JP2018511315A - 凍結させる生物学的試料における氷核形成を制御する装置 - Google Patents

凍結させる生物学的試料における氷核形成を制御する装置 Download PDF

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Abstract

凍結保存または凍結乾燥時などに氷核形成を制御するための装置が提供されている。同装置は少なくとも1つのハウジングであってキャビティと少なくとも1つの透過性ハウジング壁とを含むハウジングと、キャビティ内に封入される氷核形成材料とを含む。透過性ハウジング壁は、液体に対して透過性ではあるが氷核形成材料がキャビティから透過して出ることを防ぎ(或いはその可能性を低減し)、例えば実験室用の濾紙から構成されていてもよい。装置は、氷核形成剤が生物学的試料内の生物学的物質と接触するか、或いは同生物学的物質を汚染させることなく、凍結されるべき生物学的試料内に氷核形成材料を有利に送達する。装置(190)は、試料を含有する容器に加えることができる装置であり、マルチウェルプレートの形態であってもよく、或いはマルチウェルプレートのための挿入プレート(192)の形態であってもよい。

Description

本発明は、一般に、氷形成を制御するための装置、方法およびシステムに関する。
生物学的材料(例えば、細胞、ワクチン、およびタンパク質)は、多くの場合、保存される必要がある。例えば、生物学的材料は、後の時点での科学的実験で研究できるまたは使用できるように保存する必要があるかもしれない。別の例では、ヒト卵母細胞または受精した胚は、インビトロ受精(IVF)プロセスの一部として保存されるかもしれない。これらの例では、生物学的材料の損傷または分解が最小限に抑えられるように生物学的材料が保存されることが重要である。凍結技術は、生物学的材料を保存するためにしばしば用いられる。生物学的材料を凍らせて保存するには、さまざまな方法がある。例えば、凍結保存は、生物学的材料を凍結させた後に凍結状態で保存するプロセスであり、凍結乾燥(lyophilisation)は生物学的試料を凍結させ、凍結工程に続いて水を試料から除去し、試料を乾燥した状態で保存するプロセスである。
凍結保存は、医学、バイオテクノロジーおよび獣医学においてその後の適用のために生物学的試料の長期にわたる生存率を維持するために使用される広く採用されている技術である。解凍時に高い生存率を得るためには、凍結防止添加剤としても知られている保護化合物を添加し、制御された速度で試料を冷却することが必要である。多くの細胞の種類では、自発的な氷核形成を許容するよりはむしろ、制御された核形成によって氷の形成を誘導することも必要である。凍結保存のための試料は、一般に次のような専門の冷凍容器に入れられる:
・ストロー(典型的には直径2mm〜4mm、長さ140mmまでの薄壁チューブであり、容量は0.2ml〜0.5mlである);
・クライオバイアル(cryovial)(より広い直径(典型的に直径12.5mm)の短いチューブであり、容量は0.5ml〜5.0mlである);
・バッグ(5ml〜1000mlの容量を備えた、種々の可撓性バッグは、大容量の凍結保存に利用できる);そして
・マルチウェルプレート、マトリックスチューブ、およびロボット工学、ハイスループットスクリーニング等にて使用されるその他のSBS(Society for Biomolecular Sciences)フォーマット。
冷凍容器中の試料の制御された速度での凍結を可能にする種々の装置が存在する。これらのデバイスは、液体窒素を低温流体(cryogen)として使用してもよいし、機械的冷凍によって冷却されてもよい。さらに、多くの受動的冷却デバイスが存在する。制御された速度での凍結後、試料は低温、通常は液体窒素の温度(−196℃)で凍結保持される。この温度では、細胞生存率は、それらが冷却段階から生存した場合の貯蔵期間とは無関係である。使用のために必要とされる場合、試料は一般に37℃に維持された水浴中で迅速に解凍され、凍結保存剤は除去される。
凍結乾燥(lyophilisation)は、細胞、ワクチン、タンパク質および他の生物活性化合物の長期安定化のために、バイオテクノロジー、医学および獣医学において広く使用されている。凍結乾燥プロセスはまた、再生医学および新規なセラミックスの製造に適用するための骨格およびマトリックスなどの構造化材料を生成するためにも使用される。凍結乾燥プロセスでは、水性試料を専門の容器、通常はガラスバイアルに入れ、凍結させる。通常、凍結乾燥機内の冷却された棚で凍結が行われる。凍結後、局所的なガス圧を低下させると、凍結試料内の氷が昇華する。試料から全ての水を除去した後、バイアルを真空下で加温し、密封する。試料は周囲温度で分配され、水を加えることによって再構成される。
安定した氷核形成は凍結保存における最大の課題の1つである。液体がその融点まで冷却されると、氷核形成は直ぐには起こらない。試料は、氷核形成が起こることなくその融点よりも20℃以上低い温度に低下し、「過冷却(supercooling)」または「過冷却(undercooling)」として知られている状態になる。試料の温度が低下すると、ある時点で自発的な氷核形成が起こり、氷が試料全体に広がる。
いくつかの細胞の種類は強固であり、過冷却によって悪影響を受けない。しかしながら、多くの細胞の種類は過度の過冷却によって損傷を受け、それは解凍後の細胞生存率を低下させる可能性がある。氷核形成の可変的な性質のために、試料の生存率の間には幅広い変動があり得る。これは様々な有害な商業的影響を与える:
1.凍結および解凍後の試料中の一定数の生存細胞を保証する企業は、生存率の範囲を補償するために試料を過剰充填しなければならない。仮に細胞のばらつきを減少させることができる場合、より少ない細胞量を必要とすることになり、それでも生存可能な最小数が保証される。これにより、コストが大幅に削減される。
2.細胞のばらつきは別として、仮に全体的な生存率を高めることができれば、同じ生産コストで総収量が高くなる。
3.凍結および解凍された接着細胞でのマルチウェルプレート(例えば、96ウェルプレートおよび384ウェルプレート)を使用するハイスループットスクリーニングは、関心のある細胞の種類(肝細胞、筋細胞、幹細胞株など)の多くでは不可能である。細胞のバックグラウンドでのばらつきは、有意な試験結果を同定するにはあまりにも多くの「ノイズ」を引き起こす。これにより、企業は、接着細胞で調製された「新鮮な」(すなわち、凍結されていない)マルチウェルプレートを使用するか、単一の凍結した供給源からマルチウェルプレートをシーディングすることを強いられる。いずれの選択肢も、マルチウェルテストのロジスティクスを複雑にすると同時に、時間とコストが大幅に増加する。
過冷却された水溶液中の氷核形成は、2つの異なるプロセスによって起こり得る:
1)均質な氷核形成は、水体(body of the water)内のランダムな密度変動によって簡単に生じ、そのような分子クラスターの成長および崩壊の動力学および氷の結晶化のための核として作用する同分子クラスターの能力については十分に記載されている。
2)不均質な氷核形成または促進された氷核形成は、水と接触している固体または液体の基質によって触媒され、吸着された水分子のグループが氷形成を促進することができる形態をとることを可能にする。実際には、凍結保存試料中の氷核形成は不均質なメカニズムによって起こる。
凍結保存の間に経験される氷核形成温度の範囲を減少させるために、試料内で氷核形成を誘発するために多数の物理的方法が用いられてきた。
1)「シーディング(seeding)」。哺乳動物組織培養の基本的な低温生物学の初期の研究において、細胞およびのちのIVF試料は、過冷却された試料への小さな氷結晶の物理的導入によってシーディングされていた。この手順に伴う汚染の可能性を取り除くために、閉じた冷凍容器の外側にコールドスポットを手動で生成することによって試料中に氷核形成を誘発することが現在では一般的に行われており、これはいまでも誤って「シーディング」と呼ばれている。
2)エレクトロフリージング(Electrofreezing)。金属電極に印加される高電圧は、過冷却水中での氷形成を誘導することが示されており、これは凍結保存に適用されている。
3)機械的方法。振盪、テーピング(taping)、超音波の適用は、過冷却された試料中で氷を誘導するのに非常に有効であり得る。実験的な凍結乾燥装置では、超音波氷核形成が実施されている。
4)「衝撃冷却」。従来のゆっくりとした冷却に続いて、試料を急速に冷却し、その後さらに温度勾配の複合セットにさらす。試料の壁に「コールドスポット(cold spot)」が形成され、局所的な氷核形成をもたらす可能性がある。速度の制御を備えた凍結装置の数多くの供給業者が、同供給業者の装置に衝撃冷却機能を組み込んでいる。
5)圧力シフト。この方法は、圧力を制御することができるチャンバ内に試料を収容する凍結乾燥に適用されている。試料をアルゴンで28psig(193kPa)まで加圧し、次いで所望の核形成温度に冷却し、その後、圧力を1psig(6.9kPa)に下げて核形成を誘発する。
これらの物理的方法は、標準化することが困難であり、従来の冷却速度装置に組み込むことが困難であり、多数の試料またはすべての試料容器との互換性がない。別のアプローチは、氷の不均一核形成剤を使用し、これらを試料容器または懸濁液に組み込むことである。凍結保存中の氷核形成は、懸濁媒体中に特定の氷核形成触媒を含めることによって実証されている。検討された氷核剤には、細菌シュードモナス・シリンガエ(Pseudomonas syringae)、結晶コレステロール、封入されたヨウ化銀および長石が含まれる。これらの材料は、効率的な氷核形成剤であるが、現在の適正製造基準(cGMP)適合材料とすることが困難であるか、または生体適合性でなく、従って多くの用途で使用することができない。また、凍結および融解後に、そうでなければ細胞の生存率および機能を妨害する可能性がある氷核剤を除去する必要がある。現在のところ、これらの問題を回避するデバイスであって、試料への氷核形成剤の提示を可能にするデバイスは存在していない。
