JP2018516267A - 代謝性疾患を治療するためのサクビトリルおよびバルサルタン - Google Patents
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Abstract
Description
代謝性疾患−肥満およびメタボリックシンドローム
過体重、脂肪症、および肥満は、健康を損なう可能性のある異常または過剰な脂肪蓄積として定義される状態である。これは、体内におけるエネルギーの摂取、消費、および貯蔵の調節の不均衡によって生じる。
慢性心不全(CHF)は、高い死亡率、頻繁な入院、および生活の質の低下を特徴とする、主要な公衆衛生問題であり、世界中で全体的な有病率が増加しつつある。米国(US)のみで、約500万人の患者が心不全(HF)に罹患しており、毎年新たに診断される症例は50万人を超える。欧州におけるHFの有病率は2〜3%の間であり、高齢者では、10〜20%の間であると推定される。
LCZ696は、高血圧および/または心不全などの心血管疾患を治療するために開発された、画期的新薬であるアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害剤(ARNI)である。LCZ696の摂取によって、モル比1:1のサクビトリル(AHU377;(2R,4S)−5−ビフェニル−4−イル−4−(3−カルボキシ−プロピオニルアミノ)−2−メチル−ペンタン酸エチルエステル、またN−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−2R−メチルブタン酸エチルエステルとも呼ばれる)、活性型LBQ657(2R,4S)−5−ビフェニル−4−イル−4−(3−カルボキシ−プロピオニルアミノ)−2−メチル−ペンタン酸)に変換されるネプリライシン(中性エンドペプチダーゼ24.11、NEP)阻害剤(NEPi)プロドラッグ、およびアンジオテンシンIIタイプ1(AT1)受容体の阻害をもたらすバルサルタンへの全身曝露がもたらされる。
驚くべきことに、本明細書で定義されるアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害剤(ARNi)を治療上有効な量もしくは予防上有効な量で含有する医薬組成物、または本明細書で定義されるアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)であるバルサルタンと中性エンドペプチダーゼ阻害剤(NEPi)であるサクビトリルのモル比1:1の組合せを治療上有効な量もしくは予防上有効な量で含有する医薬組成物を、それを必要とする患者に投与することによって、肥満した高血圧の対象における糖代謝に好ましい影響がもたらされることが示されている。したがって、結果的にARBおよびNP系の増強を同時に生じる治療的手法によって、HFを含む心血管疾患の患者に有益な代謝作用がもたらされることが示されている。特に、LCZ696は、代謝的に中性な比較物質(comparator)であるアムロジピンと比較して、インスリン感受性、および腹部皮下脂肪組織からの脂質動員を改善することが示されている。
(i)バルサルタンまたは薬学的に許容されるその塩、と
(ii)サクビトリルまたは薬学的に許容されるその塩
の組合せを含有する。
[(A1)(A2)](Na+)y・xH2O(I)
(ここで、
A1はアニオン形態のバルサルタンであり、
A2はアニオン形態のサクビトリルであり、
Na+はナトリウムイオンであり、
yは1〜3であり、かつ
xは0〜3である)
の化合物の形態で提供される。
本明細書および続く特許請求の範囲全体を通して、特に明記されていない限り、次の用語は以下に示す意味で定義される。
a)三ナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物(LCZ696)、または
b)モル比1:1の
(i)バルサルタンまたは薬学的に許容されるその塩、と
(ii)サクビトリルまたは薬学的に許容されるその塩
を治療上有効な量で含む組合せ
であるアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害剤(ARNi)を指す。
1.腹部肥満:男性で102cmを超えるおよび女性で88cmを超える胴囲
2.高トリグリセリド血症:150mg/dL(1.695mmol/L)以上
3.低HDLコレステロール:男性で40mg/dL(1.036mmol/L)未満および女性で50mg/dL(1.295mmol/L)未満
4.高血圧:130/85mmHg以上
5.空腹時グルコース高値:110mg/dL(6.1mmol/L以上)以上。
1.高血圧:160/90mmHg以上
2.高脂血症:150mg/dL(1.695mmol/L)以上のトリグリセリド濃度および/または男性で35mg/dL(0.9mmol/L)未満および女性で39mg/dL(1.0mmol/L)未満のHDLコレステロール
3.中心性肥満:男性で0.90を超えるもしくは女性で0.85を超えるウエスト/ヒップ比および/または30kg/m2を超える体格指数(BMI)
4.微量アルブミン尿:20μg/分以上の尿中アルブミン排泄率または20mg/g以上のアルブミン/クレアチニン比。
クラスI:身体活動の制限なし。通常の身体活動によって、過度の息切れ、疲労、または動悸を生じない。
