JP2018510625A - 均質化したたばこ材料、および均質化したたばこ材料を製造する方法 - Google Patents

均質化したたばこ材料、および均質化したたばこ材料を製造する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、均質化したたばこ材料の調製のための方法に関し、前記方法は、約0.2ミリメートル〜約4ミリメートルから成る重量当たり平均サイズを有する繊維を得るためにセルロース繊維をパルプ化および精製する工程と、1つ以上のたばこタイプのたばこのブレンドを、約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルから成る重量当たり平均サイズを有するたばこ粒子へ粉砕する工程と、セルロース繊維をたばこ粒子および結合剤と混合して、スラリーを形成する工程と、前記スラリーを均質化する工程と、アスパラギナーゼを前記スラリーに追加する工程と、前記スラリーから前記均質化したたばこ材料を形成する工程とを含み、前記均質化したたばこ材料が、乾燥質量基準で約1パーセント〜約5パーセントの前記結合剤を含む。

Description

本発明は、均質化したたばこ材料と、それを製造するためのプロセスに関する。本発明はまた、例えば、紙巻たばこまたは「燃やさない加熱式」たばこを含有する製品などのエアロゾル発生物品での均質化したたばこ材料の使用にも関する。
今日では、たばこ製品の製造では、たばこ葉の他に均質化したたばこ材料も使用される。この均質化したたばこ材料は、例えば、たばこ茎またはたばこダストなどの、一般にカットフィラーの製造にあまり適していないたばこ植物の部分から製造される。一般に、たばこダストは製造中にたばこ葉の取り扱いの間に副産物として作り出される。
均質化したたばこ材料の最も一般的に使用される形態は、再構成たばこシートおよびキャストリーフである。均質化したたばこ材料シートを形成するプロセスは、一般的にスラリーを形成するためにたばこダストと結合剤とを混合する工程を含む。次に、スラリーがたばこウェブを作成するために使用される。例えば、いわゆるキャストリーフを製造するために粘性のあるスラリーを移動する金属ベルト上にキャスティングすることによってである。あるいは、再構成たばこを作り出すために、粘性が低くかつ水含有量が高いスラリーを製紙と似たプロセスで使用することができる。調製されると、紙巻たばこおよび他の喫煙物品、特にエアロゾル発生物品のために適切なたばこカットフィラーを製造するための葉たばこと類似した様式で、均質化したたばこウェブを切断してもよい。
「燃やさない加熱式」の加熱式エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体としての使用が意図されている均質化したたばこ材料は、従来的な紙巻たばこでフィラーとしての使用が意図されている均質化したたばことは異なる組成を持つ傾向にある。加熱式エアロゾル発生物品では、エアロゾルを形成するために、エアロゾル形成基体が比較的低い温度に加熱される。均質化したたばこ材料は、一般にエアロゾル発生物品中に存在する唯一のたばこ供給源であるか、または主要なたばこ供給源である。
均質化したたばこ材料中、および加熱時にそれから生成されるエアロゾル中に存在するアクリルアミドの量を最小限に抑えることが望ましいことがある。アクリルアミドは、化学式C35NOを持つ化学化合物である。そのIUPAC名はprop−2−エナミドである。その潜在的な毒性に関して懸念が提起されてきた。
均質化したたばこ材料ウェブに由来する均質化したたばこ材料を含むエアロゾル発生物品の製造中、均質化したたばこウェブは、一般にある程度の物理的取り扱い(例えば、湿潤、移動、乾燥、および切断など)に耐える必要がある。従って、最終的なたばこ材料の品質に対する影響なしに、または影響が最小限でこのような取り扱いに耐えるように適合された均質化したたばこウェブを提供することが望ましいことになる。特に、均質化したたばこ材料ウェブが完全な破れまたは部分的な破れをほとんど示さないのが望ましいことになる。破れた均質化したたばこウェブは、製造の間のたばこ材料の損失につながる可能性がある。部分的にまたは完全に破れた均質化したたばこウェブは、機械のダウンタイム、ならびに機械の停止および起動の間の廃棄物にもつながる場合がある。
従って、このような加熱式エアロゾル発生物品の異なる加熱特性およびエアロゾル形成の必要性に適合され、同時に周知の均質化したたばこ材料と比較してアクリルアミドの含有量を下げる、「燃やさない加熱式」の加熱式エアロゾル発生物品での使用のための均質化したたばこウェブを調製するための新しい方法に対する必要性がある。このような均質化したたばこウェブは、必要とされる製造プロセスに耐えるようにさらに適合されるべきである。
第一の態様によると、本発明は均質化したたばこ材料の製造のための方法に関する。この方法は、パルプを形成するようにセルロース繊維をパルプ化および精製する工程、および1つ以上のたばこタイプのたばこのブレンドを粉砕する工程を含む。さらなる工程では、異なるたばこタイプのたばこ粒子をセルロース繊維および結合剤と組み合わせることによってスラリーが形成される。アスパラギナーゼがさらにスラリーに追加される。さらなる工程は、スラリーを均質化する工程と、スラリーから均質化したたばこ材料を形成する工程と、を含む。本発明によると、パルプ化および精製する工程は、約0.2ミリメートル〜約4ミリメートルの平均サイズを有するセルロース繊維を作り出す。粉砕する工程は、約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルを含む重量当たり平均サイズを有するたばこ粒子を製造する。スラリーの中に乾燥質量基準で約1パーセント〜約5パーセントの量の結合剤が添加される。
第二の態様によると、本発明は均質化したたばこ材料の製造のための方法に関する。この方法は、パルプを形成するようにセルロース繊維をパルプ化および精製する工程、および1つ以上のたばこタイプのたばこのブレンドを粉砕する工程を含む。さらなる工程では、異なるたばこタイプのたばこブレンド粒子をセルロース繊維および結合剤と組み合わせることによってスラリーが形成される。アスパラギナーゼがさらにスラリーに追加される。さらなる工程は、スラリーを均質化する工程と、スラリーから均質化したたばこ材料を形成する工程と、を含む。本発明によると、パルプ化および精製する工程は、約0.2ミリメートル〜約4ミリメートルの平均サイズを有するセルロース繊維を作り出す。粉砕する工程は、約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルから成る重量当たり平均サイズを有するたばこ粒子を製造する。たばこ粒子が乾燥質量基準で約50パーセント〜約93パーセントを含む量で添加される。
「均質化したたばこ材料」という用語は、本明細書を通して、たばこ材料の粒子の凝集によって形成される任意のたばこ材料を含むように使用される。本発明では、均質化したたばこのシートまたはウェブは、たばこ葉ラミナおよびたばこ葉茎の一方または両方を粉砕することによって、またはその他の方法で粉末化することによって得られた粒子状たばこを凝集することにより形成されうる。
均質化したたばこ材料は、たばこの処理、取り扱い、および移送中に形成された少量のたばこダスト、たばこ微粉、およびその他の粒子状たばこ副産物のうちの一つ以上を含んでもよい。
均質化したたばこ材料中に存在するたばこは、たばこの大部分、あるいはさらには実質的にエアロゾル発生物品中に存在するたばこの総量を構成しうる。その風味などエアロゾルの特性に対する影響は、主に均質化したたばこ材料に由来しうる。たばこの使用を最適化するために、均質化したたばこ材料の中に存在するたばこからの物質の放出は単純化されることが好ましい。たばこ粒子の少なくとも一部分は、たばこ細胞構造のサイズと同一サイズまたはそれより小さい粒子を持ちうる。たばこを約0.05ミリメートルまで細かく粉砕すると、有利なことに、たばこ細胞構造を開くことができ、またこのようにしてたばこ自体からのたばこ物質のエアロゾル化が改善されうると考えられる。こうしたたばこ物質には、ペクチン、ニコチン、精油およびその他の風味が含まれうる。以下では、「たばこ粉末」または「たばこ粒子」という用語は、本明細書を通して、重量当たり平均サイズが約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルであるたばこを示すために使用される。
重量当たり平均粒子サイズ約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルを持つたばこ粒子は、スラリーの均一性を向上しうる。大きすぎるたばこ粒子(すなわち、約0.15ミリメートルより大きいたばこ粒子)は、スラリーから形成された均質化したたばこウェブの中の欠陥および弱い区域の原因となる場合がある。均質化したたばこウェブ内の欠陥は、均質化したたばこウェブの引張強さを減少する場合がある。引張強さが低減すると、エアロゾル発生物品の製造におけるその後の均質化したたばこウェブの取り扱いの困難につながる場合があり、例えば、機械の停止を生じる可能性がある。さらに、不均質なたばこウェブは、同一の均質化したたばこウェブから製造されたエアロゾル発生物品間で意図しないエアロゾル送達において差異を作り出す場合がある。従って好ましくは、エアロゾル発生物品用の許容可能な均質化したたばこ材料を得るためのスラリーを形成するための出発たばこ材料としては、比較的小さい平均粒子サイズを有するたばこが望ましい。小さすぎるたばこ粒子は、このさらなる低減に対する利点を追加することなく、それらのサイズ低減のためのプロセスで必要とされるエネルギー消費量を増加しうる。
