JP2018510349A - 眼の損傷および症状に対する分析物センシング - Google Patents

眼の損傷および症状に対する分析物センシング Download PDF

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Abstract

アスコルビン酸のような分析物の検出用のバイオセンサーが提供される。バイオセンサーを含むデバイスも提供される。さらに、サンプル中のアスコルビン酸のような分析物を検出する方法、ならびに、眼病気および眼損傷のポイント・オブ・ケア診断の方法も提供される。

Description

優先権
本願は、2015年4月1日付けで出願され、出典明示して、その全体が、本明細書に含まれるとみなされる米国特許出願第62/141,487号の利益を主張する。
眼損傷および眼合併症は、救急来院、簡便医療予約 (convenient care appointments)、または初期診療評価を通じて多くのヘルスケア専門に提示されるが;正確な眼検診は、典型的に、スリットランプ生体顕微鏡のような眼科用診断器具の使用についての専門訓練および専門知識を要する。これらのデバイスについての利用可能なインストラクションが限定的であり、高コストおよび不動性による当該器具へのアクセスが制限されていることで、初期診療提供者にとって、合併的な眼の症状を適切に診断し、死傷者分類し、または管理する能力を阻害する。これは、緊急処置が必要な深刻な眼損傷の診療が眼科医院の外で行われる場合に、特に問題である。これは、眼球破裂または術後感染の疑いのある患者に発生する。
外傷患者の前眼部の完全性 (integrity)および術後患者の創傷完全性 (wound integrity)を評価する現行の方法は、ザイデルテスト (Seidel Test)の使用を要する。このテストは、高濃度のフルオレッセイン染料を眼涙液層に入れ、染料の色の変化を観察することによって行われる。色変化は眼内液と外部涙液層との直接流通を表す角膜または前強膜の創傷を通る房水の通過を示す。ザイデルテストは、主観的で標準化されておらず、このテストを行うときに用いる圧力の量や技術は病院によって異なる。外傷患者の診断の支援に用いる他のデバイスは従来のX-線、コンピューター断層撮影 (CT)、超音波 (US)、および磁気共鳴画像法 (MRI)を包含するが、眼損傷を検出する能力には限界がある。詳しくは、平面フィルムのレントゲン写真は眼に対する軟組織の損傷を検出するには有用性を有さず、CT画像は角膜に対する小さな前裂傷を可視化せず、USは前眼部破裂には禁忌である。加えて、これらの撮像デバイスのすべては高価であり、また、それらのサイズやコストから病院環境に制限される。さらに、これらのデバイスはなにひとつとして、野外での第一対応者による眼外傷の評価または戦争環境での軍事使用には利用可能ではない。
眼の損傷および病気の安価なポイント・オブ・ケア診断の技術には、組成物および方法が必要とされる。
本発明のひとつの具体例は、分析物の検出用のバイオセンサーを提供する。このバイオセンサーは、グラフェンナノプレートレット、カーボンナノチューブ、またはフラーレンの層、グラフェンナノプレートレット、カーボンナノチューブまたはフラーレンの層上の1以上のポリマーの層、前記ポリマー層上の分析物に対するリガンドの層、および少なくとも1つのセンサー電極を含む。分析物は涙液層に存在し得る。少なくとも1つのセンサー電極は、1以上のポリマーの層と分析物に対するリガンドの層との間にあり得る分析物はアスコルビン酸であり得、分析物に対するリガンドはアスコルビン酸オキシダーゼであり得る。アスコルビン酸オキシダーゼは、約3から約100 U/cm2までの濃度にて存在し得る。バイオセンサーは、基材をさらに含み得る。基材は、ろ紙、アクリルアミド、セルロース、ニトロセルロース、ガラス、シリコンウエハー、酸化インジウムスズ、マイカ、ポリスチレン、またはポリフッ化ビニリデン (PVDF)フィルター、グラスファイバーフィルター、繊維ガラス、ポリエチルイミンコートグラスファイバーフィルター、多孔質マイラー、透明多孔性フィルム、硝酸セルロール (CN)膜、混合セルロースエステル膜、酢酸セルロース膜、ポリエーテルスルホン (PES)膜、PTFE膜、ポリ(塩化ビニル) (PVC)、カルボキシル化ポリ(塩化ビニル) (CPVC)、ポリスチレン、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリプロピレン、ポリメタクリレート、ポリエチレン、ポリエチレンオキシド、ポリシリケート、ポリカーボネート、テフロン(登録商標)、フルオロカーボン、ナイロン、シリコンゴム、ポリ無水物、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリオルトエステル、ポリプロピルフマレート、コラーゲン、グリコサミノグリカン、およびポリアミノ酸の限外ろ過膜の1以上から選択され得る。1以上のポリマーは、ポリ(スチレン)-block-ポリ(アミノ酸) (PS-b-PAA)であり得る。バイオセンサーは、流体チャンバーおよび/またはカバーを含み得る。
本発明のもうひとつの具体例は、本発明のバイオセンサーを含むデバイスおよびデータ収集システムに接続されたディテクターを提供する。ディテクターは、マルチメーターであり得る。データ収集システムは、コンピューター、携帯用デバイス、携帯電話、およびタブレットからなる群から選択され得る。デバイスは、サンプルに存在する分析物の量を可視化することを許容するスクリーンをさらに含み得る。
本発明のなおもうひとつの具体例はサンプル中の分析物を検出する方法を提供し、本発明のバイオセンサーにサンプルを接触させ、ディテクターで分析物を検出することを含む。ディテクターは、サンプル中の分析物と分析物リガンドとの結合または相互作用により生じた電気抵抗の変化により;バイオセンサー上の質量変化により;比色変化により;蛍光反応により;ラマン分光分析表示の変化により;フーリエ変換赤外分光分析表示の変化により;質量分析法表示の変化により;または、電気化学変化により、分析物と分析物リガンドとの結合または相互作用を検出する。
本発明のなおさらなるもうひとつの具体例は、サンプル中の分析物を検出する方法を提供する。この方法は、サンプルを本発明のバイオセンサーに接触させ、電気抵抗の変化を測定するディテクターおよび抵抗の変化を可視化するスクリーンを含むデバイスの中または上にバイオセンサーを挿入し、これによって、サンプル中の分析物を検出することを含む。サンプル中の分析物の量を検出し得る。前記サンプルは、涙、涙液層、涙液層の水性層、房水、汗、血液、血清、血漿、尿、唾液、または他の体液であり得る。
本発明のもうひとつの具体例は、眼症状を診断する方法を提供する。この方法は、本発明のバイオセンサーを対象の涙、涙液層、涙液層の水性層、または房水のサンプルに接触させ、サンプル中の分析物の量を検出し、サンプル中の分析物の濃度が対照サンプルまたは対照標準と比較して上昇していることで前記対象の眼症状を診断することを含む。眼症状は、機械的もしくは化学的な眼損傷、前強膜損傷、角膜創傷完全性、房水漏出、眼潰瘍、感染、または外科的切開から選択し得る。
本発明のそのうえもうひとつの具体例は、対象における眼症状を診断する方法を提供する。この方法は、対象からの涙液層サンプル中のアスコルビン酸の量を検出し、アスコルビン酸の量が対照標準または対照サンプルと比較して上昇していることで対象における眼症状を診断する。分析物はアスコルビン酸であり得る。
上記以外の特徴、目的および利点は、下記の詳細な説明を考慮するとより容易に明白になる。当該詳細な説明は以下の図面を参照する。
GRP-ポリマーコンポジットの組成物および表面コートろ紙。(a) ポリスチレン-b-ポリアクリル酸 (PS-b-PAA);(b) グラフェンプレートレット(GRP);(c) GRP-ポリマーコートろ紙および;(d) アスコルビン酸オキシダーゼ充填GRP-ポリマーコートろ紙;(e) アスコルビン酸結合バイオセンサー GRP-ポリマーコンポジットの組成物および表面コートろ紙。(f) アスコルビン酸オキシダーゼを含浸させていないろ紙上のグラフェンプレートレット;(g) アスコルビン酸オキシダーゼを含浸させたろ紙上のグラフェンプレートレット;(h) バイオセンサーとの電極コネクションの配置。 バイオセンサーの概略図およびアスコルビン酸オキシダーゼコーティングなしの様々な構成要素を示す走査型顕微鏡 (SEM)画像。 バイオセンサーの概略図および充填アスコルビン酸オキシダーゼありの様々な構成要素を示すSEM画像。 (a) グラフェンプレートレットの濃度が低いときのシナリオ (Type-I)。(b) グラフェンプレートレットの濃度が高いときのシナリオ (Type-II)。 グラフェンプレートレットおよびポリマー層ありグラフェンプレートレットを示すラマンスペクトル。 ポリマー層ありグラフェンプレートレットおよび次なるアスコルビン酸オキシダーゼ層を示すラマンスペクトル。 ポリマー層ありグラフェンプレートレットおよびアスコルビン酸ありまたはなしのアスコルビン酸オキシダーゼ層を示すラマンスペクトル。 層のスタッキングの指標としての2Dバンドスプリット (a)、および(b) グラフェン上の層数にしたがって増大するGバンドの低波数側位置シフトを示すラマンスペクトル。 濃度依存性抵抗測定を示すType-Iバイオセンサーの予備試験 (a-c);アスコルビン酸を測定するためのキャリブレーションカーブ (d)。 標準アスコルビン酸溶液(黒塗り四角)とともにプロットした臨床サンプルの結果。 バイオセンサーデバイスの概略および作動原理。(A) バイオセンサーおよびサンプル処理の概略図。挿入図はLCDスクリーンおよびバイオセンサーと一緒の3Dプリントカセットの画像を示す。(B) バイオセンサーデバイスはポリマー、およびアスコルビン酸オキシダーゼ酵素と混合したグラフェンプレートレットの層間に配置された嵌合櫛歯型金電極を含み得る。バイオセンサーは、ポリエステル流体チャンバーおよびカバーでラミネートされている。全体構造はろ紙上に支持されている。(C) ろ紙上に作製されたバイオセンサーの光学画像および対応するSEM画像が(D)に示される。(E) バイオセンサーの表面抵抗を測定するために用いられた回路図。TEMを用いたバイオセンサーストリップの表面キャラクタリゼーション。 バイオセンサーデバイスの概略および作動原理。代表的なTEMは、(F) 高度コーティングおよび(G) 低度コーティングバイオセンサーストリップにおける変化を示す。(H-K) それぞれ、元素 (H) 金;(I) 炭素;(J) 窒素および(K) 酸素に対するバイオセンサーチップの元素マップのSEM/EDX分析。AFM分析は、(L) 紙製バイオセンサー上のポリマーコートファイバーおよび(M) バイオセンサーストリップを横断するプレートレット高さプロファイルを示す。 バイオセンサーをコートする酵素に対するアスコルビン酸 (AA)の結合親和性および選択性の理論計算的および実験的研究。(A) AAの1AOZとのドッキングポーズ。(B) シアル酸の1AOZとのドッキングポーズ。(C) AAおよびシアル酸ドッキングポーズを重ねたMolcad表面図。(D) アスコルビン酸オキシダーゼに結合したAAを示す画像。 バイオセンサーをコートする酵素に対するアスコルビン酸 (AA)の結合親和性および選択性の理論計算的および実験的研究。アスコルビン酸に対するアスコルビン酸オキシダーゼの選択性。種々の濃度 (50-1000 μM)の(E) L-アスコルビン酸; (F) L-乳酸および(G) シアル酸での相互作用研究。(H) 1000 μMでの相互作用の比較は、吸収(x)のλmaxおよび吸収極大(y)に変化のあるL-アスコルビン酸オキシダーゼとL-アスコルビン酸との相互作用を示すだけで、一方、L-乳酸とシアル酸との相互作用は顕著な相互作用を示さなかった。 バイオセンサーの多層集合および酵素作用の化学を理解するためのラマン分光分析を用いた表面キャラクタリゼーション研究。(A) グラフェンプレートレット (GP)上にポリマー (P)層ありなしのラマンスペクトルの比較。(B) ポリマーコートグラフェンプレートレット(GP + P)上にアスコルビン酸オキシダーゼ酵素 (AO)層ありなしのラマンスペクトルの比較。(C) 酵素層ありポリマーコートグラフェンプレートレット(GP + P + AO)上にアスコルビン酸 (AA)ありなしのラマンスペクトルの比較。(D) GP + P + AO層のラマンスペクトルに対するAA濃度の影響。 