JP2018506876A - マルチキャリア通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】マルチユーザ・マルチキャリア通信ネットワーク内の端末とアクセス・ノードとの間の通信のための方法および装置が記載される。【解決手段】アクセス・ノードは、衛星アクセス・ノードであってよい。端末は、チャネル・オフセットの初期推定および追跡を行い、端末によって送信される将来のパケットについてのチャネル・オフセットを推定するように構成される。いくつかの実施形態では、チャネル・オフセットは、アクセス・ノードと複数の端末との間の相対移動に起因する、移動性に関連するチャネル・オフセットを含む。アクセス・ノードによって受信される総計信号が任意の個々の端末の最大信号帯域幅以上の帯域幅を占めるように、端末からアクセス・ノードへの送信は、チャネル・オフセットに関して事前補償される。端末送信は、地上では周波数および時間において重なり合う可能性があるが、直交してアクセス・ノードに到着する。【選択図】図1

Description

(優先権書類)
本出願は、2014年12月9日に出願された「Multicarrier Communications System」と題するオーストラリア仮特許出願第2014904976号の優先権を主張し、同仮出願の内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
参照による組み込み
以下の文献が、本出願中で参照され、それらの内容は全体が参照により本明細書に組み込まれる。
H. Jin, A. Khandekar, and R. McEliece, “Irregular repeat−accumulate codes”, In Proc. Int. Symp. on Turbo Codes & Rel.Topics, pages 1−8, 2000。
M. Oerder and H. Meyr, “Digital filter and square timing recovery”, IEEE Trans.Commun., 36(5):605−612, May 1988。
南オーストラリア大学の名による「A multiuser communications system」と題する国際特許出願第PCT/AU2014/000826号。
南オーストラリア大学の名による「Synchronisation using pilots and data」と題する国際特許出願第PCT/AU2014/000139(WO2014127407)号。
南オーストラリア大学の名による「Digital communication system」と題する国際特許出願第PCT/AU2013/001501(WO2014094064)号。
南オーストラリア大学の名による「Carrier phase and amplitude estimation for phase shift keying using pilots and data」と題する国際特許出願第PCT/AU2013/001464(WO2014089634)号。
南オーストラリア大学の名による「Communication system and method」と題する国際特許出願第PCT/AU2013/001078(WO2014043760)号。
南オーストラリア大学の名による「Channel allocation in a communication system」と題する国際特許出願第PCT/AU2013/000895(WO2014026228)号。
本発明は、マルチキャリア通信システムに関する。
ワイヤレス通信サービスに対する需要の高まりと、次第に不足しつつある無線周波数スペクトルとが相まって、より効率的で柔軟なスペクトルの使用が必要となっている。
例示的な通信システムは、衛星ベースのアクセス・ノード(AN)と、地上ベースのユーザ端末(UT)およびゲートウェイ端末(GAT)とを含む。そのようなシナリオにおける1つの課題は、アクセス・ノードと端末の間でどのようにして媒体を効率的に共用するかである。中央化された制御が可能な状況では、アクセス・ノードは、例えば時分割多元接続(TDMA)や周波数分割多元接続(FDMA)などの何らかの直交型のアクセス方式を使用して、チャネルへのアクセスを調整することができる。他の方法には、符号分割多元接続(CDMA)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)、および単一キャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)がある。OFDMAおよびSC−FDMAの場合、チャネルは、帯域にわたってサブキャリアに分割され、各ユーザに1つまたは複数のサブキャリアが割り当てられる。そのような方式は、従来、ユーザの信号間の直交性を維持するために、すべての送信機間で非常に厳しい時間および周波数の同期を必要とする。
対象となる多くの状況では、通信媒体は、時間もしくは周波数(または両方)において分散的であることがある。そのようなチャネルの一例は、マルチパス・モバイル無線チャネルであり、そこでは送信機と受信機の相対運動がドップラ偏移を引き起こし得る。環境からの無線信号の反射も、各々が独自の時間遅延、減衰、および位相オフセットを有する、送信波形の多くのコピーの重ね合わせをもたらす。著しい時間オフセットおよび周波数オフセットを導入し得るチャネルの別の例は、例えば低軌道(LEO)にある衛星と通信する状況において見られる。この状況では、衛星までの飛行時間は、送信機に対する衛星の相対位置に応じて著しく変化する可能性がある。さらに、(地上の固定地点から見た時の)衛星の高速度は、大きいドップラ偏移を引き起こす。そのような状況では、チャネルは、送信信号の各々に、(時間的に変化する可能性のある)時間、周波数、および位相のオフセットを課す可能性がある。状況によっては、周波数オフセットは、(ラジアン/秒またはHz/秒単位で測定される)ある周波数率に従って時間的に変化し得る。
アクセス・ノードと端末の間のドップラによって引き起こされる周波数オフセットは、両者間の幾何学的配置および相対運動に依存する。システム・ダイナミクスを通じてチャネルのドップラ偏移および時間オフセットが引き起こされる通信システムを考えたい。この例では、すべての端末が、指定された同じ周波数割り当て内で同時に変調信号を送信する。これらは、単一キャリアまたは複数キャリアの送信であり得る。アクセス・ノードは第1の端末T1に向かって移動しており、そのため、アップリンク信号に正のドップラ偏移を引き起こし、受信機においてアップリンク信号をより高い周波数へと移動させる。アクセス・ノードは、第2の端末T2からは遠ざかる方向に移動しており、そのため、アップリンク信号に負のドップラ偏移を引き起こし、受信機においてアップリンク信号をより低い周波数へと移動させる。アクセス・ノードは、端末T3の真上にあり、ここにあるドップラ偏移は無視できる大きさである。すべての信号は、端末送信機からアクセス・ノード受信機まで移動するために時間を要し、リンクの距離に比例した遅延を導入する。ドップラによって引き起こされるシフトは、利用可能なアップリンク帯域幅およびサブキャリア間の間隔に関係して著しくなることもある。例えば、400MHzのキャリア周波数の場合、LEO衛星ベースのアクセス・ノードのすぐ前方にある端末は、周波数がおよそ10kHzだけ上方にシフトされる。従来のシステムでは、これらの影響は、キャリア間干渉を導入することによって性能を低下させることがある。性能の低下は、引き起こされる周波数シフトと共に増大する。
チャネルによって引き起こされるオフセットは、送信機に事前に知られていないことがあり、それは、直交アクセス方式を使用して送信する試みが、チャネルによって頓挫させられ得ることを意味する。送信された信号は、直交していても、受信機に到着した時には、直交していないことがある。これは、マルチアクセス干渉を引き起こし、それによって、異なる送信機からの信号が受信機において相互に干渉する。これは、システムの性能をひどく低下させ得る。
この問題に対処する1つの手法は、アクセス・ノード・ベースの受信機において関連する時間、周波数および位相のオフセットを推定し、フィードバック・チャネルを使用してそれらの推定を対応する送信機に提供して、送信機がそれらの影響を事前補償できるようにするものである。しかし、この手法は、チャネル・パラメータが、推定された時から使用される時までに、あまり大きく変化しないように、十分に速く動作しなければならない。さらに、この手法は、アクセス・ノードでの受信処理の複雑さを増大させることもある。アクセス・ノードの複雑さの増大は、アクセス・ノードが衛星に搭載されている用途など、一部の用途では非常に望ましくない。
別の手法は、どのようなオフセットがチャネルによって導入されたとしても異なる送信機からの信号が干渉しないように、固定されたガード・バンドおよびガード・インターバルを使用して、十分な時間および周波数の分離を提供するものである。この手法は、単純であるが、スペクトル的に効率的なシステムが要求される場合は問題を呈することがある。例えば、400MHzで動作するLEO衛星システムの場合、引き起こされる最大のドップラ偏移は、およそ±10kHzになり、したがって20kHzのガード帯域幅を必要とする。
衛星配備の場合は、大きなアクセス・ノード視野により、地理的に広く分散した端末と通信する可能性がもたらされる。これは、アクセス・ノードと各端末との間に多様な範囲のチャネル条件を招く可能性がある。多くの事例では、例えば、端末が衛星の真下にあり、引き起こされるドップラ偏移が無視できる程度である時には、衛星の通過の間に、固定されたガード・バンドを使用することは控えめになり過ぎる。さらに、チャネルの影響を補償することを目的とするシステムでは、多様な範囲のチャネル条件は、動的で正確なチャネル推定方法の必要性を生む。
したがって、マルチユーザ・マルチキャリア通信ネットワークのスペクトル効率を改善するための方法、システム、および構成要素を提供する必要、または少なくとも現在のシステムに対する有益な代替を提供する必要がある。
第1の態様によれば、複数の端末を含むマルチユーザ・マルチキャリア通信ネットワーク内の端末とアクセス・ノードとの間の通信のための方法が提供され、この方法は、
端末とアクセス・ノードとの間にリンクを確立するステップと、
1つまたは複数のチャネル・オフセットの初期推定および追跡を行うステップと、
追跡されたチャネル・オフセットを使用して、端末によって送信される将来のパケットについての1つまたは複数のチャネル・オフセットを推定するステップと、
アクセス・ノードによって受信される総計信号が任意の個々の端末の最大信号帯域幅以上の帯域幅を占めるように、推定される1つまたは複数のチャネル・オフセットを使用して、アクセス・ノードへの送信を、1つまたは複数のチャネル・オフセットに関して事前補償するステップと、を含む。
一形態において、アクセス・ノードと複数の端末との間の相対移動が、1つまたは複数の移動性に関連するチャネル・オフセットを生じさせ、1つまたは複数のチャネル・オフセットは、1つまたは複数の移動性に関連するチャネル・オフセットを含む。一形態において、方法は、1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアの割り当てをアクセス・ノードに要求するステップをさらに含み、割り当ては、1つまたは複数の移動性に関連するチャネル・オフセットを考慮に入れる。
一形態において、1つまたは複数の移動性に関連するチャネル・オフセットは、周波数オフセットを含む。さらなる形態において、送信を事前補償するステップは、周波数オフセットを事前補償するステップを含み、周波数オフセットを事前補償するステップは、
1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアのうち、端末がアップリンク周波数オフセットの予測を使用して事前補償することが可能なサブキャリアを判定するステップと、
1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアの割り当てを要求し、1つまたは複数のサブキャリアのうち異なる集合で送信するステップであって、要求されたサブキャリア周波数と実際のサブキャリアとの周波数の差が、サブキャリア分解能での一括事前補償を提供する、ステップと、
割り当てられたサブキャリアに関してサブキャリア間隔の残りの小数部があれば、それを事前補償するために、チャネル周波数に精細な事前補償を適用するステップとを含む。
一形態において、1つまたは複数のチャネル・オフセットは時間オフセットをさらに含み、送信を事前補償するステップは、スロット・タイミング境界よりも前に送信することによって時間オフセットを事前補償するステップをさらに含む。さらなる形態において、送信を事前補償するステップは、時間オフセットおよび周波数オフセットを補償して、アクセス・ノードにおいて、送信されたサブキャリアが割り当てられたサブキャリアの中心周波数とスロット境界との十分近くで受信されて、アクセス・ノードが残存周波数訂正を行った後に送信の受信に成功することができるようにする。
一形態において、送信時に、端末からの事前補償された送信は、別の端末からの送信と周波数および時間において重なり合う可能性があるが、それら2つの送信は、移動性に関連するチャネル・オフセットのために直交してアクセス・ノードに到着する。
一形態において、追跡および推定は、送信を事前補償するためのチャネル状態予測を生成するチャネル状態トラッカ・モジュールによって行われ、チャネル状態トラッカへの入力は、ダウンリンク周波数とタイミング推定とを含み、チャネル状態トラッカは、将来の送信についての周波数オフセットおよびタイミング・オフセットを推定する。さらなる形態において、チャネル状態トラッカへの入力は、アクセス・ノードと端末との間の相対運動を記述するパラメータを追加的に含む。さらなる形態において、チャネル状態トラッカへの入力は、周波数率、複素チャネル・ゲイン、または信号対雑音比(SNR)、のうちの1つまたは複数を追加的に含む。
一形態において、方法は、1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアのうち、推定される1つまたは複数のチャネル・オフセットを端末が事前補償することができる目標可能な集合を判定するステップをさらに含み、送信の事前補償は、1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアのうち目標可能な集合の1つで送信がアクセス・ノードに到着するように、1つまたは複数のサブキャリア内で行われる。
一形態において、方法は、1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアのうち、推定される1つまたは複数のチャネル・オフセットに基づいて端末がチャネル・オフセットを事前補償することができる目標可能な集合を判定するステップと、1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアの割り当てをアクセス・ノードに要求するステップであって、端末の目標可能な集合が、端末によってアクセス・ノードに送信される割り当て要求に含まれる、ステップとをさらに含み、割り当ては、使用中に、アクセス・ノードが1つまたは複数の目的関数をシステム・パラメータの関数として最適化することによってアップリンク・リソースを割り当てるように構成されるように、アクセス・ノードによって行われ、最適化は、端末の目標可能な集合にない1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアの、その端末への割り当てを阻止するように構成される。
第2の態様によれば、複数の端末を含むマルチユーザ・マルチキャリア通信ネットワーク内のアクセス・ノードと1つまたは複数の端末との間の通信のための方法が提供され、この方法は、
アクセス・ノードと1つまたは複数の端末との間に1つまたは複数のリンクを確立するステップと、
1つまたは複数の端末から、1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアの割り当て要求を受信するステップと、
アップリンク・リソースを1つまたは複数の端末に割り当てるステップとを含み、割り当ては、1つまたは複数のチャネル・オフセットを考慮に入れ、1つまたは複数のサブキャリアは、任意の個々の端末の最大信号帯域幅以上の帯域幅から割り当てられ、それにより、使用中に、アクセス・ノードによって受信される総計信号が任意の個々の端末の最大信号帯域幅以上の帯域幅を占めるようにする。
一形態において、1つまたは複数のサブキャリアは、アクセス・ノードと複数の端末の間の所定の最大ドップラ偏移の2倍と、サブキャリア間隔とに基づく量だけ増大させた任意の個々の端末の最大信号帯域幅に等しい帯域幅から割り当てられる。
一形態において、端末からの割り当て要求は、その端末についてのサブキャリアの目標可能な集合を含み、アップリンク・リソースを割り当てるステップは、目標可能な集合を使用して1つまたは複数のチャネル・オフセットを考慮に入れる。さらなる形態において、アクセス・ノードと複数の端末との間の相対移動が、1つまたは複数の移動性に関連するチャネル・オフセットを生じさせ、1つまたは複数のチャネル・オフセットは、1つまたは複数の移動性に関連するチャネル・オフセットを含み、アップリンク・リソースを割り当てるステップは、目標可能な集合を使用して、1つまたは複数の移動性に関連するチャネル・オフセットを考慮に入れる。
一形態において、アップリンク・リソースを1つまたは複数の端末に割り当てるステップは、1つまたは複数の目的関数をシステム・パラメータの関数として最適化することにより、目標可能な集合を使用して1つまたは複数のチャネル・オフセットを考慮に入れ、最適化は、端末の目標可能な集合にない1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアの、その端末への割り当てを阻止するように構成される。
さらなる形態において、最適化は、端末の目標可能な集合にない1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアを最適化がその端末に割り当てることを阻止する1つまたは複数の追加的な制約を含めることにより、端末の目標可能な集合にない割り当てを端末に行うことを阻止するように構成される。さらなる形態において、制約は、端末の目標可能な集合にない1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアの、その端末への割り当てを禁止する。さらなる形態において、1つまたは複数の追加的な制約は、比例公平性の制約を含む。さらなる形態において、1つまたは複数の追加的な制約は、システム・パラメータおよび最適化変数の線形関数である。
一形態において、最適化は、端末の目標可能な集合にない1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアを、最適化がその端末に割り当てることを阻止するペナルティ関数を目的関数に含めることにより、端末の目標可能な集合にない割り当てを端末に行うことを阻止するように構成される。さらなる形態において、ペナルティ関数は、システム・パラメータおよび最適化変数の線形関数である。
一形態において、目的関数は、合計データ・レートを含む。一形態において、システム・パラメータは少なくとも、各サブキャリアにおける各端末の信号対雑音比を含む。一形態において、アクセス・ノードは、独立したサブキャリア・チャネル推定を行う。
第3の態様によれば、アクセス・ノードと複数の端末とを含むマルチユーザ・マルチキャリア通信ネットワーク内で使用するための端末装置が提供され、端末は、
送信機と、
受信機と、
1つまたは複数のチャネル・オフセットの初期推定および追跡を行うように構成され、追跡されたチャネル・オフセットを使用して、端末によって送信される将来のパケットについての1つまたは複数のチャネル・オフセットを推定する、チャネル状態トラッカと、
端末とアクセス・ノードとの間にリンクを確立し、1つまたは複数のチャネル・オフセットを考慮に入れて1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアの割り当てを要求し、推定される1つまたは複数のチャネル・オフセットを使用して、端末からアクセス・ノードへの送信を1つまたは複数のチャネル・オフセットに関して事前補償するように構成された媒体アクセス・コントローラであって、アクセス・ノードにおける受信信号は、端末の最大信号帯域幅以上の帯域幅を占める、媒体アクセス・コントローラと、を備える。
一形態において、アクセス・ノードと複数の端末との間の相対移動が、1つまたは複数の移動性に関連するチャネル・オフセットを生じさせ、1つまたは複数のチャネル・オフセットは、1つまたは複数の移動性に関連するチャネル・オフセットを含む。一形態において、リンクはMACレベルのセッションとして確立される。一形態において、チャネル状態トラッカは物理層(PHY)の構成要素であり、MACは、チャネル状態トラッカを起動してチャネル・オフセットの推定を生成させ、送信に使用する1つまたは複数のサブキャリアをPHYに指示するように構成される。
第4の態様によれば、アクセス・ノードと複数の端末とを含むマルチユーザ・マルチキャリア通信ネットワーク内で使用するためのアクセス・ノードが提供され、アクセス・ノードは、
送信機と、
受信機と、
端末とアクセス・ノードとの間に1つまたは複数のリンクを確立し、1つまたは複数の端末から受信される1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアの割り当て要求を受信し、1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアを1つまたは複数の端末に割り当てるように構成された媒体アクセス・コントローラと、を備え、割り当ては、1つまたは複数のチャネル・オフセットを考慮に入れ、1つまたは複数のサブキャリアは、任意の個々の端末の最大信号帯域幅以上の帯域幅から割り当てられ、それにより、使用中に、アクセス・ノードによって受信される総計信号が任意の個々の端末の最大信号帯域幅以上の帯域幅を占めるようにする。
一形態において、割り当て要求は、端末からの、1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアのうち目標可能な集合を含み、アクセス・ノードは、1つまたは複数の目的関数をシステム・パラメータの関数として最適化することにより、1つまたは複数のスロット内の少なくとも1つ以上のサブキャリアを含むアップリンク・リソースを1つまたは複数の端末に割り当てるように構成され、最適化は、端末の目標可能な集合にない1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアの、その端末への割り当てを阻止するように構成される。一形態において、アクセス・ノードと複数の端末との間の相対移動が、1つまたは複数の移動性に関連するチャネル・オフセットを生じさせ、1つまたは複数のチャネル・オフセットは、1つまたは複数の移動性に関連するチャネル・オフセットを含む。一形態において、アクセス・ノードは、独立したサブキャリア・チャネル推定を行う。
第5の態様によれば、
第3の態様による複数の端末と、
第4の態様によるアクセス・ノードと
を備えるマルチユーザ・マルチキャリア通信システム・ネットワークが提供される。
第6の態様によれば、第1または第2の態様の方法をプロセッサに行わせる命令を備えたコンピュータ可読媒体が提供される。
本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
例示的なシステム・アーキテクチャを示し、一実施形態の多元接続態様を紹介する図である。
システム・ダイナミクスを通じてチャネルのドップラ偏移および時間オフセットが引き起こされる、例示的なシステムを示す図である。
一実施形態による方法のフローチャートである。
一実施形態による方法のフローチャートである。
一実施形態による、図1に出現したアクセス・ノードおよび単一のユーザ端末のブロック図である。
一実施形態による、ドップラによって引き起こされる周波数オフセット、および各送信機と受信機間のチャネルから生ずる伝搬遅延を示す図である。
一実施形態による、端末がアクセス・ノードによって調整され、アップリンク・チャネルの影響を事前補償するシステムの一部を描いた図である。
図6Aに示すシステムの残りの部分を描いた図である。
一実施形態による、時分割二重フレーム構造の例を描いた図である。
一実施形態による、周波数分割二重フレーム構造の例を描いた図である。
一実施形態による、リンク状態遷移の1つの実施形態の第1の部分的要約を提示する図である。
一実施形態による、リンク状態遷移の1つの実施形態の第2の部分的要約を提示する図である。
一実施形態による、リンク状態遷移の1つの実施形態の第3の部分的要約を提示する図である。
一実施形態による、アップリンク・リソースの区分の概念を説明する図である。
一実施形態による、アップリンク割り当ての一例を描いた図である。
一実施形態による、目標とすることが可能なサブキャリアの集合を端末が判定するアルゴリズムを示す図である。
一実施形態による、MAC層データのフラグメント化の一例を示す図である。
一実施形態による、地理的に分散した端末のドップラ偏移特性を活用することによって帯域幅の拡張を実現するためにアクセスが調整されるマルチキャリア・アップリンクの一例を示す図である。
一実施形態による、例示的なACKビットマップおよびそれがどのように生成されるかを示す図である。
一実施形態による、アップリンクおよびダウンリンク両方向におけるシステムの物理層の高水準ブロック図である。
図15に出現したダウンリンク・ベースバンド送信機の一実施形態のブロック図である。
図15に出現したダウンリンク・ベースバンド・パケット受信機の一実施形態のブロック図である。
一実施形態による、初期化モードで動作している時の捕捉およびチャネル推定モジュールのブロック図である。
一実施形態による、追跡モードで動作している時の捕捉およびチャネル推定モジュールのブロック図である。
一実施形態による、衛星通過の間にランダムに分散した端末の集合を表すシミュレーションから収集されたチャネル・パラメータをプロットした図である。
一実施形態による、復調および復号モジュールのブロック図の例を示す図である。
図15に出現した端末のアップリンク・ベースバンド送信機の一実施形態のブロック図である。
一実施形態による、変調パイロット・シンボルがデータ・シンボルで分離された3つのグループで出力されるように変調器入力において分散されたパイロット・ビットを示す図である。
アップリンク・ベースバンド・マルチキャリア・パケット受信機の一実施形態のブロック図である。
一実施形態による、アップリンクの粗周波数推定を得るアルゴリズムのフローチャートである。
一実施形態による、アップリンクの精細な周波数推定を得るアルゴリズムのフローチャートである。
ダウンリンク波形の一実施形態についてのパケット誤り率シミュレーション結果を示す図である。
アップリンク波形の一実施形態についてのパケット誤り率シミュレーション結果を示す図である。
(節1:概要)
次いで、マルチユーザ・マルチキャリア通信ネットワークの方法、システム、および構成要素について説明する。我々は、アクセス・ノードAN110を含む通信システムを考察し、アクセス・ノードAN110は、リモート・ユーザ・ノード(リモート無線インターフェースを介して)およびゲートウェイ・ノード(ゲートウェイ無線インターフェースを介して)と通信する。ユーザ・ノードおよびゲートウェイ・ノードは、端末機器内に実施される。便宜のために、ユーザ・ノードおよびゲートウェイ・ノードは、総称的にユーザ端末120として参照する。さらに、端末は、2種類以上のノード能力を実施してもよい。
図1は、例示的なシステム・アーキテクチャ100を示し、一実施形態の多元接続態様を紹介する。典型的な応用例は、衛星ベースのアクセス・ノード110および地上ベースの端末を含むことができ、端末の一部は、ユーザ端末120である可能性があり、一部はゲートウェイ端末130である可能性がある。図1のゲートウェイ/アクセス端末140は、(衛星が存在しない時には)アクセス・ノードとして機能するマルチモード・ゲートウェイ/アクセス端末140によって調整される、ユーザ端末150のローカルな群も含む。衛星110が存在する時、ゲートウェイ/アクセス端末140は、ゲートウェイ・ノードとして機能することができる。アクセス・ノード110は、タイミング・ステータス、肯定応答、およびデータ転送のために、アクセス・ノードからすべての端末への単一キャリア・ブロードキャストからなるダウンリンク112を通じて通信する。ユーザ端末は、時間スロットおよび周波数スロット化された柔軟性のあるアップリンク・アクセス122、112、132、142からなるアップリンクを通じて、要求およびトラフィックに関して通信し、アップリンクは、本明細書に記載されるようにチャネル・オフセットが事前補償される。チャネル・オフセットは、アクセス・ノードと複数の端末との間の相対移動に起因する、1つまたは複数の移動性に関係するチャネル・オフセットを含む可能性がある。この文書に記載される実施形態は、リモート・インターフェースとゲートウェイ・インターフェースのどちらにも適する。それらの実施形態は、単一のインターフェースをリモート端末とゲートウェイ端末の間で共用することを可能にする。この柔軟性により、チャネル・リソースを必要に応じて割り当てることが可能になり、それにより全体的なスペクトル効率が向上する。
そのようなシナリオにおける1つの課題は、アクセス・ノード110とユーザ端末120(ゲートウェイ端末を含む)の間でどのようにして効率的に媒体を共用するかである。中央化された制御が可能な状況では、アクセス・ノードは、例えば時分割多元接続(TDMA)や周波数分割多元接続(FDMA)などの何らかの直交型のアクセス方式を使用して、チャネルへのアクセスを調整することができる。他の方法には、符号分割多元接続(CDMA)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)、および単一キャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)がある。OFDMAおよびSC−FDMAの場合、チャネルは、帯域全体でサブキャリアに分割され、各ユーザに1つまたは複数のサブキャリアが割り当てられる。そのような手法は、従来、ユーザの信号間の直交性を維持するために、すべての送信機間で非常に厳しい時間および周波数の同期を必要とする。
対象となる多くの状況では、チャネル430とも呼ばれる通信媒体が、時間もしくは周波数(または両方)において分散的であることがある。そのようなチャネルの一例は、マルチパスのモバイル無線チャネルであり、その場合、送信機と受信機の相対運動がドップラ偏移を引き起こす可能性がある。環境からの無線信号の反射も、各々が独自の時間遅延、減衰、および位相オフセットを有する、送信波形の多くのコピーの重ね合わせをもたらす。著しい時間オフセットおよび周波数オフセットを導入し得るチャネルの別の例は、例えば低軌道(LEO)にある衛星との通信に関連する。この状況では、衛星までの飛行時間は、送信機に対する衛星の相対位置に応じて著しく変化する可能性がある。さらに、(地上の固定地点から見た時の)衛星の高速度は、大きいドップラ偏移を引き起こす。
そのような状況では、チャネルは、送信されるそれぞれの信号に、(場合によっては時間と共に変化する)時間、周波数、および位相のオフセットを課す可能性がある。状況によっては、周波数オフセットは、(ラジアン/秒またはHz/秒単位で測定される)ある周波数率に従って時間と共に変化する。アクセス・ノードと端末の間のドップラによって引き起こされる周波数オフセットは、両者間の幾何学的配置および相対運動に依存する。ドップラによって引き起こされるシフトは、利用可能なアップリンク帯域幅およびサブキャリア間の間隔に関係して著しくなることもある。例えば、400MHzのキャリア周波数の場合、LEO衛星ベースのアクセス・ノードのすぐ前方にある端末は、周波数がおよそ10kHz上方にシフトされる。従来のシステムでは、これらの影響は、キャリア間干渉を導入することによって性能を低下させることがある。性能の低下は、引き起こされる周波数シフトと共に増大する。
本発明のいくつかの実施形態では、媒体は、OFDMA技術を使用して共用される。SC−FDMA技術を使用することも可能である。我々のシステムは、正確なチャネル状態推定を効率的に生成し、それらの推定を時間と共に追跡し、チャネル状態予測を使用してチャネルの影響を補償する。本発明によるシステムは、チャネルによって引き起こされるドップラが著しく、サブキャリア間隔よりも大きい場合に、ユーザの信号間の直交性を維持することができる。
図2は、例示的なシステム102を示し、このシステムではシステム・ダイナミクスを通じてチャネルのドップラ偏移および時間オフセットが引き起こされ、これらを、移動性に関連するチャネル・オフセットとも呼ぶ。この例では、すべての端末T1、T2、T3が、変調信号122を、指定された同じ周波数割り当て内で同時に送信している。これらは、単一キャリアまたは複数キャリアの送信であり得る。アクセス・ノードANは、端末T1に向かって移動しており、アップリンク信号に正のドップラ偏移を引き起こし、受信機においてアップリンク信号をより高い周波数へと移動させる。アクセス・ノードは、端末T2からは遠ざかる方向に移動しており、アップリンク信号に負のドップラ偏移を引き起こし、受信機においてアップリンク信号をより低い周波数へと移動させる。アクセス・ノードは、端末T3の真上にあり、ここにあるドップラ偏移は無視できる大きさである。すべての信号は、端末送信機からアクセス・ノード受信機まで移動するために時間を要し、リンクの距離に比例した遅延を導入する。
チャネルによって引き起こされるオフセットは、送信機に事前に知られていないことがあり、それは、直交アクセス方式を使用して送信する試みが、チャネルによって頓挫させられ得ることを意味する。送信された信号は、直交していても、受信機に到着した時には直交していないことがある。これは、マルチアクセス干渉を引き起こし、それによって、異なる送信機からの信号が受信機において相互に干渉する。これは、システムの性能をひどく低下させる可能性がある。
この問題に対処する1つの手法は、アクセス・ノード・ベースの受信機において関連する時間、周波数および位相のオフセットを推定し、フィードバック・チャネルを使用してそれらの推定を対応する送信機に提供して、送信機がそれらの影響を事前補償できるようにするものである。しかし、この手法は、チャネル・パラメータが、推定された時から使用される時までにあまり大きく変化しないように、十分に速く動作しなければならない。さらに、この手法は、アクセス・ノードでの受信処理の複雑さを増大させることもある。アクセス・ノードの複雑さの増大は、アクセス・ノードが衛星に搭載されている用途など、一部の用途では非常に望ましくない。
別の手法は、どのようなオフセットがチャネルによって導入されたとしても異なる送信機からの信号が干渉しないように、固定されたガード・バンドおよびガード・インターバルを使用して十分な時間および周波数の分離を提供するものである。この手法は単純であるが、スペクトル的に効率的なシステムが要求される場合は問題を呈することがある。例えば、400MHzで動作するLEO衛星システムの場合、引き起こされる最大のドップラ偏移は、およそ±10kHzになり、したがって20kHzのガード帯域幅を必要とする。
衛星配備の場合は、大きなアクセス・ノード視野により、地理的に広く分散した端末と通信する可能性がもたらされる。これは、アクセス・ノードと各端末との間に多様な範囲のチャネル条件を招く可能性がある。多くの事例では、例えば、端末が衛星の真下にあり、引き起こされるドップラ偏移が無視できる程度である時には、衛星の通過の間に、固定されたガード・バンドを使用することは控えめになり過ぎる。さらに、チャネルの影響を補償することを目的とするシステムでは、多様な範囲のチャネル条件は、動的で正確なチャネル推定方法の必要性を生む。
本発明の一態様によれば、アクセス・ノード(例えば衛星に搭載されている)とユーザ端末および/またはゲートウェイ端末との間の双方向通信のための新しい方法が提供される。ドップラ偏移を活用して、より高いアップリンクのスペクトル効率を実現し、一方で、同時に、チャネル・リソースを綿密に端末に割り当てることにより、アクセス・ノードおよび端末の両方における処理要件を最小化する。端末送信は、地上では周波数および時間において重なり合う可能性があるが、アクセス・ノードには直交して到着する。このシステムは、メッセージのサイズおよび送付の柔軟性をもたらす、スケーラブルな波形を含む。
図3Aは、一実施形態による、複数の端末を含むマルチユーザ・マルチキャリア通信ネットワーク内の端末とアクセス・ノードの間の通信のための方法のフローチャートである。この方法を使用して、そのような通信システムのスペクトル効率を改善することができる。この方法は、大まかに、端末とアクセス・ノードとの間にリンクを確立するステップを含む(1)。次いで、チャネル・オフセット(またはパラメータもしくは状態)の初期推定が行われ、これらが追跡される(2)。この明細書の関連では、チャネル・オフセットは、チャネルに直接関係するオフセットおよびパラメータに加えて、システム周波数オフセットまたはパラメータなどのシステム構成要素に起因するオフセットも指し、それらには、(これらに限定されないが)同期されていないローカル・クロックに起因する時間オフセット、ローカル発振器またはアクセス・ノードの送信および受信チェーン電子回路の複素チャネル・ゲインのドリフト、信号対雑音比(SNR)等に起因する周波数オフセットが含まれる。これらのチャネル・オフセットは、アクセス・ノードと複数の端末の間の相対移動に起因する、移動性に関連するチャネル・オフセットを含む場合もある。このような移動性に関連するチャネル・オフセットには、ドップラによって引き起こされる周波数オフセット、および場合によっては周波数変化率、ならびに受信機と送信機間の未知の距離に起因するタイミング・オフセット(すなわち飛行時間オフセット)、および場合によってはタイミング・オフセットの時間変動(例えば相対運動に起因する)が含まれる可能性がある。これらのオフセットを、総称的に移動性に関連するオフセットと呼ぶこともある。というのは、それらは、相対運動によって直接引き起こされるか、または、相対運動の結果受信機と端末の間の距離が変動する(すなわち、知られているまたは固定の距離でない)ことに関係するかのどちらかであるためである。受信機は、チャネル・オフセットの推定を端末に提供することもできる。これらのチャネル・オフセット、特に移動性に関連するチャネル・オフセットは、第1のサブキャリアで行われる送信が、場合によっては、同じサブキャリアでアクセス・ノードに到着しないことを意味する。したがって、送信機がデータを送信したい時には、推定ステップ(3)が行われて、追跡されたチャネル・オフセットを使用して、端末によって送信される将来のパケットについての1つまたは複数のチャネル・オフセットを推定する。通例、この推定は送信機によって行われ、例えば、1つの実施形態では、下記で説明するチャネル状態トラッカを使用することができる。しかし、他の実施形態では、例えば分散処理手法で、別のエンティティがチャネル・オフセットの推定を行ってもよい。例えば、送信機は、限られた処理力を有することがあり、そのため、チャネル・オフセットの追跡および推定の一方または両方を行うために、送信を受信して、関連する情報を別の通信リンクを通じて別のエンティティに提供するように構成されることもある。
見込まれるチャネル・オフセットの知識を得て、ドップラ効果などの移動性に関連する影響を含める(ただし必ずしも常にそうとは限らない)ことにより、端末は、推定される1つまたは複数のチャネル・オフセットを使用して、端末からアクセス・ノードへの送信を、1つまたは複数のチャネル・オフセットに関して事前補償する(4)。1つの実施形態では、これは送信機によって行われる。しかし、別の実施形態では、送信をどのように事前補償するかの決定は、端末に事前補償情報を提供する別のエンティティによって行われてもよい。
重要な点として、事前補償は、アクセス・ノードによって受信される総計信号が、任意の個々の端末の最大信号帯域幅以上の帯域幅を占めるように行われる。複数の送信機からアクセス・ノードに到着する送信はすべて、異なるチャネル・オフセットおよび移動性に関連するオフセットを受ける。通例、送信機は、特定の帯域幅を使用するための免許を与えられ、帯域外で送信することは許されない。ドップラ効果は、送信に周波数オフセットおよび時間オフセットを生じさせ、そのため、当初送信機においてあるサブキャリアにあった送信が、同じサブキャリアでアクセス・ノードに到着しない可能性があり、実際、端末送信機で許可された帯域の外側にあることもあり得る。すなわち、アクセス・ノードにおけるサブキャリアは、送信サブキャリアに対してシフトされる可能性があり、または帯域幅がシフトもしくは変化する可能性がある。しかし、これはアクセス・ノードにおけることであるので、この影響を活用することができる。実質的に、受信機は、端末に比べて追加的なサブキャリアを利用することができ、アクセス・ノードから見た帯域幅は、最大ドップラ偏移の2倍に等しい量だけ実質的に増大する(2の係数はドップラ効果の指向性に関係する)。アクセス・ノードが複数の送信機から信号を受信する時、アクセス・ノードによって受信される総計信号は、任意の個々の端末の最大信号帯域幅以上の帯域幅を占める。
図3Bは、一実施形態による、複数の端末を含むマルチユーザ・マルチキャリア通信ネットワークにおける、アクセス・ノードと1つまたは複数の端末の間の通信のための方法のフローチャートである。この方法は、大まかに、アクセス・ノードと1つまたは複数の端末との間に1つまたは複数のリンクを確立するステップ(6)、および、1つまたは複数の端末から、1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアの割り当て要求を受信するステップ(7)を含む。アクセス・ノードは、アップリンク・リソースを1つまたは複数の端末に割り当てる。この割り当ては1つまたは複数のチャネル・オフセットを考慮に入れ、1つまたは複数のサブキャリアは、任意の個々の端末の最大信号帯域幅以上の帯域幅から割り当てられ、それにより、使用中に、アクセス・ノードによって受信される総計信号が任意の個々の端末の最大信号帯域幅以上の帯域幅を占めるようにする。一実施形態では、端末は、その端末についてのサブキャリアの目標可能な集合(例えば、端末が事前補償できるサブキャリア)を含む割り当て要求を行い、アクセス・ノードは、その目標可能な集合を使用して、1つまたは複数のチャネル・オフセットを考慮に入れてアップリンク・リソースを割り当てる。これにより、各端末のチャネル・オフセットおよびどれほどの事前補償を行えるかをそれぞれの端末が推定することができるため、処理負荷が実質的に端末に分散される。
事前補償は、アップリンクにドップラが与える苛酷な影響を解消して、アクセス・ポイントで送信が直交して到着することを保証するために使用される(送信は地上では周波数および時間的に重なり合う可能性がある)。これにより、干渉を減らし、受信機に関して受信機アーキテクチャを単純化し、システムは、低い移動性を持つチャネルを模擬する。したがって、直交周波数分割多元接続のために開発されたものなど、既存の知られているリソース割り当て技術をアクセス・ノードで適用してサブキャリアの割り当てを最適化し、端末に対するチャネル・アクセスの公平性を平衡化することができる。これについては下記でさらに論じる。1つの実施形態では、端末は、チャネル・オフセットについての情報をアクセス・ノードに提供することができ、アクセス・ノードは、どのサブキャリアを割り当てるかを決定する際にそれを考慮に入れることができる。ランダム・アクセスが許可される実施形態では、端末によって割り当て要求は行われないが、端末はなお、ランダム・アクセス・サブキャリアのうちどれをその端末が目標とすることができるかを判定し、送信が所望のランダム・アクセス・サブキャリアで到着するように送信を事前補償する。
述べたように、送信機は、通例、特定の周波数帯を使用するための免許を与えられ、したがってその帯域の外側で送信することを禁止される。そのため、送信機は、送信に利用できる何らかの最大信号帯域幅を有するように構成される。これは、帯域幅全体に及ぶ連続したサブキャリアの固定されたセットである場合も、または、最大帯域幅にわたるすべての可能なサブキャリアの部分集合を使用する場合もある。いくつかの実施形態では、端末は、帯域幅内のサブキャリアのいくつかの異なる集合を使用するように再構成されることが可能である。この状況では、任意の個々の端末の最大信号帯域幅が、ある時点に使用されている最大帯域幅になる。本システムの実施形態は、受信機に到着する送信が特定の帯域幅内になければならないようにライセンシング制限が課された場合でも、実施することができる。従来のシステムは、アクセス・ノードのドップラによって拡大した帯域幅がライセンシング限度内になるように、端末における最大送信帯域幅を(最大ドップラ偏移の2倍に等しい量だけ)制限することによって、これに対処することがある。我々のシステムは、チャネル・オフセットの現在の状態を考慮することによってチャネルの動的な割り当てをもたらし、また、ライセンシング制限を満たしながら、スペクトルの使用を最大にするように送信帯域幅を割り当てることを可能にする。
以下に、上記方法を実施するシステムの様々な実施形態を詳細に説明する。1つの実施形態では、システムは、アクセス・ノードによって調整される直交周波数分割多元接続(OFDMA)送信方式を使用し、チャネルの事前補償は、端末内のチャネル状態トラッカからの出力を使用して、端末送信機にて行われる。しかし、分散処理構成を含む他の送信方式および構成が使用されてもよい。
(節2:例示的システム)
図4は、一実施形態による、図1に出現したアクセス・ノード110および単一のユーザ端末120のブロック図を示す。アクセス・ノード110は通信の調整を担う。この実施形態では、通信は時間スロット化され、システム・タイミングは、整数個のスロット周期の長さを持つフレームに基づく。一実施形態では、システム内のすべての通信はパケット・ベースである。システム規模のタイミング基準が、例えば全地球測位システム(GPS)または同様のもの(図4には図示せず)を介して、アクセス・ノードおよび端末の両方に提供される。一実施形態では、送信機は、1スロット周期中に、固定持続時間のパケットを出力する。
アップリンクは、OFDMAまたはSC−FDMAアクセス方法を使用して、複数の端末による同時のアクセスを可能にする。図4に示すアクセス・ノード110および端末120はそれぞれ、物理層(PHY)401 402、媒体アクセス制御(MAC)層301 302、および上位層201 202を備える。この文書に記載される本発明は、PHYおよびMAC層における実施形態を含む。上位層201 202は、メッセージ・ネットワーキング層およびアプリケーション層を含む可能性がある。MAC層300については節3で説明する。物理層400については節4で導入し、その後、それに続く節でさらに説明する。
端末のベースバンド受信機は、アクセス・ノードから受信された信号を処理し、時間オフセット、周波数オフセット(およびその変化率)、複素チャネル・ゲイン、ならびに信号対雑音比(SNR)など、ダウンリンク・チャネルの影響の推定と共に、復号されたデータを出力する。これらの推定は、任意でタイム・スタンプを付されて、チャネル状態トラッカに渡され、チャネル状態トラッカはそれらを時間と共に追跡し、これらのパラメータ推定を、アクセス・ノードに関する他の知られている情報または推定される情報(例えば、端末に対するアクセス・ノードの運動、または低軌道にあるアクセス・ノードの場合は軌道パラメータ)と共に使用して、アップリンク・チャネルの影響を予測する。チャネル状態トラッカはそれらの予測をMAC層に渡し、MAC層でそれらを使用して、端末の送信帯域幅制約とチャネルによって引き起こされる周波数シフトとを考慮することにより、アクセス・ノード受信機のどのサブキャリアを端末が目標とすることができるかを判定する。予測は、ベースバンド送信機にも渡され、アップリンク・チャネルの影響を事前補償するために使用される。端末は、アクセス・ノードにチャネル・アクセスの要求を送信して、その端末がどのサブキャリアを目標とすることができるかを知らせる。アクセス・ノードは、端末から受信したデータを復号し、次いで、将来の時間スロットで使用するために端末にアップリンク・サブキャリアを割り当て、ダウンリンク・メッセージを介して端末にその割り当てを通知する。
我々のシステムは、上記のLEOチャネルなど、例えばサブキャリア間隔よりも大きい、大きなドップラ偏移を引き起こすチャネルで動作することができる。我々のシステムは、サブキャリア間隔よりも大きいドップラ偏移を活用して整数個のサブキャリア間隔の周波数シフトを提供し、サブキャリア間隔の小数部である残りのオフセットがあればそれを調節するために、周波数の事前補償を適用する。これにより、端末送信がアクセス・ノード受信機のサブキャリアに一致して到着することを保証する。この技術は、アクセス・ノード受信機で観察される帯域幅が、端末によって送信された帯域幅を超えることを可能にし、ドップラによって引き起こされる帯域幅の拡大と、無線スペクトルの非常に効率的な使用をもたらす。
アクセス・ノード受信機に到着する事前補償された信号は、著しい時間オフセットおよび周波数オフセットを引き起こすチャネルが存在していても、位相オフセットとわずかな残存周波数オフセットのみを有する。このことは、多元接続のためにサブキャリアを割り当てる問題を大幅に軽減する。例えば、LEO衛星システムの場合にそのようなアップリンク・チャネルの影響を解消すると、アクセス・ノードの受信の問題は、低い移動性を持つチャネルを模擬する問題になる。したがって、直交周波数分割多元接続のために開発されたものなど、既存の知られるリソース割り当て技術をアクセス・ノードで適用して、サブキャリアの割り当てを最適化し、端末に対するチャネル・アクセスの公平性を平衡化することができる。そのような技術は、通例、例えば最大のデータ・レートおよび/または最小の電力消費など、1つまたは複数の目的を持つ最適化問題を構築し、ここでは、最適化すべき変数は、通例、個々の端末の帯域幅および合計電力の制約を満たしながら、端末へのサブキャリア割り当てと各サブキャリアへの信号電力の割り当てとに相当する。そのようなアルゴリズムは、我々の特有のサブキャリア割り当て問題にそのまま適用することはできない。何故ならば、そのようなアルゴリズムは、各端末がアクセスできる特定のサブキャリアの部分集合の点で、異なる端末が異なる能力を持つシステムには対応できないためである。
我々のシステムのいくつかの実施形態では、端末は、その端末が目標とすることができるサブキャリアをアクセス・ノードに通知し、目標とすることができるサブキャリアは、アクセス・ノードにおける全サブキャリアの部分集合とすることができる。我々は、アクセス不可能なサブキャリアに(最適化の意味で)ペナルティを課すことにより、端末によって目標とすることができないサブキャリアの利用不可能性を加味するように、既存のリソース割り当て技術を修正する方法を見出した。例えば、最適化問題がサブキャリアのSNRに対する制約を含んでいる場合には、アクセス不可能なサブキャリアの雑音電力を、無限大または何らかの他の大きな数に設定して、最適化アルゴリズムが決してそれらのサブキャリアをその端末に割り当てることがないようにすることができる。代替として、同じ結果を達成するために、新しい制約またはペナルティ関数を最適化問題に導入してもよい。例えば、我々は制約関数

