JP2018523134A - 集中治療室入院患者が播種感染症を発症するリスクの予測 - Google Patents

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Abstract

本発明は、播種感染症の臨床症状を有さない集中治療入院患者のそのような感染症を発症するリスクを予測する方法であって、− 集中治療入院日とその後の48時間の間に実施される、時刻T1において採取された第1の試料に由来の前記患者から得られた生物学的試料中に含まれる第1のゲルソリンの量G1を決定することと、− 第1のサンプリング後2日−3日において実施される、時刻T2において採取された第2の試料に由来の前記患者から得られた生物学的試料中に含まれる第2のゲルソリンの量G2を決定することと、− ゲルソリンの量G2とゲルソリンの量G1の間の変動を計算して、Δ値を得ることと、− 先行する工程で得られたΔ値を、集中治療入院患者の2集団、播種感染症を発症しなかった一方の集団、及びそのような感染症を発症した他方の集団からあらかじめ決定された閾値Sと比較することと、を含み、・前記閾値Sより低いΔ値は、前記集中治療入院患者が、播種感染症を発症するリスクが高い患者であることを意味し、及び・前記閾値Sを上回るΔ値は、前記集中治療入院患者が、播種感染症を発症するリスクが高い患者ではないことを意味する、方法に関連する。【選択図】なし

Description

本発明は、感染性疾患の分野に関する。より具体的には、本発明は、バイオマーカーとしてゲルソリンを使用することにより、集中治療入院患者について、播種感染症又はセプシス症候群を発症するリスクを予測する方法に関する。
感染に対する全身性反応であるセプシス症候群は、播種感染症とも呼ばれ、集中治療における死亡の主原因の1つである。実際、集中治療で治療される患者は、生存の予後に直接影響を及ぼす、一又は複数の急性の内臓機能不全を有する、又は有する可能性がある不安定患者である。患者の集中治療入院を引き起こす可能性がある原因は非常に多く:ショック状態、多発外傷、昏睡、急性の臓器の不具合、慢性疾患由来の代償不全、出血、中毒、重度感染症、広範囲熱傷、重大手術後の術後期間等である。一般的に、集中治療を必要とする患者は、臓器不全、例えば血行動態不安定(低血圧症/高血圧症)、呼吸困難、急性の腎性の不具合、重度の心不整脈、神経障害(頭部外傷、脳卒中、昏睡)等に罹患している。その高頻度の併発は、多臓器不全と呼ばれる。実際、ほとんどの臓器系は互いに関連しているので、このような不全の1つが生ずると、別の不全を多くの場合引き起こす。
集中治療にとどまるということは、生体機能の連続的なモニタリング、また該当する場合には、補充法の使用(血液製剤の輸血、血管充填、機械式人工呼吸、カテコールアミン、血液透析、体外循環等)と関係する。集中治療の最終的な目的は、ホメオスタシスの回復である。
その結果、集中治療入院患者は、細菌、ウイルス、真菌、又は寄生虫に由来する院内感染に感染するリスクを有する。
院内感染は、病院内で感染した感染症、すなわち患者が病院、この場合集中治療に入院したときには存在せず、入院後少なくとも48時間で生ずる感染症として定義される。院内感染は、身体の任意の部分に影響を及ぼす可能性があるが、機械式人工呼吸と関連した肺炎、外傷又は手術後の腹腔内感染症、尿路感染症(又はUTI)、及び血管内デバイスと関連する菌血症が集中治療において最も一般的である(Vincent JL、Lancet、2003年; Eggiman P、Chest、2001年)。
院内感染の有病率は、いくつかの内因性のリスク因子、すなわち患者の侵襲的手技への曝露(人工呼吸、尿路カテーテル法、カテーテル法)、患者の重症度(並びに関連する併存症)、及び療法(頻回輸血、鎮静)が複合したときのその有害性に起因して、集中治療ではその他の病院セクターに認められる有病率よりも有意に高い。あらゆる衛生及びモニタリング措置(外因性リスク)が講じられ、またこれらの内因性のリスク因子が考慮されているにもかかわらず、院内感染症の罹病率は一定のままである、又は数年においてわずかに減少したにすぎない。
院内感染は、播種感染症又はセプシス症候群を引き起こしやすく、単純な敗血症から重度の敗血症又は敗血症性ショックにまで進行するおそれがある。
これらの3つの臨床症候群、すなわち敗血症、重度敗血症、及び敗血症性ショックは、専門家のパネルにより、重症度が増加する順番で1992年に定義された(R. C. Boneら、1992年):
− 敗血症は、つまり感染症と関連する全身性の炎症反応である、
− 重度敗血症は、少なくとも1つの臓器の機能障害を伴う敗血症である、
− 敗血症性ショックは、持続性低血圧症と混合した重度敗血症であり、下記事項により認定され得る:
○識別された感染部位の存在、
○下記の兆候のうちの少なくとも3項目により顕在化する全身性の炎症反応:a)38℃を超える、又は36℃未満の体温、b)1分間当たり90回を超える心拍数、c)1分間当たり20回を超える呼吸数、d)12000/mmを超える、又は4000/mm未満の白血球数、
○適切な充填及び昇圧治療にもかかわらず持続する低血圧症。
患者が入院次第、播種感染症に感染するリスクが最も高い患者を識別し、播種感染症の何らかの症候が存在しなければ、そのような感染症の発症リスクが限定的となるように、できる限り速やかに戦略を履行することができる。例えば、予防的な抗生物質治療(Puisieux Fら、1993年;Jensen JUら、2011年)、さもなければ予防的治療(K.Asehnouneら、2014年)、さもなければ標的を定めた免疫療法(Chahin Aら、2015年;Ali YMら、2014年)を投与することができる、又はより単純には、病原体の進入箇所を制限することができる(すなわち、できる限り速やかにカテーテルを抜去すること等)。これらの措置は、患者のより良い治療を可能にし、
・関連するコストの削減を可能にする、集中治療及び病院内入院期間の短縮(Lambert ML SCら、2011年)、
・敗血症合併症の減少、及び
・死亡率の低下、
を実現する。
従って、集中治療入院患者であって、播種感染症の臨床的症候を有さず、播種感染症発症リスクが最も高い患者において、予測を可能にするふさわしいツールを見つけ、従って、患者が入院次第、この種の感染症を発症する患者リスクの関数として、患者の層別化を可能にするという、長年にわたり満たされなかった緊急の必要性が存在する。
驚くべきことに、本出願人らは、そのような予測は、集中治療入院患者に由来する生物学的試料中のゲルソリンの量(dose)を分析することにより可能となることを実証した。実際、本出願人らは、そのような播種感染症を発症するリスクが高い患者のゲルソリンレベルが大幅に低下していることを明らかにした。従って、本発明は、患者が入院した際に、患者が播種感染症の症候を示さない集中治療入院の状況において、リスクに晒されている患者の主たる死亡原因の1つである播種感染症の発症を根絶する分野において、重要なステップを提示する。
従って、本発明の第1の主題は、播種感染症の臨床的症候を有さない集中治療入院患者のそのような感染症を発症するリスクを予測する方法であって、
− 集中治療入院日とその後48時間の間に実施される、時刻T1において採取された第1の試料に由来の前記患者から得られた生物学的試料中に含まれる第1のゲルソリンの量G1を決定することと、
− 第1のサンプリング後2−3日において実施される、時刻T2において採取された第2の試料に由来の前記患者から得られた生物学的試料中に含まれる第2のゲルソリンの量G2を決定することと、
− ゲルソリンの量G2とゲルソリンの量G1の間の変動を計算して、Δ値を得ることと、
− 先行する工程で得られたΔ値を、集中治療入院患者の2集団、播種感染症を発症しなかった一方の集団、及びそのような感染症を発症した他方の集団からあらかじめ決定された閾値Sと比較することと、
を含む、又はことからなり、
