JP2018517854A - ポリオレフィンから加工物品を作製するためのプロセス - Google Patents

ポリオレフィンから加工物品を作製するためのプロセス Download PDF

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Abstract

本開示は、溶融相のオレフィン樹脂を提供することと、オレフィン樹脂をホウ素含有種(BCS)で処理することと、処理されたオレフィン樹脂から加工物品を形成することと、加工物品を架橋することと、空気酸化により加工物品を安定化させることと、加工物品を炭化することと、を含む、炭化物品を調製するための方法について記載する。本開示は、安定化された物品を調製するための方法について更に記載する。【選択図】なし

Description

炭素繊維などの炭素質物品は、従来、主に、ポリアクリロニトリル(PAN)、ピッチ、またはセルロース前駆体から生産されていた。炭素質物品を作製するためのプロセスは、前駆体から繊維またはフィルムなどの加工物品を形成することにより始まる。前駆体は、ポリマーを形成または成形するための標準的な技法を用いて加工物品に形成され得る。理論に制限されるものではないが、その後、加工物品は、後続の加熱処理ステップ中に加工物品が形状を実質的に維持することを可能にするように実質的に安定化される。このような安定化は、典型的には、酸化と加熱の組み合わせを伴い、一般的に、加工物品を定義する前駆体の脱水素化、環形成、酸化、及び架橋をもたらす。次に、安定化された加工物品は、不活性雰囲気で安定化された加工物品を加熱することによって炭素質物品に変換される。炭素質物品を生産するための一般的なステップは、様々な前駆体についても同じであるが、これらのステップの詳細は、選択された前駆体の化学組成により広く変動する。
炭素質物品の代替の前駆体としてポリオレフィンが検証されてきたが、適切かつ経済的に実行可能な調製プロセスは困難であることが分かっている。ポリオレフィン前駆体から炭素質物品を調製するための経済的プロセスを特定することに関心が持たれている。例えば、安定化ステップ及び炭化ステップ中、質量の保持を最大化することに関心が持たれている。
本開示は、溶融相のオレフィン樹脂を提供することと、オレフィン樹脂をホウ素含有種(BCS)で処理することと、処理されたオレフィン樹脂から加工物品を形成することと、加工物品を架橋することと、空気酸化により加工物品を安定化させることと、加工物品を炭化することと、を含む、炭化物品を調製するための方法について記載する。本開示は、安定化された物品を調製するための方法について更に記載する。
別途記載されない限り、数値の範囲、例えば、「2〜10」は、範囲を定義する数値(例えば、2及び10)を含む。
別途記載されない限り、比率、割合、部などは重量である。
別途記載されない限り、ポリオレフィン樹脂の架橋性官能基含量は、mol%架橋性官能基によって特徴付けされ、これは、架橋性官能基のモルの数をポリオレフィン中に含まれるモノマー単位のモルの総数で除して計算される。
別途記載されない限り、「モノマー」は、重合を受けることができる分子を指し、それにより巨大分子、例えば、ポリオレフィンの必須構造に対して構造単位を提供する。
一態様では、本開示は、ポリオレフィン樹脂から炭素質加工物品を生産するためのプロセスについて記載する。別途明記されない限り、本明細書に記載の方法またはプロセスステップはいずれも、いかなる順序で実施されてもよい。ポリオレフィンは、1つ以上のオレフィンモノマーから生産されるポリマーのクラスである。本明細書に記載されるポリマーは、1種類以上のモノマーから形成され得る。ポリエチレンが好ましいポリオレフィン樹脂であるが、他のポリオレフィン樹脂が代用されてよい。例えば、エチレン、プロピレン、もしくは他のα−オレフィン(例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン)、またはこれらの組み合わせから生産されるポリオレフィンも好適である。本明細書に記載されるポリオレフィンは、典型的には、樹脂形態で提供され、更なる溶融または溶液処理のために適正サイズのペレットまたは顆粒に細分化される。
ポリオレフィン樹脂は、処理されて加工物品を形成する。加工物品は、ポリオレフィン樹脂から加工された物品である。加工物品は、既知のポリオレフィン加工法、例えば、繊維を形成するための溶融もしくは溶液紡糸、フィルムを形成するためのフィルム押出もしくはフィルム流延もしくは吹込フィルム処理、より複雑な形状を形成するためのダイ押出もしくは射出成形もしくは圧縮成形、または溶液流延を用いて形成される。加工法は、標的炭素質物品の所望の幾何学形状、及びその所望の物理特性により選択される。例えば、所望の炭素質物品が炭素繊維である場合、繊維紡糸が好適な加工法である。別の例として、所望の炭素質物品が炭素フィルムである場合、圧縮成形が好適な加工法である。
