JP2018516852A - プロピレンエポキシ化における触媒性能改善 - Google Patents

プロピレンエポキシ化における触媒性能改善 Download PDF

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Abstract

本発明は、オレフィンをエポキシ化してエポキシドを形成する方法を提供し、前記方法は、アルケン(C≦12)またはアラルケン(C≦12)を反応混合物中のチタンシリカ触媒、ペルオキシド、緩衝剤及び一つ以上の有機溶媒と接触させることを含み、ここで、前記一つ以上の有機溶媒がR1−OH(I)、R2−CN(II)、R3−C(O)−R4(III)またはR5−O−R6(IV)から選ばれる第1有機溶媒を含み、ここで:R1はアルキル(C≦12)、アリール(C≦12)、アラルキル(C≦12)またはこれらの基中、任意の置換バージョンであり;R2はアルキル(C≦12)、アリール(C≦12)、アラルキル(C≦12)またはこれらの基中、任意の置換バージョンであり;R3は水素、アルキル(C≦6)または置換されたアルキル(C≦6)であり;R4、R5及びR6はそれぞれ独立的にアルキル(C≦12)、アリール(C≦12)、アラルキル(C≦12)またはこれらの基中、任意の置換バージョンから選ばれるか、共に取られてアルコキシジイル(C≦12)、アルカンジイル(C≦12)、置換されたアルコキシジイル(C≦12)または置換されたアルカンジイル(C≦12)である。【選択図】なし

Description

本出願は2015年4月9日付で出願された米国仮出願62/145,313号に対する優先権の利益を主張し、特許協力条約に基づいて出願され、その全文は本願に参考として含まれる。
本発明はアルケンからのエポキシ化生成物の製造に関する。特に、本発明はアルケン及びアラルケンのエポキシ化において、チタンシリカ触媒の触媒効能を改善するための緩衝剤及び大分子溶媒の使用に関する。
触媒の存在下で酸化剤によるオレフィンのエポキシ化及び触媒の存在下で酸素によるオレフィンの直接エポキシ化を含めてエポキシドの製造のための多数の方法が開発された。オレフィンのエポキシ化に有用な一部の酸化剤には、1−フェニルエチルヒドロペルオキシド及びtert−ブチルヒドロペルオキシドをはじめとする有機ヒドロペルオキシドを含む。商業用エポキシ化の工程における、これら及び類似の酸化剤の使用が米国特許第3,351,635号及び第4,367,342号に記述されている。米国特許第4,833,260号に記述されたように過酸化水素がまたオレフィンのチタン触媒へのエポキシ化のための酸化剤として用いられることができる。また、日本国特許文献4−352771号で記述されたように酸素によるオレフィンの直接エポキシ化を誘導するためにチタンシリカ触媒がVII族金属、例えばパラジウム等のように貴金属触媒と共に用いられる。
プロピレンオキシドを製造するためにダウ(Dow)及びバスフ(BASF)により市販されているチタンシリカ触媒、TS−1はエポキシ化反応のための効率的な触媒であり得るが、これらは、メタノールが効率的であることを必要とする。メタノールは小分子であるため、プロピレンオキシドと反応して1−メトキシ−2−プロパノールまたは2−メトキシ−1−プロパノール等のように好ましくない開環副産物を生成し得る。さらに、また殆どの場合に、共溶媒として用いられる水がプロピレンオキシドと反応して副産物としてプロピレングリコールを生成し得る。二つの状況において、開環副反応が生じるためプロピレンオキシドの収率が減少され得る。緩衝剤の添加が形成される開環生成物の量を減少させるのに役立つこともあり得るが、触媒の性能を顕著に減少させる。そのため、高い触媒効率及び少量の開環副産物を保持しながらも緩衝剤及び/またはより幅広い溶媒の使用を可能とする触媒システムの確認が商業的に重要である。
本発明の一態様において、アルケン及びアラルケンのエポキシ化のための改善された方法が提供される。また、本発明は、緩衝剤及び大分子溶媒の存在下でチタンシリカ触媒を用いて高活性触媒錯体を製造し、エポキシドを製造する方法を提供する。
一部の様態において、本発明はオレフィンをエポキシ化してエポキシドを形成する方法であって、チタンシリカ触媒、ベルオキシド、緩衝剤及び一つ以上の有機溶媒を含む反応混合物の中でアルケン(C≦12)またはアラルケン(C≦14)を接触させることを含み、ここで、前記一つ以上の有機溶媒が下記化学式から選ばれる第1有機溶媒を含む方法を提供する:
−OH(I)、R−CN(II)、R−C(O)−R(III)またはR−O−R(IV)
ここで、Rはアルキル(C≦12)、アリール(C≦12)、アラルキル(C≦12)またはこれら基中、任意の置換バージョンであり;Rはアルキル(C≦12)、アリール(C≦12)、アラルキル(C≦12)またはこれら基中、任意の置換バージョンであり;Rは水素、アルキル(C≦6)または置換されたアルキル(C≦6)であり、;R、R及びRはそれぞれ独立的にアルキル(C≦12)、アリール(C≦12)、アラルキル(C≦12)またはこれら基中、任意の置換バージョンから選ばれるか、または共に取ってアルコキシジイル(C≦12)、アルカンジイル(C≦12)、置換されたアルコキシジイル(C≦12)または置換されたアルカンジイル(C≦12)である。特定の実施形態において、第1有機溶媒は第1有機溶媒の総重量に対して約0.1重量%〜約50重量%の水をさらに含む。更なる実施形態において、第1有機溶媒は第1有機溶媒の総重量に対して約0.1重量%〜約40重量%の水を含む。特定の実施形態において、第1有機溶媒は第1有機溶媒の総重量に対して約0.1重量%〜30重量%の水を含む。一部の実施形態において、第1有機溶媒はアセトフェノン、1−フェニルエチルアルコール、アセトニトリル、グリム、ジメチルエチレングリコールエーテル、tert−ブチルアルコール、トリオキサン、ジオキサン、イソプロピルアルコール、アセトン、シクロヘキサノン及びアセトフェノンから選ばれる。一部の実施形態において、前記一つ以上の有機溶媒は下記化学式から選ばれる第2有機溶媒をさらに含む:
−OH(I)、R−CN(II)、R−C(O)−R(III)またはR−O−R(IV)
ここで、Rはアルキル(C≦12)、アリール(C≦12)、アラルキル(C≦12)またはこれらの基中、任意の置換バージョンであり;Rはアルキル(C≦12)、アリール(C≦12)、アラルキル(C≦12)またはこれらの基中、任意の置換バージョンであり;Rは水素、アルキル(C≦6)または置換されたアルキル(C≦6)であり、;R、R及びRはそれぞれ独立的にアルキル(C≦12)、アリール(C≦12)、アラルキル(C≦12)またはこれらの基中、任意の置換バージョンから選ばれるか、または共に取ってアルコキシジイル(C≦12)、アルカンジイル(C≦12)、置換されたアルコキシジイル(C≦12)または置換されたアルカンジイル(C≦12)である。特定の実施形態において、Rはアルキル(C4−6)である。一部の実施形態において、Rはtert−ブチルである。更なる実施形態において、Rはアラルキル(C≦12)である。一部の実施形態において、Rは1−フェニルエチルである。特定の実施形態において、Rはアルキル(C≦6)である。更なる実施形態において、Rはメチルである。一部の実施形態において、Rはアルキル(C≦6)である。更なる実施形態において、Rはメチルである。特定の実施形態において、Rはアリール(C≦8)である。一部の実施形態において、Rはフェニルである。更なる実施形態において、第1有機溶媒は1−フェニルエチルアルコールであり、第2有機溶媒はアセトフェノンである。更なる実施形態において、反応混合物は1部アセトフェノン対99部1−フェニルエチルアルコール〜50部アセトフェノン対50部1−フェニルエチルアルコールのアセトフェノン対1−フェニルエチルアルコールの重量比を含む。一部の実施形態において、アセトフェノン対1−フェニルエチルアルコールの重量比は8:92である。特定の実施形態において、第1有機溶媒はアセトニトリルである。更なる実施形態において、第1有機溶媒はtert−ブチルアルコールである。一部の実施形態において、第1有機溶媒は1−フェニルエチルアルコールである。一部の実施形態において、ペルオキシドは過酸化水素、tert−ブチルヒドロペルオキシド、1−フェニルエチルヒドロペルオキシドまたはクミルヒドロペルオキシドである。一部の実施形態において、ペルオキシドは過酸化水素である。更なる実施形態において、反応混合物は1:5超過のアルケン(C≦12)またはアラルケン(C≦12)対ペルオキシドの比率を含む。特定の実施形態において、アルケン(C≦12)またはアラルケン(C≦12)対ペルオキシドの比率は3:1超過である。一部の実施形態において、アルケン(C≦12)またはアラルケン(C≦12)対ペルオキシドの比率は10:1超過である。更なる実施形態において、チタンシリカ触媒はシリカ骨格内のシリコン原子がチタン原子で置換されたシリカ骨格を含むシリカゼオライト触媒を含む。更なる実施形態において、ゼオライトはアルミノシリケートMWWゼオライトである。一部の実施形態において、チタンシリカ触媒中のチタン対シリカの比率は、100個のシリコン原子ごとに0.5〜14個のチタン原子の比率を含む。更なる実施形態において、前記方法はチタンシリカ触媒を鋳型剤で洗浄することをさらに含む。更なる実施形態において、鋳型剤は塩基である。一部の実施形態において、鋳型剤はピペリジン、ヘキサメチレンイミン、アダマンチルアンモニウムヒドロキシド、オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキシルトリメチルアンモニウムヒドロキシドまたはトリメチルアダマンチルアンモニウムヒドロキシドである。更なる実施形態において、前記方法は鋳型剤で洗浄した後、触媒を酸で洗浄することをさらに含む。更なる実施形態において、酸は硝酸、塩酸、硫酸、亜硫酸、リン酸または塩化アンモニウムである。一部の実施形態において、チタンシリカ触媒は約400℃〜約800℃の温度でか焼される。更なる実施形態において、緩衝剤は下記化学式の緩衝剤から選ばれる:
(V)
ここで、X は1族カチオン、2族カチオン、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム(C≦24)、テトラアリールアンモニウム(C≦32)、テトラアラルキルアンモニウム(C≦36)、置換されたテトラアルキルアンモニウム(C≦20)、置換されたテトラアリールアンモニウム(C≦32)、置換されたテトラアラルキルアンモニウム(C≦36)またはヘテロアレニウム(C≦18)から選ばれ;X はアルキルカルボキシレート(C≦12)、アルケニルカルボキシレート(C≦12)、アルキニルカルボキシレート(C≦12)、アリールカルボキシレート(C≦12)、アラルキルカルボキシレート(C≦12)、ヘテロアリールカルボキシレート(C≦12)、ヘテロシクロアルキルカルボキシレート(C≦12)、ホスフェート、ヒドロキシド、シリケート、アルミノシリケートまたはスルフェートから選ばれる。一部の実施形態において、X はアンモニウム、テトラアルキルアンモニウム(C≦24)、テトラアリールアンモニウム(C≦32)、テトラアラルキルアンモニウム(C≦36)、置換されたテトラアルキルアンモニウム(C≦20)、置換されたテトラアリールアンモニウム(C≦32)、置換されたテトラアラルキルアンモニウム(C≦36)またはヘテロアリウム(C≦18)から選ばれる。更なる実施形態において、X はアンモニウムまたはテトラアルキルアンモニウム(C≦16)である。更なる実施形態において、X はアンモニウムである。一部の実施形態において、X はアルキルカルボキシレート(C≦8)である。特定の実施形態において、X はアセテートである。更なる実施形態において、X はホスフェートである。更なる実施形態において、X はジヒドロゲンホスフェートである。一部の実施形態において、緩衝剤はアンモニウムアセテートまたはアンモニウムジヒドロゲンホスフェートである。特定の実施形態において、アルケン(C≦12)はプロピレンまたは1−オクテンである。更なる実施形態において、アルケン(C≦12)はプロピレンである。更なる実施形態において、方法は反応混合物を約20℃〜約150℃等のように約20℃〜約250℃の温度まで加熱することを含む。一部の実施形態において、方法は約10psig(約170kPa)〜約1000psig(約7000kPa)の圧力を含む。一部の実施形態において、方法は約50psig(約446kPa)〜約1000psig(約7000kPa)の圧力を含む。一部の実施形態において、圧力は約100psig(約790kPa)〜約500psig(約3500kPa)である。一部の実施形態において、圧力は約300psig(約2,170kPa)である。一部の実施形態において、チタンシリカ触媒はMWWゼオライト上に含浸されたチタンを含み、緩衝剤は下記化学式の緩衝剤である:
