JP2018516298A - 広い分子量分布のポリプロピレンを含んでいる熱可塑性加硫物 - Google Patents

広い分子量分布のポリプロピレンを含んでいる熱可塑性加硫物 Download PDF

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Abstract

【解決手段】本出願で提供されるのは、ゴム、広い分子量分布のポリプロピレンおよび油を含んでいる熱可塑性加硫物であり、このゴムは、広い分子量分布のポリプロピレンを含んでいる連続的な熱可塑性成分の中に分散されかつ少なくとも部分的に架橋されたゴム相を形成する。広い分子量分布のポリプロピレンは好ましくは、4超の分子量分布(Mw/Mn)、1g/10分超のメルトフローレートおよび380,000ダルトン超の重量平均分子量(Mw)を有する。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本発明は2015年5月29日に出願された米国特許仮出願第62/168,016号の優先権および利益を主張する。
技術分野
本明細書に記載されているのは、広い分子量分布を有する少なくとも1種のポリプロピレンを含んでいる熱可塑性加硫物である。
熱可塑性加硫物(「TPV」)は、連続熱可塑性相の中に微細に分散された架橋エラストマー粒子を含んでいる加硫組成物である。TPVは、エラストマー成分が熱可塑性樹脂とせん断および温度の条件の下で融解混合される間に選択的に架橋される、動的加硫と呼ばれるプロセスによって製造される。TPVは、エラストマー相によって提供されるエラストマー特性および熱可塑性相によって提供される成形処理性という利点を有する。
従来のTPVは、熱可塑性成分としてポリプロピレンを使用してつくられる。このポリプロピレンは典型的には、1未満(fractional)のメルトフローレート、たとえば1g/10分未満のメルトフローレート、および狭い分子量分布、たとえば約2〜4を有する。しかし、そのような1未満のポリプロピレンを含んでいるTPVは、成形処理するのが困難であることがある。すなわち、TPVあるいはTPVを含んでいる最終用途物品を製造する場合に(i)高粘度のポリプロピレンを成形処理することから生じるギアボックストルクおよび/または圧力の増加、および/または(ii)高粘度のポリプロピレンを成形処理するのに必要な融解物温度の増加の故に、製造設備は、ポリプロピレン相の高い粘度によって製造速度が制限されることが起こり得る。
国際出願第WO 99/64510号に記載されているように、オレフィンゴムと0.5〜5g/10分のメルトフローレートおよび5.5〜20のMw/Mnを有するポリプロピレンブレンド組成物との混合物を使用して、改善された成形処理性を備えたTPVを製造する試みがなされた。しかし、ポリプロピレンの混合物を調製する必要があることは製造プロセスを複雑化する。国際出願第WO 99/64510号はまた、リアクターでブレンドされたポリプロピレンの使用も記載している。しかし、国際出願第WO 99/64510号のリアクターでブレンドされたポリプロピレンは、TPVの物理的特性、たとえば引張特性および融解物強度に悪影響を与えることがある低い分子量を有している。
背景技術となるさらなる参考文献として国際出願第WO 2014/070384号、第WO 2014/070385号および第WO 2014/070386が挙げられる。
したがって、消費者のための改善された押出機成形処理性とともにTPVの機械的特性を犠牲にしない製造の容易さを有するTPVの必要性が依然として存在する。
実施例で使用された様々なポリプロピレンおよびポリプロピレンブレンドの融解物強度を示す図である。
実施例2のTPVについてのHaake押し出しトルクおよび押し出し流量の比較を示す図である。
実施例3のTPVについてのHaake押し出し圧力および押し出し流量の比較を示す図である。
実施例4のTPVについてのHaake押し出しトルクおよび押し出し流量の比較を示す図である。
実施例5のTPVについてのHaake押し出しトルクおよび押し出し流量の比較を示す図である。
実施例6のTPVについてのHaake押し出し圧力および押し出し流量の比較を示す図である。
実施例7のTPVについてのHaake押し出し圧力および押し出し流量の比較を示す図である。
本発明で提供されるのは、広い分子量分布のポリプロピレン(「BMWDPP」)を含んでいる熱可塑性加硫物(「TPV」)である。BMWDPPは有益なことに、(メルトフローレートによって示された)低い粘度および高められた融解物強度を有し、このことは1未満のメルトフローレートを有するポリプロピレンを使用するTPVと比較して、改善された成形処理性をTPVに与える。
本明細書に記載された熱可塑性加硫物は、ゴム、広い分子量分布のポリプロピレンおよび油を含んでおり、この熱可塑性加硫物は、広い分子量分布のポリプロピレンを含んでいる連続的な熱可塑性成分の中に分散されかつ少なくとも部分的に架橋されたゴム相を含んでいる。広い分子量分布のポリプロピレンは好ましくは、4超の分子量分布(Mw/Mn)、1g/10分超のメルトフローレート(230℃および2.16kgでのASTM D1238条件L)および380,000ダルトン超の重量平均分子量(Mw)を有する。
本発明の様々な特定の実施形態およびバージョンが、好ましい実施形態および本明細書で採用される定義を含めて、これから説明される。以下の詳細な説明は特定の好ましい実施形態を示すけれども、当業者はこれらの実施形態が例示のためのみであり、本発明が他の方法でも実施されることができることを理解するだろう。本「発明」へのどのような言及も、特許請求の範囲の請求項によって定義された実施形態の1つ以上であるが必ずしも全てではないものを指すことがある。標題の使用は便宜の目的のためのみにあり、本発明の範囲を限定するものではない。
本出願における詳細な説明および特許請求の範囲内の全ての数値は、「約」または「近似的に」表示された値によって修飾されており、当業者によって予期される実験誤差および変動を考慮に入れている。
本明細書で使用される「熱可塑性加硫物」または「TPV」とは、熱可塑性樹脂内に分散され少なくとも部分的に加硫されまたは完全に加硫されたゴムを含んでいる任意の材料と広く定義される。TPV組成物はさらに、油、添加物およびこれらの組み合わせを含んでいることができる。
本明細書で使用される用語「加硫物」とは、加硫されたある成分(たとえば、ゴム)を含んでいる組成物を意味する。用語「加硫された」とは、本明細書ではその最も広い意味で定義され、一般に、組成物(たとえば、架橋性ゴム)の全てまたは一部がある程度のまたはある量の加硫に付されているその組成物の状態を指す。したがって、この用語は部分的な加硫または完全な加硫の両方を包含する。好ましいタイプの加硫は、以下で検討される「動的加硫」であり、それはまた「加硫物」も製造する。少なくともこの文脈では、用語「加硫」とは、任意の形の硬化(架橋)を、熱的および化学的の両方とも、動的加硫に使用されることができるものを包含する。
本明細書で使用される用語「動的加硫」とは、熱可塑性樹脂とともにブレンドされた硬化性ゴムを、その混合物を可塑化するのに十分な温度でせん断の条件の下で加硫することまたは硬化することを意味する。好ましい実施形態では、ゴムは、熱可塑性樹脂内で同時に架橋されかつ分散される。硬化度、ゴムと熱可塑性樹脂との比、ゴムと熱可塑性樹脂との相容性、ニーダーのタイプおよび混合の強さ(せん断速度) によっては、他の形態、たとえば熱可塑性マトリクス内での共連続ゴム相も可能である。
本明細書で使用される「部分的に加硫された」ゴムとは、加硫(好ましくは動的加硫)の後で、たとえばTPVのゴム相の架橋の後で、架橋性ゴムの5重量パーセント(重量%)超が沸騰キシレン中に抽出可能であるものである。たとえば、部分的に加硫されたゴムを含んでいるTPVの中で、架橋性ゴムの少なくとも5重量%から20重量%未満、または30重量%未満、または50重量%未満が、TPVの試料から沸騰キシレン中に抽出可能であり得る。
好ましくは、硬化された組成物中の可溶性ゴムのパーセントは、沸騰キシレン中で試料を還流し、乾燥された残留物を秤量し、そしてその組成物についての知識に基づいて可溶性および不溶性の成分について適当な補正をすることによって決定される。したがって、可溶性成分の当初の重量から、加硫されることになるゴム以外の、たとえばエキステンダー油、可塑剤および有機溶媒に可溶性の組成物の成分とともに硬化するように意図されていない熱可塑性の成分を減じることによって、補正された当初および最終の重量が得られる。何らかの不溶性の顔料、フィラー等も、当初および最終の重量の両方から減じられる。硬化されていないゴム中の還流キシレンに可溶性である何らかの材料も、硬化された組成物中の可溶性ゴムのパーセントを計算する場合に、ゴムから減じられる。抽出可能なゴムのパーセントを決定するための手法のさらなる記載は米国特許第4,311,628号に述べられており、その手法に言及している特許明細書の部分は、参照によって本明細書に取り込まれる。
本明細書で使用される「完全に加硫された」(または完全に硬化された、または完全に架橋された)ゴムとは、加硫(好ましくは動的加硫)の後で、たとえばTPVのゴム相の架橋の後で、架橋性ゴムの5重量%未満が沸騰キシレン中に抽出可能であるものである。たとえば、完全に加硫されたゴムを含んでいるTPV中の架橋性ゴムの4重量%未満、または3重量%未満、または2重量%未満、または1重量%未満が、そのTPVの試料から沸騰キシレン中に抽出可能であり得る。いくつかの実施形態では、完全に加硫されたゴムを含んでいるTPV中の架橋性ゴムの0.5〜2.0重量%が、そのTPVの試料から沸騰キシレン中に抽出可能になることがある。
本明細書で使用される「phr」とは、ゴム100部当たりの部を意味する。したがって、たとえば10phrの添加物を含んでいるTPVは、そのTPV中にゴム100重量部当たり添加物10重量部を含んでいる。
本明細書の目的のためには、Chem.Eng.News誌、1985年、第63巻、第27号にあるような周期表の族についての新しい付番方式が使用される。したがって、「第4族金属」とは周期表の第4族からの元素である。
ポリプロピレンのミクロ構造は13C−NMR分光分析、たとえばアイソタクチックおよびシンジオタクチックダイアド([m]および[r])、トリアド([mm]および[rr])およびペンタド([mmmm]および[rrrr])によって決定されることができる。記号[m]または[r]は一対の隣同士のプロピレン基の立体化学を記述しており、[m]はメソ形を、[r]はラセミ形を指す。試料がd−1,1,2,2−テトラクロロエタン中に溶解され、スペクトルが100MHz(またはこれよりも高い)NMR分光計を使用して125℃で記録される。ポリマーの共鳴ピークはmmmm=21.8ppmが基準とされる。NMRによるポリマーの特性解析に係わる計算は、「ポリマーの立体配座および立体配置」(米国、ニューヨーク州、Academic Press社、1969年)でF.A.Boveyによっておよび「ポリマー連鎖決定法、13C−NMR方法」(米国、ニューヨーク州、Academic Press社、1977年)でJ.Randallによって説明されている。
用語「触媒」および「触媒化合物」とは、重合触媒反応を適切な条件の下で開始する能力を有する化合物を意味すると定義される。本明細書の記載では、触媒は、触媒前駆体、プレ触媒化合物または遷移金属化合物と記載されてもよく、これらの用語は互換的に使用される。触媒化合物は単独で使用されて触媒反応を開始してもよく、または活性剤、内部電子供与体、1種以上の外部電子供与体および/または共触媒との組み合わせで使用されて触媒反応を開始してもよい。触媒化合物が電子供与体および/または共触媒との組み合わせで触媒反応を開始する場合には、触媒化合物はしばしばプレ触媒または触媒前駆体と呼ばれる。「触媒系」とは、少なくとも1種の触媒化合物、少なくとも1種の内部電子供与体、1種以上の外部電子供与体、共触媒および/または担体の組み合わせであり、この触媒系はモノマーを重合して適当な温度および圧力の重合条件の下でポリマーを製造することができる。本明細書の目的のためには、触媒系がその成分の中性の安定な形を含むと記載される場合には、その成分のイオン形がモノマーと反応してポリマーを製造する形であることは、当業者によって十分に理解されている。
本明細書使用されるMnは数平均分子量であり、Mwは測定された重量平均分子量であり、Mzはz平均分子量である。分子量分布(MWD)はMwをMnで割ったものであると定義される。特に指定のない限り、すべての分子量の単位、たとえば、Mw、MnおよびMzはダルトン(1ダルトン=1g/モル)単位である。
数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)およびz平均分子量(Mz)は、3個のインライン検出器、すなわち示差屈折率検出器(DRI)、光散乱検出器(LS)および粘度計を備えた高温ゲル透過クロマトグラフィー(GPC−3D)(Agilent社製PL−220)を使用することによって測定された。検出器の較正を含む実験の詳細は、T.Sun、P.Brant、R.R.ChanceおよびW.W.Graessley、Macromolecules、第34巻、第19号、6812〜6820頁、(2001年)およびその中の参考文献に記載されている。3個のPolymer Laboratories社製PLゲル10mm ミックス−B LSカラムが使用される。名目流量は0.5cm/分であり、名目注入量は300μLである。様々な移送ライン、カラムおよび示差屈折率計(DRI検出器)は、145℃に維持されたオーブン中に収納されている。実験用溶媒は、酸化防止剤として6グラムのブチル化ヒドロキシトルエンを4リットルのAldrich社製試薬等級1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)中に溶解することによって調製される。次に、TCB混合物は0.7μmのガラスプレフィルターを通され、その後0.1μmのテフロン(登録商標)フィルターを通されてろ過される。TCBはその後、オンライン脱ガス装置で脱ガスされ、それからサイズ排除クロマトグラフに入れられる。乾燥したポリマーをガラス容器に入れ、所望量のTCBを加え、それからその混合物を連続撹拌しながら2時間、160℃で加熱することによって、ポリマー溶液が調製される。すべての量は重量法で測定される。ポリマー濃度を質量/体積単位で表すために使用されるTCBの密度は、室温で1.463g/mlおよび145℃で1.324g/mlである。注入濃度は0.75〜2.0mg/mlであり、より高い分子量のサンプルほどより低い濃度が使用される。各サンプルを流す前に、DRI検出器および注入器はパージされる。装置内の流量はそれから0.5ml/分に増加され、DRIが8〜9時間放置安定化させられ、その後最初のサンプルが注入される。LSレーザーは、サンプルを流す1〜1.5時間前に作動開始される。クロマトグラム内の各点での濃度cは、ベースラインの値を引いたDRIシグナルから、以下の式を使用して計算される。
