JP2018207290A - 弾性波共振子および弾性波フィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】リフレクタ電極の反射率の低下が抑制された弾性波共振子を提供する。【解決手段】圧電基板1と、電極指3a、3bを有するIDT電極3と、電極指4aを有するリフレクタ電極4と、を備える。圧電基板1上の一部の領域に、更に、第1誘電体膜2が形成され、IDT電極3の全ての電極指3a、3bが、第1誘電体膜2を介して圧電基板1上に形成される。リフレクタ電極4の少なくとも1本の電極指4aが、第1誘電体膜2を介さず、直接に圧電基板1上に形成される。【選択図】図1

Description

本発明は、圧電基板上にIDT電極とリフレクタ電極とが形成された弾性波共振子に関する。また、本発明は、本発明の弾性波共振子を備えた弾性波フィルタに関する。
従来から、移動体通信機器などに使用されるフィルタを構成する共振子として、圧電基板上にIDT電極と1対のリフレクタ電極とが形成された弾性波共振子が広く使用されている。
このような構造からなる弾性波共振子において、電気機械結合係数を小さくするために、圧電基板とIDT電極およびリフレクタ電極との間に、誘電体膜を介在させる場合がある。
例えば、特許文献1(特開2005-260909号公報)に、圧電基板上に誘電体膜が形成され、その誘電体膜上にIDT電極とリフレクタ電極とが形成された弾性波共振子が開示されている。図8に、特許文献1に開示された弾性波共振子(弾性表面波素子)1000を示す。
弾性波共振子1000は、圧電基板101を備えている。圧電基板101の主面に、誘電体膜(絶縁性材料層)102が形成されている。そして、誘電体膜102上に、IDT電極(くし歯状電極部)103が形成されている。また、誘電体膜102上であって、弾性波が進行する方向におけるIDT電極103の両側に、それぞれリフレクタ電極(反射器)104が形成されている。なお、特許文献1では、弾性波共振子1000を、ラダー型の弾性波フィルタ(バンドパスフィルタ)の直列椀共振子として使用している。
弾性波共振子1000は、圧電基板101上に誘電体膜102を形成し、誘電体膜102上にIDT電極103とリフレクタ電極104とを形成したことによって、電気機械結合係数が小さくなっている。そして、その結果、弾性波共振子1000を使って構成した弾性波フィルタは、通過帯域外の周波数において、急峻かつ十分な減衰が得られている。
特開2005-260909号公報
しかし、特許文献1に開示された弾性波共振子1000には、圧電基板101上に誘電体膜102を形成し、誘電体膜102上にIDT電極103とリフレクタ電極104とを形成したことによって、リフレクタ電極104の反射率が低下し、波の閉じ込め効果が低下してしまい、リターンロスが大きくなってしまうという問題があった。
すなわち、弾性波共振子1000は、誘電体膜102を形成せず、圧電基板101上に、直接に、同等のIDT電極103とリフレクタ電極104とを形成した弾性波共振子に比べて、リターンロスが大きいという問題があった。
また、弾性波共振子1000は、誘電体膜102を形成せず、圧電基板101上に、直接に、IDT電極103とリフレクタ電極104とを形成した弾性波共振子と同等のリターンロスに抑えるためには、リフレクタ電極104の電極指の本数を増やさなければならず、大型化してしまうという問題があった。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、その手段として本発明の弾性波共振子は、圧電基板と、圧電基板上に形成された、電極指を有するIDT電極と、圧電基板上であって弾性波が進行する方向におけるIDT電極の両側に形成された、それぞれ電極指を有するリフレクタ電極と、を備え、圧電基板上の一部の領域に更に第1誘電体膜が形成され、IDT電極の全ての電極指が、第1誘電体膜を介して圧電基板上に形成され、リフレクタ電極の少なくとも1本の電極指が、第1誘電体膜を介さず、直接に圧電基板上に形成されたものとした。
リフレクタ電極の全ての電極指が、第1誘電体膜を介さず、直接に圧電基板上に形成されていてもよい。この場合には、より効果的にリターンロスを抑制することができる。
