JP2018502155A - 胃腸感染症を治療するための組成物及び方法 - Google Patents

胃腸感染症を治療するための組成物及び方法 Download PDF

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Abstract

本明細書に記載の発明は、Helicobacter pylori感染症を治療または予防するための組成物及び方法を提供する。【選択図】なし

Description

関連出願
本出願は、2015年1月9日に出願された米国仮特許出願第62/101,655号に対する優先権の利益を主張する。この出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
政府支援
本発明は、国立衛生研究所により授与されたDK053642の下で政府の支援によりなされた。政府は本発明に一定の権利を有する。この仕事は米国復員軍人援護局の支援を受けており、連邦政府は本発明に一定の権利を有する。
発明の背景
病原体Helicobacter pyloriは、小さな、らせん状のグラム陰性微好気性細菌であり、世界の人口の約50%の胃で発見される。Helicobacter pyloriは、胃上皮細胞を覆う粘液層に浸潤することによって、正常な酸分泌をするヒト胃に定着する唯一の既知の生物である。定着は、胃炎、消化性及び十二指腸性潰瘍、胃癌及びMALTリンパ腫を含むいくつかの胃疾患に関連する。国際癌研究機関(IARC)は、この生物を1型発癌物質と分類している。特定の所見では、Helicobacter pylori感染が胃食道逆流症(GERD)及び他の感染性非胃徴候に有益な効果を有し得ることを示唆しているが、この細菌の発癌性は治療薬の必要性を一部では促進する。
Helicobacter pyloriを根絶するための標準的な治療には、少なくとも2つの抗生物質と胃酸抑制との複雑な投薬計画が必要である。この生物を根絶するための現在の方法は、市販クラスのオメプラゾール、エソメプラゾール、パントプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾール及びデクスランソプラゾールを含むプロトンポンプ阻害剤を、アモキシシリン及びクラリスロマイシンと組み合わせて使用することを必要とする。しかしながら、クラリスロマイシンに対する抗生物質耐性は、治療を成功させ、根絶させることを徐々に困難にしている。実際、標準的な治療法は現在、許容できないほど治療成功率が低く、またHelicobacter pyloriの根絶の可能性が低い。
抗生物質耐性を促進することなくHelicobacter pylori感染症を治療及び/または予防するための組成物及び関連する方法を提供することは、当該分野において長年にわたり必要とされている。
1つの態様において、本発明は、抗生物質と下記構造:
Figure 2018502155
を有する化合物、またはその塩、エステルもしくはプロドラッグを含む組成物に関する。特定の実施形態において、抗生物質はβ−ラクタム系抗生物質である。特定の実施形態において、抗生物質はアモキシシリンである。特定の実施形態において、組成物は、化合物及び抗生物質の同時放出のために製剤化されたカプセルとして提供される。
別の態様において、本発明は抗生物質と下記構造:
Figure 2018502155
を有する化合物、またはその塩、エステル若しくはプロドラッグを併用して被験体に投与することを含む、当該方法を必要とする被験体内のHelicobacter pylori感染症を治療または予防する方法に関する。特定の実施形態において、抗生物質はβ−ラクタム系抗生物質である。特定の実施形態において、抗生物質はアモキシシリンである。特定の実施形態において、化合物及び抗生物質が同時に投与される。特定の実施形態において、化合物及び抗生物質は、これらの化合物及び抗生物質を同時放出するように製剤化されたカプセルで投与される。
さらに別の態様において、本発明は、当該組成物を必要とする被験体内のHelicobacter pylori感染症の治療または予防に使用するための組成物であって、当該組成物は抗生物質と下記構造:
Figure 2018502155
を有する化合物、またはその塩、エステル若しくはプロドラッグを含む組成物を提供する。
詳細な説明
本出願は、Helicobacter pylori感染症を治療するための組成物及び方法を開示する。 本出願は、Helicobacter pylori感染症をうまく治療するためにAGN201904をアモキシシリン単独と共に使用する(即ち、二重療法)ことができるという予期しない発見に由来する。この二重療法は、標準的なHelicobacter pylori感染療法と比較して、除菌率が高く、且つHelicobacter pylori耐性が無いとの予想外の結果を示した。
