JP2018514277A - 核磁気共鳴画像法における画像ひずみを補正するためのシステム及び方法 - Google Patents

核磁気共鳴画像法における画像ひずみを補正するためのシステム及び方法 Download PDF

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Abstract

MRIシステムにおいて、傾斜磁場コイルの傾斜磁場プロファイルにおける非線形性により生じる取得画像のひずみを補正する方法が開示され、本方法は、a)MRIシステムにおける各傾斜磁場コイルについての導電経路を表すコンピュータモデルを構築することと、b)このモデルにおいて、各傾斜磁場コイルに対する空間内の各点における予測磁場を計算することと、c)MRIシステムにおいて、各傾斜磁場コイルに対する空間内の各点における実際の磁場を測定することと、d)空間内の各点における予測磁場と現実の磁場とを比較することによって、このモデルの正確性を検証し、このモデルが正確でない場合には、a)〜d)を繰り返し、このモデルが正確である場合には、予測磁場の線形性からの乖離に基づいて、現実空間における座標を、取得画像のひずんだ空間における座標にマッピングするためのゆがみマップを構築することと、ゆがみマップを用いて取得画像のひずみについてひずみ除去を行うことと、を含む。【選択図】図8

Description

本発明は、概ね、核磁気共鳴画像法に関する。より具体的には、本発明は、傾斜磁場コイルの非線形性に起因する画像ひずみに関する。
核磁気共鳴画像法(MRI)は、医学において使用されている主な画像化技術である。MRIは、脳、筋肉、及び腎臓などの柔組織の詳細画像を生成可能である。組織内に存在する水及び/又は脂肪などの様々な化合物の特性を用いて、画像を生成する。例えば、強力な磁場を印加すると、核スピン角運動量を有する多数の原子(水素など、水素は水及び脂肪に多く含まれる)の核磁気モーメントのベクトル和により、外部から印加された磁場と整列した正味磁気モーメントが作り出される。得られた正味磁気モーメントは、印加された磁場に比例する明確に定義された周波数で更に歳差運動をすることができる。無線周波数パルスによる励起の後、正味の磁化により、検出可能な信号を生成させることができる。
生成された信号は、空間画像への変換を可能とする様々な機構を用いて符号化されてよい。例えば、傾斜磁場コイル(強力な電磁石)を用いて、空間情報を符号化する。空間の符号化は、傾斜磁場コイルによって、スキャンすべき画像が配置される撮像ボリューム内の位置によって、線形に変化する磁場を作り出すことによって達成される。実世界における実例では、傾斜磁場コイルによって生成される磁場プロファイルは、厳密な線形から乖離している。乖離の量は、画像内における空間位置に依存する。厳密な線形磁場からの乖離は、取得画像での空間ひずみを引き起こす。したがって、取得された画像化データの処理中に、画像ひずみの修正、又は取得画像の「ひずみ除去」を行う必要がある。
MRIスキャンシステム用の新規なシステム及び方法、並びに従来技術について、上で指摘した欠点のうちの少なくとも1つを回避及び軽減する方法を提供することを目的とする。
本明細書の一態様によれば、MRIシステムにおいて、傾斜磁場コイルの傾斜磁場プロファイルにおける非線形性により生じる取得画像のひずみを補正する方法が開示され、本方法は、
a)MRIシステムにおける各傾斜磁場コイルについての導電経路を表すコンピュータモデルを構築することと、
b)このモデルにおいて、各傾斜磁場コイルに対する空間内の各点における予測磁場を計算することと、
c)MRIシステムにおいて、各傾斜磁場コイルに対する空間内の各点における実際の磁場を測定することと、
d)空間内の各点における予測磁場と現実の磁場とを比較することによって、このモデルの正確性を検証し、このモデルが正確でない場合には、a)〜d)を繰り返し、このモデルが正確である場合には、
e)予測磁場の線形性からの乖離に基づいて、現実空間における座標を、取得画像のひずんだ空間における座標にマッピングするためのゆがみマップを構築することと、
f)ゆがみマップを用いて取得画像のひずみについてひずみ除去を行うことと、を含む。
これらは、これ以降、明らかとなる他の態様及び利益と共に、より完全に以下に記載及び特許請求の範囲に記載された構築及び動作の詳細に記載され、その一部を形成する添付の図面が参照される。図面全体を通して、同様の符号は、同様の部分を指す。
一実例による核磁気共鳴画像(MRI)システムの機能的サブシステムのブロック図である。
一実例による図1のMRIシステムによりスキャンされる撮像ボリューム及び対応するスライスである。
一実例による、図1のMRIシステムにより使用され得るパルスシーケンスを単純化して示す。
一実例による、図1のMRIシステムを用いて受信された1つの行を含むk空間の模式図である。
1つの空間次元に沿った傾斜磁場コイルにより生成される例示的な磁場プロファイルを示す。
撮像ボリューム内にあるスキャンすべき物体を示す。
傾斜磁場コイルによって生成される磁場の非線形性に起因し得る画像ひずみの例を示す。
一実施形態による、図1のMRIシステムを用いて空間ひずみを補正する方法を示す。
一実施形態による、画像エイリアシングの説明のための例を示す。