IDT電極とリフレクタ電極との間のギャップの大きさを、IDT電極の電極指相互間のギャップの大きさよりも小さくすることも好ましい。この場合には、共振点よりも低い側の周波数に発生する場合がある、大きなリターンロスを抑制することができる。
IDT電極上およびリフレクタ電極上に、更に第2誘電体膜を形成することも好ましい。この場合には、第2誘電体膜を温度補償に用いることができ、周波数温度特性を改善することができる。
また、第2誘電体膜上に、更に第3誘電体膜が形成されることも好ましい。この場合には、第3誘電体膜を、周波数調整に用いることができる。
第1誘電体膜と第2誘電体膜とが同じ材料で形成されていることも好ましい。なお、第1誘電体膜と第2誘電体膜との材質には、例えば、SiOを用いることができる。
圧電基板に、LiNbOやLiTaOなどの圧電単結晶を使用することも好ましい。
IDT電極およびリフレクタ電極は、それぞれ、1層または複数層の電極層によって構成され、電極層が、Au、Ag、Cu、Pt、W、Mo、Ta、Ni、Cr、または、これらの合金から選ばれる材料で形成されることも好ましい。第1誘電体膜(第1誘電体膜および第2誘電体膜)が、例えば、SiOで形成された場合、Au、Ag、Cu、Pt、W、Mo、Ta、Ni、Cr、または、これらの合金は、SiOよりも十分に大きな密度を備えており、IDT電極およびリフレクタ電極が、それぞれ良好に機能するからである。
本発明の弾性波共振子を使って、弾性波フィルタを作製することができる。なお、本発明の弾性波フィルタを使って、デュプレクサなどのマルチプレクサを作製してもよい。
本発明の弾性波共振子は、IDT電極の全ての電極指が第1誘電体膜を介して圧電基板上に形成されているため、電気機械結合係数が小さい。
また、本発明の弾性波共振子は、リフレクタ電極の少なくとも1本の電極指が、第1誘電体膜を介さず、直接に圧電基板上に形成されているため、リフレクタ電極の反射率の低下が抑制されている。したがって、本発明の弾性波共振子は、リターンロスが小さい。
本発明の弾性波フィルタは、本発明の弾性波共振子を使用しているため、インサーションロスが小さく、かつ、通過帯域外の周波数において、急峻かつ十分な減衰が得られる。
第1実施形態にかかる弾性波共振子100を示す分解平面図である。 図2(A)は、弾性波共振子100の断面図である。図2(B)は、弾性波共振子100の要部断面図である。 比較例にかかる弾性波共振子1100を示す分解平面図である。 図4(A)は、インピーダンス周波数特性を示すグラフである。図4(B)、(C)は、それぞれ、リターンロス周波数特性を示すグラフである。 第2実施形態にかかる弾性波共振子200の要部断面図である。 図6(A)、(B)、(C)は、それぞれ、リターンロス周波数特性を示すグラフである。 第3実施形態にかかる弾性波フィルタの回路図である。 特許文献1に開示された弾性波共振子1000の断面図である。
以下、図面とともに、本発明を実施するための形態について説明する。
なお、各実施形態は、本発明の実施の形態を例示的に示したものであり、本発明が実施形態の内容に限定されることはない。また、異なる実施形態に記載された内容を組合せて実施することも可能であり、その場合の実施内容も本発明に含まれる。
[第1実施形態]
図1、図2(A)、(B)に、第1実施形態にかかる弾性波共振子100を示す。ただし、図1は、後述する第2誘電体膜5と第3誘電体膜6とを省略して示した、弾性波共振子100の分解平面図である。図2(A)は、弾性波共振子100の断面図であり、図1の一点鎖線X-X部分を示している。図2(B)は弾性波共振子100の要部断面図であり、図2(A)の破線Yで囲んだ部分を示している。なお、図1、図2(A)、(B)は、模式的に示したものであり、図示された電極指3a、3b、4aの本数が、明細書の説明の本数と一致していない場合がある。
弾性波共振子100は、圧電基板1を備えている。本実施形態においては、圧電基板1に、−11°Yカット伝搬のLiNbOからなる圧電単結晶の基板を使用した。ただし、圧電基板1の材質は任意であり、LiTaOなどからなる他の圧電単結晶の基板を使用してもよいし、圧電セラミックスの基板を使用してもよい。また、圧電基板1が圧電単結晶である場合のカット角も任意であり、上記のものには限られない。
