JP2018517563A - 鉄系材料における結晶粒の微細化 - Google Patents

鉄系材料における結晶粒の微細化 Download PDF

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Abstract

標的微細酸化物分散質および/または標的微細炭化物分散質を溶融物中で形成することと、等軸結晶粒の不均一核生成のために前記分散質上に遷移金属窒化物を順次析出させることとを含む、鉄系合金を製造するための方法。等軸性の高い微細結晶粒組織を有する鉄系鋳造合金。
【選択図】図15

Description

本発明は、鋳造オーステナイトステンレス鋼、白鉄、非ステンレス鋼、低合金鋼および他の鉄系材料などの鉄系材料の結晶粒組織の微細化に関する。
一次結晶粒のサイズおよび形態は、オーステナイト種ステンレス鋼などの各種鉄系材料の物理化学特性および機械特性にとって特に重要である。オーステナイト種ステンレス鋼の典型的な鋳造マクロ組織は、外部冷却された鋳造表面から成長する長形デンドライト結晶によって形成される柱状ゾーンと、等軸結晶粒を含む内部ゾーンとで構成される。柱状組織に対する等軸組織の比は、例えば、10:90〜55:45程度、例えば10〜55体積%の等軸組織であり得る。
鉄系材料中の鋳造組織の結晶粒微細化は、以下にとって重要な手段である。すなわち、(i)結晶粒内の組成のミクロ偏析を低減させること、(ii)鋳造物全体に含まれる合金化元素の大規模なマクロ偏析を減少させること、ならびに(iii)結晶粒界の組織および組成を制御することである。一般に、微細等軸結晶粒組織は、より大きい柱状結晶粒と比較して、熱処理におけるより均一な反応、より低い異方性、およびより良好な特性をもたらすことができる。組織を微細化することにより、合金の強度および延性の両方が改善される。高合金鋼においては、微細等軸結晶粒組織の均一性は、長形デンドライトを含む柱状ゾーンよりも良好である。このような鋳造物は、微小孔構造(micro-porosity)や非金属介在物といった不要な特徴のクラスター化が低減する。熱間割れに対する耐性を促進するので、小型の結晶粒組織もまた好ましい。
従来、オーステナイトステンレス鋼および他の合金における結晶粒微細化のための1つの手法は、既存の粒子を溶融物に導入することであった。その目的は、液体溶融金属全体に固体粒子を分散させ、それにより、金属が凝固する際、その凝固機構が、鋳型の側壁から開始される結晶粒の形成よりも、金属全体にわたって開始される結晶粒の形成に偏って起こるようにすることである。この結晶粒微細化方法は、既存の粒子を形成し、それらをいわゆる母合金に導入し、次いで溶融物全体に導入しなければならないという点で、様々な課題がある。この母合金によって、溶融物の組成全体が変わるので、溶融物の組成がその特定の組成範囲から外れないようにするために注意深く制御する必要がある。また、母合金の溶融にはさらなるエネルギーが必要であり、したがって、溶融物全体の温度を上昇させることが必要となり得る。
したがって、簡潔に述べると、本発明は、鉄系合金を製造するための方法であって、鉄含有材料を溶解炉に供給し、前記鉄含有材料を溶融させて溶融金属とする工程と、前記溶融金属に元素を導入して前記溶融金属中の溶解酸素および/または溶解炭素と反応させ、前記溶融金属中で標的微細酸化物分散質および/または標的微細炭化物分散質を形成する工程と、前記溶融金属を前記溶融金属の液相線温度よりも高い温度に維持し、1つまたは複数の金属結晶粒微細化元素を前記溶融金属に導入して前記金属結晶粒微細化元素の金属窒化物を析出させて、前記金属窒化物を含有する溶融金属を得る工程と、前記金属窒化物を内部に含む前記溶融金属を前記溶融金属の固相線温度よりも低い温度に冷却して、凝固した鉄系合金を形成するステップとを順に含む方法に向けられる。
別の局面において、本発明は、当該方法によって調製された合金に向けられる。
0.2重量%のTiを鋼に添加したときの析出物形成の予測の状態図である。 0.2重量%のZrを鋼に添加したときの析出物形成の予測の状態図である。 0.2重量%のHfを鋼に添加したときの析出物形成の予測の状態図である。 0.2重量%のNbを鋼に添加したときの析出物形成の予測の状態図である。 下記実施例2に係る析出物形成の予測の状態図である。 下記実施例2に係る析出物形成の予測の状態図である。 下記実施例2に係る析出物形成の予測の状態図である。 下記実施例2に係る析出物形成の予測の状態図である。 下記実施例2および実施例3におけるヒートBのミクロ組織を水平断面で示す写真である。 下記実施例2および実施例3におけるヒートBのミクロ組織を垂直断面で示す写真である。 下記実施例2および実施例3におけるヒートT1のミクロ組織を水平断面で示す写真である。 下記実施例2および実施例3におけるヒートT1のミクロ組織を垂直断面で示す写真である。 下記実施例2および実施例3におけるヒートT2のミクロ組織を水平断面で示す写真である。 下記実施例2および実施例3におけるヒートT2のミクロ組織を垂直断面で示す写真である。 下記実施例2および実施例3におけるヒートT3のミクロ組織を水平断面で示す写真である。 下記実施例2および実施例3におけるヒートT3のミクロ組織を垂直断面で示す写真である。 下記実施例5に記載の基本ヒートBにおけるミクロ組織の写真である。 下記実施例5に記載の基本ヒートBにおけるミクロ組織の写真である。 