駆動輪の垂直位置及び前記第1の駆動輪の長手方向位置が変更される、請求項3に記載の車椅子。
  10. 前記制御システムは、重力に対する前記シートの向きを変化させて側圧逃しを行うために、前記第1の前輪アクチュエータ、前記第2の前輪アクチュエータ、前記第1の後輪アクチュエータ、前記第2の後輪アクチュエータ、前記第1の駆動輪アクチュエータ及び前記第2の駆動輪アクチュエータのうち1つ以上を作動させるように動作可能である、請求項3に記載の車椅子。
  11. 前記制御システムは、前記車椅子の地上高を変化させるために、前記第1の前輪アクチュエータ、前記第2の前輪アクチュエータ、前記第1の後輪アクチュエータ、前記第2の後輪アクチュエータ、前記第1の駆動輪アクチュエータ及び前記第2の駆動輪アクチュエータのうち1つ以上を作動させるように動作可能である、請求項3に記載の車椅子。
  12. 前記制御システムは、本体全体の振動を制御するように動作可能である、請求項3に記載の車椅子。
  13. 前記第1の前輪は、前記第1の前輪が既定の下方位置にある際に前記車椅子の長手方向移動に対する抵抗力を提供する、前記第1の車輪に動作的に接続された第1の機構を含んでおり、前記第2の前輪は、前記第2の前輪が既定の下方位置にある際に前記車椅子の長手方向移動に対する抵抗力を提供する、前記第2の車輪に動作的に接続された第2の機構を含んでいる、請求項3に記載の車椅子。
  14. 前記シートは、前記フレームに対して動き得ないように取付けられ、重力に対する前記シートの向きの変化は、重力に対する前記フレームの向きを変化させることによって達成される、請求項13に記載の車椅子。
  15. 前記シートは、前記フレームに対して動き得るように取付けられ、重力に対する前記シートの向きの変化は、前記フレームに対する前記シートの向きの変化及び重力に対する前記フレームの向きの変化のうち少なくとも一方によって達成される、請求項13に記載の車椅子。
  16. 前記シートは、重力に対する傾斜の前方/後方角度、重力に対する傾斜の側方角度及び前記フレームに対する前記シートの高さのうち少なくとも1つを調節するために、アクチュエータシステムを介して前記フレームに取付けられている、請求項15に記載の車椅子。
  17. フレームと、
    前記フレームに取付けられたシートと、
    前記フレームの第1の側における第1の前輪、及び、前記フレームの第2の側における第2の前輪と、
    前記フレームの前記第1の側における第1の後輪、及び、前記フレームの前記第2の側における第2の後輪と、
    前記第1の前輪と前記第1の後輪との間に位置している、前記フレームの前記第1の側における第1の駆動輪、及び、前記第2の前輪と前記第2の後輪との間に位置している、前記フレームの前記第2の側における第2の駆動輪と、
    前記フレームに対する前記第1の前輪の垂直位置を制御するために前記第1の前輪と動作的に接続された第1の前輪アクチュエータと、
    前記フレームに対する前記第2の前輪の垂直位置を制御するために前記第2の前輪と動作的に接続された第2の前輪アクチュエータと、
    前記フレームに対する前記第1の後輪の垂直位置を制御するために前記第1の後輪と動作的に接続された第1の後輪アクチュエータと、
    前記フレームに対する前記第2の後輪の垂直位置を制御するために前記第2の後輪と動作的に接続された第2の後輪アクチュエータと、
    前記フレームに対する前記第1の駆動輪の垂直位置を制御するために前記第1の駆動輪と動作的に接続された第1の駆動輪アクチュエータと、
    前記フレームに対する前記第2の駆動輪の垂直位置を制御するために前記第2の駆動輪と動作的に接続された第2の駆動輪アクチュエータと、
    を備えた車椅子を提供するステップと、
    前記第1の前輪アクチュエータ、前記第2の前輪アクチュエータ、前記第1の後輪アクチュエータ、前記第2の後輪アクチュエータ、前記第1の駆動輪アクチュエータ及び前記第2の駆動輪アクチュエータのそれぞれを、前記フレームに対する前記第1の前輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第2の前輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第1の後輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第2の後輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第1の駆動輪の垂直位置及び前記フレームに対する前記第2の駆動輪の垂直位置を、独立して制御するように動作させるステップと
    を備えている、方法。
  18. 前記フレームに対する前記第1の駆動輪の長手方向位置を独立して制御するために前記第1の駆動輪と動作的に接続された第1の長手方向駆動輪アクチュエータを動作させるステップと、前記フレームに対する前記第2の駆動輪の長手方向位置を独立して制御するために前記第2の駆動輪と動作的に接続された第2の長手方向駆動輪アクチュエータを動作させるステップとをさらに備えている、請求項17に記載の方法。
  19. 前記第1の前輪アクチュエータ、前記第2の前輪アクチュエータ、前記第1の後輪アクチュエータ、前記第2の後輪アクチュエータ、前記第1の駆動輪アクチュエータ、前記第2の駆動輪アクチュエータ、前記第1の長手方向駆動輪アクチュエータ及び前記第2の長手方向駆動輪アクチュエータと動作的に接続された制御システムを提供するステップをさらに備えている、請求項18に記載の方法。
  20. 前記制御システムと動作的に接続されたセンサシステムを提供するステップをさらに備えている、請求項19に記載の方法。