・前記閾値Sより低いΔ値は、前記集中治療入院患者が、高播種感染症を発症するリスクが高い患者であることを意味し、及び
・前記閾値Sを上回るΔ値は、前記集中治療入院患者が、高播種感染症を発症するリスクが高い患者ではないことを意味する、
方法である。
従って、本出願人らは、マーカーとしてゲルソリンを使用して、集中治療入院患者における播種感染症を発症するリスクを予測することが可能であることを思いがけず示した。
本発明によれば、集中治療入院患者は、補充法の使用と関係する、いくつかの急性の直接生命を脅かす内臓機能不全を有する、又は有する可能性がある患者である。このような患者は、例えば多発外傷患者、いわゆる重症熱傷患者、膵炎さもなければ急性呼吸器症候群に罹患した患者である。このような患者は、従って播種感染症に進行し得る院内感染症に特に罹りやすい。
本発明によれば、播種感染症は、身体内で広範囲に広まった非局所的感染症であり、また病原体、例えば細菌、真菌、ウイルス、又は寄生虫等により引き起こされ、セプシス症候群とも呼ばれる。
播種感染症を発症するリスクの予測には、患者が集中治療に入院した後の数日中、患者入院後平均5日経過して播種感染症を発症する、集中治療入院時に播種感染症の症候を有さない、すなわちそのような播種感染症の臨床症状を一切有さない患者を識別することを意味する目的がある。換言すれば、播種感染症を発症するリスクの予測には、集中治療入院時に播種感染症の症候を有さない、集中治療入院患者のそのようなリスクを判断することを意味する目的がある。患者がそのような感染症を発症するリスクを限定的にする戦略をできる限り速やかに導入すべき、播種感染症を発症するリスクが最も高い患者は、高リスク患者と呼ばれる。このような高リスク患者では、ゲルソリンを使用すれば、播種感染症の発生を予測することが可能となる。換言すれば、高リスク患者は、播種感染症を発症する確率が少なくとも75%である患者である。
本発明との関係においては、感染症は早期性で、患者が集中治療に入院後5日で生ずると言われている。
播種感染症を発症するリスクを予測するために、本発明で使用されるマーカーは、ゲルソリンである。ゲルソリンは、82−84kDaの分子量を有するタンパク質であり(Swiss Prot番号P06396)、サイトゾル内に存在し、また高濃度のカルシウムイオンの存在下でアクチンモノマー又はアクチンフィラメントに結合する能力を有する6つのドメイン(G1−G6)を含む。この結合は、pH、ホスホイノシチド、リゾホスファチジン酸、及び高カルシウム濃度により制御可能である。アクチンモノマー結合部位は、G1ドメイン内、及びG4−6セグメント内にも存在する一方、アクチンフィラメントに結合する高親和性部位は、G2−3セグメント内にある。ゲルソリンは、組織の損傷において修復の役割を果たす。該タンパク質について4つの公知アイソフォームが存在し、そのうちの重要なアイソフォームとして、分泌型血漿形態のタンパク質であるアイソフォーム1が挙げられる(Swiss Prot番号P06396−1)。細胞質アイソフォーム2(Swiss Prot番号P06396−2)は、最初の51個のアミノ酸の欠失により、アイソフォーム1とは異なる。細胞質アイソフォーム3及び4(Swiss Prot番号P06396−3及びP06396−4)は、最初の48個のアミノ酸配列における修飾によりアイソフォーム1とは異なる。
本発明との関係においては、ゲルソリンのすべてのアイソフォームは、集中治療入院患者における播種感染症を発症するリスクを予測するためのマーカーとして利用可能である。1つの実施態様によれば、アッセイされるアイソフォームは、アイソフォーム1である。
ゲルソリンは、多くの病理学、特に異なる種類のがん、特定の炎症及び感染の状況、心臓及び肺疾患の症例、アルツハイマー病、さもなければ老化に関与していることが公知である。
このタンパク質は、
− セプシス症候群を診断する、すなわち重症度と死亡率の予測を関連付けることにより(Xianhuiら、2014年)、セプシス症候群にすでに罹患し、感染の臨床症候を有する患者を識別する(Leeら、2008年)ことを目的として、
− 又は、敗血症患者において、セプシス症候群の進展の予後を目的とする、すなわち播種感染症を有するものとしてすでに識別された患者において、この有害な進展を見積もることを目的として(Wangら、2008年)、
− 又は、敗血症患者における死亡率を予測する、すなわち播種感染症を有するものとしてすでに識別された患者において、死亡のリスクを見積もることを目的として(Wangら、2008年)、
科学文献中のマーカーとしてすでに記載されている。
しかし、播種感染症の臨床症状が認められない集中治療入院患者等の、リスクに晒されている易罹患性の患者における播種感染症を発症するリスクの予測について、ゲルソリンが記載されているケースは存在しない。
集中治療入院患者における播種感染症を発症するリスクの予測は、前記患者から得られた生物学的試料中のゲルソリンの量を決定することにより実施される。
一般的に、用語「試料」とは、部分又は分量(amount)、より具体的には、分析を目的として、一又は複数の実体から採取された小さい部分又は少ない分量を意味する。この試料は、任意選択的に、例えば混合及び希釈工程を含む事前処理の対象となり得る。
本発明の方法との関係においては、試料は、播種感染症を発症するリスクを判定するのが望ましい患者に由来する生物学的試料である。特に、そのような生物学的試料は、ゲルソリン含有傾向を有する患者から選択される。
本発明による生物学的試料は、異なる性質を有し得る。特に、このような試料は、例えば血液、全血(静脈経路を経由して収集されるような、すなわち白血球及び赤血球、血小板、並びに血漿を含有する)、血清、血漿、気管支肺胞洗浄液、脳脊髄液、及び尿から選択される生体液である。好ましくは、患者に由来する生物学的試料は、全血、血漿、血清、又は任意の誘導体からなる試料である。
「ゲルソリンの量(dose)」には、前記生物学的試料中のゲルソリンの分量(amount)を意味する目的がある。場合によっては、この用語は、方法の最終結果として与えられる量ではなく、当該の量を、測定値が得られる試料の容積で割り算して算出されるゲルソリンの濃度を意味する。本発明の目的に照らせば、ゲルソリンの量又は濃度は、いずれも「量」と呼ばれる。
生物学的試料中のゲルソリンの量は、生物学的試料中の被分析物の分量又は量を決定するための、当業者に広く知られている技法に基づき決定され得る。例として、本発明の実施態様を構成するイムノアッセイ、例えばELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、ELFA(蛍光基質を用いた酵素イムノアッセイ)、及びRIA(ラジオイムノアッセイ)、及び質量分析アッセイ等について記載することができる。
イムノアッセイは、生物学的試料分析の分野において広く使用されている、当業者に周知の方法である。イムノアッセイは、特にタンパク質(抗原/抗体)、ペプチド及びハプテン、例えばステロイド又はビタミン等の形態の、試料中の被分析物の検出を可能にし、検出対象とされる被分析物、この場合はゲルソリンと、この被分析物に対する一又は複数の結合パートナーの間の免疫反応が関与する。これらのイムノアッセイ法は、生物学的試料の分析期間中に放出されるシグナルの定量を可能にする測定値に基づく。検出されたシグナルの量は、測定する被分析物の分量又は量に一般的に比例する(例えば、サンドイッチアッセイ期間中)、又は測定する被分析物の分量又は量に逆比例する(例えば、競合アッセイ)。もちろん、例えば「イムノアッセイ」中の用語「イムノ(免疫)」は、本出願においては、結合パートナーが抗体等免疫学的パートナーであることを厳密に示唆するとはみなされない。実際、リガンドとも呼ばれる結合パートナーが免疫学的パートナーではなく、例えば測定するのが望ましい被分析物に対する受容体であるときも、当業者はこの用語を広く使用する。従って、「リガンド結合アッセイ」とより一般的に呼ばれる、非免疫学的結合パートナーを使用するアッセイに対して、頭字語ELISAには用語「イムノ(免疫)」が含まれているとしても、ELISAアッセイ(「酵素結合免疫吸着アッセイ」)という呼び方をすることは公知である。明確にするために、本出願人らは、本出願全体を通じて、結合パートナーを用いる任意のアッセイについて、それが免疫学的パートナーでなくても、用語「イムノ(免疫)」を使用する。