下記実施例5に記載の基本ヒートBにおける析出物組成の結合三角グラフである。 下記実施例5に記載のヒートT1のミクロ組織の写真である。 下記実施例5に記載のヒートT1のミクロ組織の写真である。 下記実施例5に記載のヒートT1における析出物組成の結合三角グラフである。 下記実施例5に記載のヒートT2のミクロ組織の写真である。 下記実施例5に記載のヒートT2のミクロ組織の写真である。 下記実施例5に記載のヒートT2のミクロ組織の写真である。 下記実施例5に記載のヒートT1の析出物組成の結合三角グラフである。 下記実施例5ヒートT3のミクロ組織の写真である。 下記実施例5ヒートT3のミクロ組織の写真である。 下記実施例5ヒートT3のミクロ組織の写真である。 下記実施例5ヒートT3のミクロ組織の写真である。 下記実施例5に記載の析出物組成の結合三角グラフである。 下記実施例6における基本ヒートのミクロ組織を水平断面で示す写真である。 下記実施例6における基本ヒートのミクロ組織を垂直断面で示す写真である。 下記実施例6における発明ヒートのミクロ組織を水平断面で示す写真である。 下記実施例6における発明ヒートのミクロ組織を垂直断面で示す写真である。
本発明は、特定の元素を添加し、液体金属処理工程の順序を制御することにより、鋳造結晶粒組織の微細化(refinement)を向上させ、かつ柱状度を低減することが可能であるという本発明者らの知見に基づくものである。
不均一核生成は、ある意味において、溶融金属がその液相線よりも高い温度から液相線よりも低い温度に冷却されるにつれ、固体表面上で液体金属から金属結晶粒が最初に形成されることを指す。溶融金属の凝固は優先的に開始されるので、明確な結晶粒の形成は固体表面上で優先的に開始される。本発明は、等軸結晶粒組織の開始に対する活性が高い固体表面を溶融物全体にわたって多数付与することを目的とする。本発明は、溶融物の化学組成全体の変更をできるだけ小さくする方法でこれを実現しようとするものである。これを実現するため、本発明は、固体結晶粒の成長開始サイトを溶融物中でその場で発現させるものであり、これは、核生成用の粒子が既存の固体粒子として溶融物に添加される慣行からの転換である。
その最も基本的なレベルにおいて、本発明は、スクラッピングおよび/または直接還元鉄、脱酸素、微細化および凝固などを含むがこれらに限定されない、鉄含有材料を溶融させる工程を伴う処理全体における改善である。処理は、全体として、HおよびNの制御のための酸化、脱リン、脱ガス、所望の溶融物組成を得るための合金化および他の金属の添加、脱硫、ならびに濾過といった当業界で周知であるが本発明にとって狭義では必須でない他の操作を典型的には含む。酸化は、例えば、炭素含有量を低減し、不純物を除去するための処理における通常の工程である。炭素は、COガスとして除去される。他の不純物は、スラグへ駆動される。
第1の組の操作においては、鉄含有材料を溶融させ、必要に応じて化学組成を調整し、不要な不純物および異物を除去する。これにより、溶液中のC、Cr、Ni、Mn、Si、N、O、B等といった他の様々な元素および酸化物や他の化合物などの二次液相または固相を含む溶融鉄含有材料が得られる。厳密な溶融物の組成は、スクラップまたは他の原料の組成および最終的な合金に対する対象要件によって決まる。この第1の組の操作は、典型的には、CおよびPを除去するための酸化を含む。
次いで、鋳造組織の凝固中の結晶粒微細化のために設計された、本発明の核心となる第2の組の操作に同材料を供する。この組の操作は、不均一核生成の活性サイトを得るために設計されたものである。
本発明によれば、集中的な工程が順番に実行される。第1の工程は、活性添加物と溶融物に残存する酸素(または炭素)とを標的とした反応によって特定の微細分散質化合物を生成することである。一実施形態において、これらの標的分散質は、溶融物中に形成される酸化物MgAlおよび/またはMgO−Al、ならびに複合体Mg−Al−Ca−Ti化合物などの異なる別個のまたは複合体の酸化物を含む。これらの酸化物は、溶融物に溶解した酸素と活性元素との反応物として、溶融物中においてその場で容易に形成される。別の実施形態においては、炭素を有する一部の合金において、例えば、高Cr鋳鉄や炭化物もまた、標的分散質、例えば、ZrCであり得る。これらの標的分散質は、遷移金属(Ti、Zr、Nb、Hf)の窒化物などの活性結晶粒微細化剤の表面でのその後の析出のための前駆体として機能する。分散質形成元素は、例えば、Al、Ca、Mg、BaおよびSrのうちの1つまたは複数を含む。ジルコニウムおよびCeもまた考えられる。分散質形成元素は、Tiなどの金属結晶粒微細化元素が溶融物中で析出窒化物を形成する前に、酸化物または炭化物を溶融物中で形成しやすいということに基づいて選択される。これらはまた、TiN析出物に対して低い表面エネルギーを有する分散質を形成し、したがって、TiNの析出を促す点で活性が高い分散質を形成するということに基づいて選択される。また、いくつかの場合において、分散質形成元素は、TiNに対して最小の格子不整合度(disregistry)を有する分散質を形成しやすいために選択される。その上に析出される、TiNなどの粒子の格子間隔との差が5%未満である格子間隔を有する分散質を形成することが好ましい。分散質元素はまた、処理温度よりも少なくとも約100℃高い融点を有する分散質を形成するという事に基づいて選択される。例えば、一実施形態においては、分散質は、1700℃よりも高い、例えば、1800℃よりも高い融点を有する。なぜなら、約1600℃の溶融物処理温度が使用されるからである。下記の例T2に示す一実施形態においては、これらの元素には、AlおよびCaが含まれる。溶融物に添加される際、これらは、標的酸化物を形成するように、溶融物からの酸素と結合してAl酸化物およびCa酸化物を形成する。下記の例T3に示す別の実施形態においては、これらの元素は、アルミン酸マグネシウム(MgAlおよび/またはMgO−Al)のスピネル化合物およびMgOを形成するAl、CaおよびMgである。スピネルMgAlは、溶融鋼において化学的に安定であり、TiNに対して最小の格子パラメータ不整合度を有するので、好ましい分散質である。
