JP2018521682A - 細胞培養培地を生成するためのプロセス - Google Patents

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Abstract

本発明は、乾燥粉末細胞培養培地を製造するためのプロセスに関する。共凍結乾燥によって生じる混合された粒子の調製および利用は、化学組成物を変えることなく改良された溶解性をもつ細胞培養培地に繋がる。

Description

本発明は、乾燥粉末細胞培養培地を製造するためのプロセスに関する。共凍結乾燥によって生じる混合された粒子の調製および利用は、化学組成物を変えることなく改良された溶解性をもつ細胞培養培地に繋がる。
本発明の背景
水性溶液中の細胞培養培地は、細胞の成長をサポートしかつ維持するか、および/またはある生成物の標的とされる生成に有利な所望とする生理的細胞条件を維持する、環境を提供することができる。
その成長および/または標的とされる生理的状態がサポートされる生物のタイプに依存して、細胞培養培地は、構成要素、時に100超の様々な構成要素の複雑な混合物を含む。
哺乳動物、昆虫、または植物細胞の増殖のために必要とされる細胞培養培地は、典型的には細菌、酵母、または真菌の成長をサポートする培地よりも、非常に複雑である。
開発された最初の細胞培養培地は、定義されていない構成要素、例えば血漿、血清、胚抽出物、または他の定義されていない生物学的抽出物またはペプトンからなっていた。したがって、主な進歩は、化学的に定義された培地の開発によってなされた。化学的に定義された培地は、アミノ酸、ビタミン、金属塩、抗酸化剤、キレーター、成長因子、緩衝液、ホルモン、および当業者に公知のより多くの物質を含むが、これらにもっぱら限定されるわけではない。
いくつかの細胞培養培地は、無菌の水性液体として提供される。液体の細胞培養培地の不利な点は、それらの短縮された貯蔵寿命、および輸送と貯蔵に関する困難性である。結果として、多くの細胞培養培地は、現在は微細に粉砕された乾燥粉末混合物として提供される。それらは、水および/または水性溶液中で溶解する目的のために製造され、しばしば、他の補助剤とともに、成長のための本質的な栄養のベースとともに細胞を供給し、および/または同じ前記細胞からのバイオ医薬品の生成ために、溶解状態において設計される。
大部分のバイオ医薬品生成プラットフォームは、流加バッチ(fed-batch)の細胞培養プロトコールに基づく。本目的は、増大する市場の要求を満たし、製造コストを削減するために、典型的には高力価の細胞培養プロセスを開発することである。高パーフォーマンスのリコンビナント細胞の株の使用のほかに、細胞培養培地およびプロセスパラメーターの改良は、最大生成能力を実現するために必要とされる。
流加バッチプロセスにおいて、基礎培地は、初期の成長および生成をサポートし、流加培地(a feed medium)は、栄養分の枯渇を防ぎ、生成相を維持する。培地は、異なる生成相の間、別個の代謝の要求に適合するために選ばれる。プロセスパラメーターの設定−流加ストラテジー(feeding strategy)および制御パラメーターを包含する−は、細胞成長およびタンパク質生成に適した化学的および物理的環境を定義する。
流加培地の最適化は、流加バッチプロセスの最適化における主な側面である。
大抵、流加培地は、高度に濃縮されて、バイオリアクターの希釈を回避する。制御された栄養分の添加は、培養の成長速度に直接影響を及ぼす。
乾燥粉末からの細胞培養培地の調製のための限定因子は、いくつかの構成要素の難溶性である。結果として、細胞培養培地中の、このような化合物の溶解性を改良するためのやり方を、見出すことが好ましい。
本発明の簡単な記載
化合物の溶解性は、少なくとも1つの他の担体化合物とそれらを共凍結乾燥することによって改良され得ることが、見出された。それらの混合された粒子は、共凍結乾燥によって調製され、その後細胞培養培地の他の構成要素とともに混合され粉砕され得る。難溶性の構成要素の溶解性が、共凍結乾燥によって改良されるにつれて、共凍結乾燥物として難溶性の構成要素を添加することなく構成要素が混合され粉砕されるだけである同じ組成をもつ細胞培養培地と比較して、本発明の方法で処置される細胞培養培地は、より良好な溶解性をもつ。この溶解性の改良は、細胞培養培地の化学組成物を交換することなく達成される。
本発明は、このように、与えられた組成物をもつ乾燥粉末細胞培養培地の溶解性を、以下のステップによって改良するための方法に関する:
a)前記細胞培養培地中の1以上の難溶性の構成要素を同定すること、
b)ステップa)において同定された1以上の構成要素を、担体構成要素としての前記細胞培養培地の少なくとも1つの構成要素と、共凍結乾燥すること、
c)ステップb)において生じた1以上の共凍結乾燥物を、細胞培養培地の他の構成要素とともに混合すること、および任意に、結果として生じる混合物を粉砕することによって、該乾燥粉末細胞培養培地を調製すること。
好ましい態様において、1以上の難溶性の構成要素は、25℃の水中での10g/l未満の溶解性をもつ化合物である。
好ましい態様において、1以上担体構成要素は、以下の群から選択される:
− 塩化カルシウム、無水のおよび水和の形態
− リン酸水素二カリウム、無水のおよび水和の形態
− リン酸水素二ナトリウム、無水のおよび水和の形態
− 塩化マグネシウム、無水のおよび水和の形態
− 硫酸マグネシウム、無水のおよび水和の形態
− 塩化カリウム
− リン酸二水素カリウム
− 塩化ナトリウム
− リン酸二水素ナトリウム、無水のおよび水和の形態
− 炭酸水素ナトリウム
− D(−)−フルクトース
− D(−)−マンニトール
− D(+)−ガラクトース
− D(+)−グルコース、無水のおよび水和の形態
− D(+)−マンノース
− グリシン
− グリシル−L−チロシン水和物
− L−アラニン
− L−アラニル−L−グルタミン
− L−アルギニンおよび塩酸塩の形
− L−アスパラギン一水和物
− L−アスパラギン酸
− L−システインおよび塩酸塩/水和の形態
− L−グルタミン酸
− L−グルタミン
− L−ヒスチジンおよび塩酸塩の形
− L−ヒドロキシプロリン
− L−イソロイシン
− L−ロイシン
− L−リシン一水和物および塩酸塩の形
− L−メチオニン
− L−フェニルアラニン
− L−プロリン
− L−セリン
− L−トレオニン
− L−トリプトファン
− L−バリン
− L−アスパラギン酸ナトリウム一水和物
− リン酸チロシン二ナトリウム塩
− L−グルタミン酸ナトリウム一水和物
− HEPES_CCM
− HEPESナトリウム
− MOPS
− 塩化コリン
− ポロクサマー188
− 酢酸ナトリウム三水和物
− ミオイノシトール
− オキサロ酢酸
− コハク酸
− ピルビン酸ナトリウム塩
− アルファ−ケトグルタル酸二ナトリウム塩二水和物
− ベータ−グリセロリン酸二ナトリウム塩五水和物またはそれらの混合物