ポリオレフィン樹脂は、ホウ素含有種(BCS)で処理され、樹脂は、溶融相である。ポリオレフィン樹脂の溶融相は、ポリオレフィン樹脂が加工物品を形成するのに好適である状態として定義される。一例においては、溶融相は、固形樹脂が液体に遷移する温度範囲まで樹脂を加熱することによって得られる。この温度範囲は、当業者に既知のとおり、選択されたポリオレフィン樹脂の組成物に依存して変動する。一例においては、BCSは、溶融相樹脂に添加される。別の例においては、BCSは、加工工程中、樹脂に導入される。別の例においては、BCS及び樹脂は、溶融相の形成前に乾燥ブレンドする。例えば、BCSは、マスターバッチまたはニートとして導入されてもよい。ポリオレフィンは、ホウ素が加工後の加工物品に含まれるように、BCSで処理される。加工物品にホウ素を堆積させる好適なBCSはいずれを使用してもよい。一例においては、BCSは、有機ボランである。一例においては、ホウ酸はBCSとして使用される。一例においては、BCSは、ホウ酸の誘導体であり、例えば、メタホウ酸及び酸化ホウ素である。一例においては、BCSは、例えば、置換ボロン酸(例えば、メチル−、もしくはエチル−などのアルキル置換基、またはフェニル−などのアリール置換基)などの、ボロン酸の誘導体である。一例においては、BCSは、例えば、置換ボリン酸(例えば、メチル−、もしくはエチル−などのアルキル置換基、またはフェニル−などのアリール置換基)などの、ボリン酸の誘導体である。別の例においては、BCSは、ボラン、ボロン酸エステルまたはボロキシンの誘導体である。別の例においては、BCSは、元素ホウ素である。別の例においては、BCSは、ボラジン、水素化ホウ素またはアミノボランの誘導体である。
本明細書に記載されるポリオレフィン樹脂には、架橋ステップが施される。ポリオレフィンを架橋するための任意の好適な方法で十分である。一例においては、ポリオレフィンは、電子線処理などの放射線放射によって架橋させる。他の架橋方法は、例えば、紫外線放射及びガンマ線放射などが好適である。いくつかの例においては、架橋を開始するために、放射線放射と共に、ベンゾフェノンなどの開始剤が使用されてもよい。一例では、ポリオレフィン樹脂は、ポリオレフィン樹脂を架橋するために、反応させるのに好適な架橋性官能基を含むように修飾されている。ポリオレフィン樹脂が架橋性官能基を含む場合、化学架橋剤の使用、熱による、蒸気による、または他の好適な方法など、既知の方法により架橋が開始されてもよい。一例では、コポリマーは、1つ以上のα−オレフィンが架橋性官能基として機能するのに好適な基を含有する別のモノマーと共重合された、架橋性官能基を有するポリオレフィン樹脂を提供するのに好適であり、例えば、ジエン、一酸化炭素、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸、酢酸ビニル、無水マレイン酸、またはビニルトリメトキシシラン(VTMS)は、モノマーの中でもαーオレフィンと共重合されるのに好適である。更に、架橋性官能基を有するポリオレフィン樹脂は、官能基部分を基材ポリオレフィン上にグラフト重合することによって改質されたポリ(α−オレフィン)からも生産され得、官能基は、所与のポリオレフィンの架橋を後に可能にするその能力に基づき選択される。例えば、この種類のグラフト重合は、遊離ラジカル開始剤(過酸化物など)及びビニルモノマー(VTMS、ジエン、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸及びメタクリル酸エステル(メタクリル酸グリシジル及びメタクリルオキシプロピルなど)、トリメトキシシラン、アリルアミン、p−アミノスチレン、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなど)の使用により、またはアジド官能化分子(4−[2−(トリメトキシシリル)エチル)]ベンゼンスルホニルアジドなど)を介して実行され得る。架橋性官能基を有するポリオレフィン樹脂は、ポリオレフィン樹脂から生産され得るか、または商業的に購入され得る。架橋性官能基を有する市販のポリオレフィン樹脂の例としては、The Dow Chemical Companyにより販売されているSI−LINK、The Dow Chemical Companyにより販売されているPRIMACOR、Kurarayにより販売されているEVAL樹脂、及びArkemaにより販売されているLOTADER AX8840が挙げられる。
上述のように、ポリオレフィン樹脂の少なくとも一部は、架橋された加工物品をもたらすように架橋される。いくつかの実施形態では、架橋は、化学架橋を介して行われる。よって、いくつかの実施形態では、架橋された加工物品は、架橋性官能基を有するポリオレフィン樹脂の架橋性官能基を架橋するために1つ以上の化学剤で処理された加工物品である。このような化学剤は、当業者に既知のとおり、架橋性官能基間の分子内化学結合の形成を開始させるように機能するか、または架橋性官能基と反応して分子内化学結合を形成する。化学架橋は、架橋性官能基を反応させて新しい結合を形成し、架橋性官能基を有するポリオレフィン樹脂を定義する様々なポリマー鎖間に連結を形成する。架橋を生じさせる化学剤は、ポリオレフィン樹脂に含まれる架橋性官能基(複数可)の種類に基づき選択される。分子間及び分子内化学結合を介して架橋性官能基を架橋する多種多様な反応が既知である。加工物品に存在する架橋性官能基を架橋することが知られている好適な化学剤が選択されて、架橋された加工物品を生産する。例えば、本開示を限定することなく、ポリオレフィンに結合される架橋性官能基がビニル基である場合、好適な化学剤は、過酸化物またはアゾビスニトリルなどの遊離ラジカル開始剤、例えば、過酸化ジクミル、過酸化ジベンゾイル、t−ブチルペルオクトエート、アゾビスイソブチロニトリルなどを含む。