一実施形態による、ボクセルつぶれ(collapsing)の影響を示す。
従来の核磁気共鳴画像(MRI)システムは、物体中の水素原子などのプロトンからの核磁気共鳴(MR)信号の画像を構築するために主に使用される撮像モダリティを指す。医療用MRIにおいて、対象となる典型的な信号は、組織における主な水素含有要素である水及び脂肪からのMR信号である。
図1を参照すると、一実例による核磁気共鳴画像(MRI)システムのブロック図100が示されている。100によって示されるMRIシステムの実例は、単に例示を目的とするものであり、更なる構成要素、より少ない構成要素、及び/又は変更された構成要素を含む変更形態が可能である。
図1に示されるように、例示的なMRIシステム100は、データ処理システム105を備える。データ処理システム105は、概ね、ディスプレイなどの1つ又は2つ以上の出力デバイスと、キーボード及びマウスなどの1つ又は2つ以上の入力デバイスと、揮発性部品及び永続性部品を有するメモリに接続されている1つ又は2つ以上のプロセッサと、を備えることができる。データ処理システム105は、スキャンを行うために使用されるMRIシステム100のハードウェア構成要素との通信及びデータ交換に適合した1つ又は2つ以上のインターフェースを更に備えることができる。
図1について続けると、例示的なMRIシステム100は、主磁石110をも備えている。主磁石110は、例えば、永久磁石、超伝導磁石、又は抵抗磁石として実装されてもよい。ここで、当業者であれば、ハイブリッド磁石など、MRIシステム100における使用に適した他の種類の磁石が、想起及び想到されであろう。主磁石110は、強度B0及び軸に沿った方向を有する、実質的に均一な静磁場を生成するように動作可能である。この静磁場を使用して、作成した撮像ボリューム内にある物体の所望の原子核(水及び脂肪の水素におけるプロトンなど)を、スキャンに備えて磁気的に整列させる。この実例でも同様であるが、一部の実例においては、主磁石110の動作を制御するために、データ処理システム105と通信する静磁場制御装置115を使用することができる。
MRIシステム100は、例えば、3つの直交する傾斜軸に沿って、静磁場における空間情報をエンコーディングするために使用される、傾斜磁場コイル120を更に備える。傾斜磁場コイル120のサイズ及び構成は、それらの傾斜磁場コイル120によって、制御された均一な線形傾斜が作り出されるようなものであってよい。例えば、主磁石110内に位置する3対の、直交する、通電される一次コイルが、所望の線形傾斜磁場を生成するように設計されていてよい。
一部の実例では、傾斜磁場コイル120は、遮蔽され、一次傾斜磁場コイルにより生成された傾斜磁場と逆方向の逆磁場を生成可能な、遮蔽コイルからなる外層を含んでいてもよく、これにより、一次−遮蔽コイル対が形成されている。このようなコイル対において、「一次」コイルは、傾斜磁場の生成に関与することができ、「遮蔽」コイルは、撮像ボリュームなどの特定のボリュームの外側の一次コイルによる漂遊磁場の低減に寄与することができる。傾斜磁場コイル120の一次コイルと遮蔽コイルは直列に接続されていてもよい。遮蔽付き傾斜磁場コイルを共に形成するように、任意の所与の傾斜軸のためのコイルの層を、2つよりも多く有していてもよい。遮蔽付き傾斜磁場コイル120により、スキャンされた画像にアーチファクトを生じさせ得る渦電流、及び他の干渉などを低減させることができる。渦電流は、撮像ボリュームの外側の磁場(フリンジ場)により生じ、MRIシステム100の導電性部品内を主に流れるため、傾斜磁場コイル120により生じるフリンジ場を減らすことにより、干渉を減らすことができる。したがって、一次−遮蔽コイル対の形状及びサイズ、導電体ワイヤのパターン及びサイズ、並びに電流の振幅及びパターンを、傾斜磁場コイル120の外側の正味磁場が可能な限りゼロに近づくように選択することができる。円筒状の磁石の場合は、例えば、2つのコイルを、同心の円筒形態で配置することができるが、垂直磁場の磁石の場合は、2つのコイルを、同軸ディスクとして配置することができる。
遮蔽されているかどうかに関わらず、一次コイル及び遮蔽コイルを含む傾斜磁場コイル120の導電性構成要素は、導電体(例えば、銅、アルミニウムなど)から構成することができる。内部の電気接続は、傾斜磁場コイル120の両端子に電位差が印加されると、電流が所望の経路を流れ得るように、行われ得る。一次傾斜磁場コイル及び遮蔽傾斜磁場コイルの両方について、3つの傾斜軸のための各導電性構成要素は、物理的に分離されることにより、かつ/又は非導電性のバリアにより絶縁されていてよい。
撮像ボリューム内の物体の空間選択的な励起が生じるように、傾斜磁場コイル120により生成される磁場を、組み合わせて、かつ/又は順次、静磁場に重ね合わせることができる。空間的な励起が可能であることに加えて、傾斜磁場コイル120により、撮像ボリューム内にある原子核に対して、空間特異的な周波数及び位相の情報を付加することができることから、得られたMR信号を有用な画像に再構成することができる。データ処理システム105と通信接続された傾斜磁場コイル制御装置125を使用して、傾斜磁場コイル120の動作を制御する。