したがって、本出願人は、氷形成および氷核形成を制御するための改良された装置の必要性を認識している。
本発明の第1の態様によれば、氷核形成を実施するための装置が提供され、同装置は、キャビティと少なくとも1つの透過性ハウジング壁とを含む少なくとも1つのハウジングと、キャビティ内に封入された氷核形成材料とを含む。
実施形態では、ハウジングは、第1の透過性ハウジング壁と第2の透過性ハウジング壁とを含む。2つの透過性ハウジング壁を有する利点は、液体が氷核形成材料に接触する機会が増加し、氷結晶の形成を加速させる可能性があるという点にある。特に氷核形成材料が粉体の形態で提供される実施形態では、キャビティ内に空気が存在する可能性がある。透過性ハウジング壁は、キャビティが液体および氷核形成材料で実質的に満たされるように、液体がキャビティに入ることを可能にし、空気がキャビティから逃げることを可能にする。これにより、キャビティ内の圧力の蓄積が減少し、氷核形成材料と相互作用することができる液体の量が増加する(それによって氷形成が加速される)。
実施形態では、第1の透過性ハウジング壁は第1の層で形成され、第2の透過性ハウジング壁は第2の層で形成され、キャビティは第1の層と第2の層の間に設けられる。
好ましくは、第1の層および第2の層は、キャビティ内に氷核形成材料を封入するために、ハウジングの縁部であってキャビティを囲む縁部にて少なくとも互いに結合される。
付随的または代替的に、ハウジングは、第1の部分および第2の部分を有する透過性材料層から形成されてもよく、第1の透過性ハウジング壁は透過性材料層の第1の部分から形成され、第2の透過性ハウジング壁は透過性材料層の第2の部分から形成され、かつキャビティは、透過性材料層の第1の部分と第2の部分との間に設けられている。
好ましくは、透過性材料層は、透過性材料層の第1の部分と第2の部分との間にキャビティを形成するように折り畳まれ、第1の部分と第2の部分は、キャビティ内に氷核形成材料を封入するために、ハウジングの縁部であってキャビティを囲む縁部にて少なくとも互いに結合される。
付随的または代替的に、ハウジングは、ハウジング本体および透過性ハウジング壁を含み、キャビティは、ハウジング本体と透過性ハウジング壁との間に設けられる。
好ましくは、ハウジング本体は、同ハウジング本体の表面に凹部を備え、凹部はキャビティを形成し、透過性ハウジング壁は凹部を覆って設けられ、キャビティ内に氷核形成材料を封入するために、ハウジング本体の表面に結合される。
代替的な実施形態では、ハウジングは、ハウジング本体と、第1の透過性ハウジング壁と、第2の透過性ハウジング壁とを備え、ハウジング本体は貫通穴を含むディスクであり、貫通穴はキャビティを形成し、キャビティ内に氷核形成材料を封入するために、第1の透過性ハウジング壁が貫通穴を覆って設けられ、ハウジング本体の第1の表面に結合され、第2の透過性ハウジング壁が貫通穴を覆って設けられ、ハウジング本体の第2の表面に結合される。
上記実施形態のいずれかにおいて、装置は、ハウジングに結合されたステムをさらに備えていてもよい。ステムの利点は、ステムが容器内の装置の位置を制御するために使用できる点にある。さらに、ステムは、解凍後に容器から装置を取り外すことの容易さを改善する。
上記の実施形態のいずれかにおいて、装置は、第1の端部および第2の端部を有するステムをさらに備えていてもよく、第1の端部はハウジングに連結され、第2の端部は容器の蓋に連結される。有利なことに、これは、装置を各容器内の所定の一貫した位置に配置することを可能にし、さらに、解凍後に容器から装置を取り外すことの容易さを改善することができる。
いくつかの実施形態では、装置は、複数のウェルと、複数の一体化ハウジングとを含むマルチウェルプレートを含み、複数の一体化ハウジングのうちの1つの一体化ハウジングは複数のウェルのうちの1つのウェルに一体化される。
好ましくは、一体化ハウジングは、一体化ハウジング壁と、一体化透過性ハウジング壁と、一体化ハウジング壁と一体化透過性ハウジング壁との間の一体化キャビティとを含み、一体化キャビティは、氷核形成材料を含有する。
実施形態では、一体化ハウジング壁は、ウェルの側壁の少なくとも一部から形成される。付随的または代替的に、一体化ハウジング壁は、少なくともウェルの底壁から形成される。ウェルの底壁は、内面に凹部を備え、凹部は一体化キャビティを形成し、一体化透過性ハウジング壁は凹部を覆って設けられ、氷結核材料をキャビティ内に封入するために、底壁の内面に結合される。
好ましい実施形態では、装置は、複数のウェルを有するマルチウェルプレートのための挿入プレートを含み、挿入プレートは、アレイにて配置されている複数の脚部と、複数の足部とを含み、各脚部は、前記挿入プレートに結合されるとともに同挿入プレートの表面から延びる第1の近位端部を有し、各足部は脚部の第2の遠位端部に連結されている。
挿入プレートはマルチウェルプレートに結合可能であり、マルチウェルプレートの複数のウェルに複数の足部を提供し、それにより氷核形成材料を各ウェルに送達することができる。
実施形態では、挿入プレートは、アレイに配置された複数の穴をさらに含み、各脚部は、穴に近接して挿入プレートに結合される。
少なくとも1つのハウジングは複数のハウジングからなり、各ハウジングは足部内に設けられ、各ハウジングはキャビティと少なくとも1つの透過性ハウジング壁とを含む。
好ましくは、各ハウジングは、第1の透過性ハウジング壁と第2の透過性ハウジング壁とを含み、キャビティは、第1の透過性ハウジング壁と第2の透過性ハウジング壁との間に設けられる。
上記した実施形態のいずれかにおいて、ハウジングは少なくとも1つの換気穴を含み、水が透過性ハウジング壁を通ってキャビティに入ると、キャビティ内の空気を逃がし、それによりキャビティ内の圧力を減少させる。
実施形態では、挿入プレートは、マルチウェルプレート上にスナップ嵌めすることができる。実施形態では、挿入プレートの各脚部の長さは、マルチウェルプレートの各ウェルの深さよりも短い。実施形態では、脚部と足部とを合わせた長さは、マルチウェルプレートの各ウェルの深さよりも小さい。いずれの場合も、この配置は、ウェルの底部(冷却が適用され、氷形成がより起こりやすい)の近くに足部(したがって氷核形成材料)を設けることを可能にする。この配置は、そうでなければ生物学的材料に損傷を与える可能性のある、ウェルの底部またはその近くに存在する任意の生物学的物質(例えば、細胞)に足部が接触するのを妨げることができる。
透過性ハウジング壁若しくは各透過性ハウジング壁または本明細書に記載の各実施形態は、透過性材料、1つまたは複数の穴を含む材料、スポンジ材料、スポンジ材料を含む材料、ウィッキング材料、フィルタプレート、フィルタ材料、メッシュ材料、透過性膜、親水性フィルタおよび親水性膜材料のうちの任意の1つから形成されてもよい。
本明細書に記載された実施形態のいずれにおいても、氷核形成材料は、グラム陰性菌、シュードモナス・シリンガエ、結晶コレステロール、封入されたヨウ化銀、および長石のいずれかであってもよい。
本発明の第2の態様によれば、容器内に氷を核形成するために、本明細書に記載の装置の使用が提供され、容器は、試験管、バイアル、ストロー、マルチウェルプレートのウェル、マルチウェルプレート、およびバッグのうちの任意の1つを含む。
本発明の第3の態様によれば、マルチウェルプレート内の氷を核形成するために、本明細書に記載の装置の使用が提供される。
本発明の第4の態様によれば、氷を核形成する方法が提供され、同方法は凍結させる生物学的試料を含む容器に本明細書に記載の装置を挿入するステップを含む。
本発明の第5の態様によれば、氷を核形成する方法が提供され、同方法は凍結させる生物学的試料をそれぞれ含む複数のウェルを有するマルチウェルプレートに本明細書に記載の装置を挿入するステップを含む。好ましくは、装置はマルチウェルプレートと互換性がある。したがって、好ましくは、マルチウェルプレートに挿入された装置はN個xM個のアレイの脚部を含み、マルチウェルプレートの複数のウェルはN個xM個のアレイに配置されている。
本発明の第6の態様によれば、凍結されるべき試料を収容するための容器と、本明細書に記載の装置と、を含む氷核形成を実施するためのシステムが提供される。容器は、試験管、バイアル、ストロー、マルチウェルプレートのウェル、マルチウェルプレート、およびバッグのうちの任意の1つであってもよい。
一実施形態による、氷核形成を実施するための装置の側方からの断面図である。 さらなる実施形態による、氷核形成を実施するための装置の側方からの断面図である。 さらなる実施形態による氷核形成を実施するための装置の側方からの断面図である。 さらなる実施形態による氷核形成を実施するための装置の側方からの断面図である。 氷核形成装置を含むシステムを示す。 氷核形成装置を含むシステム(左)および氷核形成装置の斜視図(右)を示す。 ステムを有する氷核形成装置を含むシステムを示す。 ステムを有する氷核形成装置を含むシステム(左)および氷核形成装置の斜視図(右)を示す。 容器の蓋に結合されたステムを有する氷核形成装置を含むシステムを示す。 容器の蓋に結合されたステムを有する氷核形成装置を含むシステム(左)および氷核形成装置の斜視図(右)を示す。 典型的なマルチウェルプレートのウェルの断面図を示す。 装置がマルチウェルプレートの形態をとる実施形態における、氷核形成装置の一部の断面図を示す。 装置がマルチウェルプレートの形態をとる更なる実施形態における、氷核形成装置の一部の断面図を示す。 装置がマルチウェルプレートの形態をとる更なる実施形態における、氷核形成装置の一部の断面図を示す。 装置がマルチウェルプレート用の挿入プレートの形態をとる実施形態における氷核形成装置の一部の側方からの断面図を示す。 マルチウェルプレートのウェル内の図8aの氷核形成装置の一部の断面図を示す。 図8aの氷核形成装置の一部に氷核形成材料を封入するステップを示す概略図である。 氷核形成装置の一実施形態における氷核形成材料を封入するステップを示す概略図である。 マルチウェルプレートのための挿入プレートの形態をとる氷核形成装置の斜視図および氷核形成装置の一部の拡大図を示す。 図9aの氷核形成装置の底面の斜視図を示す。 (a)氷核形成材料を含まない複数の別個の試料、および(b)氷核形成材料を添加した同じ試料についての、溶液の温度対時間を示すグラフである。