を追加することができ、ここで、Tは端末の総数であり、Sはサブキャリアの総数であり、ctsは、端末能力を表し、端末tがサブキャリアsで送信することができる場合は0に等しく、そのキャリアで送信できない場合は、何らかの正の数、例えば1に等しい。ptsは、端末tへのサブキャリアsの割り当てであり、例えば、そのサブキャリアでの送信電力の割り当てを表すことができ、または、ptsは、端末tにサブキャリアsが割り当てられない場合は0に等しく、端末tにサブキャリアsが割り当てられる場合は1に等しいバイナリ変数であってもよい。同様に、我々は、同じ形態のペナルティ関数
を導入し、これを目的関数に追加することもできる。パラメータKは、大きな絶対値を持つ定数であり、元の最適化問題が最小化である場合は正であり、または、元の問題が最大化であった場合は負になる。これらの制約またはペナルティ関数の選択は例示的なものであり、当業者は、最適化アルゴリズムがアクセス不可能なサブキャリアを端末に割り当てることを許さない、またはそれを阻止するという同様の効果を持つ、代替の制約またはペナルティ関数を選択することができよう。各サブキャリアが多くともM個の端末のみに割り当てられるようにサブキャリアの割り当てを制限することが望まれる場合、(ここで、サブキャリア当たり端末が1つのみの場合はM=1、サブキャリア当たり2つの端末を許可する場合はM=2であり、以下同様)、我々は、以下のようにS個の制約(s=1,2,...Sそれぞれに1つずつ)を追加することができ、

