JP2018526423A - 眼科疾患を処置するための化合物および製剤 - Google Patents

眼科疾患を処置するための化合物および製剤 Download PDF

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Abstract

本開示は、白内障および老視を含む目の状態の処置および防止における組成物、製剤およびこれらの使用法に関する。本明細書で記載される化合物もしくは製剤のうちの少なくとも一方の有効量を投与することによって、α−クリスタリン凝集の可能性を低減するかもしくはその凝集を逆進することから利益を得る疾患もしくは状態を処置するために使用され得る。本開示の化合物もしくは塩は、α−クリスタリンに結合する薬理学的シャペロンであり得る。

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2015年9月8日に出願された米国仮特許出願番号第62/215,629に基づく優先権を主張しており、その全体の内容は、参考として本明細書中に援用される。
発明の背景
白内障は、40歳および40歳を超え75歳までの、2400万人を超える米国人が罹患しており、全米国人のうちの半数は、白内障を有する。白内障は、視野に影響を及ぼす、眼の中の水晶体の濁りである。白内障の従来の処置は、人工眼内レンズでの外科的置換である。しかし、白内障の外科的処置は、高額であり、人工レンズは、正常な水晶体と全体的に同じ光学的質を有しない。
およそ1億1200万人の米国人が現在老視に罹患していると概算される。老視は、一般には40〜50歳の間に現れ始め、最初は視野がぼんやりし、薄暗い光の中では見づらくなり、眼精疲労をもたらす加齢性の遠視である。健康な眼では、水晶体は、遠近調節といわれるプロセス(水晶体の内部を通って画像が形成される場所である網膜上へと光が通過する道を変化させるために、周囲の筋肉によって水晶体の形状を僅かに変化させる)によって種々の距離で対象物からの光を集めることができる。遠近調節の間に、水晶体を取り囲む筋肉は収縮し、水晶体の形状を変化させ、眼の焦点を合わせる能力を増大させる。このことは、近距離および遠距離での焦点および明確な視野を可能にする。加齢とともに、その構造的なクリスタリンタンパク質は過って折りたたまれるようになるにつれて、水晶体はより硬くなる。この増大した水晶体の硬さは、近距離での明確な視野を要する、読んだり他の仕事をしたりするために眼が焦点を合わせる能力を制限する。リーディンググラスまたは累進レンズを備えた眼鏡は、老視の最も一般的な矯正術であるが、外科的選択肢も利用可能である。
白内障および老視は、全世界で数十億の人々に影響を及ぼしているので、これらの疾患を処置および防止するための新たな方法の必要性は、重大である。
発明の要旨
ある特定の局面において、本開示は、約0.05重量%〜約5重量%の、式(IIIC):

によって表される化合物もしくはその塩、および1種もしくはこれより多くの薬学的に受容可能な賦形剤を含む薬学的製剤を提供する。ある特定の実施形態において、本開示の製剤は、約0.1重量%〜約4重量%、約0.5重量%〜約4重量%、または約2重量%〜約4重量%の式(IIIC)の化合物もしくは塩を含む。
ある特定の実施形態において、上記薬学的製剤は、粒子の形態にある式(IIIC)の前記化合物もしくは塩を含み、ここで該粒子は、約1nm〜約1μmから選択される平均最大直径を有する。上記粒子は、約1nm〜約200nm、約400nm〜約600nm、または約450〜約550nmから選択される平均直径を有し得る。ある特定の実施形態において、上記製剤中の粒子のうちの80%より多くが、約450nm〜約550nmから選択される平均最大直径を有する。
ある特定の実施形態において、上記薬学的製剤は、水性であり、例えば、上記製剤は、少なくとも約90重量%の水を含む。
ある特定の実施形態において、上記薬学的製剤は、該製剤の粘度を増大させる薬剤を含む。上記製剤の粘度を増大させる薬剤は、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール(PEG)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ソルビトール、ゲランガム(高アシルもしくは低アシル)、キサンタンガム、デキストラン、グアールガム、ローカストビーンガム、アルギン酸ナトリウム、アガー、ゼラチン、キトサン、ペクチン、アルギネート、キシログルカン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カラギーナンおよびこれらの組み合わせから選択され得る。ある特定の実施形態において、上記製剤の粘度を増大させる薬剤は、ゲランガムである。ある特定の実施形態において、上記薬学的製剤は、約0.005Pa.s〜約0.030Pa.sの粘度を有する。
ある特定の実施形態において、上記薬学的製剤は、上記製剤のpHを調節するための薬剤を含む。上記製剤のpHを調節するための薬剤は、塩酸、ホウ酸、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムから選択され得る。上記製剤のpHを調節するための薬剤は、ホウ酸であり得る。ある特定の実施形態において、上記製剤は、約5〜約9、約7〜約8(例えば、約7.4)から選択されるpHを有する。
ある特定の実施形態において、上記製剤は、上記製剤の容量オスモル濃度を調節するための薬剤を含む。上記製剤の容量オスモル濃度を調節するための薬剤は、マンニトール、塩化ナトリウム、硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、デキストロース、塩化カリウム、グリセリン、プロピレングリコール、塩化カルシウム、および塩化マグネシウムから選択され得る。ある特定の実施形態において、上記製剤の容量オスモル濃度を調節するための薬剤は、マンニトールである。
ある特定の実施形態において、上記薬学的製剤は、緩衝化剤を含む。上記緩衝化剤は、トロメタミン、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム塩類緩衝液(SSC)、アセテート、塩類溶液、生理食塩水、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)、4−2−ヒドロキシエチル−1−ピペラジンエタンスルホン酸緩衝液(HEPES)、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸緩衝液(MOPS)、およびピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)緩衝液(PIPES)、酢酸ナトリウム−ホウ酸ストック溶液、塩化ナトリウムを含むホウ酸−炭酸ナトリウム溶液、ホウ酸-ホウ酸ナトリウム緩衝液、リン酸ナトリウムおよびリン酸カリウム緩衝液、塩化カリウムを含むホウ酸−炭酸ナトリウム、またはこれらの組み合わせから選択され得る。ある特定の実施形態において、上記緩衝化剤は、トロメタミンである。上記薬学的製剤は、約0.1重量%〜約4重量%の緩衝化剤を含み得る。
上記薬学的製剤は、分散剤を含み得る。分散剤の例としては、界面活性剤(例えば、オレイン酸のソルビタンエーテルエステル、ポリソルベート−80、およびポリソルベート−20、カチオン性界面活性剤、ならびにアニオン性界面活性剤)が挙げられる。ある特定の実施形態において、上記薬学的製剤は、約0.01重量%〜約1重量%の分散剤、例えば、ポリソルベート−80を含む。
ある特定の実施形態において、上記製剤は、保存剤を含む。前記保存剤は、塩化ベンザルコニウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クロルブタノール、酢酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、酢酸クロルヘキシジン、チメロサール、および塩化ベンゼトニウムから選択され得る。ある特定の実施形態において、上記製剤は、約0.001重量%〜約0.1重量%の保存剤を含む。他の実施形態において、上記製剤は、保存剤を含まない。
ある特定の局面において、本開示は、本明細書に記載の薬学的製剤を、必要性のある被験体の目に投与する工程を包含する、眼の疾患を処置するための方法を提供する。ある特定の実施形態において、上記薬学的製剤は、硝子体内注射または前眼房内注射によって、局所的に投与される。ある特定の実施形態において、上記薬学的製剤は、硝子体内注射または前眼房内注射によって投与される。ある特定の実施形態において、硝子体内注射のための薬学的製剤は、1もしくはこれより多くの用量で投与され、ここで各用量は、約60μL〜約120μLまたは約80μL〜約110μLから選択される。
ある特定の実施形態において、上記薬学的製剤の用量は、1ヶ月に1回、6週間に1回、2ヶ月に1回、6ヶ月に1回、または1年に1回、投与され得る。上記薬学的製剤の用量は、1ヶ月に1回、連続3ヶ月間にわたって投与され得、続いて、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、9ヶ月間または1年間の休薬日があってもよい。上記薬学的製剤の用量は、1ヶ月に1回、連続2ヶ月間にわたって投与され得、続いて、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、9ヶ月間または1年間の休薬日があってもよい。
ある特定の実施形態において、上記薬学的製剤は、局所投与される。
ある特定の実施形態において、本開示の薬学的組成物は、白内障もしくは老視のような眼の疾患を処置または防止するために使用される。
ある特定の局面において、本開示は、被験体の近見視障害を処置または予防するための方法であって、該方法は、必要性のある被験体に、式(III):

