JP2018525414A - 癌を処置するための方法 - Google Patents

癌を処置するための方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018525414A
JP2018525414A JP2018510124A JP2018510124A JP2018525414A JP 2018525414 A JP2018525414 A JP 2018525414A JP 2018510124 A JP2018510124 A JP 2018510124A JP 2018510124 A JP2018510124 A JP 2018510124A JP 2018525414 A JP2018525414 A JP 2018525414A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tumor
subject
compound
acid
cancer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018510124A
Other languages
English (en)
Inventor
キールハック ハイク
キールハック ハイク
ケー. ナットソン サラ
ケー. ナットソン サラ
Original Assignee
エピザイム,インコーポレイティド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エピザイム,インコーポレイティド filed Critical エピザイム,インコーポレイティド
Publication of JP2018525414A publication Critical patent/JP2018525414A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/535Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with at least one nitrogen and one oxygen as the ring hetero atoms, e.g. 1,2-oxazines
    • A61K31/53751,4-Oxazines, e.g. morpholine
    • A61K31/53771,4-Oxazines, e.g. morpholine not condensed and containing further heterocyclic rings, e.g. timolol
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/435Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom
    • A61K31/44Non condensed pyridines; Hydrogenated derivatives thereof
    • A61K31/4412Non condensed pyridines; Hydrogenated derivatives thereof having oxo groups directly attached to the heterocyclic ring
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/435Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom
    • A61K31/44Non condensed pyridines; Hydrogenated derivatives thereof
    • A61K31/445Non condensed piperidines, e.g. piperocaine
    • A61K31/4523Non condensed piperidines, e.g. piperocaine containing further heterocyclic ring systems
    • A61K31/4545Non condensed piperidines, e.g. piperocaine containing further heterocyclic ring systems containing a six-membered ring with nitrogen as a ring hetero atom, e.g. pipamperone, anabasine
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0012Galenical forms characterised by the site of application
    • A61K9/0053Mouth and digestive tract, i.e. intraoral and peroral administration
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents

Abstract

本開示は、ヒトヒストンメチルトランスフェラーゼEZH2の阻害剤を含む医薬組成物、およびEZH2阻害剤を用いた癌治療の方法に関する。

Description

関連出願
本出願は、その全ての参照により全開示内容が本明細書に組み入れられる、2015年8月24日出願の米国仮特許出願第62/209,304号明細書の利益および優先権を主張するものである。
ヒストンメチルトランスフェラーゼであるEZH2は、様々な種類の癌に関連している。具体的には、EZH2の突然変異および/または過剰活性が、リンパ腫、白血病、および乳癌などの一連の癌に見出されている。抗癌処置に使用するためのEZH2阻害剤として新規薬剤の必要性が依然として存在する。
一態様では、本開示は、INI1陰性腫瘍を処置または予防するための方法に関する。この方法は、治療有効量のEZH2阻害剤を、それを必要とする被検体に投与するステップを含む。
この方法は、1つ以上の以下の特徴を含み得る。
一実施形態では、INI1陰性腫瘍は、腎臓のラブドイド腫瘍(RTK)である。
一実施形態では、INI1陰性腫瘍は、非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍(ATRT)である。
一実施形態では、INI1陰性腫瘍は、類上皮悪性末梢神経鞘腫瘍である。
一実施形態では、INI1陰性腫瘍は筋上皮癌である。
一実施形態では、INI1陰性腫瘍は腎髄質癌である。
一実施形態では、EZH2阻害剤が経口投与される。
一実施形態では、被検体はヒトである。
一実施形態では、被検体は18歳未満である。
一実施形態では、EZH2阻害剤は、以下の式を有する化合物(A)
Figure 2018525414

またはその薬学的に許容される塩である。
本明細書で使用される表現「化合物(A)」、「tazemetostat」、「EPZ−6438」、および「EPZ−6438」は全て、同じ化合物(A)を指し、互換的に使用することができる。
一実施形態では、EZH2阻害剤は、約100mg〜約3200mgの用量で毎日被検体に投与される。
一実施形態では、EZH2阻害剤は、約100mg BID〜約1600mg BIDの用量で被検体に投与される。
一実施形態では、EZH2阻害剤は、約100mg BID、約200mg BID、約400mg BID、約800mg BID、または約1600mg BIDの用量で被検体に投与される。
一実施形態では、EZH2阻害剤は、800mg BIDの用量で被検体に投与される。
一実施形態では、EZH2阻害剤は、
Figure 2018525414

およびこれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される。
一実施形態では、EZH2阻害剤は、
Figure 2018525414

またはこの薬学的に許容される塩である。
本開示の実施または試験において、本明細書に記載されたものと類似または同等の方法および材料を使用してもよいが、好適な方法および材料を下記に記載する。本明細書に記載した刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は全て援用する。本明細書に引用する参考文献は、特許請求の範囲に記載されている開示に対する従来技術と認めるものではない。矛盾がある場合、定義を含む本明細書が優先する。さらに、材料、方法、および例は、単に例示のためのものであり、限定的であることを意図するものではない。
任意の上記の態様および実施形態を、任意の他の態様または実施形態と組み合わせることができる。
本開示の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および請求項から明らかになるであろう。
ヒストンメチルトランスフェラーゼ(HMT)は、遺伝子発現の調節において非常に重要な役割を果たす。特に、HMTは、細胞分裂および細胞分化の調節に関与する。HMTは、特定の遺伝子に関連したヒストンのメチル化を媒介する。メチル化されたアミノ酸残基によって、メチル化事象は、関連する遺伝子のサイレンシング事象または活性化事象を示唆し得る。サイレンシングマークの例には、H3K27のトリメチル化が含まれるが;H3K4のトリメチル化は、遺伝子活性化シグナルを生じさせる。多数の細胞周期チェックポイント調節因子および腫瘍抑制遺伝子が、「両方の修飾が入った(bivalent)」状態で存在し、これらは、活性化ヒストン修飾(たとえば、H3K27me3)および抑制ヒストン修飾(たとえば、H3K4me3)の両方を含む。両方の修飾が入った状態の遺伝子は、外部因子によって活性化または抑制を受ける状態である。EZH2は、CDKN1、PRDM1、およびIRF4を含む、B細胞の分化および成熟に関与する両方の修飾が入った状態の遺伝子を調節する。
EZH2はヒストンメチルトランスフェラーゼであり、ヒストンH3上のリジン27(H3−K27)のモノメチル化からトリメチル化を触媒するPRC2複合体の触媒サブユニットである。ヒストンH3−K27トリメチル化は、ヒストン修飾部位の近位にある特定遺伝子の転写を抑制する機序である。このトリメチル化は、前立腺癌などの癌における発現変化を示す癌マーカーであることが知られている(たとえば、米国特許出願公開第2003/0175736号明細書を参照されたい:その内容全体を、参照により本明細書に援用する)。他の研究から、EZH2発現の調節異常、転写抑制、および悪性形質転換の間の機能的な連結を示す証拠が提供された。Varambally et al.(2002)Nature 419(6907):624−9 Kleer et al.(2003)Proc Natl Acad Sci USA 100(20):11606−11。
EZH2メチル化活性は、胚中心B細胞の調節および活性化に重要な役割を果たす。EZH2タンパク質レベルは、B細胞の活性化に伴って増大する。活性化後、B細胞はリンパ器官の胚中心に滞留し、そこで、抗アポトーシス遺伝子およびチェックポイント調節因子の抑制に関連した過程である体細胞高頻度変異が生じる。EZH2メチル化事象は、CDKN1A(細胞増殖に役割)、PRDM1(B細胞分化に役割)、およびIRF4(B細胞分化に役割)を含む、B細胞の増殖、分化、および成熟に関与する遺伝子を標的にする。
EZH2遺伝子内の遺伝子変化は、ヒストンメチル化パターンの変化に関連する。たとえば、EZH2における特定の点突然変異は、DLBCLにおけるH3K4のメチル化の変化に関連し;さらに、染色体の転座および融合、SSX:SS18は、滑膜肉腫におけるH3K27メチル化の変化に関連している。H3K27のメチル化に影響を及ぼすさらなる遺伝的変化としては、EZH2 SETドメイン突然変異、EZH2の過剰発現、他のPRC2サブユニットの過剰発現、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)の機能突然変異の損失、およびMLL2機能の損失が挙げられる。EZH2 Y646突然変異についてヘテロ接合性である細胞は、EZH2タンパク質についてホモ接合性の野生型(WT)である細胞、またはY646突然変異についてホモ接合性である細胞に比較して、H3K27の過剰トリメチル化が生じている。
EPZ−6438(化合物(A))は、H3K27をメチル化するポリコーム抑制複合体2(polycomb repressive complex 2)の触媒サブユニットであるEZH2の小分子阻害剤である。H3K27(H3K27Me3)の過剰なトリメチル化は、変異EZH2を有する非ホジキンリンパ腫(NHL)のサブセットを含む、様々な悪性腫瘍における腫瘍化のようである。H3K27Me3のEPZ−6438での阻害により、EZH2変異リンパ腫細胞が死滅し、そして他のEZH2阻害剤が、変異体およびWT EZH2 NHLのモデルにおける活性を示す。加えて、SWI−SNFクロマチン再構築複合体のサブユニットであるINI1が欠失した腫瘍は、EZH2に依存して出現した。EPZ−6438は、in vitroでのINI1欠失悪性ラブドイド腫瘍(MRT)モデルおよびMRT異種移植片を有するマウスにアポトーシスおよび分化を誘導することが示された。
本開示は、Zeste Homolog2阻害剤のエンハンサー(EZH2)が、癌、たとえば、異常なH3−K27メチル化によって特徴付けられる癌を効果的に処置できるという発見に少なくともある程度基づいている。
本開示の一態様は、INI1陰性腫瘍を処置または防止する方法に関する。この方法は、治療有効量のEZH2阻害剤を、それを必要とする被検体に投与するステップを含む。別の態様は、INI1陰性腫瘍を処置する方法に関する。別の態様では、本開示は、治療有効量のEZH2阻害剤を、それを必要とする被検体に投与するステップを含む、INI1陰性腫瘍を処置する方法に関し、このINI1陰性腫瘍は、腎臓のラブドイド腫瘍(RTK)、非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍(ATRT)、類上皮悪性末梢神経鞘腫瘍、筋上皮癌、および腎髄質癌から選択される。
本開示の別の態様は、腎臓のラブドイド腫瘍(RTK)を処置または防止する方法に関する。別の態様では、本開示は、非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍(ATRT)を処置または防止する方法に関する。
本開示の別の態様は、類上皮悪性末梢神経鞘腫瘍を処置または防止する方法に関する。別の態様では、本開示は、筋上皮癌を処置または防止する方法に関する。本開示の別の態様は、腎髄質癌を処置または防止する方法に関する。
一実施形態では、EZH2阻害剤が経口投与される。
一実施形態では、被検体はヒトである。
一実施形態では、被検体は18歳未満である。特定の実施形態では、本明細書に記載される任意の方法では、被検体は、18歳以上の成人患者である。
特定の実施形態では、本明細書に記載される任意の方法では、被検体は、生後12カ月以下(たとえば、生後3〜12カ月)の小児患者である。
特定の実施形態では、本明細書に記載される任意の方法では、被検体は、生後12カ月を超えるが、18歳未満の被検体である。
本明細書に記載される任意の方法では、被検体は、生後3カ月〜18歳の小児(非成人)患者であり得る。
上記の態様または実施形態のいずれにおいても、本開示は、皮膚生検におけるヒストンメチル化、たとえば、H3K27トリメチル化のレベルを検出する方法にも関する。ヒストンメチル化は、処置の開始前、被検体が処置を受けている間、および/または処置が終了した後に検出される。
一実施形態では、本明細書に開示の方法に適した化合物は、EPZ−6438(タゼメトスタット):
Figure 2018525414

またはその薬学的に許容される塩である。
本明細書に記載のEPZ−6438またはその薬学的に許容される塩は、野生型および突然変異型EZH2の両方を標的にする能力がある。EPZ−6438は、経口で生物利用可能であり、他のヒストンメチルトランスフェラーゼと比較して高いEZH2選択性を有する(すなわち、Kiに基づく20,000倍超の選択性)。重要なことには、EPZ−6438は、in vitroにおいて、遺伝学的に定義された癌細胞を死滅させる標的メチルマーク阻害を有する。また動物モデルでは、標的メチルマークの阻害に続く持続的なin vivo効力が示された。さらに本明細書に記載の臨床試験結果から、EPZ−6438の安全性および効力が示された。
一実施形態では、EPZ−6438またはその薬学的に許容される塩は、NHLを処置するために、1日約100mg〜約3200mgの用量、たとえば、約100mg BID〜約1600mg BID(たとえば、100mg BID、200mg BID、400mg BID、800mg BID、または1600mg BID)の用量で被検体に投与される。一実施形態では、用量は800mg BIDである。
いくつかの実施形態では、本明細書に示す任意の方法で使用することができる化合物(たとえば、EZH2阻害剤)は、
Figure 2018525414

またはその立体異性体もしくはその薬学的に許容される塩および溶媒和物である。
ある種の実施形態では、本明細書に示す任意の方法で使用することができる化合物は、化合物F:
Figure 2018525414

またはその薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態では、本明細書で示す任意の方法で使用することができる化合物(たとえば、EZH2阻害剤)は、下記式:
Figure 2018525414