MRIシステム100の一部の実例においては、シムコイル(以下に限定されるわけではないが、通例、2次又はそれよりも高次の球面調和関数の磁場プロファイルを生成する)、又は一様な磁場オフセットコイル、又は何らかの他の補正電磁石などの追加的な磁気コイル(図示せず)が存在してもよい。アクティブなシミング(様々な物体がシステム内部、又はシステムの周囲に存在するときに入り込む、磁場のゆがみを補正すること)を行うためには、静磁場をより均一にするように作用する磁場を提供するために用いられる、シムコイルなどの補正電磁石に通電する。例えば、これらのコイルにより生成した磁場により、主磁石110の欠陥、若しくは外部の強磁性体の存在に起因する静磁場の不均一性、又は撮像領域内の物質の磁化率の違い、又は、何らかの他の静的事象若しくは時変的事象に起因する静磁場の不均一性の補正が容易になり得る。
MRIシステム100は、無線周波数(RF)コイル130を更に備える。RFコイル130を使用して、強度B1のRF磁場を確立して、原子核又は「スピン」を励起させる。RFコイル130はまた、撮像される物体内の「緩和している」スピンから発せられる信号を検出することができる。したがって、RFコイル130は、送信コイルと受信コイルが別個になった形式であってもよいし、送信モードと受信モードとを切り替えるための切り替え機構を備えた、統合型送受信コイルであってもよい。
RFコイル130は、通常、受信専用のコイルである表面コイル、及び/又は、送受信コイルの場合もある、ボリュームコイルとして実装され得る。RFコイル130は、主磁石110のボアにおいて、一体化されていてもよい。あるいは、頭部など、スキャンされる物体のより近位にRFコイル130を実装してもよく、緊密に適合するヘルメットなど、物体の形状に近似する形状であってもよい。データ処理システム100と通信接続されたRFコイル制御装置135を使用して、送信態様又は受信態様のいずれかにおけるRFコイル130の動作を制御することができる。
MRIシステム100を使用して、T1強調画像及びT2強調画像などの画像を取得するための多くの手法が存在する。MRIシステム100の機能を簡潔に説明するために、プロトン密度強調画像を得るための動作を単純化し、非限定的な例として記載する。この例によると、MRIシステム100は、画像を生成するために、物体に比較的大きな磁場をかけて、その物体中のスピン角運動量を含む原子核(組織中に存在する水又は脂肪中の水素のプロトンなど)の存在を検出する。この実例において、静磁場の強度はB0であり、スピン角運動量を含む原子核は、水素プロトンであってよい。静磁場は、主磁石110の撮像ボリューム内に配置された物体中の水素プロトンを部分的に分極させる。続いて、適切にチューニングしたRF放射により、例えば、強度B1のRF磁場を形成し、プロトンを励起する。最終的に、プロトンが磁性相互作用から「緩和」する際に、励起されたプロトンからの弱いRF放射信号が、MR信号として検出される。検出されるMR信号の周波数(ラーモア周波数)は、プロトンに印加される磁場の強度に比例する。
物体を横断して傾斜した磁場を生成し、物体内での位置が変われば、静磁場の磁場の数値が変化し得るようにすることにより、信号を得るための物体の断面が選択可能となる。信号周波数が生成された変動磁場に比例すると仮定すると、この変化により、特定の信号周波数及び位相から、物体内での位置が特定される。したがって、得られたMR信号から、プロトンの存在という観点での物体のマップを構成するための十分な情報を得ることができる。これが従来のMRI画像法の原理である。例えば、プロトンの密度が組織の種類により変化するため、得られた信号を処理した後、組織の違いを画像コントラストの違いとしてマッピングすることができる。
ここから図2を参照して、MRIシステム100による例示的な信号取得プロセスを更に説明するために、240によって示されるZ軸に沿った方向の、強度B0の静磁場210を有する主磁石110の撮像ボリューム250内に、物体が配置され、正味の磁化ベクトルが生じると考える。この説明のための例では、205によって示されるように、X軸及びY軸に沿う平面における物体のスライスが撮像されている。この例では、スライスが、Z軸に沿う有限の厚さを有し、体積スライス205が生じていることに留意されたい。
MRIシステム100において、画像を取得するためには、データ処理システム105にて、1組又は2組以上のRFパルス及び傾斜波形(まとめて、「パルスシーケンス」と呼ばれる)を選択する。データ処理システム105は、選択されたパルスシーケンス情報を、RF制御装置135及び傾斜磁場制御装置125に伝達する。これらの制御装置は協働して、パルスシーケンスの提供に関する波形及びタイミングを生成し、スキャンが行われる。
ここで図3を参照すると、MRIシステム100を使用して画像を取得するために使用することができる例示的なパルスシーケンス300が示されている。具体的には、例示的なパルスシーケンスのタイミング図が300に示されている。このタイミング図は、時間に対する、送信された(RFt)信号、磁場傾斜Gx、Gy、及びGz、及び受信されたRFx信号のパルス又は信号の大きさを示している。例示的なパルスシーケンスは、例示の目的のため単純化したものであり、RFtにおけるスライス選択無線周波数パルス310、Gzにおけるスライス選択傾斜磁場パルス320、Gyにおける位相エンコーディング傾斜磁場パルス330、Gxにおける周波数エンコーディング傾斜磁場パルス340、並びに、RFxにおける検出MR信号350を含む。3つの傾斜磁場Gx、Gy、及びGzに対するパルスは、傾斜磁場コイル120により生成される磁場傾斜の大きさ及び持続期間を表わす。スライス選択パルス310は、RFコイル130の送信態様により生成される。検出MR信号350は、RFコイル130の受信態様により検出される。この説明のための例では、RFコイル130の送信態様及び受信態様は、別箇のコイルにより形成されるものと仮定する。
