JP2018517736A - 炎症性疾患又は病態を治療する組成物及び方法 - Google Patents

炎症性疾患又は病態を治療する組成物及び方法 Download PDF

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Abstract

典型的にはNSAIDを含むコクリエート化抗炎症剤を経口投与することによって、抗炎症性疾患又は病態を治療する方法を開示する。経口投与されるコクリエートは、非コクリエート化抗炎症剤と比較して顕著に低減した毒性を有する。【選択図】なし

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2015年6月18日付で出願された米国仮特許出願第62/181,347号、2016年1月29日付で出願された米国仮特許出願第62/289,025号及び2016年6月7日付で出願された米国仮特許出願第62/347,014号の利益を主張し、その出願日に依拠し、その開示全体が引用することにより本明細書の一部をなす。
本願は概して、炎症性疾患又は病態を治療するためのコクリエート組成物及びそれを投与する方法に関する。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)等の抗炎症薬は、その鎮痛及び抗炎症特性から世界で最も一般的に処方されている薬物に含まれる。残念なことに、NSAIDの使用は胃腸(GI)毒性により制限される。NSAIDは、潜在的に消化性潰瘍又は腸潰瘍疾患及びその合併症、最も注目すべきは上部消化管出血及び穿孔に至る可能性がある胃腸管の食道、胃及び腸部分における病変の初期発生を含む、粘膜に対する局所損傷を引き起こすことにより、またCOX阻害によって生じる粘膜プロスタグランジン欠乏と関連する全身的作用により、消化管を損傷する。25%もの慢性NSAID使用者が潰瘍疾患を発症し、2%〜4%が出血又は穿孔を起こす(非特許文献1)。これらの胃腸イベントは米国内で、特に高リスクカテゴリーに指定された患者において年間100000件を超える入院及び7000件〜10000件の死亡を引き起こしている(非特許文献1)。胃腸粘膜へのNSAIDの曝露を妨げる新たな配合物が、抗炎症作用を維持したうえでNSAIDと関連する胃腸毒性を低下させる助けとなる可能性がある。
Lanza et al., Am. J Gastroenterol, 104:728-38 (2009)
本願は、コクリエート化抗炎症剤(例えば、NSAID)が抗炎症剤(例えば、NSAID)の市販品よりもin vitro及びin vivoで効果的であることを実証する。さらに、本願は、コクリエート化抗炎症剤(例えば、NSAID)が実質的により安全であり、誘導される胃腸管内の胃病変又は潰瘍がより少ないことを実証する。加えて、予期せぬことに、ジオードコクリエートにより治療した動物が最高の試験用量であっても、胃病変の兆候を有しないことが発見された。比較すると、最高用量の市販のNSAIDにより治療した10匹の動物のうち9匹及び最高用量のNSAID含有結晶コクリエートにより治療した10匹のうち6匹が胃病変を有していたが、NSAID含有結晶コクリエートにより治療した動物はさらに、等用量の市販のNSAIDにより治療した動物において観察されるよりも実質的に少ない病変及び小さな病変を有していた。
このため、本開示は一つには、治療を必要とする被験体をコクリエート化抗炎症剤(例えば、NSAID)により治療する方法であって、被験体が抗炎症剤(例えば、NSAID)の非コクリエート化型に対する忍容性が低いか、又は胃腸管内の抗炎症剤誘導性(例えば、NSAID誘導性)病変若しくは潰瘍に罹りやすく、該方法が被験体にコクリエートを含む配合物を経口投与することを含み、コクリエートが治療有効量の抗炎症剤(例えば、NSAID)を含む、方法に関する。或る特定の実施の形態では、コクリエートは、1)負に帯電したリン脂質を含む脂質単分子層であって、脂質単分子層が疎水性ドメインを取り囲み、NSAIDが疎水性ドメイン内に分散する、脂質単分子層と、2)交互(alternating)二価カチオンと、負に帯電したリン脂質を含むリン脂質二重層とを含む脂質層であって、脂質単分子層が脂質層内に隔離される、脂質層とを含むジオードコクリエートである。或る特定の実施の形態では、疎水性ドメインはヒマシ油等の油である。
別の態様は、治療を必要とする被験体をコクリエート化抗炎症剤(例えば、NSAID)により治療する方法であって、治療有効量の抗炎症剤(例えば、NSAID)を含むジオードコクリエートを含む配合物を被験体に経口投与することを含む、方法に関する。通例、ジオードコクリエートは、1)負に帯電したリン脂質を含む脂質単分子層であって、脂質単分子層がヒマシ油の液滴を取り囲み、抗炎症剤(例えば、NSAID)がヒマシ油の液滴内に含まれる、脂質単分子層と、2)交互二価カチオンと、負に帯電したリン脂質を含むリン脂質二重層とを含む脂質層であって、脂質単分子層の周りに配置される、脂質層とを含む。
或る特定の実施の形態では、NSAIDがサリチル酸塩(アスピリン[アセチルサリチル酸]、ジフルニサル、サルサレート又はサリチル酸、及び他のサリチル酸塩等)、プロピオン酸誘導体(イブプロフェン、デキシブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、デクスケトプロフェン、フルルビプロフェン、オキサプロジン又はロキソプロフェン等)、酢酸誘導体(インドメタシン、トルメチン、スリンダク、エトドラク、ケトロラック、ジクロフェナク、アセクロフェナク又はナブメトン等)、エノール酸(−オキシカム)誘導体(ピロキシカム、メロキシカム、テノキシカム、ドロキシカム、ロルノキシカム、イソキシカム又はフェニルブダゾン等)、アントラニル酸誘導体(例えばメフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸又はトルフェナム酸等のフェナメート)、選択的COX−2阻害剤(セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、ルミラコキシブ、エトリコキシブ又はフィロコキシブ等)、スルホンアニリド(ニメスリド等)、又はその他(クロニキシン、リコフェロン又はH−ハルパギド等)からなる群から選択される。
或る特定の実施の形態では、NSAIDがイブプロフェン又はナプロキセン等のプロピオン酸誘導体である。或る特定の実施の形態では、NSAIDがジクロフェナク等の酢酸誘導体である。或る特定の実施の形態では、NSAIDがピロキシカム又はメロキシカム等のエノール酸誘導体である。
或る特定の実施の形態では、治療有効量のNSAIDを含むコクリエートが、被験体に投与した場合に胃腸管内でいかなる病変も誘導しない。
或る特定の実施の形態では、ジオードコクリエートが、被験体の胃腸管内に病変又は潰瘍が発生する被験体の割合を、NSAIDの非コクリエート化型により治療した場合に胃腸管内に病変又は潰瘍が発生する被験体の割合と比較して40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%超低減する。
或る特定の実施の形態では、ジオードコクリエートが、被験体の胃腸管内の病変又は潰瘍の平均数を、NSAIDの非コクリエート化型と比較して40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%超低減する。
或る特定の実施の形態では、ジオードコクリエートが、被験体の胃腸管内の病変又は潰瘍の平均サイズを、NSAIDの非コクリエート化型と比較して50%、60%、70%、80%、90%又は100%超低減する。
或る特定の実施の形態では、ジオードコクリエート中の有効又は指示NSAID用量が、同じNSAIDの非コクリエート化型の用量と比較して20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又は90%超低減する。
或る特定の実施の形態では、被験体が非コクリエート化NSAIDに対する忍容性が低い。
或る特定の実施の形態では、被験体が胃腸管内のNSAID誘導性病変又は潰瘍に罹りやすい。
或る特定の実施の形態では、疎水性ドメイン(HD)とジオードコクリエートのリン脂質成分(PPLGD)との比率HD:PPLGD、又はヒマシ油ドメイン(COD)とジオードコクリエートのリン脂質成分(PPLGD)との比率COD:PPLGDが1:20以下、1:15以下、1:10以下、1:8以下、1:6以下、1:5以下、1:4以下、1:3.5以下、1:3以下、1:2.75以下、1:2.5以下、1:2.25以下、1:2以下、1:1.75以下、1:1.5以下、1:1.25以下、1:1以下である。
或る特定の実施の形態では、被験体に1日当たり3g、2.5g、2g、1.5g、1.25g、1g、750mg、500mg、400mg、300mg、250mg、200mg、150mg、又は100mg以下のコクリエートを投与する。
或る特定の実施の形態では、コクリエートを1日1回投与する。他の実施形態では、コクリエートを1日2回投与する。
或る特定の実施の形態では、上記方法は、投与工程の前に、胃腸管内のNSAID誘導性病変又は潰瘍に罹りやすいとして被験体を特定する工程を更に含む。