たばこ粒子の平均サイズの低減は、そのたばこスラリーの粘性の低減の効果にも起因して有益なことがあり、それによってより良好な均質性が可能になる。ところが、約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルのサイズにおいて、たばこ材料中のたばこセルロース繊維は実質的に破壊されうる。従って、たばこ材料中のたばこセルロース繊維は、結果として得られる均質化したたばこウェブの引張強さにごくわずかな貢献しかしない場合がある。慣習的に、これは結合剤の添加によって補償されうる。それでもなお、スラリー、ひいては均質化したたばこ材料の中に存在しうる結合剤の量には事実上の限界がありうる。これは、水と接触した時に結合剤がゲルになる傾向に起因する。ゲル化はスラリーの粘性に強く影響し、これが、その後のウェブ製造プロセス(例えば、キャスティングのような)のためのスラリーの重要なパラメータとなる。従って一般に、均質化したたばこ材料の中に比較的少量の結合剤を有することが好ましい。本発明の第一の態様によると、1つ以上のたばこタイプのブレンドに添加される結合剤の量は、スラリーの乾燥質量で約1パーセント〜約5パーセントから成る。スラリーで使用される結合剤は、本明細書に記述されるガムまたはペクチンのうちのいずれかとしうる。結合剤は、たばこ粉末が均質化したたばこウェブを通して実質的に分散されたままになることを確保する場合がある。ガムの記述的な検討のためには、Gums And Stabilizers For The Food Industry, IRL Press (G.O. Phillip et al. eds. 1988)、Whistler, Industrial Gums: Polysaccharides And Their Derivatives, Academic Press (2d ed. 1973)、およびLawrence, Natural Gums For Edible Purposes, Noyes Data Corp. (1976)を参照されたい。
任意の結合剤を採用してもよいが、好ましい結合剤は、天然ペクチン(果実ペクチン、柑橘類ペクチン、またはたばこペクチンなど)、グアーガム(ヒドロキシエチルグアーおよびヒドロキシプロピルグアーなど)、ローカストビーンガム(ヒドロキシエチルおよびヒドロキシプロピルローカストビーンガムなど)、アルギネート、デンプン(変性デンプンまたは誘導体化デンプンなど)、セルロース(メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシメチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースなど)、タマリンドガム、デキストラン、プラロン、コニャックフラー、キサンタンガム、およびこれに類するものである。本発明で使用するために特に好ましい結合剤はグアーである。
一方では、たばこ粒子の平均サイズが比較的小さく、かつ結合剤の量が低減されると、結果的に非常に均質なスラリー、そして次に非常に均質な均質化したたばこ材料をもたらす場合があるが、他方では、このスラリーから得られる均質化したたばこウェブの引張強さは比較的低く、処理中に均質化したたばこ材料上に作用する力に適切に耐えるために潜在的に不十分である場合がある。
セルロース繊維がスラリーに導入される。スラリー内のへのセルロース繊維の導入は一般に、強化剤として作用して、たばこ材料ウェブの引張強さを増加する。従って、セルロース繊維を添加することによって均質化したたばこ材料ウェブの弾力性が増加する場合がある。これは、エアロゾル発生物品の製造中、均質化したたばこ材料の滑らかな製造プロセスおよびその後の取り扱いを支持しうる。一方で、これはエアロゾル発生物品および他の喫煙物品を製造する上での製造効率、コスト効率、再現性、および生産速度の増加につながりうる。
均質化したたばこ材料のスラリーに含むためのセルロース繊維は当業界において周知であり、柔らかい木材繊維、堅い木材繊維、ジュート繊維、亜麻繊維、たばこ繊維、およびこれらの組み合わせを含むが、これに限定されない。パルプ化に加えて、セルロース繊維は、精製、機械的パルプ化、化学的パルプ化、漂白、硫酸塩パルプ化、およびこれらの組み合わせなどの適切な処理を受ける場合がある。
セルロース繊維は、たばこ茎材料、葉柄または他のたばこ植物材料を含む場合がある。木材繊維などのセルロース繊維はリグニン含有量が低いことが好ましい。別の方法として、植物繊維などの繊維を上記の繊維とともに、またはその代替として使用してもよく、これには大麻および竹が含まれる。
セルロース繊維で関連のある1つの因子は、セルロース繊維の長さである。セルロース繊維が短すぎる場合、繊維は結果として得られる均質化したたばこ材料の引張強さに対して効率的に貢献しないことになる。セルロース繊維が長すぎる場合、セルロース繊維はスラリーの均質性に影響することになり、特に薄い均質化したたばこ材料、例えば、数百マイクロメートルの厚さの均質化したたばこ材料では、今度は均質化したたばこ材料内に不均質性および他の欠陥を作り出す場合がある。本発明の第一の態様によると、重量当たり平均サイズが約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルであり、また結合剤の量はスラリーの乾燥質量で約1パーセント〜約5パーセントであるたばこ粒子を含むスラリーでは、セルロース繊維の長さは、平均サイズは約0.2ミリメートル〜約4ミリメートルであることが有利である。セルロース繊維の重量当たり平均長さは、約1ミリメートル〜約3ミリメートルであることが好ましい。このさらなる低減が精製する工程によって得られることが好ましい。本明細書では、繊維の長さは繊維の主要な寸法を意味する。さらに、本発明によると、セルロース繊維の量は、スラリーの総重量の乾燥質量基準で約1パーセント〜約7パーセントを含むことが好ましい。スラリーの成分のこれらの値は、均質なたばこウェブの引張強さに対処するために結合剤のみに依存する均質化したたばこ材料と比較してより高いレベルの均質化したたばこ材料の均質性を維持しつつも、引張強さの改善を示した。同時に、エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体として均質化したたばこ材料が使用される時に、平均サイズが約0.2ミリメートル〜約4ミリメートルであるセルロース繊維は、細かく挽いたたばこ粉末からの物質の放出を著しく阻害しない。本発明によると、比較的速くかつ信頼できる均質化したたばこウェブの製造プロセスだけでなく、高度に再現可能なエアロゾルの放出に適合した基体を得ることができる。
本発明の方法は、アスパラギナーゼの追加を含む。アスパラギナーゼは、以下の反応に従いアスパラギンを加水分解してアスパラギン酸にするのを触媒する酵素である:
アスパラギナーゼは、微生物(古細菌、真菌など)によって発現・生成される酵素であり、またこうした生物体に天然由来するか、またはそれをもとに組換えによって生成されうる。微生物供与体には、とりわけ酵母(Saccharomyces cerevisiae)、エルウィニア‐カロトボーラ(Erwinia carotovora)、大腸菌(Escherichia coli)、コウジカビ(Aspergillus oryzae)、クロカビ(A.niger)、黒脚病菌(Erwinia chrysanthemi)およびエンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)が含まれる。
アスパラギナーゼ(Colaspase)は、酵素委員会番号(EC番号)でEC 3.5.1.1に分類されるが、これは、触媒する化学反応に基づく酵素についての数字分類方式である。アスパラギナーゼは、例えば、Megazyme(ASNEC、E.coli由来)およびNovozyme(Acrylaway(登録商標))から商業的に入手可能である。
アスパラギナーゼを含む本発明による均質化したたばこ材料を加熱することによって生成されるエアロゾル内のアクリルアミドの量が、急激に減少されることがある。発明者は、それは本発明の方法に続くアスパラギナーゼの追加によるものであると考えている。
スラリーへのアスパラギナーゼ酵素の追加はまた、そのようにして得られた均質化したたばこ材料を加熱するユーザーの味覚および全体的な喫煙の体験に対して限定的な影響がありうることも発見された。ユーザーの味覚および喫煙感覚の形成に寄与する要素には、とりわけ、均質化したたばこ材料と、均質化したたばこ材料を加熱して形成されるエアロゾルとの両方に含まれるニコチンの量、還元糖の量、NO3の量および総アルカロイドの量が含まれうる。これらのすべての要素は、スラリーへのアスパラギナーゼの追加、およびアスパラギンのアスパラギン酸およびアンモニアへの派生的変換によっては実質的に修正されない。さらに、「良質の」エアロゾルの製造についての特性、すなわち、成形前のスラリーの水分やエアロゾル形成材料または湿潤剤(グリセロールなど)の量といった、均質化したたばこ材料が加熱された時にエアロゾルの製造にとって重要なスラリーの態様も同様に、アスパラギナーゼの追加によって実質的には変化されない。本発明により生成される均質化したたばこ材料の一部分を使用して生成された喫煙物品は、アスパラギナーゼの追加によって有意に変化されないことが好ましく、またユーザーにとっての味覚およびその他の感覚的な側面は有意には変化しない。
有利なことに、本発明の第二の態様によれば、または第一の態様のさらなる特性として、均質化したたばこ材料は乾燥質量基準で約50パーセント〜約93パーセントのたばこ粒子を含む。たばこブレンドの量は、乾燥質量基準で重量当たり約50パーセント〜約93パーセントの均質化したたばこ材料を含むが、これは比較的「高い」濃度である。均質化したたばこ材料のほとんどは、たばこブレンドによって形成される。こうしたたばこの高い濃度、よってアスパラギンの高い濃度にもかかわらず、均質化したたばこ材料へのアスパラギナーゼの追加は、また好ましくは本発明の方法に従い記述されたスラリー形成中にアスパラギナーゼを追加することで、均質化したたばこ材料の一部分を加熱して形成されたエアロゾル中に存在するアクリルアミドの量を減少しうることが意外にも判明した。
1つ以上のたばこタイプのたばこを粉砕する前記工程は、以下のたばこ、すなわちブライトたばこ、ダークたばこ、アロマティックたばこ、フィラーたばこのうちの1つ以上をブレンドすることを含むことが好ましい。均質化したたばこ材料は、適切にブレンドされた異なるたばこタイプのたばこラミナおよびたばこ茎によって形成されることが好ましい。「たばこタイプ」という用語を用いて、たばこの異なる品種のうちの1つが意味される。本発明に関しては、これらの異なるたばこタイプは、ブライトたばこ、ダークたばこおよびアロマティックたばこの三つの主な群に区別される。これらの三つの群間の区別は、たばこがたばこ製品中でさらに加工される前に受ける乾燥処理プロセスに基づく。
ブライトたばこは、一般的に大きく、明るい色の葉を有するたばこである。本明細書を通して、「ブライトたばこ」という用語は熱風送管乾燥処理されたたばこに対して使用される。ブライトたばこの例としては、チャイニーズ熱風送管乾燥処理、熱風送管乾燥処理ブラジル、バージニアたばこなどのUS熱風送管乾燥処理、インディアン熱風送管乾燥処理、タンザニア産の熱風送管乾燥処理、または他のアフリカン熱風送管乾燥処理が挙げられる。ブライトたばこは、糖対窒素の比が高いことによって特徴付けられる。感覚的な見方からは、ブライトたばこは、乾燥処理後、スパイスの効いたそして活気のある感覚と関連付けられたたばこタイプである。本発明によると、ブライトたばこは、還元糖の含有量が葉の乾燥質量基準で約2.5パーセント〜約20パーセント、かつ合計アンモニア含有量が葉の乾燥質量基準で約0.12パーセント未満であるたばこである。還元糖には、例えばグルコースまたはフルクトースが含まれる。合計アンモニアには、例えばアンモニアおよびアンモニア塩が含まれる。