パルスシーケンス300において生じる最初のイベントは、スライス選択傾斜磁場パルス320である。スライス選択RFパルス310を、同時に印加する。代替的には、傾斜パルス320は、RFパルス310の前又はその後に行ってもよい。この説明のための例では、スライス選択RFパルス310は、RFエネルギーのsinc関数型のバーストであってもよい。他の実例において、他のRFパルスの形状及び期間が使用されてもよい。スライス選択RFパルス310をオフにした後は、スライス選択傾斜磁場パルス320もオフにされ、また、位相エンコーディング傾斜磁場パルス330をオンにする。位相エンコーディング傾斜磁場パルス330をオフにした後は、周波数エンコーディング傾斜磁場パルス340がオンにされ、検出MR信号350が記録される。図3に示されたパルス及び信号の形状、大きさ、及び期間は、例示の目的で選択されたものであり、実例においては、所望のスキャン結果を得るために、これらのファクタ、及び他の信号ファクタのうち、1つ又は2つ以上を、変更してもよいことに留意されたい。
変更形態においては、1つの画像を生成するのに必要とされる全てのデータを収集するために、パルスシーケンス300を、特定の回数又は反復数、通常は、256回反復してよい。典型的には、各反復について、画像の異なる成分に対応する信号を受信可能とするため、パルスシーケンスを変化させる。パルスシーケンス300のそれぞれの反復間の時間は、反復時間(TR)と呼ばれる場合がある。更に、スライス選択パルス310の中心点と検出MR信号350のピークとの間の期間は、エコー時間(TE)と呼ばれる場合がある。TR及びTEは両方とも、所望のスキャンに適するように変更可能である。
MRIシステム100の信号取得プロセスを更に説明するために、図3と併せて、図2を参照する。スライスを選択するために、スライス205中に位置しているプロトンに対する共鳴条件を満たす、スライス選択傾斜磁場パルス320がZ軸に沿って印加される。実際に、Z軸に沿うスライスの位置は、スライス選択傾斜磁場パルス320に部分的に基づいて決定する。したがって、スライス選択傾斜磁場パルス320と同時に(又は異なる時間に)生成されるスライス選択パルス310は、この例におけるスライス205内に位置しているプロトンを励起させることができる。スライス205の上下に位置しているプロトンは、通常、スライス選択パルス310により影響を受けない。
この例を続いて参照すると、パルスシーケンス300によると、スライス選択傾斜磁場パルス320の後に位相エンコーディング傾斜磁場パルス330を印加する。傾斜磁場パルス330は、Y軸に沿った磁場に傾斜を形成することから、Y軸に沿う様々な位置におけるスピンは、様々なラーモア周波数で歳差運動を開始し得る。位相エンコーディング傾斜磁場パルス330がオフになると、様々な位置における正味磁化ベクトルは、同じ速度で歳差運動し得るが、異なる位相を有し得る。これらの位相は、位相エンコーディング傾斜磁場パルス330の期間及び大きさにより決定され得る。
位相エンコーディング傾斜磁場パルス330をオフにした後は、周波数エンコーディング傾斜磁場パルス340をオンにしてよい。この例では、周波数エンコーディング傾斜磁場は、X方向にある。周波数エンコーディング傾斜磁場により、選択されたスライス内のプロトンを、X方向の位置に応じた速度で歳差運動させ得る。したがって、スライス内の様々な空間的位置は、固有の位相角及び歳差周波数により特徴付けられる。周波数エンコーディング傾斜磁場パルス340がオンである間に、RF受信コイル130を使用して、スキャン中の物体に含まれるプロトンにより生成された検出信号350を受信することができる。
パルスシーケンス300がMRIシステム100により行われる場合、図4の400によって示されるように、k空間と呼ばれる一時的なマトリクスに、取得した信号を格納することができる。通常、k空間は、あるスキャンについて測定された検出信号の集合であり、空間周波数ドメインに存在する。図2に示すX(横)軸及びY(縦)軸に対応する、X軸420(Kx)に沿う周波数エンコーディングデータ及びY軸430(Ky)に沿う位相エンコーディングデータによりk空間をカバーすることができる。スライスについてのk空間マトリクスに対する全ての行が(例えば、シグナルスライスのスキャン終了時に)受信されたとき、例えば、二次元フーリエ変換により、数学的にデータを処理して、最終的な画像を生成することができる。このため、k空間は、画像を空間ドメインで再構成する前に、生データを保持することができる。場合によっては、k空間は、最終的な画像と同じ数の列及び行を有することがあり、スキャン中、パルスシーケンス300当たり1行の速度で生データにより満たされ得る。例えば、410で示されるk空間400の第1の行は、スライスをスキャンするために生成されたパルスシーケンスの第1の反復完了後に満たされてよく、そのパルスシーケンス反復について検出された信号を含んでいてよい。パルスシーケンスの複数回の反復後に、k空間を満たすことができる。しかしながら、典型的には、以下に更に詳しく記載されるように、最終画像は、k空間よりも多くの行及び列を有する。パルスシーケンスの各反復は、k空間の適切な部分に対する信号が取得されるように、わずかに変更可能である。なお、様々なパルスシーケンスに基づいて、例えば、スパイラル様式などでk空間を満たす他の方法が可能であり、かつ、想定されていることに留意されたい。
