JP2018510965A - 水素吸蔵合金 - Google Patents
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Abstract
a)少なくとも1つの電気化学的に活性な主相、およびb)少なくとも1つの電気化学的に活性な二次相を含有する水素吸蔵合金、および/またはa)少なくとも1つの主相、b)1種以上の希土類元素を有する吸蔵性二次相、およびc)触媒二次相を有する水素吸蔵合金であって、ここで吸蔵性二次相の存在度は>0.5質量%であり、触媒二次相の存在度は、合金を基準として約0.3〜約15質量%であり、この水素吸蔵合金は、改善された電気化学特性、例えば改善された低温電気化学特性を示す。
Description
本発明は、改善された電気化学特性を有する水素吸蔵合金に関する。この合金は例えば、改質されたABxタイプ合金であり、ここでxは約0.5〜約5である。
水素を吸収および排出可能な合金は、水素吸蔵媒体として、および/または固体水素吸蔵媒体、金属水素化物電池、燃料電池、金属水素化物空気電池システムなどのための電極材料として、用いることができる。このような材料は、金属水素化物(MH)材料として、公知である。
例えば電池内における負極活物質として用いられる、ABxMH合金の電気化学的特性を改善するための努力が続けられている。ニッケル金属水素化物(NiMH)電池はグリーンテクノロジーであり、低温(例えば<25℃)での放電性能を必要とする適用を除くあらゆる適用において、毒性のあるニッケルカドミウム(NiCd)電池に置き換えられている。ABx金属水素化物合金の低温電気化学特性のさらなる改善は、消費者市場からNiCd電池を完全に無くすことを可能にするだろう。
意外なことに、特定の金属水素化物合金は、改善された電気化学特性、例えば改善された低温電気化学特性を示すことが判明した。
a)少なくとも1つの電気化学的に活性な主相、および
b)少なくとも1つの電気化学的に活性な二次相、
を含有する水素吸蔵合金が開示される。
b)少なくとも1つの電気化学的に活性な二次相、
を含有する水素吸蔵合金が開示される。
また、
a)少なくとも1つの主相、
b)1種以上の希土類元素を含有する吸蔵性二次相、および
c)触媒二次相
を有する水素吸蔵合金が開示され、
ここで、吸蔵性二次相の存在度は、>0.5質量%であり、触媒二次相の存在度は、合金を基準として約0.3〜約15質量%である。
a)少なくとも1つの主相、
b)1種以上の希土類元素を含有する吸蔵性二次相、および
c)触媒二次相
を有する水素吸蔵合金が開示され、
ここで、吸蔵性二次相の存在度は、>0.5質量%であり、触媒二次相の存在度は、合金を基準として約0.3〜約15質量%である。
また、
50mAg-1で測定した放電容量の、4mAg-1で測定した放電容量に対する比率として規定して、三回目のサイクルで≧93%の高い割合の放電性能、半電池測定前にアルカリ前処理を適用せずに、部分的に予備充電したNi(OH)2正極に対して液式セル設計で測定、ここで各試料電極は、50mAg-1の一定の電流密度で10時間、充電し、それから50mAg-1の電流密度で放電し、12および4mAg-1で2回のプル(pull)が続く、および/または
≦60Ω・gの、1つもしくは複数の主相について−40℃での電荷移動抵抗(R)、および/または≦60Ω・gの、−40℃での電荷移動抵抗(R)、および/または
1つの主相または複数の主相について≦30秒の、−40℃での表面触媒性能
を示す、水素吸蔵合金が開示される。
50mAg-1で測定した放電容量の、4mAg-1で測定した放電容量に対する比率として規定して、三回目のサイクルで≧93%の高い割合の放電性能、半電池測定前にアルカリ前処理を適用せずに、部分的に予備充電したNi(OH)2正極に対して液式セル設計で測定、ここで各試料電極は、50mAg-1の一定の電流密度で10時間、充電し、それから50mAg-1の電流密度で放電し、12および4mAg-1で2回のプル(pull)が続く、および/または
≦60Ω・gの、1つもしくは複数の主相について−40℃での電荷移動抵抗(R)、および/または≦60Ω・gの、−40℃での電荷移動抵抗(R)、および/または
1つの主相または複数の主相について≦30秒の、−40℃での表面触媒性能
を示す、水素吸蔵合金が開示される。
また、酸素を≧60原子%有する金属酸化物を含有する、水素吸蔵合金が開示される。
また、境界領域に隣接する金属領域を有する水素吸蔵合金が開示され、この境界領域は、少なくとも1つの流路を有する。
また、境界領域に隣接する金属領域を有する水素吸蔵合金が開示され、ここで境界領域は、長さおよび平均幅を有し、ここで平均幅は、約12nm〜約1100nmである。
また、金属酸化物を含有する金属酸化物帯域を有する水素吸蔵合金が開示され、この酸化物帯域は、少なくとも1つの流路と並走している。
また、Ni/Cr金属酸化物を含有する水素吸蔵合金が開示される。
本発明による水素吸蔵合金は、改善された電気化学的特性を有し、例えば改善された低温電気化学的特性を有する。
詳細な開示
本発明による合金は例えば、改質されたABxタイプの金属水素化物(MH)であり、ここでは一般的にAが水素化物形成要素であり、Bが水素化物を弱く形成する要素、または水素化物を形成しない形成要素である。Aは一般的に、4個以下の価電子を有する比較的大きな金属原子であり、Bは一般的に、5個以上の価電子を有する比較的小さな金属原子である。適切なABx合金は、xが約0.5〜約5であるものを含む。本発明による合金は、水素を可逆的に吸収(充電)および排出(放電)できる。例えば、本発明による合金は、周囲条件(25℃および1気圧)で水素を可逆的に吸収および排出することができる。
本発明による合金は例えば、改質されたABxタイプの金属水素化物(MH)であり、ここでは一般的にAが水素化物形成要素であり、Bが水素化物を弱く形成する要素、または水素化物を形成しない形成要素である。Aは一般的に、4個以下の価電子を有する比較的大きな金属原子であり、Bは一般的に、5個以上の価電子を有する比較的小さな金属原子である。適切なABx合金は、xが約0.5〜約5であるものを含む。本発明による合金は、水素を可逆的に吸収(充電)および排出(放電)できる。例えば、本発明による合金は、周囲条件(25℃および1気圧)で水素を可逆的に吸収および排出することができる。
ABxタイプ合金は例えば、以下の分類のものである(単なる例):AB(HfNi、TiFe、TiNi)、AB2(ZrMn2、TiFe2)、A2B(Hf2Fe、Mg2Ni)、AB3(NdCo3、GdFe3)、A2B7(Pr2Ni7、Ce2Co7)、およびAB5(LaNi5、CeNi5)。
本発明による合金は例えば、ABxタイプのベース合金(少なくとも1種のA元素、および1種のB元素)を、1種以上の改質元素で改質することによって得られる。改質はまた、金属とその原子比の賢明な選択、および凝固の間の加工パラメータの制御、後凝固プロセス、アニール、および水素吸蔵合金の加工または処理を含む。アニールは、真空中、部分真空中、または不活性ガス環境中で行うことができ、これに自然な、または強制循環式の空気、または迅速な冷却が続く。改質はまた、活性化技術、例えばエッチング、予備酸化、無電解および電気めっきおよび被覆を含む。エッチング工程は、1種以上の元素もしくは酸化物もしくは水酸化物もしくは相を選択的にまたは優先的に、水素吸蔵合金の界面領域においてエッチングするための、塩基性および/または酸性のエッチングプロセスを含むことができる。
使用前に、金属または金属合金電極を通常活性化し、このプロセスで、界面領域にある元々の表面酸化物が除去または低減される。活性化のプロセスは、エッチング、電気的なホーミング、下処理、または表面酸化物を変えるための他の適切な方法によって達成できる。活性化は、電極合金粉末に、完成した電極に、またはその間のあらゆる時点で適用することができる。
本発明による合金は、上記技術の組み合わせを用いることによって得られる。本発明により改質すべき合金は、「ベース合金」である。
適切な改質元素は、希土類金属、Si、AlおよびVを含む。希土類元素は、Sc、Y、Laおよびランタニドである。ミッシュメタル(Mm)は、「1種以上の希土類元素」という用語に含まれる。希土類元素は例えば、Laである。
金属水素化物ベース合金は、Ti、VおよびMnを含有する合金(Ti−V−Mn合金)、ならびにTi、VおよびFeを含有する合金を含む。例えば、Tiを約31〜約46原子パーセント、Vを約5〜約33原子パーセント、ならびにMnおよび/またはFeを約36〜約53原子パーセント含有する合金の水素化物である。適切な合金は例えば、米国特許第4111689号明細書(U.S. Pat. No. 4,111,689)に教示されている。
金属水素化物ベース合金は、式ABxの合金を含み、ここでAは、Tiを約50〜100原子パーセント未満含有し、残分はZrおよび/またはHfであり、Bは、Niを約30〜100原子パーセント未満含有し、残分はCr、V、Nb、Ta、Mo、Fe、Co、Mn、Cuおよび希土類から選択される1種以上の元素であり、xは、約1〜約3である。これらの合金は例えば、米国特許第4160014号明細書(U.S. Pat. No. 4,160,014)に教示されている。
金属水素化物ベース合金は、以下の合金を含む:式(TiV2-xNix)1-yMyの合金、ここでxは、約0.2〜約1.0であり、MはAlおよび/またはZrであり、式Ti2-xZrxV4-yNiy の合金、ここでxは、0〜約1.5であり、yは、約0.6〜約3.5であり、および式Ti1-xCrxV2-yNiyの合金、ここでxは、0〜約0.75であり、yは約0.2〜約1.0である。これらのベース合金は例えば、米国特許第4551400号明細書(U.S. Pat. No. 4,551,400)に開示されている。
金属水素化物ベース合金は例えば、Mg、Ti、V、Zr、Nb、La、Si、Ca、ScおよびYから成る群から選択される1種以上の元素と、Cu、Mn、Fe、Ni、Al、Mo、W、Ti、ReおよびCoから成る群から選択される1種以上の元素とを含有する。例えば、MHベース合金は、Ti、MgおよびVから選択される1種以上の元素を含有することができ、Niを含有することができる。MHベース合金は有利には、TiおよびNiを、例えば約1:4から約4:1の原子範囲で含有する。MHベース合金は有利には、MgおよびNiを、例えば約1:2から約2:1の原子範囲で含有する。適切なベース合金は例えば、米国特許第4623597号明細書(U.S. Pat. No. 4,623,597)に開示されている。
ベース合金は、式(Ti2-xZrxV4-yNiy)1-zCrzのものを含み、ここでxは、0〜約1.5であり、yは、約0.6〜約3.5であり、zは≦0.2である。これらのベース合金は例えば、米国特許第4728586号明細書(U.S. Pat. No. 4,728,586)に教示されている。
金属水素化物ベース合金は例えば、V、Ti、ZrおよびNiを含有するか(Ti−V−Zr−Ni合金)、またはV、Ti、Zr、NiおよびCrを含有する。MHベース合金は例えば、Ti、VおよびNi、ならびにCr、ZrおよびAlから選択される1種以上の元素を含有する。MHベース合金は例えば、V22Ti16Zr16Ni39Cr7、(V22Ti16Zr16N39Cr7)95Al5、(V22Ti16Zr16N39Cr7)95Mn5、(V22Ti16Zr16N39Cr7)95Mo5、(V22Ti16Zr16N39Cr7)95Cu5、(V22Ti16Zr16N39Cr7)95W5、(V22Ti16Zr16N39Cr7)95Fe5、(V22Ti16Zr16N39Cr7)95Co5、V22Ti16Zr16N32Cr7Co7、V20.6Ti15Zr15N30Cr6.6Co6.6Mn3.6Al2.7およびV22Ti16Zr16N27.8Cr7Co5.9Mn3.1Al2.2合金を含む。MHベース合金は例えば、式(Vy’-yNiyTix’-xZrxCrz)aMbの合金を含み、ここでy’は約3.6〜約4.4であり、yは約0.6〜約3.5であり、x’は約1.8〜約2.2であり、xは0〜約1.5であり、zは0〜約1.44であり、aは約70〜約100であり、bは0〜約30であり、Mは、Al、Mn、Mo、Cu、W、FeおよびCoから成る群から選択される1種以上の元素である。これらの値は、原子パーセント(at%)である。適切なMHベース合金は例えば、米国特許第5096667号明細書(U.S. Pat. No. 5,096,667)に教示されている。
ベース合金は、式(金属合金)aCobMncFedSneのものを含み、ここで(金属合金)は、Tiを約0.1〜約60原子%、Zrを約0.1〜約40原子%、Vを0〜約60原子%、Niを約0.1〜約57原子%、およびCrを0〜約56原子%含み、bは0〜約7.5原子%であり、cは約13〜約17原子%であり、dは0〜約3.5原子%であり、eは0〜約1.5原子%であり、ここでa+b+c+d+e=100原子%である。適切なMHベース合金は例えば、米国特許第5536591号明細書(U.S. Pat. No. 5,536,591)に開示されている。
金属水素化物ベース合金は、LaNi5タイプ合金、TiおよびNiを含有する合金、ならびにMgおよびNiを含有する合金を含む。TiおよびNi含有合金はさらに、Zr、V、Cr、Co、Mn、Al、Fe、Mo、LaまたはMm(ミッシュメタル)を1種以上、含有することができる。MgおよびNi含有合金はさらに、Co、Mn、Al、Fe、Cu、Mo、W、Cr、V、Ti、Zr、Sn、Th、Si、Zn、Li、Cd、Na、Pb、La、Mm、Pd、PtおよびCaから選択される元素を1種以上、含有することができる。適切なベース合金は例えば、米国特許第5554456号明細書(U.S. Pat. No. 5,554,456)に教示されている。
金属水素化物ベース合金は例えば、LaNi5またはTiNiに基づく合金である。MHベース合金は例えば、Ti、VおよびZrから成る群から選択される水素化物形成元素1種以上と、Ni、Cr、Co、Mn、Mo、Nb、Fe、Al、Mg、Cu、Sn、Ag、ZnおよびPdから成る群から選択される1種以上の元素とを含む。MHベース合金は例えば、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、SmおよびMmから成る群から選択される水素化物形成元素1種以上と、Ni、Cr、Co、Mn、Fe、Cu、Sn、Al、Si、B、Mo、V、Nb、Ta、Zn、Zr、Ti、HfおよびWから成る群から選択される1種以上の元素とを含有する。MHベース合金は、Al、B、C、Si、P、S、Bi、InおよびSbから成る群から選択される1種以上の元素を含有することができる。
ベース合金は、(MgxNi1-x)aMbの合金を含み、ここでMは、Ni、Co、Mn、Al、Fe、Cu、Mo、W、Cr、V、Ti、Zr、Sn、Th、Si、Zn、Li、Cd、Na、Pb、La、Mm、Pd、PtおよびCaから成る群から選択される1種以上の元素であり、bは、0〜約30原子%であり、a+bは100原子パーセントであり、xは約0.25〜約0.75である。
ベース合金はまた、式ZrModNieの合金の水素化物を含み、ここでdは約0.1〜約1.2であり、eは約1.1〜約2.5である。
ベース合金は、式ZrMnwVxMyNizの合金を含み、ここでMは、FeまたはCoであり、wは約0.4〜約0.8原子%であり、xは約0.1〜約0.3原子%であり、yは0〜約0.2原子%であり、zは約1〜約1.5原子%であり、w+x+y+zは約2〜約2.4原子%である。
MHベース合金は、式LaNi5の合金を約0.1〜約25原子パーセント含み、ここでLaまたはNiは、周期表のIa族、II族、III族、IV族およびVa族(ランタニドは除く)から選択される1種以上の金属によって置換されている。
MHベース合金は、式TiV2-xNixのものを含み、ここでxは、約0.2〜約0.6である。
MHベース合金はまた、式TiaZrbNicCrdMxの合金を含み、ここでMは、Al、Si、V、Mn、Fe、Co、Cu、Nb、AgおよびPdから成る群から選択される1種以上の元素であり、aは約0.1〜約1.4であり、bは約0.1〜約1.3であり、cは約0.25〜約1.95であり、dは約0.1〜約1.4であり、xは0〜約0.2であり、a+b+c+d=約3である。
