JP2018526030A - 結合していない標的についてのアプタマーの選抜のための方法 - Google Patents

結合していない標的についてのアプタマーの選抜のための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、標的またはオリゴヌクレオチドライブラリーの固定化を必要としないアプタマーの選抜のための方法に関する。この方法は、(i)プライマー認識部位に挟まれたランダム領域を含むオリゴヌクレオチドの選抜用ライブラリーを、プライマー認識部位にアニールするブロッカーオリゴヌクレオチドと混合すること;(ii)ブロック済み選抜用ライブラリーを、ランダムオリゴヌクレオチドを含む固定化フィールドに曝露させること、および結合していない選抜用ライブラリーのオリゴヌクレオチドを除去すること;(iii)固定化フィールドに結合した選抜用ライブラリーのオリゴヌクレオチドを回収すること、および目的の標的アナライトと混合すること;(iv)選抜用ライブラリーのオリゴヌクレオチドと標的アナライトとの混合物を固定化フィールドに曝露させること;ならびに(v)固定化フィールドに結合しなかった選抜用ライブラリーのオリゴヌクレオチドを回収すること、を含む。
【選択図】なし

Description

発明の分野
本発明は、アプタマーの選抜に関する。特に、本発明は、結合していない標的ベイトを用いるアプタマーの選抜のための方法に関する。
発明の背景
アプタマーは、リガンドとして作用しアナライトに結合するというそれらの能力の点で抗体を模倣するオリゴヌクレオチドである。米国特許第5,475,096号は、標的分子に特異的に結合することができるDNA分子またはRNA分子のインビトロ選抜のための方法を教示する。この特許は、「試験管内進化法(Systematic Evolution of Ligands by Exponential Enrichment)」またはSELEXとして知られるようになった、オリゴヌクレオチドの繰り返し選抜の方法を開示する。そのような方法においては、標的に結合しているオリゴヌクレオチド配列を、結合していないものから分離する必要がある。SELEXを利用する方法は全て、目的のアナライトに結合しているオリゴヌクレオチド配列を目的のアナライトに結合していないオリゴヌクレオチド配列から分離するためのプロセスを必要とする。米国特許第5,475,096号では、この分離プロセスは、ニトロセルロースメンブレンの使用として教示されている。一本鎖のオリゴヌクレオチドはニトロセルロースを通過することになるが、多くのアナライト分子(特にタンパク質のアナライト)は通過しない。従って、アナライトに結合していないオリゴヌクレオチドはニトロセルロースを通過することになるのに対し、アナライトに結合しているオリゴヌクレオチドは通過せず、従って、通過するオリゴヌクレオチドから分離できる。
標的アナライトに結合しているオリゴヌクレオチドを標的アナライトに結合していないオリゴヌクレオチドから分離する手段としてのニトロセルロースの使用は、ニトロセルロースを容易には通過しないアナライトに対する使用に限定される。このことは、これが、小分子(限定されるものではないが、代謝産物、薬物、抗生物質、ペプチド、および毒素、またはニトロセルロースを通過するであろう任意の分子、などの例を含む)についてのアプタマーの選抜のための適切な方法ではないことを意味する。
実際に、我々はまた、多くのタンパク質がニトロセルロースをある程度通過し得るため、この方法の使用に困難を感じてもいる。
実際に、我々はまた、この方法が、強固な二次構造をとることが可能な、従って標的アナライトに結合しなくてもニトロセルロースを通過しない、オリゴヌクレオチド配列の選抜を含み得るということも見出している。そのような配列の選抜は望ましくない。
米国特許第5,475,096号はまた、標的アナライトに結合しているオリゴヌクレオチドを標的アナライトに結合していないオリゴヌクレオチドから分離することは、カラム内に標的アナライトを固定することによって達成することもできるということも示唆する。これは、非常に一般的な方法であり、幅広い様々な用途においてうまく使用されている。
しかし、カラム内での標的アナライトの固定化にはいくつかの欠点がある。1つの重大な制約は、小分子に関するものである。固定化を行うための固体支持体への小分子のコンジュゲーションは、コンジュゲーションに使用される小分子上の化学基を変化させるだけでなく、アナライトの電子電荷雲全体および共鳴特性を変化させる可能性もある。そのような場合には、固定された標的アナライトにはよく結合するが遊離形態のアナライトには結合しないアプタマーを選抜する可能性がある。これは、遊離アナライトの量を知ることが求められている場合の診断用途には望ましくない。
カラム内での標的アナライトの固定化はまた、分子間の複合体について選抜を行うことを困難にする。洗浄によって固体支持体から固定されていない標的を除去することは、これらの手順の重要な側面である。これが行われなければ、オリゴヌクレオチドは、後で洗浄工程において失われる標的に結合し得る。固定されていない標的を除去するための、このカラム洗浄はまた、固定された標的に共有結合以外の様式で結合している可能性のある任意の分子も除去する。そのような複合体は、これらの複合体の性質が既知であれば再構築できる可能性がある。しかし、その複合体の性質が未知であれば、その複合体は再構築できない。
選抜プロセスの重要な部分は、選抜プロセスの厳密性を高めるために、結合しているオリゴヌクレオチドを洗浄することである。弱く結合している複合体は、そのような洗浄によって破壊されるか、コンジュゲーションプロセス自体に含まれ得る洗浄工程によって破壊される可能性がある。従って、これは、分子複合体の選抜のための十分に信頼できる方法ではない。
