JP2018207565A - 電源力率制御システム - Google Patents

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河野 雅樹
Masaki Kono
雅樹 河野
川嶋 玲二
Reiji Kawashima
玲二 川嶋
崇之 藤田
Takayuki Fujita
崇之 藤田
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Abstract

【課題】調相機器が起因して生ずる進み力率を簡易に改善する。
【解決手段】アクティブフィルタ装置(4)は、交流電源(2)に対し電力変換装置(1)と並列に接続され、基本波力率の改善を行うための補償電流を生成して出力する。調相機器(31,32)は、交流電源(2)に対し電力変換装置(1)及びアクティブフィルタ装置(4)と並列に接続され、電力変換装置(1)に供給される電力のうち無効電力を制御する。制御器(33,43)は、交流電源(2)の無効電力及び電源力率の少なくとも1つに基づいて、調相機器(31,32)の無効電力の制御による進み力率が改善するように、アクティブフィルタ装置(4)を動作させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、電源力率制御システムに関するものである。
高圧系統ならびに特高系統などの商用電力系統から受電する需要家には、商用電力系統の受電点(電力の供給地点)における力率の遅れを進み方向に進めるほど(有効電力を100%に近づけるほど)、電気料金における基本料が安くなる力率割引制度が適用される。そのため、需要家の建物には、受電点の力率の遅れを進み方向へと進めて補償(改善)するための、進相コンデンサを有する調相機器が設置される。
力率の上記補償では、受電点における無効電力と調相機器の容量との差分である無効電力負荷が比較的大きくなる重負荷時において力率が約100%前後となるように、商用電力系統に調相機器を常時接続させる手法が採用される。この手法では、無効電力が小さくなる軽負荷時においても調相機器は接続された状態のため、軽負荷時には、補償の程度が過剰となり力率が極端に進むことになる。すると、需要家の建物の電力系統を含む商用電力系統の電力損失が増加し、当該系統の電圧が不必要に上昇する等の障害が生じることがある。
そこで、重負荷時及び軽負荷時のいずれにおいても受電点の力率を約100%近くに維持する一般的な対策として、例えば特許文献1に開示されるように、無効電力に応じて調相機器を商用電力系統に接続(投入)または非接続(開放)の状態に切り替える制御により、力率を調整する技術が知られている。
しかしながら、調相機器を商用電力系統から一旦開放(非接続)すると、当該調相機器に含まれる進相コンデンサに充電された電力が自然に放電し終えるまでの期間(例えば数分間)は、調相機器を商用電力系統に再度接続(再投入)できないという制約が存在する。そのため、無効電力が急激に増加する際、直ちに調相機器を商用電力系統に接続(投入)することができない場合が生じる。すると、無効電力が急激に増加し始めてから調相機器を商用電力系統に接続できない期間は、力率を補償することができない。
これに対し、特許文献2には、所定期間の時間幅で、補償すべき最大の無効電力の負荷を予測し、予測した最大の無効電力の負荷を補償するように調相機器の接続状態を切り替える技術が開示されている。
特開平6−4159号公報 特許第5583094号公報
上記特許文献2では、最大の無効電力の負荷を精度良く予測することが求められる。そのためには、予測する時間幅をできるだけ小さく設定し細かく予測を繰り返すことが考えられるが、その反面、予測結果の数は多くなる。それ故、全ての予測結果を記憶するために設けられる記憶装置の容量は増大し、その分コストが嵩んでしまう。
また、上記特許文献1,2に示すように、調相機器の接続状態の切替により力率を改善する場合、実際の力率が目標力率と概ね合致するのは、無効電力が所定値である時となる。切替制御によって調相機器が商用電力系統に接続されていれば、上述のように、調相機器が起因して実際の力率が目標力率よりも進み力率となる状態は依然として多く、目標力率に収束することは困難となる。実際の力率が進み力率である状態が多い程、商用電力系統の電力損失の増加、及び、当該系統の電圧の不必要な上昇等の障害の発生の可能性は、依然として存在する。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、調相機器が起因して生ずる進み力率を簡易に改善することを目的とする。
第1の発明は、交流電源(2)に接続され、該交流電源(2)から電力を供給される高調波発生機器(1)と、上記交流電源(2)に対し上記高調波発生機器(1)と並列に接続され、基本波力率の改善を行うための補償電流を生成して出力するアクティブフィルタ装置(4〜6)と、上記交流電源(2)に対し上記高調波発生機器(1)及び上記アクティブフィルタ装置(4〜6)と並列に接続され、上記高調波発生機器(1)に供給される電力のうち無効電力を制御する調相機器(31,32)と、上記交流電源(2)の無効電力及び電源力率の少なくとも1つに基づいて、上記調相機器(31,32)の上記無効電力の制御による進み力率が改善するように、上記アクティブフィルタ装置(4〜6)を動作させる制御を行う制御部(33,38,39,43,47)とを備えることを特徴とする電源力率制御システムである。
アクティブフィルタ装置(4〜6)が動作した際、調相機器(31,32)とは対照的に、実際の電源力率は目標力率よりも遅れ力率となる。そこで、ここでは、調相機器(31,32)の無効電力の制御によって実際の電源力率が目標力率よりも進み力率となることを、アクティブフィルタ装置(4〜6)の動作を制御することによって改善する。これにより、調相機器(31,32)が起因して実際の電源力率が進み力率となる現象は簡易に改善され、実際の電源力率の適切な補償及び基本波力率の改善を図ることができる。従って、交流電源(2)の電力系統の電力損失の増加、及び、当該系統の電圧の不必要な上昇等の障害の発生の可能性を抑制することができる。
第2の発明は、第1の発明において、上記制御部(33,38,39,43,47)は、上記調相機器(31,32)による進み力率が上記アクティブフィルタ装置(4〜6)による遅れ力率によって相殺されて上記交流電源(2)の電源力率が目標力率に収束するように、上記アクティブフィルタ装置(4〜6)を動作させる制御を行うことを特徴とする電源力率制御システムである。
これにより、調相機器(31,32)が起因して実際の電源力率が進み力率となる現象を、アクティブフィルタ装置(4〜6)の動作によって確実に改善し、電源力率を目標力率に収束させることができる。
第3の発明は、第1の発明または第2の発明において、上記交流電源(2)の出力電流を検出する電流検出部(34a,34b)と、上記交流電源(2)の出力電圧を検出する電圧検出部(35)と、を備え、上記制御部(33,38,39,43,47)は、上記電流検出部(34a,34b)の検出結果及び上記電圧検出部(35)の検出結果に基づいて、上記交流電源(2)の無効電力及び電源力率の少なくとも1つを演算することを特徴とする電源力率制御システムである。
ここでは、電流検出部(34a,34b)及び電圧検出部(35)の各検出結果に基づく演算により、電源力率の制御にて用いる交流電源(2)の無効電力及び電源力率の少なくとも1つの実際の値を、簡単に得ることができる。
第4の発明は、第3の発明において、上記電流検出部(34a,34b)及び上記電圧検出部(35)は、共通して1つの電力計(36)に設けられていることを特徴とする電源力率制御システムである。
ビルや工場等の建物には、電流の実際の値及び電圧の実際の値から電力を測定する電力計(36)が接続されている。ここでは、当該電力計(36)を利用するため、特別に電流及び電圧の検出用センサや検出回路を取り付ける必要がない。従って、別途センサ及び検出回路を取り付けるための工事が不要であり、センサ及び検出回路を設けずに済む分コストを削減できる。
第5の発明は、第1の発明から第4の発明のいずれか1つにおいて、上記調相機器(31,32)は、複数であって、上記交流電源(2)と各上記調相機器(31,32)とを、接続または非接続に切り換えることが可能な切替部(311,321)、を更に備え、上記制御部(33,38,39)は、上記交流電源(2)の無効電力及び電源力率の少なくとも1つに応じて、上記交流電源(2)と各上記調相機器(31,32)との接続状態の組み合わせが変更するように、上記切替部(311,321)の切替制御を更に行うことを特徴とする電源力率制御システムである。
ここでは、交流電源(2)の無効電力及び電源力率の少なくとも1つに応じて切替部(311,321)の切替制御がなされ、交流電源(2)と調相機器(31,32)との接続状態の組合せが適宜変更されるようになる。例えば、交流電源(2)への無効電力を制御する調相機器(31,32)の数が少ない程、調相機器(31,32)の制御による進み力率の度合いは抑えられ、アクティブフィルタ装置(4〜6)の補償量もその分小さくなり、アクティブフィルタ装置(4〜6)の容量も小さくて済むようになる。