ここで、I[]は、x=0の場合にI[x]=0、x≠0の場合にI[x]=1となるような指示関数である。最適化問題およびパラメータの構築は、通例、システムの構成に依存する。例えば、OFDMAシステムでは、サブキャリアの数に対する制約が用いられることがあるのに対し、SC−FDMAシステムでは、「サブキャリア」は、元のOFDMAサブキャリアよりも広いこともあり得る、各SC−FDMA端末に割り当てられる周波数帯となり、その場合、各端末にそのようなより広いサブキャリアの1つのみが割り当てられるような制約を実施することができる。
この文書に記載される方法は、WO2014043760に記載されるサービス・タイプ2(ST2)などの2方向サービスの送付に適する。それらの方法は、WO2014043760に記載されるサービス・タイプ1(ST1)などの1方向サービスを送付するためにも使用することができる。
1つの実施形態では、1つまたは複数の(ユーザおよび/またはゲートウェイ)端末が、以下のように通信リンク・パラメータを判定する。
1.アクセス・ノードは、各フレーム周期の先頭で少なくとも1つのダウンリンク・パケットを送信する。端末は、そのパケットを同期のために使用する。1つの実施形態では、パケットは、アクセス・ノードがそれを介して例えばチャネル管理データなどの命令を端末に提供するアドミニストレーション・データ(ADM)を含んでいる。
2.端末受信機が、リンクを確立するためにアクセス・ノード・パケットを捕捉する。端末は、以下の(場合によっては動的な)パラメータを判定する。
− ダウンリンクのパケット・タイミング・オフセット(タイミング基準と比べたパケット受信の開始)。
− ダウンリンクの周波数オフセットおよび(任意で)その変化率。
3.1つまたは複数のパケットが受信され、端末がダウンリンクとの同期を得た後、端末は、後続パケットのタイミング・オフセットおよび周波数オフセットを追跡する。
端末は、タイミング・オフセットおよび周波数オフセットの以前の測定値と、(任意で)アクセス・ノードの軌道データおよび端末の知られている位置とを使用して、将来のパケットのチャネル・オフセットを推定することができる。これにより、将来のパケットを復調するために必要な処理が減る。ダウンリンク周波数、周波数率、およびタイミングの推定が、チャネル状態トラッカに入力される。それらの推定は、パケット受信の時間に従ってタイム・スタンプが付される。それらの値は、将来のチャネル状態の推定を予測するために使用され、端末からアクセス・ノードへの送信時に周波数オフセットおよびタイミング・オフセットを事前補償するために、アップリンクの物理層に提供される。
アップリンクのチャネル補償のために、アップリンクは、アクセス・ノード受信機の帯域幅を最大限に使用するように設計され、ドップラ偏移を活用して追加的なスペクトル効率を得る。端末送信は、1つまたは複数のサブキャリアで行われるように調整される。端末は、アクセス・ノード受信機で送信サブキャリアが(受信機を基準として)各自の正しい中心周波数に十分に近くなるように、伝搬遅延と周波数オフセットの両方を事前補償する。
干渉を緩和するために、本発明の一実施形態は、シンボル間干渉およびキャリア間干渉を回避し、アクセス・ノードでわずかな残存周波数オフセットの訂正のみを行うことを必要とする、調整されたシステムおよびアップリンク送信方式を含む。これは、低い複雑さの実施を可能にする波形および受信機アルゴリズム設計を使用して達成される。我々は、位相の回復を行う、独立したサブキャリア・チャネル推定を用いる。残存周波数オフセットの訂正は、サブキャリアごとの位相追跡を使用して行うことができる。
この節の残りの部分では、チャネルによって引き起こされる時間および周波数オフセットの影響についての導入と、我々のシステムがそれらの影響にどのように対処し、それを活用するかについての導入を提供する。節3では、アップリンクの確立およびチャネル・リソースの割り当てを含む、媒体アクセス制御の技術を説明する。節4では、物理層処理の主要構成要素の概要を提供する。ダウンリンクのPHYの一実施形態を節5で説明する。チャネル状態トラッカは、ダウンリンク受信機から得るチャネル推定を使用して、アップリンクの事前補償のためのチャネル状態予測を生成する。チャネル状態トラッカの一実施形態を節6で説明する。アップリンクのPHYの一実施形態を節7で説明し、代替実施形態を節8で説明する。システム性能を最適化する技術を節9で提示する。例示的実施による結果を節10に提供する。
効率的なアップリンク割り当てのためのドップラの活用を説明するために、我々はまず、端末T1およびT2が、アクセス・ノードからの調整なしに、かつ送信機において全くチャネル事前補償を適用せずに、OFDM信号を送信する場合について、図2に示すシステムを考察する。端末T3はこの例ではアクティブでない。図5は、端末T1からの送信信号501、および端末T2からの送信信号502を示し、横軸は周波数を表し、縦軸は時間を表す。この図は、ドップラによって引き起こされる周波数オフセット、および各送信機と受信機間のチャネルから生ずる伝搬遅延も示している。その結果生じる合成受信信号も示されている。サブキャリアは、インデックス・ゼロがベースバンドDC(0Hz)のサブキャリアとなり、それがキャリア周波数fへと変調されるように、インデックスが振られる。送信スペクトル・マスク要件を満たすために、許可された送信領域503が定められる(この例ではサブキャリア−4〜4)。各端末は4サブキャリアを埋める。端末T1は、−3〜0のインデックスが振られたサブキャリアで送信する。端末T2は、−1〜2のインデックスが振られたサブキャリアで送信する。アクセス・ノードはOFDMA受信機を備え、そのサブキャリア間隔は送信機と一致し、やはりインデックス・ゼロがfに対応するベースバンドDCサブキャリアとなるようにインデックスが振られている。受信機は、アップリンク割り当てのために利用できるサブキャリアの集合504を定義し、これは例えば、割り当てられたアップリンク・スペクトルの帯域幅によって決定される。この例では、インデックス−8〜7の16個のサブキャリアがある。端末T1によって送信される信号501は、ドップラfD,1によって周波数が上方にシフトされ、受信機への到着はτだけ遅延する。端末T2によって送信される信号502は、ドップラfD,2によって周波数が下方にシフトされ、受信機への到着はτだけ遅延する。これらの信号が受信機に到着する時、それらは時間が一致しておらず、シンボル間干渉につながり、また周波数が一致しておらず、キャリア間干渉につながる。さらに、それらの信号は、時間および周波数において重なり合っており505、マルチユーザ干渉を生じさせる。これらの影響は、受信機の性能をひどく低下させる可能性がある。
本明細書に記載される方法を使用して、我々のシステムは、干渉を回避するようにアクセス・ノードに端末送信を調整させる。1つの実施形態では、端末は、チャネル状態挙動を追跡し、以下により、チャネルの事前補償を適用する。
1.アクセス・ノードによって割り当てられたサブキャリアで送信を行い、割り当てではアップリンク・チャネルの影響を考慮に入れる。サブキャリアの割り当ては、サブキャリア間隔の分解能での、チャネル周波数オフセットの一括事前補償も提供する。
2.必要に応じて、サブキャリア間隔の残りの小数部があれば、それに対してチャネル周波数オフセットの事前補償を適用する。
3.スロット・タイミング境界よりも前に送信することにより、チャネル遅延を補償する。
ここで、端末T1およびT2がアクセス・ノードによって調整され、アップリンク・チャネルの影響を事前補償する、我々のシステムを使用した例を考察する。それらの端末がすでにチャネルへのアクセスを要求しており、節3で説明するように、送信用にサブキャリアを割り当てられていると仮定する。図6aおよび図6bは、送信信号を示す(図6Bは図6Aの上に来る)。周波数事前補償の第1のステップ506は、送信サブキャリアの割り当てによって行われる。端末T1は、0〜3のインデックスが振られたサブキャリアで送信する。端末T2は、−4〜−1のインデックスが振られたサブキャリアで送信する。端末は、図5に示し、節7で説明するように、周波数オフセットおよび時間オフセットについての事前補償を適用する。簡単に言うと、506で、各端末T1 T2は、オフセットされたサブキャリアの選択により、粗周波数事前補償を行う。ステップ507で、サブキャリア間隔の小数分だけ調節することにより、精細な周波数事前補償が行われる。ステップ508(図6Bに示す)で、時間遅延の事前補償が行われる。その後、先の例と同じように、チャネルが、各送信機と受信機の間に、ドップラによって引き起こされる周波数オフセットおよび伝搬遅延を引き起こす509。その結果生じる合成受信信号も示されている。T1およびT2からの信号は、受信機に到着して、調整されない場合と比較して以下の利益をもたらす。
・ 到着時間が、受信機によって予想されるパケットの開始に近く、シンボル間干渉を最小化する。
・ 到着周波数が、受信機によって割り当てられたサブキャリア・マッピングと一致し、キャリア間干渉を最小化する。
・ 信号が重なり合わない。すなわちマルチユーザ干渉がない。
(節3:媒体アクセス制御)
媒体アクセス制御(MAC)層は、無線チャネルへのアクセスがどのように編成され、制御されるかを決定する。MAC層は、WO2014043760に記載されるように、通信システムの上位層へのインターフェース、例えばメッセージ・ネットワーキング層も提供する。
システムのアップリンクおよびダウンリンク・チャネル・リソースは、無線スペクトルの異なるセグメントによって提供される、すなわち周波数分割二重通信(FDD)である場合も、または、例えば時分割二重通信(TDD)によって、同じ周波数で提供される場合もある。一実施形態では、アップリンクおよびダウンリンクは時間スロット化され、フレーム周期は、1分間の何らかの整数分の1、例えば4、5、または6秒に及ぶ、整数個の時間スロットである。この実施形態では、時間スロットは250msの持続時間を有するが、他の実施形態では、他の持続時間が使用されてもよい(例えば25ms、50ms、100ms、200ms、300ms、500ms等)。
図7は、一実施形態による単一のTDDフレーム700の構造を示す。フレームは、アドミニストレーション(ADM)、肯定応答(ACK)、データ、アップリンク部分702またはダウンリンク部分703のどちらかに割り当てられるランダム・アクセス(RA)、などの複数のスロット701からなる。この例示的フレームは、アップリンク・スロットとダウンリンク・スロットとの比が1:1である。例えばアップリンクとダウンリンクのトラフィック量が非対称であることが予想される場合には、他の比も可能である(例えば1:2、2:1、1:4、4:1等)。アップリンク・スロットとダウンリンク・スロットの分割は、動的であってよく、あるフレーム周期から次のフレーム周期へと変化してよい。分割は、何らかの所定のスケジュールに従って知られている場合も、またはアクセス・ノードによって告知される場合もある。アクセス・ノードは、アップリンクとダウンリンク間の分割を、アクセス・ノードの位置に基づいて、またはどちらかの方向の負荷に合わせて動的に適合することにより、変更することができる。異なるスロット系列を持つ他のTDDフレーム構造が使用されてもよい。図8は、一実施形態によるFDDフレーム800の構造を示す。この例では、スロット持続時間801、およびフレーム803中のスロット数は、アップリンク・フレーム802とダウンリンク・フレーム804との間で一致している。異なるスロット構成を備える他のFDDフレーム構造が使用されてもよい。1つの実施形態では、異なる長さのアップリンク部分およびダウンリンク部分を使用することができる。
一実施形態では、フレーム当たり少なくとも1つのスロットがダウンリンク動作のために予約され、そのスロットがチャネル管理データを含む。これらのスロットにおけるアクセス・ノード送信は、ビーコンの役割を果たし、端末受信機がチャネル・パラメータを推定することを可能にする。図7に示す例示的フレーム構造では、1番目のダウンリンク・スロットがアドミニストレーション・スロット(ADM)であり、2番目のダウンリンク・スロットが端末送信の肯定応答(ACK)の受信に使用される。一実施形態では、アクセス・ノードは、アドミニストレーション・スロットを使用して、自身のノード識別子、現在の位置、および現在の無線チャネル割り当てを告知する。アドミニストレーション・スロットは、今後のフレーム周期の間にチャネルがどのように使用されるかを記述する、アップリンクおよびダウンリンクの割り振りマップも提供することができる。残りのダウンリンク・スロットは、データ移送に使用される(Data)。一実施形態では、アップリンク・チャネル・リソースの一領域は、ランダム・アクセスのために割り振られる。図7の例では、これはRAと名付けたスロットである。ランダム・アクセス領域は、節3.2で説明するように、チャネル・アクセスを要求するために端末によって使用することができる。残りのアップリンク・スロットは、データ移送に使用される。
MAC層はセッションの概念を用いる。この文書では、OSIモデルのセッション層によって管理される2つのアプリケーション間の通信セッションという従来の意味ではなく、このMAC層の関連でセッションを参照する。セッションは、アクセス・ノードと端末が互いと通信することに同意する時にアクティブとみなされる。アクセス・ノードは、任意のある時間に複数の端末とアクティブなセッションを有することができる。一実施形態では、アクセス・ノードは、マルチキャスト・セッションも有する。ブロードキャストおよびマルチキャストされるダウンリンク・トラフィックは、マルチキャスト・セッションがアクティブであればいつでも送信することができる。1つの実施形態では、アクセス・ノードは、マルチキャスト・セッションを常時アクティブにしておく。別の実施形態では、マルチキャスト・セッションは、何らかの基準、例えばネットワーク負荷や(移動可能な)アクセス・ノードの場所に従って、アクセス・ノードによって可能または不可能にされる。各MAC層は、各自のアクティブなセッションのリストを維持し、リンク品質メトリックなど、各セッションについての統計を記録することもできる。
図9a〜図9cは、単一の端末およびアクセス・ノードの場合のリンク状態遷移の要約を示す。この図示では、端末がアクセス・ノードに送信するアップリンク・トラフィックを持っていると仮定する。リンクの可用性は、例えば、低軌道衛星ベースのアクセス・ノードが端末の上方を通過する時などに、現れたり消えたりすることがある。リンクは以下のステップで確立され、使用される。それらのステップについては、続く説明でさらに詳細に説明する。
1.リンクの確立とセッション可用性の指示310、
2.アップリンク割り当ておよびセッションの確定320、
3.アップリンク・データの転送340、および
4.セッションの終了360。
(節3.1:リンクの確立)
フレーム同期を達成した後、端末は、永続的なダウンリンク・スロット、例えば図7に示すアドミニストレーション・スロットの1つまたは複数で、アクセス・ノードの送信314を求めてリッスンする。アクセス・ノードのMAC層(上位層がダウンリンク・データ・ソース311を取得し、データをMSDU312としてパッケージする)は、ダウンリンク・フレーム313を作成し、物理層400を通じてそれを送信する。各フレームは、知られている変調および符号化方式で送信される少なくとも1つの永続的スロットを含んでいる。端末は、アクセス・ノードの送信を受信し315、節6で説明するように、1つまたは複数のフレームの間にそれらの送信を捕捉し、復調してリンクを確立することを試み316、チャネル状態トラッカによって維持されているダウンリンクのチャネル・パラメータ推定を更新する。リンク確立基準が満たされると317、端末はアクセス・ノードに送信することができる。一実施形態では、リンク確立基準は、以下のうち1つまたは複数を含む。
・ ダウンリンクのチャネル・パラメータ推定に対する品質要件。例えば、チャネル状態トラッカが有効なステータスを報告していることによって示される。
・ 最小限の受信SNR要件、および/または、
・ アクセス・ノードおよび端末の幾何学的配置/ダイナミクスに対する要件、例えば最小限の隔たり。
リンクが確立されると317、端末のMAC層は、上位層に通知を送信して319、アクセス・ノードとのセッションが利用できることを知らせる318。また、アドミニストレーション・パケット・データが、ダウンリンク・スロット・マップを介して、他のダウンリンク・スロットに使用されている変調および符号化方式を端末に指示する。アクセス・ノードはまた、アドミニストレーション・パケットを使用して、アクセス・ノードの送信および受信チェーン電子回路に起因するシステム周波数オフセットの推定を提供するなど、アクセス・ノードの構成要素の状態についての最新情報を端末に与えることもできる。次いで、節6で説明するように、アップリンクのチャネル補償で使用するために、システム周波数オフセットをチャネル状態トラッカに提供することができる。上記で概説したように、本明細書の関連では、システム周波数オフセットは、チャネル・オフセットの一形態とみなされる。リンクが確立されると、端末は、アクセス・ノードからのダウンリンク送信を受信することができる。節5.2で説明するように、次いで、ダウンリンクの物理層受信機が、初期化モードから追跡モードに切り替わることができる。
(節3.2:アップリンク割り当て)
端末が、送信するデータを有する(例えば送信待ち行列で待機している)場合、アクセス・ノードが利用可能であることを知らせる指示319をMAC層から受信した後、端末の上位層は、セッションを確立する321要求をMAC層に送信する322。MAC層は、次いで、アップリンク・チャネルの割り当てを要求し323、その結果、図9bに示すように、端末のPHYがその要求をアクセス・ノードに送信する324。
(節3.2.1:アップリンク・リソースの区分)
上記で説明したように、アップリンク割り当ては、アクセス・ノード受信機の視点を基準として、サブキャリアにインデックスを振ることによって調整される。アップリンク・チャネルは、セルの直交した集合に分割されると考えられ、各セルは、時間(スロット)および周波数(サブキャリア)におけるその位置によってインデックスが振られる。アクセス・ノードは、端末の送信機能力とアップリンク・チャネルの負荷に基づいて端末にセルを割り当てる。各割り当ては、矩形ブロックへのセルの1つまたは複数のグループ化からなり、各ブロックは、その開始および終了フレームのスロット・インデックス、ならびに、開始および終了サブキャリア・インデックスによって定められる。割り当ては、1つまたは複数のフレーム周期にわたることもできる。この手法を使用すると、端末にセルを割り当てる際の割り振りを定義するために必要なオーバーヘッドが減る。
図10aは、アップリンク・チャネル・リソースを区分するための以下の概念を示す。
・ スロット1010:アップリンクの時間次元はスロットに分割される。
・ フレーム1020:一フレームは整数個のスロット周期からなる。
・ サブキャリア1030:アップリンクの周波数次元はサブキャリアに分割される。
・ セル1040:セルは、所与のスロットにあるサブキャリアを表し、単一のフレームに関連して一意のインデックスを提供する。
・ パケット1050:パケットは、単一スロット内で送信され、1つまたは複数のサブキャリアにまたがる。図10aは、単一サブキャリア・パケットからなる第1のパケット1052、および複数サブキャリア・パケットからなる第2のパケット1054を示している。
・ ブロック1060:ブロックは、セルの矩形の集合であり、その開始および終了フレーム・インデックスおよびスロット・インデックス、ならびに、開始および終了サブキャリア・インデックスによって定められる。図10Aでは、第1のブロック1062は、フレーム1020の1番目のスロット1010のすべてのサブキャリアによって定められ、第2のブロック1064は、2つの隣接するサブキャリア1030の1番目のスロットを除くすべてのスロット1010によって定められる。
・ 領域1070:領域は、1つまたは複数のブロックの集合である。図10aでは、第1のブロック1062および第2のブロック1064によって領域が定められている。
図10bは、一実施形態による、TDDモード1080で動作するチャネル割り当て方式の例を提供する。周波数(サブキャリア・インデックス)は縦軸によって表され、時間(フレーム・インデックスおよびスロット・インデックス)は横軸によって表される。アップリンクとダウンリンクは、同じスロット・タイミングおよびインデックス基準を共用する。この例では、アップリンクおよびダウンリンクの持続時間は、それぞれ8スロットに固定されている。図10bは、以下のチャネル割り当ておよび動作を示す。リソース要求および割り当て機構についてのさらなる詳細は、下記で提供する。
・ 端末1(T1):すでにアップリンクへのアクセス権を付与されている。T1には、フレームNおよびN+1のスロット10〜16から、サブキャリア・インデックス−7が割り当てられている。
・ 端末2(T2):すでにアップリンクへのアクセス権を付与されている。T2には、フレームNおよびN+1のスロット10〜16から、インデックスが−3〜4のサブキャリアが割り当てられている。この割り振り内でのアップリンク送信の間、T2は、継続してアクセスするために割り当て要求を行う。この要求は、フレームN+2のアドミニストレーション・ダウンリンク・スロット1で応じられる。新しいアップリンク割り当ては、フレームN+2のスロット10〜13にある2つのブロックからなる。第1のブロックは、0〜4のインデックスが振られたサブキャリアを含み、第2のブロックは、サブキャリア6および7を含む。この例では、アクセス・ノードは、例えば下記で説明するように干渉を回避するために、サブキャリア5を割り当てから除外している。この例は、アップリンクの割り当て方式が非連続的な割り当てを許すことによってもたらす柔軟性の利益を強調している。
・ 端末3(T3):フレームN+1の間に、スロット9のサブキャリア・インデックス6にあるランダム・アクセス領域内で、割り当て要求メッセージを送信する。この要求は、フレームN+2のアドミニストレーション・ダウンリンク・スロット1で応じられる。端末3には、フレームN+2のスロット14〜16から、サブキャリア0および1が割り当てられる。
・ ランダム・アクセス(RA)領域は、アクセス・ノードによって割り振られ、図10bでは灰色のスロットとして示している。すべてのフレームの間、スロット9は、サブキャリア・インデックス−8〜7(灰色のスロット)から、ランダム・アクセスのために利用することができる。フレームN+2の間に、ランダム・アクセス領域は、スロット10〜16のサブキャリア−8〜−1を含むように拡張される。この例は、動的に定められるランダム・アクセス領域が、調整された割り当てとランダム・アクセスとの間でアップリンク・リソースを素早くかつ効率的に区分するために提供する利益を強調している。ランダム・アクセス領域を拡張することにより、ランダム・アクセス中の衝突の確率が低下する。
(節3.2.2:アップリンクのランダム・アクセス)
アクセス・ノードは、セルの集合をランダム・アクセス領域として割り当てる。一実施形態では、ランダム・アクセス領域は動的であり、アクセス・ノードによって告知され、維持される。アクセス・ノードは、現在のフレーム周期のランダム・アクセス領域を定めるアップリンク・マップ・メッセージをブロードキャストする。ランダム・アクセス領域は、矩形ブロックへのセルの1つまたは複数のグループ化からなり、各ブロックは、その開始および終了フレームのスロット・インデックス、ならびに、開始および終了サブキャリア・インデックスによって定められる。アクセス・ノードは、空のランダム・アクセス領域を指定することもできる。アクセス・ノードが、マルチキャスト・メッセージ(ブロードキャスト・メッセージではなく)を通じてアップリンク・マップ・メッセージを定義し、マルチキャスト・グループの中で識別された端末だけにランダム・アクセス領域の可用性を制限することも可能である。
端末は、ランダム・アクセス領域を以下のために使用することができる。
・ チャネル・アクセスの割り当てを求める要求を送信する。および、
・ 短い一方向メッセージを送信する。
ランダム・アクセス領域へのアクセスは、アクセス・ノードの有効範囲に入ってくる新しい端末に高い受信確率を提供することを目的とする規則の組によって支配される。一実施形態では、アクセス・ノードは、フレーム周期を単位として測定されるランダム・アクセス・ウィンドウ・サイズを定義し、それをダウンリンクのアドミニストレーション・スロット中で告知する。これを端末送信機が使用して、ランダム・アクセス・チャネルにアクセスする前にランダムなバックオフを選択すべき範囲を判断する。
一実施形態では、ランダム・アクセス領域で送信を行いたい端末は、各ランダム・アクセス・ウィンドウ内の1つのみのセルを使用して送信する。端末は、以下のようにしてセルを選択することができ、通例は、ランダム・アクセス・ウィンドウごとに選択を更新する。
1.送信能力、予測されるドップラ偏移、および規制上の要件などの制約に基づいて、告知されたランダム・アクセス領域内でその端末が目標とすることが可能なセルを判定する。目標可能なサブキャリアの計算についてのさらなる詳細は節3.2.4で提供する。次いで、送信が所望のランダム・アクセス・セル(すなわちサブキャリア/スロット)内でアクセス・ノードに到着するように、送信を事前補償することができる。
2.ランダム・アクセス・ウィンドウにわたるランダム・アクセス・セルの目標可能な集合から、送信セルをランダムに選択する。
一実施形態では、ランダムな選択は以下のように行われる。
(a)現在のフレームで開始し、ランダム・アクセス・ウィンドウ長を有するインターバルにわたる一様ランダムな選択により、送信フレームが選択される。
(b)端末によって目標とすることが可能なすべてのセルの集合にわたる一様ランダムな選択により、送信フレーム内でセルが選択される。
他の実施形態では、セルの選択は、事前に定義されたスケジュールに従って行われても、またはWO2014026228に記載される方法のいずれかを使用して行われてもよい。
端末は、自身の存在をアクセス・ノードに告知するために、ランダム・アクセス領域内で送信を行うこともできる。端末からのメッセージを受信すると、アクセス・ノードのMAC層は、アクセス・ノードの上位層にセッションの可用性を知らせる。これを、端末がアップリンク・アクセスの要求を送信する場合について、図9a、図9b、および図9cに示している。アクセス・ノードは、次いで、端末を宛先とするダウンリンク送信があれば、それを開始することができる。1つの実施形態では、アクセス・ノードが移動可能である(例えば衛星ベースである)場合は、ダウンリンク・データを受信する能力を持つ端末は、例えばアクセス・ノードが通過するたびに一度など、アップリンク・メッセージを定期的に送信して、自身の存在を告知する。
一実施形態では、システムは、短いメッセージを送信するためのランダム・アクセス領域を使用して、一方向(アップリンクのみ)のリモート・サービスの支援を提供する。この手法を使用して1方向サービスを送付して、WO2014043760に記載されるサービス・タイプ1(ST1)など、小さな送信サイズ要件を持つ端末に応対することができる。1つの実施形態では、低い複雑さの一方向端末が、他のダウンリンク受信機構成要素を省きながら、チャネル同期を獲得し送信を支援するのに十分な捕捉機能を実施することができる。
(節3.2.3:アップリンク割り当ての要求)
端末は、
・ 節3.2.2で説明したランダム・アクセス方法を使用して、または
・ 前もって端末に割り振られた、既存の割り当てアップリンク領域内で、
アクセス・ノードにメッセージを送信することにより、アップリンク割り当てを要求する。
一実施形態では、割り当て要求は以下を含んでいる。
・ 端末のソース識別子。
・ アクセス・ノードの宛先識別子。
・ 端末で送信のために待ち行列に入れられているバイト数。これにより、アクセス・ノードはチャネル割り当て要件を判定することができる。
・ 以下のような端末能力、
− 節3.2.4で説明するように、端末によって目標可能なサブキャリア(アクセス・ノードを基準としてインデックスが振られている)。
− 物理層の支援。例えば、変調および符号化方式、送信電力能力、または代替波形の支援。
− 半二重および/または全二重動作の支援。
割り当て要求は以下を含むことも可能である。
・ 送信に使用される送信電力。
・ 端末で測定されたSNRの推定。これをアクセス・ノードが使用して、ダウンリンクのリンク・マージンを判定することができ、いつ端末に送信するかの決定を操作することができる。
・ 端末の位置および動的情報。これをアクセス・ノードが使用して、端末にチャネル・リソースを割り当てるかどうか、およびいつ割り当てるかを決定することができる。例えば、まもなく衛星の視野から出る端末には、視野に入ったばかりの端末よりも優先度の高いアクセスを与えることができる。
・ アクセス権を付与する前にアクセス・ノードがユーザを認証できるようにする認証データ。
アップリンク割り当て要求が受信されると323 324、図9bに示すように、アクセス・ノードは、MAC層が上位層に通知326を送信して端末が利用可能であることを知らせる327ことにより、アップリンク・アクセスの要求を処理する325。要求が送信されるパケットは、十分な空間があればユーザ・ペイロード・データも含んでよい。その場合には、そのデータもMAC層から上位層に渡されることになる(図9a、図9b、および図9cには図示せず)。
(節3.2.4:目標可能なサブキャリアの判定)
端末は、アップリンク周波数オフセットの予測を使用して、その端末がアクセス・ノードでどのサブキャリアを目標とすることが可能かを判定する。一実施形態では、アップリンク周波数オフセット予測は、6.2で説明するように、チャネル状態トラッカにより、アップリンク・サブキャリア間隔の整数、

