JP2018518975A5 - - Google Patents

Download PDF

Info

Publication number
JP2018518975A5
JP2018518975A5 JP2017567244A JP2017567244A JP2018518975A5 JP 2018518975 A5 JP2018518975 A5 JP 2018518975A5 JP 2017567244 A JP2017567244 A JP 2017567244A JP 2017567244 A JP2017567244 A JP 2017567244A JP 2018518975 A5 JP2018518975 A5 JP 2018518975A5
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
population
cells
treg
human
tregs
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017567244A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018518975A (ja
JP6916746B2 (ja
Filing date
Publication date
Application filed filed Critical
Priority claimed from PCT/EP2016/065572 external-priority patent/WO2017005647A1/en
Publication of JP2018518975A publication Critical patent/JP2018518975A/ja
Publication of JP2018518975A5 publication Critical patent/JP2018518975A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6916746B2 publication Critical patent/JP6916746B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

制御性T細胞を得る方法およびその使用
発明の分野
本発明は、免疫療法の分野のものである。より詳細には本発明は、制御性T細胞の集団を得る方法に関する。
発明の背景
CD4+およびCD8+Foxp3+ Treg細胞およびCD45RC low Tregを包含する制御性T細胞または「Treg」は、Tregが他の免疫細胞の活性を急速に抑制し得るという点において、様々な免疫応答の制御に不可欠である。特にTregは、自己および非自己抗原に対する望ましくない免疫応答をダウンレギュレートすることによって寛容を維持するのに必須である。例えばTreg欠損は、多発性硬化症(MS)、I型糖尿病(TID)、乾癬、重力筋無力症(MG)および他の自己免疫疾患の患者で発見されている。類似の関係が、アトピー性およびアレルギー性疾患でも存在し得る。これらの疾患全てで、患者のTreg細胞のインビトロ免疫抑制の低減を指摘する報告が存在する。これにより、自己免疫疾患、アレルギー、および移植関連合併症、例えば移植片拒絶または移植片対宿主病(GvHD)を処置または予防するための免疫療法においてTregを使用する可能性への関心が高まった。
例えば臓器移植により、急性拒絶の予防および処置の両方において非常に顕著な改善が認められるが、不顕性エピソードおよび慢性移植片機能障害は、依然として中期および長期移植片生着に重大な影響を及ぼす(1)。新規の治療戦略、中でもドナー抗原に対する寛容誘導は、数年の実験モデル研究を経た後臨床段階に移行している(2、3)。天然のメカニズムおよび寛容誘導戦略のうち、異なるタイプのCD4+Tregなどの異なるタイプの制御性細胞の使用は、中でも最も有望なものとされる(4)。CD8 制御性T細胞(CD8 Treg)の使用は、近年になりそれ自体が、そしてそれ以外では、移植分野と他の病理学的状況でも脚光を浴びるようになった(5〜8)。
したがって、自己免疫、アレルギー、移植、治療タンパク質による処置および遺伝子療法の分野で特に関心の高いTreg細胞のそのような精製集団を得て、免疫系による自己または治療分子/組織の分解を回避するために、Treg細胞を高純度で、そしてCD4 およびCD8 Tregを同時に、好ましくはCD4 およびCD8 エフェクターT細胞を含まずに作製および増大(expanding)するのに有用な方法が、特に必要とされている。
インターロイキン−34(IL34)は、2008年に同定された(9)。研究によって、IL34がM−CSFと相同性を共有し、それらが単球の細胞表面で発現されるCSF−1Rとも呼ばれる共通の受容体CD115を通して(9)、そして脳では新たに記載された受容体である受容体型タンパク質−チロシンホスファターゼζ(PTP−ζ)を通して(10)作用することが示された。しかし、研究によって、IL34およびM−CSFが、空間的および時間的発現の違いを一部の理由として(12)、別個の生物活性およびシグナル活性化(11)を示すことが実証されている。現在までIL34の機能は、単球およびマクロファージ(破骨細胞、ミクログリア)の生存および機能に主として関連づけられている(12)。休止期の細胞におけるIL34タンパク質発現は、ケラチノサイト、毛包、ニューロン、近位尿細管細胞および精細管生殖細胞(12)において、ならびに心臓、脳、肺、肝臓、腎臓、脾臓、胸腺、精巣、卵巣、前立腺、結腸、小腸、脾臓赤色髄および破骨細胞(9)においても観察されている。これまでIL34は、DCまたはT細胞の免疫機能に及ぼす影響には関連づけられていない(12)。
より近年になり、IL34は、IL34分化マクロファージがTCR依存性T細胞増殖(13)を抑制することから、ヒト単球の免疫抑制性マクロファージ(IL34−Mφとも称される)への分化を誘導すること、移植の寛容を誘導すること(13)、およびTh17細胞と呼ばれるIL−17産生エフェクターTヘルパー細胞を誘導すること(14)も示された。しかし、IL34分化マクロファージが、末梢血単核球(PBMC)からTregを作製および増大させるのに有用であることは、これまで示されていない。
発明の概要
本発明は、制御性T細胞集団を得る方法に関する。特に本発明は、特許請求の範囲によって定義される。
発明の詳細な説明
本発明は、血液試料などの患者から得られた生体試料中に含まれるTreg(Foxp3+ Tregの場合通常5%)を単離する予備ステップを行わずに、PBMCからTregを作製および増大させるための新規の効率的方法についての結果に基づく。本発明者らは実際に、ヒトIL34分化マクロファージが、ヒトCD4+およびCD8+ Foxp3 Treg(60%超)と、CD4+およびCD8+ CD45RC low Treg(ほぼ100%)と、を含むヒトTregを増大および増強することを示した。その上、本発明者らは、本発明の方法により得られたIL34増大Tregが、非刺激およびポリクローナル刺激のTregと比較して、最大16:1のエフェクター:サプレッサー比で非常に強力な抑制能を示すことを実証した。
ヒト制御性T細胞集団を得る方法
したがって本発明の一態様は、a)免疫抑制性マクロファージ(「IL34分化マクロファージ」とも称される)集団を得るために、ヒト単球集団を一定量のインターロイキン−34(IL−34)ポリペプチドを含む培地で培養するステップと、b)ヒト末梢血単核球(PBMC)集団およびステップ(a)で得られた免疫抑制性マクロファージ集団を共培養するステップと、を含む、ヒトTreg細胞集団を得るためのインビトロ/エクスビボ方法に関する。
幾つかの実施形態において、方法は、a)免疫抑制性マクロファージ集団を得るために、ヒト単球集団を一定量のインターロイキン−34(IL−34)ポリペプチドを含む培地で培養するステップと、b)ヒト末梢血単核細胞(PBMC)集団およびステップa)で得られた免疫抑制性マクロファージ集団を、PBMC集団に含まれるヒトTreg細胞集団を増大させるのに適した培地で共培養するステップと、c)任意選択で、ステップ(b)で得られたヒトTreg細胞集団を単離するステップと、を含む。
幾つかの実施形態において、本発明の方法は、ステップ(b)の前にPBMC集団からヒトTreg細胞集団を単離するステップを含む。それゆえこの実施形態によれば、ステップ(b)は、PBMC集団から単離されたヒトTreg細胞集団およびステップ(a)で得られた免疫抑制マクロファージ集団を共培養することを含む。
幾つかの実施形態において、本発明の方法は、ステップ(b)の共培養の後に、ヒトTreg細胞集団を単離するステップを含む。
本明細書で用いられる用語「制御性T細胞」は、異常または過剰な免疫反応を抑制し、免疫寛容において役割を担うT細胞を指す。制御性T細胞は典型的には、「フォークヘッドボックスP3(Foxp3 )制御性T細胞」および「CD45RC low 細胞」である。本明細書で用いられる用語「フォークヘッドボックスP3(Foxp3 )制御性T細胞」または「Foxp3 Treg細胞」は、その特徴的マーカーが転写因子Foxp3である、ヒトおよびげっ歯類(ラットまたはマウス)におけるCD4 およびCD8 T細胞の2〜10%を指す。
ステップ(a)では、出発原料として働くヒト単球集団は、当該技術分野で公知の任意技術により単離され得る。例えばヒト単球集団は、PBMCを含有する様々な生体試料から得ることができる。典型的にはそれらは、末梢血から単離される。それらは、異なるリガンド(例えば、CD14)で標識されたビーズを用いた正の選択により単離され得る。そのような標識細胞は、その後、以下に記載される通り細胞選別などの様々な技術により分離され得る。
幾つかの実施形態において、ヒト単球集団は、したがってCD14 ヒト単球集団である。幾つかの実施形態において、ヒト単球集団は、CD14 CD16 ヒト単球集団である。幾つかの実施形態において、ヒト単球集団、CD14 CD16 ヒト単球集団である。
本明細書で用いられる用語「培地」は、細胞の生存率を維持して増殖を支援する栄養素を含有する、細胞集団を維持するため、または細胞集団を培養するための媒体(例えば、培養培地)を指す。
