JP2018526570A - 一体型固体推進剤を備えたグリッド付きイオンスラスタ - Google Patents

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Abstract

本発明は、チャンバ(10)と、固体推進剤(PS)を備え、チャンバ(10)内に収容され、オリフィス(22)を具備した導電性ジャケット(21)を含むリザーバ(20)と、チャンバ(10)内にイオン‐電子プラズマを形成する手段(30、40)であって、リザーバ(20)内の固体推進剤を昇華させることができ、次にオリフィス(22)を通ってリザーバ(20)から来る昇華した推進剤からチャンバ(10)内にプラズマを発生させることができる手段(30、40)と、チャンバ(10)からプラズマのイオンまたは電子を抽出および加速する手段(50)であって、チャンバ(10)の一端(E)に少なくとも2つのグリッド(52´、51)を備える手段(50)と、イオンおよび電子のプラズマ周波数の間に含まれる周波数の高周波信号を生成するための高周波AC電圧源(30)であって、コンデンサ(53)と直列に配置され、その出力部の1つでこのコンデンサ(53)を介してグリッドの一方(52´)に接続され、他方のグリッド(51)は電圧源(30)の他方の出力部に接続されている電圧源とを備えるイオンスラスタ(100)に関する。【選択図】図4

Description

本発明は、一体型固体推進剤を備えるプラズマスラスタに関する。
本発明は、より詳細には、一体型固体推進剤を備えるグリッド付きイオンスラスタに関する。
本発明は、衛星または宇宙探査機に適用することができる。
より詳細には、本発明は、小型衛星に適用することができる。典型的には、本発明は、6kg〜100kg、場合によっては500kgまでの範囲とすることができる重量を有する衛星用に適用することができる。特に興味深い適用例は、ベースモジュール(U)の重量が1kg未満で、10cm×10cm×10cmの寸法を有する「CubeSat」に関する。本発明によるプラズマスラスタは、特に、モジュール1Uまたはデミモジュール(1/2U)に一体化することができ、2(2U)、3(3U)、6(6U)、12(12U)以上のいくつかのモジュールの積層で使用することができる。
固体推進剤プラズマスラスタはすでに提案されている。
それらは、プラズマチャンバを実装するか否かに応じて、2つのカテゴリに分類することができる。
Keidarらの論文「Electric propulsion for small satellites」、Plasma Phys.Control.Fusion、57(2015)(D1、非特許文献1)には、固体推進剤からプラズマを発生させるための様々な技術が記載されており、全て固体推進剤のアブレーションに基づく。固体推進剤は、プラズマチャンバなしで、外部空間、すなわち衛星または宇宙探査のための空間上に直接供給される。
第1の技術によれば、放電が行われるアノードとカソードとの間にテフロン(登録商標)(固体推進剤)が配置される。この放電により、テフロンのアブレーション、そのイオン化およびその加速が主として電磁気的に引き起こされ、外部空間に直接イオンビームを発生させる。
第2の技術によれば、レーザビームを用いて固体推進剤、例えばPVCまたはKapton(登録商標)のアブレーションおよびイオン化を行う。イオンの加速は、一般に電磁気的に行われる。
第3の技術によれば、アノードとカソードとの間に絶縁体が配置され、全てが真空状態にある。カソード金属は、イオンを発生させるためにアブレーション材料として使用される。加速は電磁気的に行われる。
この文献に記載された技術は、比較的コンパクトなスラスタを得ることを可能にする。実際、固体推進剤はアブレーションされ、イオン化され、オールインワン装置で推進を確実にするためにイオンが加速される。
しかしながら、結果として、固体推進剤、プラズマおよびイオンビームの昇華に対する別個の制御がない。
特に、イオンのビームは、固体推進剤のアブレーションおよびイオンの速度によって誘導されるプラズマの密度を制御する別個の手段がないという事実によって、多かれ少なかれ制御される。その結果、スラスタとスラスタの特定のパルスとを別個に制御することができない。
一般的に、プラズマチャンバが実装されている場合には、この種の欠点を有することはない。
Polzinらによる論文「Iodine Hall Thruster Propellant Feed System for a CubeSat」、American Institute of Aeronautics and Astronautics(D2、非特許文献2)では、ホール効果下で動作するスラスタのための固体推進剤供給システムが提案されている。
この供給システムは、プラズマチャンバを実装する任意のスラスタに使用することができる。
実際に、論文D2(非特許文献2)では、固体推進剤(ここでは、ヨウ素I)がリザーバに貯蔵される。加熱手段がリザーバに関連付けられている。この加熱手段は、外部放射線を受けることができ、リザーバの外側に配置される。このように、リザーバが加熱されると、二原子ヨウ素が昇華する。ガス状の二原子ヨウ素は、リザーバから出て、リザーバから離れたところに位置するチャンバに向けられ、そこでプラズマを形成するためにイオン化される。ここではホール効果によってイオン化が行われる。プラズマチャンバに流入するガスの流量は、リザーバとこのチャンバとの間に配置されたバルブによって制御される。文献D1に記載されている技術に関して、二原子ヨウ素の昇華およびプラズマ特性は、このようにより良好に制御することができる。
さらに、チャンバから出るイオンビームの特性は、固体推進剤を昇華させてプラズマを発生させるために実施される手段から分離された、イオンを抽出および加速する手段によって制御することができる。
したがって、このシステムは、非特許文献1(D1)に記載されたものと比較して多くの利点を有する。
しかしながら、非特許文献2(D2)では、このような供給システムの存在により、プラズマスラスタをコンパクト化することはほとんどできず、その結果、特に「CubeSat」タイプのモジュール用の小型衛星についてはほとんど考慮することができない。
米国特許第8,610,356号(D3、特許文献1)では、プラズマチャンバから離れて配置されたリザーバに貯蔵されるヨウ素(I)などの推進剤を使用するシステムも提案されている。リザーバから出る二原子ヨウ素ガスの流量制御は、リザーバの出口に設置されリザーバ温度の制御ループに接続された温度センサおよび圧力センサによって行われる。
ここでもシステムはあまりコンパクトではない。
非特許文献2(D2)または特許文献1(D3)で提案されたシステムと同じタイプのシステムとしては、米国特許第6,609,363号(D4、特許文献2)にも言及することができる。
