JP2018517836A - 新しい架橋剤からの高効率湿潤紙力増強樹脂 - Google Patents

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Abstract

増強樹脂ならびにその作製及び使用のための方法。増強樹脂は、架橋部分で部分的に架橋されたポリアミンを含むことができ、かつアゼチジニウムイオンを有する。架橋部分は、機能性対称型架橋剤に由来し得る。機能性対称型架橋剤は、ジイソシアネート、1,3−ジアルキルジアゼチジン−2,4−ジオン、二無水物、ハロゲン化ジアシル、ジエノン、ハロゲン化ジアルキル、またはこれらの任意の混合物を含むことができる。

Description

開示された実施形態は、概して、増強樹脂に関する。より具体的には、このような実施形態は、機能性対称型架橋剤に由来する架橋部分によって部分的に架橋されたポリアミンを含むことができ、かつアゼチジニウムイオンを有する増強樹脂、ならびにその作製及び使用方法に関する。
紙は、相互接続された細く離散した繊維を含有するシート材料である。これらの繊維は、通常、希薄水懸濁液またはスラリーから細目スクリーンでシートに成形される。紙は、典型的には、セルロース繊維から作製されるが、場合によっては、合成繊維が使用される。未処理セルロース繊維から作製された紙製品は、濡れるとその強さを急激に損なう、すなわち、これらは非常に小さい「湿潤強さ」を有する。通常の紙の湿潤強さは、その乾燥強さの約5%に過ぎない。紙の湿潤強さは、それが水で湿らされるときの紙の破裂または崩壊に対する耐性と定義される。米国特許第5,585,456号を参照されたい。この欠点を克服するために、紙製品を処理する様々な方法が使用されている。
紙に適用される湿潤紙力増強樹脂は、「耐久」型または「一過性」型のいずれかのものであり、これは、水への浸漬後に、紙がどれほど長くその湿潤強さを保持するかによって定義される。湿潤強さ保持は、包装材料において望ましい特性であるが、このような特性を有する紙製品は、不必要に厳しい条件下でのみ分解性であるために、廃棄処理問題を提示する。一部の樹脂は、一過性の湿潤強さを付与し、生理用品または使い捨ておむつの使用に好適であるが、これらの樹脂は、1つ以上の欠点をこうむる場合が多い。例えば、樹脂の湿潤強さが、一般的に低い程度のものであり(対旧型樹脂について得られるレベルの約半分)、これらの樹脂は、カビ及び粘菌により容易に攻撃され得、及び/またはこれらの樹脂は、希薄溶液としてしか調製され得ない。
耐久型の湿潤強さを紙に提供することができる従来の樹脂は、通常、Aなどのポリアミドアミンポリマーを、エピクロロヒドリン(B)(「エピ」)で変性させて、ポリアミドアミン(PAE)−エピクロロヒドリン樹脂を形成することによって得られる。
Figure 2018517836
従来の樹脂合成は、エピクロロヒドリンの二官能性の性質を活用して、エポキシ及び塩素基を、架橋及び四級窒素部位の生成の両方に使用する。これらの従来の樹脂において、エピクロロヒドリンの非対称型官能性は、そのエポキシ基の二級アミンとの反応時の開環、その後のペンダントクロロヒドリン部分のアゼチジニウム官能性を生成するための分子内環化、または別のポリアミドアミン分子による分子間(架橋)のいずれかを結果としてもたらす。したがって、ポリアミドアミンプレポリマーAをエピBと反応させる第1のステップは、比較的低温でのプレポリマー主鎖の二級アミン基によるエポキシ基の開環を併発する。クロロヒドリンペンダント基を有する新しい官能化ポリマーCが生成されており、このプロセスは、通常、プレポリマーの分子量における著しい変化をほとんど、または全くもたらさない。
Figure 2018517836
第2のステップは、ペンダントクロロヒドリン基の2つの競合する反応、すなわち、1)カチオン性塩化アゼチジニウム官能性を生成する分子内環化(ここでは、分子量の増加が観察されない)、及び2)ポリマーを架橋するための分子間アルキル化反応(これは、その分子量を著しく増加させる)を伴う。両反応の結果は、PAE−エピクロロヒドリン樹脂構造Dに例示されている。実際には、エピクロロヒドリンのアルキル化、分子内環化、及び架橋反応は、同時ではあるが、異なる速度で起こる。
Figure 2018517836
完成した湿潤紙力増強ポリマー製品は、構造Dに示した少量の残留ペンダントクロロヒドリン、及び2−ヒドロキシル官能性を有する3−炭素架橋基、それと共にかなり大量の第四塩化アゼチジニウム官能性を含有する。この製品はまた、相当量のエピクロロヒドリン加水分解生成物の1,3−DCP、及び3−CPDも含有し得る。
Figure 2018517836
この従来の方法における3つの主な反応、すなわち、ペンダントクロロヒドリン形成(開環)、アゼチジニウムイオン基への環化(カチオン化)、及び架橋(分子間アルキル化)の相対速度は、室温で実行されるとき、それぞれ、およそ140:4:1である。したがって、ペンダントクロロヒドリン基は、エピクロロヒドリンエポキシド及びプレポリマー中の二級アミンの開環反応から非常に迅速に形成する。この第1のステップは、低温(例えば、25℃〜30℃の周辺で)行われる。
第2のステップでは、クロロヒドリン基は、比較的ゆっくりと環化して、カチオン性アゼチジニウム基を形成する。例えば、1)クロロヒドリンペンダント基の例えば第三級アミンが部分の二級アミンと反応することによって、及び/または2)ペンダントクロロヒドリン部分による第三級アミンの分子間アルキル化によって、更によりゆっくりと、架橋が起こる。
最小反応サイクル時間に対する実用性を維持するために、従来の製造プロセスは、通常、反応混合物が反応速度を増加させるために、例えば、約60℃〜約70℃に加熱されることを必要とする。通常、反応器スループットを最大化し、また出荷コストを最小限にとどめるように完成した湿潤紙力増強樹脂を可能な限り高固形物で提供するために、反応はまた、高固形分で行われる。高濃度は、よりゆっくりな分子間反応を好む。これらの高温及び高濃度条件下においては、分子内環化と架橋との間の反応速度は、競合するようになる。したがって、従来の製造プロセスが直面する1つの問題は、架橋反応速度が、所望の粘度の終端点(分子量)がアゼチジニウムイオン基形成を犠牲にして得られる程度十分に速くなることである。より高いレベルのアゼチジニウム基を生成するために、反応を所望の粘度の終端点を超えて継続させる場合、反応混合物は、おそらくはゲルになり、固形物塊を形成するであろう。
高アゼチジニウム基含量及び高分子量の両方ともに、PAE樹脂の最大湿潤強さ効率に有用であるために、アゼチジニウム基形成及び架橋は、生成物をゲル化することなく、または貯蔵中にゲル化する生成物を提供することなく最大化されることが望ましい。これらの条件は、出荷コストを最小化するための高固形物のための要望と相まって、高効率湿潤紙力増強樹脂製品の作製の態様を制限している。
したがって、改善された増強樹脂、例えば、紙製品に適切なレベルの湿潤強さを付与することの必要性、及びその作製ならびに使用法の必要性がある。
増強樹脂及びその作製ならびに使用法が提供される。少なくとも1つの例では、増強樹脂は、架橋部分で部分的に架橋されたポリアミンを含むことができ、かつアゼチジニウムイオンを有する。架橋部分は、機能性対称型架橋剤に由来し得る。機能性対称型架橋剤は、ジイソシアネート、1,3−ジアルキルジアゼチジン−2,4−ジオン、二無水物、ハロゲン化ジアシル、ジエノン、ハロゲン化ジアルキル、またはこれらの任意の混合物とすることができるか、またはこれらを含み得る。
少なくとも1つの例では、増強樹脂を作製するための方法は、ポリアミンと機能性対称型架橋剤とを反応させて、部分的に架橋されたポリアミンを生成することを含み得る。機能性対称型架橋剤は、ジイソシアネート、1,3−ジアルキルジアゼチジン−2,4−ジオン、二無水物、ハロゲン化ジアシル、ジエノン、ハロゲン化ジアルキル、またはこれらの任意の混合物とすることができるか、またはこれらを含み得る。部分的に架橋されたポリアミンは、エピハロヒドリンと反応して、アゼチジニウムイオンを有する増強樹脂を生成することができる。
少なくとも1つの例では、紙を増強するための方法は、繊維を増強樹脂と接触させることを含み得る。増強樹脂は、架橋部分で部分的に架橋されたポリアミンとすることができるか、またはこれを含むことができ、かつアゼチジニウムイオンを有する。架橋部分は、機能性対称型架橋剤に由来し得る。機能性対称型架橋剤は、ジイソシアネート、1,3−ジアルキルジアゼチジン−2,4−ジオン、二無水物、ハロゲン化ジアシル、ジエノン、ハロゲン化ジアルキル、またはこれらの任意の混合物とすることができるか、またはこれらを含み得る。
増強樹脂、例えば、湿潤紙力増強樹脂、増強樹脂を作製するためのプロセス、及び増強樹脂を用いて強さを付与するために紙を処理するプロセスが提供される。機能性対称型(「対称型」)架橋剤、任意に単官能改質剤の使用ならびに離散的ステップへの分離、部分的に架橋されたポリアミンのエピハロヒドリン、例えば、エピクロロヒドリンとの反応からのポリアミンの機能性対称型架橋剤との反応、向上した特性及び/またはその合成における改善された柔軟性を備えた新しい増強樹脂、例えば湿潤紙力増強樹脂が提供される。現在の技術を超える概ね改善された湿潤引張進展を提供することに加えて、本製品及び方法は、より高いアゼチジニウムイオン含量、反応性官能化の更なる度合い、最大化分子量、及び/または良好な貯蔵安定性を提供することができる。
ポリアミンの架橋は、ハロヒドリン官能化及び環化の「カチオン化」プロセスとは区別され、カチオン官能性度、分子量、及び/または他の樹脂の特性の適合において実質的な柔軟性を与える特徴である。ポリアミンの架橋及び官能化を効果的にもたらすために使用される機能性対称型架橋剤及び任意の単官能改質剤は、カチオン性電荷を樹脂に付与するために使用される試薬とは異なり得る。具体的には、ポリアミンの機能性対称型架橋剤との反応は、部分的に架橋されたポリアミンのエピハロヒドリンとの反応とは切り離すことができる。例えば、機能性対称型(または簡単に「対称型」)架橋剤は、この第1のステップで使用することができ、このステップは、ポリアミンまたはポリアミドアミンプレポリマーなどの部分的に架橋されたプレポリマーの架橋構造及び特性に対して実質的制御を提供し得る。カチオン性電荷を樹脂に付与するステップ、「カチオン化」プロセスは、任意のエピハロヒドリン、例えば、エピクロロヒドリンを使用して、アゼチジニウムイオン官能性を生成することができる。
増強樹脂を作製するための方法はまた、このプロセスによって調製されていない従来のポリアミドアミン−エピクロロヒドリン増強樹脂で一般的に見られる量と比べて、エピクロロヒドリン副産物の量を低減することもできる。例えば、増強樹脂は、一般的にエピクロロヒドリン湿潤紙力増強樹脂の合成に付随する、実質的に低減したレベルの1,3−ジクロロ−2−プロパノール(1,3−DCPまたは「DCP」)及び3−クロロプロパン−1,2−ジオール(3−CPDまたは「CPD」、更にモノクロロプロパンジオールについてはMCPD)を有することができる。
いくつかの例では、増強樹脂、例えば湿潤紙力増強樹脂を作製するための方法は、本明細書ではポリアミンプレポリマーとも称する場合があるポリアミンを機能性対称型架橋剤と反応させて、部分的に架橋されたポリアミンを生成することを含み得る。したがって、ポリアミンは、架橋部分で部分的に架橋することができ、この架橋部分は、機能性対称型架橋剤に由来することができる。エピハロヒドリンは、部分的に架橋されたポリアミンに添加され、ハロヒドリン官能化ポリマーを生成することができる。ハロヒドリン官能化ポリマーは、環化されて、アゼチジニウム部分を有する樹脂を形成することができる。したがって、増強樹脂は、架橋部分で部分的に架橋されたポリアミンとすることができるか、またはこれを含むことができ、かつアゼチジニウムイオンまたは部分を有することができる。
必要に応じて、本プロセスは、ポリアミンを、1つの二級アミン反応性部分を含む単官能改質剤の不足物(deficiency)と反応させることを更に含み得る。ポリアミンが単官能改質剤の不足物と反応される場合、反応は、ポリアミンが対称型架橋剤と反応される前、反応中、または反応後に、もしくはこれらの時間の異なる組み合わせで起こり得る。
一例では、ポリアミンは、以下の構造:
Figure 2018517836
を有することができ、
式中、Rは、アルキル、ヒドロキシアルキル、アミン、アミド、アリール、ヘテロアリール、またはシクロアルキルとすることができる。構造Pにおいて、wは、1〜約10,000の整数とすることができる。定義セクションにおいて提供されるように、「アルキル」または「ヒドロキシアルキル」などのR基は、化学原子価の従来のルールを適用する便宜的な説明を提供することを意図しており、したがって、構造PのRは、アルキルまたはヒドロキシアルキルとして説明することができ、これは、「R」基が、二価であり、アルキレンまたはヒドロキシアルキレンとして代替的に説明されてもよいことを反映することを意図する。
最も広く使用されかつ最も有効な湿潤紙力増強樹脂製品は、一般的に、エピクロロヒドリンと反応され、いわゆるポリアミドアミン−エピクロロヒドリン(PAE)樹脂を形成する、ポリアミドアミン(PAA)プレポリマーに由来する。したがって、ポリアミンがポリアミドアミンプレポリマーであるか、またはこれを含むとき、樹脂はポリアミドアミンベースの系に限定されないが、構造Pなどの任意のアミン含有ポリマー(ポリアミン)及び他のアミン含有ポリマーに適用可能であることが意図される。
