図において、同一の記号表示を有する要素は、同一又は類似の機能を有する。
以下の記述では、本開示と一致する幾つかの実施形態を記載する具体的な詳細を示す。しかしながら、幾つかの実施形態はこれらの具体的な詳細の一部又は全部なしで実施されてよいことが当業者に明らかであろう。本明細書に開示する具体的な実施形態は例示的であることを意図し、限定的であることを意図しない。当業者は、本明細書で具体的に記載されていなくても、他の要素が本開示の範囲及び精神内にあることを認識することがある。加えて、不必要な繰返しを避けるために、1つの実施形態に関連して示し且つ記載する1以上の構成は、他のことが特に記載されていない限り或いは1以上の構成が実施形態を機能しないようにさせない限り、他の実施形態に組み込まれてよい。
図1は、幾つかの実施形態に従ったコンピュータ支援システム100の簡略図である。図1に示すように、コンピュータ支援システム100は、1以上(1つ又はそれよりも多く)の可動又は関節作動アーム120(articulated arms)を備えたコンピュータ支援デバイス110を含む。1以上の関節作動アーム120の各々は、1以上の器具130を支持してよい。幾つかの例において、コンピュータ支援デバイス110は、コンピュータ支援手術デバイスと一致してよい。1以上の関節作動アーム120は、それぞれ、手術器具、撮像デバイス、及び/又は同等物のような、医療器具130のための支持をもたらしてよい。幾つかの例において、器具130は、実行(performing)、把持(gripping)、(retracting)、焼灼(cauterizing)、切除(ablating)、縫合(suturing)、切断(cutting)、ステープル留め(stapling)、融合(fusing)、封止(sealing)など、及び/又はこれらの組み合わせを行うことができる、エンドエフェクタを含んでよい。
コンピュータ支援デバイス110は、操作者ワークステーション(図示せず)に更に連結されてよく、操作者ワークステーションは、コンピュータ支援デバイス110、1以上の関節作動アーム120及び/又は器具130を作動させる、1以上のマスターコントロール(主制御装置)を含んでよい。幾つかの例において、1以上のマスターコントロールは、マスターマニピュレータ、レバー、ペダル、スイッチ、キー、ノブ、トリガ、及び/又は同等物を含んでよい。幾つかの実施形態において、コンピュータ支援デバイス110及び操作者ワークステーションは、Sunnyvale, CaliforniaのIntuitive Surgical, Inc.によって市販されているda Vinci(登録商標)Surgical Systemに対応してよい。幾つかの実施形態では、他の構成、より少ない若しくはより多い関節作動アーム、及び/又は同等物を備える、コンピュータ支援手術デバイスが、コンピュータ支援システム100と共に用いられてよい。
コンピュータ支援装置110は、インターフェースを介して制御ユニット140に連結される。インターフェースは、1以上のケーブル、ファイバ、コネクタ、及び/又はバスを含んでよく、1以上のネットワークスイッチング及び/又はルーティングデバイスを備える1以上のネットワークを更に含んでよい。制御ユニット140は、メモリ160に連結されるプロセッサ150を含む。制御ユニット140の動作は、プロセッサ150によって制御される。制御ユニット140は、1つのプロセッサ150のみで示されているが、プロセッサ150は、制御ユニット内の1以上の中央処理装置、マルチコアプロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(EPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、及び/又は同等物の代表であってよい。制御ユニット140は、スタンドアローンサブシステム及び/又はコンピュータデバイスに追加されたボードとして或いは仮想マシンとして実施されてよい。幾つかの実施形態において、制御ユニット140は、操作者ワークステーションの部分として含められてよく、且つ/或いは操作者ワークステーションと別個であるが操作者ワークステーションと協調して作動させられてよい。
メモリ160は、制御ユニット140によって実行されるソフトウェア及び/又は制御ユニット140の動作中に用いられる1以上のデータ構造を格納するために用いられてよい。メモリ160は、1以上の種類の機械可読媒体を含んでよい。機械可読媒体の幾つかの一般的な形態は、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD−ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、孔のパターンを備える任意の他の物理的媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH−EPROM、任意の他のメモリチップ若しくはカートリッジ、及び/又はプロセッサ若しくはコンピュータが読み出すように構成される任意の他の媒体を含んでよい。
図1に示すように、メモリ160は、コンピュータ支援デバイス110の自律的な、半自律的な、及び/又は遠隔操作された制御をサポートするために用いられてよい制御アプリケーション170を含む。制御アプリケーション170は、コンピュータ支援装置110、関節作動アーム120、及び/又は器具130から位置、動き、力、トルク、及び/又は他のセンサ情報を受信し、位置、動き、力、トルク、及び/又は衝突回避情報を他のデバイスに関する他の制御ユニットと交換し、且つ/或いは、コンピュータ支援デバイス110、関節作動アーム120、及び/又は器具130の動き計画し且つ/或いは計画を支援するために、1以上のアプリケーションプログラミングインタフェース(API)を含んでよい。幾つかの例において、制御アプリケーション170は、外科処置中の器具130の自律的な、半自律的な、及び/又は遠隔操作される制御を更にサポートしてよい。制御アプリケーション170は、ソフトウェアアプリケーションとして示されているが、制御アプリケーション170は、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせを用いて実装されてよい。