なお、プラズマチャンバ内の一体型推進剤プラズマスラスタは、米国特許第7,059,111号(D5)で既に提案されている。このプラズマスラスタは、ホール効果に基づき、したがって非特許文献2(D2)、特許文献1(D3)または特許文献2(D4)で提案されたものよりもコンパクト化することができる。また、非特許文献1(D1)に関連して、推進剤の蒸発、プラズマ、およびイオンの抽出をより良好に制御することができる。しかしながら、推進剤は液体状態で貯蔵され、リザーバから出るガスの流量を制御するために追加の電極システムを使用する。
米国特許第8,610,356号公報(D3) 米国特許第6,609,363号公報(D4) 米国特許第7,059,111号公報(D5)
Keidarら著「Electric propulsion for small satellites」、Plasma Phys.Control.Fusion、57(2015)(D1) Polzinら著「Iodine Hall Thruster Propellant Feed System for a CubeSat」、American Institute of Aeronautics and Astronautics(D2) 「The Vapor Pressure Iodine」G.P.Baxter、C.H.Hickey、W.C.Holmes、J.Am.Chem.Soc.、1907、29(2)pp.12−136 「The normal Vapor Pressure of Crystalline Iodine」、L.J.Gillespie,&al.、J.Am.Chem Soc.、1936、vol.58(11)、pp2260−2263
本発明の目的は、前述の欠点の少なくとも1つを克服することである。
この目的を達成するために、本発明は、
−チャンバと、
−固体推進剤を含むリザーバであって、チャンバ内に収容され、少なくとも1つのオリフィスが設けられた導電性ジャケットを備えるリザーバと、
−チャンバ内にイオン‐電子プラズマを形成する手段の組であって、ガス状の推進剤を形成するためにリザーバ内の固体推進剤を昇華させることができる手段と、次に少なくとも1つのオリフィスを通ってリザーバから来るガス状の推進剤からチャンバ内にプラズマを発生させることができる手段の組と、
−少なくともプラズマのイオンをチャンバから抽出および加速する手段であって、抽出および加速手段が、
・チャンバの一端に位置するグリッドに関連付けられた、チャンバ内に収容された電極であって、グリッドの表面よりも大きい表面を有する電極、または
・チャンバの一端に位置する組になった少なくとも2つのグリッド
を備える抽出および加速手段と、
−コンデンサと直列に配置され、イオンのプラズマ周波数と電子のプラズマ周波数との間にある高周波の信号を生成するように適合された高周波DC電圧源またはAC電圧源であって、その出力部の1つによってチャンバから少なくともプラズマのイオンを抽出および加速する手段、より正確には、
・電極、または
・組になった少なくとも2つのグリッドのうちの1つのグリッド
に接続され、
グリッドは電極に関連付けられ、または場合によっては、組になった少なくとも2つのグリッドの他方のグリッドが基準電位に設定されるか、または高周波AC電圧源の他方の出力部に接続され、抽出および加速手段と高周波DCまたはAC電圧源とがチャンバの出力部で少なくともイオンを含むビームを形成することを可能にする高周波DCまたはAC電圧源と
を備えることを特徴とするイオンスラスタを提案する。
スラスタ(thruster)は、
−抽出および加速手段に接続された電圧源は高周波AC電圧源であり、イオン‐電子プラズマ形成手段の組は、チャンバの出力部でイオンビームおよび電子ビームを形成するために、一方では少なくとも1つのコイルの方向に、他方では抽出および加速手段の方向に、高周波電圧源によって供給される信号を管理する手段を介して、この同じ高周波AC電圧源によって給電される少なくとも1つのコイルを備え、
−イオン−電子プラズマ形成手段の組は、抽出および加速手段に接続された高周波ACまたはDC電圧源とは異なる高周波AC電圧源によって給電される少なくとも1つのコイル、またはマイクロ波AC電圧源によって給電される少なくとも1つのマイクロ波アンテナを備え、
−抽出および加速手段に接続された電圧源は、チャンバの出力部でイオンビームおよび電子のビームを形成するための高周波AC電圧源であり、
−抽出および加速手段は、チャンバの一端に位置する組になった少なくとも2つのグリッドであり、イオンビームおよび電子ビームの電気的中性は、抽出および加速手段に接続された高周波AC電圧源から来る正電位および/または負電位の印加時間を調整することによって少なくとも部分的に得られ、
−抽出および加速手段は、チャンバの一端に位置する組になった少なくとも2つのグリッドであり、イオンビームおよび電子ビームの電気的中性は、抽出および加速手段に接続された高周波AC電圧源から来る正電位および/または負電位の振幅を調整することによって少なくとも部分的に得られ、
−抽出および加速手段に接続された電圧源はDC電圧源であり、チャンバの出力部でイオンビームを形成し、スラスタは、電気的中立性を提供するためにイオンビームに電子を注入する手段をさらに備え、
−リザーバは、固体推進剤と少なくとも1つのオリフィスが設けられたジャケットとの間に位置する膜を備え、膜は少なくとも1つのオリフィスを備え、膜の1つまたは各々のオリフィスの表面は、リザーバのジャケットの1つまたは各々のオリフィスの表面よりも広く、
−1つまたは各々のグリッドは、円形、正方形、矩形またはスロット、特に平行なスロットの形式の形状から選択される形状のオリフィスを有し、
−1つまたは各々のグリッドは、直径が0.2mm〜10mm、例えば0.5mm〜2mmの円形オリフィスを有し、
−チャンバからの抽出および加速手段が、チャンバの端部に配置された組になった少なくとも2つのグリッドを備える場合、2つのグリッド間の距離は、0.2mm〜10mm、例えば0.5mm〜2mmであり、
−固体推進剤は、二原子ヨウ素、他の化学成分と混合された二原子ヨウ素、フェロセン、アダマンタンまたはヒ素から選択される
特性の少なくとも1つを別々にまたは組み合わせて備えることもできる。
本発明はまた、本発明によるスラスタと、スラスタの1つまたは各々のDCまたはAC電圧源に接続されたエネルギー源(例えばバッテリまたはソーラーパネル)とを備える衛星に関する。
本発明はまた、本発明によるスラスタと、スラスタの1つまたは各々のDCまたはAC電圧源に接続されたエネルギー源(例えばバッテリまたはソーラーパネル)とを備える宇宙探査機に関する。
本発明は、添付の図面と合わせて以下の説明を読むとよりよく理解され、後者の他の目的、利点および特徴がより明確に見えてくるはずである。