を有するGSK−126、その立体異性体、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である。
ある種の実施形態では、本明細書で示す任意の方法で使用することができる化合物は、化合物G:
Figure 2018525414

あるいはその立体異性体またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である。
ある種の実施形態では、本明細書で示す任意の方法で使用することができる化合物(たとえば、EZH2阻害剤)は、化合物Ga〜Gc:
Figure 2018525414

のいずれか、またはその立体異性体またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である。
ある種の実施形態では、本明細書で示す任意の方法で使用することができる化合物(たとえば、EZH2阻害剤)は、CPI−1205またはGSK343である。
さらなる適切なEZH2阻害剤も、当業者には明らかであろう。本明細書で提供される戦略、処置方法、方法、組み合わせ、および組成物の一部の実施形態では、参照によりそれぞれの全開示内容が本明細書に組み入れられる米国特許第8,536,179号明細書(数ある化合物の中で特にGSK−126を説明し、EZH2阻害剤は、国際公開第2011/140324号パンフレットに一致している)に記載されているEZH2阻害剤である。
本明細書で提供される戦略、処置方法、方法、組み合わせ、および組成物の一部の実施形態では、EZH2阻害剤は、参照によりそれぞれの全開示内容が本明細書に組み入れられる、国際公開第2014/124418号パンフレットとして公開された国際出願PCT/US2014/015706号明細書、国際公開第2013/120104号パンフレットとして公開された国際出願PCT/US2013/025639号明細書、および米国特許出願公開第2015/0368229号明細書として公開された米国特許出願第14/839,273明細書に記載されているEZH2阻害剤である。
一実施形態では、本明細書に開示の化合物は、化合物それ自体、すなわち遊離塩基または「裸の」分子である。別の実施形態では、化合物は、その塩、たとえば、裸の分子のモノHCl塩またはトリHCl塩、モノHBr塩またはトリHBr塩である。
窒素を含有する本明細書に開示の化合物は、酸化剤(たとえば、3−クロロペルオキシ安息香酸(mCPBA)および/または過酸化水素)による処理によりN−オキシドに変換して、本明細書に開示の任意の方法に適した他の化合物にすることができる。したがって、提示し特許請求の範囲に記載する窒素含有化合物は全て、原子価および構造により許容される場合、提示の化合物とそのN−オキシド誘導体(N→OまたはN−Oとして示され得る)の両方を含むものと見なされる。さらに、他の例では、本明細書に開示の化合物中の窒素は、N−ヒドロキシ化合物またはN−アルコキシ化合物に変換することができる。たとえば、N−ヒドロキシ化合物は、酸化剤、たとえばm−CPBAによる親アミンの酸化により調製することができる。さらに、提示し特許請求の範囲に記載する窒素含有化合物は全て、原子価および構造により許容される場合、提示の化合物と、そのN−ヒドロキシ(すなわち、N−OH)誘導体およびN−アルコキシ(すなわち、N−OR(式中、Rは置換もしくは非置換C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、3〜14員炭素環または3〜14員複素環である))誘導体との両方を包含すると見なされる。
「異性」とは、化合物が同一の分子式を有するものの、その原子の結合順序またはその原子の空間配置が異なることを意味する。原子の空間配置が異なる異性体は「立体異性体」と呼ばれる。互いに鏡像でない立体異性体は「ジアステレオ異性体」と呼ばれ、互いに重ね合わせることができない鏡像である立体異性体は「エナンチオマー」と呼ばれ、光学異性体と呼ばれることもある。逆のキラリティーの各エナンチオマー形を等量含む混合物は「ラセミ混合物」と呼ばれる。
同一でない4つの置換基に結合した炭素原子は「キラル中心」と呼ばれる。
「キラル異性体」は、少なくとも1つのキラル中心を有する化合物を意味する。2つ以上のキラル中心を有する化合物は、個々のジアステレオマーとして存在することも、あるいは「ジアステレオマー混合物」と呼ばれるジアステレオマーの混合物として存在することも可能である。1つのキラル中心が存在する場合、立体異性体は、そのキラル中心の絶対配置(RまたはS)により特徴付けることができる。絶対配置とは、キラル中心に結合した置換基の空間配置を指す。検討対象のキラル中心に結合した置換基は、Sequence Rule of Cahn,Ingold and Prelogに従いランク付けされる。(Cahn et al.,Angew.Chem.Inter.Edit.1966,5,385;errata 511;Cahn et al.,Angew.Chem.1966,78,413;Cahn and Ingold,J.Chem.Soc.1951(London),612;Cahn et al.,Experientia 1956,12,81;Cahn,J.Chem.Educ.1964,41,116)。
「幾何異性体」は、存在する原因が二重結合またはシクロアルキルリンカー(たとえば、1,3−シルコブチル)の周りの回転障壁であるジアステレオマーを意味する。これらの配置は、接頭辞シスおよびトランス、またはカーン−インゴルド−プレローグ順位則に従い各基が分子の二重結合に関して同じ側または反対側にあることを示すZおよびEにより、その名称で区別される。
本明細書に開示の化合物は、異なるキラル異性体または幾何異性体として図示し得ることが理解されよう。さらに、化合物がキラル異性体形または幾何異性体形を有する場合、全ての異性体形が本開示の範囲に含まれることを意図しており、化合物の名称は任意の異性体形を除外するものではないことも理解されるべきである。
さらに、こうした構造および本開示で考察された他の化合物は、その全てのアトロピック(atropic)異性体を含む。「アトロピック(atropic)異性体」は、2つの異性体の原子が空間で異なって配置されている立体異性体の1種である。アトロピック(atropic)異性体が存在する原因は、中心結合の周りの大きな基の回転障壁により引き起こされる回転の束縛である。こうしたアトロピック(atropic)異性体は典型的には混合物として存在するが、クロマトグラフィー技術の最近の進歩の結果、特定の場合、2つのアトロピック(atropic)異性体の混合物を分離することが可能になっている。
「互変異性体」は、2つ以上の構造異性体が平衡状態で存在し、ある異性体形から別の異性体形に容易に変換される、それらの構造異性体の1つである。この変換の結果、水素原子が、隣接する共役二重結合の変化を伴って形式的に移動する。互変異性体は、溶液中で互変異性体のセットの混合物として存在する。互変異性が可能である溶液においては、互変異性体の化学平衡に達する。互変異性体の正確な比率は、温度、溶媒およびpHを含むいくつかの要因によって異なる。互変異性化により相互変換可能な互変異性体の概念は、互変異性と呼ばれる。
考えられる様々なタイプの互変異性のうち、2つが一般に観察される。ケト−エノール互変異性では、電子および水素原子の同時移動が起こる。環鎖互変異性は、糖鎖分子のアルデヒド基(−CHO)が同じ分子のヒドロキシ基(−OH)の1つと反応して、分子にグルコースに見られるような環式(環状)形態が生じた結果として起こる。
一般的な互変異性のペアとして、ケトン−エノール、アミド−ニトリル、ラクタム−ラクチム、複素環式環における(たとえば、核酸塩基、たとえばグアニン、チミンおよびシトシンにおける)アミド−イミド酸互変異性、イミン−エナミンおよびエナミン−エナミンがある。ケト−エノール平衡の一例として、下記に示すようなピリジン−2(1H)−オンと対応するピリジン−2−オールとの間がある。
Figure 2018525414
本明細書に開示の化合物は、様々な互変異性体として図示し得ることが理解されよう。さらに、化合物が互変異性形を有する場合、全ての互変異性形が本開示の範囲に含まれることを意図しており、化合物の名称は任意の互変異性体形を除外するものではないことも理解されるべきである。
本明細書に開示の化合物は、それ自体だけでなく、該当する場合には、その塩およびその溶媒和物も含む。塩は、たとえば、アニオンとアリールまたはヘテロアリール置換ベンゼン化合物の正電荷を帯びた基(たとえば、アミノ)との間で形成することができる。好適なアニオンとして、クロリド、ブロミド、ヨージド、スルフェート、ビスルフェート、スルファメート、ニトレート、ホスフェート、シトレート、メタンスルホネート、トリフルオロアセテート、グルタメート、グルクロネート、グルタレート、マレート、マレエート、スクシネート、フマレート、タルトレート、トシレート、サリチレート、ラクテート、ナフタレンスルホネート、およびアセテート(たとえば、トリフルオロアセテート)が挙げられる。「薬学的に許容されるアニオン」という用語は、薬学的に許容される塩の形成に好適なアニオンをいう。同様に、塩は、カチオンとアリールまたはヘテロアリール置換ベンゼン化合物の負電荷を帯びた基(たとえば、カルボキシレート)との間でも形成することができる。好適なカチオンとして、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンおよびアンモニウムカチオン、たとえばテトラメチルアンモニウムイオンが挙げられる。アリールまたはヘテロアリール置換ベンゼン化合物は、第四級窒素原子を含む塩をさらに含む。塩形態では、化合物と塩のカチオンまたはアニオンとの比は、1:1であることも、1:1以外の任意の比、たとえば、3:1、2:1、1:2もしくは1:3であることもある。
加えて、本明細書に開示の化合物、たとえば、化合物の塩は、水和もしくは非水和(無水)形態で存在しても、あるいは他の溶媒分子との溶媒和物として存在してもよい。水和物の非限定的な例として、一水和物、二水和物等が挙げられる。溶媒和物の非限定的な例として、エタノール溶媒和物、アセトン溶媒和物等が挙げられる。
「溶媒和物」は、化学量論量あるいは非化学量論量の溶媒を含む溶媒付加形態を意味する。一部の化合物は、結晶性固体状態で一定のモル比の溶媒分子を捕捉する傾向があり、したがって溶媒和物を形成する。溶媒が水の場合、形成される溶媒和物は水和物であり、溶媒がアルコールの場合、形成される溶媒和物はアルコラートである。水和物は1つの物質分子と1つまたは複数の水分子の組み合わせにより形成され、水はその分子状態をHOとして維持する。
本明細書で使用する場合、「アナログ」という用語は、別の化学化合物と構造的に類似しているが、組成がやや異なる(異なる元素の原子による1つの原子の置き換え、または特定の官能基の存在、または別の官能基による1つの官能基の置き換えのように)化学化合物をいう。したがって、アナログは、参照化合物と機能および外観が類似または同様であるが、構造または起源が類似または同様でない化合物である。
本明細書で定義した、「誘導体」という用語は、共通のコア構造を有するが、本明細書に記載するような様々な基で置換されている化合物をいう。たとえば、本明細書に記載される化合物は全て、アリールまたはヘテロアリール置換ベンゼン化合物である。
「生物学的等価体」という用語は、ある原子または原子団と、別の概ね類似した原子または原子団との交換により生じる化合物をいう。生物学的等価性置換の目的は、親化合物に類似した生物学的特性を有する新しい化合物を作ることにある。生物学的等価性置換は、物理化学をベースにしても、あるいは位相幾何学をベースにしてもよい。カルボン酸の生物学的等価体の例として、アシルスルホンイミド、テトラゾール、スルホネートおよびホスホネートがあるが、これに限定されるものではない。たとえば、Patani and LaVoie,Chem.Rev.96,3147−3176,1996を参照されたい。
本開示は、本化合物に存在する原子の同位体を全て含むことを意図している。同位体は、同じ原子番号を有するが、異なる質量数を有する原子を含む。一般的な例として、限定するものではないが、水素の同位体としてトリチウムおよびジュウテリウムがあり、炭素の同位体としてC−13およびC−14がある。
ある種の態様では、「併用療法」はまた、他の生物学的に活性な成分および非薬物療法(たとえば、外科手術または放射線処置)とのさらなる併用における、上記の治療剤の投与も包含する。併用療法が非薬物処置をさらに含む場合、治療剤の併用と非薬物処置との共同作用からの有益な効果が達成される限り、非薬物処置は任意の好適な時期に行うことができる。たとえば、適合する症例では、非薬物処置が治療剤の投与のためおそらく数日間または数週間も一時的に中断される場合でも依然として有益な効果が達成される。
別の態様では、本明細書に開示の組成物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、アナログまたは誘導体は、放射線療法と併用して投与することができる。放射線療法はまた、本明細書に開示の組成物および複数薬剤療法の一部として本明細書に記載の別の化学療法剤と併用して施すことができる。
「医薬組成物」は、被検体への投与に好適な形態で化合物を含む製剤である。本明細書に開示の化合物および本明細書に記載の1つまたは複数の他の治療剤は各々、個々にまたは活性成分の任意の組み合わせで複数の医薬組成物に製剤化することができる。したがって、1つまたは複数の投与経路を各医薬組成物の剤形に基づいて適切に選ぶことができる。あるいは、本明細書に開示の化合物および本明細書に記載の1つまたは複数の他の治療剤は、1つの医薬組成物として製剤化することができる。
一実施形態では、医薬組成物はバルクまたは単位剤形である。単位剤形は、たとえば、カプセル、IVバッグ、錠剤、エアロゾル吸入器の単一ポンプまたはバイアルなど種々の形態のいずれかである。単位用量の組成物における活性成分(たとえば、開示された化合物またはその塩、水和物、溶媒和物または異性体の製剤)の量は有効量であり、関連する個々の処置に応じて変化する。当業者であれば、患者の年齢および状態によって投薬量を日常的に変える必要があることもあることを理解するであろう。投薬量はまた投与経路によって異なる。経口、経肺、直腸、非経口、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、吸入、口腔内、舌下、胸膜内、髄腔内、鼻腔内および同種のものなど種々の経路を意図している。本開示の化合物の局所投与または経皮投与用の剤形として、散剤、スプレー剤、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、溶液剤、パッチ剤および吸入薬が挙げられる。一実施形態では、活性化合物は、滅菌条件下で薬学的に許容されるキャリアと、必要とされる任意の防腐剤、バッファーまたは噴霧剤と混合される。
「薬学的に許容される賦形剤」は、医薬組成物の調製に有用であり、かつ一般に安全で無毒性であり、生物学的にもあるいは他の点でも望ましい賦形剤を意味し、動物用途のほか、ヒトの医薬用途に許容可能な賦形剤を含む。本明細書および特許請求の範囲に使用される「薬学的に許容される賦形剤」は、そうした賦形剤の1種および2種以上の両方を含む。
本明細書に開示の医薬組成物は、その目的の投与経路に適合するように製剤化される。投与経路の例として、非経口投与、たとえば、静脈内投与、皮内投与、皮下投与、経口投与(たとえば、吸入)、経皮投与(局所)、および経粘膜投与が挙げられる。非経口用途、皮内用途または皮下用途に使用される溶液または懸濁液として、以下の成分:無菌希釈液、たとえば食塩水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒;抗菌薬、たとえばベンジルアルコールまたはメチルパラベン;酸化防止剤、たとえばアスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウム;キレート化剤、たとえばエチレンジアミン四酢酸;バッファー、たとえばアセテート、シトレートまたはホスフェート、および張度調整剤、たとえば塩化ナトリウムまたはブドウ糖を挙げることができる。pHは、酸または塩基、たとえば塩酸または水酸化ナトリウムで調整することができる。非経口調製物は、ガラスもしくはプラスチック製のアンプル、ディスポーザブルシリンジまたはマルチドーズバイアルに封入してもよい。
本明細書に開示の組成物は、化学療法処置に現在使用されるよく知られた方法の多くで被検体に投与することができる。たとえば、癌の処置では、本明細書に開示の化合物を腫瘍に直接注射しても、血流中もしくは体腔に注射しても、あるいは経口投与しても、あるいはパッチを用いて経皮適用してもよい。選択される用量は効果的な処置となるのに十分であるが、許容できない副作用を引き起こすほど高くないようにすべきである。病状の状況(たとえば、癌、前癌および同種のもの)および患者の健康については好ましくは、処置中および処置後相当期間、詳細にモニターすべきである。
ある種の実施形態では、併用で使用される各医薬剤の治療有効量は、各薬剤単独による単独療法に比較して併用で使用される場合低くなる。そのように治療有効量が低くなると、治療レジメンの毒性が低くなり得るであろう。
いずれの化合物でも、治療有効量は、たとえば、腫瘍性細胞の細胞培養アッセイ、または動物モデル、通常ラット、マウス、ウサギ、イヌもしくはブタを用いて最初に推定することができる。動物モデルはさらに、適切な濃度範囲および投与経路を判定するのに使用してもよい。次いでこうした情報を使用して、ヒトの投与に有用な用量および経路を判定することができる。治療/予防有効性および毒性は、細胞培養または実験動物を対象とした標準的な薬学的手順、たとえば、ED50(集団の50%で治療効果のある用量)およびLD50(集団の50%致死用量)により判定することができる。毒性効果と治療効果との間の用量比は治療係数であり、LD50/ED50比で表すことができる。好ましいのは、大きな治療係数を示す医薬組成物である。投薬量は、利用する剤形、患者の感受性および投与経路によってこの範囲内で変わってもよい。
投薬量および投与は、十分なレベルの活性剤を与えるか、または所望の効果を維持するように調整される。考慮に入れてもよい因子として、病状の重症度、被検体の一般的な健康状態、被検体の年齢、体重および性別、食事、投与の時間および頻度、薬剤併用、反応感受性、ならびに治療に対する忍容性/反応が挙げられる。長時間作用性医薬組成物は、特定の製剤の半減期およびクリアランス速度によって3〜4日毎、毎週あるいは2週に1回投与してもよい。
本明細書に記載される任意の方法または調合物(たとえば、経口剤形)において、一実施形態では、前記癌は、進行癌、難治性癌、または耐性癌である。本明細書に記載される任意の方法または調合物(たとえば、経口剤形)において、一実施形態では、前記癌は、INI1欠失腫瘍である。
INI1は、EZH2と反対に作用するクロマチン再構築因子であるSWI/SNF調節複合体の重要な成分である。INI1陰性腫瘍は、異常な発癌EZH2活性を生じさせる変化したSWI/SNF機能を有する。この活性は、EZH2の小分子阻害剤、たとえば、tazemetostatによって標的とすることができる。INI1陰性腫瘍は、一般に攻撃的であり、現在の処置はあまり施されていない。たとえば、MRT、十分に研究されたINI1陰性腫瘍の現在の処置は、外科手術、化学療法、および放射線療法からなり、これは、限定された効果および著しい処置関連死亡率に関係している。
本明細書に記載される任意の方法または調合物(たとえば、経口剤形)において、一実施形態では、被検体はヒトである。
適用可能な場合の本明細書に記載される任意の方法または調合物(たとえば、経口剤形)において、癌は固形腫瘍である。本明細書に記載される固形腫瘍の例としては、限定されるものではないが、結腸直腸腺癌、胆管癌、膵臓腺癌、ユーイング肉腫、滑膜肉腫、胞状肉腫、胞状軟部肉腫、前立腺腺癌、ラブドイド肉腫、悪性ラブドイド腫瘍、および尿路上皮癌が挙げられる。
適用可能な場合の本明細書に記載される任意の方法または調合物(たとえば、経口剤形)において、癌は、異常なH3−K27メチル化を伴う癌である。
本明細書に記載される任意の方法または調合物(たとえば、経口剤形)において、本明細書に開示される化合物またはその薬学的に許容される塩は、少なくとも7日間、14日間、21日間、28日間、35日間、42日間、47日間、56日間、または64日間経口投与される。特定の実施形態では、投与は、休薬期間のない連続投与である。たとえば、本明細書に開示される化合物またはその薬学的に許容される塩は、28日サイクルで28日間経口投与される。他の実施形態では、本化合物は、休薬期間を設けて投与される。たとえば、本明細書に開示される化合物またはその薬学的に許容される塩は、たとえば、1サイクルに付き7日間の休薬期間が設けられ、28日のサイクルのうちの21日間経口投与される。
本明細書に記載される任意の方法または調合物(たとえば、経口剤形)において、特定の実施形態では、前記単回投与量は、約100mg〜約1600mgである。
本明細書に記載される任意の方法または調合物(たとえば、経口剤形)において、本明細書に開示される化合物またはその薬学的に許容される塩の単回投与量は、100mg、200mg、400mg、800gm、または1600mgである。
本明細書に記載される任意の方法または調合物(たとえば、経口剤形)において、特定の実施形態では、前記治療有効量は、800mgの単回投与量であり、前記単回投与量は、約7798ng・時間/ml〜約9441ng・時間/mlの平均AUC(0〜12)に生物学的に同等な平均AUC(0〜12)を提供する。
