JP2018519020A - 尿流システム及び使用方法 - Google Patents
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Abstract
チューブを貫通して延びる中空の内部を備えるチューブと、そのチューブの一端へまたはそこに接続されたバネ様に挙動する可塑性のアンカーと、そのチューブの他端へまたはそこに接続された磁性部材とを備える膀胱排液装置が開示される。このチューブは、磁性牽引力を生み出し、かつチューブを、例えば、外側に(括約筋が通常閉じられているその元の位置から)移動する外部磁力によって係合される場合に磁性部材が移動可能であり、その結果、括約筋が開いた状態に保持されて、膀胱から尿道へ、体外へと尿が運ばれる。外部磁力が解除されると、磁性係合が終了し、可塑性アンカーの力によって、チューブが元の位置に引き戻され、これにより括約筋が再び閉鎖され、したがって尿の流れが停止されるか、または制限される。
【選択図】図1B
【選択図】図1B
Description
(関連出願に対する相互参照)
本出願は、2015年5月19日に出願された、尿流システム及び使用方法(Urine Flow System and Method of Use)というタイトルの共同所有の米国特許仮出願第62/163,398号に関連し、かつそれから優先権を主張しており、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本出願は、2015年5月19日に出願された、尿流システム及び使用方法(Urine Flow System and Method of Use)というタイトルの共同所有の米国特許仮出願第62/163,398号に関連し、かつそれから優先権を主張しており、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明は、排尿支援のためのデバイスに関する。
尿の貯留は、神経障害または膀胱の出口の閉塞によって引き起こされる場合が多い。神経原性の尿貯留とは、脊髄もしくは膀胱を支配する神経及び/または尿道括約筋の損傷のような神経学的機能不全のせいで、人が自主的に膀胱を空にすることができない状態である。神経原性の尿貯留は、膀胱が収縮できないこと及び/または尿道括約筋が弛緩することができないことに起因する。
脊髄損傷、多発性硬化症、パーキンソン病、あるいは骨盤領域の外傷または膀胱もしくは括約筋の内因性神経学的機能不全を有する患者は、永続的または一時的な基準で神経原性の尿貯留に苦しむ可能性がある。膀胱収縮の時点で収縮する括約筋の弛緩の代わりに、膀胱/括約筋の不全麻痺を有する患者もあれば、腎臓に損傷を与え得る膀胱内圧を上昇させる患者もいる。さらに、患者は、良性または悪性の前立腺肥大または尿道狭窄によって引き起こされる膀胱出口の閉塞を有する場合もある。慢性的な閉塞では、膀胱自体が空になることは不可能であり、徐々に増大する残留尿は、慢性尿貯留を引き起こし、これは、膀胱を空にし得ず、腎臓に損傷を生じ得る状態である、排尿後の大量の残留尿を残す。
尿滞留に苦しんでいる患者は、一般に、膀胱を排液するための選択肢が限られている。これらとしては、永続的に挿入されたフォーリーカテーテル、間欠的カテーテル法、及び恥骨上の排液チューブの使用が挙げられる。3つの選択肢の全てが高い感染率を有し、患者及び/または介護者にとって不便であり、患者にとって不快であり、典型的には患者の感情的苦痛を引き起こす。
本発明は、神経性または慢性の閉塞性尿貯留を有する患者が、尿の流れを妨げる膀胱出口を開放しながら、尿を膀胱から尿道に通過させることによって、膀胱を排尿することを可能にさせるデバイス(装置)、システム及び方法を提供する。本発明の装置及びシステムは、男性及び女性の両方に使用可能である。