1つの態様において、抗生物質と下記構造:
Figure 2018502155
を有する化合物、またはその塩、エステルもしくはプロドラッグを併用して被験体に投与することを含む、この方法を必要とする被験体内のHelicobacter pylori感染を治療または予防する方法に関する。
特定の実施形態において、本発明は、この組成物を必要とする被験体内のHelicobacter pylori感染を治療または予防に使用するための組成物であって、抗生物質と下記構造:
Figure 2018502155
を有する化合物、またはその塩、エステル若しくはプロドラッグを含む組成物に関する。
特定の実施形態では、抗生物質はβ−ラクタム系抗生物質である。必要に応じて、β−ラクタム系抗生物質の好適な誘導体を使用することもできる。好適な誘導体の非限定的な例としては、このようなβ−ラクタム系抗生物質のプロドラッグ、代謝産物、エステル、エーテル、水和物、多形体、溶媒和物、複合体、エナンチオマー(鏡像異性体)、付加体等が挙げられる。典型的なβ−ラクタム系抗生物質の非限定的な例としては、ペニシリン、ペネム、カルバペネム、セファロスポリン及びモノバクタムに属するものが挙げられる。β−ラクタム系抗生物質の典型的な例としては、アモキシシリン、アンピシリン、アジドシリン、アズロシリン、アズトレオナム、バカンピシリン、ベンザチン、ベンザチン・フェノキシメチルペニシリン、ベンジルペニシリン、ビアペネム、カルバセフェム、カルベニシリン、カルモナム、セフアセトリル、セファクロル、セファドロキシル、セファレキシン、セファログリシン、セファロニウム、セファロリジン、セファロチン、セファマンドール、セファピリン、セファトリジン、セファザフルール、セファゼドン、セファゾリン、セフブペラゾン、セフカペン、セフダロキシム、セフジニル、セフジトレン、セフェピム、セフェタメト、セフィキシム、セフメノキシム、セフメタゾール、セフミノックス、セフォジジム、セフォニシド、セフォペラゾン、セフォラニド、セフォタキシム、セフォテタン、セフォチアム、セフォベシン、セフォキシチン、セフォゾプラン、セフピミゾール、セフピラミド、セフピロム、セフポドキシム、セフプロジル、セフキノム、セフラジン、セフロキサジン、セフスロジン、セフタロリン・ホサミル、セフタジジム、セフテラム、セフテゾール、セフチブテン、セフチオフル、セフチオレン、セフチゾキシム、セフトビプロール、セフトロザン、セフトリアキソン、セフロキシム、セフゾナム、セファマイシン、クロメトシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、ドリペネム、エピシリン、エルタペネム、ファロペネム、フロモキセフ、フルクロキサシリン、ヘタシリン、イミペネム、ラタモキセフ、ロラカルベフ、メシリナム、メロペネム、メタンピシリン、メチシリン、メズロシリン、ナフシリン、オキサセフェム、オキサシリン、パニペネム、ペナメシリン、フェネチシリン、ピペラシリン、ピバンピシリン、プロカインベンジルペニシリン、プロピシリン、スルベニシリン、タブトキシン、タラムピシリン、テモシリン、チカルシリン、チゲモナム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
特定の実施形態において、本発明は、抗生物質及びAGN 201904を含む組成物に関する。特定の実施形態において、本発明は、抗生物質及びAGN 201904ならびに薬学的に許容される担体を含む組成物に関する。
ヒトに限定されないが、患者を、有効量の活性化合物(複数可)またはその薬学的に許容されるプロドラッグもしくはその塩を、薬学的に許容される担体または希釈剤の存在下で患者に投与することにより、治療することができる。その活物質は、任意の適当な経路、例えば、経口的、非経口的、静脈内、皮内、皮下、または局所的に、液体または固体形態で投与することができる
薬物組成物中の活性化合物の濃度は、薬物の吸収、不活性化及び排泄速度、ならびに当業者に公知の他の因子に依存して変化する。投与量値は、緩和されるべき状態の重症度によっても変化することに注目すべきである。任意の特定の被験体に対しては、個々の必要性と、組成物の投与を管理または監督する者の専門的判断とに従って、特定の投与計画を経時的に調整すべきであり、また本明細書に記載の濃度範囲は、 例として挙げているだけであり、特許請求の範囲に記載の組成物の範囲または実施を限定することを意図するものではない。 活性成分は、一度に投与することができ、あるいは、様々な時間間隔で投与されるようにいくつかのより低用量に分割することができる。
