JP2018510859A - 安定化されたボロン酸化合物を含むナノ粒子 - Google Patents

安定化されたボロン酸化合物を含むナノ粒子 Download PDF

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Abstract

本発明は、少なくとも1種のボロン酸化合物、前記少なくとも1種のボロン酸化合物のための少なくとも1種の安定化剤、および/または前記少なくとも1種のボロン酸化合物と前記少なくとも1種の安定化剤の反応生成物を含み、約10〜約1000nmの粒径を有するナノ粒子を提供する。本発明はまた、これらナノ粒子を含む医薬品組成物、ならびにこれらナノ粒子および医薬品組成物を調製する方法を提供する。また、本発明は、好ましくは非経口投与により、複数の疾患、特に多発性骨髄腫の治療を行うためのナノ粒子および医薬品組成物を提供する。

Description

本発明は、少なくとも1種のボロン酸化合物、前記少なくとも1種のボロン酸化合物のための少なくとも1種の安定化剤、および/または前記少なくとも1種のボロン酸化合物と前記少なくとも1種の安定化剤の反応生成物を含むナノ粒子に関する。本発明はまた、このようなナノ粒子を含む医薬品組成物に関する。さらに、本発明は、特に多発性骨髄腫またはマントル細胞リンパ腫など、様々な疾患の治療に用いる非経口投与用、特に皮下投与用のナノ粒子および医薬品組成物に関する。さらに、本発明は、前記ナノ粒子および前記医薬品組成物をそれぞれ調製する方法に関する。最後に、本発明は、前記ナノ粒子または前記医薬品組成物、特にこの方法によって得られる懸濁液に関する。
ボロン酸およびそのエステル化合物は、様々な薬学的に有用な生物活性を示す。米国特許第4,499,082A号には、ペプチドボロン酸が特定のタンパク質分解酵素の阻害剤であることが開示されている。米国特許第5,187,157A号、第5,242,904A号、および第5,250,720A号には、トリプシンのようなタンパク質分解酵素を阻害するペプチドボロン酸群について記載されている。米国特許第5,169,841A号には、レニンの作用を阻害するN末端変性ペプチドボロン酸が開示されている。米国特許第5,106,948A号には、癌細胞の成長を阻害する特定の三ペプチドボロン酸化合物が開示されている。
米国特許第5,780,454A号、第6,066,730A号、第6,083,903号、および第6,297,217B1号には、プロテアソーム阻害剤として有用なペプチドボロン酸エステルおよび酸化合物について記載されている。さらにこれらの先行技術文献には、筋肉タンパク質劣化率の低下、細胞でのNF−κB活性の低下、細胞でのp53タンパク質の劣化率の低下、細胞でのサイクリンの阻害、癌細胞成長の阻害、細胞での抗原提示の阻害、NF−κB依存性細胞接着の阻害、およびHIV複製の阻害の目的でのボロン酸エステルおよび酸化合物の使用についても記載がされている。WO98/35691A1には、ボロン酸化合物を含むプロテアソーム阻害剤は脳卒中または心筋梗塞の時に起こるような梗塞を治療するのに有用であると教示されている。WO99/15183A1には、プロテアソーム阻害剤は炎症性疾患および自己免疫疾患を治療するのに有用であると教示されている。米国特許第6,958,319B2号では、ボロン酸およびその凍結乾燥化合物から調製された安定した化合物が提供されている。
しかしながら、アルキルボロン酸は、分析による純粋な形態として得ることが比較的困難である。Snyder et al., J. Am. Chem. Soc., 3611 (1958)には、アルキルボロン酸化合物は、脱水条件でボロキシン(無水物)を形成しやすいことが教示されている。また、アルキルボロン酸およびそのボロキシンは、空気に鋭敏であることが多い。Korcek et al., J. Chem. Soc., Perkin Trans. 2 242 (1972)には、ブチルボロン酸は空気により容易に酸化されて1−ブタノールおよびホウ酸を生成することが教示されている。このような問題から、ボロン酸化合物の医薬品としての実用性が限定され、ボロン酸化合物を含む医薬品の特性が複雑になり、その保存可能期間が限定されている。
また、当該分野で周知ではあるが、特定のボロン酸化合物、特にボルテゾミブは多発性骨髄腫を患っている患者の治療に用いることができる。ボルテゾミブは商品名「ベルケイド(VELCADE)」で市販されている。ボルテゾミブは、ボロン酸のマンニトールエステルという形態で凍結乾燥粉末として提供され、使用する前に溶解しなければならない。非経口投与での濃度は、一般に、静脈内投与で1mg/ml、皮下投与で2.5mg/mlである。