エピトープは、結合という観点でリガンドが相互作用するアナライト上の領域と定義できる。エピトープは、標的アナライト内の連続したストレッチであるか、折り畳まれた形態の標的アナライトにおいて物理的に近接した複数のポイントによって表されてよい。カラム内での標的アナライトの固定化は必然的に、標的分子内の少なくとも1つのエピトープを破壊する。エピトープ破壊の本質は、使用されるコンジュゲーションプロセスの作用である。例えば、タンパク質上のチオール基に依存するコンジュゲーションは、システイン残基を含むタンパク質内のエピトープを破壊することになる。そのようなコンジュゲーションは、コンジュゲートされる残基を含むエピトープを破壊する可能性があるだけではなく、より全体的なレベルでタンパク質のフォールディングにも影響し得るし、他の近接していないエピトープにも影響し得る。これは、遊離状態の標的アナライトへの結合ではなく固定された標的アナライトへのそれらの結合に基づいてアプタマーが選抜される可能性があるため、望ましくない。
多くの場合、標的アナライト内の複数のエピトープについてリガンドを取得することが望ましい。これは、診断用デバイスにおいて標的アナライトを捕捉あるいは検出するための複数のリガンドの同時の使用を可能にする。少なくとも1種のエピトープを選抜から除くのは望ましくない。なぜなら、これは、それに対してリガンドが選抜されるエピトープの数を減少させるためである。
Mendonsa S.D. and Bowser M.T., In vitro evolution of functional DNA using capillary electrophoresis. 2004 Jan 14. J.Am.Chem.Soc. 126(1):20−1は、標的アナライトに対するアプタマーの選抜のためのキャピラリー電気泳動の使用についての説明を提供する。この方法は、結合していないオリゴヌクレオチドおよび結合していない標的アナライトの両方と比べると異なっている、標的アナライトに結合しているオリゴヌクレオチドの流動特性に分離が基づいているため、標的アナライトの固定化もオリゴヌクレオチドの固定化も必要としない。
キャピラリー電気泳動の方法は、固定化に基づいたアプローチからの前進を表すが、依然として、重大な制約に直面している。この方法は、小分子での使用の助けにはならない。なぜなら、小分子は、結合しているオリゴヌクレオチドの流動を、結合していないオリゴヌクレオチドから十分にシフトさせないためである。
キャピラリー電気泳動の方法は、分離および/または溶液の流動に関与する電場の力により、タンパク質間の複合体またはタンパク質と代謝産物との間の複合体の破壊を引き起こす可能性がある。従って、これは、複合体のための望ましい選抜プラットフォームではない。
さらに、キャピラリー電気泳動の方法は、複合混合物(血清、脳脊髄液、尿、汗、唾液、月経液、糞便懸濁液、細胞もしくは組織の懸濁液、または植物の師部の溶液など)に対して容易には適用できない。なぜなら、マトリックスの複雑さを考慮すると、結合しているオリゴヌクレオチドの識別が可能でないためである。
フローサイトメトリー、磁気キャピラリー電気泳動、ゲル濾過、密度勾配分離および表面プラズモン共鳴など、いくつかの他の方法が当技術分野で公知である。これらの方法はそれぞれ、上に列挙した制約のうちの少なくとも1つに悩まされる。
米国特許第5,631,146号は、アデノシン分子に特異的に結合することができる一本鎖のDNA分子(オリゴヌクレオチド)を選抜するためのアフィニティークロマトグラフィーの使用方法を教示する。
米国特許第7,745,607号は、センスとアンチセンスの対形成の利用を伴うアプタマーの選抜のための方法を特許請求する。アプタマーの選抜は、ランダム領域に隣接するいずれかの末端に既知のプライマー配列を含むオリゴヌクレオチドのライブラリーの合成を必ず伴う。米国特許第7,745,607号は、ランダム領域に隣接する既知の配列のうちの1つに対するアンチセンス配列を導入することによって、これを利用する。
本発明は実質的に異なる。本発明は、ランダム領域へのアンチセンスの結合に依存する。標的分子に結合するのはランダム領域であるため、これは重要である。米国特許第7,745,607号が機能するためには、ランダム領域と既知のセンス配列との間の相互作用またはアンチセンスに結合する既知のセンス配列のキャパシティーの能力に影響する並進的コンフォメーション変化(translational conformation shift)のいずれかが存在しなければならない。本発明では、これは必要とされない。本発明において、我々は、ランダム領域のみにおけるコンフォメーション変化を直接選抜している。これは、結合する可能性のある配列の割合が、米国特許第7,745,607号の使用によって検出され得るものよりも大きいことを表す。これは、本発明により、選抜プロセスから、標的分子に結合するアプタマーをより多く特定することが可能であるということを意味する。より多くのアプタマーを選抜できるということは、確率的に、より優れたアプタマーを選抜することが可能であるということを暗に意味する。
本発明はまた、固定されたアンチセンスオリゴヌクレオチドに結合することができない形状に対しての選抜も含む。これは、結合する標的の不在下でアンチセンス配列に結合しない形状を形成する選抜プロセスが好む配列形状を選抜する可能性を低減する。これは、選抜にとって非常に重要な問題である可能性があり、米国特許第7,745,607号によってはどうしても防止されない。本発明は、この問題を効果的に排除する。これは、本発明が、標的の不在下で特定の構造を形成する配列を誤って選抜しないということを意味する。