本明細書に記載される任意の方法または調合物(たとえば、経口剤形)において、特定の実施形態では、前記治療有効量は、1600mgの単回投与量であり、前記単回投与量は、約15596ng・時間/ml〜約18882ng・時間/mlの平均AUC(0〜12)に生物学的に同等な平均AUC(0〜12)を提供する。
本明細書に記載される任意の方法または調合物(たとえば、経口剤形)において、特定の実施形態では、前記治療有効量は、800mgの単回投与量であり、前記単回投与量は、約1730ng/ml〜約2063ng/mlの平均Cmaxに生物学的に同等な平均Cmaxを提供する。
本明細書に記載される任意の方法または調合物(たとえば、経口剤形)において、特定の実施形態では、前記治療有効量は、1600mgの単回投与量であり、前記単回投与量は、約3460ng/ml〜約4125ng/mlの平均Cmaxに生物学的に同等な平均Cmaxを提供する。
本明細書に記載される任意の方法または調合物(たとえば、経口剤形)において、特定の実施形態では、前記投与するステップは、剤形を被検体に1日2回または1日3回経口投与するステップを含む。
本明細書に記載される任意の方法または調合物(たとえば、経口剤形)において、特定の実施形態では、前記単回投与量は、約1時間〜約2時間の平均Tmaxを提供する。
本明細書に記載される任意の方法または調合物(たとえば、経口剤形)において、特定の実施形態では、前記経口剤形または調合物は、単位用量当たり約25mg〜約200mgのEPZ−6438に同等な治療薬の量を含む。
本明細書に記載される任意の方法または調合物(たとえば、経口剤形)において、特定の実施形態では、前記経口剤形または調合物は、JP16の6.10溶出試験またはUSP37の<711>溶出での即時放出剤形の手順に従った、装置2(パドル装置、パドル速度;50rpm)を用いた溶出試験の開始から60分以内に、溶出溶媒(pH1.2、37±0.5°C)中で少なくとも約90%、または少なくとも約80%、または少なくとも約70%の溶出率を提供する。
本明細書に記載される任意の方法または調合物(たとえば、経口剤形)において、特定の実施形態では、前記経口剤形または調合物は、JP16の6.10溶出試験またはUSP37の<711>溶出での即時放出剤形の手順に従った、装置2(パドル装置、パドル速度;50rpm)を用いた溶出試験の開始から45分以内に、溶出溶媒(pH1.2、37±0.5°C)中で少なくとも約90%、または少なくとも約80%、または少なくとも約70%の溶出率を提供する。
本明細書に記載される任意の方法または調合物(たとえば、経口剤形)において、特定の実施形態では、前記経口剤形または調合物は、JP16の6.10溶出試験またはUSP37の<711>溶出での即時放出剤形の手順に従った、装置2(パドル装置、パドル速度;50rpm)を用いた溶出試験の開始から30分以内に、溶出溶媒(pH1.2、37±0.5°C)中で少なくとも約90%、または少なくとも約80%、または少なくとも約70%の溶出率を提供する。
本明細書に記載される任意の方法または調合物(たとえば、経口剤形)において、特定の実施形態では、前記経口剤形または調合物は、JP16の6.10溶出試験またはUSP37の<711>溶出での即時放出剤形の手順に従った、装置2(パドル装置、パドル速度;50rpm)を用いた溶出試験の開始から60分以内に、溶出溶媒(pH4.5、酢酸緩衝液、37±0.5°C)中で少なくとも約80%、または少なくとも約75%、または少なくとも約70%、または少なくとも約60%の溶出率を提供する。
本明細書に記載される任意の方法または調合物(たとえば、経口剤形)において、特定の実施形態では、前記経口剤形または調合物は、薬学的に許容される担体または賦形剤としてデンプングリコール酸ナトリウム、またはカルメロース、またはこれらの組み合わせを含む。
本開示の方法に適した他の化合物は、その全ての参照により全開示内容が本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第20120264734号明細書に記載されている。さらに、化合物(A)は、一緒に、連続的に、または交互に投与するのに適した、1つ以上の他の治療薬または処置方法との併用療法の一部としての投与に適している。
一実施形態では、化合物(A)またはその薬学的に許容される塩は、INI1陰性腫瘍(たとえば、腎臓のラブドイド腫瘍(RTK)、非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍(ATRT)、類上皮悪性末梢神経鞘腫瘍、筋上皮癌、および腎髄質癌)を処置するために、約100mg〜約3200mgの用量で毎日、たとえば、約100mg BID〜約1600mg BID(たとえば、100mg BID、200mg BID、400mg BID、800mg BID、または1600mg BID)で被検体に投与される。
本明細書での冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」の使用は、本明細書に特段の記載がない、または文脈によって明確に否定されない限り、単数形および複数形の両方を含むと解釈するべきである。たとえば、「1つの崩壊剤」という用語は、本明細書に記載される調合物中に含められるまたはこの調合物での使用に適した1つ以上の崩壊剤を指す。同様に、「1つの治療薬」という用語は、本明細書に記載される調合物中に含められるまたはこの調合物での使用に適した1つ以上の治療薬を指す。たとえば、本明細書に記載される調合物は、治療薬または有効成分として化合物(A)のみを含む、または化合物(A)と他の化合物(たとえば、化合物(A)のHBr塩または他の抗癌剤)との混合物を含み得る。「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、および「含む(containing)」という用語は、特段の記載がない限り、非限定的な用語(open term)(即ち、「〜を含むが、それに限定されるものではない」を意味する)と解釈するべきである。さらに、「含む(comprising)」または別の非限定的な用語(open−ended term)が一実施形態で使用される場合は常に、同じ実施形態を、中間的な用語(intemediate term)「〜から本質的になる」または限定的な用語(closed term)「〜からなる」を用いてより狭義に請求することができることを理解されたい。
調合物中の治療薬の濃度は、特定の量の化合物(A)に等しいとして表される。本明細書で使用される「当」量または重量パーセントという用語は、化合物(A)から得られた分析値から導出された値である有効性調整因子により調整された薬物の量を指す。当量を決定する方法は、当分野で周知である(たとえば、http://www.fda.gov/downloads/Drugs/.../Guidances/ucm070246.pdfを参照されたい)。
「約(about)」、「約(approximately)」、または「約(approximate)」という用語は、数値に関連して使用される場合、値の集合または範囲(ranger)が含まれることを意味する。たとえば、「約X」は、Xの±10%、±5%、±2%、±1%、±0.5%、±0.2%、または±0.1%である値の範囲を含み、Xは数値である。加えて、「約X」は、X±0.5、X±0.4、X±0.3、X±0.2、またはX±0.1の範囲も含み得、Xは数値である。一実施形態では、「約」という用語は、指定の値よりも5%多いまたは少ない値の範囲を指す。別の実施形態では、「約」という用語は、指定の値よりも2%多いまたは少ない値の範囲を指す。別の実施形態では、「約」という用語は、指定の値よりも1%多いまたは少ない値の範囲を指す。
本明細書では、化合物の構造式は、場合によっては便宜上、特定の異性体を表すが、本開示は、全ての異性体、たとえば、幾何異性体、不斉炭素に基づいた光学異性体、立体異性体、および互変異性体などを含む。加えて、結晶多形は、式によって表される化合物を示すことができる。任意の結晶形、結晶形の混合物、またはこれらの無水物もしくは水和物は、本開示の範囲に含まれることに留意されたい。さらに、in vivoでの本化合物の分解によって生成される、いわゆる代謝産物も、本開示の範囲に含まれる。
さらに、本開示で論じられる化学構造および他の化合物は、それらの全てのアトロプ異性体を含む。「アトロプ異性体」は、2つの異性体の原子が空間に異なって位置するタイプの立体異性体である。アトロプ異性体は、その存在が、中心結合を中心とする大きい基の回転の障害によって生じる制限された回転によるものである。このようなアトロプ異性体は、典型的には混合物として存在するが、クロマトグラフィー技術の近年の進展の結果として、場合によっては2つのアトロプ異性体の混合物を分離することが可能となった。
「結晶多形(crystal polymorph)」、「多形(polymorph)」、または「結晶形(crystalline form)」という用語は、化合物(またはその塩もしくは溶媒和物)が、異なる結晶の充填配置(packing arrangement)で結晶化することができる結晶構造を意味し、これらの結晶構造は全て、同じ元素組成を有する。異なる結晶形は、通常は、異なるXRPDパターン、赤外線スペクトル、融点、密度、硬度、結晶形状、光学および電気特性、安定性、ならびに溶解性を有する。再結晶化溶媒、結晶化の速度、保存温度、および他の因子は、1つの結晶形を優勢にすることができる。本化合物の結晶多形は、異なる条件下での結晶化によって調製することができる。
本開示の化合物は、結晶性、半結晶性、非結晶性、非晶質、メソ型などであり得る。
加えて、本開示の化合物または結晶形、たとえば、本化合物の塩または結晶形は、水和形または非水和(無水)形で、または他の溶媒分子を含む溶媒として存在し得る。水和物の非限定の例として、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物などが挙げられる。溶媒和物の非限定の例としては、エタノール溶媒和物、アセトン溶媒和物などが挙げられる。
「溶媒和物」は、化学量論量または非化学量論量の溶媒を含む溶媒付加形を意味する。一部の化合物は、固定モル比の溶媒分子を結晶固体状態に拘束する傾向を有し、したがって溶媒和物を形成する。溶媒が水である場合は、形成される溶媒和物は水和物であり;そして溶媒がアルコールである場合は、形成される溶媒和物はアルコラートである。水和物は、水の1つ以上の分子と物質の1つの分子との組み合わせによって形成され、水がHOとしてその分子状態を維持する。半水和物は、水の1つの分子と物質の2つ以上の分子との組み合わせによって形成され、水がHOとしてその分子状態を維持する。
本開示は、本化合物中に存在する全ての原子のアイソトープを含むものとする。アイソトープは、同じ原子番号を有するが、異なる質量数を有する原子を含む。限定ではない一般的な例として、水素のアイソトープは、トリチウムとジュウテリウムを含み、そして炭素のアイソトープは、C−13およびC−14を含む。
本明細書で使用される「被検体」は、「それを必要とする被検体」と置き換え可能であり、これらの両方は、EZH2媒介タンパク質メチル化が関与する障害を有する被検体、または集団全体と比較してこのような障害を発症するリスクが高い被検体を指す。「被検体」は哺乳動物を含む。哺乳動物は、たとえば、ヒトまたは適切な非ヒト哺乳動物、たとえば、霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヤギ、ラクダ、ヒツジ、またはブタであり得る。被検体はまた、トリまたは家禽であり得る。一実施形態では、哺乳動物はヒトである。それを必要とする被検体は、癌または前癌症状を有すると既に診断されたまたは確認された被検体であり得る。それを必要とする被検体はまた、癌または前癌状態を有する(たとえば、罹患している)被検体であり得る。別法では、それを必要とする被検体は、集団全体と比較してこのような障害を発症するリスクが高い被検体(即ち、集団全体と比較してこのような障害にかかりやすい被検体)であり得る。それを必要とする被検体は、前癌状態を有し得る。それを必要とする被検体は、INI1陰性腫瘍を有する。
INI1は、EZH2の酵素機能に対抗する調節複合体である。様々な遺伝子変化により、INI1は、その調節機能を失う。結果として、EZH2活性が誤って調節され、EZH2が、腎臓のラブドイド腫瘍(RTK)、非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍(ATRT)、類上皮悪性末梢神経鞘腫瘍、筋上皮癌、および腎髄質癌を含む一連の遺伝子学的に定義される癌における発癌の役割を推進することになる。
それを必要とする被検体は、難治性癌または耐性癌(即ち、処置に反応しない、または処置にまだ反応していない癌)を有し得る。被検体は、処置の開始時に抵抗性であってもよいし、または処置の最中に抵抗性になってもよい。一部の実施形態では、それを必要とする被検体は、つい最近の治療法での寛解後の癌再発を有する。一部の実施形態では、それを必要とする被検体は、癌処置のための全て既知の有効な治療法を受けても効果がなかった。一部の実施形態では、それを必要とする被検体は、少なくとも1回の治療歴があった。好ましい実施形態では、被検体は、癌または癌状態を有する。
特定の実施形態において、本明細書に記載される任意の方法では、被検体は、18歳以上の成人患者である。
特定の実施形態において、本明細書に記載される任意の方法では、被検体は、生後12か月以下(たとえば、生後3〜12カ月)の小児患者である。
特定の実施形態において、本明細書に記載される任意の方法では、被検体は、生後12カ月を超えるが18歳未満の患者である。
本明細書に記載される任意の方法では、被検体は、生後3カ月〜18歳までの小児(非成人)患者であり得る。
本明細書で使用される「処置(treating)」または「処置する(treat)」は、疾患、状態、または障害を治すための患者の管理およびケアを言い表し、かつ、疾患、状態、または障害の症状または合併症を緩和する、または疾患、状態、もしくは障害を無くすために、本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、代謝産物、多形、もしくはこれらの溶媒和物の投与を含む。「処置する(treat)」という用語は、in vitro細胞または動物モデルの処置も含み得る。
本開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、代謝産物、多形、もしくはこれらの溶媒和物はまた、関連する疾患、状態、もしくは障害を防止するため、またはこのような目的に適した候補を同定するために使用することができる、または使用する可能性がある。本明細書で使用される「防止(preventing)」、「防止する(prevent)」、または「〜から保護する(protecting against)」は、このような疾患、状態、または障害の症状または合併症の発症を減らすことまたは無くすことを言い表す。
本明細書に記載される方法および使用は、本明細書に記載される化合物または組成物の被検体への投与の前および/または後に、それを必要とする被検体からのサンプルにおける1つ以上のEZH2変異の存在または非存在を検出するステップを含み得る。「サンプル」は、被検体から得た任意の生物学的サンプルを意味し、限定されるものではないが、細胞、組織サンプル、体液(限定されるものではないが、粘液、血液、血漿、血清、尿、唾液、および精液を含む)、腫瘍細胞、および腫瘍組織を含む。好ましくは、サンプルは、骨髄、末梢血細胞、血液、血漿、および血清から選択される。サンプルは、処置中または検査中の被検体によって提供され得る。別法では、サンプルは、当分野の日常業務に従って医師によって得ることができる。
当業者は、本明細書で論じられる公知の技術または同等の技術の詳細な説明についての一般的な参照テキストを指すこともある。これらのテキストには、Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley and Sons,Inc. (2005);Sambrook et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual (3rd edition),Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,New York (2000);Coligan et al.,Current Protocols in Immunology,John Wiley & Sons,N.Y.;Enna et al.,Current Protocols in Pharmacology,John Wiley & Sons,N.Y.;Fingl et al.,The Pharmacological Basis of Therapeutics (1975),Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,PA,18th edition (1990)が含まれる。また、これらのテキストは当然、本開示の一態様の構成または使用で参照することができる。
本開示はまた、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤または担体と共に1つ以上の活性化合物(たとえば、化合物(A)またはその塩)を含む医薬組成物も提供する。
一実施形態では、医薬組成物は、バルク形態または単位剤形である。本明細書で使用される「単位剤形」という用語は、処置されるべき被検体にとって単位用量として適している物理的に別個の単位を指し;各単位は、必要な医薬担体と共に所望の治療効果をもたらすように計算された所定量の活性化合物を含む。単位剤形は、たとえば、輸液パック、タブレット、エアロゾル吸入器の単一ポンプ、またはバイアルを含む、様々な形態のいずれかである。単位用量の組成物中の有効成分(たとえば、開示される化合物またはその塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体の調合物)の量は、有効量であり、関係する特定の処置によって異なる。当業者であれば、患者の年齢および状態によって、時には投薬量に対してルーチンの変更を行う必要があることを理解されよう。投薬量はまた、投与経路によって決まる。経口、肺、直腸、非経口、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、吸入、口腔、舌下、胸膜腔内、くも膜下腔内、および鼻内などを含め、様々な経路が企図される。本開示の化合物の局所投与または経皮投与用の剤形には、粉末、噴霧、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ジェル、溶液、パッチ、および吸入剤が含まれる。一実施形態では、活性化合物は、無菌状態の下、薬学的に許容される担体および必要とされる任意の防腐剤、緩衝剤、または噴射剤と混合される。
一実施形態では、単位剤形は経口剤形である。一実施形態では、単位剤形はタブレットである。一実施形態では、単位剤形は経口懸濁液である。一実施形態では、単位剤形は経口懸濁液であり、被検体は小児被検体である。
本明細書で使用される「薬学的に許容される」という語句は、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を引き起こすことなく、ヒトおよび動物の組織への接触に使用するのに適し、妥当な損益比に見合った、健全な医学的判断の範囲内である化合物、材料、組成物、担体、および/または剤形を指す。
「薬学的に許容される賦形剤」は、一般に安全で非毒性であり、生物学的にもその他の点でも不所望でない医薬組成物の調製に有用である賦形剤を意味し、家畜への使用およびヒトの薬学的用途に容認される賦形剤を含む。本明細書および請求項で使用される「薬学的に許容される賦形剤」は、1つのこのような賦形剤および2つ以上のこのような賦形剤の両方を含む。たとえば、本開示の調合物に使用される薬学的に許容される賦形剤は、希釈剤、または不活性な担体、潤滑剤、結合剤、またはこれらの組み合わせであり得る。本開示の調合物に使用される薬学的に許容される賦形剤は、充填剤、抗菌剤、抗酸化剤、凝固防止剤、コーティング剤、またはこれらの混合物をさらに含み得る。
薬学的に許容される賦形剤の例としては、限定されるものではないが、結合剤、充填剤、崩壊剤、潤滑剤、抗菌剤、抗酸化剤、およびコーティング剤が挙げられる。
結合剤の例としては、限定されるものではないが、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、他のデンプン、ゼラチン、天然および合成ゴム、たとえば、アラビアゴム、キサンタン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、粉末化トラガカント、グアーガム、セルロースおよびその誘導体(たとえば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリドン(たとえば、ポビドン、クロスポビドン、コポビドンなど)、メチルセルロース、Methocel、アルファ化デンプン(たとえば、Colorcon,Ltd.が販売するSTARCH 1500(登録商標)およびSTARCH 1500 LM(登録商標))、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース(FMC Corporation,Marcus Hook,PA,USA)、Emdex、Plasdone、またはこれらの混合物が挙げられ、充填剤の例としては:タルク、炭酸カルシウム(たとえば、顆粒または粉末)、二塩基性リン酸カルシウム、三塩基性リン酸カルシウム、硫酸カルシウム(たとえば、顆粒または粉末)、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、デキストロース、フルクトース、ハチミツ、無水乳糖、ラクトース一水和物、ラクトースおよびアスパルテーム、ラクトースおよびセルロース、ラクトースおよび微結晶性セルロース、マルトデキストリン、マルトース、マンニトール、微結晶性セルロース、および;グアーガム、糖蜜、スクロース、またはそれらの混合物が挙げられる。