MHベース合金は、式Ti1-xZrxMn2-y-zCryVzの合金を含み、ここでxは、約0.05〜約0.4であり、yは0〜約1.0であり、zは0〜約0.4である。
MHベース合金はまた、式LnM5の合金も含み、ここでLnは1種以上のランタニドであり、MはNiおよび/またはCoである。
ベース合金は例えば、周期表のII族、IV族およびV族から選択される1種以上の元素、ならびにNi、Cu、Ag、FeおよびCr−Ni鋼から成る群から選択される1種以上の金属を約40〜約75質量パーセント、含有する。
MHベース合金はまた、主組織(main texture)Mm−Ni系を含有することもできる。改質に適したベース合金は、米国特許第5840440号明細書(U.S. Pat. No. 5,840,440)に教示されている。
金属水素化物ベース合金は例えば、V、Ti、Zr、Ni、CrおよびMnを含有する。MHベース合金は例えば、V、Ti、Zr、Ni、Cr、MnおよびAl;V、Ti、Zr、Ni、Cr、MnおよびSn;V、Ti、Zr、Ni、Cr、MnおよびCo;V、Ti、Zr、Ni、Cr、Mn、Al、SnおよびCoを含有するか、またはV、Ti、Zr、Ni、Cr、Mn、Al、Sn、CoおよびFeを含有する。MHベース合金は、式(金属合金)aCobFecAldSneの合金を含み、ここで(金属合金)は、Tiを約0.1〜約60原子%、Zrを約0.1〜約40原子%、Vを0〜約60原子%、Niを約0.1〜約57原子%、Mnを約5〜約22原子%、およびCrを0〜56原子%含有し、bは約0.1〜約10原子%であり、cは0約3.5原子%であり、dは約0.1〜10原子%であり、eは約0.1〜約3原子%であり、a+b+c+d+e=100原子%である。適切なMHベース合金は例えば、米国特許第6270719号明細書(U.S. Pat. No. 6,270,719)に教示されている。
金属水素化物ベース合金は、AB、AB2、AB5およびA2Bタイプの合金から成る群から選択される1種以上の合金を含み、ここでAおよびBは遷移金属、希土類またはこれらの組み合わせであってよく、ここで成分Aは一般的に、成分Bよりも水素化物を形成する傾向が強い。AB水素吸蔵ベース合金において、Aは例えばTi、ZrおよびVから成る群から選択される1種以上の元素を含み、Bは、Ni、V、Cr、Co、Mn、Mo、Nb、Al、Mg、Ag、ZnおよびPdから成る群から選択される1種以上の元素を含む。ABベース合金は、ZrNi、ZrCo、TiNi、TiCoおよびこれらの改質形態を含む。A2Bタイプのベース合金は、Mg2NiおよびOvshinsky則によるその改質形態を含み、ここでMgおよびNiのいずれかまたは双方は、完全にまたは部分的に、多軌道改質体によって置き換えられている。AB2タイプのベース合金はラーベス相化合物であり、AがZrおよびTiから成る群から選択される1種以上の元素を含有し、BがNi、V、Cr、Mn、Co、Mo、TaおよびNbから成る群から選択される1種以上の元素を含有する合金を含む。AB2タイプのベース合金は、Ovshinsky則により改質された合金を含む。AB5金属水素化物ベース合金は、Aがランタニドから成る群から選択される1種以上の元素を含有し、Bが1種以上の遷移金属を含有するものを含む。これに含まれるのはLaNi5、およびNiが、Mn、Co、Al、Cr、Ag、Pd、Rh、Sb、VおよびPtから成る群から選択される1種以上の元素によって部分的に置き換えられおり、かつ/またはLaが、Ce、Pr、Nd、他の希土類およびMmから成る群から選択される1種以上の元素によって部分的に置き換えられているLaNi5である。また、Ovshinsky則により改質されたAB5タイプのベース合金も含まれる。このようなベース合金は例えば、米国特許第6830725号明細書(U.S. Pat. No. 6,830,725)に教示されている。
ベース合金は、TiMn2タイプ合金を含む。金属水素化物ベース合金は例えば、Zr、Ti、V、CrおよびMnを含有し、ここでZrは約2〜約5原子%であり、Tiは約26〜約33原子%であり、Vは約7〜約13原子%であり、Crは約8〜約20原子%であり、Mnは約36〜約42原子%である。これらの合金はさらに、Ni、FeおよびAlから成る群から選択される1種以上の元素を含むことができ、例えばNiを約1〜約6原子%、Feを約2〜約6原子%、およびAlを約0.1〜約2原子%、含むことができる。これらのベース合金はまた、Mmを約1原子%まで含有することができる。改質に適した合金は、以下のものを含む:Zr3.63Ti29.8V8.82Cr9.85Mn39.5Ni2.0Fe5.0Al1.0Mm0.4;Zr3.6Ti29.0V8.9Cr10.1Mn40.1Ni2.0Fe5.1Al1.2;Zr3.6Ti28.3V8.8Cr10.0Mn40.7Ni1.9Fe5.1Al1.6、およびZr1Ti33V12.54Cr15Mn36Fe2.25Al0.21。適切なベース合金は例えば、米国特許第6536487号明細書(U.S. Pat. No. 6,536,487)に教示されている。
金属水素化物ベース合金は、式LaaR1-a-bMgbNic-d-eのA5B19タイプの構造を40原子%以上、含有することができ、ここで0≦a≦0.5原子%、0.1≦b≦0.2原子%、3.7≦c≦3.9原子%、0.1≦d≦0.3、および0≦d≦0.2である。適切なベース合金は例えば、米国特許第7829220号明細書(U.S. Pat. No. 7,829,220)に教示されている。
本発明の合金は、少なくともNiおよび希土類を含有する水素吸蔵合金粒子の形態であり得る。この粒子は、表面層および内部を有することができ、ここで表面層は、内部より多いニッケル含分を有し、約10nm〜約50nmの大きさを有するニッケル粒子が、表面層内に存在する。金属水素化物ベース合金は、式Ln1-xMgxNia-b-cAlbZcの合金であってよく、ここでLnは、1種以上の希土類元素であり、Zは、Zr、V、Bn、Ta、Cr、Mo、Mn、Fe、Co、Ga、Zn、Sn、In、Cu、Si、PおよびBのうち1種以上であり、0.05≦x≦0.3原子%、2.8≦a≦3.9原子%、0.05≦b≦0.25原子%、および0.01≦c≦0.25である。適切なベース合金は例えば、米国特許第8053114号明細書(U.S. Pat. No. 8,053,114)に教示されている。
本発明の合金は、少なくともA2B7タイプの構造およびA5B19タイプの構造を有する多相を有する結晶構造と、バルクよりも多いニッケル含分を有する表面層とを有することができる。金属水素化物ベース合金は、式Ln1-xMgxNiy-a-bAlaMbの合金を有することができ、ここでLnは、Yを含む1種以上の希土類であり、Mは、Co、MnおよびZnのうち1種以上であり、ここで0.1≦x≦0.2原子%、3.5≦y≦3.9原子%、0.1≦a≦0.3原子%、および0≦b≦0.2である。適切なベース合金は例えば、米国特許第8124281号明細書(U.S. Pat. No. 8,124,281)に開示されている。
金属水素化物ベース合金は、式Ln1-xMgx(Ni1-yTy)zのものであってよく、ここでLnは、ランタニド元素、Ca、Sr、Sc、Y、Ti、ZrおよびHfから洗濯される1種以上の元素であり、Tは、V、Nb、Ta、Cr、Mo、Mn、Fe、Co、Al、Ga、Zn、Sn、In、Cu、Si、PおよびBから選択される1種以上の元素であり、ここで0<x≦1原子%、0≦y≦0.5原子%および2.5≦z≦4.5原子%である。適切なベース合金は例えば、米国特許第8257862号明細書(U.S. Pat. No. 8,257,862)に教示されている。
本発明の合金は、米国特許第8409753号明細書(U.S. Pat. No. 8,409,753)に教示されたように、La、Nd、Mg、NiおよびAl;La、Nd、Mg、Ni、AlおよびCo;La、Pr、Nd、Mg、NiおよびAl、またはLa、Ce、Pr、Nd、Ni、Al、CoおよびMnを含有することができる。
金属水素化物合金は、式TiAZrB-XYXVCNiDMEのものであってよく、式中、A、B、CおよびDはそれぞれ、0よりも大きく、50原子%以下であり、Xは、0より大きく、4原子%以下であり、Mは、Co、Cr、Sn、AlおよびMnから選択される1種以上の金属であり、Eは、0〜30原子%である。適切なベース合金は例えば、米国特許出願公開第2013/0277607号明細書(U.S. Pub. No. 2013/0277607)に教示されている。
本発明の合金は、改質されたA2B7タイプの水素吸蔵合金を含有する。例えばMHベース合金は、AxBy合金であってよく、ここでAは少なくとも1種の希土類元素を含み、かつMgも含み、Bは少なくともNiを含み、X対Yの原子比は、約1:2から約1:5、例えば約1:3から約1:4である。MHベース合金はさらに、B、Co、Cu、Fe、CrおよびMnから成る群から選択される1種以上の元素を含有することができる。Niの、さらなる元素に対する原子比は、約50:1から約200:1であり得る。希土類は、La、Ce、Nd、PrおよびMmを含む。希土類の、Mgに対する原子比は、約5:1から約6:1の範囲にあり得る。元素Bはさらに、Alを含むことができ、ここでNiの、Alに対する原子比は、約30:1から約40:1であり得る。
金属水素化物ベース合金は、ABxの高容量水素吸蔵合金を含み、ここでxは約0.5〜約5であり、これは≧400mAh/g、≧425mAh/g、≧450mAh/g、または≧475mAh/gの放電容量を有する。
金属水素化物ベース合金は、マグネシウム(Mg)を含有する高容量MH合金を含み、例えば、MgおよびNiを含有するAB、AB2またはA2Bタイプの合金を含む。例えば、MHベース合金は、MgNi、MgNi2およびMg2Niを含む。このようなMgおよびNi含有合金はさらに、希土類元素および遷移金属から成る群から選択される1種以上の元素を含有することができる。例えば、MgおよびNiを含有する合金はさらに、Co、Mn、Al、Fe、Cu、Mo、W、Cr、V、Ti、Zr、Sn、Th、Si、Zn、Li、Cd、Na、Pb、La、Ce、Pr、Nd、Mm、Pd、Pt、Nb、ScおよびCaから成る群から選択される元素を1種以上、含有することができる。
MHベース合金は例えば、MgおよびNi、ならびに任意でCo、Mn、Al、Fe、Cu、Mo、W、Cr、V、Ti、Zr、Sn、Th、Si、Zn、Li、Cd、Na、Pb、La、Ce、Pr、Nd、Mm、Pd、Pt、Nb、ScおよびCaから成る群から選択される元素を1種以上、含有する。
Mmとは、「ミッシュメタル」である。 ミッシュメタルとは、希土類元素の混合物である。Mmは例えば、La、NdおよびPrを含有する混合物、例えばCe、La、NdおよびPrを含有する混合物である。
例えば、MHベース合金は、以下のものを含む:MgNi、Mg0.8Ti0.2Ni、Mg0.7Ti0.3Ni、Mg0.9Ti0.1Ni、Mg0.8Zr0.2Ni、Mg0.7Ti0.225La0.075Ni、Mg0.8Al0.2Ni、Mg0.9Ti0.1Ni、Mg0.9Ti0.1NiAl0.05、Mg0.08Pd0.2Ni、Mg0.09Ti0.1NiAl0.05、Mg0.09Ti0.1NiAl0.05Pd0.1、Mg50Ni45Pd5、Mg0.85Ti0.15Ni1.0、Mg0.95Ti0.15Ni0.9、Mg2Ni、Mg2.0Ni0.6Co0.4、Mg2Ni0.6Mn0.4、Mg2Ni0.7Cu0.3、Mg0.8La0.2Ni、Mg2.0Co0.1Ni、Mg2.1Cr0.1Ni、Mg2.0Nb0.1Ni、Mg2.0Ti0.1Ni、Mg2.0V0.1Ni、Mg1.3Al0.7Ni、Mg1.5Ti0.5Ni、Mg1.5Ti0.3Zr0.1Al0.1Ni、Mg1.75Al0.25Ni、および(MgAl)2Ni、Mg1.70Al0.3Ni。
例えば、MHベース合金は、約1:2から約2:1の原子比でのMgおよびNiの合金を含み、この合金はさらに、Co、Mn、Al、Fe、Cu、Mo、W、Cr、V、Ti、Zr、Sn、Th、Si、Zn、Li、Cd、Na、Pb、La、Ce、Pr、Nd、Mm、Pd、Pt、Nb、ScおよびCaから成る群から選択される元素を1種以上、含有する。さらなる元素または複数の元素は、全合金を基準として、約0.1〜約30原子%(at%)、もしくは約0.25〜約15原子%、または約0.5、約1、約2、約3、約4、もしくは約5原子%〜約15原子%、存在し得る。Mgの、Niに対する原子比は例えば、約1:1である。よってMgおよびNiはともに、全合金を基準として約70原子%〜約99.9原子%、存在し得る。Mg−NiMHベース合金は、さらなる元素不含であってよく、この場合、MgおよびNiが合わせて100原子%存在する。
金属水素化物合金は、約1:2から約2:1の原子比でMgおよびNiを含有することができ、ここでMgおよびNiは合わせて、全合金を基準として≧70原子%の水準で存在する。
金属水素化物ベース合金は、Mgを≧20原子%、含有することができる。
金属水素化物ベース合金は、約1:2から約2:1の原子比でMgおよびNiを含有することができ、さらにCoおよび/またはMnを含有することができる。本発明の合金は、改質されたMg52Ni39Co6Mn3、または改質されたMg52Ni39Co3Mn6を含む。
金属水素化物ベース合金は、Mgを≧90質量%、およびさらなる元素を1種以上、含有することができる。1種以上のさらなる元素は、Ni、Mm、Al、YおよびSiから成る群から選択することができる。これらの合金は例えば、Niを約0.5〜約2.5質量%、およびMmを約1.0〜約4.0質量%、含有することができる。これらの合金はまた、Alを約3〜約7質量%、および/またはYを約0.1〜約1.5質量%、および/またはSiを約0.3〜約1.5質量%、含有することができる。
適切な高性能MHベース合金は例えば、米国特許第5506069号明細書(U.S. Pat. No. 5,506,069)、米国特許第5616432号明細書(U.S. Pat. No. 5,616,432)および米国特許第6193929号明細書(U.S. Pat. No. 6,193,929)に開示されている。
本発明の合金は例えば、5分間300℃で、水素を少なくとも6質量%吸蔵することができ、かつ/または水素完全吸蔵能力の少なくとも80%を吸蔵できるか、または2分間300℃で、水素を少なくとも6.5質量%含有することができ、かつ/または水素完全吸蔵能力の少なくとも80%を吸蔵できるか、または1.5分間300℃で、水素を少なくとも6.9質量%含有することができ、かつ/または水素完全吸蔵能力の少なくとも80%を吸蔵できる。
金属水素化物ベース合金は、式TiaZrb-xYxVcNidMeの合金を含み、ここでa、b、cおよびdはそれぞれ、0よりも大きく、50原子%以下であり、xは0より大きく、4原子%以下であり、MはCo、Cr、Sn、AlおよびMnから成る群から選択される1種以上の金属であり、eは0〜約30原子%である。これらの合金は例えば、米国特許出願公開第2013/0277607号明細書(U.S. Pub. No. 2013/0277607)に開示されている。
本発明による合金は例えば、不活性雰囲気下でのアーク溶融または誘導溶融によって、溶融キャスト、急速凝固、機械的な合金化、スパッタリングもしくはガス噴霧、または上記参考文献で教示された他の方法によって、製造することができる。
特に言及しなければ、合金または相内における元素の量は、合金または相の全体を基準とした原子パーセント(at%)である。
特に言及しなければ、各相の量は、全合金を基準として質量%(wt%)で報告する。
低温電気化学特性は、−40℃での電荷移動抵抗(R)によって規定することができる。
電気化学的な性能は、高率放電特性(HRD)によっても規定することができる。
低温電気化学特性はまた、低温、例えば−40℃での表面触媒性能としても規定することができる。表面触媒性能は、電荷移動抵抗(R)と、二重層容量(C)との積(R・C)として規定される。RおよびCの値は、ACインピーダンス測定のCole-Coleプロットの曲線当てはめから算出される。
低温は、例えば<25℃、≦10℃、≦0℃、≦−10℃、≦−20℃、または≦−30℃で規定される。
電荷移動抵抗(R)は、Ω・gで測定される。二重層容量(C)は、ファラド/gで測定される。