ゲルソリンに対する結合パートナーとして、抗体、抗体フラクション、ナノフィチン、アプタマー(Ochsner U. A.ら、2014年)、又は試験対象とされるゲルソリンと相互作用することが公知である任意のその他の分子、例えばリポ多糖類等について記載することができる(Bucki R.ら、2005年)。
結合パートナーの抗体として、例えば、ポリクロナール抗体又はモノクロナール抗体が挙げられ、その製造法は、当業者に広く知られている。そのような抗体、例えば、下記のポリクロナール抗体:抗ゲルソリン血漿ヤギポリクロナール抗体、ABCAM、抗ゲルソリンポリクロナール抗体SHEEP1、Thermo Pierce ANBOP0000269032、及び下記のモノクロナール抗体:モノクロナール抗ゲルソリン1、Boster Biological Technology社ANBOP0000215379等が市販されている。
抗体断片の例として、Fab、Fab’、F(ab’)2断片について、またscFv(一本鎖の可変断片)及びdsFv(二本鎖の可変断片)鎖についても記載することができる。これらの機能的断片は、特に遺伝子工学により取得され得る。
ゲルソリンの量を決定することからなるイムノアッセイは、当業者に広く知られている定量的測定法であり、好ましくはゲルソリンに対する2つの結合パートナーを利用する。2つのパートナーのうちの一方は、標識と結合してコンジュゲート又はトレーサーを形成することができる。他方の結合パートナーは、固体支持体上で捕捉され得る。後者は捕捉パートナー、及び前者は検出パートナーと呼ばれる。
上記のように、イムノアッセイ期間中に放出され、測定されたシグナルは、生物学的試料中のゲルソリンの分量又は量に比例する。
得られたシグナルを生物学的試料中の量又は濃度と関連付けるためには、標準範囲から事前に規定された数学モデルを使用することが好適である。この標準範囲は、公知の方式であらかじめ得られる。要するに、標準範囲の取得は、増加した既知のゲルソリンの分量又は濃度により生み出されるシグナルを測定すること、量又は濃度の関数としてシグナルを表す曲線をプロットすること、及びこの関連性をできる限り精密に表す数学モデルを見出すことから構成される。数学モデルは、試験される生物学的試料中に含まれるゲルソリンの未知の量又は濃度を、外挿により決定するのに用いられる。
コンジュゲートを形成するために使用される標識には、特に、化学修飾なくして直接、又はそのような基が含まれるように化学修飾を行った後に、結合パートナーの基と反応する基を含有するあらゆる分子を意味する目的があり、そのような分子は、検出可能なシグナルを直接的又は間接的に生成する能力を有する。この直接検出標識の非限定的なリストは、
・例えば、比色定量、蛍光、発光により検出可能なシグナルを生成する酵素、例えばホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ等、
・クロモフォア、例えば蛍光性、発光性、又は発色性の化合物等、
・放射性分子、例えば32P、35S、又は125I等、
・蛍光性分子、例えばアレクサ又はフィコシアニン等、及び
・電気化学発光性の塩、例えばアクリジニウム又はルテニウムに基づく有機金属誘導体等、
から構成される。
間接的検出システム、例えば、抗リガンドと反応する能力を有するリガンド等も利用可能である。該リガンドは、次に結合パートナーと共にコンジュゲートを形成するように標識に対応する。
リガンド/抗リガンドの対は当業者に周知されており、そのようなケースとして、例えば、ビオチン/ストレプトアビジン、ハプテン/抗体、抗原/抗体、ペプチド/抗体、糖/レクチン、ポリヌクレオチド/ポリヌクレオチドに対して相補的な配列の対が挙げられる。
抗リガンドは、次に上記標識の直接検出により直接検出可能となる、又は別のリガンド/抗リガンドの対により、そのものが検出可能となる等の可能性がある。
これらの間接的検出システムは、特定の条件下で、シグナルの増幅を引き起こす可能性がある。このようなシグナル増幅技術は、当業者にとって周知であり、また本出願人らの一人によるこれまでに出願された仏国特許出願第2781802号又は国際公開第95/08000号を参照することができる。
用いられる標識の種類に応じて、当業者は、標識の可視化、又は任意の種類の該当する測定装置、例えば、分光光度計、分光フルオロ測定計、濃度計、さもなければ高解像度カメラ等により検出可能なシグナルの放出を可能にする試薬を添加する。
イムノアッセイは、当業者にとって公知のその他の工程、例えば洗浄工程及びインキュベーション工程等も含み得る。
イムノアッセイは、当業者にとって広く知られているように、1ステップ又は2ステップアッセイであり得る。要するに、1ステップイムノアッセイは、試験される試料を2つの結合パートナーと同時に接触させることを含む一方、2ステップイムノアッセイは、試験される試料を第1の結合パートナーと接触させ、その次に、形成された被分析物−第1の結合パートナー複合体を第2の結合パートナーと接触させることを含む。
これまでに開発された技術、例えば、特に、ELISAアッセイにとって代わり得る質量分析は、当業者に広く知られている方法である。同方法は、質量分析計において実施される。同方法は、生物学的試料中の異なる種類の分子の分析及び検出において頻繁に使用されるようになってきた強力なツールである。一般的に、イオン化可能な任意の種類の分子が、質量分析計を用いて、その分子質量に基づき検出可能である。タンパク質又は代謝起源の検出対象分子の性質に応じて、いくつかの質量分析技術の方がより適する場合もある。それにもかかわらず、検出に用いられる質量分析法を問わず、後者は、標的分子を分子イオンと呼ばれるものにイオン化させる工程、及び得られた分子イオンをその質量の関数として分離する工程を含む。質量分析計は、イオン化した分子の電荷(m/z)に対する質量の比を測定し、同比は分析対象とされる標的分子と関連付けられる。
従って、すべての質量分析計は、
i)分析される試料中に存在するマーカーをイオン化する、すなわちこのマーカーに正電荷又は負電荷を付与する目的のイオン源と、
ii)イオン化したマーカー又は分子イオンを、その質量対電荷の比(m/z)の関数として分離する目的の質量分析器と、
iii)分子イオンにより直接生成された、又は分子イオンから生み出されたイオンにより生成されたシグナルを測定する目的の検出器と、
を含み、以下に詳記する。
質量分析を実施するのに必要とされるイオン化工程は、当業者にとって公知の任意の方法により実施可能である。イオン源は、アッセイされる分子が気体及びイオン化した状態に置かれるのを可能にする。イオン源は、陽イオンを試験するためのポジティブモード、又は陰イオンを試験するためのネガティブモードのいずれかのモードで利用可能である。いくつかの種類のソースが存在し、所望の結果及び分析される分子の関数として用いられる。特に、
− 電子イオン化(EI)、化学イオン化(CI)、及び脱離化学イオン化(DCI)、
− 高速原子(FAB)、準安定原子(MAB)、又はイオン(SIMS、LSIMS)による照射、
− 誘導結合プラズマ(ICP)、
− 大気圧化学イオン化(APCI)及び大気圧光イオン化(APPI)、
− エレクトロスプレイ(ESI)、
− マトリックス支援レーザー脱離/イオン化(MALDI)、表面増強レーザー脱離/イオン化(SELDI)、又はシリコン上での脱離/イオン化(DIOS)、及び
− 準安定種との相互作用によるイオン化/脱離(DART)
について記載することができる。