特定の実施形態では、活性化合物(複数可)の投与方法は経口である。経口組成物は、一般に、不活性希釈剤または食用担体を含む。これらは、ゼラチンカプセルに封入するか、または錠剤に圧縮することができる。経口の治療的投与の目的のために、活性化合物(複数可)を賦形剤と混合し、錠剤、トローチ剤またはカプセル剤の形態で使用することができる。薬学的に適合性のある結合剤、及び/またはアジュバント材料は、組成物の一部として含めることができる。
錠剤、丸薬、カプセル、トローチ等は、以下の成分、または類似の性質の化合物のいずれかを含有することができる:微結晶性セルロース、トラガカントゴムまたはゼラチン等の結合剤;デンプンまたは乳糖等の賦形剤、アルギン酸、Primogelまたはトウモロコシデンプン等の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムまたはSterote等の潤滑剤;コロイド状二酸化ケイ素等の流動促進剤;スクロースまたはサッカリン等の甘味剤;またはペパーミント、メチルサリチレート、またはオレンジフレーバー等の香味剤。投薬単位形態がカプセルである場合、これは、上記タイプの物質に加えて、脂肪油等の液体担体を含むことができる。さらに、単位投薬形態は、投薬単位の物理的形態を修飾する種々の他の物質、例えば糖、シェラックまたは他の腸溶性物質の被膜を含むことができる。
化合物は、エリキシル剤、懸濁液、シロップ剤、ウエハース(ウエハー)、チューインガム等の成分として投与することができる。シロップ剤は、活性化合物(複数可)に加えて、甘味剤としてのスクロースまたは甘味、及び特定の防腐剤、染料及び着色剤、及び香味剤を含むことができる。
化合物または薬学的に許容されるプロドラッグまたはその塩は、所望の作用を損なわない他の活性物質と、或いは抗生物質、抗真菌剤、抗炎症薬または他の抗ウイルス剤等の所望の作用を補う物質(限定されないが、例えばヌクレオシド化合物)と混合することもできる。非経口、皮内、皮下または局所適用に使用される溶液または懸濁液は、以下の成分を含むことができる:注射用の水、生理食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、または他の合成溶媒等の滅菌希釈剤;ベンジルアルコールまたはメチルパラベン等の抗菌剤;アスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウム等の抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸等のキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩等の緩衝剤、及び塩化ナトリウムまたはデキストロース等の張性調節剤。親製剤は、ガラスまたはプラスチック製の、アンプル、使い捨て注射器、または複数回投与バイアルに封入することができる。
静脈内投与される場合、担体には生理食塩水及びリン酸緩衝食塩水(PBS)が含まれる。
特定の実施形態では、活性化合物は、インプラント及びマイクロカプセル化送達システム(これに限定されない)を含む放出制御製剤等の、身体からの迅速排出から化合物を保護する担体と共に調製される。エチレン酢酸ビニル、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル及びポリ乳酸等の生分解性、生体適合性ポリマーを使用することができる。 例えば、腸溶性コーティング化合物を、胃酸による切断を保護するために使用することができる。このような製剤の調製方法は、当業者には明らかである。好適な材料は、商業的に入手することもできる。
リポソーム懸濁液(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体に感染した細胞に標的化されたリポソームを含むが、これに限定されない)も、薬学的に許容される担体として好ましい。これらは、当業者に知られている方法、例えば、米国特許第4,522,811号(参照により組み込まれる)に従って調製され得る。例えば、適当な脂質(複数可)(ステアロイルホスファチジルエタノールアミン、ステアロイルホスファチジルコリン、アラカドイルホスファチジルコリン、及びコレステロール等)を無機溶媒に溶解し、その後蒸発させて、容器の表面上に乾燥した脂質の薄膜を残すことによってリポソーム製剤を調製することができる。 次いで、活性化合物(複数可)の水溶液を容器に導入する。 その後、容器を手で旋回させて、容器の側面から脂質材料を除去し、脂質凝集体を分散させ、これによってリポソーム懸濁液を形成する。
本発明はまた、本明細書に記載の化合物AGN201904及び抗生物質組成物を含む組成物も提供する。組成物は、好適な担体または賦形剤を含む好適な医薬組成物であり得る。