ここでACインピーダンス測定は、SOLARTRON 1250 という周波数特性分析機を用いて、振幅10mVのサイン波および0.1mHz〜10kHzの周波数範囲で行う。測定に先立ち電極を、0.1Cの速度でSOLARTRON 1470という電池試験ガルバノスタットを用いて1つの完全な充電/放電サイクルにかけ、100%の充電状態(SOC)に充電し、80%のSOCに放電し、それから−40℃に冷却する。
半電池HRDは、50mAg-1で測定された放電容量の、4mg-1で測定された放電容量に対する比率と規定される。合金の放電容量は、部分的に予備充電されたNi(OH)2正極に対して、液式セル設計で測定される。アルカリによる前処理は、半電池測定の前には適用しない。各試料電極を、50mAg-1の一定の電流密度で10時間、充電し、それから50mAg-1の電流密度で放電し、これに12および4mAg-1で2回のプルが続く。容量は、三回目のサイクルで測定する。
本発明による合金は有利には、多相を含有する。例えば、本発明による合金は、少なくとも1つの主相、および二次相を有することができる。例えば、本発明による合金は、少なくとも1つの主相、吸蔵性二次相、および触媒二次相を有する。
1つの主相または複数の主相が、電気化学的に活性である。「電気化学的に活性」とは、周囲条件(25℃および1気圧)で電気化学的に水素を可逆的に吸収および排出することができることを意味する。
有利には、吸蔵性二次相はまた、電気化学的に活性な相である。これは、ACインピーダンス測定のCole-Coleプロットの慣用の曲線からの逸脱によって「観察できる」;例えば、Cole-Coleプロットにおけるさらなる曲線の存在。例えば、本発明による合金のCole-Coleプロットは、2つの曲線を有し、ここで1つの曲線は活性主相に関し、もう一方は、活性二次相に関する。
例えば、低温(例えば−40℃)で取得したACインピーダンス測定のCole-Coleプロットの慣用の曲線からの逸脱は、本発明による合金について観察される。これは、二次相が、1つまたは複数の主相に加えて、−40℃で電気化学的に活性であることを示す。本発明による合金は、電気化学的に活性な1つまたは複数の主相、および−40℃で電気化学的に活性な二次相を有することができる。
ACインピーダンス測定のCole-Coleプロットは、曲線の当てはめによって達成される。
慣用の金属水素化物合金では、曲線が1つだけ、1つの主相または複数の主相に関するCole-Coleプロットに存在する。慣用の曲線からの逸脱は、少なくとも1つの変曲点が存在することによって観察される。通常の曲線については、あらゆる点における正接の傾きが、x軸に沿って減少するだろう(凹状の曲線)。変曲点では、正接の傾きが増大し始めるだろう。変曲点は、第二の曲線の出現を示す。
「各活性相は、ACインピーダンス測定のCole-Coleプロットにおいて明確に表すことができる」という表現は、慣用の曲線が観察され、かつ少なくとも1つの変曲点が観察されることを意味する。
理論に縛られるわけではないが、二次吸蔵相は、主(吸蔵)相と同様に水素を可逆的に貯蔵および放出することができ、その一方で二次触媒相である「触媒相」は、この可逆反応において主相および/または吸蔵相を補助するために働くと考えられる。
異なる相が、共に相乗効果的に働いていると思われる。これは、比較的弱い金属水素結合を有するものが触媒として働く一方、もう一方が水素吸蔵相として働くということであり得る。触媒相からの簡便化に伴い、1つまたは複数の吸蔵相における水素を、より容易に除去することができる。
2つの異なる相を機械的に単純に混合することは、本発明による相乗効果をもたらさない。本発明による合金は、異なる相の緊密な接触をもたらし、これによって陽子伝導における近似性をもたらす。ACインピーダンス測定のCole-Coleプロットは、この相乗性を観察するための1つの方法である。単純な機械的な混合は、R測定とC測定とを組み合わせた1つの半円型曲線を並列接続における成分として示し、その一方で、本発明による合金は、正および負の電極からの2つの半円を別個に示すセル全体のACインピーダンスを測定する場合と同様に、2つの半円型曲線を示し得る。
並列接続で作用する異なる相の代わりに、電気化学的に活性な二次相を有する本発明による合金は、Cole-Coleプロットにおいて観察されるように直列で作用する活性相(主相および活性二次相)を示すことができる。直列で作用する場合、慣用の曲線が観察され、少なくとも1つの変曲点が観察される。
−40℃での電荷移動抵抗(R)は例えば、≦150、≦140、≦130、≦120、≦110、≦100、≦90、≦80、≦70、≦60、≦40、≦30、≦25、≦20、≦19、≦18、≦17、≦16、≦15、≦14、≦13、≦12または≦11Ω・gである。
−40℃での電荷移動抵抗(R)は例えば、約3〜約50、約5〜約20、約7〜約18、約9〜約16、約10〜約15または約11〜約15Ω・gである。
低温性能はまた、10℃、0℃、−10℃、−20℃または−30℃で特定することができる;すなわち、2つの活性相の明確な表示は、これらの温度でも観察することができる。
電気化学的に活性な二次相を有する合金について、電荷移動抵抗は、1つまたは複数の主相についての抵抗と、1つまたは複数の活性二次相についての抵抗との合計である。
本発明による合金の1つの主相または複数の主相について、−40℃での電荷移動抵抗(R)は例えば、≦150、≦140、≦130、≦120、≦110、≦100、≦90、≦80、≦70、≦60、≦40、≦30、≦25、≦20、≦19、≦18、≦17、≦16、≦15、≦14、≦13、≦12または≦11、≦10、≦9、≦8、≦7、≦6、≦5または≦4Ω・gである。1つの主相または複数の主相について−40℃での(R)は例えば、約1〜約30、約2〜約20、約2〜約15、約2〜約10、約3〜約9、約3〜約8、約3〜約7、約3〜約6、約3〜約5または約3〜約4Ω・gである。
「1つの主相または複数の主相について」という表現は、主相についての合計を意味する。
本発明による合金の1つの主相または複数の主相の−40℃での表面触媒性能は、約1〜約20、約1〜約15、約1〜約10、約1〜約5、約1〜約4、約1〜約3または約1.5〜約2.5秒である。1つの主相または複数の主相の−40℃での表面触媒性能は例えば、≦30、≦25、≦20、≦15、≦12、≦10、≦9、≦8、≦7、≦6、≦5、≦4、≦3または≦2秒である。
本発明による合金は例えば、3回目のサイクルで約93%、約94%、約95%、約96%または約97%のHRDを示す。3回目のサイクルでのHRDは例えば、≧93%、≧94%、≧95%、≧96%または≧97%である。
この合金は、少なくとも1つの主相と、少なくとも1つの二次相とを有する。少なくとも1つの主相、吸蔵性二次相および触媒二次相はそれぞれ、化学組成および/または物理的な構造が異なる。物理的な構造は、結晶性構造および非結晶性構造である。相の存在度は、X線回折(XRD)によって特定できる。相の組成は、エネルギー分散型分光器(EDS)を備えた走査電子顕微鏡(SEM)によって特定することができる。
1つの主相または複数の主相は合計で、各二次相よりも高い質量存在度で存在する。1つの主相または複数の主相は一般的に、ABx相、例えばAB、AB2、AB3、A2B7またはAB5相である。
各相の構造が異なっているのが有利である。すなわち、各相は、結晶性構造および非結晶性(非晶質)構造から成る群から選択される構造を有し、ここでそれぞれは異なっている。
本発明による水素吸蔵合金は例えば、改質されたABxタイプ合金であり、ここでxは約0.5〜約5である。
本発明による合金は、
i)Ti、Zr、NbおよびHfから成る群から選択される1種以上の元素、および
ii)V、Cr、Mn、Ni、Sn、Al、Co、Cu、Mo、W、Fe、Si、および希土類元素から成る群から選択される1種以上の元素
を含有することができる。
i)Ti、Zr、NbおよびHfから成る群から選択される1種以上の元素、および
ii)V、Cr、Mn、Ni、Sn、Al、Co、Cu、Mo、W、Fe、Si、および希土類元素から成る群から選択される1種以上の元素
を含有することができる。
代替的には、本発明による合金は、
i)Ti、Zr、NbおよびHfから成る群から選択される1種以上の元素、および
ii)Ni、Cr、ならびにB、Al、Si、Sn、その他の遷移金属および希土類元素から成る群から選択される1種以上の元素
を含有することができるか、または
i)Ti、Zr、NbおよびHfから成る群から選択される1種以上の元素、および
ii)Ni、Cr、ならびにV、Mn、Sn、Al、Co、Cu、Mo、W、Fe、Si、および希土類元素から成る群から選択される1種以上の元素
を含有することができる。
i)Ti、Zr、NbおよびHfから成る群から選択される1種以上の元素、および
ii)Ni、Cr、ならびにB、Al、Si、Sn、その他の遷移金属および希土類元素から成る群から選択される1種以上の元素
を含有することができるか、または
i)Ti、Zr、NbおよびHfから成る群から選択される1種以上の元素、および
ii)Ni、Cr、ならびにV、Mn、Sn、Al、Co、Cu、Mo、W、Fe、Si、および希土類元素から成る群から選択される1種以上の元素
を含有することができる。
本発明による合金は例えば、改質されたAB2タイプ合金であり、これは例えばii)の、i)に対する原子比率が約2.02〜約2.45である、AB2タイプ合金である。ii)の、i)に対する原子比率は例えば、約2.04〜約2.40、約2.10〜約2.38、約2.20〜約2.36、または約2.20〜約2.36である。
ii)の、i)に対する本発明による原子比率は例えば、約2.03、約2.05、約2.07、約2.09、約2.11、約2.13、約2.15、約2.17、約2.19、約2.21、約2.23、約2.25、約2.27、約2.29、約2.31、約2.33、約2.35、約2.37または約2.39である。
本発明による改質されたAB2タイプ合金は例えば、C14もしくはC15ラーベス主相、またはC14およびC15ラーベス主相を有する。C14相の存在度は例えば、合金を基準として約70〜約95質量%、例えば約80〜約90質量%、または約83〜89質量%である。C15相の存在度は例えば、合金を基準として約2〜約20質量%、例えば約3〜約17質量%、または約3〜16質量%である。
本発明による合金は例えば、C14もしくはC15ラーベス相を含有するか、またはC14およびC15ラーベス相を含有し、ここで吸蔵性二次相および触媒二次相は、非ラーベス相である。
触媒二次相の存在度は例えば、合金を基準として約0.3〜約15質量%、約0.5〜約10質量%、例えば約0.7〜約5質量%である。触媒二次相の存在度は、合金を基準として約0.1質量%、約0.4質量%、約0.9質量%、約1.1質量%、約1.3質量%、約1.5質量%、約1.7質量%、約2.0質量%、約2.5質量%、約3.0質量%、約3.5質量%、または約4.0質量%であり得る。
吸蔵性二次相の存在度は例えば、合金を基準として、約0.51〜約15質量%、約0.52〜約12質量%、約0.55〜約11質量%、約0.6〜約9質量%、約0.7〜約7質量%、約0.9〜約5質量%、または約1.0〜約3質量%である。
吸蔵性二次相の存在度は例えば、合金を基準として約0.6質量%、約0.9、約1.2、約1.5、約1.7、約1.9、約2.1、約2.3、約2.5、約2.7または約2.9質量%である。
合金は有利には、全合金を基準として、TiおよびNiを含有する触媒二次相を約0.1〜約4.0、約0.2〜約3.5または約0.3〜約3.3質量%、ならびにLaおよびNiを含有する吸蔵性二次相を約0.1〜約4.0、約0.2〜約3.5または約0.3〜約3.3質量%、含有する。
一般的に、一連の類似の組成の合金において、触媒二次相の存在度の、吸蔵性二次相の存在度に対する質量比率が低下するにつれて、低温電気化学特性は増加する。触媒二次相の存在度の、吸蔵性二次相の存在度に対する質量比率は有利には、約5〜約0.1、約4〜約0.1、約3〜約0.1、約2〜約0.1、または約1〜約0.1である。触媒二次相の存在度の、吸蔵性二次相の存在度に対する質量比率は例えば、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.1、約1.3、約1.5、約1.7または約1.9、およびこれらの間の水準である。
例えば、触媒二次相の存在度の、吸蔵性二次相の存在度に対する質量比率は、<3.0、≦2.5、≦2.0、≦1.5、≦1.0または≦0.5である。
触媒二次相は有利には、TiNi(B2)結晶構造を有する。すなわち、触媒二次相の結晶構造は有利には、X線回折(XRD)により特定されるような公知のTiNi(B2)結晶構造である。公知のTiNi(B2)結晶構造を有するために、触媒二次相は、Tiおよび/またはNiを含有する必要はない。
触媒二次相は、Tiおよび/またはNiを含有することができる。
触媒二次相は例えば、Ti、Zr、NbおよびHfから成る群から選択される1種以上の元素を含有し、Niも含有する。触媒二次相は例えば、TiおよびNiを含有するか、またはTi、ZrおよびNiを含有する。
触媒二次相は例えば、Tiを約13〜約45原子%、Tiを約15〜約30原子%、またはTiを約20原子%〜約30原子%、含有する。
触媒二次相は例えば、Zrを約5〜約30原子%、Zrを約7〜約25原子%、またはZrを約10原子%〜約22原子%、含有する。
触媒二次相は例えば、Niを約38〜約60原子%、Niを約40〜約55原子%、またはNiを約42原子%〜約47原子%、含有する。
TiおよびNiを上記水準で含有する本発明による触媒二次相の結晶構造は、公知のTi(B2)結晶構造であるが、これらはTiNi相に可溶性のその他の金属、例えばZrをかなりの量、含有することができる。
例えば、触媒二次相は、Niを約42〜約47原子%、Tiを約20〜約29原子%、およびZrを約12〜約22原子%含有し、ここで(Ti+Zr)は、約39〜約43原子%である。触媒二次相に共に存在する場合、Zrの原子%は、Tiの原子%以下であることが有利である。例えば、触媒二次相に共に存在する場合、Zrの原子%は、Tiの原子%未満である。
吸蔵性二次相は例えば、触媒二次相の構造とは異なる構造を有する。
吸蔵性二次相は、1種以上の希土類元素を含有する。吸蔵性二次相は例えば、Niを含有し、1種以上の希土類元素およびNiを含有するか、またはLaおよびNiを含有する。
吸蔵性二次相は例えば、1種以上の希土類元素を、約30〜約60原子%、約40〜約55原子%、約41〜約52原子%、または約44〜約50原子%、含有する。希土類元素は例えば、Laである。
吸蔵性二次相は例えば、Niを約30〜約60原子%、約40〜約55原子%、約42〜約52原子%、または約45〜約50原子%、含有する。
吸蔵性二次相は例えば、Laを約41〜約51原子%、およびNiを約44〜約50原子%含有するか、またはLaを約48〜約50原子%、およびNiを約49〜約50原子%、含有する。
各相についてここで論じている原子%(at%)は、相を基準とする。
合金についてここで論じている原子%(at%)は、合金全体を基準とする。
希土類元素は、Sc、Y、Laおよびランタニドである。ミッシュメタルは、「1種以上の希土類元素」という用語に含まれる。希土類元素は例えば、Laである。
本発明による合金は例えば、1種以上の希土類元素を、約0.1原子%〜約10.0原子%、約0.7〜約8.0原子%、約1.0〜約7.0原子%、約1.5〜約6.0原子%、または約2.0〜約5.5原子%、含有する。本発明による合金は例えば、1種以上の希土類元素を、約1.5、約2.0、約2.5、約3.0、約3.5、約4.0、約4.5、約5.0、約5.5、約6.0、約6.5、約7.0、約7.5または約8.0原子%、およびこれらの間の水準で含有する。
本発明による合金は例えば、Ti、Zr、V、Ni、1種以上の希土類元素、ならびにCr、MnおよびAlから成る群から選択される1種以上の元素を含有する。合金は例えば、Ti、Zr、V、Ni、Cr、Mn、Al、Co、および1種以上の希土類元素を含有する。合金は例えば、Ti、Zr、V、Ni、Cr、Mn、Al、CoおよびLaを含有する。