バイオセンサーの多層集合および酵素作用の化学を理解するためのラマン分光分析を用いた表面キャラクタリゼーション研究。(E) ポリマーありグラフェンプレートレットをコーティングした後のグラフェンの2D-バンドのスプリッティングを示す結果。(F) ポリマーありグラフェンプレートレットをコーティングした後低エネルギー(波数)側にシフトしたグラフェンのG-バンド。(G)ポリマー層なしで得られたデータへの単一ローレンツ曲線フィットおよび(H) ポリマー層ありのグラフェンプレートレットから得られたピークにフィットする2つのローレンツ曲線を示す結果。(I) アスコルビン酸オキシダーゼによりデヒドロアスコルビン酸を生成するアスコルビン酸分解の化学。 アスコルビン酸 (AA)を測定する比色分析法と比較した本発明のバイオセンサーの性能。(A) 濃度依存性抵抗測定を示す、バイオセンサーから得られた典型的な結果。(B) バイオセンサーで臨床サンプルから得られた典型的な抵抗測定。ここで、4つの異なる臨床サンプル(CS#1-4でラベル付けした)が示され、それらは、4種の紙ベースのバイオセンサーで測定された。(C) 眼の房水から得られた臨床サンプル(n = 12)を用いた、本発明のバイオセンサーと比色分析法と比較を示すボックスプロット。 アスコルビン酸 (AA)を測定する比色分析法と比較した本発明のバイオセンサーの性能。(D) バイオセンサーの線形性を示す標準AA溶液を用いたバイオセンサーのキャリブレーションカーブ。(E) 臨床サンプル (n = 12)を用いたバイオセンサーと比色分析法との比較。破線は、95%信頼区間 (CI)の上限および下限を表す。実線は、データとy切片で0に対する線形フィットを表す。(F) 2つの方法を比較した結果のブランド-アルトマンププロットである。破線は、許容水準 (the level of agreement)に対する95%信頼区間の上限および下限を表す。下側実曲線はバイアスを表し、上側実線(0にて)は均等線 (the line of equality)である。(G) 95% CI曲線と共のROC曲線がバイオセンサーにつき提供される。 臨床サンプルのLCクロマトグラムおよびHR-MS分析。(A) AA標準および代表的臨床サンプル (CS# 1, 8, 11, 12)についてのLC/MS/MS多重反応モニタリング (MRM)分析。(B) AA標準および臨床サンプルの対応する高分解能質量分光分析 (HR-MS)データ。特徴的なAAフラグメントが、m/zで175.024(矢印で示す)にて取得される。同じピークがすべての臨床サンプル(矢印で示す)でも観測され、サンプル中のAAの存在が確認された。 GRP-ポリマーコンポジットおよび表面コートろ紙の化学を示す。(A) PS-b-PAA-グラフェンプレートレットコンポジット;(B) 嵌合櫛歯型金電極 GRP-ポリマーコンポジットおよび表面コートろ紙の化学を示す。(C) アスコルビン酸オキシダーゼ (AO)充填GRP-ポリマーコートろ紙; (D) アスコルビン酸結合AO。 (A) ポリマー、アスコルビン酸オキシダーゼ層のスタッキングおよび次なるアスコルビン酸との相互作用の、グラフェンのGバンド(ポジションおよびライン幅、FWHM)、およびグラフェンのDとG-バンドとの強度比に対する効果。(B) グラフェン層数の減少によるG-バンドエネルギーの増大を示す結果。G-バンド周波数は下式:
[式中、nはグラフェン層数である。]
にフィットし得る。(C) ポリマー、アスコルビン酸オキシダーゼ層のスタッキングおよび次なるアスコルビン酸との相互作用の、グラフェンのD、2D、およびG-バンドのライン幅に対する効果。
本発明は、様々な修飾および代替形態の影響を受けやすいが、それらの代表的具体例は、図面の例で示され、ここに詳細に説明される。しかしながら、代表的具体例の説明は、本発明を開示された特定の形態に限定する意図はなく、その反対に、その意図は、上記の具体例および添付の特許請求の範囲に規定される本発明の精神および範囲に収まる全ての修飾、等価物および代替物を包含することである。それゆえ、本発明の範囲の解釈には、上記具体例および添付の特許請求の範囲を参照すべきである。
現在、涙液層中のアスコルビン酸 (AA)のような分析物を直接測定するFDA-承認ポイント・オブ・サービス (POS)テストは存在しない。AA検出の他の方法は、HPLC、電気化学、比色、吸収、および蛍光測定を包含するが、それらはすべて、凝った計装の必要性の深刻な限界、低濃度検出の限界、および高価なサンプル調製を有する。アスコルビン酸が眼症状のバイオマーカーとして同定されたのはこれが初めてである。
本発明は、例えば、前強膜または角膜の創傷完全性の代用バイオマーカーとして、眼涙液層その他の体液内のアスコルビン酸 (AA)のような分析物の試験に対する客観的な信頼あるプラットホームを提供する組成物および方法を提供し、前記デバイスは、ザイデルテストが提供できない客観的測定を提供するので、主観的ザイデルテストを置き換え、ザイデルテスト以上の情報を与え得る。このバイオセンサーは、スリットランプに患者を座らせる必要のないポイント・オブ・ケアデバイスにおいても実行できる。ザイデルが提供する唯一の情報は涙液層の主観的評価である。本発明のバイオセンサーは、敗血症または感染についての涙液層中の分析物およびバイオマーカーの検出を包含する涙液層組成物についての客観的情報を提供する種の最初のものである。この方法は、眼液に見出されるAA濃度における約20倍の差異を利用する。房水が約1049+/-433マイクロモル/Lの平均AA濃度を有する一方、眼涙液層は、たった約23+/-9.6マイクロモル/Lの平均AA濃度しか有さない。濃度におけるこの基本的な差異および房水は前眼房で常に生産されているという事実でもって、前眼球の完全性が裂傷で妨げられたとき、常に流れる房水内部からより高い濃度のAAが涙液層に放出され、定量し得る涙液層内のAA量の上昇を引き起こす。涙液層AA濃度は、本発明の組成物によって検出し測定し得る。AAは、今まで、眼症状についてのバイオマーカーとして示唆されていない。
本発明の組成物を用いて得た結果の有効性は、標準比色結合酵素反応アッセイにより得られたAA濃度と質量分光分析ベースの分析方法との強い相関性によって示される。前記組成物は、小サンプルサイズ(約0.5, 1.0, 2, 5, 10または15 μL)のサンプルを用いて、即座(5, 4, 3, 2分以内)に、正確なAA濃度を与え、使い捨てバイオセンサーストリップを有するバッテリー駆動携帯ユニットを用いるこの技術で、研究品質のデータを実現し得ることを示唆する。
ひとつの具体例において、本発明の組成物および方法は、涙液層AAの濃度を定量的に測定するために、酵素−グラフェン修飾メッキ電極によるナノテクノロジーの使用を要件とする。現在の医療オプション(current care options)から離れたところにそれを設置する本発明のバイオセンサーの重要な特徴は、例えば、電子スクリーンに対する分析物濃度のレベルの報告であり、結果を、読み取りが簡単に、非眼科医による使用を適切にすることである。
本発明のある種のバイオセンサーデバイスによって与えられる測定は(例えば、抵抗測定)は、アッセイ要求と競争するように、さらなるサンプリングまたは分析のために当該サンプルを実験室に送る必要なく、即時結果がいる臨床現場において実行し得る。バイオセンサーの特徴は、AAのような分析物は、収集後急速に劣化してしまうという事実のため、臨床使用を可能とする。以前の研究で、L-アスコルビン酸溶液は、AAの酸化のため、酵素の存在下、より長い期間の貯蔵の間に劣化した。2個の電子および2個のプロトンの消失を伴い、一方、酸化生成物デヒドロアスコルビン酸 (C6H6O6)は、水溶液中で比較的不安定である。それは水と反応して2,3-ジケトグロン酸を生成するからである。酸化の速度は、酸素の濃度、温度、酵素もしくは遷移金属触媒または塩基性pH度合いに依存する。本発明の組成物が涙液層をテストする能力は、即座に、酸化で発生する問題を回避し、テストの正確性を増大する。本開示は、ポイント・オブ・ケアバイオセンサーデバイスの例を提示し、それは、ヒト涙液層のようなサンプル中のアスコルビン酸レベルのような分析物を正確かつ定量的に測定することができる。アスコルビン酸のような分析物の測定は、角膜完全性の安定性についての重要なバイオマーカーであり得る。さらなる利点は、使い捨てバイオセンサーストリップを利用し得る携帯用、バッテリー電源デバイスの使用の容易さである。本発明のデバイスおよび方法は、臨床診断を補足し、第一対応者に価値ある情報および損傷の程度について定量的、客観的測定を提供する。
バイオセンサー
本発明の組成物は、アスコルビン酸のような分析物の検出析物についてのバイオセンサーを包含する。このバイオセンサーは、グラフェンナノプレートレット、フラーレン (C60など)、または炭素ナノチューブの層、前記グラフェンナノプレートレット、フラーレン、またはカーボンナノチューブの層の最上部の上の1以上のポリマーの層、前記ポリマーの層の最上部の上の(アスコルビン酸に対するリガンドのような)分析物リガンドの層;および少なくとも1つのセンサー電極を含む。前記少なくとも1つのセンサー電極は、前記1以上のポリマー層と前記分析物リガンド層との間にあり得る。本発明のバイオセンサーは、さらに、基材を含み得る。
前記グラフェンナノプレートレット、バックミンスターフラーレンのようなフラーレン、または炭素ナノチューブの層は上面および下面を有し得る。1以上のポリマーの層は、下面および上面を有し得る。分析物に対するリガンドの層は上面および下面を有し得る。センサー電極および基材は、各々、上面および下面を有し得る。バイオセンサーは、グラフェンナノプレートレット、フラーレン、またはカーボンナノチューブの層を有し得る。1以上のポリマーの層の下面は、グラフェンナノプレートレット、フラーレン、またはカーボンナノチューブの上面に被着し得る。分析物リガンド層の下面は、ポリマー層の上面に被着し得る。1以上の電極の下面はポリマー層の上面に存在し得る。1以上の電極の上面は分析物リガンド層の下面と接触し得る。グラフェンナノプレートレット、フラーレン、またはカーボンナノチューブ層の下面は、基材の上面と接触し、支持され得る。
前記層のいずれも連続的である必要はない。すなわち、層は、それが載る層を完全に被覆する必要はない。層は、100%、90%、80%、70%、60%、50%またはそれ以下の連続性であり得る。例えば、層は、それが載る層または基材の約50%、60%、70%、80%、90%、または100%を被覆するか、または、コートする。
本発明のバイオセンサーは使い捨てであり得る。本発明のひとつの具体例において、バイオセンサーは、室温(約20から22℃)、外気温(約0から49℃)、冷蔵温度(約1から5℃)、または冷凍温度(約0から-70℃)にて、約1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、1週間、2週間、3週間、4週間、2月間、3月間、6月間、1年間、2年間またはそれ以上の間、安定である。個々のバイオセンサーの各々は、1回の使用後に使い捨てができるか、または、分析物を取り除いて再使用できる。
グラフェンナノプレートレット、フラーレン、およびカーボンナノチューブ
グラフェンナノプレートレットは、約4, 5, 6, 7, 8, 9, 10ナノメーターまたはそれ以上、50ミクロンまでの平均厚を有し得る。グラフェンナノプレートレットは、カーボンナノチューブの壁に見られるものと同じであるが、平面状のプレートレット形状グラフェンシートの短い積み重ねで構成される。水素結合または共有結合をする能力が、プレートレットの端の部位に機能化によって付加され得る。バリア特性および向上した機械特性(剛性、強度および表面硬度)のような促進された特性が、独特のサイズおよびモルホロジーのため、グラフェンナノプレートレットで達成される。グラフェンナノプレートレットは、約0.03から約0.1 g/ccのかさ密度、約99.5重量%の酸素含量および約98重量%の残留酸含量を有し得る。
グラフェンナノプレートレットバイオセンサー層は、約0.1, 0.5, 1, 1.5, 2, 3, 4, 5 nmまたはそれ以上の厚(あるいは、約0.1と5 nm厚の間のいかなる範囲)であり得る。