好ましい態様において、1以上の担体構成要素は、以下の群から選択される:塩化ナトリウム、D(−)−フルクトース、D(−)−マンニトール、D(+)−ガラクトース、D(+)−マンノース、グルコース無水和物ならびにグルコースの水和の形態、グリシン、L−アラニン、L−アルギニン、およびその塩酸塩の形態、L−アスパラギン一水和物、L−アスパラギン酸、L−システインおよび塩酸塩/水和の形態、L−グルタミン酸、L−グルタミン、L−ヒスチジンおよび塩酸塩の形態、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リシン一水和物および塩酸塩の形態、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−トレオニン、L−トリプトファン、L−バリン、L−アスパラギン酸ナトリウム一水和物、グルタミン酸ナトリウム一水和物、HEPESおよびナトリウムの形態、MOPS、塩化コリン、ポロクサマー188などのポロクサマー、または該構成要素の1以上の混合物。
一態様において、1以上の担体構成要素は、25℃の水中での10g/l超の溶解性をもつ化合物である。
好ましい態様において、1以上の難溶性の構成要素は、シスチン、クエン酸鉄(III)水和物、塩化鉄(III)六水和物、および/またはチロシンの群から選択される。
さらなる好ましい態様において、ステップb)において共凍結乾燥は、構成要素の水性溶液を生成させ、混合物を凍結させ、そして、減圧下で液体を除去することによって実施される。
本発明は、以下による細胞培養培地を製造するためのプロセスに関する:
a)難溶性の細胞培養培地の少なくとも1つの構成要素を、担体構成要素としての細胞培養培地の少なくとも1つの他の構成要素と共凍結乾燥すること、
b)ステップa)において生じた1以上の共凍結乾燥物を細胞培養培地の他の構成要素とともに混合すること、
c)任意に、ステップb)の混合物を粉砕に供すること。
好ましい態様において、少なくとも1つの難溶性の構成要素は、25℃の水中での10g/l未満の溶解性をもつ化合物である。
好ましい態様において、1以上の難溶性の構成要素は、シスチン、クエン酸鉄(III)水和物、塩化鉄(III)六水和物、および/またはチロシンの群から選択される。
好ましい態様において、1以上担体構成要素は、以下の群から選択される:塩化ナトリウム、D(−)−フルクトース、D(−)−マンニトール、D(+)−ガラクトース、D(+)−マンノース、グルコース無水和物ならびにグルコースの水和の形態、グリシン、L−アラニン、L−アルギニン、およびその塩酸塩の形態、L−アスパラギン一水和物、L−アスパラギン酸、L−システインおよび塩酸塩/水和の形態、L−グルタミン酸、L−グルタミン、L−ヒスチジンおよび塩酸塩の形態、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リシン一水和物および塩酸塩の形態、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−トレオニン、L−トリプトファン、L−バリン、L−アスパラギン酸ナトリウム一水和物、グルタミン酸ナトリウム一水和物、HEPESおよびナトリウムの形態、MOPS、塩化コリン、ポロクサマー188などのポロクサマー、または該構成要素の1以上の混合物。
好ましい態様において、共凍結乾燥物における水中で難溶性の構成要素の量は、担体構成要素の量の1と50%(w/w)との間にある。
ステップa)におけるさらなる好ましい態様において、共凍結乾燥は、該構成要素の水性溶液を生じること、混合物を凍結すること、および減圧下で液体を除去することによって実施される。
さらなる好ましい態様において、ステップb)からの混合物は、ボールミル、ピンミル、フィッツミル、またはジェットミル中で粉砕される。
さらなる好ましい態様において、ステップb)からの混合物は、粉砕に先立って10℃未満の温度に冷却される。
さらなる態様において、ステップa)において、細胞培養培地の少なくとも2つの構成要素を共凍結乾燥することによって、2以上の異なる共凍結乾燥物が、各々製造される。
本発明は、その上、本発明に従った方法によって製造される粉末状の細胞培養培地に、関する。
本発明は、水中で難溶性の少なくとも1構成要素、および少なくとも1つの担体構成要素を含有する1以上の共凍結乾燥物を含む粉末状の細胞培養培地に関する。
好ましくは、水中で難溶性の1つの構成要素、および1つの担体構成要素のみを含有する共凍結乾燥物に関する。
好ましい態様において、粉末状の細胞培養培地は、シスチン、クエン酸鉄(III)水和物、塩化鉄(III)六水和物、および/またはチロシンを含む1以上の共凍結乾燥物を含有する。
一態様において、粉末状の細胞培養培地は、2以上共凍結乾燥物を含む。
本発明の説明
図1は、共凍結乾燥の形態のシスチンを添加することによって調製される、DMEM F12細胞培養培地中のシスチンの安定性を示す。その上詳細は、例5中に見出されることができる。
本発明に従う細胞培養培地は、細胞のin vitroでの成長を維持および/またはサポートし、および/または、特定の生理的状態をサポートする構成要素の、いずれかの混合物である。
それは、複合培地または化学的に定義される培地であってもよい。細胞培養培地は、細胞のin vitroで成長の維持および/またはサポートに必要なすべての構成要素、または、その上に構成要素が別に添加されるように、ほんのいくつかの構成要素を含む。本発明に従う細胞培養培地の例は、細胞のin vitroでの成長を維持および/またはサポートするのに必要なすべての構成要素を含む全培地、培地補助剤、または供給物(feeds)である。好ましい態様において、該細胞培養培地は、全培地または供給物である。
典型的には、発明に従う細胞培養培地は、バイオリアクター中の細胞を維持および/またはサポートするために、および/または、特定の生理的状態をサポートするために使用される。
哺乳類細胞培養培地は、哺乳類細胞のin vitroでの成長を維持および/またはサポートする構成要素の混合物である。哺乳類細胞の例は、ヒトまたは動物細胞、好ましくはCHO細胞、COS細胞、IVERO細胞、BHK細胞、AK−1細胞、SP2/0細胞、L5.1細胞、ハイブリドーマ細胞またはヒト細胞である。例えば、適切な細胞培養方法は、流加バッチプロセスまたは灌流細胞培養プロセスである。
化学的に定義される細胞培養培地は、化学的に定義されないいかなる物質も含まない細胞培養培地である。これは、培地において使用されるすべての化学物質の化学組成物が、公知であることを意味する。化学的に定義される培地は、いかなる酵母、動物、または植物組織をも含まない;それらは、支持細胞(feeder cells)、血清、抽出物、または消化物、または、化学的に不完全に定義されるタンパク質を、培地に対して貢献させ得る他の構成要素を、含まない。化学的に定義されない、または、不完全に定義される化学物質構成要素は、化学組成物および構造が公知でないものであり、変化する組成物中に存在し、または、膨大な実験的な努力によりのみ定義され得るアルブミンまたはカゼインのようなタンパク質の化学組成物および構造の評価に匹敵する。
