JP2018521086A - 硫酸デキストランの新しい使用 - Google Patents

硫酸デキストランの新しい使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2018521086A
JP2018521086A JP2018503496A JP2018503496A JP2018521086A JP 2018521086 A JP2018521086 A JP 2018521086A JP 2018503496 A JP2018503496 A JP 2018503496A JP 2018503496 A JP2018503496 A JP 2018503496A JP 2018521086 A JP2018521086 A JP 2018521086A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dextran sulfate
acceptable salt
pharmaceutically acceptable
subject
fibrosis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018503496A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018521086A5 (ja
JP6837679B2 (ja
Inventor
ブリュス,ラーズ
ブリュス,アダム
ワーズ,アンダーズ
Original Assignee
ティーエックス メディック エービー
ティーエックス メディック エービー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ティーエックス メディック エービー, ティーエックス メディック エービー filed Critical ティーエックス メディック エービー
Publication of JP2018521086A publication Critical patent/JP2018521086A/ja
Publication of JP2018521086A5 publication Critical patent/JP2018521086A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6837679B2 publication Critical patent/JP6837679B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0012Galenical forms characterised by the site of application
    • A61K9/0019Injectable compositions; Intramuscular, intravenous, arterial, subcutaneous administration; Compositions to be administered through the skin in an invasive manner
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/70Carbohydrates; Sugars; Derivatives thereof
    • A61K31/715Polysaccharides, i.e. having more than five saccharide radicals attached to each other by glycosidic linkages; Derivatives thereof, e.g. ethers, esters
    • A61K31/716Glucans
    • A61K31/721Dextrans
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/70Carbohydrates; Sugars; Derivatives thereof
    • A61K31/715Polysaccharides, i.e. having more than five saccharide radicals attached to each other by glycosidic linkages; Derivatives thereof, e.g. ethers, esters
    • A61K31/737Sulfated polysaccharides, e.g. chondroitin sulfate, dermatan sulfate
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • A61P9/10Drugs for disorders of the cardiovascular system for treating ischaemic or atherosclerotic diseases, e.g. antianginal drugs, coronary vasodilators, drugs for myocardial infarction, retinopathy, cerebrovascula insufficiency, renal arteriosclerosis
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L5/00Compositions of polysaccharides or of their derivatives not provided for in groups C08L1/00 or C08L3/00
    • C08L5/02Dextran; Derivatives thereof

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Cardiology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)

