JP2018504894A - キメラ抗原受容体およびその使用方法 - Google Patents

キメラ抗原受容体およびその使用方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、キメラ抗原受容体、それを発現する細胞、および様々な障害、例えば癌の処置のためにそれを使用する方法を提供する。

Description

関連出願
本願は、2014年12月19日に出願された米国仮出願番号62/094,625および2015年11月6日に出願された米国仮出願番号62/252,083からの優先権および恩典を主張し、各々の内容の全体を参照により組み入れる。
配列表の参照による組み入れ
2015年12月21日に作成された「Omnibus Sequence Listing for filing with DFCI-102_001WO_ST25」という名前のテキストファイルの内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。
発明の分野
本発明は、概して、癌およびその他の障害の処置のためのキメラ抗原受容体細胞ならびに癌およびその他の障害の処置のためにそれを使用する方法に関する。
政府の利益
本発明は、[]によって授与された[]の下で政府の支援を受けてなされたものである。政府は本発明に関して一定の権利を有している。
発明の背景
Tリンパ球は、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスIまたはII分子により提示される短いペプチドとT細胞受容体(TCR)との相互作用を通じて個々の抗原を認識する。初期活性化およびクローン性増殖に関して、ナイーブT細胞は、さらなる共刺激シグナルを提供するプロフェッショナル抗原提示細胞(APC)に依存的である。共刺激の非存在下でのTCRの活性化は、非応答性およびクローン性アネルギーをもたらし得る。免疫を回避するために、移植された認識特異性を有する細胞傷害性エフェクター細胞を誘導する様々なアプローチが開発されている。TCR結合CD3複合体の細胞表面成分に特異的な天然リガンドまたは抗体由来の結合ドメインからなるキメラ抗原受容体(CAR)が構築されている。抗原結合により、そのようなキメラ抗原受容体は、エフェクター細胞の内因性シグナル伝達経路にリンクし、TCR複合体によって開始されるのと同様の活性化シグナルを生じる。キメラ抗原受容体の最初の報告以降、このコンセプトは着実に改良され、キメラ受容体の分子設計が最適化された。組み換え抗体技術の進歩にも助けられ、癌細胞およびヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した細胞の表面上の幅広い様々な抗原を標的化するキメラ抗原受容体が作製された。
発明の要旨
様々な局面において、本発明は、細胞内シグナル伝達ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞外ドメインを有するキメラ抗原受容体(CAR)を提供する。
いくつかの局面において、膜貫通ドメインは、細胞外ドメインと膜貫通ドメインの間に位置するストーク領域をさらに含む。膜貫通ドメインは、CD28を含む。別の局面において、CARは、膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインの間に位置する1つまたは複数の追加の共刺激分子をさらに含む。共刺激分子は、CD28、4-1BB、ICOS、またはOX40である。細胞内シグナル伝達ドメインは、例えばCD3ゼータ鎖である。細胞外ドメインは、抗体、例えばFabまたはscFVである。好ましくは、抗体は、BCMA、CA-9、CD138、CCR4、またはインフルエンザウイルスに特異的である。
細胞内シグナル伝達ドメインの後ろに位置するポリペプチドをコードする核酸をさらに含む本発明のCARをコードする核酸もまた、本発明に含まれる。ポリペプチドは、抗体、例えばscFVである。好ましくは、抗体は、CCR4、PD-1、PDL-1、PD-L2、CXCR4、またはGITRに特異的である。本発明にしたがう核酸を含むベクターおよびこのベクターを含む細胞もまた、本発明に含まれる。
なおさらなる局面において、本発明は、本発明のキメラ抗原受容体を細胞表面膜上で発現および保持する、遺伝子操作された細胞を提供する。細胞は、T細胞またはNK細胞である。T細胞は、CD4+またはCD8+である。細胞は、CD4+細胞およびCD8細胞+の混合集団である。細胞はさらに、ポリペプチド、例えば抗体を発現および分泌するように操作される。
それ以外の定義がなされていない限り、本明細書で使用されるすべての技術および科学用語は、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者によって一般に理解されているのと同じ意味を有する。本発明を実施する際には、本明細書に記載されているのと同様または同等の方法および材料を使用することができるが、以下には適当な方法および材料が記載されている。本明細書で言及されているすべての刊行物、特許出願、特許および他の参考文献は、明示的に、それらの全体が参照により組み入れられる。相反する場合、定義を含めて本明細書が優先される。加えて、本明細書に記載される材料、方法および実施例は例示にすぎず、限定を意図したものではない。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲から明らかであり、かつ以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲に包含される。
CAIX特異的AbのADCC。1μg/mlのCAIX特異的scFv-Fcミニボディを、ヒトPBMCの存在下で標的腫瘍細胞に添加した(E:T 25:1)。2回の実験で同様の結果が得られた。無関係の抗SARS scFv-Fc(11A)および抗CCR4 scFv-Fc(48)ミニボディを陰性対照として使用した。A、CAIX+ sk-rc-09細胞;B、CAIX+ sk-rc-52細胞;C、CAIX- sk-rc59細胞。 CAIX特異的CARの構築および発現。A、構築:第1世代CARであるscFv-CD8-TCRζ(CD8 CAR)は、短縮型ヒトCD8α細胞外ドメイン、ヒンジ(H)、膜貫通(TM)および細胞内領域に連結され、その先でヒトTCRζのシグナル伝達ドメインに連結された特異的抗CAIX scFvから構成される。第2世代CARであるscFv-CD28-TCRζ(CD28 CAR)は、ヒトCD28細胞外、TMおよび細胞内シグナル伝達ドメインに融合され、TCRζに融合された抗CAIX scFvを含む。両方の抗CAIX CARを、内部eF1-αプロモーターにより発現が誘導されるバイシストロン性自己不活性化(SIN)レンチウイルスベクターにクローニングした。CAR対照コンストラクトは、無関係の抗HIV CCR5特異的A8 scFv置換を含む。B. FACS分析:レポーター遺伝子ZsGreenを使用して、レンチウイルスCARコンストラクトによる初代T細胞形質導入効率を定量した。加えて、抗CAIX scFv CARをCAIX-Fc融合タンパク質で染色し、C9タグ(TETSQV APA)を1D4抗体で染色した。非形質導入活性化T細胞であるLAKのみを非染色細胞対照として利用した(i)または二次抗体(ii. PE-抗ヒトIgGおよびiii. APC-抗マウスIgG)で染色したものを染色対照として使用した。C. ウェスタンブロット:単量体/二量体構造の抗CAIX(クローンG36)CD28および抗CCR5(クローンA8)CD28 CARならびに非形質導入T細胞の内因性TCRζ鎖の分子サイズを示した。 CAIX特異的CARTのエフェクター機能。A. サイトカイン分泌。抗CAIX CART、無関係のCARTまたは活性化された対照T細胞(LAK)を、サイトカイン産生のために腎臓癌細胞株sk-rc-52(CAIX+)およびsk-rc-59(CAIX-)と共に一晩共培養した。2〜3回の結果を代表する1つが示されている。B. ELISPOT。G36 CARTまたは対照A8 CART細胞を、一晩腫瘍細胞に添加した。IFN-γまたはグランザイムB分泌T細胞をELISPOTによって検出した。2〜3回の実験で同様の結果が得られた。C. CAIX特異的CART細胞の特異的抗腫瘍細胞傷害性。対照A8 CART細胞またはLAK細胞を、4時間細胞傷害性アッセイにおいて、示された比の異なる量の標的腫瘍細胞の下でインキュベートした。2回の実験を代表する1つが示されている。クローン4-1は、sk-rc-52のインビボ継代サブクローンである。 腫瘍接触後のCART細胞のクローン性増殖。A. 増殖。CAR形質導入T細胞または非形質導入T細胞(LAK)を、示される3つの異なる腫瘍対T細胞比で照射された腫瘍細胞(CAIX+ sk-rc-52 & CAIX- sk-rc-59)と共に毎週プレーティングした。3〜4日ごとに、2つの別個のウェルにおいて、T細胞の数を3回計数した。2回の実験で同様の結果が得られた。B. クローン性濃縮。腫瘍刺激実験において、CART-およびLAK細胞由来の培養物を、CARTおよびT細胞サブセットの発現に関して、フローサイトメトリーによって1週間および2週間アッセイした。2つの結果を代表する1つが示されている。 CART細胞による形成したヒトRCC異種移植片の退行。無胸腺ヌルマウスに、7.5 x 106個のsk-rc-52および5 x 106個のsk-rc-59 RCC腫瘍細胞を、それぞれ左および右脇腹において皮下接種した。腫瘍移植から6日後、マウスに、50 x 106個のG36 CD28 CART細胞、A8 CD28 CART細胞(≧20% CAR+)、LAKまたはPBSのみをi.v.注射した。高用量のIL-2(1 x 105 U/ml)を2〜3日ごとに注射した。腫瘍サイズを2〜3日ごとにカリパスによって測定した。実験1、n=7および実験2、n=8。これらの2回の実験の腫瘍サイズを別々に示した。これらの2回の試験におけるG36タンデム処置マウス 対 対照非T細胞処置マウスのグループで+、p<0.05;*、p<0.01;**、p<0.001。他の統計計算は、文章で報告されている。 CAR+ T細胞のインビボ抗腫瘍活性。A、CART細胞によるZsGreenの発現が上パネルに示されている。CART細胞を、Far Red色素で事前染色し、サイトスピンを行い、そして蛍光顕微鏡によって試験した(下パネル)。B. 退行性腫瘍におけるG36 CD28 CART細胞のインサイチュー染色。CART細胞を、RCC形成マウスにi.v.注射し、腫瘍組織を1〜3日目に収集した。共焦点顕微鏡を使用して、(赤色で示される)PE-Cy5色素を用いるTUNNELアッセイにより腫瘍細胞のアポトーシスを測定した。形質導入T細胞をZsGreenによって示した。核をDPAIで対比染色した。2つの代表的なスライドが、それぞれ、腫瘍縁部における(上パネル)および腫瘍床内での(中央パネル)腫瘍細胞のアポトーシスを示すことが示された。拡大画像(下パネル)は、CART細胞が複数の腫瘍と相互作用し、一部の周囲の腫瘍細胞が死滅したことを示している。C. グランザイムB+ T細胞および腫瘍壊死。CART細胞による処置の後、退行性のCAIX+ sk-rc-52腫瘍をグランザイムB抗体(茶色)およびH&Eによって染色した。より高倍率の画像(上パネルにおけるaおよびb区画の中央および下パネル)は、(矢印によって示される)グランザイムB+ T細胞の位置を示しており、対応するH&Eスライドは、(nによって示される)腫瘍の壊死を示している。グランザイムB+ T細胞は、腫瘍縁部(中央パネル)および腫瘍内部(下パネル)に分布している。 対照LAK細胞で処置されたCAIX-sk-rc-52腫瘍は、陰性のグランザイムB染色を示し(左)(下パネル)、対応する組織学がH&Eで示されている(右)。 G36 CD28z CART細胞で処置されたCAIX- sk-rc-59腫瘍におけるグランザイムBの低バックグラウンド染色。 LAK細胞で処置されたCAIX- sk-rc-59腫瘍におけるグランザイムBの低バックグラウンド染色。 グランザイムB染色の陽性対照を、G36 CD28z CART細胞を局所注射したsk-rc-52腫瘍において行い(左)、腫瘍の形態がH&Eで示されている(右)。 αCAIX CARおよびαPD-L1 scFv-Fcで一過的にトランスフェクトされた293T細胞の発現。106個の293T細胞を、レンチウイルスpHAGE-EF1αG36-C9タグ-CD28-CD3ゼータ-IRES-抗PDL1 scFv-Fc(IgG4)-WPREまたは対照pHAGE-EF1α-A716-C9タグ-CD28-CD3ゼータ-IRES-ZsGreen-WPREプラスミドありまたはなしでトランスフェクトした。トランスフェクトから24および48時間後に細胞および上清を収集した。左、精製されたCAIX(ECD)-Fc-ビオチンおよびストレプトアビジン-APCを細胞染色およびフローサイトメトリー分析に使用した。右、上清中の総ヒトIgGを、ヒトIgG定量キットを用いて定量した。 (A)4名のドナー由来の総PBMCを、50 ng/mlのSEBで刺激し、10 ug/mlの抗PDL1(#42)sIgG4または抗インフルエンザsIgG4で処置した。IFNγ産生(上)またはTNFa産生(下)の回復を測定した。(B)親抗CCR4抗体、c1567IgGは、CCL22へのTregの走化性を阻害した。(C)CD4+CD25- T細胞をCFSE標識し、10:1比でTregと共にインキュベートし、その後に抗CD3/28共刺激の存在下で抗CCR4 mAbおよび対照mAbで刺激した。3および7日後、細胞を収集し、フローサイトメトリーによって分析した。蛍光陽性CD4+CD25- Tおよびカウントビーズにおいて細胞のパーセンテージを計算した。増殖率を、0日目のCD4+CD25- Tエフェクター細胞に対して標準化した。示されているデータは、2回の独立した実験から計算した。バーは、平均±S.D.を表す。(D)mAb2-3および対照抗体で処置したCD4+CD25- Teff細胞のIFNγ ELISPOT分析。データは、3つの別々のドナー血液を用いた3回の個別の実験からの定量を表す。(E)左、CFSE標識Teff(5x104)および非標識Treg(5x103)を、96ウェルプレートにおいて5日間、20μg/mlのPHAと共インキュベートした。CFSE標識Teffを収集し、CFSE強度をフローサイトメトリーによって分析した。Teffの増殖は、共培養物を抗GITR mAbと共にインキュベートしたときに観察されたのみであった。右、同じ培養物におけるIFNγ産生をMSDによってさらに測定した。CFSE標識Teff(5x104)および非標識Treg(5x103)を、96ウェルプレートにおいて5日間、20μg/mlのPHAと共インキュベートした。CFSE標識Teffを収集し、CFSE強度をフローサイトメトリーによって分析した。Teffは、PHAとの5日間のインキュベートの後に増殖したが、Teff/Treg共培養物中では増殖しなかった。左、同じ培養物におけるIFNγ産生をMSDによって測定した。 本発明にしたがう様々なCART構成を示す図である。 本発明にしたがう様々なアームドCART構成を示す図である。 本発明にしたがう様々なアームドCART構成を示すさらなる図である。 CD8+ T細胞への形質導入のためのキメラ抗原受容体(CAR)コンストラクトを示す一連の図およびグラフである。(A)共刺激ドメインとしてCD28を含む第2世代pHAGEレンチウイルスベクターの概略図。CAR結合ドメインを発現させるために、抗炭酸脱水酵素IX(CAIX)または(陰性対照としての)抗B細胞成熟抗原(BCMA)scFvをeIFαプロモーターの後に挿入した。内部リボソーム侵入部位(IRES)配列の後の第2のカセットは、可溶性抗PD-L1 IgG1もしくはIgG4アイソタイプまたは抗重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルスIgG1をコードすることを担っている。このレンチウイルスを生産するために、pHAGEベクターを、パッケージングプラスミド(Gag、Rev、TatおよびVSVG)と共に、ポリエチレンイミンを用いて293T LentiX細胞にトランスフェクトした。トランスフェクトの2日後にウイルスを収集し、精製し、LentiX Concentrator(Clontech(商標))を製造元の指示にしたがい用いて濃縮した。LTR:長末端反復、eIFα:真核生物翻訳開始因子アルファ、scFv:単鎖可変フラグメント、C9タグ:C9ペプチドTETSQVAPA、IRES:内部リボソーム侵入部位、WPRE:ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント。(B)このレンチウイルスを用いてT細胞に形質導入し、CAIX陽性RCCを認識することができかつ腫瘍微小環境において抗PD-L1 IgG1またはIgG4を放出してPD-1/PD-L1により誘導されるT細胞の疲弊を阻止する抗CAIX CART細胞を生成した。(C)CD8+ T細胞中での組み込まれたレンチウイルスによるCARの安定的長期的発現を示す、形質導入から14日後のCART細胞のパーセンテージ。CD8+ T細胞を、Dynabeads(商標)CD8 Positive isolation Kit(Life Technologies)を用いて選択し、IL-21 50 U/mLの存在下でDynabeads(商標)Human T Cell Activator CD3/CD28(Life Technologies)を用いて活性化させた。IL-21を2日ごとに培地に添加した。14日後、CART細胞を、ヒトCAIX-FcまたはBCMA-Fcと共にインキュベートし、その後にAPC結合抗ヒトFc IgGと共にインキュベートし、そしてFACSによって分析した。(D)Human IgG ELISA Quantitation Set(Bethyl Laboratories)によって評価された形質導入T細胞の培地に分泌されたIgGの濃度。(E)抗CAIXまたは抗BCMA CARおよび抗PD-L1 IgG1、抗PD-L1 IgG4または非特異的抗SARS IgG1配列を含むレンチウイルスを用いて形質導入された293T細胞の上清における抗PD-L1抗体の濃度。上清中の抗体を、プロテインAセファロースビーズ(GE Healthcare)を用いて精製し、EZ-Link Sulfo-NHS-LC-Biotin(Thermo Scientific(商標))を用いてビオチニル化した。これらの抗体を、96ウェルMaxiSorpプレート(Nunc(商標))に予め固定しておいた5μg/mLのヒトPD-L1と共にインキュベートした。ビオチニル化された抗体を、ストレプトアビジン-HRPと共に1時間インキュベートし、TMBで現像することによって検出した。吸光度をλ=450 nmで読み取った。*抗BCMA/抗SARS IgG1および抗CAIX/抗SARS IgG1との比較でP<0.001。**抗CAIX/抗PD-L1 IgG1との比較でP<0.05。(FおよびG)CD8+ CART細胞のクローン性増殖。(F)skrc-52 CAIX+/PD-L1-細胞の存在下での日数に対するCART細胞の濃度。すべてのCARSを抗BCMA/抗SARS IgG1と比較してP<0.05。(G)skrc-52 CAIX陽性細胞の存在下での日数に対する形質導入T細胞のパーセンテージ。すべてのCARSを抗BCMA/抗SARS IgG1と比較してP<0.05。CD8+ CART細胞を、抗PD-L1 IgG1(抗CAIX/抗PD-L1 IgG1)、IgG4(抗CAIX/抗PD-L1 IgG4)もしくは非特異的抗SARS Ab(抗CAIX/抗SARS IgG1)を発現することができる抗CAIX CARまたは非特異的抗SARS Ab(抗BCMA/抗SARS IgG1)を発現することができる抗BCMA CAR(陰性対照)を用いて形質導入した後5日間事前培養し、IL-21 50 U/mLの存在下でDynabeads(商標)Human T Activator CD3/CD28(Life Technologies)を用いて活性化させた。ビーズを除去し、そしてCART細胞を、skrc52 CAIX+ PD-L1-および21日間2日ごとに培地に添加したIL-21(50 U/mL)と共に培養した。結果は、二連で行った3名のドナーの平均±SDを表している。 CART細胞のエフェクター機能を示す一連のグラフである。CART細胞抗CAIX/抗PD-L1 IgG1、抗CAIX/抗PD-L1 IgG4、抗CAIX/抗SARS IgG1または抗BCMA/抗SARS IgG1と共に一晩(O.N.)インキュベートされた(A)Skrc59 CAIX+/PD-L1+細胞または(B)Skrc52 CAIX-/PD-L1-細胞の生存性。これらのCART細胞を、レンチウイルス形質導入の4日後に使用した。細胞の生存性をMTT(Molecular Probes(商標))によって評価した。*抗BCMA/抗SARS IgG1との比較ですべてのCART細胞についてP<0.05。(C)Skrc59 CAIX+/PD-L1+細胞または(D)Skrc52 CAIX-/PD-L1-細胞との一晩の接触後にCART細胞により放出されたIL2。IL-2の分泌を、Human IL-2 ELISA Ready-SET-Go Kit(eBioscience(商標))を用いて評価した。*抗BCMA/抗SARS IgG1との比較ですべてのCART細胞についてP<0.001。(E)Skrc59 CAIX+/PD-L1+または(F)Skrc52 CAIX-/PD-L1-細胞との一晩の接触後にCART細胞により放出されたIFNγ。IFNγの分泌を、Human IFNγ ELISA Ready-SET-Go Kit(eBiosciences(商標))を用いて評価した。*抗BCMA/抗SARS IgG1との比較ですべてのCART細胞についてP<0.05。500 ng/mLの抗PD-L1 IgG1、抗PD-L1 IgG4または抗SARS IgG1を含むCART細胞の上清(SN)とのインキュベート後の(G)skrc59 CAIX+/PD-L1+または(H)skrc52 CAIX-/PD-L1-の抗体依存細胞媒介細胞傷害性。抗体を得るために、CART細胞を、6日間、IL-21 50 U/mLの存在下でDynabeads(商標)Human T Activator CD3/CD28(Life Technologies)と共にインキュベートした。7日後、mAbを含む培地を収集し、NK細胞をEasySep(商標)Human NK Cell Enrichment Kit(StemCell(商標)Technologies)を用いて精製した。RCC細胞株Skrc59 CAIX+ PD-L1+およびSkrc52 CAIX- PD-L1-を標的細胞として使用し、96ウェルプレートに1.5 x 103/ウェルをプレーティングした。RCC細胞を、37℃で1時間、各Ab抗PD-L1 IgG1、抗PD-L1 IgG4または抗SARS IgG1が500 ng/mLとなるよう調整した50μLのCART細胞上清と共にインキュベートした。インキュベート後、細胞を培地で洗浄し、12.5:1、25:1または50:1のNK細胞と共に37℃で4時間インキュベートした。培養上清を遠心分離によって収集し、上清中のLDHをCytoTox 96(登録商標)Non-Radioactive Cytotoxicity Assay(Promega(商標))によって490 nmで測定した。これらの結果は、2連で行った3名のドナーの平均±SDを表している。 疲弊マーカーのCART細胞発現を示す一連のグラフである。(A)Lag3、(B)Tim3および(C)PD-1発現。抗CAIX/抗SARS IgG1および抗BCMA/抗SARS IgG1との比較でP<0.05。CD8+ CART細胞を、Dynabeads(商標)CD8 Positive isolation Kit(Life Technologies)を用いて選択し、Dynabeads(商標)Human T Activator CD3/CD28(Life Technologies)を用いて活性化させ、以下のCARを形質導入した:抗CAIX/抗PD-L1 IgG1、抗CAIX/抗PD-L1 IgG4、抗CAIX/抗SARS IgG1または抗BCMA/抗SARS IgG1。これらの細胞を、IL-21 50 U/mLおよびDynabeads(商標)Human T Activator CD3/CD28の存在下で5日間培養した。この期間の後、疲弊を刺激するために、CART細胞をSkrc-59 CAIX+ PD-L1+と2日間共培養した。CART細胞を、FITC結合抗ヒトPD-1、PE結合抗ヒトTim3およびPerCP/Cy5.5抗ヒトLag3で染色し、そしてFACSによって分析した。(D)疲弊CART細胞とのインキュベート後のSkrc59 CAIX陽性/PD-L1陽性細胞の生存性。細胞の生存性を、MTT(Molecular Probes)によって評価した。抗CAIX/抗SARS IgG1および抗BCMA/抗SARS IgG1の両方との比較でP<0.05。**抗CAIX/抗PD-L1 IgG1との比較でP<0.05。これらの結果は、3名のドナーの平均±SDを表している。 ヒトRCCの同所モデルにおいてCART細胞が有する効果を示す一連の画像およびグラフである。(A)NSGマウス(N=35)に、5.0x104個のskrc-59 CAIX陽性、PD-L1陽性およびルシフェラーゼ陽性RCC細胞を注射した。1週間後、マウスに1.0x107個のCARTまたは非形質導入T細胞をIV注射した(0日目)。以下のレンチウイルス配列を用いてCART細胞に事前に形質導入を行った:抗BCMA CAR/抗SARS IgG1、抗CAIX CAR/抗SARS IgG1、抗CAIX CAR/抗PD-L1 IgG1および抗CAIX CAR/抗PD-L1 IgG4(グループあたりN=6匹のマウス)。腫瘍の生物発光を、5分間のルシフェリンIP注射の後にIVISを用いて定量した。CART注射前(0日目)ならびに最初のCART細胞の注射から7、14、23および30日後の腫瘍の画像。2.5x106個の細胞の2回目の注射を17日目に行った。(B)30日目の切除後の腫瘍の画像。スケールバー = 1 cm。(C)腫瘍成長曲線。抗PD-L1 IgG1およびIgG4グループを抗BCMA/抗SARS IgG1と比較したときP<0.05および**抗PD-L1 IgG1およびIgG4グループを抗CAIX/抗SARS IgG1と比較したときP<0.05。(D)処置から30日後の腫瘍重量。抗BCMA/抗SARS IgG1 CARとの比較でP<0.05。**抗CAIX/抗SARS IgG1との比較でP<0.05。 CART細胞からの抗腫瘍活性を示す一連のグラフおよび組織学的画像である。(A)腫瘍浸潤リンパ球(TIL)における疲弊マーカーの発現。すべてのマウス由来の腎臓腫瘍を2分割し、その一方を小片に断片化し、コラゲナーゼおよびDNAseで消化してTILを抽出した。CART細胞を、疲弊マーカーPD-1、Tim-3およびLag3に関して分析した。非形質導入、抗BCMA/抗SARS IgG1 CARおよび抗CAIX/抗SARS IgG1との比較でP<0.05。(B)組織内でのCART細胞活性の分析のための腫瘍細胞増殖マーカーとしてのKi67およびグランザイムBの検出。ホルマリン固定、パラフィン包埋された組織の4マイクロメートル片を脱ろう処理し、漸減エタノール系列で再水和させた。3%過酸化水素を用いて内因性のペルオキシダーゼ活性を消失させた。圧力鍋を用いて123℃、15PSIで45秒間、クエン酸緩衝液(pH = 6.0)中で抗原回復を行った。この組織切片を、45分間、ウサギ抗ヒトKi67ポリクローナルAb 1:2000(Vector、VP-K451)、Gordon Freeman博士(Boston, MA)によって開発されたマウス抗ヒトPD-L1 mAb 10.4μg/mL(クローン405.9A11)、(我々の研究所で作製した)ビオチニル化CAIX-Fcタンパク質17μg/mL、ウサギ抗ヒトグランザイムBポリクローナルAb(Abcam、ab4059)1:100またはウサギ抗ヒトNCAM(CD56)mAb 1:100(Abcam、ab133345)、その後に二次HRP結合抗ウサギAbまたはHRP-アビジンと共にインキュベートした。スライドを、3,3'-ジアミノベンジジン(DAB)を用いて現像し、ヘマトキシリンを用いて対比染色した。DP71デジタルカメラ(Olympus)を用いたOlympus BX51顕微鏡において画像を得、DP Controller Software(Olympus(商標))で分析した。スケールバーは、各カラムの画像の倍率を表している[500μm(40X)、100μm(200X)または50μm(400X)]。(C)一連の画像は、グランザイムB、PD-L1-IHCおよびKi67に関して陽性染色されたTILのパーセンテージによる定量を示している。(C)にはTILのKi67-DABピクセル数も示されている。 CD8+ CART細胞の増殖に対するIL-2対IL-21の評価を示す一連のグラフである。AおよびB。レンチウイルスを用いた形質導入から48時間、72時間および120時間後に評価されたIL-2またはIL-21の存在下でのCART形質導入細胞の増殖。(A)抗CAIX CART細胞または(B)非特異的抗BCMA CART細胞(両方とも第2のカセットにZsGreenを有する)。CD8+ T細胞を、Dynabeads(商標)CD8 Positive isolation Kit(Life Technologies)を用いて選択し、IL2またはIL-21 50 U/mL(Peprotech(商標))の存在下でDynabeads(商標)Human T Activator CD3/CD28(Life Technologies)を用いて活性化させた。CART細胞の形質導入を、FACSを用いてZsGreen発現により評価した。データは、2名のドナーの平均±SDを表わしている。*IL-21を非処置対照(Ctr)と比較してp<0.05。**IL21をIL-2と比較してp<0.05。CおよびD。IL-2またはIL-21の存在下で培養されたCD8+ CART細胞で処置されたRCC細胞の生存性。生存性は、(C)Skrc-59 CAIX+/PD-L1+および(F)Skrc-52 CAIX-/PD-L1- RCC細胞と共にCART細胞 抗BCMA、抗CAIXまたは非形質導入T細胞を一晩インキュベートした後にMTTによって評価した。CART細胞は、事前にIL2またはIL-21 50 U/mLの存在下で120時間培養した。これらの結果は、三連で行った2名のドナーの平均±SDを表わしている。*抗CAIX CARを抗BCMA CARまたは非形質導入T細胞と比較してP<0.05。 腎細胞癌(RCC)株におけるPD-1およびCAIXの発現を示す一連のフローサイトメトリーグラフである。(A)陰性対照、(B)Skrc52 CAIX- PD-L1-、(C)Skrc52 CAIX+ PD-L1-、(D)Skrc59 CAIX+ PD-L1+。細胞をAPC抗ヒトFc IgGで現像する抗ヒトCAIX抗体およびPE-アビジンで現像するビオチニル化抗ヒトPD-L1抗体で染色した。分析はFACSによって行った。 CART細胞の特徴付けを示す一連のグラフである。(A)形質導入抗CAIX CAR/抗PD-L1 IgG1)、(抗CAIX CAR/抗PD-L1 IgG4)、抗CAIX CAR/抗SARS IgG1)または抗BCMA CAR/抗SARS IgG1)から2または4日後の総CD8+ T細胞の増殖。CD8+ T細胞を、Dynabeads(商標)CD8 Positive isolation Kit(Life Technologies)を用いて選択し、IL-21 50 U/mLの存在下でDynabeads(商標)Human T Activator CD3/CD28(Life Technologies)を用いて活性化させた。IL-21を2日ごとに培地に添加した。増殖は、Counting Beads(Molecular Probes)を用いてFACSによって評価した。(B)形質導入から2および4日後のCAR形質導入T細胞の濃度。CART細胞を、ヒトCAIX-FcまたはBCMA-Fcと共にインキュベートし、その後にAPC結合抗ヒトFc IgGと共にインキュベートし、FACSによって分析した。(C)形質導入から2および4日後のCART細胞のパーセンテージ。結果は、2連で行った3名のドナーの平均±SDを表わしている。 ヒトRCCの同所モデルにおいてCART細胞が有する効果を示す一連のグラフである。(A)CART細胞グループにおける日数に対する生物発光により検出された腫瘍サイズの比較。NSGマウス(N=35)の腎被膜に、5.0x104個のskrc-59 CAIX+、PD-L1+およびルシフェラーゼ+ RCC細胞を注射した。1週間後、マウスに1.0x107個のCARTまたは非形質導入T細胞をIV注射した。CART細胞は事前に、以下のレンチウイルス配列を用いて形質導入した:抗BCMA CAR/抗SARS IgG1、抗CAIX CAR/抗SARS IgG1、抗CAIX CAR/抗PD-L1 IgG1および抗CAIX CAR/抗PD-L1 IgG4(グループあたりN=6匹のマウス)。腫瘍の生物発光を、ルシフェリンのIP注射の5分後にIVISを用いて定量した。17日目に、さらなる2.5x106個のCART細胞を注射した。*抗BCMA CART細胞との比較でP<0.05。**非形質導入T細胞との比較でP<0.05、***抗CAIX/抗SARS IgG1との比較でP<0.05。(B)処置8日後のマウス血液におけるT細胞のパーセンテージ。*非形質導入T細胞との比較でP<0.05。**すべての抗CAIX CARとの比較でP<0.05。赤血球細胞をACK Lysing Buffer(Lonza(商標))を用いて溶解させ、残った細胞をPacific Blue結合抗ヒトCD45で染色し、FACSによって分析した。(C)CART細胞処置から30日後の総腫瘍浸潤リンパ球(TIL)。すべてのマウス由来の腫瘍および腎臓を2分割し、その一方を小片に断片化し、コラゲナーゼおよびDNAseで消化してTILを抽出した。細胞をPacific Blue結合抗ヒトCD45で染色し、FACSによって分析した。 抗PD-L1 IgG1 Abを放出する抗CAIX CART細胞で処置された腫瘍におけるヒトナチュラルキラー(NK)細胞を示す一連のグラフおよび組織学的画像である。(A)腫瘍におけるCD56+細胞(NKマーカー)のパーセンテージ。安楽死の1日前に各グループの2匹のマウスに4.5x106個のNK細胞を注射した。すべてのマウス由来の腎臓腫瘍を2分割し、その一方を小片に断片化し、コラゲナーゼおよびDNAseで消化してNKを抽出した。腫瘍内に存在するNK細胞をAPC-抗CD56 Abで染色し、FACSによって分析した。*P<0.05。(B)IHCにより検出され、ImageJ SoftwareのIHC Profiler Pluginを用いて定量された切除した腫瘍内のCD56+細胞。ホルマリン固定、パラフィン包埋された組織の4マイクロメートル片を脱ろう処理し、漸減エタノール系列で再水和させた。3%過酸化水素を用いて内因性のペルオキシダーゼ活性を消失させた。圧力鍋を用いて、123℃、15PSIで45秒間、クエン酸緩衝液(pH = 6.0)中で抗原回復を行った。この組織切片を、45分間、ウサギ抗ヒトCD56 mAb 1:100(Abcam、ab133345)、その後に二次HRP結合抗ウサギまたは抗マウスAbと共にインキュベートした。スライドを、3,3'-ジアミノベンジジン(DAB)を用いて現像し、ヘマトキシリンを用いて対比染色した。DP71デジタルカメラ(Olympus)を用いるOlympus BX51顕微鏡において画像を得、DP Controller Software(Olympus(商標))で分析した。定量は、ImageJ SoftwareのIHC Profiler Pluginを用いて行った(23)。スケールバーは、画像の倍率を表している(400X)。*非形質導入との比較でP<0.05、**非形質導入および抗BCMA/抗SARS IgG1との比較でP<0.05。
