JP2018206703A - 全固体電池用バインダー、電極、固体電解質及び全固体電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 活物質と固体電解質間の密着性を高め、加圧によらず活物質と固体電解質間の界面の電気抵抗が低い全固体電池を提供することを目的とする。【解決手段】 下記一般式(1)で表される化合物(A)を含有する全固体電池用バインダー(B)を用いる。【化1】[式(1)中、Y1及びY2はそれぞれ独立に金属イオンを有するイオン性基で置換されていてもよい炭素数1〜80の有機基である。複数個あるXはそれぞれ独立に酸素原子又はイミノ基である。R1及びR2はジイソシアネート化合物から全てのイソシアネート基を除いた残基である。Zは炭素数1〜20の2価の炭化水素基、又は特定の一般化学式で表される2価の基である。pは0〜20の整数である。pが2以上のときは、複数個のZ及びR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよいが、Zのうち少なくとも1つは一般式(2)又は一般式(3)で表される基である。]【選択図】 なし
Description
本発明は全固体電池用バインダー、これを含有する電極、固体電解質及び全固体電池に関する。
リチウムイオン電池等の非水電解液二次電池は、高電圧及び高エネルギー密度という特徴を持つことから、携帯情報機器分野等において広く利用され、携帯電話及びノート型パソコンを始めとする携帯端末用標準電池としての地位が確立されている。その用途は拡大する一方で、従来用途に加えてハイブリット自動車や電気自動車などの車載用途についても実用化が進んでいる。
しかし、現在市販されている一般的なリチウムイオン電池においては、非水電解液が使用されているため、例えば、短絡時の温度上昇を抑える安全装置の装着、短絡防止のための構造面及び材料面での改善等が必要となる。
かかる背景から、従来の非水電解液に代えて固体電解質を使用する全固体電池に注目が集まってきている。全固体電池は可燃性の有機溶媒を使用しないため、上述したような安全装置等を簡素することができ、非水電解液を使用する従来の電池と比較して、製造コスト及び生産性において優れると考えられている。また、全固体電池は、長寿命化及び大容量化の観点からも大いに期待されている。
かかる背景から、従来の非水電解液に代えて固体電解質を使用する全固体電池に注目が集まってきている。全固体電池は可燃性の有機溶媒を使用しないため、上述したような安全装置等を簡素することができ、非水電解液を使用する従来の電池と比較して、製造コスト及び生産性において優れると考えられている。また、全固体電池は、長寿命化及び大容量化の観点からも大いに期待されている。
しかし、全固体電池は電解質として硬質の固体を使用するため、例えば、活物質と固体電解質間の界面の電気抵抗が高いことが挙げられる。
この課題に対し、固体電解質を高温で焼結する方法(特許文献1)、セルを加圧するジグを利用する方法(特許文献2参照)、固体電解質と電極層の間に高分子固体電解質層を形成する方法(特許文献3参照)などが提案されている。
この課題に対し、固体電解質を高温で焼結する方法(特許文献1)、セルを加圧するジグを利用する方法(特許文献2参照)、固体電解質と電極層の間に高分子固体電解質層を形成する方法(特許文献3参照)などが提案されている。
しかし、上記の技術は、いずれも加圧という手段で活物質と固体電解質間の界面の電気抵抗の上昇を抑えるものであり、物理的な外部の力もしくは手段を用いるため、大容量化や製造工程の数増加の観点で課題がある。
このような状況を鑑み、本発明は活物質と固体電解質間の密着性を高め、加圧によらず活物質と固体電解質間の界面の電気抵抗が低い全固体電池を提供することを目的とする。
このような状況を鑑み、本発明は活物質と固体電解質間の密着性を高め、加圧によらず活物質と固体電解質間の界面の電気抵抗が低い全固体電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される化合物(A)を含有する全固体電池用バインダー(B);このバインダーを含有する全固体電池用電極(C);このバインダーを含有する全固体電池用固体電解質;この電極(C)及び/または固体電解質を有する全固体電池である。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される化合物(A)を含有する全固体電池用バインダー(B);このバインダーを含有する全固体電池用電極(C);このバインダーを含有する全固体電池用固体電解質;この電極(C)及び/または固体電解質を有する全固体電池である。
本発明の全固体電池用バインダーは、活物質と固体電解質間の密着性を高め、加圧によらずとも活物質と固体電解質間の界面の電気抵抗が低い全固体電池を提供することができる。その結果、工程が簡略化でき、また電池モジュールとして加圧のための治具が不要になるので高エネルギー密度化が可能となる効果もある。
本発明の全固体電池用バインダー(B)は、下記の一般式(1)で表される化合物(A)を必須成分として含有することを特徴とする。
[式(1)中、Y1及びY2はそれぞれ独立に金属イオンを有するイオン性基で置換されていてもよい炭素数1〜80の有機基である。複数個あるXはそれぞれ独立に酸素原子又はイミノ基である。R1及びR2はジイソシアネート化合物から全てのイソシアネート基を除いた残基である。Zは炭素数1〜20の2価の炭化水素基、下記一般式(2)で表される2価の基、下記一般式(3)で表される2価の基、又は下記一般式(4)で表される2価の基である。pは0〜20の整数である。pが2以上のときは、複数個のZ及びR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよいが、Zのうち少なくとも1つは一般式(2)で表される基である。]