の化合物、またはその塩を投与する工程を包含し、ここで
、R、R、R、R、R、R、R11、R12、R13、R14、R15、R16、およびR17は、水素、ハロゲン、−OR30、−SR30、−OSO30、−OPO30、−N(R31、−C(O)R30、−C(O)OR30、−OC(O)R30、−NO、−CN、必要に応じて置換されたC−C10アルキル、必要に応じて置換されたC−C10アルケニル、必要に応じて置換されたC−C10アルキニル、必要に応じて置換された炭素環および必要に応じて置換された複素環から独立して選択され;Rは、Rと一緒になって、=O、=S、および=N(R31)からさらに選択され;Rは、Rと一緒になって、=O、=S、および=N(R31)からさらに選択され;R13は、R14と一緒になって、=O、=S、および=N(R31)からさらに選択され;RおよびR10は、これらが結合される原子と一緒になって、必要に応じて置換された炭素環または必要に応じて置換された複素環をさらに形成し得;そしてここでRは、炭素5と炭素6との間に二重結合が存在する場合には存在せず、R16およびR17は、炭素8と炭素9との間に二重結合が存在する場合には存在せず、R11は、炭素12と炭素13との間に二重結合が存在する場合には存在せず;そして炭素4と炭素5との間に二重結合が存在する場合には、RおよびRは存在せず、炭素5と炭素6との間に単結合が存在し;
、R、R10、R18、R19およびR20は、水素、ハロゲン、−OR30、−SR30、−OSO30、−OPO30、−N(R31、−C(O)R30、−C(O)OR30、−OC(O)R30、−NO、−CN、=O、=S、=N(R31)、必要に応じて置換されたC−C10アルキル、必要に応じて置換されたC−C10アルケニル、C−C10アルキニル、必要に応じて置換された炭素環および必要に応じて置換された複素環から独立して選択され;
各R31は、水素、−OR30、−SR30、−S(O)R30、−S(O)30、−C(O)R30、−C(O)OR30、必要に応じて置換されたC−C10アルキル、必要に応じて置換されたC−C10アルケニル、C−C10アルキニル、必要に応じて置換された炭素環および必要に応じて置換された複素環から独立して選択され;
各R30は、水素、必要に応じて置換されたC−Cアルキル、必要に応じて置換されたC−Cアルケニル、必要に応じて置換されたC−Cアルキニル、必要に応じて置換された炭素環および必要に応じて置換された複素環から独立して選択され;そして
nは、0または1から選択され、
ここで該近見視障害は、白内障ではない、方法を提供する。
援用の表示
本明細書中で言及される全ての刊行物、特許、および特許出願は、各個々の刊行物、特許、または特許出願が、参考として援用されることが具体的にかつ個々に示されるのと同程度まで、本明細書に参考として援用される。
本発明は、添付の図面と共に理解する場合に、以下の発明の詳細な説明および添付の特許請求の範囲からより容易に明らかになる他の利点および特徴を有する。
図1は、マイクロ流体システムを示す。
図2は、マイクロ流体システムを通る通過が増加するにつれて、どの程度粒度が低下するかを図示する。
図3は、マイクロ流体システムでの加工処理前後で粒度がどの程度異なるかを図示する。
図4は、本発明の化合物の水晶体曝露を決定する実験結果を示す。
図5は、本発明の化合物の角膜曝露を決定する実験結果を示す。
図6は、本発明の化合物の網膜曝露を決定する実験結果を示す。
図7は、本発明の化合物の毛様体曝露を決定する実験結果を示す。
図8は、ヒト眼球の種々の組織における本発明の化合物の曝露を決定する実験結果を示す。
図9は、ヒト眼球の水晶体における本発明の化合物の曝露の動態を決定する実験結果を示す。
図10は、ウサギにおける硝子体内投与後の、すなわち、投与後2時間、24時間、および168時間での、3重量%および0.5重量%での硝子体液中の25−ヒドロキシコレステロールの濃度を示す。
図11は、ウサギにおける硝子体内投与後の、すなわち、投与後2時間、24時間、および168時間での、3重量%および0.5重量%での水晶体中の25−ヒドロキシコレステロールの濃度を示す。
図12は、スネレン視力検査表を示す。
図13は、イエーガー視力検査表を示す。
図14は、LogMAR検査表を示す。
発明の詳細な説明
定義
別段定義されなければ、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書で言及される全ての特許および刊行物は、参考として援用される。
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの、ある(a)」、「1つの、ある(an)」および「上記、この、その(the)」は、状況が別段明確に指示しなければ、複数形への言及を含む。
「アルキル(alkyl)」とは、炭素原子および水素原子のみからなり、不飽和を含まず、かつ好ましくは1〜15個の炭素原子(すなわち、C−C15アルキル)を有する直線状もしくは分枝状の炭化水素鎖ラジカルをいう。ある特定の実施形態において、アルキルは、1〜13個の炭素原子(すなわち、C−C13アルキル)を含む。ある特定の実施形態において、アルキルは、1〜8個の炭素原子(すなわち、C−Cアルキル)を含む。他の実施形態において、アルキルは、1〜5個の炭素原子(すなわち、C−Cアルキル)を含む。他の実施形態において、アルキルは、1〜4個の炭素原子(すなわち、C−Cアルキル)を含む。他の実施形態において、アルキルは、1〜3個の炭素原子(すなわち、C−Cアルキル)を含む。他の実施形態において、アルキルは、1〜2個の炭素原子(すなわち、C−Cアルキル)を含む。他の実施形態において、アルキルは、1個の炭素原始(すなわち、Cアルキル)を含む。他の実施形態において、アルキルは、5〜15個の炭素原子(すなわち、C−C15アルキル)を含む。他の実施形態において、アルキルは、5〜8個の炭素原子(すなわち、C−Cアルキル)を含む。他の実施形態において、アルキルは、2〜5個の炭素原子(すなわち、C−Cアルキル)を含む。他の実施形態において、アルキルは、3〜5個の炭素原子(すなわち、C−Cアルキル)を含む。ある特定の実施形態において、上記アルキル基は、メチル、エチル、1−プロピル(n−プロピル)、1−メチルエチル(イソ−プロピル)、1−ブチル(n−ブチル)、1−メチルプロピル(sec−ブチル)、2−メチルプロピル(イソ−ブチル)、1,1−ジメチルエチル(tert−ブチル)、1−ペンチル(n−ペンチル)から選択される。上記アルキルは、単結合によってその分子の残りに結合される。本明細書中で別段具体的に述べられなければ、アルキル基は、1個もしくはこれより多くの置換基(例えば、本明細書で記載されるそれら置換基)によって必要に応じて置換される。
「アルケニル(alkenyl)」とは、炭素原子および水素原子のみからなり、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含み、そして好ましくは2〜12個の炭素原子(すなわち、C−C12アルケニル)を有する直線状もしくは分枝状の炭化水素鎖ラジカル基をいう。ある特定の実施形態において、アルケニルは、2〜10個の炭素原子(すなわち、C−C10アルケニル)を含む。ある特定の実施形態において、アルケニルは、2〜8個の炭素原子(すなわち、C−Cアルケニル)を含む。他の実施形態において、アルケニルは、2〜6個の炭素原子(すなわち、C−Cアルケニル)を含む。上記アルケニルは、単結合によってその分子の残りに結合され得る(例えば、エテニル(すなわち、ビニル)、プロパ−1−エニル(すなわち、アリル)、ブタ−1−エニル、ペンタ−1−エニル、ペンタ−1,4−ジエニルなど)。本明細書中で別段具体的に述べられなければ、アルケニル基は、1個もしくはこれより多くの置換基(例えば、本明細書で記載されるそれら置換基)によって必要に応じて置換される。
「アルキニル(alkynyl)」とは、炭素原子および水素原子のみからなり、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含み、そして好ましくは2〜12個の炭素原子(すなわち、C−C12アルキニル)を有する直線状もしくは分枝状の炭化水素鎖ラジカル基をいう。ある特定の実施形態において、アルキニルは、2〜8個の炭素原子(すなわち、C−Cアルキニル)を含む。他の実施形態において、アルキニルは、2〜6個の炭素原子(すなわち、C−Cアルキニル)を含む。他の実施形態において、アルキニルは、2〜4個の炭素原子(すなわち、C−Cアルキニル)を含む。上記アルキニルは、単結合によってその分子の残りに結合され得る(例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなど)。本明細書中で別段具体的に述べられなければ、アルキニル基は、1個もしくはこれより多くの置換基(例えば、本明細書で記載されるそれら置換基)によって必要に応じて置換される。
「アルキレン(alkylene)」または「アルキレン鎖(alkylene chain)」とは、その分子の残りをラジカル基に連結し、炭素および水素のみからなり、不飽和を含まず、そして好ましくは1〜12個の炭素原子を有する直線状もしくは分枝状の二価の炭化水素鎖をいう(例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、n−ブチレンなど)。上記アルキレン鎖は、その分子の残りに単結合を通じて、およびそのラジカル基に単結合を通じて、結合される。その分子の残りへのおよびそのラジカル基へのアルキレン鎖の結合点は、その鎖内の任意の2個の炭素を通じてであり得る。ある特定の実施形態において、アルキレンは、1〜10個の炭素原子(すなわち、C−Cアルキレン)を含む。ある特定の実施形態において、アルキレンは、1〜8個の炭素原子(すなわち、C−Cアルキレン)を含む。他の実施形態において、アルキレンは、1〜5個の炭素原子(すなわち、C−Cアルキレン)を含む。他の実施形態において、アルキレンは、1〜4個の炭素原子(すなわち、C−Cアルキレン)を含む。他の実施形態において、アルキレンは、1〜3個の炭素原子(すなわち、C−Cアルキレン)を含む。他の実施形態において、アルキレンは、1〜2個の炭素原子(すなわち、C−Cアルキレン)を含む。他の実施形態において、アルキレンは、1個の炭素原子(すなわち、Cアルキレン)を含む。他の実施形態において、アルキレンは、5〜8個の炭素原子(すなわち、C−Cアルキレン)を含む。他の実施形態において、アルキレンは、2〜5個の炭素原子(すなわち、C−Cアルキレン)を含む。他の実施形態において、アルキレンは、3〜5個の炭素原子(すなわち、C−Cアルキレン)を含む。本明細書中で別段具体的に述べられなければ、アルキレン鎖は、1個もしくはこれより多くの置換基(例えば、本明細書で記載されるそれら置換基)によって必要に応じて置換される。
「アルケニレン(alkenylene)」もしくは「アルケニレン鎖(alkenylene chain)」とは、その分子の残りをラジカル基に連結し、炭素および水素のみからなり、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含み、そして好ましくは2〜12個の炭素原子を有する直線状もしくは分枝状の二価の炭化水素鎖をいう。上記アルケニレン鎖は、その分子の残りに単結合を通じて、およびそのラジカル基に単結合を通じて、結合される。その分子の残りへのおよびそのラジカル基へのアルケニレン鎖の結合点は、その鎖内の任意の2個の炭素を通じてであり得る。ある特定の実施形態において、アルケニレンは、2〜10個の炭素原子(すなわち、C−C10アルケニレン)を含む。ある特定の実施形態において、アルケニレンは、2〜8個の炭素原子(すなわち、C−Cアルケニレン)を含む。他の実施形態において、アルケニレンは、2〜5個の炭素原子(すなわち、C−Cアルケニレン)を含む。他の実施形態において、アルケニレンは、2〜4個の炭素原子(すなわち、C−Cアルケニレン)を含む。他の実施形態において、アルケニレンは、2〜3個の炭素原子(すなわち、C−Cアルケニレン)を含む。他の実施形態において、アルケニレンは、2個の炭素原子(すなわち、Cアルケニレン)を含む。他の実施形態において、アルケニレンは、5〜8個の炭素原子(すなわち、C−Cアルケニレン)を含む。他の実施形態において、アルケニレンは、3〜5個の炭素原子(すなわち、C−Cアルケニレン)を含む。本明細書中で別段具体的に述べられなければ、アルケニレン鎖は、1個もしくはこれより多くの置換基(例えば、本明細書で記載されるそれら置換基)によって必要に応じて置換される。
「アルキニレン(alkynylene)」もしくは「アルキニレン鎖(alkynylene chain)」とは、その分子の残りをラジカル基に連結し、炭素および水素のみからなり、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含み、そして好ましくは2〜12個の炭素原子を有する直線状もしくは分枝状の二価の炭化水素鎖をいう。上記アルキニレン鎖は、その分子の残りに単結合を通じて、およびそのラジカル基に単結合を通じて、結合される。その分子の残りへのおよびそのラジカル基への上記アルキニレン鎖の結合点は、その鎖内の任意の2個の炭素を通じてであり得る。ある特定の実施形態において、アルキニレンは、2〜10個の炭素原子(すなわち、C−C10アルキニレン)を含む。ある特定の実施形態において、アルキニレンは、2〜8個の炭素原子(すなわち、C−Cアルキニレン)を含む。他の実施形態において、アルキニレンは、2〜5個の炭素原子(すなわち、C−Cアルキニレン)を含む。他の実施形態において、アルキニレンは、2〜4個の炭素原子(すなわち、C−Cアルキニレン)を含む。他の実施形態において、アルキニレンは2〜3個の炭素原子(すなわち、C−Cアルキニレン)を含む。他の実施形態において、アルキニレンは、2個の炭素原子(すなわち、Cアルキニレン)を含む。他の実施形態において、アルキニレンは、5〜8個の炭素原子(すなわち、C−Cアルキニレン)を含む。他の実施形態において、アルキニレンは、3〜5個の炭素原子(すなわち、C−Cアルキニレン)を含む。本明細書中で別段具体的に述べられなければ、アルキニレン鎖は、1個もしくはこれより多くの置換基(例えば、本明細書で記載されるそれら置換基)によって必要に応じて置換される。
「アリール(aryl)」とは、芳香族単環式もしくは芳香族多環式の炭化水素環系をいう。上記芳香族単環式もしくは芳香族多環式の炭化水素環系は、水素および炭素のみ、ならびに5〜18個の炭素原子を含み、ここで上記環系の中の環のうちの少なくとも1個は、芳香族である、すなわち、それは、環式の、ヒュッケルの理論に従う非局在化(4n+2)π電子系を含む。アリール基が由来する上記環系としては、ベンゼン、フルオレン、インダン、インデン、テトラリンおよびナフタレンのような基が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中で別段具体的に述べられなければ、用語「アリール」または接頭語「アラ−(ar−)」(例えば、「アラルキル(aralkyl)」にあるとおり)は、1個もしくはこれより多くの置換基(例えば、本明細書で記載されるそれら置換基)によって必要に応じて置換されるアリールラジカルを含むことが意味される。
「アラルキル(aralkyl)」とは、式−R−アリールのラジカルであって、ここでRが上記で定義されるとおりのアルキレン鎖(例えば、メチレン、エチレンなど)であるものをいう。上記アラルキルラジカルのうちのアルキレン鎖部分は、アルキレン鎖に関して上記で記載されるように必要に応じて置換される。上記アラルキルラジカルのうちのアリール部分は、アリール基に関して上記で記載されるように必要に応じて置換される。
「アラルケニル(aralkenyl)」とは、式−R−アリールのラジカルであって、ここでRが上記で定義されるとおりのアルケニレン鎖であるものをいう。上記アラルケニルラジカルのうちのアリール部分は、アリール基に関して上記で記載されるように必要に応じて置換される。上位アラルケニルラジカルのうちのアルケニレン鎖部分は、アルケニレン基に関して上記で記載されるように必要に応じて置換される。
「アラルキニル(aralkynyl)」とは、式−R−アリールのラジカルであって、ここでRは、上記で定義されるとおりのアルキニレン鎖であるものをいう。上記アラルキニルラジカルのうちのアリール部分は、アリール基に関して上記で記載されるように必要に応じて置換される。上記アラルキニルラジカルのうちのアルキニレン鎖部分は、アルキニレン鎖に関して上記で記載されるように必要に応じて置換される。
用語「Cx−y」もしくは「C−C」は、化学部分(例えば、アルキル,アルケニル、もしくはアルキニル)に関連して使用される場合、その鎖の中にx〜y個の炭素を含む基を包含することを意味する。例えば、用語「Cx−yアルキル」とは、その鎖の中にx〜y個の炭素を含む直鎖アルキルおよび分枝鎖アルキル基を含む、置換されているかまたは置換されていない飽和炭化水素基をいう。用語「Cx−yアルケニル」および「Cx−yアルキニル」とは、上記で記載されるアルキルに対して長さおよび可能な置換が類似であるが、それぞれ、少なくとも1個の二重結合もしくは三重結合を含む、置換されているかまたは置換されていない不飽和の脂肪族基をいう。
「炭素環(carbocycle)」とは、飽和、不飽和もしくは芳香族の環であって、ここで上記環の各原子が炭素であるものをいう。炭素環は、単環式であっても多環式であってもよく、3員〜10員の単環式環、6員〜12員の二環式環、および6員〜12員の架橋された環を含み得る。二環式炭素環の各環は、飽和、不飽和、および芳香族の環から選択され得る。いくつかの実施形態において、上記炭素環は、アリールである。いくつかの実施形態において、上記炭素環は、シクロアルキルである。いくつかの実施形態において、上記炭素環は、シクロアルケニルである。例示的実施形態において、芳香族環(例えば、フェニル)は、飽和もしくは不飽和の環(例えば、シクロヘキサン、シクロペンタン、もしくはシクロヘキセン)に縮合され得る。飽和、不飽和および芳香族の二環式環の任意の組み合わせは、原子価が許容すれば、単環式の定義の中に含まれる。例示的な炭素環としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、アダマンチル、フェニル、インダニル、およびナフチルが挙げられる。本明細書中で別段具体的に述べられなければ、炭素環は、1個もしくはこれより多くの置換基(例えば、本明細書で記載されるそれら置換基)によって必要に応じて置換される。
「シクロアルキル(cycloalkyl)」とは、その環のうちの各原子が炭素である飽和した環をいう。シクロアルキルは、単環式および多環式の環(例えば、3員〜10員の単環式環、6員〜12員の二環式環、および6員〜12員の架橋された環)を含み得る。ある特定の実施形態において、シクロアルキルは、3〜10個の炭素原子を含む。他の実施形態において、シクロアルキルは、5〜7個の炭素原子を含む。上記シクロアルキルは、単結合によってその分子の残りに結合され得る。単環式シクロアルキルの例としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが挙げられる。多環式シクロアルキルラジカルとしては、例えば、アダマンチル、ノルボルニル(すなわち、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル)、ノルボルネニル、デカリニル、7,7−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタニルなどが挙げられる。本明細書中で別段具体的に述べられなければ、用語「シクロアルキル」とは、1個もしくはこれより多くの置換基(例えば、本明細書で記載されるそれら置換基)によって必要に応じて置換されるシクロアルキルラジカルを含むことが意味される。
「シクロアルケニル(cycloalkenyl)」とは、飽和した環であって、ここでその環のうちの各原子が炭素であり、そして2個の環炭素の間に少なくとも1個の二重結合が存在するものをいう。シクロアルケニルは、単環式および多環式の環(例えば、3員〜10員の単環式環、6員〜12員の二環式環、および6員〜12員の架橋された環を含み得る。他の実施形態において、シクロアルケニルは、5〜7個の炭素原子を含む。上記シクロアルケニルは、単結合によってその分子の残りに結合され得る。単環式シクロアルケニルの例としては、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、およびシクロオクテニルが挙げられる。本明細書中で別段具体的に述べられなければ、用語「シクロアルケニル」は、1個もしくはこれより多くの置換基(例えば、本明細書で記載されるそれら置換基)によって必要に応じて置換されるシクロアルケニルラジカルを含むことが意味される。
「ハロアルキル(haloalkyl)」とは、1個もしくはこれより多くのハロラジカルによって置換されるアルキルラジカル(上記で定義されるとおり)(例えば、トリフルオロメチル、ジクロロメチル、ブロモメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1−クロロメチル−2−フルオロエチルなど)をいう。いくつかの実施形態において、上記ハロアルキルラジカルのうちのアルキル部分は、本明細書で記載されるように必要に応じて置換される。
「複素環(heterocycle)」とは、炭素原子および1個もしくはこれより多くのヘテロ原子を含む、飽和、不飽和もしくは芳香族の環をいう。例示的なヘテロ原子としては、N、O、Si、P、B、およびS原子が挙げられる。複素環は、単環式であっても多環式であってもよく、3員〜10員の単環式環、6員〜12員の二環式環、および6員〜12員の架橋された環を含み得る。二環式複素環のうちの各環は、飽和、不飽和、および芳香族の環から選択され得る。いくつかの実施形態において、上記複素環は、ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、上記複素環は、ヘテロシクロアルキルである。例示的実施形態において、複素環(例えば、ピリジル)は、飽和もしくは不飽和の環(例えば、シクロヘキサン、シクロペンタン、もしくはシクロヘキセン)に縮合され得る。
「ヘテロシクロアルキル(heterocycloalkyl)」とは、炭素原子および少なくとも1個のヘテロ原子を有する飽和した環をいう。例示的なヘテロ原子としては、N、O、Si、P、B、およびS原子が挙げられる。ヘテロシクロアルキルは、単環式および多環式の環(例えば、3員〜10員の単環式環、6員〜12員の二環式環、および6員〜12員の架橋された環)を含み得る。上記ヘテロシクロアルキルラジカルの中のヘテロ原子は、必要に応じて酸化される。1個もしくはこれより多くの窒素原子(存在する場合)は、必要に応じて四級化される。上記ヘテロシクロアルキルは、原子価が許容すれば、上記ヘテロシクロアルキルのうちの任意の原子(例えば、上記ヘテロシクロアルキルのうちの任意の炭素もしくは窒素原子)を通じてその分子の残りに結合される。ヘテロシクロアルキルラジカルの例としては、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−ピペリジニル(4−piperidonyl)、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1−オキソ−チオモルホリニル、および1,1−ジオキソ−チオモルホリニルが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中で別段具体的に述べられなければ、用語「ヘテロシクロアルキル」は、1個もしくはこれより多くの置換基(例えば、本明細書で記載されるそれら置換基)によって必要に応じて置換される、上記で定義されるとおりのヘテロシクロアルキルラジカルを含むことが意味される。
「ヘテロアリール(heteroaryl)」とは、炭素原子および1個もしくはこれより多くのヘテロ原子を含む芳香族環をいう。例示的なヘテロ原子としては、N、O、Si、P、B、およびS原子が挙げられる。本明細書で使用される場合、上記ヘテロアリール環は、単環式もしくは二環式、縮合もしくは架橋された環系の環から選択され得、ここで上記環系の中の環のうちの少なくとも1個は、芳香族であり、すなわち、それは、環式であり、ヒュッケルの理論に従う非局在化(4n+2)π電子系を含む。上記ヘテロアリールラジカルの中のヘテロ原子は、必要に応じて酸化され得る。1個もしくはこれより多くの窒素原子(存在する場合)は、必要に応じて四級化される。上記ヘテロアリールは、原子価が許容すれば、上記ヘテロシクロアリールのうちの任意の原子(例えば、上記ヘテロアリールのうちの炭素もしくは窒素原子)を通じてその分子の残りに結合され得る。ヘテロアリールの例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アゼピニル、アクリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンズインドリル、1,3−ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾ[d]チアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、ベンゾ[b][1,4]オキサジニル、1,4−ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾチエノ[3,2−d]ピリミジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、シクロペンタ[d]ピリミジニル、6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジニル、5,6−ジヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、5,6−ジヒドロベンゾ[h]シンノニル、6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2−c]ピリダジニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル、フロ[3,2−c]ピリジニル、5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリミジニル、5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリダジニル、5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリジニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソオキサゾリル、5,8−メタノ−5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリニル、ナフチリジニル、1,6−ナフチリジノニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、5,6,6a,7,8,9,10,10a−オクタヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、1−フェニル−1H−ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾロ[3,4−d]ピリミジニル、ピリジニル、ピリド[3,2−d]ピリミジニル、ピリド[3,4−d]ピリミジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、5,6,7,8−テトラヒドロキナゾリニル、5,6,7,8−テトラヒドロベンゾ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジニル、6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジニル、5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,5−c]ピリダジニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、チエノ[2,3−d]ピリミジニル、チエノ[3,2−d]ピリミジニル、チエノ[2,3−c]ピリジニル、およびチオフェニル(すなわち、チエニル)。本明細書中で別段具体的に述べられなければ、用語「ヘテロアリール」とは、1個もしくはこれより多くの置換基(例えば、本明細書で記載されるそれら置換基)によって必要に応じて置換される、上記で記載されるとおりのヘテロアリールラジカルを含むことが意味される。
本明細書で開示される化合物は、いくつかの実施形態において、1個もしくはこれより多くの不斉中心を含み、従って、エナンチオマー、ジアステレオマー、および絶対立体化学に関して、(R)−もしくは(S)−として定義される他の立体異性形態を生じる。別段述べられなければ、本明細書で開示される化合物の全ての立体異性形態は、本開示によって企図されることが意図される。本明細書で記載される化合物がアルケン二重結合を含む場合、および別段特定されなければ、本開示は、E幾何異性体およびZ幾何異性体(例えば、cisもしくはtrans)の両方を含むことが意図される。同様に、全ての可能な異性体、ならびにそれらのラセミ形態および光学的に純粋な形態、ならびに全ての互変異性形態はまた、含められることが意図される。用語「幾何異性体(geometric isomer)」とは、アルケン二重結合のE幾何異性体もしくはZ幾何異性体(例えば、cisもしくはtrans)をいう。用語「位置異性体(positional isomer)」とは、中心環のまわりの構造異性体(例えば、フェニル環のまわりのオルト−、メタ−、およびパラ−異性体)をいう。
「互変異性体(tautomer)」とは、ある分子の1つの原子からその同じ分子の別の原子へのプロトンシフトが可能である分子をいう。本明細書で示される化合物は、ある特定の実施形態において、互変異性体として存在する。互変異性が可能である状況では、互変異性体の化学的平衡が存在する。別段述べられなければ、本明細書で示される化学構造は、示される構造の異なる互変異性体である構造を含むことが意図される。例えば、エノール部分とともに示される化学構造はまた、エノール部分のケト互変異性形態を含む。互変異性体の正確な比率は、物理的状態、温度、溶媒、およびpHを含むいくつかの要因に依存する。互変異性平衡のいくつかの例としては、以下が挙げられる:
本明細書で開示される化合物は、いくつかの実施形態において、種々の富化された同位元素形態、例えば、H、H、11C、13Cおよび/もしくは14Cの含有量が富化された形態で使用される。1つの特定の実施形態において、その化合物は、少なくとも1つの位置において重水素化される。このような重水素化形態は、米国特許第5,846,514号および同第6,334,997号に記載される手順によって作製され得る。米国特許第5,846,514号および同第6,334,997号に記載されるように、重水素化は、代謝的安定性および/または効力を改善し得、従って、薬物の作用の持続時間を増大させ得る。
別段述べられなければ、本明細書で示される構造は、1個もしくはこれより多くの同位体富化された原子の存在においてのみ異なる化合物を含むことが意図される。例えば、水素が重水素もしくはトリチウムで置き換わっていることまたは炭素が13Cもしくは14C富化された炭素で置き換わっていることを除いて本発明の構造を有する化合物は、本開示の範囲内である。
本開示の化合物は、このような化合物を構成する1個もしくはこれより多くの原子において原子同位体の不自然な割合を必要に応じて含み得る。例えば、上記化合物は、同位体(例えば、重水素(H)、トリチウム(H)、ヨウ素−125(125I)もしくは炭素−14(14C))で標識され得る。H、11C、13C、14C、15C、12N、13N、15N、16N、16O、17O、14F、15F、16F、17F、18F、33S、34S、35S、36S、35Cl、37Cl、79Br、81Br、125Iでの同位体置換は、全て企図される。本発明の化合物の全ての同位体バリエーションは、放射活性であろうとなかろうと、本発明の範囲内に包含される。
ある特定の実施形態において、本明細書で開示される化合物は、H原子のうちのいくつかもしくは全てがH原子で置き換えられている。重水素含有化合物の合成法は、当該分野で公知であり、非限定的な例示によってのみ、以下の合成法が挙げられる。
重水素置換された化合物は、以下に記載されるもののような種々の方法を使用して合成される:Dean, Dennis C.; Editor. Recent Advances in the Synthesis and Applications of Radiolabeled Compounds for Drug Discovery and Development. [In: Curr., Pharm. Des., 2000; 6(10)] 2000, 110 pp; George W.; Varma, Rajender S. The Synthesis of Radiolabeled Compounds via Organometallic Intermediates, Tetrahedron, 1989, 45(21), 6601−21;およびEvans, E. Anthony. Synthesis of radiolabeled compounds, J. Radioanal. Chem., 1981, 64(1−2), 9−32。
重水素化された出発物質は、容易に入手可能であり、重水素含有化合物の合成を提供するために本明細書で記載される合成法に供される。多数の重水素含有試薬および構築ブロックが、化学物質供給業者(例えば、Aldrich Chemical Co.)から市販されている。
求核性置換反応における使用に適した重水素転移試薬(例えば、ヨードメタン−d(CDI))は、容易に入手可能であり、重水素置換された炭素原子を求核性置換反応条件下で反応基質へと転移させるために使用され得る。CDIの試薬は、以下の反応スキームにおいて例示によってのみ図示される。
重水素転移試薬(例えば、重水素化リチウムアルミニウム(LiAlD))は、重水素を還元条件下で反応基質へと転移させるために使用される。LiAlDの使用は、以下の反応スキームにおいて例示によってのみ図示される。
重水素ガスおよびパラジウム触媒は、以下の反応スキームにおいて例示によってのみ図示されるように、不飽和の炭素−炭素結合を還元するために、およびアリールの炭素−ハロゲン結合の還元的置換を行うために使用される。
用語「塩(salt)」もしくは「薬学的に受容可能な塩(pharmaceutically acceptable salt)」とは、当該分野で周知の種々の有機性および無機性の対イオンから得られる塩をいう。薬学的に受容可能な酸付加塩は、無機酸および有機酸で形成され得る。塩が得られ得る無機酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。塩が得られ得る有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などが挙げられる。薬学的に受容可能な塩基付加塩は、無機塩基および有機塩基で形成され得る。塩が得られ得る無機塩基としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムなどが挙げられる。塩が得られ得る有機塩基としては、例えば、一級アミン、二級アミン、および三級アミン、置換されたアミン(天然に存在する置換されたアミンを含む)、環式アミン、塩基性イオン交換樹脂など(特に、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、およびエタノールアミン)が挙げられる。いくつかの実施形態において、その薬学的に受容可能な塩基付加塩は、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩から選択される。
語句「薬学的に受容可能な(pharmaceutically acceptable)」とは、妥当な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アルルギー応答、または他の問題もしくは合併症なしに、合理的な利益/リスク比に釣り合った、ヒトおよび動物の組織と接触した状態での使用に適しているそれら化合物、物質、組成物、および/または剤形に言及するために本明細書で使用される。
語句「薬学的に受容可能な賦形剤(pharmaceutically acceptable excipient)」もしくは「薬学的に受容可能なキャリア(pharmaceutically acceptable carrier)」とは、本明細書で使用される場合、薬学的に受容可能な物質、組成物もしくはビヒクル(例えば、液体もしくは固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒もしくは被包化物質)を意味する。各キャリアは、製剤の他の成分と適合性でありかつ患者に有害でないという意味において「受容可能(acceptable)」である。薬学的に受容可能なキャリアとして働き得る物質のいくつかの例としては、以下が挙げられる:(1)糖(例えば、ラクトース、グルコースおよびスクロース);(2)デンプン(例えば、コーンスターチおよびジャガイモデンプン);(3)セルロース、およびその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース);(4)粉末化トラガカント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)賦形剤(例えば、カカオ脂および坐剤用ワックス);(9)油(例えば、ラッカセイ油、綿実油、紅花油、ゴマ油、オリブ油、コーン油およびダイズ油);(10)グリコール(例えば、プロピレングリコール);(11)ポリオール(例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール);(12)エステル(例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル);(13)アガー;(14)緩衝化剤(例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム);(15)アルギン酸;(16)発熱物質非含有水;(17)等張性塩類溶液;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)ホスフェート緩衝溶液;ならびに(21)薬学的製剤中で使用される他の非毒性の適合性物質。
ある特定の実施形態において、用語「防止する(prevent)」もしくは「防止する(preventing)とは、疾患もしくは障害に関連している場合、統計サンプルにおいて、非処置コントロールサンプルと比較して、処置サンプルにおいてその障害もしくは状態の発生を低減するか、あるいは非処置コントロールサンプルと比較して、その障害もしくは状態の1もしくはこれより多くの症状の開始を遅らせるかまたはその重篤度を低減する化合物に言及し得る。
用語「置換され(substituted)」とは、構造のうちの1個もしくはこれより多くの炭素またはヘテロ原子上の水素を置換する置換基を有する部分に言及する。「置換(substitution)」もしくは「で置換され(substituted with)」が、このような置換がその置換される原子および置換基の許容される原子価に従うこと、およびその置換が安定な化合物を生じること(例えば、転移(rearrangement)、環化、脱離などによるような変換(transformation)を自発的に受けない)という暗黙の条件を含むことは、理解される。本明細書で使用される場合、用語「置換され」は、有機化合物の全ての許容可能な置換基を含むことが企図される。広い局面では、その許容可能な置換基は、有機化合物の非環式および環式の、分枝状および非分枝状の、炭素環式および複素環式の、芳香族および非芳香族の置換基を包含する。その許容可能な置換基は、適切な有機化合物に関して1個もしくはこれより多くてもよいし、同じであっても異なっていてもよい。本開示の目的で、窒素のようなヘテロ原子は、ヘテロ原子の原子価を満たす本明細書で記載される有機化合物の水素置換基および/もしくは任意の許容可能な置換基を有し得る。
置換基は、本明細書で記載される任意の置換基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミル、もしくはアシル)、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテート、もしくはチオホルメート)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル、炭素環、複素環、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、芳香族およびヘテロ芳香族の部分が挙げられ得る。いくつかの実施形態において、置換基は、例えば、以下の本明細書で記載される任意の置換基を含み得る:ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、シアノ(−CN)、ニトロ(−NO)、イミノ(=N−H)、オキシム(oximo)(=N−OH)、ヒドラジノ(=N−NH)、−R−OR、−R−OC(O)−R、−R−OC(O)−OR、−R−OC(O)−N(R、−R−N(R、−R−C(O)R、−R−C(O)OR、−R−C(O)N(R、−R−O−R−C(O)N(R、−R−N(R)C(O)OR、−R−N(R)C(O)R、−R−N(R)S(O)(ここでtは、1もしくは2である)、−R−S(O)(ここでtは、1もしくは2である)、−R−S(O)OR(ここでtは、1もしくは2である)、および−R−S(O)N(R(ここでtは、1もしくは2である);ならびにアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、およびヘテロアリールアルキル(これらのうちのいずれも、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシ、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、シアノ(−CN)、ニトロ(−NO)、イミノ(=N−H)、オキシム(=N−OH)、ヒドラジン(=N−NH)、−R−OR、−R−OC(O)−R、−R−OC(O)−OR、−R−OC(O)−N(R、−R−N(R、−R−C(O)R、−R−C(O)OR、−R−C(O)N(R、−R−O−R−C(O)N(R、−R−N(R)C(O)OR、−R−N(R)C(O)R、−R−N(R)S(O)(ここでtは、1もしくは2である)、−R−S(O)(ここでtは、1もしくは2である)、−R−S(O)OR(ここでtは、1もしくは2である)および−R−S(O)N(R(ここでtは、1もしくは2である)によって必要に応じて置換され得る;ここで各Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、もしくはヘテロアリールアルキルから独立して選択され、ここで各Rは、原子価が許容すれば、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、シアノ(−CN)、ニトロ(−NO)、イミノ(=N−H)、オキシム(=N−OH)、ヒドラジン(=N−NH)、−R−OR、−R−OC(O)−R、−R−OC(O)−OR、−R−OC(O)−N(R、−R−N(R、−R−C(O)R、−R−C(O)OR、−R−C(O)N(R、−R−O−R−C(O)N(R、−R−N(R)C(O)OR、−R−N(R)C(O)R、−R−N(R)S(O)(ここでtは、1もしくは2である)、−R−S(O)(ここでtは、1もしくは2である)、−R−S(O)OR(ここでtは、1もしくは2である)および−R−S(O)N(R(ここでtは、1もしくは2である)で必要に応じて置換され得;そしてここで各Rは、直接結合あるいは直線状もしくは分枝状のアルキレン,アルケニレン、またはアルキニレン鎖から独立して選択され。そして各Rは、直線状もしくは分枝状のアルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン鎖である)。
用語「処置する(treat)」、「処置する(treating)」または「処置(treatment)」とは、本明細書で使用される場合、疾患もしくは状態の症状を緩和する、和らげるまたは改善する、さらなる症状を防止する、症状の根底にある原因を改善するまたは防止する、その疾患もしくは状態を阻害する、例えば、その疾患もしくは状態の発生を阻止する、その疾患もしくは状態を軽減する、その疾患もしくは状態の退縮を引きおこす、その疾患もしくは状態によって引きおこされる状態を軽減する、あるいは予防的および/または治療的のいずれかでその疾患もしくは状態の症状を止めることを包含し得る。
本発明の化合物はまた、それら化合物の結晶性および無定形の形態、薬学的に受容可能な塩、ならびにその活性の同じタイプを有するこれら化合物の活性代謝産物(例えば、その化合物の多形体、偽多形体(pseudopolymorph)、溶媒和物、水和物、溶媒和されていない多形体(無水物を含む)、コンホメーション多形体、および無定形の形態、ならびにこれらの混合物が挙げられる)を含む。
緒言
α−クリスタリンは、眼の中で見出される主な構造タンパク質であり、水晶体の屈折率および透明性を維持し得る。α−クリスタリンは、2個の相同なサブユニット:αA−クリスタリン(cryAA)およびαB−クリスタリン(cryAB)から構成され、これらは、保存されたクリスタリンドメインを含む低分子ヒートショックタンパク質(sHSP)のファミリーに属する。αAは、173アミノ酸の長さであり、αBは、175アミノ酸の長さである。この2つのα−クリスタリン遺伝子、αAおよびαBは、57%配列同一性を共有するタンパク質をコードする。大部分の脊椎動物の水晶体におけるαA 対 αBの比は、3:1であり得るが、この比は、種および年齢に伴って変動し得る。αA−クリスタリンタンパク質は、大部分は水晶体中で、および僅かな他の組織で見出され得るに過ぎないのに対して、αB−クリスタリンタンパク質は、遍在して発現され得、他の組織(例えば、脳、心臓および筋)において見出され得る。
これらα−クリスタリンサブユニットは、分子シャペロンとして作用して、種々のストレス条件下で細胞凝集およびクライアントタンパク質の不活性化を防止する。しかし、これらα−クリスタリンサブユニットのシャペロン活性は、加齢する間に、またはある特定の遺伝的要因もしくは環境要因に起因して、失われ得るかまたは低下し得る。このことは、α−クリスタリンの凝集および沈殿を引きおこし得、白内障をもたらし得る。
ある特定の実施形態において、本開示は、水晶体中のα−クリスタリンタンパク質凝凝集と関連する視覚障害を処置するための化合物、製剤および方法を提供する。特に、本開示は、白内障および老視を処置するための化合物、製剤および方法を提供する。
本開示の化合物
本開示は、眼の疾患の処置における使用のための化合物および塩、ならびにこれらの製剤を提供する。開示される化合物および塩は、例えば、視覚障害(例えば、近見視障害)の処置または防止のために使用され得る。ある特定の実施形態において、本開示の化合物は、眼の水晶体におけるα−クリスタリンタンパク質凝集を低減する。本開示の化合物および塩は、本明細書で記載される製剤、方法および併用療法において使用され得る。ある特定の実施形態において、本開示の化合物および塩は、白内障もしくは老視の処置もしくは防止において使用される。
一部の実施形態では、本化合物は、式(III):

の化合物、またはその塩であり、ここで
、R、R、R、R、R、R、R11、R12、R13、R14、R15、R16、およびR17は、水素、ハロゲン、−OR30、−SR30、−OSO30、−OPO30、−N(R31、−C(O)R30、−C(O)OR30、−OC(O)R30、−NO、−CN、必要に応じて置換されたC−C10アルキル、必要に応じて置換されたC−C10アルケニル、必要に応じて置換されたC−C10アルキニル、必要に応じて置換された炭素環および必要に応じて置換された複素環から独立して選択され;Rは、Rと一緒になって、=O、=S、および=N(R31)からさらに選択され;Rは、Rと一緒になって、=O、=S、および=N(R31)からさらに選択され;R13は、R14と一緒になって、=O、=S、および=N(R31)からさらに選択され;RおよびR10は、これらが結合される原子と一緒になって、必要に応じて置換された炭素環または必要に応じて置換された複素環をさらに形成し得;そしてここでRは、炭素5と炭素6との間に二重結合が存在する場合には存在せず、R16およびR17は、炭素8と炭素9との間に二重結合が存在する場合には存在せず、R11は、炭素12と炭素13との間に二重結合が存在する場合には存在せず;そして炭素4と炭素5との間に二重結合が存在する場合には、RおよびRは存在せず、炭素5と炭素6との間に単結合が存在し;
、R、R10、R18、R19およびR20は、水素、ハロゲン、−OR30、−SR30、−OSO30、−OPO30、−N(R31、−C(O)R30、−C(O)OR30、−OC(O)R30、−NO、−CN、=O、=S、=N(R31)、必要に応じて置換されたC−C10アルキル、必要に応じて置換されたC−C10アルケニル、C−C10アルキニル、必要に応じて置換された炭素環および必要に応じて置換された複素環から独立して選択され;
各R31は、水素、−OR30、−SR30、−S(O)R30、−S(O)30、−C(O)R30、−C(O)OR30、必要に応じて置換されたC−C10アルキル、必要に応じて置換されたC−C10アルケニル、C−C10アルキニル、必要に応じて置換された炭素環および必要に応じて置換された複素環から独立して選択され;
各R30は、水素、必要に応じて置換されたC−Cアルキル、必要に応じて置換されたC−Cアルケニル、必要に応じて置換されたC−Cアルキニル、必要に応じて置換された炭素環および必要に応じて置換された複素環から独立して選択され;そして
nは、0または1から選択される。
式(III)の化合物もしくは塩に関して、その構造の中の破線は、この位置における選択肢的な二重結合を示す。ある特定の実施形態において、式(III)の化合物もしくは塩は、炭素5と炭素6または炭素8と炭素9との間に二重結合を有する。式(III)の化合物もしくは塩に関して、炭素4と炭素5との間に二重結合が存在する場合、炭素5と炭素6との間には単結合が存在する。ある特定の実施形態において、二重結合した炭素原子上の置換基は、互変異性化し得、その互変異性体は、本開示の範囲内に包含される。例えば、炭素5と炭素6との間に二重結合が存在し、Rがヒドロキシルである場合、ケト互変異性体(すなわち、Rはオキソ(=O)であり、炭素5と炭素6との間に単結合が存在する)は、本開示の範囲内に包含される。
本明細書中での構造に、特に、式(III)の中の選択肢的な二重結合に関して言及する場合、炭素番号が使用され得る。その炭素番号は、本文が言及する炭素原子の隣に現れ得る。例えば、「炭素4(carbon 4)」とは、図(III)に示されるとおりの置換基RおよびRを有する原子に言及する。
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R30およびR31が必要に応じて置換されると記載される場合、その置換基は、各存在において、ハロゲン、−NO、−CN、−OR40、−SR40、−N(R40、−S(=O)R40、−S(=O)40、−S(=O)N(R40、−NR40S(=O)40、−C(O)R40、−C(O)OR40、−OC(O)R40、−OC(O)OR40、−OC(O)N(R40、−NR40C(O)R40、−C(O)N(R40、=O、=S、=N(R40)、−P(O)(OR40、−OP(O)(OR40;C1−10アルキル、C2−10アルケニル、およびC2−10アルキニルから独立して選択され得、これらの各々は、独立して、各存在において、ハロゲン、−NO、−CN、−OR40、−SR40、−N(R40、−S(=O)R40、−S(=O)40、−S(=O)N(R40、−NR40S(=O)40、−C(O)R40、−C(O)OR40、−OC(O)R40、−OC(O)OR40、−OC(O)N(R40、−NR40C(O)R40、−C(O)N(R40、=O、=S、=N(R40)、−P(O)(OR40、−OP(O)(OR40、C3−12炭素環および3員〜12員の複素環;ならびにC3−12炭素環および3員〜12員の複素環(ここで各C3−12炭素環および3員〜12員の複素環は、独立して、ハロゲン、−NO、−CN、−OR40、−SR40、−N(R40、−S(=O)R40、−S(=O)40、−S(=O)N(R40、−NR40S(=O)40、−C(O)R40、−C(O)OR40、−OC(O)R40、−OC(O)OR40、−OC(O)N(R40、−NR40C(O)R40、−C(O)N(R40、=O、=S、=N(R40)、−P(O)(OR40、−OP(O)(OR40、C1−6アルキル、C1−6ハロアルキル、C2−6アルケニル、およびC2−6アルキニルから選択される1個もしくはこれより多くの置換基で必要に応じて置換され、そしてここでR40は、各存在において、水素;ならびにC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−12炭素環および3員〜12員の複素環から独立して選択され、そのうちの各々は、ハロゲン、−CN、−NO、−OH、=Oおよび−OCHによって必要に応じて置換され得る)から選択される1個もしくはこれより多くの置換基で必要に応じて置換される。
、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R30およびR31が、必要に応じて置換されると記載される場合、その置換基は、各存在において、ハロゲン、−NO、−CN、−OR40、−SR40、−N(R40、−S(=O)R40、−S(=O)40、−S(=O)N(R40、−NR40S(=O)40、−C(O)R40、−C(O)OR40、−OC(O)R40、−OC(O)OR40、−OC(O)N(R40、−NR40C(O)R40、−C(O)N(R40、=O、=S、=N(R40)、−P(O)(OR40、−OP(O)(OR40;C1−10アルキル、C2−10アルケニル、およびC2−10アルキニルから独立して選択され得、これらのうちの各々は、独立して、各存在において、ハロゲン、−NO、=O、−CN、および−OR40から選択される1個もしくはこれより多くの置換基で必要に応じて置換され、ここでR40は、各存在において、水素;ならびにC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、C3−12炭素環および3員〜12員の複素環から独立して選択され、そのうちの各々は、ハロゲン、−CN、−NO、−OH、=Oおよび−OCHによって必要に応じて置換され得る。
ある特定の実施形態において、式(III)の化合物もしくは塩に関して、nは0である。ある特定の実施形態において、式(III)の化合物もしくは塩に関して、nは1である。
ある特定の実施形態において、式(III)の化合物は、以下の式(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)のうちのいずれか:

またはこれらのうちのいずれか1種の塩によって表される。
式(III)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)の化合物もしくは塩に関して、R、R、R、R、R、R、R、R11、R12、R13、R14、R15、R16、およびR17は、水素、ハロゲン、−OR30、−SR30、−OSO30、−OPO30、−N(R31、−C(O)R30、−C(O)OR30、−OC(O)R30、−NO、−CN、および必要に応じて置換されたC−C10アルキルから独立して選択され得る。R、R、R、R、R、R、R、R11、R12、R13、R14、R15、R16、およびR17は、水素、ハロゲン、−OR30、−NO、−CN、および必要に応じて置換されたC−C10アルキルから独立して選択され得る。式(III)の化合物もしくは塩に関して、R、R、R10、R18、R19およびR20は、水素、ハロゲン、−OR30、−SR30、−OSO30、−OPO30、−N(R31、−C(O)R30、−C(O)OR30、−OC(O)R30、−NO、−CN、=O、=S、=N(R31)、必要に応じて置換されたC−C10アルキル、必要に応じて置換されたC−C10アルケニル、および必要に応じて置換されたC−C10アルキニルから独立して選択され得る。
式(III)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)の化合物もしくは塩に関して、RおよびRは、水素、ハロゲン、−OR30および必要に応じて置換されたC−C10アルキルから独立して選択され得るか、またはRは、Rと一緒になって、=O、=S、および=N(R31)から選択される。ある特定の実施形態において、RおよびRは、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、メチル、もしくはエチルから独立して選択される。ある特定の実施形態において、RおよびRは、各々水素である。ある特定の実施形態において、RおよびRは、各々メチルである。
式(III)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)の化合物もしくは塩に関して、Rは、水素、−OR30および必要に応じて置換されたC−C10アルキルから選択され得、炭素4と炭素5との間に単結合および炭素5と炭素6との間に単結合が存在する。ある特定の実施形態において、Rは、水素およびメチルから選択される。特定の実施形態において、Rは、水素であり、炭素4と炭素5との間に単結合および炭素5と炭素6との間に単結合が存在する。
式(III)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)の化合物もしくは塩に関して、Rは、炭素5と炭素6との間に二重結合が存在する場合には存在しない。式(III)の化合物もしくは塩に関して、RおよびRは、炭素4と炭素5との間に二重結合が存在する場合には存在しない。
式(III)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)の化合物もしくは塩に関して、R20は、水素、ハロゲン、−OR30、−SR30、−OSO30、−OPO30、−N(R31、−C(O)R30、−C(O)OR30、−OC(O)R30、−NO、−CN、=O、=S、=N(R31)、必要に応じて置換されたC−C10アルキルから選択され得る。R20は、水素、ハロゲン、−OR30、−SR30、−OSO30、−OPO30、−N(R31、−C(O)R30、−C(O)OR30、−OC(O)R30、−NO、−CN、=O、=S、および=N(R31)から選択され得る。ある特定の実施形態において、R20は、−OR30、−OSO30、−OPO30、−C(O)R30、−C(O)OR30、−OC(O)R30、=O、および=Sから選択される。好ましい実施形態において、R20は、−OR30(例えば、ヒドロキシル)、および=Oから選択される。
式(III)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)の化合物もしくは塩に関して、Rは、水素、ハロゲン、−OR30および必要に応じて置換されたC−C10アルキルから選択され得る。Rは、水素および−OR30(例えば、ヒドロキシル)から選択され得る。好ましい実施形態において、Rは、水素である。
式(III)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)の化合物もしくは塩に関して、Rは、水素、ハロゲン、=O、−OR30および必要に応じて置換されたC−C10アルキルから選択され得る。ある特定の実施形態において、Rは、水素、ハロゲンおよびC−C10アルキルから選択される。好ましい実施形態において、Rは、水素である。
式(III)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)の化合物もしくは塩に関して、Rは、水素、ハロゲン、−OR30および必要に応じて置換されたC−C10アルキルから選択され得る。Rは、水素、ハロゲンおよびC−C10アルキルから選択され得る。ある特定の実施形態において、Rは、水素である。ある特定の実施形態において、Rは、メチルである。
式(III)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)の化合物もしくは塩に関して、Rは、水素、ハロゲン、−OR30、=O、および必要に応じて置換されたC−C10アルキルから選択され得る。Rは、水素、ハロゲンおよびC−C10アルキルから選択され得る。ある特定の実施形態において、Rは、水素である。
式(III)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)の化合物もしくは塩に関して、RおよびRは、水素、ハロゲン、−OR30および必要に応じて置換されたC−C10アルキルから独立して選択され得る。RおよびRは、水素、ハロゲン、およびC−C10アルキルから独立して選択され得る。
式(III)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)の化合物もしくは塩に関して、RおよびR10は、これらが結合される原子と一緒になって、必要に応じて置換された炭素環または必要に応じて置換された複素環を形成し得る。RおよびR10は、これらが結合される原子と一緒になって、必要に応じて置換された炭素環(例えば、必要に応じて置換された5員もしくは6員の炭素環)を形成し得る。
式(III)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)の化合物もしくは塩に関して、R10は、−OR30、=O、=S、=N(R31)、必要に応じて置換されたC−C10アルキル、必要に応じて置換されたC−C10アルケニル、および必要に応じて置換されたC−C10アルキニルから選択され得る。R10は、−OR30もしくは=Oから選択され得る。R10は、必要に応じて置換されたC−C10アルキルもしくは必要に応じて置換されたC−C10アルケニルであり得る。ある特定の実施形態において、R10は、ハロゲン、−OR30、−SR30、−OSO30、−OPO30、−N(R31、−C(O)R30、−C(O)OR30、−OC(O)R30、−NO、−CN、=O、=S、および=N(R31)から独立して選択される1個もしくはこれより多くの置換基で置換される。R10は、ハロゲン、−OR30、−SR30、−N(R31、−C(O)R30、−C(O)OR30、−OC(O)R30、−NO、−CN、=O、=S、および=N(R31)から独立して選択される1個もしくはこれより多くの置換基で置換され得る。ある特定の実施形態において、R10は、ハロゲンおよび−OR30から選択される1個もしくはこれより多くの置換基で置換されたC−C10アルキルである。ある特定の実施形態において、R10は、ハロゲンおよび−OR30から選択される1個もしくはこれより多くの置換基で置換されたCアルキルである。ある特定の実施形態において、R10は、−OR30、例えば、ヒドロキシルで置換されたCアルキルである。ある特定の実施形態において、R10は、ハロゲンおよび−OR30、例えば、ヒドロキシルから選択される1個もしくはこれより多くの置換基で必要に応じて置換されたC−C10アルケニルである。
式(III)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)の化合物もしくは塩に関して、R11は、水素、−OR30および必要に応じて置換されたC−C10アルキルから選択され得る。ある特定の実施形態において、R11は、水素またはC−C10アルキルである。ある特定の実施形態において、R11は、メチルである。ある特定の実施形態において、R11は存在せず、炭素12と炭素13との間に二重結合が存在する。
式(III)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)の化合物もしくは塩に関して、R12は、水素、ハロゲン、−OR30および必要に応じて置換されたC−C10アルキルから選択され得る。R12は、水素および−OR30から選択され得る。ある特定の実施形態において、R12は、水素である。
式(III)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)の化合物もしくは塩に関して、R13およびR14は、水素、ハロゲン、−OR30および必要に応じて置換されたC−C10アルキルから独立して選択され得るか、またはR13は、R14と一緒になって、=O、=S、および=N(R31)から選択される。ある特定の実施形態において、R13およびR14は、水素、ハロゲン、−OR30,および必要に応じて置換されたC−C10アルキルから独立して選択される。ある特定の実施形態において、R13およびR14は、各々水素である。ある特定の実施形態において、R13は、R14と一緒になって、=Oである。
式(III)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)の化合物もしくは塩に関して、R15は、水素および必要に応じて置換されたC−C10アルキルから選択される。ある特定の実施形態において、R15は、メチルである。
式(III)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)の化合物もしくは塩に関して、R16およびR17は、各々水素であり得る。ある特定の実施形態において、R16およびR17は、両方存在せず、炭素8と炭素9との間に二重結合が存在する。
式(III)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)の化合物もしくは塩に関して、R18およびR19は、水素、ハロゲン、−OR30、=O,および必要に応じて置換されたC−C10アルキルから独立して選択され得る。ある特定の実施形態において、R18およびR19は、各々水素である。
式(III)の化合物もしくは塩に関して、式(III)の化合物は、式(IIIA):

またはその塩によって表され得る。
式(III)の化合物もしくは塩に関して、式(IIIA)の化合物は、式(IIIB):

またはその塩によって表され得る。
式(III)の化合物もしくは塩に関して、式(IIIA)の化合物は、式(IIIC):

またはその塩によって表され得る。
式(III)の化合物もしくは塩に関して、式(III)の化合物は、式(IIID):

またはその塩によって表され得る。ある特定の実施形態において、式(III)の化合物もしくは塩は、ラノステロールもしくはその塩である。ある特定の実施形態において、式(III)の化合物もしくは塩は、ラノステロールではない。
ある特定の実施形態において、式(III)の化合物もしくは塩は、コレステロールではない。ある特定の実施形態において、式(III)の化合物もしくは塩は、25−ヒドロキシコレステロールではない。ある特定の実施形態において、式(III)の化合物は、ラノステロールではない。
本開示は、式Iの化合物:

ここで:
各R101は、Hであるか、または各R101は、Meであり;
102は、HもしくはOHであり;
炭素5と炭素6との間の破線は、選択肢的な二重結合を示し;
103は、HもしくはMeであり;
104は、HもしくはMeであり;
nは、0もしくは1であり;
(a)R106は、

であり、各R105は、独立して、HもしくはMeであるか、または(b)R106および1個のR105は、一緒になって、必要に応じて置換された6員環を形成し、他方のR105は、Meであり;
炭素12と炭素13との間の破線は、選択肢的な二重結合であり、ただしR107は、炭素12と炭素13との間に二重結合が存在する場合には存在せず、R107は、炭素12と炭素13との間に二重結合が存在しない場合には、HもしくはMeであり;
108は、HもしくはOHであり;
両方のR109は一緒に、オキソ(=O)を形成するか、または両方のR109は水素であり;そして
110は、COHであるか、または直線状もしくは分枝状のC−Cアルキルである、
化合物、またはこれらのプロドラッグもしくは薬学的に受容可能な塩を提供する。
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、式IAまたは式IB:

ここで各R111は、独立して、アルキル、COH、もしくはCOアルキルである
構造を有する。
いくつかの実施形態において、上記化合物は、式II:

ここでR112は、HもしくはOHであり、R113は、HもしくはOHである
構造を有する。
いくつかの実施形態において、上記化合物は、5−コレステン−3b,25−ジオールである。
いくつかの実施形態において、上記化合物は、5a−コレスタン−3b−オール−6−オンである。
いくつかの実施形態において、上記化合物は、式:

である。
いくつかの実施形態において、上記化合物は、式:

である。ある特定の実施形態において、式(I)もしくは(II)の化合物は、コレステロールではない。ある特定の実施形態において、式(I)もしくは(II)の化合物は、リトコール酸ではない。
本発明は、式(I)、(IA)、(IB)、(II)、(III)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IIID)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)のうちのいずれか1つの塩を提供する。薬学的に受容可能な塩としては、例えば、酸付加塩および塩基付加塩が挙げられる。上記化合物に付加されて酸付加塩を形成する酸は、有機酸もしくは無機酸であり得る。上記化合物に付加されて塩基付加塩を形成する塩基は、有機塩基もしくは無機塩基であり得る。いくつかの実施形態において、薬学的に受容可能な塩は、金属塩である。
金属塩は、本発明の化合物への無機塩基の付加から生じ得る。その無機塩基は、塩基性対イオンと対形成した金属カチオンからなる(例えば、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、もしくはリン酸塩)。その金属は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、もしくは主要な族の金属であり得る。いくつかの実施形態において、その金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、セリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、カルシウム、ストロンチウム、コバルト、チタン、アルミニウム、銅、カドミウムもしくは亜鉛である。
いくつかの実施形態において、金属塩は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、セリウム塩、マグネシウム塩、マンガン塩、鉄塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、コバルト塩、チタン塩、アルミニウム塩、銅塩、カドミウム塩もしくは亜鉛塩である。
アンモニウム塩は、本発明の化合物へのアンモニアもしくは有機アミンの付加から生じ得る。いくつかの実施形態において、その有機アミンは、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、ジベンジルアミン、ピペラジン、ピリジン、ピラゾール、ピラゾール(pipyrrazole)、イミダゾール、ピラジン、もしくはピラジン(pipyrazine)である。
いくつかの実施形態において、アンモニウム塩は、トリエチルアミン塩、ジイソプロピルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モルホリン塩、N−メチルモルホリン塩、ピペリジン塩、N−メチルピペリジン塩、N−エチルピペリジン塩、ジベンジルアミン塩、ピペラジン塩、ピリジン塩、ピラゾール塩、イミダゾール塩、もしくはピラジン塩である。
酸付加塩は、本発明の化合物への酸の付加から生じ得る。いくつかの実施形態において、その酸は、有機性である。いくつかの実施形態において、その酸は、無機性である。いくつかの実施形態において、その酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、亜硝酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、イソニコチン酸、乳酸、サリチル酸、酒石酸、アスコルビン酸、ゲンチジン酸、グルコン酸、グルクロン酸(glucaronic acid)、糖酸(saccaric acid)、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、パントテン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、フマル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、クエン酸、シュウ酸、もしくはマレイン酸である。
いくつかの実施形態において、その塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酒石酸塩、アスコルビン酸塩、ゲンチジン酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩(glucaronate salt)、糖酸塩(saccarate salt)、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、パントテン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸(メシル酸)塩、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、クエン酸、シュウ酸、もしくはマレイン酸である。
式(I)、(IA)、(IB)、(II)、(III)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IIID)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)のうちのいずれか1つの化合物は、場合によっては、ジアステレオマー形態、エナンチオマー形態、または他の立体異性形態として存在し得る。本明細書で示される化合物および塩は、全てのジアステレオマー形態、エナンチオマー形態、およびエピマー形態、ならびにこれらの適切な混合物を含む。立体異性体の分離は、クロマトグラフィーによって、またはジアステレオマーを形成し、再結晶化もしくはクロマトグラフィーによって分離することによって、またはこれらの任意の組み合わせによって行われ得る(Jean Jacques, Andre Collet, Samuel H. Wilen, “Enantiomers, Racemates and Resolutions”, John Wiley And Sons, Inc., 1981(本開示のために本明細書に参考として援用される))。立体異性体はまた、立体選択的合成によって得られ得る。
本明細書で記載される方法および製剤は、無定形の形態、ならびに結晶性の形態(多形体としても公知)の使用を含む。式(I)、(IA)、(IB)、(II)、(III)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IIID)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)のうちのいずれか1つの化合物もしくは塩の、その活性の同じタイプを有する活性代謝産物は、本開示の範囲に含まれる。さらに、本明細書で記載される化合物は、溶媒和化されていない、ならびに薬学的に受容可能な溶媒(例えば、水、エタノールなど)で溶媒和化された形態で存在し得る。本明細書で示される化合物および塩の溶媒和化された形態はまた、本明細書で開示されるとみなされる。
ある特定の実施形態において、式(I)、(IA)、(IB)、(II)、(III)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IIID)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)のうちのいずれか1つの化合物またはその化合物の塩は、例えば、プロドラッグであり得、ここでその親化合物に存在するカルボン酸は、エステルとして提示される。用語「プロドラッグ(prodrug)」は、生理学的条件下で、本開示の薬学的因子、すなわち、親化合物へと変換される化合物を包含することが意図される。プロドラッグを作製するための1つの方法は、生理学的条件下で加水分解されて、所望の分子を現す1個もしくはこれより多くの選択された部分を含めることである。ある特定の実施形態において、上記プロドラッグは、宿主動物の酵素活性(例えば、宿主動物中の具体的な標的細胞における酵素活性)によって変換される。例えば、エステルもしくはカーボネート(例えば、アルコールもしくはカルボン酸のエステルもしくは炭酸エステル)は、本開示の好ましいプロドラッグである。
プロドラッグは、状況によっては、それらは親化合物より投与しやすい可能性があるので、しばしば有用である。それらは、例えば、経口投与によって生体利用可能であり得るのに対して、親はそうではない。プロドラッグは、親薬物と比較して、化合物の細胞透過性を増強する一助となり得る。例えば、そのプロドラッグは、親化合物を超える改善された細胞透過性を有し得る。そのプロドラッグはまた、親化合物を超える、薬学的製剤中での改善された溶解性を有し得る。いくつかの実施形態において、プロドラッグの設計は、その薬学的因子の親油性を増大させる。いくつかの実施形態において、プロドラッグの設計は、有効な水溶性を増大させる。例えば、以下を参照のこと:Fedorakら, Am. J. Physiol., 269:G210−218 (1995); McLoedら, Gastroenterol, 106:405−413 (1994); Hochhausら, Biomed. Chrom., 6:283−286 (1992); J. Larsen and H. Bundgaard, Int. J. Pharmaceutics, 37, 87 (1987); J. Larsenら, Int. J. Pharmaceutics, 47, 103 (1988); Sinkulaら, J. Pharm. Sci., 64:181−210 (1975); T. Higuchi and V. Stella, Pro−drugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Series;およびEdward B. Roche, Bioreversible Carriers in Drug Design, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987(全てこのような開示のために本明細書で参考として援用される)。
別の実施形態によれば、本開示は、上記で定義した化合物を生成するための方法を提供する。その化合物は、従来技術を使用して合成され得る。有利なことには、これらの化合物は、容易に入手可能な出発物質から従来どおりに合成される。本明細書で記載される化合物を合成するにあたって有用な合成化学変換および方法論は、当該分野で公知であり、例えば、以下に記載されるものが挙げられる:R. Larock, Comprehensive Organic Transformations (1989); T. W. Greene and P. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 2d. Ed. (1991); L. Fieser and M. Fieser, Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis (1994);およびL. Paquette, ed., Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis (1995)。
薬学的製剤
ある特定の実施形態において、式(I)、(IA)、(IB)、(II)、(III)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IIID)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)のうちのいずれか1つの任意の化合物もしくは塩(本明細書で「薬学的因子(pharmaceutical agent)」ともいわれる)の治療上有効な量を含む組成物が本明細書で提供される。ある特定の実施形態において、薬学的製剤は、本明細書で記載される方法のうちのいずれかにおいて使用され得る。
ある特定の実施形態において、式(I)、(IA)、(IB)、(II)、(III)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IIID)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)のうちのいずれか1つの化合物は、眼の障害(例えば、白内障もしくは老視)の処置のために使用される。眼に投与される製剤は、注射によって、例えば、硝子体内注射もしくは前眼房内注射によって、投与され得る。眼に投与される製剤は、局所的に、例えば、軟膏剤、クリーム剤、もしくは点眼剤で投与され得る。
ある特定の実施形態において、本開示の化合物もしくは塩は、低い水溶性(aqueous solubility)を示し得る。例えば、式(I)、(IA)、(IB)、(II)、(III)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IIID)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)のうちのいずれか1つの化合物もしくは塩は、わずかに溶解性(溶質1gを溶解するために必要な溶媒の容積mLは、およそ100〜1000である)、非常に僅かに溶解性(溶質1gを溶解するために必要な溶媒の容積mLは、およそ1000〜10,000である)、または実質的に不溶性(溶質1gを溶解するために必要な溶媒の体積(mL)は、およそ10,000より多い)という水溶性を有し得る。
ある特定の実施形態において、低い水溶性を有する本開示の化合物もしくは塩は、水性懸濁物(例えば、微粒子もしくはナノ粒子の水性懸濁物)として優先的に製剤化され得る。ある特定の実施形態において、本明細書で記載される化合物もしくは塩の水性懸濁物は、眼への注射による投与に関して受容可能な少量の液体中に適切な量の化合物もしくは塩を製剤化することを可能にし、ここでその化合物もしくは塩の適切な量は、少量の液体中に部分的にのみ溶解性であるかまたは完全に溶解性でない。
他の実施形態において、低い水溶性を有する本開示の化合物もしくは塩は、水溶性を増強する薬剤とともに優先的に製剤化され得る。例えば、ある特定の実施形態において、本開示の製剤は、局所投与のための水性製剤であり、ここでその水性製剤は、本開示の化合物もしくは塩の溶解度を増強するために、可溶化剤、例えば、β−シクロデキストリンを含む。
ある特定の実施形態において、本開示の製剤は、式(I)、(IA)、(IB)、(II)、(III)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IIID)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)のうちのいずれか1つの化合物もしくは塩を含み、ここでその化合物もしくは塩は、たいてい不純物を含まない(例えば、少なくとも約80重量%純粋、少なくとも約81%純粋、少なくとも約82%純粋、少なくとも約83%純粋、少なくとも約84%純粋、少なくとも約85%純粋、少なくとも約86%純粋、少なくとも約87%純粋、少なくとも約88%純粋、少なくとも約89%純粋、少なくとも約90%純粋、少なくとも約91%純粋、少なくとも約92%純粋、少なくとも約93%純粋、少なくとも約94%純粋、少なくとも約95%純粋、少なくとも約96%純粋、少なくとも約97%純粋、少なくとも約98%純粋、少なくとも約99%純粋、少なくとも約99.1%純粋、少なくとも約99.2%純粋、少なくとも約99.3%純粋、少なくとも約99.4%純粋、少なくとも約99.5%純粋、少なくとも約99.6%純粋、少なくとも約99.7%純粋、少なくとも約99.8%純粋、もしくは少なくとも約99.9%純粋)。ある特定の実施形態において、本開示の製剤は、式(I)、(IA)、(IB)、(II)、(III)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IIID)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)のうちのいずれか1つの化合物もしくは塩を含み、ここでその化合物もしくは塩は、約70%〜約99.99%、約80%〜約99.9%、約85%〜約99%、約90%〜約99%、約95%〜約99%、約97%〜約99%、約98%〜約99%、約98%〜約99.9%、約99%〜約99.99%、約99.5%〜約99.99%、約99.6%〜約99.99%、約99.8〜約99.99%、もしくは約99.9%〜約99.99%不純物を含まない。
ある特定の実施形態において、本明細書で記載される化合物もしくは塩の製剤は、式(I)、(IA)、(IB)、(II)、(III)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IIID)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)のうちのいずれか1つの化合物もしくは塩の水性懸濁物であり得る。その化合物もしくは塩は、油性もしくは水性の媒体中で粒子、例えば、微粒子もしくはナノ粒子の形態にあり得る。ある特定の実施形態において、眼への注射のためのもしくは眼への局所投与のための製剤は、水性懸濁物の形態にある。好ましい実施形態において,眼への注射のための製剤は、水性懸濁物の形態にある。
本開示の粒子、例えば、微粒子もしくはナノ粒子は、ボールミル、流体エネルギー(ジェット)ミル、カッターミル、ハンマーミル、振動ミル、およびピンミルのような装置を使用して製粉のような方法を通じて形成され得る。特定の実施形態において、本開示の粒子は、Retsch(登録商標)ボールミル(www.retsch.com)のようなボールミルで調製される。本明細書で記載される製剤の粒子は、Fluid Energyジェットミル(www.fluidenergype.com)のような流体エネルギーミルで調製され得る。
マイクロフルイダイゼーションは、均一な粒度および粒度低下を達成するために使用され得る。マイクロ流体システムは、図1に示される。粒度低下を実施するために、生成物溶液は、入り口リザーバを通ってマイクロ流体システムに入る。その生成物溶液は、次いで、高圧ポンプによって、補助加工処理モジュール(APM)へと、次いで、相互作用チャンバへと進められる。その生成物溶液は、次いで、有効に冷却され(必要であれば)、出口リザーバの中に集められる。
図2は、マイクロ流体システムを通る生成物溶液の通過の数が増大するにつれて、粒子のサイズが低下することを示す。図3は、マイクロ流体チャンバを通る生成物溶液の加工処理後に、粒子の大部分がより小さな粒度において見出されることを示す。
ある特定の実施形態において、本明細書で記載される製剤の粒子は、約1nm〜約10μm、約1nm〜約10μm、約1nm〜約5μm、約1nm〜約2μm、約1nm〜約1μm、約1nm〜約900nm、約1nm〜約800nm、約1nm〜約700、約1nm〜約600nm、約1nm〜約500nm、約1nm〜約400nm、約1nm〜約300nm、約1nm〜約200nm、もしくはさらには約1nm〜約100nmの平均直径を有する。ある特定の実施形態において、その平均直径は、平均最大直径または平均相当直径である。
ある特定の実施形態において、その粒子のうちの80%超(例えば、製剤中の粒子のうちの90%超もしくは95%超)は、約1nm〜約10μm、約1nm〜約10μm、約1nm〜約5μm、約1nm〜約2μm、約1nm〜約1μm、約1nm〜約900nm、約1nm〜約800nm、約1nm〜約700、約1nm〜約600nm、約1nm〜約500nm、約1nm〜約400nm、約1nm〜約300nm、約1nm〜約200nm、もしくはさらには約1nm〜約100nmの平均最大粒子直径を有する。ある特定の実施形態において、上記平均直径は、平均最大直径もしくは平均相当直径である。
ある特定の実施形態において、本明細書で記載される製剤の粒子は、約100nm〜約10μm、約100nm〜約10μm、約100nm〜約5μm、約100nm〜約2μm、約100nm〜約1μm、約100nm〜約900nm、約100nm〜約800nm、約100nm〜約700、約100nm〜約600nm、約200nm〜約500nm、約250nm〜約600nm、約300nm〜約600nm、約350nm〜約700nm、約450nm〜約550nm、約475nm〜約525nm、もしくは約400nm〜約700nmの平均直径を有する。ある特定の実施形態において、上記平均直径は、平均最大直径もしくは平均相当直径である。
ある特定の実施形態において、その粒子のうちの80%超(例えば、製剤中の粒子のうちの90%超もしくは95%超)は、約100nm〜約10μm、約100nm〜約10μm、約100nm〜約5μm、約100nm〜約2μm、約100nm〜約1μm、約100nm〜約900nm、約100nm〜約800nm、約100nm〜約700、約100nm〜約600nm、約200nm〜約500nm、約250nm〜約600nm、約300nm〜約600nm、約350nm〜約700nm、約450nm〜約550nm、約475nm〜約525nm、もしくは約400nm〜約700nmの平均直径を有する。ある特定の実施形態において、その平均直径は、平均最大直径もしくは平均相当直径である。
粒度の測定は、種々の技術(例えば、光学顕微鏡法、走査型電子顕微鏡法、もしくは原子間力顕微鏡法が挙げられる)を使用して行われ得る。粒度測定のための方法の選択は、必要とされる範囲、溶解性、結晶構造、毒性および流動性に依存する。粒度調整法(particle sizing method)は、3つの領域にグループ分けされ得る:(1)サンプル中の全粒子を同時に測定するアンサンブル法(ensemble method)、例えば、レーザー回折法(LALLS−低角度レーザー光散乱法(low angle laser light scattering))および動的光散乱法(QELS−準弾性光散乱法);(2)個々の粒子を測定し、それらのサイズに従って集積貯蔵容器へと分ける計数法、例えば、エレクトロゾーンカウンター(Coulter)および種々のタイプの顕微鏡法;ならびに(3)外部発注プロセスがサイズに従って粒子を分離するために使用される分離法、例えば、沈降フィールドフロー分画法(sedimentation field−flow fractionation)およびディスク遠心を使用する差別的沈降法(differential sedimentation using a disc centrifuge)。
ある特定の実施形態において、粒子測定データは、粒子直径の関数としての体積分布もしくは重量分布として示される。分布は分散度として報告され得る:

(ここでMwは、質量平均モル質量(もしくは分子量)であり、Mnは、数平均モル質量(もしくは分子量)である)。Pure Appl. Chem.,2009, 81(2), 351−353。粒度分布は、フォーマット:D(50)に記載され得、このフォーマットは、50質量%が大きい方の相当直径を有し、50質量%が小さい方の相当直径を有する平均相当直径を表し、「相当直径(equivalent diameter)」とは、粒子が球形である場合の粒子直径をいう。
本発明の薬学的製剤中のその化合物もしくは塩の量は、体積あたりの質量のパーセンテージとして測定され得る。ある特定の実施形態において、本開示の水性懸濁物のような製剤は、約0.05重量%〜約10重量%の式(I)、(IA)、(IB)、(II)、(III)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IIID)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)のうちのいずれか1つの化合物もしくは塩を含む。ある特定の実施形態において、その製剤は、約0.1重量%〜約5重量%、約0.1重量%〜約4重量%、約0.1重量%〜約3重量%、約0.1重量%〜約2重量%、約0.2重量%〜約5重量%、約0.2重量%〜約4重量%、0.2重量%〜約3重量%、約0.3重量%〜約5重量%、約0.3重量%〜約4重量%、もしくは約0.4重量%〜約4重量%の本明細書で記載される化合物もしくは塩を含む。ある特定の実施形態において、その製剤は、約1重量%〜約5重量%、約1.5重量%〜約5重量%、約1.5重量%〜約4.5重量%、約2重量%〜約4重量%、約2.5重量%〜約3.5重量%、もしくは約2.8重量%〜約3.2重量%の本明細書で記載される化合物もしくは塩を含む。
ある特定の実施形態において、本開示の水性懸濁物のような製剤は、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.06重量%、約0.07重量%、約0.08重量%、約0.09重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、約1重量%、約1.1重量%、約1.2重量%、約1.3重量%、約1.4重量%、約1.5重量%、約1.6重量%、約1.7重量%、約1.8重量%、約1.9重量%、約2重量%、約2.1重量%、約2.2重量%、約2.3重量%、約2.4重量%、約2.5重量%、約2.6重量%、約2.7重量%、約2.8重量%、約2.9重量%、約3重量%、約3.1重量%、約3.2重量%、約3.3重量%、約3.4重量%、約3.5重量%、約3.6重量%、約3.7重量%、約3.8重量%、約3.9重量%、約4重量%、約4.1重量%、約4.2重量%、約4.3重量%、約4.4重量%、約4.5重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、もしくは約10重量%の本明細書で記載される化合物もしくは塩を含む。
本明細書で記載される化合物もしくは塩は、例えば、約500nM、約600nM、約700nM、約800nM、約900nM、約1μM、約2μM、約3μM、約4μM、約5μM、約6μM、約7μM、約8μM、約9μM、約10μM、、約20μM、約30μM、約40μM、約50μM、約60μM、約70μM、約80μM、約90μM、約100μM、約150μM、約200μM、約250μM、約300μM、約350μM、約400μM、約450μM、約500μM、約550μM、約600μM、約650μM、約700μM、約750μM、約800μM、約850μM、約900μM、約1mM、約5mM、約10mM、約15mM、約20mM、約25mM、約30mM、約35mM、約40mM、約45mM、約50mM、約55mM、約60mM、約65mM、約70mM、約75mM、約80mM、約85mM、約90mM、約95mM、もしくは約100mMの濃度で本発明の製剤中に存在し得る。本明細書で記載される化合物は、ある濃度範囲内で組成物中に存在し得、その範囲は、先の濃度のうちのいずれかから選択される上側の値および下側の値によって定義される。例えば、本開示の化合物もしくは塩は、約1nM〜約100mM、約10nm〜約10mM、約100nm〜約1mM、約500nm〜約1mM、約1mM〜約50mM、約10mM〜約40mM、約20mM〜約35mM、もしくは約20mM〜約30mMの濃度において上記製剤中に存在し得る。
ある特定の実施形態において、本開示の水性製剤は、少なくとも90重量%の水、例えば、少なくとも91重量%、少なくとも92重量%、少なくとも93重量%、少なくとも94重量%、少なくとも95重量%、少なくとも96重量%、少なくとも97重量%、少なくとも98重量%、またはさらには少なくとも99重量%の水を含む。
ある特定の実施形態において、上記薬学的製剤は、油性もしくは水性のビヒクル中の滅菌懸濁物、溶液、もしくはエマルジョンとして非経口注射に適した形態にあり得、懸濁剤、安定化剤、および/もしくは分散剤のような製剤化薬剤を含み得る。非経口投与のための薬学的製剤は、例えば、水溶性形態における活性化合物の水性溶液を含む。活性化合物の懸濁物は、例えば、油性注射用懸濁物として調製され得る。適切な親油性溶媒もしくはビヒクルとしては、脂肪酸(例えば、ゴマ油)もしくは合成脂肪酸エステル(例えば、オレイン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル)、または中鎖トリグリセリド、あるいはリポソームが挙げられる。好ましい実施形態において、非経口投与のための製剤は、水性懸濁物である。
ある特定の実施形態において、式(I)、(IA)、(IB)、(II)、(III)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IIID)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)のうちのいずれか1つの化合物および塩の製剤(例えば、水性懸濁物)は、懸濁物の粘度を増大させる薬剤(例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール(PEG)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ソルビトール、ゲランガム(高アシルもしくは低アシル)、キサンタンガム、デキストラン、グアールガム、ローカストビーンガム、アルギン酸ナトリウム、アガー、ゼラチン、キトサン、ペクチン、アルギネート、キシログルカン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カラギーナンおよびこれらの組み合わせ)を含む。ある特定の実施形態において、製剤の粘度を増大させる上記薬剤は、その場でゲルを形成する薬剤(in situ gel−forming agent)であり、ここでゲル形成は、温度、pH、もしくはイオン濃度によって誘発される。その場でゲルを形成する薬剤の例としては、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)(PLGA)、ポロキサマー、キシログルカン、およびポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)ポリマー、アルギネート、ゲランガム(低アシルもしくは高アシル)、酢酸セルロースもしくはフタル酸セルロース、ならびにキサンタンガムが挙げられる。ある特定の実施形態において、本開示の水性懸濁物のような製剤は、約0.05重量%〜約1重量%、約0.1〜約0.8重量%、約0.1重量%〜約0.7重量%、約0.1重量%〜約0.6重量%、約0.1重量%〜約0.5重量%、約0.1重量%〜約0.4重量%、もしくはさらには0.1重量%〜約0.3重量%を含む。ある特定の実施形態において、注射、例えば、硝子体内注射のための水性懸濁物は、粘度を増大させる薬剤(例えば、ゲランガム)を含む。ある特定の実施形態において、局所投与のための水性懸濁物は、粘度を増大させる薬剤(例えば、ゲランガム)を含む。
いくつかの実施形態において、賦形剤の添加は、本発明の薬学的製剤の粘度を変化させ得る。いくつかの実施形態において、賦形剤の使用は、流体の粘度を、少なくとも0.001パスカル−秒(Pa.s)、少なくとも0.0009Pa.s、少なくとも0.0008Pa.s、少なくとも0.0007Pa.s、少なくとも0.0006Pa.s、少なくとも0.0005Pa.s、少なくとも0.0004Pa.s、少なくとも0.0003Pa.s、少なくとも0.0002Pa.s、少なくとも0.0001Pa.s、少なくとも0.00005Pa.s、もしくは少なくとも0.00001Pa.s、増大もしくは低減し得る。いくつかの実施形態において、賦形剤の使用は、流体の粘度を、約0.00001Pa.s〜0.01Pa.sの間、0.00005Pa.s〜0.005Pa.sの間、0.0001Pa.s〜0.001Pa.sの間、0.0002Pa.s〜0.001Pa.sの間、0.0005Pa.s〜0.0009Pa.sの間、もしくは0.0006Pa.s〜0.0008Pa.sの間、増大もしくは低減し得る。いくつかの実施形態において、賦形剤の使用は、流体の粘度を、少なくとも0.001パスカル−秒(Pa.s)、少なくとも0.002Pa.s、少なくとも0.004Pa.s、少なくとも0.006Pa.s、少なくとも0.008Pa.s、少なくとも0.01Pa.s、少なくとも0.012Pa.s、少なくとも0.014Pa.s、少なくとも0.016Pa.s、少なくとも0.018Pa.s、少なくとも0.02Pa.s、少なくとも0.022Pa.s、少なくとも約0.024Pa.s、少なくとも約0.026Pa.s、少なくとも約0.028Pa.s、もしくは少なくとも約0.03Pa.s.、増大もしくは低減し得る。
ある特定の実施形態において、本開示の製剤(例えば、注射による投与もしくは眼への局所投与のための製剤)は、約0.001Pa.s〜約0.05Pa.s、約0.001Pa.s〜約0.03Pa.s、約0.001Pa.s〜約0.02Pa.s、約0.001Pa.s〜約0.01Pa.s、約0.005Pa.s〜約0.030Pa.s、約0.01Pa.s〜約0.03Pa.s、約0.015Pa.s〜約0.025Pa.sの粘度を有する。
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的製剤への賦形剤の添加は、上記組成物の粘度を、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、もしくは少なくとも99%、増大もしくは低減し得る。いくつかの実施形態において、本発明の薬学的製剤への賦形剤の添加は、上記組成物の粘度を、5%以下、10%以下、15%以下、20%以下、25%以下、30%以下、35%以下、40%以下、45%以下、50%以下、55%以下、60%以下、65%以下、70%以下、75%以下、80%以下、85%以下、90%以下、95%以下、もしくは99%以下、増大もしくは低減し得る。粘度の変化をその範囲内に入らせるその範囲の例は、先のパーセンテージのうちのいずれか2つを組み合わせることによって作り出され得る。例えば、賦形剤の添加は、上記組成物の粘度を、5%〜99%、10%〜95%、20%〜70%、もしくは35%〜55%、増大もしくは低減し得る。
ある特定の実施形態において、式(I)、(IA)、(IB)、(II)、(III)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IIID)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)のうちのいずれか1つの化合物および塩の製剤(例えば、水性懸濁物)は、上記製剤のpHを調節するための薬剤を含む。ある特定の実施形態において、pHを調節するための上記薬剤は、酸(例えば、塩酸もしくはホウ酸)または塩基(例えば、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウム)であり得る。ある特定の実施形態において、pHを調節するための上記薬剤は、ホウ酸のような酸である。上記製剤は、約0.05重量%〜約5重量%、約0.1%〜約4%、約0.1%〜約3重量%、約0.1重量%〜約2重量%、もしくは約0.1重量%〜約1重量%のpHを調節するための薬剤を含み得る。
本開示の製剤は、任意の適切なpHで製剤化され得る。ある特定の実施形態において、上記製剤のpHは、約4、約4.05、約4.1、約4.15、約4.2、約4.25、約4.3、約4.35、約4.4、約4.45、約4.5、約4.55、約4.6、約4.65、約4.7、約4.75、約4.8、約4.85、約4.9、約4.95、約5、約5.1、約5.2、約5.3、約5.4、約5.5、約5.6、約5.7、約5.8、約5.9、約6、約6.1、約6.2、約6.3、約6.4、約6.5、約6.6、約6.7、約6.8、約6.9、約7、約7.1、約7.2、約7.3、約7.4、約7.5、約7.6、約7.7、約7.8、約7.9、約8、約8.1、約8.2、約8.3、約8.4、約8.5、約8.6、約8.7、約8.8、約8.9、もしくは約9のpH単位である。ある特定の実施形態において、上記製剤のpHは、約4〜約10、約5〜約9、約6〜約8、約6.5〜約8、約7〜約8、約7.2〜約8、約7.2〜約7.8、約7.3〜約7.5、もしくは約7.35〜約7.45である。いくつかの実施形態において、上記製剤のpHは、約7.4である。
ある特定の実施形態において、式(I)、(IA)、(IB)、(II)、(III)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IIID)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)のうちのいずれか1つの化合物および塩の製剤(例えば、水性懸濁物)は、保存剤を含む。保存剤の例としては、塩化ベンザルコニウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クロルブタノール、酢酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、酢酸クロルヘキシジン、チメロサール、および塩化ベンゼトニウムが挙げられる。ある特定の実施形態において、本開示の製剤は、約0.001重量%〜約1 wt %、約0.001重量%〜約0.5重量%、約0.001重量%〜約0.1重量%、約0.001重量%〜約0.05重量%、約0.001重量%〜約0.01重量%、約0.001重量%〜約0.005重量%の保存剤を含む。ある特定の実施形態において、本開示の製剤は、約0.0001重量%〜約0.1重量%、約0.005重量%〜約0.1重量%、約0.005重量%〜約0.05重量%(例えば、約0.01重量%)の塩化ベンザルコニウムを含む。
ある特定の実施形態において、本開示の製剤は、保存剤を含まない。ある特定の実施形態において、注射用製剤(例えば、硝子体内製剤)は、保存剤を含まない。
ある特定の実施形態において、式(I)、(IA)、(IB)、(II)、(III)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IIID)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)のうちのいずれか1つの化合物および塩の製剤(例えば、水性懸濁物)は、1個もしくはこれより多くの生理学的に受容可能なキャリア(薬学的に使用される調製物への薬学的因子の加工処理を容易にする賦形剤および補助剤を含む)をさらに含む。適切な製剤は、選択された投与経路に依存する。薬学的製剤の概要は、例えば、以下に見出される: Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 第19版(Easton, Pa., Mack Publishing Company, 1995); Hoover, John E., Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pennsylvania 1975; Liberman, H.A. and Lachman, L., Eds., Pharmaceutical Dosage Forms, Marcel Decker, New York, N.Y., 1980;およびPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, 第7版(Lippincott Williams & Wilkins, 1999)。
ある特定の実施形態において、式(I)、(IA)、(IB)、(II)、(III)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IIID)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)のうちのいずれか1つの化合物および塩の製剤(例えば、水性懸濁物)は、その製剤の容量オスモル濃度を調節するための薬剤、例えば、マンニトール、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、デキストロース、塩化カリウム、グリセリン、プロピレングリコール、塩化カルシウム、および塩化マグネシウムをさらに含む。ある特定の実施形態において、上記製剤は、約0.1重量%〜約10重量%、約0.5重量%〜約8重量%、約1重量%〜約5重量%、約1重量%〜約4重量%、もしくは約1重量%〜約3重量%の、製剤の容量オスモル濃度を調節するための薬剤を含む。
ある特定の実施形態において、本開示の製剤は、約10mOsm〜約1000mOsm、約100mOsm〜約700mOsm、約200mOsm〜約400mOsm、約250mOsm〜約350mOsm、またはさらには約290mOsm〜約310mOsmの容量オスモル濃度を有する。
ある特定の実施形態において、式(I)、(IA)、(IB)、(II)、(III)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IIID)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)のうちのいずれか1つの化合物および塩の製剤(例えば、水性懸濁物)は、緩衝化剤(例えば、トロメタミン、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム塩類緩衝液(SSC)、アセテート、塩類溶液、生理食塩水、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)、4−2−ヒドロキシエチル−1−ピペラジンエタンスルホン酸緩衝液(HEPES)、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸緩衝液(MOPS)、およびピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)緩衝液(PIPES)、酢酸ナトリウム−ホウ酸ストック溶液、塩化ナトリウムを含むホウ酸−炭酸ナトリウム溶液、ホウ酸-ホウ酸ナトリウム緩衝液、リン酸ナトリウムおよびリン酸カリウム緩衝液、塩化カリウムを含むホウ酸−炭酸ナトリウム、またはこれらの組み合わせ)をさらに含む。ある特定の実施形態において、上記製剤は、約0.05重量%〜約5重量%、約0.1重量%〜約4重量%、約0.1重量%〜約3重量%、約0.1重量%〜約2重量%、or 約0.1重量%〜約1重量%の、製剤を緩衝化するための薬剤(例えば、トロメタミン)を含む。
ある特定の実施形態において、式(I)、(IA)、(IB)、(II)、(III)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IIID)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)のうちのいずれか1つの化合物および塩の製剤(例えば、水性懸濁物)は、分散剤をさらに含む。分散剤の例としては、界面活性剤(例えば、オレイン酸のソルビタンエーテルエステル、ポリソルベート−80、およびポリソルベート−20)、カチオン性界面活性剤、およびアニオン性界面活性剤が挙げられる。好ましい実施形態において、上記製剤は、非イオン性界面活性剤である分散剤を含む。ある特定の実施形態において、上記製剤は、約0.01重量%〜約1重量%、約0.02重量%〜約1重量%、約0.02重量%〜約0.8重量%、約0.5重量%〜約0.5重量%、もしくは約0.05重量%〜約0.3重量%の分散剤(例えば、ポリソルベート−80)を含む。
ある特定の実施形態において、式(I)、(IA)、(IB)、(II)、(III)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IIID)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)のうちのいずれか1つの化合物および塩の製剤(例えば、水性懸濁物)は、可溶化剤をさらに含む。ある特定の実施形態において、本開示の化合物もしくは塩は、低い水溶性を示し、可溶化剤の添加は、その化合物もしくは塩の溶解性を増強する。本開示の可溶化剤としては、例えば、包接錯体のホスト分子(例えば、シクロデキストリン)が挙げられる。いくつかの実施形態において、β−シクロデキストリンが好ましい。適切なβ−シクロデキストリンの例としては、例えば、(2−ヒドロキシルプロピル)−β−シクロデキストリンが挙げられる。ある特定の実施形態において、上記製剤は、約2重量%〜約15重量%の可溶化剤、約3重量%〜約12重量%、約4重量%〜約10重量%、約5重量%〜約10重量%、もしくは約6重量%〜約10重量%の可溶化剤(例えば、シクロデキストリン)を含む。ある特定の実施形態において、上記製剤は、可溶化剤(例えば、β−シクロデキストリン)を含む水性溶液である。好ましい実施形態において、眼への局所投与のための製剤は、可溶化剤(例えば、シクロデキストリン)を含む。
ある特定の実施形態において、本開示の製剤は、以下に記載される1個もしくはこれより多くのさらなる賦形剤を含み得る。本開示の薬学的製剤中の賦形剤の量は、上記薬学的製剤中の上記化合物の質量に基づいて(by mass)、約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約200%、約300%、約400%、約500%、約600%、約700%、約800%、約900%、 もしくは約1000%であり得る。本開示の薬学的製剤中の賦形剤の量は、上記薬学的製剤中の本発明の化合物の質量に基づいて、0.01%と1000%との間、0.02%と500%との間、0.1%と100%との間、1%と50%との間、0.01%と1%との間、1%と10%との間、10%と100%との間、50%と150%との間、100%と500%との間、もしくは500%と1000%との間であり得る。
本発明の薬学的製剤中の賦形剤の量は、単位剤形の質量もしくは体積に基づいて、約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55% 約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、もしくは約100%であり得る。本発明の薬学的製剤中の賦形剤の量は、単位剤形の質量もしくは体積に基づいて、0.01%と1000%との間、0.02%と500%との間、0.1%と100%との間、1%と50%との間、0.01%と1%との間、1%と10%との間、10%と100%との間、50%と150%との間、100%と500%との間、もしくは500%と1000%との間であり得る。
本発明の化合物 対 本発明の薬学的製剤中の賦形剤の比は、約100:約1、約95:約1、約90:約1、約85:約1、約80:約1、約75:約1、約70:約1、約65:約1、約60:約1、約55:約1、約50:約1、約45:約1、約40:約1、約35:約1 約30:約1、約25:約1、約20:約1、約15:約1、約10:約1、約9:約1、約8:約1、約7:約1、約6:約1、約5:約1、約4:約1、約3:約1、約2:約1、約1:約1、約1:約2、約1:約3、約1:約4、約1:約5、約1:約6、約1:約7、約1:約8、約1:約9、もしくは約1:約10であり得る。本発明の化合物 対 本発明の薬学的製剤中の賦形剤の比は、約100:約1〜約1:約10の間、約10:約1〜約1:約1の間、約5:約1〜約2:約1の間の範囲内にあり得る。
薬学的に受容可能なキャリアは、当該分野で周知であり、例えば、水性溶液(例えば、水もしくは生理学的に緩衝化された塩類溶液または他の溶媒もしくはビヒクル(例えば、グリコール、グリセロール、オリブ油のような油、または注射用有機エステル)を含む。好ましい実施形態において、このような薬学的製剤がヒト投与、特に、侵襲性の投与経路、例えば、上皮バリアを通る輸送もしくは拡散を回避する経路(例えば注射もしくは埋没)のためにある場合、その水性溶液は、発熱物質非含有であるか、または実質的に発熱物質非含有である。その賦形剤は、例えば、薬剤の放出遅延をもたらすために、あるいは1個もしくはこれより多くの細胞、組織、または器官を選択的に標的化するために選択され得る。その薬学的製剤は、単位剤形(例えば、錠剤、カプセル剤、粒剤、再構成用の凍結乾燥物、散剤、液剤、シロップ剤、坐剤、注射物など)にあり得る。その組成物はまた、経皮送達系、例えば、皮膚パッチの中に存在し得る。その組成物はまた、局所投与に適した液剤(例えば、点眼剤)の中に存在し得る。
本明細書で記載される化合物を含む組成物を調製するための方法は、上記化合物を1個もしくはこれより多くの不活性の、薬学的に受容可能な賦形剤とともに製剤化する工程を包含し得る。液体組成物としては、例えば、化合物が中に溶解される液剤、化合物を含むエマルジョン、または本明細書で開示されるとおりの化合物を含むリポソーム、ミセル、もしくはナノ粒子を含む液剤が挙げられる。これら組成物はまた、少量の非毒性の補助物質(例えば、湿潤剤もしくは乳化剤、pH緩衝化剤、および他の薬学的に受容可能な添加剤)を含み得る。
本開示における使用に適した剤形の非限定的な例としては、液体、エリキシル剤、ナノ懸濁物、マイクロ懸濁物、水性もしくは油性の懸濁物、滴剤、シロップ剤、およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。本開示における使用に適した薬学的に受容可能な賦形剤の非限定的な例としては、造粒剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、接着防止剤、帯電防止剤(anti−static agent)、界面活性剤、抗酸化剤、着色剤、矯味矯臭剤、可塑剤、保存剤、懸濁剤、乳化剤、植物性セルロース物質および球形化薬剤(spheronization agent)、ならびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。本発明の方法において使用され得る製剤のタイプの非限定的な例としては、水性液剤、軟膏剤、水性懸濁物、および水中油型エマルジョンが挙げられる。
経口投与に適した薬学的製剤は、カプセル剤、カシェ剤もしくは錠剤(各々が所定の量の活性成分を含む)のような別個の単位として;散剤もしくは粒剤として;水性液体もしくは非水性液体中の液剤もしくは懸濁物として;または水中油型液体エマルジョンもしくは油中水型液体エマルジョンとして、示され得る。その活性成分は、ボーラス、舐剤もしくはパスタ剤として示され得る。
経口的に使用され得る薬学的製剤としては、錠剤、ゼラチンから作製されるプッシュフィットカプセル、ならびにゼラチンおよび可塑剤(例えば、グリセロールもしくはソルビトール)から作製されるシールされたソフトカプセルが挙げられる。錠剤は、必要に応じて、1個もしくはこれより多くのアクセサリ成分とともに圧縮もしくは成形することによって作製され得る。圧縮された錠剤は、自由流動形態(例えば、散剤もしくは粒剤)中の活性成分を、必要に応じて、結合剤、不活性希釈剤、または滑沢剤、界面活性剤もしくは分散剤と混合して適切な機械の中で圧縮することによって調製され得る。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らされた粉末化化合物の混合物を適切な機械の中で成形することによって作製され得る。いくつかの実施形態において、その錠剤は、被覆されるかもしくは割線が入れられ、そこでその活性成分のゆっくりとしたもしくは制御された放出を提供するように製剤化される。経口投与のための全ての製剤は、このような投与に適した投与量にあるべきである。上記プッシュフィットカプセルは、充填剤(例えば、ラクトース)、結合剤(例えば、デンプン)および/または滑沢剤(例えば、タルクもしくはステアリン酸マグネシウム)、ならびに必要に応じて安定化剤と混合されて、上記活性成分を含み得る。ソフトカプセルにおいて、その活性化合物は、適切な液体(例えば、脂肪油、流動パラフィン、もしくは液体ポリエチレングリコール)中に溶解もしくは懸濁され得る。いくつかの実施形態において、安定化剤が添加される。糖衣錠コアは、適切な被覆とともに提供される。この目的のために、濃縮糖溶液が使用され、これは、アラビアガム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/もしくは二酸化チタン、ラッカー溶液、および適切な有機溶媒もしくは溶媒混合物を必要に応じて含み得る。染料もしくは顔料は、活性化合物用量の種々の組み合わせを同定もしくは特徴付けるために、錠剤もしくは糖衣錠被覆へと添加され得る。
注射のための製剤は、保存剤を添加して、単位剤形において、例えば、アンプルもしくは複数用量容器の中に示され得る。その組成物は、油性もしくは水性のビヒクル中の懸濁物、液剤もしくはエマルジョンとしてこのような形態をとり得、懸濁剤、安定化剤および/もしくは分散剤のような製剤化薬剤を含み得る。その組成物は、単位用量容器もしくは複数用量容器(例えば、シールされたアンプルおよびバイアル)において示され得、使用直前に、滅菌液体キャリア(例えば、塩類溶液もしくは滅菌された発熱物質非含有水)の添加のみを要する散剤形態もしくはフリーズドライ(凍結乾燥)状態で貯蔵され得る。直ぐ使用できる(extemporaneous)注射溶液および懸濁物は、先に記載された種類の滅菌散剤、粒剤および錠剤から調製され得る。
非経口投与のための薬学的製剤は、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、およびその製剤を意図されたレシピエントの血液と等張性にする溶質を含み得る、活性化合物の水性および非水性(油性)の滅菌注射溶液;ならびに懸濁剤および濃化剤を含み得る水性および非水性の滅菌懸濁物が挙げられ得る。適切な親油性溶媒もしくはビヒクルとしては、脂肪油(例えば、ゴマ油)、もしくは合成脂肪酸エステル(例えば、オレイン酸エチルもしくはトリグリセリド)、またはリポソームが挙げられる。
薬学的製剤はまた、デポー調製物として製剤化され得る。このような長時間作用製剤は、埋没によって(例えば、皮下もしくは筋肉内に)または筋肉注射によって投与され得る。従って、例えば、上記化合物は、適切なポリマー物質もしくは疎水性物質(例えば、受容可能な油中のエマルジョンとして)またはイオン交換樹脂とともに、またはやや溶けにくい誘導体(sparingly soluble derivative)として、例えば、やや溶けにくい塩として、製剤化され得る。
口内投与もしくは舌下投与のために、上記組成物は、従来の様式で製剤化された錠剤、ロゼンジ、香錠、もしくはゲルの形態をとり得る。このような組成物は、スクロースおよびアカシアもしくはトラガカントのようなフレーバーが付けられた基剤(flavored basis)中に活性成分を含み得る。
薬学的製剤はまた、直腸組成物(例えば、坐剤、もしくは停留浣腸(例えば、カカオ脂、ポリエチレングリコール、もしくは他のグリセリドのような従来の坐剤用基剤を含む)において製剤化され得る。
薬学的製剤は、局所的に、すなわち、非全身性投与によって投与され得る。これは、本発明の化合物が血流の中に顕著に入らないように、表皮もしくは口腔への外部からのこのような化合物の適用および耳、眼および鼻への上記化合物の滴下を含む。対照的に、全身投与は、経口、静脈内、腹腔内および筋肉内投与をいう。
局所投与に適した薬学的製剤は、皮膚を通って炎症部位へと透過するのに適した液体もしくは半液体の調製物(例えば、ゲル、リニメント剤、ローション剤、クリーム剤、軟膏剤もしくはパスタ剤)、および眼、耳もしくは鼻への投与に適した滴剤を含む。
吸入による投与のための薬学的製剤は、吸入器、ネブライザ、エアロゾルスプレーを送達する加圧パックもしくは他の従来手段から都合良く送達される。加圧パックは、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素もしくは他の適切なガスのような適切なプロペラントを含み得る。加圧化エアロゾルの場合には、その投与量単位は、計量された量を送達するためにバルブを設けることによって決定され得る。あるいは、吸入(inhalation or insufflation)による投与のために、薬学的調製物は、乾燥粉末組成物、例えば、上記化合物および適切な粉末基剤(例えば、ラクトースもしくはデンプン)の粉末混合物の形態をとり得る。その粉末組成物は、例えば、カプセル剤、カートリッジ、ゼラチンもしくはブリスターパック(ここからその粉末が吸入器(inhalator or insufflator)の助けを借りて投与され得る)において、単位剤形で示され得る。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される薬学的製剤は、賦形剤としての糖を含む。糖の非限定的な例としては、トレハロース、スクロース、グルコース、ラクトース、ガラクトース、グリセルアルデヒド、フルクトース、デキストロース、マルトース、キシロース、マンノース、マルトデキストリン、デンプン、セルロース、ラクツロース、セロビオース、マンノビオース、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的製剤は、賦形剤としての二価金属イオンの供給源を含む。金属は、元素形態、金属原子、または金属イオンであり得る。金属の非限定的な例としては、遷移金属、主要な族の金属、ならびに周期表の1族、2族、3族、4族、5族、6族、7族、8族、9族、10族、11族、12族、13族、14族および15族の金属が挙げられる。金属の非限定的な例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、パラジウム、銀、カドミウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、セリウム、およびサマリウムが挙げられる。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される薬学的製剤は、賦形剤としてのアルコールを含む。アルコールの非限定的な例としては、エタノール、プロピレングリコール、グリセロール、ポリエチレングリコール、クロロブタノール、イソプロパノール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、リビトール、マンニトール、ガラクチトール(galactilol)、フシトール、ラクチトール、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
薬学的調製物は、ポリエチレングリコール(PEG)とともに製剤化され得る。約300g/mol〜約10,000,000g/molの範囲に及ぶ分子量を有するPEGが、使用され得る。PEGの非限定的な例としては、PEG 200、PEG 300、PEG 400、PEG 540、PEG 550、PEG 600、PEG 1000、PEG 1450、PEG 1500、PEG 2000、PEG 3000、PEG 3350、PEG 4000、PEG 4600、PEG 6000、PEG 8000、PEG 10,000、およびPEG 20,000が挙げられる。
本発明の組成物において使用され得るさらなる賦形剤としては、以下が挙げられる:例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、デヒドロ酢酸、エチレンジアミン、エチルバニリン、グリセリン、次亜リン酸、フェノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、安息香酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、ソルビン酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ソルビン酸、チメロサール(thimerasol)、酢酸、モノステアリン酸アルミニウム、ホウ酸、水酸化カルシウム、ステアリン酸カルシウム、硫酸カルシウム、四塩化カルシウム、酢酸フタル酸セルロース、微結晶性セルロース、クロロホルム、クエン酸、エデト酸、およびエチルセルロース。
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される薬学的製剤は、賦形剤としての非プロトン性溶媒を含む。非プロトン性溶媒の非限定的な例としては、以下が挙げられる:ペルフルオロヘキサン、α,α,α−トリフルオロトルエン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン、ジオキサン、四塩化炭素、フレオン−11、ベンゼン、トルエン、二硫化炭素、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、酢酸エチル、1,2−ジメトキシエタン、2−メトキシエチルエーテル、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、ピリジン、2−ブタノン、アセトン、N−メチルピロリジノン、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、スルホラン、ジメチルスルホキシド、および炭酸プロピレン。
本発明の組成物は、キットとしてパッケージされ得る。いくつかの実施形態において、キットは、その組成物の投与もしくは使用に関する書面による説明書を含む。書面による資料は、例えば、ラベルであり得る。その書面による資料は、状態、投与法を示唆し得る。その説明書は、被験体および監督する医師に、治療の施与から最適な臨床転帰を達成するための最良のガイダンスを提供する。いくつかの実施形態において、そのラベルは、規制当局(例えば、米国食品医薬品局(FDA)、欧州医薬品庁(EMA)、または他の規制当局)によって承認され得る。
投与
本開示の組成物および方法は、その必要性のある個体を処置するために利用され得る。ある特定の実施形態において、その個体は、ヒトのような哺乳動物、または非ヒト哺乳動物である。ヒトのような動物に投与される場合、その組成物または薬学的因子は、好ましくは、例えば、式(I)、(IA)、(IB)、(II)、(III)、(IIIA)、(IIIB)、(IIIC)、(IIID)、(IVA)、(IVB)、(IVC)、(IVD)、(IVE)、(IVF)、(IVG)および(IVH)のうちのいずれか1つの化合物もしくは塩ならびに薬学的に受容可能なキャリアもしくは賦形剤を含む薬学的製剤として投与される。