発明の詳細な説明
本発明は、特に免疫療法で使用される免疫細胞に適合されたキメラ抗原受容体(CAR)に関する。
1つの態様において、癌の処置を改善するために単一のレンチウイルスコンストラクトにおいて組み合わされた標的化抗CAIX CAR T細胞により分泌される抗PD-L1抗体を用いたT細胞疲弊の阻止に基づく二重免疫療法戦略が記載される。
RCCおよび他の腫瘍の進行に関連する新しいメカニズムは、正常な条件下でのT細胞の過剰な活性化を防き、T細胞機能を自己限定的な様式にする細胞相互作用に存在する免疫チェックポイント経路である。回避メカニズムとして、多くの腫瘍は、免疫チェックポイント分子の発現を刺激し、腫瘍の進行を抑制することができないアネルギー性表現型のT細胞を誘導することができる。新しい臨床データは、細胞傷害性Tリンパ球による癌細胞の死滅を妨げる上での免疫チェックポイントとして1つの阻害性リガンドおよび受容体の対:プログラム死リガンド1(PD-L1;B7-H1およびCD274)ならびにプログラム死受容体1(PD-1;CD279)の重要性を強調している。PD1受容体は、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞(NK)等の多くの細胞型および宿主組織によって発現される。PD-L1を発現する腫瘍および抗原提示細胞(APC)は、受容体であるPD-1への結合を通じて細胞傷害性Tリンパ球のT細胞受容体(TCR)シグナルを阻止し、サイトカインの産生およびT細胞の増殖を減少させることができる。PD-L1の過剰発現は、多くの腫瘍型において見出され得、かつこれはまた、CD28への結合を通じてT細胞を活性化させるその能力を阻止するCD80(B7.1)を含む他のタンパク質とその相互作用を通じて免疫抑制機能を媒介する。
腫瘍特異的キメラ抗原受容体(CAR)を発現するようにヒトリンパ球を遺伝子操作することで、タンパク質・抗原プロセシングおよび提示の異常に起因する腫瘍免疫逃避メカニズムを回避する抗腫瘍エフェクター細胞を生成することができる。さらに、これらのトランスジェニック受容体は、タンパク質由来でない腫瘍関連抗原を標的化することができる。本発明の特定の態様において、リンパ球(CARTS)は少なくともCARを含むよう改変され、本発明の特定の態様において、1つのCARは2つまたはそれ以上の抗原を標的化する。好ましい態様において、CARTSはさらに、1つまたは複数のポリペプチド、例えば抗体またはサイトカインを発現および分泌するよう改変される。そのようなCARTSは、本明細書でアームドCARTSと称される。アームドCARTSは、標的化部位(すなわち、腫瘍部位)における局所的なポリペプチドの同時分泌を実現する。
特定の腫瘍関連抗原に対する高い親和性によって事前に選択された単鎖可変抗体フラグメント(scFv)を含むキメラ抗原受容体(CAR)と呼ばれる改変されたTCRは、癌に対する強力な新しいアプローチである。CARに存在するscFvは、T細胞の活性化およびそれに続く抗原結合を誘導するようCD3ζを含む細胞内シグナルブロックに連結される。この構造は、第1世代CARの特徴であり、これは、CD28、4-1BBまたはOX40のシグナル伝達性共刺激内部ドメインをCD3に連結する第2世代CARまたは2つの要素を直列にCD3ζに連結する第3世代CARに発展した。これらの内部ドメインは、抗原提示細胞(APC)によるTCR認識時の完全なT細胞活性化に必要とされ、CAR-T細胞のサイトカイン産生および増殖を改善する。固有の腫瘍関連抗原を発見する困難さ、腫瘍部位へのT細胞の非効率的なホーミング、体内におけるT細胞の低い持続性および固形腫瘍の免疫抑制性微小環境に起因して、CART細胞の効果はこれまで固形腫瘍の処置に関してわずかであった。
特定の例において、このリンパ球は、キメラであり、非天然であり、少なくとも部分的に人間の手によって操作された受容体を含む。特定の例において、操作されたキメラ抗原受容体(CAR)は、1つ、2つ、3つ、4つまたはそれ以上の要素を有し、いくつかの態様において、1つまたは複数の要素は、1つまたは複数の腫瘍抗原含有癌細胞へのリンパ球の標的化または結合を促進する。
本発明にしたがうCARは、概して、少なくとも1つの細胞外リガンド結合ドメインを含む少なくとも1つの膜貫通ポリペプチド、および少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインを含む1つの膜貫通ポリペプチドを含み、それらのポリペプチドがキメラ抗原受容体を形成するよう組み合わさっている。
本明細書で使用される場合、「細胞外リガンド結合ドメイン」という用語は、リガンドと結合することができるオリゴペプチドまたはポリペプチドと定義される。好ましくは、このドメインは、細胞表面分子と相互作用することができるであろう。例えば、細胞外リガンド結合ドメインは、特定の疾患状態に関連する標的細胞上の細胞表面マーカーとして機能するリガンドを認識するよう選択され得る。
特に、細胞外リガンド結合ドメインは、標的の抗原に対する抗体由来の抗原結合ドメインを含み得る。
非限定的な例として、標的の抗原は、腫瘍関連表面抗原、例えばErbB2(HER2/neu)、癌胎児性抗原(CEA)、上皮細胞接着分子(EpCAM)、上皮成長因子受容体(EGFR)、EGFR変種III(EGFRvIII)、CD19、CD20、CD30、CD40、ジシアロガングリオシドGD2、導管上皮ムチン、gp36、TAG-72、グリコスフィンゴ脂質、神経膠腫関連抗原、ベータ-ヒト絨毛性ゴナドトロピン、アルファフェトプロテイン(AFP)、レクチン反応性AFP、サイログロブリン、RAGE-1、MN-CA IX、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、RU1、RU2(AS)、腸カルボキシルエステラーゼ、mut hsp70-2、M-CSF、プロスターゼ、プロスターゼ特異的抗原(PSA)、PAP、NY-ESO-1、LAGA-1a、p53、プロステイン、PSMA、生存およびテロメラーゼ、前立腺癌腫瘍抗原-1(PCTA-1)、MAGE、ELF2M、好中球エラスターゼ、エフリンB2、CD22、インスリン成長因子(IGF1)-I、IGF-II、IGFI受容体、中皮、腫瘍特異的ペプチドエピトープを提示する主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子、5T4、ROR1、Nkp30、NKG2D、腫瘍間質抗原、フィブロネクチンのエクストラドメインA(EDA)およびエクストラドメインB(EDB)ならびにテネイシンCのA1ドメイン(TnC A1)ならびに線維芽細胞関連タンパク質(fap);系統特異的もしくは組織特異的抗原、例えばCD3、CD4、CD8、CD24、CD25、CD33、CD34、CD133、CD138、CTLA-4、B7-1(CD80)、B7-2(CD86)、エンドグリン、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子、BCMA(CD269、TNFRSF 17)またはウイルス特異的表面抗原、例えばHIV特異的抗原(例えばHIV gp120);EBV特異的抗原、CMV特異的抗原、HPV特異的抗原、ラッサウイルス(Lasse Virus)特異的抗原、インフルエンザウイルス特異的抗原ならびにこれらの表面マーカーの任意の誘導体または変種であり得る。
好ましくは、CARは、BMCA、CAIX、CCR4、PD-L1、PD-L2、PD1、グルココルチコイド誘導腫瘍壊死因子受容体(GITR)、重症急性呼吸器症候群(SARS)、インフルエンザ、フラビウイルスまたは中東呼吸器症候群(MERS)に特異的である。
好ましい態様において、細胞外リガンド結合ドメインは、フレキシブルリンカーによって接続された標的抗原特異的モノクローナル抗体の軽鎖(VL)および重鎖(VH)可変フラグメントを含む単鎖抗体フラグメント(scFv)である。
より好ましい態様において、scFv抗体は、BMCA、CAIX、CCR4、PD-L1、PD-L2、PD1、GITR、SARS、インフルエンザ、フラビウイルスまたはMERSに特異的である。
本発明にしたがうCARを構築する上で有用な例示的な抗体は、例えば、WO/2005/060520、WO/2006/089141、WO/2007/065027、WO/2009/086514、WO/2009/079259、WO/2011/153380、WO/2014/055897、WO 2015/143194、WO 2015/164865、WO 2013/166500およびWO 2014/144061、PCT/US2015/054202、PCT/US2015/054010および62/144,729に開示される抗体を含み、これらの内容の全体が参照により本明細書に組み入れられる。
PDL1(68)
例示的な抗PDL1抗体は、SEQ ID NO:1485を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1487を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1485を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1487を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1489を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1491を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1493を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1495を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1497を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1499を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1501を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1503を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1505を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1507を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1509を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1511を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1513を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1515を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1517を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1519を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1521を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1523を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1525を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1527を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1529を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1531を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1533を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1535を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1537を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1539を有するVLヌクレオチド配列を有する抗体を含む。
例示的な抗PDL1抗体は、SEQ ID NO:970を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:971を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:1486を有するVHアミノ酸およびSEQ ID NO:1488を有するVLポリペプチド配列、SEQ ID NO:1490を有するVHアミノ酸およびSEQ ID NO:1492を有するVLポリペプチド配列、SEQ ID NO:1494を有するVHアミノ酸およびSEQ ID NO:1496を有するVLポリペプチド配列、SEQ ID NO:1498を有するVHアミノ酸およびSEQ ID NO:1500を有するVLポリペプチド配列、SEQ ID NO:1502を有するVHアミノ酸およびSEQ ID NO:1504を有するVLポリペプチド配列、SEQ ID NO:1506を有するVHアミノ酸およびSEQ ID NO:1508を有するVLポリペプチド配列、SEQ ID NO:1510を有するVHアミノ酸およびSEQ ID NO:1512を有するVLポリペプチド配列、SEQ ID NO:1514を有するVHアミノ酸およびSEQ ID NO:1516を有するVLポリペプチド配列、SEQ ID NO:1518を有するVHアミノ酸およびSEQ ID NO:1520を有するVLポリペプチド配列、SEQ ID NO:1522を有するVHアミノ酸およびSEQ ID NO:1524を有するVLポリペプチド配列、SEQ ID NO:1526を有するVHアミノ酸およびSEQ ID NO:1528を有するVLポリペプチド配列、SEQ ID NO:1530を有するVHアミノ酸およびSEQ ID NO:1532を有するVLポリペプチド配列、SEQ ID NO:1534を有するVHアミノ酸およびSEQ ID NO:1536を有するVLポリペプチド配列、SEQ ID NO:1538を有するVHアミノ酸およびSEQ ID NO:1540を有するVLポリペプチド配列を有する抗体を含む。
他の態様において、抗PDL1抗体は、それぞれアミノ酸配列SEQ ID NO:1541、1554、1569を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列1584、1599、1610を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列1543、1556、1571を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列1586、1600、1612を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列1544、1557、1572を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列1587、1601、1613を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列1545、1558、1573を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列1588、1602、1614を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列1546、1559、1574を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列1589、1603、1615を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列1547、1560、1575を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列1590、1604、1616を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列1548、1561、1576を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列1591、1605、1617を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列1541、1562、1577を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列1592、1599、1618を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列1549、1563、1578を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列1593、1606、1619を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列1550、1564、1579を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列1594、1607、1620を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列1551、1565、1580を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列1595、1599、1621を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列1542、1566、1581を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列1596、1599、1622を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列1552、1567、1582を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列1597、1608、1623を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列1553、1568、1583を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列1598、1609、1624を含む3つのCDRを有する軽鎖を有する。
SARS(26)
例示的なSARS中和抗体は、SEQ ID NO:1626を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1628を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1630を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1639を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1634を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1640を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1632を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1641を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1633を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1642を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1634を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1643を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1635を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1644を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1636を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1645を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1637を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1646を有するVLヌクレオチド配列を有する抗体を含む。
CXCR4(33)
例示的な抗CXCR4抗体は、SEQ ID NO:771を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:779を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:772を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:780を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:773を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:781を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:774を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:782を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:775を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:783を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:776を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:784を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:777を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:785を有するVLアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:778を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:786を有するVLアミノ酸配列を有する抗体を含む。
他の態様において、抗CXCR4抗体は、それぞれアミノ酸配列SEQ ID NO:803、804、805を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列806、807、808を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列809、810、811を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列812、813、814を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列815、816、817を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列818、819、820を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列827、828、829を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列830、831、832を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列833、834、835を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列836、837、838を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列839、840、841を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列842、843、844を含む3つのCDRを有する軽鎖を有する。
炭酸脱水酵素IX(40)
例示的な抗CA IX抗体は、SEQ ID NO:845を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:846を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:847を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:868を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:848を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:869を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:849を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:870を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:850を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:871を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:851を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:872を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:852を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:873を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:853を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:874を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:854を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:875を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:855を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:876を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:856を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:877を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:857を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:878を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:858を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:879を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:859を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:880を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:860を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:881を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:861を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:882を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:862を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:883を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:863を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:884を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:864を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:885を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:865を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:886を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:866を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:887を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:867を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:888を有するVLアミノ酸配列を有する抗体を含む。
