ここで図面に目を向けると、図1はブロック継手20を示す。図示のように、ブロック継手20は、境界面を形成する雄ブロック30及び雌ブロック60を備える。この境界面は、合わせ平面「P」に概ね沿って向かい合う関係になって、長手方向軸「L」に沿って一列に並ぶ冷媒管86及び88の流体密封接続を形成する。離間した管部分86及び88を結合するように図示されているが、ブロック継手20は、例えば、冷媒管86のような管を圧縮器又は蒸発器をはじめとする要素のようなシステム構成要素に結合することがあり得る。
この開示では、長手方向又は軸方向は長手方向軸「L」に沿う方向である。長手方向内側は合わせ平面「P」に向かう方向であり、長手方向外側はその反対方向である。半径方向内側は長手方向軸「L」に向かう方向であり、長手方向外側は長手方向軸から離れる方向である。
雄ブロック30は、第1の孔又は通路40と、第2の孔又は通路44とを備え、それぞれは横断面が実質的に円形であり、雄ブロック30を通って平面状長手方向外側端面38から平面状長手方向内側端面54へ延びる。管86は、平面状長手方向外側端面38から長手方向外側に延び、ろう付けなどによって40内に適切に固定される。孔40は、ブロック30を通る流体導管を形成する。
孔44は、以下に説明するように、固定締結具を受容するように構成される。平面状長手方向内側端面54は、平面状長手方向最深部段差面43を形成する内向き段差41を備える。
外側円筒面55が形成する環状肩部45が第1の孔40を取り囲み、平面状長手方向内側端面54から長手方向内側に雌ブロック60に向かって延びる。肩部45は、平面状長手方向内側端面54にて発端し、ラジアル環状内側端面42にて終端する。外側円筒面55とラジアル環状内側端面42とは面取り部47によって結合される。内側円筒面50が形成する座ぐり穴がラジアル環状内側端面42から長手方向外側に延び、第1の孔40を取り囲むラジアル環状面46にて終端する。この実施形態では、外側円筒面55と、内側円筒面50と、ラジアル環状内側端面42とは、環状肩部45と一体になった環状延伸部又は環状リップ48を形成する。
第1の封止用ビード52が、その半径方向内側縁に隣接するラジアル環状面46周りに環状に延びる。第1の封止用ビード52は、V字状横断面を有するように示される。しかし、湾曲半径、矩形をはじめとする形状のような他の形状を用いることができる。封止用ビード52が1つだけ示されているが、半径方向に離間した複数の封止用ビード52を必要に応じて用いて、ラジアル環状面46上に同心円状のリングを設けることができる。
雄ブロック30と同じように、雌ブロック60は、実質的に円筒状の横断面を有し、ブロック60を通って平面状長手方向外側端面68から平面状長手方向内側端面70へ延びる第1の孔又は通路62及び第2の孔又は通路64を備える。管88は、平面状長手方向外側端面68から外側に延び、流体密封接続を作成するろう付けをはじめとする加工によって孔62内に適切に固定される。
孔62は、ブロック60を通る流体導管を形成する。ブロック継手20が組み立てられると、雄ブロック30の孔40と雌ブロック60の孔62とは中心線「L」に沿って一列に並べられて、管86と管88との間の流体導管又は流体通路を形成する。
この図示された実施形態では、雄ブロック30の第2の孔44と一列に並ぶ雌ブロック60の第2の孔64は、以下に説明するように、クランプ締結具を受容するためにネジ山が付けられている。
中心線「L」を中心とする円筒状孔内面71が平面状長手方向内側端面70から長手方向外側に延び、ラジアル環状面72にて終端する。平面状長手方向内側端面70と円筒状孔内面71とは面取り部73によって結合される。
円筒状孔内面71内には、第1の孔62を取り囲むラジアル環状面76にて終端するラジアル環状円筒面75によって形成される環状長手方向内側向き台座83が設けられる。環状長手方向内側向き台座83の円筒状孔内面71と半径方向外側円筒面75との間の環状空間は、雄ブロック30に向かって開口する環状溝84を形成する。ブロック30及び60の接合部では、環状溝84は、ラジアル環状面76とラジアル環状面46とが内側円筒面50に取り囲まれて向かい合って離間して配置されて一次シール室80を形成する状態で、雄ブロック30の環状肩部45の環状延伸部又は環状リップ48を受容する。
