JP2018509411A - 塩溶液からフラン−2,5−ジカルボン酸(fdca)を製造する方法 - Google Patents

塩溶液からフラン−2,5−ジカルボン酸(fdca)を製造する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、フラン−2,5−ジカルボン酸塩(MFDC)をフラン−2,5−ジカルボン酸(FDCA)に転化することによりフラン−2,5−ジカルボン酸(FDCA)を製造する方法に関し、上記方法は、下記工程:少なくとも5重量%の濃度を有するMFDCの水性溶液を無機酸(HY)と一緒にして、上記フラン−2,5−ジカルボン酸塩のカチオンと上記無機酸のアニオンとから得られる塩の溶液(MY溶液)中に固体のFDCAを1〜15重量%の濃度で含む反応混合物を形成すること、固体/液体分離工程において上記反応混合物から固体のFDCAを除去すること、および上記固体/液体分離工程から得られたMY溶液の一部を、MFDCをHYと一緒にする工程に供給することを含む。上記固体/液体分離工程から得られたMY塩溶液の一部を、MFDCをHYと一緒にする工程に供給する工程が、良好な品質を有しかつ高収率で得られるFDCA生成物を結果する安定かつ経済的な方法を得ることを可能にする。【選択図】図1

Description

本発明は、塩溶液からフラン−2,5−ジカルボン酸(FDCA)を製造する方法に関する。
FDCAは、多数の用途、中でもポリマー製造のための原料として魅力的な物質である。ここで、FDCAに基づくコポリマーは、中でもポリエチレンテレフタル酸ポリマー(PET)の代替である。FDCAエステルはまた、可塑剤または架橋剤としての使用があり得る。FDCAのジメチルエステルは、重合に関して特に興味深くあり得る。高級アルコールのエステル、例えばジブチルFDCA、ジエチルヘキシルFDCAおよびジオクチルFDCAは、可塑剤としての使用およびポリマーおよびコーティングにおける使用のために特に興味深くあり得る。
FDCAは、種々の方法によって製造され得る。特に魅力的である1の方法は、再生可能源から出発する、発酵に基づく方法である。この方法では、FDCAが環境に優しいやり方で得られ得る。
従来公知であるように、発酵によるFDCAの製造は一般に、5−(ヒドロキシメチル)フルフラール(HMF)の発酵的バイオ酸化の形をとる。これは、例えば、国際公開第2011/026913号パンフレットに記載されている。上記方法が行われる液体は、発酵ブロスまたは発酵培地と呼ばれる。上記方法におけるFDCAの形成は、発酵ブロスのpHの低下を結果するだろう。そのようなpHの低下は、微生物の代謝プロセスを損ね得るので、上記pHを中和するまたは微生物のための最適なpH値を維持するために、中和剤、すなわち塩基がしばしば発酵培地に添加される。
その結果、発酵培地中に製造されたFDCAは典型的に塩の形態で存在する。塩は、発酵培地に溶解され得、または固体の塩の形態で存在し得、または発酵培地に溶解され得ることと固体の塩の形態で存在し得ることの両方である。
FDCAの塩を酸に転化するために、上記FDCAの塩を無機酸と反応させて、FDCAと、上記FDCAの塩のカチオンと上記無機酸のアニオンとからなる塩を得ることが考えられている。しかし、この反応は簡単であり、理論において的確であるが、それを実際に行うとき、種々の運転上の問題が生じ、それが、上記反応を安定かつ経済的に魅力的なやり方で行うと共にFDCAを高い生成物品質を伴って得ることを困難にすることが分かった。
種々の成分の溶解性および形成された生成物の特性に特定の問題が存在する。FDCAは水への低い溶解度を有する。理論上では、これは、FDCAを他の反応物成分を含む水性混合物から分離することを容易にすることが予想される。しかし、FDCA結晶の特定の形状故に、FDCAの濃縮懸濁物は処理が困難であることが分かった。他方、FDCA懸濁物の稀釈は、より多くのFDCAが溶解するので、収率の損失をもたらす。酸溶液と組み合わせた可溶性FDCA塩の溶液の処理において特に生じる問題は、系における多量の水が、生成物流にとってFDCA損失を結果することである。