一般式(1)におけるR1及びR2は、それぞれ独立にジイソシアネート化合物から全てのイソシアネート基を除いた残基である。
R1及びR2を導入するためのジイソシアネート化合物は炭素数4〜20のジイソシアネート化合物であることが電池出力特性の観点から好ましい。
R1及びR2を導入するためのジイソシアネート化合物は炭素数4〜20のジイソシアネート化合物であることが電池出力特性の観点から好ましい。
炭素数4〜20のジイソシアネート化合物としては、炭素数4〜20の鎖状脂肪族ジイソシアネート(エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート及び2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等);炭素数8〜20の脂環式ジイソシアネート(イソホロンジイソシアネート及びジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等);炭素数8〜20の芳香族ジイソシアネート(フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート及びトリレンジイソシアネート等);及び炭素数10〜20の芳香脂肪族ジイソシアネート(キシリレンジイソシアネート等)等が挙げられる。
これらのうち、電池出力特性の観点から好ましいのは炭素数4〜20の鎖状脂肪族ジイソシアネート及び炭素数8〜20の脂環式ジイソシアネートであり、更に好ましいのはヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートである。
これらのうち、電池出力特性の観点から好ましいのは炭素数4〜20の鎖状脂肪族ジイソシアネート及び炭素数8〜20の脂環式ジイソシアネートであり、更に好ましいのはヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートである。
一般式(1)におけるXはそれぞれ独立に酸素原子又はイミノ基である。
一般式(1)におけるZは炭素数1〜20の2価の炭化水素基、又は下記一般式(2)で表される2価の基、下記一般式(3)で表される2価の基、または下記一般式(4)で表される2価の基である。但し、pが2以上のときは、複数個のZ及びR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよいが、一般式(1)中のZのうち少なくとも一つは一般式(2)で表される基である。
[式(2)中、R3、R4及びR5は炭素数1〜4のアルキレン基または直接単結合であり、R6は水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基である。M+は1価の金属イオンであり、A−は−CO2 −又はSO3 −である。]
一般式(2)におけるR3、R4及びR5は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキレン基または直接単結合であり、メチレン基、エチレン基、1,2−又は1,3−プロピレン基及び1,2−、1,3−、1,4−又は2,3−ブチレン基が挙げられる。
R3及びR5はメチレン基が好ましい。
R4は直接単結合が好ましい。
R3及びR5はメチレン基が好ましい。
R4は直接単結合が好ましい。
一般式(2)におけるR6は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基であり、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基及びn−オクチル基等が挙げられ、水素原子、メチル基又はエチル基が好ましい。
一般式(2)中、M+は1価の金属イオンである。M+としては電池出力特性の観点から、リチウムイオン、ナトリウムイオン及びカリウムイオン等のアルカリ金属イオンが好ましく用いられる。
A−は−CO2 −又は−SO3 −であり、−CO2 −が好ましい。
A−は−CO2 −又は−SO3 −であり、−CO2 −が好ましい。
[式(3)中、R7、R8及びR9はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキレン基であり、R10は水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基である。R11は水素原子がヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキレン基であり、R11が複数あるときは同一でも異なっていてもよい。R12は水素原子又は炭素数1〜20の1価のアルキル基である。Dは−CO2−又は−SO3−であり、qは1〜20の整数である。]
一般式(3)におけるR7、R8及びR9は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキレン基であり、メチレン基、エチレン基、1,2−又は1,3−プロピレン基及び1,2−、1,3−、1,4−又は2,3−ブチレン基が挙げられる。
一般式(3)におけるR10は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基である。炭素数1〜8のアルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基及びn−オクチル基等が挙げられる。
一般式(3)におけるR11は、水素原子がヒドロキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキレン基であり、R11が複数含まれる場合はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
炭素数1〜4のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、1,2−又は1,3−プロピレン基及び1,2−、1,3−、1,4−又は2,3−ブチレン基が挙げられる。