フラーレンはバイオセンサーの層として使用し得る。バックミンスターフラーレン (C60)は、60頂点および32面(20六角形および12五角形、いずれの五角形も頂点を共有しない。)で、各多角形の頂点に炭素原子および各多角形の辺に沿って結合の切頭二十面体構造を有する。C60分子は、極度に安定であり、高温および高圧に耐えられる。その構造の露出した表面は他の種と選択的に反応するが、球体幾何学を維持する。原子および小分子は、反応することなくその分子内に捕らえられる。他のラーレンは、例えば、C20, C72, C76, C78, C80, C84, C100および炭素ナノバッドを包含する。
フラーレンバイオセンサー層は、約0.01, 0.1, 0.5, 1.0, 5.0, 10.0 nm厚(あるいは、約0.01 nmと10.0 nmの間のいかなる範囲)であり得る。
カーボンナノチューブはバイオセンサーの層として使用し得る。カーボンナノチューブは、継ぎ目なしの筒状中空ファイバーであり、直径が約0.7から約50ナノメーターで、長さがおおよそ10数ミクロンの範囲の純粋なグラファイトのシート(炭素の六方格子)で構成される。カーボンナノチューブは、132,000,000:1までの長対直径比を有し得る。カーボンナノチューブは、単壁ナノチューブまたは複壁ナノチューブであり得る。
カーボンナノチューブバイオセンサー層は、約0.01, 0.1, 0.5, 1.0, 5.0, 10.0 nm厚(あるいは、約0.01 nmと10.0 nmの間のいかなる範囲)であり得る。
ポリマー
本発明のバイオセンサーに使用するためのポリマーは、グラフェンプレートレット、フラーレン、またはカーボンナノチューブとポリマーとの間の非共有π-πスタッキング相互作用を最適化するように選択されるべきである。六方格子は、例えば、両親媒性ブロックコポリマーを包含し得る。本発明のひとつの具体例において、本発明のポリマーは、芳香族疎水性ポリマーブロックを含む。
両親媒性ブロックコポリマーは、少なくとも1つの芳香族性を持つ疎水性ポリマーのブロックを含み得る。両親媒性ジブロックコポリマーのこれらの疎水性芳香族ブロックは、ポリスチレン、ポリキノリン、ポリナフタレン、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリキシレン、ポリトルエン、ポリジフェニルメタン、ポリプロピルベンゼン、ポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリフェニレン、ポリピレン、ポリアズレン、ポリアセチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテルポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート、ポリ(フタラジノンエーテルスルホンケトン)、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、およびポリアミド-イミドなどを含み得る。
両親媒性ブロックコポリマーは、2個、3個、4個、5個またはそれ以上のブロックを含むことができる。例えば、両親媒性ブロックコポリマーは、一般式A-B、B-A、A-B-A、B-A-B、A-B-A-B-A、またはB-A-B-A-Bのものであってよく、式中、Aは親水性ブロックを表し、Bは疎水性ブロックを表す。両親媒性ブロックコポリマーは、線状形、または分岐、高分岐、デンドリマー、グラフト、もしくは星状形(例えば、A(B)n、(AB)n、AnBm星状ブロック等)であり得、両親媒性ブロックコポリマーは、末端に親水性ブロックを含み得る。両親媒性ブロックコポリマーのブロックは、可変長であり得る。両親媒性ブロックコポリマーのブロックは、約2から約800繰返単位、約5から約200、約5から約150、または約5から約100繰返単位を含み得る。
両親媒性ブロックコポリマーのブロックは、単一繰返単位を含み得る。あるいは、当該ブロックは、異なる親水性または疎水性単位の組合せを含み得る。
両親媒性ブロックコポリマーの例は、制限なく:ポリ(2-オキサゾリン)両親媒性ブロックコポリマー、ポリエチレングリコール-ポリ乳酸 (PEG-PLA)、PEG-PLA-PEG、ポリエチレングリコール-ポリ(乳酸-co-グリコール酸) (PEG-PLGA)、ポリエチレングリコール-ポリカプロラクトン (PEG-PCL)、ポリエチレングリコール-ポリアスパルテート (PEG-PAsp)、ポリエチレングリコール-ポリ(グルタミン酸) (PEG-PGlu)、ポリエチレングリコール-ポリ(アクリル酸) (PEG-FAA)、ポリエチレングリコール-ポリ(メタクリル酸) (PEG-PMA)、ポリエチレングリコール-ポリ(エチレンイミン) (PEG-PEI)、ポリエチレングリコール-ポリ(L-リシン) (PEG-PLys)、ポリエチレングリコール-ポリ(2-(N,N-ジメチルアミノ)エチルメタクリレート) (PEG-PDMAEMA)、ポリエチレングリコール-キトサン、およびそれらの誘導体を包含する。他の生体適合両親媒性化合物の例は、リン脂質およびPEG化リン脂質を包含する。
親水性ブロックの例は、制限なく、ポリエーテルグリコール、デキストラン、ゼラチン、アルブミン、ポリ(エチレンオキシド)、メトキシ-ポリ(エチレングリコール)、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマー、ポリサッカリド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルトリアゾール、ポリビニルピリジンのN-オキシド、N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド (HPMA)、ポリオルトエステル、ポリグリセロール、ポリアクリルアミド、ポリオキサゾリン(例えば、メチルまたはエチルポリ(2-オキサゾリン))、ポリアクロイルモルホリン、ならびに、それらのコポリマーまたは誘導体を包含する。疎水性ブロックの例は、制限はなく、ポリアンヒドリド、ポリエステル、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(乳酸)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)、ポリ(乳酸-co-グリコリド)、ポリアスパラギン酸、ポリオキサゾリン(例えば、ブチル、プロピル、ペンチル、ノニル、またはフェニルポリ(2-オキサゾリン))、ポリグルタミン酸、ポリカプロラクトン、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(1,2-ブチレンオキシド)、ポリ(n-ブチレンオキシド)、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(テトラヒドロフラン)、エチルセルロース、ポリジピロール/ジカルバゾール、デンプン、および/またはポリ(スチレン)を包含する。
両親媒性ブロックコポリマーの親水性ブロックは、ポリ(エチレンオキシド)(すなわち、ポリエチレングリコール)、ポリ(アクリル酸)を含み得る。両親媒性ブロックコポリマーの疎水性ブロックは、ポリアンヒドリド、ポリエステル、ポリ(乳酸)、ポリカプロラクトン、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(1,2-ブチレンオキシド)、ポリ(n-ブチレンオキシド)、ポリ(テトラヒドロフラン)、および/またはポリ(スチレン)を含み得る。
両親媒性ブロックコポリマーは、少なくとも1つのポリ(オキシエチレン)のブロックおよび少なくとも1つのポリ(オキシプロピレン)のブロックを含み得る。両親媒性ブロックコポリマーは、ポリ(オキシエチレン)-ポリ(オキシプロピレン)-ポリ(オキシエチレン)のトリブロックである。
少なくとも1つのポリ(オキシエチレン)のブロックおよび少なくとも1つのポリ(オキシプロピレン)のブロックを含むポリマーは、リポロキサマー、PLURONICTM、ポロキサマー、およびシンペロニクス (synperonics)を包含する。ポロキサマーの例は、制限なく、例えば、L31, L35, F38, L42, L43, L44, L61, L62, L63, L64, P65, F68, L72, P75, F77, L81, P84, P85, F87, F88, L92, F98, L101, P103, P104, P105, F108, L121, L122, L123, F127, 10R5, 10R8, 12R3, 17R1, 17R2, 17R4, 17R8, 22R4, 25R1, 25R2, 25R4, 25R5, 25R8, 31R1, 31R2, および31R4を包含するPLURONICTMポリマーを包含する。
本発明のポリマーは、例えば、例示として、ポリ(スチレン-block-メチルメタクリレート)、ポリ(スチレン)-block-ポリ(アクリル酸)、ポリスチレン-block-ポリ(tert-ブチルアクリレート)、ポリ(スチレン)-block-ポリ(エチレングリコール)、ポリ(スチレン-B-アクリルアミド)、ポリ(スチレン-B-アクリル酸)、ポリ(スチレン-B-セシウムアクリレート)、ポリ(スチレン-B-エチレンオキシド)、ポリ(スチレン-B-メタクリル酸)、ポリ(4-スチレンスルホン酸-B-エチレンオキシド)、ポリ(スチレンスルホン酸-B-メチルブチレン)、ポリ(スチレン-B-N,N-ジメチルアクリルアミド)、ポリ(スチレン-B-N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(スチレン-B-N-メチル2-ビニルピリジニウムヨーダイド)、ポリ(スチレン-b-N-メチル-4-ビニルピリジニウムヨーダイド)、ポリ(スチレン-b-プロピルアクリル酸)、ポリ(スチレン-b-アクリル酸ナトリウム)、ポリ(スチレン-b-メタクリル酸ナトリウム)、ポリ(p-クロロメチルスチレン-b-アクリルアミド)、ポリ(スチレン-co-p-クロロメチルスチレン-b-アクリルアミド)、ポリ(スチレン-co-p-クロロメチルスチレン-b-アクリル酸)、ポリ(スチレン-b-メチルブチレン-co-イソプレンスルホネート)を包含する、ポリスチレンジブロックコポリマーを包含し得る。
デバイスのポリマーは、ポリ(スチレン)-block-ポリ(アミノ酸) (PS-b-PAA)のような1以上の両親媒性ブロックコポリマーであり得る。
本発明のポリマーバイオセンサー層は、約0.1, 0.5, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10 nmまたはそれ以上の厚(あるいは、約0.1と10 nmの間のいかなる範囲)であり得る。
分析物
本発明のバイオセンサーは、サンプル中の酵素、抗体、タンパク質、ペプチド、および核酸のような分析物を検出するのに使用し得る。分析物は、例えば、アスコルビン酸、デヒドロアスコルビン酸、グルコース、ラクテート、尿酸、シアル酸、乳酸、インターロイキン、TNF-α、小分子、イムノグロブリン(例えば、IgM, IgG, sIgA)、リゾチーム、ビカーボネート、グルコース、ラクトフェリン、リポカリン、および電解質 (Na+, K+, Cl-, HCO-, Mg2+, Ca2+)、脂質(マイボーム腺)、ディフェンシン、コレクチン、コルチゾールおよびデヒドロエピアンドロステロン (DHEA)、セロトニン、サイトカインン、炎症性メディエーター、成長因子、白血球、抗原、シグナリング分子、補体成分、リモデリング酵素、リポカリン、ムチン(上皮膜アンカー型、可溶性杯状細胞型)、またはアルブミン、b-FGFであり得る。
ひとつの具体例において、分析物は、涙、涙液層、涙液層の水性層、房水、汗、血液、血清、血漿、尿、唾液、またはその他の体液のような生物学的サンプル中に存在する。
分析物は、涙液層または房水に存在し得る。ひとつの具体例において、分析物は、房水および涙液層どちらにも存在するが、正常な非病気または非損傷対象において、房水中に、涙液層中よりも高い濃度にて存在する。もうひとつの具体例において、分析物は、正常な、非病気、非負傷対象において、房水に存在するが、涙液層に存在しない。眼症状が存在するとき、分析物の量は、房水から涙液層への漏出または移動のため、涙液層中で増大する。
分析物リガンド
リガンドは、例えば、イオン結合、水素結合、ファンデルワールス力、共有結合、非共有結合、静電相互作用、π-効果、または疎水性効果により、分析物とコンプレックスを形成する物質である。