従って、可溶性FDCA塩の溶液からFDCAを製造することを可能にし、かつ高い生成物収率を良好な処理特性と組み合わせて生じる方法のための要求がある。
本発明は、フラン−2,5−ジカルボン酸塩(MFDC)をフラン−2,5−ジカルボン酸(FDCA)に転化することによりフラン−2,5−ジカルボン酸(FDCA)を製造する方法を提供する。上記方法は、安定な運転を経済的に魅力的なやり方で行い、かつFDCAを高い生成物品質および高い収率で得ることを可能にする。
本発明は、フラン−2,5−ジカルボン酸塩(MFDC)をフラン−2,5−ジカルボン酸(FDCA)に転化することによりフラン−2,5−ジカルボン酸(FDCA)を製造する方法に関し、上記方法は、下記工程:
少なくとも5重量%の濃度を有するMFDCの水性溶液を無機酸(HY)と一緒にして、上記フラン−2,5−ジカルボン酸塩のカチオンと上記無機酸のアニオンとから得られる塩の溶液(MY溶液)中に固体のFDCAを1〜15重量%の濃度で含む反応混合物を形成すること、
固体/液体分離工程において上記反応混合物から固体のFDCAを除去すること、および
上記固体/液体分離工程から得られたMY溶液の一部を、MFDCをHYと一緒にする工程に供給すること
を含む。
理論に縛られることを望まないが、上記固体/液体分離工程から得られたMY塩溶液の一部を、MFDCをHYと一緒にする工程に供給する工程が、FDCA生成物を良好な品質を伴って高収率でもたらす安定かつ経済的な方法を得ることを可能にすると考えられる。本発明の種々のさらなる利点およびその特定の実施形態を以下でより詳細に説明する。
本発明を、下記図面を参照して説明するが、本発明は下記図面にまたは下記図面によって限定されない。
図1は、本発明の第一の実施形態を例示する。
図1では、フラン−2,5−ジカルボン酸塩(MFDC)の溶液が、ライン(1)を通って反応容器(3)に供給される。無機酸(HY)が反応容器(3)にライン(2)を通って供給される。上記反応容器にはまた、ライン(71)を通って塩溶液(MY溶液)が供給される。上記反応容器では、MFDCがHYと反応してFDCAおよびMYを形成し、そしてFDCAおよびHYを含む反応混合物が、ライン(4)を通って固体/液体分離工程(5)に移される。図1に示されていないが、固体/液体分離工程を上記反応容器中で行うことももちろん可能である。固体/液体分離工程(5)では、固体のFDCAが上記MY塩溶液から分離され、そしてライン(6)を通って抜き出される。上記塩溶液は、ライン(7)を通って抜き出される。上記塩溶液の一部が反応容器(3)にライン(71)を通って供給される。上記塩溶液の別の部分が、ライン(72)を通って抜き出される。
本発明に従う方法は、フラン−2,5−ジカルボン酸の塩(MFDC)の水性溶液から出発する。上記溶液は、少なくとも5重量%、特に少なくとも10重量%のMFDC濃度を有する。最大値は、MFDCの溶解度によって決定される。一般的な最大値として、30重量%の値が挙げられ得る。
上記フラン−2,5−ジカルボン酸塩は好ましくは、フラン−2,5−ジカルボン酸ナトリウム(NaFDC)、フラン−2,5−ジカルボン酸カリウム(KFDC)およびフラン−2,5−ジカルボン酸アンモニウム(NH4FDC)から選択される。これらの塩は、出発物質として魅力的であることが分かった。なぜならば、それらは、比較的容易に、例えば発酵プロセスから得られ得るからである。他方、それらが本発明に従う方法において使用されるときには、FDCAが高収率でかつ高い生成物品質および高いプロセス効率を伴って得られることが分かった。
NaFDC、KFDCおよびNH4FDCは、水への高い溶解度故に、濃縮溶液の形態で提供され得る。すなわち、1実施形態では、MFDC、好ましくはNaFDC、KFDCおよびNH4FDCから選択されるMFDCが、少なくとも10重量%の濃度を有する溶液の形態で適用される。溶液の最大濃度は、上記塩の水への溶解度によって決定され、個々の場合に応じて当業者によって決定され得る。
MFDCは、無機酸(HY)と一緒にされて、固体のFDCAを、上記MFDCのカチオンと上記無機酸のアニオンから得られる塩の溶液(MY溶液)中に含む反応混合物を形成する。