炭素数1〜4のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、1,2−又は1,3−プロピレン基及び1,2−、1,3−、1,4−又は2,3−ブチレン基が挙げられる。
一般式(3)におけるR12は、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基である。
炭素数1〜20のアルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基及びドデシル基等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基及びドデシル基等が挙げられる。
式(3)中、Dは−CO2−又は−SO3−である。
一般式(3)におけるqは1〜20の数での数である。
[式(4)中、R13Oは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基であり、複数個あるときは同一でも異なっていてもよい。R14は炭素数2〜4のアルキレン基である。rは0〜20の整数である。]
一般式(4)におけるR13Oは、それぞれ独立に炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、R13Oが複数含まれる場合はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。炭素数2〜4のオキシアルキレン基としてはオキシエチレン基、1,2−又は1,3−オキシプロピレン基及び1,2−、1,3−、1,4−又は2,3−オキシブチレン基が挙げられる。
一般式(4)におけるR14は、炭素数2〜4のアルキレン基であり、エチレン基、1,2−又は1,3−プロピレン基及び1,2−、1,3−、1,4−又は2,3−ブチレン基が挙げられる。
一般式(4)におけるrは、0〜20の数である。
式(1)中のZにおける炭素数1〜20の2価以上の炭化水素基としては、炭素数1〜20の鎖状脂肪族炭化水素基(メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基及びドデシレン基等)、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基(シクロペンチレン基及びシクロヘキシレン基等)、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基(フェニレン基、メチルフェニレン基、ビフェニレン基及びナフチレン基等)及び炭素数7〜20の芳香脂肪族基(ベンジレン基等)等が挙げられる。
式(1)中、Y1及びY2はそれぞれ独立に金属イオンを有するイオン性基で置換されていてもよい炭素数1〜80の有機基である。
Y1及びY2としては下記一般式(5)、(6)、(7)又は(8)で表される基であることが好ましい。
Y1及びY2としては下記一般式(5)、(6)、(7)又は(8)で表される基であることが好ましい。
[式(5)中、R15Oは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基であり、複数あるときは同一でも異なっていてもよい。R16は炭素数1〜4のアルキレン基であり、wは0〜20の整数であり;M+は1価の金属イオンであり;A−は−CO2 −又は−SO3 −である。]
[式(6)中、R17Oは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基であり、複数ある場合は同一でも異なっていてもよい。R18は炭素数1〜4のアルキレン基である。R19は水素原子がヘテロ原子を含む官能基により置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基又は水素原子である。xは0〜20の整数である。]
[式(7)中、R20Oは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基であり、複数ある場合は同一でも異なっていてもよい。R21は炭素数1〜4のアルキレン基であり;yは0〜20の数である。]
[式(8)中、R22Oは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基であり、複数ある場合は同一でも異なっていてもよい。R23は水素原子がフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、水素原子はアセチル基又であり;zは0〜20の整数である。]
式(5)〜(8)中、R15O、R17O、R20O及びR22Oはそれぞれ独立に炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、複数含まれる場合はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。炭素数2〜4のオキシアルキレン基としてはオキシエチレン基、1,2−又は1,3−オキシプロピレン基及び1,2−、1,3−、1,4−又は2,3−オキシブチレン基が挙げられる。
式(5)〜(7)中、R16、R18及びR21は炭素数1〜4のアルキレン基である。炭素数1〜4のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、1,2−又は1,3−プロピレン基及び1,2−、1,3−、1,4−又は2,3−ブチレン基が挙げられる。
一般式(5)中、M+は1価の金属イオンである。M+としては電池出力特性の観点から、リチウムイオン、ナトリウムイオン及びカリウムイオン等のアルカリ金属イオンが好ましく用いられる。
A−は−CO2 −又は−SO3 −である。
A−は−CO2 −又は−SO3 −である。