リガンドとその分析物との相互作用は、結合親和性の観点で特徴付けられる。例えば、リガンドは、限定されないが、0.1-9.9 x 10-3, 10-4, 10-5, 10-6, 10-7, 10-8, 10-9, 10-10, 10-11, 10-12, 10-13, 10-14, 10-15または、その中のいかなる範囲もしくは値のように、約10-7 M以下のKdを持つ分析物と結合し得る。リガンドは、0.1-9.9 x 10-3-1, 10-4-1, 10-5-1, 10-6-1, 10-7-1以下のオフ速度 (Koff) を持つ分析物と結合し得る。リガンドは、0.1-9.9 x 103 M-1-1, 104 M-1-1, 105 M-1-1, 106 M-1-1, 107 M-1-1, 108 M-1-1以上のオン速度 (Kon)を持つ分析物と結合し得る。
分析物に対するリガンドは、例えば、前記分析物に特異的に結合する抗体(または、その特異的結合部分)、抗体断片、核酸、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣体、イオン、小分子、酵素、アパタマーであり得る。
アスコルビン酸に対するリガンドは、例えば、アスコルビン酸オキシダーゼ、または、アスコルビン酸に特異的に結合する抗体であり得る。AAに対するリガンドは、蛍光発色団およびニトロキシドラジカル(ニトロキシドは、発色団フラグメントの蛍光の消光剤として作用する)から構成されるデュアル分子でもあり得る。アスコルビン酸によるニトロキシドフラグメントの還元は、ESR(電子スピン共鳴)信号の減衰および蛍光の増大を生じる。
前記分析物に対するリガンドは酵素であり得る。本発明のひとつの具体例において、酵素はアスコルビン酸オキシダーゼであり、本発明のバイオセンサーにおいて、約3, 5, 10, 12, 15, 20, 30, 40, 50, 60, 70, 80, 90, 100 U/cm2以上の濃度にて存在し得る。
リガンドの例は、例えば:グルコースに対する合成レクチン (Ke et al., Nature Chemistry, DOI:10.1038 NCHEM.1409);ラクテートに対する5-アミノ-2-ヒドロキシメチルフェニルボロン酸;尿酸に対するポリマー (US Publ. 20030039627);シアル酸に対するレクチン (Zeng & Gabius, Z. Naturaforsch.C. (1992) 47:641);乳酸に対する酸化クロムおよびデキストラン;インターロイキンに対する抗体、インターロイキン受容体、またはそれらの結合部分;TNF-αに対する抗体、TNF-α受容体、またはそれらの結合部分;イムノグロブリン(例えば、IgM, IgG, sIgA)に対する抗原;リゾチームに対する抗-σ因子RsiVおよびダプソン (dapsone);炭酸水素塩に対する炭酸脱水酵素およびホスホエノールカルボン酸カルボキシラーゼ;ラクトフェリンに対する肺炎球菌表面タンパク質A、GAPDH、オステオポンチン (osteopontin)、およびDNA;リポカリンに対するエンテロバクチン (enterobactin);電解質(Na+, K+, Cl-, HCO-, Mg2+, Ca2+)に対するヘパリン、Na+/K+ ATPアーゼ、グリシン、ポリスチレンスルホネート樹脂、バリノマイシン (valinomycin)、イクオリン (aequorin)、クロモマイシン3 (chromomycin 3)、ノルフロキサシン (norfloracin)、コレラ毒素 (cholera toxin)、トロポニンC、S100A1結合タンパク質およびカルセケストリン (calsequestrin);ディフェンシンに対するスタフィロキナーゼおよびヘパリン;コレクチンに対するGp340およびカルレチクリン (calreticulin);コルチゾールに対するコルチコステロイド結合グロブリン;デヒドロエピアンドロステロン (DHEA)に対するMAP2;セロトニンに対するセロネクチン (seronectin);サイトカインに対するサイトカインン受容体タンパク質またはその結合部分;ムチンに対するGroEL、マイコプラズマゲニタリウム由来のGAPDH、LL-37ペプチド;アルブミンに対するFcRn、タンパク質G、およびアルボンジン (albondin);b-FGFに対するシンデカン (syndecan)、PG-M-CSF、およびパールカン (perlecan)を包含する。さらに、抗体の形態のリガンドと、その特異的結合部分は、上記分析物について当業者に周知である。
本発明のひとつの具体例において、前記分析物に対するリガンドは、室温(約20から22℃)、外気温(約0から49℃)、冷蔵温度(約1から5℃)、または冷凍温度(約0から-70℃)にて、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、1週間、2週間、3週間、4週間、2月間、3月間、6月間、1年間、2年間またはそれ以上の間、安定である。
基材
本発明のひとつの具体例において、バイオセンサーは基材に支持される。基材は、アクリルアミド、セルロース、ニトロセルロース、ガラス、酸化インジウムスズ、シリコンウエハー、マイカ、ポリスチレン、またはポリフッ化ビニリデン (PVDF)フィルター、ろ紙(例えば、ワットマン (Whatman))、グラスファイバーフィルター (GF)、繊維ガラス、ポリエチルイミンコートGF、多孔質マイラーその他の透明多孔性フィルム、硝酸セルロール (CN)膜、混合セルロースエステル膜、酢酸セルロース膜、ポリエーテルスルホン (PES)膜、PTFE膜、ポリ(塩化ビニル) (PVC)の限外ろ過膜、カルボキシル化ポリ(塩化ビニル) (CPVC)、ポリスチレン、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリプロピレン、ポリメタクリレート、ポリエチレン、ポリエチレンオキシド、ポリシリケート、ポリカーボネート、テフロン(登録商標)、フルオロカーボン、ナイロン、シリコンゴム、ポリ無水物、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリオルトエステル、ポリプロピルフマレート、コラーゲン、グリコサミノグリカン、およびポリアミノ酸の1以上を含み得る。基材は、事前穿孔ストリップ、独立したストリップ、独立したシート、またはいかなる他の適当な形状に形成し得る。
電極
電極は、電子デバイスに接続した時、電流または電荷を感知してそれを信号に変換できる組成物である。あるいは、電極は、電位を負荷し、および/または、接続したデバイスにまたはそれから電子を通過し得る組成物であり得る。
電極は、限定されないが、金;銅;白金;パラジウム;シリコン;アルミニウム;酸化白金、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化パラジウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化モリブデン (Mo2O6)、酸化タングステン (WO3)および酸化ルテニウム;ならびに炭素(ガラス質炭素電極、グラファイトおよび炭素ペーストを包含する)を包含するそれらの酸化物を包含する金属酸化物電極を包含する、ある種の金属およびそれらの酸化物を包含する。ひとつの具体例において、電極は、嵌合櫛歯型電極、マイクロ嵌合櫛歯型金電極 (MIGE)、または櫛歯型電極(例えば、櫛歯型金電極)であり得る。
本発明のひとつの具体例において、金を約50, 100, 200, 300, 400, 500nmまたはそれ以上の厚にて、バイオセンサー電極上に堆積させる。
電極は平面電極であり得る。電極は、限定されないが、スクリーン印刷または蒸発を包含する様々な方法でバイオセンサー上に堆積し得る。電極は、開放か、または、カバーで覆われて、体積が決められた電池を形成する。
バイオセンサー電極は、リガンドと、アスコルビン酸オキシダーゼのような分析物との相互作用によって引き起こされる抵抗の変化を検出し得る。抵抗変化は、サンプル中に存在する分析物の量を表示し得る。
流体チャンバー
本発明のバイオセンサーは、マイクロ流体チャンバーのような流体チャンバーを含み得る。流体チャンバーは、約0.1, 0.5, 1.0, 5, 10, 15, 20, 50, 100 μLまたはそれ以上(あるいは、約0.1と100 μLの間のいかなる範囲)の流体体積を収容し得る。流体チャンバーは、ポリエステルその他の適当な材料製である。流体チャンバーは本発明のバイオセンサー内に存在し、試験サンプルがそのバイオセンサーに運ばれ接触する。例えば、マイクロ流体チャンバーは、サンプルを受容し、そのサンプルを分析物リガンド層の最上部の上、電極の上またはポリマー層の最上部の上に導く。流体チャンバーは、分析物リガンド層の最上部の上の層を含み得る。
カバー
バイオセンサーは、プラスチックその他の適当な材料から構成されるカバーを含み得る。カバー流体チャンバー、分析物リガンド層、電極、ポリマー層、またはそれらの組合せを保護し得る。カバーは、流体チャンバー、分析物リガンド層、電極またはポリマー層の最上部の上に存在し得る。
無電極の具体例
いくつかの具体例において、分析物/リガンド結合または相互作用の検出に、電極を使用しない。その代り、他の方法を用いて結合を検出し得る。これらの具体例において、電極がバイオセンサー構造にない。例えば、リガンドがサンプル中の分析物に結合またはそれと相互作用したときのバイオセンサーの重量の増量を検出し得る。さらに、リガンドが分析物に結合したときに発生する比色または蛍光変化を検出し得る。ラマン分光分析またはフーリエ変換赤外分光分析の読みの変化を用いても分析物/リガンド結合または会合を検出し得る他の具体例において、電気化学変化が検出され、蛍光変化がHPLCで検出され、免疫アッセイ変化がHPLCで検出され得る。質量分析法 (GC-MS)でのガスクロマトグラフ検出を用いてもリガンド/分析物結合を検出し得る。
デバイス
本発明は、また、バイオセンサーおよびディテクターを含むデバイスも提供する。そのディテクターはデータ収集システムに接続し得る。
ディテクターは電圧、電流、および抵抗を測定し得るデジタルまたはアナログマルチメーターを含み得る。ディテクターは、分光光度計、蛍光光度計、またはラマン分光計もしくはフーリエ変換赤外分光計のような分光計でもあり得る。
データ収集システムは、コンピューター、携帯用デバイス、携帯電話、およびタブレットからなる群から選択され得る。ディテクターは、情報(例えば、サンプル識別、対象識別、1以上の分析物の検出量、分析物の存在もしくは不在に関する正負読み、またはそれらの組合せ)をデータ収集システムに提供し、それは、次いで、その情報を分析し、読み取りが簡便で解釈された結果を提供し得る。
デバイスは、さらに、サンプルに存在するアスコルビン酸のような分析物の量の可視化を許容するスクリーンを含み得る。
デバイスはバッテリー駆動であり得る。
本発明は、1以上のバイオセンサー、1以上の使い捨てバイオセンサー、ディテクター、データ収集システム、またはそれらの組合せを含むキットを提供する。
分析物の検出および診断の方法
本発明は、対象由来の涙液層サンプル中のアスコルビン酸のレベルまたは量を検出することを含む、対象における眼症状を検出する方法を提供する。上昇したレベルのアスコルビン酸は、対象に存在する眼症状を示す。涙液層中のアスコルビン酸のレベルまたは量は対照サンプルまたは対照標準と比較し得る。上昇したレベルのアスコルビン酸が涙液層に存在し、そして、医療従事者が1以上の治療(例えば、手術、医薬の投与など)を対象に施し得る。アスコルビン酸のレベルまたは量は、例えば、本発明のバイオセンサーを包含する、分野公知のいかなる方法によっても測定または検出し得る。他の検出方法は、吸収アッセイ、比色分析法、蛍光アッセイ、およびラマン分光分析またはフーリエ変換赤外分光分析のような分光法を包含する。
本発明は、本発明のバイオセンサーをサンプルと接触させ、分析物を検出することも含む、サンプル中のアスコルビン酸のような分析物をディテクターで検出する方法も提供する。
ディテクターは、サンプル中の分析物と分析物リガンドとの相互作用によって生じる電気抵抗の変化により;バイオセンサー上の重量の変化により;比色変化による;蛍光反応により;ラマン分光分析読みの変化により;または、フーリエ変換赤外分光分析読みの変化により、分析物と分析物リガンドとの結合を検出し得る。ひとつの具体例において、バイオセンサーをサンプルに接触した後、バイオセンサーを、ディテクターを含むデバイスの中または上に挿入して、サンプル中の分析物とその分析物に対するリガンドとの相互作用により生じた電気抵抗の変化のような変化を測定する。抵抗の変化を可視化するためのスクリーンを提供して、サンプル中の分析物を検出する。