(V)
ここで:X は1族カチオン、2族カチオン、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム(C≦24)、テトラアリールアンモニウム(C≦32)、テトラアラルキルアンモニウム(C≦36)、置換されたテトラアルキルアンモニウム(C≦20)、置換されたテトラアリールアンモニウム(C≦32)または置換されたテトラアラルキルアンモニウム(C≦36)、ピリジニウムであり;X はアルキルカルボキシレート(C≦12)、アルケニルカルボキシレート(C≦12)、アルキニルカルボキシレート(C≦12)、アリールカルボキシレート(C≦12)、アラルキルカルボキシレート(C≦12)、ヘテロアリールカルボキシレート(C≦12)、ヘテロシクロアルキルカルボキシレート(C≦12)、ホスフェート、ヒドロキシド、シリケート、アルミノシリケートまたはスルフェートから選ばれる。特定の実施形態において、チタンシリカ触媒は鋳型剤で処理される。更なる実施形態において、鋳型剤はピペリジンである。一部の実施形態において、チタンシリカ触媒は酸で洗浄される。更なる実施形態において、酸は硝酸、塩酸、硫酸、亜硫酸、リン酸または塩化アンモニウムである。一部の実施形態において、有機溶媒は約1%〜約10%の水および約8%の水等のように約1%〜約40%の水をさらに含む。他の実施形態において、有機溶媒は約30%の水等のように約25%〜約35%の水を含む。一部の実施形態において、有機溶媒はt−ブチルアルコールである。他の実施形態において、有機溶媒は1−フェニルエチルアルコールである。更なる実施形態において、有機溶媒は1−フェニルエチルアルコール及びアセトフェノンである。更なる実施形態において、反応混合物は約96:1:2.9:0.1〜44:44:11.7:0.3の1−フェニルエチルアルコール対アセトフェノン対過酸化水素対水の比率を含む。一部の実施形態において、1−フェニルエチルアルコール対アセトフェノン対過酸化水素対水の比率は76:18.9:5:0.1〜約54:36:9.7:0.3である。更なる実施形態において、1−フェニルエチルアルコール対アセトフェノン対過酸化水素対水の比率は約64:29:6.3:0.7である。更なる実施形態において、チタンシリカ触媒はMWWゼオライト上に含浸されたチタンを含み、有機溶媒は1−フェニルエチルアルコール及びアセトフェノンである。一部の実施形態において、チタンシリカ触媒は鋳型剤で処理される。更なる実施形態において、鋳型剤はピペリジンである。一部の実施形態において、チタンシリカ触媒は鋳型剤で洗浄され、続けて酸で洗浄される。更なる実施形態において、酸は硝酸、塩酸、硫酸、亜硫酸、リン酸または塩化アンモニウムである。更なる実施形態において、前記方法は約30分等のように約1分〜約6時間の間、アルケン(C≦12)またはアラルケン(C≦12)をチタンシリカ触媒と反応させることをさらに含む。一部の実施形態において、方法は40%超過および90%超過等のように10%超過のペルオキシド転換率を有する。特定の実施形態において、方法は50%超過および90%超過を含めて40%超過のエポキシドに対するペルオキシド選択率を有する。更なる実施形態において、方法は、前記方法により生成されるエポキシドの1重量%未満等のように、前記方法により生成されるエポキシドの5重量%未満のエポキシ化の開環副産物を有する。
また、他の様態において、本発明はエポキシドを形成するためのオレフィンのエポキシ化方法であって、
a)アルケン(C≦12)またはアラルケン(C≦12)を反応容器に添加し;
b)チタンシリカ触媒、ペルオキシド、緩衝剤及び一つ以上の有機溶媒を反応容器で混合し;
c)反応容器中でアルケン(C≦12)またはアラルケン(C≦12)を触媒と接触させることを含む方法を提供する。
一部の実施形態において、段階a)及び段階b)は任意の順で行われる。更なる実施形態において、有機溶媒は約1%〜約10%の水及び約8%の水を含めて約1%〜約40%の水をさらに含む。更なる実施形態において、有機溶媒は約30%の水を含めて約25%〜約35%の水を含む。一部の実施形態において、有機溶媒は下記化学式から選ばれる一つ以上の有機溶媒をさらに含む:
−OH(I)、R−CN(II)、R−C(O)−R(III)またはR−O−R(IV)
ここで:Rはアルキル(C≦12)、アリール(C≦12)、アラルキル(C≦12)またはこれらの基中、任意の置換バージョンであり;Rはアルキル(C≦12)、アリール(C≦12)、アラルキル(C≦12)またはこれらの基中、任意の置換バージョンであり;Rは水素、アルキル(C≦6)または置換されたアルキル(C≦6)であり、;R、R及びRはそれぞれ独立的にアルキル(C≦12)、アリール(C≦12)、アラルキル(C≦12)またはこれらの基中、任意の置換バージョンから選ばれるか、共に取ってアルコキシジイル(C≦12)、アルカンジイル(C≦12)、置換されたアルコキシジイル(C≦12)または置換されたアルカンジイル(C≦12)である。更なる実施形態において、Rはアルキル(C4−6)である。一部の実施形態において、Rはtert−ブチルである。他の実施形態において、Rはアラルキル(C≦12)である。更なる実施形態においてRは1−フェニルエチルである。一部の実施形態において、Rはアルキル(C≦6)である。特定の実施形態において、Rはメチルである。更なる実施形態において、Rはアルキル(C≦6)である。一部の実施形態において、Rはメチルである。特定の実施形態において、Rはアリール(C≦8)である。更なる実施形態において、Rはフェニルである。一部の実施形態において、有機溶媒はアセトフェノン、1−フェニルエチルアルコール、アセトニトリルまたはtert−ブチルアルコールから選ばれる。特定の実施形態において、第1有機溶媒は1−フェニルエチルアルコールであり、第2有機溶媒はアセトフェノンである。更なる実施形態において、一つ以上の有機溶媒は8:92のアセトフェノンと1−フェニルエチルアルコールの比率を含む。一部の実施形態において、有機溶媒はアセトニトリルを含む。他の実施形態において、有機溶媒はtert−ブチルアルコールを含む。更なる実施形態において、有機溶媒は1−フェニルエチルアルコールを含む。更なる実施形態において、ペルオキシドは過酸化水素、tert−ブチルヒドロペルオキシド、1−フェニルエチルヒドロペルオキシドまたはクミルヒドロペルオキシドである。一部の実施形態において、ペルオキシドは過酸化水素である。特定の実施形態において、反応容器は3:1の超過等のように1:5超過のアルケン(C≦12)またはアラルケン(C≦12)対ペルオキシドの比率を含む。更なる実施形態において、アルケン(C≦12)またはアラルケン(C≦12)対ペルオキシドの比率は10:1超過である。一部の実施形態において、チタンシリカ触媒はシリカゼオライト触媒を含み、これはシリカ骨格内のシリコン原子がチタン原子で置換されたシリカ骨格を含む。特定の実施形態において、シリカゼオライトはアルミノシリケートMWWゼオライトである。更なる実施形態において、チタンシリカ触媒は100個のシリコン原子ごとに0.5〜14個のチタン原子の比率を含む。一部の実施形態において、前記方法はチタンシリカ触媒を鋳型剤で洗浄することをさらに含む。一部の実施形態において、鋳型剤は塩基である。一部の実施形態において、鋳型剤はピペリジン、ヘキサメチレンイミン、アダマンチルアンモニウムヒドロキシド、オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキシルトリメチルアンモニウムヒドロキシドまたはトリメチルアダマンチルアンモニウムヒドロキシドである。特定の実施形態において、方法は鋳型剤で洗浄した後、触媒を酸で洗浄することをさらに含む。更なる実施形態において、酸は硝酸、塩酸、硫酸、亜硫酸、リン酸または塩化アンモニウムである。更なる実施形態において、チタンシリカ触媒は約400℃〜約800℃の温度でか焼される。一部の実施形態において、緩衝剤は下記化学式の緩衝剤から選ばれる:
(IV)
ここで:X は1族カチオン、2族カチオン、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム(C≦24)、テトラアリールアンモニウム(C≦32)、テトラアラルキルアンモニウム(C≦36)、置換されたテトラアルキルアンモニウム(C≦20)、置換されたテトラアリールアンモニウム(C≦32)、置換されたテトラアラルキルアンモニウム(C≦36)またはヘテロアレニウム(C≦18)から選択され;X はアルキルカルボキシレート(C≦12)、アルケニルカルボキシレート(C≦12)、アルキニルカルボキシレート(C≦12)、アリールカルボキシレート(C≦12)、アラルキルカルボキシレート(C≦12)、ヘテロアリールカルボキシレート(C≦12)、ヘテロシクロアルキルカルボキシレート(C≦12)、ホスフェートまたはスルフェートから選ばれる。更なる実施形態において、X はアンモニウムまたはテトラアルキルアンモニウム(C≦16)である。更なる実施形態において、X はアンモニウムである。一部の実施形態において、X はアルキルカルボキシレート(C≦8)である。特定の実施形態において、X はアセテートである。更なる実施形態において、X はホスフェートである。更なる実施形態において、X はジヒドロゲンホスフェートである。一部の実施形態において、緩衝剤はアンモニウムアセテートまたはアンモニウムジヒドロゲンホスフェートである。特定の実施形態において、アルケン(C≦12)はプロピレンまたは1−オクテンである。更なる実施形態において、アルケン(C≦12)はプロピレンである。更なる実施形態において、方法は約20℃〜約150℃、そして約70℃等のように約20℃〜約250℃の温度まで反応容器を加熱することを含む。特定の実施形態において、前記方法は約10psig(約170kPa)〜約1000psig(約7000kPa)の圧力を含む。一部の実施形態において、前記方法は約100psig(約790kPa)〜約500psig(約3500kPa)、そして約300psig(約2,170kPa)を含み、約50psig(約446kPa)〜約1000psig(約7000kPa)の圧力を含む。特定の実施形態において、前記方法は約30分等のように約1分〜約6時間の間、アルケン(C≦12)またはアラルケン(C≦12)をチタンシリカ触媒と反応させることをさらに含む。一部の実施形態において、前記方法は40%超過および90%超過を含む10%超過のペルオキシド転換率を有する。更なる実施形態において、方法は50%超過および90%超過を含めて40%超過のエポキシドに対するペルオキシド選択率を有する。一部の実施形態において、方法は方法により生成されるエポキシドの1重量%未満を含む前記方法により生成されるエポキシドの5重量%未満のエポキシ化の開環副産物を有する。
発明の他の目的、特徴及び長所は以下の詳細な説明により明らかになれる。しかし、たとえ詳細な説明の特定の実施形態を示しているものの、添付の特許請求の範囲の精神及び観点内で様々な変化及び変更が、このような詳細な説明により本発明が属する技術分野における者には明らかとなれるため、詳細な説明及び特定の実施例は単なる例示的な目的として提供される。単に特定の化合物が一つの特定の一般式で記述されるということが、また他の一般式に属することができないことを意味するものでないということに留意すべきである。
図面はTiMWW触媒のXRDスペクトルを示す。
I.アルケン及びアラルケンエポキシ化反応
炭素−炭素二重結合は、触媒の存在下で過酸化水素と反応してエポキシドを形成することができる。このような反応は、シス、トランスまたは末端二重結合からエポキシドを生成するのに用いられることができる。一部の実施形態において、本発明はエポキシ化のためにアルケン(C2−60)を利用する。また、二つ以上の二重結合を有するアルケンが記述された方法で用いられることができる。一部の実施形態において、エポキシ化反応でアルケン(C3−20)が利用される。他の実施形態において、エポキシ化を行うアルケンは、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン及びこれらの異性体から選ばれる。下記に示した一般反応スキームを通じて誘導され得る広範囲な数の条件が開発された:
ここで、R’及びR’’はそれぞれ独立的にヒドロゲン、アルキル、置換されたアルキル、アラルキル、置換されたアラルキル、アリールまたは置換されたアリールである。一部の実施形態において、R’及びR’’はそれぞれ独立的にヒドロゲン、アラルキル、置換されたアラルキル、アルキルまたは置換されたアルキルである。特定の実施形態において、R、R、R及びRはヒドロゲン、置換または非置換されたアルキル、または置換または非置換されたアリールである。一部の実施形態において、R、R、RまたはRに対するアルキル基はC−C50アルキルである。一部の実施形態において、R、R、RまたはRに対するアルキル基はC−C20アルキルである。他の実施形態において、R、R、RまたはRに対するアルキル基はC−C10アルキルである。
一部の実施形態において、アルケンのエポキシ化を誘導するのにペルオキシドが用いられる。特定の実施形態において、ペルオキシドは有機ペルオキシドであり、ここで、R’及び/またはR’’はアルキルまたはアラルキル基である。更なる実施形態において、アルキルまたはアラルキル基は3個〜20個の炭素を含めて50個以下の炭素を有する。特定の実施形態において、エポキシドを形成するためのアルケンの反応に用いられる有機ペルオキシドはアルキル、シクロアルキル、アリール及びアラルキルヒドロペルオキシドを含む。その例は、1−フェニルエチルヒドロペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、tert−アミルヒドロペルオキシド、シクロヘキシルヒドロペルオキシド及びクミルヒドロペルオキシドを含むが、これに制限されるものではない。更なる実施形態において、過酸化水素(HOOH)が本発明で提示されるエポキシ化反応で用いられることができる。エポキシ化で用いられる前に、過酸化水素が生成されることができる。一部の実施形態において、過酸化水素はイソプロパノール等のように第二級アルコールの酸化を含めて任意の適切な供給源から、アントラキノン工程から、そして水素及び酸素の直接反応から由来する。既形成された過酸化水素の濃度範囲は、1重量%〜10重量%等のように水中の0.1重量%〜90重量%の過酸化水素であってもよい。過酸化水素はまた、貴触媒の存在下で水素及び酸素の反応により本来の場所(in situ)で生成されることができる。たとえ任意の供給源の酸素及び水素が適切であっても、一部の実施形態において、分子酸素及び分子水素が利用される。本発明の一つの実施形態において、酸素と水素へのアルケンのエポキシ化は貴触媒及び本発明において記述されるエポキシ化触媒の存在下で行われる。一部の実施形態において、エポキシ化は液体(または超臨界または亜臨界)上で行われる。適切な溶媒は、1−フェニルエチルアルコール、シクロヘキサノール、イソプロパノール及びt−ブチルアルコールのようなアルコール等のように酸化した炭化水素;ジメチルグリコールエーテル等のようにエーテル;エステル;アセトフェノン、アセトン及びシクロヘキサノン等のようにケトン;トルエン及びヘキサン等のように芳香族及び脂肪族炭化水素;アセトニトリル等のようにニトリル;液体CO(超臨界または亜臨界状態の)及び、水を含むが、これに制限されなく、反応条件下で液体の任意の化学物質を含む。一部の実施形態において、フッ化アルコールが用いられる。特定の実施形態において、エポキシ化で利用される溶媒にはニトリル、アルコール、ケトンまたは水が含まれることができる。一部の実施形態において、エポキシ化は有機溶媒と水の混合物を含めて溶媒の混合物を含む。更なる実施形態において、有機溶媒は下記の中の一つまたはその混合物である:1−フェニルエチルアルコール、シクロヘキサノール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール、アセトニトリル、グリム、ジメチルエチレングリコールエーテル、トリオキサン、ジオキサン、アセトフェノン、アセトンまたはシクロヘキサノン。
一部の様態において、緩衝剤がエポキシ化反応において副産物の生成を減少させ/減少させるか、触媒活性を増加させることに有用であり得る。特定の実施形態において、緩衝剤はオキソ酸の任意の適切な塩であってもよく、混合物の中のその属性及び比率は、それら溶液のpHが約4〜約10、そして約5〜約9を含めて約3〜約12の範囲内となるようにする。一部の実施形態において、適切なオキソ酸は、アニオン及びカチオンを含み、ここでアニオンは、ホスフェート、カルボナート、ビカルボナート、ボレート、ヒドロキシド、シリケートとアルミノシリケート;及びアセテートのようなカルボキシレート、フタレート、オキシレート、クエン酸塩等であり;カチオンは、アンモニウム、アルキルアンモニウム及びテトラアルキルアンモニウム等のようにプロトン化またはアルキル化N−ヘテロアリール基、ピリジニウム、N−メチルピリジニウム等、アルカリ金属(1族金属)またはアルカリ土類金属(2族金属)等である。カチオンの一部の非制限的な例は、NH 、NBu 、NMe 、Li、Na、K、Cs、Mg2+及びCa2+を含む。
一部の実施形態において、本技術において用いるための緩衝剤は、一つ以上の許容可能な塩を含む。更なる実施形態において、緩衝剤の濃度は0.5mM〜約300mM等のように0.1mM〜約1Mである。更なる実施形態において、アンモニアガスまたは水酸化アンモニウムが反応混合物に添加されることができ、これは、反応のpHを均衡させるのに用いられることができる。エポキシ化反応において有用な緩衝剤の一部の非制限的な例は、アルカリ金属ホスフェート、アンモニウムジヒドロゲンホスフェート、アンモニウムホスフェート、アンモニウムヒドロキシド、アンモニウムアセテート、アンモニウムベンゾエート、ソジウムアセテート、ソジウムベンゾエート、ソジウムジヒドロゲンホスフェート、ポタシウムアセテート、ポタシウムベンゾエートまたはポタシウムジヒドロゲンホスフェートである。
一部の実施形態において、触媒は遷移金属を含む。触媒は、炭素−炭素二重結合と反応し、これをペルオキシドと共に攻撃の方に活性化させるのに用いられることができるか、これはペルオキシドのより活性である中間体への崩壊を容易にするのに用いられることができる。触媒はまた、所定のエポキシド生成物の形成反応可能性を増加させることに用いられることができる。一部の実施形態において、エポキシ化反応で用いられる触媒はチタン触媒である。本発明の更なる実施形態において、チタン触媒は触媒の反応性をさらに向上させる他の金属を含むことができる。更なる実施形態において、オレフィン対エポキシ化触媒は、適切な収率及び選択率で所定の転換率に影響を与えるのに必要な触媒の最小濃度として用いられる。特定の実施形態において、触媒的に活性であるチタンはペルオキシドに対する比率として、ペルオキシドのモル当たり約0.01ミリモル〜約10ミリモルのチタンを含めてペルオキシドのモル当たり約0.001ミリモル〜約100ミリモルのチタンで存在される。
一部の実施形態において、酸化剤とアルケンの反応は、約1:20〜約20:1、約1:5〜約18:1、約1:1〜約15:1そして約3:1〜約10:1を含めて約1:100〜約100:1のアルケン対酸化剤のモル比で実施される。理論に拘束されず、少なくとも1当量の酸化剤がアルケンを酸化させるのに要求される。たとえ少なくとも1当量の酸化剤がアルケンと反応するのに要求されるが、一つの物質の1当量以上が反応の収率を向上させるのに用いられる。さらに、反応は平方インチ当たり約20〜約3000ポンドの圧力下で実施される。一部の実施形態において、反応の圧力は、平方インチ当たり約50〜約1000ポンド、平方インチ当たり約80ポンド〜平方インチ当たり約800ポンド、そして平方インチ当たり約100ポンド〜平方インチ当たり500ポンドである。さらに、特定の実施形態において、反応の温度は、収率または選択率を改善するように調節される。一部の実施形態において、温度は、約20℃〜約150℃、約20℃〜約100℃、そして約50℃〜約80℃等のように、およそ周囲温度〜約250℃である。特定の実施形態において、アルコールとケトンは、無アルコールと約100%ケトン〜約100%アルコールと無ケトンの比率で提供される。反面、過酸化水素と水の比率は、1:99〜10:90の比率を含めて0.1:99.9〜90:10である。一部の実施形態において、Aの酸化からの1−フェニルエチルアルコール対アセトフェノン対過酸化水素対水の比率は96:1:2.9:0.1〜44:44:11.7:0.3である。本発明の一部の実施形態において、比率は約64:29:6.3:0.7等のように約76:18.9:5:0.1〜約54:36:9.7:0.3である。
一部の実施形態において、キャリアガスが用いられる。適切なキャリアガスは反応条件に対して不活性でなければならない。キャリアガスの一部の非制限的な例は、ヘリウム、ネオン、アルゴン、他の希カス、窒素、二酸化炭素または1個〜8個の炭素原子を有するアルカンを含む。特定の実施形態において、キャリアガスは窒素または1個〜4個の炭素原子を有するアルカンを含む。更なる実施形態において、キャリアガスは2、3またはそれ以上の個別キャリアガスの混合物を含む。さらに、アルケンがプロピレンである場合、キャリアガスはプロパンであり、特定の実施形態において、キャリアガスの添加は特定の時点で調節されるか、添加されることができる。
一部の実施形態において、触媒は固体であり、アルケン、ペルオキシド、その結果としてのエポキシド及び反応を容易にするのに用いられる任意の溶媒との不均一な混合物を示す。更なる実施形態において、エポキシ化反応は連続式、バッチ式または半連続式配置を含むが、これに制限されない適切な反応の配置を用いる商業的規模で実施されることができる。一旦、反応が所定の完結の水準に到達すると、分別蒸留、選択的抽出、濾過、または他の方法を含むが、これに制限されない通常の生成物回収の方法が用いられて所定の生成物を得ることができる。一部の実施形態において、触媒、反応器溶媒または未反応オレフィンまたはペルオキシド等のように回収された物質は再生され、再用いられることができる。
反応はペルオキシド転換率及び示されたペルオキシド選択率の程度に基づいて評価することができる。一部の実施形態において、ペルオキシド転換率は、約40%〜約99%、約90%〜約99%、約40%〜約99%または超過、そして約50%〜約99%を含めて約10%〜約99%である。一部の実施形態において、ペルオキシド転換率は約10%超過であり、ペルオキシド選択率は約40%超過である。
II.遷移金属エポキシ化触媒
エポキシ化反応は、反応を容易とし、所定の生成物の収率を増加させるのに役立つ遷移金属触媒の使用をさらに含むことができる。一部の実施形態において、このような遷移金属触媒はチタン金属、またはアルケンまたはアラルケンに対する反応性種を形成する金属イオンを含む。更なる実施形態において、触媒はチタン触媒であり、ここで、前記チタンは固体担体上に含浸される。触媒は、触媒の総重量に対して0.01重量%〜20重量%のチタンを含むことができる。特定の実施形態において、前記触媒は、触媒の総重量に対して1重量%〜6重量%及び3重量%〜5重量%のチタンを含めて触媒の総重量に対して0.1重量%〜10重量%のチタンを含むことができる。
一部の実施形態において、不活性固体担体はシリカ由来のゼオライトであり、ここで、結晶格子中のシリカ原子の一部がチタンまたは他の触媒的に活性である金属または金属イオンで置換される。更なる実施形態において、チタンで変性された固体担体はゼオライトである。更なる実施形態において、固体担体はシリカライト等のように分子体である。特定の実施形態において、固体担体はZSM−5アルミノシリケート、ZSM−11アルミノシリケートまたはMWWアルミノシリケートゼオライトのトポロジーを有する。MWWファミリーのチタンドーピングされたゼオライト及びそれらの合成は、本願に参考として含まれる米国特許第6,759,540号で記述されたもの等のように公示されている。一部の実施形態において、固体担体は、触媒の総重量の百分率として90重量%〜99.9重量%、94重量%〜99重量%及び95重量%〜97重量%の触媒を含めて、触媒の総重量の百分率としておよそ80重量%〜99.99重量%の触媒を含む。