一般式(6)中、R19は、水素原子がヘテロ原子を含む官能基により置換されていてもよい炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は水素原子である。
炭素数1〜20の炭化水素基としては、炭素数1〜20の鎖状脂肪族炭化水素基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基及びドデシル基等);炭素数3〜20の脂環式炭化水素基(シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等);炭素数6〜20の芳香族炭化水素基(フェニル基、メチルフェニル基、ビフェニル基及びナフチル基等);及び炭素数7〜20の芳香脂肪族基(ベンジル基等)等が挙げられる。これらのうち電池の充放電サイクル特性の観点から水素原子及び炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基が好ましく用いられる。
なお、ヘテロ原子を含む官能基としては、アミノ基、アルキルアミノ基(メチルアミノ基及びエチルアミノ基等)、ジアルキルアミノ基(ジメチルアミノ基及びジエチルアミノ基等)及びアルキルチオ基(メチルチオ基等)等が挙げられる。
炭素数1〜20の炭化水素基としては、炭素数1〜20の鎖状脂肪族炭化水素基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基及びドデシル基等);炭素数3〜20の脂環式炭化水素基(シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等);炭素数6〜20の芳香族炭化水素基(フェニル基、メチルフェニル基、ビフェニル基及びナフチル基等);及び炭素数7〜20の芳香脂肪族基(ベンジル基等)等が挙げられる。これらのうち電池の充放電サイクル特性の観点から水素原子及び炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基が好ましく用いられる。
なお、ヘテロ原子を含む官能基としては、アミノ基、アルキルアミノ基(メチルアミノ基及びエチルアミノ基等)、ジアルキルアミノ基(ジメチルアミノ基及びジエチルアミノ基等)及びアルキルチオ基(メチルチオ基等)等が挙げられる。
一般式(8)中、R23は、水素原子がフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜20の1価のアルキル基、水素原子又はアセチル基である。
水素原子がフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜20の1価のアルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基及びn−デシル基等のアルキル基並びに前記アルキル基のフッ素置換体(トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基及び2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基等)が挙げられる。
水素原子がフッ素原子により置換されていてもよい炭素数1〜20の1価のアルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、1−メチルプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基及びn−デシル基等のアルキル基並びに前記アルキル基のフッ素置換体(トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基及び2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基等)が挙げられる。
式(5)中のw、式(6)中のx、式(7)中のz、及び式(8)中のyは、それぞれ独立に0〜20の整数である。
一般式(1)中のZが、親水基として、一般式(2)中の「A− M+」、一般式(3)中の「R11−O」又は一般式(4)中の「R13−O」を有することで、化合物(A)を使用した全固体電池は電池出力特性が向上する。
一般式(1)中のpは0〜20の整数であり、pが2以上で複数あるときのZ及びR2はそれぞれ同一でも異なっていてもよいが、Zのうち少なくとも1つは一般式(2)または一般式(3)で表される基である。
本発明の化合物(A)のうち、pが21以上の場合は電池出力特性の観点で望ましくない。電極の結着力および電池出力特性の観点から特に好ましいのは、pが1である。
本発明の化合物(A)のうち、pが21以上の場合は電池出力特性の観点で望ましくない。電極の結着力および電池出力特性の観点から特に好ましいのは、pが1である。
一般式(1)中のY1及びY2は、前述したようにそれぞれ独立に金属イオンを有するイオン性基で置換されていてもよい炭素数1〜80の有機基である。
これらのY1及びY2の具体例としては、2−ヒドロキシエタンスルホン酸リチウムから水酸基を除いた残基、2−ヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウムから水酸基を除いた残基、乳酸リチウムから水酸基を除いた残基、乳酸ナトリウムから水酸基を除いた残基、2−プロピニル基、2−シアノエチル基であり、R1がイソホロンジイソシアネートから全てのイソシアネート基を除いた残基、ヘキサメチレンジイソシアネートから全てのイソシアネート基を除いた残基が挙げられる。
これらのY1及びY2の具体例としては、2−ヒドロキシエタンスルホン酸リチウムから水酸基を除いた残基、2−ヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウムから水酸基を除いた残基、乳酸リチウムから水酸基を除いた残基、乳酸ナトリウムから水酸基を除いた残基、2−プロピニル基、2−シアノエチル基であり、R1がイソホロンジイソシアネートから全てのイソシアネート基を除いた残基、ヘキサメチレンジイソシアネートから全てのイソシアネート基を除いた残基が挙げられる。