他の態様において、抗CA IX抗体は、それぞれアミノ酸配列SEQ ID NO:803、804、805を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列806、807、808を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列899、915、909を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列905、906、952を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列899、915、909を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列935、943、953を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列899、915、909を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列935、906、954を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列910、916、923を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列936、944、955を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列899、915、909を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列936、944、956を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列911、917、924を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列937、945、957を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列899、915、909を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列935、946、958を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列899、915、909を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列938、946、959を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列899、915、909を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列905、946、960を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列899、918、925を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列937、947、955を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列899、918、926を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列937、945、957を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列912、919、927を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列937、943、961を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列899、918、928を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列937、906、960を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列899、918、928を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列937、906、960を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列913、920、929を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列939、948、962を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列899、918、930を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列935、944、955を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列899、921、931を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列935、944、955を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列912、919、932を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列940、949、963を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列899、915、909を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列935、943、960を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列914、922、933を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列941、950、964を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはアミノ酸配列912、918、934を含む3つのCDRを有する重鎖およびアミノ酸配列942、951、965を含む3つのCDRを有する軽鎖を有する。
CCケモカイン受容体4(CCR4)(048)
例示的なCCケモカイン受容体4(CCR4)抗体は、SEQ ID NO:969を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:971を有するVLヌクレオチド配列;SEQ ID NO:969を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:972を有するVLヌクレオチド配列を有する抗体を含む。
例示的なCCR4抗体は、SEQ ID NO:970を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:971を有するVLアミノ酸配列を有する抗体を含む。
他の態様において、CCR4抗体は、それぞれアミノ酸配列SEQ ID NO:973、974、975を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列976、977、978を含む3つのCDRを有する軽鎖を有する。
中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)(85)
例示的な抗中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)抗体は、SEQ ID NO:677を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:679を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:681を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:683を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:685を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:687を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:689を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:692を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:693を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:695を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:697を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:699を有するVLヌクレオチド配列、ならびにSEQ ID NO:701を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:703を有するVLヌクレオチド配列を有する抗体を含む。
例示的な抗中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)抗体は、VHアミノ酸配列SEQ ID NO:678およびSEQ ID NO:680を有するVLアミノ酸配列、VHアミノ酸配列SEQ ID NO:682およびSEQ ID NO:684を有するVLアミノ酸配列、VHアミノ酸配列SEQ ID NO:686およびSEQ ID NO:688を有するVLアミノ酸配列、VHアミノ酸配列SEQ ID NO:690およびSEQ ID NO:692を有するVLアミノ酸配列、VHアミノ酸配列SEQ ID NO:694およびSEQ ID NO:696を有するVLアミノ酸配列、VHアミノ酸配列SEQ ID NO:698およびSEQ ID NO:700を有するVLアミノ酸配列、ならびにVHアミノ酸配列SEQ ID NO:702およびSEQ ID NO:704を有するVLアミノ酸配列を有する抗体を含む。
他の態様において、抗中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)抗体は、705、706および707のアミノ酸配列を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列722、723および724を含む3つのCDRを有する軽鎖、708、709および710のアミノ酸配列を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列725、726および727を含む3つのCDRを有する軽鎖、711、712および713のアミノ酸配列を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列728、729および730を含む3つのCDRを有する軽鎖、711、735および715のアミノ酸配列を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列731、732および733を含む3つのCDRを有する軽鎖、711、735および716のアミノ酸配列を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列737、738および739を含む3つのCDRを有する軽鎖、717、718および719のアミノ酸配列を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列736、742および743を含む3つのCDRを有する軽鎖、ならびに714、720および721のアミノ酸配列を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列740、729および741を含む3つのCDRを有する軽鎖を有する。
GITR(93)
例示的な抗ヒトGITR抗体は、SEQ ID NO:1361を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1363を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1365を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1367を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1369を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1371を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1381を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1375を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1377を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1379を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1381を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1383を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1385を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1387を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1389を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1391を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1393を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1395を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1397を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1398を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:1401を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1403を有するVLヌクレオチド配列を有する抗体を含む。
例示的な抗ヒトGITR抗体は、SEQ ID NO:1362を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:1364を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:1366を有するVHアミノ酸およびSEQ ID NO:1368を有するVLポリペプチド配列、SEQ ID NO:1371を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:1372を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:1382を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:1376を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:1378を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1380を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1382を有するVHアミノ酸およびSEQ ID NO:1384を有するVLポリペプチド配列、SEQ ID NO:1386を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:1388を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:1390を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:1392を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:1394を有するVHアミノ酸およびSEQ ID NO:1396を有するVLポリペプチド配列、SEQ ID NO:1399を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:1400を有するVLアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:1402を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:1404を有するVLアミノ酸配列を有する抗体を含む。
他の態様において、抗ヒトGITR抗体は、それぞれアミノ酸配列1405、1406および1407を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列1408、1409および1410を含む3つのCDRを有する軽鎖、それぞれアミノ酸配列1411、1412および1413を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列1414、1415および1416を含む3つのCDRを有する軽鎖、それぞれアミノ酸配列1417、1418および1419を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列1420、1421および1422を含む3つのCDRを有する軽鎖、それぞれアミノ酸配列1423、1424および1425を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列1426、1427および1428を含む3つのCDRを有する軽鎖、それぞれアミノ酸配列1429、1430および1431を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列1432、1433および1434を含む3つのCDRを有する軽鎖、それぞれアミノ酸配列1435、1436および1437を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列1438、1439および1440を含む3つのCDRを有する軽鎖、それぞれアミノ酸配列1441、1442および1443を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列1444、1445および1446を含む3つのCDRを有する軽鎖、それぞれアミノ酸配列1447、1448および1449を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列1450、1451および1452を含む3つのCDRを有する軽鎖、それぞれアミノ酸配列1453、1454および1455を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列1456、1457および1458を含む3つのCDRを有する軽鎖、それぞれアミノ酸配列1459、1460および1461を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列1462、1463および1464を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列1465、1466および1467を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列1468、1469および1470を含む3つのCDRを有する軽鎖を有する。
フラビウイルス(73)
例示的な抗西ナイルウイルスエンベロープタンパク質E(WNE)抗体は、SEQ ID NO:1224を有するVHアミノ酸配列を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1226を有するVLアミノ酸配列を有する抗体を含む。
例示的な抗西ナイルウイルスエンベロープタンパク質E(WNE)抗体は、SEQ ID NO:1225を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1227を有するVLヌクレオチド配列を有する抗体を含む。
他の態様において、抗西ナイルウイルスエンベロープタンパク質E(WNE)抗体は、それぞれアミノ酸配列1244、1245および1246を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列1247、1248および1249を含む3つのCDRを有する軽鎖を有する。
CCR4(65)
例示的な抗CCケモカイン受容体4(CCR4)抗体は、SEQ ID NO:1329を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1331を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1333を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1335を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1337を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1192を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1341を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1343を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:1357を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1359を有するVLヌクレオチド配列を有する抗体を含む。
例示的な抗CCケモカイン受容体4(CCR4)抗体は、SEQ ID NO:1330を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:1332を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:1334を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:1336を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:1338を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:1340を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:1342を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:1344を有するVLアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:1358を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:1360を有するVLアミノ酸配列を有する抗体を含む。
他の態様において、抗CCケモカイン受容体4(CCR4)抗体は、それぞれアミノ酸配列1203、1208および1211を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列1207、1209および1216を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列1204、1208および1212を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列1207、1209および1217を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列1204、1208および1213を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列1207、1209および1217を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列1205、1208および1214を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列1207、1209および1218を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列1206、1208および1210を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列1207、1209および1220を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列1202、1208および1210を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列1207、1209および1219を含む3つのCDRを有する軽鎖を有する。
ヒト免疫グロブリン重鎖可変領域生殖系列遺伝子VH1-69(57)
例示的な抗ヒト免疫グロブリン重鎖可変領域生殖系列遺伝子VH1-69抗体は、SEQ ID NO:1153を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1155を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:1163を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1155を有するVLヌクレオチド配列を有する抗体を含む。
例示的な抗ヒト免疫グロブリン重鎖可変領域生殖系列遺伝子VH1-69抗体は、SEQ ID NO:1154を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:1156を有するVLアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:1164を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:1156を有するVLアミノ酸配列を有する抗体を含む。
他の態様において、抗ヒト免疫グロブリン重鎖可変領域生殖系列遺伝子VH1-69抗体は、それぞれアミノ酸配列1157、1158および1159を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列1160、1161および1162を含む3つのCDRを有する軽鎖を有する。
インフルエンザ(49)
例示的な抗インフルエンザ抗体は、SEQ ID NO:981を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:983を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:985を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:989を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:987を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:991を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:993を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:997を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:995を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:999を有するVKヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1001を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1005を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1003を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1007を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1009を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1011を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1013を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1015を有するVLヌクレオチド配列、ならびにSEQ ID NO:1017を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1019を有するVKヌクレオチド配列、SEQ ID NO:1020を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:1022を有するVLヌクレオチド配列を有する抗体を含む。
例示的な抗インフルエンザ抗体は、SEQ ID NO:982を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:984を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:986を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:988を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:986を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:990を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:992を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:994を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:992を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:996を有するVKアミノ酸配列、SEQ ID NO:998を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:1000を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:998を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:1002を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:1004を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:1006を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:1008を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:1010を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:1012を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:1014を有するVKアミノ酸配列、ならびにSEQ ID NO:1016を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:1018を有するVLアミノ酸配列を有する抗体を含む。
他の態様において、抗インフルエンザ抗体は、1023、1031および1039のアミノ酸配列を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列1047、1059および1071を含む3つのCDRを有する軽鎖、1023、1032および1040のアミノ酸配列を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列1048、1060および1072を含む3つのCDRを有する軽鎖、1025、1032および1040のアミノ酸配列を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列1057、1069および1081を含む3つのCDRを有する軽鎖、1026、1033および1041のアミノ酸配列を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列1049、1061および1073を含む3つのCDRを有する軽鎖、1026、1033および1041のアミノ酸配列を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列1054、1066および1078を含む3つのCDRを有する軽鎖、1027、1034および1042のアミノ酸配列を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列1050、1062および1074を含む3つのCDRを有する軽鎖、1027、1034および1042のアミノ酸配列を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列1056、1068および1080を含む3つのCDRを有する軽鎖、1028、1035および1043のアミノ酸配列を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列1051、1063および1065を含む3つのCDRを有する軽鎖、1028、1036および1044のアミノ酸配列を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列1052、1064および1076を含む3つのCDRを有する軽鎖、1029、1037および1045のアミノ酸配列を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列1053、1065および1077を含む3つのCDRを有する軽鎖、または1030、1038および1046のアミノ酸配列を含む3つのCDRを有する重鎖ならびにアミノ酸配列1058、1070および1082を含む3つのCDRを有する軽鎖を有する。