典型的には、傾斜磁場コイル120により生成される傾斜磁場プロファイルは、線形磁場のプロファイルからの乖離を含む。説明のための例として、傾斜磁場コイル120によって、X軸に沿って傾斜磁場を印加した場合、理想的には、図5(a)に示すように、空間内のX軸に沿った静磁場強度(Bで示す)のプロファイルは、傾きGxの線形となり、これが、X軸に沿って傾斜磁場コイル120により生成される、望ましい傾斜である。しかしながら、図5(b)の520で示すように、磁場強度の現実のプロファイルは、望ましい傾斜Gxから乖離している。図5(b)では、参考のため、理想的な傾斜Gxを、530の点線で示している。
典型的には、線形プロファイルからの傾斜磁場プロファイルの乖離により、空間的にひずんだ取得画像がもたらされる。図6を参照すると、図2の撮像ボリューム250が再度示されている。しかしながら、図6では、撮像ボリューム250内に物体Oが置かれており、例えば、上述したようなパルスシーケンスに従って、MRIシステム100を用いて、スライス605の画像が取得される。物体Oを、球状のシェルと仮定するが、これは、例示の目的で選択したものである。したがって、この説明のための例においては、スライス605に沿ってスキャンした場合、物体Oは、スライス605内に含まれる物体Oの球状シェルの外周に対応して、図7(a)に示すような、円705を含む画像をもたらすはずである。しかしながら、傾斜磁場コイル120によって生成される傾斜磁場における非線形性により、図7(b)の710に示すように取得画像のひずみが引き起こされる。図7(b)に示すひずみの程度及び形状は単純化したものであり、単に、ひずみの影響を明確に例示するために選択したものに過ぎない。
本発明の一態様によれば、傾斜磁場プロファイルにおける非線形性によって生じる空間ひずみが補正されるように、取得画像を処理し得る。ここで図8を参照すると、空間ひずみを補正する方法の概要が800として示されている。本方法の説明の助けとするため、方法800が部分的には、図1に示すような、MRIシステム100を使用して実行されるものと仮定する。加えて、方法800の以下の記述により、システム100が更に理解される。しかしながら、システム100及び方法800は、変更することもでき、本明細書で述べる通りに互いに組み合わせて実施される必要はなく、また、そのような変更形態も添付の特許請求の範囲の範囲内にあることを理解されたい。
画像の空間ひずみを補正するため、810において傾斜磁場コイル120のコンピュータモデルを作成する。このモデルは、例えば、結線などを含む、MRIシステム100に存在するコイルのワイヤパターンなど、傾斜磁場コイル120に存在する要素を表している。例えば、モデルは、一次コイル、変更形態では、遮蔽コイルの導電性要素を含み得る。モデルは、典型的には、コンピュータモデル化の手法に基づき、可能な限り傾斜磁場コイル120の正確な表現となるように構築される。モデルの一例は、要素アレイに基づくものであり、即ち、電磁石を、1つにつなげると電磁石のワイヤパターンを形成する、一群の小さな電流要素としてモデル化するというものである。要素アレイモデルには、傾斜磁場コイル120並びに、傾斜磁場コイル120に存在する、電流が流れる任意の他のワイヤの経路を接続すること、が含まれ得る。要素アレイモデルに基づき、傾斜磁場コイル120全体の空間表現を構築することができる。要素アレイモデルは、例えば、傾斜磁場コイル120のワイヤパターンを表す導電性要素のアレイを含んでいてもよい。
方法800について続けると、820において、モデルに基づき、傾斜磁場コイル120についての、空間内の各所望の点に対する予測磁場を計算する。予測磁場の計算は、磁石モデルから予測磁場を計算するための様々な方法に基づいていてよい。例えば、要素アレイモデルに基づき、適切な形式のビオ−サバールの式を用いて、撮像ボリューム250内の各所望の点における予測磁場を計算することができる。一実例によれば、ビオ−サバールの式について、以下の定式化が可能である。
この定式化は、(例えば、要素アレイモデルの1つの導電性要素による)定常電流Iにより生成される、位置 において生じる磁場強度BPの計算のために用いられる。 は、導電性要素から、磁場が計算される点までの全変位ベクトルであり、rが、その大きさである。dlは、大きさが導電性要素の微分要素の長さの、定義上の電流(conventional current)方向のベクトルであり、μ0は、自由空間の透磁率の磁気定数である。