幾つかの実施形態において、コンピュータ支援システム100は、手術室及び/又は介入室内に見出されることがある。コンピュータ支援システム100は、2つの関節作動アーム120及び対応する器具130を備える1つだけのコンピュータ支援デバイス110を含むが、当業者は、コンピュータ支援システム100がコンピュータ支援デバイス110と類似の及び/又は異なる設計の関節作動アーム及び/又は器具を備える任意の数のコンピュータ支援デバイスを含んでよいことを理解するだろう。幾つかの例において、コンピュータ支援デバイスの各々は、より少ない又はより多い関節作動アーム及び/又は器具を含んでよい。
図2は、幾つかの実施形態に従った最小侵襲性の手術器具200を示す簡略図である。幾つかの実施形態において、手術器具200は、図1の器具130のいずれかと一致してよい。本明細書で用いられる図2に描くような「近位」(“proximal”)及び「遠位」(“distal”)という方向は、手術器具200のコンポーネントの相対的な向き及び場所を記載するのに役立つ。遠位は、一般的に、コンピュータ支援デバイス110のようなコンピュータ支援デバイスの基部(ベース)からの運動学的連鎖に沿って離れる方向における及び/又は手術器具200の意図される操作的使用において手術作業部位に最も近い要素を指す。近位は、一般的に、コンピュータ支援デバイスの基部及び/又はコンピュータ支援デバイスの関節作動アームの1つに向かう運動学的連鎖に沿うより近い方向における要素を指す。
図2に示すように、手術器具200は、長いシャフト210を含み、シャフト210は、シャフト210の遠位端に配置されるエンドエフェクタ220を、手術器具200がシャフト210の近位端で関節作動アーム及び/又はコンピュータ支援デバイスに取り付けられる場所に連結するために用いられる。手術器具200を用いる特定の手順に依存して、シャフト210は、エンドエフェクタ220を患者の解剖学的構造内に位置する遠隔手術部位の近傍に配置するために、開口(例えば、体壁切開部、自然開口部、及び/又は同等のもの)を通じて挿入されてよい。図2に更に示すように、エンドエフェクタ220は、2つのジョー付きグリッパ型のエンドエフェクタと概ね一致しており、幾つかの実施形態では、図3及び4A乃至図4Cに関して以下に更に詳細に記載するように、切断及び/又は融合若しくは封止機構を更に含んでよい。しかしながら、当業者は、異なるエンドエフェクタ220を備える異なる手術器具200が可能であり、本明細書の他の箇所に記載するような手術器具200の実施形態と一致してよいことを理解するであろう。
エンドエフェクタ220を備える手術器具200のような手術器具は、典型的には、その動作中に多数の自由度(DOF)に依存する。手術器具200及び関節作動アーム及び/又はそれが取り付けられるコンピュータ支援デバイスの構成に依存して、エンドエフェクタ220を位置付け、方向付け、且つ/或いは作動させるために用いられてよい様々なDOFが可能である。幾つかの例では、シャフト210を遠位方向に挿入し且つ/或いは近位方向に後退させて、そのエンドエフェクタ220が患者の解剖学的構造内にどれぐらい深く配置されるかを制御するために用いられてよい挿入DOFを提供してよい。幾つかの例では、シャフト210をその長手軸について回転させて、エンドエフェクタ220を回転させるために用いられてよいロールDOFを提供してよい。幾つかの例では、エンドエフェクタの位置及び/又は向きにおける追加的なフレキシビリティ(柔軟性)が、エンドエフェクタ220をシャフト210の遠位端に連結するために用いられる関節作動リスト230(articulated wrist)によって提供されてよい。幾つかの例において、関節作動リスト230は、シャフト210の長手軸に対するエンドエフェクタ220の向きを制御するために用いられてよい(複数の)「ロール」(“roll”)、「ピッチ」(“pitch”)、及び「ヨー」(“yaw”)DOFをそれぞれ提供することがある、1以上のロール、ピッチ、又はヨージョイント(joint)のような、1以上の回転するジョイント(関節)を含んでよい。幾つかの例において、1以上の回転ジョイントは、ピッチ及びヨージョイント、ロール、ピッチ、及びヨージョイント、ロール、ピッチ、及びロールジョイント、及び/又は同等物を含んでよい。幾つかの例において、エンドエフェクタ220は、エンドエフェクタ220のジョーの開閉を制御するために用いられるグリップDOF、及び/又は以下に更に詳細に記載するような切断機構の延伸、収縮、及び作動を制御するために用いられる作動DOFを更に含んでよい。
手術器具200は、シャフト210の近位端に配置される駆動システム240を更に含む。駆動システム240は、手術器具200によってサポートされる様々なDOFを操作するために用いられてよい、手術器具200に力及び/又はトルクを導入する1以上のコンポーネントを含む。幾つかの例において、駆動システム240は、図1の制御ユニット140のような制御ユニットから受信する信号に基づき作動させられる1以上のモータ、ソレノイド、サーボ、能動アクチュエータ、水力学(hydraulics)、空気力学(pneumatics)、及び/又は同等物を含んでよい。幾つかの例において、信号は、1以上の電流、電圧、パルス幅変調波形、及び/又は同等物を含んでよい。幾つかの例において、駆動システム240は、手術器具200を取り付ける関節作動アーム120のうちのいずれかのような関節作動アームの部分一部である、対応するモータ、ソレノイド、サーボ、能動アクチュエータ、水力学、空気力学、及び/又は同等物に連結されてよい、1以上のシャフト、ギア、プーリ、ロッド、バンド、及び/又は同等物を含んでよい。幾つかの例では、シャフト、ギア、プーリ、ロッド、バンド、及び/又は同等物のような、1以上の駆動入力を用いて、モータ、ソレノイド、サーボ、能動アクチュエータ、及び/又は同等物から力及び/又はトルクを受け取り、それらの力及び/又はトルクを適用して手術器具200の様々なDOFを調節してよい。