本発明の第1の実施形態によるプラズマスラスタの概略図である。 図1に示す第1の実施形態の代替の概略図である。 図1に示す第1の実施形態の別の代替の概略図である。 図1に示す第1の実施形態の別の代替の概略図である。 本発明の第2の実施形態によるプラズマスラスタの概略図である。 図5に示す第2の実施形態の代替の概略図である。 図5に示す第2の実施形態の別の代替の概略図である。 図5に示す第2の実施形態の別の代替の概略図である。 図8に示すスラスタプラズマの別の実施形態の概略図である。 本発明の第3の実施形態の概略図である。 本発明によるプラズマスラスタに使用することができる固体推進剤リザーバの断面図であって、その実施形態に関わらず、その環境によってプラズマチャンバ内に取り付けることができる。 図9に示すリザーバの分解図である。 固体推進剤として二原子ヨウ素(I)が使用される場合の、温度に応じた二原子ヨウ素の蒸気圧力の変化を示す曲線である。 本発明によるプラズマスラスタを備える衛星を図式的に示す。 本発明によるプラズマスラスタを備える宇宙探査機を図式的に示す。
本発明によるイオンスラスタ100の第1の実施形態を図1に示す。
スラスタ100は、プラズマチャンバ10と、チャンバ10内に収容された固体推進剤PSのリザーバ20とを備える。より正確には、リザーバ20は、固体推進剤PSを含む導電性ジャケット21を備え、このジャケット21に1つまたはいくつかのオリフィス22が設けられている。固体推進剤のリザーバ20がチャンバ10内に収容されていることにより、スラスタはよりコンパクトになる。
スラスタ100はまた、高周波AC電圧源30と、高周波AC電圧源30によって給電される1つまたはいくつかのコイル40とを備える。1つまたは各々のコイル40は、1つまたはいくつかの巻線を有することができる。図1には、いくつかの巻線を含む単一コイル40が示されている。
高周波AC電圧源30によって給電されるコイル40は、導電性(渦電流)であるリザーバ20に電流を誘起する。リザーバ内に誘起されたクーランは、リザーバ20を加熱するジュール効果を引き起こす。このようにして生成された熱は、熱伝導および/または熱放射によって固体推進剤PSに伝達される。次に固体推進剤PSを加熱することによって、推進剤をそのままガス状にして昇華させることができる。次に、ガス状の推進剤は、リザーバ20の1つまたは複数のオリフィス22をチャンバ10の方向に通過する。この同じ組30、40はさらに、チャンバ10内にあるガス状の推進剤をイオン化することによって、チャンバ10内にプラズマを発生させることを可能にする。このように形成されたプラズマは、一般にイオン−電子プラズマである(なお、一般に全てのガスがイオン化されてプラズマを形成するわけではないため、プラズマチャンバには中性種(ガス状の推進剤)も含まれる)。
したがって、同じ高周波AC電圧源30を使って、固体推進剤PSを昇華させ、チャンバ10内にプラズマを作り出す。ここでは、この目的のために単一のコイル40も使用される。しかしながら、固体推進剤PSを昇華させるためのコイルや、プラズマを生成するためのコイルなど、いくつかのコイルを設けることが考えられる。いくつかのコイル40を使用することによって、チャンバ10の長さを増加させることが可能である。
より正確には、チャンバ10およびリザーバ20は、最初は同じ温度である。
電圧源30が実施されると、1つまたは複数のコイル40によって加熱されリザーバ20の温度が上昇する。固体推進剤PSの温度も上昇し、推進剤はリザーバのジャケット21と熱的に接触する。
これによってリザーバ20内で固体推進剤PSの昇華が生じ、続いてこのリザーバ内の温度T1の上昇に伴うリザーバ20内のガス状の推進剤の圧力P1の上昇が生じる。
次に、リザーバ20とチャンバ10との間の圧力差の影響下で、ガス状の推進剤は、チャンバ10の方向に、1つまたは各々のオリフィス22を通過する。
温度および圧力の条件がチャンバ10内で十分に実質的であるとき、電圧源30および1つまたは複数のコイル40によって形成されるユニットが、チャンバ10内にプラズマを生成することを可能にする。この段階で、固体推進剤PSは次に、プラズマの荷電粒子によってさらに十分に加熱され、1つまたは複数のコイルは、プラズマ中のシースの存在によって(スキン効果)、ならびにプラズマ内で荷電する粒子自体の存在によって遮蔽される。
なお、プラズマの存在下では(スラスタが動作中)、リザーバ20に接続された熱交換器(図示せず)の存在によって、リザーバ20の温度をより良好に制御できる。
1つまたはいくつかのオリフィス22をリザーバ20に設けることができるが、これは重要ではない。オリフィスの、またはいくつかのオリフィスが設けられている場合にはその全てのオリフィスの全表面のみが重要である。そのサイジングは、使用される固体推進剤の性質、およびプラズマの所望の動作パラメータ(温度、圧力)に依存する。
したがって、このサイジングはケースバイケースで行われる。
一般に、本発明によるスラスタのサイジングは、以下のステップを含む。
チャンバ10の容積と、このチャンバ10で所望される公称動作圧力P2と、チャンバ10の出力部で所望の正イオンの質量流量m´を最初に規定する。このデータは、デジタルモデリングまたはルーチンテストによって得ることができる。なお、この質量流量(m´)は、リザーバ20とチャンバ10との間に見られるものに実質的に対応する。
次に、リザーバ20の所望の温度T1を選択する。
この温度T1を固定すると、ガス状の推進剤の対応する圧力、すなわちリザーバ20内のこのガスの圧力P1を知ることができる(二原子ヨウ素Iの場合は図13を参照)。
このようにP2、m´、P1およびT1を知ることにより、そこからオリフィスの、またはいくつかのオリフィスが設けられていれば全てのオリフィスの表面Aを推定することができる。しかしながら、有利には、チャンバ10内のガス状の推進剤のより均質な分布を保証するために、いくつかのオリフィスが設けられる。
一方、以下にサイジング例を提供する。
スラスタ100が停止しているとき、リザーバ20とチャンバ10との間におけるガス状の推進剤の漏洩を推定することが可能である。実際、この場合、オリフィスの表面Aは、P1、T1およびP2と同様に既知であり、これによりm´(漏洩率)を得ることが可能になる。実際には、停止時には、使用中にリザーバ20からチャンバ10へ通過するガス状の推進剤流量に関係して漏洩が最小であることが示されている。したがって、本発明の枠組みにおいて、オリフィス上に弁が存在する必要はない。
固体推進剤については、二原子ヨウ素(I)、二原子ヨウ素(I)と他の化学成分との混合物、アダマンタン(粗化学式:C1016)またはフェロセン(粗化学式:Fe(C)が考えられる。ヒ素も使用することができるが、その毒性によりヒ素の固体推進剤の使用は少ないと考えられる。