ビオ−サバールの式に基づく計算を適宜行って、撮像ボリューム内の各点における予測磁場強度を計算できる。変更形態では、異なる定式化によるビオ−サバールの式、又は他の同等の式を用いて、傾斜磁場コイル120のモデルに基づく予測磁場を計算してもよい。例えば、上述の定式化は、電流が無限に細いワイヤを通って流れると近似できる場合に、うまく機能する。ワイヤにある程度の太さがある場合、ビオ−サバールの式の定式化は、それに応じて変更されてよい。この説明のための例では、ビオ−サバールの式を用いたが、変更形態では、同等の式又は定式化を用いて、空間内における各点での予測磁場を計算してもよい。
図8について続けると、830において、現実に構築した傾斜磁場コイルによって生成される磁場を測定することにより、予測磁場の正確性を検証する。例えば、測定は、3軸ホールプローブ又は他の同様の磁場測定機器を用いて行うことができる。取得された測定値を、予測された磁場の値と比較する。空間内の試験箇所について、測定値と磁場の予測値が例えば、所定の閾値内で一致した場合、本方法は、続いて840に進む。しかしながら、空間内の試験箇所について、測定値と磁場の予測値が一致しなかった場合、810においてモデルを適宜更新し、モデルの正確性を高める。変更形態では、使用する定式化及び式も同様に更新して、予測磁場の正確性を高めてもよい。
840において、予測磁場に基づき、間を補間可能な値のマップを作成することにより、又は、必要に応じて個々の値を計算することにより、ゆがみマップ(マッピング関数)を構築する。例えば、現実空間(例えば、図6に示すような物体Oの空間)における座標を、傾斜磁場の線形性からの乖離に基づく、取得画像のひずんだ空間内の点にマッピングするために、以下の式を用いることができる。
したがって、物体の空間内における点x,y,zは、画像の位置x’,y’,z’にマッピングされる。B(x,y,z)値は、各傾斜磁場コイルについてのビオ−サバールの式から取得される。Bxは、X軸に沿って生成された、傾斜磁場コイル120に対する予測磁場強度のz成分(又は、静磁場と同軸な成分)であり、Byは、Y軸に沿って生成された、傾斜磁場コイル120に対する予測磁場強度のz成分であり、BZは、Z軸に沿って生成された、傾斜磁場コイル120に対する予測磁場強度のz成分である。例えば、図7を参照すると、ゆがみマップにより、実際に、物体空間に対応する図7(a)の円が、図7(b)の楕円にどのようにマッピングされるのかについて示されている。したがって、これらの式を用いることにより、図7(a)の点(x,y)は、例えば、図7(b)の点(x’,y’)にマッピングされるように決定される。
(840において)ゆがみマップが取得されると、850において、ゆがんだ空間内にスキャンした物体が表された取得画像について、ゆがみマップに基づく補間により、ひずみ除去を行うことができるか、又はゆがませることができる。
現実空間における、位置x,yにおける、ひずみのない画像の値munwarped(x,y)を決定するため、ゆがみマップの構築について上述した式を用いて、x’及びy’を計算する。磁場のゆがみマップをスライス選択パルスの記述と共に用いて、上述の式の評価に必要な、各x,y位置における、励起されたz位置を決定することができる。x’,y’におけるひずんだ画像の値mwarped(x’,y’)は、例えば、取得されたk空間データのフーリエ変換により、計算されたmwarpedのサンプルに対応する、近接するx’,y’位置からの補間により計算される。w(x’,y’)は、撮像ボリュームにわたるボクセル体積の変化に起因して、積み重なった信号を補正するため、各(x’,y’)位置において、適用される重み付け値である。w(x’,y’)を計算するための1手法は、(x’,y’)におけるひずんだ空間でのボクセル体積の、(x,y)における現実空間でのボクセル体積に対する比である。
事実上、ひずみ除去により、画像内の物体が、元の物体空間に対して、より厳密に対応する空間へと変換されるように、取得された画像が、引き伸ばされるか、又は他の方法で変換される。例えば、補間により、図7(b)のひずんだ画像を変換して、図7(a)で示すような、球状物体Oの現実の円形断面により厳密に対応するサイズの、より円形の形状へと戻すことができる。
例えば、最近傍補間法、線形補間法、キュービック補間法(又は他の同等の手法)を用いて、ゆがみ関数の実施を、画像空間内にて行い得る。ひずみ除去の問題を、ひずんだ画像空間における既知の値の均一にサンプリングされたグリッドから値を補間することと捉えることに加え、この問題を、k空間のデータから直接x’,y’の値を計算することと捉えることもできる:
ここで、Mwarped(k’x,k’y)は、k空間のデータサンプルの集合を表す。この問題は、均一から不均一なサンプル位置とする、逆グリッド化問題(inverse gridding problem)、又は不均一フーリエ変換として認識することができる。そのため、例えば、k空間におけるアポディゼーション補正を行った後、逆フーリエ変換して、更に、カイザーベッセル・カーネル(Kaiser−Bessel kernel)による画像空間内の畳み込み補間を用いることにより、逆グリッド化法を用いて効率的に解くことができる。更に、ひずみ補正に対して逆グリッド化手法を用いると、k空間マトリクスのサイズ及びオーバーサンプリングファクタにより、フーリエ変換のサイズが決定されることが理解される。Beattyの方法によれば、最小のオーバーサンプリングファクタ、例えば、1.25〜1.5にて、非常に正確な結果を得ることができることが示唆されている。