Abstract

本実施形態は、対象における心筋線維化の処置、阻害または防止のための全身投与用に製剤化された硫酸デキストランの使用に関する。
【選択図】図1

Description

本実施形態は一般に、線維化の処置に関し、特に、対象において心筋線維化を処置、阻害または防止するための硫酸デキストランの使用に関する。
線維化は、修復プロセスまたは反応プロセスにおける器官または組織での過剰な線維状結合組織の形成を伴うプロセスである。線維化は、反応性状態、良性状態または病的状態である可能性がある。損傷への応答において、繊維化プロセスは瘢痕化と呼称されることがある。
生理学的に線維化は結合組織の沈着を伴い、これは、その下層の器官または組織の構造および機能を消失させ得る。両方ともコラーゲンおよびグリコサミノグリカンを含む結合組織を構築する刺激された細胞を伴うという点で、線維化は瘢痕化のプロセスに類似する。マクロファージおよび損傷組織は、例えば炎症または組織損傷に応答してトランスフォーミング増殖因子β(TGFβ)を放出する。これが次に線維芽細胞の増殖および活性化を刺激し、それが結合組織を沈着させる。
US5,605,938は、約40,000〜2,000,000Daの平均分子量を有する硫酸デキストランを含む生体適合性のアニオン性ポリマーが、典型的には手術に関連した線維化、瘢痕形成および術後の癒着を阻害できるということを開示する。このアニオン性ポリマーは線維化病変部に局所投与されるか、あるいは、好ましくは、ジヒドロキシフェニルアラニン(DOPA)およびヒドロキシル含有アミノ酸残基を含む接着タンパク質も含む、粘性の液体またはゲルの形態で器官またはインプラントに浸漬されてもよい。
CN102973593は、肝線維症を処置するための医薬の調製における硫酸デキストランの使用を開示する。この文献は、硫酸デキストランが星状膠細胞の活性化を阻害しマクロファージを促進してメタロプロテイナーゼを分泌させると述べている。
対象において心筋線維化を処置、阻害または低減することが一般的な目的である。
この目的および他の目的は、本明細書に開示されるような実施形態によって叶えられる。
本実施形態の一態様は、対象における心筋線維化の処置、阻害または防止において使用するための対象への全身投与用に製剤化された硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩に関する。
本実施形態の別の態様は、対象における心筋線維化の処置、阻害または防止のための全身投与用に製剤化された医薬の製造のための硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩の使用に関する。
本実施形態のさらなる態様は、対象において心筋線維化を処置、阻害または防止する方法に関する。方法は、対象に硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩を全身投与することを含む。
添付の図面と共に以下の説明を参照することで本実施形態が、そのさらなる目的および利点とともに、最も良好に理解されるであろう。
図1は、間質線維化の程度の推定を示す。間質線維化の相対面積は、対照群1Mと比較した場合の硫酸デキストラン群2Mにおける心筋梗塞誘発性の間質線維化の有意な抑制を示した(**一元ANOVAに続くBonferroniのポストホック比較によってP<0.01)。 図2A〜2Dは、対照群1Mからの2匹の動物および硫酸デキストラン群2Mからの2匹の動物における線維化の度合いの写真である。
本実施形態は一般に、線維化の処置に関し、特に、対象において心筋線維化を処置、阻害または防止するための硫酸デキストランの使用に関する。
本実施形態は、全身投与された硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩が対象において望ましくない線維化の形成を低減でき、特に、虚血組織(特に虚血心臓組織)におけるそのような線維化の形成を低減または阻害できるという発見に基づく。
線維性疾患は、対象の体内の種々の器官および組織を冒す可能性のある広範囲の医学的状態が包含する。これらの医学的状態は、マトリックスタンパク質をコードする遺伝子の発現上昇を特徴とし、その結果として生じた線維化は、冒された器官または組織の正常な構造を破壊し、最終的にその機能障害または不全をもたらす。
本実施形態は、心臓または心臓組織において形成された線維化の数を減少させることによって線維性疾患の有害作用を処置、阻害または防止するという点において心筋線維化を処置、阻害または防止できる。従って、本実施形態の硫酸デキストランは、有害な、または傷害性の、心筋線維化を処置、阻害または防止できる。
従って、本実施形態の一態様は、対象における心筋線維化の処置、阻害または防止において使用するための対象への全身投与用に製剤化された硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩に関する。
米国特許第5,605,938号を鑑みれば、全身送達された硫酸デキストランが有害な線維化の形成を有意に低減できるということは非常に驚くべきことであった。この特許文献は、局所投与された硫酸デキストランが、とりわけ様々なインプラントの移植に関連した線維化および瘢痕形成を阻害できたということを開示する。この文献では、硫酸デキストランポリマーの負電荷が移植部位における様々な細胞の浸潤の阻害に関与すると推測された。そのような負電荷が細胞浸潤阻害効果を有するには、硫酸デキストランが所望の部位に局所投与される必要がある。従って、米国特許第5,605,938号では、インプラントが硫酸デキストランで有利にコーティングされた。
本明細書に提示される実験データは、本実施形態の硫酸デキストランが全身投与されてよく、すなわち標的部位に局所投与されなくてよく、それでもその所望の抗線維化効果を発揮できるということを示す。
硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩は、対象への全身投与用に製剤化される。一実施形態において、硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩は、対象において全身的な効果を達成するための全身投与の例としての非経口投与用に製剤化される。