ポリオレフィンに結合された架橋性官能基が、カルボン酸などの酸、または無水物、またはエステル、またはグリシドキシ基である場合、好適な化学剤は、ジアミン、ジオール、ジチオールなどの2求核基(dinucleophiles)、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ブタンジオール、またはヘキサンジチオールを含む、少なくとも2つの求核基を含有する化合物であり得る。3つ以上の求核基を含有する化合物、例えば、グリセロール、ソルビトール、またはヘキサメチレンテトラミンも使用され得る。少なくとも2つの異なる求核基を含有する混合ジ−またはそれ以上の求核物質、例えば、エタノールアミンも好適な化学剤であり得る。ポリオレフィンに結合された架橋性官能基がモノ−、ジ−、またはトリ−アルコキシシリル基である場合、水及びルイスもしくはブロンステッド酸または塩基触媒が好適な化学剤として使用され得る。例えば、本開示を限定することなく、ルイスもしくはブロンステッド酸または塩基触媒は、アリールスルホン酸、硫酸、水酸化物、ジルコニウムアルコキシド、またはスズ試薬を含む。
加工物品の架橋は、一般に、加工物品が後続の処理ステップに必要とされる高温でその形状を維持することを確実にすることが好ましい。架橋がない場合、ポリオレフィン樹脂は、典型的には、高温で軟化、溶融、またはさもなければ変形もしくは分解する。架橋は、加工物品に熱安定性を付加する。
架橋加工物品は、酸化雰囲気で加熱され、安定化された加工物品をもたらす。いくつかの実施形態では、架橋された加工物品を安定化させるための温度は、少なくとも120℃であり、好ましくは少なくとも190℃である。いくつかの実施形態においては、架橋された加工物品を安定化させるための温度は、400℃以下であり、好ましくは300℃以下である。一例では、架橋された加工物品は、すでに所望の温度にある加熱チャンバに導入される。別の例では、加工物品は、周囲温度で、または周囲温度付近で加熱チャンバに導入され、このチャンバは、後に所望の温度に加熱される。いくつかの実施形態では、加熱速度は少なくとも1℃/分である。他の実施形態では、加熱速度は15℃/分以下である。また別の例では、チャンバは段階的に加熱される、例えば、チャンバは、120℃で1時間などのある時間の間、第1の温度に加熱され、次いで180℃で1時間などのある時間の間、第2の温度に上げられ、第3は250℃で10時間などの保持温度に上げられる。安定化プロセスは、加工物品の寸法に応じて、最大100時間の間、所与の温度で架橋した加工物品を保持することを伴う。安定化プロセスは、ホウ素処理され安定化された加工物品をもたらし、これは炭素質物品の前駆体である。理論に制限されるものではないが、安定化プロセスは、架橋された加工物品を酸化し、架橋密度を増加させる炭化水素構造への変化をもたらす一方で、架橋された加工物品の水素/炭素比率を減少させる。理論に制限されるものではないが、安定化プロセスでは、ホウ素を炭化水素構造に導入する。
予期していなかったが、安定化ステップ中、加工物品にBCSを含むことにより、その後に生産される炭素質物品の質量保持が改善されることが見出された。また、ホウ素を架橋された加工物品に組み込むことにより、その後に生産される炭素質物品の形状保持が改善されることも見出された。
別の態様では、本開示は、ポリオレフィン前駆体(樹脂)から形成される、ホウ素処理され安定化された加工物品について記載する。一例では、ホウ素処理され安定化された加工物品は、本明細書に記載されるプロセスにより形成される。
更に別の態様では、炭素質物品及び炭素質物品の製造プロセスが提供される。炭素質物品は、炭素が豊富な物品であり、炭素繊維、炭素シート、及び炭素フィルムは、炭素質物品の例である。炭素質物品は、多くの用途を有し、例えば、炭素繊維は、一般に、炭素繊維強化エポキシ複合材などの複合材料を強化するために使用される一方で、炭素ディスクまたはパッドは、高性能ブレーキシステムに使用される。
本明細書に記載される炭素質物品は、不活性雰囲気で、ホウ素処理され安定化された加工物品を、加熱処理することによって、安定化された加工物品を炭化することにより調製される。不活性雰囲気とは、高温、好ましくは高真空または酸素枯渇雰囲気、より好ましくは窒素雰囲気またはアルゴン雰囲気で、炭素とほとんど反応性を示さない、ホウ素処理され安定化された加工物品を囲む雰囲気である。微量の酸素が不活性雰囲気中に存在し得ることが理解される。一例では、不活性化雰囲気の温度は、600℃以上である。好ましくは、不活性化雰囲気の温度は、800℃以上である。一例では、不活性化雰囲気の温度は、3000℃以下である。一例では、温度は、1400〜2400℃である。その範囲の上限のまたはその付近の温度は黒鉛物品を生産する一方で、この範囲の下限のまたはその付近の温度は炭素物品を生産する。
炭化中の気泡または加工物品への損傷を防止するために、徐々に、または段階的様式で不活性雰囲気を加熱することが好ましい。一実施形態では、ホウ素処理され安定化された加工物品は、周囲温度で、またはその付近の不活性雰囲気を含む加熱チャンバに導入され、このチャンバは、所望の最終温度を達成するために、ある一定期間にわたって後に加熱される。加熱スケジュールは、物品がチャンバから取り出される前に、最終温度もしくは中間温度またはプログラムされた冷却速度で規定期間の間、1つ以上の保持ステップを含んでもよい。