培地は、以下の適当な組み合わせのいずれかを含有し得る:塩、緩衝剤、アミノ酸、グルコースまたは他の糖、抗生物質、血清または代替血清、および他の成分、例えば増殖因子、サイトカインなど。特定の細胞タイプで通常用いられる培地は、当業者に公知である。本発明の培地は、InvitrogenのRPMI1640などの市販の培地を基本とし得る。
本明細書で用いられる用語「インターロイキン−34ポリペプチド」または「IL−34ポリペプチド」(Il−34)は、当該技術分野で周知であり、単球およびマクロファージの増殖、生存および分化を促進するサイトカインを指す。用語は、天然由来IL−34アイソフォーム(例えば、Q81を含む、および含まないQ6ZMJ4およびQ6ZMJ4−2)、変異体、およびその修飾形態を包含する。天然由来ヒトIL−34タンパク質は、受託番号Q6ZMJ4としてUniProtデータベースに提供された242アミノ酸のアミノ酸配列を有し、以下の通り示される(SEQ ID NO:1)か、または配列SEQ ID NO:1:
MPRGFTWLRYLGIFLGVALGNEPLEMWPLTQNEECTVTGFLRDKLQYRSRLQYMKHYFPINYKISVPYEGVFRIANVTRLQRAQVSERELRYLWVLVSLSATESVQDVLLEGHPSWKYLQEVETLLLNVQQGLTDVEVSPKVESVLSLLNAPGPNLKLVRPKALLDNCFRVMELLYCSCCKQSSVLNWQDCEVPSPQSCSPEPSLQYAATQLYPPPPWSPSSPPHSTGSVRPVRAQGEGLLP、
と少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%同一の配列を有するポリペプチドである。
本明細書で用いられる用語「ポリペプチド」は、天然または合成のいずれで生成されるかにかかわらず、長さが明白に示されていない、ペプチド結合により連結されたアミノ酸残基のポリマーを指す。用語「ポリペプチド」は、リン酸化、アセチル化、グリコシル化などを含むがこれらに限定されない翻訳後修飾を除外しない。用語はまた、1つまたは複数のアミノ酸残基が、対応する天然由来アミノ酸の人工的な化学模倣物であるアミノ酸ポリマー、ならびに天然由来アミノ酸ポリマーおよび非天然由来アミノ酸ポリマーに当てはまる。
本明細書で用いられる用語「IL−34ポリペプチド」は、天然由来ヒトポリペプチドIL−34およびポリペプチドの天然由来対立遺伝子変異体(例えば、変異体rs8046424およびrs7206509)を含むものと定義される。対立遺伝子変異体は、ポリペプチドまたはタンパク質においてアミノ酸変化をもたらし得る、またはもたらし得ない、種の集団における天然由来の塩基変化である。加えて、本発明によるIL−34ポリペプチドは、全長のIL−34およびその変異体を含む、またはそれからなるポリペプチドを包含するだけでなく、該断片に生物活性があることを条件としてその断片からなるポリペプチドも包含する。加えて、ポリペプチドおよびそのDNA配列内で誘導された修飾を含み得る、ポリペプチドIL−34の組換え体および合成変異体の両方が、この定義に含まれる。したがって用語IL−34ポリペプチドは、配列SEQ ID NO:1によりコードされたIL−34ポリペプチドの機能的均等物を包含するものとする。
本明細書で用いられる「機能的均等物」は、親ポリペプチドの生物活性および特異性を保持する分子(例えば、組換えポリペプチド)を指す。それゆえ用語「IL−34ポリペプチドの機能的均等物」は、該機能的均等物が、以下に記載される参照ポリペプチドの生物活性の少なくとも1つ、好ましくは全てを示すことを条件として、参照するポリペプチド(即ち、IL−34ポリペプチド)の変異体および断片を包含する。
本明細書で用いられる用語「ポリペプチド変異体」は、ネイティブ配列のポリペプチドと少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を有する生物活性ポリペプチドを指す。そのような変異体としては、例えば1つまたは複数のアミノ酸残基がポリペプチドのN末端またはC末端で付加または欠失されたポリペプチドが挙げられる。通常、変異体は、ネイティブ配列のポリペプチドと少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性を有する。
本発明のクエリーアミノ酸配列と少なくとも、例えば95%「同一である」アミノ酸配列を有するポリペプチドとは、サブジェクトポリペプチド配列がクエリーアミノ酸配列の各100アミノ酸あたり最大5個のアミノ酸改変を含み得ることを除き、サブジェクトポリペプチドのアミノ酸配列がクエリー配列と同一であることを意図する。言い換えれば、クエリーアミノ酸配列と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを得るためには、サブジェクト配列中のアミノ酸残基の最大5%(100個中の5個)が、挿入、欠失、または別のアミノ酸で置換され得る。本出願の枠組みにおいて、同一性の百分率は、グローバルアライメントを用いて計算される(即ち、2つの配列が全長で比較される)。2つまたはそれ超の配列の同一性および相同性を比較する方法は、当該技術分野で周知である。例えば、ニードルマン−ブンシュ・グローバルアライメントアルゴリズム(Needleman and Wunsch, 1970 J. Mol. Biol. 48:443−453)を用いて、その全長を考慮して2つの配列の最適なアライメント(ギャップを含む)を見出す「ニードル」プログラムを、用いることができる。ニードルプログラムは、例えばebi.ac.ukワールドワイドウェブサイトで入手できる。本発明による同一性の百分率は、好ましくは「Gap Open」パラメータ10、「Gap Extend」パラメータ0.5、およびBlosum62行列と共にEMBOSS::ニードル(グローバル)プログラムを用いて計算される。参照配列と「少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%同一の」アミノ酸配列からなるポリペプチドは、参照配列と比較して、欠失、挿入および/または置換などの突然変異を含み得る。参照配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%同一のアミノ酸配列からなるポリペプチドは、参照配列の対立遺伝子変異体に対応し得る。例えばそれは、参照配列と比較して置換のみを含み得る。置換は、好ましくは以下の表に示される保存的置換に対応する。
Figure 2018518975
本明細書で用いられる、ポリペプチド「断片」は、参照ポリペプチドよりも短い生物活性ポリペプチド(即ち、IL−34ポリペプチドの断片)を指す。したがって、本発明によるポリペプチドは、断片に生物活性があることを条件として、IL−34の断片を含む、またはそれからなるポリペプチドを包含する。
本発明の枠組みにおいて、生物活性断片は、例えばIL−34ポリペプチドの少なくとも175、200、205、210、215、220、225、230、235、240連続アミノ酸を含み得る。
IL−34またはその機能的均等物の「生物活性」は、免疫抑制性マクロファージを誘導する能力を意味する(実施例の節に記載)。当業者は、IL−34ポリペプチドの機能的均等物に生物活性があるか否かを容易に決定することができる。新たに作製されたポリペプチドが、免疫抑制性マクロファージを誘導するか否かをチェックするために、FACS分析または単細胞の遺伝子発現プロファイリング(実施例の節を参照)が、各ポリペプチドで実施され得る。
幾つかの実施形態において、本発明のポリペプチドは、タグを含み得る。タグは、該ポリペプチドの精製に有用であり得るエピトープ含有配列である。タグは、免疫標識技術を用いた細胞または組織試料内の前記ポリペプチドの位置特定、イムノブロッティングによる前記ポリペプチドの検出などのために、アフィニティークロマトグラフィーなどの種々の技術によって結合される。当該技術分野で一般に用いられるタグの例は、GST(グルタチオン−S−トランスフェラーゼ)−タグ、FLAG(商標)タグ、Strepタグ(商標)、V5タグ、mycタグ、Hisタグ(典型的には6ヒスチジン残基からなる)などである。
幾つかの実施形態において、本発明の方法のステップ(a)で用いられたIL−34ポリペプチドは、近年記載された通りヘテロダイマーIL−34/MCSFである(15)。
幾つかの実施形態において、本発明の方法のステップ(a)において、ヒト単球集団は、IL−34および別のサイトカイン、例えばIL−4またはIL−10などの存在下で培養される。幾つかの実施形態において、本発明の方法のステップ(a)において、ヒト単球集団は、IL−34および増殖因子、例えばMCSF(マクロファージコロニー刺激因子)の存在下で培養される。
幾つかの実施形態において、IL−34は、ヒトインターロイキン−34(hIL−34)、好ましくは組換えヒトインターロイキン−34(rhIL−34)である。
典型的にはIL−34は、1〜500ng/ml、好ましくは10〜100ng/mlの範囲内、より好ましくは50ng/mlの濃度で培地に添加される。
典型的にはIL−4は、1〜500ng/ml、好ましくは10〜100ng/mlの範囲内、より好ましくは20ng/mlの濃度で培地に添加される。
典型的にはIL−10は、1〜500ng/ml、好ましくは10〜100ng/mlの範囲内、より好ましくは20ng/mlの濃度で培地に添加される。
典型的にはMCSFは、1〜500ng/ml、好ましくは10〜100ng/mlの範囲内、より好ましくは25ng/mlの濃度で培地に添加される。
一定量のIL−34を含む培地中でヒト単球集団を培養するステップ(a)は、免疫抑制性マクロファージ(またはIL34分化マクロファージ)集団の獲得に要する所要時間の間、実施される。
典型的には、目的の培地でのヒト単球の培養は、少なくとも3または4日から8日を超えない期間、好ましくは6日間実施される。幾つかの実施形態において、目的の培地でのヒト単球の培養は、3、4、5、6、7もしくは8日間、またはより長く実施される。
ステップ(b)では、末梢血単核球(PBMC)集団は、当業者に周知の方法により(例えば、Ficoll−Paque(商標)密度勾配遠心分離などの密度勾配遠心により)単離され得る。