雄ブロック30の第1の封止用ビード52と同じように、雌ブロック60のラジアル環状面76は、環状面76の半径方向内側縁に隣接する第1の孔62周りに環状に延びる第1の封止用ビード82を備える。さらに、この封止用ビード82は、湾曲半径、矩形をはじめとする形状のような、図示されたV字状横断面以外の形状であってもよい。また、必要に応じて、複数の封止用ビード82を、図示された単一のビードの代わりに用いることができる。
雄ブロック30の第2の孔44及び雌ブロック60の第2の孔64は、ブロック継手20の2つの構成要素を互いに固定するために使用される。図示された実施形態では、第2の孔64には、図1に示されるボルト95のような締結具が、ブロック30の平面状長手方向最深部停止面43を、平面Pに沿うブロック60の平面状長手方向内側端面70に接触させた状態で、雌ブロック60を雄ブロック30に対して堅固に保持できるようにするために、ネジ山が付けられている。
図1に示される実施形態では、一次シール部材10は、扁平環状リングの形状を有する本体部12を備える。図2に最もよく示されるように、シール本体部12は、本体部12から半径方向外側に延びる位置決め保持突出部14を有する離間した両平面を備える扁平環状リングとして実質的に成形される。
一次シール部材10は、シート状材料から扁平リングを打ち抜くことによって形成されてもよい。このとき、突出部14は、元の扁平リングの縁から外側に材料を押し出すように、扁平リングの外縁を特定の位置で打ち抜くことによって形成することができる。これとは別に、一次シール部材10は、単一のステップ、例えば、本体部12と突出部14の両方をシート状材料から同時に打ち抜くことによって成形することがあり得る。これとは別に、一次シール部材10は、本体部12と突出部14を同時に形成する硬質の構成要素を型抜きすることによって作成してもよい。
図示された実施形態では、一次シール部材10は、スズ被覆の銅から作成される。しかし、例えば、積層テトラフルオロエチレン、ゴム被覆のアルミニウム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、べスペル(Vespel)、ピューター(pewter)、バビット合金、青銅、ニッケル、ポリアミド、アルミニウムをはじめとする金属被覆又はゴム被覆の金属のような、他の材料をシールに使用することがあり得ることが理解される。
図1に図示された実施形態では、一次シール部材10は、図2に最もよく示されているように、本体部12の外周周りに均等に離間、この図では120°離れて配置される3つの突出部14を備える。突出部14の外縁周りの直径方向の寸法「d」は、軸方向に延びる環状リップ48の内側円筒面50の直径よりわずかに大きい。一次シール部材は、雄ブロック30の延伸部又はリップ48の内側円筒面50内に配置される場合、突出部14の外縁の内側円筒面50との摩擦係合によって保持される。一次シール部材は、シールリング部12の離間した両平面がラジアル環状面46及び76のシールビード52及び82と係合するために一列に並べられた状態で配置される。
具体的には、一次シール部材10の外縁部が、軸方向に延びるリップ48の内側円筒面50に係合する。図1に示される実施形態では、軸方向に延びるリップ48と摩擦係合する一次シール部材10の外縁部は、一次シール部材10の本体部12から半径方向外側に突出する突出部14の半径方向外側縁によって形成される。この点に関して、突出部14の半径方向外縁周りの直径は、軸方向に延びるリップ48の内側円筒面50の直径よりわずかに大きい。
3つの突出部14は一次シール部材10の外周16周りに位置決めされる。位置決め構造14が図示のように突出部によって形成される場合、一次シール部材10は少なくとも3つの突出部14を備えるのが好ましい。もちろん、一次シール部材10は、一次シール部材10の外周16周りに追加の突出部14を備えてもよい。
図1に示されるように、本体部12は、雄ブロック30の封止用ビード52と雌ブロック60の封止用ビード82との間を圧縮することによって一次シールを形成する。導管周りに環状に延びる封止用ビード52及び82は、本体部12の向かい合う離間した両平面に接触して、雄ブロック30の第1の孔40及び雌ブロック60の第1の孔62によって形成される導管同士の間の一次シール室80に流体密封シールを提供する。