本明細書で提供される処置法もしくは使用法を実施するにあたって、本明細書で記載される化合物もしくは塩の治療上有効な量が、薬学的製剤において、処置されるべき疾患もしくは状態を有する被験体へと投与される。治療上有効な量は、疾患の重篤度、被験体の年齢および相対的な健康状態、使用される化合物の有効性、ならびに他の要因に依存して広く変動し得る。被験体は、例えば、ヒト被験体(例えば、高齢の成人、成人、青年、前青年期、小児、歩き始めた幼児、歩き始める前の乳児、もしくは新生児であり得る。被験体は、患者であり得る。被験体は、非ヒト動物、例えば、チンパンジー、類人猿(ape)、サル(monkey)、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウサギ、イヌ、およびネコ、ラット、マウスおよびモルモットであり得る。
ある特定の実施形態において、本開示の製剤は、被験体の眼への投与を通じて眼の疾患を処置するために使用される。その製剤は、クリーム剤、軟膏剤、液体の液滴製剤を通じて眼に局所的に送達され得る。その製剤は、注射を通じて眼に送達され得る。注射用溶液は、前眼房、強膜、硝子体液、角膜、水晶体、周りの組織へと直接送達され得る。その組成物はまた、眼内灌流液として送達され得る、
さらに、本明細書で記載される化合物は、埋没物もしくはコンタクトレンズを通じて眼に投与され得る。コンタクトレンズは、本明細書で記載される化合物で予備処理され得る。コンタクトレンズはまた、再構成される乾燥粉末製剤として、濃縮溶液もしくは使用準備のできた溶液として提供され得る被覆されたレンズを調製するための成分を含むキットの中で提供され得る。これらのキットのための組成物は、単回使用もしくは複数回使用のためのものであり得る。
本明細書で提供される化合物はまた、眼用のロッド(ophthalmic rod)を通じて、または眼内レンズ−ヒドロゲルアセンブリを通じて、眼に投与され得る。
ある特定の実施形態において、本開示の水性懸濁物のような製剤は、注射、例えば、硝子体内注射によって眼へと投与される。硝子体内注射によって眼へと投与される本明細書で記載される化合物および塩の製剤の投与量は、好ましくは低い全体体積、例えば、約200μL未満、約180μL未満、約160μL未満、約140μL未満、約120μL未満、約110μL未満、約100μL未満、約90μL未満、約80μL未満、約70μL未満、約60μL未満、もしくはさらには約50μL未満で投与される。ある特定の実施形態において、注射によって眼へと投与される本開示の製剤は、約50μL〜約150μL、約60μL〜約120μLの全体体積、例えば、約100μLの体積を有する。当業者に理解されるように、体積の調節は、被験体の種、被験体の年齢などのような要因に基づいて行われ得る。
前眼房内注射によって眼へと投与される本明細書で記載される化合物および塩の製剤の投与量は、好ましくは、低い全体体積、例えば、約40μL未満、約35μL未満、約30μL未満、約25μL未満、約20μL未満、約15μL未満、約10μL未満、もしくは約5μL未満で投与される。ある特定の実施形態において、前眼房内注射によって眼へと投与される本開示の製剤は、約5μL〜約50μL、約5μL〜約25μLの全体体積、例えば、約5μL〜約15μLの体積を有する。
眼へと局所投与される本明細書で記載される化合物および塩の製剤の投与量は、好ましくは、約5μL〜約80μL、約5μL〜約75μL、約5μL〜約70μL、約5μL〜約65μL、約5μL〜約60μL、約5μL〜約55μL、約5μL〜約50μL、約10μL〜約60μL、もしくは約10μL〜約50μLの量で投与される。
ある特定の実施形態において、本開示の製剤は、約5μL、約10μL、約15μL、約20μL、約25μL、約30μL、約35μL、約40μL、約45μL、約50μL、約60μL、約70μL、約80μL、約90μL、約100μL、約110μL、約120μL、約130μL、約140μL、約150μL、約160μL、約170μL、約180μL、約190μL、約200μL、約250μL、約300μL、約350μL、約400μL、約450μL、約500μL、約600μL、約700μL、約800μL、約900μL、もしくは約1mLの用量で投与される。
ある特定の実施形態において、本開示の製剤は、約25μg、約30μg、約35μg、約40μg、約45μg、約50μg、約60μg、約70μg、約80μg、約90μg、約100μg、約125μg、約150μg、約175μg、約200μg、約250μg、約300μg、約350μg、約400μg、約450μg、約500μg、約600μg、約700μg、約800μg、約900μg、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、もしくは約20mgの量の本明細書で記載される化合物もしくは塩を含む用量で投与される。ある特定の実施形態において、本明細書で記載される製剤の用量は、本開示の化合物もしくは塩を、約1mg〜約10mg、約10μg〜約10mg、約100μg〜約5mg、約50μg〜約5mg、約500μg〜約4mg、もしくは約1mg〜約4mgの量において含む。ある特定の実施形態において、硝子体内用量は、約0.1mg〜約5mg、もしくは約0.5mg〜約3mgの本明細書で記載される化合物もしくは塩を含む。
本開示の薬学的製剤は、急性的もしくは慢性的のいずれかで投与され得る。本発明の薬学的製剤は、単一の処置としてまたは処置の過程として投与され得る。処置は、1日あたり1回、1日あたり2回(b.i.d.)、1日あたり3回、朝に、夕方に、就寝前に、または1日中連続して、適用され得る。処置は、毎日、2日に1回、3日に1回、1週間に2回、1週間に1回、2週間に1回、1ヶ月に1回、6週間に1回、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回、6ヶ月に1回、1年に1回、2年に1回、5年に1回、もしくは必要に応じて適用され得る。
ある特定の実施形態において、硝子体内注射によって投与される本開示の薬学的製剤は、1週間に1回、2週間に1回、1ヶ月に1回、6週間に1回、2ヶ月に1回、3ヶ月に1回、6ヶ月に1回、1年に1回、2年に1回、5年に1回、もしくは必要に応じて投与され得る。
ある特定の実施形態において、眼に局所投与される本開示の薬学的製剤は、1日に1回、2回もしくは3回投与され得、ここで上記処置は、2週間まで、6週間まで、8週間まで、3ヶ月まで、6ヶ月までもしくはさらに1年までの間にわたって毎日投与され得る。
患者の状態が改善するある特定の実施形態において、投与される薬物の用量は、ある特定の長さの時間にわたって一時的に低減されるかまたは一時的に停止される。ある特定の実施形態において、患者は、休薬日を有し、その患者は、ある期間にわたって薬物を受容しないかまたは低減した量の薬物を拭ける。休薬日は、例えば、2日間〜1年間の間(例示に過ぎないが、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、10日間、12日間、15日間、20日間、28日間、または28日間超を含む)であり得る。休薬日は、約1ヶ月間、約2ヶ月間、約3ヶ月間、約4ヶ月間、約5ヶ月間、約6ヶ月間、約7ヶ月間、約8ヶ月間、約9ヶ月間、約10ヶ月間、約11ヶ月間、もしくは約12ヶ月間であり得る。休薬日の間の用量低減は、例えば、本来の投与される用量のうちの10%〜100%(例示に過ぎないが、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、および100%を含む)であり得る。さらなる例に関しては、その用量低減は、10%〜100%の間、20%〜80%の間、30%〜70%の間、50%〜90%の間、80%〜100%の間もしくは90%〜100%の間であり得る。
患者の状態の改善が一旦起こった後は、維持用量が、必要であれば投与され得る。その後、投与量もしくは投与頻度、または両方は、症状の関数として、その改善された疾患、障害もしくは状態が保持され得るレベルに応じて低減され得る。
本明細書で記載される製剤を投与するためのさらなる方法としては、例えば、経口経路(経口、胃、もしくは十二指腸栄養チューブが挙げられる)、肛門坐剤、浣腸、非経口経路、注射、注入、動脈内、心臓内、皮内、十二指腸内、髄内、筋肉内、骨内、腹腔内、鞘内、血管内、静脈内、硝子体内、前房内、硬膜外、皮下、吸入、経皮、経粘膜、舌下、口内、局所、経皮(epicutaneous)、真皮、浣腸液(enemaear drops)、鼻内、および膣の投与を介する送達が挙げられるが、これらに限定される。本明細書で記載される化合物は、処置の必要性のある領域へと、例えば、手術の間の局所注入、クリーム剤もしくは軟膏剤のような局所適用、注射、カテーテル、または埋没物によって、局所投与され得る。投与はまた、罹患組織もしくは器官の部位での直接注射によるものであり得る。
用量は、本明細書で記載されるように、所望の薬物動態もしくは薬力学プロフィール(例えば、所望のもしくは有効な眼組織プロフィール)を達成するために調節され得る。
薬物動態および薬力学データは、種々の実験技術によって得られ得る。特定の組成物を記載する適切な薬物動態および薬力学プロフィール構成要素は、ヒト被験体における薬物代謝のバリエーションに起因して変動し得る。薬物動態および薬力学プロフィールは、被験体の群の平均的パラメーターの決定に基づき得る。被験体の群は、代表的な平均を決定するために適した任意の合理的な被験体数(例えば、5名の被験体、10名の被験体、15名の被験体、20名の被験体、25名の被験体、30名の被験体、35名の被験体、もしくはこれより多い)を含む。その平均は、例えば、測定される各パラメーターに関する全ての被験体の測定値の平均を計算することによって決定され得る。用量は、本明細書で記載されるように、所望の薬物動態もしくは薬力学プロフィール(例えば、所望のもしくは有効な眼組織)を達成するために調節され得る。
薬力学パラメーターは、本発明の組成物を記載するために適した任意のパラメーターであり得る。例えば、その薬力学プロフィールは、例えば、約1時間、約1.5時間、約2時間、約2.5時間、約3時間、約3.5時間、約4時間、約4.5時間、約5時間、約5.5時間、約6時間、約6.5時間、約7時間、約7.5時間、約8時間、約8.5時間、約9時間、約9.5時間、約10時間、約10.5時間、約11時間、約11.5時間、約12時間、約12.5時間、約13時間、約13.5時間、約14時間、約14.5時間、約15時間、約15.5時間、約16時間、約16.5時間、約17時間、約17.5時間、約18時間、約18.5時間、約19時間、約19.5時間、約20時間、約20.5時間、約21時間、約21.5時間、約22時間、約22.5時間、約23時間、約23.5時間、約24時間、約25時間、約26時間、約27時間、約28時間、約29時間、約30時間、約36時間、約42時間、約48時間、約54時間、約60時間、約1週間、約2週間、約3週間、もしくは約1か月の投与後時間に得られ得る。薬力学プロフィールを決定するための投与後時間の範囲は、最大および最小の投与後時間として先の列挙からいずれか2つの値を選択することによって規定され得る。例えば、薬力学プロフィールは、投与後1分〜1時間の間、投与後1時間〜1週間の間、または投与後12時間〜1日の間に決定され得る。
薬物動態パラメーターは、化合物を記載するために適した任意のパラメーターであり得る。眼の種々の組織における化合物の曝露は、例えば、約1nM、約2nM、約3nM、約4nM、約5nM、約6nM、約7nM、約8nM、約9nM、約10nM、約15nM、約20nM、約25nM、約30nM、約35nM、約40nM、約45nM、約50nM、約55nM、約60nM、約65nM、約70nM、約75nM、約80nM、約85nM、約90nM、約95nM、約100nM、約110nM、約120nM、約130nM、約140nM、約150nM、約160nM、約170nM、約180nM、約190nM、約200nM、約250nM、約300nM、約350nM、約350nM、約400nM、約450nM、約500nM、約550nM、約600nM、約650nM、約700nM、約750nM、約800nM、約850nM、約900nM、約950nM、約1μM、約2μM、約3μM、約4μM、約5μM、約6μM、約7μM、約8μM、約9μM、約10μM、約15μM、約20μM、約25μM、約30μM、約35μM、約40μM、約45μM、約50μM、約55μM、約60μM、約70μM、約80μM、約90μM、もしくは約100μMであり得る。眼の組織における化合物の曝露の範囲は、先の列挙からいずれか2つの値を選択することによって規定され得る。例えば、組織における曝露は、1nM〜100μMの間、10nM〜10μMの間、100nM〜1μMの間、もしくは1μM〜10μMの間であり得る。
ビオチン化方法は、投与される化合物の有効濃度を測定するために使用され得る。化合物のレベルは、血漿中でもしくは眼において測定され得る。眼内では、化合物の局所濃度は、水晶体、角膜、網膜、毛様体、毛様体突起、硝子体液もしくは房水において測定され得る。化合物の濃度は、局所もしくは注射のいずれにしても、1回の処置の後に測定され得る。化合物の濃度は、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、12日間、14日間、3週間、4週間、2ヶ月間、もしくは3ヶ月間にわたるb.i.d.投与後に測定され得る。化合物の濃度は、3〜5日間、3〜7日間、7〜14日間、7〜21日間、14〜21日間、2〜5週間、1〜2ヶ月間、1〜4ヶ月間、1〜6ヶ月間、6〜12ヶ月間にわたるb.i.d.投与後に、または12ヶ月超にわたるb.i.d.投与後に、測定され得る。化合物の濃度は、3日間を超える、1週間を超える、2週間を超える、1ヶ月間を超える、もしくは3ヶ月間を超えるb.i.d.投与後に測定され得る。
化合物の濃度は、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、12日間、14日間、3週間、4週間、2ヶ月間、もしくは3ヶ月間にわたる1日に1回の投与後に測定され得る。化合物の濃度は、3〜5日間、3〜7日間、7〜14日間、7〜21日間、14〜21日間、2〜5週間、1〜2ヶ月間、1〜4ヶ月間、1〜6ヶ月間、6〜12ヶ月間にわたる1日に1回の投与後に、または12ヶ月超にわたる1日に1回の投与後に測定され得る。化合物の濃度は、3日間を超える、1週間を超える、2週間を超える、1ヶ月間を超える、もしくは3ヶ月間を超える1日に1回の投与後に測定され得る。
本開示の化合物は、1nM〜1000nM、15nM〜400nM、50nM〜200nM、100nM〜150nM、10nM〜50nM、もしくは10nM〜20nMの毛様体突起濃度を達成するために投与され得る。本開示の化合物は、10nM〜500,000nM、100nM〜100,000nM、200nM〜50,000nM、200nM〜20,000nM、1000nM〜10,000nM、200nM〜800nM、400nM〜800nM、200nM〜20,000nM、もしくは200nM〜15,000nMの濃度を達成するために投与され得る。本開示の化合物は、10nM〜100,000nM、50nM〜50,000nM、100nM〜50,000nM、500nM〜50,000nM、500nM〜40,000nM、500nM〜30,000nM、100nM〜10,000nM、200nM〜5,000nM、200nM〜3,000nM、200nM〜2,000nM、10nM〜100nM、もしくは10nM〜50nMの網膜濃度を達成するために投与され得る。本開示の化合物は、約1nM〜約100uM、約10nM〜約50uM、約100nM〜about20uM、約500nM〜約10uM、約2uM〜約10uM、もしくは約5uM〜約10uMの水晶体濃度を達成するために投与され得る。本開示の化合物は、約1nM〜約100uM、約10nM〜約50uM、約100nM〜約20uM、約500nM〜約10uM、約1uM〜約10uM、もしくは約1uM〜約5uMの硝子体液濃度を達成するために投与され得る。本開示の化合物は、約1nM〜約100uM、約10nm〜約50uM、約100nm〜約10uM、約500nm〜約5uM、約700nm〜約3uM、もしくは約1uM〜約2uMの虹彩濃度を達成するために投与され得る。
本明細書で記載される化合物のTmaxは、例えば、約0.1時間以下、約0.2時間以下、約0.3時間以下、約0.4時間以下、約0.5時間、約1時間以下、約1.5時間以下、約2時間以下、約2.5時間以下、約3時間以下、約3.5時間以下、約4時間以下、約4.5時間以下、約5時間以下、もしくは本明細書で記載される化合物の薬物動態プロフィールを記載するために適した任意の他のTmaxであり得る。Tmaxは、例えば、約0.1時間〜約24時間;約0.1時間〜約0.5時間;約0.5時間〜約1時間;約1時間〜約1.5時間;約1.5時間〜約2時間;約2時間〜約2.5時間;約2.5時間〜約3時間;約3時間〜約3.5時間;約3.5時間〜約4時間;約4時間〜約4.5時間;約4.5時間〜約5時間;約5時間〜約5.5時間;約5.5時間〜約6時間;約6時間〜約6.5時間;約6.5時間〜約7時間;約7時間〜約7.5時間;約7.5時間〜約8時間;約8時間〜約8.5時間;約8.5時間〜約9時間;約9時間〜約9.5時間;約9.5時間〜約10時間;約10時間〜約10.5時間;約10.5時間〜約11時間;約11時間〜約11.5時間;約11.5時間〜約12時間;約12時間〜約12.5時間;約12.5時間〜約13時間;約13時間〜約13.5時間;約13.5時間〜約14時間;約14時間〜約14.5時間;約14.5時間〜約15時間;約15時間〜約15.5時間;約15.5時間〜約16時間;約16時間〜約16.5時間;約16.5時間〜約17時間;約17時間〜約17.5時間;約17.5時間〜約18時間;約18時間〜約18.5時間;約18.5時間〜約19時間;約19時間〜約19.5時間;約19.5時間〜約20時間;約20時間〜約20.5時間;約20.5時間〜約21時間;約21時間〜約21.5時間;約21.5時間〜約22時間;約22時間〜約22.5時間;約22.5時間〜約23時間;約23時間〜約23.5時間;もしくは約23.5時間〜約24時間であり得る。ある特定の実施形態において、注射後のTmaxは、その化合物もしくは塩の投与後、約24時間〜約48時間もしくは約48時間〜約72時間である。ある特定の実施形態において、硝子体内注射後の水晶体におけるTmaxは、その化合物もしくは塩の投与後、約24時間〜約48時間もしくは約48時間〜約72時間である。ある特定の実施形態において、網膜のTmaxは、本明細書で記載される製剤の硝子体内投与後の多くの時間またはさらには数日であり得る。
本開示の方法
本開示は、α−クリスタリンタンパク質凝集を低減もしくは防止することにおける使用のための化合物および製剤を提供する。α−クリスタリンの凝集は、種々の疾患において影響を与えてきた。その疾患の中で、本明細書で記載される化合物および製剤は、処置もしくは防止するために使用され得る。このような疾患としては、例えば、白内障、核硬化症、老視、神経学的疾患、アレキサンダー病、クロイツフェルト・ヤコブ病、アルツハイマー病、およびパーキンソン病が挙げられる。
ある特定の実施形態において、本明細書で提供される方法は、α−クリスタリンの凝集の可能性を低減するまたはその凝集を逆進することから利益を得る疾患または状態を処置するために使用され得る。本明細書で開示される化合物もしくは塩は、α−クリスタリンの薬理学的シャペロンとして使用され得る。
本明細書で提供される方法は、例えば、白内障、加齢性白内障、糖尿病性白内障、外科手術と関連する白内障、放射線から生じる白内障、遺伝病から生じる白内障、感染から生じる白内障、薬物療法から生じる白内障、または早期発症の白内障の遺伝性形態のような視覚障害を処置するために使用され得る。
視覚障害は、本明細書で考察されるように、眼の水晶体におけるクリスタリンタンパク質の異常な凝集と関連し得る障害された視覚に言及する。クリスタリンタンパク質の異常な凝集は、視覚障害を生じる主な要因であり得るか、または視覚障害を生じる複数の機構のうちの1つであり得る。本開示の視覚障害としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:白内障(例えば、核白内障、皮質白内障、後嚢白内障、先天性白内障、早発性遺伝性白内障、代謝性(糖尿病性)白内障、二次性白内障、鈍的外傷性白内障、穿通性外傷性の白内障、硝子体手切除術後の白内障、放射線誘導性白内障);および老視(presbyobia)(例えば、初期老視、機能性老視、絶対老視(absolute presbyopia)、若年性老視もしくは夜間老視(nocturnal presbyopia)。
本発明の方法はまた、αA−クリスタリンもしくはαB−クリスタリンの変異によって引きおこされる疾患を処置するために使用され得る。αA−クリスタリンもしくはαB−クリスタリンにおける変異は、遺伝性白内障をもたらし得る。αA−クリスタリン変異の例としては、R54C、G98R、R21L、R116C、およびW9Xが挙げられるが、これらに限定されない。αB−クリスタリン変異の例としては、150delA(αB184)、D140N、P20S、D109HおよびR120Gが挙げられるが、これらに限定されない。場合によっては、αB−クリスタリン変異は、R120GもしくはD109Hである。
ある特定の実施形態において、本明細書で開示される化合物および製剤は、視覚障害(例えば、白内障もしくは老視)を有する被験体を処置するために使用される。ある特定の実施形態において、本明細書で開示される化合物および製剤は、被験体の白内障(例えば、核白内障、皮質白内障、後嚢白内障、先天性白内障、二次性白内障、外傷性白内障、放射線白内障)を処置するために使用され得る。ある特定の実施形態において、被験体は、白内障の1もしくはこれより多くの症状(例えば、視界の濁り、ぼんやりした視界、かすんだ視界、夜になるとものが見えにくい、光およびグレアに対する感受性、読むおよび他の活動により明るい光が必要であること、光の周りに「ハロー」が見える、眼鏡もしくはコンタクトレンズ処方が頻繁に変化する、色が退色もしくは黄変している、および単眼での複視)を有する。
ある特定の実施形態において、本明細書で開示される化合物および製剤は、被験体の老視(例えば、初期老視、機能性老視、絶対老視、若年性老視もしくは夜間老視)を処置するために使用され得る。ある特定の実施形態において、その被験体は、1もしくはこれより多くの老視の症状(例えば、近傍の物体に焦点を合わせる能力の低下、眼精疲労、細かい印刷が読みにくい、照明されたスクリーンを読むかもしくは見ているときに疲労する、直ぐ近傍がはっきりと見にくい、印刷物を読むときにコントラストが小さい、読むためにより明るくかつより直接的な光が必要である、読み物をはっきりと見えるようにするために、その読み物を遠くに保持しておく必要がある、または頭痛、特に、近見視を使う場合の頭痛)を有する。いくつかの実施形態において、その被験体は、老視に罹患した眼において白内障を有しない。
ある特定の実施形態において、その被験体は、片眼に視覚障害を有する。ある特定の実施形態において、その被験体は、両眼に視覚障害を有する。
本開示の被験体は、任意の脊椎動物であり得る。いくつかの好ましい実施形態において、その被験体は、ヒトである。その被験体は、任意の年齢の被験体であり得る。いくつかの実施形態において、その被験体は、25〜100歳齢の間、もしくは40〜100歳齢の間、もしくは50〜100歳齢の間であり得る。その被験体は、1歳齢より上、2歳齢より上、5歳齢より上、10歳齢より上、18歳齢より上、20歳齢より上、25歳齢より上、30歳齢より上、35歳齢より上、40歳齢より上、45歳齢より上、50歳齢より上、60歳齢より上、70歳齢より上、80歳齢より上、もしくは90歳齢より上であり得る。その被験体は、25歳齢もしくは25歳齢より上であり得る。
本明細書で提供される方法は、本明細書で記載される化合物もしくは製剤のうちの少なくとも一方の有効量を投与することによって、α−クリスタリン凝集の可能性を低減するかもしくはその凝集を逆進することから利益を得る疾患もしくは状態を処置するために使用され得る。有効量は、α−クリスタリンの凝集を低減もしくは阻害する量であり得る。ある特定の実施形態において、本開示の化合物および製剤は、眼におけるα−クリスタリン凝集を、α−クリスタリン凝集に関する処置前の値と比較して、約1%〜約100%、約1%〜約90%、約1%〜約80%、約1%〜約70%、約10%〜約50%、約20%〜約40%、約50%〜約90%または60%〜約95%の間で低減する。
ある特定の実施形態において、本開示の化合物もしくは塩は、α−クリスタリンに結合する薬理学的シャペロンであり、例えば、薬理学的シャペロンは、α−クリスタリンの逆並行型β鎖ダイマー界面部位の近傍にある凹型ポケットに結合し得る。α−クリスタリンの凹型ポケットは、αB−クリスタリンもしくはαA−クリスタリンのセリン66、ロイシン79、アスパラギン酸80、バリン81、リジン82、ヒスチジン83、フェニルアラニン84、バリン97、イソロイシン114、セリン115、アルギニン116、アスパラギン酸117、フェニルアラニン118、ヒスチジン119、アルギニン120、リジン121およびチロシン122を含み得る。ある特定の実施形態において、その薬理学的シャペロンは、例えば、低分子またはステロールもしくはステロール模倣物であり得る。
本明細書で開示される化合物および製剤は、α−クリスタリンの凝集を、処置前レベル、または上記化合物を投与されなかった生物学的にマッチしたコントロール被験体もしくは標本において観察されるレベルと比較した場合に、少なくとも約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、もしくは約100%阻害するために使用され得る。本明細書で開示される化合物および製剤は、α−クリスタリンの凝集を、処置前レベル、または上記化合物を投与されなかった生物学的にマッチしたコントロール被験体もしくは標本において観察されるレベルと比較した場合に、1%〜100%の間、5%〜90%の間、10%〜80%の間、20%〜50%の間、50%〜95%の間、60%〜99%の間、または40%〜70%の間で阻害し得る。
ある特定の実施形態において、アミロイド形成タンパク質は、Hsp27、αA−クリスタリン、αB−クリスタリン、βB2−クリスタリン、βBl−クリスタリン、γD−クリスタリン、Hsp22、Hsp20、タウ、αシヌクレイン、IAPP、β−アミロイド、PrP、ハンチンチン、カルシトニン、心房性ナトリウム利尿性因子、アポリポプロテインAI、血清アミロイドA、メディン(medin)、プロラクチン、トランスサイレチン、リゾチーム、β2ミクログロブリン、ゲルゾリン、ケラトエピセリン(keratoepithelin)、シスタチン、免疫グロブリン軽鎖AL、ミオシリン(myocilin)、およびSIBMからなる群より選択され得る。
水晶体におけるα−クリスタリン凝集は、例えば、インビボ動的光散乱、光散乱アッセイ、電子顕微鏡法、遠心分離タンパク質溶解度アッセイ(centrifugation protein solubility assay)、フィルター捕捉タンパク質溶解度アッセイ(filter trap protein solubility assay)、チオフラビンT−蛍光アッセイ、高速液体クラマトグラフィー、ゲル浸透クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、抗アミロイド抗体アッセイで測定され得る。ある特定の実施形態において、水晶体におけるα−クリスタリン凝集を測定するための本開示の例示的な方法は、以下に記載される: K. Dierksら, SPIE Vol. 2330 Lasers in Ophthalmology 11, 112−121 (1994); R. Ansari, Journal of Biomedical Optics Jan/Feb, Vol. 9, No. 1, 22−37 (2004);およびX. Peiら, Br J Ophthalmol 92, 1471−1475 (2008)(これらの各々の内容は、本明細書に参考として援用される)。
本明細書で開示される化合物は、白内障形成を、上記化合物を投与されなかった生物学的にマッチしたコントロール被験体もしくは標本において観察されるレベルと比較した場合に、少なくとも約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、もしくは約100%阻害し得る。
ある特定の実施形態において、処置前に、上記被験体は、近見視の喪失を経験したことがある。上記被験体は、被験体が25歳または25歳を超えたときに初めて起こった近見視の喪失を経験したことがあり得る。上記被験体は、上記被験体が近見視の喪失を経験したときに、約25〜50歳齢(例えば、約25〜40歳齢、例えば、約25〜35歳齢)であった可能性がある。上記被験体は、近見視の喪失を被っているとして診断されたことがあっても、例えば、医師によって診断されたことがあってもよいし、近見視の喪失を被っているとして自己判定してもよい。
ある特定の実施形態において、上記被験体は、近見視の低下を未だ経験したことがない。上記被験体は、老視の発生の1個もしくはこれより多くのリスク因子を有し得る。リスク因子としては、40歳超であること、遠視、高い近見視が要求される職業、性別、眼の疾患もしくは外傷、全身性の疾患、薬物曝露(処方薬および非処方薬)、医原性の要因、赤道までの近さ、高レベルのUV照射への曝露、栄養不足、減圧症、および高い周囲温度への曝露が挙げられるが、これらに限定されない。
上記被験体は、遠視の1もしくはこれより多くの症状を示し得る。遠視のいくつかの症状としては、ぼんやりした視界、直ぐ近傍が見にくい、小児において視線が交差している(内斜視)が挙げられる。上記被験体は、近見視の喪失を経験し得る。近見視の喪失は、遠視であってもよいし、遠視でなくてもよい。いくつかの実施形態において、近見視の喪失は、網膜の後ろの光線の焦点に関連しない。いくつかの実施形態において、上記被験体は、遠視の1もしくはこれより多くの症状を示さなくてもよい。
近見視の喪失は、眼の検査法(例えば、当該分野で一般に使用される眼の検査)によって同定され得る。近見視の喪失は、近見視力、常用距離での視力(habitual distance visual acuity)、矯正後の近見視力、屈折障害(refractive error)、光学パワー(optical power)、イエーガースコア、LogMARスコア、ETDRSスケール、読む速度、水晶体の調節幅(accommodative amplitude of the lens)、または当該分野で公知の任意の他の方法のうちの1もしくはこれより多くを評価することによって、決定され得る。上記被験体は、以下の方法のうちの1もしくはこれより多くによって決定されるように、加齢性の近見視の喪失を示し得る。眼の検査は、両眼視を評価するために使用され得るか、または各眼を別々に評価するために使用され得る。
視力(Vision acuity, or visual acuity)は、被験体に、検査表(これを設定された距離で見る)上の異なるサイズの文字を識別させることによって一般に測定される。検査表の文字は、様式化された文字または記号であり得る。視距離は、代表的には、眼の水晶体が近見視または遠距離視のいずれかについて調節する距離である。近見視力を測定するために、検査表は、設定された読む距離で調べられる(代表的には、1)。多くの検査表は、当該分野で公知であり、一般に使用される検査表としては、スネレン検査表(例えば、図12)、LogMar検査表(例えば、図14)、およびETDRS検査表が挙げられる。文盲被験体に使用され得る視力検査表のいくつかの例としては、タンブリングE検査表(tumbling E chart)、ランドルトC検査表、およびLEA検査が挙げられるが、これらに限定されない。「正常な」視覚を有する個体が解像し得る検査表の中の文字のサイズに基づく参照値が、視力スコアを割り当てるために使用される。例えば、遠見視力検査において、検査表の中の文字の各ラインは、「正常な」視覚を有する被験体がそれらを読み得る距離と註釈が付けられる。次いで、被験体は、20フィート(または6メートル)からその検査表を見て、最大から最小までの検査表の中の文字を読み、被験体が間違いなしで、または1個以下の間違いで、または2個以下の間違いで読むことができる最小のラインで、停止する。その被験体が読むことができた最小の検査表の中の文字が、40フィートとして註釈が付けられる文字である場合、その被験体は、視力20/40を有し、これは、「正常な」視覚を有する被験体が40フィートにおいて読むことができるものを、それら被験体が20フィートで読むことができることを意味する。視力を述べるために効率的な方法は、分数を小数にして解釈することによる。従って、視力20/40を有する被験体は、0.5の小数遠見視力(decimal distance visual acuity)を有する
近見視力は、同じ方法であるが、短縮した視距離で測定され得る。一例の近見視力検査では、被験体は、16インチの距離から、一方の眼を覆って、他方の眼を使って図12の視力検査表を見るように指示される。その検査官は、その被験体が1個以下の文字を見落として読むことができる文字の最小サイズを決定し、上記の文字サイズと、「正常な」視覚を有する被験体がそのサイズを読むことができた距離とを相関させる。その分数は、小数へと変換されて、小数視力値が与えられ得る。
本開示の方法の被験体は、0.9もしくはこれより小さい近見視力によって決定される視覚障害を有し得る。本開示の方法の被験体は、0.8もしくはこれより小さい近見視力によって決定される視覚障害を有し得る。本開示の方法の被験体は、0.6もしくはこれより小さい近見視力によって決定される視覚障害を有し得る。本開示の方法の被験体は、0.4もしくはこれより小さい近見視力によって決定される視覚障害を有し得る。
常用距離での視力は、矯正している被験体の視力である。場合によっては、これは、矯正なしであり、場合によっては、これは眼鏡もしくはコンタクトレンズであり得る。常用距離での視力が眼鏡もしくはコンタクトレンズを含む場合には、矯正は、被験体の現在の必要性に関して最適でなくてもよい。
ある特定の実施形態において、上記被験体は、読むことに困難を経験し得る。上記被験体は、小さな印刷物を、または以前は問題なく読むことができていた印刷物を読みにくいことがあり得る。上記被験体は、低下した読む速度を有し得る。上記被験体は、長時間読んだ後に眼精疲労を訴え得る。
ある特定の実施形態において、上記被験体は、約+.5Dもしくはこれより高い、約+1Dもしくはこれより高い、または約+2Dもしくはこれより高いパワーを有する眼鏡またはコンタクトレンズで代わりに矯正され得る近見視障害を有する。いくつかの実施形態において、本開示の被験体は、時折または習慣的に眼鏡またはコンタクトレンズを使用して、近見視障害を矯正している個体として同定され得る。本開示の被験体は、時折または習慣的にリーディンググラスを使用する個体であり得る。
上記近見視障害は、眼の水晶体の光学パワーを測定することによって決定され得る。光学パワー(屈折度数、屈折力、集光力(focusing power)、または収束力(convergence power)ともいわれる)は、水晶体が光を収束する程度をいう。光学パワーは、メートル単位での焦点距離の逆数に等しく、ジオプター単位で表される。例えば、平行な光線を1/3メートルで焦点を合わせ得る水晶体は、3ジオプターの光学パワーを有する。近傍の物体に焦点を合わせる能力は、生涯を通して低下し、60歳において0.5〜1ジオプターで横ばいになる。
網膜に光を集める光学パワーが大きすぎる眼もしくは小さすぎる眼は、屈折障害を有し得る。屈折障害は、以下のうちの1もしくはこれより多くを使用して評価され得る:検影器、自動屈折計、シャックハルトマン波面センサまたはピンホール遮眼子(pinhole occluder)。
被験体の水晶体は、式(I)の化合物での処置前に15ジオプター未満の光学パワーを有し得る。被験体の水晶体は、式(I)の化合物での処置前に20ジオプター未満の光学パワーを有し得る。
上記近見視障害は、イエーガー検査スケール(例えば、図13)によって決定され得る。そのイエーガー検査票は、近見視力を検査するにあたって使用される視力検査表の1タイプである。それは、文章の段落のラインが漸増サイズで印刷されているカードである。イエーガー検査票には、いくつかのバリエーションがある。このカードは、眼から固定された距離で被験体によって保持されなければならない。被験体が読むことのできる最小の印刷物は、彼らの視力および彼らのイエーガースコア(J1〜J11もしくはこれより大きい)を決定する。例えば、イエーガー検査票のライン4およびこれより高いラインを読むことができる被験体は、J4の視力を有する。
近見視障害は、イエーガー検査のイエーガースケールでJ2もしくはこれより高いスコアによって決定され得る。上記近見視障害は、イエーガー検査のイエーガースケールでJ3もしくはこれより高いスコアによって決定され得る。上記近見視障害は、イエーガー検査のイエーガースケールでJ4もしくはこれより高いスコアによって決定され得る。上記近見視障害は、イエーガースケールでJ5もしくはこれより高いスコアによって決定され得る。上記近見視障害は、イエーガースケールでJ6もしくはこれより高いスコアによって決定され得る。上記視覚障害は、イエーガースケールでJ8もしくはこれより高いスコアによって決定され得る。
上記近見視障害は、LogMAR検査表によって決定され得る。LogMAR検査表を使用する場合、視力は、最小分離角の対数(Logarithm of the Minimum Angle of Resolution)を参照してスコア付けされる。視角が1分という小ささの細部を分離し得る被験体は、LogMAR 0(底が10である1の対数は、0である)のスコアを得る;視角が2分という小ささ(すなわち、視力の低下)の細部を分離し得る被験体は、LogMAR(底が10である2の対数は、0.3である)のスコアを得る;など。LogMARスコアは、被験体が正確に同定する文字の数に基づいて計算される(各ラインは、0.1 LogMAR単位に値する)。
上記近見視障害は、0.3もしくはこれより高いLogMARスコアによって決定され得る。上記近見視障害は、0.4もしくはこれより高いLogMARスコアによって決定され得る。上記近見視障害は、0.5もしくはこれより高いLogMARスコアによって決定され得る。上記近見視障害は、0.6もしくはこれより高いLogMARスコアによって決定され得る。
本開示の方法の使用は、老視を処置もしくは防止し得る。老視の症状を未だ経験したことがない被験体による本開示の方法の使用は、老視の開始を防止または遅らせ得る。
老視を有する被験体による本開示の方法の使用は、老視の進行を防止または遅らせ得る。いくつかの実施形態において、上記被験体は、式(I)の化合物がされている期間にわたって、近見視力の低下を経験しない。
老視を有する被験体による本開示の方法の使用は、老視を処置し、近見視力における改善を生じ得る。上記被験体の近見視の改善は、視力、光学パワー、水晶体の調節幅、イエーガースケールのスコア、LogMARスケールのスコア、ETDRSスケール、読む速度、または屈折障害のうちの1もしくはこれより多くの改善を含み得る。
ある特定の実施形態において、上記被験体の近見視の改善は、処置前の近見視力値と比較して、近見視力の改善を含み得る。ある特定の実施形態において、本開示の方法は、約+.5Dもしくはこれより高い、約+1Dもしくはこれより高い、または約+2Dもしくはこれより高いパワーを有する眼鏡もしくはコンタクトレンズにおよそ等しいところまで近見視障害を改善する。ある特定の実施形態において、本開示の方法は、眼鏡もしくはコンタクトレンズまたは外科的手順での処置に置き換わり得る。