有利には、二原子ヨウ素(I)が固体推進剤として使用される。
この推進剤には実際にいくつかの利点がある。図13に示すように、曲線は、二原子ヨウ素(I)の場合における、温度Tに応じた二原子ヨウ素ガスの圧力Pの変化を示す。この曲線は、以下の式で概算することができる。
Figure 2018526570
この式は、「The Vapor Pressure Iodine」G.P.Baxter、C.H.Hickey、W.C.Holmes、J.Am.Chem.Soc.、1907、29(2)pp.12−136で得ることができる。この式は、「The normal Vapor Pressure of Crystalline Iodine」、L.J.Gillespie,&al.、J.Am.Chem Soc.、1936、vol.58(11)、pp2260−2263でも言及されている。この式は、様々な著者による実験的検証の対象となっている。
スラスタが停止モードから公称動作モードに切り替わると、温度が約50K上昇すると考えられる。300Kと400Kの間の温度範囲では、この図13は、二原子ヨウ素ガスの圧力が、50Kの温度上昇について、実質的に100倍増加することを示している。
また、スラスタが停止モードにあるとき、1つまたは各々のオリフィス22を通るヨウ素ガスの漏洩は非常に少なく、スラスタ100が公称動作状態にあるときに1つまたは複数のオリフィス22をチャンバ10の方向に通過する二原子ヨウ素ガスの量よりも約100倍少ない。
本発明によるスラスタの公称動作温度と停止時の温度とのより実質的な差異は、ガス状の推進剤の漏洩による相対損失を減少させるのみである。
したがって、推進剤として二原子ヨウ素(I)を使用する本発明によるスラスタ100は、文献D2とは対照的に、1つまたは各々のオリフィスのための弁を実装する必要がない。これにより、スラスタの設計が簡素化され、良好な信頼性をもたらす。ガス状の推進剤の流量制御は、高周波AC電圧源30によってコイル40に供給される電力によって、場合によっては上述のようにリザーバ20に接続された熱交換器の存在によって、リザーバ20の温度を制御することによって行われる。したがって、制御は、文献D3で行われる制御とは異なる。
スラスタ100はまた、チャンバ20の出力部で荷電粒子のビーム70を形成するために、チャンバ20からプラズマ、正イオンおよび電子の荷電粒子を抽出および加速する手段50を備える。図1において、この手段50は、チャンバ10の一端E(出力部)に配置されたグリッド51と、チャンバ10内に収容された電極52とを備え、この電極52は、構造によってグリッド51の表面よりも大きな表面を有する。場合によっては、リザーバ20の導電性の壁自体によって電極52を形成することができる。
電極52は、電気絶縁体58によってチャンバの壁から絶縁されている。
グリッド51は、例えば円形、正方形、矩形またはスロット、特に平行なスロットの形式など、異なる形状のオリフィスを有することができる。特に、円形オリフィスの場合、オリフィスの直径は、0.2mm〜10mm、例えば0.5mm〜2mmとすることができる。
この抽出および加速を確実にするために、手段50は、高周波AC電圧源30に接続されている。したがって、高周波AC電圧源30は、チャンバ10から荷電粒子を抽出および加速する手段50の制御をさらに提供する。これは、スラスタ100のコンパクト性をさらに高めることを可能にするため特に興味深い。さらに、高周波AC電圧源30による抽出および加速手段50のこの制御によって、荷電粒子のビーム70をより良く制御することが可能になり、これは特に論文D1で提案された技術とは対照的である。最後に、この制御はまた、この目的のために外部装置を何ら実装することなく、チャンバ10の出力部で非常に良好な電気的中性を有するビームを得ることを可能にする。言い換えれば、プラズマの荷電粒子を抽出および加速する手段50と高周波AC電圧源30とによって形成されたユニットはまた、チャンバ10の出力部でビーム70の中和を得ることを可能にする。スラスタ10のコンパクト性はこのように促進され、これは、小型衛星(<500kg)、特にマイクロサテライト(10kg〜100kg)、またはナノサテライト(1kg〜10kg)、例えば「CubeSat」タイプ用にこのスラスタ100を使用するのに特に有利である。
この効果のために、グリッド51は、高周波電圧源30によって供給される信号を管理する手段60を介して高周波電圧源30に接続され、電極52は、コンデンサ53と、高周波電圧源30によって供給される信号を管理する手段60とを介して、高周波電圧源30に直列に接続される。グリッド51は、さらに、例えば地面などの基準電位55に設定される。同様に、手段60に接続されていない高周波AC電圧源30の出力部も同じ基準電位55、実施例によれば地面に設定される。
実際には、宇宙分野の用途では、基準電位は、スラスタ100が搭載されている宇宙探査機または衛星の基準電位とすることができる。
高周波電圧源30によって供給される信号を管理する手段60はこのように、高周波AC電圧源30によって供給された信号を、一方では1つまたは各々のコイル40の方向に、他方ではチャンバ10からイオンおよび電子を抽出および加速する手段50の方向に送信することを可能にする手段60を形成する。
電圧源30(RF−高周波)は、ωpi≦ωRF≦ωpeとなるようにパルスωRFを定義するために調整する。ここで、
Figure 2018526570

Figure 2018526570
なお、m>>mという事実によりωpi<<ωpeである。
一般に、電圧源30によって供給される信号の周波数は、チャンバ10内のプラズマ形成に使用される推進剤に応じて、そしてこれはイオンのプラズマ周波数と電子のプラズマ周波数の間になるために、数MHz〜数百MHzであり得る。一般に13.56MHzの周波数が適するが、1MHz、2MHz、または4MHzの周波数も考慮に入れることができる。
ビーム70の電気的中性は、抽出し車を加速するためのシステム50の容量性の性質によってもたらされ、コンデンサ53の存在により、時間と共に抽出される電子と平均的に同じ数の正イオンが存在する。
この枠組みにおいて、高周波AC電圧源30によって生成される信号の形式は任意であり得る。しかしながら、高周波AC電圧源30によって電極52に供給される信号は、矩形または正弦波とすることができる。
第1の実施形態によるプラズマ(イオンおよび電子)の荷電粒子の抽出および加速のための動作原理は以下の通りである。
構造によって、電極52は、チャンバ10の出力部に配置されたグリッド51の表面よりも大きな表面を有し、一般的に明らかに大きい。