クラスII:身体活動の軽度の制限。安静時は安定しているが、通常の身体活動によって、過度の息切れ、疲労、または動悸を生じる。
クラスIII:身体活動の高度の制限。安静時は安定しているが、通常を下回る身体活動によって、過度の息切れ、疲労、または動悸を生じる。
クラスIV:不快感を伴わずにはいかなる身体活動も続行することができない。安静時、症状が現れることがある。いずれの身体活動を行っても、不快感が増す。
本発明は、実施例の項でより詳細に記載されている臨床試験に基づいて、8週間のLCZ696による治療によって、インスリン感受性が改善され、高血圧および腹部脂肪症の患者において安静時および運動時に、全身の脂肪分解および脂質酸化を変化させることなく腹部皮下脂肪組織からの脂質動員が引き起こされること、これによって、AT1受容体遮断を背景に、ナトリウム利尿ペプチドなどのネプリライシンの基質が増加し続けることとヒトの糖代謝および脂質代謝との関連性が初めて裏付けられたことを示している。
本発明は、心不全または高血圧などの心血管系の疾患または状態の治療に有効な特定の薬物(すなわち、LCZ696)は、ヒト対象において、肥満およびインスリン抵抗性などのメタボリックシンドローム(metabolic disease syndromes)に対しても有益な効果を提供し、これによって、心血管疾患の治療の可能性を高めることが可能であるという驚くべき予想外の発見に基づく。
1.腹部肥満:男性で102cmを超えるおよび女性で88cmを超える胴囲
2.高トリグリセリド血症:150mg/dL(1.695mmol/L)以上
3.低HDLコレステロール:男性で40mg/dL(1.036mmol/L)未満および女性で50mg/dL(1.295mmol/L)未満
4.高血圧:130/85mmHg以上
5.空腹時グルコース高値:110mg/dL(6.1mmol/L以上)以上
1.高血圧:160/90mmHg以上
2.高脂血症:150mg/dL(1.695mmol/L)以上のトリグリセリド濃度および/または男性で35mg/dL(0.9mmol/L)未満および女性で39mg/dL(1.0mmol/L)未満のHDLコレステロール
3.中心性肥満:男性で0.90を超えるもしくは女性で0.85を超えるウエスト/ヒップ比および/または30kg/m2を超えるBMI
4.微量アルブミン尿:20μg/分以上の尿中アルブミン排泄率または20mg/g以上のアルブミン/クレアチニン比。
i)NYHAクラスII、III、またはIVの心不全
ii)血漿BNPまたはNT−proBNPレベルの増加、好ましくは、血漿BNPが100pg/mL以上(またはNT−proBNPが400pg/mL以上)、より好ましくは、血漿BNPが150pg/mL以上またはNT−proBNPが600pg/mL以上、および
iii)左室駆出率(LVEF)が40%以下、好ましくは、35%以下に低下。
iv)最近12カ月以内の心不全による入院歴
v)安定したACE阻害剤またはARB、用量10mg以上1日1回のエナラプリル+β遮断薬(禁忌または不耐性の場合を除く)+アルドステロン拮抗薬(適応通り)、
vi)収縮期血圧が95mmHg以上、
vii)eGFRが30mL/分/1.73m2、および
viii)血清Kが5.4mEq/L。
a)用量50mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、サクビトリル24mgおよびバルサルタン26mgに相当し、
b)用量100mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、サクビトリル49mgおよびバルサルタン51mgに相当し、かつ
c)用量200mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、サクビトリル97mgおよびバルサルタン103mgに相当する。
a)用量50mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、約56.6mgのLCZ696に相当し、
b)用量100mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、約113.1mgのLCZ696に相当し、かつ
c)用量200mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、約226.2mgのLCZ696に相当する。
− 本発明に従って使用する医薬を製造するための、本明細書で定義されるモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンを含有する医薬組成物の使用、
− 本明細書で定義されるモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンを含有する医薬組成物の本発明に従った使用、
− 本発明に従って使用するための、本明細書で定義されるモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンを含有する医薬組成物
に等しく適用可能である。
本発明の文脈では、「モル比1:1のサクビトリルとバルサルタン」という用語は、モル比1:1の
(i)バルサルタンまたは薬学的に許容されるその塩、および
(ii)サクビトリルまたは薬学的に許容されるその塩
を治療上有効な量で含有する組合せを指す。
(i)バルサルタン、と