エピクロロヒドリンは、異なる、したがって「非対称型の」化学官能性である、エポキシ及び塩素基を有する二官能性化合物である。この非対称型官能性は、エピクロロヒドリンを、エポキシ基との反応時に、二級アミンで開環させ、続いてペンダントクロロヒドリン部分が、1)カチオン性アゼチジニウム官能性を生成するための分子内環化、または2)分子量を増加させるためにポリマーの分子間架橋の両方に使用される。エピクロロヒドリン樹脂構造Dは、ポリアミドアミン−エピクロロヒドリン(PAE)樹脂における両方の反応の結果を例証している。
本開示は、増強されたアゼチジニウムイオン含量からのカチオン性電荷の増加したレベル(より大きな電荷密度)、追加の機能性、最適化もしくは最大化された分子量、高固形分、ならびに/またはDCP及びCPDのより低い濃度を備えた、増強樹脂、例えば湿潤紙力増強樹脂を作製するための配合物及びプロセスを提供する。1つの態様では、開示された方法は、樹脂合成を2つの別個かつ制御可能なステップに分ける。最初のステップは、ポリアミンプレポリマーを機能性対称型架橋剤と反応させることによって調製される、中間分子量の架橋されたプレポリマーを構築する。非対称型架橋剤のエピクロロヒドリンの機能とは異なり、本開示の対称型架橋剤は、架橋をもたらすために両プレポリマー、二級アミン基との反応のためのものと同じ部分を利用する。必要に応じて、単官能基が、架橋ステップの前後、または架橋ステップ中に使用され、架橋機能なしに、追加の機能性をプレポリマーに付与することができる。第2のステップは、エピクロロヒドリンの低減された量を使用して、ポリマー上のアゼチジニウムイオン形成を最大化することによって、エピクロロヒドリンを、これがいかなる架橋機能を必要とすることなく利用して、カチオン性官能性を付与する。このプロセスは、同時に起こる競合するアゼチジニウムイオン形成及び架橋機構を最適化する必要性によって制限されている従来の実施とは対照的である。
ポリアミンプレポリマー
ある範囲のポリアミン(ポリアミンプレポリマー)が、本明細書に開示される湿潤紙力増強樹脂に対する前駆体として使用され得る。これらのポリアミンは、少なくとも1つのスペーサと結合されている一級及び/または二級アミン部分とすることができるか、またはこれを含み得る。
例として、一態様では、本明細書でポリアミンプレポリマーとも称することができるポリアミンは、以下の構造:
Figure 2018517836
を有することができ、
式中、Rは、例えば、アルキル、ヒドロキシアルキル、アミン、アミド、アリール、ヘテロアリール、またはシクロアルキルとすることができる。構造Pにおいて、wは、1〜約10,000、1〜約5,000、1〜約3,000、1〜約1,000、1〜約100、または1〜約10の整数とすることができる。これらの「R」基、例えば、「アルキル」は、1個以上の水素原子(必要に応じて特定の基)を親基から形式的に除去することから誘導される特定の基の便宜的な説明を提供するよう意図している。したがって、構造P中の「アルキル」という用語は、化学原子価の従来のルールを適用する便宜的な説明を提供するものであろうが、例えば、アルカンから2個の水素原子(1個の炭素原子から2個の水素原子を、または2個の異なる炭素原子から1個の水素原子のいずれか)を除去することによって形成される「アルカンジイル基」を含むであろう。このようなアルキル基は、他の特に規定されない限り、置換もしくは非置換基とすることができ、非環式もしくは環式基とすることができ、及び/または直線状もしくは分岐状であってもよい。「ヒドロキシアルキル」基は、定義したように「アルキル」上で置換された1つ以上のヒドロキシル(OH)部分を含む。
この態様において、明示されない限り、構造PのRは、直線状(直鎖)または分枝状であるアルキル部分とすることができる。部分Rはまた、シクロアルキル、すなわち1〜約25個の炭素原子を有する環状炭化水素部分とすることができる。例えば、Rは、1〜25個、1〜20個、1〜15個、1〜12個、1〜10個、1〜8個、1〜6個または1〜4個の炭素原子を有することができる。また、例として、Rは、2〜10個、2〜8個、2〜6個、または2〜4個の炭素原子を有することができる。更なる態様において、RはC部分、C部分、C部分、C部分、C部分、C部分、C部分、C部分、C部分、C10部分、C11部分、C12部分、C13部分、C14部分、C15部分、C16部分、C17部分、C18部分、C19部分、C20部分、C21部分、C22部分、C23部分、C24部分、C25部分、C26部分、C27部分、C28部分、C29部分、C30部分とすることができる。
上記の構造Pを有するポリアミンにおいて、Rはまた、ポリビニルアミン及びそのコポリマーなどのポリ−一級アミンとすることができる。構造P中にRを構築することができるポリ−一級アミンの例としては、以下の構造、ならびにオレフィン及び他の不飽和部分を有するコポリマーが挙げられるが、これらに限定されず、式中、nは1〜約25の整数とすることができる。
Figure 2018517836
あるいは、nは、1〜約20、1〜約15、1〜約12、1〜約10、または1〜約5の整数とすることができる別の態様では、nは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25とすることができる。
本開示の樹脂の調製で使用するのに適したポリアミン(ポリアミンプレポリマー)には、ジエチレントリアミン(DETA)を含むポリエチレンポリアミン、トリエチレンテトラミン(TETA)、アミノエチルピペラジン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N,N−ビス(2−アミノエチル)−エチレンジアミン、ジアミノエチルトリアミノエチルアミン、ピペラジノエチルトリエチレンテトラミン等のようなポリアルキレンポリアミンが挙げられるが、これらに限定されない。本開示の樹脂調製物に使用するためのポリアミンの調製にも有用であるものとしては、エチレンジアミン、低分子量ポリアミドアミン、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン(PEI)、及びビニルアミンと酢酸ビニル及びビニルアルコールなどの他の不飽和共重合性モノマーとのコポリマーが挙げられる。
ポリアミンプレポリマーPの一態様によれば、wは約2,000〜約1,000,000のポリアミンプレポリマーMwモル数に対応する数の範囲である。ポリアミンプレポリマーPのMw分子量はまた、約5,000〜約750,000、約7,500〜約500,000、約10,000〜約200,000、約20,000〜約150,000、または約30,000〜約100,000とすることができる。
ポリアミドアミンプレポリマー
ある範囲のポリアミドアミンプレポリマーもまた、本開示による湿潤紙力増強樹脂の前駆体として使用可能である。ポリアミドアミンプレポリマーは、本明細書に開示されるような反復基を含有する長鎖ポリアミドを形成するプロセスにおいて、少なくとも2つの一級アミン基及び少なくとも1つの二級アミン基を有するポリアルキレンポリアミンと、ジカルボン酸との反応によって作製することができる。一態様では、ポリアミドアミンプレポリマーは、以下の構造:
Figure 2018517836
を有することができ、
式中、Rは(CHであり、mは2、3、4、または5であり、Rは(CHであり、nは2、3、または4であり、wは1、2、または3であり、pは約2,000〜約1,000,000のポリアミドアミンプレポリマーMw分子量に対応する数の範囲である。Mw分子量はまた、約5,000〜約100,000、約7,500〜約80,000、約10,000〜約60,000、約20,000〜約55,000、または約30,000〜約50,000とすることができる。
1つの態様では、ポリアミドアミンプレポリマーは、以下の構造:
Figure 2018517836
を有することができ、
式中、Rは(CHであり、qは0〜40の範囲であり、rは、約2,000〜約1,000,000のポリアミドアミンプレポリマーMw分子量に対応する数の範囲である。同様に、Mw分子量はまた、約5,000〜約100,000、約7,500〜約80,000、約10,000〜約60,000、約20,000〜約55,000、または約30,000〜約50,000とすることができる。したがって、構造(CHにおいて、qはまた、0〜約40、0〜約35、0〜約30、0〜約25、0〜約20、0〜約15、0〜約12、1〜約40、1〜約35、1〜約30、1〜約25、1〜約20、1〜約15、1〜約12、1〜約10、1〜約8、または1〜約6の範囲とすることができる。
別の実施例では、ポリアミドアミンプレポリマーは、以下の構造:
Figure 2018517836
を有することができ、
式中、nは1〜8であり、pは2〜5であり、mは0〜40であり、同様の分子量範囲を適用する。
開示されるように、適切なポリアミドアミンは、一般に、ジカルボン酸(二酸)、または対応するジカルボン酸ハロゲン化物もしくはそのジエステルを、ポリアルキレンポリアミンなどのポリアミンと反応させることにより調製される。適切なポリアミンには、湿潤紙力増強樹脂自体の前駆体として使用され得る本明細書に開示されているポリアミン(ポリアミンプレポリマー)が挙げられる。例えば、有用なポリアミドアミンは、例えばエチレンジアミンそれ自体、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、アミノエチルピペラジン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N,N−ビス(2−アミノエチル)−エチレンジアミン、ジアミノエチルトリアミノエチルアミン、ピペラジンエチルトリエチレンテトラアミン等の適切なポリアルキレンポリアミンを、ポリカルボン酸、例えば、コハク酸、グルタル酸、2−メチルコハク酸、アジピン酸、ピメリック、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、2−メチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、及びトリカルボキシペンタン、例えば4−カルボキシピメリン酸;脂環式飽和酸、例えば、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1−3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、及び1−3−シクロペンタンジカルボン酸;不飽和脂肪酸、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、アコニット酸、及びヘキサン−3−二酸;不飽和脂環式酸、例えばΔ4−シクロヘキセンジカルボン酸;芳香族酸、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、ベンゼン−1,4−二酢酸;ならびにヘテロ脂肪族酸、例えば、ジグリコール酸、チオジグリコール酸、ジチオジグリコール酸、イミノ二酢酸、及びメチルイミノ二酢酸と反応させることによって作製され得る。通常、式ROC(CHCOR(式中、n=1〜10及びR=H、メチル、またはエチル)の二酸ならびにそれらの関連ジエステル、及びそれらの混合物が好ましい。アジピン酸は容易に入手可能であり、しばしば使用される。
他の好ましいポリアミンには、Huntsmanから入手可能なJEFFAMINE(登録商標)ポリエーテルアミンを挙げることができる。JEFFAMINE(登録商標)ポリエーテルアミンは、ポリエーテル主鎖の末端に結合した一級アミノ基を含有する。ポリエーテル主鎖は、プロピレンオキシド(PO)、エチレンオキシド(EO)、または混合EO/POをベースとする。他のJEFFAMINE(登録商標)製品は、他の主鎖セグメントを含むことができ、一級アミンを束縛することにより、または二級アミン官能性を通してもたらされる様々な反応性を有し得る。低分子量のJEFFAMINES(登録商標)、例えばJEFFAMINE(登録商標)D−230、ならびに高分子量のJEFFAMINES(登録商標)、例えばJEFFAMINE(登録商標)D−2000は、許容可能であり得る。
対称型架橋剤
一般に、ポリアミンの二級アミンは、1つ以上の対称型架橋剤と反応させることができる。一例では、ポリアミンの二級アミンと対称型架橋剤との反応は、架橋プロセスを超えるより大きな程度の制御、及び出発プレポリマーよりも高い分子量を有する中間体架橋プレポリマーを提供することができる。粘度終端点、したがって中間体の分子量は、使用される対称型架橋剤の量により、少なくとも部分的に、容易に予め決定され、かつ制御され得る。架橋反応は、架橋剤が消費されると終端点に進み、架橋剤の消費が完了したときに停止することができる。二級アミン官能性の減少した測定可能な量は、更なる官能化のために利用可能なままであるだろう。
この架橋プロセスにおいて、ポリアミンは、架橋に利用可能な二級アミンの総量に基づいて、対称型架橋剤の不足物と反応して、部分的な架橋ポリアミンを提供することができる。したがって、部分的に架橋されたポリアミンは、それがプロセス中の中間体であっても、ポリアミンよりも高い分子量を有し、ポリアミン中に存在する二級アミン基の一部を保持する。更なる態様では、化学量論量の対称型架橋剤の50%未満が使用され得るために、部分的に架橋したプレポリマーは、ポリアミン中に存在する二級アミン基の大部分を保持する。