一般に、グリッド51よりも大きい表面を有する電極52上に電圧RFを印加することは、一方では電極52とプラズマとの間の界面に、他方ではグリッド51とプラズマとの間の界面に、電位RFの差に加えて電位のさらなる差異を生じさせる効果がある。この電位の総体的な差はシース全体に分散している。シースは、正イオンの密度が電子密度よりも高い場合に、一方ではグリッド51または電極52、他方ではプラズマの間に形成される空間である。このシースは、電極52に印加される信号RF(可変)によって可変の厚さを有する。
しかしながら、実際には、電極52に対する信号RFの印加の効果の大部分は、グリッド51のシース内にある(電極グリッドシステムは、2つの非対称な壁を有するコンデンサとしてとらえることができ、この場合、最小の電気容量を有する、したがって最も低い表面を有する部分に電位差が印加される)。
電圧源RF30と直列のコンデンサ53が存在する場合、信号RFの印加は、主にグリッド51のシース上のコンデンサ53の充電のために、電圧RFをDC定電圧に変換する効果を有する。
グリッド51のシース内のこのDC定電圧は、正イオンが常に抽出され、(連続的に)加速されることを意味する。実際、DC電位のこの差は、プラズマ電位を正にする効果を有する。その結果、プラズマの正イオンは、(基準電位の)グリッド51の方向に常に加速されるため、このグリッド51によってチャンバ10から抽出される。正イオンのエネルギーは、このDC電位(平均エネルギー)におけるこの差に対応する。
電圧RFの変化は、プラズマとグリッド51との間の電位RF+DCの差を変化させることを可能にする。グリッド51のシース上では、これによりこのシースの厚さが変化する。この厚さが、信号RFの周波数によって所定の一定間隔で時間の経過と共に生じる臨界値よりも小さくなると、グリッド51とプラズマとの間の電位差が値0に近づき(したがって、プラズマ電位が基準電位に近づき)、電子の抽出が可能となる。
実際には、電子が加速され抽出され得るプラズマ電位(=臨界電位)はチャイルドの法則によって求められ、この臨界電位をこのシースが消滅する(「シース崩壊」)シースの臨界厚さに結び付ける。
プラズマ電位が臨界電位より低い限り、電子とイオンの加速と同時に抽出がある。
チャンバ10のプラズマの出力部における正イオンおよび電子のビーム70の良好な電気的中性は、このように得ることができる。
図2は、図1に示す第1の実施形態の代替の実施形態を示す。
同じ参照番号は同じ構成要素を示す。
図1に示すスラスタに対する図2に示すスラスタの相違点は、チャンバ10内に収容された電極52が抑制されており、グリッド52´がチャンバ10の端部E(出力部)に追加されていることにある。
換言すれば、プラズマの荷電粒子を抽出および加速する手段50は、チャンバ10の一端E(出力部)に配置された組になった少なくとも2つのグリッド51、52´を備え、組になった少なくとも2つのグリッド51、52´の少なくとも1つである51が、高周波電圧源30によって供給される信号を管理する手段60を介して、高周波電圧源30に接続されており、組になった少なくとも2つのグリッド51、52´の少なくとも他方である52´が、コンデンサ53と、高周波電圧源30によって供給される信号を管理する手段60とを介して、高周波電圧源30に直列に接続されている。
図2における高周波電圧源30へのグリッド52´の接続は、図1におけるこの電圧源30への電極52の接続と同一である。
各グリッド51、52´は、例えば円形、正方形、矩形またはスロット、特に平行なスロットの形式など、異なる形状のオリフィスを有することができる。特に、円形オリフィスの場合、オリフィスの直径は、0.2mm〜10mm、例えば0.5mm〜2mmとすることができる。
さらに、2つのグリッド52´、51の間の距離は、0.2mm〜10mm、例えば0.5mm〜2mmとすることができる(厳密な選択は、電圧DCとプラズマの密度に依存する)。
この代替例では、正イオンおよび電子の抽出および加速の動作は以下の通りである。
電圧源30によって電圧RFが印加されると、コンデンサ53が充電される。次にコンデンサ53の充電によって、コンデンサ53の端子に直流電圧DCが発生する。次に、電圧源30およびコンデンサ53によって形成されたユニットの端子において、電圧RF+DCが得られる。電圧RF+DCの一定部分は、唯一の信号RFの平均値がゼロの状態で2つのグリッド52´、51の間に電場を画定することを可能にする。したがって、この値DCは、2つのグリッド51、52´を通って連続的に正イオンを抽出し加速することを可能にする。
さらに、この電圧RFが印加されると、プラズマは、プラズマと接触しているグリッド52´に印加された電位、すなわちRF+DCに追従する。他方のグリッド51(基準電位55、例えば地面)についてもプラズマと接触しているが、電子が正イオンと共に抽出される短い時間間隔中、すなわち電圧RF+DCが、シースが消失する臨界値よりも低いときにのみ接触する。この臨界値はチャイルドの法則によって定義される。
チャンバ10の出力部におけるビーム70の電気的中性は、このように確保される。
さらに、図2のこの実施形態の場合、イオンおよび電子のビーム70の電気的中性は、高周波AC電圧源30から来る正電位および/または負電位の印加持続時間を調整することによって、少なくとも部分的に得ることができることに留意されたい。イオンおよび電子のビーム70のこの電気的中性は、高周波AC電圧源30から来る正電位および/または負電位の振幅を調整することによって、少なくとも部分的に得ることもできる。
この代替例の興味深い点は、図1に示された実施形態と関連して、チャンバ10の端部Eにグリッド51を実装し、またグリッド51よりも大きい表面を有するチャンバ内に収容された電極52を実装することによって、正イオンのより良好な軌道制御をもたらすことである。これは、電位DC(直流)の差が、高周波AC電圧源30および直列のコンデンサ53の作用下で2つのグリッド52´、51間に発生し、図1の第1の実施形態の場合におけるプラズマおよびグリッド51(上記参照)間のシースには発生しないという事実につながる。
したがって、図2に示す代替の実施形態では、図1に示す第1の実施形態における現象に比べて、より多くの正イオンが、グリッド52´の壁に接触することなく、グリッド52´のオリフィスを通過することが保証される。
さらに、グリッド52´のオリフィスを通過する正イオンは、これらのイオンの観点からはグリッド52´のオリフィスを通してのみ見えるグリッド51の壁に接触しない。その結果、この代替の実施形態によるグリッド52´、51の寿命は、図1の第1の実施形態のグリッド51の寿命に比べて向上する。
従って、得られるスラスタ100の寿命が向上する。
最後に、組になった少なくとも2つのグリッド51、52´によって正イオンを集束することができるため効率が改善され、中性種の流れはこれらの中性種に対する透明性が増大するために減少する。