c=KDRIDRI/(dn/dc)
この式で、KDRIはDRIを較正することによって決定される定数であり、(dn/dc)はその系の屈折率の増分である。屈折率nは、TCBについて145℃、λ=690nmで1.500である。本発明およびその特許請求の範囲の目的のためには、プロピレンポリマーについて(dn/dc)=0.104、ブテンポリマーについて0.098、その他について0.1である。SEC法のこの記載全体にわたるパラメーターの単位は、濃度がg/cm単位で表され、分子量がダルトン単位で表され、固有粘度がdL/g単位で表される等である。
LS検知器はWyatt Technology社のHigh Temperature mini−DAWNである。クロマトグラム内の各点での分子量Mは、静的光散乱についてのZimmモデルを使用してLS出力を分析することによって決定される(M.B.Huglin、「ポリマー溶液からの光散乱」、Academic Press社、1971年)。
Figure 2018516298
この式で、ΔR(θ)は散乱角θで測定された超過レーリー散乱強度であり、cはDRI分析から測定されたポリマー濃度であり、Aは第2ビリアル係数であり(本発明の目的のためには、Aはプロピレンポリマーについて0.0006、ブテンポリマーについて0.0015、その他について0.001である。)、(dn/dc)はプロピレンポリマーについて0.104、ブテンポリマーについて0.098、その他について0.1であり、P(θ)は単分散ランダムコイルについての形状因子であり、Kはその系についての光学定数である。
Figure 2018516298
この式で、Nはアボガドロ数であり、(dn/dc)はその系の屈折率の増分である。屈折率nはTCBについて145℃、λ=690nmで1.500である。
高温度Viscotek社製粘度計は、2台の変換器を備えたホイートストンブリッジ状に配置された4本のキャピラリーを有するものであり、これが使用されて比粘度が測定される。1台の変換器は検出器を通しての全圧力低下を測定し、ブリッジの2つの側の間に配置された他方の変換器は差圧を測定する。粘度計を通って流れる溶液の比粘度ηは、それらの出力から計算される。クロマトグラム内の各点での固有粘度[η]は次の式から計算される。
η=c[η]+0.3(c[η])
この式で、cは濃度であり、DRIの出力から測定された。
分岐指数(g’vis)は、SEC−DRI−LS−VIS法の出力を使用して以下のように計算される。サンプルの平均固有粘度[η]avgは、以下の式によって計算される。
Figure 2018516298
この式で、総和は積分限界間のクロマトグラフのスライスiの全体にわたる。分岐指数g’visは単にg’とも呼ばれ、以下のように定義される。
Figure 2018516298
この式で、本発明およびその特許請求の範囲の目的のためには、直鎖状エチレンポリマーについてα=0.695およびk=0.000579、直鎖状プロピレンポリマーについてα=0.705およびk=0.000262ならびに直鎖状ブテンポリマーについてα=0.695およびk=0.000181である。Mvは、LS分析によって測定された分子量に基く粘度平均分子量である。
用語「g」は、「g値」とも呼ばれ、これはRg pm/Rg lsであると定義され、この式でRgpmはポリマクロマーの回転半径であり、Rglsは直鎖状基準物の回転半径であり、またRgls=K0.58であり、この式でKはべき乗則係数(直鎖状ポリエチレンについて0.023、直鎖状ポリプロピレンについて0.0171、直鎖状ポリブテンについて0.0145)であり、Mは上記の分子量であり、またRgpm=Kαsであり、この式でαはポリマクロマーのサイズ係数であり、Kはポリマクロマーについてのべき乗則係数である。その分子量およびコモノマー含有量を有する直鎖状基準物を選択し、K係数およびαべき乗則指数を決定するための手引きとして、Macromolecules、2001年、第34巻、6812〜6820頁を参照せよ。
ゴム成分
本明細書に記載されるTPVはゴム成分を含んでいる。「ゴム成分」とは、当業者によって「ゴム」、好ましくは架橋性ゴム(すなわち、加硫前のゴム)または架橋されたゴム(すなわち、加硫後のゴム)と見なされる任意の材料であることができる。ゴム成分は1種のゴムを含んでいてもよく、または2種以上のゴムのブレンドを含んでいてもよく、その2種以上のゴムは組成において異なり、または組成は同じであるが異なる特性を有してもよい。
有用なゴムの非限定的な例としては、オレフィン含有ゴム、ブチルゴム、天然ゴム、ブタジエンスチレンコポリマーゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリルゴム、ハロゲン化ゴム、たとえば臭素化および塩素化イソブチレン−イソプレンコポリマーゴム、ブタジエン−スチレン−ビニルピリジンゴム、ウレタンゴム、ポリイソプレンゴム、エピクロルヒドリンターポリマーゴム、ポリクロロプレンゴムおよびこれらの混合物が挙げられる。好ましい実施形態では、ゴムは、オレフィン含有ゴム、たとえばエチレン−α−オレフィンコポリマーゴム、例としてエチレン−α−オレフィン−ジエンゴムである。
ゴムは、3〜8個の炭素原子を有するαオレフィン、たとえばプロピレンを含んでいるエチレン−α−オレフィンコポリマーゴムであってもよい。エチレン−α−オレフィンゴムは、エチレン−α−オレフィンゴムの重量基準で少なくとも50重量%、少なくとも55重量%または少なくとも60重量%のエチレン由来単位を含んでいてもよく、モノマー単位の残りはαオレフィン由来単位である。
好ましい実施形態では、ゴム成分はエチレン−α−オレフィン−ジエンゴムを含んでいる。エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムは3〜8個の炭素原子を有するαオレフィンを含んでいてもよい。好ましい実施形態では、αオレフィンはプロピレンであり、ゴムはエチレン−プロピレン−ジエンゴム(「EPDM」)である。好ましくは、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム中のジエンは非共役ジエンである。好適な非共役ジエンとしては、5−エチリデン−2−ノルボルネン(「ENB」)、1,4−ヘキサジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、1,6−オクタジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、 3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、1,3−シクロペンタジエン、 1,4−シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン(「DCPD」)、 5−ビニル−2−ノルボルネン(「VNB」)、ジビニルベンゼンおよびこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムはENB、VNBまたはこれらの組み合わせに由来するジエン由来単位を含んでいる。好ましい実施形態では、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムは、エチレン、プロピレンおよびENBに由来する単位から本質的に成り、またはこれらのみから成る。
エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムは、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムの重量基準で、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%または少なくとも60重量%のエチレン由来単位を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムは、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムの重量基準で、50〜90重量%のエチレン由来単位、または50〜85重量%、または55〜80重量%、または55〜75重量%、または60〜70重量%のエチレン由来単位を含んでおり、望ましい範囲は任意の下限から任意の上限までの範囲を含んでいてもよい。コポリマー中のエチレン由来単位の量はASTM D3900によって測定されてもよい。エチレン−α−オレフィン−ジエンゴム中には、ジエン由来単位は、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムの重量基準で、少なくとも0.1重量%、または少なくとも1重量%、または少なくとも2重量%、または少なくとも3重量%、または少なくとも4重量%の量で存在してもよい。いくつかの実施形態では、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムは、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムの重量基準で、約0.1〜約10重量%、または約1〜約9重量%、または約2〜約8重量%、または約3〜約7重量%、または約4〜約6重量%のジエン由来単位を含んでいてもよく、望ましい範囲は任意の下限から任意の上限までの範囲を含んでいてもよい。ジエン由来単位の重量%はASTM D−6047によって測定されてもよい。エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムの残余は、一般にαオレフィンに由来する単位、たとえばプロピレンによって埋め合わされる。したがって、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムは、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムの重量基準で、少なくとも10重量%、または少なくとも15重量%、または少なくとも20重量%、または少なくとも25重量%、または少なくとも30重量%のαオレフィン由来単位を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムは、エチレン−α−オレフィン−ジエンゴムの重量基準で、約10〜約50重量%、または約15〜約45重量%、または約20〜約40重量%、または約25〜約35重量%のαオレフィン由来単位を含んでいてもよく、望ましい範囲は任意の下限から任意の上限までの範囲を含んでいてもよい。
エチレン−α−オレフィンゴムまたはエチレン−α−オレフィン−ジエンゴムは、100,000超、または200,000超、または400,000超、または600,000ダルトン超である重量平均分子量(Mw)を有してもよい。エチレン−α−オレフィンゴムまたはエチレン−α−オレフィン−ジエンゴムのMwは、1,200,000未満、または1,000,000未満、または900,000未満、または800,000ダルトン未満であってもよい。有用なエチレン−α−オレフィンゴムおよびエチレン−α−オレフィン−ジエンゴムは、20,000超、または60,000超、または100,000超、または150,000ダルトン超である数平均分子量(Mn)を有してもよい。エチレン−α−オレフィンゴムまたはエチレン−α−オレフィン−ジエンゴムのMnは、500,000未満、または400,000未満、または300,000未満、または250,000ダルトン未満であってもよい。分子量(Mn、MwおよびMz)および分子量分布(MWD)を決定する手法は、米国特許第4,540,753号(この内容は参照によって本明細書に取り込まれる。)およびそこに引用された参考文献に、またVer StrateらによるMacromolecules、1988年、第21巻、3360頁(この内容は参照によって本明細書に取り込まれる。)およびそこに引用された参考文献に見出されることができる。
エチレン−α−オレフィンゴムまたはエチレン−α−オレフィン−ジエンゴムは、約10〜約250、または約20〜約100、または約30〜約75、または約40〜約60のASTM D−1646によるムーニー粘度(125℃でのML(1+4))を有することによって特性付けられてもよく、望ましい範囲は任意の下限から任意の上限までの範囲を含んでいてもよい。本明細書で使用される「ムーニー粘度」は、ローター([分単位での予備加熱時間]+[分単位でのせん断時間]@℃単位での測定温度)の書式を使用して、ML(1+4@125℃)が、ASTM D1646−99によってML、すなわち大ローターを使用して125℃の温度で1分間の予備加熱時間および4分間のせん断時間の場合に測定されたムーニー粘度を示すように、報告される。いくつかの実施形態では、エチレン−α−オレフィンゴムまたはエチレン−α−オレフィン−ジエンゴムは油で油展され、油展ゴムのムーニー粘度は、約10〜約250、約20〜約100、約30〜約75または約40〜約60であり、望ましい範囲は任意の下限から任意の上限までの範囲を含んでいてもよい。
エチレン−α−オレフィンゴムまたはエチレン−α−オレフィン−ジエンゴムは、約1〜約8dl/g、または約3〜約7dl/g、または約4〜約6.5dl/gのASTM D−1601による135℃でデカリン中で測定された固有粘度を有することによって特性付けられてもよく、望ましい範囲は任意の下限から任意の上限までの範囲を含んでいてもよい。
エチレン−α−オレフィンゴムまたはエチレン−α−オレフィン−ジエンゴムは、−20℃未満、または−30℃未満、または−50℃未満、または約−20〜約−60℃である、ASTM E−1356による示差走査熱量測定法(DSC)によって測定されたガラス転移温度(Tg)によって特性付けられてもよい。