分散質を形成する第1のステップは、溶融物中に残存する酸素と酸化物化合物を形成するか、あるいは溶融物中の炭素と炭化物化合物を形成する、溶融鉄含有材料に分散質形成元素を導入することによって行われる。一実施形態において、標的分散質化合物を形成するこの操作は、液相線よりも150〜200℃程度高い温度、例えば、Cr−Niオーステナイト鋼の場合は1520〜1620℃の温度で行われる。添加中に溶融物に対して混合を行うことが好ましい。
好適な実施形態において、分散質の平均粒径は、0.1〜10μm、例えば、0.5〜2μmである。この文脈における粒径は、球状粒子の場合は直径を指し、不規則粒子の場合は、最大直線横断寸法を指す。最小粒径は、溶融物における固体境界の安定度および均質析出物の臨界寸法によって制限される。粒径が10μmを超える分散質を形成することは避けるのが好ましい。なぜなら、その粒径を超えると、析出物は、溶融物の頂部に浮遊して偏析しやすいからである。
標的分散質の濃度は、好ましくは、約1〜1000体積ppm、例えば、約10〜約100体積ppmである。過剰な析出物が合金の最終的な靭性および清浄度に悪影響を与える可能性があるため、分散質を過剰に形成することは避けるのが好ましい。本工程で添加される分散質形成元素であるAl、Ca、Mg、Ba、Sr、Zrおよび/またはCeの具体的な量は、当業者にとっては、添加されるMg、Al等の典型的な回収率(recovery ratio)を勘案し、蒸発によるロス、溶融物に対する添加前の当該元素の濃度、温度および溶融物中の酸素/炭素濃度を考慮して、標的分散質の組成(例えば、MgAlおよび/またはMgO−Al)および濃度(例えば、50体積ppm)により主として導出される通常の計算値である。本明細書に記載の実施例においては、例えば、添加物の濃度は、回収率をAl、BaおよびCaの場合は70%を超えるものとして、Mgの場合は30%程度として計算した。
本発明は一実施形態において標的酸化物の析出物を生成することを含むものであるが、溶融物がクラスター化した酸化物を含み過ぎないようにすることも重要である。したがって、予備的に部分脱酸素を行い、余剰の酸化物ベースの反応物をスラグに除去することが本発明の範囲に含まれる。この予備的な脱酸素は、最終的な酸素活性を、例えば、10〜15ppm程度に制御した状態で溶融物が形成される溶解炉(誘導炉またはアーク炉)内で直接的に行ってもよい。
例えば、Al、Ca、Mg、Ba、Sr、ZrおよびCeのうちの1つまたは複数の分散質形成元素を添加した後、分散質形成元素の添加を終了する。好適な実施形態において、次いで、溶融物は、1つまたは複数の結晶粒微細化剤を添加する次の実質的な操作の前に、短時間の放置時間(dwel time)に供される。スピネルといった、ある分散質酸化物を形成する反応速度(kinetics)は非常に速い(1秒未満)ので、放置時間は本発明の実施形態のすべてには狭義において必須ではないものの、多くの実施形態において放置時間は好ましい。この放置時間は、例えば、10秒〜5分以上程度、例えば、約10〜約60秒、または約10〜約30秒とし、標的分散質元素の形成が進行して完了またはほぼ完了に至ることを可能にしてもよい。
標的分散質の析出物(例えば、Al、Ca、Mg等の酸化物)の形成後、溶融金属に1つまたは複数の結晶粒微細化元素を添加する。この段階の金属は、まだ、液相線よりも高い温度、例えば、液相線よりも約50〜150℃高い温度にある。金属はまだ完全に溶融状態にあるため、金属結晶粒の形成はまだ始まっていない。Tiなどの結晶粒微細化元素を添加すると、その場で形成された標的分散質の析出物は、その表面のTiNなどの窒化物の析出を促進し、これらの活性化複合物は、その後、冷却時に鋳造物中に結晶粒を形成するための核生成サイトとして機能する。本工程で添加されるTi、Hf、Nbおよび/またはZrなどの遷移金属結晶粒微細化元素の具体的な量は、添加される微細化元素の濃度(母合金または合金鉄、典型的には10〜70重量%)、これらの元素の回収率(典型的には、70%超)、および窒化物を合金の液相線よりも高い温度で形成するための溶融物中の窒素濃度などの要因により導出される通常の計算値である。本明細に記載の熱力学ソフトウェアは、溶融物中での考えられる反応を考慮して使用するのが好ましい。
析出は段階的に行われる。すなわち、酸化物(または炭化物)の核がまず存在しているはずであり、次いで、窒化物が酸化物(または炭化物)上に形成される。従って、核生成サイトの数は、形成される窒化物の数を決定する。このことは、特に有利である。なぜなら、窒化物の核生成が向上することにより、冷却時に結晶粒微細化が向上するからである。鉄系材料がオーステナイトステンレス鋼である一実施形態において本発明に従って用いられる好適な結晶粒微細化元素は、好ましくは、遷移金属であり、より好ましくは、Ti、Zr、Hfおよび/またはNbのうちの1つまたは複数であり、下記の事例T1、T2およびT3に示す本実施形態においては、Tiが好適である。本発明の一実施形態においては、分散質形成工程および結晶粒微細化元素添加工程の間に、特に、酸化物または分散質の除去操作を行うことなく、結晶粒微細化元素を溶融金属に添加する。
