JP2018517858A - 製紙用シリンダーの被覆方法及びこれにより得られたシリンダー - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、新規な、セルロース層の乾燥用システムのヤンキーシリンダーを被覆する方法を提供することを課題とする。【解決手段】ポリマー樹脂、典型的に熱硬化性反応性2成分樹脂の層を、ヤンキーシリンダー(3)に適用する。樹脂の硬さ及び熱伝導率を向上させるためにマイクロ−及び/又はナノ−サイズ化した粒子の電荷を含有する、連続コーティング層又はフィルムを形成するために、樹脂を架橋する。【選択図】図3
Description
技術分野
本発明は、一般に製紙機器の分野に関し、特に、水中に懸濁させたセルロース繊維層が水除去処理を受ける湿式製造に関する。特に、当該方法は、セルロース紙層、特にティッシュペーパーと接触させることを意図する表面の保護コーティングを提供するために、例えば、セルロース繊維層から水を除去するための機器及びプラントの部品において説明される。
本発明は、一般に製紙機器の分野に関し、特に、水中に懸濁させたセルロース繊維層が水除去処理を受ける湿式製造に関する。特に、当該方法は、セルロース紙層、特にティッシュペーパーと接触させることを意図する表面の保護コーティングを提供するために、例えば、セルロース繊維層から水を除去するための機器及びプラントの部品において説明される。
ここに記載される幾つかの態様は、セルロース繊維の層を乾燥させるためのヤンキーシリンダーと呼ばれるドライヤーに関する。特記されない限り、“ヤンキーシリンダー”とは、一般に、セルロース繊維層から水を除去するためにかけられる加熱されたシリンダーを指す。
背景技術
通常、紙は、通常は、湿式プロセスによって製造される。染料、耐水性樹脂等のような他の成分と一緒に水中に懸濁したセルロース繊維のパルプは、必要に応じて、ヘッドボックスによって、形成する生地上に分配される。懸濁液中の繊維の百分率は、最初は非常に低く、典型的には10質量%以下である。その後、形成する生地上に形成した層から水が除去され、必要により、当該層が、形成する生地及び/又はフェルトを包含するより多くの連続部材の一つから他へと通過する。繊維含有量(質量%)が層に良好な機械的整合性を付与するのに十分である場合は、当該層は、形成するフェルト又は生地から移動され、そして1つ以上のドライヤー又はヤンキーシリンダーの周辺で動かされる。ドライヤー又はヤンキーシリンダーの内部は、熱伝導流体、典型的には、例えば蒸気によって加熱される。セルロース層が一時的に付着しそして移動するヤンキーシリンダー又はドライヤーの円筒状シェルを通して熱が伝導し、残存する水の蒸発を引き起こす。幾つかの場合、層は、ドクターブレードと呼ばれる、引き離し用又は掻き取り用ブレードによって、ドライヤー又はヤンキーシリンダーから除かれる。
通常、紙は、通常は、湿式プロセスによって製造される。染料、耐水性樹脂等のような他の成分と一緒に水中に懸濁したセルロース繊維のパルプは、必要に応じて、ヘッドボックスによって、形成する生地上に分配される。懸濁液中の繊維の百分率は、最初は非常に低く、典型的には10質量%以下である。その後、形成する生地上に形成した層から水が除去され、必要により、当該層が、形成する生地及び/又はフェルトを包含するより多くの連続部材の一つから他へと通過する。繊維含有量(質量%)が層に良好な機械的整合性を付与するのに十分である場合は、当該層は、形成するフェルト又は生地から移動され、そして1つ以上のドライヤー又はヤンキーシリンダーの周辺で動かされる。ドライヤー又はヤンキーシリンダーの内部は、熱伝導流体、典型的には、例えば蒸気によって加熱される。セルロース層が一時的に付着しそして移動するヤンキーシリンダー又はドライヤーの円筒状シェルを通して熱が伝導し、残存する水の蒸発を引き起こす。幾つかの場合、層は、ドクターブレードと呼ばれる、引き離し用又は掻き取り用ブレードによって、ドライヤー又はヤンキーシリンダーから除かれる。
所望の品質を達成するために、ティッシュペーパー製造者は、紙の質量、厚さ及び手触りのような製品パラメータを正確に管理しなければならない。これらのパラメータは、低湿度及びセルロース層とヤンキーシリンダーとの間のより強い付着によって変わり得る。さらには、一時湿潤紙力増強剤、剥離剤及びスプレー型柔軟剤を使用することによって、より大きな湿潤−乾燥耐性率を達成し得る。
しかしながら、かかる手法は、使用される幾つかの化学物質がヤンキーシリンダーの表面に移動してしまうために、ヤンキーシリンダーのコーティングを変性してしまい、このことがコーティングをより脆弱且つ不規則にしてしまう。さらには、コーティングは均一さに乏しく、そしてこのことがノイズを増加させてしまう。
ヤンキーシリンダーの表面上で乾燥させなければならない紙のコーティングの特性を改良する目的のこれらシステムは、乾燥させる紙層が接触するヤンキーシリンダーの表面特性の役割を考慮するのに十分とはなっていない。さらには、操作性、並びに、ヤンキーシリンダーの耐摩耗性、熱伝導率、付着性及び研磨性の特性のモジュラー開発から派生する経済的利点が、系統的に研究されていない。
概要
本発明の開示によれば、コーティングは、湿式製紙用の、とりわけティッシュペーパー用の製造プラントの部品の金属表面用に提供される。より詳細には、本願明細書において記載される幾つかの態様において、ヤンキーシリンダー又はドライヤーは、当該ヤンキーシリンダーの円筒状外表面のコーティングと共に提供され、高い耐摩耗性、ヤンキーシリンダーに対するセルロース層の良好な付着性、ヤンキーシリンダーの内側と、円筒状外表面に付着するセルロース層との間の効果的な熱交換を可能にする。
本発明の開示によれば、コーティングは、湿式製紙用の、とりわけティッシュペーパー用の製造プラントの部品の金属表面用に提供される。より詳細には、本願明細書において記載される幾つかの態様において、ヤンキーシリンダー又はドライヤーは、当該ヤンキーシリンダーの円筒状外表面のコーティングと共に提供され、高い耐摩耗性、ヤンキーシリンダーに対するセルロース層の良好な付着性、ヤンキーシリンダーの内側と、円筒状外表面に付着するセルロース層との間の効果的な熱交換を可能にする。
第一の局面によれば、シリンダーの円筒状外表面の少なくとも一部において、ポリマー樹脂、典型的に熱硬化性樹脂によって形成される、本願明細書では単に“コーティング”又は“連続コーティングフィルム”と呼ぶ連続コーティングフィルムを形成する段階を好ましく包含する、セルロース層用のための乾燥ユニット用のシリンダーを被覆する方法が提供される。
コーティングフィルムは安定であり、シリンダーの円筒状外表面に付着し留まり、そしてセルロース層とシリンダーとの間に接触及び付着面を形成する。シリンダーと共に共作動する、引き離し又は掻き取り用ブレード、又はドクターブレードが、コーティングフィルムの外表面に接触し、そしてその上を滑動する。幾つかの態様において、引き離し又は掻き取り用ブレード、又はドクターブレードはコーティングフィルムと共に提供され得、この場合には、シリンダーとブレートとの間の接触は、必要であれば異なった硬度を有する、2つのコーティングフィルムの間の接触である。
本願明細書に記載される幾つかの態様によれば、ヤンキーシリンダー、並びに、それと組み合わせて、少なくとも1つの引き離し用及び/又は掻き取り用ブレード及び/又はドクターブレードを有するシステムが提供される。この場合、連続コーティングフィルムがヤンキーシリンダー上に形成され得、そのフィルム硬度は、引き離し用又は掻き取り用ブレード又はドクターブレード上に形成される連続コーティングフィルムの硬度と同等か、又は好ましくはそれ以上となる。当該方法において、コーティングの摩耗はブレードに集中し、このことは、システムの部品を取り外すのにより経済的且つより容易となる。
実施態様においては、本方法は、下記段階:
a)被覆するシリンダーの外面に対して、架橋性樹脂及び硬化剤を含有する反応性2成分樹脂をベースとしたコーティングを適用する段階;
b)前記シリンダーの外面において、前記樹脂を架橋し、そして連続コーティングフィルムを形成させる段階;
を包含する。
a)被覆するシリンダーの外面に対して、架橋性樹脂及び硬化剤を含有する反応性2成分樹脂をベースとしたコーティングを適用する段階;
b)前記シリンダーの外面において、前記樹脂を架橋し、そして連続コーティングフィルムを形成させる段階;
を包含する。
架橋、重合又は硬化は、通常は、エネルギー、例えばそして好ましくはシリンダー内を流れる熱伝導流によって供給される熱エネルギーの供給によって起きる。