また別の実施形態では、不活性雰囲気を含むチャンバは複数の区間に細分化され、各々が適切な制御デバイスにより所望の温度で維持され、ホウ素処理され安定化された加工物品は、電動ベルトなどの適切な輸送機構を介して1つの区間から次に通過することにより段階的様式で加熱される。ホウ素処理され安定化された加工物品が繊維である例では、この輸送機構は、炭化プロセスの出口で繊維に牽引力を適用することであり得る一方で、安定化された繊維の張力は入口で制御される。本発明のいくつかの実施形態が、以降、以下の実施例において詳細に説明される。
実施例においては、全質量収率は、酸化質量収率と炭化質量収率との積として算出される。PHRは、樹脂100重量部に対する配合量(質量基準)を示す。MIは、メルトフローレートの測定値であるメルトインデックスを示す。測定された収率の定義:
式中、mPEはポリエチレンの初期質量であり、mOXは、酸化後残存している質量であり、mCFは、炭化後残存している質量であり、M%PEは、物品形成起源での(in the origin formed article)ポリエチレンの質量%である。
ソックスレー抽出は、架橋されたエチレンプラスチックのゲル含量及びスウェル比を決定するための方法であり、本明細書においては、ホットキシレン抽出とも称される。本明細書で使用されるとき、ソックスレー抽出は、ASTM Standard D2765−11「Standard Test Methods for Determination of Gel Content and Swell Ratio of Crosslinked Ethylene Plastics」に従い実施される。採用される方法において、0.050〜0.500gの架橋された加工物品を量り、セルロース系円筒濾紙内に設置され、次に十分な量のキシレンを含むソックスレー抽出装置内に設置される。ソックスレー抽出は、次に、少なくとも12時間、キシレンを還流しながら行われる。抽出後、円筒濾紙を除去し、架橋された加工物品を80℃の真空炉で少なくとも12時間乾燥させ、次に量り、それによりソックスレー処理された物品を得る。次に、重量比(ソックスレー処理した物品)/(架橋された加工物品)からゲル含量(%)が計算される。
比較実施例1
エチレン/オクテンコポリマー(密度=0.941g/cm、MI=34g/10分、190℃/2.16kg)は、窒素下のHaakeミキサー内で、180℃で、Lambertiから販売されている市販の光開始剤である、2重量%(2.04phr)のEsacure ONEと溶融ブレンドする。フィルムは、Carverプレス機(Carver press)を用いて、180℃で圧縮成形し、厚さ3ミリメートル(76.2ミクロン)(マイクロメータによる)の薄膜とする。フィルムは、いずれも放物面(非集束)反射装置を備えた600W/H形水銀UVランプを用いて架橋される(曝露時間30秒)。ゲル部分は、ソックスレー抽出により、35.5%となるように測定された。調製されたフィルムから3つの小さい円形フィルムを切り取り、量る。フィルムは、空気雰囲気で、熱対流炉にて、250℃で10時間酸化された(酸素含量21%)。3つのフィルムは、空気酸化後、量った。空気酸化中の質量保持(酸化質量収率)は、表Iに報告する。その後酸化フィルムを、25℃〜800℃の窒素雰囲気で、ランプ速度10℃/分を用いて炭化した。炭化中の質量保持(炭化質量収率)は、表Iに報告する。算出された全質量収率は表Iに報告する。
実施例1
エチレン/オクテンコポリマー(密度=0.941g/cm、MI=34g/10分、190℃/2.16kg)は、表IIに報告されているとおり、ホウ酸の一部を変化させて、窒素下のHaakeミキサー内で、180℃で、Lambertiから販売されている市販の光開始剤である、2重量%(2.04phr)のEsacure ONEと溶融ブレンドする。
フィルムは、Carverプレス機を用いて、180℃で圧縮成形し、厚さ3ミリメートル(76.2ミクロン)(マイクロメータによる)の薄膜とする。フィルムは、いずれも放物面(非集束)反射装置を備えた600W/H形水銀UVランプを用いて架橋される(曝露時間30秒)。各ホウ酸添加量に対して、調製されたフィルムから2つの小さい円形フィルムを切り取り、量る。フィルムは、空気雰囲気で、熱対流炉にて、250℃で10時間酸化される(酸素含量21%)。2つのフィルムは、空気酸化後、量った。空気酸化中の質量保持(酸化質量収率)は、表IIIに報告する。その後、25℃〜800℃の窒素雰囲気で、ランプ速度10℃/分を用いて、酸化フィルムを炭化した。炭化中の質量保持(炭化質量収率)は、表IIIに報告する。算出した全質量収率及び全PE質量収率は、表IIIに報告する。
ホウ酸の添加量を変化させて、ポリエチレン架橋フィルムと溶融ブレンドし、酸化すると、A〜C(比較実施例1)と比較したとき、A〜T(実施例1)の平均酸化質量収率は、89.1〜146%増加することが観測される。更に、ホウ酸添加量を変化させて溶融ブレンドしたポリエチレン架橋フィルムを酸化し、かつ炭化すると、A〜C(比較実施例1)と比較したとき、A〜T(実施例1)の平均全質量収率は、78.6〜165%増加することが観測される。また、ホウ酸添加量を変化させて溶融ブレンドしたポリエチレン架橋フィルムを酸化し、かつ炭化すると、A〜C(比較実施例1)と比較したとき、A〜T(実施例1)の平均全ポリエチレン質量収率は、85.9〜203%増加することが観測される。
比較実施例2