ダークたばこは、一般的に大きく暗い色の葉を有するたばこである。本明細書を通して、「ダークたばこ」という用語は空気乾燥処理したたばこに対して使用される。さらに、ダークたばこは発酵していてもよい。主として噛みタバコ、嗅ぎたばこ、葉巻たばこ、およびパイプブレンド用に使用されるたばこもこの範疇に含まれる。感覚的な見方からは、ダークたばこは、乾燥処理後、スモーキーでダークシガータイプの感覚と関連付けられるたばこタイプである。ダークたばこは糖対窒素の比が低いことによって特徴付けられる。ダークたばこに対する例は、バーレーマラウイまたは他のアフリカンバーレー、乾燥処理したダークブラジルガルパオ、日光乾燥処理または空気乾燥処理したインドネシアカストリ(Kasturi)である。本発明によると、ダークたばこは、還元糖の含有量が葉の乾燥質量基準で約5パーセント未満、かつ合計アンモニア含有量が葉の乾燥質量基準で最高約0.5パーセントであるたばこである。
アロマティックたばこは、しばしば小さい明るい色の葉を有するたばこである。本明細書を通して、「アロマティックたばこ」という用語は、芳香成分含有量、例えば、精油の含有量が高い他のたばこに対して使用される。感覚的な見方からは、アロマティックたばこは、乾燥処理後、スパイスの効いたそして芳香を持つ感覚と関連付けられたたばこタイプである。アロマティックたばこに対する例は、グリークオリエント、オリエントターキー、セミオリエントたばこだが火力乾燥処理もされたたばこ、ペリクなどのUSバーレー、ルスティカ、USバーレーまたはメリーランドである。
さらに、ブレンドは、いわゆるフィラーたばこも含んでもよい。フィラーたばこは具体的なたばこタイプではないが、ブレンドで使用され、かつ最終製品に特異的な特徴を有する芳香の方向性をもたらさないその他のたばこタイプを補完するために主に使用される。フィラーたばこの例は、他のたばこタイプの茎、中央脈、または葉柄である。具体的な例は、熱風送管乾燥ブラジルの葉柄下部の熱風送管乾燥処理した茎でありうる。
たばこの各種類の中で、たばこ葉は、例えば、原産、植物内での配置、色、表面性状、サイズ、および形状に関してさらに等級分けされる。たばこ葉のこれらの特徴および他の特徴は、たばこブレンドを形成するために使用される。たばこのブレンドは、同一の種類または異なる種類に属するたばこの混合物であり、その結果たばこブレンドは凝集した特異的な特徴を有する。この特徴は、例えば、加熱または燃焼された時の独特の味わいまたは特異的なエアロゾルの組成とすることができる。ブレンドは、一つのものと他方のものの所与の比率で特定されたたばこタイプおよび等級を含む。
本発明によると、同一のたばこタイプ内での異なる等級は、各ブレンド構成成分のばらつきを低減するためにクロスブレンドされてもよい。特異的な所定の特徴を有する望ましいブレンドを実現するために異なるたばこ等級が選択されることが好ましい。例えば、ブレンドは、乾燥質量基準の均質化したたばこ材料あたりの還元糖、合計アンモニア、および合計アルカロイドの標的値を有してもよい。合計アルカロイドは、例えば、ニコチン、ならびにノルニコチン、アナタビン、アナバシン、およびミオスミンを含む少量アルカロイドである。
例えば、ブライトたばこは、等級Aのたばこ、等級Bのたばこ、および等級Cのたばこを含んでもよい。等級Aのブライトたばこは、等級Bおよび等級Cのブライトたばこと化学的特性がわずかに異なる。アロマティックたばこは、等級Dのたばこおよび等級Eのたばこを含んでもよく、等級Dのアロマティックたばこは、等級Eのアロマティックたばこと化学的特性がわずかに異なる。たばこブレンドに対する例証のために可能な標的値は、例えば、乾燥質量基準で合計たばこブレンドの約10パーセントの還元糖の含有量とすることができる。選択した標的値を達成するために、70パーセントのブライトたばこと30パーセントのアロマティックたばことを、たばこブレンドを形成するために選択してもよい。70パーセントのブライトたばこは等級Aのたばこ、等級Bのたばこ、および等級Cのたばこの中から選択されるが、30パーセントのアロマティックたばこは等級Dのたばこおよび等級Eのたばこから選択される。ブレンドの中に含まれる等級A、B、C、D、Eのたばこの量は、たばこブレンドに対する標的値に適合するために、等級A、B、C、D、Eのたばこの各々の化学的組成に依存する。
選択したたばこのブレンドによって与えられる味覚は、一般に酵素アスパラギナーゼをスラリーに追加することによって変更されないことが分かっている。
スラリーは、アスパラギナーゼが追加されている間に約20℃〜約60℃を含む温度を持つことが好ましい。一般に、良好な引張強さを有しかつ比較的欠陥が少ないスラリーを得るためには、同じくスラリーの粘性に関連するスラリーの温度も関連するパラメータであることが観察された。スラリーの温度の適切な範囲は、約20℃〜60℃としうる。これは一般に、アスパラギナーゼがスラリーに導入された瞬間から、アスパラギナーゼの酵素活性の最適範囲でもあることが示されてきた。
有利なことに、スラリーは、アスパラギナーゼの追加と均質化したたばこ材料の形成との間の時間間隔約2分〜約60分、例えば約5分〜約30分にわたり、約20℃〜約60℃を含む温度に維持される。酵素を活性化してアスパラギンの量を非常に低いレベルに、すなわち、その初期的な含有量の約95パーセントより低いレベルに減少させるのに必要な時間は、むしろ早くできうる。この時間間隔中、または前記時間間隔の一部にわたり、酵素がスラリーの量全体内に分布され、酵素がアスパラギン酸中のアスパラギンを変換して、スラリーの量全体中で前者から後者への加水分解を触媒しうるように、スラリーは混合されることが好ましい。一般的にタンク内に含まれるスラリーは、一般的に加熱が要求される酵素活性が発生している間、水が蒸発しないように、あるいは比較的限定的な量が蒸発するように、覆われることがより好ましい。スラリーの湿気の量は、好ましい所定の範囲内に維持されることが好ましい。スラリーには、成形前に、約60パーセント〜約80パーセントの水が含まれることが好ましい。
前記スラリーは、アスパラギナーゼを追加している間に約5〜約7を含むpHを含むことが好ましい。前記スラリーのpHは、前記アスパラギナーゼの酵素活性時にこの範囲内であることがより好ましい。アスパラギナーゼの反応は、とりわけ、スラリーのpHに依存しうる。pH調節剤は、pHを調節するためにスラリーに追加されうる。例えば、pH調節剤には、スラリーのpHレベルを上昇させるNaOHが含まれうる。当技術で周知のその他のpH調節剤も使用しうる。
有利なことに、方法はエアロゾル形成体をスラリーに添加する工程を含む。均質化したたばこ材料のためのスラリーに含むための適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、一価アルコール(メントールのような)、多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオールおよびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテートまたはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これに限定されない。例えば、本明細書による均質化したたばこ材料が加熱式エアロゾル発生物品の中でエアロゾル形成基体として使用されるよう意図されている場合、均質化したたばこ材料は、エアロゾル形成体含有量が乾燥質量基準で約5重量パーセント〜約30重量パーセントであってもよい。発熱体を有する電気的に動作するエアロゾル発生システムでの使用が意図されている均質化したたばこ材料は、均質化したたばこ材料の乾燥質量で約5パーセント〜約30パーセントのエアロゾル形成体を含むことが好ましい場合があり、均質化したたばこ材料の乾燥質量で約10パーセント〜約25パーセントであることが好ましい。発熱体を有する電気的に動作するエアロゾル発生システムでの使用が意図されている均質化したたばこ材料は、エアロゾル形成体がグリセロールであることが好ましい場合がある。こうしたエアロゾル形成体の量は、周知の均質化したたばこ材料中に存在するエアロゾル形成体の量と比較して、むしろ「高い」と考えられる。スラリー内で組み合わせられる時に可能な限り結合剤と水が離れた状態を保つために、実質的にすべての結合剤がエアロゾル形成体分子によって囲まれるように、スラリー内に存在する結合剤を有する懸濁液を作るためにこの高量のエアロゾル形成体が使用されることが好ましい。結合剤および水は、ゲルを形成しうる。
アスパラギナーゼは、その活性がエアロゾル形成体(例えば、グリセロールなど)の存在によって低減されうる。アスパラギナーゼは、グリセロールを含む緩衝溶液中に保存されうる。使用前に、グリセロールを透析して除去するかまたは希釈して、適切な酵素活性を確保することが一般に推奨される。スラリー中に「高い」量のエアロゾル形成体が存在する場合であっても、本発明の均質化したたばこ材料は、なおも本発明の利益を提供しうることが意外にも判明した。
スラリーから均質化したたばこ材料を形成する工程は、スラリーのウェブをキャスティングする工程と、キャストウェブを乾燥する工程とを含むことが好ましい。
均質化したたばこ材料のウェブは、上述のように調製されたスラリーを支持表面上でキャスティングすることを一般的に含む種類のキャスティングプロセスによって形成されることが好ましい。次に、均質化したたばこ材料のウェブを形成するためにキャストウェブを乾燥し、次に、支持表面から取り外すことが好ましい。
キャスティングにおいて前記均質化したたばこ材料ウェブの水分は、キャスティングにおける均質化したたばこ材料ウェブの総重量の約60重量パーセント〜約80重量パーセントであることが好ましい。均質化したたばこ材料を製造するための方法は、前記均質化したたばこ材料を乾燥し、前記均質化したたばこ材料を巻き取る工程を含むことが好ましい。巻き取り工程における均質化したたばこ材料ウェブの水分は、均質化したたばこ材料ウェブの乾燥質量の約7パーセント〜約15パーセントであることが好ましい。巻き取り工程における前記均質化したたばこ材料ウェブの水分は、均質化したたばこ材料ウェブの乾燥質量の約8パーセント〜約12パーセントであることが好ましい。