、および追加的な小数成分

を表す2つの成分として提供される。
送信スペクトル・マスク要件を満たすために、許可される送信周波数領域が定められる。一実施形態では、端末は、表1に示し、目標可能なサブキャリアの集合を判定する方法のフローチャート1100 11である図11にさらに示されるアルゴリズムを使用して、目標可能なサブキャリアの集合を判定する。
表1:目標可能なサブキャリアの集合を判定するアルゴリズム。
(節3.2.5:アップリンク・リソースの割り当て)
アップリンク割り当て要求を受信した後323 324、アクセス・ノードのMAC層は以下を行う。
・ オプションの認証データが入手できる場合は、要求の真正性を確認する。
・ 端末にアクセスを許すべきかどうかを判定する。これは、ポリシー規則の組に照らして端末を検証して端末に適用される制限を判定することを伴う場合も、または端末のクラスに基づく場合もある。
・ 要求中で指定された、待ち行列にあるバイト数に基づいて、端末との通信ウィンドウの持続時間を推定する。
・ 可用性、ならびにアクセス・ノードおよび端末の能力に基づいて、割り当てるサブキャリアを決定する。端末により目標とすることが可能なサブキャリアの計算に関するさらなる詳細は、節3.2.4で提供する。端末に割り当てられるサブキャリアの集合は、非連続的であってもよい。
・ 場合によっては推定されるリンク品質およびデータ転送要件に基づいて、アップリンクの変調および符号化方式を決定する。
・ 割り当てられた帯域幅、ならびに変調および符号化方式に基づいて、割り当て持続時間を決定する。この持続時間は、端末により目標とすることが可能なサブキャリアの集合が、割り当てられた期間にわたって有効であり続けることを保証するために、予想されるシステム・ダイナミクスおよび周波数オフセットに基づいて制限されることもある。
・ 割り当てをアクセス・ノードのアップリンク割り当てマップに追加する。
・ 端末に対応する、1つまたは複数のアップリンク・マップ要素エントリを生成する。非連続的な割り当ては、1つの端末に複数の要素を割り振ることによって定義することができる。それらの要素は、次のアップリンク・マップ・メッセージで送信され、端末に割り当てを通知する。
アップリンク・マップ・メッセージは、1つまたは複数の要素を含んで構築され、ダウンリンクのアドミニストレーション・スロットで送信される。各要素は以下を含む。
・ 割り当てが付与されるデバイスの識別子。これは、以下の1つであり得る。
− 端末の一意の識別子。
− 割り当てがランダム・アクセス領域に対応することを示すブロードキャスト識別子。
− マルチキャスト・グループの中の端末の集合がその割り当てをランダム・アクセスに使用できることを示すマルチキャスト識別子。
・ その割り当てによるすべての送信に使用される変調および符号化方式。
・ その割り当てによる送信に使用される送信電力レベル。
・ 割り当てられたサブキャリア領域(最小および最大のインデックス)。
・ 割り当てられたスロット領域(最小および最大のインデックス)。
・ 割り当てられたフレーム領域(最小および最大のインデックス)。
・ マルチチャネル・システムの場合、アップリンク・スロットの割り振りが適用される無線チャネルを指定するチャネル識別子。
1つの実施形態では、アクセス・ノードのMAC層は、PHY受信機から提供されたサブキャリアごとの雑音電力推定を使用して、影響されるサブキャリアを割り当てから除くことによって干渉を回避する。この文書を通じて、雑音という用語は、熱雑音や干渉など、要求される信号以外の発生源から生じるエネルギーを表すために使用される。したがって、本明細書の関連では、信号対雑音という用語が広く使用され、信号対雑音プラス干渉比も包含する。MAC層は、雑音推定を所定の閾値と比較することができる。サブキャリアの雑音電力が閾値を超える場合、MAC層は、アップリンク割り当てに利用可能なサブキャリア・インデックスのリストからそのサブキャリア・インデックスを除外することができる。MAC層は、サブキャリアごとの雑音電力推定を追跡し続ける。サブキャリアの雑音電力推定が閾値を下回ると、そのサブキャリア・インデックスは、アップリンク割り当てに利用可能な集合に戻されてよい。閾値は、干渉に起因する電力増大の検出を目標としながら、例えば熱雑音条件の変化によるいくらかの変動を見込むように、実験によって選択することができる。閾値は時折更新されてよい。
別の実施形態では、MAC層は、端末の送信電力能力の知識を持ち、サブキャリアの割り当て時にサブキャリアごとの雑音推定と併せてそれを考慮する。例えば、より高い雑音電力推定を示すサブキャリアは、より高い送信電力能力を持つ端末に割り当てることができる。別の実施形態では、アクセス・ノードは、アクセス・ノードの知識および端末の位置を使用して、リンク距離およびそれに伴う経路損失を推定する。SNR動作要件、経路損失、およびサブキャリアごとの雑音推定の知識を使用して、アクセス・ノードは、信頼できるリンクを提供するために必要とされる送信電力をサブキャリアごとに推定する。そして、サブキャリアを割り当てる際に、アクセス・ノードは、サブキャリアごとの送信電力要件を、各端末によって示される送信電力能力と比較する。
さらに別の実施形態では、割り当てが付与される場合、図9bに示すように、アップリンク割り当て要求メッセージ323 324の受信に続いて、アップリンク・マップ要素が、フレームのダウンリンクで送信される328。例えば不良なリンク条件のために、端末がアップリンク・マップの受信に成功しない場合、端末は送信を開始せず、場合によっては、割り当てを使用しないことによって割り当てを無駄にしてしまう。これを克服するために、アクセス・ノードは、端末から何も受信に成功していない場合は、次のフレーム周期にアップリンク・マップ要素を再送信することができる。別の実施形態では、端末のアップリンク・マップ要素は、各フレーム周期に継続的に送信されてもよい。
すべてのデータを転送するために1回の割り当てでは十分でない場合は、端末は、自身の現在の割り当てが終了する前に、例えば現在の割り当ての最後のフレーム中で、さらなる割り当てを要求することができる。
アクセス・ノードが端末にチャネル・リソースを割り当てることができない場合、アクセス・ノードは、その端末にはアップリンク・マップ要素を生成しない。端末は、アップリンクのランダム・アクセス領域の再送信規則に基づいて要求を繰り返すことを試みることができる。1つの実施形態では、アクセス・ノードは、空のアップリンク・マップ・エントリを端末に送信することにより、明示的に端末へのアクセスを拒否することができる。
割り当てを提供するアップリンク・マップが受信されると、図9a、図9b、および図9cに示すように、端末のMAC層は、上位層に通知330を送って、端末が利用可能であることを確定する329。
(節3.3:データのフラグメント化)
上位層は、図9cに示すように、送信するためにMAC層にデータを提供する341。MAC層は、上位層からデータのブロックを受け取るための媒体アクセス制御サービス・データ・ユニット(MSDU)インターフェースを提供する342。MAC層は、MSDUを、チャネルで送信するためにデータのブロックにフラグメント化し(転送データ343)、次いで、アップリンクで送信するために物理層サービス・データ・ユニット(PSDU)インターフェースを介して、それらのブロックを物理層に転送する344。この文書で使用されるMSDUおよびPSDUの概念は、当業者には、既存の遠隔通信標準におけるMSDUおよびPSDUの術語との類似性を持つものとして認識されよう。ただし、この文書では、MSDUおよびPSDUの概念の使用を我々のシステムの関連で記述しており、他の状況におけるそれらの意味によって制限されない。
MAC層は、物理層に渡されるデータをパックして、チャネル送信ユニット(CTU)にする。一実施形態では、各CTUは、直接PSDUインターフェースにマッピングし、すなわち各PSDUは単一のCTUを搬送する。一実施形態では、図12に示すように、MAC層は、MSDUの可変長のフラグメント化のための以下の機構1200を提供する。CTUおよびメッセージ・オブジェクト・フラグメント(MOF)ヘッダのサイズは、効率的なデータ移送を提供するように最小化される。CTUヘッダは、アドレス指定のための一意の送信元識別子および宛先識別子を含んでいる。CTUは、任意で、巡回冗長検査(CRC)も含んでいる。存在する場合、CRCはCTUの最後に置かれる。CRCは図12には示していない。MOFヘッダは、自動再送要求およびデータの順番付けを可能にする情報を提供する。
1.MSDUは、MACメッセージ・オブジェクトの中にパックされる。
2.MACメッセージ・オブジェクトは、MOFに区分される。MOFは、親のMSDUにある可変数のバイトを含むことができる。MOFの長さは、CTUの生成時に決定される。現在のCTUに挿入されるフラグメントの最大サイズは、利用可能な空きバイトの数に基づく。
3.MOFは、チャネル送信ユニットにパックされる。各CTUペイロードは、1つまたは複数のMOFを移送するために使用される。
可変長のフラグメント化のための我々の方法では、可変長のデータをCTUの中に含めることができる。それにより、複数のMSDUを1つのCTUにパックすることも可能になる。これは、大きなMSDUをフラグメント化してPSDU当たり1つのフラグメントを送信する従来の方法と比べた時に、効率および柔軟性の利益をもたらす。我々の方式は、CTU当たり、すなわちPSDU当たり、1つまたは複数のフラグメントを可能にする。この手法は、MAC管理データとユーザMSDUデータの効率的な多重化も可能にする。
(節3.4:アップリンク・データの転送)
端末のMAC層は、各チャネル送信ユニットを、アップリンク・ソース・ビットとして、PSDUインターフェースを通じて物理層に提供する。データは、その後、図9cのブロック340に示されるように、アップリンクで送信される。
(節3.4.1:アップリンク・サブキャリア)
端末送信機は、アクセス・ノードにおけるスロットの到着とサブキャリア周波数との一致を目標とするために、例えば節3.2.5で説明するアクセス・ノード割り当てを満たすために、時間オフセットおよび周波数オフセットを適用する。
一実施形態では、アップリンク周波数オフセット推定は、節6.2で説明するように、チャネル状態トラッカにより、アップリンク・サブキャリア間隔の整数、

、および追加的な小数成分

を表す2つの成分として提供される。
端末は、チャネル周波数オフセットの一括補償を提供するために、送信サブキャリアを選択する。MAC層は、送信に使用するサブキャリアを物理層に指示する。送信サブキャリアの集合Sは、

を使用して計算され、ここでSANは、例えば、アップリンク・マップ・メッセージを介して割り当てられた、アクセス・ノードで目標とすべきサブキャリア・インデックスの集合である。節7.1で説明するように、サブキャリア間隔の小数部である周波数オフセットの事前補償が物理層で適用される。
図13は、図2のシステム・ダイナミクスに対応するアップリンク・サブキャリア1300の例示的な調整を示す。この例は、節2で提示した調整されたマルチキャリア・アップリンクの例を拡大したものであり、3つの端末すべてが送信している。スロット−16、−15、−14、−10、−9、8、9、13、14、および15は、ガード・インターバル(G)であり、スロット−13、−12、−11、10、11、および12は、雑音電力推定スロット(NP)であり、スロット−8〜7はアップリンク割り当てに利用できるスロット(A、T1、T2、またはT3)である。アクセス・ノードと端末T1の間で引き起こされる正のドップラ偏移により、端末T1はサブキャリア0〜7を目標とすることができる。アクセス・ノードと端末T2の間で引き起こされる負のドップラ偏移により、端末T2はサブキャリア−5〜2を目標とすることができる。アクセス・ノードと端末T3の間に引き起こされる、無視できる大きさのドップラ偏移があり、端末T3はサブキャリア−4〜4を目標とすることができる。アクセス・ノードは、アップリンク・サブキャリアを割り当て、地理的に分散した端末によって引き起こされるドップラ偏移を活用する。このアップリンク割り当て技術は、改善されたスペクトル効率をもたらすことができる帯域幅の拡張を提供する。
(節3.4.2:アップリンクの受信および肯定応答)
節4で説明するように、端末のMAC層は、アップリンクを通じて送信する344ために転送データを物理層400に転送し343、アップリンクの物理層受信機は、アクセス・ノードのMAC層にアップリンク・ソース・ビットの推定を提供する。アップリンクのMAC層は、図9cに示すように、PSDUデータを受信し、処理してから345、それを、さらに処理する347ためにMSDUインターフェースを介してアクセス・ノードの上位層に渡す346。
一実施形態では、各アップリンクPSDUは、単一のセルを使用して送信される。他の実施形態では、複数のサブキャリア、すなわち同じ時間スロット中の複数のセルにまたがって送信することにより、PSDUの長さが増大することがある。一実施形態では、各PSDUは単一のCTUを搬送する。アクセス・ノードのMAC層は、例えば、物理層受信機からのパケット受信成功の指示および/またはMAC層でのCRC検査の合格を介して、アップリンクPSDU、したがってCTUの受信が成功したかどうかを判定する。アクセス・ノードのMAC層は、以下のように、肯定応答(ACK)ビットマップを使用して端末にCTUの受信を通知する。
・ アクセス・ノードが、CTUが送信されたアップリンク割り当てに対応するACKビットマップを生成する。
・ 所与のセルで受信されたCTUのアクセス・ノードによる受信が成功したことを示すために単一のビットが「1」に設定され、その他の場合は「0」に設定される。
・ ビットは、直前のアップリンク周期に対応する2次元セル割り当てに従ってマッピングされる。一実施形態では、ビットは、増加していくサブキャリア・インデックスによって、次いで増加していくスロット・インデックスによって順序付けられる。
・ ACKビットマップは、図9cに示すように、対象端末に向けたダウンリンクの肯定応答メッセージ内で送信される348。メッセージは、ダウンリンク・フレームの肯定応答スロット周期、例えば図10bに示すダウンリンク・スロット2の間に、ブロードキャストCTUの中で送信される。
図14は、例示的なACKビットマップ1400およびそれがどのように生成されるかを示す。同図は、アップリンク割り当てを含んでいる全フレーム周期を示している。端末T1は、持続時間が7スロットのサブキャリア割り当てを1つ有する(7セル)。端末T2は、持続時間が7スロットのサブキャリア割り当てを8つ有する(56セル)。黒地のセルは、アクセス・ノードによる受信が成功しなかったCTUを示している。図14は、2つの割り当て各々の結果として得られるACKビットマップを示す。
端末がアクティブなアップリンク割り当てを有する場合、ダウンリンクのPHY受信機は、肯定応答スロットのダウンリンク・パケットを処理し、その結果を、ACKメッセージの処理349のためにMAC層に渡す。MAC層は、次いで、端末に対応するACKメッセージを抽出し、ACKビットマップを調べて、どのCTUがアクセス・ノードによる受信に失敗したかを判定する。1つの実施形態では、端末はその後、失敗したCTUを再送信する。一実施形態では、端末のMAC層の再送信機構は、メッセージ・オブジェクト・フラグメントのレベルで動作する。MAC層は、失敗したCTUにどのMOFが含まれていたかを判定し、次いで、失敗したCTUが送信されて以後に生成された他のMOFと共に、それらのMOFを再送信のためにスケジュールし直す。この手法は、柔軟性のある再試行ポリシーを可能にし、より優先度の高いメッセージが、より優先度の低いメッセージ・フラグメントに対応する再試行に取って代わることを可能にする。
一実施形態では、肯定応答ビットマップのダウンリンク受信が成功しなかった場合は、端末は、すべての関連するCTUが失敗したものと考える。一実施形態では、リンクのステータスが、各送信の前にチャネル状態トラッカを通じて検証される。CSTが有効なステータスを報告しない場合は、CSTが有効な状態に戻るまで送信が阻止される。その時点で、端末は、現在のフレームに対してアクティブな割り当てをまだ有していれば送信を再開することを許され、そうでなければ、新しい割り当てを要求する必要がある。
(節3.5:ダウンリンク・データの転送)
アクセス・ノードのMAC層は、上位層のデータ・ソースからデータを受け取り、それを、節5で説明するダウンリンクの物理層を介して、アドレス指定される端末に送信する。ダウンリンクは、マルチキャスト送信およびブロードキャスト送信にも使用されることがある。ダウンリンクは、ユーザ・データおよびネットワーク管理データを搬送することができ、例えばチャネルの追跡精度やSNRに関するフィードバック・データを端末に提供するためにも使用されることがある。受信されたデータは、端末のMAC層によって処理され、上位層に転送される。
一実施形態では、アクセス・ノードは、セッション可用性の確定を端末に要求することなく、マルチキャスト・セッションを確立する。ブロードキャストおよびマルチキャストされるダウンリンク・トラフィックは、図9a、図9b、および図9cに示すように、上位層から提供されたデータ(MSDU)を使用して、マルチキャスト・セッションがアクティブである間に送信することができる。端末にユニキャスト・トラフィックを送信するには、節3.2.2で説明するように、アクセス・ノードは、まず端末とのセッションを確立する。
ダウンリンクの肯定応答機構は、端末のMAC層によって維持されるCTU成功リストに基づく。ACK情報は、受信側の端末により、アップリンクのMMOを使用して、アクセス・ノードに送信される。一実施形態では、ダウンリンクのCTUは、連続番号によって識別される。ダウンリンクのACKメッセージは、前回のダウンリンク・フレーム周期中に端末によって受信が成功したCTUの連続番号のリストをアクセス・ノードに提供する。TDD動作モードでは、ダウンリンクのACKメッセージは、現在のフレームのアップリンク部分で送信される。
1つの実施形態では、アクセス・ノードは、失敗したCTUを再送信する。一実施形態では、アクセス・ノードのMAC層再送信機構は、メッセージ・オブジェクト・フラグメントのレベルで動作する。MAC層は、失敗したCTUにどのMOFが含まれていたかを判定し、次いで、失敗したCTUが送信されて以後に生成された他のMOFと共に、それらのMOFを再送信のためにスケジュールし直す。この手法は、柔軟性のある再試行ポリシーを可能にし、より優先度の高いメッセージが、より優先度の低いメッセージ・フラグメントに対応する再試行に取って代わることを可能にする。
1つの実施形態では、アクセス・ノードは、端末がダウンリンクのACKメッセージを送信できるように、少なくとも1つのアップリンク・セルを端末に割り当てる。端末が現在のアップリンク割り当てを有する場合は、アクセス・ノードは、新しい割り当てを行う必要はない。別の実施形態では、端末は、通常のランダム・アクセス規則を使用して、ランダム・アクセス領域内でダウンリンクのACKメッセージを送信することができる。
(節3.6:セッションの終了)
通信セッションは、どちらかの受信機が、チャネル条件が信頼できる通信を支援することができないと考える時に終了される。端末および/またはアクセス・ノードが移動可能である場合には、受信信号強度が低くなり過ぎるために、これは通例、通過の最後に発生する。
一実施形態では、MAC層は、リンクの状態を監視し、リンクが使用可能でなくなると上位層に知らせ362(すなわちセッションの終了が決定され361)、上位層は次いでセッションの終了を処理する363。セッションを終了する決定は、以下の1つまたは複数に基づく。
・ ダウンリンクのチャネル・パラメータ推定に対する品質要件。例えば、チャネル状態トラッカが有効なステータスを報告していることによって示される。
・ 最小限の受信SNR要件、および/または、
・ アクセス・ノードおよび端末の幾何学的配置/ダイナミクスに対する要件、例えば最小限の隔たり。
端末のMAC層は、アクセス・ノードとのセッションを維持し、セッションの終了は、新しいセッションが確立されるまでそのアクセス・ノードとの無線通信を終わりにすることを意味する。アクセス・ノードのMAC層は、それが通信している1つまたは複数の端末とのセッションを維持する。アクセス・ノードの場合のセッションの終了は、特定の端末に対してのものである。セッションは、どちらかの関係者によって独立して終了することができる。終了時に、受信(または送信)された不完全なMSDUがあれば、それが上位層に転送される(または戻される)。
(節4:物理層処理の概要)
図15は、アップリンクおよびダウンリンク両方向におけるシステムの物理層400の高水準ブロック図を示す。このブロック図は、端末402およびアクセス・ノード401の両方で行われる処理を表している。例えば、全地球測位システム(GPS)または同類のものを介して、システム規模のタイミング(および任意で位置)の基準が、アクセス・ノード(T1)および端末(T2)の両方で物理層400およびMAC層に提供される。GPSによって規制される発振器が、アクセス・ノードおよび/または端末で使用されてもよい。一実施形態では、少なくともアクセス・ノードは、GPSによって規制される発振器を備える。例えばGPSまたはプログラムされた固定座標を介して、端末および/またはアクセス・ノードでローカル位置情報が入手可能である場合もある。
アクセス・ノードのベースバンド送信機510は、ダウンリンク・ソース・ビット(D1)を受け取り、それを使用して、変調および符号化方式、フレーム・フォーマット、および送信電力などのダウンリンク送信機命令(D2)に従って、ベースバンド・ダウンリンク送信信号(D3)を生成する。
アクセス・ノードのRFフロント・エンド410が、次いで、その信号をシステム・キャリア周波数に変換し、チャネル430を通じて送信する。ダウンリンク信号は、端末120によって受信され、ユーザ端末のRFフロント・エンド420によってベースバンドに変換され、処理のためにベースバンド受信機520に送付される(D4)。ベースバンド受信機520は、ダウンリンクの変調および符号化方式、およびフレーム・フォーマットなどのダウンリンクRx命令(D6)に従って、送信されたダウンリンク・ソース・ビットの推定を提供する(D5)。ベースバンド受信機520は、節5.2で説明するように、チャネルに関連するパラメータの(タイム・スタンプが付された)推定、および有効パケット・インディケータも提供する(C1)。
端末のベースバンド送信機710は、ソース・ビット(U2)を受信し、それを使用して、変調および符号化方式、フレーム・フォーマット、送信サブキャリア、および送信電力などのアップリンク送信機命令(U1)に従って、ユーザ端末のRFフロント・エンド420を介して送信するためのベースバンド信号を生成する(U3)。アップリンク送信機710は、チャネル状態トラッカ600から得た予測推定を使用して、チャネル影響を事前補償する。チャネル状態トラッカ600は、ダウンリンク受信機によって入手可能にされたチャネル推定(C1)を使用して、ダウンリンク・チャネル状態予測および有効ステータス・インディケータ(C2)、ならびにアップリンク・チャネル状態予測および有効ステータス・インディケータ(C3)を生成する。チャネル状態予測は、捕捉中に使用するためにダウンリンク受信機520にもフィードバックされてよい。MAC層302は、アップリンク送信機710またはダウンリンク受信機520によってチャネル状態予測が必要とされる時に、チャネル状態トラッカ600を起動して、チャネル状態予測(C7)を生成させる。チャネル状態トラッカ600は、任意で、以下のようなアクセス・ノードに関連する情報(C4)も使用する。
・ アクセス・ノードの位置、速度、加速度、進行方向、および軌道、
・ アクセス・ノードの送信電力、ならびに
・ アクセス・ノードの送信機および受信機のシステム周波数オフセット。
チャネル状態トラッカ600は、MAC層から、ダウンリンク・パケット有効性の指示も受け取ることができる(C6)。チャネル状態トラッカには、ローカルの(端末の)システム周波数オフセットの値も提供される(C5)。
アップリンク信号は、アクセス・ノード110によって受信され、アクセス・ノードのRFフロント・エンド410によってベースバンドに変換され、処理のためにベースバンド受信機720に送付される(U4)。ベースバンド受信機720は、アップリンクの変調および符号化方式、フレーム・フォーマット、ならびにサブキャリア割り当てなどのアップリンクRx命令(U5)に従って、各端末によってアップリンクで送信されたソース・ビットの推定を提供する(U6)。受信機720はまた(任意で)、アップリンクのチャネル・パラメータ推定、SNRおよび雑音推定などのアップリンク受信機情報もMAC層301に提供する(U7)。
(節5:ダウンリンク物理層の処理)
この節では、効率的で信頼できるダウンリンク・データの転送を提供する、波形および受信機方法の実施形態を説明する。説明される技術は、端末受信機520においてダウンリンク・チャネル・パラメータの高品質の推定も生成する。それらのチャネル推定は、チャネル状態トラッカを機能させ、マルチキャリア・アップリンク物理層の動作を支援するのに十分に正確である。十分に正確なチャネル・パラメータ推定を提供することが可能な、ダウンリンクの代替手法がシステムを実施するために使用されてもよい。
(節5.1:ダウンリンク送信機)
1つの実施形態では、ダウンリンクは、250msの持続時間を持つスロットで時間スロット化され、ダウンリンク送信機は、スロット当たり1つのパケットを出力する。図16は、図15に出現したダウンリンクのベースバンド送信機510の一実施形態のブロック図を示す。初めに、バイナリ・データが任意でスクランブルされ、次いで誤り制御符号化器に入力される。符号化されたデータは、次いで、任意でインターリーブされる。次いでパイロット・データが挿入される。その結果得られた信号が次いで変調され、送信する一連のサンプルが、パルス・フィルタを使用して生成される。送信の前に、離散的トーン(正弦曲線)が任意で信号に追加される。その結果得られた複素ベースバンド信号D3が次いで、標準的な方法(例えばデジタルからアナログへの変換、フィルタリング、および選択されたキャリアへの変調)を使用して送信するために提供される。このような標準的な構成要素は図示していない。ベースバンド送信機の各構成要素については、下記で詳細に説明する。必要に応じて、ダウンリンクTx命令D2が送信機の任意のブロックに提供されてよい。
(節5.1.1:ダウンリンク・ソース・ビット)
一実施形態では、MAC層は、物理層に、ダウンリンクのソース・バイナリ・デジット(ビット)の系列を送付するD1。1つの実施形態では、データは、3960ビットの系列である。
(節5.1.2:スクランブラ)
オプションのスクランブラ512は、元のソース・データに存在する可能性のある任意の構造(例えば長く連続する0または1)を取り除くために使用される、レート1コードである。これは、デジタル通信では標準的な実践である。これは、タイミングの回復を助けると共に、信号のスペクトル特性を実際のデータから切り離す。1つの実施形態では、スクランブラは加法的であり、それにより、データ系列に、多項式x+x+1を用いる線形フィードバック・シフト・レジスタの出力が、2を法として加算される。
(節5.1.3:符号化器)
誤り制御符号化器513は、冗長性を導入して、送信中に雑音からの保護を提供する。1つの実施形態では、誤り制御符号は、H.Jin, A.Khandekar, and R.McEliece, “Irregular repeat−accumulate codes”, In Proc.Int.Symp.on Turbo Codes & Rel.Topics, pages 1−8,2000のレート1/2システマティック不規則反復累積符号であり、この場合、符号の次数列は、復号器の収束を容易にするために、標準的な外部情報転送(EXIT)チャート法を使用して選択される。符号化器は、符号化の前に、1つまたは複数の知られたビットをデータ系列に挿入することもできる(ドーピングとも呼ばれる)。これは、復号器の早期の反復を支援することができる。1つの実施形態では、誤り制御符号は、低密度生成行列符号である。この場合、オプションのインターリーバは、省くことができ、変調は、WO2014094064に記載される方法のいずれかに従って、再帰的変調として選択することができる。1つの実施形態では、符号化器は、MAC層からの命令に基づいて送信符号化方式を選択する。入力データが3960の長さである一実施形態では、レート1/2符号化器は、7920ビットの符号化された系列を生成する。
(節5.1.4:インターリーバ)
オプションのインターリーバ514は、符号化器の出力を並べ替える(置換する)。この置換は受信機に知られており、そのため、デインターリーブを受信機で行うことができる。
(節5.1.5:パイロットの挿入)
受信機における初期捕捉を容易にするために、パイロット挿入モジュール515によってパイロット・データ(受信機に知られている)がデータ系列に挿入される。1つの実施形態では、パイロット・データは、データ系列全体に分散させることができる。1つの実施形態では、パイロット・データは、ビットの連続したブロックであり、符号化(およびインターリーブ)されたデータ系列の先頭に追加される。1つの実施形態では、パイロット・ビット系列は、「0」および「1」のビット値をほぼ同数ずつ含んでおり、それらの値は、系列中にほぼ均一に分散される。1つの実施形態では、パイロット・データは60ビットの長さであり、以下の系列からなる。
100010100110010100001001000100010101001101100011110001110001
一実施形態では、符号化データが7920ビットである場合には、7980ビットの出力系列が得られる。
(節5.1.6:変調器)
変調器516は、ビットまたはビットのグループを、シグナリング・コンステレーション(複素数の有限集合。一般には直交振幅変調、または略してQAMと呼ばれる)にマッピングする。1つの実施形態では、変調器は、グレイ・マッピング4位相偏移変調(QPSK)変調器である。別の実施形態では、変調器は、複数の変調方式、例えばM−PSKおよびM−QAMを支援し、Mは、信号コンステレーション中の点の数を表す。一実施形態では、変調器は、ダウンリンク送信(Tx)命令D2を介したMAC層からの命令に基づいて、送信変調方式を選択する。
(節5.1.7:パルス・フィルタ)
パルス・フィルタ517は、適切なスペクトル特性を得るために、シンボルごとに波形を整形するために使用される。1つの実施形態では、パルス・フィルタは、ロール・オフβ=0.5である、ルート・レイズド・コサイン・フィルタである。1つの実施形態では、ルート・レイズド・コサイン・フィルタは、長さL=7シンボルである有限持続時間インパルス応答を使用して実施される。
(節5.1.8:離散的トーン)
受信機の性能は、受信機がダウンリンク・パケットの周波数オフセットおよび時間オフセットの推定を得る能力に依存する。低軌道衛星システムとの関連では、周波数オフセットは、比較的大きくなることがある。この周波数オフセットの初期推定を容易にするために、離散的トーン・モジュール518によって離散的トーン(正弦曲線)が変調信号に加算される。1つの実施形態では、トーンの位相は、変調信号の位相にロックされる。1つの実施形態では、トーンが、受信機で変調信号成分および雑音からトーンを判別できるようにするのに十分な電力を有するように、トーンのエネルギーが最小化される。1つの実施形態では、離散的トーンは、ベースバンド信号の0Hzにあり、変調信号成分に対して−12dBの電力を有する。
代替として、正弦曲線に代えて、例えばm系列などの特定のスペクトル拡散系列のような、異なる系列(送信機および受信機に知られている)が、離散的トーン・モジュール518によって加算されてもよい。代替として、離散的トーンまたは系列は、データ搬送信号と重なり合わない場合もある。代わりに、離散的トーンまたは系列は、データ搬送信号の前および/または後にあってもよい。これは、1つのスロットの先頭および/もしくは末尾、または別個のスロット内にあってもよい。1つの実施形態では、ダウンリンク送信機は、フレーム当たり少なくとも1つのパケットを出力する。このパケットは、アクセス・ノードの存在を告知するビーコンの役割を果たし、ダウンリンク受信機が初期チャネル推定を提供することを可能にする。
(節5.2:ダウンリンク受信機)
ダウンリンク受信機は、1つまたは複数のアクセス・ノードからのパケット送信を受信し、アップリンクの事前補償中に使用されるチャネル・パラメータ推定を生成する役割を担う。ダウンリンク・パケットは、システムのGPSベース・フレーム・タイミングに同期して送信され、そのため、パケット・タイミングは、ローカルのGPSタイミング基準および下記で説明する時間オフセット推定技術を使用して受信機で判定することができる。フレーム構造の知識を使用して、端末に関連するとみなされるスロットの間だけ受信機を使用可能にすることができる。
受信機は以下の動作モードを有する。
・ アイドル:このモードでは、受信機は非アクティブである。
・ 初期化:このモードでは、受信機はダウリンク送信を探索し、この時点ではチャネル・パラメータ推定を有していない。ダウンリンク・パケットの探索は、予期される時間オフセットおよび周波数オフセット空間の中で行われる。例えば、衛星の応用例の場合、予想されるドップラ偏移の範囲、ドップラ速度、および時間オフセットが、軌道パラメータに基づいて分かる。電力消費を最小限にするために、例えば各システム・フレームのビーコン・ダウンリンク・スロットだけを使用するために、探索に使用されるスロットを制約することができる。
・ 追跡:このモードでは、受信機は、ダウンリンク送信の受信を開始している。受信機は、チャネル状態トラッカから得られたダウンリンク・チャネル推定を使用して、例えばチャネル状態予測に基づいて探索空間を狭めることにより、時間オフセットおよび周波数オフセットの推定を支援することができる。パケットの受信に成功すると、受信機は、チャネル推定の更新をチャネル状態トラッカに提供する。
1つの実施形態では、ダウンリンク受信機は、下記の統計およびチャネル・パラメータ推定をパケット単位で生成し、報告する。これらの測定値は、アップリンク・チャネル条件を予測するためにチャネル状態トラッカによって使用される。
・ タイミング・オフセットの推定