イオン化したマーカーを、その質量/電荷の比(m/z)の関数として分離する工程が実施される質量分析器は、当業者にとって公知の質量分析器である。四重極(Q)型、3D(IT)、又はリニア(LIT)イオントラップ型の低分解能分析器、及び被分析物の正確な質量の測定を可能にし、また特に電気セクターと連結した磁気セクター、飛行時間(TOF)を使用する高分解能分析器について記載することができる。
分子イオンのm/z比に基づく分離は、1回実施され得る(単回質量分析又はMS)、さもなければ連続的なMS分離が複数回実施され得る。連続する2回のMS分離が実施される場合、該分析はMS/MS又はMSと呼ばれる。連続する3回のMS分離が実施される場合、該分析はMS/MS/MS又はMSと呼ばれ、より一般的には、連続するn回のMS分離が実施される場合、該分析はMSと呼ばれる。
単回質量分析の連続2回の分離を使用するSRM(選択的反応モニタリング)分析モードは、MS分離の特別な使用である。
このMS/MSモードでのSRM検出は、MSモードと比較して2つの更なる工程を含み、両工程は、断片イオン(又は娘イオン)を得るために、前駆イオンと呼ばれる分子イオンを断片化することと、イオン質量の関数として断片イオンを分離することである。次に、断片イオンのm/z比が、分析される標的分子と関連付けられる。SRMモードの原理は、前駆イオンを特異的に選択し、それを断片化し、次にその断片イオンのうちの1つを特異的に選択することである。そのような用途では、「三連四重極」型又は「イオントラップを備えた三連四重極」ハイブリッドのデバイスが一般的に用いられる。
MSモードで使用される「三連四重極」又は「イオントラップを備えた四重極」デバイス(Q1q2Q3)の場合、標的タンパク質のアッセイ又は検出に関して、第1の四重極(Q1)が、アッセイされるタンパク質に特有のプロテオティピックペプチドに対応し、及び電荷に対する質量(m/z)の比の関数として事前の消化工程期間中に得られた分子イオンのフィルタリングを可能にするが、該分子イオンについては以下で詳記する。検討されるプロテオティピックペプチドの(m/z)と呼ばれる質量/電荷比を有するペプチドのみが、第2の四重極(q2)に移送され、後続する断片化のための前駆イオンとしてふるまう。q2分析器は、質量/電荷比(m/z)のペプチドを第1世代の断片イオンに断片化するのを可能にする。断片化は、前駆体ペプチドを、不活性気体、例えば窒素又はアルゴン等とq2中で衝突させることにより一般的に実現する。第1世代の断片イオンは第3の四重極(Q3)に移送され、該第1世代の断片イオンは、(m/z)と呼ばれる特定の電荷対質量比の関数としてフィルタリングされる。検討されるプロテオティピックペプチドに特有の断片に関する質量/電荷比(m/z)を有する第1世代の断片イオンのみが、検出又は定量化するために検出器に移送される。
この操作モードは、一方では、前駆イオンの選択に関連し、また一方では、第1世代の断片イオンの選択に関連する二重選択性を有する。SRMモードの質量分析は、従って定量に有利である。
本発明との関係においては、「三連四重極」又は「四重極イオントラップ」型の質量分析計は、アフィニティークロマトグラフィー及び高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)から選択されるクロマトグラフィーと連結し得る。好ましくは、質量分析計は、高性能液体クロマトグラフィーシステム(HPLC)と連結する。
上記のように、質量分析による検出の上流において、分析される試料は、試料中に存在するタンパク質からペプチドが生成するように、例えば、タンパク質分解(プロテアーゼ)酵素を用いた消化により、又は化学試薬の作用により、優先的に事前処理される。実際、タンパク質の切断は、物理化学処理により、生物学的処理により、又は2つの処理の組み合わせによりなし得る。それにもかかわらず、酵素消化によるタンパク質の処理の方が、タンパク質の構造を更に維持し、また制御しやすいので、物理化学処理よりも好ましい。
「酵素的消化」には、しかるべき反応条件の下で、一又は複数の酵素の単独又は混合作用を意味する目的がある。タンパク質分解を行う酵素はプロテアーゼと呼ばれ、タンパク質を特定の場所で切りはなす。本発明との関係においては、試料は、プロテアーゼ酵素、例えば、アルギニン(R)及びリジン(K)残基のカルボキシル基においてペプチド結合を切断するトリプシンの作用により、好ましくは消化される。
そのように得られたペプチドの中でも、アッセイされるタンパク質に特有のペプチドは、プロテオティピックペプチドと呼ばれる。これは、その後質量分析によりモニタリング及び定量化されるペプチドである。質量分析技術による、プロテオティピックペプチドを経由するタンパク質の定量的決定法は、複合流体中ですでに検証されている(Fortin T.ら、2009年)。
目的とするプロテオティピックペプチドは、マトリックス内のその特異性(インターネット上で自由に利用可能なペプチドAtlasソフトウェアの恩恵により)及びその感度(質量分析計におけるより良好な応答)に基づき選択される。
試料の複雑性に応じて、消化工程には、目的とする試料中に存在するペプチドを分画化する工程が、その複雑性を低下させるために後続し得る。分画化には、存在するいくつかのペプチドを従来方式で精製することを意味する目的がある。そのような分画化は、当業者にとって公知の技術、例えば、固相抽出法(SPE)、「off gel」分画化(Michel PE.ら、2003年)、又は固定化pH勾配等電点電気泳動法の技術(Essader ASら、2005年)等により実施され得る。
質量分析を使用する利点のうちの1つとして、分子、この場合タンパク質マーカー、例えばゲルソリン等を定量するのに特に有用であることが挙げられる。このために、標的分子の量に比例する検出電流強度が使用される。そのように測定された電流強度は定量的な指標として利用可能であり、存在する標的分子の量が決定可能となる。これは、選択された娘イオンにより誘導され、検出器内で測定された電流強度が、親イオンの量に比例し、親イオンの量はプロテオティピックペプチドの量にそれ自体比例し、プロテオティピックペプチドの量はアッセイされる目的分子の量にそれ自体比例するためである。従って、娘イオンにより誘導された電流の測定量は、アッセイされる分子の量に直接比例する。少なくとも1つの娘イオンと関連した少なくとも1つの定量測定値の選択、及びこの定量測定値と試料中に存在する分子の量との関連付けにより、定量的アッセイ法の実現が可能となる。
イムノアッセイ法と同様に、較正はやはり必要である。これにより、検出イオンにより誘導された電流強度に対応する測定されたピーク面積と、アッセイされる標的分子の量との関連付けが可能となる。このために、質量分析で慣習的に使用される較正法が、本発明の範囲内で利用され得る。SRMアッセイは、外部標準を使用して、又は好ましくは、T.Fortinら、2009年の記載に従い、内部標準を使用して慣習的に較正される。標的分子が、目的とするタンパク質のアッセイを可能にするプロテオティピックペプチドである場合、定量測定値と標的プロテオティピックペプチド、従って目的とするタンパク質の量との間の相関関係は、アッセイされる量が既知である標準シグナルと比較して、測定されたシグナルを較正することにより得られる。較正は較正曲線によって実施され得る、例えば、標準プロテオティピックペプチドを異なる濃度で連続注入することにより(外部較正)、又は優先的には、AQUA(「絶対定量」)法に基づき、内部標準として重いペプチドを使用する内部較正により取得され得る。「重いペプチド」には、アミノ酸配列が、選択された標的プロテオティピックペプチド(分子イオン)と同一であるが、そのいくつかの炭素12原子(12C)が、炭素13(13C)に置換し、及び/又は窒素14原子(14N)が、窒素15(15N)に置換した合成ペプチドを意味する目的がある。実際、このような重いペプチドは、標的とする天然ペプチドと同一の物理化学特性を有し(質量がより高い点を除き)、また同一のクロマトグラフィー保持時間において溶出する。このようなペプチドは、内部標準(IS)を構成する。重いペプチドは、質量分析アッセイの上流、例えば目的とする試料中のタンパク質消化の上流において、各試料に固定された量で添加される。従って、合成ペプチドは、標的タンパク質と同じ処理を受け、またペプチドの分画化の期間中に、アッセイされる天然の標的ペプチドと共に同時精製される。このペプチドは、アッセイを目的として、質量分析計に同時に注入される。アッセイされる天然のペプチド(被分析物)のピーク面積と重いペプチド(内部標準)のピーク面積を比較すれば、標的とする天然のペプチドのタンパク質の相対的定量が実施可能となり、これにより、アッセイされるタンパク質の相対量に帰属可能となる。