フィルム又はコーティングは、例えば、およそ0.5mm以上の、好ましくはおよそ1mm以上の、より好ましくはおよそ1.5mm以上の、例えば、およそ2mm以上の厚さを有し得、典型的にはおよそ0.5mm〜5mm、好ましくはおよそ2〜4mmであり得る。コーティングフィルムは、その後にヤンキーシリンダーの外面に安定な形状を与えるために研磨され得る。研磨後、最終的なコーティングの厚さは、およそ2mm以下、好ましくはおよそ1.5mm以下、例えば、およそ1mm以下になり得る。幾つかの態様において、厚さは、およそ0.5mm〜0.8mmである。
反応性2成分樹脂は、オリゴマー(プレポリマー)及び硬化剤によって構成される樹脂を含有し得る。
幾つかの態様において、樹脂は、エポキシ樹脂、ポリウレア樹脂又はポリウレタン樹脂であり得る。
機械的強度を高めるために、及び/又は、コーティングフィルムの他の物理学的特性、例えば熱伝導率を適切に修正するか又は調節するために、樹脂は、適切な材料から成る、粒子、好ましくはナノ−サイズ化した粒子、マイクロ−サイズ化した粒子、又はナノ−サイズ化した粒子及びマイクロ−サイズ化した粒子の両方の組み合わせで変性され得る。
幾つかの態様によれば、ナノ−又はマイクロ−サイズ化した粒子は、ナノシリケート、カーボンナノチューブ、グラフェン、酸化グラフェン、グラファイト、金属酸化物、例えば酸化アルミニウム(Al2O3)、シリカ(SiO2)、水酸化アルミニウム、モンモリロナイト、ナトリウムモンモリロナイト、有機変性モンモリロナイト、銅粉末、又は個々に又は一緒に混合して使用される他の金属粉末、窒化ホウ素、及びこれらの組み合わせから成る群より選択される。
上記列挙した幾つかの物質、特に、金属粉末、グラフェン、カーボンナノチューブ、酸化グラフェン、窒化ホウ素、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムのような物質は、コーティングフィルムの機械的強度及び熱伝導率の両方を向上させるために使用され得る。高い熱伝導率は、シリンダーとセルロース層との間のより良好な熱交換を可能とし、これにより、セルロース層からの水分を除去するのにより良好な効率を可能とするために、特に、ドライヤー又はヤンキーシリンダーの円筒状表面を被覆するための有益な特性である。
コーティングフィルムの機械的強度及び導電率の特性は、例えば、種々の種類、ポリマー樹脂に加えられる電荷の質量百分率及びサイズによって、適切に変えられ得、及び選択され得る。典型的には、ナノ−サイズ化された粒子、とりわけカーボンナノチューブ、グラフェンナノ粒子及び金属ナノ粒子が、コーティングフィルムの熱伝導率を向上させるのに特に適している。マイクロ−サイズ化した粒子が、コーティングフィルムの機械的強度を向上させるのに特に適している。さらには、樹脂中の電荷百分率が増加するとともに熱伝導率が向上する。
樹脂及びマイクロ−及び/又はナノ−サイズ化した粒子が有利に選択されるため、フィルムの熱伝導率は、およそ1W/m゜K以上、好ましくはおよそ2W/m゜K以上、より好ましくはおよそ5W/m゜K以上、よりさらに好ましくは10W/m゜K以上となる。
例えば、ベース樹脂(硬化剤及び他のいかなる溶媒及び添加剤をも除く)の質量に対して、1〜80質量%のナノ−及び/又はマイクロ−サイズ化した電荷を含有するオリゴマー樹脂(エポキシ樹脂又は他の樹脂)が使用され得る。
例えば、電荷は、およそ1質量%〜15質量%のナノ−サイズ化した電荷と、およそ1質量%〜およそ30質量%のマイクロ−サイズ化した電荷との組み合わせであってもよい。
より一般には、本願明細書において記載される方法の態様によれば、硬化剤又は架橋剤を添加する前のオリゴマー樹脂は、マイクロ−サイズ化した電荷とナノ−サイズ化した電荷との質量比が5〜10である、マイクロ−サイズ化した及びナノ−サイズ化した粒子を含有し得る。
幾つかの態様において、樹脂(硬化剤及びいかなる溶媒又は希釈剤をも除く)に対して上記指摘したものよりも高い百分率が、特に高い熱伝導率を達成するために使用され得る。一般に、ナノ−及び/又はマイクロ−サイズ化した粒子の質量百分率は、硬化性樹脂に対して、即ち樹脂(硬化剤の質量を除く)に対して、およそ1質量%〜90質量%であり得る。上記百分率は、樹脂(溶媒及び硬化剤を除く)に対して、好ましくはおよそ1質量%〜およそ85質量%、より好ましくはおよそ10質量%〜80質量%、より好ましくはおよそ20質量%〜およそ80質量%、より好ましくはおよそ30質量%〜およそ80質量%、即ち、およそ40質量%〜およそ80質量%である。
幾つかの態様において、フィロケイ酸、例えば、およそ1nm〜およそ10nmの厚さの層状粒子の形態にあるモンモリロナイトが使用され得る。
幾つかの態様において、粒子の表面積は、およそ1000nm2〜およそ100000nm2、好ましくはおよそ5000〜およそ20000nm2、例えばおよそ8000〜およそ12000nm2であり得る。幾つかの態様において、粒子の表面積は、10000nm2以下であり得る。
幾つかの態様において、粒子は、直径がおよそ5nm〜およそ120nm、好ましくはおよそ10nm〜およそ60nmのマルチウォールカーボンナノチューブ(MWCT)を含有し得る。当該ナノチューブの長さ−直径比(所謂アスペクト比)は、およそ10〜およそ10000、好ましくはおよそ100〜およそ5000、より好ましくはおよそ500〜1500であり得る。
幾つかの態様において、粒子は、その寸法が例えば、およそ2nm〜およそ120nm、好ましくはおよそ5nm〜およそ30nmであるグラフェンナノ粒子、及び/又は、およそ2nm〜およそ20nm、好ましくはおよそ5nm〜およそ10nmの厚さ、及びおよそ10nm2〜およそ10000nm2、好ましくはおよそ50nm2〜およそ5000nm2、例えばおよそ100nm2〜およそ1000nm2の表面積のナノプレートレットを含有し得る。
記載される方法の典型的な用途によると、コーティングフィルムのロックウェル硬さは、58HRC以上、及び好ましくは、およそ61HRC以上であり得る。例えば、幾つかの態様において、コーティングフィルムのロックウェル硬さは、およそ64HRC以上であり得る。幾つかの態様において、コーティングフィルムのショア硬さ、80ショアD以上、好ましくはおよそ85ショアD以上、例えばおよそ87ショアD以上であり得る。
さらなる局面によれば、セルロース層を乾燥させるためのシステムの部品、例えばヤンキーシリンダーを修理するための方法が提供される。当該方法は、シリンダーの円筒状外表面の少なくとも一部の上の、ポリマー樹脂、典型的に熱硬化性樹脂、例えば反応性2成分樹脂を取り除く段階を包含する。
例えば、2成分樹脂層は処理される表面に適用され、当該層は、マイクロ−及び/又はナノ−サイズ化した電荷とともに硬化性樹脂及び硬化剤を含有する。その後、連続コーティング又はコーティングフィルムを形成させるために、当該樹脂は、熱エネルギーを供給することにより、典型的にシリンダー内を流れる熱伝導流体を用いて、架橋される。必要であれば、本方法は、最初に、既に存在するコーティングフィルムを除去する段階を包含し;その後に、上記段階に従い新規フィルムが適用される。あるいは、本方法によれば、樹脂コーティングフィルムは、部分的に損傷したか又は不完全なコーティングフィルムが既に存在する表面に、適用され得る。
さらなる局面によれば、硬化したポリマー樹脂から成る連続コーティングにより被覆された円筒状外表面を有するヤンキーシリンダー等が記載される。
幾つかの態様において、ドライヤー又はヤンキーシリンダーと共作動するブレード、例えば、ヤンキーシリンダーの円筒状表面からセルロース層を除去するための引き離し用ブレード、円筒状表面用の掻き取り用ブレード及び/又はドクターブレードが提供される。この場合、ヤンキーシリンダーの円筒状表面と接触し得るように構成され且つ配置された少なくとも1つのブレード縁部が、必要であれば硬さを増すのに適する電荷とともに、上記の型のコーティングフィルムにより被覆され得るが、その熱伝導率は必要でなく、当該特性は掻き取り用ブレード又はドクターブレードにとって重要ではないためである。
即ち、この場合において、ブレードを被覆したフィルムの硬さは、好ましくは、ヤンキーシリンダーの表面を被覆しているフィルムの硬さよりも低い。
シリンダーのコーティングフィルムは、マイクロ−及び/又はナノ−サイズ化した粒子を含有する。ナノ−及び/又はマイクロ−サイズ化した粒子は、ナノシリケート(nanosilicate)、金属酸化物、カーボンナノチューブ、グラフェン、酸化グラフェン、グラファイト、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、モンモリロナイト、有機変性モンモリロナイト、ナトリウムモンモリロナイト、窒化ホウ素、個々に又は一緒に混合して使用される金属粉末、例えば銅粉末、及びそれらの組み合わせ、から成る群より選択される。