圧電基板1の上側の主面の一部の領域に、第1誘電体膜2が形成されている。本実施形態においては、第1誘電体膜2にSiOを使用し、膜厚を10nmとした。ただし、第1誘電体膜2の材質は任意であり、Al、Si、SiO、SiON、SiC、Taなど、他の材質を使用してもよい。また、膜厚も任意であり、増減させることができる。
第1誘電体膜2上に、IDT電極3が形成されている。すなわち、IDT電極3は、第1誘電体膜2を介して、圧電基板1上に形成されている。
弾性波共振子100は、1ポート型共振子であり、IDT電極3の個数は1つである。IDT電極3は、くし歯状に配置された第1グループの複数の電極指3aと、くし歯状に配置された第2グループの複数の電極指3bとが、噛み合わされた構造からなる。本実施形態のIDT電極3は、30対の電極指3a、3bを備えている。ただし、電極指3a、3bの対数は任意であり、増減させることができる。
本実施形態においては、IDT電極3の電極指3a、3bの幅を、それぞれ、375nmとした。また、図2(B)に示すように、電極指3a、3b相互間のギャップGの大きさを、375nmとした。したがって、IDT電極3の電極ピッチは750nmであり、デューティーは0.5である。ただし、これらの値は任意であり、それぞれ増減させることができる。
本実施形態においては、IDT電極3の電極指3a、3bは、それぞれ、図2(B)に示すように、5層の電極層10a〜10eによって構成されている。第1層の電極層10aは、膜厚10nmのNiCrからなる。第2層の電極層10bは、膜厚30nmのPtからなる。第3層の電極層10cは、膜厚10nmのTiからなる。第4層の電極層10dは、膜厚150nmのAlからなる。第5層の電極層10eは、膜厚10nmのTiからなる。ただし、電極指3a、3bの構造、材質、厚みなどは任意であり、それぞれ変更することができる。
圧電基板1の第1誘電体膜2が形成されていない領域に、リフレクタ電極4が形成されている。リフレクタ電極4は、弾性波が進行する方向(図1、図2(A)、(B)における左右方向)における、IDT電極3の両側に、それぞれ1つ形成されている。リフレクタ電極4は、少なくとも1本の電極指4aを備えており、全ての電極指4aが圧電基板1に直接に形成されている。リフレクタ電極4の電極指4aの本数は、所望する反射率に応じて、任意に設定することができる。
本実施形態においては、リフレクタ電極4の電極指4aの幅を、375nmとした。また、複数の電極指4aを備える場合は、図2(B)に示すように、電極指4a相互間のギャップGの大きさを、375nmとした。したがって、複数の電極指4aを備える場合、リフレクタ電極4の電極ピッチは750nmであり、デューティーは0.5である。ただし、これらの値は任意であり、それぞれ増減させることができる。
また、本実施形態においては、図2(B)に示すように、IDT電極3とリフレクタ電極4との間のギャップGの大きさを、375nmとした。すなわち、本実施形態においては、IDT電極3の電極指3a、3b相互間のギャップGの大きさと、IDT電極3とリフレクタ電極4との間のギャップGの大きさとを等しく設定しており、いずれも375nmにしている。
本実施形態においては、図2(B)に示すように、リフレクタ電極4の電極指4aを、IDT電極3の電極指3a、3bと同一の5層の電極層10a〜10eによって構成した。すなわち、リフレクタ電極4の電極指4aの電極層10a〜10eは、IDT電極3の電極指3a、3bの電極層10a〜10eと、同一の工程において、同時に形成されたものである。リフレクタ電極4の電極指4aも、膜厚10nmのNiCrからなる第1層の電極層10aと、膜厚30nmのPtからなる第2層の電極層10bと、膜厚10nmのTiからなる第3層の電極層10cと、膜厚150nmのAlからなる第4層の電極層10dと、膜厚10nmのTiからなる第5層の電極層10eとの5層が積層されたものからなる。ただし、電極指4aの構造、材質、厚みなどは任意であり、それぞれ変更することができる。