本明細書に記載されたエチレン−α-オレフィンおよびエチレン−α−オレフィン−ジエンゴムは、様々な技術を使用することによって製造され、または合成されてもよい。たとえば、これらのコポリマーは、様々な触媒系を使用する溶液、スラリーまたは気相の重合技術を使用することによって合成されることができる。典型的な触媒としては、チーグラーナッタ系、たとえばバナジウム触媒を含むもの、およびシングルサイト触媒、たとえば拘束幾何触媒またはメタロセン触媒が挙げられる。有用なエチレン−α−オレフィンゴムおよびエチレン−α−オレフィン−ジエンゴムとしては、Vistalon(商標)(ExxonMobil Chemical社、米国、テキサス州、ヒューストン)、Keltan(商標)(DSMコポリマー社)、Nordel(商標)IP(Dow社)、Nordel(商標)MG(Dow社)、Royalene(商標)(Lion Copolymer社)およびBuna(商標)(Lanxess社)の商品名の下で商業的に入手可能なゴムのいくつかのグレードが挙げられる。
ゴム成分は、TPV中にTPV組成物の全重量基準で、約7重量%、または10重量%、または12重量%、または15重量%、または20重量%、または25重量%、または27重量%の最低値から、約30重量%、または35重量%、または40重量%、または45重量%の最高値までの量で存在してもよく、望ましい範囲は任意の下限から任意の上限までの範囲を含んでいてもよい。
熱可塑性成分
本明細書に記載されたTPVは、広い分子量分布のポリプロピレン(「BMWDPP」)を含んでいる熱可塑性成分を含んでいる。いくつかの実施形態では、熱可塑性成分はBMWDPPに加えて追加の熱可塑性樹脂をさらに含んでいてもよい。
熱可塑性成分は、TPV組成物中にTPV組成物の全重量基準で5重量%、または8重量%、または10重量%、または15重量%、または20重量%の最低値から、約30重量%、または35重量%、または40重量%、または45重量%、または50重量%、または55重量%の最高値までの量で存在してもよく、望ましい範囲は任意の下限から任意の上限までの範囲を含んでいてもよい。
TPVは、TPVの重量基準で3重量%、または5重量%、または7重量%、または10重量%、または12重量%、または15重量%、または20重量%、または30重量%の最低値から、約40重量%、または45重量%、または50重量%、または55重量%、または60重量%の最高値までの量でBMWDPPを含んでいてもよく、望ましい範囲は任意の下限から任意の上限までの範囲を含んでいてもよい。
TPVは、熱可塑性成分の重量基準で60重量%、または70重量%、または75重量%、または80重量%、または81重量%、または82重量%、または83重量%、または84重量%、または85重量%の最低値から、約90重量%、または92重量%、または93重量%、または94重量%、または95重量%、または96重量%、または97重量%、または98重量%、または99重量%、または100重量%の最高値までの量でBMWDPPを含んでいてもよく、望ましい範囲は任意の下限から任意の上限までの範囲を含んでいてもよい。
広い分子量分布のポリプロピレン
本明細書に記載されたTPVの熱可塑性成分は、1種以上の広い分子量分布のポリプロピレン(「BMWDPP」)樹脂を含んでいる。BMWDPPは、少なくとも75モル%、または少なくとも80モル%、または少なくとも90モル%、または少なくとも95モル%、または少なくとも99モル%、または少なくとも100モル%のプロピレン由来単位を含んでいる。任意の実施形態では、BMWDPPは、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%、または少なくとも90重量%、または少なくとも95重量%、または少なくとも99重量%、または少なくとも100重量%のプロピレン由来単位を含んでいる。BMWDPPは、エチレンおよびC〜C20オレフィンから成るグループから選ばれた0〜10モル%、または0.1〜10モル%のコモノマーを含んでいてもよい。任意の実施形態では、アルファオレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンまたはこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、BMWDPPはプロピレンホモポリマーである。
BMWDPP樹脂は、190℃で伸長レオメーターを使用して測定された少なくとも20cNの融解物強度を有する。たとえば、BMWDPPは、少なくとも35cN、少なくとも40cN、少なくとも45cN、少なくとも50cN、少なくとも55cN、少なくとも60cN、少なくとも65cN、少なくとも70cN、少なくとも75cNまたは少なくとも80cNの融解物強度を有してもよい。いくつかの実施形態では、BMWDPPは、50cN〜200cN、または60cN〜150cN、または70cN〜200cN、またはこれらの任意の組み合わせの融解物強度を有する。本明細書の目的のためには、特定の温度、たとえば190℃でのポリマーの融解物強度は、Goettfert Rheotens融解物強度装置(たとえば、Goettfert Rheotens71.97)を用いて測定される。キャピラリーレオメーター(たとえば、Goettfert Rheograph 2002キャピラリーレオメーター)からの、またはキャピラリーダイを備えた押出機からの押し出し物を、押し出し物が100mm押し出された後、変速ギアを使用してギアの速度を一定の加速度(最初の10mm/秒のゼロ力較正速度から開始して、12mm/秒)で増加して、融解ポリマーのストランドが破断するまで把持することによって、測定は実施される。ストランド内の力は、線形可変変位変換器とともに秤竿を用いて測定される。押し出し物を伸長して破断するのに要する力が、融解物強度と定義される。この力はセンチニュートン(cN)単位で測定される。力対歯車速度の典型的なプロットは、ストランドが破断する直前の共振を含んでいることが当該技術分野では知られている。そのような場合には、平坦域の力は振動間の正中線によって近似される。
BMWDPPは、4超、または4.5超、または5超、または5.5超のMWD(Mw/Mn)を有することができる。たとえば、BMWDPPは、4〜20、または4.5〜15、または5〜10、またはこれらの任意の組み合わせのMWDを有してもよい。
BMWDPPは、少なくとも0.95、または少なくとも0.99の分岐指数(g’)を有してもよい。
BMWDPPは、0.1%の安息香酸ナトリウム核剤入り成形サンプルについて、ASTM D790Aによって測定された2000MPa超、または2100MPa超、または290kpsi(2000MPa)〜360kpsi(2500MPa)の剛性を有してもよい。
BMWDPPは、190℃で10%の一定歪みで0.01ラジアン/秒の角周波数および100ラジアン/秒の角周波数で(0.01と100ラジアン/秒との角周波数比で)測定されて35以上、または40以上、または45以上、または35〜80の粘度比を有してもよい。
BMWDPPは、190℃で10%の一定歪みで0.1ラジアン/秒の角周波数および100ラジアン/秒の角周波数で(0.1と100ラジアン/秒との角周波数比で)測定されて17以上、または18以上、または19以上、たとえば17〜35、または18〜30、または19〜25の粘度比を有してもよい。
BMWDPPは、5未満、または4未満、または3g/10分未満のMFR(230℃および2.16kgでASTM D1238条件L)を有してもよい。BMWDPPは、1超、または1.5超、または2g/10分超のMFRを有してもよい。いくつかの実施形態では、BMWDPPは、1〜10g/10分、または1.5〜5g/10分、または2〜4g/10分の範囲のMFRを有してもよい。
BMWDPPは、150g/10分超、または200g/10分超、または250g/10分超、または275g/10分超、または300g/10分超、または325g/10分超の高荷重MFR(HLMFR)(230℃、21.6kgでASTM D1338)を有してもよい。
BMWDPPは、28,000Pa・秒超、または29,000Pa・秒超、または30,000Pa・秒超、または31,000Pa・秒超、または33,000Pa・秒超、または35,000Pa・秒超のゼロせん断粘度を有してもよい。
任意の実施形態では、BMWDPP樹脂は、官能化ポリプロピレンを含んでいなくてもよく、または水酸基、アリール基、置換アリール基、ハロゲン基、アルコキシ基、カルボン酸基、エステル基、アクリル酸基およびカルボキシル基から選ばれた官能基をポリプロピレン樹脂の重量基準で5重量パーセント未満含んでおり、その場合にオレフィン性結合に関与するポリプロピレン樹脂の炭素の数は、その樹脂中の炭素原子の全数の5%未満である。任意の実施形態では、樹脂は、ポストリアクターグラフトされたポリプロピレンを含んでいなくてもよく、またはポストリアクターグラフトされたポリプロピレンを5重量パーセント未満含んでいる。
BMWDPP樹脂は、0.45MPa(66psi)の荷重を使用してASTM D648によって測定された100℃以上の熱変形温度を有してもよい。
BMWDPP樹脂は、90%以上、または95%以上、または99%以上のアイソペンタッドパーセントを有してもよい。
BMWDPPは、55,000超、または60,000超、または65,000超、または70,000超、または80,000超、または85,000ダルトン超のMnを有してもよい。BMWDPPは、150,000未満、または145,000未満、または140,000未満、または135,000未満、または130,000未満、または130,000未満、または120,000未満、または115,000未満、または110,000未満、または105,000未満、または100,000ダルトン未満のMnを有してもよい。
BMWDPPは、380,000超、または385,000超、または390,000超、または395,000超、または400,000超、または405,000超、または410,000超、または415,000超、または420,000超、または430,000超、または440,000ダルトン超のMwを有してもよい。BMWDPPは、550,000未満、または525,000未満、または515,000未満、または510,000未満、または500,000未満、または495,000未満、または490,000未満、または485,000未満、または480,000未満、または475,000未満、または470,000未満、または465,000未満、または460,000ダルトン未満のMwを有してもよい。
BMWDPPは、1,000,000超、または1,050,000超、または1,100,000超、または1,150,000超、または1,200,000超、または1,250,000超、または1,275,000超、1,285,000超、または1,295,000超、または1,300,000超、または1,305,000超、または1,310,000超、または1,315,000超、または1,320,000超、または1,325,000超、または1,330,000超、または1,335,000超、または1,340,000超、または1,345,000超、または1,350,000超、または1,400,000ダルトン超のMzを有してもよい。BMWDPPは、2,000,000未満、または1,950,000未満、または1,900,000未満、または1,850,000未満、または1,800,000未満、または1,750,000未満、または1,700,000未満、または1,650,000未満、または1,640,000未満、または1,630,000未満、または1,620,000未満、または1,610,000未満、または1,600,000未満、または1,500,000ダルトン未満のMzを有してもよい。
BMWDPP樹脂は、非芳香族内部電子供与体および2種以上の外部電子供与体を含んでいるチーグラーナッタ触媒を含んでいる触媒系の存在の下で、ある温度および圧力でプロピレンモノマーを接触させることによって製造されてもよい。たとえば、BMWDPPは、PCT国際出願公開第WO 2014/070384号、第WO 2014/070385号および第WO 2014/070386号に記載された固形チタン担持触媒系を含んでいるチーグラーナッタ触媒を使用して製造されてもよい。
いくつかの実施形態では、チーグラーナッタ触媒は以下の工程によって得られることができる:(1)ジアルコキシマグネシウム化合物を、環境温度で液状である芳香族炭化水素中に懸濁する工程、(2)このジアルコキシマグネシウム炭化水素組成物を、ハロゲン化チタンおよび芳香族ジカルボン酸のジエステルと接触させる工程、および(3)工程(2)で得られた官能化ジアルコキシマグネシウム炭化水素組成物を、追加のハロゲン化チタンと接触させる工程。たとえば、触媒系は、マグネシウム、チタン、ハロゲン、非芳香族内部電子供与体および2種以上の外部電子供与体を含んでいる固形チタン触媒成分であってもよい。
固形チタン触媒成分の調製に使用されるチタン化合物の例としては、以下の式を有する4価のチタン化合物が挙げられる。
Ti(OR)X4−n
この式で、Rはヒドロカルビル基であり、Xはハロゲン原子であり、nは0〜4である。本発明に使用される好適なチタン化合物としては、4ハロゲン化チタン、たとえばTiCl、TiBrおよび/またはTiI;3ハロゲン化アルコキシチタン、たとえばTi(OCH)Cl、Ti(OC)Cl、Ti(O n − C)Cl、Ti(OC2H)Brおよび/またはTi(OイソC)Br;2ハロゲン化2アルコキシチタン、たとえばTi(OCHCl、Ti(OCCl、Ti(O n − CClおよび/またはTi(OCBr;モノハロゲン化トリアルコキシチタン、たとえばTi(OCHCl、Ti(OCCl、Ti(O n − CClおよび/またはTi(OCBr;および/またはテトラアルコキシチタン、たとえばTi(OCH、Ti(OCおよび/またはTi(O n − Cが挙げられる。