図3は、図1の第1の実施形態の別の代替例を示し、グリッド51は、その2つの端部で高周波AC電圧源30に接続される。
残りの部分は全て同じであり、同じ方法で動作する。
図4は、図2に示す代替例の代替の実施形態を示し、グリッド51がその両端で高周波AC電圧源に接続されている。
残りの部分は全て同じであり、同じ方法で動作する。
したがって、図3および図4に示す代替例は、グリッド51のための基準電位の実装を必要としない。宇宙分野では、このような接続により、一方ではスラスタ100が搭載される宇宙探査機または衛星の外部導電性部分と、他方では厳密に言えば荷電粒子を抽出および加速する手段50との間を循環する寄生電流の不在を保証する。
図5は、本発明によるイオンスラスタの第2の実施形態を示す。
これは、図1に示す第1の実施形態の代替例であり、チャンバ10からのプラズマの荷電粒子の抽出および加速を管理する第1の高周波AC電圧源30と、第1の高周波AC電圧源30とは別に第2の高周波AC電圧源30´とが設けられている。
残りは同じであり、同じように動作する。
この場合、図1〜図4で提案したような、単一の高周波AC電圧源30によって供給される信号を管理する手段60はもはや重要ではない。
この代替例によって、さらなる柔軟性を有することが可能になる。
実際に、プラズマからの荷電粒子の抽出および加速に使用される電圧源30が、周波数がイオンのプラズマ周波数と電子のプラズマ周波数との間にある高周波AC電圧源のままである場合、電圧源30´は異なる信号を生成することができる。
例えば、電圧源30´は、(例えば金属製の)導電性リザーバ20のジャケット21を加熱するための1つまたはいくつかのコイル40に関連する高周波AC電圧信号を生成し、固体推進剤を蒸発させ、次に周波数が電圧源30の動作周波数の周波数とは異なるプラズマをチャンバ10内に発生させることができる。電圧源30´の動作周波数は、特に、電圧源30の動作周波数よりも高くすることができる。
別の例によれば、電圧源30´は、1つまたはいくつかのマイクロ波アンテナ40に関連する、マイクロ波に対応する周波数のAC電圧信号を生成することができる。
図6は、図5に示す第2の実施形態の代替例を示す。
図5に示すスラスタ100と図1に示すスラスタ100との違いは、チャンバ10内に収容された電極52が抑制され、チャンバ10の端部E(出力部)にグリッド52´が追加されていることにある。
残りは同じであり、同じように動作する。
換言すれば、図6に示す代替例と図5の第2の実施例との違いは、図2に示す代替例と図1の第1の実施例との間で上に示したものと同じである。
図7は、図5の第2の実施形態の別の代替例を示し、グリッド51が高周波AC電圧源30に接続されている。
残りの部分は全て同じであり、同じ方法で動作する。
図8は、図6に示す代替例の代替の実施形態を示し、グリッド51が高周波AC電圧源30に接続されている。
残りの部分は全て同じであり、同じ方法で動作する。
したがって、図7および図8に示す代替例は、グリッド51のための基準電位55の実装を必要としない。上述したように、宇宙分野では、このような接続により、一方ではスラスタ100が搭載される宇宙探査機または衛星の外部導電性部分と、他方では厳密に言えば荷電粒子を抽出および加速する手段50との間を循環する寄生電流の不在を保証する。
図9は、図8に示すスラスタ100の代替の実施形態を示す。
この代替の実施形態は、リザーバ20が、ガス状の推進剤をプラズマチャンバ10に噴射するための2つの段E1、E2を備える点で、図8に示す実施形態とは異なる。
実際には、図8および図1〜図7のいずれの箇所においても、リザーバ20はジャケット21を備え、ジャケット21には1つまたはいくつかのオリフィス22を備える壁が設けられ、したがって1段式のリザーバを画定している。
これに対して図9に示す代替例では、リザーバはさらに少なくとも1つのオリフィス22´´を備える膜22´を備え、膜22´は、リザーバを2つの段E1、E2に分離する。より正確には、リザーバ20は、固体推進剤PSと、少なくとも1つのオリフィス22が設けられたジャケット21との間に配置された膜22´を備え、この膜22´は、少なくとも1つのオリフィス22´´を備え、膜22´の1つまたは各々のオリフィス22´´の表面は、リザーバ20のジャケット21の1つまたは各々のオリフィス22の表面よりも大きい。
この代替例は、リザーバ20のジャケット21上の1つまたは各オリフィス22のサイジングの観点から特にプラズマチャンバ10内に所望の動作圧力P2を得るために、小さすぎるオリフィスが画定される場合に対象となる。これらのオリフィスは、技術的に製造することができない可能性がある。これらのオリフィスは、技術的には製造可能であるが、固体推進剤の塵埃、より一般的には不純物の塵埃が使用中にオリフィス22を塞がないことを保証するには小さ過ぎる可能性もある。
この場合、膜22´の1つまたは各々のオリフィス22´´は、リザーバ20のジャケット21上に形成された1つまたは各々のオリフィス22よりも大きくなるようにサイジングされ、1つまたは各々のオリフィス22は、プラズマチャンバ10内で所望の動作圧力P2を得るサイズのままである。
もちろん、図1〜図7に関して説明した実施形態の全てについて、2段式のリザーバ20を考慮することができる。
図10は、本発明によるイオンスラスタの第3の実施形態を示す。
この図は、図8の実施形態(グリッド52´とグリッド51´の両方が電圧源に接続される)の代替例である。しかし、図6(グリッド52´は電圧源に接続され、グリッド51は地面に接続される)、図7(電極52とグリッド51の両方が電圧源に接続される)、図5(電極52は電圧源に接続され、グリッド51は地面に接続される)および図9の代替例としても適用される。
ここに示すスラスタ100は、チャンバ10のプラズマの出力部で正イオンのビーム70´を形成することを可能にする。このために、高周波AC電圧源30は直流電圧源(DC)30´´に置き換えられている。ビーム70´の電気的中性を確実にするために、チャンバ10に対する装置外部80、81によってビーム70´に電子が注入される。この装置は、電子発生器81に電力を供給する電源80を備える。電子発生器81を出る電子ビーム70´´は、電気的中性を確実にするために、正イオンのビーム70´に向けられる。
図11および図12は、図1、図3、図5または図7の実施形態によるスラスタ100のプラズマチャンバ10およびその環境について考えられる設計を示す。