エチレン/オクテンコポリマー(密度=0.941g/cm、MI=34g/10分、190℃/2.16kg)は、Haakeミキサー内の窒素下で、180℃で、Lambertiから販売されている市販の光開始剤である、2重量%(2.04phr)のEsacure ONEと溶融ブレンドする。好適なフィルムは、Carverプレス機を用いて、180℃で圧縮成形し、厚さ3ミリメートル(76.2ミクロン)(マイクロメータによる)の薄膜とする。フィルムは、いずれも放物面(非集束)反射装置を備えた600W/H形水銀UVランプを用いて架橋される(曝露時間30秒)。ゲル部分は、ソックスレー抽出により、35.5%となるように測定される。2つの小さい円形フィルムを切り取り、量る。フィルムは、空気雰囲気で、熱対流炉にて、270℃で10時間酸化される(酸素含量21%)。2つのフィルムは、空気酸化後、量る。空気酸化中の質量保持(酸化質量収率)は、表IVに報告する。その後、窒素雰囲気にて、25℃〜800℃で、ランプ速度10℃/分を用いて、酸化フィルムを炭化する。炭化中の質量保持(炭化質量収率)は、表IVに報告する。算出した全質量収率は、表IVに報告する。
実施例2
エチレン/オクテンコポリマー(密度=0.941g/cm、MI=34g/10分、190℃/2.16kg)は、Haakeミキサー内の窒素下で、180℃で、Lambertiから販売されている市販の光開始剤である、2重量%(2.04phr)のEsacure ONE、及び一部を変化させたホウ酸と溶融ブレンドする。表Vには、ホウ酸添加量を報告する。好適なフィルムは、Carverプレス機を用いて、180℃で圧縮成形し、厚さ3ミリメートル(76.2ミクロン)(マイクロメータによる)の薄膜とする。フィルムは、いずれも放物面(非集束)反射装置を備えた600W/H形水銀UVランプを用いて架橋される(曝露時間30秒)。2つの小さい円形フィルムを切り取り、量る。フィルムは、空気雰囲気で、熱対流炉にて、270℃で10時間酸化される(酸素含量21%)。2つのフィルムは、空気酸化後、量る。空気酸化中の質量保持(酸化質量収率)は、表VIに報告する。その後、窒素雰囲気において、25℃〜800℃で、ランプ速度10℃/分を用いて、酸化フィルムを炭化する。炭化中の質量保持(炭化質量収率)は、表VIに報告する。算出した全質量収率及び全PE質量収率は、表VIに報告する。
ホウ酸の添加量を変化させて、ポリエチレン架橋フィルムと溶融ブレンドし、酸化すると、A〜B(比較実施例2)と比較したとき、A〜T(実施例2)の平均酸化質量収率は、113〜179%増加することが観測される。ホウ酸の添加量を変化させて、ポリエチレン架橋フィルムと溶融ブレンドし、酸化し、かつ炭化するとき、A〜B(比較実施例2)と比較すると、A〜T(実施例2)の平均全質量収率は、104〜199%増加することが観測される。ホウ酸の添加量を変化させて、ポリエチレン架橋フィルムと溶融ブレンドし、酸化し、かつ炭化するとき、A〜B(比較実施例2)と比較すると、A〜T(実施例2)の平均全ポリエチレン質量収率は、108〜232%増加することが更に観測される。
比較実施例3
9.7重量%の酸を含むポリエチレン−コ−アクリル酸ポリマー樹脂(密度=0.938g/cm、MI=20g/10分、190℃/2.16kg)を150℃で圧縮成形し、3ミル(76.2ミクロン)(マイクロメータによる)の薄膜を形成する。単一の小さい円形フィルムを切り取り、量った。フィルムは、空気雰囲気で、熱対流炉にて、250℃で10時間酸化された(酸素含量21%)。フィルムは、空気酸化後、量った。空気酸化中の質量保持(酸化質量収率)は、表VIIに報告する。その後、窒素雰囲気において、25℃〜800℃で、ランプ速度10℃/分を用いて、酸化フィルムを炭化した。炭化中の質量保持(炭化質量収率)は、表VIIに報告する。算出した全質量収率は、表VIIに報告する。
実施例3
9.7重量%の酸を含むポリエチレン−コ−アクリル酸ポリマー樹脂(密度=0.938g/cm、MI=20g/10分、190℃/2.16kg)は、Haakeミキサー内の窒素下で、175℃で、一部を変化させたホウ酸及びLambertiから販売されている市販の光開始剤である、Esacure ONEと溶融ブレンドする。表VIIIは、追加の添加量を報告する。好適なフィルムは、150℃で圧縮成形され、厚さ3ミリメートル(76.2ミクロン)(マイクロメータによる)の薄膜を形成する。サンプルA〜Dについては、追加処理は行わなかった。サンプルE〜Hは、いずれも放物面(非集束)反射装置を備えた600W/H形水銀UVランプを用いて架橋される(曝露時間30秒)。単一の小さい円形フィルムを切り取り、量った。フィルムは、空気雰囲気で、熱対流炉にて、250℃で10時間酸化される(酸素含量21%)。フィルムは、空気酸化後、量る。空気酸化中の質量保持(酸化質量収率)は、表IXに報告する。その後、窒素雰囲気において、25℃〜800℃で、ランプ速度10℃/分を用いて、酸化フィルムを炭化する。炭化中の質量保持(炭化質量収率)は、表IXに報告する。算出した全質量収率は、表IXに報告する。