或る特定の実施の形態では、配合物が胆汁酸塩を更に含む。或る特定の実施の形態では、コクリエート配合物が0.1mM〜0.5mMの胆汁酸塩を含有する。
或る特定の実施の形態では、被験体が哺乳動物である。或る特定の実施の形態では、被験体がヒトである。
或る特定の実施の形態では、コクリエートが1つ以上の負に帯電した脂質を含み、1つ以上の負に帯電した脂質がコクリエート中の全脂質の40%〜70%を占める。或る特定の実施の形態では、1つ以上の負に帯電した脂質が、コクリエートの非疎水性ドメイン成分中の全脂質の40%〜70%を占める。或る特定の実施の形態では、1つ以上の負に帯電した脂質が負に帯電したリン脂質であり、コクリエート又はコクリエートの非疎水性ドメイン成分中の全リン脂質材料の40%〜70%を占める。或る特定の実施の形態では、1つ以上の負に帯電した脂質はコクリエート中の全脂質の50%〜60%を占める。或る特定の実施の形態では、1つ以上の負に帯電した脂質はコクリエートの非疎水性ドメイン成分中の全脂質の50%〜60%を占める。或る特定の実施の形態では、1つ以上の負に帯電した脂質は負に帯電したリン脂質であり、コクリエート中の全リン脂質材料の50%〜60%を占める。
或る特定の実施の形態では、1つ以上の負に帯電した脂質がホスファチジルセリンを含む。或る特定の実施の形態では、ホスファチジルセリンがダイズホスファチジルセリンである。
或る特定の実施の形態では、コクリエートが1つ以上の中性又はカチオン性の脂質又はステロールを更に含む。或る特定の実施の形態では、1つ以上の中性又はカチオン性の脂質又はステロールが、ホスファチジルコリン及びスフィンゴミエリンからなる群から選択される。
本明細書に援用されるとともに本明細書の一部をなす添付の図面は、幾つかの実施形態を解説し、本明細書と共に本明細書に開示される組成物及び方法の幾つかの原理を説明するのに役立つ。
亜硝酸塩濃度によって測定されるNSAIDコクリエートのin vitro有効性を示す図である。 結晶コクリエート及びジオードコクリエートが、カラギーナン足浮腫アッセイにおいてイブプロフェンのin vivo有効性をイブプロフェンの市販の調製物と比較して、特により低用量で向上させることを示す図である。 ジオードコクリエートを作製し得る方法の例示的な概略図である。この例示的な方法では、リン脂質(白い環で表す)を油等の疎水性ドメイン(斜線の円)と合わせ、混合して、リポソームと疎水性ドメインを取り囲む脂質単分子層とを含む安定したエマルションを形成する。薬物、ビタミン、NSAID等のカーゴ部分を、疎水性ドメイン内に分散することができる。疎水性ドメインは、その表面に埋め込まれたリン脂質を有する。いかなる理論にも束縛されることを意味するものではないが、リン脂質の疎水性アシル鎖が疎水性ドメイン内に入り、リン脂質ヘッド基の被覆のために親水性表面を有する疎水性ドメインが生じ、安定したエマルションが形成されると考えられる。リン脂質がホスファチジルセリン等のように負に帯電している場合、カルシウム等の二価カチオンの添加により、交互二価カチオンとリン脂質二重層とを含む結晶構造(又は脂質層)の形成が誘導される。脂質層を網掛けで表す。ジオードコクリエートでは、疎水性ドメインを取り囲む脂質単分子層は、「ジオード」のように結晶性マトリックスに「覆われる(encrusted)」又は「封入される」。
ここで、様々な例示的な実施形態を詳細に参照し、実施形態の例を、添付の図面において図示するとともに、以下の発明を実施するための形態において論じる。以下の発明を実施するための形態は読者に本発明の幾つかの実施形態、特徴及び態様の詳細のより十分な理解をもたらすために提示され、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではないことを理解されたい。
1. コクリエート及びその作製方法
コクリエートは、ホスファチジルセリン等の負に帯電した脂質とカルシウムとの相互作用により自然に形成する無水の安定した多層脂質結晶である(例えば、米国特許第4,078,052号、同第5,643,574号、同第5,840,707号、同第5,994,318号、同第6,153,217号、同第6,592,894号、並びに国際公開第2004/091572号、国際公開第2004/091578号、国際公開第2005/110361号、国際公開第2012/151517号及び国際公開第2014/022414号、並びに米国特許出願公開第2010/0178325号(各々が引用することにより完全に本明細書の一部をなす)を参照されたい)。通例、これらは結晶コクリエートと称される。結晶コクリエートのバリエーションは、例えば米国特許出願公開第2013/0224284号(その開示全体が引用することにより本明細書の一部をなす)に記載されているように、ジオードコクリエート又はジオデートとして知られる。
結晶コクリエート及びジオードコクリエートは、内部水性空間を有しない、らせん状に又は積層シートとして巻き上げられた大きな連続固体のリン脂質二重層シート又は層からなる独自の多層構造を有する。この独自の構造により、会合した「コクリエート化」分子が分解から保護される。コクリエート構造全体が一連の固体層であるため、コクリエートの外層が過酷な環境条件又は酵素に曝露され得るにもかかわらず、コクリエート構造の内部の構成要素は無傷のままである。in vivoでの血清及び粘膜分泌物中の二価カチオン濃度は、コクリエート構造が維持されるようなものである。したがって、コクリエート会合分子の大部分は、固体の安定した不浸透性構造の内層に存在する。しかしながら、細胞内部に入ると、低いカルシウム濃度によりコクリエート結晶が開き、コクリエート内に配合された分子が放出される。したがって、コクリエート配合物は粘膜分泌物、血漿及び胃腸液を含む生理液中で無傷のままであり、経口、粘膜及び静脈内を含む多くの投与経路による生物活性化合物の送達を媒介する。
典型的なコクリエート構造は、交互二価カチオンと、少なくとも1つの負に帯電したリン脂質を含むリン脂質二重層とを含む脂質層を含む。通例、薬物、ビタミン等のカーゴ部分はコクリエートの脂質層内に隔離される。ジオードコクリエートは負に帯電したリン脂質を含む脂質単分子層を更に含み、脂質単分子層が油等の疎水性ドメインを取り囲み、薬物、ビタミン等のカーゴ部分が疎水性ドメイン内に分散する。脂質単分子層はジオードコクリエートの脂質層内に隔離される。
コクリエートは、米国特許第5,994,318号及び同第6,153,217号並びに米国特許出願公開第2013/0224284号(これらの開示全体が引用することにより本明細書の一部をなす)に記載のものを含むが、これらに限定されない既知の方法を用いて作製することができる。一実施形態では、この方法は概して、薬理活性物質(例えば、NSAID等の抗炎症剤)と脂質(好ましくは、ホスファチジルセリン等の負に帯電したリン脂質)とを溶媒の存在下で合わせることと、水溶液を添加してリポソームを形成することと、多価カチオンを用いて沈殿させてコクリエートを形成することとを含む。別の実施形態では、この方法は概して、薬理活性物質(例えば、NSAID等の抗炎症剤)がリポソームと会合するように薬理活性物質(例えば、NSAID等の抗炎症剤)とリポソームとを溶媒の存在下で合わせることと、多価カチオンを用いて沈殿させて薬理活性物質含有コクリエートを形成することとを含む。
好ましい実施形態では、多価カチオンはカルシウム、亜鉛、マグネシウム及びバリウム等の二価金属カチオンである。好ましい実施形態では、二価金属カチオンはカルシウムである。
薬理活性物質(例えば、NSAID等の抗炎症剤)をリポソームに溶媒の存在下で導入する工程は、様々な方法で達成することができる。一実施形態では、溶媒と薬理活性物質(例えば、NSAID等の抗炎症剤)との溶液をリポソームに導入することによって薬理活性物質(例えば、NSAID等の抗炎症剤)を導入する。好ましくは、リポソームはリポソーム懸濁液、好ましくは水性リポソーム懸濁液である。好ましい実施形態では、溶液の滴加によって抗炎症剤と共に溶液をリポソームに導入する。他の実施形態では、溶液は連続流によって又はボーラスとして添加することができる。加えて、溶液は水を溶液の前、溶液の後又は溶液と共に添加しながら乾燥脂質に導入することができる。
別の実施形態では、薬理活性物質(例えば、NSAID等の抗炎症剤)を溶媒の前又は溶媒の後にリポソームに導入する。例えば、薬理活性物質(例えば、NSAID等の抗炎症剤)は溶媒を含むリポソーム懸濁液に導入することができる。次いで、混合物の撹拌、混合、ボルテックス等によって、薬理活性物質(例えば、NSAID等の抗炎症剤)とリポソームとの会合を促進することができる。導入される薬理活性物質(例えば、NSAID等の抗炎症剤)は、粉末形態又は液体形態とすることができる。
酸化防止剤(例えばビタミンE)をコクリエートの作製に使用してもよい。酸化防止剤は、薬理活性物質(例えば、NSAID等の抗炎症剤)又はリポソームと共に導入することができる。酸化防止剤をリポソーム懸濁液又は薬理活性物質(例えば、NSAID等の抗炎症剤)と溶媒との溶液に組み込むのが好ましい。
リポソームは、リポソームを調製する任意の既知の方法によって調製することができる。このため、リポソームは例えば溶媒注入、脂質水和、逆蒸発、反復凍結融解による凍結乾燥によって調製することができる。リポソームは、小単層ベシクル(small unilamellar vesicles)(SUV)を含む多重膜(MLV)又は単層(ULV)とすることができる。これらのリポソーム溶液中の脂質の濃度は、約0.1mg/ml〜500mg/mlとすることができる。好ましくは、脂質の濃度は約0.5mg/ml〜約50mg/ml、より好ましくは約1mg/ml〜約25mg/mlである。