反応を受ける単一の二級アミンを有するプレポリマー繰り返し単位、及び2つの反応性部分を有する対称型架橋剤に基づいて、プレポリマーの架橋剤に対する化学量論的反応は、2:1のモル比を必要とし、実際には、2:1またはそれ以上のプレポリマーの架橋剤に対するモル比が利用される。一態様では、対称型架橋剤のプレポリマーに対するモル比は、0%より多いが、プレポリマーに対する架橋剤の化学量論比の50%未満、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.75%未満、または0.5%未満を提供するように選択され得る。これらの値は、2つ以上の対称型架橋剤を使用する場合の合計モル量を反映する。
ポリアミンは、水の存在下または水の不在下で、対称型架橋剤と反応させることができる。一実施例では、ポリアミンは、水性媒体、例えば水または水含有混合物中で対称型架橋剤と反応させることができる。別の実施例では、ポリアミンは、非水性媒体、例えば非水性溶媒または希釈剤中で対称型架橋剤と反応させることができる。別の実施例では、ポリアミンは、水性であろうと非水性であろうと、任意の他の液体媒体の不在下で対称型架橋剤と反応させることができる。非水性媒体、例えば溶媒または希釈剤は、ポリアミン、対称型架橋剤、及び/または部分的に架橋されたポリアミンと非反応性であり得る。ポリアミンが非水性媒体中または他の液体媒体の不在下において対称型架橋剤と反応して、架橋部分で部分的に架橋されたポリアミンを生成する場合、架橋部分で部分的に架橋されたポリアミンは、いかなる水も含まないか、もしくは実質的に含まない状態を維持するか、または水と混合することができる。
対称型架橋剤の例には、1つ以上のジイソシアネート、1つ以上の1,3−ジアルキルジアゼチジン−2,4−ジオン、1つ以上の二無水物、1つ以上のハロゲン化ジアシル、1つ以上のジエノン、1つ以上のハロゲン化ジアルキル、またはこれらの任意の混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。対称型架橋剤の他の例には、1つ以上のジアクリレート化合物、1つ以上のビス(アクリルアミド)化合物、1つ以上のジエポキシド化合物、1つ以上のポリアゼチジニウム化合物、1つ以上のN,N’−メチレン−ビス−メタクリルアミド、1つ以上のポリ(アルキレングリコール)ジグリシジルエーテル、またはこれらの任意の混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。少なくとも1つの実施例では、対称型架橋剤は、(1)ジイソシアネート、1,3−ジアルキルジアゼチジン−2,4−ジオン、二無水物、ハロゲン化ジアシル、ジエノン、及びハロゲン化ジアルキルのうちの少なくとも1つと、(2)ジアクリレート化合物、ビス(アクリルアミド)化合物、ジエポキシド化合物、ポリアゼチジニウム化合物、N,N’−メチレン−ビス−メタクリルアミド、及びポリ(アルキレングリコール)ジグリシジルエーテルのうちの少なくとも1つとを含むことができる。
ジイソシアネートは、非ブロック型またはブロック型とすることができる。例示的な非ブロック型ジイソシアネートには、4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート(メチレンジフェニルジイソシアネート、MDI)、トルエン−2,4−ジイソシアネート(トルエンジイソシアネート、TDI)、1,6−ヘキサンジイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネート、HDI)、5−イソシアナト−1−(イソシアネートメチル)−1,3,3−トリメチル−シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、またはこれらの任意の混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。例示的なブロック型ジイソシアネートには、ビス−カプロラクタムブロック型4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート、4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネートビス(2−ブタノンオキシム)付加物、ビス−(3,5−ジメチルピラゾール)ブロック体4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート、またはこれらの任意の混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。市販のブロック型ジイソシアネートには、TRIXENE(登録商標)BI 7641、7642、7674、7675、7950、7951、7960、7961、7963、及び7982などのBaxenden Chemicalsから入手可能なTRIXENE(登録商標)BI製品、ならびにRUCO−Guard XCR、XTN、FX 8011、FX 8021、NET、TIE、及びWEBなどのRudolf Groupから入手可能なRUCO−Guard製品を挙げることができるが、これらに限定されない。
例示的な1,3−ジアルキルジアゼチジン−2,4−ジオンには、1,3−ジアゼチジン−2,4−ジオン、1,3−ジメチル−1,3−ジアゼチジン−2,4−ジオン、1,3−ジエチル−1,3−ジアゼチジン−2,4−ジオン、1,3−ジフェニル−1,3−ジアゼチジン−2,4−ジオン、またはこれらの任意の混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。例示的な二無水物には、ピロメリト酸二無水物、エチレングリコールビス(無水トリメリット酸)、4,4’−ビスフェノールA二無水物、またはこれらの任意の混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。例示的なハロゲン化ジアシルには、塩化オキサリル、臭化オキサリル、塩化スクシニル、ベンゼン−1,2−ジカルボニルジクロリド、ベンゼン−1,2−ジカルボニルブロミド、塩化フタロイル、またはこれらの任意の混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。例示的なジエノンには、1,7−オクタジエン−3,6−ジオン、ビス(2−プロペン−1−オン)−(1,4−ベンゼン)、またはこれらの任意の混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。例示的なハロゲン化ジアルキルには、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,2−ジヨードエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,2−ジブロモプロパン、1,3−ジクロロプロパン、1,3−ジブロモプロパン、1,3−ジヨードプロパン、1,4−ビス(クロロメチル)ベンゼン、1,4−ビス(ブロモメチル)ベンゼン、またはこれらの任意の混合物を挙げることができるが、これらに限定されない。
他の有用な対称型架橋剤には、以下のうちのいずれか1つ以上:
Figure 2018517836
式中、Rが(CHであり、tが1、2、または3であり、
Figure 2018517836
式中、xは1〜約100であり、
Figure 2018517836
式中、yは、1〜約100であり、
Figure 2018517836
式中、x’+y’は、1〜約100であり、及び/または
Figure 2018517836
式中、zは、1〜約100である、(これらの任意の組み合わせを含む)を挙げることができるが、これらに限定されない。
対称型架橋剤の特定の例は、N,N’−メチレン−ビス−アクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス−メタクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル、ポリ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリアゼチジニウム化合物、及びこれらの任意の組み合わせとすることができるか、またはこれらを含み得る。
更なる態様によれば、対称型架橋剤は、二級アミンと反応性である、すなわち、本開示による対称型架橋剤として機能することができるタイプの官能性部分を有する特定のポリマーまたはコポリマーから選択することができるか、または含むことができる。一態様では、これらのポリマー対称型架橋剤は、アゼチジニウム官能基を含むポリマーまたはコポリマーとすることができる。これらのポリマー対称型架橋剤は、例えば、その構造が示されている、1−イソプロピル−3−(メタクリロイルオキシ)−1−メチルアゼチジニウムクロライドQ、または1,1−ジアリル−3−ヒドロキシアゼジニウムクロリドRなどのアゼチジニウム官能化モノマーを有する、アクリレート、メタクリレート、アルケン、ジエンなどのコポリマーとすることができる。
Figure 2018517836
ポリマー対称型架橋剤はまた、例えば、ここに示す、化合物S、T、またはUなどの他のアゼチジニウム官能化モノマーを有する、アクリレート、メタクリレート、アルケン、ジエンなどのコポリマーとすることができるか、またはこれらを含み得る。
Figure 2018517836
この態様では、対称型架橋剤は、Q、R、S、T、U、及びこれらの組み合わせから選択されるアゼチジニウム官能化モノマーを有する、アクリレート、メタクリレート、アルケン、またはジエンのコポリマーから選択することができるか、またはこれらを含むことができ、ここで、コポリマー中のアクリレート、メタクリレート、アルケンまたはジエンモノマーに対するアゼチジニウム官能化モノマーの分率は、約0.1%〜約12%であり得る。更なる態様では、コポリマー中のアクリレート、メタクリレート、アルケンまたはジエンモノマーに対するアゼチジニウム官能化モノマーの分率は、約0.2%〜約10%、約0.2%〜約10%、約0.5%〜約8%、約0.75%〜約6%、または約1%〜約5%であり得る。これらのタイプの対称型架橋剤ポリマー及びコポリマーの例は、以下の参考文献に示されている。Y.Bogaert,E.Goethals and E.Schacht,Makromol.Chem.,182,2687−2693(1981);M.Coskun,H.Erten,K.Demirelli and M.Ahmedzade,Polym.Degrad.Stab.,69,245−249(2000)、及び米国特許第5,510,004号である。
一態様によれば、対称型架橋剤は、最小限にアゼチジニウム官能化されたポリアミドアミンから選択することができるか、またはそれを含むことができる。すなわち、ポリアミドアミンは、このタイプの対称型架橋剤中の反応性部分である最小のアゼチジニウム官能化を有し得る。この場合、架橋機能は、ポリアミドアミンプレポリマーの二級アミンと反応することができるアゼチジニウム部分によってもたらされる。最小限にアゼチジニウム官能化されたポリアミドアミンを調製するのに適したポリアミドアミンは、本明細書に示される構造X、Y、及びZなどの樹脂自体の調製に使用され得るものと同じ一般構造及び式である。対称型架橋剤としての使用に適した最小限のアゼチジニウム官能化されたポリアミドアミンの例は、以下の構造:
Figure 2018517836
で示され、
式中、pは2以上であり、q/p比は約10〜約1000であり、構造は、架橋するように機能し、Xなどの構造に機能性対称型架橋剤としての適性を与える少なくとも2つのアゼチジニウム部分を含む。q/p比が示すように、酸及びアミン残基と比較すると、ほんのわずかなアゼチジニウム部分が存在する。更に、ポリアミドアミンXはまた、q/p比が約12〜約500、約14〜約400、約16〜約300、約18〜約200、または約20〜約100である構造を有し得る。1つのタイプの最小アゼチジニウム官能化ポリアミドアミンは、例えば、米国特許第6,277,242号で提供されている。
対称型架橋剤のポリアミン、例えばPAEプレポリマーに対するモル比によって例示されるように、一般に、利用可能な二級アミン部位の比較的小さな部分は、架橋を受けて、分枝状または部分的に架橋されたポリアミドアミンプレポリマーを形成する。本明細書で提供されるモル比に加えて、例えば、対称型架橋剤のプレポリマーに対するモル比は、0.01%〜5%の架橋剤のプレポリマーに対する化学量論比を提供するよう選択することができる。更なる態様では、対称型架橋剤のプレポリマーに対するモル比は、0.1%〜4%、0.2%〜3.5%、0.3%〜3%、0.4%〜2.5%、0.5%〜2%、または0.6%〜1.5%の架橋剤のプレポリマーに対する化学量論比を提供することができる。これらの値は、2つ以上の対称型架橋剤を使用するときの合計モル量を反映する。
一例として、アジピン酸及びジエチレントリアミン(DETA)に由来するポリアミドアミンプレポリマーを例として用いて、メチレン−ビス−アクリルアミド(MBA)を用いてプレポリマーを架橋すると、部分的に架橋されたポリアミドアミンプレポリマーは、以下の構造:
Figure 2018517836
によって例示することができ、
式中、R架橋部分は以下の構造:
Figure 2018517836
を有する。
この例示は、対称型架橋剤に加えて、いかなる単官能性改変剤(以下)の使用も反映していない。
単官能改質剤
ポリアミンの二級アミン基はまた、1つ以上の単官能化合物と反応させて、任意の所望の化学官能性をプレポリマーに付与することができる。単官能化合物は、二級または一級アミンと反応することができる反応性基と、カチオン性(カチオン電荷密度を高めるため)、親水性または疎水性(セルロース繊維の非イオン性セグメントとの相互作用を調節するため)とすることができる非反応性部分とを含む。必要に応じて、ポリアミンを対称型架橋剤の不足物と反応させるステップの前、ステップ中、またはステップ後のいずれかで、ポリアミンを、1つの二級アミン反応性部分を含み得る単官能性改変剤の不足物と反応させることができる。更に、単官能改質剤の化学量論的不足物との反応は、対称型架橋剤との反応前、反応中、または反応後の反応もしくは添加の任意の組み合わせを用いて実施することもできる。