本明細書で用いられる用語「増大させること」は、所定の細胞(例えば、T細胞などの免疫細胞)集団を変換および/または増幅する工程を指す。T細胞の増大は、好ましくは抗原特異的刺激剤、例えば抗原、細胞、抗体、レクチンなどの存在下でT細胞を含む細胞集団を培養することにより実施される。増大はまた、サイトカインの存在下でのT細胞の培養を必要とし得る。
幾つかの実施形態において、Tregを増大させるのに適した培地は、一定量の少なくとも1種のサイトカインを含む。Tregを増大させるのに適した培地に存在し得るサイトカインの例としては、IL−15、IL−12、IL−4、IL−7、IL−2、IFNγ、IL−34および炎症促進性サイトカイン(例えば、IL−1(特にIL−1β)、IL−6およびTNFαなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
幾つかの実施形態において、Tregを増大させるのに適した培地は、一定量のインターロイキン−2(IL−2)および/または一定量のインターロイキン−15(IL−15)を含む。
幾つかの実施形態において、Tregを増大させるのに適した培地は、一定量のインターロイキン−2(IL−2)および一定量のインターロイキン−15(IL−15)を含む。
幾つかの実施形態において、IL−2は、ヒトインターロイキン−2(hIL−2)、好ましくは組換えヒトインターロイキン−2(rhIL−2)である。rhIL−2は、医薬的用途のために市販されている。適切な商品としては、例えばProleukin(登録商標)の組換えヒトIL−2組成物が挙げられる。
幾つかの実施形態において、IL−15は、ヒトインターロイキン−15(hIL−15)、好ましくは組換えヒトインターロイキン−15(rhIL−15)である。
典型的にはIL−2は、1〜250ng/ml、好ましくは10〜100ng/mlの範囲内、より好ましくは25ng/mlの濃度で本発明の培養培地に添加される。幾つかの実施形態において、IL−2は、1〜1000U/ml、好ましくは10〜500U/mlの範囲内、より好ましくは25U/mlの濃度で本発明の培養培地に添加される。
典型的にはIL−15は、1〜100ng/ml、好ましくは2.5〜50ng/mlの範囲内、より好ましくは10ng/mlの濃度で本発明の培養培地に添加される。
典型的にはIL−12は、0.1〜100ng/ml、好ましくは1〜50ng/mlの範囲内、より好ましくは5ng/mlの濃度で本発明の培養培地に添加される。
典型的にはIL−4は、0.1〜100ng/ml、好ましくは1〜20ng/mlの範囲内、より好ましくは5ng/mlの濃度で本発明の培養培地に添加される。
典型的にはIL−7は、1〜100ng/ml、好ましくは2.5〜50ng/mlの範囲内、より好ましくは10ng/mlの濃度で本発明の培養培地に添加される。
典型的にはINFγは、1〜500ng/ml、好ましくは5〜100ng/mlの範囲内、より好ましくは20ng/mlの濃度で本発明の培養培地に添加される。
典型的にはIL−34は、1〜500ng/ml、好ましくは10〜100ng/mlの範囲内、より好ましくは50ng/mlの濃度で本発明の培養培地に添加される。
典型的にはIL−1は、1〜100ng/ml、好ましくは2.5〜50ng/mlの範囲内、より好ましくは10ng/mlの濃度で本発明の培養培地に添加される。
典型的にはIL−6は、1〜200ng/ml、好ましくは5〜100ng/mlの範囲内、より好ましくは20ng/mlの濃度で本発明の培養培地に添加される。
典型的にはTNFは、1〜200ng/ml、好ましくは5〜100ng/mlの範囲内、より好ましくは20ng/mlの濃度で本発明の培養培地に添加される。
典型的にはTGFβは、0.01〜100ng/ml、好ましくは0.1〜10ng/mlの範囲内、より好ましくは1ng/mlの濃度で本発明の培養培地に添加される。
PBMC集団に含まれるヒトTreg細胞集団を増大させるのに適した培地中で、免疫抑制性マクロファージ(IL34分化マクロファージとも呼ばれる)およびPBMCを共培養するステップ(b)は、Treg細胞の増大に要する所要時間の間、実施される。
幾つかの実施形態において、PBMCは、免疫抑制性マクロファージと同種異系である。本明細書で用いられる用語「同種異系」は、同じ種であるが、遺伝的に異なる2つの主要組織適合遺伝子複合体(MHC)ハプロタイプを有する異なる個体を指す。したがってPBMCは、移植ドナーから単離され、免疫抑制性マクロファージは、レシピエントから単離され得る。あるいはPBMCは、自己免疫疾患もしくはアレルギーに罹患した患者から、または臓器移植の必要があるもしくは臓器移植を待機中の患者から、または骨髄ドナーから(例えば、GVHDを処置するための)、または健常個体から単離され得る。
幾つかの実施形態において、PBMCは、免疫抑制性マクロファージと同系である。本明細書で用いられる用語「同系」は、同じ種の遺伝子的に同一のメンバーを指す。
典型的には、PBMCと目的の培地との培養は、少なくとも12日間、例えば少なくとも12日から20日を超えない期間、または少なくとも12日から6〜8週間を超えない期間、好ましくは15日間実施される。幾つかの実施形態において、PBMCと目的の培地との培養は、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30または31日間実施される。幾つかの実施形態において、PBMCと目的の培地との培養は、1週間、2週間、3、4、5、6、7、8、9または10週間、またはそれより長く実施される。
幾つかの実施形態において、サイトカイン、好ましくはIL−2および/またはIL−15は、PBMCの培養の0日目に、本発明の培養培地に添加される。幾つかの実施形態において、サイトカイン、好ましくはIL−2および/またはIL−15はさらに、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19および/または20日目に、本発明の培養培地に1回、2回、または3回、または4回、またはそれより多く添加される。幾つかの実施形態において、サイトカイン、好ましくはIL−2および/またはIL−15は、PBMCの培養の0日目と、5、6、7、8または9日目に、好ましくは0および7日目に本発明の培養培地に添加される。幾つかの実施形態において、サイトカイン、好ましくはIL−2および/またはIL−15は、好ましくは0日目に3回、そしてさらに2回、本発明の培養培地に添加される。幾つかの実施形態において、サイトカイン、好ましくはIL−2および/またはIL−15は、好ましくは0日目に4回、そしてさらに3回、本発明の培養培地に添加される。幾つかの実施形態において、サイトカイン、好ましくはIL−2および/またはIL−15は、好ましくは0日目に5回、そして例えば0、6、13、16および18日目などにさらに4回、本発明の培養培地に添加される。幾つかの実施形態において、サイトカイン、好ましくはIL−2および/またはIL−15は、0日目と、培養終了時まで2、3または4日ごとに添加される。
幾つかの実施形態において、濃縮Treg集団は、濃縮前のPBMS集団内のヒトTreg細胞の百分率の少なくとも2倍であるヒトTreg細胞の百分率を含む。幾つかの実施形態において、濃縮Treg集団は、濃縮前のPBMS集団内のヒトTreg細胞の百分率の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9または10倍であるヒトTreg細胞の百分率を含む。
幾つかの実施形態において、本発明は、a)免疫抑制性マクロファージ集団を得るために、ヒト単球集団を一定量のIL−34を含む培地で培養するステップと、b)ステップ(a)で得られた免疫抑制性マクロファージ集団および同種異系PBMC集団を、好ましくは一定量のIL15および一定量のIL2を含む培地で共培養するステップと、c)任意選択で、ステップ(b)で得られたヒトTreg細胞集団を単離するステップと、を含む、ヒトTreg細胞集団を得る方法に関する。
幾つかの実施形態において、本発明は、a)免疫抑制性マクロファージ集団を得るために、ヒト単球集団を一定量のIL−34を含む培地で培養するステップと、b)ステップ(a)で得られた免疫抑制性マクロファージ集団および同系PBMC集団を、好ましくは一定量のIL15および一定量のIL2を含む培地で共培養するステップと、c)任意選択で、ステップ(b)で得られたヒトTreg細胞集団を単離するステップと、を含む、ヒトTreg細胞集団を得る方法に関する。
幾つかの実施形態において、マクロファージおよびPBMC集団は、同系であり、マクロファージは、同種異系抗原を提示する。
ステップ(b)の後、ヒトFoxp3 Treg(60%を超える)およびヒトCD45RC low Treg(ほぼ100%)を含むヒトTregは、増大されている。しかし、ヒトTreg細胞集団、または前記ヒトTreg細胞の亜集団、例えばCD4 CD25 high CD127 low TregまたはCD8 CD45RC low Tregを高度に精製および単離することは、有用であり得る。
ステップ(c)では、ヒトTreg細胞集団の単離は、免疫選択技術、例えばフローサイトメトリー法を利用したハイスループット細胞選別、磁気ビーズ、生分解性ビーズ、非生分解性ビーズに標識された抗体によるアフィニティー法、IL34およびCDタンパク質(例えば、CD4、CD8、CD25、CD127またはCD45RC、PD1、GITRなど)に特異的な二重特異性抗体の使用、IL34、IFNγ、TGFβおよびIL10に特異的な二重特異性抗体の使用、三重特異性抗体の使用、ならびにそのような方法の組み合わせなど、当業者に利用可能な特定の免疫細胞集団を検出する種々の方法により実施され得る。
本明細書で用いられる用語「フローサイトメトリー法」は、目的の細胞を流体の流れに浮遊させて電子検出装置の中に通すことによる、目的の細胞を計数するための技術を指す。フローサイトメトリー法は、蛍光パラメータなどの、1秒あたり最大数千粒子の物理的および/または化学的パラメータの同時マルチパラメータ分析を可能にする。近年のフローサイトメトリー機器は通常、複数のレーザーおよび蛍光検出器を有する。フローサイトメトリー技術の一般的な改良型は、「蛍光活性化細胞選別」を利用して目的の集団を精製または検出するために、それらの特性に基づいて粒子を物理的に選別する。本明細書で用いられる「蛍光活性化細胞選別」(FACS)は、各細胞の特異的光散乱および蛍光特性に基づいて、生体試料からの不均一な混合物を一度に一細胞ずつ、2つまたはそれ超の容器に選別するためのフローサイトメトリー法を指し、個々の細胞からの蛍光シグナルの迅速で客観的かつ定量的な記録と、特定の目的の細胞の物理的分離を提供する。したがってFACSは、CD4 TregおよびCD8 Tregを単離するために本明細書に記載された方法で用いられ得る。