当該分野では改良されたボロン酸化合物が必要とされている。理想としては、そのような化合物およびその製剤が便利な方法で調製されることであり、最も好ましいのは再懸濁工程または希釈工程の必要がない、すぐに使える製剤が、遊離ボロン酸化合物に比べて高い安定性と長い保存可能期間を示し、ボロン酸治療を必要とする対象者に投与すると活性ボロン酸化合物を容易に放出することである。さらに、すぐに使える薬物として入手可能なボロン酸化合物、特にボルテゾミブに対する要求がある。というのは、現在、ボロン酸化合物、特にボルテゾミブは、使用の前に溶解しなければならないが、これはボロン酸化合物が水溶液中で適切な時間の間に安定でなくなるからである。
本発明は、これらの要求に対処する。
第一の側面では、本発明は、少なくとも1種のボロン酸化合物、前記少なくとも1種のボロン酸化合物のための少なくとも1種の安定化剤、および/または前記少なくとも1種のボロン酸化合物と前記少なくとも1種の安定化剤の反応生成物を含むナノ粒子に関する。前記ナノ粒子は約10〜約1000nmの粒径を有する。
本明細書で用いられる用語「ボロン酸化合物」は、−B(OH)部位を含む任意の化合物を指す。Snyder et al., J. Am. Chem. Soc. 3611 (1958)には、ボロン酸部位の脱水により、アルキルボロン酸化合物はオリゴマー無水物を形成しやすいことが教示されている。従って、文脈から自明でない限り、用語「ボロン酸化合物」は、遊離ボロン酸、オリゴマー無水物(二量体、三量体、および四量体、およびそれらの混合物を含むが、これらに限定されない)を包含することを明示的に意図する。
前記安定化剤は、特に本発明によるナノ粒子を含む医薬品組成物中で本発明によるナノ粒子を安定化させる機能を有する。
好ましい態様では、前記少なくとも1種の安定化剤は、前記ボロン酸化合物の表面に吸着されて、ナノ粒子の安定性を向上させる。
他の側面では、前記ナノ粒子は、前記少なくとも1種のボロン酸化合物と前記少なくとも1種の安定化剤の反応生成物を含む。前記反応生成物は、前記ボロン酸化合物と前記安定化剤の共有結合により形成されることが好ましい。好ましい一態様では、前記少なくとも1種のボロン酸化合物と前記少なくとも1種の安定化剤の反応生成物は、ボロン酸エステルである。
また、本発明によるナノ粒子は、少なくとも1種のボロン酸化合物、好ましくはこのボロン酸化合物の表面に吸着された少なくとも1種の安定化剤のナノ粒子、および前記少なくとも1種のボロン酸化合物と前記少なくとも1種の安定化剤の反応生成物の両方を含んでいてもよい。
本発明のナノ粒子は、粒径が約10〜約1000nmの粒子と定義される。粒径は、本明細書で後述するように、光の強度に基づいて測定される。本発明のナノ粒子は粒径が100〜約1000nmであることがより好ましい。この範囲であれば、基準の定義による「微細な」ナノ粒子の範疇である。粒子の粒径は、好適な方法、例えば、動的光散乱法(Dynamic Light Scattering=DLS)(例えば、Malvern Zetasizer ZS90、Malvern Instruments社製)を用いて求めた粒子の直径と定義される。DLSでは、ブラウン運動を測定して、これを粒子の粒径と関連付ける。ブラウン運動は、粒子を囲んでいる溶媒分子が粒子に衝突することによって生じる粒子の不規則な運動である。粒子すなわち分子が大きいほどブラウン運動は遅くなる。小さい粒子ほど溶媒分子の「衝突」が大きくなり、より速く運動する。DLSでは正確な温度を知る必要がある。というのは、粘性に関する知見が必要で、液体の粘性はその温度に関係するからである。この測定で用いる温度は25℃である。測定の間、この温度を保つ。ブラウン運動の速度は、移動拡散係数(D)により定義される。ある粒子の粒径は、ストークス・アインシュタインの式を用いて移動拡散係数から算出される。
Figure 2018510859
ここで、d(H)は流体力学的直径、Dは移動拡散係数、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、ηは粘性である。ストークス・アインシュタインの式により得られた直径は、この粒子と同じ移動拡散係数を有する球の直径である。粒子の移動拡散係数は、粒子の「核」の粒径のみならず、拡散速度に影響を及ぼす任意の表面構造や溶媒の中のイオンの濃度と種類にも依存する。
Malvern Zetasizerシリーズは、好適な光学装置を用いて検出された散乱光の強度が変動する速度を求めることで、ブラウン運動により拡散する粒子の速度を測定する。Zetasizer Nano ZS90シリーズでは、検出器の位置は90°である。
ISO22412:2008で規定されたDLS測定強度自動補正関数の累積分析から、多分散指数(polydispersity index=PDI)と共にz−平均直径を算出する。PDIは、粒径分布の幅の無次元指数であり、0〜1で表される。Malvern Instruments社によれば、PDI≦0.4の試料は、単分散であると見なされる。
好ましい一態様では、本発明によるナノ粒子に含まれる少なくとも1種のボロン酸化合物は、次式(I)
Figure 2018510859
またはその医薬的に許容される塩で表され、