第6の発明は、第1の発明から第5の発明のいずれか1つにおいて、上記制御部(33,38,43)は、上記交流電源(2)から上記調相機器(31,32)に流れる電流を上記交流電源(2)の出力電流から減算し、その減算結果(Ir2,It2)を更に用いて上記アクティブフィルタ装置(4)の動作を制御することを特徴とする電源力率制御システムである。
調相機器(31,32)には進相コンデンサ(Ca,Cb,Cc)等が含まれ、進相コンデンサ(Ca,Cb,Cc)の充放電時には交流電源(2)の出力電流が一時的に増大する。出力電流の増大は、アクティブフィルタ装置(4〜6)による補償量を不必要に増大させる。これに対し、ここでは、交流電源(2)の出力電流のうち、調相機器(31,32)に流れる電流分を除いた電流が、アクティブフィルタ装置(4〜6)の動作制御に利用される。即ち、アクティブフィルタ装置(4〜6)の動作制御には、調相機器(31,32)に流れる過渡的な電流を除いた電流が利用される。これにより、調相機器(31,32)に過渡的に電流が流れることによってアクティブフィルタ装置(4〜6)による電源力率の補償量が想定よりも増大してしまうことを、抑制することができる。
第7の発明は、第1の発明から第6の発明のいずれか1つにおいて、上記アクティブフィルタ装置(5,6)及び上記高調波発生機器(1)は、それぞれ複数であって、上記制御部(39,47)は、各上記高調波発生機器(1)にて発生する高調波電流の総和を各上記アクティブフィルタ装置(5,6)に分担して補償させ、且つ各上記アクティブフィルタ装置(5,6)の補償量が該アクティブフィルタ装置(5,6)の最大出力容量以下となる条件を満たすように、各上記アクティブフィルタ装置(5,6)が生成するべき上記補償量に対応する上記補償電流の量を算出することを特徴とする電源力率制御システムである。
ここでは、電源力率制御システム(100)内にて発生する高調波電流は、複数のアクティブフィルタ装置(5,6)に分担して補償され、その補償量は、各アクティブフィルタ装置(5,6)自身の最大出力容量を超えないように決定される。これにより、複数のアクティブフィルタ装置(5,6)の少なくとも一部に過剰な負荷がかかることなく、各アクティブフィルタ装置(5,6)を有効利用した状態にて、調相機器(31,32)が起因する進み力率を改善させて高調波電流の低減及び基本波電流の改善を図ることができる。
第8の発明は、第1の発明から第7の発明のいずれか1つにおいて、上記高調波発生機器(11)は、空気調和装置であることを特徴とする電源力率制御システムである。
第9の発明は、第8の発明において、上記アクティブフィルタ装置(4〜6)は、上記高調波発生機器(11)である上記空気調和装置に組み込まれていることを特徴とする電源力率制御システムである。
本発明によれば、調相機器(31,32)が起因して実際の力率が進み力率となる現象は簡易に改善され、実際の力率の適切な補償及び基本波力率の改善を図ることができる。従って、交流電源(2)の電力系統の電力損失の増加、及び、当該系統の電圧の不必要な上昇等の障害の発生の可能性を抑制することができる。
図1は、実施形態1に係る電源力率制御システムの構成を示すブロック図である。 図2は、実施形態1に係る調相設備制御器の構成を示すブロック図である。 図3は、調相機器の切替組合せテーブルの概念図である。 図4は、実施形態1に係るアクティブフィルタ制御器の構成を示すブロック図である。 図5は、実施形態1において、アクティブフィルタ装置による補償がなされていない状態と、アクティブフィルタ装置による補償がなされた状態とを示す図である。 図6は、実施形態2に係る電源力率制御システムの構成を示すブロック図である。 図7は、実施形態2に係る調相設備制御器の構成を示すブロック図である。 図8は、実施形態2に係るアクティブフィルタ制御器の構成を示すブロック図である。 図9は、実施形態2において、アクティブフィルタ装置による補償がなされていない状態と、アクティブフィルタ装置による補償がなされた状態とを示す図である。 図10は、実施形態3に係る電源力率制御システムの構成を示すブロック図である。 図11は、実施形態3に係る調相設備制御器の構成を示すブロック図である。 図12は、調相機器の接続状態組合せテーブルの概念図である。 図13は、実施形態3において、アクティブフィルタ装置による補償がなされていない状態と、アクティブフィルタ装置による補償がなされた状態とを示す図である。 図14は、実施形態4に係る電源力率制御システムの構成を示すブロック図である。 図15は、実施形態4に係る調相設備制御器の構成を示すブロック図である。 図16は、実施形態4に係るアクティブフィルタ制御器の構成を示すブロック図である。 図17は、実施形態4に係る補償電流の調整制御の動作を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
≪実施形態1≫
<電源力率制御システムの概要>
図1は、本実施形態1に係る電源力率制御システム(100)の構成を示すブロック図である。電源力率制御システム(100)は、調相設備(3)と、空気調和装置(11)とを備える。
空気調和装置(11)は、ビルや戸建て住宅(以下、ビル等)に設置され、室内の空気調和(冷房や暖房)を行う。上記ビル等には、交流電源(2)を含む電力系統から電力が供給されている。この例では、交流電源(2)は、三相の交流電源(例えば三相の商用電源)であり、高調波発生負荷器である空気調和装置(11)に電力を供給する。空気調和装置(11)は、交流電源(2)から供給された交流電力によって稼働する。
調相設備(3)は、ビル等である建物全体の力率を改善するために、当該ビル等に取り付けられているものである。
<空気調和装置の構成>
空気調和装置(11)は、圧縮機を有した冷媒回路(図示せず)、電力変換装置(1)、及びアクティブフィルタ装置(4)を備える。
冷媒回路は、圧縮機、室外側熱交換器、膨張機構、室内側熱交換器が冷媒配管によって接続されることで構成される。冷媒回路内には冷媒が充填されており、冷媒が冷媒回路内を循環することによって、室内は冷却または暖められる。
電力変換装置(1)は、調相設備(3)を介して交流電源(2)に接続されており、コンバータ回路とインバータ回路とを有する。電力変換装置(1)は、交流電源(2)から交流電力を供給されると、これを所望周波数及び所望電圧を有した交流電力に変換し、変換後の電力を圧縮機(より詳しくは圧縮機が備える電動機)に供給する。それにより、圧縮機が稼働して冷媒回路が機能し、その結果、室内の空気調和が行われる。
空気調和装置(11)において、電力変換装置(1)や圧縮機の電動機が稼働すると、高調波電流が発生する場合がある。この高調波電流は、電力変換装置(1)に電力を供給する電流経路を介して、交流電源(2)に流出する可能性がある。このような高調波電流は、一般的には交流電源(2)側への流出レベルが規制されている。
そのため、空気調和装置(11)内には、アクティブフィルタ装置(4)が組み込まれている。アクティブフィルタ装置(4)は、電力変換装置(1)にて発生する高調波電流の低減を行う。
更に、設備容量や省エネルギーの観点などから、配電・受電端の基本波力率の改善が求められているところ、アクティブフィルタ装置(4)は、基本波力率の改善機能も備えている。基本波力率の改善がアクティブフィルタ装置(4)にて行われることにより、電源力率の改善が図られる。
以下、アクティブフィルタ装置(4)の構成について説明する。
<アクティブフィルタ装置の構成>
アクティブフィルタ装置(4)は、交流電源(2)に対し、高調波電流の発生源となる電力変換装置(1)と並列に接続されており、該電力変換装置(1)から流出し交流電源(2)からの受電経路に現れる高調波電流を打ち消す機能を有する。即ち、アクティブフィルタ装置(4)は、交流電源(2)の電流経路(以下、受電経路(12))における電流が正弦波に近づくように補償電流を流す。より具体的には、アクティブフィルタ装置(4)は、受電経路(12)に現れている高調波電流とは逆位相の補償電流を生成し、受電経路(12)に供給する。
そして、アクティブフィルタ装置(4)は、上述した補償電流を流すことにより、基本波力率を改善する力率改善の機能も有する。この例では、基本波の無効成分も補償する補償電流を流すようにアクティブフィルタ装置(4)を構成することで、基本波力率の改善を行う。
上記機能を実現するため、本実施形態1に係るアクティブフィルタ装置(4)は、図1に示すように、電流源(30)、フィルタ側電流検出器(45a,45b)、フィルタ側電圧検出器(46)、及びアクティブフィルタ制御器(43)を有する。
なお、電力変換装置(1)において発生する高調波電流が最も大きくなるのは、空気調和装置(11)の負荷がもっとも大きな場合(例えば冷房の最大出力時)と考えられる。そのため、アクティブフィルタ装置(4)は、空気調和装置(11)の負荷最大時における高調波電流を想定して、能力(生成可能な電流または電力の大きさ)、即ち容量が設定されている。この容量を、出力最大容量と言う。但し、一般的に、空気調和装置(11)は、最大負荷の状態で使用されることよりも小さい負荷(例えば中間の負荷)で使用される場合の方が多い。すると、このように出力最大能力が設定されたアクティブフィルタ装置(4)は、稼働中の殆どの期間において、能力が余剰となることが多いと考えられる。