非経口の投与経路の例としては、静脈内(i.v.)投与、動脈内投与、筋肉内投与、脳内投与、脳室内投与、くも膜下腔内投与および皮下(s.c.)投与が挙げられる。
一実施形態において、硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩は、好ましくは、対象への静脈内(i.v.)投与または皮下(s.c.)投与のために製剤化される。従って、i.v.投与およびs.c.投与は、硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩の全身投与の好ましい例である。
経口送達された硫酸デキストランは、マウス、ラット、ハムスターおよびモルモットにおいて大腸炎および腸の線維化を誘発することが知られている。従って、本明細書で使用される場合、全身投与は、好ましくは、硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩の経口投与を除外する。特定の実施形態では、硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩の全身投与は、経口投与以外の、好ましくは腸内投与以外の、全身投与である。
一実施形態において、硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩は、注射用水溶液として、好ましくはi.v.注射用またはs.c.注射用の水溶液として、製剤化される。従って、本実施形態の硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩は、好ましくは、選択された溶媒または賦形剤を含む注射用水溶液として製剤化される。溶媒は、有利には、水性溶媒、特に緩衝溶液、である。そのような緩衝溶液の非限定的な例は、クエン酸緩衝液(クエン酸一水和物(CAM)緩衝液など)またはリン酸緩衝液である。例えば、本実施形態の硫酸デキストランを生理食塩水(0.9%NaCl生理食塩水など)中に溶解させた後、必要に応じて、75mMのCAMで緩衝し、水酸化ナトリウムを用いてpHを約5.9に調整できる。また、生理食塩水(すなわちNaCl(aq))などの注射用水溶液を含む、非緩衝溶液も可能である。さらに、緩衝溶液が望ましい場合には、CAM緩衝液およびリン酸緩衝液以外の緩衝系が使用される可能性がある。
硫酸デキストランは、好ましくは、いわゆる低分子量硫酸デキストランである。
以下では、硫酸デキストランの(平均)分子量および硫黄含有量への言及は、硫酸デキストランの任意の医薬的に許容される塩にも適用される。従って、硫酸デキストランの医薬的に許容される塩は、好ましくは、以下の実施形態において説明されるような平均分子量および硫黄含有量を有する。
硫酸デキストランは、硫酸化された多糖であり、特に硫酸化されたグルカン(すなわち多くのグルコース分子からなる多糖)である。本明細書で定義される平均分子量は、個々の硫酸化された多糖はこの平均分子量とは異なる分子量を有してよいが当該平均分子量は硫酸化された多糖の平均の分子量を表すということを示す。さらに、これは、硫酸デキストランのサンプルについてのこの平均分子量の付近に分子量の自然な分布が存在するということを意味する。
硫酸デキストランの平均分子量(Mw)は、典型的には、ゲル排除/浸透クロマトグラフィー、光散乱または粘度などの間接的な方法を用いて決定される。そのような間接的な方法を用いる平均分子量の決定は、カラムおよび溶離液の選択、流速、較正手順等を含む、いくつかの要因に依存するであろう。
平均分子量(Mw):
Figure 2018521086
数値ではなく分子のサイズに対して感度の良い方法(例えば、光散乱法およびサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)法)の場合に典型的。正規分布が想定される場合には、Mwの両側で重量が同じであり、すなわち、Mw未満の分子量を有するサンプル中の硫酸デキストラン分子の総重量は、Mw超の分子量を有するサンプル中の硫酸デキストラン分子の総重量と等しい。
一実施形態において、硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩は、好ましくは、40000Da以下、より好ましくは20000Da以下、特に10000Da以下、の平均分子量を有する。
10000Daを超える分子量の硫酸デキストランは一般に、より低い平均分子量を有する硫酸デキストランと比較して、より低い効果対毒性プロファイルを有する。これは、より大きな硫酸デキストラン分子(>10000Da)については、対象に安全に投与できる硫酸デキストランの最高用量が、好ましい範囲内の平均分子量を有する硫酸デキストランと比較して、より低いということを意味する。結果として、そのようなより大きな硫酸デキストラン分子は、硫酸デキストランがインビボで対象に全身投与される場合には、臨床用途においてあまり適切でない。
一実施形態において、硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩は、2000〜10000Daの範囲内の平均分子量を有する。別の実施形態では、平均分子量は、2500〜10000Daの範囲内である。特定の好ましい実施形態では、平均分子量は、3000〜10000Daの範囲内である。
任意選択ではあるが好ましい実施形態では、硫酸デキストラン分子の40%未満が、3000Da未満の分子量を有し、好ましくは、硫酸デキストラン分子の35%未満(30%未満または25%未満など)が、3000Da未満の分子量を有する。さらに、または代替的に、硫酸デキストラン分子の20%未満が、10000Da超の分子量を有し、好ましくは、硫酸デキストラン分子の15%未満(10%未満または5%未満など)が、10000Da超の分子量を有する。従って、特定の実施形態では、硫酸デキストランは、平均分子量付近に実質的に狭い分子量分布を有する。
特定の実施形態では、硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩の平均分子量は、3500〜9500Daの範囲内(3500〜8000Daの範囲内など)である。
別の特定の実施形態では、硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩の平均分子量は、4500〜7500Daの範囲内である。