式中、PはR4−C(O)−またはR4−SO2−であり、R4はキノリニル、ピラジニル、ピリジル、キノキサリニル、フリル、ピロリル、またはN−モルホリニルであり、
Rは水素またはアルキルであり、
1およびR2は独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、複素環、および−CH2−R5(ここで、R5はそれぞれの場合に、アリール、アラルキル、アルカリール、シクロアルキルのうちの1つである)からなる群より選択される、または−W−R6(ここでWはカルコゲンであり、R6はアルキル)であり、
1、R2、およびR5のアリール、アラルキル、またはアルカリールのいずれかの環部分は、独立して、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C1-6アルキル(C3-8)シクロアルキル、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、シアノ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、ジ(C1-6)アルキルアミノ、ベンジルアミノ、ジベンジルアミノ、ニトロ、カルボキシ、カルボ(C1-6)アルコキシ、トリフルオロメチル、ハロゲン、C1-6アルコキシ、C6-10アリール、C6-10アリール(C1-6)アルキル、C6-10アリール(C1-6)アルコキシ、ヒドロキシ、C1-6アルキルチオ、C1-6アルキルスルフィニル、C1-6アルキルスルホニル、C6-10アリールチオ、C6-10アリールスルフィニル、C6-10アリールスルホニル、C6-10アリール、C1-6アルキル(C6-10)アリール、およびハロ(C6-10)アリールからなる群より選択される1つまたは2つの置換基により置換されていてもよく、
1およびZ2はいずれもヒドロキシである。
より好ましい態様では、PはR4−C(O)−(ここで、R4はピラジニル)である。
さらに好ましい態様では、Rは水素である。
さらに好ましい態様では、R1は−CH2−R5(ここで、R5はアリールであり、R2はアルキル)である。
より好ましい態様では、式(I)によって表される少なくとも1種のボロン酸化合物は、[(1R)−3−メチル−1−({(2S)−3−フェニル−2−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノイル}アミノ)ブチル]ボロン酸である。この化合物はまた、ボルテゾミブとして知られており、以下の構造を有する。
Figure 2018510859
さらに好ましい態様では、前記少なくとも1種のボロン酸化合物と前記少なくとも1種の安定化剤の反応生成物は次式(II)
Figure 2018510859
またはその医薬的に許容される塩で表され、
式中、PはR4−C(O)−またはR4−SO2−(ここで、R4は、キノリニル、ピラジニル、ピリジル、キノキサリニル、フリル、ピロリル、またはN−モルホリニル)であり、
Rは水素またはアルキルであり、
1およびR2は独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、複素環、および−CH2−R5からなる群より選択され、
5はそれぞれの場合に、アリール、アラルキル、アルカリール、シクロアルキルのうちの1つであり、または−W−R6(ここで、Wはカルコゲンであり、R6はアルキル)であり、
1、R2、およびR5のアリール、アラルキル、またはアルカリールのいずれかの環部分は、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C1-6アルキル(C3-8)シクロアルキル、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、シアノ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、ジ(C1-6)アルキルアミノ、ベンジルアミノ、ジベンジルアミノ、ニトロ、カルボキシ、カルボ(C1-6)アルコキシ、トリフルオロメチル、ハロゲン、C1-6アルコキシ、C6-10アリール、C6-10アリール(C1-6)アルキル、C6-10アリール(C1-6)アルコキシ、ヒドロキシ、C1-6アルキルチオ、C1-6アルキルスルフィニル、C1-6アルキルスルホニル、C6-10アリールチオ、C6-10アリールスルフィニル、C6-10アリールスルホニル、C6-10アリール、C1-6アルキル(C6-10)アリール、およびハロ(C6-10)アリールからなる群より選択される1つまたは2つの置換基により置換されていてもよく、
1およびZ2は共に、前記少なくとも1種の安定化剤に由来する部位を形成し、ここで、それぞれの場合に、ホウ素に結合した原子は酸素原子である。
より好ましい態様では、PはR4−CO(−)(ここでR4はピラジニル)である。
さらに好ましい態様では、Rは水素である。
さらに好ましい態様では、R1は−CH2−R5であり、ここでR5はアリールであり、R2はアルキルである。