第三の態様によると、本発明は、セルロース繊維および水、異なるたばこタイプの粒子のブレンド、および結合剤を含む均質化したたばこ材料に関し、これらはスラリーを形成するために一緒に組み合わせられる。本発明によると、たばこ粒子は、重量当たり平均粉末サイズが約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルであり、結合剤の量がスラリーの乾燥質量で約1パーセント〜約5パーセントから成り、またたばこ粉末に添加されるセルロース繊維はスラリーの乾燥質量で約1パーセント〜約7パーセントの量であり、それらの重量当たり平均サイズは約0.2ミリメートル〜約4ミリメートルから成る。均質化したたばこ材料はさらに、アスパラギナーゼを含む。
第四の態様によると、本発明は、セルロース繊維および水、異なるたばこタイプの粒子のブレンド、および結合剤を含む均質化したたばこ材料に関し、これらはスラリーを形成するために一緒に組み合わせられる。本発明によると、たばこ粒子は、重量当たり平均粉末サイズが約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルであり、乾燥質量基準で約50パーセント〜約93パーセントから成り、またたばこ粉末に添加されるセルロース繊維はスラリーの乾燥質量で約1パーセント〜約7パーセントの量であり、それらの重量当たり平均サイズは約0.2ミリメートル〜約4ミリメートルから成る。均質化したたばこ材料はさらに、アスパラギナーゼを含む。
約1ミリメートル〜3ミリメートルから成る重量当たり平均サイズを有するセルロース繊維の割合は、前記パルプの中のセルロース繊維のサイズの標準偏差の4倍に等しいことが好ましい。繊維は、処理の前には長さの非常に広い範囲を有する天然生成物でありうる。精製する工程によって天然のものより狭い範囲のものが得られることが好ましい。本発明の方法の精製する工程に起因して、結果として得られる繊維の長さは平均に非常に近い傾向がある。これはセルロース繊維の長さの変化が比較的小さいことを意味する。平均値よりずっと長い繊維によって生じる均質化したたばこ材料の中の不均質または欠陥のリスクは最小化される場合がある。特に、長い繊維は、たばこウェブの中に延長した不均質区域をしばしば作り出すいわゆるドラッガー(dragger)をキャストたばこウェブの中に作り出す場合がある。セルロース繊維は木材セルロース繊維であることが好ましい。あるいは、セルロース繊維の供与源は、例えば、たばこ、亜麻、または大麻などの別の植物材料である。アスパラギナーゼの有利な効果は、第一の態様で既に説明した。関連する利点は上記の発明の方法と併せて既に説明され、そして単純化のために繰り返さない。
キャスティング後に、均質化したたばこ材料は、実質的に硬い材料シートであることが好ましい。このシートは次にさらに切断され、随意に1つ以上のボビンに巻き取られる。厚さなどのシートの寸法は、得られる最終製品に依存する。
第三または第四の態様のいずれかによる本発明の均質化したたばこ材料には、以下の成分が含まれる:
たばこ粉末、
結合剤、
アスパラギナーゼ、および
セルロース繊維。
随意的に、これにはエアロゾル形成体も含まれる。
有利なことに、上記にリストした1つ以上の成分は、本発明の均質化したたばこ材料に以下の重量比で含まれる。
結合剤およびセルロース繊維は、約1:7〜約5:1を含む重量比で含まれることが好ましい。結合剤およびセルロース繊維は、約1:1〜約3:1を含む重量比で含まれることがより好ましい。
結合剤およびエアロゾル形成体は、約1:30〜約1:1を含む重量比で含まれることが好ましい。結合剤およびエアロゾル形成体は、約1:20〜約1:4を含む重量比で含まれることがより好ましい。
結合剤およびたばこ粒子は、約1:100〜約1:10を含む重量比で含まれることが好ましい。結合剤およびたばこ粒子は、約1:50〜約1:15を含む重量比で含まれることがより好ましく、約1:30〜1:20がさらに好ましい。
結合剤およびアスパラギナーゼは、約50:1〜約4000:1を含む重量比で含まれることが好ましい。
エアロゾル形成体およびたばこ粒子は、約1:20〜約1:1を含む重量比で含まれることが好ましい。エアロゾル形成体およびたばこ粒子は、約1:6〜約1:2を含む重量比で含まれることがより好ましい。
エアロゾル形成体およびセルロース繊維は、約1:1〜約30:1を含む重量比で含まれることが好ましい。エアロゾル形成体およびセルロース繊維は、約5:1〜約15:1を含む重量比で含まれることがより好ましい。
エアロゾル形成体およびアスパラギナーゼは、250:1および25000:1を含む重量比で含まれることが好ましい。
セルロース繊維およびたばこ粒子は、約1:100〜約1:10を含む重量比で含まれることが好ましい。セルロース繊維およびたばこ粒子は、約1:50〜約1:20を含む重量比で含まれることがより好ましい。
セルロース繊維およびアスパラギナーゼは、約50:1〜約6000:1を含む重量比で含まれることが好ましい。
均質化したたばこ材料の成分の上述の重量比は、均質化したたばこ材料に適用されるだけでなく、スラリー中に存在する各種成分の重量比でもある。
均質化したたばこ材料のウェブは、たばこスラリーを移動金属ベルト上にキャスティングすることを一般的に含む種類のキャスティングプロセスによって形成されることが好ましい。均質化したたばこ材料のウェブを形成するためにキャストウェブを乾燥し、次に支持表面から取り外すことが好ましい。
有利なことに、前記アスパラギナーゼは、前記均質化したたばこ材料の乾燥質量基準で重量当たり約0.0012パーセント〜約0.02パーセントで含まれている。アスパラギナーゼの量は、均質化したたばこ材料中に含まれるたばこ粒子1キログラム当たり約500活性単位〜21000活性単位で含まれることがより好ましい。追加されるアスパラギナーゼの量は、アスパラギンの量に依存することが好ましく、これはさらに、均質化したたばこ材料中に存在するたばこの量に依存する。アスパラギナーゼの量はまた、アスパラギナーゼ自体の考えられる副作用およびコストを最小限に抑えるためにも選択される。
有利なことに、アスパラギナーゼは、純粋な酵素としてではなく、アスパラギナーゼおよびその他の成分の混合物としてスラリーに追加される。
アスパラギナーゼの追加により、均質化したたばこ材料は、アスパラギナーゼとアスパラギンとの間の反応によりアスパラギン酸を含む。アスパラギン酸の存在は、酵素反応を確証する。
第三および第四の態様による本発明の利点については、第一および第二の態様に関連して既に考察してきたため、ここでは繰り返さない。
第五の態様によると、本発明は上述の均質化したたばこ材料から準備されたか、本発明の方法に従い準備された構成要素を備えたエアロゾル発生物品に関連する。
エアロゾル発生装置は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品である。エアロゾル発生物品は、不燃性のエアロゾル発生物品であってもよく、または可燃性のエアロゾル発生物品であってもよい。エアロゾル発生物品は、不燃性のエアロゾル発生物品であることが好ましい。不燃性のエアロゾル発生物品は、例えば、エアロゾル形成基体を加熱することにより、または化学反応により、またはエアロゾル形成基体の機械的な刺激により、エアロゾル形成基体を燃焼することなしに揮発性化合物を放出する。燃焼性エアロゾル発生物品は、例えば、従来の紙巻たばこでの場合の通り、エアロゾル形成基体の直接的な燃焼によりエアロゾルを放出する。
エアロゾル形成基体は、エアロゾル揮発性化合物を形成することができ、またエアロゾル形成基体を加熱または燃焼することによって放出しうる揮発性化合物を放出する能力を有する。エアロゾル形成生成物品で使用される均質化したたばこ材料のために、エアロゾル形成体はキャストリーフを形成するスラリーに含まれることが好ましい。所定の特性のうちの1つ以上に基づいてエアロゾル形成体を選んでもよい。機能的には、エアロゾル形成体は、エアロゾル形成体の特定の気化温度を超えて加熱された時、エアロゾル形成体が気化してエアロゾル内のニコチンおよび/または風味剤を運ぶことができるメカニズムを提供する。
均質化したたばこ材料中のアスパラギンの含有量を減少させるアスパラギナーゼの存在は、均質化したたばこ材料を加熱して得られるエアロゾル中のアクリルアミドの量を減少させる。こうした減少は、本開示に従いアスパラギナーゼを追加することなく実現される均質化したたばこ材料については、約70パーセントを超えうる。
本発明は以下の添付図面を参照しながら、例証としてのみであるがさらに説明する。
図1は、本発明による均質化したたばこ材料を製造する方法の流れ図を示す。 図2は、図1の方法の工程のうちの1つの拡大図を示す。 図3は、図1の方法の工程を実施するため装置の概略図を示す。 図4は、図1の方法の別の工程を実施するため装置の概略図を示す。 図5は、図1の方法のさらなる工程を実施するため装置の概略図を示す。 図6は、図1の方法のさらなる工程を実施するため装置の概略図を示す。 図7は、図1の方法のさらなる工程を実施するため装置の概略図を示す。 図8は、本発明により実現した異なるサンプル、および対照サンプルにおいて、均質化したたばこ材料中に存在する乾燥質量基準でのアスパラギンの量を示す。 図9は、本発明により実現した異なるサンプル、および対照サンプルにおいて、均質化したたばこ材料中に存在する乾燥質量基準でのアンモニアの量を示す。 図10は、本発明の均質化したたばこ材料から、および本発明によってではなく得られたサンプルから準備された構成要素を含めて得られた、エアロゾル形成装置のサンプルを加熱することによって発生したエアロゾル中のアクリルアミドの量を示す。 図11は、本発明の均質化したたばこ材料から、および本発明によってではなく得られたサンプルから準備された構成要素を含めて得られた、エアロゾル形成装置のサンプルを加熱することによって発生したエアロゾル中のアセトアミドの量を示す。 図12は、本発明の均質化したたばこ材料から、および本発明によってではなく得られたサンプルから準備された構成要素を含めて得られた、エアロゾル形成装置のサンプルを加熱することによって発生したエアロゾル中のピリジンの量を示す。 図13は、本発明の均質化したたばこ材料から、および本発明によってではなく得られたサンプルから準備された構成要素を含めて得られた、エアロゾル形成装置のサンプルを加熱することによって発生したエアロゾル中のニコチン、トリアセチン、グリセリンおよびCOの量を示す。 図14は、アスパラギナーゼで処理したサンプルのアスパラギン酸含有量を計算値と測定値で示す。