本発明に従う方法では、上記MFDCのカチオンMと上記無機酸HYのアニオンYとが、プロセス条件下で析出しないほどに高い水への溶解度を有する塩を形成するように酸と塩との組み合わせが選択されなければならない。
本発明に従う方法において添加される無機酸は、上記FDCA塩を酸に転化する役目をする。無機酸の性質およびその系に存在する他の成分に応じて、無機酸は、水性溶液の形態、または、例えば塩酸の場合には気体形態で提供され得る。無機酸は一般に、強無機酸、すなわちゼロ未満のpKaを有する酸である。適する酸の例は、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、臭化水素酸およびそれらの誘導体、例えばNHHSOである。硫酸、塩酸および硝酸の使用が好ましくあり得、塩酸の使用が特に好ましい。
水性溶液の酸濃度は一般に、本発明にとって重要でない。濃縮溶液、例えば少なくとも5%、特に少なくとも10%、より特に少なくとも15重量%の酸濃度を有する溶液は一般に、プロセス経済の理由のために好ましい。最大濃度は、係る酸の溶解性または混和性によって決定される。高々35重量%の一般的な値が挙げられ得る。濃縮HY溶液の使用は、系における水の量を制限するので好ましい。
添加される酸の量は一般に、少なくとも上記FDCA塩を中和するのに十分な量である。これは、存在するFDCA塩の量から容易に計算され得、反応媒体のpHをモニターすることにより決定され得る。反応媒体のpHが高々2であるのが好ましい。高いFDCA収率を高過剰の酸の回避と組み合わせるために、反応媒体のpHが1〜2の範囲であるのが好ましくあり得る。高過剰の酸は、処理装置に有害であり得、または物質の不必要なリサイクルを結果し得るからである。
本発明に従う方法では、一緒にされる、MFDCの量およびその含水量、酸の量およびその濃度、ならびにMY溶液の量は、反応混合物中のFDCA濃度が、1〜15重量%、特に1〜10重量%の範囲であるように選択される。反応混合物中のFDCAの量が1重量%未満であるならば、処理されるべき流体の体積が不必要に大きい。他方、形成されたFDCAの量が15重量%超であるならば、反応混合物の加工処理性および続く固体/液体分離が悪影響を受ける。いくつかの場合には、種々の成分の量および濃度が、形成されるFDCAの量が反応混合物の総重量に基づいて計算して2〜8重量%、特に3〜7重量%の範囲であるように選択されるのが好ましくあり得る。ここで、FDCAの量は、固体のFDCAの量である。FDCAはこの系において低い溶解度を有するので、FDCAの合計量と固体のFDCAの量とがほぼ等しい。
固体のFDCAは、固体/液体分離工程において反応混合物から除去される。固体/液体分離工程は、公知の方法、例えばろ過、遠心分離、沈降または湿式サイクロンの使用の1以上を含む方法によって行われ得る。ろ過の使用がしばしば好ましい。
固体/液体分離工程において分離されたFDCAは、所望に応じて処理され得る。所望ならば、洗浄工程に付され得る。
固体のFDCAの除去後に塩溶液が残る。そのカチオンは、元のFDCA塩のカチオン(M)に対応し、アニオンは、無機酸のアニオン(Y)に対応する。固体/液体分離工程後に残る塩溶液のうち、一部が、FDCAの塩を無機酸と一緒にする工程にリサイクルされることが本発明の特徴である。
リサイクルされるMY溶液の量は、形成された固体のFDCAの量が、上記で規定された範囲内であるように選択される。従って、リサイクルされるMY溶液の量はまた、供給される酸の濃度およびMFDCが供給される形態に依存する。MY溶液の実質的な部分が、FDCAの塩を無機酸と一緒にする工程に供給されるのが好ましい。
MFDCをHYと一緒にする工程におけるMY溶液の比較的多量の存在が、より高いFDCA収率を結果することが分かった。理論に縛られることを望まないが、これは、FDCAのMY溶液への溶解度が、少なくともいくつかの塩に関して、FDCAの水への溶解度より低いことによって引き起こされると考えられる。それと共に、上記塩溶液の存在は、対応する量の水が存在する系と比較して、固体のFDCAの高められた析出を結果すると考えられる。
1実施形態では、固体/液体分離工程から得られるMY溶液の少なくとも40体積%、特に少なくとも50体積%、より特に少なくとも60体積%、いくつかの実施形態では少なくとも70体積%および/または高々95体積%が、MFDCをHYと一緒にする工程に供給される。