あるいは、免疫細胞集団(例えば、ヒトCD4 Foxp3 TregおよびヒトCD8 Foxp3 Treg)の単離は、磁気ビーズなどのビーズに基づく選別法を利用して実施され得る。そのような方法を利用して、細胞を特定の細胞表面マーカーに関して正または負に分離および単離し得る。
本明細書に定義される「正の選択」は、特定の細胞表面マーカーを発現する細胞の単離および検出をもたらす技術を指すが、「負の選択」は、特異的細胞表面マーカーを発現しない細胞の単離および検出をもたらす技術を指す。幾つかの実施形態において、ビーズは、市販のビーズコンジュゲーションキットなど、当該技術分野で公知の標準的技術を利用して当業者により抗体でコーティングされ得る。幾つかの実施形態において、負の選択ステップは、1つまたは複数の系列マーカーを発現する細胞を除去した後、蛍光活性化細胞選別を行って、Treg(即ち、CD8 CD45RC low 細胞およびCD4 CD25 high CD127 low T細胞)を正に選択するために実施される。
幾つかの実施形態において、ヒトFoxp3 Treg細胞を単離するステップは、CD4、CD8、CD25、CD45RCおよびCD127からなる群から選択される細胞表面マーカー、ならびに/または少なくとも1つのサイトカイン発現、例えばIL10またはIL34のうちの少なくとも1つに基づく正および負の選択により実施され得る。この単離ステップは、一価または多価抗体、例えば二重特異性または三重特異性抗体などの抗体を利用して実施され得る。
本発明はさらに、a)免疫抑制性マクロファージ(IL34分化マクロファージとも呼ばれる)集団を得るために、ヒト単球集団を一定量のインターロイキン−34(IL−34)ポリペプチドを含む培地で培養するステップと、b)Treg集団およびステップ(a)で得られた免疫抑制性マクロファージ集団を、前記ヒトTreg細胞集団を増大させるのに適した培地で共培養するステップと、c)任意選択で、ステップ(b)で得られたヒトTreg細胞集団を単離するステップと、を含む、ヒトTreg細胞を増大させる方法に関する。
幾つかの実施形態において、Treg細胞または単球は、iPSC(人工多能性幹細胞)から得ることができる。
幾つかの実施形態において、Treg集団は、免疫抑制性マクロファージと同種異系である。したがってTregは、移植ドナーから単離され、免疫抑制性マクロファージは、レシピエントから単離され得る。あるいはTregは、自己免疫疾患もしくはアレルギーに罹患した患者から、または臓器移植の必要があるもしくは臓器移植を待機中の患者から、または骨髄ドナーから(例えば、GVHDを処置するための)、または健常個体から単離され得る。幾つかの実施形態において、Tregは、免疫抑制性マクロファージと同系である。
幾つかの実施形態において、Treg集団は、CD4 Foxp3 Tregおよび/またはCD8 Foxp3 Treg集団である。幾つかの実施形態において、Treg集団は、CD4 CD45RC low Tregおよび/またはCD8 CD45RC low Treg集団である。
典型的には、Tregの培養は、少なくとも12日間、例えば少なくとも12日から6〜8週間を超えない期間、好ましくは15日間実施される。幾つかの実施形態において、PBMCと目的の培地との培養は、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30または31日間実施される。幾つかの実施形態において、PBMCと目的の培地との培養は、1週間、2週間、3、4、5、6、7、8、9または10週間、またはそれより長く実施される。
幾つかの実施形態において、サイトカイン、好ましくはIL−2および/またはIL−15は、Tregの培養の0日目に培養培地に添加される。幾つかの実施形態において、サイトカイン、好ましくはIL−2および/またはIL−15はさらに、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19および/または20日目に、培養培地に1回、2回、または3回、またはより多く添加される。幾つかの実施形態において、サイトカイン、好ましくはIL−2および/またはIL−15は、Tregの培養の0日目と、5、6、7、または8日目に培養培地に添加される。幾つかの実施形態において、サイトカイン、好ましくはIL−2および/またはIL−15は、0日目と、培養の終了時まで2、3または4日ごとに培養培地に添加される。
本発明の方法の幾つかの実施形態において、抗CD3抗体および/または抗CD8抗体は、PBMCまたはTregの培養の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19および/または20日目に、好ましくは0日目および/または11、12、13、14および/または15日目に、培養培地に添加される。
幾つかの実施形態において、0.1〜10μg/ml、好ましくは0.25〜4μg/ml、より好ましくは1μg/mlの抗CD3抗体、および/または0.1〜10μg/ml、好ましくは0.25〜4μg/ml、より好ましくは1μg/mlの抗CD28抗体が、培養培地に添加される。
本発明によるIL34の使用
先に記載された本発明の方法により得られたIL34増大Tregは、非刺激およびポリクローナル刺激のTregと比較して、最大16:1のエフェクター:サプレッサー比で非常に強力な抑制能を示す。
したがって本発明の第二の態様は、Treg集団の抑制能を上昇させるためのIL34の使用に関する。
本発明はまた、PBMC集団から濃縮Treg集団を得るためのIL34の使用に関する。本発明は、Treg集団を作製および増大させるためのIL34の使用に関する。
本発明はさらに、免疫抑制性マクロファージ(IL34分化マクロファージとも呼ばれる)集団を得るためのIL34の使用に関する。
本発明はまた、PBMC集団から濃縮Treg集団を得るための免疫抑制性マクロファージ(IL34分化マクロファージとも呼ばれる)に関する。本発明は、Treg集団を作製および増大させるための免疫抑制性マクロファージの使用に関する。
本発明の方法によるTreg細胞集団およびそれを含む医薬組成物
本発明の第三の態様は、先に定義された方法により得ることができる単離/濃縮Treg細胞集団に関する。
幾つかの実施形態において、前記単離Treg細胞(IL34増大Treg)集団は、以下の実施例の節に詳述される通り、非常に強力な抑制能を示す。
幾つかの実施形態において、前記単離Treg細胞集団は、単離Foxp3 およびCD45RC low Treg細胞集団である。
幾つかの実施形態において、前記単離ヒトTreg細胞集団は、単離CD4 Foxp3 Treg細胞および/またはCD8 Foxp3 Treg細胞集団である。
幾つかの実施形態において、前記単離ヒトTreg細胞集団は、単離CD4 CD45RC low Treg細胞および/またはCD8 CD45RC low Treg細胞集団である。
本発明の状況において、単離/濃縮Treg細胞集団はその後、抗原特異的Treg細胞集団を実現するために目的の抗原でパルスすることができ、前記抗原は、単離Treg細胞集団を「プライミング」し、それにより前記抗原に特異的なTreg細胞集団を得るのに有効な量で提供される。
事実、そのようなプライミングされたTreg細胞は、自己免疫障害、治療タンパク質に対する免疫反応、移植片拒絶、GVHDおよび/またはアレルギーに関係する反応などの、望まない免疫応答の予防または処置に有用である。
本明細書で用いられる用語「処置」は、治療的処置と、目的が標的病理状態または障害を予防または緩徐化(低減)することである、防護的または予防的手段の両方を指す。処置を必要とするものとは、既に障害を有するもの、および障害を有する傾向があるものまたは障害を予防すべきものなどである。対象または哺乳動物は、本発明によりTreg細胞の治療量を投与された後に、患者が以下の1つまたは複数の観察可能および/もしくは測定可能な低下または非存在を示す場合には、望まない免疫応答に関して「処置」に成功している:病原細胞の数の減少;病原性である細胞総数に対する割合の低下;および/または特定の疾患もしくは状態に関連する症状の1つもしくは複数のある程度の軽減;疾病率および死亡率の低下、ならびに生活の質問題の改善。処置の成功および疾患の改善を評価するための上記パラメータは、医師に熟知された日常的手順によって容易に測定可能である。
したがって本発明はさらに、単離/濃縮Treg細胞集団を、それを必要とする対象へ投与することを含む、望まない免疫応答を処置または予防する方法に関する。好ましくは本発明のTreg細胞の治療有効量が、対象へ投与される。
本明細書で用いられる用語「治療有効量」は、標的に対して顕著な負の影響または有害副作用を引き起こさずに、(1)望まない免疫応答の開始を遅延または予防すること;(2)望まない免疫応答の1つもしくは複数の症状の進行、深刻化もしくは悪化を緩徐化もしくは停止すること;(3)望まない免疫応答の症状の改善をもたらすこと;(4)望まない免疫応答の重症度もしくは発生率を低減すること;または(5)望まない免疫応答を治癒すること、を目指すTregのレベルまたは量を意味する。治療有効量は、防護的または予防的作用のために、望まない免疫応答の開始前に投与され得る。あるいはまたはさらに、治療有効量は、治療的作用のために、望まない免疫応答の開始後に投与され得る。