インフルエンザ(78)
例示的な抗インフルエンザ抗体は、SEQ ID NO:397を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:398を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:399を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:400を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:401を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:402を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:403を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:404を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:405を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:406を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:407を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:408を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:409を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:410を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:411を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:412を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:413を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:414を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:415を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:416を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:417を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:418を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:419を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:420を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:421を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:422を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:423を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:424を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:425を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:426を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:427を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:428を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:429を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:430を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:431を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:432を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:433を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:434を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:435を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:436を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:437を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:438を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:439を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:440を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:441を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:442を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:541を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:542を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:543を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:544を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:545を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:546を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:547を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:548を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:549を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:550を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:551を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:552を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:553を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:554を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:555を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:556を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:557を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:558を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:559を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:560を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:561を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:562を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:563を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:564を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:565を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:566を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:567を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:568を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:569を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:570を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:571を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:572を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:573を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:574を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:575を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:576を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:577を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:578を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:579を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:580を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:581を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:582を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:583を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:584を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:585を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:586を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:587を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:588を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:589を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:590を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:591を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:592を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:593を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:594を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:595を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:596を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:597を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:598を有するVLヌクレオチド配列、またはSEQ ID NO:599を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:600を有するVLヌクレオチド配列を有する抗体を含む。
例示的な抗インフルエンザ抗体は、SEQ ID NO:469を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:470を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:471を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:472を有するVLポリペプチド配列、SEQ ID NO:473を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:474を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:475を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:476を有するVLアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:477を有するVHヌクレオチド配列およびSEQ ID NO:478を有するVLヌクレオチド配列、SEQ ID NO:479を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:480を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:481を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:482を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:483を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:484を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:485を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:486を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:487を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:488を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:489を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:490を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:491を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:492を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:493を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:494を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:495を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:496を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:497を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:498を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:499を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:500を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:501を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:502を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:503を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:504を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:505を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:506を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:507を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:508を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:509を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:510を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:511を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:512を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:513を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:514を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:515を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:516を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:517を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:518を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:519を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:520を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:521を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:522を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:523を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:524を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:525を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:526を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:527を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:528を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:529を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:530を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:531を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:532を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:533を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:534を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:535を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:536を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:537を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:538を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:539を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:540を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:601を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:602を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:603を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:604を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:605を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:606を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:607を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:608を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:609を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:610を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:611を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:612を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:613を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:614を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:615を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:616を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:617を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:618を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:619を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:620を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:621を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:622を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:623を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:624を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:625を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:626を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:627を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:628を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:629を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:630を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:631を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:632を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:633を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:634を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:635を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:636を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:637を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:638を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:639を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:640を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:641を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:642を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:643を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:644を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:645を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:646を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:647を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:648を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:649を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:650を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:651を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:652を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:653を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:654を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:655を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:656を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:657を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:658を有するVLアミノ酸配列、SEQ ID NO:659を有するVHアミノ酸配列およびSEQ ID NO:660を有するVLアミノ酸配列を有する抗体を含む。