幾つかの実施形態において、駆動システム240によって生成され且つ/或いは受け取られる力及び/又はトルクは、1以上の駆動機構250を用いて、駆動システム240から、シャフト210に沿って、駆動システム240の遠位に配置される手術器具200の様々なジョイント及び/又は要素に伝達されてよい。幾つかの例において、1以上の駆動機構250は、1以上のギア、レバー、プーリ、ケーブル、ロッド、バンド、及び/又は同等物を含んでよい。幾つか例において、シャフト210は中空であり、駆動機構250は、シャフト210の内側に沿って、駆動システム240から、エンドエフェクタ220及び/又は関節作動リスト230の対応するDOFに進む。幾つかの例において、駆動機構250の各々は、ボーデンケーブルのような構成において中空シース又は内腔の内側に配置されるケーブルであってよい。幾つかの例において、ケーブル及び/又は内腔の内側は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及び/又は同等物のような低摩擦被膜で被覆されてよい。幾つかの例では、ケーブルの各ケーブルの近位端が、例えば、キャプスタン又はシャフトの周りにケーブルを巻き付け且つ/或いは巻き戻すことによって、駆動システム240の内側に引っ張られ且つ/或いは押し込まれると、ケーブルの遠位端は相応して動いて、適切な力及び/又はトルクを適用して、エンドエフェクタ220、関節作動リスト230、及び/又は手術器具200のDOFのうちの1つを調節する。
図3は、幾つか実施形態に従った手術器具200の遠位端の簡略化された斜視図である。図3に示すように、手術器具200の遠位端は、エンドエフェクタ220、関節作動リスト230、及び駆動機構250の追加的な詳細を示すために描かれている。より詳細には、エンドエフェクタ220は、開放位置において示された対向ジョー310を含む。ジョー310は、処置中にエンドエフェクタ220を用いて、組織及び/又は手術部位に配置される縫合糸のような他の構造を把持し且つ解放するよう、開放位置と閉塞位置との間で移動するように構成される。幾つかの例において、ジョー310は、両方のジョー310が同時に開放及び/又は閉塞する単一ユニットとして一緒に操作されてよい。幾つかの例では、例えば、他方のジョーが開放及び/又は閉塞されてよい間に一方のジョー310が安定的に保持され得るよう、ジョー310は独立して開放及び/又は閉塞されてよい。
図3は、ジョー310の各ジョーの内側の把持面が、切断ブレード330のためのガイドとして機能することがある対応する溝320を含むことを示しているが、溝320は、ジョー310の1以上から省かれてよい。ブレード330がエンドエフェクタ220の遠位端に向かって延伸させられ且つ/或いはエンドエフェクタ220の近位端に向かって引っ込められると、溝320の各々は切断動作中に切断ブレード330の整列及び/又は位置決めを助けることがある。切断ブレード330の引抜き(extraction)及び/又は引込み(retraction)は、切断ブレード330を取り付ける駆動コンポーネント340を用いて達成される。幾つかの例において、駆動コンポーネント340は、切断ブレード330を押して切断ブレード330を延伸させ、切断ブレード330を引っ張って切断ブレード330を後退させる。切断ブレード330の使用及び位置決めは、幾つかの実施形態に従ったエンドエフェクタ220の簡略化された切欠図である図4A乃至図4Cに示されている。図4Aは、切断ブレード330と駆動コンポーネント340との間の関係を示している。
エンドエフェクタ220は、ジョー310の近位端に配置されるガレージ構成350(garage feature)を更に含む。ガレージ構成350は、駆動コンポーネント340及び切断ブレード330の両方が通ることがある開口を含む。ガレージ構成350は、切断ブレード330が用いられないときに、切断ブレード330のための安全な格納領域を提供するように構成される。よって、切断ブレード330が切断作業の一部として積極的に用いられるとき、エンドエフェクタ220は、切断ブレード330を、切断ブレード330が図4Bに示すようにジョー310の背後に近位に隠される「格納」(“garaged”)又は収容(stored)位置において、ガレージ構成350内に引っ込めることがあるように、構成される。切断ブレード330は、図4Cに示すように溝320のうちの1つの溝の遠位端に又はその付近に位置付けられる位置まで追加的に延伸させられてよい。幾つかの例において、図4Cに示すような切断ブレード330の位置決めは、切断動作中の切断ブレード330の位置に対応してよい。
幾つかの例において、エンドエフェクタ220及び手術器具200は、切断ブレード330の初期設定又はホーム位置がガレージ構成350内にあるように設計される。このガレージ構成350の配置は、エンドエフェクタ220に幾つかの構成をもたらすことがある。幾つかの例において、切断ブレード330がガレージ構成350内に引っ込められるとき、切断ブレード330の鋭利な切断エッジは、切断ブレード330が処置中の組織及び/又は処置前及び/又は処置後に手術器具200及びエンドエフェクタ200を取り扱う医療従事者を誤って切断する可能性がないように、効果的に被覆される(sheathed)。幾つかの例では、切断ブレード330がガレージ構成350内に引っ込められるとき、切断ブレード330は、切断ブレード330が切断のために積極的に用いられていないときの、偶発的な鈍化(dulling)のような損傷から保護されることもある。
図3に戻ると、幾つかの実施形態において、ジョー310の各ジョーの内側の把持面は、1以上の任意的な電極360を更に含んでよい。幾つかの例では、電極360を用いて、電気外科エネルギを送り、ジョー310の間に保持される組織を融合してよい。幾つかの例では、組織が同じ手術器具200を用いて切断され且つ/或いは融合/封止されてよいよう、電極360はエンドエフェクタ220に電気焼灼、融合、及び/又は封止構成をもたらしてよい。