ナノ−及び/又はマイクロ−サイズ化した電荷の質量百分率は、フィルムの総質量に対して、およそ1%〜およそ30%である。例えば、コーティングフィルムの総質量に対して、ナノ−サイズ化した電荷の質量百分率は、およそ1%〜およそ30%であり、マイクロ−サイズ化した電荷の質量百分率は、およそ5%〜およそ30%であり得る。他の態様において、特に高い熱伝導率を達成するための、架橋又は硬化後のフィルムの総質量に対するマイクロ−及び/又はナノ−サイズ化した電荷の質量百分率は、およそ10%〜およそ80%、好ましくはおよそ15%〜およそ70%であり得る。
連続コーティングフィルムのガラス転移温度は、およそ140℃〜およそ180℃であり得る。
連続コーティングフィルムの厚さは、少なくとも1mmであり、且つ、好ましくは少なくとも2mmであり得る。他の態様において、コーティングフィルムの厚さは、およそ2mm以下、好ましくはおよそ1.5mm以下、例えば、1mm以下であり得る。幾つかの態様において、その厚さはおよそ0.4mm〜およそ0.8mmである。
図面の簡単な説明
本発明は、本発明の限定されない態様を示す下記説明及び添付図面によってより良く理解されるであろう。より詳細には、下記のとおりである。
本発明は、本発明の限定されない態様を示す下記説明及び添付図面によってより良く理解されるであろう。より詳細には、下記のとおりである。
本態様の詳細な記載
図1は、紙の層、例えばティッシュペーパーを製造するためのプラントの一部を示す。図中、第一の連続部材1A、例えば形成する布地と、第二の連続部材1B、例えば形成フェルトとの間に、水中のセルロース繊維の懸濁液を供給する、ヘッドボックス2を示す。より下流の連続部材1Bは、紙の層Vを、ヤンキーシリンダー3の外表面3Sへと移送する。セルロース層Vは、加圧蒸気又は他の適した熱伝導流体によって内側から加熱されるヤンキーシリンダーの表面3Sに付着する。ヤンキーシリンダー3の周囲には、セルロース層Vから水分を除去するために、加熱乾燥空気を膨張させ、そして湿潤空気をヤンキーシリンダー3の表面周辺の領域から吸引する、エアフード5を配置していても良い。
図1は、紙の層、例えばティッシュペーパーを製造するためのプラントの一部を示す。図中、第一の連続部材1A、例えば形成する布地と、第二の連続部材1B、例えば形成フェルトとの間に、水中のセルロース繊維の懸濁液を供給する、ヘッドボックス2を示す。より下流の連続部材1Bは、紙の層Vを、ヤンキーシリンダー3の外表面3Sへと移送する。セルロース層Vは、加圧蒸気又は他の適した熱伝導流体によって内側から加熱されるヤンキーシリンダーの表面3Sに付着する。ヤンキーシリンダー3の周囲には、セルロース層Vから水分を除去するために、加熱乾燥空気を膨張させ、そして湿潤空気をヤンキーシリンダー3の表面周辺の領域から吸引する、エアフード5を配置していても良い。
その後、引き離し用、掻き取り用又はドクターブレード8を用いて、ヤンキーシリンダーから層Vを除去し、そして当業者に既知であるために詳細に記載していない製造ラインの他の部材に移送する。Bは、周囲に乾燥セルロース層Vが収集されているリールを模式的に示す。ヤンキーシリンダー3の表面3Sを掻き取るためのさらなる掻き取り用ブレード7、9が、引き離し用ブレード8の下流に位置していてもよい。特に、ブレード7は、層Vが破損した場合に作動する。
ヤンキーシリンダー3の円筒状表面3S及び/又は引き離し用ブレード8は、下記のとおりの熱硬化性ポリマー樹脂から成る連続コーティングフィルムにより被覆されていても良い。
記載されている、セルロース層Vに接触する、ヤンキーシリンダー3、引き離し用ブレード8又は他のプラント部品のためのコーティングフィルムは、好ましくはナノ−又はマイクロ−サイズ化した電荷、即ち、ナノメートルの又はマイクロメートルの粒子により、又はナノメートルの及びマイクロメートルの粒子の組み合わせにより構成された電荷を包含する反応性2成分ベース樹脂から特に得られる、熱硬化性ポリマー樹脂から成っていても良い。
コーティングフィルムを形成するのに有益な樹脂は、種々の型のものであり得る。それらは、種々の考えの下に選択され得る。特に、環境に汚染物質を放出しない、即ち、とりわけ架橋プロセス中に気体状の有機排出物を放出しない樹脂を用いることが有利である。反応性2成分樹脂の成分は、反応基とその分子構造との間の分子比に基づき選択され得る。
マイクロ−又はナノ−サイズ化した電荷は、所望の硬さ及び/又は熱伝導率に従い選択され得、そして1つ以上の種々の物質により構成され得る。
樹脂はまた、被覆される金属表面に対するコーティングフィルムの付着性に基づき選択され得る。
下記に、硬度を変えられ、そしてそうして耐摩耗性及び/又は熱伝導率を変化させるのに適したナノ−粒子及び/又はマイクロ−粒子により帯電しているか又はそうでない、エポキシ、ポリウレタン及びポリウレア樹脂から得られる、コーティングフィルムの幾つかの態様を詳細に記載する。
本願明細書において図示される種々の態様において、フィルム用途に基づきポリマーマトリックスの特性を調節するために、各々の分類の樹脂−エポキシ、ポリウレタン、ポリウレア樹脂において−各々の成分のパラメータ及び化学量論比が変更されている。
最適の接着並びに化学的及び機械的強度を有する塗料及び接着剤の製造のために、エポキシ樹脂が広く使用されている。エポキシ樹脂を使用するために、架橋反応を促進する硬化(又は架橋)剤によって、熱処理(硬化又は架橋プロセス)が行われるべきであり、こうして、得られるポリマー材料は、不溶解及び脆弱であり、且つ良好な機械的特性を有する。これら熱硬化性材料は、優れた化学的及び機械的強度、耐摩耗性、良好な熱特性、良好な電気的特性及び高い寸法安定性のような、特性の組み合わせを有する。目的とする用途に特化した材料を得るために、反応混合物の形成に作用することによって、即ち、ベースとなるエポキシ樹脂、硬化剤及び任意の電荷及び改質剤の含有量を変化させることによって、これら特性を適切に変え、そして平衡化することが可能である。
架橋エポキシ樹脂の製造のための反応物、即ち反応性2成分樹脂は、低分子量(オリゴマー)、硬化剤、及び例えば希釈剤、電荷、強化剤等のような任意のレオロジー改変剤を有するエポキシ樹脂により構成され得る。
ベースとなるエポキシ樹脂は、通常、分子鎖末端に配置したエポキシ反応性基を含有する種々の分子量のオリゴマーである。各々の分子鎖中のエポキシ基の数は、硬化又は架橋中の反応性が依存する樹脂の官能性を決定する。2官能性、3官能性及び4官能性樹脂が市場で入手できる。多官能性樹脂、即ち分子鎖当り2つを超えるエポキシ基を有する樹脂は、高密度の架橋点によって、高い性能を達成する。ASTM規格に記載された試験を通じて、評価されるべき最も重要なパラメータは、下記のとおり:エポキシ当量(EEW)、ガラス転移温度(Tg)、粘度(η)、分子量(Mw,質量平均分子量)及びその分布、架橋又は硬化後の分子構造である。
エポキシ当量(EEW)は、1当量のエポキシ基を得るのに必要な樹脂の質量、即ち、関連する基の含有量の、それ故に硬化を受ける樹脂中の関連する基の化学量論的含有量の、間接的なインデックスである。それは、下記式:
EEW=Mw/f
(式中、
Mwは、樹脂の分子量であり;及び
fは、巨大分子当り官能基の数を表す)
により定義される。
EEW=Mw/f
(式中、
Mwは、樹脂の分子量であり;及び
fは、巨大分子当り官能基の数を表す)
により定義される。
ガラス転移温度(Tg)は、ポリマーがガラス状態となるよりも下であって、且つ粘弾性挙動を有するよりも上となる温度である。
T>Tgの場合、透過率及び熱膨張係数が増加する一方で、弾性係数、並びに、例えば粘度及び熱容量のような他の特性は、種々の桁数の大きさで減少する。Tgを知ることはそれ故、ポリマー材料の使用の適正な温度を特定するのに重要である。粘度は、製造プロセスにおいて重要な特性である。即ち、高粘度は、硬化剤との良好な混合を阻害してしまい、そしてそれ故、あまりに低い粘度が工程を促進しない一方で、不均質なポリマー材料を形成してしまう。分子量及び分子構造は、粘度及びTgといった、材料の多くの特性に重大に影響する。化学構造に関しては、多様化した特性を有する種々の種類の未硬化樹脂が特定され得る。
最初に市販されたエポキシ樹脂は、今日いまだ広く使用されている、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル(DGEBA)である。これは、2つの末端エポキシ基及び第二ヒドロキシル基を有する繰り返し単位を有する、2官能性樹脂である。当該樹脂は、塩基により触媒される、ビスフェノールAとエピクロリドリンとの間の縮合反応から得られる。