粉末状の細胞培養培地は、粉砕プロセスからの結果として生じる細胞培養培地である。それは、粉末状の細胞培養培地が、乾燥した、粒状の培地であり―液体培地でないことを意味する。
本発明従う培地により培養されるべき細胞は、細菌細胞のような原核生物細胞、または植物または動物細胞のような真核生物細胞でもよい。細胞は、正常細胞、不死化細胞、異常細胞、形質転換細胞、突然変異細胞、体細胞、生殖細胞、幹細胞、前駆細胞、または胚細胞であることができ、それらのいずれも、確立されまたは形質転換された細胞株であり得、または天然の供給源から得られ得る。
本発明に従う凍結乾燥は、材料を凍結させ、その後周囲の圧力を減じて、材料中の凍結水および任意に他の揮発構成要素に固体相から気体相に直接昇華させるのを許す凍結―乾燥である。
本明細書において、「共凍結乾燥された」または「共凍結乾燥物」は、同じ容器の溶液中の1以上の化合物の凍結乾燥(lyophilization)、凍結−乾燥(freeze-drying)、クリオ乾燥(cryodesiccation)、または真空乾燥(vacuum drying)からの結果として生じる生成物を指す。例えば、2つの溶液は、同じ容器中で組み合わせられ、結果として生じる溶液の組み合わせは、同時に該溶液の構成要素を凍結乾燥することにより、一緒に凍結乾燥される。あるいは、2以上の化合物は、培地構成要素とも呼ばれ、同じ液体中に溶かされることができ、その後一緒に凍結乾燥されることができる。このような共凍結乾燥の結果として生じる生成物は、共凍結乾燥されたすべての非揮発構成要素の混合物を含む固体材料からなる共凍結乾燥物である。
不活性雰囲気は、典型的にはそれぞれのコンテナまたは器具を不活性気体で満たすことによって生成される。適切な不活性気体は、アルゴンまたは好ましくは窒素のような希ガスである。これらの不活性気体は、非反応性であり、望ましくない化学反応が起こることを防ぐ。本発明に従い、不活性雰囲気の生成は、例えば液体窒素または窒素気体を導入することにより、酸素の濃度が絶対的に10%(v/v)未満に減少されることを意味する。
さまざまなタイプの粉砕は、当業者に公知である。
遠心衝撃ミルとも呼ばれるピンミルは、高速回転ディスク上の突出したピンが、破断エネルギーを提供するそれによって固体を微粉砕する。
例えばピンミルは、Munson Machinery(USA)、Premium Pulman(India)、Hosokawa Alpine、またはSturtevant(USA)により販売されている。
ジェットミルは圧縮気体を利用して粒子を加速し、それらをプロセスチャンバー中で互いに衝突させる。ジェットミルは、例えばSturtevant(USA)、Hosokawa Alpine、またはPMT(Austria)で販売されている。
Fitzpatrick(USA)によって市販されているフィッツミルは、粉砕するための刃をもつローターを使用する。
連続的に実行されるプロセスは、バッチ式では実行されないプロセスである。粉砕するプロセスが連続的に実行される場合、それは、培地成分が永久にかつ着実に、ある時間にわたってミルへ流加されることを意味する。
本発明の方法に従い製造される細胞培養培地は、典型的には、少なくとも1以上の糖構成要素、1以上のアミノ酸、1以上のビタミンまたはビタミン前駆体、1以上の塩、1以上の緩衝液構成要素、1以上の共因子、および1以上の核酸構成要素を含む。
培地はまた、ピルビン酸ナトリウム、インスリン、植物性タンパク質、脂肪酸および/または脂肪酸誘導体および/またはプルロニック酸および/または化学的に調製される非イオン性界面活性剤等の界面活性構成要素をも含んでもよい。適切な非イオン性界面活性剤の1つの例は、ポロクサマーとも呼ぶ、一級水酸基で終結する二官能基ブロックコポリマー界面活性剤である(例えば商標名pluronic(登録商標)の下でBASF、Germanyから入手できる)。このような物質は、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシド(ポリエチレングリコール(PEG)/ポリプロピレングリコール(PPG)ブロックコポリマー)をベースにするブロックコポリマーである。好ましくは使われるべきポロクサマー(CAS番号9003-11-6)は、一般式I
を有し、ここでxおよびzは、好ましくは独立して2〜130、およびyは、好ましくは15〜67である。
商業的に入手できるポロクサマーは、例えば、Pluronic(登録商標)またはLutrole(登録商標)、例えば、Pluronic(登録商標)F-127等のPluronic(登録商標)溶液、ゲル、または固体)である。あるいは、ポロクサマーは、従来技術において公知の方法(例えば、米国特許番号3,579,465および3,740,421参照)に従い原材料から作製されることができる。
特に好ましいのは、時にPluronic F 68またはKolliphor P 188またはLutrol F 68と呼ばれるポロクサマー188である。
糖構成要素は、グルコース、ガラクトース、リボース、またはフルクトース(単糖の例)、またはスクロース、ラクトース、またはマルトース(二糖の例)等の、すべて単糖または二糖である。
本発明に従うアミノ酸の例は、タンパク質有機アミノ酸、特に必須アミノ酸、ロイシン、イソロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、およびバリン、ならびにD−アミノ酸等の非タンパク質有機アミノ酸である。
ビタミンの例は、ビタミンA(レチノール、レチナール、各種のレチノイドおよび4つのカロチノイド)、ビタミンB(チアミン)、ビタミンB(リボフラビン)、ビタミンB(ナイアシン、ナイアシンアミド)、ビタミンB(パントテン酸)、ビタミンB(ピリドキシン、ピリドキサミン、ピリドキサール)、ビタミンB(ビオチン)、ビタミンB(葉酸、フォリン酸)、ビタミンB12(シアノコバラミン、ヒドロキシコバラミン、メチルコバラミン)、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD(エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール)、ビタミンE(トコフェロール、トコトリエノール)、およびビタミンK(フィロキノン、メナキノン)である。ビタミン前駆体も、包含される。
塩の例は、無機イオン、例えば重炭酸塩、カルシウム、クロライド、マグネシウム、リン酸塩、カリウム、およびナトリウム、または微量元素、例えばCo、Cu、F、Fe、Mn、Mo、Ni、Se、Si、Ni、Bi、V、およびZnを含む構成要素である。例は、硫酸銅(II)五水和物(CuSO・5HO)、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カルシウム(CaCl・2HO)、塩化カリウム(KCl)、硫酸鉄(II)、無水リン酸二水素ナトリウム(NaHPO)、無水硫酸マグネシウム(MgSO)、無水リン酸水素二ナトリウム(NaHPO)、塩化マグネシウム六水和物(MgCl・6HO)、硫酸亜鉛七水和物である。