例えば、1つの態様では、単官能改質剤は、中性またはカチオン性アクリレート化合物、中性またはカチオン性アクリルアミド化合物、アクリロニトリル化合物、モノエポキシド化合物、またはこれらの任意の組み合わせから選択することができ、またはこれらを含み得る。更なる態様によれば、単官能改質剤は、アクリル酸アルキル、アクリルアミド、アルキルアクリルアミド、ジアルキルアクリルアミド、アクリロニトリル、2−アルキルオキシラン、2−(アリルオキシアルキル)オキシラン、ヒドロキシアルキルアクリレート、ω−(アクリロイルオキシ)−アルキルトリメチルアンモニウム化合物、ω−(アクリルアミド)−アルキルトリメチルアンモニウム化合物、及びこれらの任意の組み合わせから選択することができ、またはこれらを含み得る。単官能改質剤の例が以下に例示される。
Figure 2018517836
例えば、単官能改質剤は、アクリル酸メチル、アクリル酸アルキル、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、2−メチルオキシラン、2−エチルオキシラン、2−プロピルオキシラン、2−(アリルオキシメチル)オキシラン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアクリレート、2−(アクリロイルオキシ)−N,N,N−トリメチルエタンアミニウム、3−(アクリロイルオキシ)−N,N,N−トリメチルプロパン−1−アミニウム、2−アクリルアミド−N,N,N−トリメチルエタンアミニウム、3−アクリルアミド−N,N,N−トリメチルプロパン−1−アミニウム、及び1−イソプロピル−3−(メタクリロイルオキシ)−1−メチルアゼチジニウムクロリドのうちの少なくとも1つとすることができるか、またはこれらのうちの少なくとも1つを含むことができる。改質剤の構造に応じて、これらの化合物と二級または一級アミンとの反応の際に、アミンに対して非反応性である部分は、カチオン電荷を付与してカチオン電荷密度増加を補助することができ、例えば、セルロース繊維の非イオン性セグメントとの相互作用を調節するために、親水性または疎水性特性を変更することができ、及び/または得られた中間体架橋プレポリマーの他の特性に影響を及ぼす可能性があることが分かる。
単官能改質剤は、二級アミン基1モル当たり、約0.0001モル、約0.0005モル、約0.001モル、約0.005モル、または約0.01モルの低い量から約0.05モル、約0.07モル、約0.1モル、約0.15モル、または約0.2モルの高い量まで、ポリアミンと反応することができる。例えば、単官能改質剤は、二級アミン基1モル当たり約0.0001モル〜約0.1モルの量でポリアミンの二級アミン基と反応させることができる。
ハロヒドリン官能化ポリマー及び分子内環化
一般に、中間体架橋プレポリマーとエピクロロヒドリンとの反応からポリアミンと架橋剤との反応を別個のステップに分離することにより、第2の反応ステップは、所望の終端点に達するための従来の方法より少ない量のエピクロロヒドリンを必要とする。更に、この第2の反応ステップは、更なる架橋よりも最適化されたアゼチジニウム基形成を助ける反応条件下で行うことができる。エピクロロヒドリンの非対称型官能性は、エポキシ基と二級アミンとの比較的容易な反応を可能にしてペンダントクロロヒドリン部分を形成するためのこの官能化において有用であり、引き続いてペンダントクロロヒドリンの分子内環化を行い、カチオン性アゼチジニウム官能性を生成する。この後者の分子内環化は、ハロヒドリン官能化ポリマーの熱を利用することができる。
一態様では、第2の反応ステップは、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、及びエピチオヒドリン、またはこれらの任意の組み合わせのような任意のエピハロヒドリンを用いて実行することができる。例えば、エピクロロヒドリンを使用することができる。構造または反応スキームにおいてのように、本開示にてエピクロロヒドリンを列挙すると、任意のエピハロヒドリンが本プロセスにおいて使用され得ることが理解される。
例として、アジピン酸及びDETAに由来する部分架橋ポリアミドアミンプレポリマー、及びMBAを用いた架橋を使用して、エピクロロヒドリン官能化生成物は、「ハロヒドリン官能化ポリマー」と呼ばれる以下の構造によって示すことができる。
Figure 2018517836
前述のように、この例示は、対称型架橋剤に加えて単官能改質剤の使用を反映していない。エピクロロヒドリンなどのエピハロヒドリンの反応は、ハロヒドリン官能化ポリマー、この場合はクロロヒドリン官能化ポリマーの生成において、高い割合の、または残存する二級アミン部分を消費するように一般的に調整される。
ハロヒドリン官能化ポリマーの形成は、ある範囲のエピクロロヒドリンのモル比を用いて行うことができる。例えば、この反応は過剰のエピクロロヒドリンを用いて行うことができる。エピクロロヒドリンと二級アミン基との化学量論的反応は、エピクロロヒドリンと二級アミンのモル比が1:1であることを必要とする。1つの態様では、二級アミン1モル当たり約0.8モル〜約3モルのエピクロロヒドリンを使用することができる。あるいは、二級アミン1モル当たり約0.9モル〜約2.5モルのエピクロロヒドリン、二級アミン1モル当たり約1.0モル〜約2.0モル、約1.1モル〜約1.7モル、約1.2モル〜約1.5モル、約1.25モル〜約1.45モルのエピクロロヒドリンを使用することができる。例えば、二級アミン1モル当たりのエピクロロヒドリンのモル数は、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、または約1.6とすることができる。
対称型架橋剤及びエピハロヒドリンの量は、二級アミン基を実質的に有しない増強樹脂を製造するのに十分であり得る。この結果は、本明細書に開示されるモル量及び比率を使用することにより達成され得るが、本開示によって調製された樹脂組成物は、列挙されたモル量及びモル比以外が使用される場合でも、二級アミン基を実質的に含まないことができる。実質的に二級アミン基がないことにより、架橋、官能化、及びカチオン化反応の前に出発PAE樹脂中の最初の二級アミンの10%未満が残っていることを意味することが意図される。あるいは、出発PAE樹脂中の最初の二級アミンの5%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、0.2%未満、0.1%未満、0.01%未満、0.005%未満、または0.001%未満が残ることが可能である。
ハロヒドリン(典型的にはクロロヒドリン)官能化ポリマーは、ポリマーを環化条件に曝して、アゼチジニウムイオンを形成することにより湿潤紙力増強樹脂に変換することができる。官能化ポリマーは、加熱してアゼチジニウムイオンを形成することができる。加熱が架橋及び環化の両方を誘導する従来の方法とは対照的に、このプロセスの架橋部分は、環化が行われるときに完了し、それにより、より大きなプロセス制御、及び得られた樹脂の所望の特性をより綿密に調整する能力を付与する。また、従来の方法とは対照的に、本明細書中で議論及び記載されるプロセスは、エピクロロヒドリン副生成物1,3−ジクロロ−2−プロパノール(1,3−DCPまたは「DCP」)の形成を低減及び/または最小限にすることができ、また樹脂中に残存する3−クロロプロパン−1,2−ジオール(3−CPDまたは「CPD」)を低減または最小化することができる。
25%固形分(DCP25%)の増強樹脂中に残存するエピクロロヒドリン1,3−ジクロロ−2−プロパノール(1,3−DCP)の濃度は、約15,000ppm未満、約14,000ppm未満、約13,000ppm未満、約12,000ppm未満、約11,500ppm未満、約11,000ppm未満、約10,500ppm未満、約10,000ppm未満、約8,000ppm未満、約6,000ppm未満、または約5,000ppm未満であり得る。
以下の樹脂組成物構造Zは、ペンダントクロロヒドリンを分子内環化してアゼチジニウム官能性を付与するのに十分な条件に供されている、上記のクロロヒドリン官能化ポリマーYに基づく四級窒素(「カチオン化」)を形成する環化ステップの結果を示している。
Figure 2018517836
樹脂組成物の形成のためのプロセスにおいて、樹脂組成物は、ハロヒドリン官能化ポリマーを、ハロヒドリン基をアゼチジニウムイオンに変換するのに十分な環化条件に曝すことにより生成される。ハロヒドリン基の少なくとも一部を環化して、アゼチジニウムイオンまたは部分を形成することができる。一例では、ハロヒドリン基の少なくとも90%を環化してアゼチジニウムイオンを形成することができる。あるいは、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、少なくとも99.7%、少なくとも99.8%、または少なくとも99.9%のハロヒドリン基を環化してアゼチジニウムイオンを形成することができる。
例えば、組成物の固形分を上記で詳述したものを超えて調整するために、樹脂加工において追加工程を使用することができる。例えば、樹脂組成物は、ハロヒドリン官能化ポリマーをアゼチジニウム官能化ポリマーに変換することによって生成することができる。このステップに続き、樹脂組成物のpHが約2〜約4.5になるように、ポリマー組成物のpHを調整することができる。あるいは、樹脂のpHは、約2.2〜約4.2、約2.5〜約4、または約2.7〜約3.7であってもよい。別の実施例では、ポリマー組成物のpHは、約25℃の温度で測定した場合、約2、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7の低いpHから、約3、約3.2、約3.4、約3.6、約2.8、約4、約4.2、約4.5の高いpHまで調節可能である。このpH調整ステップはまた、その後、組成物の固形分を約10%〜約50%に調整して増強樹脂を形成するステップが続いてもよい。あるいは、組成物の固形分を約15%〜約40%または約20%〜約30%に調整して増強樹脂を形成することができる。別の実施例では、増強樹脂は、約25%の固形分を有することができる。
得られた増強樹脂は、従来の樹脂のものを超えて向上された電荷密度を有することができる。例えば、増強樹脂は、約2〜約4mEq/g(固形物)の電荷密度を有することができる。あるいは、増強樹脂は、約2.25〜約3.5mEq/g(固形物)、約2.3〜約3.35mEq/g(固形物)、約2.4〜約3.2mEq/g(固形物)、または約2.5〜約3.0mEq/g(固形物)の電荷密度を有することができる。
得られた増強樹脂はまた、「Azet」により略記する、約0.4〜約2.3の増強樹脂中のアゼチジニウムイオンのアミン残基に対する比を有することができる。Azet比はまた、約0.5〜約1.9、約0.6〜約1.6、または約0.7〜約1.3であり得る。別の実施例では、樹脂中のアゼチジニウムイオンの二級アミン部分に対する比は、約0.4〜約1であり得る。Azet比は、アゼチジニウムのメチレン炭素を主鎖中の酸残基のメチレンに対して比較することにより、定量的13C NMRによって測定することができる。
別の実施例では、増強樹脂は、約0.02×10〜約3.0×10のMw分子量を有することができる。あるいは、樹脂は、約0.05×10〜約2.5×10、約0.1×10〜約2.0×10、約0.5×10〜約1.5×10、または約1×10〜約1.0×10のMw分子量を有することができる。別の実施例では、樹脂は、約0.05×10〜約1.7×10のMw分子量を有することができる。Mw分子量はまた、約0.6×10〜約1.6×10、約0.7×10〜約1.5×10、約0.8×10〜約1.3×10、または約0.9×10〜約1.1×10とすることができる。
増強樹脂は、約1,600〜約3,800の、Azet比、または(重合度)×(Azet)を掛けた重合度の倍数として定義されるアゼチジニウム当量を有することができる。あるいは、アゼチジニウム当量は、約1,800〜約3,500、または約2,000〜約2,900とすることができる。
増強樹脂はまた、開示された特性の様々な組み合わせを有することができる。例えば、増強樹脂は、電荷密度、Azet比、Mw分子量、アゼチジニウム当量、1,3−DCP含有量、環化されてアゼチジニウムイオンを形成するハロヒドリン基などの開示された特性の少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、または少なくとも5つを示すか、または有することができる。例えば、増強樹脂は、以下の特徴:(a)約2.25〜約3.5mEq/g(固形物)の電荷密度、(b)増強樹脂中のアミド残基に対してアゼチジニウムイオンの比が約0.7〜約0.9であること、(c)約0.05×10〜約1.5×10のMw分子量、(d)約1,800〜約3,500のアゼチジニウム当量、及び(e)固形物含量が約25%である場合の約10,000ppm未満の1,3−ジクロロ−2−プロパノール(1,3−DCP)含量のうちの少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、または5つ全てを示すか、または有することができる。
従来の湿潤紙力増強樹脂系との比較