化合物(A)は、R1又はR2の両末端にイソシアネート基が結合したジイソシアネー ト化合物(a)と、Zの両末端にヒドロキシル基又はアミノ基が結合した化合物(b)並びにY1及びY2の末端にヒドロキシル基又はアミノ基が結合した化合物(c)を反応させることにより得ることができる。
なお、化合物(b)は一般式(2)又は一般式(3)で表される基の両末端にヒドロキシル基又はアミノ基が結合した化合物(b1)を必須成分として含有する。
Z、Y1及びY2の末端にヒドロキシル基が結合した化合物(c)を選択した場合は、対応するXが酸素原子となり、Z、Y1及びY2の末端にアミノ基が結合した化合物を選択した場合は対応するXがイミノ基となる。
なお、化合物(b)は一般式(2)又は一般式(3)で表される基の両末端にヒドロキシル基又はアミノ基が結合した化合物(b1)を必須成分として含有する。
Z、Y1及びY2の末端にヒドロキシル基が結合した化合物(c)を選択した場合は、対応するXが酸素原子となり、Z、Y1及びY2の末端にアミノ基が結合した化合物を選択した場合は対応するXがイミノ基となる。
本発明の全固体電池用バインダー(B)は、化合物(A)を必須成分として含有するが、従来用いられている電池のバインダー(ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、SBR、ポリエチレン及びポリプロピレン等)を含有することができる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらの他の化合物の含有量は、全固体電池用電極(C)の重量を基準として、0〜20重量%であることが好ましい。
これらの他の化合物の含有量は、全固体電池用電極(C)の重量を基準として、0〜20重量%であることが好ましい。
本発明の電極は、本発明の全固体電池用バインダー(B)を含む。すなわち、全固体電池用バインダー(B)によって、活物質、導電助剤、全固体電池に使用されるその他の一般的な添加剤、及び必要により固体電解質を固めるために用いられる。
活物質としては遷移金属酸化物(コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、Ni−Co−Mn系活物質及びNi−Co−Al系活物質等)、炭素系活物質(天然黒鉛及び人造黒鉛等)及びシリコン系活物質(シリコン−リチウム合金及びSiO等)等が挙げられる。
導電助剤としてはカーボンブラック類(カーボンブラック、アセチレンブラック、ケチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック及びサーマルブラック等)、金属粉末(アルミニウム粉及びニッケル粉等)及び導電性金属酸化物(酸化亜鉛及び酸化チタン等)等が挙げられる。
本発明の電極に用いられるその他の添加剤としては、過充電防止剤、脱水剤、容量安定化剤などが挙げられる。
添加剤としては、過充電防止剤として、ビフェニル、アルキルビフェニル、ターフェニル、ターフェニルの部分水素化体、シクロヘキシルベンゼン、t−ブチルベンゼン及びt−アミルベンゼン等の芳香族化合物等が挙げられる。脱水剤として、ゼオライト、シリカゲル及び酸化カルシウム等が挙げられる。容量安定化剤として、フルオロエチレンカーボネート、無水コハク酸、1−メチル−2−ピペリドン、ヘプタン及びフルオロベンゼン等が挙げられる。
添加剤としては、過充電防止剤として、ビフェニル、アルキルビフェニル、ターフェニル、ターフェニルの部分水素化体、シクロヘキシルベンゼン、t−ブチルベンゼン及びt−アミルベンゼン等の芳香族化合物等が挙げられる。脱水剤として、ゼオライト、シリカゲル及び酸化カルシウム等が挙げられる。容量安定化剤として、フルオロエチレンカーボネート、無水コハク酸、1−メチル−2−ピペリドン、ヘプタン及びフルオロベンゼン等が挙げられる。
一般的な固体電解質としては、無機固体電解質と高分子固体電解質が挙げられる。
無機固体電解質として酸化物系固体電解質又は硫化物系固体電解質を挙げることができる。酸化物系固体電解質として、Li7La3Zr2O12、Li0.33La0.55TiO3などが挙げられる。また、硫化物系固体電解質としてLi2S−P2S5、Li2S−GeS2−Ga2S3、Li2S−GeS2−P2S5、Li2S−SiS2−P2S5、Li2S−SiS2−Li4SiO4、Li2S−SiS2−Li3PO4などが挙げられる。
高分子固体電解質としてとしてポリエチレンオキサイド系ポリマー、ポリプロピレンオキサイド系ポリマー、ポリエチレンイミン系ポリマー、ポリアルキレンサルファイド系ポリマー及びポリビニルピロリドン系ポリマー等を用いることができる。
本発明の全固体電池用電極における本発明の全固体電池用バインダー(B)の含有量は、電池出力特性の観点から、活物質及び固体電解質の合計重量に基づいて、好ましくは0.01〜20重量%、更に好ましくは0.05〜10重量%である。
活物質の含有量は、電池容量の観点から、活物質及び固体電解質の合計重量に基づいて、好ましくは30〜100重量%、更に好ましくは40〜98重量%である。
固体電解質の含有量は、電池容量の観点から、活物質及び固体電解質の合計重量に基づいて、好ましくは0〜70重量%、更に好ましくは2〜60重量%である。
導電助剤の含有量は、電池出力の観点から、活物質及び固体電解質の合計重量に基づいて、好ましくは0〜29重量%、更に好ましくは1〜10重量%である。
活物質の含有量は、電池容量の観点から、活物質及び固体電解質の合計重量に基づいて、好ましくは30〜100重量%、更に好ましくは40〜98重量%である。
固体電解質の含有量は、電池容量の観点から、活物質及び固体電解質の合計重量に基づいて、好ましくは0〜70重量%、更に好ましくは2〜60重量%である。