サンプル中の分析物の存在、不在または量を検出し得る。アスコルビン酸のような分析物の量は、眼症状の重篤性を示し得る。すなわち、分析物、例えば、アスコルビン酸の量が高いほど、病気または症状(例えば、眼症状)の重篤性が大きい。
本発明は、眼症状を診断する方法を提供する。その方法は、バイオセンサーを対象の涙、涙液層、涙液層の水性層、または房水のサンプルに接触させ、サンプル中の分析物の量を検出することを含む。眼症状は、サンプル中の分析物の濃度が、対照サンプルまたは対照標準と比較して上昇している対象中で診断される。眼症状は、眼の前房に対する全層もしくは部分層裂傷もしくは穿孔、眼病、機械的もしくは化学的眼損傷、前強膜損傷、角膜創傷完全性、房水漏出、眼潰瘍、感染、または外科的切開から選択され得る。
本発明の方法および組成物は、特異性(サンプル内の他の分析物よりも、特定の分析物、例えば、アスコルビン酸を測定するアッセイの能力)を提供し得る。この特異性は、例えば、70, 75, 80, 90, 95, 96, 97, 98, 99 %またはそれ以上であり得る。本発明の方法および組成物は、10, 9, 8, 7, 6, 5, 4, 3, 2, 1%またはそれ以下の偽陽性結果を提供し得る。
本発明のひとつの具体例において、本発明のバイオセンサーを用いて、汗、血液、血清、血漿、尿、唾液その他の体液のような他のタイプのサンプル中のアスコルビン酸のような分析物を検出して診断し、または他の症状をを検出し得る。
アスコルビン酸のような分析物は、損傷または病気のサンプル(例えば、眼症状を持つ対象のサンプル)において、非損傷または非病気の対象からの対照対象サンプルと比較して、より高い量またはレベルで見出され得る。対象サンプル中のアスコルビン酸のような分析物の相対レベルは、病気の進行および病気重篤性を示し得る。すなわち、いくつかの場合、試験サンプル中の分析物の量およびレベルが高いほど、より重篤な病気状態または症状を意味する。
アスコルビン酸のような分析物の上昇したレベルは、対照サンプルまたは対照標準の約10, 20, 30, 40, 50, 60, 70, 80, 90, 100, 200, 300, 400, 500%またはそれ以上のレベルである。アスコルビン酸のような分析物の上昇したレベルは、対照サンプルまたは対照標準の約10から500%以上;約20から500%以上;約30から500%以上;約40から500%以上;約50から500%以上;約60から500%以上;または約100から500%以上のレベルである。
アスコルビン酸のような分析物の上昇したレベルは、対照サンプルまたは対照標準と比較したとき、統計的に有意な増加量のレベルでもあり得る。
アスコルビン酸の上昇したレベルは、約40, 50, 60, 70, 80, 90, 100, 200, 300, 400, 500, 600, 700, 800, 900, 1,000, 1,100, 1,200, 1,300, 1,400マイクロモル/Lまたはそれ以上(あるいは、約40と約1,400マイクロモル/Lの間、例えば約50から約1,400;約100と約1,400との間;約500と約1,400マイクロモル/Lの間のいかなる範囲)でもあり得る。アスコルビン酸の対照レベルまたは対照標準は、約50, 40, 30, 20, 10マイクロモル/Lまたはそれ以下(あるいは、約10と約50の間、約10と約40の間、約10と30の間、または約10と20マイクロモル/Lの間のいかなる範囲)であり得る。
上昇したレベルのアスコルビン酸のような分析物は、いかなるタイプの病気、眼病または眼症状を持たない正常対照の対象を用いて決定された対照サンプルまたは対照標準と比較し得る。
いくつかの具体例において、試験サンプル中のアスコルビン酸のような分析物のレベルは、1以上の正常対象の対象からの対照サンプル中の分析物のレベルと比較される。典型的に、対照サンプル中の実測対照レベルは、ついで、試験サンプル中で測定された分析物レベルと比較される。あるいは、試験サンプル中のアスコルビン酸のような分析物のレベルは、予め決定されたかまたは所定の対照レベル(「対照標準」)と比較される。例えば、アスコルビン酸のような分析物に対する対照標準は、複数の正常対照の対象からの対照サンプル中の分析物のレベルを包含するデータのようなデータから算出し得る。正常対照の対象および評価されるテスト対象は同一種のものであり得る。
ここで用いるとき、「患者」または「対象」は、眼病、眼症状、もしくは眼損傷、またはその他の病気、症状、もしくは悪性の症候またはそのリスクを有する個体を意味する。患者はヒトまたは非ヒトでよく、例えば、ここに記載するマウスモデルのように、研究目的用の「モデル系」として用いる動物株または種を包含することができる。同様に、患者は、老体または若体(例えば、子供)のいずれかを包含することができる。さらに、患者は、ここで考慮された方法および組成物からの利益があるいかなる生体、好ましくは、哺乳類(例えば、ヒトまたは、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、もしくはげっ歯類のような非ヒト)を意味する。
結果(すなわち、分析物の存在、不在、または量)は、ほんのわずかなサンプルサイズ(例えば、約50, 20, 15, 10, 5, 2, 1.0, 0.5 μLまたはそれ以下)を用いて、約10, 5, 4, 3, 2, 1分またはそれ以下でもたらされる。
説明ない限り、ここで用いる全ての技術用語および科学用語は開示された内容に属する当業者によって当たり前に理解されるものと同一の意味を有する。単数形「不定冠詞 “a”」、「不定冠詞 “an”」および「定冠詞 “the”」は、文脈が明らかに違うことを示していない限り、複数参照も包含する。同様に、用語「または」は、文脈が明らかに違うことを示していない限り、「および」を包含する。「含む “Comprising”」は、「包含する “including”」を意味し;それゆえ、「AまたはB」は「Aを包含する」または「Bを包含する」または「AおよびBを包含する」を意味する。
本開示は、多くの異なる形態をとり得るが、本開示の原理の理解を促進する目的で、今は、図面に例示した具体例に対してなされ、特別の用語を用いてそれを記載する。それにはかかわらず、本開示の範囲には制限がないことを意図していると理解されるであろう。記載された具体例のいかなる変形およびさらなる修正、ならびに、ここに記載されるように、本開示の原理のさらなる適用が、本開示に関連する分野の当業者に通常起こるように、検討される。
本願に関わる全ての引用文献、例えば、発行もしくは登録特許またはその等価物;特許出願公開公報;および非特許文献または他の資料は、出典明示して、あたかも個別に本明細書に組み込まれているかのように、その全体が組み込まれ、ある程度、各引用文献は少なくとも部分的に、本願の開示と不一致がない(例えば、部分的に一致しない引用文献は、その引用文献の部分的不一致な部分を除いて、組み込まれる)。
本明細書で採用されている用語および表現は説明のために用いるが、限定するものでなく、そのような用語および表現の使用は、示され、記載された特徴またはそれらの部分のいかなる等価物をも排除する意図はないが、様々な修飾が、本開示の範囲内で可能である。かくして、本開示は好ましい具体例、代表的具体例および任意的特徴によって具体的に開示されてきたが、ここに開示された概念の修飾および変形が、当業者によって用いることができ、そのような修飾および変形は添付物に規定されるように本開示の範囲内にあると考えられる。ここに提供される特別の具体例は、本開示の有用な具体例の例示であり、本開示は、本明細書に記載のデバイス、デバイス構成要素、方法、工程の多数の変形を用いて実行することができるというのは、当業者に明らかであろう。当業者に明らかなように、本方法に有用な用法およびデバイスは、多数の任意組成物および加工要素および工程を包含し得る。
明細書に範囲が与えられているときは、例えば、温度範囲、時間範囲、または組成もしくは濃度範囲、全ての中間範囲および部分範囲、ならびに所与の範囲に包含される個々の値は、本開示に包含されるものと意図される。本明細書に包含される、範囲または部分範囲の中のいかなる部分範囲または個々の値も、ここの局面から除外し得ると理解されるであろう。
実施例1
導電性ろ紙の調製用のGR-ポリマーコンポジット
グラフェンは、ホールおよび電子の双方を電荷キャリアとして持つゼロオーバーラップ半金属であり、非常に高い電気伝導性を暗示する。グラフェンにおいて、3つの別の炭素原子が2次元面で各炭素に接続し、1の電子 (π)が、電子伝導性につきグラフェンシートの上下に三次元的に自由に利用可能である。グラフェンの電子特性は、これらのパイ軌道の価数および伝導帯(結合および反結合)によって規定される。
グラフェンにおけるディラック点(電子およびホール)は、ゼロ有効質量を有し、エネルギー−移動関係(励起用のスペクトル)は低エネルギーにつき、ブリユアンゾーンの6つのそれぞれのコーナー近傍で線形である。ディラック点にて、電子伝導性は、ゼロ密度の状態のため、実際には、きわめて低い。しかし、電子またはホールでのドーピングで、フェルミレベルを変化させて電気の伝導に潜在的により良い物質を創作し得る。
グラフェンの電子移動は非常に高い:理論的に可能な限界(グラフェンの音響フォトンの散乱による限界)が200,000 cm2・V-1・秒-1のところ、約15,000 cm2・V-1・秒-1超である。これらの電荷キャリアは、散乱することなくサブミクロンの距離まで移動できる;バリスティック輸送として知られる現象である。しかしながら、使用するグラフェンおよび基材の品質が重要である。基材としての二酸化ケイ素で、例えば、移動度は潜在的に200,000 cm2・V-1・秒-1に限定される。
バイオセンサーの作製方法
例えば、眼から収集したバイオ流体サンプル中のアスコルビン酸 (AA)を測定するために、電気式バイオセンサーが設計された。バイオセンサーのコストを削減し、それを野外配置可能なポイント・オブ・ケアバイオセンサーデバイスとするために、バイオセンサー基材としてろ紙を選んだ。アスコルビン酸を検出するバイオセンサーの特異性は、ポリ(スチレン)-block-ポリ(アクリル酸) (PS-b-PAA)およびグラフェンプレートレットの多層の最上部のアスコルビン酸オキシダーゼで基材をコーティングすることによって達成した。ここで、PS-b-PAAはバインダーとして作用し、グラフェンプレートレットはアスコルビン酸オキシダーゼを保持するための支持プラットホームとして作用する。アスコルビン酸オキシダーゼ層をグラフェンプレートレット層の最上部に丁寧に結合させて、アスコルビン酸分子との結合イベントのためにそれを露出させた。アスコルビン酸とオキシダーゼとの結合によるグラフェン層の表面抵抗の変化を測定するために、約200 nmの金を嵌合櫛歯型電極フォーマットとしてバイオセンサーの最上部に堆積させた。
グラフェンプレートレットプラットホーム上のアスコルビン酸オキシダーゼおよびアスコルビン酸による抵抗変化
バイオセンサーの最適化は、2つの異なる設計に導く。一方の設計では、低濃度のグラフェンプレートレットを用いた(図3a)。他方の設計は、高濃度のグラフェンプレートレットを用いた(図3b)。パーコレーション閾値以下で、グラフェンプレートレットは、大きな非結合系を形成し、図3aに示すように、高い表面抵抗(> 6 MΩ)をもたらす。グラフェンプレートレットの濃度がパーコレーション閾値を超えると、結合系を形成し(図3b)、低い表面抵抗(< 0.2 MΩ)をもたらす。後記するように、これらの2つの系は、グラフェンプレートレット-アスコルビン酸オキシダーゼアッセンブリーにつき、2つの異なる挙動と、続いて起こるアスコルビン酸の相互作用をもたらす。例えば、図3aに示す系は、アスコルビン酸のようなイオン性溶液の存在により(グラフェンプレートレットアイランド間の導電性チャネルの形成により)表面抵抗の低下をもたらす。一方、図3bに示す系は、アスコルビン酸オキシダーゼとアスコルビン酸との間の触媒反応の生成物形成により表面抵抗の上昇をもたらす。
アスコルビン酸検出法
まず、既知濃度のアスコルビン酸標準溶液で、バイオセンサーの抵抗変化を測定することによって、キャリブレーションカーブを作成した。抵抗変化は、マルチメーターを用いて測定し、接続したラップトップに記録した。未知サンプル中のAAの濃度を測定するために、サンプルに対応する実測抵抗を、キャリブレーションカーブのものと比較する。未知サンプル(例えば、臨床サンプル)についての結果の検証を、標準比色分析法および質量分光分析に基づく分析方法により当該濃度を得ることによって行った。