本発明による合金は例えば、Tiを約0.1〜約60%、Zrを約0.1〜約40%、0<V<60%、Crを0〜約56%、Mnを約5〜約22%、Niを約0.1〜約57%、Snを0〜約3%、Alを約0.1〜約10%、Coを約0.1〜約11%、および1種以上の希土類元素を約0.1〜約10%含有し、ここでパーセントは原子%であり、合計で100%に等しい。
Tiを約5〜約15%、Zrを約18〜約29%、Vを約3.0〜約13%、Crを約1〜約10%、Mnを約6〜約18%、Niを約29〜約41%、Alを約0.1〜0.7%、Coを約2〜約11%、および1種以上の希土類元素を約0.7〜約8%を含有する合金も開示され、ここでパーセントは原子%であり、合計で100%に等しい。
合金は有利には、Tiを約11%〜約13%、Zrを約21〜約23%、Vを約9〜約11%、Crを約6〜約9%、Mnを約6〜約9%、Niを約31〜約34%、Alを約0.3〜約0.6%、Coを約2〜約8%、および1種以上の希土類元素を約1〜約7%含有し、ここでパーセントは原子%であり、合計で100%に等しい。
本発明による合金は一般的に、バルク領域および表面領域を有する。表面領域は、表面に、または表面のそばにあり、表面層、界面相、界面領域などとしても知られる。表面または界面領域は、電解質と、水素吸蔵合金のバルク部分との間で界面を構成する。
表面酸化物はしばしば、作製後の水素吸蔵合金の界面領域に存在する。表面酸化物は通常、絶縁性であり、これによって一般的には、合金を利用した電極の性能が阻害される。
本発明による合金は、酸化度の高い金属酸化物を含有することができる。金属酸化物は例えば、金属酸化物の合計元素を基準として、酸素を≧60原子%、酸素を≧62原子%、酸素を≧64原子%、酸素を≧66原子%、または酸素を≧68原子%、含有する。
存在する金属酸化物とは一般的に、酸化された金属を言い、例えば金属の酸化物および水酸化物を含む。
本発明による合金は、酸素を≧60原子%有する金属酸化物を含有することができ、かつ/または
本発明による合金は、少なくとも1つの流路を有する境界領域に隣接する金属領域を有することができ、かつ/または
本発明による合金は、幅が平均で約12nm〜約1100nmである境界領域に隣接する金属領域を有することができ、かつ/または
本発明による合金は、少なくとも1つの流路と並走する金属酸化物帯域を有することができる。
本発明による合金は、少なくとも1つの流路を有する境界領域に隣接する金属領域を有することができ、かつ/または
本発明による合金は、幅が平均で約12nm〜約1100nmである境界領域に隣接する金属領域を有することができ、かつ/または
本発明による合金は、少なくとも1つの流路と並走する金属酸化物帯域を有することができる。
酸化度の高い本発明による金属酸化物は、「金属酸化物帯域」中に存在する。金属酸化物帯域は、本発明による金属酸化物を含有するか、または金属酸化物帯域は、本発明による金属酸化物から実質的に成るか、または本発明による金属酸化物から成っていてよい。
本発明による金属酸化物は例えば、酸素を≧60原子%、酸素を≧62原子%、酸素を≧64原子%、酸素を≧66原子%、または酸素を≧68原子%含有するか、または酸素を約60原子%〜約82原子%、酸素を約63原子%〜約77原子%、酸素を約64原子%〜約75原子%、酸素を約65原子%〜約72原子%、または酸素を約66原子%〜約70原子%含有する。
金属酸化物は例えば、金属酸化物を基準として、酸素を約60原子%、約61原子%、約62原子%、約63原子%、約64原子%、約65原子%、約66原子%、約67原子%、約68原子%、約69原子%、約70原子%、約71原子%、約72原子%、約73原子%、約74原子%、約75原子%、約76原子%、約77原子%、約78原子%、約79原子%、約80原子%、約81原子%、または約82原子%含有する。
酸化物について論じた元素の量は、金属酸化物を基準とする。
金属酸化物は、Niおよび/またはCrを含有することができる。金属酸化物は、Ni/Cr酸化物であり得る。Ni/Cr合金は酸化させるのが困難であるため、Ni/Cr酸化物の形成は異例である。金属酸化物は例えば、酸素を約64原子%〜約71原子%、Crを約3原子%〜約8原子%、およびNiを約16原子%〜約21原子%含有するNi/Cr酸化物である。Ni/Cr酸化物は、Ni(Cr)OOHおよび/またはNi(Cr)(OH)2を含有することができる。
Ni/Cr酸化物は、NiおよびCrを含有することができ、ここでそれぞれは、例えば本発明による実施例のように、他の各金属(またはメタロイド)のパーセンテージよりも高い原子パーセンテージで存在する。メタロイド、例えばBおよびSiは、この定義についての金属に含まれる。
金属酸化物は例えば、Crを≧2原子%、Crを≧3原子%、Crを≧4原子%、またはCrを≧5原子%含有するか、またはCrを約2原子%〜約8原子%、Crを約3原子%〜約8原子%、またはCrを約4原子%〜約7原子%、含有する。金属酸化物は例えば、Crを約2原子%、約3、約4、約5、約6、約7または約8原子%含有する。
金属酸化物は例えば、Niを≧16原子%、Niを≧17原子%、Niを≧18原子%、またはNiを≧19原子%含有するか、またはNiを約16原子%〜約23原子%、Niを約17原子%〜約22原子%、またはNiを約18原子%〜約21原子%含有する。金属酸化物は例えば、Niを約16原子%、約17、約18、約19、約20、約21、約22または約23原子%含有する。
金属酸化物は、B、Al、Si、Snおよび遷移金属から成る群から選択される1種以上の元素、例えばAl、Ti、V、Mn、Co、およびZrから成る群から選択される1種以上の元素を含有することができる。これらの1種以上の元素は、酸化物中に合計で約1原子%〜約17原子%、約2原子%〜約14原子%、約3原子%〜約12原子%、約3原子%〜約10原子%、または約4原子%〜約9原子%、存在していてよい。
金属酸化物は、金属領域に隣接する境界領域に存在していてよく、この境界領域は、少なくとも1つの流路を有することができる。境界領域は例えば、金属領域を分離させる。境界領域は例えば、長さおよび平均幅を有し、境界領域の長さ方向に(長さに沿って)走る少なくとも1つの流路を有する。この流路は、約4nm〜約40nm、約5nm〜約35nm、約7nm〜約30nm、または約8nm〜約25nmの平均幅を有することができる。このため境界領域は、「金属酸化物境界領域」とも名付けられる。
流路は、バルク合金への電解質の直接的なアクセスを有することができる。流路は、占有されておらず、開放されており、稠密ではない。「金属領域」は、バルク合金、または「バルク金属領域」である。流路には、バルク金属領域への電解質の輸送を可能にする能力があり、このため優れた電気化学的な性能がもたらされると考えられる。
境界領域は、金属領域に隣接する移行酸化物帯域を有することができ、この移行帯域は、境界領域の長さに沿って走っていてよい。移行酸化物帯域は、例えば約4nm〜約30nm、約5nm〜約25nm、約7nm〜約20nm、または約8nm〜約17nmの平均幅を有する。
移行酸化物は、移行酸化物帯域に存在する。移行酸化物は、本発明による高度に酸化された金属酸化物に似た組成の金属酸化物であるが、やや酸化度が低い。例えば、移行酸化物は、移行酸化物を基準として、酸素を<60原子%、または酸素を<55原子%、含有する。
境界領域は、境界領域の長さに沿って走っていてよい金属酸化物帯域を有することができ、これは例えば、約5nm〜約500nm、約6〜約400nm、約7nm〜約300nm、約8nm〜約200nm、または約8nm〜約100nmの平均幅を有する。
境界領域は例えば、長さおよび平均幅を有し、かつその幅にわたって第一の移行酸化物帯域、金属酸化物帯域、および第二の移行酸化物帯域を有し、これらはそれぞれ境界領域の長さに沿って走っている;またはその幅にわたって第一の移行酸化物帯域、流路、および第二の移行酸化物帯域を有し、これらはそれぞれ境界領域の長さに沿って走っている;またはその幅にわたって第一の移行酸化物帯域、金属酸化物帯域、流路、および第二の移行酸化物帯域を有し、これらはそれぞれ境界領域の長さに沿って走っている;またはその幅にわたって第一の移行酸化物帯域、第一の金属酸化物帯域、流路、第二の金属酸化物帯域、および第二の移行酸化物帯域を有し、これらはそれぞれ境界領域の長さに沿って走っている。
「長さに沿って走っている」という用語は、並走していることを意味する。境界領域は例えば、狭い線状および/または曲線状の「通路」構造であり、この構造は、移行酸化物帯域、金属酸化物帯域、および流路から選択される構造を有する。移行酸化物帯域、金属酸化物帯域、および流路は例えば、それぞれ相互に境界領域と並走しており、言い換えると、それらの通路に沿って相互に平行である。
境界領域は、金属領域に隣接している、かつ/または金属領域を分離する。金属領域は、バルク金属合金である。
境界領域は、ナノスケールであってよく、境界領域は例えば、約12nm〜約1100nm、約17〜約1000nm、約20nm〜約1000nm、約20nm〜約900nm、約20nm〜約800nm、約20nm〜約700nm、約17nm〜約600nm、約20nm〜約500nm、約25nm〜約400nm、約30nm〜約300nm、約35nm〜約200nm、または約40nm〜約100nmの平均幅を有することができる。境界領域は例えば、長さおよび平均幅を有し、ここで長さは、平均幅の≧4倍、≧8倍、≧12倍、≧16倍、≧20倍、または≧24倍である。境界領域は例えば、長さおよび平均幅を有し、ここで長さは、平均幅の≧4倍、≧8倍、≧12倍、≧16倍、≧20倍、または≧24倍であり、ここで幅は、長さに沿って実質的に均一である。
理論に縛られるわけではないが、本発明による改質元素および/または方法は、金属酸化物および境界領域の構造と組成に影響を与えると考えられる。
一般的にバルク金属合金領域および表面酸化物領域を有する本発明による合金は有利には、バルク領域内におよび/またはバルク領域にわたって開放流路も有する。流路は、相互に連結していてよく、三次元ネットワークを形成することができる。流路は、本発明による金属酸化物帯域および/または移行酸化物帯域と並走していてよい。流路は、表面酸化物領域にわたって、伸びていてよい。電解質は、開放流路を通じて「流れる」ことができ、これによってバルク合金へのアクセス性が増大する。流路を有する本発明による合金を記載する別の方法は、これらが従来の合金よりもずっと大きな表面積を有するということであり、開放流路は、合金の表面を構成する。
この「表面酸化物」は、慣用の金属酸化物/水酸化物である。本発明による合金は、本発明による高度に酸化された金属酸化物に加えて、慣用の表面酸化物を含有しても、含有しなくてもよい。
本発明による合金は例えば、≧3.0m2/g、≧3.2m2/g、≧3.4m2/g、≧3.6m2/g、≧3.8m2/g、≧4.0m2/g、≧4.2m2/g、≧4.4m2/g、≧4.6m2/g、または≧4.8m2/gのBET(ブルナウアー・エメット・テラー)表面積を有することができる。BET表面積は、液体窒素浸漬式BET法によって測定される。
狭い境界領域における高度に酸化されたNi/Cr酸化物は、高度に配向されており、例えば結晶質である。本発明による合金は、ランダムに配向された非常に稠密な金属酸化物を含有するより大きな(広い)境界領域を有することもでき、これはCrおよびNiが多くてもよい。よって本発明による合金は、結晶質Ni/Cr金属酸化物を含有する狭い境界領域と、ランダムなNi/Cr金属酸化物を含有する広い境界領域とを有することができる。
本発明による合金は、水素を可逆的に吸収および排出できる。
本発明のさらなる主題は、水素を可逆的に貯蔵および放出可能な少なくとも1つのアノード、可逆的酸化が可能な少なくとも1つのカソード、前記アノードおよび前記カソードが内部に配置されるケーシング、カソードとアノードを分離するセパレータ、ならびにアノードとカソードの両方と接触する電解質を有する金属水素化物電池であり、ここでアノードは、本発明による水素吸蔵合金を含有する。
本発明による電池は、ある極性のもとで大量の水素を貯蔵可能であり、その逆の極性のもとでは、所望の量の水素を放出することができる。
本発明の主題はまた、少なくとも1つの水素電極、少なくとも1つの酸素電極、および少なくとも1つのガス拡散材料を有するアルカリ燃料電池であり、ここで水素電極は、本発明による水素吸蔵合金を含有する。
本発明の主題はまた、少なくとも1つの空気透過性カソード、少なくとも1つのアノード、少なくとも1つの空気取り入れ部、ならびにアノードおよびカソードの両方と接触する電解質を有する金属水素化物空気電池であり、ここでアノードは、本発明による水素吸蔵合金を含有する。
ここで論じられた米国特許出願、米国特許出願公開、および米国特許は、それぞれ参照によって、本明細書に組み込まれるものとする。
実施形態の要素について言及する「1つの(a)」という用語は、「1つ」を意味するか、または「1つ以上」を意味することができる。
「約」という用語は例えば、通常の測定手順および取り扱い手順によって、これらの手順における不注意によるミス、製造元、製造者、または使用する成分の純度における差違によって、使用する手法における差違などによって起こり得る変異を言う。「約」という用語はまた、特定の初期混合物から得られる組成物について、様々な平衡条件により異なる量を含む。「約」という用語があろうと無かろうと、実施形態および実施形態は、言及された量の等量を含む。
本明細書における全ての数値は、明示されているかどうかに拘わらず、「約」という用語で修飾されている。「約」という用語は一般的に、当業者が、言及された値に等しい(すなわち、同じ機能および/または結果を有する)と考える数の範囲を言う。多くの場合、「約」という用語は、最も近い重要な数字に丸められた数を含むことができる。
「約」という用語によって修飾された値はもちろん、特定の値を含む。例えば「約5.0」は、5.0を含まなければならない。
以下、本発明の幾つかの実施形態を示す。
E1:水素吸蔵合金、例えば改善された低温電気化学特性を有する水素吸蔵合金であって、
少なくとも1つの電気化学的に活性な主相、および少なくとも1つの電気化学的に活性な二次相、例えば
a)少なくとも1つの電気化学的に活性な主相、および
b)少なくとも1つの電気化学的に活性な吸蔵性二次相、
を有し、
ここで、各相が「電気化学的に活性」であることを特定するための1つの方法は、各相が、25℃、10℃、0℃、−10℃、−20℃、−30℃または−40℃で取得したACインピーダンス測定のCole-Coleプロットにおいて直列で明確に示されていることである水素吸蔵合金。
少なくとも1つの電気化学的に活性な主相、および少なくとも1つの電気化学的に活性な二次相、例えば
a)少なくとも1つの電気化学的に活性な主相、および
b)少なくとも1つの電気化学的に活性な吸蔵性二次相、
を有し、
ここで、各相が「電気化学的に活性」であることを特定するための1つの方法は、各相が、25℃、10℃、0℃、−10℃、−20℃、−30℃または−40℃で取得したACインピーダンス測定のCole-Coleプロットにおいて直列で明確に示されていることである水素吸蔵合金。
E2:電気化学的に活性な相が、−40℃で取得したACインピーダンス測定のCole-Coleプロットにおいて明確に示されている、実施形態1記載の合金。
E3:
i)Ti、Zr、NbおよびHfから成る群から選択される1種以上の元素、および
ii)V、Cr、Mn、Ni、Sn、Al、Co、Cu、Mo、W、Fe、Si、および希土類元素から成る群から選択される1種以上の元素
を含有するか、または
i)Ti、Zr、NbおよびHfから成る群から選択される1種以上の元素、および
ii)Ni、Cr、ならびにB、Al、Si、Sn、その他の遷移金属および希土類元素から成る群から選択される1種以上の元素
を含有するか、または
i)Ti、Zr、NbおよびHfから成る群から選択される1種以上の元素、および
ii)Ni、Cr、ならびにV、Mn、Sn、Al、Co、Cu、Mo、W、Fe、Si、および希土類元素から成る群から選択される1種以上の元素
を含有する、実施形態1または2記載の合金。
i)Ti、Zr、NbおよびHfから成る群から選択される1種以上の元素、および
ii)V、Cr、Mn、Ni、Sn、Al、Co、Cu、Mo、W、Fe、Si、および希土類元素から成る群から選択される1種以上の元素
を含有するか、または