(ii)N−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−2R−メチルブタン酸エチルエステルまたはナトリウム塩もしくはカルシウム塩などの薬学的に許容されたその塩
を含有する。
[(A1)(A2)](Na+)y・xH2O(I)
(ここで、
A1はアニオン形態のバルサルタンであり、
A2はアニオン形態のサクビトリルであり、
Na+はナトリウムイオンであり、
yは1〜3、好ましくは1、2、または3であり、かつ
xは0〜3、好ましくは0、0.5、1、1.5、2、2.5、または3である)
の化合物の形態で提供される。
(i)バルサルタンまたは(S)−N−バレリル−N−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)−ビフェニル−4−イル]−メチル)}−バリン)もしくは薬学的に許容されるその塩は、市販業者から購入することができ、または米国特許第5,399,578号および欧州特許第0443983号に記載されているような公知の方法に従って調製することができ、これらの調製のための教示は、参照により本明細書に組み込まれる。バルサルタンは、本発明の特定の実施形態において、任意の適当な塩の形態と同様にその遊離酸の形態で使用されてもよい。状況に応じて、エステルまたはカルボキシル基(grouping)の他の誘導体を、テトラゾール基の塩および誘導体と同様に用いてもよい。
(ii)サクビトリル、すなわちN−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−2R−メチルブタン酸エチルエステルまたは(2R,4S)−5−ビフェニル−4−イル−4(3−カルボキシ−プロピオニルアミノ)−2−メチル−ペンタン酸は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,217,996号に記載されているような公知の方法に従って調製することができる。
個々の態様において、本発明は、モル比1:1のサクビトリルとバルサルタンの組合せを治療上有効な量または予防上有効な量で含有し、ヒト患者における代謝性疾患の予防または治療に使用するための医薬組成物に関する。
a)用量50mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、サクビトリル24mgおよびバルサルタン26mgに相当し、
b)用量100mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、サクビトリル49mgおよびバルサルタン51mgに相当し、かつ
c)用量200mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、サクビトリル97mgおよびバルサルタン103mgに相当する。
a)用量50mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、約56.6mgのLCZ696に相当し、
b)用量100mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、約113.1mgのLCZ696に相当し、かつ
c)用量200mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、約226.2mgのLCZ696に相当する。
別の態様では、本発明は、ヒト患者における代謝性疾患の予防または治療に使用する医薬製造のための、モル比1:1のサクビトリルとバルサルタンを治療上有効な量または予防上有効な量で含有する医薬組成物の使用に関する。
a)用量50mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、サクビトリル24mgおよびバルサルタン26mgに相当し、
b)用量100mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、サクビトリル49mgおよびバルサルタン51mgに相当し、かつ
c)用量200mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、サクビトリル97mgおよびバルサルタン103mgに相当する。
a)用量50mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、約56.6mgのLCZ696に相当し、
b)用量100mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、約113.1mgのLCZ696に相当し、かつ
c)用量200mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、約226.2mgのLCZ696に相当する。
被験薬LCZ696:
LCZ696は、超分子複合体である三ナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物を指す。この化合物およびその医薬組成物は、過去に国際公開第2007/056546号および国際公開第2009/061713号に開示されており、これらの調製のための教示は、参照により本明細書に組み込まれる。
アムロジピンまたはアムロジピンベシル酸塩は、市販業者から購入することができる。アムロジピンは、高血圧および冠状動脈疾患の治療薬として承認されている。