ひとたび結晶粒微細化元素が添加されると、結晶粒微細化元素の添加を積極的に終了し、核生成を容易にする放置時間とする。温度および時間の条件は、溶液の熱力学と微細化元素の濃度との関数である。一実施形態においては、例えば、結晶粒微細化元素の添加後、溶融物を、約1〜約20分、例えば、約2〜約5分の間の放置時間、その液相線よりも50〜200℃高い温度で維持する。
その後、溶融金属を冷却して、固体金属を形成する。一部の冷却は、レードル(ladle)保持時間中に起こり、残りは、鋳造時(連続したまたは別個の鋳型への)に起こる。
本発明によれば、白鉄、ステンレス鋼、非ステンレス鋼、または低合金鋼などの鉄系材料の鋳造物が製造され、これらの鋳造物は、2mm未満、例えば、1mm未満、例えば、0.3〜1mmの範囲の等軸結晶粒度を有する。約10mm未満の柱状ゾーンを有するこのような鋳造物も製造することができる。このような鋳造物もまた、少なくとも約60体積%の等軸組織であり、典型的には、少なくとも70〜80体積%の等軸組織である。
以下の非限定的な実施例により、本発明をさらに説明する。
〔実施例1〕
この第1の実施例は、溶融金属中での標的析出物の反応シークエンスおよび形成のシミュレートされた評価によって本発明を説明するものである。鋳造スーパーオーステナイトステンレスCr−Ni−Mo合金鋼の結晶粒微細化について検討した。表1は、鋼の組成を示す。
FactSage6.3(CRCT、モントリオール、カナダおよびGTT、アーヘン、ドイツ)ソフトウェアを用いて、凝固特性を予測した。ギブズの自由エネルギーの最小化原則に基づく平衡計算のため、液体および固溶体ならびに純粋化合物(分散質)のFSstelデータベースを選択した。
この合金は、一次オーステナイト相の形成と共に凝固する。合金化元素の偏析(CrおよびMoの場合は正、Niの場合は負)は、結晶粒界での固体/固体反応による、より低い温度でのガンマ相およびラベス相の形成を促進する。これらの偏析物および析出物は、スーパーオーステナイト鋼の耐食性および機械特性において重要な役割を果たす。
採用された方法は、事前に形成された分散質を含有する母合金を添加する従来の技術の使用ではなく、活性添加物と溶解成分との化学反応による標的析出物の溶融物中での直接的な「その場での(in situ)」形成に基づくものであった。凝固領域よりも高い温度における溶融物中での熱力学的に安定な異なる固体析出物の形成について、FactSage6.3ソフトウェアを用いて分析した。溶融物中の複合体添加物およびいくつかの活性元素は、複数の反応生成物と反応することができた。溶融物処理順序による考えられる影響を、以下の2つの仮定を用いて決定した。(i)その後の処理工程中に最初に形成される反応生成物の考えられる逆変態(reverse transformation)を含む全ての潜在的な反応の自由エネルギーの最小化、および(ii)その後の処理中に最初に形成される析出物の不可逆反応および高い安定性を仮定。
第1の組のシミュレーションにおいては、遷移金属Zr、HfおよびNbを1回で添加した後の溶融物中での標的核生成サイト(遷移金属の窒化物または炭化物)の安定性を分析した。鋼中のC、NおよびOの濃度(表1)を考慮すると、添加物の種類および温度に応じて生じ得るいくつかの考えられる並行反応が存在する。標的化合物(窒化物または炭化物)が液体−固体変化前に析出し始めた場合、それらは潜在的な核生成サイトであり得た。一方、標的化合物がFe−fcc凝固中またはFe−fcc凝固後に形成された場合、それらは、不均一核生成を引き起こす能力がより低いかあるいは当該能力を有しなかった。
図1〜図4に示す計算値は、遷移金属の標的窒化物および炭化物は、脱酸素反応が完了してはじめて、凝固温度よりも高い温度で溶融物中で直接形成することができ、また、大量の添加物の臨界量を要することを示している。添加量のこの臨界値は、標的化合物の形成を開始するために溶融物に添加が必要な最小量を示している。これらの臨界値は、遷移金属の異なる種類および溶融物中の不純物の異なるレベルによって変化した。例えば、対象鋼中で液相線よりも高い温度でNbNを形成するためには、3%を超えるNb添加物が存在しなければならない一方、TiまたはZrは0.1〜0.2%程度、Hfは0.2〜0.3%程度だけ存在すればよい。ほとんどの場合において、酸化物の形成は、遷移金属が添加された時点で、溶融物中で既に生じていた。ひとたび脱酸素が完了すると、残存する遷移金属は、窒素および/または炭素と反応して、標的化合物を形成することができた。
表2は、同体積(0.05体積%)の活性核生成サイト(遷移金属の窒化物および炭化物)を生じさせるために、窒素濃度が異なる溶融物に添加が必要な遷移金属の計算された重要パーセントを示している:
これらのデータは、熱力学ソフトウェアFACTSAGEを用いて計算した。ギブズの自由エネルギー最小化原理を用いて、溶融物の化学反応と添加を含む、最初の状態からの最終平衡を計算した。同じ方法を用いて、全てのその場での反応および形成された反応物をシミュレートした。その結果、標的化合物を形成するために必要な遷移金属添加物の量を低減させるために、一次脱酸素が使用され得ることが分かった。これを評価するために、TiNを標的化合物として選択した。なぜなら、TiNはCr−合金鋼中で不均一核生成を引き起こす潜在能力を有しているからである。標的化合物の形成を向上させるために、処理順序の制御による溶融物中での反応の制御を用いることも可能である。
〔実施例2〕
本実施例では、溶融金属の処理順序のシミュレートされた評価により、本発明を説明する。複合体添加物(Al、Ca、Mg、Ti)を含む、本発明の基本溶融物および3つの異なる溶融物を熱力学的シミュレーションに供した。その目的は、溶融物の処理順序が溶融物中での分散質の形成に及ぼす影響を予測することであった(表3)。これらの溶融物もまた、試験ヒートにおいて調製および評価した(実施例3)。
基本事例(B)においては、低Nのスーパーオーステナイト鋼をAl添加物およびCa添加物によって脱酸素し、Ti添加物は用いなかった。図5は、基本事例Bの計算された結果を示し、主要な脱酸素生成物が、Al、CaOおよびSiOを主成分とする複合体の液体スラグ相であることが示されている。事例T1およびT2においては、Al添加物とCa添加物とを用いた脱酸素処理およびTi添加物を用いた微細化の順序を変更することによる影響について検討した。事例T1においては、溶融物にまずTiを添加し、不純物のTiとの反応の完了後にAlおよびCaを添加した。図6に示すように、最終的な平衡は、凝固の開始時にチタン酸カルシウムおよびアルミン酸カルシウムが安定相として形成されたことを示した。TiN析出物は、凝固が開始されてからはじめて形成された。
図7に示す事例T2においては、まずAl脱酸素剤およびCa脱酸素剤を導入し、Tiの添加前に系からスラグへ除去することが可能な液体反応生成物を形成した。脱酸素および熱力学的計算における仮想脱スラグ化の後、合計酸素含有量は実質的に減少し、事例T1に比べてより多くの量およびより高い温度でTiNを安定相として形成することができた。
図8に示すように、事前に析出させた酸化物(Al−MgスピネルまたはMgO)上への標的TiN核の順次析出を向上させるために、Ti微細化添加物の前のAl−Ca−Mg添加物による複雑な処理を事例T3においてシミュレートした。計算によると、Al−Mgスピネルおよびより複合的なAl−Mg−Ti−Caスピネルがまず形成され、続いて、後の冷却中にTiNが形成されることが予測された。凝固を上回る温度において、先の処理工程で析出したこれらの酸化物は、母体合金の凝固が始まる前にTiNの核生成に影響を及ぼすことにより、不均一核生成能力を高める潜在能力を有する。
〔実施例3〕
本実施例では、実験によって本発明を説明する。窒素ガス置換した100ポンドの誘導炉において、スーパーオーステナイト鋼の試験ヒートを形成した。全てのヒートにおいて、表1に示す組成の事前溶融した鋼インゴットに基づく一定の投入量を用いた。実施例2の熱力学的計算で用いた工程に従い、添加および脱スラグ化の設計された順序で実験を行った。すなわち、
大断面鋳型の形状は、直径6インチ・高さ4インチの上側立ち上がり部(top riser)を有する直径4インチ・高さ8インチの垂直シリンダであった。鋳型において適度な混合を実現するために、底部充填ゲーティング方式を適用した。鋳型の設計は、中心線間隙(centerline porosity)を回避するため、MAGMAsoftを用いた凝固シミュレーションに基づいて行った。これら全てのヒートの鋳込温度は約1500℃であり、対象鋼種については液相線温度よりもおよそ100℃高い過熱とした。
代表的な鋳造物の薄片を切り取り、マクロエッチングした。結晶粒度を調べるため、塩酸10部と濃縮過酸化水素1部との混合物を塗布して、マクロ組織をエッチングした。対象断面は、鋳造物の底部から4インチにおける水平断面および底部の残りの部分の垂直断面であった。照明下で青色フィルタおよび赤色フィルタを用いてマクロ組織の写真を撮影した。
図9〜図16は、試験ヒートについての水平断面および垂直断面のマクロ組織を示す。黒色矢印は、鋳型のキャビティに流入する液体鋼流の流れ方向を示す。図9(水平断面)および図10(垂直断面)に示す基本ヒートにおいては、適度な粒度の結晶粒を有する、等軸ゾーンの面積が制限された大きな非対称柱状ゾーンが水平断面および垂直断面の両方において観察された。図9および図10の基本ヒートと比較して、Ti添加物(T1−図11および図12;ならびにT2−図13および図14)を含むヒートは、柱状ゾーンが短く、等軸ゾーンの結晶粒度がやや小さかった。T2の組織をT1の組織と比較すると、結晶粒微細化窒化物用の前駆体を添加する前に、ヒートT2において標的分散質の形成用の前駆体を添加することは、ミクロ組織に著しい影響を与えることがわかる。本発明の特殊な順序(標的分散質を形成し、続いて、標的分散質の形成が完了してからはじめて窒化物を形成する)によって、より微細化され、より等軸な結晶粒組織が得られる。また、ヒートT2において、マクロ組織のより大きい非均質性が観察された。これは、流れのパターンによる影響によるものであり得る。図15および図16に示すように、ヒートT3において、微細な結晶粒を含む大きな対称等軸ゾーンが得られた。
