JP2018501726A - 無線周波数電力増幅器 - Google Patents

Abstract

入力象限カプラーと、出力象限カプラーと、その間で、単一のトランジスタからなり得る、２つの増幅器とを有する平衡増幅器構成を備える電力増幅器が記述される。電力増幅器は、インピーダンスマッチングを提供するために、出力カプラーの分離されたポートに信号を提供する手段も備える。この構成は、２つの増幅器の出力におけるトランジスタマッチングネットワークに対する必要性を取り除き、これは次に、ドハーティ電力増幅器と比較して、より広い周波数範囲に渡って電力増幅器を動作可能にする。

Description

本発明は、改善された平衡無線周波数電力増幅器に関連する。

電力増幅器は、それらが消費する電力を低減するために、きわめて効率的であるべきであるとの要望があり、これは冷却の必要性を低減する。電力増幅器が、限定された電力供給を有する態様で使用される場合、これは特に重要である。

効率的な無線周波数電力増幅器（ＲＦＰＡｓ）を設計するための技術は、数十年間広く用いられてきた。しかしながら、従来のＲＦＰＡの効率は、出力電力が低減される（普通、「電力バックオフ」又はＰＢＯと呼ばれる）につれて、非常に迅速に劣化するので、無線システムは、より厳格な効率要件をもたらす。これは、振幅変調された無線システムが、ＲＦＰＡのピーク効率よりもはるかに低い効率を有することを意味する。それは、変調サイクルにおけるより低いポイントで低い効率を有する電力増幅器（ＰＡ）に起因して、変調された送信は低い効率を引き起こすからである。

この問題に対していくつかの部分的な解決法が提案されたが、最も顕著なのは、現代の移動通信システムにおいて広範に使用されているドハーティ電力増幅器（ＰＡ）である。ドハーティ電力増幅器は、典型的に異なる動作分類である、主な増幅器とピーキング増幅器を備え、ピーキング増幅器が、規定された入力電力範囲に渡って主な増幅器とともに動作するように構成されている。

しかしながら、ドハーティＰＡは、制限された動作帯域幅を有しているので、軍用レーダと電子戦争（ＥＷ）システムにおいて殆ど使用されない。この制限はまた、より高い帯域幅を要求する新たな移動通信システムの発展においても問題をもたらす。

ＵＳ２００５１３４３７７（Ｄｅｎｔ）は、直交で実行される２つの増幅装置と、補助的な増幅器とを有する増幅回路を記述し、それは、クワッドカプラー（quadcoupler）の補助的なポートに対して、そして、増幅器の出力ポートに対して提示される人工反射信号を発生する。人工反射信号は、抵抗型負荷を提供し、増幅器に負荷インピーダンスミスマッチとして見えるように、２つの増幅器からの出力信号の位相から１８０°だけ位相オフセットを有する。主要な増幅器は、主要な増幅器をシステムのインピーダンスにマッチするために、それらの出力におけるトランジスタマッチングネットワークを有する。しかしながら、トランジスタマッチングネットワークのインピーダンスを変えるのは困難であるので、この増幅回路は、依然として制限された動作帯域幅に苦しむ。

本発明にしたがうと、無線周波数電力増幅器であって、入力カプラーと、出力カプラーと、この間に、それぞれトランジスタを備える２つの増幅器と、を有する平衡増幅器を備え、無線周波数電力増幅器は、さらに、出力カプラーの分離されたポートに信号を提示することによって、２つの増幅器の出力に提示されたインピーダンスを修正及び／又は変調する手段を備え、さらに、トランジスタ寄生効果に対して同調するためのインピーダンスマッチング及び／又はインピーダンス変調を提供するために、出力カプラーの分離されたポートに提示された信号の位相及び／又は振幅を修正する手段を備える、無線周波数電力増幅器が提供される。

構成は、無線周波数電力増幅器の能率を、伝統的な平衡増幅器と比較して、より広い入力電力範囲に渡って拡張する。インピーダンスマッチング及び／又は変調は、平衡装置ポートで実行され得るため、増幅器は、トランジスタマッチングネットワークを備える必要がなく、これにより、本発明の電力増幅器が物理的により小さくなって、伝統的なドハーティＰＡと、ＵＳ２００５１３４３７７の回路と比較して、より広い帯域幅に渡って動作するのを可能にする。