従来の湿潤紙力増強樹脂調製物について記載したように、この従来の方法における3つの主要反応、すなわち、ペンダントクロロヒドリン形成(開環)、アゼチジニウムイオン基への環化(カチオン化)、及び架橋(分子間アルキル化)の相対速度は、室温で行われるとき、それぞれ、およそ140:4:1である。したがって、ペンダントクロロヒドリン基は、約1:1のエプクロロヒドリンの二級アミンに対するモル比を用いて、エピクロロヒドリンエポキシド及びプレポリマー中の二級アミンの開環反応から非常に迅速に形成される。次いで、クロロヒドリン基は、比較的ゆっくりと環化してカチオン性アゼチジニウム基を形成する。架橋は、例えば1)アゼチジニウム部分と反応するクロロヒドリンペンダント基の三級アミン、及び/または2)三級アミンとペンダントクロロヒドリン部分との分子間アルキル化によって、更によりゆっくりと起こる。したがって、反応スキームにおける架橋段階では、実質的には、二級アミン基は残っていない。架橋は、分子量の増加をもたらし、これは樹脂粘度の上昇という形で現れる。
最小の反応サイクル時間のための実用性を維持するために、製造プロセスは、高温高濃度の条件下で実行することができ、ここで、分子内環化と架橋との間の反応速度が競合するようになる。したがって、従来の製造プロセスで遭遇する1つの問題は、アゼチジニウムイオン基形成を犠牲にして所望の粘度終端点(分子量)を得るのに、架橋反応速度が十分に速くなることである。仮に高レベルのアゼチジニウム基を生成するために反応を所望の粘度終端点を超えて続けさせるとすれば、反応混合物はゲル化して固形物塊を形成してしまうであろう。
高アゼチジニウム基含有量及び高分子量の両方がPAE樹脂の最大湿潤強さ効率に有用であるので、アゼチジニウム基の形成及び架橋は、望ましくは、製品をゲル化することなく、または貯蔵中にゲル化する生成物をもたらすことなく、最大化される。これらの条件は、出荷コストを最小限に抑えるために高い固形分の欲求と相まって、より高効率の湿潤紙力増強樹脂製品の形成の態様を制限してきた。
これとは対照的に、本明細書で論議かつ記載した増強樹脂及びプロセスは、より高いアゼチジニウムイオン含量、追加の反応性官能化度、増加した分子量、非常に良好な貯蔵安定性をもたらすことにより、この問題に少なくとも部分的に対処する。増強樹脂は、紙、板紙、ティッシュ及びタオル用途に使用される場合、現在の技術よりも改善された湿潤引張現像をもたらす。
湿潤紙力増強樹脂特性と標準的な市販の湿潤紙力増強樹脂との比較は、実施例及び表にもたらされる。この開示に従って調製された樹脂の湿潤紙力増強樹脂特性を試験し、AMRES(登録商標)シリーズ(Georgia−Pacific)樹脂及びKYMENE(登録商標)(Ashland)樹脂を含む標準的な市販の湿潤紙力増強樹脂製品と比較した。以下の表では、樹脂自体の特性及び湿潤強さを付与するための樹脂の性能の両方を比較する。データは、従来の樹脂と比較して、開示された樹脂中には増加した電荷密度、アミド残基に対してアゼチジニウムイオンの割合がより高いこと、より高い分子量、より大きなアゼチジニウム当量、及び、観察された混入副生成物が低いことのような樹脂特性の有意な改善を示している(表1)。
別の態様によれば、紙の湿潤強さを強化するための増強樹脂がもたらされる。樹脂または樹脂組成物を調製する方法は、ポリアミンを対称型架橋剤と反応させて部分的に架橋したポリアミンを生成することを含み得る。エピハロヒドリンを部分架橋ポリアミンに添加して、ハロヒドリン官能化ポリマーを生成することができる。ハロヒドリン官能化ポリマーを環化して、アゼチジニウム部分を有する樹脂を形成することができる。
ポリアミン(ポリアミンプレポリマー)がポリアミドアミンプレポリマーから選択される場合、本開示の更なる態様は、紙の強度、例えば湿潤強さを向上させるための樹脂をもたらし、ここで、樹脂は、機能性対称型架橋剤から誘導される架橋部分で架橋され、アゼチジニウムイオンを有するポリアミドアミンポリマーを含む。樹脂または樹脂組成物を調製する方法は、二級アミン基を有するポリアミドアミン(PAA)プレポリマーを、二級アミン反応性部分を有する対称型架橋剤の不足物と反応させ、ポリアミドアミンプレポリマー中に存在する二級アミン基の一部、例えば大部分を保持する部分的に架橋したポリアミドアミンプレポリマーをもたらすことを含み得る。必要に応じて、ポリアミドアミンプレポリマーは、対称型架橋剤との反応前、反応中または反応後に1つの二級アミン反応性部分を含み得る単官能性改変剤の不足物と反応させることができる。部分的に架橋したポリアミドアミンプレポリマーをエピハロヒドリンと反応させて、ハロヒドリン官能化ポリマーを得ることができる。樹脂組成物は、ハロヒドリン官能化ポリマーをハロヒドリン基の少なくとも一部を環化させてアゼチジニウムイオンを形成するために十分な条件に付すことによって形成することができる。
増強樹脂で強化された任意の紙も、本開示の一態様であり、本明細書にもたらされる。更に、湿潤強さを付与するために紙を処理する工程は、紙を製造するために使用される繊維を乾燥樹脂固形物で処理することを含むことができ、ここで、樹脂は本開示における任意の樹脂である。例えば、この工程は、カチオン性熱硬化性樹脂または樹脂組成物の繊維の乾燥重量を基準にして約0.05重量%〜約2重量%の乾燥樹脂固形分を有する紙を製造するために使用される繊維を処理することを含むことができ、本開示に従って樹脂組成物が製造される。湿潤強さを付与するために紙を処理する方法は、カチオン性熱硬化性樹脂組成物の繊維の乾燥重量を基準にして約0.01重量%〜約2重量%の乾燥樹脂固形物を有する紙を製造するために使用される繊維を処理することを含み得る。あるいは、この工程は、繊維の乾燥重量を基準にして約0.05重量%〜約1.8重量%、約0.075重量%〜約1.6重量%、または約0.1重量%〜約1.5重量%の乾燥樹脂固形分を用いることができる。繊維はパルプ繊維とすることができる。
本明細書に開示された各樹脂組成物の特性は、他の特性とは独立して詳細に説明されているが、いかなる樹脂組成物の特性も、開示された樹脂中の任意の他の樹脂特性または特性群と共に生じ得ることが意図される。例えば、限定するものではないが、本明細書の特性の開示は、以下の特性の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、または少なくとも5つを有することができる組成物を包含する。a)約1.0〜約4.0mEq/g(固形物)の電荷密度、b)樹脂中のアミド残基に対してアゼチジニウムイオンの比が約0.5〜約0.9であること、c)約0.05×10〜約3.0×10の分子量、d)約1,800〜約3,500のアゼチジニウム当量、及びe)固形物含量が約25%である場合の約10,000ppm未満の1,3−ジクロロ−2−プロパノール(1,3−DCP)含量である。
本明細書で使用される用語をより明確に定義するために、以下の定義がもたらされ、これは、例えば、化学原子価の従来の規則に従わないことにより、その定義が適用されている請求が不明確または有効にならない限り、特に明記しない限り、本開示に適用可能である。本明細書中で使用されているが、本明細書で特に定義されていない用語の場合、その定義が本明細書で適用される他の開示、または定義と矛盾しない、もしくはその定義が適用される任意の請求項を不明確または不可能にしない限り、IUPAC Compendium of Chemical Terminology,2nd Ed(1997)の定義を適用することができる。本明細書中に参考として組み込まれる任意の文書によってもたらされる任意の定義または使用が、本明細書で提供される定義または使用と矛盾する限り、本明細書でもたらされる定義または使用を優先する。
組成物及び方法は、様々な構成要素またはステップを「comprising(含む)」という用語で記載されているが、組成物及び方法は、様々な成分またはステップ「から本質的になる」または「からなる」こともできる。
特に指定しない限り、炭素原子の数が特定されていない任意の炭素含有基は、適切な化学的慣行に従って、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30個の炭素原子、またはこれらの値の間の任意の範囲または範囲の組み合わせを有することができる。例えば、他に指定しない限り、任意の炭素含有基は、1〜30個の炭素原子、1〜25個の炭素原子、1〜20個の炭素原子、1〜15個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、または1〜5個の炭素原子などを有することができる。更に、特定の置換基の不在の存在は、特定の位置化学及び/もしくは立体化学、あるいは分岐した基礎構造または主鎖の存在もしくは不在を示すために、他の識別子または限定的な用語を利用されてもよい。
基を説明するために使用される場合、例えば、特定の基の置換類似体を指す場合、「置換された」という用語は、その基の水素を形式的に置き換える任意の非水素部分を説明することが意図され、また非限定的であることが意図される。しかしながら、出願人は、例えば、出願人が認知し得ない先行開示を説明するために任意の請求項の範囲を限定するために、いかなる基も条件付けする権利を留保する。基または基はまた、本明細書では「非置換の」、または非水素部分がその基の中の水素を置換しない元の基を指す「非置換の」のような等価な用語によって言及されてもよい。「置換された」とは、非限定的であり、また、特定の、及び当業者には理解されるような無機置換基または有機置換基を含むことを意図する。
本明細書で使用される「アルキル基」という用語は、アルカンから1個以上の水素原子を(特定の基に対して必要に応じて)除去することにより形成される基を指す、一般的な用語である。したがって、「アルキル基」は、アルカンから水素原子を形式的に除去することによって形成される一価の基という、IUPACによって規定される定義を含み、また、化学原子価の通常の規則が適用されている限り、文脈が必要とするか、または許容する場合、例えば、アルカンから2個の水素原子(1個の炭素原子からの2個の水素原子、または2個の異なる炭素原子からの1個の水素原子のいずれか)を形式的に除去することによって形成される「アルカンジイル基」も含む。アルキル基は、特に明記しない限り、置換基または非置換基であってもよく、非環式または環式基であってもよく、及び/または直鎖または分枝鎖であってもよい。
本明細書で使用される「シクロアルキル基」という用語は、シクロアルカンから1個以上の水素原子を(特定の基に対して必要に応じて)除去することにより形成される基を指す一般的な用語である。したがって、「シクロアルキル基」には、シクロアルカンから水素原子を形式的に除去することによって形成される一価の基という、IUPACによって規定される定義を含み、また、化学原子価の通常の規則が適用されている限り、文脈が必要とするか、または許容する場合、アルカンから2個の水素原子(1個の炭素原子からの2個の水素原子、または2つの異なる炭素原子からの1個の水素原子のいずれか)を形式的に除去することによって形成される「シクロアルカンジイル基」も含む。アルキル基は、特に明記しない限り、置換基または非置換基とすることができ、非環式または環式基とすることができ、及び/または直鎖または分枝鎖であってもよい。2つの水素がシクロアルカンから形式的に除去されて「シクロアルキル」基を形成する場合、2個の水素原子は、同じ環炭素、2つの異なる環炭素、または1つの環炭素及び環炭素ではない1個の炭素原子から形式的に除去することができる。
「アリール基」とは、芳香族化合物、具体的にはアレーンから、1個以上の水素原子を(特定の基に対して必要に応じて、少なくとも1つが芳香族環炭素原子である)除去することによって形成される基を指す。したがって、「アリール基」には、アレーンから水素原子を形式的に除去することにより形成される一価の基が含まれ、例えば、アレーンからの2個の水素原子(少なくとも1個が芳香族炭化水素環炭素からである)を正式に除去することから生じる「アレーンジイル基」も含む。したがって、芳香族化合物は、ヒュッケル(4n+2)規則に従う、(4n+2)個のπ電子を含む環状共役炭化水素を含有する化合物であり、ここで、nは1〜約5の整数である。したがって、芳香族化合物、したがって「アリール基」は、特に明記しない限り、単環式または多環式であってもよい。
「ヘテロアリール基」は、ヘテロ芳香族化合物からの1個以上の水素原子を(特定の基に対して必要に応じて、少なくとも1つが芳香族環炭素またはヘテロ原子である)除去することによって形成される基を指す。したがって、1個以上の水素原子は、環炭素原子から、及び/または複素芳香族環または環系ヘテロ原子から除去することができる。したがって、「ヘテロアリール」基または部分は、少なくとも1つがヘテロアレーン環または環系炭素原子であり得るヘテロアレーン化合物から2個の水素原子を形式的に除去することによって生じる「ヘテロアレーンジイル基」を含む。したがって、「ヘテロアレーンジイル基」において、ヘテロアレーン環または環系炭素原子から少なくとも1個の水素が除去され、他方の水素原子は、例えば、ヘテロアレーン環または環系炭素原子、または非ヘテロアレーン環または環系原子を含む他の任意の炭素原子から除去することができる。
「アミド」基または部分は、有機アミド化合物を含むアミド化合物から1個以上の水素原子を(特定の基に対して必要に応じて)除去することによって形成される基を指す。したがって、1個以上の水素原子は、カルボキシル基炭素から、アミド窒素から、カルボキシル基の炭素またはアミド窒素のいずれかに結合した任意の有機部分から、またはカルボキシル基炭素に結合した有機部分及びアミド窒素に結合した有機部分から除去することができる。多くの場合、例えば、アミド基がポリアミン中のアミンに結合する場合、「アミド」基または部分は、一方がカルボキシル基に結合し、他方がアミド窒素に結合している2つの有機基の各々から水素原子を形式的に除去することから生じる。この用語は、アミドまたは脂肪族または芳香族の有機基にかかわらず、任意のアミド部分に使用することができる。