生物学的試料中のゲルソリンの量は、2つの異なる時刻T1及びT2において、少なくとも2回決定され得る。T1及びT2に採取された生物学的試料は、同一の性質を有する。好ましくは、T1及びT2に採取された生物学的試料は、血液試料、例えば全血、血漿、血清、又は任意の血液製剤等である。
G1と呼ばれるゲルソリンの量の第1の決定が、集中治療入院日からその後48時間の間に採取された生物学的試料中で、T1において実施される。1つの実施態様によれば、ゲルソリンの量の第1の決定(G1)は、入院後の最初の48時間以内に実施される。別の実施態様によれば、ゲルソリンの量の第1の決定(G1)は、集中治療入院日に実施される。
G2と呼ばれるゲルソリンの量の第2の決定が、第1のサンプリング後の2−3日、すなわち入院日の後の3−5日に採取された生物学的試料中で、時刻T2において実施される。1つの実施態様によれば、ゲルソリンの量の第2の決定(G2)は、入院後の72−120時間の間で実施される。
本発明によれば、ゲルソリンの第1の量G1、及びゲルソリンの第2の量G2を決定するのに用いられる方法は同一であり、またこれまでに記載した通りである。
第2の量G2を決定した後、本発明により、播種感染症を発症するリスクを予測する方法は、ゲルソリンの量G2とゲルソリンの量G1の間の変動を計算し、Δ値を得ることを含む。
Δ値は、G2とG1の間の差異を示すことができる、当業者にとって公知の任意の計算法により計算され得る。
1つの特定の実施態様によれば、Δ値は、下記の式(I)に基づき計算される:
G2−G1 (I)
この場合、Δ値は決定された量G2又はG1と同じ度量(magnitude)を有する。
別の特定の実施態様によれば、Δ値は、相対的変化率に対応し、下記の式(II)に基づき計算される:
Figure 2018523134
この場合、Δ値は割合(%)である。
別の特定の実施態様によれば、Δ値は、単位時間当たりの量の差異に対応し、下記の式(III)に基づき計算される:
Figure 2018523134
この場合、Δ値は、その度量として単位時間当たりの量の単位を有する。
集中治療入院患者の播種感染症を発症するリスクを予測する方法は、先行工程で得られたΔ値を、集中治療入院患者の2集団、播種感染症を発症しなかった一方の集団と、そのような感染症を発症した他方の集団からあらかじめ決定された参照値Sと比較することを含む。
播種感染症を発症するリスクが高い患者では、ゲルソリンの量がT2とT1の間で大幅に低下したことが、本出願人らにより思いがけず明らかにされたことから、この数値Sは常に負の値である。
本発明による参照値Sの決定は、有意性のある患者のサンプリングに基づく、すなわち、統計的に意味のある結果、従って試験された集団を代表する結果の取得を目的として最低数の試料に基づく。
そのような参照値Sの決定は、当業者に広く知られている。その決定は、試験された2集団から得られた生物学的試料を対象として、本発明の方法において使用されるアッセイ法と同一のアッセイ法を実施すること、及びこれら2集団間の区別を可能にする検定値(量)を決定することから特に構成される。
これら2集団間の区別を可能にする検定値(量)Sの決定法は、公知であり、受信者動作特性曲線(ROC)を用いて計算される。この曲線は、異なるセットの閾値について、x軸上に偽陽性の割合、すなわち以下で定義されるような特異性を、及びy軸上に真に陽性の割合、すなわち以下で定義されるような感度をプロットすることにより取得されたグラフである。この曲線は、判定閾値が、認められた検定値の全範囲にわたり変化するときの、すべての感度/特異性の対を表す。試験の診断的有効性を定量化する一般的な方法は、その性能をROC曲線下面積により表すことである。慣例では、この面積は常に≧0.5である。ROC曲線下面積の数値は、0.5(2つのサブグループ間での量の値の分布に差異を認めない;ROC曲線は、二等分線に対応する)と1(2つのサブグループでの量の値の完全分離;ROC曲線は、ポイント(0,1)を通過する)の間で変化する。ROC曲線下面積は、ポイント(0,1)に対するROC曲線の位置を表す定量的表現である(Hanley, J.A.及びMcNeil, B.J、1982年; Zweig, M. H.及びCampbell G.、1993年)。
感度は、陽性と認識された全陽性のうちの真に陽性の割合(%)を表す。感度は、病理学に対応する真に陽性の生物学的試料を検出する試験の能力を表す。「確率論的な」表現をするならば、感度は、試料が陽性であることを判別する陽性結果を観測する確率に対応する。
特異性は、陰性と認識された全陰性のうちの真に陰性の割合(%)を表す。特異性は、真に陰性であり、健常者に対応する試料を陽性として診断しない試験の能力を表す。「確率論的な」表現をするならば、特異性は、試料が陰性であることを判別する陰性結果を観測する確率に対応する。
参照値Sを取得するためには、下記の条件を満たさなければならない:
− 2つの患者集団から採取された試料は、播種感染症を発症するリスクを決定するのが望ましい対象又は患者と同一の特徴又は一般的特徴の大部分を有する、特に性別が同一、及び/又は年齢が類似した若しくは同一である、及び/又は民族的な起源が同一である集中治療入院患者に、好ましくは由来する;
− 参照値Sを取得するのに使用される試料は、感染症を発症するリスクを予測するのが望ましい患者から採取された試料と同一の性質を有さなければならない;
− 患者は、生物学的試料採取時に播種感染症の症状を有さない、及びその播種感染症又は非播種感染症への進行が帰納的に立証されている。
本発明の方法は、生物学的試料の起源となる患者について、播種感染症を発症するリスクレベル(高い又はそうでない)に関する結論の導出を可能にし、前記閾値Sより低いΔ値は、集中治療入院患者が、播種感染症を発症するリスクが高い患者であることを意味し、及び前記閾値Sを上回るΔ値は、集中治療入院患者が、播種感染症を発症するリスクが高い患者ではないことを意味する。
高リスク患者は上記で定義した通りである。
本発明の方法の結果及び患者の層別化に基づき、播種感染症を発症するリスクが高い患者と考えられる場合には、臨床医は、一又は複数の下記の処置について決断を下すことができる:予防的な抗生物質治療、さもなければ標的を定めた免疫療法の投与、又はより単純には、病原体の進入箇所を制限することができる(すなわち、できる限り速やかにカテーテルを抜去すること等)。
本発明は、非限定的な説明図により、及び図1−10を参照しながら記載される下記の実施例を支援としてより深く理解される。