従って、本発明は、以下のことを可能にするため、これらの他のアプローチの全てを上回る改善を表す。
・選抜プロセスにおいてオリゴヌクレオチド配列の固定化も標的アナライトの固定化も必要としない;
・サイズを問わない全ての標的に対する包括的な適用;
・厳密性を調節できること;
・アプタマーのランダムヌクレオチド領域との結合について直接選抜すること;
・アプタマーの形状の変化について直接選抜すること;
・標的アナライトの不在下でアンチセンス配列に結合しないであろう配列に対する選抜。
本発明は、以前には不可能であったアプタマーの選抜に対するいくつかの新しいアプローチを可能にする。これらのうちのいくつかを以下に列挙する。この列挙は、このアプローチによって可能となる新しいアプローチの性質を説明するものであることが意図されており、網羅的なものであることは意図されていない。
・完全に自由な/自由な選抜を実施できることは、複合混合物(血清、脳脊髄液、尿、汗、唾液、月経液、糞便懸濁液、細胞ライセート懸濁液、植物の師部液、地下水など)中の標的アナライトについての選抜を可能にする。
・固定化プロセスまたは選抜プロセスが複合体を破壊し得るというリスクを伴うことなく、複合体(例えば、限定されるものではないが、タンパク質間で、またはタンパク質と代謝産物との間で、または代謝産物間で、形成される複合体を含む)に対するアプタマーを選抜できること。
・コンジュゲーションによってそれらの構造または結合能力に影響を与えることなく小分子について選抜できること。
概要
本発明は、以下の工程を含む、アプタマーの選抜のための方法に関する:
(a)2つのプライマー認識部位に挟まれたランダム領域を含むオリゴヌクレオチドのライブラリー(選抜用ライブラリー)を、プライマー認識部位にアニールするブロッカーオリゴヌクレオチド(ブロッカー)と混合して、ブロック済み選抜用ライブラリーを得る工程;
(b)ブロック済み選抜用ライブラリーを、固定されたオリゴヌクレオチドを含む固定化フィールドに曝露させる工程;
(c)固定化フィールドに結合していない配列をブロック済み選抜用ライブラリーから除去する工程;
(d)固定化フィールドに結合していたブロック済み選抜用ライブラリーを回収する工程;
(e)これらの回収されたブロック済み選抜用ライブラリーの配列を標的アナライトと混合してインキュベートする工程;
(f)工程(e)の混合物を、工程(b)のように固定化フィールドに曝露させる工程;
(g)固定化フィールドに結合しないブロック済み選抜用ライブラリーの配列を保持する工程;
(h)保持されたブロック済み選抜用ライブラリーの配列をPCR増幅に供する工程;
(i)工程(a)〜(h)を繰り返して所望の選抜レベルを達成する工程。
一実施形態において、ブロック済み選抜用ライブラリーは、上記で説明される工程(b)の最初の曝露より前に、カウンターセレクション用の標的アナライトまたはアナライトの複合体と共にインキュベートされる。
一実施形態において、標的アナライトおよび/またはカウンターセレクション用標的アナライトは、代謝産物、毒素、タンパク質、ペプチド、細胞壁もしくは細胞膜の構成要素、生きている組織もしくは死んだ組織および/またはこれらの個々の要素のうちのいずれかの間のペアとしての、あるいはより多数の組み合わせでの、複合体である。
一実施形態において、標的アナライトおよび/またはカウンターセレクション用標的アナライトは、既知または未知のいずれかであるが、既存の複合混合物中に存在する。
一実施形態において、標的アナライトは、既知または未知のいずれかであるが、既存の複合混合物中に存在し、既存の複合混合物は、カウンターセレクション用標的アナライトとして使用される。
一実施形態において、標的アナライトは、分子間で形成された複合体である。
別の実施形態では、標的アナライトは、分子間で形成された複合体であってよい。
一実施形態において、この方法において有用なオリゴヌクレオチドは、天然のDNAヌクレオチド、天然のRNAヌクレオチド、修飾されたDNAヌクレオチドまたは修飾されたRNAヌクレオチドだけで構成される。
別の実施形態では、この方法において有用なオリゴヌクレオチドは、天然のDNAヌクレオチド、天然のRNAヌクレオチド、修飾されたDNAヌクレオチドおよび/または修飾されたRNAヌクレオチドのうちのいずれか1つの組み合わせである。
一実施形態において、固定化フィールドのオリゴヌクレオチドは、天然のDNAヌクレオチド、天然のRNAヌクレオチド、修飾されたDNAヌクレオチドまたは修飾されたRNAヌクレオチドだけで構成される。
別の実施形態では、この方法において有用な固定化フィールドのオリゴヌクレオチドは、天然のDNAヌクレオチド、天然のRNAヌクレオチド、修飾されたDNAヌクレオチドおよび/または修飾されたRNAヌクレオチドのうちのいずれか1つの組み合わせである。
一実施形態において、選抜用ライブラリーのオリゴヌクレオチドは、天然のDNAヌクレオチド、天然のRNAヌクレオチド、修飾されたDNAヌクレオチドまたは修飾されたRNAヌクレオチドだけで構成される。
別の実施形態では、この方法において有用な選抜用ライブラリーのオリゴヌクレオチドは、天然のDNAヌクレオチド、天然のRNAヌクレオチド、修飾されたDNAヌクレオチドおよび/または修飾されたRNAヌクレオチドのうちのいずれか1つの組み合わせである。
一実施形態において、この方法において有用なブロッカーオリゴヌクレオチドは、天然のDNAヌクレオチド、天然のRNAヌクレオチド、修飾されたDNAヌクレオチドまたは修飾されたRNAヌクレオチドだけで構成される。