チューブを貫通して延びる中空の内部を備えるチューブと、チューブの一端または他端に接続されたバネ様に挙動する可塑性のアンカーと、チューブの他端にまたはそこに接続された磁性部材とを備える膀胱排液装置が開示される。磁性牽引力を作り出し、かつチューブが、例えば、外側に(括約筋が通常閉じられているその元の位置から)移動される外部磁力によって、このチューブは、磁性部材が係合される場合に移動可能であり、その結果、括約筋が開いた状態に保持されて、膀胱から尿道へ尿が廃液させられ、最終的に身体から出される。外部磁力が解除されると、磁性係合が終了し、可塑性アンカーの力(例えばバネ−付勢力)によって、チューブがその元の位置(例えば、内側)に引き戻される。ここで、括約筋が閉鎖され、尿の流れが停止されるか、そうでなければ制限されている。
本発明の実施形態は、排尿システムに関する。このシステムは、ある装置を備える。この装置は、中空の内部と、対向して配置された第1及び第2の端部を備えるチューブであって、第一は、中空の内部と連通する第1の端部に開口しており、第2は、中空の内部と連通する第2の端部に開口しているチューブと;このチューブの第1の端部と連通して体内のチューブの移動を可能にするアンカーであって、装置を体内に維持するためのアンカーと;チューブの第2の端部と連通した磁性部材であって、チューブが磁性結合の間に第1の位置から第2の位置に移動し、かつ磁性係合が終了したときの第2の位置から第1の位置に戻すように、磁性係合(例えば、磁性部材を外側に引っ張る磁性牽引)間に別の磁性部材に向かって移動するための磁性部材と、を備える。
必要に応じて、上記排尿システムはさらに:チューブの中空内部を通って延びる縦軸を備え、このチューブは、第1の位置と第2の位置との間で動くとき、縦軸に沿って移動する。
必要に応じて、上記アンカーは、上記チューブが上記第1の位置と上記第2の位置との間で動くことを可能にする、バネ様の挙動を示す部分を備え、上記第1位置とは、上記アンカーが弛緩位置にある位置であり、上記第2位置とは、上記アンカーが拡張位置にある位置である。
必要に応じて、上記磁性部材は、第1の磁石を含む。
必要に応じて、上記排尿システムはさらに:上記チューブを上記第1の位置から上記第2の位置に移動させるように、上記第1の磁石と磁性係合を作り出すための第2の磁石を備える。
必要に応じて、上記磁性係合は、尿道括約筋を開くために十分な力の係合である。
必要に応じて、上記アンカーが中心点を含むコイル部材を備え、上記コイル部材は上記中心点から上記チューブと連通する。
必要に応じて、上記コイル部材は、ワイヤで形成される。
必要に応じて、上記コイル部材は、尿道への上記膀胱開口部よりも大きい外径である。
必要に応じて、上記アンカーは、対向して配置された第1及び第2の端部を備える複数の部材を備え、上記第1の端部は、上記アンカーにバネ様の挙動を提供するように巻かれ、上記第2の端部は上記チューブとの連通を提供するためである。
必要に応じて、上記部材は、ワイヤ、リボン及びストリップのうちの少なくとも1つから作られている。
必要に応じて、上記外径は、それらの周囲に沿った部材によって規定され、この外径は、尿道への膀胱開口部の直径/長さよりも大きい。
必要に応じて、上記排尿システムはさらに、上記装置を受容し、かつ上記装置を上記体内に送達するように構成された挿入デバイスを備える。
本発明の実施形態は、例えば、膀胱から排尿のための方法に関する。この方法は、最初にある装置を設けるステップを包含する。この装置は:チューブであって、中空内部と、対向して配置された第1及び第2の端部を備え、第1が上記中空内部と連通する第1の端部に開口しており、かつ第2が上記中空内部と連通する第2の端部に開口している、チューブ;上記チューブが体腔内で移動可能であるように、チューブを体腔内に維持するためのチューブの第1の端部と連通するアンカー;ならびに上記チューブの第2の端部と連通している磁性部材であって、磁性係合の間に上記チューブが第1の位置から第2の位置に移動し、かつ磁性係合が終了したときに第2の位置から第1の位置に戻るように、磁性係合の間に別の磁性部材へ向けて動くための磁性部材;を備える。次いで、この装置は、上記アンカーが、少なくとも部分的に膀胱内にあり、かつ上記チューブが、少なくとも部分的に尿道内の第1の位置にあり、尿道括約筋が閉じられるように尿路中に配置される。