一次シール部材10に加えて、ブロック継手20はこのほか、ブロック30の平面状長手方向内側端面54にて環状肩部45の外周を取り囲む二次シール部材90を備える。この実施形態では、二次シール部材90は、汚染物質の侵入を防止するために、原則的に周辺シールである。この二次シール部材は、雄ブロック30及び雌ブロック60の向かい合う境界面と位置的に封止接触して、結合したブロック同士の間の二次バリアを提供する。外部の汚染物質を主に除外するか、システム流体の漏れに対する抵抗を強化してもよい。
雄ブロック30と雌ブロック60との間の境界面は、周囲環境に至るブロック30の第1の孔40及びブロック60の第1の孔62によって形成される導管のシール室80から概ね半径方向に延びる流路を作成する。一次シール部材10も二次シール部材90も、導管の内部と周囲環境との間の流体交換を防止するように、この流路に沿って位置決めされる。
二次シール部材90は、封止用ビード52及び82と一次シール部材10との間の一次シールによって形成される一次シール又は一次シールの外側に位置決めされる。一次シール部材10は、ブロックを通る主要流路に近い位置にて流路に沿って位置決めされる。図示された実施形態では、周辺シール90はこのほか、一次シール部材10の半径方向外側に位置する。しかし、周辺シール90を、一次シール構造と半径方向に整列しているが、ブロック30とブロック60との間のシール室80から周囲環境に至る流路に沿う一次シール部材10の外側に依然として位置決めされる状態にすることも可能である。好ましくは、周辺シール90はエラストマー系のものである。例えば、周辺シール90は、ポリマーOリングであってもよい。
図示のように、周辺シール90は、一次シール部材10から離れて位置決めされる。本明細書で定義する用語「離れる」は、周辺シール90が一次シール部材10に隣接していないことを意味する。言い換えれば、一次シール部材10を形成する本体材料は、二次シール部材90を形成する本体材料から離間して、接触していない。
ブロック継手20を組み立てるために、ブロック30とブロック60とは、雄ブロック30の環状延伸部又は環状リップ48が雌ブロック60の環状溝84に挿入され、内側円筒面50が雄ブロック30のラジアル環状面46及び雌ブロック60のラジアル環状面76を取り囲んだ状態で、接続される。一次シール部材10は、ラジアル環状面46及び76に対して一次シール部材10を中心に置く内側円筒面50内に摩擦によって保持される。図1に最もよく示されるように、ブロック継手20が組み立てられるとき、一次シール部材10は、雄ブロック30の環状面46上の第1の封止用ビード52と雌ブロック60の環状面76上の第1の封止用ビード82との間に配置される。一次シール部材10は、一次シール室80内の環状面46及び76にて第1の封止用ビード52及び第1の封止用ビード82が扁平リング本体部12に係合することによって、第1の通路40と第1の通路62との間に形成される導管の接合部を封止する。
周辺シール90は、平面状長手方向内側端面54にて環状肩部45の基部に位置決めされる。雄ブロック30と雌ブロック60とが接合されると、封止用ビード52及び82が一次シール部材10の封止用本体部12に当接し、雌ブロック60の平面状長手方向内側端面70が周辺シール90に係合する。内向き段差41の平面状長手方向最深部段差面43は、平面「P」に沿う雌ブロック60の平面状長手方向内側端面70に接触して、結合したブロック間の関係を設定する。この間隔設定によって、シール室80に雄ブロック30と雌ブロック60との間の流体密封接合部を確保する封止用ビード52及び82による一次シール部材10のシール本体部12の圧縮の程度を制御する。このほか、雌ブロック60の平面状長手方向内側端面70と雄ブロック30の平面状長手方向内側端面54との間にてOリングシール90に必要な圧縮をもたらす。
図1に示されるボルト95のような締結具が、第2の孔44を通って挿入され、雌ブロック60のネジ穴64に締結されて、ブロック継手アセンブリを固定する。
封止用ビード52及び82は、一次シール部材10の扁平環状リングの離間した両平面に接触し、一次シール部材10の封止用本体部12を変形させてブロック30とブロック60との間に一次シールを形成する。周辺シール90は、雄ブロック30の面54に対向する雌ブロック60の面70によって変形される。雄ブロック30と雌ブロック60とは、組み立てられた時点で、一次シール部材10と協働して、流体密封シールを形成し、管86及び88から流体(液体又は気体)が漏れるのを防止する。任意の量の流体が管86及び88を通過して一次シール部材10から漏れた場合、周辺シール90は、流体のブロック継手20から大気への漏出を抑えることができる。二次シール部材90はこのほか、有害な汚染物質が一次シール部材10に接触しないようにする。