崩壊剤の例としては限定されるものではないが:寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム(たとえば、Explotab)、ジャガイモまたはタピオカデンプン、他のデンプン、アルファ化デンプン、粘土、他のアルギン、他のセルロース、ガム(ジェランなど)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、プロイプラスドン(ployplasdone)、またはこれらの混合物が挙げられる。
潤滑剤の例としては、限定されるものではないが:ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、コンプリトール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム(たとえば、Pruv)、植物系脂肪酸潤滑剤、タルク、水素化植物油(たとえば、ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、および大豆油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天、シロイドシリカゲル(syloid silica gel)(AEROSIL 200,W.R. Grace Co.,Baltimore,MD USA)、合成シリカの凝固エアロゾル(Degussa Corp.,Plano,TX USA)、発熱性二酸化ケイ素(CAB−O−SIL,Cabot Co.,Boston,MA、USA)、またはこれらの混合物が挙げられる。
例示的な凝固防止剤としては、限定されるものではないが:ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、またはこれらの混合物が挙げられる。
例示的な抗菌剤としては、限定されるものではないが:塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、安息香酸、ベンジルアルコール、ブチルパラベン、塩化セチルピリジニウム、クレゾール、クロロブタノール、デヒドロ酢酸、エチルパラベン、メチルパラベン、フェノール、フェニルエチルアルコール、フェノキシエタノール、酢酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、ソルビン酸カリウム、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸、チメルソル(thimersol)、チモール(thymo)、またはこれらの混合物が挙げられる。
例示的な抗酸化剤としては、限定されるものではないが:アスコルビン酸、BHA、BHT、EDTA、またはこれらの混合物が挙げられる。
例示的なコーティング剤としては、限定されるものではないが:カルボキシメチルセルロースナトリウム、酢酸フタル酸セルロース、エチルセルロース、ゼラチン、医薬用グレーズ(pharmaceutical glaze)、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルアセテートフタレート、セラック、スクロース、二酸化チタン、カルナバワックス、マイクロクリスタリンワックス、ジェランガム、マルトデキストリン、メタクリレート、微結晶性セルロース、およびカラギーナン、またはそれらの混合物が挙げられる。
本明細書に記載される調合物は、他の賦形剤およびその範疇も含み得、これらに限定されるものではないが、Pluronic(登録商標)、ポロキサマー(たとえば、Lutrol(登録商標)、およびポロキサマー188)、アスコルビン酸、グルタチオン、プロテアーゼ阻害剤(たとえば、大豆トリプシン阻害剤、有機酸)、pH低下剤、クリーム、およびローション(マルトデキストリンおよびカラギーナンなど);チュアブル錠のための材料(デキストロース、フルクトース、ラクトース一水和物、ラクトースおよびアスパルテーム、ラクトースおよびセルロース、マルトデキストリン、マルトース、マンニトール、微結晶性セルロースおよびグアーガム、ソルビトール結晶など);非経口剤(マンニトールおよびポビドンなど);可塑剤(セバシン酸ジブチル、コーティング用の可塑剤、ポリ酢酸ビニルフタレートなど);粉末潤滑剤(ベヘン酸グリセリルなど);コーティング用の球(糖球など);球状化剤(ベヘン酸グリセリルおよび微結晶性セルロースなど);懸濁化剤/ゲル化剤(カラギーナン、ジェランガム、マンニトール、微結晶性セルロース、ポビドン、グリコール酸ナトリウムデンプン、キサンタンガムなど);甘味料(アスパルテーム、アスパルテームおよびラクトース、デキストロース、フルクトース、ハチミツ、マルトデキストリン、マルトース、マンニトール、糖蜜、ソルビトール結晶、ソルビトール特殊溶液(sorbitol special solution)、スクロースなど);湿式造粒剤(wet granulation agent)(炭酸カルシウム、無水乳糖、乳糖一水和物、マルトデキストリン、マンニトール、微結晶性セルロース、ポビドン、デンプンなど)、カラメル、カルボキシメチルセルロースナトリウム、チェリークリームフレーバーおよびチェリーフレーバー、クエン酸無水物、クエン酸、粉砂糖、D&C Red No. 33、D&C Yellow #10 Aluminum Lake、エデト酸二ナトリウム、エチルアルコール15%、FD&C Yellow No. 6 aluminum lake、FD&C Blue # 1 Aluminum Lake、FD&C Blue No. 1、FD&C blue no. 2 aluminum lake、FD&C Green No.3、FD&C Red No. 40、FD&C Yellow No. 6 Aluminum Lake、FD&C Yellow No. 6、FD&C Yellow No.10、パルミトステアリン酸グリセロール、モノステアリン酸グリセリル、インジゴカルミン、レシチン、マンニトール、メチルおよびプロピルパラベン、グリチルリチン酸一アンモニウム、天然および人工のオレンジフレーバー、医薬用グレーズ、ポロキサマー188、ポリデキストロース、ポリソルベート20、ポリソルベート80、ポリビドン、アルファ化トウモロコシデンプン、アルファ化デンプン、赤色酸化鉄、サッカリンナトリウム、カルボキシメチルエーテルナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、イチゴフレーバー、合成黒色酸化鉄、合成赤色酸化鉄、二酸化チタン、および白ろうが含まれる。
特定の実施形態では、本開示の調合物は、たとえば、Opadry(登録商標)blue(OY−LS−20921)、Opadry(登録商標)white(YS−2−7063)、Opadry(登録商標)white(YS−1−7040)、および黒インク(S−1−8 106)でコーティングするべきコーティング系(たとえば、Opadry(登録商標)fx filmコーティング系)で任意選択により処置することができる固形経口剤形である。
本明細書で使用される「治療有効量」という用語は、確認された疾患もしくは症状を処置する、改善する、もしくは予防する、または検出可能な治療効果もしくは阻害効果を示す医薬品の量を指す。この効果は、当分野で公知の任意のアッセイ方法によって検出することができる。被検体の正確な有効量は、被検体の体重、サイズ、および健康状態;疾患の性質および程度;ならびに投与のために選択される治療薬によって決まる。所与の状態に対する治療有効量は、臨床医の技術および判断の範囲内である日常の実験によって決定することができる。
活性化合物を含む本開示の医薬組成物は、一般的に知られる方法、たとえば、従来の混合、溶解、顆粒化、糖衣錠形成、磨砕(levigating)、乳化、カプセル化、封入、または凍結乾燥プロセスによって製造することができる。医薬組成物は、活性化合物を薬学的に使用することができる調製物に加工しやすくする賦形剤および/または助剤を含む、1種もしくは複数種の薬学的に許容されるキャリアを用いて従来の方法で製剤化してもよい。言うまでもなく、適切な製剤は選択された投与経路によって異なる。
注射用途に好適な医薬組成物は、無菌水溶液(水溶性の場合)または分散液、および必要に応じて調製される無菌注射用溶液または分散液用の無菌粉末を含む。静脈内投与では、好適なキャリアとして、生理食塩水、静菌水、Cremophor EL(商標)(BASF,Parsippany,N.J.)またはリン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられる。全ての場合において、組成物は無菌でなければならず、シリンジ操作が容易である程度の流動性があるべきである。組成物は、製造および保存条件下で安定でなければならず、細菌および真菌などの混入微生物の作用を防止しなければならない。キャリアは、たとえば、水、エタノール、ポリオール(たとえば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコールならびに同種のもの)およびこれらの好適な混合物を含む溶媒または分散媒であってもよい。適切な流動性は、たとえば、レシチンなどのコーティングの使用により、分散液の場合には、必要とされる粒度の維持により、および界面活性剤の使用により維持することができる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、たとえば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールおよび同種のものの使用により達成することができる。多くの場合、組成物中に等張剤、たとえば、糖、多価アルコール、たとえばマンニトールおよびソルビトール、ならびに塩化ナトリウムを含むことが好ましい。注射用組成物の吸収の持続化は、組成物に吸収を遅らせる薬、たとえば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを含ませることにより行うことができる。
無菌注射溶液は、必要量の活性化合物を、必要に応じて上記に列挙した1つの成分または成分の組み合わせと共に適切な溶媒に加え、続いて濾過滅菌を行うことにより調製することができる。一般に、分散液は、基本的な分散媒および上記に列挙したものから必要とされる他の成分を含む無菌ビヒクルに活性化合物を加えることにより調製される。無菌注射溶液の調製用の無菌粉末の場合、調製方法は真空乾燥およびフリーズドライであり、これにより活性成分と任意の所望の追加成分との、前もって滅菌濾過した溶液から、活性成分と任意の所望の追加成分との粉末が得られる。
経口組成物は一般に、不活性希釈剤または食用の薬学的に許容されるキャリアを含む。経口組成物はゼラチンカプセルに封入しても、あるいは錠剤に圧縮してもよい。経口治療投与の目的上、活性化合物を賦形剤と混合し、錠剤、トローチ剤またはカプセル剤の形態で使用してもよい。経口組成物はさらに、洗口剤として使用される液体キャリアを用いて調製してもよく、液体キャリア中の化合物は経口適用し、すすいで吐き出すかまたは飲み込む。薬学的に適合する結合剤および/または補助剤を組成物の一部として含めてもよい。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤および同種のものは、性質の類似した以下の成分または化合物:バインダー、たとえば微結晶性セルロース、トラガントゴムまたはゼラチン;賦形剤、たとえばデンプンまたはラクトース、崩壊剤、たとえばアルギン酸、Primogelまたはコーンスターチ;滑沢剤、たとえばステアリン酸マグネシウムまたはSterotes;流動促進剤、たとえばコロイド状二酸化ケイ素;甘味剤、たとえばスクロースまたはサッカリン;または着香剤、たとえばペパーミント、サリチル酸メチルまたはオレンジ香味料のいずれかを含んでもよい。
吸入による投与では、化合物は、好適な噴射剤、たとえば、二酸化炭素などのガスを含む加圧容器もしくはディスペンサー、またはネブライザーからエアロゾルスプレーの形態で送達される。
全身投与はまた、経粘膜または経皮手段によるものでもよい。経粘膜または経皮投与では、透過対象のバリアに適した浸透剤を製剤に使用する。こうした浸透剤は一般に当該技術分野において公知であり、たとえば、経粘膜投与の場合、界面活性剤、胆汁酸塩およびフシジン酸誘導体が挙げられる。経粘膜投与は、鼻スプレーまたは坐剤の使用により達成することができる。経皮投与では、活性化合物を一般に当該技術分野において公知の軟膏、膏薬、ゲルまたはクリームに製剤する。
活性化合物は、化合物の身体からの急速な排除を防ぐ薬学的に許容されるキャリア、たとえばインプラントおよびマイクロカプセル化送達系などの放出制御製剤と共に調製してもよい。エチレン酢酸ビニル、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステルおよびポリ乳酸などの生分解性生体適合性ポリマーを使用してもよい。こうした製剤を調製するための方法は、当業者に明らかであろう。こうした材料はさらに、Alza CorporationおよびNova Pharmaceuticals,Inc.から市販品として入手することができる。リポソーム懸濁液(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体を用いて感染細胞を標的としたリポソームを含む)も、薬学的に許容されるキャリアとして使用することができる。これらは、たとえば米国特許第4,522,811号明細書に記載されているような当業者に公知の方法に従い調製することができる。
投与のしやすさおよび投薬量の均一性のため、経口または非経口組成物を投薬単位剤形で製剤化すると特に有利である。投薬単位剤形とは、本明細書で使用する場合、単位投薬量として処置対象の被検体に適した物理的に分離した単位をいい、各単位は、必要とされる薬学的キャリアと共に、所望の治療効果を発揮するように計算された所定量の活性化合物を含む。本明細書に開示の投薬単位剤形の規格は、活性化合物の特有の特徴および達成されるべき個々の治療効果により決定され、それらに直接左右される。
治療用途では、本明細書に記載のEZH2阻害剤化合物、または本開示に従い使用される医薬組成物の投薬量は、選択した投薬量に影響を与える数ある要因の中でも、薬剤、レシピエント患者の年齢、体重および臨床状態、ならびに治療を行う臨床医または開業医の経験および判断によって異なる。一般に、用量は、腫瘍の増殖を遅延させる、そして好ましくは退縮させる、さらに好ましくは癌を完全に退縮させるのに十分であるべきである。投薬量は、単回投与、分割投与または連続投与で約0.01mg/kg/日〜約5000mg/kg/日の範囲であってもよい。好ましい態様では、投薬量は約1mg/kg/日〜約1000mg/kg/日の範囲であってもよい。一態様では、用量は約0.1mg/日〜約50g/日;約0.1mg/日〜約25g/日;約0.1mg/日〜約10g/日;約0.1mg〜約3g/日;または約0.1mg〜約1g/日の範囲であってもよい(投与はkg単位の患者の体重、m単位の体表面積および年齢に応じて調整してもよい)。医薬剤の有効量は、臨床医または他の適格な観察者により認められる改善が客観的に特定できる量である。たとえば、患者の腫瘍の退縮は、腫瘍の直径を基準に測定してもよい。腫瘍の直径の減少は退縮を示す。退縮はさらに、処置を中止した後に再発する腫瘍がないことによっても示される。本明細書で使用する場合、「投薬量効果的方法」という用語は、活性化合物の量が被検体または細胞で所望の生物学的作用を発揮することをいう。
経口組成物を、投与の容易さおよび投薬量の均一化のために単位剤形に調合することは特に有益である。本明細書で使用される単位剤形は、処置されるべき被検体の単位用量として適した物理的に別個の単位を指し;各単位は、必要な医薬担体と共に所望の治療効果をもたらすように計算された所定量の活性化合物を含む。本開示の単位剤形の規格は、活性化合物(A)のユニークな特徴および達成されるべき特定の治療効果に左右され、これらによって直接決まる。
治療への適用では、本開示に従って使用される医薬組成物の投薬量は、選択された投薬量に影響を与える因子の中で特に、薬剤、レシピエント患者の年齢、体重、および臨床状態、治療を施す臨床医または開業医の経験および判断によって異なる。一般に、用量は、腫瘍の成長の遅延、好ましくは退縮をもたらし、そして好ましくは、癌の完全な退縮ももたらすのに十分な量であるべきである。医薬品の有効量は、臨床医または他の適格な観察者が気付く、客観的に確認できる改善を提供する量である。たとえば、患者の腫瘍の退縮は、腫瘍の直径を基準に測定することができる。腫瘍の直径の減少は、退縮を示唆する。退縮はまた、処置が中止した後に腫瘍の再発が起こらないことによって示唆される。本明細書で使用される「投薬量効果的方法」という用語は、活性化合物の量が被検体または細胞で所望の生物学的作用を発揮することを指す。
医薬組成物は、投与説明書と共に容器、パック、またはディスペンサーに含めることができる。
本開示の調合物中の化合物は、さらに塩を形成することができる。これらの形態も全て、請求される開示の範囲内にあることが企図される。
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される塩」は、親化合物がその酸性塩または塩基性塩を作ることにより修飾された本開示の化合物の誘導体をいう。薬学的に許容される塩の例として、アミンなどの塩基性残基の鉱酸塩または有機酸塩、カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩または有機塩、および同種のものがあるが、これに限定されるものではない。薬学的に許容される塩は、たとえば、無毒性無機酸または有機酸から形成された親化合物の従来の無毒性塩または第四級アンモニウム塩を含む。たとえば、そうした従来の無毒性塩として、2−アセトキシ安息香酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、重炭酸、炭酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、1,2−エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グリコリアルサニル酸、ヘキシルレゾルシン酸、ヒドラバム酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフトエ酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリルスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナプシル酸、硝酸、シュウ酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、ポリガラクツロン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、サブ酢酸(subacetic)、コハク酸、スルファミン酸、スルファニル酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸、トルエンスルホン酸および一般に存在するアミン酸、たとえば、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、アルギニン等から選択される無機酸および有機酸から得られるものがあるが、これに限定されるものではない。
薬学的に許容される塩の他の例として、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、ピルビン酸、マロン酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ−[2.2.2]−オクト−2−エン−1−カルボン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ムコン酸および同種のものが挙げられる。本開示はさらに、親化合物に存在する酸性プロトンが金属イオン、たとえば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、またはアルミニウムイオンに置き換えられている場合、あるいは有機塩基、たとえばエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミンおよび同種のものと配位している場合に形成される塩を包含する。塩形態では、塩の陽イオンまたは陰イオンに対する化合物の比は、1:1、または1:1以外の任意の比、たとえば、3:1、2:1、1:2、または1:3であり得ることを理解されたい。
薬学的に許容される塩への言及は全て、同じ塩の、本明細書で定義される溶媒添加形(溶媒和物)または結晶形(結晶多形)を含むことを理解されたい。
化合物、またはその薬学的に許容される塩、エステル、もしくはプロドラッグは、経口投与、鼻内投与、経皮投与、肺投与、吸入投与、口腔投与、舌下投与、腹腔内投与、皮下投与、筋肉内投与、静脈内投与、直腸内投与、胸膜内投与、クモ膜下腔内投与、および非経口投与される。一実施形態では、本化合物は、経口投与される。当業者であれば、特定の投与経路の利点を認識されよう。