一部の実施形態において、担体は多孔性物質である。貴金属及びチタン触媒と共に使用可能な担体は関連分野で公示されている。任意の担体が本発明で記述されるエポキシ化触媒と共に使用可能なものと考えられる。一部の非制限的な実施例において、担体は、無機酸化物、無機塩化物、炭素及び有機重合体樹脂である。一部の実施形態において、固体担体は2、3、4、5、6、13または14族元素の酸化物を含む。更なる実施形態において、固体担体は、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ニオビウム酸化物、タンタル酸化物、モリブデン酸化物、タングステン酸化物、非晶質チタニア−シリカ、非晶質ジルコニア−シリカ、非晶質ニオビア−シリカ及び類似酸化物である。更なる実施形態において、有機重合体担体は、ポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、架橋化したポリエチレンイミン及びポリベンズイミダゾールを含むが、これに制限されない。特定の実施形態において、担体はまた、支持された無機酸化物上へ分岐された有機高分子の組み合わせを含む。一部の実施形態において、組み合わせ担体はポリエチレンイミン−シリカ担体を含む。更なる実施形態において、担体は炭素である。他の更なる実施形態において、担体は炭素、シリカ、シリカアルミナ、チタニア、ジルコニア及びニオビアから選ばれる固体担体である。
本発明の一部の様態において、不活性固体担体は、珪質固体、アルミナ、無機酸化物、炭素または有機重合体である。特定の実施形態において、固体担体は、合成多孔性シリカ、シリカ粉末、耐火酸化物、メソ多孔性分子体、特に、純粋なシリカ及び他の珪質固体を含むが、これに制限されない珪質固体である。更なる実施形態において、不活性固体担体は、二酸化ケイ素の非晶質形態等のように二酸化ケイ素(SiO)を含む。
一部の実施形態において、固体担体は、シリカゲルまたは沈降シリカ等のように合成多孔性シリカである。更なる実施形態において、合成多孔性シリカは、粒子が構造全体にわたる多数の気孔、孔隙または間隙を有する比較的に粗密かつ密集したコアを粒子が形成するように凝集または連結される非晶質シリカの粒子を含む。他の実施形態において、固体担体は合成シリカ粉末である。一部の実施形態において、合成シリカ粉末は、シリコンハライドと水素及び酸素の反応からのフュームド、発熱性シリカを含むが、これに制限されるものではない。更なる実施形態において、合成シリカ粉末は、簡単に分解される緩くて密集していない凝集体内の無定形シリカ粒子を含む。他の更なる実施形態において、固体担体は、シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−ジルコニア、シリカ−アルミナ−ボリア、シリカ−アルミナ−マグネシア及び類似の化合物を含めて耐火性酸化物であるが、これに制限されない。更なる実施形態において、このような酸化物の化合物は相当な重量百分率のシリカを含む。他の実施形態において、固体担体は、分子体のMCM−41、MCM−48、M41S、ZSM−5、XSM−11及びMWWクラス分子体等のように分子体を含むが、これに制限されない分子体である。一部の実施形態において、固体担体は、純粋なシリカであり、ここで、純粋なシリカは97%超過シリカ及び99%超過シリカを含めて少なくとも95重量%シリカであるものと定義される。本質的には、純粋なシリカは商業的に収得することができる。一部の実施形態において、適切な本質的に純粋なシリカは、ダビシル(Davisil)(登録商標)643等のようにダビシル(登録商標)により販売される適合したシリカ及びMS−3050シリカを含めてPQコーポレーション(PQ Corporation)により販売される微小球体シリカゲルを含むが、これに制限されない。他の実施形態において、固体担体は、含水マグネシウムシリケート及びヘクトライト、カオリン及びベントナイト等のように粘土鉱物を含むが、これに制限されない自然発生鉱物シリカを含む。
一部の実施形態において、不活性固体は、約10〜約1500m/gの表面積を有する。更なる実施形態において、不活性固体は、約100m/g〜約800m/g等のように約50m/g〜約1000m/gの表面積を有する。さらに、更なる実施形態において、不活性固体は、約0.1mL/g〜約6.0mL/g及び0.5mL/g〜約5.0mL/g等のように0.5〜8.0mL/gの範囲内の気孔体積を有する。たとえ不活性固体粒子の大きさが異なる反応条件によって変わり得るものの、特定の実施形態において、平均粒子の大きさは、約0.1μm〜約1.5cmである。さらに、一部の実施形態において、触媒物質の気孔径は変わり得るが、不活性個体の平均気孔の大きさは1Å〜約1000Åである。特定の実施形態において、平均気孔の大きさは約50Å〜500Åである。
本発明の一部の様態において、固体担体は、粉末、フレーク、顆粒、球またはペレットを含むが、これに制限されない多様な異なる物理的形態である。更なる実施形態において、固体担体は一つの形態で開始し、その形態で使用可能であるか、固体担体は本発明が属する技術分野における者に知られた技術を通じて他の形態に転換される。そのような従来技術は押出、ペレット化及び粉砕を含むが、これに制限されるものではない。
更なる実施形態において、触媒的に活性であるチタン原子の沈着のためのチタン供給源は、チタンハライド、チタンアルコキシドまたはチタンエステルである。特定の実施形態において、チタン供給源はチタンハライド、チタンアルコキシドまたはチタンエステルであり、ここで、チタン金属は4酸化状態にある。更なる実施形態において、不活性固体内への内包のためのチタン供給源は、チタンテトラハライドであり、特に好ましくはチタンテトラクロリドである。更なる実施形態において、チタンテトラクロリドは気体として、または適切な溶媒を有する溶液の一部として用いられる。適切な溶媒は炭化水素または芳香族溶媒を含む。また、一部の実施形態において、チタンテトラクロリドの購買可能な溶液がチタンの供給源として用いられることができる。
本発明の一部の様態において、不活性固体はチタンの内包以前、以後またはその間にか焼される。更なる実施形態において、不活性固体は、約400℃〜約800℃、そして約600℃〜約800℃を含めて約400℃〜約1000℃の温度でか焼される。特定の実施形態において、か焼は、ヘリウム、アルゴン、ネオンまたは窒素下等のように不活性雰囲気下で生じることができる。更なる実施形態において、窒素は不活性雰囲気を含む。一部の実施形態において、か焼は、約1〜18時間の間、または約1〜4時間等のように約0.1〜約24時間にわたり行われる。一部の実施形態において、か焼は与えられた触媒システムでペルオキシド転換率または与えられた触媒のペルオキシド選択率を変化させる。一部の実施形態において、か焼は与えられた反応のペルオキシド転換率及びペルオキシド選択率を増加させる。
一部の実施形態において、遷移金属触媒はパラジウム、白金、金または他の貴金属を含むが、これに制限されないチタン以外の追加的な金属を含む。
本発明の一部の様態において、触媒は、粉末または大きな粒子の個体の形態であり得ると共に、エポキシ化で使用するに先立ち、噴霧乾燥されたり、ペレット化されたり、圧出されることができる。噴霧乾燥されたり、ペレット化されたり、押出される場合、触媒はバインダー等を含むことができ、エポキシ化で使用するに先立ち、任意の所定の形態で鋳造されたり、噴霧乾燥されたり、成形されたり、押出されることができる。触媒はまた、その教示全体が参考として本願に含まれる米国特許第7,030,255号で記述されたように重合体内にカプセル化することができる。
本発明の一部の様態において、エポキシ化反応はチタン触媒をさらに含み、ここで、チタンは固体担体上に含浸される。一部の実施形態において、チタン触媒はTiMWWまたは層状TiMWW触媒であり、ここで、チタンはアルミノシリケートMWWゼオライト内に含浸される。一部の実施形態において、TiMWW触媒は本願の図面に示したようなXRDスペクトルを有する。TiMWW触媒の製造方法は本発明が属する技術分野における者に公示されている。一部の様態において、製造は、例えば、その全文が参考として本願に含まれる米国特許第6,759,540号、Wu et al.(2001)、米国特許第8,124,555号及び米国特許第8,440,846号で教示された。チタンMWWゼオライト触媒は主にチタン、ケイ素及び酸素を含むが、またホウ素及び/または少量の鉄、アルミニウム、ナトリウム、カリウム、銅または他の類似元素を含むことができる。TiMWW触媒の型板への後処理は層状TiMWW−NAWを収得する。Ti−MWW−NAWの酸への洗浄は層状TiMWW−AWを収得する。層状TiMWW−NAWはホウ酸のような結晶化剤の存在中でシリカ、テトラブチルオルトチタネート及び型板の水熱合成を通じて製造されることができる。続けて、層状TiMWW−AWが層状TiMWW−NAWのHNOまたはHSO溶液への還流により収得することができる。ホウ素が触媒活性に有害であるため、触媒のこのような処理が追加のホウ素を除去するため層状TiMWW触媒の合成のための後処理方法がよく用いられる。
本明細書において「TiMWW触媒」と言及される、このようなチタンMWWゼオライト触媒は、下記実験式:xTiO・(1−x)SiOを有することで知られており、ここで、xは約0.0001〜約0.5の数字である。一部の実施形態において、xは約0.01〜約0.125である。他の脈絡において、格子骨格中のSi:Tiの比率は約9.5:1〜約60:1等のように約9.5:1〜約99:1の範囲であり得る。一部の適用において、チタンの豊富なMWW触媒が本技術で利用される。
本発明で記述されるエポキシ化工程は、粉末または大きな粒子の固体触媒を用いることができる。本工程の一部の実施形態において、ゼオライト触媒が粉末として用いられることができるが、また噴霧乾燥されたり、ペレット化されたり、圧出された場合にゼオライト触媒が用いられることができる。また、ゼオライト触媒は、触媒が特定の所定の形態で成形されたり、噴霧乾燥されたり、鋳造されたり、押出される前にバインダーをさらに含むことができる。また、一部の実施形態において触媒は懸濁液または固定床形態である。
他の実施形態において、層状TiMWW触媒がアルケンをエポキシ化するのに用いられる。層状TiMWW触媒は型板と共に用いられて触媒を製造することができる。使用可能な一部の鋳型剤は、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、アダマンチルアンモニウムヒドロキシド、オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキシルトリメチルアンモニウムヒドロキシドまたはトリメチルアダマンチルアンモニウムヒドロキシドである。一部の実施形態において、鋳型剤は、ヘキサメチレンイミンまたはピペリジンである。一つの実施形態において、鋳型剤はピペリジンである。TiMWW触媒と鋳型剤の反応後、一部の実施形態において、触媒は酸で洗浄される。一部の様態において、触媒を洗浄可能な酸は、硝酸、塩酸、硫酸、亜硫酸、リン酸または塩化アンモニウムを含む。一部の実施形態において、TiMWW触媒及び層状TiMWW触媒は図面に示したようなXRDスペクトルを有する。
一部の実施形態において、エポキシ化触媒はパラジウム錯体を添加することをさらに含む。一部の実施形態において、パラジウム錯体は、分子酸素とアルコール及びアルケンの反応を許可して適切なエポキシドを形成する。一部の非制限的なパラジウム錯体は日本国特許文献2011−111431号により教示されたものを含む。
III.プロセススケールアップ
前述の方法は、本発明が属する技術分野における者によって適用されるような工程化学の原理及び技術を利用して、バッチ式または連続式の製造、パイロットまたは大規模生産のために、追加で変形され、最適化することができる。そのような原理及び技術は、例えば、本願に参考として含まれるPractical Process Research & Development(2012)で教示される。
IV.定義
化学基という文脈で用いられる場合、「水素」は−Hを意味し;「ヒドロキシ」は−OHを意味し;「オキソ」は=Oを意味し;「カルボニル」は−C(=O)−を意味し;「カルボキシ」は−C(=O)OH(−COOHまたは−COHとも記載される)を意味し;「ハロ」は独立的に−F、−Cl、−Brまたは−Iを意味し;「アミノ」は−NHを意味する。化学基の文脈で用いられる場合、「カルボキシレート」は−C(=O)O基(C(O)Oまたは−CO とも記載される)を含み、分子全体の電荷が負である分子を意味するか、または「ハライド」は単一負電荷を有するアニオンとして形成されるハロゲン原子を意味する。本出願で示した構造の原子上の任意の未定義された原子価は含蓄的にその原子に結合された水素原子を示す。