−電流源−
電流源(30)は、高調波電流の低減及び基本波力率改善を行うための補償電流を生成する。電流源(30)の出力端子は、電力変換装置(1)に接続されており、生成した補償電流は受電経路(12)に出力される。
図示していないが、本実施形態1の電流源(30)は、いわゆるインバータ回路を用いて構成されている(アクティブフィルタインバータ部)。電流源(30)には、アクティブフィルタ制御器(43)から後述するスイッチング指令値(G)が入力される。電流源(30)は、スイッチング指令値(G)に応じてスイッチングすることによって、補償電流を生成する。
−フィルタ側電流検出器−
フィルタ側電流検出器(45a,45b)は、アクティブフィルタ装置(4)の電流源(30)に入力される電流値(Ir2a,It2a)を検出する。
この例では、フィルタ側電流検出器(45a,45b)は、1つのアクティブフィルタ装置(4)において2つ設けられている。フィルタ側電流検出器(45a)は、交流電源(2)から電流源(30)に入力されるR相の電流値(Ir2a)を検出し、フィルタ側電流検出器(45b)は、交流電源(2)から電流源(30)に入力されるT相の電流値(It2a)を検出する。フィルタ側電流検出器(45a,45b)によって検出された電流値(Ir2a,It2a)は、アクティブフィルタ制御器(43)に送信される。
フィルタ側電流検出器(45a,45b)の構成には、特に限定はないが、例えばカレントトランスを採用することなどが考えられる。
また、フィルタ側電流検出器(45a,45b)は、検出結果をアクティブフィルタ制御器(43)に有線方式で送信する構成であってもよいし、無線方式で送信する構成であってもよい。
なお、本実施形態1では、フィルタ側電流検出器(45a,45b)が交流電源(2)の2相分の出力電流値(Ir2a,It2a)を検出する場合を例示しているが、フィルタ側電流検出部は、交流電源(2)の3相分の出力電流値を検出する構成であってもよい。
−フィルタ側電圧検出器−
フィルタ側電圧検出器(46)は、交流電源(2)のR相及びS相に接続され、T相には接続されていない。フィルタ側電圧検出器(46)は、交流電源(2)の線間電圧(Vrs)のみを検出してアクティブフィルタ制御器(43)に入力する。
なお、本実施形態1では、フィルタ側電圧検出器(46)が交流電源(2)の2相分の出力に接続された場合を例示しているが、フィルタ側電圧検出器(46)は、交流電源(2)の3相分の出力に接続される構成であってもよい。
−アクティブフィルタ制御器−
アクティブフィルタ制御器(43)は、マイクロコンピュータと、当該マイクロコンピュータを動作させるためのプログラムを格納したメモリディバイスとを用いて構成される。図1に示すように、アクティブフィルタ制御器(43)は、電流源(30)、フィルタ側電流検出器(45a,45b)、フィルタ側電圧検出器(46)、及び後述する調相設備(3)内の調相設備制御器(33)に接続されている。アクティブフィルタ制御器(43)は、各検出器(45a,45b,46)の検出結果と、調相設備制御器(33)を介して送られる交流電源(2)の出力電流(Irs,Its)とに基づいて、アクティブフィルタインバータ部である電流源(30)の出力電流(即ち補償電流)を制御する。
<調相設備の構成>
図1に示すように、調相設備(3)は、受電経路(12)上において、交流電源(2)の出力と電力変換装置(1)及びアクティブフィルタ装置(4)の各入力との間に接続されている。調相設備(3)は、2つの調相機器(31,32)と、電源測定器(36)と、調相設備制御器(33)とを有する。
−調相機器−
調相機器(31,32)は、交流電源(2)に対し、電力変換装置(1)及びアクティブフィルタ装置(4)と並列に接続されている。調相機器(31,32)は、電力変換装置(1)に供給される電力のうち無効電力を制御する。この例では、調相機器(31)は、20kVarの無効電力を吸収できる装置であり、調相機器(32)は、50kVarの無効電力を吸収できる装置である。
調相機器(31,32)は、いずれも、3つの進相コンデンサ(Ca,Cb,Cc)と、3つの進相リアクトル(La,Lb,Lc)と、1つの切替器(311,321)(切替部に相当)とで構成される。調相機器(31,32)が進相コンデンサ(Ca,Cb,Cc)のみならず進相リアクトル(La,Lb,Lc)を含む構成である理由は、仮に進相コンデンサ(Ca,Cb,Cc)が短絡故障した際に調相機器(31,32)に流れる電流の大きさを、進相リアクトル(La,Lb,Lc)によって絞ることができるためである。
切替器(311,321)は、調相設備制御器(33)の切替信号に基づいて調相機器(31,32)の投入及び開放を行う。即ち、各切替器(311,321)は、対応する調相機器(31,32)と交流電源(2)とを、接続または非接続の状態に切り換えるためのものである。
−電源測定器−
電源測定器(36)は、受電経路(12)上において、交流電源(2)の出力と調相機器(31,32)の入力との間に接続されている。電源測定器(36)は、2つの電源側電流検出器(34a,34b)と1つの電源側電圧検出器(35)とを有する。
電源側電流検出器(34a,34b)は、受電経路(12)上において、各調相機器(31,32)及び空気調和装置(11)へと電流が分岐して流れる前の、交流電源(2)の出力電流を検出する。この例では、電源側電流検出器(34a,34b)は2つ設けられている。具体的に、電源側電流検出器(34a)は、交流電源(2)におけるR相の電流値(Irs)を検出する。電源側電流検出器(34b)は、交流電源(2)におけるT相の電流値(Its)を検出する。
電源側電圧検出器(35a)は、交流電源(2)の各相の出力端子に接続され、交流電源(2)の出力電圧である交流電源(2)の線間電圧(Vrs,Vst,Vtr)を検出する。
このような電源測定器(36)は、ビル等の建物に既設の電力計またはスマートメータであることができる。電流及び電圧を計測するセンサや検出回路を、電力計及びスマートメータとは別途設けずに済むためである。
なお、電源側電流検出器(34a,34b)の構成は、特に限定はないが、例えばカレントトランスを採用することができる。
また、電源側電流検出器(34a,34b)は、検出結果を調相設備制御器(33)に有線方式で送信する構成であってもよいし、無線方式で送信する構成であってもよい。なお、交流電源(2)とアクティブフィルタ装置(4)との距離は、20〜30メートル離れることがある。そのため、電源側電流検出器(34a,34b)からアクティブフィルタ装置(4)までを配線で接続すると、この配線を長く引き回すこととなり、また、電源側電流検出器(34a,34b)とアクティブフィルタ装置(4)との接続作業自体にかなりの手間がかかってしまう。これに対し、電源側電流検出器(34a,34b)の検出結果が無線方式で送信する構成とすることにより、上記配線自体が不要となり、配線を引き回す作業を行わずに済む。
また、電源側電流検出器(34a,34b)に流れる電流により電源側電流検出器(34a,34b)を貫く磁束が時間に対して変化する現象を電磁誘導というが、その電磁誘導によって生じる起電力である誘導起電力を、電源側電流検出器(34a,34b)を駆動させる電源(例えば通信のための電源)として利用してもよい。そのことにより、電源側電流検出器(34a,34b)は、無電源方式で動作(すなわち電源側電流検出器(34a,34b)の外部から電源を接続せずに動作)でき、電源側電流検出器(34a,34b)を外部の電源と接続する作業が不要となる。
また、本実施形態1では、電源測定器(36)が調相設備(3)の内部に設けられているが、電源測定器(36)が調相設備(3)の外部に設けられていてもよい。なお、本実施形態1のように、電源測定器(36)が調相設備(3)の内部に設けられている場合、電源測定器(36)が雨や風に晒されることが無くなるため、電源測定器(36)の信頼性が高まり且つ寿命を延ばすことができる。
また、電源側電流検出器(34a,34b)は、交流電源(2)の2相分に限定されず、交流電源(2)の3相各相それぞれに対応して設けられても良い。
−調相設備制御器−
調相設備制御器(33)は、マイクロコンピュータと、当該マイクロコンピュータを動作させるためのプログラムを格納したメモリディバイスとを用いて構成される。図1に示すように、調相設備制御器(33)は、電源測定器(36)と、調相機器(31,32)の各切替器(311,321)と、アクティブフィルタ装置(4)におけるアクティブフィルタ制御器(43)に接続されている。調相設備制御器(33)は、電源測定器(36)からの信号に基づいて、無効電力Pβ及び電源力率θαβそのものの演算または無効電力Pβ及び電源力率θαβを把握するための情報の算出を行う。また、調相設備制御器(33)は、各切替器(311,321)の切替制御、電源側電流検出器(34a,34b)の検出結果のアクティブフィルタ制御器(43)への出力を行う。
<調相設備制御器による各切替器の切替制御動作>
図2に示すように、上記調相設備制御器(33)は、電源力率演算部(331)及び切替制御部(332)を有する。
−電源力率演算部−