別の実施形態では、この方法において有用なブロッカーオリゴヌクレオチドは、天然のDNAヌクレオチド、天然のRNAヌクレオチド、修飾されたDNAヌクレオチドおよび/または修飾されたRNAヌクレオチドのうちのいずれか1つの組み合わせである。
一実施形態において、固定化フィールド内のオリゴヌクレオチドは、8ヌクレオチドの長さを有する。
好ましい実施形態では、固定化フィールド内のオリゴヌクレオチドは、選抜の厳密性を高めるために後の選抜ラウンドにおける後の段階で9または10ヌクレオチドにさらに延長される。
一実施形態において、選抜の厳密性は、2つのポジティブ選抜を適用することによって高められる。
発明の詳細な説明
本明細書で使用される場合、数字の前の「約」なる用語は、前記数字の値の±10%を意味する。
本発明は、以下の構成要素で構成される。
1.固定化フィールド:これは、表面上に固定されたランダムなアンチセンスオリゴヌクレオチドで構成される。アンチセンスオリゴヌクレオチドの長さは変動してよく、さらには、異なる長さが混ざり合ったもので構成されてもよい。固定化フィールドのランダム性は、本発明の一実施形態を表す。そのようなフィールドに結合する能力を有する配列が十分に分かっていればフィールドのランダム性を減少させることができるということが考えられる。
2.選抜用ライブラリー:これは、SELEXの選抜ストラテジーの文献全体に記載されるものと概して類似している。好ましい実施形態は、可変長の未知のランダム領域を挟む2つの既知のプライマー認識配列からなる。
プライマー認識配列の長さは、それらの配列の機能であり、従って、それらのアニーリング温度である。好ましい実施形態は、60℃よりも高く72℃よりも低いアニーリング温度を有するプライマー認識配列である。プライマー認識配列の設計において、従ってプライマーの設計において、配列間のアニーリング、配列内の領域の折り返し、または同じ配列自体のアニーリングの可能性を最小化するように注意すべきである。
好ましい実施形態は、約10〜40ヌクレオチド(好ましくは約12〜30ヌクレオチド、より好ましくは約18〜26ヌクレオチド、すなわち、約18、19、20、21、22、23、24、25または26ヌクレオチド)のプライマー認識配列である。
選抜用ライブラリーの可変領域の長さは、本発明の実施にとって重要ではない。好ましい実施形態は、10〜100ヌクレオチド(好ましくは約20〜60ヌクレオチド、より好ましくは約40ヌクレオチド)のランダム領域である。
これよりも短いランダム領域が使用されてもよいが、それらの二次構造または三次構造を形成する能力が制限される可能性があり、従って、それらの標的分子に結合する能力が制限される可能性がある。
これよりも長いランダム領域も使用されてよいが、合成のコストの面で困難が生じる可能性がある。
また、可変領域のランダム性も、本発明を制限するものではない。所与の標的に結合する配列または配列の性質に関するいくらかの知見があれば、スパイクされた配列の選抜用ライブラリー(Spiked sequence selection libraries)は、完全にランダムなライブラリーと同様に、またはそれよりも良好に、機能する可能性がある。
3.ブロッカー:これらは、選抜用ライブラリー上の既知のプライマー領域にアニールするように作製されたアンチセンス要素である。好ましい実施形態は、ブロッカー配列がランダム領域に結合する可能性を避けるためにブロッカー配列がプライマー認識配列と少なくとも70%(好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは100%)の相同性を有するということである。それらは、本発明の実施のために、必ずしも完全な相同性を有する必要があるわけではなく、さらには、必ずしも既知のプライマー配列全体に結合する必要があるわけではない。
4.標的:これは、代謝産物、毒素、タンパク質、ペプチド、細胞壁もしくは細胞膜の構成要素、生きている組織もしくは死んだ組織および/またはこれらの個々の要素のうちのいずれかの間のペアとしての、あるいはより多数の組み合わせでの、複合体を含む、任意の分子標的である。
5.アンチセンスライブラリー:これは、最初の選抜ラウンドの後に作製され、選抜のための後続のラウンドでも使用される。これは、本発明の実施に必須のものではない。アンチセンスライブラリーは、本発明に実質的に影響を及ぼすことなく、増幅後に、および選抜前に、ライブラリーから完全に除かれ得る。
固定化フィールドは、表面へのオリゴヌクレオチドの付着に使用するのに適した化学的部分を有するオリゴヌクレオチドを合成することによって調製される。
そのような化学的部分は、固定されるオリゴヌクレオチドの5’末端または3’末端のいずれかにおけるジスルフィド、チオール、アミン、メタクリル、ジゴキシゲニン、ビオチン、I−リンカー、アデニルまたはヘキシニル基を包含し得るが、これらに限定されない。
本発明を可能にするために使用される表面は、金、デキストラン、ストレプトアビジンまたは他の官能基の表面を包含し得るが、これらに限定されない。
本発明の一実施形態は、天然のDNAヌクレオチド、天然のRNAヌクレオチド、修飾されたDNAヌクレオチドおよび/または修飾されたRNAヌクレオチドだけで構成されるかそれらのうちのいずれか1つの組み合わせであるオリゴヌクレオチドの使用である。
本発明の1つの実施可能な形態は、各オリゴヌクレオチドの5’末端上のジスルフィド基との相互作用を介して金表面上に固定される、約6〜12ヌクレオチド(好ましくは約8ヌクレオチド)の長さを有するオリゴヌクレオチドの使用である。固定化フィールドにおける使用のために適切なオリゴヌクレオチドの長さを選択する際に、いくつかの検討事項が考慮されるべきである。