これらの技法は、例として、添付の図面に図式的に示されている。
概して言えば、本技法の実施形態は、凍結保存および凍結乾燥のプロセス時等において、氷形成を制御するための装置を提供する。特に、同装置は、氷核形成剤が試料内の生物学的物質に接触することなく、または生物学的物質を汚染することなく、保存されるべき生物学的試料に氷核形成材料を送達するための機構を提供する。有利なことに、装置の実施形態は、バイアル、チューブ、マルチウェルプレートなどの既存の広く使用される実験装置との互換性を備えて製造されてもよい。装置のさらなる利点は、試料の凍結および引き続く解凍の後の細胞生存率の増加である。
本願の装置は、試料が同試料の融点に近い温度で凍結するように、凍結保存および凍結乾燥における凍結プロセスを制御すること(および特に氷形成の制御)を可能にする。少量の液体は、その液体の融点より低い温度で凍結することがある。例えば、10リットルの水が(1気圧の大気で)凍結する温度は約0℃であるが、より少量の水、例えば、数マイクロリットルの水は、典型的には非常に低い温度、例えば−30℃(1気圧の大気で)で凍結する。さらに、少量の水が凍結する正確な温度にはかなりのばらつきがある。凍結試料が生物学的物質(例えば、細胞)を含む場合、生物学的物質の生存率は、凍結および解凍プロセスに依存する。典型的には、生物学的試料は少量で凍結され、したがって生物学的材料が含まれる試料/液体の融点よりも低い温度で凍結する。しかしながら、生物学的試料が同試料の融点よりも遥かに低い温度で凍結した場合、凍結および解凍プロセスの間に損傷を受けるまたは変性する可能性が大きい。したがって、凍結中に生物学的試料に損傷を与えるリスクを低減するために、試料に氷核形成材料を添加するなどして、試料が凍結する温度を上昇させる技術が使用される。
氷核形成装置は、凍結される試料に氷核形成材料を有利に送達し、氷核形成材料が試料を透過して同試料中の生物学的物質と接触するのを防止する。以下でより詳細に説明するように、氷核形成装置は異なる形態をとってもよく、即ち、試料を含む容器に添加することができる装置であってもよく、マルチウェルプレートの形態であってもよく、および/またはマルチウェルプレートのための挿入プレートの形態であってもよい。各実施形態において、氷核形成装置は、キャビティと少なくとも1つの透過性ハウジング壁とを有するハウジングと、キャビティ内に封入された氷核形成材料とを含む。透過性ハウジング壁は、液体分子(例えば水)に対して透過性であるが、任意の生物学的物質(例えば、細胞、タンパク質、ワクチンなど)に対して透過性でなくてもよく、氷核形成材料に対して透過性でなくてもよい。したがって、凍結させる試料を装置に接触させると、試料中の液体が透過性ハウジング壁を透過して、試料が冷却されている間に装置によって液体氷結晶の形成が誘発される。試料の温度が充分に低い温度に達すると、氷核形成材料が氷結晶の形成を開始する(seed)。氷結晶は液体試料中を広がる。氷核形成装置は凍結試料内に留まり、凍結試料が解凍された後に除去されてもよい。実施形態では、氷核形成装置は再使用可能であってもよい。あるいは、氷核形成装置は単回使用のための装置であり、すなわち使い捨て可能である。
実施形態では、透過性ハウジング壁の孔径は、氷核形成材料の粒子のサイズより大きくてもよいが、氷核形成材料が粉体の形態であるとき、粒子は互いに結合して流れなくなる傾向になる。氷核形成材料が濡れると、それは多くの場合、さらに流動することを嫌う。従って、氷核形成材料が孔を通ってキャビティから逃げる可能性が減少する。実施形態では、透過性ハウジング壁の孔径は、容器内の生物学的物質(例えば、細胞)のサイズより大きくてもよい。しかしながら、生物学的物質は、生物学的物質が装置に直接接触して透過性ハウジング壁を透過することが起こり得ないように、典型的には、容器の基部上に堆積されるか、または容器の基部に配置されるか、多くの場合基部に実質的に固定され得る。
用語「装置(apparatus)」は、本明細書では、用語「氷核形成装置」、「デバイス」および「物質を含有するデバイス」と互換的に使用される。
用語「氷核形成材料」は、本明細書では、用語「氷核剤」、「核形成剤」、および「凍結剤」と互換的に使用される。
用語「試料」は、本明細書では、用語「生物学的試料」、「生物学的物質」、「生物学的材料」、「生物学的媒体」、「液体」および「流体」と互換的に使用される。
「試料」は、以下でより詳細に説明するように、容器内に含まれていてもよい。「容器」という用語は、本明細書では、用語「容器(vessel)」、「試料容器」、「試験管」、「バイアル」、「ストロー」、「マルチウェルプレート」、「ウェル」、「バッグ」と互換的に使用される。
用語「透過性ハウジング壁」は、本明細書では、用語「分割バリア」、「バリア」「透過性膜」、「膜」、「膜材料」および「膜層」と互換的に使用される。しかしながら、透過性ハウジング壁は、任意の適切な透過性材料または物質で形成されてもよく、「膜」は単に例示的な材料であることが理解される。透過性ハウジング壁または各透過性ハウジング壁は、透過性材料、1つまたは複数の穴を含む材料、スポンジ材料、スポンジ材料を含む材料、ウィッキング材料、フィルタプレート、フィルタ材料、メッシュ材料、透過性膜、親水性フィルタ、親水性膜材料等のうちの任意の1つから形成され得る。
図1aは、一実施形態による氷核形成を実施するための装置10の側方からの断面図を示す。この実施形態では、装置10は、ハウジング部/ハウジング12(破線で示す)を含む。ハウジング12は壁14および壁18を含み、そしてキャビティ20を含む。キャビティ20は、壁14と壁16との間に配置されている(または壁14と壁16との間に形成されている)。壁14および16は、図示したようにハウジング12を越えて延在してもよい。装置10は、キャビティ20内に封入された氷核形成材料(図示しない)を含む。ハウジング12は、少なくとも1つの縁部18を含む。壁14および16は、キャビティ20を形成し、かつキャビティ内の氷核形成材料を封入するために縁部18にて互いに結合されている。
装置10は、(図4aおよび図4bに示すように)凍結されるべき試料を含有する容器に加えられ得るデバイスである。したがって、壁14および壁16の少なくとも一方は、試料中の液体がキャビティ20内に封入された氷核形成材料と接触することを可能にする透過性ハウジング壁である。実施形態では、壁14および壁16の両方が透過性ハウジング壁であり、同じ材料または異なる材料で形成されていてもよい。図1aに示すように、壁14および16は別個の層から形成されてもよく、すなわち、壁14は第1の層で形成され、壁16は第2の層で形成されている。第1の層および第2の層は、キャビティ内の氷核形成材料を封入するために、ハウジング12の少なくとも縁部18で互いに結合されてもよい。代替的な実施形態(図示しない)では、ハウジング12は、第1の部分および第2の部分を有する透過性層から形成されてもよく、ハウジング12の第1の透過性ハウジング壁14は、透過性材料層の第1の部分から形成され、第2の透過性ハウジング壁16は、透過性材料層の第2の部分から形成される。すなわち、単一の透過性材料層を折り畳んで、ハウジング12の壁14および壁16を設けることができる。このような構成では、キャビティ20は、透過性材料層の第1の部分と第2の部分との間に設けられる。透過性材料層の第1の部分および第2の部分は、ハウジング12の少なくとも縁部18で互いに結合されて、キャビティ20内の氷核形成材料を封入し、この構成では、縁部18がキャビティ20を取り囲んでいる。
壁14および16(または単一の透過性層の第1の部分および第2の部分)を結合するための任意の適切な技術を使用して、キャビティ20内の氷核形成材料を封入することができる。例えば、壁14および16は、縁部18にて一緒にヒートシールされてもよく、または接着剤または機械的結合技術を用いて結合されてもよい。
図1aに示す実施形態では、キャビティは、ハウジング12の壁の1つ、すなわち壁14を成形することによって形成される。この場合、キャビティ20は実質的に半球形状を有するが、他の任意の形状を採用することもできる。代替的な実施形態では、図1bに示すように、ハウジング壁14および16の両方を成形することによってキャビティ20を形成することができる。図1bは、さらなる実施形態による氷核形成を実施するための装置の側方からの断面図を示す。ここでは、装置20は、ハウジング部/ハウジング22(破線で示す)を含む。ハウジング22は、壁24および壁26を含み、壁24と壁26との間に配置された(または壁24と壁26との間に形成された)キャビティ30を含む。装置20はキャビティ30内に封入された氷核形成材料(図示しない)を含む。ハウジング22は、少なくとも1つの縁部28を含む。壁24および26は、縁部28にて一緒に結合されてキャビティ30を形成し、氷核形成材料をキャビティ内に封入する。この実施形態では、壁24および壁26の両方が、キャビティ30を形成するために成形されている。図示されているように、キャビティ30は、実質的に球形の形状を有することができるが、他の任意の形状が採用されてもよく、壁24および壁26の各々は、異なる形状/形態を有していてもよい。