電源力率演算部(331)には、電源測定器(36)における電源側電圧検出器(35)が検出した線間電圧(Vrs,Vst,Vtr)及び電源側電流検出器(34a,34b)の検出結果(Irs,Its)が入力される。電源力率演算部(331)は、入力されたこれらの信号を下式(1)及び下式(2)に当てはめて、回転2軸(αβ軸)の電圧Vα,Vβ及びiα,iβを演算する。
Figure 2018207565
Figure 2018207565
次いで、電源力率演算部(331)は、上式(1)及び上式(2)で求めた回転2軸(αβ軸)の電圧Vα,Vβ及び電流iα,iβを、下式(3)及び下式(4)に当てはめて、有効電力Pα及び無効電力Pβを演算する。
Figure 2018207565
Figure 2018207565
上記有効電力Pα及び無効電力Pβそれぞれを下式(5)に当てはめることにより、交流電源(2)の電源力率θαβが得られる。
Figure 2018207565
上式(5)は、無効電力Pβが大きい程、電源力率θαβが低下し、逆に無効電力Pβが小さい程電源力率θαβは上昇して力率が向上(改善)することを示している。本実施形態1では、無効電力Pβを調相機器(31,32)の切替信号の生成に使用するが、更に電源力率θαβ、または無効電力Pβ及び電源力率θαβの双方が演算されて、調相機器(31,32)の切替信号の生成に利用されてもよい。
−切替制御部−
切替制御部(332)には、電源力率演算部(331)が演算した無効電力Pβが入力される。切替制御部(332)は、無効電力Pβに応じて、交流電源(2)と各調相機器(31,32)との接続状態の組合せが変更するように、各調相機器(31,32)における切替器(311,321)の切替制御を行う。具体的には、切替制御部(332)は、無効電力Pβを、図3に係る各調相機器(31,32)の切替組合せテーブル(332a)に当てはめて、各調相機器(31,32)の投入・開放の論理判断を行う。切替制御部(332)は、この論理判断に応じた切替信号を、各調相機器(31,32)における切替器(311,321)に出力する。
ここで、図3の切替組合せテーブル(332a)は、論理判断の基準として用いられるものであって、ここでは、20kVarの調相機器(32)と50kVarの調相機器(31)との投入可能な組合せは、0kVar、20kVar、50kVar、70kVarの4パターンとなっている。
図3では、無効電力Pβで示される負荷の範囲(無効電力負荷範囲)を例えば“0kVar〜3kVar”“3kVar〜20kVar”“20kVar〜50kVar”“50kVar〜70kVar”の4つのパターンに定義し、各調相機器(31,32)の受電経路(12)への接続状態を、パターン毎に表している。このような図3は、電源力率制御システム(100)が現場に構築される前等から予め決定されている。図3では、調相機器(31,32)が受電経路(12)に接続される場合を“投入”、調相機器(31,32)が受電経路(12)に接続されない場合を“開放”と記している。つまり、“開放”と記されている調相機器(31,32)に対応する切替器(311,321)は、当該調相機器(31,32)と受電経路(12)とを非接続の状態にし、“開放”と記されている調相機器(31,32)に対応する切替器(311,321)は、当該調相機器(31,32)と受電経路(12)とを接続の状態にする。
例えば、図1及び図3において、無効電力Pβが0kVarから徐々に70kVarまで増加する場合、各切替器(311,321)による切替動作は、以下の(1)〜(4)の順番に従って行われる。
(1)いずれの調相機器(31,32)も受電経路(12)から開放する。
(2)50kVarの調相機器(31)が受電経路(12)から開放された状態を維持しつつ、20kVarの調相機器(32)を受電経路(12)に投入する。
(3)20kVarの調相機器(32)を受電経路(12)から開放し、50kVarの調相機器(31)を受電経路(12)に投入する。
(4)50kVarの調相機器(31)が受電経路(12)に投入された状態を維持しつつ、20kVarの調相機器(32)を受電経路(12)に再投入する(計70kVar)。
また、切替制御部(332)は、無効電力Pβが、事前に設定された遮断点(図3の無効電力負荷範囲を定義する閾値)より進み方向(つまり進相コンデンサ(Ca,Cb,Cc)による無効電力Pβの補償が過剰になっている状態)となった時点で、調相機器(31,32)(具体的には進相コンデンサ(Ca,Cb,Cc))の投入量を減らす。この場合も、切替制御部(332)は、負荷となる無効電力Pβを補償するのに必要十分な調相機器(31,32)の組合せを選択し、選択した調相機器(31,32)を投入し、且つ、それ以外の調相機器(31,32)を開放する制御を行う。
このような調相設備制御器(33)による無効電力Pβの制御のみによれば、図5の細い実線にて示すように、交流電源(2)の電源力率θαβは、無効電力Pβが0kVarから70kVarである範囲において、各調相機器(31,32)の接続状態が切り換えられたタイミングにて目標力率よりも一旦進み位相となるが、その後徐々に目標力率に近づいていく態様を、各調相機器(31,32)の接続状態が切り換えられる毎に繰り返す。
<アクティブフィルタ制御器による力率改善制御>
これに対し、アクティブフィルタ制御器(43)は、上述した調相設備制御器(33)における無効電力Pβの制御による進み力率が、交流電源(2)の無効電力Pβに基づいて改善するように、アクティブフィルタ装置(4)の電流源(30)による補償電流の生成動作を制御する。即ち、電流源(30)による補償電流の生成動作の制御により、交流電源(2)の電源力率θαβはより改善され、目標力率に瞬時に収束するようになる。
このようなアクティブフィルタ制御器(43)は、図4に示すように、位相検出部(436)、第1電流演算部(435)、第2電流演算部(434)、負荷電流演算部(433)、電流指令演算部(432)、及びゲートパルス発生器(431)を有する。
位相検出部(436)には、フィルタ側電圧検出器(46)が検出した交流電源(2)の線間電圧(Vrs)が入力される。位相検出部(436)は、入力された線間電圧(Vrs)を用いて受電経路(12)における電源電圧の位相を検出し、検出した位相を第1電流演算部(435)及び第2電流演算部(434)に出力する。
第1電流演算部(435)には、位相検出部(436)によって検出された電源電圧の位相、及び、電源側電流検出器(34a,34b)によって検出された交流電源(2)の出力電流(Irs,Its)が入力される。第1電流演算部(435)は、入力されたこれらの信号に基づいて、受電経路(12)における高調波電流の補償(高調波電流の低減)と基本波の無効成分の補償(基本波の力率改善)の双方を行うために必要な電流値(以下、第1電流指令値(i1))を求める。第1電流演算部(435)は、求めた第1電流指令値(i1)を、負荷電流演算部(433)に出力する。
第2電流演算部(434)には、位相検出部(436)によって検出された電源電圧の位相、及び、フィルタ側電流検出器(45a,45b)によって検出された電流源(30)に入力される電流(Ir2a,It2a)が入力される。第2電流演算部(434)は、入力されたこれらの信号に基づいて、現時点での高調波電流の補償(高調波電流の低減)及び基本波の無効成分の補償(基本波の力率改善)の双方を行っているアクティブフィルタ装置(4)に流れ込んでいる電流(以下、第2電流指令値(i2))を求める。第2電流演算部(434)は、求めた第2電流指令値(i2)を、負荷電流演算部(433)に出力する。
交流電源(2)の出力電流(Irs,Its)からアクティブフィルタ装置(4)の電流源(30)に入力される電流(Ir2a,It2a)を減算することにより、高調波の発生源となる電力変換装置(1)及び調相設備(3)の各調相機器(31,32)に流れる電流の合計値が求められる。これを利用して、本実施形態1では、電力変換装置(1)の基本波力率及び調相設備(3)による進み力率の改善を実現することにより、交流電源(2)付近の配電・受電端の基本波力率の改善、及び高調波電流の低減を実現している。即ち、本実施形態1に係るアクティブフィルタ装置(4)は、調相設備(3)の進み力率を補正するための負荷として機能していると言える。
具体的に、負荷電流演算部(433)は、電力変換装置(1)及び調相設備(3)の各調相機器(31,32)に流れる電流の合計値を、第1電流演算部(435)の第1電流指令値(i1)から第2電流演算部(434)の第2電流指令値(i2)を減算することによって求め、求めた演算結果を電流指令演算部(432)に出力する。
電流指令演算部(432)は、負荷電流演算部(433)の演算結果の逆位相の電流値を演算して、その値を電流指令値(Iref)としてゲートパルス発生器(431)に出力する。
ゲートパルス発生器(431)は、電流源(30)を構成するインバータ回路(アクティブフィルタインバータ部)におけるスイッチングを指示するためのスイッチング指令値(G)、を生成する。詳しくは、ゲートパルス発生器(431)は、電流源(30)が出力する電流値と上記電流指令値(Iref)との偏差に基づいてスイッチング指令値(G)を生成する動作を繰り返す、いわゆるフィードバック制御を行う。これにより、電流源(30)からは、電流指令値(Iref)に相当する電流(補償電流)が受電経路(12)に供給される。