幾つかの実施形態において、本発明の方法は、免疫および/または炎症性疾患または状態を処置または予防するためのものである。免疫および/または炎症性の疾患または状態の例としては、炎症性腸疾患(IBD)、潰瘍性大腸炎、クローン病、食物アレルギー(例えば、乳タンパク質アレルギー、鶏卵アレルギーまたはピーナッツアレルギー)または不耐性に関連する腸炎、セリアック病に関連する腸炎、関節リウマチ、多発性軟骨炎、敗血症性関節炎、脊椎関節症または強直性脊椎炎、若年性特発性関節炎(JIA)、乾癬性関節炎および全身エリテマトーデスなどの関節炎に関連する疾患、シェーグレン症候群、強皮症、皮膚筋炎、多発筋炎、リウマチ性多発筋痛症、線維筋痛症、サルコイドーシス、または血管炎、I型糖尿病または自己免疫性インスリン炎、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、デビック病またはNMO(視神経脊髄炎)、脱髄性疾患、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、灰白髄炎、運動ニューロン疾患(NMD)、視神経炎、横断性脊髄炎、慢性炎症性脱髄性多発性ニューロパチー、甲状腺炎、胃炎、ブドウ膜炎(前部ブドウ膜炎(虹彩炎、虹彩毛様体炎、および前部毛様体炎を含む))、中間部ブドウ膜炎(毛様体扁平部炎、後部毛様体炎および硝子体炎を含む)、後部ブドウ膜炎(脈絡膜炎、脈絡網膜炎、網脈絡膜炎、網膜炎、および視神経網膜炎を含む)、汎ブドウ膜炎、急性ブドウ膜炎、再発性ブドウ膜炎および慢性ブドウ膜炎)、網膜ブドウ膜炎、強膜炎、網膜血管炎、広汎性片眼性亜急性視神経網膜炎、交感性眼炎、フォークト・小柳・原田(VKH)症候群、サルコイドーシス関連網膜炎、ベーチェット病関連網膜炎、急性網膜色素上皮炎、睾丸炎、卵巣炎、乾癬、前立腺炎、脳脊髄炎、白斑、移植片拒絶およびGVHDが挙げられるが、これらに限定されない。
したがって、処置される疾患に関連する抗原(病原性抗原)に対して特異的な、または移植片に特異的なTreg細胞集団を、得ることができる。それゆえ、目的の抗原は、自己抗原、同種異系抗原およびアレルゲンからなる群から選択される。
本発明はまた、本発明によるTreg細胞集団と、少なくとも1種の医薬的に許容し得る賦形剤と、を含む医薬組成物を提供する。
本明細書で用いられる用語「医薬的に許容し得る賦形剤」は、動物、好ましくはヒトへ投与される場合に有害反応、アレルギー反応または他の不都合な反応を生じない賦形剤を指す。この用語は、あらゆる溶媒、分散媒体、コーティング剤、抗菌および抗真菌剤、等張および吸収遅延剤などを包含する。ヒトへの投与の場合、調製物は、たとえばFDA局またはEMAなどの規制当局によって要求される無菌性、発熱性、一般的安全性および純度規準に適合しなければならない。
本発明はさらに、本発明によるTreg細胞集団を含む薬剤を提供する。
本発明の第四の態様は、先に定義された方法のステップ(a)により得ることができる免疫抑制性マクロファージ(IL34分化マクロファージとも呼ばれる)集団に関する。
幾つかの実施形態において、前記免疫抑制性マクロファージは、以下の実施例の節に詳述される通り、非常に強力なTreg細胞誘導能を示す。
それゆえ本発明の幾つかの実施形態において、前記免疫抑制性マクロファージは、自己免疫障害、治療タンパク質に対する免疫反応、移植片拒絶、GVHDおよび/またはアレルギーに関係する反応などの、望まない免疫応答の予防または処置に有用である。理論に拘束されるのを望むものではないが、本出願者は、前記免疫抑制性マクロファージを患者へ投与することで、Treg細胞の増大を誘導し、それにより望まない免疫応答を予防または処置し得ることを示唆する。
したがって本発明はさらに、免疫抑制性マクロファージ集団を、それを必要とする対象へ投与することを含む、望まない免疫応答を処置または予防する方法に関する。好ましくは免疫抑制性マクロファージの治療有効量が、対象へ投与される。
本発明はまた、本発明による免疫抑制性マクロファージ集団と、少なくとも1種の医薬的に許容し得る賦形剤と、を含む医薬組成物を提供する。
本発明はまた、本発明による免疫抑制性マクロファージ集団を含む薬剤も提供する。
幾つかの実施形態において、本発明の医薬組成物または薬剤は、免疫抑制性マクロファージおよびTreg細胞を含む。それゆえ幾つかの実施形態において、治療的使用のために、本発明の方法の任意選択のステップ(c)(単離ステップ)は、実施されない。
本発明を、以下の図および実施例によりさらに例示する。しかしこれらの実施例および図は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
IL34分化マクロファージの表現型。健常個体からのCD14 単球の表現型を、精製してIL34による分化後6日目に、または分化させずに評価した。細胞を回収して、LPSで24時間刺激して、または刺激せずに、複数のマーカーの発現について染色した。3回の独立した実験から得られた1つの代表的ヒストグラム。 IL34マクロファージ分化後の効率的なヒトFoxp3 Treg増大および増強。CD14 単球を、IL34によって6日間分化させ、または分化させずに、全同種異系PBMCに15日間添加した。Foxp3陽性細胞の百分率を、PBMC中で、CD4 またはCD8 CD45RC low T細胞において評価した。代表的なプロット(A)およびグラフ(B)を、健常個体3名に関して培養前後で示す。(C)増大倍率を、Foxp3 CD14 またはCD8 Tregについて評価した。(D)CD4またはCD8 T細胞において評価されたCD45RC low の百分率を、健常個体2または3名に関して培養前後で示す。(E)増大倍率を、CD45RC low CD14 またはCD8 Tregについて、健常個体3名に関して培養前後で評価した。(F〜G)非刺激、刺激、またはIL34増大CD4 CD25 high CD127 low およびCD8 CD45RC low Tregを、同種異系T枯渇PBMCに応答したCFSE標識CD4 CD25 T細胞増殖の抑制に関して試験して、培養の5日後のCFSE希釈液についてフローサイトメトリーにより分析した。n=3。同種異系T枯渇PBMCのみの対照増殖条件における分裂中のCD4 CD25 T細胞の割合は、5日目に細胞のおよそ60%となり、各実験で100の値を与えた。結果を、分裂中のCD4 CD25 T細胞の相対的割合の平均±SEMとして表す。代表的なCFSE未加工プロファイルを示す。二元配置繰り返し測定のある分散分析。 p<0.05; *** p<0.001; **** p<0.0001 Il−34分化マクロファージによるCD8 Tregの増大。A.CD8 CD45RC low Tregは、IL34分化マクロファージの存在下でおよそ115倍に増大した。B〜C.TregとIL34分化マクロファージとの共培養により、抑制性サイトカインIL34およびTGFbを分泌してTreg関連マーカーFoxp3、GITR、PD1およびHLADRを発現する細胞が濃縮された。B.CD8 CD45RC low 細胞のうちのTreg関連マーカーを発現する細胞の平均値+/−SEM。 ヒト化マウスにおけるGVHDに及ぼす本発明のTregの影響。A.Tregの同時移入は、GVHD発症により誘発されたマウスの体重減少を用量依存的に遅延させた。B.Tregの同時移入は、1以上:1のPBMC:Treg比でマウスの生存を改善した。 ヒト化マウスにおける同種異系皮膚移植片拒絶に及ぼす本発明のTregの影響。A.Tregの同時移入は、ヒト化マウスにおける同種異系ヒト皮膚移植片の拒絶を遅延させた。B.移植片生着は、1:2のPBMC:Treg比でTregを移入されたヒト化マウスにおいて延長した。 IL34分化マクロファージとMCSF分化マクロファージの比較。Foxp3およびCD45RC陽性細胞の百分率を、健常個体の未分化、IL34分化、またはMCSF分化マクロファージで増大させた後のCD4 またはCD8 T細胞において評価した。健常個体の代表的プロットを示す。 単球の異なる亜集団に及ぼすIL−34の影響。A.単球をFACS AriaによりCD14およびCD16マーカー発現について選別した。B.単球は、健常志願者の血中では主としてCD14 CD16 である。CD14 CD16 CD14 CD16 、およびCD14 CD16 はそれぞれ、PBMCの20%、8%および2.5%を表す。C.IL34の存在下での細胞生存率は、単球集団に依存する。6日目に、播種されたCD14 CD16 CD14 CD16 およびCD14 CD16 の12%、37%および22%が回収された。D.CD14 CD16 およびCD14 CD16 両単球のIL34による分化は、CD14 単球(CD14 CD16 )のIL34による分化よりも多数の、M1関連マーカー発現が低いM2様マクロファージを生成した。 マクロファージに及ぼす3日間IL−34処置の影響。A.IL−34と共に3日間の培養後に、播種されたCD14 CD16 CD14 CD16 、およびCD14 CD16 単球のそれぞれ107%、157%、および91%が回収された。IL−34と共に4日間の培養後に、播種されたCD14 CD16 CD14 CD16 、およびCD14 CD16 単球のそれぞれ59%、264%、および275%が回収された。B.CD14 CD16 およびCD14 CD16 両単球のIL34による分化は、6日間培養において観察された通り、3日および4日間の培養後に、CD14 単球(CD14 CD16 )のIL34による分化と比較して、M2関連マーカーの高い発現およびM1関連マーカーの低い発現を生じた。
実施例:
材料と方法
健常志願者の採血およびPBMC分離:Etablissement Francais du Sang(フランスのナント所在)にて、健常ドナーから、インフォームドコンセントを受取った後に、血液を採取した。血液をPBSで2倍希釈した後、室温で30分間の、2000rpmでブレーキを用いないFicoll−Paque密度勾配遠心分離(Eurobio)により、PBMCを単離した。回収されたPBMCを、50mL PBSにより1800rpmで10分間洗浄した。
移植片対宿主病および皮膚移植拒絶
健常志願者(HV)ドナーからのPBMCまたはFACS−Aria選別後のCD45RC PBMC 1.5×10 を、1.5Gyの全身亜致死照射で16時間前に処置した10〜13週齢NSG SCIDマウスに静脈内注射した。増大させたTregを、1:1または1:2のPBMC:Treg比で同系PBMCと共にマウスに同時注射した。GVHDをマウス体重減少により特徴づけ、初期体重の20%減少時点でマウスを殺処分した。
9〜11週齢NSGマウスに、ヒトの皮膚を移植した。6週後、マウスに、皮膚に対して同種異系のPBMC 1.5×10 をi.v.注射して、同種異系移植片拒絶を誘導した(0日目)。PBMCと同系のTregを、過去に記載された通りIL34分化マクロファージで増大させて、1:1または1:2のPBMC:Treg比でPBMCと同時注射した。同種異系移植片拒絶を、組織学的評定により1〜3でスコア付けする。