化合物を利用する投与レジメンは、患者のタイプ、種、年齢、体重、性別および医学的状態;処置対象の状態の重症度;投与経路;患者の腎機能および肝機能;ならびに利用される個々の化合物またはその塩など種々の因子に従い選択される。通常の知識を有する医師または獣医師であれば、当該状態の進行を予防、防止または停止するのに必要な薬剤の有効量を容易に判定し、処方することができる。
本開示に開示した化合物の製剤および投与のための技術は、Remington:the Science and Practice of Pharmacy,19th edition,Mack Publishing Co.,Easton,PA(1995)で確認することができる。一実施形態では、本明細書に記載の化合物およびその薬学的に許容される塩は、薬学的に許容されるキャリアまたは希釈薬と組み合わせて医薬調製物に使用される。好適な薬学的に許容されるキャリアとして、不活性な固体充填剤または希釈薬、および無菌水溶液または有機溶液が挙げられる。本化合物は、本明細書に記載の範囲の所望の投薬量を与えるのに十分な量でそうした医薬組成物中に存在する。
癌は、ほとんど全ての徴候または症状を引き起こし得る疾患群である。徴候および症状は、癌がどこにあるか、癌の大きさ、および癌が近くの器官または構造にどの程度影響を与えるかによって異なる。癌が広がる(転移する)場合、症状は体の様々な部分で現れることがある。
癌を処置すると、腫瘍の大きさが小さくなることがある。腫瘍の大きさが小さくなることは、「腫瘍退縮」という場合もある。好ましくは、処置後、腫瘍の大きさは、処置前のその大きさと比較して5%以上縮小し;一層好ましくは、腫瘍の大きさは10%以上縮小し;一層好ましくは20%以上縮小し;一層好ましくは30%以上縮小し;一層好ましくは40%以上縮小し;なお一層好ましくは、50%以上縮小し;最も好ましくは、75%超縮小する。腫瘍の大きさは、任意の再現可能な測定手段により測定することができる。腫瘍の大きさは、腫瘍の直径として測定してもよい。
癌を処置すると、腫瘍容積が縮小することがある。好ましくは、処置後、腫瘍容積は、処置前のその大きさと比較して5%以上縮小し;一層好ましくは、腫瘍容積は10%以上縮小し;一層好ましくは20%以上縮小し;一層好ましくは30%以上縮小し;一層好ましくは40%以上縮小し;なお一層好ましくは50%以上縮小し;最も好ましくは75%超縮小する。腫瘍容積は、任意の再現可能な測定手段により測定することができる。
癌を処置すると、腫瘍の数が減少する。好ましくは、処置後、腫瘍数は、処置前の数と比較して5%以上減少し;一層好ましくは、腫瘍数は10%以上減少し;一層好ましくは20%以上減少し;一層好ましくは30%以上減少し;一層好ましくは40%以上減少し;なお一層好ましくは50%以上減少し;最も好ましくは75%超減少する。腫瘍の数は、任意の再現可能な測定手段により測定することができる。腫瘍の数は、肉眼または特定の倍率で観察できる腫瘍をカウントすることにより測定することができる。好ましくは、特定の倍率は2倍、3倍、4倍、5倍、10倍または50倍である。
癌を処置すると、原発腫瘍部位から離れた他の組織または器官における転移病変の数が減少することがある。好ましくは、処置後、転移病変の数は、処置前の数と比較して5%以上減少し;一層好ましくは、転移病変の数は10%以上減少し;一層好ましくは20%以上減少し;一層好ましくは30%以上減少し;一層好ましくは40%以上減少し;なお一層好ましくは50%以上減少し;最も好ましくは75%超減少する。転移病変の数は、任意の再現可能な測定手段により測定することができる。転移病変の数は、肉眼または特定の倍率で観察できる転移病変をカウントすることにより測定することができる。好ましくは、特定の倍率は2倍、3倍、4倍、5倍、10倍または50倍である。
癌を処置すると、処置した被検体の集団の平均生存期間が、キャリアを単独投与した集団と比較して延長されることがある。好ましくは、平均生存期間は30日を超えて;一層好ましくは60日を超えて;一層好ましくは90日を超えて;最も好ましくは120日を超えて延長される。集団の平均生存期間の延長は、任意の再現可能な手段により測定することができる。集団の平均生存期間の延長は、たとえば、集団について活性化合物による処置の開始後の平均生存期間を計算することにより測定してもよい。集団の平均生存期間の延長はまた、たとえば、集団について活性化合物による初回処置の終了後の平均生存期間を計算することにより測定してもよい。
癌を処置すると、処置した被検体の集団の平均生存期間が、未処置被検体の集団と比較して延長されることがある。好ましくは、平均生存期間は30日を超えて;一層好ましくは60日を超えて;一層好ましくは90日を超えて;最も好ましくは120日を超えて延長される。集団の平均生存期間の延長は、任意の再現可能な手段により測定することができる。集団の平均生存期間の延長は、たとえば、集団について活性化合物による処置の開始後の平均生存期間を計算することにより測定してもよい。集団の平均生存期間の延長はまた、たとえば、集団について活性化合物による初回処置の終了後の平均生存期間を計算することにより測定してもよい。
癌を処置すると、処置した被検体の集団の平均生存期間が、本明細書に開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、アナログもしくは誘導体ではない薬剤による単独療法を受けた集団と比較して延長されることがある。好ましくは、平均生存期間は30日を超えて;一層好ましくは60日を超えて;一層好ましくは90日を超えて;最も好ましくは120日を超えて延長される。集団の平均生存期間の延長は、任意の再現可能な手段により測定することができる。集団の平均生存期間の延長は、たとえば、集団について活性化合物による処置の開始後の平均生存期間を計算することにより測定してもよい。集団の平均生存期間の延長はまた、たとえば、集団について活性化合物による初回処置の終了後の平均生存期間を計算することにより測定してもよい。
癌を処置すると、処置した被検体の集団の死亡率がキャリアを単独投与した集団と比較して低下することがある。癌を処置すると、処置した被検体の集団の死亡率が未処置集団と比較して低下することがある。癌を処置すると、処置した被検体の集団の死亡率が、本明細書に開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、アナログもしくは誘導体ではない薬剤による単独療法を受けた集団と比較して低下することがある。好ましくは、死亡率は2%超;一層好ましくは5%超;一層好ましくは10%超;最も好ましくは25%超低下する。処置した被検体の集団の死亡率の低下は、任意の再現可能な手段により測定することができる。集団の死亡率の低下は、たとえば、集団について活性化合物による処置の開始後の単位時間当たりの疾患関連死亡の平均数を計算することにより測定してもよい。集団の死亡率の低下はまた、たとえば、集団について活性化合物による初回処置の終了後の単位時間当たりの疾患関連死亡の平均数を計算することにより測定してもよい。
癌を処置すると、腫瘍の成長率が低下することがある。好ましくは、処置後、腫瘍の成長率は処置前の数と比較して少なくとも5%低下し;一層好ましくは、腫瘍の成長率は少なくとも10%低下し;一層好ましくは少なくとも20%低下し;一層好ましくは少なくとも30%低下し;一層好ましくは少なくとも40%低下し;一層好ましくは少なくとも50%低下し;なお一層好ましくは少なくとも50%低下し;最も好ましくは少なくとも75%低下する。腫瘍の成長率は、任意の再現可能な測定手段により測定することができる。腫瘍の成長率は、単位時間当たり腫瘍直径の変化により測定してもよい。
癌を処置すると、腫瘍の再増殖が抑制されることがある。好ましくは、処置後、腫瘍の再増殖は5%未満であり;一層好ましくは、腫瘍の再増殖は10%未満であり;一層好ましくは20%未満であり;一層好ましくは30%未満であり;一層好ましくは40%未満であり;一層好ましくは50%未満であり;なお一層好ましくは50%未満であり;最も好ましくは75%未満である。腫瘍の再増殖は、任意の再現可能な測定手段により測定することができる。腫瘍の再増殖は、たとえば、以前の腫瘍縮小後に、処置後生じた腫瘍の直径の増加を測定することにより測定してもよい。腫瘍の再増殖の抑制は、処置を中止した後に腫瘍が再発しないことにより示される。
細胞増殖性障害を処置または予防すると、細胞増殖率が低下することがある。好ましくは、処置後、細胞増殖率は少なくとも5%低下し;一層好ましくは少なくとも10%低下し;一層好ましくは少なくとも20%低下し;一層好ましくは少なくとも30%低下し;一層好ましくは少なくとも40%低下し;一層好ましくは少なくとも50%低下し;なお一層好ましくは少なくとも50%低下し;最も好ましくは少なくとも75%低下する。細胞増殖率は、任意の再現可能な測定手段により測定することができる。細胞増殖率は、たとえば、組織サンプルにおいて単位時間当たりに分裂している細胞数を測定することにより測定してもよい。
細胞増殖性障害を処置または予防すると、増殖している細胞の比率が低下することがある。好ましくは、処置後、増殖している細胞の比率は少なくとも5%;一層好ましくは少なくとも10%;一層好ましくは少なくとも20%;一層好ましくは少なくとも30%;一層好ましくは少なくとも40%;一層好ましくは少なくとも50%;なお一層好ましくは少なくとも50%;最も好ましくは少なくとも75%低下する。増殖している細胞の比率は、任意の再現可能な測定手段により測定することができる。好ましくは、増殖している細胞の比率は、たとえば組織サンプルにおいて分裂している細胞数を非分裂細胞の数と比較して定量することにより測定される。増殖している細胞の比率は、分裂指数と等価であり得る。
細胞増殖性障害を処置または予防すると、細胞の増殖部位または領域の大きさが小さくなることがある。好ましくは、処置後、細胞の増殖部位または領域の大きさは、処置前のその大きさと比較して少なくとも5%縮小し;一層好ましくは少なくとも10%縮小し;一層好ましくは少なくとも20%縮小し;一層好ましくは少なくとも30%縮小し;一層好ましくは少なくとも40%縮小し;一層好ましくは少なくとも50%縮小し;なお一層好ましくは少なくとも50%縮小し;最も好ましくは少なくとも75%縮小する。細胞の増殖部位または領域の大きさは、任意の再現可能な測定手段により測定することができる。細胞の増殖部位または領域の大きさは、細胞の増殖部位または領域の直径または幅として測定してもよい。
細胞増殖性障害を処置または予防すると、異常な外観もしくは形態を有する細胞の数または比率が低下することがある。好ましくは、処置後、異常な形態を有する細胞数は、処置前のその大きさと比較して少なくとも5%減少し;一層好ましくは少なくとも10%減少し;一層好ましくは少なくとも20%減少し;一層好ましくは少なくとも30%減少し;一層好ましくは少なくとも40%減少し;一層好ましくは少なくとも50%減少し;なお一層好ましくは少なくとも50%減少し;最も好ましくは少なくとも75%減少する。異常な細胞外観または形態は、任意の再現可能な測定手段により測定することができる。異常な細胞形態は、たとえば倒立型培養顕微鏡を用いて顕微鏡観察により測定してもよい。異常な細胞形態は、核異型の形をとることがある。
本明細書で使用する場合、「選択的に」という用語は、ある集団において別の集団より高頻度で起こる傾向があることを意味する。比較される集団は細胞集団であってもよい。好ましくは、本明細書に開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、癌または前癌性細胞に選択的に作用するが、正常な細胞には作用しない。好ましくは、本明細書に開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、ある分子標的(たとえば、標的タンパク質メチルトランスフェラーゼ)を調節するが、別の分子標的(たとえば、非標的タンパク質メチルトランスフェラーゼ)をあまり調節しないように選択的に作用する。本開示はまた、酵素、たとえばタンパク質メチルトランスフェラーゼの活性を選択的に阻害するための方法を提供する。好ましくは、あるイベントが集団Bと比較して集団Aで2倍を超える高い頻度で起こる場合、そのイベントは、集団Bに対して集団Aにおいて選択的に起こる。あるイベントが集団Aで5倍を超える高い頻度で起こる場合、そのイベントは選択的に起こる。あるイベントが集団Bと比較して集団Aで10倍を超える高い頻度で;一層好ましくは50倍を超える;なお一層好ましくは100倍を超える;最も好ましくは1000倍を超える高い頻度で、集団Aで起こる場合、そのイベントは選択的に起こる。たとえば、細胞死は、正常な細胞と比較して癌細胞で2倍を超える頻度で起こる場合、癌細胞で選択的に起こるといえると考えられる。
本明細書に開示の組成物は、化合物の添加により分子標的の活性が、前記化合物が存在しないこと以外は同じ条件下の分子標的の活性と比較して10%を超えて刺激または阻害されない場合、分子標的の活性をあまり調節しない。
本明細書で使用する場合、「アイソザイム選択的」という用語は、酵素の第2のアイソフォームと比較して酵素の第1のアイソフォームの優先的な阻害または刺激(たとえば、タンパク質メチルトランスフェラーゼアイソザイムβと比較してタンパク質メチルトランスフェラーゼアイソザイムαの優先的な阻害または刺激)を意味する。好ましくは、本明細書に開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、生物学的作用を得るのに必要な投薬量で最低4倍の差、好ましくは10倍の差、一層好ましくは50倍の差を示す。好ましくは、本明細書に開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物は、阻害範囲にわたりこの差を示し、この差の例としてIC50、すなわち、目的の分子標的の50%阻害が挙げられる。
本明細書に開示の組成物を細胞またはそれを必要とする被検体に投与すると、目的のタンパク質メチルトランスフェラーゼの活性が調節(すなわち、刺激または阻害)され得る。
本明細書に開示の化合物、たとえば、本明細書に開示の任意の化合物または薬学的に許容される塩と1つまたは複数の他の治療剤、たとえばプレドニゾンとを含む組成物を、細胞またはそれを必要とする被検体に投与すると、細胞内標的(たとえば、基質)の活性が調節(すなわち、刺激または阻害)される。本明細書に開示の化合物を用いて、以下に限定されるものではないが、タンパク質メチルトラスフェラーゼなどいくつかの細胞内標的を調節することができる。
活性化とは、組成物(たとえば、タンパク質または核酸)を所望の生物学的機能を発揮するのに好適な状態に置くことをいう。活性化することができる組成物はまた、不活性状態も有する。活性化組成物は、阻害性の生物学的機能または刺激性の生物学的機能を有しても、あるいはその両方を有してもよい。
上昇とは、組成物(たとえば、タンパク質または核酸)の所望の生物活性の増加をいう。上昇は、組成物の濃度の増加により起きてもよい。
癌または細胞増殖性障害を処置すると、細胞死が起こることがあり、好ましくは細胞死により、ある集団で細胞の数が少なくとも10%減少する。一層好ましくは、細胞死は、少なくとも20%の減少;一層好ましくは少なくとも30%の減少;一層好ましくは少なくとも40%の減少;一層好ましくは少なくとも50%の減少;最も好ましくは少なくとも75%の減少を意味する。集団における細胞数は、任意の再現可能な手段により測定することができる。集団における細胞数は、蛍光活性化セルソーター(FACS)、免疫蛍光顕微鏡および光学顕微鏡により測定してもよい。細胞死を測定する方法は、Li et al.,Proc Natl Acad Sci U S A.100(5):2674−8,2003に示される通りである。一態様では、細胞死はアポトーシスにより起こる。
好ましくは、本明細書に開示の組成物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の有効量は、正常な細胞に対してあまり細胞毒性を示さない。治療有効量の化合物の投与により細胞死が正常な細胞の10%より多く誘導されない場合、治療有効量の化合物は正常な細胞に対してあまり細胞毒性を示さない。治療有効量の化合物の投与により細胞死が正常な細胞の10%より多く誘導されない場合、治療有効量の化合物は正常な細胞の生存率にあまり影響を与えない。一態様では、細胞死はアポトーシスにより起こる。
本明細書に開示の組成物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物と細胞を接触させると、癌細胞の細胞死を選択的に誘導または活性化することができる。それを必要とする被検体に本明細書に開示の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を投与すると、癌細胞の細胞死を選択的に誘導または活性化することができる。本明細書に開示の組成物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物と細胞を接触させると、細胞増殖性障害に冒された1つまたは複数の細胞の細胞死を選択的に誘導することができる。好ましくは、それを必要とする被検体に本明細書に開示の組成物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を投与すると、細胞増殖性障害に冒された1つまたは複数の細胞の細胞死が選択的に誘導される。
本開示は、それを必要とする被験体に、本明細書に開示の組成物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を投与することにより、癌を処置または予防する方法であって、本明細書に開示の組成物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を投与すると、以下の1つまたは複数:細胞周期の1つまたは複数の期(たとえば、G1、G1/S、G2/M)への細胞の蓄積、または細胞老化の誘導、または腫瘍細胞分化の促進による癌細胞増殖の防止;正常細胞において相当量の細胞死を起こすことのない、細胞毒性、ネクローシスまたはアポトーシスによる癌細胞の細胞死の促進、動物における治療係数が少なくとも2の抗腫瘍活性がもたらされる方法に関する。本明細書で使用する場合、「治療係数」は最大耐量を有効用量で除した値である。
本明細書で使用される全ての百分率および比は、特段の記載がない限り、重量百分率および重量比である。本開示の他の特徴および利点は、異なる例から明らかである。示された例は、本開示の実施に有用な異なる構成要素および方法を例示する。これらの例は、請求される開示を限定しない。本開示に基づいて、当業者は、本開示の実施に有用な他の構成要素および方法を識別して利用することができる。
特段の記載がない、または文脈から明らかでない限り、本明細書で使用される「または」は、包括的であることを理解されたい。
文脈から明確でない限り、本明細書で示される全ての数値は、「約」という用語によって加減される。
実施例1
INI1は、EZH2と反対に作用するクロマチン再構築因子であるSWI/SNF調節複合体の重要な成分である。INI1陰性腫瘍は、異常な発癌EZH2活性を生じさせる変化したSWI/SNF機能を有する。この活性は、EZH2の小分子阻害剤、たとえば、tazemetostatによって標的とすることができる。INI1陰性腫瘍は、一般に攻撃的であり、現在の処置はあまり施されていない。たとえば、MRT、十分に研究されたINI1陰性腫瘍の現在の処置は、外科手術、化学療法、および放射線療法からなり、これは、限定された効果および著しい処置関連死亡率に関係している。
成人の第2相多施設研究は、3つのコホートに最大90人の患者を登録する。第1のコホートは、悪性ラブドイド腫瘍(MRT)、腎臓のラブドイド腫瘍(RTK)、および非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍(ATRT)の患者から構成される。第2のコホートは、類上皮肉腫、類上皮悪性末梢神経鞘腫瘍、骨外性粘液型軟骨肉腫、筋上皮癌、および腎髄質癌を含む他のINI1陰性腫瘍の患者から構成される。第3のコホートは、滑膜肉腫の患者から構成される。3つの全てのコホートの投薬は、推奨第2相用量では、錠剤処方で1日2回(BID)800mgである。主要評価項目は、INI1陰性腫瘍の患者では全奏功率(ORR)であり、滑膜肉腫の患者では無進行生存率(PFS)である。副次的評価項目は、奏功期間、全生存率(OS)、INI1陰性腫瘍の患者のPFS、安全性、および薬物動態(PK)である。
小児の第1相多施設研究は、tazemetostatの経口懸濁液を用いた用量漸増、およびこれに続く用量拡大の設計に約40人の患者を登録する。この研究は、INI1陰性腫瘍または滑膜肉腫の患者を登録する。INI1陰性腫瘍は、MRT、ATRT、RTK、および既に記載された他のINI1陰性腫瘍を含む。主要評価項目の研究は、推奨第2相用量を小児患者で確立することを目的とし、安全である。副次的評価項目は、PK、ORR、奏功期間、PFS、およびOSを含む。
本開示は、その精神または本質的な特徴を逸脱することなく他の特定の形態で実施することができる。したがって、前述の実施形態は、あらゆる点で本明細書に記載の本開示に関する限定ではなく、例示と見なすべきである。このため本開示の範囲は、明細書本文ではなく添付の特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変更を全てその範囲内に包含することを意図している。