好ましい態様では、前記少なくとも1種の安定化剤は、ホスファチジルグリセリン、ビタミンE、ビタミンE−TPGS、デオキシコール酸、デオキシコール酸ナトリウム、オレイン酸、オレイン酸ナトリウム、ホスファチジルコリン、好ましくは大豆由来のホスファチジルコリン(Lipoid S100)および/またはポリエチレングリコール、好ましくはPEG200からなる群から選択される。
本明細書で用いられる用語「ホスファチジルグリセリン」は、3位がホスファチジル基により置換された任意のグリセリンを指す。
特に好ましい態様では、前記少なくとも1種のボロン酸化合物と前記少なくとも1種の安定化剤の反応生成物は、以下の化合物である。
Figure 2018510859
式中、R1およびR2は脂肪酸側鎖である。
1およびR2はアルキル分子鎖であることが好ましく、最大不飽和数が6のC6〜C22アルキル分子鎖であることが好ましい。R1およびR2は異なっていてもよい。
上述のように、本発明によるナノ粒子は約10〜約1000nmの粒径を有する。本発明によるナノ粒子は、好ましくは約70nm〜約1000nm、より好ましくは約70nm〜約500nm、最も好ましくは約100nm〜約200nmの粒径を有する。粒径が約100nm〜約200nmであると100nm未満の粒子と比べて微粒子と見なされるが、表面積は大きいという利点がある。ナノメートルの範囲で粒子の表面積が指数関数的に増加すると、溶解時間が大きく減少し、飽和溶解度が増加する。
好ましい一態様では、本発明によるナノ粒子は、多分散指数が約0.5以下、好ましくは約0.25以下、より好ましくは約0.2以下である。
多分散指数(PDI)は、動的光散乱法(DSL)測定から得られたナノ粒子の粒度分布を定義するパラメータである。上述のように、PDIは、製造者の指示に従ってMalvern Zetasizerを用いて測定してもよい。PDI値が小さいほど粒度分布度は低い。一般に、多分散指数PDIは粒度分布度として用いられる。よって、粒子懸濁液は、一般に単分散物と多分散物に分けてもよい。単分散、例えば、均一な懸濁液/粒子では粒度分布が狭い。多分散懸濁液/粒子では粒径がかなり異なる。
粒径およびPDIは、特定の物質(例えば、医薬品薬効成分など)の溶解速度に影響を及ぼす重要な因子である。従って、平均粒径は同程度であるがPDIが大きく異なる、1種の医薬品有効成分からなる2個のナノ粒子集団を比較すると、ナノ粒子の溶解挙動が大きく変化する場合がある。PDIが高いナノ粒子ほどゆっくり溶解し、PDIが低いナノ粒子ほど速く溶解する。従って、PDIは、粒径の他に、ナノ粒子の品質に影響を及ぼすことがある。
さらなる側面では、本発明は、本発明のナノ粒子を含む医薬品組成物に関する。
好ましい一態様では、前記ナノ粒子は、前記医薬品組成物中で安定である。用語「安定」は、医薬品組成物に含まれるナノ粒子が医薬品としての有用性を有するための十分な安定性を有することを意味する。前記医薬品組成物は、都合のよい温度、好ましくは約0℃〜約40℃で相当な期間、好ましくは1ヶ月以上、より好ましくは3ヶ月以上、より好ましくは6ヶ月以上、最も好ましくは1年以上保存するのに十分な安定性を有することが好ましい。医薬品組成物中のナノ粒子の安定化は、主に立体的な理由から生じると思われる。
本発明による医薬品組成物は、固体(例えば、錠剤およびカプセル)、液体、懸濁液、クリーム、ゲル、軟膏、乳液、デポ剤など、医薬品投与に一般に用いられる任意の投与形態であってもよい。前記医薬品組成物は好ましくは懸濁液、より好ましくは水性懸濁液である。水性懸濁液は、事前に希釈する必要がなく、患者に容易に投与することができるという利点がある。
前記ナノ粒子および前記ナノ粒子を含む医薬品組成物は、それぞれ、遊離ボロン酸化合物と比較して安定性が高められており、保存可能期間が長くなっている。
本発明によるナノ粒子は、特に水性溶媒中で薬効成分であるボロン酸化合物を化学分解から保護し、保存安定性が高められている。また、本発明のナノ粒子によれば、すぐに使える投与形態、特にすぐに使える水性コロイド状懸濁液を実現する可能性がある。前記医薬品組成物、特に水性懸濁液の形態の主要な利点の1つは、製品「ベルケイド」の欠点である投与前の溶解が不要なことである。
前記医薬品組成物は、追加の医薬的に許容される賦形剤を含むことが好ましい。
また、本発明の医薬品組成物は、抗増殖剤、細胞毒性剤、または免疫抑制剤など、追加の薬効成分をさらに含んでいてもよい。