幾つかの実施形態において、ジョー310、切断ブレード330、及び/又は関節作動リスト230のジョイントの動作は、駆動機構250の対応するものを用いて達成されてよい。幾つかの例では、ジョー310が独立して作動させられるときに、対応する駆動機構250が(例えば、ケーブル、リードスクリュー、及び/又は同等物を用いて)プル力(pull force)及び/又はプッシュ力(pushing force)を適用するに応じて、それぞれのジョー310が開放され且つ/或いは閉塞されてよいように、駆動機構250(ジョー310の各々について1つずつ)のうちの2つの駆動機構の遠位端が、それぞれのジョー310に連結されてよい。幾つかの例では、ジョー310が一緒に操作されるとき、両方のジョー310は、同じ駆動機構250の遠位端に連結されてよい。幾つかの例において、駆動コンポーネント340は、対応する駆動機構250に適用される力及び/又はトルクが駆動コンポーネント340のプッシュ及び/又はプル動作に伝達されてよいように、対応する駆動機構250の遠位端に連結されてよい。幾つかの例では、追加的な駆動機構350を用いて、関節作動リスト230内のロール、ピッチ、及び/又はヨーDOFを作動させてよい。
図5は、幾つかの実施形態に従った自由度についての駆動ユニット500の簡略化された斜視図である。幾つかの実施形態によれば、駆動ユニット500は、図2の駆動システム240中のコンポーネントの部分を表してよい。図5に示すように、駆動ユニット500は、キャプスタン510を回転させてDOFを作動させる回転作動アプローチに基づく。キャプスタン510は、駆動シャフト520に連結され、駆動シャフト520は、モータ、サーボ、能動アクチュエータ、液圧アクチュエータ、空圧アクチュエータ、及び/又は同等物(図示せず)の駆動シャフトであってよい。トルクが駆動シャフト520に適用され、駆動シャフト520及びキャプスタン510が回転させられると、キャプスタン510及び/又は駆動シャフト520に取り付けられるケーブル530は、キャプスタン510及び/又は駆動シャフト520の周りに更に巻き付けられ且つ/或いはそれらから巻き戻されることがある。ケーブル530が、駆動機構250のいずれかのような対応する駆動機構の近位端に取り付けられると、ケーブルの巻付け及び巻戻しは、駆動機構の遠位端に配置されるエンドエフェクタのDOFに適用されることがある対応するプル及びプッシュ力及び/又はトルクになることがある。幾つかの例において、キャプスタン510及び駆動シャフト520の回転、並びにケーブル530の対応する巻付け及び/又は巻戻しは、ジョー310のようなグリッパジョーの開放及び/又は閉塞、切断ブレード530のような切断ブレードの延伸(extending)及び/又は引込み(retracting)、関節作動リストジョイントの屈曲(flexing)及び/又は非屈曲(unflexing)、及び/又は同等のこと引き起こすことがある。幾つかの例において、キャプスタン510及び/又は駆動シャフト520の回転角度及び/又は回転速度をモニタリングすることは、対応する駆動機構を介してケーブル530に連結される対応するDOFの現在位置及び/又は速度を示すこともある。よって、駆動ユニット500が手術器具200のDOFと共に用いられるとき、キャプスタン510及び/又は駆動シャフト520の回転角度及び/又は回転速度は、駆動機構250のうちのどれにケーブル530が連結されるかに依存して、ジョー310が開放されている角度、切断ブレード330の位置、及び/又は関節作動リスト230のピッチ及び/又はヨー角度に関する、有用なフィードバックをもたらすことがある。
DOFが作動していないときに、エンドエフェクタのDOFが初期位置、休止位置、及び/又はホーム位置で構成されることが望ましいことが多いので、幾つかの実施形態では、駆動ユニット500のような駆動ユニットは、駆動ユニット500を対応するホーム位置に戻す抵抗(resitive)及び/又は拘束機構(restraining mechanism)を含んでよい。幾つかの例において、DOFのためのホーム位置の使用は、手術器具200のような手術器具の構成を支持することがあり、その場合、把持ジョー(gripping jaws)は自動的に閉塞され且つ/或いは殆ど閉塞され、切断ブレードはガレージ構成内に引っ込められ、関節作動リストジョイントは真っ直ぐにされ、且つ/或いは同等のことが行われる。図5に示すように、駆動ユニット500は、捩りバネ540の形態の拘束機構を含む。捩りバネ540は、一端550でキャプスタン510に取り付けられ、キャプスタン510に巻き付けられて示されている。キャプスタン510が回転させられると、捩りバネ540の第2の端560は、それが回転して駆動ユニット500の本体の部分であってよいストップ570に当たるまで、自由に回転してよい。捩りバネ540の第2の端560がストップ570に当たった後に、キャプスタン510が回転し続けると、捩りバネ540は、キャプスタン510の回転量及び捩りバネのバネ定数によって決定されるように、拘束及び/又はホーム復帰力及び/又はトルクをキャプスタン510にもたらし始める。よって、より大きい回転量がキャプスタン510に適用されると、捩りバネ540は、増大したホーム復帰力及び/又はトルクをキャプスタン510に適用する。例えば、把持ジョーを閉塞し、切断ブレードを後退させ、且つ/或いは関節作動リストジョイントを真っ直ぐにするために用いられることがあるのは、キャプスタン510に対するこのホーム復帰力及び/又はトルクである。
図5は、キャプスタン510の周りに巻き付けられている捩りバネのような拘束機構を示しているが、当業者は、類似の拘束/ホーム復帰機能を達成する拘束機構のための他の可能な拘束機構及び/又は構成を認識するであろう。幾つかの例において、駆動ユニット500の本体は、ストップ570に起因するホーム復帰力及び/又はトルクと反対方向において、ホーム復帰力及び/又はトルクをキャプスタン510に適用する第2のストップを更に含んでよい。幾つかの例では、捩りバネ540がホーム復帰力及び/又はトルクをキャプスタン510に適用し始める前に、捩りバネ540の自由な動きが許容されないよう、且つ/或いは、キャプスタン510の回転がないにも拘わらず、捩りバネ540が少なくとも幾らかのホーム復帰力及び/又はトルクをキャプスタン510に適用するよう、捩りバネ540の第2の端560は、駆動ユニット500の本体に取り付けられてよい。