一つの検討事項は、固定されたオリゴヌクレオチドにおける可能な配列の数が、使用される表面領域内に固定できる配列の量よりも多い場合の、固定化フィールドにおけるバイアスの可能性である。任意の所与のオリゴヌクレオチドの長さの可能な配列の数は、式:4(4のL乗)で与えられ、ここでLは、配列中のヌクレオチドの数に相当する。8という配列の長さは、合計で65,536個の配列に相当する。これは、1cm未満の表面領域上に固定される場合に各配列が複数回提示されることを保証するであろう量である。
固定化フィールド内に固定されているオリゴヌクレオチドの長さについての別の検討事項は、そのような配列と選抜用ライブラリーのランダム領域との結合強度である。オリゴヌクレオチドの長さは、選抜プロセスが起こる温度においてそれらが相同配列に結合することが可能であるように十分な長さであるべきである。全体がAまたはTで構成される8ヌクレオチドの配列は、19.8℃という、その相同配列についての予測融解温度を有する。これは、最も弱い結合配列の1つを表すが、それでも、かなりの割合のそのような配列が、20℃という室温でアニールするであろう。
固定化フィールド内に固定されているオリゴヌクレオチドの長さについての別の検討事項は、選抜用ライブラリーのランダム領域内におけるそのような配列の結合親和性が、アプタマーの予想される標的の結合親和性よりも強くない(すなわち、より低いkD値を有する)ということである。大抵の場合、アプタマーに対する標的の潜在的結合親和性は、選抜プロセス前には正確に分かっていないが、予想される範囲を規定することができる。全体がCまたはGで構成される8ヌクレオチドの配列は、53.2℃という、その相同配列についての予測融解温度を有する。明らかに、この配列は、遥かに低い融解温度を有するであろうAまたはTが豊富な配列よりも強固に相同配列に結合するであろう。
最後の2つの検討事項の概要は、固定化フィールド内に固定されているオリゴヌクレオチドの長さが、少なくとも室温で相同配列に結合できる配列を表すべきである、および選抜が効果的に進行するのに必要とされるよりも強固に結合する配列の包含を最小化すべきであるということである。約6〜12ヌクレオチド(好ましくは約8ヌクレオチド)の長さを有するオリゴヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドライブラリーが本発明の好ましい実施可能な形態として役立つであろうということが示唆される。
選抜プロセスを通じて厳密性を高める1つの手段は、固定化フィールドでオリゴヌクレオチドを徐々に長くして用いることであろうということを発明者らは企図する。従って、一実施形態において、約6〜12ヌクレオチド(好ましくは約8ヌクレオチド)の長さを有するオリゴヌクレオチドを用いて初期の選抜ラウンドが実施される一方で、初期のラウンドのものよりも長いオリゴヌクレオチド(すなわち、約8、9、10、11、12ヌクレオチド、好ましくは約9または10ヌクレオチド、の長さを有するオリゴヌクレオチド)を用いてその後のラウンドが実施される。
選抜用ライブラリーは、天然または合成のオリゴヌクレオチドで構成される。
一実施形態において、これらのオリゴヌクレオチドは、天然のDNAヌクレオチド、天然のRNAヌクレオチド、修飾されたDNAヌクレオチドおよび修飾されたRNAヌクレオチドのうちのいずれか1つだけで構成されるか、その組み合わせである。
一実施形態において、これらのオリゴヌクレオチドは、任意の長さのランダム領域を含んでよい。
本発明の1つの実施可能な形態には、10〜100ヌクレオチドの長さ(好ましくは約20〜60ヌクレオチドの長さ、より好ましくは約40ヌクレオチドの長さ)のランダム領域が包含される。
本発明の実施可能な形態として使用されるブロッカーは、プライマー認識配列と少なくとも70%の、好ましくは少なくとも80%の、より好ましくは少なくとも90%の、さらにより好ましくは100%の(すなわち、完全な)、相同性を有する。しかし、完全な相同性は、本発明の実施可能な形態としては必要とされない可能性があるが、プライマー認識配列が選抜プロセスに影響を及ぼす可能性を効果的に阻止するためには望ましいと思われる。
ブロッカーの目的は、選抜用ライブラリー内のプライマー認識部位が折り返すことおよびランダム領域と相互作用することの両方を防止することである。ブロッカーの目的はまた、固定化フィールドがプライマー認識部位に結合するのを防止することでもある。実際に、ブロッカーの使用は、選抜プロセスを選抜用ライブラリーのランダム領域に集中させる。
ランダムライブラリーおよびブロッカーの模式図については図1を参照のこと。
標的は、溶液中に溶解させるか効果的に懸濁させることができる任意のものであってよい。本発明の目的に関して、標的(複数可)の概念は、所定の分子実体に限定されない。標的(複数可)は、選抜前に未知であってよい。この場合、その標的(複数可)は、既存の複合混合物中に存在する。
本発明によって可能となる概念は、厳密性を高めるためにいくつかの標的を使用すること(すなわち、後続の選抜ラウンドにおいて少なくとも2種、3種、4種、5種または6種以上の異なる標的を使用すること)である。
本発明によって可能となる別の概念は、全て同じ表現型を示している個体に由来するサンプルからの複合混合物の使用である。複合混合物は、血清、脳脊髄液、尿、汗、唾液、月経液、糞便懸濁液、細胞ライセート懸濁液、植物の師部液および地下水を包含するが、これらに限定されない。一例は、II型糖尿病と診断された個体からの血清である。この場合、標的アナライトの数は、定量化できず、従って制限されない。