固体/液体分離工程から抜き出されたMY溶液の濃度は、広い範囲内で変わり得る。最小値として、少なくとも5重量%、特に少なくとも10重量%の値が挙げられ得る。上限は、MY塩の溶解度によって決定されるだろう。一般的な最大値として、30重量%の値が挙げられ得る。10〜20重量%の範囲が好ましくあり得る。
1実施形態では、本発明が、NaFDC、KFDCおよびNH4FDCから選択されるフラン−2,5−ジカルボン酸塩をフラン−2,5−ジカルボン酸(FDCA)に転化することによりフラン−2,5−ジカルボン酸(FDCA)を製造する方法に関し、上記方法は、下記工程:
5〜30重量%の濃度を有するMFDCの水性溶液を無機酸(HY)と一緒にして、上記フラン−2,5−ジカルボン酸塩のカチオンと上記無機酸のアニオンとから得られる塩の溶液(MY溶液)中に固体のFDCAを1〜15重量%の濃度で含む反応混合物を形成すること、
固体/液体分離工程において上記反応混合物から固体のFDCAを除去すること、および
上記固体/液体分離工程から得られたMY溶液の40〜95重量%を、MFDCをHYと一緒にする工程に供給すること
を含む。
上述した特定の選好がこの方法にも当てはまる。
MFDCは、例えば、FDCA塩を含む水性供給物が形成されるところの発酵プロセスから得られ得る。そのような工程は典型的に、次のサブ工程:炭素源を微生物によって発酵すること、FDCAを含む発酵培地を形成すること、そして、一般的に発酵中に、中和剤、すなわち塩基を添加することにより所望のpHを確立するために発酵培地を(部分的に)中和することを含む。適する塩基は、ナトリウム、カリウムおよびアンモニウムの酸化物、水酸化物および炭酸塩を包含する。
上述したように、発酵によるFDCAの製造は一般に、5−(ヒドロキシメチル)フルフラール(HMF)の発酵的バイオ酸化の形をとる。これらのプロセスは公知であり、FDCAの形成をもたらす発酵プロセスを選択することは当業者の範囲内である。
発酵培地は一般に、バイオマス除去工程に付される。バイオマスは例えば、バイオマスの(超)ろ過、遠心分離またはデカンテーションによって除去され得る。バイオマス除去は、改善された特性を有する末端生成物を結果することが分かった。
FDCA塩が水に可溶である場合には、バイオマス除去後に、溶解されたFDCA塩を含む溶液が得られ、それは、任意的に更なる精製および/または水除去工程の後に、本発明に従う方法における出発物質として使用され得る。
発酵ブロスがFDCA塩を固体状態で含む場合には、FDCA塩が、固体−液体分離法、例えばろ過、または上述した他の方法の1つによって発酵ブロスから分離され得る。こうして得られた固体のFDCA塩は、任意的に更なる精製工程の後に、本発明に従う方法における出発物質として使用され得る。
種々の段落で上述された本発明の種々の局面が組み合わされ得ることは当業者に明らかであろう。
本発明を下記実施例によって説明するが、本発明は下記実施例にまたは下記実施例によって制限されない。
実施例1:30重量%Na2FDCの100%H2SO4による酸性化および母液のリサイクル(モデル例)
下記の実験設定が、種々の化合物の既知の溶解度データを使用してコンピュータにおいてモデル化された。
撹拌された反応器が、210gの19.9重量%硫酸ナトリウム(Na2SO4)溶液で充填され、そして40℃で制御された。フラン−2,5−ジカルボン酸ナトリウム4水和物(Na2FDC・4H2O、20g、73mmol)が30gの水に溶解されて、ほぼ飽和の溶液をシミュレートした。この溶液が、上記反応器に添加された。FDCAを形成するために、硫酸96%(7.5g、73mmol)が上記反応器に添加された。
得られた混合物は、5.3重量%のFDCAを含んでいた。固体のFDCAが濾過によって分離された。透明なろ液が、19.9重量%のNa2SO4を含んでいた。これは、40℃での飽和濃度(32.8%)より下であるが、室温での溶解度(16.3重量%)より上である。
210gの19.9重量%硫酸ナトリウム(Na2SO4)溶液は、83体積%の硫酸ナトリウム溶液のリサイクルに相当する。