緩衝液の例は、CO/HCO(炭酸塩)、リン酸塩、HEPES、PIPES、ACES、BES、TES、MOPS、およびTRISである。
補因子の例は、チアミン誘導体、ビオチン、ビタミンC、NAD/NADP、コバラミン、フラビンモノヌクレオチドおよび誘導体、グルタチオン、へムヌクレオチドリン酸および誘導体である。
本発明に従う核酸構成要素は、核酸塩基、例えばシトシン、グアニン、アデニン、チミン、またはウラシル等、ヌクレオシド、例えばシチジン、ウリジン、アデノシン、グアノシン、およびチミジン等、およびヌクレオチド、例えばアデノシン一リン酸またはアデノシン二リン酸またはアデノシン三リン酸等である。
述べられるすべての化合物に関して、化合物名は、いかなる塩、水和物、ジ−トリ−またはオリゴマー、またはエナンチオマーも包含する。例えば、グルコースは、グルコース1水和物も意味し、または、Hepes(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−エタンスルホン酸)は、Hepesナトリウム塩(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−エタンスルホン酸ナトリウム塩)も意味する。
本発明に従う凍結は、0℃を下回る温度まで冷却することを意味する。
本発明の要旨は、粉末状の細胞培養培地の難溶性の構成要素の溶解性、およびこのように与えられた組成物とともに細胞培養培地全体の溶解性を改良することである。与えられた組成物とともに粉末状細胞培養培地は、与えられた量の水中で溶解しないか、または溶解するのに昇温、長時間の特別な処置を必要とする1つまたはいくつかの構成要素を含んでもよい。典型的には、細胞培養培地の全体の組成物を補正し、難溶性の構成要素の量を減じ、またはさらなる構成要素によってそれを置換することは望ましくない。
本発明の方法に伴い、細胞培養培地の溶解性は、その化学組成物を交換することなく改良され得ることが、見出された。
これは、与えられた細胞培養培地組成物中で、難溶性の、および乾燥粉末培地の易溶性を妨げる1以上の構成要素を同定することによってなされる。
細胞培養培地の当業者は、典型的には、細胞培養培地の典型的な内容物の溶解性を認識しており、与えられた内容物のリスト中の難溶性の構成要素を同定することができる。
同定は、与えられた組成物の内容物のリストを検討し、および溶解性データに基づく最も難溶性の1以上の構成要素を同定することによって、なされることもできる。物質の溶解性は、典型的には、公知であり、公的に入手できるデータベースまたはテキストブック(例えばChemiker-Kalender. 編者Claudia SynowietzおよびKlaus Schaefer;第3版、2. Reprint 1992;656頁;Berlin、Heidelberg、New York、Tokyo;Springer 1984;ISBN 978-3-540-12652-2)の中に見出されることができる。
同定は、与えられた乾燥粉末培地を溶解し、および不完全な溶解の場合は、非溶解溶解粒子を単離し、および例えばNMR、マススペクトル分析、元素分析、クロマトグラフィ法、またはそれらの組み合わせによる分析によって、実験的になされることもできる。適切な方法の例は、ICP−OES、UPLC(例えばアミノ酸のための)、ICである。この分析から、非溶解粒子の化学組成物に関する情報を得て、難溶性の構成要素は、同定することができる。
それらの難溶性の構成要素は、それらを乾燥粉末混合物に添加するのに先立って、細胞培養培地の1以上担体構成要素とその後共凍結乾燥される。1以上難溶性の構成要素と1つの担体構成要素、または1つの難溶性の構成要素と1以上の担体構成要素を共凍結乾燥することが、可能である。好ましくは、1つの難溶性の構成要素は、1つの担体構成要素と共凍結乾燥される。
本発明に従う難溶性の構成要素は、前記細胞培養培地組成物中の溶解性が、与えられた溶解条件の下でさらに改良されるであろう細胞培養培地のいずれかの構成要素である。難溶性の構成要素は、しばしば、10g未満、特に1g未満が、25℃で1リットルの水に溶解されることができる物質である。
本発明は、このような難溶性の物質のために適切であるが、もちろん、それらの溶解性のさらなる改良が必要とされる場合、たとえば、それらが非常に大量に添加されることを必要とする場合、または、該物質を溶解するために必要な時間が、比較的長い場合、10g超が、25℃で1リットルの水に溶解されることができる物質のためにも使用されることができる。加えて、物質の水への溶解性は、いくつかの他の構成要素を含む細胞培養培地組成物におけるその溶解性とは異なり得る。
結果として、本発明に従う難溶性の物質は、好ましくは、10g未満、特に1g未満が、25℃で1リットルのDMEM F12細胞培養培地に溶解されることができる物質である。DMEM F12細胞培養培地の組成物(Sigma Aldrichの製品、物品番号D2906)は、例に示される。典型的には、溶解は、2時間後、好ましくは45分後に、完了されるべきである。
難溶性の細胞培養培地構成要素の例は、当業者に公知であるか、与えられた細胞培養培地組成物に関して上記のとおり同定される。それらは、細胞培養培地のタイプに応じて異なってもよい。典型例は、以下のとおりである:シスチン、クエン酸第二鉄(クエン酸鉄(III)水和物)、塩化Fe(III)六水和物、および/またはチロシン。シスチンが水および細胞培養培地に難溶性である一方で、塩化Fe(III)六水和物は、水に十分に溶解する構成要素の例であるが、典型的には、細胞培養培地に非常に難溶性を示す。
担体構成要素は、難溶性の構成要素でなく、細胞培養培地組成物の濃度が、難溶性の構成要素と共凍結乾燥されるのに十分な量で存在するのに十分に高い、すべての細胞培養培地構成要素である。
好ましくは、担体構成要素は、細胞培養培地の3%超、好ましくは10%超(w/w))の割合で細胞培養培地中に存在する構成要素である。しかし、必要とされる担体構成要素の量が難溶性の構成要素の量に応じるにつれて、担体構成要素として他の構成要素を使用することも、あるケースにおいて可能である。また、難溶性の構成要素が、ごく微量存在する場合、細胞培養培地組成物中に3%未満(w/w)存在する構成要素も、適切な担体構成要素である。他方で、難溶性の構成要素が大量に存在する場合、10%(w/w)超で存在する担体を選択することが、必要なこともある。
好ましくは、担体構成要素は、その10g超、好ましくは100g超が、1リットルの水または好ましくはDMEM−F12中に溶解されることができる構成要素である。
担体構成要素は、塩化ナトリウム等の塩、グルコース等の糖質、アルギニン等のアミノ酸、またはHEPESもしくはMOPS等の緩衝液、または塩化コリンまたはポロクサマーのような他のものであることができる。
表1は、適切な担体構成要素のリストを示す:
また、入手できる場合、表1中の構成要素の無水和物または水和物ならびに塩酸塩は、担体構成要素として使われてもよい。
好ましい担体構成要素は、塩化ナトリウム、D(−)−フルクトース、D(−)−マンニトール、D(+)−ガラクトース、D(+)−マンノース、グルコース無水和物ならびにグルコースの水和の形態、グリシン、L−アラニン、L−アルギニン、およびその塩酸塩の形態、L−アスパラギン一水和物、L−アスパラギン酸、L−システインおよび塩酸塩/水和の形態、L−グルタミン酸、L−グルタミン、L−ヒスチジンおよび塩酸塩の形態、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リシン一水和物および塩酸塩の形態、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−トレオニン、L−トリプトファン、L−バリン、L−アスパラギン酸ナトリウム一水和物、グルタミン酸ナトリウム一水和物、HEPESおよびナトリウム塩の形態、MOPS、塩化コリン、ポロクサマー188のようなポロクサマー、または該構成要素の1以上の混合物である。
共凍結乾燥は、少なくとも1つの難溶性の構成要素を少なくとも1つの担体構成要素と共凍結することによって、好ましくは実施される。好ましい態様において、1つの難溶性の構成要素は、1つの担体構成要素と共凍結乾燥される。
共凍結乾燥に供される難溶性の構成要素の量(重量)は、典型的には、担体構成要素の量(重量)と比較してそれ以下である。好ましくは、1と50%との間の難溶性の構成要素が、99〜50%の担体構成要素(w/w)と共凍結乾燥される。最も好ましくは、10と50%との間の難溶性の構成要素が、90〜50%の担体構成要素(w/w)と共凍結乾燥される。それは、例えば20gの難溶性の構成要素が使われる場合、約80gの担体構成要素が使われることを意味する。
共凍結乾燥に関して、第1のステップにおいては、共凍結乾燥されるべきすべての構成要素は、溶媒に溶解される。
構成要素は、1つの溶媒中で一緒に可溶化されることができる。あるいは、各構成要素は、別々の溶媒に溶解されることができ、結果として2以上の異なる構成要素の溶液が、その後混合されることができる。典型的には、混合されるすべての溶液は、同じ溶媒を有する。
適切な溶媒は、すべての構成要素が可溶性であるものである。適切な溶媒の例は、アセトニトリル、メタノール、エタノール、アセトン、三級ブタノール、イソプロパノール、DMSO、または水、またはそれらの混合物等の有機溶媒である。好ましくは、水である。
難溶性の構成要素に関して、溶解は、1〜24時間かかり得る。それは、高温(典型的には30〜100℃)の下で溶解を実施することも、必要なことがある。pHを補正し、難溶性の化合物を易溶解性に到達させることも可能である。これは、好ましくは、凍結乾燥の間に混合物から取り除かれることができる酸または塩基または緩衝液を添加することによってなされる。使われる構成要素および溶媒の公知の溶解性をベースに、当業者は、適切な溶解条件、および溶媒の量に比較して難溶性の構成要素の適切な量を決定することができる。
好ましくは、難溶性の構成要素の溶解をサポートし、凍結乾燥の間に混合物から取り除かれる揮発性物質を、さらに添加することも可能である。例は、緩衝液、HCl等の酸、およびNH等の塩基である。
一旦溶媒が選択され、構成要素が溶解されると、結果として生じる混合物は凍結され、乾燥へと凍結乾燥される。時に、アセトニトリル、メタノール、エタノール、アセトン、三級ブタノール、イソプロパノール、またはDMSO等の追加の溶媒が、凍結乾燥を促進するために混合物に添加される。
凍結乾燥または凍結乾燥させることは、当業者に公知である。
典型的には、凍結乾燥は、−20℃を下回る、好ましくはおよそ−80℃の温度で実施される。液体は、典型的には、減圧を適用することによって取り除かれる。結果として生じる共凍結乾燥物は、混合された粒子または混合された固体とも呼ばれることができる。好ましくは、共凍結乾燥物は、難溶性の構成要素および担体構成要素のみを含有する。
混合された固体は、その後、例えばボールミル中で、好ましくは粉砕され、均質なサイズの粒子を生成する。結果として生じる粒子は,典型的には、200μm未満の粒子サイズを有する。好ましくは、100μm未満の粒子サイズである。好ましい粒子サイズは、15μmと100μmとの間にある。
粉砕された共凍結乾燥物は、その後分析方法に供され、共凍結乾燥物中の構成要素の濃度が決定される。適切な方法の例は、ICP−OES、UPLC(例えばアミノ酸のための)、NMR、IC、またはLC−MSである。
最終的な共凍結乾燥物は、その後、細胞培養培地の生成のために貯蔵され得るかまたは使用され得る。
後者に関して、適切な量の共凍結乾燥物は、細胞培養培地の他の構成要素とともに混合される。2以上の共凍結乾燥物を生成し、そして、2以上の凍結乾燥物を細胞培養培地の他の構成要素とともに混合することも、可能である。構成要素を混合することは、乾燥粉末の細胞培養培地を製造する当業者に周知である。好ましくは、混合物のすべての部分がほとんど同じ組成物を有するように、すべての構成要素は完全に混合される。均質な細胞成長に関して、組成物の均一性がより高いほど、結果として生じる培地の質は、より良好である。
その後、混合物は、好ましくは粉砕される。
粉砕は、細胞培養培地の製造のために適切なミルのいかなるタイプによっても、実施することができる。典型的な例は、ボールミル、ピンミル、フィッツミル、またはジェットミルである。好ましくは、ピンミル、フィッツミル、またはジェットミル、非常に好ましくは、ピンミルである。
当業者は、かかるミルの実行の仕方を知っている。
約40cmのディスク直径をもつ大規模装置ミルは、例えば、ピンミルの場合には典型的には毎分1〜6500回転、好ましくは毎分1〜3000回転で実行される。
粉砕は、標準的な粉砕条件の下で行われることができ、10と300μmとの間、もっとも好ましくは、25と100μmとの間の粒子サイズをもつ粉末に、結果としてなる。
好ましくは、粉砕に供される混合物のすべての構成要素は、乾燥している。これは、それらが水を含む場合、それらは、非結合またはまとまっていない水分子の重量として、10%より多くなく、好ましくは5%より多くなく、最も好ましくは2%より多くない水の結晶を含むだけであることを意味する。また、このような乾燥した構成要素の粉砕の結果として生じる培地は、乾燥粉末の細胞培養培地とも呼ばれる。
好ましい態様において、粉砕は、不活性雰囲気中で実施される。好ましい不活性保護気体は、窒素である。
さらなる好ましい態様において、混合物のすべての構成要素は、粉砕に先だって凍結される。粉砕に先だつ内容物の凍結は、10℃を下回る、およびもっとも好ましくは−20℃を下回る温度まで内容物の冷却を確保するいかなる手段によっても、なされることができる。好ましい態様において、凍結は、液体窒素によってなされる。これは、例えば粉砕へと導入するのに先立って、内容物が貯蔵された容器へ液体窒素を注ぐことによって、内容物が、液体窒素で処置されることを意味する。好ましい態様において、容器は、フィーダー(a feeder)である。容器がフィーダーである場合、好ましくは、液体窒素は、内容物が導かれるフィーダーのそばに、またはそのそばの近くに導かれる。