Claims (16)

  1. 治療有効量のEZH2阻害剤を、それを必要とする被検体に投与するステップを含む、INI1陰性腫瘍を処置する方法であって、前記INI1陰性腫瘍が、腎臓のラブドイド腫瘍(RTK)、非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍(ATRT)、類上皮悪性末梢神経鞘腫瘍、筋上皮癌、および腎髄質癌から選択される、方法。
  2. 前記INI1陰性腫瘍が腎臓のラブドイド腫瘍(RTK)である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記INI1陰性腫瘍が非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍(ATRT)である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記INI1陰性腫瘍が類上皮悪性末梢神経鞘腫瘍である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記INI1陰性腫瘍が筋上皮癌である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記INI1陰性腫瘍が腎髄質癌である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記EZH2阻害剤が経口投与される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記被検体がヒトである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記被検体が18歳未満である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記EZH2阻害剤が、以下の式:
    Figure 2018525414

    を有する化合物(A)、またはその薬学的に許容される塩である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記EZH2阻害剤が、約100mg〜約3200mgの用量で毎日被検体に投与される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記EZH2阻害剤が、約100mg BID〜約1600mg BIDの用量で被検体に投与される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記EZH2阻害剤が、約100mg BID、約200mg BID、約400mg BID、約800mg BID、または約1600mg BIDの用量で被検体に投与される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記EZH2阻害剤が、800mg BIDの用量で被検体に投与される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記EZH2阻害剤が、
    Figure 2018525414

    およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群から選択される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記EZH2阻害剤が、
    Figure 2018525414

    またはその薬学的に許容される塩である、請求項15に記載の方法。
JP2018510124A 2015-08-24 2016-08-24 癌を処置するための方法 Pending JP2018525414A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201562209304P 2015-08-24 2015-08-24
US62/209,304 2015-08-24
PCT/US2016/048401 WO2017035234A1 (en) 2015-08-24 2016-08-24 Method for treating cancer

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018525414A true JP2018525414A (ja) 2018-09-06

Family

ID=58100964

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018510124A Pending JP2018525414A (ja) 2015-08-24 2016-08-24 癌を処置するための方法

Country Status (12)

Country Link
US (4) US10493076B2 (ja)
EP (1) EP3341080A4 (ja)
JP (1) JP2018525414A (ja)
KR (1) KR20180042356A (ja)
CN (1) CN108025191A (ja)
AU (2) AU2016312514A1 (ja)
CA (1) CA2996412A1 (ja)
EA (1) EA201890567A1 (ja)
IL (2) IL307260A (ja)
MX (1) MX2018002344A (ja)
SG (1) SG10201909199PA (ja)
WO (1) WO2017035234A1 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101940831B1 (ko) 2011-03-28 2019-01-21 메이 파마, 아이엔씨. (알파-치환된 아르알킬아미노 및 헤테로아릴알킬아미노)피리미딘일 및 1,3,5-트라이아진일 벤즈이미다졸, 이들을 함유하는 약학 조성물, 및 증식성 질병의 치료에 사용하기 위한 이들 화합물
WO2017035234A1 (en) 2015-08-24 2017-03-02 Epizyme, Inc. Method for treating cancer
EA201890801A1 (ru) * 2015-09-25 2018-09-28 Эпизайм, Инк. Способ лечения злокачественной рабдоидной опухоли яичников (mrto)/мелкоклеточного рака яичников гиперкальцемического типа (sccoht) с помощью ингибитора ezh2
AU2017211331A1 (en) 2016-01-29 2018-06-07 Epizyme, Inc. Combination therapy for treating cancer
WO2017210395A1 (en) 2016-06-01 2017-12-07 Epizyme, Inc. Use of ezh2 inhibitors for treating cancer
WO2017218953A1 (en) 2016-06-17 2017-12-21 Epizyme, Inc. Ezh2 inhibitors for treating cancer
US11642346B2 (en) 2017-03-31 2023-05-09 Epizyme, Inc. Combination therapy for treating cancer
EP3630118A4 (en) 2017-05-23 2021-03-31 MEI Pharma, Inc. POLYTHERAPY
JP2020522687A (ja) 2017-06-02 2020-07-30 エピザイム,インコーポレイティド 癌を処置するためのezh2阻害剤の使用
CA3072476A1 (en) 2017-08-14 2019-02-21 Mei Pharma, Inc. Combination therapy
US11452727B2 (en) 2017-09-05 2022-09-27 Epizyme, Inc. Combination therapy for treating cancer
JP2021534115A (ja) * 2018-08-14 2021-12-09 エムイーアイ ファーマ,インク. B細胞悪性腫瘍の処置