化学式の文脈で、記号「−」は単結合を意味し、「=」は二重結合を意味し、「≡」は三重結合を意味する。記号
は選択的結合を示し、これは存在する場合、単一または二重結合である。記号
は単結合または二重結合を示す。したがって、例えば、
このような環原子のいずれも一つ以上の二重結合の一部を構成しないということが本発明が属する技術分野における者に理解される。さらに、共有結合記号「−」は、一つまたは二つの不斉原子を連結する場合、任意の優先する立体化学を示さないということが注目される。代わりに、これは全ての立体異性体と同様に、その混合物を包括する。記号
は、結合を垂直に横切って描かれる場合
基の付着点を示す。付着点は、典型的に読者が付着点を明確に確認することを助けるために、さらに大きい基に対してこのような方式で確認されることが注目される。記号
は、楔の厚い端部に付着された基が「ページの外」に存在する単結合を意味する。記号
は、楔の厚い端部に付着された基が「ページの中」に存在する単結合を意味する。記号
は、二重結合の周りの幾何学(例えば、EまたはZ)が定義されていない単結合を意味する。したがって、二つのオプションと同様に、その組み合わせが意図される。前述の結合秩序は結合により連結される原子の中で一つが金属原子(M)である場合には制限的ではない。そのような場合に、実際の結合は相当な多重結合及び/またはイオン特徴が含められることが理解される。したがって、特に指示のない限り、化学式M−C、M=C、
は、それぞれ金属原子と炭素原子間の結合の任意の形態及び順序を意味する。
下記の基及び類に対して、下記の括弧内の添字はさらに基/類を定義する:「(Cn)」は、基/類の中で炭素原子の正確な数(n)を定義する。「(C≦n)」は、対象の基に対して可能な限り小さい最小数と共に基/類の中で存在することができる炭素原子の最大数(n)を定義し、例えば、「アルケニル(C≦8)」または「アルケン(C≦8)」類中の炭素原子の最小数は2ということが理解される。例えば、「アルコキシ(C≦10)」は1個〜10個の炭素原子を有するアルコキシ基を示す。(Cn−n’)は、基中の炭素原子の最小(n)及び最大数(n’)の両方を定義する。同様に、「アルキル(C2−10)」は2個〜10個の炭素原子を有するアルキル基を示す。
本明細書で用いられる用語「飽和された」は、そのように変形された化合物または基が下記に記載されたものを除いては炭素−炭素二重結合及び炭素−炭素三重結合を有さないことを意味する。飽和された基の置換されたバージョンの場合には、一つ以上の炭素酸素二重結合または炭素窒素二重結合が存在することができる。そのような結合が存在する場合、ケト−エノール互変異性体またはイミン/エナミン互変異性体の一部として発生することができる炭素−炭素二重結合が排除されない。
「置換された」という修飾語なしで用いられる用語「脂肪族」は、そのように変形された化合物/基が非環式または環式であるが、非芳香族の炭化水素化合物または基であることを意味する。脂肪族化合物/基において、炭素原子は、直鎖、分岐鎖または非芳香族環(脂環族)で共に連結されることができる。脂肪族化合物/基は、単結合により連結されて飽和されるか(アルカン/アルキル)、一つ以上の二重結合を伴うか(アルケン/アルケニル)、または一つ以上の三重結合(アルキン/アルキニル)を伴って不飽和されることができる。
「置換された」という修飾語なしで用いられる用語「アルキル」は、付着点として炭素原子、線状または分岐状、シクロ、環式または非還式構造を有し、炭素と水素以外の他の原子のない1価の飽和脂肪族基を意味する。本明細書で用いられるように、「シクロアルキル」は、付着点を形成する炭素原子がまた一つ以上の非芳香族環構造の構成員であるアルキルの部分集合であり、ここで、シクロアルキル基は炭素及び水素のみからなる。本明細書で用いられるように、シクロアルキルは、環または環システムに付着された一つ以上のアルキル基(炭素数の制限を許容)の存在を排除しない。−CH(Me)、−CHCH(Et)、−CHCHCH(n−Prまたはプロピル)、−CH(CH(i−Pr、Prまたはイソプロピル)、−CH(CH(シクロプロピル)、−CHCHCHCH(n−Bu)、−CH(CH)CHCH(sec−ブチル)、−CHCH(CH(イソブチル)、−C(CH(tert−ブチル、t−ブチル、t−BuまたはBu)、−CHC(CH(neo−ペンチル)、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘキシルメチル基はアルキル基の非制限的な例である。「置換された」という修飾語なしで用いられる場合、用語「アルカンジイル」は、付着点として一つまたは二つの飽和炭素原子、線状または分岐状、シクロ、環式または非還式構造を有し、炭素−炭素二重または三重結合がなく、炭素と水素以外の他の原子のない2価の飽和脂肪族基を意味する。−CH−(メチレン)、−CHCH−、−CHC(CHCH−、−CHCHCH−及び
基は、アルカンジイル基の非制限的な例である。アルケンジイル基は脂肪族である一方、一旦、両末端で連結されると、この基は芳香族構造を形成することから排除されないということが注目される。「置換された」という修飾語なしで用いられる場合、用語「アルキリデン」は、R及びR’が独立的に水素、アルキル及びRとR’が共に少なくとも2つの炭素原子を有するアルカンジイルを示す2価の基=CRR’を意味する。アルキリデン基の非制限的な例は=CH、=CH(CHCH)及び=C(CHを含む。「アルカン」は、化合物H−Rを意味し、ここで、Rはその用語が前記定義のようなアルキルである。任意のこれらの用語が「置換された」という修飾語と共に用いられる場合、一つ以上の水素原子は独立的に、−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−NH、−NO、−COH、−COCH、−CN、−SH、−OCH、−OCHCH、−C(O)CH、−NHCH、−NHCHCH、−N(CH、−C(O)NH、−OC(O)CH、−SiClCHまたは−S(O)NHにより置換された。下記の基は、置換されたアルキル基の非制限的な例である:−CHOH、−CHCl、−CF、−CHCN、−CHC(O)OH、−CHC(O)OCH、−CHC(O)NH、−CHC(O)CH、−CHOCH、−CHOC(O)CH、−CHNH、−CHN(CH及び−CHCHCl。用語「ハロアルキル」は、置換されたアルキルの部分集合であり、ここで、一つ以上の水素原子はハロ基で置換されており、炭素、水素及びハロゲンを除いた他の原子は存在しない。−CHCl基はハロアルキルの非制限的な例である。用語「フルオロアルキル」は置換されたアルキルの部分集合であり、ここで、一つ以上の水素はフルオロ基で置換されており、炭素、水素及びフッ素を除く他の原子は存在しない。−CHF、−CF及び−CHCF基はフルオロアルキル基の非制限的な例である。
「置換された」という修飾語なしで用いられる用語「アルケニル」は、付着点として炭素原子、線状または分岐状、シクロ、環式または非還元式構造、少なくとも一つの非芳香族炭素−炭素二重結合を有し、炭素−炭素三重結合がなく、炭素と水素以外の他の原子のない1価の不飽和脂肪族基を意味する。アルケニル基の非制限的な例は、−CH=CH(ビニール)、−CH=CHCH、−CH=CHCHCH、−CHCH=CH(アリル)、−CHCH=CHCH及び−CH=CHCH=CHを含む。「置換された」という修飾語なしで用いられる場合、用語「アルケンジイル」は、付着点として二つの炭素原子、線状または分岐状、シクロ、環式または非還元式構造、少なくとも一つの非芳香族炭素−炭素二重結合を有し、炭素−炭素三重結合がなく、炭素と水素以外の他の原子のない2価の不飽和脂肪族基を意味する。−CH=CH−、−CH=C(CH)CH−、−CH=CHCH−及び
基はアルケンジイル基の非制限的な例である。用語「アルケン」または「オレフィン」は同意語であり、式H−Rを有する化合物を意味し、ここで、Rはその用語が前記定義のようなアルケニルである。「末端アルケン」は、単に一つの炭素−炭素二重結合を有するアルケンを意味し、ここで、その結合は分子の一末端でビニール基を形成する。任意のこれらの用語が「置換された」という修飾語と共に用いられる場合、一つ以上の水素原子は独立的に−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−NH、−NO、−COH、−COCH、−CN、−SH、−OCH、−OCHCH、−C(O)CH、−NHCH、−NHCHCH、−N(CH、−C(O)NH、−OC(O)CH、−SiClCHまたは−S(O)NHにより置換された。−CH=CHF、−CH=CHCl及び−CH=CHBr基は置換されたアルケニル基の非制限的な例である。
「置換された」という修飾語なしで用いられる用語「アリール」は、付着点として芳香族炭素原子を有する1価の不飽和芳香族基を意味し、前記炭素原子は、一つ以上の6員環の芳香族環構造の一部を形成し、ここで、環原子は全部炭素であり、ここで、基は炭素と水素のみからなる。万一、一つ以上の環が存在する場合、環は融合されるか、非融合されることができる。本明細書で用いられるように、用語は、第1芳香族環または存在する任意の追加の芳香族環に付着された一つ以上のアルキルまたはアラルキル基(炭素数の制限を許容)の存在を排除しない。アリール基の非制限的な例は、フェニル(Ph)、メチルフェニル、(ジメチル)フェニル、−CCHCH(エチルフェニル)、ナフチル及びビフェニルから由来した1価の基を含む。「置換された」という修飾語なしで用いられる場合、用語「アレンジイル」は、付着点として二つの芳香族炭素原子を有する2価の芳香族基を意味し、前記炭素原子は、一つ以上の6員環の芳香族環構造の一部を形成し、ここで、環原子は全部炭素であり、ここで、1価の基は炭素と水素のみからなる。本明細書で用いられるように、用語は、第1芳香族環または存在する任意の追加の芳香族環に付着された一つ以上のアルキル、アリールまたはアラルキル基(炭素数の制限を許容)の存在を排除しない。一つ以上の環が存在する場合、環は融合されるか、非融合されることができる。非融合環は、下記の一つ以上を通じて連結されることができる:共有結合、アルカンジイルまたはアルケンジイル基(炭素数の制限を許容)。アレンジイル基の非制限的な例は下記を含む:
「アレーン」は化合物H−Rを意味し、ここで、Rはその用語が前記定義のような用語としてアリールである。ベンゼン及びトルエンはアレーンの非制限的な例である。任意のこれらの用語が「置換された」という修飾語と共に用いられる場合、一つ以上の水素原子は、独立的に−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−NH、−NO、−COH、−COCH、−CN、−SH、−OCH、−OCHCH、−C(O)CH、−NHCH、−NHCHCH、−N(CH、−C(O)NH、−OC(O)CH、−SiClCHまたは−S(O)NHにより置換された。
「置換された」という修飾語なしで用いられる用語「アラルキル」は、1価の基−アルカンジイル−アリールを意味し、ここで、用語アルカンジイル及びアリールはそれぞれ前記提供された定義と一致する方式で用いられる。アラルキルの非制限的な例は、フェニルメチル(ベンジル、Bn)及び2−フェニル−エチルである。用語アラルキルが「置換された」という修飾語と共に用いられる場合、アルカンジイル及び/またはアリール基からの一つ以上の水素原子は、独立的に−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−NH、−NO、−COH、−COCH、−CN、−SH、−OCH、−OCHCH、−C(O)CH、−NHCH、−NHCHCH、−N(CH、−C(O)NH、−OC(O)CH、−SiClCHまたは−S(O)NHにより置換された。置換されたアラルキルの非制限的な例は、(3−クロロフェニル)−メチル及び2−クロロ−2−フェニル−エト−1−イルである。