他の態様において、抗インフルエンザ抗体は、それぞれアミノ酸配列SEQ ID NO:1、37、73を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列109、145、181を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列2、38、74を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列110、146、182を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列3、39、75を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列111、147、183を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列4、40、76を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列112、148、184を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列5、41、77を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列113、149、185を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列6、42、78を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列114、150、186を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列7、43、79を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列115、151、187を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列8、44、80を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列116、152、188を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列9、45、81を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列117、153、189を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列10、46、82を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列118、154、190を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列11、47、83を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列119、155、191を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列12、48、84を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列120、156、192を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列13、49、85を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列121、157、193を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列14、50、86を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列122、158、194を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列15、51、87を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列123、159、195を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列16、52、88を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列124、160、196を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列17、53、89を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列125、161、197を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列18、54、90を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列126、162、198を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列19、55、91を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列127、163、199を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列20、56、92を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列128、164、200を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列21、57、93を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列129、165、201を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列22、58、94を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列130、166、202を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列23、59、95を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列131、167、203を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列24、60、96を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列132、168、204を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列25、61、95を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列133、169、205を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列26、62、96を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列134、170、206を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列27、63、97を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列135、171、207を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列28、64、98を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列136、172、208を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列29、65、99を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列137、173、209を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列30、66、100を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列138、174、210を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列31、67、101を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列139、175、211を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列32、68、102を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列140、176、212を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列33、69、103を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列141、177、213を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列34、70、104を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列142、178、214を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列35、71、105を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列143、179、215を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列36、72、106を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列144、180、216を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列217、247、277を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列307、337、367を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列218、248、278を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列308、338、368を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列219、249、279を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列309、339、369を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列220、250、280を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列310、340、370を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列221、251、281を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列311、341、371を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列222、252、282を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列312、342、372を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列223、253、283を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列313、343、373を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列224、254、284を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列314、344、374を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列225、255、285を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列315、345、375を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列226、256、286を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列316、346、376を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列227、257、287を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列317、347、377を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列228、258、288を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列318、348、378を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列229、259、289を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列319、349、379を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列230、260、290を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列320、350、380を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列231、261、291を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列321、351、381を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列232、262、292を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列322、352、382を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列233、263、293を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列323、353、383を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列234、273、294を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列324、354、384を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列235、274、295を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列325、355、385を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列236、275、296を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列326、356、386を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列237、276、297を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列327、357、387を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列237、277、298を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列328、358、388を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列238、278、299を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列329、359、389を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列239、279、300を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列330、360、390を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列240、280、301を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列331、361、391を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列241、281、302を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列332、362、392を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列242、282、303を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列333、363、393を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列243、283、304を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列334、364、394を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列244、284、305を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列335、365、395を含む3つのCDRを有する軽鎖、またはそれぞれアミノ酸配列245、285、306を含む3つのCDRを有する重鎖およびそれぞれアミノ酸配列336、366、396を含む3つのCDRを有する軽鎖を有する。
他の抗インフルエンザ抗体は、以下の表1に示されるアミノ酸または核酸配列を有するものを含む。
(表1A)抗体3I14の可変領域の核酸配列
Figure 2018504894
(表1B)抗体3I14の可変領域のアミノ酸配列
Figure 2018504894
(表1C)抗体3I14VLD94Nの可変領域の核酸配列
Figure 2018504894
(表1C)抗体3I14VLD94Nの可変領域のアミノ酸配列
Figure 2018504894
3I14および3I14VLD94N中和性インフルエンザ抗体の重鎖および軽鎖の相補性決定領域のアミノ酸配列を以下の表2に示す。
(表2)
Figure 2018504894
scFv以外の他の結合ドメイン、例えば、非限定的な例としてラクダ単一ドメイン抗体フラグメントもしくは受容体リガンド、抗体結合ドメイン、抗体超可変ループまたはCDRもまた、リンパ球の事前決定された標的化のために使用され得る。
好ましい態様において、膜貫通ドメインはさらに、細胞外リガンド結合ドメインと膜貫通ドメインの間にストーク領域を含む。本明細書で使用される「ストーク領域」という用語は、概ね、膜貫通ドメインを細胞外リガンド結合ドメインに連結するよう機能する任意のオリゴペプチドまたはポリペプチドを意味する。特に、ストーク領域は、細胞外リガンド結合ドメインに高い柔軟性およびアクセス性を提供するために使用される。ストーク領域は、最大300個のアミノ酸、好ましくは10〜100個のアミノ酸およびより好ましくは25〜50個のアミノ酸を含み得る。ストーク領域は、天然分子のすべてまたは一部分、例えばCD8、CD4もしくはCD28の細胞外領域のすべてまたは一部分または抗体定常領域のすべてまたは一部分に由来し得る。あるいは、ストーク領域は、天然に存在するストーク配列に対応する合成配列であり得る、または完全合成ストーク配列であり得る。好ましい態様において、ストーク領域は、ヒトCD8アルファ鎖の一部分である。
本発明のCARのシグナル伝達ドメインまたは細胞内シグナル伝達ドメインは、標的への細胞外リガンド結合ドメインの結合後の、免疫細胞および免疫応答を活性化させる細胞内シグナルを担っている。別の言葉で言うと、シグナル伝達ドメインは、CARを発現する免疫細胞の通常のエフェクター機能の少なくとも1つの活性化を担っている。例えば、T細胞のエフェクター機能は、細胞溶解活性またはサイトカインの分泌を含むヘルパー活性であり得る。したがって、「シグナル伝達ドメイン」という用語は、エフェクターシグナル機能を伝達し、その細胞に特別な機能を発揮させるタンパク質の一部分を表す。
シグナル伝達ドメインは、抗原依存的な一次活性化を開始させるものと二次的または共刺激シグナルを提供するよう抗原非依存的な様式で作用するものの2つの異なるクラスの細胞質シグナル配列を含む。一次細胞質シグナル配列は、免疫受容体チロシンベース活性化モチーフまたはITAMとして公知のシグナルモチーフを含み得る。ITAMは、syk/zap70クラスのチロシンキナーゼに対する結合部位として機能する様々な受容体の細胞質内尾部で見出される十分に定義されたシグナルモチーフである。本発明において使用されるITAMの例は、非限定的な例として、TCRゼータ、FcRガンマ、FcRベータ、FcRイプシロン、CD3ガンマ、CD3デルタ、CD3イプシロン、CD5、CD22、CD79a、CD79bおよびCD66d由来のものを含み得る。好ましい態様において、CARのシグナル伝達ドメインは、CD3ゼータシグナル伝達ドメインまたはFcイプシロンRIベータもしくはガンマ鎖の細胞質内ドメインを含み得る。別の好ましい態様において、シグナル伝達ドメインはCD3ゼータによって提供され、共刺激がCD28および腫瘍壊死因子受容体(TNFr)、例えば4-1BBまたはOX40により提供される。
特定の態様において、本発明のCARの細胞内シグナル伝達ドメインは、共刺激シグナル分子を含む。いくつかの態様において、細胞内シグナル伝達ドメインは、2、3、4個またはそれ以上の共刺激分子を直列で含む。共刺激分子は、効果的な免疫応答に必要とされる抗原受容体またはそれらのリガンド以外の細胞表面分子である。
「共刺激リガンド」は、T細胞上の同種共刺激分子に特異的に結合し、それによって、例えばペプチドを積載したMHC分子とTCR/CD3複合体の結合により提供される一次シグナルに加えて、増殖の活性化、分化等を含むがこれらに限定されないT細胞応答を媒介するシグナルを提供する抗原提示細胞上の分子を表す。共刺激リガンドは、CD7、B7-1(CD80)、B7-2(CD86)、PD-L1、PD-L2、4-1BBL、OX40L、誘導性共刺激リガンド(ICOS-L)、細胞内接着分子(ICAM、CD30L、CD40、CD70、CD83、HLA-G、MICA、M1CB、HVEM、リンホトキシンベータ受容体、3/TR6、ILT3、ILT4、Tollリガンド受容体に結合するアゴニストまたは抗体およびB7-H3に特異的に結合するリガンドを含み得るがこれらに限定されない。共刺激リガンドはまた、特に、T細胞上に存在する共刺激分子、例えば非限定的に、CD27、CD28、4-IBB、OX40、CD30、CD40、PD-1、ICOS、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1)、CD2、CD7、LTGHT、NKG2C、B7-H3、CD83に特異的に結合するリガンド、に特異的に結合する抗体を含む。
「共刺激分子」は、共刺激リガンドに特異的に結合し、それによってその細胞による共刺激応答、例えば非限定的に、増殖、を媒介するT細胞上の同種結合パートナーを表す。共刺激分子は、MHCクラス1分子、BTLAおよびTollリガンド受容体を含むがこれらに限定されない。共刺激分子の例は、CD27、CD28、CD8、4-1BB(CD137)、OX40、CD30、CD40、PD-1、ICOS、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、B7-H3およびCD83に特異的に結合するリガンド等を含む。別の特定の態様において、シグナル伝達ドメインは、共刺激性TNFRメンバーファミリーの細胞質内尾部である、TNFR関連因子2(TRAF2)結合モチーフである。共刺激性TNFRファミリーメンバーの細胞質尾部は、メジャー保存モチーフ(P/S/A)X(Q/E)E)またはマイナーモチーフ(PXQXXD)からなるTRAF2結合モチーフを含み、ここでXは任意のアミノ酸である。TRAFタンパク質は、受容体の三量体化に応答して多くのTNFRの細胞内尾部に誘導される。
適当な膜貫通ポリペプチドの顕著な特徴は、免疫細胞、特にリンパ球細胞またはナチュラルキラー(NK)細胞の表面上で発現される能力、および免疫細胞の細胞応答を既定の標的細胞に向けるよう相互作用することを含む。細胞外リガンド結合ドメインおよび/またはシグナル伝達ドメインを含む本発明のCARの異なる膜貫通ポリペプチドは、標的リガンドとの結合後のシグナル伝達に関与し、免疫応答を誘導するよう相互作用する。膜貫通ドメインは、天然源または合成源のいずれか由来であり得る。膜貫通ドメインは、任意の膜結合または膜貫通タンパク質由来であり得る。
本明細書で使用される「の一部分」という用語は、より短いポリペプチドであるその分子の任意のサブセットを表す。あるいは、ポリペプチドのアミノ酸配列機能変種は、そのポリペプチドをコードするDNA内における変異によって調製され得る。そのような変種または機能変種は、例えば、アミノ酸配列内の残基からの欠失または残基の挿入もしくは置換を含む。欠失、挿入および置換の任意の組み合わせもまた、最終コンストラクトが所望の活性を有する限り、その最終コンストラクトに到達するよう、特に特異的な抗標的細胞免疫活性を示すようなされ得る。宿主内での本発明のCARの機能は、特定の標的に結合した際のこのCARのシグナル能を実証するのに適したアッセイにおいて検出可能である。そのようなアッセイは、当業者に利用可能である。例えば、このアッセイ、例えば、カルシウムイオン放出、細胞内チロシンリン酸化、リン酸イノシトールのターンオーバーまたはそのようにしてもたらされるインターロイキン(IL)2、インターフェロン・ガンマ、GM-CSF、IL-3、IL-4産生の増加の測定を含むアッセイは、標的の結合により誘起されたシグナル伝達経路の検出を可能にする。
細胞
本発明の態様は、CARを発現する細胞(すなわち、CARTS)を含む。細胞は、癌治療のためにCARを発現することができる免疫細胞またはCARをコードする発現ベクターを保持する細胞、例えば細菌細胞を含む任意の種の細胞であり得る。本明細書で使用される場合、「細胞」、「細胞株」および「細胞培養物」という用語は、言い換え可能に使用され得る。また、これらの用語はすべて、任意かつすべての後続世代であるそれらの子孫を包含する。すべての子孫は故意のまたは故意でない変異のために同一ではないかもしれないことが理解される。異種核酸配列の発現との関係で、「宿主細胞」は、ベクターを複製することおよび/またはベクターによってコードされる異種遺伝子を発現することができる真核生物細胞を表す。宿主細胞は、ベクターのレシピエントとして使用することができ、レシピエントとして使用されていたものである。宿主細胞は、「トランスフェクト」または「形質転換」され得、これらは外来核酸がその宿主細胞に移入または導入されるプロセスを表す。形質転換された細胞は、初代該当細胞およびその子孫を含む。本明細書で使用される場合、「操作された」および「組み換え」細胞または宿主細胞という用語は、外来核酸配列、例えばベクターが導入された細胞を表すことが意図されている。したがって、組み換え細胞は、組み換え導入された核酸を含まない天然に存在する細胞と区別することができる。本発明の態様において、宿主細胞は、細胞傷害性T細胞(TC、細胞傷害性Tリンパ球、CTL、Tキラー細胞、細胞溶解性T細胞、CD8+ T細胞またはキラーT細胞としても公知である)を含むT細胞であり、NK細胞およびNKT細胞も本発明に包含される。
いくつかのベクターは、それを原核生物細胞および真核生物細胞の両方において複製および/または発現させることができる制御配列を利用し得る。当業者はさらに、それらを維持するおよびベクターの複製を行うために上記宿主細胞のすべてをインキュベートする条件を理解しているであろう。ベクターの大規模生産ならびにベクターによりコードされる核酸およびそれらの同種ポリペプチド、タンパク質またはペプチドの生産を実現する技術および条件もまた理解され知られている。
細胞は、自己細胞、同系細胞、同種細胞およびいくつかの例では異種細胞でさえあり得る。
多くの状況において、当業者は、処置を終わらせることを望む場合、細胞が腫瘍性となる場合、その細胞が存在した後に不在となることが関心対象となる研究において、または他の場合に、改変されたCTLを死滅することができることを望み得る。この目的で、当業者は、制御された条件下で改変された細胞を死滅することができる特定の遺伝子産物、例えば誘導性自殺遺伝子の発現を提供し得る。
アームドCARTS
本発明はさらに、1つまたは複数のポリペプチドを分泌するよう改変されたCARTSを含む。ポリペプチドは、例えば、抗体またはサイトカインであり得る。好ましくは、抗体は、CAIX、GITR、PD-L1、PD-L2、PD-1またはCCR4に特異的である。
アームドCARTSは、標的部位、例えば腫瘍部位でポリペプチドを同時に分泌するという利点を有する。
アームドCARTは、細胞内シグナル伝達ドメインの後に関心対象のポリペプチドをコードする核酸を含めることによって構築され得る。好ましくは、内部リボソーム侵入部位(IRES)が、細胞内シグナル伝達ドメインと関心対象のポリペプチドの間に配置される。当業者は、複数のIRES配列を直列で用いることによって2つ以上のポリペプチドを発現させることができることを理解することができる。
1つの態様において、本明細書に示される方法および組成物は、T細胞の疲弊に対処するためにRCC環境で抗PD-L1 IgGを分泌する能力で武装された第2世代の標的特異的抗CAIX CAR T細胞を提供する。CD28共刺激ドメインを含むヒト抗CAIX CARは、マウス内のヒトcRCC異種移植片におけるその死滅活性および低い免疫原性に基づき選択された。抗PD-L1 IgG1またはIgG4を分泌する抗CAIX CART細胞を、両方ともに無関係の抗SARS IgG1を分泌する無関係の抗BCMA CARまたは抗CAIX CARと広範囲に及び比較した。我々は、CARの安定な発現およびすべてのCART細胞の高い増殖性を実証した。抗CAIX CART細胞は、CAIX+ RCC細胞との接触によってクローン性増殖を起こす能力を有し、また腫瘍の抑制性を向上させ得る高レベルのIFN□およびIL-2を放出するよう活性化された。これらの抗CAIX CART細胞はまた、高レベルの抗PD-L1 IgG1またはIgG4を分泌することができ、これらの抗体はインビトロおよびインビボでPD-L1と特異的に相互作用して疲弊マーカーPD-1、Tim-3およびLag-3の下方調節を誘導することができる。これらの結果は、腫瘍微小環境に分泌された抗PD-L1抗体がT細胞の疲弊を好転させ、抗CAIX CART細胞の抗腫瘍活性を促進することができることを示している。これらの抗CAIX CART細胞、主に抗PD-L1を分泌するものはまた、RCCのNSG同所マウスモデルにおいてCAIX+ RCC細胞の増殖を抑制して腫瘍の成長を遅らせ、腫瘍のサイズおよび重量を小さくすることができる。加えて、抗PD-L1のIgG1アイソタイプを分泌する抗CAIX CART細胞はまた、インビトロでADCCおよびインビボで腫瘍部位に浸潤するヒトNK細胞の数の増加を誘導することができた。インビボで抗PD-L1のIgG1アイソタイプを認識するNK細胞の能力を決定するために、各グループの2匹のマウスにおいてのみ、それらの安楽死の2日前にヒトNK細胞を注射し、このことが実証された。このマウスモデルを用いた我々の以前の実験は、これらの細胞がそれらの血液中で数日間しか維持されないことを示していたので、ヒトNK細胞の注射は、処置の開始時に行わなかった。
1つの態様において、マウスへのCART細胞の注射を、CART細胞単独の治療効果への影響を避けるために、インターロイキンの添加なしで行った。
別の態様において、CART細胞は、サイトカイン、例えばIL-2、IL-4、IL-7、IL-9、IL-15およびIL-21の使用によって維持され得る。
IL-2、IL-4、IL-7、IL-9、IL-15およびIL-21等の、γc受容体を共有するサイトカインは、記憶T細胞の発生および維持に重要である。その中でも、IL-21は、低分化表現型を促進し、それによって腫瘍特異的CD8 T細胞を増加させ、IL-2またはIL-15との比較でマウス黒色腫モデルにおいて抗腫瘍効果を増加させる。
特定の態様において、CART細胞は、IL-21を用いて維持される。
CAIXは、いくつかの組織においても生理学的に発現されるものの、多くの腫瘍、特にcRCCにおけるその過剰発現から、癌標的化全身治療の開発における一貫したマーカーである。
1つの態様において、CAR内の抗CAIX scFvは、そのタンパク質の中心部分に位置するCAIXの触媒ドメインを認識し、これが、CAIXの高発現部位へのその特異性を高め得る。
本明細書に示されるCARのための共刺激ドメインとしてのCD28の選択は、CD28 CARが活発な増殖応答をもたらし、エフェクター機能を向上させるのに対して、4-1BBベースのCARは即時的でない効果に対応し得るより漸進的なT細胞の蓄積を誘導するという事実に基づいた。1つの態様において、CD28は、CARコンストラクトにおいて41BBによって置き換えられる。
T細胞の疲弊は、癌に共通であり、これらのT細胞は、高いアポトーシス率ならびにPD-1、Tim-3およびLag3等の阻害受容体の発現と関連する、低い増殖およびサイトカイン産生能力を示す。T細胞の疲弊を防ぐ新しい戦略は、PD-1/PD-L1軸のそれを含む。
本明細書に示される方法および組成物は、インビトロおよびインビボでのcRCC処置においてT細胞の疲弊を回復させ、CART細胞の効果を向上させる抗PD-L1 IgG1およびIgG4を分泌する抗CAIX CART細胞を提供する。
CTLへのコンストラクトの導入
CARをコードする発現ベクターは、1つまたは複数のDNA分子またはコンストラクトとして導入され得、その中にはその(それらの)コンストラクトを含む宿主細胞の選択を可能にする少なくとも1つのマーカーが含まれ得る。
コンストラクトは、遺伝子および調節領域が単離され、適切な場合にライゲートされ、適切なクローニング用宿主においてクローニングされ、制限もしくは配列決定によって分析され得る従来的な方法または他の便利な手段によって調製され得る。特に、PCRを用いて、機能的単位のすべてまたは一部分を含む個々のフラグメントが単離され得、ここに、適切な場合、「プライマーリペア」、ライゲート、インビトロ変異誘発等を用いて1つまたは複数の変異が導入され得る。完成し適切な配列を有することが実証されたコンストラクトは、その後、任意の便利な手段によってCTLに導入され得る。コンストラクトは、細胞への感染または形質導入のために、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)もしくは単純ヘルペスウイルス(HSV)またはレトロウイルスベクターもしくはレンチウイルスベクターを含むその他等の非複製性不完全ウイルスゲノムに組み込まれパッケージングされ得る。コンストラクトは、望まれる場合、トランスフェクションのためにウイルス配列を含み得る。あるいは、コンストラクトは、融合、エレクトロポレーション、微粒子銃、トランスフェクション、リポフェクション等によって導入され得る。宿主細胞は、コンストラクトの導入前に培養下で成長および増殖され得、その後にコンストラクトの導入およびコンストラクトの組み込みのための適切な処置が行われる。その後に細胞を増殖させ、コンストラクト中に存在するマーカーによってスクリーニングする。適当に使用され得る様々なベクターは、hprt、ネオマイシン耐性、チミジンキナーゼ、ハイグロマイシン耐性等を含む。
いくつかの例において、コンストラクトは、特定の遺伝子座に組み込まれることが望まれる場合、相同組換えのための標的部位を有し得る。例えば、当技術分野で公知の相同組換えのための材料および方法を用いて、内因性の遺伝子をノックアウトし、そしてそれを(同じ遺伝子座または他の場所において)コンストラクトによってコードされる遺伝子で置き換えることができる。相同組換えのために、当業者は、OMEGAまたはO-ベクターのいずれかを使用し得る。例えば、Thomas and Capecchi, Cell (1987) 51, 503-512; Mansour, et al., Nature (1988) 336, 348-352; およびJoyner, et al., Nature (1989) 338, 153-156を参照のこと。