これらの基のいずれかの様々な置換類似体または形式誘導体の使用もまた開示され得、この場合、特に断りのない限り、類似体または形式誘導体は、置換基の数または特定の位置化学に限定されない。例えば、「ヒドロキシアルキル」という用語は、ヒドロキシ置換アルカンのアルキル部分から1個以上の水素原子を(特定の基に対して必要に応じて)形式的に除去することによって形成される基を指す。ヒドロキシ置換アルカンは、1つ以上のヒドロキシ置換基を含むことができる。したがって、「ヒドロキシアルキル」基は、化学的原子価の通常の規則が適用される限り、例えば、文脈が必要とするか、または許容する場合、「ヒドロキシアルキル」アルカンから2個の水素原子を(1個の炭素原子から2個の水素原子または2つの異なる炭素原子から1個の水素原子のいずれか)形式的に除去することによって形成されるヒドロキシ置換「アルカンジイル」基を含む。アルキル基について示したように、アルキル基は、特に指定しない限り置換または非置換基であってもよく、非環式または環式基であってもよく、及び/または直鎖状または分枝状であってもよい。
アジピン酸とエピクロロヒドリンを有するDETAとを用いる標準PAE湿潤紙力増強樹脂の合成をスキーム1に示す。対称型架橋剤であるメチレンビスアクリルアミド(MBA)を用いた、本明細書で論議する1つ以上の実施形態による樹脂をスキーム2に示す。
Figure 2018517836
Figure 2018517836
湿潤紙力増強樹脂におけるアゼチジニウム比(Azet比)の13C NMRによる決定
アゼチジニウム比、または「Azet」比は、アゼチジニウムイオンを含有するポリマーセグメントのポリマーセグメントの総数に対する比である。単一のポリマーセグメントは、以下に示した、1つの二酸分子(例えば、アジピン酸)及び1つのトリアミン分子(例えば、ジエチレントリアミンまたはDETA)に由来する縮合部分によって定義される。
Figure 2018517836
アゼチジニウムイオン比は、22.5秒の緩和時間、15000Hz(240ppm)のスペクトル幅、及び320から1024までのスキャンを用いる定量的(逆ゲート異種核デカップリング)13C NMR分光法によって決定される。測定を、ポリマーのアゼチジニウムイオンにおけるメチレンピーク及びアジピン酸部分の内部炭素の積分によって行った。アジピン酸部分は、ポリマーセグメントの総数に割り当てられる。したがって、ポリマーがアジピン酸を用いて調製されるとき、アゼチジニウム比は、式:
アゼチジニウムイオン比(Azet比)=A(azet)/A(adip)
により決定され、式中、
A(azet)は、アゼチジニウムイオンからのメチレンの積分面積であり、A(adip)は、アジピン酸部分(総ポリマーセグメント)からのメチレンの積分面積である。この方法は、本明細書に開示されるいかなる樹脂にも適合され得る。したがって、アジピン酸系ポリマーについては、74ppmにおけるアゼチジニウムイオンピーク及び25ppmにおける主鎖メチレンピークの両方が積分され、25ppmにおけるメチレンピークが1に正規化された。グルタル酸系ポリマーについては、74ppmにおけるアゼチジニウムイオンピーク及び22ppmにおける主鎖メチレンピークの両方が積分され、22ppmにおけるメチレンピークが1に正規化された。
湿潤紙力増強樹脂の電荷密度
約10%〜約50%の典型的不揮発分を有するカチオン性ポリアミドアミン−エピクロロヒドリン(PAE)湿潤紙力増強樹脂の電荷密度を、以下のように、Mutek(Muetek) PCD−03粒子電荷検出器及び滴定装置を用いて測定した。電荷密度は、ポリビニル硫酸(PVSK)のポリアニオン性溶液での滴定によるポリカチオン性樹脂の希溶液の流動電流電位を測定することによって決定した。PAE樹脂の不揮発分は予め決定されており、固形物1グラム当たりのミリ当量(+)(meq+/g)での電荷密度が報告される。
ファン・デル・ワールス力の作用下では、ポリカチオン性樹脂は、テストセル及びその振動変位ピストンの表面で吸着されることが好ましく、対イオンの拡散雲が壊されると、テストセル内の液体流によるカチオン性コロイド、いわゆる流動電流が誘導される。テストセル壁内の電極は、この流動電流を測定する。PAE樹脂は、PAE樹脂がゼロ電荷の点に達するまで、PVSKで滴定され、元々の樹脂電荷が、滴定液の消費から計算される。流動電流は、以下のように、固形樹脂1グラム当たりのカチオン正電荷のミリ当量(meq+/グラム)を計算するために使用される。
Figure 2018517836
シートの調製
手すき紙作業で使用されるパルプ原料は、表2、表3、及び表4に示すように、各試験について特有である。樹脂を、表で示したlb/トン(ton)(パルプ固形物)で、それぞれの表で示した希釈された原料濃度(濃原料%)で添加し、2分間混合させた。処理された原料を、すぐに、pHが予め調整された水(7.0のpH)を入れたNoble & Wood手すき製紙機のヘッドボックス中に注いだ。目標のシート坪量は、30lb/3000ftであった。各湿潤シートを、全負荷湿潤プレスを2回通過するよう提供し、次いで、105℃のドラム乾燥機上に、ブロッタなしで1分間配置した。手すき紙の全てのセットを、強制対流オーブン内で、105℃において10分間更に硬化させた。手すき紙試料を、試験の前に、恒湿で(50%)かつ恒温で(73°F)24時間引き続きとどめた。
引張測定
乾燥引張及び湿潤引張(試験片23.0±0.2℃で蒸留水中に浸漬した試験片)を試験し、改善された紙の乾燥及び湿潤引張強さ性能を測定した。乾燥及び湿潤引張は、湿潤及び乾燥裂断長(湿潤BL及び乾燥BL)に対して、kM/mで報告される。乾燥引張測定法は、TAPPI試験法T494 om−01(施行日2001年9月5日)を指す。湿潤引張測定法は、TAPPI試験法T456 om−03(施行日2003年5月13日)を指す。
湿潤/乾燥引張%(W/D引張%)
湿潤/乾燥引張%は、湿潤吹張の乾燥引張に対する割合として測定され、すなわち、W/D BL(裂断長)%は、(湿潤引張裂断長)/(乾燥引張裂断長)×100である。
湿潤及び乾燥引裂
乾燥引裂測定法は、TAPPI試験法T414−om−04(2004年5月3日の発行の施行日)を指す。湿潤引裂測定値は、TAPPI試験法T414−om−04(2004年5月3日の発行の施行日)により決定した。
以下の実施例は、本開示及び請求項の様々な実施形態を例証するために提供される。別段の定めがない限り、試薬は、商業的供給源から得た。以下の分析法は、樹脂を特性評価するために使用した。
実施例1.ポリアミドアミンプレポリマーIの調製
5首頂部を備えるガラス反応器にステンレス鋼攪拌軸、還流冷却器、温度プローブ、及び熱油浴を装備した。反応器に、500.5グラムのDETA(ジエチレントリアミン)を添加した。攪拌器を作動させて、730グラムのアジピン酸を、攪拌しながら45分間にわたって反応器にゆっくりと添加した。反応温度は、アジピン酸の添加中に、25℃から145℃まで上昇した。アジピン酸の添加が完了後、反応器を160℃に加熱した油浴中に浸漬させた。150℃において、反応混合物の還流を開始した。還流冷却器を蒸留用に再構成し、蒸留物を別個の受容器に回収した。反応混合物を30分の間隔でサンプリングした。各試料を、45%の固形分まで水で希釈し、粘度をブロックフィールド粘度計で測定した。試料が290cPに達したとき、蒸留冷却器を還流用に再構成した。水を還流冷却器を通して反応混合物にゆっくりと添加し、反応物を希釈し、冷却した。水を添加して、45%の最終固形分を得た。粘度は290cPであった。
実施例2.ポリアミドアミンプレポリマーIIの調製
5首頂部を備えるガラス反応器にステンレス鋼攪拌軸、還流冷却器、温度プローブ、及び熱油浴を装備した。反応器に、1574.5グラムのDBE−5(グルタル酸ジメチルエステル、または二塩基酸エステル)を添加した。攪拌器を作動させて、1038.9グラムのDETAを攪拌しながら反応器に添加した。反応器を100℃に加熱した油浴中に浸漬させた。90℃において、反応混合物の還流を開始した。還流冷却器を蒸留用に再構成し、蒸留物を別個の受容器に回収した。反応混合物を30分の間隔でサンプリングした。各試料を、45%の固形分まで水で希釈し、粘度をブロックフィールド粘度計で測定した。試料が220cPに達したとき、蒸留冷却器を還流用に再構成した。水を還流冷却器を通して反応混合物にゆっくりと添加し、反応物を希釈し、冷却した。水を添加して、45%の最終固形分を得た。粘度は220cPであった。
実施例3.湿潤紙力増強樹脂の調製
ステップ1.5首頂部を備えるガラス反応器に、ガラス攪拌軸ならびにテフロン(登録商標)パドル、等圧付加漏斗、温度ならびにpHプローブ、ステンレス鋼冷却コイル、試料採取弁、及び加熱マントルを装備した。この反応器に、445.64グラムのポリアミドアミンプレポリマーII(実施例2からのもの)を添加した。水5.25グラムを添加し、攪拌器を始動させた。反応混合物を35℃に加熱し、2.028グラムのN,N−メチレン−ビス−アクリルアミド(Pfaltz & Bauer,Inc.)を添加した。反応混合物を60℃に加熱し、この温度で4時間保持した。反応混合物の粘度は、384cPに上昇した(Brookfield−SSA)。中間体(部分的に架橋された)プレポリマー混合物を、以下のステップ2においてそのまま利用した。
ステップ2.ステップ1からの中間体プレポリマー混合物の反応温度を25℃に調整し、88.46グラムの水を添加した。次いで、反応温度を21℃に調整し、121.21グラムのエピクロロヒドリンを、75分間にわたって添加した。この反応混合物を、25℃まで45分間にわたって温めて、446.27グラムの水を添加した。この反応混合物を45℃まで加熱し、2時間後に、55℃まで加熱した。約4時間後に、ギ酸及び硫酸の混合物を添加して、pHを2.87まで調整した。(一般に、pHは、任意の有機酸、鉱酸、またはこれらの組み合わせ、例えば、酢酸、ギ酸、塩酸、リン酸、硫酸、またはこれらの任意の組み合わせを用いて調整することができる。)反応混合物を、次いで25℃まで冷却し、水を添加して、固形分を25.0%に調整した。得られた湿潤紙力増強樹脂の粘度は、187cPであった。
実施例4.湿潤紙力増強樹脂の調製
ステップ1.5首頂部を備えるガラス反応器に、ガラス攪拌軸ならびにテフロンパドル、等圧付加漏斗、温度ならびにpHプローブ、ステンレス鋼冷却コイル、試料採取弁、及び加熱マントルを装備した。この反応器に、1000.00グラムのポリアミドアミンプレポリマーI(実施例1からのもの)を添加した。攪拌器を始動させて、プレポリマーを40℃に加熱した。反応混合物を60℃に加熱しながら、N,N−メチレン−ビス−アクリルアミド15.16グラム(Pfaltz & Bauer,Inc.)をゆっくりと添加した。次いで、反応混合物を60℃で約2時間保持したところ、粘度は4,630cPに上昇し(Brookfield−SSA)、この時点で粘度の上昇を停止させた。反応物を25℃まで冷却させた。中間体(部分的に架橋された)プレポリマーを単離し、保存した。
ステップ2.ステップ1で記載されたように構成された反応器に、366.04グラムの上記ステップ1からの中間体(部分的に架橋された)プレポリマーを添加した。反応温度を25℃に調整し、120.13グラムの水を添加した。反応混合物の粘度は、837cPであった。中間体の部分的に架橋されたプレポリマーに、77.89グラムのエピクロロヒドリンを25℃で90分間にわたって添加した。428.19グラムの水を反応混合物に添加した。反応物を、13C NMR分析用に一定時間ごとにサンプリングしながら、25℃で18時間保持した。この間、反応物の粘度は、18cPから319cPまで上昇した(Brookfield−SSA)。この反応物を濃硫酸で処理して、pHを2.94まで調整した。反応混合物を25.0%の固形分まで調整し、この粘度は335cPであった。
実施例5.湿潤紙力増強樹脂の調製
ステップ1.5首頂部を備えるガラス反応器に、ガラス攪拌軸ならびにテフロンパドル、等圧付加漏斗、温度ならびにpHプローブ、ステンレス鋼冷却コイル、試料採取弁、及び加熱マントルを装備した。この反応器に、449.10グラムのポリアミドアミンプレポリマーII(実施例2からのもの)を添加した。攪拌器を始動させて、反応混合物を30℃に加熱し、6.92グラムのポリ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル(Polystar)を1時間にわたって添加した。次いで、反応混合物を30℃で1時間保持し、その後、60℃に加熱し、この時点で粘度は、416cPであった。反応混合物を60℃で約4時間加熱したところ、粘度は542cPまで上昇した(Brookfield−SSA)。中間体の架橋結合されたプレポリマーを、次に続くステップ2でそのまま利用した。
ステップ2.ステップ1からの中間体プレポリマー混合物の反応温度を25℃に調整し、80.10グラムの水を添加した。反応器に、118.79グラムのエピクロロヒドリンを、75分間にわたって添加した。反応物を、30℃まで45分間にわたって温めて、431.35グラムの水を添加した。反応物を45℃まで45分間にわたって加熱し、2時間後に、50℃まで加熱した。約3.5時間後に、反応物の粘度は、約320cP(Gardner−Holdt気泡管)であって、その後、ギ酸及び硫酸の混合物を添加して、pHを3.00まで調整した。反応混合物を、25℃まで冷却し、水を添加して、固形分を25.0%に調整した。得られた湿潤紙力増強樹脂の粘度は、219cPであった。