無線周波数電力増幅器は、補助的な増幅器を含み、その出力は、出力カプラーの分離されたポートに提示されることが好ましい。

好ましい実施形態において、出力カプラーの分離されたポートに提示された信号は、平衡増幅器の入力ポートに提示された信号と実質的に同じ周波数を有するが、前述の入力信号に対して規定された相対位相と振幅を有するのが望ましい。

入力信号は、平衡増幅器の入力と、出力カプラーの分離されたポートの両方に提示されることが望ましい。これは、平衡増幅器に入力された信号と同じ特徴を有する、出力カプラーの分離されたポートへの信号を提供する、便利な方法を提供する。

無線周波数電力増幅器は、補助的な増幅器に提示された信号を修正する手段を備えることが好ましい。

入力カプラーと出力カプラーは、直交カプラーであることが好ましい。

本発明は、ここで、以下の図面を参照して例として記述される。

図１は、出力カプラーの分離されたポートを駆動する補助的な増幅器を有する平衡増幅器を備える、負荷変調された無線周波数平衡増幅器の概略である。 図２は、図１の概略の回路解析概略である。

図１を参照すると、入力直交カプラー１と、出力直交カプラー２と、２つの３Ｗ増幅器３、４とを有する平衡増幅器が示される。この実施形態において、２つの３Ｗ増幅器３、４は、より複雑な構成及び／又は異なる電力レベルが使用され得るが、単一のトランジスタである。また、記述されることになる方法で負荷平衡を提供するために、平衡増幅器の出力直交カプラー２に接続された、補助的な１Ｗ増幅器５も説明される。

入力直交カプラー１は、増幅されることになる信号１７を受信するための入力ポート６と、マッチされたインピーダンス８において終結される分離された入力ポート７と、２つの出力９、１０とを有する。それぞれの出力９、１０を出る信号は、九十度位相差を有する。この構成は、入力６に向かって増幅器３、４により反射された信号が、互いに取り消し合う利益を提供する。

出力９、１０からの信号は、それぞれの増幅器３、４に供給される。増幅器３、４の出力は、次に、出力直交カプラー２の入力ポート１１、１２に供給される。

入力直交カプラー１の入力６に供給される入力信号１７は、オプション的に、後に記述されることになる信号修正手段１６を介して、補助的な増幅器５にも供給される。

補助的な増幅器５の出力は、出力直交カプラー２の分離されたポート１４に提示される。以下の記述は、補助的な増幅器５によってポート１４に提示された負荷変調が、この構成を通して、２つの増幅器３、４に提示されたインピーダンスを変調するように作動することを示す。

負荷変調された平衡増幅器の鍵となる特性が、図２において示される概略的な提示を使用して証明される。図１のトランジスタ３、４、５は、電流シンクとして提示される。規則として、図２において、出力ポート１３は、

として提示され、ポート１２と１１は、それぞれ、

及び

として、そして、ポート１４は、

として提示される。

負荷変調された平衡増幅器の特性及び作動は、３ｄＢ直交カプラーについて、４ポートのインピーダンスマトリックス、すなわち、

を考慮することによって決定され得る。

これから、平衡ポート

及び

におけるインピーダンスは、

となるように示され得る。ここにおいて、

は、平衡装置回路であり、

は、補助的な増幅器５によって、ポート

に供給される電流である。したがって、

の値が変わるにつれて、ポート

によって、それぞれの増幅器４、３に提示されるインピーダンスＺ_２Ｚ_４は、それに応じて変わる。

補助的な増幅器装置５によってポート１４に供給される電流を変えることによって、

を変調することが可能であるので、入力信号１７からポート６の電力が減少する（電力バックオフ）につれて、最適な効率が維持される。

補助的な装置５の出力を制御するために、ポート６への（修正された、又はそうでなければ手段１６による）入力信号１７を使用することは、ポート６への入力信号の電力における変動を適合するように、増幅器３、４に提示されたインピーダンスを変えるのに便利な方法を提供する。