さらなる側面では、本発明は、哺乳類の対象者、好ましくはヒトに経口投与、肺投与、経鼻投与、局所投与、および非経口投与、好ましくは非経口投与を行うためのナノ粒子および医薬品組成物に関する。すべての場合で、前記ナノ粒子は、全身性投与ではほとんどすぐに溶解して、容易にボロン酸化合物を放出する。特に、薬物動態は、曲線下面積AUClast(ng*h/mL±SD)では市販の製品「ベルケイド」と同等であることが好ましく、最高血中濃度(Cmax)および最高血中濃度到達時間(Tmax)は異なっていてもよい。多発性骨髄腫を再発した患者のベルケイドの薬物動態パラメータを皮下投与(155±56.8)と静脈内投与(151±42.9)で比較したものがMoreau et al.により公開されている(Moreau P et al. Subcutaneous versus intravenous administration of bortezomib in patients with relapsed multiple myeloma: a randomised, phase 3, non-inferiority study(多発性骨髄腫を再発した患者でのボルテゾミブの皮下投与と静脈内投与:無作為フェーズ3非劣性試験). Lancet Oncol. 2011; 12: 431-40).単回投与および複数回投与の薬物動態データを皮下投与(単回投与:92.1±17.8;複数回投与:195±51.2)と静脈内投与(単回投与:104±99.0;複数回投与:241±82.0)で比較したものが、フェーズIII試験26866138−MMY−3021、事前の全身性治療後に多発性骨髄腫を再発した対象者の非盲検無作為試験の欧州医薬品庁(European Medicines Agency=EMA)審査報告書を通じて公開されている(http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/EPAR_-_Assessment_Report_-_Variation/human/000539/WC500133654.pdf)。
さらなる側面では、上記ナノ粒子または上記医薬品組成物は、悪性血液疾患(例えば、多発性骨髄腫、結腸直腸癌、肺癌、脾臓癌、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、非ホジキンリンパ腫など)の治療に用いるのに好適である。特に好ましいのは、多発性骨髄腫およびマントル細胞リンパ腫の治療に使用することである。
当業者には自明であるが、前記ナノ粒子および前記ナノ粒子を含む医薬品組成物はいずれも上記病気の治療に有効である。というのは、上記ボロン酸化合物およびその誘導体、特にボルテゾミブは、ボロン酸治療を必要とする対象者に投与されると容易に活性ボロン酸化合物を放出するからである。
さらなる側面では、本発明は、ナノ粒子またはナノ粒子を含む医薬品組成物を調製する方法に関し、この方法は
a)少なくとも1種のボロン酸化合物および少なくとも1種の安定化剤を有機溶媒に溶解した流体混合物および流体非溶媒を用意する工程、
b)前記流体混合物および前記流体非溶媒を衝突させて前記ナノ粒子を沈殿させる工程、および
c)必要に応じて前記有機溶媒および前記流体非溶媒を蒸発させる工程
を含む。
従って、前記少なくとも1種のボロン酸化合物および前記少なくとも1種の安定化剤は、水と相溶または非相溶の有機溶媒に溶解される。
本明細書で用いられる用語「流体混合物」は、少なくとも1種のボロン酸化合物と少なくとも1種の安定化剤の混合物を溶媒に溶解したものを指す。溶媒は、前記少なくとも1種のボロン酸化合物を溶解することができる任意の流体物質である。
本明細書で用いられる用語「流体」は、一般的な定義により液体、気体、および血漿を含むが、一般的には室温(21℃)で液体である物質を意味する。
本発明による用語「非溶媒」は、ナノ粒子を含むボロン酸の流体流を前記流体混合物の流体流と衝突させてナノ粒子を含むボロン酸を沈殿させることができる任意の流体物質を指す。従って、本発明の意味するところの「非溶媒」は、例えば、ボロン酸化合物を溶かさない物質として、狭く解釈されるべきではない。
前記有機溶媒が水と混ざり合う場合、前記有機溶媒は、メタノール、エタノール、t−ブタノール、アセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、またはこれらの混合物であることが好ましい。前記有機溶媒が水と混ざり合わない場合、前記有機溶媒は、酢酸エチル、塩化メチレン、またはこれらの混合物であることが好ましい。
前記流体非溶媒は水であることが好ましい。従って、前記沈殿は水に対して起こることが好ましい。
上記方法によれば、少なくとも1種のボロン酸化合物、前記少なくとも1種のボロン酸化合物のための少なくとも1種の安定化剤、および/または前記少なくとも1種のボロン酸化合物と前記少なくとも1種の安定化剤の反応生成物を含む、約10〜約1000nmの粒径を有するナノ粒子が得られる。
安定化剤としてはホスファチジルグリセリンを用いるのが好ましい。前記ホスファチジルグリセリンの親水性部分のグリセリン部位がその水酸基の酸素原子によりホウ素原子と結合すると、ボロン酸エステルが形成される。
前記ホウ素原子、前記ホウ素原子に結合した酸素原子、および酸素原子に結合した原子は共に5員環を形成することが好ましい。この分子の疎水性部位により立体的に安定化されたボロン酸粒子が形成される。