幾つかの実施形態によれば、図3及び図4A乃至図4Cの切断ブレード330を備える手術器具200のような切断ツールを用いる切断操作(cutting operation)は、典型的に、多相手術を伴う。例えば、切断操作は、関節作動アームを遠隔操作してエンドエフェクタ220を関心の組織の近傍に配置することによって達成されてよい。その場合には、関節作動リスト230及びジョー310を用いて、関心の組織を把持してよい。関心の組織がひとたび保持されると、駆動ユニット500のような駆動ユニットを用いて、切断ブレード330を遠位方向に急激に延伸させ、切断ブレード330を延伸位置に保持し、次に、切断ブレード330がガレージ構成350内に戻されるまで切断ブレード330を近位方向に後退させることを含む、切断行為を開始してよい。延伸及び後退の間、切断ブレード330は、結果として得られる切断がジョー310の長さに沿って実質的に直線において起こるように、ジョー310の溝320によって案内されてよい。
幾つかの場合、切断操作は計画どおりに進まないことがある。幾つかの例において、ブレード露出は、切断ブレード330がガレージ構成350内のホーム位置に戻ることができない場合に起こることがある。幾つかの例において、ブレード露出は、組織及び/又は他の破片がガレージ構成に向かう切断ブレードの経路と干渉して、切断操作の後退段階中のガレージ構成350内への切断ブレード330の後退を妨げるときに起こることがある。幾つか例では、ブレード露出は、切断ブレード330が捩れるとき及び/又は溝320から出るときに起こることがある。これは、組織、他の破片、駆動コンポーネント340及び/又は駆動機構250からの捩り力、及び/又は同様のことによって引き起こされる、切断ブレード330に対する捩り力に起因して起こることがある。幾つかの例において、ブレード露出を防げること及び/又は減少させることは概ね良い考えである。何故ならば、患者の内から手術器具200及びエンドエフェクタ220を最初に抜き出さないで、ブレード露出を修正し、切断ブレードをガレージ内に引っ込めることは、常に可能であるとは限らないからである。
エンドエフェクタ及び/又は切断ブレードの注意深い設計及び/又は操作は、ブレード露出の可能性を減少させるために用いられてよい。図6A乃至図6Eは、幾つかの実施形態に従ったエンドエフェクタ及び切断ブレード構成の様々な側面図及び正面切欠図の簡略化された図である。図6A及び図6Bは、幾つかの実施形態に従ったブレード露出を減少させるために用いられてよいバンド式(band-style)の切断ブレード630を備えるエンドエフェクタ600の簡略化された側面図及び正面切欠図である。図6A及び図6Bに示すように、エンドエフェクタ600は、組織及び他の構造を把持するために開閉されてよいジョー610を含む。図6A及び図6Bは、ジョー610のそれぞれの把持面が、バンド式の切断ブレード330の延伸及び後退中にバンド式の切断ブレード630を案内するために用いられてよい溝又はスロット620を含んでよいことを示しているが、溝620は把持面のうちの1以上から省かれてよい。バンド式の切断ブレード630を延伸させ且つ後退させるために用いられる力及び/又はトルクは、駆動コンポーネントと概ね類似の駆動コンポーネント640を介してバンド式の切断ブレード630に伝達される。
図6Bの正面切欠図が示すように、バンド式の切断ブレード630は、溝620の長さに沿って摺動してよく、溝620内で上下に摺動してもよい。バンド式の切断ブレード630は、エンドエフェクタ600の近位端内に十分に延びる長いブレードを含む。長いブレードの長さは、切断操作の延伸及び後退中にバンド式の切断ブレードの少なくとも部分がジョー610及び溝620の近位端で溝620内に留まるように設計されるように、選択される。
幾つかの実施形態によれば、エンドエフェクタ600のバンド式の切断ブレード630は、切断ツールとしてのその有効性を制限する幾つかの欠点を被ることがある。幾つかの例において、長いブレードの長さは、ジョー610の動きと干渉することがある。幾つかの例において、長いブレードの長さは、関節作動リスト230のような関節作動リストの使用を不可能にすることがある。何故ならば、長いブレードは、関節作動リストがジョー610からの望ましい距離よりも長く配置されるまで、関節作動リストの屈曲を妨げることがあるからである。幾つかの例では、ブレード露出がバンド式の切断ブレード630を用いて起こるとき、バンド式の切断ブレード630の大きな大きさ及び長い長さは、患者内からエンドエフェクタ600を最初に除去せずにジョー610を閉塞する能力及び/又はブレード露出を除去する能力を有意に妨げることがある。
図6Cは、幾つかの実施形態に従ったIビーム式の切断刃680を用いるエンドエフェクタ650の簡略化された正面切欠図である。図6Cに示すように、ジョー660は、それぞれ、それぞれのジョー660の把持面への開口を含むが、それぞれのジョー660内の拡幅されたスロット領域も含む、大きなスロット670を含む。Iビーム式の切断ブレード680の上端及び下端は、それぞれ、把持面への開口よりも大きい大きさの拡幅されたエンドキャップ690を含む。 これらの拡幅されたエンドキャップ690は、Iビーム式の切断ブレード680の上端及び下端がスロット670から出るのを防げる。
幾つかの実施形態によれば、エンドエフェクタ650のIビーム式(I-beam style)の切断ブレード680は、切断ツールとしてのその有効性を制限する幾つか欠点を被ることがある。幾つかの例において、スロット670の高さは、エンドエフェクタ650の断面を不合理に増加させるので、それは最小侵襲性の手術器具の部分として有用でない。幾つかの例において、Iビーム式の切断ブレード680は、組み合わせ切断及び融合又は封止エンドエフェクタの部分として利用可能でないことがある。何故ならば、Iビーム式の切断ブレード680をスロット670から完全に後退させることは可能でないことがあるからである。何故ならば、そのように行った後にエンドキャップ690をスロット670内に再挿入することは困難なことがあるからである。幾つかの例では、ブレード露出が、例えば、組織及び/又は他の破片の故に、Iビーム式の切断ブレード680を用いて起こるとき、エンドキャップ690は、ジョー660を閉塞及び/又は部分閉塞位置に係止するように作用する。幾つかの例では、ジョー660が組織を依然として把持している間にジョー660が係止されるようになると、外科的に行わないでエンドエフェクタ650を患者から取り外すのは可能でないことがある。