図2(A)、(B)に示すように、IDT電極3およびリフレクタ電極4の上に、第2誘電体膜5が形成されている。本実施形態においては、第2誘電体膜5に、第1誘電体膜2と同じSiOを使用し、膜厚を510nmとした。ただし、第2誘電体膜5の材質、膜厚は任意である。
第2誘電体膜5は、温度補償用に設けられたものである。すなわち、弾性波共振子100は、第2誘電体膜5を設けたことによって、周波数温度特性が改善されている。
更に、第2誘電体膜5の上に、第3誘電体膜6が形成されている。本実施形態においては、第3誘電体膜6にSiNを使用し、膜厚を30nmとした。ただし、第3誘電体膜6の材質、膜厚は任意である。
第3誘電体膜6は、周波数調整用に設けられたものである。すなわち、弾性波共振子100は、第3誘電体膜6を削ることにより、周波数を調整することができる。
弾性波共振子100は、IDT電極3の全ての電極指3a、3bが、第1誘電体膜2を介して圧電基板1上に形成されているため、電気機械結合係数が小さい。したがって弾性波共振子100を使って作製した弾性波フィルタは、通過帯域近傍の周波数において、急峻かつ十分な減衰を得ることができる。
また、弾性波共振子100は、リフレクタ電極4の電極指4aが、第1誘電体膜2を介さず、直接に圧電基板1上に形成されているため、リフレクタ電極4の反射率の低下が抑制されている。弾性波共振子100において、反射率の低下が抑制されていることを確認するために、次の実験をおこなった。
まず、リフレクタ電極4の電極指4aの本数が異なる3種類の弾性波共振子100を作製した。具体的には、電極指4aの本数が15本の弾性波共振子100Aと、電極指4aの本数が11本の弾性波共振子100Bと、電極指4aの本数が6本の弾性波共振子100Cとを作製した。また、比較のために、図3に示す、比較例にかかる弾性波共振子1100を作製した。比較例にかかる弾性波共振子1100は、圧電基板1の主面の全面に第1誘電体膜2を形成し、第1誘電体膜2上に、IDT電極3と、リフレクタ電極4とを形成したものである。すなわち、弾性波共振子1100は、リフレクタ電極4の電極指4aも、第1誘電体膜2を介して圧電基板1上に形成されている。なお、弾性波共振子1100のリフレクタ電極4の電極指4aの本数は、弾性波共振子100Aと同じ15本にした。
Figure 2018207290
弾性波共振子100A、弾性波共振子100B、弾性波共振子100C、弾性波共振子1100、それぞれについて、インピーダンス周波数特性を測定した。測定結果を図4(A)に示す。図4(A)から分かるよう、弾性波共振子100A、弾性波共振子100B、弾性波共振子100C、弾性波共振子1100は、相互に近似したインピーダンス周波数特性を示している。
また、弾性波共振子100A、弾性波共振子100B、弾性波共振子100C、弾性波共振子1100、それぞれについて、リターンロス周波数特性を測定した。測定結果を図4(B)に示す。また、図4(C)に、共振点付近のリターンロス周波数特性を拡大して示す。
図4(B)から分かるように、弾性波共振子100A(15本)、および、弾性波共振子100B(11本)は、共振点付近におけるリターンロスが、比較例の弾性波共振子1100(15本)に比べて、大幅に小さくなっている。また、弾性波共振子100C(6本)であっても、弾性波共振子1100(15本)よりも、共振点付近におけるリターンロスが僅かに小さくなっている。
弾性波共振子100は、リフレクタ電極4の反射率が大きくなったことにより、波の閉じ込め効果が改善されて、リターンロスが抑制されたものと考えられる。
以上より、第1実施形態にかかる弾性波共振子100は、リフレクタ電極4の電極指4aを、第1誘電体膜2を介さず直接に圧電基板1上に形成したことによって、リフレクタ電極4の反射率が改善され、リターンロスが抑制されていることが確認できた。
なお、弾性波共振子100は、共振点付近のリターンロスが抑制されているため、特に、ラダー型フィルタの直列椀共振子に使用することが効果的であると考えられる。
弾性波共振子100は、弾性波共振子の製造に広く一般的に用いられている、成膜技術、フォトリソグラフィー技術などを用いて製造することができる。
[第2実施形態]