レシピエントの体重を毎日測定し、体重減少率%が初期体重の20%以上になれば殺処分した。経過観察は、可能な限り盲検の条件で実施した。1群あたり動物3〜6匹を処置した。マウスの性別、週齢および初期体重を一致させて、無作為に処置した、または処置しなかった。
Tregおよび単球分化プロトコル:健常志願者(HV)血液からのPBMCを、Ficoll勾配により単離して、単球をFSCおよびSSC形態学的パラメータに従ってエルトリエートした(elutriated)。その後、CD14 単球をFACS Ariaにより選別し、洗浄して、50ng/ml hIL34(ebiosciences)を補充した培地(RPMI 1640、グルタミン2mM、ペニシリン100U/ml、ストレプトマイシン0.1mg/ml、AB血清10%)中の1×10 /mlで播種した。6日目に、細胞を回収し、表現型分析のために100ng/ml LPSで24時間刺激するか、またはイスコフ培地(IMDM、グルタミン2mM、ペニシリン100U/ml、ストレプトマイシン0.1mg/ml、AB血清5%)中の1〜5の同種異系PBMCと共に4×10 /mlで播種した。IL−2(25U/ml)およびIL−15(10ng/ml)を、10、13および16日目に新たに添加した。19および21日目にそれぞれ48時間および2時間、浮遊細胞を新しいプレートへ連続移入することにより、マクロファージを取り出した。21日目に、細胞を表現型分析のためにブレフェルジンAの存在下でPMAおよびイオノマイシンで刺激するか、またはT細胞、CD8 CD45RC low T細胞、およびCD4 CD25 high CD127 low T細胞を抑制アッセイのためにFACS Ariaにより選別した。新しい同系CD4 CD25 T細胞を、CD14 細胞と同じドナーから単離された同種異系APCで刺激されたレスポンダーT細胞として用いた。DAPI標識死細胞およびCPD405標識CD4 Tregの除外後に、CD3 CD4 細胞でゲーティングすることにより、増殖をCFSE希釈により5日後に評価した。
モノクローナル抗体およびフローサイトメトリー:CD3−PeCy7(SKY7)、CD4−PercPCy5.5(L200)、CD25−APCCy7(M−A251)、CD127−PE(HIL7−R M21、BD Bioscience)、CD45RC−FITC(MT2、IQ Product)、Foxp3−APC(236A/E7、ebiosciences)およびIL34−PE(578416、R&D)に対する抗体を用いて、ヒト細胞の表現型を特徴づけた。蛍光をCanto IIサイトメーター(BD Biosciences、カリフォルニア州マウントビュー所在)で測定して、FLOWJOソフトウエア(Tree Star, Inc.米国所在)を用いてデータを解析した。最初に、形態学的検査により細胞をゲーティングして、DAPI生存細胞を選択することにより死亡細胞を除外した。
健常志願者からのCD14+単球を細胞選別し、IL34の存在下で6日間分化させて、表現型をCD163、CD14、HLA−DR、CD86およびCD80の発現について分析した。
結果
IL34分化マクロファージはFoxp3 CD45RC low Tregを効率的に誘導し、ヒトCD4 CD25 CD127 およびCD8 CD45RC low Tregを増強する
健常志願者からのCD14 単球を細胞選別して、IL34の存在下で6日間分化させて、表現型を分析した(図1)。本発明者らは、IL34分化マクロファージが新しい単球よりも高レベルのCD163、CD14、HLA−DR、CD86およびCD80を発現することを観察した。分化マクロファージをその後、同種異系PBMCへ15日間添加し、その後、Tregの割合、数および抑制能を分析した(図2)。興味深いこととして、本発明者らは、IL34分化マクロファージとの培養後に、Foxp3 CD45RC low TCD4 およびFoxp3 CD45RC low TCD8 T細胞が、それぞれCD4 またはCD8 T細胞の百分率として5倍および8.2倍増加することを観察した(図2A、2Bおよび2D)。百分率のこの増加は、増大倍率で認められる通り、Foxp3 CD45RC low TCD4 およびFoxp3 CD45RC low TCD8 T細胞数のそれぞれ83.4倍および100.6倍増加も伴った(図2Bおよび2C)。したがって、本発明者らは、CD4 CD45RC low およびCD8 CD45RC low Tregの百分率および数の有意な増加を観察した(図2Dおよび2E)。最も重要なこととして、本発明者らは、IL34増大CD4 CD25 high CD127 low TregおよびCD8 CD45RC low Tregが非刺激およびポリクローナル刺激のCD4 CD25 high CD127 low TregおよびCD8 CD45RC low Tregと比較して最大16:1のエフェクター:サプレッサー比で非常に強力な抑制能を示し、およそ50%の抑制率であること観察した(図2Fおよび2G)。
総括すると、これらの結果から、IL34分化単球がFoxp3 CD45RC low Tregを選択的に増大させ、その抑制能を維持するだけでなく、増強能を有することが実証される。
IL34分化マクロファージによるCD8+Tregの増大はそれらの免疫寛容原性プロファイルを改善した
単球をFicoll勾配により単離し、CD3 CD19 およびCD16 を枯渇させて、CD14マーカー発現についてFACS Ariaで選別した。CD14 単球を、50ng/mlヒトIL34タンパク質を補充した完全培地(RPMI1640、1%ペニシリン・ストレプトマイシン、1%グルタミン、10%FBS)中で10 細胞/mlで播種し、6日間培養した。6日目に、Ficoll勾配により、CD8 Tregを異なるHV(健常志願者)ドナーの血液から単離して、CD3 CD19 およびCD16 を枯渇させ、ならびにCD3、CD8およびCD45RCマーカー発現をFACS Ariaで選別した。CD3 CD8 CD45RC low 細胞を、0日目に1:4のTreg:単球比で同種異系IL34分化マクロファージ、ならびに1μg/ml抗CD3および抗CD28抗体と共に完全培地(RPMI1640、1%ペニシリン・ストレプトマイシン、1%グルタミン、10%AB血清、1%Hepes、1%非必須アミノ酸、1%ピルビン酸ナトリウム)中で10 細胞/mlで播種した。13日目に、Tregを再度、1μg/ml抗CD3および抗CD28抗体で刺激した。6、13、16および18日目に、培養培地に1000U/mlヒトIL−2および10ng/mlヒトIL−15を補充した。20日目に、Tregを発現収率について分析して、増大前と比較して、Treg関連マーカー発現分析のために10μg/mlブレフェルジンAの存在下、50ng/ml PMAおよび1μg/ml イオノマイシンで4時間刺激した。
図3に示される通り、IL−34分化マクロファージは、CD8 CD45RC low Tregの115倍増大を誘導する。その上、TregとIL−34分化マクロファージとの共培養は、抑制性サイトカインIL34およびTGFβを分泌し、Treg関連マーカーFoxp3、GITR、PD1およびHLADRを発現する細胞の濃縮を誘導した。それゆえ、IL34分化マクロファージは、Treg関連マーカーの発現を増加させ、このことはCD8 CD45RC low Tregに関する抑制活性の上昇を示唆している。
IL34分化マクロファージで増大されたCD8 CD45RC low Tregはヒト化マウスにおける移植片対宿主病を遅延させた
10〜13週齢NSGマウスに、2Gyを16時間照射した後、1.5×10 PBMCをi.v.注射して、異種間GVH反応を誘導した。CD8 CD45RC low Tregを選別して、IL34分化CD14 単球の存在下で増大させた。増大したTregを、1:1または1:2のPBMC:Treg比でマウスに同系PBMCと同時注射した。GVHDをマウス体重により特徴づけて、初期体重の20%減少時点でマウスを殺処分した。
図4Aに示される通り、本発明のTregの同時移入は、GVHD発症により誘発されたマウスの体重減少を用量依存的に遅延させた。その上、本発明のTregの同時移入は、1以上:1のPBMC:Treg比でマウスの生存を改善した(図4B)。
したがってこの結果から、IL34分化マクロファージで増大させたCD8 CD45RC low TregがGVHDを効率的に遅延させ、細胞療法において用いられ得ることが実証される。
IL34分化マクロファージで増大させたCD8 CD45RC low Tregはヒト化マウスにおける同種異系皮膚移植片拒絶を遅延させた
9〜11週齢NSGマウスに、ヒト皮膚を移植した。6週後に、マウスに皮膚に対して同種異系のPBMC 1.5×10 個をi.v.注射して、同種異系移植片拒絶を誘導した(0日目)。PBMCと同系のTregを、過去に記載された通りIL34分化マクロファージで増大させて、1:1または1:2のPBMC:Treg比でPBMCと同時注射した。同種異系移植片拒絶を、組織学的評価により1〜3でスコア付けする。
図5Aに示される通り、本発明のTregの同時移入は、ヒト化マウスにおける同種異系ヒト皮膚の拒絶を遅延させた。その上、1:2のPBMC:Treg比でTregを移入したヒト化マウスでは、移植片の生着が延長した(図5B)。
したがってこの結果から、IL34分化マクロファージで増大させたTregが、移植片に対する同種異系免疫反応を制御できることが実証される。
IL34分化マクロファージはFoxp CD45RC low Tregの増大においてMCSF分化マクロファージよりも効率的である
単球をFicoll勾配により血液から単離し、その後、CD3 およびCD19 細胞を枯渇させて、CD14マーカー発現についてFACS Ariaで選別した。CD14 単球を、50ng/mlヒトIL34タンパク質または25ng/mlヒトMCSFタンパク質を補充した完全培地(RPMI1640、1%ペニシリン・ストレプトマイシン、1%グルタミン、10%FBS)中で10 細胞/mlで6日間播種した。6日目に、マクロファージを、5:1 PBMC:マクロファージ比で同種異系PBMCを補充した完全培地(IMDM、100U/mlペニシリン、0.1mg/mlストレプトマイシン、2mMグルタミン、5%AB血清)中の4×10 細胞/mlで播種した。25U/mlヒトIL2および10ng/mlヒトIL15を、10、13および16日目に新たに添加した。21日目に、Foxp3およびCD45RCマーカー発現分析のために10ng/mlブレフェルジンAの存在下でT細胞を50ng/ml PMAおよび1μg/mlイオノマイシンで4時間刺激した。