バイオセンサーの多層アッセンブリーおよびラマン分光分析によるキャラクタリゼーション
バイオセンサーをろ紙基材上にいくつかの層のグラフェンプレートレットをまず固定化することによって形成した。D、Gおよび2Dピークのラマンスペクトルが、図4(上側曲線)で明確に見ることができる。だから、グラフェンプレートレット上の次なるポリマー層で、グラフェン-ポリマー層間のπ-π相互作用が判然とする。かくして、さらなるエネルギーが、結合を振動させるために要求され、その系を分極させることが困難になる。それゆえ、ポリマー層の形成後、総強度が減少する(下側曲線)。
ポリ(スチレン)-block-ポリ(アクリル酸)のポリマー層の最上部の上へのアスコルビン酸オキシダーゼの次なる層形成で、グラフェン-ポリマー間のπ-π相互作用とポリマー-オキシダーゼと間の作用が重要になってくる。ポリマー-オキシダーゼ相互作用は、グラフェン-ポリマー相互作用の効果を減じ、ゆえに、図5に示すようにオキシダーゼ層なし(下側曲線)と比較して、総強度が上昇する。
図6は、ポリマー-オキシダーゼとオキシダーゼ-アスコルビン酸の間の相互作用による結果を示す。グラフェン-ポリマー相互作用は、オキシダーゼ-アスコルビン酸の強力な相互作用により増強する。これは、バイオセンサー上にアスコルビン酸を滴下した後、総強度の減少をもたらす(上側曲線)。
標準と比較した臨床サンプル中のアスコルビン酸濃度
16臨床サンプルの全てを試験して、アスコルビン酸の濃度を決定した。臨床サンプルの試験のため、初期抵抗が2 MΩ以下 (Type-II)であるように、バイオセンサーを試験した。予測通り、臨床サンプルで抵抗が上昇して、アスコルビン酸の存在が確認された。キャリブレーションカーブを用いて、予想アスコルビン酸濃度を表1に報告する。
実施例2
前眼創傷の前部の評価のための臨床使用に変換できる、ヒト眼涙液層中のAA濃度を測定するポイント-オブ-サービスバイオセンサーデバイスを開発した。検出力分析は、15サンプルが、比色テストと比較して、バイオセンサーについて<5%標準誤差(SEM)を達成する必要があることを示唆する。健康な個体に対して、23 μMの房水AA濃度および9.6 μMの標準偏差 (SD)が計算に考慮される。房水のサンプルを収集し、試験のために研究所に送られた。サンプルを標準治療としての気体網膜復位術 (therapeutic pneumatic retinopexy)の後、眼内圧を下げる治療穿刺を受ける予定の局所網膜剥離の患者から収集した。患者の角膜上へプロパラカイン (proparacaine)の局所麻酔薬の点滴およびオフロキサシン (ocufloxacin)の抗生物質の点滴を行った後、制御された臨床設備の中で、液を取り出した。滅菌1ミリリットルシリンジに取り付けた滅菌30-ゲージ針を用いて、液を収集した。
GRP-ポリマーコンポジットの調製
グラフェンプレートレット (0.1 mg/mL)を、水中のポリスチレン-block-ポリアクリル酸 (PS-b-PAA)両親媒性ポリマー懸濁液 (0.1 mg/mL)と混合した。混合物 (GRP-ポリマー)は、4時間、5秒オン、1秒オフのパルスの30分間の間欠サイクルで、強度4にてプローブ超音波照射した。プロセスは、60 ℃の制御温度にて完了した。GRP-ポリマーの懸濁液は、GRP-ポリマーコートろ紙を調製するための使用まで、細菌のいない条件下、4 ℃にて貯蔵した。
ろ紙上の表面コートの方法論
直径7 cmのワットマンろ紙を用いて、ディップドライ法によりGRP-ポリマーコンポジットでコートした。ワットマンろ紙を10 mLのGRP-ポリマー懸濁液に浸漬し、制御された雰囲気下で溶媒蒸発のためにRTにてインキュベートし、ろ紙上にGRP-ポリマーコンポジットを堆積させた。滅菌表面および細菌のいない環境のバイオセイフティーフードの下で、手順を行った。
アスコルビン酸オキシダーゼのコーティング
AAに特異的に反応するGRP-ポリマーコートろ紙を作成するために、AOをBSL2設備にてドロップキャスト法でGRP-ポリマーコートろ紙に表面充填した。1 cm2面積のペーパーの各々を、1.2 mgのアスコルビン酸と特異的に相互作用するのに十分であろう量の12 UのAOでコートした。コートしたペーパーは、空気乾燥用に細菌のいない条件下でRTにてインキュベートした。
嵌合櫛歯型電極の形成
嵌合櫛歯型電極をろ紙上に作製した。リソグラフィー法を用いることなくろ紙上に電極を作るために、シャドーマスクをステンレススチール基材上に作製した。厚が~200 nmの金の均一層をシャドーマスク越しに堆積させて、Temescal six pocket E-Beam Evaporation Systemを用いて電極を作製した。堆積後、個々のバイオセンサーを切断し、銀ペーストを用いてワイヤーボンディング法で接合して、さらなる実験のために準備した。
バイオセンサーストリップのキャラクタリゼーション
原子間力顕微鏡 (AFM)分析に関して、両面カーボンテープを用いて四角のバイオセンサーストリップをAFMディスクに接着した。AFM画像は、タッピングモードおよびフェイズモードでのAsylum Cypher (Santa Barbara, CA, USA)を用いて取得した。空気中、0.63 Vのセットポイント、1 Hzスキャン速度、および336.3 kHzの駆動周波数にて、OMCL-AC160TSカンチレバーを用いて、ストリップの表面をスキャンした。
TEMに関して、50 mm直径断片のバイオセンサーストリップを全体から切り出して、TEMサンプルホルダー上に置いた。画像を200 kVにて作動し、適切な位相差を得るために様々なデフォーカス角を用いる、Jeol (Peabody, MA) 2010低温電子顕微鏡を用いて取得した。画像をGatan (Pleasanton, CA) UltraScan 2kx2k CCDで記録した。
X-線カラーマッピングおよびSEMイメージングに関して、バイオセンサー角片をSEM サンプルホルダーに2枚の銅テープを用いて接着して、適切な場所にサンプルを保持した。画像は、Oxford Instruments (Abingdon, Oxford shire) ISIS EDS X-線マイクロ分析システムおよびCentaurus BSEディテクターを取り付けたHitachi (Schaumburg, Illinois) S-4700 SEMを用いて取得した。バイオセンサーストリップは、10kVの加速電圧、10 μAの引出電流、12 mmの作動距離で、分析モードにてスキャンした。250 μsポイント滞在時間および512分解能で、70積算スキャンのX-線マッピングをした。
UV-可視分光分析研究を用いたアスコルビン酸に対するバイオセンサーの特異性
60 μg (20 U)/mLアスコルビン酸オキシダーゼの水溶液を吸収につき研究した。さらに、L-アスコルビン酸、L-乳酸およびシアル酸 (50 mM)のアリコート (1 μL; 最終濃度50 μ)を、全濃度が1000 μMに達するまで、順次添加した。L-アスコルビン酸、L-乳酸およびシアル酸の全濃度が50, 100, 250, 500, 750および1000に達した後に獲得された吸収値を200から600 nmの波長範囲に対してプロットした。λmax (x)のシフトおよび吸収効率 (y)を比較して、最大相互作用を決定した。
抵抗測定のための実験設定
種々の濃度のAAの存在によるグラフェンプレートレット-アスコルビン酸オキシダーゼアッセンブリーの抵抗変化は、データ収集システムに接続したデジタルマルチメーターを用いて測定した。データは、サンプルをバイオセンサーに滴下した後、測定が安定するまで(記録開始後3分間)、継続的に獲得した。安定抵抗値を更なる分析のために取って、キャリブレーションカーブおよび未知サンプルの濃度の測定をプロットした。
質量分析法
AAはSigma-Aldrichから入手し、精製せずに用いた。LC-HRMSは、Waters Synapt G2Si Mass Spectrometryで実行した。カラムモデルは、ACQUITY UPLC BEH C18, 1.7 μm, 2.1 mm x 50 mmである。移動相Aは、95% H2O, 5% CAN, 0.1% FAであり、移動相Bは5% H2O, 95% CAN, 0.1% FAである。線形勾配配列は、100% A, 0% B (0.5 分), 20% A, 80% B (4.0分)である。0.3 mL/分のフローレートで100% A, 0% B (4.1分)。自動サンプラー温度を室温であった。ネガティブ質量分析法および電子スプレーイオン化 (ESI)方法を用いた。2000 V電圧をイオンスプレーのため用いて、源温度は400℃であった。
結果
バイオセンサープロトタイプの設計および作製
バイオセンサー多層テストストリップの独特の設計は、酵素アスコルビン酸オキシダーゼ (AO)酵素の選択特性を利用し、それは、グラフェンプレートレットと両親媒性ジブロック-コポリマー、ポリ(スチレン)-block-ポリ(アクリル酸) (PS-b-PAA)の間に配置し得る。グラフェンナノプレートレット (STREM CHEMICALS, USA)は、「プレートレット」モルホロジーを有する多官能特性の新しいクラスの炭素材料を代表する。プレートレットモルホロジーは、非常に薄い (~6-8 nm)が、幅が~25 μmの広いアスペクト比を有することと定義される。この独特のモルホロジーは、これらの粒子を、特に、バリア特性を提供するのに有効にする。さらに、それらの純粋なグラファイト組成物は、優れた電気的および熱的伝導性を与える。紙ベースのバイオセンサーは、ろ紙 (WhattmanTM; GE healthcare, UK limited; 90 mm qualitative circles)を、ポリ(スチレン)-block-ポリ(アクリル酸) (PS-b-PAA)およびグラフェンプレートレットを含有する多層のコンポジットでコーティングすることによって作る。バイオセンサー用の基材は、ろ紙上へのグラフェンプレートレットの連続堆積に引き続き、PS-b-PAAの層をキャスティングすることによって製造した。二次元グラフェンプレートレットとジブロック-コポリマーのポリ(1-フェニルエチレン)官能基の複数の繰返し単位の非共有π-πスタッキング相互作用を実現した。
AAを検出するバイオセンサーの高い特異性は、AO酵素をグラフェン-ポリマーコーティングの最上部の上にコーティングすることによって達成された。ジブロックコポリマーのアクリル酸 (-CO2H)残基は、グラフェンプレートレット-ポリマーコンポジット上への酵素の容易な固定化に利用可能であった。AAのAOとの特異的相互作用は抵抗に差異を生じ、それはインピーダンスベースのディテクターで測定できる。使い捨てバイオセンサー「ストリップ (strip)」は、携帯用マルチメーター(図10A)を用いて抵抗変化を測定することによって臨床サンプル中のAAを測定するように設計した。この読みは、時間依存性の結果を与え、最終読みは5分以内である。図10Aの挿入図は、携帯用バイオセンサーデバイスの3Dプリントモデルのプロトタイプを示す。バイオセンサーの層状構成および構成要素を図10Bに概要を示す。AO層をポリマー層の最上部の上に固定化して、AA分子との結合イベントのために露出させる(図15)。AAとオキシダーゼとの結合によるグラフェン層の表面抵抗の変換を測定するために、約200 nmの金を嵌合櫛歯型電極フォーマットとして、バイオセンサーの最上部の上に堆積した。
バイオセンサーストリップの構造完全性もAO酵素の固定化の前後のSEMイメージングによって確立した(図10D)。AOなしの「フレーク (flakes)」タイプのバイオセンサーに似た特徴的な表面トポグラフィー(図2A)は、AOでの固定化後、「より厚く」、より高密度のコーティングパターンに著しく変化した(図2B)。簡単なRC回路(図10E)を用いて、pinが、所定の電圧値(最大値の63.2%)にまでチャージされるまでの時間を測定し、それは、1倍の定数τ = RCに相当する。RC回路において固定キャパシターおよび可変抵抗を接続することによって、発明者らは、可変抵抗の値を測定するためにI/O pinを用いた。抵抗読みを、次いで、接続したLCDモニタースクリーンに表示した。