リポソームは、例えば透析、カラムクロマトグラフィー、バイオビーズSM−2を用いた界面活性剤除去、逆相蒸発(REV)、又は高圧押出による中間サイズ単層ベシクルの形成によって調製される大単層ベシクル(large unilamellar vesicles)(LUV)、安定プルリラメラベシクル(stable plurilamellar vesicles)(SPLV)又はオリゴラメラベシクル(oligolamellar vesicles)(OLV)であってもよい。Methods in Biochemical Analysis, 33:337 (1988)を参照されたい。
任意の好適な溶媒をこれらの方法に使用することができる。当業者は所与の用途に好適な溶媒を容易に特定することができる。溶媒はFDAに認可され得る溶媒であるのが好ましい。溶媒は有機溶媒又は無機溶媒とすることができる。一実施形態では、溶媒は水混和性溶媒である。別の実施形態では、溶媒は水又は水性緩衝液である。他の好適な溶媒としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)、メチルピロリドン、N−メチルピロリドン(NMP)、アセトニトリル、アルコール、例えばエタノール(EtOH)、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)及びそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。概して、溶媒における薬理活性物質(例えば、NSAID等の抗炎症剤)濃度は約0.01mg/ml〜200mg/mlである。好ましくは、薬理活性物質(例えば、NSAID等の抗炎症剤)濃度は約0.05mg/ml〜約100mg/ml、より好ましくは約0.1mg/ml〜20mg/mlである。
溶媒は、例えばリポソーム段階のリポソームの形成前及び/又はコクリエートの形成後に任意に除去することができる。任意の既知の溶媒除去法を用いることができる。例えば、溶媒はリポソーム懸濁液からタンジェンシャルフロー及び/又は濾過及び/又は透析によって、又はコクリエートから洗浄、濾過、遠心分離及び/又は透析によって除去することができる。コクリエートは、例えば最適にはカルシウム又は別のカチオンを含む緩衝液又は水を用いて洗浄することができる。
サイズ調整剤はコクリエートを作製する方法中に導入することができる。サイズ調整剤は、本明細書で使用される場合、コクリエートの粒子サイズを低減する作用物質を指す。本明細書で使用される場合、「粒子サイズ」という用語は粒径を指すか、又は粒子が球状でない場合、粒子の一方向の最大伸長を指す。コクリエートの粒子サイズは、サブミクロン粒子サイズ分析装置等の従来の方法を用いて測定することができる。或る特定の実施形態では、サイズ調整剤は脂質アンカーポリヌクレオチド、脂質アンカー糖(糖脂質)又は脂質アンカーポリペプチドである。他の実施形態では、サイズ調整剤は、オキシコール酸塩、コール酸塩、ケノデオキシコール酸塩、タウロコール酸塩、グリココール酸塩、タウロケノデオキシコール酸塩、グリコケノデオキシコール酸塩、デオキシコール酸塩又はリトコール酸塩等の胆汁酸塩である。胆汁酸塩はカチオン、通常はナトリウムと化合した胆汁酸である。胆汁酸は主に哺乳動物の胆汁中に見られるステロイド酸であり、市販されている。
或る特定の実施形態では、サイズ調整剤を沈殿コクリエートの形成前に脂質又はリポソームに添加する。例えば、一実施形態では、サイズ調整剤をリポソーム懸濁液に導入し、続いてコクリエートをそれから形成する(例えば、カチオンの添加又は透析による)。代替的には、サイズ調整剤を薬理活性物質の添加前又は添加後に脂質溶液に導入することができる。
任意の好適な脂質をコクリエートの作製に使用することができる。一実施形態では、脂質は1つ以上の負に帯電した脂質を含む。本明細書で使用される場合、「負に帯電した脂質」という用語には、酸性、塩基性又は生理的pHの水溶液中で形式負電荷を有する頭部基を有する脂質が含まれ、双性イオン頭部基を有する脂質も含まれる。
コクリエートは、負に帯電していない脂質(例えば、陽性及び/又は中性脂質)を含んでいてもよい。コクリエートは相当量の負に帯電した脂質を含むのが好ましい。或る特定の実施形態では、脂質の大部分が負に帯電している。一実施形態では、脂質はリン脂質等の少なくとも50%の負に帯電した脂質を含む脂質の混合物である。別の実施形態では、脂質はリン脂質等の少なくとも75%の負に帯電した脂質を含む。他の実施形態では、脂質はリン脂質等の少なくとも85%、90%、95%又は98%の負に帯電した脂質を含む。また他の実施形態では、負に帯電した脂質(例えば、リン脂質)は、コクリエート中の全脂質の30%〜70%、35%〜70%、40%〜70%、45%〜65%、45%〜70%、40%〜60%、50%〜60%、45%〜55%、45%〜65%又は45%〜50%を占める。或る特定の実施形態では、負に帯電した脂質(例えば、リン脂質)は、コクリエート中の全脂質の40%〜60%又は45%〜55%を占める。幾つかの実施形態では、負に帯電した脂質(例えば、リン脂質)は、コクリエートの非疎水性ドメイン成分中の全脂質の30%〜70%、35%〜70%、40%〜70%、45%〜65%、45%〜70%、40%〜60%、50%〜60%、45%〜55%、45%〜65%又は45%〜50%を占める。或る特定の実施形態では、負に帯電した脂質(例えば、リン脂質)は、コクリエートの非疎水性ドメイン成分中の全脂質の40%〜60%又は45%〜55%を占める。幾つかの実施形態では、負に帯電した脂質はリン脂質であり、コクリエート又はコクリエートの非疎水性ドメイン成分中の全リン脂質の30%〜70%、35%〜70%、40%〜70%、45%〜65%、45%〜70%、40%〜60%、50%〜60%、45%〜55%、45%〜65%又は45%〜50%を占める。幾つかの実施形態では、負に帯電した脂質はリン脂質であり、コクリエート又はコクリエートの非疎水性ドメイン成分中の全リン脂質の40%〜60%又は45%〜55%を占める。
負に帯電した脂質として、ダイズ由来の脂質、他のマメ科植物由来の脂質、卵由来の脂質、ウシ由来の脂質、ブタ由来の脂質又は他の供給源由来の同様の脂質を挙げることができる。脂質がダイズ由来のリン脂質等のリン脂質を含むのが好ましい。負に帯電した脂質として、ホスファチジルセリン(PS)、ジオレオイルホスファチジルセリン(DOPS)、ホスファチジン酸(PA)、ホスファチジルイノシトール(PI)及び/又はホスファチジルグリセロール(PG)、及び/又はこれらの脂質の1つ以上と他の脂質との混合物を挙げることができる。付加的又は代替的には、脂質として、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ジホスファチジルグリセロール(DPG)、ジオレオイルホスファチジン酸(DOPA)、ジステアロイルホスファチジルセリン(DSPS)、ジミリストイルホスファチジルセリン(DMPS)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)等を挙げることができる。一実施形態では、ホスファチジルセリンはダイズホスファチジルセリンである。別の実施形態では、ホスファチジルセリンは卵又はウシ由来のホスファチジルセリンである。
本明細書で使用される場合、「疎水性ドメイン」は本質的に十分に疎水性であり、その周辺への脂質単分子層の形成を可能とする組成物である。疎水性ドメインは通例、抗炎症剤(例えば、NSAID)等のカーゴ部分と会合した、油又は脂肪等の疎水性組成物を含む。或る特定の実施形態では、疎水性ドメイン(HD)とジオードコクリエートのリン脂質成分(PPLGD)との比率HD:PPLGD又はヒマシ油ドメイン(COD)とジオードコクリエートのリン脂質成分(PPLGD)との比率COD:PPLGDは1:20以下、1:15以下、1:10以下、1:8以下、1:6以下、1:5以下、1:4以下、1:3.5以下、1:3以下、1:2.75以下、1:2.5以下、1:2.25以下、1:2以下、1:1.75以下、1:1.5以下、1:1.25以下、1:1以下である。
2. 抗炎症剤
本明細書に記載の方法に使用されるコクリエートは、抗炎症剤と会合するか又は抗炎症剤が装填される。例えば、抗炎症剤として下記の1つ以上を挙げることができるが、これらに限定されない:以下の種類の1つ以上に属するNSAIDを含むNSAID:サリチル酸塩(アスピリン[アセチルサリチル酸]、ジフルニサル、サルサレート又はサリチル酸及び他のサリチル酸塩等)、プロピオン酸誘導体(イブプロフェン、デキシブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、デクスケトプロフェン、フルルビプロフェン、オキサプロジン、又はロキソプロフェン等)、酢酸誘導体(インドメタシン、トルメチン、スリンダク、エトドラク、ケトロラック、ジクロフェナク、アセクロフェナク、又はナブメトン等)、エノール酸(−オキシカム)誘導体(ピロキシカム、メロキシカム、テノキシカム、ドロキシカム、ロルノキシカム、イソキシカム、又はフェニルブタゾン等)、アントラニル酸誘導体(例えば、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、又はトルフェナム酸等のフェナメート)、選択的COX−2阻害剤(セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、ルミラコキシブ、エトリコキシブ、又はフィロコキシブ等)、スルホンアニリド(ニメスリド等)、又はその他(クロニキシン、リコフェロン又はH−ハルパギド等)。