i)Ti、Zr、NbおよびHfから成る群から選択される1種以上の元素、および
ii)Ni、Cr、ならびにB、Al、Si、Sn、その他の遷移金属および希土類元素から成る群から選択される1種以上の元素
を含有するか、または
i)Ti、Zr、NbおよびHfから成る群から選択される1種以上の元素、および
ii)Ni、Cr、ならびにV、Mn、Sn、Al、Co、Cu、Mo、W、Fe、Si、および希土類元素から成る群から選択される1種以上の元素
を含有する、実施形態1または2記載の合金。
E4:ii)の、i)に対する原子比率が、約2.02〜約2.45、約2.04〜約2.40、約2.10〜約2.38、約2.20〜約2.36または約2.20〜約2.36;または約2.03、約2.05、約2.07、約2.09、約2.11、約2.13、約2.15、約2.17、約2.19、約2.21、約2.23、約2.25、約2.27、約2.29、約2.31、約2.33、約2.35、約2.37または約2.39である、実施形態3記載の合金。
E5:C14もしくはC15ラーベス主相を有するか、またはC14およびC15ラーベス主相を有する、実施形態1から4までのいずれか記載の合金。
E6:C14およびC15ラーベス主相を有する、実施形態1から5までのいずれか記載の合金であって、合金を基準として、C14相の存在度が、約70〜約95質量%、約80〜約90質量%、または約83〜89質量%であり、C15相の存在度が、約2〜約20質量%、約3〜約17質量%、または約3〜16質量%である合金。
E7:触媒二次相を有する、実施形態1から6までのいずれか記載の合金。
E8:c)TiNi(B2)結晶構造を有する触媒二次相を有する、実施形態1から7までのいずれか記載の合金。
E9:c)Ti、Zr、NbおよびHfから成る群から選択される1種以上の元素を含有し、かつNiも含有する触媒二次相を有する、実施形態1から8までのいずれか記載の合金。
E10:c)TiおよびNiを含有するか、またはTi、ZrおよびNiを含有する触媒二次相を有する、実施形態1から9までのいずれか記載の合金。
E11:c)Tiを約13〜約45原子%、Tiを約15〜約30原子%、またはTiを約20〜約30原子%、Zrを約5〜約30原子%、Zrを約7〜約25原子%、またはZrを約10〜約22原子%、およびNiを約38〜約60原子%、Niを約40〜約55原子%、またはNiを約42〜約47原子%含有する触媒二次相を有する、実施形態1から10までのいずれか記載の合金。
E12:c)触媒二次相を有する、実施形態1から11までのいずれか記載の合金であって、触媒二次相が、Niを約42〜約47原子%、Tiを約20〜約29原子%、およびZrを約12〜約22原子%含有し、ここで(Ti+Zr)は、約39〜約43原子%である合金。
E13:c)触媒二次相を有する、実施形態1から12までのいずれか記載の合金であって、触媒二次相が、Niを約42〜約47原子%、Tiを約20〜約29原子%、およびZrを約12〜約22原子%含有し、ここで(Ti+Zr)は、約39〜約43原子%であり、かつここでZrの原子%は、Tiの原子%以下である合金。
E14:吸蔵性二次相がNiを含有する、実施形態1から13までのいずれか記載の合金。
E15:吸蔵性二次相が1種以上の希土類元素を含有する、実施形態1から14までのいずれか記載の合金。
E16:吸蔵性二次相がLaおよびNiを含有する、実施形態1から15までのいずれか記載の合金。
E17:吸蔵性二次相が1種以上の希土類元素を、約30〜約60原子%、約40〜約55原子%、約41〜約52原子%、または約44〜約50原子%含有する、実施形態1から16までのいずれか記載の合金。
E18:吸蔵性二次相が、Niを約30〜約60原子%、約40〜約55原子%、約42〜約52、または約45〜約50原子%含有する、実施形態1から17までのいずれか記載の合金。
E19:吸蔵性二次相が、Laを約41〜約51原子%、およびNiを約44〜約50原子%含有するか、またはLaを約48〜約50原子%、およびNiを約49〜約50原子%含有する、実施形態1から18までのいずれか記載の合金。
E20:吸蔵性二次相の存在度が、合金を基準として、約0.51〜約15質量%、約0.52〜約12質量%、約0.55〜約11質量%、約0.6〜約9質量%、約0.7〜約7質量%、約0.9〜約5質量%、または約1.0〜約3質量%であるか、または合金を基準として、約0.6質量%、約0.9、約1.2、約1.5、約1.7、約1.9、約2.1、約2.3、約2.5、約2.7、または約2.9質量%である、実施形態1から19までのいずれか記載の合金。
E21:合金を基準として、約0.3〜約15質量%、約0.5〜約10質量%、または約0.7〜約5質量%の水準で;または合金を基準として、約0.1質量%、約0.4、約0.9、約1.1、約1.3、約1.5、約1.7、約2.0、約2.5、約3.0、約3.5、または約4.0質量%の水準で触媒二次相を有する、実施形態1から20までのいずれか記載の合金。
E22:全合金を基準として、TiおよびNiを含有する触媒二次相を約0.1〜約4.0、約0.2〜約3.5または約0.3〜約3.3質量%、ならびにLaおよびNiを含有する吸蔵性二次相を約0.1〜約4.0、約0.2〜約3.5または約0.3〜約3.3質量%有する、実施形態1から21までのいずれか記載の合金。
E23:触媒二次相を有する、実施形態1から22までのいずれか記載の合金であって、触媒二次相の存在度の、吸蔵性二次相の存在度に対する質量比率が、約5〜約0.1、約4〜約0.1、約3〜約0.1、約2〜約0.1、または約1〜約0.1であるか;または触媒二次相の存在度の、吸蔵性二次相の存在度に対する質量比率が、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.1、約1.3、約1.5、約1.7または約1.9、およびこれらの間にある水準であるか;または触媒二次相の存在度の、吸蔵性二次相の存在度に対する質量比率が、<3.0、≦2.5、≦2.0、≦1.5、≦1.0または≦0.5である合金。
E24:吸蔵性二次相および触媒二次相の合計存在度が、前記合金に対して約0.81〜約30質量%である、実施形態1から23までのいずれか記載の合金。
E25:1種以上の希土類元素を約0.1原子%〜約10.0原子%、約0.7〜約8.0原子%、約1.0〜約7.0原子%、約1.5〜約6.0原子%含有するか、または1種以上の希土類元素を約2.0〜約5.5原子%含有するか、または1種以上の希土類元素を約1.5、約2.0、約2.5、約3.0、約3.5、約4.0、約4.5、約5.0、約5.5、約6.0、約6.5、約7.0、約7.5または約8.0原子%、およびこれらの間にある水準で含有する、実施形態1から24までのいずれか記載の合金。
E26:Ti、Zr、V、Ni、および1種以上の希土類元素を含有するか、または
Ti、Zr、Ni、Mn、および1種以上の希土類元素を含有するか、または
Ti、Cr、V、Ni、および1種以上の希土類元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、Cr、ならびにB、Al、Si、Sn、およびその他の遷移金属から成る群から選択される1種以上の元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、1種以上の希土類元素、ならびにCr、Mn、Sn、Al、Cu、Mo、W、Fe、SiおよびCoから成る群から選択される1種以上の元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、1種以上の希土類元素、ならびにCr、Mn、およびAlから成る群から選択される1種以上の元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、Cr、Mn、Al、Coおよび1種以上の希土類元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、Cr、Mn、Al、CoおよびLaを含有する、
実施形態1から25までのいずれか記載の合金。
Ti、Zr、Ni、Mn、および1種以上の希土類元素を含有するか、または
Ti、Cr、V、Ni、および1種以上の希土類元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、Cr、ならびにB、Al、Si、Sn、およびその他の遷移金属から成る群から選択される1種以上の元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、1種以上の希土類元素、ならびにCr、Mn、Sn、Al、Cu、Mo、W、Fe、SiおよびCoから成る群から選択される1種以上の元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、1種以上の希土類元素、ならびにCr、Mn、およびAlから成る群から選択される1種以上の元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、Cr、Mn、Al、Coおよび1種以上の希土類元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、Cr、Mn、Al、CoおよびLaを含有する、
実施形態1から25までのいずれか記載の合金。
E27:
Tiを約0.1〜約60%、Zrを約0.1〜約40%、0<V<60%、Crを0〜約56%、Mnを約5〜約22%、Niを約0.1〜約57%、Snを0〜約3%、Alを約0.1〜約10%、Coを約0.1〜約11%、および1種以上の希土類元素を約0.1〜約10%含有するか、または
Tiを約5〜約15%、Zrを約18〜約29%、Vを約3.0〜約13%、Crを約1〜約10%、Mnを約6〜約18%、Niを約29〜約41%、Alを約0.1〜約0.7%、Coを約2〜約11%、および1種以上の希土類元素を約0.7〜約8%含有するか、または
Tiを約11〜約13%、Zrを約21〜約23%、Vを約9〜約11%、Crを約6〜約9%、Mnを約6〜約9%、Niを約31〜約34%、Alを約0.3〜約0.6%、Coを約2〜約8%、および1種以上の希土類元素を約1〜約7%含有し、
ここでパーセントは原子%であり、合計で100%に等しい、
実施形態1から26までのいずれか記載の合金。
Tiを約0.1〜約60%、Zrを約0.1〜約40%、0<V<60%、Crを0〜約56%、Mnを約5〜約22%、Niを約0.1〜約57%、Snを0〜約3%、Alを約0.1〜約10%、Coを約0.1〜約11%、および1種以上の希土類元素を約0.1〜約10%含有するか、または
Tiを約5〜約15%、Zrを約18〜約29%、Vを約3.0〜約13%、Crを約1〜約10%、Mnを約6〜約18%、Niを約29〜約41%、Alを約0.1〜約0.7%、Coを約2〜約11%、および1種以上の希土類元素を約0.7〜約8%含有するか、または
Tiを約11〜約13%、Zrを約21〜約23%、Vを約9〜約11%、Crを約6〜約9%、Mnを約6〜約9%、Niを約31〜約34%、Alを約0.3〜約0.6%、Coを約2〜約8%、および1種以上の希土類元素を約1〜約7%含有し、
ここでパーセントは原子%であり、合計で100%に等しい、
実施形態1から26までのいずれか記載の合金。
E28:金属酸化物を基準として、酸素を≧60原子%、酸素を≧62原子%、酸素を≧64原子%、酸素を≧66原子%、または酸素を≧68原子%含有する金属酸化物を含有するか、または金属酸化物は、酸素を約60原子%〜約82原子%、酸素を約63〜約77原子%、酸素を約64原子%〜約75原子%、酸素を約65原子%〜約72原子%、または酸素を約66原子%〜約70原子%含有するか、または酸素を約60原子%、約61、約62、約63、約64、約65、約66、約67、約68、約69、約70、約71、約72、約73、約74、約75、約76、約77、約78、約79、約80、約81または約82原子%含有する、実施形態1から27までのいずれか記載の合金。
E29:Niおよび/またはCr金属酸化物、例えばNi/Cr金属酸化物を含有し、この金属酸化物は、実施形態28に記載の水準で酸素を含有し得る、実施形態1から28までのいずれか記載の合金。
E30:
a)C14もしくはC15ラーベス主相、またはC14およびC15ラーベス主相、
b)電気化学的に活性な第一の吸蔵性二次相>0.5質量%、および
c)触媒二次相約0.3質量%〜約15質量%、
を有する、水素吸蔵合金。
a)C14もしくはC15ラーベス主相、またはC14およびC15ラーベス主相、
b)電気化学的に活性な第一の吸蔵性二次相>0.5質量%、および
c)触媒二次相約0.3質量%〜約15質量%、
を有する、水素吸蔵合金。
E31:
a)C14もしくはC15ラーベス主相、またはC14およびC15ラーベス主相、
b)LaおよびNiを含有する電気化学的に活性な吸蔵性二次相>0.5質量%、および
c)TiおよびNiを含有する触媒二次相約0.3質量%〜約15質量%、
を有する、水素吸蔵合金。
a)C14もしくはC15ラーベス主相、またはC14およびC15ラーベス主相、
b)LaおよびNiを含有する電気化学的に活性な吸蔵性二次相>0.5質量%、および
c)TiおよびNiを含有する触媒二次相約0.3質量%〜約15質量%、
を有する、水素吸蔵合金。
E32:Laを含有する、実施形態1から31までのいずれか記載の合金。
E33:50mAg-1で測定した放電容量の、4mAg-1で測定した放電容量に対する比率として規定して、三回目のサイクルで約93%、約94%、約95%、約96%、または約97%の高い割合の放電性能、または≧93%、≧94%、≧95%、≧96%、または≧97%の高い割合の放電性能、半電池測定前にアルカリ前処理を適用せずに、部分的に予備充電したNi(OH)2正極に対して液式セル設計で測定、ここで各試料電極は、50mAg-1の一定の電流密度で10時間、充電し、それから50mAg-1の電流密度で放電し、12および4mAg-1で2回のプルが続く、および/または
≦150、≦140、≦130、≦120、≦110、≦100、≦90、≦80、≦70、≦60、≦40、≦30、≦25、≦20、≦19、≦18、≦17、≦16、≦15、≦14、≦13、≦12または≦11、≦10、≦9、≦8、≦7、≦6、≦5または≦4Ω・g;または約1〜約30、約2〜約20、約2〜約15、約2〜約10、約3〜約9、約3〜約8、約3〜約7、約3〜約6、約3〜約5または約3〜約4Ω・gの、1つの主相または複数の主相について−40℃での電荷移動抵抗(R);および/または
約3〜約50、約5〜約20、約7〜約18、約9〜約16、約10〜約15または約11〜約15Ω・g、または≦150、≦140、≦130、≦120、≦110、≦100、≦90、≦80、≦70、≦60、≦40、≦30、≦25、≦20、≦19、≦18、≦17、≦16、≦15、≦14、≦13、≦12または≦11Ω・gの、−40℃での電荷移動抵抗(R);および/または
約1〜約20、約1〜約15、約1〜約10、約1〜約5、約1〜約4、約1〜約3または約1.5〜約2.5秒、または≦30、≦25、≦20、≦15、≦12、≦10、≦9、≦8、≦7、≦6、≦5、≦4、≦3または≦2秒の、−40℃での表面触媒性能
を示す、実施形態1から32までのいずれか記載の合金。
≦150、≦140、≦130、≦120、≦110、≦100、≦90、≦80、≦70、≦60、≦40、≦30、≦25、≦20、≦19、≦18、≦17、≦16、≦15、≦14、≦13、≦12または≦11、≦10、≦9、≦8、≦7、≦6、≦5または≦4Ω・g;または約1〜約30、約2〜約20、約2〜約15、約2〜約10、約3〜約9、約3〜約8、約3〜約7、約3〜約6、約3〜約5または約3〜約4Ω・gの、1つの主相または複数の主相について−40℃での電荷移動抵抗(R);および/または
約3〜約50、約5〜約20、約7〜約18、約9〜約16、約10〜約15または約11〜約15Ω・g、または≦150、≦140、≦130、≦120、≦110、≦100、≦90、≦80、≦70、≦60、≦40、≦30、≦25、≦20、≦19、≦18、≦17、≦16、≦15、≦14、≦13、≦12または≦11Ω・gの、−40℃での電荷移動抵抗(R);および/または