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015058125A1 (en) * 2013-10-18 2015-04-23 Epizyme, Inc. Method of treating cancer

Family Cites Families (70)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4522811A (en) 1982-07-08 1985-06-11 Syntex (U.S.A.) Inc. Serial injection of muramyldipeptides and liposomes enhances the anti-infective activity of muramyldipeptides
US5455044A (en) 1993-05-14 1995-10-03 Depotech Corporation Method for treating neurological disorders
US5763263A (en) 1995-11-27 1998-06-09 Dehlinger; Peter J. Method and apparatus for producing position addressable combinatorial libraries
US7229774B2 (en) 2001-08-02 2007-06-12 Regents Of The University Of Michigan Expression profile of prostate cancer
SI2238982T1 (sl) 2003-06-27 2013-01-31 Astellas Pharma Inc. Terapevtsko sredstvo za mehkotkivni sarkom
US20090012031A1 (en) 2007-07-03 2009-01-08 The Regents Of The University Of Michigan EZH2 Cancer Markers
US20120114670A1 (en) 2007-10-02 2012-05-10 University Of Rochester Methods and compositions related to synergistic responses to oncogenic mutations
US20110064664A1 (en) 2007-10-08 2011-03-17 The Board Of Regents Of The University Of Texas System Methods and compositions involving chitosan nanoparticles
US20110251216A1 (en) 2010-02-19 2011-10-13 The Regents Of The University Of Michigan Compositions and methods for inhibiting ezh2
US8846935B2 (en) 2010-05-07 2014-09-30 Glaxosmithkline Llc Indazoles
EP2566327B1 (en) 2010-05-07 2017-03-29 Glaxosmithkline LLC Indoles
US8637509B2 (en) 2010-05-07 2014-01-28 Glaxosmithkline Llc Azaindazoles
US9982304B2 (en) 2010-09-03 2018-05-29 The Johns Hopkins University ARID1A and PPP2R1A mutations in cancer
US9175331B2 (en) 2010-09-10 2015-11-03 Epizyme, Inc. Inhibitors of human EZH2, and methods of use thereof
US8895245B2 (en) 2010-09-10 2014-11-25 Epizyme, Inc. Inhibitors of human EZH2 and methods of use thereof
US20130310379A1 (en) 2010-11-19 2013-11-21 Constellation Pharmaceuticals Modulators of methyl modifying enzymes, compositions and uses thereof
ES2607064T3 (es) 2010-12-01 2017-03-29 Glaxosmithkline Llc Indoles
WO2012118812A2 (en) 2011-02-28 2012-09-07 Epizyme, Inc. Substituted 6,5-fused bicyclic heteroaryl compounds
WO2012138783A2 (en) 2011-04-04 2012-10-11 Netherlands Cancer Institute Methods and compositions for predicting resistance to anticancer treatment
TWI598336B (zh) 2011-04-13 2017-09-11 雅酶股份有限公司 經取代之苯化合物
JO3438B1 (ar) 2011-04-13 2019-10-20 Epizyme Inc مركبات بنزين مستبدلة بأريل أو أريل غير متجانس
WO2012156463A1 (en) 2011-05-16 2012-11-22 Ulrike Nuber Novel cancer therapies and methods
US9073924B2 (en) 2011-09-13 2015-07-07 Glaxosmithkline Llc Azaindazoles
KR20140082742A (ko) 2011-09-30 2014-07-02 글락소스미스클라인 엘엘씨 암을 치료하는 방법
WO2013059944A1 (en) 2011-10-28 2013-05-02 British Columbia Cancer Agency Branch Epigenetic regulators and uses thereof
AU2013216721B2 (en) 2012-02-10 2017-09-28 Constellation Pharmaceuticals, Inc. Modulators of methyl modifying enzymes, compositions and uses thereof
KR102453519B1 (ko) 2012-03-12 2022-10-11 에피자임, 인코포레이티드 인간 ezh2의 억제제 및 이의 사용 방법
WO2013140148A1 (en) 2012-03-19 2013-09-26 Imperial Innovations Limited Quinazoline compounds and their use in therapy
CN109745316B (zh) 2012-04-13 2023-01-24 Epizyme股份有限公司 用于治疗癌症的联合治疗
RU2658911C2 (ru) 2012-04-13 2018-06-26 Эпизайм, Инк. Солевая форма ингибитора гистон-метилтрансферазы ezh2 человека
WO2013173441A2 (en) 2012-05-16 2013-11-21 Glaxosmithkline Llc Enhancer of zeste homolog 2 inhibitors
RU2662436C2 (ru) 2012-10-15 2018-07-26 Эпизайм, Инк. Содержащие заместители бензольные соединения
IL288181B2 (en) 2012-10-15 2024-04-01 Epizyme Inc Cancer treatment methods
US20140120083A1 (en) 2012-11-01 2014-05-01 Infinity Pharmaceuticals, Inc. Treatment of cancers using pi3 kinase isoform modulators
US9895390B2 (en) 2012-12-10 2018-02-20 Children's Medical Center Corporation Methods and assays for combination treatment of cancer
EP2935214B1 (en) 2012-12-21 2019-02-20 Epizyme, Inc. 1,4-pyridone compounds
AU2013361079B2 (en) 2012-12-21 2018-07-26 Epizyme, Inc. 1,4-pyridone bicyclic heteroaryl compounds
PL2953941T3 (pl) 2013-02-11 2017-11-30 Constellation Pharmaceuticals, Inc. Modulatory enzymów modyfikujących metyl, ich kompozycje i zastosowania
EP2970281A4 (en) 2013-03-15 2016-08-03 Epizyme Inc SUBSTITUTED BENZENE COMPOUNDS
US9776996B2 (en) 2013-03-15 2017-10-03 Epizyme, Inc. Substituted 6,5-fused bicyclic heteroaryl compounds
US20160091485A1 (en) 2013-04-25 2016-03-31 The Broad Institute, Inc. Markers for ezh2 inhibitors
SG11201508203TA (en) 2013-04-30 2015-11-27 Glaxosmithkline Ip No 2 Ltd Enhancer of zeste homolog 2 inhibitors
CA2914414A1 (en) 2013-06-06 2014-12-11 Glaxosmithkline Intellectual Property (No.2) Limited Enhancer of zeste homolog 2 inhibitors
US9556157B2 (en) 2013-07-10 2017-01-31 Glaxosmithkline Intellectual Property (No.2) Limited Enhancer of zeste homolog 2 inhibitors
EP3022195A2 (en) 2013-07-19 2016-05-25 Epizyme, Inc. Substituted 6,5-fused bicyclic heteroaryl compounds
WO2015010049A1 (en) 2013-07-19 2015-01-22 Epizyme, Inc. Substituted benzene compounds
LT3057962T (lt) 2013-10-16 2023-12-11 Epizyme, Inc. Hidrochlorido druskos forma, skirta ezh2 inhibavimui
US20160303135A1 (en) 2013-12-06 2016-10-20 Epizyme, Inc. Combination therapy for treating cancer
US20160326596A1 (en) 2013-12-31 2016-11-10 Memorial Sloan-Kettering Cancer Center Compositions and methods for the diagnosis and treatment of ovarian cancers that are associated with reduced smarca4 gene expression or protein function
EP3111222A1 (en) 2014-02-26 2017-01-04 Glaxosmithkline Intellectual Property (No. 2) Limited Methods of treating cancer patients responding to ezh2 inhibitor gsk126
WO2015132765A1 (en) 2014-03-07 2015-09-11 Glaxosmithkline Intellectual Property (No.2) Limited Enhancer of zeste homolog 2 inhibitors
AU2015231413B2 (en) 2014-03-19 2020-04-23 Infinity Pharmaceuticals, Inc. Heterocyclic compounds for use in the treatment of PI3K-gamma mediated disorders
CN106999498B (zh) 2014-06-17 2021-06-08 Epizyme股份有限公司 用于治疗淋巴瘤的ezh2抑制剂
WO2015193768A1 (en) 2014-06-17 2015-12-23 Pfizer Inc. Aryl fused lactams as ezh2 modulators
AU2015276899B2 (en) 2014-06-19 2021-08-12 Memorial Sloan-Kettering Cancer Center Biomarkers for response to EZH2 inhibitors
EP3160940A4 (en) 2014-06-25 2018-05-02 Epizyme, Inc. Substituted benzene and 6,5-fused bicyclic heteroaryl compounds
MX2017002892A (es) 2014-09-05 2017-06-06 Arqule Inc Composiciones y metodos para tratar trastornos de proliferacion.
MX2021007003A (es) 2014-10-16 2022-08-09 Epizyme Inc Método para tratar el cáncer.
KR102338802B1 (ko) 2014-11-17 2021-12-14 에피자임, 인코포레이티드 암을 치료하기 위한 방법
EP3285773A4 (en) 2015-04-20 2019-04-10 Epizyme, Inc. POLY THERAPY FOR THE TREATMENT OF CANCER
CN107635965A (zh) 2015-06-10 2018-01-26 Epizyme股份有限公司 用于治疗淋巴瘤的ezh2抑制剂
WO2017035234A1 (en) * 2015-08-24 2017-03-02 Epizyme, Inc. Method for treating cancer
EA201890801A1 (ru) 2015-09-25 2018-09-28 Эпизайм, Инк. Способ лечения злокачественной рабдоидной опухоли яичников (mrto)/мелкоклеточного рака яичников гиперкальцемического типа (sccoht) с помощью ингибитора ezh2
MX2018004132A (es) 2015-10-06 2018-09-26 Epizyme Inc Método de tratamiento de meduloblastoma con un inhibidor de ezh2.
US20190070188A1 (en) 2015-11-06 2019-03-07 Epizyme, Inc. Pediatric dosing for treatment of cancer with an ezh2 inhibitor
CA3007492A1 (en) 2015-12-07 2017-06-15 Epizyme, Inc. Inhibitors of ezh2 and methods of use thereof
AU2017211331A1 (en) 2016-01-29 2018-06-07 Epizyme, Inc. Combination therapy for treating cancer
JP2019508406A (ja) 2016-02-08 2019-03-28 エピザイム,インコーポレイティド 癌を処置する方法
WO2017214373A1 (en) 2016-06-08 2017-12-14 Genentech, Inc. Diagnostic and therapeutic methods for cancer
AU2018217139A1 (en) 2017-02-02 2019-08-22 Epizyme, Inc. Cancer treatment modalities

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015058125A1 (en) * 2013-10-18 2015-04-23 Epizyme, Inc. Method of treating cancer

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
PROC. NATL. ACAD. SCI. USA, 2013, VOL. 110, NO. 19, P. 7922-7927, JPN6020027259, ISSN: 0004500450 *
THE AMERICAN JOURNAL OF SURGICAL PATHOLOGY, 2009, VOL. 33, NO. 4, P. 542-550, JPN6021016866, ISSN: 0004500451 *

Also Published As

Publication number Publication date
IL307260A (en) 2023-11-01
US10898490B2 (en) 2021-01-26
WO2017035234A1 (en) 2017-03-02
AU2016312514A1 (en) 2018-03-15
EP3341080A4 (en) 2019-03-20
US11642349B2 (en) 2023-05-09
EP3341080A1 (en) 2018-07-04
US20240024331A1 (en) 2024-01-25
US20200155561A1 (en) 2020-05-21
US20210213027A1 (en) 2021-07-15
US20180235975A1 (en) 2018-08-23
AU2022202118A1 (en) 2022-04-14
KR20180042356A (ko) 2018-04-25
EA201890567A1 (ru) 2018-08-31
SG10201909199PA (en) 2019-11-28
MX2018002344A (es) 2018-07-06
US10493076B2 (en) 2019-12-03
CA2996412A1 (en) 2017-03-02
CN108025191A (zh) 2018-05-11
IL257691A (en) 2018-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11642349B2 (en) Method for treating cancer
US20210060030A1 (en) Method for treating cancer
JP6779793B2 (ja) リンパ腫を治療するためのezh2阻害剤
JP7121660B2 (ja) 癌を処置するためのezh2阻害剤の使用
JP7045985B2 (ja) Ezh2阻害剤を用いた髄芽腫の処置方法
JP2018529698A (ja) Ezh2阻害剤により卵巣の悪性ラブドイド腫瘍(mrto)/高カルシウム血症型の卵巣の小細胞癌(sccoht)を処置するための方法
CN107260743B (zh) 氮杂色胺酮衍生物作为ido1和/或tdo抑制剂的用途
JP2018532761A (ja) Ezh2阻害剤を用いた癌の処置のための小児投与
JP2020522687A (ja) 癌を処置するためのezh2阻害剤の使用

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190821

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200728

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200907

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210511

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210806

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220531

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20220531

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20220609

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20220614

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20220708

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20220712

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20240220