これらの図において、プラズマチャンバ10、ジャケット21を有するリザーバ20、およびオリフィス22が認識される。リザーバ20は、電極52としても使用される。ここでは、3つのオリフィス22が示されており、リザーバ20の対称軸AXの周りに均等に分布している。ジャケット21は、導電性材料、例えば金属(例えば、アルミニウム、亜鉛または金で覆われた金属材料)または金属合金(例えば、ステンレス鋼または黄銅)から作られる。したがって、AC電圧源30、30´およびコイル40の作用下で、または場合によってはマイクロ波アンテナ40の作用下で、リザーバ20のジャケット21に渦電流およびそれに続くジュール効果を作り出すことができる。リザーバ20のジャケット21と固体推進剤PSとの間の熱の伝達は、熱伝導および/または熱放射によって行うことができる。
チャンバ10は、チャンバ10(長手軸AX)に沿って延在するロッド202、204、205を介して共に取り付けられた2つのリング201、202の間に挟まれている。チャンバ10は、誘電材料、例えばセラミックから作られる。リングおよびロッドの固定は、ボルト/ナット(図示せず)を用いて行うことができる。リングは、金属材料、例えばアルミニウムから作ることができる。ロッドに関しては、例えばセラミックまたは金属材料から作られる。
リング201、203およびロッド202、204、205によってこのように形成されたユニットは、追加の部分207、207´を介してチャンバ10およびその環境を固定することを可能にし、追加の部分207、207´は、スラスタを受けるように意図されたシステム(図11および図12には示されていない)、例えば衛星または宇宙探査機上で、リング203、204、205の1つである203を挟む。
サイジングの例
図1に示すイオンスラスタ100を試験した。
プラズマチャンバ10およびその環境は、図11および図12を用いて説明したものに従う。材料は300℃の最大許容温度に対して選択した。
使用する固体推進剤PSは、二原子ヨウ素(I、乾燥重量約50g)である。
二原子ヨウ素ガスをリザーバ20からプラズマチャンバ10(1段式のリザーバ20)に通すために、リザーバ20の導電性ジャケット21にいくつかのオリフィス22を設けた。
リザーバ20の基準温度T1は60℃に設定した。これは、高周波AC電圧源30の10Wの電力を用いて得ることができる。電圧源30によって供給される信号の周波数は、イオンのプラズマ周波数と電子のプラズマ周波数との間になるように選択する(ここでは13.56MHz)。
リザーバ20内の二原子ヨウ素ガスの圧力P1は、図13(Iの場合;対応する式F1参照)によって知られており、後者はP1とT1との間のリンクを提供する。ここで、P1は10Torr(約1330Pa)である。
次に、最適効率を得るために、チャンバ10内の圧力P2を7Pa〜15Pa、リザーバ20とチャンバ10との間の二原子ヨウ素ガスの質量流量m´を15sccm(約1,8.10−6kg.s−1)にする必要がある。
次にオリフィス(円)の等価直径は約50ミクロンであると推定することができる。オリフィスが固有のものである場合、オリフィスは50ミクロンの直径を有する。いくつかのオリフィスが設けられている場合(実施した試験はこの場合である)、次にこのオリフィスの表面を決定し、この表面をいくつかのオリフィス上に分配して各オリフィスの直径(有利には同じである)を得ることが適切である。
しかし、上述した数値に対応する数個の追加のサイジング要素を提供するために、表面Aのオリフィス22の場合、以下の点に留意されたい。
オリフィス22を通る体積流量は、関係式(R1)によって見積もることができる。
Figure 2018526570
Figure 2018526570
オリフィス22を通る二原子ヨウ素ガスの質量流速m´は、次の関係式(R3)によって得られ、
Figure 2018526570
関係式(R1)と(R3)とを組み合わせることにより、オリフィス22の表面Aは、関係式(R4)によってそこから導出される。
Figure 2018526570
次に、オリフィス22を寸法決めする。
関係式(R4)から分かるように、プラズマチャンバ10内の温度Tは介入しない。この温度Tを考慮することによって、より正確なモデリングを得ることができる可能性がある。このサイジングに関するより一般的なデータについては、「A User Guide To Vacuum Technology」third ed.、Johan F.O´Hanlon(John Wiley&Sons Inc.、2003)を参照することができる。
オリフィス22の表面Aの寸法が決まると、スラスタ100停止時の二原子ヨウ素ガスの漏洩の質量流量m´leak(kg/s)を関係式(R5)によって決定することができる。
Figure 2018526570
例の終わり
なお、プラズマチャンバ10に面するリザーバ20のジャケットの一方の面における付随する図に示す1つまたは各々のオリフィスの位置は、異なっていてもよい。特に、1つまたは各々のオリフィスをリザーバ20の反対側の面に配置することは大いに可能である。
最後に、本発明によるスラスタ100は、特に、衛星Sまたは宇宙探査機SPに使用することができる。
このように、図14は、本発明によるスラスタ100と、エネルギー源SE、例えばスラスタ100の1つまたは各々のDC電圧源30´´またはAC電圧源30、30´(場合により高周波またはマイクロ波)に接続されたバッテリまたはソーラーパネルとを備える衛星Sを図式的に示す。
図15は、本発明によるスラスタ100と、エネルギー源SE、例えばスラスタ100の1つまたは各々のDC電圧源30´´またはAC電圧源30、30´(場合により高周波またはマイクロ波)に接続されたバッテリまたはソーラーパネルとを備える宇宙探査機SSを図式的に示す。

Claims (14)

  1. −チャンバ(10)と、
    −固体推進剤(PS)を備えるリザーバ(20)であって、前記チャンバ(10)内に収容され、少なくとも1つのオリフィス(22)が設けられた導電性ジャケット(21)を備える前記リザーバ(20)と、
    −前記チャンバ(10)内にイオン‐電子プラズマを形成する手段の組(30、30´、40)であって、ガス状の推進剤を形成するために前記リザーバ(20)内の前記固体推進剤(PS)を昇華させることができる手段と、次に前記少なくとも1つのオリフィス(22)を通って前記リザーバ(20)から来る前記ガス状の推進剤から前記チャンバ(10)内に前記プラズマを発生させることができる手段の組と、
    −少なくとも前記プラズマのイオンを前記チャンバ(10)から抽出および加速する手段(50)であって、
    ・前記チャンバ(10)の一端(E)に位置するグリッド(51)に関連付けられた、前記チャンバ(10)内に収容された電極(52)であって、前記グリッド(51)の表面よりも大きい表面を有する前記電極(52)、または
    ・前記チャンバ(10)の前記一端(E)に位置する組になった少なくとも2つのグリッド(52´、51)
    を備える抽出および加速手段(50)と、