・ 周波数オフセットの推定


・ 周波数オフセットの変化率の推定


・ 複素ゲインの推定


・ SNRの推定


・ 有効パケット・インディケータ、および
・ パケット受信のスロット番号およびタイム・スタンプ。
図17は、図15に出現したダウンリンクのベースバンド・パケット受信機520の一実施形態のブロック図を示し、受信機520はオーバサンプリングされた受信信号rを入力として受け取る。まずベースバンド受信サンプルが使用されて、パケットを捕捉し、ダウンリンク・チャネル・パラメータを推定する。捕捉が有効であると宣言された場合は、受信機は続いて、チャネル・パラメータ推定を使用して、パケットの復調および復号を行う。復号器は、ダウンリンク・ビット値をそれらの有効性のインディケータおよびSNRの推定と共に出力する。復号器が成功を宣言した場合は、ダウンリンク・ビットがMAC層に渡される。チャネル・パラメータおよびSNRの推定も、この時点でメタデータとしてMAC層に渡されてよい。復号器が成功すると、チャネル・パラメータ推定は、チャネル状態トラッカにも渡される。必要に応じてダウンリンクRx命令が受信機の任意のブロックに提供されてよい。
別の実施形態では、図17の捕捉およびチャネル推定ブロックによって生成された初期チャネル・パラメータ推定が、復号の後にさらに精緻化される。この場合、節5.2.8で説明するように軟復号器が使用され、その復号器によって提供された軟判定が、複素送信サンプルの軟推定に変換される。これらの軟推定を既知のパイロット・サンプルの系列として扱うと、例えば、受信信号サンプルと送信サンプルの軟推定との間の二乗誤差の和を最小化することにより、受信信号サンプルからチャネル・パラメータ・オフセットのより正確な推定が得られる。その結果得られる精緻化された推定を使用して、受信信号サンプルのオフセットが訂正され、改善された復号器出力を得るために2度目に軟復号器に提供される。精緻化は反復的なプロセスであってもよく、その場合、軟復号と推定の精緻化は、復号器が成功を宣言するか、またはチャネル推定のそれ以上の精緻化が検出されなくなるまで、繰り返し交互に行われる。精緻化されたチャネル・パラメータ推定は、チャネル状態トラッカにも入手できるようにされる。1つの実施形態では、チャネル・パラメータ精緻化ステップは、復号器が有効な符号語が得られたことを宣言した後、推定をチャネル状態トラッカに提供する前に行われる。
(節5.2.1:捕捉およびチャネル推定)
図18は、一実施形態による、初期化モード5211で動作している時の捕捉およびチャネル推定モジュール521のブロック図を提供する。捕捉およびチャネル推定モジュール521は、オーバサンプリングされた受信パケット信号r D4を入力として受け取り、チャネル・パラメータ推定C1を提供する。
可能なドップラ速度(Hz/秒)の範囲は、事前に知られている場合がある。例えば、衛星の応用例では、ドップラ速度は常に負になり、知られている最大の大きさを持つ。他のシナリオでは、この速度は未知であるか、またはゼロと仮定される。そのような場合、初期のドップラ速度補償は省略することができる。

を、ドップラ速度(ラジアン/秒)の指示値とする。この値は、例えば、ドップラ速度の範囲の中点、または何らかの他の値とすることができる。第1のステップとして、受信されたサンプルに複素指数

を乗算することにより、このドップラ速度が受信信号から取り除かれ、ここで、時間インデックスtは、サンプル・インスタンスに対応する値を取る。
このドップラ速度の初期補償に続いて、初期粗周波数オフセット推定

(ラジアン/秒)が粗周波数推定器5213によって算出される。この粗オフセットは、

で乗算することによって取り除かれる。任意で、離散的トーン(節5.1.8)がフィルタ5215によって取り除かれてもよい。その結果得られた信号が、次いで時間オフセット推定器5216に供給され、時間オフセット推定器5216は、スロット境界に対する時間的オフセット

を推定する。信号は次いで、送信パルスに整合させられたパルス整合フィルタ5217に供給される(節5.1.7)。このフィルタ5217のサンプル・インスタンスは、時間オフセット推定

に従って設定される。次いで、その結果得られたシンボル・レート信号が、精細な周波数推定器モジュール5218によって使用されて、複素信号ゲインの推定

、周波数オフセットの精緻化(精細な周波数オフセット

)、および周波数変化率

を見つける。次いで、周波数オフセットの最終的推定

が、初期粗周波数オフセットと精細な周波数推定との和として得られる。周波数変化率の最終的推定は、初期粗周波数変化率と、精細な周波数変化率推定との和として得られる。
1つの実施形態では、捕捉は、すべての推定を得た後に離散的トーンをコヒーレントに取り除く、すなわち減算する。この場合、フィルタ・トーン・ブロック5215は無効にされ、トーンは、推定の後に、ポイントBにある信号からサンプル・レベルで、またはポイントCにある信号からシンボル・レベルでコヒーレントに除去される。別の実施形態では、複素ゲイン、精細な周波数および周波数率の推定は、トーンのコヒーレントな除去と共に反復的に行われる。1つの実施形態では、フィルタ・トーン・ブロック5215は存在しない。ベースバンド信号から0Hzのオフセットのところにある離散的トーン518(節5.1.8で説明する)は、DCブロッキング動作を使用して取り除かれる。DCブロッキングは、まずサンプルにわたる複素平均を計算し、次いでその平均をすべてのサンプルから減算することにより、サンプルが整合フィルタに入力される前に、サンプルに対して行われる。1つの実施形態では、受信機動作の初期化モード中に、

は、予想されるドップラ速度の範囲の中点に初期化される。捕捉有効信号は、粗周波数推定器5213から来る有効な信号と、精細な周波数推定器モジュール5218に対する論理AND演算によって生成され、すなわち、出力は、両方の入力が有効であることを示す時、かつその時に限り、有効であることを示す。
受信機は、常時初期化モードで動作させても、または追跡モードに切り替えられてもよい。一実施形態では、受信機は、チャネル状態トラッカ600から有効なステータスの指示を受信すると、初期化モードから追跡モードに切り替わる。図19は、追跡モード5212で動作している時の捕捉およびチャネル推定モジュール5212のブロック図を提供する。追跡モードの間、粗周波数推定器ブロック5213は無効にされる。チャネル状態トラッカの周波数オフセット予測

が、

にとって替わり、周波数率予測



にとって替わる。追跡モードでは、時間オフセット探索ウィンドウは、チャネル状態トラッカから提供される時間オフセット推定を使用して狭めることができる。追跡モードの間は、周波数率探索ウィンドウは、周波数率推定誤差の予想される低下を考慮して狭められることがある。チャネル状態トラッカ600が無効なステータスを指示する場合、受信機は再び初期化モード5211に切り替えられる。初期化モードへの復帰は、無効なチャネル状態トラッカ・ステータスが最初に示された時、またはある時間ウィンドウ内に何らかの回数の指示が発生すると、行われることが可能である。
1つの実施形態では、粗周波数推定器5213は、図18のポイントAにおける信号のペリオドグラムの最大化を介して実施される。これは、送信機において加算された離散的トーンの存在によって容易にされる。ペリオドグラムは、ゼロ・パディングした離散フーリエ変換を介して実施することができ、ゼロ・パディングの量は、(フーリエ変換においてより狭い周波数ビンを提供することによって)周波数分解能を改善するように選択される。変換は、直接実施するか、もしくは高速フーリエ変換を使用して実施することができ、またはさらなる複雑さの低減を達成するためにゼロ・パディングを活用することさえできる。最大化は2つのステップで実行することができ、第1に、最大の絶対値を有するペリオドグラムのビンを獲得し、第2に、その周波数の領域内で数値最適化(例えば、ニュートン法)を実行する。粗周波数推定

は、離散的トーンの周波数を減算することによって、ペリオドグラムの最大絶対値に対応する周波数から獲得される。
1つの実施形態では、ペリオドグラムの最大絶対値が閾値と比較される。最大値が閾値を超えない場合は、受信機は無効な捕捉を宣言する。受信機は、無効な捕捉を宣言すると、パケットの処理をやめることを選ぶことができる。閾値は、閾値基準を満たすペリオドグラム・ビンが、受信機において変調信号成分および雑音から周波数成分を区別できるようにするのに十分な電力の周波数成分を表すように、選択することができる。1つの実施形態では、最大化のための周波数範囲は、特定の周波数区間における捕捉を可能にするように、または特定の周波数区間における捕捉を回避するように制限することができる。1つの実施形態では、この手法は、スプリアス・トーンが宣言されていない1つまたは複数の周波数区間を除外するために使用される。除外は、例えばRFフロント・エンドによって導入される周波数安定スプリアス・トーンを回避するために静的としても、または動的としてもよい。例えば復号器の障害が原因で、受信機の下流で無効なパケットが宣言された場合は、その無効な捕捉に対応する周波数推定を除外しながら粗周波数推定器を再実行することができる。このプロセスは、有効な捕捉が宣言されるまで反復的に行うことができ、またはペリオドグラムの最大絶対値が閾値より大きくなくなるまで、または何らかの最大回数の反復が行われるまで行うことができる。1つの実施形態では、1つまたは複数の周波数区間が、上で説明されたような粗周波数推定を得る時に、ペリオドグラムの対応するビンを最大化から除外することによって除外されてもよい。
時間オフセット推定器5216は、同期されたシステム時間から決定されたスロット境界に対する、パケット開始時間推定を提供する。1つの実施形態では、シグナリング・コンステレーションがいずれかの形態の位相偏移変調のである場合、時間オフセット推定器5216は、図18のポイントBにおける信号を入力として受け取る、WO2014127407に記載される方法のいずれかを使用して実施される。この方法は、知られているパイロット・データと、信号の未知のデータ部分との両方を使用して、時間オフセットの推定を提供する。別の実施形態では、時間オフセット推定器は、M.Oerder and H.Meyr, “Digital filter and square timing recovery”, IEEE Trans.Commun., 36(5):605−612, May 1988に記載される方法を使用して実施される。
1つの実施形態では、複素信号ゲイン、ならびに周波数オフセットの精緻化、および周波数オフセットの変化率が、以下のようにして、精細な周波数推定器モジュール5218によって、図18のポイントCにおける信号から推定される。
周波数オフセット値と周波数率値との2次元グリッドが事前定義される。このグリッドは、一様であっても、または非一様であってもよい。次元の各々におけるこのグリッドの最小/最大および間隔は、あらかじめ選択され、実験によって決定することができる。グリッド・ポイントωd,f、νd,fごとに、Cからの信号が、

の乗算によって調節され、ここで、tは、今度は、シンボルの時間インスタンスである。次に、この補償された信号が、WO2014089634のアルゴリズムのいずれかに提供される。これは、信号のゲインおよび位相の推定、ならびに対応する平方誤差を返す。この平方誤差が、先行するグリッド・ポイントから得られた平方誤差のどれよりも低い場合、複素ゲイン推定

は、この現在の推定に設定される。平方誤差の値は、また、これまでに見られた最良値として記憶される。精細な周波数推定

および周波数率推定

は、そのグリッド・ポイントの対応する値に設定される。次に、アルゴリズムは、次のグリッド・ポイントに進む。すべてのグリッド・ポイントが考慮されると、プロセスは終了し、アルゴリズムは、値

を出力する。1つの実施形態では、完了時に、複素ゲイン推定に対応する平方誤差が閾値と比較される。平方誤差が閾値よりも低い場合は、出力が有効と宣言され、そうでない場合は無効と宣言される。閾値は、あらかじめ選択され、実験によって決定することができる。
チャネル・パラメータ、およびしたがってチャネル・パラメータ推定(C1)、例えば複素ゲイン、時間オフセット、周波数オフセットおよび周波数変化率は、基礎となる伝搬特性および幾何学モデルのせいで相関付けることができる。この相関は、例えば、考慮する必要のある周波数/時間のペアのセットを制限することにより、捕捉ステージにおける複雑さを低減するため、および/または推定精度を改善するために活用することができる。一実施形態では、衛星ベースのアクセス・ノードは、自身の軌道状態についての情報を時折送信し、その情報はこのプロセスへの入力の役割を果たすことができる。軌道状態データは、通過の持続時間を推定し、将来の衛星通過の開始時間を予測するためにも使用することができる。一実施形態では、軌道状態データは、衛星についての2行要素(TLE:two line element)セット情報を搬送する。図20は、衛星通過の間にランダムに分散した端末のセットを表すシミュレーションから収集されたチャネル・パラメータC1をプロットしたものである。高さ600kmの円形極軌道がキャリア周波数400MHzにあるものと仮定している。すべての端末は同じ電力で送信すると仮定している。周波数オフセット、時間オフセット、およびSNRの間の相関を明瞭に見て取ることができる。
(節5.2.2:復調および復号)
復調および復号モジュール522のブロック図が図21に示される。このモジュールは、入力として、オーバサンプリングされた受信パケット信号rおよびチャネル・パラメータ推定を受け取る。モジュールは、復号器の成功を示すものである、復号されたダウンリンク・データの硬判定D5と、SNRの推定とを提供する。
(節5.2.3:チャネルの取り除き)
チャネル取り除きブロック523は、通信チャネルの(推定される)影響を取り除く。推定される周波数オフセットおよび周波数率が、残存信号r[t]に複素正弦曲線を乗算することによって取り除かれて、

を取得し、ここで、離散的時間インデックスtは、サンプルをインデックス付けする。一実施形態では、複素ゲインに対する補償は2つのステップで実行され、第1にr’[t]サンプルを回転させて、

を取得し、ここで、



の位相である。次に、回転されたサンプルが、チャネル取り除きブロックから出力される。第2のステップは、パルス整合フィルタの出力において実行され、シンボルは、複素ゲイン推定の大きさ

によって除算される。別の実施形態では、複素ゲインの補償は、r’[t]サンプルを複素ゲイン推定

で除算することによって行われる。推定された時間オフセット

は、2つの成分、すなわち、サンプル周期の整数と小数(サブサンプル)オフセットとからなるとみなすことができる。サンプル周期の整数は、時間インデックスの再インデックス付けを介して取り除かれる。残りの小数オフセットは、パルス整合フィルタのサンプル・タイミングで対処される。
(節5.2.4:トーンの取り除き)
トーン取り除きブロック524はオプションであり、サンプル・レートで離散的トーンを取り除く。1つの実施形態では、離散的トーンは、非コヒーレント・フィルタを介して取り除かれる。別の実施形態では、離散的トーンは、コヒーレントに減算される(除去)。1つの実施形態では、ベースバンド信号から0Hzのオフセットのところにある離散的トーン(節5.1.8で説明される)が、DCブロッキング動作を使用して取り除かれる。DCブロッキングは、サンプルが整合フィルタに入力される前に、まずサンプルにわたる複素平均を計算してからその平均をすべてのサンプルから減算することによって、サンプルに対して行われる。
(節5.2.5:パルス整合フィルタ)
パルス整合フィルタ525は、信号をシンボル当たり1つのサンプルに変換する。パルス整合フィルタ525は、節5.1.7で選択されたパルス形状に整合させられた(インパルス応答が時間反転複素共役である)デジタル・フィルタである。サンプリング・インスタンスは、

の小数オフセット成分に従って選択される。
(節5.2.6:トーンの除去)
任意で、パルス整合フィルタの前に離散的トーンが取り除かれていない場合、それは、トーン除去モジュール526によるコヒーレントな除去によって、シンボル・レベルで取り除くことができる。これは、サンプル・レートでのコヒーレント除去と比較して、複雑さを低減させる。
(節5.2.7:信号対雑音比の推定)
(任意でトーン除去後の)パルス整合フィルタの出力は、信号対雑音比(SNR)を推定するために使用される。節5.1.5で説明したように、送信信号は、パイロットおよびデータを搬送する。Pを、パイロット・シンボルの位置を記述するシンボル・インデックスの集合とし、Dを、データ・シンボルに対応するシンボル・インデックスの集合とする。したがって、送信信号は、

#1 上記以外
として推定され、
ここで、p[i]は、受信機に知られているパイロット・シンボルであり、

は、未知のデータ・シンボルについての硬判定である。集合PおよびDは、互いに素、すなわち、P∩D=φであり、和集合P∪Dは、シンボルが送信される、それらのインデックスのすべてを含む。
SNRは、データ変調の影響を取り除いた(変調ストリッピング)後、シンボル・レベルで推定される。変調ストリッピングは、パルス整合フィルタの出力におけるシンボル系列y[i]に

の複素共役を乗算することによって達成される。次に、

と表されるSNRの推定が、

として取得され、ここで、

および

は、変調ストリッピングされた信号

の平均および分散の推定であり、


によって与えられ、ここで、S⊆P∪Dである。すなわち、部分集合、またはすべてのパイロット・シンボルおよびデータ・シンボルを使用することができる。
他の実施形態では、SNR推定器