必要に応じて、上記方法はさらに、上記磁性部材に磁力を加えて上記チューブを上記第1の位置から第2の位置へ移動させ、ここで、第2の位置で、上記チューブが尿道括約筋を通って移動して、この尿道括約筋を開き、膀胱から尿道へ、体外へと排尿を可能にするステップを包含する。
必要に応じて、上記磁力を加えるステップは、上記磁性部材との磁性係合に磁石を移動させるステップを包含する。
必要に応じて、上記尿路への上記装置の位置決めは、挿入デバイスを用いて行われる。
必要に応じて、上記方法はさらに:上記磁性係合を終了させるように上記磁石を移動させて、上記チューブを上記第2の位置から上記第1の位置に移動させるステップを包含する。
必要に応じて、上記磁石が上記本体の外側に移動される。
本発明の他の実施形態は、尿流を生成するための方法に関する。これらの方法は以下:中空の内部、及び上記中空の内部と連通する開口部を備えるチューブを配置するステップであって、この開口部は、このチューブの第1の端部及び第2の端部に配置されており、ここで上記チューブの少なくとも一部は、膀胱に近接した尿道の閉鎖位置にあり、尿道括約筋が閉鎖されているステップと;このチューブに力を加えて、チューブを、尿道括約筋を越えて、開位置に動かし、尿道括約筋を開放し、このチューブは、尿路括約筋の反対側に一部があり、このチューブは、体を離れるための、尿道括約筋を越えた、膀胱から尿道への尿への通路を形成するステップと、を包含する。この力は、例えば、磁力であるが、また機械(引張)力であっても、または適切な引張力であってもよい。
必要に応じて、上記チューブは磁性部材と連通しており、かつこの磁性部材との磁性係合を作り出すように、磁石が磁性部材に対して位置決めされるときに、磁力によって上記閉鎖位置から上記開放位置に上記チューブが移動される。
必要に応じて、上記磁性係合が終了するように上記磁石が配置されたとき、上記チューブは上記開位置から上記閉位置に戻る。
必要に応じて、上記磁石は、上記身体の外側に配置される。
別段規定しない限り、本明細書で用いられる全ての技術的用語及び/または科学的用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載された方法及び材料と類似または同等の方法及び材料を本発明の実施形態の実施または試験に使用することができるが、例示的な方法及び/または材料を以下に記載する。矛盾がある場合、定義を含む本特許明細書が支配する。さらに、材料、方法、及び実施例は、例示に過ぎず、かつ必ずしも限定的なものではない。
本発明のいくつかの実施形態を、添付の図面を参照して、単なる例として記載しており、ここでは、同様の参照番号または文字は、対応する要素または同様の要素に相当する。ここで図面を詳細に参照すると、示された詳細は、例であって、本発明の実施形態の図示的な考察のためであることが強調される。この点に関して、図面を用いた説明によって、本発明の実施形態がどのように実施され得るかが当業者に明らかになる。
ここで、図面の同様の参照番号または文字は、対応するかまたは同様の構成要素を指していることに留意されたい。図面は以下のとおりである。
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の説明に記載されるか、ならびに/あるいは図面及び/または実施例に図示されている構成要素及び/または方法の構成及び配置の詳細に必ずしも限定されないことが理解されるべきである。本発明は、他の実施形態が可能であるか、または様々な方法で実施もしくは実行することが可能である。
本明細書全体を通して、上向き、下向き、内向き、外向きなどの方向に関する言及がなされている。これらの方向の参照は、本発明の様々な装置及びシステムの典型的な方向付けに関するものである。それらは例示的なものに過ぎず、説明及び説明目的のためのものであるように、決して限定するものではない。
図1A及び1Bは、本発明のある実施形態による装置20を示す。装置20は、コイル(コイル部材)またはアンカー22(可塑性である)を含む。コイル22は、チューブ24に接続されている。コード26は、チューブ24を、磁性部材または磁化可能部材28に取り付ける。