DGEBA樹脂は、分子量Mwに従って液体又は固体状態の混合物の形態にある。これらエポキシ樹脂の特性は、種々の要因に関連している。第一に、ビスフェノールAに対して、高温においてさえ硬さ及び強度を確実にするのは、その構造中の芳香族環の存在による。エポキシ基及びヒドロキシル基が良好な付着特性を確実にする一方で、エーテル結合は良好な化学的強度を確実にする。低いMw及びn=2(n=重合度)の繰り返し単位数を有する液体DGEBA樹脂は、特に粘性が高い。
それらは、通常、種々の架橋剤(無水物、脂肪族アミン、フェノール、ポリアミド)を用いて硬化された、即ち架橋された、高分子量を有する固体エポキシ樹脂の製造に使用される。それらは、コーティング、複合材料、フロアー向けの熱硬化材料の形成のために、及びそれらの低粘度が製造プロセスを促進するプロセスにおいて、効果的に用いられる。DGEBA固体樹脂は、高分子量、2〜35の繰り返し単位数nを有する。それらは、重合度によって、互いにMw、EEW及び粘度が異なる。またこれら樹脂は、架橋された固体を形成させるために、熱処理(架橋)を受ける。枝分れが開始する最端のエポキシ基はたがいにより離れ、それ故容量単位当りの架橋密度が低下するために、分子鎖がより長く、それ故数値nがより高まると、架橋された樹脂の可撓性が大きくなる。
紙の湿式製造のためのプラント部品用コーティングフィルムの製造用のエポキシ樹脂として、特に、D.E.R.332の名称の下で米国ダウケミカル社(Dow Chemicals)により市販されているDGEBAを使用することが可能である。これは、176g/eqのエポキシ当量を有する液体エポキシ樹脂である(純粋なビスフェノールAのジグリシジルエーテルのエポキシ当量は170g/eqである)。当該エポキシ樹脂は、均一な性能及び低粘度、少量の塩化物及び淡い色調を確実にする。当該樹脂は、ポリアミドのような多くの硬化剤によって架橋され得る。
幾つかの態様に関連して、他の有益な樹脂を下記に示す。全ての使用される樹脂は、添加される電荷の種類及びその百分率に応じても、相互交換可能であり、代替的に使用され得る。実験のために、既に試験され、且つ環境技術仕様及び最終使用証明書を有する市販の樹脂を使用した。
試験は、マイクロ−及びナノ−サイズ化した粒子の電荷を有する式(I)で表される液体エポキシ樹脂を帯電させ、その後、質量比、それ故相補的な官能基間の比を変えて、混合物を式(II)で表されるアミン硬化剤と反応させることにより、行った。
(式中、
R1及びR2は独立して、H、アルキル基、芳香族基、アルキル又は芳香族エステル基、シロキサン基、エーテル芳香族基、典型的にフラン基であり得、但し、R1及びR2は同時に両方ともHではなく、
Xは、直鎖状アルキル基又は枝分れ状アルキル基、脂環式基、又は芳香族基であり、
Zは、直鎖状アルキル基又は枝分れ状アルキル基、芳香族基、アミン官能基であり、
q=2〜20であり、
n=2〜20であり、
ここで、q及びnは、独立して互いに同一であるか又は互いに異なっていても良い)
帯電している且つ帯電していない、架橋されたエポキシ樹脂をベースとしたポリマーフィルムの幾つかの例示的な態様は、下記構造:
を有する、市販の液体エポキシ樹脂(SIR インダストリアーレ社(Industriale S.p.A)により販売されているEPOSIR 7120)から出発して、そして、硬化剤としてジエチレントリアミン(DETA=H2N−CH2CH2−NH−CH2−CH2−NH2)を用いて得た。液体エポキシ樹脂と硬化剤との間の比は、帯電していない樹脂の硬さによって最適化した。下記試料は、液体エポキシ樹脂当量と硬化剤との間の比を3.5にした。当該比を用いて、より大きな硬さを有する、帯電されていない架橋された樹脂を得た。
を有する、市販の液体エポキシ樹脂(SIR インダストリアーレ社(Industriale S.p.A)により販売されているEPOSIR 7120)から出発して、そして、硬化剤としてジエチレントリアミン(DETA=H2N−CH2CH2−NH−CH2−CH2−NH2)を用いて得た。液体エポキシ樹脂と硬化剤との間の比は、帯電していない樹脂の硬さによって最適化した。下記試料は、液体エポキシ樹脂当量と硬化剤との間の比を3.5にした。当該比を用いて、より大きな硬さを有する、帯電されていない架橋された樹脂を得た。
その後、種々のナノメートル電荷を分散させて、種々の試料を製造した。特に、
マルチウォールカーボンナノチューブ(MWCNT)。特に、10〜60nmの直径及び1000以下の長さ−直径比を有する、バイエル マテリアルサイエンス社(BAYER MATERIALSCIENCE AG)(ドイツ)より市販されている製品ベイチューブC150P(Baytubes C150P)を使用した。
ポリシリケート(MMTで下記示されるナトリウムモンモリロナイト)。特に、1〜10nmの厚さ及び10000nm2以下の表面積を有する、ラメラ粒子の形態にある、ラビオサ キミカ ミネラリア 社(Laviosa Chimica Mineraria S.p.A.)(イタリア)により市販されている製品デリッテ72T(DELLITE 72T)を使用した。
マルチウォールカーボンナノチューブ(MWCNT)。特に、10〜60nmの直径及び1000以下の長さ−直径比を有する、バイエル マテリアルサイエンス社(BAYER MATERIALSCIENCE AG)(ドイツ)より市販されている製品ベイチューブC150P(Baytubes C150P)を使用した。
ポリシリケート(MMTで下記示されるナトリウムモンモリロナイト)。特に、1〜10nmの厚さ及び10000nm2以下の表面積を有する、ラメラ粒子の形態にある、ラビオサ キミカ ミネラリア 社(Laviosa Chimica Mineraria S.p.A.)(イタリア)により市販されている製品デリッテ72T(DELLITE 72T)を使用した。
全ての試料は、帯電されていないエポキシ樹脂中にナノ−電荷を分散し(系の粘度を低下させるために1mLのアセトンを添加した後である)、およそ30分間、当該混合物を超音波処理し、そしてその後、硬化剤を添加することによって、製造した。混合及び電荷分散の後、試料を架橋した。表1は、対応する電荷及び採用した架橋プロセス(時間はhで表し、及び温度は℃で表す)のパラメータによって製造した試料を示す。各々の試料について、ロックウェル硬さHRCを示す。
これらの樹脂は、例えば、掻き取り用又は引き離し用ブレード又はドクターブレードの表面を被覆するために使用され得る。下記に、ナノ−又はマイクロ−サイズ化した粒子で帯電させた、表1に示される試料を製造するために使用した手順を詳述する。
実施例1
ナノ複合材料R1−A:ナトリウムモンモリロナイト(ラビオサ キミカ ミネラリア 社(イタリア)により市販)の0.045g(未架橋エポキシ樹脂に対して1.5質量%)を、溶媒(アセトン)と共に、エポキシ樹脂EPOSIR 7120(SIR インダストリアーレ社(イタリア)により市販)の3gに加えた。その後、硬化剤(ジエチレントリアミン)の0.531gを、予め帯電させたエポキシ樹脂に加えた。試料を、室温において2時間、その後50℃において2時間、そしてその後70℃において2時間保持した。架橋後の試料のロックウェル硬さは、62.1HRCであった。
ナノ複合材料R1−A:ナトリウムモンモリロナイト(ラビオサ キミカ ミネラリア 社(イタリア)により市販)の0.045g(未架橋エポキシ樹脂に対して1.5質量%)を、溶媒(アセトン)と共に、エポキシ樹脂EPOSIR 7120(SIR インダストリアーレ社(イタリア)により市販)の3gに加えた。その後、硬化剤(ジエチレントリアミン)の0.531gを、予め帯電させたエポキシ樹脂に加えた。試料を、室温において2時間、その後50℃において2時間、そしてその後70℃において2時間保持した。架橋後の試料のロックウェル硬さは、62.1HRCであった。
実施例2
試料R1−B:ナトリウムモンモリロナイト(MMT,ラビオサ社)の0.09g(未架橋エポキシ樹脂に対して3質量%)を、溶媒1mLと共に、エポキシ樹脂EPOSIR 7120の3gに加えた。その後、硬化剤(ジエチレントリアミン)の0.531gを、予め帯電させたエポキシ樹脂に加えた。試料を、室温において2時間、その後50℃において2時間、そしてその後70℃において2時間保持した。架橋後、試料のロックウェル硬さは62.1HRCであり;試料を1mmの厚さでドクターブレードに付着させた。
試料R1−B:ナトリウムモンモリロナイト(MMT,ラビオサ社)の0.09g(未架橋エポキシ樹脂に対して3質量%)を、溶媒1mLと共に、エポキシ樹脂EPOSIR 7120の3gに加えた。その後、硬化剤(ジエチレントリアミン)の0.531gを、予め帯電させたエポキシ樹脂に加えた。試料を、室温において2時間、その後50℃において2時間、そしてその後70℃において2時間保持した。架橋後、試料のロックウェル硬さは62.1HRCであり;試料を1mmの厚さでドクターブレードに付着させた。