を、任意の知られているSNR推定器に置き換えてもよい。
(節5.2.8:軟復号器)
軟復号器モジュール528は、以下のステップを行う。
1.パイロットを取り除く
送信系列に導入されたいずれのパイロット系列は、パイロット位置を削除することによって取り除かれる。
2.復調
復調器が、複素受信シンボルおよび送信変調方式に基づいて、対応するビットの軟判定(対数尤度比)を算出する。これらの算出は、例えば、最大事後確率(MAP)アルゴリズムまたはそのアルゴリズムの任意の類似物を使用して実行することができる。
一実施形態では、MAC層が、送信機で使用された変調方式を復調器に指示する。
3.デインターリーブ
軟判定の系列をデインターリーブし、デインターリーバは、送信機で行われるインターリーバ動作の逆を行う。
4.前方誤り訂正
和積アルゴリズム、BCJRアルゴリズム、またはそれらの類似物のいずれかを含むことができるが、それらに限定されない、復号アルゴリズムを使用して、前方誤り訂正符号を復号する(節5.1.3)。復号アルゴリズムは、軟入力または硬入力(復調器の軟判定に硬判定を行うことによって得られる)を受け取ることができる。復号アルゴリズムは、軟出力または硬出力を提供することができる。1つの実施形態では、復号器の軟出力は、外因性対数尤度比(または他の任意の表現、例えば確率)である。別の実施形態では、復号器の軟出力は、事後対数尤度比、または外因性対数尤度比と事後対数尤度比との関数である。
復号器は、データの硬判定を、直接(硬出力復号器の場合)、または軟出力復号器の出力に硬判定を行うことによって提供する。
一実施形態では、MAC層が、送信機で使用された符号化方式を復号器に指示する。
5.復号有効
復号結果から、有効な符号語が得られたことを宣言する指示が導出される。一実施形態では、有効な復号は、誤り訂正符号の満たされていないパリティ・チェック式がない場合に宣言される。
(節5.2.9:デスクランブル)
デスクランブル動作は、節5.1.2で説明したオプションのスクランブラの作用を逆にする。一実施形態では、デスクランブラ529は、スクランブラ512と同じ機能を行い、同じ多項系列を使用する。有効な復号が宣言された場合は、復号されたダウンリンク・ビットである復号器出力(またはオプションのスクランブラ出力)D5が、さらなる処理および、可能性としてはさらなる検査および検証のためにMAC層に渡される。有効な復号の場合は、チャネル状態トラッカ600に通知され、パケットから行われた受信機チャネルおよびSNRの推定が提供される。受信機が初期化モードにある場合は、復号器成功(または、任意で、MAC層からのさらなる検証に合格した旨の通知)の後、受信機を次いで追跡モードに切り替えることができる。追跡モードに入ると、受信機は、次いでチャネル状態トラッカ600からのチャネル予測を使用して、後続のパケットを処理することができる。
(節6:チャネル状態トラッカ)
チャネル状態トラッカ600は、図15に示すように、ダウンリンク・チャネルから得られる時間および周波数推定を使用して、チャネル状態パラメータを追跡し、予測する役割を担う。ダウンリンク受信機からチャネル状態トラッカに送付されるチャネル・パラメータ推定は、パケット受信の時間でタイム・スタンプが付されている。アップリンク・チャネルのアクセス方法は、チャネル伝搬遅延および周波数オフセット挙動の正確な推定を必要とする。チャネル状態トラッカ600は、要求があった時にそれらの推定を生成し、それがアップリンクの送信要件を満たすのに十分な品質であることを保証する役目を有する。MAC層302は、フレーム構造の知識と送信機および受信機動作の状態とに基づいて、チャネル状態トラッカ600を制御し、必要に応じてそれを起動してチャネル状態予測を生成させる。
チャネル状態トラッカ600は以下の機能を行う。
・ 時間オフセットの追跡および推定。
− 現在のチャネル時間オフセット(伝搬遅延)の推定および品質の指標を記憶し、追跡する。
− 現在入手可能な推定とそれらの品質に基づいて、チャネル伝搬遅延推定および品質メトリックを予測する。
・ 周波数オフセットの追跡および推定。
− 現在のチャネル周波数オフセットおよび周波数オフセットの変化率の推定を、対応する品質指標と共に記憶し、追跡する。
− システム構成要素から生じる周波数オフセットの推定を記憶し、追跡する。
− 周波数オフセットおよび周波数変化率の推定および品質メトリックを予測する。
・ 有効ステータス・インディケータ:
− チャネル状態トラッカ600は、時間および周波数予測の品質メトリックをアップリンクの動作許容要件と比較することにより、有効ステータス・インディケータ出力を生成する。それらの要件は、ローカルに記憶しておくことができ、アクセス・ノードによって更新を発行することができる。有効なステータスの宣言は、チャネル状態トラッカが、アップリンク動作を許可するのに十分な精度の推定を提供できることを意味する。
受信機520によって提供されるチャネル・パラメータ推定に加えて、チャネル状態トラッカ600は、パラメータ推定プロセスを助けるために、アクセス・ノードおよび端末のGPS位置、ならびにシステム・ダイナミクスについての情報を使用することもできる。例えば、アクセス・ノードと端末との間の相対速度の知識は、ドップラによって引き起こされる周波数オフセット、および受信機と端末との間の距離が未知であることに起因する時間オフセットなど、他の移動性に関連するチャネル・オフセットの予測を助けることができる。チャネル状態トラッカには、発振器ドリフトまたはクロック同期の欠如についての情報が提供されることも可能である。チャネル状態トラッカは、節5.2.1で説明したように、チャネル・パラメータ間の相関を活用することもできる。ダウンリンク・パケットの有効性のさらなる指示(PHYから提供されるもの以外)、例えばダウンリンク・パケットの内容が巡回冗長検査に合格したことを示す指示が、任意で、MAC層302によって提供される。一実施形態では、チャネル状態トラッカ600は、無効なパケットから生じたダウンリンク・チャネル・パラメータ値を破棄する。
(節6.1:時間オフセットの追跡および推定)
チャネル時間オフセットは、GPS時間と、ダウンリンク・パケットの受信から生じる時間オフセット推定とを使用して推定される。一実施形態では、GPS時間の同期は、一方でタイミング誤差分散の推定も維持しながら、ローカルGPS受信機からの1PPS出力との同期を通じて達成される。1つの実施形態では、ダウンリンク受信機から出力される時間オフセット推定は、同期されたシステム時間を基準とするパケット開始時間推定を提供する。この推定は、受信パケットの信号品質およびシステム時間誤差分散に基づく誤差分散を有する。システム時間基準は、パケット開始時間推定と組み合わされて、チャネル時間オフセット予測

およびその分散を生成するために使用される。
チャネル伝搬挙動は、アップリンク/ダウンリンクで対称であると仮定される。したがって、アップリンクおよびダウンリンク両方向の伝搬遅延は、ダウンリンク受信機からもたらされる推定を使用して予測される。一実施形態では、その予測は、現在および過去の推定値を使用して外挿される。初期時間オフセット推定を得るには1つのみのダウンリンク・パケットが必要であるが、伝搬遅延は、例えば衛星通過の間など、動作の間に変化することがある。一実施形態では、複数の受信ダウンリンク・パケットを使用して時間オフセットを予測して、時間オフセットおよび時間オフセット挙動の変化率を追跡する。1つの実施形態では、時間オフセット・パラメータの将来の値は、自己回帰フィルタまたは同様の知られている方法を使用して、現在および過去の値に基づいて推定される。フィルタ係数は、より新しい入力値、および/またはより高いSNRを示したダウンリンク・パケットから生じた入力値に、より高い重みが適用されるように選択することができる。別の実施形態では、時間オフセット・パラメータの将来の値は、カルマン・フィルタ/予測器を使用して推定される。1つの実施形態では、チャネル状態トラッカによって提供されるチャネル時間オフセット予測

を使用して、アップリンク送信の開始を事前補償する。チャネル時間オフセット予測は、追跡モード中の捕捉およびチャネル推定を助けるためにダウンリンク受信機にもフィードバックされる。
(節6.2:周波数オフセットの追跡および推定)
1つの実施形態では、チャネル状態トラッカ600は、タイム・スタンプが付されたパケットごとの周波数オフセットおよび周波数変化率推定をダウンリンク受信機から得る。チャネル状態トラッカは、それらの推定を使用してダウンリンク周波数オフセット

を予測する。チャネル状態トラッカは、システム構成要素が原因で生じる周波数オフセットの知識を使用して、チャネルによって引き起こされる周波数オフセット

および周波数オフセットの変化率

を予測する。チャネル状態トラッカは、アップリンク・サブキャリア間隔の整数

および追加の小数成分

を表す2つの成分として、アップリンク周波数オフセットの事前補償のための予測も提供する。
チャネル伝搬挙動は、アップリンク/ダウンリンクで対称であると仮定される。したがって、アップリンクおよびダウンリンク両方向の周波数オフセット推定は、ダウンリンク受信機からもたらされる推定を使用して予測される。一実施形態では、それらの予測は、現在および過去の推定値を使用して外挿される。1つの実施形態では、チャネル状態トラッカには、例えば1つまたは複数の電子部品の組み合わさった影響が原因で生じる、アクセス・ノードおよび端末の送信チェーンおよび受信チェーンに関連するシステム周波数オフセット・パラメータの推定が提供される。システム周波数オフセット推定は、チャネル状態トラッカによって記憶される。それらの値は、静的としても、または時折更新されてもよい。端末のシステム周波数オフセット推定は、例えばGPS受信機に対するローカル周波数基準を監視することにより、ローカル情報を使用して更新されてよい。アクセス・ノードに関するシステム周波数オフセット推定の更新は、アクセス・ノードにより、ダウンリンクを介して、例えばアドミニストレーション・パケット・データの中で提供することができる。
1つの実施形態では、チャネル状態トラッカは、以下のように、ダウンリンク受信機によって提供された周波数オフセット推定から、ダウンリンク・システム周波数オフセット推定成分を取り除くことにより、チャネルによって引き起こされる周波数オフセットの推定を調節する。

ここで、

は、ダウンリンク受信機によって提供される周波数オフセット推定であり、

は、アクセス・ノード送信機についてのシステム周波数オフセット推定であり、

は、端末受信機についてのシステム周波数オフセット推定である。1つの実施形態では、チャネル状態トラッカは、事前補償のためのアップリンク周波数オフセット予測を生成する際に、アップリンク・システム周波数オフセット推定

を含め、ここで、

は端末送信機についてのシステム周波数オフセット推定であり、

は、アクセス・ノード受信機についてのシステム周波数オフセット推定である。
アップリンク周波数オフセット予測は、次のように、アップリンク・サブキャリア間隔の整数

と、追加の小数成分

とを表す2つの成分に分けられ、


ここで、fΔは、節7.1.7で論じるようにサブキャリア間隔(Hz)である。演算Q(A,B)は、AをBで割った商を返す。演算R(A,B)は、AをBで割った余りを返す。
1つの実施形態では、周波数オフセット予測器は、固定された周波数オフセットの変化率を仮定し、したがって時間に伴う周波数オフセットの線形の変化を仮定する。チャネルによって引き起こされる周波数変化率

の推定は、上記のようにダウンリンク・システム周波数オフセットを調節した後の、最近受信されたダウンリンク・パケットから得た周波数オフセット推定(例えば、最新の2つの受信パケット間の周波数の変化)を使用して計算される。この場合、チャネル状態トラッカは、周波数変化率の推定を提供しないダウンリンク受信機の実施形態を支援することができる。1つの実施形態では、予測は、周波数変化率の推定を周波数オフセット推定に適用することによって行われる。1つの実施形態では、システム周波数オフセットは、更新された値が提供される時点まで一定した値を保つものと仮定される。この場合、周波数オフセットの変化率は、チャネルによって引き起こされると仮定される。チャネルの対称性が仮定され、チャネルによって引き起こされる周波数オフセットの変化率

が、アップリンクおよびダウンリンク両方に使用される。
別の実施形態は、動的なシステム周波数オフセットを許可する。チャネル状態トラッカは、周波数オフセットの推定を記憶および予測し、周波数オフセットおよび周波数オフセットの変化率の予測を生成する際にその推定を使用する。この場合、アップリンクおよびダウンリンクの周波数オフセットの変化率には、別々の推定が生成されてよい。1つの実施形態では、周波数パラメータの将来の値は、自己回帰フィルタまたは同様の知られている方法を使用して、現在および過去の値に基づいて推定される。フィルタ係数は、より新しい入力値、および/またはより高いSNRを示したダウンリンク・パケットから生じた入力値に、より高い重みが適用されるように選択することができる。別の実施形態では、周波数オフセット・パラメータの将来の値は、カルマン・フィルタ/予測器を使用して推定される。予測における誤差分散も計算され、それら予測の品質の指示を提供する。
1つの実施形態では、アクセス・ノードは、あらゆるフレームの最初の2つのダウンリンク・スロットの間に持続的に送信を行い、したがって、チャネル状態トラッカが将来の周波数オフセットを予測する必要のある最も長い周期は、フレーム周期から2スロット分の周期を引いたものになる。アップリンク/ダウンリンクに周波数分割二重を用いるシステムでは、チャネル状態トラッカは、周波数オフセット推定を目標アップリンク周波数に変換する。1つの実施形態では、チャネル状態トラッカによって提供される周波数オフセットおよび周波数変化率の予測は、アップリンクの事前補償に使用される。具体的には、

がアップリンク・サブキャリアの選択で使用され、

および

がチャネル事前補償ブロックによって使用される。1つの実施形態では、予測されるダウンリンク周波数オフセット

、および周波数変化率

は、追跡モード中の捕捉およびチャネル推定を助けるために、ダウンリンク受信機にもフィードバックされる。
(節7:アップリンクの物理層処理)
1つの実施形態では、アップリンクは、アクセス・ノードによって調整される直交周波数分割多元接続(OFDMA)送信方式を使用し、チャネルの事前補償は、チャネル状態トラッカからの出力を使用して端末送信機にて行われる。図22は、図15に出現した、端末のアップリンク・ベースバンド送信機710の一実施形態のブロック図を示す。送信機は、アクセス・ノードに送信するアップリンク・ソース・ビットを受け付ける。物理層は、MAC層からソース・ビットのブロックを受け取る物理層サービス・データ・ユニット(PSDU)インターフェースを提供する。1つまたは複数のPSDUが、単一のアップリンク・パケット(時間スロット)内で送信されることが可能である。一実施形態では、PSDUの長さは、各PSDUが単一のサブキャリアを使用して送信されるように選択される。他の実施形態では、PSDUの長さは、複数のサブキャリアにまたがって送信することによって増大される場合もある。MAC層は、節3で説明したように、送信に使用すべきサブキャリアおよび時間スロットを物理層に指示する。必要に応じて、送信機の任意のブロックにアップリンクTx命令が提供されてもよい。
(節7.1:アップリンク送信機)
1つの実施形態では、アップリンクは時間スロット化される。時間スロットの持続時間は、通信チャネルの予想される挙動に基づいて選択することができ、例えばチャネルのコヒーレンス時間を考慮する。一実施形態では、時間スロットは、250msの持続時間を有するように選択され、アップリンク送信機は、スロット当たり1つの(任意でマルチキャリアの)パケットを出力する。他の実施形態は、50ms、100ms、150ms、または200msなど、異なるスロット時間持続時間を使用してもよい。図22は、アップリンク・ベースバンド送信機710の一実施形態のブロック図を示す。バイナリ・ソース・データが、PSDU単位で誤り制御符号化器に入力される。各PSDUに対応する符号化データが、(任意で)インターリーブされる。パイロット・データが、サブキャリア単位で挿入される。その結果得られる信号が、次いで変調され、(任意で)スクランブルされる。このプロセスは、すべてのPSDUに繰り返され、その結果、周波数領域シンボルを含んでいるバッファの集合が得られ、サブキャリア当たり1つのバッファがある。周波数領域シンボル・バッファは次いで時間領域に変換される。時間領域のパケット処理は、(オプションの)巡回プレフィクス付加、(オプションの)時間領域ウィンドウ設定/フィルタリング、およびチャネル事前補償を含む。その結果得られる複素ベースバンド信号は、次いで、標準的な方法(例えばデジタルからアナログへの変換、フィルタリング、および選択されたキャリアへの変調)を使用して送信するために提供される。それらの標準的な構成要素は図示していない。ベースバンド送信機の各構成要素については下記で詳細に説明する。
(節7.1.1:アップリンク・ソース・ビット)
1つの実施形態では、MAC層302は、物理層に、アップリンクのソース・ビットの1つまたは複数の系列(PSDU)を送付する。一実施形態では、各PSDUは、440ビットの系列である。1つの実施形態では、ソース・ビットは、節5.1.2で説明したように、符号化の前にスクランブルすることができる。
(節7.1.2:符号化器)
誤り制御符号化器は、冗長性を導入して、送信中に雑音からの保護を提供する。1つの実施形態では、誤り制御符号は、H.Jin, A.Khandekar, and R.McEliece.Irregular repeat−accumulate codes.In Proc.Int.Symp.on Turbo Codes & Rel.Topics, pages 1−8,2000に開示される、レート1/2システマティック不規則反復累積符号であり、ここで、符号の次数列は、復号器の収束を容易にするために、標準的なEXITチャート法を使用して選択される。符号化器は、符号化の前に、1つまたは複数の知られているビットをデータ系列に挿入することもできる(ドーピングとも呼ばれる)。これは、復号器の早期の反復を助けることができる。1つの実施形態では、誤り制御符号は、低密度生成行列符号である。その場合、オプションのインターリーバは省略してもよく、変調は、WO2014094064に記載される方法のいずれかに従って、再帰的変調として選択することができる。1つの実施形態では、符号化器は、MAC層からの命令に基づいて、送信符号化方式を選択する。一実施形態では、入力データが長さ440である場合、レート1/2符号化器は、880ビットの符号化系列を生成する。
(節7.1.3:インターリーバ)
オプションのインターリーバ713は、符号化器の出力を並べ替える(置換する)。この置換は受信機に知られており、そのため、デインターリーブを受信機で行うことができる。
(節7.1.4:パイロット挿入)
受信機におけるチャネル推定および訂正を容易にするために、パイロット挿入モジュール714によって、データ系列にパイロット・データ(受信機に知られている)が挿入される。1つの実施形態では、パイロット・データは、データ系列全体に分散させることができ、分散は、受信機における残存周波数オフセットの推定を助けるように選択される。1つの実施形態では、48ビットのパイロット・データが、サブキャリアごとに使用される。1つの実施形態では、(オプションの)下流シンボル・スクランブラが存在し、一定値を取る「1」のパイロット・ビットが変調の前に挿入され、したがって、その結果、シンボル・スクランブラの入力においてパイロット・シンボル値が一定になる。変調されたパイロット・シンボルの最終値が次いでスクランブラによって設定される。別の実施形態では、下流シンボル・スクランブラは存在しない。その場合、パイロット・ビット値は、変調されたパイロット・シンボル値がシンボル・スクランブリングの場合について説明したものと同等になる系列を使用して設定され、サブキャリア番号に依存することに留意されたい。パイロット・ビット値は、オフラインで生成して参照表に記憶されるか、または線形フィードバック・シフト・レジスタを使用して送信時に生成されることが可能である。
1つの実施形態では、パイロット値は、例えば、パイロット系列のオフラインでの生成と、最も低いPAPRを示す系列の選択とを介して、送信機で2つ以上のサブキャリアがアクティブである時に、低いピーク対平均電力比(PAPR)を目標とするように選択される。符号化データが880ビットである実施形態では、48ビットのパイロット挿入により、928ビットの出力系列が得られる。1つの実施形態では、パイロット・ビットはQPSKパイロット・シンボル上に変調される。1つの実施形態では、パイロット・ビットは、図23に示すように、変調されたパイロット・シンボルがデータ・シンボルによって分離された3つのグループとして出力されるように、変調器入力において分散される。パイロットの各グループは、グループGの場合にPGAおよびPGBと名付けられた2つの下位グループに分けられる。パイロット・グループおよび下位グループの間隔は、節7.2.4で説明するように、受信機における周波数オフセット推定の達成可能な範囲を目標とするように選択される。1つの実施形態では、送信系列は、464シンボルの長さを持ち、パイロットは以下のシンボル位置(0からインデックスが振られる)に置かれる。
・ グループ1:70〜73、102〜105、
・ グループ2:214〜217、246〜249、および
・ グループ3:358〜361、390〜393。
この場合、グループ間間隔は144シンボルであり、下位グループ間の間隔は32シンボルである。
(節7.1.5:変調器)
変調器715は、ビットまたはビットのグループを(QAM)シグナリング・コンステレーションにマッピングする。1つの実施形態では、変調器は、グレイ・マッピングQPSK変調器である。別の実施形態では、変調器は、M−PSKおよびM−QAMなど複数の変調方式を支援し、ここでは、Mは、信号コンステレーション中の点の数を表す。1つの実施形態では、変調器は、MAC層からの命令に基づいて、送信変調方式を選択する。一実施形態では、変調器入力が928ビットである場合、464シンボルのQPSK変調器出力が生成される。
(節7.1.6:シンボル・スクランブラ)
データ・シンボルは、任意で、シンボル・スクランブラ716によって複素スクランブリング系列でスクランブルされる。一実施形態では、シンボルは、送信されようとするサブキャリアに固有の疑似ランダムQPSK系列でスクランブルされ、したがって、サブキャリアごとに固有のパイロット・シンボル系列も生成する。一実施形態では、例えば多項式x+x+1を用いる線形フィードバック・シフト・レジスタを使用して、疑似ランダム・バイナリ系列(PRBS)生成器から、バイナリ・スクランブリング系列が得られる。受信機を基準とした目標サブキャリア・インデックスを使用してスクランブラを初期化し、それにより各サブキャリアに固有の系列を生成する。スクランブラ出力ビットは、ペアで読み込まれ、QPSKスクランブリング・シンボルにマッピングされる。スクランブリング・シンボルに、次いで、変調器出力シンボルが乗算される。これにより、実質的に各シンボルの位相を0,±π/2、またはπだけ回転させる。一実施形態では、スクランブルされた出力シンボルは、次のように、入力シンボルの実数成分および虚数成分を再割振りし、符号を反転させることによって効率的に得られる。スクランブラ出力ビットbおよびbを、それぞれPRBS出力ペアの第1および第2のビットとし、表2に示される複素入力シンボルa+jbに変換(位相回転)を適用する。
表2:シンボル・スクランブラの動作。
受信機において、スクランブル解除されたデータおよびパイロット・シンボルを得るために、スクランブリング動作の逆が適用される。スクランブル解除は、表2のb=01およびb=10のエントリを反転させ、それによりbとbの役割を逆にすることによって行われる。変調器出力の長さが464シンボルである実施形態では、スクランブラは、スクランブリング系列によって変更が加えられた464シンボルを出力する。
(節7.1.7:周波数から時間領域への変換器)
すべてのサブキャリアのスクランブルされた変調シンボルは、周波数領域シンボル・バッファの集合を形成する。1つの実施形態では、PSDUの長さは、各PSDUが単一のサブキャリアを使用して送信されるように選択される。他の実施形態では、単一のPSDUが複数のサブキャリアにまたがって送信される場合もある。PSDUに対応する周波数領域バッファの長さが、アップリンク・パケットの中で整数個のサブキャリアを埋めない場合は、冗長なシンボルまたは無作為に生成されたシンボルでバッファをパディングすることができる。
一実施形態では、物理層は、アップリンク送信のために端末に割り当てられたサブキャリアの集合、ならびに各サブキャリアの送信変調および符号化方式について、MAC層から命令を受け取る。周波数領域シンボル・バッファは、割り当て内にあるサブキャリアに割り振られる。周波数から時間領域への変換器ブロック717は、各サブキャリアを目標とするシンボルを組み合わせて時間領域OFDMシンボルを生成する。各シンボルは、(符号付きの)サブキャリア番号nによって指定される周波数の直交サブキャリアを変調する。システム動作チャネル中心周波数に対する各サブキャリアの周波数はf=n×fΔであり、ここで、fΔはサブキャリア間隔(Hz)である。各シンボル・インデックスkにおいて、アクティブ・サブキャリア・インデックスnにある周波数領域シンボルKk,nを使用して生成される、0≦t<1/fΔの場合に得られる時間領域OFDMシンボルは、
である。
単一キャリア送信機の一実施形態は、(1)の適用を通じて実現される。
別の実施形態は、逆高速フーリエ変換(IFFT)を使用して時間領域波形を生成する。これは、アクティブなサブキャリアの数に対する柔軟な支援をもたらす。サブキャリア番号nは、周波数領域シンボル・バッファ出力が置かれる、IFFTの入力における周波数インデックスを決定する。他の知られている周波数から時間領域への変換技術が適用されてもよい。サブキャリアの部分集合のみが変調を必要とするという事実を活用するために、複雑さを低減したIFFTを使用してもよく、例えば、Nのうちa個のサブキャリアがアクティブであるN点IFFTの場合、複雑さは、O(NlogN)と比較してO(Nloga)に減らすことができる。一実施形態では、サブキャリア間隔は2kHzである。サンプリング・レートが64kHzである32点IFFTを使用して、2kHzのサブキャリアを生成する。変調器/スクランブラ出力の長さが464シンボルである実施形態では、周波数から時間領域への変換器ブロックの出力は、464時間領域OFDMシンボルからなる列になる。
(節7.1.8:巡回プレフィクスの挿入)
(オプションの)巡回プレフィクス挿入ブロック718は、OFDM送信の場合に標準的な実践であるように、各OFDMシンボルの末尾からサンプルをコピーし、それをシンボルの先頭に付加する。巡回プレフィクスの長さは、通例、予想されるマルチパスの遅延拡散に従って選択される。一実施形態では、巡回プレフィクスは、受信機におけるシンボル・タイミングの不一致に対する頑強性ももたらし、したがって、巡回プレフィクスの長さを選択する際には受信機要件が考慮される。さらに、巡回プレフィクスによって提供されるシンボル間のガードは、時間領域ウィンドウ設定/フィルタリングの結果生じる可能性のある潜在的なシンボル間干渉を低減する。ブロックの出力で、巡回プレフィクスが付されたシンボルが共に連結されて、連続した時間領域信号を生成する。一実施形態では、64kHzのサンプリング・レートである32点IFFTの場合、2サンプル(31.25μs)の巡回プレフィクス長が選択される。
(節7.1.9:時間領域ウィンドウ設定/フィルタリング)
(オプションの)時間領域ウィンドウ設定/フィルタリング・ブロック719は、シンボル遷移を滑らかにするために、時間領域ウィンドウ設定またはFIRフィルタリングのどちらかを適用する。この動作は、帯域外放射を低減させる。1つの実施形態では、このブロックは、巡回プレフィクス挿入ブロックから出力された、隣接する時間領域OFDMシンボルの間に時間領域シンボル遷移ウィンドウを適用する。各シンボルの先頭および末尾にあるL個のサンプルにレイズド・コサイン・ウィンドウが適用される。前のシンボルは、巡回拡張され、次いで遷移ウィンドウで成形された後、現在のシンボルの成形された先頭部と組み合わせられる。1つの実施形態では、巡回プレフィクス長とウィンドウ重なり持続時間とは同じである。現在のシンボルの巡回プレフィクス領域は、ウィンドウによって整形された巡回プレフィクス(ランプ・アップ)に加えて、ウィンドウによって整形された前のシンボルの巡回拡張(ランプ・ダウン)を含んでいる。したがって、シンボル遷移は、各シンボルの巡回プレフィクス領域の中で完結する。巡回プレフィクス長が2サンプルである1つの実施形態では、L=2サンプルのウィンドウ重なり持続時間が選択される。
(節7.1.10:チャネルの事前補償)
チャネル事前補償ブロック7110は、チャネル状態トラッカによって提供されたチャネル・パラメータ推定を使用して、アップリンク・チャネルの影響を打ち消す。単位振幅フェーザ(phasor)を用いた複素乗算を介して、周波数シフトおよび率の事前補償が離散時間領域送信信号x[t]に行われる。フェーザの位相プロセスは、チャネル状態トラッカによって提供される、周波数オフセットの小数成分