本発明は、標的アナライトについてのアプタマーとの特異性について選抜する手段としてのカウンターセレクションの使用を可能にし、支持する。そのため、使用されるカウンターセレクション用標的アナライトの範囲は、使用される標的アナライトの範囲と同程度の広さである。
カウンターセレクションは、オリゴヌクレオチドが、カウンターセレクション用標的アナライトに結合するそれらの能力に基づいて、選抜されたライブラリーから除去されるプロセスである。標的が決まっている場合、カウンターセレクション用標的アナライトは一般に、実際の標的アナライトに類似するが測定の対象とはならない標的アナライトである分子またはタンパク質である。
一実施形態において、カウンターセレクションのために、いくつかのカウンターセレクション用標的アナライト(すなわち、少なくとも2種、3種、4種、5種または6種以上のカウンターセレクション用標的アナライト)が用いられる。
複合混合物において、カウンターセレクション用標的アナライトは一般に、複合混合物間で共有されるであろう要素(健康な個体からの血清と特定の病状を示した個体からの血清との間で共有される要素など)である。この場合、カウンターセレクション用標的アナライトの数は、定量化できず、従って制限されない。
本発明の第5の構成要素は、アンチセンスライブラリーである。それは、最初の選抜ラウンドの後の選抜用ライブラリーのPCR増幅によって合成される。本発明の実施可能な形態において、アンチセンスライブラリーは、選抜プロセスから除去されなかった。PCR増幅の後に二本鎖の選抜用ライブラリーは変性させられ、その後、氷中で急速に冷却された。これは、アニーリングおよびその後の二本鎖形成よりも、一方の鎖の折り畳み構造の形成を優先する。
アンチセンスライブラリーの保持についての別の検討事項は、プライマー認識部位が選抜プロセスに干渉するのを阻止するための別の有効手段としてである。ブロッカーオリゴヌクレオチドは、選抜用ライブラリーおよびアンチセンスライブラリーのプライマー認識部位が全てブロックされるように、選抜用ライブラリーと全ての関連するセンスのアンチセンスライブラリーに添加される。しかし、ライブラリーの複雑性は、数回の選抜ラウンドの後であっても非常に高いままであろう。全てのアンチセンス配列およびセンス配列が有する相同的なプライマー認識配列によってアニーリングが進行するということを考えれば、センス配列のランダム領域がアンチセンスライブラリー中のその完全な相同体を見出す確率は、非常に低い。これは、発明者が公には「dubbles」と説明している現象を引き起こす。dubbleは、両方の末端が二本鎖となっているオリゴヌクレオチドであり、これらの末端は、弱くアニールした、またはアニールしていない、一本鎖の配列によって連結されている。選抜プロセスにおけるアンチセンス配列の保持は、dubblesを生じさせ、そのため、選抜プロセスに干渉するプライマー認識配列からのさらなる保護をもたらすであろう。
選抜プロセスにおいてアンチセンス配列を保持する利点は、これが、より多くの配列(従って、より多くの潜在的リガンド)の参加をもたらすということである。より広い解決余地は、より優れた解決を導く可能性を有する。
本発明は、以下の実施例からさらに理解されるであろう。しかし、本発明の保護の範囲は、これらの実施例に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施可能な形態として使用されるランダムライブラリーおよびブロッカーの模式図である。 図2は、アプタマーchol−4(配列番号6)と24(S)コレステロールについての結合アッセイを示すグラフである。
材料および方法
固定化フィールドの調製
5’末端にジスルフィド基を有する8ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドのランダムライブラリー(固定化フィールド用ライブラリー)を合成することによって固定化フィールドを調製した。このライブラリーを10μMの濃度で1×PBSバッファに溶解させた。9mm四方の寸法を有する金で被覆されたガラススライドの表面を用いた。この表面を、固定化フィールド用ライブラリーを5回連続で10μLずつ滴下することにより処理した。次いで、このスライドを暗所で1時間乾燥させて、金表面上への固定化フィールド用ライブラリーのコンジュゲーションを促進した。
このインキュベーション時間の後、固定化フィールド用ライブラリーは、金表面上にコンジュゲートされたと見なされる。残っている溶液を除去し、表面を室温で乾燥させる。
次いで、残りの表面を、次の式:CHO−(CHCHO)−CHCHSHを有し550ダルトンという平均分子量を有する短いPEG分子でブロックする。このPEG分子を、1×PBSバッファにおいて286μMという濃度で適用し、一晩インキュベートした後、除去する。このプロセスを、室温にて30分間というインキュベーション時間で、第2のブロッキング工程において繰り返す。
チップをブロッキングした後、これを室温で振盪しながら5分間、1×選抜バッファ(10mM HEPES,pH7.4、120mM NaCl、5mM KCl、5mM MgCl)中で洗浄する。これは、固定化フィールドの調製の概要を構成する。
形状選抜フェーズ
約1015個の配列を含む選抜用ライブラリーのアリコートを、50μLという総体積に1×選抜バッファで希釈する。100μLという総体積で、等モル量の各センスブロッカー配列(配列番号1〜2)を選抜用ライブラリーと共にインキュベートした。この溶液を95℃で10分間加熱して、選抜用ライブラリーへのブロッカーの適切なアニーリングを妨げ得る二次構造または三次構造を確実に除去した。次いで、混合物を室温に30分間平衡化させることによって、ブロッカーを選抜用ライブラリーにアニールさせた。