図5に、第2実施形態にかかる弾性波共振子200を示す。ただし、図5は、弾性波共振子200の要部断面図である。
第2実施形態にかかる弾性波共振子200は、上述した第1実施形態にかかる弾性波共振子100の構成の一部に変更を加えた。具体的には、弾性波共振子100は、図2(B)に示したように、IDT電極3の電極指3a、3b相互間のギャップGの大きさと、IDT電極3とリフレクタ電極4との間のギャップGの大きさとが等しく、いずれも375nmであった。これに対し、弾性波共振子200は、図5に示すように、IDT電極3の電極指3a、3b相互間のギャップGの大きさは変更せず、375nmのままとしたが、IDT電極3とリフレクタ電極4との間のギャップGの大きさを、375nmよりも小さくした。弾性波共振子200の他の構成は、弾性波共振子100と同じにした。
弾性波共振子200が、IDT電極3とリフレクタ電極4との間のギャップGの大きさを、IDT電極3の電極指3a、3b相互間のギャップGの大きさよりも小さくした目的は、共振周波数よりも低い側の周波数において発生する場合がある、大きなリターンロスを抑制することにある。すなわち、IDT電極3とリフレクタ電極4との間のギャップGの大きさが、IDT電極3の電極指3a、3b相互間のギャップGの大きさと等しいと、共振周波数よりも低い側の周波数において、大きなリターンロスが発生する場合がある。そして、このリターンロスが、弾性波共振子を使って構成した弾性波フィルタのフィルタ特性に悪影響を与える場合がある。
そこで、弾性波共振子200は、IDT電極3とリフレクタ電極4との間のギャップGの大きさを、IDT電極3の電極指3a、3b相互間のギャップGの大きさよりも小さくすることによって、この大きなリターンロスを抑制した。リターンロス抑制の効果は、次の実験から明らかである。
まず、IDT電極3とリフレクタ電極4との間のギャップGの大きさが、IDT電極3の電極指3a、3b相互間のギャップGの大きさ(375nm)よりも小さい、2種類の弾性波共振子200を作製した。具体的には、IDT電極3とリフレクタ電極4との間のギャップGの大きさが345nmの弾性波共振子200Aと、IDT電極3とリフレクタ電極4との間のギャップGの大きさが315nmの弾性波共振子200Bとを作製した。また、比較のために、第1実施形態において作製した、IDT電極3の電極指3a、3b相互間のギャップGの大きさが375nmであり、IDT電極3とリフレクタ電極4との間のギャップGの大きさも375nmであり、両者が等しい弾性波共振子100Aを用意した。
なお、弾性波共振子200A、弾性波共振子200B、弾性波共振子100Aは、いずれも、リフレクタ電極4の電極指4a相互間のギャップGは375nmである。
Figure 2018207290
弾性波共振子200A、弾性波共振子200B、弾性波共振子100A、それぞれについて、リターンロス周波数特性を測定した。測定結果を図6(A)に示す。また、共振周波数よりも低い、2420MHz〜2450MHzのリターンロス周波数特性を、図6(B)に拡大して示す。更に、共振周波数付近の、2450MHz〜2490MHzのリターンロス周波数特性を、図6(C)に拡大して示す。
図6(A)、(B)から分かるように、弾性波共振子100Aは、共振周波数よりも低い2435MHz付近に、非常に大きなリターンロスが発生している。これに対し、弾性波共振子200A(G=345nm)は、リターンロスの発生する周波数が少し共振周波数側にシフトしたうえで、リターンロスが大幅に抑制されている。更に、弾性波共振子200B(G=315nm)においては、大きなリターンロスそのものが消滅している。
以上の結果より、第2実施形態にかかる弾性波共振子200において、共振周波数よりも低い周波数に発生する大きなリターンロスが抑制できていることが確認できた。
[第3実施形態]
図7に、第3実施形態にかかる弾性波フィルタ300を示す。ただし、図7は、弾性波フィルタ300の回路図である。
弾性波フィルタ300はラダー型フィルタであり、直列椀に2つの直列椀共振子S1、S2が挿入され、2つの並列椀にそれぞれ並列腕共振子P1、P2が挿入されている。