本発明の組成物及び方法は、それを必要とする被験体を治療するために利用され得る。特定の実施形態では、被験体は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物等の哺乳動物である。ヒトのような動物に投与する場合、組成物は、好ましくは医薬組成物、例えば、本発明の組成物及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物として投与される。薬学的に許容される担体は、当該技術分野において周知であり、例えば、水または生理的な緩衝生理食塩水等の水溶液、またはグリコール、グリセロール等の他の溶媒またはビヒクル、オリーブ油等の油、または注射可能な有機エステルが挙げられる。好ましい実施形態では、このような医薬組成物がヒト投与用、例えば非経口投与用である場合、水溶液は発熱物質を含まないか、または実質的に発熱物質を含まない。賦形剤は、例えば薬剤の遅延放出をもたらすために、または1つ以上の細胞、組織または器官を選択的に標的とするために選択することができる。医薬組成物は、錠剤、カプセル剤(散在カプセル剤及びゼラチンカプセル剤を含む)、顆粒剤、散剤、シロップ剤、坐剤、注射剤等の単位剤形であり得る。組成物はまた、皮膚パッチ等の経皮送達システム中に存在することもできる。組成物は、点眼等の局所投与に適した溶液中に存在することもできる。
薬学的に許容される担体は、生理学的に許容される薬剤、例えば、本発明の組成物の安定化または吸収を増大させるように働く生理学的に許容される薬剤を含有することができる。 このような生理学的に許容される薬剤としては、例えば、グルコース、スクロースまたはデキストラン等の炭水化物、アスコルビン酸またはグルタチオン等の抗酸化剤、キレート剤、低分子量タンパク質、または他の安定剤もしくは賦形剤が挙げられる。生理的に許容される薬剤を含む薬学的に許容される担体の選択は、例えば、組成物の投与経路に依存してなされる。医薬組成物(調製物)はまた、その中に、例えば本発明の組成物に組み込むことができるリポソームまたは他のポリマーマトリックスであり得る。リポソーム、例えば、リン脂質または他の脂質を含むリポソームは、作製及び投与が比較的簡単である、無毒性で、生理学的に許容されかつ代謝可能な担体である。
「薬学的に許容される」という語句は、健全な医学的判断の範囲内で、ヒト及び動物の組織と接触して使用するのに適当であり、その際、過度な毒性、刺激、アレルギー反応、または合理的な利益/リスク比に見合って他の問題または合併症を引き起こす可能性がない化合物、材料、組成物及び/または剤形を指す。
本明細書で使用される「薬学的に許容される担体」という語句は、薬学的に許容される材料、組成物またはビヒクル、例えば、液体または固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒またはカプセル化材料等を意味する。各担体は、製剤の他の成分と相溶性を有し、患者に有害でないという意味で「許容される」ものでなければならない。薬学的に許容される担体として役立ち得る材料のいくつかの例としては、以下のもの:(1)乳糖、グルコース及びスクロース等の糖類;(2)トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン等のデンプン;(3)カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロース等のセルロース及びその誘導体;(4)粉末状のトラガカント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)カカオバター及び座薬ワックス等の賦形剤;(9)ピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油及び大豆油等の油;(10)プロピレングリコール等のグリコール;(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコール等のポリオール;(12)オレイン酸エチル及びラウリン酸エチル等のエステル;(13)寒天;(14)水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム等の緩衝剤;(15)アルギン酸;(16)発熱物質を含まない水;(17)等張性生理食塩水;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝液;(21)医薬製剤に使用される他の非毒性適合物質、を挙げることができる。