「置換された」という修飾語なしで用いられる用語「ヘテロアリール」は、付着点として芳香族炭素原子または窒素原子を有する1価の芳香族基を意味し、前記炭素原子または窒素原子は、一つ以上の芳香族環構造の一部を形成し、ここで、環原子の少なくとも一つは窒素、酸素または硫黄であり、ここでヘテロアリール基は炭素、水素、芳香族窒素、芳香族酸素及び芳香族硫黄のみからなる。一つ以上の環が存在する場合、環は融合されるか、非融合されることができる。本明細書で用いられるように、用語は、芳香族環または芳香族環システムに付着された一つ以上のアルキル、アリール及び/またはアラルキル基(炭素数の制限を許容)の存在を排除しない。ヘテロアリール基の非制限的な例は、フラニル、イミダゾリル、インドリル、インダゾリル(Im)、イソオキサゾリル、メチルピリジニル、オキサゾリル、フェニルピリジニル、ピリジニル、ピロリル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリル、キナゾリル、キノキサリニル、トリアジニル、テトラゾリル、チアゾリル、チエニル及びトリアジゾリルを含む。用語「N−ヘテロアリール」は、付着点として窒素原子を有するヘテロアリール基を意味する。「置換された」という修飾語なしで用いられる場合、用語「ヘテロアレーンジイル」は、2つの付着点として2つの芳香族炭素原子、2つの芳香族窒素原子または一つの芳香族炭素原子と一つの芳香族窒素原子を有する2価の芳香族基を意味し、前記原子は、一つ以上の芳香族環構造の一部を形成し、ここで、少なくとも一つの環原子が窒素、酸素または硫黄であり、ここで、2価の基は炭素、水素、芳香族窒素、芳香族酸素及び芳香族硫黄のみからなる。一つ以上の環が存在する場合、環は融合されるか、非融合されることができる。非融合環は、下記の一つ以上を通じて連結されることができる:共有結合、アルカンジイルまたはアルケンジイル基(炭素数の制限を許容)。本明細書で用いられるように、用語は、芳香族環または芳香族環システムに付着された一つ以上のアルキル、アリール及び/またはアラルキル基(炭素数の制限を許容)の存在を排除しない。ヘテロアレーンジイル基の非制限的な例は下記を含む:
「ヘテロアレーン」は化合物H−Rを意味し、ここで、Rはヘテロアリールである。ピリジン及びキノリンはヘテロアレーンの非制限的な例である。「ヘテロアレニウム」は、用語が前記定義のようなプロトン化またはN−アルキル化窒素含有のヘテロアレーンであり、ここで、窒素原子はプロトン化またはアルキル化して正の電荷を有する。これらの用語が「置換された」という修飾語と共に用いられる場合、一つ以上の水素原子は、独立的に−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−NH、−NO、−COH、−COCH、−CN、−SH、−OCH、−OCHCH、−C(O)CH、−NHCH、−NHCHCH、−N(CH、−C(O)NH、−OC(O)CHまたは−S(O)NHにより置換された。
「置換された」という修飾語なしで用いられる用語「ヘテロシクロアルキル」は、付着点として炭素原子または窒素原子を有する1価の非芳香族基を意味し、前記炭素原子または窒素原子は、一つ以上の非芳香族環構造の一部を形成し、ここで、環原子の中で少なくとも一つは窒素、酸素または硫黄であり、ここで、ヘテロシクロアルキル基は炭素、水素、窒素、酸素及び硫黄のみからなる。一つ以上の環が存在する場合、環は融合されるか、非融合されることができる。本明細書で用いられるように、用語は、環または環システムに付着された一つ以上のアルキル基(炭素数の制限を許容)の存在を排除しない。また、用語は、その結果の基が非芳香族として残留すると仮定すれば、環または環システム内に一つ以上の二重結合の存在を排除しない。ヘテロシクロアルキル基の非制限的な例は、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、テトラヒドロピラニル、ピラニル、オキシラニル及びオキセタニルを含む。用語「N−ヘテロシクロアルキル」は、付着点として窒素原子を有するヘテロシクロアルキル基を意味する。「置換された」という修飾語なしで用いられる場合、用語「ヘテロシクロアルカンジイル」は、2つの付着点として2つの炭素原子、2つの窒素原子または一つの炭素原子と一つの窒素原子を有する2価のサイクリック基を意味し、前記原子は一つ以上の環構造の一部を形成し、ここで、環原子の少なくとも一つが窒素、酸素または硫黄であり、ここで、2価の基は炭素、水素、窒素、酸素及び硫黄のみからなる。一つ以上の環が存在する場合、環は融合されるか、非融合されることができる。非融合環は、下記の一つ以上を通じて連結されることができる:共有結合、アルカンジイルまたはアルケンジイル基(炭素数の制限を許容)。本明細書で用いられるように、用語は、環または環システムに付着された一つ以上のアルキル基(炭素数の制限を許容)の存在を排除しない。また、用語は、その結果の基が非芳香族として残留すると仮定すれば、環または環システム内に一つ以上の二重結合の存在を排除しない。
ヘテロシクロアルカンジイル基の非制限的な例は下記を含む:
これらの用語が「置換された」という修飾語と共に用いられる場合、一つ以上の水素原子は、独立的に−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−NH、−NO、−COH、−COCH、−CN、−SH、−OCH、−OCHCH、−C(O)CH、−NHCH、−NHCHCH、−N(CH、−C(O)NH、−OC(O)CH、−S(O)NHまたは−C(O)OC(CH(tert−ブチルオキシカルボニル、BOC)により置換された。
「置換された」という修飾語なしで用いられる用語「アシル」は、−C(O)R基を意味し、ここで、Rはこれらの用語が前記定義のような水素、アルキル、アリール、アラルキルまたはヘテロアリールである。−CHO、−C(O)CH(アセチル、Ac)、−C(O)CHCH、−C(O)CHCHCH、−C(O)CH(CH、−C(O)CH(CH、−C(O)C、−C(O)CCH、−C(O)CH及び−C(O)(イミダゾリル)基は、アシル基の非制限的な例である。「置換された」という修飾語なしで用いられる場合、用語「アルキルカルボキシレート」、「アルケニルカルボキシレート」、「アルキニルカルボキシレート」、「アリールカルボキシレート」、「アラルキルカルボキシレート」、「ヘテロアリールカルボキシレート」及び「ヘテロシクロアルキルカルボキシレート」は、OC(O)Rで定義される基を意味し、ここで、Rはそれぞれアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルである。「チオアシル」は、−C(O)R基の酸素原子が硫黄原子で置換されて−C(S)Rであることを除いては、類似した方法で定義される。用語「アルデヒド」は、前記定義のようなアルカンに対応し、ここで、少なくとも一つの水素原子が−CHO基で置換された。任意のこれらの用語が「置換された」という修飾語と共に用いられる場合、一つ以上の水素原子(存在する場合、カルボニルまたはチオカルボニル基に直接的に付着された水素原子を含めて)が、独立的に−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−NH、−NO、−COH、−COCH、−CN、−SH、−OCH、−OCHCH、−C(O)CH、−NHCH、−NHCHCH、−N(CH、−C(O)NH、−OC(O)CHまたは−S(O)NHにより置換された。−C(O)CHCF、−COH(カルボキシル)、−COCH(メチルカルボキシル)、−COCHCH、−C(O)NH(カルバモイル)及び−CON(CH基は置換されたアシル基の非制限的な例である。
「置換された」という修飾語なしで用いられる用語「アルキルアミノ」は、−NHR基を意味し、ここで、Rはその用語が前記定義のようなアルキルである。アルキルアミノ基の非制限的な例は−NHCH及び−NHCHCHを含む。「置換された」という修飾語なしで用いられる場合、用語「ジアルキルアミノ」は−NRR’基を意味し、ここで、R及びR’は同一であるか、互いに異なるアルキル基であるか、R及びR’は共に取られてアルカンジイルを表すことができる。ジアルキルアミノ基の非制限的な例は下記を含む:−N(CH、−N(CH)(CHCH)及びN−ピロリジニル。「置換された」という修飾語なしで用いられる用語「アルケニルアミノ」、「アルキニルアミノ」、「アリールアミノ」、「アラルキルアミノ」、「ヘテロアリールアミノ」及び「ヘテロシクロアルキルアミノ」は−NHRで定義される基を意味し、ここで、Rはそれぞれアルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルである。「置換された」という修飾語なしで用いられる用語「アルキルアンモニウム」はNHR基を意味し、ここで、Rはその用語が前記定義のようなアルキルである。アルキルアンモニウム基の非制限的な例はNHCH及びNHCHCHを含む。「置換された」という修飾語なしで用いられる用語「テトラアルキルアンモニウム」は−NRR’R’’R’’’基を意味し、ここで、R、R’、R’’及びR’’’は同一であるか、互いに異なるアルキル基であるか、またはR、R’、R’’及びR’’’の2個は共に取られてアルカンジイルを表すことができる。「置換された」という修飾語なしで用いられる用語「アルケニルアンモニウム」、「アルキニルアンモニウム」、「アリルアンモニウム」、「アラルキルアンモニウム」、「ヘテロアリールアンモニウム」及び「ヘテロシクロアルキルアンモニウム」は−NHRで定義される基を意味し、ここで、Rはそれぞれアルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルである。アリールアミノ基の非制限的な例は−NHCである。「置換された」という修飾語なしで用いられる用語「アミド」(アシルアミノ)は−NHR基を意味し、ここで、Rはその用語が前記定義のようなアシルである。アミド基の非制限的な例は−NHC(O)CHである。「置換された」という修飾語なしで用いられる用語「アルキルイミノ」は2価の基=NRを意味し、ここで、Rはその用語が前記定義のようなアルキルである。用語「アルキルアミノジイル」は、2価の基−NH−アルカンジイル−、−NH−アルカンジイル−NH−または−アルカンジイル−NH−アルカンジイル−を意味する。任意のこれらの用語が「置換された」という修飾語と共に用いられる場合、一つ以上の水素原子が独立的に−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−NH、−NO、−COH、−COCH、−CN、−SH、−OCH、−OCHCH、−C(O)CH、−NHCH、−NHCHCH、−N(CH、−C(O)NH、−OC(O)CHまたは−S(O)NHで置換された。−NHC(O)OCH及び−NHC(O)NHCH基は置換されたアミド基の非制限的な例である。
「置換された」という修飾語なしで用いられる用語「アルコキシ」は−OR基を意味し、ここで、Rはその用語が前記定義のようなアルキルである。アルコキシ基の非制限的な例は、−OCH(メトキシ)、−OCHCH(エトキシ)、−OCHCHCH、−OCH(CH(イソプロポキシ)及び−OC(CH(tert−ブトキシ)を含む。用語「アルケニルオキシ」、「アリールオキシ」、「アルアルコキシ」、「ヘテロアリールオキシ」、「ヘテロシクロアルコキシ」及び「アシルオキシ」は、「置換された」という修飾語なしで用いられる場合、−ORで定義される基を意味し、ここで、Rはそれぞれアルケニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル及びアシルである。用語「アルコキシジイル」は、2価の基である−O−アルカンジイル−、−O−アルカンジイル−O−または−アルカンジイル−O−アルカンジイル−を意味する。用語「アルコール」は、前記定義のようなアルカンに対応し、ここで、少なくとも一つの水素原子がヒドロキシ基で置換された。用語「エーテル」は、前記定義のようなアルカンに対応し、ここで、少なくとも一つの水素原子がアルコキシ基で代替された。任意のこれらの用語が「置換された」という修飾語と共に用いられる場合、一つ以上の水素原子が独立的に−OH、−F、−Cl、−Br、−I、−NH、−NO、−COH、−COCH、−CN、−SH、−OCH、−OCHCH、−C(O)CH、−NHCH、−NHCHCH、−N(CH、−C(O)NH、−OC(O)CHまたは−S(O)NHで置換された。
特許請求の範囲及び/または明細書で用語「含む」と共に用いられる場合、冠詞(「a」または「an」)の使用は「一つ」を意味することができるが、また「一つ以上」、「少なくとも一つ」及び「一つまたは一つ超過」の意味と一致する。
本出願の全般にわたって、用語「約」は、いずれか一つの値が装置の誤差の固有な変動を含むということを示すために用いられ、この方法は、被験者の間に存在する値または変動を決定するために用いられる。