固形チタン触媒成分の調製に使用されるマグネシウム化合物としては、還元能力を有するマグネシウム化合物および/または還元能力を有しないマグネシウム化合物が挙げられてもよい。還元能力を有する好適なマグネシウム化合物は、たとえばマグネシウム−炭素結合またはマグネシウム−水素結合を有するマグネシウム化合物であってもよい。そのような還元性マグネシウム化合物の好適な例としては、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジプロピルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ジアミルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジデシルマグネシウム、塩化マグネシウムエチル、塩化マグネシウムプロピル、塩化マグネシウムブチル、塩化マグネシウムヘキシル、塩化マグネシウムアミル、ブチルエトキシマグネシウム、エチルブチルマグネシウムおよび/またはハロゲン化マグネシウムブチルが挙げられる。これらのマグネシウム化合物は単独で使用されてもよく、またはこれらのマグネシウム化合物は本明細書に記載された有機アルミニウム共触媒と錯体を形成してもよい。これらのマグネシウム化合物は液体または固体であってもよい。還元能力を有しないマグネシウム化合物の好適な例としては、ハロゲン化マグネシウム、たとえば塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウムおよびフッ化マグネシウム;ハロゲン化アルコキシルマグネシウム、たとえば塩化メトキシマグネシウム、塩化エトキシマグネシウム、塩化イソプロポキシマグネシウム、塩化フェノキシマグネシウムおよび塩化メチルフェノキシマグネシウム;アルコキシマグネシウム、たとえばエトキシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウム、ブトキシマグネシウム、n−オクトキシマグネシウムおよび2−エチルヘキソキシマグネシウム;アリールオキシマグネシウム、たとえばフェノキシマグネシウムおよびジメチルフェノキシマグネシウム;および/またはカルボン酸マグネシウム、たとえばラウリン酸マグネシウムおよびステアリン酸マグネシウムが挙げられる。
担持チーグラーナッタ触媒は、共触媒と一緒に使用されてもよい。たとえば、分子内に少なくとも1種のアルミニウム−炭素結合を含んでいる化合物は、共触媒として使用されてもよく、本明細書ではこれは有機アルミニウム共触媒とも呼ばれる。有機アルミニウム化合物の好適な例としては、トリアルキルアルミニウム、たとえばトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムおよびトリブチルアルミニウム;トリアルケニルアルミニウム、たとえばトリイソプレニルアルミニウム);ジアルキルアルミニウムアルコキシド、たとえばジエチルアルミニウムエトキシドおよびジブチルアルミニウムエトキシド;アルキルアルミニウムセスキアルコキシド、たとえばエチルアルミニウムセスキエトキシドおよびブチルアルミニウムセスキブトキシド);部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム、たとえばアルキルアルミニウムジハライド、たとえばエチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリドおよびブチルアルミニウムジブロミド;部分的に水素化されたアルキルアルミニウム、たとえばアルキルアルミニウムジヒドリド、たとえばエチルアルミニウムジヒドリドおよびプロピルアルミニウムジヒドリド;および部分的にアルコキシル化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウム、たとえばエチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリドおよびエチルアルミニウムエトキシブロミドが挙げられる。いくつかの実施形態では、共触媒は、ハロゲンを含んでいない有機アルミニウム化合物であってもよい。ハロゲンを含んでいない好適な有機アルミニウム化合物は、特に式AlR(この式でRは1〜10個の炭素原子を有するアルキル基を表す。)の分岐状、非置換のアルキルアルミニウム化合物であり、たとえばトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリジイソブチルアルミニウムである。共触媒としての使用に適するさらなる化合物が容易に入手可能であり、先行技術、たとえば米国特許第4,990,477号に豊富に開示されている。任意の実施形態では、有機アルミニウムチーグラーナッタ共触媒は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム(TEAL)またはこれらの組み合わせであってもよい。
遷移金属ハライドは金属ヒドリドまたは金属アルキルと反応するので、内部電子供与体が触媒の形成反応に使用されてもよい。好適な内部電子供与体の例としては、アミン、アミド、エーテル、エステル、エステル、ケトン、ニトリル、ホスフィン、スチルベン、アルシン、ホスホアミド、チオエーテル、チオエステル、アルデヒド、アルコラートおよび有機酸の塩が挙げられる。任意の実施形態では、内部供与体は非芳香族であってもよい。任意の実施形態では、非芳香族内部電子供与体としては、脂肪族のアミン、アミド、エステル、エーテル、ケトン、ニトリル、ホスフィン、ホスホールアミド、チオエーテル、チオエステル、アルデヒド、アルコラート、カルボン酸またはこれらの組み合わせが挙げられてもよい。任意の実施形態では、内部供与体は一置換、非芳香族のコハク酸エアステル化合物であってもよく、2,3-ジイソプロピルコハク酸ジエチル、2,3-ジイソプロピルコハク酸ジイソブチル、2,3-ジイソプロピルコハク酸ジn-ブチル、2,3-ジシクロヘキシル−2−メチルコハク酸ジエチル、2,3-ジシクロヘキシル−2−メチルコハク酸ジイソブチル、2,2−ジメチルコハク酸ジイソブチル、2,2−ジメチルコハク酸ジエチル、2−エチル−2−メチルコハク酸ジエチル、2−エチル−2−メチルコハク酸ジイソブチル、2−(シクロヘキシルメチル)−3−エチル−3−メチルコハク酸ジエチル、2−(シクロヘキシルメチル)−3−エチル−3−メチルコハク酸ジイソブチルまたはこれらの組み合わせから選ばれてもよい。
任意の実施形態では、非芳香族内部電子供与体は、脂肪族のアミン、アミド、エステル、エーテル、ケトン、ニトリル、ホスフィン、ホスホールアミド、チオエーテル、チオエステル、アルデヒド、アルコラート、カルボン酸もしくはこれらの組み合わせ、または置換もしくは非置換のC〜C10ジカルボン酸のC〜C20ジエステル、または以下の式のコハク酸エステルを含んでいてもよく、
Figure 2018516298
この式で、RおよびRは独立に、C〜C20の直鎖状もしくは分枝状アルキル、アルケニルまたはシクロアルキルのヒドロカルビル基であり、R〜Rは独立に、水素、ハロゲンまたはC〜C20の直鎖状もしくは分枝状アルキル、アルケニルまたはシクロアルキルのヒドロカルビル基であり、ここでR〜R基は一緒に結合しておらず、またはR〜R基の少なくとも2個は結合して環状の2価の基を形成し、またはこれらの組み合わせである。
内部供与体とともに、2種以上の外部電子供与体が使用されてもよい。外部電子供与体としては、有機ケイ素化合物、たとえばテトラエトキシシラン(TEOS)、メチルシクロヘキシルジメトキシシラン(MCMS)、プロピルトリエトキシシラン(PTES)およびジシクロペンチルジメトキシシラン (DCPMS)が挙げられるが、これらに限定されない。内部および外部タイプの電子供与体は、たとえば米国特許第4,535,068号に記載されている。外部電子供与体としての有機ケイ素化合物の使用は、たとえば米国特許第4,218,339号、第4,395,360号、第4,328,122号および第4,473,660号に記載されている。外部電子供与体は立体規則性を制御するように作用し、所与の系で製造されるアイソタクチックポリマー対アタクチックポリマーの量に影響を及ぼす。立体規則性の高いアイソタクチックポリマーほど、結晶性が大きく、これはより大きい曲げ弾性率を備えた材料をもたらす。高度に結晶性のアイソタクチックポリマーはまた、重合中の水素応答性が低減される結果、より低いMFRを示す。所与の外部電子供与体の立体規制能力および水素応答性は、正比例におよび逆比例に相関付けられる。DCPMS供与体はPTES供与体よりも実質的に低い水素応答性を有しているが、PTESよりも著しく高いレベルの立体規則性を生み出す。
電子供与体触媒成分の調製に使用される外部電子供与体は、固形チタン触媒成分の調製に使用される電子供与体であってもよい。任意の実施形態では、外部電子供与体(A)および(B)のそれぞれは、有機ケイ素化合物を含んでいてもよい。たとえば、第1の外部電子供与体は有機ケイ素化合物であってもよく、かつ式R Si(ORを有してもよく、この式で、各Rは独立に1〜10個の炭素原子を含んでいるヒドロカルビル基であり、このヒドロカルビル基中のSiに隣接する炭素が2級または3級の炭素原子であり、また各Rは独立に1〜10個の炭素原子を含んでいるヒドロカルビル基であり、第2の外部電子供与体が式R Si(OR4−nを有し、この式で、それぞれのRおよびRは独立に1〜10個の炭素原子を含んでいるヒドロカルビル基であり、nは1、2または3であり、かつ第2の外部電子供与体は第1の外部電子供与体と異なっている。
任意の実施形態では、第1の外部電子供与体および第2の外部電子供与体は、テトラエトキシシラン、メチルシクロヘキシルジメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシランおよびこれらの組み合わせから成る群から選ばれてもよい。任意の実施形態では、チーグラーナッタ触媒系は、外部電子供与体の全モル%基準で2.5モル%から50モル%未満の第1の外部電子供与体および50モル%超の第2の外部電子供与体を含んでいてもよい。任意の実施形態では、第1の電子供与体はジシクロペンチルジメトキシシラン(DCPMS)を含んでいる、から成っている、またはから本質的に成っていてもよく、また第2の外部電子供与体はプロピルトリエトキシシラン(PTES)を含んでいる、から成っている、またはから本質的に成っていてもよい。
任意の実施形態では、第1の外部電子供与体と第2の外部電子供与体との関係は、以下の式によって定義されてもよく、
1.2≦log[MFR(B)/MFR(A)]≦1.4
この式で、MFR(A)はチーグラーナッタ触媒および第1の外部電子供与体の存在の下でプロピレンモノマーを重合することによって形成されたホモポリマーの第1のメルトフローレートであり、MFR(B)はチーグラーナッタ触媒および第2の外部電子供与体の存在の下でプロピレンモノマーを重合することによって形成されたホモポリマーの第2のメルトフローレートであり、かつMFR(A)はMFR(B)よりも低いものである。
重合プロセスは、プロピレンを重合条件の下で触媒系と接触させる工程を含んでいてもよい。任意の実施形態では、重合プロセスは予備重合工程を含んでいてもよい。任意の実施形態では、予備重合は、有機アルミニウム共触媒の少なくとも一部と一緒に非芳香族内部電子供与体を含んでいるチーグラーナッタ触媒系を使用する工程を含んでいてもよく、そこでは外部電子供与体の少なくとも一部が存在し、触媒系が後続の「主要な」重合プロセスで使用される濃度よりも高い濃度で使用される。
いくつかの実施形態では、BMWDPP樹脂をつくる方法は、触媒系の存在の下で、ある温度およびある圧力でプロピレンモノマーを接触させて、少なくとも50モル%のプロピレンを含んでいるプロピレン樹脂を製造する工程を含んでいてもよく、この触媒系は、
非芳香族内部電子供与体を含んでいるチーグラーナッタ触媒;
式R Si(ORを有する第1の外部電子供与体であって、この式で、各Rは独立に1〜10個の炭素原子を含んでいるヒドロカルビル基であり、このヒドロカルビル基中のSiに隣接する炭素が2級または3級の炭素原子であり、各Rは独立に1〜10個の炭素原子を含んでいるヒドロカルビル基である、第1の外部電子供与体;および
式R Si(OR4−nを有する第2の外部電子供与体であって、この式で、それぞれのRおよびRは独立に1〜10個の炭素原子を含んでいるヒドロカルビル基であり、nは1、2または3であり、かつ第2の外部電子供与体が第1の外部電子供与体と異なっている、第2の外部電子供与体
を含んでいる。
重合プロセスは、気相、液相、バルク相、スラリー相またはこれらの任意の組み合わせで行なわれてもよい。好ましい実施形態では、重合はスラリー重合によって実施されてもよく、その場合に不活性な炭化水素が反応溶媒として使用されてもよく、または反応条件下のオレフィン液体が溶媒として使用されてもよい。
任意の実施形態では、チタン触媒は、反応帯1リットル当たりのTiのモル数基準で、0.005〜0.5ミリモル、好ましくは0.01〜0.5ミリモルでリアクター中に存在してもよい。任意の実施形態では、有機アルミニウム共触媒は、触媒系のチタン原子1モル当たり1〜2,000モル、または5〜500モルのアルミニウムを生成するのに十分な量で存在していてもよい。任意の実施形態では、内部電子供与体は、Ti1モル当たり0.2〜5.0、または0.5〜2.0モルで存在してもよい。
任意の実施形態では、外部電子供与体の全量は、存在するTi1モル当たり0.001〜50モル、または0.01〜20モル、または0.05〜10モルのSiであってもよい。
任意の実施形態では、第1の外部電子供与体は、存在する外部電子供与体の全量の2.5〜50モル%、または2.5〜10モル%で触媒系中に存在してもよい。
任意の実施形態では、重合条件は、20〜200℃、または50〜180℃の重合温度、および大気圧〜100kg/cm、または2〜50kg/cmの圧力を含んでいてもよい。本開示発明による重合プロセスは、バッチ的に、半連続的に、または連続的に実施されてもよい。重合は、異なる反応条件の下で2基以上のリアクターを使用して、異なる内部電子供与体、異なる外部電子供与体および/または異なる触媒系を使用して、2つ以上の段階で実施されてもよい。
追加の熱可塑性樹脂
BMWDPPに加えて、TPVはまた、1種以上の追加の熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。追加の熱可塑性樹脂は、「ゴム」ではなく、また本明細書に記載された「広い分子量分布のポリプロピレン」でもない任意の材料であってもよい。たとえば、この熱可塑性樹脂は、本来は熱可塑性であると当業者によってみなされたポリマーまたはポリマーブレンドであってもよく、たとえば熱に曝露されると軟化し室温に冷却されるとその元の状態に戻るポリマーである。