さらに、エネルギーの保護があるため、３つの増幅器３、４、５の結合された電力は、出力ポート

において出現する。例えば、図１において、出力直交カプラーのポート

における最後の出力は、７Ｗ、すなわち出力直交カプラー２のポート

、

、

において提供された３つの個々の電力の合計になる。

システムはさらに、出力キャパシタンスのような、トランジスタ寄生効果に対して同調するために、補助的な増幅器５によって出力された信号の振幅及び位相を制御するための手段１６を備える。この方法において、増幅器３、４、の出力において、トランジスタマッチングネットワークに対する必要性を取り除くことが可能である。補助的な増幅器５に対する入力信号の振幅及び位相の制御は、例えば、可変減衰器及び／又は４象限移相シフタ（four quadrant phase shifter）を使用して、当業者に普通に知られた装置及び方法を使用して行われ得る。

増幅器３、４、５の電力は、増幅器３、４の電力が実質的に同じままである限り、図１に関連して記述されたものとは変えられ得る。ほとんどの態様において、補助的な増幅器５の電力は、第１及び第２の増幅器３、４の電力よりも小さくなるが、常にこのケースである必要はない。

上述された負荷変調された無線周波数平衡電力増幅器は、ＲＦ及びマイクロ波範囲におけるものに限定されることなく、信号周波数で使用するのに適用可能であり得ることが認識されよう。

入力６に供給される入力信号はまた、補助的な増幅器５及び／又は、振幅及び位相を制御するための手段１６に供給されることが好ましいが、ある態様において、補助的な増幅器５又は手段１６に供給される信号は、異なるソースから独立して発生され得る。

変動において、補助的な増幅器５は、それ自体が、再帰的に配置された負荷変調された平衡増幅器であってもよく、又は、これを備えてもよい。

Claims (9)

1. 無線周波数電力増幅器であって、
   入力カプラーと、出力カプラーと、この間に、それぞれトランジスタを備える２つの増幅器と、を有する平衡増幅器を備え、
   前記無線周波数電力増幅器は、前記出力カプラーの分離されたポートに信号を提示することによって、前記２つの増幅器の前記出力に提示されたインピーダンスを、修正及び／又は変調する手段を備え、
   さらに、トランジスタ寄生効果に対して同調するために、前記出力カプラーの前記分離されたポートに提示された前記信号の位相及び／又は増幅を修正する手段を備える、
   無線周波数電力増幅器。
2. 前記出力カプラーの前記分離されたポートに提示された前記信号は、前記平衡増幅器の前記入力ポートに提示された信号と実質的に同じ特徴を有する、請求項１に記載の無線周波数電力増幅器。
3. 前記出力カプラーの前記分離されたポートに提示された前記信号は、前記平衡増幅器の前記入力ポートに提示された信号と実質的に同じ周波数を有する、請求項１に記載の無線周波数電力増幅器。
4. 前記出力カプラーの前記分離されたポートに前記信号を提示するように構成された補助的な増幅器を備える、先行する任意の請求項に記載の無線周波数電力増幅器。
5. 入力信号は、前記平衡増幅器の前記入力と、前記出力カプラーの前記分離されたポートの両方に提示される、請求項２、３又は４に記載の無線周波数電力増幅器。
6. 請求項４を引用するとき、前記補助的な増幅器に対する前記入力信号を修正する手段を備える、請求項５に記載の無線周波数電力増幅器。
7. 前記補助的な増幅器に提示された前記信号の前記位相及び／又は増幅を修正する手段を備える、請求項６に記載の無線周波数電力増幅器。
8. 無線周波数電力増幅器であって、
   入力カプラーと、出力カプラーと、この間に２つの増幅器と、を有する平衡増幅器を備え、
   前記無線周波数電力増幅器は、前記出力カプラーの分離されたポートに信号を提示することによって、前記２つの増幅器の前記出力に提示されたインピーダンスを、修正及び／又は変調する手段をさらに備える、
   無線周波数電力増幅器。
9. 無線周波数電力増幅器であって、
   入力カプラーと、出力カプラーと、この間に、それぞれトランジスタを備える２つの増幅器と、を有する平衡増幅器を備え、
   前記無線周波数電力増幅器は、前記出力カプラーの分離されたポートに信号を提示することによって、前記２つの増幅器の前記出力に提示されたインピーダンスを、修正及び／又は変調する手段を備え、さらに、
   インピーダンスマッチングを提供するために、前記出力カプラーの前記分離されたポートに提示された前記信号の位相及び／又は増幅を修正する手段を備える、
   無線周波数電力増幅器。

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