9.7重量%の酸を含むポリエチレン−コ−アクリル酸ポリマー樹脂の加工物品を、添加量を変化させたホウ酸と溶融ブレンドし、空気酸化すると、比較実施例3Aと比較したとき、A〜D(実施例3)の平均酸化質量収率が31.6〜58.2%増加することが観測される。また、9.7重量%の酸を含むポリエチレン−コ−アクリル酸ポリマー樹脂の加工物品を、添加量を変化させたホウ酸と溶融ブレンドし、空気酸化し、かつ炭化するとき、比較実施例3Aと比較すると、A〜D(実施例3)の平均全質量収率が28.3〜65.7%増加することも観測される。9.7重量%の酸を含むポリエチレン−コ−アクリル酸ポリマー樹脂の架橋フィルムを好適な光開始剤及び添加量を変化させたホウ酸と溶融ブレンドし、空気酸化すると、比較実施例3Aと比較したとき、E〜H(実施例3)の平均酸化質量収率が23.1〜43.2%増加することが更に観察される。9.7重量%の酸を含むポリエチレン−コ−アクリル酸ポリマー樹脂の酸化架橋フィルムを好適な光開始剤及び添加量を変化させたホウ酸と溶融ブレンドし、炭化すると、比較実施例3Aと比較したとき、E〜H(実施例3)の平均炭化質量収率は、14.9〜22.5%増加することが観測される。9.7重量%の酸を含むポリエチレン−コ−アクリル酸ポリマー樹脂の架橋フィルムを好適な光開始剤及び添加量を変化させたホウ酸と溶融ブレンドし、空気酸化し、かつ炭化するとき、比較実施例3Aと比較すると、E〜H(実施例3)の平均全質量収率が50.8〜64.2%増加することも、更に観測される。
比較実施例4
20.5重量%の酸を含むポリエチレン−コ−アクリル酸ポリマー樹脂(密度=0.958g/cm、MI=14g/10分、125℃/2.16kg)を130℃で圧縮成形し、厚さ3ミリメートル(76.2ミクロン)(マイクロメータによる)の薄膜を形成する。フィルムから単一の小さい円形フィルムを切り取り、量る。フィルムは、空気雰囲気で、熱対流炉にて、250℃で10時間酸化される(酸素含量21%)。フィルムは、空気酸化後、量る。空気酸化中の質量保持(酸化質量収率)は、表Xに報告する。その後酸化フィルムを、25℃〜800℃の窒素雰囲気で、ランプ速度10℃/分を用いて炭化する。炭化中の質量保持(炭化質量収率)は、表Xに報告する。算出された全質量は、表Xに報告する。
実施例4
20.5重量%の酸を含むポリエチレン−コ−アクリル酸ポリマー樹脂(密度=0.958g/cm、MI=14g/10分、125℃/2.16kg)は、Haakeミキサー内の窒素下で、175℃で、一部を変化させたホウ酸及びLambertiから販売されている市販の光開始剤である、Esacure ONEと溶融ブレンドする。表XIは、追加の添加量を報告する。好適なフィルムは、130℃で圧縮成形され、厚さ3ミリメートル(76.2ミクロン)(マイクロメータによる)の薄膜を形成する。サンプルA〜Dについては、追加処理は行わなかった。サンプルE〜Hは、いずれも放物面(非集束)反射装置を備えた600W/H形水銀UVランプを用いて架橋される(曝露時間30秒)。処理されたサンプルから単一の小さい円形フィルムを切り取り、量る。フィルムは、空気雰囲気で、熱対流炉にて、250℃で10時間酸化される(酸素含量21%)。フィルムは、空気酸化後、量る。空気酸化中の質量保持(酸化質量収率)は、表XIIに報告する。その後、25℃〜800℃の窒素雰囲気で、ランプ速度10℃/分を用いて、酸化フィルムを炭化する。炭化中の質量保持(炭化質量収率)は、表XIIに報告する。算出した全質量収率は、表XIIに報告する。
20.5重量%の酸を含むポリエチレン−コ−アクリル酸ポリマー樹脂の形成されたフィルムを、添加量を変化させたホウ酸と溶融ブレンドし、空気酸化し、かつ炭化するとき、比較実施例4Aと比較すると、A〜D(実施例4)の平均炭化質量収率が272〜305%増加(3.7〜4.1倍増加)することが観測される。20.5重量%の酸を含むポリエチレン−コ−アクリル酸ポリマー樹脂の形成されたフィルムを、添加量を変化させたホウ酸と溶融ブレンドし、空気酸化し、かつ炭化するとき、比較実施例4Aと比較すると、A〜D(実施例4)の平均全質量収率が271%増加することも観測される。20.5重量%の酸を含むポリエチレン−コ−アクリル酸ポリマー樹脂の架橋フィルムを好適な光開始剤及び添加量を変化させたホウ酸と溶融ブレンドし、空気酸化し、かつ炭化するとき、比較実施例4Aと比較すると、E〜H(実施例4)の平均炭化質量収率が448〜552%相対的に増加(5.5〜6.5倍増加)することが更に観測される。20.5重量%の酸を含むポリエチレン−コ−アクリル酸ポリマー樹脂の架橋フィルムを好適な光開始剤及び添加量を変化させたホウ酸と溶融ブレンドし、空気酸化し、かつ炭化するとき、比較実施例4Aと比較すると、E〜H(実施例4)の平均全質量収率が611〜635%増加(7.11〜7.4倍増加)することが更に観測される。
比較実施例5
ポリ(エチレン−コ−ビニルアセテート)樹脂(Sigma Aldrich(18重量%ビニルアセテート、MI=8g/10分(190℃/2.16kg)から購入され、阻害剤として200〜900ppmブチル化ヒドロキシトルエン、BHTを含む))は、Lambertiから販売されている市販の光開始剤である、2.06phrのEsacure ONE及び1.03phrのマルチビニル増感剤(multi−vinyl enhancer)ペンタエリトリトールテトラアクリラート(PETA)と180℃で、窒素雰囲気下のHaakeブレンダー内で、溶融ブレンドする。好適なフィルムは150℃で圧縮成形され、〜3ミリメートル(76.2ミクロン)(マイクロメータによる)の薄膜を形成する。フィルムは、放物面(非集束)反射装置を備えた600W/H形水銀UVランプを用いて架橋される(曝露時間30秒)。調製されたフィルムから2つの小さい円形フィルムを切り取り、量る。フィルムは、空気雰囲気で、熱対流炉にて、260℃で10時間酸化される(酸素含量21%)。フィルムは、空気酸化後、量る。空気酸化中の質量保持(酸化質量収率)は、表XIIIに報告する。その後、窒素雰囲気において、25℃〜800℃で、ランプ速度10℃/分を用いて、酸化フィルムを炭化する。炭化中の質量保持(炭化質量収率)は、表XIIIに報告する。算出した全質量収率は、表XIIIに報告する。