ある特定の実施形態において、本開示の方法は、上記被験体の近見視力において改善を生じる。本開示の方法は、被験体の水晶体の光学パワーを増大させ得る。ある特定の実施形態において、水晶体の光学パワーは、水晶体の処置前の光学パワーと比較して、少なくとも0.1ジオプター改善し得る。ある特定の実施形態において、水晶体の光学パワーは、水晶体の処置前の光学パワーと比較して、少なくとも1ジオプター改善し得る。ある特定の実施形態において、水晶体の光学パワーは、水晶体の処置前の光学パワーと比較して、少なくとも5ジオプター改善し得る。ある特定の実施形態において、水晶体の光学パワーは、水晶体の処置前の光学パワーと比較して、0.1〜20ジオプターの間で改善し得る。ある特定の実施形態において、水晶体の光学パワーは、水晶体の処置前の光学パワーと比較して、0.1〜10ジオプターの間で改善し得る。ある特定の実施形態において、水晶体の光学パワーは、水晶体の処置前の光学パワーと比較して、1〜10ジオプターの間で改善し得る。ある特定の実施形態において、水晶体の光学パワーは、水晶体の処置前の光学パワーと比較して、1〜5ジオプターの間で改善し得る。
ある特定の実施形態において、上記処置は、処置前の測定値と比較して、上記被験体の近見視を、例えば、イエーガー検査スケールによって測定される場合、例えば、1、2、3、4、もしくは5イエーガーライン改善する。上記処置は、処置前の測定値と比較して、被験体の近見視を、1〜7イエーガーライン、もしくは1〜5イエーガーライン、もしくは1〜3イエーガーライン改善し得る。ある特定の実施形態において、上記処置は、上記被験体の近見視を、例えば、0.02、0.04、0.06、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、もしくは0.5より大きいLogMAR単位、矯正する。上記処置は、被験体の近見視を、0.02〜0.9 LogMAR単位、もしくは0.1〜0.8 LogMAR単位、もしくは0.2〜0.5 LogMAR単位、矯正し得る。
McDonald−Shadduck評価基準を使用して、ウサギにおいて本発明の化合物を投与した際の種々の眼の症状の重篤度を決定し得る。その評価基準は、0〜6の範囲のスケールを使用し得る。ここで数字が大きいほど、眼の状態の重篤度はより大きいことを示す。このMcDonald−Shadduck評価基準を使用して、例えば、角膜混濁、角膜血管新生、結膜浮腫および膨張、結膜分泌物(conjunctival discharge)、および角膜着色を評価し得る。
上記McDonald−Shadduck評価基準は、結膜分泌物をグレード付けするために使用され得る。結膜分泌物は、白っぽいもしくは灰色の沈殿物である分泌物を記載するために使用され得る。ウサギの内眼角に見出される透明な、濃化した、凝結した、または粘液様である分泌物は、結膜分泌物スケールの一部としてはスコア付けされない。
房水フレアは、眼の前眼房におけるチンダル現象の存在によって測定され得る。チンダル現象は、コロイド中の粒子もしくは細かい懸濁物中の粒子によって散乱している光を記載するために使用され得る。チンダル現象の強度は、スリットランプビームが水晶体を通って通過する場合に観察される正常なチンダル効果と、前眼房を通って通過したスリットランプビームの経路とを比較することによってスコア付けされ得る。房水フレアの存在は、血液房水関門の破壊を示し得る。
虹彩の関わりは、McDonald−Shadduck評価基準を使用して測定され得る。虹彩の一次血管、二次血管、および三次血管は、虹彩の関わりに関する主観的眼スコアを決定する一助として使用され得る。虹彩の関わりの強度は、血管の充血が高い場合に増大し得、二次血管および三次血管の関わりがより大きい。
併用療法
本明細書で提供される化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩は、1種もしくはこれより多くの治療剤と組み合わせて投与され得る。
本明細書で記載される化合物もしくは塩、またはその薬学的に受容可能な塩は、第2の治療剤と共投与され得、ここで本明細書に記載される化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩、および第2の治療剤は、処置される疾患、障害もしくは状態の種々の局面を調節し、それによって、いずれかの治療剤単独での投与より大きな全体的な利益を提供する。
本明細書で開示される化合物の種々の治療上有効な投与量は、薬学的製剤を製剤化するにあたって、または本明細書で開示される化合物が1種もしくはこれより多くのさらなる薬剤と組み合わせて投与される場合に処置レジメンにおいて利用され得る。併用処置レジメンにおいて使用するための薬物および他の薬剤の治療上有効な投与量は、治療剤自体に関して本明細書中上記で示されるものに類似の手段によって必要に応じて決定される。さらに、本明細書で記載される防止/処置の方法は、毒性副作用を最小限にするために、規則正しい投与(metronomic dosing)(例えば、より頻繁な、低用量を提供する)の使用を包含する。併用処置レジメンは、本明細書で記載される化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩の投与が、本明細書で記載される第2の薬剤での処置の前、その間、もしくはその後に開始され、その第2の薬剤での処置の間の任意の時間まで、またはその第2の薬剤での処置の終了後に続く処置レジメンを包含し得る。本開示はまた、本明細書で記載される化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩、および併用される第2の薬剤が、同時にもしくは種々のときに、および/または処置期間の間の漸減もしくは漸増する間隔で、投与される処置を包含する。併用処置は、患者の臨床上の管理を援助するために種々の時間で開始および停止する周期的処置をさらに包含する。
本明細書で記載される併用療法に関して、共投与される化合物の投与量は、ともに使用される薬物(co−drug employed)のタイプ、使用される具体的薬物、処置されている疾患もしくは状態などに依存して変動する。ある特定の実施形態において、1種もしくはこれより多くの他の治療剤と共投与される場合、本明細書で提供される化合物は、1種もしくはこれより多くの他の治療剤と同時、または逐次的のいずれかで投与される。
本明細書で記載される化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩、ならびに併用療法は、疾患もしくは状態が発生する前、その間、またはその後に投与され得、化合物を含む組成物を投与するタイミングは、変動する。本明細書で記載される化合物は、予防薬として使用され得、疾患もしくは状態の発生を防止するために、上記状態もしくは疾患を発生させる傾向を有する被験体に継続して投与され得る。本明細書で記載される化合物およびその組成物は、その症状の開始の間またはその症状が開始した後可能な限り直ぐに、被験体に投与され得る。本明細書で記載される化合物は、疾患もしくは状態の開始が検出されるかもしくは疑われた後に実際的である限り直ぐにおよびその疾患の処置にとって必要な長い時間にわたって投与され得る。処置に必要とされる長さは変動し得、そして処置の長さは、各被験体の具体的ニーズに合うように調節される。例えば、本明細書で記載される化合物もしくは塩、またはその化合物もしくは塩を含む製剤は、少なくとも2週間、約1ヶ月〜約5年まで投与され得る。
ある特定の実施形態において、本明細書で記載される化合物もしくは塩は、抗アポトーシス化合物と併用され得る。抗アポトーシス化合物としては、リポ酸、ヒューマニンペプチド、2−プロパノールの3,6−ジブロモカルバゾールピペラジン誘導体、Ku70ペプチド、4−フェニルスルファニル−フェニルアミン誘導体、IDN−6556、アニリノキナゾリン(AQZ)、ニコチニルアスパルチルケトン、M826|M867、ピフィスリン−α、INO−1001、FR255595、3AB、NU1025、INH2BP、GP16150およびPJ34が挙げられるが、これらに限定されない。
本開示の化合物もしくは塩は、抗酸化剤と併用され得る。抗酸化剤としては、例えば、リポ酸、グルタチオン、アスコルベート、ビタミンE、尿酸、メラトニン、ビタミンC、チリラザド、NXY−059、カロテンおよびユビキノールが挙げられ得る。還元化合物は、水晶体のタンパク質内のジスルフィド結合を還元するために使用され得る。
併用療法に関して企図されるさらなる治療剤としては、鎮痛薬、麻酔薬、人工涙液、酵素インヒビター、サイトカインインヒビター、抗炎症剤、抗生剤、抗細菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、抗原生動物剤、またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で記載される化合物はまた、1種もしくはこれより多くの眼用治療剤と併用され得る。本明細書で記載される化合物はまた、本明細書で記載される化合物を代謝および/または不活性化する酵素のインヒビターと併用され得る。本明細書で記載される化合物はまた、本明細書で開示される化合物と関連する可能な炎症ライブラリーに由来する任意の安全性の課題もしくは副作用を低減するために、抗炎症インヒビターもしくはサイトカインインヒビターと併用され得る。本明細書で記載される化合物はまた、白内障に対して活性を有することが公知の他の化合物と併用され得る。本明細書で記載される化合物はまた、抗アポトーシス化合物もしくは抗酸化剤とともに使用され得る。
本明細書で記載される化合物は、鎮痛剤もしくは麻酔剤と併用され得る。ある特定の実施形態において、その鎮痛剤もしくは麻酔剤は、パラセタモール、オピエート、ジプロクアロン、フェナゾン、コカイン、もしくはリドカインを含む。ある特定の実施形態において、上記オピオイドは、天然アヘンアルカロイド、フェニルピペリジン誘導体、ジフェニルプロピルアミン誘導体、ベンゾモルファン誘導体、オリパビン誘導体、もすくはモルフィナン誘導体である。いくつかの実施形態において、上記鎮痛剤は、サリチル酸誘導体、ピラゾロン、もしくはアニリドである。他の実施形態において、上記鎮痛剤は、麦角アルカロイド、コルチコステロイド誘導体、もしくは選択的セロトニン(5HT1)アゴニストである。局所麻酔剤の例としては、メタブテタミン、プロカイン、テトラカイン、クロロプロカイン、ベンゾカインのようなアミノ安息香酸のエステル;ブピバカイン、リドカイン、メピバカイン、プリロカイン、ブタニリカイン、シンコカイン、エチドカイン、アルチカイン、ロピバカイン、レボブピバカイン、テトラカイン、クロロプロカイン、ベンゾカインのようなアミド;コカインのような安息香酸のエステル;塩化エチル、ジクロニン、フェノール、カプサイシンのような他の局所麻酔剤が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で記載される化合物は、抗炎症剤と併用され得る。その抗炎症剤は、非ステロイド系抗炎症剤であり得る。その抗炎症剤は、グルココルチコステロイドであり得る。上記非ステロイド系抗炎症剤は、ブチルピラゾリジン、酢酸誘導体、オキシカム、プロピオン酸誘導体、フェナメート、もしくはコキシブであり得る。抗炎症剤の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:フェニルブタゾン、モフェブタゾン、オキシフェンブタゾン、クロフェゾン、ケブゾンのようなブチルピラゾリジン;インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ゾメピラク、ジクロフェナク、アルクロフェナク、ブマジゾン、エトドラク、ロナゾラク、フェンチアザク、アセメタシン、ジフェンピラミド、オキサメタシン、プログルメタシン、ケトロラク、アセクロフェナク、ブフェキサマク、インドメタシン併用、ジクロフェナク併用のような酢酸誘導体および関連物質;ピロキシカム、テノキシカム、ドロキシカム、ロルノキシカム、メロキシカムのようなオキシカム;イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、ベノキサプロフェン、スプロフェン、ピルプロフェン、フルルビプロフェン、インドプロフェン、チアプロフェン酸(tioprofenoic acid)、オキサプロジン、イブプロキサム、デキシブプロフェン、フルノキサプロフェン、アルミノプロフェン、デクスケトプロフェン、ナプロキシノドのようなプロピオン酸誘導体;メフェナム酸、トルフェナム酸、フルフェナム酸、メクロフェナム酸のようなフェナメート;セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブのようなコキシブ;ナブメトン、ニフルム酸、アザプロパゾン、グルコサミン、ベンジダミン、グリコサミノグリカンポリスルフェート(glucosaminoglycan polysulfate)、プロクアゾン、オルゴテイン、ニメスリド、フェプラゾン、ジアセレイン、モルニフルメート、テニダプ、オキサセプロール、コンドロイチン硫酸のような他の抗炎症剤および抗リウマチ剤;ミネラルコルチコイドであるアルドステロン、フルドロコルチゾン、デスオキシコルトン、およびグルココルチコイドであるベタメタゾン、デキサメタゾン、フルオコルトロン、メチルプレドニゾロン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、プレドニリデン、リメキソロン、デフラザコート、クロプレドノール、メプレドニゾン、コルチバゾールのようなコルチコステロイド。
本明細書で記載される化合物は、抗生剤と併用され得る。その抗生剤は、以下であり得る:アミノグリコシド、アンサマイシン、カルバセフェム、カルバペネム、セファロスポリン、糖ペプチド、リンコサミド、リポペプチド、マクロライド、モノバクタム、ニトロフラン、ペニシリン、ポリペプチド、キノロン、スルホンアミド、テトラサイクリン、アミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルミシン、トブラマイシン、パロモマイシン、ゲルダナマイシン、ハービマイシン、ロラカルベフ、エルタペネム、ドリペネム、イミペネム、メロペネム、セファドロキシル、セファゾリン、セファロチン、セファレキシン、セファクロル、セファマンドール、セフォキシチン、セフプロジル、セフロキシム、セフィキシム、セフジニル、セフジトレン、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフェピム、セフトビプロール、テイコプラニン、バンコマイシン、テラバンシン、クリンダマイシン、リンコマイシン、ダプトマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、トロレアンドマイシン;テリスロマイシン(telithreomycin)、スペクチノマイシン、アズトレオナム、フラゾリドン、ニトロフラントイン、アモキシシリン、アンピシリン、アズロシリン、カルベニシリン(carbinicillin)、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、メズロシリン、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペニシリンG、ペニシリンV、ピペラシリン、テモシリン、チカルシリン、バシトラシン、コリスチン、ポリミキシB;シプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン、オフロキサシン、トロバフロキサシン、グレパフロキサシン、スパルフロキサシン、テマフロキサシン、ダノフロキサシン、ジフロキサシン、エンロフロキサシン、イバフロキサシン、マルボフロキサシン、オルビフロキサシン、サラフロキサシン、マフェニド、スルホンアミドクリソイジン(sulfonamidochrysoidine)、スルファセタミド、スルファジアジン、スルファジアジン銀、スルファメトキサゾール、スルファニルイミド(sulfanilimide)、スルファサラジン、スルフィソキサゾール、トリメトプリム、トリメトプリム/スルファメトキサゾール、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリン、クロファジミン、ダプソン、カプレオマイシン、シクロセリン、エタンブトール、エチオナミド、イソニアジド、ピラジナミド、リファンピシン、リファンピシン(refampicin)、リファブチン、リファペンチン、ストレプトマイシンのようなキノロン誘導体;またはアルスフェナミン、クロラムフェニコール、ホスホマイシン、フシジン酸、リネゾリド、メトロニダゾール、ムピロシン、プラテンシマイシン、キヌプリスチン/ダルホプリスチン、リファキシミン、チアンフェニコール(thiampheniol)、チゲサイクリン、チニダゾールのような他の抗生剤。
本明細書で記載される化合物は、抗細菌剤と併用され得る。その抗細菌剤は、例えば、アルコール、アルデヒド、ハロゲン放出化合物、ペルオキシド、アニリド、ビグアニド、ビスフェノール、ハロフェノール、重金属、フェノール、クレゾール、四級アンモニウム化合物、エタノール、イソプロピルアルコール、グルタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、ハロゲン放出化合物、過酸化水素、オゾン、過酢酸、ビグアニド、クロルヘキシジン、アレキシジン、ポリマービグアニド、ビスフェノール、トリクロサン、ヘキサクロロフェン、銀化合物、水銀化合物、四級アンモニウム化合物、塩化ベンザルコニウム、セトリミド、塩化メチルベンゼトニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ステアラルコニウム)(cetaalkonium chloride)、塩化セチルピリジニウム、および塩化ドファニウム(dofanium chloride)であり得る。
本明細書で記載される化合物は、抗ウイルス剤と併用され得る。抗ウイルス剤は、ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター、非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター、融合インヒビター、インテグラーゼインヒビター、ヌクレオシドアナログ、プロテアーゼインヒビター、もしくは逆転写酵素インヒビターであり得る。抗ウイルス剤の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アバカビル、アシクロビル(aciclovir)、アシクロビル(acyclovir)、アデフォビル、アマンタジン、アンプレナビル、アンプリゲン(ampligen)、アルビドール、アタザナビル、ボセプレビル、シドフォビル、ダルナビル、デラビルジン、ジダノシン、ドコサノール、エドクスジン、エファビレンツ、エムトリシタビン、エンフビルチド、エンテカビル、ファムシクロビル、ホミビルセン、ホスアンプレナビル、ホスカルネット、ホスホネット、ガンシクロビル、イバシタビン、イムノビル(imunovir)、イドクスウリジン、イミキモド、インジナビル、イノシン、インターフェロンタイプIII、インターフェロンタイプII、インターフェロンタイプI、インターフェロン、ラミブジン、ロピナビル、ロビリド、マラビロク、モロキシジン、メチサゾン、ネルフィナビル、ネビラピン、ネクサビル(nexavir)、オセルタミビル、ペグインターフェロンα−2a、ペンシクロビル、ペラミビル、プレコナリル、ポドフィロトキシン、ラルテグラビル、リバビリン、リマンタジン、リトナビル、ピラミジン(pyramidine)、サキナビル、スタブジン、ティーツリーオイル、テノホビル、テノホビルジソプロキシル、チプラナビル、トリフルリジン、トリジビル、トロマンタジン、ツルバダ、バラシクロビル(バルトレックス)、バルガンシクロビル、ビクリビロック、ビダラビン、ビラミジン、ザルシタビン、ザナミビル、ジドブジン。
本明細書で記載される化合物は、抗真菌剤と併用され得る。その抗真菌剤は、ポリエン抗真菌剤、イミダゾール、トリアゾール、もしくはチアゾール抗真菌剤、トリアゾール抗真菌剤、チアゾール抗真菌剤、アリルアミン誘導体、またはエキノカンジン誘導体であり得る。抗真菌剤の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ナタマイシン、リモシジン、フィリピン、ナイスタチン、アンホテリシンB、カンジシン、ハマイシンのようなポリエン誘導体;ミコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、オモコナゾール、ビホナゾール、ブトコナゾール、フェンチコナゾール、イソコナゾール、オキシコナゾール、セルタコナゾール、スルコナゾール、チオコナゾールのようなイミダゾール誘導体;フルコナゾール、イトラコナゾール、イサブコナゾール、ポサコナゾール、ボリコナゾール、テルコナゾール、アルバコナゾールのようなテトラゾール誘導体;アバフンギンのようなチアゾール誘導体;テルビナフィン(terbifine)、ナフチフィン、ブテナフィンのようなアリルアミン誘導体;アニズラフンギン(anidulafungin)、カスポフンギン、ミカファンギンのようなエキノカンジン誘導体;ポリゴジアール、安息香酸、シクロピロックス、トルナフタート(tonaftate)、ウンデシレン酸、フルシトシン(flycytosine)、グリセオフルビン、ハロプロジン、炭酸水素ナトリウム、ピロクトンオラミン、ジンクピリチオン、硫化セレン、タール、もしくはティーツリーオイルのような他の抗真菌剤。
本明細書で記載される化合物は、抗原虫薬剤と併用され得る。抗原虫薬剤の例としては、例えば、エフロルニチン、フラゾリドン、メラルソプロール、メトロニダゾール、オルニダゾール、硫酸パロモマイシン、ペンタミジン、ピリメタミン、チニダゾール、ニフラテル、ドキシサイクリン、プログアニルとアトバコン、クロロキン、およびメフロキンが挙げられる。
本明細書で記載される化合物は、眼用治療剤と併用され得る。眼用治療剤は、眼関連疾患もしくは状態を処置するために使用される治療剤を含む。このような眼用治療剤としては、例えば、免疫調節因子、コルチコステロイド、β遮断薬、αアゴニスト、炭酸脱水酵素インヒビター、抗生物質、抗ヒスタミン薬、およびプロスタグランジンが挙げられる。
実施例1:製剤の実例
本発明の方法において使用され得る例証的製剤は、以下の表2に示される:
実施例2:薬物動態研究
本発明の化合物の効力を試験するために、生体分析法を使用して、薬物動態研究を可能にした。その生体分析法は、血漿中では約15nMの化合物、および眼組織中では、約20nMの化合物のスケールの感度であった。ニュージーランドホワイトウサギに、各局所アームに関して3日間にわたって6用量、ならびに硝子体内注射および前眼房内注射につき1回の注射を、注射後2時間および24時間の時点とともに与えた。
局所薬剤の水晶体曝露
本発明の化合物(C29)の曝露を、ゆっくりとした拡散を示し得るウサギの水晶体において測定した。なぜならその水晶体は、タンパク質が豊富であり、眼の前方にある密な組織領域だからである。毛様体突起レベルを、水晶体中の化合物の曝露の尺度として使用した。以下の表3および図4は、この実験の結果を示す。
局所的薬剤の角膜曝露
本発明の化合物(C29)の曝露を、ウサギの角膜において測定した。角膜に到達するには、上記化合物は、角膜、もしくは強膜を通過して、眼の内部構造にアクセスしなければならない。以下の表4および図5は、この実験の結果を示す。
局所的薬剤の網膜曝露
本発明の化合物(C29)の曝露を、迅速な拡散を示し得るウサギの網膜において測定した。なぜなら網膜は、脂質が豊富であり、眼の後ろにある軟組織領域だからである。以下の表5および図6は、この実験の結果を示す。
局所的薬剤の毛様体曝露
本発明の化合物(C29)の曝露を、迅速な拡散を示し得るウサギの毛様体において測定した。なぜなら毛様体は、脂質が豊富であり、眼の前方にある軟組織だからである。以下の表6および図7は、この実験の結果を示す。
エキソビボヒト組織薬物動態実験
薬物動態実験を、完全なヒト眼球(付属器なしの眼)に対して行って、眼の種々の領域における上記化合物(C29)の曝露を決定した。各眼球を、集めた後24時間未満で得て、次いで、PBS中の8% シクロデキストリン中の1mM APIの溶液またはPBSのみのいずれかの中に、6日間室温において浸漬した。結果を、以下の表7および図8に示す。
類似の実験では、完全ヒト眼球を使用して、水晶体中の化合物蓄積の動態を決定した。合計で8個の眼球を、PBS中の8% シクロデキストリン中の1mM APIの溶液の中に、1日間、2日間、3日間もしくは4日間室温で浸漬した。その結果を、以下の表8および図9に示す。
実施例3:ウサギにおける比較製剤研究
ニュージーランドホワイトアルビノウサギを使用して、本発明の化合物の種々の製剤および投与経路を試験した。そのウサギに、各局所アームに関して3日間にわたって6用量、ならびに硝子体内注射および前眼房内注射につき1回の注射を、注射後2時間および24時間の時点とともに与えた。
試験されるコントロール製剤は、8% 2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン中に0.04%の化合物を含む水性液剤であった。
軟膏製剤は、4.3% ラノリン、9.9% ライトミネラルオイル、85.9% 白色ワセリン、および0.4%もしくは4%いずれかの化合物を含んだ。この製剤において、ミネラルオイルの添加は、融解点を低下させることができ、軟膏剤の流動性を、貯蔵チューブから容易に排出するために改善できた。ラノリンを使用して、上記化合物を可溶化した。
上記水性懸濁物を、0.6% ゲランガム(低アシル)、容量オスモル濃度を293mOsmにするための1.5〜3% マンニトール、0.6% トロメタミン、0.1% ポリソルベート−80、0.01% 塩化ベンザルコニウム、0.3%もしくは3%の上記化合物、ならびにpHを7.4に調節するための0.53% ホウ酸の約500nmサイズの粒子のゲランガムベースの懸濁物として開発した。上記ゲランガムを添加して、粘度を増強し、その液剤の懸濁を可能にした。上記トロメタミンを、緩衝化剤として添加した。上記ポリソルベートを添加して、化合物の分散を補助した。上記塩化ベンザルコニウムを保存剤として添加した。上記500nm粒子を、上記ゲランガムの添加の前に、マイクロフルイダイゼーションを介して作製した。
上記ナノエマルジョンは、界面活性化剤で安定化した水中油型エマルジョンであり、これは、5% パルミチン酸イソプロピル、32.5% PEG−400、15% ポリソルベート−80、0.01% 塩化ベンザルコニウム、および0.06%もしくは0.6%の上記化合物を含んだ。上記製剤を、50nm液滴を作り出すために微小流動化した。上記塩化ベンザルコニウムを保存剤として添加した。
上記局所水性懸濁物を注射のためにも使用し、0.6% ゲランガム(低アシル)、容量オスモル濃度を293mOsmにするための1.5〜3% マンニトール、0.6% トロメタミン、0.1% ポリソルベート−80、1%もしくは3%の上記化合物、およびpHを7.4に調節するための0.53% ホウ酸の、約500nmサイズの粒子のゲランガムベースの懸濁物として開発した。上記ゲランガムを添加して、粘度を増強し、その液剤の懸濁を可能にした。上記トロメタミンを、緩衝化剤として添加した。上記ポリソルベートを添加して、化合物の分散を補助した。上記500nm粒子を、上記ゲランガムの添加の前に、マイクロフルイダイゼーションを介して作製した。上記懸濁物を、25μL用量において硝子体液へと注射(硝子体内注射)または5μL用量として房水へと注射(前眼房内注射)した。
そのウサギを、上記で記載されるとおりのMcDonald−Shadduck評価基準に従ってスコア付けして、化合物の安全性を決定した。その以下の括弧の中の数字は、McDonald−Shadduck評価基準からのスコアを反映する。
0.4% APIを有する軟膏製剤を受けたウサギにおいて、僅かなパンヌス(panus)(1)を、投与日である0日目に両眼で観察した。僅かな充血(1)および膨張(1)を、投与の1時間後に両眼において観察した。全ての他のスコアは、ゼロであった。2日目および3日目までに、全ての症状のスコアは、ゼロであった。
1%もしくは3%のAPIを有する硝子体内製剤を受けたウサギでは、僅かな充血(1)および膨張(1)を、投与の2時間後に動物の両眼において観察した。1% APIを有する前眼房製剤を受け得たウサギでは、僅かなパンヌス(1)を、投与の2時間後に左眼でのみ観察した。3% APIを有する前眼房製剤を受けたウサギでは、僅かな虹彩の関わり(1)を、投与の2時間後に右眼でのみ観察した。
実施例4:ニュージーランドホワイトウサギへの硝子体内投与後の化合物IIICの眼分布の評価
動物
Western Oregon Rabbit Companyから得たニュージーランドホワイトウサギを、この研究に使用した。12羽の動物をこの研究に使用した。全ての動物は雄性であった。処置を開始する前に、この研究のための動物の選択は、良好な臨床状態の視覚的評価および体重仕様書に基づいた。この研究における使用に選択した動物は、年齢および体重を可能な限り均一にした。動物の体重は、実験開始時に約2.58〜約3.22キログラムの範囲に及んだ。全ての動物は、動物の選択時には健康であった。全ての動物を、イヤータグによって、ならびに動物識別番号、研究番号、群、および動物の性別を列挙するケージカードによって同定した。
上記動物を、研究の間に同じ部屋の個々のケージの中に収容した。一次封じ込め(Primary enclosure)は、USDA動物福祉法(連邦規則集9、第1部、第2部、および第3部)に特定されるとおりかつ実験動物の管理および使用に関する指針(National Research Council of the Academies, 2011, National Academy Press)に記載されるとおりであった。
他の種は、同じ部屋には収容しなかった。その部屋は、少なくとも60% 新鮮空気で十分に換気した(1時間あたり10回超の空気の入れ換え)。必要な研究手順に合わせるために暗サイクルの間に部屋を照明した以外は、12時間の明/12時間の暗という光周期を維持した。室温を、ASI SOPsに従って維持した。
動物は、種特異的飼料を自由摂取できるようにした。この研究の結果に干渉するレベルでは、飼料中に存在することが既知である汚染物質はなかった。塩素消毒された、自治体の水道水を、水ボトルを介して各動物に自由に利用できるようにした。この研究の結果に干渉するレベルでは、水の中に存在することが既知である汚染物質はなかった。年次の水品質検査の記録は、ASIアーカイブに管理されている。全ての研究動物を、投与の初日前の8〜16日間にわたって、それらの指定された囲いに慣らした。
研究に配置する前に、各動物に眼の検査(細隙灯生体顕微鏡検査および間接検眼法)を受けさせた。眼に関する所見を、改訂McDonald−Shadduck評価基準に従ってスコア付けし、標準化データシートに記録した。研究に配置するための受容基準は、全変数に関して「0」のスコアであった。動物を、体重に基づいて、2つの実験群のうちの1つに割り当てた。
製剤
式IIICの化合物を、2種の異なる濃度、3重量%/体積および0.5重量%/体積で試験した。両方の濃度に関して、上記化合物を水性懸濁物として製剤化した。製剤の詳細は、以下のとおりである:製剤1:緩衝化剤としての0.6% トロメタミン、APIの分散を補助するための0.1% ポリソルベート−80中の式IIICの化合物の3%の約500nmナノ粒子(pHはホウ酸で7.4に調節し、容量オスモル濃度は、マンニトールで293mOsmに調節)。製剤2:緩衝化剤としての0.6% トロメタミン、APIの分散を補助するための0.1% ポリソルベート−80中の式IIICの化合物0.5%の約500nmナノ粒子(pHはホウ酸で7.4に調節し、容量オスモル濃度は、マンニトールで293mOsmに調節)。
製剤1および製剤2を調製するために、500mLの緩衝液を、マンニトール、トロメタミン、ホウ酸、ポリソルベート−80で(上記で示される量で)、および再蒸留水で500mLにして調製した。その緩衝液を混合し、次いで、滅菌0.22μmフィルターを通して濾過した。式IIICの化合物の3%懸濁物のために、150mgの化合物を5mLの上記緩衝液に添加した。次いで、マイクロフルイディクスLV−1低容積マイクロフルイダイザーを使用して、粒度を低減させた。そのマイクロフルイダイザーは、6mLのチャンバ収容力を有した。上記マイクロフルイダイザーを、再蒸留水で5回、次いで、滅菌緩衝液で2回洗い流した。空気を満たしたシリンジを使用して、気泡が見えて、液体がチャンバから出てこなくなるまで液体をチャンバから押し出した。10mLの滅菌シリンジおよび滅菌した大きなゲージの針を使用して、上記製剤を引き込んで、30,000psiにおいてマイクロフルイダイザーで加工処理した。これを、4回通過させて反復し、その後の通過のための投入シリンジとして受容シリンジを完全に排出させ、各々の通過に新たな滅菌受容シリンジを使用して、相互汚染を回避した。5回の通過後に、注射針通過性を31G針で確認した。次いで、粒度を、動的光散乱によって特徴付けた。
式IIICの化合物の3重量%混合物を0.5重量%混合物へと希釈するために、滅菌API緩衝液+マンニトール溶液を添加した。13.52mg/mL マンニトールのストック溶液を、135.2mg/10mL API緩衝液を溶解することによって調製した。マンニトールのストック溶液を、滅菌フィルターを通して濾過した。そのマンニトールストック溶液を使用して、500μLの3重量% 薬物懸濁物をとって、2.5mLのマンニトールストック溶液を添加することによって、3重量% 薬物混合物を0.5重量% 薬物混合物へと希釈した。
その製剤を、使用する前に4℃において冷蔵した。投与前に、その製剤を室温へと加温した。各バイアルを、激しく回すかボルテックスして、懸濁物が均一であることを担保した。色の変化も微生物増殖の徴候も示されなかった。
投与
動物を、各群が6羽の動物を含むように、体重に基づいて2つの実験群のうちの1つに割り当てた。群1の動物には、製剤1を25μL、硝子体内注射によって投与した一方で、群2の動物には、製剤2を25μL投与した。各内で、動物をさらに3つの時点、2時間、1日および7日へとさらに分けた。各時点は、2羽の動物からなった。製剤1および製剤2の投与は、時間0で起こった。
硝子体内注射のために、動物に、塩酸ケタミン(12〜20mg/kg)およびキシラジン(5mg/kg)の筋肉内注射で麻酔をかけた。1〜2滴の局所塩酸プロパラカイン麻酔薬(0.5%)を、手術手順の前に、動物の眼に適用した。眼をベタジンできれいにし、次いで、平衡塩類溶液(BSS)ですすいだ。試験物品を、31G 5/16インチ針を付けた0.3mL インスリンシリンジへと直接引き込み、角膜縁から4〜5mm離して注射した。針を一旦挿入した後、25μLの試験物品を注射した。針を外し、眼をBSSですすいだ。3倍の抗生物質眼用軟膏を、注射手順後に各動物の両眼に投与した。動物を、回復の間にモニターした。
全身の健康状態の所見を0日目に開始して毎日記録し、研究の過程の間中ずっと継続した。肉眼での眼の検査(これは、膨張、分泌物、および眼への刺激の視覚的評価からなった)を、0日目に開始して毎日行い、研究の過程の間中ずっと継続した。
サンプル収集
動物を、ペントバルビタール(150mg/kg)の静脈内注射によって指定された時点で安楽死させた。安楽死手順は、2013年 米国獣医師会(AVMA)の安楽死に関するガイドラインに従って行った。安楽死の直後に、各動物の両眼を摘出し、解剖し、眼の組織を集めた。各動物における各眼のサンプルを、別個のままにし、プールしなかった。サンプルを液体窒素中で急速凍結し、LC−MS/MS分析まで−60〜−80℃で貯蔵した。各集めたサンプル中の化合物IIICの濃度を、LC−MS/MSによって測定した。標準を、ブランクの均質化したニュージーランドホワイトウサギ眼組織、硝子体液、もしくは結晶中で調製した。作業溶液を、50:50 アセトニトリル:水において調製した。次いで、作業溶液を適切なマトリクスに添加して、較正標準を作製した。標準を、研究サンプルと同一に処理した。組織および硝子体液サンプルを、アセトニトリルでの沈殿を介して手動で抽出した。
HPLC条件
機器: Waters Acquity UPLC;カラム: Waters BEHフェニル、30×2.1mm 内径、1.7μm;水性リザーバ(A):水中0.1% ギ酸;有機リザーバ アセトニトリル中0.1% ギ酸;勾配プログラム:
HPLC流速:800μL/分;注射体積:10μL;カラム温度:40℃;サンプル温度:8℃;強いオートサンプラー洗浄:0.2% ギ酸を含む1:1:1 (v:v:v) 水:メタノール:イソプロパノール;弱いオートサンプラー洗浄:4mM ギ酸アンモニウム。
質量分析計条件
機器: Waters Xevo TQ−S;インターフェイス:エレクトロスプレー;モード:多重反応モニタリング;ネブライザーガス:7バール;脱溶媒和ガス:1000L/時間;コーンガス:150L/時間;衝突ガス:0.15mL/分;脱溶媒和温度:450℃;キャピラリー電圧:3kV。
結果
試験製剤(3重量%または0.5重量%)を、12羽のニュージーランドホワイトウサギの眼に両側のIVT注射を介して成功裡に投与した。投与事象の間に示される合併症はなかった。7日目まで生存した全ての動物は、研究の過程にわたって体重が増加した。全ての動物は、研究の間に正常な行動および健康状態を示した。研究の間に、動物のうちのいずれにも刺激、膨張、もしくは分泌物の肉眼での所見は示されなかった。
その結果を、図10および図11に示す。図10は、ウサギにおける硝子体内投与後(すなわち、投与後2時間、24時間、および168時間)での3重量%および0.5重量%における硝子体液中の25−ヒドロキシコレステロールの濃度を示す。硝子体液中の式IIICの化合物のレベルは、用量依存性であり、0.5% 製剤で処置した群よりも3% 製剤で処置した群において比例してより高いレベルであり、後の時点では、着実に減少した。図11は、ウサギにおける硝子体内投与後(すなわち、投与後2時間、24時間、および168時間)での3重量%および0.5重量%における水晶体中の25−ヒドロキシコレステロールの濃度を示す。水晶体中のレベルは、より早い時点では検出不能であり、後の時点で増大するようであった。最後の時点(投与後7日)では、高い方の用量の群のみが式IIICの化合物の検出可能なレベルを一貫して示した。これは、IVT注射後のこの組織への遅延した分布を示唆する。
実施例5:化合物IIICでの老視の処置
老視を有する5名の患者の群を、LogMAR検査において近見視力の障害に基づいて同定する。上記患者を、式IIICの化合物の組成物で1週間に1回処置する。1ヶ月ごとに、各患者の近見視力を、LogMAR検査で測定する。その患者の処置後の近見視力を、彼らの処置前の視力と比較する。
実施例6:化合物IIICでの近見視力の喪失の処置
40歳齢を超えかつ老視の臨床徴候のない5名の患者の群を、LogMAR検査における成績に基づいて同定する。上記患者を、式IIICの化合物の組成物を含む毎日の点眼剤で処置する。6ヶ月ごとに、患者の近見視力を、LogMAR検査で測定する。その患者の近見視力を、彼らの処置前の視力と比較する。
実施形態
ある特定の局面において、本開示は、以下の実施形態のうちの1つもしくはこれより多くを提供する:
実施形態1.被験体の近見視障害を処置または予防するための方法であって、該方法は、必要性のある被験体に、式(III):