最初に図1を参照すると、本発明によるスラリーの製造方法が示される。本発明の方法の第一の工程は、均質化したたばこ材料を製造するためのたばこブレンドに使用されるたばこタイプおよびたばこ等級の選択100である。本方法で使用されるたばこタイプおよびたばこ等級は、例えば、ブライトたばこ、ダークたばこ、アロマティックたばこ、およびフィラーたばこである。
均質化したたばこ材料のために使用される製造が意図されている選択されたたばこタイプおよびたばこ等級のみが、本発明の方法の以下の工程による処理を受ける。
方法は、選択したたばこを設置するさらなる工程101を含む。この工程は、例えば、製品追跡およびトレーサビリティのためにバーコードリーダーによって検証することができる等級および品質などのたばこの完全性を点検する工程を含んでもよい。たばこの葉は、収穫および乾燥処理の後、例えば、葉柄位置、品質、および色を記述する等級が与えられる。
さらに、均質化したたばこ材料の製造のためにたばこを製造施設に移送する場合には、設置する工程101は、たばこ箱を再度箱詰めする工程またはたばこ箱のケースを開ける工程も含んでもよい。次に、再度箱詰めされたたばこは、たばこを計量するために計量ステーションに供給されることが好ましい。
さらに、たばこを設置する工程101は、通常たばこ葉は移送のために移送箱内でベール梱包へと圧縮されているので、必要に応じて、ベール梱包を開く工程を含んでもよい。
以下に詳細に述べるように、各たばこタイプに対して以下の工程が実施される。その後これらの工程は等級毎に実施されてもよく、その結果1つの生産ラインのみを必要とする。あるいは、異なるたばこタイプは分離したラインで処理されてもよい。一部のたばこタイプに対する処理工程が異なる場合、これは有利でありうる。例えば、従来の主なたばこプロセスでは、ダークたばこは通常追加的なケーシングを受けるので、ブライトたばことダークたばことは少なくとも部分的に分離されたプロセスで処理される。ところが、本発明によると、均質化したたばこウェブの形成の前にブレンドされたたばこ粉末にケーシングを添加しないことが好ましい。
さらに、本発明の方法はたばこ葉を粗く粉砕する工程102を含む。
本発明の方法の変形によると、図1に図示するように、たばこを設置する工程101の後で、かつたばこを粗く粉砕する工程102の前に、さらに細断する工程103が実施される。細断する工程103では、たばこは、平均サイズが約2ミリメートル〜約100ミリメートルから成る細片へと細断される。
細断する工程103の後、細片から非たばこ材料を取り除く工程を実施することが好ましい(図1に図示せず)。
その後、細断されたたばこは、粗く粉砕する工程102に向かって搬送される。たばこ葉の細片を粗く粉砕するためのミルへのたばこの流量を制御および測定することが好ましい。
粗く粉砕する工程102では、たばこ細片は約0.25ミリメートル〜約2ミリメートルの平均粒子サイズまで減少する。この段階では、たばこ粒子はその細胞がまだ実質的に損傷されておらず、また結果として得られる粒子はこれに関連する搬送問題をもたらさない。
粗く粉砕する工程102の後、たばこ粒子は、ブレンドする工程104へ(例えば、空気輸送によって)搬送されることが好ましい。あるいは、粗く粉砕する工程102の前にブレンドする工程104を実施してもよく、または存在する場合には、細断する工程103の前にブレンドする工程を実施してもよく、あるいは細断する工程103と粗く粉砕する工程102との間にブレンドする工程を実施してもよい。
ブレンドする工程104で、たばこブレンドのために選択された異なるたばこタイプの全ての粗く粉砕されたたばこ粒子はブレンドされる。従って、ブレンドする工程104は全ての選択されたたばこタイプに対して単一の工程である。これは、ブレンドする工程の後は、全ての異なるたばこタイプに対して単一のプロセスラインのみが必要であることを意味する。
ブレンドする工程104では、粒子状の様々なたばこタイプの混合を実施することが好ましい。たばこブレンドの特徴のうちの1つ以上を測定および制御する工程を実施することが好ましい。本発明によると、望ましいブレンドが得られるようにたばこの流れを制御してもよい。例えば、図2に関連して、ブレンドは乾燥質量でブレンド内の合計たばこの少なくとも約30パーセントのブライトたばこ1を含み、またブレンド内の合計たばこの乾燥質量で少なくとも約0パーセント〜約40パーセント(例えば、約35パーセント)の割合でダークたばこ2およびアロマティックたばこ3を各々含むことが望ましい場合がある。乾燥質量でブレンド内の合計たばこの約0パーセント〜約20パーセントの割合でフィラーたばこ4も導入することがより好ましい。従って、異なるたばこタイプの流量は、これらの様々なたばこタイプの比が得られるように制御される。あるいは、使用される異なるたばこ葉に対して粗く粉砕する工程102がその後行われる場合、工程102の初めの計量する工程が、流量を制御する代わりに、たばこタイプおよび等級当たりの使用されるたばこの量を決定する。
図2では、ブレンドする工程104の間の様々なたばこタイプの導入を示す。
当然のことながら、各たばこタイプはそれ自体が下位ブレンドである可能性があり、言い換えれば、「ブライトたばこタイプ」は、例えば、バージニアたばことブラジル熱風送管乾燥処理たばことの異なる等級のブレンドである可能性がある。
ブレンドする工程104の後、約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルのたばこ粉末平均サイズまで細かく粉砕する工程105が実施される。この細かく粉砕する工程105は、たばこのサイズをスラリーの調製のために適切な粉末サイズまで減少する。この細かく粉砕する工程105の後、たばこの細胞は少なくとも部分的に破壊され、たばこ粉末が粘着性になる場合がある。
このようにして得られたたばこ粉末は、たばこスラリーを形成するためにすぐ使用することができる。あるいは、例えば、適切な容器内でのさらなるたばこ粉末の保存の工程を挿入してもよい(図示せず)。
図1による均質化したたばこ材料の形成のための、たばこをブレンドする工程104およびたばこを粉砕する工程102、105は、図3に概略的に図示されるたばこを粉砕およびブレンドするための装置200を使用して実施される。装置200は、異なるたばこタイプの蓄積、積層解除、計量、および検査が行われるたばこ受容ステーション201を含む。随意に、たばこがカートンの中に入れられて移送されている場合には、たばこを収容するカートンの取り出しが受容ステーション201で実施される。随意に、たばこ受容ステーション201は、たばこベール梱包分割ユニットも備える。
図3では、1つの種類のたばこのための生産ラインのみを示すが、ブレンドする工程が実施される時期によっては、本発明による均質化したたばこ材料ウェブで使用される各たばこタイプのために同一の設備が存在してもよい。さらにたばこは、細断する工程103のためにシュレッダー202内に導入される。シュレッダー202は、例えば、ピンシュレッダーとすることができる。シュレッダー202は、たばこ細片を解いて細片をより小さい葉片へと細断するように、全てのサイズのベール梱包を取り扱うように適合されることが好ましい。各生産ライン内の細断されたたばこは、例えば、空気輸送203によって、粗く粉砕する工程102のためにミル204へ運ばれる。搬送中に細断されたたばこの中の異物が取り除かれるように制御がなされることが好ましい。例えば、細断されたたばこの空気輸送に沿って、ストリング除去コンベアシステム、重粒子分離装置、および金属検出器が存在してもよく、添付図ではこれら全てが205で示される。
ミル204は、たばこ細片の約0.25ミリメートル〜約2ミリメートルのサイズまでの粗い粉砕に適合する。ミルのローターの速さを制御することができ、またたばこ細断片の流量に基づいて変化させることができる。
均一なマスフロー制御のためのバッファサイロ206を粗い粉砕機ミル204の後に位置させることが好ましい。さらに、ミル204は、安全のためにスパーク検出器および安全停止システム207を装備していることが好ましい。
例えば、空気輸送208によって、たばこ粒子がミル204からブレンダー210へ搬送される。ブレンダー210は、その中に適切な弁制御システムが存在するサイロを含むことが好ましい。ブレンダー内に、所定のブレンドのために選択されたたばこの全ての異なる種類の全てのたばこ粒子が導入される。ブレンダー210内でたばこ粒子は均一なブレンドへと混合される。たばこ粒子のブレンドは、ブレンダー210から細かく粉砕するステーション211へと搬送される。
細かく粉砕するステーション211は、細かいたばこ粉末を製造するための、例えば、正しい仕様、すなわち約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルのたばこ粉末に対して適切に設計された補助設備を有する衝撃分類ミルである。スラリー調製プロセスが行われる下流のスラリーバッチ混合タンクへの連続供給のためのバッファ粉末サイロ213へ細かいたばこ粉末を運ぶために、細かく粉砕するステーション211の後に、空気輸送ライン212が適合される。
図1の均質化したたばこ材料の製造のための方法は、懸濁液の調製工程106をさらに含む。懸濁液の調製工程106は、懸濁液を形成するためにエアロゾル形成体5と結合剤6とを混合する工程を含むことが好ましい。エアロゾル形成体5は、グリセロールとグアーを含む結合剤6とを含むことが好ましい。
エアロゾル形成体中の結合剤の懸濁液を形成する工程106は、エアロゾル形成体5と結合剤6とを容器内に装填して両者を混合する工程を含む。次に、結果として得られた懸濁液はスラリー内に導入されるまで保存されることが好ましい。グリセロールは2つの工程でグアーに添加されることが好ましく、第一の量のグリセロールはグアーと混合され、次に第二の量のグリセロールが移送パイプ内に注入され、これによりライン内の掃除しにくい場所を残さないように加工ラインを掃除するようにグリセロールが使用される。
本発明の工程106によるエアロゾル形成体中の結合剤の懸濁を実施するように適合されたスラリー調製ライン300を図4に図示する。
スラリー調製ライン300は、グリセロールなどのエアロゾル形成体、バルクタンク301と、エアロゾル形成体5をタンク301から移送しかつその流量を制御するように適合された質量流量制御システム303を有するパイプ移送システム302とを含む。さらに、スラリー調製ライン300は、結合剤処理ステーション304と、ステーション304において受けられた結合剤6を移送および計量するための空気輸送および供給システム305を含む。
タンク301および処理ステーション304のそれぞれからのエアロゾル形成体5および結合剤6は、混合タンク306に、または混合タンクであるだけでなく結合剤6とエアロゾル形成体5を均一に混合するように設計されたスラリー調製ライン300の一部に移送される。