分子イオン(親イオン)の選択を目的とした、ゲルソリンタンパク質の3つの合成プロテオティピックペプチドの、増強質量分析(EMS)モードでのMSスペクトルを提示するグラフを表す図であり、x軸は、ダルトンで表されるm/z比であり、及びy軸は、カウント/秒(cps)で表される強度であり、グラフ上、使用した3つのプロテオティピックペプチドが認められる。 ペプチドHVVPNEVVVQRに関して選択された親イオンから得られる断片イオンの選択を目的とした、増強プロダクトイオン(EPI)モードでのMSスペクトルを提示するグラフを表す図であり、x軸は、ダルトンで表されるm/z比であり、及びy軸は、カウント/秒(cps)で表される強度である。 ペプチドAGALNSNDAFVLKに関して選択された親イオンから得られる断片イオンの選択を目的とした、増強プロダクトイオン(EPI)モードでのMSスペクトルを提示するグラフを表す図であり、x軸は、ダルトンで表されるm/z比であり、及びy軸は、カウント/秒(cps)で表される強度である。 ペプチドQTQVSVLPEGGETPLFKに関して選択された親イオンから得られる断片イオンの選択を目的とした、増強プロダクトイオン(EPI)モードでのMSスペクトルを提示するグラフを表す図であり、x軸は、ダルトンで表されるm/z比であり、及びy軸は、カウント/秒(cps)で表される強度である。 臨床フォローアップで、その後播種感染症を発症したことが明らかとなった患者(DI)、及び臨床フォローアップでその後そのような感染症を発症しなかったことが明らかとなった患者(NDI)である、集中治療入院患者49例からなる群の関数として、量の単位で表される差異G2−G1をy軸上に示す図である。 差異G2−G1のROC(受信者動作特性)曲線を示す図であり、図5の結果から閾値を選択して、最低感度75%を実現可能にする。 臨床フォローアップで、その後播種感染症を発症したことが明らかとなった患者(DI)、及び臨床フォローアップで、その後そのような感染症を発症しなかったことが明らかとなった患者(NDI)である、集中治療入院患者49例からなる群の状態の関数として、変動の程度
Figure 2018523134
をy軸上に示す図である。
変動の程度
Figure 2018523134
のROC(受信者動作特性)曲線を示す図であり、図7の結果から閾値を選択して最低感度75%を実現可能にする。
臨床フォローアップで、その後播種感染症を発症したことが明らかとなった患者(DI)、及び臨床フォローアップで、その後そのような感染症を発症しなかったことが明らかとなった患者(NDI)である、集中治療入院患者49例からなる群の状態の関数として、次式
Figure 2018523134
に基づき、単位時間当たりの量の単位で表される、2回のサンプリングの間の時間間隔により補正した後のT2とT1の間のゲルソリンの量の差異をy軸上に示す図である。
次式
Figure 2018523134
に基づき計算された、単位時間当たりの量の差異のROC(受信者動作特性)曲線を示す図であり、図9の結果から閾値を選択して最低感度75%を実現可能にする。
実施例1: 血液試料の取得及び調製
この遡及的観察研究は、LyonにあるEdouard−Herriot病院の集中治療室に入院した重度の多発外傷患者を対象として、2009−2012年に実施された。組入れ基準は下記の通りであった:
− 18歳又はそれより年長の患者
− 25より高い、又はそれに等しいISS(傷害重症度スコア)
− 集中治療室滞在期間が、推定少なくとも3日間
− 機械式人工呼吸下
臨床的除外基準は、誤嚥性肺炎、外傷中の腸穿孔、免疫抑制療法、及び最初の48時間における死亡であった。
重度の多発外傷患者49例が、本試験に含まれた。これらの患者すべてが下記の基準に適合した:
− 外傷後の最初の48時間以内(T1)に、第1の血液試料を採取した、
− 第2の血液試料を、第1の後2−3日置いて採取した(外傷後96−120時間−T2)、
− 懸念される患者において、一次感染が生じた日付が、第2のサンプリングの日付よりも後であった。
これらの患者のうち18例が、集中治療入院後、平均5日目に播種感染症を発症した(セプシス症候群)。
供給業者の推奨に従い、2つの血液試料を、本試験に含まれた患者毎にEDTAチューブに採取した。次にチューブを転倒させながら15分間、軽く混和した後、2750g及び15℃で15分間、遠心分離した。上清を丁寧に取り出し、ゲルソリンをアッセイするまで、−80℃で凍結した。
実施例2: LC−MS技術によるゲルソリンの検出
SRM分析法の連続した工程は以下の通り:
1)酵素消化、
2)ペプチドのSPE(固相抽出)分画化、
3)MSと連結した液体クロマトグラフィー(LC)。
それでも、この方法を実施する前には、様々な親イオン/断片化イオンの対、又はSRMトランジションが、以下のように識別された。
Uniprot(Swissprot番号P06396−1)で得られた分泌型ゲルソリンのアイソフォーム1の完全な配列(配列番号1)から、配列が配列番号2−4の3つの選択されたプロテオティピックペプチドに関する理論的なSRMトランジションのリストを、ゲルソリンマーカーアッセイ用として、Skylineソフトウェアを用いて生成した(Brendan MacLeanら、2010年)。このソフトウェアは、ペプチドの理論的なリストを生成するために、タンパク質の仮想的トリプシン消化を、そのペプチド配列から実施できるようにする。このペプチドのリストから、質量が400−1000Daの範囲内にある理論的なトリプシンペプチドの二重又は三重に荷電した親イオンのすべてについて、及び可能性のあるy型又はb型の断片イオンのすべてについて、SRMトランジションを予測した。
配列番号1:ゲルソリンのアイソフォーム1
MAPHRPAPALLCALSLALCALSLPVRAATASRGASQAGAPQGRVPEARPNSMVVEHPEFLKAGKEPGLQIWRVEKFDLVPVPTNLYGDFFTGDAYVILKTVQLRNGNLQYDLHYWLGNECSQDESGAAAIFTVQLDDYLNGRAVQHREVQGFESATFLGYFKSGLKYKKGGVASGFKHVVPNEVVVQRLFQVKGRRVVRATEVPVSWESFNNGDCFILDLGNNIHQWCGSNSNRYERLKATQVSKGIRDNERSGRARVHVSEEGTEPEAMLQVLGPPALPAGTEDTAKEDAANRKLAKLYKVSNGAGTMSVSLVADENPFAQGALKSEDCFILDHGKDGKIFVWKGKQANTEERKAALKTASDFITKMDYPKQTQVSVLPEGGETPLFKQFFKNWRDPDQTDGLGLSYLSSHIANVERVPFDAATLHTSTAMAAQHGMDDDGTGQKQIWRIEGSNKVPVDPATYGQFYGGDSYIILYNYRHGGRQGQIIYNWQGAQSTQDEVAASAILTAQLDEELGGTPVQSRVVQGKEPAHLMSLFGGKPMIIYKGGTSREGGQTAPASTRLFQVRANSAGATRAVEVLPKAGALNSNDAFVLKTPSAAYLWVGTGASEAEKTGAQELLRVLRAQPVQVAEGSEPDGFWEALGGKAAYRTSPRLKDKKMDAHPPRLFACSNKIGRFVIEEVPGELMQEDLATDDVMLLDTWDQVFVWVGKDSQEEEKTEALTSAKRYIETDPANRDRRTPITVVKQGFEPPSFVGWFLGWDDDYWSVDPLDRAMALAA
配列番号1の配列に由来するゲルソリンについて選択されたプロテオティピックペプチドは、HVVPNEVVVQR(配列番号2)、AGALNSNDAFVLK(配列番号3)、及びQTQVSVLPEGGETPLFK(配列番号4)である。
選択された3つのプロテオティピックペプチドを、次に化学的に合成し、最高強度のトランジションを選択し、また各ペプチドについて分光光度計のパラメーター:
− 衝突エネルギー(CE)、
− オリフィス電圧(DP、デクラスタリング電位)
− 増強電位(EP)、及び
− 衝突セルの出口電圧(CXP、衝突セル出口ポテンシャル)
を最適化するために、質量分析計に直接注入した。
親イオンの選択を目的とした、EMS(増強質量分析)モードでの質量分析スペクトルを図1に示し、並びに親イオンHVVPNEVVVQR、AGALNSNDAFVLK、及びQTQVSVLPEGGETPLFKから選択される、断片化したイオンを選択するためのEPI(増強プロダクトイオン)モードでの質量分析スペクトルを図2−4にそれぞれ示す。
この選択の結果を表1にまとめる。
Figure 2018523134