の化合物、またはその塩を投与する工程を包含し、ここで
、R、R、R、R、R、R、R11、R12、R13、R14、R15、R16、およびR17は、水素、ハロゲン、−OR30、−SR30、−OSO30、−OPO30、−N(R31、−C(O)R30、−C(O)OR30、−OC(O)R30、−NO、−CN、必要に応じて置換されたC−C10アルキル、必要に応じて置換されたC−C10アルケニル、必要に応じて置換されたC−C10アルキニル、必要に応じて置換された炭素環および必要に応じて置換された複素環から独立して選択され;Rは、Rと一緒になって、=O、=S、および=N(R31)からさらに選択され;Rは、Rと一緒になって、=O、=S、および=N(R31)からさらに選択され;R13は、R14と一緒になって、=O、=S、および=N(R31)からさらに選択され;RおよびR10は、これらが結合される原子と一緒になって、必要に応じて置換された炭素環または必要に応じて置換された複素環をさらに形成し得;そしてここでRは、炭素5と炭素6との間に二重結合が存在する場合には存在せず、R16およびR17は、炭素8と炭素9との間に二重結合が存在する場合には存在せず、R11は、炭素12と炭素13との間に二重結合が存在する場合には存在せず;そして炭素4と炭素5との間に二重結合が存在する場合には、RおよびRは存在せず、炭素5と炭素6との間に単結合が存在し;
、R、R10、R18、R19およびR20は、水素、ハロゲン、−OR30、−SR30、−OSO30、−OPO30、−N(R31、−C(O)R30、−C(O)OR30、−OC(O)R30、−NO、−CN、=O、=S、=N(R31)、必要に応じて置換されたC−C10アルキル、必要に応じて置換されたC−C10アルケニル、C−C10アルキニル、必要に応じて置換された炭素環および必要に応じて置換された複素環から独立して選択され;
各R31は、水素、−OR30、−SR30、−S(O)R30、−S(O)30、−C(O)R30、−C(O)OR30、必要に応じて置換されたC−C10アルキル、必要に応じて置換されたC−C10アルケニル、C−C10アルキニル、必要に応じて置換された炭素環および必要に応じて置換された複素環から独立して選択され;
各R30は、水素、必要に応じて置換されたC−Cアルキル、必要に応じて置換されたC−Cアルケニル、必要に応じて置換されたC−Cアルキニル、必要に応じて置換された炭素環および必要に応じて置換された複素環から独立して選択され;そして
nは、0または1から選択され、
ここで該近見視障害は、白内障ではない、方法。
実施形態2. nは、0である、実施形態1に記載の方法。
実施形態3. nは、1である、実施形態1に記載の方法。
実施形態4. R、R、R、R、R、R、R、R11、R12、R13、R14、R15、R16、およびR17は、水素、ハロゲン、−OR30、−SR30、−OSO30、−OPO30、−N(R31、−C(O)R30、−C(O)OR30、−OC(O)R30、−NO、−CN,および必要に応じて置換されたC−C10アルキルから独立して選択される、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の方法。
実施形態5. R、R、R、R、R、R、R、R11、R12、R13、R14、R15、R16、およびR17は、水素、ハロゲン、−OR30、−NO、−CN,および必要に応じて置換されたC−C10アルキルから独立して選択される、実施形態4に記載の方法。
実施形態6. R、R、R10、R18、R19およびR20は、水素、ハロゲン、−OR30、−SR30、−OSO30、−OPO30、−N(R31、−C(O)R30、−C(O)OR30、−OC(O)R30、−NO、−CN、=O、=S、=N(R31)、必要に応じて置換されたC−C10アルキル、必要に応じて置換されたC−C10アルケニル、C−C10アルキニルから独立して選択される、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の方法。
実施形態7. RおよびRは、水素、ハロゲン、−OR30および必要に応じて置換されたC−C10アルキルから独立して選択されるか、またはRは、Rと一緒になって、=O、=Sおよび=N(R31)から選択される、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の方法。
実施形態8. Rは、水素、−OR30および必要に応じて置換されたC−C10アルキルから選択される、実施形態1〜7のいずれか1つに記載の方法。
実施形態9. Rは存在せず、炭素5と炭素6との間に二重結合が存在する、実施形態1〜7のいずれか1つに記載の方法。
実施形態10. RおよびRは存在せず、炭素4と炭素5との間に二重結合が存在する、実施形態1〜7のいずれか1つに記載の方法。
実施形態11. R20は、水素、ハロゲン、−OR30、−SR30、−OSO30、−OPO30、−N(R31、−C(O)R30、−C(O)OR30、−OC(O)R30、−NO、−CN、=O、=S、=N(R31)、必要に応じて置換されたC−C10アルキルから選択される、実施形態1〜11のいずれか1つに記載の方法。
実施形態12. R20は、水素、ハロゲン、−OR30、−SR30、−OSO30、−OPO30、−N(R31、−C(O)R30、−C(O)OR30、−OC(O)R30、−NO、−CN、=O、=S、および=N(R31)から選択される、実施形態11に記載の方法。
実施形態13. R20は、−OR30、−OSO30、−OPO30、−C(O)R30、−C(O)OR30、−OC(O)R30、=O、および=Sから選択される、実施形態12に記載の方法。
実施形態14. Rは、水素、ハロゲン、−OR30および必要に応じて置換されたC−C10アルキルから選択される、実施形態1〜13のいずれか1つに記載の方法。
実施形態15. Rは、水素および−OR30から選択される、実施形態14に記載の方法。
実施形態16. Rは、水素、ハロゲン、−OR30および必要に応じて置換されたC−C10アルキルから選択される、実施形態1〜15のいずれか1つに記載の方法。
実施形態17. Rは、水素、ハロゲンおよびC−C10アルキルから選択される、実施形態16に記載の方法。
実施形態18. Rは、水素、ハロゲン、−OR30および必要に応じて置換されたC−C10アルキルから選択される、実施形態1〜17のいずれか1つに記載の方法。
実施形態19. Rは、水素、ハロゲンおよびC−C10アルキルから選択される、実施形態18に記載の方法。
実施形態20. Rは、水素、ハロゲン、−OR30、=O,および必要に応じて置換されたC−C10アルキルから選択される、実施形態1〜19のいずれか1つに記載の方法。
実施形態21. Rは、水素、ハロゲンおよびC−C10アルキルから選択される、実施形態20に記載の方法。
実施形態22. RおよびRは、水素、ハロゲン、−OR30および必要に応じて置換されたC−C10アルキルから独立して選択される、実施形態1〜21のいずれか1つに記載の方法。
実施形態23. RおよびRは、水素、ハロゲン、およびC−C10アルキルから独立して選択される、実施形態22に記載の方法。
実施形態24. RおよびR10は、これらが結合される原子と一緒になって、必要に応じて置換された炭素環もしくは必要に応じて置換された複素環を形成する、実施形態1〜21のいずれか1つに記載の方法。
実施形態25. RおよびR10は、これらが結合される原子と一緒になって、必要に応じて置換された炭素環を形成する、実施形態24に記載の方法。
実施形態26. R10は、−OR30、=O、=S、=N(R31)、必要に応じて置換されたC−C10アルキル、必要に応じて置換されたC−C10アルケニル、および必要に応じて置換されたC−C10アルキニルから選択される、実施形態1〜23のいずれか1つに記載の方法。
実施形態27. R10は、−OR30もしくは=Oである、実施形態26に記載の方法。
実施形態28. R10は、必要に応じて置換されたC−C10アルキルもしくは必要に応じて置換されたC−C10アルケニルである、実施形態26に記載の方法。
実施形態29. R10は、ハロゲン、−OR30、−SR30、−OSO30、−OPO30、−N(R31、−C(O)R30、−C(O)OR30、−OC(O)R30、−NO、−CN、=O、=S、および=N(R31)から独立して選択される1個もしくはこれより多くの置換基で置換される、実施形態28に記載の方法。
実施形態30. R10は、ハロゲン、−OR30、−SR30、−N(R31、−C(O)R30、−C(O)OR30、−OC(O)R30、−NO、−CN、=O、=S、および=N(R31)から独立して選択される1個もしくはこれより多くの置換基で置換される、実施形態29に記載の方法。
実施形態31. R10は、ハロゲンおよび−OR30から選択される1個もしくはこれより多くの置換基で置換されるC−C10アルキルである、実施形態29に記載の方法。
実施形態32. R10は、ハロゲンおよび−OR30から選択される1個もしくはこれより多くの置換基で必要に応じて置換されたC−C10アルケニルである、実施形態29に記載の方法。
実施形態33. R11は、水素、−OR30および必要に応じて置換されたC−C10アルキルから選択される、実施形態1〜32のいずれか1つに記載の方法。
実施形態34. R11は、水素もしくはC−C10アルキルである、実施形態33に記載の方法。
実施形態35. R11は、存在せず、炭素12と炭素13との間に二重結合が存在する、実施形態1〜32のいずれか1つに記載の方法。
実施形態36. R12は、水素、ハロゲン、−OR30および必要に応じて置換されたC−C10アルキルから選択される、実施形態1〜35のいずれか1つに記載の方法。
実施形態37. R12は、水素および−OR30から選択される、実施形態36に記載の方法。
実施形態38. R13およびR14は、水素、ハロゲン、−OR30および必要に応じて置換されたC−C10アルキルから独立して選択されるか、またはR13はR14と一緒になって、=O、=S、および=N(R31)から選択される、実施形態1〜37のいずれか1つに記載の方法。
実施形態39. R13およびR14は、水素、ハロゲン、−OR30および必要に応じて置換されたC−C10アルキルから独立して選択される、実施形態38に記載の方法。
実施形態40. R13はR14と一緒になって、=Oである、実施形態38に記載の方法。
実施形態41. R15は、水素および必要に応じて置換されたC−C10アルキルから選択される、実施形態1〜40のいずれか1つに記載の方法。
実施形態42. R15は、メチルである、実施形態41に記載の方法。
実施形態43. R16およびR17は、各々水素である、実施形態1〜42のいずれか1つに記載の方法。
実施形態44. R16およびR17は、存在せず、炭素8と炭素9との間に二重結合が存在する、実施形態1〜42のいずれか1つに記載の方法。
実施形態45. R18およびR19は、水素、ハロゲン、−OR30、=O、および必要に応じて置換されたC−C10アルキルから独立して選択される、実施形態1〜44のいずれか1つに記載の方法。
実施形態46. R18およびR19は、各々水素である、実施形態45に記載の方法。
実施形態47. 式(III)の化合物は、式(IIIA):