前記安定化剤は、前記ボロン酸化合物の表面に吸着されていてもよい。これにより、ナノ粒子の形態で立体的に安定化されたボロン酸化合物となる。好ましい安定化剤は、ホスファチジルグリセリン、ビタミンE、ビタミンE−TPGS、デオキシコール酸、デオキシコール酸ナトリウム、オレイン酸、オレイン酸ナトリウム、ホスファチジルコリン、より好ましくは大豆由来のホスファチジルコリン(Lipoid S100)、および/またはポリエチレングリコール、より好ましくはPEG200である。
2種以上の安定化剤を用いてもよい。
前記ナノ粒子を固体ナノ粒子として得ることが望ましい場合、前記有機溶媒および前記流体非溶媒を、好ましくは真空下で蒸発させる。もちろん、前記ナノ粒子は、ナノ粒子を含む懸濁液、特に水性懸濁液として単離してもよい。
前記溶媒と前記非溶媒の体積比率は、好ましくは1:1〜1:10、より好ましくは1:1〜1:5、より好ましくは1:1〜1:2である。
従って、本発明の方法は、制御された溶媒/非溶媒沈殿を含むことが好ましい。ここで、溶媒流および非溶媒流を1m/秒超の高速(レイノルズ数は500超)で衝突噴流として衝突させる。一態様では、この速度は50m/秒超であってもよい。なお、上記速度は、衝突流のそれぞれの速度である。すなわち、前記流体混合物の流体流および前記非溶媒の流体流はこの速度を有する。
前記溶媒および前記非溶媒は、通常、約1000μm(例えば、約500μm未満、または約300μm未満)のノズルから約1バール超の圧力で噴霧されるのが好ましい。好適な圧力は、約10バール超、あるいは約50バール超である。圧力は、圧力調整器により調整してもよい。
これら2つの流を反応器内で衝突させると、非常に素早く混合される。混合時間は、通常、約1ミリ秒未満、好ましくは約0.5ミリ秒未満、より好ましくは約0.1ミリ秒未満である。溶媒流および非溶媒流の流量は、約600l/hを超えてもよい。従って、これら2つの衝突噴流(すなわち、流)を反応器内で衝突させて沈殿させ、反応器の形状に応じた円盤状構造体を形成する。
混合時間は、流量の導関数として調整され、流量が多いほど混合時間は短くなる。混合は分子状態で行われる。反応器内で前記流体流を衝突させると、互いに向かって流れる平行流のため2つのプレートが形成される。そこで溶媒から非溶媒への拡散過程が始まる。この拡散が終わると混合物が得られる。この時間は、流量および気体圧力により制御することができる。この種の混合は、いわゆるマイクロジェット反応器によって達成することが好ましい。というのは、その構造により、2つの流が空気開放室内で衝突して粒径を制御することができるからである。
用語「マイクロジェット反応器」は、WO0061275A2で定義された全ての形状を含む。この特許出願の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。WO0061275A2により、化学的または物理的過程を開始するシステムが提供される。このシステムは、ポンプ、好ましくは高圧ポンプにより、少なくとも2種の液体溶媒を反応器の筺体により閉じられた反応器の室内の共通する衝突点に注入することを含み、各溶媒は1個のノズルから注入される。反応器の内部、特に液体噴流の衝突点の気体雰囲気を維持するように、また生成物を冷却するように、反応室の開口部からガス、蒸発液、冷却液、または冷却ガスを導入する。ガスを入力する側に陽圧、あるいは生成物およびガスを排出する側に陰圧をかけて別の開口部から生成物と余剰の気体を反応器の筺体から除去する。
このようにして形成されたナノ粒子をさらに加工して最終医薬品製剤とすることが好ましい。最終医薬品製剤が非経口投与用の水性ナノ懸濁液である場合、好ましくは第一の有機溶媒を定められた権限の限界に従って除去しなければならない。これは透析濾過または冷凍乾燥工程により実現してもよい。従って、pHおよびオスモル濃度は透析濾過工程中に容易に調整することができる。固体投与形態を目的とする場合、乾燥工程(例えば、湿式造粒、流動層造粒、スプレー乾燥)によりナノ粒子懸濁液全体をさらに加工することが好ましい。得られた粉末を一般的な医薬品工程によりさらに加工してもよい。
本発明による方法で用いられる少なくとも1種のボロン酸化合物の特定の態様は、製品の請求項に関連して述べられた上記態様を指す。
従って、前記ナノ粒子は、例えば、経口送達(錠剤、カプセル、懸濁液など)、経肺および経鼻送達、局所送達(乳液、軟膏、クリームなど)、および非経口送達(懸濁液、ミクロ乳液、デポ剤など)、様々な医薬品組成物および製剤に用いられるように設計してもよい。最も好ましいのは非経口送達である。
さらなる側面では、本発明は、上記方法で得ることができるナノ粒子および医薬品組成物、好ましくは懸濁液に関する。
以下の実施例により、本発明を以下でさらに詳しく記載する。しかしながら、これら実施例は例示のためにのみ提供され、決して本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
[実施例]
実施例1
