JP2018505861A - インフルエンザ後の細菌重感染を処置するための方法及び医薬組成物 - Google Patents

インフルエンザ後の細菌重感染を処置するための方法及び医薬組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、インフルエンザ後の細菌重感染を処置するための方法及び医薬組成物に関する。特に、本発明は、インフルエンザ後の細菌重感染を処置する必要のある被検者における処置方法であって、被検者に治療上有効量のフラジェリンポリペプチドを、場合により少なくとも1つの抗生物質と組み合わせて投与することを含む方法に関する。

Description

本発明は、インフルエンザ後の細菌重感染を処置するための方法及び医薬組成物に関する。
インフルエンザAウイルス(IAV)感染は、気道疾患の最も重要な原因の一つであり、広汎な罹患率及び死亡率の原因となっている。感染後最初の数日の間に、適応免疫応答の発生までの間のIAV複製を内包させる、複雑で効果的な自然免疫反応がホストで生じる。しかしながら、その後の時点では、細菌重感染に対する感受性の増加が引き起こされかねず、IAV流行及び汎流行の際の大量死をもたらす。たとえば、1918年の汎流行(スペインかぜ(Spanish flu))では、細菌性肺炎が死亡の大多数を占めていた(世界中で約5千万の死亡数)。主な細菌種のうち、IAV感染後の細菌重感染を起こすのは肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae(pneumococcus))、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)及び黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)である。したがって、インフルエンザ後の細菌重感染の処置が要望されている。細菌の個々のタイプの固有の特徴のエビデンスがあるが、二次的な細菌性感染に対する感受性の増強へと導く機構は広範囲にわたり、力学的及び免疫学的防御の改変を含むようである。実際、粘膜の改変を含む、細菌の接着及び侵入に対する物理的バリアの改変や、細菌に対する新しい接着部位の顕示が報告されている。平行して、適応性応答でなくホストの自然応答の機能障害が、インフルエンザチャレンジ後の細菌性関連肺炎の基本的特徴である。現在、TLR5シグナリングが細菌性感染に対する保護機能を誘導するということの強いエビデンスがある。たとえば、マウスへのフラジェリンの粘膜投与 で、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)肺感染に対する保護を可能としたことも示された。フラジェリンの抗感染性は、TLR5リガンドを病原体と共投与した場合か、又は細菌チャレンジの前2〜24時間に投与した場合に、主に観察された(Munoz N, Van Maele L, Marques JM, Rial A, Sirard JC, Chabalgoity JA. Mucosal administration of flagellin protects mice from Streptococcus pneumoniae lung infection.(フラジェリンの粘膜投与はStreptococcus pneumoniae肺感染からマウスを保護する)Infect Immun 2010;78:4226-33)。
本発明は、インフルエンザ後の細菌重感染を処置するための方法及び医薬組成物に関する。特に、本発明は、請求項によってその範囲を限定される。
本発明者らは、IAV感染動物に対する、フラジェリン+抗生物質からなる併用療法の有効性を検討した。この目的のために、IAVで7日間感染させた動物に肺炎連鎖球菌(S. pneumoniae)を感染させて、AMX及びフラジェリンで処置した。それらの動物は、肺及び脾臓の両方でAMXの治療指数を高めるのに、かかる併用療法が非常に効果的であったことを示している。
本発明は、インフルエンザ後の細菌重感染を処置する必要のある被検者における処置方法であって、被検者に治療上有効量のフラジェリンポリペプチドを、場合により少なくとも1つの抗生物質と組み合わせて投与することを含む方法に関する。
被検者は、ヒト又はインフルエンザ感染を被りやすい任意の他の動物(たとえば、鳥類及び哺乳動物)であることができ、たとえば、ネコ及びイヌなどのペット;ウマ、ウシ、ブタ、ニワトリなどの家畜及び牧畜動物、等である。典型的には、前記被検者は非霊長類(たとえば、ラクダ、ロバ、シマウマ、乳牛、ブタ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ネコ、イヌ、ラット、及びマウス)及び霊長類(たとえば、サル、チンパンジー、及びヒト)を含む哺乳動物である。いくつかの実施形態では、被検者はヒトである。
本発明では、被検者はインフルエンザ感染を被っているか又は被ったことがある。本願明細書で使用する場合、「インフルエンザ感染」という用語は、当技術分野におけるその一般的な意味を有し、インフルエンザウイルスでの感染により引き起こされる疾患をいう。本発明のいくつかの実施形態では、インフルエンザ感染は、インフルエンザウイルスA又はBに関係する。本発明のいくつかの実施形態では、インフルエンザ感染はインフルエンザウイルスAに関係する。本発明のいくつかの特有の実施形態では、インフルエンザ感染は、HlNl、H2N2、H3N2又はH5N1であるインフルエンザウイルスAによって引き起こされる。
本願明細書で使用する場合、「インフルエンザ後細菌重感染」の用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、インフルエンザ感染を被っているか又は被ったことがある被験者で起こる細菌性感染(たとえば細菌性肺炎)をいう。典型的には、細菌重感染はインフルエンザ感染後、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25日以内に起こる。本発明の方法は、これらに限定されない下気道の感染(たとえば、肺炎)、中耳感染(たとえば、中耳炎)及び細菌性副鼻腔炎などをはじめとするインフルエンザ後細菌重感染の処置に特に好適である。細菌重感染は、おびただしい細菌性病原体によって引き起こされ得る。たとえば、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae);黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus);インフルエンザ菌(Haemophilus influenza), マイコプラズマ種(Myoplasma species)及びモラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)からなる群より選択される少なくとも1つの生物によって媒介され得る。
本願明細書で使用する場合、「処置」又は「処置する」の用語は双方とも、疾患に罹るリスクにあるか又は疾患に罹っている疑いがある患者や、病気の患者又は疾患若しくは病状に罹病していると診断されている患者の処置を含め、予防的又は防止的処置や、治癒的又は疾患改善処置をいい、臨床的再発の抑制も含める。処置は、医学的障害を有する被検者又は最終的に当該障害がもたらされ得る被検者に対して、障害の一以上の症候若しくは再発する障害を防止、治癒、その発症の遅延、その重症度の低減、若しくは寛解させるために、又はこのような処置なしの場合に予測されるよりも被検者の余命を延長させるために施されてもよい。「治療計画」が意味するのは、疾病の処置のパターン、たとえば、治療の間に用いられる投薬のパターンである。治療計画は、導入計画及維持計画を含み得る。「導入計画」又は「導入期間」の語は、疾患の初期処置に用いられる治療計画(又は治療計画の一部)をいう。導入計画の一般的な目標は、治療計画の初期の期間中は患者に高レベルの薬物を与えることである。導入計画では、維持計画の間に医師が採用するであろうよりも多い用量の薬物を投与すること、維持計画の間に医師が薬物を投与するであろうよりも頻回に薬物を投与すること、又はその両方を含み得る「負荷計画」を(部分的に又は全体的に)採用してもよい。「維持計画」又は「維持期間」の語は、疾病の処置の間に患者を維持するために用いられる、たとえば、長期間(月又は年)にわたって患者を寛解状態に保つ、治療計画(又は治療計画の一部)をいう。維持計画には、持続的な治療(たとえば、薬物を定期的な間隔たとえば、毎週、毎月、毎年、などで投与すること、)又は間欠的な治療(たとえば、断続的処置、間欠的処置、再発時の処置、又は特定の規定基準[たとえば、疾患徴候、など]を満たした際の処置)を採用してもよい。