コイル22は、例えば、バネまたはバネ様の挙動を示す部材であり、かつ膀胱壁に接触して膀胱及び後部尿道に装置20を固定するように設計されている。コイル22は、例えば、以下に詳述するように、外力によってチューブ24が移動する間、尿道への膀胱開口部の直径/長さよりも大きい直径(図1Aのexd1)であって、膀胱内のコイル22の移動または移動を制限し、身体内で装置20を保持する。コイル22は、例えば、外科用グレードの材料でできており、かつ、例えばシリコーンのような不活性材料で被覆されたニチノールのようなワイヤであって、その結果、コイル22は不活性コーティングを有するバネとして挙動し、沈着または尿塩を防止または最小化する。
コイル22は、中心点CPから延びる延長コード22eを備える。延長コード22eはチューブ24に接続されている。
チューブ24は、尿道内を移動するように設計されており、外部括約筋を通過する長さであり、膀胱から括約筋の下流の尿道まで尿を通過させる。チューブ24は、その内部が中空であり、両端部24a、24bで開口している(この端部24bは、例えば、角があるかまたは湾曲して示されている)。チューブ24は、配向のために、内部を通って延びる縦軸(図1Bの破線のLA)を備える。チューブ24の端部24a、24bは、例えば、チューブ24の円筒形状に沿って、膀胱の排液のために尿を尿道に通過させることを可能にする1つ以上の開口部24x、24yを備える。開口部24x、24yは、チューブ24のどこの場所に配置されてもよく、1つ以上の開口部が許容される。開口部24x、24yは、尿がその開口部を通過できるように、示したとおり、卵形、丸形、環状、長方形などであってもよい。少なくとも2つの開口部は、括約筋の幅よりも広い距離でお互いに離れ(例えば、図9A及び9Bの406)、体外へ出るために、尿が膀胱から、括約筋を通り、チューブ24を抜けて、尿道へ通過することが可能になる。本明細書に詳述された装置と共に使用するのに適した別のチューブは、開口部(例えば、図7A及び7Bのチューブ24)を有する必要はない。
チューブ24は、例えば、示したとおり、円筒形であるが、他の形状もまた可能である。チューブ24の長さは、実行されることが望ましい操作に基づいて可変である。チューブは、シリコーン、ポリウレタン、または尿道カテーテルが作られる他の材料のような材料で作られている。
コード26は、非磁性であるだけでなく、身体に対して不活性な材料からなる。コード26の材料は、例えば、ポリプロピレンである。コード26は、例えば、磁性部材28または磁化可能部材28内の穴28aを通って延びるが、他の適切な機械的もしくは化学的ファスナー、またはそれらの組み合わせによって、磁性部材または磁化可能部材28に取り付けられてもよい。
磁性部材28は、例えば、ネオジム鉄ボロン(NeFeB)のような材料の磁石である。磁性部材28には、鉄のような磁化材料または磁化可能材料も適しており、コード26に取り付けられたケーシング、取り付け部などの中の1つ以上の磁石も同様である。
磁力は磁性部材28と共に通常使用されるが、機械力、引っ張り力などの他の力もまた、磁性部材またはコード26とともに使用して、本明細書で開示される位置の間でチューブ24を動かして、膀胱排液を可能にしてもよい。
図2A及び図2B、図3A及び図3B、ならびに図4A及び図4Bは、例えば、ワイヤ、リボンまたはストリップ及びチューブの、様々な材料の、コイル状配置である、代替部材22’、22”及び22’’’を示しており、これはバネとして作用するかまたはバネ様の挙動を示すように作用し、かつ装置20のコイルまたはアンカー22としての使用に適している。図2A及び図2Bは、(コード26と同様であるが、適切な長さの)コードのための取り付け点APを有するワイヤコイル22’を示す。図3A及び図3Bは、ニチノールのような材料のリボンまたはストリップコイル22”を、コード(コード26に類似)の取り付け点APを有する状態で示す。図4A及び図4Bは、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、架橋ポリエチレンのような材料の空気注入式部材コイル22’’’を、コード(コード26に類似)のための取り付け点APを有する状態で示す。