実例となる熱可塑性樹脂は、モノオレフィンのモノマーから調製されたポリオレフィンであってもよく、このモノオレフィンのモノマーは、たとえば2〜7個の炭素原子を有するモノマー、例としてエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセン、これらの混合物およびこれらのコポリマーであるが、これらに限定されない。好ましくは、オレフィン熱可塑性樹脂は未加硫でありまたは架橋されていない。
好ましい実施形態では、熱可塑性樹脂成分は、BMWDPPではないポリプロピレンをさらに含む。好ましくは、本明細書に記載された組成物に使用されるポリプロピレンは、110℃超の融点を有し、少なくとも90重量%のプロピレン由来単位を含んでいる。ポリプロピレンはまた、アイソタクチック、アタクチックまたはシンジオタクチックの連鎖を含んでいてもよく、好ましくはアイソタクチック連鎖を含んでいる。ポリプロピレンは、専らプロピレンモノマーに由来する(すなわち、プロピレン由来単位のみを有する)か、あるいは少なくとも90重量%、または少なくとも93重量%、 または少なくとも95重量%、 または少なくとも97重量%、 または少なくとも98重量%、 または少なくとも99重量%のプロピレン由来単位を含んでおり、残りはオレフィン、たとえばエチレンおよび/またはC〜C10のαオレフィンに由来する。
熱可塑性樹脂は、DSCによって測定された少なくとも110℃、または少なくとも120℃、または少なくとも130℃の融解温度を有してもよく、また融解温度は110℃〜170℃以上の範囲であってもよい。
熱可塑性樹脂は、230℃および2.16kgの荷重でASTM D1238によって測定された約0.1〜100g/10分のメルトフローレート「MFR」を有してもよい。好ましい実施形態では、追加の熱可塑性樹脂は、1未満(fractional)のMFRのポリプロピレン、たとえば約2g/10分未満、または約1.5g/10分未満、または約1g/10分未満の1未満のMFRを有するポリプロピレンであってもよい。TPVはまた、約25、26、27、28、29、30、31、32または33g/10分の最低値から約37、38、39、40、41、42、43、44または45g/10分の最高値までのMFRを有する熱可塑性樹脂、たとえばポリプロピレンを含んでいてもよく、望ましい範囲は任意の下限値から任意の上限値までの範囲を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、TPVは、約5、10または15g/10分の最低値から約20、25または30g/10分の最高値までのMFRを有する熱可塑性樹脂、たとえばポリプロピレンをさらに含んでいてもよく、望ましい範囲は任意の下限から任意の上限までの範囲を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、熱可塑性樹脂成分は、BMWDPPに追加してプロピレンベースのエラストマー(「PBE」)をさらに含んでいてもよい。PBEは、プロピレンと、約5〜約30重量%の、エチレンおよびC〜C12のαオレフィンから選ばれた1種以上のコモノマーとを含んでいてもよい。PBEは、約110℃未満、約100℃未満、約90℃未満、約80℃未満、約70℃未満、約65℃未満または約60℃未満の(DSCによって測定された)融解温度を有していてもよい。PBEは、約60J/g未満、約50J/g未満、約40J/g未満、約35J/g未満、約30J/g未満、約25J/g未満、約20J/g未満または約15J/g未満のHfによって特性付けられてもよい。PBEは好ましくは、均一条件、たとえば連続溶液重合プロセスを使用して調製される。プロピレンベースポリマーの調製のための典型的な方法は、米国特許第6,881,800号、第7,803,876号、第8,013,069号および第8,026,323号ならびに国際公開第WO 2011/087729号、第WO 2011/087730号および第WO 2011/087731号に見出されてもよい。
いくつかの実施形態では、TPVの熱可塑性相は、約9重量%〜約15重量%または約10重量%〜約12重量%のエチレン由来単位を有し、かつ以下の特性(i)〜(viii)のうちの少なくとも3個、または少なくとも4個、または少なくとも5個、または少なくとも6個、または少なくとも7個、または全ての8個を有するプロピレン−エチレンコポリマーであるPBEをさらに含んでいてもよく、以下の特性とは(i)約45〜約65℃、または約50〜約60℃、または約52〜58℃のTm;(ii)約1.0〜約25J/g、約5.0〜約20J/g、約10〜20J/gまたは約12〜約18J/gのHf;(iii)約0.5〜約3.0g/10分または約0.75〜約2.0g/10分のMI;(iv) 約0.5〜約7.0g/10分、約1.0〜約6.0g/10分または約2.0〜約5.0g/10分のMFR;(v)約240,000〜約300,000ダルトン、または約250,000〜約280,000ダルトン、または約260,000〜約270,000ダルトンのMw;(vi)約110,000〜約140,000ダルトン、約115,000〜約135,000ダルトンまたは約120,000〜約130,000ダルトンのMn;(vii)約370,000〜約420,000ダルトン、約380,000〜約410,000ダルトンまたは約385,000〜約400,000ダルトンのMz;および(viii)約10〜約40、または約15〜約37、または約20〜約35、または約25〜約30のムーニー粘度である。
本明細書に記載された熱可塑性加硫物は、油、たとえばプロセス油およびエキステンダー油をさらに含んでいる。本明細書で使用される「プロセス油」とは、加硫プロセスに直接添加される油であり、これと対照的にエキステンダー油は加硫前にゴムを伸展するためにゴムに予めブレンドされる油である。
使用されてもよい油としては、炭化水素油、および可塑剤、たとえば有機エステルおよび合成可塑剤が挙げられる。多くの添加物油が石油留分から誘導され、それらがナフテン系、パラフィン系または芳香族系油のタイプのどれに分類されるかに応じて特定のASTM表示を有する。他のタイプの添加物油としては、アルファオレフィン合成油、たとえば液状ポリブチレンが挙げられる。石油ベースの油以外の添加物油、たとえばコールタールおよびパインタール由来の油、この他に合成油、たとえばポリオレフィン材料が使用されることもできる。
油は、ゴム成分と熱可塑性成分との全重量の100重量部当たり、約5〜約300部、または30〜250部、または70〜200部の量でTPV中にあることができ、望ましい範囲は任意の下限から任意の上限までの範囲を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、油は、TPVの全重量基準で、約10重量%、または15重量%、または20重量%、または25重量%、または30重量%の最低値から、約40重量%、または45重量%、または50重量%、または55重量%の最高値までの量でTPVの中にあってもよく、望ましい範囲は任意の下限から任意の上限までの範囲を含んでいてもよい。
あるいは、使用される油の量は、硬化剤が導入される前に加硫プロセスに導入された油(「前硬化油」)の量、硬化剤とともに導入された油、および硬化剤が導入された後で加硫プロセスに導入される油(「後硬化油」)の量に基いて定義されることができる。前硬化油は、伸展油に由来する油および/または硬化剤が添加される前に加硫プロセスに直接導入されるプロセス油であってもよい。たとえば、前硬化油の量は、TPV中の油の全量基準で、約55重量%、または56重量%、または57重量%、または58重量%、または59重量%、または60重量%の最低値から、約65重量%、または66重量%、または67重量%、または68重量%、または69重量%、または70重量%の最高値までの範囲であってもよく、望ましい範囲は任意の下限から任意の上限までの範囲を含んでいてもよい。たとえば、後硬化油の量は、TPV中の油の全量基準で、約25重量%、26重量%、27重量%、28重量%、29重量%、30重量%または31重量%の最低値から、約40重量%、または41重量%、または42重量%、または43重量%、または44重量%、または45重量%、または46重量%の最高値までの範囲であってもよく、望ましい範囲は任意の下限から任意の上限までの範囲を含んでいてもよい。たとえば、硬化剤とともに添加される油の量は、TPV中の油の全量基準で、1重量%、または2重量%、または3重量%、または4重量%の最低値から、約7重量%、または8重量%、または9重量%、または10重量%の最高値までの範囲であってもよく、望ましい範囲は任意の下限から任意の上限までの範囲を含んでいてもよい。
加硫剤
TPVを調製するのに使用されるゴムを硬化または架橋することができる任意の加硫剤が使用されてもよい。たとえば、硬化剤として、過酸化物、フェノール樹脂、遊離ラジカル硬化剤、ヒドロシリル化硬化剤または慣用される他の硬化剤が挙げられてもよい。
好ましい実施形態では、TPVはフェノール樹脂加硫剤を使用して硬化される。好ましいフェノール樹脂硬化剤は、レゾール樹脂と呼ばれることができるものであり、これはアルキル置換フェノールまたは非置換フェノールをアルデヒド、好ましくはホルムアルデヒドを用いてアルカリ媒体中で縮合することによって、または二官能性フェノールジアルコールの縮合によってつくられる。アルキル置換フェノールのアルキル置換基は1〜約10個の炭素原子を含んでいてもよい。ジメチロールフェノールまたはフェノール樹脂であって、1〜約10個の炭素原子を含んでいるアルキル基でパラ位が置換されたものが好ましい。いくつかの実施形態では、オクチルフェノール−およびノニルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂のブレンドが使用される。このブレンドは25重量%〜40重量%のオクチルフェノールおよび75重量〜60重量のノニルフェノールを含んでいてもよく、より好ましくは、このブレンドは30重量%〜35重量%のオクチルフェノールおよび70重量%〜65重量%のノニルフェノールを含んでいる。いくつかの実施形態では、このブレンドは約33重量%のオクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂および約67重量%のノニルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂を含んでおり、オクチルフェノールおよびノニルフェノールのそれぞれはメチロール基を含んでいる。このブレンドは、パラフィン系油中に約30%固形分で溶解されることができる。
有用なフェノール樹脂は、SP−1044、SP−1045(Schenectady International社、米国、ニューヨーク州、Schenectady)の商品名の下に得られることができ、これらはアルキルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂と呼ばれてもよい(また、HRJ−14247Aの商品名の下に30/70重量パーセントのパラフィン系油溶液としても入手可能)。SP−1045はメチロール基を含んでいるオクチルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂であると考えられる。SP−1044およびSP−1045樹脂は、ハロゲン置換基または残留ハロゲン化合物を本質的に含んでいないと考えられる。「ハロゲン置換基を本質的に含んでいない」とは、その樹脂の合成が微量のハロゲン含有化合物しか含んでいない可能性が高い非ハロゲン化樹脂を提供することを意味する。
硬化剤は、硬化促進剤、金属酸化物、酸捕捉剤および/またはポリマー安定剤とともに使用されてもよい。有用な硬化促進剤としては、金属ハロゲン化物、たとえば塩化第一スズ、無水塩化第一スズ、塩化第一スズ二水和物および塩化第二鉄が挙げられる。硬化促進剤は、TPVの加硫度を増加させるために使用されてもよく、いくつかの実施形態では、TPVの全重量基準で1重量%未満の量で添加されてもよい。好ましい実施形態では、硬化促進剤は塩化第一スズを含んでいる。いくつかの実施形態では、硬化促進剤はマスターバッチの一部として加硫プロセスに導入される。
いくつかの実施形態では、金属酸化物が加硫プロセスに添加されてもよい。金属酸化物は、加硫プロセスでスコーチ防止剤として働くことができると考えられる。有用な金属酸化物として、約0.05〜約0.15μmの平均粒径を有する酸化亜鉛が挙げられる。有用な酸化亜鉛は、Kadox(商標)911(Horsehead社)の商品名の下で商業的に得られることができる。
いくつかの実施形態では、硬化剤、たとえばフェノール樹脂は酸捕捉剤とともに使用される。酸捕捉剤は、所望の硬化レベルが達成された後で硬化剤の下流に添加されてもよい。有用な酸捕捉剤としては、ハイドロタルサイトが挙げられる。合成および天然のハイドロタルサイトの両方が使用されることができる。典型的な天然のハイドロタルサイトは、式MgAl(OH)1−6CO・4HOによって表されることができる。合成のハイドロタルサイト化合物は、式Mg4.3Al(OH)12.6CO・mHOまたはMg4.5Al(OH)13CO3.3・5HOを有すると考えられ、これはDHT−4A(商標)またはKyowaad(商標)1000(協和化学工業社、日本国)の商品名の下で得られることができる。別の商業製品の例は、Alcamizer(商標)(協和化学工業社)の商品名の下で入手可能なものである。
硬化剤、たとえばフェノール樹脂は、溶液でまたは分散物の一部として加硫プロセスに導入されてもよい。好ましい実施形態では、硬化剤は、加硫プロセスに油の分散物/溶液で、たとえば油中硬化剤または油中フェノール樹脂の形で導入され、この場合に硬化剤/樹脂はプロセス油中に分散されおよび/または溶解されている。使用されるプロセス油は、鉱油、たとえば芳香族系鉱油、ナフテン系鉱油、パラフィン系鉱油またはこれらの組み合わせであってもよい。
加硫剤は、ゴム相内に所望量の硬化を生成するのに有効な量で存在することができる。ある実施形態では、加硫剤は、0.01phr〜50phr、または0.05phr〜40phr、または0.1phr〜30phr、または0.5phr〜25phr、または1.0phr〜20phr、または1.5phr〜15phr、または2.0phr〜10phrの量で存在する。