実施例6.手すき紙の作製
湿潤紙力増強樹脂の性能の標準的な市販の湿潤紙力増強樹脂との比較を、実施例及びデータ表に提供する。各データ表は、比較で使用された製紙原料を示し、製紙原料の濾水度(CSF)が報告されている。樹脂は、示された割合(ポンドの樹脂/パルプ固形物のトン)で濃い製紙原料に添加し、2分間混合させた。処理された製紙原料を、pHを予め調整した水が入っているNoble & Wood手すき紙装置のヘッドボックスにすぐに注いだ。
目標のシート坪量を、データの各セットでlb/ftで示す。各湿潤シートを、全負荷湿潤プレスを2回通過するよう提供し、次いで、105℃のドラム乾燥機上に、ブロッタなしで1分間配置した。手すき紙の全てのセットを、強制対流オーブン内で、105℃において10分間更に硬化させた。手すき紙試料を、試験の前に、恒湿で(50%)かつ恒温で(73°F)24時間引き続きとどめた。任意の追加の条件を表中に報告する。手すき紙試料を、試験の前に、恒湿で(50%)かつ恒温で(73°F)24時間引き続きとどめた。
組成物樹脂を、各データ表で示されたパルプ固形物の割合(lb/トン)で、濃い製紙原料に添加し(表を参照)、2分間混合させた。処理された製紙原料を、pHを予め調整した(7.0のpH)水が入っているNoble & Wood手すき紙装置のヘッドボックスにすぐに注いだ。目標のシート坪量を、各表に示す。各湿潤シートを、全負荷湿潤プレスを2回通過するよう提供し、次いで、105℃のドラム乾燥機上に、ブロッタなしで1分間配置した。手すき紙の全てのセットを、強制対流オーブン内で、105℃において3分間更に硬化させた。手すき紙試料を、試験の前に、恒湿で(50%)かつ恒温で(73°F)24時間引き続きとどめた。
実施例7.組成物特性及び性能の評価
湿潤紙力増強樹脂の特性の標準的な市販の湿潤紙力増強樹脂との比較を、以下の表に提供する。本開示により調製された樹脂の湿潤紙力増強樹脂特性を検討し、Amres(登録商標)シリーズ(Georgia−Pacific)樹脂及びKymene(登録商標)(Ashland)樹脂を含む標準的な市販の湿潤紙力増強樹脂製品と比較した。湿潤強さを付与するための樹脂それ自体の特性及び樹脂の性能の両方が、以下の表で比較されている。
表1は、本開示に従って調製された湿潤紙力増強樹脂が、市販の樹脂と比べると、特性における有意な改善を示すことを例証している。例えば、匹敵する固形分で、実施例3の樹脂は、従来の樹脂と比べると、有意に高い電荷密度、アゼチジニウムイオンのアミド残基に対する比率、分子量、アゼチジニウム当量、及び他の特性を有する。更に、得られた樹脂中の望ましくない1,3−ジクロロ2−プロパノール(1,3−DCP)含量は実質的に低減される。
Figure 2018517836
表2は、本開示に従って調製された樹脂で処理されるときの、高級厚地タオルの湿潤裂断長における改善を例証する。従来の樹脂を使用して得られた同じ特性の比較と共に、異なる施用量で測定されたデータが提供されている。特性における実質的な改善が、本開示のように調製された樹脂を使用して観察されている。
Figure 2018517836
表3は、同様に、異なる施用量(パルプ固形物の1トン当たり5、10、及び15lbの組成物樹脂)で、本開示による樹脂により処理された再生厚地タオルの湿潤裂断長における改善を例証する。従来の樹脂を使用して得られた同じ特性の比較が提供されている。どの場合においても、開示された湿潤紙力増強樹脂を使用する性能における実質的な改善が例証されている。
Figure 2018517836
同様に、表4は、より従来型の樹脂材料と比較しての異なる施用量(パルプ固形物の1トン当たり4、6、及び8lbの組成物樹脂)での無漂白SWクラフトの裂断長の湿潤引張における改善及び湿潤/乾燥引張率を例証する。どの場合においても、開示された湿潤紙力増強樹脂を使用する性能における実質的な改善が観察されている。湿潤引裂も報告されており、表示された樹脂を用いて測定され、重ねて、どの施用量においても、開示された湿潤紙力増強樹脂を使用する性能における改善が例証されている。
Figure 2018517836
本開示の実施形態は、以下の項目のうちのいずれか1つ以上に更に関する。
1.樹脂を調製するためのプロセスであって、a)ポリアミンを対称型架橋剤と反応させて、部分的に架橋されたポリアミンを生成するステップと、b)エピハロヒドリンを部分的に架橋されたポリアミンに添加して、ハロヒドリン官能化ポリマーを生成するステップと、c)ハロヒドリン官能化ポリマーを環化して、アゼチジニウム部分を有する樹脂を形成するステップと、を含む、プロセス。
2.ポリアミンが、下記構造
Figure 2018517836
を有し、
式中、Rが、アルキル、ヒドロキシアルキル、アミン、アミド、アリール、ヘテロアリール、またはシクロアルキルであり、wが、1〜約10,000の整数である、第1項に記載のプロセス。
3.ポリアミンが、約2,000〜約1,000,000の分子量を有する、第1項に記載のプロセス。
4.ポリアミンが、約10,000〜約200,000の分子量を有する、第3項に記載のプロセス。
5.対称型架橋剤が、ジアクリレート、ビス(アクリルアミド)、ジエポキシド、及びポリアゼチジニウム化合物から選択される、第1項に記載のプロセス。
6.対称型架橋剤が、
Figure 2018517836
式中、Rが(CHであり、tが1、2、または3であり、
Figure 2018517836
式中、xが、1〜約100であり、
Figure 2018517836
式中、yが、1〜約100であり、
Figure 2018517836
式中、x’+y’が、1〜約100であり、
Figure 2018517836
式中、zが、1〜約100であり、
Figure 2018517836
式中、q/p比が、約10〜約1000であり、
アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、アルケンモノマー、またはジエンモノマーのコポリマーであって、アゼチジニウム官能化モノマーが、
Figure 2018517836
及びこれらの組み合わせから選択され、
コポリマー中のアゼチジニウム官能化モノマーの、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、アルケンモノマー、またはジエンモノマーに対する分率が、約0.1%〜約12%であることを条件とするコポリマー、ならびにこれらの任意の組み合わせから選択される、第1項に記載のプロセス。
7.対称型架橋剤が、N,N’−メチレン−ビス−アクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス−メタクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル、ポリ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリアゼチジニウム化合物、及びこれらの任意の組み合わせから選択される、第1項に記載のプロセス。
8.エピハロヒドリンが、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、及びエピヨードヒドリンから選択される、第1項に記載のプロセス。
9.エピハロヒドリンが、エピクロロヒドリンである、第8項に記載のプロセス。
10.対称型架橋剤で処理する前に、処理中に、または処理後に、ポリアミンを単官能改質剤と反応させるステップを更に含む、第1項に記載のプロセス。
11.単官能改質剤が、中性もしくはカチオン性アクリレート化合物、中性もしくはカチオン性アクリルアミド化合物、アクリロニトリル化合物、モノエポキシド化合物、またはこれらの組み合わせから選択される、第10項に記載のプロセス。
12.単官能改質剤が、アクリル酸アルキル、アクリルアミド、アルキルアクリルアミド、ジアルキルアクリルアミド、アクリロニトリル、2−アルキルオキシラン、2−(アリルオキシアルキル)オキシラン、ヒドロキシアルキルアクリレート、ω−(アクリロイルオキシ)−アルキルトリメチルアンモニウム化合物、ω−(アクリルアミド)−アルキルトリメチルアンモニウム化合物、及びこれらの任意の組み合わせから選択される、第10項に記載のプロセス。
13.単官能改質剤が、アクリル酸メチル、アクリル酸アルキル、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、2−メチルオキシラン、2−エチルオキシラン、2−プロピルオキシラン、2−(アリルオキシメチル)オキシラン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアクリレート、2−(アクリロイルオキシ)−N,N,N−トリメチルエタンアミニウム、3−(アクリロイルオキシ)−N,N,N−トリメチルプロパン−1−アミニウム、2−アクリルアミド−N,N,N−トリメチルエタンアミニウム、3−アクリルアミド−N,N,N−トリメチルプロパン−1−アミニウム、及び1−イソプロピル−3−(メタクリロイルオキシ)−1−メチルアゼチジニウムクロリドのうちの少なくとも1つを含む、第10項に記載のプロセス。
14.樹脂中のアゼチジニウムイオンの二級アミン部分に対する比が、約0.4〜約1.0である、第1項に記載のプロセス。
15.1,3−ジクロロ−2−プロパノール(1,3−DCP)の濃度が、約15,000ppm未満である、第1項に記載のプロセス。
16.樹脂のpHが、酸を用いて調整される、第1項に記載のプロセス。
17.酸が、酢酸、ギ酸、塩酸、リン酸、硫酸、有機酸もしくは鉱酸、またはこれらの組み合わせである、第16項に記載のプロセス。
18.樹脂のpHが、約pH2.0〜約pH4.5に調整される、第16項に記載のプロセス。
19.樹脂の固形分が、約10%〜約50%に調整される、第1項に記載のプロセス。
20.樹脂が、約1.0〜約4.0mEq/g(固形物)の電荷密度を有する、第1項に記載のプロセス。
21.樹脂が、約0.5〜約0.9のアゼチジニウムイオンのアミド残基に対する比を有する、第1項に記載のプロセス。
22.樹脂が、約0.02×10〜約3.0×10の分子量を有する、第1項に記載のプロセス。
23.樹脂が、約1,800〜約3,500のアゼチジニウム当量を有する、第1項に記載のプロセス。
24.樹脂が、約10,000ppm未満の1,3−ジクロロ−2−プロパノール(1,3−DCP)含量を有する、第1項に記載のプロセス。
25.樹脂を含む組成物であって、樹脂が、a)ポリアミンを対称型架橋剤と反応させて、部分的に架橋されたポリアミンを生成するステップと、b)エピハロヒドリンを部分的に架橋されたポリアミンに添加して、ハロヒドリン官能化ポリマーを生成するステップと、c)ハロヒドリン官能化ポリマーを環化して、アゼチジニウム部分を有する樹脂を形成するステップとを含むプロセスによって調製される、組成物。
26.ポリアミンが、下記構造
Figure 2018517836
を有し、
式中、Rが、アルキル、ヒドロキシアルキル、アミン、アミド、アリール、ヘテロアリール、またはシクロアルキルであり、wが、1〜約10,000の整数である、第25項に記載の組成物。
27.ポリアミンが、約2,000〜約1,000,000の分子量を有する、第25項に記載の組成物
28.ポリアミンが、約10,000〜約200,000の分子量を有する、第27項に記載の組成物。
29.対称型架橋剤が、ジアクリレート、ビス(アクリルアミド)、ジエポキシド、及びポリアゼチジニウム化合物から選択される、第25項に記載の組成物。
30.対称型架橋剤が、
Figure 2018517836
式中、Rが(CHであり、tが1、2、または3であり、
Figure 2018517836
式中、xが、1〜約100であり、
Figure 2018517836
式中、yが、1〜約100であり、
Figure 2018517836
式中、x’+y’が、1〜約100であり、
Figure 2018517836
式中、zが、1〜約100であり、
Figure 2018517836
式中、q/p比が、約10〜約1000であり、
アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、アルケンモノマー、またはジエンモノマーのコポリマーであって、アゼチジニウム官能化モノマーが、
Figure 2018517836
及びこれらの組み合わせから選択され、
コポリマー中のアゼチジニウム官能化モノマーの、アクリレートモノマー、メタクリレートモノマー、アルケンモノマー、またはジエンモノマーに対する分率が、約0.1%〜約12%であることを条件とするコポリマー、ならびにこれらの任意の組み合わせから選択される、第25項に記載の組成物。
31.対称型架橋剤が、N,N’−メチレン−ビス−アクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス−メタクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル、ポリ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリアゼチジニウム化合物、及びこれらの任意の組み合わせから選択される、第25項に記載の組成物。
32.エピハロヒドリンが、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、及びエピヨードヒドリンから選択される、第25項に記載の組成物。
33.エピハロヒドリンが、エピクロロヒドリンである、第32項に記載の組成物。