図6D及び図6Eは、幾つかの実施形態に従った図2、図3、及び図4A乃至図4Cからのエンドエフェクタ220の簡略化された側面図および正面切欠図である。図3及び図4A乃至図4Cに関して前述したように、エンドエフェクタ220は、組織及び他の構造を把持するために開閉されてよいジョー310を含む。 ジョー310の各ジョーの把持面は、切断ブレード330の延伸及び後退中に切断ブレード330を案内するために用いられてよい溝又はスロット320を含む。切断ブレード330を延伸させ且つ後退させるために用いられる力及び/又はトルクは、駆動コンポーネント340を介して切断ブレード330に伝達される。
図6Eの正面切欠図が示すように、切断ブレード330は、溝320の長さに沿って摺動してよく、溝320内で上下に摺動してもよい。図示するように、切断ブレード330は、バンド式の切断ブレード630よりもずっと短いブレードを含むので、エンドエフェクタ220は、小さな断面を維持することがあり、関節作動リスト230と共に用いられてもよい。切断ブレード330のより短いブレードは、バンド式のブレード630又はIビーム式のブレード680に対してブレード露出の可能性を増大させることがあるとしても、より短いブレードは、患者の内からエンドエフェクタ220を取り外すことなく、ブレード露出が除去されることがある可能性を増大させることもある。幾つかの例において、これが可能であるのは、切断ブレード330が溝320と整列させられていないとしても、より短いブレードはガレージ構成350内により容易に後退するからである。
幾つかの実施形態によれば、切断ブレード330及びエンドエフェクタ220の適切な動作を通じて切断ブレード330を用いるときに、ブレード露出の可能性は減少させられることがある。幾つかの例では、ジョー310のジョー角に基づき切断ブレード330の動作を防げ且つ/或いは制限することによって、ブレード露出は減少させられることがある。図7A及び図7Bは、幾つかの実施形態に従ったブレード露出の確率のモデルの簡略化された図である。図7Aは、切断ブレード延伸の2つの可能な長さについてのジョー角に対するブレード露出の確率の例示的なモデル700を描いている。曲線710及び720は、両方とも、狭いジョー角、より広いジョー角でブレード露出の確率が急激に増大する領域、及びブレード露出の確率が最大確率に達する飽和領域についての、ブレード露出の比較的低い確率を示している。曲線710は、切断ブレードが曲線720よりも長い距離だけ延伸させられる場合に対応している。
図7Bは、ブレード露出の2つの可能な確率についてのジョー角に対する切断ブレード延伸長さの例示的なモデル750を描いている。曲線760及び770は、両方とも、全長切断ブレード延伸が低いジョー角で可能である領域、ブレード露出の確率を一定に維持するためにジョー角が増加するに応じて切断ブレード延伸の長さが急激に減少しなければならない領域、ブレード露出が受け入れられない確率で起こることなくジョー角の幅の広さの故に切断ブレード延伸がない或いは殆どない領域を示している。曲線760は、ブレード露出のより高い許容差(即ち、より高い確率)が曲線770に対して許容される場合に対応している。
事例的な証拠は、切断ツールの把持ジョー内に保持されるより厚い組織を切断し得るためにブレード露出が起こる特定の可能性を外科医が容認する意思があることを示唆している。この観察と一致して、幾つかの実施形態によれば、図7A及び/又は図7Bのモデル及び曲線は、切断操作中のブレード露出の可能性を管理する2つの方法のうちの1つにおいて用いられてよい。
幾つかの例では、図7Aのモデル700を用いて、所定距離の切断長さが許容される最大ジョー角を決定してよい。切断ツールの動作中、ジョー角が最大ジョー角を超えるとき、所定の距離の切断は禁止されてよい。幾つかの例では、切断長さが18mmであり、切断ブレード330の高さが2.54mmであり、ブレード露出の許容差が10%であるとき、最大ジョー角は約7度であってよい。
幾つかの例では、図7Bのモデル750を用いて、現在のジョー角に基づき最大切断長さを制限してよい。切断ツールの動作中、ジョー角が測定されてよく、ブレード露出の許容差に基づき、測定されたジョー角は最大切断長さに制限されてよい。
モデル700が用いて切断操作を防げようが或いはモデル750を用いて切断操作の切断長を制限しようが、切断操作を監視し且つ/或いは実施する制御アプリケーション170のような制御アプリケーションは、現在のジョー角の測定値を用いて、切断/非切断決断及び/又は切断長決定を行う。幾つかの実施形態によれば、ジョー角の測定は、これらの切断決定を支持するのに望ましい程に正確であるとは限らないことがある。図5に関して前述したように、エンドエフェクタ220のようなエンドエフェクタのジョー角は、エンドエフェクタの他のDOFと同様に、間接的に測定されてよい。図5の例において、ジョー角は、エンドエフェクタのグリッパジョー(gripper jaws)のための1つ(ジョイントジョー制御)の又は2つ(独立したジョー制御)の対応する駆動ユニット500からの対応するキャプスタン510及び/又は駆動シャフト520の回転角度に基づき測定されてよい。幾つかの例では、関節作動リストが屈曲する(flexes)と、グリッパジョーを作動させるために用いられる(複数の)駆動機構は、手術器具の中空シャフト(例えば、シャフト210)内の曲げ及び/又は動きに晒されることがある。(複数の)駆動機構が曲がり且つ/或いは動くと、駆動機構によって見られるような有効距離は、切断ブレードの遠位端と駆動ユニットの近位端との間で変化することがある。よって、ジョー角の決定において十分な精度を得るために、ジョー角は、入力シャフトのロール及び/又は関節作動リストの(複数の)屈曲角度に基づき補正されなければならないことがある。