フェノール樹脂が使用される実施形態では、フェノール樹脂は、ゴム100重量部当たり、約0.1〜10重量部、または約2〜約6重量部、または約3〜約5重量部、または約4〜約5重量部の量で使用されてもよい。補足的な量の塩化第一スズは、ゴム100重量部当たり、約0.5〜約2.0重量部、または約1.0〜約1.5重量部、または約1.2〜約1.3重量部であってもよい。これらとともに、約0.1〜約6.0重量部、または約1.0〜約5.0重量部、または約2.0〜約4.0重量部の酸化亜鉛が使用されてもよい。1つ以上の実施形態では、フェノール系硬化剤とともに使用されるゴムは、5−エチリデン−2−ノルボルネンに由来するジエン単位を含んでいる。
添加物
TPVは、1種以上の添加物をさらに含んでいてもよい。これらの添加物は、TPVをつくるのに使用されたゴムおよび熱可塑性樹脂の組成物中に存在してもよい添加物に加えて、またはその代わりに存在してもよい。好適な添加物としては、可塑剤、フィラーおよび加工助剤が挙げられるが、これらに限定されない。
TPV組成物はまた、強化用および非強化用フィラー、酸化防止剤、安定剤、ブロッキング防止剤、静電防止剤、ワックス、起泡剤、顔料、難燃剤およびゴム配合技術分野で知られた他の加工助剤を含んでいてもよい。使用されることができるフィラーおよび増量剤としては、慣用の無機物、たとえば炭酸カルシウム、クレー、シリカ、タルク、二酸化チタン、カーボンブラック、これらとともに有機および無機ナノスケールフィラーが挙げられる。フィラー、たとえばカーボンブラックが、マスターバッチの一部として添加されてもよく、たとえばポリプロピレンのような担体と一緒に添加されてもよい。
1つ以上の実施形態では、TPVは、TPVの重量基準で、少なくとも約5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%または10重量%の1種以上のフィラー、たとえば炭酸カルシウム、クレー、シリカ、タルク、二酸化チタン、カーボンブラックまたはこれらのブレンドを含んでいる。好ましい実施形態では、TPVは、TPVの全重量基準で、約5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%または10重量%の最低値から、約15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%または20重量%の最高値までの範囲の量でクレーおよび/またはカーボンブラックを含んでいる。
熱可塑性加硫物組成物をつくる工程
TPVをつくる任意のプロセスが使用されてもよい。1つ以上の実施形態では、個々の材料および成分、たとえば1種以上のゴム成分、熱可塑性樹脂成分、添加物油、硬化剤、他の添加物等が、熱可塑性樹脂成分の融解温度超に加熱されたミキサー中で任意の順番で融解混合によってブレンドされてもよい。
1種以上の成分、熱可塑性樹脂成分および硬化剤は、個々の供給原料流れとして、タンブルブレンドされたブレンド物として、またはマスターバッチとして、加熱されたミキサーに加えられることができる。1種以上の熱可塑性樹脂成分は、硬化の前に、または硬化剤の添加の前もしくは後の間に任意の割合に分割されて、加えられることができる。添加物油、たとえばプロセス油は、硬化剤の添加の前の噛み砕きの間に、硬化剤の添加の後に、または硬化剤の添加の前もしくは後の間に任意の割合に分割されて、加えられることができる。
好ましくは、1種以上の硬化剤は、融解温度の目標範囲内にある融解物中に所定の時間(<120秒)にわたって取り込まれる。1種以上の硬化剤は、任意の適当な技術を使用して、たとえば相容性のプロセス油の溶液として注入することによって、無希釈の固体として、無希釈の融解物として、またはマスターバッチとして、添加されることができる。
1種以上のフィラーまたは他の添加物は、硬化剤の添加の前、添加の間、または添加の後のいずれかに融解物中に導入されることができる。添加物、フィラーまたは他の化合物であって、硬化剤を妨げる可能性があるものは、硬化が所望のレベルに到達した後で加えられなければならない。好ましくは、これらの添加物は、相容性のゴムプロセス油のスラリーまたはペーストとして融解物に添加される。これらの成分のパウダーブレンドまたはマスターバッチが、計量および混合を容易にするために、ワックスまたはポリマー担体中のものとして調製されることができる。1種以上の鉱物フィラーおよび他の添加物を添加するために、サイドフィーダーが使用されることもできる。
架橋性ゴムの動的加硫の前にプロピレンコポリマーが加えられる限り、TPVをつくる任意のプロセスが使用されることができる。たとえば、個々の材料および成分、たとえば1種以上のゴム成分、ポリオレフィン性熱可塑性樹脂成分、熱可塑性変性剤、たとえばプロピレンコポリマー、硬化剤、添加物油および他の添加物は、これらの熱可塑性成分の融解温度超の温度で混合されて、融解物を形成することができる。例示的な混合装置としては、以下のものが挙げられる:ニーダーまたは混合要素を備えた押出機であって、この混合要素が1種以上の混合先端もしくはフライトを備えたもの;1本以上のスクリューを備えた押出機;および同方向または異方向回転タイプの押出機。好適な混合装置としては、たとえばブラベンダー(商標)ミキサー、バンバリー(商標)ミキサー、ブスミキサーおよびニーダーならびにファレルコンティニュアスミキサーも挙げられる。1種以上のこれらの混合装置、たとえば押出機は、直列で使用されることができる。
離散的なゴム相の形態および特性のために必要な混合は、スクリューの設計構造およびスクリュー速度の選択によって開発されることができる。混合の間の融解物温度または混合エネルギーまたは混合トルクの必要条件を監視することによって、加硫(架橋)の進行を追跡するのが好都合である。混合トルクまたは混合エネルギー曲線は一般に、最大値を通過し、その後も混合が継続されて所望の硬化レベル(状態)が達成され、ブレンド物の成形加工性が改善されることができる。融解物の硬化および十分な混合に引き続いて、融解物ブレンドは以下の技術の任意の1つ以上を使用する成形処理をされて弾性構造体が形成されることができる:粉砕、細断、押し出し、ペレット化、射出成形または任意の他の望ましい技術。TPVをつくるためのさらなる詳細として、米国特許第4,594,390号、第4,130,535号、第4,311,628号および第6,042,260号とともに米国特許出願公開第2006/0293457号および国際公開第WO 2004/009327に記載されたものが挙げられてもよい。
最終用途
本明細書に記載されたTPV組成物は、押し出し、射出成形、ブロー成形、カレンダー成形および圧縮成形の技術によって物品をつくるのに有用であってもよい。特に、本発明のTPV組成物は、種々多様な物品、たとえば成形されたコーナー部品、成形されたエンドキャピラリー、ガラスランチャンネル、トランクシール、テールゲートシール、フロントガードシール、ギャップフィラー、グラスカプセル化、カットラインシール、ドアシール、フードからラジエターまでのシール、フロントガラスシール、サンルーフシール、ルーフラインシール、リヤウインドウシール、ロッカーパネル、サッシおよびベルトラインシールをつくるのに有用であってもよい。
熱可塑性加硫物組成物
1つ以上の実施形態では、TPVは、ゴムが完全にまたは十分に硬化される程度にまで硬化される。いくつかの実施形態では、TPVはゴムの5重量%未満、または4重量%未満、または3重量%未満が23℃のシクロヘキサンによって抽出可能であるように硬化される。あるいは、1つ以上の実施形態では、ゴムは、架橋密度がゴムの1ミリリットル当たり好ましくは少なくとも4×10−5、または少なくとも7×10−5、または少なくとも10×10−5モルである硬化度を有する。「動的加硫されたTPE中の架橋密度および相形態」、Ellulら、RUBBER CHEMISTRY AND TECHNOLOGY、第68巻、573〜584頁(1995年)も参照せよ。
ゴムが完全に硬化されてもよいという事実にもかかわらず、TPVは従来のプラスチック成型処理技術、たとえば押し出し、射出成形、ブロー成形および圧縮成形によって成形処理され、また再成形処理されることができる。これらのTPV内のゴムは、連続した熱可塑性相またはマトリクス内の加硫されたまたは硬化されたゴムの微細に分割されかつ十分に分散された粒子の形態をしていることができる。ゴム粒子は、50μm未満、または30μm未満、または10μm未満、または5μm未満、または1μm未満である平均直径を有することができる。いくつかの実施形態では、ゴム粒子は、2ミリミクロン超、または5ミリミクロン超、または10ミリミクロン超の平均直径を有する。ある実施形態では、少なくとも50%、任意的に少なくとも60%、また任意的に少なくとも75%のゴム粒子が、5μm未満、または2μm未満、または1μm未満の平均直径を有する。
本明細書に記載されたように、TPVは、(i)ゴム、(ii)BMWDPP、(iii)油ならびに(iv)添加物および/またはフィラーを含んでいる。いくつかの実施形態では、TPVは、追加の熱可塑性樹脂をさらに含んでいてもよい。得られたTPVが、BMWDPPを含んでいる連続の熱可塑性成分内に分散されかつ少なくとも部分的に架橋されまたは完全に架橋されたゴム相を含んでいるように、TPVの成分は押し出しリアクター中で混合される。
いくつかの実施形態では、TPVは50超、または55超、または60超、または65超、または70超、または75超のショアA硬度を有してもよい。いくつかの実施形態では、TPVは100未満、または95未満、または90未満、または85未満、または80未満のショアA硬度を有してもよい。
本明細書に記載されたBMWDPPを使用してつくられたTPVは、1未満のMFRを有するポリプロピレンを使用してつくられたTPVと比較して、改善された押出機成形処理性を、またいくつかの場合には改善された引張特性を有してもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、TPVは有益であることに、400%超、または410%超、または415%超、または420%超、または425%超、または430%超の極限伸びを示してもよい。
[実施例]
先の検討のより良い理解をもたらすために、以下の非限定的な実施例が提供される。これらの実施例は特定の実施形態に向けられているけれども、これらは本発明をどのような特定の点においても限定していると見なされてはならない。すべての部、割合およびパーセントは、特に指定のない限り重量による。
以下の材料が実施例で使用された。
「V3666」はVistalon(商標)3666EPDMゴムであり、これは64.0重量%のエチレン含有量(ASTM D3900)および4.5重量%のENBジエン含有量(ASTM D6047)を有するエチレン−プロピレン−ジエンゴムである。V3666は75phrの油で油展されており、52MU(ML1+4、125℃;ASTM D1646)の油展ムーニー粘度を有する。V3666はExxonMobilChemical社から市販されている。
「PP5341」はExxonMobil(商標)PP5341ポリプロピレンであり、これは以下の典型的な特性を有するポリプロピレンホモポリマーである:0.9g/ccの密度および0.83g/10分(ASTM D1238;230℃および2.16kg荷重)のMFR。PP5341は、米国、テキサス州、ヒューストン、ExxonMobil Chemical社から市販されている。
「PPF180A」はBraskem社から市販されているポリプロピレンホモポリマーである。PPF180Aは17g/10分(ASTM D−1238;230℃および2.16kg荷重)のMFRを有する。
「PP556E」は、Basell社のMoplen HP556Eであり、これはポリプロピレンホモポリマーである。PP556Eは、0.8g/10分(ISO 1133)のメルトフローレート(230℃、2.16kg)および153℃(ISO 306、A50(50℃/時、10N))および93℃(ISO 306、B50(50 ℃/時、50N))のビカット軟化温度を有する。
「VM3020」はVistamaxx(商標)3020プロピレンベースのエラストマーであり、これは11重量%のエチレン含有量を有するランダムプロピレン−エチレンコポリマーである。VM3020は、0.874g/cc(ASTM D1505)の密度、1.1g/10分(ASTM D1238; 190℃および2.16kg荷重)のメルトインデックス、3g/10分(ASTM D1238;230℃および2.16kg荷重)のMFR、34(ASTM D2240)のショアD硬度および68.3℃のビカット軟化温度を有する。VM3020は、米国、テキサス州、ヒューストン、ExxonMobilChemical社から市販されている。
「クレー」はIcecap(商標)Kクレ−である。
「SnClMB」は無水塩化第一スズポリプロピレンマスターバッチである。SnClMBは45重量%の塩化第一スズおよび55重量%の0.8g/10分(ASTM D1238;230℃および2.16kg荷重)のMFRを有するポリプロピレンを含んでいる。
「ブラックMB」はカーボンブラックマスターバッチであり、これは35g/10分(ASTM D1238;230℃および2.16kg荷重)のMFRを有する57.75重量%のポリプロピレン、41.1重量%のカーボンブラック、1重量%のKenamide Sおよび0.25重量%の一次酸化防止剤を含んでいる。
「RIO」は油中フェノール樹脂の硬化剤であり、これは30重量%のフェノール樹脂および70重量%の油を含んでいる。
「酸化亜鉛」または「ZnO」はKadox 911酸化亜鉛である。
「油#1」および「油#2」はParalux 6001R油であり、これはChevron社から市販されている。
試験方法
メルトフローレート(MFR)は、230℃および2.16kg荷重でASTM D1238(条件L)によって測定された。
高荷重メルトフローレート(HLMFR)は、230℃および21.6kg荷重でASTM D1238(条件L)によって測定された。
複素粘度は、RHEOPLUS 3.62版を実行する25mm並列プレートを備えたMCR501(Anton Paar社製)並列プレートレオメーターを用いて測定された。粘度は、1.9mmのギャップおよび5%の歪みを用いて100〜0.1Hzの周波数範囲で230℃で得られた。