バイオセンサーストリップの表面キャラクタリゼーションは、高低密度グラフェンプレートレット表面コーティングおよびアスコルビン酸オキシダーゼの存在および不在で、ある程度、ストリップの特性に変化があることを明らかにした。パターンの明らかな違いがTEMを用いて代表的な面積において可視化された(図10F〜G)。バイオセンサーストリップのSEM/EDX(図10H〜K)での元素分析についての研究は、多量の金(図10H)、炭素(図10I)、窒素(図10J)、および酸素(図10K)を示している。AFM分析は、ペーパーバイオセンサー上のポリマーコートファイバーの存在(図10L)およびバイオセンサーストリップを横断するプレートレットの高さプロファイル(図10M)を明らかにした。
バイオセンサーの特異性に関するコンピューター研究
ヒト涙液層は、最外脂質層、水性層および粘液ゲル層を含む複合三層構造である。脂質層は、主に、コレステロールエステル、およびエステルワックスからなり;水性層は、主に、水 (99%)、タンパク質(リゾチーム、ラクトフェリン、リポカリン、分泌IgA)、電解質(Na+, K+, Cl-, HCO-, Mg2+, Ca2+)、ならびに小分子(アスコルビン酸、グルコース、ラクテート、尿酸およびシアル酸)を含有する。粘膜層の主成分はムチンであり、それは、次には、線状ポリアニオンを形成するポリーマーアッセンブリーの単位によって特徴付けられる。シアル酸は、ヒト涙液層に発現され、部分的にムチンネットワークに由来し、粘度を付与するものと信じられている。興味深いことに、シアル酸は、AAと構造的に類似する分子である。AAのAOに対する相互作用と比較してシアル酸とAOとの相互作用における格差を理解するために、コンピューター・ドッキング実験を行った。AAおよびシアル酸の分子をスケッチし、MOE 2013.08で最小限化した。力場:MMFF94, カットオフ: 8,10, 誘電率: 1.00。溶媒方法: ディスタンスモデル。1AOZは、ドッキング前に構造準備に付された。MOE 2013.08を利用して、ドッキングを行った。活性部位を残基Trp163, Trp36μおよびHis512で選んだ。誘導適合は、ドッキングプロトコルにように選んだ。配置方法はトライアングルマッチャー (triangle matcher)であった。London dGをスコア方法として用いた。30ドッキングポーズを保存し、ベストスコアポーズをドッキングポーズとして選んだ。AAおよびシアル酸のAO (1AOZ)の結合ポケットへの分子ドッキング(図11A〜D)は、以下の特別な認識イベントを明らかにした。まず、AAドッキングポーズにおいて、側鎖のもの以外でフラン環のヒドロキシル基は、標的の残基とより強いH-結合相互作用を示す。次に、シアル酸ドッキングポーズにおいて、ピラン環のヒドロキシル基と標的の残基との間にはH-結合相互作用がなかった。代わりに、全てのH-結合相互作用は、標的の側鎖および残基のヒドロキシル基とカルボン酸基の間に現れる。2つのドッキングポーズ(図11Aおよび11B)の間のH-結合距離差から、AAは、シアル酸とよりも標的の残基とでより強いH-結合相互作用を示すことを決定し得る。このことは、AAはシアル酸の差別化され、それは涙液層内に存在し、AAの濃度は、シアル酸からの競合的干渉なく正確に記録し得ることを示している。これは、バイオセンサーデバイスの高い特異性に貢献する。この研究は、AOでコートされたバイオセンサーのAAに対する統合的特異性を確立し、偽陽性結果の可能性を最小限化する(予備試験で、71%の特異性および~ 6%の偽陽性が得られた)。
コンピューター・ドッキング研究を超えて、アスコルビン酸オキシダーゼでコートしたバイオセンサーストリップへのアスコルビン酸の特異的認識は実験評価を要求した。房水の他の主たる成分、L-乳酸およびシアル酸は、競合物質として選ばれた。UV-Vis分光分析研究を行って、選択性を達成した。アスコルビン酸オキシダーゼの統合吸収は、アスコルビン酸オキシダーゼに存在するいくつかのアミノ酸の芳香族側鎖の存在に起因する、60 μg (20 U)/mLを保有するその水溶液から評価した(図11E〜H)。L-アスコルビン酸のアリコート(1 μL; 最終濃度50 μ)の連続添加がアスコルビン酸オキシダーゼ溶液の吸収値 (Y)を増進し(図11EおよびH)、280 nm〜267 nmのλmax (x)のシフトが幾分かの芳香族性の喪失を示し、それは、アスコルビン酸オキシダーゼとアスコルビン酸との相互作用により発生したものであろう。一方、L-乳酸あり(図11F)およびシアル酸あり(図11G)のアスコルビン酸オキシダーゼの吸収スペクトルは、吸収レベルまたはλmaxのいずれにおいてもいかなる顕著な変化は明らかにせず、アスコルビン酸オキシダーゼとL-アスコルビン酸との選択的相互作用の事実を強調する。
バイオセンサーデバイスの多層アッセンブリーおよびラマン分光分析によるキャラクタリゼーション
ラマン分光分析を用いて、バイオセンサーデバイスの多層アッセンブリーを検証し、最適化した。バイオセンサー表面のラマンスペクトルは、図12A〜Dに明確に可視化されているように、(それぞれ、1340, 1582, および2685 cm-1に)D、Gおよび2Dピークの存在を示した。グラフェンプレートレット上の次なるポリマー層で、グラフェン-ポリマー層間のπ-π相互作用を明らかにした。グラフェン層単独と比較して、グラフェンとポリマー層のさらなるπ-π相互作用により、結合を振動させるためにより大きなエネルギーが必要とされ、系を分極するのを困難にする。それゆえ、全強度が、図12Aに示すように、ポリマー層なし(上側曲線)と比較して、ポリマー層の形成後は、全強度が減少した(下側曲線)。π-π相互作用のさらなる証拠を図12Fで実証した。グラフェンの層数が増加するにしたがって、Gバンド位置が低周波数側にシフトすることは周知である(図16B)。図12Fは、グラフェン-グラフェン積層から予測されるπ-π相互作用のように、ポリマー層によりGバンド位置が1582から1579 cm-1へとシフトすることを示す。図12Eに示される2Dバンドスプリッティングは、スタッキングおよびポリマー層によるπ-π相互作用をさらに確認する(GピークにフィットするLorentz曲線が図12Gおよび12Hに示され、それぞれ、グラフェンポリマー層ありなしに対応する)。ポリマー層の最上部へのAOの次なる層で、ラマンスペクトルは、ポリマー-オキシダーゼのπ-π相互作用とグラフェン-ポリマーとの間の作用により影響を受ける。ポリマー-オキシダーゼ相互作用は、グラフェン-ポリマー相互作用の効果を減じ、それゆえ、オキシダーゼ層なし(図12B:下側曲線)での試験と比較して、全強度が上昇する(図12B:上側曲線)。図12Cは、ポリマー-オキシダーゼとオキシダーゼ-AAとの相互作用による結果を示す。グラフェン-ポリマー相互作用は、オキシダーゼ-AA強力相互作用により再び増加する。これは、AAをバイオセンサー上に置いた後、全強度の低下をもたらす(図12C:下側曲線)。AA-AOの相互作用がD、G、および2Dバンドの全強度の低下をもたらすという仮説を、2つの異なる濃度のAAをグラフェン-ポリマー-オキシダーゼ層上に置くことによって試験した。予測通り、増大した濃度のAAは、D、Gおよび2Dバンドの全強度に比例的な低下をもたらした(図12D)。層のスタッキングおよびπ-π相互作用の証拠は、各ステップ(ポリマー、オキシダーゼ、AA、血清あり/なし)後、Gバンド位置、Gバンドの半値全幅 (FWHM)、およびDとGバンドとの強度比 (ID/IG)を比較することによってさらに確認する(図16A)。グラフェンプレートレット上のポリマー層がより多いπ結合を作り出す。これが、エネルギーを低下させ、Raman断面を増大する。よって、G周波数が低下し、Gバンド強度が増大する。かくして、ID/IG比が低下する。これは、グラフェン層数の増加に伴うG周波数の低下に似ている。同じモデルから、ポリマーが付着した後にさらに~3層の存在が予測される。グラフェンの粒径は、ポリマー表面上へのAOの固定化後、減少する。このことは、GバンドのFWHMの増加によって証明される。これはTuinstra-Koenig 関係に従い、ID/IGはLaに逆比例し、ここに、Laは粒径である。したがって、G位置およびID/IG比のいずれも増加することが見出された。AAとの反応後、グラフェン層にトぽロジカル障害を発生させて、相互作用につきいくつかの芳香族環の喪失をもたらす。これは、非共有結合を弱め、それによって、IGが増加し、ID/IGが減少する。血清およびAAとの反応後、グラフェン層のさらなるアモルファス化をもたらす。系のsp3含量が減少し、G周波数の増加およびID/IG比の減少をもたらす。
AAとAOとの相互作用は、キャリアの発生をもたらし、それゆえ、系の導電性の修正をもたらす電荷移動を誘発する。アスコルビン酸オキシダーゼの存在下での、アスコルビン酸からデヒドロアスコルビン酸への酵素的酸化は2個の電子を生成し、それらは導電性グラフェンオキシドパスを通って電子回路に輸送されて、導電性変化を記録する(図12F)。酵素アスコルビン酸オキシダーゼ (AO)、マルチ銅酵素は、本来、3つの異なる配位部位を持つ化学的プロテイナーゼである。ステップ1で、AOの銅がシステインの窒素および硫黄を介して2つのイミダゾール環に結合する。ステップ2で、銅が2つのイミダゾール環との結合を生じ、ステップ3で、ヒスチジンがすべての銅に結合する。酸素の存在下での、アスコルビン酸オキシダーゼとアスコルビン酸との反応メカニズムは、以下である:
上記の2つの式中、AO (ox)およびAO (red)は、酵素の酸化状態および還元状態であり;AAはアスコルビン酸(基質)であり、Pは、アスコルビン酸フリーラジカル中間体である。電位変化は酵素上のCu+2からCu+1への還元に起因する。電極の表面上に蓄積されたアスコルビン酸イオンのため、電極周りの電子密度が変化し、そして、これがトランスデューサーによって検出される。
バイオセンサーの分析能力
キャリブレーションカーブは、0-40 mM濃度の標準溶液中に入れた既知濃度のAAでバイオセンサーの抵抗変化を測定することによって作成した。実験は、0-40 mMの濃度のAA標準を用いて行った。低濃度のAA (<50 μM)にて、信号対ノイズ比は、AAの存在および不在を区別するに適していなかった。50 μMのAAにて、明確な抵抗変化が観察された(図8A)。各濃度は、10 μLの溶液をバイオセンサー上に滴下して試験した。バイオセンサーの抵抗は、図13Aに示すように、AAの濃度の増加とともに、減少した。対応するキャリブレーション式を図13Dにプロットし、データは線形トレンド(R2 = 0.988)に従った。未知サンプル中のAAの濃度を測定するために、サンプルに対応する実測抵抗をキャリブレーションのものと比較する。バイオセンサーの最適化は、2つの異なる設計で達成した(図3)。それらの設計のうちのひとつにおいて、低濃度のグラフェンプレートレットを用いた(図3A)。別の設計において、高濃度のグラフェンプレートレットを用いた(図3B)。グラフェンプレートレットは、大いなる非接続系を形成し、図13B(CS#1-3; CS: 臨床サンプル)に示すようにパーコレーション閾値以下で、高い表面抵抗(> 6 MΩ)をもたらした。グラフェンプレートレットの濃度がパーコレーション閾値以上に上昇すると、接続系が形成され(図13B, CS#4)、低い表面抵抗(< 0.2 MΩ)をもたらす。これらふたつの系は、グラフェンプレートレット-AOアッセンブリーについてふたつの異なる挙動およびAAの次なる相互作用をもたらした。例えば、図13B (CS#1-3)に示す系はAAのようなイオン性溶液の存在による表面抵抗の低下をもたらす(この結果は、グラフェンプレートレットアイランド間の導電性チャネル形成に由来する)。比較すると、図13B (CS#4)に示す系は、AOとAAの間の触媒反応の生成物形成による表面抵抗の増加をもたらす。図13Cは、バイオセンサーおよび標準比色分析法(房水収集のプロセスについての方法セクションを参照)を用いて前房穿刺手術を受けた対象(n = 12)から得たヒト房水のサンプル中のAA濃度の箱ひげ図を示す。箱は中央値と四分位を示し、ひげが5番目および95番目の百分位数に対応する。ルビーン検定を行って、等分散性を定量した。結果 (F = 9.45, P = 0.0055)は、母分散は0.05水準にて有意であることを示した(図13Cにも示す)。バイオセンサーおよび比色分析法 (n = 12)の母集団の一元配置分散分析は、(F =0.113, P = 0.74)、0.05水準にて、母集団が有意でないことを示す。テューキー検定も、上記所見がバイオセンサーと比色分析法との間の平均差が0.05水準にて有意でないことを示していることを確証した。最終的に、t-テスト (P = 0.678)は、ふたつの方法から得られた平均の間には統計的差異がないことを示した。