Foxp3およびCD45RC陽性細胞の百分率を、健常個体の未分化、IL34分化、またはMCSF分化マクロファージで増大させた後のCD4 またはCD8 T細胞において評価した。健常個体の代表的プロットを、図6に示す。
得られた結果から、IL34分化マクロファージが細胞療法のためのTregの増大においてMCSF分化マクロファージよりも効率的であることが示される。
CD14 CD16 CD14 CD16 およびCD14 CD16 はインビトロでIL−34の存在下で異なるように挙動する
単球をFicoll勾配により血液から単離し、CD3 およびCD19 細胞を枯渇させて、FACS AriaによりCD14およびCD16マーカー発現について選別した。CD14 CD16 CD14 CD16 およびCD14 CD16 単球を、50ng/mlヒトIL34タンパク質を補充した完全培地(RPMI1640、1%ペニシリン・ストレプトマイシン、1%グルタミン、10%FBS)中で10 細胞/mlで7日間播種した。7日目に、細胞を、10ng/ml GMCSFと50ng/ml IFNg、または25ng/ml MCSFと20ng/ml IL4と20ng/ml IL10で分化させたM1およびマクロファージと比較して、マクロファージ関連マーカーの発現について分析した。
図7に示される通り、IL34の存在下での細胞生存は、単球集団に依存する。6日目には、播種されたCD14 CD16 CD14 CD16 、およびCD14 CD16 の12%、37%、および22%が回収された(図7C参照)。その上、図7Dに示される通り、CD14 CD16 およびCD14 CD16 両単球のIL34による分化は、CD14 単球(CD14 CD16 )のIL34による分化よりも多数の、M1関連マーカーの発現が低いM2様マクロファージを生成した。
それゆえIL34は、CD14 単球をM2様細胞へと優先的に分化する。
3日目のIL34分化マクロファージの収率および表現型
単球を、Ficoll勾配により血液から単離し、CD3 およびCD19 細胞を枯渇させて、FACS AriaによりCD14マーカー発現について選別した。CD14 単球を、50ng/mlヒトIL34タンパク質を補充した完全培地(RPMI1640、1%ペニシリン・ストレプトマイシン、1%グルタミン、10%FBS)中で10 細胞/mlで播種して、M1およびM2関連マーカー発現について3日後に分析した。
結果を図8に示す。IL34との3日間の培養後に、播種されたCD14 CD16 CD14 CD16 、およびCD14 CD16 単球のそれぞれ107%、157%、および91%が回収された。IL−34との4日間の培養後に、播種されたCD14 CD16 CD14 CD16 、およびCD14 CD16 単球のそれぞれ59%、264%、および275%が回収された。CD14 CD16 およびCD14 CD16 両単球のIL34による分化は、6日間培養において観察された通り、3日および4日間の培養後に、CD14 単球(CD14 CD16 )のIL34による分化と比較して、M2関連マーカーの高い発現およびM1関連マーカーの低い発現を生じた。
これらの結果から、CD14 単球とIL34との3日間の培養が、M2様プロファイルを高い収率で誘導するのに十分であることが実証される。
参考資料:
本出願全体を通して、様々な参考資料に本発明が関係する当該技術分野の最先端が記載される。これらの参考資料の開示は、参照により本開示に組み込まれる。
1. Nankivell, B.J., Borrows, R.J., Fung, C.L., O’Connell, P.J., Allen, R.D., and Chapman, J.R. 2003. The natural history of chronic allograft nephropathy. N Engl J Med 349:2326−2333.
2. Srinivas, T.R., and Kaplan, B. 2012. Transplantation in 2011: New agents, new ideas and new hope. Nat Rev Nephrol 8:74−75.
3. Londono, M.C., Danger, R., Giral, M., Soulillou, J.P., Sanchez−Fueyo, A., and Brouard, S. 2012. A need for biomarkers of operational tolerance in liver and kidney transplantation. Am J Transplant 12:1370−1377.
4. Wood, K.J., Bushell, A., and Hester, J. 2012. Regulatory immune cells in transplantation. Nat Rev Immunol 12:417−430.
5. Niederkorn, J.Y. 2008. Emerging concepts in CD8(+) T regulatory cells. Curr Opin Immunol 20:327−331.
6. Picarda, E., Anegon, I., and Guillonneau, C. 2011. T−cell receptor specificity of CD8(+) Tregs in allotransplantation. Immunotherapy 3:35−37.
7. Guillonneau, C., Picarda, E., and Anegon, I. 2010. CD8+ regulatory T cells in solid organ transplantation. Curr Opin Organ Transplant 15:751−756.
8. Menoret, S., Guillonneau, C., Bezie, S., Caron, L., Anegon, I., and Li, X.L. 2011. Phenotypic and functional characterization of CD8(+) T regulatory cells. Methods Mol Biol 677:63−83.
9. Wei, S., Nandi, S., Chitu, V., Yeung, Y.G., Yu, W., Huang, M., Williams, L.T., Lin, H., and Stanley, E.R. 2010. Functional overlap but differential expression of CSF−1 and IL−34 in their CSF−1 receptor−mediated regulation of myeloid cells. J Leukoc Biol 88:495−505.
10. Nandi, S., Cioce, M., Yeung, Y.G., Nieves, E., Tesfa, L., Lin, H., Hsu, A.W., Halenbeck, R., Cheng, H.Y., Gokhan, S., et al. 2013. Receptor−type protein−tyrosine phosphatase zeta is a functional receptor for interleukin−34. J Biol Chem 288:21972−21986.
11. Chihara, T., Suzu, S., Hassan, R., Chutiwitoonchai, N., Hiyoshi, M., Motoyoshi, K., Kimura, F., and Okada, S. 2010. IL−34 and M−CSF share the receptor Fms but are not identical in biological activity and signal activation. Cell Death Differ 17:1917−1927.
12. Wang, Y., Szretter, K.J., Vermi, W., Gilfillan, S., Rossini, C., Cella, M., Barrow, A.D., Diamond, M.S., and Colonna, M. 2012. IL−34 is a tissue−restricted ligand of CSF1R required for the development of Langerhans cells and microglia. Nat Immunol 13:753−760.
13. Bezie, S., Picarda, E., Ossart, J., Tesson, L., Usal, C., Renaudin, K., Anegon, I., and Guillonneau, C. 2015. IL−34 is a Treg−specific cytokine and mediates transplant tolerance. J Clin Invest 125:3952−3964.
14. Foucher, E.D., Blanchard, S., Preisser, L., Descamps, P., Ifrah, N., Delneste, Y., and Jeannin, P. 2015. IL−34− and M−CSF−induced macrophages switch memory T cells into Th17 cells via membrane IL−1alpha. Eur J Immunol 45:1092−1102.
15. Segaliny, A.I., Brion, R., Brulin, B., Maillasson, M., Charrier, C., Teletchea, S., and Heymann, D. 2015. IL−34 and M−CSF form a novel heteromeric cytokine and regulate the M−CSF receptor activation and localization. Cytokine.