典型的には、内容物は、2〜20秒にわたって液体窒素によって処置される。
好ましくは、内容物の冷却は、ミルに入るすべての内容物が、10℃を下回る、もっとも好ましくは−20℃を下回る温度であるやり方で、なされる。
好ましい態様において、すべての内容物は、混合物がフィーダー、もっとも好ましくはメータリングスクリューフィーダーの中に移された容器の中に置かれる。フィーダーの中で、内容物は、時にさらに混合され−フィーダーのタイプに応じ−、および追加で冷却される。凍結された混合物は、ミルの中で粉砕される混合物が、好ましくは10℃を下回る、より好ましくはー20℃を下回る温度を依然として有するように、フィーダーからミルへ移される。
典型的には、混合時間(フィーダー中の内容物の混合物の滞流時間を意味する)が、1分間超、好ましくは15と60分との間にある。
メータリングスクリューフィーダー(軽量スネールとも呼ばれる)は、典型的には、1分当たり10〜200回転、好ましくは40〜60回転の速度で実行される。
典型的には、粉砕する温度は、−50と+30℃との間に保たれる。好ましい態様において、温度は、およそ10℃に保たれる。
粉砕する間の酸素レベルは、好ましくは10%(v/v)未満である。
プロセスは、例えばバッチ毎にまたは連続的に実行されることができる。好ましい態様において、本発明に従うプロセスは、ある時間にわたって、冷却のために内容物の混合物をフィーダーに永続的に満たし、そして、フィーダーからの冷却した混合物をミルに永続的に満たすことによって、連続的になされる。
他の生成プロセスと対照的に、本発明に従うプロセスが、共凍結乾燥物を使用しないで製造された同じ組成物をもつ細胞培養培地と比較して、改良された溶解性をもつ乾燥粉末細胞培養培地を提供することが、見出された。
本発明は、その上、少なくとも1つの共凍結乾燥物乾燥を含む乾燥細胞培養培地に関する。このような培地は、本発明に従うプロセスによって得ることができる。
好ましくは、細胞培養培地は、1〜10種の様々な共凍結乾燥物を含む。
粉末培地の使用のために、溶媒、好ましくは水(もっとも特別には、蒸留されおよび/または脱イオン水または精製水または注射用蒸留水)または水性緩衝液が、培地に添加され、および構成要素は、培地が溶媒中に完全に溶解されるまで混合される。
溶媒は、食塩水または、1.0〜14.0のpH範囲を提供する可溶性酸および塩基イオン、安定剤、界面活性剤、防腐剤、およびアルコールまたはその他の極性有機溶媒を含んでいてもよい。
その上、それは、pHの調整のための緩衝液物質、ウシ胎仔血清、糖質等の物質を、細胞培養培地と溶媒の混合物に添加することも、可能である。結果として生じる液体細胞培養培地は、その後、成長しまたは維持されるべき細胞と接触される。
このように、本発明は、その上、以下に関する;
a)本発明に従う細胞培養培地を提供すること、
b)該細胞培養培地を水または水性緩衝液とともに混合すること、
c)バイオリアクター中で、培養されるべき細胞を、細胞ステップb)の細胞培養培地とともに混合すること、
d)ステップc)の混合物をインキュベートすること。
バイオリアクターは、細胞が培養できるいずれかの容器(container)、槽(vessel)、バッグ、またはタンクである。培養は、典型的には、適切な温度、モル浸透圧濃度、通気、撹拌などの適切な条件の下でなされる。当業者は、細胞の成長/培養を、サポートしおよび/または維持するための適切なインキュベーション条件を、知っている。
培地生成のための共凍結乾燥物を使用することにより、全体量の培地構成要素、そして、このような全体の培地組成物は、配合表中で概括されるものと同様に残っているが、難溶性の構成要素が、担体構成要素と組合せられるので、乾燥粉末混合物の全体的な溶解性は、共凍結乾燥物を使用せずに調製された乾燥粉末混合物と比較して、より著しく高い。本発明の方法を使用することによって、典型的には、難溶性の構成要素の溶解性は、少なくとも50%増加されることができる。好ましくは、それは少なくとも100%増加され、それは、共凍結乾燥物を使用することにより、少なくとも2倍量の難溶性の構成要素が、難溶性の物質自体の使用に比較して、同じ液体細胞培養培地組成物中で可溶性であることを、意味する。
本発明は、化合物を担体化合物と共凍結乾燥することによって、水中の化合物の溶解性を改良するための方法に関する。好ましくは、担体化合物は、10g超が1Lの水に溶解する化合物である。
担体化合物は、溶解性が改良されるであろう難溶性の化合物のその上の使用に、負に影響しない化合物でなければならない。
好ましくは、担体化合物は、塩または糖質である。適切な塩の例は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム(CaCl・2HO)、塩化マグネシウム(MgCl)、または硫酸マグネシウム(MgSO)である。最も好ましくは、塩化ナトリウムである。
典型的には、1と50%との間の難溶性の化合物が、99〜50%の担体化合物(w/w)と共凍結乾燥される。最も好ましくは、10と50%との間の難溶性の化合物が、90〜50%の担体化合物(w/w)と共凍結乾燥される。
本発明は、その上、以下の例で例示されるが、それらに制限されない。
上記および下記に引用されるすべての出願、特許、および刊行物の、および2015年8月5日に出願された対応するEP 15179817.0の全開示は、本願明細書に参照により組み込まれる。

以下の例は、本発明の実際的な適用を表す。
DMEM F12細胞培養培地(Sigma Aldric 物品番号D2906)の組成物、[g/L]での以下の乾燥粉末、組成物:
無機塩
CaCl: 0.1166
CuSO・5HO 0.0000013
Fe(NO・9HO 0.00005
FeSO・7HO 0.000417
MgCl・6HO 0.0612
MgSO 0.04884
KCl 0.3118
NaCl 6.996
NaHPO 0.07102
NaHPO 0.0543
ZnSO・7HO 0.000432
アミノ酸
L−アラニン 0.00445
L−アルギニン・HCl 0.1475
L−アスパラギン・HO 0.0075
L−アスパラギン酸 0.00665
L−シスチン・2HCl 0.01756
L−システイン・HCl・HO 0.03129
L−グルタミン酸 0.00735
L−グルタミン 0.365
グリシン 0.01875
L−ヒスチジン・HCl・HO 0.03148
L−イソロイシン 0.05447
L−ロイシン 0.05905
L−リシン・HCl 0.09125
L−メチオニン 0.01724
L−フェニルアラニン 0.03548
L−プロリン 0.01725
L−セリン 0.02625
L−トレオニン 0.05345
L−トリプトファン 0.00902
L−チロシン・2Na・2HO 0.05579
L−バリン 0.05285