コンストラクトは、少なくともCARおよび任意で別の遺伝子をコードする単一のDNA分子として、または1つ若しくは複数の遺伝子を有する異なるDNA分子として導入され得る。他の遺伝子は、例えば、治療分子または自殺遺伝子をコードする遺伝子を含む。コンストラクトは、各々同一または異なるマーカーを用いて、同時または連続的に導入され得る。
コンストラクトDNAのストックを調製するためおよびトランスフェクションを実施するために使用され得る有用な要素、例えば細菌または酵母の複製起点、選択可能および/または増幅可能なマーカー、原核生物または真核生物における発現のためのプロモーター/エンハンサー要素等を含むベクターは、当技術分野で周知であり、多くは市販されている。
使用方法
本発明にしたがう細胞は、それを必要とする患者において癌、ウイルス感染または自己免疫障害を処置するために使用され得る。別の態様において、本発明にしたがう単離された細胞は、それを必要とする患者において癌、ウイルス感染または自己免疫障害を処置するための医薬の製造において使用され得る。
本発明は、(a)本発明にしたがうキメラ抗原受容体細胞を提供する工程および(b)該細胞を患者に投与する工程の少なくとも1つを含む、それを必要とする患者を処置する方法に基づく。
処置は、改善、治癒または予防であり得る。それは、自己免疫療法の一部分または同種免疫療法処置の一部分のいずれかであり得る。自己は、患者の処置に使用される細胞、細胞株または細胞集団がその患者由来であるまたはヒト白血球抗原(HLA)適合ドナー由来であることを意味する。同種は、患者の処置に使用される細胞または細胞集団がその患者由来ではなくドナー由来であることを意味する。
本発明は、典型的にドナーから得られるT細胞を非同種反応性細胞に形質転換させることができる限り、同種免疫療法に特に適している。これは、標準的なプロトコルの下で行われ得、必要な回数複製され得る。得られた改変T細胞は、プールされ得、そして1または複数の患者に投与され得、したがって「在庫あり(off the shelf)」の治療製品として利用可能となる。
開示される方法において使用され得る細胞は、前節に記載されている。処置は、癌、ウイルス感染、自己免疫障害または移植片対宿主病(GvHD)と診断された患者を処置するために使用され得る。処置され得る癌は、血管新生が見られないまたは未だ実質的に血管新生が見られない腫瘍および血管新生が見られる腫瘍を含む。癌は、非固形腫瘍(例えば、血液系腫瘍、例えば白血病およびリンパ腫)を含み得るまたは固形腫瘍を含み得る。本発明のCARを用いて処置される癌のタイプは、癌腫、芽細胞腫および肉腫ならびに特定の白血病またはリンパ系悪性腫、良性および悪性腫瘍ならびに悪性腫、例えば肉腫、癌腫および黒色腫を含むがこれらに限定されない。成人腫瘍/癌および小児腫瘍/癌もまた含まれる。
それは、抗体療法、化学療法、サイトカイン療法、樹状細胞療法、遺伝子療法、ホルモン療法、レーザー光療法および放射線療法からなる群より選択される癌に対する1つまたは複数の治療と組み合わせた処置であり得る。
本発明の好ましい態様にしたがい、処置は、免疫抑制処置を受けている患者に行われ得る。実際、本発明は、好ましくは、そのような免疫抑制剤に対する受容体をコードする遺伝子の不活性化により少なくとも1つの免疫抑制剤に対する耐性を付与された細胞または細胞集団に基づく。この局面において、免疫抑制処置は、患者体内での本発明にしたがうT細胞の選択および増殖を手助けするはずである。
さらなる態様において、本発明の細胞組成物は、骨髄移植、いずれかの化学療法剤、例えばフルダラビン、外部照射療法(XRT)、シクロホスファミドまたは抗体、例えばOKT3もしくはCAM PATHを用いるT細胞除去療法と組み合わせて(例えばその前に、同時にまたはその後に)患者に投与される。別の態様において、本発明の細胞組成物は、B細胞除去療法、例えばCD20と反応する薬剤、例えばリツキサンの後に投与される。例えば、1つの態様において、対象は、高用量化学療法およびそれに続く末梢血幹細胞移植を用いる標準的な処置を受け得る。特定の態様において、移植の後、対象は、本発明の増殖させた免疫細胞の注入を受ける。さらなる態様において、増殖させた細胞は、手術前または手術後に投与される。本明細書に記載される方法のいずれか1つによって得られる改変された細胞は、本発明の特定の局面において、宿主対移植片(HvG)拒絶および移植片対宿主病(GvHD)に対してそれを必要とする患者を処置するために使用され得、したがって、不活性化されたTCRアルファおよび/またはTCRベータ遺伝子を含む有効量の改変細胞を患者に投与することにより患者を処置する工程を含む、宿主対移植片(HvG)拒絶および移植片対宿主病(GvHD)に対してそれを必要とする患者を処置する方法は、本発明の範囲内である。
細胞の投与
本発明は、典型的にはドナーから得られたT細胞を非同種反応性細胞に形質転換することができる限り、同種免疫療法に特に適している。これは、標準的なプロトコルの下で行われ得、必要な回数複製され得る。得られた改変T細胞は、プールされ得、そして1または複数の患者に投与され得、したがって「在庫あり」の治療製品として利用可能となる。
細胞の性質に依存して、細胞は、幅広い様々な方法で宿主生物、例えば哺乳動物に導入され得る。細胞は、特定の態様において、腫瘍部位に導入され得るが、代替の態様において細胞は、癌を標的とするまたは癌を標的とするよう改変される。使用される細胞の数は、多くの環境、導入目的、細胞の生存期間、使用されるプロトコル、例えば投与の回数、細胞の増殖能力、組み換えコンストラクトの安定性等に依存する。細胞は分散物として適用され得、通常関心対象の部位にまたはその付近に注射される。細胞は、生理学的に許容される媒体中に含まれ得る。
いくつかの態様において、細胞は、免疫認識を阻害するよう被包され、腫瘍部位に投入される。
細胞は、望まれるように投与され得る。望まれる応答、投与様式、細胞の生存期間、存在する細胞の数に依存して、様々なプロトコルが使用され得る。投与の数は、少なくとも一部、上記の要因に依存する。
本発明にしたがう細胞または細胞集団の投与は、エアロゾル吸入、注射、消化、注入、移植(implantation)または移植(transplantation)によるものを含む、任意のやりやすい様式で行われ得る。本明細書に記載される組成物は、患者に対して、皮下、皮内、腫瘍内、節内、髄内、筋内、静脈内もしくはリンパ管内注射により、または腹腔内投与され得る。1つの態様において、本発明の細胞組成物は好ましくは、静脈内注射により投与される。
細胞または細胞集団の投与は、その範囲内の細胞数のすべての整数値を含む、kg体重あたり104〜109個の細胞、好ましくはkg体重あたり105〜106個の細胞の投与からなり得る。細胞または細胞集団は、1または複数回の投薬により投与され得る。別の態様において、有効量の細胞は、1回の投薬分として投与される。別の態様において、有効量の細胞は、2回以上の投薬分として一定期間にわたって投与される。投与のタイミングは管理医の判断の範囲内であり、それは患者の臨床状態に依存する。細胞または細胞集団は、任意の供給源、例えば血液バンクまたはドナー由来であり得る。個々の要望は様々であるが、特定の疾患または状態に対する特定の細胞型の有効量の最適範囲の決定は、当技術分野の技術の範囲内である。有効量は、治療的または予防的利益を提供する量を意味する。投与される用量は、レシピエントの年齢、健康状態および体重、あれば、同時に行われている処置の種類、処置の頻度ならびに望まれる効果の性質に依存する。
システムは、多くの変動要素、例えばリガンドに対する細胞応答、発現効率および適当な場合、分泌レベル、発現産物の活性、時間および環境によって変化し得る患者の個々の要求、細胞の喪失または個々の細胞の発現活性の結果としての細胞活性の喪失率等にさらされることが理解されるべきである。したがって、各々個々の患者にとって、その集団全体に投与することができる共通の細胞があったとしても、各患者がその個人に対する適当な用量に関してモニタリングされることが期待され、そしてそのような患者のモニタリングの実務は当技術分野で慣用的なものである。
核酸ベースの発現システム
本発明のCARは、発現ベクターから発現され得る。そのような発現ベクターを作製する組み換え技術は、当技術分野で周知である。
ベクター
「ベクター」という用語は、核酸配列を、それを複製することができる細胞内に導入するために挿入することができるキャリア核酸分子を表すために使用される。核酸配列は、「外因性」であり得、これはそれがベクターを導入する細胞に対して外来性であることまたはその配列がその細胞内の配列に対して相同であるがその配列が通常見出されない宿主核酸内の位置にあることを意味する。ベクターは、プラスミド、コスミド、ウイルス(バクテリオファージ、動物ウイルスおよび植物ウイルス)ならびに人工染色体(例えば、YAC)を含む。当業者は、標準的な組み換え技術を通じてベクターを構築する技術を十分に有している(例えば、両方とも参照により本明細書に組み入れられる、Maniatis et al., 1988およびAusubel et al., 1994を参照のこと)。
「発現ベクター」という用語は、転写され得るRNAをコードする核酸を含む任意のタイプの遺伝子コンストラクトを表す。いくつかの例において、RNA分子はその後、タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドに翻訳される。他の例において、これらの配列は、例えばアンチセンス分子またはリボザイムの生産においては、翻訳されない。発現ベクターは、特定の宿主細胞において機能的に連結されたコード配列の転写および可能な場合は翻訳に必要とされる核酸配列を表す様々な「制御配列」を含み得る。転写および翻訳を支配する制御配列に加えて、ベクターおよび発現ベクターは、他の機能も発揮する核酸配列を含み得、これらについては後述する。
プロモーターおよびエンハンサー
「プロモーター」は、転写の開始および割合を制御する核酸配列の一領域である制御配列である。それは、核酸配列の個々の転写を開始させるための、調節タンパク質および分子、例えばRNAポリメラーゼおよび他の転写因子が結合し得る遺伝子要素を含み得る。「機能的に配置」、「機能的に連結」、「制御下」および「転写制御下」というフレーズは、プロモーターが、核酸配列との関係で、その配列の転写開始および/または発現を制御するよう正確な機能的位置および/または向きにあることを意味する。
プロモーターは、通常、RNA合成の開始部位を位置決めするよう機能する配列を含む。この最も知られた例は、TATAボックスであるが、TATAボックスを欠くいくつかのプロモーター、例えば哺乳動物末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ遺伝子のプロモーターおよびSV40後期遺伝子のプロモーターでは、開始部位それ自体に重なっている別の要素が開始位置を固定するのを助ける。さらなるプロモーター要素は、転写開始の頻度を調節する。典型的に、これらは、開始部位の30 110 bp上流の領域に位置するが、多くのプロモーターは、開始部位の下流にも機能的要素を含むことが示されている。コード配列をプロモーターの「制御下」に置くため、当業者は、転写リーディングフレームの転写開始部位の5’末端を、選択されたプロモーターの「下流」(すなわち、3’側)に配置する。この「上流」プロモーターは、DNAの転写を刺激し、コードされるRNAの発現を促進する。
プロモーター要素間の間隔は、要素が反転または互いに対して移動した場合にもプロモーター機能が保存されるよう、しばしば弾力的である。tkプロモーターにおいて、プロモーター要素間の間隔は、活性が低下し始める前に50 bp間隔に増やされ得る。プロモーターに依存して、個々の要素は転写を活性化させるよう協調的にまたは独立してのいずれかで機能し得るようである。プロモーターは、核酸配列の転写活性化に関与するシス作用性調節配列を表す「エンハンサー」と組み合わせて使用される場合とされない場合がある。
プロモーターは、自然界で核酸配列に付随するものであり得、そのコードセグメントおよび/またはエクソンの上流に位置する5’プライム非コード配列を単離することによって入手され得る。そのようなプロモーターは、「内因性」と称され得る。同様に、エンハンサーも自然界で核酸配列に付随するものであり得、その配列の下流または上流に位置する。あるいは、その自然環境において核酸配列に通常付随しないプロモーターを表す組み換えまたは異種プロモーターの制御下にコード核酸セグメントを置くことによって特定の利益が得られるであろう。組み換えまたは異種エンハンサーもまた、その自然環境において核酸配列に通常付随しないエンハンサーを表す。そのようなプロモーターまたはエンハンサーは、他の遺伝子のプロモーターまたはエンハンサー、ならびに任意の他のウイルスまたは原核生物もしくは真核生物細胞から単離されたプロモーターまたはエンハンサー、ならびに「天然に存在」しない、すなわち異なる転写調節領域の異なる要素および/または発現を変化させる変異を含むプロモーターまたはエンハンサーを含み得る。例えば、組み換えDNA構築において最も広く使用されているプロモーターは、ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)、ラクトースおよびトリプトファン(trp)プロモーターシステムを含む。本明細書に開示される組成物に関して、プロモーターおよびエンハンサーの核酸配列の合成的生産に加えて、配列は、組み換えクローニングおよび/またはPCR(商標)を含む核酸増幅技術を用いて生産され得る(各々参照により本明細書に組み入れられる米国特許第4,683,202号および同第5,928,906号を参照のこと)。さらに、非核器官、例えばミトコンドリア、クロロプラスト等の中での配列の転写および/または発現を誘導する制御配列も使用され得ることが想定されている。
通常、発現のために選択された器官、細胞型、組織、臓器または生物においてDNAセグメントの発現を効果的に誘導するプロモーターおよび/またはエンハンサーを用いることが重要である。分子生物学分野の当業者は、一般に、タンパク質発現のためのプロモーター、エンハンサーおよび細胞型の組み合せの使用に精通している(例えば、参照により本明細書に組み入れられるSambrook et al. 1989を参照のこと)。使用されるプロモーターは、構成的、組織特異的、誘導性および/または導入されたDNAセグメントの高レベル発現を誘導するのに適した条件下、例えば組み換えタンパク質および/またはペプチドの大規模生産において有利な条件下で有用であり得る。プロモーターは、異種性または内因性であり得る。
さらに、任意のプロモーター/エンハンサーの組み合せがまた、発現を誘導するために使用され得る。T3、T7またはSP6細胞質発現システムの使用は、別の可能性のある態様である。真核生物細胞は、送達複合体の一部分としてまたは追加の遺伝子発現コンストラクトとしてのいずれかとして適切な細菌ポリメラーゼが提供された場合に、特定の細菌プロモーターからの細胞質転写を支持し得る。
組織特異的プロモーターまたは要素の特定およびそれらの活性を特徴付けるためのアッセイは、当業者に周知である。
特定の開始シグナルもまた、コード配列の効果的な翻訳に必要とされ得る。これらのシグナルは、ATG開始コドンまたは隣接配列を含む。ATG開始コドンを含む外因性翻訳制御シグナルが提供される必要があり得る。当業者は、これを直ちに決定し、必要なシグナルを提供することができる。
本発明の特定の態様において、内部リボソーム侵入部位(IRES)要素の使用が、多遺伝子または多シストロン性のメッセージを生成するために使用され、これらが本発明において使用され得る。
ベクターは、複数の制限酵素部位を含む核酸領域であるマルチクローニング部位(MCS)を含み得、そのいずれかが標準的な組み換え技術と組み合わせてベクターを消化するために使用され得る。「制限酵素消化」は、核酸分子内の特定位置でのみ機能する酵素による核酸分子の触媒的開裂を表す。これらの制限酵素の多くは、市販されている。そのような酵素の使用は、当業者に広く理解されている。しばしば、ベクターは、外因性配列がそのベクターにライゲートされ得るようMCS内で切断する制限酵素を用いて直鎖化または断片化され得る。「ライゲート」は、相互に連続的である場合もそうでない場合もある2つの核酸フラグメントの間でホスホジエステル結合を形成するプロセスを表す。制限酵素およびライゲート反応に関連する技術は、組み換え技術分野の当業者に周知である。
スプライス部位、終結シグナル、複製起点および選択マーカーも使用され得る。
プラスミドベクター
特定の態様において、プラスミドベクターは、宿主細胞を形質転換するために使用されることが想定されている。一般に、レプリコンおよび宿主細胞と適合する種由来の制御配列を含むプラスミドベクターが、これらの宿主に関連して使用される。ベクターは通常、複製部位および形質転換細胞において表現型選択を提供することができるマーキング配列を有する。非限定的な例において、大腸菌(E.coli)はしばしば、大腸菌種由来のプラスミドであるpBR322の誘導体を用いて形質転換される。pBR322は、アンピシリンおよびテトラサイクリン耐性のための遺伝子を含み、したがって形質転換細胞を同定するための簡易な手段を提供する。pBRプラスミドまたは他の微生物プラスミドまたはファージはまた、例えば、それ自信のタンパク質の発現のために微生物によって使用され得るプロモーターを含まなければならないまたは含むよう改変されなければならない。
加えて、レプリコンおよび宿主微生物に適合する制御配列を含むファージベクターは、これらの宿主に関連して形質転換ベクターとして使用され得る。例えば、ファージラムダGEM(商標)11は、宿主細胞、例えば大腸菌LE392を形質転換するために使用され得る組み換えファージベクターを作製する際に利用され得る。
さらなる有用なプラスミドベクターは、pINベクター(Inouye et al., 1985)および後の精製および分離または開裂のためにグルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)可溶性融合タンパク質を作製する際に使用するpGEXベクターを含む。他の適当な融合タンパク質は、ガラクトシダーゼ、ユビキチン等を含むそれらである。
発現ベクターを含む細菌宿主細胞、例えば大腸菌は、任意の多くの適当な培地、例えばLB中で成長させる。特定のベクター内の組み換えタンパク質の発現は、当業者に理解されているように、特定のプロモーターに特異的な作用物質を宿主細胞と接触させることによって、例えば培地にIPTGを添加することによってまたはより高い温度へのインキュベートに切り換えることによって誘導され得る。さらなる期間、通常2〜24時間の細菌の培養後、細胞は、遠心分離によって回収され、残った培地を除去するために洗浄される。
ウイルスベクター
細胞に感染しまたは受容体を介したエンドサイトーシスを通じて細胞に侵入し、宿主細胞のゲノムに組み入りウイルス遺伝子を安定的かつ効率的に発現させる特定のウイルスの能力は、それらを、細胞(例えば、哺乳動物細胞)への外来核酸の移入における魅力的な候補にしている。本発明の要素は、本発明の1つまたは複数のCARをコードするウイルスベクターであり得る。本発明の核酸を送達するために使用され得るウイルスベクターの非限定的な例は以下に記載されている。
アデノウイルスベクター
特定の核酸送達方法は、アデノウイルス発現ベクターを使用する。アデノウイルスベクターはゲノムDNAへの組み込みのための積載能力が低いことが知られているが、この特徴は、これらのベクターによりもたらされる高い遺伝子移入効率によって相殺される。「アデノウイルス発現ベクター」は、(a)コンストラクトのパッケージングを支えるおよび(b)究極的にはその中にクローニングされた組織または細胞特異的なコンストラクトを発現させるのに十分なアデノウイルス配列を含むコンストラクトを含むことを意味する。遺伝子編成およびアデノウイルスの知識により、36 kb、直鎖状の二本鎖DNAウイルスは、アデノウイルスDNAの大きな部分を最大7 kbの外来配列で置換させることができる(Grunhaus and Horwitz, 1992)。
AAVベクター
核酸は、アデノウイルスを介したトランスフェクションを用いて細胞に導入され得る。高いトランスフェクション効率が、アデノウイルス利用システムを用いた細胞システムで報告されている(Kelleher and Vos, 1994; Cotten et al., 1992; Curiel, 1994)。アデノ随伴ウイルス(AAV)は、高い組み込み度数を有し、非分裂細胞に感染することができ、したがって例えば組織培養下での(Muzyczka, 1992)またはインビボでの哺乳動物細胞への遺伝子の送達に有用であることから、本発明の細胞で使用される魅力的なベクターシステムである。AAVは、感染性に関して幅広い宿主範囲を有する(Tratschin et al., 1984; Laughlin et al., 1986; Lebkowski et al., 1988; McLaughlin et al., 1988)。rAAVベクターの作製および使用に関する詳細は、各々参照により本明細書に組み入れられる米国特許第5,139,941号および同第4,797,368号に記載されている。
レトロウイルスベクター
レトロウイルスは、それらの遺伝子を宿主ゲノムに組み込み、多量の外来遺伝物質を移入させ、広範囲の種および細胞型に感染し、特別な細胞株においてパッケージングされる能力から、送達ベクターとして有用である(Miller, 1992)。
レトロウイルスベクターを構築するために、核酸(例えば、所望の配列をコードするもの)が、複製欠陥性のウイルスが生じるよう特定のウイルス配列に置き換えてウイルスゲノムに挿入される。ビリオンを生成するために、gag、polおよびenv遺伝子を含むがLTRおよびパッケージング要素を有さないパッケージング細胞株が構築される(Mann et al., 1983)。レトロウイルスLTRおよびパッケージング配列と共にcDNAを含む組み換えプラスミドが特別な細胞株に(例えば、リン酸カルシウム沈降によって)導入されると、パッケージング配列は、組み換えプラスミドのRNA転写物をウイルス粒子にパッケージングし、その後にこれが培養培地に分泌される(Nicolas and Rubenstein, 1988; Temin, 1986; Mann et al., 1983)。その後、組み換えレトロウイルスを含む培地が回収され、任意で濃縮され、そして遺伝子移入のために使用される。レトロウイルスベクターは、幅広い様々な細胞型に感染することができる。しかし、組み込みおよび安定な発現には、宿主細胞の分裂が必要となる(Paskind et al., 1975)。
レンチウイルスは、共通のレトロウイルス遺伝子であるgag、polおよびenvに加えて、調節または構造機能を有する他の遺伝子を含む複雑なレトロウイルスである。レンチウイルスベクターは、当技術分野で周知である(例えば、Naldini et al., 1996; Zufferey et al., 1997; Blomer et al., 1997; 米国特許第6,013,516号および同第5,994,136号を参照のこと)。レンチウイルスのいくつかの例は、ヒト免疫不全ウイルス:HIV-1、HIV-2およびサル免疫不全ウイルス:SIVを含む。レンチウイルスベクターは、HIV毒性遺伝子を何重にも弱毒化させることによって作製され、例えば遺伝子env、vif、vpr、vpuおよびnefが除去されることで、ベクターを生物学的に安全にしている。
組み換えレンチウイルスベクターは、非分裂細胞に感染することができ、インビボおよびエクスビボの両方での遺伝子移入および核酸配列の発現に使用され得る。例えば、パッケージング機能、すなわちgag、pol、envならびにrevおよびtatを有する2つまたはそれ以上のベクターで適当な宿主細胞がトランスフェクトされる、非分裂細胞に感染することができる組み換えレンチウイルスは、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第5,994,136号に記載されている。当業者は、特定の細胞型の受容体を標的とする抗体または特定のリガンドとエンベロープタンパク質を連結することによって組み換えウイルスを標的化し得る。例えば、関心対象の配列(調節領域を含む)を、特定の標的細胞上の受容体に対するリガンドをコードする別の遺伝子と共にウイルスベクターに挿入することによって、ベクターは、標的特異的となる。
他のウイルスベクター
他のウイルスベクターも、本発明においてワクチンコンストラクトとして利用され得る。ワクシニアウイルス(Ridgeway, 1988; Baichwal and Sugden, 1986; Coupar et al., 1988)、シンドビスウイルス、サイトメガロウイルスおよび単純ヘルペスウイルス等のウイルス由来のベクターが利用され得る。それらは、様々な哺乳動物細胞に対して様々な魅力的な特徴を提供する(Friedmann, 1989; Ridgeway, 1988; Baichwal and Sugden, 1986; Coupar et al., 1988; Horwich et al., 1990)。
改変ウイルスを用いた送達
送達される核酸は、特定の結合リガンドを発現するように操作された感染性ウイルス内に収容され得る。ウイルス粒子は、したがって、標的細胞の同種受容体に特異的に結合し、その内容物を細胞に送達するであろう。レトロウイルスベクターの特異的標的化を可能にするよう設計された新規のアプローチは、ウイルスエンベロープへのラクトース残基の化学的付加によるレトロウイルスの化学的改変に基づき開発された。この改変は、シアロ糖タンパク質受容体を通じた肝細胞の特異的感染を実現し得る。
レトロウイルスエンベロープタンパク質に対するおよび特定の細胞受容体に対するビオチニル化抗体を使用する組み換えレトロウイルスの標的化に関する別のアプローチも設計された。抗体は、ストレプトアビジンを使用することによってビオチン成分を通じて連結された(Roux et al., 1989)。主要組織適合遺伝子複合体クラスIおよびクラスII抗原に対する抗体を用いて、彼らは、インビトロでのエコトロピックウイルスを用いたそれらの表面抗原を有する様々なヒト細胞の感染を実証した(Roux et al., 1989)。
ベクターの送達および細胞の形質転換
細胞のトランスフェクションまたは形質転換のための適当な核酸送達方法は、当業者に公知である。そのような方法は、例えばエクスビボトランスフェクションによる、注射による等のDNAの直接送達を含むがこれらに限定されない。当技術分野で公知の技術の適用を通じて、細胞は、安定的または一過的に形質転換され得る。
エクスビボ形質転換
生物から取り出された真核生物細胞および組織をエクスビボ状況でトランスフェクトする方法は、当業者に公知である。したがって、細胞または組織は、取り出され、そして本発明の核酸を用いてエクスビボでトランスフェクトされ得ることが想定されている。特定の局面において、移植された細胞または組織は、生物中に導入され得る。好ましい局面において、核酸は、移植された細胞において発現される。
本発明のキット
本明細書に記載される任意の組成物は、キットに含まれ得る。非限定的な例において、細胞治療に使用するための1つもしくは複数の細胞および/または組み換え発現ベクターを有する細胞治療に使用するための1つもしくは複数の細胞を生成するための試薬が、キットに含まれ得る。キットの構成要素は、適当な収容手段によって提供され得る。
キットのいくつかの構成要素は、水性媒体中または凍結乾燥形態のいずれかで梱包され得る。キットの収容手段は、通常、少なくとも1つのバイアル、試験管、フラスコ、ボトル、シリンジまたは他の収容手段を含み、その中に構成要素が配置され得、好ましくは適切に細分され得る。キットに2つ以上の構成要素が存在する場合、キットはまた、通常、第2、第3またはその他のさらなる容器を含み、その中に追加の構成要素が個別に配置され得る。しかし、構成要素の様々な組み合わせが、バイアル中に含まれ得る。本発明のキットはまた、典型的に、商業的販売のために構成要素を厳重に閉じ込めて含むための手段を含む。そのような容器は、その中に所望のバイアルが保持される射出またはブロー成型されたプラスチック容器を含み得る。
キットの構成要素が1つおよび/または複数の液体溶液で提供される場合、液体溶液は水溶液であり、滅菌水溶液が特に有用である。いくつかの例において、収容手段は、それ自体がシリンジ、ピペットおよび/または他のそのような同様の装置であり得、それらから配合物が身体の感染領域に適用され、動物に注射されならびに/または共に適用および/もしくはキットの他の構成要素と混合さえされ得る。
しかし、キットの構成要素は、乾燥粉末の状態で提供され得る。試薬および/または構成要素が乾燥粉末として提供される場合、粉末は、適当な溶媒の添加によって再構成され得る。溶媒が別の収容手段でも提供され得ることが想定される。キットはまた、滅菌性の薬学的に許容される緩衝液および/または他の希釈剤を収容するための第2の収容手段を含み得る。
本発明の特定の態様において、細胞療法に使用される細胞がキットとして提供され、いくつかの例において、細胞は本質的に、そのキットの唯一の構成要素である。キットは、所望の細胞を作製するための試薬および材料を含み得る。特定の態様において、試薬および材料は、所望の配列を増幅するためのプライマー、ヌクレオチド、適当な緩衝液または緩衝試薬、塩等を含み、いくつかの例において、試薬は本明細書に記載されるCARおよび/またはそのための調節要素をコードするベクターおよび/またはDNAを含む。
特定の態様において、個体から1つまたは複数のサンプルを抽出するのに適した1つまたは複数の装置がキットに含まれる。装置は、シリンジ、外科用メス等であり得る。
本発明のいくつかの例において、キットは、細胞療法の態様に加えて、第2の癌療法、例えば化学療法、ホルモン療法および/または免疫療法も含む。キットは、個体の特定の癌に特化され得、その個体のための各々の第2の癌療法を含み得る。
併用療法
本発明の特定の態様において、臨床的局面のための本発明の方法は、過剰増殖性疾患の処置において有効な他の薬剤、例えば抗癌剤と併用される。「抗癌」剤は、例えば癌細胞を殺す、癌細胞においてアポトーシスを誘導する、癌細胞の成長速度を低下させる、転移の発生率もしくは回数を減少させる、腫瘍のサイズを減少させる、腫瘍の成長を阻害する、腫瘍もしくは癌細胞への血液供給を減少させる、癌細胞もしくは腫瘍に対する免疫応答を促進する、癌の進行を防ぐもしくは阻害する、または癌を有する対象の寿命を延ばすことによって、対象において癌に負の影響を与えることができる。より一般的に、これらの他の組成物は、細胞を殺すまたは細胞の増殖を阻害するのに効果的な併用量で提供され得る。このプロセスは、発現コンストラクトと薬剤または複数の要素を同時に癌細胞と接触させることを含み得る。これは、両方の薬剤を含む単一の組成物もしくは薬学的配合物を細胞と接触させることによって、または1つの組成物が発現コンストラクトを含み、他が第2の薬剤を含む、2つの別個の組成物もしくは配合物を同時に細胞と接触させることによって達成され得る。
化学療法剤および放射線療法剤に対して耐性を有する腫瘍細胞は、臨床腫瘍学における大きな課題となっている。現在の癌研究の1つの目標は、化学および放射線療法の効果を、それと他の治療を組み合わせることによって改善する方法を見出すことである。本発明との関係において、細胞療法は、化学療法、放射線療法または免疫療法による介入ならびにアポトーシス促進剤または細胞周期調節剤と共に同様に使用され得ることが想定されている。
あるいは、本発明の治療は、数分から数週間の範囲の間隔を明けて他の薬剤の処置よりも前にまたは後に行われ得る。他の薬剤および本発明が個体に対して別々に適用される態様において、当業者は通常、薬剤および本発明の治療が細胞に対して有利な併用効果を発揮し続けることができるよう、各送達時の間で相当な時間が経過しないようにするであろう。そのような例において、当業者は、両様式を互いから約12〜24時間以内、より好ましくは互いに約6〜12時間以内に細胞と接触させ得ることが想定される。しかし、いくつかの状況においては、処置期間を有意に延長することが望ましい場合があり得、その場合、各投与の間に数日(2、3、4、5、6または7)から数週間(1、2、3、4、5、6、7または8)が設けられる。
必要に応じて処置のサイクルが繰り返されることが想定される。様々な標準的治療および外科的介入が本発明の細胞療法と組み合わせて適用され得ることも想定される。
化学療法
癌治療はまた、化合物ベースおよび放射線ベースの両方の処置との様々な併用療法を含む。併用化学療法は、例えば、アブラキサン、アルトレタミン、ドセタキセル、ハーセプチン、メトトレキサート、ノバントロン、ゾラデックス、シスプラチン(CDDP)、カルボプラチン、プロカルバジン、メクロレタミン、シクロホスファミド、カンプトテシン、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、ニトロソ尿素(nitrosurea)、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、プリカマイシン(plicomycin)、マイトマイシン、エトポシド(VP16)、タモキシフェン、ラロキシフェン、エストロゲン受容体結合剤、タキソール、ゲムシタビン、ナベルビン、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、トランス白金、5-フルオロウラシル、ビンクリスチン、ビンブラスチンおよびメトトレキサートまたは上記の任意のアナログもしくは誘導体変種ならびにそれらの組み合わせを含む。
特定の態様において、個体に対する化学療法は、本発明と組み合わせて、例えば本発明の実施前、実施中および/または実施後に行われる。
放射線療法
DNA損傷を与える、広く使用されている他の要素は、ガンマ線、X線および/または腫瘍細胞への放射性同位体の直接送達として広く知られているものを含む。他の形態のDNA損傷要素、例えばマイクロ波およびUV照射もまた想定されている。これらの要素のすべてが、DNAに対して、DNAの前駆体に対して、DNAの複製および修復に対して、ならびに染色体の構築および維持に対して広範囲の損傷を与えると考えられる。X線の線量範囲は、長期間(3〜4週間)にわたる50〜200レントゲンの1日線量から2000〜6000レントゲンの単回線量に及ぶ。放射性同位体の線量範囲は様々であり、同位体の半減期、発生する放射線の強度およびタイプならびに新生物細胞による取り込みに依存する。