ゼロせん断粘度(η0)は、Christopher W.Macoskoによって著され、Wiley Scientific社によって1994年に出版された「レオロジーの原理、測定および適用」の86頁に記載されたCarreauモデルに複素粘度をフィッティングすることによって複素粘度から計算された。
粘度比(η0.1/η100)は、0.1[ラジアン/秒]で測定された複素粘度を100[ラジアン/秒]で測定された複素粘度で割った結果である。
数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)およびz平均分子量(Mz)は、3種のインライン検出器、すなわち示差屈折率検出器(DRI)、光散乱(LS)検出器および粘度計を装備した高温度ゲル透過クロマトグラフィー(GPC−3D)(Agilent社製PL−220)を使用することによって測定された。Mw/MnはGPC−3Dによって測定された値から計算された。検出器の較正を含む実験の詳細は、T.Sun、P.Brant、R.R.ChanceおよびW.W.Graessley、Macromolecules、第34巻、第19号、6812〜6820頁、(2001年)およびその中の参考文献に記載されている。3本のAgilent社製PLゲル、10μm、混合BLSカラムが使用された。名目流量は0.5 mL/分、名目注入容積は300μLであった。様々な移送ライン、カラム、粘度計および示差屈折率検出器(DRI検出器)は、145℃に維持されたオーブン内に入れられた。実験用の溶媒は、4リットルのAldrich社試薬等級1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)中に酸化防止剤として6グラムのブチルヒドロキシトルエンを溶解することによって調製された。TCB混合物はその後0.1μmのテフロンフィルターによってろ過された。TCBはそれからオンライン脱ガス装置で脱ガスされた後にGPC−3Dに入れられた。ポリマー溶液は、ガラス容器に乾燥ポリマーを入れ、所望量のTCBを添加することによって調製され、次に混合物は約2時間、連続撹拌しながら160℃で加熱された。全ての量は重量で測定された。ポリマー濃度を質量/容積単位で表現するのに使用されるTCBの密度は、室温で1.463g/mlおよび145℃で1.284g/mlである。注入濃度は0.5〜2.0mg/mlであり、低い濃度のものほど、より分子量の高いサンプルに使用される。各サンプルを流す前に、DRI検出器および粘度計はパージされた。装置中の流量は、その後0.5ml/分に増加され、DRIは8時間放置安定化され、その後最初のサンプルが注入された。LSレーザーは、サンプルを流す前に少なくとも1〜1.5時間、作動状態にされた。クロマトグラムの各点での濃度cは、以下の式を使用して、ベースラインを差し引いたDRIシグナル(IDRI)から計算された。
c=KDRIDRI/(dn/dc)
この式で、KDRIはDRIを較正することによって決定される定数であり、dn/dcはその系の屈折率の増分である。屈折率nは、145℃およびλ=690nmでのTCBについてn=1.500である。GPC−3D法のこの記載の全体にわたってパラメーターの単位は、濃度がg/cmで表され、分子量がダルトンで表され、固有粘度はdL/gで表される等である。
LS検出器はWyatt Technology社製高温度DAWN HELEOSであった。クロマトグラムの各点での分子量Mは、静的光散乱についてのZimmモデル(M.B.Huglin著、「高分子溶液からの光散乱」、Academic Press社、1971年)を使用して、LS出力を分析することによって決定された。
Figure 2018516298
この式で、ΔR(θ)は散乱角度θで測定された超過レーリー散乱強度であり、cはDRI分析から決定されたポリマー濃度であり、Aは第二ビリアル係数である。P(θ)は単分散ランダムコイルについての形状因子であり、Kは系についての光学定数である。
Figure 2018516298
この式で、Nはアボガドロ数であり、(dn/dc)は系についての屈折率の増分であり、これはDRI方法から得られた値と同じ値をとる。屈折率nは、145℃およびλ=657nmでのTCBについてn=1.500である。
高温度Viscotek社製粘度計は、2台の圧力変換器を備えたホイートストンブリッジ配置に配列された4本のキャピラリーを有するものであり、比粘度を測定するのに使用された。1方の変換器は検出器全体にわたっての全圧力低下を測定し、他方はブリッジの2つの側の間に配置され、差圧を測定する。粘度計を通って流れる溶液の比粘度ηは、それらの出力から計算される。クロマトグラムの各点での固有粘度[η]は、以下の式から計算される。
η=c[η]+0.3(c「η」)
この式で、cは濃度であり、DRI出力から決定された。
分岐指数(g’vis)はGPC−3D方法の出力を使用して以下のように計算された。サンプルの平均固有粘度「η」avgは以下の式によって計算される。
Figure 2018516298
この式で、総和は積分限界間のクロマトグラムのスライス(i)の全体にわたるものである。
分岐指数(g’vis)は以下のように定義される。
Figure 2018516298
この式で、MvはLS分析によって測定された分子量に基いた粘度平均分子量である。z平均分岐指数(g’Zave)は、[Ci=ポリマーピーク中のスライスiのポリマー濃度]×[そのスライスの質量の2乗(Mi)]を使用して計算される。
特に指定のない限り、分子量は全て重量平均である。特に指定のない限り、分子量は全てダルトン単位で報告される。
ポリプロピレンのデータ処理に使用されるパラメーターは以下のとおりである:K=0.0002288、a=0.705、dn/dc=0.1048およびA2=0.0006。
LCRは、直径1mm、長さ30mmおよび入口角度180°のダイを使用して1200秒−1のせん断速度および204℃でASTM D3835によって測定されたキャピラリー粘度である。
ショアA硬度はASTM D2240によってZwick社製自動ジュロメーターを用いて測定された。
極限引張強さ(「UTS」)、極限伸び(「UE」)および100%弾性率(「M100」)は、ASTM D638によって射出成形小板について測定された。
微小極限引張強さ(「mUTS」)は、インストロン機型式4204を使用して、ASTM D1708−98によってHaake社機で調製された50mmのテープからMD方向に切り出された微小引張試験片を使用して測定された。
微小極限伸び(「mUE」)は、インストロン機型式4204で使用して、ASTM D1708−98によってHaake社機で調製された50mmのテープからMD方向に切り出された微小引張試験片を使用して測定された。
微小引張100%弾性率(「mM100」)は、インストロン機型式4204で使用して、ASTM D1708−98によってHaake社機で調製された50mmのテープからMD方向に切り出された微小引張試験片を使用して測定された。
Haake社機製テープは、50mmのテープダイ(001の部−8544)を装備されたRheocord(型式P−300)、Rheomex(型式252P)(単軸スクリュー)を使用し、モニター4.17版を作動させて、Haake社製PolyLab装置を用いて調製された。テープは、キャストフィルムチルロール(Haake社製チルロールタイプ002−6841)上にキャスト成形された。材料は、試験の前に対流式オーブン中で60℃で16〜24時間乾燥された。機器の設定点は、ゾーン1:180℃、ゾーン2:195℃、ゾーン3:210℃、ダイゾーン:210℃および100RPMであった。フィルムは、循環冷却器Thermofisher NesLab社製RTE 10によって維持された30℃のロール温度設定点でチルロール(Haake社製チルロールタイプ002−6841)上にキャスト成形された。巻き取り機速度は70〜80cm/分の範囲内で変動されて、テープの中心で1.45〜1.55mmの最終フィルム厚さが維持された。
Haakeキャピラリー調製方法が使用されて、ダイ557−3100およびキャピラリーダイ557−2551(キャピラリー直径2mmおよび長さ60mm)を装備されたRheocord(型式P−300)、Rheomex(型式252P)(単軸スクリュー)を使用し、ソフトウェアPolylabモニター4.17版を作動させて、Haake社製PolyLab装置による、様々な温度プロフィールにおけるキャピラリー押し出しデータが得られた。
Goettfert社製Rheotens型式71.97を用いてRheotens融解物強度の測定が、上記のHaakeキャピラリー調製方法によってHaake押出機から生成された融解物ストランドについて実施された。押出機は一定の10RPMに設定され、ポリプロピレンポリマーサンプルについて180℃ /190℃/200℃/200℃およびTPVサンプルについて200℃/200℃/220℃/200℃の温度プロフィールを有していた。Rheotens引き取りニップは、キャピラリーダイ出口の下10cmに置かれ、12mm/秒の加速度であった。Rheotensソフトウェア2.20版を用いてデータが得られ分析された。
22時間および70℃での圧縮永久歪み(Cセット)および70時間および125℃での圧縮永久歪み(Cセット)が、ISO 815を使用して測定された。
実施例で使用された様々なポリプロピレンおよびポリプロピレンブレンドが、表1に記載された様々な物理的特性について試験された。表1のポリプロピレンブレンドは、表1に示された量を用いたPP5341とPPF180Aとのブレンドであった。したがって、たとえば表2の95/5ブレンドは95重量%のPP5341および5重量%のPPF180Aを使用していた。同様に、表2の85/15ブレンドは85重量%のPP5341および15重量%のPPF180Aを使用していた。BMWDPP−2およびBMWDPP−3は、本明細書に記載されたようにしてつくられた広い分子量分布のポリプロピレンであり、表1および表2に特性が示されている。ASTM−D3835−02によって様々な周波数で測定されたポリプロピレンおよびポリプロピレンブレンドのPa・秒単位でのキャピラリー粘度が表2に示される。
Figure 2018516298
Figure 2018516298
表1に見られるように、BMWDPP−2およびBMWDPP−3サンプルはPP5341よりも(複素粘度によって裏付けられるように)大きいせん断減粘性および(メルトフローレートによって裏付けられるように)低い総括粘度を示した。このように、PP5341と比較してBMWDPP−1およびBMWDPP−2の増加したHLMFRによって裏付けられるように、広い分子量分布のポリプロピレンの粘度はPP5341よりも低いけれども、複素粘度(η0)は増加した。
表1のPP5341とPPF180Aとのブレンドは、高粘度および低粘度ポリプロピレンが一緒にブレンドされると、総括ブレンド粘度が低減される可能性があり、MWDが増加する可能性があることを示している。しかしながら、広い分子量分布のポリプロピレン(BMWDPP−2およびBMWDPP−3)は、これらのブレンドと比較してもなお、減少した粘度(すなわち、増加したMFRおよびHLMFR)および増加したせん断減粘性を示した。
図1は、ポリプロピレンならびに85/15ブレンドおよび75/25ブレンドのいくつかの融解物強度(rheoten特性)を示す。PP5341の高い粘度(すなわち、低いMFR)は、TPVをつくる場合にポリプロピレンを融解ブレンドし成形処理することを困難にすることがある。したがって、PP5341とより低粘度の樹脂とのブレンドがしばしば使用されて、TPVのポリプロピレン成分を融解ブレンドし成形処理することをより容易にすることが多い。しかし、図1に示されたように、これらのブレンドは減少した融解物強度を有しており、これはTPVの機械的特性にマイナスの影響を与えることがある。これらのブレンド物とは対照的に、図1に見られるように、BMWDPPがポリプロピレンブレンドと比較して減少した粘度(すなわち、増加したMFR)を有しているにもかかわらず、BMWDPPは増加した融解物強度を有している。
熱可塑性加硫物が、二軸押出機中で表3に記載された配合物を動的に混合し加硫することによって調製された。表3の配合物は、ゴム100部当たりの部(「phr」)として配合物中の各成分の量を記載している。熱可塑性樹脂、顆粒状ゴム、クレー、酸化亜鉛、SnClマスターバッチおよびカーボンブラックマスターバッチが、原料供給口で押出機に加えられた。油中フェノール樹脂が、原料供給口および第1の混合ゾーンの後で押出機に注入された。遊離の油の第1の部分(「油#1」)が、原料供給口の後であるが油中フェノール樹脂注入点の前で押出機に導入され、また遊離のプロセス油の第2の部分(「油#2」)が油中フェノール樹脂注入点の後で押出機に導入された。TPV用の配合物は、TPVについてのショアA75の目標硬度を有するように選ばれた。
Figure 2018516298
表3に見られるように、サンプルTPVは全て45.25phrの同じポリプロピレン含有量を有しており、TPVを形成するために使用されたポリプロピレンのタイプ以外は、配合物は同じものであった。したがって、実施例1のTPV用の配合物の唯一の差異は、TPV−604はPP5341を使用して熱可塑性マトリクス相を形成し、TPV−605はPP5341とPPF180Aとの80/20ブレンドを使用して熱可塑性マトリクス相を形成し、TPV−606およびTPV−608はBMWDPP−2を使用して熱可塑性マトリックス相を形成し、TPV−607およびTPV−609はBMWDPP−3を使用して熱可塑性マトリックス相を形成していることであった。
表3に見られるように、広い分子量分布のポリプロピレンを使用して形成されたTPVは改善された引張り特性を有してした。すなわち、BMWDPP、すなわちTPV−606、TPV−607、TPV−608およびTPV−609を含んでいるTPVの極限引張強さは、無希釈のPP5341を含んでいるTPV(すなわち、TPV−604)のそれよりも20%超大きく、またポリプロピレンの80/20ブレンドを含んでいるTPV(すなわち、TPV−605)よりも10%超大きかった。さらに、BMWDPPを含んでいるTPVは、増加した100%弾性率および破断時歪み(極限伸び)を示した。