Claims (10)

  1. フラン−2,5−ジカルボン酸塩(MFDC)をフラン−2,5−ジカルボン酸(FDCA)に転化することによりフラン−2,5−ジカルボン酸(FDCA)を製造する方法であって、下記工程:
    少なくとも5重量%の濃度を有するMFDCの水性溶液を無機酸(HY)と一緒にして、上記フラン−2,5−ジカルボン酸塩のカチオンと上記無機酸のアニオンとから得られる塩の溶液(MY溶液)中に固体のFDCAを1〜15重量%の濃度で含む反応混合物を形成すること、
    固体/液体分離工程において上記反応混合物から固体のFDCAを除去すること、および
    上記固体/液体分離工程から得られたMY溶液の一部を、MFDCをHYと一緒にする工程に供給すること
    を含む方法。
  2. 上記フラン−2,5−ジカルボン酸塩が、フラン−2,5−ジカルボン酸ナトリウム(NaFDC)、フラン−2,5−ジカルボン酸カリウム(KFDC)およびフラン−2,5−ジカルボン酸アンモニウム(NH4FDC)から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. MFDCが、少なくとも10重量%の濃度を有する水性溶液の形態で供給される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 上記無機酸(HY)が、塩酸(HCl)、硝酸(HNO3)および硫酸(H2SO4)から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 一緒にされる、MFDCの量およびその含水量、酸の量およびその濃度、ならびにMY溶液の量が、上記反応混合物におけるFDCA濃度が上記反応混合物の総重量に基づいて計算して1〜10重量%、いくつかの実施形態では2〜8重量%、より特に3〜7重量%の範囲であるように選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 上記固体/液体分離工程から得られたMY溶液の少なくとも40体積%、特に少なくとも50体積%、より特に少なくとも60体積%、いくつかの実施形態では少なくとも70体積%および/または高々95体積%が、MFDCをHYと一緒にする工程に供給される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 上記固体/液体分離工程から抜き出されたMY溶液の濃度が、少なくとも5重量%、特に少なくとも10重量%、および/または高々30重量%、好ましくは10〜20重量%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. NaFDC、KFDCおよびNH4FDCから選択されるフラン−2,5−ジカルボン酸塩をフラン−2,5−ジカルボン酸(FDCA)に転化することによりフラン−2,5−ジカルボン酸(FDCA)が製造され、下記工程:
    5〜30重量%の濃度を有するMFDCの水性溶液を無機酸(HY)と一緒にして、上記フラン−2,5−ジカルボン酸塩のカチオンと上記無機酸のアニオンとから得られる塩の溶液(MY溶液)中に固体のFDCAを1〜15重量%の濃度で含む反応混合物を形成すること、
    固体/液体分離工程において上記反応混合物から固体のFDCAを除去すること、および
    上記固体/液体分離工程から得られたMY溶液の40〜95重量%を、MFDCをHYと一緒にする工程に供給すること
    を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. MFDCが発酵工程から得られたものである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 上記固体/液体分離工程から得られたHY溶液の一部が上記一緒にする工程にリサイクルされ、別の部分が上記一緒にする工程にリサイクルされない、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
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