ビタミン
D−ビオチン 0.0000035
塩化コリン 0.00898
葉酸 0.00266
ミオイノシトール 0.0126
ナイアシンアミド 0.00202
D−パントテン酸・1/2Ca 0.00224
ピリドキサール・HCl 0.002
ピリドキシン・HCl 0.000031
リボフラビン 0.000219
チアミン・HCl 0.00217
ビタミンB12 0.00068
その他
D−グルコース 3.15
HEPES 3.5745
ヒポキサンチン 0.0021
リノール酸 0.000042
プトレッシン・2HCl 0.000081
ピルビン酸ナトリウム・2HCl 0.055
DL−チオクト酸 0.000105
チミジン 0.000365
追加
NaHCO 1.2
1.共凍結乾燥−一般的な手順:
変形1:
難溶性の構成要素は、必要に応じて高温で、撹拌しながら、超純水(例えばMilli-Q水)中で溶解される。
担体構成要素も、超純水(例えばMilli-Q水)中で溶解される。
撹拌下で、両方の溶液は、組み合わせられる。
変形2:
担体構成要素は、超純水(例えばMilli-Q水)中で溶解される。
難溶性の構成要素は、撹拌しながら添加される。混合物は、撹拌され、必要に応じて難溶性の構成要素が溶解するまで、加熱もされる。
両方の変形において、該構成要素の濃度、溶解時間、および温度は、溶解されるべき構成要素へ調整されることが必要である。当業者は、そうすることが可能である。
凍結乾燥のために、変形1または2に従い調製された溶液は、適切な容器(例えばLyoguards)中に注がれ、凍結乾燥機に設置される。溶液の組成物に応じ、それは、4〜12時間以内に約−45℃にて冷却される。凝縮器は、−90℃まで冷却される。その後真空が適用され(0.18mbar)、そして溶液は、45℃で6時間乾燥される。
その後、乾燥との間、温度は、約24時間−30℃に、さらに24時間−20℃に、最終的にさらに12時間約0℃に調整される。最終的な乾燥は、4〜12時間約20℃の温度にて、最低限度の真空度(0.003mbar)の下で、実施される。
時間および温度傾斜は、乾燥されるべき溶液の量に応じて調整されることができる。
2.共凍結乾燥物:
以下の共凍結乾燥物が、調製される:
a)塩化ナトリウムを伴うクエン酸鉄(III)水和物
クエン酸鉄(III)水和物(CAS 207399-12-0)
溶解性:25℃で5g/l、ただし溶解は非常に遅い。
クエン酸鉄(III)水和物および塩化ナトリウムの共凍結乾燥物は、10%(w/w)のクエン酸鉄(III)水和物および90%の塩化ナトリウムを含有する。
b)アルギニンを伴うシスチン
L−シスチン(CAS 56-89-3)
溶解性:25℃の水にほとんど溶解しない
以下の共凍結乾燥物が、調製された:
− 23%(w/w)のシスチンおよび77%(w/w)のアルギニン
− 10%(w/w)のシスチン、30%(w/w)のアルギニン、および60%(w/w)の塩化ナトリウム
− 25%(w/w)のシスチンおよび75%(w/w)のアルギニン
3.細胞培養培地生成
上記の共凍結乾燥物が、チャイニーズハムスター卵巣細胞のための、化学的に定義された細胞培養培地の調製のために、使用される。
共凍結乾燥物を使用することにより、全体量の構成要素が、まだ配合表に概括されるのと同様に残っている。
共凍結乾燥物を包含する培地のすべての内容物は、計量スネールおよびピンミルを使用して、混合されそして粉砕される。計量スネールの中で、内容物は、液体窒素によって処置される。
粉砕は、以下の条件の下で実施される:
温度−ミル:絶対の10℃未満
酸素レベル:絶対の10%未満
Rpm−ミル:2800l/分まで
配合時間:30分
Rpm計量スネール:40l/分
結果として生じる細胞培養培地は、CHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞の培養のために適切である。
4.アプリケーションデータ
a)クエン酸鉄(III)水和物の溶解性
クエン酸鉄(III)水和物および塩化ナトリウムの共凍結乾燥物(調製は上記参照)が、DMEM−F12と組み合わせて使用される。
共凍結乾燥物によらず(添加されたクエン酸鉄(III)水和物−原材料によって)当該技術に従い生成された乾燥粉末DMEM−F12と、塩化ナトリウムを伴う共凍結乾燥物の形態の、添加されたクエン酸鉄(III)水和物によるそれとの溶解性が、比較される。結果は、表2に示される。標準原材料として、クエン酸鉄(III)水和物は、DMEM−F12中で、最大濃度0.002g/lまでにのみ、存在することができる。より多くのクエン酸鉄(II)水和物の添加は、培地の不完全な溶解に繋がる。これとは対照的に、クエン酸鉄(III)水和物が共凍結乾燥物の形態で添加される場合、30g/lまでのクエン酸鉄(III)水和物を含むDMEM−F12が、水中に完全に溶解できる。
b)シスチンの溶解性
シスチンとアルギニンおよびシスチンとアルギニン/塩化ナトリウム(調製は上記参照)の共凍結乾燥物が、Cellvento(登録商標)CHO 200(Merck KGaA、Germany)と組み合わせて使用される。共凍結乾燥物によらず(添加されたシスチン−原材料によって)当該技術に従い生成された乾燥粉末Cellvento(登録商標)CHO 200と、アルギニンおよびアルギニン/塩化ナトリウムを伴う共凍結乾燥物の形態の、添加されたシスチンによるそれとの溶解性が、比較される。結果は、表3に示される。標準原材料として、シスチンは、Cellvento(登録商標)CHO 200中で、0.1g/l未満の最大濃度までのみ存在することができる。シスチンのより多い添加は、培地の不完全な溶解に繋がる。これとは対照的に、シスチンが、共凍結乾燥物の形態で添加された場合、0.5g/lまでのシスチンを含むCellvento(登録商標)CHO 200は、水中に依然として完全に溶解されていることができる。
5.安定性
シスチンを共凍結乾燥物の形態で含むDMEM F12細胞培養培地(25%(w/w)シスチンおよび75%(w/w)アルギニン)は、溶解の、中で、標準調製インストラクションに従って水中に溶解される。
液体培地は、2〜8℃で保存される。シスチン含量は、2および4週後に、UPLCによって決定される。結果は、図1に示される。シスチン含量の著しい減少は観察されることができず、シスチンが液体培地中に、時間の経過とともに溶解されたまま残ることを示す。



Claims (13)

  1. 乾燥粉末細胞培養培地の溶解性を、以下のステップによって改良するための方法:
    a)該細胞培養培地中の1以上の難溶性の構成要素を同定すること、
    b)ステップa)において同定された構成要素を、担体構成要素としての該細胞培養培地の少なくとも1つの他の構成要素とともに、共凍結乾燥すること、
    c)ステップb)において生じた1以上の共凍結乾燥物を、細胞培養培地の他の構成要素とともに混合すること、および任意に、結果として生じる混合物を粉砕することによって、該乾燥粉末細胞培養培地を調製すること。