さらなる特定の実施形態では、硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩の平均分子量は、4500〜5500Daの範囲内である。
従って、現在好ましい実施形態では、硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩の平均分子量は、好ましくは、約5000Daであるか、または少なくとも実質的に5000Da付近、5000±500Daなど、例えば5000±400Da、好ましくは5000±300Daもしくは5000±200Da、5000±100Daなど、である。従って、一実施形態において、硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩の平均分子量は、4.5kDa、4.6kDa、4.7kDa、4.8kDa、4.9kDa、5.0kDa、5.1kDa、5.2kDa、5.3kDa、5.4kDaまたは5.5kDaである。
特定の実施形態では、上記で提示されるような硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩の平均分子量は、平均Mwであり、好ましくは、ゲル排除/浸透クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、光散乱または粘度に基づいた方法によって決定される。
特定の実施形態では、硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩は、平均で約5個の、または5個より僅かに多い、グルコース単位からなり、少なくとも2.0(少なくとも2.5など)のグルコース単位あたりの平均硫酸数を有する。
硫酸デキストランは、デキストランのポリアニオン性誘導体であり、硫黄を含む。本実施形態の硫酸デキストランの平均硫黄含有量は、好ましくは15〜20%であり、より好ましくは約17%であり、これは一般に、グルコシル残基あたり約2個の、または少なくとも2個の硫酸基に相当する。特定の実施形態では、硫酸デキストランの硫黄含有量は、好ましくは、対応するデキストラン分子の硫黄含有量の最大限に等しいか、または少なくともその付近である。
特定の実施形態では、本実施形態の硫酸デキストランは、1850〜2000Daの範囲内の、核磁気共鳴(NMR)分光法によって測定される数平均分子量(Mn)を有する。
別の特定の実施形態では、本実施形態の硫酸デキストランは、平均で5.1個のグルコース単位と2.6〜2.7のグルコース単位あたりの平均硫酸数とを有し、これは、典型的には、1850〜2000Daの範囲内の、核磁気共鳴(NMR)分光法によって測定される数平均分子量(Mn)をもたらす。
数平均分子量(Mn):
Figure 2018521086
典型的には、末端基のアッセイ(例えばNMR分光法またはクロマトグラフィー)によって得られる。正規分布が想定される場合には、Mnの両側で同数の硫酸デキストラン分子を見出すことができ、すなわち、Mn未満の分子量を有するサンプル中の硫酸デキストラン分子の数は、Mn超の分子量を有するサンプル中の硫酸デキストラン分子の数と等しい。
本実施形態に従って使用できる硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩は、WO2016/076780で説明されている。
本実施形態による硫酸デキストランは、硫酸デキストランの医薬的に許容される塩として提供されてよい。そのような医薬的に許容される塩は、例えば、硫酸デキストランのナトリウム塩またはカリウム塩を包含する。
本実施形態の硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩の好適な用量範囲は、対象のサイズおよび体重、それについて対象が処置される状態、ならびに他の検討事項に応じて変動する可能性がある。特にヒト対象の場合、可能な用量範囲は、1μg/kg体重〜150mg/kg体重、好ましくは10μg/kg体重〜100mg/kg体重である可能性がある。
好ましい実施形態では、硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩は、0.05〜50mg/kg(対象の体重)、好ましくは0.05もしくは0.1〜40mg/kg(対象の体重)、より好ましくは0.05もしくは0.1〜30mg/kg(対象の体重)、または0.1〜25mg/kg(対象の体重)、または0.1〜15mg/kg(対象の体重)または0.1〜10mg/kg(対象の体重)、の範囲内の投与量で全身投与されるように製剤化される。
本実施形態の硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩の全身投与は、好ましくは、それがなければ対象において線維化(特に有害な線維化)を引き起こす可能性のある事象または状態の発生後にできるだけ早く開始される。例えば、線維化は、損傷または対象において虚血もしくは心血管疾患を引き起こす他の状態の後に発生することが多い。そのような場合には、硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩の全身投与は、好ましくは、損傷または虚血もしくは心血管疾患を引き起こす他の状態の検出または診断の後にできるだけ早く実施される。
硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩の全身投与は、必ずしも現在の医学的状態の処置に限定される必要はないが、代替的に、またはさらに、予防のために使用される可能性がある。言い換えれば、本実施形態の硫酸デキストランは、心筋線維化を引き起こすか誘発する可能性がある医療処置(手術など)を受ける予定である対象に全身投与される可能性がある。
本実施形態の硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩は、単回ボーラス注射の形態でなどの、1回の投与で全身投与されてよい。このボーラス投与量は、患者に非常に迅速に注射されてよいが、硫酸デキストラン溶液が患者に数分間にわたって注入されるように時間をかけて有利に注入される(5〜10分間以上など)。