実施例3
ナノ複合材料R1−C:マルチウォールカーボンナノチューブ(MWCNT)であるベイチューブC150P(バイエル マテリアルサイエンス社(ドイツ)より市販)の0.045g(エポキシ樹脂に対して1.5質量)を、溶媒1mLと共に、エポキシ樹脂EPOSIR 7120の3gに加えた。その後、硬化剤(ジエチレントリアミン)の0.531gを、予め帯電させたエポキシ樹脂に加えた。試料を、室温において2時間、その後50℃において2時間、そしてその後70℃において2時間保持した。架橋後、試料のロックウェル硬さは、60.3HRCであった。
表に示した3つの試料の他に、下記試料もまた製造した。
ナノ複合材料R1−C:マルチウォールカーボンナノチューブ(MWCNT)であるベイチューブC150P(バイエル マテリアルサイエンス社(ドイツ)より市販)の0.045g(エポキシ樹脂に対して1.5質量)を、溶媒1mLと共に、エポキシ樹脂EPOSIR 7120の3gに加えた。その後、硬化剤(ジエチレントリアミン)の0.531gを、予め帯電させたエポキシ樹脂に加えた。試料を、室温において2時間、その後50℃において2時間、そしてその後70℃において2時間保持した。架橋後、試料のロックウェル硬さは、60.3HRCであった。
表に示した3つの試料の他に、下記試料もまた製造した。
実施例4
ナノ複合材料R1−A−BIS:ナトリウムモンモリロナイト(MMT,ラビオサ社)の0.18g(未架橋エポキシ樹脂に対して3質量%)を、溶媒1mLと共に、エポキシ樹脂EPOSIR 7120の6gに加えた。その後、硬化剤(ジエチレントリアミン)の0.97gを、予め帯電させたエポキシ樹脂に加えた。試料を、50℃において2時間、その後70℃において2時間保持した。架橋後、試料のロックウェル硬さは、62.1HRCであった。
ナノ複合材料R1−A−BIS:ナトリウムモンモリロナイト(MMT,ラビオサ社)の0.18g(未架橋エポキシ樹脂に対して3質量%)を、溶媒1mLと共に、エポキシ樹脂EPOSIR 7120の6gに加えた。その後、硬化剤(ジエチレントリアミン)の0.97gを、予め帯電させたエポキシ樹脂に加えた。試料を、50℃において2時間、その後70℃において2時間保持した。架橋後、試料のロックウェル硬さは、62.1HRCであった。
実施例5
ナノ複合材料R1−C−BIS:ナノチューブ(ベイチューブC150P(バイエル マテリアルサイエンス社(ドイツ))の0.09g(エポキシ樹脂に対して1.5質量%)を、溶媒1mLと共に、エポキシ樹脂EPOSIR 7120の6gに加えた。その後、硬化剤(ジエチレントリアミン)の0.97gを、予め帯電させたエポキシ樹脂に加えた。試料を、50℃において2時間、その後70℃において2時間保持した。架橋後、試料のロックウェル硬さは、60.3HRCであった。
ナノ複合材料R1−C−BIS:ナノチューブ(ベイチューブC150P(バイエル マテリアルサイエンス社(ドイツ))の0.09g(エポキシ樹脂に対して1.5質量%)を、溶媒1mLと共に、エポキシ樹脂EPOSIR 7120の6gに加えた。その後、硬化剤(ジエチレントリアミン)の0.97gを、予め帯電させたエポキシ樹脂に加えた。試料を、50℃において2時間、その後70℃において2時間保持した。架橋後、試料のロックウェル硬さは、60.3HRCであった。
実施例1〜5に従い得たフィルムは、ヤンキーシリンダーと共に使用され得る引き離し用又は掻き取り用ブレード又はドクターブレードに特に適していた。ヤンキーシリンダーのコーティングフィルムは、その摩耗を回避するために、より硬い樹脂を用いて製造して、ブレード−シリンダーの摩擦による摩耗をブレードに集中させ得る。
樹脂の硬さを高めるために、他の樹脂及び他の硬化剤、特に、より硬質の芳香族硬化剤並びにグラフェン及び酸化グラフェンをベースとしたナノメートルの電荷を使用した試験をも行った。
硬化剤(3,3−ジメチル−4,4−ジアミン−ジシクロヘキシルメタン)と組み合わせて、ケミックス社(CHEMIX s.r.l.,イタリア ヴァレーゼ)により市販されている、エポキシ樹脂EP−506を使用した。エポキシ樹脂−硬化剤の最適な比は、質量で100/32であった。
下記製品のナノメートル電荷(0.1質量%〜15質量%)を分散することによって樹脂試料を製造した。
・バイエル マテリアルサイエンス社(ドイツ)より市販されている、マルチウォールカーボンナノチューブ(MWCNT)であるベイチューブC150P
・ポリシリケート(ラビオサ キミカ ミネラリア 社(イタリア)により市販されているナトリウムモンモリロナイト=MMT))
・グラフェンナノ粒子(GF)
・酸化グラフェンマイクロ粒子(GFO)(3質量%)
・低酸性酸化アルミニウム(Al2O3)(150メッシュ)
・シリカ(SiO2 70〜230メッシュ)
・グラファイトマイクロ粒子
・バイエル マテリアルサイエンス社(ドイツ)より市販されている、マルチウォールカーボンナノチューブ(MWCNT)であるベイチューブC150P
・ポリシリケート(ラビオサ キミカ ミネラリア 社(イタリア)により市販されているナトリウムモンモリロナイト=MMT))
・グラフェンナノ粒子(GF)
・酸化グラフェンマイクロ粒子(GFO)(3質量%)
・低酸性酸化アルミニウム(Al2O3)(150メッシュ)
・シリカ(SiO2 70〜230メッシュ)
・グラファイトマイクロ粒子
全ての試料は、未架橋樹脂(溶媒なし)にナノ−又はマイクロ−サイズ化した電荷を分散し、そして当該混合物を1時間超音波処理し、その後硬化剤を添加することによって製造した。混合及び電荷分散の後、試料を架橋した。表2は、対応する電荷及び使用した架橋の種類を有する試料についてのデータを示す。表2はまた、各々の試料の硬さを示す。各々の試料について、ロックウェル硬さHRCを示した。
表2は、架橋前の樹脂(硬化剤を除く)の質量に対する、即ちオリゴマーの質量に対する、ナノ−又はマイクロ−サイズ化した電荷の質量百分率を示す。表2はまた、架橋又は硬化後のフィルムの総質量に対するナノ−又はマイクロ−サイズ化した電荷の質量百分率をも示す。
実施例6
試料R2−A:モンモリロナイト(MMT,ラビオサ社)の0.09gを、エポキシ樹脂EP−506の6gに加えた(エポキシ樹脂に対して1.5質量%)。その後、硬化剤(3,3−ジメチル−4,4−ジアミン−ジシクロヘキシルメタン)の1.92gを、予め帯電させたエポキシ樹脂に加えた。試料を、架橋のために80℃において4時間保持した。架橋後、試料のロックウェル硬さは、64.4HRCであった。
試料R2−A:モンモリロナイト(MMT,ラビオサ社)の0.09gを、エポキシ樹脂EP−506の6gに加えた(エポキシ樹脂に対して1.5質量%)。その後、硬化剤(3,3−ジメチル−4,4−ジアミン−ジシクロヘキシルメタン)の1.92gを、予め帯電させたエポキシ樹脂に加えた。試料を、架橋のために80℃において4時間保持した。架橋後、試料のロックウェル硬さは、64.4HRCであった。
実施例7
試料R2−D:モンモリロナイト(MMT,ラビオサ社)の0.18gを、エポキシ樹脂EP−506の6gに加えた(エポキシ樹脂に対して3質量%)。その後、硬化剤(3,3−ジメチル−4,4−ジアミン−ジシクロヘキシルメタン)の1.928gを、予め帯電させたエポキシ樹脂に加えた。試料を80℃において4時間保持した。架橋後、試料のロックウェル硬さは、64.4HRCであった。
試料R2−D:モンモリロナイト(MMT,ラビオサ社)の0.18gを、エポキシ樹脂EP−506の6gに加えた(エポキシ樹脂に対して3質量%)。その後、硬化剤(3,3−ジメチル−4,4−ジアミン−ジシクロヘキシルメタン)の1.928gを、予め帯電させたエポキシ樹脂に加えた。試料を80℃において4時間保持した。架橋後、試料のロックウェル硬さは、64.4HRCであった。
実施例8
当該実施例は、樹脂R2−Jの層を有する鋼箔の製造に関する。樹脂R2−Jから成る2mm厚のコーティングを有する当該箔を、熱処理にかけた(80℃において4時間)。最終的なフィルムのロックウェル硬さは64.4HRCであり、当該フィルムは良好な熱伝導率を有していた。
当該実施例は、樹脂R2−Jの層を有する鋼箔の製造に関する。樹脂R2−Jから成る2mm厚のコーティングを有する当該箔を、熱処理にかけた(80℃において4時間)。最終的なフィルムのロックウェル硬さは64.4HRCであり、当該フィルムは良好な熱伝導率を有していた。
高い硬さとともに熱伝導率に関するより良好な特性を有するように、表3に概略しそして下記詳述したものに従い、より多量のナノ−及びマイクロ−サイズ化した電荷で帯電させた、さらなるエポキシ樹脂試料を製造した。