用語「含む」(comprise) 、「有する」(have)及び「含まれる」(include)は開放型(open−ended)連結動詞である。「含む」(comprises) 、「備える」(comprising)、「有する」(has)、「持つ」(having)、「含まれる」(includes)、「含めて」(including)のようなこれら動詞の一つ以上の任意の形態または時制も開放型である。例えば、一つ以上の段階を「含む」、「有する」または「含まれる」任意の方法は、その一つ以上の段階のみを有することに制限されず、他の記されていない段階を包括する。
用語「エポキシド」は、単結合により連結された一つの酸素原子及び2個の炭素原子を含む3員環を意味する。エポキシドは下記一般式を有する:
ここで:R、R及びRはそれぞれ独立的に水素、置換または非置換されたアルキルから選択され、Rは水素、置換または非置換されたアルキルまたは置換または非置換されたアリールから選ばれる。
1族原子は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムまたはフランシウムから選ばれる原子を含む。2族原子は、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムまたはラジウムから選ばれる原子を含む。これらの原子のカチオンは、1族原子に対しては+1電荷を有し、2族原子のカチオンは+2電荷を有する正に荷電された原子の結果である。
第1化合物の「異性体」は、それぞれの分子が第1化合物と同一の構成原子を含むが、これらの原子の配置が3次元で異なる別途の化合物である。
「方法」は最終生成物、結果または結果を誘導する一連の一つ以上の段階である。本明細書で用いられるように、単語「方法」は、単語「工程」と交換できるように用いられる。
「ペルオキシド」は2つの酸素原子の間に単一共有結合を含み、各酸素はまた、これらの基が前記定義のような水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル基に結合される分子である。一般的に、2個の酸素原子の間のペルオキシド結合は不安定であって容易に分解されたり、特に触媒の存在下で他の分子と反応する。ペルオキシドの一部の非制限的な例は、HO−OH(過酸化水素)または(CHCO−OH(tert−ブチルヒドロペルオキシド)を含む。
本出願の文脈で用いられる用語「ペルオキシド転換率」は、対応するアルコールまたは水の副産物に転換されるペルオキシドの百分率を意味する。例えば、tert−ブチルヒドロペルオキシドのペルオキシド転換率は、与えられたエポキシ化反応でtert−ブタノールに転換された出発ペルオキシドの量で表現される。
本出願の文脈で用いられる用語「ペルオキシド選択率」は、所定のエポキシドに統合されるペルオキシドの百分率を意味する。
用語「1−フェニルエチルアルコール」または「1−フェニルエチルアルコール」は、用語「α−メチルベンジルアルコール」と交換できるように用いられる。
本出願の文脈で用いられる用語「シリケート」は、アニオン性シリコン化合物を示す。一部の実施形態において、シリコンが酸素原子またはハライド原子に結合され、シリコン原子は4面体配向を有する。一部の実施形態において、シリコンはさらに高い配位数を採択することができ、8面体等のような他の配向を採択することができる。一部の実施形態において、シリケートは環式、直鎖状単鎖またはシート形成シリケートとして存在することができる。一部の実施形態において、シリケートは「SiO 4−」等のようなオルトシリケートである。用語「アルミノシリケート」は、適切な中和作用と共にアルミニウム、シリコン及び酸素を含む化合物である。アルミノシリケートの一つの非制限的な例はカオリンであり、これは、分子式AlSi(OH)を有する。一部の実施形態において、水和されたアルミノシリケートはゼオライトである。
本出願で用いられる場合、アニオン「スルフェート」、「カルボキシレート」または「ホスフェート」は、これらのアニオンの完全に脱プロトン化したものと同様に、部分的かつ完全にプロトン化した形態を示すものと意図される。一つの非制限的な例において、用語スルフェートはHSO、HSO 及びSO 2−を意味するものとして用いられる。
前記定義は、本願に参考として含まれる任意の参考文献での相反する正義に優先する。
V.実施例
下記の実施例は、添付の特許請求の範囲の内容の特定の実施形態を証明するように含まれる。下記の実施例で開示された技術は、添付の特許請求の範囲の内容の実施において上手く作用するように意図されたものであることが本発明が属する技術分野における者により理解されるべきである。しかし、本発明が属する技術分野における者は、本発明に照らして開示された特定の実施形態において多様な変化が可能であり、依然として本発明の思想と範疇から逸脱せず、同一または類似の結果を収得することができることを理解すべきである。
実施例1:アルケンのエポキシ化における緩衝剤及び大分子溶媒
表1:H利用のペルオキシド転換率及び選択率
表1に示すように、サンプル1で見られるように、メタノール等のような小分子溶媒を伴うエポキシ化触媒、TS−1は、中等の過酸化水素転換率を誘導したが、TS−1が緩衝剤と共に用いられる場合、H転換率が減少した(サンプル2対サンプル1)。さらに、巨大分子溶媒、例えば、アセトニトリル及びt−BuOHのような他の溶媒もメタノールに比べて過酸化水素転換率の減少を誘導した(サンプル3及び5対サンプル1)。最後に、2つの巨大分子溶媒が緩衝剤と共に用いられる場合、過酸化水素転換率水準の量はより減少した(サンプル4及び6対サンプル1及びサンプル3及び5)。エポキシ化触媒、TiMWWはTS−1触媒に類似した過酸化水素転換率を提供した(サンプル7対サンプル1)。さらに、1−フェニルエチルアルコール及びアセトフェノンを伴うTiMWW触媒の使用は低減した過酸化水素転換率を誘導した(サンプル9対サンプル1)。さらに、t−ブチルアルコール及び水と共に、または1−フェニルエチルアルコール及びアセトフェノンと共に緩衝剤の存在中でのTiMWW触媒の使用は、大幅に増加された過酸化水素転換率と同様に、プロピレンオキシドに対する過酸化水素選択率及び減少した開環副産物を誘導した(サンプル8、10及び11対サンプル7及び9)。
サンプル1:
100mLのParr反応器をメタノール/水/30重量%過酸化水素の70:23:7重量%溶液(40g)及びTS−1触媒(0.03g)で満たした。反応器を密封してプロピレン(約20g〜23g)で満たした。磁石で攪拌された反応混合物が50℃で30分間約300psig(約2,170kPa)の反応器圧力で加熱され、続けて10℃まで冷却された。液体及び気相がガスクロマトグラフィーで分析された。その結果を表1に示した。
サンプル2:
100mLのParr反応器をメタノール/水/30重量%過酸化水素の70:23:7重量%溶液(40g)及び0.5gの0.1Mアンモニウムアセテート溶液とTS−1触媒(0.03g)で満たした。反応器を密封してプロピレン(約21g)で満たした。磁石で攪拌された反応混合物が50℃で30分間約300psig(約2,170kPa)の反応器圧力で加熱され、続けて10℃まで冷却された。液体及び気相がガスクロマトグラフィーで分析された。その結果を表1に示した。
サンプル3:
100mLのParr反応器をt−ブチルアルコール/水/30重量%過酸化水素の70:23:7重量%溶液(40g)及びTS−1触媒(0.03g)で満たした。反応器を密封してプロピレン(約25g)で満たした。磁石で攪拌された反応混合物が50℃で30分間約300psig(約2,170kPa)の反応器圧力で加熱され、続けて10℃まで冷却された。液体及び気相がガスクロマトグラフィーで分析された。その結果を表1に示した。
サンプル4:
100mLのParr反応器をt−ブチルアルコール/水/30重量%過酸化水素の70:23:7重量%溶液(40g)及び0.5gの0.1Mアンモニウムジヒドロゲンホスフェート溶液とTS−1触媒(0.03g)で満たした。反応器を密封してプロピレン(約22g)で満たした。磁石で攪拌された反応混合物が50℃で30分間約300psig(約2,170kPa)の反応器圧力で加熱され、続けて10℃まで冷却された。液体及び気相がガスクロマトグラフィーで分析された。その結果を表1に示した。
サンプル5:
100mLのParr反応器をアセトニトリル/水/30重量%過酸化水素の70:23:7重量%溶液(40g)及びTS−1触媒(0.03g)で満たした。反応器を密封してプロピレン(約22g)で満たした。磁石で攪拌された反応混合物が50℃で30分間約300psig(約2,170kPa)の反応器圧力で加熱され、続けて10℃まで冷却された。液体及び気相がガスクロマトグラフィーで分析された。その結果を表1に示した。
サンプル6:
100mLのParr反応器をアセトニトリル/水/30重量%過酸化水素の70:23:7重量%溶液(40g)及び0.5gの0.1Mアンモニウムジヒドロゲンホスフェート溶液とTS−1触媒(0.03g)で満たした。反応器を密封してプロピレン(約25g)で満たした。磁石で攪拌された反応混合物が50℃で30分間約300psig(約2,170kPa)の反応器圧力で加熱され、続けて10℃まで冷却された。液体及び気相がガスクロマトグラフィーで分析された。その結果を表1に示した。
サンプル7:
100mLのParr反応器をt−ブチルアルコール/水/30重量%過酸化水素の70:23:7重量%溶液(40g)及びTiMWW触媒(0.03g)で満たした。反応器を密封してプロピレン(約24g)で満たした。磁石で攪拌された反応混合物が50℃で30分間約300psig(約2,170kPa)の反応器圧力で加熱され、続けて10℃まで冷却された。液体及び気相がガスクロマトグラフィーで分析された。その結果を表1に示した。
サンプル8:
100mLのParr反応器をt−ブチルアルコール/水/30重量%過酸化水素の70:23:7重量%溶液(40g)及び0.5gの0.1Mアンモニウムジヒドロゲンホスフェート溶液とTiMWW触媒(0.03g)で満たした。反応器を密封してプロピレン(約24g)で満たした。磁石で攪拌された反応混合物が70℃で30分間約300psig(約2,170kPa)の反応器圧力で加熱され、続けて10℃まで冷却された。液体及び気相がガスクロマトグラフィーで分析された。その結果を表1に示した。
サンプル9:
100mLのParr反応器を1−フェニルエチルアルコール/アセトフェノン/30重量%過酸化水素の80:12:8重量%溶液(50g)及びTiMWW触媒(0.03g)で満たした。反応器を密封してプロピレン(約15g)で満たした。磁石で攪拌された反応混合物が70℃で30分間約300psig(約2,170kPa)の反応器圧力で加熱され、続けて10℃まで冷却された。液体及び気相がガスクロマトグラフィーで分析された。その結果を表1に示した。
サンプル10:
100mLのParr反応器を1−フェニルエチルアルコール/アセトフェノン/30重量%過酸化水素の80:12:8重量%溶液(50g)及び0.2gの0.1Mアンモニウムアセテート溶液とTiMWW触媒(0.03g)で満たした。反応器を密封してプロピレン(約15g)で満たした。磁石で攪拌された反応混合物が70℃で30分間約300psig(約2,170kPa)の反応器圧力で加熱され、続けて10℃まで冷却された。液体及び気相がガスクロマトグラフィーで分析された。その結果を表1に示した。
サンプル11:
100mLのParr反応器を1−フェニルエチルアルコール/アセトフェノン/30重量%過酸化水素の80:12:8重量%溶液(50g)及び0.2gの0.1Mアンモニウムアセテート溶液とTiMWW触媒(0.03g)で満たした。反応器を密封してプロピレン(約4.5g)で満たした。磁石で攪拌された反応混合物が70℃で30分間約300psig(約2,170kPa)の反応器圧力で加熱され、続けて10℃まで冷却された。液体及び気相がガスクロマトグラフィーで分析された。その結果を表1に示した。
実施例2:緩衝剤及び溶媒を伴うTiMWW触媒及び層状TiMWW触媒の使用
表2:ペルオキシド転換率に対する触媒及び緩衝剤の影響
層状TiMWW−NAWの製造:
6.1gのTiMWW、15gのピペリジン及び35gの脱イオン水を含む密封された100mLのParr反応器を155℃で3日間加熱させた。続けて反応混合物を冷却させ、濾過し、脱イオン水で洗浄し(6×200mL)真空オーブンの中で130℃で16時間乾燥させて黄白色の固体(5.4g)を収得した。
層状TiMWW−AWの製造:
75mLの2M硝酸の中の前記層状TiMWW−NAW触媒(1.5g)の混合物を110℃で還流させた。3時間後、続けて反応混合物を冷却させ、濾過し、脱イオン水で洗浄し(6×200mL)、真空オーブンの中で130℃で16時間乾燥させて白色の固体(1.2g)を収得した。
サンプル12:
100mLのParr反応器をt−ブチルアルコール/水/30重量%過酸化水素の70:23:7重量%溶液(50g)及びTiMWW触媒(0.03g)で満たした。反応器を密封してプロピレン(約15g)で満たした。磁石で攪拌された反応混合物が70℃で30分間約300psig(約2,170kPa)の反応器圧力で加熱され、続けて10℃まで冷却された。液体及び気相がガスクロマトグラフィーで分析された。その結果を表3に示した。
サンプル13:
100mLのParr反応器をt−ブチルアルコール/水/30重量%過酸化水素の70:23:7重量%溶液(50g)及び層状TiMWW−NAW触媒(0.03g)で満たした。反応器を密封してプロピレン(約15g)で満たした。磁石で攪拌された反応混合物が70℃で30分間約300psig(約2,170kPa)の反応器圧力で加熱され、続けて10℃まで冷却された。液体及び気相がガスクロマトグラフィーで分析された。その結果を表3に示した。
サンプル14:
100mLのParr反応器をt−ブチルアルコール/水/30重量%過酸化水素の70:23:7重量%溶液(50g)及び層状TiMWW−AW触媒(0.03g)で満たした。反応器を密封してプロピレン(約15g)で満たした。磁石で攪拌された反応混合物が70℃で30分間約300psig(約2,170kPa)の反応器圧力で加熱され、続けて10℃まで冷却された。液体及び気相がガスクロマトグラフィーで分析された。その結果を表3に示した。
サンプル15:
100mLのParr反応器をt−ブチルアルコール/水/30重量%過酸化水素の70:23:7重量%溶液(50g)及び0.2gの0.1Mアンモニウムアセテートと層状TiMWW−AW触媒(0.03g)で満たした。反応器を密封してプロピレン(約15g)で満たした。磁石で攪拌された反応混合物が70℃で30分間約300psig(約2,170kPa)の反応器圧力で加熱され、続けて10℃まで冷却された。液体及び気相がガスクロマトグラフィーで分析された。その結果を表3に示した。
サンプル16:
100mLのParr反応器を1−フェニルエチルアルコール/アセトフェノン/30重量%過酸化水素の80:12:8重量%溶液(50g)及び層状TiMWW−NAW触媒(0.03g)で満たした。反応器を密封してプロピレン(約15g)で満たした。磁石で攪拌された反応混合物が70℃で30分間約300psig(約2,170kPa)の反応器圧力で加熱され、続けて10℃まで冷却された。液体及び気相がガスクロマトグラフィーで分析された。その結果を表3に示した。
サンプル17:
100mLのParr反応器を1−フェニルエチルアルコール/アセトフェノン/30重量%過酸化水素の80:12:8重量%溶液(50g)及び層状TiMWW−AW触媒0.03g)で満たした。反応器を密封してプロピレン(約15g)で満たした。磁石で攪拌された反応混合物が70℃で30分間約300psig(約2,170kPa)の反応器圧力で加熱され、続けて10℃まで冷却された。液体及び気相がガスクロマトグラフィーで分析された。その結果を表3に示した。
TiMWW触媒は、t−ブチルアルコール中で中等のペルオキシド転換率、1−フェニルエチルアルコールの中でさらに低いペルオキシド転換率を生成することが示されている(それぞれサンプル12及びサンプル9)。本発明で記述されたような層状TiMWW触媒の使用はt−ブチルアルコール/水の中で(サンプル13及び14対サンプル12)、そして1−フェニルエチルアルコール/アセトフェノンの中で(サンプル16及び17対サンプル9)増加されたペルオキシド転換率を提供した。類似するように、緩衝剤と共に用いられる場合、層状TiMWW触媒も優れたペルオキシド転換率を誘導した(サンプル15参照)。
本明細書で開示され、請求された全ての化合物、錯体及び方法は、本発明の観点に照らして過度な実験なく作られて実施されることができる。本発明で提供されたような化合物、錯体及び方法が特定の実施形態面で開示されたが、添付の特許請求の範囲の概念、思想及び範囲から逸脱せず、化合物、錯体及び方法と同様に、本明細書に開示された方法の段階または段階の順序において変化が適用され得ることが本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者にとって明らかである。より具体的に、化学的に関連する特定の製剤が同一または類似した結果を導出することにより、本明細書に開示された製剤を代替可能なことが明らかである。本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者にとって明白な全ての類似した代替物及び変形は、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の思想、範囲及び概念に含まれるものと見なす。
参考文献
例示的な手続または本明細書に開示されたものを補充するための他の詳細事項を提供する下記の参考文献は、具体的に参考として本願に統合される。
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Claims (20)

  1. オレフィンをエポキシ化してエポキシドを形成する方法であって、
    アルケン(C≦12)またはアラルケン(C≦12)を反応混合物中のチタンシリカ触媒、ペルオキシド、緩衝剤及び一つ以上の有機溶媒と接触させることを含み、ここで、前記一つ以上の有機溶媒が下記化学式から選ばれる第1有機溶媒を含む方法:
    −OH(I)、R−CN(II)、R−C(O)−R(III)またはR−O−R(IV)
    ここで:
    は置換または非置換されたアルキル(C≦12)、アリール(C≦12)またはアラルキル(C≦12)であり;
    は置換または非置換されたアルキル(C≦12)、アリール(C≦12)またはアラルキル(C≦12)であり;
    は水素、アルキル(C≦6)または置換されたアルキル(C≦6)であり;
    、R及びRはそれぞれ独立的に、アルキル(C≦12)、アリール(C≦12)、アラルキル(C≦12)またはこれらの基中、任意の置換バージョンから選ばれるか、または共に取ってアルコキシジイル(C≦12)、アルカンジイル(C≦12)、置換されたアルコキシジイル(C≦12)または置換されたアルカンジイル(C≦12)である。
  2. 前記第1有機溶媒が約0.1重量%〜約50重量%の水をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1有機溶媒がアセトフェノン、1−フェニルエチルアルコール、アセトニトリル、グリム、ジメチルエチレングリコールエーテル、tert−ブチルアルコール、トリオキサン、ジオキサン、イソプロピルアルコール、アセトン、シクロヘキサノン及びアセトフェノンから選ばれる、請求項1に記載の方法。
  4. 前記一つ以上の有機溶媒が下記化学式から選ばれる第2有機溶媒をさらに含む、請求項1に記載の方法:
    −OH(I)、R−CN(II)、R−C(O)−R(III)またはR−O−R(IV)
    ここで:
    はアルキル(C≦12)、アリール(C≦12)、アラルキル(C≦12)または任意のこれらの基の置換されたバージョンであり;
    はアルキル(C≦12)、アリール(C≦12)、アラルキル(C≦12)または任意のこれらの基の置換されたバージョンであり;
    は水素、アルキル(C≦6)または置換されたアルキル(C≦6)であり;
    、R及びRはそれぞれ独立的に、アルキル(C≦12)、アリール(C≦12)、アラルキル(C≦12)またはこれらの基中、任意の置換バージョンから選ばれるか、または共に取ってアルコキシジイル(C≦12)、アルカンジイル(C≦12)、置換されたアルコキシジイル(C≦12)または置換されたアルカンジイル(C≦12)である。
  5. 前記第1有機溶媒が1−フェニルエチルアルコールであり、第2有機溶媒がアセトフェノンである、請求項4に記載の方法。
  6. 前記反応混合物が1部アセトフェノン対99部1−フェニルエチルアルコール〜50部アセトフェノン対50部1−フェニルエチルアルコールのアセトフェノン対1−フェニルエチルアルコールの比率を含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記ペルオキシドが過酸化水素、tert−ブチルヒドロペルオキシド、1−フェニルエチルヒドロペルオキシドまたはクミルヒドロペルオキシドである、請求項1に記載の方法。
  8. 前記ペルオキシドが過酸化水素である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記チタンシリカ触媒がシリカ骨格内のシリコン原子がチタン原子で置換されたシリカ骨格を含み、ゼオライトがアルミノシリケートMWWゼオライトであるシリカゼオライト触媒を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記チタンシリカ触媒中のチタン対シリカの比率は100個のシリコン原子ごとに0.5個〜5個のチタン原子の比率を含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記チタンシリカ触媒を鋳型剤で洗浄することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
  12. 前記鋳型剤がピペリジン、ヘキサメチレンイミン、アダマンチルアンモニウムヒドロキシド、オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキシルトリメチルアンモニウムヒドロキシドまたはトリメチルアダマンチルアンモニウムヒドロキシドである、請求項11に記載の方法。
  13. 前記触媒を鋳型剤で洗浄した後酸で洗浄することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
  14. 前記酸が硝酸、塩酸、硫酸、亜硫酸、リン酸または塩化アンモニウムである、請求項13に記載の方法。
  15. 前記緩衝剤が下記化学式の緩衝剤から選ばれる、請求項1に記載の方法:
    (IV)
    ここで:
    は、1族カチオン、2族カチオン、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム(C≦24)、テトラアリールアンモニウム(C≦32)、テトラアラルキルアンモニウム(C≦36)、置換されたテトラアルキルアンモニウム(C≦20)、置換されたテトラアリールアンモニウム(C≦32)または置換されたテトラアラルキルアンモニウム(C≦36)、ヘテロアレニウム(C≦18)から選択され;
    は、アルキルカルボキシレート(C≦12)、アルケニルカルボキシレート(C≦12)、アルキニルカルボキシレート(C≦12)、アリールカルボキシレート(C≦12)、アラルキルカルボキシレート(C≦12)、ヘテロアリールカルボキシレート(C≦12)、ヘテロシクロアルキルカルボキシレート(C≦12)、ホスフェート、ヒドロキシド、シリケート、アルミノシリケートまたはスルフェートから選ばれる。
  16. 前記方法が反応混合物を20℃〜250℃の温度まで加熱することを含む、請求項1に記載の方法。
  17. 前記方法がアルケン(C≦12)またはアラルケン(C≦12)をチタンシリカ触媒と1分〜6時間反応させることを含む、請求項1に記載の方法。
  18. 前記方法が10psig〜1000psigの圧力をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  19. オレフィンをエポキシ化してエポキシドを形成する方法であって、
    a)アルケン(C≦12)またはアラルケン(C≦12)を反応容器に添加し;
    b)チタンシリカ触媒、ペルオキシド、緩衝剤及び一つ以上の有機溶媒を反応容器で混合し;
    c)反応容器中でアルケン(C≦12)またはアラルケン(C≦12)をチタンシリカ触媒及びペルオキシドと接触させることを含む、方法。
  20. 前記一つ以上の溶媒が重量比で1:99〜50:50のアセトフェノン対1−フェニルエチルアルコールを含む、請求項19に記載の方法。
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