本発明の方法は、インフルエンザ後細菌重感染を発症するリスクが高いと同定される被検者に特に好適であり、かかる被検者としては、少なくとも50歳である被検者、長期療養施設に滞在する被検者、肺若しくは心臓脈管系の慢性障害を有する被検者、慢性代謝病(糖尿病を含む)、腎機能不全、異常ヘモグロビン症、又は免疫抑制(薬物療法により、又はヒト免疫不全[HIV]ウイルスにより引き起こされる免疫抑制を含む)のために前年、定期的な医療経過観察又は入院が必要であった被検者;14歳未満の年齢の小児、長期のアスピリン治療を受けている6カ月から18歳の間の年齢の患者、及びインフルエンザの季節の間に妊娠の第二期又は第三期を迎える女性が挙げられる。さらに具体的には、1歳より年上且つ14歳未満の被験者(すなわち、小児);50歳と65歳の間の年齢の被検者、及び65歳の年齢よりも高齢の大人におけるインフルエンザ後細菌重感染の処置に、本発明の方法が好適であることが企図される。
本願明細書で使用する場合、「フラジェリン」の用語は、当技術分野におけるその一般的な意味を有し、様々なグラム陽性又はグラム陰性菌種に含まれるフラジェリンをいう。フラジェリンの限定を意図しないソースには、たとえばE. coli、Enterobacter、Erwinia、Klebsiella、Proteus等のEscherichia、たとえば、Salmonella enterica serovar Typhimurium等のSalmonella、たとえば、Serratia marcescans等のSerratia、及びShigella、さらにはB. subtilis及びB. licheniformisなどのBacilli、P. aeruginosaなどのPseudomonas、並びにStreptomycesが含まれるが、これらに限定されない。これらの例は、例示的なものであって限定を意図しない。フラジェリンのアミノ酸配列及びヌクレオチド配列は、NCBI Genbankにて公的に入手可能であり、たとえばアクセッション番号AAL20871、NP_310689、BAB58984、AAO85383、AAA27090、NP_461698、AAK58560、YP_001217666、YP_002151351、YP_001250079、AAA99807、CAL35450、AAN74969、及びBAC44986を参照されたい。これらの種及び他の種由来のフラジェリン配列が、本願明細書で使用する場合の用語フラジェリンに包含されることが意図される。それゆえ、種間の配列差が、用語の意味に含まれる。
「フラジェリンポリペプチド」の用語は、フラジェリン、又はTLR5を活性化及び結合する能力を保有するそのフラグメントが意図される。本願明細書で使用する場合「toll様レセプター5」又は「TLR5」の用語は、当技術分野におけるその一般的な意味を有し、任意の種のtoll様レセプター5、好ましくはヒトtoll様レセプター5を意味することが意図される。活性化に際し、TLR5は、細胞表面から核への一連のシグナリングによって伝達される細胞内シグナルのトランスダクションにより細胞応答を誘導する。典型的には、TLR5の細胞内ドメインはアダプタータンパク質、MyD88を補充し、これがセリン/トレオニンキナーゼIRAK(IRAK−1及びIRAK−4)を補充する。IRAKはTRAF6と複合体を形成し、その後これがTLRシグナルのトランスダクションに関与する種々の分子と相互作用する。これらの分子及び他のTLR5シグナルトランスダクション経路構成成分は、fos、jun及びNF-kBなどの転写因子の活性、並びにfos-、jun-及びNF-kBで調節される遺伝子、たとえば、IL−6、TNF−α、CXCL1、CXCL2及びCCL20などの遺伝子産物の対応する誘導を刺激する。典型的には、本発明のフラジェリンポリペプチドは、TLR5シグナリングに関わるフラジェリンのドメインを含む。「フラジェリンのドメイン」の用語は、天然に存在するフラジェリンのドメイン、及びその機能保存バリアントを含む。「機能保存バリアント」は、タンパク質又は酵素の所与のアミノ酸残基が、そのポリペプチドの全体のコンフォメーション及び機能を改変することなく変更されているものであり、類似特性(たとえば、極性、水素結合能、酸性、塩基性、疎水性の、芳香族性など)を有するものとのアミノ酸の置換を含むがこれらに限定されない。あるタンパク質において、保存されているとして示されているもの以外のアミノ酸は、類似の機能の任意の2つのタンパク質間のタンパク質又はアミノ酸配列パーセント同一性が異なり得、たとえば、70%から99%までとなるように異なり得る。このように、「機能保存バリアント」は、フラジェリン又はそのフラグメントのネイティブな配列と少なくとも70%アミノ酸同一性を有するポリペプチドも含む。本発明では、第2アミノ酸配列と少なくとも70%の同一性を有する第1アミノ酸配列とは、第1配列が、第2アミノ酸配列と70;71;72;73;74;75;76;77;78;79;80;81;82;83;84;85;86;87;88;89;90;91;92;93;94;95;96;97;98;又は99、又は100%の同一性を有することを意味する。同様に、第2アミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する第1アミノ酸配列とは、第1配列が、第2アミノ酸配列と90;91;92;93;94;95;96;97;98;又は99、又は100%の同一性を有することを意味する。アミノ酸配列同一性は、BLAST P(Karlin and Altschul, 1990)などの、好適な配列アライメントアルゴリズム及びデフォルトパラメータを用いて求められるのが好ましい。TLR5シグナリングに関わるフラジェリンのドメインは、当技術分野において周知でありたとえばSmith et al. (2003) Nat. Immunol. 4: 1247-1253(たとえば、S. typhimuriumフラジェリンのアミノ酸78〜129、135〜173及び394〜444又はその相同体若しくは修飾体)を参照されたい。
フラジェリンポリペプチドの例としては、米国特許第6,585,980号;6,130,082号;5,888,810号;5,618,533号;及び4,886,748号;米国特許公開第US2003/0044429Al号;並びに国際特許出願公開国際公開公報第2008097016号及び国際公開公報第2009156405号(参照により本明細書に組み入れられる)に記載されるものが挙げられるが、これらに限定されない。例示的なE. coIi O157:H7フラジェリンは、配列番号:1である。例示的なS. typhimuriumフラジェリンは、配列番号:2又は配列番号:3である。