図3は、二次シール部材の配置が変更された、ブロック継手20の別の実施形態を示す。図1の実施形態のブロック30及びブロック60と実質的に同一の構成を有する雄ブロック30及び雌ブロック60を含む。ブロック継手20はこのほか、雄ブロック30の封止用ビード52と雌ブロック60の封止用ビード82との間に位置決めされる一次シール部材10を備える。一次シール部材10を、図2に示してこれまで説明してきたように、突出部14の外縁部と雄ブロック30の軸方向に延びるリップ48の内周面50との間の摩擦係合によって、雄ブロック30内に摩擦により保持してもよい。
ブロック継手20を組み立てると、雄ブロック30は、肩部45の環状延伸部又は環状リップ48が雌ブロック60の環状溝84内に存在するように、位置決めされる。雄ブロック30の軸方向に延びる環状リップ48は、雌ブロック60の環状溝84内に摺動可能に嵌合するように構成される。これまでに挙げた実施形態のように、雄ブロック30の第1の開口部40と雌ブロック60の第1の開口部62とは軸方向に一列に並び、軸「L」に沿うブロック継手20を通過して連続する導管を形成する。雄ブロック30のラジアル環状面46と、ラジアル環状面76とは、リップ48の内側円筒面50に取り囲まれて向き合いつつ離間して配置されて、一次シール室80を形成する。一次シール部材10の突出部14の半径方向外縁は内側円筒面50内に摩擦により保持される。組み立てが完了すると、シール本体部12は雄ブロック30のラジアル環状面46上の封止用ビード52と雌ブロック60のラジアル環状面76上の封止用ビード82との間で圧縮されて、流体密封接合部を提供する。
図3に示される実施形態は、環状溝192が雄部材30の環状肩部45の半径方向外側円筒面55に設けられる点で、図1の実施形態とは異なる。溝192は、雌ブロック60の円筒状孔内面71に向かい合って配置されるのに十分な距離だけ平面状長手方向内側端面54から長手方向内側に離間する。
環状肩部45と雌部材60の円筒状孔内面71との間に効果的なシールを作り出すために、二次シール部材190が環状溝192に配置される。この二次シール部材は、断面が溝192の深さよりわずかに大きい。この二次シール部材は、円筒状孔内面71に押し付けられて、流体密封シールを形成する。このため、ポリマーOリングであってもよい二次シール部材190は、雄ブロック30が雌ブロック60に結合したときに変形する。この二次シール部材は、一次シールが正常に機能しない事態にて冷媒が漏出するのを防ぐ二次バリアとして機能する。
図示された実施形態とは別に、溝192のような溝が雌ブロック60の円筒状孔内面71に位置づけられて、雄部材30の肩部45の半径方向外側円筒面55に対して封止を実施すOリング190のような二次シール部材を包含してもよい。二次シールは、もちろん、雄ブロック30と雌ブロック60との間の境界面に沿う他の位置に位置決めされることがあり得る。
図4は、ブロック継手20のさらに別の実施形態を示す。図4に示される実施形態は、環状肩部45の環状延伸部又は環状リップが肩部45の長手方向内端部に位置決めされる環状ポリマー案内スリーブ156によって形成される点で、図1及び図3の実施形態とは異なる。
雄ブロック30及び雌ブロック60は、以下に記載の点を除いて、図1及び図2の実施形態の雄ブロック30及び雌ブロック60とほぼ同じ構成を有する。図1及び図2の実施形態の一次シール部材10と比較していくぶん変更された一次シール部材110は、雄ブロック30の封止用ビード52と雌ブロック60の封止用ビード82との間に封止係合を構築するように位置決めされる。この実施形態では、一次シール部材110は、ポリマー案内スリーブ156と一次シール部材110との間の摩擦係合によって、組立済みサブアセンブリとして、雄ブロック30に接触して保持される。
図4に示されるように、肩部45は、外側円筒面55にてラジアル環状面46からラジアル環状段差面159へ長手方向外側に延びる縮径円筒面158を備える。ラジアル環状段差面159は、ブロック30とブロック60が組み立てられたときに雌ブロック60の面取り部73の長手方向内側に配置されるように、平面状長手方向内側端面54より長手方向内側に位置決めされる。ブロック30とブロック60が組み立てられた状態では、雄ブロック30の縮径円筒面158は、雌ブロック60の円筒状孔内面71から半径方向内側に離間して環状溝84の延伸部を形成する。