T3のマクロ組織をT2のマクロ組織と比較すると、溶融物中で事前に形成されたMgOおよびMgAlスピネル酸化物分散質などのMg含有酸化物上にTiNを順次析出させることにより、オーステナイトの不均一核生成のための有効でありかつ良好に分散した大きな表面領域が得られたことがわかる。活性不均質核により、ヒートシンク方向に成長するデンドライトの前方にて、溶融物中で等軸結晶粒を形成することが促進される。等軸結晶粒の臨界体積および割合においては、柱状デンドライトの成長が中断され、鋳造組織において主要な等軸ゾーンが形成された。したがって、この結晶粒微細化機構を容易にするために、ヒートT3における処理順序によって、多数の高表面積核生成サイトが得られる。
図10、図12、図14および図16の垂直断面は、等軸ゾーンにおける結晶粒度分布および柱状/等軸組織の遷移を示す。断面の底部および側部において、チルリングゾーンの影響が観察された。破線は、均等に分布した結晶粒を有する等軸ゾーンのおおよその位置を示す。
〔実施例4〕
本実施例は、鋳造組織を定量的に評価するために実施した。ASTM基準E112−10に従い、等軸ゾーンにおける結晶粒度の計算に切片法(lineal intercept method)を用いた。等軸ゾーンと柱状ゾーンとの境界から断面の縁部まで少なくとも12本のラインについて、柱状ゾーンの長さを測定した。組織微細化を定量するためのパラメータとして、結晶粒微細化係数(R)を用いた(完全柱状組織の場合、R=0、等軸結晶粒を有する完全微細化組織の場合、R=1):
式中、Dは鋳造物の直径、Lcolumnarは、柱状ゾーンの長さである。
表4は、試験ヒートの水平断面における結晶粒微細化測定値を示す。
本発明の結晶粒微細化技術により、柱状ゾーン長の低減および等軸結晶粒度の減少に著しい改善がもたらされることが理解される。等軸組織のパラメータRは、基本ヒートB1においてはわずか0.55であったのに対し、ヒートT3においては0.82であった。この割合は、本発明によれば、金属のより多くが等軸結晶粒として凝固することを意味する。結晶粒度との併用で、この微細化結晶粒組織は、大断面鋳造物においても均一な化学反応および特性をもたらす。
〔実施例5〕
本実施例は、析出した分散質の詳細な分析を提供するものである。分散質集団の評価のために、自動SEM/EDX分析を用いた。試験鋳造物について、底部から100mmの水平断面で直径の1/2の試料を切り出した。自動特徴分析(Automated Feature Analysis)により、個々の析出物の平均的な化学反応を得た。その結果、析出物の化学反応の統計データを結合三角ダイアグラムに示した。図中、各三角グラフは、3つの主要元素を有する析出物を示しており、それぞれの析出物は一度だけ示されている。マーカーは、平均直径を区別するために使用した。
遷移元素の添加とは独立し、かつそれに先立つ工程において、本発明に従って慎重に形成された固体分散質(当該分散質は、Mg、Al、Ca等の添加物をある活性元素(すなわち、Oおよび/またはC)と反応させることにより溶融物中でその場で形成される)は、ここでは、これらの影響を利用して不均一核生成サイトを形成することにより、鋳放し(as-cast)組織の結晶粒微細化において重要な役割を果たすことが示されている。ASPEX SEM/EDX分析を用いて析出物集団の特性を決定し、選択された析出物を個々に分析した。基本ヒートBにおいて観察された一般的な非金属析出物を図17に示すような複合体Al−Ca−Si−Mn酸化物と、図18に示すようなデンドライトの境界に位置するMnS硫化物とに均等に分布させた。デンドライトの中心およびデンドライト間領域において酸化物が観察された。図19の析出物組成の結合三角グラフから理解されるように、析出物の大半は、溶融物から順次共沈された結果、複合体組織を有していた。
まずチタンで処理され、続いてAl+Caで処理されたヒートT1において、いくつかの種類の複合体非金属析出物が存在していた。すなわち、図20に示すような、異なる酸化物コア上に典型的に析出したTiN、Ti−Mn−AlおよびAl−Si−Caの複合体酸化物(図21)、ならびにデンドライト間領域に析出したアルミナコアを有するMnSである。硫化物析出物の大半は、直径が0.5〜5ミクロンであったのに対し、TiNを含む析出物は2〜5ミクロンであり、複合体液体酸化物の量が多いほど、Al−Si−Ca酸化物のサイズは大きかった(図22)。
ヒートT2の場合のようにチタン処理の前に標的分散質を形成する一次溶融処理によって、反応順序が変わり、TiN析出物の量が著しく増加した。TiN析出物は、複合体酸化物上にしばしば析出し、後に、TiN表面にMnSが形成された(図23)。一部の析出物は、他の組成の目に見えるコアも外側層も有しない、純粋なTiNであった(図24)。これらは、結晶粒およびデンドライト間領域内でクラスター化する傾向があった(図25)。図26の結合三角ダイアグラムは、形成された析出物の異なるクラスを示す。クラスター化したTiN析出物の多くは、直径が5ミクロンを超えていた。
図27〜図31から、ヒートT3における溶融処理方法は析出物の分散質集団、内部組織および化学組成に大きな影響を及ぼしたことが分かる。反応生成物は、母材に均等に分布した(図27)。図28は、複合体Ti−Mg−Al酸化物上に形成されたTiNを示す。図29は、複合体Mg−Alスピネル上に形成されたTiNを示す。図30は、外側MnS層を有する複合体TiN析出物を示す。図31は、析出物組成の結合三角グラフである。TiN含有析出物の大半は、MgAlスピネルまたはより複合的なMg、AlおよびTiの酸化物化合物に組成的に近い酸化物からなるコアを有していた。観察された析出物の層構造は、熱力学的に予測された反応順序に従ったものであった。分散質の組織は、その形成の順次析出機構:強い酸化物がまず形成され、続いて、その後にTiNが形成されることを示した。そして、最後に、凝固温度付近で、部分的にMnSで被覆されたTiN表面が形成された。結合三角ダイアグラムは、析出物がMgAlスピネルの化学両論比(stoichiometry)を有するコアを有することを明確に示している。