軽度から中等度の高血圧および腹部脂肪症の患者98名を、二重盲検、ダブルダミー様式で1日1回、8週間、LCZ696を400mg投与する群とアムロジピン(AML)を10mg投与する群に無作為化に割り付けた。ベースラインおよび8週目に、末梢インスリン感受性(高インスリン正常血糖クランプ法)、腹部皮下脂肪組織の脂肪分解(微小透析法)、全身の脂肪分解(グリセロールトレーサー動態)、エネルギー消費および基質酸化(間接熱量測定法)を判定した。
試験集団には、未治療の(スクリーニング時平均座位収縮期血圧[msSBP]130mmHg以上および180mmHg未満)または2つのクラスまでの降圧剤を投与されている(スクリーニング時msSBP160mmHg以下および4週間のウォッシュアウト期間終了時180mmHg未満)高血圧を伴う、年齢18歳以上の肥満した男性および女性(それぞれ、胴囲102cm以上および88cm以上)が含まれている。女性は妊娠の可能性がない必要があった。主な除外基準は、重度の高血圧(スクリーニング時またはウォッシュアウト期間終了時msDBP100mmHg以上および/またはmsSBP180mmHg以上)、1型または2型糖尿病(空腹時血漿グルコース126mg/dL以上またはHbA1c6.5%以上)、薬物療法を必要とする脂質異常症、抗高血圧薬、抗糖尿病薬、もしくは糖代謝や脂質代謝に作用する薬物の併用、心臓の構造異常もしくは機能異常の過去もしくは現行の診断、HF(NYHAクラスII〜IV)の既往歴もしくは現行の診断、心筋梗塞の既往歴、スクリーニング6カ月前までの冠動脈バイパス手術もしくは経皮的冠動脈形成術、血管浮腫の既往歴、または治験薬に対する過敏症であった。
試験デザイン
これは、多施設共同、無作為化、二重盲検、ダブルダミー、実薬対照、並行群間試験であった。試験は、4週間に及ぶ初期スクリーニング期間、続く4週間のウォッシュアウト期間および8週間の無作為化、二重盲検治療期間を含む。スクリーニング時に抗高血圧薬を投与されていた患者は、ウォッシュアウト期間中に治療薬の投与を中止された。
アムロジピンを10mgでQDに対するLCZ696を400mgでQDにおけるベースラインから8週目までのインスリン感受性の変化を、高インスリン正常血糖クランプ法(HEGC)によって測定した。HEGC評価は、空腹状態で1日目(ベースライン)および56日目に実施された。手の甲の静脈にカテーテルを挿入し、動脈血化血液サンプリングのために加温し続け、また反対側の腕にグルコースおよびインスリンを注入するためのカテーテルを挿入した。手順は、プライミング後の2時間のインスリン注入(最初の10分間にわたるプライミング投与[0〜5分に103mU/m2/分および5〜10分に57mU/m2/分]後、40mU/m2/分で2時間後まで持続注入)と血糖レベルを90.1mg/dL(5.0mmol/L)に維持しつつ、定常状態血漿インスリンレベルとするための可変量のグルコース注入で構成された。HEGC中の血糖レベルを確定するための血液サンプルは、連続的に(自動クランプ)または約5分間隔で(手動クランプ)採取された。クランプの最後の30分間(90〜120分)は、定常状態期間とみなし、この期間の平均グルコース注入速度を算出した。
安静時の脂肪分解の評価は、1日目の最初の投与前および57日目に実施された。腹部皮下脂肪組織の脂肪分解は、空腹状態での微小透析法によって評価された。前述のとおり、微小透析プローブを、局所麻酔および無菌条件下で、臍から外側に5〜8cmの皮下脂肪組織内に留置した。26方法は、プローブを、流速0.3μL/分の灌流液(50mMエタノール+T1灌流液、μ Dialysis AB、Sweden)で満たす間の60分間の回復期間、続く60分間の流量校正期間で構成された。流量校正期間中、灌流速度を、最初の30分間は0.3μL/分に維持し、その後の残り30分間は2.0μL/分に上げた。分析物を測定するための微小透析液サンプルを、流量校正期間中の30分および45分の時点で採取した。
全身の脂肪分解は、[1,1,2,3,3−2H]−グリセロールトレーサー動態の測定によって推測された。該評価は、微小透析法の手順と同時に1日目および57日目に行われた。微小透析法の流量校正期間の開始時にグリセロールトレーサーのボーラスを注入し、続いてサンプリング期間の終了時まで持続的に注入した。血液サンプルを、流量校正期間中の0、30、40、50、および60分の時点で採取し、その後の15、30、および45分の時点で採取した。内因性グリセロールの出現率(Ra)を、血漿グリセロールトレーサー濃縮物に対するグリセロールトレーサー注入速度の比率として算出した。定常状態において、グリセロールRaを、Steeleの式を用いてグリセロールトレーサー濃縮物から算出した。27
エネルギー消費および基質酸化を、換気フードシステムを使用し、間接熱量測定法によって並行して評価した。換気フード測定は、安静状態で30分間(流量校正期間中)記録された。安静時エネルギー消費は、Weirの簡易式28(REE=[3.9(VO2)+1.1(VCO2)]1.44kcal)(VO2およびVCO2はL/分として表記)を用いて算出され、安静時の24時間以内に身体が必要とするエネルギーの推定量を提供する(すなわち、治療に伴うREEの増加は、エネルギー需要とは関係のない安静時の基質酸化の増加を示唆する)。