次いで、このブロック済み選抜用ライブラリーを、選抜の「形状選抜フェーズ」のために、5回連続で10μLずつ滴下して固定化フィールドに曝露させる。室温のインキュベーター内でゆっくりと振盪しながらブロック済み選抜用ライブラリーを固定化フィールド上で30分間インキュベートする。この時間の後に上に残っている溶液を取り除いて捨てる。50μLのTEバッファ(10mM Tris,pH8.0、1mM EDTA)を添加してチップを洗浄する。室温で2分間インキュベートした後、バッファを捨てる。任意選択で、この洗浄工程を1回、2回、3回、4回または5回繰り返してもよい。理想的には、この洗浄工程は1回か2回だけ繰り返され、但し3〜5回を超えない。
我々は、TEバッファ中のEDTA成分がマグネシウムイオンをキレート化し、固定化フィールドに結合したオリゴ配列の溶出に役立つということを見出した。
1.5mLのプラスチックチューブ内でチップを1mLの選抜バッファに浸し、95℃に15分間加熱することによって、固定化フィールドに結合していたブロック済み選抜用ライブラリーの配列をチップから回収する。溶液を新しいチューブに移した後、冷却し、このプロセスを、新しいチューブ中で1mLの新しい選抜バッファを添加して繰り返す。この2つの溶出溶液(合計で2mL)を合わせる。最初の選抜ラウンドで選抜されたライブラリーを、溶液を室温に15分間冷却することによってブロッカーと再びアニールさせた後、2mL全てを、製造業者の指示に従ってPCRクリーンアップカラム(Thermo Scientific GeneJET PCR Purification Kit)に通す。精製されたブロック済み選抜用ライブラリーを30μLの水で溶出する。
標的選抜フェーズ
次いで、この精製されたブロック済み選抜用ライブラリーの溶液に、適切な濃度の選抜バッファ中の標的分子を添加して、総体積を50μLにする。この溶液を、5回連続で10μLずつ滴下して固定化フィールドに添加し、室温のインキュベーター内で振盪しながら30分間インキュベートする。これが、各選抜ラウンドの「標的選抜フェーズ」である。
残っている溶液(すなわち、標的分子の存在下で固定化フィールドに結合しなかった、精製されたブロック済み選抜用ライブラリーの配列)をピペットチップで慎重に回収し、新しいチューブに保存する。この溶液を、「形状選抜フェーズ」に関して説明されたようにPCRクリーンアップに供するが、但し、この段階では、30μLの水でPCRクリーンアップカラムから溶出する代わりに、400μLの水でPCRクリーンアップカラムからの溶出を実施した。回収した精製済みライブラリーを2段階のプロセスでPCR増幅に供する。まず、ライブラリーテンプレートのサンプル5μLに対して、異なる回数の連続したPCRサイクルを実施することによって試験的PCR反応を実施する。これらのPCR反応のそれぞれの産物をゲル電気泳動(10%アクリルアミドゲル、臭化エチジウム染色を伴う)によって分析して、増幅に必要な最適サイクル数を決定する。最適とは、PCR産物のコンカテマーの出現を伴わない可能な限り高い収量を意味する。次いで、増幅のために、このPCRサイクル数をライブラリーの5μLのアリコートに適用する。
「形状選抜フェーズ」と「標的選抜フェーズ」の組み合わせは、選抜ラウンドに相当する。しかし、各選抜ラウンドに「形状選抜フェーズ」を含めることは任意選択である。但し、このフェーズを最初のラウンドまたは最初の数回の選抜ラウンドに含めることは、本発明の好ましい実施形態である。
一実施形態において、所望の選抜レベルを達成するために、必要なだけ多くの選抜ラウンドが実施される。
好ましい実施形態では、約1〜20回(好ましくは約3〜15回、より好ましくは約6〜12回)の選抜ラウンドが実施される。
一実施形態において、選抜の厳密性を高めるために、複数のポジティブ選抜が実施され、すなわち、いくつかの異なる標的アナライトが後のラウンドで使用される。
好ましい実施形態では、選抜の厳密性を高めるために、2つのポジティブ選抜が実施され、すなわち、2つの異なる標的アナライトが後のラウンドで使用される。
上記の実施形態によれば、2種以上の標的アナライトは、選抜ラウンドごとに交互に、あるいは数ラウンドの後に(すなわち、約2回、3回、4回、5回、6回または7回以上の選抜ラウンドごとに)交互に、標的選抜フェーズ中に使用され得る。
カウンターセレクションは、実施される場合、「形状選抜フェーズ」にカウンターセレクション用の標的(複数可)を含めることによって実施される。この方法では、固定化フィールドに結合するがカウンターセレクション用の作用物質(複数可)に結合しているために固定化フィールドに結合しない形状を有する可能性のある配列が、選抜される。
好ましい実施形態では、カウンターセレクション工程は、「形状選抜フェーズ」中に、ブロック済み選抜用ライブラリーを固定化フィールドに曝露させる前に実施される。
実施例1:24(S)コレステロール
分子24(S)コレステロール(CAS番号474−73−7)に結合するアプタマーの選抜に本発明による方法を適用した。
完全にランダムな選抜用ライブラリーを用いて、10回の選抜ラウンドで選抜を実施した。選抜用ライブラリーのオリゴヌクレオチド(約10個のオリゴ)は、40ヌクレオチドのランダム領域を含んだ。カウンターセレクションは実施しなかった。選抜が成功したことの1つの指標は、特定の配列のコピー数が選抜ラウンドの回数とともに増加することの観測である。合計で6,559,573個の配列を分析した。コピー数に関して上位20個の配列を以下の表1に列挙する。これらは、本明細書では配列番号3〜23と呼称される。