ポリマー環状案内スリーブ156は、縮径円筒面158にて肩部45に取り付けられる。環状ポリマー案内スリーブ156は、縮径円筒面158の直径よりわずかに小さい内側円筒面150を有するポリマー環状本体である。このスリーブは、雌ブロック60の円筒状孔内面71よりわずかに小さい外側円筒面155を有する。図5からわかるように、このスリーブは、長手方向環状ラジアル外側端部161と長手方向環状ラジアル内側端部163とを有する。
ポリマー案内スリーブ156の軸方向又は長手方向の長さは、ポリマー案内スリーブ156が、縮径円筒面158上に位置決めされた場合に、肩部45のラジアル環状面46を越えて長手方向内側に延びて、環状肩部45から長手方向内側に延びる環状延伸部又は環状リップ148を形成するように定められる。ブロック30とブロック60とを組み立てると、雄ブロック30のラジアル環状面46と雌ブロック60のラジアル環状面76とは、ポリマー案内スリーブ156の内側円筒面150に取り囲まれて向き合いつつ離間して配置される。
環状ポリマー案内スリーブ156は、ラジアル環状外側端面161がラジアル環状段差面159から離間して、縮径円筒面158と共に、図3の実施形態の溝192に類似する溝を形成する状態で、肩部45の縮径円筒環状面158に取り付けられる。図3の実施形態のOリング二次シール部材190に類似するポリマーOリング二次シール部材190がこの溝に配置され、図3の実施形態に関して説明したように二次流体密封シールとして機能する。このシールはこのほか、これまでに挙げた実施形態にみられるように、汚染物質の侵入を防止する。
環状ポリマー案内スリーブ156はこのほか、雄ブロック30を雌ブロック60に組み付ける間、位置合わせ補助具として機能する。長手方向ラジアル内側端部163は、円筒状孔内面71と協働して、雄ブロック30の肩部45の雌ブロック60の溝84内への挿入を案内する。この端部は、最終的に、環状溝84内で台座83の内側円筒面150に隣接して存在する。とりわけ、案内スリーブ156の外径は円筒状孔内面71の内径より小さいため、案内スリーブ156は円筒状孔内面71に対して封止機能を発揮しない。
一次シール部材110は、図1〜図3の実施形態の一次シール部材10に類似するが、先に挙げた実施形態の突出部14のような突出部を備える必要がない。図6に最もよく示されているように、このシール部材は、環状肩部45の縮径円筒面158の直径とほぼ同一であるかわずかに大きい直径を有する外周縁116を備えて離間した環状平面によって形成される環状本体112を有する。このシール部材は、その環状平面が、これまでに挙げた実施形態のようにシール室80にて雄ブロック30の第1の封止用ビード52及び雌ブロック60の第1の封止用ビード82に圧縮接触することを介して、雄ブロック30と雌ブロック60との間に一次シールを提供する。
ブロック継手20の今後の組み立てのための組立済みサブアセンブリを提供するために、一次シール部材110と、Oリング190の形態の二次ポリマーシール部材とを雄ブロック30に取り付ける。この点に関して、二次シール部材又はOリング190は、肩部45の縮径円筒面158に先ず組み付けられてもよい。ラジアル環状段差面159に当接して位置決めされる。ポリマー環状案内スリーブ156の内側円筒面150は、縮径円筒面158に摩擦によって係合され、長手方向環状ラジアル外側端部161が二次シール部材190を収容する溝を形成するようにラジアル環状段差面159に対して位置決めされる。ラジアル面159及び161は、Oリング二次シール部材190の直径よりも互いに近づいて配置されて、このシール部材を半径方向外側に変形させてもよい。図3の先の実施形態のように、Oリング二次シール部材は、ブロック30とブロック60との接続時に円筒状孔内面71に押し付けられるように寸法決めされる。
一次シール部材110は、その外周縁116周りがポリマー案内スリーブ156の内側円筒面150内にて捕捉され、ラジアル環状面46を覆う位置に保持される。このため、このシール部材は、その環状平面を、ブロック継手20の組み立て時に、雄ブロック30の第1の封止用ビード52及び雄ブロック60の第1の封止用ビード82によって圧縮係合するように配置される。
一次シール部材110は、雄ブロック30内の適所に環状ポリマー案内スリーブ156によって保持される。具体的には、一次シール部材110の外周縁116が、環状ポリマー案内スリーブ156の内側円筒面150に摩擦によって係合する。