上述したように、MR画像は、典型的には、取得されたマトリクスサイズよりも大きなマトリクスサイズに再構築される。例えば、320×192の取得マトリクスは、512×512の画像サイズに再構築され得る。これは、典型的には、k空間マトリクスをゼロパディングして、512×512サイズのフーリエ変換を行い、続いて、画像空間の補間によりひずみ補正を行うことで実行される。しかしながら、この操作は、サイズ400×240のフーリエ変換と、それに続く、512×512の画像マトリクスへの(例えば、カイザーベッセル・カーネルによる)補間が可能となる、1.25倍でオーバーサンプリングされたグリッドにおいてより効率的に行うことができる。400×240のマトリクスは、512×512マトリクスと比べて2.7倍以上小さいため、(特に、より大きなゼロパディングファクタについて、)計算上の、及びコンピュータメモリに関する大きな利益を得ることができる。加えて、複数の受信器チャネルが関わる再構築では、データを、400×240のマトリクス上のチャネルにわたって組み合わせることができ、512×512のマトリクスへの補間は、再構築された画像当たり一回しか必要とされないことが理解される。これにより更なる効率上の利益がもたらされる。
いくつかの変更形態では、ひずんだ空間内の物体の部分が画像の視野(FOV)の境界を超えてマッピングされた場合にエイリアシングアーチファクトが生じ得る。例えば、画像内の物体は、画像の境界を超えてゆがむ場合があるため、ひずみ除去が実用的でなくなるような形で、画像内に折り返されることがある。画像化している物体を、取得されている画像の視野(FOV)のサイズに近づける場合、及び/又は大きな傾斜磁場の非線形性が存在する場合、エイリアシングアーチファクトは重大になる。物体の一部がひずんでFOVの外に存在するようなひずみの場合、除去が困難なエイリアシングアーチファクトをもたらし得る。図9を参照すると、900は、物体Oのスライス605のスキャンにより、例えば、大きな傾斜磁場の非線形性の存在下で、どのようにエイリアシングが生じた画像がもたらされ得るかについて、単純化した説明のための例を示す。
画像に対するFOVを拡大して、エイリアシングアーチファクトを回避してもよい。したがって、一変更形態では、所与のFOVについて、予想されるゆがみの最大量を、ゆがみマップに基づいて計算することができる。続いて、計算したゆがみを用いて、拡大FOVを作成することができる。例えば、画像のxの値が、0〜255で変化する場合、x=0及びx=255のひずみ位置への変換を、ゆがみマップに基づいて計算することができる。これらの変換により、X軸におけるゆがみが、視野の外側(即ち、0未満、及び255超)にどれだけ延び得るかを示すことができる。したがって、この変換に合わせてFOVを大きくすることができる。同様に、物体を予想されるFOVよりも小さくゆがめることができる。これにより、画像の解像度が下がる。したがって、FOVを小さくして、画像の解像度を向上させることができる。一般的に、ゆがみマップを使用して、現実空間における規定のFOVを包含する、ひずんだ空間における最小のFOVを見つけることができる。続いて、ひずんだ空間において得られたFOVを、パルスシーケンスの生成において用いることができる。多くの場合において、使用者が、現実空間における矩形ではないFOV(例えば、楕円又は角の丸い矩形)を規定可能であることにより、ひずんだ空間において包含するFOVをより小さくできることが有益である。
拡大FOVの決定に基づいて、取得画像がより大きなFOVを有するように、物体の画像を取得する。例えば、現実の物体についての画像が取得される場合には、より細かくk空間をサンプリングしてもよい。例えば、物体について取得されるk空間の解像度は、同じ範囲(即ち、同じ画像解像度)における256x256に代えて512×512であってもよい。ひずみ除去プロセスの間に、画像を使用者が決定したFOVに戻すことができる。例えば、ひずみ除去した画像を取得した後、適宜、所望のFOVに切り取ってもよい。
また、人為的に画像の解像度を上げることにより、ひずんだ画像において、単一のボクセルへと多くのボクセルがつぶれ込むことに起因するアーチファクトの発生を招くことなく、傾斜不均一性に対するひずみ除去能力を補助できる。例えば、取得されたひずんだ画像について、例えば、ひずんだ画像のk空間をゼロパディングすることにより、より高いサンプリング密度に上昇させてよい。図10を参照すると、図10(a)において、ボクセルつぶれが図示されている。見て取れるように、2つのボクセルのひずみ及びひずみ除去の結果として、これら2つのボクセル間の強度の違いが失われている。他方で、図10(b)において示されているように、解像度を上げることにより、この喪失を低減又は回避できる。このプロセスは、ひずみ除去機能が空間周波数ドメインにおいて行われる場合には、特に効率的となり得る。これは、高レートでサンプリングされる(highly sampled)画像の形成を、まとめて回避でき、計算時間及びメモリを節約できるためである。必要なのは、畳み込みの前に取得されたk空間の外側部分に対してゼロを加えることだけである。更に、この段階で、ゼロパディングされたk空間にアポディゼーション関数を更に適用して、ギブスのリンギングアーチファクトを除去しやすくすることが簡単である。