図5A、図5B、図5C及び図5Dは、本発明の装置20、120、220、320に適したチューブを示す。図5Aは、装置20のチューブ24を示す。図5B、図5C及び図5Dは、開口部24x、24yを有する、異なる長さのチューブ24’、24”、24’’’を示す。チューブ24’’’は、チューブ24’’’の反対側の端部24aに追加の開口部24zを有する(1つの開口部24zが示されているが、複数の開口も許容される)。これらのチューブ24’、24”、24’’’は、その端部24bが異なることを除いて、チューブ24と構造的に類似している。
図6A及び図6Bは、装置20とものと同様または同一の構成要素または要素を有する、装置20と同様の代替装置120を、「100」増やして示す。装置120では、コイル22は、例えば、コイル22と同じ材料の2つ以上のワイヤコイル122x、122y、122zで置き換えられ、従来の固定手段及び技術によって、チューブ124に取り付けられている。ワイヤコイル122x、122y、22zは、尿道への膀胱開口部の直径/長さよりも大きい直径(図6Bのexd2)の周辺部122p(破線内)を規定する。コイル122x、122y、122zのこのより大きい直径(まとめて、周囲122pに基づく)は、コイル122x、122y、122zの移動または移動を制限し(それらを膀胱/膀胱頚部に限定し)、それによって、装置120についてアンカーを膀胱内に規定する。従って、コイル122x、122y、122zは、外力(例えば、磁力/磁性牽引)によってチューブ124が移動する間に、下に詳細に記載されるように、装置20が体外に引き出されないように、装置120を体内に保持し得る。チューブ124、コード126及び磁性部材128は、例えば、上記の装置20について詳述されたチューブ24、コード26及び磁性部材28に従う。
複数のワイヤコイルまたは膨張可能な部材コイル122x、122y、122zは、この構成では、装置120に集団としてバネ様の挙動を提供する。したがって、この装置120は、装置20と同様に機能するが、これについては後に詳述する。
図7A及び図7Bは、装置20のものと同様または同一の構成要素または要素を有する、装置20と同様の代替装置220を、「200」増やして示す。この装置220では、コイル22は、バネ様式で挙動する弾性材料、例えば、ニチノールの、例えば、リボンまたはストリップコイル222x、222y、222zで置き換えられている。リボンコイル222x、222y、222zは、従来の固定手段及び技術によって、チューブ224に取り付けられる。コード226及び磁性部材228は、上記の装置20について詳述されたコード26及び磁性部材28に従う。
複数のリボンコイル222x、222y、222zは、この構成では、上述で詳細な装置120のコイル122x、122y、122zと同様に、装置220に集団としてバネ様の挙動を提供する。したがって、この装置220は、以下にさらに詳述する装置20及び装置120と同様に機能する。
図8A及び図8Bは、膀胱排液のための拡張の前に、弛緩した位置にある別の代替装置320を示す。この装置320は、コイル322と、バネ323aの本体323と、コード326とを備える一体部材321、例えば、単一部品を備える。この一体部材321は、シリコーン、または身体に対して不活性な他の非磁性材料、または他の不活性材料などのコーティングで覆われているバネ鋼もしくはニチノールなどの材料でできている。コイル322は伸張されているが、図1A及び図1Bに示すように、ならびに上記で詳述するように、この「弛緩」位置で平坦であってもよい。コイル322は、本体323に接合する延長部322eを備え、本体323は、磁性部材328(上述の磁性部材28、128、228と同様)に取り付けられる延長部323eを備える。コイル322及びバネ323aの本体323を組み合わせて、装置20,120及び220について上で考察したように、特に一体部材321においてバネ挙動を装置320に提供する。
チューブ329は、図8Aに示すように、従来の固定手段及び技術によって、バネ323の上に重なり、取り付けられる。一体部材321は、チューブ329のコア部材として機能する。チューブ329は、コイル322に近接するその端部の平坦部329a及び、磁性部材328に対してその下流端部で、折り畳まれるか、または蛇腹状部の329bから形成される。あるいは、全体的チューブ329は、チューブ329上で混合された折り畳まれた部分及び折り畳まれていない部分とともに折り畳まれてもよい。チューブ329は、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、架橋ポリエチレンなどのような材料(上述の折り畳みを提供し得る)でできている。
図9A及び9Bは、例示的な操作、すなわち、膀胱排液における装置20を示す。(装置20は、図1A及び1Bに示されたものと同様であり、上述のように、ただしコイル22は、図2A及び図2Bのコイル22’に置き換えられる)。最初に、図9Aでは、非排液位置では、装置20は、コイル22’(例えば、上向きの漏斗の方向)がアンカーとして働き、膀胱の頸部404を横切って膀胱402におさまるようになっている。コイル22’は、バネ様の挙動によって付勢されて、チューブ24は、閉鎖されている外部括約筋406の一方の側にあるので、外側の括約筋として、弛緩位置または未膨張の位置になる。チューブ24は、部分的に、後部尿道405、及び通常は閉じられている(矢印407によって示される)、外側括約筋406の上側(上記)にあり、尿道408を通った身体の外への膀胱402の排液を防げる(示さず)。
膀胱402の排液が望ましい場合、磁石412を本体に接触させ、磁性部材28と磁気的に連絡させ、磁性部材28及び磁石412の磁極は、北/南に向いて磁性牽引(曲線によって示されている)を生成する。この磁性牽引によって磁性部材28が尿道408内を下方(外側)に移動され、この移動によりチューブ24がこの同じ方向(矢印414の方向)に移動される。これによってまた、バネ様コイル22’が弛緩した位置から拡張位置(例えば、下向きの漏斗方向)に移動させられる。膀胱/尿道開口部及び/または膀胱頚部の直径/長さよりも大きいコイルまたはアンカー22’の直径は、コイルまたはアンカー22’が、膀胱402に残り、装置20を固定し、外力(磁力)が装置20を身体から引き出さないように、コイルまたはアンカー22’の膀胱402内への移動(移行)を制限する。チューブ24の下流端は、外部括約筋406を越えて移動し、それを開き(矢印416に従って外側に動かす)、その結果、開口を有するチューブ24の一部が括約筋406の両側になり、尿が膀胱402から装置(デバイス)20のチューブ24(チューブ状部材)を通過し、次に尿道408を通って本体(図示せず)から出て、図9Bに示されるように、膀胱402の排液を生じる。
排液が完了すると、磁石は、磁性部材28との磁性係合から外れて移動し、磁性牽引は停止する。一旦、磁性牽引が停止すれば、コイル22’の付勢によって生じるバネ力によって、コイル22’が弛緩した位置に戻り、ここで、チューブ24が内向きに引っ張られて図9Aに示す位置に戻り、ここでは、括約筋406が閉鎖状態に戻る。
図10A、図10B、図11A、図11B及び図12A〜図12Cは、装置500、ならびに例示的な装置20(例えば、図10Bに示すコイル22、チューブ24及び磁性部材28を備える)を膀胱及び尿路の部位に送達するためのプロセスを示す。図10A及び図10Bに示すように、送達装置500は、外側チューブ502(その内部がバルーンカテーテルまたはMalecot様(またはスペーシング)カテーテル504を、スペーサとして、プッシャ部材506である)、及び装置20を備え、コイル22がスペーシングカテーテル504の最も遠位に配置されている。
送達装置500は、膀胱内に移動され、外側チューブ502は、後ろ向きまたは近位に引っ張られる。バルーンスペーシングカテーテルが使用される場合、バルーンは膨張される。マルコット型カテーテルがスペーサとして使用される場合、外側チューブ502の引き戻し(矢印511によって示される)により、スペーシングカテーテル504のウィング504aが(双頭矢印512の方向に)開かれ、及び図11A及び図11Bに示すように、送達装置500を膀胱頸部に固定する。固定が完了すると、プッシャ部材506は、図12A及び図12Bに示すように、遠位方向に(矢印514の方向に)押し込まれ、その結果、図12Cに示すように、コイル22が、スペーシングカテーテル506から出て、膀胱内でそれ自体、双頭矢印516によって示される方向に向く。次いで、送達装置500は、格納される。