他の実施形態において、抗炎症剤として下記の1つ以上を挙げることができるが、これらに限定されない:コルチコステロイド(ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸コルチゾン、ピバル酸チキソコルトール、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、酢酸トリアムシノロン、トリアムシノロンアルコール、モメタゾン、アムシノニド、ブデソニド、デソニド、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、ハルシノニド、ベタメタゾン、リン酸ベタメタゾンナトリウム、デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、フルオコルトロン、ヒドロコルチゾン−17−バレレート、ハロメタゾン、アルクロメタゾンジプロピオネート、吉草酸ベタメタゾン、ベタメタゾンジプロピオネート、プレドニカルベート、クロベタゾン−17−ブチレート、クロベタゾール−17−プロピオネート、カプロン酸ブルオコルトロン、ピバル酸フルオコルトロン、酢酸フルプレドニデン、ヒドロコルチゾン−17−ブチレート、ヒドロコルチゾン−17−アセポネート、ヒドロコルチゾン−17−ブテプレート、シクレソニド、プレドニカルベート、フルニソリド、フロ酸フルチカゾン、プロピオン酸フルチカゾン、トリアムシノロンアセトニド、ベクロメタゾンジプロピオネート、及びブデソニド等)、DMARD(メトトレキサート、アザチオプリン、シクロスポリン、ペニシラミン、オーラノフィン、金チオリンゴ酸塩、ミノサイクリン、ヒドロキシクロロキン、クロロキン、スルファサラジン、レフルノミド、テリフルノミド、メサラミン、又はシクロホスファミド等)、アセトアミノフェン、抗TNF剤(アダリムマブ、インフリキシマブ、エタネルセプト、セルトリズマブペゴル等)、マイクライドカルシニューリン阻害剤(シロリムス又はタクロリムス等)、JAK阻害剤(トファシチニブ、ルキソリチニブ、バリシチニブ(LY3009104、INCB28050)、CYT387、フィルゴチニブ(GLPG0634)、GSK2586184、レスタウルチニブ、パクリチニブ(SB1518)、TG101348、JSI−124、又はCHZ868等)、IL−6アンタゴニスト(トシリズマブ又はアトリズマブ等)、抗CD20剤(リツキシマブ、オビヌツズマブ、イブリツモマブチウキセタン、トシツモマブ、オファツムマブ、オクレリズマブ、TRU−015、又はIMMU−106[ベルツズマブ]等)、CD52アンタゴニスト(アレムツズマブ等)、α−4インテグリンアンタゴニスト(ナタリズマブ等)、II型トポイソメラーゼ阻害剤(ミトキサントロン等)、スフィンゴシン−1−リン酸受容体調節剤(フィンゴリモド、ラキニモド、オザニモド、又はポネシモド等)、β−インターフェロン、又は下記の作用物質の1つ若しくはそれらの機能的類似体:酢酸グラチラマー若しくはフマル酸ジメチル。
或る特定の実施形態では、抗炎症剤はNSAIDである。或る特定の実施形態では、NSAIDはプロピオン酸誘導体である。或る特定の実施形態では、プロピオン酸誘導体はイブプロフェン又はナプロキセンである。或る特定の実施形態では、プロピオン酸誘導体はナプロキセンである。或る特定の実施形態では、抗炎症剤は酢酸誘導体である。或る特定の実施形態では、酢酸誘導体はジクロフェナクである。或る特定の実施形態では、抗炎症剤はエノール酸誘導体である。或る特定の実施形態では、エノール酸誘導体はピロキシカム又はメロキシカムである。或る特定の実施形態では、NSAIDは選択的COX−2阻害剤である。或る特定の実施形態では、選択的COX−2阻害剤はセレコキシブ又はロフェコキシブである。
3. 医薬組成物
本明細書に記載のコクリエートは、医薬組成物として調製することができる。本明細書に開示される医薬組成物の好適な調製形態としては、例えば錠剤、カプセル、軟カプセル、顆粒、粉末、懸濁液、エマルション、マイクロエマルション、ナノエマルション、単位投薬形態、リング、フィルム、坐剤、溶液、クリーム、シロップ、経皮パッチ、軟膏及びゲルが挙げられる。
医薬組成物は他の薬学的に許容可能な賦形剤、例えば様々なpH及びイオン強度の緩衝液(例えばトリス−HCl、酢酸、リン酸)、表面への吸収を阻止するアルブミン又はゼラチン等の添加剤、プロテアーゼ阻害剤、透過促進剤、可溶化剤(例えばグリセロール、ポリエチレングリセロール)、酸化防止剤(例えばアスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール)、安定剤(例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、増粘剤(例えばカルボマー、コロイド状二酸化ケイ素、エチルセルロース、グアーガム)、甘味料(例えばアスパルテーム、クエン酸)、保存料(例えばチメロサール、ベンジルアルコール、パラベン)、流動助剤(例えばコロイド状二酸化ケイ素)、可塑剤(例えばフタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル)、乳化剤(例えばカルボマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ラウリル硫酸ナトリウム)、ポリマーコーティング(例えば、ポロキサマー又はポロキサミン、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル)、コーティング及びフィルム形成剤(例えば、エチルセルロース、アクリレート、ポリメタクリレート、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル)、アジュバント、液体配合物の薬学的に許容可能な担体、例えば水性(生理食塩水及び緩衝媒体を含む水、アルコール溶液/水溶液、エマルション又は懸濁液)又は非水性(例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及びオレイン酸エチル等の注射用有機エステル)溶液、懸濁液、エマルション又は油、並びに塩化ナトリウム溶液、リンガーデキストロース、デキストロース及び塩化ナトリウム、乳酸加リンガー液及び固定油を含むが、これらに限定されない非経口ビヒクル(皮下注射、静脈内注射、動脈内注射又は筋肉内注射用)を含み得る。
或る特定の実施形態では、医薬組成物は塩、例えばNaCl、又はオキシコール酸塩、コール酸塩、ケノデオキシコール酸塩、タウロコール酸塩、グリココール酸塩、タウロケノデオキシコール酸塩、グリコケノデオキシコール酸塩、デオキシコール酸塩若しくはリトコール酸塩等の胆汁酸塩を含む。胆汁酸塩はカチオン、通常はナトリウムと化合した胆汁酸である。胆汁酸は主として哺乳動物の胆汁中に見られるステロイド酸であり、市販されている。一実施形態では、胆汁酸塩はコール酸塩を含む。別の実施形態では、胆汁酸塩はデオキシコール酸塩を含む。また別の実施形態では、胆汁酸塩はコール酸塩とデオキシコール酸塩とを含む。別の実施形態では、胆汁酸塩はコール酸塩とデオキシコール酸塩とからなる。
或る特定の実施形態では、NaClの濃度は1mM〜1M、1mM〜0.5M、1mM〜0.1M、1mM〜50mM、10mM〜100mM、10mM〜50mM、0.1M〜1M、0.1M〜0.5M又は0.5M〜1Mである。或る特定の実施形態では、胆汁酸塩の濃度は1mM〜100mM、1mM〜50mM、1mM〜25mM、1mM〜10mM、1mM〜5mM、0.1mM〜5mM、0.1mM〜1mM又は0.1mM〜0.5mMの胆汁酸塩である。
これらの賦形剤は例として提示され、本明細書に挙げられるものと同じ化学的特徴をもたらし得る他の又は異なる賦形剤が存在することが当業者には既知である。
4. 投与量及び投与
本明細書に開示されるコクリエートを含む医薬組成物は、その意図する投与経路に適合するように配合される。投与を達成する方法は当業者に既知である。この方法としては、例えば静脈内、血管内、動脈内、皮下、筋肉内、腹腔内、脳室内、硬膜外(intraepidural)等の非経口経路による注射、及び経口、経鼻、眼、直腸又は局所経路が挙げられる。通例、コクリエートを例えば懸濁液、錠剤、カプセル、ソフトジェル又は他の経口投薬形態を投与することによって経口投与する。