前述の表2と同様に、表3は、架橋前の樹脂(硬化剤を除く)の質量に対する、即ちオリゴマーの質量に対する、ナノ−又はマイクロ−サイズ化した電荷の質量百分率を示す。表3はまた、架橋又は硬化後のフィルムの総質量に対するナノ−又はマイクロ−サイズ化した電荷の質量百分率をも示す。
実施例9:
試料R2:硬化剤H5(ケミックス社)の1.92gを、エポキシ樹脂EP−506の6gに加えた。その後、試料を、下記のとおり:80℃において2時間、120℃において2時間、160℃において2時間、架橋又は硬化サイクルにかけた。試料は、マイクロ−及びナノ−サイズ化した電荷を有しておらず、特に硬さ及び熱伝導率に関して、その後の実施例についての比較パラメータとして役立つ。
試料R2:硬化剤H5(ケミックス社)の1.92gを、エポキシ樹脂EP−506の6gに加えた。その後、試料を、下記のとおり:80℃において2時間、120℃において2時間、160℃において2時間、架橋又は硬化サイクルにかけた。試料は、マイクロ−及びナノ−サイズ化した電荷を有しておらず、特に硬さ及び熱伝導率に関して、その後の実施例についての比較パラメータとして役立つ。
実施例10
試料F.P.:樹脂DGEBAの6gを、シグマ−アルドリッチ社(Sigma−Aldrich s.r.l.,イタリア)により市販されている、およそ1マイクロメートルの平均寸法の、マイクロ−サイズ化した酸化アルミニウムおよそ50%、及びマイクロ−サイズ化した窒化ホウ素(BN;CAS No.10043−11−5)の1.2〜1.8g(20〜30%)を用いて、帯電させた。
試料F.P.:樹脂DGEBAの6gを、シグマ−アルドリッチ社(Sigma−Aldrich s.r.l.,イタリア)により市販されている、およそ1マイクロメートルの平均寸法の、マイクロ−サイズ化した酸化アルミニウムおよそ50%、及びマイクロ−サイズ化した窒化ホウ素(BN;CAS No.10043−11−5)の1.2〜1.8g(20〜30%)を用いて、帯電させた。
試料が完全に均質化するまで、生成物を混合した。その後、硬化剤3,3−ジメチル−4,4−ジアミン−ジシクロヘキシルメタンの0.60gを加えた。当該混合物を、2〜3mmの厚さで、直径4cmの鋼製の円形の型に付着させ、そして硬化、即ち、架橋させた(60℃において4時間、80℃において4時間、120℃において2時間)。硬化後、試料の硬さは、88ショアD/62ロックウェルHRCであり、そして熱伝導率は、10.5W/m°Kであった。
実質的に同量で、酸化アルミニウムに替えて水酸化アルミニウムを用いても、同様の結果が得られた。
実施例11
試料D3:
ナノチューブ(MWCNT,バイエル社)の0.15g(エポキシ樹脂に対して3質量%)及び酸化アルミニウムの3g(50質量%)を、エポキシ樹脂DGEBAの6gに加えた。その後、硬化剤3,3−ジメチル−4,4−ジアミン−ジシクロヘキシルメタンの0.60gを、予め帯電させたエポキシ樹脂に加えた。試料を80℃において4時間加熱した。硬化後、試料のロックウェル硬さは、62HRCであった。他の試験においては、より高い質量百分率の、即ちエポキシ樹脂に対して5質量%のナノチューブを用いた。試料を、60℃において4時間、80℃において4時間及び120℃において2時間、硬化させた。
酸化アルミニウムに替えて水酸化アルミニウムを用いても、同様の結果が得られた。
試料D3:
ナノチューブ(MWCNT,バイエル社)の0.15g(エポキシ樹脂に対して3質量%)及び酸化アルミニウムの3g(50質量%)を、エポキシ樹脂DGEBAの6gに加えた。その後、硬化剤3,3−ジメチル−4,4−ジアミン−ジシクロヘキシルメタンの0.60gを、予め帯電させたエポキシ樹脂に加えた。試料を80℃において4時間加熱した。硬化後、試料のロックウェル硬さは、62HRCであった。他の試験においては、より高い質量百分率の、即ちエポキシ樹脂に対して5質量%のナノチューブを用いた。試料を、60℃において4時間、80℃において4時間及び120℃において2時間、硬化させた。
酸化アルミニウムに替えて水酸化アルミニウムを用いても、同様の結果が得られた。
実施例12
試料D−9bis:硬化剤3,3−ジメチル−4,4−ジアミン−ジシクロヘキシルメタンの1.92gを、窒化ホウ素(シグマ−アルドリッチ社)の2.4g(樹脂に対して40質量%)を用いて帯電させたエポキシ樹脂EP−506の6gに加えた。その後、試料を、80℃において2時間、120℃において2時間、160℃において2時間加熱した。硬化後、試料のロックウェル硬さは61.5HRCであり、熱伝導率は11.5W/m°Kであった。
試料D−9bis:硬化剤3,3−ジメチル−4,4−ジアミン−ジシクロヘキシルメタンの1.92gを、窒化ホウ素(シグマ−アルドリッチ社)の2.4g(樹脂に対して40質量%)を用いて帯電させたエポキシ樹脂EP−506の6gに加えた。その後、試料を、80℃において2時間、120℃において2時間、160℃において2時間加熱した。硬化後、試料のロックウェル硬さは61.5HRCであり、熱伝導率は11.5W/m°Kであった。
実施例13
試料D11:硬化剤3,3−ジメチル−4,4−ジアミン−ジシクロヘキシルメタン(ケミックス社)の1.92gを、窒化ホウ素(シグマ−アルドリッチ社)の1.2g(樹脂に対して20質量%)及びナノチューブ(MWCNT,バイエル社)の0.18g(樹脂に対して3質量%)を用いて帯電させたエポキシ樹脂EP−506の6gに加えた。その後、試料を、80℃において2時間、120℃において2時間、160℃において2時間加熱した。硬化後、試料のロックウェル硬さは62HRCであり、熱伝導率は10.7W/m°Kであった。
試料D11:硬化剤3,3−ジメチル−4,4−ジアミン−ジシクロヘキシルメタン(ケミックス社)の1.92gを、窒化ホウ素(シグマ−アルドリッチ社)の1.2g(樹脂に対して20質量%)及びナノチューブ(MWCNT,バイエル社)の0.18g(樹脂に対して3質量%)を用いて帯電させたエポキシ樹脂EP−506の6gに加えた。その後、試料を、80℃において2時間、120℃において2時間、160℃において2時間加熱した。硬化後、試料のロックウェル硬さは62HRCであり、熱伝導率は10.7W/m°Kであった。
実施例14
試料D10:硬化剤3,3−ジメチル−4,4−ジアミン−ジシクロヘキシルメタン(ケミックス社)の1.92gを、窒化ホウ素(シグマ−アルドリッチ社)の1.2g(樹脂に対して20質量%)及びグラフェンの0.18g(樹脂に対して3質量%)を用いて帯電させたエポキシ樹脂EP−506の6gに加えた。その後、試料を、80℃において2時間、120℃において2時間、160℃において2時間加熱した。硬化後、試料のロックウェル硬さは62HRCであり、熱伝導率は11.2W/m°Kであった。
試料D10:硬化剤3,3−ジメチル−4,4−ジアミン−ジシクロヘキシルメタン(ケミックス社)の1.92gを、窒化ホウ素(シグマ−アルドリッチ社)の1.2g(樹脂に対して20質量%)及びグラフェンの0.18g(樹脂に対して3質量%)を用いて帯電させたエポキシ樹脂EP−506の6gに加えた。その後、試料を、80℃において2時間、120℃において2時間、160℃において2時間加熱した。硬化後、試料のロックウェル硬さは62HRCであり、熱伝導率は11.2W/m°Kであった。
本願明細書に記載される用途について、エポキシ樹脂の他に、ポリウレタン樹脂(式III+IV)及びポリウレア樹脂(式II+IV)もまた使用され得る。
ポリウレタン樹脂を得るための方法は、下記概略される反応に従い、ポリヒドロキシル化化合物(式(III)で表されるポリオール)と式(IV)を有するジポリイソシアネートとの間の反応に基づいており;、ポリウレア樹脂を得るための方法は、式(II)で表されるアミン化合物と式(IV)で表されるジポリイソシアネートとの間の反応に基づいている。
ポリウレタン形成:
ポリウレア形成:
(式中、
R1、R2は、独立して、H、アルキル基、芳香族基、アルキル又は芳香族エステル基、シロキサン基、エーテル芳香族基、典型的にフラン基であり得るが、但し、R1及びR2は両方ともHではなく、
Zは、所望により他のアミン官能基により置換されていてもよい直鎖状アルキル基又は枝分れ状アルキル基、芳香族基であり、
Xは、直鎖状アルキル基又は枝分れ状アルキル基、芳香族基であり、
Yは、アルキル基、芳香族基であり、
mは2〜20であり、
nは2〜20であり、
qは2〜20であり、
m及びnは、互いに独立して又は互いに異なっていてもよく、
pは、イソシアネート基の反応基に対して37〜70%の架橋度に依存する)