ホスファチジルグリセリンのEtOH溶液と共にボルテゾミブをエタノールに溶解した。マイクロジェット反応器を用いてこの溶媒混合物を水で沈殿させた。ナノ粒子懸濁液の粒径は170nm、PDIは0.15であった。
実施例2
透析濾過によりエタノールを調製したナノ懸濁液から除去した。交換溶媒として水を用いた。連続モードで5回の容積交換を行った。
実施例3
冷蔵条件、室温条件、および促進条件(40℃)で実施例1および2の製剤の安定性試験を行ったところ、水性ナノ懸濁液は少なくとも6ヶ月に渡って安定性を示した。
実施例4
ホスファチジルグリセリンのDMSO溶液と共にボルテゾミブをDMSOに溶解した。マイクロジェット反応器を用いてこの溶媒混合物を水で沈殿させた。ナノ粒子懸濁液は、粒径が190nm、PDIが0.20であった。

Claims (16)

  1. 少なくとも1種のボロン酸化合物、前記少なくとも1種のボロン酸化合物のための少なくとも1種の安定化剤、および/または前記少なくとも1種のボロン酸化合物と前記少なくとも1種の安定化剤の反応生成物を含み、約10〜約1000nmの粒径を有する、ナノ粒子。
  2. 前記少なくとも1種のボロン酸化合物は次式(I)
    Figure 2018510859
    またはその医薬的に許容される塩で表され、
    式中、PはR4−C(O)−またはR4−SO2−であり、R4はキノリニル、ピラジニル、ピリジル、キノキサリニル、フリル、ピロリル、またはN−モルホリニルであり、
    Rは水素またはアルキルであり、
    1およびR2は独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、複素環、および−CH2−R5(ここで、R5はそれぞれの場合に、アリール、アラルキル、アルカリール、シクロアルキルのうちの1つである)からなる群より選択される 、または−W−R6(ここでWはカルコゲンであり、R6はアルキル)であり、
    1、R2、およびR5のアリール、アラルキル、またはアルカリールのいずれかの環部分は、独立して、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C1-6アルキル(C3-8)シクロアルキル、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、シアノ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、ジ(C1-6)アルキルアミノ、ベンジルアミノ、ジベンジルアミノ、ニトロ、カルボキシ、カルボ(C1-6)アルコキシ、トリフルオロメチル、ハロゲン、C1-6アルコキシ、C6-10アリール、C6-10アリール(C1-6)アルキル、C6-10アリール(C1-6)アルコキシ、ヒドロキシ、C1-6アルキルチオ、C1-6アルキルスルフィニル、C1-6アルキルスルホニル、C6-10アリールチオ、C6-10アリールスルフィニル、C6-10アリールスルホニル、C6-10アリール、C1-6アルキル(C6-10)アリール、およびハロ(C6-10)アリールからなる群より選択される1つまたは2つの置換基により置換されていてもよく、
    1およびZ2はいずれもヒドロキシである、請求項1に記載のナノ粒子。
  3. 前記式(I)の化合物は、[(1R)−3−メチル−1−({(2S)−3−フェニル−2−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノイル}アミノ)ブチル]ボロン酸である、請求項2に記載のナノ粒子。
  4. 前記少なくとも1種のボロン酸化合物と前記少なくとも1種の安定化剤の反応生成物は次式(II)
    Figure 2018510859
    またはその医薬的に許容される塩で表され、
    式中、PはR4−C(O)−またはR4−SO2−(ここで、R4は、キノリニル、ピラジニル、ピリジル、キノキサリニル、フリル、ピロリル、またはN−モルホリニル)であり、
    Rは水素またはアルキルであり、
    1およびR2は独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、複素環、および−CH2−R5からなる群より選択され、
    5はそれぞれの場合、アリール、アラルキル、アルカリール、シクロアルキルのうちの1つであり、または−W−R6(ここで、Wはカルコゲンであり、R6はアルキル)であり、