約1〜約20、約1〜約15、約1〜約10、約1〜約5、約1〜約4、約1〜約3または約1.5〜約2.5秒、または≦30、≦25、≦20、≦15、≦12、≦10、≦9、≦8、≦7、≦6、≦5、≦4、≦3または≦2秒の、−40℃での表面触媒性能
を示す、実施形態1から32までのいずれか記載の合金。
以下、本発明のさらなる実施形態を示す。
E1:水素吸蔵合金、例えば改善された低温電気化学特性を有する合金であって、
a)少なくとも1つの主相、
b)1種以上の希土類元素を含有する吸蔵性二次相、および
c)触媒二次相
を有し、
ここで、吸蔵性二次相の存在度は、>0.5質量%であり、触媒二次相の存在度は、合金を基準として約0.3〜約15質量%であり、
例えばここで合金は、−40℃での電荷移動抵抗(R)が、b)およびc)を含有しない合金、つまりa)を含有するが、b)もc)も含有しない合金の−40℃での電荷移動抵抗(R)の≦60%、≦50%、≦40%、≦30%、≦20%または≦10%である合金。
a)少なくとも1つの主相、
b)1種以上の希土類元素を含有する吸蔵性二次相、および
c)触媒二次相
を有し、
ここで、吸蔵性二次相の存在度は、>0.5質量%であり、触媒二次相の存在度は、合金を基準として約0.3〜約15質量%であり、
例えばここで合金は、−40℃での電荷移動抵抗(R)が、b)およびc)を含有しない合金、つまりa)を含有するが、b)もc)も含有しない合金の−40℃での電荷移動抵抗(R)の≦60%、≦50%、≦40%、≦30%、≦20%または≦10%である合金。
E2:吸蔵性二次相が、25℃、10℃、0℃、−10℃、−20℃、−30℃または−40℃で電気化学的に活性な相である、実施形態1記載の合金。
E3:
i)Ti、Zr、NbおよびHfから成る群から選択される1種以上の元素、および
ii)V、Cr、Mn、Ni、Sn、Al、Co、Cu、Mo、W、Fe、Si、および希土類元素から成る群から選択される1種以上の元素
を含有するか、または
i)Ti、Zr、NbおよびHfから成る群から選択される1種以上の元素、および
ii)Ni、Cr、ならびにB、Al、Si、Sn、その他の遷移金属および希土類元素から成る群から選択される1種以上の元素
を含有するか、または
i)Ti、Zr、NbおよびHfから成る群から選択される1種以上の元素、および
ii)Ni、Cr、ならびにV、Mn、Sn、Al、Co、Cu、Mo、W、Fe、Si、および希土類元素から成る群から選択される1種以上の元素
を含有する、実施形態1または2記載の合金。
i)Ti、Zr、NbおよびHfから成る群から選択される1種以上の元素、および
ii)V、Cr、Mn、Ni、Sn、Al、Co、Cu、Mo、W、Fe、Si、および希土類元素から成る群から選択される1種以上の元素
を含有するか、または
i)Ti、Zr、NbおよびHfから成る群から選択される1種以上の元素、および
ii)Ni、Cr、ならびにB、Al、Si、Sn、その他の遷移金属および希土類元素から成る群から選択される1種以上の元素
を含有するか、または
i)Ti、Zr、NbおよびHfから成る群から選択される1種以上の元素、および
ii)Ni、Cr、ならびにV、Mn、Sn、Al、Co、Cu、Mo、W、Fe、Si、および希土類元素から成る群から選択される1種以上の元素
を含有する、実施形態1または2記載の合金。
E4:ii)の、i)に対する原子比率が、約2.02〜約2.45、約2.04〜約2.40、約2.10〜約2.38、約2.20〜約2.36または約2.20〜約2.36;または約2.03、約2.05、約2.07、約2.09、約2.11、約2.13、約2.15、約2.17、約2.19、約2.21、約2.23、約2.25、約2.27、約2.29、約2.31、約2.33、約2.35、約2.37または約2.39である、実施形態3記載の合金。
E5:C14もしくはC15ラーベス主相を有するか、またはC14およびC15ラーベス主相を有する、実施形態1から4までのいずれか記載の合金。
E6:C14およびC15ラーベス主相を有する、実施形態1から5までのいずれか記載の合金であって、合金を基準として、C14相の存在度が、約70〜約95質量%、約80〜約90質量%、または約83〜89質量%であり、C15相の存在度が、約2〜約20質量%、約3〜約17質量%、または約3〜16質量%である合金。
E7:前記触媒二次相が、TiNi(B2)結晶構造を有する、実施形態1から6までのいずれか記載の合金。
E8:前記触媒二次相が、Ti、Zr、NbおよびHfから成る群から選択される1種以上の元素を含有し、かつNiも含有する、実施形態1から7までのいずれか記載の合金。
E9:前記触媒二次相が、TiおよびNiを含有するか、またはTi、ZrおよびNiを含有する、実施形態1から8までのいずれか記載の合金。
E10:Tiを約13〜約45原子%、Tiを約15〜約30原子%、またはTiを約20〜約30原子%、Zrを約5〜約30原子%、Zrを約7〜約25原子%、またはZrを約10〜約22原子%、およびNiを約38〜約60原子%、Niを約40〜約55原子%、またはNiを約42〜約47原子%含有する触媒二次相を有する、実施形態1から9までのいずれか記載の合金。
E11:触媒二次相が、Niを約42〜約47原子%、Tiを約20〜約29原子%、およびZrを約12〜約22原子%含有し、ここで(Ti+Zr)は、約39〜約43原子%である、実施形態1から10までのいずれか記載の合金。
E12:触媒二次相が、Niを約42〜約47原子%、Tiを約20〜約29原子%、およびZrを約12〜約22原子%含有し、ここで(Ti+Zr)は、約39〜約43原子%であり、かつここでZrの原子%は、Tiの原子%以下である、実施形態1から11までのいずれか記載の合金。
E13:吸蔵性二次相がNiを含有する、実施形態1から12までのいずれか記載の合金。
E14:吸蔵性二次相がLaおよびNiを含有する、実施形態1から13までのいずれか記載の合金。
E15:吸蔵性二次相が、1種以上の希土類元素を約30〜約60原子%、約40〜約55原子%、約41〜約52原子%、または約44〜約50原子%含有する、実施形態1から14までのいずれか記載の合金。
E16:吸蔵性二次相が、Niを約30〜約60原子%、約40〜約55原子%、約42〜約52、または約45〜約50原子%含有する、実施形態1から15までのいずれか記載の合金。
E17:吸蔵性二次相が、Laを約41〜約51原子%、およびNiを約44〜約50原子%含有するか、またはLaを約48〜約50原子%、およびNiを約49〜約50原子%含有する、実施形態1から16までのいずれか記載の合金。
E18:吸蔵性二次相の存在度が、合金を基準として、約0.51〜約15質量%、約0.52〜約12質量%、約0.55〜約11質量%、約0.6〜約9質量%、約0.7〜約7質量%、約0.9〜約5質量%、または約1.0〜約3質量%であるか、または合金を基準として、約0.6質量%、約0.9、約1.2、約1.5、約1.7、約1.9、約2.1、約2.3、約2.5、約2.7、または約2.9質量%である、実施形態1から16までのいずれか記載の合金。
E19:触媒二次相の存在度が、合金を基準として、約0.3〜約15質量%、約0.5〜約10質量%、または約0.7〜約5質量%であるか、または合金を基準として、約0.1質量%、約0.4、約0.9、約1.1、約1.3、約1.5、約1.7、約2.0、約2.5、約3.0、約3.5、または約4.0質量%である、実施形態1から18までのいずれか記載の合金。
E20:全合金を基準として、TiおよびNiを含有する触媒二次相を約0.1〜約4.0、約0.2〜約3.5または約0.3〜約3.3質量%、ならびにLaおよびNiを含有する吸蔵性二次相を約0.1〜約4.0、約0.2〜約3.5または約0.3〜約3.3質量%含有する、実施形態1から19までのいずれか記載の合金。
E21:触媒二次相の存在度の、吸蔵性二次相の存在度に対する質量比率が、約5〜約0.1、約4〜約0.1、約3〜約0.1、約2〜約0.1、または約1〜約0.1であるか;または触媒二次相の存在度の、吸蔵性二次相の存在度に対する質量比率が、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.1、約1.3、約1.5、約1.7または約1.9、およびこれらの間にある水準であるか;または触媒二次相の存在度の、吸蔵性二次相の存在度に対する質量比率が、<3.0、≦2.5、≦2.0、≦1.5、≦1.0または≦0.5である、実施形態1から20までのいずれか記載の合金。
E22:吸蔵性二次相および触媒二次相の合計存在度が、前記合金に対して約0.81〜約30質量%である、実施形態1から21までのいずれか記載の合金。
E23:1種以上の希土類元素を約0.1原子%〜約10.0原子%、約0.7〜約8.0原子%、約1.0〜約7.0原子%、約1.5〜約6.0原子%含有するか、または1種以上の希土類元素を約2.0〜約5.5原子%含有するか、または1種以上の希土類元素を約1.5、約2.0、約2.5、約3.0、約3.5、約4.0、約4.5、約5.0、約5.5、約6.0、約6.5、約7.0、約7.5または約8.0原子%、およびこれらの間にある水準で含有する、実施形態1から22までのいずれか記載の合金。
E24:Ti、Zr、V、Ni、および1種以上の希土類元素を含有するか、または
Ti、Zr、Ni、Mn、および1種以上の希土類元素を含有するか、または
Ti、Cr、V、Ni、および1種以上の希土類元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、Cr、ならびにB、Al、Si、Sn、およびその他の遷移金属から成る群から選択される1種以上の元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、1種以上の希土類元素、ならびにCr、Mn、Sn、Al、Cu、Mo、W、Fe、SiおよびCoから成る群から選択される1種以上の元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、1種以上の希土類元素、ならびにCr、Mn、およびAlから成る群から選択される1種以上の元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、Cr、Mn、Al、Coおよび1種以上の希土類元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、Cr、Mn、Al、CoおよびLaを含有する、
実施形態1から23までのいずれか記載の合金。
Ti、Zr、Ni、Mn、および1種以上の希土類元素を含有するか、または
Ti、Cr、V、Ni、および1種以上の希土類元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、Cr、ならびにB、Al、Si、Sn、およびその他の遷移金属から成る群から選択される1種以上の元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、1種以上の希土類元素、ならびにCr、Mn、Sn、Al、Cu、Mo、W、Fe、SiおよびCoから成る群から選択される1種以上の元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、1種以上の希土類元素、ならびにCr、Mn、およびAlから成る群から選択される1種以上の元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、Cr、Mn、Al、Coおよび1種以上の希土類元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、Cr、Mn、Al、CoおよびLaを含有する、
実施形態1から23までのいずれか記載の合金。
E25:Tiを約0.1〜約60%、Zrを約0.1〜約40%、0<V<60%、Crを0〜約56%、Mnを約5〜約22%、Niを約0.1〜約57%、Snを0〜約3%、Alを約0.1〜約10%、Coを約0.1〜約11%、および1種以上の希土類元素を約0.1〜約10%含有するか、または
Tiを約5〜約15%、Zrを約18〜約29%、Vを約3.0〜約13%、Crを約1〜約10%、Mnを約6〜約18%、Niを約29〜約41%、Alを約0.1〜約0.7%、Coを約2〜約11%、および1種以上の希土類元素を約0.7〜約8%含有するか、または
Tiを約11〜約13%、Zrを約21〜約23%、Vを約9〜約11%、Crを約6〜約9%、Mnを約6〜約9%、Niを約31〜約34%、Alを約0.3〜約0.6%、Coを約2〜約8%、および1種以上の希土類元素を約1〜約7%含有し、
ここでパーセントは原子%であり、合計で100%に等しい、
実施形態1から24までのいずれか記載の合金。
Tiを約5〜約15%、Zrを約18〜約29%、Vを約3.0〜約13%、Crを約1〜約10%、Mnを約6〜約18%、Niを約29〜約41%、Alを約0.1〜約0.7%、Coを約2〜約11%、および1種以上の希土類元素を約0.7〜約8%含有するか、または
Tiを約11〜約13%、Zrを約21〜約23%、Vを約9〜約11%、Crを約6〜約9%、Mnを約6〜約9%、Niを約31〜約34%、Alを約0.3〜約0.6%、Coを約2〜約8%、および1種以上の希土類元素を約1〜約7%含有し、
ここでパーセントは原子%であり、合計で100%に等しい、
実施形態1から24までのいずれか記載の合金。
E26:金属酸化物を基準として、酸素を≧60原子%、酸素を≧62原子%、酸素を≧64原子%、酸素を≧66原子%、または酸素を≧68原子%含有する金属酸化物を含有するか、または金属酸化物は、酸素を約60原子%〜約82原子%、酸素を約63〜約77原子%、酸素を約64原子%〜約75原子%、酸素を約65原子%〜約72原子%、または酸素を約66原子%〜約70原子%含有するか、または酸素を約60原子%、約61、約62、約63、約64、約65、約66、約67、約68、約69、約70、約71、約72、約73、約74、約75、約76、約77、約78、約79、約80、約81または約82原子%含有する、実施形態1から25までのいずれか記載の合金。
E27:Niおよび/またはCr金属酸化物、例えばNi/Cr金属酸化物を含有し、この金属酸化物は、実施形態27に記載の水準で酸素を含有し得る、実施形態1から26までのいずれか記載の合金。
E28:Laを含有する、実施形態1から27までのいずれか記載の合金。
E29:50mAg-1で測定した放電容量の、4mAg-1で測定した放電容量に対する比率として規定して、三回目のサイクルで約93%、約94%、約95%、約96%、または約97%の高い割合の放電性能、または≧93%、≧94%、≧95%、≧96%、または≧97%の高い割合の放電性能、半電池測定前にアルカリ前処理を適用せずに、部分的に予備充電したNi(OH)2正極に対して液式セル設計で測定、ここで各試料電極は、50mAg-1の一定の電流密度で10時間、充電し、それから50mAg-1の電流密度で放電し、12および4mAg-1で2回のプルが続く、および/または
≦150、≦140、≦130、≦120、≦110、≦100、≦90、≦80、≦70、≦60、≦40、≦30、≦25、≦20、≦19、≦18、≦17、≦16、≦15、≦14、≦13、≦12または≦11、≦10、≦9、≦8、≦7、≦6、≦5または≦4Ω・g;または約1〜約30、約2〜約20、約2〜約15、約2〜約10、約3〜約9、約3〜約8、約3〜約7、約3〜約6、約3〜約5または約3〜約4Ω・gの、1つの主相または複数の主相について−40℃での電荷移動抵抗(R);および/または
約3〜約50、約5〜約20、約7〜約18、約9〜約16、約10〜約15または約11〜約15Ω・gの、−40℃での電荷移動抵抗(R)、または≦150、≦140、≦130、≦120、≦110、≦100、≦90、≦80、≦70、≦60、≦40、≦30、≦25、≦20、≦19、≦18、≦17、≦16、≦15、≦14、≦13、≦12または≦11Ω・gの、−40℃での電荷移動抵抗(R);および/または
約1〜約20、約1〜約15、約1〜約10、約1〜約5、約1〜約4、約1〜約3または約1.5〜約2.5秒、または≦30、≦25、≦20、≦15、≦12、≦10、≦9、≦8、≦7、≦6、≦5、≦4、≦3または≦2秒の、1つの主相または複数の主相の−40℃での表面触媒性能
を示す、実施形態1から28までのいずれか記載の合金。