図13〜16は、装置20のための抽出装置550と、装置20を膀胱及び尿路から除去するのにおける、その操作を詳細に示す。図13は、チューブ552内を移動するための、外側チューブ552と抽出器554とで形成された抽出装置550を示す。抽出器554は、磁性である端部554aを備え、抽出器554の残りは、例えばロッド554bである。
図14に示すように、抽出装置550は、尿路に挿入され(矢印556の方向で、遠位に移動される)、ここで抽出器554の磁性端554aが、装置20の磁性部材28に磁気的に付着される。図15に示されるとおり、装置20のチューブ24が外側チューブ552に入り、外側チューブ552の端部が装置20のコイル22に達するまで、外側チューブ552が矢印556の方向に前方に押される。
抽出器554は、矢印558に従って(ロッド554bが、近位方向または後方向に引っ張られる)、ここで後方または近位に移動される。この移動により、コイル22は巻き戻され、図16に示すように、外側チューブ552内に移動する。外側チューブ552内のコイル22により、外側チューブ552が尿路から取り出される。
本発明は、動物用にも適している。
明確にするために、別個の実施形態の文脈で説明される本発明の特定の特徴はまた、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で記載されている本発明の様々な特徴は、別々に、もしくは任意の適切なサブコンビネーションで提供されてもよく、または本発明の任意の他の記載された実施形態に適している場合もある。様々な実施形態の文脈で説明される特定の特徴は、実施形態がそれらの要素なしで動作不能でない限り、それらの実施形態の本質的な特徴と見なされるべきではない。
本発明は、その特定の実施形態と関連して記載されているが、当業者には多くの代替、変更及び変形が明らかであることは明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨及び広範な範囲内におさまる全てのそのような代替物、改変物及び変形物を包含することが意図される。
Claims (23)
- 排尿システムであって:
中空の内部と、反対側に配置された第1及び第2の端部とを備え、第1が前記中空内部と連通する第1の端部に開口しており、かつ第2が前記中空内部と連通する第2の端部に開口している、チューブと;
チューブの第1の端部と連通しており、体内のチューブの移動を可能にするアンカーであって、装置を体内に維持するためのアンカーと;および、
前記チューブの第2の端部と連通している磁性部材であって、磁性係合の間に前記チューブが第1の位置から第2の位置に移動し、かつ磁性係合が終了したときに第2の位置から第1の位置に戻るように、磁性係合の間に別の磁性部材へ向けて動くための磁性部材と;を備える、装置を含む、排尿システム。 - 前記チューブの中空の内部を通って延びる縦軸をさらに備え、前記チューブは、第1の位置と第2の位置との間を移動するときに、該縦軸に沿って移動する、請求項1に記載の排尿システム。
- 前記アンカーは、前記チューブが前記第1の位置と前記第2の位置との間で動くことを可能にする、バネ様の挙動を示す部分を備え、前記第1位置とは、前記アンカーが弛緩位置にある位置であり、前記第2位置とは、前記アンカーが拡張位置にある位置である、請求項2に記載の排尿システム。
- 前記磁性部材が、第1の磁石を含む、請求項1に記載の排尿システム。
- 前記チューブを前記第1の位置から前記第2の位置に移動させるように、前記第1の磁石と磁性係合を作り出すための第2の磁石をさらに備える、請求項5に記載の排尿システム。
- 前記磁性係合が、尿道括約筋を開くために十分な力の係合である、請求項5に記載の排尿システム。