代替的に、本実施形態の硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩は、処置期間中に複数回(すなわち、少なくとも2回)、全身投与されてよい。従って、本実施形態の硫酸デキストランは、説明用の実施例のように、1日に1回または複数回、1週間に1回または複数回、1ヵ月に1回または複数回、全身投与される可能性がある。
特定の実施形態では、硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩は、連続した複数週間(少なくとも連続した2〜5週間など、好ましくは少なくとも連続した3週間)にわたる1週間に複数回(2〜5回など、好ましくは3回)の全身投与のために製剤化される。
一実施形態において、硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩の全身投与は、対象において有害な線維化を引き起こす事象または状態の後にできるだけ早く(上述されるような虚血事象または心筋梗塞の後にできるだけ早く、など)開始される可能性がある。代替的に、全身投与は、有害な線維化を引き起こす事象または状態の後の一定期間に開始される可能性がある。そのように全身投与を遅らせることの理由は、線維化プロセスが一般に、線維化を引き起こす事象または状態の後に一定時間を要するからである。例えば、硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩の全身投与は、対象において有害な線維化を引き起こす事象または状態に続く最初の週の内に、または1週間後から、開始される可能性がある。
一実施形態において、対象は、哺乳動物対象であり、好ましくは霊長類であり、より好ましくはヒト対象である。本実施形態は特に、ヒト対象において心筋線維化を処置、阻害または防止することを対象とするが、本実施形態はまた、あるいは代替的に、獣医学用途において使用されてもよい。動物対象の非限定的な例としては、霊長類、ネコ、イヌ、ブタ、ウマ、マウス、ラットが挙げられる。
一実施形態において、対象は、心筋線維化(特に、有害な(detrimental)、有害な(deleterious)、または傷害性の線維化)を引き起こす疾患、状態または障害に罹患している。そのような有害な(detrimental)、有害な(deleterious)、または傷害性の線維化は、冒された器官または組織の正常な構造の破壊を引き起こし、最終的にその機能障害または不全をもたらす。これは、有害な(detrimental)、有害な(deleterious)、または傷害性の線維化が、その線維化が発生する器官または組織に負の有害な影響を及ぼすであろう線維状組織の過剰な沈着の病的状態または病的線維化であることを意味する。
従って、一実施形態において、硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩は、器官または組織の機能障害を引き起こす対象の心臓または心臓組織における線維状組織の過剰な沈着を引き起こす病的線維化の処置、阻害または防止において使用するためのものである。
特定の実施形態では、線維化を引き起こす疾患、状態または障害は、心内膜心筋線維症、心筋梗塞の後の線維症または心房線維症からなる群より選択される。
硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩は従って、上述の疾患、状態または障害のいずれかの線維化要素を処置、阻害または防止するために使用される。従って、硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩は、必ずしも上記の疾患、状態または障害それ自体を処置、阻害または防止するわけではないが、線維化プロセスを低減し、それにより、上記の疾患、状態または障害がもたらす線維化組織の量を低減する。
一実施形態において、全身投与用に製剤化された硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩は、心筋線維化を患う対象において心筋線維化を処置、阻害または防止するために使用される。
細胞外マトリックス(線維状結合組織)の病的蓄積は、糖尿病である患者および糖尿病でない患者の両方において心臓の心不全(CHF)の主な誘因であり、心室壁の進行性の硬化および心臓の収縮性の喪失をもたらす。心不全は世界的な健康問題であり、先に心筋梗塞(MI)を有する患者において最も一般的に出現する。梗塞した心筋および梗塞していない心筋の両方で見られる、線維化に起因する心臓のリモデリングは、心室機能の障害の発達の主要な決定因子であると認識されており、予後不良をもたらすと認識されている。
従って、線維化は、例えば心内膜心筋線維症、心筋梗塞の後の線維症または心房線維症の形態で心臓において発生する可能性がある(心筋線維化)。線維化は、心筋の部位での虚血の後に発生することが多く、これは、心臓壁の硬化、収縮性の喪失および心臓のリモデリングという点において、重篤な負の結果をもたらす可能性がある。
一実施形態において、硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩は、心筋梗塞または心臓における別の虚血状態(例えば心筋虚血)に罹患したことがある対象における心筋線維化の処置、阻害または防止において使用するためのものである。
特定の実施形態では、硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩は、対象の心臓の梗塞領域における間質線維化の処置、阻害または防止において使用するためのものである。
本明細書で提示される実験データは、硫酸デキストランが心筋梗塞モデルにおいて抗線維化効果を有するということを示す。硫酸デキストランは、有意により少ない心筋線維化をもたらし、特に、試験対象の梗塞領域において有意により少ない間質線維化をもたらした。
線維化はまた、対象における心臓または心臓組織の移植と関連して発生する可能性もある。従って、硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩は、心臓または心臓組織の移植を受ける予定であるか最近受けた対象に全身投与されてよい。そのような移植される心臓組織の非限定的な例としては、心臓弁等が挙げられる。
硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩はまた、対象の心臓における、または対象の心臓と関連した、医療機器(ペースメーカー、ステント、プロテーゼなど)の移植と関連して対象に全身投与されてもよい。従って、病的な心筋線維化はまた、医療機器の移植の後に発生する可能性もある。
本実施形態の別の態様は、対象における心筋線維化の処置、阻害または防止のための全身投与用に製剤化された医薬の製造のための硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩の使用に関する。
本実施形態のさらなる態様は、対象において心筋線維化を処置、阻害または防止する方法に関する。方法は、硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩を対象に全身投与することを含む。
実験
心筋梗塞モデルにおける硫酸デキストランの抗線維化効果の評価
本研究では、心筋梗塞(MI)のラットモデルでの線維化の阻害または低減における硫酸デキストランの効果を評価した。
材料および方法
ラットにおける心筋梗塞モデルは、壁内縫合(intramural stitch)による永久的な左冠動脈の結紮を伴った。この手術は血流の閉塞を引き起こし、その後、重度の虚血性損傷および心臓壁の梗塞に至った。
平均体重が研究開始時(0日目)に178gであった合計120匹の雌のSDラットをHarlan Laboratories(イスラエル)から取得した。市販のげっ歯類用飼料(Teklad Certified Global 18% Protein Diet)を自由摂食で動物に与えた。動物は、自治体供給から得たオートクレーブおよび酸性化された飲料水(pHは2.5〜3.5)に自由にアクセスできた。動物を、新鮮な空気の適切な供給(1時間に最低15回の空気交換)を伴う空調管理および濾過(HEPA F6/6)された標準的な実験室条件下に収容した。動物を、12時間と12時間の明暗周期で20〜24℃の温度範囲および30〜70%のRH範囲を伴う気候制御環境中で飼育した。
15mg/kgまたは3mg/kgの用量で皮下注射するために、5〜7kDaの範囲内の平均分子量を有する硫酸デキストランを0.9%NaCl(生理食塩水)(Teva Pharmaceutical Industries Ltd)中に溶解させた。
手術の日に、90mg/kgのケタミンと10mg/kgのキシラジンとの組み合わせで動物を麻酔し、動物に挿管して機械で通気した。MIを誘発するために、麻酔下で、左開胸術によってラットの胸部を開き、心膜を除去し、壁内縫合により近位左冠動脈を永久的に閉塞させた(Circulation 2008, 117: 1388−1396)。手術から2時間後、全ての処置群の各動物に硫酸デキストランまたは生理食塩水ビヒクルを表1に従ってs.c.注射した。
Figure 2018521086
MIの誘発後36日目に、CO2の吸入によってラットを屠殺し、心臓を回収して緩衝化ホルマリン溶液中で固定した。標準的な組織学的手順を用いて通例のパラフィン包埋を行った。
線維化の評価のためにマッソン・トリクローム染色を用いた。心臓を横方向に切断して、パラフィンに包埋された5つの切片にした。5つの5μmのパラフィン切片は、Likaのミクロトーム上で作製した。標準的なマッソンのトリクロームプロトコルに従って、全ての切片を染色した。コラーゲン線維は青に染色され、核は黒に染色され、バックグラウンドは赤に染色された。コンピュータイメージングシステムで切片を可視化し、ImageJプログラムを用いて梗塞のサイズをマークして算出した。各動物について、結紮糸を含む切片を含む5つの連続切片を分析し、各心臓についての全ての切片の平均値を統計解析のための1つの値として扱った。
統計解析は、反復測定のための二元ANOVAに続くBonferroniのポストホックテストによって行った。
心筋線維化の分析の結果
マッソン・トリクローム染色で染色した心臓の切片において、梗塞の辺縁領域における間質線維化を手作業で評価した。間質線維化の面積を左心室の総面積のパーセントとして算出した。各ラットについて、5つの断面を分析した。梗塞の辺縁ゾーンにおける間質線維化の程度を図1に示す。
間質線維化の程度は、対照のビヒクル処置群1M(22.7±1.9%)と比較して硫酸デキストラン処置群2M(11.9±0.9%)で有意に低かった。間質線維化の程度はまた、他の硫酸デキストラン処置群3M〜5Mでもより低かったが、その差は有意ではなかった。
硫酸デキストランの効果は、主に、MIの後に線維化が発達している期間中のようである。従って、3週間にわたる硫酸デキストランでの処置を含む処置群2Mでは、線維化が有意に低減したが、より短い処置を伴う他の群(3M〜5M)における効果は、それほど明白ではなかった。これは、心筋梗塞のラットモデルにおける線維化の病態形成と一致するようである(American Journal of Pathology 1995, 147(2):325−338)。この論文は、梗塞した心臓組織における線維化プロセスが皮膚の創傷および心臓の非梗塞領域における線維化とは異なって制御されるということを開示する。
図2A〜2Dは、群1Mからの2匹の動物(図2Aおよび2B)および群2Mからの2匹の動物(図2Cおよび2D)における線維化の度合いの写真である。図中の矢印は、青に染色された線維化領域を示す。
従って、これらの結果は、硫酸デキストラン処置が、ビヒクル対照処置群と比較して、梗塞から5週間後における線維化を有意に低減するということを明らかにした。従って、硫酸デキストランは、心筋梗塞の後の線維形成を低減できる。
上記で説明される実施形態は、いくつかの説明用の本発明の例として理解されるべきである。当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に様々な改変、組み合わせ、および変更を加えることができるということを理解するであろう。特に、異なる実施形態における異なる部分的解決策は、技術的に可能な場合には、他の構成で組み合わせることができる。しかし、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定される。