座位BPを、スクリーニング時および本試験全体を通し、同じ装置を使用してモニタリングした。在宅期間中、患者は、自宅用測定装置を渡され、週2回、各朝のほぼ同じ時間(午前7〜9時)にBPをモニタリングするよう指示された。
安全性評価には、有害事象(AE)および重篤な有害事象(SAE)が含まれ、これらは本試験全体を通し、バイタルサイン(BPおよび脈拍の測定)、ECG、体調、および体重の評価に加え、血液学的検査、血液化学検査、および尿検査の定期的なモニタリングによって実施された。
薬力学(PD)解析対象集団には、PDデータの入手が可能であり、PDデータに関連する影響を伴う治験実施計画書からの逸脱がないすべての患者が含まれた。安全性解析対象集団には、いずれかの治験薬を投与されたすべての患者が含まれた。
対象
本試験に登録された患者98名のうち、92名の患者(93.9%)が試験を終了した。LCZ696治療群から2名の患者(動脈瘤のくも膜下破裂1例と掻痒症1例)およびアムロジピン群から3名の患者(腎結石症、高血圧、および末梢性浮腫を各1例ずつ)が、AEによって脱落した。
クランプ中の血漿グルコースおよびインスリンのプロファイルは、手順を反映した。インスリンは、クランプ手順の最後の30分間にわたって定常状態に達した。
ベースラインから57日目までのグリセロールの増加は、LCZ696群のすべての時点で認められた(30+45分における調整幾何平均の比[95%CI]:1.05[0.93;1.18])が、この変化は、統計的有意性に達していなかった。アムロジピン群と比較して、ベースラインからのグリセロールレベルの変化は、57日目の45分の時点においてLCZ696群で有意に高かった(45分:1.26[1.04、1.53]、p=0.020;30+45分:1.22[1.03、1.45]、p=0.026)。(表3参照)
1日目におけるベースラインの内因性グリセロール出現の幾何平均の比(95%CI)は、LCZ696およびアムロジピン群、それぞれにおいて、172.8(158.0;189.0)および200.6(182.4;220.6)μmol/kg.分−1であった。全身グリセロール放出(出現率)は、アムロジピン治療による有意な影響を受けなかったが、LCZ696投与群において1日目に対し57日目では有意に低下した(幾何平均の比[95%CI]、0.93[0.87、1.00];p=0.045)。
1日目の平均RQ(LCZ696およびAMLの群における平均[SD]:0.773[0.063]および0.768[0.051])および安静時エネルギー消費(2134.81[397.98]kcalおよび2180.30[548.78]kcal)は、群間で同程度であった。RQおよびREEは、いずれの治療群においても、また治療群間においても、57日目にベースラインとの有意差はなかった(平均群間差:[95%CI]:RQ、0.012[−0.028;0.051]、p=0.557;REE、−31.26(−149.75;87.24)kcal、p=0.601)。(表4参照)
ベースラインのmsSBP(141.7±11.2および139.7±12.6mmHg)およびmsDBP(90.2±6.1および91.9±5.9mmHg)は、それぞれ、LCZ696およびアムロジピン群間で同程度であった。57日目の、msSBP(それぞれ、−21.0±16.1mmHgと−12.4±14.7mmHg)およびmsDBP(それぞれ、−12.4±9.1mmHgと−10.0±7.8mmHg)における平均低下は、それぞれ、アムロジピン群と比較してLCZ696で有意に高かった。
安全性解析対象集団の患者98名のうち、67名の患者(68.4%)が、少なくとも1つのAEを経験した。AEの全体的な発生率は、アムロジピン群と比較してLCZ696群でより低かった(77.1%に対して60.0%)。合計5名の患者がAEのため投与中止となった:2名の患者は、治験薬との関連が疑われていないSAEのため投与中止となった(LCZ696群の患者1名に破裂性脳動脈瘤およびアムロジピン群の患者1名に腎結石症);3名の患者は、治験薬との関連が疑われるAEのため投与中止となった(LCZ696群の患者1名に掻痒症およびアムロジピン群で高血圧および末梢性浮腫が1例)。
LCZ696群およびAML群は、年齢、血圧、および体格指数(LCZ696で32.6±4.6kg/m2、AMLで33.3±4.4kg/m2)に関するベースライン特性が同等であった。8週目において、インスリン感受性指数は、LCZ696群で改善傾向を示し(LCZ696で1.88μg/kg*分/(mmol/L*pmol/L);AMLで1.76μg/kg*分/(mmol/L*pmol/L)、p=0.128)、グルコース注入速度/体重は、LCZ696群で有意に高かった(LCZ696で4.49mg/分*kg;AMLで3.88;p=0.0156)。安静時の皮下脂肪組織の脂肪分解は、LCZ696群で増加したが、AML群で減少した(8週目の組織内グリセロールレベル;LCZ696で80.53μmol/L;アムロジピンで63.99μmol/L;p=0.003)のに対して、エタノール比ならびにグルコースおよび乳酸レベルには関連する変化が認められなかった。皮下脂肪組織の脂肪分解における見かけ上の運動による増加は、15分および30分の運動時、AML群と比較してLCZ696群で多かった(8週目の微小透析液グリセロール;15分の運動:128.8μmol/Lに対し153.1μmol/L、p=0.014;30分の運動:149.19μmol/Lに対し187.63μmol/L、p=0.010)。安静時および運動時の全身の脂肪分解に群間差はなかった。呼吸商は、両治療群で運動によって増加したが、安静時および運動時のエネルギー消費および呼吸商に群間差はなかった。