図8は、幾つかの実施形態に従った実際のジョー角(actual jaw angle)と測定されたジョー角(measured jaw angle)との間の例示的な関係の簡略図である。図8は、手術器具200と一致する手術器具を用いて収集されたデータからの散布図800(scatter plot)を含む。エンドエフェクタ220と一致するエンドエフェクタを用いて、関節作動リスト230と一致する関節作動リストが様々な組み合わせのピッチ角及びヨー角に屈曲させられる間に材料を把持する。ピッチ角及びヨー角の組み合わせの各々において、把持ジョーの間の実際のジョー角は、散布図800中のより明るい上方の点によって表されるものとして測定された。ピッチ角及びヨー角の組み合わせの各々において、把持ジョーのための駆動ユニットで測定されるようなジョー角は、散布図800のより暗い下方の点によって表されるものとして記録された。散布図800に示されるように、関節作動リストデバイスのピッチ角及びヨー角の両方は、(屈曲のない関節作動リスト及び手術器具のシャフトとのエンドエフェクタの整列に対応する)ゼロの角度からずれているので、より大きな発散(divergence)が実際のジョー角と測定されたジョー角との間に発生した。
次に、散布図800のデータを様々なモデルに適合させて、ピッチ角及びヨー角が変化する際の実際のジョー角と測定されたジョー角との間の関係及び/又は関数についての適切なモデルを決定した。実験は、0.95を超える測定係数又はR2値で実際のジョー角と測定されたジョー角との間の関係をモデル化するために、以下の方程式1(Eq. 1)と一致する線形補正モデルを用い得ることを示した。
幾つかの例では、C0、C1、C2、及びC3係数は、手術器具の集合に亘って或いは各手術器具について個別にモデル化され、係数値は、それらが対応する手術器具の通し番号のような識別子に基づき実行時にアクセスされ得るように記録される。手術器具200と一致する手術器具の一例について、C0は、0.000であり、C1は、0.000であり、C2は、0.062であり、C3は、0.069であることが見出された。C2とC3との間の差は、ピッチジョイント及びヨージョイントの設計の相違並びにピッチジョイントよりも遠位なヨージョイントの場所に起因する。
図9は、幾つかの実施形態に従った切断操作を実行する方法900の簡略図である。方法900のプロセス910乃至970のうちの1以上は、少なくとも部分的に、1以上のプロセッサ(例えば、制御ユニット140内のプロセッサ150)によって実行されるときに、1以上のプロセッサにプロセス910乃至970のうちの1以上を実行させることがある、非一時的で有形の機械可読媒体に格納される実行可能コードの形態において実装されてよい。幾つかの実施形態において、方法900は、制御アプリケーション170のようなアプリケーションによって実行されてよい。幾つかの実施形態では、方法900を用いて、ジョー310のようなグリッパジョー間の角度、及び手術器具200のような手術器具の関節作動リスト230のような関節作動リストにおける屈曲に基づき、切断ブレード330のような切断ブレードの移動を拘束し且つ/或いは制限してよい。幾つかの実施形態において、方法900の切断操作は、図7A、図7B、及び図8のモデルに従って実行されてよい。幾つかの実施形態では、方法900の実行中に、図2、図3、図4A乃至図4C、図5、図6D及び/又は図6Eに記載するような駆動コンポーネントを用いて、切断ブレードの動きを拘束し且つ/或いは制限するようにグリッパジョーの間の角度を決定してよい。
プロセス910で、手術器具のジョーを操作する。幾つかの例では、外科医及び/又は他の医療従事者は、操作者コンソールの1以上のコントロール(制御装置)を用いて、手術器具のジョー310のようなジョーを位置決めし且つ/或いは作動させてよい。幾つかの例において、外科医及び/又は他の医療従事者は、ジョーを遠隔操作する1以上のマスターマニピュレータ、レバー、ペダル、スイッチ、キー、ノブ、トリガ、及び/又は同等物のような1以上のマスターコントロールを操作して、切断操作のための準備においてそれらを適切な組織及び/又は他の構造の周りに位置付けてよい。幾つかの例では、ジョーを操作して、それらの位置及び/又は向きを制御し、且つジョー間の角度を調整してよい。幾つかの例において、この操作は、関節作動リスト230のような関節作動リストの屈曲レベルを調整して、ジョーを所望に方向付けることを含んでよい。
プロセス920で、切断命令を受信する。幾つかの例では、外科医及び/又は他の要員が、切断操作が行われるのを要求してよい。幾つかの例では、切断操作は、操作者コンソール上に配置される1以上のマスターマニピュレータ、レバー、ペダル、スイッチ、キー、ノブ、トリガ、及び/又は同等物のような、1以上のマスターコントロールを用いて要求されてよい。幾つかの例において、要求される切断操作は、割込み、入力ポーリング操作、API呼出し、及び/又は同等行為を介して、制御アプリケーション170のような制御アプリケーションによって受信されてよい。
プロセス930で、ジョー角を測定する。幾つかの例において、ジョー角は、1以上の位置及び/又は回転センサを用いて顎角を測定されてよい。幾つかの例において、センサは、ジョーの近位に配置されてよく、ジョー角を間接的に測定するように構成されてよい。幾つかの例において、センサは、ジョーの(複数の)DOFを操作するために用いられてよい駆動ユニット500のような1以上の駆動ユニットと関連付けられてよい。幾つか例において、センサは、キャプスタン510のようなキャプスタンの回転角及び/又は駆動シャフトのような駆動シャフトの回転角を測定してよい。幾つかの例では、ジョーが一緒に制御されるとき、ジョー角はジョーのための単一の駆動ユニットを用いて測定されてよい。幾つかの例では、ジョーが独立して制御されるとき、ジョーの各ジョーのジョー角は別々に測定され、次に、複合ジョー角を決定するために組み合わせられてよい。
プロセス940で、リスト関節作動を測定する。幾つかの例において、リスト関節作動は、1以上の位置及び/又は回転センサを用いて測定されてよい。幾つかの例において、センサは、関節作動リストの近位に配置されてよく、関節作動リストのピッチ及び/又はヨーのような関節作動角度のそれぞれを間接的に測定するように構成されてよい。幾つかの例において、センサは、関節作動リストのジョイントの各々についてのそれぞれのDOFを操作するように用いられてよい、駆動ユニット500のような1以上の駆動ユニットと関連付けられてよい。幾つかの例において、センサは、キャプスタン510のようなキャプスタンの回転角及び/又は駆動シャフト520のような駆動シャフトの回転角を測定してよい。