上述した実施形態は、例示であることを意図しており、本明細書に添付の特許請求の範囲によってのみ定義される範囲から逸脱することなく、当業者により、変更及び改変がこれらになされてもよい。例えば、記載された方法、システム、及び実施形態を、全体的に又は部分的に、変更したり、組み合わせたりすることができる。

Claims (20)

  1. MRIシステムにおいて、傾斜磁場コイルの傾斜磁場プロファイルにおける非線形性により生じる取得画像のひずみを補正する方法が開示され、本方法は、
    a)MRIシステムにおける各傾斜磁場コイルについての導電経路を表すコンピュータモデルを構築することと、
    b)このモデルにおいて、各傾斜磁場コイルに対する空間内の各点における予測磁場を計算することと、
    c)MRIシステムにおいて、各傾斜磁場コイルに対する空間内の各点における実際の磁場を測定することと、
    d)空間内の各点における予測磁場と現実の磁場とを比較することによって、このモデルの正確性を検証し、このモデルが正確でない場合には、a)〜d)を繰り返し、このモデルが正確である場合には、
    e)予測磁場の線形性からの乖離に基づいて、現実空間における座標を、取得画像のひずんだ空間における座標にマッピングするためのゆがみマップを構築することと、
    f)ゆがみマップを用いて取得画像のひずみについてひずみ除去を行うことと、を含む。
  2. 請求項1に記載の方法において、測定は、磁場測定器を要して行う。
  3. 請求項2に記載の方法において、磁場測定器は、3軸ホールプローブを備える。
  4. 請求項1に記載の方法において、コンピュータモデルは、各勾配磁場コイルについてワイヤパターンの空間表現を形成するように互いに結合された一組の要素を含む勾配磁場コイル電磁石の要素配列モデルである。
  5. 請求項1に記載の方法において、予測さ磁場は、Biot-Savart方程式またはその同等式を使用して計算される。
  6. 請求項5に記載の方法において、各勾配磁場コイルのゆがみマップは、Biot-Savart方程式またはその同等式からB(x,y,z)値を得て、実空間内の各x、y、z点を歪んだ空間の画像のx '、y'、z'点にマッピングする。
  7. 請求項6に記載の方法において、Biot-Savart方程式またはその同等式は、
    また、BxはMRIシステムのX軸に沿って生成される予測磁場の主静磁場と同軸の成分を表し、ByはY軸に沿って生成される予測磁場の主静磁場と同軸の成分を表し、 BzはMRIシステムのZ軸に沿って生成される予測された磁場の主静磁場と同軸の成分を表すこと、を含む。
  8. 請求項1に記載の方法において、ワーピング消去は、最近隣、線形、または立方補間のうちの1つを使用して画像空間内で実行される方法。
  9. 請求項6に記載の方法において、x '、y'値は、均一なサンプルの位置から不均一なサンプルの位置への逆グリッディングを用いてk空間データから直接計算される。
  10. 請求項9に記載の方法において、逆グリッディングは、k空間でのアポダイゼーション補正を行い、その後に逆フーリエ変換を行い、次にカイザー - ベッセルカーネルによる画像空間で畳み込み補間を用いることによって行われる。
  11. 請求項10に記載の方法において、フーリエ変換のサイズは、k空間行列のサイズとオーバーサンプリング係数とによって決定される。
  12. 請求項11に記載の方法において、カイザー - ベッセルカーネルは、予め記憶され、補間の間に再サンプリングされる。
  13. 請求項10に記載の方法において、さらに、取得された画像の視野を、拡大または縮小することよって調整し、ワープされた空間内の画像の部分が視野境界を超えてマッピングされる場合に、実空間での画像に生じるエイリアシングアーチファクトを除去するか、または画像の解像度を向上させる事を、含む。
  14. 請求項13に記載の方法において、拡大するステップは、
    歪みマップを使用して視野に対する歪みの予想最大量を計算するステップと、
    そして計算された歪みの予想最大量を使用して、拡大された視野を作成する事、を含む。
  15. 請求項13に記載の方法において、調整された視野に基づいてMRIシステムのパルスシーケンスを生成するステップを含む。
  16. 請求項14に記載の方法において、画像は、k空間をオーバーサンプリングすることによって拡大された視界に従って取得される。
  17. 請求項10に記載の方法において、複数のボクセルをゆがみ付加された空間内の単一のボクセルに畳ませることから生じる画像アーチファクトを回避するために、取得された画像をより高いサンプリング密度まで増加させるステップをさらに含む方法、を含む。
  18. 請求項17に記載の方法において、取得された画像は、k空間をゼロ埋めることにより、より高いサンプリング密度に増加される。
  19. 請求項17に記載の方法において、ゼロ埋めは、畳み込みの前にk空間の外側部分にゼロを加えることを含む。
  20. 請求項19に記載の方法において、ギブズのリンギングアーチファクトの除去を補助するためにアポダイゼーション関数をゼロパディングされたk空間に適用することを含む。
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