図1bの装置20を形成するために使用される技術および材料は、図1aの装置10に関して上で説明したものと同様である。特に、ハウジング壁14および16、およびハウジング壁24および26の少なくとも一方は、液体(例えば水)に対して透過性である。実施形態では、ハウジング壁14および16の両方、ならびにハウジング壁24および26の両方は、水/液体に対して透過性である。透過性ハウジング壁は、上記したように、水および空気を透過するが、試料内に存在する生物学的材料に対して透過性でなくてもよく、氷核形成装置内に封入された氷核形成材料に対して透過性でなくてもよい1つまたは複数の孔/穴を有する材料から構成されていてもよい。ハウジング壁のいずれも、透過性材料、1つまたは複数の穴を含む材料、スポンジ材料、スポンジ材料を含む材料、ウィッキング(wicking)材料、フィルタプレート、透過性膜、親水性フィルタ、および親水性膜材料を含む種々の材料から作製することができる。
透過性ハウジング壁の1つまたは複数の孔の典型的な孔径(例えば直径)は、0.1μm〜10μmの範囲であり得るが、孔は、凍結されるべき試料中の液体が透過性ハウジング壁を透過できるが、氷核形成材料がキャビティから透過して出ていくことを防止する(またはその可能性を低減する)ことを可能にする任意の適切な直径であってもよい。実施形態では、透過性ハウジング壁または各透過性ハウジング壁は、広範囲の孔サイズを備えて利用可能な標準的な実験用濾紙から構成することができる。
氷核形成装置のキャビティ(例えば、キャビティ20およびキャビティ30)は、約1mmのキャビティ容量を有していてもよい。好ましくは、キャビティは、キャビティ内に十分な量の氷核形成材料を封入して、試料内の氷核形成を容易にする、または試料中の氷形成プロセスを最適化するのに適した容積を有する。実施形態では、キャビティ容積は、0.1mm〜100mmの範囲にある。
氷核形成物質は、グラム陰性菌、シュードモナス・シリンガエ、結晶コレステロール、封入されたヨウ化銀、および長石のようなある範囲の材料からなり、粒子形態を含む任意の物理的形態であり得る。バルク形態であるよりも粒状形態である利点は、バルク形態と比較して粒状形態が比較的高い表面積を含み、そのことにより氷核形成材料の氷核形成活性を増加させることである。好ましくは、試料を凍結するために使用される氷核形成材料は、試料を汚染しないものである。例えば、生物学的試料の凍結を開始するために使用される場合、氷核形成材料は有毒であるべきではなく、過度に酸性若しくはアルカリ性であるべきではなく、または生物学的に活性であるべきではない。
ここで図2を参照すると、これは、さらなる実施形態に従って氷核形成を実施するための装置40の側方からの断面図を示す。この実施形態では、装置40はハウジング44を含む。ハウジング44(破線で示す)は、ハウジング本体42の全部または一部、透過性ハウジング壁48の全部または一部、およびキャビティ46を含む。キャビティ46は、ハウジング本体42と透過性ハウジング壁48との間に設けられている。装置40は、(図4aおよび図4bに示すように)凍結されるべき試料を含有する容器に加えられるデバイスである。したがって、透過性ハウジング壁48は、試料中の液体がキャビティ46内に封入された氷核形成材料(図示しない)と接触することを可能にする。実施形態では、ハウジング本体42は、不透過性材料で形成され得るが、特定の実施形態では、ハウジング本体42は、透過性材料で形成されてもよい。ハウジング本体42および透過性ハウジング壁48は、同じ材料から形成されてもよく、同材料は、透過性ハウジング壁48を形成するべく透過可能となるように適合されてもよい(例えば、同材料内に孔/穴を形成することによって、または他の方法で)。
ハウジング本体42は、任意の適切な材料、例えば低温に耐えることができるポリマー、から構成することができる。実施形態では、ハウジング本体42はポリプロピレンで形成されてもよく、その理由は、ポリプロピレンは低温用途に十分に適しており、(例えば、透過性ハウジング壁48をハウジング本体42に結合するために)装置40を製造するために典型的に使用されるヒートシールプロセスと適合しているからである。透過性ハウジング壁48は、上述したもののような任意の透過性材料から形成することができる。
ハウジング壁48は、ヒートシールなどの任意の適切な結合技術によって、接着剤を使用して、またはハウジング44の縁部50にて機械的固定を使用して、少なくともハウジング44の縁部50でハウジング本体42に結合される。キャビティ46は、上述したもののような任意の適切な氷核形成材料で充填されてもよい。
図3は、さらなる実施形態に従って氷核形成を実施するための装置60の側方からの断面図を示す。この実施形態では、装置60はハウジング62を含む。ハウジング62は、ハウジング本体68と、第1の透過性ハウジング壁64と、第2の透過性ハウジング壁66とを含む。ハウジング本体68は、貫通穴を含むディスクであってもよく、同貫通穴はキャビティ72を形成する。第1の透過性ハウジング壁64は、貫通穴を覆って設けられ、ハウジング本体68の第1の表面に結合され、第2の透過性ハウジング壁66は、貫通穴を覆って設けられ、キャビティ72内に氷核形成材料を封入するために、ハウジング本体68の第2の表面に結合されている。
この実施形態では、ハウジング壁64および66は、(図示されるように)別個の材料層から形成されてもよく、またはハウジング本体68(変形例は図示しない)の周りに巻かれた材料の単一層から形成されてもよい。両方のハウジング壁64および66は好ましくは水に対して透過性であるが、実施形態では、ハウジング壁64および66の一方は不透過性であってもよい。ハウジング壁64および66は、水および空気を透過させるが、試料中に存在する生物学的材料に対して透過性でなくてもよく、かつ上述したように氷核形成物質に対して透過性でない細孔を有する材料で形成されてもよい。(すなわち、氷核形成材料の粉体粒子は、細孔を通過する可能性が低く、流動しにくいクラスターまたは塊に共に結合する傾向がある。生物学的物質は、典型的には、同生物学的材料が装置に直接接触して透過性ハウジング壁を透過することが起こり得ないように、試料容器の底部に堆積されるか、或いは実質的に固定される)。ハウジング壁64および66は、それぞれ、ヒートシール技術、接着剤のいずれかによって、ハウジング62の少なくとも縁部70にて機械的に固定することによって、ハウジング本体68の第1の表面および第2の表面に結合されてもよい。縁部70は、キャビティ72を取り囲んでいる。氷核形成材料はキャビティ72内に設けられている。キャビティ72は、試料内の氷核形成を容易にするために、または試料中の氷形成プロセスを最適化するために、キャビティ内に十分な量の氷核形成物質を封入するのに適した容積を有する。実施形態では、キャビティ容積は、0.1mm〜100mmの範囲にある。
図4aは、氷核形成装置82および容器84を含むシステム80を示す。容器84は、凍結保存容器のような凍結試料を保存するために一般的に使用される容器であり得る。容器84は、バイアル、ストロー、マルチウェルプレート、およびバッグなどであるがこれらに限定されない、凍結され、後で解凍される試料を保持および保管するための、一般的には任意の適切な容器である。氷核形成装置82は、例えば、図1a、1b、2および3を参照して上述した氷核形成装置のいずれかであってもよい。図示の実施形態では、氷核形成装置は図2の装置40に類似するが、これはシステムの単なる例示である。容器84は、蓋86および本体88(「本体」または「本体部分」とも呼ばれる)を含む。蓋86は、キャップ、ストッパ、ねじ山付き蓋、または容器84を閉鎖/密封するのに適した任意の他の蓋であってもよい。
試料を凍結するために、まず試料が容器84に入れられる。試料は、細胞またはタンパク質のような生物学的物質を含有する液体であってもよい。(図4aでは、試料の存在を単に示すために充填ライン89が示されている)。氷核形成装置82は、試料の内部にあるように(すなわち、充填ライン89の下にあるように)容器の本体88内に配置される。容器84は冷却機構または装置(図示しない)によって冷却され、典型的には図示されているように容器84の下方から冷却される。試料中の液体は、既に説明したように、透過性ハウジング壁、または各透過性ハウジング壁を通過することによって、装置82内に収容された氷核形成材料と接触することができる。氷核形成材料と接触する液体は、氷結晶を形成し、この結晶は、冷却が適用されるときに試料中を伝播して成長し、それによって試料を凍結させる。装置82は、試料中で凍結し、試料中(および容器84中)に残る。装置82は、試料が解凍されたときに試料(および容器84)から取り出されてもよい。
図4bは、図4aのシステム80の画像(左)と、氷核形成装置の画像(右)と、を示す(同じ縮尺ではない)。この例では、容器84はねじ山付き蓋86を含んでいてもよい。図示されているように、氷核形成装置82は、好ましくは、氷核形成および凍結の速度を増加させるべく同氷核形成装置82がシステム80に冷却を付与する冷却機構に最も近くなるように容器84の本体88の底部に挿入される。
図5aは、容器96および氷核形成装置92を含むシステム90を示す。氷核形成装置92は、ステム94(「アーム(arm)」または「棒(Wand)」とも呼ばれる)を備える。容器96は、蓋98と本体100とを備え、図4aに示され、上述された容器と類似している。氷核形成装置92は、例えば、図1a、1b、2および3を参照して上述した氷核形成装置のいずれかであってもよい。図示された実施形態では、氷核形成装置92は、図2の装置40に類似し、ステム94が加えられたものであるが、これはシステムの単なる例示である。