    1、R2、およびR5のアリール、アラルキル、またはアルカリールのいずれかの環部分は、独立して、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C1-6アルキル(C3-8)シクロアルキル、C2-8アルケニル、C2-8アルキニル、シアノ、アミノ、C1-6アルキルアミノ、ジ(C1-6)アルキルアミノ、ベンジルアミノ、ジベンジルアミノ、ニトロ、カルボキシ、カルボ(C1-6)アルコキシ、トリフルオロメチル、ハロゲン、C1-6アルコキシ、C6-10アリール、C6-10アリール(C1-6)アルキル、C6-10アリール(C1-6)アルコキシ、ヒドロキシ、C1-6アルキルチオ、C1-6アルキルスルフィニル、C1-6アルキルスルホニル、C6-10アリールチオ、C6-10アリールスルフィニル、C6-10アリールスルホニル、C6-10アリール、C1-6アルキル(C6-10)アリール、およびハロ(C6-10)アリールからなる群より選択される1つまたは2つの置換基により置換されていてもよく、
    1およびZ2は共に、前記少なくとも1種の安定化剤に由来する部位を形成し、ここで、それぞれの場合にホウ素に結合した原子は酸素原子である、請求項1に記載のナノ粒子。
  5. 前記少なくとも1種の安定化剤は、ホスファチジルグリセリン、ビタミンE、ビタミンE−TPGS、デオキシコール酸、デオキシコール酸ナトリウム、オレイン酸、オレイン酸ナトリウム、ホスファチジルコリン、および/またはポリエチレングリコールからなる群より選択される、上記請求項の何れか一項に記載のナノ粒子。
  6. 前記少なくともボロン酸化合物は[(1R)−3−メチル−1−({(2S)−3−フェニル−2−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノイル}アミノ)ブチル]ボロン酸であり、前記少なくとも1種の安定化剤はホスファチジルグリセリンであり、および/または前記少なくとも1種のボロン酸化合物と前記少なくとも1種の安定化剤の反応生成物は、以下の化合物であり、
    Figure 2018510859
    式中、R1およびR2は脂肪酸側鎖である、上記請求項の何れか一項に記載のナノ粒子。
  7. 前記ナノ粒子は約70nm〜約1000nm、好ましくは約70nm〜約500nm、より好ましくは約100nm〜約200nmの粒径を有する、上記請求項の何れか一項に記載のナノ粒子。
  8. 前記ナノ粒子は、約0.5以下、好ましくは約0.25以下、より好ましくは約0.2以下の多分散指数を有する、上記請求項の何れか一項に記載のナノ粒子。
  9. 上記請求項の何れか一項に記載のナノ粒子を含む、医薬品組成物。
  10. 前記医薬品組成物は、水性懸濁液、好ましくはさらに希釈の必要なしに、すぐに使える懸濁液である、請求項9に記載の医薬品組成物。
  11. 非経口投与用、より好ましくは皮下投与用または静脈内投与用の、請求項1〜8の何れか一項に記載のナノ粒子または請求項9または10の何れか一項に記載の医薬品組成物。
  12. 市販されている製品ベルケイドと同程度の曲線下面積AUC量を有し、AUClastが90%信頼区間でベルケイドのAUCと同等であるか、生物学的同等性を示し、前記ベルケイドのAUCは
    多発性骨髄腫を再発した患者に単回の皮下投与を行った後で155±56.8ng*h/mL±SDであり、
    多発性骨髄腫を再発した患者に単回の静脈内投与を行った後で151±42.9ng*h/mL±SDであり、
    事前の全身性治療の後に多発性骨髄腫を再発した患者に単回の皮下投与を行った後で92.1±17.8ng*h/mL±SDであり、
    事前の全身性治療の後に多発性骨髄腫を再発した患者に単回の静脈内投与を行った後で104±99.0ng*h/mL±SDであり、
    事前の全身性治療の後に多発性骨髄腫を再発した患者に複数回の皮下投与を行った後で195±51.2ng*h/mL±SDであり、
    事前の全身性治療の後に多発性骨髄腫を再発した患者に複数回の静脈内投与を行った後で241±82.0ng*h/mL±SDである、請求項1〜8の何れか一項に記載のナノ粒子または請求項9または10の何れか一項に記載の医薬品組成物。
  13. 悪性血液疾患、例えば、多発性骨髄腫、結腸直腸癌、肺癌、脾臓癌、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、または非ホジキンリンパ腫などの治療に用いられる、請求項1〜8、11、12の何れか一項に記載のナノ粒子または請求項9、10、11、12の何れか一項に記載の医薬品組成物。
  14. 多発性骨髄腫またはマントル細胞リンパ腫の治療に用いられる、請求項11に記載のナノ粒子または医薬品組成物。
  15. a)少なくとも1種のボロン酸化合物および少なくとも1種の安定化剤を有機溶媒に溶解した流体混合物および流体非溶媒を用意する工程、
    b)前記流体混合物および前記流体非溶媒を衝突させて前記ナノ粒子を沈殿させる工程、および
    c)必要に応じて前記有機溶媒および前記流体非溶媒を蒸発させる工程を含む、請求項1〜8、11〜14の何れか一項に記載のナノ粒子、または請求項9、10、11〜14の何れか一項に記載の医薬品組成物を調製する方法。
  16. 請求項15に記載の方法で得られるナノ粒子または懸濁液。
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