Claims (13)

  1. (a)免疫抑制性マクロファージ集団を得るために、ヒト単球集団をインターロイキン−34(IL−34)ポリペプチドの存在下で培養するステップと;(b)ヒト末梢血単核球(PBMC)集団およびステップ(a)で得られた免疫抑制性マクロファージ集団を共培養するステップと;(c)任意選択で、ステップ(b)で得られたヒトTreg細胞集団を単離するステップと、を含む、ヒトTreg細胞集団を得る方法。
  2. 免疫抑制性マクロファージ集団が、ヒトPBMC集団と同種異系である、請求項1に記載の方法。
  3. 請求項1に記載の方法により得ることができる単離ヒトTreg細胞集団。
  4. 前記Treg細胞が、CD4 Foxp3 Treg細胞および/またはCD8 Foxp3 Treg細胞である、請求項3に記載の単離ヒトTreg細胞集団。
  5. 前記Treg細胞が、CD4 CD45RC low Treg細胞および/またはCD8 CD45RC low Treg細胞である、請求項3に記載の単離ヒトTreg細胞集団。
  6. 薬物としての使用のための、請求項3に記載の単離ヒトTreg細胞集団。
  7. 免疫および/または炎症性の疾患または状態の予防または処置における使用のための、請求項3に記載の単離ヒトTreg細胞集団。
  8. 前記免疫/炎症性疾患または状態が、移植片拒絶およびGVHDを含む群から選択される、請求項7に記載の使用のための単離ヒトTreg細胞集団。
  9. PBMC集団から濃縮Treg集団を得るため、または免疫抑制性マクロファージ集団を得るための、IL−34の使用。
  10. 請求項1に記載の方法のステップ(a)で得られた免疫抑制性マクロファージ集団。
  11. 薬物としての使用のための、請求項10に記載の免疫抑制性マクロファージ集団。
  12. 免疫および/または炎症性の疾患または状態の予防または処置における使用のための、請求項10に記載の免疫抑制性マクロファージ集団。
  13. 前記免疫/炎症性疾患または状態が、移植片拒絶およびGVHDを含む群から選択される、請求項12に記載の使用のための免疫抑制性マクロファージ集団。
JP2017567244A 2015-07-03 2016-07-01 制御性t細胞を得る方法およびその使用 Active JP6916746B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP15306092.6 2015-07-03
EP15306092 2015-07-03
PCT/EP2016/065572 WO2017005647A1 (en) 2015-07-03 2016-07-01 Methods for obtaining regulatory t cells and uses thereof

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2018518975A JP2018518975A (ja) 2018-07-19
JP2018518975A5 true JP2018518975A5 (ja) 2019-07-25
JP6916746B2 JP6916746B2 (ja) 2021-08-11

Family

ID=53758144

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017567244A Active JP6916746B2 (ja) 2015-07-03 2016-07-01 制御性t細胞を得る方法およびその使用

Country Status (9)

Country Link
US (2) US10724001B2 (ja)
EP (1) EP3317398A1 (ja)
JP (1) JP6916746B2 (ja)
KR (1) KR20180027533A (ja)
CN (1) CN107849536B (ja)
AU (1) AU2016290513B2 (ja)
CA (1) CA2991077A1 (ja)
HK (1) HK1255101A1 (ja)
WO (1) WO2017005647A1 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6892079B2 (ja) * 2017-06-29 2021-06-18 京都府公立大学法人 制御性t細胞誘導剤、アジュバント及び食品組成物
WO2019012024A1 (en) * 2017-07-13 2019-01-17 INSERM (Institut National de la Santé et de la Recherche Médicale) METHODS FOR INCREASING EXPANSION AND IMMUNOSUPPRESSIVE CAPACITY OF A CD8 + CD45RCBAS TREGS POPULATION / -
EP3765044A4 (en) 2018-03-12 2021-12-08 Medeor Therapeutics, Inc. TREATMENT METHODS FOR NON-CANCERIOUS DISORDERS USING HEMATOPOIETIC CELLS
US10881692B2 (en) 2018-04-05 2021-01-05 Medeor Therapeutics, Inc. Compositions for establishing mixed chimerism and methods of manufacture thereof
US10842821B2 (en) 2018-04-05 2020-11-24 Medeor Therapeutics, Inc. Cellular compositions derived from prior organ donors and methods of manufacture and use thereof
US11813376B2 (en) 2018-09-18 2023-11-14 Medeor Therapeutics, Inc. Cellular compositions derived from deceased donors to promote graft tolerance and manufacture and uses thereof
US11435350B2 (en) 2018-09-18 2022-09-06 Medeor Therapeutics, Inc. Methods of analysis of blood from deceased donors
JP7448974B2 (ja) 2019-02-12 2024-03-13 セリーセル ゲーエムベーハー 逆免疫抑制
CN109913415B (zh) * 2019-03-26 2020-05-22 广东先康达生物科技有限公司 Treg细胞的培养液及其培养方法与应用
KR102081418B1 (ko) * 2019-09-24 2020-05-26 주식회사 이뮤니스바이오 말초혈액단핵구 유래 조절 t 세포 배양용 조성물 및 이를 이용한 조절 t 세포 배양방법
CN113252904A (zh) * 2021-05-11 2021-08-13 重庆医科大学附属儿童医院 一种was蛋白的检测方法
CN115433709A (zh) * 2022-06-13 2022-12-06 南京艾尔普再生医学科技有限公司 一种用于预测心肌细胞移植免疫排斥反应的体外实验模型

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10231655A1 (de) * 2002-07-12 2004-02-26 Blasticon Biotechnologische Forschung Gmbh Transplantat-Akzeptanz induzierende Zellen monozytären Ursprungs, sowie deren Herstellung und Verwendung
CA2585462A1 (en) * 2004-10-29 2006-05-11 Benaroya Research Institute At Virginia Mason Methods of generating antigen-specific cd4+cd25+ regulatory t cells, compositions and methods of use
CA2706458A1 (en) * 2007-11-30 2009-06-11 Therakos, Inc. Process for reducing effects of graft versus host disease using ex vivo expanded cd4+cd25+ regulatory t cells
WO2011056972A2 (en) * 2009-11-04 2011-05-12 Case Western Reserve University Compositions and methods of treating a t cell mediated disorder
WO2013036296A1 (en) * 2011-09-06 2013-03-14 Selecta Biosciences, Inc. Compositions and methods for producing antigen-specific induced tolerogenic dendritic cells with synthetic nanocarriers
WO2013181438A2 (en) * 2012-05-30 2013-12-05 Icahn School Of Medicine At Mount Sinai Compositions and methods for modulating pro-inflammatory immune response
US10137181B2 (en) 2014-04-01 2018-11-27 INSERM (Institut National de la Santé et de la Recherche Médicale) Isolated donor MHC-derived peptide and uses thereof
JP6769948B2 (ja) 2014-07-17 2020-10-14 アンスティチュ ナショナル ドゥ ラ サンテ エ ドゥ ラ ルシェルシュ メディカル 移植拒絶の予防及び自己免疫疾患の治療に使用するための単離されたインターロイキン−34ポリペプチド

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20200308543A1 (en) Methods for obtaining regulatory t cells and uses thereof
JP2018518975A5 (ja)
Alfen et al. Intestinal IFN-γ–producing type 1 regulatory T cells coexpress CCR5 and programmed cell death protein 1 and downregulate IL-10 in the inflamed guts of patients with inflammatory bowel disease
Feng et al. High‐dose dexamethasone or all‐trans‐retinoic acid restores the balance of macrophages towards M2 in immune thrombocytopenia
Dijke et al. Discarded human thymus is a novel source of stable and long-lived therapeutic regulatory T cells
Mattozzi et al. Importance of regulatory T cells in the pathogenesis of psoriasis: review of the literature
JP7254128B2 (ja) CD8+CD45RClow Tregの新しい亜集団およびその使用
García-González et al. A short protocol using dexamethasone and monophosphoryl lipid A generates tolerogenic dendritic cells that display a potent migratory capacity to lymphoid chemokines
US20150132272A1 (en) Compositions and methods for diminishing an immune response
Tran et al. Therapeutic potential of FOXP3+ regulatory T cells and their interactions with dendritic cells
TWI572718B (zh) 免疫抑制細胞及其製造方法和組成物
JP6068432B2 (ja) 治療における調節性t細胞の使用方法
Ishikawa et al. Dendritic cell maturation by CD11c− T cells and Vα24+ natural killer T‐cell activation by α‐galactosylceramide
Muro et al. Rasal3-mediated T cell survival is essential for inflammatory responses
US20130142830A1 (en) Tolerogenic Plasmacytoid Dendritic Cells Co-Expressing Cd8-Alpha And Cd8-Beta And Methods Of Inducing The Differentiation Of Regulatory T Cells Using Same
Lin et al. Interleukin-15 enhances the expansion and function of natural killer T cells from adult peripheral and umbilical cord blood
Lei et al. A genetic model reveals biological features of neonatal CD4 helper cells undergone homeostasis in mice
Streeter et al. CD25 expression distinguishes functionally distinct alloreactive CD4+ CD134+ (OX40+) T-cell subsets in acute graft-versus-host disease
Descalzi-Montoya et al. Cord Blood-Derived Multipotent Stem Cells Ameliorate in Vitro/in Vivo Alloreactive Responses, and This Effect Is Associated with Exosomal Microvesicles in Vitro
RU2766691C9 (ru) НОВАЯ СУБПОПУЛЯЦИЯ CD8+CD45RClow КЛЕТОК TREG И ЕЕ ПРИМЕНЕНИЯ
US20150064206A1 (en) Compositions for treating uveitis
Treg The role of Tr1-cells in inflammatory bowel diseases
WO2023180690A1 (en) Methods and products for culturing t cells and uses thereof
Curran Expansion of antigen specific regulatory T cells in an IDO expressing fibroblast co-culture
Brzoza-Lewis et al. IL-12 Produced by Dendritic Cells Augments