熱可塑性加硫物の成形処理および押し出し特性が、Haake社製キャピラリー押し出し試験機を使用して試験された。Haakeキャピラリー押し出しデータは、ダイ557−3100およびキャピラリーダイ557−2551(キャピラリー直径2mmおよび長さ60mm)を装備されたRheocord(型式P−300)、Rheomex(型式252P)(単軸スクリュー)押出機を使用し、ソフトウェアPolylabモニター4.17版を作動させて、得られた。ゾーン温度プロフィールの設定点は以下のとおりであった:ゾーン1:200℃、ゾーン2:200℃、ゾーン3:220℃、ダイ:220℃。キャピラリー押し出し試験の結果が表4Aに示されており、表4Aに示されたような様々な押出機RPMで測定値が取られた。Haakeキャピラリー押し出しデータは、30秒間〜3分間のデータの平均であり、データは1Hz超で再コード化された。表4Bは、100RPMにおけるPP5341を使用したTPV−604と比較したサンプルTPVの相対性能の比較を示す。図2は、TPV−604、TPV−606およびTPV−607についてのHaake押し出しのトルクと流量との比較を示す。図3は、TPV−604、TPV−605、TPV−606およびTPV−607についてのHaake押し出し圧力と流量との比較を示す。
Figure 2018516298
Figure 2018516298
表4Aおよび4Bにならびに図2および3に見られるように、広い分子量分布のポリプロピレンを使用して形成されたTPVは、TPV−604およびTPV−605と比較して、改善された押出機成形処理性を示した。すなわち、TPVから最終用途製品をつくる場合に、広い分子量分布のポリプロピレンを含んでいるTPVは広い分子量分布のポリプロピレンを含んでいないものよりも成形処理するのがより容易であった。表4Aおよび図3に見られるように、一定のRPMおよび温度プロフィールでは、1未満のMFRを有するポリプロピレンを含んでいるTPV(すなわち、TPV−604およびTPV−605)を成形処理する場合よりも、広い分子量分布のポリプロピレンを含んでいるTPV−606、TPV−607、TPV−608およびTPV−609を成形処理する場合に、押出機圧力はおよそ5%低かった。広い分子量分布のポリプロピレンのTPVを成形処理する場合に、比処理量も増加した。表2に見られるTPVのLCR粘度の名目上の増加にもかかわらず、表3Aおよび3Bに見られる押し出しの改善が得られた。
熱可塑性加硫物が、そのTPVがショアA硬度60を目標としてつくられたこと以外は、実施例2に上記されたのと同じように調製された。表5の配合物は、ゴム100部当たりの部(「phr」)として配合物中の各成分の量が記載される。
Figure 2018516298
熱可塑性加硫物のHaake成形処理および押し出し特性が、実施例2に関して上記されたのと同じように試験され、その結果が表6Aおよび6Bに示される。図4は、TPV−610、TPV−612およびTPV−613についてのHaake押し出しのトルクおよび流量の比較を示す。
Figure 2018516298
Figure 2018516298
表5に見られるように、サンプルTPVは全て32.68phrの同じポリプロピレン含有量を有しており、TPVを形成するのに使用されたポリプロピレンのタイプ以外は、配合物は同じであった。BMWDPPを含んでいるTPV、すなわちTPV−612、TPV−613、TPV−614およびTPV−615の極限引張強さは、無希釈のPP5341を含んでいるTPV(すなわち、TPV−610)よりも6%超大きく、またポリプロピレンの80/20ブレンドを含んでいるTPV(すなわち、TPV−611)よりも16%以上大きかった。さらに、BMWDPPを含んでいるTPVは、増加した100%弾性率および破断歪み(極限伸び)を示した。
表6Aに見られるように、一定のRPMおよび温度プロフィールにおいて、広い分子量分布のポリプロピレンを含んでいるTPV−612、TPV−613、TPV−614およびTPV−615を成形処理する場合に、1未満のMFRを有するポリプロピレンを含んでいるTPV(すなわち、TPV−610およびTPV−611)を成形処理する場合よりも、押出機圧力は少なくとも10%低かった。広い分子量分布のポリプロピレンTPVを処理する場合に、比処理量もまた増加した。
熱可塑性加硫物が、上記の実施例2と同じように調製された。表7の配合物は、ゴム100部当たりの部(「phr」)として配合物中の各成分の量が記載される。
Figure 2018516298
表7に見られるように、TPVが成形処理でつくられ、その熱可塑性加硫物の押し出し特性が実施例2に関して上記されたのと同じように試験され、その結果が表8および図5に示される。
Figure 2018516298
熱可塑性加硫物が、上記の実施例2と同じように調製された。表9の配合物は、ゴム100部当たりの部(「phr」)として配合物中の各成分の量が記載される。
Figure 2018516298
熱可塑性加硫物の成形処理および押し出し特性が、実施例2に関して上記されたのと同じように試験され、その結果が表10Aおよび10Bにならびに図5および6に示される。
Figure 2018516298
Figure 2018516298
TPVが、表11にphr単位で示された配合物を用いて実施例2で使用されたのと同じようなプロセスによってつくられた。TPV−N07およびTPV−N15の配合物は同じであるが、TPV−N15は、TPV−N07で使用された押出機スクリューよりも強力な混合が可能である押出機スクリューを使用してつくられた。TPV−N17をつくるために使用された押出機スクリューは、TPV−N15をつくるために使用されたものと同じであった。これらのTPVの物理的特性が表12に報告される。
Haakeキャピラリー押し出し試験が、実施例2におけるのと同じHaake PolyLab装置を使用して180/200/200/200/200のゾーン設定点を用いて、実施例6のサンプルについて実施された。図7は、実施例6のTPVについてのHaake押し出し試験での様々なRPMに対するHaake押し出し圧力を示す。図7に見られるように、BMWDPPを使用して製造されたTPVは、PP556Eを含んでいるサンプルと比較して、押し出し圧力が低下した。
Figure 2018516298
Figure 2018516298
上記の実施例に例示されたように、広い分子量分布のポリプロピレンは、従来の1未満のMFRを有するポリプロピレンよりも大きいせん断減粘性および低い粘度を示した。このことは、広い分子量分布のポリプロピレンを使用してつくられたTPVが、1未満のMFRを有するポリプロピレンを使用してつくられたTPVに対して、改善された押出機成形処理性を、また、ある場合には改善された引張特性を有することを可能にした。
便宜の目的から、様々な具体的な試験方法が、ある特性を決定するために上記で特定されている。しかし、当業者がこの特許明細書等を読み、組成物またはポリマーが特許請求の範囲で規定された特定の特性を有するか否かを確認したいと欲する場合には、その具体的に特定された方法が好ましいけれども、任意の公表されたもしくは周知の方法または試験手順に従ってその特性を確認することもできる。特許請求の範囲は、異なる方法は異なる結果または測定値をもたらすことがあるという程度にまでさえ、そのような方法のいずれの結果をもカバーするものと解釈されなければならない。したがって、当業者は、特許請求の範囲に反映されている測定された特性の実験上の変動を予測するべきである。
ある特定の実施形態および特徴が、1組の数値上の上限および1組の数値上の下限を使用して記載されてきた。特に指定のない限り任意の下限から任意の上限までの範囲が意図されていることが理解されなければならない。全ての数値は、「約」または「およそ」の「示された数値」であり、当業者によって予測される実験誤差および変動が考慮に入れられている。
本明細書で使用される句である「実質的に・・・でない」および「実質的に・・・を含まない」は、対象の品目が意図的にはいかなる量でも使用されずまたは添加されないが、環境またはプロセス条件に起因する不純物として存在する非常に少量が存在し得ることを意味することが意図されている。
本出願で引用された全ての特許、試験方法および他の文書は参照によって完全に取り込まれるが、そのような開示物が本出願と矛盾せず、かつそのような取り込みが許される全ての法的権限区域に対してを限度とする。
上記の内容は本発明の実施形態に向けられているけれども、本発明の他のおよびさらなる実施形態が、本発明の基本的な範囲から逸脱しないで考案されてもよく、その範囲は以下に記載される特許請求の範囲によって決定される。

Claims (18)

  1. (i)ゴム;
    (ii)広い分子量分布のポリプロピレンであって、
    (a)4超の分子量分布(Mw/Mn);
    (b)1g/10分超のメルトフローレート(230℃および2.16kgでASTM D1238条件L);および
    (c)380,000ダルトン超の重量平均分子量(Mw)
    を有する、広い分子量分布のポリプロピレン;および
    (iii)油;
    を含んでいる熱可塑性加硫物であって、前記広い分子量分布のポリプロピレンを含んでいる連続的な熱可塑性成分の中に分散されかつ少なくとも部分的に架橋されたゴム相を含んでいる、熱可塑性加硫物。
  2. 前記熱可塑性加硫物が、前記熱可塑性加硫物の全重量基準で、約7重量%〜約45重量%の前記ゴムを含んでいる、請求項1に記載の熱可塑性加硫物。
  3. 前記熱可塑性加硫物が、前記熱可塑性加硫物の全重量基準で、約3重量%〜約60重量%の前記広い分子量分布のポリプロピレンを含んでいる、請求項1または2に記載の熱可塑性加硫物。
  4. 前記広い分子量分布のポリプロピレンが、190℃で伸長レオメーターを使用して測定された少なくとも20cNの融解物粘度を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性加硫物。
  5. 前記広い分子量分布のポリプロピレンが5超の分子量分布を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性加硫物。
  6. 前記広い分子量分布のポリプロピレンが、190℃で10%の一定歪みで0.1ラジアン/秒の角周波数および100ラジアン/秒の角周波数で(0.1と100ラジアン/秒との角周波数比で)測定された17以上の粘度比を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性加硫物。
  7. 前記広い分子量分布のポリプロピレンが、2g/10分超のメルトフローレートを有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性加硫物。
  8. 前記広い分子量分布のポリプロピレンが、150g/10分超の高負荷MFR(230℃、21.6kgでのASTM D1338)を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱可塑性加硫物。
  9. 前記広い分子量分布のポリプロピレンが、28,000Pa・秒超のゼロせん断粘度を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱可塑性加硫物。
  10. 前記広い分子量分布のポリプロピレンが、55,000ダルトン超の数平均分子量(Mn)を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱可塑性加硫物。
  11. 前記広い分子量分布のポリプロピレンが、400,000ダルトン超の重量平均分子量(Mw)を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の熱可塑性加硫物。
  12. 前記広い分子量分布のポリプロピレンが、1,000,000ダルトン超のz平均分子量(Mz)を有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の熱可塑性加硫物。
  13. 前記広い分子量分布のポリプロピレンが、触媒系の存在の下で、ある温度および圧力でプロピレンモノマーを接触させて、少なくとも50モル%のプロピレンを含んでいるプロピレン樹脂を製造する工程を含むプロセスによってつくられ、前記触媒系が
    非芳香族内部電子供与体を含んでいるチーグラーナッタ触媒;
    式R Si(ORを有する第1の外部電子供与体であって、この式で、各Rは独立に1〜10個の炭素原子を含んでいるヒドロカルビル基であり、このヒドロカルビル基中のSiに隣接する炭素が2級または3級の炭素原子であり、また各Rは独立に1〜10個の炭素原子を含んでいるヒドロカルビル基である、第1の外部電子供与体;および
    式R Si(OR4−nを有する第2の外部電子供与体であって、この式で、それぞれのRおよびRは独立に1〜10個の炭素原子を含んでいるヒドロカルビル基であり、nは1、2、または3であり、かつ第2の外部電子供与体は第1の外部電子供与体と異なる、第2の外部電子供与体;
    を含んでいる、
    請求項1〜12のいずれか1項に記載の熱可塑性加硫物。
  14. 前記熱可塑性加硫物が、1種以上の追加の熱可塑性樹脂をさらに含んでいる、請求項1〜13のいずれか1項に記載の熱可塑性加硫物。
  15. 前記熱可塑性加硫物が、広い分子量分布のポリプロピレンではないポリプロピレンをさらに含んでいる、請求項1〜14のいずれか1項に記載の熱可塑性加硫物。
  16. 前記熱可塑性加硫物が、プロピレンならびに約5〜約30重量%の、エチレンおよび/またはC〜C12のαオレフィンから選ばれた1種以上のコモノマーを含んでいるプロピレンベースのエラストマーをさらに含んでいる、請求項1〜15のいずれか1項に記載の熱可塑性加硫物。
  17. 前記プロピレンベースのエラストマーが、約9重量%〜約15重量%のエチレン由来単位を有し、かつ(i) 約0.5〜約3.0g/10分のメルトインデックス;(ii)約0.5〜約7.0g/10分のメルトフローレート;および(iii)約10〜約40のムーニー粘度を有するプロピレン−エチレンコポリマーである、請求項16に記載の熱可塑性加硫物。
  18. 前記熱可塑性加硫物が、前記熱可塑性加硫物の全重量基準で、約10重量%〜約55重量%の油を含んでいる、請求項1〜17のいずれか1項に記載の熱可塑性加硫物。
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