或る特定の実施形態では、抗炎症剤(例えば、NSAID)は0.05mg/kg〜1mg/kg、0.1mg/kg〜2mg/kg、0.2mg/kg〜3mg/kg、0.5mg/kg〜5mg/kg、1mg/kg〜5mg/kg、1mg/kg〜10mg/kg、2mg/kg〜5mg/kg、2mg/kg〜10mg/kg、3mg/kg〜15mg/kg、5mg/kg〜20mg/kg、5mg/kg〜10mg/kg、5mg/kg〜15mg/kg、10mg/kg〜15mg/kg、10mg/kg〜13mg/kg、10mg/kg〜20mg/kg、5mg/kg〜25mg/kg、1mg/kg〜30mg/kg、20mg/kg〜100mg/kg、30mg/kg〜60mg/kg又は30mg/kg〜50mg/kgの投与量で投与される。代替的には、抗炎症剤(例えば、NSAID)は約5mg/日〜50mg/日、10mg/日〜50mg/日、20mg/日〜100mg/日、50mg/日〜200mg/日、100mg/日〜500mg/日、200mg/日〜1000mg/日、400mg/日〜1000mg/日、200mg/日〜800mg/日、300mg/日〜800mg/日、400mg/日〜800mg/日、500mg/日〜700mg/日、200mg/日〜2000mg/日、100mg/日〜6400mg/日、100mg/日〜600mg/日、200mg/日〜600mg/日、400mg/日〜600mg/日、300mg/日〜700mg/日、700mg/日〜1200mg/日、1000mg/日〜3000mg/日又は2000mg/日〜4000mg/日(約400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、1000mg、1500mg、2000mg、2500mg、3000mg、3500mg、4000mg、4500mg、5000mg、6000mg又は6400mgを含むが、これらに限定されない)の一定投与量で投与することができる。
より低い毒性のために、コクリエート化抗炎症剤(例えば、NSAID)は、抗炎症剤(例えば、NSAID)の非コクリエート化型よりも高い投与量、高頻度で又は長期にわたって投与することができる。或る特定の実施形態では、コクリエート化抗炎症剤(例えば、NSAID)は抗炎症剤(例えば、NSAID)の非コクリエート化型よりも高い投与量で投与される。或る特定の実施形態では、より高い投与量は、抗炎症剤(例えば、NSAID)の非コクリエート化型の推奨又は指示投与量よりも約25%〜300%多い。或る特定の実施形態では、より高い投与量は、抗炎症剤(例えば、NSAID)の非コクリエート化型の推奨又は指示投与量よりも約50%〜200%、25%〜100%又は25%〜50%多い。代替的には、コクリエート中の抗炎症剤(例えば、NSAID)の用量を、同じ抗炎症剤(例えば、NSAID)の非コクリエート化型の推奨又は指示用量と比較して20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%又は200%超増大する。抗炎症剤の推奨又は指示投与量は当該技術分野で一般的な知識であり、投与経路並びに患者の身体的特徴、例えば全身状態、年齢、体重、食生活及び他の薬物治療に応じて調整することができる。或る特定の実施形態では、コクリエート化抗炎症剤(例えば、NSAID)は1日1回、1日2回、1日3回又は1日4回投与することができる。他の実施形態では、コクリエート配合物は少なくとも1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間又は12週間にわたって毎日投与される。別の実施形態では、コクリエート配合物は少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月又は少なくとも6ヶ月にわたって毎日投与される。
一つには組織透過性の改善に起因し得る、その改善された薬物動態のために、コクリエート化抗炎症剤(例えば、NSAID)を抗炎症剤(例えば、NSAID)の非コクリエート化型よりも低い投与量、少ない頻度又は短期にわたって投与することもできる。或る特定の実施形態では、より低い投与量は、抗炎症剤(例えば、NSAID)の非コクリエート化型の推奨又は指示投与量よりも約25%〜300%少ない。或る特定の実施形態では、より低い投与量は、抗炎症剤(例えば、NSAID)の非コクリエート化型の推奨又は指示投与量よりも約50%〜200%、25%〜100%又は25%〜50%少ない。代替的には、コクリエート中の抗炎症剤(例えば、NSAID)の用量は、同じ抗炎症剤(例えば、NSAID)の非コクリエート化型の推奨又は指示用量と比較して20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又は90%超低減される。抗炎症剤の推奨又は指示投与量は当該技術分野で一般的な知識であり、投与経路並びに患者の身体的特徴、例えば全身状態、年齢、体重、食生活及び他の薬物治療に応じて調整することができる。別の実施形態では、コクリエート配合物は1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回又は1週間に4回投与される。一実施形態では、コクリエート化抗炎症剤(例えば、NSAID)は1週間に2回又は3回投与することができる。
通例、軽度の炎症(例えば、軽度の疼痛又は熱)に対する非コクリエート化イブプロフェンの推奨又は指示投与量は4時間〜6時間毎に約200mgであり、一日最大投与量は1200mgである。一実施形態では、コクリエート中のNSAIDはイブプロフェンであり、コクリエート化イブプロフェンは、軽度の炎症に対して非コクリエート化イブプロフェンの推奨又は指示投与量よりも約25%〜300%、50%〜200%、25%〜100%又は25%〜50%多い投与量で投与される。別の実施形態では、コクリエート中のNSAIDはイブプロフェンであり、コクリエート化イブプロフェンは、軽度の炎症に対して非コクリエート化イブプロフェンの推奨又は指示投与量よりも約25%〜300%、50%〜200%、25%〜100%又は25%〜50%少ない投与量で投与される。
通例、他の炎症状態(例えば月経困難症、関節リウマチ、骨関節炎)に対する非コクリエート化イブプロフェンの推奨又は指示投与量は、毎日約1200mg〜3200mgである。一実施形態では、コクリエート中のNSAIDはイブプロフェンであり、コクリエート化イブプロフェンは、軽度の炎症以外の炎症状態に対して非コクリエート化イブプロフェンの推奨又は指示投与量よりも約25%〜300%、50%〜200%、25%〜100%又は25%〜50%少ない投与量で投与される。別の実施形態では、コクリエート中のNSAIDはイブプロフェンであり、コクリエート化イブプロフェンは、軽度の炎症以外の炎症状態に対して非コクリエート化イブプロフェンの推奨又は指示投与量よりも約25%〜300%、50%〜200%、25%〜100%又は25%〜50%少ない投与量で投与される。
通例、軽度の炎症(例えば、軽度の疼痛又は熱)に対する非コクリエート化ナプロキセンの推奨又は指示投与量は8時間〜12時間毎に約220mgであり、一日最大投与量は660mgである。一実施形態では、コクリエート中のNSAIDはナプロキセンであり、コクリエート化ナプロキセンは、軽度の炎症に対して非コクリエート化ナプロキセンの推奨又は指示投与量よりも約25%〜300%、50%〜200%、25%〜100%又は25%〜50%多い投与量で投与される。別の実施形態では、コクリエート中のNSAIDはナプロキセンであり、コクリエート化ナプロキセンは、軽度の炎症に対して非コクリエート化ナプロキセンの推奨又は指示投与量よりも約25%〜300%、50%〜200%、25%〜100%又は25%〜50%少ない投与量で投与される。
通例、他の炎症状態(例えば月経困難症、滑液包炎、腱炎、関節リウマチ、強直性脊椎炎)に対する非コクリエート化ナプロキセンの推奨又は指示投与量は毎日約500mg〜1000mgであり、一日最大投与量は最大1500mgである。一実施形態では、コクリエート中のNSAIDはナプロキセンであり、コクリエート化ナプロキセンは、軽度の炎症以外の炎症状態に対して非コクリエート化ナプロキセンの推奨又は指示投与量よりも約25%〜300%、50%〜200%、25%〜100%又は25%〜50%多い投与量で投与される。別の実施形態では、コクリエート中のNSAIDはナプロキセンであり、コクリエート化ナプロキセンは、軽度の炎症以外の炎症状態に対して非コクリエート化ナプロキセンの推奨又は指示投与量よりも約25%〜300%、50%〜200%、25%〜100%又は25%〜50%少ない投与量で投与される。
通例、軽度の炎症(例えば、軽度の疼痛又は熱)に対する非コクリエート化ジクロフェナクの推奨又は指示投与量は6時間毎に約25mgであり、一日最大投与量は約100mgである。一実施形態では、コクリエート中のNSAIDはジクロフェナクであり、コクリエート化ジクロフェナクは、軽度の炎症に対して非コクリエート化ジクロフェナクの推奨又は指示投与量よりも約25%〜300%、50%〜200%、25%〜100%又は25%〜50%多い投与量で投与される。別の実施形態では、コクリエート中のNSAIDはジクロフェナクであり、コクリエート化ジクロフェナクは、軽度の炎症に対して非コクリエート化ジクロフェナクの推奨又は指示投与量よりも約25%〜300%、50%〜200%、25%〜100%又は25%〜50%少ない投与量で投与される。