、および周波数率

についてのアップリンクの事前補償値を取り除くように設定される。周波数が補償された離散時間領域アップリンク信号x[t]は、

によって生成され、ここで、離散時間インデックスtは、サンプルをインデックス付けする。
周波数が補償された信号は、チャネル状態トラッカによって提供される推定チャネル遅延を補償する時間に、送信機フロント・エンドに出力される。したがって、非ゼロの遅延推定により、端末は、システム規模のスロット・タイミング基準に対して早くパケットを送信することになる。スロット時間が250msである実施形態では、スロット間ガード時間が設けられ、すべての端末は、パケットがスロット・タイミング境界から1.75ms後に一致して受信機に到着するように、送信タイミングを補償する。
(節7.2:アップリンク受信機)
アップリンク受信機は、1つまたは複数の端末を発信元とするマルチキャリア・アップリンク信号の復調および復号を担う。アップリンクの波形設計は、アクセス・ノードにおける効率的な受信機実施を可能にする。この特徴は、アクセス・ノードが衛星に搭載されている場合に特に有用である。チャネルの事前補償は、ダウンリンク受信機およびチャネル状態トラッカからもたらされる正確な推定を使用して端末で行われる。アップリンク信号は、わずかな残存周波数オフセットおよび複素ゲインの訂正のみを必要とする。受信機は、低い複雑さの独立したサブキャリア・チャネルの推定および訂正を使用してこれらの機能を行う。
アクセス・ノードは、サブキャリア割り当てを担い、したがってアクティブなサブキャリア集合の知識を有する。このことにより、アクティブなサブキャリアだけの処理が必要となるように受信機を設計することが可能になり、軽負荷のシステム内で電力を節減することができる。アップリンク受信機は以下のチャネル・パラメータを生成する。各アクティブなサブキャリアは、異なる端末を発信元とする可能性があり、そのため、受信機は、各パケットに対してサブキャリアごとのチャネル・パラメータ推定を出力する。
・ 残存周波数オフセットの推定


・ 残存周波数オフセットの推定変化率


・ 複素ゲインの推定


・ SNRの推定


・ 復号有効インディケータ、
・ スロット番号、および
・ サブキャリア番号。
1つの実施形態では、残存周波数オフセット、残存周波数オフセットの推定変化率、複素ゲイン、およびSNRのうち1つまたは複数に、端末ごとのチャネル・パラメータ推定が生成される。端末ごとのチャネル・パラメータ推定は、端末に割り当てられたサブキャリアの1つまたは複数にわたる、サブキャリアごとのチャネル・パラメータ推定の平均を計算することによって得られる。一実施形態では、アップリンクのチャネル・パラメータ推定は、節9で説明するように、システムの最適化およびチューニングの目的に使用される。
図24は、アップリンクのベースバンド・マルチキャリア・パケット受信機720の一実施形態のブロック図を示し、これは、オーバサンプリングされた受信信号rを入力として受け取る。節7.1.10で説明したように、スロット間ガード時間のために予約されたサンプルが、rを作成する時に取り除かれる。(オプションの)巡回プレフィクス・サンプルを取り除いた後に、時間領域パケットが、一連の周波数領域OFDMAシンボルに変換される。非アクティブなサブキャリアを使用して雑音電力が推定される。各アクティブなサブキャリアが(任意で)スクランブル解除される。チャネル推定および訂正ブロックは、残存周波数オフセット、周波数オフセットの変化率を取り除き、複素チャネル・ゲインを補償する。各サブキャリアの訂正後のシンボルは、PSDUサイズに従って再組み立てされ、軟復号器ブロックに入力される。軟復号器は、復号の前に復調し、(任意で)デインターリーブする。復号器は、アップリンク・ビット値を、それらの有効性のインディケータと共に出力する。復号器が成功を宣言すると、アップリンク・ビット(PSDU)がMAC層に渡される。チャネル・パラメータおよびSNRの推定も、メタデータとしてMAC層に渡されてよい。ベースバンド受信機の各構成要素については下記で詳細に説明する。必要に応じて、アップリンクRx命令が受信機の任意のブロックに提供されてよい。
別の実施形態では、図24のチャネル推定および訂正ブロックによって生成された初期チャネル・パラメータ推定が、復号の後にさらに精緻化される。その場合は、軟復号器が使用され、その復号器によって提供される軟判定が、複素送信サンプルの軟推定に変換される。それらの軟推定を知られているパイロット・サンプルの系列として扱うと、例えば、受信信号サンプルと送信サンプルの軟推定との間の二乗誤差の和を最小化することにより、受信信号サンプルからチャネル・パラメータ・オフセットのより正確な推定が得られる。その結果得られる精緻化された推定を使用して、受信信号サンプルのオフセットが訂正され、改善された復号器出力を得るために2度目に軟復号器に提供される。精緻化は反復的なプロセスであってもよく、その場合、軟復号と推定の精緻化は、復号器が成功を宣言するか、またはチャネル推定のそれ以上の精緻化が検出されなくなるまで、繰り返し交互に行われる。精緻化されたチャネル・パラメータ推定は、メタデータとしてMAC層に渡されてもよい。1つの実施形態では、チャネル・パラメータ精緻化ステップは、復号器が有効な符号語が得られたことを宣言した後に、推定をMAC層に提供する前に行われる。
(節7.2.1:巡回プレフィクスの取り除き)
節7.1.8で説明したように、各アップリンクOFDMシンボルは(任意で)CPの挿入を受ける。時間から周波数領域への変換ブロックに入力される前に、巡回プレフィクス取り除きブロック721により、巡回プレフィクス・サンプルが、サンプルの選択を介して受信パケット中の各OFDMAシンボルから取り除かれる。
(節7.2.2:時間から周波数領域への変換)
時間から周波数領域への変換ブロック722は、時間領域の受信パケットを、周波数領域OFDMAシンボルのバッファに変換する。1つの実施形態では、高速フーリエ変換(FFT)を使用して周波数領域OFDMAシンボルを生成する。他の知られている時間から周波数領域への変換技術が適用されてもよい。アクセス・ノードはアクティブなサブキャリア集合の知識を有し、したがって、サブキャリアの部分集合だけが復調を必要とする時には、複雑さの低いFFTが使用されることが可能である。1つの実施形態では、サブキャリア間隔は2kHzである。サンプリング・レートが64kHzである32点FFTを使用して周波数領域OFDMAシンボルを生成する。
(節7.2.3:シンボル・アンスクランブラ)
シンボル・アンスクランブラ723は、節7.1.6で説明したように、アップリンク送信機で行われる(オプションの)スクランブリング動作を逆にする。シンボルは、サブキャリア単位でスクランブル解除され、受信機のサブキャリア・インデックスを使用してデスクランブラを初期化する。
(節7.2.4:チャネル推定および訂正)
パイロットによって支援されるチャネル推定および訂正ブロック724は、アップリンク・チャネル・パラメータ推定を生成し、その推定を使用して、以下のステップを通じて復調の前に入力シンボルを訂正する。
・ 粗周波数オフセットの推定および訂正、
・ 精細な周波数オフセットおよび周波数率の推定および訂正、ならびに
・ 複素ゲインの推定および訂正。このステップは、その後の復調プロセスで必要とされる、最終的なシンボル出力および関連するSNRの推定を生成する。
節7.1.4で説明したように、一実施形態では、パイロット・シンボルが、各サブキャリア内で3つのグループに分散される。パイロットの各グループは、図23に示すように、グループGの場合にPGAおよびPGBと名付けられた2つの下位グループに分けられる。他の実施形態は、異なる数および/またはサイズのパイロット・グループならびに異なるグループ分割を使用してもよい。ここで説明するチャネル推定動作は、図23に示す特定のパイロット分散に限定されない。
1つの実施形態では、スクランブル解除されたパイロット・シンボルは、節7.1.4で説明したように、受信機に知られている一定のシンボル値を有する。他の実施形態では、パイロット・シンボルは異なる値に設定されてもよい。その場合、受信機は、知られている送信パイロット値(例えば参照表から得る)を使用して、受信パイロット・シンボルをチャネル推定に使用する前に、受信パイロット・シンボルを変調ストリッピングする。
粗推定プロセスは、パイロット・グループを使用して行われる、独立した周波数オフセット推定の平均を計算する。各推定は、まず各下位グループ内で隣接しているパイロット・シンボルを合計し、次いで2つの合計間の位相の差を計算することによって得られる。シンボル周期当たりのラジアン(オプションの巡回プレフィクス拡張を含む)を単位とするアップリンクの粗周波数推定

は、表3および図25に示すアルゴリズムを使用して得られる。
表3:粗周波数オフセット
を判定するアルゴリズム
次いで、粗周波数推定

を適用することにより、すべての周波数領域入力シンボルX[k]を訂正してX[k]を生成し、ここで、kはシンボル番号をインデックス付けする。
1つの実施形態では、複数のサブキャリアが1つの端末に割り当てられる時、

のサブキャリアごとの値は、その同じ端末に割り当てられた2つ以上のサブキャリアにまたがって平均される。そして、その平均値を使用して訂正を行う。
精細な周波数推定プロセスは、粗訂正後のシンボルX[k]に作用する。精細な周波数推定器は、パイロット・グループ・ペア間の合計パイロットの位相差を使用して、グループ間周波数推定を計算する。精細な周波数推定は、グループ間周波数推定の平均である。周波数率は、グループ間の精細な周波数推定間の差を使用して推定される。アップリンクの精細な周波数推定

(シンボル周期当たりのラジアン)および精細な周波数率推定

(シンボル周期の二乗当たりのラジアン)が、表4および図26のアルゴリズムを使用して、3つのパイロット・グループ(P、P、P)の場合について得られる。このアルゴリズムは、より多い数のパイロット・グループに使用するために拡張することができる。
表4:精細な周波数オフセット推定

(シンボル周期当たりのラジアン)および精細な周波数率推定

を判定するアルゴリズム
次いで、精細な推定

を適用することにより、すべての粗訂正後周波数領域シンボルX[k]を精緻化して、X[k]を生成し、ここで、kはシンボル番号をインデックス付けする。
チャネル推定および訂正ブロックは、外部で使用するために、以下のアップリンク周波数および周波数率の推定を提供する。

1つの実施形態では、精細な推定および訂正プロセスは、図26のアルゴリズム中の周波数率推定を省き、

を何らかの一定値に設定する。この値は、例えばゼロとするか、または予想されるドップラ速度の範囲の中点とすることができる。1つの実施形態では、複数のサブキャリアが1つの端末に割り当てられる時は、

および/または

のサブキャリアごとの値が、その同じ端末に割り当てられた2つ以上のサブキャリアにまたがって平均される。そして、その平均値を使用して訂正を行う。
以下は、推定範囲に関する。パイロット・グループおよび下位グループの間隔は、

に従って、周波数オフセット推定および訂正のための曖昧でない範囲を設定するように調節することができ、ここで、

は、曖昧でない周波数推定であり、TsymはOFDMシンボルの持続時間であり(オプションの巡回プレフィクス拡張を含む)、Δは、推定を計算されるために使用されている(下位)グループ間の間隔である。1つの実施形態では、64kHzのサンプリング・レートおよび2サンプルの巡回プレフィクス長の32点送信IFFTの場合、Tsym=531.25μsである。この場合、節7.1.4で説明したパイロット分散で、曖昧でない粗周波数推定範囲±29.4Hz(Δ=Δ=32の場合)および精細な周波数推定範囲±6.5Hz(Δ=Δ=144の場合)が得られる。
以下は、複素ゲイン推定器に関する。1つの実施形態では、補償された信号X[k]は、WO2014089634のアルゴリズムのいずれかに提供される。それにより、複素チャネル・ゲインの推定

が返される。次いで、シンボルX[k]に

を乗算して、チャネル・ゲインを訂正した後、チャネル推定および訂正ブロックから出力される。1つの実施形態では、代替の精細な周波数および複素ゲイン推定のために、複素信号ゲイン、ならびに精細な周波数オフセットおよび周波数オフセットの変化率が、節5.2.1でアップリンクの場合について説明したグリッド探索方法を使用して、粗訂正後信号X[k]から推定される。
(節7.2.5:雑音電力の推定)
1つの実施形態では、受信機内の雑音電力推定モジュール725はN点FFTを使用し、Nは、アップリンク送信のために割り当てられ得るサブキャリアの最大数よりも大きい。非アクティブなサブキャリア、すなわち現在割り当てられていないサブキャリア、の1つまたは複数を使用して、アップリンクの雑音電力推定

を生成する。1つの実施形態では、平均電力は、未割り当てのサブキャリアの1つまたは複数において、周波数領域の受信パケットの持続時間にわたって測定される。次いで雑音電力推定が平均電力測定値の平均として計算される。1つの実施形態では、受信機は、インデックスが[−16,...,15]のサブキャリアに32点FFTを使用する。真ん中の16個のサブキャリア、すなわちサブキャリア[−8,...,7]は、アップリンク割り当てに利用することができる。サブキャリア[−13,−12,−11,10,11,12]は雑音電力を推定するために使用され、FFTの端および割り当てられたサブキャリアの端にガード・サブキャリアを残しておく。
別の実施形態は、雑音電力を推定する時に、受信機は、一時的に未割り当てであるサブキャリアにわたる平均電力の測定値を動的に含めることができる。受信機は、1つまたは複数の未割り当てのサブキャリアで行われた雑音電力のサブキャリアごとの測定値、および/またはいくらかの時間にわたるサブキャリアごとの雑音電力の平均値(例えばスライディング・ウィンドウ平均を使用する)を記憶することができる。1つの実施形態では、受信機は、サブキャリアごとの雑音電力推定をMAC層に提供する。それらのサブキャリアごとの雑音電力推定は、節3.2.5で説明したように、干渉を動的に検出し、干渉に影響されるスペクトルの領域を回避するようにアップリンクを調整するために、アクセス・ノードによって使用することができる。1つの実施形態では、あるサブキャリアで測定された雑音電力が所定量(またはそれ以上)増大した場合、受信機は、サブキャリアにまたがって雑音電力推定を平均する時にそのサブキャリアを除外する。所定量は、干渉に起因する電力の増大を検出することを目標としながら、例えば熱雑音条件の変化に起因するいくらかの変動を見込むように、実験によって選択することができる。受信機は、そのサブキャリアで測定される雑音電力を追跡し続ける。雑音電力が適切なレベルに戻ると、受信機は、そのサブキャリア・インデックスを雑音電力の推定に使用される集合に戻すことができる。
(節7.2.6:信号対雑音比の推定)
一実施形態では、アップリンクのSNRの推定