均質化したたばこ材料を実現する方法は、セルロースパルプ107を調製する工程を含む。パルプを調製する工程107は、セルロース繊維7および水8を濃縮した形態で混合する工程を含むことが好ましく、随意に、そのように得られたパルプを保存して、次にスラリーを形成する前に濃縮したパルプを希釈する。セルロース繊維(例えば、ボードまたは袋の中にある)をパルパーに装填し、次に水を用いて液化する。結果として得られる水/セルロース溶液は異なる密度で保存してもよいが、工程107の結果であるパルプは「濃縮」であることが好ましい。「濃縮」は、希釈前に、パルプの中のセルロース繊維内の合計量が合計パルプ重量の約3パーセント〜5パーセントであることを意味することが好ましい。好ましいセルロース繊維は柔らかい木材繊維である。スラリー内のセルロース繊維の合計量は、スラリーの乾燥質量で約1パーセント〜約7パーセントであることが好ましく、スラリーの乾燥質量で約1.2パーセント〜約2.4パーセントであることが好ましい。
水とセルロース繊維とを混合する工程は、有利なことに約15℃〜約40℃から成る温度において、約20〜約60分間持続することが好ましい。
パルプの保存が実施される場合、保存時間は約0.1日〜約7日で変化することが好ましい場合がある。
有利なことに、水希釈は濃縮したパルプを保存する工程後に行われる。水は、セルロース繊維がパルプの総重量の約1パーセント未満である量で濃縮したパルプに添加される。例えば、約3〜約20から成る倍数の希釈を行うことができる。さらに、濃縮したパルプと添加される水の混合を含む追加的な混合工程が行われてもよい。追加的な混合工程は、約15℃〜約40℃の温度にて約120分間〜約180分間持続することが好ましく、約18℃〜約25℃の温度であることがより好ましい。
セルロース繊維、グアー、およびグリセロール用のすべてのタンクおよび移送パイプは、移送時間を低減し、廃棄物を最低限にし、二次汚染を回避し、かつ掃除を容易にするために、可能な限り最適に短く設計されていることが好ましい。さらに、セルロース繊維、グアー、およびグリセロール用の移送パイプは、素早くかつ途切れない流れを可能にするように可能な限り真っ直ぐであることが好ましい。特にエアロゾル形成体中の結合剤の懸濁液については、移送パイプ内の曲がりによって流量の低い区域または流れが停止する区域さえも生じる可能性があり、これが次に、ゲル化が生じ、これによって潜在的に移送パイプ内を閉塞させる区域となる可能性がある。前述したように、これらの閉塞は掃除の必要性、そして製造プロセス全体の停止につながる可能性がある。
パルプ調製の工程107の後、随意の繊維の解繊の工程が実施されることが好ましい(図1に図示せず)。
パルプ形成の方法工程107を実施するための装置400を図5に図示する。図5は、セルロース繊維7をボード/シートまたはけば立てた繊維などのバルク形態で取り扱うよう適合されたことが好ましい供給システム401と、パルパー402とを含む、セルロース繊維供給調製ライン400を概略的に図示する。供給システム401はセルロース繊維をパルパー402に向けるように適合され、これが次に、受け取った繊維を均一に分散させるように適合される。
パルパー402は、パルパー内の温度を所与の温度間隔内で保持する温度制御ユニット401a、および回転速度制御ユニット401bを含み、これによりパルパー402内に存在するインペラ(図示せず)を約5 rpm〜約35 rpmから成る速度に制御および保持することが好ましい。
セルロース繊維供給調製ライン400は、水8をパルパー402内に導入するように適合された水ライン404をさらに含む。パルパー402内に導入される水の流量を制御する流量コントローラ405が水ライン404内に追加されることが好ましい。
セルロース繊維供給調製ライン400は、繊維を処理および解繊するための繊維精製システム403もさらに含み、これにより長い繊維および絡まった繊維が取り除かれ均一な繊維分布が得られる。
パルプ化および精製する工程の終わりにおけるセルロース繊維の平均サイズは約0.2ミリメートル〜約4ミリメートルから成ることが好ましく、約1ミリメートル〜約3ミリメートルから成ることがより好ましい。
セルロース繊維供給調製ライン400は、繊維精製システム403の下流に、システム403から出てきた高度に一貫した繊維溶液を保存するための繊維精製システム403に接続されたセルロースバッファタンク407を備えてもよい。
セルロース繊維供給調製ライン400の終わりには、その中でパルプが希釈されるセルロース希釈タンク408が存在し、かつセルロースバッファタンク407に接続していることが好ましい。セルロース希釈タンク408は、その後のスラリー混合のために適正な一貫性のあるセルロース繊維を一回分として処理するように適合される。希釈用の水は、第二の水ライン410を経由してタンク408内に導入される。
本発明によるスラリーを形成する方法は、スラリー形成の工程108をさらに含み、この工程では、工程106で得られるエアロゾル形成体中の結合剤の懸濁液9と、工程107で得られるパルプ10と、工程104で得られるたばこ粉末ブレンド11とが一緒に組み合わせられる(図6参照)。
さらに、この工程108では、アスパラギナーゼを含むアスパラギナーゼ混合物12がスラリーに導入される。随意的に、アスパラギナーゼ導入工程の前にpH調節剤13を追加することもできる。
スラリー形成の工程108は、エアロゾル形成体中の結合剤の懸濁液9およびセルロースパルプ10のタンク内への導入の工程をまず含むことが好ましい。その後、たばこ粉末ブレンド11も同様に導入される。懸濁液9、パルプ10、およびたばこ粉末ブレンド11は、これらの各々がタンク内に導入される量を制御するために適切に投与されることが好ましい。スラリーはその成分の具体的な比率に従って調製される。随意に、水8も同様に添加される。
スラリー形成の工程108も、混合する工程を含むことが好ましく、この工程では全てのスラリー成分が一定の時間、一緒に混合される。アスパラギナーゼ混合物12および随意的にpH調節剤が第一の混合工程の後で追加されてから、第二の混合工程で混合が続行されることが好ましい。pH調節剤13がスラリーを希釈するために使用される水中に導入されてから、スラリー自体に追加されることがより好ましい。
好ましい一つの実施形態で、スラリー形成工程108はまた、アスパラギナーゼ混合物12を追加する工程の前に、スラリーを加熱して所定の温度、好ましくは約20℃〜約60℃にする工程を含む。望ましい温度に達した後で、アスパラギナーゼ混合物12を追加する工程が発生する。アスパラギナーゼ混合物が追加された後、約20℃〜60℃を含む選択した温度が約2分〜約60分にわたり保たれることが好ましい。有利なことに、この望ましい温度に保つ工程中、第二の混合工程が発生し、スラリーが連続的に混合される。スラリーが混合され、温度が望ましい値に保たれるこの工程で、アスパラギナーゼ混合物内に含まれるアスパラギナーゼの酵素活性が発生する。
好ましい一つの実施形態で、望ましいpH、例えば、約5〜約7を含むpHに到達して混合物12に含まれるアスパラギナーゼの酵素活性が最適化されるように、アスパラギナーゼ混合物12の追加の前にpH調節剤13も追加される。スラリーに追加されるアスパラギナーゼ混合物の量は、スラリーの乾燥質量基準で重量当たりのアスパラギナーゼの量が約0.0012パーセント〜約0.02パーセントとなる量であることが好ましい。
さらに、スラリー形成工程108には、スラリーが望ましい酵素活性が発生した後で冷却されるように、その後の冷却工程も含まれうるが、これは後者を阻止または最小化するためである。この冷却工程の後でスラリーが到達する温度は、約9℃〜約11℃であることが好ましい。冷却工程は、下記に説明する通り、スラリーがキャスティングの前に貯蔵される場合に発生する。
本発明によるさらなる方法の工程では、次にスラリーは、後に続くキャスティング工程109および乾燥工程110に移動される。
本発明の方法を実現するための工程108に適合されたスラリー形成のための装置500を、図6に概略的に図示する。装置500は、混合タンク501を含み、このタンクにはセルロースパルプ10およびエアロゾル形成体中の結合剤の懸濁液9が導入される。さらに、ブレンドおよび粉砕ラインからのたばこ粉末ブレンド11は細かく粉砕され、スラリーを調製するために特定の量で混合タンク501の中へと投与される。
例えば、たばこ粉末ブレンド11は、連続的な上流粉末操作の確保およびスラリー混合プロセスの要求に見合うことを確実にするために、たばこ微粉バッファ貯留サイロ内に収容されてもよい。たばこ粉末は、好ましくは空気輸送システム(図示せず)によって混合タンク501に移送される。
装置500は、好ましくは必要な量のスラリーの成分を投与するための粉末投与/計量システム(これも図示せず)をさらに含む。例えば、たばこ粉末は、精密な投与のために秤(図示せず)または計量ベルト(図示せず)によって計量されてもよい。混合タンク501は、均質なスラリーを形成するために乾燥成分および液体成分を混合するように特に設計されている。スラリー混合タンクは、混合タンク501の外部壁上で水冷却できるように水冷壁などのクーラー(図示せず)を含むことが好ましい。さらに、混合タンク内のスラリーの温度を変化させるための加熱手段(これも図示せず)も含みうる。スラリー混合タンク501は、制御およびモニターする目的で、レベルセンサー、温度プローブ、およびサンプリングポートなどの1つ以上のセンサー(図示せず)をさらに装備している。混合タンク501は、スラリーの均一な混合を確保するように適合されたインペラ502を有し、これは、タンクの外部壁からタンクの内部部分へ、またはその逆にスラリーを移送するように特に適合される。専用の制御ユニットによってインペラの速さを制御できることが好ましい。混合タンク501は、制御された流量での水8の導入のための水ラインも含む。水ライン8には、タンク501に注がれる前にpH調節剤13が追加されることが好ましい。アスパラギナーゼ混合物12は同様に混合タンクに追加される。
混合タンク501は2つの分離したタンクであって、その一つがスラリーの流れの中でもう一方の下流にあり、スラリー調製用の一つのタンクと、キャスティングステーションに連続的なスラリー供給を提供するための移送用のスラリーを有する第二のタンクと、を含むことが好ましい。