いくつかの実施形態では、配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3と少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を、本発明に係るフラジェリンポリペプチドとして用いることができる。いくつかの実施形態では、配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を本発明に係るフラジェリンポリペプチドとして使用できる。いくつかの実施形態では、配列番号:3と少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を本発明に係るフラジェリンポリペプチドとして使用できるが、ただし、残基89〜96(すなわち、TLR5検出に関係しない残基)は変異されていない(すなわち非置換又は非欠失)。いくつかの実施形態では、配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を本発明に係るフラジェリンポリペプチドとして使用できるが、ただし、残基89〜96(すなわちTLR5検出に関係しない残基)は変異されていない(すなわち非置換又は非欠失)。
いくつかの実施形態では、本発明は国際特許出願国際公開公報第2009156405号(参照により全体が本明細書に組み入れられる)に記載のフラジェリンリコンビナントポリペプチドの使用を含む。
いくつかの実施形態では、本発明のフラジェリンポリペプチドは、a)配列番号:3の第1位に位置するアミノ酸残基から始まり、配列番号:3の第99〜173位に位置するアミノ酸残基のいずれか1つからなる群より選択されるアミノ酸残基で終わるアミノ酸配列と少なくとも90%のアミノ酸同一性を有するN末端ペプチド;及びb)配列番号:3の第401〜406位に位置するアミノ酸残基のいずれか1つからなる群より選択されるアミノ酸残基で始まり、配列番号:3の第494位に位置するアミノ酸残基で終わるアミノ酸配列と少なくとも90%のアミノ酸同一性を有するC末端ペプチドを含み、前記N末端ペプチドは前記C末端ペプチドに直接連結されているか、又は前記N末端ペプチドと前記C末端ペプチドとが間接的に、スペーサー鎖を介して互いに連結されている。いくつかの実施形態では、前記N末端ペプチドは、配列番号:3のアミノ酸配列1〜99、1〜137、1〜160及び1〜173からなる群より選択される。いくつかの実施形態では、前記C末端ペプチドは、配列番号:3のアミノ酸配列401〜494及び406〜494からなる群より選択される。いくつかの実施形態では、前記N末端及びC末端ペプチドは、それぞれ配列番号:3のアミノ酸配列1〜173及び401〜494からなる。いくつかの実施形態では、前記N末端及びC末端ペプチドは、それぞれ配列番号:3のアミノ酸配列1〜160及び406〜494からなる。いくつかの実施形態では、前記N末端及びC末端ペプチドはそれぞれ、配列番号:3のアミノ酸配列1〜137及び406〜494からなる。いくつかの実施形態では、前記N末端ペプチドと前記C末端ペプチドとは間接的に、NH2-GIy-AIa-AIa-GIy-COOH(配列番号:4)ペプチド配列からなる中間スペーサー鎖を介して互いに連結されている。いくつかの実施形態では、配列番号:3の第488位に位置するアスパラギンアミノ酸残基が、セリンで置換されている。いくつかの実施形態では、前記のフラジェリンポリペプチドは、N末端に追加のメチオニン残基を含む。
本発明のフラジェリンポリペプチドは、当技術分野において周知である任意の方法によって生成される。いくつかの実施形態では、本発明のフラジェリンポリペプチドは典型的には、そのアミノ酸配列をエンコードし、トランスフェクションされる細胞内でのその効果的な生成を許容する核酸でトランスフェクションされている、リコンビナント細胞によって組換えで生成される。本発明のフラジェリンポリペプチドをエンコードする核酸配列は、クローニング(DNAの増幅)用又は発現用の複製可能なベクターに挿入され得る。種々のベクターが、公的に入手可能である。ベクターは、たとえば、プラスミド、コスミド、ウイルス粒子、又はファージの形態であり得る。適切な核酸配列は、様々な手順によってベクター内に挿入され得る。一般的に、当技術分野において公知の技術を用いてDNAが適切な制限エンドヌクレアーゼ部位(1又は複数)に挿入される。ベクター構成成分は一般的に、一以上のシグナル配列(その配列が分泌されるべきものの場合)、複製の起点、一以上のマーカー遺伝子、エンハンサーエレメント、プロモーター、及び転写終結配列を含むが、これらに限定されない。これらの構成成分の一以上を含む好適なベクターの構築では、当業者に公知である標準的なライゲーション技術を用いる。発現及びクローニングベクターは、典型的には選択遺伝子(選択可能マーカーともいう)を含むであろう。典型的な選択遺伝子は、(a)抗生物質又は他の毒素、たとえば、アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキセート若しくはテトラサイクリンに対する耐性を与える、(b)栄養要求性欠損を補完する、又は(c)複合培地から入手できない重大な栄養素、たとえば、Bacilliに対してD−アラニンラセマーゼをエンコードする遺伝子を供給する、タンパク質をエンコードする。哺乳類細胞に好適な選択可能マーカーの例として挙げられるのは、DHFR又はチミジンキナーゼなどの、本発明のフラジェリンポリペプチドをエンコードする核酸を取り込む能力のある細胞の同定を可能とするものである。適切なホスト細胞は、野生型DHFRを用いる場合にはDHFR活性欠損のCHO細胞株である。発現及びクローニングベクターは通常、mRNA合成を導くように、フラジェリンポリペプチドをエンコードする核酸配列に作動可能に連結されたプロモーターを含有する。潜在性のある様々なホスト細胞によって認識されるプロモーターが周知である。原核生物のホストでの使用に好適なプロモーターは、ベータ−ラクタマーゼ及びラクトースプロモーターシステム、アルカリホスファターゼ、トリプトファン(trp)プロモーターシステム、及びtacプロモーターなどのハイブリッドプロモーターを含む。細菌性システムにおいて使用するためのプロモーターは、本発明のフラジェリンポリペプチドをエンコードするDNAに作動可能に連結されたShine-Dalgarno(S.D.)配列も含むであろう。ホスト細胞は、フラジェリンポリペプチド生成のため、本願明細書に記載される発現又はクローニングベクターでトランスフェクション又はトランスフォーメーションされ、プロモーターを誘導するため、形質転換体を選択するため、又は所望の配列をエンコードする遺伝子を増幅するために適宜に改変された従来の栄養分培地において培養される。培地、温度、pHなどといった培養条件は、過度の実験をすることなく当業者によって選択可能である。一般的に、細胞培養液の生産性を最良に高めるための原理、プロトコル、及び実用技術は、Mammalian Cell Biotechnology: A Practical Approach, M. Butler, ed. (IRL Press, 1991)に認められる。本明細書で、ベクター内のDNAをクローニング又は発現するために好適なホスト細胞としては、原核生物、酵母、又は高等真核生物細胞が挙げられる。好適な原核生物としては、グラム陰性又はグラム陽性生物などの真正細菌、たとえば、E. coliなどのEnterobacteriaceaeが挙げられるが、これらに限定されない。E. coli K12株MM294(ATCC 31,446);E. coli X1776(ATCC 31,537);E. coli株W3110(ATCC 27,325);及びK5772(ATCC 53,635)など、種々のE. coli株が公的に入手可能である。他の好適な原核生物のホスト細胞としては、EscherichiaなどのEnterobacteriaceae、たとえば、E. coli、Enterobacter、Erwinia、Klebsiella、Proteus、Salmonella、たとえば、Salmonella typhimurium、Serratia、たとえば、Serratia marcescans、及びShigella、さらにはB. subtilis及びB. licheniformisなどのBacilli(たとえば、DD 266,710、版12 Apr. 1989に開示されるB. licheniformis 41 P)、P. aeruginosaなどのPseudomonas、並びにStreptomycesが挙げられる。