医薬組成物(製剤)は、多数の投与経路、例えば、経口的(例、水性または非水性の溶液または懸濁液中の飲薬(drench)、錠剤、カプセル(散在カプセル及びゼラチンカプセルを含む)、ボーラス、粉末、顆粒、舌への適用のためのペースト);口腔粘膜を通しての吸収(例、舌下);肛門的に、経直腸的に、または経膣的に(例、ペッサリー、クリームまたはフォームとして);非経口で(例えば、滅菌溶液または懸濁液として、筋肉内、静脈内、皮下またはくも膜下腔で、など);経鼻的に;腹腔内で;皮下に;経皮的に(例、皮膚に適用されるパッチとして);及び局所的に(例、皮膚に適用されるクリーム、軟膏またはスプレーとして、または点眼剤として)のいずれかによって被験体に投与することができる。組成物はまた、吸入のために処方されてもよい。特定の実施形態において、組成物は、単に滅菌水に溶解または懸濁することができる。適切な投与経路及びそれに適した組成物の詳細は、例えば、米国特許第6,110,973号、第5,763,493号、第5,731,000号、第5,541,231号、第5,427,798号、第5,358,970号及び第4,172,896号、ならびにそこに引用された特許に見出すことができる。
特定の実施形態では、単一のカプセルが抗生物質及びAGN201904の同時放出を再現可能にもたらすので、単一のカプセルを各投与で使用してもよい。特定の実施形態では、カプセルは、抗生物質(例えば、アモキシシリン)が、AGN201904の吸収と共に、及びより大きな胃酸阻害と共に、迅速に吸収されるように処方される。特定の実施形態では、本発明の全ての成分を単一の丸薬またはカプセルとして投与することにより、ほぼ同時の放出が達成される。
特定の実施形態では、本発明の化合物は、単独で、または別のタイプの治療剤(例、抗生物質)と一緒に併用投与され得る。本明細書で使用される場合、語句「共同投与」は、以前に投与された治療化合物が体内で依然として有効である間に、第2の化合物が投与されるような、2つ以上の異なる治療化合物の投与形態を指す(例えば、2つの化合物は患者において同時に有効であり、これは2つの化合物の相乗効果を含み得る)。例えば、異なる治療化合物は、同じ製剤または別個の製剤のいずれかで、同時または逐次のいずれかで投与することができる。特定の実施形態では、異なる治療化合物は、互いに1時間、12時間、24時間、36時間、48時間、72時間、または1週間以内に投与することができる。従って、このような治療を受ける個体は、異なる治療化合物による複合効果の利益を得ることができる。
特定の実施形態では、本発明の化合物と1つ以上のさらなる治療剤(複数可)(例えば、1つ以上のさらなる抗生物質剤(複数可))との共同投与は、本発明の化合物または1つ以上の追加の治療薬(複数可)の個々の投与に比較して、向上した効能をもたらす。このような特定の実施形態において、共同投与は、相加効果をもたらし、この相加効果は、本発明の化合物及び1つ以上の追加の治療薬(複数可)の個々の投与の効果のそれぞれの合計を指す。
製剤は、単位投薬形態で便宜的に提供することができ、薬学の分野で周知の任意の方法によって調製することができる。担体材料と組み合わせて単一剤形を製造することができる活性成分の量は、治療される宿主、特定の投与方法に依存して変化する。担体材料と組み合わせて単一剤形を製造することができる活性成分の量は、一般に、治療効果を生じる抗生物質または化合物の量である。一般に、100%のうち、この量は約1%〜約99%、好ましくは約5%〜約70%、最も好ましくは約10%〜約30%の範囲の活性成分である。
本発明のいくつかの実施形態では、本発明における使用に適した組成物は、経口的、局所的または非経口的に投与することができる。
局所または経皮投与のための剤形としては、散剤、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ及び吸入剤を挙げることができる。組成物は、無菌条件下で、薬学的に許容される担体と、及び必要とされ得る任意の保存剤、緩衝剤、または噴射剤と混合され得る。
軟膏、ペースト、クリーム及びゲルは、抗生物質に加えて、賦形剤、例えば、動物及び植物油脂、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク及び酸化亜鉛、またはこれらの混合物を含むことができる。
粉末及びスプレーは、抗生物質または化合物に加えて、賦形剤、例えば、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム及びポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物を含むことができる。スプレーは、さらに、クロロフルオロヒドロカーボン等の慣用噴射剤、並びにブタン及びプロパン等の揮発性の非置換炭化水素を含むことができる。