図示された実施形態では、一次シール部材110は、扁平リングとして形成され、これまでに挙げた実施形態の突出部のようないかなる突出部も備えない。しかし、一次シール部材110は、環状ポリマー案内スリーブ156の内側円筒面150内に摩擦によって係合される外縁部を備えるラジアル突出部を備えることも可能である。図1〜図3の実施形態にみられるように、シール部材110は、例えば、スズ被覆の銅、積層テトラフルオロエチレン、ゴム被覆のアルミニウム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、べスペル(Vespel)、ピューター(pewter)、バビット合金、青銅、ニッケル、ポリアミド、アルミニウムをはじめとする金属被覆又はゴム被覆の金属から形成されてもよい。好ましくは、ポリマー案内スリーブ156は、縮径円筒面158に摩擦によって係合するほか、内側円筒面150内にて一次シール部材110を捕捉し保持する、ある程度の弾力性又は復元力を有するポリマー材料から作成される。
図7は、ブロック継手20のさらに別の実施形態を示す。図7に示される実施形態は、図4の実施形態と同じように、環状肩部45の環状延伸部又は環状リップが肩部45の長手方向内側端部に位置決めされる環状ポリマー案内スリーブ256によって形成される点で、図1及び図3の実施形態とは異なる。この実施形態は、一次シール部材110を雄ブロック30に保持して組立済みサブアセンブリとすることに役立つ。この実施形態は、肩部45への接続方法及び一次シール部材110の雄ブロック30への保持方法が図4の実施形態とは異なる。
図7に示されるように、肩部45は、環状肩部45の外側円筒面55上に縮径円筒面158を備える。この縮径円筒面はラジアル環状面46から長手方向外側にラジアル環状段差面159まで延びる。ラジアル環状段差面159は、ブロック30とブロック60とが組み立てられたときに雌ブロック60の面取り部73の長手方向内側に配置されるように、平面状長手方向内側端面54より長手方向内側に位置決めされる。この実施形態では、縮径円筒面158は、ラジアル環状段差面159とラジアル環状面46の中間にあるラジアル溝159を備える。
ポリマー環状案内スリーブ256は、縮径円筒面158にて肩部45に取り付けられる。環状ポリマー案内スリーブ256は、縮径円筒面158上を自由に摺動できる大きさの直径を有する内側円筒面250を有するポリマー環状本体である。ポリマー案内スリーブ256は、雌ブロック60の円筒状孔内面71よりわずかに小さい外側円筒面255を有する。図8に示されるように、このスリーブは長手方向環状ラジアル外側端部261と長手方向環状ラジアル内側端部263とを有する。このスリーブは、スリーブの長手方向外側端部261に隣接する複数の半径方向内側向きリブ265と、スリーブの長手方向内側端部263に隣接する複数の半径方向内側向きリブ266とを備える。リブ266は、ラジアル環状面46と向き合う長手方向外側ラジアル面267を備える。
半径方向内側向きリブ265は、ポリマー案内スリーブ256を取り外し可能に環状肩部45に固定するために、ポリマー案内スリーブ256を環状肩部45の縮径円筒面158に取り付ける時点で縮径円筒面158の溝157に存在するような内径を有する。ポリマー案内スリーブ256の長さは、内側向きリブ265が縮径円筒面158のラジアル溝157に配置されたときに、半径方向内側向きリブ266の長手方向外側ラジアル面267が、一次シール部材110の離間した環状平面間のこの一次シール部材の長手方向厚さよりわずかに大きい距離だけラジアル環状面46から離間するように定められる。
ポリマー案内スリーブ256の軸方向又は長手方向の長さは、ポリマー案内スリーブ256が、縮径円筒面158上に位置決めされたときに、肩部45のラジアル環状面46を越えて長手方向内側に延びて、環状肩部45からラジアル環状面76に向けて長手方向内側に延びる環状延伸部又は環状リップ148を形成するように定められる。ブロック30とブロック60とが組み立てられると、雄ブロック30のラジアル環状面46と雌ブロック60のラジアル環状面76とが向き合いつつ離間して配置される。