ポリウレタン樹脂を得るための方法は、下記概略される反応に従い、ポリヒドロキシル化化合物(式(III)で表されるポリオール)と式(IV)を有するジポリイソシアネートとの間の反応に基づいており;、ポリウレア樹脂を得るための方法は、式(II)で表されるアミン化合物と式(IV)で表されるジポリイソシアネートとの間の反応に基づいている。
ポリウレタン形成:
ポリウレア形成:
(式中、
R1、R2は、独立して、H、アルキル基、芳香族基、アルキル又は芳香族エステル基、シロキサン基、エーテル芳香族基、典型的にフラン基であり得るが、但し、R1及びR2は両方ともHではなく、
Zは、所望により他のアミン官能基により置換されていてもよい直鎖状アルキル基又は枝分れ状アルキル基、芳香族基であり、
Xは、直鎖状アルキル基又は枝分れ状アルキル基、芳香族基であり、
Yは、アルキル基、芳香族基であり、
mは2〜20であり、
nは2〜20であり、
qは2〜20であり、
m及びnは、互いに独立して又は互いに異なっていてもよく、
pは、イソシアネート基の反応基に対して37〜70%の架橋度に依存する)
また、プレポリマーが、製剤に加えられ得;それらは、式IIで表されるポリオール又は樹脂形成前のジイソシアネート基(III)と反応するのに適したアルコール官能基を末端に有する脂肪族ポリエーテルによって構成される種類の化合物である。
製造した試料及び比較パラメータの測定、特に、上記強調した熱伝導率及び硬さの測定が、金属表面の保護を提供するために、適切に帯電された熱可塑性樹脂が、引き離し用ブレードと共作動するための高い機械的強度(硬さ)、及びシリンダー内を流れる熱伝導流体と前記シリンダー周囲に送られるセルロース層との間の正確な熱交換を可能にする高い熱伝導率でもって、ヤンキーシリンダー又はドライヤーの円筒状外表面用のコーティングを製造するために使用され得る、という結論を可能にする。
図2〜6に関する下記方法に従い、帯電させた樹脂は、ヤンキーシリンダーの円筒状表面に適用され得、そして当該樹脂が架橋され得る。
図2において、真新しいヤンキーシリンダー3、又は、必要であれば摩耗し又は損傷したコーティングを除去し、そして真新しいコーティングを適用すべき中古のヤンキーシリンダーに対するコーティングの適用のために適切に備えられた、小屋11を示す。ヤンキーシリンダーは、回転システム、例えばA軸中心の回転を制御する電動モーターを備えている。
ヤンキーシリンダーの内部空洞は、ダクト13によって蒸気発生器ユニット15と連通している。小屋11の内部容量は、換気システム(図示せず)と連通している。
小屋11内部においては、硬化剤及びマイクロ−及び/又はナノ−サイズ化した電荷が加えられた樹脂を、ヤンキーシリンダー3の円筒状外表面3Sに適用するための手段を備えている。樹脂を適用するための手段を、図2の17に模式的に示す。前記手段の例示態様は、図4〜6に関して以下記載する。
硬化剤を加えた帯電した樹脂は、A軸中心の回転を維持しながらヤンキーシリンダー3の外表面3Sに分布され得る。適した厚さ、例えば2〜5mmの樹脂層の分布と共に、及び/又はその後、ヤンキーシリンダー3を、蒸気発生器15により発生した蒸気を流すことによって、内側から加熱され得る。ヤンキーシリンダー内を流れる蒸気によって供給され、そしてヤンキーシリンダー3の円筒状壁面を通して放散される熱エネルギーは、樹脂を架橋又は硬化するために用いられる。ヤンキーシリンダーを加熱するために、蒸気以外の熱伝導流体、及び/又は樹脂を架橋するために必要とするエネルギーを供給するための異なる方法を使用することが可能である。
ヤンキーシリンダーの表面の典型的な温度は、およそ80℃〜160℃である。
それ故、架橋サイクルは、ヤンキーシリンダー3内を流れる蒸気の状態を適切に制御することによって、上記態様に関して図示する方法や時間に従い行う。熱処理後、コーティングが完全に硬化したとき、ヤンキーシリンダー3を最終的に研磨する。当該段階において、初期の厚さ数ミリメートルのコーティングは、数十分の一メートルを限度とする最終的な厚さ、例えば0.5mm〜1.5mm、好ましくは0.6mm〜0.8mmを達成するために、減少させることができる。この限定した厚さは、ヤンキーシリンダーの内側と外側の間の熱交換効率を抑えすぎることなく、下の金属表面の保護を得ることを可能にしている。また、この熱交換効率は、10W/m°K以上の熱交換率を得ることを可能にする上記実施例に関して記載するように、熱伝導性材料のマイクロ−又はナノ−サイズ化した電荷の使用によっても、促進される。
図3は、上記方法を概略化したフロー図を示す。図に示すとおり、当該方法の第一段階において、プレポリマー(又はオリゴマー)及びマイクロメートル及び/又はナノメートル電荷は、一緒に混合される。それらは、好ましくは、樹脂中の電荷が均質となるまで混合される。その後、前記混合物に硬化剤が加えられ、そして得られた化合物を、実質的に均質の化合物が得られるまで再度混合される。当該混合物をヤンキーシリンダーの外表面に適用され、そしてその後、架橋される。その後、必要に応じて、最終的な研磨が行われる。
例えば、樹脂の粘度に基づき選択された当業者に既知の手段の一つによって、樹脂は、ヤンキーシリンダー3の外表面3Sに適用される。図4〜6は、3つの適用様式を模式的に示す。図4は、タンク21、適用ローラー23及び拡散用ナイフ25を有する拡散システムとして作られた、樹脂適用システム17を示す。プレポリマー、硬化剤及びマイクロ−及び/ナノ−サイズ化した電荷を有する樹脂を、タンク21に入れられ、そして、ヤンキーシリンダーの回転方向と反対の方向で、矢印に従いその軸中心に回転する適用ローラー23によってそこから供給される。当該方法において、適用ローラー23とヤンキーシリンダー3との間の接触領域においては、スリップすることなく接触し、そのため樹脂は、適用ローラー23からヤンキーシリンダー3へと移送される。拡散用ナイフ25は、校正された、ほぼ一定の厚さを有する層を有する樹脂を拡散させる。
より粘性の樹脂を適用するために、好ましくは、拡散用ナイフ及び樹脂を含むタンク内へのヤンキーシリンダー3の直接の浸漬を用いた適用システムを用いることが可能である。この型の態様を、同じ数字は図4に関して記載したのと同一又は同等の部品を指す、図5に示す。ヤンキーシリンダーの表面3Sへの樹脂の移送は、ヤンキーシリンダー3が部分的に浸漬したタンク21から直接に生じる。適切且つ実質的に均一の厚さのフィルムを得るために、拡散用ナイフ25は樹脂を均一に拡散させる。
他の態様においては、図6に模式的に示す噴霧適用器27を有する適用システム17が使用され得る。
本願明細書に記載する幾つかの態様においては、コーティングを形成する樹脂の層又はフィルムを適用する前に、ヤンキーシリンダー3の円筒状外表面が研磨され得る。最初の研磨は、ヤンキーシリンダーを加熱する前に、即ちヤンキーシリンダーを室温にするときに、行い得る。研磨は、ヤンキーシリンダー3の円筒状外表面が僅かにクラウニングを有するように、即ち、ヤンキーシリンダー3の中心領域の直径が、当該ヤンキーシリンダー3の末端の直径よりも僅かに大きくなるように、行われ得る。
ヤンキーシリンダー3は、好ましくは鋼製である。それは、およそ20mm〜およそ25mmの厚さを有する円筒状壁を有し得、コーティング適用段階中とヤンキーシリンダーの通常使用中の両方において、蒸気から当該ヤンキーシリンダー壁へと伝導する熱によって形成する凝縮物を収集するために、それ自体既知の環状の溝を有する、内表面を有し得る。
上記のマイクロ−及び/又はナノ−サイズ化した粒子を用いて帯電させた熱硬化性樹脂の層の使用のために、ヤンキーシリンダーの鋼製表面に対してメタライゼーション層を適用する必要が無い。これらメタライゼーション層は、ヤンキーシリンダーの引き離し用及び掻き取り用ブレードとの接触によって引き起こされる摩耗に対する十分な耐性を付与するために、従来のヤンキーシリンダーにおいて用いられてきた。メタライゼーション層の適用は、非常に複雑で、汚染があり且つ高価なプロセスである。
逆に、硬さ及び熱伝導率を向上させる、ナノ−及び/又はマイクロ−サイズ化した電荷を有する熱硬化性樹脂の適用は、硬さ、耐摩耗性及び熱伝導率に関する適した特性を有するより低廉な最終製品を可能とする。
さらには、従来のシリンダーにおいては、鋼に適用したメタライゼーション層が損傷すると、当該層は除去され、そして、製紙工場で行われるべきメタライゼーションプロセスによって置き換えられ、コーティングを完全に置き換えてそれを研磨するために10〜15日間工場設備を閉鎖し、干渉及び生産損失の両方による高コストを伴う。
反対に、樹脂層の修復は、コーティング全体を除去する必要なく、現場で行い得る。即ち、この目的で、製紙工場における図2及び3に関して記載したプロセスを実質的に再現し、及び修復物の部分的な研磨を行う、ヤンキーシリンダーに対して樹脂を適用するための利用可能で適した手段を有することで十分であり、これにより、最大24時間の閉鎖にとどまる。