通例、他の炎症状態(例えば月経困難症、関節リウマチ、骨関節炎、強直性脊椎炎)に対する非コクリエート化ジクロフェナクの推奨又は指示投与量は1日2回〜3回、約35mg〜75mgであり、一日最大投与量は最大225mgである。一実施形態では、コクリエート中のNSAIDはジクロフェナクであり、コクリエート化ジクロフェナクは、軽度の炎症以外の炎症状態に対して非コクリエート化ジクロフェナクの推奨又は指示投与量よりも約300%、50%〜200%、25%〜100%又は25%〜50%多い投与量で投与される。別の実施形態では、コクリエート中のNSAIDはジクロフェナクであり、コクリエート化ジクロフェナクは、軽度の炎症以外の炎症状態に対して非コクリエート化ジクロフェナクの推奨又は指示投与量よりも約300%、50%〜200%、25%〜100%又は25%〜50%少ない投与量で投与される。
通例、軽度の炎症以外の炎症状態(例えば骨関節炎、関節リウマチ)に対する非コクリエート化ピロキシカムの推奨又は指示投与量は約20mg/日である。一実施形態では、コクリエート中のNSAIDはピロキシカムであり、コクリエート化ピロキシカムは、軽度の炎症以外の炎症状態に対して非コクリエート化ピロキシカムの推奨又は指示投与量よりも約25%〜300%、50%〜200%、25%〜100%又は25%〜50%多い投与量で投与される。別の実施形態では、コクリエート中のNSAIDはピロキシカムであり、コクリエート化ピロキシカムは、軽度の炎症に対して非コクリエート化ピロキシカムの推奨又は指示投与量よりも約25%〜300%、50%〜200%、25%〜100%又は25%〜50%少ない投与量で投与される。
通例、軽度の炎症以外の炎症状態(例えば骨関節炎、関節リウマチ)に対する非コクリエート化メロキシカムの推奨又は指示投与量は初期用量7.5mg/日、続いて維持用量15mg/日であり、最大一日投与量は15mg/日である。一実施形態では、コクリエート中のNSAIDはメロキシカムであり、コクリエート化メロキシカムは、軽度の炎症以外の炎症状態に対して非コクリエート化メロキシカムの推奨又は指示投与量よりも約25%〜300%、50%〜200%、25%〜100%又は25%〜50%多い投与量で投与される。別の実施形態では、コクリエート中のNSAIDはメロキシカムであり、コクリエート化メロキシカムは、軽度の炎症に対して非コクリエート化メロキシカムの推奨又は指示投与量よりも約25%〜300%、50%〜200%、25%〜100%又は25%〜50%少ない投与量で投与される。
通例、軽度の炎症(例えば、軽度の疼痛又は月経困難症)に対する非コクリエート化セレコキシブの推奨又は指示投与量は初期用量約400mg、続いて12時間毎に約200mgである。一実施形態では、コクリエート中のNSAIDはセレコキシブであり、コクリエート化セレコキシブは、軽度の炎症に対して非コクリエート化セレコキシブの推奨又は指示投与量よりも約25%〜300%、50%〜200%、25%〜100%又は25%〜50%多い投与量で投与される。別の実施形態では、コクリエート中のNSAIDはセレコキシブであり、コクリエート化セレコキシブは、軽度の炎症に対して非コクリエート化セレコキシブの推奨又は指示投与量よりも約25%〜300%、50%〜200%、25%〜100%又は25%〜50%少ない投与量で投与される。
通例、軽度の炎症以外の炎症状態(例えば骨関節炎、関節リウマチ、強直性脊椎炎)に対する非コクリエート化セレコキシブの推奨又は指示投与量は、約200mg/日〜400mg/日である。一実施形態では、コクリエート中のNSAIDはセレコキシブであり、コクリエート化セレコキシブは、軽度の炎症以外の炎症状態に対して非コクリエート化セレコキシブの推奨又は指示投与量よりも約25%〜300%、50%〜200%、25%〜100%又は25%〜50%多い投与量で投与される。別の実施形態では、コクリエート中のNSAIDはセレコキシブであり、コクリエート化セレコキシブは、軽度の炎症に対して非コクリエート化セレコキシブの推奨又は指示投与量よりも約25%〜300%、50%〜200%、25%〜100%又は25%〜50%少ない投与量で投与される。
通例、軽度の炎症(例えば軽度の疼痛、片頭痛又は月経困難症)に対する非コクリエート化ロフェコキシブの推奨又は指示投与量は、最大5日間にわたって25mg/日〜50mg/日である。一実施形態では、コクリエート中のNSAIDはロフェコキシブであり、コクリエート化ロフェコキシブは軽度の炎症に対して非コクリエート化ロフェコキシブの推奨又は指示投与量よりも約25%〜300%、50%〜200%、25%〜100%又は25%〜50%多い投与量で投与される。別の実施形態では、コクリエート中のNSAIDはロフェコキシブであり、コクリエート化ロフェコキシブは、軽度の炎症に対して非コクリエート化ロフェコキシブの推奨又は指示投与量よりも約25%〜300%、50%〜200%、25%〜100%又は25%〜50%少ない投与量で投与される。
通例、軽度の炎症以外の炎症状態(例えば骨関節炎、関節リウマチ)に対する非コクリエート化ロフェコキシブの推奨又は指示投与量は、約12.5mg/日〜25mg/日(骨関節炎)又は25mg/日〜50mg/日(関節リウマチ)である。一実施形態では、コクリエート中のNSAIDはロフェコキシブであり、コクリエート化ロフェコキシブは、軽度の炎症以外の炎症状態に対して非コクリエート化ロフェコキシブの推奨又は指示投与量よりも約25%〜300%、50%〜200%、25%〜100%又は25%〜50%多い投与量で投与される。別の実施形態では、コクリエート中のNSAIDはロフェコキシブであり、コクリエート化ロフェコキシブは、軽度の炎症に対して非コクリエート化ロフェコキシブの推奨又は指示投与量よりも約25%〜300%、50%〜200%、25%〜100%又は25%〜50%少ない投与量で投与される。
5. 治療方法
本明細書に記載のコクリエートは、炎症性疾患又は病態を有する被験体を治療する方法に使用することができる。NSAID等の抗炎症剤による治療が指示される疾患又は病態を含む、任意の炎症性疾患又は病態を治療することができる。或る特定の実施形態では、炎症性疾患又は病態としては、関節炎(例えば骨関節炎、関節リウマチ及び若年性関節リウマチ)、強直性脊椎炎、家族性腺腫性ポリポーシス、原発性月経困難症、腱炎、滑液包炎、痛風、急性疼痛、熱、頭痛、歯痛又は軽傷が挙げられるが、これらに限定されない。
或る特定の実施形態では、炎症性疾患又は病態を有する被験体を治療する方法は、それを必要とする被験体に、抗炎症剤(例えば、NSAID)を含むコクリエートを治療有効量で含む配合物を経口投与することを含む。
一実施形態は、治療を必要とする被験体をコクリエート化抗炎症剤により治療する方法であって、被験体が非コクリエート化抗炎症剤に対する忍容性が低いか、又は胃腸管内の抗炎症剤誘導性病変及び/又は潰瘍形成に罹りやすく、該方法が被験体にコクリエートを含む配合物を経口投与することを含み、コクリエートが治療有効量の抗炎症剤を含む、方法に関する。通例、抗炎症剤は本願の他の部分で論考されるNSAIDである。本明細書で使用される場合、「非コクリエート化抗炎症剤に対する忍容性が低い」とは、被験体がNSAID誘導性胃病変又は潰瘍の病歴を有することを示す。本明細書で使用される場合、「胃腸管内の抗炎症剤誘導性病変に罹りやすい」とは、下記の「高リスク」及び「中等度リスク」の被験体の両方を含む。
別の実施形態は、治療を必要とする被験体をコクリエート化抗炎症剤により治療する方法であって、該方法が被験体にコクリエートを含む配合物を経口投与することを含み、コクリエートが治療有効量の抗炎症剤を含み、コクリエートが、1)負に帯電したリン脂質を含む脂質単分子層であって、脂質単分子層がヒマシ油の液滴を取り囲み、抗炎症剤がヒマシ油の液滴内に含まれる、脂質単分子層と、2)交互二価カチオンと、負に帯電したリン脂質を含むリン脂質二重層とを含む脂質層であって、脂質単分子層の周りに配置される、脂質層とを含むジオードコクリエートである、方法に関する。通例、抗炎症剤は本願の他の部分で論考されるNSAIDである。
或る特定の実施形態では、治療方法は投与工程の前に、胃腸管内のNSAID誘導性病変又は潰瘍に罹りやすいとして被験体を特定する工程を更に含む。通例、この工程は被験体においてNSAID関連胃腸合併症の1つ以上のリスク因子を特定することを含む。NSAID関連胃腸合併症のリスク因子としては、以前の胃腸イベント、年齢、抗凝血剤の併用、コルチコステロイド又は低用量アスピリンを含む他のNSAID、高用量NSAID療法、慢性消耗性障害、例えば心血管疾患及びヘリコバクター・ピロリ(H. pylori)感染が挙げられるが、これらに限定されない(非特許文献1)。被験体を以下の階層化に例として説明されるように高、中等度又は低リスクへと更に階層化することができる:
高リスク
1. 特に最近の複雑性潰瘍の既往歴、又は、
2. 複数のリスク因子(少なくとも2つ)
中等度リスク(以下のリスク因子のうち1つ又は2つ)
1. 65歳以上、
2. 高用量NSAID療法、
3. 単純性潰瘍の既往歴、及び/又は、
4. アスピリン(低用量を含む)、コルチコステロイド又は抗凝血剤の併用
低リスク
1. リスク因子なし
或る特定の実施形態では、コクリエート化NSAIDによる治療開始前にNSAID誘導性病変又は潰瘍が発生する高リスクにあるとして被験体を特定する。或る特定の実施形態では、コクリエート化NSAIDによる治療開始前にNSAID誘導性病変又は潰瘍が発生する中等度リスクにあるとして被験体を特定する。或る特定の実施形態では、被験体はコクリエート化NSAIDによる治療開始前に、非コクリエート化NSAIDによる治療のために胃腸管内のNSAID誘導性病変又は潰瘍を経験している。