〔実施例6〕
本試験例は、鋳造オーステナイト316ステンレス鋼の調製に対する本発明の有効性を示すために実施した。表6の組成を有する試験ヒートを調製した。
材料の1回目の投入分を基本ヒートとして処理し、比較のため、材料の2回目の投入分を本発明に係る発明ヒートとして処理した。発明ヒートにおいて、AlおよびMgをレードルに添加し、酸化物分散質化合物をその場で形成した。AlおよびMgの添加に続いて、分散質上にTiNの順次析出物を形成するためのTiを添加した。AlおよびMgの添加を中止してから、Tiの添加を開始して分散質の形成を進行させるまでに、10〜20秒の放置時間があった。
基本ヒートの金属組織学的な水平断面および垂直断面を図32および図33にそれぞれ示す。発明ヒートの水平断面および垂直断面を図34および図35にそれぞれ示す。基本ヒートのミクロ組織が顕著な等軸ゾーンを実質的に含まない大きな柱状結晶粒を高い割合で有することが理解される。発明ヒートの水平断面および垂直断面を図34および図35にそれぞれ示す。ミクロ組織は、大部分が微細な等軸結晶粒であった。結晶粒微細化係数(R)を上述のように算出した。基本ヒートの場合、等軸ゾーンが存在しないため、Rは0であった。発明ヒートの場合、D(等軸)は0.8〜1mmであり、Rは0.82と算出された。
したがって、本発明者らが、溶融物中での析出物形成の順序を制御することによって不均一核生成を向上させることができることを見出したことが上記から理解される。この技術は、鋳造スーパーオーステナイト鋼および他の鉄系合金において、結晶粒微細化の強い効果をもたらした。
本発明における不均一核生成は、低エネルギーの分散質/凝固母材間の界面(小さいぬれ角度にも関連する)を生成することによって向上する。低い界面エネルギーは、小さい格子不整合度に対応すると言われている:
TiNの格子パラメータは、δ−Feに近い。しかし、γ-Feの不整合度は大きく、これは、Cr合金化フェライト鋼と比べてCr−Ni合金化オーステナイト鋼の結晶粒微細化がより困難であることの説明となり得る。小さい格子不整合度は、TiN/MgOおよびTiN/MgAl2O4間の界面エネルギーが低いことを示すと考えられ、これにより、ピネルコア上でのTiNの観察された順次析出が容易となると思われる。MgAl2O4スピネル析出物によってTiNの析出が開始されることは、析出物の集団密度に大きな影響を及ぼすことが観察された。
凝固中に活性であるためには、不均一核生成用の標的分散質は、基材の凝固前に溶融物中で生き延びなければならない。溶融処理中に生じる複数の反応の熱力学的計算を用いて、反応順序を予測し、標的分散質を析出させる処理スケジュールを考案した。試験結果は、熱力学的予測を裏付けるものであった。溶融物からまずMgOおよびMgAlスピネルの化合物を析出させ、続いて、溶融物の冷却中にTiNを順次析出させた。最初の溶融物における窒素レベルは、TiNの析出開始温度および形成される標的分散質の合計量を制御するために重要である。本発明のある好適な実施形態において、分散質の析出後の溶融物のNレベルは、約400〜約3000ppm、例えば、約600〜約900ppmである。
本発明により、少なくとも50体積%、例えば、少なくとも約60体積%の等軸結晶粒、例えば、60〜85体積%の等軸組織であるミクロ組織を有する鋼が得られる。等軸結晶粒組織は、約0.3〜5mm、例えば、約0.5〜5mm、例えば、約0.5〜4mm、約0.5〜3mm、または約0.5〜2mmの平均結晶粒度を有する。
注目すべきことに、本発明のこの結晶粒微細化は非常に少ない添加物量で実現される。特に、従来の技術によると、50%を超える等軸結晶粒および/または5mm未満の等軸結晶粒度を実現するのに十分な不均一核生成用の表面を形成するためには、大量の添加物が必要となる。しかし、酸化物ベースまたは炭化物ベースの分散質をその場で形成することにより、それらの形成物は、非常に分散し、サイズが小さく、表面積が大きいものとなり、また、溶融物中に既に存在する元素を用いてその一部が得られる。溶融物中に既に存在する元素を分散質の形成に使用し、Al、CaおよびMgの外部からの添加に部分的にのみ依存することにより、溶融物全体の化学的特性を損なう大きな変更なしに、また追加の材料塊を溶融させるための追加のエネルギー入力を最小限として、分散質を形成することができる。
上記に鑑みれば、本発明のいくつかの目的が達成されるとともに、他の有利な結果が得られることが理解される。
本発明またはその好適な実施形態の要素を導入する際、「a」、「an」、「the」および「said」という冠詞は、当該要素が1つまたは複数存在することを意味することを意図している。「備える(comprising)」、「含む(including)」および「有する(having)」という用語は、包括的であることを意図しており、列挙された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味することを意図している。