≦150、≦140、≦130、≦120、≦110、≦100、≦90、≦80、≦70、≦60、≦40、≦30、≦25、≦20、≦19、≦18、≦17、≦16、≦15、≦14、≦13、≦12または≦11、≦10、≦9、≦8、≦7、≦6、≦5または≦4Ω・g;または約1〜約30、約2〜約20、約2〜約15、約2〜約10、約3〜約9、約3〜約8、約3〜約7、約3〜約6、約3〜約5または約3〜約4Ω・gの、1つの主相または複数の主相について−40℃での電荷移動抵抗(R);および/または
約3〜約50、約5〜約20、約7〜約18、約9〜約16、約10〜約15または約11〜約15Ω・gの、−40℃での電荷移動抵抗(R)、または≦150、≦140、≦130、≦120、≦110、≦100、≦90、≦80、≦70、≦60、≦40、≦30、≦25、≦20、≦19、≦18、≦17、≦16、≦15、≦14、≦13、≦12または≦11Ω・gの、−40℃での電荷移動抵抗(R);および/または
約1〜約20、約1〜約15、約1〜約10、約1〜約5、約1〜約4、約1〜約3または約1.5〜約2.5秒、または≦30、≦25、≦20、≦15、≦12、≦10、≦9、≦8、≦7、≦6、≦5、≦4、≦3または≦2秒の、1つの主相または複数の主相の−40℃での表面触媒性能
を示す、実施形態1から28までのいずれか記載の合金。
以下、本発明の幾つかの実施形態をさらに示す。
E1:水素吸蔵合金、例えば改質ABx水素吸蔵合金であって、xは約0.5〜約5であり、例えば1つの主相または複数の主相、および二次相を有し、この合金は、
50mAg-1で測定した放電容量の、4mAg-1で測定した放電容量に対する比率として規定して、三回目のサイクルで約93%、約94%、約95%、約96%、または約97%の高い割合の放電性能、または≧93%、≧94%、≧95%、≧96%、または≧97%の高い割合の放電性能、半電池測定前にアルカリ前処理を適用せずに、部分的に予備充電したNi(OH)2正極に対して液式セル設計で測定、ここで各試料電極は、50mAg-1の一定の電流密度で10時間、充電し、それから50mAg-1の電流密度で放電し、12および4mAg-1で2回のプルが続く、および/または
≦150、≦140、≦130、≦120、≦110、≦100、≦90、≦80、≦70、≦60、≦40、≦30、≦25、≦20、≦19、≦18、≦17、≦16、≦15、≦14、≦13、≦12または≦11、≦10、≦9、≦8、≦7、≦6、≦5または≦4Ω・g;または約1〜約30、約2〜約20、約2〜約15、約2〜約10、約3〜約9、約3〜約8、約3〜約7、約3〜約6、約3〜約5または約3〜約4Ω・gの、1つの主相または複数の主相について−40℃での電荷移動抵抗(R);および/または
約3〜約50、約5〜約20、約7〜約18、約9〜約16、約10〜約15または約11〜約15Ω・gの、−40℃での電荷移動抵抗(R)、または≦150、≦140、≦130、≦120、≦110、≦100、≦90、≦80、≦70、≦60、≦40、≦30、≦25、≦20、≦19、≦18、≦17、≦16、≦15、≦14、≦13、≦12または≦11Ω・gの、−40℃での電荷移動抵抗(R);および/または
約1〜約20、約1〜約15、約1〜約10、約1〜約5、約1〜約4、約1〜約3または約1.5〜約2.5秒、または≦30、≦25、≦20、≦15、≦12、≦10、≦9、≦8、≦7、≦6、≦5、≦4、≦3または≦2秒の、1つの主相または複数の主相の−40℃での表面触媒性能
を示す水素吸蔵合金。
50mAg-1で測定した放電容量の、4mAg-1で測定した放電容量に対する比率として規定して、三回目のサイクルで約93%、約94%、約95%、約96%、または約97%の高い割合の放電性能、または≧93%、≧94%、≧95%、≧96%、または≧97%の高い割合の放電性能、半電池測定前にアルカリ前処理を適用せずに、部分的に予備充電したNi(OH)2正極に対して液式セル設計で測定、ここで各試料電極は、50mAg-1の一定の電流密度で10時間、充電し、それから50mAg-1の電流密度で放電し、12および4mAg-1で2回のプルが続く、および/または
≦150、≦140、≦130、≦120、≦110、≦100、≦90、≦80、≦70、≦60、≦40、≦30、≦25、≦20、≦19、≦18、≦17、≦16、≦15、≦14、≦13、≦12または≦11、≦10、≦9、≦8、≦7、≦6、≦5または≦4Ω・g;または約1〜約30、約2〜約20、約2〜約15、約2〜約10、約3〜約9、約3〜約8、約3〜約7、約3〜約6、約3〜約5または約3〜約4Ω・gの、1つの主相または複数の主相について−40℃での電荷移動抵抗(R);および/または
約3〜約50、約5〜約20、約7〜約18、約9〜約16、約10〜約15または約11〜約15Ω・gの、−40℃での電荷移動抵抗(R)、または≦150、≦140、≦130、≦120、≦110、≦100、≦90、≦80、≦70、≦60、≦40、≦30、≦25、≦20、≦19、≦18、≦17、≦16、≦15、≦14、≦13、≦12または≦11Ω・gの、−40℃での電荷移動抵抗(R);および/または
約1〜約20、約1〜約15、約1〜約10、約1〜約5、約1〜約4、約1〜約3または約1.5〜約2.5秒、または≦30、≦25、≦20、≦15、≦12、≦10、≦9、≦8、≦7、≦6、≦5、≦4、≦3または≦2秒の、1つの主相または複数の主相の−40℃での表面触媒性能
を示す水素吸蔵合金。
E2:少なくとも1つの吸蔵性二次相、例えば電気化学的に活性な吸蔵性二次相を有する、実施形態1記載の水素吸蔵合金。
E3:i)Ti、Zr、NbおよびHfから成る群から選択される1種以上の元素、および
ii)V、Cr、Mn、Ni、Sn、Al、Co、Cu、Mo、W、Fe、Si、および希土類元素から成る群から選択される1種以上の元素
を含有するか、または
i)Ti、Zr、NbおよびHfから成る群から選択される1種以上の元素、および
ii)Ni、Cr、ならびにB、Al、Si、Sn、その他の遷移金属および希土類元素から成る群から選択される1種以上の元素
を含有するか、または
i)Ti、Zr、NbおよびHfから成る群から選択される1種以上の元素、および
ii)Ni、Cr、ならびにV、Mn、Sn、Al、Co、Cu、Mo、W、Fe、Si、および希土類元素から成る群から選択される1種以上の元素
を含有する、実施形態1または2記載の合金。
ii)V、Cr、Mn、Ni、Sn、Al、Co、Cu、Mo、W、Fe、Si、および希土類元素から成る群から選択される1種以上の元素
を含有するか、または
i)Ti、Zr、NbおよびHfから成る群から選択される1種以上の元素、および
ii)Ni、Cr、ならびにB、Al、Si、Sn、その他の遷移金属および希土類元素から成る群から選択される1種以上の元素
を含有するか、または
i)Ti、Zr、NbおよびHfから成る群から選択される1種以上の元素、および
ii)Ni、Cr、ならびにV、Mn、Sn、Al、Co、Cu、Mo、W、Fe、Si、および希土類元素から成る群から選択される1種以上の元素
を含有する、実施形態1または2記載の合金。
E4:ii)の、i)に対する原子比率が、約2.02〜約2.45である、実施形態3記載の合金。
E5:C14もしくはC15ラーベス主相を有するか、またはC14およびC15ラーベス主相を有する、実施形態1から4までのいずれか記載の合金。
E6:C14およびC15ラーベス主相を有する、実施形態1から5までのいずれか記載の合金であって、合金を基準として、C14相の存在度が、約70〜約95質量%であり、C15相の存在度が、約2〜約20質量%である合金。
E7:触媒二次相を有する、実施形態1から6までのいずれか記載の合金。
E8:TiNi(B2)結晶構造を有する触媒二次相を有する、実施形態1から7までのいずれか記載の合金。
E9:Ti、Zr、NbおよびHfから成る群から選択される1種以上の元素を含有し、かつNiも含有する触媒二次相を有する、実施形態1から8までのいずれか記載の合金。
E10:TiおよびNiを含有するか、またはTi、ZrおよびNiを含有する触媒二次相を有する、実施形態1から9までのいずれか記載の合金。
E11:Tiを約13〜約45原子%含有する触媒二次相を有する、実施形態1から10までのいずれか記載の合金。
E12:Zrを約5〜約30原子%含有する触媒二次相を有する、実施形態1から11までのいずれか記載の合金。
E13:Niを約38〜約60原子%含有する触媒二次相を有する、実施形態1から12までのいずれか記載の合金。
E14:触媒二次相を有する実施形態1から13までのいずれか記載の合金であって、触媒二次相が、Niを約42〜約47原子%、Tiを約20〜約29原子%、およびZrを約12〜約22原子%含有し、ここで(Ti+Zr)は、約39〜約43原子%である合金。
E15:触媒二次相を有する実施形態1から14までのいずれか記載の合金であって、触媒二次相が、Niを約42〜約47原子%、Tiを約20〜約29原子%、およびZrを約12〜約22原子%含有し、ここで(Ti+Zr)は、約39〜約43原子%であり、かつここでZrの原子%は、Tiの原子%以下である合金。
E16:吸蔵性二次相がNiを含有する、実施形態1から15までのいずれか記載の合金。
E17:吸蔵性二次相がLaおよびNiを含有する、実施形態1から16までのいずれか記載の合金。
E18:吸蔵性二次相が、1種以上の希土類元素を約30〜約60原子%、約40〜約55原子%、約41〜約52原子%、または約44〜約50原子%含有する、実施形態1から17までのいずれか記載の合金。
E19:吸蔵性二次相が、Niを約30〜約60原子%、約40〜約55原子%、約42〜約52、または約45〜約50原子%含有する、実施形態1から18までのいずれか記載の合金。
E20:吸蔵性二次相が、Laを約41〜約51原子%、およびNiを約44〜約50原子%含有するか、またはLaを約48〜約50原子%、およびNiを約49〜約50原子%含有する、実施形態1から19までのいずれか記載の合金。
E21:吸蔵性二次相の存在度が、合金を基準として約0.51〜約15質量%である、実施形態1から20までのいずれか記載の合金。
E22:合金を基準として、約0.3〜約15質量%、約0.5〜約10質量%、約0.7〜約5質量%の存在度で;または合金を基準として、約0.1質量%、約0.4、約0.9、約1.1、約1.3、約1.5、約1.7、約2.0、約2.5、約3.0、約3.5、または約4.0質量%の存在度で触媒二次相を有する、実施形態1から21までのいずれか記載の合金。
E23:全合金を基準として、TiおよびNiを含有する触媒二次相を約0.1〜約4.0質量%、ならびにLaおよびNiを含有する吸蔵性二次相を約0.1〜約4.0質量%含有する、実施形態1から22までのいずれか記載の合金。
E24:触媒二次相を有する実施形態1から23までのいずれか記載の合金であって、触媒二次相の存在度の、吸蔵性二次相の存在度に対する質量比率が<5.0である合金。
E25:触媒二次相を有する実施形態1から24までのいずれか記載の合金であって、触媒二次相の存在度の、吸蔵性二次相の存在度に対する質量比率が約5〜約0.1である合金。
E26:触媒二次相を有する実施形態1から25までのいずれか記載の合金であって、吸蔵性二次相および触媒二次相の合計存在度が、合金に対して約0.81〜約30質量%である合金。
E27:1種以上の希土類元素を約0.1原子%〜約10.0原子%含有する、実施形態1から26までのいずれか記載の合金。
E28:Ti、Zr、V、Ni、および1種以上の希土類元素を含有するか、または
Ti、Zr、Ni、Mn、および1種以上の希土類元素を含有するか、または
Ti、Cr、V、Ni、および1種以上の希土類元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、Cr、ならびにB、Al、Si、Sn、およびその他の遷移金属から成る群から選択される1種以上の元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、1種以上の希土類元素、ならびにCr、Mn、Sn、Al、Cu、Mo、W、Fe、SiおよびCoから成る群から選択される1種以上の元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、1種以上の希土類元素、ならびにCr、Mn、およびAlから成る群から選択される1種以上の元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、Cr、Mn、Al、Coおよび1種以上の希土類元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、Cr、Mn、Al、CoおよびLaを含有する、
実施形態1から27までのいずれか記載の合金。
Ti、Zr、Ni、Mn、および1種以上の希土類元素を含有するか、または
Ti、Cr、V、Ni、および1種以上の希土類元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、Cr、ならびにB、Al、Si、Sn、およびその他の遷移金属から成る群から選択される1種以上の元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、1種以上の希土類元素、ならびにCr、Mn、Sn、Al、Cu、Mo、W、Fe、SiおよびCoから成る群から選択される1種以上の元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、1種以上の希土類元素、ならびにCr、Mn、およびAlから成る群から選択される1種以上の元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、Cr、Mn、Al、Coおよび1種以上の希土類元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、Cr、Mn、Al、CoおよびLaを含有する、
実施形態1から27までのいずれか記載の合金。
E29:Tiを約0.1〜約60%、Zrを約0.1〜約40%、0<V<60%、Crを0〜約56%、Mnを約5〜約22%、Niを約0.1〜約57%、Snを0〜約3%、Alを約0.1〜約10%、Coを約0.1〜約11%、および1種以上の希土類元素を約0.1〜約10%含有するか、または
Tiを約5〜約15%、Zrを約18〜約29%、Vを約3.0〜約13%、Crを約1〜約10%、Mnを約6〜約18%、Niを約29〜約41%、Alを約0.1〜約0.7%、Coを約2〜約11%、および1種以上の希土類元素を約0.7〜約8%含有するか、または
Tiを約11〜約13%、Zrを約21〜約23%、Vを約9〜約11%、Crを約6〜約9%、Mnを約6〜約9%、Niを約31〜約34%、Alを約0.3〜約0.6%、Coを約2〜約8%、および1種以上の希土類元素を約1〜約7%含有し、
ここでパーセントは原子%であり、合計で100%に等しい、
実施形態1から28までのいずれか記載の合金。
Tiを約5〜約15%、Zrを約18〜約29%、Vを約3.0〜約13%、Crを約1〜約10%、Mnを約6〜約18%、Niを約29〜約41%、Alを約0.1〜約0.7%、Coを約2〜約11%、および1種以上の希土類元素を約0.7〜約8%含有するか、または
Tiを約11〜約13%、Zrを約21〜約23%、Vを約9〜約11%、Crを約6〜約9%、Mnを約6〜約9%、Niを約31〜約34%、Alを約0.3〜約0.6%、Coを約2〜約8%、および1種以上の希土類元素を約1〜約7%含有し、
ここでパーセントは原子%であり、合計で100%に等しい、
実施形態1から28までのいずれか記載の合金。
E30:各相の構造が異なる、実施形態1から29までのいずれか記載の合金。
E31:酸素を≧60原子%有する金属酸化物を含有する、実施形態1から30までのいずれか記載の合金。
E32:Laを含有する、実施形態1から31までのいずれか記載の合金。
以下、本発明のさらなる実施形態を示す。
E1:先に言及した実施形態のいずれか(先の3セットの実施形態のいずれかの実施形態)に記載の水素吸蔵合金を含有する、金属水素化物電池、固体水素吸蔵媒体、アルカリ燃料電池、または金属水素化物空気電池。