実施例5
ポリ(エチレン−コ−ビニルアセテート)樹脂(Sigma Aldrich(18重量%ビニルアセテート、MI=8g/10分(190℃/2.16kg)から販売されて、阻害剤として200〜900ppmブチル化ヒドロキシトルエン、BHTを含む))は、Lambertiから販売されている市販の光開始剤である、2.17phrのEsacure ONE及び1.09phrのマルチビニル増感剤(multi−vinyl enhancer)ペンタエリトリトールテトラアクリラート(PETA)及び5.43phrのホウ酸と窒素雰囲気下のHaakeブレンダー内で、180℃で、溶融ブレンドする。好適なフィルムは150℃で圧縮成形され、厚さ〜3ミリメートル(76.2ミクロン)(マイクロメータによる)の薄膜を形成する。フィルムは、放物面(非集束)反射装置を備えた600W/H形水銀UVランプを用いて架橋される(曝露時間30秒)。調製されたフィルムから2つの小さい円形フィルムを切り取り、量る。フィルムは、空気雰囲気で、熱対流炉にて、260℃で10時間酸化させる(酸素含量21%)。フィルムは、空気酸化後、量る。空気酸化中の質量保持(酸化質量収率)は、表XIVに報告する。その後、窒素雰囲気において、25℃〜800℃で、ランプ速度10℃/分を用いて、酸化フィルムを炭化する。炭化中の質量保持(炭化質量収率)は、表XIVに報告する。算出した全質量収率は、表XIVに報告する。
ポリ(エチレン−コ−ビニルアセテート)のUV架橋フィルムをホウ酸と溶融ブレンドし、かつ酸化するとき、A〜B(比較実施例5)と比較すると、A〜B(実施例5)の平均酸化質量収率は、48.3%増加することが観測される。ポリ(エチレン−コ−ビニルアセテート)のUV架橋フィルムをホウ酸と溶融ブレンドし、酸化し、かつ炭化するとき、A〜B(比較実施例5)と比較すると、A〜B(実施例5)の平均全質量収率は、59.3%増加することが観測される。
比較実施例6
エチレン/オクテンコポリマー(密度=0.941g/cm、MI=34g/10分、190℃/2.16kg)は、Haakeミキサー内の窒素下で、180℃にて、Lambertiから販売されている市販の光開始剤である、Esacure ONE2重量%(2.04phr)と溶融ブレンドする。フィルムは、Carverプレス機を用いて、180℃で圧縮成形し、厚さ3ミリメートル(76.2ミクロン)(マイクロメータによる)の薄膜とする。フィルムは、いずれも放物面(非集束)反射装置を備えた600W/H形水銀UVランプを用いて架橋される(曝露時間30秒)。ゲル部分は、ホットキシレン抽出により、27.9%となるように測定される。調製されたフィルムから2つの小さい円形フィルムを切り取り、量る。フィルムは、空気雰囲気で、熱対流炉にて、270℃で5時間酸化される(酸素含量21%)。2つのフィルムは、空気酸化後、量る。空気酸化中の質量保持(酸化質量収率)は、表XVに報告する。その後、窒素雰囲気において、25℃〜800℃で、ランプ速度10℃/分を用いて、酸化フィルムを炭化する。炭化中の質量保持(炭化質量収率)は、表XVに報告する。算出した全質量収率は、表XVに報告する。
実施例6
エチレン/オクテンコポリマー(密度=0.941g/cm、MI=34g/10分、190℃/2.16kg)は、Haakeミキサー内の窒素下で、180℃で、表XVIに報告のとおり、Lambertiから販売されている市販の光開始剤である、Esacure ONE2重量%(2.04phr)及び一部を変化させたホウ酸と溶融ブレンドする。フィルムは、Carverプレス機を用いて、180℃で圧縮成形し、厚さ3ミリメートル(76.2ミクロン)(マイクロメータによる)の薄膜とする。フィルムは、いずれも放物面(非集束)反射装置を備えた600W/H形水銀UVランプを用いて架橋される(曝露時間30秒)。各ホウ酸添加量に対して、調製されたフィルムから2つの小さい円形フィルムを切り取り、量る。フィルムは、空気雰囲気で、熱対流炉にて、270℃で5時間酸化される(酸素含量21%)。2つのフィルムは、空気酸化後、量る。空気酸化中の質量保持(酸化質量収率)は、表XVIIに報告する。その後、窒素雰囲気において、25℃〜800℃で、ランプ速度10℃/分を用いて、酸化フィルムを炭化した。炭化中の質量保持(炭化質量収率)は、表XVIIに報告する。算出した全質量収率及び全PE質量収率は、表XVIIに報告する。
ホウ酸の添加量を変化させて、ポリエチレン架橋フィルムと溶融ブレンドし、酸化するとき、A〜B(比較実施例6)と比較すると、A〜F(実施例6)の平均酸化質量収率は、124〜145%増加(2.2〜2.5倍増加)することが観測される。更に、ホウ酸の添加量を変化させて、ポリエチレン架橋フィルムと溶融ブレンドし、酸化し、かつ炭化するとき、A〜B(比較実施例6)と比較すると、A〜F(実施例6)の平均全質量収率は、135〜192%増加(2.4〜2.9倍増加)することが観測される。
比較実施例7