製紙工場における樹脂を適用する方法を簡便にするために、コーティング修復プロセスにおいて、スプレー塗布器を用いることが有利である。
新規なコーティングフィルムの形成方法、及びヤンキーシリンダー上に既に形成したフィルムを修復する方法の両方において、2成分樹脂が、揮発性化合物を放出させることなく、即ち有機気体状放出物を放出させることなく、段階的な重付加機構によって、有利に重合する。
有利な態様において、2成分樹脂は水性懸濁液で適用され得る。
上記の特定の本発明の態様は、図面において示され、且つ、種々の例示的な態様に関する特性及び特徴と共に上記において統合的に記載しているため、当業者は、上記の革新的な学習、原理及び概念及び添付の特許請求の範囲に記載される目的の利点から逸脱することなく、修飾、変更及び省略が可能であることを理解するであろう。
特に、上記のナノ−及びマイクロ−サイズ化した粒子は、適した硬さ及び熱伝導率のヤンキーシリンダー用のコーティングを得るために、熱硬化性2成分(プレポリマー+硬化剤)樹脂と併用し得る、可能な材料の例である。上記実施例に基づき、当業者は、ヤンキーシリンダーに用いるのに適したコーティング硬さ及び熱伝導率を達成するために、他の材料を個々に又は組み合わせて、又は、適した百分率で用いられ得る。これら用途に適することを考慮した硬度は、58ロックウェルHRC又は81ショアDよりも高い硬度である。これらの用途に適した熱伝導率は、8W/m°K以上、好ましくは10W/m°K以上の熱伝導率である。
それ故、記載される改良の範囲は、全ての修飾、変更及び省略を含むように、添付の特許請求の範囲の最も広い解釈に基づいてのみ決定されるべきである。さらには、方法又はプロセスの如何なる段階の順序又は順番も、別の態様に従い変更し得る。
また、上記記載及び添付の特許請求の範囲において、ヤンキーシリンダーは、紙層を加工するための、ドライヤー、又は乾燥シリンダーに関する。
Claims (23)
- 下記段階:
a)ヤンキーシリンダー(Yankee cylinder)の円筒状外表面に対して、硬化性樹脂、硬化剤及びナノ−及び/又はマイクロ−サイズ化した粒子の電荷を含有する反応性2成分樹脂をベースとしたコーティングを適用する段階;
b)前記ヤンキーシリンダーの円筒状外表面において、前記樹脂を架橋し、そしてコーティングフィルムを形成させて、ナノ−及び/又はマイクロ−サイズ化した粒子の分散物を含有する架橋ポリマー樹脂のマトリックスによって形成させる段階;
を包含する、セルロース層の乾燥用システムのヤンキーシリンダーを被覆する方法。 - 前記コーティングフィルムは、少なくともおよそ1mm厚、及び好ましくは少なくともおよそ2mm厚である、請求項1に記載の方法。
- 前記樹脂架橋の後に、前記コーティングフィルム厚がおよそ0.8mm以下に減少するように、前記コーティングフィルムを研磨する段階をさらに包含する、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記ナノ−及び/又はマイクロ−サイズ化した粒子は、ナノシリケート(nanosilicate)、金属酸化物、カーボンナノチューブ、グラフェン、酸化グラフェン、グラファイト、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、モンモリロナイト、ナトリウムモンモリロナイト、有機変性モンモリロナイト、個々に又は一緒に混合して使用される金属粉末、及びそれらの組み合わせ、から成る群より選択される、請求項1、2又は3に記載の方法。
- 前記ナノ−及び/又はマイクロ−サイズ化した粒子の電荷は、前記硬化性樹脂の質量に対して、およそ1質量%〜およそ90質量%、好ましくはおよそ5質量%〜およそ85質量%、より好ましくはおよそ20質量〜およそ80質量%、そしてさらにより好ましくはおよそ40質量%〜およそ80質量を含有する、請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の方法。
- 樹脂架橋後に、前記コーティングフィルムが、およそ58HRC以上の、好ましくはおよそ61HRC以上のロックウェル硬さを有する、請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の方法。
- 架橋後に、前記コーティングフィルムの熱伝導率が、およそ1W/m゜K以上、好ましくはおよそ2W/m゜K以上、より好ましくはおよそ5W/m゜K以上、より好ましくはおよそ8W/m゜K以上、及びより好ましくは10W/m゜K以上である、請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の方法。
- 架橋後の前記コーティングのガラス転移温度は、およそ140℃〜およそ180℃である、請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の方法。
- 前記樹脂は、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリウレア樹脂から成る群より選択される樹脂を含有する、請求項1〜8のうちいずれか1項に記載の方法。
- 前記コーティングフィルムは、ポリイソシアネート(1分子当り2よりも大きいNCO)及びポリオール/ポリアミン(1分子当り2以上のOH/NH基)により構成されるポリウレタン樹脂より得られ、並びに、前記OH(NH)/NCO化学量論比が1以上である、請求項1〜9のうちいずれか1項に記載の方法。
- 前記ポリイソシアネートは、芳香族又は脂環式構造を有する、請求項13に記載の方法。
- 前記ヤンキーシリンダーの円筒状外表面に対して反応性2成分樹脂をベースとしたコーティングを適用する段階は、下記段階:
前記ヤンキーシリンダーを、その軸の周りに回転させ続ける段階;
前記ヤンキーシリンダーをその軸の周りに回転させながら、当該ヤンキーシリンダーの円筒状外表面に前記反応性2成分樹脂を適用する段階;
を包含する、請求項1〜14のうちいずれか1項に記載の方法。 - 前記樹脂架橋の段階は、下記段階:
熱伝導流体によって前記ヤンキーシリンダー内部を加熱する段階;
前記ヤンキーシリンダーの内側から、当該ヤンキーシリンダーの外面まで熱エネルギーを伝導させる段階;
前記ヤンキーシリンダーの外面まで伝導した熱エネルギーによって前記樹脂を架橋させる段階;
を包含する、請求項1〜15のうちいずれか1項に記載の方法。 - セルロース層に接するように構成され且つ配置された、円筒状外表面を有する、ヤンキーシリンダーであって、前記円筒状外表面は、マイクロ−及び/又はナノ−サイズ化した粒子の電荷を含有するポリマー状熱硬化性樹脂から成るコーティングフィルムにより被覆されている、前記ヤンキーシリンダー。
- 前記ナノ−及び/又はマイクロ−サイズ化した粒子は、金属酸化物、カーボンナノチューブ、グラフェン、酸化グラフェン、グラファイト、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、モンモリロナイト、有機変性モンモリロナイト、ナトリウムモンモリロナイト、個々に又は一緒に混合して使用される金属粉末、及びそれらの組み合わせ、から成る群より選択される、請求項17に記載のヤンキーシリンダー。
- ナノ−及び/又はマイクロ−サイズ化した粒子の電荷は、前記コーティングフィルムの全質量に対して、およそ10質量%〜およそ80質量%、好ましくはおよそ15質量%〜およそ70質量%含有する、請求項17又は18に記載のヤンキーシリンダー。
- 前記コーティングフィルムは、およそ58HRC以上の、及び好ましくはおよそ61HRC以上のロックウェル硬さを有する、請求項17〜19のうちいずれか1項に記載のヤンキーシリンダー。
- 前記コーティングフィルム厚は、およそ2mm以下、好ましくはおよそ1.5mm以下、より好ましくはおよそ1mm以下、及びより好ましくはおよそ0.4mm〜およそ0.8mmである、請求項17〜20のうちいずれか1項に記載のヤンキーシリンダー。
- 前記コーティングフィルムの熱伝導率は、およそ1W/m゜K以上、好ましくはおよそ2W/m゜K以上、より好ましくはおよそ5W/m゜K以上、より好ましくはおよそ8W/m゜K以上、及びより好ましくはおよそ10W/m゜K以上である、請求項17〜21のうちいずれか1項に記載のヤンキーシリンダー。
- 前記コーティングフィルムは、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリウレア樹脂から成る群より選択される、硬化剤により架橋された樹脂により構成される、請求項17〜22のうちいずれか1項に記載のヤンキーシリンダー。
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