「接触」および「暴露」という用語は、細胞に対して適用される場合、治療用コンストラクトおよび化学療法または放射線療法剤を標的細胞に送達するまたは標的細胞に直接隣接するよう配置するプロセスを表すよう本明細書で使用される。細胞の死滅または停止を達成するため、両薬剤は、細胞を殺すまたはその分裂を防ぐのに効果的な併用量で細胞に送達される。
免疫療法
免疫療法は、通常、癌細胞を標的化し癌細胞を破壊する免疫エフェクター細胞および分子の使用に基づく。免疫エフェクターは、例えば、腫瘍細胞の表面上のいくつかのマーカーに特異的な抗体であり得る。抗体は単独で、治療剤のエフェクターとして機能し得、またはそれは実際に細胞死滅がもたらされるよう他の細胞を誘導し得る。抗体はまた、薬物または毒素(化学療法剤、放射性核種、リシンA鎖、コレラ毒素、百日咳毒素等)に連結され、標的化剤としてのみ利用され得る。あるいは、エフェクターは、腫瘍細胞標的と直接的または間接的のいずれかで相互作用する表面分子を有するリンパ球であり得る。様々なエフェクター細胞は、細胞傷害性T細胞およびNK細胞を含む。
本明細書に記載される本発明の治療の免疫療法は、したがって、本発明の細胞療法と組み合わせて、併用療法の一部として使用され得る。併用療法の一般的なアプローチは、以下で議論されている。通常、腫瘍細胞は、標的化することができる、すなわち、大部分の他の細胞に存在しないいくつかのマーカーを有していなければならない。多くの腫瘍マーカーが存在し、これらのいずれも本発明における標的化に適し得る。一般的な腫瘍マーカーは、PD-1、PD-L1、CTLA4、癌胎児性抗原、前立腺特異的抗原、泌尿器腫瘍関連抗原、胎児性抗原、チロシナーゼ(p97)、gp68、TAG-72、HMFG、シアリルルイス抗原、MucA、MucB、PLAP、エストロゲン受容体、ラミニン受容体、erbBおよびp155を含む。
遺伝子
さらに別の態様において、二次的処置は、本発明の臨床態様の前、後またはそれと同時に治療用ポリヌクレオチドを投与する遺伝子療法である。細胞増殖の誘導因子、細胞増殖の阻害因子またはプログラムされた細胞死の調節因子を含む様々な発現産物が本発明に含まれる。
手術
癌患者のおよそ60%は、予防、診断または病期判定、治癒および緩和手術を含むいくつかのタイプの手術を受けるであろう。治癒手術は、他の治療、例えば本発明の処置、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、遺伝子療法、免疫療法および/または代替療法と組み合わせて使用され得る癌処置である。
治癒手術は、癌性組織のすべてまたは一部分を物理的に除去する、切除するおよび/または破壊する切除術を含む。腫瘍切除は、腫瘍の少なくとも一部分の物理的除去を表す。腫瘍切除に加えて、手術による処置は、レーザー手術、凍結手術、電気外科手術および顕微鏡下手術(モース術)を含む。本発明は、表在癌、前癌または付随量の正常組織の除去と組み合わせて使用され得ることがさらに想定される。
癌細胞、組織または腫瘍のすべてまたは一部分を切除する際、体内に空洞が形成され得る。処置は、かん流、直接注射またはさらなる抗癌療法が行われる領域への局所適用により達成され得る。そのような処置は、例えば、1、2、3、4、5、6もしくは7日ごと、または1、2、3、4および5週間ごと、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12ヶ月ごとに繰り返され得る。これらの処置は、用量を変えても行われ得る。
他の薬剤
他の薬剤も、処置の治療効果を改善するために、本発明と組み合わせて使用され得ることが想定される。これらのさらなる薬剤は、免疫調節剤、細胞表面受容体の上方調節およびGAP結合に影響を及ぼす薬剤、細胞増殖抑制性および分化剤、細胞接着の阻害剤、またはアポトーシス誘導剤に対する過剰増殖細胞の感度を高める薬剤を含む。免疫調節剤は、腫瘍壊死因子、インターフェロンアルファ、ベータおよびガンマ、IL-2および他のサイトカイン、F42Kおよび他のサイトカインアナログ、またはMIP-1、MIP-1ベータ、MCP-1、RANTES、ならびに他のケモカインを含む。細胞表面受容体またはそれらのリガンド、例えばFas/Fasリガンド、DR4またはDR5/TRAILの上方調節は、過剰増殖細胞に対するオートクリンまたはパラクリン効果の確立により本発明のアポトーシス誘導能力を高めることもさらに想定される。GAP結合の数を増加させることによる細胞内シグナルの増加は、隣接する過剰増殖細胞集団に対する抗過剰増殖効果を高めるであろう。他の態様において、細胞増殖抑制性または分化剤が、処置の抗過剰増殖効果を改善するために本発明と組み合わせて使用され得る。細胞接着の阻害剤は、本発明の効果を改善すると考えられる。細胞接着阻害剤の例は、接着斑キナーゼ(FAK)阻害剤およびロバスタチンである。アポトーシスに対する過剰増殖細胞の感度を高める他の薬剤、例えば抗体c225が、処置の効果を改善するために本発明と組み合わせて使用され得ることもさらに想定される。
実施例1:材料および方法
細胞、培養培地および試薬。ヒトCAIX+腎細胞癌細胞株sk-rc-52、sk-rc-09およびCAIX- sk-rc-59は、Memorial Sloan-Kettering Cancer Center, New YorkのGerd Ritter博士から入手した。それらを、10% FCS、2 mmol/L L-グルタミン、100 U/mlペニシリンおよび100μg/mlストレプトマイシン(Sigma)を補充したRPMI 1640培地(Life Technologies)を含むR-10完全培地中、5% CO2下、37℃で培養した。初代ヒトT細胞は、10%ヒト血清および100 IU/ml組み換えヒトインターロイキン2(IL-2)(Chiron)を含むR-10中で維持した。ヒト胚腎臓細胞株293T(ATCC)およびマウス線維芽細胞NIH3T3細胞(ATCC)は、10% FCS、100 U/mlペニシリンおよび100μg/mlストレプトマイシン(Sigma)を含むDMEM培地を含むD-10完全培地(Life Technologies)中で成長させた。Children's Hospital Bostonの血液バンクから入手したLeukopackは、書面上のインフォームドコンセントを得た健常ボランティアから収集されたものであった。
1つの態様において、ヒトccRCC細胞株、初期状態でCAIX+/PD-L1-であるSkrc52、および初期状態でCAIX-/PD-L1+であるSkrc59を、Gerd Ritter博士(Memorial Sloan-Kettering Cancer Center, New York)から入手した。これらの細胞を、10%(v/v)熱不活性化ウシ胎仔血清(FBS、Gibco)、100 IU/mlペニシリンおよび100μg/mlストレプトマイシンを補充したRPMI 1640培地(Life Technologies)中で培養した。293T(CRL-11268、ATCC)およびLenti-X 293T(Clontech)細胞は、10% FBS、100 IU/mlペニシリンおよび100μg/mlストレプトマイシンを補充したDMEM培地(Life Technologies)中で成長させた。このプロジェクトで使用したすべての細胞株に、レンチウイルス形質導入を通じてルシフェラーゼを形質導入し、37℃、5% CO2下で維持した。Skrc52細胞を、蛍光活性化細胞選別(FACS)による選別によってCAIX-/PD-L1-およびCAIX+/PD-L1-細胞集団について選択した。Skrc59細胞を、高レベルのヒトCAIXを発現するように操作し、CAIX+/PD-L1+をFACS選別により選択した。
抗CAIX第2世代CARをコードするバイシストロン性レンチウイルスベクターへの抗PD-L1 scFv-Fc IgG1およびIgG4のクローニング
CART細胞を構築するために使用した抗PD-L1抗体(Ab)は、常磁性プロテオリポソームの形態の全長PD-L1に対する270億のメンバーのヒトscFvファージディスプレイライブラリを用いて以前に選択したものであった(原稿準備中)。抗PD-L1 scFv(クローン42)-Fc IgG1またはIgG4をコードするDNA配列をコドン最適化し、レンチウイルスベクターpHAGE-eIFαシグナル-scFvG36(抗CAIX)-C9タグ-リンカー-CD28-CD3ζ-IRES-ZsGreen(例えば、CD28z)内のZsGreenを置き換えるさらなるscFv-Fcクローニングが可能なように、5' NdeIおよび3' ClaIの制限部位を含むよう合成した(Genewiz)。この元の抗CAIXベクターは、以前に構築し公開されたものであった(21)。陰性対照のクローニングのために、最初に我々は、抗CAIX G36 scFv CARを含むIgG1-Fcレンチウイルスベクターにおいて抗PD-L1 scFvを抗重症急性呼吸器症候群(SARS)scFv(クローン11A)で置き換えた。抗SARS scFvをコードするDNA配列は、MluI順方向プライマー
Figure 2018504894
およびXbaI逆方向プライマー
Figure 2018504894
を用いて、さらなるクローニングのために5'MluIおよび3'XbaIの制限部位を挿入するよう、プラスミドpHAGE CMV-抗SARS(11A)scFv-Fc-CD28-gp41-IRES-ZsGreenからPCRによって増幅した。最終的なpHAGE-eIFα-scFv G36(抗CAIX)-C9タグ-リンカー-CD28-CD3ζ-IRES-抗SARS(11A)IgG1を、陰性対照の1つとして使用した。我々はまた、NcoIおよびNotIによるpHAGE-eIFα-A716scFv(抗BCMA)-C9タグ-リンカー-CD28-CD3ζ-IRES-ZsGreenおよびpHAGE-eIFα-G36scFv(抗CAIX)-C9タグ-リンカー-CD28-CD3ζ-IRES-抗SARS(11A)IgG1の二重消化により、抗SARS IgG1を含むCAR構造内の抗CAIX scFvを抗B細胞成熟抗原(BCMA)scFvで置き換えた。クローニングプロセスの後、我々は、レンチウイルス生産を開始するための4つの主プラスミドを得た:抗PD-L1 IgG1を発現することができる抗CAIX CAR(抗CAIX/抗PD-L1 IgG1)、抗PD-L1 IgG4を発現することができる抗CAIX CAR(抗CAIX/抗PD-L1 IgG4)、無関係の抗SARS Abを発現することができる抗CAIX CAR(抗CAIX/抗SARS IgG1)および無関係の抗SARS Abを発現することができる抗BCMA CAR(抗BCMA/抗SARS IgG1)。
scFvの単離およびscFvからscFv-Fcへの変換。CAIX特異的scFv抗体は、以前に報告されGQ903548〜GQ903561のアクセッション番号でGenBankに登録されたとおり、非免疫ヒトscFvファージライブラリから単離した23。SfiI/NotI部位でpFarberファージミドからscFvコードDNAフラグメントを切り出し、ヒトIgG1 F105リーダー配列およびscFv-Fc抗体を発現するヒトIgG1ヒンジ-CH2-CH3 Fc部分を有する哺乳動物発現ベクターpcDNA3.1-F105L-ヒンジ-スタッファー(stuffer)にサブクローニングした。scFv-Fcのプラスミドを、リポフェクタミン2000(Invitrogen)によって293T細胞に一過的にトランスフェクトし、発現された抗体を、セファロースプロテインAビーズ(Amersham Bioscience)を用いて精製した。CAIXに対する特異的結合を、ファージscFv抗体またはCAIX発現293Tおよびsk-rc-52細胞株とのならびにCAIX陰性293Tおよびsk-rc-59細胞株とのインキュベートによりscFv-Fc形式の抗体に変換されたscFvで染色することによって試験した。これらの実験において、無関係の抗HIV CCR5抗体(クローンA8)25または抗SARS抗体(11A)24および蛍光結合二次抗体のみを陰性対象として使用した。
scFv-CD8-TCRζおよびscFv-CD28-TCRζコンストラクトの構築。ファージミドベクターpSL1180内のDNAコンストラクトであるPz1,scFv-CD8-TCRζおよびP28z,scFv-CD28-TCRζを、Memorial Sloan Kettering Cancer Center, New YorkのMichel Sadelain博士より入手した。Pz1では、scFvおよびTCRζ細胞内ドメインが、それぞれ、ヒトCD8α鎖のNおよびC末端に付加されている。同様に、P28zでは、scFvおよびTCRζ配列が、それぞれ、ヒトCD28のNおよびC末端に付加されている。ヒトCD8αのアミノ酸配列は71残基長であり、CD8α細胞外およびヒンジ、膜貫通ならびに細胞質ドメインの、それぞれ、47(aa 137〜183)、23(aa 184〜206)および2(aa 207〜208)残基からなる。P28z内のCD28配列は107残基長であり、CD28細胞外、膜貫通および細胞質ドメインの、それぞれ、40(aa 114〜153)、23(aa 154〜176)および44(aa 177〜220)残基からなる。両方のCARに共通のヒトCD3ζ細胞内ドメインは、112アミノ酸(aa 52〜163)からなる。
GGGGSリンカーを有する内部C9タグ(ヒトロドプシンの9アミノ酸ペプチド、TETSQVAPA)をコードする核酸配列を、PCRによって増幅し、5' NotI部位および3' PacI部位を用いてCD8-TCRζおよびCD28-TCRζ配列の上流に融合した。キメラTCRζコンストラクトのクローニングに使用したプライマーは、
Figure 2018504894
(CD8コンストラクトの順方向プライマーであり、イタリック体はNotI部位であり、大文字はC9タグ配列であり、下線はGGGGSリンカーを示す)、
Figure 2018504894
(CD28コンストラクトの順方向プライマー)および両コンストラクトの逆方向プライマー
Figure 2018504894
、イタリック体はPacI部位、である。これらのDNAフラグメントは、以下の配列にしたがって配置された機能的特徴をコードする:NotI-C9タグ(TETSQVQPQ)-GGGGS-CD8またはCD28-TCRζ-PacI。内部C9ペプチドによりタグ付加されたキメラTCRコンストラクトを、NotIおよびPacI制限部位を用いて、抗CXCR4 scFv-Fc、クローン48を含むpcDNA3.1-F105L-ヒンジ-スタッファーベクターにクローニングした。この設計により、我々は、キメラTCR受容体コンストラクトをFc部分フラグメントと置き換わるよう挿入した。次に、抗CAIX scFv(クローンG36)および抗CCR5 scFv(無関係のscFv対照としての、クローンA8)抗体フラグメントを、SfiI/NotI部位で抗CXCR4 scFvと置き換わるようクローニングし、CAIX特異的キメラTCRコンストラクトを作製した。
レンチウイルスベクターpHAGE-CMV-DsRed-IRES-ZsGreenおよび4つのHIVヘルパープラスミドpHDM-Hgpm2(HIV gag-pol)、pMD-tat、pRC/CMV-revおよびEnv VSV-Gプソイドタイプを、BostonにあるThe Harvard Gene Therapy InitiativeのVirus Production CoreのRichard Mulligan博士から入手した。pHAGE-CMV-IRES-ZsGreen内のCMVプロモーターを、SpeI/NotI部位で、pSINレンチウイルスベクター由来のEF1αプロモーターで置き換えた。CAIX+細胞に対する高い親和性およびCAIX+腫瘍細胞のみに対する高いADCCを示す、5つのscFv-Fc抗体のうちの1つであるG36を、DsRedタンパク質の第1カセットを置き換えるようAscI/BamHIでpHAGE-EF1αレンチウイルスベクターにクローニングした。
レンチウイルスの生産およびヒト初代T細胞の形質導入。レンチウイルスは、リポフェクタミン2000を製造元の指示(Invitrogen)にしたがい用いた293T細胞への5プラスミド一過トランスフェクションによって生産した。細胞を、15 cmペトリ皿(Nalge Nunc)において80%コンフルエンスとなるよう調製し、30μgの総プラスミドDNAでトランスフェクトした。ベクタープラスミドの比(pHDM-Hgpm2(HIV gag-pol): pMD-tat: pRC/CMV-rev: Env VSV-Gプソイドタイプ)は、20:1:1:1:2であった。D-10培地に交換した後、ウイルス上清を3日目に収集し、0.45μmフィルターを通してろ過し、16,500 rpm(48,960 x g、Beckman SW28ローター)および4℃で90分間の超遠心分離(Beckman Coulter, Fullerton, CA)によって濃縮した。ウイルスペレットをR-10培地で再懸濁し、-80℃で凍結状態を維持した。
1つの態様において、レンチウイルスを、ポリエチレンイミン(PEI)を用いた293T細胞への5つのプラスミドの一過的トランスフェクションにより生産した。簡単に説明すると、15 cmプレート(Nalge Nunc)中の各々80%コンフルエンスの293T細胞を、5μgの各構造プラスミドpHDH-Hgpm2(HIV gag-pol)、pMD-tat、pRC/CMV-revおよびEnv VSV-GならびにCARを含む10μgの主プラスミド(抗CAIX/抗PD-L1 IgG1、抗CAIX/抗PD-L1 IgG4、抗CAIX/抗SARS IgG1または抗BCMA/抗SARS IgG1)である、30μgの計5つのプラスミドでトランスフェクトした。ウイルス上清を、Lenti-X Concentrator(Clontech)を製造元の指示にしたがい用いて濃縮し、-80℃で凍結状態を維持した。
ヒトPBMCを、フィコール密度勾配分離によって単離し、2μg/ml PHA(Sigma)および100 IU/mlヒトIL-2で4日間活性化させた。細胞を、10μg/ml DEAEの存在下、10〜20の感染多重度(MOI)での2または3ラウンドのレンチウイルス形質導入により感染させた。形質導入の3日後、形質導入されたT細胞を、インビトロでの表現型および機能分析のために回収するかまたはインビボ実験のために増殖させた。
CD8+ T細胞の選択、活性化およびレンチベクター形質導入。書面上のインフォームドコンセントを得た健常ボランティアから回収された血液カラー(blood collar)を、Brigham and Woman's Hospital(Boston, MA)の血液バンクから得た。ヒト末梢血単核細胞(PBMC)の単離は、Ficoll-Paque PLUS(GE Healthcare, NJ)を用いて行った。CD8 Positive Isolation(Life Technologies)のDynabeadsを使用してPBMCからCD8陽性細胞を単離し、これを10%熱不活性化ウシ胎仔血清、20 mM HEPES、100 IU/mlペニシリンおよび100μg/mlストレプトマイシンを含むRPMI 1640培地(Life Technologies)中で培養し、50 IU/mLのIL-21(Peprotech)を2日ごとに培地中に添加した。IL-2またはIL-21が抗CAIX CART細胞の増殖を誘導する上で最良のサイトカインであるかどうかを決定するために行うアッセイを、50 IU/mLの各サイトカインを用いて行った。CD8+ T細胞を、Dynabeads Human T-Activator CD3/CD28(Life Technologies)を1:1の比で用いて活性化させた。この細胞に、20の感染多重度および10μg/mLのジエチルアミノエチルの下でレンチウイルスを用いて形質導入を行った。すべてのアッセイを、3連で、かつ3名の異なる健常ドナー由来のT細胞を用いて行った。
フローサイトメトリー分析。ヒト初代T細胞の形質導入効率を、レポーター遺伝子(ZsGreen)の発現によって評価した。CAIX-Fcタンパク質を、CAIXアミノ酸38〜397、その後にヒトIgG1ヒンジ、CH2およびCH3ドメインをコードし、CAIXシグナルペプチド(aa1〜37)がIgリーダー配列で置き換えられたpcDNA3.1プラスミドから発現させた。形質導入されたT細胞におけるscFv(G250)の発現は、細胞を1μgのCAIX-Fcタンパク質、次にAPC結合マウス抗ヒトIgG抗体(Jackson ImmunoResearch)で染色することによって試験した。さらに、形質導入されたT細胞におけるTCRコンストラクトのscFvドメインの内部ロドプシンナノペプチド(TETSQVAPA)C9タグの発現を、5μgのマウス1D4抗体、その後のAPC結合ヤギ抗マウスIgG抗体(Jackson ImmunoResearch)による染色によって検出した。分析のために、クローン性増殖実験中の培養物中のヒト細胞のサブセットを、CD3(クローンS4.1)、CD4(クローンS3.5)またはCD8(クローン3B5)に対する蛍光結合マウス抗ヒト抗体(Invitrogen)によって染色した。すべての細胞染色において、会社の指示にしたがい推奨される濃度の抗体で50万個の細胞を染色した。各サンプルでアイソタイプ一致対照抗体を使用し、細胞をFACSCaliburサイトメーター(Beckton-Dickinson)を用いて分析した。
1つの態様において、293T細胞またはCD8+ T細胞の形質導入を、抗CAIXまたは抗BCMA発現のFACS分析によって確認した。細胞を、我々の研究所において作製した10μg/mLのヒトCAIX-FcまたはヒトBCMA-マウス-Fc(AB Bioscience)で染色し、その後に、それぞれ、1:250のAPC結合マウス抗ヒトIgG Ab(Southern Biotech)またはヤギ抗マウスIgG Ab(Biolegend)で現像した。CountBright(商標)Absolute Counting Beads(Molecular Probes)を、増殖およびクローン性増殖アッセイに使用した。すべてのサンプルを、LSR FortessaまたはFACSCalibur(BD Bioscience)を用いて分析し、データを、FlowJoソフトウェアを用いて分析した。CART細胞のT細胞疲弊の状態を分析するため、それらを、IL-21 50 U/mL(Peprotech)およびDynabeads Human T Activator CD3/CD28の存在下で5日間培養した。この期間の後に、疲弊を刺激するために、CART細胞をSkrc-59 CAIX+ PD-L1+細胞と2日間共培養した。このアッセイ由来の1x106個のCART細胞およびインビボアッセイから回収された腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を、FITC結合抗ヒトPD-1、PE結合抗ヒトTim3、PerCP/Cy5.5結合抗ヒトLag3抗体(Biolegend)およびPacific Blue結合抗ヒトCD45で染色し、FACSによって分析した。このプロジェクトで使用された異なるRCC細胞系統におけるCAIXおよびPD-L1の発現レベルを検証するため、我々は、我々の研究所で作製された10μg/mLの抗ヒトCAIX mAb(クローンG36)および10μg/mLのビオチニル化マウス抗ヒトPD-L1(Biolegend)を使用した。一次抗体を、それぞれ、1:250のAPC結合抗ヒトAbおよびPE結合アビジンを用いて検出し、FACSによって分析した。
レンチウイルス形質導入T細胞のADCCおよび細胞傷害性アッセイ。細胞傷害性アッセイは、DELFIA EuTDA Cytotoxicityキット(Perkin Elmer, Boston, MA)を製造元の指示にしたがい用いて行った。簡単に説明すると、標的腫瘍細胞を、37℃で30分間、蛍光リガンド(BATDA)で標識し、1 x 104個の標識された細胞を、96ウェルU底プレートの各ウェルに投入した。抗体依存細胞傷害性(ADCC)アッセイでは、1μg/mlまたは5μg/mlの濃度の抗CAIX scFv-Fc抗体のパネルまたは無関係のscFv-Fc抗体を別々に添加した。アッセイを、50:1、25:1および12.5:1のエフェクター細胞(ヒトPBMC)対標的細胞の比(E:T)で準備した。T細胞細胞傷害性アッセイでは、異なるエフェクター細胞(非形質導入または形質導入T細胞)対標的細胞比(E:T)を準備した(100:1、50:1および25:1)。培養物を、加湿された5% CO2下、37℃で4時間インキュベートした。プレートを500 x gで5分間回転させた後、20μlの上清を平底プレートに移した。200μlのユーロピウム溶液を添加し、細胞から放出された蛍光をフルオロメーター(Victor(商標)、PerkinElmer)により読み取った。自然放出の対照は標識細胞のみを培養することにより準備し、最大放出の対照は標識細胞に溶解緩衝液(キットに提供されたもの)を添加することによって作製した。
ELISA、ELISPOTアッセイおよびウェスタンブロット。サイトカイン分泌のために、RCC細胞株sk-rc-52(CAIX+)またはsk-rc-59(CAIX-)を、24ウェルプレートのウェルあたり1 x 106個となるよう一晩播種し、その後に1 x 106個の非形質導入または形質導入T細胞を播種した。腫瘍細胞との共培養の前に、ヒトIL-2を除去するためにT細胞をPBSで2回洗浄した。一晩のインキュベートの後、上清を収集し、ELISA(e-Bioscience)によりIL-2およびIFN-γについて分析した。IFN-γ ELISPOTアッセイ(e-Bioscience)においてT細胞を検出するために、AEC基質溶液を用いて膜を現像し、スポット数をELISPOTプレートリーダー(C.T.L. Cellular Technology)によって計数した。
ウェスタンブロットについて、非形質導入および形質導入T細胞の準備は、記載された通りとした50。100万個の細胞を非還元および還元緩衝液(0.1 Mジチオトレイトール)中で準備し、10〜20%ポリアクリルアミド勾配ゲル(Invitrogen)上を泳動させた。タンパク質を、100V、4℃で一晩、フッ化ポリビニリデン転写膜(NEN Life Science Products, Boston, MA)に転写した。この膜を1:2000の一次抗体、抗ヒトζ鎖モノクローナル抗体8D3(BD Pharmingen, San Diego, CA)、次いで1:3000の二次抗体西洋ワサビペルオキシダーゼ(Caltag)と共にインキュベートした。免疫検出を、ECL Plusウェスタンブロット検出システム(GE Healthcare, Piscataway, NJ)およびx線フィルム照射を用いて行った。
ELISAを用いたCART細胞により分泌されたIgGの検出。形質導入細胞の培地に分泌された総IgGレベルを、Human IgG ELISA Quantitation Set(Bethyl Laboratories)を用いて検出した。形質導入CD8+ CART細胞により分泌された抗PD-L1 Abを、プロテインAセファロースビーズ(GE Healthcare)を用いて精製し、EZ-Link Sulfo-NHS-LC-Biotin(Thermo Scientific)を用いてビオチニル化した。これらの抗体を、MaxiSorpプレート(Nunc)に室温で2時間事前固定された、我々の研究所で作製された5μg/mLのヒトPD-L1と共にインキュベートした。ビオチニル化抗体は、ストレプトアビジン-HRPとの1時間のインキュベートによって検出し、SureBlue(商標)TMB Peroxidase SubstrateおよびTMB Stop Solution(KPL)を用いて現像した。吸光度を、λ=450 nmで読み取った。
腫瘍細胞との接触後の増殖、クローン性増殖およびサイトカイン分泌。腫瘍細胞を、照射し(3,000ラド)、ウェルあたり2.5 x 105個播種した。一週間の培養のために、1 x 106個のT細胞をR-10および100 IU/mlのヒトIL-2を含む培養培地中に添加した。適当な密度を維持するためにT細胞を分割し、毎週腫瘍細胞で再刺激した。2週間の間、T細胞の数を3または4日ごとに計数した。形質導入T細胞およびT細胞サブセットによるZsGreenの発現率を、毎週、蛍光活性化細胞選別(FACS)により決定した。腫瘍細胞との接触後のサイトカイン分泌の研究のために、照射した腫瘍細胞と1または2週間接触したT細胞を洗浄し、新鮮な腫瘍細胞と共に一晩インキュベートし、そして培養上清を24時間後に分析のために回収した。
CAIX+ CART細胞のクローン性増殖
1つの態様において、Skrc52 CAIX+/PD-L1-およびSkrc52 CAIX-/PD-L1-細胞に3,000ラドを照射し、ウェルあたり2.5 x 105個を播種した。1 x 106個のT細胞を、50 IU/mlのヒトIL-21を含む培養培地に2日ごとに添加した。適当な密度を維持するためにT細胞を分割し、毎週腫瘍細胞で再刺激した。T細胞の数を、3週間の間1週間に1回FACSにより計数した。
RCC細胞の生存性に対する抗PD-L1抗体を分泌する抗CAIX CART細胞の効果および抗体依存細胞傷害性(ADCC)。2.5 x 103個のSkrc59 CAIX+/PD-L1+およびSkrc52 CAIX-/PD-L1-を96ウェルプレートに一晩プレーティングした。CART細胞の形質導入から4日後、25:1、50:1および100:1のエフェクター細胞:腫瘍細胞(E:T)比でそれらをRCC細胞に添加し、一晩インキュベートした。CART細胞を除去し、腫瘍細胞の生存性をMTT(Life Technologies)でアッセイした。ADCCアッセイでは、RCC細胞を、抗PD-L1 IgG1、抗PD-L1 IgG4または抗SARS IgG1の各Abが500 ng/mLとなるよう調節した50μLのCART細胞上清と共に37℃で1時間インキュベートした。次いで細胞を、12.5:1、25:1または50:1のNK細胞と共に37℃で4時間インキュベートした。CytoTox 96(登録商標)Non-Radioactive Cytotoxicity Assay(Promega)によって上清中の乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)を測定した。
機能的なCART細胞によって放出されたIL-2およびIFNγを検出するELISAアッセイ。サイトカイン分泌の分析のために、2.5 x 103個のRCC細胞であるSkrc59 CAIX+/PD-L1+またはSkrc52 CAIX-/PD-L1-を96ウェルプレートに一晩播種し、その後に5:1、25:1および50:1のCAR形質導入T細胞を添加し、一晩インキュベートした。上清を取り出し、Human IFNγまたはHuman IL-2 ELISA Ready-SET-Go-Kit(eBioscience)を用いてIL-2およびIFNγ分泌について分析した。
同所腎細胞癌モデルの構築およびCART細胞療法。5 x 104個の継代したSkrc59 CAIX+/PD-L1+細胞を、10μLの培養培地に懸濁し、Matrigel(商標)(Life Technologies)で1:1希釈し、6〜8週齢のオスNSGマウス(N=35)の左腎被膜下に注射した。1週間後、腫瘍の移植を、Xenogen IVIS画像化システム(Life Technologies)を用いた生物発光(BLI)画像によって確認し、1.0 x 107個の各CAR T細胞(抗BCMA CAR/抗SARS IgG1、抗CAIX CAR/抗SARS IgG1、抗CAIX CAR/抗PD-L1 IgG1および抗CAIX CAR/抗PD-L1 IgG4)または非形質導入T細胞を尾静脈に静脈内注射した(0日目);グループあたりN=6匹のマウス。腫瘍BLIを、CART細胞注射の7、14、23および30日後に定量した。2.5 x 106個のCARまたは非形質導入T細胞の2回目の注射を、17日目に行った。マウスを、標準的なCO2吸入により、腫瘍移植後30日で屠殺し、腫瘍を収集および秤量した。すべてのマウス由来の腎臓腫瘍を二等分し、その一方を小片に断片化し、コラゲナーゼ0.5 U/mLおよびDNAse 1.0 mg/mLで消化してTIL抽出を行い、これをFACSにより疲弊マーカーの発現およびCART細胞のパーセンテージについて分析した。もう一方の部分は、10%緩衝化ホルムアルデヒドで固定し、異なるマーカーについての免疫組織化学に供した。安楽死の2日前に、各グループの2匹のマウスに4.5x106個のNK細胞を注射した。腫瘍に存在するNK細胞をAPC-抗CD56 Abで染色し、FACSにより分析した。動物実験は、DFCI Animal Care Committeeのガイドラインにしたがい行った。
腫瘍の形成およびT細胞療法。1つの態様において、6〜8週齢のメスBALB/cヌードマウスにおけるsk-rc-52の免疫拒絶および速いインビボ成長特性を考慮して、500万個の細胞をマウスに皮下接種し、収集し、インビトロで増殖させた。次いでこの細胞株をヌードマウスにおいてさらに2回継代し、継代細胞をさらなる実験のために増殖させた(サブクローン4-1)。治療実験において、500万個のsk-rc-59および750万個の継代したsk-rc-52細胞を、同等の腫瘍成長速度となるようヌードマウスの反対側の側面に皮下接種した。7日後、腫瘍は約6 mmのサイズに成長し、5000万個の非形質導入または形質導入T細胞を静脈内注射した。このマウスを、2日ごとに腹腔内注射により20,000 IUのヒトIL-2によっても処置した。腫瘍サイズをカリパスにより二次元的に測定し、2つの腫瘍の直径の平均をここに報告した。動物実験は、Dana Farber Cancer Institute Animal Care Committeeのガイドラインにしたがい行った。腫瘍が15 mm径または2,000 mm3に達したときにマウスを屠殺し、腫瘍を収集した。
免疫組織化学および免疫蛍光染色。形質導入T細胞のインビトロ試験のために、培養したT細胞をPBSを用いて2回洗浄し、37℃で15分間、PBS中2μMのFar Red DDAO-SE CellTrase色素(Molecular Probe)に再懸濁した。次いで細胞を培養培地で2回洗浄し、ガラススライド上でサイトスピンした。ZsGreenを共発現するFar redで事前染色したCART細胞を、Harvard NeuroDiscovery CenterのOptical Imaging Core施設にて共焦点顕微鏡(Zeiss)を用いて観察した。