もしくはその塩によって表される、実施形態1〜46のいずれか1つに記載の方法。
実施形態48. 式(IIIA)の化合物は、式(IIIB):

もしくはその塩によって表される、実施形態47に記載の方法。
実施形態49. 式(IIIA)の化合物は、式(IIIC):

もしくはその塩によって表される、実施形態48に記載の方法。
実施形態50. 式(III)の化合物は、式(IIID):

もしくはその塩によって表される、実施形態1〜46のいずれか1つに記載の方法。
実施形態51. 上記近見視障害は、上記被験体が25歳齢もしくはこれより高齢であるときに初めて起こる、実施形態1〜50のいずれか1つに記載の方法。
実施形態52. 上記近見視障害は、上記被験体が35歳齢もしくはこれより高齢である場合に初めて起こる、実施形態51に記載の方法。
実施形態53. 上記近見視障害は、常用距離での視力、矯正近見視力、屈折障害、光学パワー、イエーガー検査、LogMARスケール、ETDRSスケール、および水晶体の調節幅のうちの1種もしくはこれより多くによって診断される、実施形態1〜52のいずれか1つに記載の方法。
実施形態54. 上記近見視障害は、以下の視力検査:
a.被験体の片眼を覆い、上記被験体の眼からおよそ16インチのところに実施例1の視力検査表を置く、
b.被験体が1個以下の文字を見落として読むことができる最初の文字サイズを決定する、および
c.上記文字サイズと処置前視力値とを相関させる、
によって決定される場合に、0.8もしくはこれより小さい処置前の近見視力値を含む、実施形態53に記載の方法。
実施形態55. 上記近見視障害は、0.6もしくはこれより小さい近見視力を含む、実施形態54に記載の方法。
実施形態56. 上記近見視障害は、0.4もしくはこれより小さい近見視力を含む、実施形態55に記載の方法。
実施形態57. 上記近見視障害は、イエーガー検査のイエーガースケールでJ2もしくはこれより高いスコアを含む、実施形態53に記載の方法。
実施形態58. 上記近見視障害は、イエーガー検査のイエーガースケールでJ3もしくはこれより高いスコアを含む、実施形態57に記載の方法。
実施形態59. 上記近見視障害は、イエーガー検査のイエーガースケールでJ4もしくはこれより高いスコアを含む、実施形態58に記載の方法。
実施形態60. 上記近見視障害は、イエーガースケールでJ5もしくはこれより高いスコアを含む、実施形態59に記載の方法。
実施形態61. 上記近見視障害は、イエーガースケールでJ6もしくはこれより高いスコアを含む、実施形態60に記載の方法。
実施形態62. 上記近見視障害は、イエーガースケールでJ8もしくはこれより高いスコアによって決定される、実施形態61に記載の方法。
実施形態63. 上記屈折障害は、検影器、自動屈折計、シャックハルトマン波面センサもしくはピンホール遮眼子のうちの1種もしくはこれより多くによって評価される、実施形態53に記載の方法。
実施形態64. 上記被験体の近見視障害を処置または防止することは、視力、光学パワー、水晶体の調節幅、イエーガースケールスコア、LogMARスケールスコア、ETDRSスケール、読む速度、および屈折障害のうちの1種もしくはこれより多くにおける改善を含む、実施形態1〜63のいずれか1つに記載の方法。
実施形態65. 上記被験体の近見視障害を処置または防止することは、処置前の近見視力値と比較して、近見視力における改善を含む、実施形態64に記載の方法。
実施形態66. 上記近見視力における改善は、LogMARスケールで少なくとも0.1に等しい、実施形態65に記載の方法。
実施形態67. 上記近見視力における改善は、上記処置前の視力値と比較して、0.2もしくはこれより大きい、実施形態66に記載の方法。
実施形態68. 近見視障害の上記処置は、約+.5Dもしくはこれより高いパワーを有する眼鏡もしくはコンタクトレンズでの処置におよそ等しい、実施形態1〜67のいずれか1つに記載の方法。
実施形態69. 近見視障害の上記処置は、約+1Dもしくはこれより高いパワーを有する眼鏡もしくはコンタクトレンズでの処置におよそ等しい、実施形態68に記載の方法。
実施形態70. 近見視障害の上記処置は、約+2Dもしくはこれより高いパワーを有する眼鏡もしくはコンタクトレンズでの処置におよそ等しい、実施形態69に記載の方法。
実施形態71. 上記投与の前に、上記被験体は、以下の症状:近傍の物体に焦点を合わせる能力の低下、眼精疲労、細かい印刷が読みにくい、照明されたスクリーンを読むかもしくは見ているときに疲労する、直ぐ近傍がはっきりと見にくい、印刷物を読むときにコントラストが小さい、読むためにより明るくかつより直接的な光が必要である、および近見視力を使う場合の頭痛のうちの1もしくはこれより多くを示す、実施形態1〜70のいずれか1つに記載の方法。
実施形態72. 上記近見視障害は、老視である、実施形態1〜71のいずれか1つに記載の方法。
実施形態73. 被験体の水晶体の光学パワーを増大させるための方法であって、該方法は、式(III):

の化合物もしくはその塩を必要性のある被験体に投与する工程を包含し、ここで:
、R、R、R、R、R、R、R11、R12、R13、R14、R15、R16、およびR17は、水素、ハロゲン、−OR30、−SR30、−OSO30、−OPO30、−N(R31、−C(O)R30、−C(O)OR30、−OC(O)R30、−NO、−CN、必要に応じて置換されたC−C10アルキル、必要に応じて置換されたC−C10アルケニル、必要に応じて置換されたC−C10アルキニル、必要に応じて置換された炭素環および必要に応じて置換された複素環から独立して選択され;RはRと一緒になって、=O、=S、および=N(R31)からさらに選択され;RはRと一緒になって、=O、=S、および=N(R31)からさらに選択され;R13はR14と一緒になって、=O、=S、および=N(R31)からさらに選択され;RおよびR10は、これらが結合される原子と一緒になって、必要に応じて置換された炭素環もしくは必要に応じて置換された複素環をさらに形成し得;そしてここでRは、炭素5と炭素6との間に二重結合が存在する場合には存在せず、R16およびR17は、炭素8と炭素9との間に二重結合が存在する場合には存在せず、R11は、炭素12と炭素13との間に二重結合が存在する場合には存在せず;そして炭素4と炭素5との間に二重結合が存在する場合には、RおよびRは存在せず、かつ炭素5と炭素6との間に単結合が存在し;
、R、R10、R18、R19およびR20は、水素、ハロゲン、−OR30、−SR30、−OSO30、−OPO30、−N(R31、−C(O)R30、−C(O)OR30、−OC(O)R30、−NO、−CN、=O、=S、=N(R31)、必要に応じて置換されたC−C10アルキル、必要に応じて置換されたC−C10アルケニル、C−C10アルキニル、必要に応じて置換された炭素環および必要に応じて置換された複素環から独立して選択され;
各R31は、水素、−OR30、−SR30、−S(O)R30、−S(O)30、−C(O)R30、−C(O)OR30、必要に応じて置換されたC−C10アルキル、必要に応じて置換されたC−C10アルケニル、C−C10アルキニル、必要に応じて置換された炭素環および必要に応じて置換された複素環から独立して選択され;
各R30は、水素、必要に応じて置換されたC−Cアルキル、必要に応じて置換されたC−Cアルケニル、必要に応じて置換されたC−Cアルキニル、必要に応じて置換された炭素環および必要に応じて置換された複素環から独立して選択され;そして
nは、0もしくは1から選択され、
ここで上記水晶体は、白内障を有しない、方法。
実施形態74. 上記水晶体は、20ジオプター未満の処置前の光学パワーを有する、実施形態73に記載の方法。
実施形態75. 上記水晶体は、15ジオプター未満の処置前の光学パワーを有する、実施形態74に記載の方法。
実施形態76. 上記水晶体の光学パワーを増大させることは、処置前の光学パワーと比較して、光学パワーを少なくとも0.1ジオプター改善することを包含する、実施形態73〜75のいずれか1つに記載の方法。
実施形態77. 上記水晶体の光学パワーを増大させることは、処置前の光学パワーと比較して、光学パワーを少なくとも1ジオプター改善することを包含する、実施形態76に記載の方法。
実施形態78. 上記水晶体の光学パワーを増大させることは、処置前の光学パワーと比較して、光学パワーを少なくとも5ジオプター改善することを包含する、実施形態77に記載の方法。
実施形態79. 上記近見視障害は、遠視ではない、実施形態1〜72のいずれか1つに記載の方法。
実施形態80. 上記投与する工程は、4週間もしくはこれより長く投与する工程を包含する、実施形態1〜79のいずれか1つに記載の方法。
実施形態81. 上記投与する工程は、局所投与、結膜下投与、球後投与、眼周囲投与、網膜下投与、脈絡膜投与、もしくは眼内投与を含む、実施形態1〜80のいずれか1つに記載の方法。
実施形態82. 上記方法は、さらなる治療剤を投与する工程をさらに包含する、実施形態1〜81のいずれか1つに記載の方法。
実施形態83. 上記さらなる治療剤は、リポ酸である、実施形態82に記載の方法。

Claims (43)

  1. 約0.05重量%〜約5重量%の式(IIIC):

    によって表される化合物もしくはその塩、および1種もしくはこれより多くの薬学的に受容可能な賦形剤を含む、薬学的製剤。
  2. 前記製剤は、約0.1重量%〜約4重量%の式(IIIC)の化合物もしくは塩を含む、請求項1に記載の薬学的製剤。
  3. 前記製剤は、約0.5重量%〜約4重量%の式(IIIC)の化合物もしくは塩を含む、請求項2に記載の薬学的製剤。
  4. 前記製剤は、約2重量%〜約4重量%の式(IIIC)の化合物もしくは塩を含む、請求項1に記載の薬学的製剤。
  5. 式(IIIC)の前記化合物もしくは塩は、粒子の形態にあり、ここで該粒子は、約1nm〜約1μmから選択される平均最大直径を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の薬学的製剤。
  6. 式(IIIC)の化合物もしくは塩の前記粒子は、約1nm〜約200nmから選択される平均直径を有する、請求項5に記載の薬学的製剤。
  7. 式(IIIC)の化合物もしくは塩の前記粒子は、約400nm〜約600nmから選択される平均直径を有する、請求項5に記載の薬学的製剤。
  8. 式(IIIC)の化合物もしくは塩の前記粒子は、約450〜約550nmから選択される平均直径を有する、請求項7に記載の薬学的製剤。
  9. 前記粒子のうちの80%より多くは、約450nm〜約550nmから選択される平均最大直径を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の薬学的製剤。
  10. 前記製剤は、少なくとも約90重量%の水を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の薬学的製剤。
  11. 前記製剤は、該製剤の粘度を増大させる薬剤を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の薬学的製剤。
  12. 前記製剤の粘度を増大させる薬剤は、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール(PEG)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ソルビトール、ゲランガム(高アシルもしくは低アシル)、キサンタンガム、デキストラン、グアールガム、ローカストビーンガム、アルギン酸ナトリウム、アガー、ゼラチン、キトサン、ペクチン、アルギネート、キシログルカン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カラギーナンおよびこれらの組み合わせから選択される、請求項11に記載の薬学的製剤。
  13. 前記製剤の粘度を増大させる薬剤は、ゲランガムである、請求項12に記載の薬学的製剤。
  14. 前記製剤は、約0.005Pa.s〜約0.030Pa.s.の粘度を有する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の薬学的製剤。
  15. 前記製剤は、該製剤のpHを調節するための薬剤を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の薬学的製剤。
  16. 前記製剤のpHを調節するための薬剤は、塩酸、ホウ酸、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムから選択される、請求項15に記載の薬学的製剤。
  17. 前記製剤のpHを調節するための薬剤は、ホウ酸である、請求項16に記載の薬学的製剤。
  18. 前記製剤は、約5〜約9から選択されるpHを有する、請求項1〜17のいずれか1項に記載の薬学的製剤。
  19. 前記製剤は、約7〜約8から選択されるpHを有する、請求項18に記載の薬学的製剤。
  20. 前記製剤は、約7.4のpHを有する、請求項19に記載の薬学的製剤。
  21. 前記製剤は、該製剤の容量オスモル濃度を調節するための薬剤を含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載の薬学的製剤。
  22. 前記製剤の容量オスモル濃度を調節するための薬剤は、マンニトールである、請求項21に記載の薬学的製剤。
  23. 前記製剤は、緩衝化剤を含む、請求項1〜22のいずれか1項に記載の薬学的製剤。
  24. 前記緩衝化剤は、トロメタミン、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム塩類緩衝液(SSC)、アセテート、塩類溶液、生理食塩水、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)、4−2−ヒドロキシエチル−1−ピペラジンエタンスルホン酸緩衝液(HEPES)、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸緩衝液(MOPS)、およびピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)緩衝液(PIPES)、酢酸ナトリウム−ホウ酸ストック溶液、塩化ナトリウムを含むホウ酸−炭酸ナトリウム溶液、ホウ酸-ホウ酸ナトリウム緩衝液、リン酸ナトリウムおよびリン酸カリウム緩衝液、塩化カリウムを含むホウ酸−炭酸ナトリウム、またはこれらの組み合わせから選択される、請求項23に記載の薬学的製剤。
  25. 前記製剤は、約0.1重量%〜約4重量%の緩衝化剤を含む、請求項23または24に記載の薬学的製剤。
  26. 前記製剤は、分散剤を含む、請求項1〜25のいずれか1項に記載の薬学的製剤。
  27. 前記製剤は、約0.01重量%〜約1重量%の分散剤を含む、請求項26に記載の薬学的製剤。
  28. 前記製剤は、保存剤を含む、請求項1〜27のいずれか1項に記載の薬学的製剤。
  29. 前記保存剤は、塩化ベンザルコニウム、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クロルブタノール、酢酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、酢酸クロルヘキシジン、チメロサール、および塩化ベンゼトニウムから選択される、請求項28に記載の薬学的製剤。
  30. 前記製剤は、約0.001重量%〜約0.1重量%の保存剤を含む、請求項28または29に記載の薬学的製剤。
  31. 前記製剤は、保存剤を含まない、請求項1〜30のいずれか1項に記載の薬学的製剤。
  32. 請求項1〜31のいずれか1項に記載の薬学的製剤を、必要性のある被験体の目に投与する工程を包含する、眼の疾患を処置するための方法。
  33. 前記薬学的製剤は、硝子体内注射または前眼房内注射によって、局所的に投与される、請求項32に記載の方法。
  34. 前記薬学的製剤は、硝子体内注射または前眼房内注射によって投与される、請求項33に記載の方法。
  35. 前記薬学的製剤は、1もしくはこれより多くの用量で投与され、ここで各用量は、約60μL〜約120μLから選択される、請求項33または34に記載の方法。
  36. 前記薬学的製剤は、1もしくはこれより多くの用量で投与され、ここで各用量は、約80μL〜約110μLである、請求項35に記載の方法。
  37. 前記薬学的製剤の用量は、1ヶ月に1回、6週間に1回、2ヶ月に1回、6ヶ月に1回、または1年に1回、投与される、請求項35または36に記載の方法。
  38. 前記薬学的製剤の用量は、1ヶ月に1回、連続3ヶ月間にわたって投与され、続いて、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、9ヶ月間または1年間の休薬日がある、請求項35または36に記載の方法。
  39. 前記薬学的製剤の用量は、1ヶ月に1回、連続2ヶ月間にわたって投与され、続いて、1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、9ヶ月間または1年間の休薬日がある、請求項35または36に記載の方法。
  40. 前記薬学的製剤は、局所投与される、請求項33に記載の方法。
  41. 前記眼の疾患は、白内障である、請求項32〜40のいずれか1項に記載の方法。
  42. 前記眼の疾患は、老視である、請求項32〜40にいずれか1項に記載の方法。
  43. 被験体の近見視障害を処置または予防するための方法であって、該方法は、必要性のある被験体に、式(III):

    の化合物、またはその塩を投与する工程を包含し、ここで
    、R、R、R、R、R、R、R11、R12、R13、R14、R15、R16、およびR17は、水素、ハロゲン、−OR30、−SR30、−OSO30、−OPO30、−N(R31、−C(O)R30、−C(O)OR30、−OC(O)R30、−NO、−CN、必要に応じて置換されたC−C10アルキル、必要に応じて置換されたC−C10アルケニル、必要に応じて置換されたC−C10アルキニル、必要に応じて置換された炭素環および必要に応じて置換された複素環から独立して選択され;Rは、Rと一緒になって、=O、=S、および=N(R31)からさらに選択され;Rは、Rと一緒になって、=O、=S、および=N(R31)からさらに選択され;R13は、R14と一緒になって、=O、=S、および=N(R31)からさらに選択され;RおよびR10は、これらが結合される原子と一緒になって、必要に応じて置換された炭素環または必要に応じて置換された複素環をさらに形成し得;そしてここでRは、炭素5と炭素6との間に二重結合が存在する場合には存在せず、R16およびR17は、炭素8と炭素9との間に二重結合が存在する場合には存在せず、R11は、炭素12と炭素13との間に二重結合が存在する場合には存在せず;そして炭素4と炭素5との間に二重結合が存在する場合には、RおよびRは存在せず、炭素5と炭素6との間に単結合が存在し;
    、R、R10、R18、R19およびR20は、水素、ハロゲン、−OR30、−SR30、−OSO30、−OPO30、−N(R31、−C(O)R30、−C(O)OR30、−OC(O)R30、−NO、−CN、=O、=S、=N(R31)、必要に応じて置換されたC−C10アルキル、必要に応じて置換されたC−C10アルケニル、C−C10アルキニル、必要に応じて置換された炭素環および必要に応じて置換された複素環から独立して選択され;
    各R31は、水素、−OR30、−SR30、−S(O)R30、−S(O)30、−C(O)R30、−C(O)OR30、必要に応じて置換されたC−C10アルキル、必要に応じて置換されたC−C10アルケニル、C−C10アルキニル、必要に応じて置換された炭素環および必要に応じて置換された複素環から独立して選択され;
    各R30は、水素、必要に応じて置換されたC−Cアルキル、必要に応じて置換されたC−Cアルケニル、必要に応じて置換されたC−Cアルキニル、必要に応じて置換された炭素環および必要に応じて置換された複素環から独立して選択され;そして
    nは、0または1から選択され、
    ここで該近見視障害は、白内障ではない、方法。
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