は、次のように、SNR推定器726により、推定される雑音電力および複素チャネル・ゲイン推定を使用して計算される。

SNRは、節5.2.7で説明した方法を使用して、軟復号器ブロックへの入力にあるシンボルから推定することもできる。
(節7.2.7:軟復号器)
軟復号の前に、各サブキャリアのチャネル訂正後シンボルが、PSDUサイズに従って編成される。一実施形態では、PSDUの長さは、各PSDUが単一のサブキャリアを使用して送信されるように選択され、したがって軟復号器727はサブキャリア単位で動作する。PSDUがサブキャリアにまたがる実施形態では、チャネル訂正後シンボル(および関連する雑音推定)が、復調および復号の前に、順に揃えられてPSDUブロックにされる。軟復号器ブロック727は、復調、(オプションの)デインターリーブ、および復号を行う。復号器は、アップリンク・ビット値を、それらの有効性のインディケータ、ならびにチャネル推定および訂正ブロックにフィードバックするための(オプションの)データ軟判定と共に出力する。軟復号器は、節5.2.8でダウンリンクの場合について説明したように動作する。
(節8:代替のアップリンク物理層)
本システムは、上記で説明したフレームワークを使用して、節7で説明したOFDMAベースのアップリンクに代わる代替のアップリンクを提供するように、知られているアクセス方式を支援することができる。
1つの実施形態では、アップリンクは単一キャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)を用いる。OFDMAアップリンク・システムは、下記を含む、当業者に知られている送信および受信技術を使用して、SC−FDMAシステムとして使用するために適合することができる。
・ 割り当てられたサブキャリアにまたがって動作するように、周波数から時間領域への変換ブロックの前に、端末送信機に、時間から周波数領域への変換ブロック(例えばFFT)を追加する。および、
・ チャネル推定および訂正ブロックの後に、割り当てられたサブキャリアにまたがって周波数から時間領域への変換ブロック(例えばIFFT)を適用することにより、受信機において、このプロセスを、その端末に割り当てられたサブキャリアに対して逆にする。
好ましい実施形態では、OFDMAの場合について説明したように、アクセス・ノードがアップリンク・チャネル・リソースを割り当て、端末が、送信に使用するサブキャリア集合を決定する。端末のSC−FDMA送信機は、そのサブキャリア集合を使用して、時間から周波数領域への変換ブロックと周波数から時間領域への変換ブロックとの間のサブキャリア・マッピングを定義する。送信機は、OFDMAの場合について説明したように、チャネル状態トラッカからの予測を使用して、アップリンク・チャネルの影響を事前補償する。
物理層およびMAC層は、OFDMAおよびSC−FDMA両方式の下で、通信システムの上位層への一貫したインターフェースを提示することができる。さらに、本システムは、単一の受信機を使用してOFDMA端末とSC−FDMA端末の共存を可能にする。1つの実施形態では、SC−FDMA方式を使用する端末が、OFDMAアップリンクと整合するパイロット・シンボルを生成し、それにより以下のように同じチャネル推定および訂正ブロックを可能にする。
・ 周波数領域パイロット・シンボルは、OFDMAの場合について説明したように、論理サブキャリア番号に固有のランダム系列を使用して生成される。
・ パイロットは、周波数から時間領域への変換器(例えばIFFT)を使用して時間領域に変換される。
・ 時間領域パイロット・シンボルは、OFDMAの場合に使用される位置と一致する所定の場所でパケットに挿入される。
最適化問題は、OFDMAの場合と同様にして構築される。ただし、この場合「サブキャリア」は、各SC−FDMA端末に割り当てられた周波数帯になる。それらは、元のOFDMAサブキャリアよりも広い可能性がある。また、各端末にそれらのより広いサブキャリアの1つのみが割り当てられるような制約が加えられてもよい。
(節9:システムの最適化)
1つの実施形態では、アクセス・ノードは、以下の1つまたは複数を活用して、性能のシステム規模の最適化を調整する。
・ スロットおよびサブキャリアの選択、
・ 端末ごとの受信電力レベル、および/もしくは位置などの他の端末パラメータの知識、ならびに/または、
・ 端末の送信電力、変調および符号化の制御。
この最適化は、公平性、データの優先度、端末エネルギーの節減、ならびにチャネル強度および信号対雑音比の好機を狙った活用などの項目を考慮に入れることができる。
1つの実施形態では、アクセス・ノードは、埋められたサブキャリアの間にガード・サブキャリアが置かれて周波数オフセットに対する回復力を改善するように、アップリンク・チャネル・リソースを割り当てる。衛星は、スペクトル規制要件を満たすために、帯域端部の近くに電力を低減したサブキャリアを割り当てることもできる。
事例によっては、端末は、衛星ダウンリンク・パケットの捕捉および追跡の後でも、予想よりも大きい残存アップリンク・キャリア周波数および/またはタイミング・オフセットを有することがある。これは、捕捉/追跡の失敗、ハードウェアの誤動作、温度変動、低品質もしくは欠陥のあるローカル発振器、または各種の他の機構が原因である可能性がある。そのような場合、アクセス・ノードは、端末から来る送信を受信することからその問題を認識する。そのような問題は、無視した場合、他のユーザを復号する能力に影響を及ぼし得る、キャリア間またはシンボル間干渉につながる可能性がある。そのような事例では、アクセス・ノードは以下の1つまたは複数を行うことができる。
・ そのような端末に命令を送信して、端末がアクセスすることを禁じ、要求を行うのをやめるように端末に命令する。
・ 端末からのアクセス要求に肯定応答を返さず、実質的に端末のアクセスを禁じる。
・ アップリンクのチャネル・パラメータ推定に基づいて、肯定応答/サブキャリア割り振りメッセージで周波数(またはタイミング)訂正信号を送信する。
・ 今後のスロット内で端末にサブキャリアを割り振るが、そのスロットに他の端末は一切割り振らない。または、
・ オフセットされた端末からの送信に十分に直交したサブキャリアにのみ、他の端末を割り振る。
1つの実施形態では、アクセス・ノードは、自身が各端末との間に有するリンクに関する、以下のような統計を収集する。
・ 例えばスライディング・ウィンドウを介して維持される、平均複素チャネル・ゲイン。
・ 例えばスライディング・ウィンドウを介して維持される、平均雑音電力。
・ 例えばスライディング・ウィンドウを介して維持される、平均SNR。
・ PSDU成功(または誤り)率は、PSDU復号の成功(または失敗)を示す復号有効フラグを使用して計算することができ、例えば、ウィンドウ中に発生した成功(または失敗)の回数をウィンドウの長さで割った値のスライディング・ウィンドウ計算を維持する。
統計は、サブキャリアおよび/またはスロットごとに計算してもよく、それにより、例えば干渉を監視し、周波数および/または時間的に回避することを可能にする。平均複素チャネル・ゲイン、雑音電力、および/またはSNRの統計を使用して、利用可能なリンク・マージンを推定することができる。そして、アクセス・ノードはリンク・マージン推定を使用して、アップリンクの変調、符号化方式および送信電力を端末に指示することにより、リンク性能を最適化することができる。例えば、十分なリンク・マージンを与えられると、アクセス・ノードは、端末に、送信電力を下げ、コード・レートを上げ、および/または変調次数を増すように指示することができる。アクセス・ノードは、どのように端末に指示するかを決定する際に、端末の最大送信電力ならびに支援される変調および符号化方式など、各端末の能力を考慮してもよい。
1つの実施形態では、アクセス・ノードは、サブキャリアごとにPSDU成功率の統計を収集し、それらをサブキャリア割り当てへの入力として使用して、例えば高い成功率を示すサブキャリアへの割り当てを優先する。アクセス・ノードは、PSDU成功率の統計を端末ごとに記録し、使用してもよい。
アップリンク・リソースを割り当てる時、アクセス・ノードは、複数のリンクにわたる収集された統計の組と端末能力とを同時に考慮してもよい。例えば、高次の変調方式を使用して送信する能力を持つ端末には、その能力を持たない端末よりも優先して、高いリンク・マージンをもたらすサブキャリアを割り当てることができる。
より低い電力で受信されたサブキャリアが(周波数的に)近くにあるより高い電力のサブキャリアからキャリア間干渉を受ける可能性が存在する。1つの実施形態では、アクセス・ノードは、閉ループの電力制御機構を調整して、すべての受信サブキャリアにわたる均一な電力の分散を目標として、端末に送信電力を調節するように指示する。別の実施形態では、アクセス・ノードは、電力のより高いサブキャリアを共にグループ化し、それらを電力のより低いサブキャリアから分離し、例えば、電力の高いサブキャリアを異なるスロットに割り振り、または電力の低いサブキャリアから周波数的に十分に分離されているサブキャリアに割り振る。
(節10:実施の例)
図27は、上記で説明したダウンリンク波形の実施形態に対するパケット誤り率のシミュレーション結果2700を示す。ダウンリンク・パケットは、3960個のデータ・シンボル(7920QPSK変調レート1/2符号化ビット)および30個のパイロット・シンボルを含んでいる。シンボル・レートは、16000シンボル/秒であり、スロット持続時間は250msである。「Genie aided」と表記した曲線は、受信機にチャネル・パラメータの完全な知識が与えられたシミュレーションから得られた。「Channel estimation」と表記した曲線は、受信機にチャネルに関する情報が与えられなかったシミュレーションから得られた。チャネルを推定する場合の受信機性能は、チャネルの完全な知識を使用する場合の性能から0.3dB以内にある。
チャネル・オフセットの推定精度に関する統計が、ダウンリンクのシミュレーションの間に記録された。それらの統計は、チャネル状態トラッカの予想される挙動をモデル化するために、アップリンクのシミュレーション・モデルへの入力として使用された。図28は、上記で説明したアップリンク波形の実施形態に対するパケット誤り率のシミュレーション結果2800を示す。アップリンク・パケットは、440個のデータ・シンボル(880QPSK変調レート1/2符号化ビット)および24個のパイロット・シンボルを含んでいる。シンボル・レートは、2000シンボル/秒であり、スロット持続時間は250msである。このシミュレーションでは、単一の端末が単一のサブキャリアを使用して送信する。「Genie aided」と表記した曲線は、受信機にチャネル・パラメータの完全な知識が与えられたシミュレーションから得られた。「Channel estimation」と表記した曲線は、受信機にチャネルに関する情報が与えられなかったシミュレーションから得られた。チャネルを推定する場合の受信機性能は、チャネルの完全な知識を使用する場合の性能から1dB以内にある。
本明細書に記載される方法および装置の実施形態を使用して、衛星アクセス・ノードなどのアクセス・ノードと複数の端末とを備えるマルチユーザ・マルチキャリア通信ネットワーク内の通信のスペクトル効率を改善することができる。それらの実施形態は、以下の利益の1つまたは複数をもたらすことができる。
・ アクセス・ノードが時間および周波数両方の次元でチャネル・リソースを割り当てるための柔軟で効率的な手段、
・ アクセス・ノードによって調整される、システム規模での性能の最適化、
・ 端末とアクセス・ノードとの間に帯域幅拡張(ドップラ偏移を活用することによる)をもたらす可能性。
・ リモート無線インターフェース(アクセス・ノードとユーザ端末との間)、もしくはゲートウェイ無線インターフェース(アクセス・ノードとゲートウェイ端末との間)として機能する、またはリモートおよびゲートウェイ両方の無線インターフェースとして同時に機能することができる多用途の無線インターフェース設計。
・ 複雑さの低い信号捕捉および同期の追跡。アップリンク送信は、位相オフセット、シンボル・タイミング・オフセットおよびわずかな残存周波数オフセットのみを伴って、特定の周波数に同時に到着することを目標として調整される。
・ 調整されたシステム規模の処理分散。アクセス・ノードと端末の両方に複雑さの低い実施を可能にする。
・ アップリンク干渉の動的な検出と回避。アクセス・ノードは、必ずしも連続していないサブキャリアのグループに端末を割り当てることができ、それにより狭帯域の干渉源を回避するための柔軟な機構を提供する。
・ 端末が、高速フーリエ変換(FFT)、またはサブキャリアのうち少ない部分集合だけが変調を必要とすることを利用する、複雑さを低減したFFTを使用して、アップリンクを変調する可能性。
・ FFTならびにキャリアごとの振幅および位相追跡を使用してアップリンクを復調する可能性(1タップ等化)。
・ サブキャリアごとの、または複数のサブキャリアにまたがる、端末送信の誤制御符号化。
・ 端末が各自の送信電力、変調方式、および/または誤り制御符号率を調節し、それをアクセス・ノードによって調整する能力。
・ 予想よりも大きい残存キャリア周波数および/またはタイミング・オフセットを示す端末に対処するための機構。
・ 任意で、(a)残存時間オフセットに対する感受性を低減し、(b)マルチパスに対する回復性を提供するための、巡回プレフィクスの使用。
・ 任意で、一方向(アップリンクのみ)サービスに対する支援。
・ 複数のユーザが同じスロットおよび同じ(または重なり合う)サブキャリアの集合の間に同時に送信し、それをアクセス・ノードによって調整する能力。
・ 同じスロット、および互いに素でないサブキャリアの集合で送信するユーザを確実に復号するための、PCT/AU2014/000826に記載されるものなどのマルチユーザ検出(例えば線形フィルタリング)またはマルチユーザ復号(例えば反復的なマルチユーザ復号)技術の使用。
・ アクセス・ノードは、サブキャリアへの複数の端末の割り当てを、反復的マルチユーザ復号器または何らかの他の復号器を使用してそれらの送信を復号できる見込みの考慮(例えばEXITチャートを介する)に基づいて、調整することができる。
当業者であれば、情報および信号が様々な技術および技法のいずれかを使用して表され得ることを、理解するであろう。例えば、上述の説明全体を通じて言及されたデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁気粒子、光場もしくは光学粒子、またはそれらの任意の組み合わせによって表すことができる。
当業者であれば、本明細書で開示された実施形態に関連して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズム・ステップは、電子的ハードウェア、コンピュータ・ソフトウェアもしくは命令、または両方の組み合わせとして実施できることをさらに理解するであろう。ハードウェアとソフトウェアのこの交換可能性を明らかに示すために、様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびステップは、上では一般にそれらの機能の観点から説明した。そのような機能がハードウェアで実施されるか、それともソフトウェアで実施されるかは、特定の応用例、およびシステム全体に課される設計制約に依存する。当業者は、説明された機能を特定の応用例ごとに様々な方法で実施することができるが、そのような実施の決定は、本発明の範囲からの逸脱を引き起こすと解釈されるべきではない。
本明細書で開示された実施形態に関連して説明される方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウェアで直接的に、プロセッサによって実行されるソフトウェア・モジュールで、またはそれら2つの組み合わせで具体化することができる。ハードウェア実施の場合、処理は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラム可能論理デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本明細書で説明された機能を実行するように設計された他の電子ユニット、またはそれらの組み合わせの中で実施することができる。コンピュータ・プログラム、コンピュータ・コード、または命令としても知られているソフトウェア・モジュールは、数々のソース・コードまたはオブジェクト・コードのセグメントまたは命令を含むことができ、RAMメモリ、フラッシュ・メモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、レジスタ、ハード・ディスク、着脱可能ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、Blu−ray(登録商標)ディスク、または任意の他の形態のコンピュータ可読媒体などの任意のコンピュータ可読媒体内に存在することができる。一部の態様では、コンピュータ可読媒体は、非一時的コンピュータ可読媒体(例えば有形媒体)からなることができる。また、他の態様には、コンピュータ可読媒体は、一時的コンピュータ可読媒体(例えば信号)からなることができる。上記の組み合わせもコンピュータ可読媒体の範囲に含まれるべきである。別の態様では、コンピュータ可読媒体は、プロセッサと一体化することができる。プロセッサおよびコンピュータ可読媒体は、ASICまたは関連デバイス内に存在することができる。ソフトウェア・コードは、メモリ・ユニット内に記憶することができ、プロセッサがそれを実行するように構成されてよい。メモリ・ユニットは、プロセッサ内部またはプロセッサの外部に実施することができ、どちらの場合でも、当技術分野で知られているような様々な手段を介してプロセッサに通信可能に結合することができる。
さらに、本明細書に記載される方法および技術を行うモジュールおよび/または他の適切な手段は、ダウンロードする、および/または他の方式でコンピューティング・デバイスによって取得できることを理解すべきである。例えば、そのようなデバイスをサーバに結合して、本明細書に記載される方法を行う手段の転送を容易にすることができる。代替として、本明細書に記載される様々な方法は、記憶手段(例えば、RAM、ROM、コンパクト・ディスク(CD)またはフロッピー・ディスクなどの物理的記憶媒体等)を介して提供することができ、記憶手段をデバイスに結合すると、またはデバイスに提供すると、コンピューティング・デバイスが様々な方法を取得することができる。さらに、本明細書に記載される方法および技術をデバイスに提供するための任意の他の適切な技術を利用することができる。
一形態において、本発明は、本明細書に提示される方法または動作を行うコンピュータ・プログラム製品を含むことができる。例えば、そのようなコンピュータ・プログラム製品は、命令が記憶(および/もしくは符号化)されたコンピュータ(またはプロセッサ)可読媒体を含むことができ、命令は、本明細書に記載される動作を行うために1つまたは複数のプロセッサによって実行可能である。
本明細書に開示される方法は、記載される方法を達成するための1つまたは複数のステップまたはアクションを含む。それらの方法ステップおよび/またはアクションは、特許請求の範囲から逸脱することなく相互と入れ替えることができる。言い換えると、ステップまたはアクションの特定の順序が指定されない限り、特定のステップおよび/またはアクションの順序および/または使用は、特許請求の範囲から逸脱することなく、変更を加えることができる。
本明細書で使用される場合、用語「判定する(determining)」は、幅広いアクションを包含する。例えば、「判定する(determining)」は、計算すること、算出すること、処理すること、導出すること、調査すること、参照すること(例えば表、データベース、または別のデータ構造の中で参照すること)、確認すること等を含み得る。また、「判定する(determining)」は、受け取ること(例えば情報を受け取ること)、アクセスすること(例えばメモリの中のデータにアクセスすること)等を含み得る。また、「判定する(determining)」は、解くこと、選択すること、選ぶこと、確立すること等を含み得る。
本システムの態様は、1つまたは複数のプロセッサ、およびメモリ、ならびに任意で入力装置(例えば、キーボード、マウス等)および出力装置(例えばディスプレイ)とを備える、コンピューティング・デバイスまたは装置を使用して実施することができる。これらは、受信機および送信機装置の中に統合されるか、または受信機および送信機装置と通信して、例えば、受信機および送信機装置に代わって特殊化された計算を行うことができる。メモリは、プロセッサに、本明細書に記載される方法の態様またはステップを実行させる命令を含むことができる。プロセッサおよびメモリは、サーバ、デスクトップ・コンピュータなどの標準的なコンピューティング・デバイス、ラップトップ・コンピュータもしくはタブレットなどの携帯型コンピューティング・デバイスに含まれる場合も、またはカスタマイズされたデバイスもしくはシステムに含まれる場合もある。コンピューティング・デバイスは、単体のコンピューティングまたはプログラム可能デバイスである場合も、または有線または無線接続で動作的(または機能的)に接続されたいくつかの構成要素からなる分散デバイスである場合もある。1つまたは複数のプロセッサは、中央演算処理装置(CPU)を含むことができ、CPUは、入力/出力インターフェース、演算および論理装置(ALU)、ならびに入力/出力インターフェースを通じて入力装置および出力装置と通信する制御装置およびプログラム・カウンタ要素を含む。入力/出力インターフェースは、事前定義された通信プロトコル(例えば、Bluetooth(登録商標)、Zigbee、IEEE 802.15、IEEE 802.11、TCP/IP、UDP等)を使用して、別のデバイス内の同等の通信モジュールと通信するためのネットワーク・インターフェースおよび/または通信モジュールを備えることができる。グラフィック処理装置(GPU)も含まれることがある。表示装置は、フラット画面ディスプレイ(例えば、LCD、LED、プラズマ、タッチ画面等)、プロジェクタ、CRT等を含み得る。コンピューティング・デバイスは、単一のCPU(コア)、もしくは複数のCPU(複数のコア)、または複数のプロセッサを含むことができる。コンピューティング・デバイスは、並列プロセッサ、ベクトル・プロセッサを使用するか、または分散コンピューティング・デバイスであってもよい。メモリは、動作的にプロセッサに結合され、RAMおよびROMコンポーネントを含むことができ、デバイスの内部または外部に設けられ得る。メモリは、オペレーティング・システムおよび追加的なソフトウェア・モジュールまたは命令を記憶するために使用することができる。プロセッサは、メモリに記憶されたソフトウェア・モジュールまたは命令をロードし、実行するように構成することができる。
本明細書および以下の請求の範囲のどこにおいても、文脈が他のことを要求しない限り、「comprise(含む)」および「include(含む)」という単語、ならびに「comprising」および「including」などの活用形は、述べられた整数または整数のグループを含むことを暗示するが、他の任意の整数または整数のグループを排除することは暗示しないと理解される。
本明細書におけるいかなる先行技術への言及も、そのような先行技術が共有の一般的な知識の一部を形成することの暗示をどのような形でも認めたものではなく、または認めたものとみなされるべきではない。
本発明は、その使用において、説明された特定の応用例に限定されないことが、当業者によって理解されよう。また、本発明は、本明細書で説明されたまたは示された特定の要素および/または特徴に関する好ましい実施形態内で限定されることもない。本発明は、開示された1つまたは複数の実施形態に限定されず、以下の請求の範囲によって説明および確定される本発明の範囲から逸脱することなく、多数の再編成、変更、および置き換えが可能であることが理解されよう。

Claims (37)

  1. 複数の端末を含むマルチユーザ・マルチキャリア通信ネットワーク内の端末とアクセス・ノードとの間の通信のための方法であって、
    端末と該アクセス・ノードとの間にリンクを確立するステップと、
    1つまたは複数のチャネル・オフセットの初期推定および追跡を行うステップと、
    該追跡されたチャネル・オフセットを使用して、該端末によって送信される将来のパケットについての1つまたは複数のチャネル・オフセットを推定するステップと、
    該アクセス・ノードによって受信される総計信号が任意の個々の端末の最大信号帯域幅以上の帯域幅を占めるように、該推定される1つまたは複数のチャネル・オフセットを使用して、該アクセス・ノードへの送信を、1つまたは複数のチャネル・オフセットに関して事前補償するステップと、を含む方法。
  2. 前記アクセス・ノードと前記複数の端末との間の相対移動が、1つまたは複数の移動性に関連するチャネル・オフセットを生じさせ、前記1つまたは複数のチャネル・オフセットは、1つまたは複数の移動性に関連するチャネル・オフセットを含む、請求項1記載の方法。
  3. 1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアの割り当てを前記アクセス・ノードに要求するステップをさらに含み、該割り当ては、前記1つまたは複数の移動性に関連するチャネル・オフセットを考慮に入れる、請求項2記載の方法。
  4. 前記1つまたは複数の移動性に関連するチャネル・オフセットは、周波数オフセットを含む、請求項2または3記載の方法。
  5. 前記送信を事前補償するステップは、周波数オフセットを事前補償するステップを含み、周波数オフセットを事前補償するステップは、
    前記1つまたは複数のスロット内の前記1つまたは複数のサブキャリアのうち、前記端末がアップリンク周波数オフセットの予測を使用して事前補償することが可能なサブキャリアを判定するステップと、
    1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアの割り当てを要求し、1つまたは複数のサブキャリアのうち異なる集合で送信するステップであって、要求されたサブキャリア周波数と実際のサブキャリアとの周波数の差が、サブキャリア分解能での一括事前補償を提供する、ステップと、
    該割り当てられたサブキャリアに関してサブキャリア間隔の残りの小数部があれば、それを事前補償するために、チャネル周波数に精細な事前補償を適用するステップとを含む、請求項4記載の方法。
  6. 前記1つまたは複数のチャネル・オフセットは時間オフセットをさらに含み、前記送信を事前補償するステップは、スロット・タイミング境界よりも前に送信することによって該時間オフセットを事前補償するステップをさらに含む、請求項1から5のいずれか一項記載の方法。
  7. 前記送信を事前補償するステップは、時間オフセットおよび周波数オフセットを補償して、アクセス・ノードにおいて、送信されたサブキャリアが前記割り当てられたサブキャリアの中心周波数とスロット境界との十分近くで受信されて、前記アクセス・ノードが残存周波数訂正を行った後に前記送信の受信に成功することができるようにする、請求項6記載の方法。
  8. 送信時に、前記端末からの事前補償された送信は、別の端末からの送信と周波数および時間において重なり合う可能性があるが、該2つの送信は、移動性に関連するチャネル・オフセットのために直交して前記アクセス・ノードに到着する、請求項1から7のいずれか一項記載の方法。
  9. 追跡および推定は、前記送信を事前補償するためのチャネル状態予測を生成するチャネル状態トラッカ・モジュールによって行われ、該チャネル状態トラッカへの入力は、ダウンリンク周波数とタイミング推定とを含み、該チャネル状態トラッカは、将来の送信についての周波数オフセットおよびタイミング・オフセットを推定する、請求項1から8のいずれか一項記載の方法。
  10. 前記チャネル状態トラッカへの前記入力は、前記アクセス・ノードと前記端末との間の相対運動を記述するパラメータを追加的に含む、請求項9記載の方法。
  11. 前記チャネル状態トラッカへの前記入力は、周波数率、複素チャネル・ゲイン、または信号対雑音比(SNR)、のうちの1つまたは複数を追加的に含む、請求項10記載の方法。
  12. 1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアのうち、前記推定される1つまたは複数のチャネル・オフセットを前記端末が事前補償することができる目標可能な集合を判定するステップをさらに含み、送信の事前補償は、1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアのうち該目標可能な集合の1つで該送信が前記アクセス・ノードに到着するように、1つまたは複数のサブキャリア内で行われる、請求項1から11のいずれか一項記載の方法。
  13. 1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアのうち、前記推定される1つまたは複数のチャネル・オフセットに基づいて前記端末がチャネル・オフセットを事前補償することができる目標可能な集合を判定するステップと、1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアの割り当てを前記アクセス・ノードに要求するステップであって、前記端末の該目標可能な集合が、前記端末によって前記アクセス・ノードに送信される割り当て要求に含まれる、ステップとをさらに含み、該割り当ては、使用中に、前記アクセス・ノードが1つまたは複数の目的関数をシステム・パラメータの関数として最適化することによってアップリンク・リソースを割り当てるように構成されるように、前記アクセス・ノードによって行われ、該最適化は、前記端末の目標可能な集合にない1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアの、該端末への割り当てを阻止するように構成される、請求項1から11のいずれか一項記載の方法。
  14. 複数の端末を含むマルチユーザ・マルチキャリア通信ネットワーク内のアクセス・ノードと1つまたは複数の端末との間の通信のための方法であって、
    該アクセス・ノードと1つまたは複数の端末との間に1つまたは複数のリンクを確立するステップと、
    1つまたは複数の端末から、1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアの割り当て要求を受信するステップと、
    アップリンク・リソースを該1つまたは複数の端末に割り当てるステップとを含み、該割り当ては、1つまたは複数のチャネル・オフセットを考慮に入れ、該1つまたは複数のサブキャリアは、任意の個々の端末の最大信号帯域幅以上の帯域幅から割り当てられ、それにより、使用中に、該アクセス・ノードによって受信される総計信号が任意の個々の端末の該最大信号帯域幅以上の帯域幅を占めるようにする、方法。
  15. 前記1つまたは複数のサブキャリアは、前記アクセス・ノードと前記複数の端末の間の所定の最大ドップラ偏移の2倍と、サブキャリア間隔とに基づく量だけ増大させた任意の個々の端末の最大信号帯域幅に等しい帯域幅から割り当てられる、請求項14記載の方法。
  16. 端末からの前記割り当て要求は、該端末についてのサブキャリアの目標可能な集合を含み、アップリンク・リソースを割り当てるステップは、該目標可能な集合を使用して1つまたは複数のチャネル・オフセットを考慮に入れる、請求項14または15記載の方法。
  17. 前記アクセス・ノードと前記複数の端末との間の相対移動が、1つまたは複数の移動性に関連するチャネル・オフセットを生じさせ、前記1つまたは複数のチャネル・オフセットは、1つまたは複数の移動性に関連するチャネル・オフセットを含み、アップリンク・リソースを割り当てるステップは、前記目標可能な集合を使用して、1つまたは複数の移動性に関連するチャネル・オフセットを考慮に入れる、請求項16記載の方法。
  18. アップリンク・リソースを前記1つまたは複数の端末に割り当てるステップは、1つまたは複数の目的関数をシステム・パラメータの関数として最適化することにより、前記目標可能な集合を使用して1つまたは複数のチャネル・オフセットを考慮に入れ、該最適化は、端末の前記目標可能な集合にない1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアの、該端末への割り当てを阻止するように構成される、請求項14記載の方法。
  19. 前記最適化は、端末の前記目標可能な集合にない1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアを前記最適化が該端末に割り当てることを阻止する1つまたは複数の追加的な制約を含めることにより、端末の前記目標可能な集合にない割り当てを該端末に行うことを阻止するように構成される、請求項18記載の方法。
  20. 前記制約は、端末の前記目標可能な集合にない1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアの、該端末への前記割り当てを禁止する、請求項19記載の方法。
  21. 前記1つまたは複数の追加的な制約は、比例公平性の制約を含む、請求項18または19記載の方法。
  22. 前記1つまたは複数の追加的な制約は、前記システム・パラメータおよび最適化変数の線形関数である、請求項18、19、または20記載の方法。
  23. 前記最適化は、端末の前記目標可能な集合にない1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアを前記最適化が該端末に割り当てることを阻止するペナルティ関数を前記目的関数に含めることにより、端末の前記目標可能な集合にない割り当てを該端末に行うことを阻止するように構成される、請求項18記載の方法。
  24. 前記ペナルティ関数は、前記システム・パラメータおよび最適化変数の線形関数である、請求項23記載の方法。
  25. 前記目的関数は、合計データ・レートを含む、請求項17から24のいずれか一項記載の方法。
  26. 前記システム・パラメータは少なくとも、各サブキャリアにおける各端末の信号対雑音比を含む、請求項17から24のいずれか一項記載の方法。
  27. 前記アクセス・ノードは、独立したサブキャリア・チャネル推定を行う、請求項17から24のいずれか一項記載の方法。
  28. アクセス・ノードと複数の端末とを含むマルチユーザ・マルチキャリア通信ネットワーク内で使用するための端末装置であって、該端末は、
    送信機と、
    受信機と、
    1つまたは複数のチャネル・オフセットの初期推定および追跡を行うように構成され、該追跡されたチャネル・オフセットを使用して、該端末によって送信される将来のパケットについての1つまたは複数のチャネル・オフセットを推定する、チャネル状態トラッカと、
    該端末と該アクセス・ノードとの間にリンクを確立し、該1つまたは複数のチャネル・オフセットを考慮に入れて1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアの割り当てを要求し、該推定される1つまたは複数のチャネル・オフセットを使用して、該端末から該アクセス・ノードへの送信を1つまたは複数のチャネル・オフセットに関して事前補償するように構成された媒体アクセス・コントローラであって、該アクセス・ノードにおける受信信号は、該端末の最大信号帯域幅以上の帯域幅を占める、媒体アクセス・コントローラと、を備える、端末装置。
  29. 前記アクセス・ノードと前記複数の端末との間の相対移動が、1つまたは複数の移動性に関連するチャネル・オフセットを生じさせ、前記1つまたは複数のチャネル・オフセットは、1つまたは複数の移動性に関連するチャネル・オフセットを含む、請求項28記載の端末装置。
  30. 前記リンクはMACレベルのセッションとして確立される、請求項28または29記載の端末装置。
  31. 前記チャネル状態トラッカは物理層(PHY)の構成要素であり、前記MACは、前記チャネル状態トラッカを起動してチャネル・オフセットの推定を生成させ、送信に使用する前記1つまたは複数のサブキャリアを該PHYに指示するように構成される、請求項28、29、または30記載の端末装置。
  32. アクセス・ノードと複数の端末とを含むマルチユーザ・マルチキャリア通信ネットワーク内で使用するためのアクセス・ノードであって、
    送信機と、
    受信機と、
    端末と該アクセス・ノードとの間に1つまたは複数のリンクを確立し、1つまたは複数の端末から受信される1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアの割り当て要求を受信し、1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアを該1つまたは複数の端末に割り当てるように構成された媒体アクセス・コントローラと、を備え、該割り当ては、1つまたは複数のチャネル・オフセットを考慮に入れ、該1つまたは複数のサブキャリアは、任意の個々の端末の最大信号帯域幅以上の帯域幅から割り当てられ、それにより、使用中に、該アクセス・ノードによって受信される総計信号が任意の個々の端末の該最大信号帯域幅以上の帯域幅を占めるようにする、アクセス・ノード。
  33. 前記割り当て要求は、端末からの、1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアのうち目標可能な集合を含み、前記アクセス・ノードは、1つまたは複数の目的関数をシステム・パラメータの関数として最適化することにより、1つまたは複数のスロット内の少なくとも1つ以上のサブキャリアを含むアップリンク・リソースを1つまたは複数の端末に割り当てるように構成され、該最適化は、端末の該目標可能な集合にない1つまたは複数のスロット内の1つまたは複数のサブキャリアの、該端末への割り当てを阻止するように構成される、請求項32記載のアクセス・ノード。
  34. 前記アクセス・ノードと前記複数の端末との間の相対移動が、1つまたは複数の移動性に関連するチャネル・オフセットを生じさせ、前記1つまたは複数のチャネル・オフセットは、1つまたは複数の移動性に関連するチャネル・オフセットを含む、請求項32または33記載のアクセス・ノード。
  35. 前記アクセス・ノードは、独立したサブキャリア・チャネル推定を行う、請求項32、33、または34記載のアクセス・ノード。
  36. 請求項28から31のいずれか一項記載の複数の端末と、
    請求項32から35のいずれか一項記載のアクセス・ノードと
    を備えるマルチユーザ・マルチキャリア通信システム・ネットワーク。
  37. 請求項1から27のいずれか一項記載の方法をプロセッサに行わせる命令を備えたコンピュータ可読媒体。
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