弾性波フィルタ300は、2つの直列椀共振子S1、S2に、それぞれ、第1実施形態にかかる弾性波共振子100を使用したことを特徴としている。
弾性波フィルタ300は、2つの直列椀共振子S1、S2に、電気機械結合係数が小さい弾性波共振子100を使用しているため、通過帯域外の周波数において、急峻かつ十分な減衰が得られている。
また、弾性波フィルタ300は、直列椀共振子S1、S2に、共振点付近のリターンロスが抑制された弾性波共振子100を使用しているため、インサーションロスが小さい。
以上、第1実施形態にかかる弾性波共振子100、第2実施形態にかかる弾性波共振子200、第3実施形態にかかる弾性波フィルタ300について説明した。しかしながら、本発明が上述した内容に限定されることはなく、発明の趣旨に沿って、種々の変更をなすことができる。
例えば、弾性波共振子100、200では、両方のリフレクタ電極4の全ての電極指4aを、第1誘電体膜2を介さず直接に圧電基板1上に形成したが、この構成に変更を加えてもよい。例えば、リフレクタ電極4の電極指4aのうち、一部のものを圧電基板1上に形成し、残りのものを第1誘電体膜2上に形成するようにしてもよい。また、1対のリフレクタ電極4のうち、一方のものを圧電基板1上に形成し、他方のものを第1誘電体膜2上に形成するようにしてもよい。
また、弾性波共振子100、200は、1つのIDT電極3を備えた1ポート型共振子であったが、これに代えて、縦結合型共振子を構成してもよい。
また、弾性波フィルタ300はラダー型フィルタであったが、弾性波フィルタの種類は任意であり、他の種類のものであってもよい。例えば、単一のフィルタではなく、デュプレクサなどのマルチプレクサであってもよい。
1・・・圧電基板
2・・・第1誘電体膜
3・・・IDT電極
3a、3b・・・電極指
4・・・リフレクタ電極
4a・・・電極指
5・・・第2誘電体膜
6・・・第3誘電体膜

Claims (10)

  1. 圧電基板と、
    前記圧電基板上に形成された、電極指を有するIDT電極と、
    前記圧電基板上であって弾性波が進行する方向における前記IDT電極の両側に形成された、それぞれ電極指を有するリフレクタ電極と、を備えた弾性波共振子であって、
    前記圧電基板上の一部の領域に更に第1誘電体膜が形成され、
    前記IDT電極の全ての前記電極指が、前記第1誘電体膜を介して前記圧電基板上に形成され、
    前記リフレクタ電極の少なくとも1本の前記電極指が、前記第1誘電体膜を介さず、直接に前記圧電基板上に形成された、弾性波共振子。
  2. 前記リフレクタ電極の全ての前記電極指が、前記第1誘電体膜を介さず、直接に前記圧電基板上に形成された、請求項1に記載された弾性波共振子。
  3. 前記IDT電極と前記リフレクタ電極との間のギャップの大きさが、前記IDT電極の前記電極指相互間のギャップの大きさよりも小さい、請求項1または2に記載された弾性波共振子。
  4. 前記IDT電極上および前記リフレクタ電極上に、更に第2誘電体膜が形成された、請求項1ないし3のいずれか1項に記載された弾性波共振子。
  5. 前記第2誘電体膜上に、更に第3誘電体膜が形成された、請求項4に記載された弾性波共振子。
  6. 前記第1誘電体膜と第2誘電体膜とが同じ材料で形成された、請求項4または5に記載された弾性波共振子。
  7. 前記第1誘電体膜と第2誘電体膜とがSiOで形成された、請求項6に記載された弾性波共振子。
  8. 前記圧電基板がLiNbOまたはLiTaOの圧電単結晶からなる、請求項1ないし7のいずれか1項に記載された弾性波共振子。
  9. 前記IDT電極および前記リフレクタ電極が、それぞれ、1層または複数層の電極層によって構成され、
    前記電極層が、Au、Ag、Cu、Pt、W、Mo、Ta、Ni、Cr、または、これらの合金から選ばれる材料で形成された、請求項1ないし8のいずれか1項に記載された弾性波共振子。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載された弾性波共振子を備えた、弾性波フィルタ。
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