34.プロセスが、対称型架橋剤で処理する前に、処理中に、または処理後に、ポリアミンを単官能改質剤と反応させるステップを更に含む、第25項に記載の組成物。
35.単官能改質剤が、中性もしくはカチオン性アクリレート化合物、中性もしくはカチオン性アクリルアミド化合物、アクリロニトリル化合物、モノエポキシド化合物、またはこれらの組み合わせから選択される、第34項に記載の組成物。
36.単官能改質剤が、アクリル酸アルキル、アクリルアミド、アルキルアクリルアミド、ジアルキルアクリルアミド、アクリロニトリル、2−アルキルオキシラン、2−(アリルオキシアルキル)オキシラン、ヒドロキシアルキルアクリレート、ω−(アクリロイルオキシ)−アルキルトリメチルアンモニウム化合物、ω−(アクリルアミド)−アルキルトリメチルアンモニウム化合物、及びこれらの任意の組み合わせから選択される、第34項に記載の組成物。
37.単官能改質剤が、アクリル酸メチル、アクリル酸アルキル、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、2−メチルオキシラン、2−エチルオキシラン、2−プロピルオキシラン、2−(アリルオキシメチル)オキシラン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアクリレート、2−(アクリロイルオキシ)−N,N,N−トリメチルエタンアミニウム、3−(アクリロイルオキシ)−N,N,N−トリメチルプロパン−1−アミニウム、2−アクリルアミド−N,N,N−トリメチルエタンアミニウム、3−アクリルアミド−N,N,N−トリメチルプロパン−1−アミニウム、及び1−イソプロピル−3−(メタクリロイルオキシ)−1−メチルアゼチジニウムクロリドのうちの少なくとも1つを含む、第34項に記載のプロセス。
38.樹脂中のアゼチジニウムイオンの二級アミン部分に対する比が、約0.4〜約1.0である、第25項に記載の組成物。
39.1,3−ジクロロ−2−プロパノール(1,3−DCP)の濃度が、約15,000ppm未満である、第25項に記載の組成物。
40.樹脂のpHが、酸を用いて調整される、第25項に記載の組成物。
41.酸が、酢酸、ギ酸、塩酸、リン酸、硫酸、有機酸もしくは鉱酸、またはこれらの組み合わせである、第40項に記載の組成物。
42.樹脂のpHが、約pH2.0〜約pH4.5に調整される、第40項に記載の組成物。
43.樹脂の固形分が、約10%〜約50%に調整される、第25項に記載の組成物。
44.樹脂が、約1.0〜約4.0mEq/g(固形物)の電荷密度を有する、第25項に記載の組成物。
45.以下の特性:a)約1.0〜約4.0mEq/g(固形物)の電荷密度、b)約0.5〜約0.9の樹脂中のアゼチジニウムイオンのアミド残基に対する比、c)約0.1×10〜約3.0×10の分子量、d)約1,800〜約3,500のアゼチジニウム当量、及びe)固形分が約25%のとき、約10,000ppm未満の1,3−ジクロロ−2−プロパノール(1,3−DCP)含量のうちの少なくとも3つを有する、組成物。
46.第25〜45項のうちのいずれか一項に記載の組成物によって増強された紙。
47.湿潤強さを付与するために紙を処理するプロセスであって、紙を作製するために使用されるパルプ繊維を、a)ポリアミンを対称型架橋剤と反応させて、部分的に架橋されたポリアミンを生成するステップと、b)エピハロヒドリンを部分的に架橋されたポリアミンに添加して、ハロヒドリン官能化ポリマーを生成するステップと、c)ハロヒドリン官能化ポリマーを環化して、アゼチジニウム部分を有する樹脂を形成するステップとによって作製された樹脂組成物で、処理するステップを含む、プロセス。
48.架橋部分で部分的に架橋されたポリアミンを含み、かつアゼチジニウムイオンを有する増強樹脂であって、架橋部分が、ジイソシアネート、1,3−ジアルキルジアゼチジン−2,4−ジオン、二無水物、ハロゲン化ジアシル、ジエノン、ハロゲン化ジアルキル、またはこれらの任意の混合物を含む機能性対称型架橋剤に由来する、増強樹脂。
49.紙を増強するための方法であって、
繊維を、架橋部分で部分的に架橋されたポリアミンを含み、かつアゼチジニウムイオンを有する増強樹脂と接触させるステップを含み、
架橋部分が、ジイソシアネート、1,3−ジアルキルジアゼチジン−2,4−ジオン、二無水物、ハロゲン化ジアシル、ジエノン、ハロゲン化ジアルキル、またはこれらの任意の混合物を含む機能性対称型架橋剤に由来する、方法。
50.増強樹脂を作製するための方法であって、
ポリアミンと機能性対称型架橋剤とを反応させて、部分的に架橋されたポリアミンを生成するステップであって、機能性対称型架橋剤が、ジイソシアネート、1,3−ジアルキルジアゼチジン−2,4−ジオン、二無水物、ハロゲン化ジアシル、ジエノン、ハロゲン化ジアルキル、またはこれらの任意の混合物を含むステップと、
部分的に架橋されたポリアミンをエピハロヒドリンと反応させて、アゼチジニウムイオンを有する増強樹脂を生成するステップと、を含む、方法。
51.機能性対称型架橋剤が、ジイソシアネートを含む、第48〜50項のいずれか一項に記載の増強樹脂または方法。
52.ジイソシアネートが、ブロックジイソシアネートである、第48〜51項のいずれか一項に記載の増強樹脂または方法。
53.機能性対称型架橋剤が、1,3−ジアルキルジアゼチジン−2,4−ジオンを含む、第48〜52項のいずれか一項に記載の増強樹脂または方法。
54.機能性対称型架橋剤が、二無水物を含む、第48〜53項のいずれか一項に記載の増強樹脂または方法。
55.機能性対称型架橋剤が、ハロゲン化ジアシルを含む、第48〜54項のいずれか一項に記載の増強樹脂または方法。
56.機能性対称型架橋剤が、ジエノンを含む、第48〜55項のいずれか一項に記載の増強樹脂または方法。
57.機能性対称型架橋剤が、ハロゲン化ジアルキルを含む、第48〜56項のいずれか一項に記載の増強樹脂または方法。
58.機能性対称型架橋剤が、ジアクリレート化合物、ビス(アクリルアミド)化合物、ジエポキシド化合物、ポリアゼチジニウム化合物、N,N’−メチレン−ビス−メタクリルアミド、ポリ(アルキレングリコール)ジグリシジルエーテル、またはこれらの任意の混合物を更に含む、第48〜57項のいずれか一項に記載の増強樹脂または方法。
59.ポリアミンが、ポリアミドアミンを含む、第48〜58項のいずれか一項に記載の増強樹脂または方法。
60.アゼチジニウムイオンが、エピハロヒドリン及び架橋部分で部分的に架橋されたポリアミンを反応させることによって形成される、第48〜59項のいずれか一項に記載の増強樹脂または方法。
61.増強樹脂が、2.25mEq/g(固形物)〜3.5mEq/g(固形物)の電荷密度を有する、第48〜60項のいずれか一項に記載の増強樹脂または方法。
62.増強樹脂が、2,000〜3,500のアゼチジニウム当量を有する、第48〜61項のいずれか一項に記載の増強樹脂または方法。
63.増強樹脂が、900,000〜1,700,000の重量平均分子量を有する、第48〜62項のいずれか一項に記載の増強樹脂または方法。
64.増強樹脂が、10,000ppm未満の1,3−ジクロロ−2−プロパノールを含有する、第48〜63項のいずれか一項に記載の増強樹脂または方法。
65.増強樹脂が、2.25mEq/g(固形物)〜3.5mEq/g(固形物)の電荷密度、2,000〜3,500のアゼチジニウム当量、900,000〜1,700,000の重量平均分子量を有し、10,000ppm未満の1,3−ジクロロ−2−プロパノールを含有する、第48〜60項のいずれか一項に記載の増強樹脂または方法。
66.機能性対称型架橋剤が、ジアクリレート化合物、ビス(アクリルアミド)化合物、ジエポキシド化合物、ポリアゼチジニウム化合物、N,N’−メチレン−ビス−メタクリルアミド、及びポリ(アルキレングリコール)ジグリシジルエーテル、またはこれらの任意の混合物を更に含む、第48〜65項のいずれか一項に記載の増強樹脂または方法。
ある特定の実施形態及び特徴が、数値の上限のセット及び数値の下限のセットを用いて説明されてきた。任意の2つの値の組み合わせ、例えば、任意の下限値と任意の上限値との組み合わせ、任意の2つの下限値の組み合わせ、及び/または任意の2つの上限値の組み合わせを含む範囲が、別段の指示がない限り想定されることを理解されたい。ある特定の下限値、上限値、及び範囲が、以下の1つ以上の請求項で出現する。全ての数値は、示された値の「約」または「およそ」の値であり、当業者が予想するであろう実験誤差及びバラツキを考慮に入れている。
様々な用語が上記で定義されている。請求項で使用される用語が上記で定義されていない場合に限って、これは、関連技術における最も広義の定義者が、その用語を少なくとも1つの印刷刊行物または交付済み特許で反映されているものとみなしたものでなければならない。また該当する場合、本出願で引用される全ての特許、試験手順、及び他の文書は、このような開示が本出願と矛盾しない限り、参照により完全に組み込まれ、また全ての合意管轄条項に対して、このような組み込みが許容される。
上記事項は、ある特定の例示的な実施形態に向けられているが、本発明の他の更なる実施形態が、その基本的な範囲から逸脱することなく考案されることができ、その範囲は、以下に続く特許請求の範囲によって決定される。

Claims (20)

  1. 架橋部分で部分的に架橋されたポリアミンを含み、かつアゼチジニウムイオンを有する増強樹脂であって、前記架橋部分が、ジイソシアネート、1,3−ジアルキルジアゼチジン−2,4−ジオン、二無水物、ハロゲン化ジアシル、ジエノン、ハロゲン化ジアルキル、またはこれらの任意の混合物を含む機能性対称型架橋剤に由来する、増強樹脂。
  2. 前記機能性対称型架橋剤が、ジアクリレート化合物、ビス(アクリルアミド)化合物、ジエポキシド化合物、ポリアゼチジニウム化合物、N,N’−メチレン−ビス−メタクリルアミド、及びポリ(アルキレングリコール)ジグリシジルエーテル、またはこれらの任意の混合物を更に含む、請求項1に記載の増強樹脂。
  3. 前記機能性対称型架橋剤が、前記ジイソシアネートを含む、請求項1に記載の増強樹脂。
  4. 前記ジイソシアネートがブロックジイソシアネートである、請求項3に記載の増強樹脂。
  5. 前記機能性対称型架橋剤が、前記1,3−ジアルキルジアゼチジン−2,4−ジオンを含む、請求項1に記載の増強樹脂。
  6. 前記機能性対称型架橋剤が、前記二無水物を含む、請求項1に記載の増強樹脂。
  7. 前記機能性対称型架橋剤が、前記ハロゲン化ジアシルを含む、請求項1に記載の増強樹脂。
  8. 前記機能性対称型架橋剤が、前記ジエノンを含む、請求項1に記載の増強樹脂。
  9. 前記機能性対称型架橋剤が、前記ハロゲン化ジアルキルを含む、請求項1に記載の増強樹脂。
  10. 前記ポリアミンが、ポリアミドアミンを含む、請求項1に記載の増強樹脂。
  11. 前記アゼチジニウムイオンが、エピハロヒドリン及び前記架橋部分で部分的に架橋された前記ポリアミンを反応させることによって形成される、請求項1に記載の増強樹脂。
  12. 前記増強樹脂が、2.25mEq/g(固形物)〜3.5mEq/g(固形物)の電荷密度を有する、請求項1に記載の増強樹脂。
  13. 前記増強樹脂が、2,000〜3,500のアゼチジニウム当量を有する、請求項1に記載の増強樹脂。
  14. 前記増強樹脂が、900,000〜1,700,000の重量平均分子量を有する、請求項1に記載の増強樹脂。
  15. 前記増強樹脂が、10,000ppm未満の1,3−ジクロロ−2−プロパノールを含有する、請求項1に記載の増強樹脂。
  16. 前記増強樹脂が、2.25mEq/g(固形物)〜3.5mEq/g(固形物)の電荷密度、2,000〜3,500のアゼチジニウム当量、900,000〜1,700,000の重量平均分子量を有し、10,000ppm未満の1,3−ジクロロ−2−プロパノールを含有する、請求項1に記載の増強樹脂。
  17. 増強樹脂を作製する方法であって、
    ポリアミンと機能性対称型架橋剤とを反応させて、部分的に架橋されたポリアミンを生成するステップであって、前記機能性対称型架橋剤が、ジイソシアネート、1,3−ジアルキルジアゼチジン−2,4−ジオン、二無水物、ハロゲン化ジアシル、ジエノン、ハロゲン化ジアルキル、またはこれらの任意の混合物を含む、ステップと、
    前記部分的に架橋されたポリアミンをエピハロヒドリンと反応させて、アゼチジニウムイオンを有する増強樹脂を生成するステップと、を含む、方法。
  18. 前記増強樹脂が、2.25mEq/g(固形物)〜3.5mEq/g(固形物)の電荷密度、2,000〜3,500のアゼチジニウム当量、900,000〜1,700,000の重量平均分子量を有し、10,000ppm未満の1,3−ジクロロ−2−プロパノールを含有する、請求項17に記載の方法。
  19. 前記機能性対称型架橋剤が、ジアクリレート化合物、ビス(アクリルアミド)化合物、ジエポキシド化合物、ポリアゼチジニウム化合物、N,N’−メチレン−ビス−メタクリルアミド、ポリ(アルキレングリコール)ジグリシジルエーテル、またはこれらの任意の混合物を更に含む、請求項18に記載の方法。
  20. 紙を増強するための方法であって、
    繊維を、架橋部分で部分的に架橋されたポリアミンを含み、かつアゼチジニウムイオンを有する増強樹脂と接触させるステップを含み、
    前記架橋部分が、ジイソシアネート、1,3−ジアルキルジアゼチジン−2,4−ジオン、二無水物、ハロゲン化ジアシル、ジエノン、ハロゲン化ジアルキル、またはこれらの任意の混合物を含む機能性対称型架橋剤に由来する、方法。
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