上述したように、試料を凍結するために、まず試料が容器96に入れられる。試料は、細胞またはタンパク質のような生物学的物質を含有する液体であってもよい。図5aでは、試料の存在を単に示すために充填ライン99が示されている。氷核形成装置92は、試料の内部にあるように(すなわち、充填ライン99の下にあるように)容器96の本体100内に配置される。容器84は、図4aを参照して上述したように、冷却機構または冷却装置によって冷却される。装置92は、試料中で凍結し、試料中(および容器中96)に残る。装置92は、試料が解凍されたときに試料(および容器96)から取り出されてもよい。図5aに示す氷核形成装置92の実施形態の利点は、装置92のステム94が、容器96内の装置92の位置を制御することを可能にする点にある。この実施形態では、解凍時にステム94を引っ張ることにより、装置を容易にかつ手動にて取り出すことができる。
図5bは、図5aのシステム90の画像(左)と、氷核形成装置92の画像(右)とを示す(同じ縮尺ではない)。この例では、容器96はねじ山付き蓋98を含んでいてもよい。図示されているように、氷核形成装置92は、好ましくは、氷核形成および凍結の速度を増加させるべく同氷核形成装置92がシステム90に冷却を付与する冷却機構に最も近くなるように容器96の本体100の底部に挿入される。
図6aは、容器116と、容器116の蓋118に結合されたステム114を有する氷核形成装置112と、を含むシステム110を示す。氷核形成装置112は、ステム114(「アーム(arm)」または「棒(Wand)」とも呼ばれる)を備える。容器116は、蓋118と本体111とを備え、上述の図4aおよび図5aに示された容器と類似している。氷核形成装置112は、例えば、図1a、1b、2および3を参照して上述した氷核形成装置のいずれかであってもよい。図示された実施形態では、氷核形成装置112は、図2の装置40に類似し、蓋118に連結されたステム114が加えられたものであるが、これはシステムの単なる例示である。ステム114は、容器116(「クライオバイアル」または「凍結保存用容器」とも呼ばれる)の蓋118(「キャップ」とも称される)の内面に取り付けられる。
図6aに示される氷核形成装置の実施形態の利点は、蓋118に取り付けられたステム114が、容器116に対する氷核形成装置112の位置を、反復可能かつ正確な方法で制御できることである。この改善された制御の結果は、凍結および解凍プロセス後において、一貫した、かつより大きな試料の生存率をもたらす。この実施形態のさらなる利点は、冷却中に最低温度にあることが予想されるクライオバイアル116内の同じ位置に装置112が保持されることである。これは、バイアル内の氷核形成を最適化し、同時にすべてのバイアルで同じ熱履歴を保証する。解凍時に、キャップ118が緩められたときに、デバイス112は試料から取り外される。
図6bは、図6aのシステム110の画像(左)と、氷核形成装置112の画像(右)と、を示す(同じ縮尺ではない)。この例では、容器116はねじ山付き蓋118を含んでいてもよい。図示されているように、氷核形成装置112は、好ましくは、氷核形成および凍結の速度を増加させるべく同氷核形成装置112がシステム100に冷却を付与する冷却機構に最も近くなるように容器116の本体111の底部に挿入される。
図7aは、典型的なマルチウェルプレートのウェルの断面図を参照用に示す。図7bは、装置がマルチウェルプレートの形態をとる実施形態において、氷核形成装置の部分130の断面図を示す。マルチウェルプレート(図示しない)はウェルのアレイを含み、一般的に利用可能なマルチウェルプレートは6、12、24、48、96、384および1536のウェルを有する。装置がマルチウェルプレートの形態である実施形態では、装置は複数のウェルおよび複数の一体化ハウジングを備え、一体化ハウジングはウェル内に一体化される。図7bは、そのような氷核形成装置の部分130(すなわち、ウェル)を示す。図7bにおいて、ウェル130は本体132を備え、本体132は氷核形成材料を封入するためのキャビティ134を含む。本体132は、ウェル130の基部に底壁136を備える。ウェル132の底壁136の一部分内に配置された凹部は、キャビティ134を形成する。凹部は、底壁136の内面にある。透過性ハウジング壁138は、キャビティ134の上に配置され、キャビティ134を囲む底壁の縁部140で結合されている。キャビティ134および氷核形成材料を底壁136に有する利点は、ウェル132内の試料の最も冷たい部分および冷却機構(これはしばしばウェル132の下にある)に近接して配置される点にある。
透過性ハウジング壁138を底壁140の縁部に結合するプロセスは、上述した結合プロセスと同様であり、例えば、ヒートシール、接着剤および/または機械的結合が挙げられる。
実施形態では、凍結剤は、単一部品(例えばマルチウェルプレート)に成形された複数のチャンバ(例えばウェル)に添加され、その後、多孔質膜で適所に封止される。各チャンバは、マルチウェルプレート上の単一ウェルの底部に近接して配置され、付着細胞の一貫して低い過冷却を伴う高スループット凍結保存を可能にする。
図7cおよび図7dは、装置がマルチウェルプレートの形態をとる更なる実施形態における氷核形成装置の部分150の断面図を示す。部分150は、氷核形成材料を封入するためのウェル152およびキャビティ154を含む。図7cにおいて、キャビティ154は、ウェル152の内側側壁に沿って(全部または一部)形成される。キャビティ154は、ウェル152の内側側壁(の全部または一部)と透過性ハウジング壁158との間に形成される。透過性ハウジング壁は、結合点160でウェル152の内側側壁に結合されてもよい。
図7dにおいて、部分150は、氷核形成材料を封入するためのウェル152およびキャビティ154を含む。キャビティ154は、少なくとも2つの方法で形成することができる。例えば、ウェル152の側壁152の凹部がキャビティ154を形成していてもよい。凹部154は、側壁152の内面にある。透過性ハウジング壁158は、キャビティ154を覆って配置され、側壁152の縁部160であってキャビティ154を包囲する縁部160にて少なくとも結合されている。別の例では、キャビティ154は、リップ156と底壁157の一部との間に形成されてもよい。この例では、部分150は、図示されるように、部分的にウェル152内に延びるリップ156を有する。ウェル152は、少なくとも1つの側壁152と底壁157とを含む。底壁157は段部159を有する。キャビティ154は、段部159とリップ156との間に形成される。透過性ハウジング壁158は、キャビティ154を覆って設けられ、位置160において、段部159およびリップ156の表面に結合される。
図7dの実施形態は、図7cの実施形態よりも好ましい。その理由は、図7dの実施形態におけるウェル152の構造が、図7cの実施形態の場合よりも、透過性ハウジング壁158がより効率的におよび/またはより確実に、そして、より大きな表面積にて結合されることを可能にするからである。
図8aは、装置がマルチウェルプレートのための挿入プレートを含む実施形態における氷核形成装置の部分170の側面からの断面図を示す。図9aは、マルチウェルプレート(図示しない)用の挿入プレート192を含む氷核形成装置190の斜視図と、氷核形成装置190の断面の拡大図とを示す。図9bは、図9aの氷核形成装置の底面の斜視図を示す。
図9aおよび図9bに示す氷核形成装置190は、穴198のアレイを備える。アレイにおける穴198の数および穴の配置は、氷核形成装置190がマルチウェルプレートと共に使用されるときに、穴198がマルチウェルプレートのウェルと位置合わせされるように、マルチウェルプレートにおけるウェルの数および配置に一致/適合するように変更することができる。例えば、マルチウェルプレートはウェルのN個×M個アレイを含むことができ、氷核形成装置190は、同装置190がマルチウェルプレートと適合するように、穴のN個×M個アレイを含むことができる。氷核形成装置190は、任意のサイズおよびタイプの一般的に利用可能なマルチウェルプレート、例えば、6ウェル、12ウェル、24ウェル、48ウェル、96ウェル、384ウェル、および1536ウェルを有するマルチウェルプレートに適合するように製造され得る。従って、有利には、氷核形成装置190は、市販のマルチウェルプレートと互換性があり、マルチウェルプレートを適合させる必要はない。実施形態では、氷核形成装置190は、マルチウェルプレートにスナップ嵌めして、マルチウェルプレートに装置190を固定させてもよい。付随的または代替的に、氷核形成はマルチウェルプレート上に位置していてもよく、および/または任意の適切な技術を用いてマルチウェルプレートに固定してもよい。
装置190は、複数の足部(feet)および複数の脚部(legs)を備える。複数の脚部の脚部196は、第1の端部(または近位端部)において、穴198に近接して挿入プレート192に結合される。各脚部196は、同各脚部196が挿入プレート192の同じ側に位置決めされるように挿入プレート192の表面からほぼ垂直に延びている。各脚部196は、第2の端部(または遠位端部)において、複数の足部の足部194に結合されている。足部194は、キャビティと少なくとも1つの透過性ハウジング壁とを有するハウジングを含む。氷核形成材料はキャビティ内に封入される。複数の脚部の各脚部196の長さは、装置190がマルチウェルプレートに結合されたときに各足部194がウェル内の実質的に同一の深さに配置されるように、実質的に同一である。これにより、氷核形成材料を、マルチウェルプレートの各ウェル内の同じ位置に提供することができ、氷形成の一貫性および改善された制御が可能となる。脚部196の長さは、各足部194がウェルの底部からある量だけ分離されるように、マルチウェルプレートのウェルの長さ(または深さ)よりも短くてもよい。各足部194とウェルの底部との間の分離は、以下により詳細に記載されるように、試料が透過性ハウジング壁を透過し、氷核形成材料に接触することを可能にする。