これらの例は例示的なものであって限定を意図しない。Salmonella typhimuriumの株SIN41(fliC fljB)は、本発明のフラジェリンポリペプチドの生成に特に興味深いがそれはこれらの原核生物のホスト細胞はいずれのフラジェリンも分泌しないからである(Proc Natl Acad Sci U S A. 2001 ;98:13722-7)。しかしながらフラジェリンは、特殊化した分泌システム:いわゆる「III型分泌システム」で分泌される。興味深いことに、株SIN41は、至適なフラジェリン分泌に必要とされるIII型分泌システムの全構成成分を生成する。fliCプロモーター下、新しいフラジェリンペプチドをコードする配列のクローニングは、株SIN41において関心対象のフラジェリンポリペプチドの大量分泌を可能とする。株W3110もまた、それがリコンビナントDNA産物発酵のための通例のホスト株なので興味深い。好ましくは、ホスト細胞は最少量のタンパク質分解酵素を分泌する。たとえば、株W3110は、ホストに内在性のタンパク質をエンコードする遺伝子の遺伝的突然変異を達成するように修飾され得、このようなホストの例としては、完全な遺伝子型tonAを有するE. coli W3110株1A2;完全な遺伝子型tonA ptr3を有するE. coli W3110株9E4;完全な遺伝子型tonA ptr3 phoA E15 (argF-lac)169 degP ompT kan.sup.rを有するE. coli W31 10株27C7(ATCC 55、244);完全な遺伝子型tona ptr3 phoA E15 (argF-lac)169 degP ompT rbs7 ilvG kan.sup.rを有するE. coli W31 10株37D6;非カナマイシン耐性degP欠失突然変異を持つ株37D6であるE. coli W31 10株40B4;及び1990年8月7日発行の米国特許第4,946,783号に開示される、突然変異体ペリプラズムプロテアーゼを有するE. coli株が挙げられる。E. coli株MG1655、MG1655 AfimA-H又はMKS12、fliD-及び-f/m>A-/-/-欠失MG1655株もまた、分泌されたタンパク質としてのリコンビナントフラジェリンの生成のための興味深い候補である(Nat Biotechnol. 2005; (4):475-81)。あるいは、クローニングのインビトロ方法、たとえば、PCR又は他の核酸ポリメラーゼ反応が、好適である。本発明のフラジェリンポリペプチドは、培地から、又はホスト細胞可溶化物から回収され得る。膜結合性の場合、好適な洗浄剤溶液(たとえば、TRITON- XTM. 100)を用いて。又は酵素での切断により膜から遊離させることができる。いくつかの実施形態では、フラジェリンポリペプチドは、Nempont et al.(Nempont, C. C., D.; Rumbo, M.; Bompard, C.; Villeret, V.; Sirard, J.C. 2008. Deletion of flagellin's hypervariable region abrogates antibody-mediated neutralization and systemic activation of TLR5-dependent immunity.(フラジェリンの超可変領域の欠失は、TLR5-依存性免疫の抗体で媒介される中和及び全身性活性化を抑止する)J Immunol 181:2036-2043.)に開示されるように、リコンビナントS. typhimurium SIN41(fliC fljB)の上清から精製される。特に、Salmonellaは、Luria-Bertani(LB)ブロス中で37℃で6〜18時間、攪拌させながら成育された。上清を濾過して及び60%硫酸アンモニウム(Sigma Aldrich, USA)で飽和させた。沈殿物を遠心分離によって回収し、20mM Tris/HCI、pH7.5にて可溶化して、次いで透析した。タンパク質を、ヒドロキシアパタイト、イオン交換、及びサイズ排除クロマトグラフィー(Bio-Rad Laboratories, USA; GE Healthcare, Sweden)の連続ラウンドによってさらに精製した。最後に、タンパク質は、ポリミキシンBカラム(Pierce, USA)を用いてリポ多糖(LPS)を涸渇させた。Limulusアッセイ(Associates of Cape Cod Inc., USA)を用いて、残存LPS濃度を定量すると、リコンビナントフラジェリンμgあたり30pg LPS未満であった。フラジェリンをエンコードする構築体は、PCRにより生成され得、発現ベクターpET22b+にクローニングされ得る。プラスミドは、Escherichia coliBL21(DE3)に誘導されることができ、1mM IPTGを添加することによってタンパク質生成を誘導することができる。フレンチプレスにて崩壊させた後、可溶性画分は、Triton X-114抽出を用いてリポ多糖(LPS)を涸渇させた。フレンチプレス後の不溶性画分中にフラジェリンが認められれば、8M尿素の存在下に封入体が変性されて、その後、透析及びTriton X-114抽出が行なわれる。タンパク質は次いで、イオン交換クロマトグラフィー及びゲル濾過にて精製されることができる。最後に、タンパク質はここでもまた、ポリミキシンBカラム(Pierce, USA)を用いてLPSを涸渇させることができる。
いくつかの実施形態では、抗生物質は、アミノグリコシド類、βラクタム類、キノロン類又はフルオロキノロン類、マクロライド類、スルホンアミド類、スルファメトキサゾール類(sulfamethaxozoles)、テトラサイクリン類、ストレプトグラミン類、オキサゾリジノン類(リネゾリドなど)、リファマイシン類、糖ペプチド、ポリミキシン類、リポペプチド抗生物質からなる群より選択される。
テトラサイクリン類は、融合された4つの6員(ヘキサ環状)環からなる4員環構造を共有するクラスに属している。テトラサイクリン類は、感受性のある細菌における、アミノアシルtRNAの30Sリボソームサブユニットへの結合を阻害することによってそれらの活性を呈する。本発明において使用するためのテトラサイクリン類は、クロロテトラサイクリン、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、クロロテトラサイクリン、メタサイクリン、メコサイクリン、チゲサイクリン、ライムサイクリン、及びテトラサイクリンを含む。テトラサイクリン類は、溶血性連鎖球菌(streptococci)、非溶血性連鎖球菌、グラム陰性桿菌(bacilli)、リケッチア、スピロヘータ、マイコプラズマ、及びクラミジアを含む多くの公知生物に対して効果的である。
アミノグリコシド類は、Streptomyces又はMicomonospora細菌の種由来の化合物であり、主に、グラム陰性菌によって引き起こされる感染を処置するのに使用される。このクラスに属する薬物はすべて、同じ基本化学構造、すなわち、グリコシド結合によって2つ以上のアミノ糖が付いた、中心のヘキソース又はジアミノヘキソース分子を保有している。アミノグリコシド類は、30Sリボソームに結合する殺菌性の抗生物質であり、細菌のタンパク質合成を阻害する。それらは主に、好気性のグラム陰性桿菌及びブドウ球菌(Staphylococci)に対して活性である。本発明において使用するためのアミノグリコシド系抗生物質としては、アミカシン(Amikin(登録商標))、ゲンタマイシン(Garamycin(登録商標))、カナマイシン(Kantrex(登録商標))、ネオマイシン(Mycifradin(登録商標))、ネチルマイシン(Netromycin(登録商標))、パロモマイシン(Humatin(登録商標))、ストレプトマイシン、及びトブラマイシン(TOBI Solution(登録商標)、TobraDex(登録商標))が挙げられる。