  21. 前記センサシステムによって、重力に対する前記シートの向きを測定するステップと、前記制御システムによって、重力に対する前記シートの向きを所望の範囲に維持するように、前記フレームに対する前記第1の前輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第2の前輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第1の後輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第2の後輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第1の駆動輪の垂直位置及び前記フレームに対する前記第2の駆動輪の垂直位置のうち少なくとも1つを、独立して制御するステップとをさらに備えている、請求項20に記載の方法。
  22. 重力に対する前記シートの向きを所望の範囲に維持するように、前記フレームに対する前記第1の前輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第2の前輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第1の後輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第2の後輪の垂直位置、前記フレームに対する前記第1の駆動輪の垂直位置及び前記フレームに対する前記第2の駆動輪の垂直位置のうち複数を、独立して制御するように前記制御システムを使用するステップを備えている、請求項21に記載の方法。
  23. 前記車椅子が下り勾配、上り勾配、横断勾配又は平坦でない地形のうち少なくとも1つを進行している際に、重力に対する前記シートの向きを所望の範囲に維持するステップを備えている、請求項22に記載の方法。
  24. 前記車椅子が縁石、段差の変化又は8インチまでの高さ変化を上り下りしている際に、重力に対する前記シートの向きを前記所望の範囲内に維持するステップを備えている、請求項22に記載の方法。
  25. 前記車椅子のクロール運動を行わせるように前記制御システムを動作させるステップをさらに含んでおり、このとき、前記車椅子を経路に沿って引っ張るようにして、前記第1の駆動輪の垂直位置及び前記第1の駆動輪の長手方向位置が変更されると共に前記第2の駆動輪の垂直位置及び前記第1の駆動輪の長手方向位置が変更される、請求項19に記載の方法。
  26. 重力に対する前記シートの向きを変化させて側圧逃しを行うために、前記第1の前輪アクチュエータ、前記第2の前輪アクチュエータ、前記第1の後輪アクチュエータ、前記第2の後輪アクチュエータ、前記第1の駆動輪アクチュエータ及び前記第2の駆動輪アクチュエータのうち1つ以上を動作させるように前記制御システムを動作させるステップをさらに備えている、請求項19に記載の方法。
  27. 前記車椅子の地上高を変化させるために、前記第1の前輪アクチュエータ、前記第2の前輪アクチュエータ、前記第1の後輪アクチュエータ、前記第2の後輪アクチュエータ、前記第1の駆動輪アクチュエータ及び前記第2の駆動輪アクチュエータのうち1つ以上を作動させるように前記制御システムを動作させるステップをさらに備えている、請求項19に記載の方法。
  28. 本体全体の振動を制御するように前記制御システムを動作させるステップをさらに備えている、請求項19に記載の方法。
  29. 前記シートは、前記フレームに対して動き得ないように取付けられ、重力に対する前記シートの向きの変化は、重力に対する前記フレームの向きを変化させることによって達成される、請求項19に記載の方法。
  30. 前記シートは、前記フレームに対して動き得るように取付けられ、重力に対する前記シートの向きの変化は、前記フレームに対する前記シートの向きの変化及び重力に対する前記フレームの向きの変化のうち少なくとも一方によって達成される、請求項19に記載の方法。
  31. フレームと、
    前記フレームに取付けられたシートと、
    前記フレームの第1の側における第1の前輪、及び、前記フレームの第2の側における第2の前輪と、
    前記フレームの前記第1の側における第1の後輪、及び、前記フレームの前記第2の側における第2の後輪と、
    前記第1の前輪と前記第1の後輪との間に位置している、前記フレームの前記第1の側における第1の駆動輪、及び、前記第2の前輪と前記第2の後輪との間に位置している、前記フレームの前記第2の側における第2の駆動輪と、
    前記フレームに対する前記第1の駆動輪の長手方向位置を制御するために前記第1の駆動輪と動作的に接続された第1の長手方向駆動輪アクチュエータ、及び、前記フレームに対する前記第1の駆動輪の前記長手方向位置の前記第1の長手方向駆動輪アクチュエータによる制御とは独立して、前記フレームに対する前記第2の駆動輪の前記長手方向位置を制御するために前記第2の駆動輪と動作的に接続された第2の長手方向駆動輪アクチュエータと、
    を備えた車椅子。
  32. 前記第1の長手方向駆動輪アクチュエータは、前記フレームに対する前記第2の駆動輪の前記長手方向位置の前記第2の長手方向駆動輪アクチュエータによる制御とは独立して、前記フレームに対する前記第1の駆動輪の前記長手方向位置を制御する、請求項31に記載の車椅子。
  33. 前記フレームに対する前記第1の駆動輪の垂直位置を制御するために前記第1の駆動輪と動作的に接続された第1の駆動輪アクチュエータと、前記フレームに対する前記第2の駆動輪の垂直位置を制御するために前記第2の駆動輪と動作的に接続された第2の駆動輪アクチュエータとをさらに備えている、請求項32に記載の車椅子。
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