結論として、8週間のLCZ696治療によって、インスリン感受性が改善され、高血圧および腹部脂肪症の患者において安静時および運動時に、全身の脂肪分解および脂質酸化を変化させることなく腹部皮下脂肪組織からの脂質動員が引き起こされ、これによって、AT1受容体遮断の背景に、ナトリウム利尿ペプチドなどのネプリライシンの基質が増加し続けることとヒト糖代謝および脂質代謝との関連性が初めて裏付けられた。
具体的には、本発明は以下の実施形態に関する:
a)用量50mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、サクビトリル24mgおよびバルサルタン26mgに相当し、
b)用量100mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、サクビトリル49mgおよびバルサルタン51mgに相当し、かつ
c)用量200mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、サクビトリル97mgおよびバルサルタン103mgに相当する、
実施形態18に記載の方法。
a)用量50mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、約56.6mgのLCZ696に相当し、
b)用量100mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、約113.1mgのLCZ696に相当し、かつ
c)用量200mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、約226.2mgのLCZ696に相当する、
実施形態19に記載の方法。
a)用量50mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、サクビトリル24mgおよびバルサルタン26mgに相当し、
b)用量100mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、サクビトリル49mgおよびバルサルタン51mgに相当し、かつ
c)用量200mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、サクビトリル97mgおよびバルサルタン103mgに相当する、
実施形態38に記載の使用のための医薬組成物。
a)用量50mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、約56.6mgのLCZ696に相当し、
b)用量100mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、約113.1mgのLCZ696に相当し、かつ
c)用量200mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、約226.2mgのLCZ696に相当する、
実施形態39に記載の使用のための医薬組成物。
a)用量50mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、サクビトリル24mgおよびバルサルタン26mgに相当し、
b)用量100mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、サクビトリル49mgおよびバルサルタン51mgに相当し、かつ
c)用量200mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、サクビトリル97mgおよびバルサルタン103mgに相当する、
実施形態58に記載の使用。
a)用量50mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、約56.6mgのLCZ696に相当し、
b)用量100mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、約113.1mgのLCZ696に相当し、かつ
c)用量200mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、約226.2mgのLCZ696に相当する、
実施形態59に記載の使用。
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a)用量50mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、約56.6mgのLCZ696に相当し、
b)用量100mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、約113.1mgのLCZ696に相当し、かつ
c)用量200mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、約226.2mgのLCZ696に相当する、
実施形態59に記載の使用。
本発明は以下の態様を包含し得る。
[1] モル比1:1のサクビトリルとバルサルタンの組合せを治療上有効な量または予防上有効な量で含有し、ヒト患者における代謝性疾患の予防または治療に使用するための医薬組成物。