本発明の組成物は、口腔用組成物または栄養補助食品に共通の賦形剤及び成分、例えば、特に脂肪及び/または水性成分、湿潤剤、増粘剤、保存剤、テクスチャー剤、風味向上剤及び/またはコーティング剤、抗酸化剤及び保存剤、と共に調製され得る。口腔用組成物用、特に食品補助剤の調製剤及び賦形剤は、この分野では知られており、本明細書の詳細な説明の対象とはならない。
経口投与のための本発明による組成物において、摂取可能な支持体の使用が好ましい。摂取可能な支持体は、考慮中の組成物の種類に応じて多様な性質のものであり得る。錠剤、ゲルカプセルまたはロゼンジ、懸濁液、乾燥形態の経口サプリメント及び液体形態の経口サプリメントは、食品支持体としての使用に特に適している。
本発明による経口組成物の製剤は、飲用溶液、糖衣錠、ゲルカプセル、ゲル、エマルジョン、飲み込むまたは噛む錠剤、ウエハーカプセル剤、特に軟質または硬質のウエハーカプセル、溶解される顆粒剤、シロップ剤、固体または液体食品、及び制御放出可能ヒドロゲル、を製造するための当業者に公知の任意の通常の方法により実施することができる。本発明による口腔用組成物の製剤は、任意の形態の栄養補助食品または強化食品、例えば食品バー、或いは圧縮またはルースパウダーに組み込むことができる。粉末は、水、ソーダ、乳製品または大豆由来のもので希釈してもよく、または食品バーに組み込ませてもよい。
いくつかの実施形態では、経口投与される本発明の組成物は、糖衣錠、ゲルカプセル、ゲル、エマルジョン、錠剤、ウエハーカプセル、ヒドロゲル、食品バー、圧縮またはルースパウダー、液体懸濁液または溶液 、菓子類、発酵乳、発酵チーズ、チューインガム、練り歯磨きまたはスプレー溶液の形態で製剤化(調製)されてもよい。
組成物の有効量は、1日あたり単回投与または1日あたり分割投与、例えば1日に2回から3回投与することができる。例として、本発明の組成物の投与は、例えば、1日に3回以上の割合で、一般には少なくとも1週間、2週間、3週間、4週間または4〜15週間の長期間にわたって実施することができる。任意に1回以上の停止期間を含むか、または停止期間の後に繰り返され得る。
当業者には理解されるように、被験体への投与に悪影響を及ぼさない本発明の組成物は、被験体に毎日投与され得る。
本明細書には、本発明の好ましい実施形態が記載されている。当然のことながら、これらの好ましい実施形態の均等物の変形、変更、改変及び置換は、前述の説明を読むことにより当業者には明らかになるであろう。本発明者らは、当業者が適切な等価物の変形、変更、改変及び置換を用いることを予想しており、本発明者らは本発明が本明細書に具体的に記載されている以外の方法で実施されることを意図している。当業者は、実質的に類似の結果を生じるように変更、変形または改変することができる様々な重要ではないパラメータを容易に認識するであろう。従って、本発明は、適用される法律によって許容されるように、添付の特許請求の範囲に記載された主題のすべての改変及び均等物を含む。さらに、本明細書中で他に指示されない限り、または文脈から明らかに矛盾しない限り、すべての可能な変形における上記要素の任意の組み合わせが本発明に包含される。
本発明の要素のそれぞれは、複数の実施形態を含むものとして本明細書に記載されているが、他に示されない限り、本発明の所与の要素の実施形態のそれぞれは、 本発明の他の要素の実施形態のそれぞれと共に使用することができ、またそのような使用のそれぞれは、本発明の別個の実施形態を形成することを意図している。
定義
本発明のために、以下の定義を用いる(他に明示的に記載しない限り):
本明細書中で使用される場合、用語「投与する」は、組成物の被験体中への、または上への(適切な場合)実際の物理的導入を意味する。組成物を被験体に導入する任意の及び全ての方法が、本発明に従って意図されている;本方法は、特定の導入手段に依存しないので、そのように解釈されるべきではない。導入手段は当業者に周知であり、本明細書に例示されてもいる。
本明細書で使用される用語「β−ラクタム系抗生物質」は、抗生物質特性を有し、その分子構造中にβ−ラクタム環を含む化合物を指す。
本明細書中で使用される場合、用語「有効量」、「有効用量」、「十分な量」、「に有効な量」、「治療有効量」またはそれらの文法的等価物は、所望の結果を生じさせ、症状(複数可)を改善させるか、何らかの形で症状を軽減させるか、症状の進行を停止または逆行させ、そして症状の主観的な緩和または臨床医または他の資格のある観察者により指摘される客観的に識別可能な改善をもたらすのに十分な用量を意味する。本明細書に記載の医薬組成物の投与による特定の状態の症状の改善は、永久的であれ一時的であれ、持続的であれ、束の間であれ、医薬組成物の投与に関連し得る何らかの減少を指す。