均質化したたばこウェブを製造するための本発明の方法は、キャスティングする工程109をさらに含み、この中で、工程108で調製されたスラリーは連続的なたばこウェブ中で支持体上にキャスティングされる。キャスティングする工程109は、スラリーを混合タンク501からキャスティングボックスへと移送することを含む。さらに、キャスティングボックスの中のスラリーのレベルおよびスラリーの水分をモニターする工程を含むことが好ましい。次に、キャスティングする工程109は、好ましくはキャスティングブレードによって鋼製コンベアなどの支持体上にスラリーをキャスティングすることを含む。さらに、エアロゾル形成物品内で使用するための最終的な均質化したたばこウェブを得るために、本発明の方法は、乾燥工程110を含み、この工程では、均質化したたばこ材料のキャストウェブは乾燥していることが好ましい。乾燥工程110は、キャストウェブを蒸気および加熱空気によって乾燥することを含む。キャストウェブが支持体と接触する側で蒸気を用いた乾燥工程が実施され、一方でキャストウェブの開放側で加熱空気を用いた乾燥が実施されることが好ましい。
キャスティングする工程109および乾燥工程110を実施するための装置600を、図7に概略的に図示する。キャスティングおよび乾燥する装置600は、好ましくは流量制御を有するポンプなどのスラリー移送システム601と、スラリーがポンプによって移送されるキャスティングボックス602とを含む。キャスティングボックス602は、レベル制御603と、スラリーを均質化したたばこ材料の連続ウェブへとキャスティングするためのキャスティングブレード604とを装備することが好ましい。キャスティングボックス602は、キャストウェブの密度を制御するために密度制御装置605も含んでもよい。
ステンレス鋼製のベルトコンベヤー606などの支持体は、キャスティングブレード604によってスラリーキャストを受け取る。
キャスティングおよび乾燥する装置600は、スラリーのキャストウェブを乾燥するための乾燥ステーション608も含む。乾燥ステーション608は、蒸気加熱609および上方空気乾燥610を含む。
キャスティング工程109および乾燥工程110の終わりにおいて、均質化したたばこウェブは支持体606から取り外されることが好ましい。乾燥ステーション608の後で適正な含水量にてキャストウェブのドクタリングを実施することが好ましい。
水分の標的または仕様に達するようにウェブの含水量をさらに取り除くために、キャストウェブは二次乾燥プロセスを通過することが好ましい。
乾燥工程110の後、例えば、単一のマスターボビンを形成するように、巻き取り工程111でキャストウェブを1つ以上のボビンに巻き取ることが好ましい。次に、切り込みを入れて小さいボビンを形成するプロセスによってより小さいボビンの製造を実施するために、このマスターボビンを使用してもよい。次に、エアロゾル発生物品(図示せず)の製造のためにより小さいボビンを使用してもよい。
以下の例では、使用されるアスパラギナーゼは、Novozymes U.K. Ltd.製のAcrylaway(登録商標) Lとしうる。
1.基準対照例
基準エアロゾル発生物品は、上述の工程101〜111の方法に従うが、スラリーにアスパラギナーゼ混合物12を追加せずに実現した、キャスティングして乾燥させた均質化したたばこ材料を使用して準備した。これが基準対照サンプルとして使用される。
スラリーは、工程101〜108に従い、アスパラギナーゼ混合物12を追加せず、かつ表1による組成で準備した。
DWB = 乾燥質量基準(総スラリーとする)
表1の組成を持つスラリーが常に使用され、4つの異なるタイプの対照サンプルが準備された。
a) スラリーのpHは、約pH 5.2に維持された。スラリーの温度は約28℃に維持された。次にスラリーは上述の工程109〜111に従いキャスティングされた。
b) スラリーのpHは、約pH 5.2に維持された。スラリーの温度が約55℃に上げられ、この温度が約60分にわたり維持された。次にスラリーが本発明の方法の工程109〜111に従いキャスティングされた。
c) スラリーのpHがpH調節剤(NaOH)を用いて修正され、約pH 6に引き上げられた。スラリーの温度は約55℃で約60分にわたり維持された。次にスラリーは上述の工程109〜111に従いキャスティングされた。
d) スラリーのpHがpH調節剤を用いて修正され、約pH 6.5に引き上げられた。スラリーの温度は約55℃で約60分にわたり維持された。次にスラリーは上述の工程109〜111に従いキャスティングされた。
2.プロセス対照例
スラリーの準備および組成は第一の対照例と同一であるが、スラリーに不活性アスパラギン酵素が追加された。酵素は、約2〜3mlの量のアスパラギナーゼ混合物を沸騰した水槽内に5分置くことにより不活性化されたアスパラギナーゼ混合物に含まれる。2つの異なるサンプルが準備され、これには表1によるスラリーが含まれ、不活性アスパラギナーゼ混合物が追加された。
a) スラリーのpHがpH調節剤(NaOH)を用いて修正され、約pH 6に引き上げられた。スラリーの温度は約55℃で約60分にわたり維持された。次にスラリーは上述の工程109〜111に従いキャスティングされた。
b) スラリーのpHがpH調節剤(NaOH)を用いて修正され、約pH 6.5に引き上げられた。スラリーの温度は約55℃で約60分にわたり維持された。次にスラリーは上述の工程109〜111に従いキャスティングされた。
3.本発明による均質化したたばこ材料
工程101〜108によるスラリーが表2の成分に従い形成された。
本発明の以下の実施例のスラリーにおいて、アスパラギナーゼ混合物は4%のアスパラギナーゼを含み、結果として0.0054kgのアスパラギナーゼを生む。
使用された酵素は、公表された活性3500 ASNU/gおよび密度1.17g/mlを持つ。
均質化したたばこ材料の3つの異なるサンプルが上記のアスパラギナーゼ混合物を使用して準備された。
a) スラリーは加熱されず(温度は約30℃に維持)、pHは変更されない(NaOHの追加はなく、pHは約5.3)。より詳細には、約800グラムのスラリーが工程101〜108に従い準備された。スラリーは、水槽内で約30℃に維持され、pHは修正されない。乾燥質量基準で約0.5パーセントの約850μlのアスパラギナーゼ混合物が、撹拌しながら追加される。アスパラギナーゼが追加された後、スラリーは撹拌しながら30℃で約60分にわたり維持される。スラリーは氷浴内に置かれ、反応が停止される。スラリーが工程109〜111に従いキャスティングされる。
b) 乾燥質量基準で約0.5パーセントの量のアスパラギナーゼ混合物がスラリーに追加される(総スラリー800ml)。さらに、pH調節剤も、この場合はNaOH(12.4 g)の約10パーセントの量が追加され、たばこスラリーのpHが約5.39から約6.00に引き上げられる。NaOHがスラリー準備に使用される水に追加される。これは、スラリー中に分散する前に、たばこが高濃度のNaOHと直に接することを回避することにもなる。
スラリーは水槽で約55℃に加熱され、その間スラリーは撹拌される。スラリーは、水の損失を最小限に抑えるために、加熱する間は覆われる。スラリーは、温度が約55℃に達するまで約10分にわたり放置され、その後で約850μlのアスパラギナーゼ混合物が撹拌しながら追加される。アスパラギナーゼ混合物の追加の後、スラリーは撹拌しながら約55℃で特定時間(約10時間)の間維持される。スラリーは氷浴内に置かれて反応が停止される。スラリーのpHが測定される。スラリーが工程109〜111に従いキャスティングされる。
c) 3(b)と同様であるが、スラリーはアスパラギナーゼ追加後に約55℃で30分にわたり維持される。
d) 3(b)と同様であるが、スラリーはアスパラギナーゼ追加後に約55℃で60分にわたり維持される。
e) 3(d)と同様であるが、追加されるNaOHの量は、スラリーのpHが約6.5に変化するように修正される。
すべてのサンプル、基準およびプロセスのサンプルおよび本発明によるサンプルはどちらも表3にまとめられている。
「名称」はサンプル名であり、サンプル1aは実施例1a(対照サンプル)により実現されたサンプルを意味する。「pH target」は、スラリーのための目標pHを特定する。「温度」は、アスパラギナーゼ混合物を追加する前に達した温度(単位℃)を意味し、アスパラギナーゼ混合物の追加後に「時間」(単位:分)の間維持される。
上記の表3の実施例に従い実現されたスラリーを使用して生成された均質化したたばこ材料が分析されたが、均質化したたばこ材料の全重量に占める乾燥質量基準(DWB)でのニコチン、グリセリン、アンモニア、還元糖(RS)および総アルカロイド(TA)の量についての結果を表4にリストする。
上記の表4は、均質化したたばこ材料中のニコチン、還元糖および総アルカロイド(乾燥質量基準、DWB)の量が、酵素のない、または不活性酵素を用いた、および活性酵素を用いた対照サンプルで実質的に同じ(実質的な変動がないか、または10パーセント未満の変動)であり、アスパラギナーゼの追加によって変化しないことを示す。一方で、上述の実施例3(a、b、c、d、e)によれば、活性形態のアスパラギナーゼがスラリーに追加されるとアンモニアは増加する。アンモニアは、アスパラギナーゼが不活性形態で追加されても増加しない。
アンモニアの量は、酵素学的変換L−アスパラギン+H2O→L−アスパラギン酸塩+NH3によって増加する。いくらかのアンモニアは、アスパラギナーゼの存在に関係なく、たばこ中に常に存在する。アスパラギナーゼ追加による増加は、約36パーセント〜約51パーセントである。
この反応によれば、次のように記述できる:
アスパラギン(Mol.wt=132.1g/モル)=アスパラギン酸(Mol.wt=133.11g/モル)+NH3(17.03g/モル)
1 mgアスパラギンの変換=1.01 mgアスパラギン酸+0.13 mg NH3
活性アスパラギナーゼが使用される、すべてのサンプルで形成されるアスパラギン酸(mg)およびアンモニア(mg)の量は、下の通り計算ができる。
形成されるアスパラギン酸の質量(mg)=1.01 * (アスパラギナーゼ処理したたばこプラグ中のアスパラギン−プロセス対照中のアスパラギン)のMass_mg
形成されるアンモニア(NH3)の質量(mg)=0.13 * (アスパラギナーゼ処理したたばこプラグ中のアスパラギン−プロセス対照中のアスパラギン)のMass_mg
本発明による一部の基準/プロセスおよびサンプルについて、ニコチン、グリセリン、COおよびトリアセチンの送達量についての結果が図13にまとめられている。図13は、基準サンプル1a、1b、1cのスラリー、またはプロセスサンプル2aのスラリー、および本発明3aおよび3dのサンプルのスラリーを使用してキャスティングした均質化したたばこ材料を使用して製造された構成要素を使用して製造されたエアロゾル発生物品によって形成されたエアロゾル中に存在する、ニコチン、グリセリン、COおよびトリアセチンの量を示す。表示されている量は、「cig」当たりミリグラムで表記され、すなわち単一物品当たりのミリグラムである。見て分かるとおり、異なるサンプル間で注目に値する差異はない。