マクロライド類は、一以上のデオキシ糖、通常はクラジノース及びデソサミンが付いたマクロライド(マクロライド系抗生物質)環(大きな、14員、15員、又は16員ラクトン環)の存在に、その活性が起因するポリケタイド抗生剤の群である。マクロライド類は、主に静菌性であり、リボソームの50Sサブユニットに結合して、これにより細菌合成を阻害する。マクロライド類は、好気性及び嫌気性のグラム陽性球菌(cocci)(腸球菌(enterococci)は例外)に対して、及びグラム陰性の嫌気性生物(anaerobes)に対して活性である。本発明において使用するためのマクロライド類としては、アジスロマイシン(Zithromax(登録商標))、クラリスロマイシン(Biaxin(登録商標))、ジリスロマイシン(Dynabac(登録商標))、エリスロマイシン、クリンダマイシン、ジョサマイシン、ロキシスロマイシン及びリンコマイシンが挙げられる。
ケトライド類は、エリスロマイシンマクロラクトン環構造及び第5位に付くD−デソサミン糖が保持されるが、L−クラジノース5部分及び第3位のヒドロキシル基を置換しているのは3−ケト官能基である、半合成14員環マクロライド類のクラスに属する。ケトライド類は、23S rRNAに結合し、それらの作用機序はマクロライド類の場合と類似している(Zhanel, G. G.,et al.,Drugs, 2001; 61(4):443-98)。ケトライド類は、グラム陽性の嫌気性生物、及びグラム陰性の嫌気性生物のいくつかのに対して良好な活性を呈し、mefA及びermBを生成する肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)を含む連鎖球菌(Streptococcus)属、及びインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)に対して優れた活性を保有している。本発明において使用するための代表的なケトライド類としては、テリスロマイシン(過去にはHMR−3647として公知)、HMR 3004、HMR 3647、セスロマイシン、EDP−420、及びABT−773が挙げられる。
キノロン類は構造的に、第3位に必須のカルボキシル基を持つ1,4ジヒドロ−4−オキソ−キノリニル部分を保有している。機能的には、キノロン類は、細菌染色体への直接結合を介して、原核生物のII型トポイソメラーゼ、すなわちDNAジャイレース、及び稀には、トポイソメラーゼIVを阻害する。本発明において使用するためのキノロン類は、第1、第2、第3及び第4世代キノロン類にわたり、フルオロキノロン類を含む。このような化合物としては、ナリジクス酸、シノキサシン、オキソリニン酸、フルメキン、ピペミド酸、ロソクサシン、ノルフロキサシン、ロメフロキサシン、オフロキサシン、エンロフロキサシン、シプロフロキサシン、エノキサシン、アミフロキサシン、フレロキサシン、ガチフロキサシン、ゲミフロキサシン、クリナフロキサシン、シタフロキサシン、ペフロキサシン、ルフロキサシン、スパルフロキサシン、テマフロキサシン、トスフロキサシン、グレパフロキサシン、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、及びトロバフロキサシンが挙げられる。本発明での使用に好適なさらなるキノロン類には、Hooper, D., and Rubinstein, E., "Quinolone Antimicrobial Agents, Vd Edition", American Society of Microbiology Press, Washington D.C. (2004)に記載のものが含まれる。
スルホンアミドクラスに属する薬物はすべて、スルホンアミド部分、SO2NH2、又は置換スルホンアミド部分を保有しており、ここで窒素上の水素の1つが有機置換基で置換されている。例示的なN−置換基には、置換若しくは非置換のチアゾール、ピリミジン、イソオキサゾール、及び他の官能基が含まれる。スルホンアミド抗生物質はすべて、共通の構造的特徴をを分け持ち、すなわち、それらはすべてベンゼンスルホンアミド類であって、スルホンアミド官能性はベンゼン環に直接付いていることを意味している。スルホンアミド抗生物質の構造は、p−アミノ安息香酸(PABA)と類似しており、これは、テトラヒドロ−葉酸の合成のためのジヒドロプテロアートシンテターゼという酵素の基質として、細菌において必要な化合物である。スルホンアミド類は、PABAを必要とする細菌において代謝プロセスを干渉し、これにより細菌の成長及び活性を阻害することによって、抗生物質として機能する。本発明において使用するためのスルホンアミド抗生物質として挙げられるのは以下のものである:マフェニド、フタリルスルファチアゾール、スクシニルスルファチアゾール、スルファセタミド、スルファジアジン、スルファドキシン、スルファマゾン、スルファメタジン、スルファメトキサゾール、スルファメトピラジン、スルファメトキシピリダジン、スルファメトロール、スルファモノメトキシン、スルファミロン、スルファニルアミド、スルファキノキサリン、スルファサラジン、スルファチアゾール、スルフイソキサゾール、スルフイソキサゾールジオラミン、及びスルファグアニジン。
β−ラクタム類の全メンバーが、β−ラクタム環及びカルボキシル基を保有しており、その結果それらの薬物動態及び作用機序の両方における類似性が生じることになる。臨床的有効なβ−ラクタム類の大多数は、ペニシリン基又はセファロスポリン基のいずれかに属し、これにはセファマイシン類及びオキサセフェム類が含まれる。β−ラクタム類はまた、カルバペネム及びモノバクタム類も含む。一般的に言えば、β−ラクタム類はバクテリア細胞壁合成を阻害する。さらに具体的には、これらの抗生物質は細胞壁のペプチドグリカンネットに「ニック」を惹起して、細菌の原形質を、その保護ネットから周囲の低浸透圧性培地へと流出させてしまう。液体は次いで、ネイキッドな原形質体(その壁を欠く細胞)内に蓄積し、それは最終的に破裂してその生物の死をもたらす。機構的には、β−ラクタム類(lactarns)は、酵素ターゲット部位のヒドロキシル基に付いた開環ラクタム環のカルボキシルと安定なエステルを形成することによりD−アラニル−D−アラニントランスペプチダーゼ活性を阻害することによって作用する。ベータ−ラクタム類は、極めて効果的であり、また典型的には毒性が低い。群としては、これらの薬物は、多くのグラム陽性、グラム陰性及び嫌気性生物に対して活性である。この範疇に該当する薬物としては、2−(3−アラニル)クラバム、2−ヒドロキシメチルクラバム、7−メトキシセファロスポリン、エピ−チエナマイシン、アセチル−チエナマイシン、アモキシシリン、アパルシリン、アスポキシシリン、アジドシリン、アズロシリン、アズトレオナム、バカンピシリン、ビアペネム(blapenem)、カルベニシリン、カルフェシリン、カリンダシリン、カルペチマイシンA及びB、セファセトリル、セファクロル、セファドロキシル、セファレキシン、セファログリシン、セファロリジン、セファロチン(cefalotin)、セファマンドール、セファピリン、セファトリジン、セファゼドン、セファゾリン、セフブペラゾン、セフカペン、セフジニル、セフジトレン、セフェピム、セフェタメット、セフィキシム、セフメノキシム(cefinenoxime)、セフメタゾール(cefinetazole)、セフミノクス、セフモレキシン(cefmolexin)、セホジジム、セホニシド、セホペラゾン、セホラミド、セホセリス、セホタキシム、セホテタン、セホチアム、セホキシチン、セホゾプラン、セフピラミド、セフピロム、セフポドキシム、セフプロジル、セフキノム、セフラジン、セフロキサジン、セフスロジン、セフタジジム、セフテラム、セフテゾール、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフロキシム、セファロスポリンC、セファマイシンA、セファマイシンC、セファロチン、キチノボリンA、キチノボリンB、キチノボリンC、シクラシリン、クロメトシリン、クロキサシリン、シクロセリン、デオキシプルラシドマイシンB及びC、ジクロキサシリン、ジヒドロプルラシドマイシンC、エピシリン、エピチエナマイシンD、E、及びF、エルタペネム、ファロペネム、フロモキセフ、フルクロキサシリン、ヘタシリン、イミペネム、レナンピシリン、ロラカルベフ、メシリナム、メロペネム、メタンピシリン、メチシリン(メティシリンとも呼ばれる)、メズロシリン、モキサラクタム、ナフシリン、ノルチエナマイシン、オキサシリン、パニペネム、ペナメシリン、ペニシリンG、N、及びV、フェネチシリン、ピペラシリン、ポバンピシリン(povampicillin)、ピブセファレキシン(pivcefalexin)、ポブメシリナム(povmecillinam)、ピブメシリナム、プルラシドマイシンB、C、及びD、プロピシリン、サルモキシリン、スルバクタム、スルタミシリン、タランピシリン、テモシリン、テルコナゾール、チエナマイシン、及びチカルシリンが挙げられる。
400を上回る天然の抗菌性のペプチドが、単離及び特徴付けされてきている。化学構造に基づき、これらのペプチドは2つの主群:鎖状及び環状に分類され得る(R.E. Hancock et al, Adv. Microb. Physiol., 1995, 37: 135-137; H. Kleinkauf et al., Criti. Rev. Biotechnol., 198, 8: 1-32; D. Perlman and M. Bodansky, Annu. Rev. Biochem., 1971, 40: 449-464)。これらのペプチド(鎖状及び環状の両方)の大多数についての作用の態様は、細胞漏出をもたらす膜破壊が関わると考えられている(A. Mor, Drug Develop. Res., 2000, 50: 440-447)。マガイニン類及びメリッチン(melitting)などの鎖状ペプチドは主に、α−ヘリックス両親媒性構造(隔離された疎水性部分及び親水性部分を含む)として、又はグラミシジンA(GA)に認められるようなβ−ヘリックスとして存在する。両親媒性β-シート構造を主に採用する環状ペプチドは、2つの亜群:タキプレシンなどの、ジスルフィド結合を含むものと、グラミシジンSなどの、ジスルフィド結合を含まないものとにさらに分類されることができる(D. Audreu and L. Rivas, Biopolymers, 1998, 47: 415-433)。ペプチド抗生物質は、2つのクラス:グラミシジン類(gramicicins)、ポリミキシン類、バシトラシン類、糖ペプチドなどの、リボソームによらずに合成されたペプチド、及びリボソームにより合成された(天然)ペプチドにも該当する。前者は、多くの場合、大幅に修飾され、細菌によって大量に生成されるが、後者はあらゆる種の生体(細菌を含む)によって、これらの種の天然ホスト防御分子の主要成分として生成される。特定の実施態様では、ペプチド抗生物質はコリスチン、ダプトマイシン、サーファクチン、フリウリミシン、アクレアシンA、イツリンA、及びツシマイシンなどのリポペプチド抗生物質である。コリスチン(コリマイシンとも呼ばれる)は、50年以上前に発見されたポリミキシン抗生物質である。これは、二価イオンキレート形成による自己誘導機構によってグラム陰性菌の細胞壁を貫通する環状リポペプチド抗生物質である。コリスチンは、壁を不安定化させてその内部に入り込むことができる。コリスチンは基本的に、細胞壁を穿孔し、その構造の変形と細胞内構成成分の遊離を引き起こす。グラム陰性菌、特にPseudomonas aeruginosa、Acinetobacter baumannii、及びKlebsiella pneumoniaeでの多剤耐性の増加は、重大な問題となっている。限られた治療法の選択肢が、感染症臨床医及び微生物学者に、コリスチンの臨床応用の再評価を強いている。コリスチンは、神経毒性及び腎毒性を伴う。投薬治療方式及び新規な製剤が、毒性の問題への取り組みに応じるかもしれない。
いくつかの実施形態では、フラジェリンポリペプチドは、アモキシシリンと組み合わせて使用される。
いくつかの実施形態では、フラジェリンポリペプチドは、スルファメトキサゾール及びトリメトプリムの両方を含有するbactrim(登録商標)と組み合わせて使用される。
いくつかの実施形態では、フラジェリンポリペプチド及び抗生物質は、所与の時間内で連続的に、又は同時に使用されるべきである。抗生物質は、いずれの順序ででも適用可能であり、たとえば抗生物質を最初に適用し、次いでフラジェリンポリペプチドを適用することができ、又はその逆も同様である。抗生物質及びフラジェリンポリペプチドの両方を含有する組成物を用いる場合、両成分は同時に、同じ投与経路又は異なる投与経路によって適用されることになるのは明らかである。たとえば、抗生物質は被検者に経口経路を介して投与され得、フラジェリンポリペプチドは被検者に静脈内経路をを介して又は鼻腔内経路を介して投与される。
「治療上有効量」によって意味するのは、任意の医療処置に適用可能な、妥当な効果/リスク比でのインフルエンザ後の細菌重感染の処置のためのフラジェリンポリペプチド及び/又は抗生物質の十分な量である。本発明の化合物及び組成物の1日の合計使用量は、信頼できる医学的判断の範囲で担当医によって決定されるはずであることは理解されるであろう。特定の被検者に対する具体的な治療上有効な用量レベルは、被検者の年齢、体重、一般的な健康、性別及び食事;用いられる具体的な化合物の投与の時間、投与経路、及び排泄速度;処置の継続期間;用いられる具体的なポリペプチドと組み合わせられるか又は同時に使用される薬物;医学分野で周知のその他の因子などを含む様々な因子に依存するであろう。たとえば、所望の治療効果を成し遂げるのに必要なレベルよりも低いレベルで化合物の用量を開始し、所望の効果が成し遂げられるまで徐々に投薬量を増加することは、当該技術分野の技術の範囲内で周知である。しかしながら、産物の1日の投薬量は、成人1名、1日あたり0.01から1,000mgまでの広い範囲のにわたって変動され得る。好ましくは、処置すべき被検者への投薬量の対症調整のため、0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0、15.0、25.0、50.0、100、250及び500mgの有効成分を、組成物は含有する。医薬は、典型的には約0.01mgから約500mgまでの有効成分、好ましくは1mgから約100mgまでの有効成分を含有する。通常は、薬物の有効量は、1日あたり0.0002mg/kgから約20mg/kgの体重まで、とりわけ1日あたり約0.001mg/kgから7mg/kgの体重までの投薬量レベルで供給される。