Figure 2018526030
配列は、5’から3’の方向でランダム領域のみが列挙されている。
金ナノ粒子(GNP)結合アッセイを用いて、特定された配列(配列番号3〜23、表1)を結合について試験した。このプロトコルは、GNPの凝集を用いて、アプタマーと標的との間の結合事象のシグナルの増幅を生じさせる。裸のGNPは、塩の存在下で凝集する。アプタマーで被覆されているGNPは凝集しない。GNPが結合する標的の存在は、GNPの表面に付着するというDNAの能力を調節することになる。この調節は、凝集するGNPの割合の量的差異を介して検出される。
12.5ピコモルのアプタマーを金ナノ粒子および標的としての様々な濃度の24(S)コレステロールと共にインキュベートして、候補アプタマーを試験した。520nmおよび620nmにおいて吸光度を測定した。次いで、4MのNaClを混合物に添加して凝集を刺激した。これらを一晩インキュベートし、520nmと620nmの吸光度を再び測定した。
最初(すなわち、塩の添加前)と最後(すなわち、一晩のインキュベーションの後)の両方の520/620の比を決定し、最初の520/620の比から最後の520/620の比を差し引いた。増加する濃度の24(S)コレステロールに結合するアプタマーchol−4(配列番号6)について得られた結果が図2でプロットされている。
以下の式を用いてアプタマーと24(S)コレステロールとの間の解離係数を決定した:
([A]+[T]+k)−(([A]+[T]+k−4[A][T])1/2/2[T]。
ここで、[A]と[T]は最初のアプタマーと標的の濃度を表し、kは解離係数に等しい。

Claims (11)

  1. 以下の工程を含む、アプタマーの選抜のための方法:
    (a)2つのプライマー認識部位に挟まれたランダム領域を含むオリゴヌクレオチドのライブラリー(選抜用ライブラリー)を、前記プライマー認識部位にアニールするブロッカーオリゴヌクレオチド(ブロッカー)と混合して、ブロック済み選抜用ライブラリーを得る工程;
    (b)前記ブロック済み選抜用ライブラリーを、固定されたオリゴヌクレオチドを含む固定化フィールドに曝露させる工程;
    (c)前記固定化フィールドに結合していない配列を前記ブロック済み選抜用ライブラリーから除去する工程;
    (d)前記固定化フィールドに結合していたブロック済み選抜用ライブラリーを回収する工程;
    (e)これらの回収されたブロック済み選抜用ライブラリーの配列を標的アナライトと混合してインキュベートする工程;
    (f)工程(e)の混合物を、工程(b)のように固定化フィールドに曝露させる工程;
    (g)前記固定化フィールドに結合しないブロック済み選抜用ライブラリーの配列を保持する工程;
    (h)保持されたブロック済み選抜用ライブラリーの配列をPCR増幅に供する工程;
    (i)工程(a)〜(h)を繰り返して所望の選抜レベルを達成する工程。
  2. 前記ブロック済み選抜用ライブラリーが、工程(b)の最初の曝露より前に、カウンターセレクション用の標的アナライトまたはアナライトの複合体と共にインキュベートされる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記標的アナライトが、代謝産物、毒素、タンパク質、ペプチド、細胞壁もしくは細胞膜の構成要素、生きている組織もしくは死んだ組織および/またはこれらの個々の要素のうちのいずれかの間のペアとしての、あるいはより多数の組み合わせでの、複合体である、請求項1または2のいずれか1項に記載の方法。
  4. 前記標的アナライトは、既知または未知のいずれかであるが、既存の複合混合物中に存在する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記標的アナライトは、既知または未知のいずれかであるが、既存の複合混合物中に存在し、ここで既存の複合混合物は、カウンターセレクション用標的アナライトとして使用される、請求項2に記載の方法。
  6. 前記標的アナライトが、分子間で形成された複合体である、請求項1または2のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記標的アナライトが、分子間で形成された複合体であってよい、請求項4または5のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記オリゴヌクレオチドが、天然のDNAヌクレオチド、天然のRNAヌクレオチド、修飾されたDNAヌクレオチドおよび修飾されたRNAヌクレオチドのうちのいずれか1つだけで構成されるか、またはその組み合わせである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記固定化フィールド内のオリゴヌクレオチドが、8ヌクレオチドの長さを有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記固定化フィールド内のオリゴヌクレオチドが、選抜の厳密性を高めるために後の選抜ラウンドにおける後の段階で9または10ヌクレオチドにさらに延長される、請求項9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 選抜の厳密性が、2つのポジティブ選抜を適用することによって高められる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
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