Claims (17)

  1. 対象における心筋線維化の処置、阻害または防止における使用のための前記対象への全身投与用に製剤化された、硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩。
  2. 心筋梗塞または心筋虚血に罹患したことがある前記対象における心筋線維化の処置、阻害または防止における使用のための前記対象への全身投与用に製剤化された、請求項1に記載の使用のための硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩。
  3. 前記硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩が、前記対象への静脈内投与または皮下投与のために製剤化される、請求項1または2に記載の使用のための硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩。
  4. 前記硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩が、10000Da以下の平均分子量を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用のための硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩。
  5. 前記平均分子量が、2000〜10000Daの範囲内、好ましくは3000〜10000Daの範囲内、より好ましくは3500〜9500Daの範囲内、4500〜7500Daの範囲内など、および好ましくは4500〜5500Daの範囲内である、請求項4に記載の使用のための硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩。
  6. 前記硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩が、1850〜2000Daの範囲内の核磁気共鳴(NMR)分光法によって測定される数平均分子量(Mn)を有する、請求項4に記載の使用のための硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩。
  7. 前記硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩が、平均で5.1個のグルコース単位と2.6〜2.7のグルコース単位あたりの平均硫酸数とを有する、請求項6に記載の使用のための硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩。
  8. 前記硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩が、15〜20%の範囲で平均硫黄含有量を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用のための硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩。
  9. 前記平均硫黄含有量が約17%である、請求項8に記載の使用のための硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩。
  10. 前記硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩が、注射用水溶液として製剤化される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の使用のための硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩。
  11. 前記硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩が、連続した複数週間(連続した3週間など)にわたる1週間に複数回(3回など)の全身投与のために製剤化される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の使用のための硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩。
  12. 前記硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩が、前記対象の体重の0.05〜50mg/kg、好ましくは前記対象の体重の0.05〜30mg/kg、およびより好ましくは前記対象の体重の0.1〜15mg/kgまたは0.1〜10mg/kgの範囲の投与量で投与されるように製剤化される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の使用のための硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩。
  13. 前記対象が、心内膜心筋線維症、心筋梗塞の後の線維症または心房線維症からなる群より選択される疾患または障害に罹患している、請求項1〜12のいずれか1項に記載の使用のための硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩。
  14. 前記硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩が、前記対象の心臓の梗塞領域における間質線維化の処置、阻害または防止における使用のためのものである、請求項1〜13のいずれか1項に記載の使用のための硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩。
  15. 前記医薬的に許容されるその塩が、硫酸デキストランのナトリウム塩である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の使用のための硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩。
  16. 対象における心筋線維化の処置、阻害または防止のための全身投与用に製剤化される医薬の製造のための硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその塩の使用。
  17. 対象において心筋線維化を処置、阻害または防止する方法であって、前記対象に、硫酸デキストランまたは医薬的に許容されるその誘導体を全身投与することを含む、方法。
JP2018503496A 2015-07-30 2016-07-15 硫酸デキストランの新しい使用 Active JP6837679B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
SE1551050A SE539575C2 (en) 2015-07-30 2015-07-30 Dextran sulfate for use in treating, inhibiting or preventing cardiac fibrosis
SE1551050-6 2015-07-30
PCT/SE2016/050720 WO2017018922A1 (en) 2015-07-30 2016-07-15 New use of dextran sulfate