1)酵素消化
実施例1で得られた血漿試料(重い合成ペプチド20μlを過負荷した容積100μl)を、炭酸水素アンモニウム(pH8、5mM)で緩衝化された、15mMジチオスレイトールを含有する6M尿素溶液中において、60℃で40分間変性及び還元し、次に35mMヨードアセトアミドにより、室温、暗所下で40分間アルキル化する。次に、試料を、50mM炭酸水素アンモニウムバッファー、pH8で8倍に稀釈した後、トリプシン(Sigma社)200μgにより37℃で4時間消化する。第2の還元−アルキル化サイクルを実施した後、第2のトリプシン消化工程を、37℃、一晩実施する。
2)SPE分画化
消化した試料を、超音波で15分間超音波処理し、15000gで30分間遠心分離する。該試料を、次に混合型(疎水性及びイオン交換)Oasis MCX(混合型陽イオン交換)カートリッジ、及びOasis MAX(混合型陰イオン交換)カートリッジ(Waters社)60mg上に負荷する。MCXカートリッジ上に負荷する試料は、水/2%ギ酸から構成されるpH3溶液であらかじめ酸性化する。MAXカートリッジ上に負荷する試料は、水/10%水酸化アンモニウムから構成されるpH12溶液であらかじめ塩基化する。カートリッジは、メタノールであらかじめ平衡化しておく。
分画化手順を下記の表2に記載する:
Figure 2018523134
アッセイされるペプチドを、メタノール/炭酸水素アンモニウムバッファー(v/v)混合物1mlで溶出する。炭酸水素バッファーのpHは、目的とするプロテオティピックペプチドの等電点の関数として選択される。溶出液は、TurboVap(登録商標)システム(Biotage社)を使用し、窒素気流の下で一部蒸発させ、次に0.5%ギ酸を含有する水溶液を使用して、250μlの容積が得られるように容積を調整する。
3)液体クロマトグラフィー(LC)及び質量分析(MS)
100μlのアリコートを、下記の特性に基づくMSシステムと連結したLCに注入した。
LC−MS分析は、バイナリーポンプ及びSRMモードで作動する質量分析計、AB Sciex5500QTrap(三連四重極−イオントラップハイブリッドMS)(Q1q2Q3)と連結した注入装置を備えたNexera LC型(Shimadzu社)の高圧クロマトグラフィーシステム(HPLC)上で実施する。LC分離は、2.1×150mmのC18逆相カラム、3.6μm(Aeris Peptide、Phenomenex社)上、溶出速度250μl/分で実施する。溶出剤A=水に溶解した0.1%ギ酸、溶出剤B=メタノールに溶解した0.1%ギ酸。5%溶媒Bでの等溶媒濃度勾配を2分間、次に37分内で5%B−60%Bの直線勾配、その後に、5%溶媒Bでの等溶媒濃度勾配を2分間生成した。5500Vの電圧をニードルに印加し、ソース内でのイオン化を可能にして、MS分析をポジティブESI(エレクトロスプレーイオン化)モードで実施する。ネブライジングガス(空気)及びカーテンガス(窒素)の流速は、それぞれ40及び50psiである。Turbo VTMイオン源は550℃に、補助的窒素流は40psiに設定される。
装置の制御及びデータ取得は、Analyst1.5.2ソフトウェアを用いて実施される。
各トランジションの固有パラメーター(DP、EP、CE、CXP、及び保持時間)を使用して、Schedule−SRM取得法を、画分毎に構築した。合成ペプチドを過負荷した血清及び血漿試料による試験期間中に認められた各ペプチドの保持時間近辺のウィンドウ4分、及び目標スキャン時間1.15秒をすべてのデータ取得において使用した。
SRMの生データを、Multiquant2.1ソフトウェア(AB Sciex社)及びSignal Finder積分アルゴリズムを使用して再処理した。該ソフトウェアは、各ペプチドに対応するクロマトグラムの抽出を可能にする。
較正では、選択された標的ペプチド(娘イオン)と同一の配列を有する重い合成ペプチドを合成したが、同ペプチドは、内部標準として使用可能となるように、標識されたリジン又はアルギニン(13C及び15N)を含み、リジンにつき+8ダルトン、アルギニンにつき+10ダルトンであった。試料には、これらの標識された重いペプチドを過負荷した。
配列番号2、配列番号3、配列番号4のペプチドに対応するすべての選択されたトランジション(表2)について、天然のトランジションのクロマトグラフィーピーク面積を重いトランジションの面積で割り算した比を決定して、試料毎に1トランジション当たりの相対量を取得した。次に、試験した生物学的試料中のタンパク質の濃度に該当する単回量を取得するために、同一試料の各トランジションの相対量を一つに統合した。「統合した」には、1タンパク質当たりの単回量を取得するために、独立しているが関連するいくつかの量の同一タンパク質が共に混合されることを意味する目的がある。この統合は、比の中央値を採用することにより実施した。
実施例3: データの統計分析
患者を2群に分けた:
〇患者が播種感染症を発症しなかったことを示す臨床的状態を有する患者(「NDI」):N=31
〇患者が播種感染症を発症したことを示す臨床的状態を有する患者(「DI」):N=18
感染症のリスクと関連した変量を識別するために、オッズ比(OR)及び関連する信頼区間(95%CI)を決定することにより、単変量及び多変量ロジスティック回帰分析を実施した。
ROC(受信者動作特性)曲線及び該曲線下の面積(AUC:曲線下面積)を、Δ値G2−G1
Figure 2018523134
及び
Figure 2018523134
について計算した。R−3.0.0言語を使用して、データの統計分析を実施した。
結果
集中治療入院患者の血漿ゲルソリンの量と播種感染症の発生との間の関係。
ゲルソリンの変量及びその他の臨床的変量と、患者の状態(この場合「播種感染症を発症した」状態)との関係を、ロジスティック回帰分析によって検定した。関係の強度を、播種感染症を発症しない確率に対する播種感染症を発症する確率の比であるオッズ比(OR)の計算により見積もった。
試験した臨床的変量は、性別、外傷重症度スコア(ISS:傷損傷重症度スコア)、単純化した重症度インデックス(SSI II)、神経学的外傷、呼吸器学的外傷、赤血球の輸血、凍結した新鮮血漿の輸血である。
ゲルソリン量の変量を、上記方法に基づき、T2とT1の間のゲルソリンレベルの差異G2−G1を決定することにより測定した。
定性的変量、すなわち神経学的外傷、呼吸器学的外傷、赤血球の輸血、及び凍結した新鮮血漿の輸血毎に、オッズ比は以下のよう解釈される:
− OR=1:関連性なし。
− OR<1:播種感染症を発症するリスクは、この特徴を有さない患者においてより一般的である。
− OR>1:播種感染症を発症するリスクは、この特徴を有する患者においてより一般的である。
性別変量毎に、オッズ比は以下のように解釈される:
− OR=1:関連性なし。
− OR<1:播種感染症を発症するリスクは、女性においてより一般的である。
− OR>1:播種感染症を発症するリスクは、男性においてより一般的である。
定量的変量、すなわちゲルソリンレベルの差異G2−G1、ISS、及びSSI II毎に、オッズ比は、以下のように解釈される:
− OR=1:関連性なし。
− OR<1:第1から第3四分位値における増加は、播種感染症を発症するリスクの低下と関連する。
− OR>1:第1から第3四分位値における増加は、播種感染症を発症するリスクの増加と関連する。
入院後の数日中に播種感染症を発症した集中治療入院患者において、これらの変量すべてをモニタリングした。
単変量ロジスティック回帰分析を、これらの共変量毎に実施した。次に、単変量分析においてp値が0.1未満の変量を、調整後のオッズ比の決定に帰結する多変量分析において保持した。
結果を下記の表3に示す。
Figure 2018523134