より詳しくは、ゲートパルス発生器(431)では、第2電流演算部(434)で求めた第2電流指令値(i2)が電流指令値(Iref)に一致するようなスイッチング指令値(G)を生成して電流源(30)に出力する。そのことにより、電力変換装置(1)に流れる電流に含まれている高調波成分とアクティブフィルタ装置(4)が出力する電流とは相殺され、交流電源(2)の出力電流(Irs,Itr,Its)は、高調波電流が除去された正弦波となり、力率が改善される。
本実施形態1では、上述の通り、アクティブフィルタ制御器(43)には、電流源(30)に入力される電流(Ir2a,It2a)のみならず、交流電源(2)の出力電流(Irs,Its)が入力される。そのため、アクティブフィルタ制御器(43)は、各調相機器(31,32)に流れる電流と電力変換装置(1)に流れる電流との合計値を算出することができ、その算出結果に応じて、電流源(30)の補償電流を調整することができる。従って、上述したアクティブフィルタ制御器(43)による一連の制御により、アクティブフィルタ制御器(43)は、電力変換装置(1)のみならず調相機器(31,32)の影響を受けた実際の電源力率θαβを、目標力率に合わせ込む制御を行っている。
特に、アクティブフィルタ装置(4)の電流源(30)は、稼働することにより電源力率θαβを目標力率よりも遅れ力率にする性質を有する。アクティブフィルタ制御器(43)は、調相機器(31,32)による進み力率がアクティブフィルタ装置(4)による遅れ力率によって相殺されて交流電源(2)の電源力率θαβが目標力率に収束するように、アクティブフィルタ装置(4)の電流源(30)を動作させる制御を行う。
図5は、調相設備(3)が上述した調相設備制御器(33)の制御に基づき稼働しているがアクティブフィルタ装置(4)は稼働していない状態時の電源力率θαβを細い実線で表し、目標力率を破線で表している。調相設備制御器(33)により各調相機器(31,32)の接続状態が切り換えられる毎に、電源力率θαβは目標力率に対し一旦進み力率となりその後徐々に目標力率に近づいていくため、図5には、細い実線と破線とにより囲まれた領域にて現れるように、アクティブフィルタ装置(4)が補償するべき電源力率θαβの領域が現れる。
図5では、更にアクティブフィルタ装置(4)が上述したアクティブフィルタ制御器(43)の制御に基づき稼働した状態時の電源力率θαβを、太い実線で表している。この図5の太い実線で示された電源力率θαβは、調相機器(31,32)の切替時に目標力率に対して一瞬のみ進み力率になることを除けば、調相設備(3)による進み力率分がアクティブフィルタ装置(4)による遅れ力率によって概ね相殺されたことにより、細い実線に比べて瞬時に目標力率に収束している。即ち、アクティブフィルタ装置(4)が補償するべき電源力率θαβの領域が、上述したアクティブフィルタ制御器(43)の制御によるアクティブフィルタ装置(4)の稼働によって補償されたことを表す。
従って、本実施形態1に係る電源力率制御システム(100)は、調相設備(3)を起因とする進み力率を、アクティブフィルタ装置(4)の稼働によって改善することができる。
なお、本実施形態1では、受電経路(12)に1台の空気調和装置(11)が接続された場合を例示している。この受電経路(12)に、ビル等の建物に設置されている他の装置も接続されていれば、電源力率制御システム(100)は、調相設備(3)が起因する進み力率を低減して建物全体の基本波力率を改善することが可能になる。
<効果>
アクティブフィルタ装置(4)が動作した際、調相機器(31,32)とは対照的に、実際の電源力率θαβは目標力率よりも遅れ力率となる。そこで、本実施形態1では、調相機器(31,32)の無効電力Pβの制御によって実際の電源力率θαβが目標力率よりも進み力率となることを、アクティブフィルタ装置(4)の動作を制御することによって改善する。これにより、調相機器(31,32)が起因して実際の電源力率θαβが進み力率となる現象は簡易に改善され、実際の電源力率θαβの適切な補償及び基本波力率の改善を図ることができる。従って、交流電源(2)の電力系統の電力損失の増加、及び、当該系統の電圧の不必要な上昇等の障害の発生の可能性を抑制することができる。
より詳細には、調相機器(31,32)による進み力率がアクティブフィルタ装置(4)による遅れ力率によって相殺されて交流電源(2)の電源力率θαβが目標力率に収束するように、アクティブフィルタ装置(4)の動作が制御される。
本実施形態1では、電源力率θαβの制御にて用いられる無効電力Pβの実際の値は、電源側電流検出器(34a,34b)の検出結果及び電源側電圧検出器(35)の検出結果に基づく演算により、簡単に得られる。
ビルや工場等の建物には、電流の実際の値及び電圧の実際の値から電力を測定する電力計(36)が接続されている。本実施形態1では、電源側電流検出器(34a,34b)及び電源側電圧検出器(35)を予め含む電源測定器(36)である電力計を利用するため、特別に電流及び電圧の検出用センサや検出回路を取り付ける必要がない。従って、別途センサ及び検出回路を取り付けるための工事が不要であり、センサ及び検出回路を設けずに済む分コストを削減できる。
本実施形態1では、交流電源(2)の無効電力Pβに応じて切替器(311,321)の切替制御がなされ、交流電源(2)と調相機器(31,32)との接続状態の組合せが適宜変更されるようになる。例えば、交流電源(2)への無効電力Pβを制御する調相機器(31,32)の数が少ない程、調相機器(31,32)の制御による進み力率の度合いは抑えられ、アクティブフィルタ装置(4)の補償量もその分小さくなり、アクティブフィルタ装置(4)の容量も小さくて済むようになる。
また、本実施形態1では、空気調和装置(11)(具体的には空気調和装置(11)における電力変換装置(1))が高調波発生機器であり、アクティブフィルタ装置(4)は、空気調和装置に組み込まれている。
≪実施形態2≫
図6は、実施形態2に係る電源力率制御システム(100)の構成を示すブロック図である。本実施形態2が上記実施形態1と異なる点は、上記実施形態1の電源力率制御システム(100)において、各調相機器(31,32)に流れ込む電流(Ir1,It1)を検出する調相側電流検出器(37a,37b)が調相設備(3)に更に取り付けられていることである。
このことにより、調相設備制御器(33)は、図7に示すように、上記実施形態1と同様の電源力率演算部(331)及び切替制御部(332)に加えて、更に2つの減算部(333a,333b)を有する。減算部(333a)は、電源側電流検出器(34a)が検出した交流電源(2)の出力電流(Irs)から調相側電流検出器(37a)が検出した調相機器(31)に流れ込む電流(Ir1)を減算する。減算部(333b)は、電源側電流検出器(34b)が検出した交流電源(2)の出力電流(Its)から調相側電流検出器(37b)が検出した調相機器(32)に流れ込む電流(It1)を減算する。各減算部(333a,333b)の減算結果は、交流電源(2)の出力電流(Irs,Its)のうち、空気調和装置(11)に流入する電流(Ir2,It2)を表した信号であって、アクティブフィルタ制御器(43)に流入される。
アクティブフィルタ制御器(43)は、図8に示すように、上記実施形態1に係るアクティブフィルタ制御器(43)と同様の構成を有している。調相設備制御器(33)にて演算された空気調和装置(11)に流入する電流(Ir2,It2)は、アクティブフィルタ制御器(43)の第1電流演算部(435)に流入され、受電経路(12)における高調波電流の補償(高調波電流の低減)と基本波の無効成分の補償(基本波の力率改善)の双方を行うために必要な電流値である第1電流指令値(i1)の算出に利用される。
このように、本実施形態のアクティブフィルタ制御器(43)は、交流電源(2)の出力電流(Irs,Its)から交流電源(2)から調相機器(31,32)に流れる電流を減算した結果を用いて、アクティブフィルタ装置(4)の動作制御(具体的には、電流源(30)の補償電流の生成動作制御)を行う。
各調相機器(31,32)の進相コンデンサ(Ca,Cb,Cc)にて充電及び放電が行われることにより、交流電源(2)の出力電流(Irs,Its)は過渡的に増加してしまう。この過渡的に流れる電流を含んだ出力電流を用いてアクティブフィルタ装置(4)の補償電流の生成動作が制御されて電源力率θαβの補償が行われると、アクティブフィルタ装置(4)の補償量が、実際に補償するべき補償量を想定以上に超えてしまう可能性がある。
これに対し、本実施形態2では、上述のように、調相機器(31,32)に流れる電流分が含まれていない、空気調和装置(11)に流入した電流量を用いてアクティブフィルタ装置(4)の動作制御(具体的には、電流源(30)の補償電流の生成動作制御)が行われる。これにより、アクティブフィルタ装置(4)は、適切な容量且つ補償量にて調相機器(31,32)による進み力率を改善することができる。