導電助剤の含有量は、電池出力の観点から、活物質及び固体電解質の合計重量に基づいて、好ましくは0〜29重量%、更に好ましくは1〜10重量%である。
本発明の電極は、本発明の全固体電池用バインダー(B)、活物質、固体電解質及び必要に応じて導電助剤を溶媒に分散させて、スラリーを調製し、前記スラリーを集電体上に塗工して溶媒を乾燥させることで得ることができる。また、粉体を混合、塗布し、加圧プレスすることでも得られる。
溶媒としては、水、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)及びジメチルホルムアミド(DMF)等が挙げられる。全固体電池用バインダー(B)、活物質、結着剤、導電助剤及び溶媒は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明の全固体電池用電解質は、本発明の全固体電池用バインダー(B)により、上述の無機固体電解質、高分子電解質の粉末を固めたものである。
本発明の全固体電池は、本発明の電極を有している。本発明の全固体電池は、正極、負極、固体電解質必要に応じセパレータを電池外装材に収納することで得られる。
セパレータとしては、ポリエチレン又はポリプロピレン製フィルムの微多孔膜、多孔性のポリエチレンフィルムとポリプロピレンとの多層フィルム、ポリエステル繊維、アラミド繊維及びガラス繊維等からなる不織布並びにこれらの表面にシリカ、アルミナ及びチタニア等のセラミック微粒子を付着させたもの等が挙げられる。
電池外装材としては、電池缶またはアルミニウムなどから成るラミネートフィルムを用いることができる。電池缶にはステンレススチール、鉄、アルミニウム及びニッケルメッキスチール等の金属材料を用いることができるが、電池用途に応じてプラスチック材料を用いることもできる。また電池缶は、用途に応じて円筒型、コイン型、角型又はその他任意の形状にすることができる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
<製造例1>
温度計、加熱冷却装置、撹拌機及び滴下ボンベを備えた。耐圧反応容器に、イセチオン酸リチウム132部及び水酸化カリウム1.3部を投入し、窒素置換後密閉し100℃に昇温したあと0.5kPaまで減圧し1時間攪拌した。ついで150℃まで昇温し、圧力が0.5MPaG以下になるように調整しながらエチレンオキサイド220部を5時間かけて滴下後同温度で3時間熟成し、イセチオン酸リチウムのエチレンオキサイド5モル付加物を得た。
温度計、加熱冷却装置、撹拌機及び滴下ボンベを備えた。耐圧反応容器に、イセチオン酸リチウム132部及び水酸化カリウム1.3部を投入し、窒素置換後密閉し100℃に昇温したあと0.5kPaまで減圧し1時間攪拌した。ついで150℃まで昇温し、圧力が0.5MPaG以下になるように調整しながらエチレンオキサイド220部を5時間かけて滴下後同温度で3時間熟成し、イセチオン酸リチウムのエチレンオキサイド5モル付加物を得た。
<実施例1>
撹拌機、温度計及び冷却管を取り付けたフラスコに、2,2−ジメチロールプロピオン酸リチウム5.6部、イソホロンジイソシアネート17.8部、イセチオン酸リチウム10.6部、ジメチルホルムアミド(DMF)200部及びトリス(2−エチルヘキサン酸)ビスマス0.2部仕込み80℃で8時間加熱した。その後、DMFを減圧(1.3kPa)下に留去し、下記化学式で示される数平均分子量849の化合物(A−1)30.5部を得た。
化合物(A−1)を全固体電池用バインダー(B−1)とした。
撹拌機、温度計及び冷却管を取り付けたフラスコに、2,2−ジメチロールプロピオン酸リチウム5.6部、イソホロンジイソシアネート17.8部、イセチオン酸リチウム10.6部、ジメチルホルムアミド(DMF)200部及びトリス(2−エチルヘキサン酸)ビスマス0.2部仕込み80℃で8時間加熱した。その後、DMFを減圧(1.3kPa)下に留去し、下記化学式で示される数平均分子量849の化合物(A−1)30.5部を得た。
化合物(A−1)を全固体電池用バインダー(B−1)とした。
<実施例2>
実施例1においてイセチオン酸リチウム10.6部をプロパルギルアルコール4.5部に変更した以外は同様にして行い、下記化学式で示される数平均分子量697の化合物(A−2)25.3部を得た。化合物(A−2)を全固体電池用バインダー(B−2)とした。
実施例1においてイセチオン酸リチウム10.6部をプロパルギルアルコール4.5部に変更した以外は同様にして行い、下記化学式で示される数平均分子量697の化合物(A−2)25.3部を得た。化合物(A−2)を全固体電池用バインダー(B−2)とした。
<実施例3>
実施例1においてイセチオン酸リチウム10.6部をエチレンシアノヒドリン6.3部に変更した以外は同様にして行い、下記化学式で示される数平均分子量741の化合物(A−3)23.1部を得た。化合物(A−3)を全固体電池用バインダー(B−3)とした。
実施例1においてイセチオン酸リチウム10.6部をエチレンシアノヒドリン6.3部に変更した以外は同様にして行い、下記化学式で示される数平均分子量741の化合物(A−3)23.1部を得た。化合物(A−3)を全固体電池用バインダー(B−3)とした。
<実施例4>
実施例1においてイセチオン酸リチウム10.6部を乳酸リチウム7.7部に変更した以外は同様にして行い、下記化学式で示される数平均分子量777の化合物(A−4)28.1部を得た。化合物(A−4)を全固体電池用バインダー(B−4)とした。
実施例1においてイセチオン酸リチウム10.6部を乳酸リチウム7.7部に変更した以外は同様にして行い、下記化学式で示される数平均分子量777の化合物(A−4)28.1部を得た。化合物(A−4)を全固体電池用バインダー(B−4)とした。
<実施例5>
実施例1においてイセチオン酸リチウム10.6部を、2−(2−(2−(2−プロピン−1−オキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール15.0部に変更した以外は同様にして行い、下記化学で示される数平均分子量961の化合物(A−5)34.2部を得た。化合物(A−5)を全固体電池用バインダー(B−5)とした。