典型的には、本発明の有効成分(すなわちフラジェリンポリペプチド及び/又は抗生物質)は、薬学的に許容し得る賦形剤、及び場合により、生分解性ポリマーなどの持続放出マトリクスと組み合わせられて医薬組成物を形成する。「薬学的に」又は「薬学的に許容し得る」の用語は、哺乳動物に、とりわけヒトに適宜投与された場合に、有害な、アレルギー性の又はその他の副作用を生成しない、分子実体及び組成物をいう。薬学的に許容し得る担体又は賦形剤とは、無毒な固体、半固体又は液体充填剤、希釈剤、封入材料又は製剤助剤のあらゆるタイプのものをいう。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、これらの好適な混合物、及び植物油を含有する溶媒又は分散媒体であることもできる。適度な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、懸濁剤の場合は必要とされる粒度の保持によって、また界面活性剤の使用によって保持可能である。微生物の活動の防止は、種々の抗細菌薬及び抗真菌薬、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサルなどによってもたらされることができる。多くの場合に、等張剤、例えば、砂糖又は塩化ナトリウムを含むことが好ましいであろう。注射用組成物の長期の吸収は、吸収を遅延する作用物質、例えば、アルミニウムモノステアレート及びゼラチンを組成物中に使用することにより、もたらされることができる。本発明の医薬組成物では、本発明の有効成分は、従来の薬学的支援物との混合物にて、単位投与形態として投与可能である。好適な単位投与形態としては、錠剤、ジェルカプセル剤、粉末剤、顆粒剤及び経口懸濁剤又は液剤などの経口経路形態、舌下及び口腔内投与形態、エアロゾル、インプラント、皮下、経皮、局所、腹腔内、筋肉内、静脈内、皮下、経皮、髄腔内及び鼻腔内投与形態並びに直腸投与形態が挙げられる。いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、局所的に(すなわち、被検者の気道内に)投与される。それゆえ、組成物は、スプレー、エアロゾル、溶液、エマルション、又は当業者に周知の他の形態で製剤化されることができる。本発明の方法が、組成物の鼻腔内投与を含むのであれば、組成物は、エアロゾル形態、スプレー、ミスト又は液滴の形態で製剤化されることができる。特に、本発明で使用するための有効成分は、好適な噴霧剤(たとえば、ジクロロジフロロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の好適なガス)の使用を伴って、加圧パック又はネブライザーからのエアロゾルスプレー噴出(presentation)の形態で、好都合に送達されることができる。加圧エアロゾルの場合、投薬単位は計量された量を送達するバルブを提供することによって決定され得る。吸入器又は注入器(insufflator)で使用するための、たとえばゼラチン製のカプセル及びカートリッジは、化合物とラクトース又はデンプンなどの好適な粉末ベースとの粉体混合物を含有して製剤化され得る。
本発明はさらに、以下の図面及び実施例によって例証される。しかしながら、これらの実施例及び図面は、本発明の範囲をいかようにも限定するものとして解釈されるべきではない。
フラジェリンは、インフルエンザAウイルス感染の間に炎症促進性の遺伝子発現を促進する。 C57BL/6マウスを、インフルエンザAウイルス(30PFU)で鼻腔内感染させた。ウイルス感染後7日又は14日に、2.5μgフラジェリンFliCΔ174-400でマウスを鼻腔内処置した。フラジェリン刺激後2時間で、定量PCRによる転写物レベルの分析用の肺を収集した。結果は、平均±平均の標準誤差(n=4)として与えられる。(A〜C)メッセンジャーRNAレベルは、1に任意設定のモック群(未感染及び未処置)のレベルに対して表される。(D)ウイルスRNAは、ハウスキーピング遺伝子発現(βアクチン)と比較して表され、検出の限界は未感染C57BL/6マウスで1に任意設定された。統計的有意性は、Mann-Whitneyの非パラメトリック検定(*:p<0.05)で求められた。 AMX/FliCΔ174-400処置は、インフルエンザAウイルス−S. pneumoniae共感染マウスを保護する。 (A)C57BL/6マウスを、インフルエンザAウイルスH3N2(30PFU)で感染させた。7日後に、マウスをS. pneumoniae(10CFU)で感染させた。12時間及び42時間後、動物を、5μgAMXで胃内、及び2.5μgフラジェリンFliCΔ174-400で鼻腔内処置した。60時間に、組織あたりのCFUを測定することにより肺(B)及び脾臓(C)の細菌数を求めた。各々のドットは、個々のマウスに対するCFUを表す。実線は、検出の閾値を表す。統計的有意性は、Mann-Whitneyの非パラメトリック検定(*:p<0.05及び**:p<0.01)で求められた。
材料及び方法
細菌調製
Streptococcus pneumoniae血清型1(臨床分離株E1586)は、National Reference Laboratory - Ministry of Health, Uruguayから入手された。作業ストックを以下のように調製した。Todd Hewitt Yeast Broth(THYB)(Sigma-Aldrich - Saint-Louis, MO)を、血液−寒天板で成育された新鮮なコロニーで接種し、37℃で0.7〜0.9単位のOD600nmまでインキュベーションした。培養物は、THYB+グリセロール12%(容量/容量)中、−80℃で上限3カ月まで保存された。マウス感染のためには、作業ストックを解凍して、滅菌Dulbecco's Phosphate-Buffered Saline(DPBS;Gibco - Grand Island, NY)で洗浄し、適切な濃度に希釈した。ストック中の細菌の数を、血液寒天板上での平板培養段階希釈によって確認した。
感染のマウスモデル
雌性BALB/c(6〜8週齢)マウスは、Janvier laboratories(St. Berthevin, France)から得られた。動物を個々に換気されたケージ内で維持し、垂直層流キャビネット(クラスII A2, ESCO - Hatboro, PA)において取り扱った。実験はすべて、現行の国内及び施設内規制及び倫理ガイドライン(B59-350009 - Institut Pasteur de Lille)に適合するものであった。マウスは、250μl DPBS中1.25mgケタミン(Imalgene、Merial - Lyon、フランス)プラス0.25mgキシラジン(Rompun, Bayer HealthCare - Loos, France)の腹腔内(i.p.)注射によって麻酔された。マウスを、30PFUの高病原性マウス馴化H3N2インフルエンザAウイルス株Scotland/20/74.7を含有する50μl D−PBSで鼻腔内感染させた。ウイルスチャレンジ後7日又は14日に、10CFUのS. pneumoniaeを含有するD−PBS30μlでマウスを鼻腔内感染させた。
フラジェリン及び抗生物質投与
リコンビナントフラジェリン類FliCΔ174-400(カルボキシ末端ヒスチジンTagを保持)及びrFliC(アミノ末端ヒスチジンTagを保持)をエンコードする構築体をによってPCR生成し、発現ベクターpET22b+へとクローニングした。リコンビナントフラジェリン類は、以下のとおりに生成された。プラスミドをEscherichia coli BL21(DE3)に導入し、IPTG 1mMを添加することによってタンパク質生成を誘導した。フレンチプレスにて崩壊させた後、可溶性画分は、これまでに記載されたとおりTriton X-114抽出を用いてリポ多糖(LPS)を涸渇させた。タンパク質を、ニッケル親和性クロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー及びFastタンパク質液体クロマトグラフィー(GE Healthcare)によるゲル濾過にて連続的に精製した。最後に、タンパク質はここでもまた、ポリミキシンBカラム(Pierce, USA)を用いてLPSを涸渇させた。Limulusアッセイ(Associates of Cape Cod Inc., USA)を用いて、残存LPS濃度がリコンビナントフラジェリンμgあたり20pgLPS未満であることを確認した。使用前にフラジェリン類を65℃で10分間加熱し、タンパク質がほとんど単量体であるとの確証を得た。麻酔非再呼吸システム(DRE-Compact 150, DRE Veterinary - Louisville, KY)を用い、軽度の麻酔下にイソフルラン(Axience - Pantin, France)の吸入によって、30μl DPBS中フラジェリン類を鼻腔内投与した。プラスチックチューブフィード(V0104030, ECIMED - Boissy-St-Leger, France)を用い、アモキシシリン(AMX)の胃内(i.g.)最適以下用量(200μl水中5μg;アモキシシリンVERTANAL(商標)、Sigma-Aldrich - Saint-Louis, MO)により、感染させたマウスを処置した。これは、6〜8週齢マウスに対して、250μg/kgのAMXの用量を表す。