或る特定の実施形態では、抗炎症剤(例えば、NSAID)を含むコクリエートを単剤療法として投与する。他の実施形態では、抗炎症剤(例えば、NSAID)を含むコクリエートを、例えば少なくとも1つの他の抗炎症剤、又はNSAID誘導性病変若しくは潰瘍を治療する薬剤、例えばミソプロストール、プロトンポンプ阻害薬、高用量ヒスタミン−2−受容体拮抗薬若しくはCOX−2阻害剤を含む多剤療法の一環として投与する。
通例、被験体はヒト、又は非ヒト哺乳動物、例えばイヌ、ネコ、ウマ若しくは家畜である。通例、被験体はヒトである。
6. 毒性の低下
コクリエート化抗炎症剤(例えば、NSAID)の経口投与は、非コクリエート化抗炎症剤の経口投与と比較して毒性の低下を示す。上で論考されるように、非コクリエート化NSAIDの経口投与は、特にNSAID誘導性病変、潰瘍及び/又は出血が発生する中等度又は高リスクにある患者に対して胃腸管内のNSAID誘導性病変、潰瘍及び/又は出血を生じることが多い。NSAIDの活性のCOX−2阻害モードも、血栓溶解イベントを含む有害な心血管系イベントにつながる可能性がある。
一実施形態では、コクリエート化NSAIDは、胃腸管内に病変又は潰瘍が発生する被験体の割合を、NSAIDの非コクリエート化型により治療した場合に胃腸管内に病変又は潰瘍が発生する被験体の割合と比較して40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%超低減する。通例、コクリエートはジオードコクリエートである。
一実施形態では、コクリエート化NSAIDは、被験体の胃腸管内の病変の平均数をNSAIDの非コクリエート化型と比較して40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%超低減する。通例、コクリエートはジオードコクリエートである。
一実施形態では、コクリエート化NSAIDは、被験体の胃腸管内の病変の平均サイズをNSAIDの非コクリエート化型と比較して40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%超低減する。通例、コクリエートはジオードコクリエートである。
下記に提示される例は単に例示を目的とするものである。当業者は、本明細書に記載の好適な固体分散体形態を生成するために適切な方法及び装置を容易に決定することが可能である。
実施例1:NSAIDコクリエートのin vitro有効性
1mM、2.5mM及び5mMのアスピリン又はTYLENOLを含有する結晶コクリエート及びジオードコクリエートを調製し、同量のアスピリン若しくはTYLENOLのいずれかを含有するメタノール調製物、又は対照と比較した。図1に示されるように、亜硝酸塩濃度によって測定されるコクリエート化NSAIDのin vitro活性は、TYLENOL及びアスピリンの活性のそれぞれ5倍及び10倍であった。
実施例2:NSAIDコクリエートのin vivo有効性
NSAIDコクリエートをラットカラギーナン誘導性足炎症アッセイにおいて試験した場合のin vivo有効性。カラギーナン足浮腫アッセイは長い間、プロスタグランジン産生を抑制する抗炎症活性を検出するための動物モデルとして用いられてきたが、他の炎症性メディエーターがこの病変の病因に重要である。Winter et al., Proc. Soc. Exp. Biol. Med.; 111:544-547, (1962)、Van Armen CG et al. J Pharmacol Exp Ther. 150:328-334, (1965)、Otterness IG et al., Laboratory models for testing nonsteroidal anti-inflammatory drugs. In nonsteroidal anti-inflammatory drugs, ed. By JG Lombardino, pp. 116-129, John Wiley & Sons, New York, (1985)、及びVinegar R et al., Fed Proc 46:118-126, (1987)を参照されたい。概して、このアッセイは、通常は試験化合物の投薬の0.5時間〜1時間後の刺激物質カラギーナンの足蹠注射を含む。
方法:結晶コクリエート及びジオードコクリエートの2つのタイプのイブプロフェン含有コクリエートを調製した。コクリエートは、陰性リン脂質としてダイズホスファチジルセリンを用いて調製した。イブプロフェンジオードコクリエートを調製するために、ダイズホスファチジルセリンをヒマシ油及びイブプロフェンと合わせ、混合して、疎水性ドメイン(ヒマシ油)を取り囲むホスファチジルセリンを含み、イブプロフェンがヒマシ油内に分散した、リポソームと脂質単分子層との混合物を含む安定したエマルションを形成した。図3を参照されたい。ヒマシ油は、一つにはイブプロフェンが他の油よりもヒマシ油に実質的に溶解することが見出されていることから選択した。50mg/kg、10mg/kg、2mg/kg、0.4mg/kg又は0.1mg/kgのイブプロフェンを含有する結晶コクリエート及びジオードコクリエートを調製した。雄性Sprague Dawleyラットをビヒクル、イブプロフェンの市販の調製物、又は結晶若しくはジオードコクリエートのいずれかに配合したイブプロフェンにより経口処理し(カラギーナンの右後足蹠注射の1時間前)、炎症性浮腫に対する処理の効果を評価した。動物を被験物質の投薬の5時間後(カラギーナン注射の4時間後)に屠殺した。有効性評価は、炎症誘導性腫脹による注射した(右)足と注射していない(左)足との重量差に基づくものとした。加えて、胃粘膜を、粘膜鬱血及びびらんの発生率及び重症度の差について評価した。
結果:50mg/kgの全被験物質又は10mg/kg若しくは2mg/kgのイブプロフェンジオードコクリエート又は10mg/kgのイブプロフェン結晶コクリエートによるラットの処理は、ビヒクル対照群と比較した場合に足重量差の顕著な阻害をもたらした(図2)。イブプロフェン結晶コクリエート配合物が最も効果的であり(ED50=6mg/kg)、その後にイブプロフェンジオードコクリエート(ED50=7mg/kg)及びイブプロフェンの市販の調製物(ED50=30mg/kg)が続いた。50mg/kgのイブプロフェンの市販の調製物により処理したラットは、胃病変の数が顕著に増大し、胃病変の全長が増大した。10mg/kgのイブプロフェンの市販の調製物により処理した一部のラットも胃病変を有していた。50mg/kgのイブプロフェン結晶コクリエートを与えたラットは、ビヒクルにより処理したラットと比較して胃病変の長さ及び数が増大したが、どちらのパラメーターもイブプロフェンの市販の調製物単独による処理と比較して顕著に小さかった。50mg/kg、10mg/kg又は2mg/kgのイブプロフェンジオードコクリエートにより処理したラット(ED50=7mg/kg)は、カラギーナン誘導性足浮腫の顕著な阻害を有し、胃の炎症の兆候は見られなかった。驚くべきことに、50mg/kgのジオードコクリエートにより処理したラットは胃病変の兆候を有しなかった。コクリエート配合物が胃病変の数を低減し得ると予想されてはいたが、イブプロフェンジオードコクリエートにより観察されるように、かかる配合物が胃病変全体を解消し得ることは予想外であった。50mg/kgのイブプロフェンにより処理したラットの毒性データを以下の表にまとめる。
10mg/kgの結晶コクリエートによる処理は、この用量のいずれの配合物と比べても足浮腫の最大の阻害をもたらし(図2)、胃の炎症の兆候は見られなかった。2mg/kg、0.4mg/kg又は0.1mg/kgのいずれかの配合物を与えたラットにおいて胃病変は見られなかった。
結論:本研究の結果から、両方のイブプロフェンコクリエート配合物が、ED50により測定されるように、カラギーナン足浮腫に対してイブプロフェンの市販の調製物よりも実質的に大きな有益なin vivo効果をもたらすことが実証され、これを下記表にまとめた。
単回用量50mg/kgのイブプロフェンにより処理したラット(10匹のうち9匹)、及び比較的程度は低いが、10mg/kgのイブプロフェンにより処理したラット(10匹のうち1匹)において顕著な胃病変が生じたが、予期せぬことに、50mg/kg(又はより低用量のいずれか)のイブプロフェンジオードコクリエートを与えたラットにおいて胃病変は観察されなかった。50mg/kgの結晶コクリエートを与えた10匹のラットのうち6匹のみが胃病変を有し、10mg/kgにより処理したラットは胃病変を有しなかった。したがって、有効性並びに胃の炎症の発生率及び重症度がいずれも、イブプロフェンのコクリエート配合物によって顕著に改善された。
当業者は、単なる日常実験を用いることで本明細書に記載される本発明の具体的な実施形態の多くの均等物を認識するか、又は確認することが可能である。かかる均等物は添付の特許請求の範囲に包含されることが意図される。

Claims (31)

  1. 治療を必要とする被験体をコクリエート化NSAIDにより治療する方法であって、該被験体が非コクリエート化NSAIDに対する忍容性が低いか、又は胃腸管内のNSAID誘導性病変若しくは潰瘍に罹りやすく、該方法が前記被験体にコクリエートを含む配合物を経口投与することを含み、該コクリエートが治療有効量のNSAIDを含む、方法。