実施例1においてイセチオン酸リチウム10.6部を、2−(2−(2−(2−プロピン−1−オキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール15.0部に変更した以外は同様にして行い、下記化学で示される数平均分子量961の化合物(A−5)34.2部を得た。化合物(A−5)を全固体電池用バインダー(B−5)とした。
<実施例6>
実施例1においてイセチオン酸リチウム10.6部を、製造例1で製造したイセチオン酸リチウムのエチレンオキサイド5モル付加物40.0部に変更した以外は同様にして行い、下記化学式で示される数平均分子量1289の化合物(A−6)32.8部を得た。化合物(A−6)を全固体電池用バインダー(B−6)とした。
実施例1においてイセチオン酸リチウム10.6部を、製造例1で製造したイセチオン酸リチウムのエチレンオキサイド5モル付加物40.0部に変更した以外は同様にして行い、下記化学式で示される数平均分子量1289の化合物(A−6)32.8部を得た。化合物(A−6)を全固体電池用バインダー(B−6)とした。
<比較例1>
撹拌機、温度計及び冷却管を取り付けたフラスコに、ブタノール4.5部、シクロヘキシルイソシアネート7.3部、トルエン200部及びトリス(2−エチルヘキサン酸)ビスマス0.1部仕込み80℃で8時間加熱した。トルエンを減圧(1.3kPa)下に除去し、下記化学式で示される化合物(A’−1)11.1部を得た。化合物(A’−1)はウレタン基を1個しか有しない点で本発明の一般式(1)を満足せず、比較用の全固体電池用バインダー(B’−1)とした。
撹拌機、温度計及び冷却管を取り付けたフラスコに、ブタノール4.5部、シクロヘキシルイソシアネート7.3部、トルエン200部及びトリス(2−エチルヘキサン酸)ビスマス0.1部仕込み80℃で8時間加熱した。トルエンを減圧(1.3kPa)下に除去し、下記化学式で示される化合物(A’−1)11.1部を得た。化合物(A’−1)はウレタン基を1個しか有しない点で本発明の一般式(1)を満足せず、比較用の全固体電池用バインダー(B’−1)とした。
[数平均分子量の測定方法]
本発明における数平均分子量は、メタノールを溶剤として用い、ポリオキシプロピレングリコールを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される。サンプル濃度は0.25重量%、カラム固定相はTSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000(いずれも東ソー株式会社製)を各1本連結したもの、カラム温度は40℃とすればよい。
本発明における数平均分子量は、メタノールを溶剤として用い、ポリオキシプロピレングリコールを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される。サンプル濃度は0.25重量%、カラム固定相はTSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000(いずれも東ソー株式会社製)を各1本連結したもの、カラム温度は40℃とすればよい。
<性能評価用の正電極の作製>
LiCoO2粉末100.0部、ケチェンブラック[シグマアルドリッチ(株)製]5部、無機固体電解質Li0.33La0.55TiO3[(株)豊島製作所製)]75.0部、ポリフッ化ビニリデン[シグマアルドリッチ(株)製]5部及び表1に示した部数の全固体電池用バインダー(B−1)〜(B−6)と(B’−1)を乳鉢で充分に混合した後、1−メチル−2−ピロリドン[東京化成工業(株)製]270.0部を添加し、更に乳鉢で充分に混合してスラリーを得た。
得られたスラリーを、ワイヤーバーを用いて厚さ20μmのアルミニウム電解箔上の片面に塗布し、80℃で1時間乾燥させた後、更に減圧下(1.3kPa)、80℃で2時間乾燥して1−メチル−2−ピロリドンを除去し、15.95mmφに打ち抜き、表1記載の評価用正極(C−1)〜(C−7)及び比較用正極(C’−1)を作製した。
LiCoO2粉末100.0部、ケチェンブラック[シグマアルドリッチ(株)製]5部、無機固体電解質Li0.33La0.55TiO3[(株)豊島製作所製)]75.0部、ポリフッ化ビニリデン[シグマアルドリッチ(株)製]5部及び表1に示した部数の全固体電池用バインダー(B−1)〜(B−6)と(B’−1)を乳鉢で充分に混合した後、1−メチル−2−ピロリドン[東京化成工業(株)製]270.0部を添加し、更に乳鉢で充分に混合してスラリーを得た。
得られたスラリーを、ワイヤーバーを用いて厚さ20μmのアルミニウム電解箔上の片面に塗布し、80℃で1時間乾燥させた後、更に減圧下(1.3kPa)、80℃で2時間乾燥して1−メチル−2−ピロリドンを除去し、15.95mmφに打ち抜き、表1記載の評価用正極(C−1)〜(C−7)及び比較用正極(C’−1)を作製した。
<結着性の評価>
上記で作製した全固体電池用正極に粘着テープを貼り、600mm/分で引き剥がした際の、引き剥がした粘着テープの面積(S2)に対する剥離しなかったシート部分の面積(S1)の比率で評価した。
粘着力(%)=(S1)/(S2)×100
上記で作製した全固体電池用正極に粘着テープを貼り、600mm/分で引き剥がした際の、引き剥がした粘着テープの面積(S2)に対する剥離しなかったシート部分の面積(S1)の比率で評価した。
粘着力(%)=(S1)/(S2)×100
下記の基準で判定した。その結果を表1に示す。
A:100%
B:95%以上100%未満
C:80%以上95%未満
D:50%以上80%未満
E:50%未満
A:100%
B:95%以上100%未満
C:80%以上95%未満