  2. 1以上の難溶性の構成要素が、25℃の水中で10g/l未満の溶解性をもつ化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 1以上の難溶性の構成要素が、シスチン、クエン酸鉄(III)水和物、塩化鉄(III)六水和物、および/またはチロシンの群から選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 1以上担体構成要素が、以下の群から選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法:
    − 塩化カルシウム、無水のおよび水和の形態
    − リン酸水素二カリウム、無水のおよび水和の形態
    − リン酸水素二ナトリウム、無水のおよび水和の形態
    − 塩化マグネシウム、無水のおよび水和の形態
    − 硫酸マグネシウム、無水のおよび水和の形態
    − 塩化カリウム
    − リン酸二水素カリウム
    − 塩化ナトリウム
    − リン酸二水素ナトリウム、無水のおよび水和の形態
    − 炭酸水素ナトリウム
    − D(−)−フルクトース
    − D(−)−マンニトール
    − D(+)−ガラクトース
    − D(+)−グルコース、無水のおよび水和の形態
    − D(+)−マンノース
    − グリシン
    − グリシル−L−チロシン水和物
    − L−アラニン
    − L−アラニル−L−グルタミン
    − L−アルギニンおよび塩酸塩の形態
    − L−アスパラギン一水和物
    − L−アスパラギン酸
    − L−システインおよび塩酸塩/水和の形態
    − L−グルタミン酸
    − L−グルタミン
    − L−ヒスチジンおよび塩酸塩の形態
    − L−ヒドロキシプロリン
    − L−イソロイシン
    − L−ロイシン
    − L−リシン一水和物および塩酸塩の形態
    − L−メチオニン
    − L−フェニルアラニン
    − L−プロリン
    − L−セリン
    − L−トレオニン
    − L−トリプトファン
    − L−バリン
    − L−アスパラギン酸一ナトリウム一水和物
    − リン酸チロシン二ナトリウム塩
    − L−グルタミン酸ナトリウム一水和物
    − HEPES_CCM
    − HEPESナトリウム
    − MOPS
    − 塩化コリン
    − ポロクサマー188
    − 酢酸ナトリウム三水和物
    − ミオイノシトール
    − オキサロ酢酸
    − コハク酸
    − ピルビン酸ナトリウム塩
    − アルファ−ケトグルタル酸二ナトリウム塩二水和物
    − ベータ−グリセロリン酸二ナトリウム塩五水和物
    またはそれらの混合物。
  5. 1以上の担体構成要素は、塩化ナトリウム、D(−)−フルクトース、D(−)−マンニトール、D(+)−ガラクトース、D(+)−マンノース、グルコース無水和物ならびにグルコースの水和の形態、グリシン、L−アラニン、L−アルギニンおよびその塩酸塩の形態、L−アスパラギン一水和物、L−アスパラギン酸、L−システインおよび塩酸塩/水和の形態、L−グルタミン酸、L−グルタミン、L−ヒスチジンおよび塩酸塩の形態、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リシン一水和物および塩酸塩の形態、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−トレオニン、L−トリプトファン、L−バリン、L−アスパラギン酸一ナトリウム一水和物、グルタミン酸ナトリウム一水和物、HEPESおよびナトリウムの形態、MOPS、塩化コリン、ポロクサマー、またはそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 共凍結乾燥物における難溶性の構成要素の量が、担体構成要素の量の1と50%(w/w)との間であることを特徴とする、請求1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. ステップb)において、共凍結乾燥が、構成要素の水性溶液を生じること、混合物を凍結すること、および減圧下で液体を除去することによって実施されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 以下のステップにより細胞培養培地を製造するためのプロセス:
    a)難溶性の該細胞培養培地の1以上の構成要素を、細胞培養培地の1以上の他の構成要素とともに共凍結乾燥すること、
    b)ステップa)において生じた1以上の共凍結乾燥物を、細胞培養培地の他の構成要素とともに混合すること、
    c)任意に、ステップb)の混合物を粉砕に供すること。
  9. 1以上の難溶性の構成要素が、25℃の水中で10g/l未満の溶解性をもつ化合物であることを特徴とする、請求項8に記載のプロセス。
  10. 1以上の難溶性の構成要素が、シスチン、クエン酸鉄(III)水和物、塩化鉄(III)六水和物、および/またはチロシンの群から選択されることを特徴とする、請求項8または9に記載のプロセス。
  11. 1以上の担体構成要素が、塩化ナトリウム、D(−)−フルクトース、D(−)−マンニトール、D(+)−ガラクトース、D(+)−マンノース、グルコース無水和物ならびにグルコースの水和の形態、グリシン、L−アラニン、L−アルギニンおよびその塩酸塩の形態、L−アスパラギン一水和物、L−アスパラギン酸、L−システインおよび塩酸塩/水和の形態、L−グルタミン酸、L−グルタミン、L−ヒスチジンおよび塩酸塩の形態、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リシン一水和物および塩酸塩の形態、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−トレオニン、L−トリプトファン、L−バリン、L−アスパラギン酸一ナトリウム一水和物、グルタミン酸ナトリウム一水和物、HEPESおよびナトリウムの形態、MOPS、塩化コリン、ポロクサマー、またはそれらの混合物の群から選択されることを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一項に記載のプロセス。
  12. 共凍結乾燥物における難溶性の構成要素の量が、担体構成要素の量の1と50%(w/w)との間であることを特徴とする、請求8〜11のいずれか一項に記載のプロセス。
  13. ステップa)において、共凍結乾燥が、構成要素の水性溶液を生じること、混合物を凍結すること、および減圧下で液体を除去することによって実施されることを特徴とする、請求項8〜12のいずれか一項に記載のプロセス。


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