E2:水素を可逆的に貯蔵および放出可能な少なくとも1つのアノード、可逆的酸化が可能な少なくとも1つのカソード、前記アノードおよび前記カソードが内部に配置されるケーシング、カソードとアノードを分離するセパレータ、ならびにアノードとカソードの両方と接触する電解質を有する金属水素化物電池であって、ここでアノードは、先の3セットの実施形態のいずれかの実施形態に記載の水素吸蔵合金を含有する金属水素化物電池。
E3:少なくとも1つの水素電極、少なくとも1つの酸素電極、および少なくとも1つのガス拡散材料を有するアルカリ燃料電池であって、水素電極が、先の3セットの実施形態のいずれかの実施形態に記載の水素吸蔵合金を含有するアルカリ燃料電池。
E4:少なくとも1つの空気透過性カソード、少なくとも1つのアノード、少なくとも1つの空気取り入れ部、ならびに前記アノードおよび前記カソードの両方と接触する電解質を有する金属水素化物空気電池であって、ここで前記アノードが、先の3セットの実施形態のいずれかの実施形態に記載の水素吸蔵合金を含有する金属水素化物空気電池。
E5:金属水素化物電池、燃料電池、または金属水素化物空気電池内の電極における、先の3セットの実施形態のいずれかの実施形態に記載の合金の使用。
E6:水素吸蔵媒体としての、先の3セットの実施形態のいずれかの実施形態に記載の合金の使用。
例1:Laで改質されたTi−Zr−V−Cr−Mn−Ni−Al−Co合金
連続的なアルゴン流のもと、消耗品では無いタングステン電極および水冷式銅トレーを用いて、アーク溶融を行う。各回を実施する前に、チタンの犠牲片を、何回かの溶融/冷却サイクルに通し、系内における残留酸素濃度を低下させる。12gのインゴットをそれぞれ再度溶解させ、化学組成の均一性を保証するために、数回裏返す。各試料の化学組成は、誘導結合プラズマ光学発光分光分析機(ICP−OES)のVarian LIBERTY 100を用いて試験する。
連続的なアルゴン流のもと、消耗品では無いタングステン電極および水冷式銅トレーを用いて、アーク溶融を行う。各回を実施する前に、チタンの犠牲片を、何回かの溶融/冷却サイクルに通し、系内における残留酸素濃度を低下させる。12gのインゴットをそれぞれ再度溶解させ、化学組成の均一性を保証するために、数回裏返す。各試料の化学組成は、誘導結合プラズマ光学発光分光分析機(ICP−OES)のVarian LIBERTY 100を用いて試験する。
合金2〜5は、本発明によるものである。合金0〜1は、比較用である。
C14およびC15主相以外に、2つのさらなる相が、X線回折装置(XRD)のPhilips X’PERT PROによって同定される。C14、C15、触媒二次TiNi相、および吸蔵性二次LaNi相の存在度を、以下に示す(XRD、ソフトウェアのJADE 9により分析)。全ての合金は、C14が優位である。存在度は、合金を基準とした質量%である。
エネルギー分散型分光器(EDS)機能を有する走査型電子顕微鏡(SEM)であるJEOL-JSM6320Fを、相分布および相応する組成を研究するために使用する。TiNi相の結晶構造は、Zrを相当な量で含有するものの、XRDによるとTiNi(B2)構造を示す。本発明による合金2〜5は、Tiを21.6〜27.5原子%、Niを43.5〜45.3原子%、Zrを13.5〜20.6原子%、および(Ti+Zr)を40.1〜42.6原子%含有するTiNi相を有する。
透過型電子顕微鏡(TEM)の結果は、合金0において、ランダムなNi/Ti/Zr酸化物のみが発見され、やや酸化されることを示している。合金5では、ランダムなNi/Cr酸化物(大きな粒界ギャップ)および並走したNi/Cr酸化物(小さな粒界ギャップ)の両方が発見され、重度に酸化される。TEM分析は、Oxford X-MAX EDSおよびGatan QUANTUM SE (963)の電子エネルギー損失分光器(EELS)を有するTECNAI TF-30 Super-Twin TEMによって行う。
図4aおよび4bは、本発明による合金5の粒界領域についての、一対の明視野/暗視野のTEM画像である。金属領域を隔てるナノスケールの境界領域が、目に見える。金属領域に隣接する移行帯域が、目に見える。暗視野4bにおいて、金属領域は明るく、金属酸化物は暗い。エネルギー損失分光器は、金属領域および移行帯域のニッケルが、ゼロ酸化状態(Ni0)であること、ならびに酸化物領域中のニッケルが酸化されていること(Ni2+/3+)を示している。合金5の酸化物組成は、EDSによって特定して、以下の通りである。
図5は、本発明による合金5の明視野TEMであり、金属領域間の単流路境界領域を示す。境界領域は明るく、金属領域は暗い。ナノスケールの境界領域は、金属領域に隣接する移行帯域、Ni/Cr酸化物帯域および並走する流路を有する。境界領域の幅は、長さに沿って実質的に均一である。移行帯域、流路および酸化物帯域は、境界領域の長さに沿って走っている。
図6は、図5の単流路境界領域についての、拡大TEMである。
低温電気化学特性の結果は、以下の通りである。図7は、Cole-Coleプロットでは、La含分が増加するにつれて、2つの半円が現れることを示している。このことは、電気化学に関与する2つの明確な相を示している。各相の電荷移動抵抗(R2およびR4)ならびに二重層容量(C1およびC2)は、図8に示した回路図を用いてCole-Coleプロットから計算される。ベース合金0は、Cole-Coleプロットにおいて1つの半円を示すのみであり、よってR4およびC2のみが、合金0について計算される。
RおよびCの値は、ACインピーダンス測定のCole-Coleプロットから算出される。ACインピーダンス測定は、SOLARTRON 1250という周波数特性分析機を用いて、振幅10mVのサイン波および0.1mHz〜10kHzの周波数範囲で行う。測定に先立ち電極を、0.1Cの速度でSOLARTRON 1470という電池試験ガルバノスタットを用いて1つの完全な充電/放電サイクルにかけ、100%のSOCに充電し、80%のSOCに放電し、それから−40℃に冷却する。
電荷移動抵抗Rは、Ω・gで示す。二重層容量Cは、ファラド/gで示す。RおよびCの値は、−40℃で行われるACインピーダンス測定のCole-Coleプロットから計算される。
La改質合金2〜5は、比較例の合金と比べて、大きく改善された電荷移動抵抗(R2+R4)を有することが分かる(より低い値が望ましい)。
半電池HRDは、50mAg-1で測定された放電容量の、4mg-1で測定された放電容量に対する比率と規定される。合金の放電容量は、部分的に予備充電されたNi(OH)2正極に対して、液式セル設計で測定される。アルカリによる前処理は、半電池測定の前には適用しない。各試料電極を、50mAg-1の一定の電流密度で10時間、充電し、それから50mAg-1の電流密度で放電し、これに12および4mAg-1で2回のプルが続く。容量およびHRDは、三回目のサイクルで測定する。
合金0についてのBET(ブルナウアー・エメット・テラー)表面積は、1.89m2/gである。合金5についてのBET表面積は、4.92m2/gと特定される。BET表面積は、液体窒素浸漬式BET法によって測定される。
例2:Sc、Y、またはミッシュメタルで改質されたTi−Zr−V−Cr−Mn−Ni−Al−Co合金
LaをSc、Yおよびミッシュメタルで置き換えて、例1を繰り返す。
LaをSc、Yおよびミッシュメタルで置き換えて、例1を繰り返す。
Claims (26)
- 少なくとも1つの電気化学的に活性な主相、および少なくとも1つの電気化学的に活性な二次相を有する水素吸蔵合金であって、
ここで1つの主相または複数の主相は合計で、各二次相よりも高い質量存在度で存在し、かつ
ここで前記合金の各活性相は、直列でのACインピーダンス測定のCole-Coleプロットにおいて明確に示されている水素吸蔵合金。 - a)少なくとも1つの主相、
b)1種以上の希土類元素を含有する吸蔵性二次相、および
c)触媒二次相
を有する、水素吸蔵合金であって、
ここで1つの主相または複数の主相は合計で、各二次相よりも高い質量存在度で存在し、
ここで、吸蔵性二次相の存在度は、>0.5質量%であり、触媒二次相の存在度は、前記合金を基準として約0.3〜約15質量%であり、前記合金は、
50mAg-1で測定した放電容量の、4mAg-1で測定した放電容量に対する比率として規定して、三回目のサイクルで≧93%の高い割合の放電性能、半電池測定前にアルカリ前処理を適用せずに、部分的に予備充電したNi(OH)2正極に対して液式セル設計で測定、ここで各試料電極は、50mAg-1の一定の電流密度で10時間、充電し、それから50mAg-1の電流密度で放電し、12および4mA/gで2回のプルが続く、および/または
≦150Ω・gの、1つの主相もしくは複数の主相についての−40℃での電荷移動抵抗(R)、および/または
≦30秒の、1つの主相または複数の主相の−40℃での表面触媒性能、および/または
≦150Ω・gの、−40℃での電荷移動抵抗(R)
を示す水素吸蔵合金。 - 水素吸蔵合金であって、
50mAg-1で測定した放電容量の、4mAg-1で測定した放電容量に対する比率として規定して、三回目のサイクルで≧93%の高い割合の放電性能、半電池測定前にアルカリ前処理を適用せずに、部分的に予備充電したNi(OH)2正極に対して液式セル設計で測定、ここで各試料電極は、50mAg-1の一定の電流密度で10時間、充電し、それから50mAg-1の電流密度で放電し、12および4mA/gで2回のプルが続く、および/または
≦150Ω・gの、1つの主相もしくは複数の主相についての−40℃での電荷移動抵抗(R)、および/または
≦30秒の、1つの主相または複数の主相について−40℃での表面触媒性能、および/または
≦150Ω・gの、−40℃での電荷移動抵抗(R)
を示す水素吸蔵合金。 - a)少なくとも1つの電気化学的に活性な主相、および
b)少なくとも1つの電気化学的に活性な吸蔵性二次相、
を有する、請求項1、2または3記載の合金。 - 少なくとも1つの電気化学的に活性な主相、および少なくとも1つの電気化学的に活性な二次相を有する、請求項1、2または3記載の合金であって、
1つの主相または複数の主相は合計で、各二次相よりも高い質量存在度で存在し、かつ
電気化学的に活性な相が、−40℃で取得したACインピーダンス測定のCole-Coleプロットにおいて明確に示されている合金。 - i)Ti、Zr、NbおよびHfから成る群から選択される1種以上の元素、および
ii)V、Cr、Mn、Ni、Sn、Al、Co、Cu、Mo、W、Fe、Si、および希土類元素から成る群から選択される1種以上の元素
を含有するか、または
i)Ti、Zr、NbおよびHfから成る群から選択される1種以上の元素、および
ii)Ni、Cr、ならびにB、Al、Si、Sn、その他の遷移金属および希土類元素から成る群から選択される1種以上の元素
を含有するか、または
i)Ti、Zr、NbおよびHfから成る群から選択される1種以上の元素、および
ii)Ni、Cr、ならびにV、Mn、Sn、Al、Co、Cu、Mo、W、Fe、Si、および希土類元素から成る群から選択される1種以上の元素
を含有する、請求項1、2、または3記載の合金。 - ii)の、i)に対する原子比率が、約2.02〜約2.45である、請求項6記載の合金。
- 少なくとも1つの主相、および少なくとも1つの二次相を有する、請求項1、2または3記載の合金であって、1つの主相または複数の主相は合計で、各二次相よりも高い質量存在度で存在し、かつC14もしくはC15ラーベス主相を有するか、またはC14およびC15ラーベス主相を有する合金。
- TiNi(B2)結晶構造を有する触媒二次相を有する、請求項8記載の合金。
- TiおよびNiを含有するか、またはTi、ZrおよびNiを含有する触媒二次相を有する、請求項8記載の合金。
- Niを含有する吸蔵性二次相を有する、請求項8記載の合金。
- 1種以上の希土類元素を含有する吸蔵性二次相を有する、請求項8記載の合金。
- LaおよびNiを含有する吸蔵性二次相を有する、請求項8記載の合金。
- 吸蔵性二次相を、前記合金を基準として約0.51〜約15質量%の存在度で有する、請求項8記載の合金。
- 触媒二次相を、前記合金を基準として約0.3〜約15質量%の存在度で有する、請求項8記載の合金。
- 全合金を基準として、c)TiおよびNiを含有する触媒二次相を約0.1〜約4.0質量%、ならびにb)LaおよびNiを含有する吸蔵性二次相を約0.1〜約4.0質量%含有する、請求項8記載の合金。
- c)触媒二次相および吸蔵性二次相を有する請求項8記載の合金であって、ここで触媒二次相の存在度の、吸蔵性二次相の存在度に対する質量比率が<3.0である合金。
- 1種以上の希土類元素を約0.1原子%〜約10.0原子%含有する、請求項1、2または3記載の合金。
- Ti、Zr、V、Ni、および1種以上の希土類元素を含有するか、または
Ti、Zr、Ni、Mn、および1種以上の希土類元素を含有するか、または
Ti、Cr、V、Ni、および1種以上の希土類元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、Cr、ならびにB、Al、Si、Sn、およびその他の遷移金属から成る群から選択される1種以上の元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、1種以上の希土類元素、ならびにCr、Mn、Sn、Al、Cu、Mo、W、Fe、SiおよびCoから成る群から選択される1種以上の元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、1種以上の希土類元素、ならびにCr、Mn、およびAlから成る群から選択される1種以上の元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、Cr、Mn、Al、Coおよび1種以上の希土類元素を含有するか、または
Ti、Zr、V、Ni、Cr、Mn、Al、CoおよびLaを含有する、
請求項1、2または3記載の合金。 - Tiを約0.1〜約60%、Zrを約0.1〜約40%、0<V<60%、Crを0〜約56%、Mnを約5〜約22%、Niを約0.1〜約57%、Snを0〜約3%、Alを約0.1〜約10%、Coを約0.1〜約11%、および1種以上の希土類元素を約0.1〜約10%含有するか、または
Tiを約5〜約15%、Zrを約18〜約29%、Vを約3.0〜約13%、Crを約1〜約10%、Mnを約6〜約18%、Niを約29〜約41%、Alを約0.1〜約0.7%、Coを約2〜約11%、および1種以上の希土類元素を約0.7〜約8%含有するか、または
Tiを約11〜約13%、Zrを約21〜約23%、Vを約9〜約11%、Crを約6〜約9%、Mnを約6〜約9%、Niを約31〜約34%、Alを約0.3〜約0.6%、Coを約2〜約8%、および1種以上の希土類元素を約1〜約7%含有し、
ここでパーセントは原子%であり、合計で100%に等しい、
請求項1、2または3記載の合金。 - 酸素を≧60原子%有する金属酸化物を含有する、請求項1、2または3記載の合金。
- 酸素を≧60原子%有するNi/Cr酸化物を含有する、請求項1、2または3記載の合金。
- Laを含有する、請求項1、2または3記載の合金。
- a)電気化学的に活性なC14もしくはC15ラーベス主相、またはC14およびC15ラーベス主相、
b)電気化学的に活性な吸蔵性二次相>0.5質量%、および
c)触媒二次相約0.3質量%〜約15質量%、
を有し、
ここで前記合金の各活性相は、直列でのACインピーダンス測定のCole-Coleプロットにおいて明確に示されている、請求項1、2または3記載の水素吸蔵合金。 - a)電気化学的に活性なC14もしくはC15ラーベス主相、またはC14およびC15ラーベス主相、
b)LaおよびNiを含有する電気化学的に活性な吸蔵性二次相>0.5質量%、および
c)TiおよびNiを含有する触媒二次相約0.3質量%〜約15質量%、
を有し、
ここで前記合金の各活性相は、直列でのACインピーダンス測定のCole-Coleプロットにおいて明確に示されている、請求項1、2または3記載の水素吸蔵合金。 - 請求項1、2または3記載の水素吸蔵合金を含有する、金属水素化物電池、固体水素吸蔵媒体、アルカリ燃料電池、または金属水素化物空気電池。
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