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2018521086A true JP2018521086A (ja) 2018-08-02
JP2018521086A5 JP2018521086A5 (ja) 2018-09-13
JP6837679B2 JP6837679B2 (ja) 2021-03-03

Family

ID=57884849

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018503496A Active JP6837679B2 (ja) 2015-07-30 2016-07-15 硫酸デキストランの新しい使用

Country Status (11)

Country Link
US (1) US10478451B2 (ja)
EP (1) EP3328395B1 (ja)
JP (1) JP6837679B2 (ja)
CN (2) CN107921055A (ja)
BR (1) BR112018001942A2 (ja)
DK (1) DK3328395T3 (ja)
EA (1) EA034313B1 (ja)
ES (1) ES2882115T3 (ja)
HK (1) HK1246640A1 (ja)
SE (1) SE539575C2 (ja)
WO (1) WO2017018922A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021514881A (ja) * 2018-03-09 2021-06-17 カルメダ エービー 生物学的実体の固定方法の改善

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
PL3532072T3 (pl) * 2017-05-17 2020-09-21 Tx Medic Ab Leczenie jaskry
WO2018212708A1 (en) * 2017-05-17 2018-11-22 Tx Medic Ab Treatment of glaucoma
EP3678675A4 (en) * 2017-09-08 2021-07-07 TX Medic AB NEW USE OF DEXTRAN SULFATE
SE543275C2 (en) * 2019-03-07 2020-11-10 Tx Medic Ab Treatment efficiency evaluation
SE544447C2 (en) * 2020-09-29 2022-05-31 Tx Medic Ab Treatment of fatty liver diseases

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06508356A (ja) * 1991-05-31 1994-09-22 グリアテック,インコーポレーテッド アニオン性ポリマーによる細胞侵入及び線維過多の抑制に基づく方法及び組成物
CN102973593A (zh) * 2012-11-26 2013-03-20 合肥博太医药生物技术发展有限公司 硫酸葡聚糖在制备治疗肝纤维化药物中的应用

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0868191A1 (en) 1995-12-18 1998-10-07 Stichting Sanquin Bloedvoorziening Potentiation of complement and coagulation inhibitory properties of c1-inhibitor.
US20040224922A1 (en) 1999-08-26 2004-11-11 Malcolm King Use of charged dextran as a mucoactive agent and methods and pharmaceutical compositions relating thereto
SE525461C3 (sv) * 2002-11-28 2005-03-23 Prophymed Ab Ny användning av dextransulfat
WO2008134430A1 (en) * 2007-04-24 2008-11-06 Novelmed Therapeutics Inc. Methods and compositions of inhibiting complement and cellular activation with dextran sulfate
WO2015190989A1 (en) * 2014-06-12 2015-12-17 Tx Medic Ab The use of dextran sulfate having an average molecular weight below 10000 da for inducing angiogenisis in a subject

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06508356A (ja) * 1991-05-31 1994-09-22 グリアテック,インコーポレーテッド アニオン性ポリマーによる細胞侵入及び線維過多の抑制に基づく方法及び組成物
CN102973593A (zh) * 2012-11-26 2013-03-20 合肥博太医药生物技术发展有限公司 硫酸葡聚糖在制备治疗肝纤维化药物中的应用

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
EUROPEAN HEART JOURNAL, vol. 26, JPN6020019903, 2005, pages 2334 - 2343, ISSN: 0004283885 *
日本内科学会雑誌, vol. 103(9), JPN6020019905, 2014, pages 2188 - 2192, ISSN: 0004283886 *

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021514881A (ja) * 2018-03-09 2021-06-17 カルメダ エービー 生物学的実体の固定方法の改善
JP7365371B2 (ja) 2018-03-09 2023-10-19 カルメダ エービー 生物学的実体の固定方法の改善

Also Published As

Publication number Publication date
EP3328395A1 (en) 2018-06-06
HK1246640A1 (zh) 2018-09-14
ES2882115T3 (es) 2021-12-01
WO2017018922A1 (en) 2017-02-02
SE539575C2 (en) 2017-10-17
BR112018001942A2 (pt) 2018-09-18
CN107921055A (zh) 2018-04-17
CN114712385A (zh) 2022-07-08
EP3328395B1 (en) 2021-06-09
EP3328395A4 (en) 2018-06-20
US20180221403A1 (en) 2018-08-09
DK3328395T3 (da) 2021-08-09
SE1551050A1 (en) 2017-01-31
EA201890212A1 (ru) 2018-06-29
EA034313B1 (ru) 2020-01-28
JP6837679B2 (ja) 2021-03-03
US10478451B2 (en) 2019-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6837679B2 (ja) 硫酸デキストランの新しい使用
JP2021152032A (ja) トレハロースの非経口投与によるタンパク質凝集ミオパシーおよび神経変性疾患の治療
US10328098B2 (en) Alginate biomaterials for the treatment of hepatic disorders
US10925890B2 (en) Use of dextran sulfate
WO2015190989A1 (en) The use of dextran sulfate having an average molecular weight below 10000 da for inducing angiogenisis in a subject
CN113613640A (zh) 肾上腺素能β2受体激动剂R-对映体在治疗炎症性肠病及其肠外疾病的新应用
JP2010521215A (ja) 組織の修復を促進する方法
US11186612B2 (en) Substance P analog having progenitor cell or stem cell recruiting activity and method for progenitor cell or stem cell recruiting using the same
JP2022515615A (ja) 慢性炎症性腸疾患の治療のためのpar-1アンタゴニストの使用
EP3856249B1 (en) Treatment of myocardial infarction
WO2020161158A1 (de) Kardioprotektiver effekt des vasokonstriktion-inhibierenden faktors (vif)
JP2002538087A (ja) 薬学的調製物を製造するためのオロソムコイドの使用
SE538144C2 (sv) Use of dextran sulfate for inducing angiogenesis

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180711

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190610

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200520

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200616

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200911

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210127

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6837679

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250