図9は、調相設備(3)が調相設備制御器(33)の制御に基づき稼働しているがアクティブフィルタ装置(4)は稼働していない状態時の電源力率θαβを細い実線で表し、更にアクティブフィルタ装置(4)がアクティブフィルタ制御器(43)の制御に基づき稼働した状態時の電源力率θαβを太い実線で表し、目標力率を破線で表している。図9によれば、調相設備(3)の進み力率分(細い実線)がアクティブフィルタ装置(4)による遅れ力率によって概ね相殺されるようにアクティブフィルタ装置(4)が補償したことにより、電源力率θαβは、目標力率にて収束している(太い実線)。
従って、本実施形態2に係る電源力率制御システム(100)は、調相機器(31,32)の切替時に、進相コンデンサ(Ca,Cb,Cc)に過渡的に電源力率θαβが目標力率に対して進み力率となることを改善でき、電源力率θαβは、概ね目標力率に収束することができる。
<効果>
調相機器(31,32)には進相コンデンサ(Ca,Cb,Cc)等が含まれ、進相コンデンサ(Ca,Cb,Cc)の充放電時には交流電源(2)の出力電流が一時的に増大する。出力電流の増大は、アクティブフィルタ装置(4)による補償量を不必要に増大させる。これに対し、本実施形態2では、交流電源(2)の出力電流のうち、調相機器(31,32)に流れる電流分を除いた電流が、アクティブフィルタ装置(4)の動作制御に利用される。即ち、アクティブフィルタ装置(4)の動作制御には、調相機器(31,32)に流れる過渡的な電流を除いた電流が利用される。これにより、調相機器(31,32)に過渡的に電流が流れることによってアクティブフィルタ装置(4)による電源力率θαβの補償量が想定よりも増大してしまうことを、抑制することができる。
≪実施形態3≫
図10は、実施形態3に係る電源力率制御システム(100)の構成を示すブロック図である。本実施形態3が上記実施形態1と異なる点は、調相機器(32)には切替器が設けられず、調相機器(31)にのみ切替器(311)が設けられていることである。調相設備制御器(38)は、調相機器(31)には接続されているが、調相機器(32)には接続されていない。
つまり、切替器(311)によって、交流電源(2)と調相機器(31)とは接続状態または非接続状態となる。一方、調相機器(32)は交流電源(2)に常時接続された状態となる。
なお、図10において、上記以外の電源力率制御システム(100)の構成は、上記実施形態1と同様である。
調相設備制御器(38)は、図11に示すように、電源力率演算部(331)、切替制御部(334)、調相設備電流推定部(335)、2つの減算部(333a,333b)を有する。
電源力率演算部(331)は、上記実施形態1にて同じ符合で表した電源力率演算部(331)と同様、電源側電圧検出器(35)が検出した線間電圧(Vrs,Vst,Vtr)及び電源側電流検出器(34a,34b)の検出結果(Irs,Its)に基づき、無効電力Pβを演算する。
切替制御部(334)は、無効電力Pβに応じて、交流電源(2)と調相機器(31)との接続状態が変更するように、調相機器(31)における切替部(311)の切替制御を行う。具体的には、切替制御部(334)は、図12に係る各調相機器(31,32)の接続状態組合せテーブル(334a)に無効電力Pβを当てはめて、調相機器(31)の投入・開放の論理判断を行う。切替制御部(334)は、この論理判断に応じた切替信号を、調相機器(31)における切替部(311)に出力する。
図12の接続状態組合せテーブルは、論理判断の基準として用いられるものである。ここでは、20kVarの調相機器(32)と50kVarの調相機器(31)との投入可能な組合せは、20kVar、70kVarの2パターンとなっている。図12では、無効電力Pβで示される負荷の範囲(無効電力負荷範囲)を例えば“0kVar〜20kVar”“20kVar〜70kVar”の2つのパターンに定義し、各パターンにおける各調相機器(31,32)の受電経路(12)への接続状態を表している。
図10及び図12において、無効電力Pβが0kVarから徐々に70kVarまで増加する場合、先ずは調相機器(32)のみが受電経路(12)に投入(接続)された状態にて調相機器(31)は受電経路(12)から開放(非接続)された状態となり、次いで調相機器(31)が受電経路(12)に投入(接続)された状態に切り換えられる。
また、切替制御部(334)は、無効電力Pβが、事前に設定された遮断点(図12の無効電力負荷範囲を定義する閾値)より進み方向(つまり進相コンデンサ(Ca,Cb,Cc)による無効電力Pβの補償が過剰になっている状態)となった時点で、調相機器(31)(具体的には進相コンデンサ(Ca,Cb,Cc))の投入量を減らす。この場合も、切替制御部(334)は、負荷となる無効電力Pβを補償するのに必要十分な調相機器(31,32)の組合せを選択し、選択した調相機器(31,32)が交流電源(2)に接続されるように、切替器(311)の切替制御を行う。
調相設備電流推定部(335)は、調相機器(31,32)に流れ込む電流を検出する検出器(上記実施形態2の調相側電流検出器(37a,37b))が本実施形態3では設けられてない代わりに、調相設備制御器(38)内に存在する機能部である。図11に示すように、調相設備電流推定部(335)は、電源力率演算部(331)により演算された無効電力Pβと、切替制御部(334)が生成した調相設備(31)の切替信号とが入力されると、これらの入力信号に基づいて、調相機器(31)を受電経路(12)に開放(非接続)または投入(接続)する時に調相機器(31)に過渡的に流れ込む電流を推定する。
減算部(333a)は、電源側電流検出器(34a)の検出結果である交流電源(2)の出力電流(Irs)から調相設備電流推定部(335)の推定結果を減算し、減算結果を空気調和装置(11)に流入するR相の電流値(Ir2)としてアクティブフィルタ制御器(43)に出力する。減算部(333b)は、電源側電流検出器(34b)の検出結果である交流電源(2)の出力電流(Its)から調相設備電流推定部(335)の推定結果を減算し、減算結果を空気調和装置(11)に流入するT相の電流値(It2)としてアクティブフィルタ制御器(43)に出力する。
このように、本実施形態3では、調相機器(31)に流れ込む過渡的な電流を、センシングすることなく推定することができる。この推定結果からアクティブフィルタ装置(4)に流入する電流値が求められ、求められた電流値を用いて、アクティブフィルタ制御器(43)はアクティブフィルタ装置(4)の動作制御(具体的には、電流源(30)の補償電流の生成動作制御)を行う。従って、本実施形態3においても、上記実施形態2と同様、調相機器(31,32)における進相コンデンサ(Ca,Cb,Cc)の充放電に起因してアクティブフィルタ装置(4)の補償が過度となることを防止でき、アクティブフィルタ装置(4)は、適切な容量且つ適切な補償量にて調相機器(31,32)による進み力率を改善することができる。
図13は、調相設備(3)が調相設備制御器(38)の制御に基づき稼働しているがアクティブフィルタ装置(4)は稼働していない状態時の電源力率θαβを細い実線で表し、更にアクティブフィルタ装置(4)がアクティブフィルタ制御器(43)の制御に基づき稼働した状態時の電源力率θαβを太い実線で表し、目標力率を破線で表している。図13によれば、調相設備(3)の進み力率分(細い実線)がアクティブフィルタ装置(4)による遅れ力率によって概ね相殺されるようにアクティブフィルタ装置(4)が補償したことにより、電源力率θαβは、目標力率にて収束している(太い実線)。
従って、本実施形態3に係る電源力率制御システム(100)は、調相機器(31)の切替時に、進相コンデンサ(Ca,Cb,Cc)に過渡的に電源力率θαβが目標力率に対して進み力率となることを改善でき、電源力率θαβは、概ね目標力率に収束することができる。このように、切替器の個数を少なくしてコストダウンを図りつつも、電源力率制御システム(100)では、電源力率の改善が実現できる。
本実施形態3の電源力率制御システム(100)は、切替器の個数が少ないため、その分アクティブフィルタ装置(4)が補償するべき領域は上記実施形態2よりも大きくはなるが、切替器の個数が少ない分コストダウンを図ることができる他、上記実施形態1及び上記実施形態2と同様の効果を奏する。
≪実施形態4≫
図14は、実施形態4に係る電源力率制御システム(100)の構成を示すブロック図である。本実施形態4に係る電源力率制御システム(100)は、上記実施形態3において、調相設備(3)には複数台(ここでは2つ)の空気調和装置(11,21)が接続されていることである。図14において、上記以外の電源力率制御システム(100)の構成は、上記実施形態3と同様である。
<構成の詳細>
具体的に、複数の空気調和装置(11,21)は、交流電源(2)に対して並列に接続されており、交流電源(2)は、複数の空気調和装置(11,21)に電力を分岐して供給する。空気調和装置(11,21)の構成は同様である。交流電源(2)と各空気調和装置(11,21)との間には、調相設備(3)が設けられている。
−調相設備制御器−
上記構成に伴い、本実施形態4に係る調相設備制御器(39)は、図15に示すように、上記実施形態3に係る調相設備制御器(38)の構成に加えて、負荷分担部(336)を更に有する。