表3の結果は、2日又は3日の間隔(T2−T1)で測定された血漿ゲルソリンの量の差異が、患者の状態(「播種感染症を発症した」状態)と、従って播種感染症を発症するリスクと有意に関連したことを示している。実際、表3に示す通り、単変量ロジスティック回帰分析では、T2とT1の間のゲルソリンの差異についてオッズ比0.11、及び多変量分析では0.1と決定され、p値はそれぞれ0.0013及び0.002であった。更に、その他の変量は、多変量分析において有意ではない。
ゲルソリンの差異G2−G1が−0.288の患者は、ゲルソリンの差異G2−G1が−0.002の患者よりも10倍高い播種感染症を発症するリスクを有する。
血漿ゲルソリン量を測定することによる播種感染症の発生予測
血漿ゲルソリンの量と播種感染症を発症するリスクの間の関係の他に、本出願人の試験では、2日又は3日の間隔を置いて採取された2つの連続した試料において測定された血漿ゲルソリンの量の差異は、その後数日中(<D8)の播種感染症発生の予測を可能にすることを明らかにした。
Δ値=G2−G1
患者49例に関する差異G2−G1の結果を図5に提示し、この場合、臨床フォローアップで、その後播種感染症を発症したことが明らかとなった患者(DI)、及び臨床フォローアップで、その後そのような感染症を発症しなかったことが明らかとなった患者(NDI)である、集中治療入院患者49例からなる群の関数として、量の単位で表わされた差異G2−G1をy軸上に示す。
図5の結果は、2回のサンプリングの間のゲルソリンの量は、その後数日中に播種感染症を発症する患者では常に減少すること(G2−G1<0)、及びこの減少は播種感染症を発症しない患者と比較して、この集団の方が有意により顕著であることを示している。
式G2−G1を使用して得られるΔ値に基づき、播種感染症を発症するリスクが高い患者とリスクが高くない患者の間の予測を可能にする閾値の決定は、図6に提示するROC曲線を使用して実施された。従って、閾値を−0.144839402777984の数値(負の値)に設定すると、この閾値よりも低いΔ値を有する患者では、その後数日中に感染症が発生することを、感度83.3%及び特異性71%で予測することができる。
Figure 2018523134
結果は、以下の式(II)
Figure 2018523134
に基づき、変化率を計算することにより、相対的変動でも表された。
結果を図7に提示し、同図は播種感染症に晒される患者の平均値を示す;この平均値は、−22%である(ゲルソリンの量は、T1とT2の間で、感染症に罹患しない患者における5.05%と比較して、そのような患者では22%(中央値)減少する)。
このコホートについて、Δ値が式
Figure 2018523134
に関するときの閾値を、図8に示すように、ROC曲線を用いて測定した。従って、閾値を−0.121558271983808に等しい値に設定すると、この閾値よりも低いΔ値を有する患者では、その後数日中に播種感染症が発生することを、感度83.3%及び特異性67.7%で予測することができる。
以上から、このデータセットを用いる場合、この方法は最適とは言えないが、しかしそうであっても、より大きなコホートの患者を扱う場合において、そのような方法の使用は制限されない、と結論付けることができる。
Figure 2018523134
一方、個々の患者について必ずしも均一ではない、2回のサンプリングの間の時間間隔を考慮するために、2回のサンプリングの間の時間間隔に対するゲルソリンの差異の比を計算することにより、1日当たりのゲルソリンレベルの変動を調査した。この計算は、下記の式(III)に基づき、2回のサンプリングの間の時間間隔に対するゲルソリンの差異の比を計算することから構成される:
Figure 2018523134
結果を、図9に示す。この計算により、1日当たりのゲルソリンの量の差異に関する中央値は、播種感染症を発症しない患者では−0.02である一方、播種感染症を発症する患者では−0.12であることを明らかにした。
Δ値が式
Figure 2018523134
に関するときの閾値を、図10に示すように、ROC曲線を用いて決定した。従って、閾値を−0.072419701388992に等しい値に設定すると、その後数日中に播種感染症が発生することを、感度77.8%及び特異性71%で予測することができた。
以上から、このデータセットを用いる場合、この方法は最適とは言えないが、しかしそうであっても、より大きなコホートの患者を扱う場合において、そのような方法の使用は制限されないと、結論付けることができる。
患者49例によるデータによれば、第1の方法(Δ値=G2−G1)こそが、最良の妥協案の取得を可能にする。それにもかかわらず、Δ値を計算する別の方法は、より大きなコホートによる別のデータに対してなおも適する。
驚くべきことに、本出願人らの研究は、入院後の最初の48時間以内に第1回目、2日−3日後に第2回目が実施される2回の連続したサンプリングで、血漿ゲルソリンレベルを測定すると、播種感染症を示す臨床的兆候が存在しない場合でも、集中治療入院患者における播種感染症の発生を予測することができることを明らかにした。
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Claims (8)

  1. 播種感染症の臨床症状を有さない集中治療入院患者のそのような感染症を発症するリスクを予測する方法であって、
    − 集中治療入院日とその後の48時間の間に実施される、時刻T1において採取された第1の試料に由来の前記患者から得られた生物学的試料中に含まれる第1のゲルソリンの量G1を決定することと、
    − 第1のサンプリング後2日−3日において実施される、時刻T2において採取された第2の試料に由来の前記患者から得られた生物学的試料中に含まれる第2のゲルソリンの量G2を決定することと、
    − ゲルソリンの量G2とゲルソリンの量G1の間の変動を計算して、Δ値を得ることと、
    − 先行する工程で得られたΔ値を、集中治療入院患者の2集団、播種感染症を発症しなかった一方の集団、及びそのような感染症を発症した他方の集団からあらかじめ決定された閾値Sと比較することと、
    を含み、
    前記閾値Sより低いΔ値は、前記集中治療入院患者が、播種感染症を発症するリスクが高い患者であることを意味し、
    前記閾値Sを上回るΔ値は、前記集中治療入院患者が、播種感染症を発症するリスクが高い患者ではないことを意味する、
    方法。
  2. 下記の式(I)、
    G2−G1 (I)
    に基づきΔ値が計算されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. Δ値が、相対的変化率に対応し、下記の式(II)、
    Figure 2018523134
    に基づき計算されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. Δ値が、単位時間当たりの量の差異に対応し、下記の式(III)、
    Figure 2018523134
    に基づき計算されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 第1のサンプリング(T1)が、集中治療入院日に実施されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記生物学的試料が、全血、血漿、血清、又は任意の血液誘導体であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. ゲルソリンの量が、質量分析及びイムノアッセイから選択される技術により決定されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記患者が、多発外傷患者、いわゆる重症熱傷患者、膵炎又は急性呼吸器症候群に罹患した患者から選択されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
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