肺及び脾臓での細菌負荷の定量
マウスを100μl DPBS中5.47mgのペントバルビタールナトリウム(CEVA Sante animale, Libourne, France)の腹腔内注射により感染後の異なる時点で屠殺した。感染後の選択された時点で肺及び脾臓を収集し、UltraTurraxホモジナイザー(IKA-Werke, Staufen, Germany)でホモジナイズした。生菌数は、血液寒天板上での平板培養段階希釈によって確認した。
リアルタイムRT−PCRによる遺伝子発現定量化
肺の総RNAをNucleospin RNA IIキット(Macherey Nagel - Hoerdt, France)で抽出し、High-Capacity cDNA Archiveキット(Applied Biosystems - Foster city, Canada)で逆転写させた。7300 Real Time PCR System(Applied Biosystems)のSYBR Green-basedリアルタイムPCRを用いて、得られたcDNAを増幅させた。参照遺伝子ActB、並びにケモカインをエンコードしている遺伝子Ccl20及びCxcl1に特異的なプライマーは、これまでに報告されたものである[20]。第1に、関心対象の遺伝子とActb(ΔCt)とに対するPCRサイクル閾値(Ct)、第2に、処置群と参照群(ΔΔCt)に対するΔCt値を、これまでに記載されたとおりに[20]比較することにより、相対的なmRNAレベル(2−ΔΔCt)を求めた。
統計解析
結果は、中央値±範囲として表される。統計学的差異を、マンホイットニー検定(GraphPad Prism 5.0)を用いて解析し、p値<0.05に対して有意であると考えられた。
結果:
本発明者らは、IAV感染動物に対する、フラジェリン+抗生物質からなる併用療法の有効性を検討した。先ず本発明者らは、IAV感染動物においてフラジェリンがシグナリングを促進することができるか否かを明確にした。本発明者らは、FliCΔ174-400での鼻腔内処置が、急性期及び消散期の両方、たとえば感染後7及び14日でのIAV感染に関連して、免疫メディエーターの転写をさらに増加できることを見出した(図1)。本発明者らは、急性感染の動物における併用療法を評価することを選択した。この目的のために、IAVで7日間感染させた動物にS. pneumoniaeを感染させて、AMX及びフラジェリンで処置した(図2)。我々のデータは、肺及び脾臓の両方でAMXの治療指数を高めるのに、かかる併用療法が非常に効果的であることを示した。
参照:
本出願全体をとおして、種々の参照文献で本発明の属する技術分野の水準を記載している。これらの参照文献の本開示は、参照により本開示に組み入れられる。

Claims (15)

  1. インフルエンザ後の細菌重感染を処置する必要のある被検者における処置方法であって、被検者に治療上有効量のフラジェリンポリペプチドを、場合により少なくとも1つの抗生物質と組み合わせて投与することを含む方法。
  2. 前記細菌重感染が、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae);黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus);インフルエンザ菌(Haemophilus influenza)、マイコプラズマ種(Myoplasma species)及びモラクセラ カタラーリス(Moraxella catarrhalis)からなる群より選択される少なくとも1つの生物により媒介される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記被検者が、少なくとも50歳である被検者、長期療養施設に滞在する被検者、肺若しくは心臓脈管系の慢性障害を有する被検者、慢性代謝病、腎機能不全、異常ヘモグロビン症、又は免疫抑制のために前年、定期的な医療経過観察又は入院が必要であった被検者、14歳未満の年齢の小児、長期のアスピリン治療を受けている6カ月から18歳の間の年齢の患者、及びインフルエンザの季節の間に妊娠の第二期又は第三期を迎える女性からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記フラジェリンポリペプチドが、配列番号:1、配列番号:2又は配列番号:3と少なくとも70%の同一性を有する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記フラジェリンポリペプチドが、a)配列番号:3の第1位に位置するアミノ酸残基から始まり、配列番号:3の第99〜173位に位置するアミノ酸残基のいずれか1つからなる群より選択されるアミノ酸残基で終わるアミノ酸配列と少なくとも90%のアミノ酸同一性を有するN末端ペプチド;及びb)配列番号:3の第401〜406位に位置するアミノ酸残基のいずれか1つからなる群より選択されるアミノ酸残基で始まり、配列番号:3の第494位に位置するアミノ酸残基で終わるアミノ酸配列と少なくとも90%のアミノ酸同一性を有するC末端ペプチドを含み、前記N末端ペプチドは前記C末端ペプチドに直接連結されているか、又は前記N末端ペプチドと前記C末端ペプチドとが間接的に、スペーサー鎖を介して互いに連結されている、請求項1に記載の方法。
  6. 前記N末端ペプチドが、配列番号:3のアミノ酸配列1〜99、1〜137、1〜160及び1〜173からなる群より選択される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記C末端ペプチドが、配列番号:3のアミノ酸配列401〜494及び406〜494からなる群より選択される、請求項5に記載の方法。
  8. 前記N末端及びC末端ペプチドが、それぞれ配列番号:3のアミノ酸配列1〜173及び401〜494からなる、請求項5に記載の方法。
  9. 前記N末端及びC末端ペプチドが、それぞれ配列番号:3のアミノ酸配列1〜160及び406〜494からなる、請求項5に記載の方法。
  10. 前記N末端及びC末端ペプチドが、それぞれ配列番号:3のアミノ酸配列1〜137及び406〜494からなる、請求項5に記載の方法。
  11. 前記N末端ペプチドと前記C末端ペプチドとが間接的に、NH2-GIy-AIa-AIa-GIy-COOH(配列番号:4)ペプチド配列からなる中間スペーサー鎖を介して互いに連結されている、請求項5に記載の方法。
  12. 配列番号:3の第488位に位置するアスパラギンアミノ酸残基が、セリンで置換されている、請求項5に記載の方法。
  13. 前記抗生物質が、アミノグリコシド類、βラクタム類、キノロン類又はフルオロキノロン類、マクロライド類、スルホンアミド類、スルファメトキサゾール類(sulfamethaxozoles)、テトラサイクリン類、ストレプトグラミン類、オキサゾリジノン類、リファマイシン類、糖ペプチド、ポリミキシン類、リポペプチド抗生物質からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  14. 前記抗生物質が、アモキシシリンである、請求項1に記載の方法。
  15. 前記抗生物質が、スルファメトキサゾール及びトリメトプリム双方を含む、請求項1に記載の方法。
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