上記の組成および方法においては、本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更が可能であり、上記の説明に含まれ、添付の図面に示される全ての事項は、限定ではなく、例示として解釈されることを意図している。

Claims (22)

  1. 鉄系合金を製造するための方法であって、
    a)鉄含有材料を溶解炉に供給し、前記鉄含有材料を溶融させて溶融金属とする工程と、
    b)前記溶融金属に元素を導入して前記溶融金属中の溶解酸素および/または溶解炭素と反応させ、前記溶融金属中で標的微細酸化物分散質および/または標的微細炭化物分散質を形成する工程と、
    c)前記溶融金属を前記溶融金属の液相線温度よりも高い温度に維持し、1つまたは複数の金属結晶粒微細化元素を前記溶融金属に導入して前記金属結晶粒微細化元素の金属窒化物を析出させて、前記金属窒化物を含有する溶融金属を得る工程と、
    d)前記金属窒化物を内部に含む前記溶融金属を前記溶融金属の固相線温度よりも低い温度に冷却して、凝固した鉄系合金を形成するステップと、を順に含む方法。
  2. 標的微細酸化物分散質を形成する工程(b)において添加される前記元素は、Al、Ba、Ca、Mg、SrおよびTiからなる群より選択される1つまたは複数の元素を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 標的微細酸化物分散質を形成する工程(b)において添加される前記元素は、AlおよびMgからなる群より選択される1つまたは複数の元素を含み、前記微細分散質は、Mg酸化物化合物および/またはAl酸化物化合物を含み、前記分散質は、溶融物の全濃度の、例えば、好ましくは、1〜1000ppm、例えば、10〜100ppmを占める、先行する請求項に記載の方法。
  4. 前記酸化物分散質は、前記窒化物の析出を容易にする、MgOおよびアルミン酸マグネシウム(MgAlおよび/またはMgO−Al)を含む、先行する請求項に記載の方法。
  5. 前記金属窒化物は、前記凝固した鉄系合金を形成するための前記冷却中に微細化された金属結晶粒を形成するための核生成サイトである、先行する請求項に記載の方法。
  6. 前記金属窒化物は、前記凝固した鉄系合金を形成するための前記冷却中に微細化された等軸金属結晶粒を形成するための不均質に分散された核生成サイトである、先行する請求項に記載の方法。
  7. 前記1つまたは複数の金属結晶粒微細化元素は、1つまたは複数の遷移金属元素を含む、先行する請求項に記載の方法。
  8. 前記1つまたは複数の金属結晶粒微細化元素は、Hf、Nb、TiおよびZrからなる群より選択される1つまたは複数の元素を含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記1つまたは複数の金属結晶粒微細化元素はTiを含む、請求項7に記載の方法。
  10. Tiは、工程(b)の操作および工程(d)の操作の間に前記溶融金属に導入されるただ1つの金属結晶粒微細化元素である、請求項7に記載の方法。
  11. 工程(b)の前に、i)酸化物化合物を形成する1つまたは複数の脱酸素元素を添加することによって部分的に脱酸素する工程と、ii)前記溶融金属中で標的酸素濃度を達成するために前記溶融金属から酸化物化合物を除去する工程とをさらに含む、先行する請求項に記載の方法。
  12. 工程(a)中に前記1つまたは複数の脱酸素元素を添加することを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記1つまたは複数の脱酸素元素を工程(a)および工程(b)の間に添加することを含む、請求項11に記載の方法。
  14. 前記酸化物化合物を除去する工程は、Al酸化物、Ca酸化物およびケイ素酸化物のうちの1つまたは複数を除去することを含む、請求項11〜請求項13に記載の方法。
  15. 前記脱酸素元素は、AlおよびCaからなる群より選択される元素を含む、請求項11〜請求項14に記載の方法。
  16. Alおよび/またはCaが、前記脱酸素工程中に添加されるただ1つの脱酸素元素である、請求項11〜請求項14に記載の方法。
  17. 前記鉄系合金は、ステンレス鋼、低合金鋼、非ステンレス鋼、または白鉄である、先行する請求項に記載の方法。
  18. 前記金属窒化物を前記分散質上に析出させ、前記金属窒化物は、冷却時に等軸結晶粒の不均一核生成および結晶粒微細化のための表面を付与する、先行する請求項に記載の方法。
  19. 前記1つまたは複数の結晶粒微細化元素の添加時における前記溶融物中での前記Nレベルは、約400〜約3000ppm、例えば、約600〜900ppmである、先行する請求項に記載の方法。
  20. 前記凝固した鉄系合金は少なくとも50体積%の等軸結晶粒、例えば、少なくとも約60体積%、例えば、60〜85体積%の等軸組織であるミクロ組織を有する、先行する請求項に記載の方法。
  21. 前記凝固した鉄系合金は、約0.5〜5mm、例えば、約0.5〜4mm、約0.5〜3mm、または約0.5および2mmの平均結晶粒度を有する等軸結晶粒組織を有する、先行する請求項に記載の方法。
  22. 先行する請求項に記載の方法によって調製された鉄系合金。
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