装置190の穴198は、装置190がマルチウェルプレートに結合されると、試料をマルチウェルプレートに加えることを可能にする。実施形態では、試料をマルチウェルプレートのウェルに添加した後、装置190をマルチウェルプレートに結合することができる。
装置190の一部(挿入プレート192、脚部196および足部198など)は、単一の材料片から作製することができる。実施形態では、装置190の一部は、生体材料を収容し、凍結保存/凍結乾燥に使用するのに適したポリマーまたは任意の材料から形成することができる。装置190の部品を製造するために、射出成形および3D印刷などの技術を使用することができる。装置190のいくつかの部品は、以下の図8cおよび8dに関して説明したプロセスを使用して製造することができる。
図8aに戻ると、図9aおよび図9bに示される氷核形成装置がより詳細に記載されている。図8aは、挿入プレートと、複数の脚部と、複数の脚部とを含む氷核形成装置(例えば、図9aに示す装置190)の部分170を示す。部分170は、第1の端部で挿入プレート(図示しない)に結合された脚部171を有し、第2の端部で足部178に結合する。足部178はハウジング172を含む。ハウジング172は、キャビティ182と、第1のハウジング壁174と、第2のハウジング壁176と、を含む。キャビティ182は、第1のキャビティ開口部が足部178の上面に設けられ、第2のキャビティ開口部が足部178の底面に設けられるように、足部178の断面を貫通して延びていてもよい。第1のキャビティ開口部および第2のキャビティ開口部は、第1のハウジング壁174および第2のハウジング壁176によってそれぞれ覆われている。第1のハウジング壁174および第2のハウジング壁176の一方または両方は、透過性ハウジング壁であってもよい。好ましくは、第1のハウジング壁174および第2のハウジング壁176の両方が、透過性ハウジング壁である。これにより、キャビティ182内に封入された氷核形成材料と接触することができる液体の量が増大し、氷核形成による氷結晶形成の速度または効率が増加し得る。
ハウジング172は、足部178の表面から突出し、第1のキャビティ開口部および第2のキャビティ開口部に近接して(および、実施形態においては、周囲に)配置されたシーリングリップ180および188を備える。シーリングリップ180および188は、好ましくは、足部178を形成するために使用される材料と同じ材料で形成される。好ましい実施形態では、足部178およびシーリングリップ180、188は、ヒートシールプロセスにおける使用に適したポリマー材料から形成される。以下でより詳細に説明するように、ハウジング壁174および176は、好ましくはヒートシールプロセスを介して、キャビティ182内の氷核形成材料を封入するために足部178に結合される。シーリングリップ180、188は、足部178の犠牲部分であり、ヒートシールプロセスにおいて溶融して、ハウジング壁174、176を足部178/ハウジング172に結合する。シーリングリップ180、188を溶融することによって、壁174、176とハウジング172/足部178との間の結合が改善される。ハウジング172は、試料中の液体がハウジング壁176を通って透過するときに、氷核形成材料内の空気をハウジング172から逃がすことを可能にする換気口184を含む(それにより、キャビティ182内における圧力増加が回避される)。
各ハウジング壁174および176は、別個の材料片で形成される。実施形態では、各ハウジング壁174、176は、透過性材料の別個の片から形成される。別個の材料片は、同じ種類の材料であってもよく、異なる種類の材料であってもよい。各ハウジング壁174および176は、各ハウジング壁174および176を足部178に結合するために使用されるシールリップ180または188と接触している。
図8bは、マルチウェルプレート(図示しない)のウェル186内の図8aの氷核形成装置の部分170の断面図を示す。試料を凍結するために、氷核形成装置の挿入プレートはマルチウェルプレートに結合されて、装置の各脚部がマルチウェルプレートのウェルに挿入される。試料は、挿入プレートの穴を通してウェルに添加することができる(図9a参照)。試料は、細胞またはタンパク質などの生物学的物質を含有する液体であってもよい。図8bは、試料の存在を単に示すために充填ライン179を示す。ウェルに添加される試料の量は、試料が少なくとも下部透過性ハウジング壁176と接触するが、好ましくは上部透過性ハウジング壁174とも接触するようなものである必要があり得る。
図8aのハウジング172内に氷核形成材料を封入するために、以下の製造工程が行われてもよい。まず、第1のハウジング壁174をハウジング172に結合して、キャビティ182の第1の開口部をシールする。上述したように、ヒートシール技術を用いて第1のハウジング壁174をハウジング172に結合し、その間にリップ180は第1のハウジング壁174を定位置に固定するために溶融される。次いで、氷核形成装置を逆さまにして(すなわち、足部が上を向くようにして)、キャビティの第2の開口部を通って氷核形成材料をキャビティ182に加えることができるようにする。第2のハウジング壁176は、キャビティ182の第2の開口部をシールするために、ハウジング172/足部178に結合される。ヒートシール技術を使用して、第2のハウジング壁176をハウジング172に結合することができ、その間にリップ188が溶融されて第2のハウジング壁176を定位置に固定する。
図8cは、図8aの氷核形成装置のハウジング内に氷核形成材料を封入するステップを示す概略図である。図8cに示されるハウジングは、図8aに示されるハウジングからわずかに変更されている。具体的には、第1のハウジング壁は、図8aの実施形態に対して図8cの実施形態では異なる場所に配置されている。図8cの実施形態では、第1のハウジング壁180’は、足部178の外面ではなく、足部178内に配置されている。シールリップ174’は、(図8aによるような)足部178の外面ではなく足部178内に配置されている。これは、氷核形成材料を封入するキャビティ182’が足部178を通って延びていないためである(第1のキャビティ開口部は、足部178の上面に設けられるのではなく、換気口184上に開口し、一方、第2のキャビティ開口部は足部178の底面に設けられている)。図8cの構成の利点は、キャビティ182’を氷核形成材料で充填するために、第1のハウジング壁180’をハウジング172に結合した後に装置を回す(回転させる)必要がないので、キャビティ182’内に氷核形成材料を封入するための単純化されたプロセスになるという点である。
したがって、図8cの実施形態では、氷核形成材料をハウジング172’内に封入するために、以下の製造ステップに従うことができる。第1に、第1のハウジング壁174’は、キャビティ182’の第1の開口部をシールするためにハウジング172に結合される。上述したように、第1のハウジング壁174をハウジング172に結合するためにヒートシール技術を使用することができ、その間に第1のハウジング壁174’を所定の位置に固定するためにリップ180’が溶融される。氷核形成材料は、(装置を回す必要なしに)キャビティの第2の開口部を通ってキャビティ182’内に加えることができる。第2のハウジング壁176は、キャビティ182の第2の開口部をシールするために、ハウジング172/足部178に結合される。ヒートシール技術を使用して、第2のハウジング壁176をハウジング172に結合することができ、その間に第2のハウジング壁176を定位置に固定するためにリップ188が溶融される。図8cに示すように足部178の内側にハウジング壁174’を有する利点は、氷核形成材料を封入するステップ中に装置を回転させる必要がなく、製造の容易さと効率を改善することができる(そして、処理ステップを低減できる)点にある。
図8dは、氷核形成装置の一実施形態における氷核形成材料を封入するための例示的なステップを示す概略図である。最初に、挿入プレートが図8dに示すように、装置の複数の足部が上向きになる状態にてアライメントジグ200上に配置されるように装置190が配向される。次いで、装置190はアライメントジグ200上に配置される。アライメントジグ200は、ペグ(peg)202のアレイと、1つまたは複数のアライメントピン204と、を備える。装置は、図示された結合方向にて、アライメントピン204とともに/アライメントピン204に対して挿入プレートを位置合わせし、そしてジグ200のペグ202を装置190の挿入プレートの穴と位置合わせすることによって、ジグ上に差し込まれる。アライメントピン194を使用して装置190をジグ192に位置合わせするとともに、装置190の組み立てに使用される他の部品を位置合わせすることができる。次に、第1のハウジング壁前駆体206が装置190上に配置され、ハウジング壁前駆体206内の1つまたは複数の穴208を使用してジグ200と位置合わせされ、ここで、位置合わせされたときに穴208または各穴208をアライメントジグ200の各ピン204とかみ合わせる。第1のハウジング壁前駆体206は、ハウジング壁材料のシートを含む。第1のハウジング壁前駆体206は貫通孔218を含む。装置190に熱を付与して第1のハウジング壁材料と接触しているシーリングリップを溶融させるべくヒートシールツール(図示しない)を使用し、それによりハウジング壁材料をハウジングと結合する。ハウジング壁材料が装置190の各足部にヒートシールされると、ハウジング材料を装置190から引きはがすことによって(貫通孔218によって容易にできる)、余分な未使用のハウジング材料が装置190から除去される。