  2. 治療を必要とする被験体をコクリエート化NSAIDにより治療する方法であって、該方法が前記被験体にコクリエートを含む配合物を経口投与することを含み、該コクリエートが治療有効量のNSAIDを含み、該コクリエートが、
    負に帯電したリン脂質を含む脂質単分子層であって、該脂質単分子層がヒマシ油の液滴を取り囲み、前記NSAIDが該ヒマシ油の液滴内に含まれる、脂質単分子層と、
    交互二価カチオンと、前記負に帯電したリン脂質を含むリン脂質二重層とを含む脂質層であって、前記脂質単分子層の周りに配置される、脂質層と、
    を含むジオードコクリエートである、方法。
  3. 前記コクリエートが、
    負に帯電したリン脂質を含む脂質単分子層であって、該脂質単分子層が疎水性ドメインを取り囲み、前記NSAIDが該疎水性ドメイン内に分散する、脂質単分子層と、
    交互二価カチオンと、前記負に帯電したリン脂質を含むリン脂質二重層とを含む脂質層であって、前記脂質単分子層が該脂質層内に隔離される、脂質層と、
    を含むジオードコクリエートである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記疎水性ドメインが油である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記油がヒマシ油である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記NSAIDがサリチル酸塩(アスピリン[アセチルサリチル酸]、ジフルニサル、サルサレート又はサリチル酸、及び他のサリチル酸塩等)、プロピオン酸誘導体(イブプロフェン、デキシブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、デクスケトプロフェン、フルルビプロフェン、オキサプロジン又はロキソプロフェン等)、酢酸誘導体(インドメタシン、トルメチン、スリンダク、エトドラク、ケトロラック、ジクロフェナク、アセクロフェナク又はナブメトン等)、エノール酸(−オキシカム)誘導体(ピロキシカム、メロキシカム、テノキシカム、ドロキシカム、ロルノキシカム、イソキシカム又はフェニルブダゾン等)、アントラニル酸誘導体(例えばメフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸又はトルフェナム酸等のフェナメート)、選択的COX−2阻害剤(セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、ルミラコキシブ、エトリコキシブ又はフィロコキシブ等)、スルホンアニリド(ニメスリド等)、又はその他(クロニキシン、リコフェロン又はH−ハルパギド等)からなる群から選択される、請求項2〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記NSAIDがイブプロフェン又はナプロキセン等のプロピオン酸誘導体である、請求項2〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記NSAIDがジクロフェナク等の酢酸誘導体である、請求項2〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記NSAIDがピロキシカム又はメロキシカム等のエノール酸誘導体である、請求項2〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記NSAIDがセレコキシブ又はロフェコキシブ等の選択的COX−2阻害剤である、請求項2〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記治療有効量のNSAIDを含むコクリエートが、前記被験体に投与した場合に胃腸管内でいかなる病変も誘導しない、請求項2〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記ジオードコクリエートが、被験体の胃腸管内に病変又は潰瘍が発生する被験体の割合を、前記NSAIDの非コクリエート化型により治療した場合に胃腸管内に病変又は潰瘍が発生する被験体の割合と比較して40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%超低減する、請求項2〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記ジオードコクリエートが、被験体の胃腸管内の病変又は潰瘍の平均数を、前記NSAIDの非コクリエート化型と比較して60%、70%、80%、90%又は100%超低減する、請求項2〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記ジオードコクリエートが、被験体の胃腸管内の病変又は潰瘍の平均サイズを、前記NSAIDの非コクリエート化型と比較して50%、60%、70%、80%、90%又は100%超低減する、請求項2〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記ジオードコクリエート中のNSAID用量が、同じNSAIDの非コクリエート化型の用量と比較して20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又は90%超低減する、請求項2〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記被験体が非コクリエート化NSAIDに対する忍容性が低い、請求項2〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記被験体が胃腸管内のNSAID誘導性病変又は潰瘍に罹りやすい、請求項2〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 疎水性ドメイン(HD)とジオードコクリエートのリン脂質成分(PPLGD)との比率HD:PPLGD、又はヒマシ油ドメイン(COD)とジオードコクリエートのリン脂質成分(PPLGD)との比率COD:PPLGDが1:20以下、1:15以下、1:10以下、1:8以下、1:6以下、1:5以下、1:4以下、1:3.5以下、1:3以下、1:2.75以下、1:2.5以下、1:2.25以下、1:2以下、1:1.75以下、1:1.5以下、1:1.25以下、1:1以下である、請求項2〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記被験体に1日当たり3g、2.5g、2g、1.5g、1.25g、1g、750mg、500mg、400mg、300mg、250mg、200mg、150mg、100mg又は50mg以下の前記コクリエートを投与する、請求項2〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記コクリエートを1日1回又は1日2回投与する、請求項2〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 投与工程の前に、胃腸管内のNSAID誘導性病変又は潰瘍に罹りやすいとして前記被験体を特定する工程を更に含む、請求項2〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記配合物が胆汁酸塩を更に含む、請求項2〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記コクリエート配合物が0.1mM〜0.5mMの胆汁酸塩を含有する、請求項22に記載の方法。
  24. 前記被験体が哺乳動物である、請求項2〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記被験体がヒトである、請求項2〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記コクリエートが1つ以上の負に帯電した脂質を含み、該1つ以上の負に帯電した脂質が該コクリエート中の全脂質の40%〜70%を占める、請求項2〜25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記1つ以上の負に帯電した脂質が前記コクリエート中の全脂質の50%〜60%を占める、請求項26に記載の方法。
  28. 前記1つ以上の負に帯電した脂質がホスファチジルセリンを含む、請求項26に記載の方法。
  29. 前記ホスファチジルセリンがダイズホスファチジルセリンである、請求項28に記載の方法。
  30. 前記コクリエートが1つ以上の中性又はカチオン性の脂質又はステロールを更に含む、請求項2〜29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記1つ以上の中性又はカチオン性の脂質又はステロールが、ホスファチジルコリン及びスフィンゴミエリンからなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
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