    −コンデンサ(53)と直列に配置され、イオンのプラズマ周波数と電子のプラズマ周波数との間にある高周波の信号を生成するように適合されたDC電圧源(30´´)または高周波AC電圧源(30)であって、その出力部の1つによって前記チャンバ(10)から前記少なくともプラズマのイオンを前記抽出および加速する手段(50)、より正確には、
    ・前記電極(52)、または
    ・前記組になった少なくとも2つのグリッド(51、52´)のうちの1つのグリッド(52´)
    に接続され、
    前記グリッド(51)は前記電極(52)に関連付けられ、または場合によっては、前記組になった少なくとも2つのグリッド(51、52´)の他方のグリッド(51)が基準電位(55)に設定されるか、または前記高周波AC電圧源(30)の他方の出力部に接続され、
    前記抽出および加速手段(50)と前記高周波DCまたはAC電圧源(30、30´´)が、前記チャンバ(10)の出力部で少なくともイオンを含むビーム(70、70´)を形成することを可能にする、前記DC電圧源(30´´)または前記高周波AC電圧源(30)と
    を備えることを特徴とするイオンスラスタ(100)。
  2. ・前記抽出および加速手段(50)に接続された電圧源が、前記高周波AC電圧源(30)であって、
    ・前記イオン‐電子プラズマ形成手段の組(30、40)は、一方では少なくとも1つのコイル(40)の方向に、他方では前記抽出および加速手段(50)の方向に、前記高周波電圧源(30)によって供給される信号を管理する手段(60)を介して、この同じ前記高周波AC電圧源(30)によって給電される前記少なくとも1つのコイル(40)を備え、
    前記チャンバ(10)の前記出力部で前記イオンおよび電子のビーム(70)を形成する、
    請求項1に記載のスラスタ(100)。
  3. 前記イオン‐電子プラズマ形成手段の組(30、40、30´)が、
    ・前記抽出および加速手段(50)に接続された前記高周波DC(30´´)またはAC(30)電圧源とは異なる高周波AC電圧源(30´)によって給電される少なくとも1つのコイル(40)、または
    ・マイクロ波AC電圧源(30´)によって給電される少なくとも1つのマイクロ波アンテナ(40)
    を備える、請求項1に記載のスラスタ(100)。
  4. 前記抽出および加速手段(50)に接続された前記電圧源が、前記チャンバ(10)の出力部で前記イオンおよび電子のビーム(70)を形成するために、前記高周波AC電圧源(30)である、請求項1〜請求項3に記載のスラスタ(100)。
  5. 前記抽出および加速手段(50)が、前記チャンバ(10)の一端(E)に配置された組になった少なくとも2つのグリッド(52´、51)である場合、前記抽出および加速手段(50)に接続された前記高周波AC電圧源(30)から来る正電位および/または負電位の印加持続時間を調整することによって、前記イオンおよび電子のビーム(70)の電気的中性が少なくとも部分的に得られる、請求項2または請求項4のいずれか一項に記載のスラスタ(100)。
  6. 前記抽出および加速手段(50)が、前記チャンバ(10)の一端(E)に配置された組になった少なくとも2つのグリッド(52´、51)である場合、前記抽出および加速手段(50)に接続された前記高周波AC電圧源(30)から来る正電位および/または負電位の振幅を調整することによって、前記イオンおよび電子のビーム(70)の電気的中性が少なくとも部分的に得られる、請求項2または請求項4のいずれか一項に記載のスラスタ(100)。
  7. 前記抽出および加速手段(50)に接続された前記電圧源が、前記チャンバ(10)の出力部で前記イオンのビーム(70´)を形成するためにDC電圧源(30´´)であって、前記スラスタ(100)が、電気的中性を提供するために、前記イオンのビーム(70´)に電子を注入する手段(80、81)をさらに備える、請求項3に記載のスラスタ(100)。
  8. 前記リザーバ(20)が、前記固体推進剤(PS)と前記少なくとも1つのオリフィス(22)が設けられた前記ジャケット(21)との間に配置された膜(22´)を備え、前記膜(22´)が少なくとも1つのオリフィス(22´´)を備え、前記膜(22´)の前記1つまたは各々のオリフィス(22´´)の表面が、前記リザーバ(20)の前記ジャケット(21)の前記1つまたは各々のオリフィス(22)の表面よりも大きい、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載のスラスタ(100)。
  9. 前記1つまたは各々のグリッド(51、52´)が、円形、正方形、矩形またはスロット、特に平行なスロットの形式の形状から選択される形状のオリフィスを有する、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載のスラスタ(100)。
  10. 前記1つまたは各々のグリッド(51、52´)が、直径0.2mm〜10mm、例えば0.5mm〜2mmの円形オリフィスを有する、請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載のスラスタ(100)。
  11. 前記チャンバ(10)から前記抽出および加速する手段(50)が、前記チャンバ(10)の前記端部(E)に配置された前記組になった少なくとも2つのグリッド(52´、51)を備える場合、前記2つのグリッド(52´、51)間の距離が0.2mm〜10mm、例えば0.5mm〜2mmである、請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載のスラスタ(100)。
  12. 前記固体推進剤(PS)が、二原子ヨウ素、他の化学成分と混合された二原子ヨウ素、フェロセン、アダマンタンまたはヒ素から選択される、請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載のスラスタ(10)。
  13. 請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載のスラスタ(100)と、前記スラスタ(100)の前記1つまたは各々のDC(30´´)またはAC(30、30´)電圧源に接続されたエネルギー源(SE)(例えばバッテリまたはソーラーパネル)とを備える衛星(S)。
  14. 請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載のスラスタ(100)と、前記スラスタ(100)の前記1つまたは各々のDC(30´´)またはAC(30、30´)電圧源に接続されたエネルギー源(SE)(例えばバッテリまたはソーラーパネル)とを備える宇宙探査機(SS)。
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