負荷分担部(336)には、減算部(333a)が電源側電流検出器(34a)の検出結果である交流電源(2)の出力電流(Irs)から調相設備電流推定部(335)の推定結果を減算した結果と、減算部(333b)が電源側電流検出器(34b)の検出結果である交流電源(2)の出力電流(Its)から調相設備電流推定部(335)の推定結果を減算した結果とが入力される。つまり、負荷分担部(336)には、各空気調和装置(11,21)に流入するR相及びT相の電流の合計値(Ir2+Ir3,It2+It3)が入力される。更に、負荷分担部(336)には、アクティブフィルタ装置(5,6)それぞれの余剰能力を示す電流値(Irs2*,Irs3*)が、各アクティブフィルタ装置(5,6)のアクティブフィルタ制御器(47)から入力される。負荷分担部(336)は、これらの入力信号に基づいて、アクティブフィルタ装置(5)が負担する補償量である補償電流(Irs2,Its2)、アクティフィルタ装置(6)が負担する補償量である補償電流(Irs3,Its3)を算出する。特に、この算出では、以下に示すように、交流電源(2)に流れる電流(Irs,Its)に対し、余剰能力が大きいアクティブフィルタ装置(5,6)程負担する補償量ができるだけ大きくなるように、各アクティブフィルタ装置(5,6)が分担する補償量(分担補償分)が決定される。
上記動作を行う負荷分担部(336)は、複数の乗算部(336a,336b,336c,336d)(ここでは4つ)、複数の除算部(336e,336f)(ここでは2つ)、及び1つの加算部(336g)を有する構成となっている。
先ず、加算部(336g)は、アクティブフィルタ装置(5)の余剰能力を示す電流値(Irs2*)とアクティブフィルタ装置(6)の余剰能力を示す電流値(Irs3*)とを加算する。加算部(336g)の加算結果は、2つの除算部(336e,336f)に入力される。
除算部(336e)には、アクティブフィルタ装置(5)の余剰能力を示す電流値(Irs2*)が入力され、除算部(336f)には、アクティブフィルタ装置(6)の余剰能力を示す電流値(Irs3*)が入力される。除算部(336e)は、上記電流値(Irs2*)を、加算部(336g)の加算結果で除算し、除算部(336f)は、上記電流値(Irs3*)を、加算部(336f)の加算結果で除算する。即ち、各除算部(336e,336f)は、電源力率制御システム(100)に設置されているアクティブフィルタ装置(5,6)全ての現時点での余剰能力の合計値に対する、各アクティブフィルタ装置(5,6)の現時点での余剰能力の割合を求める。
乗算部(336a)には、除算部(336e)の除算結果及び減算部(333a)の減算結果(Ir2+Ir3)が入力され、乗算部(336b)には、除算部(336e)の除算結果及び減算部(333b)の減算結果(It2+It3)が入力される。乗算部(336c)には、除算部(336f)の除算結果及び減算部(333a)の減算結果(Ir2+Ir3)が入力され、乗算部(336d)には、除算部(336f)の除算結果及び減算部(333b)の減算結果(It2+It3)が入力される。
各乗算部(336a〜336d)は、入力された信号を乗算し、その結果を各アクティブフィルタ装置(5,6)のアクティブフィルタ制御器(47)に出力する。具体的に、乗算部(336a,336b)の乗算結果(Irs2,Its2)は、アクティブフィルタ装置(5)のアクティブフィルタ制御器(47)に出力され、乗算部(336c,336d)の乗算結果(Irs3,Its3)は、アクティブフィルタ装置(6)のアクティブフィルタ制御器(47)に出力される。
即ち、各乗算部(336a〜336d)は、全てのアクティブフィルタ装置(5,6)の現時点での余剰能力の合計値に対する各アクティブフィルタ装置(5,6)の現時点での余剰能力の割合に、アクティブフィルタ装置(5,6)に流入する電流の合計値を乗算することにより、各アクティブフィルタ装置(5,6)が負担する補償量である補償電流(Irs2,Its2,Irs3,Its3)を算出する。当該補償電流(Irs2,Its2,Irs3,Its3)に基づき、各アクティブフィルタ制御器(47)は、対応する電流源(30)の電流生成制御を行う。
−アクティブフィルタ制御器−
図16に示すように、各アクティブフィルタ制御器(47)は、上記実施形態2にて図8で示したアクティブフィルタ制御器(43)において、更に最大許容電流設定部(437)及び減算部(438)を有する構成となっている。
なお、各アクティブフィルタ装置(5,6)のアクティブフィルタ制御器(47)は、入力される信号及び出力される信号が図14に示すように異なるものの、構成は同様である。
各アクティブフィルタ制御器(47)の最大許容電流設定部(437)は、対応するアクティブフィルタ装置(5,6)の電流源(30)が問題なく生成して流すことのできる電流値の最大値(最大出力容量)を設定する。上記最大値は、例えば、アクティブフィルタ装置(5,6)の製造時に、アクティブフィルタ装置(5,6)毎に適宜決定されることができる。上記最大値は、電流源(30)を構成するスイッチング素子の容量やフィルタ側電流検出器(45a,45b)などの各アクティブフィルタ装置(5,6)を構成する部品の定格電流などに応じて決定される。
各アクティブフィルタ制御器(47)の減算部(438)は、最大許容電流設定部(437)に設定された電流値の最大値(最大出力容量)から、対応するアクティブフィルタ装置(5,6)におけるフィルタ側電流検出器(45a)の検出結果(Ir2a,Ir3a)(即ち、現在アクティブフィルタ装置(5,6)に流れている電流)を減算する。これは、最大出力容量から現在のアクティブフィルタ装置(5,6)の補償分の電流(第1補償量に相当)を減算することにより、各減算部(438)が、アクティブフィルタ装置(5,6)それぞれの現在の余剰能力を示す電流値(Irs2*,Irs3*)を算出していることを意味する。即ち、各減算部(438)は、高調波を発生させる複数の電力変換装置(1)のうち一部の装置にて発生する高調波電流を補償するための第1補償量を、自身のアクティブフィルタ装置(5,6)における電流源(30)の最大出力容量から減算することにより、最大出力容量と第1補償量との差である余剰分を、上記電流値(Irs2*,Irs3*)として算出している。この電流値(Irs2*,Irs3*)は、調相設備制御器(39)に出力される。
<補償電流の調整制御の動作の詳細>
図17を用いて、本実施形態4に係る電流源(30)の最大出力容量に基づく補償電流の調整制御の動作について説明する。図17(a)は、高調波発生負荷器である各電力変換装置(1)を備えた空気調和装置(11,21)の動作状態を、縦軸を電力として示している。図17(a)では、空気調和装置(11)は殆ど動作していないものの、空気調和装置(21)は、空気調和装置(11)よりも消費電力が多く、その消費電力が自身の最大電力に近づく程度の状態で動作していることを示している。なお、図17(a)では、双方の空気調和装置(11,21)の最大電力が同程度である場合を例示している。
図17(b)に、各空気調和装置(11,21)内の電力変換装置(1)の補償用であるアクティブフィルタ装置(5,6)(図17では“AF”と記載)の補償電流を示す。図17(b)では、空気調和装置(11,21)の動作状態が図17(a)と同様であって、各アクティブフィルタ装置(5,6)が生成する補償電流の電流量は、各空気調和装置(11,21)の動作状態(図17(a))に相関した大きさとなっている。具体的に、空気調和装置(11)の消費電力は空気調和装置(21)よりも小さいため、図17(b)では、アクティブフィルタ装置(5)の補償電流量(第1補償量)は、アクティブフィルタ装置(6)の補償電流量(第1補償量)よりも小さくなっている。
なお、図17(b)では、各アクティブフィルタ装置(5,6)の最大出力容量を、各電流源(30)が問題なく生成することのできる電流の最大値である最大補償電流で示しており、各アクティブフィルタ装置(5,6)の最大出力容量は等しい。各アクティブフィルタ装置(5,6)の補償電流は、最大補償電流よりも小さく、最大補償電流と各アクティブフィルタ装置(5,6)の補償電流との差は、各アクティブフィルタ装置(5,6)の余剰分(余剰能力)を表す。
空気調和装置(11,21)における電力変換装置(1)の補償(即ち、高調波の抑制及び基本波力率の改善)に加えて、調相機器(31,32)の進み力率を改善するための補償量をアクティブフィルタ装置(5,6)毎に示したものが、図17(c)(d)となる。図17(c)は、調相機器(31,32)の進み力率を改善するための補償量(図17(c)の破線部分)を、両アクティブフィルタ装置(5,6)が均等に負担する場合を示す。均等に負担する場合、図17(c)に示すように、空気調和装置(11)の電力変換装置(1)に対する補償量(第1補償量)が小さいアクティブフィルタ装置(5)では、空気調和装置(11)の補償量及び対応する調相機器(31,32)の進み力率用の補償量の合計値が、自身の許容できる最大補償電流以下であるが、空気調和装置(21)の電力変換装置(1)に対する補償量(第1補償量)が大きいアクティブフィルタ装置(6)では、空気調和装置(21)の補償量及び調相機器(31,32)の進み力率用の補償量の合計値が、自身の許容できる最大補償電流を超えてしまっている。