本明細書中で使用される場合、用語「プロドラッグ」は、生理学的条件下で、本発明の治療活性薬剤に変換される化合物を包含することを意図される。プロドラッグを作製するための一般的な方法は、生理学的条件下で加水分解されて所望の分子を形成する1つ以上の選択された部分を含むことである。他の実施形態では、プロドラッグは、宿主動物の酵素活性によって変換される。例えば、エステルまたはカーボネート(例えば、アルコールまたはカルボン酸のエステルまたはカーボネート)は、本発明の好ましいプロドラッグである。特定の実施形態では、上記の製剤中の化合物の一部または全部を、対応する適切なプロドラッグと置き換えることができ、例えば、親化合物中のヒドロキシルがエステルまたはカーボネートとして、または親化合物中に存在するカルボン酸が エステルとして存在する。
本明細書中で使用される場合、用語「薬学的に許容される」は、生理学的に許容され、被験体、好ましくはヒト被験体に投与される場合、典型的にはアレルギー性または類似の不適切な反応を起こさない組成物を指す。好ましくは、本明細書中で使用される場合、用語「薬学的に許容される」は、連邦政府または州政府の規制機関によって承認されたこと、または米国薬局方または動物、特にヒトにおける使用のための他の一般的に認められている薬局方に列挙されたことを意味する。
本明細書で使用されるように、障害または状態を「予防する」治療剤は、統計的サンプルにおいて、未治療対照試料と比較して、治療された試料における障害または状態の発生を減少させるか、または未治療対照試料と比較して、発病を遅らせるかまたは障害または状態の1つ以上の症状の重症度を減少させる化合物を指す。
本明細書で使用される「被験体」は、ヒトまたは動物(動物の場合、より典型的には哺乳動物)を意味する。一態様では、対象はヒトである。
本明細書中で使用される場合、用語「治療する」は、当該分野で認識されており、1つ以上の対象組成物の宿主への投与を含み、例えば、既存の望ましくない状態またはその副作用を軽減、改善または安定化するための投与を含む。
参照による組み込み
本明細書で言及される全ての刊行物及び特許は、各個々の刊行物または特許が参照により組み込まれているかのように具体的かつ個別に示されたものとして、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。矛盾する場合には、本明細書中の任意の定義を含む本出願が支配する。
等価物
本発明の特定の実施形態について論じたが、上記に記述したことは例示的なものであり、限定的なものではない。本明細書及び以下の特許請求の範囲を考慮すると、当業者には本発明の多くの変形が明らかになるであろう。本発明の全範囲は、特許請求の範囲、その等価物の全範囲、及び明細書ならびにそのような変形例を参照して決定されるべきである。

Claims (10)

  1. 抗生物質と下記構造:
    Figure 2018502155
    を有する化合物、またはその塩、エステルもしくはプロドラッグを含む組成物。
  2. 前記抗生物質はβ−ラクタム系抗生物質である請求項1に記載の組成物。
  3. 前記β−ラクタム系抗生物質はアモキシシリンである請求項2に記載の組成物。
  4. 当該組成物は、化合物及び抗生物質の同時放出のために製剤化されたカプセルとして提供される請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 抗生物質と下記構造:
    Figure 2018502155
    を有する化合物、またはその塩、エステルもしくはプロドラッグを併用して被験体に投与することを含む、当該方法を必要とする被験体内のHelicobacter pylori感染症を治療または予防する方法。
  6. 前記抗生物質はβ−ラクタム系抗生物質である請求項5に記載の方法。
  7. 前記β−ラクタム系抗生物質はアモキシシリンである請求項6に記載の方法。
  8. 前記化合物及び抗生物質が同時に投与される請求項5〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記化合物及び抗生物質が、前記化合物及び抗生物質を同時放出するように製剤化されたカプセルで投与される請求項8に記載の方法。
  10. 当該組成物を必要とする被験体内のHelicobacter pylori感染症の治療または予防に使用するための組成物であって、抗生物質と下記構造:
    Figure 2018502155
    を有する化合物、またはその塩、エステルもしくはプロドラッグを含む前記組成物。
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