- 前記アンカーが中心点を含むコイル部材を備え、前記コイル部材が前記中心点から前記チューブと連通する、請求項1または3に記載の排尿システム。
- 前記コイル部材が、ワイヤで形成される、請求項7に記載の排尿システム。
- 前記コイル部材が、前記尿道への膀胱開口部の直径よりも大きい外径を有する、請求項7に記載の排尿システム。
- 前記アンカーが、対向して配置された第1及び第2の端部を備える複数の部材を備え、前記第1の端部が、前記アンカーにバネ様の挙動を提供するように巻かれ、かつ前記第2の端部が前記チューブとの連通のためである、請求項3に記載の排尿システム。
- 前記部材は、ワイヤ、リボン及びストリップのうちの少なくとも1つから作られている、請求項10に記載の排尿システム。
- 前記外径が、その周囲に沿った部材によって規定され、前記尿道への膀胱開口部よりも大きい、請求項10または11に記載の排尿システム。
- 前記装置を受容し、かつ前記装置を前記体内に送達するように構成された挿入デバイスをさらに備える、請求項3に記載の排尿システム。
- 尿の膀胱排液のための方法であって:
以下の装置:
前記中空内部と、対向して配置された第1及び第2の端部を備え、第1が前記中空内部と連通する第1の端部に開口しており、かつ第2が前記中空内部と連通する第2の端部に開口している、チューブと;
チューブが体腔内で移動可能であるように、チューブを体腔内に維持するためのチューブの第1の端部と連通するアンカーと;
前記チューブの第2の端部と連通している磁性部材であって、磁性係合の間に前記チューブが第1の位置から第2の位置に移動し、かつ磁性係合が終了したときに第2の位置から第1の位置に戻るように、磁性係合の間に別の磁性部材へ向けて動くための磁性部材と;を備える装置を提供するステップ、
および、
前記装置を尿路中に配置するステップであって、それによって、前記アンカーが少なくとも部分的に膀胱内にあり、前記チューブが少なくとも部分的に尿道内の第1の位置にあり、尿道括約筋が閉じられるように、配置するステップ;
を包含する、方法。 - 前記磁性部材に磁力を加えて前記チューブを前記第1の位置から第2の位置へ移動させ、ここで、前記チューブが前記尿道括約筋を通って移動して、前記尿道括約筋を開き、膀胱から尿道へ、体外へ排液を可能にするステップをさらに包含する、請求項14に記載の方法。
- 前記磁力を加えるステップが、前記磁性部材との磁性係合に磁石を移動させるステップを包含する、請求項15に記載の方法。
- 前記尿路への前記装置の位置決めが、挿入デバイスを用いて行われる、請求項15に記載の方法。
- 前記磁性係合を終了させるように前記磁石を移動させて、前記チューブを前記第2の位置から前記第1の位置に移動させるステップをさらに包含する、請求項16に記載の方法。
- 前記磁石が前記本体の外側に移動される、請求項16または18に記載の方法。
- 尿流を生成するための方法であって:
中空の内部、及び前記中空の内部と連通する開口部を備えるチューブを配置するステップであって、前記開口部は、前記チューブの第1の端部及び第2の端部に配置されており、ここで前記チューブの少なくとも一部は、膀胱に近接した尿道の閉鎖位置にあり、尿道括約筋が閉鎖されているステップと;および、
前記チューブに力を加えて、前記チューブを、尿道括約筋を越えて、開位置に動かし、尿道括約筋を開放し、前記チューブが、尿道括約筋の反対側に一部を備え、前記チューブが、体を離れるための、尿道括約筋を越えた、膀胱から尿道への尿への通路を形成するステップと;を包含する、方法。 - 前記チューブが磁性部材と連通しており、かつ前記磁性部材との磁性係合を作り出すように、前記磁石が前記磁性部材に対して位置決めされるときに、磁力によって前記閉鎖位置から前記開放位置に前記チューブが移動される、請求項20に記載の方法。
- 前記磁性係合が終了するように前記磁石が配置されたとき、前記チューブが前記開位置から前記閉位置に戻る、請求項21に記載の方法。
- 前記磁石が、前記身体の外側に配置される、請求項22に記載の方法。
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