D:50%以上80%未満
E:50%未満
<評価固体電極用の負極の作製>
平均粒子径約8〜12μmの黒鉛粉末100.0部、無機固体電解質Li0.33La0.55TiO3[(株)豊島製作所製)]75.0部、ポリフッ化ビニリデン7.5部、1−メチル−2−ピロリドン[東京化成工業(株)製]270部を乳鉢で充分に混合しスラリーを得た。得られたスラリーを、ワイヤーバーを用いて厚さ20μmの銅箔の片面に塗布し、80℃で1時間乾燥させた後、更に減圧下(1.3kPa)、80℃で2時間乾燥して1−メチル−2−ピロリドンを除去した。
さらに、負極上に固体電解質層を形成するために無機固体電解質Li0.33La0.55TiO3[(株)豊島製作所製)]を乗せ、1ton/cm2の圧力でプレスし、固体電解質層の膜厚100μmとなるよう調製した。得られた固体電解質層を設置した負極を16.15mmφに打ち抜き、プレス機で厚さ30μmにして負極を作製した。
平均粒子径約8〜12μmの黒鉛粉末100.0部、無機固体電解質Li0.33La0.55TiO3[(株)豊島製作所製)]75.0部、ポリフッ化ビニリデン7.5部、1−メチル−2−ピロリドン[東京化成工業(株)製]270部を乳鉢で充分に混合しスラリーを得た。得られたスラリーを、ワイヤーバーを用いて厚さ20μmの銅箔の片面に塗布し、80℃で1時間乾燥させた後、更に減圧下(1.3kPa)、80℃で2時間乾燥して1−メチル−2−ピロリドンを除去した。
さらに、負極上に固体電解質層を形成するために無機固体電解質Li0.33La0.55TiO3[(株)豊島製作所製)]を乗せ、1ton/cm2の圧力でプレスし、固体電解質層の膜厚100μmとなるよう調製した。得られた固体電解質層を設置した負極を16.15mmφに打ち抜き、プレス機で厚さ30μmにして負極を作製した。
<評価用全固体電池の作製>
2032型コインセル内の両端に、実施例1〜7及び比較例1の正極及び上記で作成した負極をそれぞれの塗布面が向き合うように配置して、評価用全固体電池を作製した。
得られた評価用全固体電池について、以下の方法で全固体電池の出力特性を評価した。
2032型コインセル内の両端に、実施例1〜7及び比較例1の正極及び上記で作成した負極をそれぞれの塗布面が向き合うように配置して、評価用全固体電池を作製した。
得られた評価用全固体電池について、以下の方法で全固体電池の出力特性を評価した。
<全固体電池の出力特性の評価>
充放電測定装置「バッテリーアナライザー1470型」[東陽テクニカ(株)製]を用いて、室温で、0.1Cの電流で電圧4.3Vまで充電し、10分間の休止後、0.1Cの電流で電圧を3.0Vまで放電し、0.1Cでの放電容量を測定した。
次に0.1Cの電流で電圧4.3Vまで充電し、10分間の休止後、1Cの電流で電圧を3.0Vまで放電し、1Cでの放電容量(以下1C放電容量と記載)を測定し、下記式から1C放電時の容量維持率を算出した。
1C放電時の容量維持率(%)=(1Cでの放電容量/0.1でのC放電容量)×100
1C放電時の容量維持率の数値が大きい程、電池出力特性が良好であることを示すので、この1C放電時の容量維持率(%)を、電池出力特性(%)として表2に示した。
充放電測定装置「バッテリーアナライザー1470型」[東陽テクニカ(株)製]を用いて、室温で、0.1Cの電流で電圧4.3Vまで充電し、10分間の休止後、0.1Cの電流で電圧を3.0Vまで放電し、0.1Cでの放電容量を測定した。
次に0.1Cの電流で電圧4.3Vまで充電し、10分間の休止後、1Cの電流で電圧を3.0Vまで放電し、1Cでの放電容量(以下1C放電容量と記載)を測定し、下記式から1C放電時の容量維持率を算出した。
1C放電時の容量維持率(%)=(1Cでの放電容量/0.1でのC放電容量)×100
1C放電時の容量維持率の数値が大きい程、電池出力特性が良好であることを示すので、この1C放電時の容量維持率(%)を、電池出力特性(%)として表2に示した。
本発明の実施例1〜7の正極(C−1)〜(C−7)の結着力はいずれも95%以上で優れている一方、ウレタン基を1個しか含有しない点で一般式(1)を満足しない化合物(A’−1)を用いた比較例1の正極(C’−1)の結着力は不良である。
また、実施例8〜14の全固体電池(D−1)〜(D−7)の出力特性はいずれも90%以上で優れているが、化合物(A’−1)を用いた比較例2の全固体電池(D’−1)の出力特性は不良である。
また、実施例8〜14の全固体電池(D−1)〜(D−7)の出力特性はいずれも90%以上で優れているが、化合物(A’−1)を用いた比較例2の全固体電池(D’−1)の出力特性は不良である。
本発明の全固体電池用バインダー(B)を使用した電極(C)および固体電解質は、全固体電池等の電気化学デバイスに有用であり、活物質と固体電解質間の界面の電気抵抗が低いため特に電気自動車用リチウムイオン電池に好適である。
Claims (6)
- 下記一般式(1)で表される化合物(A)を含有する全固体電池用バインダー(B)。
- Y1及びY2が、それぞれ独立に、一般式(5)、(6)、(7)、(8)又は(9)で表される基である請求項1に記載のバインダー。
- 請求項1又は2に記載のバインダーを含有する全固体電池用電極(C)。
- 請求項1又は2に記載のバインダーを含有する全固体電池用固体電解質。
- 請求項3に記載の電極(C)を有する全固体電池。
- 請求項4に記載の固体電解質を有する全固体電池。
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WO2020138216A1 (ja) * | 2018-12-26 | 2020-07-02 | 富士フイルム株式会社 | 固体電解質組成物、全固体二次電池用シート及び全固体二次電池、並びに、全固体二次電池用シート若しくは全固体二次電池の製造方法 |
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