[2] 前記代謝性疾患が、次の判定基準、脂肪症、インスリン抵抗性、糖代謝異常、耐糖能異常(IGT)、空腹時血漿グルコース異常の状態、メタボリックシンドローム、2型糖尿病;高血糖症、高インスリン血症、高脂血症、脂質異常症、および高トリグリセリド血症から選択される少なくとも1つによって判明する、上記[1]に記載の使用のための医薬組成物。
[3] 前記代謝性疾患が、次の判定基準、インスリン抵抗性、メタボリックシンドローム、および脂肪症、具体的には腹部脂肪症から選択される少なくとも1つによって判明する、上記[1]または[2]に記載の使用のための医薬組成物。
[4] モル比1:1のサクビトリルとバルサルタンが、化合物である三ナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物(LCZ696)の形態で送達される、上記[1]から[3]のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
[5] 前記ヒト患者が心血管疾患にも罹患している、上記[1]から[4]のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
[6] 前記患者が高血圧または心不全に罹患している、上記[5]に記載の使用のための医薬組成物。
[7] 前記患者が心不全、具体的には駆出率が低下した慢性収縮期心不全(HF−rEF)または駆出率が保持されている心不全(HF−pEF)に罹患している、上記[6]に記載の使用のための医薬組成物。
[8] 治療上有効な量のモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンの組合せが、前記患者において、インスリン感受性の改善および腹部脂質動員の増加から選択される少なくとも1つの生理学的効果を引き起こすのに有効である、上記[1]から[7]のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
[9] 治療上有効な量のモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンの組合せが、前記患者において、糖代謝を改善するために有効である、上記[1]から[8]のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
[10] 前記患者が高血圧および腹部脂肪症に罹患している、または心不全および腹部脂肪症に罹患している、上記[1]から[9]のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
[11] 治療上有効な量のモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンの組合せが、心血管疾患および脂肪症に罹患している患者において、糖代謝の改善および腹部脂質動員の増加に有効である、上記[1]から[10]のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
[12] モル比1:1のサクビトリルとバルサルタンの組合せの1日の全用量である約50mgから約400mgを送達するために投与される、上記[1]から[11]のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
[13] モル比1:1のサクビトリルとバルサルタンの組合せを1日2回、用量50mg、100mg、または200mgで送達するために投与される、上記[1]から[12]のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
[14] a)用量50mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、サクビトリル24mgおよびバルサルタン26mgに相当し、
b)用量100mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、サクビトリル49mgおよびバルサルタン51mgに相当し、かつ
c)用量200mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、サクビトリル97mgおよびバルサルタン103mgに相当する、
上記[13]に記載の使用のための医薬組成物。
[15] モル比1:1のサクビトリルとバルサルタンが、化合物である三ナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物(LCZ696)の形態で送達され、ここで、
a)用量50mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、約56.6mgのLCZ696に相当し、
b)用量100mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、約113.1mgのLCZ696に相当し、かつ
c)用量200mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、約226.2mgのLCZ696に相当する、
上記[14]に記載の使用のための医薬組成物。
Claims (15)