環状ポリマー案内スリーブ256は、縮径円筒面158の溝157に位置決めされるリブ265によって肩部45の縮径円筒面158に取り付けられる。ラジアル環状外側端面261は、ラジアル環状段差面159から離間して、縮径円筒面158と共に、図3の実施形態の溝192に類似する溝を形成する。図3の実施形態のOリング二次シール部材190に類似するポリマーOリング二次シール部材190が、この溝に配置され、図4の実施形態に関して記載したように二次流体密封シールとして機能する。このシールはこのほか、これまでに挙げた実施形態と同じように汚染物質の侵入を防止する。
この実施形態では、環状ポリマー案内スリーブ256はこのほか、雄ブロック30を雌ブロック60に組み付ける間、位置合わせ補助具として機能する。長手方向ラジアル内側端部263は、円筒状孔内面71と協働して、雄ブロック30の肩部45の雌ブロック60の溝84内への挿入を案内する。この端部は、最終的には、環状溝84内で台座83の内側円筒面50に隣接する。とりわけ、案内スリーブ256の外径は円筒状孔内面71の内径より小さいため、案内スリーブ256は円筒状孔内面71に対して封止機能を発揮しない。
一次シール部材110は、図4の実施形態の一次シール部材110に類似する。図6に最もよく示されるように、このシール部材は、環状肩部45の縮径円筒面158の直径とほぼ同一かわずかに小さい直径を有する外周縁116を備えて離間した環状平面によって形成される環状本体112を有する。このシール部材は、その環状平面を、これまでに挙げた実施形態と同じように雄ブロック30の第1の封止用ビード52及び雄ブロック60の第1の封止用ビード82に押し付けることを介して、雄ブロック30と雌ブロック60との間に一次シールを提供する。
ブロック継手20の今後の組み立てのための組立済みサブアセンブリを提供するために、一次シール部材110と、Oリング190の形態の二次ポリマーシール部材とを雄ブロック30に取り付ける。この点に関して、二次シール部材又はOリング190は、肩部45の縮径円筒面158に先ず組み付けられてもよい。この二次シール部材又はOリングは、ラジアル環状段差面159に当接して位置決めされる。環状ポリマー案内スリーブ256は、ラジアル溝157に配置され、半径方向向きリブ265によって縮径円筒面158に係合される。このスリーブは、ラジアル環状外側端面161が二次シール部材190を収容する溝を形成するようにラジアル環状段差面159に対して位置決めされる。ラジアル面159及び161は、Oリング二次シール部材190の直径よりも互いに近づいて配置されて、このシール部材を半径方向外側に変形させてもよい。図4の先の実施形態と同じように、Oリング二次シール部材は、ブロック30とブロック60との接続時に円筒状孔内面71に押し付けられるように寸法決めされる。
一次シール部材110は、半径方向内側向きリブ266によってポリマー案内スリーブ256の内側円筒面250内に捕捉され、ラジアル環状面46に面する長手方向外側ラジアル面267によってラジアル環状面46を覆う位置に保持される。このため、このシール部材は、その環状平面を、ブロック継手20の組み立て時に、雄ブロック30の第1の封止用ビード52及び雄ブロック60の第1の封止用ビード82によって圧縮係合するように配置される。
この図示された実施形態では、一次シール部材110は、扁平リングとして形成され、これまでに挙げた実施形態の突出部のようないかなる突出部も備えない。図1〜図4の実施形態と同じように、シール部材110は、例えば、スズ被覆の銅、積層テトラフルオロエチレン、ゴム被覆のアルミニウム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、べスペル(Vespel)、ピューター(pewter)、バビット合金、青銅、ニッケル、ポリアミド、アルミニウムをはじめとする金属被覆又はゴム被覆の金属から形成されてもよい。好ましくは、ポリマー案内スリーブ256はポリマー材料から作成される。なお、リブ265及び266は例示であって限定するものではない。このようなリブは、連続するラジアル環状内側リングとして形成されることもあり得る。
以上の記載の変形及び変更は本発明の範囲内のものである。本明細書に開示され、規定される発明は、明細書及び/又は図面に記載されるか、明細書及び/又は図面から明らかな2つ以上の個々の構成要件のあらゆる代替的組み合わせに及ぶことが理解される。このようなさまざまな組み合わせのすべては、本発明の種々の代替的態様を構成する。本明細書に記載の実施形態は、発明を実施するための最良の形態を説明し、他の当業者が発明を利用可能にすることになる。特許請求の範囲は、先行技術が許容する範囲で代替実施形態を含むと解釈されることになる。