インサイチューでの腫瘍床における形質導入T細胞の死滅効果を試験するため、腫瘍を、ApopTag Peroxidase In Situ Apoptosis Detectionキット(Millipore)用の凍結切片として調製した。凍結切片をTdT酵素(Millipore)と共に1時間インキュベートした。ウサギ抗DIG(Dako)を添加し、30分間インキュベートし、ついでCy3結合抗ウサギ抗体(Invitrogen)を添加し、30分間インキュベートした。切片をDAPIアンチフェードマウンティング培地を用いてマウントし、共焦点顕微鏡を用いて蛍光画像を試験した。
異種移植腫瘍およびマウス脾臓を収集し、10%ホルマリン/PBS溶液で固定し、Harvard Medical School, Rodent Histopathology Core Facilityに提供した。染色前に、パラフィン包埋切片をキシレンで脱ろう処理し、等級のあるアルコールを通じて再水和させた。免疫組織化学染色を、一次抗体としての抗ヒトグランザイムB抗体(Dako、クローンGrB-7(1:200))と共に1時間インキュベートし、その後に二次抗ウサギ抗体(Pierce)または抗マウス抗体(Dako)と共に30分間インキュベートすることによって行った。切片を、DAB基質を用いて現像し、ヘマトキシリンを用いて対比染色した。
1つの態様において、固定した腫瘍をパラフィン包埋し、4マイクロメーターの切片にし、スライド上に置き、そしてIHQ用に調製した。この組織を、抗ヒトKi67(Vector, VP-K451)、PD-L1(Clone 405.9A11、Gordon Freeman博士の研究所で作製)、グランザイムB(Abcam、ab4059)またはNCAM(CD56)(Abcam、ab133345)抗体で、その後に二次HRP結合抗ウサギAbまたはHRP-アビジンで染色した。スライドを、DABを用いて現像し、ヘマトキシリンで対比染色した。画像は、DP71デジタルカメラ(Olympus)を用いてOlympus BX51顕微鏡下で取得し、DP Controller Software(Olympus)で分析した。画像の定量は、Varghese F, Bukhari AB, Malhotra R, De A. IHC Profiler: an open source plugin for the quantitative evaluation and automated scoring of immunohistochemistry images of human tissue samples. PloS one. 2014;9;e96801に記載されるようにImageJ SoftwareのIHC Profiler Pluginを用いて行った。
統計学的分析
統計学的有意性は、両側スチューデントt検定を用いて決定した。
図16〜23に関する統計学的分析は、それ以外のことが記載されていない限り、少なくとも3回の実験を代表するものである。データの統計学的有意性は、ANOVAおよびTukey事後検定を用いて評価した。P<0.05を有意とみなした。統計学的分析は、IBM SPSS Statisticsソフトウェアバージョン20を用いて行った。
実施例2:抗CAIX抗体のADCCを通じた死滅およびCAR標的化部分の選択
我々は以前に、それらのエピトープマッピング、発現レベルおよびCAIXをインターナライズする能力に関して相違する高親和性ヒト抗CAIX抗体のパネルを報告した23。我々の最初の目的は、CAR構築の候補としてこれらの抗CAIX単鎖抗体のうちの5つの抗腫瘍活性を調査することであった。抗CAIX mAbを通じたADCCを試験するため、scFvをscFv-Fc(hIgG1)ミニボディに変換した23。我々は、すべてのscFv-Fcが抗原特異的腫瘍溶解を示すことを見出した。CAIX-腫瘍細胞株sk-rc-59に対する溶解が<5%というバックグラウンドの下で、高CAIX+発現を示す腫瘍細胞株sk-rc-09に対して、特異的溶解は40〜57%の範囲であり、中程度のCAIX+発現を示すsk-rc-52に対して、特異的溶解は46〜60%の範囲であった。陰性対照scFv-Fc、例えば抗CXCR4 48-Fc23および抗SARS 11A-Fc24に対しては、バックグラウンドレベルの細胞溶解しか観察されなかった(図1)。ADCC死滅および他の報告されている分析に基づき、scFvG36を、CAR標的化部分としてさらなる評価のために選択した。
CAIX特異的キメラ受容体の構築および発現。2世代の抗CAIX CARを構築した:CD8、TCRζの短縮型細胞外、ヒンジおよび膜貫通ドメインならびにシグナル伝達ドメインに連結されたscFv G36(G36-CD8z)を有する第1世代G36 CD8 CAR。共刺激シグナルを送達するため、CD28の短縮型細胞外、膜貫通および細胞内ドメインならびにTCRζのシグナル伝達ドメインに融合されたscFvG36からなる第2世代CD28 CARを作製した(G36-CD28z)(図2A)。代わりに抗HIV CCR5(クローンA8)scFvを使用することによって無関係の第2世代CD28 CARを作製した25。これらのコンストラクトの発現を検出するため、ヒトロドプシンC9タグを、scFvとそれぞれCD8またはCD28ドメインの間に挿入し、IRES配列の後にZsGreenを発現させた。異なるコンストラクトの間で同等のレベルの高濃度のウイルスストックを得、これは293T細胞へのベクタープラスミドの共トランスフェクトにより試験した(データ示さず)。
形質導入のために、PHAマイトジェンを使用して末梢血リンパ球を3日間刺激した。濃縮レンチウイルス上清を使用して、ポリブレンとの比較で形質導入率を1.5〜2倍向上させる(データ示さず)カチオン性試薬DEAEの存在下でヒト初代T細胞を感染させた。初代T細胞の形質導入率は、FACS分析におけるZsGreen発現で17%〜45%の範囲であった。レンチウイルス形質導入後の初代CART細胞による約25%のZsGreen発現を示す代表的な実験が図2Bの左カラムに示されている。CAIX-Fc融合タンパク質は、G36-CD8zおよび-CD28z CART細胞に結合することができるが、対照A8-CD28z CART細胞には結合しない(図2B、中央カラム)。C9タグ発現は、CAIX-Fcタンパク質のレベルの約1/3でしか検出されず(図2B、右カラム)、これはmAb 1D4が、内部ポリペプチド配列に対してカルボキシ末端ポリペプチド配列として提示されたときにロドプシンナノペプチドC9を優先的に認識するという知見(データ示さず)を関連すると考えられる。インビトロで6週間培養された形質導入細胞は、それらのZsGreen発現を維持した。
還元条件下でのウェスタンブロットにおいて、G36およびA8 CD28z CARは、約53 kDの分子量に移動し、内因性TCRζは16 kDaであった。G36-CD8z CARは、約48 kDの分子量に移動した。非還元条件下で、これらの2つのCD28z CARは、ホモ二量体を形成した(図2C、CD8z CARのデータは示さず)。
実施例3:CAIX+腫瘍と接触した際の形質導入T細胞による向上したサイトカイン分泌
MHC提示を回避し、T細胞エフェクター機能を向上させるために共刺激分子CD28のシグナル要素を組み込んだ第2世代G36-CD28z CART細胞の報告された優れた効果を第1世代G36-CD8z CART細胞と比較するための研究を行った。図3Aに示されるように、CAIX+ sk-rc-52細胞との一晩のインキュベート後、対照A8 CD28z CART細胞またはLAK細胞単独では、低レベルのI型サイトカインIL-2、IFNγおよびIL-17分泌のみが観察された。対照的に、第1世代および第2世代の両方のG36発現CART細胞は高レベルのサイトカイン分泌を示し、第2世代G36-CD28z CART細胞は第1世代G36-CD8z CART細胞との比較で、それらの高い活性化状態を反映する多量のI型サイトカインを分泌した。具体的に、G36-CD28z CART細胞は、G36-CD8z CART細胞よりそれぞれ6.5倍、2.3倍および4倍多いIL-2、IFNγおよびIL-17を分泌した。この2つのG36 CART細胞によるサイトカイン分泌の誘導の特異性は、CAIX- sk-rc-59細胞を用いた場合のそれらの最小の刺激により観察される。
Elispot研究において、CAIX+ sk-rc-52腫瘍との相互作用の後、G36-CD28z CART細胞は、高IFN-γ産生細胞となった(図3B)。G36-CD28z CART細胞は、CAIX+ sk-rc-52腫瘍細胞との相互作用によりG36-CD8z CART細胞で見られるよりも6倍多いスポットおよびCAIX- sk-rc-59腫瘍細胞との相互作用の後に見られるよりも12倍多いスポットを生成した。同様に、G36-CD28z CART細胞は、G36-CD8z CART細胞および対照T細胞との比較で、CAIX+腫瘍との接触後により多量のグランザイムB分泌スポットを有した。PMAおよびイオノマイシンにより刺激されたT細胞は、最も多量のIFN-γおよびグランザイムB分泌T細胞を生じた。これらの研究は、CAIX+腫瘍細胞との接触により活性化されるG36-CD28z CART細胞の特異性および高生産性の両方を実証している。
実施例4:形質導入T細胞におけるCARシグナルを通じた特異的細胞傷害性
異なるG36 CART細胞の死滅活性をさらに評価するため、インビトロ細胞傷害性アッセイを構築した。異なるエフェクター対標的比を用いて、G36-CD28z CART細胞およびその2回インビボ継代サブクローン4-1は、CAIX+腫瘍sk-rc-52の最も多量の細胞溶解を示した(図3C)。25:1を超える高い比を用いた場合、G36-CD28z CART細胞は、G36-CD8z CART細胞よりも2〜3倍高い細胞傷害性を示し、5:1の低い比を用いた場合、G36-CD28z CART細胞は、G36-CD8z CART細胞よりも8〜9倍高い溶解性を示した。しかし、G36-CD28z CART細胞は100:1のE:T比を用いた場合でもなおも60%超の腫瘍溶解を示す良好な細胞傷害性を示した。無関係のA8-CD28z CART細胞および対照T細胞LAKは、最大100:1のE:T比を用いた場合に、約20%の溶解を示すバックグラウンドの非特異的腫瘍溶解を示した。CAIX-腫瘍sk-rc-59を用いたすべての例で、形質導入および非形質導入T細胞は、バックグラウンド溶解を示した。
実施例5:長期間のCAIX+腫瘍存在下でのCART細胞における改善されたインビトロ増殖
CAIX+腫瘍細胞と短期間接触させたときの向上したサイトカイン分泌および細胞傷害性とは別に、CARコンストラクトへのCD28共刺激分子の組み込みは、抗原特異的腫瘍細胞と長期間接触させたときに改善された増殖を示した。非形質導入および形質導入(約20%)T細胞を、100単位/mlのヒトIL-2の存在下で毎週新たに照射した腫瘍細胞と混合した。一定量のT細胞に対する異なるレベルの抗原刺激を試験するため、我々は1:8、1:4および1:2の腫瘍細胞対T細胞比を使用した。T細胞数は、トリパン除去により計数し、CART細胞画分をフローサイトメトリーにより試験した。CAIX- sk-rc-59腫瘍細胞との培養下で、形質導入および非形質導入T細胞の数は維持された(図4A下)。対照T細胞の基準レベルの増殖の欠如は、腫瘍細胞株によって分泌される多量の抑制性サイトカインに起因するものと考えられる。対照的に、CAIX+ sk-rc-52腫瘍細胞との2週間の培養の後、1:8の比で、G36-CD28z CART細胞の集団は30倍に増加し、G36-CD8z CART細胞は17倍に増殖し、1:4の比で、G36-CD28z CART細胞の数は19倍に増加し、G36-CD8z CART細胞は4倍に増加した。多量の腫瘍細胞の下で、G36-CD28zまたはG36-CD8zのいずれのCART細胞も増殖することができなかった。無関係のA8-CD28z CART細胞および対照T細胞LAKは、腫瘍細胞の下で増殖を示さなかった(図4A上)。
増殖性のT細胞をまた、CAIX+腫瘍細胞接触時のそれらの濃縮を試験するために収集した。CAIX-腫瘍との接触によって、この集団内のいかなるCART細胞のパーセンテージも変化しなかった。しかし、CAIX+ sk-rc-52腫瘍細胞との接触により、両方のG36 CART細胞の集団で濃縮が見られた。G36-CD28z CART細胞では、陽性集団は0日目の18%から8日目の52%そして16日目の88%まで濃縮された。G36-CD8z CART細胞の発現は、0日目の19%(T細胞のみの場合と同レベル)から8日目の32%そして16日目の72%まで濃縮された。この2週間の研究の間にA8-CD28z CART細胞の増殖は見られなかった(図4B)。CD8細胞のパーセンテージは、すべての条件下で、16日間の研究を通じて一定に維持された(図4C)。
実施例6:腫瘍との再接触後のCART細胞の持続的なエフェクター機能
照射した腫瘍細胞と1または2週間接触させた形質導入T細胞を、新たな非照射腫瘍細胞との24時間の接触後のサイトカイン分泌についても試験した。CAIX+腫瘍(sk-rc-52)との1または2週間の接触により、G36-CD28z CARを通じた共刺激シグナルはG36-CD8z CARで見られたよりも2倍〜2.5倍多いIFN-γ分泌を示したものの、G36-CD28zおよびG36-CD8z CART細胞は同様のIFN-γ分泌レベルを示した(表1)。IL-2分泌に関して、G36-CD28zおよびG36-CD8z CART細胞の2週間の腫瘍接触は、1週間の接触よりも多いIL-2分泌を示した。G36-CD28z CART細胞は、1週間の接触ではG36-CD8z CART細胞よりも5倍多い、2週間の接触では2.5倍多いIL2を生じた。加えて、腫瘍細胞と2週間接触させたG36-CD28z CART細胞は、1回の腫瘍接触よりも3.3倍多いIL-2を分泌し、G36-CD8z CARTは、1週間の腫瘍接触と比較して2週間の後に6.8倍多いIL-2分泌を示した。これらの結果は、形質導入CART細胞が、2回目の腫瘍刺激後に疲弊せず機能的活性を維持していたことを示している。CAIX- sk-rc59細胞と接触させたA8-CD28z、LAKおよびG36 CART細胞の処置では、バックグラウンドレベルのIFN-γおよびIL-2分泌しか観察されなかった。
実施例7:CART細胞による形成された腫瘍の抑制
我々は次に、同様の腫瘍曲線を生じるよう形成されたsk-rc-52腫瘍細胞を左脇腹に、sk-rc-59腫瘍細胞を右脇腹に接種したヌードマウスにおいて、CART細胞が形成された腫瘍細胞の成長を阻害することを試験した。典型的な腫瘍サイズが約6x6 mmとなった腫瘍移植後7日目に、5000万個のG36-CD28z CART細胞、A8-CD28z CART細胞または非形質導入T細胞(LAK)を静脈内注射した。養子T細胞療法を、第1の試験ではn=7、第2の試験ではn=8のグループサイズの2つの別個の実験で、腹腔内注射を通じて高用量IL-2(2x105 IU)の存在下で実施した。腫瘍の成長および細胞療法の効果を比較するために、T細胞処置を含めなかった。
第1試験において、処置および未処置CAIX- sk-rc-59腫瘍は、(4つの試験グループ内で)4日目に6.09±0.02 mmおよび25日目に9.29±0.12 mmの平均サイズを有していた。それらは、対照グループおよびT細胞処置グループにおいて同じ腫瘍成長率を示した。T細胞を与えられなかった未処置CAIX+腫瘍は、CAIX-腫瘍と同様の腫瘍サイズを示し、4日目に6.09±0.13 mmおよび25日目に9.15±0.11 mmの平均サイズであった。しかし、G36-CD28z CART細胞処置マウスの腫瘍サイズは、25日間の研究の間に試験されたあらゆる時点でT細胞処置なしマウスと比較して統計学的に有意なサイズ減少を示した(図5)。G36-CD28z CART処置はまた、両側t検定による計算で、7日目(p<0.05)および25日目(p<0.001)に、A8-CD28z CART細胞およびLAK処置マウスで見られたよりも大きな腫瘍サイズの減少をもたらした。第2試験において、G36-CD28z CART細胞処置マウスの腫瘍サイズは、29日間の実験を通じて、T細胞処置なしマウスのそれよりも有意に小さかった。G36-CD28z CART細胞処置マウスはまた、8日目〜26日目までp<0.01でおよび29日目にp<0.001で、A8-CD28z CART細胞およびLAK処置マウスで見られたよりも小さい腫瘍を有した(図5)。
その腫瘍サイズが、同じT細胞を与えられた同じマウスにおける対照CAIX-腫瘍の容積の30%よりも小さくなったときに、CAIX+腫瘍の部分退行とみなした。部分腫瘍退行は、G36-CD28z CART細胞を用いた例の高い割合(15のうちの10(67%))で観察されたが、無関係の標的A8-CD28z CART細胞(15のうちの1(7%))および活性化T細胞LAK(15のうちの2(13%))ではごくわずかであった(表2)。部分退行応答の頻度は、対照A8-CD28z CART細胞およびLAKに対してG36-CD28z CART細胞で処置されたマウスにおいて、Fisher検定によりそれぞれp<0.001およびp<0.005で、統計学的に有意であることが見出された。
実施例8:CART細胞によるインサイチュー細胞傷害性
インビボ研究で使用した形質導入T細胞の総集団のサンプルを、Far red色素で事前染色し、その集団内でZsGreenタンパク質を発現するCART細胞を共焦点顕微鏡により分析した。これらの結果は、我々のFACS分析と同様、約30%の形質導入効率を示した(図6A)。
インビボでのCAIX+ sk-rc-52腫瘍細胞のG36-CD28z CART細胞処置がアポトーシスによる死滅をもたらす証拠を提供するため、腫瘍切片をTunnelアッセイによって染色した。養子T細胞処置後3日目に、Tunnel染色は、腫瘍辺縁部(図6B下列)および腫瘍床内(図6B中央列)でアポトーシス性の腫瘍細胞(赤色)を示した。アポトーシス性腫瘍細胞は、DAPI核染色を消失した。アポトーシスを起こしている2つの腫瘍細胞と相互作用するZsGreen発現CART細胞が、拡大されたグラフに示されている(図6B下列)。
蛍光シグナルの限界により、ZsGreenを発現するCART細胞は、総組織切片から観察することができなかった。したがって、G36-CD28z CART細胞またはLAK処置後3日目に、腫瘍を収集し、活性化されたT細胞を特定するために切片をグランザイムB抗体によっても染色した。図6Cにおいて、暗褐色の染色領域は、グランザイムB+ T細胞を示しており、これらがCAIX+ sk-rc-52腫瘍切片に浸潤していることが観察される(図6C左上)。これらのグランザイムB+ T細胞は、腫瘍の周囲(図6C左上(a)および中央)ならびに腫瘍内側(図6C左上(b)および下)で観察された。壊死領域を有する腫瘍は、H&E染色スライドで示され(図6C中央右および下においてnで示されている)、グランザイムB+ T細胞付近の位置に存在している。対照的に、対照活性化T細胞(LAK)で処置されたCAIX+ sk-rc-52腫瘍(図7)は、グランザイムB+ T細胞を示さなかった。同様に、G36-CD28z CART細胞で処置された(図8)またはLAKで処置された(図9)CAIX- sk-rc-59は、低いバックグラウンド染色を示し、腫瘍は増殖性であった。グランザイムB染色の陽性対照として、マウス内の形成されたsk-rc-52腫瘍にCART細胞を局所注射した。1日後、マウスを屠殺し、腫瘍組織をこの染色のために切り出した(図10)。
(表1)腫瘍細胞との1または2週間の接触後のサイトカイン分泌*
Figure 2018504894
* - 形質導入されたT細胞を照射した腫瘍細胞と共に1または2週間インキュベートし、次いで収集し、洗浄し、新鮮な非照射腫瘍細胞と共に一晩インキュベートし、24時間後に上清をサイトカイン分析のために回収した。腫瘍細胞と相互作用しなかったT細胞培養物では、<50 pg/ml IFN-γおよび<10 pg/ml IL-2のレベルのバックグランドレベルのサイトカインしか検出されなかった。
(表2)G36-CD28z CART細胞によるCAIX+腫瘍の部分退行の頻度
Figure 2018504894
図5に報告されている実験(実験1、n = 7および実験2、n = 8)由来のマウスを10日目における応答について採点した。部分応答は、対照腫瘍(左脇腹にsk-rc-52および右脇腹に対照腫瘍sk-rc-59を有する同じマウスにおける同じT細胞処置)の容積の30%未満への腫瘍の退行と定義される。
フィッシャー検定の結果 - *G36-CD28z対LAK;**G36-CD28z対A8-CD28z;N.S. - 腫瘍の数とLAKを形質導入したT細胞とA8-CD28zを形質導入したT細胞の間の部分応答の間に統計学的に有意な関係がない。
実施例9:抗PD-L1抗体を放出する抗炭酸脱水酵素IXキメラ抗原受容体T細胞はヒト化マウスモデルにおいて細胞の疲弊を回復させ腎細胞癌を退行させる
抗PDL1 IgG1またはIgG4を分泌する抗CAIX CAR T細胞の特徴づけ
CAIX+ RCCに対する新しいCAR療法を開発するため、我々は、CD28およびCD3-ζシグナル伝達ドメインに連結された抗CAIX(G36)scFv(第1カセットにG36-CD28z CARおよびIRES部位の後の第2発現カセットに抗PD-L1 IgG1またはIgG4)を発現するようバイシストロン性レンチウイルスベクターを操作した(図16A)。抗PD-L1 IgG配列は、T細胞の疲弊を阻止する目的でレンチウイルスベクターに挿入し、我々はこれによってG36-CD28z CART細胞の効果を改善し得ると計画している(図16B)。対照として、我々は、第2カセットに無関係の抗SARS IgG1 mAbを含む抗CAIX CARまたは抗BCMA CARを使用した。これらのコンストラクトから生成したレンチウイルスをCD8 T細胞に形質導入し、IL-21の存在下で培養し、それによってCAIX+ RCCに対する同一の特異的死滅活性を維持しつつ(図21Cおよび21D)IL-2を用いて観察されるよりもやや改善された増殖を示す(図21Aおよび21B)CART細胞を得た。我々の実験で使用したすべてのRCC系統におけるCAIXおよびPD-L1発現のパーセンテージが図22に示されている。
CART細胞の機能が図23に示されており、すべてのCARで形質導入されたCD8 T細胞がIL-21および抗CD8/CD28ビーズの存在下で増殖することができ(図23Aおよび23B)、4日後に65〜90%の形質導入レベルを達成した(図23C)。形質導入から14日後に、我々は、組み込まれたレンチウイルスによるCARの安定的長期的発現を評価し(図16C)、これはすべてのCARで約25〜50%を維持した。CD8 T細胞により分泌される総IgGレベルもまた決定し、それは4日後に約300〜650 ng/mLの範囲であった(図16D)。ヒトPD-L1に対する抗PD-L1 IgG1およびIgG4抗体の結合特異性も確認した(図16E)。ビオチニル化抗PDL1 IgG1およびIgG4のレベルは、総IgGよりも有意に低く、これはIgGの一部分が精製プロセスの間に失われたという事実により説明することができた。CAIX+ RCC細胞の存在下でクローン性増殖を起こす抗CAIX CART細胞の能力が確認された(図16Fおよび16G)。抗CAIX CART細胞は、CAIX- RCC細胞の存在下で有意に増殖することができない。
抗CAIX CART細胞のエフェクター活性。すべての抗CAIX CART細胞が、Skrc59 CAIX+/PD-L1+の生存の約50〜70%減少を誘導することができ、このことは一部のCART細胞によって分泌された抗PD-L1 IgG1およびIgG4がこれらのアッセイ条件下で細胞死を増加させなかったことを示している(図17A)。抗CAIX CART細胞は、CAIX+/PD-L1+細胞の存在下でIL-2およびIFNγ放出を誘導し、これにより抗CAIX CART細胞の特異的活性化が示された(それぞれ、図17Cおよび17E)。抗PD-L1 IgGを分泌する抗CAIX CART細胞に関して、独特の示差的効果が、ナチュラルキラー細胞(NK)と共にインキュベートされたときにCAIX+/PD-L1+ RCC細胞において約60%のADCCを誘導することができたIgG1アイソフォームで見られた(図17G)。CAIX-/PD-L1-細胞の存在下では、いずれのCART細胞についても、細胞生存、サイトカイン分泌またはADCCに対する効果が観察されなかった(図17B、17D、17Fおよび17H)。
抗PD-L1抗体を分泌する抗CAIX CART細胞はインビトロでT細胞疲弊を減少させることができる。抗PD-L1 IgG1およびIgG4抗CAIX CARTグループにおいて、親の抗CAIXまたは無関係の抗BCMA CART細胞との比較で、疲弊の誘導後に疲弊マーカーLag-3、Tim3およびPD-1の約50%減少が見出された(それぞれ、図18A、18Bおよび18C)。この時点で、抗PD-L1を有さない抗CAIX CART細胞の死滅活性を、Skrc59 CAIX+/PD-L1+細胞において再試験した。図18Dで見ることができるように、抗CAIX CART細胞は、インビトロでCAIX+/PD-L1+ RCCに対するそれらの死滅活性を無関係のCARグループと同様のレベルまで喪失し、これにより抗CAIX CART細胞がアネルギー性となることが確認された。対照的に、RCCの生存は、抗CAIX CAR抗PD-L1 IgG1およびIgG4 CARTグループで25〜50%減少し、それによって分泌された抗PD-L1 IgGの存在により誘発されたチェックポイント阻止がT細胞疲弊を減少させ得る証拠が提供された。
抗PD-L1抗体を分泌する抗CAIX CART細胞はさらにヒトRCCの同所マウスモデルにおいて腫瘍成長を減少させることができる。NSGマウスを使用して、Skrc-59 CAIX+PD-L1+ルシフェラーゼ+陽性RCC細胞を腎臓皮膜下に注射することによって同所RCCモデルを構築し、その後に1.0x107個のCARTまたは非形質導入T細胞のi.v.注射(0日目)および17日目に低用量(2.5x106個)の同細胞を用いた反復処置を行った。我々は、この分子が腫瘍成長に対して及ぼし得るバイアスを避けるために、CART細胞の増殖を維持するために全身的なIL-2でマウスを処置しなかった。図19A〜19Cのデータは、3つすべてのCAIX CART細胞グループが、実験期間にわたって無関係のBCMA CART細胞または非形質導入細胞との比較で減少したRCC成長を示したことを実証しており、抗PD-L1 IgG1またはIgG4を分泌する抗CAEX CART細胞の顕著な抗腫瘍効果は23日目および30日目に明白になった(図19Aおよび19B)。しかし、CART細胞を用いたi.v.処置から1週間後でさえも、我々は、腫瘍が、抗PD-L1分泌CART細胞において、親の抗CAIX CART細胞および2つの対照グループと比較して2〜3倍小さいことを観察した(図24A)。我々はまた、この受動移入モデルにおけるそれらの生存を評価するためにマウス血液中でのCD45+ T細胞の生存を分析した。8日目に、我々は、PBMC中のヒトT細胞の量がわずか10〜15%であったことを観察し(図24B)、この理由から、我々は、17日目に尾の血液への2回目の注射を行うためにインビトロでCART細胞を増殖させることを決定した。2回目の注射から1週間後(23日目)、抗PD-L1 IgG1およびIgG4グループは、対照グループの15分の1および抗PD-L1を分泌しない抗CAIX CAR T細胞の5分の1の腫瘍を有していた(図19Cおよび図24A)。30日目に、抗PD-L1抗体を分泌するCART細胞で処置されたマウスのグループは、対照グループの5分の1の腫瘍を有していた(図19Cおよび図24A)。抗PD-L1抗体を分泌するCART細胞で処置されたマウスから切り出された腫瘍の重量も低く、それは抗PDL1 IgG4抗体グループで特に顕著であった(図19Bおよび19D)。
CART細胞の腫瘍浸潤の分析および抗PD-L1抗体を分泌する抗CAIX CART細胞がT細胞疲弊を好転させることができる証拠。切除した腫瘍における分析は、すべてのグループにおける約10%のTILを示した(図24C)。
インビボで抗PD-L1 IgG1またはIgG4抗体を分泌する抗CAIX CART細胞を用いて観察された最も重要な効果の1つは、疲弊マーカーPD-1、Tim-3およびLag-3の発現を減少させるそれらの能力であった。図20Aに示されるように、我々は、30日目の非形質導入対照細胞を用いた処置との比較で、TILにおけるこれらのマーカーの発現の約40〜50%の減少を観察した。抗PDL-1抗体を分泌しない抗CAIX CAR細胞との比較での約30〜70%の減少も見られ、このことから局所的に分泌された抗体がT細胞疲弊の減少に対して効果を有する証拠が提供された。
インビボでのCART細胞のエフェクター活性およびRCCの増殖に対するそれらの影響を、TILにおけるグランザイムB、腫瘍増殖マーカーKi67および腫瘍免疫抑制タンパク質PD-L1の免疫組織化学検出によって評価した(図20Bおよび20C)。グランザイムB染色は、特に抗PD-L1 IgG4を分泌する抗CAIX CART細胞で処置したRCC腫瘍における、強陽性染色細胞のパーセンテージの増加として示された、CD8+細胞のエフェクター活性を示した(図20Bおよび20C)。PD-L1発現は、抗CAIX-CART細胞で処置した腫瘍において劇的に減少し、これは抗CAIX/抗PD-L1 IgG分泌グループにおいてより顕著であった(図20Bおよび20C)。Ki67発現は、抗CAIX/抗PD-L1 IgG分泌グループにおいて有意に減少し、我々はこれを総DABピクセル数グラフで可視化することができるが、陽性核染色(Ki67 IHC定量グラフ)における強度を評価した場合、我々は抗CAIX/抗PD-L1 IgG4が最も低い強度のKi67発現を示すことを指摘することができる(図20Bおよび20C)。Ki67のような核タンパク質を定量する場合、DAB染色パターンを核に限定し、ImageJの閾値機能を使用して定量のための陽性染色領域を選択すべきである。この理由から、Ki67 IHC定量グラフには陰性細胞が存在せず(図20C)、DABピクセル数も陰性細胞を含む総Ki67染色の評価のために示した(図20C)。
抗PD-L1 IgG1抗体を分泌する抗CAIX CART細胞はNK細胞を腫瘍に誘導することができる。安楽死の2日前にNK細胞の注射を行った抗CAIX/抗PD-L1 IgG1で処置したマウスの腫瘍は、抗BCMA/抗SARS IgG1との比較で、FACSによる抗CD56染色により検出された、腫瘍内の40%多いNK細胞の存在を示した(図25A)。抗CAIX/抗体PD-L1 IgG1グループにおけるNK細胞の増加もまた、IHCにより検出および定量した(図25B)。非特異的IgG1 Abを分泌するCART細胞で処置したグループにおいてもごくわずかなNK細胞が検出された。
他の態様
本発明はその詳細な説明に関連して記載されているが、上記の説明は例示を意図したものであり、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって定義される。他の局面、利点および改変も、添付の特許請求の範囲の範囲内である。
参考文献
Figure 2018504894
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Claims (21)

  1. 細胞内シグナル伝達ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞外ドメインを含む、キメラ抗原受容体(CAR)。
  2. 膜貫通ドメインが、細胞外ドメインと膜貫通ドメインの間に位置するストーク領域をさらに含む、請求項1記載のCAR。
  3. 膜貫通ドメインがCD28を含む、請求項1記載のCAR。
  4. 膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインの間に位置する1つまたは複数の追加の共刺激分子をさらに含む、請求項1記載のCAR。
  5. 共刺激分子が、CD28、4-1BB、ICOS、またはOX40である、請求項4記載のCAR。
  6. 細胞内シグナル伝達ドメインがCD3ゼータ鎖を含む、請求項1記載のCAR。
  7. 細胞外ドメインが抗体である、請求項1記載のCAR。
  8. 抗体がFabまたはscFVである、請求項7記載のCAR。
  9. 抗体が、BCMA、CD138、CCR4、PD-1、PDL-1、PD-L2、CXCR4、GITR、SARSウイルス、フラビウイルス、MERSウイルス、インフルエンザウイルス、またはCAIXに特異的である、請求項7記載のCAR。
  10. 細胞内シグナル伝達ドメインの後に位置するポリペプチドをコードする核酸をさらに含む、前記請求項のいずれか一項記載のCARをコードする核酸。
  11. ポリペプチドが抗体である、請求項10記載の核酸。
  12. 抗体がscFVである、請求項11記載の核酸。
  13. 抗体が、BCMA、CD138、CCR4、PD-1、PDL-1、PD-L2、CXCR4、GITR、SARSウイルス、フラビウイルス、MERSウイルス、インフルエンザウイルス、またはCAIXに特異的である、請求項12記載の核酸。
  14. 請求項11〜13のいずれか一項記載の核酸を含む、ベクター。
  15. 請求項14記載のベクターを含む、細胞。
  16. 請求項1〜9のいずれか一項記載のキメラ抗原受容体を発現し、それを細胞表面膜上で保持する、遺伝子操作された細胞。
  17. T細胞またはNK細胞である、請求項16記載の遺伝子操作された細胞。
  18. T細胞がCD4+またはCD8+である、請求項17記載の遺伝子操作された細胞。
  19. CD4+細胞およびCD8細胞+の混合集団を含む、請求項18記載の遺伝子操作された細胞。
  20. ポリペプチドを発現および分泌するようにさらに操作されている、請求項16記載の細胞。
  21. 発現および分泌されるポリペプチドが抗PDL-1である、請求項20記載の細胞。
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