粉体マスク210を装置190の頂部に置き、アライメントジグ200のピン204と、または各ピン204と、かみ合うことができる1つまたは複数の穴212を使用して位置合わせさせる。次いで、粉体マスク210の穴213を介して氷核形成材料を散布することによって、氷核形成材料が装置190の各足部にあるキャビティ内に加えられる。粉体マスク210は装置190から除去される。実施形態において、氷核形成材料の密度は、バルク形態で約2.6gcm−3、粉体形態で約1.0gcm−3であってもよい。
第2の透過性ハウジング壁前駆体214が、装置190上に配置され、上述のヒートシールを使用して装置190にシールされる。第2の透過性ハウジング壁前駆体214は、ヒートシールプロセス後に前駆体214の未使用部分が容易に除去できるように穿孔216を含む。過剰な膜材料は、装置190に密封された後に除去される。
先に述べたように、透過性ハウジング壁または各透過性ハウジング壁は、以下の機能および特性の一部または全部を有することが好ましい:即ち、キャビティ内に氷核形成材料を保持すること、キャビティから空気を逃がすこと(そしてキャビティ内の圧力の増加を回避すること)、および流体試料がハウジング壁を通過して氷核形成材料と接触することを可能にすること。
透過性ハウジング壁は、氷核形成材料の粒子サイズに近い適切な孔サイズを有していてもよい。典型的には、0.1μm〜10μmの孔サイズ(直径)が適している。実施形態によっては、孔サイズは、氷核形成材料の粒子サイズより大きくてもよいが、氷核形成材料が粉体の形態であるとき、粒子は互いに結合し、流動しない傾向がある。氷核形成材料が濡れると、多くの場合、同氷核形成材料ば流動することを嫌う。従って、氷核形成材料が孔を通ってキャビティから逃げる可能性が減少する。
好ましくは、透過性ハウジング壁は、水を吸収し、流体試料が透過することを可能にする親水性材料から形成され、同流体が氷核形成材料と係合/接触することができる。標準的な実験室用の濾紙は、透過性ハウジング壁を提供するのに適した材料であり、広範囲の孔サイズで利用可能である。標準的な実験室用の濾紙は、通常、繊維状セルロース材料から製造される。
透過性ハウジング壁の繊維は、特にハウジングがポリマー材料で形成されている場合、ヒートシールプロセス中にハウジングと結合することができる。
第1のハウジング壁前駆体および第2のハウジング壁前駆体(挿入プレートの足部に氷核形成材料を封入するために使用される)は、好ましくは、複数のハウジング壁セグメントを含むシート材料であり、同セグメントは正しい位置に配置され、同セグメントが打ち抜かれ、レーザ切断され、そうでなければシートから除去されて足部に適用されることを可能にするサイズを有する。有利なことに、これにより、複数の足部の第1のハウジング壁を、単一の製造ステップで各足部に結合することが可能になる(そして、各足部の第2のハウジング壁に対しても同様に)。ハウジング壁セグメントは、ヒートシールされる前にハウジング壁セグメントを各足部に位置合わせさせるのに役立つ特定のパターンの穿孔によって取り囲まれてもよい。
図10は、(a)氷核形成材料を含まない複数の別個の試料、および(b)氷核形成材料を含む複数の別個の試料についての溶液の温度対時間を示すグラフである。(a)に見られるように、試料の温度における自然発生的なスパイク(spike)は変化する時間にて生じ、同スパイクは、典型的には10〜15℃のオーダーである。このような試料の温度における急激な移行は、凍結および解凍後の試料の生存率を低くすることが知られている。
(b)と表示されたトレースは、本発明の氷核形成装置を用いて達成された結果を表す。図からわかるように、冷却段階中に観察された温度のスパイクの振幅は、氷核形成装置が使用されない場合に比べて低い。これは、氷核形成を誘導するために氷核形成装置を使用するときに、試料生存率がなぜ向上するかを説明している。
製造後、上記の実施形態のいずれかの氷核形成装置は、密閉された適切な容器に包装される。特に装置が生物学的材料を凍結するために使用されることがあるため、包装全体および氷核形成装置は滅菌される(そして滅菌によって汚染を防止する)。ガンマ滅菌が好ましい。その理由は一度に大量の製品の滅菌に適しているからである。氷核形成材料が長石材料である実施形態では、長石がガンマ滅菌によって悪影響を受けないので、ガンマ滅菌が適している。
氷核形成装置の有効性を最大にするためには、適切な凍結、解凍および回収プロセスが必要である。
生物学的試料では、凍結プロセス中に細胞を保護するためにDMSOまたはグリセロールなどの凍結保護剤がしばしば使用される。凍結保護剤は、典型的には凍結される試料の5%を構成するであろう。
試料を含有する容器(例えば、容器、バイアル、またはウェル)内で、氷核形成材料を依然としてカバーしながら、可能な最小容量を使用することが推奨される。例えば、96ウェルプレートでは、1つのウェルの体積は400マイクロリットルであるが、試料を氷核形成装置に接触させ、氷核形成材料を実質的に飽和させる(すなわち、装置のキャビティを氷核形成材料および試料からの流体で実質的に満たす)ためには、例えば70マイクロリットルを充填することが必要とされる。氷核形成材料を試料からの流体によって実質的に飽和させることを可能にする任意の充填容積を使用することができ、これは一般的に言うとウェルの容積よりも小さいことは理解されるであろう。
凍結および解凍プロセスの後、凍結保護剤は軽度の毒性作用を有するので、生物学的試料は多くの場合「洗浄」される。凍結保護剤は希釈して除去される。凍結前に可能な限り小さな容量で容器を充填することにより、毒性の凍結保護剤は、試料に対して高い比率の水を用いて迅速に希釈することができる。次いで、希釈された液体は除去され、そして、必要に応じてこの「希釈および除去」のステップが繰り返される。
生物学的試料が容器(例えば、バイアルまたはマルチウェルプレートのウェル)に添加されると、氷核形成装置を加えることができる。同氷核形成装置は、凍結プロセス中および凍結プロセス後には適所にとどまる。同氷核形成装置は、数日または数年後であり得る解凍の後にのみ除去されかつ廃棄される。実施形態では、氷核形成デバイスは、単回使用のデバイスである。
氷核形成デバイスは、アシンプトートリミテッド(Asymptote Limited)が製造する「VIA Freeze(登録商標)」装置で最も効果的に機能する。従来の凍結装置は試料上に冷たいガスを吹き込み、外側の試料をより速く冷却させる。VIA Freeze(登録商標)システムは、試料の下面の伝導によって冷却し、すべての試料は同じ冷却プロファイルを経験する。
VIA Freezeシステム内でプログラムされた凍結プロトコルは、氷核形成装置の有効性を最大にするためにいくつかの特徴を有する:
・融解潜熱からのエネルギー放出を吸収するために、理論凝固点より数度低い保持時間。例えば、理論凝固点が−3℃の場合、−10℃で8分間の保持期間が凍結プログラムに含まれることがある。
・凍結移行を超える冷却速度は重要であり、凍結される試料の性質に依存する。これは、たとえば、一部の細胞では0.3℃/分であり、他のものでは2℃/分である。凍結後の冷却速度が過度に速いか遅い場合、試料を安全に凍結保存するためには氷核形成の制御が重要であるが、試料はまだ壊れている可能性がある。
・例えば−80℃または−100℃に一度凍結すると、試料はVIA Freezeシステムから取り出して長期間冷凍保存することができる。
試料は、好ましくは、生物学的試料を保護するのに十分な速度で解凍する。典型的には、凍結試料は10分以内に完全に解凍されるべきである。
本発明のさらなる実施形態は、以下の番号が付与された項に記載されている。
1.容器内に収容された氷を核形成する材料を含有するデバイスであって、容器のいくつかの壁は水に対して透過性である。デバイス内の氷核剤は、細胞を取り囲む溶液と接触しているが、生物学的材料が粒子で汚染されることを回避する。
2.氷核形成材料が、細菌シュードモナス・シリンガエ、結晶コレステロール、封入されたヨウ化銀および長石を任意の物理的形態で含むが、これに限定されない、項1に記載のデバイス。
3.核形成剤が、限定されるものではないが、試料溶液内の生物学的培地(media)を汚染することなく、
a.その中に穴を有する分割バリア
b.その中に一連の穴を有する分割バリア
c.ウィッキング材料またはスポンジ材料から全体的または部分的に作製される分割バリア
d.フィルタまたは膜材料から全体的にまたは部分的に作製される分割バリア
e.親水性フィルタまたは膜材料から全体的にまたは部分的に作製される分割バリア、によって試料溶液と接触して保持される項1に記載のデバイス。
4.凍結剤が恒久的に試料容器の一部である項1に記載のデバイス。
5.凍結剤を試料容器から分離することができる項1に記載のデバイス。
6.試料容器が試験管、バイアル、ストロー、マルチウェルプレートまたはバッグであり得る、項1に記載のデバイス。
7.複数の独立した用量の凍結剤を1つの部分のように扱い、複数の試料を並行して、例えば、96マルチウェルプレートにて処理することができる項1に記載のデバイス。
8.試料の最も冷却している部分の近くに氷核剤が保持される項7に記載のデバイス。
9.一実施形態では、凍結剤は粉体であり、同粉体は、同粉末を捕捉しながら液体および気体の交換を可能にする膜材料を組み込んだチャンバ内に保持されている。