図9は、実施例1a−c、2a−bおよび3a−eすべての均質化したたばこ材料についての乾燥質量基準でのアンモニア含有量を示す。活性アスパラギナーゼ酵素を含む本発明3a−3eのサンプルは高いアンモニア含有量を持つことが明らかである。
(活性)アスパラギナーゼ追加を伴う均質化したたばこ材料と伴わない均質化したたばこ材料間の主な差異は、均質化したたばこ材料中に存在するアスパラギン酸およびアスパラギンの量にもよる。結果を表5において要約する。
アスパラギンの量は本発明による本発明3a−3eで実現されたすべての実施例で減少する。アスパラギンの減少は、酵素を用いないか、または不活性酵素を用いたサンプル中に存在するアスパラギンの97パーセント以上である。アスパラギンの変化は図8に説明されており、乾燥質量基準での均質化したたばこ材料1グラム当たりのアスパラギンの量(ミリグラム)が表示されている。アスパラギンの減少の結果として、活性アスパラギナーゼを含むサンプルでのアスパラギン酸は増加している。
均質化したたばこ材料のアスパラギン含有量の6%減少が、キャストリーフの製造中に発生している。アスパラギナーゼ酵素を追加していないプロセス対照も同一の減少を示しており、スラリーの温度またはpHの変化(6/6.5)はアスパラギン利用の変化を誘発しないことを示している。類似した減少が不活性アスパラギナーゼを用いたプロセス対照で観察されている。
活性アスパラギナーゼを用いて処理したすべての均質化したたばこ材料調製品について、キャストリーフ(図8)中のたばこのアスパラギン含有量で約97パーセント〜約99パーセントの減少が観察された。約pH 6およびスラリー温度約55℃での約60分にわたる酵素処理は、最も大きな減少を示す。
キャストリーフ製造時、すなわち、本発明のスラリーを用いて生成した均質化したたばこ材料のキャスティングおよび乾燥中には、たばこのアスパラギン酸含有量の変化は発生しない。プロセス対照のキャストリーフでは、注目すべき変化は観察されない。活性アスパラギナーゼで処理した均質化したたばこ材料サンプルのアスパラギン酸含有量で、約200パーセントのアスパラギン酸の増加が観察されている(図14)。約pH 6およびスラリー温度約55℃での約60分にわたる酵素処理は、最も大きな変換をもたらす。キャストリーフのアスパラギン酸含有量の増加は、化学量論的転換L−アスパラギン+H2O <=> L−アスパラギン酸塩+NH3によって説明されうる。実際に、図14は、本発明による各種サンプル3a−3eのアスパラギン酸の測定値(各サンプルについて右側列)と、上記の化学量論的転換を使用した計算値(左側列)とを比較したものである。
本発明による均質化したたばこシートを使用した喫煙物品のプロトタイプについても、同様に準備して試験を実施した。
これらの物品では、以下の特性について試験が実施された。
アクリルアミド含有量。基準例(アスパラギナーゼなし)およびプロセス対照例(不活性アスパラギナーゼ)のアクリルアミド含有量の間で、注目すべき変化は観察されない。基準サンプルと比較して、アスパラギナーゼ処理したプロトタイプからのエアロゾルのアクリルアミド含有量で約71パーセントの減少が観察される(図10)。アスパラギナーゼ処理された製品(実施例3aおよび3dに説明)からのエアロゾル中の残留アクリルアミドは、喫煙中のペプチドからのアスパラギンの形成によって、またはスラリー中のアクリルアミドのその他の前駆物質の存在によって説明されうる。
窒素含有成分、特にアセトアミドおよびピリジン含有量。プロセス対照/アスパラギナーゼ処理されたプロトタイプからのエアロゾルのアセトアミドおよびピリジン含有量では、基準およびプロセスと比較して、注目すべき変化は観察されない(図11および12)。アスパラギン酸またはアンモニアの増加は、これらの成分の濃度には影響しない。

Claims (18)

  1. 均質化したたばこ材料を調製するための方法であって、
    約0.2ミリメートル〜約4ミリメートルから成る重量当たり平均サイズを有する繊維を得るためにセルロース繊維をパルプ化および精製する工程と、
    1つ以上のたばこタイプのたばこのブレンドを、約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルから成る重量当たり平均サイズを有するたばこ粒子へ粉砕する工程と、
    前記セルロース繊維を前記たばこ粒子および結合剤と混合して、スラリーを形成する工程と、
    前記スラリーを均質化する工程と、
    前記均質化したたばこ材料の乾燥質量基準で重量当たり約0.0012パーセント〜約0.02パーセントを含む量のアスパラギナーゼを前記スラリーに追加する工程と、
    前記スラリーから前記均質化したたばこ材料を形成する工程とを含み、
    前記均質化したたばこ材料が、乾燥質量基準で約1パーセント〜約5パーセントの前記結合剤を含む、方法。
  2. 均質化したたばこ材料を調製するための方法であって、
    約0.2ミリメートル〜約4ミリメートルから成る重量当たり平均サイズを有する繊維を得るためにセルロース繊維をパルプ化および精製する工程と、
    1つ以上のたばこタイプのたばこのブレンドを、約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルから成る重量当たり平均サイズを有するたばこ粒子へ粉砕する工程と、
    前記セルロース繊維を前記たばこ粒子および結合剤と混合して、スラリーを形成する工程と、
    前記スラリーを均質化する工程と、
    前記均質化したたばこ材料の乾燥質量基準で重量当たり約0.0012パーセント〜約0.02パーセントを含む量のアスパラギナーゼを前記スラリーに追加する工程と、
    前記スラリーから前記均質化したたばこ材料を形成する工程とを含み、
    前記均質化したたばこ材料が、乾燥質量基準で約50パーセント〜約93パーセントの前記たばこ粒子を含む、方法。
  3. 前記アスパラギナーゼが追加される間、前記スラリーが約20℃〜約60℃の温度を持つ、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記アスパラギナーゼの追加と、前記均質化したたばこ材料の形成との間の時間間隔約2分〜約60分にわたり、前記スラリーが約20℃〜約60℃の温度に維持される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記アスパラギナーゼが追加される間、前記スラリーが約5〜約7のpHを持つ、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. エアロゾル形成体が前記スラリーに追加され、また前記均質化したたばこ材料が乾燥質量基準で約5パーセント〜約30パーセントのエアロゾル形成体を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記スラリーから均質化したたばこ材料を形成する工程が、
    前記スラリーのウェブをキャスティングする工程と、
    前記キャストウェブを乾燥する工程と、を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 請求項7に記載の方法であって、
    前記スラリーのキャスティングの前に、前記スラリーを約15℃より低い温度に冷却する工程を含む、方法。
  9. 1つ以上のたばこタイプのたばこを粉砕する工程が、以下のたばこ、すなわち、
    ブライトたばこ、
    ダークたばこ、
    アロマティックたばこ、
    フィラーたばこ、のうちの1つ以上を粉砕する工程を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 請求項1に記載の方法であって、前記均質化したたばこ材料が、
    乾燥質量基準で重量当たり約50パーセント〜約93パーセントのたばこ粒子を含む、方法。
  11. 請求項2に記載の方法であって、前記均質化したたばこ材料が、
    乾燥質量基準で重量当たり約1パーセント〜約5パーセントの結合剤を含む、方法。
  12. 均質化したたばこ材料であって、
    乾燥質量基準で重量当たり約1パーセント〜約7パーセントのセルロース繊維であって、前記セルロース繊維が0.2ミリメートル〜約4ミリメートルの重量当たり平均長さを持つものと、
    約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルの重量当たり平均粒子サイズを持つたばこ粒子と、
    乾燥質量基準で重量当たり約1パーセント〜約5パーセントの結合剤と、
    乾燥質量基準で前記均質化したたばこ材料の重量当たり約0.0012パーセント〜約0.02パーセントを含む量のアスパラギナーゼと、
    水とを含む、均質化したたばこ材料。
  13. 均質化したたばこ材料であって、
    乾燥質量基準で重量当たり約1パーセント〜約7パーセントのセルロース繊維であって、前記セルロース繊維が0.2ミリメートル〜約4ミリメートルの重量当たり平均長さを持つものと、
    約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルの重量当たり平均粒子サイズを持ち、かつ乾燥質量基準で重量当たり約50パーセント〜約93パーセントの量のたばこ粒子と、
    結合剤と、
    乾燥質量基準で前記均質化したたばこ材料の重量当たり約0.0012パーセント〜約0.02パーセントを含む量のアスパラギナーゼと、
    水とを含む、均質化したたばこ材料。
  14. 乾燥質量基準で重量当たり約50パーセント〜約93パーセントのたばこ粒子か、または乾燥質量基準で重量当たり約1パーセント〜約5パーセントの前記結合剤を含む、請求項12または13に記載の均質化したたばこ材料。
  15. 乾燥質量基準で約5パーセント〜約30パーセントのエアロゾル形成体を含む、請求項12〜14のいずれか1項に記載の均質化したたばこ材料。
  16. アスパラギン酸を含む、請求項12〜15のいずれか1項に記載の均質化したたばこ材料。
  17. 固体であり、かつ好ましくはシートの形態である、請求項12〜16のいずれか1項に記載の均質化したたばこ材料。
  18. 請求項12〜17に記載の均質化したたばこ材料からか、または請求項1〜11に記載の方法により準備した構成要素を含む、エアロゾル発生物品。
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