高密度ポリエチレン樹脂、Microthene F FA70000(密度=0.952g/cm、MI=10g/10分、190℃/2.16kg、平均粒子径=20ミクロン)(LyondellBasel)は、Lambertiによって販売されている市販の光開始剤である、2.0phrのEsacure ONEと共に乾燥ブレンドする。フィルムは、Carverプレス機を用いて、180℃で圧縮成形され、厚さ3ミリメートル(76.2ミクロン)(マイクロメータによる)の薄膜とする。フィルムは、いずれも放物面(非集束)反射装置を備えた300W/H形水銀UVランプを用いて架橋される(側面当たり曝露時間30秒)。調製されたフィルムから6つの小さい円形フィルムを切り取り、量る。フィルムは、空気雰囲気で、熱対流炉にて、270℃で5時間酸化される(酸素含量21%)。6つのフィルムは、空気酸化後、量る。空気酸化中の質量保持(酸化質量収率)は、表XVIIIに報告する。その後、窒素雰囲気において、25℃〜800℃で、ランプ速度10℃/分を用いて、酸化フィルムを炭化する。炭化中の質量保持(炭化質量収率)は、表XVIIIに報告する。算出した全質量収率及び全PE質量収率は、表XVIIIに報告する。
実施例7
高密度ポリエチレン樹脂Microthene F FA70000(密度=0.952g/cm、MI=10g/10分、190℃/2.16kg、平均粒径=20ミクロン)(LyondellBasel)は、Lambertiから販売されている市販の光開始剤である、2.0phrのEsacure ONE、及び表XIXに報告されているBCSと乾燥ブレンドする。各BCSは、Wig−L−Bugで製粉され、乾燥ブレンド前に粒径を減少させる。各配合物に対して、フィルムは、Carverプレス機を用いて、180℃で圧縮成形し、厚さ3ミリメートル(76.2ミクロン)(マイクロメータによる)の薄膜とする。フィルムは、いずれも放物面(非集束)反射装置を備えた300W/H形水銀UVランプを用いて架橋される(側面当たり曝露時間30秒)。各BCSに対して、調製されたフィルムから小さい円形フィルムを切り取り、量る。フィルムは、空気雰囲気で、熱対流炉にて、270℃で5時間酸化される(酸素含量21%)。各フィルムは、空気酸化後、量る。空気酸化中の質量保持(酸化質量収率)は、表XXに報告する。その後、窒素雰囲気において、25℃〜800℃で、ランプ速度10℃/分を用いて、各フィルムを炭化する。炭化中の質量保持(炭化質量収率)は、表XXに報告する。算出した全質量収率及び全PE質量収率は、表XXに報告する。
ポリエチレン架橋フィルムを様々なBCSと溶融ブレンドし、かつ酸化するとき、A〜F(比較実施例7)と比較すると、A〜K(実施例7)の平均酸化質量収率は、1〜67%増加することが観測される。更に、ポリエチレン架橋フィルムを様々なBCSと溶融ブレンドし、酸化し、かつ炭化するとき、A〜F(比較実施例7)と比較すると、A〜K(実施例7)の平均炭化質量収率は、32〜78%増加(1.5〜1.8倍増加)することが観測される。更に、ポリエチレン架橋フィルムを様々なBCSと溶融ブレンドし、酸化し、かつ炭化するとき、A〜F(比較実施例7)と比較すると、A〜K(実施例7)の平均全質量収率は、52〜147%増加(1.5〜2.5倍増加)することが観測される。すべての相対質量収率の改善は、表XXIに報告する。

Claims (9)

  1. 炭化物品を調製するための方法であって、
    (a)オレフィン樹脂を提供するステップと、
    (b)前記オレフィン樹脂をホウ素含有種(BCS)と溶融ブレンドするステップと、
    (c)加工物品を形成するステップと、
    (d)前記加工物品を架橋するステップと、
    (e)ステップ(d)の前記加工物品を空気酸化によって安定化させるステップと、
    (f)ステップ(e)の前記加工物品を炭化するステップと、を含む、方法。
  2. 前記BCSは、前記加工物品にホウ素を堆積させるために好適なホウ素源である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ホウ素源は、オルガノボラン、ホウ酸、ホウ酸誘導体、ボロン酸誘導体、ボリン酸誘導体、置換ボリン酸、ボラン誘導体、ボロン酸エステル誘導体、ボロキシン誘導体、元素ホウ素、ボラジン誘導体、水素化ホウ素誘導体、またはアミノボラン誘導体である、請求項2に記載の方法。
  4. ステップ(d)は、120℃以上で前記加工物品を加熱することを含む、請求項1に記載の方法。
  5. ステップ(c)は、繊維紡糸、フィルム押出流延、吹込フィルム処理、ダイを介する異形押出成形、射出成形、溶液流延、または圧縮成形によって、前記ポリオレフィン樹脂を加工物品に変換することを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 安定化された物品を調製するための方法であって、
    (a)オレフィン樹脂を提供するステップと、
    (b)前記オレフィン樹脂をホウ素含有種(BCS)と溶融ブレンドするステップと、
    (c)加工物品を形成するステップと、
    (d)前記加工物品を架橋するステップと、
    (e)ステップ(d)の前記加工物品を空気酸化によって安定化させるステップと、を含む、方法。
  7. 前記BCSは、前記加工物品にホウ素を堆積させるために好適なホウ素源である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記ホウ素源は、オルガノボラン、ホウ酸、ホウ酸誘導体、ボロン酸誘導体、ボリン酸誘導体、置換ボリン酸、ボラン誘導体、ボロン酸エステル誘導体、ボロキシン誘導体、元素ホウ素、ボラジン誘導体、水素化ホウ素誘導体、またはアミノボラン誘導体である、請求項7に記載の方法。
  9. ステップ(d)は、120℃以上で前記加工物品を加熱することを含む、請求項6に記載の方法。
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