10.チャンバが試料容器とは別個の部分であり、取り出すことができる上記した項に記載されたデバイス。
11.複数の用量の凍結剤が1つの部分で連結され、並行して複数の試料と共に使用され得る、上記した項に記載のデバイス。
上述の記載は、最良の態様であると考えられるもの、および本技術を実施するための他の適切な態様を記載しているが、本技術は、好ましい実施形態のこの記載に開示された特定の構成および方法に限定されるべきではないことを当業者であれば理解するであろう。当業者であれば、本技術は広範囲の用途を有し、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の概念から逸脱することなく実施形態が広範囲の変更をとることができることを認識するであろう。

Claims (37)

  1. 氷核形成を実施するための装置であって、前記装置は、
    少なくとも1つのハウジングであって、キャビティと少なくとも1つの透過性ハウジング壁とを含む少なくとも1つのハウジングと、
    前記キャビティ内に封入された氷核形成材料と、
    を含む装置。
  2. 前記ハウジングが第1の透過性ハウジング壁と第2の透過性ハウジング壁とを含む、請求項1に記載の装置。
  3. 前記第1の透過性ハウジング壁は第1の層から形成され、前記第2の透過性ハウジング壁は第2の層から形成され、前記キャビティは、前記第1の層と前記第2の層との間に設けられる、請求項2に記載の装置。
  4. 前記第1の層と前記第2の層は、前記キャビティ内に前記氷核形成材料を封入するために、前記ハウジングの縁部であって前記キャビティを囲む縁部にて、少なくとも互いに結合されている、請求項3に記載の装置。
  5. 前記ハウジングは第1の部分および第2の部分を有する透過性材料層から形成され、
    前記第1の透過性ハウジング壁は前記透過性材料層の前記第1の部分から形成され、かつ前記第2の透過性ハウジング壁は前記透過性材料層の前記第2の部分から形成され、
    前記キャビティは、前記透過性材料層の前記第1の部分と前記第2の部分との間に設けられる、請求項2に記載の装置。
  6. 前記透過性材料層は、前記透過性材料層の前記第1の部分と前記第2の部分との間にキャビティを形成するために折り畳まれ、前記第1の部分および前記第2の部分は、前記キャビティ内に前記氷核形成材料を封入するために、前記ハウジングの縁部であって前記キャビティを包囲する縁部にて、少なくとも互いに結合されている、請求項5に記載の装置。
  7. 前記ハウジングはハウジング本体と透過性ハウジング壁を含み、前記キャビティは前記ハウジング本体と前記透過性ハウジング壁との間に設けられている、請求項1に記載の装置。
  8. 前記ハウジング本体は同ハウジング本体の表面に凹部を含み、前記凹部はキャビティを形成し、前記透過性ハウジング壁は前記凹部を覆って設けられるとともに、前記キャビティ内に氷核形成材料を封入するために同ハウジング本体の前記表面に結合される、請求項7に記載の装置。
  9. 前記ハウジングはハウジング本体と、第1の透過性ハウジング壁と、第2の透過性ハウジング壁と、を含み、
    前記ハウジング本体は前記キャビティを形成する貫通穴を含むディスクであり、
    前記キャビティ内に前記氷核形成材料を封入するために、前記第1の透過性ハウジング壁は前記貫通穴を覆って設けられるとともに前記ハウジング本体の第1の表面に結合され、前記第2の透過性ハウジング壁は前記貫通穴を覆って設けられるとともに前記ハウジング本体の第2の表面に結合される、請求項1に記載の装置。
  10. 前記ハウジングに結合されたステムをさらに含む、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の装置。
  11. 第1の端部および第2の端部を有するステムをさらに含み、前記第1の端部は前記ハウジングに結合され、前記第2の端部は容器の蓋に結合される、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の装置。
  12. 前記装置はマルチウェルプレートを含み、前記マルチウェルプレートは、
    複数のウェルと、
    複数の一体化ハウジングと、
    を含み、前記複数の一体化ハウジングのうちの1つの一体化ハウジングは複数のウェルのうちの1つのウェルに一体化される、請求項1に記載の装置。
  13. 前記一体化したハウジングは、
    一体化ハウジング壁と、
    一体化透過性ハウジング壁と、
    前記一体化ハウジング壁と前記一体化透過性ハウジング壁との間の一体化キャビティと、を含み、前記一体化キャビティは氷核形成材料を含有する、請求項12に記載の装置。
  14. 前記一体化ハウジング壁は、前記ウェルの側壁の少なくとも一部から形成されている請求項13に記載の装置。
  15. 前記一体化ハウジング壁は、前記ウェルの少なくとも底壁から形成されている請求項13に記載の装置。
  16. 前記ウェルの底壁は内面に一体化キャビティを形成する凹部を含み、前記一体化透過性ハウジング壁は前記凹部を覆って設けられるとともに前記キャビティ内に氷核形成材料を封入するべく前記底壁の前記内面に結合されている請求項14に記載の装置。
  17. 前記装置は、複数のウェルを有するマルチウェルプレートのための挿入プレートを含み、前記挿入プレートは、
    アレイにて配置されている複数の脚部であって、各脚部が前記挿入プレートに結合されるとともに同挿入プレートの表面から延びる第1の近位端部を有する前記複数の脚部と、
    複数の足部であって、各足部が前記脚部の第2の遠位端部に結合されている前記複数の足部と、
    を含む、請求項1に記載の装置。
  18. 前記挿入プレートは、マルチウェルプレートの複数のウェルに複数の足部を提供するべく同マルチウェルプレートに結合可能であり、それにより各ウェルに氷核形成材料を送達する、請求項17に記載の装置。
  19. 前記挿入プレートは、アレイにて配置されている複数の穴をさらに含み、各脚部は穴に近接して前記挿入プレートに結合されている、請求項17または18に記載の装置。
  20. 前記少なくとも1つのハウジングは複数のハウジングからなり、各ハウジングは足部内に設けられ、各ハウジングはキャビティと少なくとも1つの透過性ハウジング壁とを含む、請求項17乃至19のいずれか一項に記載の装置。
  21. 各ハウジングは、第1の透過性ハウジング壁と第2の透過性ハウジング壁とを含み、前記キャビティは、前記第1の透過性ハウジング壁と前記第2の透過性ハウジング壁との間に設けられている請求項20に記載の装置。
  22. 前記ハウジングは少なくとも1つの換気穴を含む、請求項20または21に記載の装置。
  23. 前記挿入プレートは、マルチウェルプレート上にスナップ嵌めすることができる、請求項17乃至22のいずれか一項に記載の装置。
  24. 前記挿入プレートの各脚部の長さは、マルチウェルプレートの各ウェルの深さよりも短い、請求項17乃至23のいずれか一項に記載の装置。
  25. 前記透過性ハウジング壁は、透過性材料、1つまたは複数の穴を含む材料、スポンジ材料、スポンジ材料を含む材料、ウィッキング材料、フィルタプレート、フィルタ材料、メッシュ材料、透過性膜、親水性フィルタおよび親水性膜材料のうちのいずれか1つから形成される請求項1乃至24のいずれか一項に記載の装置。
  26. 前記氷核形成材料は、グラム陰性菌、シュードモナス・シリンガエ、結晶コレステロール、封入されたヨウ化銀、および長石のうちのいずれか1つである請求項1乃至25のいずれか一項に記載の装置。
  27. 容器内に氷を核形成するための、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の装置の使用であって、前記容器は、試験管、バイアル、ストロー、マルチウェルプレートのウェル、マルチウェルプレートおよびバッグのうちのいずれか1つである、使用。
  28. マルチウェルプレートに氷を核形成するための、請求項17乃至23のいずれか一項に記載の装置の使用。
  29. 氷を核形成する方法であって、前記方法は、
    請求項1乃至11のいずれか一項に記載の装置を、凍結されるべき生物学的試料を含有する容器に挿入する工程を含む、方法。
  30. 氷を核形成する方法であって、前記方法は、
    請求項17乃至23のいずれか一項に記載の装置を、複数のウェルを有するマルチウェルプレートに挿入する工程を含み、
    各ウェルは凍結されるべき生物学的試料を含有する、方法。
  31. マルチウェルプレートに挿入された装置はN個xM個のアレイの脚部を含み、マルチウェルプレートの複数のウェルはN個xM個のアレイに配置されている、請求項30に記載の方法。
  32. 氷核形成実施するためのシステムであって、
    凍結されるべき試料を含有する容器と、
    請求項1乃至11のいずれか一項に記載の装置と、
    を含むシステム。
  33. 前記容器は、試験管、バイアル、ストロー、マルチウェルプレートのウェル、マルチウェルプレートおよびバッグのうちのいずれか1つである、請求項32に記載のシステム。
  34. 図1a、図1b、図2、図3、図7b、図7c、図7d、図8a、図8b、図9aおよび図9bを参照して実質的に前述されている装置。
  35. 図面のいずれか1つを参照して実質的に前述されている氷核形成を実施するための方法。
  36. 図面のいずれか1つを参照して実質的に前述されている氷核形成を実施するための装置を製造する方法。
  37. 図4a、図4b、図5a、図5b、図6aおよび図6bのいずれか1つを参照して実質的に前述されているシステム。
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