バイオセンサーデバイス対比色分析法の比較
房水臨床サンプルについての結果の検証は、標準比色分析法で濃度を得ることによって行い、それらを質量分光分析ベースの分析方法と比較した。AA濃度を、まず、共役酵素反応 (AA アッセイ Kit, Sigma-Aldrich, MAK074)によって定量し、それは比色 (abs = 570nm)/蛍光 (ex = 535/em = 587 nm)成果を生じ、それはAA存在に比例した。0-10 nmol/ウェルの範囲のAA濃度で200 μL(10 μLのAA、50 μLのマスターミックス、140 μLのバッファー)の総体積を用いて、標準曲線を生成した。臨床サンプル中のAAの濃度を測定するために、10 μLの臨床サンプルをマスターミックスおよびバッファー (200 μL)に添加して、吸収/蛍光データを得た。AAの濃度は、吸収または蛍光データをAA標準溶液について作成したキャリブレーションカーブと比較することによって得た。ふたつの方法から得られた結果の比較を図13Eに示す。回帰分析は、ふたつの方法の間に強い一致を示した (R2 = 0.89, ピアソンのR = 0.95)。
ブランド-アルトマン分析を行って、AAに対するふたつの定量方法:比色分析法およびバイオセンサー間の一致を測定した(図13F)。ブランド-アルトマンププロットは、ふたつの方法(バイオセンサーおよび比色分析法)から測定された濃度間の差異とふたつの方法によって測定された濃度の平均とをプロットすることによって得た。それは、-56.5 μMのバイアス値を生成し、それはバイオセンサーが比色分析法と比較してAA濃度を過少予想することを示している。これは、サンプル取り扱いおよび実験の間のAAの酸化によるものであろう。誤差の許容範囲(95%信頼区間, CI)は、2 x SDの差分値をとることによって算出した。ブランド-アルトマンププロットは、バイオセンサーおよび比色分析法で分析した12サンプル(n=12)から得、相関R=0.7761 (P<0.01)、傾斜= -1.045 (P<0.01)、および切片 = 1219.3 (P=0.005)である。ピアソン係数は、バイオセンサーおよび比色分析法からの2つの濃度測定の間に線形関係を表す。その値は、[-1, 1]の範囲にあり、1がふたつの方法の完全相関を表す。ピアソンR=0.95は切片を0に設定している。P<0.01は、バイオセンサーおよび比色分析法測定の間に相関がないという帰無仮説を否定する。
さらなる統計分析を行って、受信者動作曲線 (ROC)を構築した。バイオセンサーを用いたAAの検出は、81.3%の正確度、88.9% [95% 信頼区間 (CI), 62-100%]の感度および71.4%の特異度を有する。ROCは、AA検出につき、曲線下面積が0.94であることを示す(図4G)。臨床データは、バイオセンサー、比色分析法および高分解能質量分析 (HR-MS)から得られた結果を比較することによる、6点評価スケール(数値1-6で規定)を用いて分析した。以下のカテゴリー分類に従いROCを構築した:
1: 確実に陰性 [MS(N), 比色(N), バイオセンサー (N またはロー)];
2: ほぼ陰性[MS(N), 比色(N), バイオセンサー (Y またはハイ)];
3: どちらかといえば陰性[MS(N), 比色(Y), バイオセンサー (N またはロー)];
4: どちらかといえば陽性 [MS(Y), 比色(N), バイオセンサー (Y またはハイ)];
5: ほぼ陽性[MS(Y), 比色 (Y), バイオセンサー (N またはロー)];
6: 確実に陽性[MS (Y), 比色(Y), バイオセンサー (Y またはハイ)]
質量分光分析を用いたAA確認
臨床サンプル中のAAの存在は、図14A〜Bに示すように、高分解能質量分析法 (HR-MS)に従う液体クロマトグラフィー (LC)によって確認した。臨床サンプル中のAAを荷電(イオン)状態に転換し、引き続き、イオンおよび、イオン化プロセスの間に生じたいかなるフラグメントイオンの分析を、それらの質量対電荷比 (m/z)に基づき行った。特徴的なAAフラグメントが175.024のm/z(矢印で示す)にて得られる。同一ピークが全ての臨床サンプルでも見られ(矢印で示す)、臨床サンプル中のAAの存在が確認される。
結論
本発明の方法および組成物は、現在、房水漏出の評価につき最高標準である主観的ザイデルテストの代わりとなり得る。これは、眼科コミュニティに多くの利点を提供する。その方法および組成物は、緑内障ろ過術(線維柱帯切除術 (trabeculectomies)のような)からの手術後切開の評価ならびに前眼外傷患者に対して、大変革をもたらすものとなる。
涙液層におけるアスコルビン酸濃度は、涙液層生成での涙腺からの抗酸化物の放出に関連し、正常な健康眼における角膜を通しての分子の漏出に由来しない。これが、角膜外傷その他の眼症状に対するバイオマーカーとしてのアスコルビン酸の初めての使用である。
研究意義において、バイオセンサーは、創口漏出の程度の格付けのための信頼ある客観的標準を提供し、創口漏出を重篤性に基づきカテゴリーに階層化するのに使用でき、涙液層中のAA濃度が高い場合により高い重篤な漏出が見られた。これは、研究者に対して、術後結果をモニターする再現性ある方法を提供し、現在用いられている代替方法を置き換えることができた。
最後に、この信頼性のある技術は、専門家のアクセスが限定される遠隔地や後進国での術後管理を改革することができる。これらの状況において、バイオセンサーは、ヘルスケア支援による使用で術後患者をモニターし、抗菌剤を開始する必要があるか否かの決定の助けに使用される。バイオセンサーは、視覚保存処置を開始するために臨床診断情報ケア提供者に提供する。
まとめると、例えば、外傷または切開手術からの角膜または前強膜中の全層裂傷を包含する眼症状は涙液層に房水を放出し、それは、病理学的に、涙液層AAの濃度を正常眼に見られるよりも測定できるほどのより高いレベルにまで増大する。アスコルビン酸も感染または潰瘍からの角膜または前強膜中の穿孔から涙液層に放出される。このレベルは、本発明の方法および組成物の使用で検出できる。バイオセンサーからの結果は、前眼傷および眼症状の完全性の代理バイオマーカーとして使用できる。アスコルビン酸が眼の病気または損傷に対するバイオマーカーとして認識されたのは初めてである。吸収および蛍光ベースの検出の現行方法論は有効ではない。なぜならば、低感度で、緊急状況で臨床学的に適切であるまでに多大な時間を消費するからである。本発明のバイオセンサーは、電気抵抗測定ベースの技術を提供し、それは、POS送達システムにおいて、AAを試験する有効かつ十分な方法を供給する。本発明のバイオセンサーは、ヒト対象から収集した房水サンプルのイン・ビトロ試験において、正確かつ定量的にAAレベルを測定できる。ヒト房水からの臨床サンプルを試験して、AAの濃度の定量がうまくいった。比色分析法および質量分析法のような相補分析法を利用して、臨床サンプル中の特定濃度のAAの存在を比較して確認された。バイオセンサーは、たくさんのヘルスケア提供者によって臨床現場においてこのバイオセンサーを使用するために、特異度や感度を向上させるために改良することができる。本発明の方法および組成物は、眼の術後患者ならびに外傷患者を評価するために現行方法に著しい変化をもたらす。それは、ヘルスケア資源の利用および患者の治療の質を向上させる。

Claims (23)

  1. 分析物の検出用のバイオセンサーであって、グラフェンナノプレートレット、カーボンナノチューブ、またはフラーレンの層;前記グラフェンナノプレートレット、カーボンナノチューブ、またはフラーレンの上の1以上のポリマーの層;前記ポリマー層上の分析物に対するリガンドの層:および、少なくとも1つのセンサー電極を含む、バイオセンサー。
  2. 前記分析物が、涙液層に存在する、請求項1のバイオセンサー。
  3. 前記少なくとも1以上のセンサー電極が、前記1以上のポリマーの層と前記分析物に対するリガンドの層との間にある、請求項1のバイオセンサー。
  4. 前記分析物がアスコルビン酸であり、前記分析物に対するリガンドがアスコルビン酸オキシダーゼである、請求項1のバイオセンサー。
  5. さらに基材を含む、請求項1のバイオセンサー。
  6. 前記基材が、ろ紙、アクリルアミド、セルロース、ニトロセルロース、ガラス、シリコンウエハー、酸化インジウムスズ、マイカ、ポリスチレン、またはポリフッ化ビニリデン(PVDF)フィルター、グラスファイバーフィルター、繊維ガラス、ポリエチルイミンコートグラスファイバーフィルター、多孔質マイラー、透明多孔性フィルム、硝酸セルロール (CN)膜、混合セルロースエステル膜、酢酸セルロース膜、ポリエーテルスルホン (PES)膜、PTFE膜、ポリ(塩化ビニル) (PVC)の限外ろ過膜、カルボキシル化ポリ(塩化ビニル) (CPVC)、ポリスチレン、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリプロピレン、ポリメタクリレート、ポリエチレン、ポリエチレンオキシド、ポリシリケート、ポリカーボネート、テフロン(登録商標)、フルオロカーボン、ナイロン、シリコンゴム、ポリ無水物、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリオルトエステル、ポリプロピルフマレート、コラーゲン、グリコサミノグリカン、およびポリアミノ酸の1以上から選択される、請求項5のバイオセンサー。
  7. 前記1以上のポリマーがポリ(スチレン)-block-ポリ(アミノ酸)(PS-b-PAA)である、請求項1のバイオセンサー。
  8. 前記アスコルビン酸オキシダーゼが約3から約100 U/cm2の濃度にて存在する、請求項4のバイオセンサー。
  9. さらに流体チャンバーを含む、請求項1のバイオセンサー。
  10. さらにカバーを含む、請求項1のバイオセンサー。
  11. 請求項1のバイオセンサーおよび、データ収集システムに接続したディテクターを含む、デバイス。
  12. 前記ディテクターがマルチメーターである、請求項11のデバイス。
  13. 前記データ収集システムが、コンピューター、携帯用デバイス、携帯電話、およびタブレットから選択される、請求項11のデバイス。
  14. サンプル中に存在する分析物の量の可視化を許容するスクリーンをさらに含む、請求項11のデバイス。
  15. サンプル中の分析物を検出する方法であって、請求項1のバイオセンサーを前記サンプルに接触させ、ディテクターで前記分析物を検出することを含む、方法。
  16. 前記ディテクターが、サンプル中の分析物と分析物リガンドとの結合または相互作用により生じた電気抵抗の変化により;バイオセンサー上の質量変化により;比色変化により;蛍光反応により;ラマン分光分析表示の変化により;フーリエ変換赤外分光分析表示の変化により;質量分析法表示の変化により;または、電気化学変化により、分析物と分析物リガンドとの結合または相互作用を検出する、請求項15の方法。
  17. サンプル中の分析物を検出する方法であって、サンプルを請求項1のバイオセンサーに接触させ、電気抵抗の変化を測定するディテクターおよび抵抗の変化を可視化するスクリーンを含むデバイスの中または上にバイオセンサーを挿入し、これによって、サンプル中の分析物を検出することを含む、方法。
  18. 前記サンプル中の分析物の量を検出する、請求項17の方法。
  19. 前記サンプルが、涙、涙液層、涙液層の水性層、房水、汗、血液、血清、血漿、尿、唾液、または他の体液である、請求項15の方法。
  20. 眼症状を診断する方法であって、請求項1のバイオセンサーを、対象の涙、涙液層、涙液層の水性層、または房水のサンプルに接触させ、前記サンプル中の分析物の量を検出し、前記サンプル中の分析物の濃度が、対照サンプルまたは対照標準と比較して上昇していることで対象における眼症状を診断する、方法。
  21. 前記眼症状が、機械的もしくは化学的な眼損傷、前強膜損傷、角膜創傷完全性、房水漏出、眼潰瘍、感染、または外科的切開から選択される、請求項20の方法。
  22. 対象における眼症状を診断する方法であって、
    対象からの涙液層サンプル中のアスコルビン酸の量を検出し、前記サンプル中のアスコルビン酸の濃度が、対照サンプルまたは対照標準と比較して上昇していることで前記対象における眼症状を診断する、方法。
  23. 前記分析物がアスコルビン酸である、請求項20または22の方法。
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