そのため、本実施形態4では、図17(d)の破線で表した部分のように、各アクティブフィルタ装置(5,6)の補償状態、より具体的には各アクティブフィルタ装置(5,6)が空気調和装置(11,21)の電力変換装置(1)を補償している第1補償量とアクティブフィルタ装置(5,6)自身の最大補償電流との差である各アクティブフィルタ装置(5,6)の余剰分に応じて、調相機器(31,32)の進み力率用の補償量を、アクティブフィルタ装置(5)とアクティブフィルタ装置(6)とで分担して負担する。この際、各アクティブフィルタ装置(5,6)の余剰分に応じて、余剰分が大きいアクティブフィルタ装置(5,6)程、調相機器(31,32)の進み力率を分担して補償する第2補償量が大きくなるように、各アクティブフィルタ装置(5,6)の補償電流が算出される。
これにより、図17(d)に示すように、第1補償量に第2補償量を重畳した各アクティブフィルタ装置(5,6)の補償電流量は、それぞれの最大補償電流以下となることができる。更に、第1補償量に第2補償量を重畳した各アクティブフィルタ装置(5,6)の補償電流量の、アクティブフィルタ装置(5,6)間での差は縮まり、できる限り補償量は平均化される。
<効果>
本実施形態4の電源力率制御システム(100)は、切替器の個数が少ないためその分コストダウンを図ることができる他、上記実施形態1及び上記実施形態2と同様の効果を奏する。
特に、本実施形態4では、電源力率制御システム(100)内にて発生する高調波電流は、複数のアクティブフィルタ装置(5,6)に分担して補償され、その補償量は、各アクティブフィルタ装置(5,6)自身の最大出力容量を超えないように決定される。これにより、複数のアクティブフィルタ装置(5,6)の少なくとも一部に過剰な負荷がかかることなく、各アクティブフィルタ装置(5,6)を有効利用した状態にて、調相機器(31,32)が起因する進み力率を改善させて高調波電流の低減及び基本波電流の改善を図ることができる。
≪その他の実施形態≫
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
アクティブフィルタ装置(4〜6)は、力率改善機能のみを有する構成であってもよい。
1台の空気調和装置(11,21)に対して、複数台のアクティブフィルタ装置が設けられていてもよい。この場合、複数台のアクティブフィルタ装置は、各アクティブフィルタ装置の最大出力容量に合わせて、補償量を分担すると良い。
アクティブフィルタ装置(4〜6)は、必ずしも空気調和装置(11,21)に組み込まれていなくても良い。
空気調和装置(11,21)内の高調波発生負荷器は、電力変換装置に限定されずともよい。
調相機器(31,32)の無効電力の制御による進み力率を改善させるためのアクティブフィルタ装置(4)の動作制御は、無効電力Pβ及び電源力率θαβの少なくとも1つに基づいてなされても良い。
上記実施形態4では、余剰分が大きい程、アクティブフィルタ装置(5,6)が分担する補償量が大きくなると説明したが、これは必須ではない。各アクティブフィルタ装置(5,6)の補償量が該アクティブフィルタ装置(5,6)の最大出力容量を超えない条件下にて、調相機器(31,32)の進み力率の補償分が各アクティブフィルタ装置(5,6)にて分担されればよい。
上記実施形態4では、最大出力容量を最大補償電流に代えて最大補償電力値として、上記制御が行われても良い。
電源側電流検出器(34a,34b)及び電源側電圧検出器(35)は、電源測定器(36)とは別に設けられていてもよい。
切替制御部(332,334a)による交流電源(2)と調相機器(31,32)との接続状態の切替制御は、無効電流Pβ及び電源力率θαβの少なくとも1つに応じてなされてもよい。
また、切替器(311,321)は設けられていなくてもよい。即ち、切替制御部(332,334a)による交流電源(2)と調相機器(31,32)との接続状態の切替制御は必須ではない。
無効電力Pβ及び電源力率θαβは、電源側電流検出器(34a,34b)及び電源側電圧検出器(35)の検出結果を用いた演算以外の方法により把握されてもよい。
以上説明したように、本発明は、高調波発生機器、調相機器及びアクティブフィルタ装置を備えた電力力率制御システムについて有用である。
1 電力変換装置(高調波発生機器)
2 交流電源
4〜6 アクティブフィルタ装置
31,32 調相機器
33,38,39 調相設備制御器(制御部)
34a,34b 電源側電流検出器(電流検出部)
35 電源側電圧検出器(電圧検出部)
36 電源測定器(電力計)
43,47 アクティブフィルタ制御器(制御部)
311,321 切替器(切替部)

Claims (9)

  1. 交流電源(2)に接続され、該交流電源(2)から電力を供給される高調波発生機器(1)と、
    上記交流電源(2)に対し上記高調波発生機器(1)と並列に接続され、基本波力率の改善を行うための補償電流を生成して出力するアクティブフィルタ装置(4〜6)と、
    上記交流電源(2)に対し上記高調波発生機器(1)及び上記アクティブフィルタ装置(4〜6)と並列に接続され、上記高調波発生機器(1)に供給される電力のうち無効電力を制御する調相機器(31,32)と、
    上記交流電源(2)の無効電力及び電源力率の少なくとも1つに基づいて、上記調相機器(31,32)の上記無効電力の制御による進み力率が改善するように、上記アクティブフィルタ装置(4〜6)を動作させる制御を行う制御部(33,38,39,43,47)と
    を備えることを特徴とする電源力率制御システム。
  2. 請求項1において、
    上記制御部(33,38,39,43,47)は、上記調相機器(31,32)による進み力率が上記アクティブフィルタ装置(4〜6)による遅れ力率によって相殺されて上記交流電源(2)の電源力率が目標力率に収束するように、上記アクティブフィルタ装置(4〜6)を動作させる制御を行う
    ことを特徴とする電源力率制御システム。
  3. 請求項1または請求項2において、
    上記交流電源(2)の出力電流を検出する電流検出部(34a,34b)と、
    上記交流電源(2)の出力電圧を検出する電圧検出部(35)と、
    を備え、
    上記制御部(33,38,39,43,47)は、上記電流検出部(34a,34b)の検出結果及び上記電圧検出部(35)の検出結果に基づいて、上記交流電源(2)の無効電力及び電源力率の少なくとも1つを演算する
    ことを特徴とする電源力率制御システム。
  4. 請求項3において、
    上記電流検出部(34a,34b)及び上記電圧検出部(35)は、共通して1つの電力計(36)に設けられている
    ことを特徴とする電源力率制御システム。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1つにおいて、
    上記調相機器(31,32)は、複数であって、
    上記交流電源(2)と各上記調相機器(31,32)とを、接続または非接続に切り換えることが可能な切替部(311,321)、を更に備え、
    上記制御部(33,38,39)は、上記交流電源(2)の無効電力及び電源力率の少なくとも1つに応じて、上記交流電源(2)と各上記調相機器(31,32)との接続状態の組み合わせが変更するように、上記切替部(311,321)の切替制御を更に行う
    ことを特徴とする電源力率制御システム。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1つにおいて、
    上記制御部(33,38,43)は、上記交流電源(2)から上記調相機器(31,32)に流れる電流を上記交流電源(2)の出力電流から減算し、その減算結果(Ir2,It2)を更に用いて上記アクティブフィルタ装置(4)の動作を制御する
    ことを特徴とする電源力率制御システム。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項において、
    上記アクティブフィルタ装置(5,6)及び上記高調波発生機器(1)は、それぞれ複数であって、
    上記制御部(39,47)は、各上記高調波発生機器(1)にて発生する高調波電流の総和を各上記アクティブフィルタ装置(5,6)に分担して補償させ、且つ各上記アクティブフィルタ装置(5,6)の補償量が該アクティブフィルタ装置(5,6)の最大出力容量以下となる条件を満たすように、各上記アクティブフィルタ装置(5,6)が生成するべき上記補償量に対応する上記補償電流の量を算出する
    ことを特徴とする電源力率制御システム。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項において、
    上記高調波発生機器(11)は、空気調和装置である
    ことを特徴とする電源力率制御システム。
  9. 請求項8において、
    上記アクティブフィルタ装置(4〜6)は、上記高調波発生機器(11)である上記空気調和装置に組み込まれている
    ことを特徴とする電源力率制御システム。
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