プロセス950で、リスト関節作動に基づきジョー角を修正する。プロセス930中に測定されるジョー角及びプロセス940中に測定されるリスト関節作動を用いて、制御アプリケーションによってジョー角についての修正値が決定されてよい。幾つかの例では、図8及び/又は方程式1のジョー角修正モデルのようなジョー角修正モデルを用いてジョー角を修正してよい。幾つかの例において、ジョー角修正モデルは、手術器具の種類に基づき決定されてよく、且つ/或いは手術器具と関連付けられる通し番号のような識別子に基づき決定されてよい。
プロセス960で、修正されたジョー角に基づき切断操作を制限する。幾つかの例では、プロセス950中に決定される補正されたジョー角をブレード露出についての構成可能な許容差と組み合わせて、切断操作が制限されるべきか否かを決定してよい。部分的な長さの切断が許容されるか否かに依存して、切断操作が起こるのが妨げられてよく、且つ/或いは最大の切断長さまで制限されてよい。幾つかの例では、部分的長さ切断が許容されないとき、修正されたジョー角、ブレード露出の許容差、及び所望の切断長さを、図7Aのモデル700のようなモデルに適用して、修正されたジョー角が最大許容ジョー角よりも大きいか否かを蹴ってしてよい。修正されたジョー角が最大許容ジョー角又はジョー角閾値よりも大きいとき、切断操作はそれが起こらないように制限され、且つ/或いは最大許容切断長さがゼロに設定される。修正されたジョー角が最大許容顎角以下であるとき、切断操作は制限されず、且つ/或いは最大許容切断長さは全長切断に設定される。幾つかの例では、部分的な長さの切断が許容されるとき、修正されたジョー角及びブレード露出の許容差を図7Bのモデル750のようなモデルに適用して、最大許容切断長さを決定する。次に、切断操作は、切断ブレードが最大許容切断長さを超えて延伸しないよう、制限される。
幾つかの例では、切断長さが制限されるときに、音声、視覚、及び/又は文字アラートを外科医及び/又は他の医療従事者に提供して、部分的切断が許容されないときに及び/又は切断長さが全長切断よりも少なく減少させられるときに、切断操作の最大許容ジョー角を超えたことを示してよい。
プロセス970で、切断制限に基づき切断操作を実行する。幾つかの例において、切断操作は、切断ブレードを延伸させ、次に、切断ブレードをガレージ内に戻すことによって実行されてよい。幾つかの例において、切断操作は、存在するならば、プロセス960中に決定される最大切断長さに基づき、最大延伸を含むよう調整されてよい、位置プロファイルに従って切断ブレードを駆動することを含んでよい。幾つかの例において、切断ブレードは、駆動コンポーネント、駆動機構、駆動ユニット、及び/又はモータ、ソレノイド、サーボ、能動アクチュエータ、液圧アクチュエータ、空圧アクチュエータ、及び/又は同等物のようなアクチュエータによって、切断ブレードに適用される力及び/又はトルクに基づき、延伸させられ且つ/或いは後退させられてよい。幾つかの例では、最大許容切断長さがゼロであるとき又は切断操作が許容されないとき、プロセス970はスキップされてよい。
幾つかの例では、切断操作はプロセス970中にモニタリングされてよい。幾つかの例では、1以上のセンサを用いて切断ブレード及び/又は切断ブレードのための駆動ユニットの実際の位置をモニタリングして、切断ブレード及び/又は駆動ユニットが切断操作中に切断ブレードを所望に延伸させ且つ/或いは後退させることができるか否かを決定してよい。幾つかの例では、切断ブレード及び/又は駆動ユニットが位置プロファイルの所定の許容差内の延伸及び/又は後退に追従することができないときに、音声、視覚、及び/又は文字アラートを外科医及び/又は他の医療従事者に提供して、切断操作が成功しなかった場合があることを示してよい。幾つかの例では、切断ブレードが最大許容切断長さ延伸することができないとき、切断操作は成功していないことがある。幾つかの例では、切断ブレードが露出してガレージに戻ることができないとき、切断操作は成功していないことがある。幾つか例では、引抜操作(extracting operation)及び/又は引込操作(retracting operation)のうちのいずれかが対応する力及び/又はトルク限界に達するとき、1以上の音声、視覚、及び/又は文字アラートを用いる警告(warning)及び/又は警報(alert)が発せられてもよい。
プロセス970中に切断操作が完了した後に、プロセス920に戻ることによって他の切断を実行してよく、且つ/或いはプロセス910に戻ることによって他の切断操作を実行する前にジョーを再配置してよい。
制御ユニット140のような制御ユニットの幾つかの例は、1以上のプロセッサ(例えば、プロセッサ150)によって実行されるときに、1以上のプロセッサに方法900のプロセスを実行させる、実行可能なコードを含む、非一時的で有形の機械可読媒体を含んでよい。方法900のプロセスを含んでよい機械可読媒体の幾つかの一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD−ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、孔のパターンを備える任意の他の物理的媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH−EPROM、任意の他のメモリチップ若しくはカートリッジ、及び/又はプロセッサ若しくはコンピュータが読み取るように構成される任意の他の媒体である。
例示的な実施形態を示し且つ記載したが、広範な修正、変更、及び置換が前述の開示において想定され、幾つかの場合には、実施形態の幾つかの構成は他の構成の対応する使用を伴わずに利用されてよい。当業者は、多くの変形、代替、及び修正を認識するであろう。よって、本発明の範囲は後続の請求項によってのみ限定されるべきであり、請求項は本明細書で開示した実施形態の範囲と一致するように解釈されるべきことが理解されよう。