- モル比1:1のサクビトリルとバルサルタンの組合せを治療上有効な量または予防上有効な量で含有し、ヒト患者における代謝性疾患の予防または治療に使用するための医薬組成物。
- 前記代謝性疾患が、次の判定基準、脂肪症、インスリン抵抗性、糖代謝異常、耐糖能異常(IGT)、空腹時血漿グルコース異常の状態、メタボリックシンドローム、2型糖尿病;高血糖症、高インスリン血症、高脂血症、脂質異常症、および高トリグリセリド血症から選択される少なくとも1つによって判明する、請求項1に記載の使用のための医薬組成物。
- 前記代謝性疾患が、次の判定基準、インスリン抵抗性、メタボリックシンドローム、および脂肪症、具体的には腹部脂肪症から選択される少なくとも1つによって判明する、請求項1または2に記載の使用のための医薬組成物。
- モル比1:1のサクビトリルとバルサルタンが、化合物である三ナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物(LCZ696)の形態で送達される、請求項1から3のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
- 前記ヒト患者が心血管疾患にも罹患している、請求項1から4のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
- 前記患者が高血圧または心不全に罹患している、請求項5に記載の使用のための医薬組成物。
- 前記患者が心不全、具体的には駆出率が低下した慢性収縮期心不全(HF−rEF)または駆出率が保持されている心不全(HF−pEF)に罹患している、請求項6に記載の使用のための医薬組成物。
- 治療上有効な量のモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンの組合せが、前記患者において、インスリン感受性の改善および腹部脂質動員の増加から選択される少なくとも1つの生理学的効果を引き起こすのに有効である、請求項1から7のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
- 治療上有効な量のモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンの組合せが、前記患者において、糖代謝を改善するために有効である、請求項1から8のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
- 前記患者が高血圧および腹部脂肪症に罹患している、または心不全および腹部脂肪症に罹患している、請求項1から9のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
- 治療上有効な量のモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンの組合せが、心血管疾患および脂肪症に罹患している患者において、糖代謝の改善および腹部脂質動員の増加に有効である、請求項1から10のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
- モル比1:1のサクビトリルとバルサルタンの組合せの1日の全用量である約50mgから約400mgを送達するために投与される、請求項1から11のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
- モル比1:1のサクビトリルとバルサルタンの組合せを1日2回、用量50mg、100mg、または200mgで送達するために投与される、請求項1から12のいずれか1項に記載の使用のための医薬組成物。
- a)用量50mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、サクビトリル24mgおよびバルサルタン26mgに相当し、
b)用量100mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、サクビトリル49mgおよびバルサルタン51mgに相当し、かつ
c)用量200mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、サクビトリル97mgおよびバルサルタン103mgに相当する、
請求項13に記載の使用のための医薬組成物。 - モル比1:1のサクビトリルとバルサルタンが、化合物である三ナトリウム[3−((1S,3R)−1−ビフェニル−4−イルメチル−3−エトキシカルボニル−1−ブチルカルバモイル)プロピオネート−(S)−3’−メチル−2’−(ペンタノイル{2”−(テトラゾール−5−イルエート)ビフェニル−4’−イルメチル}アミノ)ブチレート]ヘミペンタ水和物(LCZ696)の形態で送達され、ここで、
a)用量50mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、約56.6mgのLCZ696に相当し、
b)用量100mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、約113.1mgのLCZ696に相当し、かつ
c)用量200mgのモル比1:1のサクビトリルとバルサルタンは、約226.2mgのLCZ696に相当する、
請求項14に記載の使用のための医薬組成物。
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